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48回国会衆議院1965/04/21

商工委員会 第29号

発言数
97
登壇者
12
会派数
2
開催日
1965/04/21

会議録

内田常雄自由民主党

○内田委員長 これより会議を開きます。  内閣提出の小規模企業共済法案を議題とし、質疑の通告がありますので、これを許可いたします。滝井義高君。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 小規模企業共済法について少し質問させていただきたいと思いますが、労働省と厚生省とを呼んでおりますので、両大臣に来ていただいて、同時に通産大臣にも来てもらって、少し根本的なところを質問したいと思います。  その前に、前準備として、質問の基礎となるところをお尋ねしておきたいのですが、それは、まず第一に、この法案の二条における「小規模企業者」というものの数ですが、二十人以下の個人の数、それから二十人以下の役員の数というものが一体どの程度おるのか。それから五人以下の個人と五人以下の役員の数ですが、これをまずお教え願っておきたいと思います。

中野正一中小企業庁長官

○中野政府委員 申し上げます。この法律でいっております小規模企業者すなわち鉱工業、運送業その他の業種におきましては従業員二十人以下、商業、サービス業は従業員が五人以下でございますが、事業所の数が三百万でございます。そのうちで個人が二百五十八万五千、法人が四十二万でございます。これは法人の役員の数でなくて法人でいっておりますから、それに役員は一社当たり何ぼということで大体の数は出るわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 当然こういう事業団をつくって保険類似の制度をおやりになろうとすれば、計数というのが、今後この事業の発展の見通しを立てる上に非常に重要な役割りを演ずることになるわけです。したがって個人の二百八十五万五千と法人の四十二万の中に、どの程度の役員がおり——個人の中にも役員がおるわけですが、その数というものを把握する必要があると思うのです。すなわち共済事業をやる上に、その対象者というものを一体どの程度に見ておるのか。

中野正一中小企業庁長官

○中野政府委員 私のほうの調査で、数字的にちょっと矛盾があるようなところがあるのでありますが、われわれのほうで小規模企業者の会社の役員の数を調べますと約四十万になるわけです。事業所の数は四十二万でございますから、役員の数より法人の数のほうがちょっと多いという結果が一応この調査では出ております。これは総理府の事業所統計調査報告から抽出したものでありますが、これは事業所単位の統計でありますために、一法人で数事業所を持っておるというようなこともあるだろうと思いますが、大体法人の数と役員の数が同じ程度になっております。  それから、この法律で個人事業主というのは、事業主個人ですね、おやじさんといいますか主人、それだけを対象にいたしております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、大体この法律の対象者となる数は、個人が二百五十万と法人並びにその役員を合わせて八十二万、三百三、四十万というところですね。

中野正一中小企業庁長官

○中野政府委員 ちょっと私の説明が不十分だったかと思いますが、役員の数は四十万というふうに私のほうの調査では出ております。それから個人が二百五十八万でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、法人には、御存じのとおり法人を経営する社長とか理事長とかいう者がおるわけですが、これも役員に入れて四十万と、こうおっしゃるわけですか。そうしますと約三百万が対象だということですね。——わかりました。そうしますとこの三百万人の対象者の中に、労働省所管の中小企業退職金共済法の対象、いわゆる加入をしておる人は一体どの程度おるかということです。

中野正一中小企業庁長官

○中野政府委員 その調査はわれわれのほうでちょっといまわかりませんので……。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 それなら、これはおよそは労働省が把握しておると思いますから、労働省が来てからお尋ねをさしていただきます。  そうしますと、この三条の四項をごらんになると、「現に共済契約者である小規模企業者は、新たな共済契約を締結することができない。」というのは、この条項の意味は、これは法律が成立した後に二重にダブることができないという意味ですか。

中野正一中小企業庁長官

○中野政府委員 いまおっしゃるとおり、この制度でダブらせないようにということでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 この七条二項の一号「共済契約者が通商産業省令で定める一定の月分以上について掛金の納付を怠ったとき。」には解除することになるのですね。一体この省令で何カ月分以上を納めなかったときには解除されることになるのですか。

中野正一中小企業庁長官

○中野政府委員 引き続き十二カ月程度を考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、一年以上納めなかったらそれは解除をされる。その場合に、過去の掛け金がたとえば三年とか四年とかかけておったときには、その掛け金はどうなるのですか。

中野正一中小企業庁長官

○中野政府委員 その場合は解約ということになりますので、解約の手続に従って、年数によって返す金が変わってまいりますから、政令できめることになっております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そこらが大事なところなんですね。実はこの法律を読んだときのたてまえは、中小企業者が経済的な変動を受けて倒産したりその他非常に危機に直面をしたときに助けてくれる法律だと初め思っておったわけですが、だんだん読んでみると、労働省の中小企業退職金共済法とちっとも変わらぬわけです。それより内容的にはよくない法律です。ところがいまのように非常に経済の変動を受けやすい微妙な脆弱な肉体を持っておる中小企業者が何かの拍子で一年間納めなかったということになれば——悪意で納めなければこれは別です。しかし、経済的に見て納め得ないという状態は破産と同じ状態なんですね。それが一挙に解約をされて、過去に納めておった金は幾らもらうのかということもはっきりしないということではいかぬと思うのです。やはりこの際法律を通すときに、——たとえば掛け金をかけ始めて一年以下のときにかけなかったというときなら、これはやむを得ないと思う。しかし四年も五年も継続してかけておって、たまたま一年ぐらいどうにもならぬでかけなかったということで、過去のものが一体どの程度返ってくるかということがわからぬのでは困ると思うのです。その基準はやはりこの法律が通過する前に示してもらわなければいかぬと思うのです。

長田正夫通商産業事務官(中小企業庁計画部振興課長)

○長田説明員 いまの解約の場合にどのくらいの金がもらえるかというのは、この法律の第十二条の第四項に規定がございます。「解約手当金の額は、掛金区分ごとに、その区分に係る納付に係る掛金の合計額に、百分の八十を下らず、かつ、百分の百をこえない範囲内において政令で定める割合を乗じて得た金額の合計額とする。」というふうになってございまして、それは年数に応じまして、大体政令できめられます内容は、十年未満の場合百分の八十、それから十年から二十年までは九十、それから二十年以上は一〇〇%、かように一応いまのところ考えております。もう一つ、直ちに解約になるということではなくして、その場合に一応延納を認めることができるというふうになっております。支払いが不能になったような場合にはできるだけ延納を認めていくということを措置としては考えております。第二十条に「災害その他やむを得ない事由により掛金を納付すべき者が掛金をその納付期限までに納付することができないと認めるときは、その納付期限を延長することができる。」というふうになっておりまして、できるだけそういったような実情に即しまして延納を認めていく。それから、ただ掛け金を長い期間にわたって滞るといったような場合には、できるだけ督促を何べんもやりまして、直ちにいきなり解約するというのじゃなしに、できるだけ督促をいたします。そしてその事情をできるだけ調べました上で、こういったような延納の措置を認められるものについては延納の措置を認める、かように考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 第一点の、十年未満のものについては政令として百分の八十、十年から二十年までは百分の九十、二十年以上は一〇〇%、そうすると、問題は十年以下ですね。一体、解約手当金ですか、これを出す場合は、一年以下のときには全然何ももらえぬわけですからね。そうすると、一年以上十年未満については八割くれるということになるのですか。

長田正夫通商産業事務官(中小企業庁計画部振興課長)

○長田説明員 さようでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 わかりました。そうしますと今度は、延納が出ましたから延納のことを先に尋ねますが、災害その他やむを得ざる事情という、やむを得ざる事情というものは、一体どういう条件のときにやむを得ざる事情になるのかということですね、延納を認めるというとき……。

長田正夫通商産業事務官(中小企業庁計画部振興課長)

○長田説明員 その契約者が支払いが困難になった場合ということでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 いまのが答弁ですか。支払い困難、そういう抽象的なことでは、中小企業者が金を払わぬというときには——わざわざこういう共済事業団に入るわけですからね、契約するわけですから、そのときに、これは自分の掛け金がいわば利子がたいしてつかぬで返ってくることになるわけです。だから支払いが困難になったときというが、故意に払わぬということはない。支払い困難というのは何かそこに基準がないと困るわけです。一方的に事業団のほうが、これはおまえは支払い困難ではないという認定をされたらどうにもならぬことになるのですね。だからその点については、解約されるというのは非常に不名誉なことなんだから、災害その他やむを得ざる事情、こう書くからには、何か災害に匹敵するものがそこに出てこなければいかぬわけです。だから、災害に匹敵する場合とはどういう場合かという条件が出てきておらぬと、災害というものを例示しておるからには、その他やむを得ざる場合ということをおよそもう二つ三つくらいはいってもらわぬと、ものさしにならぬわけです。

中野正一中小企業庁長官

○中野政府委員 いま先生が御指摘になったように、災害その他やむを得ない理由というのでございますから、単に中小企業者が営業の成績が悪くなって納められなくなったというような場合は、ちょっと入りにくいというふうに考えます。たとえば火災であるとか、そういったような客観的な不測な事態といいますか、これは問題なく入るわけであります。ただこれは国の機関としての事業団の運用でございますので、そういう点につきましては中小企業者の立場から見て不利にならないように、業務方法書その他でできるだけ詳細な基準をつくって、皆さんにわかりいいようにしたいというふうに考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 できるだけそこらの基準はもう少し、火災も災害のうちなんで、何かその他やむを得ざる事情というのをもう二つ三つ書いて、わかりやすくしておいてもらいたいと思います。  それから八条の二項です。「事業団は、共済契約者からの掛金月額の減少の申込みについては、通商産業省令で定める場合を除き、これを承諾してはならない。」ことになっておるわけですよ。非常に厳重になっておるわけですね。いま言ったように、延納についても災害その他これに準ずるもの以外は認めてくれない、掛け金額を減少したいと思ってもなかなかそうはいかぬぞ、そこで認めてもらえぬので払わなかったら、これはぴたっと解約になるわけです。そこでこの掛け金額の減少を、自発的に自分がこうやってもらいたいと申し込んだ場合、十口かけておったのを五口にしてもらいたい、とても月々五千円はできません、まあ二千円か二千五百円にしてくださいと言っても、これは簡単にいかないわけですね。そこで、そこらあたりは一体どういう場合に承諾してくれることになるのか。

長田正夫通商産業事務官(中小企業庁計画部振興課長)

○長田説明員 この減少の場合の措置でございますが、これは一応部分的な解約というふうに考えられるわけでございます。これは全面的な解約でございますと、先ほど御説明申し上げましたように条件としては不利な、元本以下のものが一応返るような形になりますので不利でございますが、部分的な減額の場合は、部分的解約といえども一応全部通算される形になるわけでございますので、取り扱いが非常に有利になるということで、そのバランスも考えまして、これは制限を一応するように考えたわけでございます。その減少につきましても、先ほど申しました解約の場合と同じように、基準を一応つくることにいたしました。大体考えておりますのは、相手方が支払いが非常に困難になったというような場合、あるいは先ほど申し上げましたように災害その他の理由により掛け金が部分的に納付することが困難になった、やむを得ず減額せざるを得ないといったような場合、そういった場合に一応この減額を認めていくということにいたしております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 どうも声が小さくて、質問者が声が大きいから、負けぬくらいの大きい声を出してください。  八条の二項については、減額する場合にはわざわざ政令で定めてなかなか許さぬようにしておるのですよ。ところが今度一項をごらんになると、増額する場合は無条件で許してくれるのですよ。だからおかしいのですよ、私に言わせれば。増額するときについても何か政令で定めておるというなら、増額あるいは減額する場合には通産省令で定めることによって承諾をするというならいいんですよ。ところが増額するときは無条件でよろしい、うんと持ってこい、こう言っておるわけでしょう。ところが今度減額する場合は待った、こういうところが、どうも弱い者いじめの中小企業庁に対しては、なかなかちょっとこれはひが目で見るかっこうになるのですよ。そうすると、増額する場合はどうして無条件でオーケーするのかということです。

中野正一中小企業庁長官

○中野政府委員 いま御指摘がありましたように、掛け金を減額するということも全然自由に認めるということになりますというと、これは一種の共済制度でございますので、共済制度の円滑な運営が阻害されるというような意味合いをもちまして、減額のときには一定の基準に従ったものだけを認めなさい、しかし、これはあくまで掛け金の納付を、減額せずにそのまま継続することがむずかしいということの場合は、これは認めて差しつかえないわけでありますから、先ほどのような解約の場合とは違いまして、通産省令でこれはゆるやかな基準をつくりたいというふうに考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 とにかく増額するときに無条件で承諾するのですから、減額するときも——これは中小企業者が一応約束をして、それを減額をするときは、よほどの事情がないと減額をしないわけですよ。だからそういう点についても、せっかくこういう法律ができるんですから、ゆるやかな規定にしてもらわなきゃならぬと思います。  ちょっと大事なところだけ先にやって、あと一般論を尋ねるのですが、少し飛ばしまして、三十八条を見てください。この代表権の制限です。これは労働省の中小企業退職金共済法にもある条項ですが、「事業団と理事長との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。この場合は、監事が事業団を代表する。」ことになる。監事が事業団を代表する場合、すなわち、利益が相反するという場合は、どういう場合をお考えになっておりますか。

長田正夫通商産業事務官(中小企業庁計画部振興課長)

○長田説明員 この三十八条につきましては、これはほかの事業団においても設けられております条文の規定でございますが、これは事業団と理事長とが利益が相反するという場合でございます。この場合には、業務上の公正な運営が妨げられるおそれがございますので、この場合に、理事長の代表権を制限いたしまして、監事が代表権を有することにしたわけでございます。これは民法法人におきましても、法人と理事との利益が相反する事項については、理事は代表権を有しない、特別代理人を選任しなければならないというふうになっております。こういったようなケースに対しまして、監事がその当該事項について代表する権限を一応限定して与えられる、かように考えております。たとえば、これの利益が相反する事項と申します場合は、理事長の所有する土地を事業団が譲り受けようとするといったようなケースがあったような場合でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 次の三十九条のところですね。評議員会、この評議員会の中には、小規模企業の三百万の加入資格者がおるわけですが、その中で契約を結んだ人の中から評議員を選ぶことになるんですか。それとも、学識経験がある者というから、したがって、全然被共済者でない人が入ってくることになる。学者その他関係ない人を選ぶ、関係者が入る、どちらなんです。

中野正一中小企業庁長官

○中野政府委員 評議員は、小規模企業に関して学識経験ある者のうちから通産大臣が任命するということでございますから、もちろん小規模企業者で、この事業団と契約をし得る資格のある者であって、そのうちから特にこういう問題についていろいろ経験なり学識があるという者も当然入ってくると思います。しかし、それだけではございませんで、こういう仕事についての全般的な学識経験のある者も入ってくるというふうに考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 この小規模企業の事業団と契約をした人の中からも何人か入りますね。それとも、純粋の学識経験者だけですか。こういうことを聞いているのです。たとえば何かいろいろ審議会その他ができますと、労働団体の代表を入れてくれとか、農民の代表を入れてくれとかいうようなことが出るわけです。この法案の中には、中小企業退職金共済法のような審議会制度はないわけですね。したがって、この事業団の運営というものは、事業団の役員、同時に、ここの評議員会というものは非常に重要な役割りを演ずるわけです。そこで中小企業の皆さん方は、事業団と契約して掛け金をかける、その運営については評議員会などというものはたいした力もないのですけれども、しかし、やはりそこに入って発言をさしてもらうことが必要なんだ。だから、当然これは、三百万の中小企業者のうちには学識経験ある者が相当おるはずです。しかし同時に、その人は契約者でもあるという中から入れても差しつかえないじゃないのですか。

中野正一中小企業庁長官

○中野政府委員 いま御指摘のような運用をしてまいりたいと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 ぜひはっきりそれをひとつ入れていただきたい。いま御確約なさいましたから、そのとおりにしていただきたいと思います。  それから四十二条の一項の二号です。この資金の貸し付けをこれはやることになるわけです。そうしますと、御存じのとおり、中小企業の皆さん方は、こういう団体をつくりますと、まず年金福祉事業団からも金を借りることができます。それから労働省のほうの中小企業退職金共済法のほうも今度は還元融資をやりますから、これからも借りることができます。この新しくできるであろう小規模企業共済法のほうの金も借りることになるわけです。金をどこからも借りられることは、多々ますます弁ずるわけです。しかし、そういうようにどこからも借りることができるということは、みな力が小さくなって、わずかの金しか借りられぬということになるわけです。資金の効率的な運用に非常に問題が出てくるわけです。この点は、労働省、厚生省は一体どういうように考えているのか。あるいはこれは大蔵省の資金運用部のほうの関係もほんとうは関係があるわけです。この企業者は、これは年金福祉事業団からも金を借りることができます。それから労働省のほうの中小企業退職金共済のほうからも金を借りることができます。今度のこの関係からも借りることができるわけです。こういうようにわずかな二百円とか五百円とかの金を積んで、そうしてそれらの資金をばらばらに分けて、あっちからもこっちからも少しずつ借りる。おそらく、どこか一つ借りたら、他のものは貸さぬと言うでしょう。いまの段階で、一体こういう制度がいいのかというのです。

中野正一中小企業庁長官

○中野政府委員 いま滝井先生から御指摘になったような御心配もあるかと思いますが、この法律で考えておりますのは、年金福祉事業団等が対象とする事業と違いまして、要するにこれは還元融資でございますが、主としてこれは事業資金を貸し付ける。もちろんこれはそれだけの金を、それじゃ商工中金なり中小企業金融公庫へ持っていって、そこから一括して貸したほうがいいのじゃないかということは一つの御議論かと思いますが、しかし中小企業の場合は、こういう制度ができますれば、やはりこういうものを通じて共済契約をしたものに還元融資をするということが中小企業者の皆さま方のためにも非常に好ましいことじゃないかということで、われわれとしてはそういうふうに考えたわけであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、一体貸し付けの条件と申しますか、貸し付けの限度額、それから据え置き期間その他はどうするのか。運転資金、事業資金に貸すというのですから、相当の担保もとらなければならぬことになる。なぜならば、その次の二項をごらんになると、「業務の円滑な運営を妨げず、かつ、事業団の資産の安全で効率的な運用を害しない範囲内で行なわなければならない。」という非常にきちんとした条件がつくわけです。それは当然いわゆる退職金的な要素を持っている金なんですから、貸し倒れになったらたいへんなことになるわけです。そこで、事業資金なり運転資金を貸し付ける条件についてひとつお示しを願いたい。

中野正一中小企業庁長官

○中野政府委員 この法律にも、いま御指摘のありますように、安全で、しかも効率的な運用を害しない範囲でやるということでございますので、もちろんこれは担保なりあるいは保証人なりをとることになると思います。これは普通の中小企業金融公庫あたりの貸し付けと大体同じような扱いをやっていきたい。ただ金利につきましては、御承知と思いますが、労働省のほうの中小企業退職金共済事業団が去年、三十九年度から還元融資を始めまして、八分五厘の金利で、比較的普通の政府関係金融機関の、われわれのほうで所管している金融機関よりはやや安いわけでありますが、これを大体退職金共済と同程度の金利でやりたいということで、いまいろいろ考慮中でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 八分五厘ですか、八分五厘じゃ高いですよ。やっぱり貸すなら六分五厘にすべきだと思うのですよ。こういう中小企業者の、この提案理由にもあるように、いろいろ危機がきたときに救うためにつくるのだという法律が、今度八分五厘というのでは高いのだ。自分の出した金を借りるのですから、だからそこに有力な担保があれば当然六分五厘で貸して、そうしてこれは二十年、三十年と長期にかけるものですから、だからその据え置き期間、それから償還、こういうようなのも相当長期のものにしてやらないと話にならぬわけです。据え置き期間やら、返すのはどのくらいの年限で返すことになるのですか。利子は八分五厘、これは高いですよ。これは直さなければいかぬ。六分五厘くらいに直さなければいかぬ。まず利子を六分五厘にするかどうかです。八分五厘じゃ認められないですよ、それは。

中野正一中小企業庁長官

○中野政府委員 金利については、もちろんいま申したようにいまいろいろの資料等によりまして検討を加えておる最中でございます。私が申し上げましたのは、労働省のほうの共済事業団が八分五厘で去年から始めましたので、これを参考にしてやりたい。というのは、中小企業に対する政府関係機関の金利は、一番安いところで現在九分でございます。もちろん七分五厘の特利というのも一部にはございますが、大体九分、商工中金で大体九分ちょっと上になるというようなことでございまして、いま御指摘がありましたようにできるだけ安い金利で、しかも長期の金を貸すというような方向で今後検討してまいりたいと思っております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 貸し付けのもう少し具体的な条件を。

中野正一中小企業庁長官

○中野政府委員 それはまだ研究中でございまして、そこまで最終的なものはできておりません。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 昔からエビでタイをつるということがございますが、やはりほんとうにあなた方がこの制度を積極的に進めようとすれば、こういうところから先に具体化しておかないと、中小企業にとっては魅力はないですよ。自分たちが金を出して、そうしてその金を借りるのに八分五厘にする。しかもその条件も何もわからないということでは話にならないわけです。やはりこれは六分五厘なら六分五厘でやります、こうして据え置き期間はどのくらい置いて、年限は十年なら十年で返す、こういう程度のことをやらないと、これは話にならないですよ。いま質問してみると、星雲状態、星雲状態では法律を通すわけにはいかない。もう少しそういう条件だけはかちっとコンクリートに固めてもらわなければならない。「円滑な運営を妨げず、かつ、事業団の資産の安全で効率的な運用を害しない範囲内」と書いてあるのだから、もう少しそこらをきちっとしてもらわないといかんですな。  それから事業資金を運転資金というのだけれども、この二号の条文を読んでごらんになると、「共済契約者又は事業協同組合その他の団体の事業に必要な資金の貸付けを行なうこと。」というように、事業という非常に広い範囲にとっておるわけでしょう。そうすると、たとえばそこの労働者の福祉施設をつくるために貸してくれというときに、貸さないのですか。これもやはり広い意味の事業ですよ。おやじが金がないときに、おやじがかけておったお金をおろしてきて労働者の福祉施設に使うということは、同時にそこの役員も使うし自分も使うことになるわけです。だから運転資金と事業資金に限ることはおかしいんじゃないですか。労働省の側は福祉施設を中心にやっております。けれども、いまの長官の言うように事業資金や運転資金だけということにはちょっと読めぬような感じがするのですが、そこらあたりはどうですか。

中野正一中小企業庁長官

○中野政府委員 これは事業に必要な資金でございますから、いま先生が御指摘のような福祉施設をつくることが事業をやっていく上にどうしても必要だということで解釈上もまいるわけです。ただ、私が申し上げたのは、福利厚生施設なんかをつくる場合には、これは御承知のように年金福祉事業団等から非常に長期の、しかも金利の安いものが借りられるような仕組みに現在なっておりますから、だから実際問題としてはそういう資金が必要がある場合には、そちらのほうで相当部分まかなえるのではないかという意味合いで申し上げておるわけであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、法律論としては、この「団体の事業に必要な資金」という場合のこの事業の中には、福祉施設をつくる場合も入ると、こう理解して差しつかえないですか、借りるのは。これは運転資金や事業資金を主としてやるのだけれども、しかし場合によっては福祉施設の場合も借り得るのだ、こういう理解をして差しつかえないかということです。

中野正一中小企業庁長官

○中野政府委員 差しつかえございません。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 それからずっと進んで五十五条下す。三十二ページ、ここに事業団が解散をする場合があるわけです。解散をした場合には、三百万の中小企業の中からどの程度加入するか知りませんが、そのときには加入した人はお手上げになるわけです。加入したって解散をしてしまったときには、何かあとで政府が責任か何か持ちますか。政府はそのあと始末はしてくれますかどうか。たとえば健康保険組合をつくって、健康保険組合がお手上げになると、政府は健康保険組合というのも法律でつくっておるわけですから、政府管掌健康保険がその借金を全部背負ってあと始末をしてくれるわけです。そこでこういう法律をおつくりになって、そしていよいよパニックが起こって、そして中小企業のどれもこれも掛け金ができなくなった、そうして運営はだめだ、解散をした場合に掛け金はパーになってしまった、あるいは急激なインフレが起こってきた、そうしてもういままでの五百円くらいでは何も役に立たない、これは解散だといった場合に、あと始末を政府がするという意思があるかどうかということです。

中野正一中小企業庁長官

○中野政府委員 いま御心配のような点がございますので、解散については任意に解散させない、きちんと法律でもってあと始末をつけなければいかぬという趣旨でこの規定はできているわけです。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、一番ポイントだけ言ってもらえばいいわけです。そういう非常に重大な事態が起こって、事業団の解散をするような場合には、あと始末は一切政府が責任を持って、そして中小企業者には、加入者には迷惑をかけないと言明ができるかどうか。これはあなたが言明できなければ、大臣に来てもらってはっきりしておく必要がある。

中野正一中小企業庁長官

○中野政府委員 それではあとで相談いたしまして、大臣からはっきり答弁していただきます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 では、五十五条の問題はこの法律の最終的なかなめになるところです。ぜひひとつ、あとで大臣から明白にしていただきたいと思うのです。  それから五十七条、これは遺族の問題その他が出てきますから、当然いろいろ紛争が起こるわけですね。その紛争が起こった場合には通産大臣があっせんをすることになる。そのあっせんの手続その他に関して必要な事項は、法律には何も出ていないわけです。一切これは通商産業省令にゆだねられてしまっておるわけです。御存じのとおり社会保険関係のいろいろな問題が起こりますと、社会保険審査官あるいは労働保険審査官というのがあるわけです。そうして苦情の処理をするための社会保険審査会というものが中央にあって、県には審査官がおって、それが当然やってくれるわけです。こういう零細な企業者から掛け金をとってやるのですから、一体、おやじが死んだ場合に遺族はだれが最優先順位でもらえるのか、いろいろ問題が起こってくると思うのですね。そういう場合に、何かあっせんについての具体的な事項というものを示してもらわなければならぬと思うんですよ。大事なポイントは全部——この法律は忽忙の間につくったと見えて、大事なかなめとなるところは全部省令にゆだねてしまって、わからぬ。ほんとうに星雲の状態ですよ。もう少しここらあたりははっきりする必要があるし、はっきりするためには、ここでおおよそのアウトラインというか、基準的なところは御答弁願っておきたいと思う。

中野正一中小企業庁長官

○中野政府委員 いま御指摘がありましたように、他の社会保険制度等にも例があるわけでございますが、そういう点を参考にいたしまして、通産省令で手続等を詳細にきめたいというふうに考えます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 どうも、もう少しいろいろな場合についてやはり例示ぐらいをして、親切に答弁をすることが当然だと思うのですが、よその委員会だから遠慮しておきましょう。  五十八条です。御存じのとおり、いまの日本の物価は、少なくとも池田さんが三十五年十一月に天下を取って以来ずっと上がってきて、四割以上の物価の値上がりですね。したがって、当時預けた百円というものがいまや六十円の価値しかないことになっておるわけです。その場合に、こういう零細な企業の金を集めるのですから、当然スライド制というものをある程度考えてもらわなければならぬことになるわけです。ところがこの規定は、労働省の中小企業退職金共済法の規定とほとんど同じです。政府がスライドの問題についてはどの法律も足並みをそろえて——厚生年金も同じです、足並みをそろえて、みんなあいまいもこたる状態にしてしまっておるわけです。金を集めて、金を使うことについては非常に熱意を持つけれども、今度払う金についての価値が非常に低落した場合に、その価値を補償する点については非常に消極的なんですね。そこで五年ごとに検討することになる点については、年金と非常によく似ているわけです。似ておるけれども、検討するだけで結果をどうするかということはちっとも書いていない。検討するということは、どの条文にもみな検討すると書いてあるだけです。やはりこれは失業保険等にもあるように、物価が最低二割なら二割でもいいですよ。われわれは一割と言いたいのだけれども、それだけの上下があったら、やはり掛け金というものは一割なら一割は何とかしてやるということにしなければいかぬと思うのですよ。  それで中野さん、これは大臣に尋ねなければならぬところなんですが、一体、貨幣価値がずっと下がってしまった場合に、その分の補てんというものは国が責任を持つかどうかということです。国が責任を持たないとすれば、これはどうにもならぬです。はるかかなたの二十年先になって、貨幣価値が半分になってしまった。そうすると二十年かけたから三十万円あげます、四十万円あげますと言っておっても、そのときにそれががたっといったのではどうにもならぬわけです。金を取ること急にして、貨幣価値が下がった場合のその補てん方法については何にも書かれていないわけです。年金ならばもうどんどん新しい人が入ってきて、そして何とか自転車操業みたいなことができますよ。ところがいまの日本の客観的な情勢から考えて、中小企業が末広がりに拡大する客観情勢はないですよ。そうするとこれはいまの三百万が、そんなに六百万、七百万と増加する傾向はない。労働者のほうの厚生年金ならば、いま言ったように第一次産業等から相当の労働力の数が流れてくるわけですから、数が多くなってくるから、率直に言って何とかこういう条文でごまかしがつくのです。ところがこういう二百万か三百万を対象にするものにおいては、貨幣価値が下がった場合にはその事態を収拾する方法はないですよ。必然的に政府がこれにてこ入れをしてやるという方法を考えておかないと、この制度は健全性がないということになる。そこでこの五十八条を検討した結果は、一体どうするつもりなのかということです。

中野正一中小企業庁長官

○中野政府委員 確かにインフレ等で貨幣価値が急激に下がったというような場合にも問題があるわけでありまして、またそれ以外に、そういうことでなくて、事業団に余裕金ができて、給付金、共済金をもう少しふやそうというような事態が生ずることも考えられますし、いろいろな情勢がありますので、少なくとも五年ごとに共済金の支給に要する費用あるいは運用収益の推移、予想というものをもとにして、掛け金なり、支払う共済金の額をきめていこう、こういうことでございます。ただ、いま先生御指摘になったように、貨幣価値の下落に伴って一種のスライド制を考えるべきじゃないか、政府の責任においてやるべきじゃないかという御議論は、いろいろむずかしい問題もございまして、他の社会保険制度等についてもいま御指摘のようにいろいろ問題があるわけでございます。少なくともこの条項を十分活用しまして、できるだけ掛け金をされる中小企業の皆さん方に迷惑のかからないように、この規定を活用してまいりたいというのが本旨でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 厚生年金みたいに千八百万とか二千万の労働者が加入する、あるいは国民年金のようにやはり同じく二千万ぐらいの被保険者がおるというような制度でも、そこは非常に問題があるところなんです。いわんやこういう二、三百万人を対象とするものについては、そこを年金のことばで言えば整理資源ですね、こういう補てんをする資源、貨幣価値の変動に対し補てんする資源の問題を考えておかないと、こういう制度は底抜けになってしまうのです。したがってこの法案というのは画竜点睛を欠いておるわけですよ。そういう点、もう少しきちっとしてもらわなければならぬと思うのです。  なかなか大臣来ないですな。十一時半には来るといったというのだけれども。  それで次にお尋ねをするわけですが、労政局員いらっしゃっていますか。

広政順一労働事務官(労政局福祉共済課長)

○広政説明員 福祉共済課長が参っております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 課長は政府委員でないので、政府委員が答弁をして、答弁に補てんをしなければならぬところは課長がする、こうなっておるわけです。  労働省のほうにお尋ねするわけですが、この中小企業退職金共済法の中に、中小企業の労働者のほかに経営者、いわゆるおやじさんが相当入っておるはずなんです。これは、私ちょっと最近の資料を持ちませんが、去年の暮れまでにおそらく百万人くらい加入しておったと思います。現在百万をこえていると思いますが、その百万をこえておる契約者の中に、いわゆる中小企業の労働者の中に、どの程度いま審議している小規模企業共済法の対象となるものが入っておるかということです。

広政順一労働事務官(労政局福祉共済課長)

○広政説明員 ただいま先生御指摘の事業主が入っておるかどうかという点につきましては、この法律は従業員ということを前提にいたしておりますので、事業主ははいれないということに相なっておる次第でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうじゃなくて、中小企業退職金共済法の三条の三項の七号を見ると、「前各号に但げる者のほか、労働省令で定める者」となっておるわけです。だからこれは事業主がはいれぬことはないわけです。それはあなたのところの、いま国会に出ておる労働者災害補償保険法の一部改正法案をごらんになると、これは労働者の法律です。ところが今度は中小企業の経営者も入るのですよ。あるいは一人親方、左官、大工も入るのですよ。農業経営者の農民も入るのですよ。こういうように、労働省の立法の中に、労災については、そこまで広げてきておるのですよ。それから厚生省のほうの健康保険法をごらんになると、社長も入っておりますよ。健康保険の被保険者です。これは健康保険法はどうなっておるかというと、「左ノ各号ノ一二該当スル事業所二使用セラルル者ハ健康保険ノ被保険者トス」ということで、事業所に使用せられるということで、社長も入っておる。そうしますと、あなたのほうのこの中に役員がはいれぬことはな、これはもう、いまこの法律は、二十人以下の労働者を使っている事業主あるいはそこの役員もはいれるのですからね。そうすると、役員は、あなたのほうでいえば広義の労働者になってしまうわけですね。だからこれはあなたのほうの対象になっておるわけです。そうすると、その点については重複をしておるわけです。重複をしておれば、必ずこれは二つにははいれぬ。これは事業主が金を出すのですから、二つははいれぬ。どっちか一つということになると、あなたのほうのこの退職金共済法とこれとの間の調整の問題が起こってくるわけです。それはあなたのほうでは、さきに中小企業退職金共済法の一部改正案を出したときに、特定業種の退職金共済法的なものを同じ法律の中でつくりましたね。そのときは、調整をして、どっちか一方に入っておったらばいれぬようにしておるわけです。当然この同じ自由民主党の佐藤内閣のもとにおいて、労働省でやるときには建設業——これは特定の業種というのは主として建設業ですね。それについては別々に調整をしているわけでしょう。そうすると、同じ内閣のもとで、通産省のものは調整ができぬというばかなことはないわけです。私に言わせれば、これはむしろあなたのほうに全部入れたほうがよかったというのです。入れればどうしてよかったかというと、国庫補助がつくのです。そして、できればそこらあたりは共管にする。これでもよかったはずです。同じ事業団を二つ三つつくると、そうでなくてさえわれわれ野党から言われているように、古手の役人のうば捨て山をつくるのじゃないかということを言われるわけです。だからもう少し制度をこういうものは簡素化して、もっと能率的に、効率的に運用していく。そして、あなたのほうの還元融資を、事業資金、運転資金も貸す、それから福祉施設も、こういうようにやったら、もっと合理的でもっと前進的な力強いものができるわけです。そのあたりの調整は一体どういう形で話し合いが行なわれて調整されておるのか。法律を見るけれども、調整の条文が出ないのです。

広政順一労働事務官(労政局福祉共済課長)

○広政説明員 ただいま先生御指摘の役員の問題でございますが、中小企業の場合でも、いわゆる事業主ということで押えました場合には、これは先ほど申し上げましたように、中小企業退職金共済法のほうでは従業員についての退職金の共済を行なうという法律のたてまえでございますので、事業主そのものはこれは入り得ないというふうに私ども運用もいたしておりますが、ただ役員につきましては、いわゆる労働者的な役員というのがございます。そこで、そういうものについてはやはり中小企業の従業員ということで、労働者性の面から、いわゆる労働者というふうに私ども考えておりますので、この中小企業退職金共済法の対象になるというように考えております。したがいまして、法人の場合の役員に関しましては、先生の御指摘のとおり、今度の小規模企業共済法の対象にもなるであろうし、また同時に、中小企業退職金共済法の対象にもなるであろう。そこで、通産省のほうと私どもは話し合いをいたしまして、今後いわゆる加入促進を進めていくにあたりましては、お互いに指摘をし合って、加入勧誘するときに、こっちのほうにも入れ、じゃ私のほうも入りましょうということで、お互いに行政を緊密に連絡をとりながら進めましょうということでお話し合いをいたしておる、こういう次第でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 私のほうにも入ってください、向こうにも入りなさいという、そんなばかなことはないですよ。厚生年金にも入っておるのですよ。あるいは国民年金にも入っておるのですよ。そんなものを貧しい中小企業者が——この通産省のほうには一口五百円ずつ十口入った。それから今度はあなたのほうにも二百円ずつ十口入った。それから国民年金にも、来年は五年の再計算の時期がきますし、また一万円年金を厚生省がつくっておる、それになぞらえていかなければならぬ。それにも入れなければならぬ。そんなことは大体無理ですよ。だからどこかで切って、そうしてこの連結、調整ができるようにすればいいのですよ。  それではお尋ねしますが、最近の日本の傾向としては、雇用の近代化ということがいわれておる。これは経済企画庁のあれでも、雇用の近代化ということが重要な項目です。雇用の近代化というのは、現在の家族労働その他をできるだけ雇用労働者にしていくということです。自民党のほうでも農地管理事業団をつくって、できれば二町とか三町の日本的な大規模経営でやろうとしておる。そうすると、多くの農民は雇用労働者に転化してくるのです。それと同じように、中小企業も同じような傾向です。そうすると、この小規模企業共済法に入っておる人が労働者になったときには、今度はあなたのほうの共済年金の加入者になる可能性がある。これはいまの日本経済の激動の状態から考えて、五、六年のうちに非常に急激な状態が起こってくると思うのですよ。そうしますと、これはこういう制度をつくったあなたのほうと連結できる、通算ができる、こっちの金をこっちに移す、原資を移すというようなかっこうでもしておいてやらぬと、これは話にならぬのですよ。そういう連係というものは何もないわけです。各省割拠です。だから私が言わんとするところは、大臣が来なくて、なかなか問題の核心を言おうと思って困っておるのですが、こういうところがちっとも連係がないでしょう。いま全国の農業共済組合か農業協同組合からどういうものが出てきておるかというと、離農者報償年金をつくってくれということが出てきておるわけです。あるいは労働省にこういう共済金ができた、通産省の中小企業もできた、すると農民もこれは必ず農業者共済制度というものをつくってくれ——いま農協でもすでに自然発生的にこういう形は火災共済とか生命共済とか、いろいろできておりますけれども、年をとった場合に何か楽になるようなものをつくろうじゃないかということは必ず出ますよ、すでに年金が出ているんですから。そうすると各省がみんな持ちます。労働省は労働省の道を行く、通産省は通産省の道を行く、農林省は赤城さんがまた自分の好きな道を行く、こうなったらばらばらです。そしてその間にはさまって伸展しないのは何かというと国民年金であり厚生年金である。しかも厚生年金は企業年金で断ち切られておるでしょう。日本の社会保障はばらばらですよ。そうすると最後はどういうことになるかというと、これがだんだん金がたまってきて、四十万、五十万の金を払うよりか年金にしたほうがいいじゃないかということで、その四十万、五十万の金を今度は分割払いにして年金になってくる。殷鑑遠からず、すでに労災もそうなる。一時金でやっておった労災が今度労災保険を年金化するんですよ。長期給付をみんな労働省は年金化しているでしょう。そうすると、日本の社会保障は、長期の老後を保障するものはばらばらです。将来これをまとめようとした場合に、日本のいまの医療保険と同じです。もう継ぎはぎだらけで、赤字がこんなにふえておるけれども、政府はいかんともしがたいという状態に今度は年金がなる。二の舞いをすることは明らかです。だから私はいまの日本の中小企業のこの苦難の道を開くためにこういう目先だけの制度をつくって将来の社会保障の展望に大きな壁をつくるということについては、これは非常に問題だと思う。いまの保守党の中に、こういうものを一体長期の展望に立って見る人がいないのかと思うと非常に残念です。また、こういうものを黙って許す労働省も労働省です。厚生省も厚生省です。これはもう両大臣、落第です。これは通産省はいま火がついている中小企業のためにやむを得ずこれをつくったかもしれない。それならば、もっといま火のついている倒産に直面する中小企業者の救済のために別な制度を考えなければいかぬ。たとえば国民金融公庫でうんと金を貸してやる、同時に厚生省のほうは厚生年金を中小企業のためにうんと上げる、思い切って一万円年金をやるのだ、そのかわり国が大幅な国庫負担を出す、ここまで踏み切ってやらないと——国庫負担を一文もこれに出していないでしょう。一体予算上の処置はどうするのですか。予算上の処置はどういうことになっているんですか。小規模企業共済法の予算上の処置、これは一体どういうことになっているか。この条文を見るとわずかに国が、附則の三条の二項に「設立委員は、事業団の設立の準備を完了したときは、遅滞なく、政府に対し、出資金の払込みを請求しなければならない。」こうなっている。だからこの出資金をわずかに四千万円出そう、そして二十年、三十年かけても、そのてこ入れはちっともないでしょう。労働者の側には三年かけたら五%のてこ入れがあるのですよ。百二十カ月、十年かけたら一割のてこ入れがあるのですからね。同じような貧しい中小企業のために、二十人以下とか五人以下の、日本のいわば物をつくり、あるいは輸出産業の基礎をなすような人に対してあまりにも政府は冷淡ですよ。しかもこれらの票はみんな自由民主党の政権をとる基礎票でしょう。自由民主党の政権をとる基礎票の皆さん方に対して、われわれは中小企業をこれでやるんじゃというけれども、びた一文国庫負担は入れないじゃないですか。こういう制度というものはないですよ。しかもその制度は、ちゃちな制度をつくって年金制度を破壊をする制度です。一体自由民主党には率直にいって政治家がないのかと私は疑いたくなる。票だけは巻き上げて、そしてわずかに四千万円、事務的なもの、補助を三千万円ですか、お出しになっている。予算書を見るとそのくらいである。そういうことではいかないですよ。大蔵省、来てもらっておるはずですが、主計官、どうもいつも吉瀬さんには気の毒だけれども、どういうつもりですか。これはわずかに四千万の出資金と、実はいまいみじくも中野長官が語ったように、これは八分五厘で金を貸すんですよ。これを下げようとすれば、国庫負担が入らなければこの利子は下がらないですよ。だからもう少し出資金をよけいにして基礎を固めて、今度は掛け金に国が最終的に幾分つけてやるという形になると、もうちょっとこの運転その他も楽になるでしょう。そうなるとわりあいこれは安心して、基礎が固まるから信用ができる。弱い者が百人寄っても弱いですよ。毛利元就が三本の矢ということを言ったのだけれども、いまの日本の状態では弱い者が幾ら寄ったところで、健康保険を見ればわかるように、零細な健康保険被保険者が集まってもいまの医療の赤字はいかんともしがたい。だから再びなけなしのさいふの中から総報酬制とか薬価の半額負担とか、さか立ちの政策をとることになる。中小企業は保守党政権の基盤でしょう。貢献者でしょう。それをどうして少し入れられないのですか。少なくとも五%かそこらの金は入れてやる必要があると思うのですが、これはどうしてですか。

吉瀬維哉大蔵事務官(主計官)

○吉瀬説明員 小規模企業の共済事業団の出資を見ることにつきましては、予算編成の過程におきましても、いろいろ検討が行なわれたわけです。第一言えることでございますが、この共済事業団は、やはり退職金の共済事業団のいわゆる被保険者と違いまして、企業主であるという点にまず差があると考えたわけであります。そういう点で、やはりこういう種類の事業に対しましては、退職金の事業団に対する国の助成と若干異ならざるを得ない。したがいまして、私どもといたしましては、設立にあたりましての出資及び事務費の補助につきましてはできる限りの予算を計上したわけでございます。同時にいろいろ発足にあたりましての掛け金の運用の形態その他を見まして判断しなければならないというのが第二点の問題でございます。  加入者の数がどの程度になるか、いろいろ問題がございますが、税制上の特典とかいろいろな点を勘案いたしまして、私どもといたしましては、相当程度の加入者さえあれば運用益をもって十分この種類の事業が運営できる、こういうぐあいに判断した次第でございます。  第三の、これは根本論でございますが、先ほどから社会保障制度との関連をいろいろ聞かれたわけでございます。今回のこの事業団の事業の性格でございますが、やはり一定の掛け金を貯蓄的に運用していくというところに基本的な性格があるわけでありまして、還元融資とかいろいろな問題もからんでくるわけですが、やはり御自分の所得を掛け金を通じて蓄積していく、それを運用していく貯蓄的な性格というのが強いわけでございます。そういたしますと、やはり民間の同種企業との権衡もございまして、私どもといたしましては、予算上考えております出資及び事務費補助、この助成体系をもちまして、この事業に対する国の助成としては十分であり、また適正である、こう判断した次第であります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、いま吉瀬さんの発言の中に、運用の形態それから税制上の特典等を見て、大体運用益が相当出るからそれでやれるだろうというお話です。そうしますと、一体通産省としては三百万の中でどの程度の者がこれに加入をするとお見込みになっているのですか。

中野正一中小企業庁長官

○中野政府委員 本制度の運用にあたりましては、これは先生も御承知のことと思いますが、各地の商工会あるいは協同組合あるいは商工会議所等から、ぜひ国の機関としてこういう共済制度をやってほしいという前々から非常な熱望がございまして、そういう点も十分取り入れてわれわれとしては考えたわけでございます。民間自身の手でいろいろこういうものをやりたいという話もあったわけでありますが、どうしてもそれではやはり成り立たない、また非常に長年にわたり掛け金をかけるわけでありますので、やはり国の機関でやってもらうことが安全性という点からいってもいいということで、こういうことになったわけであります。この意味合いにおきまして、各協同組合あるいは商工会等にも御協力を願うことになっておりますし、これは十分協力も得られる、したがってそういう面を通じましてPR等も十分やりまして、できるだけ加入をしていただくようにやりたいというふうに考えております。そうはいっても、なかなか初年度からそうたくさん入られるという目標を立てるわけにもまいりません。一応加入目標は初年度全対象の約一%、三万人というふうに見ております。それから次年度以降の増加見通しにつきましても、いろいろこれは今後の情勢によっても考えなければいけませんが、四、五年後に全対象の約一割の三十万という程度を考えておるわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 吉瀬さん、いまお聞きのとおり初年度で一%の三万、そして四、五年すると一割の三十万人程度というのでは、これはいまあなたの言うように、しかもこの条文に書いているように、事業資金とか運転資金をどんどん貸していくような形態にはならぬですね。こういう制度をつくって、結局そこの事業団の理事長とか監事とかというのは給料が高くなってどうにもならぬことになるわけです。しかもこれは国が事務費の補助をするという条文もない。この退職金共済法には、明らかに事業団の事務に要する費用というのは、これは九十五条かな、労働省側のほうにはあるわけです。こういう予算補助ですよ。事務費も予算補助でしょう。出資金は書いておるけれども、幾ら出資するということも書いてない。ほんとうは、出資金は一億円なら一億円は出資すると、きちっと法律に書いてやる必要があるのですよ。一億円なら一億円出資する、それから事務費は全部見てやるならやる、このくらいのことぐらいはしてやらないと、事務費もやらない、出資金も額は未定である。   〔委員長退席、浦野委員長代理着席〕 そして掛け金に対して、今度は、共済金をもらう場合にはその補助金もないということになれば、何かこれは、弱いものが独立自尊の精神を起こしてみずから立てという法律ですよ。そしておまえたちは相互共助をやれ、こういうことなんです。この法律の前文を見るとそれが実に長々と書いてある。提案理由の説明を見ると、三枚が前文ですよ。そうして法案の内容は二枚ないですよ。前文を長々と書いてある。そうしてその前文をよく読んでみると、中小企業が非常に危機に直面をして、社会保険も冷遇をされておるんだ、しかも破産の危機がある、そうものを救う、まさにこれは天来の福音のごとく書いてある。ところが見てみると福音は一つもない。そんなばかな法律はないと思う。羊頭を掲げて狗肉を売るというのはこの法案のことだ。だから羊の肉かと思ったが犬の肉だ、と思っておったんだけれども、実は犬の肉以下だというておる。もうちょっとこれは通産省がんばらぬと、私は口が悪いから言うだけのことを言うんですが、こんなことでは、この商工委員会の名折れになるのですよ。もうちょっとしっかりしてもらわなければいかぬ。  そうしますと、この掛け金は、税法上の取り扱いは一体どうなるのですか。

山下元利大蔵事務官(主税局税制第一課長)

○山下説明員 現在所得税には生命保険料控除という所得控除がございますが、この小規模企業共済法による掛け金は、保険料控除の対象にいたすようにする予定でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 あたりまえのことじゃないか、こう言っておるのですがね。そうすると二十年とか三十年かけてもらうその退職共済金は、税法上どういう取り扱いになるのですか。

山下元利大蔵事務官(主税局税制第一課長)

○山下説明員 それは、給付がございますと、そのためにかけました掛け金を控除いたしまして、そのあとのものを一時所得として課税いたします。一時所得でございますと十五万円ないし三十万円の特別控除がございまして、その二分の一に相なりますので、実際問題として課税はあまり起こらないのではないか、かように考えます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、掛け金は生命保険料の控除をやる、それから給付をする場合には退職所得ではなくて一時所得になる。そうすると、労働省のほうの退職共済法の共済金はどういう取り扱いになっておりますか。

山下元利大蔵事務官(主税局税制第一課長)

○山下説明員 労働省のほうのものは事業者でございますから、事業者が自分の使用人のためにかける場合には、それはその事業者の必要経費に相なります。それからその労働者につきましては、これはそのときに給与所得になるのでございますが、給与所得として課税いたしませんで、実際にもらいましたときに退職所得として課税することに相なっております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 したがって前者に比べて後者というのは非常に有利ですよ、まず経費で全部落としてもらえるわけですから。そこでいまのように比べてみますと、何も恩典がないのですよ。生命保険料控除は当然のことです。そんなことをしなくても、これは役員の分もあるわけですから、やはり経費で落とすくらいしてやらないと、いま言ったように、あなた方正直に語るように、一年で一%、五、六年しても一割、これでは話にならぬですよ。私はまたこういう制度をおきめになるのだから、三百万のうち少なくとも百万ぐらい労働者の側がやっているのだから、その半分の五、六十万ぐらいは一挙に加入するのかと思っていた。そして最後には少なくとも五割ぐらい、百五、六十万か二百万ぐらいはここ五、六年のうちにいくのであろう、そういう形にならないと、弱い者が集まっての相互扶助にはならぬですよ。税制上の恩典もたいしてない、国も金を入れない、あたかも打ち出の小づちのように運用でばく大な金が出てくるという錯覚を起こさせるだけで、まるっきり馬の前にニンジンをつるして馬を走らせるようなものですよ。それではいかぬ。ニンジン法案では困る。どこからつついてみても、中野さんにはお気の毒だけれども、これはよくない。日本の社会保障の前進の歯どめにもなるし、中小企業にはかないまぼろしを与えて、しかも現実は冷ややかである、こういうことです。参議院選挙を前にして、大政党の自由民主党がこういう法案を出すことは非常に残念に思います。もう少し真摯な立場で与野党協力をして、ILOじゃないけれども、やはり国の補助金も入れる、事務費も、わずかなものですよ、こんなもの出してやるべきです。  要求の大臣が来ないからこれでやめますけれども、どうせこれはまたあとで厚生年金のところでやります。私としてはこれは税法上の恩典をもう少し与える必要がある、それから国の補助その他もてこ入れをする必要があるということを痛感いたします。そういう要望をして、まだありますけれども、大臣が来ないですから私の質問をこれでやめます。

浦野幸男自由民主党

○浦野委員長代理 暫時休憩いたします。  午後一時に再開をいたします。    午後零時四十四分休憩      ————◇—————    午後一時八分開議

浦野幸男自由民主党

○浦野委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  小規模企業共済法案に対する質疑を続行いたします。大村邦夫君。

大村邦夫日本社会党

○大村委員 大臣にお尋ねをしたいのですが、私がこれからお尋ねする要旨は、この小規模企業共済法案に対して、目的、趣旨と中身とがかなり矛盾をしておりますから、その点について二、三点お尋ねしたいのであります。  まず第一に、政府はこの法律をつくることによって小規模企業の福祉の増進に寄与すると、こういうことが目的の中にうたってあります。大臣も御承知のように、政府出資は四千万円、あるいは事業費補助が三千万円、合計七千万円、その他はいわゆる自前の共済制度でありますが、私は少なくとも政府が福祉の増進に寄与するという、いわゆる政策的に行なうということになれば、かたり内容的にも、たとえば国の補助を共済掛け金の給付金にも出すとか、そういうものがあって初めて私は小規模企業の福祉の増進ということが言えると思うのでありますが、この程度ではたして小規模企業者の福祉の増進ということばが、あるいはそういうことが言えるかどうか、その辺についてちょっと御見解をお尋ねしたいのであります。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 御指摘のようなもの足りない点が相当あることは私も率直に認めます。今回新しい制度として発足をいたしますので、通産省としての希望が十分かなえられておったかどうか、あるいは私としての希望がかなえられておったかどうかというと、遺憾ながら十分でない点は認めるのでありまして、今後逐次改善をしていきたいと思うのであります。国の助成措置について、お話しのような範囲でございまして、この点につきましては明年度以降の予算措置の際に、出資金の増ワクなどにつきまして十分われわれの主張をいたし、大蔵省とも折衝いたしたい、かように考える次第でございます。

大村邦夫日本社会党

○大村委員 将来あるいは来年度については、いままでの委員会でいろいろ議論をされた趣旨を生かして善処するということでありますが、特に私はここで、前会櫻井委員も強調しておりました社会保障的な、社会保険的な、そういう精神というものを十分加味をしていただきたい、こういう前提に立ってさらに御質問を続けるわけであります。  少し大上段に振りかざすようになりますが、大臣も御承知のように憲法の二十五条、これによりますと、国民の生存権それから国の社会的使命が規定をされております。その第一項では、これは大臣、耳にたこができるほどお聞きになっておられると思いますが、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」こう規定をされておるところであります。さらに第二項を見てみますと、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」こういうように明記をされております。ところで、中小企業がわが国の経済に重要な役割りを果たしてきたことは政府自身も十分認めておられるところでありますが、しかしこの法案の中身を見ますと、この憲法の精神が十分生かされていない。私はやはり、社会福祉の増進ということを強調するならば、あるいはまた小規模企業者の福祉の増進ということを強調するならば、この憲法の精神に従って考慮しなければならないと思うのであります。すなわち経済の変動によって、あるいは国のいろいろな施策の面から、施策の足らなさから転廃業をやむなくされる者については、その生活部面について社会保障あるいは福祉、そういう立場から十分めんどうを見るべきである。ところが社会福祉とか保障というのは、憲法ではそういうことがうたわれて規定をされていますけれども、実際にはそれが実行されていないのじゃないか、こういう点について大臣はどうお考えになるか、お尋ねをしたいのであります。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 憲法二十五条の精神を生かして対処することは、当然の私どもの使命であると思います。小規模企業共済制度だけを考えていきますと、もの足りない点も多々ありましょう。また私自身もこの制度をさらに拡充すべきだという見解に立つのでありますが、しからば社会福祉あるいはお話しの社会保険という考え方に立って、これをどの程度をもって社会福祉の増進と社会保険が完備されておるかということになりますと、なかなかその線の引き方はむずかしいと思うのであります。もしこれを非常に最低の線を引いて考えますならば、一般的に、転廃業等の際に不幸にして生活が成り立たないということになれば生活保護法の適用などを受ける場合、これも社会保険あるいは社会福祉の精神に準じたる考えのもとに行なわれておると私は思うのであります。しかしこれは最低の線でございますから、これが御趣旨に沿うようなふうにはもちろん私も考えておるわけではありませんが、その線の引き方でいろいろあろうと思います。したがってわれわれとしては、こういう制度あるいは他の諸施策を通じまして、憲法二十五条の精神にもとることのないように施策すべきではないか。しかしこの制度そのものについては、先ほどもお答えしたように、今後拡充していく考えでおります。

大村邦夫日本社会党

○大村委員 どこまでが社会福祉であり、その線の引き方はきわめてむずかしいということでございますが、それはそのとおりでございましょう。しかし大臣、およそものには常識というものがあると思うのです。私はちなみに、この政府提案の別表いわゆる掛け金に対する給付額とそれから一般の金利の関係を調べてみました。政府提案の別表によりますと、上段つまり転廃業の場合には七分二厘三毛ですか程度の利子、それから役職員をやめる場合には六分三厘程度の利息が加味されておるように聞いておりますが、私の計算したところによりますと、年率五分五厘六カ月の複利、これで民間の金融機関に預けた場合、二十年、二百四十カ月で二十一万七千二百二十一円、これは毎月五百円ずつ預金をするという想定で実は算出をしてみました。ところが一方、政府提案の役職員をやめる場合の毎月五百円掛けの二十年たっての給付額を見ますと二十一万六千九百十円であります。民間の五分五厘の半年複利が二十年後には二十一万七千二百二十一円、政府のほうは二十一万六千九百十円、約千円低いのであります。これで、どこへ線を引いたらいいかきわめてその点はむずかしいとおっしゃいますが、もうこの点では論議の余地はないと私は思う。なお大臣はこれに対していまのようなお考え——お考えというか答弁で済むと考えるかどうか。この法案の関連において御答弁を願いたいと思います。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 先般来当委員会におきまして、二十年あるいは十五年、いろいろの場合の想定で利回りの計算を承りました。お話のようにもの足りない点がございます。この点もすみやかに改善を要する点ではないかと私自身も認識をしたわけでございますが、いわゆる共済制度でございまして、この制度の活用によって小規模企業者の還元融資などのことも講ぜられますし、また通算の制度もございますし、不十分ながらも、こういう制度がない場合と新たにこういう制度がつくられる場合とかれこれ比較をいたしましたときに一つの前進ではなかろうか、こういう見地でお願いをしておるようなわけでございます。

大村邦夫日本社会党

○大村委員 大臣のおことばを聞いておりますと、ないよりはましだ、端的にいってこういうように受け取れるわけです。しかし大臣、政府として中小企業対策なかんずく小規模企業対策として目新しい施策としては何かといえば、無担保、無保証の問題と今度のこの問題だと思います。しかもかなり、宣伝と言っては恐縮ですが、小規模企業対策についてはこういうものをやりますということで強調されたその結果が、ざまがこういうことですから、私どもとしてはきわめて不満足であります。大臣も不満足だとおっしゃいます。しからば一体どこでこういうものに落ち着いていったのか。私の仄聞するところによりますと、通産省はかなり本腰を入れて大蔵省と折衝したような話を聞きました。ところが実際にはこういう形になったということらしいのですが、一体どこでこういうように曲がり曲がってお粗末な法律案になったのか。そこら辺もひとつお尋ねをしたい。と同時に、大蔵省からも来ておられるから、もう少し大蔵省としてもこういうものについて善処はできなかったのかどうか、この点の見解を承りたい。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 これは予算編成の過程においては種々段階がございます。そこで私の段階においてのお話を申し上げますと、この制度については中小企業対策全般として最後まで残っておりました。本年度の予算の全体的な伸びが比較的低いわりには、中小企業の前年度に比較しての伸びはよかったと思うのであります。その全般的な中におきまして、小規模企業共済制度は、本年度初めて取り上げる制度でもあるから、この辺で財源の関係からひとつ考えてもらいたい。最初はなかなか出資の問題もむずかしかったのでありますが、幸いにして一部の出資が認められるというようなことで、やむなくこういうような結果に落ちついたというのが大臣折衝の経過でございます。

山下元利大蔵事務官(主税局税制第一課長)

○山下説明員 大蔵省の仕事のうち、予算関係は私御答弁申し上げることはできませんが、税制についてだけ申し上げておきます。  税制につきましては、この制度を生命保険控除の対象としております事由は、所得税につきましては所得控除がいろいろございます。基礎控除、扶養控除、配偶者控除。それ以外の特殊な控除といたしまして、これに類似するものは社会保険料控除であります。社会保険料控除は全額が引けるわけであります。これは健康保険でありますとか、日雇い労働者の健康保険だとか、そういうものの保険料でございます。これは強制加入というふうな形のものでございます。このたびの制度は任意的なものでありまして、社会保険料の控除の対象にはなり得ない、かように考えております。そこで生命保険料控除といたしまして、掛け金を所得から控除するということにいたしておる次第であります。

大村邦夫日本社会党

○大村委員 税制上の問題については、これはあとでまた触れますから……。中心はいま私が御質問を申し上げました社会保障的な精神、制度が加味されていないし、また通産省自体については、かなりこの問題については力を入れられたが、対大蔵省との折衝の過程において押えられたように私は感じましたので、その大蔵省が一体この小規模企業対策というものをどういうようにおとりになっておるのか。ただ平常の事態に対処する法律制度としてお考えになっておるのか、あるいはまたこれから整理転換が相当激しく行なわれる、そういう戦時態勢の場合を考慮してお考えになっておるのか、そこも実はお聞きいたしたいことでありましたが、予算の関係の担当の方でないということですから、その点は一応控えます。控えますが、大臣、あなたのほうで提案して説明が出ておりますが、その三ページを見ますと「小規模企業者は、その所得の水準から見ても一般の雇用者と実質的にほとんど差がないにもかかわらず、各種保険制度、労働保険制度の適用については、制度上十分な恩典を受けられない実情にあります。」と明確に指摘をしておられます。しからばそういう実情にあるからこの法案を出した、こういうように私どもは受け取りたいのでありますが、にもかかわらず社会労働保険的な制度がこれに加味されていない、こういう点については、私は当初申し上げましたように、言うことはなるほどりっぱなことを言うけれども中身はないのじゃないか、こう考えるのであります。特に昭和三十八年十二月、経済審議会が国民所得倍増計画中間検討報告というものを出しております。これを見ますと政府は「中小企業の発展を積極的に支援することが必要である。」と言っておるかと思いますと、中小企業対策は「単なる保護政策に陥ってはならない」「したがって、経済的に中小企業が成り立たないような分野については、それを温存するのではなく、」「転職や移動を援助するとともに、転出困難な者に対しては、社会保障等を通じて十分な生活の安定が得られるよう対策を講ずる必要があろう。」こういうふうに政府自身も指摘をしておるし、あなたの提案理由の中にも、社会保険の制度が小規模企業者に対しては適用不十分である。したがってと、こういうことになっておる。政府の方針もそうである。通産省も政府の一環でしょう。そういうようなりっぱなことを言っておられながら、こういう内容で、ぶざまなかっこうで終わるということは、私は非常に問題のあるところと思うのでありますが、その点はどうなのでしょうか。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 ぶざまであるかどうか、こういう制度をやるということで前進をするというのでございますから、多少なりふりは悪うございますが、私としてはぶざまではない、多少前進をしておるものと思うのであります。しかしお話のごとくに提案趣旨から考えて不十分ではないかという点につきましては、先般来繰り返し率直にその点は認めておるわけでありまして、今後今回のこの新しい制度の発足をもとにいたしまして、肉もつけていきたいし、またいずれりっぱな着物も着せてやりたい、こう思う次第であります。

大村邦夫日本社会党

○大村委員 どう言われても、ゼロから出発して何かをつくられたのですから、何ぼか前進したことは事実なんです。しかしそれで能事終われり——とお考えでもないようですが、少なくとも小規模企業対策としてお出しになる限りにおいては、これはきわめて不満足であります。  経済企画庁が来ておられますので、ちょっとお尋ねしたいのですが、経済企画庁の中期経済計画を見ますと、低生産性部門をこのままの形で残してはならないというような、いわゆる体質改善といえば体質改善でありますが、整理転換の方向をかなり打ち出しておられると私は思うのです。これは産業の重化学工業化の方針を打ち出され、それとの関連においてそういうことが随所に指摘できるわけでありますが、私も本会議で御質問申し上げて、きわめて不満足な御答弁をいただいたのでよくわかりませんが、開放経済体制に備えて、これからの産業、特に中小企業、零細等についての体質改善をどういうふうにお考えになっておるのか、あるいはまた整理転換について、どういうように整備転換をしてどうしようとするのか、そこら辺について少しお尋ねしたいと思います。

荒川英総理府事務官(経済企画庁総合計画局計画官)

○荒川説明員 中期計画で考えました中小企業の近代化の方向といたしましては、中小企業の構造全体としてもやはりいろいろな事業環境、労働環境、その他環境変更に応じました、新しく適応できる方向ということで、お話の出ました全体として重化学化の方向へ重点を移していくというようなこと、それから軽工業等につきましては高級化をはかるというような方向、そういったようなものを全体として打ち出しまして、全体の構造を高い生産性のものへ持っていくという方向を出しておるつもりでございます。  それから転換につきましては、そういった全体としての構造の高度化の進みます段階におきましては、やはりある程度摩擦と申しますか、そういうようなものが出てまいるということもこれは予想せざるを得ないわけでございますので、そういう場合に手を打っていくということの必要性ということで、転換の円滑化というようなテーマでその問題を指摘したわけでございます。その具体的な対策として書きましたものは、現在やっております政府関係金融機関等の近代化のための融資というものの中には、現実には相当そういう転換的なものも多く入っておるというようなことでございますので、そういった要素のものをさらに原資を拡大するというような方向が一つと、それからいろんな、主として技術関係の指導でございますが、新しい業種に入っていくということにつきましては、そういった新しい業界についてのいろんな技術、経営の問題、それについての指導の体制を十分強く立てていくというようなこと、この二つを主といたしまして、もちろんその陰に職業紹介であるとか、あるいは住宅対策であるとかいうような、最後には社会保障ということを含めました対策もあわせて必要である、こういうようなことを具体的に出しておるわけでございます。なお、そういうような直接的な事業転換対策ということの裏には、やはり全体として軍化学化であるとか、あるいは高級品生産への転換とか、そういうようなことを含めまして広い意味で問題を考えていくというような主張でございます。

大村邦夫日本社会党

○大村委員 転換ということばを盛んに使われましたが、転換のできないものもあると思います。つまり小規模企業共済法案の中でも、転換だけでなしに転廃業、廃業ですね、こういうものがあると思うのです。転換がすべてできればいいんですけれども、御承知のように、近代化とか高度化とかいっても、予算上から対象を考えてみたらきわめて数が少ないものであります。ことしの四十年度の施策を見ても、おそらくあれを全部ひっくるめてみても企業の数としては千二、三百、この程度であります。二百八十万からある小規模企業者、あるいは中を寄せれば三百万程度になると思いますが、そういう経済変動の激しい中で、だんだん転換をしようとしてもできないような、いわゆる廃業というのが出てくると思う。私はいまおっしゃるような点では打ち出しはしたけれども、責任ある措置というのがとられていないんじゃないか。ちなみに三十九年の七月の経済白書を見てみますと、先ほど言いましたように、開放体制の本とでは生産性の低い産業そのものの形で残すことはできない、その過渡期には、摩擦が起きないように十分に検討を行なうとともに、労働の余裕がなくなり賃金水準や所得水準が高まった状態のもとで成り立つように農業も中小企業も体質を変えていかなくてはならない。これがいわゆる設備の近代化とか高度化、体質改善ということになろうと思うのですが、その中でさらに中小企業や農業には、新しい経済に適応するためにはなかなかむずかしい問題が多い、こういうことが指摘をせられております。そう容易に体質改善なり転換なりというものができないと思うのです。政府自体もそういうことを指摘をしております。またさらに、日本経済は世界的に見て非常に高い転換力を示している、こういうことも示されておりますが、これは転換というよりも廃業等をしなければならない、農業でももう離農しなければならない、そういう人が他の産業に移っていく、こういうことをさしての転換であると私は思うのです。この中期経済計画の部分的な面を見てみると、いわゆる発展的に転換をする、こういうものでは私はないと思うのですよ。そういうようにこれを要約していくと、労働力の不足が今後も持続をする、さらにそういう傾向は逐年著しくなるのだから、中小企業の整備や転換の場合にも、労働力の他の企業や産業への吸収は容易だ、こういうことが言われているように思うのでありまして、いま申しましたように、転換をするというよりも、いままで従事しておった職をやめて他に移る廃業だと私は考えるのです。そうなってきますと、その対処については十分政府としても考えなければならない。これは通産省の提案趣旨説明の中にも「開放経済体制への移行、労働需給の逼迫、技術革新の進展等に伴う市場構造の変貌など経済的諸条件の変化を通じて、中小企業が従来からよって立っていた社会的経済的存立基盤は、その根底からゆるがされつつある」こういうことを指摘をされておりますが、中小企業に焦点を合わせてみますと、そういう実情ですから、私は転業ばかりではなしに、廃業もかなり出ると思うのです。その廃業が出たような場合に、一つは生活の安定あるいは社会保障的な立場からそれを保障するということは、少なくともこの内容では私はできないと思う。しかも前回指摘をいたしましたように、また政府自体が指摘をしておられますように、個人企業は自営業者がほとんどでありまして、その自営業者というのは何かといえば、事業主兼労働者、しかも収入は一般の労働者とあまり変わらない、そういうものについて十口まで入れるのだといっても、現実には入れない。そうすると一口か二口ぐらい入って、生活の安定なり、あるいはまた他に転業するようなときの資金になるかというと、絶対に、そういうことは絵にかいたもちにひとしい、こういうふうに考えるのであります。この点について大臣の御所見を承りたいのであります。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 時代の進歩とともに、いま御指摘のように、廃業の場合もあるいは転換の場合も、中小企業の変化というものが相当起きてくる、存立基盤が根底からゆらぐというようなことは、当然予想しなければならないと思います。この制度で将来転換という場合、この転換という場合には、やむなく転換する場合もございましょうが、積極的な転換を考える場合もあろうかと思うのであります。それに対して不十分ながらも対処はできると思います。しかし、そうでない、やむなく廃業する場合についての御心配をいま特に強調をせられたと思うのであります。廃業の場合については、お話のような点が多々あることを私は否定をいたしません。しかし、われわれといたしましては、現在地方の商工会あるいは商工会議所などを通じまして、現に経営の改善の指導などを行なっておるわけでございます。そういうような点からいたしまして、不測の事態で廃業のやむない状況に追い込まれて、そして非常な困難な立場になるというようなことにつきましては、できる限りさようなことのないように、現在ありますところの商工会、商工会議所の指導普及によって施策を行なっていきたい、かように思うのでありますが、確かにお話のとおり廃業の場合に種々困難な問題があるということを否定はいたしません。

大村邦夫日本社会党

○大村委員 事業所統計調査による産業別事業所数の推移を、二十六年を一〇〇として三十五年までの状態をながめてみますと、卸売り業、小売り業ですね、これが四二一・四%、約四倍くらい事業所数がふえております。一方、国民の所得の伸びを見てみますと、これはいま申し上げました二十六年から三十五年にぴったり合うような形になっていませんが、昭和三十七年度では、三十六年度と比べて一一一・一%、それから三十八年度では三十七年度、前年度比が一一五・三%、こういうふうに所得の伸びが出ています。つまり、一割から一割五分程度であります。それから消費の伸びですが、政府の統計によりますと、昭和三十五年を一〇〇として、昭和二十九年では七八、それから三十七年では一二四、つまり昭和二十九年から三十七年の八年間に四六%、年率にして四・九%のテンポで上昇した、こういうように出ております。そうしますと、国民の所得は一割から一割五分程度の伸びですね。これは毎年ですが、毎年といいましても、三十六年から三十八年の間です。そうして、国民の消費の伸びは二十九年から三十七年度までに、いま申しましたように四六%伸びている。ところが事業所の数は、卸、小売り業で四二一%というように、すばらしくふえております。もちろん、三十七年当時は、高長政策の関係もあって、かなりふえたと思います。その後若干数は減ったかもしれませんが、あまり変わっていない。こういうように、消費なり所得なりの伸び率と事業所の伸び率を考えてみますと、いわゆる過当競争といいますか、そこから出るところの整理あるいは転換なり廃業というものが私は出ると思います。大臣が言われたように、転業の中にも発展的に転業する人とそうでない人とあるとおっしゃいますが、私はこれからは暗い面がかなりの数出てくるのじゃないかと思う。それに政府としては対処しなければならない。急速にそういうものが予想されるような今日において、一年未満はかけ捨て、三年までは元金だけ、三年から後にやっと利息がついて、先ほど申しましたように、役員をやめるような場合には、民間の金融機関に預ける場合と比較して、二十年以上たたなければ恩典がない。こういうことは、きわめて私は問題のあるところと思いますが、大臣、この一年以上経過して三年未満ですね、そこら辺にかなり重点を貫くことはできないのでしょうか。いまの制度では、三年未満は掛け金だけですから、ここら辺については、私考えますのに、社会保障的な制度は取り入れないで、一般の民間の保険並みのことは、これは取り入れられておる。そのために、一年未満は、民間でもそうでしょうが、かけ捨てとなり、あるいは三年未満については、これは事業所の管理費とかあるいは工員の給料とかいろいろなことも考え、運営的な面も考え、あるいは給付の面も考えて、三年ぐらいまでは、途中でやめるような場合には掛け金を割るというような制度でありますが、こういう悪い面は、なるほど自前というたてまえからでしょうが、民間保険のまねがしてあります。ところが、肝心の社会保障的なものは一つもない。しかも、私が申し上げますように、これからかなりの転廃業というものが考えられる。したがって、三年未満といえども、そこら辺についてはかなり重視をし、また、補助救済対策を講じなけなばならないのに、この小規模企業共済法については、その一番大事なところにピントが合っていない。この点についてはどうなんでしょうか。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 お示しの数字につきましては、私案はここに資料がございませんが、そういう傾向にあるというふうに私も思います。ところで、いまお話があったように、卸、小売り業者が非常に伸びたという原因の中には、確かに高度成長経済のもたらしたものがあったろうと思うのであります。そうしますと、いま安定経済になって、そして経済界の不況という現実をまのあたりにいたしますと、今度はそれが転廃業のやむなきに至っていく、ここ二、三年のところが大事だというふうに御分析願ったわけでありますが、そういう分析もこれは貴重なことであると思います。十分われわれもそういう点は考えてやっていかなければならないと思いますが、ただ、角度を変えて、共済制度というものがどういう仕組みでどういうふうに成り立っていくのか、こういうふうなことを考えてみますときに、専門的知識は十分ではございませんが、この種の諸制度あるいは外国の事例など考えてみますと、一年未満の掛け捨て、三年未満の場合掛け金だけ、こういうあり方というものは、共済制度としてはやむを得ないのじゃないかと思うのであります。いま一番御心配になるのは、廃業の場合についてのことを先ほどから繰り返しお述べになったわけでありますが、これに対しては他の施策、たとえば廃業をされて新たに会社や工場におつとめになるという場合の技術の取得であるとか、あるいは事務能力を十分に持つとかいうようなことについて、商工会議所や商工会などがこれに対して訓練をするとか、あるいは政府の助成によるそういうような措置を講ずるとかいうことを別途考えまして、廃業の場合など、円滑に他の職業につき得るようにするのがいいのではないかと思うのでありますが、いずれにしてもこの制度の欠陥と申しましょうか、不十分さと申しましょうか、その点については、これはもう繰り返し私どもも認めておるところでございまして、今後ぜひ改善をしてまいりたいと思うのであります。

大村邦夫日本社会党

○大村委員 もう本会議の時間が迫りましたから、一、二分でやめます。  大臣は、これは共済制度だから、こうおっしゃいます。再三繰り返しますけれども、趣旨説明の中でも、小規模企業者等については社会保険的な制度の適用が薄い、だからこういうものを、こうつないであります。そうして、これは共済制度だから、内容は必ずしも満足じゃないが、まあまあこういう形態をとるのだ、こういう御答弁のようですが、先ほどから申しましたように、私はここの一、二、三年が問題であるから、ここら辺についてもかなり重視をし、救済措置を考えなければならないと同時に、共済制度だけでは救済策としてきわめて不十分であって、政府みずからが手を差し伸べるという立場をとらなければならない、こういうように私どもは強調するわけです。退職金もないような零細企業でありますから、十分この点については御勘案を願いたいと思います。  時間の関係でこの程度でやめますが、くれぐれもひとつ前向きでこの法案の御考慮をお願いしたい、こういうことを結びとして申し上げて、私の質問を終わります。

浦野幸男自由民主党

○浦野委員長代理 中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 いろいろ尋ねてみたいことがあるのだけれども、時間の関係で金曜日にやります。  今度事業団をつくって、理事並びに監事、こういうことで進めていくことになろうと思うのですが、理事、監事にはどういう層の人を任命しようとお考えになっておるのか。それから報酬の関係ですが、そういった点も大体案があるのじゃないかと思います。その点をお示し願いたいと思います。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○櫻内国務大臣 私としては現在白紙でございます。しかしせっかくのお尋ねでございますので、今後どうしていくかということを仮定して申し上げますならば、やはり中小企業に対して高い見識を持っておられる方、さらには中小企業の実情について十分周知をしておられる方、要するにこの制度にふさわしい中小企業関係者を選ぶのが順当ではないか、こういうふうに思います。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 特殊法人というのを盛んにおつくりになるのだけれども、必要な特殊法人は私ども反対するわけではないのです。ところが、どうも性格があいまいなもの、こういうものが必要であるだろうかというような、積極的な必要性が認められないものをどんどんつくっていくという傾向がなきにしもあらず。いつもいわれるのですけれども、役所の人事関係上、相当つとめられたそれぞれの役所のおえらい人たちが後進に道を譲るというので、その人たちの行く先を考えていかなければならぬ、そういうこともこういう特殊法人をつくる上について全然念頭に置いていないじゃないというような批判がよく出るわけであります。私はこの事業団に対して、そういう考え方が積極的に出てきてこの事業団をおつくりになっているのだとは申しません。ですけれども、今後この事業団がどういう歩みを続けていくか、その内容によって、いままでいわれてきた一般的な批判というものもここで出てくる可能性がないとは言えない。ですからそういう点に十分御留意を願いたいと思うわけであります。  さらにまた、各委員からもいろいろ御指摘あるいは質疑が行なわれましたように、この事業団は小規模企業の振興対策の一環として設置されるということでありますけれども、振興対策ということは、転廃業を促進していく上について、残った人たちがいわゆる過当競争にならないということをねらいとしておるとも受け取られるのであるし、そうでなくて、その小規模の事業者がほかの事業を始めることによって活路を見出していくということも考えられないではないということになるわけでありますけれども、いろいろ質疑の中におきましては、振興対策と受け取られるようなお答えもあるし、また転換政策というように受け取られる御答弁もあったようであります。その点非常にあいまいになるわけでありますが、いずれにいたしましても、同僚委員によって指摘されましたように、きわめて内容貧弱であります。おそらく中小企業庁の当初の原案というものはこういう貧弱なものではなかったろう、大蔵省との折衝の過程において後退をしたのであるというようには判断できるわけでありますけれども、せっかく中小企業基本法に基づいて小規模企業の振興対策の一環としてこの法律案をお出しになったのであるならば、通産大臣、中小企業庁長官ももっとしっかりした腹がまえで、この法律の目的がほんとうに達成されるという方向で取り組んでもらわなければならない、私どもはそのように考えるわけであります。いま大臣のお答えを聞きましても、きわめて不十分である、だがしかし、将来必ず御期待に沿うような形にこれを直していきたいというような答弁があったのでありますけれども、えてして、非常に不十分だ、だがしかし将来はと、今日まで審議されてまいりました各法律案に対して同様のお答えがあるわけであります。私どもは、せっかく出されるところの各種の法律案というものは、確かに現在の中小企業、なかんずく小規模企業が置かれている現状の中において、通産省、中小企業庁は積極的な取り組みをしておる、大きな期待感を持つというような内容の法律案を提案してもらいたい、こう思うのでありますけれども、そういう私どもの期待、中小企業、小規模企業の期待には非常に遠いものがあるということをまことに残念に思うわけであります。ただいまの大臣のお答えというものが近い日に実現されますように、さらにまた、この法律の運営の中において十分ひとつ妙味を発揮してもらいたいということを要請いたしたいと思うわけであります。  さらにこの機会にお尋ねしておきますが、中政連等で共済制度を考えておったようでありますが、政府がせっかく前向きの法律案を出すんだということで、会員の募集というものを手控えておったということを伺っております。中小企業庁長官もその点よく御存じであろうと思うのでありますが、そういう面の関連はどういうことになっていくのか、内容的にはこの中政連の共済制度というものがよほど条件がいいようでありまして、せっかく期待を持たれておったにもかかわらず、それよりも貧弱な内容であるということで、これまた期待はずれになっておると私は思うのでありますが、そういう点の関連をひとつお答え願いたいと思います。

中野正一中小企業庁長官

○中野政府委員 いま御指摘のように、中政連におきましても、退職、廃業の場合あるいは各種の年金制度的なもので共済制度を中政連の手でやりたいということで、これはすでに発足をいたしております。それから国の機関でやるということで、中政連とも十分連絡をとりまして両者よく話し合いまして、今度の政府でやる共済制度に中政連の機構をあげて協力するということにはなっております。ただ、実際問題として、廃業の場合に備えての共済金というものは政府の手でやりますので、中政連でやられるものは廃業に備えこの一時金の支給ということは取り上げないということになって、政府のやることと競合しないほかの面で大いに向こうはやっていただく。それから政府で考えておるこの制度に中政連の組織をあげて協力するというか、お手伝いをするというか、そういう形で両者相助け合ってやっていきたい、こういうふうに考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 先ほど来の質疑応答の中で明らかにされたわけでありますが、三百十万の対象事業、そういう中に五年間で三十万であるというような見通しを立てておられたようであります。私どもは、この内容というものがもっと積極的なものであって、十分期待にこたえるものであるならば、あげてこの中小企業、なかんずくこの零細企業者というものは、せっかく法律をつくってもらった、こういうことでこれに参加するということになろうと思うのでありますけれども、おそらくこの五年間に三十万なんということしか期待できないというのは、その内容に魅力を持っていないということを政府みずから認めておるということに私はなると思うわけであります。しかし、同じようなことを繰り返すようでありますから、本日はこの程度にとどめておきます。どうぞひとつ積極的な取り組みをやっていただきたいということを重ねてお願いいたしておきます。

浦野幸男自由民主党

○浦野委員長代理 次会は、明後四月二十三日金曜日午前十時十五分より委員会を開会することといたし、本日はこれをもって散会いたします。    午後二時三分散会

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