商工委員会 第12号
- 発言数
- 110 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1965/03/09
会議録
○内田委員長 これより会議を開きます。 まず、中小企業に関する件について調査を進めます。企業倒産に関する問題について質疑の通告がありますので、これを許可いたします。田中武夫君。
○田中(武)委員 もう次官はじめ政府委員の方々も御承知のことでございますが、去る三月六日に山陽特殊製鋼が会社更正法の手続開始申請をいたしました。そのことがいろいろと地元あるいは関連業界、下請の企業等に大きな影響を及ぼしておりますので、このことについて緊急に御質問申し上げます。 御承知のように山陽特殊製鋼は、資本金が七十三億六千万円、従業員三千七百名、その負債額五百二十億円、そしてベアリングの市場独占率は八五%とも言われ、あるいはそれ以上とも言われておる。こういう大きな会社が会社更生法の適用申請ということで大きな波紋を呼んでおるわけなのであります。そこでその下請関係を見ましても、四百ないし五百あると言われております。まず、通産省はこの事態に処して、五日の夜重工業局長を中心に緊急対策を立てたそうでありますので、逐次その緊急対策についてお伺いをいたしていきたいと思いますが、最初に次官に、この山陽特殊製鋼の倒産の原因はどこにあるのか。先日参議院の予算委員会において通産大臣は明確な答弁をいたしておりません。その後調査になられたと思いますので、まず倒産の原因をどういうようにつかまえておられるかをお伺いいたします。 私は変わった観点から、倒産ないし会社更生法の適用申請を出した企業の型を分けてみました。すなわち、第一は計画倒産型、第二が会社乗っ取り型、第三が謀略被害者型、それから系列強化型、体質ないし環境改善型、こういうように五つに分けてみたのですが、このうちのどれに当たりますか。もう一ぺん申します。計画倒産型、会社乗っ取り型、謀略被害者型、系列強化型、体質ないし環境改善整備型、私は、多く出ておりますこの企業倒産を以上のような五つの型に分けて考えてみたいと思うのです。そのうちのどれに当たりますか。
○岡崎政府委員 このたびの山陽特殊製鋼の倒産につきましては、申すまでもなく非常に遺憾に存じておりまして、いろいろ事前にも風聞もございましたので、鋭意注意をいたしておったのでございますが、あのような事態になりましたことは実に申しわけない次第でございます。ただいま田中先生からお話がございましたように、原因等についても、ただいま十分各種の資料を集めて調査中でございまして、的確に、原因がどこにあったかということを明確に申し上げる時期にまだ至ってないのでございまして、非常に遺憾でございますが、ただ、原因その他について調査をいたして、誠心誠意いたしておりますことをひとつ御了承いただきたいと思う次第でございます。
○田中(武)委員 重工業局長どうですか。
○川出政府委員 ただいま倒産の型を五つばかりお伺いしたわけでございますが、その型にしいて当てはめるといたしますと、体質改善に失敗した型であろうかと思います。
○田中(武)委員 政府並びに政府委員とすれば、そういう答弁しかできないと思うのです。山陽特殊鋼の倒産の原因を新聞その他であげている点、あるいは、私も日曜日を利用して現地へ行ってまいりました。いわれていることは、過大な設備投資であったということ、それから、自動車の自由化といいますか、こういうことに関連をいたしまして、自動車メーカーから製品を買いたたかれ、さらにソ連向け輸出を考えて設備を増大したところが、昨年のソ連輸出は五万トンで、前年に比べて六分の一となった、こういうことがいわれております。そこで、そういう点からいえば、体質改善型、あるいは大蔵大臣はきのうの記者会見かなんかで、体質改善を行なうときにはこういうこともやむを得ないんだ、こういうことを言われております。しかし私は、そうではなくて、系列強化型、こういうように見ておるわけなんです。そのことは後ほど触れていきますが、これは富士製鉄がわずか四%ですか、株を持っておる。そして三人の重役を送り込んでおるわけです。この富士鉄の今日の態度を見ると、きわめて巧妙で、どうせ富士鉄が乗り出さなければ更生はできないと思っておるでありましょうが、しかし、いまのところは、銀行等がちゃんとしたら技術的な援助をいたしましょうといったような態度でおるようです。しかし私は、あくまで富士鉄は山陽特殊鋼の会社というよりかその設備と山陽特殊鋼が持っておる市場、シェアですね、ベアリングその他についてのシェアをほしがっておるということが言えるのではないか、このように思うわけですが、このことにつきまして、もし重工業局長のほうで、そういうことで感じられる点があるならばお答え願いたい。一説によると、東海製鉄の社長を社長に迎えて、再建をはかるのだともいわれておる。そういうような関係について、重工業局長は、いわゆる局長の立場から鉄鋼業界というか、こういうのを指導していく立場でどういうように考えておられますか。
○川出政府委員 特殊鋼業界全般の不況という問題は、これは相当長期にわたってきておるわけでございまして、したがって、特殊鋼業界の体制整備ということが一番大きな問題になっておる次第でございます。それはわが国の特殊鋼企業が数が多くて、規模が小さい。しかしながら量産体制になっていくためには相当大規模の設備の改善をしなければならないというような条件があるわけでございまして、したがって体制整備の方向といたしましては、これはよその国もそういうふうになっておるわけでございますが、高炉一貫メーカーとの系列化、グループ化を進めていくことがいいのではないか。これは特殊鋼の鋼種にもよる点があるかもしれませんが、さような方向で考えておる次第でございます。富士製鉄が山陽特殊製鋼について系列化を強化する意思があるかないかという点につきまして、私よく存じませんけれども、富士製鉄につきましては、業界のトップ−メーカーである、専業特殊鋼メーカーのトップである大同製鋼かその系列に入っておる次第でございます。それから山陽特殊製鋼の株を四%富士製鉄が持っておるわけでございまして、系列に入っておるというふうにいわれておるわけでございますが、今回のような倒産になりますと、やはりこれを更生するためには安定した信用が必要でございますので、その面では、技術的な面、あるいは経営の面で富士製鉄の協力を得ることが、私は現実の問題としては重要ではないかと考えておる次第でございます。
○田中(武)委員 中小企業長官、いま山陽特殊製鋼の倒産の問題で、まず原因をどう見ておるかということをお伺いしておるところなのです。次官、重工業局長から伺いましたが、業界を指導する重工業局長と中小企業を守る立場の中小企業長官とは見方が変わっていってあたりまえだと思うのです。あなたはどういうようにこの原因を見ておりますか。
○中野政府委員 お答えいたします。 山陽特殊製鋼の倒産の問題につきましては、担当の重工業局長から、その原因等については説明があったと思います。私も原局の責任者である局長から聞いております。これは関連の中小企業が非常に数が多いのでございまして、私ども、この関連倒産が波及するのではないかということで非常に心配をいたしております。したがって原因がどこにあったかというよりも、私のほうとしては、いま申し上げましたような観点から、中小企業にこの影響ができるだけ波及しないようにということで、実はきょう現地におきまして通産局長主催の金融懇談会を関係金融機関等に集まっていただいてやっております。それから、いまちょっとまだおくれておりますが、現地から担当者を呼びまして、いま中小企業庁を中心にして関係の局で協議をいたしております。いま次長が資料を持ってまいると思いますが、相当詳細な調査をいたしまして、この影響をできるだけ防ぐということに重点を置いて考えております。
○田中(武)委員 倒産の原因あるいはそのことに関連をしての系列の問題、ひいては特殊鋼の体制指導の問題、こういうことについてはまたいずれ他の機会に触れるといたしまして、問題を山陽特殊鋼の倒産の影響にしぼってまいりたいと思います。 そこで、いま中小企業長官も、現地で金融懇談会を開いておる、こう言っておるし、またこのことについては異例ともいうべき日銀の宇佐美総裁の特別記者会見、あるいは日銀の特別融資等についても考えておるというようなことが発表せられております。また神戸銀行をはじめとする、いわゆる融資五銀行団においても、再建の資金については考えておる、こういうようにいわれておるが、これすべていわゆる親会社である山陽特殊製鋼の再建と同時に、この山陽特殊製鋼がもし操業をやめるような場合は、自動車業界その他に大きな影響を及ぼすという、いわゆる大企業的な立場から打ち出された政策であろうと思います。現に私、下請の主人に会いましたが、親会社のほうは日銀の特別融資とか、銀行がめんどうを見てくれるが、われわれはだれもめんどうを見てくれない、一、二カ月もすれば倒れるよりほかない、こういうことをきのう言っておりました。また事実そうであり、もうすでに中小企業庁ではっかんでおられると思いますが、二、三の関連の倒産が出ております。そうすると政府の対策、これ以外にないと思うのです。市中銀行にたよっても、これは大企業、親企業の関係においては出されるが、下請関係においてはそう期待できない。 そこで、政府系三金融機関に対して特別な措置を講ずるというようなことの発表があったようですが、これを具体的にひとつお伺いいたします。まず、各行に対して、国民金融公庫、中小企業金融公庫、それから商工中金、これに対してどれほどの特別資金ワクを考えておるのか、それから融資の条件、たとえば金利その他についてどういう条件を考えておるのか、そういう点からお伺いいたします。
○中野政府委員 お答えいたします。 山陽特殊製鋼の倒産に関連をいたしまして、関連の下請企業その他の中小企業が非常に影響を受けることはもう必至でございますので、さっそくいま申されました国民金融公庫、中小企業金融公庫、商工中金の三機関に対しまして、現地の実情をさっそく調べて、そして適切な手を打つように指示しております。ただ具体的に、たとえば資金のワクをどうするとか、融資の条件をどうするというような、まあ融資のワクというような問題は、現地で相当要望があれば、全体のワクの中からある程度操作でやれると思いますが、融資条件その他等につきましては、きょう金融懇談会を現地で開いておりますので、その結果の報告を聞きまして具体的に措置したい、こういうふうに考えております。ただもう一つ、信用保証協会がやはり積極的に保証してくれるということが一番大事なことでございますので、この点については現地の府県等におきまして損失補償等の措置をとり、また制度金融の中から特別のワクをつくって措置するというようなことをすでに実行しておると聞いております。
○田中(武)委員 今回の山陽特殊製鋼の倒産関係については、通産省においてもいち早く手を打った、こういうことで、私は好意を持って歓迎しておりましたが、まだ具体的なところまでいっていないということは遺憾です。早く具体的な措置を講じてもらいたいと思います。そのためには、山陽特殊製鋼の負債の内容、これを分析して、関連下請企業等にどれほどの資金需要があるかということを見る必要があります。そこで、私が調べたのをいまから読み上げますから、間違っているかどうか。 総額五百二十億円で、五つの取引銀行から借りているのが約三百億円、それから三井あるいは伊藤忠等商事会社が大体百五十億から百六十億、それからアメリカ、ベルギーの外国銀行から千二百万ドル、すなわち四十三億程度、そうして大体下請あるいはそれに関連する中小企業関係が約五十億、そういうように見ておるのですが、いまあげました数字は間違っておりますか。
○高橋(俊)政府委員 その負債の内容は、的確にはまだ把握されておりません。えてして倒産会社の場合には、あとから調査した場合にいろいろ数字が変わってくることもございます。いまお話しの数字は、大体それに近いところだと思いますが、私どもの見るところでは、金融機関以外の一般債務、それが時点がちょっと問題でございますが、二百二十億円くらいあるのじゃないか。そのうちいわゆる商社分、これは二十六社ございますが、百二十億円ぐらいはある。しかしこのほかに、ただいままだ船積み中といわれる新しい設備のために注文した機械の代金が商社の分に入っているかどうか、その辺がはっきりいたしません。したがいまして、多く見積もりまして、一般の中小関係等三百数十社、全部では大体そのくらいと見られますが、その分はおおむね百億というふうに考えております。 それから先ほど田中委員がおっしゃいました、関係銀行が日本銀行に頼んでめんどうを見てもらいたいといいましたのは、実は一般債務者の関係でございます。更生会社になりました分の資金の問題もありますが、それはいますぐどうということはございませんで、もっぱら心配をしておりますのは、これらの約百億といわれておりますところの一般債務、中小関係の債権者に対してどのように対処するか、そのためには関係銀行としてはできるだけのことをする、つまり不渡りになった程度の金額はほとんど全部貸したい、そういうふうな希望を持っておりまして、至急に手配をいたしております。特に姫路地区を中心といたしまして、たとえば神戸銀行などはこのうちの四十億円以上にもなるかと思いますが、全部その融資でまかないたい、そういう決意でやっておりまして、銀行側が非常に今回の場合に真剣に考えて対処する策を講じておることを御報告いたしておきます。
○田中(武)委員 大体中小企業関係で百億、私は直接下請関係を申し上げたので、そこでちょっと食い違いますが、いわゆる中小企業対策としてはざっと百億の資金が必要である、こういうように考えるわけなんですが、いま市中銀行においても考えておる、こういうことでありますので、この百億といいますか、山陽特殊鋼に関連をして約手等が不渡りになり倒産に瀕しておるこういう企業に対しては、資金の需要については心配をかけない、こういうことがはっきり言い切れるわけですね。もう一ぺんひとつ……。
○高橋(俊)政府委員 主力銀行、関係しておりますところのおもなる銀行がそういう決意で臨んでおりますので、銀行関係だけで救えるものがほとんど大部分であろう、しかしその中に落ちこぼれがどうしても生ずることも考えられますので、その分は政府関係の三機関においてその穴を埋める。したがいまして、金額としてはさほど政府関係機関として大きな金額は要しないと思いますけれども、現地におきまして、先ほど中小企業庁長官からお話ししましたように、私どものほうとしては、かねてから金融懇談会、財務局財務部が中心になりまして関係銀行を全部集めまして、こまかい対策を講じております。そういうことで、政府機関の金も使いますが、それはそう大きな額を要しないで済むのじゃないかと考えております。
○田中(武)委員 これは業界でも、ベアリング鋼等においてはトップクラスである山陽特殊製鋼であったから早く手を打った。ただ、こういう態勢は今後いかなる倒産に対してもとり得る自信がありますか。
○高橋(俊)政府委員 従来もちょっと目ぼしい倒産の場合には特に注意いたしまして、現地の金融機関を動員して調査をし、そして対処してまいりました。中にサンウエーブの場合のように、どうしても一〇〇%依存というふうな関係で、救えない事例が間々生じたことは認めますが、今後におきましても、大小にかかわらず連鎖倒産は絶対に避けよ、こういう指令は徹底さしてまいるつもりでございます。
○田中(武)委員 いま銀行局長の答弁によると、関連企業の連鎖倒産等を防ぐために、まず資金という点については心配をかけないといいますか、あるいは自信のあるような御答弁でございました。そこで、今度はその条件についてお伺いしたいのですが、ここで、金を何とかしてやろうというようなことになっても、一体、その条件がどういうものであるかということですが、そういう場合、銀行が融資するときの条件、あるいは中小企業関係金融機関の行なう特別融資の条件、それは担保とか利率とかいろいろありますが、そういう条件。しかも、これらはいわば天災災害にひとしく、下請企業の自己の責めに帰せざる理由によるものであります。その場合、やはり金を貸してもらっても責任はその下請企業にあるわけなんです。受け取っておる手形——現実において昨八日、保全命令が出たようです。そういたしますと、この手形は当分タナ上げです。こういうものを担保として貸すのかどうか。私の言いたいところは、そういうのを担保とする中小企業、下請企業に、自己の責任において処理するというかっこうではなく、たな上げされた約束手形等々を担保にする、あるいは親企業及びそれに関連する企業が保証等をするというようなかっこうで、そして利率等についても、ことに、これは政府系の金融機関ですが、災害のときと同じような利率をもって行なうべきである、こういうように考えておりますが、これらの点について、銀行局長、中小企業庁長官はどう考えますか。
○高橋(俊)政府委員 銀行が融資いたします場合の担保等の条件につきましては、私ども詳しいことはわかりませんが、しかし、いわゆる十分な担保がなくても、たとえば単名で、あるいは関係会社の保証という程度でどんどん貸す、そういうことは十分やっていると思います。しかし、数から申しましても非常に多く、一件当たりの融資額としますと、さほど大きなものにならない見込みでございます。今回の場合におきましても、三百七十社くらいになるのじゃないかと思いますが、それについて多く見て百億円でございますから、一件当たりとしてはさほど重大な金額になってない。相手方の企業の規模が債権額に比して比較的大きい場合には、おそらく融資する担保についても困難はないと思います。比較的小型の会社で、債権額が五百万円を上回るというふうなことになりますと、多少、担保の点に問題がありますが、それらについても、相当困難な事情はあるにいたしましても融資をすると銀行が申しておりますから、それはそれだけの措置を講ずると思います。 それから条件としては、私ども、特に大事なのは、金利をできるだけ勉強する点もありますが、これはあまりむちゃなことも、こちらで希望できませんが、回収の期限等につきましては、たとえ形式が手形の貸し付けになっておりましても、書きかえを認めるということによりまして、その当該費用が十分に返せるというまでは待ってやる、そういうふうな措置をとっていると思います。その点回収にあたって無理のないように注意するよう要望もしております。それからまた、政府系の金融機関の場合には金利を災害並みにするということ、これは実際問題としては困難であると思います。期限につきましては、十分回収の無理がない範囲で定めるように指示してまいります。
○中野政府委員 ただいま銀行局長の答弁がありましたが、政府関係三機関につきまして利率を下げるということは、いまのところ非常に困難じゃないかというふうに考えております。期限あるいは担保等につきましては十分配慮をして、円滑に金融が回るように努力したいと考えております。
○田中(武)委員 先ほども若干申しましたが、これは下請企業等からいえば、自分の責めに帰すべき理由でありません。いわば天災にひとしいのです。ならば、かつて災害に対して特別な配慮をしたこともあります。そういうような考え方は持てないかということをもう一ぺんお伺いします。 もう一つ。ことにいまこの山陽特殊製鋼の倒産で一番泣いているのは小口債権者です。かつて東発のときに、実は私も若干のあっせんをいたしましたが、小口については現金で払ったという例があるわけなんです。したがって、まず何万円というような点をきめる必要があろうと思いますが、小口債権、ことにそのことによって倒れるというようなもの、こういう小口債権については現金で支払うような方法はとれないかどうか、あとでこれも触れますが、そうなると、会社更生法による保全処分が八日に出されておるからできないというように答弁になろうと思うのです。私は、いま申しておるような不渡りになった手形、これに対する保険制度の問題あるいは会社更生法の欠陥等について、立法論として論争もいたしたいと思っておりましたが、きょうは大臣もおりませんので、その点は通過をいたしますが、ひとつこの災害と同じような考え方で臨めないかということと、小口債権については現金において何らか支払うという方法はないか。たとえば東発の場合は、親企業であった富士電機が、ほんとうに小額であったか、三万円ですか、五万円以下は全部現金で支払って、そうして債権譲渡した、こういうケースがあります。もしほんとうに銀行なりあるいは富士製鉄が本腰を入れて再建をはかり、ことに富士製鉄が将来自分の系列に置くというならば、富士鉄あたりが債務を補償するとか、あるいはそういった方向が望ましいと思うのです。現金で支払って、それだけ債務を、いわゆる債権譲渡のかっこうで自分のほうで債権を持つ、こういう方法も望ましいと思いますが、そういうことについて可能性があるのかどうか、自信を持って指導ができるかどうか、そういうような点について関係の局長、長官にお伺いいたします。
○中野政府委員 第一点の、三機関の金利を今度の場合について下げるというのは、いまのところ私は無理じゃないかというふうに考えております。 それから、第二点の東発のときにやりました非常な特別措置、特に小口のものについては現金で払うとか、あるいは下請なんかで非常に依存度が高くて負債額もあまりないというようなものにつきましては手形を買い戻すとか、あるいは銀行で富士電機の保証で融資させるというような特別措置を、やりましたが、今度の山陽特殊製鋼の場合は、東発の場合と相当ケースが違っておるように見ております。ただ、非常に小口の債権者の数が、御指摘のように約三百社十五億という数字が一応調査で出ておりますが、こういうものについて特別の、東発のときにやったようなことを実施するについて、その実現の見通しなり自信はどうかと聞かれますと、私は、ちょっといまのところでは、そういう指導をやりましてもそれは非常に困難じゃないかというふうに見ております。 それから富士製鉄の場合は私も聞いておりますが、大株主といっても四%程度の株を持っておるわけでありまして、東発と富士電機の場合と全然情勢が異なっておりますので、先ほど御指摘のような措置をとることは非常に困難であるというふうに見ております。
○高橋(俊)政府委員 いま中小企業庁長官の申すのとほとんど同じ考え方でございます。特に現金で払うというのは、更生債権として扱った上で払うというわけにまいらないわけですね。ですから結局あの場合は、富士電機が親企業であるばかりでなくて、実際の経営を引き受けておった。それがにわかに立ちのいたといいますか、そういう形になってつぶれた。今度の場合は、富士鉄はそう深い関係にはございませんで、第三者の支払いを期待するというのは、実際問題としては、交渉の問題でございますけれども、ちょっと無理があるのではないか、そういうふうに感じます。
○田中(武)委員 東発と富士電機の関係から見れば、薄いようにも思いますが、私は最初申しましたように、これは系列強化型の会社更生法適用だ、こういうふうに見ておるわけなんです。そこで、もし将来そういうことで、ことに山陽特殊製鋼の市場独占率をねらってのことであるならば、そのぐらいのめんどうを見てもいいと思います。保全命令の出た今日、山陽特殊製鋼の金を払わない。しかし第三者の富士鉄あるいはまた融資銀行、すべて重役を送っておるのですよ。したがって債権買い上げのかっこう、いわゆる債権譲渡のかっこうで反対に出すという方法を、少し真剣に関係者において検討してもらいたい。ことに富士鉄等に対してものが言えるのは、重工業局長が言いやすいと思う。銀行に対しては銀行局長がものを言いやすいと思うのです。そういうところで本気にやる気でやってもらいたい。中小企業庁庁官には、金利の点について特別の金利を考える、こういう点について重ねて要望をいたします。答弁ありますか。
○川出政府委員 御趣旨よくわかりましたので、この点今後十分に検討さしていただきたいと思っております。
○田中(武)委員 最初に、俗に言われている山陽特殊製鋼の倒産の原因の中で、山陽特殊製鋼はソ連輸出を見越して相当な設備投資をやった、ところがソ連貿易がうまくいかない、これが一つの大きな原因だと言われておるんですが、通商局長にお伺いいたしますけれども、ソ連貿易の実情及びこれからどういうような見通しであるのか、あるいはどう努力しようとしておるのか。これは、きょうは何もソ連の貿易が中心ではありませんので、簡単でよろしいです。
○今村説明員 対ソ貿易は、現在日本との間の協定によりまして、三年間の協定の第三年目に入ろうとしておりますが、大略申し上げますと、年々たいへん増加の方向をたどっておりまして、政府といたしましても今後有力な市場として拡大をしていく、こういう方向で努力をしているわけでございます。
○田中(武)委員 拡大をしていくという方向でということでなく、本気にやってください。ソ連貿易に対する政府の積極的な取り組みのなかったところにもこの倒産の一部の原因があったと言っても過言ではないと思いますので、これは要望いたしておきます。 そこで、これは銀行局の仕事になるのかどうか、あなた方の範囲に入るかどうか知りませんが、たぶん銀行局長だろうと思うのですが、あなた方は倒産防止を重点に行政指導を強化するということを、きのうでしたか、おとといでしたか、発表せられておる。これは事前調査の上、取引金融機関と予防措置を検討する、あるいは原因の分析をやるとか、そういうことをやるんですか。この倒産防止についての大蔵省としての対策はどういうものを持っておられますか、伺います。
○高橋(俊)政府委員 新聞に報道されておりますが、私どもとして、倒産防止といいましても非常にむずかしい問題だと思います。これはよく言われます企業間信用ということもありますが、たとえば今回の場合のごときは、銀行側の話によりますと、にわかに起こった問題ではない。昭和三十六年当時から、実ははっきり赤字になっておった。毎期赤字となっておるのを隠しまして、これを黒字ということにしておる。したがいまして、そのバランスシート、損益計算書等は全部いろいろなところで手が入っておりまして、みなうその数字になっておるわけであります。こういった会社の実態が把握されないということが一番の欠陥ではないか。ほかにもそういった例がないとは言えないわけでございますので、まず私ども銀行局の直接所管というわけではありませんが、たとえば有価証券報告書のごときものは、大体決算期が半年であれば半年ごとに出てくるが、これの公認会計士の監査もついておるわけであります。それが信用できないという点をまず是正しないことには、倒産になるかならぬかも判断がつかない。うわさは最近になって出てきたわけで、この山特鋼の場合もだいぶ悪いということは一月ぐらい前から私どもも聞いてはおった。しかし富士鉄が何とかささえるのではないかということで、倒産までいかないだろうというふうに聞いておりました。そういうことで、とにかく会社の実態がまるで違ったバランスシートで把握できないことになっておるという点は、まことに遺憾な点でございまして、そういう点について相当研究を進める必要があるのではないか。公認会計士制度についてもいろいろ問題がございます。やはりその経理の実態が明らかにされないという点が一番の難点ではないか。これに取り組む必要があるのではないか。これは私どもの所管ではございませんで、証券局の所管でございますが。そういう点を感じておるわけでございます。
○田中(武)委員 公認会計士制度についても触れたいと思っておりましたところ、たまたま局長のほうから出ましたので、質問を続けていきたいと思います。これは直接の担当ではないということでありますが、私としては、サンウエーブのときもそう感じた。この山陽特殊製鋼の場合も七年間に積極的な政策をとりまして、資本では八倍ですが、生産は九・五倍から十倍というようなものをとってきておるわけです。しかし内容の実際を見ますと、どうも三十七年ごろから思わしくなかったようです。ところが、いまいみじくも局長が言われたように、実際の決算書その他の財務諸表ではなくて、無理な配当を行なっておる。前期も一割二分かの配当をやっておる。これは償却関係をごまかしたと思います。そういうようなことをやって株価を維持して積極的な政策をとってきた。そして七年間にいま申しましたように八倍も資本をふやしておる。こういう場合に、一体公認会計士という制度と、この会計士のつくるところの財務諸表、これがはたして信用ができるのかどうか、こういう考え方を持っており、同時に公認会計士の責任を追及する必要があるのじゃないか。これはサンウエーブのときにも私感じまして、こういうことをやろうと思っておりましたが、たまたま山陽特殊製鋼が出ましたので、ここで触れるわけですが、公認会計士法第二条に、御承知のように公認会計士の職務を規定しております。また、それによっていわゆる一般投資家は株を買う、投資をする。ところがそれがいわゆる粉飾せられた決算書である、こういう場合の公認会計士の責任はどうなるのか。公認会計士法二十九条ないし三十二条には懲戒規定が設けられておる。大蔵省においても公認会計士の独自性ということで検討しておられるようでありますが、会社から報酬をもらってやっている公認会計士がその会社に対してほんとうにずばり言えない弱みを持っておる。したがって、会社から言われたとおり帳簿をごまかすといいますか、発表をごまかすということもあり得る、こういうことがありますので、この点についてはどう考えるのか。サンウエーブの場合もそうだ。ああいうことになりましたら、公認会計士は三年くらい前からだめだと思っておったのだが、何とかごまかしてきたが、もういよいよだめになって投げ出した、こう言っておるのです。だからそういった点にひとつ十分な配慮と責任の追及をしてもらいたい。同時に、いまこれまた局長が言われたのですが、富士製鉄がついておるからだいじょうぶだろう、こう思っておったと言われた。局長が思うのですから、一般の人がそう思うのも無理はないと思う。あるいはサンウエーブのときには水野さんがおられるからだいじょうぶだろう、東発のときは富士電機がおるからということ。これはちょっと議論は飛躍しますが、せっかく法務省の民事局長に来てもらっておるので、どうです、一般にうしろに、富士鉄がついておる、あるいは財界の大立てものがついておるというようなことで、だいじょうぶだろうという感じを与える。これで一般投資家ないし下請関連中小企業等に信用を与えるということは、考え方によっては表見代理——表見代理のそれがそのまま適用するとは思いませんが、感じは、この理論が向くのじゃないですか。そういうことで、おれのうしろにはこういうものがついておるのだ、こういうように見せかける。そのことによって一般が信用する、あるいは下請が信用してどんどん物を入れる。そうすると、突然会社更生法申請だ、そして三日もたたぬうちに保全処分だ、こうくるわけですね。ここら、民法の表見代理のような思想で何かやれないですか、お伺いいたします。
○新谷政府委員 大会社がバックについておりまして、資金的に援助されておるというふうな現実をつかまえて、何か表見代理の法理がそこに適用されないかという御意見でございますけれども、田中先生よく御承知のように、ただ資金的なバックがある、一般もそれを信用して取引するということだけで、民法上の表見代理に直ちにいくということにはかなり困難があるのじゃないかと私は考えております。
○田中(武)委員 銀行局長、あなたが公認会計士の責任者ではないだろうが、責任を追及しなさい。
○高橋(俊)政府委員 公認会計士の監督は証券局が行なっております。ですから、私は直接関係ございませんが、しかしさりとて大蔵省の一員といたしまして、この公認会計士の制度が非常に貧弱であるために、こういった倒産に至るまでに実はかなり長い期間赤字であるのに黒字の報告をしておる、配当もする、これはもちろん商法の禁ずるところであります。したがいまして、公認会計士に対して責任を追及すべきだというお話もごもっともでありますが、私はそれ以前に、これは日本の産業界、財界等との関係で、現在のような中途はんぱな制度になっておると思いますが、たとえばアメリカ、イギリス等の場合におきましては、公認会計士がもっと非常に充実したものになっております。かなり大会社になった場合には、一人が五十万円程度の報酬をもらってたなおろし資産まで責任を持って調べるということは、実際問題として私は不可能だと思います。アメリカでは特にパートナーシップをとっておるところが多い。一人じゃありませんで、複数の公認会計士が一団となって会社と契約する、会社から報酬をもらうことは同じなんでございますが、相当に会社に対抗し得る団結力、力を持っておるわけであります。ですから、その公認会計士が気に入らないから、会社に不利な決算をさせようとするので、おまえはやめろと言おうと思いましても簡単に言えない。相手の立場が、非常に強いものですから、会社のほうで都合が悪いというだけでは契約を破棄することもできない。したがいまして、公認会計士の監査がかなり行き播いたものになる。そのためには相当な経費もかかるわけでございます。五人も六人も雇うということになりますれば、それはなるほど重要なたなおろしの検査にも立ち会うことができるというふうなことで、インチキはできないことになるわけでございますが、そういうふうに持っていくためには、いまここで相当その問題について関係会社の方々と大蔵省の証券局ですが、そういうところとの話し合いが私は必要だと思います。それと同時に、私は、公認会計士を責めるのも——もちろんこれはおそらく今回の場合も公認会計士は自分で責任を感じていると思います。いままででも場合によりましては、営業停止の処分を行なった例もないわけではありません。しかしその前に今回の場合は、主として経営のごく一部の人だと思いますが、その方々が意識的に赤字を黒字、白を黒として決算を続けてきた、その経営者の責任ということのほうがより問題ではなかろうかという感じもするわけでございます。公認会計士ももちろんこれは責任を免れませんが、経営者は知ってやっておるわけでございます。そして株主をだましたといいますか、増資を続けてきたという点についての責任かあるのではないかと考えます。
○田中(武)委員 直接の担当責任者でないから、これ以上申しませんが、公認会計士制度の検討、ことに粉飾決算がなされないような配慮、それから公認会計士の独立性、こういうことを検討する必要があると思います。同時に、現在においても公認会計士法二十九条ないし三十二条の責めは負うべきではなかろうか、こう考えます。ことにいま局長が言った、それをやらしめた経営者、知っておった経営者に対しては何らかの責任を追及しなければならぬと思います。しかしこの問題に入ると時間をとりまして、あとに質問者なり関連質問者がおりますので、要望という程度でおいておきます。 この山陽特殊製鋼の経営の実態を見ますと、月間の売り上げといいますか利益金が十三億ないし十四億、そのうち銀行へ払っておる利息が六億なんです。しかも、たとえば運送の点につきましては、同じ系列といいますか、おそらく社長が同じだと思っておりますが、国際運輸倉庫KKという会社がある、これに専属に請け負わさせて高価な運賃を払っておる、こういうこともあります。こういう点については、ともかく公正取引における不公正な問題とも考えられぬことはない。しかし、きょうは公正取引委員長も来るように言っておったんだけれども、その点はあとで時間があったら申し上げます。そういうようなやり方をやっておる、こういうことについてはどう思いますか。経理についても、自分の社長をしておる、あるいは重役をしておる会社に専属にやらして、それで標準より高いもので流すわけです。そういうような経営方針、こういうことについてはどう思いますか。これは重工業局長でしょう。
○川出政府委員 先生の御指摘のようなことが事実だとすれば、それは経営上きわめて放漫であり、経営者としての責任は重大であろうと思います。
○田中(武)委員 それでは山陽特殊製鋼は、原局からいえばあなたのところですから、罰まで持っていくことはどうかと思いますが、必要であれば、私はまたあらためて告発するかもわからぬ。それはそれとして要望しておきます。 ここで関連質問があるそうですから……。
○内田委員長 山下榮二君の質疑を許可いたします。山下榮二君。
○山下委員 田中委員の先ほどの質問に関連いしまして、一、二お伺いいたしたいと思うのであります。 山陽特殊製鋼の倒産の原因について先ほど尋ねられておったのであります。新聞等の報ずるところによりますと、一つは、社長がワンマンで、社内の幹部の言うこともなかなか聞かずに、幹部間のいわゆるコントロールもうまくいってない、非常に放漫な経営ふりである、こういうようなことが伝えられておるのであります。荻野という社長は、かつて戦前において兵庫県の特高でございました。労働課長をやって、私は荻野警部に何回も警察にぶち込まれた経験を持っておるのであります。したがいまして、ワンマンであろうという予想は私にはよくわかるのであります。それともう一つは、いわゆる資金の裏づけのない拡大設備ということがあげられておるようであります。そのワンマンな経営ぶりという、放漫な経営ぶりというその内容等について通産省はどう把握しておられるか、私はひとり山陽特殊製鋼のみならず、日本の各企業に対しましても往々にしてありがちなことであろうと思うのであります。こういう点については、通産当局としてはよほど心されなければならぬ問題ではなかろうか、何のための行政官庁であるか、こう言いたいのでありますが、いかように把握されておるか、一応把握されておる内容を聞かせていただきたいと思うのであります。
○川出政府委員 ただいま御指摘のように、山陽特殊製鋼の倒産の原因の一つといたしまして、過大な設備投資、積極的に過ぎる経営のやり方が原因であることは、私は間違いないことと思います。通産省といたしましても、設備の過剰の投資につきましてはいろいろ警告もいたしておりまして、一例を申し上げますと、山陽特殊製鋼は、一昨年でございましたか、高炉を建てて一貫して特殊鋼をつくるという計画を持って、それを強行しようとしたわけでございます。それにつきまして通産省は、過大な投資になり、経営を危うくするから、それは絶対にやめたほうがいいと言い、取りやめさせた経緯がございます。それにつきましても、非常な困難が伴ったわけでございます。それからカルド転炉、これは現在西独から輸入する計画がございますけれども、これにつきましても、時期尚早ではないかということで行政上勧告したのでございますが、これは会社のほうが全体の景気の見通し等に基づいたのでございましょうけれども、強行したという事実がございます。そういう警告なり勧告なりはいたしましたけれども、今回のような事態に立ち至りましたことは行政官庁としての責任を感じております。
○田中(武)委員 それでは、質問者があとありますので、あとは単刀式でいきます。不請に対して親企業が渡した約手は、不渡りになったときには、これは支払いとは言えないと思う。そこで、このような場合、国税徴収法による災害、天災とみなして減免措置を講ずるかどうか。なお、あとで触れますが、商工会議所なりあるいは神戸銀行の姫路支店等で相談所を設けております。そこで、山陽特殊製鋼の関連の下請企業の税金対策について相談をする。姫路税務署において相談所を設け、そうして国税徴収法による減免措置について考えておるかどうか。この二点をお伺いします。
○山下説明員 このたびの山陽特殊製鋼の会社更生法の申し立てにつきましては、これを災害と同様に見るわけにまいらないと思います。それから、なお、このような場合の手形の措置につきましては、十分いろいろな措置を講じておりますか、その措置の運営につきまして万全を期したい、かように考えております。
○田中(武)委員 税務署の中に相談所を設けておるか。
○山下説明員 そのように国税庁のほうに十分連絡をいたしたいと思っております。
○田中(武)委員 どうも課長さんではこれ以上議論はできないわけなんですが、ともかく国税庁のほうへ、姫路税務署のほうに直ちに税務相談所を設置して、これに関連する下請企業者等の税金対策について相談をするような方法を早く立ててもらいたい。要望します。それから、先ほど課長の言った、災害、天災とは認めないというが、これは議論があります。私は下請から見ればそういうことになろうと思います。それから不渡り手形、あるいは割引のできない手形は支払いがないということにつきましても論争いたしたいと思いますが、あなた相手じゃやむを得ませんからやめます。 そこで中小企業庁長官にお伺いしますが、この事態が発生いたしまして、姫路地方にことに集中的に下請関係業者が多い。こういうところで、姫路の市あるいは兵庫県、商工会議所等も直ちにこれの対策に取り組みまして、姫路商工会議所、あるいは主たる取引銀行である神戸銀行の姫路支店の中にそれぞれ相談所を設けております。これが、いまどのように動いておるのか、あるいはどのように利用しておるのか、あるいはこの相談川がどういう方針をもって相談に乗るのか、こういうことについては調査しておられますか。
○中野政府委員 いま御指摘のような相談所を設けたということは現地から報告がきておりますが、これがどのような方針で活動しておるか、大阪の通産局で、いま金融懇談会を現地でやっておりますから、そこらで明らかになるだろうと思います。また、現地から情勢を聞きまして考えてみたいと思います。
○田中(武)委員 ここで委員会に要望いたしますが、こういう場合に相談川等を設ける、 こういうことは、われわれが常に主張してまいり、昨年末の当院における倒産対策についての決議にも触れられておった問題であります。ところが、この山陽特殊鋼の倒産に関連して、いま申しましたように商工会議所あるいは神戸銀行の姫路支店等に相談所が設けられておる。これはけっこうなことだと思います。しかし、その利用度がどうなのか。問題は、相談に乗る者の方針なんです。これを明確に握らなくちゃならないし、またその方針いかんによっては変な方向にいっちまうと思います。 そこで、当委員会におきましても、これは初めてのケースのようにも考えますので、こういう相談所の利用、あるいは相談に乗る乗り方、方針、そういうものをよく見る必要もあると思います。ことに山陽特殊鋼の倒産に関連いたしましての、姫路地方の中小企業のあり方等も重要な問題であろうと思いますので、直ちに当委員会から委員を派遣して、実地に視察する、調査をする、こういうような機会を持っていただきたいと思います。それも早く。委員長に要望いたしますが、委員長ひとつ……。
○内田委員長 田中君のただいまの要請につきましては、現地調査の問題であろうと思いますので、理事会において協議をいたしました上、対処いたしたいと思いますので、委員長におまかせをいただきたいと思います。
○田中(武)委員 そのことについては、委員長に善処方を要望いたしまして次に入ります。 時間がありませんから簡単にまいります。 今後この会社更生手続の中で、あるいは更生計画に参加するとか集会に出るとか、あるいは先ほど来私が言っておりますような金融の問題、あるいは現金化の問題等々につきまして、下請企業、ことに無担保債権者の交渉ということが重要になってきます。そこで、無担保債権者の組織を指導する、あるいはつくらす、こういうような方向について、中小企業庁長官はどう考えますか。
○中野政府委員 目下小口債権の実情を調査しておりますので、その結果によって考えてみたいと思います。
○田中(武)委員 まだ目下調査中ばかりで、どうも遺憾であります。山陽特殊製鋼の更生の問題について、商社が大きな不満を持っているとか、あるいは富士鉄がきわめて消極的であるとか、いろいろな問題が出てきておるようであります。したがいまして、これについては重工業局が中心になるべきだろうと思いますし、あるいは中小企業庁、あるいは銀行局等も一緒になっていまいろいろと——それそれ商社は商社の立場、銀行団は銀行団の立場、下請は下請の立場等でいろいろ不満があり、話し合いが十分にいっていないようです。これについてうまく調和をはかりつつ指導してもらいたいと思いますが、決意をお伺いいたします。
○川出政府委員 関連中小企業の擁護ということは、きわめて重要なことでございますので、通産省といたしましては、省内としては中小企業庁ともよく連絡をとり、今後の対策を検討したいと思います。 〔「おざなりの答弁だ」と呼ぶ者あり〕
○田中(武)委員 それじゃ、まあおざなりの答弁だといううしろの声もありますが、関係行政庁において十分打ち合わせをし、万全を期してもらいたい。 それから、労働問題についてお伺いしたがったのですか、これは同僚三木委員から質問があるようですから、簡単に申し上げます。 このことについて組合は全然聞かされていなくて、六日の朝になって初めて組合は知った。昼に社長は組合員を集めて、人員整理は行なわないとか、あるいはことしの春の採用者は予定どおり採用するとか、社内預金については管財人の許可があればいつでも引き出せるというような話をしたようです。そこで、きのう労働組合との間に団体交渉が行なわれておると思っております。 労働省に簡単に聞きます。社内預金の総額は幾らくらいあったか調査しておられますかどうか。それから会社更生手続き開始申請をしても、役員にはその権利があるわけですから、団体交渉で結ばれたところの労働協約については、効力には何ら関係はないと思いますが、この二点、簡単にお伺いします。
○村上(茂)政府委員 社内預金は約一億五千万円というふうに承知いたしております。 なお、労働協約の効力につきましては、従来の権利義務がそのまま継承されますから、従来同様、法律上の効力を有するというふうに考えております。
○田中(武)委員 一億五千万円に近い社内預金については、御承知のように、会社更生法百十九条で、共益債権になっておるので、これは問題ないと思いますが、あとで三木委員から詳しく触れると思いますので、この程度にします。 ここでひとつ経済企画庁にお伺いしたいのですか、この山陽特殊鋼のある姫路、すなわちこれはいま脚光をあびております播磨臨海工業地帯の一角であります。こういう地帯、特に成長産業だと思っておった山陽特殊鋼にこんな事態が発生したということで、脚光をあびておる播磨臨海工業地帯に一つの暗影を投げかけた、こういうことが言えると思うのです。ことに、御承知のように、この地区は工業整備特別地域として指定を受けております。こういう問題と、工業整備特別地域の将来の問題、地域開発の問題とあわせて経済企画庁としてはどう考えるか、簡単にお伺いいたします。
○鹿野政府委員 工業整備特別地域につきましてしては、基本計画を先月の二十七日に政府として承認いたしたわけでございますが、そのやさき、こういう事件がありまして非常に残念だと思います。ただ、工業整備特別地域のうちでも播磨地域は非常に大きな地域でございまして、一番実力と申しますか、将来最も出荷額の大きい地域でございます。山陽特殊製鋼のほかにも数多くの会社がございまして、将来の姿として大体一兆二千億ぐらいの出荷額を想定しておるわけでございます。基本計画そのものは、おおむね十年後の、五十年の一つの姿を想定したマスタープランでございますから、それを今後建設していく中に、いろいろな景気変動あるいは財政の状態等の変動に応じて弾力的にその目的を達成していきたいと考えておりますので、この事件が必ずしも当播磨地域について小さい事件ではないと思いますが、全体の大きさから見て、今後のマスタープランを編成していくに根本的な影響を与えるものではないと考えております。できるだけ既定の計画どおり建設していくことをわれわれとしては念願し、また指導していきたいと考えております。
○田中(武)委員 まだいろいろとお伺いをして議論もしたい点がだいぶんあるのですが、この問題は何もきょう一日ではないと思いますし、ことに大臣も見えておりませんから、そういうような高度の議論は後日に譲りたいと思います。 そこで最後にお伺いいたしますのは、中小企業庁長官ですが、こういう状態で見ておったときに、いわゆる中小企業の三月危機といわれることがほんとうにくるような気がいたします。そこで、この三月危機といわれることに対する対策と見通し、ことに政府三機関に対して、情勢に応じて必要な財政資金の追加が必要だと思います。そういうことについて、さらに昨年末政府が行なった中小企業向けの買いオペ五百億円の決済が四月末ということになっておりますが、こういう中においてはそれはできない。したがってこの決済日を延期する必要があると思いますが、このことについてお伺いいたします。
○中野政府委員 いま御指摘のように、一月の倒産はやや落ちついたのでありますが、二月は件数が相当ふえ、今度のこのような山陽特殊製鋼を中心とする連鎖倒産の危険性もあるわけでありまして、いわゆる三月危機というようなものが一体どういうものなのか、これはいろいろ議論があろうかと思います。中小企業の現状から見まして、先行きは相当暗いというふうに見ております。また金融緩和も行なわれましたが、まあ二月の今日の段階で見ますと、金融緩和のいい影響というものは中小企業には全然まだ及んでいないというふうに私は見ております。したがいまして、これからの情勢を十分見守って、政府関係三機関等の資金の需要等の動向もいま調べておりますので、こまかく配慮してまいりたいと考えております。
○田中(武)委員 買いオペの決済期の延期……。
○中野政府委員 これはいま銀行局長もおりますが、よく大蔵省と相談をして善処してまいりたいと思います。
○田中(武)委員 いろいろまだ議論したい点もありましたが、これで一応質問を保留しながらきょうはおきたいと思います。ただ要望しておきたいことは、新聞等で見ると、今度の山陽特殊鋼の会社更生手続開始申請にあたって比較的迅速な手が打たれたような印象を受けました。ところがやってみると、まだ調査中だとか考慮中だとか実情を見てとかいうことで、われわれとしては満足でありません。ことに先ほど申しましたように、播磨臨海工業地帯の一角に投げられたところの暗影であります。将来の地域開発の問題もあわせて十分に関係者において指導し、適切なる措置をとっていただくよう要望いたしましてきょうはこれで終わります。次のときにはもっと議論をいたします。
○内田委員長 山下君に申し上げますが、大蔵省銀行局長は先刻から他の委員会から出席要望がありますので、まず大蔵省銀行局長に対して最初に質疑をなされますよう希望いたします。
○山下委員 関連質問でございますから、また時間もございませんから、一つにかためてお伺いをいたしたいと思うのであります。先ほど答弁をいただきましたけれども、満足するような答弁じゃないと思うのであります。放漫な経営あるいは資金の裏づけのない過剰設備等については責任は感じている、こういうようなことでございまして、抽象的な答弁でございました。いずれ適当なときにもつと具体的なことを伺う機会を得たいと私は思っております。 次に私が伺いたいと思っておりますことは、山陽特殊製鋼の下請工場につきましては、新聞でも御承知のとおり大小合わせまして四百数十あるといわれて、昨日は兵庫県商工部次長が姫路商工会議所に参りまして、姫路付近にある直接下請業者七十軒ほどを集めましていろいろ協議をされて、さしあたり県のことしの予算のうちで九億円ほど保証協会に出して操作をされるようであります。その七十数社の負債が三十三億といわれておるようでございますが、こういうことに対して一体中央はいち早くどういう手を打とうと考えておられるのか、その辺が私は知りたいのであります。 もう一つ伺いたいと思うのは、先ほど田中委員も申し上げておりましたように、三百数軒に近い下請業者が山陽特殊製鋼から受けている手形決済というものが、新聞を通じて伺いますと五カ月の据え置きで八カ月後の支払い、こういう手形であると報道されておるのであります。そのために月に納入五十万円の鋳物工場が、手形決済が長いから、結局常時自前の回転資金を五百万円ほど用意していなければ工場経営が成り立たない、こういうようなこと等も書かれておるのであります。私はこういうようなことでは、声を大にして中小企業の育成強化をいかに通産省が叫んでみても、これは追っつく瀬ではないと思うのであります。こういう結果から見まして、御承知のとおり下請代金支払遅延等防止法という法律等もあるのであります。こういうこと等照らし合わせまして、一体通産省はどうお考えになっておるのか、私はその辺を伺いたいと思うのであります。
○中野政府委員 お答え申し上げます。現地においていま措置がとられつつあるものにつきましては、先ほどちょっと申し上げましたが、一つは県当局が、八億だと私は記憶しておりますが、八億円の、制度金融としてかねてから持っておった金の一部をさいて、これを関係の銀行に預託をして、そうして関連の中小企業にこれを貸し出させるようにやっております。これはそういうことをぜひやってほしいということで、主として大阪の通産局がこれの指導に当たっております。 それからもう一つは、やはり銀行が金を貸す場合に、将来あぶないということで危険を見ますので、どうしても保証協会が積極的に活動することが望ましいということで、これもいま県当局におきまして——御承知のとおり保険にかけても七割しかてん補しませんので、残りの分について、保証協会が損失をこうむったときに、県当局が損失補償したいということをいま言明しておるようであります。これにつきましては、現地の通産局がこれに協力いたしましてやっております。また、必要がありますれば、中央からも必要な金を保証協会に流すというようなことも考慮したいと考えております。 それから下請の実態が、非常に支払い状況等が悪いということも事実であろうかと思いますが、これは法律もあることでございますので、そういう点についても十分調査をして、そういうことがないように、今後はさらに気をつけてまいりたいと考えております。
○山下委員 そういう下請の手形の決済の緊急処置というのは、いま直ちにとる手配はないのですか。
○中野政府委員 先ほど申し上げました現地での調査と、また金融懇談会も開いておりまして、どういうところから手をつけてやっていかなければいかぬかという実態を調査しておりますので、その調査の次第によって適切な手を打ってまいりたいと考えております。
○山下委員 それじゃ同僚三木委員の質問の時間でございますから、私はいずれ他の機会に質問を申し上げることにいたしまして、最後に要望だけ申し上げておきたいと思うのであります。先ほど田中委員からも話がございましたように、なるべくすみやかに税務上の相談所等を設置されて、この善後策を立てていただきたい、こういうことと、山陽特殊鋼の直接の三千五百人の従業員はとにかく解雇しない、安定する道を開かれるであろうと思いますけれども、関連産業の労働者というのはきわめて不安な状態にあるであろうと想像されるのであります。これらに対しまして労働省あるいは通産省ともども万全の策を立てられるように要望いたしまして、いずれ具体的なことについては他の機会に質問を申し上げることを保留いたしまして、これで終わります。
○内田委員長 中川俊思君
○中川(俊)委員 山陽特殊鋼の問題が先ほど来論ぜられておるのであります。これは全く私はいまの情勢からいうと氷山の一角だと思います。大企業にはこの種の問題はうんとある。まだ続々あらわれるだろうと思います。そこで私は、重工業局長が帰ったから質問を保留しようと思ったのですが、中小企業庁長官がおられるから、一つだけ伺います。 特殊鋼が今日どういう状態になっておるかということは通産省よく知っておる。ところが一つも手を打っておられない。さらにまだたくさんあります。合金鉄業界なんかどうするのか、石油業界はどうするのか、この種の問題はもう続々出てくるのです。私はその点について、通産省、これは中小企業庁長官にまことにお気の毒なんですが、どういうふうに行政指導をしておるのか、それから銀行局長おられますが、金融方面からの行政指導でも、私ははたして妥当であるかどうかということについて非常な疑問がある。かつて私は丸善石油の問題のときに、銀行局長にも文句を言ったことがありますけれども、いまや金融資本が産業界にどんどん天下ってきて、そうして何にもわからないくせに、もう産業界をむしばみっつある事例がたくさんあります。御承知のとおり、丸善石油あたりはとうとう三和銀行に取られた形になっておる。それから、片倉工業あたりも富士銀行に取られた形になってしまった。そういう面がたくさんあるのですが、それに対する行政指導がどの程度行なわれておるかということなんです。もっと行政指導を強化していただきたい。もっと事前に打つ手があるのではないか。いつでも、あとからこういう問題が論じられている。前向きの姿勢で、今日の通産省でも大蔵省でも、はたしてどの程度行なわれておるかということについて非常に疑問を持っておるのです。山陽特殊鋼といえばかなり大きな会社だ。七十数億円の会社だ。負債額も五百何十億。このくらいな会社でもこういう事態になっておるのですから、中小企業はまだまだ深刻です。 それから、中小企業に対する金融の面ですけれども、政府もいろいろ財政投資を増加してやっておられますけれども、長官、中小企業金融公庫からでも開発銀行からでも、金を借りようと思ったらなかなか容易じゃないですよ。金を借りたことのある者でなければわからないですよ。なかなかこれはむずかしい。政府は、こういうふうに出しているのだ、中小企業振興のために出しておるのだと言うけれども、それが末端まで届くのには非常な時間を要する。その間に皆倒れてしまいます。そういう実態は十分御存じだろうと思うのですが、そういうことのないようにひとつ手を打っていただきたい。私は、別に質問というわけではありません。要望を申し上げるだけなんです。これは通産省の所管ですけれども、いまの合金鉄業界なんかでもてんでんばらばら。石油業界でも非常な乱売が行なわれておるわけであります。御承知のとおりだ。これらに対して通産省はどういう手を打つか。こう言っては悪いけれども、調査会だとか審議会だとか設けて、責任のがれなことばかりやっておる。そうして調査会、審議会のメンバーというものはいつもきまった人たちばかりです。あの人たち、合金鉄業界の実情がどうだとか、石油業界がどうだとか全然わからない人まで、そういう審議会の委員に委嘱している。そうして、世間ではこういうことを言っております。通産省の役人はずるい、大蔵省の役人はずるい、そういうのを隠れみのにして、審議会でこういう意見が出てきたから、調査会でこういう意見が出たからこういうふうにやるのだというので、責任のがれの、場当たりのことしかやっていないという非難も一部にはあるのです。ですから、中野さんあたり、特に中小企業——いま日本は非常に深刻ですから、そういう方面にはうんと考えてもらわないと、私は山陽特殊鋼なんて氷山の一角だと思います。これからまだどんどん出てくると思う。これは通産省全般の問題ですから、私は別に質問というわけじゃありませんけれども、岡崎さん、あなた、自民党から入っておられるのですから、政府の役人として入っておられるわけですから、こういう点特にひとつ注意をしていただいて、そうして行政指導を強化するということ、事前に手を打つということをやってもらわなければ、あとからこんなこと幾らやってみたってしょうがないのです。私の説が間違っておったら訂正しますが、ひとつ岡崎さんの所信を伺いたいと思います。
○岡崎政府委員 ただいま中川先生からの御要望に対しましては、通産省といたしましても、仰せをいただくまでもなく、その点については考慮いたしまして、昨年の秋以来、櫻内大臣就任後、各種業界の体制等についていろいろ調査いたしまして、局の幹部会も開いていろいろくふうをいたし、努力いたしてきたつもりでございますが、全機能を動員いたしまして、また各省間との連繋をも十分密接にいたしまして、将来、いま仰せのような事態についても、前向きの態勢において、このような事態の起こらないように全面的に努力をいたしたいという私たちの考えを申し上げまして、お答えになるかどうかわかりませんが、答えさしていただく次第でございます。
○高橋(俊)政府委員 今回の事件においても感ぜられますことは、銀行が相当な貸し出しを行ないながら、その会社の実態を長い期間よく把握しなかったという点でございます。先ほど例にあげられました、いわゆる銀行が会社に進駐するといいますか、そういった事例は、結局その会社が多額の負債をかかえて、しかも見通しを誤った場合、あるいは設備投資のやり過ぎ等によりまして非常に金融的な困難におちいり、採算的にも悪い、こういう場合に、どうしても銀行がじかにこれを把握していないというところからそういうことが起こると思いますが、私たちとしては、そういうことが起こること自体が銀行の日ごろの注意が足らぬという感じでございまして、今後はそういう銀行の業務上当然ともいうべき会社の実態把握、審査の充実ということにいま一そう力をそそぐように、十分なる指導を続けてまいりたいと思います。
○内田委員長 三木喜夫君。
○三木(喜)委員 山陽特殊製鋼の問題は、私は、いよいよ日本経済のアキレス腱に近づいてきた問題だと思うのです。したがって、この問題に対処する責任者が私は三つあると思う。その一つは経営者である。それから、これを背面からバックアップしておったところの金融界、そして行政の責任のある通産省とか経済企画庁に、私はこの問題の焦点をしぼっていかなければならぬと思うのです。 そこで、いよいよ会社更生法の適用を受けるという段になってまいりまして、山陽特殊製鋼の社長はいろいろなことを言っておるわけでございますが、その中で特に責任を持ってもらわなければならない点が、私は三つあると思うのです。その一つは、これによって倒産するであろう中小企業とか関連産業、あるいはいろいろなものをこの会社に売り込んでおるところの業者、こういうものに対してどういう措置をとるか。これは先がた金融界、特に日銀が責任を持って百億円ほどを用意して、そして関連産業の倒産を防ぐように努力すると、このように言われたと思うのですが、その点間違いございませんか、まずそれを一つ確かめておきたいということと、それから次に、労働者に対して、こういう更生法の適用を受けて先行き不安のないようにすることも責任だと思うのですが、それはどういうようなことによって、労働者に対して不安のないような措置をとるか、これが第二です。これは労働省にもひとつお聞きしておきたいと思うのです。 それから、もう一つ問題になることは経営それ自体です。今後更生するために、経営それ自体は更生法によってやられるだろうと思いますけれども、いままで更生法の適用を受けた会社で、ほとんどの会社も更生法どおり更生した会社がない。いうなれば更生法というのは、その経営者を一応守るところの隠れみのにするようなおそれがある。したがって、これは通産省の大きな行政指導に当たるだろうと思いますし、あるいはこれは経済企画庁の責任もあろうと私は思う。腹一ぱい設備投資を今日までやってきて、そして今日いよいよ倒産寸前になってきたら更生法に逃げていく。これでは、これによって関係を受けるところの人は非常に迷惑である。このことは更正法と関係して後ほど触れますけれども、概してこの三つの点について最初概括的にお伺いしておきたいと思う。
○岡崎政府委員 ただいま御質問のうちの、通産省関係に関連ある点の一部について御答弁いたします。 関連倒産につきましては、先ほどもお答え申し上げましたように、その影響のないようにただいま十全の措置をとって努力をいたしておる次第でございます。この点は御了承いただきたいと思う次第でございます。また、会社自体が将来とも存続しないようになるのではないかというようなおことばでございましたが、存続して勤労者その他十分にこの会社を中心として業務にいそしめるようにいたしたい、こういうふうに存じて努力いたしておりますことを御了承いただきたいと思う次第でございます。
○中野政府委員 関連の中小企業等に対する金融上の配慮につきましては、大蔵省、日銀、通産省、完全に意見も一致しておりまして、幾らくらい金が要るかということについては、先ほど銀行局長からも答弁がありましたが、実情をいま調べておりますので、万遺憾なきを期することがこれによってできるのではないかというふうに考えております。
○村上(茂)政府委員 労働者の関係におきましては、賃金不払いの問題、社内預金の不払いの問題、これが起こりますことを私ども十分警戒いたしまして処置をいたしておる次第でございますが、先生御承知のように、会社更生法におきましても、随時支払い得る共益債権ということになっております。その法律的な制度が十分生かされますように、目下兵庫労働基準局が中心になりまして、現地の姫路労働基準監督署等々とタイアップいたしまして、会社幹部、労働組合部幹、それからおもな取引銀行等に、それぞれ緊密な接触を保っております。目下のところ、大きな不安はないように私ども情報を得ておりますけれども、なお十分注意いたしまして、そういった不払いが起こりませんように指導いたしてまいりたいと考えております。
○三木(喜)委員 先ほどの田中さんの質問に対しての答えとしては、何かくつの上からかゆきをかいているようで、増産とか設備投資とか、あるいは国際競争力に勝つとかいうような問題については、通産省や経済企画庁が相当進軍ラッパを吹いたが、いよいよこういう状況がきて、あるいはこういう点で注意をいたしました、外国から新しい設備を買い入れるのについては、そういうことをしたらいけないというようなことで注意をしましたということだけでは——どちらかというと、こういう事態を引き起こす糸口をつくったのはやはり行政の責任だと思うのです。その責任者がいよいよになったら、いまの答弁は何ですか。百億円を私は的確に聞いたんですよ。百億円を用意して、しっかりと中小企業等の倒産を防止する対策を立てますということを先ほど言ったということで私が確認を求めたのに、万遺憾なきを期しますと言うが、その百億円は一体どうなるのでありますか。 それからもう一つ、次官のほうも、責任のある立場でこれをどうするか、社長の問題もあとで触れたいと思いますけれども、前向きの姿勢がないと私は思うのです。何かものを糊塗するような言い方をすればそれで済むというようなことでは、この期に及んでは解決がつかないと思う。日本経済のアキレス腱に迫った問題だと思う。先ほど田中さんも言われましたけれども、この一つの取り組みによって、政府の今後の指導力であるとか、あるいは行政機構の方向というものが明らかになってくると思うのです。したがって、そういうくつの上から、かゆいところをかいているような答弁をしていただかなくて、ひとつ責任ある答弁をしていただきたいと思うのであります。金融界では、田中さんも言っておりましたように、的確とは言えなくても間髪を入れず責任をとるような体制を整える、これとても私は問題があると思いますが、こういう事態になってきたときに一番態度をはっきりしなければならぬのは、やはり政治の姿勢である。それからその事態を起こしたところの社長の態度である。その社長の態度にもあきたらぬものがたくさんあります。調べてみますと、全くペテンにかけているのではないかというような節もあるわけなんです。それは後に触れますけれども、そういう点から、もう一回政府の責任者としてひとつ御答弁いただきたいと思います。
○中野政府委員 先ほどの、今回の措置に伴う金融措置でございますが、日銀でも、十分これは配慮するようにということで、御承知のような異例の日銀総裁談話と記者会見等もあったわけであります。いまの百億というお話は、先ほど銀行局長から確認はしておらないようでございますが、そういう意味のことを日銀で考えており、あるいは言明したかどうか、さっそく調査いたしまして、いずれにしても方向は非常に好ましい方向でございますので、そういう方向で実現できるようにわれわれとしては努力していくつもりでございます。
○田中(武)委員 関連して。いま銀行局長は確認をしないようだと言うけれども、心配はかけませんね、こういうことに対して確認しましたよ。だからその点は、はっきりしておいてください。私は確認があったものと了解したわけなんですよ。もしそうでないのならば、まだいろいろあとに問題が出てくる。私は確認されたものと了解しておるが、あとで一ぺん議事録を調べる必要があると思います。銀行局長は確認したんですよ。
○中野政府委員 おそれ入りますが、私がこちらに参る前の話ではないかと思いますが、銀行局長に確かめまして、そういう方向で実現するように私としては努力したいと考えております。
○三木(喜)委員 通産省としての責任者が出てきておるんでしょう。いまだれがどこへ行く、かれがどこへ行くといってこそこそ抜けていったから、こういうことになるんですよ。確認しておいてもらわぬと、重大な話の拠点になるんですよ。それが不明確なままでは話は進められませんよ。一ぺん確認しておいてください。次官、この問題についてのあなたの抱負なり計画というものをもうちょっと言ってください。あなたは通産大臣がいないから場ふさぎに来ておるんでしょう。こんな重要な問題を場ふさぎにされたらかなわぬですよ。問題をいまから出しますから、それに対して責任ある答弁をしてもらいたいが、次官、どうですか。
○岡崎政府委員 先ほど来からの御質問に対して、私も場ふさぎという意味ではなく、真剣に私としては御答弁申し上げ、また、お話も一承りたい、こう存じてここに列席しておるわけでございます。通産省といたしましては、従来からもあらゆる産業の育成強化、健全な発達ということに努力をさせていただいておるわけでございますが、各種産業の発展には、事業をやる方々の創意くふう、または努力というものを中心として経済の運行をやっていくという体制をとっていくのが適当ではないかというような体制で、いまのような経済状態になっておるわけでございます。そういう状態でございますから、事業は、経営をいたす人か真剣に取り組んで一生懸命仕事をやっていけるように持っていきたい、こういうのか基本的態勢でございます。しかしそれだけでは事業というものはまいりませんので、あらゆる社会情勢または経済状態と関連をしていくという点において、政治または行政の面でいろいろ力をおかしし、または御指導申し上げていく点もまた十全を期するということが政治行政上の責任だと存ずる次第でございます。そういう点について、やはりいままで重工業関係または中小企業関係についても、一生懸命努力してまいり、または指導してまいったつもりでございますが、しかしこのような事態を起こしましたことにつきましては、通産省といたしましても、まだまだ心の至らぬ、指導の至らぬ点があるというので、その責任を痛感はいたしておる次第でございますけれども、そういう点について、やはりいま行政上やらなければならない問題については、あらゆる点について努力いたしてまいりたい、そうしてそういうことが起こらないようにいたしたい、こういう気持ちで先ほど御答弁申し上げた次第でございまして、これからもそういうつもりでやっていくということを申し上げてお答えにかえさせていただきたいと思う次第でございます。
○三木(喜)委員 あなたのお話は、努力するということですが、何も具体性がない。それはやむを得ないでしょう。しかし、経営者の創意くふうによってこういうことをやるべきで、それにわれわれは大いに期待しておる、こう言っておる。経営者も、社長等の談話など聞いていましても、私ども上生懸命国際競争力を強化するために設備投資をやりました、しかしそれが稼働期に入ろうとするときに未曽有の不況に見舞われましてこういう状況になりました、こういうことを言うて、お手上げで、参りました、こう言うておるのですよ。そこまでの指導は、あなた方の指導なんです。彼は、参りましたと言うたのですよ。そうしたら、ここまでは創意くふうでやらして、あなたまかせで通産省はやっておったというあなたの話です。そこで、参りました、こう言うたら、ここからはどういう姿勢でこの前の責任を負うていくかということが、具体的に私は重要だと思うのですけれども、その点はもう触れません。私は、通産大臣がおいでになれば、これは当然責任者として言ってもらいたいと思うのです。たとえば参議院の答弁で、通産大臣はこんなことを言っておる。私はこれは非常に問題だと思うのですけれども、木村禧八郎さんの質問に対しまして、会社更正法の適用を受けることになったが、発足以来あまり長くないのに、増資幅、設備拡張が大きく無理があり、しかも業界第二のシェアを持っているため、値下げなどの過当競争や高配当をして今日の破局を招いた、神戸銀行、三菱銀行などから重役が派遣されているのに、社長がワンマンのためこのような実態がわからなかったのは遺憾である、こういう答弁をされておる。わからなかったのは遺憾である。先がたの質問の中で、公の会計士がこれを監督しておって、その責任もいま問題にされておるのです。会計士それから銀行筋からも入っておった。それで通産大臣もわからなんだ、遺憾です、こういうことを言うて、いよいよになって、参りましたと言うて社会不安を起こし、世間に迷惑を及ぼし、ひいては労働者、中小企業に迷惑を及ぼす段階になってきたら、いよいよもって遺憾でございましたと、これでは行政の指導いずこにあるかということを言いたいのです。私は、責任の所在の最頂点として問題だと思いますので、これ以上追及いたしませんけれども、そういう関係から私は申し上げておるのです。そういう点を明らかにして、通産省ではひとつ前向きでこの問題と対処してもらわなければ困ると思うのです。 そこで労働者の問題です。従業員の不安というものが非常に大きくあります。しかし会社の荻野社長は、六日まで杳として姿をくらましておった。そしていよいよ労働組合、従業員と会ったのは、田中さんもいま言われましたように六日、それ以後だったと思うのです。そうして、その場で荻野さんは次のようなことを言っておる。まず、給料は三月十日に払います。社内預金一億五千万円——、これは一億七千万円と言われておりますけれども、一億五千万円については会社更生法によってたな上げにはならぬのだ、これは支払をいたします。労金からの借り入れ金、これの返済がたな上げになるのではないだろうか。この三つの点が心配をされておりますけれども、これについて努力をするということを言っておる。そうして田中さんも触れましたけれども、労働条件を強化するというようなことはいたしません、なお首切りもいたしません、こういう約束をしておるのです。通産省、労働省として責任者がおいでになっているのですが、この点、社長が言うたことに対して確信が持てるかどうか。中小企業の面は田中さんが言いましたが、私は労働者、従業員の立場からお聞きをしておきたい。これは更生法によって管財人ができてくれば、そういうことの責任は持てぬのだと言って逃げる可能性があると思うのです。そういう点は、通産省、労働省はどう押えておられますか。
○村上(茂)政府委員 私どもが情報として得ておりますのは、そのような社長の言明のほかに、その実務を担当いたします担当重役なり部長、課長、そういった関係者の考え方がはたしてそうであるかどうかという点について、さらに確認をいたしておるような次第でございますが、労働者に迷惑をかけない、いま御指摘のような線に沿うて措置するように、会社の担当者も考えておるようでございます。しかしその点につきましては、労働基準監督という面から、単に関係者の言に信頼するだけでなくて、それが保証されますように、今後も十分指導してまいりたいというふうに考えております。 なお、これも情報にすぎませんけれども、生産は継続するというような線が出ておるようでございますし、生産に必要な支払いについてもこれを考慮したいという線が出ておるようでございまして、その中に賃金とか社内預金といったようなものが必要な経費の中に含まれるという考えをとっておるやに情報として聞いておるわけでございます。しかし、これがそらごとになりませんように、今後とも十分指導、監督をしてまいりたいと考えております。
○三木(喜)委員 労働省の立場からいえば当然なことです。ぜひそうやってもらいたい、そう努力してください、これは重要な問題ですからお願いしておきたいと思います。 通産省の立場として、先がた、管財人が引き継ぎますとこれが一切、社長がどういう約束をしようと聞かれない、いまのように、今後経営を担当する重役がということで、情報として引かれましたが、そういう問題も管財人の恣意のままに今後動いていくと思うのです。そこを行政的、法的に、この社長の言明というものを管財人に引き継ぐところの指導なり解釈を下すということがやはり通産省の仕事ではないかと思う。その点どうですか。
○岡崎政府委員 管財人が選ばれますと、大体管財人の責任によってやっていくことになると思いますが、通産省といたしましては、ただいま御指摘のございましたように、労働者、勤労者が十分に働いて安定してやっていけるように取り運ぶように、十分指導をいたしたいと思います。その法律的その他の点については担当課長からお答えさせていただきたいと思います。
○木寺説明員 お答え申し上げます。目下のところは、管財人につきましては富士製鉄のほうから出ることにつきまして関係銀行団、債権者の間で意見がまとまりつつあるやに聞いております。また、この企業の関連事業、特に軸受け工業その他に与える影響、これは従業員はもとよりでございますが、あるいは下請企業への波及を防止するためには生産の維持が最も緊要と考えられます。したがいまして、私どもも富士製鉄を通じまして、そういう御方針に沿った措置をとりたいと考えております。
○田中(武)委員 ちょっと関連。 いまの三木委員の質問に関連してですが、富士製鉄を通じてということもけっこうなんです。ところが、会社更生法によって監督行政庁、大蔵省、法務省等に、いわゆる集会に対する通知があり、その集会において発言ができるわけです。ところが、いままで法務省にしても大蔵省にしても、ほとんど行ったためしがない。あるいは行くにしても、単なる事務官が行っているにすぎないのです。そこでこの場合、会社更生手続開始決定がなされて、その更生計画を立てる集会に対する通知を受けた場合は責任ある人が出ていって、いま三木委員の言ったような点につき通産省、それから法務省、大蔵省それぞれ通知があって発育の機会があるわけなんですから、十分なる発言をしてもらいたい。それもいままでのような一事務官じゃなしに、責任ある人が出ていく、そういうことを確約してもらいたい。
○岡崎政府委員 ただいまの御注意につきましては十分考慮いたしまして、それを実施いたすようにいたしますから、ひとつよろしくどうぞ……。
○三木(喜)委員 労働者の側に先がたお聞きいたしましてそれぞれ答弁を得ました。しかしながら、これは解釈上やはり明らかにしておきたいと思うのですけれども、十日が給料日になっています。まずこれがどのようにして支払われるか。私は、会社の経営状況なり社長の言ったことを一つ一つ吟味していきますと、給料がどこを根拠にして支払われるのか、ちょっと疑問に思っておるのです。あなた方もそのことを心配しておられると思うのです、労働者の立場に立って、十日が給料日です。それの支払いの措世を労働省は十分検討され、関係省庁と連絡をとって確信を持っておられますか、まずこれが第一。あなたは情報として、情報としてとはかり答えておられますけれども、監督官庁としての十分な責任において、情報だけでは困るのです。これはこの面から支払いができますというようなことを確信を持っておりますというように押えてもらわなければ私たちは満足できない。この給料面が一つです。 それから二億五千万に及ぶ社内預金の問題ですけれども、これはなるほど会社更生法によりますと、社内預金は、百十九条の労働者の預かり金として入るという法制局の解釈がなされております。しかしながら、これを的確に通産省あるいは労働省もそういうぐあいに押えておるか、これは間違いないか。この点もひとつここで明らかにしておいていただきたい。
○村上(茂)政府委員 山陽特殊鋼の賃金の一ヵ月分は一億ないし一億一千万というふうに私ども承知いたしております。そこで、法的には先ほど御指摘のように更生決定がなされましても、共益債権ということで随時支払い得る、こういう制度になっているわけでございまして、あとは現実に金があるかどうかということでございますが、先ほども申し上げましたように生産を継続する、生産に必要な資金のめんどうをみる、こういう線が出ましたならば、それについての支払いは明るい見通しが立つのではなかろうかというふうに観測しておるわけでございますが、何ぶん明日に迫った問題でございますから、なお間違いのないように十分監督いたしたいと考えております。
○三木(喜)委員 これは労働省の今後のすべての行政に関係してくると思うので、端的に給料の問題でお聞きしたわけですけれども、そういうふうに情報を聞いているとか努力いたしますということでなくて、もうひとつ走り回ってでも働く人の立場を守るという観点に立ってやっていかなかったら、質問があったから答えたということでは私は困ると思うのです。 次に、通産省のほうおに聞きしたいと思うのですが、更生法が適用されますと、いよいよ債権は取り立てばできない。それから、そういう関係上中小企業の業者は非常に弱い立場に置かれている。これについては先がたから百億円用意をして、そして倒産とかいうようなものの防止に当たる、こういうことなのですけれども、その後の新聞を見ますと、はや倒産を一つやっておりますし、一つは休業をやっております。これは具体的な問題ですから、これについてもいろいろ情報も集められたり、あるいは措置をされておるだろうと思うのですけれども、一体どうなのですか。名前を言ってよかったら言いますが、一社はもはやすでに倒産、一社は休業した、こういうことなのです。まず最初にお聞きしておいて、もう一つは先がた田中さんが言われまして、そうして倒産防止の協議会とかあるいは相談所を設ける。これは神戸銀行が主体になってやっておりますけれども、一番心配なのは、そういう相談所をやってもその網の目から漏れるものがたくさんあると思う。これは非常にひどいことになるだろうと思います。そういうものの対策をどうするかということです。いま倒産した会社のような一億円というような大きなものとか、あるいは毎月一千万円以上の納品をしているというような会社については、そういう救済の方法はとられるだろうと思いますけれども、その漏れたものがあると思うのですが、そういうものに対する措置はどうするか、これは深刻な影響を及ぼすと思う。この二つをお聞きしたい。
○中野政府委員 いま先生から御指摘ありましたように、昨日姫路市の及川金属工業という会社が倒産いたしております。非常に遺憾なことでございますが、なお、きょう、先ほど申し上げましたように現地で金融懇談会をやりまして、あと倒産の波及を防ぐように現地でやっておりますので、なおその報告を聞きまして善処してまいりたいと思っております。
○三木(喜)委員 いや、遺憾でありますと言うだけでいいのですか。倒産は防止しますとさっきあなた言ったじゃないですか、現実に倒産しているじゃないですか。そういうように言うているのですが及川金属は倒産した。こういうことでは、先がた言うた話はみんなふいになってしまうじゃないですか。現実に倒産しているのですよ。どうしてそれを救うのですか。遺憾でありますで済みますか。
○中野政府委員 倒産防止については極力努力をしておるつもりでございますが、一件すでに倒に、なお私のほうのきょうの調査では、十八件ばかりが非常にあぶない状況にあるというけさほどの報告でございました。そういう状況でございますので、現地でできるだけいま措置をとるように私のほうからも要望いたしましてやっておる最中でございます。
○三木(喜)委員 それは倒産というふうに新聞が書いたことは先走り過ぎておって、その倒産は金融界の措置によって防止できる、こういうことですね、あなたのいま言われたのはそういうように解釈していいですか、及川金属にしましても……。
○中野政府委員 及川金属、すでに倒産しましたものにつきましては、まだ詳細はわかっておりませんが、さらに再建のめどがあるかどうか、すでにこれは一応倒産してしまったわけでございますから、そういう点についても十分手を尽くしてまいりたいと思います。
○三木(喜)委員 何かわかったようなわからぬようなことですけれども、十分手を尽くしていく、だから倒産は防げる——これは山陽製鋼と関連しておるのでしょうね。他に及んだ問題も問題ですけれども、これについては先ほどからずっと答弁されておるように、倒産はさせぬ、こういうことで金融界も取り組んでおるが、行政指導の立場にある中小企業庁あるいは通産省としては、これについて的確な答弁をこの際しておいてもらわないと、これはもう倒さぬという確信があるのだ、こういうように押えておいていただかなかったら、倒れてしまった、遺憾ですでは、私ども納得いかぬです。先ほどからの答弁が全部みなふいになってしまうと思うのです。
○中野政府委員 これは行政指導としては二つの面から私やっておるつもりでございます。一つは、先ほど御答弁申し上げておりますように、金融の関係で倒れていく、連鎖倒産していく、ということがないように、これは金融面から極力措置をしていく。それからやはりもう一つは、山陽特殊製鋼の場合には比較的倒産後も続けるという方針のようでございますから、サンウエーブのように一時生産をストップしたというような、あるいは生産を非常に縮小しておるというのとはやや違うのではないかと思いますが、それにしても関連の下請業者が仕事がなくならないように、あるいはなくなるような見込みのときには、それを今度は業種の転換、仕事の転換等をお世話する、この両面について極力努力をいたしたいというふうに考えております。
○三木(喜)委員 時間がたっておりますから、私は最後に更生法の問題に一つ触れておきたいと思うのですが、先ほども申し上げましたように、この更正法によりますと、非常に債権者の立場が弱いのですね。そこでこの更生法が適用になると、債権者というものは債権の取り立てばできません。言うならば経営者を擁護するかっこうだけしかないわけですね。将来債権者の立場をもう少し有利にするところの立法措置あるいは労働者の立場をもう少し保障するところの措置、こういうものについて通産省、労働省あるいは中小企業庁はどういうようにお考えになっておるか。これは私は一つの欠陥だと思います。これに触れてあと一つお聞きしておきたいと思いますが、最初その点についてお聞きしたいと思います。
○村上(茂)政府委員 御承知のように、現在の会社更生法におきましても夫カ月の賃金と預かり金、私どもは貯蓄金管理契約による俗称社内預金がこれに含まれるというふうに解しておりますが、あの法制の立て方から見ましても、取り扱い上かなり重く見ておる。国税とかそういった税と相並びまして労働者の賃金と預かり金については、共益債権として随時支払い得る、こういうような制度をとっておりますので、会社更生法の決定を見ます企業につきましては、他の債権に先立って優先的な扱いをしておるということがいえると思いますけれども、問題は、親会社が会社更生法の決定を受けることによりまして倒産を見た子会社あるいは下請会社の問題をどうするかということでございます。この点につきましては、いろいろ研究はいたしておりますが、他の債権との均衡をどうするか、また下請あるいは子会社と申しましても、元請だけに依存した会社か、あるいはほかにも商売、取引をやっておるかというような実態によって事情が違う。でありますから、いわゆる下請とかあるいは子会社というようなつかみ方ではなくて、そういった依存度等も十分考えなければならないというふうに私ども考えております。遺憾ながら決定的なことは申し上げかねますけれども、他の債権との均衡の問題もございましょうけれども、いろいろ研究をしておるというのが現状でございます。
○岡崎政府委員 ただいま仰せのように、更生法の適用を受けましても、会社の完全な再建とかまたは債権者に対しましての影響とかいうような点について、仰せのごとく非常に不備なまたは不完全な点も多々あるように思いますので、この点につきましては、できるだけ行政指導その他についてその足りないところを補うように努力いたします。と同時に、また将来法的改正その他につきましても十分考慮をいたしたい、こう存じておる次第でございます。しかし法的改正というよりは、まず行政価その他の点、政治面等についてできるだけの努力をいたしまして、その欠陥を補うようにいたしたい、こう存じております。
○三木(喜)委員 法の欠陥を認められました。それからできるだけの努力をするということを政務次官がお約束になりました。そこで私お聞きしたいと思うのですが、この山陽特殊製鋼の倒産がうわさされてから一カ月、現地ではいろいろうわさされておりましたけれども、にもかかわらず、もう一回新しく会社をこしらえてということで、明石の近くに土地を買って大きな看板をあげて、そうして有名無実のデモンストレーションをいまになってやっておるわけです。それから配当は一割の配当をやって、黒字の会社決算報告をやってきた。これは一つの見せかけでもあり、会社としてのプライドもあったからでしょうけれども、私はこの間に社長等の言ったということばを想像いたしますと、私が聞いたのではありませんが、想像いたしますと、こういうことを言っておるわけです。三井とかあるいは三菱とか神戸銀行とか銀行筋、これらは再建に一そういう更生を受けなくても再建に要するところの金は用意してやる、それから富士鉄も担当重役を送ってこれに協力するということだが、労働者に対して言っておることは、社長が、私はだまされたんだ、そうしてこんな結果がきたのはまことに申しわけない、社長の言いわけとしては、それはもっともでしょう。またそういうこともあり得ると思うのですれども、問題は、そういうようなことを言って事態を糊塗する中で、社長が財産を隠匿していないかということです。サンウェーブでもそれはいわれたんですね。そういうことについて、責任を持ってそれを探求いたしますか。一カ月というものは、そういうものを逃がす間があるのです。われわれが知ったのが一カ月ですから、一カ月以上です。それからもう一つ心配なことは、大手筋、銀行筋は、かりにそういうことをして更生法の適用を受けさす腹を持っておって、社長の言うておるとおりだましたということになれば、更生法、倒産を受けさせるということにしておって、有力な担保は全部押えてしまう、あるいは担保なしには金は貸してないでようけれども、あるいは会社が倒産しそうなところで、とれそうなものは全部銀行筋が甘い汁を吸うたと私たちは見るのです。吸い残しにせられて、あとに残ったところの債権者はどうなるかということですね。そういう立場から私はものを考えてみたときに、次官、あなた責任持てますか。十分な努力をいたしますということですが、そういう疑惑がやはりあるのですよ。私は一番にそう思います。サンウェーブでもいわれたのですから。荻野氏のやっておることを私は聞いておりますけれども、ここで一つ一つ取り立てるのは差しさわりがありますが、かりにそういう悪質なことを荻野氏がしておられないということを額面どおり受け取るといたしましても、そういうことをやっておるとしたら、これは大きな背徳行為ですよ。会社が倒れたことをいいことにして、自分はしこたま腹をふくらませた。金融界もあまり動かなかった。この端的な例を申し上げましょうか。神戸銀行の株は、五十四億か何ぼか倒されたかっこうになっておるのですけれども、株価は一向に下がっておりません。微動だにしておりません。激動しておるのは、何にも知らなかった、ほんとうに更生するのだ、更生するのだ、一割の配当、会社を設立するというような見せかけ、こういうものにだまされておった罪ないところの人々です。そういう問題をどうしますか。あなたは欠陥を認められ、最大の努力をすると言われたのですが、これは私は通産大臣の責任でもあると思うのですが、あなたはいま代理で出ておられるから、これをひとつ明確にしていただいて、私はこの問題は終わりたいと思います。
○岡崎政府委員 ただいまのおことばにありました社長がどう言ったこう言ったということにつきましては、私も直接聞いておりませんので、よくその点のあれはわかりませんが、私の信じております点においては、山陽特殊鋼に対して、各銀行並びに関係会社等も一生懸命再建に努力いたしたと私は信じております。その上で今日のような次第になったのでございますから、その努力に不足があったとか、こうしたらよかったというような点もあるかもしれませんが、まあ一生懸命努力したのだと私は信じております。しかし今日ここに至りました以上は、先ほどお話がございましたように、その影響を受ける人々に対しましての行政的面その他について、われわれは一生懸命努力いたしまして、そういう影響が少しでも少なくなるように努力いたしたい、こう存じておる次第でございます。
○三木(喜)委員 私の言ったことからはずれておると思うのですね。一般論としてはそういうお答えでけっこうですけれども、私は具体的に言っておるのですよ。社長が財産を隠匿しておれば、これは社会的な大きな背徳行為である。そういうものはやはり徹底的に行政の責任において追及するかどうか、そうしてその責任を持たせるかどうか。いわゆる経営面の責任者の責任を追及し、社会に対するところの償罪の意味で、そういうことをあなた方がやられるかどうか。やりますというお話ですが、やられますかということを聞いておる。それから銀行筋もそういうような長い期間がありますから、そういう期間にかわすことはできます。あるいは自分のところの損害がないように手配することもできます。かなり固定した資産があるのですからね。いま現金は一つもない、預金も一つもないと荻野氏は言うておるようです。
○岡崎政府委員 ただいまのお話の、社長が、会社は倒産したけれども、自己の財産保金その他をいたしておるという事実があったらどうするか、こういうことでございますが、そういうことはないようにして、できるだけこの救済が完全にまいりますように、私たちも行政指導を十分にやりたいと思います。またいろいろそういう問題につきましては、通産省といたしまして、政治的なたてまえからいっても、必ずそういうことのないように努力するということをいまお答えすることが、私の立場としては最も適当じゃないかと思いますので、御了承いただきたいと思う次第でございます。
○三木(喜)委員 ちょとあなたおかしいですよ。あなた、通産大臣は参議院において、銀行筋からも入れておったが、社長のワンマン経営によって悪かった、そういう経営の状況を是認しておるのですよ。是認しておって、そういうことがあるないという問題は、架空の問題でないと私は思うのです。そういう経営の状況でやってきたわけなんですね。そうした経営の状況の中で、会社の財産、もっと簡単にいいますと、公的なものと私的なものがごっちゃになっておるそうです。これはだれもが言っております。ごっちゃになっておるから非常に判別しにくい。それでかわされる余地がだいぶんあると思うのですね。だから、これは当然そういうことをあなた方は一番に追及してまいらなければならぬと思うのです。事実をつかんでいかなければならぬ。そういうワンマン経営をやってきておかしいなということを、通産大臣は言っておるのじゃないですか。だから、これはどこまでも追及いたしますね。その点だけはっきり言うてください。
○岡崎政府委員 ただいまお答えいたしましたように、追及とかなんとかという気持ではなく、できるだけ全財産を投げ出してこの救済に当たるように、社長が誠心誠意努力するように一生懸命私らも指導いたしたい、こう存じております。
○三木(喜)委員 終わります。
○板川委員 この際、資料を要求したいと思いますから、委員長からひとつしかるべく取り計らっていただきたいと思います。それは、山陽特殊鋼のここ十年間の会社の推移といいましょうか、動きについてひとつ資料を出していただきたい。たとえば資本あるいは資産、それから生産の状況、労働者、人員の状況、それから特殊鋼業界において占める地位、さらに収支、損益、配当、役員のメンバー、その役員のメンバーの出身、それから下請取引とその支払い状況について、負債の内容、それから公認会計士の氏名、その他参考になる資料をひとつ早急につくって出していただきたいと思います。この問題は政府の、倒産は金融がゆるめば何とかなるだろうという昨年末の予想を裏切って、一月は若干少ない——例年少ないのですが二月、三月また非常な勢いで倒産がふえてきておるわけであります。この機会にさらに根本的な検討を加えたいと思いますので、資料をひとつ出していただきたい。
○内田委員長 板川君の資料要求については善処いたしたいと思います。 次会は、明三月十日水曜日午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時九分散会