災害対策特別委員会 第10号
- 発言数
- 134 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1965/06/01
会議録
○楯委員長 これより会議を開きます。 災害対策に関する件について調査を進めます。 まず、豪雪等の異常気象による災害対策について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。米内山義一郎君。
○米内山委員 本年度の気象というものは非常に異常であります。いつもならば、冷害と申しますと、東北、北海道というようなことでありますが、いまの陳情にありましたとおり、特に関東にまですでに大きな被害が及んでおるのでございます。私がきょうお聞きしたいことは、すでに起きたことに対して融資をするとか、そういうことじゃなしに、今後予想される事態に対してどういうふうに国としては対処なされるかという点であります。たとえば、主として稲のことであります。いままでは苗立ちが悪いとか、いろいろな問題が起きておるのですが、今後予想される一番大きなものは、いもちの発生に対する処置であろうと思います。特にこういう低温であり、かつ日照が少ない、稲が軟弱に成長するという条件では、いもちの大発生が当然予想されますが、これを的確に防除する体制が今日できているかどうかという点であります。先般説明を受けましたところによると、全国に何百台かの大型機械を配置するということでありますが、これではとうてい及ぶものじゃなかろうと思われます。特に最近はヘリコプターによる防除が非常に伸びておりますけれども、部分的には、やめている地帯も出ているわけであります。これはなぜかと申しますと、わずかの経費でありますが、農民がまとまって集団防除をやる体制ができていない。これに相当な助成を加えるならば全面的に防除が可能なのでありますが、こういう点に対して、特にことしのような異常な気象下にある稲作に対してどのように対処せられようとしておるのか、この点をまずお伺いしたいと思います。
○舘林(三)政府委員 ことしの二月の東北、北陸における冷害につきましては、その範囲が北海道にも広がりましたし、また、先ほど御陳情にありましたように、茨城県にも広がっているわけでございまして、全般的に非常に異常の気象でございまして、今後の農作につきましての被害ということにつきましては、非常に農林省としても心配しているわけでございます。したがいまして、去る四月の末日には、農林省としてはいち早く災害対策本部を設けまして、総合的、機動的に災害対策をとりたいというたてまえの組織もつくりましたし、また内閣におきましても、総理大臣、官房長官御相談の上、いつでも中央防災会議以外に内閣に災害対策本部を設けるというような準備を整えているわけでございます。さような立場から、農林省といたしましても、災害対策本部を中心といたしまして、また北陸、東北におきましては、農政局に災害対策本部を設けまして、適切なる指導を今日もやっているわけでございます。いまお話しの水稲の問題につきましても、なかてとか、あるいはわせ等の稲の苗しろをつくるとか、その他いろいろの指導をやっておりまして、現地におきましては、今日の段階におきましては、第一線の改良普及員を使うとか、あるいは指導員を使うというようなことで最大の努力をやっているわけでございます。いまお話しのイモチの問題につきましても、いろいろ具体的な指導をやって、農政局等からいろいろの指導方針を出しておりますが、さような具体的な問題につきましては、いま専門の係官がおりますから、お聞き取り願います。
○加賀山説明員 ただいま、舘林政務次官のほうからお答えがあったわけでございますが、少し技術内容に入りまして補足して御説明申し上げます。 ことしの異常天候に際しまして、われわれといたしましては、木田移植後もそうでございますが、苗しろの時代からイモチの発生につきましては警戒をいたしておりまして、特に薬剤の手当て等につきましては、東北六県とも、経済連等を通じましていち早く準備しているという報告を受けております。 それから、防除機具でございますが、防除機具につきましても、現在国のほうで県有の防除機具を助成いたしておりますが、本年におきましては特に東北方面に集中的に防除機具を配置するように、すでに地方農政局等で考えておると思います。 それからもう一つ、イモチの防除につきましては、もちろん、発生前に発生予察というのがございますけれども、それが非常に活用されるかいなかというのが重要でございまして、毎月二回発生予察をいたしますが、この発生予察が直ちに末端の指導員のほうに伝わると同時に、それに対応いたしまして、発生する前あるいは発生したら直ちに一斉防除にかかる、そういう体制をつくることが非常に緊要かと思いまして、そういう点につきましても各県にすでに指令をいたしまして、そういう体制をとるように指示をしてございます。 それからもう一つ、病気が発生するという問題の前に、病気が発生しないように稲の栽培をするということが非常に重要でございますが、特に本年のように低温の場合には、稲の生育がおくれておりまして軟弱でございますので、イモチ病にかかるという率が高いというふうに考えまして、特にことしの稲につきましては、施肥方法につきまして特段の注意をするように、注意を喚起いたしておりまして、特に窒素肥料というのは、水稲に対しましては、非常に天候がよくて日照が多いという場合には非常に有効な肥料でございますが、逆に、日照が少なくて温度が低い場合には、非常に有害と申しますか、イモチの多発を招くという過去の経験もございますので、特に窒素肥料の元肥及び追肥につきまして十分な警戒をするようにということを指示いたしております。それから同時に、燐酸系統の肥料を従来よりも多目に施用するほうが、そういった病気に対しまして耐病性が強くなるというように考えておりますので、それにつきましては、窒素との比重におきまして燐酸系統の肥料を多用するように考えてくれということをすでに指示いたしております。末端のほうで農業改良普及員その他営農技術員の方々がこまかい指導をしていただいていることと考えております。
○米内山委員 それでは重ねてお尋ねいたしますが、そういう技術上のことはそれでいいとして、結局経費の問題をお聞きしたのです。そういう非常に大発生をした場合に、応急的に集団的に経費を伴う防除をしなければならぬ。その問題で大団地の集団防除が困難している場合が非常に多いわけです。ですから、この際、特にことしのような異例な気象のもとにありますから、市町村がそういう経費を負担して集団防除をやった場合には、あとで国がこれを補助とかそういう形で見てやるというようなお考えがいまのところあるかどうか、その点をお聞きしたい。
○尾中説明員 農薬そのものに対する補助につきましては、実は過去におきましてはやったこともあるわけでございますが、その使用の実態の把握が非常に困難であるというような問題もございますし、会計検査院等の指摘も受けまして、関係者に対しても非常な迷惑をかけたような事例もあるわけでございます。農林省といたしましては、何とか適正にそういうことが使用できますように最善の努力を従来尽くしてまいったのでございますが、現在のところ、農薬に対する補助については非常に困難であろうというふうに考えております。
○米内山委員 これは課長さんでは答弁できないことだと思うが、会計検査院がおそろしいのか、冷害、凶作がおそろしいのかと実は聞きたいのです。金が伴わないで技術指導だけやって、通常の場合の、窒素肥料を多くやったたんぼにだけ出るようなイモチなら、これは個々が負担していいのですが、健全な栽培をした人でさえ、一つの自然現象、気象の影響を受けて一つの災害として起こったイモチに対して、大被害が出たあとから融資をするとか補助をするということよりも、事前に経費をかければこの問題は簡単に片づくと思う。特に最近は農薬の進歩が著しいので、防ぐことだけじゃなしに、かかったものもある程度までなおる薬ができておるでしょう。しかも、防除体制においては、ヘリコプターも使えるようになっている。問題は経費のことだけで片づくと思うのですが、この問題のお考えなしに冷害対策なんということは、一種のから説教みたいなことじゃないか。いままでと同じことじゃないか。この点について政府の見解をはっきりまずお聞きしたいと思うのですが、いかがでしょう。
○舘林(三)政府委員 先ほど尾中参事官から御説明いたしましたとおりでございまして、今日までの段階におきましては、農林省としては補助を出したい気持ちでございましたが、現実に補助を幾ら出すかということにつきましての算定が非常に困難でございます。したがいまして、さような問題につきましては今日まで消極的に考えたわけでございますが、ただ、災害の防除、災害対策の本来のたてまえというものは、もちろん、いま米内山委員からお話のありましたとおりに、事前にそれだけの処置を講じたならば少なくとも減収はしないというようなことについての政策が一番大事であることは、全く私も同感でございます。したがいまして、これから先、災害対策本部といたしましては、いまお話の青森県に限らず、東北全体、あるいは北海道、あるいはまた、先ほど御陳情になりました茨城等の問題もありますので、この問題につきましては、いままで前例がありませんでしたけれども、とにかく災害対策本部をつくりました以上は、その具体的な問題についていろいろ研究いたしたいと思います。なるべく早く決定いたしたいと思います。
○米内山委員 算定がむずかしいなんということは、一種の逃げ口上にしか聞こえません。一番はっきりすることは、かりに北海道の作況指数が六〇くらいに下がり、東北が九〇台まで下がったら、百万トンくらい足りなくなるということはすぐ算定できるでしょう。いまこれだけ足りなくなったらどれだけ外貨を失うか。百万トンという米は、かりに金があっても買えないでしょう。そのために、配給量を切り下げて何とかしなければならないのが今日の食糧事情です。配給量を切り下げるとやみ値がどれだけ上がるかということもはっきり算定できる。農地報償には何ら算定しないで千五百億も出して、いまはっきり迫っている冷害によるイモチの大発生に対して、これは何百億出すというものじゃないでしょう。数百億もかからない。たいした金じゃないと思う。これを算定がむずかしいというようなことでいまじんぜん延ばすならば、大問題です。いまのうちに方針を明らかにして、そういう事態が出たら、町村が立てかえたつもりで経費をかけておけ、あとは国が見てやるというようなことをこの際明らかにするならば、きわめて少ない金で非常に多くの効果を生むことができると思うのですが、政務次官、この点について何かもう一歩前進した御見解を農民のためにこの際表明することはできませんでしょうか。
○舘林(三)政府委員 御趣旨は全く同感でございます。ただ、あとは政府が見ましょうということも、これは具体的に実施の段階に移すということになりますと、何村の何の何がしは農薬をどれくらい使った、あるいは共同防除でどれくらいの人を動かしたということがやはり補助の対象になるわけでありまして、そんな点から、今日までの段階におきましては会計検査院の関係と大蔵省の関係でなかなかうまくいかなかったということは、いままで尾中参事官が答えたところであります。しかし、たてまえといたしましては、いろいろ技術的に困難でありましょうとも、とにかくそれだけの農薬を使って大規模に共同防除をやったら明らかに減産を食いとめることができるということでありましたならば、やはり政府としても考えなければいけない。こういうことにつきまして、やはり災害対策本部としても、今後の新しい問題でございますから、ひとつ早急に方針を決定いたしたい、かように考えております。
○米内山委員 このことにつきましては今後政府の善処を御期待申し上げ、強く要望しておきたいと思います。 次には育種の問題です。たとえば去年の冷害の事実にかんがみましても、過去においては東北の中で一番冷害の被害を受ける青森が、指数は一〇二くらいだったと思います。ところが、それよりも南のほうの宮城、福島において作況指数がより以上低下しておったということは、去年の場合は主として品種の問題ではなかったかと思う。青森県の冷害は、去年も環境の悪いほうはかなりな指数の低下を見ましたが、県を平均しますと一〇二か三だったと思います。これは青森県で、長い間時間を要しましたが、耐冷品種がつくられ、それの普及率は、青森県の場合は七万町歩余りの稲が耐冷品種になっている。さらには苗しろの改良もなされている。これだけのことで冷害に対する稲の抵抗力はかなり強まっております。ところが、宮城などにおいては、ササシグしなどの稲が、食味がよくて収量があるといっても、減収を見ました。そのためですか、本年は青森県から二万キロくらいの種もみがこういう宮城、福島のほうにいったという話を聞いておりますが、今後の稲の品種をつくるにあたりましては、単に冷害に強い稲というだけでは不十分じゃないか。平年時にもとれるような稲でないと、農民は、いまの経済事情からしますと、減収覚悟で耐冷品種をつくるわけにいきません。そうしてみると、これからの稲の育種というものはより以上重要になってきていると思う。国のこれに対するいままでの金のかけ方といいますか、仕事の進め方というものは、われわれから見ると、きわめて不十分な点があると実は思っていますが、現在は、どのような仕組みで、どの程度の経費をかけて、どういう目標で育種事業というものを進めておられるかをお聞きしたいと思います。
○舘林(三)政府委員 技術的なことにつきましてはあとで係のほうから申し上げますが、去年の北海道の冷害等を考えましても、やはりいま米内山委員のお話にありましたとおり、味のいい多収穫の米ということが一時非常にはやっておりまして、ユーカラ何号と申しますか、味のいい多収穫の米、これが相当指導されましたために去年の北海道の冷害がますます大きくなったということは事実でございます。さような立場から、今日、農林省といたしましては、今度の予算にとりましたけれども・やはり北海道においても冷害に強い米、これを育種したいということで、今度国立の北海道の試験場におきましても新しく予算をとり、新しい設備を設けまして新しい研究を進めている段階でございまして、国立の北海道の農業試験場の意見を聞きますと、あと二年か三年くらいのうちには相当理想的な品種ができるのではないかといっております。また東北におきましても、長い間の冷害の関係からやはり耐冷品種ということで、いままでのお話のように青森等においても優秀なものができている。しかし、農民の気持ちといたしましては、冷害に強いということよりも、多収穫という方向に向くだろうと思います。しかし、多収穫の方向に向くということは、結局冷害に弱いということで、少なくとも今日の段階においては技術的にその水準だろうと私は思います。したがいまして、今後においては、とにかく日本の育種についての技術は非常に進んでいるわけでございますから、冷害にも強くてしかも多収穫というような方向に進むということは当然のことでございまして、そういうことについては、東北の農業試験場、北海道の農業試験場におきましても十分に研究しているわけでありまして、さようなことにつきましての予算とか、あるいは研究の進行状況につきましては、いま係のほうから御説明申し上げたいと思います。
○加賀山説明員 政務次官のお答えに補足をいたしまして、少し技術的な問題の御説明をいたしたいと思います。 ただいま米内山委員からお話がございましたように、確かに青森県におきましては、非常に育種組織と申しますか、具体的な名前を申し上げてはいかがかと思いますが、田中場長という方がおられまして、田中さんを中心にいたしまして品種の育成に過去非常に努力をなさってまいったわけであります。農林省全体といたしましては、品種の育成の一つの段階となりましたのは昭和九年の冷害でございまして、昭和九年の冷害のあと、西ケ原、現在の農業技術研究所でございますが、あそこに冷害実験室ができ、東北の各地に冷害試験地というものを設けまして、品種の育成には相当努力を払ってまいりました。そのために、昭和二十八年のときには、先生も御承知のように、藤坂五号という品種ができておりまして、これは非常に冷害に耐えて、好評と申しますか、有名になった品種でございます。ただ、ここで問題でございますのは、冷害を受けないようにするというためには、最近行なわれております保温折衷苗しろあるいはビニール畑苗しろ等によりまして苗しろ播種を前に持ってまいりまして、生育期間を長くするということによって収量性を保つというふうなことを考えておりますが、どうしても秋の早冷に耐えるためには早く仕上げる必要があるというので、生育の期間が短くなってまいります。そうなりますと、稲という生物体から申しまして、生育期間が短い場合にはやはり収量性に影響してまいるということがございます。ここにむずかしい技術上の問題がございまして、耐冷性という問題と収量性という問題をどのように考え合わせるかということでございます。 そこで、青森県の例を一つ申し上げますが、御承知のように、藤坂五号というのは非常に耐冷性の品種でございますが、若干収量性の問題がございます。同時に、農家のほうといたしますと、収量性がないことが魅力がないということでございまして、その後の育種の方向というのは、農林十七号という品種がございますが、農林十七号と藤坂五号をかけ合せましてフジミノリという品種をこしらえまして、現在青森県はフジミノリが四二%という大半を占めて普及をいたしております。かように、耐冷性の品種かつ収量のあるもの、そういう育種の方向をわれわれのほうとしてはとってまいっておるわけでございます。なお不十分な点があろうかと思いますが、国及び国の地域の農業試験場、そこで育成をいたしましたものを国が農林番号をつけまして、それを今度県の試験場を経まして生産力の検定をいたしまして十分な品種として育成された場合に、それを県が奨励品種ということで決定してまいっております。 かように、品種育成につきましては、技術的な問題点といたしましてはなおいろいろ残っておりまして、いかにそのような要因を組み合わせて育成するかというところに、育種上いろいろと学問上の問題がなお残っておりますが、これにつきましては、農林省といたしましてもかなりの経費をかけまして——ここでどのくらいの経費ということを私申し上げられないのは残念でございます。計数を押えておりませんが、農林水産技術会議というものがございまして、その方面で試験研究、私のほうの農政局の方面で県の奨励品種となるための生産力の検定等につきまして予算をとりまして仕事を進めております。それが原々種となりあるいは原種となりまして、今度は採種圃の段階におりまして、採種圃で増殖をされて、県の種子協会というものが農家と種子生産者との間を結ぶ、そういうことで普及をはかっておるわけでございます。
○米内山委員 藤坂試験地のことを例にとって御質問申し上げたいと思いますが、あの施設は、昭和六年から九年に及んだ昭和初期の冷害対策の仕事としてつくられて、ことしは三十年になるわけです。その間、藤坂五号からトワダ、さらには今日フジミノリ、さらに次にまだりっぱな稲ができようとしておりますが、あれは御承知のとおり、試験研究費と申しますか、事業費は、十分の十、全額国の負担で今日までまかなわれてきておる。ところが、あの苗を見ますと、どこを考えても、国が冷害対策として耐冷品種をつくるために特に力こぶを入れているというあれが見られないわけです。人件費を含む国の補助と申しますか、それはせいぜい三百万、人件費除きの事業費は百五十万前後です。そのうち、九十万は除草とか田植えの人夫賃で、肥料代に四十万くらいかかる。印刷費が二万、備品費が五万というような、実に貧寒きわまりない金でやっているのです。しかも、冷害に適応する強い稲をつくるといいながら、自然のわき水を利用して、それが低温の設備なわけです。いまどき、パチンコ屋でさえ、夏が来れば冷房、冬が来れば暖房というときに、あれだけの大きい成果をあげた試験場というものが、全くまる腰で、竹ヤリ戦術みたいな原始的な設備の中で今日行なわれております。これを見ましても、国というものはただ画一的に助成を出しているとしか考えられない。特に、稲の品種をつくるということは、一つの県だけの仕事じゃないのです。あそこの試験でできたフジミノリが、現にここ一両年の間に東北全域にかなりな密度で拡大していくと思いますが、稲の品種をつくるということは地方県にまかせておく性質のものじゃない。かといって、一ヵ所でできたものが全国に及ぶものでもございません。たとえば青森で育てたトワダと、急行列車で二時間半くらい南に来て盛岡の試験場で育てたトワダとは、品種が違うほど稲の相が違ってくる。ですから、育種をやるには、もっときめのこまかな、もっと手間と経費をかけ、設備をして、もっと能率的に仕事がはかどるようにしなければいけない。北海道に去年の冷害の対策として一億近い設備をしたそうですが、しかし、場長さんはどうおっしゃっても、稲の新しいりっぱな品種は二年でできるものではございません。そう簡単なものじゃない。冷害が来たから大がかりにやるというのではすでに手おくれです。耕作のときもいつでもこの仕事だけは進めていかなければ、りっぱな成果があがるものじゃないのです。私はこの点をいままで十数年にわたって実に遺憾なことだと考えてきたのですが、この際あれだけのりっぱな仕事を仕上げたのですし、全国にも例を見ない成果をあげているのです。それが、いま申し上げたように、実に原始的な、パチンコ屋の設備にも劣るような、自然のわき水だけで冷害の検定をしておる。稲というのは、御承知のように、空気が冷たくて冷害を起こすのです。根のほうだけは冷害だが、豊年時には冷害の実験の成果というものは正確に出ないのが当然です。それでもよくあれだけの仕事をしたものだと私はたまげておるし、感服しております。どうかひとつこの機会にこういう点も反省していただいて、何とかああいうふうな仕事がもっと早く、よく、たくさんできるようにお考え願えないものか、この点、政務次官に御見解を求める次第であります。
○舘林(三)政府委員 稲作技術の改良というか、育種の改良につきましては、農林省としては、全国にわたる国立の農業試験場、また、それと密接な連絡をとりながら各県の農業試験場でやっておるわけでございまして、私は何も、ただ凶作だからいま急に熱心になった、あるいは豊作の段階においてはそれについて非常になおざりになったというようなことは考えておりません。やはり日本としては何と申しましても主力は米でございますし、ますます自給度を向上させなければいけないことは申すまでもないわけでございまして、農林省といたしましては、農林水産技術会議あげて実は米を中心にやっておるわけでございます。なおまた、先ほど私が申し上げましたように、北海道につきましては、新しく耐冷性、しかも反収のあがるような品種に改良したいということで、ことしも人工気象室などをつくったわけでございます。先ほど二、三年のうちに効果があがるだろうと申し上げましたのは、いま米内山委員は、品種の育成というものはそう一年か二年でできるものではないということをおっしゃいましたけれども、すでに北海道においては相当研究が進んでおりまして、あと二年くらいすると新品種ができるということをはっきり国立の試験場では申しておるわけでございます。しかし、全体として、お話のとおり、品種の育成につきましては予算が十分じゃないということを私も十分認めたいと思います。したがいまして、今後全般として、とにかく、いまお話のように、災害があってからの対策よりも予防だ、これに中心を置くことは当然のことでございます。ことに研究機関はそうであることは申すまでもないことでございますから、お話しの青森の問題につきましては、具体的にすぐ研究いたしまして適切な処置を講じたいと思っております。
○米内山委員 この問題はほんとうは農林委員会で詳しく論議すべき性質のものですから、この点はこれでやめます。 次に、こういうことについての御見解を伺いたい。 非常に一帯に冷害がありまして、その中に特に激しく冷害を受ける地帯がございます。これはまあ地形にもよりますが、一番大きいのは、たんぼの不整備からきている。こういう冷害年次の稲の生育の過程において干ばつがきたり、あるいは排水不良のために冠水する、こういうような水田の基盤が整わない地域には特に冷害が深刻に起こる。冷害を防ごうとすれば、当然こういうことも並行して行なわれる必要があるのですが、冷害地域に対するかんがい排水、こういうものの整備について特に今後どうしようかというお考えがあるかないか、この点をお聞きしておきたいと思います。
○舘林(三)政府委員 去年の北海道の冷害を視察いたしましたが、五百七十億近い、北海道始まって以来の大被害でございましたけれども、現場をつぶさに視察いたしますると、ある村なら村で、すべて一律に五割、六割以上の被害を受けているわけではないのでありまして、やはりそこには非常に基盤整備がよくいっているところ、あるいはまた、堆肥の施用が非常によくいっているとかいうようなところは、周囲が非常な大被害であるにもかかわりませず、実は平年作くらいにいっているわけでございまして、私は、さような立場から、なるほど、冷害は天災だとはいいながら、やはり政策の立てようによっては冷害というものも最小限度にとどめることができるということを、実は非常に身にしみて感じて帰ったわけでございます。さような立場から申しましても、やはりいまのお話のように、水田の不整備とか、基盤整備がうまくいっていないとか、圃場整備が十分じゃないというようなことが、私は冷害をますます激化させる原因だと思っております。さような立場から、今度の農林省の農地局の予算にいたしましても、土地改良等につきましては相当力を入れているつもりでございます。圃場整備等につきましても特段の力を入れて今日まできた、少なくとも予算の許す限度におきましてはやってきたつもりでございます。ただ、具体的な冷害としてどんなかっこうで基盤整備をやるかというような技術的なことにつきましては、私、知識がございませんのでお答え申し上げるわけにはいきませんけれども、関係の局長も来ておりませんので、いずれさような点につきましては御説明させていただきたいと思います。
○米内山委員 最後に一点お伺いします。 最近、省力機械化栽培というものがだんだん拡大してきております。これも、特にじきまきなどというものは、省力はされるが、稲の生育のしかたによって冷害に負ける可能性が非常に強いわけです。これに対する研究ですが、機械化によって適当な稲をつくる研究、あるいはそういう機械化一貫作業における冷害に対する抵抗力の研究というものも非常に重大になってきたと思いますが、これに対しても現在どのような状態で進められているか、今後どのようにこれをやっていくお考えであるかをお聞きしたいと思います。
○加賀山説明員 少し内容が技術的にわたりますので、私がかわってお答えいたします。 米内山委員のお話のように、直播栽培というのは確かに省力栽培でございます。現在全国で約〇・八%、二万六千町歩でございまして、埼玉県あたりにかなり普及しております。北のほうではなかなか普及いたしません。特に冷害と直播栽培の関連を考えますと、まず発芽がたいへんな問題でございまして、その後の栽培管理等が、一般の田植え、移植栽培に比較いたしますとむずかしいようでございまして、なおこの栽培法につきましては今後研究が相当残ると思います。 それから機械化栽培との関係でございますが、できるだけわれわれも省力——農村から労働力の流出ということで、機械化栽培を研究し、かつ、それを奨励いたしたいと思っておりますが、特に大型機械化と省力栽培ということは、日本の水田におきましてはなお相当の時日を要すると考えております。これに対しましては、東北農業試験場に新たに水田を造成いたしまして、大規格の水田で相当大型機械を入れまして現在研究中でございますが、なお成果が十分でないように聞いております。それから、八郎潟干拓が行なわれておりますので、あそこでもかなり国が大型機械を入れましていろいろと実験的なことをやっておりますけれども、やがてはそういうふうな大型機械による省力栽培、かつ、それが冷害にも耐え得るというような試験研究を期待いたしております。
○米内山委員 何十年来、日本の農業技術というものは、特に稲の研究に力を入れてきたはずであります。それにもかかわらず、今日こういうふうな事態になる心配が多いということは、必ずしも、いままでの研究というものがりっぱだ、世界的に進んだと言いがたい点もあるではなかろうかと思います。私はこの際、農林省も謙虚な気持ちになって、いままでの研究の体制に全く誤りがないとは言えないと思いますから、今後こういう点に十分自己反省をされて、さらに大きく前進されんことを期待申し上げて、質問を打ち切りたいと思います。
○楯委員長 稲富稜人君。
○稲富委員 与えられた時間が制約されておりますので、私は、今回の災害に対しまして、具体的な問題で二、三政府にお尋ねいたしたいと思うのであります。 これは先刻も御質問があった問題でございますが、元来、御承知のごとく、わが国は、病虫害防除等に対しましては昭和二十九年までは国庫助成があったように記憶いたしております。ところが、昭和三十年以来、病虫害防除のごときものは当然これは農民が負担すべきものであるということが一つの理由と、さらに、先刻もお話がありましたような、会計検査院等のいろいろな指摘事項等に政府が遠慮されまして病虫害防除の助成金等は廃止をされたやに私たちは記憶いたしておるのであります。この際特に私が申し上げたいことは、本年度のような、異常気温によりまして病虫害が発生する、こういうような事態があったならば、従来のような考え方からこれを処理するのではなくして、災害対策の一環として病虫害防除費の助成措置をやるということが当然必要ではないかと思うのでございますが、これに対して政府はいかなる考え方を持っておられるか、承りたいと思います。
○舘林(三)政府委員 最近病虫害の防除につきまして補助金の打ち切りをやりました原因は、これは当然性格的に農民の負担としてよいという意味では必ずしもないと思います。技術的な問題だろうと思います。すなわち、政府が幾ら出してもいいんじゃないかというお気持ちは私同感でございますが、しかし、具体的にこれを地元の末端までおろして、何の何がしは病虫害の防除について農薬をこれくらい使った、あるいは労務費をこれくらい使ったからこれだけやるというようなことにつきまして具体的な計数があがりましたなら、これは決して不可能ではないと思います。しかしながら、いままでの例から申しますと、その検査というものが十分でない、そんな意味から、会計検査院等の関係から申しましても非常に問題があった、さような立場から今日打ち切りになっているのだろうと私は思うのであります。しかし、先ほどるるお話がありましたとおりに、とにかく災害対策というものは、災害があってからの対策よりも、事前の予防対策ということに政治の中心が置かれなければいけないことは当然だと思います。さような立場から考えますと、もしも病虫害の防除ということがよくいかなかったならこれだけの被害があっただろう、もしも病虫害の防除がよくいきました場合これだけのプラスになったということを考えますと、事前の予防対策が中心にならなければならぬことは当然のことでございます。さような意味から、先ほど米内山委員にお答えいたしましたとおりに、災害対策本部もできましたことでございますから、さような問題につきまして具体的にどうするかということにつきまして大蔵省とも交渉いたしまして、できるだけ農民の期待に沿いたい、私はかように考えております。
○稲富委員 この問題を論議しておると非常に長くなりますが、これは次官も十分御承知ないと思いますけれども、実は病虫害防除費の助成等が廃止されました当時、われわれはこの病虫害防除費の助成の継続方を政府当局に要望いたしました。しかし、その当時大蔵省関係の意見は、当然農民の負担として肥料を農民が負担するように、病虫害防除費のごときは当然農民が負担すべきじゃないか、こういうような声が大蔵省方面に非常に強かったことは、おそらく舘林政務次官も御承知になっておると思うのであります。さらに、これが配分の問題等に対しましては、共同防除なんかならいいじゃないか、そういうようなことなら、いろいろな支出に対する不安等もないじゃないか、こういうような点もずいぶん論議されましたけれども、やはり会計検査院等のいろいろな問題等があって、病虫害防除費の助成がなくなったということはそういうような経過をたどっておるわけであります。ただ、その後、異常災害という場合において幾ぶんか助成したことは私記憶いたしております。本年度においては災害対策本部等をつくられたといいますし、こういう例もありますので、異常災害に対する一つの対策として当然本年度は考えるべきである、かように考えますので、いまから本部としては十分調査するとおっしゃっていますけれども、そういう前例もあるから、そういうようなたてまえをとってひとつ検討して対処していただきたい、こういうことを私は希望申し上げるわけでございまして、これに対する政府のいまのところのお考えを重ねて承りたい。
○舘林(三)政府委員 先ほど来重ねてお答え申しましたとおりでございまして、私の気持ちといたしましては、当然そうあるべきだと思います。ただ、ばく然と政府が支出するというわけにいきませんで、どんなかっこうで支出するかということが私たちの手続上の問題でございますので、さような問題につきましてぜひ研究さしていただきたいと思っております。
○稲富委員 さらに、今回の災害の実態等を調査いたしますると、非常に雪の被害等がありまして苗しろ等に困ったようでございます。それで、緊急処置として、共同苗しろとか、あるいは委託苦しろ等によって急場をしのいだというような状態の事実がたくさんあるのでございます〇こういうことに対しては、各自、あるいは農民の特殊な負担であるとか、あるいは市町村の負担等が行なわれておるわけでありますが、こういう予期せざる災害に対する処置、これに対しては当然やはり国が何らかの助成措置をとって、こういうような応急処置に対する援護の措置をとることも当然ではないかと思うのであります。こういう意味から、今回の共同苗しろ、あるいは委託苗しろ等に対する国の助成は当然やるべきものである、こういうように考えますが、政府はこれに対していかなる考えを持っておられるか、承りたいと思います。
○舘林(三)政府委員 いままでとってまいりましたのは、被害が甚大な地域におきましては、共同苗しろにおきまする資材費の補助、あるいはまた、委託苗しろの場合の運搬費ということにつきましては考えてまいったわけであります。
○稲富委員 そういうような一部の費用を見てこられたということはあったでございましょうが、やはりこの不慮の災害に対する農民の負担を軽減する、こういうことに対しては国として十分な措置を今後もとることが必要じゃないか。共同苗しろとか、あるいは委託苗しろ等によってどのくらい経費が出たのであるか、そういうところを十分検討して、これに対する措置をとることが必要じゃないかと思います。いままで輸送費に対する一部助成、補助ではなくして、全般的な考慮を払うべきじゃないかと思うのであります。 さらにまた、今回の苗しろ等の実態を見ますと、非常に冷害におきまする低温に対する対策のための薬剤の使用によってあるいは温度を増す、あるいは加熱をするような方法をやるとか、あるいは電気等の設備によって温度を増すような方法をするとか、こういうような処置が技術的にとられないものであるか、こういうものに対して政府にいかなる研究がなされておるか、この点承りたいと思います。
○加賀山説明員 私、かわってお答え申し上げます。 稲富委員の御質問の水温の上昇についてでございますが、これまで水温の上昇の研究と申しますのは、一つは、水温上昇剤というのがございまして、これを水田にまく。これはゴマ油を原料にしてつくったもので、一般的にはOEDと申しておりますが、このOEDを使いまして水温の上昇をはかるという研究をいたしております。これは実際に現在農家が使っております。これを使いますと、大体平均二ないし三度くらいの水温上昇が可能でございます。非常に日照の強い場合には五度くらいの水温の上昇が可能ということになっております。 それからもう一つ、現在実際に農家が使っておりまして、われわれが農業改良資金の中で実際助成の対象といたしておりますものの中でポリチューブというのがございます。このポリチューブというのは、薄いパイプでございますが、これを反当たり約百五十メートルくらい使いまして、それの中を水を通しまして、早く申しますと迂回水路をつくるわけでありまして、それによって水温の上昇をはかる。それが現在実用化されておる水温上昇のための技術でございます。
○稲富委員 そういうような、いま言われた薬剤その他による水温上昇、それから電気の設備等による水温の上昇、こういうことも当然考えられると思うのでございますが、こういうことに対する研究はどうでございましょうか。
○加賀山説明員 電気を用いまして温床といたしましてやるというような研究もないわけではございませんが、現在実用的に使われておりますのは、育苗箱というものをつくりまして、人工的に箱の中で電熱を用いまして苗を育てるという方法をやっておりますが、これは一部で実用化もいたしております。しかし、なかなかこれは一般的には普及いたしておりませんので、今後の問題かと考えております。
○稲富委員 今回のこの苗しろの設置等に対しましては、ただいま加賀山さんから御答弁がございましたようなことを非常に有機的に活用するならば、相当な苗しろ対策ができたのではないかと思われる。ところが、実際上にはこういうことが活用されなかった。二部においては何らか薬剤による水温の上昇をやったところもあるようでございますが、こういう点に対する農林省の苗しろ指導というものは十分でなかったのではないか。これはあえて攻撃するわけではございませんが、もっと積極的にそういう方策をやるべきではなかったかという感じもわれわれはするわけでございます。これは今後のこともありますので、私は、今回の問題に対して、そういうものがあるならば、日ごろからそれを計画し、日ごろからこういう場合にはいかなる処置をとるべきであるかということを十分含んで検討しておく必要があるのじゃないか、こういうことを考えるわけでございますが、今回の場合は、それではただいまお話しになったようなことをどのくらい実施されておるか、されてないとするならば、将来は実施する、こういうことを十分考えて検討する、こういう御意思があるかどうか、この点をひとつ承りたいと思います。
○加賀山説明員 稲富先生の御質問は、水温上昇ということだけに限らず、苗しろを安全につくり、かつ、苗を安全につくるという全般的な御質問だと思いますので、そういう意味でお答えしたほうがいいと思いますが、御承知のように、東北地方においては、通し苗しろ、水苗しろというのが一般的でございましたけれども、最近保温折衷苗しろというのが始まりまして、畑ビニール苗しろという、水を使わないで畑の上で苗をつくってまいるという方法が普及いたしておりますが、たとえば青森県等におきましては五〇%くらいが畑ビニール苗しろをやっているのではないか。青森県では非常に普及いたしております。また北全体の県で申しますと、保護苗しろ——この保護苗しろというのはまだそのような高い率にはまいっておりませんけれども、やはり苦しろのつくり方をこれから大いに農家の方々に御理解いただいて、農家の方々も、われわれが申し上げ、かつ農業改良普及員等末端の技術員がいろいろと御相談に応じておるわけですが、やはり従来の水苗しろがやりやすいというような感覚を持っておられまして、現地を回りましてもなお相当の水苗しろが残っております。ただ、今回のようなことになりますと、先般参りました福島県でございますが、奥只見のほうでやった畑苗しろのほうがかえって苗の生育がいいという現実が出ております。こういうような現実を農家の方がごらんになりますと、これはやはりこうした苗しろでなければならないという御理解もいただけるかと思いまして、今回のことは非常に心配いたしておりますが、こういうことを契機に今後そういった苗しろ保護策が相当伸びてまいると思います。また、そういうことをいたしました場合に、同時にやはりさっき先生のおっしゃいました水温上昇剤あるいはそのためのいろいろの資材を活用するようにわれわれかねがね指導申し上げておるわけでございますが、たとえばOEDにいたしましても、農業改良資金の中でその資金を見られるようになっておりますのに、農家の方々からいろいろと御要求が少ないという現実もございまして、これはまさにわれわれの指導が悪かったことかと反省いたしておりますが、十分に資金的な手を打ってございますので、あとわれわれの指導がよろしければこういったようなものが十分に普及いたすかと存じております。
○稲富委員 苗しろなんかに対しましては、従来の保温折衷苗しろ等に対し、不十分ではあったけれども助成措置等を行なったことがあった。今後苗しろに対しては政府がこういうような適当な方法をとるべきであるという一つの方針を出したならば、これに対してやはり助成措置をやって、農民がこれにくっついてくるような、こういう対策をやることが必要じゃないか。ただ理論だけで農民にこういう方法がいいんだということを百万べん説くよりも、こういうことをやりなさい、それだとこれだけの助成があるんですよ、こういったほうが、結果的には実施される結果になる。あなた方は農民心理を十分御存じだと私は思う。これに対しては今後助成措置を十分やって、そうして苗しろに対する国の方針を打ち立ててやっていく、こういうことが必要じゃないか、こういうことをわれわれは痛感するわけでございますが、これに対して農林大臣はどういうようなお考え方をもって処していくか、そうされるのであるか、農林省としての方針を承っておきたい。
○舘林(三)政府委員 苗しろにつきましては、先ほど事務当局から御説明いたしましたとおりでございまして、技術的にはいろいろの指導もやっておりますが、ことに今度の冷害対策につきましては、東北、北海道につきましては時々刻々指導をやってきているわけでございます。また、その末端の浸透につきましては、県の農林部を通じて、市町村あるいは県の改良普及員、あるいはまた農協の営農指導員、そんなものを通じましてやっておるわけでございまして、私は今日の段階においては相当徹底してきたのではないかと思うのです。ことに青森とか秋田あたり等を中心とする畑苗しろ等につきましては非常に普及をやっておるわけでございます。したがいまして、私はさような立場から考えまして、それをなお一そう普及させるためには直ちに資金的な援助ということが必要だとは必ずしも考えない。やはり、もしもいい指導をやり、それが結果においてあらわれましたら、私は相当効果があがるんじゃないかと思います。しかし、一面におきまして、お話のことも私は一つの心理を含んでいると思うのです。今日の段階におきまして、生産政策よりも、さしあたっての価格政策ということがいわれている段階におきまして、やはり一つの補助金政策も私は必要だと思うのです。さような意味で農林省としては全般的な助成金の打ち切りをやらないで今日まで継続してきたわけでございます。ただ問題は、先ほどからくどく申し上げますように、補助をやるといたしましても、一応考えとしては私はけっこうだと思いますけれども、具体的に補助をやる場合の手段というか、方法ということに私は幾らも問題があるだろうと思う。どうして補助をやるか。補助をやりましょう、しかし、その場合に、どんなかっこうで、どんな経路を通じて補助をやるか、またその補助の算定についてはどうするかという、現実に非常に大きな問題があると私は思う。これは稲富委員御承知のとおりだと思う。したがいまして、大蔵省も納得し、また会計検査院も納得するというようなことでありましたら、私は補助としてはぜひやってみたい、かように考えておるわけでございます。したがいまして、ただ補助がいいから一もちろん、価格政策で生産を刺激するということは私は非常に効果があると思う。しかし問題は、具体的にどうしたらいいか、あるいは一律にやるか、あるいはまた、特別交付税を通じてやるか、いろいろあると思うのです。そんな方法について、しかも稲富委員から、こうしたらなお適切に会計検査院も満足するというような方法を、これが一番いいということをお知らせいただきましたら、私はすぐ実行したいと思います。
○稲富委員 どうも舘林さんは近ごろ大蔵省のお役人みたいなことを言い出しまして……。あなたは農林省の政務次官だから、どうしたら農村においてそのような方針が進展するかということを農林省が計画して、そして大蔵省がこれに対して財政措置をいたすような方法をとるのが農林省の役目なんですよ。大蔵省の言うようなことを農林省が言っておったのでは、助成とかなんとかはだんだん減らされるようなことになってくる。それで苗しろの問題に対しても、いま承っておりますと、どうも助成をしないという観点に立って、それに対して何か理論づけをやっていらっしゃるようにわれわれには聞き取れる。私たちは、現在農村のいろいろな経済状態から見まして、また農村感情等から申し上げまして、これはいいんだといったらば直ちにこれをいたす方針に乗ってくるような方法をとるためには、やはり助成措置でもやむを得ないんじゃないか、そういうことによってやはりこれを実施する、こういうようなたてまえをとることが必要だと私は思うのです。しかも、ただいまもお話がありましたが、農林省は助成をやる場合にどうも会計検査院に気がねをされ過ぎる。当然正しいことならば、会計検査院の指摘があったら、会計検査院が納得するような方法をとらなければいけない。私は、会計検査院でも、正当なことであるならば、何もこれに対して会計検査院が指摘はしないと思う。正当なもので出したものを、こういうようなことで不十分なことになったからいろいろ指摘されるだろうと思う。出した以上は農林省としてもこれに対して十分指導するのだ、これまで農林省が責任を持ってきたら、私は会計検査院の指摘を受けることはないと思う。しかも、そういう意味から、苗しろ設置に対してもこういうような方法でやったほうがいいのだ、こういうことが非常に能率的であるということを農林省が立てたならば、それによって大蔵省に対して予算の要求をする、こういうたてまえでいかなければ、大蔵省だって、大蔵省が先に、金を出しますからやりなさいと言いはしない。この点農林省としてはあまり熱意がなさ過ぎるのではないかと思う。しかも、今日の農村経済の実態を農林省は十分御存じなんです。人手のない中に農村の人がいかに適当な苗しろ、最も能率的な苗しろを設置しようとしているか、こういう苦労がありますから、これに対して一歩農林省が手を差し伸べてこれに対する指導、お世話をするということが、私は農林省が農民に対して親切なるゆえんであると考えます。こういう意味から、ただいま事務関係で言っていらっしゃいますように、こういうような苗しろ設置が将来いいという方針があるならば、それに対してはひとつ助成措置をさらに並行してやっていく、こういうことで自信のある指導をやっていただく、これが苗しろ対策としては最も必要ではないかと私は思う。こういう意味から私はお尋ねしておるのでありますから、どうかひとつ農林省はそういう決意を持って、苗しろ対策というものに対しても、本年のこの冷害に対してわれわれは非常に教えられることがあるのでありますから、将来ともそういうことで苗しろ対策として十分前進していただきたい、こういうことを考えるわけでございますので、ひとつ農林省といたしましてはりっぱな方針をまず打ち立てていただきたい、そうしてその方針を打ち立てた上において財政措置の要求等によって進んでいっていただきたい、こういうことを私は希望するわけでございますが、これに対して、舘林農林政務次官も非常に農村の問題に対しては造詣が深いわけでありますが、どうも農林省の次官になったところが、大蔵省当局との折衝に苦労されているせいかしれませんが、大蔵省側のようなことを言われるからどうもふに落ちないので、農林政務次官として十分ひとつ考えていただきたい、こう考えるわけでございますから、その決意のほどを承りたい。
○舘林(三)政府委員 何も私、大蔵省とか会計検査院という立場で申し上げておるわけではありません。とにかく、去年からの冷害、本年もなおそれ以上と予測される冷害、これに対しまして農林省としてどんな対策をとるかということにつきましては、ほんとうに大臣以下真剣に取り組んでおるわけでございます。さような立場から、私は、苗しろの問題にいたしましても、その他、先ほど技術の問題につきましてもお話がありましたが、さような問題につきましても、農林省としての立場からもちろん政策を立てておるわけでございます。ただ、農林省の立場からといたしましても、それをどう実行するかということにつきまして、まだ十分に苗しろ問題に対しては研究が足りていないわけであります。それだから、技術の問題に対して先ほどお答えいたしましたと同じような意味で具体的な効果のある補助金政策がとられるという見通しがつきましたならば、なるだけ急いで結論を得たいと思います。
○稲富委員 大蔵省主計官見えておりますね。ただいまお聞きのように、苗しろ対策に対しては、これは非常に重大な問題があるわけでございます。苗しろの対策というのは米の増産に非常に影響するわけですから、農林省としてそういう具体的な対策を打ち立てられて、これに対しては当然助成措置も必要である、こういう結果が出ましたならば、これに対して大蔵省といたしましても十分検討されなければいけないだろうと思うのですけれども、そういう意味からひとつ御協力をお願いしたい、かように私は考えるわけなんで、これは特に大蔵省の主計官の腹を承っておきたいと思うのです。
○嶋崎説明員 私、実はごく最近農林を担当するようになりましたので、あまりこまかい技術的なことはよくわからないのでございますけれども、ことしは春先の異常な冷温、それから気象庁方面からも、ことしの気象状況については、非常に変化の多い、農作物にとっては非常に困難な気象条件が予報されておるわけでございます。そういう意味合いから、国として災害防止の対策について全力をあげるべきことは当然であると思います。そういう意味で、対策本部を設けて仕事を進めておるわけでございます。現在の段階では、いろいろな被害の状況なり、今後のそれらの影響というような点が必ずしもわれわれの手元まで明らかになっておるわけではありません。そういう意味合いで、ここで具体的にどういう施策についてどれだけの処置が講じられるかということを御説明するわけにはいきませんけれども、何しろ災害だということでございますので、前向きな対策を考えていきたいと思っております。ただ、先ほど来先生のお話にもありましたように、私、実は農林の担当主計官としていろいろ仕事を現在勉強中でございますが、非常にたくさんの補助金がある。よその省庁の予算体系とは相当異なった形になっておる。一つは、これらの補助金に対する農民の非常に強い要望があるということ、それからまた、日本の農業を近代的なものに脱皮させていくために何らかの意味で誘い水的ないろいろな施策が必要であるということ、そういうことについては十分わかるのでございますけれども、片方、そういう補助金政策自体がどの程度まで効果のあるものなのかというような批判、さらにまた、その補助金を流していく過程での財政的な効率というような面からいろいろ批判のあることもまた事実でございます。そういう意味合いにおきまして、今後農林省から今次の冷害対策に関連して諸要求が出てくることであろうと思っております。そういう場合におきましては、どこまでも、気分の上では冷害という現実を同情的な立場で見ながらも、これらの諸要求の間の調整をどういうぐあいにやっていくかということについて、ひとつ慎重に勉強していきたいと思っておる次第でございます。
○稲富委員 ただいま主計官もおっしゃったように、農村関係というのは、従来、助成あるいは補助、こういう誘い水的な農村振興対策というのが非常に多かった。これが日本の農業の技術の上においても非常に貢献したことは事実なんです。ところが、いまおっしゃったように、これに対する非常な補助、助成をもっと整理すべきではないか、あるいは、この使途に対する会計検査院の指摘等があったということによって、最近は農林省自体がその補助、助成というのに非常に憶病になっているのです。そしてできるだけ無難な融資に切りかえよう——これは大蔵省の示唆もあったと思いますが、最近は、助成あるいは補助というのはなるべく少なくして、融資に切りかえていこう、こういうような傾向をたどっていることは事実なんでございます。これに対しても、われわれは、実は現在の農村経済の状態からいって、しかも農村が非常に困難な中に農業経営をやっているというこの事実からして、これを融資に切りかえられるということは、私たちは十分じゃないと思うけれども、一歩譲りまして、これもやむを得ないとするならば、今日の農村経済の伸びの状態からいって、金利の負担というものが非常にまた農村に過重なものになってくる、こういうようなことは否定することはできないと思うのであります。それで私たちがここで考えなくちゃいけないことは、そういう点から農村金融に対する金利を引き下げなくちゃいけないという考えを農林省あたりでも持っておられるし、政府のほうでもその点を認めておられるようでございますが、ただ、こういうような災害という予期せざる被害に対して、農村経済が破局に面しようという状態のときには、先刻から申し上げますように、助成あるいは補助等によって救済するような方法をやることも妥当であるし、これに対しては、先刻からもお話がありましたように、あるいは会計検査院の指摘等があるのではないかというような点から、やはり融資に切りかえていこうというような傾向がありますので、こういう災害時の融資対策、こういうものは普通の融資対策よりもまた別個の考え方をしなければいけないのではないかと私は思う。すなわち、補助、助成にかわる融資対策であるならば、金利は、本来から言うならば当然無利子であってもいいと私は思う。返ってくる金なんでございますから、助成とか補助というものはなかなかめんどうだから、融資に切りかえて、そして農民が再び立ち上がるための資金にするわけでございますから、これは本来から言うならば無利子の融資でもいいのじゃないか、こういうような処置をとってでも農村救済の立場をとらなければいけないと私は思う。災害に対する融資対策というものは、従来の農業融資と別個な考え方で、無利子あるいは長期の融資対策をやる、こういうような親心をもって融資対策を考えるべきである、こういうことを深く考えるわけでございますが、これに対してどういうことを考えておられるか、承りたい。
○舘林(三)政府委員 大蔵省からお答えになる前に、私から私の気持ちを申し上げさせていただきたいと思います。 農林省がいろいろ今日まで長い間とってきた政策のうちには、補助政策というものが財政支出の中心になっておることは、申すまでもないのでございまして、もしも農林省から補助金を打ち切るということになりましたら、私は日本の農政は成り立たないと思います。さような意味で、もちろん、長い目で見ると生産対策ということが中心になりましょうけれども、当面の食糧の自給度を高めるという立場から申しますと、やはり今後におきましても相当長い間農林省としては補助金政策というものを継続しなければならないことは申すまでもありません。したがって、直ちに、一部でいわれておりますように、助成、補助金政策よりも融資政策へ切りかえるというような、二者択一の問題ではないだろうと私は思います。と同時に、その助成の対象によりましてはやはり融資政策に取りかわるということも私はやむを得ないと思います。ただ、その融資政策に取りかわる場合にも、政府資金の融資とかあるいは公庫資金の融資、そんなものにつきましても、問題は、これから先金利をどうして下げるかということと、償還期限をどうして延長するかという、この二つにかかっておるわけであります。さような立場から、一昨年は近代化資金等につきましても相当利率を引き下げましたし、また、先般御審議いただきました天災融資法等につきましても、特別被害地域等につきましては三分という、いままでの金利体系からいくと一番安い金利に切り下げましたし、また償還期限についても延長したわけでございます。農林省としては、もちろん他の金融の秩序、金利体系の秩序も考えなければいけませんでしょうけれども、ますます今後としては金利を下げていきたいということは全く同感であります。
○稲富委員 農林省は、どうも金利体系によって農村金融の金利だけを下げるわけにはいかぬとおっしゃいますけれども、やはりこれを借りる者の経済状態というものを考えなければいけない。今日の経済の伸びの状態からいって、農村負担というものが過重にならないようなことを考える、それがために農村金利が下がらなくてはいけないといわれておる。今度天災融資法は特別に三分にしたとおっしゃいますけれども、竿頭一歩進めて、もっと安いような、農民がほんとうに立ち上がるための資金対策でございますから、無利子にする、こういうようなところまで当然前進すべきものである、かように私たちは考える。ただ三分五厘を三分にしたから、これをもって農村に対する災害対策の金融対策は十分であるというような考え方を持っていらっしゃること自体に非常な間違いがある。今日、農業関係以外の金融関係なんかに対しましても、政府が積極的な融資をやろうと、いろいろ救いの手を伸ばされておる事実がたくさんあるわけであります。そういう点から考えましても、災害の時期におきます農村金融に対して、無利子の長期の金を貸す、そうして農村を救済する、農村の立て直しをやる、こういうような考え方を持つということは、決して無理な考え方ではないと私は思う。こういうことに対して、当然農林省はそういう点に立って、農村金融、しかも災害に対する農村金融というものは特に考慮すべきものである、かように考えております。ただ天災融資法で三分五厘を三分にした、これをもって十分だという考え方を持っていらっしゃるとするならば、農村の現在の経済状態をあまりにも軽視した考え方ではないか、かように考えますので、こういうことに対してはひとつ十分考慮して、もっと前進した金融対策というものを考えていただきたい、こう考えるわけでございますので、この点ひとつ舘林さんのほんとうの腹を承りたい。
○舘林(三)政府委員 金利の問題につきましては、いわば金利を下げる突破口といたしまして、農林省といたしましては先般天災融資法の改正をやったわけでございます。いろいろ内部的な折衝の過程は申し上げる筋合いでもございませんが、とにかく、いままでの金利の水準からいうと一番安い三分というものが、今日の段階におきましては農林省として到達したところでございます。しかし、もちろん、いまお話のように、無利子に近い金利であるのが農民にとっては有利であることは、申し上げるまでもないことでございまして、とにかく本年におきましては、三分の初めての例をつくったことを突破口といたしまして、今後の金利の引き下げあるいは償還期限の延長ということについては努力いたしたいと思います。
○稲富委員 この農村金融の問題について将来考えるとおっしゃるので、十分ひとつ考えて、いま私が申し上げましたような災害対策の一環としてでも考えていただきたい。もちろん、農村経済の面から見て、災害じゃなくても、三分以上の金利なんというものは、農村経済の伸長度合いからいって高過ぎるんですよ。日ごろでさえも三分以下にしなくちゃいけないのですから、特に災害対策に対してはさらにこれをもっと考えるということは当然しなければいけないと思いますので、これは将来の課題としてこれを十分ひとつ農林省としては考えていただきたいと思います。 さらに続いてお尋ねいたしたいことは、気象観測の問題でございますが、気象観測というものはしばしば農業災害に対して起こるのでございますが、従来、気象観測というものは、御承知のとおり輸運省の所管であって、その片手間と言うと失礼かもしれません、おしかりを受けるかもしれませんけれども、農業気象観測というものがその一部に置かれておる。やはり農林省として農業気象観測というものに対するもっと積極的な対策をとる必要があるのじゃないかと私は思うのであります。農林省が独自の気象台をつくれというのじゃございませんが、現在の気象観測所というものを活用してもいいので、やはり農業気象観測というものに対してもっと積極的な対策を当然やって、そうして災害に対する防止の方法をとるということが必要ではないかと思いますので、この際農林省としての所見を承りたいと思うのであります。
○加賀山説明員 農業気象観測につきましてお答え申し上げます。 農業気象観測につきましては、農林省関係でございますと、試験研究機関その他で必要な気象観測をやっておりますが、しかし、たてまえは、やはり気象庁が全般的な気象観測をやっておられまして、それを私どものほうでいただきまして十分に活用するという体制をとっておるのでございます。この両者の、気象庁とわれわれとの連絡関係等につきましては、長く申し上げる必要はないかと思いますが、中央では、毎月気象予報官に来ていただきまして、農林省全体で災害関係の関係課長以上が集まりまして、向こう三ヵ月の気象につきまして十分なる技術的な説明を受けております。それが中央段階でございます。それから地方農政局の段階へまいりまして、たとえば東北農政局でございますと、東北農政局を中心にいたしまして、東北管区の気象庁関係のところと緊密な連絡をとるような協議会的なものを開催いたしております。それから県の段階にまいりますと、県でも気象関係の連絡会議というものをつくりまして、特に東北、北海道、南九州につきましては、気象庁が最近農業観測地点を相当にたくさんふやしておられますので、それとの連携ということを特に重視いたしております。特に末端で活躍いたしております農業改良普及員等、そういう技術指導員の方々と、このような気象庁のやられますこまかい農業観測の資材、観測の材料をいただきまして、適切なる気象に基づく農作業の指導をやる、そういうふうなたてまえで現在やっておりますが、なお現在、先生のおっしゃいますように十分という段階ではございません。今後とも十分に気象庁関係とも連携をとりまして、気象をうまく積極的に利用して農業をやるという、そういった場面までただ冷害の回避というだけではなくて、さらに、気象をうまく使いますと農業でも非常におもしろい農業ができるわけでございまして、その場面までこれから農業のほうといたしましても研究を進める必要があろうかと思っております。現在気象関係の研究をいたしておりますのは、西ケ原に物理統計部というのがございまして、その中に気象の研究室がございます。そこでかなり高度の農業気象観測をやっております。特に、微細気象と申しまして、水面あるいは地表にわりに近いところ、稲をとりますと、稲のまわりに近いところの気温であるとか湿度であるとか、そういったことを中心に研究いたしまして、それに基づきまして作物の生育にプラスになるような利用方法、栽培方法等を考えてまいる、そういう方法でございます。
○稲富委員 いま御答弁もありましたように、農業生産というものは、自然現象に影響されることが非常に大きいので、気象の影響は非常に大きいわけなんです。ところが、気象というものは従来気象庁にまかせて、過去においては、これを農林省が活用しておるというような程度にすぎなかった。これに対しては農林省は積極的にやらなければならぬと思うのですが、予算措置等は、農林省としての農業気象観測にどのくらいの予算を盛っていらっしゃいますか。
○嶋崎説明員 お答えいたします。 現在農業観測として使っているのは、一億四千万程度新規の施設の拡充に使っておりますけれども、従来からの蓄積もありまして、大体東北から北海道の大部分につきましては、いわゆる農業観測と名を打つ施策が行なわれております。昨年も北海道の北見、十勝について全般的にこれを実施するような施策を講じております。ただ農業観測と名を打ってあるその予算の項目につきましては、その内容は、どちらかというと、非常に地域的な微細な気象の動きというものを追及し、そのデータを集積して、将来の農業耕作に寄与していこうという方向でございまして、実はその農業のための気象の観測というのは、農業観測と名を打たれるほど予算が大きいのではありませんで、実際は、北半球を通ずるところの大きな気象の流れというものをどういうぐあいに把握していくか、あるいは高層関係の気象の状況をどういうぐあいに観測の中にデータとして織り込んでいくかというようなところが非常に大きな問題で、それによって中期、長期の予報ができる。また、そういう中期、長期の予報ができて初めて農業にほんとうに大きい寄与ができる、こういうことになります。本年度の運輸省の気象庁の予算の中で、そういう意味合いも入れまして、全世界を四つのゾーンに分けまして、世界の情報を——東京から東はホノルルですか、西はボンベイのデータを入れまして、総合的に予報ができるようないろいろな通信網の整備、あるいはさらに、高層なりあるいは北半球の大きな気象状況の把握ができるように、長期的に、HITACという非常に高度の電子計算機を入れて、そういう予報ができるような体制をつくっております。たまたま、私つい先ごろまで運輸関係の予算をやっておりましたので、私の所管外でございますけれども、農業観測と名を打った予算が少いから——それも毎年毎年一割五分から二割くらいふえておりますけれども、それだけで実は農業観測というものは十分じゃないので、もっと大きな、北半球全体の気象の動きというものを把握して初めて今回のような冷害に対処できる、そういう意味で前向きの相当大幅な予算をつけて、私自身としては、相当感謝されておると、こう判断をしております。
○稲富委員 これは霜の害のときはしょっちゅう問題が起こることなんですよ。それで、観測は気象庁でやって、そのデータによってやはり農業観測というものは農林省のものにしなくちゃいけないのです。これに対して農林省はどう対策をとるかということをやって下に流す、これが必要なんです。それで、観測するのは気象庁で、気象庁の予算でいいでしょうが、これを農林省のものにして農林省が下まで流して、これに対して対策をやるというときには、これは農林省の所管でやらなくちゃいけないと私は思うのです。これが非常に農林省として薄らいでいるというのが事実なんです。私が農業観測だというのはその点なんで、観測そのものを農林省がやるのじゃなくして、観測は気象庁がおやりになればいいのです、そのデータを農林省のものにするということが必要なんです。その点の予算措置、この点の対策というものが私は今日非常になまぬるいと思うのです。それがために、霜ができてあとから取り返しがつかなかったというのが非常に多いのです。いろいろ調べてみると、人に委託しておったから十分じゃなかったというような問題がありますので、今後やはり農業気象というものに対してもっと積極的に農林省は対策を講じて、そうして農林省としての農業対策というものを、気象の上からのデータによって講ずることが必要じゃないか、これがために十分なる予算等もとって、万遺憾なきを期するような気象対策をやるべきじゃないか、こういうことをわれわれは考えるわけで、こういうととをお尋ねしているわけでございます。こういうことに対する今後の農林省の見通しといいますか、計画といいますか、こういうことに対して、あったら承りたいと思います。
○舘林(三)政府委員 ただいままで私災害対策に取り組んでまいりましたときの事務等の状況を御報告申し上げたいと思いますが、今度の北海道、東北の冷害ということにつきまして、しばしば気象庁から中期、長期の予報が出されたわけでございまして、それは農林省にすぐ気象台の職員が御説明に参りますし、またそれに基づいてこちらからも照会にいく、それを、直ちに農林省といたしましては災害対策本部で各局課長が集まりまして、それに対して各局ごとの具体的な対策をとりまして、そしてそれを各県に農政局を通じて流しておるわけでございます。きのうも農林水産委員会に、長期、中期の予報に従ってどんな対策をとったかという詳細なデータを御報告申し上げました。この委員会に対しても配付したそうでございますから、どうぞごらんになっていただきたいと思います。さような意味で、いままで農林省といたしましては気象庁の農業観測に従って実は対策をとってきたわけでございます。各県におきましても、たとえば各県の気象台が、あしたの朝は霜がおりそうだというときには、県の農林部を通じまして市町村までもすべて流しておりまして、晩霜の防止につきましては相当適切な処置を私はとっているだろうと思います。さような意味で、今日の段階におきましては、十分とは言えないにいたしましても、気象庁と農林省との関係は決して私は不満足にいっていると思わないのです。ただ、今後におきましてもやはり科学的な気象台の農業観測を中心として動くべきは当然でございますから、今後におきましてもさらに一そう私たちも注意いたしまして、ぴったりと長期、中期の予報に合うように政策をとっていきたいということが私どもの気持ちでございます。ただ、重ねて申し上げますが、少なくともここ数ヵ月はほとんど気象台の農業観測を通じて具体的な政策をとってきたということだけははっきりと申し上げることができると思います。
○稲富委員 この問題につきましては、将来ともある問題でありますので、これは常に、災害が起こりますと、気象の結果が十分地方まで徹底していなかったとか、いろいろな問題が起こりがちでございますので、今後十分ひとつ気象の予報によります科学的なデータによって対策をやられるよう、あるいは予算がないなら予算措置までやって進められるように、特にこの際希望として申し上げておきたいと思います。 もう一つお聞きしたいと思いますことは、今回の災害の特殊な現象として私たち考えますのは、野鼠の害であります。果樹等が野鼠によって皮を食われておるというような状態がたくさんあるのでございます。これは従来災害に対する樹勢回復その他に対してという名目で助成処置をやった例はたくさんあるのでございますが、今回の野鼠の害に対しまして、あるいは樹勢回復であるとか、あるいはこれを植えかえるための何かの対策のための助成措置、こういうものを考えておられるかどうか。これは当然やるべきであると思うのでございますが、この点ひとつ承りたいと思うのでございます。
○尾中説明員 今回の災害によりまして、果樹、桑等につきまして雪折れであるとか、あるいは野鼠による被害等が相当あったのでございます。現在大まかな金額につきましては承知しておりますが、なお詳細につきまして具体的にその内容を調査中でございます。その結果をまちまして、共同育苗施設等に対しまして措置をとるかどうか、それらを十分慎重に検討してみたい、こういうふうに考えております。
○稲富委員 それじゃ育苗その他に助成措置をとるかどうか検討されるというわけでございますが、これは相当の被害がございますので、何とか助成措置をとるような方向で十分検討していただきたいということを希望として申し上げておきます。そういう意味で、しかも野鼠の被害というのは、御承知のごとく、何年間も自分たちが辛苦して育ててきました果樹がいよいよこれから収穫を増そうというときにやられているので、実にこれは被害が大きいわけでございますので、そういう面も考えていただきたいということと、さらに、今回の被害に対するそういう助成措置と同時に将来野鼠退治の対策等を持っておられるかどうか、この点についてもこの機会に承っておきたいと思います。
○尾中説明員 野鼠対策につきましては、特に果樹について申し上げますと、山ぎわの果樹園等にありましては、雪の降る前に竹でもって木を囲うとか、あるいはわらをもって囲うとか、さらにフラトール等の殺鼠剤をもちましてネズミの駆除を行なうというような、やはり冬の前にいろいろ措置をとる必要があろうかと思います。従来は北海道の森林に対する野鼠被害、あるいは西日本のカンショ地帯の野鼠被害が非常に多かったのでございますけれども、最近東北あるいは中国等におきましてもそういう問題が出ておるわけでございます。したがって、率直に申しまして、従来東北とか中国筋では必ずしもそれに対する対策が十分であったとは考えていないわけでございます。今後の対策といたしましては、いま申し上げましたようなこともございますし、全体的に野鼠の発生状況等を考えて十分検討してまいりたいというふうに考えております。
○稲富委員 この野鼠の被害というものは、今回のような雪があったので食べものがなかったから、そういう果樹の皮を食べたということになるだろうと思いますが、そういう点からいきまして、相当の穀物その他に対する被害があるということは考えられるわけなんで、根本的に野鼠駆除対策いうものをこの際十分ひとつ政府としても考えなくちゃいけないのじゃないか、こう考えるのでございます。野鼠の駆除対策というものを根本的に検討する、こういうことを何かの機関で将来やるべきであると思うのでございますが、いかがでございますか。
○尾中説明員 御趣旨の線に沿いまして十分今後の対策を検討してまいりたいと考えております。
○稲富委員 時間がありませんから、あと一点だけ。これは中小企業関係にお尋ねしたいと思います。 今回の冷害は、今ではほとんど日本の半分にわたりまして冷害がきているといわれているのでございます。おのずからこれによって今後の農業所得というものはだんだん減ってくるだろうと思うのでございます。今回の天候異変というものは、あるいは全国的にいくのじゃないかといわれますと、当然これは農村の経済に相当大きな影響を来たすことはもう予想されるわけであります。これは農民の経済状態と最も関係のあります中小企業等の地方の購買力というものが減退することは当然でございますので、こうなりますと、こういうような中小の商工業に対する金融措置というものも当然考えてまいらなければいけないのじゃないかと思うのであります。これは本年度の後半に当たります冷害の被害等から来るこういうような商工業者に対する一つの融資措置というものを並行して考えておかなくてはいけないのじゃないかと思うのでありますが、これに対して通産省はいまから計画があるのであるか、将来どういうような対策を考えておられるのであるか、この際承りたいと思います。
○荒玉説明員 ただいままでのところ、冷害関係の商工関係間接被害につきましては、詳細がまだはっきりしませんが、特に秋田あたりの申し込み状況から見ましても、大体政府三機関に関する限りは、現在各支店、出張所の持っておりますワクの中でおおむね需要を充足できるというふうに考えております。その他、償還期間等につきましては、弾力的な条件変更等によりまして、被害を最小限度にとどめるような措置をとっていきたい、かように思っております。
○稲富委員 中小企業問題は、今後収穫期を迎えまして農民の所得が非常に減退したという場合に生ずる問題でございますので、現在直ちに中小企業にそれが影響しているというようなところはあるいは少ないかもわかりません。そういう事態が生じた場合に、中小企業庁としては、中小企業者に対する融資対策とか、こういうことを考えて対処しようという用意があるかどうか、この点を承っているわけなので、こういうことに対してどういうような含みを持っていらっしゃるか、伺いたい。
○荒玉説明員 ちょうど政府が年末追加をする時期に該当いたしますので、そこあたりの事情をよく考えながら、そういった年末追加の際には特にそういうことを考慮して考えていきたい、かように思います。
○稲富委員 それじゃ結論を申し上げます。 先刻から今回の冷害対策についていろいろ政府の所信を承ったのでございますが、結論は、ただいま冷害対策本部を農林省に設置しておるので、そこで十分検討してこれに対して措置をとるということのようでございます。私は、実は本日の段階においては、この問題に対してはこういうような助成措置をとろうと思っているのだ、この問題に対してはこういうような融資対策をとっておるのだというような具体的な案がもうすでに政府にあるべきであろうと思って、先刻からいろいろお尋ねしたのでございますが、結論は、ただいまできている対策本部において今後の対策を検討するのだ、こういうことで、私はあまりのんびりであることにあ然といたしました。しかしながら、この冷災地の人たちは、ただいま申し上げましたような、将来来るであろうという天候異変に備えて、今日不安の中に農業経営にいそしんでいるというのが現状でございます。政府もすみやかにこれに対する対策をつくって、罹災者の人に一日も早く希望を持って次の生産に従事するような、こういう対策を講じてもらうと同時に、今回の異常災害に対しましては、特に政府といたしましても温情ある態度で、あらゆる方面におきまする保護救済の措置をとっていただきますように、最後に希望として申し述べまして、私の質問を終わることといたします。
○楯委員長 山口丈太郎君。
○山口(丈)委員 私はきょう質問はやらぬつもりだったのですけれども、先般の理事懇談会で申し合わされた各項目に従いまして総括的に御質問を申し上げたいと思いますから、研究中のものは研究中、できるものはできるということを率直にひとつお答え願いたいと思います。 そこで、順序を変更しまして、お急ぎのようでありますから、自治省に対してまず三点にわたって御質問を申し上げます。 まず第一点は、地方交付税における積雪度補正の合理化についてであります。地方交付税における積雪度の補正を逐年大幅にふやされておることは、私どもも認めておるのでありますが、さらに今後ともこの増額、合理的な支給についても考慮を払われるべきだと思うのでありますが、所見を承っておきたいと思います。
○岡田説明員 おっしゃいますように、積雪補正につきましては毎年努力をいたしております。今後とも、他の法令なり他の財源措置との関連も考えながら、経常的に必要と認められるところの積雪地域に対する措置につきまして、経常分として普通交付税に極力算入するように、全体のワク等も勘案しながら努力いたしてまいりた、かように考えております。
○山口(丈)委員 これについては、単に慣例とか、そういうことではなくて、実際にこの被害を受け、その被害を最小限に食いとめようとする地方公共団体の積極的な意欲に対するこたえとしても、これは積極性を持って自治省は当たっていただきたいというようにお願いをしておきたいと思います。 その次に、豪雪害における特別財政需要に対して交付税等の増額を行なうべきだ、こういうことが、冒頭に申し上げたように理事会でも議論をされておるのであります。これに対しまして自治省はどういうお考えであるか、承りたい。
○岡田説明員 いまおっしゃいましたように、積雪地域において積極的に対策を講じ得るように、最近の気象状況等も勘案いたしまして、経常的な積雪対策費というものを極力普通交付税において配分いたしまして用意できるようにいたしております。しかしながら、それにしましても、個々の年度において異常な豪雪によりますところの対策費、そこまでは経常的に普通交付税をもって措置することも困難でございますので、その際は特別交付税をもって極力対処いたしたい、かように心の準備をいたしております。
○山口(丈)委員 この点で議論をされましたのは、いわゆる特別交付税の規定されたワク内においては、これはすでに適用されるものは決定されておるのでありますけれども、しかしながら、こういう異常な災害に対する措置としては、特別交付税の交付方式について十分なる配慮をなすべきだということであります。これについてはいろいろ法律的にも考慮しなければならない面もありましょうけれども、法律の改正をやっても強化をすべきだ、こういう意見があるわけでありますが、これを将来のためにひとつ伺っておきたい。
○岡田説明員 従来冷害あるいは凍霜害につきましてまで特別交付税では考えておらなかったのでありますけれども、最近冷害なり凍霜害等が毎年連続して起きてきておりますので、ここ一、二年来、かような災害につきましても、一般の台風その他と別建てにいたしまして、特別交付税によって措置いたしております。これは今後とも続けてまいるつもりでございます。なお、これにつきましては、豪雪地に対するところの特別な財政援助の措置の問題もございます。これは他の法令なり他の財源措置の推移も勘案いたしながら、極力今後の措置を、特別交付税の総ワクをも勘案いたしながら配慮いたしてまいりたい。その辺につきましては他との関連を考えて検討いたしたい、かように考えております。
○山口(丈)委員 次に、これは大蔵省とも関連のある問題でありますけれども、被災者に対する税の減免または徴収猶予措置についてであります。これは農村等の災害防除に対する出費が非常にかさんでおる。そのために、地方税である県税もしくは町村民税、国税、これらの税の減免もしくは徴収猶予措置、徴収猶予措置を行なった地方に対してのこれまた国としてのそれに対する補てん措置、こういうものが相まって行なわれるということでなくてはならぬと思うのでありますが、これに対しまして、まず自治省はどういうお考えでありますか。
○岡田説明員 災害につきましては、御承知のように、激甚災害に関する特別の措置法がございます。激甚法の適用を受けますような災害につきましては、税の減免等をいたしました部分につきまして特例債の発行を許可いたし、それの償還金については、元利補給分につきまして特別交付税をもって措置するということを法令上はっきりいたしております。その他の、激甚までに至らないような性質の災害あるいはケースにつきましては、これは各地方公共団体がその現地におきますところの事情を勘案いたしまして、公共的な見地から措置をとることになろう、かように考えております。それにつきましては、その団体の財政状況等も勘案されると思います。また、自治省としての措置といたしましても、その団体の総合的な財政事情を勘案して最終的に判断されようかと考えます。
○山口(丈)委員 これらの対策は、主として農村関係、今度の雪害あるいは冷害等に対する被害対策は、これは現実の被害とともに、今後の被害を拡大しないようにこれを防止するということが非常に大きな目的であります。したがいまして、今日これらの措置によって、今後における拡大されるであろう災害を防止する、だから、当面その措置をとって災害を免れてそうして平常な状態に復すれば、これは何も補助する必要も何もないのです。ですから、そのときには所定の徴税ができるわけでありますから、その過渡的な措置としては、条件がついてもいいのでありますから、国が一時その地方団体に徴税相当額のものを融資するなりあるいは補助するなり、そういうような措置をいまやらなければ、これから秋場における被害の拡大を防ぐことができないのですから、したがって、そういうところを配慮していくということがやはり必要だと思うのです。そういう意味で質問をいたしておるのですが、いかがですか。
○岡田説明員 機会ありますごとに、そういったような考え方のもとに事に対処しております。たとえば、七月に配分いたします普通交付税の配分にいたしましても、大蔵省のほうも国庫余裕金の立場から非常に苦しんでおったのでありますけれども、特にお願いいたしまして、七月一日に普通交付税千六百億以上というものを配付いたしております。こういったようなことによりまして、災害地におけるところの資金繰り等にも対処できるように考えております。今後ともそういうような機会あるごとに、そういったような考え方を頭に置きまして対処してまいりたいと思います。
○山口(丈)委員 この件については、大蔵省の見解をひとつ聞いておきたいのですが………。
○嶋崎説明員 まず、租税の関係につきましては、これは私の所管外でございますけれども、いろいろな防除その他の費用につきましては、それぞれ所得に対する税金でございますから、必要経費として当然見ていくということになりましょう。それから租税の減免、徴収猶予の措置につきましては、それぞれ災害減免法の規定がありますから、それぞれの法律によって減免措置なり徴収猶予なりの措置をとっていくということになると思います。 それからもう一つ、先ほどもありました国の補てん措置でございますが、この点については、現在の段階では考えておりません。
○山口(丈)委員 先に言いましたように、総括的にさらに質問を項目別に続けていきますから、お答えを願いたいと思います。 まず最初に戻りまして、去る五月の七日ですか八日ですか、閣議の席上で総理大臣は、本年度はあらゆる角度から見てもどうも気象は異常気象の状況にある、したがって各種の災害が発生するおそれがある、その冷害対策に対処するために、関係省庁で冷害対策協議会といいますか、対策を立てるためのそういうものを設置したい、こういう指示をされたと聞いておるのですけれども、その協議会は発足しているのかどうか、また、発足していないとすれば、いつそれを設置するつもりなのか、これはどこか担当のところから聞かしていただきたい。
○松永(勇)政府委員 本年の冷害につきましては、気象の異常なものであるということの認識のもとに、先ほど来話が出ておりますように、政府といたしましてもこれに対してはきめのこまかい対策を講じていかなければならないであろうということで、閣議においてもその話が出たところでございます。そのために、先ほど農林政務次官からお答えがありましたように、農林省を中心といたしまして本部を設けて、予防のための措置がとられております。なお、気象庁との連絡を緊密にする等、それに伴って措置をとっていく必要があるということも強調されております。現に農林省でその本部として進められておるところでございます。したがいまして、政府としては、なお、こういう形のほかに、関係次官会議等において連絡をとって、現に進行しつつある異常の気象に伴う対策というものはとられつつある。閣議決定というような形の協議会は現在まだつくられておりませんが、すでにそういう具体的のことは進められておるところでございます。なお、この異常冷害対策というものは、秋口からさらに年末にかけて、相当長期にわたって続くということが予想されますので、今後その状況に応じては閣僚レベルの機関をつくる等のことも、必要に応じては今後考えていくという姿勢であるわけであります。
○山口(丈)委員 当委員会においても、この総合対策本部を設置すべしということは、強い要請としていままで議論をされておる。それを受けて佐藤総理はこういう提案をされたものと思う。ところが、いま聞いてみると、農林省のそういう対策本部ができたということは私どもすでに承知をしておるが、しかし、これは単なる農林省関係のみならず、その対策につきましては各省庁にわたるものと考えられる。したがって、一刻も早くやはりこれに対処する総合対策本部をつくるべきである。その考えがあるのかないのか、どうなんですか。
○松永(勇)政府委員 先ほどお答えしましたとおり、今後相当長きにわたりましてこういう対策を考えていかなければならないという状況にあるわけでございます。政府は必要に応じてそういうことはつくる——つくると申しますか、現にそういう一端はすでに行ないつつある。ただそれを形の上にしろということかと思いますが、それは状況によって、必要に応じてやっていくということで考えております。
○山口(丈)委員 これはそういう答弁では話にならぬ。そういうのんびりしたことではないのですよ。被害が秋に出るというが、現にその被害が進行している。東北、茨城にしてしかり。あるいは北海道の本田植えつけ苗の枯死状態、そういうようなものはいま収穫するのじゃない、すべて秋に収穫するものなんです。これは単なる農林省関係のものだけじゃないのです。したがって、それに対処するには、どうしてもやはりまとまったところで、どうすればよろしいかという相談ができるようにするということが必要なんです。それが私は責任ある政府のやり方だと思うのです。あなたのいまの答弁のようなのんびりしたことじゃありません。あなたが内閣に帰られたらば、そういう強い要請があるということを十分にひとつ伝えてもらいたい。 その次に、豪雪地帯における災害防除に資するため、調査研究施設を整備するとともに、連絡調整機能を充実し、調査研究の総合的かつ能率的な推進をはかること。調査研究の科学技術については、これは豪雪地帯における災害防除に資するための特別の研究促進施設でありまして、その調整費を活用して、防災科学技術に関する試験研究を現在は国立防災科学技術センターを中心にして推進しておりますけれども、その関係行政機関の防災に関する試験研究、並びにその他の防災科学技術事務の総合調整についても、事務費を計上してこの機能を充実する必要がある。また、現在においてはこれらについて満足すべき状況にあるとは言えない。したがって、政府は、この調査機関の整備拡充について、また、その機能の充実について、もっと積極的な意を注ぐべきだ、こういうふうに考えるのです。委員会においてもそういうふうに方向づけをすべきだと言っておるのですが、これについていかがですか。
○広田説明員 科学技術庁におきましては、今回の豪雪などの異常気象による農林業等に与える影響等にかんがみまして、従来各省庁におきます付属研究機関等はそれぞれの行政目的に沿った研究を進められておりますが、なお当庁におきましては、研究機関におきます予算要求の際におきまして、科学技術に関する予算見積もり、調整を通じまして、関係機関の予算獲得のバックアップを行なっておるわけでありますので、雪害等によります防災の問題につきましては、防災科学技術の一環としまして、重要課題としてこれを計上してバックアップをはかっていくことに努力しておりますし、今後とも努力いたしたいと思っております。 なお、先ほどお話のありました防災科学技術センターにおきましては、長岡に去年の十二月に雪害実験研究所の設立を見まして、直ちに研究の業務に入っておりますが、この雪害実験研究所は官民各研究機関が共用して実験等を行なう施設でございまして、雪害に対する基礎的な研究あるいは応用研究の推進に必要な設備の充実はわれわれはかっていきたいと考えております。 なお、当庁におきましては、各省におきまする研究の推進をはかっていくかたわら、なお各省にまたがる研究事項等につきましては、総合的な見地からこれを推進する必要のあるものにつきましては、特別研究促進調整費をもちまして、総合的かつ効率的な研究をはかっていきたい、そう考えております。 以上であります。
○山口(丈)委員 最後に質問申し上げましたように、この件についてはさらに一そう努力をして各省庁にわたる連絡調整機能の充実を期していただくようにお願いをいたしたいと思うのですが、それはどの程度本年はできるものか、お尋ねしたい。
○広田説明員 研究総合の面からは、私どもやっておりますことは、各省庁にまたがっている事項につきましてこれをより推進していきたい、そう考えております。
○山口(丈)委員 次に農林省にお伺いしますが、この積雪、豪雪地帯においては、本年の雪は、御承知のとおり、おそ雪、春雪である。したがいまして、苗しろ等の施設に非常な障害を来たし、かつその除雪費等非常な負担となっておるのであります。しかし、それでもなおかつ苗しろが個々に設置できない場合、いわゆる共同苗しろあるいは委託苗しろ等を推奨されておるのでありますけれども、その費用、これはやはりどうしても国なり公共団体で補助をしてやるということでなければ、農民はその負担にたえることはできないし、苗しろの円滑な設置もできない、こういう状態にあることは御承知だと思うのです。従来はその運搬費にのみ二分の一の助成をしておられたようであります。しかし、そういうことではとうていその必要経費を充足することもできない。したがって、そういった共同苗しろあるいは委託苗しろの場合には、その土地を提供した人に対する借地補償、あるいはまた、運搬の補助等、要したその経費に対しては積極的に助成措置、補助措置を行なうべきだと思うのですけれども、御意図はいかがですか。
○舘林(三)政府委員 先ほどからるる御説明いたしましたとおりに、東北地方の冷害に対処するために、農林省としては、共同苗しろの設置とか委託苗しろの設置につきまして奨励措置を講じておるわけでございます。したがって、さような措置を行ないましたところにつきましてはぜひひとつ補助をいたしたいということで、大蔵省とも折衝いたしたい、かような気持ちでおりまして、共同苗しろにつきましては、保温折衷の資材費、あるいはまた水温上昇剤、あるいはいまお話しの苗しろ用の用地の借り上げ料、あるいは雪を消すためのカーボンブラック等、消雪と申しますか、融雪促進の資材、かようなものにつきまして補助をいたしたいと思っております。また、委託苗しろにつきましては、先ほどお答えいたしましたとおり、運搬費につきましても補助するつもりであります。
○山口(丈)委員 その次に、これも稲富委員から質問がありましたが、特に特徴としては、果樹、桑園の野鼠被害でありますが、それとともに、豪雪による果樹だなの破損、倒壊等があるわけであります。これの復旧は普通の新設するよりもなおかつその経費がかさむわけでありますし、樹勢回復に対する措置というものがまた非常に重要になるわけでありますけれども、これに対してはいかがでしょう。
○舘林(三)政府委員 野鼠によりまする果樹なりあるいは桑の木に対する被害につきましては、共同の育苗施設につきましては、ぜひこれを補助いたしたいということで検討いたしておりますが、まだ今日のところ被害が詳細にわからない。いまのところ、東北被害四県から提出された被害等から考えますると、合計いたしましてまだ百万円か二百万円程度ございまして、いずれこれは統計調査部等の資料も待って処置いたしたいと思っております。 また、果樹だなにつきましては、いままでといたしましても補助の対象とするということは非常に困難でございますので、農林漁業金融公庫の資金から融資するというほうのかっこうでいきたいと思っております。
○山口(丈)委員 次に、これは希望として、これも議論がありましたから申し上げておきますが、樹勢回復あるいは果樹だなの復旧、それから木炭がまの破損——この木炭がまの破損については、従来から例があるようでありますが、一そうこれは積極的に農林省としてただいまの答弁以上の措置を講ぜられるように希望いたしておきたいと思います。 その次に造林についてでありますが、御承知のとおり、和歌山、奈良等の地域におきましても、本年度の雪害はきわめて甚大なものがあります。したがいまして、これらの造林の補植、あるいはまた、被害を受けて伐採したあとに対します植林等に対しては、積極的な融資または補助の措置を講じてもらいたいというのが、これは痛切な叫びであります。したがいまして、当委員会といたしましても、これに対しましては従来以上に積極的な措置を講じてもらいたいということを質問の中でもたびたび申し上げたのでありますが、農林省としてはすでにこれに対する対策は立てられていると思うのでありますけれども、いかがでしょうか、お伺いしたい。
○舘林(三)政府委員 東北の冷害前に奈良県とか和歌山県で非常な豪雪がありましたときからの取り扱いでございますが、いま山口委員からお話のありました被害の森林の補植、及び林齢が五年以内の被害木の復旧につきましては、いわば雪起こしでございますが、そんなものにつきましては、農林漁業金融公庫から造林資金を融資するということで決定いたしております。
○山口(丈)委員 次に、天災融資法の発動について、あるいはまた、自作農維持資金の融資措置についてお伺いをいたしますが、これは被害額についてまだ明確な額がわからぬという答弁がいままでなされておったわけでありますけれども、この天災融資法の見通し、あるいはまた、自作農維持資金の災害ワクの増額などについてはどういう見通しでありますか、ひとつお聞かせ願っておきたい。
○舘林(三)政府委員 和歌山とか奈良あたりのことしの二月の豪雪につきましては、数日前に天災融資法の適用をいたしたわけでございますが、いまのお話は、たぶん東北地方についてのことであろうと思いますが、東北地方の被害につきましては、最近集めました被害額は大体二十八億でございます。ただ、いままで天災融資法を適用する場合には、非常に局地的にも特別の被害があった、天災融資法に掲げてありますような特別被害地域が相当あったわけでございます。さようなところにいままで天災融資法を適用した場合には、大体六分五厘の普通の融資よりも、三分五厘の——今度新しく三分になりましたが、三分五厘の特別被害地域の融資というものが実は九割を占めていたわけでございます。すなわち、いままでは特別被害地域が非常に多かった。それだから、天災融資法を適用しても、三分五厘の——今度新しく三分になりましたが、三分五厘の融資が非常に多かったわけです。大体九〇%がそうだったのです。しかし、今度の東北地方におきましては、御承知のとおり、冬作物が非常に少ないわけです。したがいまして、被害としては二十八億で、大体四県にわたって、広範な地域にわたってはおりますけれども、いわゆる天災融資法に掲げてあるような特別被害地域として指定するところは非常に少ないということが、私は今度の被害の特徴だと思います。したがいまして、かりに天災融資法を適用いたしましても、新しく制定されました三分の融資を受けるところは非常に少ないのじゃないかと私は思う。いままで融資の希望は、一応農林省として集めたところでは約二億円でございます。しかし、それはきっと、融資を求めるということで二億円を出されたおのおのの被害農民の方々は、たぶんこれによって特別被害地域と同様に三分の融資をいただけるものだと思っておられるだろうと思う。しかし、実際は、天災融資法のたてまえから申しますと、大半が特別被害地域以外のところでございますから、六分五厘の融資になりはしないか。そういたしますと、はたして、天災融資法を適用いたしましても、ほんとうに被害農民が納得いくような利益があるかどうかということにつきましては、実は農林省としてもいま考慮しているわけであります。したがいまして、直ちにいまこの天災融資法を適用して、東北四県の方々が非常にこれによって融資を受けられるということが多くなる可能性がありましたならば、もちろんやるべきだと思いますけれども、今日の段階におきましては、ただばく然と天災融資法を適用していただきたいという希望だけでありまして、いま直ちに農林省としては、これを適用するということをまだお答えする段階ではありません。これは決してこちらの仕事が延びているというわけではなくて、実態がそうであるということをお認めいただきたいと思います。ただ、いままでの例から考えますと、大体天災融資法を適用するのは三十億前後でありまして、先ほど申しましたように、いままで統計調査部に集まった赤字は二十八億であります。そのような形式的な条件から申しまして天災融資法を適用することはできませんという意味では全然ございません。ただ、はたして天災融資法を適用しても効果がどうかということを私たちは心配しているわけであります。したがいまして、ただ今日の段階におきましては、いまお答えをする結論から申しますと、直ちに天災融資法を適用できますということを言いかねているのが今日の段階でありまして、いましばらく情勢を待っていただきたいと思います。
○山口(丈)委員 この種の融資等は私は二つあると思います。一つは、現実に被害を受けて、それを補給するために必要な資金として天災融資法を受ける場合、もう一つは、ほっておけばその被害が拡大していってそうしてばく大な損害になる、したがって、いまそれを防ぐために融資等のこういう措置によってそれを食いとめるように努力をする、この二つの目的が私はあろうかと思います。したがって、現実に、いま言われたように、被害がないので、その規定を適用しない——先ほど陳情のありました茨城等においては三十億をこしておるから、したがってこれは融資ができる、しかしながら、いま言われたような東北、新潟地方における地域においては、そういう規定に現実の被害額が当てはまらないから融資ができないということで拱手傍観をしておれば、今度は三十億が二百億、三百億、一千億というようなばく大な損害を受ける、こういうことになりますと、これはただ単に画一的な条文にこだわっておるということはできないと私は思うのです。したがって、そういう点については、よほど柔軟性のある態度をとって臨まれるべきであると思うのですが、いかがでしょう。
○舘林(三)政府委員 ちょっと私の説明が不十分で御了解いただけなかったかと思いますが、決して農林省としてはこれを画一的に考えているわけではありません。農民の方々が希望されたら、一応条件としては三十億前後ということでございますが、適用するということにやぶさかではありません。ただ問題は、いわゆる三分についてはほとんど適用がないところばかりであるが、はたして農民の方々が融資を仰がれるだろうかどうかという一点にかかっているわけでありまして、決して法規のたてまえからそれを窮屈に考えているわけではありません。と同時に、天災融資法のたてまえといたしましては、これは災害を受けた場合にやはり立ち上がりのための経営資金ということが天災融資法の目的であります。したがって、先ほど稲富委員その他から言われましたように、今日もしも手を打ったらもっと被害が少なくなるというような補助的なものは、この天災融資法とは別の関係でありまして、この問題については、ほったらかしておいたら被害がたくさんになるというようなことよりも、今日若干でも金を出したら被害を防止できるというもので、そちらのことと性格が違うと思います。後段の問題につきましては、先ほど私がここでお約束いたしましたように、できるだけひとつ、たとえばイモチの防止対策とかその他のものにつきましては、はっきりとした方策が立ちましたら、それの補助的な政策をとりたいというのが農林省の考え方であります。
○山口(丈)委員 次に、これは若干はしょりますが、農業改良資金中、技術導入資金ワクの配分について考慮してほしい、こういう声が強いのでありますけれども、これはいかがですか。
○尾中説明員 改良資金につきましては、先ほど来いろいろ御論議になっております、特に畑苗しろの導入につきまして、無利子の技術導入資金でもって奨励しておるわけであります。それに対して、福島県等からは、五百万程度でありましたか、要望があるわけであります。現在年度当初でもありますし、総ワクの範囲内において十分地元の御要望に沿うようにやりたいというふうに考えております。
○山口(丈)委員 次に、これは主として北海道等に適用されるわけでありますが、開拓農家の負債対策についてでありますが、これは実に悲惨なようであります。金を貸してもらったが、しかし、それを返済することができない、利子を拡うこともできない、何かやろうとしてまたその上に借金をする、農家を離れたいが農家を離れることもできない、こういうことで、しまいには自殺者も出したというような悲惨な状態にあることは御承知のとおりと思います。これについて何らかの特別措置を講じてやれというのは、ただ単に地元だけでなく、当委員会の全部の一致した意見であります。政府においても、こういうような悲惨な事実に対しては、単なる配慮を加えるということだけでは済まない問題ではないか、一にかかって人道上の問題でもある、したがって、これについては特に農林省としては力を注いでその解決に当たってやるべきではないかと私は思うのでありますが、いかがでしょうか。
○舘林(三)政府委員 開拓農の負債、ことに北海道の去年の冷害をきっかけといたします負債の償還が非常に困難であることは申すまでもありませんが、さような意味から、今年の一月に農林大臣から特に通達をいたしまして、政府資金、すなわち開拓の負債の大半が政府資金でありますから、この政府資金につきましては、五年以内という債務の履行の延期をするという処置をとっておりますし、また、農林漁業金融公庫の資金とか系統資金等につきましては、それぞれ金庫とか公庫とか、また農林中金等に、必要に応じて償還延期等の緩和措置を講ずるようにということでいま協力を求めておる次第でございます。すでに今日一月から行なっておるわけであります。
○山口(丈)委員 けっこうな答弁でありますが、たとえば他の産業においても、たとえそれが個々の私企業でありましても、公に大きな弊害を及ぼすようなものに対しては、また国の経済に大きな影響を及ぼすような事業に対しては、それぞれ利子補給その他補助または融資の特別措置が講ぜられておることは御承知のとおりのことであり、私どもけっこうなことだと思います。しからば、たとえ零細な企業であっても、農民もやはり一つの企業でありますが、食糧を生産する、いわば命綱を生産する重要な役割りを持っておる農民を、そういうような負債のために苦しめておいてよろしいというものではないと私は思います。いま少し積極的な対策を講ぜられるように特段の配慮をお願いしておきたいと思います。これにつきましてはまたあとで質問をいたしますから、政府においても積極的な見るべき対策を講ぜられるよう希望いたしておきます。 次に、積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法による指定路線の拡大をはかり、一般国道及び県道の積寒対策事業を促進し、あわせて市町村の除雪機械等の整備を推進してほしい、こういうことでありますが、これに対して、この道路交通の確保に関する特別措置法の指定によって、五ヵ年計画でかなりの成果をおさめつつあるようでありますけれども、さらにこの指定路線の拡大をはかること、並びに市町村道の除雪に対してももっと積極的な機械設備の補助を考慮すべきだというのでありますが、これについてはいかがでしょうか。
○難波説明員 この問題につきましては、昭和四十年一月二十九日の閣議決定によりまして、積雪寒冷特別地域道路交通確保五ヵ年計画を定めまして、一般国道、都道府県道等の除雪、防雪及び凍雪害防止事業を総額五百億で実施することになっております。したがって、四十三年度までに雪寒道路の指定を拡大するとともに、市町村の除雪機械の整備を含め積寒事業の促進をはかりたいと考えております。なお、今年度においては、現在三万二千キロメートルの指定路線を、さしあたり三千五百キロメートルの追加指定を行ないまして三万五千五百キロメートルとし、除雪、防雪及び凍雪害防止事業に事業費六十二億四千万円、積寒機械整備、先ほど御質問のありました市町村道分の事業費一億四千万円を含めまして事業費二十四億七千万円、合計八十七億一千万円の事業費を投入したいと考えております。
○山口(丈)委員 もう一点、なだれによりまして道路、河川がこの融雪期に非常な災害を受け、したがって、これに対する万全の措置を講じてもらいたい、こういうことでありますが、この融雪時における河川、道路の被害復旧に対してどういう措置をおとりになっておりますか、お伺いしたい。
○重兼説明員 ただいま御質問のありました災害の状況でございますが、それにつきましては、現在までに起こりました災害が、融雪災害で約四十一億ございます。そのうち、直轄災害につきましては十三億、補助災害につきましては二十八億ございまして、直轄災害は全部北海道でございます。補助災害につきましては北海道等八道府県にまたがっておりまして、おもなるものは、北海道の十二億六千万、秋田の五億五千万、こういうふうになっております。災害の大きな府県に対しては緊急災害査定を行ないたいと思っております。北海道につきましては六月二十日より行なう予定であります。秋田につきましては六月九日より行なう予定であります。それから長野、福島については、目下県と査定の時期について連絡中でございます。 なお、河川の融雪災害の防止につきましては、これはさしあたりは水防体制を強化するよりほかしようがないのじゃないかと思いますが、さらに根本的には、河川の改修を促進しなくてはならないと思います。それにつきましては、新しい五ヵ年計画におきましても改修の促進をはかりたい、こういうふうに思っております。
○山口(丈)委員 次に、法令関係でございますが、豪雪に際して地方公共団体が行なう公共の施設の除雪事業に要する費用の補助に関する特別措置法、こういうりっぱな法律をつくっておるのですけれども、いまだにこれに基づいて施行される政令がない。したがって、これはたびたび当委員会において問題になりましたように、仏つくって魂入れずというのはこのことだ、まことにぴったりと当てはまることばだと思うのです。それで、これの適用についての政令は積極的にひとつやりますという、ある程度前向きの御答弁もあったようでありますが、その後どうなっておりますか、その作業の進捗状況についてお伺いをしたい。
○大串説明員 この件につきましては文部省からお答えいたします。 この点につきましては、前の委員会でも御答弁申し上げたことがございますけれども、除雪の問題は内容が非常に複雑でございますので、平年時、それから異常時の過去の実績を把握しなければなりません。これの把握が非常に困難な問題でございますので、資料の整備に困難を来たしておりましたが、これもようやく準備を終わりましたので、関係各省と連絡をとりまして早急に政令施行の運びにいたしたいと存じておる次第でございます。
○山口(丈)委員 これはいつごろできるのですか、その制定のめどはついているのですか。
○大串説明員 これにつきましては各省にまたがる問題でございますので、関係各省と連絡する必要がございますから、いま直ちにいつということを申し上げることができませんけれども、できるだけ早くその運びにいたしたいと思っておる次第でございます。
○山口(丈)委員 そういうことではこれは災害にさっぱり間に合わぬじゃないですか。内容がいつも各省にわたっておる広範なものであるために、各省のなわ張り争いでも困る。したがって、早く政令をつくって、そうしてせっかくの法律の恩恵が受けられるようにしてくれ、これは何も当委員会だけの問題じゃないですよ。全部が要望しておる問題なんです。国会に法案の審議をやかましくいって法案を通過させ、成立をさせておいて、そうしていまになってまだそれが施行できない、そんな不親切きわまりないことはないと思うのです。これは早急にそのめどを立てて、当委員会に何月何日ごろまでには政令を施行いたしますという御通知をひとつ願いたい。きびしいようでありますけれども、当委員会としてもこれは与野党を通じて一致した要望なんですから、さよう御承知を願いたい。 次に、教育施設の耐寒措置化、冬期分校、寄宿舎の整備及び学校給食における諸経費についても十分の配分を行なうこと。これについては、文部省においては、教育施設の耐寒措置化について、一般地域の単価よりもその単価を二、三%増を見込んで実施をされておるようであるしいたしますが、これは決して十分なものではない。したがって、これに対する特別の配慮をやはり講じてやるべきである。また、積雪地帯においては、冬季には寄宿舎制度をとりまして学童をそこに収容しておることは、御承知のとおりでございますが、これについては、なお施設がきわめて貧弱であります。したがって、これの整備をはかり、また冬季分校における教員の問題は、適切な配置を十分に考慮する必要がある、これらの万全の措置をとって、来たるべき降雪に備えるべきだ、こういうのが私どもの主張であります。また、冬季におけるこれらの地域におきましては、学校給食その他給食の場合に、冬季間における物資の運搬はきわめて困難である。したがって、食料品、野菜や燃料の貯蔵施設まで十分にしなければこれらの機能を発揮することができないと思うのですけれども、以上の諸点についてどういう考えをお持ちであるか、この際お聞かせを願いたいと思います。
○大串説明員 ただいまの問題につきましてお答えいたします。 まず最初の教育施設の耐寒措置化の問題でございますが、耐寒措置化ということは、結局雪害や寒冷を防止するということで、鉄筋コンクリート構造に切りかえていくという問題に通ずることだと存じますが、これにつきましては、教育施設の全般的に鉄筋コンクリート造の構造比率が四十年度は高まっておりますので、ものによりましては八割ないし九割は鉄筋コンクリート構造で建築できるというような実情でございます。それと同時に、また御指摘の単価につきましても、特に豪雪地帯につきましてはほかの地区よりも単価をよく見るということを本年度は考えておりますので、これによりまして優先的に配分を考えていきたいと存ずる次第でございます。 その次の、冬季におきまして豪雪等によりまして通学が困難になります場合の寄宿舎の問題でございますけれども、これにつきましても、御指摘のように寄宿舎の整備を促進したいと考えまして、今年度におきましても前年度よりかなりの予算の増が認められました。特に、本年度から小学校につきましても寄宿舎の整備が認められておりますので、その点につきましても、特に豪雪地帯につきましては寄宿舎の整備につきまして優先的に考えていきたいと存じている次第でございます。 それから、教員の配置につきましては、これにつきましても、本年度から僻地教員の特別昇給の制度を設けることにいたしまして、なるべく優秀な教員が学校に進んでいくようにしたいというように考えている次第でございます。 それから、その次の学校給食の問題でございますが、学校給食の施設整備につきましては国庫補助の措置が講ぜられておることは、御承知のとおりでございます。また、特に僻地の学校につきましては、特に学校給食の振興をはかりますために、施設の特別の補助を考えているような次第でございます。御指摘のように、豪雪の地域におきまして冬季間食糧を貯蔵するという必要につきましては、その給食施設の施設標準の中に、貯蔵施設もその施設標準の基準になっておりますけれども、特にそういう豪雪地帯で大きな貯蔵庫を必要とするというような場合がございますれば、予算措置等によりまして研究していきたいと存じておる次第でございます。 以上でございます。
○山口(丈)委員 次に、これは厚生関係でありますが、母子福祉資金の貸し付けワクの拡大、並びに簡易水道施設の災害復旧費の助成、融雪後におきまする防疫対策費の国庫負担の早期交付、僻地診療所の運営に対する大幅援助等について特段の考慮を払ってほしい、こういう要望でありますが、以上の諸点につきまして、いままでとられました処置をお聞かせ願いたいと思います。
○湯沢説明員 防疫対策の問題をお答えいたしますが、実は、雪による、何といいますか、雪解けになって水害地帯のようなそういう防疫対策を要するような事態はまだ起こってきていない、今後起こるというような予想でもって現地では対策をやっておりますけれども、今後そういう事態が起これば、十分にその被害に対しましては国庫負担の早期交付についてはかる考えでございます。当該年度で概算交付という形ではかりたいと思います。
○大橋説明員 簡易水道施設等の災害復旧費に対する助成措置を講ずることについてでございますが、簡易水道等が災害を受けました場合には、従来もやっておりますが、それに対して助成措置が講ぜられるようになってございます。ただ、現在までのところ、東北地方におきます災害におきまして、各県に連絡いたしまして調査をしておるのでございますが、具体的にまだどれをどうするというところまでまいっておりません。
○須田説明員 母子福祉資金の貸し付けのことでお答え申し上げます。 この福祉資金の貸し付け金は、県で貸し付け金の予算を組みますと、それに対して一定率の割合で国庫から貸し付けることになっておりますが、これは要請があればいつでも貸し付けられる体制になっております。
○山口(丈)委員 僻地診療所の問題についてでありますけれども、これは痛切な要求であります。本年度の豪雪におきましても、全く交通途絶で、したがって、そり等によって運搬をするなど、いろいろの方法をもって患者の輸送等にあたったようでありますけれども、なおかつこれはおよそ前時代的な処置で行なわれておる。いわば無診療、無医村、こういうような状態を現出したわけでありますが、これに対しては非常に痛切な叫びが上がっておるわけであります。私ども委員会が調査に参りましたときも、そういう僻地における急患者の診療対策等については非常に痛切なものがありました。これに対しては特段の処置を考慮してほしい、こういうことであります。私どももこれは人道的な問題として特に今後配慮すべきだと思うのですけれども、ひとつ御所見を承っておきたいと思います。——見えておりませんか。 それでは、国鉄は見えておりますか。これは大蔵省にも関係があるのだが、国有鉄道の除雪車両及び除雪機械並びに防除雪施設の整備をはかるとともに、民営鉄道に対しても防雪設備の一部を助成するように処置をしてほしい、こういうことであります。これは国鉄と民営と二つに分かれるわけでありますが、まず国鉄の除雪機械の整備等については一体どういうようになっておりますか、お伺いをしたいと思います。
○尾崎説明員 それでは国有鉄道のほうからお答え申し上げます。 雪害対策につきましては、国鉄といたしまして第三次長期計画で二百七十億円を見ております。二百七十億のうち、東北地方に対しましては五十八億円、こういう計画でございます。昭和四十年度につきましては全国で三十五億九千万、東北地方につきましては七億三千四百万すでに予算決定済みでございます。特に問題がありました会津線につきましては、この冬の除雪を円滑に行なうためにロータリー式の除雪機械の一台増備を決定いたしまして、購入の手配中でございます。なお、なだれに対しましても会津線が特にひどうございますので、十数ヵ所につきまして予算通達を仙台鉄道管理局に準備中でございます。
○山口(丈)委員 まず国鉄のほうでありますけれども、なだれのいわば鉄道防御林といいますか、そういうものだけではあのなだれを防止することは私は困難ではないかと思う。もっと万全のなだれ防止策を講ずべきではないか。 また、現地では、この除雪車両の整備について、非常に毎年強化をしていただいておるし、無理は言えないが、しかし、この豪雪地帯に対しては新鋭の除雪車両をいま少しふやしてほしい、こういうことが非常に強い要望でありましたが、今年は特にこういう気象状況下にあるので、したがって、冬の対策としてもぜひとも私は現地の声というものを実現してやるべきじゃないかと思うのですけれども、いかがでしょう。
○尾崎説明員 お答えいたします。 ただいま私が申し上げましたロータリー式の除雪機械と申しますのは、三十八年の雪害前後から技術開発いたしました最も新しいタイプの除雪機械でございますので、その点は御要望に沿っていると思います。 なお、十数ヵ所のなだれ対策は、おおむね土木施設で、さく、階段、あるいはおおいというような、土木施設によるなだれ対策でございますので、御質疑の点にお答えしている、このように考えております。 以上でございます。
○山口(丈)委員 それでは、民営鉄道についていまの点お答え願います。
○山本説明員 お答えいたします。 民営鉄道に対します防雪施設費の助成につきましては、昭和四十年度から五ヵ年対策ということで、施設費の二〇%を補助するということで予算の成立を見ております。
○山口(丈)委員 以上、先日当委員会理事打ち合わせ会におきまして決定をいたしました事項について質問をしたわけでありますが、これらはすべて当委員会において各委員間で協議をし、政府を鞭撻するために決定をいたしました各項目であります。いままでお答えになりました点で、なお政令等によって法律を実際に施行する措置をいまだ講じていないような問題もあり、したがいまして、これらの点につきましては、早急に、さきに申したようにせっかくの法律が十分にその効力を発揮でき得るように御処置を願いますとともに、特に本年は冷害を予想される気象下にあります。したがいまして、総理も、これらの異常気象によります被害を出さないための防衛策として、対策協議会等の政府機関を設置すべきことを指示されたものと思うのであります。したがいまして、私どもといたしましては、政府のこれらに対処するための十分の機構、措置を整えられて、一刻も早くそれらの対象地域の住民の民生安定のために尽くされますように希望いたしまして、私の質問を終わります。
○楯委員長 関連質問を許します。久保三郎君。
○久保委員 時間も迫っておりますし、総体的な質問はただいままでありましたから、私はその中から抜けた二、三についてお尋ねをします。河川局長は何か時間の関係もあるそうでありますから、河川局長にお尋ねをします。 お尋ねの要点は、いわゆる霞ケ浦の水位の問題でありますが、御承知のように、異常渇水というのか、そういうことで霞ヶ浦の水位はかなり低位になっております。そこで問題なのは、御案内のとおり田植え期、しかもいままでに干害あるいは海水の逆流による塩害、こういうもので地元ではたいへんな損害を受けている。いま追いまき等をやっているわけでありますが、間もなくというか、今日ただいま田植え期に入っていると思いますが、その田植え期において、言うならば、常陸川の逆水門の問題であります。低水位でありますから、これをやはりある期間プールしていただかなければならぬ。常陸川の逆水門について地元のそういう要望に的確にこたえられるような手配をされておるか、いかがでしょう。
○上田政府委員 霞ヶ浦につきましては、この一月、二月、三月、特に三月、四月まで入りますが、それまでの間の降雨量、特に平地における降雨量というのが、例年に比べまして非常に少なかったわけでございます。したがいまして、利根川の河口におきます塩分が非岸に多くなっておりまして、それがある程度霞ヶ浦に入ったようなことになったわけでございますが、水位といたしましては例年と比べてあまり変わっておらないわけでございます。非常に塩分が多いということで、水深の上の部分に至るまで塩分が非常に入ってきておるということで、干満によって霞ヶ浦のほうへ非常に入ったということでございます。それで農民の方が非常にお困りになりまして、申し出があったわけでございますが、この常陸川の水門というのは——いままで利根川は県の知事さんが管理をしておられます関係上、四月一日までの間でございますが、そういう関係で、平時における水門の開閉というものにつきましては、両県知事さんからの御要請によってあけるということになっておったわけでございます。その御要請によってあけ締めをいたしておりましたが、ことしのそういう異常な天候の結果、塩分が非常に入ったということになりました。そういうことで、現在だいぶ雨が降りましたのですが、その直前におきましてはとびらを締めておりました。その状態を六月二日まで続けるということでございましたが、それをもう少し延ばしてもらいたいというのが農民の方々の御要望でございました。それで、両県知事さんのほうにそのことをお話をしておったのでございますが、幸い雨が相当降りまして、霞ヶ浦沿線の諸河川のほうも流出が相当出てくるようになったわけでございます。それで、現在では水門を一部開いておりまして、霞ヶ浦に入っております塩分の多い水を、周知の河川から出てくる淡水で追い出すように、海のほうの水位が下がったときには多くあけて、水位が上がってきたときには少し締めるというような方法で操作をいたしております。
○久保委員 いまの御説明だと、結論的に、地元の要望には十分こたえられる、こういうことでありますか。たとえば、お話のように両県の意見が合わぬという場合もあるでしょう。その場合には、佐原にあるか知りませんが、そこの建設省の出先が指令して、締めるか、あけるかということで、しかも意見が一致してからでも、いままでの実例から見ると、かなり時間的にかかるわけですね。こういう点は十分御手配をいただいていることだと思うのですが、この要望に十分こたえられる体制で指令をしていただきたいと思うのですが、どうでしょう。
○上田政府委員 先ほど申しましたように、三月三十一日まではこの利根川はそこに属します県の知事さんの管理権にあったわけでございます。常陸川水門におきましては、これは直接に建設省の大臣管理をいたしておりましたが、そういう関係もありまして両県知事さんの意見を聞いておりましたが、四月一日からは一級河川になりまして、大臣の直接管理になりましたので、この際に、いろいろ問題がございますのを、両県知事を集めてその方針を決定いたしまして、こういうことのないようにいたしていきたい、こういうふうに考えております。
○久保委員 それでは、結局地元の要望には十分こたえられる体制にある、こう了解してよろしいですか。一言だけ……。
○上田政府委員 そういうふうにいたしたいということであります。
○久保委員 それではよろしゅうございます。 次に、尾中参事官に伺います。さっきから皆さんからの御質疑の中で、二つだけ、結論的にどうなのか。というのは、たとえば水稲のまき直しの種代あるいは肥料代、農薬、こういうものに対しての助成対策は、結論として今日ただいまはどうなっているのか。それから、先ほどイモチの予防の問題で珪カル等のお話が出ています。これについてどういう措置があるのか。あるいは軽動力散布機の利用、こういうものが必要になってくると思うのですが、そういうものに対する助成措置としてはどうなっているのか、どうやろうとするのか。その二つ。
○尾中説明員 水稲のまき直し種代の問題でありますが、これはかつて水害等で相当大規模の面積、あるいは台風等によりまして非常に甚大なる被害を受けました場合には、若干の補助をやった例があるかと思うのでございます。今回は、東北、北海道、関東あるいはその他の地区におきましても相当気温が冷涼でございますので、一部まき直しというようなことが出ておるわけでございます。現在のところ、実際の予備苗しろの手配等も、われわれの聞いておる限りでは、ついておるようでございますし、現物のほうは支障ないというふうに考えております。ただ、代金の問題につきましては、現在まだ補助対象とするというようなことは考えていないわけでございますが、実態に応じまして十分検討してみたい、こういうふうに考えております。 それから農薬の問題につきましては、先ほど来政務次官から申し上げたとおりでございまして、最近は補助対象にしていないわけでございますが、今後の異常発生に備えまして、そういうことができるかどうかという問題を含めまして検討してみたいというふうに考えております。 それから防除機具の問題でございますが、これは御承知のように現在各県に郡単位ぐらいに防除所がございまして、そこに県有の国庫補助の防除機具を配置することになっております。これは年次計画をもちまして、いわゆる異常発生に備えまして、そういう病虫害が異常発生しました場合に、防除所の噴霧機を動員いたしましてその防除をやるという体制になっておるわけでございます。したがって、先ほど来いろいろ説明をいたしましたように、今年の気象状況にかんがみまして、すでに各地方農政局を通じまして本年度の二百二十五台につきましてはすでにその配置の内示をしております。 大体以上が現状でございます。
○久保委員 いまの答弁だと、まだ考えていない、いまのところどうかわからぬということでありますが、結局、先ほど来の質疑応答の中でも、御承知のように、早急にかかる対策をしてやらぬと、営農の気力というか意欲というか、そういうものが非常に減退すると思うのです。減退した場合に米の生産が落ちてくる。落ちてきた場合にはどうにもならぬという不安の状態が続くと思うので、これは、きょう短い時間でありますから、さらに申し上げませんが、十分考えてほしい、こう思うのです。 それから、先ほど建設省から常陸川水門の問題について御答弁がありましたが、万が一というか、なかなか逆水門の締め切りだけではうまくいかない部面が多いわけです。それでありますから、深井戸あるいは揚水機、こういうものについても、従来どおりのワクというか、そういうもので措置するということが当然だと思うのですが、これはこういうふうに考えてよろしいのですね。いわゆる深井戸を掘るとか、そういうものに対しての対策、助成、これはどうなんですか。
○尾中説明員 従来のいわゆるかんがいの事業に対しましては、既定予算の実行といたしましてやっておるのでございますが、今回特別にそれを措置するという点については、まだ今後の問題として検討中でございます。
○久保委員 特別措置ができないにしても、いままであるところの制度をさらにワクを拡大する、あるいは災害地に優先するとか、そういう方法は考えておられるのでしょう。
○尾中説明員 それは予算の実施面において十分考慮してまいりたいというふうに考えております。
○久保委員 では最後に、政務次官がおられますから伺いますが、農林省が出した対策の中の、「田植時の労力対策について」ということでございますが、こういう指令が流されただけでは実効はあがらぬと私は思うのであります。というのは田植えの期間というか、いわゆる田植えの時期がおくれている、そうして冷害が早く来るというのが今日の長期気象の展望だと思うのです。そうなりますと、どうしても田植えを短期間に済まさなければならぬ。ところが、御承知のとおり、そうでなくとも農村の労働力というものは不足しているわけです。しかもこういう異常の災害になりますと、田植え時期がごく短期間に縮められる。だから、単に労力対策について地域ごとに新たに対策を講ずるということだけでは何にもならぬと私は思うのでありまして、一つは、非常手段を講じなければならぬ。いろいろ地域ごとにはやっている面もあるようでありますが、言うなれば、具体的にこれは閣議の席に持ち出していろいろ労力対策をすべきだと思うのです。というのは、今日あるところの労力をどうするということはできません。だから結局、所在の県、市町村、できるならばその他の政府機関、そういうところにつとめている農村出身者に援農休暇を与えてこの労力対策を講ずるというくらいの積極性がなければ、また、よしんば労力を確保できても、これは米価に引き合うところの労力を手配することは今日では不可能だと思うのです。そういう対策を具体的に、前向きに積極的にやるお考えがあるかどうか。これは早急に手配してしかるべきだと思うのですが、どうですか。
○舘林(三)政府委員 田植え時期の労力不足の問題につきましては、ここ数年来の問題でございまして、各府県ともに、県あるいはまた農協中央会、あるいは各農協、市町村、それぞれ具体的な方策をとっているだろうと思います。しかし、今回の場合は特別の冷害でございますので、政府といたしましては、お手元に配付いたしましたように、労力対策につきましてもすみやかに措置をとれということの通牒を出したことは事実でございます。ただ、万事ひとつ労力問題についてはよろしくやれという意味ではございませんで、相当詳細に農林省としては指示してまいったわけでございます。たとえば、出かせぎ者を一ぺん帰郷させるとか、あるいは学校生徒を使うとか、あるいはまた、府県知事が地元の自衛隊を使うとかいうようないろいろの指令を出しておりまして、それ以上農林省としては自分の労力の手持ちはございませんけれども、とにかくそんな意味で相当具体的に指導してまいっておると思うのでございます。ただ、お話のように、政府機関というか、地方行政機関等の職員をということにつきましてはまだ考えておりませんので、これは内閣として一応検討すべき問題として急ぎ上申いたしたいと思います。
○久保委員 上申すると言うから、それ以上とやかく申し上げませんが、たとえば県に働いている者、市町村吏員、あるいはその他の機関に働いている出先の者がありますね、そういう者を二日なり三日なり援農休暇というものを与えて地元に帰し、あるいはくにに帰して田植えを済まさせるということをやらぬと、あなたがおあげになった自衛隊を使うといっても、自衛隊のいないところもございますし、やはり身内の者を使うのが一番です。そういう人をやりくりして田植えを間に合わせるという措置を早急にとる必要があると思う。あなたは上申するとおっしゃったから、とやかく申し上げませんが、これはそれぞれの省庁に関係ありましょうから、ひとつ閣議の中で早急にもう 一ぺんやっていただきたい。あなたは具体的に云々とおっしゃいますが、この資料にあるのは、要すれば共同炊事をやれとか共同託児所をつくれということでございますが、託児所をつくるにしてもそう簡単にいかない。それから共同炊事にしても、最近の傾向というものは、昔よりはかなり少なくなってきたというような傾向も今日あるわけであります。そういう農家経済というか生活環境も考えれば、やはりそのものずばりで労力を提供する、移動するということを早急にやらなければいかぬと思う。これはあすからでもやってもらわなければいかぬ。強く要望しておきます。 以上です。
○稲富委員 この際議事進行について発言いたします。 実は、今回の冷害災害の重大性にかんがみまして、さきに政府は、閣議において、しかも総理大臣の発議によりまして、政府に総合的な災害対策本部を設置するということを決定されたやに承っております。これに対しまして災害地の罹災者は非常な期待を持っておるわけでございます。しかしながら、本日われわれが承るところによりますると、この政府の災害対策本部というものは設置されないで、ただ農林省に設けられた災害対策本部によってこれに対する対策をやっているという程度でございまして、実にわれわれは遺憾に思うわけであります。特にわれわれは本日のこの災害対策委員会を開くにあたりましても、所管の大臣が出席せられないでこの委員会に対する政府の所信を承るということは、実にわれわれは不満でございますので、もっと政府の責任ある、しかも具体的な対策というものをわれわれも承りたいし、罹災者もこの際要望いたしておると思うのであります。そういう意味から、私たちは実に遺憾に思いますので、明日さらに災害対策特別委員会をお開きになりまして、責任ある総理大臣の出席を求めて具体的な対策に対する政府の所信を承りたい。私は、今日までのこの政府がとってきました災害対策というものは、非常に叫びは大きいけれども、実際において軽視しているんじゃないかという感さえ持つことは最も遺憾でありますので、どうかひとつ委員長において、明日の災害対策特別委員会においては特に総理大臣の出席を求めて、この災害対策に対する具体的な政府の所信を承るような処置をとられんことを希望いたしまして、私の議事進行に関する発言を終わります。
○楯委員長 稲富委員の御要望はもっともだと思います。農林省はきわめて熱心でありますが、政府全体としては、災害に対する関心が非常に薄いとの疑いを罹災者に持たれやすいと思いますので、あすは強力に総理大臣の出席を委員長から要請をいたしまして、御期待におこたえをいたしたいと思います。 先般来本委員会で調査を進めてまいりました豪雪等の異常気象による災害対策につきましては、大筋につきましては、昨日本会議において決議がなされ、個々の問題につきましては、本日各委員からきわめて熱心なる御質疑があったのでありますが、政府におかれましては、ただいまの御質疑、御要望の趣旨に従って、可能な限りの適切な措置を早急に実施していただくよう、この際委員長からも御要望申し上げておきます。 本日は、これにて散会いたします。 午後一時五十三分散会