商工委員会 第28号
- 発言数
- 69 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1965/04/14
会議録
○内田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出の小規模企業共済法案を議題とし、質疑の通告がありますので、これを許可いたします。桜井茂尚君。
○桜井委員 昨日、大臣の御退席のあとでこまかにいろいろと審議を継続したのでございますが、その中でほぼ明らかになった点を、大臣がお聞きになっていないと困りますので、簡単に集約して申し上げますと、たとえば就業構造基本調査によりますと、三十七年にすでに十三万六千人の自営業者が勤労者になるために就職をしたいと希望をいたしております。これは三十七年の統計でありまして、その後三年を経ております。経済の急速度な発展ということを考えますと、その間に勤労者と零細な自営業者との所得格差はますます急速に開いておりますので、今日では就職の希望者は急増しているはずであります。しかるに本法は、掛け金の三年間は据え置きということでありますから、その希望者には有効には対処することができません。そして観点をより長期的な視野に立つといたしましても、官公吏の退職金には遠く及ばず、失業保険に比べてもその足もとにも及びません。そして掛け金の利回りは電力債や金融債にも及ばず、またこれらのものは売却なり担保にすることができるのでありますが、掛け金はそうはまいりませんので、ますます不利であります。やっと生命保険と同じ程度に取り扱われているというのが本法の性格であります。さらに、自営業者にとって事業の転換ということは非常にまれな現象であるということも確認されました。統計では一万六千人程度であります。しかしこのまれな事業の転換が行なわれるといたしましても、新しく成り立つ経営を行なおうとするためには最小限一千六百万から二千万円程度の事業資金がなければできないということも明らかになりました。したがって、五千円ずつかけまして最高であります。転業するのに四十五歳の者が五十五歳——これ以上こしては転業ということも困難であります。五十五歳、結局十年、これは八十八万円程度でありまして、事業の資金としてもほとんど役立ちません。しかるに一方、還元融資やあるいは中金債の買い入れ資金に掛け金が充てられるとするならば、ほんとうに零細業者の血のにじむような金を集めて、そして他の若干優位な零細業者の近代化を促進するということであり、かつ、当然政府の財政投融資資金を増額すべきものを、逆に零細業者の金を集めて、肩がわりをするという結果も生じかねない。運用の善意、悪意は期の問題でございます。客観的な結果としてそういうことになりかねないおそれもある。そうなりますと、残念ながら、意図のいかんにかかわらず、まさに悪法に転化するのであります。 以上のようなこと並びに若干税金問題でもう少し詳しく申し上げましたが、前提としまして、ほぼ以上のようなことが昨日明らかになりました。したがって、本法は退職金や失業保険的なものとしても非常に貧弱であり、もちろん事業転換政策としても不十分であります。 そこで、昨日も長官にちょっとお伺いしたのでございますが、とするならば、卒業転換の政策というものは全然別に新たなものとしてつくる必要があるのではなかろうか、このように考えるのでありますが、大臣の御所見はいかがでありますか。
○櫻内国務大臣 桜井委員の昨日の御質問については、ただいまお話しの大体のところは私も在席して承っておったつもりでございます。そして非常に掘り下げての御検討でございまして、私は心から敬意を表するものでございます。こういうふうに新発足する小規模企業共済事業団に対していろいろ御検討をいただいたことは、私としても非常にありがたいと思うのであります。 そこで申し上げたいことは、確かに不十分な点、また多くの欠陥のあることは私率直にこれを認めます。今回の共済法案を立案して、大蔵当局との折衝の過程におきましては、私の政治的判断は、従来小規模企業者に対するこれという目新しい施策もない。そこで無担保、無保証の三十万円のもの、それから小規模企業の共済というものを多少でも前向きにいくという趣旨におきまして、私としては不十分ではあっても実現を見たいということで努力したようなわけでございます。したがって、今回いろいろな角度からの御検討につきましては、これは将来にわたって十分参考にいたしまして、改善をすべき点はいたしたいと思うのであります。 なお、特に事業転換について、新たに転換をする場合に、千六百万ないし二千万の資金を一応お考えの上で、四十五歳から五十五歳の十年間で八十八万円のこういう共済金を得ても何らの役に立たない、別途の考慮の必要があるのではないかというお話でございましたが、それはそのとおりに私も考えます。
○桜井委員 そこで大臣に私冒頭に質問いたしておるのでありますが、資本主義である以上、当然こういう自営業者というものは分解していくのが必然であります。いま申し上げましたとおり、生き残る者については、事業資金なり何なり、そして近代化への通というものを考えなければならない。そうして没落あるいは労働者に転化する者に対しては、また別途の明確な政策を立てなければならない。この点を申し上げておるのでありますが、実は昨年も申し上げ、昨日も私、長官に申し上げたのでございますが、自営業者というものは、常に売り掛け金と買い掛け金というものがございます。もし廃業して転職するとしますと、売り掛け金は社会通念からいきまして非常にとりにくくなるばかりでなく、またやめるのでありますから、ほかに就職するとすると、今度は回収の時間的余裕もなくなってしまう。しかるに一方買い掛け金は、その支払いには債鬼が押し寄せるような状態で、非常に苦しまなければならない。だからきちんとした近代的労働者になれない。そこで現実は家族もろとも苦しんで兼業を行なっているという実態が非常に多いと思うのであります。したがって、やめたいという希望があるにもかかわらず、やめられないでいる、こういう人々に対して、国によって債権債務を整理する、そういう肩がわり機関というようなものをつくる気があるかどうか、私はこれは可能だと思うのであります。国民金融公庫あるいは信用金庫、相互銀行等と、いろいろな機関を利用するなり、何らかの方法をもちまして可能であると思うのでありますが、この点いかがなんでございますか。
○櫻内国務大臣 お話しのように、自営業者が転換、廃業、主として廃業でございましょうが、その場合に売り掛け金、買い掛け金の扱いについての御観察は、そのとおりだと思います。ところで、これらのものを対象として整理機関を政府が考えてみたらどうか、大筋で考えられないこともないと思うのであります。しかし政府が責任を持ってやる以上におきましては、どの程度の見通しに立つかというような点が非常にむずかしいことではないかと思うのであります。またそういうことによって、自分自身が努力すればより解決が早いのが、整理機関ができたばかりに、そこにみな押っつけてしまうというような実情が起きてもいけないのじゃないかということを考えていきますと、方向としては考えられないことはないが、にわかに政府の責任をもって整理機関をさっそくやるべく研究をすることについては、私はここではっきり申し上げかねるのであります。しかし検討し、研究するに値する問題であると思います。
○桜井委員 昨日も労働省の方にもお伺いしたのでありますが、雇用計画を見ましても、学校からの新卒というものは四十一年をピークにいたしまして、ほとんどそれ以降は減少の一途をたどる。そして農業にいたしましても、これ以上はなかなか困難であるという事態になりますと、その給源をどこに求めるか。その求める給源は、結局一番求めやすい自営業者に求めざるを得ない。一番最初にそれですから統計をお伺いしたのですが、イギリスなり西ドイツなりというものと比較検討してみた場合に、自営業者なり零細な企業というものは日本にあまりにも多過ぎる、ゆえに近代化がおくれ、あるいは物価の上昇を招いているということは政府みずから御承知のことであり、また大臣も昨日御答弁のとおりであります。そういたしますと、ここに五百十七万という膨大なものが現在存在する、にもかかわらず、労働省でも研究不十分であったというのが昨日の御答弁でございました。したがってこれが放置されたままでずるずると、もしいくとするならば、みじめな人をみじめなままに、やむを得ず、しかたのない夜逃げ同様の形でもって就職へということになりますと、ますますかわいそうであります。そういう意味におきまして、経済発展の過程における摩擦現象、これをなくするというのが一つの当面の大きな政治課題であるとするならば、その点につきまして大臣にももう一ぺんすぐ立法ということまでは非常に困難かと私自身も思いますけれども、少なくとも研究がないということは非常に残念であります。そういう点につきましてもう一度大臣から御答弁をお願いいたします。
○櫻内国務大臣 昨日政府側で御答弁申し上げておるように、この五百十七万の零細企業者がどういうふうにして廃業、就職、いいかえれば新しい労働給源になるかということについての実態の把握が不十分であるということは率直に認めたわけであります。ただいまの御質問の御趣旨に沿いまして今後実態を把握するとともに、それに対処する施策を考究することについて私どももよく勉強いたしたいと思います。
○桜井委員 次に、いま現に、しからば就職をするといたしましても、御承知のように自営業者の場合には、工業の場合ですと、長年の熟練工であります。それ以外の一番多い商業の場合ですと、これはせいぜいそろばんをはじき、帳簿をつける能力しか持っていない。したがって近代的な産業にこれを転換させるためには、どうしても職業訓練というものが重要になってまいります。現に、政府もそういうことは気づいてはおると思いますが、現に営業している自営業者に技能教育をするためには、学校に行くような形で職業訓練をやったのでは、一家の生計が立たなくなってしまいます。したがって一家の生計を立てる、すなわち働きながら学ぶことのできる機関がぜひとも必要だ、このように考えるのであります。したがって夜間であるとか、休日であるとか、あるいは随意にひまのできたときに行けるような、そういうような訓練機関を広範に充実する必要があると私は考えるのであります。しかも訓練機関が従来は都市に集中しておりますけれども、しかし、現実に労働給源が出てくるのは、都市といいましてもむしろそれより周辺あるいはいなかのほうの中小都市、そういうところに給源があるのであります。したがって職業訓練所の設置場所についても非常に問題がある。こういう点から考えましても政府としてそういう、ほんとうに家計を立てながら技能を覚えたいという者に対してどういう考えで対処していく気か、これはひとつ労働者並びにもし御意見ございましたら大臣からお伺いしたい。
○櫻内国務大臣 労働省、厚生省の関係は別途お答えがあると思いますが、私としては現在商工会議所あるいは商工会に指導員を置いて、またそれに対する政府の助成施策をやっておるわけでございます。これらの指導員が各企業の実態を把握し、また転換をさせる、あるいは廃業する方向へ進めるか、いろいろ企業診断や指導の過程において桜井委員の御指摘しておるような零細企業の当面している諸問題に取っ組んでいけると、こう期待するのであります。しかし、これらの指導員のあり方、普及員のあり方についてもの足らない面もあろうかと思いますが、しかし、これはこれなりに強化していきたいと思います。 それからいまの訓練、指導について多少のニュアンス、やり方は違いますが、現に商工会議所や商工会の相当進歩的な団体と申しましょうか、まあ時代の趨勢をよく見きわめておる地方の団体においては、いろいろとやっておると思います。そこで、とりあえずのところは、いまお話しのような点は、そういう機関を通じて強化をしていけば一応の効果が出てくるんではないか、しかし、さらにもっと根本的に考える必要がある、こういうふうなお考えのようでもございますので、われわれとしてもどういうふうに実態に即していくのがよろしいのか、これはよくこれから検討していきかいと思います。
○桜井委員 通産省のほうの、いま大臣の仰せられたような施策につきましては、これはむしろ零細業者あるいは中小企業者が、企業者としてより合理的な経営のできるように、自分の業を続けていく上において発展的な方向にいくようにという点が、私は主になったる指導だろうと思います。したがって、転換という点については頭が向いていない、このように私は考えるわけであります。しかるに、零細業者の中には転換して新しい事業をやるという人は、先ほど申しましたように、非常に困難でむずかしい。自分の家業を一生懸命やって、より以上に合理的なものに発展させていくという意味におきましては、その中でおそらく私は一割程度のものしか期待できないんじゃないか、このように考えられます。九割程度は、先ほど申しましたように、逆にこれは落ちこぼれていくのである、労働者に転換するのだ、こう思われる。それを現在の指導の方向は、通産省の立場からすれば当然でございますけれども、いま申しましたような経営の合理化、近代化の方向へ向かっていくのじゃないか。労働力としての近代化、近代的労働力の確保という観点は、ちょっと通産省では無理じゃなかろうか。もしそれでおやりくださるならそれもけっこう、私は十分それを活用すべきだと思います。しかし、その点だけではまだまだ不十分ではなかろうか。その意味におきまして労働省の見解をお伺いいたします。——それじゃあとでまたあれして、大臣について、そのとおりであればそれでけっこうですが……。
○櫻内国務大臣 ちょっとお話の角度と違うかもしれませんが、この機会に私の所信を申し上げておくほうがよろしかろうかと思います。 いまお話しのように、より合理的に、より近代的に発展的の方向に持っていく考えが主でないか、これはそのとおりだと思います。しかし、その過程において、従来五人でやっておった企業が近代化、機械化によってまあ二人くらいで済む、こうなってきた場合に、そこに三人の余裕が出てくる。その余裕がお話しのような労働給源の方向へ向かっていく場合もあろうかと思うのであります。ですから九割は転落をするという表現がいいかどうかわかりませんが、この合理化、近代化に伴ういい意味における工業方面への転換もあり得る、こういうふうに思うのです。ですからその辺も考えながら施策をやっていく必要があろうかと思います。通産省が考えるよりも労働省のほうの考慮すべき余地があるんじゃないか、これはそのまま賛成をいたします。
○桜井委員 大臣がいなくなっちゃうと困りますので、重要な点だけ先にお伺いいたしますが、昨日、実は大蔵省のほうとかなりこまかに審議をいたしたのでございます。そこで本法は、実際は長官も言うとおりに、自営業者の中の一割以下しか適用はされない、大体そういうような状況になるのは必然であります。この間通りました無担保、無保証の三十万円の融資の問題にしましても、やはり同様であります。これは階層別に自営業者を分析してみれば当然そうなるのでありまして、その点は明らかであります。しかし、だからといってこれを本法に入りにくくする、できるだけ大ぜいのものが入ったほうがいいのを入りにくくする必要はない。なるべく大ぜいの人に加入してもらって、しかも本法が実効ある、そういうようなものにしたほうがよいにはきまっております。そこで大臣にお伺いいたすのでありますが、掛け金に対する課税は、生命保険と通算いたしますると、その限界が三万五千円まででございまして、現にすでに二万二千円かけておりますから、その利益はたったの一万三千円しかない。月にいたしますと二日分しか利益がなくなってしまう。これでは本法の効果というものは非常に減殺されるわけであります。したがって、この掛け金を全額税から控除するというようにしたほうがいいんじゃないか、こう思うのですが、この点はいかがでございますか。
○櫻内国務大臣 これはきのう私がおりましたときにすでに御質問が展開しておったところでございます。私としても、お話の方向というものは好ましいと思うのでありますが、なぜこういう措置がとられたか。全額控除ということが好ましいとは思うのでありますが、今回のこの共済法が任意加入によって行なわれる、そして他の全額控除をしておる場合と比較すると、それは強制加入だ、これはすでに昨日事務当局のほうからお答えをしておると思うのであります。そういうような点から、予算折衝の過程におきましては、一つの差別をそういうところの理由で設けられた、こういうことでございまして、通産省側とし、またこういう共済法を推進する立場からいえば、桜井委員のおっしゃる方向へ私どもも持っていきたいと思うのでありますが、現実にはそういうようなことから、不十分なままで終わっていることはまことに遺憾でございますが、いまここでそれじゃ、御審議を願っておる過程で、私からこれはもうこういうことは不当なんだからと言うようなことも不見識だと思います。いま言うような任意加入、強制加入というような点からこういう区別があったという前提のもとにやむなく了承をしておる次第でございますが、これは今後の研究課題だと思います。
○桜井委員 生命保険も任意加入でございます。その生命保険に対して、とにかく五万円までということで一応の税の控除を認めた、それでその理由は何だとお伺いしましたところが、それは貯蓄のためである、貯蓄奨励のためならば例外を認める。ところが先ほど申しましたように、零細な業者、そして失業保険の対象にさえなれない、何べんも繰り返して申しますが、失業者にさえなれないような零細な業者が、それが経済の発展の過程におきまして不幸にも転落せざるを得ぬというような運命にきている。したがって、その犠牲に対して何らか処置をするということは、これは政治の課題であろう。いかに保守党政権のもとにおきましても、こういう問題につきましては冷厳に事実を見詰めて、そうしてそれに対して対処するだけの合理性と勇気というものが私は必要だと思うんです。したがって、生命保険については貯蓄だから例外を若干設けてやったんだということで、すでに体系をくずしている。それのみではない。地方税におきましては事業税をとっている。そうして、はっきりと分けて考えております。そうしてまた、事業税について考えてみまするというと、大法人に対しましては租税特別措置法で、経済の発展という理由のもとに、これまた特別の措置をしている。しかるに、先ほど来繰り返しまするような方々に対しては何らの特別措置——これは税の体系上できぬだろうというような理屈でこれを拒否するというのは、私は、これは政治におきまする不公正というものではなかろうか、このように考えます。 もう一つ、観点をかえて申し上げます。いまは、所得の中からの貯蓄という考え方でいまの議論は立っているわけですが、観点をかえて見まするならば、一番最初に私、大臣に確認を求めたとおり、今日は資本主義の世の中である。すべてが資本主義の原則に従って運行されているのが当然であります。で、その場合でも、自営業者というものは資本主義以前の形態である。それが資本主義の中にだんだん分解していくというのが歴史的事実でございます。そして現に大蔵省は自営業者に対して青色申告の指導もしている。とするならば、自営業者が実態上は資本家であり、経営者であり、労働者であるというものを現実に分離するという考え方がそこに見えているわけであります。したがって、資本家であり経営者である自分が労働者である自分に給料を払うということは、何ら概念上において混同はないんであります。おかしな不合理なところはないんであります。そして、その経営者である自分が事業をやめるということになって、今度は労働者である自分が退職金をもらうということに何らふしぎはないのであります。もしそういう考え方に立つならば、中小企業退職金共済制度と同様の形をとって、そして経営者である自分が掛け金をするんであるから、これを経費から落としていく。これは何ら税金をかける必要はない、こういうことにもなるのであります。どちらの理論をとってみても、この点は何ら不合理な点はないと私は考えるのであります。しかるに、大蔵省当局は既存の考え方を持ちまして、強引に所得税法の体系がどうだこうだという官僚的、旧套を墨守するといいますか、そういう法律論だけでもってやっているのでありますけれども、これに対して大臣の見解はいかがなものであるか。ことに今後におきまする中小企業、零細業者に対する通産政策上非常に大きな問題をはらんでいると思いますので、御回答をお願いいたしたい。
○櫻内国務大臣 ただいまお示しの御所見というものは、私は非常に参考になりました。今回の予算折衝の過程に、少なくとも私はいま言ったような論拠のもとに、最後的に大蔵省にこういう考え方はどうか、そういうことを申した立場ではなかったのであります。いまおっしゃるように、失業保険の対象にならない自営業者の立場であるとか、あるいは青色申告等で示されておる資本家、経営者であり、また従業員の立場をとる、そういうような点から、従業員としての保険料と申しましょうか、そういう扱い、そういう考えについては非常に私も啓蒙されるところがございます。したがって、これらの点については今後のこの共済法の改正の場合に十分取り上げて、よく折衝をすべきものであろうと思います。
○桜井委員 また、本法によりますと、共済金が給付されたときも、これは一博所得としまして、譲渡所得とか満期になった生命保険と全く同様に取り扱われており、高率の課税を受けることになっております。そこで、事務当局のほうからお伺いいたしますが、生命保険では、今度改正になりまして、四月から一時所得に対しまして税金がいままでよりも多く控除になる、このように聞いております。その生命保険に対する控除は本法にも適用されるのであるかどうか。それから、その点につきましては、たとえば、生命保険ですからなくなったという場合には、みなし相続として、基礎控除も相続において二百万円まで無税。それから、遺族につきましても、これまたその数に応じて無税ということになるはずですが、それと本法との関係はどのようになりますか。
○山下説明員 ただいまのお話は、所得税と相続税と両方に関連しているものであると考えます。所得税につきましては、本法が成立いたしますると、この制度を生命保険料控除の対象として大蔵大臣が指定するという手続が要るわけでございます。それによりまして生命保険の控除の対象に相なろうかと思います。 先生いま御指摘の相続税等につきましては、相続税法のみなす相続といたしまして、課税対象から百万円を控除するということに相なっております。
○桜井委員 本法に対する適用はどういうことになっておりますか。本法との関係。
○山下説明員 本法との関係では、いま申しましたように、所得税法では、生命保険料控除の対象として所得税法の規定に基づいて大蔵大臣が指定 いたします。
○桜井委員 対象として取り扱うということでございますか。何か法律的根拠がございますか。
○山下説明員 このたび所得税法を全文改正いたしまして、中身はかわっていないのでございますが、新しい法律の第七十五条の第二項におきまして「前項に規定する生命保険契約等とは、次に掲げる契約をいう。」といたしまして、農業協同組合法の事業を行なう農業協同組合の締結した生命共済に係る契約、その他政令で定めるこれに類する共済に係る契約、この政令で定めるこれに類する共済に係る契約、これに該当いたしてまいるわけであります。それは政令で定めるところによりまして大蔵大臣が指定する。したがいまして、このたびの本法の小規模企業共済事業団につきましては、その行なう生命共済についてこの指定をいたす予定でございます。
○桜井委員 私は、大蔵省のほうでは実にかってに理解しておると思うのです。と申しますのは、大臣が本会議において、あるいは当委員会におきまして、この法案を上挺するに際しまして説明したことは、これは生命共済的性格を持つものであるという説明はございませんでした。事業の転換その他退職等々に関する、そういうものとして取り扱っているのである。生命共済としては取り扱っていない。それを大蔵省の単なる見解で、そういうように法の性格を変えてしまうということは差しつかえないものかどうか。
○山下説明員 生命共済、その他政令で定めるこれに類する共済にかかわる契約、こういうことでございます。実は、本法によるものは、これはまさに共済でございます。しかも、それを税法上特別の控除をいたすとすれば、この生命保険料控除の対象にせざるを得ないわけでございます。
○桜井委員 生命共済、その他これに類似する共済、こうなっているのですが、先ほど私が申し上げましたとおり、大臣は本会議ではそう言っていないのです。当委員会でもそう言っていない。ただ、そういう性格を持つものであるとあなた方が理解しておる。そのあなた方の単なる解釈だけでそれを適用して差しつかえないものですか。この点、大臣にお伺いいたします。
○櫻内国務大臣 非常に専門的なことになりまして、法制局の見解でも求めるのがよかろうかと思うのでありますが、確かに私の本会議における説明は、お話しのように明白を欠いておると思います。いまここに当時の説明を検討してみますと、「このほか掛け金につきましては、別途必要な税法上の減免措置を講ずることといたしております。」と、こういうふうに申し上げておるのでありますが、この解釈上のことは別といたしまして、実はこの共済法案を出す過程において、この税法上の減免措置は、いまの表現が正しかったかどうかは別でございますが、これによって講ぜられたもの、こういう立場で私はこの説明をいたしておるのでございますが、しかし、御指摘のようなふうに専門的にお尋ねいただきますと、ちょっと私の知識ではお答えがしにくいので、場合によっては法制局に御疑問の点をおただし願ってはいかがと思います。
○桜井委員 有利な方向に解釈するということ、そのこと自体は、この法律のたてまえからいきまして、私、差しつかえないんであります。だが、ここではそういう解釈をして、所得税のほうの問題になってくると、今度は体系上どうだこうだ、こうおっしゃるから、一方ではばかにぎちぎちしたかっこうで言いながら、片っ方では融通無碍に解釈しなさる。そういうことでよろしいかどうか、こういう点を私は実は問題にしたのであります。有利に解釈してくださること自体は私は賛成であります。 じゃあ次にまたお伺いしますが、この七分二厘という利回りは、これはきのうも申し上げたのでありますが、金融債やあるいは電力債等の利回りにも劣る。これらのものは、売却もできれば担保に入れることもできる。したがって、本法の掛け金では非常に不利になってしまう、このように考えられるわけであります。だから、当然のこと、事務費に対する補助だけでなしに、掛け金に対しても補助金を出すべきだと思うのでございますが、その点いかがなものでございますか。
○櫻内国務大臣 先ほど桜井委員が御指摘したように、経営者であると同時に従業員だ、こういうたてまえでまいりますと、私のお答えがどうも御満足を得られないと思うのでありますが、われわれとしては、本制度の対象が小規模企業の事業主であるという立場で、中小企業退職金共済制度の対象となっている従業員の場合には国の補助をすることにしたが、今回の場合は、事業主であるというたてまえで補助施策はとらなかったが、事業団に対する出資ということによって、その出資の運用益のできるだけ増額をはかるようにつとめまして、そうしてこの制度の内容を充実していきたい、こういう立場をとったわけであります。しかし、これについての御批判は、先ほどの御論拠で出るかと私も思います。
○桜井委員 大臣は非常に時間がないようでございますので、私もまだ残っているのですが、一番重要な問題を御質問いたします。 それは、去年も私は福田大臣に、前大臣にお伺いしたのですが、企業とは何だ、これは実はきょうもお伺いしようかと思ったのですが、あとでまた御返事いただくといたしまして、とにかくその点が不明確のままにいまだに過ごされてきている。そして、企業以前のものに対しまして、こういうものが没落していく過程におきまして、社会保障制度というものがよほど完備するということがございませんと、非常に深刻な事態になるわけでございます。通産政策を前向きに前進させるためには、片面で社会保障政策というものがはっきりと充実したものとして確立していなければ、通産政策それ自体も前向きにはいかないのであります。その意味におきまして、一番最初に申し上げましたとおり、日本とイギリスとドイツとの雇用構造産業構造の比較でわざわざお伺いしたのでありますが、近代化への過程の中におきますそういう問題を解決するのに、社会保障政策というものが今日不備じゃなかろうか。ことに、零細自営業者に対しては徹底的に不利になっている。この点について大臣はどのようなお考えを持っているのか。これを解決せずして、通産政策を前にどのようにして進める方策を別に考え得るのか、その点が非常に問題だと思いますので、大臣から見解を特にお願いいたします。
○櫻内国務大臣 社会保障制度を拡充していく、そうしてこれを国民がひとしく享受できるようにつとめるべきだと思います。しかし、その点からいたしまして、自営業者に欠ける面が多々ある、こういうことについては謙虚に検討してまいりたいと思うのでありますが、自営業者もまた一般国民の立場もとっておるわけでございますから、現在、国民年金とか、あるいは国保であるとか、そういうものの対象、今回国会でお願いをいたしました労災の新たなる適用とか、そういう面から社会保障施策の一部を享受しておるということは、これは御了承できると思うのでありますが、零細企業の実態を十分把握して、さらにこれに対処すべきだということについては、前回も、きょうも先ほど、いまの御質問の角度とは違いましたが、お尋ねがあって、私がお答えしておるとおりでございまして、自営業者、零細企業に対する社会保障施策の拡充について関係各省と連絡の上に前進すべきだということに私は賛成であります。
○桜井委員 最後に、もう一度だけ申し上げておきます。それは、資本主義の発展の過程におきまして、この発展がわが国におきましては、イギリスが二百年の年月を経て苦しんでまいったことを二、三十年でわれわれは実現しなければならないんだ。この間における社会的な諸矛盾、そういうものに対してわれわれは直面して、冷厳にこれを見つめて解決していかないと解決の方途を誤る。そして、ただ単に夢物語りのようなばらばらな政策を次々に羅列するというだけでは、国民は夢の間に間に悲惨な道へ次々と落ち込んでまいるのであります。したがって、通産政策を立てる立案者としましては、私は、冷厳に事態を、そして歴史の進行の方向をはっきりと把握した上で立てるべきであるし、そしてまたそれは、たとえ自民党あるいは政府のよって立つ近代的保守党といえども、近代性を持つためにはぜひともこれを欠いてはならないのだということを申し上げて、私の大臣に対する質問を終わりといたします。 そこで、ただいま実は大臣が申されておるのですが、国民ということばが出まして、その国民の中に自営業者を含めておる。確かに、自営業者が国民であることは違いないけれども、国民の中には資本家もいれば労働者もいればあるいは農民もいればというように、具体的に国民というものは存在しているのであって、したがって、その国民の具体的な内容に対して、たとえば会社の経営ということならば、大経営を担当する資本家の諸君はどのような施策が行なわれたならば会社経営がやりやすいであろうか。あるいはまた、労働者には失業保険であるとかあるいは各種のいろいろな権利というものが与えられている。それに比して自営業者というものが非常に社会保障の上からいって立ちおくれている。こういうことを言っているのであって、ただ単に国民という形の中に全部を包含してしまいますると、その中における具体的な差というものは見えなくなってしまうのであります。本法の対象になっているのが、通産省から最初に私が資料としてちょうだいいたしましたのは、ほぼ二百九十八万でございます。しかしそれが現実に適用されるということになれば一〇%以下、したがって、その中の二百七十万から八十万というものは、当然落ちこぼれてくる、その落ちこぼれてくるものに対する政策として、どのようなものを考えたらよろしいのかということで、先ほど来いろいろと申し上げておったのであります。で、現在自党業者のこれらの人々に対する社会保障としてどんなものがあるのか、その点についてまずお伺いいたします。
○中野政府委員 いま先生の御指摘になりましたように、確かにいわゆる零細な自営業者というものに対する社会保険等を含めた社会保障制度の適用ということにつきましては、どちらかというと、従業員とか、労務者というか、企業で働いておる者に比べて制度が行き渡っていないじゃないかということは、指御摘のとおりでございます。たとえば従業員につきましては、御承知のように、失業した場合には失業保険、それから災害を受けた場合には労災保険、それから厚生年金保険、あるいは中小企業の退職金共済制度というふうなもの、あるいは健康保険等々のもろもろの制度が相当できております。これも十分かということになると、またいろいろ不十分な点もあるかと思います。それからいよいよ食べられなくなったという者については、生活保護の制度というようなもろもろの制度があるわけであります。零細な事業主につきましては、一般国民に適用がある制度、すなわち国民健康保険、それから国民年金という制度が従来あったわけでございまして、今度零細事業主についてこの共済制度をやろうということでございます。それからもう一つは、最近、これも御承知と思いますが、現在これは社会労働委員会のほうにかかっておると思いますが、労働者災害補償保険制度を拡充いたしまして、これを中小企業の事業主、おやじさん、社長さんにも適用しようじゃないかということで、労働省と話し合いをしまして——これはもちろん任意加入でございます。任意加入でございますけれども、そういう制度を法律改正をいたしまして、いま国会で審議をしていただいておるわけでございます。そういうふうにいたしまして、これは最初は小規模事業者だけについてやったらどうかという議論があったのでありますが、むしろわれわれの立場からいうと、中小企業者全部に広くやったほうがいいんじゃないかという議論になりまして、現在のところでは中小企業全体にこの労災保険の制度を確保しようということで、いま法案を出しておるわけであります。そういうことで逐次零細な中小企業の事業主に対する制度も拡充してまいりたいという考え方でございます。
○桜井委員 いまお話がありましたとおりで、社会保障というものが非常にばらばらに、何か無原則な形で出てきております。ただ単に、こういうところに足らぬからこういうところに追加するというような形でもって、あっちにもこっちにも、あっちにもこっちにも、しかもそれが全部不十分な形で出ているわけであります。こういう点につきまして、数が多ければ多いほどかえって社会保障そのものの体系がばらばらになってしまうおそれもなきにしもあらず、社会保障制度というものはもっときちんとした形で確立すべきものではなかろうか、このように考えられるのでありますけれども、厚生省の方、どなたかおいでになっていますか。
○廣瀬説明員 ただいま先生御指摘のように、日本の社会保障につきましては、御承知のように、国民年金、国民健康保険が全面的に施行されまして、一応形式上は皆保険、皆年金といわれておるわけでありますが、その制度が非常にばらばらでございまして、その各制度問の内容もそれぞれ相違があるわけであります。したがいまして、今後日本における社会保障制度の課題といたしましては、このばらばらな制度をどのようにして総合調整していくかということが一番問題でございまして、一昨年でございましたか、総理府に設けられております社会保障制度審議会の日本の社会保障制度に関する総合調整に関する答申がございましたが、それにも先生の御指摘になったことがるる書いてありまして、厚生省といたしましても、その線に沿いましていろいろ検討している状況であります。
○桜井委員 この問題に入りますと、非常に多岐にわたりまして、まだまだ聞きたいことが山ほどあるのでございますが、大臣ももうお帰りになりましたし、私としましては、とにかく通産政策というものが実は社会保障政策というものと切っても切り離すことのできないものであって、この問題をはっきりと認識して今後の通産政策をやってもらいたい、こういう考え方がございますので申し上げたわけでございますが、とにかくいまの通産政策が全般的にわたって社会保障と同様にばらばらにたくさんのものが羅列的になっておる、柱がない。そういう意味におきまして、私一番最初に大臣に御質問はいたしておりますが、今後そういう点を十分御検討のほどをお願いいたしまして、私の質問を終わりといたします。
○内田委員長 大村邦夫君。
○大村委員 私はまず大臣質問を行なって、その他小さな問題については長官なりあるいは局長にお尋ねをしたいと考えておったわけですが、大臣の時間の都合で若干順序が不同になりまして残念に思います。したがって、質問が散漫的になるかもしれませんが、ひとつお許しをいただきたいと思います。 まず企業庁長官にお尋ねしたいのは、今次の小規模企業共済法案と既成の中小企業退職金共済制度との違い、特色、そういうものについてひとつお尋ねをしたいのであります。それは、たとえば国の助成あるいは還元融資の相違、さらにはまた税制上の取り扱い、そういうものについての違い、それをお尋ねしたい。
○中野政府委員 いま御質問の、今度の小規模企業共済制度とそれから従来あります、これは労働者が主として主管しており、私のほうも共管になっております中小企業退職金共済制度との違いでございますが、片方はもちろん、御承知のように、中小企業に働いておる従業員の退職金制度というものが十分確立していない。これは本来は民間でそれぞれの事業主がやるべきことでありますが、それが非常に不十分である。したがって、中小企業に働いておる方々の福利厚生というようなことも十分考慮に入れて、こういう制度を国も助成して確立したいという趣旨からでき上がったものでございまして、したがいまして、第一に、事業主が要するにそこに働いておる従業員のために掛け金をかける、こういうことになっておるわけでございます。その点が小規模企業共済の場合は、先ほど来の御質疑で明らかになっておりますように、事業主が自分のために自分が掛け金をかける、こういうことになっておるわけであります。ただ一定の期間掛け金をかけて、片方は従業員が退職した場合に、その掛け金の運用をもとにして一定の給付金をもらう。それから私のほうの小規模共済事業団のほうは、退業とか退職の場合、そのほか満期になった場合もございますが、やはり日ごろ掛け金したものをベースにして一定の給付金をもらう、ここは非常に似ておるわけでありますが、片一方は、あくまでも従業員でありますために退職金をもらう、こういうことになっております。 掛け金につきましては、退職金共済事業団のほうは二百円から始まりまして最高月二千円ということになっております。この小規模共済事業団の場合は、月五百円から五千円、こういうことになっております。その点が違っております。 それから税法上の扱いでございますが、これは事業主がその従業員のために掛け金をかけるわけでございますから、これは法人の場合は損金扱い、それから個人事業主の場合は必要経費の扱いということで、税法上の扱いはそうなっております。それから小規模共済事業団の場合は、先ほど御説明になっておりますように、生命保険料控除の中でこれを所得控除する、この差がございます。 それから給付なり退職金をもらった場合の扱いは、これも従業員共済制度につきましては退職金でございますので、退職金としての税がかかる、これは一年について五万円の控除、したがって、かりに二十年つとめておれば百万円の控除があるということになるわけであります。小規模企業共済事業団の場合は一時所得として生命保険と同じ控除がある、こういう差がございます。 それから次に第三点としての差でございますが、これは中小企業の従業員共済制度の場合には、給付金に対して直接に国が補助する、こういう形になっておりまして、一カ月の掛け金二百円、これは最低が二百円でございますが、かりに五口かけても十口かけても補助金の額は同じでございます。二百円について補助金が出ます。二百円について、十年以上かけた場合にはその一割、すなわち月に二十円の補助金が出る。三年以上かけた場合は二百円について五%の補助金、十年以上かけた場合には一割の補助金ということになっております。 それからもう一つは、中小企業の従業員の共済制度を実行しております事業団がございますが、この事業団に対しては必要経費は全部国が補助しておる。この点は私のほうの小規模企業共済事業団と同じでございます。ただ違う点は、従業員の共済事業団に対しては国の出資はございません。ところが私のほうの小規模企業共済事業団に対しては四千万円の国の出資がありまして、全額国の出資でこの事業団ができておる、こういう差がございます。
○大村委員 いまの説明によりますと、国の助成ですね、これはそれぞれ特色があるようですが、金額的に見ますと、小規模企業共済制度のほうは政府出資四千万円、それから事業費三千万円ですか、補助費ですね。一方退職金共済制度のほうは国が四億六千五百万円ですか、本年度補助をして、出資はないにしても事業団に対するところの事業費の補助、さらに長官も説明になりましたように、退職給付金に対する補助が考えられておるわけですね。 そこで私考えますに、中小企業の諸君が、従業員が退職する場合はいかなる場合か。それはいろいろ処遇上の問題もあるでしょう。またさらには小規模企業のいろいろな事情から転廃業をしなければならない、それを余儀なくされる、そういうことからまた従業員も退職をしなければならない、こういう循環性があると思うのです。したがって、言いかえますと、小規模企業を振興し、あるいはまたその存続に努力をするということはきわめて重要でありますが、その小規模についてはそういう給付金に対して国の補助がないということ、これは私はいかぬじゃないかと思うのです。少なくともこれは同列に取り扱うべきである。親方と従業員の関係ですから、それに対する共済制度が違うということは、私はどうも理解ができないのです。その点についてどうお考えでしょうか。
○中野政府委員 その点については、先ほど大臣からも御答弁がございましたが、実はこの制度をつくるときには零細企業者の所得等の関係から考えて、また、いま先生が御指摘になりました親方と働く従業員との関係等々から考えましても、少なくとも中小企業の退職金事業団と同程度の補助くらい国がしてもいいじゃないかという考え方で、通産省としてはそういう考え方で案を練ったわけでございます。しかし、従業員と事業主の性格の差というものもあることは事実でございまして、これは国の補助があって、給付ができるだけ多いほうがいいということもあるわけでございますが、いろいろ議論をした末に、政府として国の直接の給付に対する補助は行なわない、しかし事務経費の補助は全部やる、出資は相当考えよう、こういうことに落ちついたわけでございまして、先生のいま御指摘になった点について、通産省としてこの点に反対しているわけではございません。むしろわれわれとしてはそういう考え方に立ってこの制度を推進してまいりたい、こういうふうに考えてきたわけでございます。
○大村委員 長官の御答弁によりますと、企業主と従業員との性格の相違はあるが、しかしでき得べくは退職金共済制度と同じような制度が望ましい、こういうことを言われたと思うのです。しかしいろいろ議論をした末、結局はこういう形に落ちついたということでございますが、そのいろいろ議論したというのはどの点ですか。もう少し言いますと、通産省としては、きわめて内容の悪い小規模企業の共済制度の給付金については国が助成をして退職金制度と同じようにしろ、こういうことを強く主張されたのかどうか、またその考え方をいまだに捨てていない、つまり来年度についてはぜひそういう面について強調し、実現方をはかるように努力をしたい、こういうお考えがあるかどうかということです。
○中野政府委員 われわれとしては、零細小規模事業者の共済制度に対して、少なくとも中小企業の退職金共済制度に対して補助が行なわれている程度のことはやるべきではないかというふうに考えてスタートしたわけであります。現在でもその考えは変えておりません。しかし、これは政府として一たん方針がきまったことでございますので、われわれとしては給付に対する直接の補助ということがいいのか、あるいは国の事業団に対する出資をふやすということによりまして間接的に給付の内容をよくしていくということがベターであるか、そういう点は今後の問題として十分研究して、今後その制度の改善を考えてまいりたいと考えております。
○大村委員 今後検討するにあたって、国として事業団に出資をし、それを助成していく方向がいいのか、あるいはまた直接給付金額に対して国が助成をするのがいいか、これはいろいろ方法として検討の余地があるようにおっしゃいますが、小規模企業共済事業団に対して政府が出資する。その出資額は先ほどからあなたもお答えになっておるし、私も申し上げましたようにわずか四千万円です。それをもってこうしたらいいのかああしたらいいのかという論法には私はならないと思うのです。わずか四千万円ですから。 ではお尋ねしたいのですが、退職金共済制度のほうに事業費としてどの程度が回っておるのか、そして今度退職給付額のほうに四億六千万円のうちどれだけが引き当てをされているか、これについてお調べになりましたか、私はその比率はかなり違うと思うのです。わからぬですか。
○中野政府委員 労働省のほうの予算でございますので、いまちょっと手元に資料がございませんが、事務経費は全額補助する。それから先ほど申し上げましたように、掛け金の毎月二百円分について十年以上のものについては一割、退職金共済事業団が発足していま五年目でございますから、先ほど申し上げましたように、三年以上かけた者について五%の補助金、したがってその補助金の分も予算に組んであります。それは全体で事業団に対する補助金、こういう形になるわけでございます。
○大村委員 小規模のほうは事業費が三千万円ということになっていますが、これは国の助成であります。私は、この三千万円ですべてがまかなわれない、この対象になる零細企業者が拠出をしたその掛け金の中で、掛け金を運用する中の利潤といいますか、そういうものがかなり事業費のほうで引き当てになっておると思います。いま長官の御説明によりますと、退職金のほうは事業費は全額めんどうを見ておるとおっしゃいましたが、もうここにも食い違いがある。さらに共済給付金については、これは退職金のほうではかなりのめんどうを見ておる。もう少し具体的にいえば、百分の五あるいは百分の十というように、これは期間によって相違がありますが、共済制度に比べればプラスアルファがついておるわけです。そういうように大きな開きがあると私は思います。だからどっちをとったらいいかという議論よりも、むしろ私は退職金制度の、これも十分じゃありませんが、この方向に近づけるのが妥当だと考えるのですが、この点について長官あるいは次官の御見解をひとつ承っておきたいと思います。
○中野政府委員 いま先生が御指摘になりました最初の点でございますが、ことしの共済制度に対する予算は事業団に対する出費が四千万円、それから事務経費が三千万円、この三千万円で全部経費はまかなうということでございまして、掛け金の運用益のほうにつぎ込むということはいたしません。これは実はいろいろ準備もかかりますし、PRにも相当時間がかかるということを考えまして、実は十二月に発足するということで、人数は大体三十四人程度の職員、役員を入れまして、その程度の規模で発足いたしたいということで初年度分のお金が三千万円ということでございますので、これを今度一年間に直しますと相当な金額になるわけでございます。必要経費は全部国で補助するということに考えております。 それから、出資でやったらいいのか、直接給付に対する補助金がいいかというようなこと、これは相当今度の予算をつくるとき議論して結論が出ておりますので、研究はいたしておりますが、いまの段階で私からどういう方向にするということは申し上げかねますが、制度の改善については、さらにこの制度ができ上がりますれば、それをベースにいたしまして、われわれとしては十分考えていきたいというふうに考えております。
○大村委員 制度の改善については今後十分検討するということですが、岡崎政務次官、政府としてどうなんですか。
○岡崎政府委員 長官がいまお答え申し上げましたような経緯でこのたびの法案を出したわけでございます。通産省としては、まだまだ制度全体としてこういうふうにしてもらいたいという気持ちもずいぶん持っておるわけでございますが、ただいまのきめられました方針にまず従いまして努力いたしまして、一そう通産省のいままで考えておりますような諸点についての実現をはかっていきたい、こう思っております。
○大村委員 きわめて抽象的な善処方の御答弁でございますが、私どもはどうもそういう御答弁だけでは必ずしも満足はいかないのであります。私が申し上げるまでもなく、この制度の趣旨は、零細企業者、小規模企業者がお互いに金を出して共済制度をつくり、万一いざという場合、すなわち転業なり廃業をやむなくしなければならないという立場に至ったときに、これによって、一つには生活の安定、一つには転換資金の確保といいますか、やりやすいようにする、こういうことがねらいのようであります。したがって、そういう立場からするならば、給付額というものが、かなり私は問題になってくると思うのであります。いまの給付額は、御承知のように一年未満は掛け捨て、三年までは無利子、三年以上について転廃業の場合には七分三厘程度の利息、退職の場合には六分二厘程度の利息、こういうことになっておると思うのです。これは別表を見ても明らかでありますが、この程度の利息では、ないよりはましだという程度でありまして、別に政府がこれで小規模企業対策の一環として小規模企業者のめんどうを見るのだというほどの内容のものではないと私は思うのです。この点については、おそらく長官も御同感だと思うのですが、なお一応この給付額から見てどうお考えになるか。私どもは、ないよりはまし程度のものだと考えておるのです。いや、これで零細企業のめんどうを政府が見ておるのだ、こういうことをアピールされるなら、むしろそれは迷惑だ、こう私は思うのです。私はそういう意見を持っておるのですが、長官はどうお考えですか。
○中野政府委員 小規模企業者、零細企業者に対する、このような退職する場合、廃業する場合に備えての共済制度というものはいままでございませんでしたので、むしろこれは民間でやろうということがもともとの始まりでございます。これは一種の政治団体でございますが、中政連という鮎川さんのやっておられる中小企業の団体がございますが、ここらでもこういうことをぜひやりたい、商工会議所あたりでもこういうことをぜひ考えたい、商工会あたりでもそういうものをぜひやってほしいということから、中政連は、いま廃業の場合に備えての制度はやっておりませんが、それ以外の生命保険、年金制度等のいろいろなことはいま民間ベースで始めております。いずれにしましても、こういう制度をやっていくのには、やはり中小企業の皆さま方の自覚というか協力というか、いわゆる相互扶助の精神に立った制度というものでなければ、いずれにしてもこれは成り立たぬわけでございます。それを国がどういうふうにして、そういういい制度をつくっていくのを助成をして、助けていくかというのが政府の政策のあり方じゃないかというふうに考えておるわけでございます。その意味におきまして、現在考えておる制度が決して十分とは考えておりません。これをもとにいたしまして、さらに制度の改善を加えまして、そうして小規模企業者と零細企業者の皆さま方がみな賛同をして、ほんとうに相互扶助の精神に立って、皆さんが相当この制度を利用していただくというふうにわれわれとしてはぜひ持っていきたい、幸いにいたしまして、全国の各組合あるいは商工会議所、商工会あるいは青色申告会等が非常にこの制度に賛同していただいておりますので、こういう方々の御協力を得まして、ひとつ制度の拡充をはかってまいりたいと考えております。
○大村委員 必ずしも満足はしないということでしたが、私は大不満だという御答弁が長官から聞かれると思って期待をして実はお尋ねをしたわけであります。いまの御答弁によりますと、かなりの団体がこれに賛同しておるということなんですが、しからば、今後の加入者の見通し等についてはどういう見通しを立てておられますか。
○中野政府委員 先ほども申し上げましたように、今後の共済制度がどういうふうになっていくかということについては、制度の改善もさりながら、関係者の皆さん方の努力、協力によってやる必要があると思うのであります。特に中小企業庁、あるいは関係の商工会議所、商工会、そのほかの中小企業団体は非常に熱心に、これをひとつやっていこうじゃないかと言っていただいております。しかし、これはなかなか予測は困難でございますが、一応われわれとしては四十年度の加入目標を全対象の約一%、三万人というふうに見まして、次年度以降逐次これが上がっていく、これは中小企業の退職金共済事業団のその後の状況等も見ておりますが、一応四、五年後に加入者が約三十万人、全対象の約一割程度というふうに考えております。大体そんなところをいまの見通しとしては持っておるわけでございます。
○大村委員 私が申し上げるまでもなく、今日小規模あるいは零細企業といわれる企業は、全産業の中の九八・八%程度、企業数にして三百万程度はあると思うのです。それが、始めた年はまあ二万くらい、四、五年たって三十万、とれでは各種の関係団体が支持をしておるということは私は考えられないと思うのです。さらにまた協力をしろということですが、こういう内容で一体協力ができるのかどうか。さらにまた今日のように物価がどんどん上がって、貨幣価値が下落をする、そういう状態、あるいはまた昔でいうあきんど、そういう人々は、今日をどう生き抜いていくか、また貯蓄をする金があれば商業資金につぎ込んで、それをさらにさらに効率的に運用してふやしていこう、こういう考え方を私は持っておると思うのです。そういうことを考えるならば、協力要請をしても、それは内容がかなりいいなら、条件がいいなら、それは協力要請も当然でしょうし、またみんなも協力すると思うのです。私は、いまのような見通しということになれば、あまり関係団体から支持をされていないんじゃないか、こう考えるわけであります。この点についてどうかと言っても、きわめて抽象的になりますから、これは答弁を一応しなくてもいいと思います。が、長官も御承知のように、中小企業協同組合法の中で、中小企業共同組合がいろいろの事業を行なうことになっております。その中に火災共済協同組合というのがございます。これはちょうどこの小規模企業共済法案の制定の趣旨の中で説明されておるごとく、関係企業の相互扶助の精神にのっとってそういうものがつくられておる。しからば、たいして国の補助も何もない、いわば自前で整理転換をしなさいというようなこの種の小規模共済制度を、いわゆる中小企業協同組合が行なう事業として加えてもいいじゃないか。別にこれを抽出をしてやったという趣旨は一体どこなんです。あるいは火災共済協同組合と比べて小規模共済のほうが非常に特典があるといいますか、有利性がある、だからこれを抽出したのだというのならまた別ですが、私は、たいしてその趣旨においても違いはないじゃないかと思うのです。自前という点からするならば、あなたのほうは七千万円ほど出しておるから、いや、これは自前じゃない、こうおっしゃるかもしれませんけれども、私は、たいして違いはないと思います。その点についての御見解はどうですか。 〔委員長退席、小川(平)委員長代理着席〕
○中野政府委員 先ほども御説明申し上げましたが、民間の組織で、たとえば協同組合連合会あるいは先ほど言いました中政連——中政連といっても、これはもとは協同組合でございます。そういう形で、いわゆる民間側で自前で自主的にやりたいという動きもあったわけでございますが、これを民間の力で零細企業者だけを相手にこういう共済制度がはたしてできるかということになると、実際問題としてはなかなかむずかしいということで、国でぜひこれはやってほしい、国の機関でやってほしいという要望に変わってまいりまして、これを取り上げてわれわれとしてはやったわけでございます。民間自身で、現在でも生命保険とか厚生年金とか、いろいろなこれに類似した制度はあるわけであります。そういう制度は制度として、あるいは零細企業者にしても中小企業の皆さん方にしてもこれは当然利用できるわけでありまして、その意味で、組合の組織でやってできないことはないと思います。これはいま御指摘になったように、火災共済という制度は、特別に火災の損害保険についてはそういう制度を認めておるわけであります。またこの制度を火災共済だけでなくて広げたらどうか、そういう議論も中小企業業界にはございます。これは別途の問題としてわれわれは研究してまいりたいと思います。
○大村委員 いま、いみじくも長官が、火災共済についても小規模共済と同じように国家としてこれを考えたらどうかという意見もあると言われましたが、私はそう思うのですよ。民間で非常にむずかしいから小規模企業共済制度を国として取り上げる、現に火災共済でもそんなにみやすいものじゃないと私は思う。それならこれもついでに国として取り上げたらどうなんですか。私がこういうことを申し上げるのはまことに失礼と思いますが、従来政府の小規模企業対策というものは非常に手薄であった、そこで政府としてはこの際小規模企業対策にはかなりの重点を置かなければならない、しかし、その重点の内容はさることながら、その重点を置くという考え方から、あるいはまたそういうアドバルーンといいますかアピールから特にこの問題を取り上げて、いわゆる民間でやらさないで政府でやる形をとった。しかし、政府でこれを取り上げるといえば、かなりこれに対して補助なり助成を行なわなければならない。これは当然のことであります。ところが、長官も御承知のように、ほとんどこれは自前であります。いま民間で頼母子講というものがある。これとあまり変わらないのです。と言えば、いや安全度が違うじゃないか、こうおっしゃるかもしれません。それは、そういう点は確かにあります。しかし相互扶助の精神からいけば、もっと頼母子講のほうがりっぱなんですよ。それから有利性においても、頼母子を始めなければならないような人、つまり生活苦にあえいでどうにもこうにもならない人に対する救済策としては、頼母子講のほうがよほどいいのです。頼母子講議論はまあ別にして、その程度でおきますが、それとあまり大差ないじゃないか。せっかく政府が取り上げたけれども内容が伴わないというのはなぜかといえば、本気でやる気がないじゃないか、こういうことを私は指摘をしたいのです。その点について御反論があれば、ひとつ承っておきます。
○中野政府委員 いま御指摘になりましたように、せっかく小規模企業共済制度をつくった以上は、もう少し零細企業者というか小規模企業者の方々がもっと喜んでこの制度にどんどん加入するような仕組みにすべきじゃないか、これはごもっともだと思います。その点については、今後の問題として十分研究してまいりたい。ただ、先ほど来申し上げておりますように、民間ベースでなかなかこれがむずかしいということは、関係者がいろいろそういうことを考えました際に、ほとんどもう一致した意見でございまして、そういう点について国の機関で、国の助成においてやってほしい、こういうことになったわけでございます。ただ、国の助成という面において、予算面からいっても税制の面からいっても、先ほど来御議論があっているように、もう少し国として親切に考えてやるべきじゃないかという点については、私も同感でございます。
○大村委員 まあその議論はその程度でおきますが、この制度を制定して、いわゆる掛け金をどういうほうに融資をするのか。これは小規模の企業者に対しても融資することというようにいわれておりますが、どういう場合に小規模企業者に対して融資をするのか、その点についてお尋ねをしたいのです。
○中野政府委員 これは還元融資のことを御指摘になっておると思いますが、これは共済の契約者であります、いわゆるこの事業団に共済契約をして加入しておるもの、そういう小規模事業者と、主としてこの小規模事業者を直接、間接の構成員とする事業協同組合等にも融資ができる、こういうことでございまして、これはたとえば災害復旧の資金であるとか転業の資金というような事業資金を貸し付けまして、小規模事業者の振興発展に役立たしめたいということでございます。ただこれは共済掛け金を運用するわけでございますから、当然これは安全確実に運用するということも一方で要請されますので、その安全性ということも十分考えたいというふうに考えております。 なお、これはいつごろ還元融資ができるかということでございますが、これはある程度余裕金を運用いたしまして、その規模が相当な額になったとき、およそ二年後あたりを考えておるわけでありまして、二、三年後には還元融資ができるように持っていきたいというふうに考えております。なお利回りでございますが、これは大体例の退職金共済事業団がことし三十九年度から還元融資を始めまして、これは貸し付けの利率が八分五厘でございますので、こちらのほうも大体その程度の利率で運用したいというふうに考えております。
○大村委員 還元融資の主とした対象といいますか、条件は、災害等の場合が中心になるように御説明になりましたが、この災害融資と、それからこの法の目的、趣旨である小規模企業の振興に多大の貢献をなすという関係はどういうことになるのですか。私は、災害のときに融資をすることが振興じゃないと思うんです。既成のものがあって、それにカンフル注射をやればさらに生き直っていく、立ち直っていく、あるいは改善ができる、拡大ができる、こういうことが私は振興だと思うんです。ところが、せっかくかけた掛け金が災害等の場合に——それは必要ですよ、必要でないとは申しませんが、そういうものに焦点が当てられておるということになると、ちょっとこの法の趣旨からしておかしいじゃないか。さらに余裕金についてもどういうようにお考えか、これも承っておきたいと思います。
○中野政府委員 私の説明がちょっと不十分であったかと思いますが、転業資金、災害復旧資金等の事業資金を貸し付けるということでございまして、決して災害復旧に重点を置いてやるという意味ではございません。 それから余裕金につきましては、これは法律の第五十条に余裕金の運用ということで、ございまして、「通産大臣が指定する金融機関への預金又は金銭信託」あるいは「通産大臣が指定する有価証券の取得」というふうになっておるわけであります。これも当然安全確実で、しかも効率のいい運用をするということでなければならぬと考えております。これは中小企業の退職金共済事業団の場合に、できるだけ集まった金をやはり中小企業に還元して、そちらへ流れるようにということを考えておりまして、現在ではもう中小企業退職金共済事業団に集まりました金の大部分は商工組合中央金庫の債券を買うように指導しておりますが、この小規模共済事業団においても商工組合中央金庫等の発行します債券の取得、それと関係金融機関への預託等というようなことによりまして、いま申しましたような安全確実で、かつ効率な運用ということを考えてまいりたいというふうに考えております。
○大村委員 舌足らずということですから、あえて追い打ちはかけませんが、八分五厘の利回りで還元融資をやる、そういう場合には単に災害だけでなしに、この法の趣旨の中にある小規模企業の振興に多大の貢献をなすように、この点については十分御配慮いただいて、むしろ災害の場合には別の資金といいますか、国家的ないろいろな財政補助を行なうべきである、こういうように私は考えます。 次に税金の問題ですが、これは桜井委員から種々申し上げておりますので、あまりこれでダブルこともどうかと思いますので、詳しくは申し上げませんが、退職金制度のほうは、掛け金は損金算入ですね。必要経費としてこれには税金をかけない。小規模のほうはそうじゃないですね。これはどういう違いなんですか。なぜそうしなければならないのですか。
○中野政府委員 退職金共済の場合は、御承知のように事業主、あるいは従業員を雇っております会社が、そこに働いておる従業員のために、将来の退職金のために積み立てをする、こういうことでございます。それからこちらのほうの小規模共済事業団のほうは、事業主あるいは小規模事業をやっております法人の役員なり事業主個人が、自分のために、自分の将来の給付をもらうためにあらかじめ掛け金をする、こういう形になっております。しかしこれは経営者と同時に零細事業者が従事者、労務者としての性格を持っておるから、一種のそこに擬制的な形をとって、これを必要経費なりあるいは法人の場合には損金算入ということも考えられるんじゃないかという御議論はあるかと思いますが、われわれいろいろ研究しました結果は、先ほど申し上げましたような、片方は会社なり事業主がそこに働いておる者のために掛け金をする、それからこちらの小規模共済事業団のほうは事業主あるいは会社の役員が自分のために、自分の将来のためにあらかじめ掛け金をする、こういうことでございますので、結局は後者の場合は所得控除をどの程度見るかということになりまして、結局一種のこれは生命保険に準ずる制度と見まして、生命保険上の所得控除の中で見ようということに落ちついたわけでございます。
○大村委員 事業主と言われますが、これも桜井委員が申し上げたとおりでありまして、個人企業のような場合、これは事業主兼被雇用者ですよ。そういう性格が多分にあると思うのです。だからその論議は必ずしも私は妥当でないと思うのです。これは十分ひとつ研究し検討してほしいと思いますが、どうなんですか、その検討する余地はないのですか。
○中野政府委員 これは先ほど大臣がちょっとお答えになりましたが、今後の問題として十分検討してまいりたいというふうに考えております。
○大村委員 次に、この法案によりますと、掛け金一口五百円、最高十口の五千円、こういうことになっております。私が言いたいのは、毎月五千円——これは一口程度ではたいした転廃業のときの資金にはなりませんから、十口程度、あるいはそれに至らなくても、それに近いくらいの契約をしなければならないと思います。その場合に、それだけの余裕が零細企業者にあるのかどうか、こういう点です。昭和三十八年度の中小企業に関する年次報告を見ますと、零細企業従事者の所得というところで、「わが国の中小企業の中でも特に数の多いのは零細企業であり、それらは大半個人企業であって主として自家営業主および家族によって運営されている場合が多い。37年における個人業主の所得をみると、個人業主1人だけで事業を営んでいる場合月平均約2万円、個人業主と家族1人が働いている場合同じく約4万円、さらにもう一人の家族が働いている場合5〜8万円雇用者1〜2人を含め従業者が4人の場合6〜10万円となっている。世帯当たり所得ということでなく、業主および家族従業者それぞれ一人あたり所得として計算すると、月平均2万円前後からせいぜい4万円程度の金額となる。」こういうふうに政府は指摘をしているわけです。これは三十八年度ですから少し古いのですが、この傾向は、物価上昇の比率等から見れば、実質的にはたいして変わりはないと私は思うのです。こういう実態の中で、一体十口も入れるだけの能力があるのか。さらに、ことしの所得税の税制改正がありましたね、この税制改正によりますと、本年度は五十四万円が勤労所得の課税最低限ですね。それまでは非課税だということだと思うのです。それだけの生活費を標準家庭で認めておる。そうして、一方零細企業の収入を見てみますと、これは統計がいろいろ出ておるようでありますが、いま申し上げたとおり、あるいは政府の指摘しておるとおり、そうたいして収入のない零細企業がたくさんあります。しかも、この法案はそういうものを対象にしてつくられておるとするならば、これは極言をすれば絵にかいたもちじゃないか、もちの内容も備えていない、あんこもない、こういう実態でありますが、その点はどうなんですか。それだけの能力があるかどうか。
○中野政府委員 零細所得といっても非常に幅がございまして、いま御指摘の、どの程度の人間が掛ける能力があるかということになると、統計だけ見てもなかなか判定がつきにくいわけでございますが、一応これは非農林業所得別就業階層別事業主の調査でございますが、これを見ますと、年間所得大体五十万以上——所得ですから、これはもちろん従業員とかに払った残りの粗収入ということにお考えになっていいと思いますが、これが、四十万円以上の所得のある者が百三十万人ございます。それから、五十万以上ということになると約九十万人ということになりまして、確かに御指摘のように、毎月五千円納められる階層ということになると、どれだけのものがそれだけ掛けられるかということになると問題でございます。その意味で、五百円から五千円ということに階段をつけまして、それぞれの力に応じて掛け金をかけていただくということでございます。
○大村委員 時間の関係がありますから、以下意見のある点については次の機会に譲らしていただきますが、いま長官の申されましたように、昭和三十八年度の国民所得白書によりますと、平均所得が、個人企業では大体一人当たり五十八万円、こういうように出ておるわけです。これは一人当たりでございますが、零細企業にもいろいろランクがあります。一人でやっておる場合、二人でやっておる場合、いろいろありますが、これ以外の政府統計によりましても、月平均三万円から四万円の収入しか得られない生業的な零細企業があると思う。そういうものが、十口かけないにしても、半分程度かけた場合、私はかなり苦しいと思うのですよ。苦しくないとおっしゃっても、ことしの給与所得の課税最低限度額の五十四万円を見れば、よくいわれるように、サシミはできたがしょうゆをかけぬで食べろというのか、こういう意見が出ておるようでありますが、私はやはりかなり問題がある。しかも二、三口程度でしたら、先ほどから再三申し上げますように、給付内容を見てみますと、これは利息が七分三厘から六分二厘程度で、しかも、その程度ですから、二十年、三十年でたいしたお金にならないのですよ。そんなゆうちょうを楽しむほど、いま零細中小企業は安穏な立場に置かれていないのです。これはもう御承知のとおりであります。そういう点を考えますと、さらにさらにこの制度については改正をしなければならない、改善をしなければならない、こういうことを私は指摘できると思うのです。 以上をもちまして、本日の質問はこの程度で終わらしていただきます。 ————◇—————
○小川(平)委員長代理 連合審査会開会の件についておはかりいたします。 山陽特殊製鋼株式会社の倒産に関する問題について、大蔵委員会より連合審査会開会の申し入れがございます。この申し入れを受諾するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小川(平)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、昨日決定いたしました本問題についての参考人の意見は、ただいま決定いたしました連合審査会においてこれを聴取するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小川(平)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十七分散会