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48回国会衆議院1965/04/01

災害対策特別委員会 第5号

発言数
135
登壇者
18
会派数
2
開催日
1965/04/01

会議録

楯兼次郎日本社会党

○楯委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。  本日は、先般の秋田県下及び近畿地方等における降雪による被害状況並びに和歌山県下における森林火災による被害状況につい て調査を進めることといたします。  まず、それぞれについて関係当局より説明を求めます。最初に、気象庁斉藤予報課長。

斉藤錬一運輸技官(気象庁予報部予報課長)

○斉藤説明員 大体の状況を申し上げますと、二月の下旬は、二十二日から三月の二日に至ります九日間、気圧配置は西高東低の冬の気圧配置がずっと続いておりまして、日本海側は毎日のように雪になりましたが、太平洋岸は連日乾燥の状態が続いておりました。それで、三月の上旬になりましてから低気圧が来ましたが、いずれも日本の本州をはずれまして、はるか南のほうあるいは北のほうを通過しまして、本州にはほとんど雨が降っておりません。それが三月の十二日になりましてかなり顕著な低気圧が大陸方面から南下してきまして、日本海を経て本州を横断して太平洋に出ました。この低気圧でもって関東から西のほうに驟雨が起きまして、そしてそのときに雷雨が発生しました。この間、近畿地方では、二月の半ばから、二月の二十二日を除きましてはほとんど雨らしい雨がございませんでした。そして異常乾燥状態が続きまして、気象台からは連日異常乾燥注意報が出されておりました。これがこの雷雨でもって三月の十二日に近畿地方に山火が起きたのであろうと思われます。  それから、近畿地方の非常に珍しい雪でございますが、これは三月の十五日に黄海方面から朝鮮を経て本州に来た低気圧が瀬戸内を通りまして太平洋に出ましたが、この低気圧は非常に珍しい低気圧で、上空に冷たい空気のかたまりが一団になってちょうどあわのようになって瀬戸内を通ってきて流れたのでありまして、このために九州地方では雷雨や雨を降らせましたが、瀬戸内に沿ってその冷たい空気が東に進むときに兵庫、大阪、奈良、和歌山にときならぬ雪を降らしたのであります。この雪は近畿地方では十六日晩から十七日の朝まで降りまして、大阪地方では十二センチ降りまして、十四年ぶりの雪になったわけでございます。  それから、二月の末から三月の上旬にかけましての秋田県下の雪につきましては、先ほど申しましたとおり、二月下旬からずっと西高東低の冬の気圧配置を示しましたので、連日のように雪が降りまして、三月の上旬まで引き続いて雪が降ったのでございます。降りましたのはおもに秋田県下が非常に顕著のようでございまして、ほかの地方は非常にまれに見る大雪というほどではなかったようでございます。  大体気象の状況はそのような状況でございます。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員長 次に、消防庁村山教養課長。

村山茂直自治事務官(消防庁教養課長)

○村山説明員 和歌山県の紀南山林の火災につきまして概況を申し上げます。  出火場所は、和歌山県の西牟婁郡串本町二色川上流でございまして、出火日時は三月十二日十一時、鎮火日時は三月十四日の二十時でございます。原因は落雷だと推定されております。負傷者は団員三名でございます。  このときの気象状況は、風向きが北々西の風、風速十六メートルないし十七メートルでございまして、実効湿度は六〇%でございました。なお、九日の九時に異常乾燥注意報が発令されておりまして、十二日の十二時に強風異常乾燥注意報が発令されております。  以上のような状態で火災が発生しまして、焼失面積並びに損害額は、串本町で八百三十四ヘクタール、四億八千四十六万四千円、古座町で六百六十七ヘクタールが焼失しまして、三億二千五十九万八千円でございます。古座川町では五百三十九ヘクタール焼失しまして、三億三千八百八十万六千円、計二千四十ヘクタール焼失しまして、十一億三千九百八十六万八千円が損害額でございます。  消防の出動状況は、串本町は、団員八百名が出動いたし、機材は、ポンプ車五台、三輪車一台、小型動力ポンプ十台、古座町では、二百名の団員が出動して、ポンプ車二台、三輪車一台、小型動力ポンプ十一台、古座川町では、百七十名の団員が出動して、ポンプ車一台、小型動力ポンプ五台であります。なお、応援市町村がございまして、那智勝浦町では百七十名の団員が出動して、ポンプ車二台、すさみ町では百六十名が出動、太地町では三十名が出動して小型動力ポンプ二台をもって防火に当たっております。  なお、十二日の十三時に県の災害対策本部が設置されまして、自衛隊の串本町寿江航空自衛隊第五警戒部隊七十名が、十三日十四時三十分より十四日正午まで防火線の設定に従事いたしております。  以上が概要であります。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員長 次に、農林省尾中参事官。

尾中悟農林事務官(大臣官房参事官)

○尾中説明員 私から、秋田における豪雪の被害と近畿におきます雪害につきまして簡単に御説明申し上げます。  秋田におきましては、二月から三月の上旬にかけて、奥羽山脈の山寄りの地帯、特に秋田県の南部におきまして例年に見ない積雪を見ておりまして、この結果、まだ雪が残っておりますのではっきりいたしておりませんが、果樹の枝折れとか裂傷、果樹だなの損壊というような被害、あるいはレンゲ等の飼料作物等についても被害が予想されております。現在農林省といたしましては被害額の実態把握に鋭意努力いたしておるのでありますが、何ぶんにも雪がまだございますので、今月の中下旬になりませんと、詳細な点についてはまだ判明しないというような状況であります。  次に、近畿地方における三月十六日及び十七日の降雪に伴う被害でございますが、これは雪と同時に強い風がございまして、森林の立木、それから農作物、果樹等の枝が折れたり、裂けたり、あるいはビニールハウスなり果樹だなが損壊をしたというようなことでございます。現在県の報告といたしましては、総額百億以上にのぼる損害があったということでございます。ただいま農林省といたしましても、統計調査部あるいは林野庁におきましてそれぞれ被害額の調査に当たっておる最中であります。これも今月の中旬ごろにははっきりいたすのではないかというふうに考えておるのでございますが、いずれにいたしましても、春先のぼた雪であるというようなことから、森林の立木、あるいはただいま申し上げました果樹等に対しては相当の被害があったのではないかというふうに考えております。関係県といたしましては、大阪、兵庫、奈良、和歌山、岡山、香川というようなところがひどいというふうに考えております。  以上、簡単でございますが、概況を申し上げました。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員長 次に、農林省田中林野庁長官。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 被害の状況につきましては、ただいま尾中参事官から申し上げたとおりでございまして、なお、和歌山県の火災については、消防庁の御説明のとおりでございます。  なお、火災の各県にわたる全貌につきましては、昨年の十一月からこの三月までの火災は、大体和歌山ほか十一県にわたっております。  それから、雪害につきましては、現在のところ、奈良県ほか九県にわたっております。被害の詳細につきましては、県を通じて目下急速にこの実態の把握につとめておるというのが実情でございます。     —————————————

楯兼次郎日本社会党

○楯委員長 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。辻原弘市君。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 ただいまそれぞれ関係各省庁から、三月にございました雪害並びに山林の火災についての概括的な状況を御報告になったのでありますが、私は、この二つの災害の問題につきまして、一つは、特に最近の火災が山の場合に非常に大型化してきておるという現況、また、一たび火災が発生をいたしますと、ほとんど現地においては手を施すすべがないという、今日各種消防施設、消防機材、また予防につきまして検討されておる段階であるのに、そういった現況にあることを非常に心配いたしまして、それらの防止に今後いかなる対策をもって臨むかということについて、いささか私見を申し上げつつ承ってまいりたいと思います。同時にまた、何さま貴重な国家資源、個人にとりましては貴重な財産が、一朝のうちに無に帰したわけでありまするから、それに対する今後の措置、事後の対策について、これまた具体的に各省庁から承りたいと思います。  いまも申し上げましたように、私の知る限りにおきましても、気象上のいろいろな変化はあるのでありましょうが、最近の異常乾燥の中で発生をいたしました火災を特にそれぞれ見てみますると、漸次被害金額が大きくなってきておる、被害面積が拡大をしておる。先ほど御報告のありました、また資料によって見ますると、昨年の十一月から本年の三月に至る火災件数がすでに十一件にのぼっております。なかんずく、三月十二日、十三日両日にわたりまして二カ所から発生をいたしました火災の総被害額が、一方は、先刻御報告のございました串本町、古座町、古座川町を一帯とする火災は約十二億円であります。さらにその翌日発生をいたしました熊野川流域、最も奥地でありますが、本宮において発生をいたしましたものもかなりの被害金額にのぼっております。両方合わせますと、一県における被害額としては戦後において二番目の大火ではないか、こういうふうに私は考えるのであります。したがって、こういう大火を未然に防ぐということが何よりも肝要であって、そのためのあらゆる措置が講ぜられておらなければならないのでありますが、遺憾ながら、火災発生時の状況、また鎮火をいたしました状況等を見ますと、串本町を中心にいたしまして発生したこの大火は、三日三晩燃え続けて、これは消火についての努力もさることながら、実際においては自然にある一定地域に達し、この場合は県道でありますが、県道の境に到達して初めて鎮火ができた、そういう状況であります。これでは、いわゆる消防の力でそれを最小限に食いとめ得たということにはならないのであって、私は、森林火災に対する警防の組織というものが一体現在どうなっておるのか、また、それに対して適切な指導、またそれを強化するための努力が今日行なわれておるかということに若干の疑いを抱くのであります。  そこで、具体的にお伺いをいたしますが、何よりも必要なことは、未然にまず火災を発見するという、そうした組織であります。いわゆる森林警防の組織、未然に発見するという組織がどういう形で行なわれているのか、この点についてひとつお伺いをいたしたい。  いま一つの問題は、一たび火災を発見いたしました場合、適時適切に所要の場所に連絡をし、また消火につとめるための最大限の機動力を発揮する、そういうような機材器具、また組織というものが現在かなり整っておるものであるかどうか、まずこの点からひとつ関係庁のお考え、また指導、そういうものを承りたい。

川合武消防庁次長

○川合政府委員 ただいま御指摘のように、山林火災、林野火災が非常に激増いたしておりまして、御指摘のとおりでございますが、さらに御報告をつけ加えさしていただきますと、昨年と比較いたしまして、昨年の一月、二月の合計が九百七十九件に対しまして、本年は千九百十四件でございます。なお、この傾向は毎年累増いたしておりまして、昭和三十四年ごろまではほぼ年間の件数一千件から二千件ぐらいで横ばいでございましたが、三十五年から非常に急激にふえてきておる状況でございます。  ただいまお尋ねのございましたこれに対します予防と申しますか、未然の早期発見の方法でございますが、率直に申しまして、従来からこの問題につきましては私どもも苦慮いたしておるところでございます。何ぶんにもおおむね二月、三月、四月というのが山林火災のシーズンでございますので、このときにおきまして私どもの消防機関のパトロールを強化する、ことに異常乾燥期におきまして強化するというような従来からの方法にとどまっておるわけでございまして、さらに何らかの新しい画期的な方法を検討しなければならないという点に苦慮しておるわけでございます。なお、機材、人員等の組織の問題でございますが、御承知のように、林野火災におきますところの方法は、非常に未熟と申しますか、未発達でございまして、お答えがちょっとはずれて恐縮でございますが、率直に申しまして。機材、人員という以前の消火方法という問題につきまして、現在まだわれわれの研究、消火方法そのものに非常に不徹底、不十分な点がございます。機材につきましては、たとえばこれに対しますところの資機材、ことにああいうような特殊な山林の地帯でございますので、これに対しますところの水を送ります可搬式ポンプ、あるいはこれは非常に原始的でございますが、水を背負って登っていく水のうの整備等、あるいは応急防火帯をつくりますための資機材というもの、そういう点につきましては各地の消防でもって苦心をいたしておるわけでございます。何ぶんにも、消火方法の点につきまして、率直に言いまして非常に不十分でございますので、これらの点につきまして、われわれとして努力しなければならない点がまだ多く残っておるというふうに考えておるのであります。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 概括的なことよりも、少し具体的に聞きましょう。私は詳しくは知りませんが、カナダ、それからアメリカ等では、これは規模が違いましょうが、広範な森林地帯に対しては常時パトロール制が組織として設けられておるやに聞いております。そういうことについて日本の場合必要がないのか。こういう火災が発生して一朝にして十億、十二億という被害を与えるということになれば、そういう組織を強化、活用することによって火災の発生あるいは火災の拡大を防止できるならば、これは国家的見地に立って見ても非常に大きな利益があると思うのです。そういうことすらまで検討されておらないというのでは、これは手をつかねてただ事態を見守るということにすぎない。そういうことについて何かくふうする余地は——これは消防庁の管轄ではないかもしれませんが、林野庁あたりでは何かお考えを持っておられないか。私は、官林と民林を見た場合には、これはいろいろな場合について言えることでありますが、官有林の管理はかなりうまくいっておるようであります。ところが、民有林の場合には、個人ではそういうことはできませんから、勢い国なりあるいは公共団体がそれにかわってこれをやるということにしないでは、とうていそれだけの負担にはたえられないと思います。ですから、主として問題は民有林の場合に非常に多いと思うのです。だから、そういう制度をつくるならば、民有林、官有林一体になってやるべきでしょうが、さしあたって民有林の地帯等について何か方法を講じないと、年々火災は大きくなりますので、予防措置あるいはそれに対する早期発見というような点に関して、何か林野庁ではお考えはないですか。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 お話の御趣旨は一々ごもっともだと存じます。それで、まず火災の早期発見の前にやはり一番大切なことは、火事を起こさないように入林者が心がけることが一番大切でございまして、今度の火災にしても、和歌山県で三件あるわけでありますが、そのうちの一件は落雷ということになっておりますけれども、その他の原因は、それぞれたき火、たばこ、そういった火の不始末からでございまして、やはり防火思想を十分に普及徹底するということが必要かと存じます。そういう意味合いにおきましては、林野庁では、山火の危険期になりますと、防火のポスター等を相当量民有林の側にも配付いたしましてその思想の普及につとめておるということが一点でございます。その次は、やはり天然林に比べますと人工林は、特に針葉樹は火災が起きやすいわけでございますから、そこで人工林をつくる場合にも、耐火力のあるような広葉樹等を混合して造林をさせるというようなこと、あるいは防火線の設定等も必要かと存じます。なお、さらに巡視人等の設置、これがやはり必要でございます。それで、国有林の場合にも民有林の場合にも、場合によってはそういうところがあるかと思いますけれども、愛林組合その他が地元で設定をされておりまして、それぞれ巡視をするということがございます。一方、国におきましても、まことにわずかではございますけれども、国の負担におきまして巡視人の設置をして、山火の予防と早期発見につとめておるということがございます。なお、早期発見の一つの方法としては、望楼の設置等も必要でございましょう。これもわずかではございますが、国の負担において望楼設置費を支出しておるということがございます。なお、いまのような異常乾燥の時期に際会したような場合には、警報旗の掲揚によって山林所有者あるいは入山者の注意を喚起するというようなこともきわめて有効な措置かと存じます。これもわずかでございますけれども、国の負担において設置をいたしておるというのが現在の実態でございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 いろいろ従来のあれが述べられたのですが、従来のあれでは効果がないわけですね。いまお話しのように、今度の串本町を中心にした火災は落雷であるという。これは明確にはわからぬでしょうが、その他の原因が発見されておりませんから、落雷に基づくものでありましょう。そういたしますと、これは単に防火思想ということだけではどうにもならぬわけです。ですから、早期発見、同時に早期に連絡をするということが一番必要であるわけですが、それについてかなり進んでおるかという問題ですね。私の見るところではこれは進んでおらないわけだから、何か新しく、いままでやっておったような方法に加えて、ひとつそういうパトロール的なものを制度化するか、さらには、それを連絡する意味で、それぞれの必要な個所に対しては無電連絡設備を置くか、そういう具体的措置をこういうことの貴重な経験にかんがみて検討するということでなければならぬというのが私の意見なんです。それについてどうもいまはっきりしたお答えがありませんでしたが、いま一度お考えを伺いたいと思います。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 その点につきましては、まことにごもっともな御意見だと存じますし、さらにもっと有効な対策について検討を加えたいと思いますし、さらに、いま申し上げましたような巡視人、望楼、そういうものの設備の強化もはかってまいりたい、こう考えております。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 先ほど消防庁からも説明があったのでありますが、今度の火災を見ましても、人員にして約千五百名以上が出勤しておる。またポンプ台数にしてもかなりなものであります。一般都市地帯であれば、おそらく、これだけの人員が出勤して消すのでありますから、かなりの効果があがる。ところが、さっきも申し上げたように、山の場合には、大勢の人が集まっても、人力だけではどうしようもない。またポンプを持っていきましても、ホースが短くて実際の火災地点に達しない。結局は伐採をして消火線をつくるということが唯一の消火方法になっているわけです。そういう点から、在来の消火組織、また消火機材、これだけでは山火事に対応する力を発揮することができないのじゃないか、これは常識であります。  そこで、消防庁においても、都市消防と違った面で、山林火災に対する予防措置については、できればひとつ科学消防を加えて、科学消防による消火ということにくふうをこらしてはどうかと思うのであります。せめてそういう地帯に対しては消火弾くらいのものは備えておくべきだと思います。  もう一つは、これは非常に具体的なことになりますが、在来の二百メートル程度のホースでは、これは全くの舌足らずですね。お役に立ちません。ですから、山火事用については、実際の機材のほうでそういうことができるかどうか、私も知識がありませんが、少なくとも四百メートル程度のホースは、経験上から見てどうしても必要に思います。そういうくふうをこの際こらしてはいかがかと思うのですが、そうした点について一ぺん消防庁の具体的な検討を承っておきたい。  それからもう一つは、今度の場合でもたいへんな人数を繰り出したわけですね。当該町村だけでなくて、他からの応援を求めて大勢の消防団員に出動していただいて、しかも三日三晩ですから、ほとんど不眠不休です。そういう出動に対して私も感じたことは、もちろん、消防組織、消防団のいわゆる公に奉仕をするという精神に出て非常によくやってくれるわけであるが、それに対してもう少し何か待遇の改善等についても考慮を払う必要があるんじゃないか。退職金制度ができたようでありますが、何かひとつほんとうにそれだけの労苦に報いるような国としての保障、こういうものを考えてもらいたいと思います。その点についてもひとつお考えを承りたい。

川合武消防庁次長

○川合政府委員 御指摘の点、私どもも非常に考えさせられる点が多いわけでございまして、実は先ほどからくどく申しますように、できれば、未発達の山林火災に対しまする消火方法につきまして、われわれといたしましてはこれに対する画期的な対策を立てなければならぬと苦慮いたしておるわけでございますが、まだ御披露するまでに至らない点もございますけれども、御指摘もございましたし、われわれの目ざしております点も若干申し上げさしていただきます。  外国におきましては、先ほどお話のございましたように、たとえばカナダ、アメリカ等、ことにカナダにおいては飛行艇あるいはヘリコプターを使っての方法というものが、早期発見のためのパトロールのみならず、消火のためにもこれを使っておるわけでございます。ただ、これは完全に消火の方法と申しますよりも、いわば上から水をたらしまして下での消火に対して水気を与えて援助するという方法でございます。われわれ聞くところによりますと、あちらには、池と申しますか、沼が非常に多いので、飛行艇がまいりましてその水を飛行艇のおなかでもって吸い取りまして、そうして上から水をたらす、それを繰り返すという方法をとっております。私ども現地の消防でもそれぞれ苦慮いたしております。たとえば本年に入りましてから、この間も、ある県、具体的に申しますと山口県でございますが、ここでは消火薬剤をまきましての演習で、ブッシュ程度でございますと一応の成果をあげております。ただ、これは各地の現地の消防にまかしてその努力に待ちますにはあまりに大きな問題で、かような点につきましてはわれわれ国の消防として助力すべき点であることを痛感しておりまして、私ども消防研究所でただいま落下方式の研究をやっております。実はこの落下方式は関東大震災級の大火災に対処する方法として出発したのでございますが、まさに林野火災にも適応するのではないかと思いまして、まだ学理の研究の点からあまり進んでおりませんが、しょっちゅうあります林野火災にこれを使うべく昨年度から研究をいたしております。ことしは相当大規模に実験をいたす予定でございます。それはロケットの固型燃料を使いまして、現在のものは約七十リットルくらいのもの、ノズルのついておる、スプリンクラーが逆についたようなかっこうのものでございますが、それを上から落としてやるという方法でございます。ある新聞には、奇想天外、こういうふうに出まして、私ども、まだでございますが、何とかしてまっこうから取り組みたいと思っておる点でございます。  お話のございましたホースの長さ、これもお話のとおりでございますが、ただ技術的に申しまして、あのような山岳地帯におきましては小型を持って行かないとなかなか消えない。現在の小型では、圧力の関係からいいましてあまり長いホースは技術的に無理でございますが、しかし、それも技術の問題でございますから、開発いたして克服していかなければならない思っております。  なお、これに従事いたします消防団員に対します処遇と申しますか、その問題でございますが、これもただ単に普通の火災以上に、あるいはことばを強めて言えば普通の火災と質が異なりまして、かような活動はいわば現地だけの問題ではなく、広く国家的に考えるべき問題であるというふうにも思いますので、普通の火災の場合と違う特別な処遇の方法を検討しなければならない。ただいま御指摘もございましたので、さらにその感を深くいたしておる次第でございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 私は、同僚委員からもいろいろお尋ねがありますから、あまりこまかい点に再三触れませんが、いまお話になったような、また私が申し上げたような点については、これは消防庁だけの問題で解決はできないと思いますから、したがって、山林について所管をされておる林野庁その他とも十分今後協議をせられて、都市消防と違った山林火災に対する予防あるいはそれに対する消火の方法等についてどうするかということをひとつ早急に御協議をいただいて、そうして今後のあれに備えてもらいたいということを希望いたしておきます。  次に私がお尋ねやら要望をいたしたいのは、出動に対する経費の問題でありますが、消火その他関連をするために相当ばく大な経費を当該町村が便っております。考えてみると、大体、かなりの山を所在地に持っておる公共団体というのは、いわばこれは山村僻地に類する地帯であります。そうなりますると、勢い、他に大きな産業はとてもない、いわば貧弱な町村であります。それがこういう火災、たとえばこの地域にいたしましても、十八年前に同様な大火があったわけです。そういうためにばく大な経費が必要であると同時に、国の組織があろうとなかろうとにかかわらず、やはり町村は町村としてこれらの山林を管理していかなければならぬ。そういう経費はばかにならない。そこで、そういった経費についてはその町村を困らせないように一体どうしてくれるか、こういう問題ですが、その点について、まず自治省は、一体防火に対して要した経費はどういうふうに町村に補てんをなさるおつもりであるか、これをひとつ聞いておきたい。  それからもう一つは、これは御研究を願いたいのでありますが、こういう声すらあるのですね。貧弱な町村で膨大な山を管理させられておる。ところが、その木を切り、実際の所得になる人は、大体日本の最近の——最近というか、昔からの状況を見ますと、その村に住んでいる人の所有山林というものは比較的少ない。よそに住んでいらっしゃる方のほうが多いわけです。そうすると、所得は他の市町村に持っていかれる。ある場合においては他府県に持っていかれる。管理はその町村にゆだねられておる。こういうことになるので、山林の所得、山林から発生する税については、何とかその町村に落としてもらうような方法はなかろうか、こういうことすら言われておるのであります。それほどこういう問題についても困っておる。したがって、いま申し上げました点について自治省としてはどういうお考え方で進まれるか、この点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。

岡田純夫自治事務官(財政局財政課長)

○岡田説明員 火災によりまして市町村が財政的に負担をする場合も少なくないであろうと思います。しかしながら、山林という性質も考えて財政措置をいたさなければなりませんので、公共施設等が火災でもって焼却いたしたというふうな場合には、それに相応した国庫補助あるいは単独災害の起債をもって対処することになると思います。  なお、先ほど消防庁のほうからお話もありましたような火災関係の消防の定員問題あるいは化学消防車といったようなものにつきましては、それに要するところの人員あるいは地方負担について、地方交付税算定基礎に算入するように、地方財政計画の策定の場合にもできるだけ考えたつもりでございます。なお、若干の対策費等につきましては、特別交付税等を年度末に査定いたす場合にも火災につきましては考慮いたしておりますし、今後とも十分関係方面からのお話をよくお聞きして、火災部門につきましてはできるだけのことをやることを考えていくべきではあるまいか、かように考えております。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 次に、火災の拡大の予防また鎮火について現実的に一番効果を発揮しているのは、消火線の設定であろうと思いますが、実際これは官有林の場合を見ますと、かなり区画については整然としております。ところが、民有林については、大小規模いろいろさまざまでございますから、なかなかこれは言うべくしてむずかしいが、しかしどうしても火災の拡大予防ということになりますると、消火線の設定ということがまあ現在としては非常に大切な問題であろうと思います。ところが、法的に見ましても、この消火線の設定ということにつきましては何ら強制するものがないようであります。しかし、密集しておる山林地帯については、ある一定の区域を設定して、できれば消火線をつくるという、そういうことが非常に望ましいと思いますが、何かこれについてはくふうをこらされておりますか、その現状は一体どうなっておるか、この点をひとつ伺っておきたいと思います。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 いまの先生の御質問に合うかどうか、ちょっと疑問でございますが、消火線ということが林野庁の所管かどうかということは別としまして、先ほどもお話が出ておりましたように、やはり私のほうでは林道です。林道ができる限り発達することが、こういうような火災の場合でもぜひとも必要かと存じます。それは尋常の場合にも、それからいざ大事に至ったときにも、やはり道路があることが効果を発揮するわけでございますから、そういう意味合いからいいましても、林道網の拡充ということについて一そう努力をしてまいりたいと考えております。これは林道としてできるだけ整備をしてまいりたいという考え方でおるわけでございます。  それから一方、先ほど申し上げました防火線の設定、これは山火を途中で防止するためにきわめて効果のある方法でございますが、防火線の設置について、現在の制度といたしましても、農林漁業金融公庫の融資の制度がございますので、そういう制度を山林所有者に活用してもらって、防火線の普及もあわせてはかってまいりたい、こういう考え方でおります。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 私が申し上げている観点と、お答えになった点とはちょっと合致しないようですが、林道のことはこれからまたお尋ねいたしますが、要するに、林道というのは消火に対する一つの手段である。しかし、林道それ自体の目的というのは、消火の目的ばかりではありません。したがって、林道が消火線になる場合もある。だから、そういうことの効用と兼ねて、要するに、奥地資源を搬出しやすいように、資源効果を高めるために林道をつくる、また一般の人の通行に便ならしめるためにつくる、そういう効用を消火線の効用とあわせて、いわゆる林道設定に対する計画と、これは治山治水の計画があるわけですから、そういう中に織り込んでいけるはずではないか。ところが、いまは、つくった結果として防火に役立ったというだけにすぎぬのであって、それではあらかじめの予防策ではないと私は言っているわけであります。しかも農林漁業金融公庫等の融資でもってやれるではないかというのだが、実際は、消火線ともなればかなりの幅を民有林の場合に切らなければならない。言うならば自分の個人の資産というものを公のために寄付してしまうのですから、それを単におやりなさいと言うた程度では、これはなかなかやらない。だから、最もこれはいい方法としてやるならば、一つの境界線なら境界線を設定して、その境界線から双方たとえば一間幅なら一間幅、二間幅なら二間幅で切れるような私道を何らかの形でやらなければならない。しかし、これは個人財産ですから、強制収用するわけにもいきますまい。単に、融資してやるからやりなさいでは、これは自分の負担になりますから、やりません。だから何かいいくふうはないかというのです。林道も確かに一つのやり方でしょう。そういうところに林道をつくらせる、そういうのも一つのくふうだが、しかし林道をつくれない場所もあるわけですね。林道をつくったって、本来の林道的意味をなさぬ場合もある。だから、そういうころには消火線の目的を主にしたそういうものをつくれないか、それをひとつくふう研究してもらいたい。ある人の説によれば、これは個人の財産また国家資源を保護するわけなんだから、当然法でそういうことを定めてもいいじゃないかという意見もありますけれども、これは憲法上の個人財産の侵害というむずかしい問題にぶつかりますから、私は決定的な意見を申し上げませんけれども、そういう意見すらあるわけであります。だから、その辺のところをもう少し、これは林野庁あたりも研究してもらいたい。林道のみならず、道が消火に役立っていることはこれは常識です。ですから、現在行なわれている林道、また一般的には補助林道、こういうものを大幅に拡充するということは申すまでもないことです。幸い、本年は新しくガソリン税の見返りとしてもかなり林道補助が増額せられておるわけだから、そういうものをも、やはり単に林道をつけるということばかりじゃなく、いわゆる消火に本来的に役立ち得るというところには優先的にこれを交付する、あるいは指導してつけさせる、こういうくふうも私は十分行なわれなければならぬと思うのです。これは私が質問して御意見を承っても、大体常識的なことですから、お答えは同じになると思う。要は、そういうことをくふうをこらしてやるかどうかという一点にかかると私は思う。  同時にもう一つ、幸い昨年法律ができて、いま地域の指定をやっておるようでありますが、建設省の所管にかかる例の奥地の産業道路、こういうのも私は十分防火についても役立ち得ると思う。一体それが現在どの程度まで進捗をしているか、また本年度の計画はどうなっているか、これもひとつ参考にこの機会に聞いておきたいと思うのです。

豊田栄一建設技官(道路局企画課長)

○豊田説明員 お答えします。  ただいま、奥地等産業開発道路の政令事項の基準のこと、それから地域の指定、これは公布されまして、地域といたしましては、全国で七十三地域、面積にいたしまして内地の二七・三%が指定されました。その七十三地域につきましていま路線の準備をいたしておるわけでございます。これは関係省庁並びに関係都道府県の意見をいま聴取しておるところでございまして、おおむね作業はまとまりつつある段階でございます。予定といたしましては、ちょっと端数が出ますが、大体二千キロくらいが指定される予定でございます。予算につきましては、四十年度につきましては十六億円を予定しております。それから、先般きまりました五カ年計画におきましては、総額として百十億を見込んでございます。  以上、簡単でございますが……。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 それじゃ次に進みますが、雪害、それから火災を合わせますると、これは相当以上の被害であります。雪害関係府県、先ほど御説明のありましたように、約十七府県のうち、かなりの被害のあったのが六府県になっておりますが、そういう被害を総額いたしますと、雪の被害で、資料によれば百二十三億、それから火災については約十五、六億になると思います。したがって、総合いたしますると、これは当然、災害基本法から発した激甚災害に相当するのではないか、私はこういうように思うのでありますが、その点、政府としては、今回のこれらの災害に対して激甚地の指定を行なうお考えはないか、この点を伺っておきたいと思います。実際これだけの資源を焼いたのでありますから、事後の復興ということについてはなかなか至難であります。造林意欲すらも今日低下いたしまして、もう二、三年はやむを得ぬからほっておこうではないか、こういう声すら出ておる状況でありますから、できれば何とか国の援助によって再び国家資源として十分に活用できるようなそういう方法を講じていかなければならぬと思うので、この際激甚地の指定をしてもらいたいということが私の希望する大事な点であり、この点についてはどういうふうにお考えになっておるか、お聞きしたいと思います。

久宗高農林事務官(農林経済局長)

○久宗政府委員 今回の雪害につきまして、先ほど担当官から申し上げましたように、計数の整理を急いでおるわけでございますが、激甚法の適用につきましては、御存じのとおり基準がございますので、計数の整理を急ぎましてその上で検討さしていただきたいと思うわけでございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 いま大ざっぱにわかっている点での見通しはどうですか。  それからもう一つ、これは私は事務的にはわかりませんけれども、一都道府県に、雪の被害、それから火災の被害等重なっている場合に、当然合算をしてそれらについては考えらるべきものだと思いますが、その点についてはどうでしょう。

久宗高農林事務官(農林経済局長)

○久宗政府委員 被害の総額に一応の基準を当てはめまして激甚法の適用をいたすわけでございますので、ただいまの段階では、県の報告は大体お伺いしておりますが、なお統計調査部の調査、並びに林業関係につきましては、先ほど申し上げましたように、林野庁が県庁と御連絡をいたしまして数字を調整いたしまして、その上でないと確実な御返答ができないわけでございます。ただ、県の数字によりますと相当大きな被害になっておりますので、私どもといたしましても、計数の整理を急ぎまして、できるだけ早い機会に態度をきめたいと考えているわけでございます。  それから雪と火災は合算はできないわけでございます。これは別になりますので、合算するわけにはまいりません。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 いままで各都道府県が出した被害額を、実際国がやる場合には、相当大幅に、これを内輪に見てやっているというのが通例であります。しかし、今回の実情等を見ますると、これは実際その面積だけは焼けておる、あるいはその面積だけは雪折れが生じて、実際効用はなさぬわけですから、そういう点については私は大きな隔たりはないと思うのです。そういう場合、国として調査をやられる一つの心組みとして、なるべく減して国から出す金を少なくしようなんというけちな考え方ではなくて、国家資源をできるだけこの機会に国の力でもってひとつ立ち直らせよう、そういう大局的見地から私はやるべきだと思う。  それからまた、雪と合算できないという事務的な見解は、これは決定的なものではないと思うのです。そういうことも、ただできないということではなくて、これは先ほど来私が再三再四申し上げているように、こういう場合には、考えというのは、皆さんも私も、何とか復興さしていこう、何とか早く立ち直らせていこうというのですから、できればその立ち直りについて大いに役立つ方法をとったらいいのです。事務的なささいな点にこだわるべきではないと思う。そういう点はひとつ十分考慮して——すべて事務的に扱うというのでは、こういう災害特別委員会を持ち、しかも現地の調査まで行なってこれからひとつやっていこうということにはどうもオクターブが合わぬですね。だから、そういうことは、単に事務的な観点ではなくて、もう少し大きな観点でやるように、これはひとつ私から要望をしておきます。  次に、具体的なこれからの復興の措置について少し承りたいと思いますが、まず、雪にいたしましても、それから火災にいたしましても、当然被災者が一番最初に望んでいることは、かけている保険を早くほしいということです。だから、国営保険、また共済制度に基づく給付金等をできるだけすみやかに交付するということが、私は当面のあれとして待ち望まれていることではないかと思うので、その点についてすでに調査はやられているように聞いておりますから、一体雪折れ、雪による被害の場合の保険対象はどの程度になるのであろうか。先ほどのお話では、まだ正確な調査ができておらぬということでありますが、大ざっぱでけっこうであります。きょうこういうふうに数字を並べたからというて、それを言質にするわけではありませんから、おおむねの見込みをひとつ聞かしてもらいたい。それは雪の場合についてどうか、それから火災の場合について、これはその被害面積に対して、また被害件数に対して大体どの程度保険がかかっておったか、これをひとつお知らせ願いたいと思います。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 今度の火災あるいは雪害による保険金の支払いについては、急速にその事務を完了するように各県とも鋭意努力をいたしておりますし、それから林野庁といたしましても、そのピッチを上げるために、県の要請があればすぐ中央から出向いていくという体制をとっております。  それで、後段の御質問の、火災と雪害に分けてその総契約金額は幾らか、また総契約高の何割に当たるのかという御質問でございますが、これはまだ町村の段階でその実態を把握いたしておりませんので、お答えを申し上げる段階ではございません。これは和歌山県の火災の分につきまして、三月十二日の落雷、この分だけでありますが、三百件で二百十三ヘクタール、保険の見込みが八百五十二万円でございます。それから三月十六日のやはり和歌山県の広川町の分、これが七十五件で四十八ヘクタール、これは百九十万円。和歌山県の火災についての分だけ申し上げますと、そういうことでございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 事務的に時間がかかるようですから、私もおそいとか早いとかは言いませんけれども、そういう点についてはもう少し実情を把握してもらいたいように思います。  なお、いまの和歌山県の落雷による三月十二日の火災について答えられた金額を見ても、いかに実際の被害と隔たっておるかということが一目瞭然であります。被害額が約十二億に対して保険金額が八百五十二万円というのですから、全く九牛の一毛、はたして保険がこういう場合に役立ち得るのかという疑問も生じます。しかし、これは個人の契約によるものでありますから、ここでだれを責めるというわけにもいかぬでありましょうが、私はこういう実際の結果を見て考えることは、国営保険の制度があり、共済の制度があるのに、全部これには加入しておらない、しかも長期にわたっての契約をしておらぬ、そういう実情があるのではなかろうかということを推察するわけであります。したがって、火災の頻発している状況にかんがみて、今後もう少しいわゆる保険契約というものを促進する必要がある。それについて林野庁は具体策を持っておられるか。どうもいまのようなお話では、あまり促進しているようにも見えない。これはもう少し考える必要があると思います。特に造林については補助も出しているのですから、保険料金の納付というようなことは、ある場合にはそういう補助金等との差し引きなどによって、簡便、簡素、そういう方法を考慮すれば、もう少し加入高というものはふえると思います。それらについて一体促進の具体的措置というものはおとりになっておられますかどうか、この点もひとつ承っておきたい。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 森林国営保険につきましては、年々その加入者がふえていることは事実でございますが、今回のような場合に対処してさらにその加入を増進していくようなPRを徹底してまいらなければならぬ、こう考えております。そのために、保険加入のパンフレットあるいはポスターあるいは映画あるいは放送等で、森林所有者のためになることの趣旨を十分に徹底しておりますし、今後もさらにそのPRの強化を進めてまいりたいと思っております。  なお、その保険に加入いたしましても、大体五年生未満での契約が多くございまして、保険契約面積の大体八八%は五年生以下の造林地ということに現状はなっております。保険の制度としてはその樹齢に制限はないわけですから、ことにその価値がようやく上がってくるという壮齢期の造林地に対してもその保険制度を活用するようにさらに趣旨の徹底をはかりたい、こう考えております。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 それから保険の支払いについてこういうことは考慮されているかということですが、要するに、一部被災については、これは減額という措置が保険上とられるようであるが、その場合に、実際の山火事というものは、一部の被災があっても、残っている木そのものについての価値は、市場性から見るとかなり下がるのであります。したがって、一部被災だからというて、その残存木を正当に従来の市場価格によって評価するというようなことになりますと、実際の被害にマッチした保険金の支払いはできないと思うので、残存木の市場価格の低下というようなことについては十分考慮されて保険金を支払ってもらいたいと思いますが、この点についてはどうですか。

園井明正農林事務官(林野庁指導部森林保険課長)

○園井説明員 ただいま御質問の点につきましては、商法の規定によりまして実損を補償するというたてまえになっております。したがって、ただいま御質問にありましたような点は十分考慮されて、実際の損害は保険金額の限度まで調査いたしましてお支払いをするということになっております。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 時間がございませんから、できるだけ急ぎますが、次に、今後の問題はできるだけ早い機会に造林をしていただくということ、被災者及びそれに関係する地方公共団体あるいは森林組合等に努力を願ってできるだけ早く造林をしていただく、こういうことなんですが、造林補助については、現行制度によると四割補助金が交付されているようであります。国が三割、県がそれに対して一割、しかし、実際交付をしておる額を見ますると、一般的な造林の経費に対しては四割をはるか下回っているようであります。したがって、これは何とか四割は正当に四割として保障するような方法を講じなければならぬと思います。そのために、一つとして、雪の場合、雪起こしについては相当経費が必要であり、また、雪も火事も、あと地の取り片づけについてもかなり経費がかかります。それから、森林そのものがそういう被害を受けたのでありますから、森林それ自体の力というものが非常に減退低下をする、そういういわゆる林力の回復ということについてこれはかなり力を注がなければなりません。たとえば焼けあと等については、これは経験のある人の意見を聞くと、まず焼けた山は三年くらいはどうにもならぬ、草をはやしてその間待たなければならぬ、こういうことを言っているようであります。したがって、そういう直接植栽、植林にかかる経費以前のそういった特別な経費については、当然これを造林費として算定し、造林費として認める、こういうことでいかなければならぬと思いますが、その点について、補助金算定の場合にそういう考慮を払いますかどうか、これを承っておきたいと思います。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 火災とそれから雪害のあとの再造林の造林補助の問題につきましては、これは林野庁といたしましても、できる限り救済の手を伸べて、罹災者に満足のいくようにしてまいりたい、こう考えておりまして、この再造林費については、通常採用される単価を上回った単価で補助をいたしたい、こう考えております。なお、再造林については、小造林の場合、農林漁業金融公庫の融資の道もございますし、これは三分五厘の低利の資金で造林することができる、しかも手入れの道もその融資の中で開かれているということになっているわけでございます。それから、焼けあとについて、林地が非常に荒廃をしたから造林の活着の見込みが薄いのではないかという点で、それを何か肥料とかそういうことで活着し得るような状態に持ってまいりたいという点につきましては、なお現地のほうともよく相談をいたしまして、そうして造林の補助の単価の決定について検討をいたしたい、こう思っております。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 もう一つ、ぜひ必要なことは、それは植えるときにたいてい補助をもらっておる、それが幼齢期あるいは壮齢期に至って焼けた、あるいは雪によって被害を受けた、そういたしまして次の段階での造林は、もし補助が受けられぬということになると、これはなかなか自力ではどうなるものでもありませんから、したがって、制度としてもあるようですが、いわゆる再補助ですね、再補助については、現行制度を聞いてみますると、四割に対する六割になっておるようでありますが、四割それ自体すら、実際上、先ほど申し上げたように四割をはるかに下回っておるのですから、さらにそれの六〇%ということになると、これはほんとうに少ない額になる。それではとうてい造林者に意慾を呼び戻すことは非常にむずかしいと私は思うのです。そこで、再補助についても、新しく造林をするというたてまえと同じような補助方式をこの際おやりになってはどうか、こういうように考えるのです。その点について、そういう御意思がありますかどうか。  同時に、融資の場合もいまお話に出ましたが、融資についても現行の制度を少し改善してもらいたい。町村営の場合は大体一〇〇%見ておるようであります。ところが、個人営の場合は大体まあ八割というのが通例になっておるようでありますが、それでは困るのであって、公共団体営であろうとも、公共団体の所有であろうとも個人所有であろうとも、山林資源というたてまえからこの際としては融資についてもそれぞれ一〇〇%見る。それから融資の再融資ですね。補助で申し上げた再補助と同じように、融資についても、再融資の場合にはうんと額を減らすのだということではなくて、同様一〇〇%の再融資を行なうべきだ、こういうように私は考えます。この点についてどうでございますか。これを第二点として伺っておきたい。  それからもう一点は、焼けたりあるいは雪折れをしたりいたしまして、持っておる山林それ自体の物件価値というものは大幅に減少しておる。そういたしますと、融資を受けたりする等の場合には、当然これは担保物件ということになると思いますが、そういう災害を受けて担保物件の価格が非常に低落しているような場合、あるいはそれによって変更を生じておるような場合、その手続が煩瑣なために非常に手間どるということは、これはたいへん困るわけです。したがって、そういう担保物件に変動を来たしておる等のための条件変更等の手続はぜひともこれは簡単にやれるような措置をとってもらいたい。  以上三点、融資、補助について、いまさしあたってぜひともそういう改善、またこういう方法をとってもらいたいという点を申し上げて、お答えを願いたいと思います。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 造林補助のほうについて申し上げます。  いまお話しの再造林の補助については、お説のとおりに、基準の単価に四割がかかり六側がかかる、それを六割をかけないで何とか持っていくように努力したい、こういうふうに考えまして検討しております。  あとは経済局長からお答えします。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 いまの諸点について大蔵省の考えを聞いておきたい。

宮崎仁大蔵事務官(主計官)

○宮崎説明員 災害あと地の造林につきましては、大体通常の場合は農林漁業金融公庫の融資によって措置するというのがたてまえでございますけれども、いま林野庁のほうからお話がございましたように、過去の伊勢湾台風とかあるいは三陸のフェーン現象による火災というようなものにつきまして、通常の造林補助よりも優遇した補助をした事例がございます。今回の災害につきましても、現在林野庁のほうで実情を調査中でございますが、何か補助の措置を講じたいということで御相談がきておるそうでございます。この点は実情の調査を待ちまして私のほうとしても慎重に検討したい、こういうふうに考えております。

久宗高農林事務官(農林経済局長)

○久宗政府委員 先ほどの融資の関係でございますが、御指摘のように、公有林関係は一〇〇%でございますが、その他の関係が融資率は一応八〇%になっておるわけでございます。ただ、この分につきましては貸し付けの限度額をきめておりませんので、融資率八〇%といいますと、限度をきめておりませんものとの関連から申しますと、私どもとしては、やや優遇されているというふうに見ておるわけでございます。そこで八〇%の融資率を現在いじるということは考えておらないわけでございますが、なおよく検討いたしたいと考えております。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 それから担保条件の変更は……。

久宗高農林事務官(農林経済局長)

○久宗政府委員 担保条件の変更の問題につきましては、各金融機関の運用の問題になるわけでございますが、実際におきましては、さような被害を受けられた場合のあとのことを考えまして、個別にその事情に即しまして各金融機関でできるだけ御便宜のはかれるような措置を考える以外に方法がないというふうに考えております。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 融資の再融資、それから補助の再補助等についての条件の悪いところはまだ決定的に結論が出ておらないようでございますが、私が要望いたしましたように、実際上初めて補助を受けたり初めて融資を受けたりすると同じ程度の融資、補助額に見合うように、その点については大蔵省も十分現地の事情を勘案をして研究したいというのですから、林野庁も、それ以上の意思はないというようなへっぴり腰で言わずに、もう少し努力すべきですよ。これは造林という一つの特殊な問題を考えたときに、初めての補助も再補助も同じ観点に立たなければいかぬと私は思うのです。通例出している補助とは違うのです。焼けてしまって何にもない、雪で折られてしまって根こそぎやられて何にもないのですから、それではそれでよろしいかというと、それでよろしいのではない。いま国の森林資源が非常に欠乏して、外材をどんどん入れておる、そして木材の市場がたいへんな流動期にある。そういう中で、少なくとも国内資源を充実させていかなければならぬというのが、林野庁の基本方針でなければならぬ。そうすると、焼けあとを早く復興させる、雪でいたんだところを早く植えさせる、これが当然あなた方の任務でなければならぬ。それを、一たん補助を受けたから、一たん融資を受けたからということで条件を悪くして、そうでなくても意慾の低下する人々に失望を与えるような政策は国としてとるべきではない。その点、いまの経済局長のお答えははなはだ消極的であったが、もう少し努力をしなさい。先ほどから私はいろいろ質問しておりますと、あなた方の答弁は積極的な意慾に乏しいですよ。もう少し前向きでものごとを考える必要がある。これを私は強く要望いたしておきます。  次に、税の問題について伺いたいのですが、災害を受けますと、当然、個人の場合は所得が減じます。そういう点についての配慮を具体的にどうしますか、調査をやっておりますか、これが一つ。  それから、先刻もちょっと自治省にお尋ねをいたしましたが、当然当該地方公共団体では税が減収いたします。それについての補てんはどうなさるつもりか。  この二点を明らかにしておいてもらいたい。

岡田純夫自治事務官(財政局財政課長)

○岡田説明員 税につきましては、激甚災に指定されました場合には、その減税、これは政令で基準がございますが、被害によるところの減収分については特例債の発行を認めます。特例債については、さらに特別交付税でもってその償還額を全額措置する、激甚災に指定されなかった場合には、一般的な財政援助によって解決する、かようになっております。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 個人の場合には……。

宮崎仁大蔵事務官(主計官)

○宮崎説明員 国税庁あるいは主税局からお答えを願う問題でございますが、御承知のとおり、災害によりまして損害を受けました場合におきましては、現行制度におきましても、災害減免法あるいは所得税法上の雑損控除というような形で、それぞれその損害を所得の計算から落とすようになっております。今回の災害につきまして具体的にどういう措置がとられておりますか、私承知しておりませんけれども、従来ともこういうものにつきましては確立した方針がございますから、それによって遺憾なく行なわれるものと考えております。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 たいへん時間をとりましたので、最後に一点、これは労働省、林野庁両方に伺っておきたいのであります。それは、先刻もここで陳情の中に強調されておったようでありますが、最近、災害発生という事態以外にも、全般の傾向として奥地山村の労働者が非常に減少しております。都市への移動で、非常に労働者の確保に困難を来たしておる、こういうことで、普通の場合においても山林の保全ということにこと欠いております。同時にまた、災害復旧というようなことにつきましても非常に難渋をきわめておるのであります。したがって、労働者を確保すると同時に、その前提となる労働者の処遇というものについてもう少し国としても考えていかなければいかぬと私は思っております。私自身も、過去十数年、国会においてもこのことを力説してまいりました。その中で、特に今度雪の災害また火災を受けて非常に痛感をいたしましたことは、そういう状況の上に、さらに、山を切る、材木を搬出する等の仕事がその地域においてはたちどころになくなるわけです。直ちに山林の所有者も困ってくる。同時に、労働者もあげていま難渋をきわめておる。そこで、せめて山林労働者に対する失業保険の制度を最大限に国としても奨励をし、活用し、適用していくべきではないかと思うのです。一昨年であったか、その特例法が制定をされまして、われわれもこれに大いに賛成をすると同時に期待をしておったのです。ところが、現地について見ますと、なかなか伸展をしておりません。その内容はもちろん一般の失業保険に比べて非常に貧弱なものであるが、その貧弱な内容を持っておる失業保険制度すらほとんど適用されておらない、ほとんど実施されておらない。これは一体どういうことかということを私は申し上げたい。主管する労働省は一体どういう考え方を持っておるのか。法ができてからもうかなり時間がたっておるのに適用されておらない。ある場合には、それを現地において取り扱っておる安定所の職員が不足しておるから、保険料を集めて回るわけにはまいりません、あるいは金額を支給するのに非常にこと欠きます、便利なところであればできますが、非常に不便なところですからというような回答が聞かれる。これはおかしいと思うのです。不便であり、そういう人員がなければ、人員を増せばよろしい。一体実情はどうなっておるか、一体今後の趨勢はどのようになると見通しをしているか、この辺について労働省のはっきりしたお考え、また林野庁のこれに対する見解も私はあわせて聞いておきたい。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 いま御質問の失業保険制度の活用等については所管省からお話があると思いますけれども、奥地山村の労働力の流出につきましては、これは山村振興の対策として取り組まなければならない重要な問題でございますが、その中で、林業の立場で申しますと、やはり林業をできるだけ振興することでその山林の職場というものを働く人の魅力ある場に持っていくように努力していく、そうして仕事をできる限り通年化することによってその確保をはかりたい、こういう考えでございます。なお、いまお話の中にございましたが、火事あるいは雪害あと地のあと片づけその他の労務者の問題については、県とよく相談してまたその対策を立てていきたいと考えております。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 これはまた林野庁にも私は聞いておいてもらいたいし、かつてそういう意見をしばしばあなたの前任者なり前々任者に言ってきたのですが、国有林の労働者の場合には、たとえば失業保険その他のいろいろな保障については、これは国の公務員に準じて行なわれておりますから、現地に参りますと、まあまあ民間に比べて比較的よろしい。ところが、民間の場合にはほとんどそういうものがないために、現実に、いま申したように、こういう災害発生時以降に直ちに職を失う。どうしようもない。しかたがないから、また都会へ出る。それがはね返って、奥地において造林その他に従事する労務者が非常に減ってくる、こういう悪循環になる。だから、そういう点をもう少し、所管省ではないが、ひとつ労働省とも協議をして、民有林、国有林の間の労務者に差異がないように何か方法を講ずべきじゃないか。もちろん、たてまえが違いますから、すべて条件を同じくしろということはできないと思うのですが、それに近づけるための努力、これは私はできると思うのですね。かつて、山林労働者の場合をながめますと、労災保険すら適用されていなかった。これをやかましく言って、今日大体労災保険が適用されるようになりました。ところが、いま失業保険については、制度はできたが、実施はされておらぬというのが実情です。だから、そういう点をもう少し林野庁も現地の意見を聞いて改善を加えていくべきじゃないか。一つの課題とすべきじゃなかろうか。あなたは国有林の管理者だけじゃないと思うのです。少なくともわが国における山林行政のすべてをつかさどるということになれば、重要なそれのにない手である労働者に対する施策というものを、労働省にまかせておけばよろしいということにはならぬ。何かそういうことで研究されたことがありますか。聞かれたことがありますか。私はしろうとだけれども研究しておりますよ。この問題についてどうですか、林野庁長官。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 林野庁としましては、言うまでもなく、国有林のみならず、民有林の行政指導の責任に任ずるものでございますから、その両方を通じてその労務の問題を考えているわけでございます。そこで、この失業保険の適用問題につきましては、国有林の場合には、国の行なう事業でございますから、当然適用になっているのに比べて、農林漁業は御承知のとおりに任意適用になっておるという点が、まず国有林と違う点であります。ことに、何といっても、山林の経営者あるいはそれに雇用される者、それぞれそういう制度についての理解も十分でないという面もあるし、それからそういうことで国有林のように徹底していないということは考えられますが、せめて離職率五〇%以下のものはこれを適用するようにというようなことの交渉等も、過去において民有林労働者のために努力してまいったわけでございます。そういう意味合いにおきましては、昔に比べますと相当普及はしておる、こういうふうに考えております。しかしながら、いずれにしましても、林業労働者の処遇の改善については、いまの林業基本法のたてまえからいきましても、今後大いに努力をしてまいらなければならぬ、こう考えております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 関連して田中林野庁長官にお伺いをいたしたいわけですが、いまの御答弁のようなことじゃなくて、もっと積極的に取り組んでいただかなければ困る。いま離職率五〇%のお話が出ました。この離職率五〇%を労働省はさらに過酷にしようという計画をいま持っております。前にお話しになったかもしれないけれども、そのようにもっと改善しなければならないのに、改悪をしようという傾向が労働省にある。そういうときに、林野庁長官が、民間の山林関係に働く労働者のために、そのような改悪をされては絶対に承知ができない、改善をすべきだということを強力に主張される時期に当たっております。現にこの三月、四月に労働省はそれを考えておる。だから、そういうようなのんびりしたことではなしに、林野庁長官は、国有林の労働者については、先年から言われておるように、通年雇用ということをどんどん進めていただかなければならないし、また民間の労働者に対しては、そのように改悪をされようという時期に、改悪を食いとめて、さらに積極的にやるために、至急にこの時点においてその問題を主張されないと、ほぞをかむことになろう。それで、五〇%の問題と日雇い失業保険の適用の問題と、個々によって違いますけれども、この問題をすみやかに進めていただくために決心をなされて、いま辻原委員の言われたことを即刻進めていただく必要があると思う。それについての林野庁長官の決心のほどを伺っておきたいと思う。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 労働省が参っておりませんから、労働省に関する部門は、来てからまた若干時間をいただきたいと思いますが、いま八木委員の言われたように、これは奥地山村を持つわれわれとしては多年の念願であります。何とかして、災害発生時のみならず、たとえば長期にわたる雨季あるいは雪、こういうふうな時期なり、あるいは民有林の場合にはその経営者の考え方によって山を切ったり切らなかったりする、そのつど失業が発生する、こういう問題を防止して、労働者の奥地においての生活基盤というものを安定させたい。これはもちろん労働者の生活権を擁護すると同時に、大きくは、さっきも申し上げたように、何としてもいま手不足になっておる奥地山林労働者をその地に定着させる一番大きな方法なんですから、そのことについてはもう少し積極的に取り入れてもいいじゃないか、こういうことを私どもは常日ごろから考えておる。五〇%の離職率がなければとか、あるいはいろいろな諸条件を満たさなければ適用しないなんということは、これはできるだけ適用者の数を減らしていこうという考え方に立つものです。そうじゃなくて、私どもは当初から一般の失業保険と同じような内容を備えろということは申しません。しかし、少なくともそういう日雇い労働者に適用されるごとく指導しろというのです。そのことを林野庁においても十分銘記しておいていただいて、労働省と積極的に交渉すべきだと思います。現在後退をしております。法ができたときには非常にかっさいをもって迎えられた。ところが、現在停とんしておる。のみならず、後退しておる。この実情をよく調査していただきたいと思います。  最後に、私は先ほど税の問題、融資等の問題についてはいろいろ伺いましたが、結局は、この災害について、局地的ではあるが非常な災害であるという認識に立って、激甚地災害としての指定を行なわなければ、いろいろ議論をいたしましても、実際被災者に対して手を差し伸べるということは不可能なのでございます。したがって、すみやかに調査をされて、そしてできるだけ被災者なりまた山林という特殊な事情に立って、十分それらの事柄が適用になるように好意的に御検討また法の適用をお願いをいたしまして、また先刻私がお尋ねをいたしました諸点については、まだはっきりした答えの出ていない点もありますが、そういう点については、要望申し上げました趣旨にのっとってできるだけの努力を関係各省において払っていただきたいということを私は要望いたしまして、たいへん時間もとりましたので、この辺で本日の質問は終わっておきたいと思います。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 いまの八木先生の御質問に対してお答え申し上げます。  その労働省の失業保険法の改正案については私はまだ存じておりません。それで、その案が出ました場合によく検討いたしたい。いま林業労働者は、先ほど来お話が出ておりますように、もろもろの社会保障制度にも十分に恵まれていないという立場にもあるし、したがって、そういう観点に立ち、また林業経営自体の改善ということから、この林業労働に従事する者の改善ということもあわせ考え、そういう法の改正等については、その内容がわかりましたら、よく検討いたしたい、こう思っております。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員長 森下元晴君。

森下元晴自由民主党

○森下(元)委員 ただいま辻原先生から、山林火災それから異常降雪に対する質問がありましたが、これに関連いたしましてごく簡単に御質問、御要望をしたいと思います。  山林火災につきましては十五億から十六億、雪害につきましては百二十三億、合わせて百五十億に足らないということで激甚災害の指定を受けられそうもないというような悲観論なんですが、この災害の問題は、ただ農林災害だけじゃなしに、いわゆる民生安定という面についての、政治全般についての一つの災害対策じゃないかと私は考えております。と申しますのは、森林というものはわが国の唯一の民族資源である。いろいろほかに民族資源はございますけれども、森林資源が戦後の復興から、また将来の資源として重要な価値のある問題である。しかも山村をかかえまして、どうしても林業対策というものは民生安定上大切でございます。そういう意味合いから、ただ林業災害ということのために、小さな災害として、これが激甚災害としての指定も受けられないということに対しまして、再度、私はぜひ激甚災害として取り扱いをしてもらいたいと思うわけでございます。特に林業と申します業態は、三十年、四十年先の日本を信用する一つの長期産業でございまして、最近の外材輸入の激増、また社会不安によりまして非常に植林意慾が減退しております。昨年も苗木が一億二千万本も余った、また今年の春もおそらくそれくらい余るのじゃないかといわれるくらい植林意慾は減退しておる現状でございまして、こういうような火災並びに異常降雪による災害を一時も早く激甚災害として取り上げることが民生安定上必要であると思っております。それで、林野庁長官も、この問題を機に、ひとつ植林意欲を増進さすために前向きで取り組んでもらいたいというわけでございます。これに対しまして長官の御答弁をお伺いしたいと思う次第でございます。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 激甚災害の指定の問題につきましては、先ほど久宗経済局長からもお答えがございましたように、農林省としてはいまそういう態度でいるわけでございます。  それから造林意慾の停滞につきましては、結局切ったけれども植えないということではなくて、問題はやはり需要の問題でございまして、それが停滞しているのは、拡大造林の面で停滞しているというふうに考えていいのではないかと思います。そこで、拡大造林のために林相改良として伐採される上木がやはり比較的低質であるということもございまして、そういうものの需要が停滞しているために、切らないからまた造林もしないということがあるかと存じますので、そういう面の利用の増進等をいろいろくふうしなければならないということと、やはり何といいましてもそういうものが安く搬出されるような林道の整備であるとかその他機械だとか、コストの低下をはかり得るような道を講じまして、そうしてまず上木が利用されてまいりますれば造林はあわせて促進をされるであろう、こういうふうに考えている次第でございます。いずれにしましても、将来できるだけ成長力の大きな造林にできる限り日本全体の森林を拡大していくということで外材に対抗する必要がありますので、その点については今後とも鋭意努力をしてまいりたい、こう考えております。

森下元晴自由民主党

○森下(元)委員 ちょうど私も異常降雪のときに大阪におりまして、ああいうぼた雪と申しますか、べた雪と申しますか、山林にたいへんな災害があるだろうというようなことで私もそのときに感じたのですが、私の予想が当たったと申しますか、こういうような奈良県、和歌山県、京都府に大きな雪折れの災害があった。  なお、火災につきましても、私自身消防団の一員といたしまして山林の火災の現場へ行ったこともございます。このごろ山林の火災は、一般の消防と違いまして、現地が非常に急峻な山地の場合が多いわけでございます。林道もほとんどないような地域も多いわけでございまして、ともかく現場へ行くのに二時間も三時間もかかるというようなことで、いろいろ応援がありましても、ただ行ってうろうろしておるというようなことで、ほとんど効果があがっていないのです。と申しますのは、山林火災は、防火線を切るとか、またそのための労働に対するいわゆる食糧を運搬するとか、いろいろ一般の消防と違った形態が見られます。山林の災害の場合でも、ただ原始的ななたやのこぎりで防火線を切っておる。道のないところはほとんど人が寄りつかない。いわゆる対岸の火災として傍観するのが現状なんです。私は消防庁の方に、将来科学消防、たとえば、先ほど辻原先生が申されましたヘリコプターによる科学消防というような問題も大事とは思いますけれども、もう少し身近な問題といたしまして、チェーンソー、木を切るための自動のこ、それからブッシュカッター、いわゆる雑木を切るために簡単な機械ができております、こういうものを山村の消防団には貸与するとか、こういうようなことも必要な問題ではないかと思うのです。そういう問題につきまして、山林消防についての特殊性に対する御意見をお伺いしたいと思います。

川合武消防庁次長

○川合政府委員 御指摘のとおりでございまして、私ども画期的な科学消防というものについて取り組まなければならないと思っておりますが、これにつきましてはまだ世界的にも未開発の問題でございます。といいまして、現状のままで、非常に原始的な現状、ことに条件が悪くなっております現状におきまして、いまのままで手をこまねいているわけにまいりません。御指摘のように、一つは応急防火帯をつくるためのブッシュクリーナー、さく溝と申しますか、さようなためのブルドーザーあるいはトラクターというようなもののもっと現場に適したものの開発並びに整備について努力をいたしたいと思います。

森下元晴自由民主党

○森下(元)委員 関連した質問はこの程度で終わらせていただきますけれども、当初に申し上げましたように、林業というものは長期産業でありまして、将来の日本を背負う民族的な重要問題をかかえておるように思います。いわゆる民生安定ということで、ただ農林だけの問題じゃなしに、大きな政治性を持っておるということを考えまして、今回のこの災害の問題を機に植林意慾、造林意慾が増進するように、関係の特に林野庁、その他消防庁、また自治省、建設省等におきましても、この問題を激甚災害として取り扱っていただくように要望して、私の質問を終わらしていただきます。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員長 川俣清音君。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 時間が制約されておりますので、問題をしぼってお尋ねをしたいと思いますが、災害について、特に林業の立場から、天然資源であり民族資本である林業の培養の立場から、または国土保全の上から未然防止の立場から、森林火災について、特に和歌山の森林火災についてお尋ねをし、後に豪雪による災害についての政府の見解をただしたいと思うのでありますが、質問に入る前に、第一にお尋ねしたいことが二点ございます。  一つは、国営森林保険の保険料というか掛け金は、どのように利用されておるのか、これを明らかにしてほしいと思います。並びに、共済制度による保険料はどのように活用され利用されておるのか、これを明らかにしてほしいと思います。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 森林国営保険の保険料につきましては、その保険料収入を保険金としてその損害てん補に充てられるほか、業務費といたしまして、例をあげますと、先ほどの御質問にもお答えをしましたような火災の未然防止等の巡視人の設置、標板の設置、警報旗の設置あるいは望楼の設置、そういうものに使用するほか、保険契約の経由機関である市町村等における事務費等にそれぞれ使用されておりまして、昭和三十九年度の見込みで申しますと、歳入が十二億三千万円、歳出が十一億九千万円、こういう形になっております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 時間がないので、私のほうから説明をしながら質問をいたしますが、大体火災保険料というもの、あるいは生命保険料でも同様ですが、これは他産業のために、あるいは公共施設のためにその資金が運用されがちでございます。そのほうが資金の効用率が高いという大蔵省的な考え方が旺盛であることはいなめない事実だと思います。ところが、いま長官の答弁のように、直接災害防止のために、あるいは火災防止のために使われております——使われておるというよりは、利用されております率は非常に低いのであって、この点については、火災予防の上からももっと画期的な考え方に、従来の惰性でない考え方に立たなければならないんじゃないかと思うのでございます。これは意見でありながら質問にかりたわけですけれども、こういうだらしのないことでは森林火災は防げないんじゃないかというふうに思うのでございます。  それから、都市消防については、いろいろ世間の目がうるさいものですから、また国民も敏感でありますから、かなりその施設は行き届いておりすが、長官、一体どういうわけでこのごろ森林火災が大型化してくるのでしょうね。私に言わせますならば、消火施設と申しますか、消火訓練を含めた消火施設が十分じゃないということが一つと、もう一つは、何といいましても、従来は、付近の労働力と申しますか、住民の活動力に期待をしておったのが、山村の住民及び労働力が不足をしてきたために、早期に発見をすることはもちろんのこと、早期消防が閉ざされておるという点が、大型化した原因でないかと思うのでございます。そういう点についての検討が足りない、こういうふうに指摘せざるを得ないと思います。  そこで、林道などによって防火施設の役割りを果たさせるというのでありますが、必ずしも林道が防火施設にはならない。林道の種類によりましては峰伝いの林道も相当あるし、沢伝いの林道もあるわけですが、沢伝いの林道は、渓谷になりまするとこの林道は活用できない。峰伝いの林道もまた、消火施設としてては、防火線としては必ずしも適当であるかどうかという検討が足りないんじゃないかと思うのです。ただ防火線をつくればいいということだけでは足りないのではないか。ましてや、林道をもって防火線に代用させるということも、これは無理な地理的条件にあるのではないか。したがって、あらためて、集団造林などについては、所有は個人でありましても、集団地域につきましては当然防火線というものを積極的につくるということが必要なんじゃないかと思うのです。特にこの防火線については、峰伝いの防火線は困難でしょうが、林道についてもいえることですが、側溝をもっと大きくして、それを小型の消防力が活用できるような側溝状態をつくることが必要なんではないか。これは山林の場合は側溝ともいえるし、または下流の水源として導水路的な役割りを果たせるような側溝、導水路という形態をとっていかなければ、防火線の役割りも果たせないし、また下流の水源地の役割りも果たせないのではないか。または、災害が起きた場合には、いまのは乾燥による場合でありますが、豪雨によるような場合の予防のためにも、こうした施設を講ずることが、林道の役目であると同時に、すべての防災の役目を果たすのじゃないかと思うのですが、どうしてこういう検討をしなかったのでしょうか。いままで林野庁はずいぶん古い歴史を持っておるのですが、こういう検討をしておらなかった原因はどこにあるのでしょうか。これをお知らせ願いたいと思います。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 山林火災の防止については、林野庁としましていろいろ努力はしてまいりましたが、まだ十分でない点は、お説のとおりだと存じます。しかしながら、最近といいますか、山火事といえばまず北海道ということであったわけでございますけれども、この北海道が例の十五号台風以後山火の防止に非常に注意を払って激減したのが原因となっているかと思いますけれども、全国的に見まして、そのころからあとは、それ以前に比べますと、山火事というのは、どっちかといえば、面積でいうと減ってきているように思います。たとえば昭和三十六年の三陸の大火等を別といたしますと、傾向としては減っているような気がいたします。ことしのように異常乾燥ということでまた傾向として盛り返しておりますけれども、何年かの傾向としては、以前に比べまして減少しておる。これはやはり山林所有者あるいは入山者の注意がやはり相当高まっているということは争えないと思いますし、そういう注意を喚起するための、先ほど来申し上げておりますいろいろな巡視なりあるいは山火の予防なりについての設備の普及も効果をあげているのではないかと思います。いまの防火線の設定は、これは山火予防上もちろん必要な設備でございまして、この点について、被害を最小限度に食いとめる意味におきましてさらにその徹底をはかる必要がある。農林漁業金融公庫でもそういうものの設定には融資の道も開いておるということでございますが、なお今後防火あるいは予防について十分に努力し、くふうを講じてまいりたい、こう考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 これは防火の点で言うと都市消防のほうにも大いに考慮しなければならぬと思うのですが、山火事は山村住宅地に飛び火することが非常に大きいのでございます。山火事の熱量は非常に高くなるものですから、飛び火の危険性を伴うものでありますから、山火による飛び火はなかなか防ぎ得ないものであることは御承知のとおりであります。したがいまして、都市消防に力を入れると同時に、山火についても非常な研究と消火活動についての検討が必要である。都市消防の場合は、拡大を防ぐために破壊活動をやりますが、山火の場合も破壊活動という形をやはりとらざるを得ないのではないか、すなわち、どこかで防ぐということをやらざるを得ないのではないかと思うわけで、こういう点についての消防庁の検討が心細いように思うわけですが、こういう点について検討されたことがありますか、将来検討いたしますか、この点を消防庁にお尋ねしたいと思います。

川合武消防庁次長

○川合政府委員 林野火災が都市火災に対しまして、私どものほうの努力を比較いたしまして、決しておろそかにしているわけではございません。ございませんが、結果が非常に御期待に沿い得ないような結果になっておるものでありますから、正直に申しまして、私ども現状でいいと思っておるわけではございませんで、さらに努力いたしたいと思います。  お話のように、少なくとも現状におきましては、山林火災におきます防御の方法といたしましては、応急防火帯の設定等、延焼を防止するという点にその主たる点があるわけでございますので、さような点の施設、器具等につきましてさらに開発整備をがんばってまいりたいと考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 時間がないから前に進みますが、いずれにしても、山火についてはその消火能力についての研究というか努力が十分でない、ここに反省をしなければならないと思うわけでございまして、和歌山のあの大規模な火事に刺激を受けまして、災いを転じて福とするような努力を講じてほしいと思います。  そこで、もう一つ林野庁にお尋ねをしたいのですが、森林火災の場合も同様ですが、雪害等の場合を見ましても、保育費と申しますか、ことに森林は育林事業ですが、この保育費が十分でないために、雪害を受けたりあるいは火勢を強めるような傾向が出ておるかと思うのであります。時間があれば具体的に例をあげて説明をしながら反省を求めたいのですが、国有林野ですら保育費が十分でないために、ツタ類や雑草類が旺盛であるために火を近づける危険性を持っておる状態でございます。これは木の育成の上からも当然講じなければならない費用が節約されておる結果でないかと思います。こういう点で、民有林についても、保育費、育林の費用等についての融資の道を講じて、育林の費用であるばかりでなく、防火あるいは雪害の防止の施策も講ぜられるような融資の方法を講ずる必要があるのではないかということを痛切に感ずるわけでございます。和歌山のはまだ実態を見ておりませんが、秋田の育林の災害等を見ますと、民有林よりも国有林の被害のほうが大きいのではないかと思うのです。これは結局ツタ類が木に巻きついておって、そのために受ける雪害の状態が激甚のようでございます。木自体よりも、木に付属して生えておりますツタ類と申しますか、そういうものが木にからみついておるところに、雪害を甚大ならしめておる原因があるのではないか。枝折れがするというようなことも、それ自体じゃなくて、むしろそこに付属発生しておりますツタ類の被害が大きいのではないかというふうに見られるわけでございまして、保育費用が不足なところに非常に多く発生しておるというふうに思うわけでございます。こういう点についての検討が不十分であるということを指摘いたしたいと思うのでございます。  なお、辻原委員からのお話にありましたように、何といいましても、雪害についても森林火災についても必要なことは、山村の住民がお互いに警戒すると同時に、警戒体制をとれるだけの居住者がなければ森林火災というものは防げないということが基本であると思うわけでございます。そういう意味で、政府の施策が十分でないために山村の住民をだんだん枯渇させて、森林火災を大型化させておる原因もここにあると指摘せざるを得ないと思います。そういう点で農林省の反省を求めたいのです。  そこで、経済局長がおられますから、あわせて御答弁願いたいが、今度の和歌山の森林火災は、これは天災と見るのですか、人災と見るのですか、この点も明らかにしてほしいと思うのであります。

久宗高農林事務官(農林経済局長)

○久宗政府委員 火災の発生いたしました原因につきましては、すでに御報告したような形でございますので、施策といたしましては、火災については別途の施策がございますし、天災融資法の範疇には入らないというふうに考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 天災融資法の対象になるか、あるいは激甚災害の対象になるかならないかは別にして、起こった原因が天災なのか、人災ということで見ておるのか、この点を明らかにしてほしい。これは大きな問題なんですよ。普通の保険の場合は天災は保険の対象にならない。保険の対象にならないからといって放任はできないのが森林火災だと思うのです。これは天災か人災かとわざわざお尋ねしたのは、そこに原因があるのです。そうしないとあなたも説明できないようですから、こうお尋ねする。異常乾燥ということは天然現象です。異常乾燥時における木の摩擦から起こる火事は、天災の部類に入るのか入らないのか、こうお尋ねしておる。ことにこれが落雷によるというようなことも説明されておりますが、たとえ落雷なりにいたしましても、調べによりますと、たき火であるとか、たばこの火であるとかいうような災害発生ではないようであります。したがって、これは木の摩擦による発火か、あるいは落雷による発火か、いずれかに属すると思うのですが、異常乾燥という気象条件によって拡大したのではなくて、異常条件の中に起こった火災でありますから、天災のうちに入るのじゃないか。天災というと、これは火災保険等の対象にならないと言って逃げられるとすると、これは何とか方法を講じなければならない。どっちにいたしましても、農林省としては、林野庁を含めて、この大規模な森林火災については善処しなければならないと思うのですが、一体原因の究明はどうなさっておるのですか。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 先生の御質問を森林保険の対象にしぼって申し上げますと、火災のほか、現在、気象災害を保険の対象にいたしておりますから、そこで、天災といわれる風害なり水害あるいは霜の害、ひでりの害、また凍害、潮害といった天災については、森林保険の気象災として対象に取り上げているわけでございます。ですから、今度の和歌山等の火災はもちろんのことでございますが、奈良等の雪害については、保険に加入しておれば保険金の支払いはもちろんあるということでございます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 雪害は気象からくる災害だということは言えるだろうと思いますが、火災の場合は、とかく責任を回避するために、一方においては、天災だといって逃げたり、一方においては、天災であると指定することによって施策を講じなければならないというところから、できるだけ天災から省こうといたしたりするような策を弄することは、私は日本の国民として許されないと思うのです。日本の国自体がこういう災害を受ける条件の中にあるわけです。こういう条件をどう克服するかということが行政の任務でなければならないと思う。それを回避するような態度は、日本の国民として許されないことではないか、私は痛切にそう思うのです。この点、経済局長どうですか。

久宗高農林事務官(農林経済局長)

○久宗政府委員 おっしゃっておられます意味はよくわかるわけでありますが、いまの保険のほうでこれをどう扱いますかという問題についての考え方と、天災融資法のほうで被害に見るか見ないかという問題は別じゃないかと思います。先ほどお答えいたしましたのは、天災融資法の関係から申せば、いまの火災は含まれませんということを申し上げたのであります。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 それじゃ農林省はどれだけ調査されたのです。そう断定されるならば、どこまで調査されてそういう結論を出されたのか。これは大臣でなければ答弁できないかもしれませんが、これをお尋ねしたいと思います。天災融資なり激甚災害なりの査定をされて、調査の結果できないということなのか、いままでの報告だけではできないということなのか、どうなんです。答弁者の判断を聞いているのですよ。

久宗高農林事務官(農林経済局長)

○久宗政府委員 私のお答えいたしましたのは、天災融資法の発動の場合に火災を含んでおりませんので、これには合算できないと申し上げたのでございます。原因そのものの調査につきましては、別途に林野庁のほうからお答えいただきたいと思います。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 天災融資法の第一条にいうところの天災に該当するかどうかという点について、和歌山の場合に落雷が火災原因といわれておりますので、もしそういうことでございましたならば、「等」という中で読めるかどうか、その点の検討も必要だと思っております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 私が尋ねているのは、みずから調査してそういう結論を出しているのか、あるいは報告だけによってそういう結論を出したのか、どちらかということなんです。私は、農林省の行政任務からいっても、とかく災害を受けやすい農業行政をやっている以上、判断を正確にしなければならないと思うのです。それが任務だと思うのです。そういう意味で、どちらで判断をしておられるのか、報告だけで判断をしておられるのか、報告が不十分だということになるのか、あるいはみずからの調査が不十分なのか、この責任を明らかにしてほしいと言っているのです。

久宗高農林事務官(農林経済局長)

○久宗政府委員 過去の事例で申しますと、三十六年の強風によります被害の場合にこれは火災と指定したことがございます。そこで、今回の和歌山県の、西日本の事例につきましては、ただいま落雷というお話が出ておりますので、落雷と火災の因果関係につきまして、被害の程度なり被害の内容をさらに調査いたしました結果、最終的にこの「等」に入れるかどうかという判定をいたしたいと考えます。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 時間がないので詳しくお尋ねはしませんけれども、先ほどから質問の中に明らかにしておるように、火災の原因は、異常乾燥時における木の摩擦による出火であるか、あるいは落雷であるかということは明らかでないにいたしましても、いずれも異常乾燥期における一つの火災であることには間違いがないわけです。これは気象庁によって明らかなんです。あるいは農林統計によっても明らかなんです。木の摩擦による自然発火であるか、あるいは失火であるかという点については、これはもう明らかなんです。ただ、これが落雷によるのか、あるいは木の摩擦によるのかということはまだ不明だということが言えるでしょうが、その災害額については、近畿地方を襲ったいわゆる異常乾燥時における山火が非常に大きいものであるということは、何としてもいなめない事実だと思うのです。それを県の報告とかそういうものに基づいて判断されておるのか。こういう異常な天候の中に日本の気象条件があるわけです。われわれ日常あいさつするにも、きょうは天気だとかどうだとか、天気に必ず触れておること自体が、国民生活に非常に関係のある気候条件の中にわれわれは住まいをしておるということ、その中で農業経営が行なわれておるのであります。林業も含めて経営が行なわれておるのでありますから、こういう点については農林省が敏感な行政措置を講じなければならないということは、これはお認めでしょうね。これも認められませんか。

久宗高農林事務官(農林経済局長)

○久宗政府委員 おっしゃる意味はよくわかります。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 それならば、当然対策を積極的に講じておかなければならぬじゃないかと思うのです。再び起こるかも知らぬ、あるいは起こらないための予防措置の上からも、これを究明しておく必要があるのではないか。これが農林省の任務だと思うのです。行政の任務だと思うのです。総合的な判断をするのは、国民ではなくて、行政なんです。総合判断をするために行政があるわけですから、個々の判断ではなしに、農林省という行政府がみずから判断を下さなければならぬのではないかと思うのです。それを下さないでおいて、いや天災でないとか、激甚でないとかいう判断をだれがするんですか。農林省がする以外にないじゃないですか。だれが判断するんですか。この判断は閣議決定を待たなければならないということは——閣議は、これは行政府の長官の集まりですよ。それに資料も出せない、そんなことで一体どうするんです。  委員長、これは大臣でなければ答弁できそうもないので、大臣を呼んでほしいと思います。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員長 農林経済局長が答弁するそうですから……。

久宗高農林事務官(農林経済局長)

○久宗政府委員 先ほどもお話いたしましたように、今回の災害につきましては、被害の態様自体につきまして目下固めておるわけでございます。被害の程度にいたしましても、被害の内容にいたしましても、さようなものが、出ました上で最終的な結論を出さざるを得ないということは冒頭に申し上げたわけでございまして、さよう御了承いただきたいと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 どういう方法で調査をされるのか、具体的でなければならぬ。結果はあとでもいいですよ。こういう方法を講じて明らかにしたいということであれば、これは調査のために時間がかかることは私どもも認めます。その積極的な調査の方法も明示しないで、いずれ調査ができましてからでは、これは答弁にはならないです。国会は、これらの報告に基づいてどう行政府を指導するかという任務もあるわけですから、そこであなたにお尋ねしておるのです。どういう方法で調査し、結果については農林省としてはどう、あるいは農林省だけでできないのは閣議決定を待つということになるのだと思うのです。その資料は農林省がみずからつくり出さなければならぬものです。それが任務だ、私はこう指摘しておる。その答弁ができないなら、大臣に来てもらわなければならない、こういうことです。

久宗高農林事務官(農林経済局長)

○久宗政府委員 これは先生よく御存じのとおり、農産物につきましては、もちろん、統計調査部が調査をいたしまして数字を確定するわけであります。林業関係につきましては、県の数字が出てまいりまして、それをさらに林野庁のほうで調整なさるわけであります。  林業関係の被害につきましては林野庁長官のほうからお答えいただきたいと思います。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 この火災の被害の程度、これにつきましては、県に対して被害の実態について、一定の様式をきめて、そうしてその調査を報告するようにいたしておりまして、大体本月の中旬ごろをめどにその調査を終わるということにいたしております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 農林省のほうにお尋ねしますが、農林省は経済局の中に統計調査部を持って、こういう農業災害についてばかりでなく、生産についても非常な努力を払って調査する機能を持っておるわけですが、私ども今度の予算を通じて見ます場合に、こういう災害が発生した場合、調査活動をするような余裕というか、的確な活動をするような予算編成にはなっていないと判断するのですが、予算措置としてこういう活動が十分できるようになっておりますか、この点を聞きたい。これはよけいなことかもしれませんけれども、流通機構などについて統計調査部が各国にまれな調査をしておるということをアメリカの調査局長が来て指摘をしておるわけですが、それほど活動能力を持っておりましても、予算的措置が講じられていなければその調査は不可能に近いのです。あなたはいま統計調査部の活動を待つというのですが、活動をする人や予算を持たないでどうして活動させるのです。その結果がどうして出てくるのです。それを調査するような状態にせずに、その活動を待つのだとしたら、これは不可能なことじゃないですか。臨時的に調査をするということであれば私は可能だと思う。いまの調査部の人員をもって災害のための臨時調査をさせるということになれば、これは私は可能だと思う。それだけの能力は持っておると私は信ずる。ところが、その余裕を与えないでおいて、調査の結果を待つのだというから、私は不可能じゃないかという判断を下してあなたに質問したのです。知らないわけじゃない。十分知っておるから、あえてお尋ねしておるのです。知らないのは局長かもしれぬですよ。

久宗高農林事務官(農林経済局長)

○久宗政府委員 川俣先生よく事情をおわかりでございますので私も強弁いたしませんが、災害の調査が十分にできるかどうかということにつきましては、私もこれを完ぺきとは申し上げられないと思うのです。しかし、従来災害が起こりますたびに、国としての調査をまとめましてめどをつけていかなければなりませんので、私ども予算の範囲でいわばできる限りそのほうに力を注ぎましてとにかくやっているというのが実情でございます。おっしゃるように、それが完ぺきかとおっしゃられれば、私も完ぺきとは言い切れないと思いますけれども、災害に対処していきます場合に、どうしてもやむを得ず国としてのめどをつけていかなければならぬ関係もございますので、関係者を督励いたしましてやっておるわけでございます。現在のところ、私どもといたしましては、そういう形であがってまいります統計調査部の資料をとにかく基礎に置きまして、早く災害に対する対処のしかたを事務的に乗せるということをせい一ぱいやっておるわけでございますので、御了承いただきたいと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 あえて私がこう言うのは、日常の天候の場合の調査は、基礎資料を持っておりますから、それほどの人件費あるいは調査費用をかけないでも見通しがつく状態であることは事実だと思います。しかしながら、雪害であるとか火災であるとかいうような場合は、十分そういう基礎資料を持つような設計になっていないのです。統計調査部の設計が、そういう活動ができるような状態になっていない。したがって、臨時に調査をさせる以外には出てこないという私の判断から、あなたにあえてお尋ねしておる。その判断がつかないのに、調査の結果を待ってと言われるから、私は疑問を生じておるわけです。そうじゃないですか。雪害だと雪の上ですよ。雪の上を活動するような状態にはなっていないでしょう。林野庁のほうは、スキーや何かで雪上でも活動できるような施設を個人が持っておったり、あるいは役所自体にそれらの施設を持っておりますが、統計調査部は、雪が降った場合に活動するような状態にはなっていません。出張旅費もないのです。調査旅費もないのです。特に、雪害とかあるいは火災等で山間に行きますと、泊まらなければならぬ、そういう費用も、調査に行く費用もないじゃないですか。臨時に活動するような指示を与えても、臨時に活動するような状態を与えなければ活動はできないじゃないですか。それこそ業務命令でも出さない限りはやれないじゃないですか。調査の結果を待ってとあなたは言われるけれども、活動できないのに調査ができるはずがないので、農林省が責任を持って臨時に調査をさせるという活動を起こさせなければならない。そうじゃないですか。統計調査部から来ている人があったらこの点聞きたいのですが、活動なんかできはしませんよ。

富樫覚悟農林技官(農林経済局統計調査部作物統計課長)

○富樫説明員 お答えいたします。  農林省の統計調査部で行なっております被害調査につきましては、定期調査と申しまして、一定の期日に調査する調査がございます。もう一つは、今回のような臨時に災害が起きましたときに調査する調査の体系がございます。臨時調査の場合には、統計調査部が指示するまでもなく、事務所において自動的に一報、二報、三報と調査をして報告をするようになっておりまして、その経費はそのつど実情に応じまして支給する。ただ、その経費が足らない場合には、従来は大蔵省にお願いして予備費から支出していただくということになっておりましたが、ことしは事前に予算も増額してもらいましたので、それだけの経費は統計調査部のほうで十分リザーブしておりまして、その実情に応じて支払って調査を行なうというようにしております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 統計調査部の課長にお尋ねしますが、私の言うことが実態に合っているのか、課長の言うことが実態に合っているか、ひとつ末端に聞いてみてください。活動できるような状態じゃないですよ。雪害とか火災のようなものについての影響あるいは損害を調査するような組織機構にはなっていないですよ。日常の、いわゆる普通時における農業生産性や反別やそういうものの調査能力は持っていますけれども、たとえば農業の場合にいたしましても、雪の上で面積がわかりますか、あるいは地域の区域がわかりますか。わからないでしょう。一体何反歩被害があったなんということがわかりますか。わからないでしょう。そういう状態なんですよ。したがって、あなたのところには旅費だってあまりないでしょう。交通機関が途絶しておるのです。あるいは山火事の場合、山火事はあなたのほうの委託調査があれば別ですけれども、そういう山間地域に入っていって泊まり込むような旅費規程にはなっていないでしょう。臨時に調査を命ずる以外には可能な状態ではない。活動能力がないかというと、私はあると言うのです。そういうものを臨時的に活動するような状態になっていないのに、調査の結果を待って、こういう返事をされるから、それではいつまでもできないのではないか、これを経済局長に聞いておるのです。一体だれが調査するのですか。統計調査部の末端の出張所員か、あるいは事務所の者が活動せざるを得ないでしょう。そういう者に出す旅費がないじゃないですか。自弁で行ってこい。何日かかるかわからない。交通機関がないんだから。旅費規程も適用できないでしょう。そういう状態の中で、調査をいたしますなんと言ったって、できないじゃないか、こう言うのです。できないんじゃない、できるような状態にはなっていない。活動力はある、こう私は指摘しておるのです。あなたのほうで能力がないなんということを言っているのではない。私は、先ほど申したように、流通機構のこういうようなものは日報として出せるところまでいっておるのですから、能力がないなんと申し上げません。能力を発揮するような状態になっていないじゃないかということを指摘しておる。この点はどうです。

富樫覚悟農林技官(農林経済局統計調査部作物統計課長)

○富樫説明員 そのときそのときの被害の様相というのは、個々のケースによって違うわけであります。調査困難なものと困難でないものがあるわけであります。もとより、困難な場合には調査経費が十分でないというようなこともあるわけでございますが、現在まで私どもはそういう経験を積み重ねまして、予算のほうにつきましても善処していただくようにお願いをしてやってきておるわけであります。また、雪の害につきましても、現在は実際参れません。先生がおっしゃるとおりでございますが、これは雪解けを待ってやらざるを得ない、こういうふうに思っております。現在では雪の降っておる中で調査できる範囲のことしか報告がないわけであります。雪解けを待ちまして万全の調査をする、かように考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 局長、いま説明のとおりなんです。雪解けを待たなければ正確な調査はできないという答弁ですね。調査を待って、こういうことですが、雪解けを待たなければ、雪害については結論が出ない、こういうことです。結論が出ないのに、いや激甚でないとか、いや激甚であるとかいう主張というものは、空論になってしまうのじゃないか。どうなんです。

久宗高農林事務官(農林経済局長)

○久宗政府委員 冒頭に申し上げましたように、激甚であるとかないとかいうことは、計数が集まらなければ判定できないということは、最初に申し上げたわけであります。秋田県の雪害の場合で申し上げますと、ただいま担当課長が申し上げましたように、一部、平鹿郡でございますか、まだ積雪が多くて現地に入れないところがあるわけでございます。したがいまして、内部資料といたしましてはたしか第二報までとっておりますが、最終的なその部分を含めましたものは、いまの予定では四月中旬になるわけでございます。やはり現地に調査に行けるような態勢になりませんと、最終的な数字がきまらないわけでございます。天災融資法なりの発動につきまして、やはりそういう計数を全部集めませんと、制度的にも動けませんので、若干時間がかかると思いますが、現実に行けるような態勢になり次第調査をして、できるだけ早く出すようにいたしたいと思います。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 時間がないのですが、どうも答弁が十分でないために時間がかかるわけです。調査を待って結論を出すというようなことは、これは調査の結論を出す段階ではない、いまのところは不可能だ、こういうことであろうと思います。そうすると、激甚でないとか、天災融資法に触れるとか触れないとかいう結論は出ていないはずなんです。調査の結果を待たないのですから。ことに、私の選挙区でもありますが、横手の統計調査部の者が調査に行きまして、一時、行くえ不明じゃないかという懸念さえ生じた。別にこれは行き倒れでも何でもなかったのですけれども、連絡ができない。電話の連絡も、雪害が故障を起こして連絡できない。勤務怠慢でも何でもない。そういう事態にあるのです。これは民家に泊めてもらっておったということです。別に生命、健康に異状はなかったのですけれども、そういう状態の中で、調査の結果を待ってなんということはできるわけがないじゃないかということをたびたび指摘してあなたにお尋ねをしておるわけですから、いま天災融資は困難である、あるいは激甚災害とは認めがたいということは、結果を待たなければできない、その結果というものは当分得られないということです。当分得られなければ、どう善処するかという案が農林省としてなければならぬ。調査の結果を待たなければならぬ、そのとおり。その調査の結果というのはすみやかに得られない。すみやかどころではない、当分の間得られないという状態でしょう。当分の間得られないけれども、放任するというのか、この点どうなんです。

久宗高農林事務官(農林経済局長)

○久宗政府委員 たびたびの災害でいつもこういうやりとりがあるわけでございますが、過去の経験によりますと、やはり計数がまとまりましてから初めて法の適用がきまっているわけでございます。たまたま雪害のような場合には、すぐその場でつかみにくいわけでございますので、その結果数字のまとまりがおくれまして発動がおくれるというケースになりがちでございますが、私どもといたしまして、やはり何と申しましても計数をつかまえませんと具体的な処理ができませんので、とにかくできるだけ早く計数をつかみまして、つかんだ結果の処置を早くするということにつとめる以外に方法がないわけでございます。これは別途に何か方法があってつかみ得るものであれば、いますぐにでもやりたいわけでございますが、物理的にも不可能でございますので、若干の余裕をいただきたいと思うわけであります。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 なぜ私はこの対策を急ぐかということになると、あれだけの積雪量でありますと、融雪期にはまた再び災害を起こす形勢があるわけであります。そのためにも、早く調査をしておかなければならないのではないかと思う。これは、建設省が来ておらないようですけれども、河川の災害あるいは水源地の災害等、農業に与える影響も非常に大きい。融雪期には災害を拡大することが予想せられるわけでございます。そういう点で、すみやかに調査をすると同時に、融雪期に対する対策を講じておかなければならないのではないかと思うわけです。  これは林野庁にもお尋ねしておかなければならぬと思うのですが、融雪期の災害は、土砂崩壊、なだれ等による山の崩壊が行なわれて、下流に災害を拡大するおそれが多分にある。そういう公算があると私どもは判断するのですが、林野庁はそういうおそれがないと判断しておられますか。あれば、適切な施策が講ぜられていなければならぬと思いますが、この点いかがですか。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 なだれその他、土砂流出あるいは土砂崩壊の危険は予想されるわけでありますから、そういうところから、たとえば予防治山等、新治山五カ年計画に基づくところの事業を進めてまいりたいと考えております。それで、和歌山県の火災のあと等におきましても、地上被覆物の焼失の結果土壌の侵食等が起こるおそれのあるところには、これまた予防治山を講じてまいるように計画をしております。この秋田地方の豪雪による地帯については、融雪前後そういう危険性が明らかに予想される地帯に対しては、早急に適切な措置を講じてまいりたい、こう考えております。

川俣清音日本社会党

○川俣委員 時間がないので、私きょうの質疑はこの程度にとどめたいと思いますが、委員長にお願いをします。あらためて質問の時間を与えられるよう委員長に要望しておきます。同時に、辻原委員並びに森下委員等から、るる災害について政府の善処方の要望があったわけですが、委員会としても、現地の調査をいたして政府に適切な施策を与えることが国会の任務じゃないかと思いまするから、現地調査の提案をいたしまして、きょうの分の私の質疑は終了しておきたいと思います。委員長の答弁を願いたいと思います。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員長 委員派遣につきましては、後刻理事会を開きまして協議をし、極力御希望に沿うように善処いたしたいと思います。  八木一男君。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 時間がありませんから、なるべく簡潔に質問をいたしたいと思います。  いま、委員長の連絡によりますと、農林大臣は他の委員会において質疑応答の衝に当たっておられる。農林政務次官が二人いて、それも旅行中で、いないというような状態だそうであります。非常に大事な農林行政についての大臣の補助者二人が旅行中というようなことは、実にけしからぬと思うのです。ですから、当委員会の名前でこの農林政務次官に厳重な戒告を与えるよう、ひとつ要望をいたしておきたいと思います。さらに、総務長官並びに官房長官、またはやむを得ない用事があるときにはその副長官の出席を要求いたしておきます。  次に、具体的な質問に入りますが、この三月十六日、十七日に起こりました豪雪、あるいは風が吹いた、あるいはその前後における火災等によりまして、奈良県、大阪府、和歌山県、兵庫県をはじめといたしまして、近畿、中国、四国の一部、そういうところに非常に雪害を中心とする大被害が起こっておることは、前の辻原委員の質疑の内容によっても明らかでございますが、その点について林野庁の長官と、農林省の、どなたでもけっこうでございますが、担当者の方に、天災融資法を適用することが必要であろうと思いますし、また、激甚災害として指定する必要があろうと思いますが、この災害についてのいまの問題についての処し方について、簡単でけっこうでございますから、ひとつ伺いたいと思います。

久宗高農林事務官(農林経済局長)

○久宗政府委員 先ほど来申し上げておる問題でございますが、私どもといたしましては、できるだけ早く被害の内容を調査いたしまして、それによりまして、天災融資法なり激甚法を適用すべきかどうかを判定するわけでございます。現在の段階では決定的に申し上げられないかと思います。一日も早く数字をつかみまして処置をいたしたいと考えております。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 ただいま経済局長がお答え申し上げましたとおりでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 そこで、まあ政府としては現在までそういう態度でおられたわけであります。ところが、この非常に大きな災害について関係者の非常な損害、それから困窮、そういうことを受けまして、与野党を通じまして、そのような国民的な非常に大事な問題について早く対処しなければならないという考え方のもとに当委員会が開かれて、そうして国民の代表としての国会議員からいろいろと意見が開陳をされておるわけです。林野庁や農林省のほうで現在までそのことにそのような状態でありましたことについては、川俣委員その他から御追及がございました。その御追及の内容についても十分に理解をせられ、あるいは反省をせられて、さらに国民的に、そのような天災融資法を早く発動していただきたい、あるいは激甚地指定を早くしていただきたいという要望を受けて、今後の考え方、処し方について、いままでよりもっと積極的にやっていただかなければならない。そういう点についてぜひ積極的に展開をしていただきたいと思う。  まず天災融資法の問題でありますが、いま川俣委員の御質問に対する農林経済局長のいろいろの御答弁を伺っておりましたら、時間があったら十分伺いたいと思うが、ありませんから、再度それを伺う必要はございませんが、調査調査と言われる。しかし、何が問題かというと、災害に対して急速に対処して、たとえばそのような林業者、農業者、そういう人たちがこの打撃から立ち直る、そうして日本の農業の恒久的な確立のためにその分野でその人たちの意欲を発揮してもらうことが大事です。問題は、災害に対して直ちに対処して十分な対策をするということが大事であって、その前の調査というのは——いろいろな官庁機構の中でどのようなものにどのようなものを適用するかという基準、そういうものについての調査をやられるというのは第二義的な問題である。ところが、いまはその第二義的な調査のほうが先になって、ほんとうに早く十分な対処をしてそのような人々に意欲を持ってもらうということがあと回しになっているような状態である。調査が全然必要がないとは言いません。しかし、川俣委員がおっしゃったように、調査についての体制ができておらない。おのおの担当者は熱心にやっておられても、予算なり人員の対処が十分できておらないというような状態であります。したがって、調査に時間がかかるというような状態である。そういうときに、国の政治としては当然その状態において問題を処理しなければならない。普通、調査は国の統計調査部でするのがたてまえであるから、調査の十分な体制ができなかったのは国に責任があるわけであります。したがって、その調査については府県の調査、市町村の調査を信用して、それによってそういう法律を発動することに踏み切らなければいけないと思う。そういう点で、府県、市町村の調査をもとにして天災融資法を直ちに発動する、あるいは激甚地指定を直ちにするというふうにしていかなければいけないと思う。それについて林野庁長官と経済局長の前向きの答弁をいただきたい。そのことについて赤城農林大臣に聞きたかったわけでありますが、ほかの委員会で質問があって、来ない。政務次官もいないそうである。このようななまけた連中がいるから政治が進まない。そういう点、そういう連中をわれわれは厳重にしかりつけますから、あなた方は確信を持って、大臣、政務次官はぐずぐず言わないで府県を信用してやるというような意見を具申していただきたい。そのことによって問題が進むわけである。そういう意味で、田中長官と経済局長の前向きな御答弁をぜひ伺っておきたいと思います。

久宗高農林事務官(農林経済局長)

○久宗政府委員 二つ問題がございまして、先ほど川俣委員にお答えいたしまして時間がかかると申しましたのは、秋田の今度のケースは特殊なケースでございまして、積雪のために現地に行かれないという事情のためにその部分がおくれているわけでございます。西のほうで起こりました問題につきましてはさような障害はございませんので、災害が起こりますと、先ほど担当課長が申しましたように、直ちに自動的に動き出すわけでありますが、一報、二報、三報というふうに固めまして最終的な数字になるわけであります。したがいまして、この委員会での御討議のあるなしにかかわらず、災害がありますと直ちに私どものほうの統計調査部が自動的に動き出すわけでありますので、もちろん、さらに督励はいたしますけれども、そういうことで作業は進行しているわけでございます。  それから措置でございますが、金融以外の別途の措置につきましては、それぞれ技術関係におきまして直ちに必要な指示をしているわけでございますが、私どもの関係で申し上げますと、要するに、資金を貸し出すということでございます。そこで計数の問題になりますので、どうしても数字が要るわけでございます。私どもといたしましても、現地の府県の御当局なりから直ちに、大体こういう被害になってきたというような御報告は非常に早くいただくわけでございますが、今日までの経験で申し上げますと、残念ながら相当大きく食い違いが起こるわけでございます。必ずしも統計調査部の数字が完ぺきで、他がすべて誤りであるというふうには申し上げないのでございますが、県間のアンバランスというような問題も出てまいりまして、絶対額がある県で非常に正しい場合もございますけれども、たまたま数県にわたりました場合に、県のやり方が多少違いますために、横のバランスがとれないといったような問題が起こります。さような意味で、私どもといたしましては公平な処置をせざるを得ないわけでございますので、横のバランスをとりますことと、それからやはり絶対額についても、経験的に申しますと、相当大きな開きがございますために、やむを得ず、統計調査部の数字を利用せざるを得ないのであります。ただ、それが時間的に非常におくれてしまうということでは申しわけありませんので、時間的にできるだけ急ぎましてあとの処置をとりたい、こう考えておるわけでございます。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 ただいま経済局長が申し上げましたことのほか、林業関係につきましては県にその調査を求めておりますが、やはり被害の性質上、県といたしましてもその詳細については把握していない、やはり大まかな数字、あるいは全体の数字としてしか把握しておりませんから、これをやはり天災融資法の発動を見た場合には、詳細な数字がぜひとも必要でございますし、また、そういう発動を行なうためにもそれが必要でございますので、急速にその調査を進めるようにいたしまして、できるだけ早くその結果をまとめたい、こう考えております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 御両氏に伺っておきたいと思います。  いま局長の御答弁のほうがちょっと時間がかかって内容がございましたので、それをもとにして申しますが、とにかく、調査が食い違っているということを言われる。それは、調査ですから食い違うこともあるでしょう。しかし、食い違うといっても、数字ではそれほどの食い違いは普通ないわけです。同じく府県であり市町村であり、公共機関であって、商売をしているものがインチキをやってその数字で詐欺にひっかけるというような団体ではないのです。地方公共団体ですから、そんなに根本的に食い違うはずはない。  それから、天災融資法の発動、激甚地の指定というような問題について、たとえば天災融資法では、被害農業家、被害林業家、あるいは激甚地指定であれば、特別被害農業家、特別被害林業家という問題に非常に問題がいくわけです。そこのところにチェックができるわけであります。ほんとうに政治の要諦は、また、政治の実際的な部面を持っておられる行政の要諦は、そのような災害を受けてぼう然としている、立ち上がる気力がないというようなときに、直ちに天災融資法を発動する、激甚地指定を直ちにするということによってそういう人たちに勇気を起こさせ、また地方公共団体の勇気もふるい起こさせるということにあろうと思うのです。具体的に数字が違って、それで補助あるいは融資を受けるべきでない者が融資を受けたら困る、あるいは不公平ででこぼこになったら困るということはわからないではありませんけれども、それはほんとうに処置するときに不公平にならないような処置はできるし、それからほんとうに融資あるいは補助をすべきでない人にいかないようにということはチェックできるわけです。ただ、官庁のいままでの手がたい、間違いをしてはいけないから前に調べておくということは、全面的に否定はいたしませんけれども、事災害に関する限りは急速にする必要があるのです。ですから、そういう点で直ちに天災融資法を発動する、激甚地指定をするという意思をお聞かせ願いたいと思うのです。これはこの場ではありませんけれども、たとえば内閣の番頭役である官房長官にも、与党の議員の方とわれわれ一緒に行って、そういうことについて了解がついたのです。また、社会党は非常に熱心に取り組んでおりますし、自民党の政調会長もその点について熱心だ。したがって、皆さん方がそういうものを勇敢に出されても、それをチェックするような、しかりつけるような、問題にするような状態はない。ですから、勇敢に、天災融資法を発動する、激甚地指定をするということを皆さん方として決心をかためていただきたいと思う。その御決心をぜひ田中さんと農林経済局長から聞かしていただきたい。

久宗高農林事務官(農林経済局長)

○久宗政府委員 災害が起こりまして、ちょうどいまのようなこういう段階でも、もう少したちますとおよそ一つのイメージと申しますか、そういうものが浮かんでまいります。したがって、最終的な数字がきまらない場合におきましても、大臣なり、それらの段階におきまして、発動しようというふうに申し上げることがございます。今日までのところ、私どもまだ数字的にそのイメージが十分浮かんでおりませんので、事務段階で申し上げかねるわけでございますが、私どもといたしましては、ほぼ、従来の感覚から、天災融資法の発動が必要になりそうな相当の規模のものであるという感じで、一日も早くその内容をつかみまして処理をいたしたいという気持ちで、いま作業をいたしておるわけでございます。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 ただいま経済局長のお答え申し上げましたとおりでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 この災害は、府県の収録したただいままでの、きのう農林省でお出しになった資料を拝見いたしますと、百七十九億の被害額だということであります。林業被害が百二十三億、農業被害が五十六億ということであります。天災融資法については前に総計にして三十億程度の被害について発動した例があります。ですから、これは、調査によってたとえば一%、二%のでこぼこがあろうと、当然天災融資法の適用対象であるというふうに考えてもいい状態であると思う。大臣あるいは内閣その他に手続が要りますから、皆さん方としてははっきり明確に言われない事情があろうと思いますが。田中さん並びに久宗さんとしては、天災融資法を発動すべきものなりと考えるというようなお気持ちを持っておられると思うのです。そう思いたいと思う。その点について、そういう前向きの御答弁を願っておきたいと思う。

久宗高農林事務官(農林経済局長)

○久宗政府委員 私はそういうつもりで一生懸命作業をいたしております。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 経済局長のお答え申し上げましたとおりでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 それでは時間がありませんので、ぱっぱと具体的な問題に触れたいと思います。  最初に農業関係のことについて簡単に申し上げてみたいと思います。  農林経済局長さんにお伺いしたいのですが、この災害によって、農業近代化資金の融資を受けている者が償還をしなければならないときに非常に困りますので、当面の約定償還金についてその償還猶予する措置をとっていただきたいという要望が各地で非常に多いわけであります。これは当然なさっていただくべきことだと思います。それについての局長の御答弁を願いたい。

久宗高農林事務官(農林経済局長)

○久宗政府委員 従来の例で御存じのように、相当大きな災害が起こりますれば、数字がまだかたまらない過程におきましても、私どもといたしましては、たいていつなぎ融資の措置をやろうというようなことでいたします。また、そのたびに常に問題になるわけでありますが、旧債の関係とか、そういうものがじゃまになって災害資金が借りられないというような問題につきましては、私どもの関係の各金融機関に特別の指令を出しまして、災害にあたっての融資については、条件の緩和なり何なり具体的に措置してやるようにということを、災害ごとに通牒を出しているわけであります。今回もある段階で私どもはそれを出す必要があるであろうというように考えております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 ぜひそのことはやっていただきたい。先ほども申し上げましたように、その関係者が安心してこれからの生産、その準備がまかなえるように、至急にその通牒を出していただきたいと思います。簡単でけっこうですから、至急に出していただくという御返事をいただきたい。

久宗高農林事務官(農林経済局長)

○久宗政府委員 御趣旨に即して、できるだけ早く出すようにいたしたいと存じます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 次にさらに具体的な問題について農地局の方に伺いたいと思います。  自作農維持資金の問題でございますが、そこに災害のワクがございますね。その災害農家に対して自作農維持資金の災害ワクとして各地で御要望になっておられると思いますが、私どもの居住いたしております奈良県においては、少なくとも二、三千万円のワクをふやしていただきたい。それからまた、ほかの同じような被害を受けられたところ、またそれ以上の被害のところもあろうと思いますが、同様のそういう御希望があろうと思いますが、それについてぜひそれをやっていただきたいと思いますが、農地局の答弁を願います。

石田朗農林事務官(農地局管理部長)

○石田説明員 お答え申し上げます。  自作農維持資金につきましては、これは災害等によりまして、融資を受けないと土地を手放さなければならないという方に対して、そういう融資の制度があるわけでございます。これは天災融資法の、ほかの災害融資の問題と補完的な関係にございますので、天災融資法の取り扱い、その実際の運用、それとにらみ合わせてどの程度措置したらいいかということをきめてまいりたいということで、中で相談をしております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 では、いまの私の要望申し上げましたことについて、実際にやるためにあなた方に積極的に取り組んでいただいておるということですね。取り組んでいただけるという……。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員長 八木君、いま予鈴が鳴りましたので、また次に委員会を開きますから、この際総務長官に対する御質問を願います。

石田朗農林事務官(農地局管理部長)

○石田説明員 先生のお話のように、前向きでこれに取り組んでまいりたいと思います。その点で天災融資法の扱い等と関連して十分それの検討を進めてまいりたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 総務長官が来られましたので、そちらに問題を切りかえます。簡単に申し上げますから、簡単にひとつ前向きの御答弁を願いたいと思います。  先ほど林野庁の長官やあるいは農林省の農林経済局長の方々に御質問をして、大体その意識の統一のような形になった。近畿で今度は非常な雪のために大災害がありまして、通計でいま出ておる数字だけで百八十億近い被害が農林業に起こっておる。それについて天災融資法をぜひ発動していただく必要がある、発動していただきたい、また激甚地指定をしていただきたいということを申し上げて、何回かの質疑応答で、いろいろと役所のほうでは御準備をされておりますが、そういうお気持ちで進めておられるわけであります。いまも林野庁あるいは農林経済局としてはそういう気持ちで準備しておられるわけでありますが、しかし、政府におかれまして天災融資法の発動をする、それから激甚地指定をするようにということを——非常な被害を受けて、農林業の立ち上がりのために苦難をしておる国民のためにぜひ至急に発動をしていただきたいということをお願いしておるわけであります。大臣がおられませんでしたので、総務長官に、内閣として積極的に至急にこの二つのことを取り組んでやっていただけるというふうな前向きの御答弁を御期待申し上げるわけであります。

臼井莊一自由民主党総理府総務長官

○臼井政府委員 三月中旬の近畿地方を中心としての雪害につきましては、県のほうから、相当被害があるように報告を受けております。したがって、農林省におきましても、事務的のお話はいたしたと存じますが、被害調査につきまして、目下被害額を調査中でありますから、天災融資法の発動、それから激甚地の指定等につきましても、被害の実情に応じまして十分ひとつ考慮、検討をいたしたいと存じますから、さようひとつ御了承いただきたい。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 実はこの問題についてもずいぶん討議をした。調査に時間がかかると、がくっときておる林業家とか農業家が、これは産業の増進のための意欲が減るわけです。非常にみんなが落胆をしておる。政治の要諦としては、そこに活を入れる、元気をつけてあげる、国がそういうようなものについて対処するのだということが、政治的に見て非常に大切であります。しかもこの百八十億になんなんとする被害でございまして、天災融資法については、すでに三十億で融資を発動した実例があるわけです。その実例があるならば、私どもとしてそれ以上ふえると思いますが、かりに調査をしてこれが百八十億が百七十億になっても、すでに天災融資法の発動の条件には完全に合う、それから激甚地指定の条件にも合うわけです。そういう意味で、調査を全然否定するわけではありません、調査は調査でやられても、発動するという意思表示をされて、それから調査をされて、そうしてここは排除するとか、この人には融資をしないというようなことは、あとの事務的な段階で完全にチェックできるわけです。ですから、そういう意味で、政府として、そういう調査のことは当然官庁がやりますけれども、天災融資法を発動するのだ、激甚地指定をするのだ、早くそういうことを天下に公表せられて、農業家、林業家の意慾がふるい立つように、また地方公共団体がさらに意慾がふるい立つようにしていただきたいと思う。そういう意味で、天災融資法の発動、それから激甚地指定をする方針で進めたいというくらいの前向きの御答弁をぜひ総務長官からしていただきたいと思う。専門家である林野庁の長官、農林経済局長にもいろいろお話をしました。そこで、事務担当者としてはやりたい、調査はもちろんしますけれども、やりたいということは、いまの質疑応答ではっきりしたわけです。政府はもっと大きな政治的な面で国民に勇気を与えるためにひとつそういう前向きの御答弁を総務長官からお願いしたい。

臼井莊一自由民主党総理府総務長官

○臼井政府委員 ただいま八木先生お説のとおり、天災等の場合には、その被害者に対して大いに復興する意慾、また災害に対する慰安、激励等の意味をもちまして、すみやかに極力やるということが要諦でございますので、御意見を十分体しまして、できるだけすみやかに報告をとるとともに対処するようにいたしたいと思います。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 次に、これは林野庁長官に伺いますが、雪起こし資金の融資の問題、農林漁業金融公庫の融資の問題で、これをぜひ積極的に進めていただきたいと思います。融資のワクをふやすようにぜひやっていただきたいと思いますが、それについて……。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 公庫の造林資金で雪起こしの経費を見ることができますし、しかもこれは年度の初めならばいますぐワクの問題を考えなくても重点的にそちらのほうに回し得るように措置したい、こう考えております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 積極的に取り組んでいただける御意思の表示で非常にけっこうであります。  そこで、これに関連した問題でございますが、雪起こし融資というものは、いままで普通の場合に五年生以下の幼齢林が対象になっているようであります。ただし、前例で十五年程度まで対象をふやしたという実例が最近たくさんあるわけです。ところで、私の居住いたしております奈良県の強い要望として、また和歌山県なりその他兵庫県なりの要望といたしまして、その対象をさらに樹齢について三十年程度まで延ばしていただきたいという非常に強い要望があるわけです。その点についてぜひ弾力的に、積極的に対処をお願いいたしたいと思いますが、長官のお答えを願います。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 いまお話しのとおり、雪起こしの林齢を十五年まで延ばしたことはございますし、そういう前例がございますから、農林経済局ともよく協議をいたしまして、今回の場合できるだけ御趣旨に沿うような措置をいたしたいと思  いますが、それ以上の高齢のものにつきましては、折損あるいは倒伏したもので、樹勢を回復するのかどうか、その点の問題もございますし、これはひとつ現地をよく調査いたしまして善処いたしたい、こう考えております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 現地を見て善処していただくことは非常にけっこうだと思います。三十年近い木であれば、雪起こしに該当が少ないのじゃないかという御意見をこの前農林水産委員会で言っていらっしゃるのを私も伺いました。伺いましたけれども、その中に、やはり雪起こしによって樹木の生命が回復するものもあると思うのです。ぜひそういうことで弾力的に対処をしていただいて、三十年くらいまでのそういうものに対してはそういうことができるようにひとつ弾力的に対処をしていただきたいと思います。御要望を申し上げておきます。  その次に税金の問題でございますが、大蔵省の方はいらっしゃいますか。——それでは、所得税の減免その他の税金の問題について、林野庁はぜひそういう被害農家の要望をいれて対処していただくようにお願いをしたいと思いますが、長官の前向きの簡単な御答弁をいただきたい。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 こういう損害がございました場合には、その年の山林所得から、必要経費のほか、その損害として認められた額を控除するという制度にはなっておるわけでございます。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 その制度になっておるのを最大限度に活用するようにしていただきたいと思います。  最後に、造林を再度する場合に、ぜひ拡大造林と同じような補助単価にしていただきたいということが林業家の非常な要望であります。奈良県の被害について、時間があれば、その特殊性について十分申し上げたいと思いますが、せっかく何十年やって、ものすごい被害をこうむって、換金の直前にめちゃめちゃになった中小林業家が多い。その被害が二十二カ町村に及んでおって、奈良県だけでも六十四億円というばく大な損害があります。そういうところで立ち上がるためにいろいろな施策を御要望申し上げております。その一つの中心事項として、この造林をするときに、拡大造林と同じような単価の補助をぜひやっていただきたいというほんとうに強い要望でございます。それについて林野庁長官からぜひ前向きの御答弁をお願いしたいと思います。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 再造林でございますから、拡大造林並みにということにはなかなか問題があるかと思いますが、再造林としてでき得る限りの優遇措置は講じたいと考えております。

八木一男日本社会党

○八木(一)委員 いままで辻原君の質問に対して林野庁長官が、たとえば再造林についての比率をかけることを減らす、変な比率の〇・六をかけない、その御努力は私も認めております。しかし、ほんとうにその被害を受けた人の立場、希望では、それよりもっと国のほうでぜひ元気をつけていただきたい、拡大造林と同じような単価でぜひ補助をしていただきたいということが非常に強い願望でございます。県も県民もこぞっての要望でございますので、これについてぜひ拡大造林の単価を実施していただけるように最大の御努力をいただきたいと思います。最大の御努力の前向きの御答弁をぜひ伺わせていただきたいと思います。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 被害者の立場を考え、再造林の単価についてはできるだけ善処したいと考えております。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員長 この隊、暫時休憩いたします。    午後二時五分休憩

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