建設委員会 第10号
- 発言数
- 119 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1965/03/19
会議録
○森山委員長 これより会議を開きます。 住宅金融公庫法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 この際、本案審査のため、日本住宅公団理事水野岑君、同理事東京支所長三島利美君の両君を参考人として、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森山委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 なお、参考人からの意見聴取は、質疑応答の形式で行ないたいと存じますので、御了承願います。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。西宮弘君。
○西宮委員 建設大臣に、住宅問題につきまして、若干お尋ねをしたいと思うのであります。 第一は、先般この国会の冒頭におきまして、建許大臣が述べられた本年度の施政方針についてでありますが、住宅問題については、こういうふうにうたっております。「住宅対策につきましては、社会開発の中核として、最重点を置いてその推進をはかる考えであります。」こういうふうにうたっておるのでありますが、この社会開発の中核として最重点を置いている、これは一体どういう根拠によってこういうことをおっしゃっておるのか。
○小山国務大臣 いま数字をつまびらかにしませんから、数字の点は、あとで住宅局長から申し上ごますが、要するに、従来と比べて、住宅予算の伸び、あるいは住宅資金に回す財投資金の比率、そういうものについて、従来よりも非常な伸びを示している、こういうことと、それから、政府の心がまえとして、いままで道路や河川ということを強調してきたのでありますが、今年度はさらに一そう住宅について力を入れる、こういう趣旨を申し上げておるわけであります。
○尚政府委員 ただいまお話がございました、予算の伸びを御説明申し上げます。 明年度予算におきましては、公営住宅、改良住宅及び防災街区造成事業等、国庫補助にかかわる補助金は全部で三百六十二億でございまして、前年度に比べまして二〇%の増になっております。それから、住宅金融公庫は約一千四十四億円、日本住宅公団は約一千百二十七億円で、合計二千百七十二億円になっておりまして、これらの合計は、前年度に比べまして二二・四%の増となっておりまして、他の予算の伸びに比べまして一段の伸びがはかられておるわけでございます。
○西宮委員 いや、私も、いま局長が述べられたような数字はもちろん見ておりますから、わかっておるのですが、そういうふうに住宅予算が伸びたとか、あるいはまた、たとえば道路その他、一応言ったのでありますけれども、ことしは住宅に力を入れるという大臣のお気持ちはわかりますけれども、ここで言っておるのは、そうじゃなしに、社会開発の中核として最重点を置いておる、つまり、社会開発という仕事の中のその中核として、住宅政策というのが最重点だというのは、これはどういう根拠で言っておるのかということです。
○小山国務大臣 社会開発というのは、いろいろな意味にとられておりますけれども、いままで国会で明らかにされた議論を要約いたしますと、経済の成長政策をとってきたわけでありますが、これはどちらかといえば、工場設備とか、生産設備とか、そういうものに主眼を置いて、人間の生活環境というものがとかく陰に隠れておるきらいがあった。それを今度社会開発というものの考え方によって、表へ出していこうということでありますが、その場合に、住宅問題というのは、人間の生活の上に欠くるべからざるものでありますので、これが社会開発の主体である。そのほかに下水の問題とか、あるいはばい煙その他による公害の防止とか、いろいろありますけれども、まず社会開発というものの考え方の中の中核として、住宅問題を取り上げていくんだ、こういうふうに申し上げておるわけでございます。
○西宮委員 建設大臣がそういうお気持ちで、いわゆる社会開発という仕事の中で住宅問題を強く、重点的に取り上げようという、その建設大臣のお気持ちはわかるのですよ。しかし社会開発という仕事は、ひとり建設大臣の仕事ではないので、だから社会開発全体のワクの中で、それをその中核として最重点だ、こういうことは、建設大臣がひとりでそういうことを言ったって始まらないと思いますね。だから、建設大臣がいやしくもこう言っているその根拠は、つまり、もっと別なことばで言うならば、政府全体の中でどういうふうに裏づけられているのか、こういうことなんです。
○小山国務大臣 総理大臣の演説の中にもあったと記憶いたしておりますが、それを受けて書いておるつもりであります。
○西宮委員 総理大臣の演説は、この間の演説と、それからさらに、去年、佐藤さんが総理になった最初の機会の演説と、二つあるわけです。その中で、住宅問題を取り上げてはおります。しかし、社会開発を非常に、今度の内閣のいわば一枚看板みたいに大事な項目にされておるのですけれども、ただ、その中で、決して住宅問題を中核であるとか、最重点であるとか、そういうことは全然言っておらないわけです。だから、それは非常におかしいのじゃないかと思うのですがね。
○小山国務大臣 それでは、こういうふうにお読み願いたいと思います。建設省の所管の中で、社会開発問題として考えられるのは住宅である。これは、だから、われわれは社会開発の中核として、住宅問題をとらえて考えている、こういうふうにお読み願いたいと思います。
○西宮委員 そういうことであれば、それでけっこうだと思うのですけれども、ただ私ども少なくともことばだけの表現からいけば、そういうふうにはとうてい読めないわけです。社会開発における——社会開発という仕事はたくさんあるわけですけれども、その中における中核として、しかも最重点が住宅だ、もしもそういうことであれば、これは内閣全体の責任で、そういう大方針が決定されなければならぬと思うのです。私は、実は住宅問題を、建設大臣が言われるとおりでありたいという念願から、そういうことを申し上げておるので、このことばのとおりであってほしい。そういうことを希望するあまり、たいへんくどいことを申し上げておりますけれども、ぜひこれを文字どおり、社会開発全体の中で、中核であり、あるいは最重点である、そういう政府の施策をひとつ打ち出してもらいたいと考えるのですが、その点はいかがですか。
○小山国務大臣 、おっしゃるとおりの希望と決心を持って事に当たりたい、こう思っておるわけであります。
○西宮委員 それで、同じく建設大臣の施政方針の中にあります、今後の、これは住宅ばかりではありませんけれども、ことしの建設行政を「中期経済計画と関連をとりつつ、」云々ということを言っておるわけですが、この「中期経済計画と関連をとりつつ、」ということは、この住宅問題に関しては、具体的にはどういうことを意味するわけですか。
○小山国務大臣 御承知のように、中期経済計画は、いわゆる昭和三十六年に始まりました経済五カ年計画を一種の手直ししたような形で採用されたのでありますが、この中には、公共投資を従来考えておったよりも、御承知のように、多少圧縮いたしております。ですから、われわれが住宅政策を考える場合にも、やはりこの中期経済計画のねらいでありますところの物価の問題、それから貿易の諸種の問題、こういう問題を考えながらやっていかなければならない。そのためには、勢い公共投資はある程度のワク内におさめられる、そういうものを頭に置きながら、やはり住宅政策を考えていかざるを得ない、こういう趣旨であります。
○西宮委員 その、いわゆる中期経済計画との関連の問題でありますが、この中では二つの問題、質の問題あるいは量の問題、つまり中期経済計画の中では、住宅問題をどういうふうに考えておるかということが問題ということになりますと、量の問題と質の問題と二通りあると思うのですけれども、たとえば昨日でしたか、一昨日でしたか、岡本委員の質問に対する大臣の御答弁の中にも、経済成長を八・一%と見ておる。したがって今後このワクの中で、治山治水計画はあの八・一%の経済成長に比例して拡大をしていくのだ、そういうことによって所期の目的を達成するのだ、こういう答弁がなされておったわけですが、住宅問題についても同様ですか。
○小山国務大臣 その点は同じであります。要するに昨日申し上げました趣旨は、中期経済計画においても八・一%の実質成長を見ておる。そうしますと、五カ年間で単純平均しましても、四割上がるわけでありますが、それは例の複数計算でいきますから、五割以上国民所得が上がってまいります。そうすれば、当然国民の貯蓄、あるいは所得から生じますところの税金というものは、それの二倍ないし三倍になってくるはずでありますから、それをわれわれは今後の計画の中に織り込んで伸び率を見ていくんだ、そうしますと、住宅政策についても、去年とことしの伸び率を正確には覚えておりませんが、その伸び率は今後も維持できる、そうすればわれわれが目標とする昭和四十五年までの三百万戸以上という住宅は完成できるのだ、こういうふうに見ておるわけであります。
○西宮委員 そこで、その八・一%が住宅の場合にもそのまま適用されるということであれば、たとえば中期経済計画でいっている、五年間に二百万戸の政府施策住宅をつくるんだといったような構想が実現できると思うのです、八・一%で計算しさえすればですね。しかしこれまでの過去の実績からいうと、そうはなっておらない。たとえばいまの経済成長、こういうふうな大幅な成長を始めた昭和三十五年、六年ごろから考えてみても、今日までのいわゆる公営住宅——まあ公営住宅にかりに例をとって、公営住宅三年計画というものを繰り返してきているわけですけれども、その中では、わずかに三%ずつ伸びているわけです。ことしは去年に比べると、戸数で七・六%くらいふえておると思うのです。そういうことになっていると思うのですけれども、いままでの実績から考えると、ああいう驚くべき経済成長を遂げながら、しかも住宅投資に回しておったのがわずかに三%程度だ、こういう数字が過去の実績になっているわけです。そういう点を考えると、ことしは七・六%あるいは七・七%程度に当たるかと思いますが、かなり八・一%に近い数字ではあるけれども、私はいままでの実績から考えてみて、将来、経済成長と比例して、住宅投資に回されるというふうには期待できないんじゃないかという危惧があるのですけれども、どうでしょうか。
○小山国務大臣 この点は、確かにおっしゃるとおりに、今後の努力に待つところが非常に多いと思うのであります。つまり政府全体の姿勢、つまり社会開発という大旗を掲げて、そうして住宅政策に重点を置くのだというこの姿勢、これから予算の配分あるいは財投の配分が出てくるのでありますから、いままでのような態度では、おっしゃるとおりに、中期経済計画において二百万戸、あるいはわれわれの目標とする四十五年度までにおいて三百万戸以上ということは相当な努力を要する。ですから、政府全体としても、あるいはわれわれ建設省としても、各年度の予算において、この大目標を掲げて、相当な努力を要することは間違いありません。その覚悟でおります。
○西宮委員 局長にお尋ねしますが、ことしの予算では、公営住宅の関係では五十九億ふえておるはずですね。
○尚政府委員 公営住宅の関係では、五十六億と改良住宅の三億と合わせまして、五十九億ふえておるわけでございます。
○西宮委員 その、五十九億で、いろいろ質の面で向上をはかっている点もたくさんあるわけですね。それと、それから、戸数をふやすという問題と、両方あると思うのだけれども、その五十九億の振り分けはどういうふうになりますか。質の改善ということに充当される部分……。
○尚政府委員 これはおおよその申し上げ方しかできませんが、公営住宅は、三十九年度六万戸でございましたものが、四十年度六万五千五百五十五戸になっております。それから改良住宅まで入れますと、公営、改良合わせて六万四千五百戸のものが七万五十五戸になっております。したがいまして、戸数ではおおむね七%くらいの増でございます。そこで、お金の上では約二〇%ふえて太りますので、残りの一三%が単価及び質の向上に使われたということが言えると思います。さらにそれを分解いたしますならば、単価はおおむね五%ないし六%くらいの増でございますので、残りの分が質の改善に使われたというふうに見ることができると思います。
○西宮委員 これも局長にお尋ねしますが、三十九年度の予算で、補正予算の際に一億近く減額されているわけですね。これはどういう理由ですか。
○尚政府委員 これは、昨年末の財政の事情によります節減によるわけでございます。
○西宮委員 節減によるというのはどういう意味ですか。もちろん政府が昨年財政節減の大方針を出したことはわれわれも承知しておりますけれども、それがそういうことでやむなく切られたんですか。
○尚政府委員 財政上の理由による節減に伴いまして、やむなく事業を一部切り落としたわけでございます。
○西宮委員 私のお尋ねしたいのは、やむなく切られたんでしょうけれども、同時にまた、予算が十分に消化されない実情にもあるのではないかと考えるのだが、その点はどうですか。そういう心配は全くないわけですか。
○尚政府委員 予算が十分に消化されないということはございません。しかしながら、端的に申しまして、東京都のみにおいて、事業が、着工しておりますが完成がおくれているという事情はございます。それで節減の場合にも、そういう節減資金は、主として事業のおくれている、着工はしたけれども資金は出てないというような部面のところからおもに節減いたしました。
○西宮委員 私が心配をいたしますのは、たとえば予算単価が実情に沿わないとか、あるいは土地がものすごく高騰しているとか、そういうことのために、予算が完全に消化されないという可能性、危険性があるんじゃないかという心配なんですが、それは全くありませんか。
○尚政府委員 お尋ねの、単価あるいは土地の入手が困難であるために、事業が予定どおりいかない点があるのではないかということでございますが、正直申しまして、昭和三十五年、六年は非常に急激に単価が上がりましたために、地方の予算がこれに伴わず、若干返納ということがございました。しかしこれも三十六年に年度中途で補正予算の追加をいたしましたので、おおむね計画どおりいきました。それ以後は、私どもも順調に年々単価を改善しておりまして、今日では要望のほうがきわめて多く、この予算をもってしてもさばき切れないくらい要望が多く、事業の進行には一向差しつかえありません。
○西宮委員 これは少しニュースとしては古いんですけれども、昨年の九月、新聞に報道された都営住宅の進捗状況ですね。それがすこぶる悪い。これはいま新聞を紹介するの煩を避けますけれども、これによると、問題にならない都営住宅の進捗状況なんですね。それは要するに、土地が非常に値上がりをしてしまったために、もう建てるにも建てられない、そういうきわめて窮迫した状況を訴えているわけですけれども、そういう状態は今日は解消されているのですか。
○尚政府委員 端的に申しまして、東京都を除く公共団体ではそういう問題はなく、きわめて順調にいっているわけでございます。東京都のみにつきましては、実はオリンピックをやる以前におきまして、いろいろ財政上の都合もあって、土地の先行取得がややおくれていたきらいがございます。したがいまして、土地をあらかじめ得ておくことがおくれたために、その上に乗せます建築がおくれて、新聞に報道されましたように、三十九年末におきます完成戸数がきわめて少ないわけでございます。東京都はこれに反省いたしまして、四十年度予算はもちろん、三十九年の末におきましても、土地を先行取得することに非常に力を入れておりますので、ただいま直ちに回復するとは考えられませんけれども、閥十年度内には、相当程度そのおくれを回復するものと考えられております。したがいまして、住宅を建てる意思がなくておくれておるというのでなくて、土地の先行取得が過去二、三年の以前におくれていたという現象が今日あらわれたわけで、その回復につとめているのが、東京都の実情でございます。
○西宮委員 そういうことで、去年のオリンピックに関連した、全く去年だけの偶然の理由によるのだということであれば、問題はないと思う——問題ないこともないでしょうけれども、それならそれでいいと思うのです。 そこで、土地の暴騰といういうなことが非常に深刻になってきておるので、これは必ずしも東京だけではなしに、たとえば大阪にしても北九州にしても、ああいう地帯には、同じようなことが起こり得るのじゃないかと思うのですが、そういう懸念は全くありませんか。
○尚政府委員 住宅の建設を円滑にするためには、御指摘のように、土地をあらかじめ取得することが非常に大事なことでございます。したがいまして、公営住宅自身の中にも次年度以降用地取得補助金というのがございますし、それから、住宅金融公庫から、宅地造成資金の融資等を行なっております。さらに法制的には、先年新住宅市街地開発法等を設けまして、公共団体が土地を取得するときに相当の権限を付与するというような諸施策を、あわせて行なっておるわけでございまして、各公共団体ともこの意思に沿いまして、いろいろな手段でもって、土地の先行買収をいたしております。特に大阪等は、御承知のように、千里ニュータウンでは、四百万坪に近い開発をやっておるわけで、さらに続けて、泉北でまた三百数十万坪の開発に近日着手するというふうにいたしまして、先手先手を打つというやり方が、最近の地方公共団体の傾向になっております。ただし、御承知のように、東京都だけはそうした機運が出るのが、ややおくれたきらいがございます。しかし、その東京も、御承知のように、本年から多摩に九百万坪の開発に着手をいたしました。そういう形で、各公共団体において、住宅問題の解決のために、土地の先行取得が非常に重要であるということの認識がもう一般化してまいりまして、今後はその面で、在来より、より円滑に建設されるものと考えておるわけでございます。
○西宮委員 実際問題としてお尋ねをしますが、たとえば、その地価はどの程度のところまで対象にしているか、つまり家賃とのからみ合わせの問題になるわけだが、現実にはどの程度までのものを敷地として買っておりますか。用地買収費の実際上の限界ですね。
○尚政府委員 詳細なデータがございませんけれども、私の記憶しておるところでは、大都市におきましては、大体坪三万円くらいまでのところを一般に使っておると思います。しかしそれは高いほうの部類で、通常はもう少し安いところで建てている。したがいまして、残念ながら場所が少し悪くなってくるというような傾向はいなめない事実でございます。
○西宮委員 たとえば大都市、その代表は東京でしょうけれども、東京などの場合、坪三万円程度の土地ということになったら、これはずいぶん不便な場所になってしまうと思うのだけれども、たとえば都心までどのくらいで通える土地ですか、三万円で買える土地ということになると。
○尚政府委員 たとえば、最近の大規模にやっておりますのは、やはり多摩地方とか、大阪でいうと千里あるいは泉北という土地で、おおむね都心まで一時間あるいは一時間ちょっとかかるかというような位置になると思います。そういうところで、通常の状態では開発できない山林等を公共の力によって、非営利に開発して使っておりますので、値段の上では、通常の土地の場合よりは、公共の開発したものはかなり格安になっております。
○西宮委員 それでは、いまの地価などに関係するわけだけれども、家賃はどの程度まで……。
○尚政府委員 家賃を三十九年度で調べましたものにつきまして、御説明申し上げます。 まず標準的な家賃、これは大体地方都市でおおむねこの程度でございますが、第一種公営住宅で木造十一坪のものが二千九百八十円、それから中層耐火構造十三坪のものが三千八百二十円、それから第二種公営住宅で木造九・五坪のものが千九百三十円、中層耐火構造十一・五坪のものが二千五百七十円、これが標準と申しますが、これは大都市においてはこれよりかなり高くなりまして、その実例を申し上げますと、これは三十八年度の実例でございますが、まず東京都では、これは木造をやっておりませんので、鉄筋コンクリートの中層耐火構造が五千五百円から七千二百円、これは第一種でございます。第二種のほうは三千六百円から四千三百円、同じく東京都におきまして、二階建てのブロック造が、第一種におきまして五千百円から七千二百円、それから同じく第二種の二階建てが、三千八百円から四千三百円でございます。それから地方都市、たとえば山口県の実例を申しますと、第一種公営住宅で木造が二千八百円、ブロック造平屋建てが三千円、ブロック造二階建てが三千三百円、それから第二種で同様に木造が千八百円、ブロック造平屋建てが二千円、ブロック造二階建てが二千五百円、こういうような実例が出ております。
○西宮委員 将来の方針の問題にもかかるわけですが、土地がだんだんに高騰していく、そいつが家賃にはね返っていくということになるわけだけれども、家賃を最終的には一番高くてどの辺で押えるか、あるいは、同時に、したがってたとえば土地は何ぼまでは買える、それ以上は幾らほしくても買えないという限界があると思うのだけれども、そういうのは、将来の方針としてはどういうふうに考えておりますか。
○尚政府委員 いま一般的な規定は設けてございませんけれども、御承知のように、公営住宅はその入居資格に収入基準を設けております。これが、家族四人の標準家庭で計算いたしますと、第一種の上限が五万一、二千円、第二種が三万六、七千円になることになります。以上の状態から考えまして、大体公営住宅は低所得向けでございますので、家賃としてはその一五%ぐらいまでにおさまることが望ましいというふうに一般的には考えております。
○西宮委員 もう一つ局長にお尋ねしますが、いわゆる住宅困窮者という世帯ですね、これはどのくらいの数字になっておりますか。
○尚政府委員 昭和三十九年の四月で推定いたしまして、おおむね二百六十万世帯が住宅難世帯というふうに考えております。
○西宮委員 それは全世帯のどのくらいになりますか、あるいは勤労世帯の何%ぐらいになりますか。
○尚政府委員 ちょっとここに詳細な資料がございませんけれども、普通世帯は、つまり準世帯と申しまして一人世帯を除いたものが、おおむね二千万世帯ぐらいじゃなかったかと思います。それに対して、二百六十万世帯が住宅難世帯というふうに考えられるわけであります。
○西宮委員 いまのには、たとえば勤労世帯では、収入階層別というような調べはないわけですか。私は昭和三十五年の住宅事情実態調査というのを持っておるのだけれども、それとずいぶん数字が違うのだが……。
○尚政府委員 住宅事情の実態調査は、三十五都市のサンプル調査であったわけであります。数字の差がそれほどあるとは、実は記憶してなかったのでございますけれども……。
○西宮委員 それでは、私の持っておるので申し上げると、いわゆる住宅困窮者というのが世帯全体の三五・九%なんですよ。それから勤労世帯については三八・六%。収入階層別にそれぞれ区別もありますけれども、全体ひっくるめていうと、そういう数字です。 そこで、大臣にお尋ねしたいのですが、こういういわゆる住宅困窮者というのが相当の数を占めておるわけですね。これは数字に多少の違いが——私は政府の調べによっておるわけですけれども、とにかくこういう大きな割合を占めた住宅困窮者があるわけであります。それに対して、公営住宅などの占める比率というのがあまりに少ないと思うのだけれども、この点、まあ大臣は、これから非常に力を入れるのだというさっきのお話だけれども、いまの住宅困窮者の割合等から見て、あまりにも公営住宅の手当てが少な過ぎると思うのですがね。もう少し何とかならないですか。
○小山国務大臣 これは、私が調べましたところでは、たしか住宅困窮者の割合に応じて公営住宅の配分はできておる、こう考えておるのですが、なお詳細は局長から申し上げます。
○尚政府委員 政府施策住宅の戸数につきまして、それを階層別に住宅困窮世帯の所得分布と比較してみますと、住宅困窮世帯の所得階層別の分布は、これは昭和三十七年十月の調べでございますが、いわゆる第二種にふさわしい階層としまして、月収二万円以下の階層これは実収三万三千円になりますが、三万三千円以下の人が三二%おります。それから月収二万円から三万六千円の階層、これは平均実収でいいますと三万三千円から五万一千円になります。この階層が三四%。それから月収三万六千円をこえて住宅困窮世帯であるものが、これは平均実収入からいいますと五万一千円をこえるものでございますが、これが三四%と推定されております。これに対しまして、たとえば昭和四十年度政府施策住宅のうちの賃貸住宅の分布を比較してみますと、第二種公営住宅及び改良住宅は、これの対応する階層が三二%であるのに、政府住宅の中での比率は四二%にしてございます。それから中間のいわゆる第一種階層というのは三四%あったわけでございますが、これに対しまして第一種公営住宅、それから、この階層は公庫の賃貸住宅の約半分は使えるものと考えまして、それから考慮いたしますと、その分が三〇%ございいます。さらに第三の、三万六千円をこえる公営住宅以上の階層、これにつきましては、公庫の賃貸住宅の半分あるいは中高層住宅あるいは公団の賃貸住宅、そうした上のほうの階層に向くと考えられます住宅が、供給戸数のううの二八%というふうにして、おおむね比例をとるようにいたしているわけでございます。
○西宮委員 その公共賃貸住宅だけをとってみると、いまの困窮者の割合に比べて非常な低率になると思うのですよ。それにいまの持ち家住宅を加えていけば、あるいはそういう数字になるかもしらないが、その公共的な賃貸住宅だけの比率はどのくらいになっていますか。
○尚政府委員 ただいま申し上げましたのは、第二種公営住宅、第一種公営住宅、改良住宅、公庫の賃貸住宅、公団の賃貸住宅、これらを階層別に分析しますと、一番低階層向けにつきまして、第二種公営住宅及び改良住宅の戸数が四五二千五百戸で、全賃貸住宅のうちの四二%、それから中間の階層に対しまして、第一種公営住宅が二万六千戸、公庫賃貸住宅の半分として三千五百戸、公団賃貸住宅のうちの若世帯向きの約千八百戸、これで合計いたしまして三万一千三百戸程度になりますが、これが全体の三〇%、それから上の階層に、公庫賃貸住宅の約半数の三千五百戸、中高層住宅二千四百戸、公団の賃貸住宅二万四千二百戸を足しまして、約三万一百戸でございまして、これが二八%に相当している。いわゆる賃貸住宅としては、むしろ下の階層のほうにより多い数字がいくように分布させてあるということでございます。
○西宮委員 その賃貸住宅だけについて、かりに例をとっていえば、最近自力建設の住宅がだいぶふえているわけです。これが非常にふえているから、その住宅の建設戸数そのものは毎年相当にふえているけれども、その中で大きな部分を占めているのが自力建設の住宅です。したがって当然に、公共的な賃貸住宅がもともと少ないところへもってきて、だんだん低下しているわけですね。局長もその数字はお認めでしょう。
○尚政府委員 全体に比べて、賃貸住宅が特に低下しているということはございません。昭和四十年度におきましても、公営住宅は在来になく五千戸増加というふうにいたしまして、低家賃住宅の分も相当量ふやすという努力をいたしているわけでございます。
○西宮委員 それでは大臣にお尋ねしますが、最近はいわゆる自力建設の住宅がだいぶふえていろわけです。公営住宅もふえてはいるけれども、パーセンテージからいうと、わずかながら減っているわけです。こういう状態は私は非常に望ましくないと思うのです。政府としては、まず低所得者を対象にした公営住宅を大いにふやすべきだということを、私は特に主張したいのだけれども、いろいろ説はあると思うのです。たとえば、住宅なんというものは本来が自力で建てるべき筋合いのものだ、戦前はそうだったじゃないか、という考え方もないわけではないと思う。そういう問題に対する大臣の考え方はいかがですか。同時にまた、そういう考え方も現にある、またあってもいいと思うのですが、もしそうだとすれば、それに対してはそれ相当の、自力で建設できるような裏づけというか、そういうものを政府の施策としてやっていくべきだと思うのだけれども、そういう点についての考え方はいかがですか。
○小山国務大臣 こういうことじゃないでしょうか。従来建ちました住宅の全戸数を比べてみると、政府の施策住宅よりも民間が自力で建設した住宅のほうがその比率は多い、これは確かにそうだと思います。しかし政府が財投資金を使ったり、あるいは財政資金を使ったりして建てる住宅については、公営住宅等のような低所得者層のほうに重点を置いて、やっている。そういうつもりで四十年度の予算は要求をしているはずであります。民間の自力建設につきましては、公庫の資金を貸しますほかに——これは政府の施策住宅といってもいいかと思いますが、政府の金融公庫の金を全然使わない住宅がそのほかに相当あるわけですね。この部分は、経済成長に伴うところの所得の増加及び税制の優遇によって誘導している、こういうやり方でやっているわけです。
○西宮委員 いまの御答弁だと、結局、具体的に役に立つのは税制だということになると思うのですが、私はそういう自費で建てる人が建てやすいような環境をつくっていく、条件を整備するといういろいろな問題があると思うのですけれども、そういう点もぜひ考えていただきたいと思うのです。 大臣がいなくなるそうですから、大事なことをもう一つお尋ねしたいと思うのです。 いままで、主として量の問題について、私はお尋ねしてきたわけです。量の問題についてもまだお尋ねする点がたくさんあるのですが、また次の機会に譲りましょう。質の問題では、大臣がこの国会の最初に演説した中でも、さっき申し上げたように、中期経済計画と対応しながらやっていくのだというお話なんだけれども、中期経済計画の中にうたわれている住宅問題は、特に質の問題については「適正な質をそなえた庶民用住宅を大量に供給し、」ということになっている。あるいはもう少し具体的に、こういう表現も使っているわけです。「長年にわたって国民の快適な住宅としての役割を果しうるよう、規模や設備の面でも従来にくらべて一段とすぐれたものでなければならない。」こういうふうに書いているわけですけれども、そういう点はどうでしょうか。ここにいわれているとおりのことが、具体的にあらわれているかどうか。
○小山国務大臣 いまおっしゃったようなことは、従来はとかく量のほうに重点を置きまして、質のほうがネグレクトされておったのでありますが、最近は質のほうに少し重点を置きかえようということで、坪数をふやしたり、あるいはいわゆる殺風景な建築を幾らか見た目にもいいような建築にするとか、あるいは団地をつくるにあたりましても、緑地を残すとか、自然の風景を残していくとか、あるいは下水や道路を完備するとか、そういうほうに——要するに、まだ一人当たりの坪数が非常にてふえるとまではまいりませんけれども、環境をよくするとかいうところは、大いに努力をいたしておるわけであります。それからなお、坪数につきましても、たとえば今度公営住宅についても、若干一戸当たりの坪数をふやしてまいりましたが、今後も量の確保をするとともに、あわせて一戸当たりの坪数を、公営住宅についても公団住宅についてもふやしていきたい、こういうことで方針を立てておるわけであります。
○西宮委員 ことしは、公営住宅については、北海道を除いては坪数は全然ふえてないわけですよ。だから大臣のお気持ちとだいぶ違うと思うのです。
○小山国務大臣 いまのは間違いました。北海道だけでありまして、公営住宅については、公団の賃貸住宅を〇・五ないし一・五坪、改良を〇・五坪、今度ふやすことにしたわけであります。
○西宮委員 いずれにいたしましても、今日までの公共賃貸住宅は非常に規模の小さなもので、まことに貧弱だということは天下周知のことです。ところが、中期経済計画にうたっているのは、先ほども申し上げたように、長年にわたって国民の快適な住居として使えるものだ、こういうことをいって、「規模や設備の面でも従来にくらべて一段とすぐれたもの」をつくるのだといっているのだけれども、もしも大臣の言うように、これを基礎にして今度の住宅政策を考えたのだということであれば、はなはだしくこのことばと相反すると私は思うのですよ。現に示されている予算のとおりであるとするならば、こっちでいっていることとはまたたいへんな違いだし、したがってこれは全くでたらめだということになるわけですが、いま私が何回も読み上げたこういう理想的な住宅を、これは昭和四十三年までにつくるというわけですが、はたしてそういうことができますか。
○小山国務大臣 これができるかできないかという問題は、予算並びに財投の問題と関連してくるわけでありますが、今年度にもその片鱗はあらわれているわけでありますけれども、さらに四十一年、四十二年、四十二年と年を追うに従って、そういう質の面についての希望が非常に強いわけであります。ですから、量の確保、量を漸増すると同時に、質はぜひ改良していきたい。ついては予算の単価も関係してまいりますから、単価の面、質の面、これは四十一年度以降の重要な目標にしていきたい、こう思っておるわけであります。
○西宮委員 質も大いに改善したいという大臣の願望はわかるわけです。わかるわけだけれども、私の言うのは、政府の大方針として中期経済計画が決定されて、これは四十三年度までにやるのだということを天下に声明されているわけですね。それがしかも、さっき申し上げたとおりのいわば理想的なものです。そういうバラ色の夢を約束しながら、しかも現実はいま示された予算のとおりだということであれば、われわれはまことに失望落胆せざるを得ないわけなんです。それじゃもう、これは要するに単なる理想を描いたにすぎないものだ。宣伝なんだ。宣伝だというのであれば、それでけっこうでありますが、これは単なる宣伝と解してよろしいわけですか。
○小山国務大臣 宣伝じゃありません。と申しますのは、総投資額一兆一千二百億、こう中期経済計画でやっておるわけですが、一兆一千二百億というのは不可能な数字じゃない、むしろもっとよけいいくのじゃないか、こう思っておるわけです。これは将来のことでありますから鬼に笑われるかもしれませんが、実質八・一%よりもっと日本の実力はあるのじゃないか。ただその程度を政策の目標にしていきませんと、物価の問題、あるいは国際収支の問題等、難問がぶつかってくるから、そこで、あり余る力をセーブしていくのだというのが中期経済計画の目標でありますから、実際一兆一千二百億の財政投資をあとの残された期間内にやることは決して不可能じゃない、こういうふうに確信をいたしております。
○西宮委員 大臣の帰る時間もなくなりましたから、もうこれ以上大臣との問答は繰り返しませんが、いまの大臣の御答弁だとすると、これはふり余る力をセーブした結果がこれなんだ。したがってほんとうはこれ以上のものができるのだ、こういういまの御答弁ですね。そう解してよろしいのですか。
○小山国務大臣 中期経済計画というのは、いままで非常に伸び過ぎていっておる日本経済が、このままでいきますと、いまのような政策でいきますと、国際収支の問題と物価の問題に非常な問題を起こしつつありますので、そこでこれをどうしてもチェックする必要があるということから出発した政策目標でありますから、実際はもっと強い力を持っているのだ、これはもう大前提であります。
○西宮委員 それでは、大臣の今後の手腕に大いに期待いたしまして、質問を終わりますが、要するに、大臣の御答弁だと、これ以上の実力を持っているのだというお話なんだから、しかもこれは昭和四十三年までにやるわけですから、あと三年間でこれ以上のものを見せていただきたいと思います。ぜひ私どもはそれを期待しておりますが、もしこれ以上のものが四十三年までにできなかったら、大臣の責任を追及いたします。 それでは、今度は当面の問題につきまして、金融公庫法の今度の法改正につきまして、若干お尋ねをしたいと思います。今度の改正の問題点は数項目ありますが、第一に、今度は法人ではなしに個人にも融資をするという改正が行なわれたわけですが、個人がいまむやみやたらに小さなアパートなどをつくって、そのために都会地を非常に混乱におとしいれておるということが現在の実態なんで、そういう者にもこの公庫の金を貸し出しをして、そういう従来の弊害を除去しよう、そういうところにこの趣旨があるのではなかろうかと思うのですけれども、どうですか。もしそうだとすれば、そういう点で、いま申し上げたような従来の弊害をこれによって改善することができるというふうなお見通しがありますか。
○尚政府委員 今回公庫法を改正しまして、個人で土地を所有しております人に貸し付けようといたしますその目的は、在来の公庫法の第十七条第一項による賃貸住宅または分譲住宅の建設資金は、主として住宅協会、公社等の公益法人または地方公共団体に貸し付けることにいたしておりまして、個人が公庫の金を借りまして鉄筋コンクリートのアパートを建てますときには、実際その土地の所有者が個人であるにもかかわらず、やはりどうしても会社法人をつくらなければならないということにいたしましたために、親類縁者等が集まって、わざわざ法人をつくりまして、そうして初めて住宅金融公庫の金を借りまして、鉄筋コンクリートのアパートをつくって一般の人に募集して貸し付ける、こういうやり方をやっておりました。今回の改正は、実情といたしまして、実質的に個人が何百坪という土地を持っておられるケースが多いので、わざわざ法人をつくるような煩瑣な手続を省いて、個人がそのままで直接公庫からお金を借りてアパートをつくれるということにいたしたいということでございまして、このアパートはいずれも鉄筋コンクリートのアパートでございますので、相当面積の土地を持っておる個人の方が、公庫からお金を借りてアパート経営をしやすくする。そのアパートは鉄筋コンクリートのちゃんとしたアパートであるということによって、どちらかというと、いま先生のお尋ねのありました木造アパート等になるものを、逆にむしろちゃんとした鉄筋コンクリートのアパートのほうに誘導したい、というような気持ちが入っておるわけであります。
○西宮委員 いま木造の安アパートが乱立するということが、市街地を非常な混乱におとしいれておるということは、さっき申し上げたとおりですが、そういう実態に対して、今度個人にワクを拡張したということによって、そういうさっきの都市の問題、そういうものの解決がある程度できるという見通しですか。
○尚政府委員 この貸し付けをする場合には、やはり市街地の形態として、相当の面積を持ち、建てられるアパートも一応都市計画的に見て相当の大きさを持ったものに貸し付けをいたすわけであります。それから住宅金融公庫の公共的低利長期の資金を貸し付けるわけでございますので、その経営はやはり薄利で経営していただくというような条件もつくわけであります。したがいまして、必ずしも今日建設されております木造アパートは、これはいま申しましたような薄利の経営ではございませんで、むしろ端的に申しまして相当暴利な経営であります。そういうことから、簡単に、この制度を開きましたら、木造アパートの方が公庫を利用して、こういう公共的な経営をするということは必ずしもあまり期待はできないと思います。しかしながらいままでは個人がたまたま公共的な経営をしようと思っても、個人ではだめだ。会社法人をつくってからでなければ公庫は貸さない。その煩瑣を簡略化するということによって、相当量の土地を持っている方が、公共的なこういった賃貸住宅の経営に参画していただくのを容易ならしめる、というようなところに主眼があるわけでございます。
○西宮委員 そうすると、従来ことさらに法人をつくるというような手続の煩瑣を経ておったわけだけれども、そういう手続の煩瑣を省くということだけで、実態としては何も改善されないわけですね。むしろ、その煩瑣な手続が簡略になるということは、当事者にとってはもちろんけっこうだと思うのだけれども、もう少し広い意味での政策的な意図というものはないわけですか。
○尚政府委員 この個人に貸し付けることにいたしました分につきましては、いまおっしゃったように、比較的単純に事務の煩瑣を簡略化するというところに重点が置かれまして、そう大きな、この問題に、いまおっしゃったような民間アパートの乱立を防止するというような強い意味は持たせておりません。
○西宮委員 私は、それでなければあまりに意味が少ないと思うのですけれども、むろん手続が簡略になるということはけっこうなことですよ。それはそれとして評価しますけれども、いま都会で非常に困っておる問題は、ああいう木造アパートの乱立にあるというのだから、それが幾らかでも緩和されるという方向で政策が考えられなければ、はなはだ意味がないと思う。したがって、そのためには、たとえば金利なりあるいは償還期間なり、そういうものをできるだけ有利にしてやって、従来木造でむやみにつくっておった連中、そういう人たちが、こっちのほうにだんだん向いてくるというふうに仕向けるべきだと思うのだけれども、そこまで考えられないのですか。
○尚政府委員 その面のほうにつきましては、実は今回の改正の中に、全部が住宅である中高層耐火建築物に対する金額貸し付けという、もう一つのいわゆる中高層融資として、いままで住宅が上に乗っておって、下に商店があるげたばきの部分貸しの分がありました。これを在来と違って、上から下まで住宅のものと同じく十年七分で貸す。したがいまして、商店街よりちょっと奥に入ったところでも、土地を持っている方が、これはやはり個人でも法人でもいいわけです、これは前から個人でもよかったのです。しかし、いままでは個人でもよかったのですけれども、げたばき方式をとっておったわけですが、これを全部が住宅であるものにも貸し付けて、これを十年七分の金を全部に向かって貸して、経営していただくという制度を設けました。この制度のほうの効果は、在来げたばきというのは、たとえば電車通りに面するとかなんかだったのですけれども、住宅地の中でもアパート経営をして、十年で七分の金を借りられるという制度、これは先ほどからくどくど申し上げて恐縮ですけれども、在来から個人でもよかったのですけれども、全部が住宅という制度のものがなかった。それを今度はつくりました。
○西宮委員 全部が住宅だというやつをつくるのは非常にけっこうだと思いますけれども、要するに、私の言いたいのは、従来いわゆる木造アパートの乱立を防止するために、こっちのほうの利率なりあるいは償還期間なり、そういうものをできるだけ有利にしてやって、彼らがだんだんこっちのほうに向かってくるというふうに誘導すべきだということを言いたかった。それを私は繰り返して申し上げておるのです。それはひとつそういう点で、もう一ぺん十分研究してもらいたいと思いますが、いまこれが当面そこまで行っていないにしても、ぜひそういうことを考えてもらいたいと思うのです。 お尋ねしたいんだけれども、さっきの話のように、これは局長の言うように、薄利なんだというんですね。そういうことだと、家賃などについては、これは公庫だか建設省だか知らないが、そこで制約を受けるわけです。そういうのをもぐって、いろいろな名目の金を取るというようなことも行なわれる危険性があると思うんだが、そういう心配はありませんか。
○尚政府委員 御指摘のように、私どもはいろいろの賃貸住宅の幅を個人にも広めたということ、あるいは全部が住宅という中高層住宅に貸し付けを広めたということの趣旨は、逐次、土地等をお持ちの方につきまして、都市計画的に堅固な住宅を経営していただきたい、こういう趣旨から来ております。しかしながら、在来住宅金融公庫の公的資金を、しかも建設費の大部分をお貸しして建てる以上、やはり公共的な意味を持たせて、その家賃計算法等については、相当厳格なる制限を設けております。しかし一方では、政策の趣旨が全体の土地の合理的利用ということを目ざしている以上、いままでのように、あまり厳格過ぎるために土地の所有者がこういう建設に興味を持たないということになりますと、政策が生きてまいらないわけでございますので、実は私ども、今後は在米の計算法を若干でも手直しして、一方では公共的な意味は失わせないながら、しかし自分の土地を利用して公庫の資金を使ってアパートをやるということが、ある程度地主にとっても興味のある仕事になるように、家賃の算定法等について改善をいたしたいと思って、まだ具体的には申し上げられませんけれども、いま検討中でございます。
○西宮委員 それでは、その問題はそのままにしまして、ただ希望として、さっき繰り返して申し上げたことを政策的に具現するように、ぜひ考えてもらいたいと思います。 それから二番目に、今度の改正の一つとして、学校を建てるのに金を貸すということになったんたが、これはどの程度、たとえば四十年度の予算ではどの程度、何校くらい、またどういう学校をつくらせるつもりか。 〔委員長退席、福永(一)委員長代理着席〕
○尚政府委員 新たに、宅地造成融資の中で、昭和四十年度は、貸し付け契約額として五億円の範囲内で学校を建設する資金を融資することを新設いたしたわけですが、いま私どもが考えておりますおおむねの計画は、小学校で七校、中学校で三校ないし四校程度の建設ができるというふうに考えております。
○西宮委員 ついでにお尋ねしたいのですけれども、こういう学校その他いろいろな施設が、公共施設が伴わないために、地方団体が非常にしわ寄せを食っておるというような事例がたくさんあるわけです。たとえば近い例として、例の千葉、神奈川、埼玉でしたか、ああいうところで猛烈な反対運動が起こっておったんだが、これは公団のほうの住宅でしょうが、しかし要するに、そういう公共施設が伴わないという点においては同じことだと思うのですがね。ああいう問題のその後の状態、地元の受け入れ側の態勢、あるいはさらに今後のそういう懸念、そういった問題、どうですか。
○尚政府委員 御指摘のように、最近住宅の団地開発がきわめて大規模になりました。その結果、小学校、中学校等の学校施設をはじめ、あるいは下水の施設、取りつけ道路等公共の関連施設が非常に多く要求されるようになりました。これに対しまして、住宅の側から用意する資金が必ずしも十分でなく、あるいは制度としても完備していなかったという点がございまして、これがいろいろ現地におきまして摩擦を生じまして、御指摘のような同順が最近とみに起きてきたわけでございます。要するに、住宅団地の開発が大きくなりますのには、これを一つの町づくりとして考えて、あらゆる施設について、制度資金等を用意しなければならないということになるわけでございます。最近それぞれの事業主体あるいは私ども建設省も強くその点を認識いたしまして、本年度から、たとえばこの公庫による小学校建設の資金というようなことも新たにやりましたが、これのみならず、今後いろいろな角度で、そうした問題の解決をしてまいりたいと思っています。たとえば、都市計画予算につきましても、団地に関連する街路等につきまして優先的に融資をするというようなことも、いま都市局と相談中でございます。これらの問題については、財政当局である大蔵省も相当の関心を示してまいりまして、いろいろな角度で、本年の間にいろいろな研究をしよう、そしてどういうものを国が持ち、どういうものを事業主体が持ち、どういうものを地方公共団体が持ちしていくことが適当であるかというようなことについて突っ込んだ研究をして、これを逐次予算の中に具現していこう、こういうふうに、財政当局も加えて研究をするということに最近なってまいりました。
○西宮委員 ぜひそういうふうにしてもらいたいと思います。 いまの公庫で学校に金を貸すというような場合は、利率なり年限なりの条件ですね、これは公団の場合と同様ですか。
○尚政府委員 若干公団と条件が違っております。まず年数が、公団の場合は三年で買い坂ってくれるわけですが、公団が建てて、地元公共団体が三年で買い取るということになっておりますのを、公庫のほうは、これを五年にいたしました。それから、金利のほうは、公団のほうはその間六分五厘として計算するということになっておりますが、公庫のほうは、宅地造成資金を利用してやることにいたしました関係上、七分五厘になっております。これらの点につきましては、まだ両方の平仄が合っていないのですが、今後逐次こういう点の平仄も合わせていかなければならない問題だというふうに考えております。
○西宮委員 それは当然に、一方は、公団の場合は、すぐ関係者が買ってしまうというのだから、期間が短い。それはいいと思うのですが、利率の問題だけは、これは同じ建設省の所管のもとでやるのですから、それはぜひとも統一をしてもらって、しかも安いほうの率で統一してもらうということを、ぜひともやってもらいたいと思うのです。 それから、改正の三番目に、改良資金というのが設けられましたね。これは従来あったやつを合併しただけだけれども、これについての、貸し付けする際の、たとえば貸し付けの限度とか、そういうのはどういうふうに考えておりますか。これは公庫のほうから御返事いただいてもけっこうです。
○師岡説明員 改良資金につきましては、いずれ政令で貸し付け限度等きまるわけでございますが、大体三十五万円を限度として貸し付けたいと考えております。
○西宮委員 従来は農漁村に重点が置かれておったわけですね。今度もやはりその方針には変わりないんですか。
○師岡説明員 御質問のとおり、在来は農漁村に重点を置いておったわけでございまして、今後におきましても、重点はそこに置きたいと思います。ただ、改修資金等の貸し付けが改良資金の中に含まれるわけでございますので、その点につきましては、都市につきましても向けていきたい、このように考えております。
○西宮委員 従来、増築の場合は、利率あるいは償還年限とも現在の制度より有利だったのですが、今度一緒になることによって、悪いほうに右へならえをしてしまったのですけれども、これはどういうわけですか。
○尚政府委員 御指摘のように、利率等につきまして、改修資金のほうに合わせた関係上、若干不利なようになったわけでございますけれども、これは実際問題といたしまして、家をいじりますときは、増築部分もありますし改修部分もありますし、あわせていろいろやるわけでございます。そういうことを考えますと、このお金をお使いになる側から見れば、利子において若干の不利な点は、これは厳格にいえば、正直いってあるとは存じますけれども、同時に、一つの貸し付けで家の中の改修までも行なえるということでございますので、おっしゃるように、低ければ低いほどいいわけでございますが、資金の都合もございまして、改修資金に合わせたわけでございます。
○西宮委員 合わせたついでに、悪いほうにならしてしまったというのは少し無慈悲だと思うのですが、せめて足して二で割るような、そういうあれでよかったじゃないかと思うのだけれども、利率もそうだし、期間も非常に短くなっている、半分程度になってしまったわけですね。こういうことははなはだ納得したがたいと思うのだけれども……。 その次に、床面積を、従来の制限を撤廃したということですが、これは撤廃したといっても、ある程度のめどはっけるのでしょうけれども、そういうのはどういうふうにするのか。たとえば政令できめるとか、何とか……。
○尚政府委員 御承知のように、在来、第十九条で、その建物の面積、及び建設費が標準建設費の一・二倍の範囲内でなければならないとなっておりますのを、最近いろいろ建築の技術も発達し、あるいは経済発展に伴いまして、設計がいろいろな形になってまいりました。そしてわずか二割しかゆとりがないということは、実際上非常に窮屈な状態になってまいりましたので、これを撤廃して、端的に申しまして、二割などということでなく、もう少し幅広くしたいと思っております。しかしながら、これはいかなる高いぜいたくな建物にも貸すというのでは本旨にもとりますので、ただいま考えておりますのは、業務方法書において、実情に合わせたような、たとえば四割まであるいは五割までというような規定を設けることによって、その規制をいたしたいというふうに考えております。
○西宮委員 まだいまのところ、方針がきまってないわけですね。
○尚政府委員 詳しい数字は、面積につきましても、それから建設費の率につきましても、きまっておりません。
○西宮委員 私は、この問題は、政府がいわゆる政府施策住宅として考える場合の、たとえば公営住宅なり公団住宅なり、そういうものとの関連において、この公布住宅の場合も、どの辺までが適当かというようなことは、そういう問題といろいろ関連しながら、要するに、さっきから繰り返してお話を申し上げたように、できるだけ快的なあるいは便利な、そういう住宅が必要であることは当然なんです。だから制限をきつくするというようなことは、決して好ましいことではないと思うのです。しかし、そのためには、公営住宅、公団住宅というようなものを底上げしてくるということが当然必要になってくる。さっき私はその点を強調したわけです。そういう問題とも関連させながら、この公庫住宅の場合にはどの程度を限度にするかということが、当然一つのめどがつけられなければならぬ問題だと思うのですが、いまきまっておらぬということならばやむを得ませんけれども、ひとつ、そういうことで、要するに、政府が政府の施策としてやる住宅はどれを標準にしていくんだということは、ぜひ適当な機会に示してもらいたい。 それから、さっき総裁が改良資金の場合の資金の回収ということを言われております。ついでにお尋ねしたいのですが、回収の成績はどんなですか。
○師岡説明員 回収と申しますと、償還——貸し付けの回収でありますか。
○西宮委員 そうです。
○師岡説明員 公庫の貸し付け金の回収は、大体九九%程度であります。
○西宮委員 その回収成績がいいということはけっこうなことなんですが、同時にまた非常に無理な調達をするのじゃないかというような点も懸念されるのですが、そういう点での摩擦等は起こっていませんか。
○師岡説明員 当初におきまして慎重な貸し付けをしておるということもございまするし、特に最近におきましては、貸し付け後において、持っておる資産の価値が上がっておる。こういうことから、実際に滞納というような問題は起こっておりません。
○西宮委員 滞納等の場合に、何か強制的に執行するといったような、そういうケースは起こりませんか。現にやりませんか。
○師岡説明員 非常にわずかなケースでございますが、そういう場合が、出ることは出ております。
○西宮委員 そういう際に、いろいろ実情によって——非常に悪徳漢で、払えるやつを払わぬというような者もありましょうから、そういうのは責めてしかるべきだと思うのですが、いろいろ相当同情に値する実情というものもあると思うのです。そういうときはどうなんですか。とにかく一切がっさい回収するということで、そういうものを減免するとか、そういうことを絶対やらないのですか。
○師岡説明員 そういう場合には、できるだけ手を尽くしますが、結局やはり回収できない面が出てまいるわけでございます。そのために、公庫におきましても、滞貸償却引き当て金制度というのを置きまして、その面で、その分をカバーするということにしておるわけであります。
○西宮委員 それから、総裁に希望しておきたいのですが、その手続が非常に煩瑣で、借りるのに非常な苦労をするという場合が多いのです。実は私自身も数年前に借りて、それで月々払っておるのですが、非常に借りる際の手続が煩瑣で、そのために、なかなかしろうとには借りられないというような不満があるのだけれども、そういう点についての不満は聞いたことはありませんか。
○師岡説明員 この貸し付け手続の簡素化ということにつきましては、公庫の発足以来絶えず研究いたしまして、実情に合ったような、できるだけの簡素化をしたいということでやってまいっております。お活のように、ときどきそういう意見が出まして、そのつど、できるだけ簡素化をはかるということでやってまいっております。ただ公庫としましては、いわば初めての利用者というようなものが非常に多いのでありまして、その信用調査をするとか、あるいはまた、公庫の直接の問題ではないのでありますが、建築をするためのいろいろの届けとか建築許可とか、そういうことに関連しまして、いろいろの問題が出てまいる。また土地の問題でもいろいろ出てまいる。そういうものが一体となりまして、むしろ公庫の貸し付け全体が非常にむずかしい、こういうような印象も持っておられるわけですが、いずれにしましても私どもとしまして、絶えず貸し付け手続の簡素化ということには研究くふうを重ね、努力をいたしておる次第でございます。
○西宮委員 総裁に最後にお尋ねをしたい問題は、公庫で扱っておられるいろんな項目があるわけです。たとえば個人とか分譲とか賃貸とか産労とかいろいろあるわけですけれども、これの利用状況というか、応募状況というか、それはどういうことになっていますか。
○師岡説明員 三十九年度の申し込み状況について申し上げますと、個人住宅が四・八倍、分譲住宅、これは事業主体からの申し込みでございますが、一・三倍、賃貸住宅につきましては一・四倍、それから産労住宅が二・七倍、中高層の貸し付けが二・三倍、増築が少し低いのでありますが 〇・八倍、改修は大体〇・九五、それから宅造事業資金の貸し付けば一・七倍、災害の貸し付けは六・一倍であります。
○西宮委員 そうすると、個人住宅の場合が一番多いわけですね、約五倍に近いわけですね。したがって、申し込んでも宝くじみたいにしか当たらないという状態にあるわけなんです。それにもかかわらず、今度の政府の予算で見ると、そっちの予算を削ってしまった。減額をして分譲のほうに回したというのはどういうことですか。これは建設局長に……。
○尚政府委員 四十年度の予算で、個人住宅を三千戸ばかり減らしまして、分譲住宅のほうを八千戸ふやしました。その理由は、実は個人住宅は申し込みの倍率は相当多いわけでございますけれども、一応抽せんで資格を得ましても、土地の取得が計画どおりできなかったために、つまり申し込みますときは、この土地を手に入れて建てようという計画をお持ちで、当然申し込まれるわけですが、資格を得てから、とかくその土地が手に入らないということのために辞退される方が相当あるということと、もう一つは、個人住宅の利用者が大都市地域においては比較的減ってきていて、むしろ地方都市のほうで多く使われているというふうになりまして、そういう関係から、大都市では、やはり土地をも公共で造成して、かつその土地を環境よく有効利用するためには、その上に家の配列等も一公共的な計画性に乗せてやって、そうして下水、道路等も完備したもので供給するほうが、特に大都市においては歓迎されるだろう、こういうことを考えまして、個人は減らしましたが、これはたとえば新しい住宅供給公社等でつくって、それを提供するという方向の政策に、若干ではございますけれども、移しかえたということでございます。
○西宮委員 それでは総裁にお尋ねをしますが、いま局長の答弁だと、申し込んでも結局あとで断わる者があるということ、あるいは大都市ではだんだん減ってきておるという状態だ、そうすると、さっきの御答弁だと、四・八倍の申し込みがあるということだけれども、実際は、今度三千戸減っても、それで十分まかなえるという数字になるわけですか。
○師岡説明員 ちょっとその前に補足して申し上げますが、この分譲のほうは、いま局長からお話がありましたが、できました住宅の譲り受けの申し込み、あるいは賃貸住宅の申し込みは一・四倍でありますが、それを買いたいということになりますと、非常に多いのでございまして、分譲のほうでいいますと平均五・何倍、場所によりましては十数倍、こういうことになっておるわけでございます。 ただいまお尋ねの点でございまするが、個人住宅におきましては、ただいま申しましたように、大都市におきましては土地の事情等がありまして、だんだん外へ出ていく。東京でいいますと、千葉とか埼玉へ出ていく。そういう意味では減少しておるわけでございます。それと同時に、いま申し上げましたように、土地の手当てをして、そして分譲という形で、個人住宅が実現するという方向を強化してまいる、こういうふうなことになっております。
○西宮委員 私のお尋ねした要点は、今度三千戸減るわけだが、それが減って、応募者と希望者とがちょうどとんとんになる、そういうバランスになるかということです。 〔福永(一)委員長代理退席、委員長着席〕
○師岡説明員 例年申し込みは大体一つの傾向を持っておりまするが、三千戸減ったために、個人住宅が非常に競争倍率がふえるというふうにも考えておりません。大体在来どおりの競争倍率でいくのではないか、こういうふうに思います。
○西宮委員 それは、在来のような競争があるのが当然だという前提に立っているから、そういうことを事もなげに答弁をされるんだけれども、私はそういう在来の競争率があるということ自体が——それは公庫のほうから見ると、いかにも景気よく見えると思うのです。だから、たとえば、学校に入学志願者がたくさん来ると学校の先生が喜んでいるようなもので、そういう気持ちがあるんじゃないかと思うのですけれども、これは社会政策的にはまことに間違った考えだと思うのです。だから、在来程度あるからよろしいというような、そういう考え方では私は困るんじゃないかと思うのです。つまり、さっき局長も言ったように、たとえば今度供給公社をつくる、そっちのほうにそういう問題もあるからというお話だったのですが、私は、率直に言って、供給公社というようなものが今度できることになるので、したがって与えられた予算の中でそういう予算の配分をしたということだと思うのだけれども、そういうことではないのですか。
○尚政府委員 もちろん、住宅全部の量をふやすということが第一の問題でございますが、かりに限られた財政の中で考えるものとすれば、その重点の置き方として、結局個人の取得する住宅につきましては、今後私どもといたしましては、なるべく総合的に開発したところに、総合的に公共の力で設計しておいた家に住んでいただくほうが、経済的にも、家を取得する方について安くつくし、環境もよくなり、どちらかと申しますならば、できるだけ計画的な分譲住宅のほうを個人住宅としてはふやしてまいりたい。そういう政策の一つの考え方を持っておりまして、でき得ればその分だけがふえればよかったわけでございましょうけれども、そういう全体のつり合いの中で、分譲住宅へ力点を置いているために、三千戸ばかり分譲住宅のほうに移行させた、すなわち、これからはでき上がったものを見てそれをお買いになる、あるいは開発された計画の中でそれをお買いになるほうへ、個人住宅を少しずつ誘導いたしたいという気持ちがあらわしたいわけなんであります。
○西宮委員 最後に、私の意見あるいは希望を申し上げて、終わりにしたいと思いますが、局長の言うように、分譲住宅というものは計画的にできるわけですから、そこに、政策の意図をそっちに向けたということは私にもよくわかります。わかるけれども、個人住宅は個人住宅としての需要が十分あるわけです。ことに地方等においては、いままでの説明でもその点は明らかだと思う。だから、そっちのほうにはそっちのほうとしての需要が十分にあるのだから、それはそれとして十分に生かしておいて、しかも新たに、たとえば供給公社というようなものを政策として打ち出すというのであれば、その分だけは別途に財政資金を用意するということでなければ、まことに不徹底だと思うのです。あるいは新しい供給公社という看板を掲げるために、そのために従来の個人住宅が犠牲になるということでは、これはさっきのことばをかりると、宣伝に使われておるというふうにしか思われないのです。そういう点は、いずれまた供給公社の問題を審議する際に、そういうことをさらに私も意見を申し上げ、いろいろ御質問をしたいと思うので、きょうはこの程度にしますけれども、そういう考え方でなしに、たとえば個人の場合は、繰り返して言っているように、需要にとうてい応じ切れないのですから、だからそれはそれとしてりっぱに確保して、新しい政策として、政府の大方針としてやるのならば、その分だけは別個に資金を用意するという態度が常に必要だということを、私は強調しておきたいと思うのです。それじゃ、きょうはこれで終わります。 ————◇—————
○森山委員長 この際おはかりいたします。 本日御出席を願った両参考人には、来たる二十四日、本案審査のため、再び参考人として御出席を願うことにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森山委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 次会は、来たる二十四日、水曜日、午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時三十七分散会