決算委員会 第29号
- 発言数
- 100 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1965/05/27
会議録
○堀川委員長 これより会議を開きます。 国が資本金の二分の一以上を出資している法人の会計に関する件について調査を行ないます。 本日は、本件調査のため、関係当局のほか東北開発株式会社総裁小倉俊夫君、同前総裁伊藤保次郎君、むつ製鉄株式会社社長三浦政雄君、以上の三名を参考人として出席を願っております。 参考人各位に申し上げますが、発言をなさる場合には委員長の許可を得て行なっていただきますようお願いいたします。 次に、委員各位に申し上げます。参考人よりの意見聴取は委員の質疑により行ないたいと存じますので、そのように御了承願います。 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。淡谷委員。
○淡谷委員 三年間にわたって調査研究を続けてまいりましたむつ製鉄が、四月二十三日の閣議了解をもって解散に踏み切られましたので、これによって与えた地元への衝撃はむろんのこと、地域開発のおくれました地方では、これが一つの例であるならば、地域格差解消なんていうのは政府のごまかしにすぎないという政治不信の声が非常に強い。これは物心両面に与えた非常に大きな国損だと思っております。これについて私は、きょうはじっくり政府の各位並びに参考人の皆さんにお尋ねをしたいと思うのでありますが、要求してあります総理大臣もしくは官房長官御出席がないようでございますが、委員長においてすみやかに出席されるようにお手配を願いたいと思います。よろしゅうございますか。
○堀川委員長 連絡いたします。
○淡谷委員 企画庁長官がたいへん参議院のお忙しい中から来られましたので、官房長官お見えになるまで質疑をいたしたいと思いますが、事の性質上閣議了解のことでもあり、勢い総理あるいは官房長官でなければ答弁のできかねるところもあると思いますので、その際は委員長においてぜひとも出席方をお計らいを特にお願いを申し上げておきます。 なおむつ製鉄の社長は、きょう何か総会があるそうでお急ぎのようでございますから、なるべく早く質疑を済ませたいと思いますから、あらかじめ御了承を願いたいと思います。 まず企画庁の長官にお尋ねをいたしますが、これまでも再三にわたり、むつ製鉄の問題は国会においても質疑を重ね、なお長官に対しても直接にさまざまな形で事態の進展、促進するようにお願いを続けてまいったのでございまするから、もはや繰り返しては申しません。ただこの閣議了解事項を中心にしまして、はなはだ納得のいかない点がたくさんございますので、率直にお答えを願いたいと思うのであります。 企画庁長官はこの決定について、はなはだ遺憾であると言っているほど、与える影響が大きいことは覚悟の上だろうと思います。率直に伺いたいのは、この閣議了解によりましてむつ製鉄並びに原料会社を解散させた、これによって具体的にどれだけのむだができたか、これは費用の点だけでけっこうです。事業を開始した場合の赤字はとにかくに、やめたことによって生じた費用のむだはどれだけあるのか、詳細に御説明願いたいと思います。
○高橋(衛)国務大臣 ただいま御指摘のとおり、四月の二十三日の閣議におきまして、長年と申しますか、三十八年の初めにむつ製鉄の認可をいたしまして以来、これが実際の事業に着手することのためにあらゆる努力を傾倒してまいった次第でございますが、その後の技術革新等の関係もあり、また社会的ないろいろな経済環境の変化等もございまして、ずいぶんだくさんな案をそれぞれ御検討願い、また政府としてもこれを検討してまいったのでございますが、いずれの案につきましても、ついにこれが企業化について、将来これが企業として成り立ち得るという見通しを持つことができないという段階に立ち至りましたので、この問題についてはむつ製鉄を解散するという方向に決意をせざるを得なくなった次第でございます。しこうして、ただいまの御質疑は、その整理によってどういうふうな損失が生じておるかというお話でございますが、債権債務の整理の問題でございますが、これは昨年の秋ごろから中小企業等について倒産が相当出ておる実情でございますが、それらの場合に、ややもすれば小口の債務等が貸し倒れになるというふなこともございましたが、小口の債権者につきましては現在までほとんど支払いを完了いたしておるのでございます。大口の債権者というのは御承知のとおり東北開発株式会社——親会社でございますが——でございます。これはどの程度の損失になるかということは、もう少し整理が進行した後でないと、明確なと申しますか、数字その他はまだはっきりいたす段階ではございませんが、しかし融資をした金額については大体返済は不可能でない、こういうふうな見通しを持っておる次第でございます。しこうして、一方において砂鉄事業が行なわれておるわけでございますが、この砂鉄事業のために東北開発の支出した金額は全部で約十五億円程度にのぼるのでございますが、そのうち出資金となっております約七億円については、この回収はなかなか困難ではなかろうかと思われる状態でございます。融資金につきましては、種々の前提条件を設けて計算しなきゃならぬというふうな点がございますために、どの程度になるかという点についてはまだこれを計算するというのは困難な状況でございますが、ある程度の損失を見込まなければならないのではないかというふうに考えておる次第でございます。なお、むつ製鉄につきましては、東北開発株式会社が支出いたしました金額は約六億円弱でございますが、そのうち出資金になっておりますものが約四億円、融資がその残りの分でございますが、大体出資金については、これは清算の後の問題でございますけれども、これを回収するということは非常に困難ではなかろうか、かように存じておる次第でございます。
○淡谷委員 何かまだ精算してみなければはっきりした損失はわからぬというのですが、原料会社とむつ製鉄が町方とも解散するわけなんですから、あらかじめその点は企画庁としては企画的に押えるのが必要だろうと思うんです。 さらに問題になりますのは地元の先行投資であります。地元の先行投資はいまになると水かけ論みたいでございますが、企画庁の企画局長から一つのサゼスチョンを与えまして、これこれの施設をすることができるかといったような要請に対して、地元はぜひとも誘致したいという立場からさまざまな施設をしたことは企画庁長官も御承知のとおり、いまさらかってにやったんだろうといってのがれるわけにはいかぬと思うのです。この先行投資は一体どのくらいやったのか、企画庁としてはお調べがついておりますか。
○高橋(衛)国務大臣 先行投資についてはただいま淡谷先生お話しのとおり、政府側から別に約束したわけではございません。しかし文書の上ではとにかくこういうことが期待できるかどうかというふうな趣旨の御照会をいたしておるような関係もございますが、政治的に見れば、もちろんある程度政府として責任を感ずるのは当然だろう、かように存じております。しこうして、製鉄事業のために国、青森県及びむつ市が投下した投資額は、直接結びつくかどうかそれらの点は問題はあるかと存じますが、私どものほうの調査しましたところでは、大体三十八年度までの実績で、学校、病院等を含めまして六億一千六百万円ということに相なっております。それを各負担金別に申し上げますれば、国の負担している分が一億三千九百万円、それから県が三億一千万円、市が一億六千八百万円、こういうことになっておる次第でございます。
○淡谷委員 さらに、この二カ年にわたってむつ製鉄会社ができておったのですから、これに対して地元が独自にやった仕事はたくさんある。端的に申しますと、旅館の改築をやったり、商店を改造したり、さまざまなそういう事業ができるという見通しのもとに個人個人が投資しました額は非常に大きくなっておることは御承知のとおりです。これは先行投資と言えないかもしれませんが、やはり間接的にむつ製鉄に関しての投資は非常に大きな損害が与えられておると思います。ひとつむつ製鉄社長にお伺いしたいのですが、あなたのほうはもう清算段階に入るらしい。私ははなはだ遺憾なのです。赤穂浪士じゃありませんけれども、お金の分配やら、籠城やら、かたき討ちやら、肝心かなめの腹がちっともきまらない。一人の大石良雄のないことをはなはだ遺憾とする。やはりこの辺では事の筋道をはっきりして最後の抵抗をやるべきだ。閣議了解事項が一つ出ますと、まるでさっと木の葉みたいに散ってしまうというような状態でしょう。いまのむつ製鉄の実情についてひとつ御報告を願いたい。
○三浦参考人 むつ製鉄の現在の状況は、先般閣議で決定されまして、その結果早急に解散をするように、これも何といいますか、円満にと申しますか、そういう御示達を受けておりまして、その示達に基づきまして——受けましたのが四月二十三日でございましたが、早急にということの御指示がありましたので、その後いろいろ親会社のほうとも打ち合わせをいたしまして、この会社は普通言われております倒産会社とか、あるいはあっちこっちからお金を借りて、銀行その他から金を借りて不渡手形を出すというような会社ではない性格のものでございまして、前に発足当時にいただきました五億円の資本金というものを基礎にしてすべての計算なりその他のことを現在やっておりまして、実は、早急にと申されましても、そう一日二日で解散するというわけにもまいりませんし、さりとて、あまりだらだらすることも、また、そのだらだらするような要素もあまりないものですから、実は本日午後一時から株主総会を開きまして、解散総会をやる段取りにしております。 現在の状況はこういう状況でございます。
○淡谷委員 非常に手ぎわがよくてほめたいところですが、まことに残念しごくです。一案から四案まで、いわばむつ製鉄の事業は葬られているのです。あなたはそのために、三菱からむつ製鉄の社長になられた。閣議決定されましたのが四月二十三日。解散しろ、はい、さようでございますか。——これは、民間会社だったらそうはならなかったでしょう。 五億円の資本金は、どうせ皆使っちゃったでしょう。残っていますか。
○三浦参考人 当社が発足いたしましたのが約二年もちょっと前でございまして、そのときに五億の資本金をいただきました。四億は親会社の東北開発会社から、あと一億は三菱グループから、合計五億をいただいて発足したわけでございます。 現在それがどういうぐあいに使われておるか、どういうぐあいになっておるかということを、昨日までの分を当局者に調べてもらってきましたが、あのむつの工場川地として、土地を約七万坪買っております。そのほか、土地に関連する費用がございますが、そういった固定資産といいますかそういうものに、対しまして約一億八千万支払っております。それから、いわゆる経費と申しますか、従業員の給料その他そういう人件費が約一億六千万。 〔委員長退席、壽原委員長代理着席〕 それから、従業員の訓練費というものを——これは、仕事を始めてすぐからしろうとばかりでは仕事になりませんので、前もってかなりの人員を養成しております。そういう従業員訓練費が約二千二百万。それから、外国に出張して調べるとかその他いろいろな研究をやっております。これは大学のほうの研究もございますが、そういったもろもろの研究費、海外出張費、調査費というものに約二千百万使っております。それから、事務所を借りてきておるわけでございますが、事務所費、そういったいわゆる事務所に関連する消耗品といいますかそういうものが約四千四百万。それから、会社設立のときに登記その他いろいろいたしておりますが、こういう登録費その他が約三百万、そのほか一般経費としてさらに追加するものが千五百万、以上の支弁をいたしておりますので、その結果、残っております昨日までの現金が約五千四百万ほどでございます。合計五億になります。 以上でございます。
○淡谷委員 むつ製鉄会社にはたくさんの社員が集まっているはずなんですが、閣議了解で解散になりました。この人たちは一体どうするつもりなんですか。あと始末がついているんですか。
○三浦参考人 実は私らが、解散と同時に一番頭を痛めましたのは人の問題でございました。人それぞれの身の振り方について、各方面にいろいろお願いをしてみたわけでございますが、結局、この会社のおい立ちその他から考えまして、この会社に出してもらいましたそれぞれの親会社、一方に東北開発株式会社、一方は三菱グループ、それぞれから出てきておられます人はそのまま全部——特別にやめる人は別でございます。一人残らず、それぞれ親元に引き取ってもらうことに決定いたしております。
○淡谷委員 小倉新総裁にお伺いしますが、開発会社に引き取る人員は何人ありますか。
○小倉参考人 大体二十五、六名と記憶いたしております。
○淡谷委員 三浦社長も三菱出身の方ですから、大体話はついているのだろうと思いますけれども、三菱グループはあっさり引き取りますか。それから、退職金その他の関係はどうなんです。一たん三菱から出るときは、退職金をもらってきているでしょう。退職金を払ってあなたのほうの会社へ移したものを、会社が解散になりました、さようでございますか、引き取りましょうと、あっさりいきますか。私はこのむつ製鉄に対する三菱グループの冷酷無情なる態度を見た場合に、そう簡単にはいかぬと思いますが、いかがですか。
○三浦参考人 この点は三菱側ともいろいろ相談いたしまして、いま申し上げたように、全部引き取ってもらうことに決定しております。 それから退職金のお話が出ましたが、退職金は当社の規則がございまして、むっといたしましては解散というようなことは考えていなかった点もございますが、何も規則をつくっておかぬわけにまいりませんので、従業員に対する規則といたしましては、親会社の規則に準ずるという規則を昨年つくっております。その親会社の規則に準じまして、それぞれの退職金を出しております。
○淡谷委員 残っております現金の五千四百万というのは、退職金を引き去ったあとですか、あるいはこの中から払おうというのですか。
○三浦参考人 払ったあとでございます。
○淡谷委員 二カ年間のむつ製鉄会社の事業、開始せざる事業の間に、五億円の資本金のうち、残ったのは工場用地の七万坪、一億八千万、さらに現金五千四百万、大体二億三千四百万は残っているけれども、あとの大体二億七、八千万は、むつ製鉄会社をつくっただけで消え去った金と思ってかまわないですね。残ったのはこれだけ、あとは、何にも事業しなかっだから、そのほうに消えている、こう理解してよろしいですね。
○三浦参考人 一口に申しますと、先ほど内訳を申しましたようなわけで、固定資産が残っておる。それと現金、こういうことになると思います。
○淡谷委員 本来ならば、私はこの辺で三浦社長は切腹しなければならないような悲痛な気持ちだろうと思うのです。せっかくぬくぬくとしておった三菱から引っこ抜かれてむつ製鉄をつくらされて、しかも外国旅行されたりして非常に苦労されたということは知っておる。一案、二案、三案、四案ともに葬り去られているでしょう。宮澤前企画庁長官はこれを見てないでしょう。あなたの出された案は、どっか途中で圧殺されていますよ。高橋企画庁長官になってから、初めてこれを見たと言っているんです。二億数千万円の金を使ってあなたが非常に苦労されて、二百名の社員が一生懸命に骨を折ってつくられた案が、一案から四案まで次々と毒殺されたみたいなことになっていることは、あなたたちはどうお考えになりますか。最後にはあなたたちも腹をきめて、親会社の開発会社とは関係のない自民党案にまで承認を与えたんでしょう。それが全部おじゃんになってしまって、ただ一片の閣議了解事項というものであっさり引くようなあなたの気持ちというものは、私にはどうもわからない。一体根性がありますか、あなたに。あるなら、いままでのこのつぶされた案についてのあなたの率直な意見を聞きたい。今後のこともあります。まさか、あなたがのうのうとして社長の職について、あとは野となれ山となれということじゃないでしょう。地元の気持ちを考えてみなさい。この案がつぶされたことに対する率直なあなたの気持ちを聞きたい。
○三浦参考人 いま申されたことは、何と御返事していいか、私としては、自分の不徳のいたすところだということに尽きると思いますが、そもそも私が就任いたしましたときには、私、好んで就任したわけではございませんが、政府側の御要望もありまして、私は当時の現役を退いて、お国のために働くべきであるという決心のもとに引き受けたわけでございます。その後二年有余にわたりまして、いまお話しのように何とかしてこの事業を興すべきであるという気持ちから、最初は本案をつくりまして、それから次に、第一案、第二案、第三案、第四案と、その間途中で八戸案という話までも出たこともございますが、そういった案もつくりました。が、そういうわけで、私個人並びに全従業員は一丸となって、何とかこの事業を興してもらいたいという熱意から盛んにそういう案をつくったのでございますが、いまお話しのように、私の不徳のいたすところはもちろんでございますが、一般情勢、一般経済界並びに特殊業界の情勢の悪化によりまして、この計画案がどうしても採算に乗らぬということで、特に最後の第四案のごときは、普通の民間ベースではとうていこれは採算に乗らない。したがって、これはかくかくの国策ベース的な要素を織り込んだのが第四案でございます。一例をあげますと、政府出資金をたくさんしてもらう、あるいは一部の金利をたな上げしてもらうというような特別措置、特別な国策的見地から考え合わせたそういう案を第四案として盛り込んだのでございますけれども、たまたま御承知のとおりに、日本でも有数な特殊鋼会社が倒産するというようなこともあるし、いろんなことがありまして、さしあたりこれを直ちに実行に移すのは困難であるというような判定からかくなったことでございまして、私としてはまことに残念でございます。腹切りに値するかもしれませんが、腹を切るばかりが能ではない。また、この精神は、むっという名前は消えてなくなりましょうけれども、下北半島における天然資源の砂鉄を利用するという、この精神は生きておるものと思っております。それで私は実は満足しております。
○淡谷委員 私は、三浦社長の苦労されたことを知っておりますから、非常に残念な、もう死ぬにも死に切れない気持ちはよくわかります。このむつ製鉄を解散いたしましても、下北の地底には掘り下げられない砂鉄がたくさんある。これはおそらくこの問題に手を染めた者全体の生涯の一つの何とも解決のつかない問題になるであろうと思う。これはもう機会がないと私は言いませんから、やっぱりむつ製鉄の社長は、この非常に冷酷な閣議了解について、いまの気持ちを最後までお持ちを願いたい。特にこの了解事項の中で、鉄鋼業における構造変動が急激に進行したためということがありますね。一案、二案、三案、四案、ともに採算がとれないからこれはやらないんだと言ってきた。閣議了解にあたっては、採算がとれないとは書いてないんです。構造変動が急激に進行したため、こう言うんです。これに対して社長はどう了解されたんです。
○三浦参考人 先ほど申しましたような第四案を出しましたわけで、こういう条件、こういう国策的要素を持っていくならいけるわけであろうという自信を持って私は出しております。しかし、そのままそれがいいとも悪いともはっきりしないうちに自民党のほうでお考えになった一つの考え方をもとにした案をつくるという御要請もありましたので、いわゆる砂鉄から酸化チタンをとるというのが第五案と称しておりますが、そういう案を出して、その案がまだいずれとも——私らにとりましては、こういうようなわけでこれはだめである、具体的にとういうわけだからこれだけの金は出せない、あるいは政府出資金など出せないとかどうだとかという、そういう具体的な判決と申しますか、判定と申しますか、そういうものはまだないうちと申しますか、まだもやもやとしているやさきに、青天のへきれきとでも申しますか、四月二十三日に、閣議了解でこうしたのだというお知らせがあったわけであります。われわれはあっけにとられたと申しますか、そういう状況でございます。
○淡谷委員 いまの気持ちはおそらく率直な御意見だろうと思います。これは単に三浦社長だけではなくて、関係者一同そう思った。これくらい地元が一生懸命になり、また関係者も一生懸命になったものが、最終的な段階において何らの打ち合わせもなく、了解も求めずに、もう閣議了解だから屈しろ、服せといったような一方的な形にはみな非常に不満を持っておった。これはもう地元の知事、市長を始め、関係者は憤激しております。これはだれが言ったのか、私はぎょうじつくり聞いていきたいと思いますけれども、これはやはりむつ製鉄の社長として、あるいは社員として、どうにもならないようなふんまんの気持ちがあったということを、私ははっきり社長のお答えから聞き取りました。ひとつ、前途を迷わされております社員の諸君には、その点を社長からも十分お伝えになって、解散後の方途に迷わないように十分なる御配慮をひとつお願いしたいと思うのでありますが、これに対しては、国が負うべき責任があれば、やっぱり国に対してもわれわれも十分に要求する労をいとうものではございません。 どうも御苦労さまでした。
○堀川委員長 勝澤委員。
○勝澤委員 それでは、むつの社長にちょっと関連して質問いたしますが、あなたのところでつくった案ですね。本案をずっとつくりましたその経過を、どういうふうに案をつくって、それがその後どうなったかということをもう少し御説明願いたい。
○三浦参考人 それは、この会社が認可されました当時に計画されておる案を本案と申しますが、これは会社ができる前から研究され、立案された計画案でございます。その案を私就任と同時に拝見いにしまして、こういう計画案であるが、これに対して実際に実行する案、実際に仕事をする案、認可案と実行案というものが必要でありますので、その実行案を最初に立てたのが半年ぐらいかかりましたか、その案をつくりましたところが、何ぶんにもああいうへんぴな場所でございますし、電気も新しく引かねばいかぬ、土地のことを調査してみますと、前に調査されたよりももっと条件が悪いということもございます。それから認可当時までに考えられました計画内容を見ますと、三年も前から考えられておりまして、立てられましたそのときの値段が下がってまいっておりました。もうその半年くらいのうちにはだんだん下がりまして、そういうことから採算面も悪くなっております。そこで実行案を立ててみましたところが、認可当時の案が総額にいたしまして六十八億でございましたが、われわれが立ててみますと本案というものは約九十億近くになったのでございます。そういう案をわれわれは実行するとなればかくかくの状況になりますということを本案として親会社を通して企画庁のほうへ差し出した。当時の宮澤長官のほうでこれについていろいろ御配慮になったようでございますが、何ぶんにも金もふくれておる、したがって政府出資もふくれておる、また採算面についても多少困難性があるということでそのままうやむやとは申しませんが、決定に至らずにおったわけでございます。その後一般特殊業界側の値段がさらに下がってまいりまして、トン当たりで申しますと三千円も四千円も下がってまいりました。これじゃとても採算がとれぬということから、今度は別の案を考えたのでございます。それで私はその当時外国へ参りまして、外国には特別に電気を使わないで直接精錬法といういわゆるウィベリグ博士が考えました精錬法というのがありましたので、そういう電気を使わないで単価を安くやる方法しかあるまいということから、私、担当者と一緒に参りまして、そういうことも研究し、実際の試験にも立ち合ってまいりました。ところがそれは理論的には成り立つのでございますが、年に十万トンも十五万トンもつくるということにすぐこれを工業化することにはまだ研究の余地があるということで、それは研究した上にしようということにいたしまして帰ってまいりまして、そこでステンレスをやろうじゃないか、砂鉄から普通の鋼材だけつくっておっても、いま申し上げたように値段も下がるし競争もあることだから、そこで採算のいい、値段の高い、この砂鉄からつくるビレットはトン当たり三方、五千円か四万円でございます。ステンレスは十五万円もいたします。そういうものをつくろうじゃないかという案をつくったのが第二案、第三案でございます。その案を出しましたが、これまたいろんな事情がございまして、ステンレスをやるとなればステンレス会社の人の応援、技術の応援、また三菱側の希望もありまして、ステンレス側も資本を出してもらうようにという希望もございました。そういったいろんな希望条件がかないませんので、ステンレス会社としてはそこまでは自分たちはお仲間入りはできないということもありまして、この案はお流れになりました。それが第二案、第三案でございます。ステンレスをわれわれ計画どおりにやるということになりますと、約百億近い所要資金が要ることになるのでございます。そういう膨大な資金のこともございます。いろいろなことで、第二案、第三案というのは一応おじゃんになりました。そこで結局こういう状況で、いわゆる民間ベースということではとうてい成り立たない。だんだん状況は悪くなってまいりました。もうその当時には、すでに日特会社も倒産、更生法にかかりますし、その後山陽特殊製鋼も更生法にかかるというような状況になってまいりましたので、それは普通の民間ベースではとうていできないということを考えまして、先ほど申し上げたように第四案、すなわち国策ベースでいくということを考えたのが第四案でございます。それが先ほど申したように、まだ結論が出されないままに、片や第五案と申します自民党のほうの御要望もありまして、今度は砂鉄から酸化チタンをつくるということの案をつくった、これが大体のいきさつでございます。
○勝澤委員 この民間ベースということと国策ベースというのはどう違うのですか。あなたの解釈を御説明願いたいと思います。
○三浦参考人 これはあるいは私らがかってにつけた考え方かもしれませんが、民間ベースでありますと、たとえば出資ということは株主から金を集めるわけでございます。株主から金を集めれば配当というものが自然とくっつくわけでございますが、そういうことのない、いわゆる政府出資——現在なら四億と三菱から一億でございます。その四億については別に配当するということには決定しておられないようでございます。政府出資の四億については何ぼ配当するということはさまっておらぬようでございますが、そういう意味におきまして、政府出資は配当なしとでも申しますか、そういうような考え方を立てたのでございます。 それから一部金利たな上げ——普通民間会社では、出資の場合でもすべて株主から集めて配当をつけるということでありますが、そういうことはない出資、それから過去にこの会社ができるまでに使われました、そういう金に対しては金利を免除してもらう、この会社はスタートのときから荷を軽くしていく、そういったような意味の国策的措置、こう考えております。
○勝澤委員 金利をたな上げして配当をやらない、これが国策ベースだ、こう言われるわけですね。そうすると、一体その会社自体は、今日の資本主義の中における会社経営としてはどういうふうに考えたらいいのかという点、もうちょっとあなたの考え方を——むつ製鉄というあなたが社長になられたときは民間ベースで考えられておった、企業の採算ということを考えておったが、企業採算ができなくなったから今度は国策ベースだ、一体東北開発株式会社とあなたの言う国策ベース、出資配当をしない、金利のたな上げということと、あなたが企業家としてむつ製鉄社長にお入りになったという点をもう少し御説明願いたいと思います。
○三浦参考人 これは私もこういった更生会社的な経験もないことでありますので法理論的なことはわかりませんけれども、いま申しましたように特別なる政府の援助と申しますか、親会社の援助ということを国策的な意味に考えたのであります。そういう意味でございます。
○勝澤委員 結局、言うならば、採算を度外視しても開発すればいい、こういう意味に私はとれるのです。あなたの基本的に持っておる考え方というのは、砂鉄があるのだから幾ら金がかかっても掘ればいいじゃないか、そんなのは赤字が出る出ないというのは別の問題で国が責任を持つべきだ、それならそれでそう言い切っていただければいいわけです。ここに砂鉄があるから掘るのだ、ここに石炭があるから掘るのだ、それが市場の採算がどうなろうとこうなろうとその分は国で責任を持てばいいのだ、そういう考え方といまの政府の方針と対立してこれがやめさせられたならやめさせられた、そういうことをはっきりさせていただきたいと思う。その点どうでしょうか。
○三浦参考人 その点は私も実際よくわからぬのでございますが、幾ら損しても、赤字が出てもかまわぬというような考えは私は持っておりませんでした。また現在でも持っておりません。何とかして採算に乗せたい。簡単に言うならば、最初の二、三年は赤字でも、これはいろいろな償却その他がございますからやむを得ませんが、しかし何年か後には、四、五年の後には——やはり万年赤字ではいかぬ。幾ら国策会社であっても万年赤字ということは考えられぬと思います。そのためには政府出資をたくさんしてもらう、金利たな上げをしてもらう、こうしていただければ、かくかくの何年後にはこういう状態になりますという案であります。
○勝澤委員 それであなたの考え方もわかりました。第二案、三案ですか、これはステンレスですね、日本冶金との関係なんですね。日本冶金との関係がはっきりせずに二案、三案というのがつくられたというのは、どういうわけなんですか。日本冶金は必ずやるという前提の上に二案、三案というのはつくられたのですか、その点はっきりしていただきたい。
○三浦参考人 これはもともとの起こりが、ステンレスをやるからそれを買ってもらえるかどうかということからスタートした話でございます。売りと買いという話からスタートしたことでございます、もともとの話は。それに対して、ステンレスをつくるについてはわれわれしろうとだから、できるだけサゼスチョンあるいは技術的援助ということをお願いしたわけでございます。それはよかろうということでスタートしたことでございまして、あとから、そうなれば、それじゃ三菱側は資本も一億出しておる、また重役も出しておる。そういうことで、ステンレス会社のほうからも片棒かついでくれぬか、いわゆる三菱側のレールともう一本冶金側のレール、つまり二木のレールを敷いてやってもらえるかというような要望が出たのでございます。それは断わられました。それは自分たちは考えておらぬ、できたものを合理的な値段で買おう、またできるだけ援助をしてやろうということで起こったのでございます。そのためにやまったわけでございます。
○勝澤委員 三浦さん、私はこの砂鉄というのは、いまから何年前ですか、この決算委員会で東北開発株式会社の伊藤総裁と前の渡辺総裁の引き継ぎのときにあまり経営状態はよくないということで取り上げたのです。その取り上げたときから、実はこの砂鉄というのは、最終的に砂鉄を掘らずにこの会社はつぶれるなと私は個人的に思った。その予定どおりいった。その予定どおりにあなたたちがその中に入って、何か私は東北の人たちをだまして、だまして、だましながら政府と一純になってやってきたという実は気がしてしようがないのです。私はそういう気がする。ですから、そういう目でどうもあなたがやってきた行為を実は見るわけです。それはなぜかといいますと、本案、一案ということで大体三菱グループとの問題でケリがついている。そのあとで二案、三案は私はごまかしだと思うのです。四案、五案なんというのは、まさに県民をごまかすもはなはだひどいものだと思うのです。そう私は思うのです。もし私が経営者であったならば、これは初めからきまっている。それはなぜかといいますと、大体鉱区を買い取るときから、三倉鉱業を買い取るときから、これは当時の理事富塚さんが三十五万円で贈収賄にかかったという事件が起きたわけです。そしてこの鉱区が百万トシあるかないのかということで論争になったわけです。いや三十五万トンしかない、いや百万トンある。それは確かに完全に百万トンあるかないかという結論は出ないでしょう。いまの技術の上においては出ないと思います。ですから、最近聞くところによれば、砂鉄があると思って掘ってみたところが砂利があって、砂利のほうでもうかったという、近川ですか、こういう話も出てくるわけです。ですから、まさに、山のことは山師同士が政府と国民をだまくらかしてやってきた。私は当時の渡辺総裁にきょう出てもらおうと思ったわけでありますけれども、御病気で出られない。そこでいまのあなたのお話を開いておると、何か一生懸命やってきたのでしょうけれども、私には東北の人たもはあなたにわらをもつかむ気持ちで何とかしてくれというからあなたも何とかしなければならぬと思ってこうやってきて、にっちもさっちもいかなくなった、こうなってきたと思うのですが、私はどうもその点でよくわからないわけです。 そこでお尋ねしたいのは、一体このむつ製鉄というものがつぶれた、閣議了解でつぶれましたね、つぶれたことについて、あなたはこうやればできるというのを、もう少し明確に——あなたはいまいろいろの決意を言われましたけれども、むつ製鉄は廃止になった、閣議の了解事項になった、しかしこうやればできるのだということは、あなたも社長として、もう少しあなたの立場というものを私はきっちり言ってもらいたいと思うのですよ。政府の施策についての批判なら批判でけっこうです。
○三浦参考人 何かいま人をだましたようなお話がありましたが、そういう気持ちは毛頭ございません。さっきから何回も申し上げますように、自分は国民の一人としてこれを引き受けたからには、国家のために尽くそうという信念でやったことでございます。ここは見解の相違ということで終わるだろうと思います。ただ、いま御質問のこうやればできるという考えはないのかというお話でございますが、現在のところは、いままで出した案以外には、これから立案すれば出ると思いますが、いままでの案では、どういうふうに解釈されておるか知りませんが、私らの出した第四案並びに第五案というものをあのとおりに政府のほうで認めてもらえばいくものと私はいまでも確信しております。
○勝澤委員 だけれども、それには日本冶金との前提があるでしょう。それはどうなんです。
○三浦参考人 いや、第四案です。
○勝澤委員 ではもうちょっと説明してくださいよ。
○三浦参考人 つまり第四案は、さっきから申しましたように、政府資金が多額であります。利子もたな上げしてもらう、そういうような条件が備えられてのことでございます。 それからチタンの問題でも、今度五案で出しましたように、あれだけの政府出資、大体半額政府出資でございますが、四十億ばかりかかるところに、二十億の政府出資、それに金利たな上げということがございますが、そういうことと、それをお許しを願って、それを承認してもらい、われわれが今後研究する研究期間が約一年有余ございますが、そういうものを研究して変えてもらっていくならば、第五案で成り立っていくものだと考えております。
○勝澤委員 それはあなたでなくても私でもできますよ、しろうとでも。そんな経営なら私でもできますよ。そんなところへあなたのような人を使うのはもったいないと思うのです。ですから基本的なものの考え方というものは、私ははっきりしていないと思うのです。基本的な考え方というものは、むつ製鉄をつくった、それから本案と一案というものができたが、これを中心に徹底的に究明することです。一案、三案、四案、五案なんというところまで引き延ばしたところに、私はごまかしがあると言うのです。だから私はそれは責任だと言うのです。だからその責任を感じないで、お国のためだ、お国のためだというものの言い方は、あなたはいいかもしれないけれども、見解の相違だとは私は思わない。かつて十河総裁という国鉄の総裁は、これもお国のためだ、線路をまくらに討ち死にするとこう言いました。しかし、私は今日、たってみていろいろ批判も持っていますよ。ですから、伊藤総裁についても私は批判を持っておる。それはやはり自分のやったことがいいと思っておやりになったのは当然です。しかしそれについて批判をする人がなくなったら、私はおしまいだと思うのです。ですから本案と一案というものを中心にものを考えずに、一案、三案、四案、五案といってごまかしたこと自体は私は問題がある。それはあなたのほうも政府がつくれと言ったからつくらざるを得なかった。だからつくってきた。そうすれば採算がどうしようがこうしょうが、とにかく砂鉄を掘りさえすればいいんだという案が出てくるのはあたりまえです。それだったらあなたの言うように二十億たな上げして新しいのを一年も研究してなんという、まさに私は東北開発株式会社あるいはむつ製鉄というものがどうあるべきかという基本的な問題について、その東北開発の、またむつ製鉄の人たちのものの考え方というものがきっちりしないで、そして政府も一緒になってずるずる、ずるずるやったところに問題がある。だからいま東北開発なりむつ製鉄に問題があったというなら、どこに問題があったということをもう少し明らかにしておきたいと思うのです。明らかにしないで引き継ぎをすれば、事業をやれば事業をやったことが必ず今度は民間ベースかあるいは国策ベースかという問題に、ぶち当たり、そうして経済企画庁と通産省という壁にぶつかり、通産省は国の東北開発はなるべく小さく、民間はとにかく保護していかなければならぬというものとぶつかりながら、力のない経済企画庁というものが東北開発を管理しているというところに矛盾が幾らでも出てくると思うのです。もうこの辺でそういう問題を、会社がつぶれるならつぶれる段階において、東北開発なりむつ製鉄なり、それから今日の通産省の政策なり経済企画庁のあり方なり、こういうのを全体的に皆さんがこうすべきだ、ああすべきだということを大胆率直に言っておやめになることが私は国民のためだと思うのです。東北の人たちのためだと思う。そのことを何も言わずに黙ってやめていくのだったら、一体お国のために何をしたのだ。二年間とにかく六百人か七百人と一緒に生活しただけだよ。これじゃお国のためにも何もならぬじゃありませんか。ここに砂鉄がある。しかし砂鉄があるけれども、こうすればよかったのだ、採算ベースに乗ったんだ。しかしこういう障害があったんだ。ああいう障害があったんだということを、いまさら三菱の悪口を言ったっていいんですから、あるいは通産省の悪口を言ったっていいわけですから、ですからそういうことを洗いざらいあなたたちが言う立場にあると思うのです。渡辺総裁というのは、東北の新聞にずっとおやめになってから手記を響きました。あれは河北日報か何かで出ました。それが実はあの東北開発の汚職の出たときにたいへん参考になったものがずっと書かれている。しかしそれはざっくばらんに、予算を獲律するために三木先生のところに行った、東北開発のだれそれ代議士のところへ行った、だから東北開発の予算をつくるために努力をしてもらったんだから、その人たちの言う少しぐらいの無理は聞かなければならなかったんだと言っているわけです。ですからどこに工場をつくる、こっちにつくろうか、あっちにつくろうか、お世話になった代議士の力の強いほうにつくらなければならぬ。採算ベースではなかった。政治ベースだったということをちゃんと手記の中で言われているわけです。ですからそのために東北開発のこの委員会で徹底的にそれを究明して、その結果渡辺総裁から伊藤総裁になられた、主流派も反主流派もなくなりましていまの伊藤総裁で一本の仕事がやれてきて、少しはまだまだ曲がり道があるようです。あるようですけれども、かつてのようなとにかく政治圧力によって仕事がやれなかったという状態にはなかった。まあまあ総裁が決意して経済企画庁と話ができれば仕事ができた。そんなに曲がりくねったものができなかったというだけでも、私は一つの功績だと思うんですよ。ですからいまむつ製鉄が解散になり、伊藤総裁もおやめになるという段階において、私はやはり東北の立場で、東北で御出身されている皆さんですから、そういう立場でどういう点に問題があるのかという点を、これはわれわれ政治家が知るべきでありますけれども、うちの中におる皆さんのほうが実はよく知っておるわけです。われわれの政治で知る限度というものはある程度限度があるわけでありますから、そういう点を明確にしていただきたいと私は思うのです。できるならば私でなくても淡谷先生あたりに一体どういう点が問題にあったのだという点を、やはり将来に向かって、皆さんが東北開発というものを真剣におやりになって、おれがやった時期はこういう失敗があったけれども、その失敗の上にこういう成功がとにかく五年後、十年後に出てきたのだということをとにかく言っておいていただきたいと私は思うのです。そういうことだけを特にお願いして、これは別に答弁は要りませんから、そういう意味で言っているのですから、そういう意味で、私は二案、三案というものを比べてみると、あなたは一生懸命におやりになったかもしれぬ、経済企画庁長官も一生懸命におやりになったかもしれぬが、地元から見たらだまされた、もう一体何をやるのだということで、みんなも失望いたしておるわけであります。しかしその原因というものは実は何もはっきりしていないわけです。あなたはあなたなりにはっきりしたと言われるが、われわれにはまだ解明されていないわけでありますから、ぜひひとつ、いまさら、解散になる会社でありますから、解散になった経過について、そういうことをお考えいただいて、ぜひ詳細に発表していただきたいと私は思う。それだけを要望しておきます。答弁は要りません。答弁しないほうがいいと思いますから……。
○壽原委員長代理 三浦参考人はお昼で退席したいという希望でございます。よろしゅうございますか。——では御苦労さまでした。
○淡谷委員 次に、東北開発株式会社の前総裁にお聞きしたいのですが、あなたは一体やめたのですか、やめさせられたのですか。
○伊藤参考人 初めやめたほうがいいと思ったからやめた。だれからやめろと言われませんし、またこういう人事問題についてはひとつ相談すべきではないかという意見があったことは考えてみましたけれども、しかしやはりこの問題はいままでずいぶん長い間——きょうもお話がありましたけれども、この焦点というものはやはり人間の責任につながる問題ですから、責任をはっきりしないでおいて、そしてこの問題を継続するということは私は無意味だと思いますから、責任だけは一応はっきりして、それからわれわれは東北の生まれですから、東北とは離れられない人間だと思っておりますから、責任だけははっきりして、ここで割り切って、人に尽くすところは尽くしたほうがいいという考えから、だれにも相談をしませんでした。それでやめました。やはりただ議論しても、人に受け継いだことをだんだんに議論し合ったってしょうがないので、私が一番責任の重大な点に立った男だと思っておりますから、その人間が、何だかあやふやな、人から闘いたから、人がそう言ったからこういう答弁をするというのは、もう時期が過ぎた、この辺ではっきりした態度をとって、あとはどういう批判でも受けて、それで残っていくだけの問題は残されたと思って、私はやめたのであります。決していやになったからとかそんなことではありません。何も自分の功績なんかありませんでしたけれども、いやになったからもうやめますということはだれにも言ったこともありませんし、やめるのがむしろこの間の処理のためには方向づけとしてはいいのじゃないかということで、やめたわけであります。
○淡谷委員 伊藤総裁は古武士的な人物で、非常に骨もあるし、やるところはやる人だということを間きましたから期待しておったのですが、このあなたの気持ちでもうやめるべきだからやめたと言われればそれきりですけれども、やめて何ともならない問題があるのです。あなたはいわば砂鉄開発のためになられた総裁なんです。その砂鉄のために一身を捧げるのだとあなたはしばしばわれわれに言ったのです。いわば必死の覚悟で取っ組んだのがこの砂鉄開発の事業だと思う。さっき勝澤委から言われましたとおり、砂鉄はさまざまな問題がございます。それを承知の上であなたはなられた。したがって、なられたときの気持ちは、はっきりしておりますが、なられた当時のあなたの決心と勇気が、やめるときももうこの辺でやめるのだと言ってみたところで、われわれには了解できない。確かに、さっき勝澤委員が言われたとおり、むつ製鉄社長にもなぜこうなったのか、隘路はどこにあったのか、障害はどこから始まったのか、このことを率直に天下に明らかにするのは、五億の国費をむだにしたせめてもの国民に対する償いだと私は思う。開発会社はさらに困難な岐点に立っている、分かれ道に立っている。あなたがやめたからといって、私はものがよくいくとは思いません。したがって、あなたがやめなければならないようなところに追い込められたことを率直に聞かしてもらいたい。私は、あなたがなられた当時言ったでしょう。あなたの任命は総理大臣の任命なんだ、東北開発三法に基づいて開発会社はできているんだ、企画庁長官じゃないのですから。総理大臣なり官房長官なりが来られれば、これは国策会社としての開発会社のあり方の基本に触れて私は聞きたいことがある。何か、外国人のほうが大事だそうで、国民はどうなってもいいのかもしれませんけれども、待っておりますけれども、やってきませんから。あのとき言ったでしょう。あなたも総理の任命、あなたの周囲も総理の任命、あなたの気持ちでない者があなたの周囲にいる。今度だってあなたはそれで帯しんだでしょう。開発会社の中に伊藤総裁の言うことを聞かないで、絶えず足を引っぱった者がおったでしょう。私は知っている。そんな意思の統一ができないような開発会社で事がうまくいくはずはない。いわば、あなたは今度はまさに腹を切った形です。それは古武士的でいいかもしれませんけれども、一体開発会社をどう持っていったらいいのですか。せめて小倉新総裁に対する置きみやげとして、ここ数年間あなたが苦しまれた実績、考えておったこと、やめなければならないほど思い詰めたことについて率直に披瀝していただきたい。
○伊藤参考人 ただいまのおことばをはたしてどういうふうに答弁すべきか私も窮するわけでございますが、しかしものごとはやはり限界の責任点をはっきりしないでずるずるおるということは、私の判断では東北開発会社そのものが生命を縮めるだけじゃないか。あの会社にはトップにいる者は長く、おればいいんだというふうな観点にとられたのじゃ、この会社の運命に関するということは私は非常に痛切に感じました。もうあの会社は要らないのじゃないかという意見が出ているという話もしばしば耳にしましたが、これではたいへんなことだ、やはりこの辺で——現在の人間はわりあい誠意がないとか熱意がないとかいわれますけれども、それは責任に関する問題がおもにあるからいわれるのであって、淡谷先生は、私のような町人に対しまして古武士だとかなんとかいうことばを使われていますけれども、そういうことばづかいは私は何ともいえませんが、そういう気持ちよりも難関に遭遇するにはやはりこの東北開発株式会社というものをもっと永続して、有能な人を持ってきて働かしてもらいたいというのが私の変わらざる念願であったのであります。それに対しましては自分もずいぶんいろいろな経験もしたけれども、これはこの辺で新しい部面に対処したほうが将来のためにはいいんだということでやめたわけであります。決してこれで行き詰まったというふうには考えませんでした。ただしかし残った問題から考えましても、中途はんぱでやめたことはまことに申しわけないと思いますけれども、しかしながら、このままいてもしようがないという自分の観点から見ますと、やはりこの辺で一応のきまりをつけたほうが国家のためにも会社のためにもいいのではないかと考えたわけであります。
○淡谷委員 私はその辺にあなた方のような、雲の上とは申しませんけれども、屋根の上におられる人たちと実際地べたにおって苦しんでおる人間との意識の相違があると思うのです。これはあなたは開発株式会社の総裁としていままでやってこられた、苦労もされたろうけれども、存分おやりになったでしょう。今度は功ならずして、いたずらに——名は遂げたとは申しませんけれども、名は天下に万雷のごとくとどろいておやめになるのですから、ある意味では勇退でしょう。一体このむつ製鉄の失敗から受けた傷をどうなおしていけばいいのですか。このむつ製鉄によって受けた地元の諸君の生涯いやしがたい傷は一体どうやっていけばいいのですか、これが責任というものです。おれは力の限界に来たから、とるだけはとったし——とったというのは俸給のことですけれども、率直に申し上げまして、あとは後任に譲ればいいのだということになってくれば、国策に沿うものではない。少なくとも私は、小倉新総裁は伊藤さんの推挽によって出てきたとは思いませんよ、総理にあなたの後任の総裁の推薦をされましたか。
○伊藤参考人 いまのことばを聞きますと、それはたいへん無責任じゃないかという一語に尽きると思います。私はさっき申し上げましたとおり、むつ製鉄の問題はどうすればいいのだということは、考えないわけではありませんが、ただ今度の閣議決定によって調査団が派遣されて、いま現地に行かれておりますが、その場合を考えますと、はたしてあそこに並べられたような問題だけを調査に行けばむつ製鉄の問題が解決するかしないかということは、私はやはり疑問に思います。やはりあくまでも筋をただした問題で調査を遂げてもらわないと、ただこういう仕事もしてもいいじゃないか、ああいう仕事もしてもいいじゃないか、それはあげればいろいろだくさんあると思いますが、そういう問題じゃなくて、ほんとうに筋をただした調査をしてもらいたいというのが私の一つの念願であります。 それからもう一つは、私がいつまでも残ってかなりいてもいいということは言えないと思う。やはり人間は新陳代謝をして、そして新しい観点からものを検討してもらうということも大事です。何べんも同じことを繰り返すようでありますけれども、責任を感じないでただぐずぐずしているということは、この問題の解決に一番障害をしているのではないかと思うのです。いままでそれでは——他人のことは行う必要はありませんけれども、ほんとうに責任を持ってどうしたかということは、東北ではあまり重点を置かれない時代があったと思う。その点を、ただ政治に頼めばいいとかいうことでなくて、事に当たった当事者自身がここまでやったけれども、私の力ではいけませんでしたということをはっきりすべきが現状じゃないかと思います。私はそういう感じであります。
○淡谷委員 それをはっきりさせてもらいたいのです。あなたにはいろいろお聞きしたいと思いますけれども、いまお話のあった調査団ですが、実は私この間地元に行ってきたのですが、調査団なるものを見てあ然としました。これは一体どこで派遣した調査団ですか、企画庁ですか内閣ですか、これを企画庁長官に聞きたい。
○高橋(衛)国務大臣 四月二十三日の閣議で了解を求めた際に、むつ製鉄についてはこういうふうな経緯があり、こういうふうな現状であるから、やむを得ないけれども、本来その目的としたところの下北開発というその目的は今後もなお積極的に進めていきたい、こういうふうな観点からぜひ各般にわたるところの調査を進めていきたいということについて閣議の了承を求めたわけでございます。しこうして調査団の編成は、まだできておるわけではございません。これはその前に準備調査としてどういうふうな点をどういうふうにしたらいいかということについてのいろいろの資料を集め、そしていよいよ調査団ができました際に、それがフルに雄率よく活動できるという状態の準備をしておくことが必要である、かような観点から、経済企画庁の総合開発局長を中心に関係の者をただいま派遣いたしておる次第でございます。
○淡谷委員 これは調査団の準備活動だと言っているようですが、下北開発のための予備調査団日程というものはできています。これは四十年の五月二十五日から二十九日まで、団長はおっしゃるとおり、経済企画庁の総合開発局の局長の鹿野義夫君、これは伊藤総裁御承知のとおり、むつ製鉄の計画に対して何をしたかどうかははっきりおわかりでしょう。鹿野義夫君です。団員としては、通産省の産業立地部立地指導課長の佐賀新太郎君、建設省の計画局の技術調査官の池田迪弘君、農林省の大庫官房調査官の福島量一君、それから科学技術庁の資源局の科学調査官の小田五郎君、経企庁の東北開発株式会社監理官補佐の坂本正弘君、経企庁の東北開発室技官の那須丈士君、あとはおつきかどうか知りませんが、七人出かけていっている。 日程を見ましょう。二十五日は九時十五分に青森着、九時二十五分に県庁着、十時から十二時まで知事、副知事、企画部長と打ち合わせ、十二時から十三時まで昼食、十三時から十五時まで関係部課長と打ち合わせ、十五時から十六時まで議長、特別委員長と打ち合わせ、その晩は浅虫泊まりであります。これは東北一の温泉地であります。十八時から会食。温泉場における会食は何を意味するかおわかりでしょう。二十六日は九時出発、なかなかごゆっくりな御出発でございます。浅虫発が九時でございます。前夜のお疲れがあるのかもしれませんが・・。途中道路その他を視察されるそうです。十二時にむつに着きます。十二時から十三時まで市役所で昼食をあそばされます。十三時から十四時二十分まで釜臥山より視察するそうであります。この前にもしばしば言ったとおり、あそこにはこのむつ製鉄に執念を込めてむつ製鉄をでかした功績によりという表彰文をつけたまま、死んだ元山崎知事の銅像が立っているのですよ。小倉新総裁は見てこられたでしょう。死んだ山崎元知事がどんな気持ちでこの調査団を迎えたでしょうか。喜んだでしょうか。釜臥山から何を見るのか知りません。見たら、いたずらに二年間ぼうぼうと草のはえたむつ製鉄の敷地があっただけでしょう。釜臥山で視察をされる。いまどき視察でもないでしょう。十四時二十分から十六時までは工場用地、埋め立て地の視察。いまどき何の視察ですか。解散した会社の、砂鉄をやりませんという会社の埋め立て地や工場用地を見て高くでも売ろうというのでしょうか。十六時から十七時まで議長、特別委員長と打ち合わせ、これは市役所。その晩はむつ泊まり、鍵本旅館です。二十七日は九時三十分から十二時まで——これも二十七日は九時三十分の御出発でございます。十二時まで雪印斗南丘酪農、防衛庁のドック視察。十二時から十三時まで、呑兵ヱへ行って昼食をなされます。十三時にむつを立って十五時は尻屋着。途中野牛鉱業所視察、これも製鉄事業の遺物でございます。十五時から十六時三十分まで、尻尾港、石灰石の採掘現場視察。十六時三十分に瓦屋を出て、十八時にはむつに着いて、むつ市泊まり、鍵本旅館です。二十八日もやっぱり九時御出発です。十二時に大間に着いて、途中大畑港、道路、鉄道路盤視察、十二時から十三時まで昼食、町役場。十三時から十四時まで大間港視察、十四時に大間を立って十六時三十分に薬研に着きます。薬研とは非常に素朴な温泉場でございます。これは下北名所の一つでございます。十六時三十分に薬研に着きまして薬研に泊まります。宿は下北観光ホテルです。二十九日は、十時三十分に薬研発でございます。これはまたまことにごゆっくりな御出発でございますな、十時三十分とは。十二時十分には恐山に着きまして、十二時十分から十四時三十分まで昼食。この昼のめしはむつから届けるんだそうでございます。十四時三十分恐山を立って十五時十分市役所着、十五時十分から十六時までお休みになって、十六時にはむつ発でお帰りあそばす。これが日程でございます。 これは確かにこの間の閣議決定では、一、むつ製鉄及び砂鉄原料は早期に解散せしむる、一番はっきりしている。二は、砂鉄資源の開発利用のため試験研究を行なう。三、下北開発の見地から開発調査団を現地に派遣し、地元とも相談の上、開発のための具体案を検討し、その実現につとめる。四、公共事業費等の配分については下北開発推進のため特に配慮するものとする。全くのごまかしじゃないですか。このごまかし案を真実らしく見せるために七人も頭をそろえて行って、温泉にお泊まりになって、ゆっくり調査して、これで一体地元民がだまされますか。知事、市長はだまされるかもしれぬ。何回も何回もだまされ抜いてきた地元の連中は怒っているんですよ。これは確かに伊藤総裁おっしゃるとおり、こんな調査をいまどきやったって意味がない。五億円の調査費をかけて三年調査して、頭のいい企画庁の諸君がちゃんと立案して、事業認可はしないけれども会社の設立認可をして、それで見通しが誤りましたと言ってやめたのがいままでのやり方です。何のための調査です。しかも昨年の二月に、しばしば言っておるとおり、やはり役所の人間が行って下北の資源調査をやっているのです。この資源調査で、砂鉄事業はりっぱに成り立つという報告ができている。一体何の調査ですか。こういう点につきましても、やめぎわの伊藤総裁は——もうやめちゃったんですけれども、はっきりあなたの意見を私は聞きたい。こういう事情でむり製鉄はつぶされました——初めからあなたはだめなつもりでやったのではない。勝澤さんがさっき三浦社長に言ったとおり、あなたのほんとうの仕事というのは、この数年間のあなたの経験を率直に訴えて、こうしなければ開発会社は立っていきませんぞ、こうしなければ東北各地の開発はできませんぞということをはっきり言って退くことが、私は責任ある態度だと思う。もう私の力の限界がきたからこの辺でやめますじゃ、これは責任とったとはいえぬ。あなたが幾ら気負いましても、はなはだ無責任なる態度だと思いますが、その点はどうお考えですか。
○伊藤参考人 無責任なということばを最後に言われましたが、私は自分が力が十分あるとは思っていませんけれども、しかしながら、ものというものはけじめをつけないで何年もかかって取引みたいなことをやったってしょうがないし、やはりある点についてはけじめをつけるべき時期があると思っておるのであります。そういう意味で、たとえば例をとりますと、私がこのむつ製鉄の認可を申請したのは私の就任間もなくであります。そのときは政府のほうから、長官もみなかわられましたけれども、これは調査もでき上がっておるので、なるべく早く認可をしたいんだというお話がありました。それで君に就任してもらったのは、むつ製鉄というものを早く緒につけるために就任してもらったんですというお話があって、私も相当感激して聞いたわけであります。しかるに、その後いよいよ仕事にかかってみますと、それまでの調査では不十分であるということが各方面から指摘された。それでこの調査が始まったので、そうしますと、この申請をいたしまして認可を得たのは、私が東北開発の最高の責任者として認可を受けたので、やはり責任者の態度はこの辺ではっきりしなければ、この問題の解決のめどがつかぬじゃないかということが私の考え方であります。現在もそう考えております。やはりどこかでものをけじめをつけないで、ただああでもない、こうでもないと言ったって、これはそれこそカエルが鳴くようなもので、何もその区別がなくなりやしないかというのが私の一番心配するところであります。ですから、はなはだひきょうじゃないかとか何か言われるかもしれぬけれども、それは淡谷先生の解釈にまかせるほかありませんけれども、私はむしろものを進展させるためにはやはりけじめをつけておくべきだと思う。その責任者というものは私のほかにはないと思います。ただ幸いに小倉総裁が御就任になりました。しかしながら私はここで考えました。各県にお世話になりましたから、自分の責任をはっきりする意味において、早く各県にごあいさつに回ろうと思いましたけれども、私が先に回ったのでは、私に対する遠慮というものがありまして、ほんとうの声を新総裁が聞けるかどうかということを心配いたしましたので、私はまだ東北各地は回っておりません。ほんとうの赤裸々な声を新総裁に聞いてもらいたいと思って——ほんとうは私のほうがお世話になったのですから、私がかけつけて、お世話になりましたと言うのがほんとうでしょう。けれどもやはりそれを考えますと、そういう儀礼的なことは別にしまして、この際はっきりした意図を新総裁につかんでもらいたいというのが、私の、これはつまらぬ配慮かもしれませんけれども、その点を考えたわけであります。ですから、何か淡谷先生のお話によると、伊藤というやつは責任を解しないやつだというふうに聞こえますけれども、私は自分の責任を果たせませんでしたけれども、責任を感ずることは十分感じておるわけであります。それでやめたのですから、何もこういうところへ引っぱり出されなければ発言をする必要もなかったのでありますが、発言を求められましたから、私の考え方を申し上げたので、別にこの会合に対して干渉するとか、そんなことは考えておりません。どうぞ御自由に御処分を願いたいと思います。
○勝澤委員 関連して伊藤前総裁にお尋ねしたいと思うのですが、責任をとられておやめになった、その責任をとられたとられ方については、私は私なりに私の意見がありますけれども、それは申し上げません。責任のそういうとり方と、それからもう一つは、責任をとられたならば、なおさらあなたが持っていた考え方というものを、そうしてあなたができなかったことを、なぜできなかったということを明確にして、新総裁にあなたができなかったことを、よりよい東北開発が経営できるようにしてあげなさいと、こう私は言うのです。そういうあなたは責任がある。その責任をなされていないように思うのです。私はいまも、それから三月二十五日のときもあなたがこの委員会に来て初めて聞いたのですが、あなたが総裁になられたときは、もうこの案がきまっているのだ、もうすでにきまっているから、すぐ着工するのがおまえの責任であるというように言われて私が入ったのです。こう御答弁されておるのです。これを聞き、あなたが総裁になったばかりのときで、前渡辺総裁とここにおいでのときに聞いたときの感じと私は同じだと思うのです。東北開発はもう砂鉄事業がこれからの生命です、私も砂鉄に命をかけてやります、こう言って、あなたはここで、一番最初、総裁になったときに言われたように私は記憶いたします。そうしてそれができなかったということで責任をとっておやめになられたということについてはよくわかります。しかし、あなたが入ったときには、もう砂鉄の問題については、あのとき自分は、具体的にこれをやるんだ、こう思って入ったら、実はそうではなくて、まだまだいろいろ問題があったということです。入ってみたらそれがわかった。そうしてまだいろいろ問題があったのだということがおわかりになった。ですから、今度小倉新総裁があなたのかわりにおなりになったわけですから、一体、砂鉄がどういう経過で問題になってできなかったのかという点を、委員会でおできにならなければ委員会でなくてもけっこうですから、私は私なりにこれを聞くわけです。ですから、あなたはあなたなりに意見があるはずなんです。いままで東北開発の総裁としては言えなかったわけでありますけれども、おやめになったいま現在は、もっと自由な立場から、東北開発というものをこうすべきであった、これを政府が聞いてくれればよかったという意見やら、あるいはあなたはあなたなりに三菱に対する意見があるはずであると思う。あるいはまた経済企画庁と通産省のやり方、あるいは通産省と民間とのやり方、これについても意見があるはずなんです。そういうことをこの際あなたがきっちり引き継ぎをし、あるいはきっちり言っていただかなければ、私は東北開発というものは、あなたの先ほど言いました、こんなものはつぶしてしまったほうがいいじゃないかという意見もこれはやはり強くなってくるわけです。東北開発の必要性、そして東北開発というものがやはり東北における民間の工場の入らないところに国策会社が行なっているのだ、それがなぜなのか、そしてそれがどうしたらとにかく東北というものが東北開発によって守られていくかという点が、実はだれもいままでの中でははっきり説明されていないわけです。ですから、あなたがそうお考えになっておるならば、あなたは策北開発を、もうおれはやめたけれどもこんなものはつぶしたほうがいい、こんな会社はなかったほうがよかったとか、いや、東北開発というものは東北のためにもつと盛んにし、そして資源開発をやらなければならぬとお考えになるならなおさら、とにかくいままで持っていた苦悩、あなたのいろいろな御苦心談を明確にしていただくことが、この新しい総裁に対してあなたが東北開発会社を愛する気持ちだ、それが私は責任の一つのとり方だと思うのです。それを、あなたがまだあちらこちらの人の言うことに遠慮しながら、自分のことばかりを考えて、いままでのことを言わないでいるということになれば、伊藤総裁というものは腹を切っただけじゃないか、こういうことになると思うのです。そういう意味で私はもう一つの責任があるんじゃないだろうか、総裁として責任があるんじゃないだろうか、こう思うわけでありまして、具体的の中身についてお話し願えないならば、そういった、私の言った意味がおわかりになりましたら、そういう意味の責任は私はある時期においてお考えをいただいてやはり明確にしていただきたい、こう思うのですが、いかがでしょう。
○伊藤参考人 ただいまの勝澤先生のお話はまことに重大なことと思います。きょうも小倉総裁にここでお話ししたのでありますけれども、あなたは大体お回りになったと思うが、私はお回りになったあとでゆっくりお話ししたいことがある、というのがその意味であります。きょうも念を押したわけであります。また実は私のファースト・インプレッションを小倉総裁に押しつけるということはしたくありません。やはり全部お隣りになってから、私のいままでに考えたことを十分引き継ごうと思っています。その点は全く同感であります。これは必ず実行いたします。 ただ問題が、私としては私なりに長いつとめでありましたから、東北といいますか、東北開発といいますか、あの地方の問題は、むつ製鉄の問題がこれほど燃え上がりましたけれども、私はむつ製鉄の問題だけで燃え上がったのじゃないと思うのです。東北の低開発ということからそのチャンスがここに生まれたので、これほど大きな問題になったと思うのです。ですから、おっしゃるとおりの、もっと大きな構想というものがなければ——むつ製鉄の問題だけじゃなくてほかの問題もここに入ると思っています。しかしその問題は、いまここで私の考えを言えといっても、多少はばかるところもありますし、また政治面でもありましょう。たとえば、この問題の最後の段階においては、政調会が取り上げられた問題だと思っております。しかるに、やはり最後の決定は閣議で決定されておるということも、私は政治情勢を知りませんからわかりませんけれども、その辺のところもまあ疑問を持ったのであります。その点もやはりもう少し検討して、私は公式には申し上げる資格はありませんけれども、小倉さんとよく相談をしまして、他には関係しませんが、東北開発株式会社が関係することだけはよく引き継ぎをして、参考になることがあれば取り上げていただきたいというだけの考えを持っております。
○勝澤委員 いま伊藤総裁に言い忘れましたけれども、最近になって私は昔東北開発の役員をやっておった人たち、それからおやめになった人たちとよく会うのです。最近になって初めて五年か六年前の話を実は聞くわけです。こうすればよかった、ああすればよかった、こうだった、ああだったという話を聞くわけです。私、よくその人たちに言うのです。その話をなぜもうちょっと早く話してくれなんだ。ですから、そういう意見があるわけですね。ですから、いまあなたがおとりになったやり方というものもたいへんりっぱなやり方だと思うのです。事前にお話しをせずに自由に見てもらって、そのあとであなたならあなたなりのお話をする。その話の中にもはばかることもある。それは当然なことです。はばかることのないような話だったら、私は実はする価値がないと思うのです。ですから、そのはばかることのあろのを二年たち三年たってわれわれに聞かしてもらうよりも、あなたができなかったこと、はばかるようなことも、小倉新総裁にお話しになったと同時に、ぜひひとつ東北の国会議員の人たちに、まじめに東北開発を前進させようとする人たちにも、その意見をぜひ私は話しておいていただきたいと思うのです。私はそのことが東北開発のよくなることだと思うのです。そういうことをぜひ私は要望いたしておきます。
○福井委員 長官にちょっとお尋ねしたいと思いますが、この閣議了解の中の二番目に、砂鉄資源の開発、利用のための試験研究を行なうというのがありますが、これは将来見込みがあればこの解散したなにも復活させるというような読みのもとにやられるのか、その試験研究の構想、概要、見通しというようなものをひとつお願いします。
○高橋(衛)国務大臣 御承知のように、自由民主党の政務調査会の東北開発特別委員会でございますか、そこで取り上げられた問題が、いわゆる第五案と申しますのでございましょうか、酸化チタン並びにバナジウム等を中心とした計画に相なっておるわけでございます。しこうして、この問題については、問題が技術的に非常に重大な関係がございますので、通滝省の技術当局にこの問題についての判断を求めたのでございます。その判断を求めました結果、回答が参りました。その回答の結果として、今日これを企業化することについてはまだ採算ベースについての十分なる基礎を得る段階ではないという結論に達したわけでございます。しかしながら、この問題については何と申しましても東北地方に広く分布し、また、存在しているところの砂鉄資源というものの今後の活用方法の一つとして酸化チタンの研究なり、パナジウムの試験研究というものについては、これは通産省の研究等において、いままでもある程度手がけておるようでございますが、そういう問題についてひとつ積極的にその研究を促進していくということを閣議において了解し、当該の機関においてこれを具体的に取り上げていただくという決定をいたしたような次第でございます。
○福井委員 私は技術屋で——技術屋と力んで言うほどの知恵もあるわけではありませんが、研究という事柄が資金不足によって日本全体もう一歩というところでなかなかいかないという問題がたくさんあるわけであります。日本の財政の非常な自由な豊富な状態にないということからこういうことが起こってきまずから、これは日本の国家のそろばんの上においてやむを得ないということが起こってくることは当然でございますが、それはそれとして、いま第二項目が、将来その地域において資源の活用は捨てたものではないという意味の御答弁がありましたので、私はこの点については了解するものであります。淡谷君が調査団の内容について非常にこまかい、また経過を話されたので、これらのことについては私もあ然としております。その調査のまたよく行なわれておること、並びにその地域のまじめなる発展のために資料を集められた研究態度については、私は頭が下がるものがあります。そこで佐藤内閣の閣議においてこういう決定をしたということは、当面ずるずるでやってきたのではいかぬので、将来見通しが立てばやるというような含みがあろうかと私は思います。と申しますのは、この問題だけでなくて、佐藤内閣は勇断を持って一つの国民の期待する懸案事項をどしどし片づけていくということについては、非常な勇気を持ってやっておられるので、いま長官もここにおられて、閣僚の一人でありまするから、長官をほめるわけじゃありませんが、いままで何年も何年もかかって難儀をしておるところのいろいろな問題を、国家国民のために勇断を持って将来のために解決していくという一つのあらわれだと私は思っております。しかし、それには前提があります。前提というのは先ほど申しましたことであります。東北開発、東北の青森といい、またあるいは岩手と申しましても、山形、秋田と申しましても、ここに閣僚が一人も出ておらないわけでもないし、また自民党、社会党の、特に自民党の人たちも出ておりまして、その地域の愛着心、あるいはまた天然資源をほうってしまうというような意見が出るはずはありません。したがって現段階における閣議決定は相当な理由があって私はなされたと思いまするから、その点については私は異論は申しません。将来、これは決算委員会の席でございまするから、国が資本金の二分の一以上を出資している法人の会計に関する件という調査をこの委員長のもとにおいて調査する、また不正があれば追及するという使命がございまするので、この委員会においては当然質問すべきことを質問されておるのが自社両党とも当然のことでございます。願わくは、いままで入れられた資金が将来ともりっぱに生き返るように、長官においても格別なる含みを持ってとの地域の発展に努力せられることを特にお願いいたして私の関連の質問を終わらしていただきます。別に答弁は要りませんが、もしありましたら長官から一言いただきます。なお関係の政府委員の方には別に答弁は私は要りません。
○高橋(衛)国務大臣 ただいまお話しのとおり、東北開発株式会社はどこまでも非常に開発のおくれた後進地域であるところの東北の開発ということをその重大な使命といたしておる次第でございます。もちろん、株式会社でございますから、それには限度のあることでございます。しこうして、ここ数年前からその東北開発株式会社がやってまいりました内容の事柄についていろいろと問題が起こってまいりました。ようやく一昨年ごろからその内容の完全な整理ができ、そして再建に向かってどうやら薄煙の計画もでき、三十九年度からこれが大体地についた前向きの姿勢で仕事ができるようになってきたかと思うのでございます。その点伊藤前総裁が非常に御苦労なさって、そして内部の機構の整備もされ、人事の一新もされ、そして新しい観点から新しい出発をされるための御努力をなすったことについては、深く敬意を表しておる次第でございます。私自身も北陸の者でございまして、もともとそういうふうな地域に対して政治的にあたたかい気持もを持って、何とかしてそれを育てていこうという気がまえのもとにこの問題を処理したいという点については、人後に落もるものではないと考えておる次第でございます。佐藤内閣の姿勢もまたしかりでございまして、そういうふうな観点から、先ほど実は調査団の日程その他について御指摘がございまして、私案は初めて伺うのでございますが、おそらくは県庁その他とお打ち合わせの上、大体こういう問題は私どもの経験によりますと地元のほうの御指示に従うのが大体の例になっておるものでございますから、そういうことじゃなかろうか。それにしてもその点の注意はまことに足りなかったように私存じます。そういうことで、本格的な調査団を何とかして一日も早く出したい。そのための資料の収集、それから現地の方々が一体どこにほんとうの希望をお持ちになっておるか、やはりどうも政府でもって天下り的と申しますか、そういうふうな感覚で新しい事業を計画いたしましても、地元の方の御要望等に沿わないというふうなことがあればなかなかむずかしい面もございますので、そういう点もよくお打ち合わせできるということにも一つの主眼を置いて、準備的な調査ということで派遣をいたしましたような次第でございますので、その結果を待って、そしていままでにも調査したものが相当材料としてございますので、そういうものも整理いたして、そして本格的な調査団を一日も早く派遣できるようにいたしたい、かように存じておる次第でございます。
○淡谷委員 小倉新総裁にお伺いしますが、東北開発会社の引き継ぎの事務は完了しましたか。
○小倉参考人 完了いたしました。しかし付言いたしますと、それはそれ以外にいろいろ伊藤前総裁からも私に話したいということがございますし、私からもいろいろ伺っていきたい、こう思っておりますが、正式の事務引き継ぎは終了いたしました。
○淡谷委員 伊藤前総裁に一つ確かめておきたいのですが、あなたからはしばしば開発会社の危機を訴えられました。非常にあぶないのだと言われました。それから前回の決算委員会で宇ノ沢会計検査院説明員からも、この開発会社の赤字三十八年度末の累計額でも三十五億余り、なかなか経営は楽じゃないということをはっきり言われております。特に伊藤前総裁は会社の再建の重点を砂鉄事業に置くのだということはしばしば言われました。この砂鉄事業がだめになった今日、はたして再建の見通しがついて引き継ぎをされたかどうか、これは前には、もう砂鉄がだめになったら開発会社もだめなんだということをしばしば聞かされたのです。その点を確かめておきたい。
○伊藤参考人 詳細に申し上げたことははっきり——忘れた点もありますが、しかし、大体の観念はそのとおりであります。それはどういう意味で申し上げたかというと、当社の仕事を見ますと、合理化、合理化ということを実行もいたしましたし、いろいろな整理もいたしましたけれども、会社の成り立ちからいいますと、ほんとうの表看板というものはどうなっているかというと、非常にあいまいな点があったと思うのです。その点をはっきりすれば、この会社の生命というものは非常に長いものだと思っていましたからそういうことを申し上げたのでありますが、その内容を申し上げると、たとえば現在やっている仕事の内容から少し古いことを、こまかくなりますけれども、ちょっと申し上げますと、はたして適地に適材の事業を始めているかどうかということに対しては多くの疑問があると思う。しかしながら過去に施設したものをこの際全部やめてしまえとか、そういう暴論にひとしいようなことはもちろん言うべきじゃないと思いますけれども、しかしほんとうに会社の性格カラーをはっきりするならば、私は単なる赤字が出たからどうだということで、この会社の運命を決定するようなことをするのは私は妥当じゃないといまでも考えております。そういう意味で、はたして国会なり政府なり皆さんの御了解を得られるものかということは私いまでも疑問に思いまして、その点をよく新総裁とも打ち合わせをしてみたい、つまりもっと簡単に言えば、会社の性格論というものは非常にあいまいになっていやしないか、ただ金の面で締めつけられたような議論が膨張してきまして、——会社の性格はこういう会社なんだということを、この際もう少しはっきりしていくのがわれわれの使命じゃないかと思っているわけであります。会社の性格論というものは一時やかましく言われたことはありますけれども、どうもその点は損すれば困るというようなことを一口ごとに言う人もありますが、あるいはそういう会社じゃないのだ、この会社は国策会社なんだから、政府の片棒をかついでいる会社なんだ、やはり行政的な面をお手伝いしているんじゃないか、単なる赤字赤字だけで言うのは妥当じゃないのではないかという議論もありますが、この点はもっと大きな面から検討して、批判をしてもらわなければ、私どもがかってに解釈をすべきじゃないと思いますが、一番いま問題になっておるのは、抽象的なことばでありますけれども、会社の性格論というものをもう少しはっきりしなければ、この会社の基礎というものがどうなっていくかということは、わかり切ったようなことでありますけれども、この会社の条文を見ますと、単に適地に殖産興業をやるというだけ書いてありまして、会社の性格というものがはっきりしない点がある、そういう点が今後の残された問題で、われわれ東北に住む人間としましても、この点に一番重点を置かないと、この会社というものはいつもゆさぶられておる、いつもがたがたしているというようなことになりはしないかということを——こういうところで申し上げることははなはだ不吉なことをおまえ言うじゃないかということを言われるかもしれませんけれども、私は率直に言えば、そこが重点にいま残っていると思います。私の考え方はそういうことです。
○淡谷委員 非常に苦い経験を積まれました伊藤前総裁のことばですから、私もまさにそのとおりだと思うのです。むつ製鉄なども国策に重点を置くか企業に重点を置くかということで、絶えず動揺しています。しかも、これは高橋企画庁長官の個人的な責任じゃございますまいけれども、前長官のやった仕事かもしれませんけれども、むつ製鉄の事業などもあまりにも三菱に依存し過ぎて、あまりにも三菱にたより過ぎたということが今回の失敗を招いていると思う。さっき三浦社長が最後に憤然として言っておられたように、国がある程度サポートする覚悟をしたならば、決意をしたならば、これはつぶすべきじゃないということをむつ製鉄社長も香りている。しかしまた同時に企画庁としては、どのように弁解しましても、見通しに誤りがあったということははっきり認められざるを得ないと思うのです。これは事情が変わった、向こう側の態度が変わったといっても、企画庁としてはやはり地元を指導し、地元を開発するためには長期の見通しを立てなければならないし、その見通しの誤りの上にこれはできた事態だと思っておりまするが、長官はどう考えておりますか。
○高橋(衛)国務大臣 以前にもしばしばこの問題についてはお答え申し上げたと存じますが、先ほど三浦社長からもお答えがございましたが、特殊鋼並びに砂鉄等についての世界的な市価が大体三十七年の末ごろから相当下離してまいったのでございます。しかしそういうふうな鉄鋼製品関係につきましては従来も景気循環的に倒錯があったものでございますから、政府自体としては、その当時の企画庁の判断としては、これは一時的な下落であろう、また立ち戻る、いわば景気循環的な一つの価格の変動であるであろうというふうな大体の見当つけたような次第でございます。ところがその後高炉銑によって、砂鉄原料によるところのものと同様なものが大量生産ができ、しかもそれで相当コストダウンができるというふうな事態がだんだんできてまいるというような事態もございました。そういうことで、当初考えておりましたことが技術革新の関係からいたしまして、また世界の鉄、特殊鋼関係の商況の変化というようなこともございましたためにこういうふうな事態に至ったことが最大の原因であろうかと存じます。おそらくはそういうふうなことがなければ、当初から三菱グループがずっと全面的に社長を送り、技術その他の陣容を全面的に協力され、出資もされ、また将来出資もふやされるというふうなことについてあれほど積極的な感度をとっておられた三菱グループにおかれましても、そういうふうな点の判断についてはやはり経済企画庁と同じような判断をしておられたのではなかろうかと、かように存じておる次第でございます。しかしながら情勢がだんだんとそのように変化してまいった、そしてしかも具体的な採算をいろいろと検討してみますと、どうしても採算ベースに乗りにくいというふうな面が出てまいったわけでございます。しこうして政府といたしましては、この問題ばかりではございませんが、東北開発株式会社は政府出資がほとんど大部分を占める会社でございます。しかも、昨年度も今年度もそれぞれ十二億円ずつ新しく出資をふやしておるというふうな特殊な会社でございます。そういうことでございますので、新しい事業を開始いたします際に、もちろん当初数年閥の赤字ということは、これはもう覚悟して、しかもそれだけ政府出資があるということによるメリットも十分活用した上で、その企業が将来黒字に転じ書る、採算的に成り立ち得るという見通しが立つものならば、あえて踏み切るのは当然である、こういうふうな考え方のもとに、しかしながら、将来どうしてもこれは採算ベースに乗り得ないというふうな見通しに立った場合においては、これはやむを得ずそういうふうな事業には着手すべきではない、こういうふうな判断のもとに立っておる次第でございます。むつ製鉄のこの認可をしておきたがら、これを断念せさろを得なかったということについては、私どもも、政府といたしましても非常に残念に思います。しかしながら情勢がかくのごとく変化した以上は、その情勢に対応して、少しでも早くその損失を少なくして、しかも積極的に新しい開発の方向に乗り出すべきだ、こういうふうな判断をいたしたような次第でございます。
○淡谷委員 その原因や何かのいいわけはずいぶん聞きました。何回も聞きました。けれども、原因はどこにあろうとも、この原因を見通しができなかったことは明らかに企画庁の見誤りではなかったか。見当違いじゃなかったか。考え方に見通しのつかない点があり、見通しの誤りがあったということをお認めになりますかどうか。あとは聞きました。情勢が変わったとか三菱がどうとかは聞いた。それなどは企画庁としてはあらかじめわかっていてしかるべきものなんですね。どうもこの見通しは企画庁の誤りであったと私は考えるのですが、長官はそう思っていませんか。
○高橋(衛)国務大臣 もちろん政府の機関としても万能ではございません。したがって、不確実な未来の可能性について見通しを立て得なかったという点は、これは結果としてみればそうなるかと存じます。
○淡谷委員 たいへん残酷な質問ですけれども、佐藤内閣はいま内閣改造をやっている。これは、企画庁長官がまた大臣におなりになるかどうか知りませんけれども、伊藤前総裁さえこの辺で見切りをつけてやめるというのですから、内閣改造に先立って、長官、やめる腹はございませんか、責任をとって。
○高橋(衛)国務大臣 ただいま、この問題のためにやめる意思はございません。
○淡谷委員 それにしても、急激な転換をする場合に関係者にほとんど了解を求めず、話もしないで、全く切り捨てごめん的な方法でやってしまったということは、どこに理由があったのです。三菱に対しても話がなかったのですか。たとえば覚え書きについていろいろ打たれています情報がございますが、一方的に破棄した場合の何らかの措置、あるいはこの前の決算委員会の質疑応答の中に明らかにされました鉱区の買い戻し、こういう点についても何ら三菱と折衝なくしてあなたの切り捨てごめんがなされたのですか。全く切り捨てごめんです。閣議決定さえすればあとはどうにかついてくるだろう、そこを地元はおこっているのです。はっきり御答弁願いたいと思う。
○高橋(衛)国務大臣 こういう問題について公式にそれぞれ相談するということは非常にむずかしい問題でございます。しかしながら、現地のいろいろな御意向も私のところへおいでになりました際にそれぞれ具体的に伺っております。したがって、切り捨てごめんというふうな感じのもとにものを処断したというつもりは絶対ございません。
○淡谷委員 あなたの主観はそうでなくても、切られるほうはやはり切られていますから、これはしかたがないでしょう。しかし率直に申し上げまして、いま三菱は二億八千万ですか、出資していますが、これは返すのですか、お聞きします。
○高橋(衛)国務大臣 この問題はこれから検討すべき問題だと存じます。
○淡谷委員 どうしようと思っているのですか。これは解散した以上は当然出る問題です。それから地元の負担はどうしますか。それから鉱区の買い戻しはどうなさいますか。具体的に御答弁願いたい。
○高橋(衛)国務大臣 いずれも今後のそれぞれ折価と検討によって決定すべき問題だと思います。
○淡谷委員 こういうことは全然検討なしに、閣議了解なされた、こう思ってよろしいのですか。全く三菱との折衝もなし、あるいは今度のむつ製鉄の解散によって起こるさまざまな損害——私は完全にだめなのは概略二十五億円になると思います。この二十五億円を国が背負うのか、開発会社にまた押しつけるのか、その方針もきまっておりませんか。
○高橋(衛)国務大臣 これから事後の措置としてそれぞれ善処いたしたいと思います。
○淡谷委員 小倉新総裁にお聞きしますが、こういうふうな、あなたのお聞きのような状態の中にあなたは新総裁になられた。きょうは実はその点についても、あなたを任命された総理の意思を聞きたかった。特に前総裁から言われました開発会社の性格そのもの、さらに東北開発三法の将来に対しての方向、これも聞きたかったのですが、どうしてもおいでになりませんから、いずれ機会をあらためて聞きますけれども、あなたはまあ総理のおめがねにかなってやったのですから、こういうふうな事態に対する見通しなり抱負なりはあるはずでございますから、お聞かせ願いたいと思う。
○小倉参考人 私、むつの問題は非常に重大な問題と考えております。しかし、私はその詳しいいきさつにつきましては就任津々で詳細を承知しておりませんでしたが、とにかく地元の方々が八年余にわたる苦心が水泡になりましたので、さだめし残念に思われるであろう、私はそれからいろいろな将来についてのお話もあるであろうということで、就任早々、ほかへまだ顔出しもいたさない一番先にむつへ伺いましていろいろなお話を伺ったわけであります。このむつの善後措置につきましては、いま清算人も選定されておりますので、そのいろいろな資料を聞きまして、なお監督官庁との相談の上、開発会社としてはできるだけの善処をいたしていきたいと思います。また、いま御質問のございました開発会社の根本的な行き方につきましては、私もいろいろ前総裁からの御指導をいただき、また最近各県の方々のお集まりの機会もありましたので、いろいろお話を聞きまして、開発としましては、単にやはり事業活動ばかりでなく、東北の共通の福利増進に大いに協力してほしいというお話もありましたので、そういう点も今後十分心得てまいりたいと思います。しかしただ私としましては、事業をお預かりしておりますのに毎年多頭の赤字を出すということは相すまないことであり、ただいまセメント工場が基幹になっておりますし、それらの工場でも有数の工場がございますので、こういう工場を生かして、事業勘定におきましては一年も早く単年度の黒字に転向するように極力努力してまいりたい、こう考えております。
○淡谷委員 いま新総裁のお話を聞いていますと、はからずしも伊藤総裁が就任当時のことばを思い出すのです。みんなそんなことを言って就任しますが、おしまいにはどうも私の力の限界がきたと言って去ってしまう。去る者よりも去られた者がたいへんです。特に今度は砂鉄の問題がからみまして事務的に増大する赤字があると思うのです。膨大な金を出して買った鉱区は全部これは動かなくなるでしょう。用地だってそのままおいたら、これはもうおかしいものになってしまいます。人も引き取らなければならない。投資したものも回収ができない。出資もなかなか回収ができない。これによるむつ製鉄に関する大体の赤字増はどれくらいに見られて引き継がれましたか。これはあなたがおわかりにならなければ、事務の方面でもかまわない。当然しわ寄せがあるはずなんです。この点などもあなたははっきり御認識の上で就任されたかどうかお聞きしたい。
○小倉参考人 先ほど数字が出たのでありますが、開発会社から出資しております資本金が、むつ製鉄と砂鉄原料を合わせまして七億円、そのほかに融資といたしまして約十億円でございます。しかしそれはあるいは経費として消えたものもございますし、また有形資産として残っておるものもございますが、それがどういうふうに出資者に配分になりますか、そういうことは清算の過程でございますので、その結果を待たなければなりませんですが、大体見当といたしましては十四億ないし十五億、しかしそれは一つ問題がございまして、鉱区をいかがするかということが含まれております。鉱区が金に換算されて戻ってきますれば、それからまた引けることになりますが、そういうふうなことは清算の結論を見ないとはっきり申し上げられませんが、見当としてはそのぐらいのことと考えております。
○淡谷委員 これはやはり容易ならない事態に立っておるのが開発会社だと思っておりますから、私は、最悪の事態、小倉総裁としては、開発会社も東北開発三法も政府の誤った見通しと施策の前につぶされるのだ、それに対する強い抵抗の姿勢をとらないと、東北全体に対してゆゆしい問題になりますから、その覚悟をまず促したい。 この間はむつへもおいでになったそうですが、たいへんけっこうだと思っています。どこを見てこられましたか。恐山の銅像を見てこられましたか。新総裁の調査の足取りを大体お聞きしたい。
○小倉参考人 私、野辺地へ汽車で参りまして、すぐむつ市へ行きまして、そしてむつの御関係の方々、それから記者会見をしまして、何とか山でございますか、山へ登りまして、そして銅像のことも詳細に伺いまして、敬意を払ってまいりました。それからその晩は、またおしかりをこうむるかもしれませんが、浅虫に泊まったのでございます。実は私そういうところは避けたいと思いましたが、ここは青森の客間のようなものだから遠慮するなというお話がありまして、それから次の日には県庁へ参りまして、県知事さんその他の方からいろいろお話を聞きまして、午後は地元の御関係の銀行、商工会議所その他にごあいさつ回りをしまして、そうして青森から夜行で上野まで帰ってまいりました。大体そういうことでございます。
○淡谷委員 御苦労さまでございました。たいへんどうもそれは下北を知るには不便な旅行をされたわけです。私は、やはりこれからむつ製鉄の事後の処理として、下北の開発に本気に取っ組むというのが企画庁の気持ちであり、開発会社の任務だと思っておりますが、なぜ北通りをお回りにならなかったか。北通りの大畑という町から大間というところまで非常にりっぱな鉄道の路面があるでしょう。これはもう小倉新総裁は知らぬとは言わせませんよ。あなたが国鉄の副総裁時代、私もこのことはしばしば訴えておった。戦争中、これはまあいまだったら問題を起こすかもしれませんが、韓国人を監獄部屋みたいに使って、自然の石山をくずして、トンネル掘さくのために数人が死んだといわれた犠牲を払ってつくられたのがあの路面です。あの窮屈なときに至大な金を使って、たいへんな苦しみをしてあの路面ができた、こうなっております。これは見たことがありますか。鉄橋ができ、レールを敷けばいいだけの路面が草ぼうぼうと生えている。たきぎを積んだり、さおを立てておいておしめを干したり、これが国鉄の所有財産なんです。一方どうかというと、その路面のすぐそばには狭い道路があります。大間のてっぺんからフェリボートが出るというのに、まあ総裁自分で車に乗ってお行きになればわかりますけれども、道路で車が行き当たると、誇張じゃなしに三町か五町くらいあとずさりして帰らなければ車がかわせない。これが下北の実態なんです。あの路面などがもし開放されましたら、それだけでも開発ができる。今度視察団の諸君がたった一つこの路面は見てくるようでありますから、来たらさっそく聞いてごらんなさい。何年あなたは放置しておきましたか。いまさら私は古い暦を読むのではありませんけれども、国鉄副総裁時代に持っておった態度じゃ、下北の開発なんかほんとにできやしませんよ。はっきり申し上げておきます。少なくとも私は長期にわたってむつ製鉄失敗の政府責任は追及いたします。開発会社の責任も追及いたします。三菱の責任も追及いたします。きょうはだいぶ長い間質問を続けておりまするし、肝心の総理も官房長官もお見えになりませんから、これは幾ら言っても最終的な責任の主体は明らかにならないでしょう。聞きますと、企画庁長官はまだ何も考えないで閣議了解だけやってしまった。これは切り捨てごめんと言って悪ければ、食い逃げですよ。率直に言ってあなたは今度大臣にならぬでしょう。参議院選挙に出られるでしょう。結果ははっきりわかりませんよ。やめる者がやっかいなことは切っておいて、あとは野となれ山となれというのは官僚主義という。むしろ封建主義に近い。許しておけません。少なくとも地元民をあれだけの強い期待感に長い間さらしておき、しかも最終的にはひどい政治不信を招いたむつ製鉄の問題については、これは高橋長官でなくなっても、何かの長官はできるでしょうから、私はこの政府の責任というものはのがしてはおけないものだと思う。この問題はひとつ長官も新総裁も、おやめになる前総裁も、はっきり責任を感ぜられまして、地元民にこたえていただきたい。いや未開発地域の全国民にこういうことは二度としませんということをはっきり身にしみて言ってもらいたい。これはむつ製鉄の持っております全国的な意義です。全国的な開発の格差の大きな一つのサンプルなんであります。その点を最後に企画庁長官からお聞きしまして、私の質問を終わります。
○高橋(衛)国務大臣 ただいまのおことばのうちに、選挙にもう出ないかもしれぬから食い逃げだというふうなおことばがございましたが、このおことばに対しては私は断じて御同意申し上げることはできません。むしろ私は責任を痛感するがゆえに——責任を回避するつもりならば、こういうふうな問題の処理は私はいたさなかったと存じます。こういうふうな判断をし、淡谷さんにこうやってつるし上げられるということは決して気持ちのいいものじゃございません。しかしながら、何としてもこれを前向きに、そして新しい見地から地域開発のために努力をしていきたいという熱意から、淡谷さんからこういうふうなおことばもあるだろうということを考えながらも、あえて決意をした次第でございまして、決して責任を回避するようなつもりはございません。ことに私は、もともと低開発地域の、または後進地域の開発ということに非常な熱意を打ち込んでまいった人間でございます。また佐藤内閣としても、経済企画庁としても、政治の方向としてそれを強く押し出してまいっておるような次第でございますので、その点だけはひとつ誤解のないようにおくみ取りを願いたいと存じます。
○淡谷委員 ただいまの御決意を聞きましてたいへんごりっぱだと思いますが、ただ、いまの調査の予備行動を見ましても、何か地元の気持ちを聞くと言っておきながら、第一の気持ちはまず切ってしまって、あとは道路をつくってやるとか、あっちこっちにえさをさらして、これはむつ製鉄の問題があろうとなかろうと、当然これは未開発地域の開発の問題として取っ組まなければならない問題でしょう。政府の行政責任でしょう。それを、やらなければならない道路開発をわざわざむつ製鉄のかわりにやるんだなんというような擬装はおやめなさい。これは承服できません。これは当然やるべき行政開発をやっておいて、むつ製鉄の今回の大事に対しては、これを始末するということをさらに考えなければならぬ。この点に非常に混乱が起こると思うし、ごまかしも強くなると思う。そういうごまかしはこの辺ではっきりやめて、できないことはできない、できるならできる、このことをやりまして——これで三度地元はだまされております。一番最初はセメント工場ですか、これも銅像のあるじの山崎さんが代議士時代に、あそこの大湊の埠頭にセメント工場を建てる約束をしました。選挙のたびごとに、やがてセメント工場はもうもうと黒煙を吐くであろうという大雄弁をふるって、一向煙を吐かなかった。その次は燐酸肥料の問題です。これも選挙の前にはしばしば夢を描かされまして、やはりあとはつぶれてしまう。今度は三度目です。参議院選挙を前にしまして、むつ製鉄にかわる何らかのえさをちらつかせながら、選挙が終われば知らんぷりなんてことは断じて許しませんから、この点を強く申し上げまして、御答弁は要りませんが、私の質問を終わります。
○勝澤委員 企画庁長官に一つだけ私聞いておきたいのです。あなたは今度企画庁長官をおやめになるわけでありますけれども・・(笑声)そこで、私が東北開発というものをずっと見てみますと、東北開発というものについて、臨時行政調査会は臨時行政調査会なりの意見を持っているわけですね。それから会計検査院は検査院としてのいろいろの立場として指摘をされておる、経済企画庁という立場でこの東北開発というのを管理監督していくということがいいだろうかどうだろうかという問題も、私は起きているんじゃないだろうかと思うのです。通産省がいいかどちらがいいかわかりませんけれども、そういう問題について、あなたがこの東北開発の問題で委員会に出ていただくのはこれで終わりだと思うのですが、終わりですから大体ほんとうの話が聞かれるだろうと思うのですけれども、その経済企画庁の長官として、機構上の問題としてこの東北開発というものを取り上げるという点についての、大臣として意見が言えるかどうかわかりませんけれども、何かやはりあなたなりの意見というものを聞かしておいていただきたい、こう思うわけでございますが、いかがでしょう、御無理でしょうか。
○高橋(衛)国務大臣 やめることを前提にしての御質問には、どうも不愉快でございますから、そういう前提ではお答えいたしませんが、淡谷さんからもいろいろお話がございましたが、こういう問題、私は、私自身低開発地域に生まれた、故郷としているものでございますから、いつも考えることでございますが、批判だけでは開発はできない。もちろん勝澤さんのお話も、あたたかい何とかしてよくしたいという気持ちからのお話であろうとは存じますけれども、淡谷さんにもぜひそういう点はお願いしたい、批判だけではものは成り立たない、どうしてもお互いに育てていくという気持ちでやっていきたい、これが私どもの常に持っておるところの考え方でございます。それでそういう意味で、私はむしろこういう問題については率直に正確に事態を把握して、そしてあいまいな姿じゃなしに問題を処理するということがあるべき姿だというのが私の考え方でございます。しこうして東北開発株式会社を経済企画庁が所管していることが妥当なりやいなやという問題については、これはいろいろ見解があろうかと存じます。が、しかし経済企画庁は、御承知のとおり総合開発を一つの大きな使命としているところの官庁でございます。言いかえれば、ややもすれば東京、大阪等の大都市、既成都市にますます集中せんとするところの産業、入口、文化、この過密都市の問題を解消するというふうな問題、それは反面は同時に非常におくれた地域の開発とつながる問題であります。一方を押えるというだけでは、これは全然関係にならない。低開発地域、後進地帯というものをいかにして積極的にこれをよくしていくかということによって、初めてその目的が達成できる、こういうふうに考えているような次第でございます。そういうふうな関係から、総合開発計画と緊密な関連のあるこの東北開発株式会社が経済企画庁に所管されるということは、決して不自然ではないという考え方を持っている次第でございます。
○勝澤委員 その話は、やはり経済企画庁長官の話しかならぬのですけれども、私はそういうことでなくて、あなたが経済企画庁長官になられて、東北開発株式会社という存在のために、経済企画庁としての全体的な総合的な仕事というよりも、東北開発というそのものだけにウエートがかかるものだということから考えてみますと、いまの話よりもう一歩進めてどうあるべきか、総合的な開発、後進地域の開発は経済企画庁でやることはいいと思うのですが、そういう計画なりそういう大まかな実施はいいんですけれども、具体的に経営させる問題のセメントとか、そういうこまかな市況からそういうものまで経済企画庁でやらなければできないいまのようなやり方がいいだろうかどうだろうかという私は質問なんです。そういう意味で、東北開発株式会社の管理、監督ということが、ただ管理、監督という立場にとどまっていないわけですね、今日の場合は。ですから、それから突っ込んでずっと極端にいうと、経済企画庁、東北開発株式会社と一緒になって、あるいはむつ製鉄と一緒になって、実はものとものとがやられてくるような運営のしかたになっているわけですね。そんなに総裁あるいは会社の社長に責任を持たしておるわけじゃないのですから、一つの実行予算なり一つの計画、相当なものはぎちぎち縛っておいてやらせておるわけですから、いうならば当時者能力のない人たちが総裁の権限を持っておるわけでしょう。私はそういう意味で言っているわけであります。もうちょっと、お残りになることは確実なんですけれども、(笑声)ほんとうの話を、ここでは無理でしたら総理でも聞きますけれども、そこをやはり私はいつかの機会に臨時行政調査会としても答申が出されている、再建計画がなされている、こういう段階にもう少し突っ込んだ御検討をされた意見というものを実は聞きたいわけであります。
○高橋(衛)国務大臣 東北開発株式会社の仕事の内容について、政府としてどの程度介入すべきかという問題が別途にあると存じます。私はどこまでも会社当局に十分おまかせして、会社当局の発意に基づいて、また自主的な判断に基づいてものごとを推進していっていただきたい。それで、たとえば予算の関係とかその他政治に関連する面について経済企画庁はそのお世話をして差し上げる、こういう感覚でいくのが筋であろうか、かように私は考えておるわけでございます。ただ、むつ製鉄問題は何分にもひっかかった問題でございまして、率直に申し上げて、私自身もこれにずいぶん悩まされました。しかし、それとこれとは全然別問題でございまして、やはりいろいろと産業行政その他に各省に関連する問題もございますので、やはり経済企画庁において当分所管していくことのほうが妥当ではなかろうか、かように考えておる次第でございます。
○勝澤委員 あなたから妥当でないという意見を聞くこと自体が無理だと思うのです。無理だと思いますけれども、むつ製鉄をつくる案を一案、二案、三案、四案、ずっと見てみても、あなたのところで経済企画庁独自でイエス、ノーと言うのは実はできないわけですね。一々通産省に相談する。通産省は、極端な言い方をすると業界との調整を考えなければあなたのほうに答申ができない。あなたのほうはそいつを持ってきてやるわけですから、そういう意味でものを考えてみますと、もう少しやはりやり方というものを考えてやらなければいかぬと思うのです。それから五十億なら五十億をあてがっておいてそれでどんな仕事をやれ、ひとつまかせるからやれ、こういう扱い方になっているわけではないわけであります。ぎしぎしと全部きめられておって、そのワクの中でやっておるわけでありますから、極端に言えばむつ製鉄がつぶれた原因がどっちか、わけのわからぬような形になっているわけであります。そういう意味で、私は東北開発というものは経済企画庁長官が管理監督しながら、実は引きずり回されておって、本来の経済企画庁長官の仕事というのはなかなかうまくいかないじゃないか、そう思うのでありますから、何とかこの辺で——公社や公団や特殊会社の当事者能力の問題もいま論議されておるときであります。あるいは臨時行政調査会からもこの問題については検討さるべきだといわれておるわけでありますから、そういう点で申し上げておるわけであります。これ以上の答弁を求めることはどうも無理なようでありますから私の質問はこのくらいで終わっておきます。
○高橋(衛)国務大臣 ただいまの御質問の御趣旨によりますと、通産省に持っていったらいいじゃないか、こういう御意見のようにも受け取れますが、むしろ経済企画庁で持っておればこそ低開発地域の開発という面から、国策的な点から推進ができる面もあろうか、かように考えておるわけでございまして、大体これ以上の答弁は要求しないということでございますから、そのことだけを申し上げておきます。
○壽原委員長代理 華山委員。
○華山委員 ちょうどいい機会でございますので東北開発のことにつきましてお伺いいたしたいのでございますが、私は東北開発三法のできる当時、欣喜雀躍して、県庁の役人をやっておりましたのでこの成立にお願いをしてきたわけでございます。その後どういうことがあったものか、少なくとも東北開発株式会社につきましては常に接触をいたしてお願いもし、また御協力も申し上げたのでございますけれども、東北開発ということに沿ったようなことはなかったと私は思うのです。東北開発会社ができて、東北が一体どこがよくなったか、私は非常に疑問に思っております。まことに優秀な、りっぱな伊藤先輩、またこのたび小倉総裁がおいでになったのでございますけれども、現在のままであるならばだめなんじゃないか。まことに失札な申し分なのでございますけれども、われわれの間では、よく小倉さんはこの仕事をお引き受けになったものだ、こういうふうにさえ言っておるのでございます。人間である以上、自分がそこにお仕事をなさる以上、その職責に沿うような何らかの仕事を残さなければいけない。しかし現在のやり方ではだめでございます。私はそれをその当時言ったのでございますけれども、自由主義経済で利益のあるところにしか事業がいかない。それを克服して東北に事業を持ってくるということであるならば、事業に何らかの利益がなければいけないのじゃないか。東北の不利というものを克服するところの利益を事業に与えなければだめなんじゃないか。そのためには観念的なことを言ってもだめだから、棄北開発株式会社がやる仕事については電力料金を値切れ、安くしろ。現在の生産コストの上で電力料金が占める割合が非常に多い、その電力料金を安くしたらいいじゃないか。ことに東北地方は電力の供給源なんだが、自分のところでできる電力を自分の土地に使えないでよそに送っておる現状なのです。それですから、東北開発株式会社が事業の経営をする場合には電力料金をある程度安くする。それによって農こるところの電力会社の損失は何らかの方法でカバーしていいじゃないかということを私は初めから口をすっぱくして言ったのでございますけれども、これをほとんどだれも取り上げません。どういう基本に立って東北の不利な条件というものを自由主義経済下で企業についてカバーしたらいいか、そういう基本的なものがなければいつまでやったって同じことでございます。道がよくなるとかなんとかいうことでありますが、それはあるでしょうけれども、東北地方の道がよくなるよりももっと先に他の地区はよくなるのですから、私は道をよくする——道もそれは必要欠くべからざるものでございますけれども、それだけじゃ問題は解決しない。経済企画庁長官も基本的に非常に熱意を持って低開発地域を開発したいとおっしゃる。それだったならば、それだけの基本的なものの考え方、いままでのようなやり方じゃだめだと思うのでございますけれども、根本的に東北開発株式会社のあり方を練り直す、こういう考え方はございませんですか、ちょっと伺っておきたい。
○高橋(衛)国務大臣 東北開発株式会社が従来東北開発に対して果たした功績はほとんどないじゃないかという御批判でございますが、政府といたしましては相当多額の国費をここに投じたこともまたよく御承知だと存じます。したがって、それらの運営の面において過去において相当遺憾な点があったことも、これはいままでの過去のいろいろ立て直しを現在、はかっておるという面から見ても御了承願えるかと思うのでございます。したがって、ただいまのおことばは今後最も心すべき点だという考え方のもとに、十分そういうふうな点も頭に置きながら今後の低開発地域の開発に私は邁進いたしていきたいと存じます。
○華山委員 一言だけ申し上げますが、私は東北開発株式会社の総裁になられた方々の御努力、理事者の御努力を批判しておるわけじゃございません。努力をされても効果があがらないというところに根本的な問題があるのじゃないかということを申し上げて、その根本を是正していただきたいということを申し上げておるわけなのであります。それで、私の実感を申し上げておるのでございますけれども、ぼつぼつ工場はできました。しかし一面において、先ほどから問題になっているようなむつ市のように、工場ができなくて先行投資が先に立っているということもある。私の経験したところの山形県だってそうでございますよ。東北開発株式会社が酒田地床に工場地を造成なさった。それは工場地として造成したから、その土地は残っております。しかし、そこには水がない。山形県が共同して工業用水道をつくったらいいじゃないかということで、われわれは御協力申し上げて工業用水道をつくりましたけれども、工場は一つも来ませんよ、三年たっても五年たっても。いままで、その工業用水道の損失はおそらく一億円をこしております。そういうふうなことなんであって、私は、東北開発株式会社のあり方というものを基本的に考えてみなければいかぬのじゃないか。そうでなければ、東北興業と一体どこが違う。昔の東北興業がああいうふうになった。東北開発株式会社に変わった。いままでよりは政府投資が多くなったといったって、知れたものでしょう。山一証券のことを考えたって、あれぐらいのものを出してごらんなさい。りっぱになりますよ。けちなことを例に引くのはいやですけれども、そんなようなことです。そして、いままで損失を重ねた。その損失というものが一体生きているのかどうか。今度のむつ製鉄について相当の損失があった。その損失というものは何にも生きていないのじゃないか。そういう死に金の損失というものがあるのじゃないか。政府も相当金を出しましたということだけでは、私にはわかりません。御答弁がなくてもよろしゅうございますけれども、高橋長官は、非常に低開発地域について熱意を持たれるということでございますから、いままでのような、十何年やってもなおだめだということについて重大な反省をして、根本から考え直していただきたい、研究をしていただきたい、こういうことをお願いいたしたいと思います。御感想でもありましたら承りますが、番外でございますからこの辺にしておきます。
○壽原委員長代理 参考人各位には委員会の調査に御協力いただきまして、まことにありがとうございました。 本日は、これにて散会いたします。 午後一時五十二分散会