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48回国会衆議院1965/03/02

決算委員会 第10号

発言数
220
登壇者
12
会派数
2
開催日
1965/03/02

会議録

堀川恭平自由民主党

○堀川委員長 これより会議を開きます。  理事の補欠選任に関する件についておはかりいたします。  すなわち、委員異動に伴いまして、理事が一名欠員となっております。この補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堀川恭平自由民主党

○堀川委員長 御異議なしと認めます。よって理事に勝澤芳雄君を指名いたします。      ————◇—————

堀川恭平自由民主党

○堀川委員長 これより、国が資本金の二分の一以上を出資している法人の会計に関する件中、電源開発株式会社関係について調査を行ないます。  本日は、本問題について、参考人より実情を聴取いたしました後、証人より証言を求めることにいたします。  なお、御出席をいただきました証人及び参考人は、委員各位のお手元に配付いたしております名簿のとおりでございます。  それでは、参考人より実情を聴取することにいたしますが、これは委員の質疑により行いたいと存じますので、御了承を願います。  質疑の通告があります。順次これを許します。田中彰治君。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 会計検査院長にちょっとお尋ねしたいのですが、この間、二十五日の委員会において、会計検査院長は、私の質疑に対して、電発の工事請負規程第十四条にある競争入札においては、「目途額以内の者のうち、最低額の者を選ぶものとする。」という原則に対して、最低制限価格を設け、これに最も近い、高いものを決定した今回の入札方法は、内規にあるからよろしいというようなことを言われたのですが、その内規というものは一体どういうものですか。

小峰保榮会計検査院長

○小峰会計検査院長 お答えいたします。  いまお読み上げになりました工事請負規程第十四条に、いま、おっしゃった規定がございます。これはこういう規程でございます。「請負人は、施工計画および設計内容等見積内容が適正であり、かつ、見積額が目途額以内の者のうち、最低額の者を選ぶものとする。」「適正であり、」こういうふうに書いてあります。この適正という意味を見積要領説明書というもので説明しているわけであります。見積要領説明書というのは、工事のつど出すものでありますが、これは大体どの工事でも共通の説明書になっております。その中に、1・52の中に「見積金額が最低であっても、当社予算額に対し一定率以下の見積は内容が適正妥当でないものと認めてこれを除外する。」こういうのが常に入っております。この説明書の、いま読み上げました要項で、規定のほうの適正とは、何が適正であるかという説明をいたしているわけであります。それでこの適正ロワー・リミットをつくりまして、そのロワー・リミット以下の入札はこの規定の、先ほど私申し上げました適正であるというのに該当しない、適正でないもの、こういうふうに扱っておるわけであります。ロワー・リミットをつくりますということをいまの説明書のほうにございます、これで、ロワー・リミット以下の入札は適正でない、こういうふうに取り扱いまして排除している次第であります。この前そういうふうに申し上げたつもりでございますが、あるいはことばが足りなくて十分でなかったかもしれませんが、私申し上げたのはそういう意味でございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 あなた、ちょっとおもしろいことを言われますが、通産大臣の認可した、電発にとっては根本的な、つまり法規があるはずです。その法規があるのに、内規があるといっても、根本的な法規というものを非常に重要視して、根本的な法規でどうしても適正でないからやれないというようなものに対しては、いまのあなたのおっしゃるようなことをしなければならないのだが、あなた会計検査院長として、通産大臣が認可しておる法規というものを根本に置かないで、ただ適正であるとかないとかと判断しただけで、その根本的法規を無視して、内規にあるような、電発でかってにきめて、通産大臣の認可をしてないような請負方法でやるということを、あなた検査院長として認められるのですか。そのあなたの根本の考え方が違っておるのじゃないですか。通産大臣がこういう方法でやれといっておるのですから、その方法をともかく非常に乱すとか、あるいはそれが、その方法でやることに対しては、だれが見ても非常に適切でないといったような場合、それはいま、あなたのいま言うとおりやって悪いという規則はありませんけれども、根本法規を無視して、あなたがいま会計検査院長として、根本法規を無視して、適正であるにもかかわらず、何をやっても、ただ適正でないと認めたのだから、それは違法にならないのだと、あなたはこの間言われたが、それでは、ここに書いてありますが、西松の請負と、鹿島の請負との間にたいへんな金の違いがございますね。四億八千万からの違いがある。こういうようなものをあなたが認めておられて、西松がどうしてやれないのですか。西松が見積もりを出した、三十九億七千八百万円というものは、あなたがそういうことをおっしゃるなら、適切でないということを、どういうところから適切でないと言われるのだか、会計検査院長としてその答弁ができるはずです。

小峰保榮会計検査院長

○小峰会計検査院長 私、従来の電発の取り扱いはこういうことをやっている、こう申し上げているのであります。本件がどうかということはいま検討しておるわけでございます。本件は、いかにも——私とも大体ロワー・リミットというものをあまり、あまりといいますか、認めてはおりません。国の場合などは、この間申し上げたように、こういう契約をいたしますと、もうたちどころに批難しているのであります。電発とか公団あるいは地方公共団体というのは、背からロワー・リミットをやっているのであります。やっておるという事実は、これは昔からであります。本件のように八・五%というような低いロワー・リミットでやるということは、私どもとしては決してこれが妥当だということを考えておりません。本件の場合については、今後十分に検討して、この前も申し上げましたが、何らかの結論を得たい、こういうふうに考えておるのであります。決してこれが妥当であるというようなことは認めていないのであります。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 あなたがいまそういうことをおっしゃるが、この前、朝日新聞にも出ておったが、会計検査院長は、電発のやった工事の請負のこういうやり方は違法でなくて適正なんだ、こうあなたが言われたと出ておるのだ。あなたもこの間言われましたように、たとえ法規にそういうものがあったとしても、この方法をやったってこれは違法でないのだ。あなたの考え方がそういう考え方だと大きく間違いが起きてくる。通産大臣が認可して、電発の請負というものはこの法規に従ってやれ、しかし、この法規を著しく乱すような場合、この法規に対してどうしても適切でないような場合は、内規にあるようなものを用いてもいいのだ。これだっても、そういうものを用いるときは一応通産大臣なり、こういう方法は適切でないから、こういう方法を用いてやるといって一言通達してやるべきが当然です。そんなに電発が内規にかってにきめたようなものを、会計検査院が、ただ見て、こういうものでも、通産大臣が許可した、これを除外して、内規のようなものでもやっていいというあなたの考え方に私は大きな間違いがあると思う。あなたがこういう御答弁ならいいですよ。これは通産大臣が認可したのだ、ちゃんとこういう請負の方法のこういうものがあるのだ、請負工事の規定があるのだ、その規定を、著しく今度の入札が乱したから、そこでこんな方法をやったのだということならいいですよ。何も乱しておりません。西松建設会社もりっぱな建設会社です。前田もりっぱなものだ。ところが、西松の請負と、それから鹿島の請け負ったものと五億一千二百万も違うような、国に損をかけて問題になっているときに、あなたが、通産大臣が認可した電発の請負以外の方法で入札しても違法ではないのだというようにお考えになるから、こういうものが出てくる。私は、会計検査院長として、あなたの考え方は非常に間違っておると思う。この間あなたがあれされたが、通産大臣がとにかく認可しているこの方法があるのでしょう。電発は社内において認可されている規定をかってに変更して、そうして重大なこういう契約をしたから、国民に五億一千二百万円もよけいな負担をかけて、そうしてこのごろこれが問題になった。このごろの会計検査院は、非常に小さな事件を、小さくても真剣にやっておられるのだが、どうも大きなようなものをやっておられないと思う。ところがこの前、山田前院長が国会の要求に応じて資料を提出をしなかった。私どもは、先進国その他の状況をよく調べて、国会法においては各専門家や学者の意見を聞いて、この席で院長に迫って、院長が国会を軽視してまことに済まなかったとあやまった。これを機会に会計検査院長というものは国会から軽視されちゃって、そして開院式なんかにも最高裁所所長、それから内閣総理大臣、会計検査院長が天皇などを迎えたのだが、それからなくなっちゃった。あなたの考え方も非常におかしな考え方じゃないですか。通産大臣が認可して、そうしていままで電発が請負で行なってきた、それを別に紊乱したわけでもなければ、それに対して非常に不適当な見積もりが出ているわけでもない。見てごらんなさい。間組からこの西松建設まで、みんなそうたいして違っていません。ところが一番下の西松から鹿島までには五億一千二百かも違っている。ほかは幾らも違っておらない。そうしたら、これは適切を乱しておりませんよ。このいままでの方法を何ら乱したようなことをしておりません。何千万かかるものを一万円で入れたなんということじゃないのだから。みんな専門家を置いてやっている。これは、あなたがいろいろ言われるけれども、これをごらんになればわかるはずでしょう。それをあなたが、そういう通産大臣の認可した、電発がいままで使っていた法規を変えて、内規によってこういうようなことをやった、これは別に違法じゃないとあなた、この前の二十五日に言われたのはおかしいじゃないですか。少なくとも通産大臣がきめて、電発が行なってきたりっぱな法規を無視して、電発内でかってにきめた内規、その内規もこの通産大臣がきめた入札方法を非常に紊乱するとか、これに非常に適切でない、害があるとかというなら別ですが、何にもないじゃないですか。会計検査院長としてこれをよくごらんなさい。どこにあるのですか。しかも、この前に通産政務次官の村上氏が来たときに、私どもは、この西松でもこれだけの大きな業者になればやり遂げるのだ、やれるのだ。決して国に迷惑かけぬでやれるのだということを言っている。また、いままでやった体験もある。むしろ鹿島などは、九州のダムにおいてもその他においても、非常にそつな仕事をして国会で問題になったこと、二回も三回もあります。技術においてだって、熊谷だって間だって前田だって西松だって変わらない。だから西松の最低の方法でやれば国民の血税が五億一千二百万円助かる。そのかわり献金はできないかもしれません。そのかわり五億という献金はできないかもしれないが、助かります。会計検査院がそんなことをやるのはおかしいでしょう。あなた、よく昔のことを思い出してください。吉田賢一さんはおらぬかな。ここにおった吉田賢一さんと私らは、古いことを言えば何ですが、山口県の出雲村で水害があった、それで全部流されて、十四億の国費を取ったので、われわれは現場を視察したときも、この中におられる議員も行かれたが、そのときに、県庁に行ってみたら、この被害のあった山口県の出雲村では供出もちゃんとりっぱにやっておった。全くこれには驚いた。そのときに、会計検査院の検査がお座なりだったというので、私は当時委員長で、もう一人の係の方と所管の局長と、——あなたがその時分に所管の局長をしておられた。課長と委員長室に来てもらって、そうしてこのずさんなやり方をあなたに私は忠告申し上げたことがある。そういう体験をあなたは経てきておられる。そうして院長になっておられる。あなたは総理大臣から院長にしてもらったと思っているが、とんでもないことですよ。会計検査院長のあなたが、そんなとぼけたことを言っておったら、国民は一体だれを信ずるのですか。まだこれからあなたに言うこともありますが、あなたのいろいろ名誉とかそういうことから言わないが、一体だれを信ずるのです。あなた、この間言われた——やはり電発というものは、通産大臣が認可したその請負規程に従ってやるべきであるが、それがほんとうに適切でなく、それが紊乱されてできないときのみにそういうようなことをやるのであって、やはり通産大臣の認可した規程に従ってやるのが確かだと思われるのか、どうです。またそれを変更するときでも、一応通産大臣なりあるいは監督官庁の通産省に、こういうことでは入札がうまくいかないから、通産省の大臣の認可された規程の方法を変えて、こういう方法でこの際はやるとかということを一応言わなければならぬ。これに対してあなたの御所見はどうなんです。いや、そんなことをせぬでもいいんだ、規程があるのだから何やってもいいんだと言われるのか、それが確かなのかどうなのか。

小峰保榮会計検査院長

○小峰会計検査院長 ただいまの件でございますが、これはたびたび申し上げておりますとおりに、私ども決してこの契約を正しかったと思っておるわけじゃないのでございます。この電源の取り扱いは従来からこのロワー・リミットをきめましてやっていたのでありますが、この前も申し上げましたように、いままではいつでも入札が予定価格以上になりまして落ちなかったのであります。その結果、協議をしてそれぞれの請負を、工事の相手方をきめていたような実情でございます。会計検査院といたしましては、ロワー・リミットを定めてはございましたが、それがものをいったことはいままでにない。そこで実はこの内規につきましてもあまり文句を言うような機会もなかったわけでございます。今度初めてこういう問題が出まして、それで私ども昔からこのロワー・リミットをつくって機械的に安い入札を落としてしまうというようなことは、実はずっと反対し続けておるわけでございます。そのために国にもこういう規程が入ってこない。ただ公共団体とか公団、電源というようなところは昔からこれをやっておりまして、それで現在に至っているわけでございます。しかしながら、あまりその弊害が出るというようなことは電源についてはなかったわけでございます。今度初めてこういう大きな問題が出まして、この前から申し上げますように私どもとして、検査上これは十分に検討しなければいかぬ、そしてロワー・リミットというようなものは合理性がないという一つの具体的な大きな例が出た、こういうふうに私ども実は考えておるのでございまして、これを決して是認するとか、そんなことは私どもとしては考えておりません。そうしてこのロワー・リミットをずっと電源か何かでおやりになっているということについても、電源として考えてもらわなければいかぬ、こういうことを私どもとしては現在考えておるわけでございまして、何かの形でこれが近い将来に出るのじゃないか、こう考えております。この前申し上げましたように、私ども、このケースを知りましたのは先週の月曜日でございます。現在これから検査しなければいけない事態でございます。決して、この契約が適正であったなんということは考えていないのでございます。どうぞひとつ御了承願いたいと思います。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 それから、やはりあなたも、十四条のあの競争入札に対する通産大臣の認可したものは一番重要視するのだ、しかし、これが適切でない場合、これを紊乱する場合、そういう場合は、こういうようなことだとか、あるいは内規のあるものをやってもいいのだ、——やはり一番先に、この法規ですね、通産大臣の認可した法規は重大視されるのだ、ころ、あなた、やはり思っていられますか。

小峰保榮会計検査院長

○小峰会計検査院長 これはもう当然でございます。ただ従来、この内規の文字の解釈として、通産大臣の届け出ました規定の文字の適正でないという、文字の解釈として内規をきめていたわけでございます。その内規をきめておりまして、それの運用によってこういう大きな非常に不適正なあれが出たわけでございますが、内規をもっと検討してみる必要があるということは重々考えておる次第でございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そうすると、通産大臣の認可したその請負に対する十四条のこれは根本的に守らなければならぬもので、これを主体とするものだ。しかし、これが適正でなかった場合、これが紊乱される場合は、こういうようなこともあり得る。あり得るが、今度これをやってもこういう大きな国損を出したから、これについては会計検査院の方々も関心を持って今後これを調査して、そうして国会に報告する、こういう考えでおられるわけですね。

小峰保榮会計検査院長

○小峰会計検査院長 そのとおりでございます。これは非常に大きな問題でございまして、私ども、そう簡単に——これは見積もり書で予定価格の内訳、内容もすっかり検討しなければ結論は出ないわけでございますから、しばらくひとつ御猶予願いたいと思います。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そこで吉田総裁にちょっと簡単にお尋ねしますが、ここでだいぶいじめたら、あなたはみずから福井県へ飛んでいかれて、水利権の認可をおもらいになった。しかし、この認可は条件がついていますね。ただ水利権を許可するだけでなく、これに対しては、許可したものを前提とせずに、条件とせずに、いろいろなものを片づけて、そうして紛争を起こさないようにやってくれという条件つきの認可です。また村長にも、こうやって認可したが、あなたのほうのいろいろな要求等については、電発に誠意を持ってこれをさせる、ただ、認可したのは、国際信義上早くこれを認可しないとこの借款が無効になったりするといかぬからやったという条件づきの認可であったことは、私ども証明をとって持ってきておる。そこで、そういうことがはたしてできるのかできないのかということは、この間総裁は、地元のほうの補償なんかいろいろのことについてきまりがついたと言われますが、やはり墓地などがありますと、私が申し上げるまでもなく、墓地、埋葬等についての法律がありまして、その施行規則によりますと、死亡者の本籍地に照会して、回答を得たい場合は三回以上、二種以上の日刊新聞に公告し、最終公告から二ヵ月以内は手をつけることができないことになっておる。これに手をつけると、刑法百八十九条によって二年以下の懲役となり、死体や骨をいじった者は、百九十一条によって三ヵ月以上五年以下の懲役となるという、日本には墓地を尊重する、つまり地元民の祖先の墓地を大切にした気持ちもよく含まれた、こういう法律もある。  そこで、あなたは、そのほかにまだどうしてもできないものがあるのは、この水没地帯に国有林、すなわち保安林その他がある。とにかく保安林を解除になるにはたいへんな法律がある。もし解除がならぬうちに一本の木でも切ったり植えたりすることはできない。これは農林大臣が県に対し認可し、県はこれは公示してから四十日間手をつけられない、こういう法律もある。そのほかに、この中に鉱区の出願が相当ある。私のほうで調べていますが、試掘権その他を入れると百二十件ばかりあるが、許可になっている鉱区も二鉱区ある。それから、試掘権の許可になっておるのもある。その他出願中のものを入れると相当なものになる。あるいは神社仏閣ですね。地元の最も大きな関心を持っているもので解決しなければならぬものに、いろいろな神社とかそういうものがある。そこに、今度は二級国道のつけかえの国庫負担関係などは一体どうなっているのか。こういうものに対するあなたのお答えを——もうここまで来れば何も隠さなくたって、法律によってこうやっていくんだから、あなたのほうは水利権の許可を取ったと言わぬたって、その裏面は、こういうものを解決していかなければ、水利権を先に取ってもこれを行なっていけない。こういうものを先にして水利権の問題を処理しなさいという条件がついているのだから、これに対してはどういうお考えですか。

吉田確太電源開発株式会社総裁

○吉田参考人 二月二十八日に県知事から、出てきてくれというお話がございましたので参りまして、水利権並びに実施許可をいただきましたが、その際に、いま先生もお話しのように要請がございまして、知事から申されましたのは、水利使用の許可を差し上げた、また工事実施の許可も差し上げたが、そういうことを振り回さないで、ぜひ円満に残っている補償の交渉を進めるように、こういうお話が出まして、私が、そのつもりでやらなくちゃならぬ、こう申し上げております。また補償も、これから早急に両者でよく話し合って、早く解決するようにと、こういうふうに心がけております。  それから、なお残っておりますのが公共補償でございますので、これはさっそく地元の村長さんのところとわれわれの補償の関係者とで、ただいま数量、物件内容というものを確認しつつありまして、これらにつきましても誠意を持って早く解決するつもりでおります。  それから神社仏閣につきましても、これはやはり地元の方とよく話して、いまの先生のお話のように、墓地等につきましても、やはり御趣旨に沿っていくようにわれわれは地元の方々と話し合って、円満に早く解決するつもりで努力しております。  それから水利許可につきましては、先生のおっしゃる鉱区の問題でございますが、これは御承知のように水利変更の許可条件といたしまして、従来から水を使っておられた方々がおられるし、また鉱業をやっておられる方々に及ぼす影響につきましても、よく話し合った上で適当な措置を講ずるようにというのが許可の条件となっておりますので、これらにつきましても、今後私のほうとしては、発電所をつくること自体が国の財政投融資であるだけに、かつまたその面を考えると同時に、やはりその人たちがやっておられる鉱業に及ぼす影響を両々判断いたしまして、できるだけ円満にやりたい、やはりこれは両方が鉱業をやっておられる方々との話し合いを十分した上で円満な措置を講じていきたい、かように考えております。  保安林のことにつきましては、直接私詳しく知りませんが、部下から聞いたところでは、かりに工事をやりましても、まだ湛水するのはずっと先なんでございまして、県としましても、あの土地が非常に雪の深いところだからやたらに保安林を切ると、工事ができて湛水するころになればよろしいが、申請を出して、そして早く切ってしまうようなことのないようにというので——と申しますのは、なだれ防止のための保安林のようでございますので、そういう点もよく県と打ち合わせた上で、地方に迷惑のかからぬように逐次そういうものの手続を進めていくようにと県からも御注意がございますので、村民の方々に、湛水する前に機械的に切ろうなんとは私のほうでは思っておりませんので、やはり地元の住んでおられる、残られる方々のために、被害ができるだけ少ないように少ないようにという心がけでただいまのところは進めるつもりでございます。以上でございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 あなた、この許可をとるには国際信義に関するなんて、だいぶ主張されたらしいが、この十四日までに出す弁護士の報告及びその他の報告も、ただ水利権を得ればいいというのでなく、水利権を許可したときにそういういろいろな条件を付した許可である。あなたが行かれて、えらい国際信義ということを言われたけれども、向こうへ出したけれども、ほんとうの国際信義を守るなら、あなたのほうは、やはり弁護士の報告が、水利権は許可になったが、こういうものとこういうものとこういうものがあって、たとえば墓地を移転するにはこういう法律、あるいはいま保安林のことをおっしゃったが、保安林を切るとか切らぬじゃないですよ、この保安林を許可になって切ってもいい、埋めてもいいというには相当な月日がかかる、そういうものを全部含めて、学校とかそういうものを含めて、これを条件としての許可であるということを弁護士報告書に書かれるのですか。書かれないで、ただ水利権が許可になったということだけだと、あなたが言う国際信義というのは銀行から金を借りるためにそれをだましたのだということになる。国際信義が地に落ちて、今後そういうことがわかれば、ほかの事業でいろいろなことで世銀から金を借りるときに、これがやはり害をなす、私はこう思うのだが、あなたもここで御答弁なさることは、東電か何かの株主総会をごまかすようなことは、ここは国会なんだから、そういう考えで御答弁をなさらないと、あとでちょっと引っ込みがつかないことになる。そういうものに対して、報告をするときに、そういう条件を報告の中に書かれるのか、書かれないでそのまま水利権許可になったといって、あとは全部隠して報告されるのか、その辺はどうなんですか。

吉田確太電源開発株式会社総裁

○吉田参考人 そういう水利権と世銀借款との関係につきましては、これを担当いたしております白石理事から答えさせたいと思います。

白石正雄電源開発株式会社理事

○白石参考人 お答え申し上げます。  世銀借款につきましては、契約の効力の発生要件といたしまして、貸付規程の九百二項に、「銀行の承認する弁護士の法律意見であって銀行の満足するに足るものが銀行に対し提出されるものとする。」こういう規定がございまして、これに基づきまして、銀行の承認いたしました弁護士、ただいまの成富弁護士でございますが、それの法律意見書が提出されなくてはならぬわけであります。これは弁護士の意見によりまして、弁護士がみずから作成をいたしまして、そうして世銀に直接提出するわけであります。したがいまして、当社の意見ではございませんで、成富弁護士が法律的見解に従いましてその意見を提出するわけでございますから、その中におきましては、先ほど総裁から申し上げましたように、福井県知事の許認可の水利権に関する許可が必要である、かように相なっておるわけでございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そうするとそれは弁護士がかってに報告していいというわけですか。やはりあなたのほうの報告、調査に基づいて、たとえばいつ水利権が許可された、許可されたけれども、本来からいえば、こういうものとこういうものとたくさんある、弁護士だから法律的なことはわかるけれども、こういうものが残って、これが条件に許可されたのだということをあなたのほうで報告されれば、弁護士はやはりそれに基づいた報告をしなければならぬ。ただ、あなたのほうが、水利権が許可になったのだ、だからあなた、弁護士の考え方によるということになると、弁護士をここに呼び出して、どういう報告をするのか、聞かなければならぬが、その点はどうなんですか。

白石正雄電源開発株式会社理事

○白石参考人 実は当社は、医界銀行と借款の契約をいたしたわけでありますが、この借款契約が借り入れ人によって正当に承認または追認され、かつ借り入れ人のために作成、交付され、その条項に従って有効に借り入れ人を拘束する義務を構成しているかどうかということにつきまして、世銀の承認しました弁護士が審査いたしまして、確かにそのとおりである、こういう権威ある弁護士の意見が世銀に提出されるわけであります。いわば世銀は、当社は正当に貸し付け契約をやっておるわけでございますけれども、はたしてそのとおりであるかどうかという証拠を必要としているわけでございまして、その証拠がいわば権威ある弁護士の法律意見として提出されるわけであります。さような次第でございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 それはおかしいじゃないですか。その弁護士がいろいろなあなた方のやっていることをかってに自分で調査して、これが適正だとか、これが何とかというような報告ということになると、弁護士がそういう見解からやっていいのか、あるいはあなたのほうが、実は水利権も許可になった、あるいはまた、いまちょっと聞かなければならぬが、二級国道の予算も、三月までにこれがきまらないと三十九年度予算は出ないんですよ。二級国道の切りかえ、国庫負担に関するこういうもの——そういうものは、あなたのほうが、全部水利権は許可になったが、残ったものはこれとこれ、水利権を許可するにはこういう条件がついたということを弁護士に報告されるのか。報告しないで水利権だけ許可になりました、あとはあなたの好きなように調査して、あなたの思うとおりに報告してくれ、こういうことでいいのか。それによって、われわれは弁護士にここに来てもらって、そうしていろいろなこの条件のついたものに対する弁護士の意見、国会でこういうことも問題になった、あるいは予算委員会で問題になった、こういうことも全部つけ加えて、弁護士さんにどういう報告をされるかということを聞かなければならぬ。それを何だ。あなたのほうでは、われわれは世銀から金を借りてきたと言うが、電発なんかに金を貸すところはどこにもありませんよ。これは国が九〇%の資本金を出して借りた金に対する政府の保証、すなわち国民が全部保証しておるから貸すんですよ。電発の総裁、あなた方に貸しやしませんよ。それだからこれは国民の利益にとっては重大なことなんです。また国際信義にとっても重大なことだ。日本という国は、あわてやがって許可だけとってよこした、あと実行のできないものはみんな隠してやったということになれば、総裁が二十八日に行って国際信義に関することだから許可してくれと言ったことと反対のものが出てくる。それは白石さん、ちょっと考え間違いしてはいけませんよ。そういうことなら弁護士をここへ呼びますよ。そうでなくて、あなたのほうはこういう条件とこういうものがついておったけれども、水利権は許可したんだ、ひとつ御報告してやってくださいということなのか、いや水利権だけ許可になったから、あとはあなたの見解において好きなことをやりなさいということなのか。また、あなたのほうの弁護士は水利権を許可になったのをきのうまで知りませんでした。きのうこっちが知らしてびっくりした。やはり彼は弁護士だ。この三月の十四日の県会において許可することになっていた水利権が急に許可になったのだが、いろいろな条件が全部備わったのですかと聞かれて、こちらがびっくりしたくらいだ、向こうでもそういう関心を持っている。それから今度は和泉村の村長などは、黙って許可しやがった、おれたちの要求を満たしてくれ、満たさなかったなら、これに対して一歩も手をつけさせないといって、いま非帯に意見が硬化して、東京へ上京して決算委員会の諸君に会いたいということまで言ってきている。それはどうなんです。

白石正雄電源開発株式会社理事

○白石参考人 アメリカ等におきましては、たとえば公認会計士…(田中(彰)委員「アメリカを聞いているのじゃない、弁護士に対してあなたがどういう意見かと聞いている」と呼ぶ)これは世界銀行との契約でございますので、外国のそういった制度と申しますか慣習と申しますか、そういったことと関連いたしておるからお答えを申し上げておる次第でございますが、アメリカ等におきましては、たとえば公認会計士というような制度は非常に権威あるものでございまして、会社等の決算内容等につきまして、そのような公認会計士の意見というものが非常に決定的な権威を持っておるわけでございます。法律家の弁護士の意見というものもかような意味におきまして非常に権威あるものでございまして、そうような意味におきまして、今回当社が世界銀行との間に締結いたしました貸し付け契約におきましても、法律家の意見というものが非常に権威あるものとして証拠として提出せられなければならない、かような規定に相なっておるわけでございます。したがいまして権威ある者成富弁護士におきまして、いろいろ当社の行ないました法律的な手続につきましてこちらが証拠を提出いたしまして、そして成富弁護士がそれについていろいろ審査されまして、そして弁護士としての意見を世銀に提出せられるわけであります。その場合におきまして、世銀の満足するところの証拠がどれだけのものであるかということにつきましては、世銀と成富弁護士との間において意見が交換せられまして、そしてこれこれの条項が必要である、かような点の一致せられたところにおきまして、成富弁護士の法律意見が出るわけでございまして、その中にたとえば通商産業大臣の許認可とかあるいは福井県知事の水利権に対する許認可とか、そういったことが必要である、かようにせられておるわけでございます。さような意味におきまして御答弁申し上げておる次第でございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 あなたはどうもよそへ回り道をするが、私が聞いているのは、弁護士がそういう意見書を出す、その意見書を出すのに、いまあなた言われたとおり、こちらからも証拠になるものをいろいろ出すと言われるから、こういう水利権を急激に許可した反面に、条件がたくさんついている、いろいろな問題が残っている、こういうものを証拠として弁護士に報告されるのか、そういうものは言わないで、ただ水利権も許可になった、あるいはこういうものもこうだというだけのことで弁護士に報告されるのか、そこを聞いているのですよ。

白石正雄電源開発株式会社理事

○白石参考人 当社が本工事を遂行し、世界銀行から借款をするにつきましては、当社として処置しなければならぬことは多々あるわけでございまして、いま御指摘のような補償問題につきましても、それぞれ適切に処理しなければならないことは当然でございます。ただ世界銀行との借款契約におきまして、成富弁護士から要求されておりますところの事項は限定せられておりまして、主要な問題に限定せられておるわけでございますので、その点につきまして、当社としては連絡を申し上げておる次第でございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 どうもおかしい。あなたは水利権だけを——弁護士に水利権が許可になったと、条件とかなんとか言わないでやるのか。私は向こうに行って世銀の総裁にこの前会ってきている、手紙も出そうと思っている。それだからあなたのほうが、この水利権の許可には、アメリカでは権威あるものにしているから、水利権の許可をとるには保安林の解決もついた、立ちのきあるいは鉱区その他のもの、いろいろ全部について、そしてこれならいいといって出すのが水利権の許可だ、そういうものが条件だ。だから出せなかったけれども、総裁が行って、これは出してもらわないと借款がだめになる、国際信義に関係するというから、条件づきで出したのだから、あなたのほうで弁護士には条件づきでこの水利権をとってきた、向こうではそういうものは全部解決してきた水利権とアメリカの世界銀行は信ずるわけだ、弁護士もそれを信ずるわけだ。それだからあなたのほうは条件づきである程度その内容をうたわれるのか、うたわれないで、水利権だけは許可になった、弁護士にこうですといって、これを伏されるのか、隠されるのか、言わないのか。これによって私のほうは弁護士さんをここへ呼ばなければいけない。それをあなたに聞いている。

白石正雄電源開発株式会社理事

○白石参考人 弁護士にはこちらは証拠としてそのものを提示するわけでございますので、福井県知事から許可せられました許可書をお見せをいたしておる次第でございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 その許可書はわかっております。その条件のことの、一切解決しなければいかぬむずかしい法律がたくさんあることをあなたのほうが言われるのか言われないのかと言っておるのですよ。おかしいじゃないか。まるで子供の答弁みたいじゃないか。簡単なことじゃないか。そういうものを伏せて、水利権の許可だけをいうのか。条件がついているから条件に対してこういう法律的なことを全部列記していうのか、それだけですよ。それによって私どものほうは考えがあるのだから。

白石正雄電源開発株式会社理事

○白石参考人 二月二十八日付の福井県知事の許可書がございますので、これを……。(田中(彰)委員「弁護士のことを聞いている、弁護士に言うのか、言わないのか」と呼ぶ)許可書を弁護士に提示いたしておりますので、その許可書の内容はそのまま弁護士も見ることになるわけでございます。その許可書の内容といたしましては……。

吉田確太電源開発株式会社総裁

○吉田参考人 私からお答えいたします。  御趣旨よくわかっておりまして、知事が許可をした、そしてこの事実のとおりに、二月二十八日付で要請がございました、このことを弁護士までは私のほうはお知らせするつもりでございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そこでもう一つ、二級国道の切りかえはどうなっていますか。これは三月末を過ぎると、三十九年度の予算がないのだが、これに対してどんな……。

吉田確太電源開発株式会社総裁

○吉田参考人 これは県へ参りましたときに、先生のおっしゃるように、これは地元とよく話し合いをつけて、三月末までに相当仕事を進めなければいけませんので、地元とも話し合いし、県の協力も得まして、県が国からの金をいただいて、仕事をする面のことも私のほうは十分頭に入れて、そしてせっかく先ほど申し上げましたように、私は県が、県知事から、私に水利権の許可をおろされる際に要請されました、水利権と工事実施の許可をとったということを振り回さないで地元の方方とよく話し合って、県の、また国庫負担が出るように努力をしたい、こう考えております。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 すると、この二級国道は県が保証して、三月の末までに国庫の負担する予算をとると県で保証されたのですか。

吉田確太電源開発株式会社総裁

○吉田参考人 そういうふうに努力いたしますとお答えしておきました。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 これはあとで許可になるかならぬかの問題です。  もう一つ総裁、あなた東電から来られてまだ電発の内容なんかもあまりお知りにならないのだが、これの九十億近い金を借りるのに、十二月の九日から本年一月七日まで向こうへ二年越しで行っている。また十月二十四日から十一月十五日まで二十三日間も米国へ行っている。非常に行っている期間が長い。向こうにいわせると、そんなに金を借りるのに期間が長くは要らないのだという。これはみんな国民の税金でいろいろなところへ行ってきたのでしょうが、これについて、どことどこへ行って、どういうふうにやったかという報告書を出してもらいたい。非常なぜいたくな旅行であるということを私は聞く。非常に長い期間をかけている。世銀にも、こんなに期間はかかるのかという手紙をやっているから、返事が来るでしょう。国民の血税でこういう長い旅行をしているのだから、どこでどうやったのだということを、次の委員会までに出していただけますか、どうですか、それをちょっとお答え願いたい。

吉田確太電源開発株式会社総裁

○吉田参考人 お答えいたします。  行きました日がそれぞれ事務的に相当時間がかかっておるために延びたのもありますし、そういうことにつきまして報告を出すことにいたします。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 それからもう一つ、この入札価格について、目途額と最低の価格との差は、実に五億一千二百万であって、西松ほどの請負人になれば、これだけ、入れただけでできる、われわれはこう思っているのです。したがって、五億一千二百万円は、あなた方のやり方が悪いためにそれだけ国民がよけいに負担するのだ。  そこで目途額の精算の根拠は、見積もりにあたった各業者の詳細な説明によってわれわれはこれを検討したい。そこで一体西松が、どの点が電発の目途額の精算と違っているのか。これはひとつ書類で、私のほうは検討したいから出してもらいたい。できれば、間、熊谷、前田、西松、鹿島、この見積もりの明細書が、どういうぐあいにして、どうやって入れたのかというのは、あなたのほうにあるはずだ。それをごらんにならなければこういうことはできないのだから、これをひとつ出してもらいたい。私のほうは専門家によってこれを研究したい。だからこれを今度の決算委員会まで間に合わなければ次の委員会でもいい、ひとつ出してもらいたい。どうですか。

大堀弘電源開発株式会社副総裁

○大堀参考人 ただいまの点でございますが、本日の資料に概略の数字が出ております。詳細な、提出書類全部をお出しするということにつきましては、私ども一応検討させていただきたいと思います。各社の資料をなまのまま公開の席にお出しするということについて、私どもよろしいことかどうか、ちょっとここで判断がつきませんので、一応その点検討しました上でお答え申し上げたいと思います。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 あなたのその考え方が間違っておる。国民の税金でこれをやっておるのに、安く入れたのははずれておる。だから安く入れたのがはずれておるから、何かめちゃくちゃなところがあるか、著しく適正を害するところがあるかということをこの国会でもって調査して、あなたのほうが間違っておるのか、西松の入れ方が間違っておるのか、その他の請負師が間違っておるのか検討するのは当然でしょう。出すのを考えるとは何ですか。あなたは国民の税金でやっておる電発の一つの機関でしかない。あなたがそういう考え方を持っているからこういう問題を起こす。どうして出せない。  ここに刑事課長おるが、刑務所でもって人を長く留置しておると、あまりあれは長いじゃないか、どうして長く留置しておるか、これは決算委員会に関係のないようだけれども、やはり刑務所に長くいる人は、食糧とかその他いろいろな経費がかかる。その経費は国民の税金だからそういうものに対しても聞くということはできる。いわんや何ですか、電発の、一番安く入れた業者のすべてのものをどうして出せないのです。  それならば、もう少しあなたのほうに要求したい。この目途額をどういうぐあいにして精算したか。この根拠を聞きたい。  それから昭和三十九年十一月一日、役員会に報告された技術審査の報告書、三十九年九月四日、全指名業者に工事内容見積もりの要領を示した内容、これをひとつ私は聞きたい。  それからもう一つ総裁に、あなたのほうでもって温泉地に相当長い間出張されてこの目途額をきめられた、これは総裁、事実ですね。ちょっと答えてください。これは重要なことです。

吉田確太電源開発株式会社総裁

○吉田参考人 九月十七日から二十四日まで、山梨県のずっと山奥に行ったことは事実でございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そこで、その目途額をきめるときに、労務の管理費、租税の賦課ですね。それから保険料率、こういうもの、それから人件費、技術及び事務用品の経費とか、あるいは福祉厚生費、交通費あるいはその他いろいろなものをたくさん含んでいますね。請負人の人事のいろいろな関係のもの、それからあらゆるものをたくさん含んでいますが、これがどうです。聞くところによると、こういう重要なものがたくさんありますが、これはあとで書いて出しますが、こういうものは本社できめたというのは事実ですか。

浅尾格電源開発株式会社理事

○浅尾参考人 お答えいたします。  保険料率、それから税率等はすでに国で定まっておりますので、これを正確に調査いたしまして、それから一般管理費は従来当社で数年間やっております方式によって計算いたしました。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 もちろん金利関係とか、こういうものはありますが、これは本社できめたのでしょう。

浅尾格電源開発株式会社理事

○浅尾参考人 それは従来当社で計算方式が一応きまっておりますので……。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 これだけの科目だからそのときによっていろいろ違うけれども、これは本社できめたのでしょう。

浅尾格電源開発株式会社理事

○浅尾参考人 これは現場において最後のものはきめたわけでございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 けれどもこれだけのものは本社できめたという。現場でどうしてわかります。技術屋さんのみ行っていて、こういうむずかしいことを……。

浅尾格電源開発株式会社理事

○浅尾参考人 そのときには資材部の次長が従来の実績を持ってきておりまして、それでもって、これでやろうということをきめたわけであります。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 それは何と何をきめましたか。これはあなたがごらんになって、この中できめた問題だけしるしをつけてもらいましょう。これは温泉場できまらぬはずだが——ちょっとしるしをつけてください。

浅尾格電源開発株式会社理事

○浅尾参考人 申し上げます。  一番下の本支店経費、金利及び利潤でございます。(田中(彰)委員「全部そのとおり」と呼ぶ)この上のものは技術経費と、それから現場の人件費でございます。これらは所要の人数を割り出しまして、これに推定した給料をかける。それから租税公課とか保険料率、こういうものは国できまっておりますので、(田中(彰)委員「しかしそれは本社できめて持っていったのでしょう」と呼ぶ)この税率とか保険料率とか、そういうものは本社において調べて持っていきました。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 ひとつ、これをきめたときの資料を出してください。

浅尾格電源開発株式会社理事

○浅尾参考人 はい、わかりました。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 総裁、あなたにお尋ねしますが、目途額は温泉場できめた、これは本社できまっている、目途額の中にこれは入っているのだから。このときに、これのものと目途額との合計を合わしたということは秘密にして金庫に伏せてありますね、これだけ除外されておるわけです。本社でこっちだけきめて、片一方は向こうできめている。しかも技術部の人が行ってきめなければならぬのを理事が行ってきめて、理事会にもやはりあれしているから、この目途額というものと最低の額というものはちゃんと打ち合わせして、予見できるように、これはだれが見たって——これはこれから調べますけれども、いま証人なんかを呼んであれしていますからやめたが、これはおかしいじゃないですか。本社でもってきめた金額をこっちへ持ってきて封印して金庫に入れておいて、それからそのときにあけなかった。その中にこれが入っておって、本社できめたものをその中にどうして入れたのです。あけてあってそれを精算したわけじゃないでしょう。

浅尾格電源開発株式会社理事

○浅尾参考人 先ほど申し上げましたのは、税率とか、保険料率とか、そういう率をきめたものでございまして、金額は積み上げ方式によって直接工事仮設備とか、そういうものが出てまいりませんと出ないわけでございます。税率とか、保険料率とか、そういうことだけを本社において調べて行ったということでございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 これはもっと議論をしなければならぬ。これはまあこれでいいとしましょう。そうするとこれは社会党の方々がおられるから……。

浅尾格電源開発株式会社理事

○浅尾参考人 それからもう一つ、私が現地に行ったということにつきまして、前回来御疑義があるようでございますが、従来目途額を作成しましたときは、これは工事主管部の作成ということできまっておりますが、工事主管部におきまして部長の下で作成されたものを一応、私も部長当時理事に御承認を得る、そこでいい悪いという御決裁をいただいて初めて目途額として提出をされたわけでございます。今回私が参りましたのは最後のほうで参りまして、この目途額を作成された時期と、この時期を極力見積もりが提出される時期に合わせる、そういう意味におきまして私は向こうに行ったわけでございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 これは資料はいまちょっとまだ集まっておらないし、時間がかかるからあれとして、先ほど申しました資料の要求として昭和三十九年九月四日、全指名業者に工事内容、見積もり要領を示した内容、三十九年十一月一日役員会に報告された技術審査の報告書、目途額の精算の根拠。そこで総裁、あなたによく考えていただかなければならぬのは、そこに村上政務次官がおられるのだが、この前この席で堂々と——速記録もできておるからあれしますが、業者というものは長い体験によって目途額というものは、千万や五百万やあるいは千五百万違うけれども、たいていあなた方のごときは目途額というものはわかるものだ、こういうことをここで言われておる。また制限価格についても概略わかるんだが、目途額だけは概略わかる。そうしますと目途額はわかると、あなたのほうはいままでの入札方法を変えられてこの式でやられますと、これもやはり佐藤建設以外にはどこへも入りません。これを全部調べてごらんなさい。こういうやり方であれば、佐藤建設以外にはどこにも入らない。大成も入らなければ、熊谷も入らなければ、前田も入らなければ、奥村も入らない、こういうことでしょう。目途額の概略がわかるとすれば、今度はあなたのほうで、これだけのものをやられるならば、これさえきめてしまえば、高くさえ入れたほうがとれるということです。目途額に近づいて、この間で高く入れてもあるいは間違って低く入れても、今度こういうものがあれば、そこしか入らないということになる。そこで目途額の概略が他に漏れたという原因は、電話で業者に聞いたということも、一ついま調査して、これもだいぶ証拠が出てきた。あなたのほうの人があるところに行って知らせたということも出てきた。いま調べてすっかり証拠づけている。そういうことは、目途額の概略がわかれば、これはこれでできるのだ。だから私は会計検査院長も会計検査院長の体験から見て、ほんとうに腹の中でなるほど、いままでのやり方を変えてこういうことをやれば、やはりこういう不正な入札方法が行なわれる。これはあなたのところばかりじゃありません。これから調べますが検察庁でも、この長い間のいままでの入札方法を変えて、こういうようなことをあれしたために、やはり業者が十億以上の金をあるボスに取られておるはずだ。ここに刑事課長がおられるが、それも調べてはあるが、もしこれをひっくくっても、民間人だから上につながらなければ事件にならない。これが上につながるだろうかつながらぬだろうかということが疑問となって、これもいま中止されておる。そこで税金でもっていこうというので、税金でやったら、今度は国税庁のボロを握って、税金のほうもできないということになっててんやわんやしている。これもいずれは決算委員会に持ってくる。そういうようなことはこれに出ている。だからあなた方がお帰りになって——今度の入札方法は実際悪いのだ、こういう新しい方法を通産大臣にも報告しないで、相談もろくにしないできめて、五億一千二百万円というものを余分に国民の税金をあれした、問題を引き起こした、疑惑をもたらした、悪いのだというような答弁のしかたと、資料の出し方がある。これがりっぱなんだということならば、そこにおられる会計検査院長からも、早くこの方法というものに対して調べて報告してもらわなければならぬ。われわれもこれから一生懸命になっていろいろなものを出していく。私はひきょうなことはきらいだからあなたの前で言っておく。世界銀行の総裁に、私が五年前に世界を回ったときに会って、いろいろな問題で話をした。そのときに九州電力の世界銀行の借款があった。これを許しておったから、これはこういう方法で悪いのだ、九州電力の会社が借りるのならいいけれども、これも政府の保証だからいけないといって、私は赤線を引かせてやめさしたことがある。そういう体験から今度のあなた方の内容全部を言ってやる。また弁護士さんも呼んで、国会でこんな問題になって審議しているのに、それを世界銀行がこれに金を貸すというのはおかしい。われわれは国際信義なんというきれいなことばは使わなくても、国民に大きな迷惑をかけることが困るのだ。税金のために、一体国民はどれだけ泣いていますか。中小企業の倒産も、何の倒産もみんな税金でしぼり上げられて、自由主義の国でもって国民が貧乏していて、政府が税金でしぼり上げて、政府に借金のないのは日本の国だけだ。あなた方が今度行かれて、いろいろなものをとってこられたって、みんな条件というのはこれだから、これをそのまま報告する。また、この委員の中からも報告書がもうあしたあたりでき上がるから、私、やはり読んでもらって署名をいただく。私はそういう考え方を持っている。佐藤総理にも会って、こういう入札方法でこういうことをして平然としておる——私は副総裁などに、君、こういう評判があるから、決算委員会で取り立てるとめんどうになるから、これを反省して、そうして上部と相談してやりなさいというようなことも言っている。それを聞かぬでやっている。  またもう一つ、私は副総裁、あなたにどうしてもこれを迫っておかなければいけない。それはなぜかというと、あなたが汚職で非常に金を取ったといって、新聞その他で書かれているが、この前のところでは、相手の名前もよくわからぬし、相手にしないと言われたが、あなた一人ならいいのだ、通産省の次官当時のことで。いまは政府が九〇%も国民の税金で保証している電源開発の副総裁なんだ。そうしたら、あなた、これを当人がわからぬといったって、警察にいけばちゃんと当人が出てきます。わからぬことはありません。われわれでも知っているのだから。当人がわからぬからやめると言われるが、それじゃどろぼうされたときに、どろぼうの犯人がわからないから届けないのですか。どろぼうされたときには犯人はわかりませんよ。やはりこれは警察に届けるなりして、捜査してもらって犯人をつかまえてもらってやるのだ。これに対してあなたは何もされぬでおるということは、あなた、これを認めておられるのか。これは電発の副総裁をしておられる以上は、これはあなたは解決されたほうがいい。さもないと今後あなたがやられることはみんなこの汚職の手にからんだことだということになる。これに対してあなたはどんな考え方をいま持っておられますか。

大堀弘電源開発株式会社副総裁

○大堀参考人 前回の決算委員会で申し上げましたが、私は、これはもう事実無根で、はなはだ名誉を棄損されるものだと思っております。ただ、天誅社何某と書いてございますが、所在のわからないのを相手に、私は、やる考えはございませんし、私のことについては、同僚、先輩、多くの方が御存じでございますから、まともな方は御信用にならぬ、こう思っておりまして、本件はいまのところ何もいたしておりません。私は、責任ある方がそういうことを言われれば、断固としてやります。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 あなたは事実無根だから訴えなければいかぬのですよ。事実ならあなたはいまここにおられぬで、刑務所に行っておられる。事実無根だから訴えなさい。しかも、友人がこう言ったなんていったって、あなたの友人にどんな方があるか知らぬけれども、あなたのやったこと自体が全部いま国民の疑惑となっている。まあ総裁は東電からきたばかりであれだが、あの副総裁のやろうが悪いのだということ、新聞記者の諸君なんかみんなここにおるが、あなたがいいなんて言っている人はありませんよ。どこででも聞いてごらんなさい。あなたの悪いことは、こういう答弁も、初めから総裁が来て、なれないものだからまことに申しわけない、今後こういう方法でやりませんと言えば済んだ。あなたが小理屈をこねて、こうやって答弁しろああやって答弁しろと言うから、まあきょうあたりはまだ証人の関係もあるから、ないが、いまにここで総裁があやまって、手に負えない事態がくるのです。その責任、あなたが負えるのか。訴えるのはあたりまえじゃないですか。犯人がわからないというのは何ですか、わかりますよ。人を殺したって、窃盗されたって犯人はわからぬ。そこで訴えるとちゃんとその道によって犯人をつかまえてくれるんじゃないですか。あなたが今度のこれをそのままにしておかれて、そうなると今度はあなたのやられる仕事というものは、われわれは全くそのままで聞けない。いまあなたは断固として処置をとると言われたが、どうなんです。おとりになるのですか。

大堀弘電源開発株式会社副総裁

○大堀参考人 たいへん御注意いただきました。私も考えてみたいと思います。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 それじゃ委員長、きょうは証人のこともあるし、社会党の関係もありますから、私の質疑はこれでやめます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 関連して。会計検査院長にお尋ねいたします。  このロワー・リミットというのは、平常大体どの程度で率がきめられているものですか。その点いままでの検査の実績といいますか、経験でお聞かせ願いたいのですが。

小峰保榮会計検査院長

○小峰会計検査院長 ロワー・リミットは先ほど申し上げましたとおり公団、地方公共団体、こういうところで行なわれておりますが、水資源公団の例を申し上げますと、総額の二五%というところで引いておるようであります。一〇%前後というようなのはいままでもございましたが、まあ非常に小さい引き方、こういうことになります。多くの契約が失格する率が非常に高いわけであります。一〇%とか八・五%とかいうのは低いのじゃないだろうか、こう考えます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そこで、いま水資源公団の例を一つ出されましたが、水資源公団ですと大体二五%程度で一回で入っているのですか、どういう入札の状態でしょうか。

小峰保榮会計検査院長

○小峰会計検査院長 具体的にちょっと資料がございませんけれども、いま担当の者からちょっと聞いたところでは、やはり一回の入札では入らない、入らないといいますか落ちないというのが多いようであります。国はロワー・リミットを引いておりませんけれども、一回の入札ではこのごろは大体そのまま落ちないのが多いようであります。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 電源開発は長い間ロワー・ミリットは大体一〇%ということでやられてきたという工事の経過が載せられております。資料によりますと、三十六年の六月の大鳥、それから黒又川、御母衣、池原、魚梁瀬、大体ずっと九〇%で行なわれておるのでありますが、そうしますと、いまの会計検査院長のお話ですと一〇%は低過ぎるというのは、三十六年からやられておるのですから、言う時期がおそ過ぎたように思います。その辺について、会計検査院としては、こういうのがやられておって注意されていなかったというのは、どういうわけなんでしょうか。

小峰保榮会計検査院長

○小峰会計検査院長 これは先ほど申し上げましたように、いつもこの一〇%前後の制限線がものをいったことがあまりない。一応一〇%前後という線で引いてはおりますが、最初の見積もり合わせ、入札で落ちないものでございますから、みんな入札見積もりが予定価格以上になるものですから、そこで一番低い見積もり者と協議をして、予定価格以内で契約をするというのが実例でございまして、あまり実害がなかったわけでございます。会計検査院としましてもそういう線は引いてはいましたが、それがものをいっておりませんもので、長い間見のがしていた、こういうことになるかと思います。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 いまの院長の、見のがしていたという発言は重大な問題です。それは、ここに魚梁瀬、七色、小森の経過について資料を出していただきました。そうしますと、この魚梁瀬、七色、小森、三つの工事を全部見てみますと、これでは入札が落ちずに、みな話し合いできめられております。いうならば、予算から一〇%のロワー・リミットをつくったけれども何も実施をされなかった。予算一ばいに工事の契約が行なわれた、こういうことです。逆にいうならば、ロワー・リミットを設けたけれども、何も効果がなかった。いうならば、世間をごまかすだけのロワー・リミットだと逆に言えるわけですよ。たとえば、魚梁瀬の例を一つ見ますと、目途額が三十五億、入札が鹿島が四十五億、間が四十七億、清水が四十七億、結局見積もり合わせでロワー・リミットを三十一億に設けたけれども、ロワー・リミットは何も効果をあらわさずに、予算一ばいの三十五億できまったということです。いうならば魚梁瀬の入札でロワー・リミットを設けたけれども、効果がなく、予算とロワー・リミットの差の三億五千万円損をしたという言い方になりますか、あるいは請負業者がもうけたということになりますか、電発はロワー・リミットを設けたけれども、実は効果のないものだったということになるわけです。ロワー・リミットを中心として話し合いをつけてここで契約をするなら問題はないのです。ですから魚梁瀬で三億五千万円これはもうけた。それからその次の七色で見てみますと、第一工区では大林組で、またこれは目途額とあわせてロワー・リミットが使われずに一億四千万円損をして、その次にはまた第二工区では五千六百万損をしておる。それから小森では、第一工区が一億二千万円、第二工区が五千万円、ですから、電発のいままでの工事は何十億という国損を与えておったということがここで明確になるわけです。そして裏を見れば、この会社が選挙に政治献金をしているという裏が明確にここに出ているわけです。電発というものは、まさに今日まで工事の請負においてこういうことが行なわれてきた、こういうことを実はいわざるを得ないのです。これは会計検査院長としても、ロワー・リミットを設けながらロワー・リミットが実行されなかったという点について、何らこれについての検査が行なわれなかったということについては、私は十分これは考えていただかなければならぬと思うのです。一体土建業者がなぜ政治献金をするのか、政治献金がどこから出てくるのかということは、会計検査院というものは御存じだと思うのです。一体それはどこから出ているのかということを突き詰めるのが、私は会計検査院の任務だと思うのですよ。こんなに不当に——これはこのたった三つの工事ですよ。三つの工事だけでこれだけの金が出ているわけです。ロワー・リミットをつくりながらそれが実施されなかった。ロワー・リミットが実施されたのは今度の工事だけなんです。ここに前と今度の違いがあるわけです。ロワー・リミットを設けてロワー・リミット一ぱいに落ちた例というものは今度が初めてだ。だからその初めてだというところにまた意義があるわけです。どこに問題があるかという点については、資料が出てから私はもっと突き詰めて質問いたしますけれども、とにかく従来において電発の入札についてはこういう問題があったということを、もう一度、これは会計検査院が電発の工事全体について過去にさかのぼって、検査を終えた。終えないにかかわらず、決算委員会として私は検査を要求をしたいと思うのです。特にロワー・リミットを設けて、そしてそれが落ちずに、話し合いでもって契約をやった工事の経過について、詳細に会計検査院としても至急取り調べて報告すべきだと思うのですが、会計検査院長いかがですか。

小峰保榮会計検査院長

○小峰会計検査院長 ただいまロワー・リミットのお話でございますが、ロワー・リミットというものは、それ以下だったらば適正な契約が履行できないであろうというので、いわば一番安全と見られた最低の線ということになるわけであります。それ以下の入札見積もりは適正な契約ができないおそれがあるというので引く線であります。従来の出血受注、損をしてもやるとか、あるいは一応契約を受けておいて、あとで設計変更でどんどん増額要求をするとか、そういうことを防ぐためにやるわけなのであります。これはいきなり予定価格と差をごらんになっても、それが損ということにはならないのじゃないか、こう思うのであります。一応仮定の額と申しますか、これ以下であったらば工事の履行が危険であろう、こういうので、いろいろな技術的な見地とか従来の例とか、こういうようなものでお引きになる線であります。それと目途額の差は、必ずしも損、よけいに払い過ぎた、こういうことにはならないかと思うのであります。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 会計検査院長、いままでの電発の工事の入札の経過、今度の入札の経過、これを両方比較して私は言っているんです。一発入札でやって、そうして話がつかずに、だれも落ちる人がないから、結局ロワー・リミットを設けたけれども、目途額で必ず契約がされているというところが問題だというのです。予算一ぱいにいつも落としている。だから私はいつも業者の方に会ってよく言うのですが、適正な価格であなたたちが共存共栄をしていかなくちゃならぬということは認めます。話し合いで順番をきめる。昔は談合金を払ったというけれども、よく知りませんけれども、話し合いでものをきめるという方式については、まあ議論があるけれども、ある程度認めざるを得ないでしょう。しかし、適正な予算というものをつくるにはどうしたらいいかということは、仕事を出すならもっと真剣に考えなければいけませんよというのです。ですから、電発が目途額をきめたその目途額そのものは不正な不当なものだといわざるを得なくなるんじゃないか、そうなると。普通の入札を見てみれば、大体三回か二回、あるいはその間に話し合いのついた人はおりていきます。そして七社で入札しても、最後にきまるときには二社か三社で、そして話し合いできまりますよ。ですから、私は、そういう経過を見たら、しろうとでもおかしいなと思うのですから、専門的な立場にいる会計検査院は、やはりそこにもメスを入れていただいて、目途額というものは適正なものなんだ、適正な目途額で、それ以下では無理だというなら、それでけっこうなんですよ。しかし、ロワー・リミットを設けてやったという前とあととの違いというものがここに出ているわけですから、そういう意味で、私は、先ほど田中先生も言いました、会計検査院はこまかいことをやるよりももっと大きなものをやりなさい、大きなものをやるということは、何億、何十億という政治資金は一体どこから出るのか、その金がどうしてもうかるのかということは、これはやはり考えていただきたいと思うのです。そこで私は院長に再度要求いたしておきますけれども、過去の問題は終わったと言わずに、ぜひ検査をしていただきたいと思うのです。過去の問題は終わったと言わずに、とにかくいままでの経過と今度の経過とは違うわけですから、それがとにかく工事予算における予算の適正はどうして求めるかといういまのいろいろな話題に、私は結論が出ると思う。私も、長い間かかって、いかにしてとにかくいい工事をまじめにやってもらおうか、談合されずにやってもらおうと研究してみましたけれども、実はしろうとのあさはか、それはできませんでした。けれども、やはりそれに向かって近づけて、正しい予算をきめて正しい工事をさせるという努力をしていかなければならぬ、そういう意味で言っておるのでありますから、ひとつぜひ要望いたしておきます。  それから次に電発にお尋ねしたいのですが、ロワー・リミットというものは、いままでは大体どういう理事会なり役員会なり、どういうところでどういうふうにパーセンテージというものをきめたのですか。そうしていままでの例はどうなんですか。

大堀弘電源開発株式会社副総裁

○大堀参考人 本日資料としてお配りしてございます三つばかり例が出ておりますが、いずれを見ましても、ロワー・リミットの決定は、開封する日の役員会の開封前にロワー・リミットを決定いたしておりますというのが事実でございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 それでパーセンテージは従来は……。

大堀弘電源開発株式会社副総裁

○大堀参考人 パーセントは先般の資料に提出して、この魚梁瀬は九〇%、七色は九一%……。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そういうことじゃなくて、お尋ねしますが、今度は七%から九%の幅で七%、七・五、八、八・五、九という札をつくって、それから一本抜いて封入したというのですね。ですから、従来はどういうパーセンテージのことで、その九〇になったり九一になったり八九になったりしたかということです。

大堀弘電源開発株式会社副総裁

○大堀参考人 従来は、役員会の席で、九〇%あるいは九一%ということを一本できめておったようでございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そうしますと、従来は入札をして、入札をしたあとの理事会で目途額がきまり、そのときにロワー・リミットもきめた、そしてそれはそのものずばりで九〇なり九一、こうきめたということですね。

大堀弘電源開発株式会社副総裁

○大堀参考人 大体同じ例でございますから、最初の例によって見ますと、見積もり書の提出が四月五日だったと思います。目途額は、四月一日から作業をいたしておりまして、四月七日に完了しております。目途額は見積もり書提出の二日後に確定しております。技術審査は、提出以後開封前の四月六日から四月九日の間にやっております。これは今回と変わりません。ロワー・リミットは、開封する役員会議の冒頭に、ロワー・リミットを一本できめておるというのが従来の例でございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 今回は七%から九%の間にするというのは、いつ、だれがおきめになったのですか。

大堀弘電源開発株式会社副総裁

○大堀参考人 今回は、ロワー・リミットの決定は、二十四日の二時半からの役員会でございますから、見積もり書が提出されたその日の役員会で、ロワー・リミットを九%ないし七%の間が妥当である、その間で一本きめたわけでございます。その点は、従来とタイミングの点で異なっております。目途額は、別途に山の中で、同日に封印されております。従来とその二つの点だけ異なっておると思いますが、私どもは、考え方は従来も同じような考え方であったのじゃないかと思いますが、今回は、特に見積もり書の請負の決定について秘密の漏れを防ぎ、かつ公正を期するということに重点を置きまして、従来の方法を、その点は改善したつもりでございます。このほうが公正が期せられるというつもりで、こういうことにいたした次第でございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 従来は、かりにロワー・リミットがあっても効果がなかったとしても、一〇%のロワー・リミットが魚梁瀬から七色、小森と使用されているわけですね。今回はなぜ七から九、こういう低いロワー・リミットがつくられたのですか。

大堀弘電源開発株式会社副総裁

○大堀参考人 この点につきましては、前回の決算委員会において、私から最後に御説明申し上げましたが、私どもの適正な競争でやっていただく——つまりダンピングしても取れない。安ければいい、値段を落とせばいいということではいけない。適正な範囲で競争していただく。その適正な範囲というものをいかに考えるかということで、私どもは、八社の利潤率の平均をとってみまして四・二四%、まあこの利潤率は落としてくると考えられる。一般管理費が四・九三%、五%弱でございますが、これは経費でございますから、全額切るというのはやはり無理がある。半分切るというのがせいぜいではないかということ。それから、工事施行に関しては、従来の経験から見まして、二%程度が合理化によって値段を下げる限界ではないか。これを積算いたしますと八・七%くらいになります。これをバウンドアップいたしまして、九%が適正な競争の限界ではないだろうか。一割をごえるようなものは明らかに出血の予算であるというふうに判断しました。七%は、やはり私どもとしては合理化に努力させなければならぬが、合理化に努力して多少とも利潤が出るという限界点七%を考えたわけであります。その間において、公正を期する意味で、抽選といいますか、くじを引いてきめたわけでございますが、結果は八・五と出たわけであります。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 従来の電発の入札というものは、ロワー・リミットがいつも効果がなかった、だから目途額に一ぱいとられて、話し合いで業者等がきまってきたというのが従来の方式であった。今回は、ロワー・リミットというものにちょうど合う入札があった。そこに私は一つの大きな問題があると思うのです。従来、長い経験の中でロワー・リミットというものが何も効果がなかった入札だった。そして、いつも予算一ぱいとられておった入札だった。今回はロワー・リミットというものを設けられて、それが初めて適用された——ここがまだ解明されないわけです。先ほど田中委員からも資料の要求が出ていましたから、それが出てからまた新しい問題についてやりたいと思いますので、そこに問題がある、その解明を電発も積極的にやってもらわないことには、この問題はいつまでも疑問が残るということだけ申し添えて、この次に保留します。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 関連。  副総裁、あなた、おかしいじゃないですか。今度は非常に適正な価格でやったんだ、そこに落としたんだと言われるが、間だって熊谷だって、前田だって西松だって、みんな技術屋がやってそう違っておらぬのに、その最低価格から一億二千八百二十万円も高い入札に入れたことが、どうして適正なんですか。この佐藤のほうもそうでしょう。大成、熊谷、前田、奥村から全部やって、みな違っておらない。このほうもやはり一億三千六百八十万円高い入札に落としている。それがどうして適正なんですか。この三つが幾らも違わないで、そこへいったら適正だと言われるけれども、適正というものは一体——一億から以上の違った高いものに入っておることが、どうして適正なんだ。これはおかしいじゃないか。あなた、それでは、間の入札も、熊谷の入札も、前田も西松も、こっちのほうは、大成も熊谷も、前田も奥村も、これたちは全部しろうとで、これたちの入れたものは適正でないと言われるのですか。これはだめで、やはり一億何千万高いのでないからだめだと言われるのか、どうなんだ。適正、適正というのは、あなた一人で考えていることじゃないか。電発の不良幹部が考えていることじゃないか。国民から疑惑を受けるような電発の不良な者が考えていることだ。僕はきょう初めて白石君を見て思った。こういう悪知恵を、あなた、大蔵省におったいろいろなあれから貸したんじゃないですか。どうですか。一体落ちないことになっている間、熊谷、前田、西松がどうして適正でないのか。こっちも、大成、熊谷、前田、奥村がどうして適正でないのか。きめた最低価格よりも高く入れたやつが、しかも千万か二千万ならいいけれども、一億以上高く入れたやつが適正だというのはおかしいじゃないか、どうですか。

白石正雄電源開発株式会社理事

○白石参考人 いま私の氏名が出ましたので、私から答弁いたします。  私、実は電発に参りまして一年半ほどになりますけれども、この請負の関係につきましては必ずしも詳しくないのでございます。しかしながら、今回の入札の問題につきましては、終始役員会並びに役員会議に出席いたしておりまして、処分の決定には参加いたしております。したがいまして、これらの決定につきまして私がどのように考えたかということにつきまして、若干申し上げたいと思います。  本問題がこのように非常に紛糾いたしまして、非常に疑惑に包まれておるということにつきましては、私ども非常に申しわけないと思っておりますが、本問題が発生いたしましたものは、要するにロワー・リミット制度というものをとったということであります。したがいまして、ロワー・リミット制度というものがはたして合理的なものであるかどうかという点に、私は問題の焦点があろうかと思います。(「そんなことないよ、いままでやっていたんだ」と呼ぶ者あり)したがいまして、ロワー・リミット制度が合理的であるということになりますならば、おのずから問題は別個に展開するわけでございまして、ロワー・リミット制度につきまして御是認をいただき、御理解をいただくならば、その結果がどのように出たかということにつきましては、おのずから御理解を願うことであろうと思うのであります。私の申し上げたいのはこの点でございまして、つまりロワー・リミット制度が皆さま方の御理解を得、そしてロワー・リミットの率を適正にきめたということに相なりますれば、その結果、開いてみた結果が、あるいは御不審のような問題になったといたしましても、これはひとつ御承認いただかなければならぬ問題ではないかと私は思うのであります。したがいまして、このロワー・リミットの率を八・五%にきめたということにつきましては、先ほど大堀から申し上げておりますように、この率の決定につきましては、従来にも増して私どもは慎重を期したわけでございまして、この利潤あるいは一般管理費その他の点を詳細に検討いたしまして、そうしてこの率は適正であるということで決定いたしたわけであります。先ほど会計検査院長から、もう少し異なるような御発言があったように私は聞いたのでございますが、二割とか三割というような率は、決してこれはロワー・リミットの制度として、本件のような大規模の発電工事に適用するにつきましては適当な率ではないと考えるわけでありまして、これほどの大規模なダム工事を遂行するにつきましては、工事の安全性、危険の防止ということにつきましては万全を期さなければならない、かような意味におきましてこのロワー・リミット制度をとっておるわけでございますので、したがいまして、この率につきまして、私どもが非常に慎重に検討した結果、八・五%というものをとることについて皆さまの御理解を得るならば——その結果はこのような結果を呈したわけでございますけれども、しかし私どもとしては誠心誠意全力を尽くしたということで御理解願いたいと思います。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 あなた何も知らぬで言っているんだが、とにかく安全性、安全性——間は、A級のAとして審議した技術的な安全性なんだ。熊谷も前田も西松も、そういうことをやっておる。この中で鹿島が一番、上椎葉ダムその他において、ダムのことにおいてはそそうをしている。こっちもそうなんだ。大成だって熊谷だって前田だって奥村だって、何でもない。それであなたが八・五%とったからこうだと言っても、それじゃ九%とったっていいじゃないか、八・九とったっていいじゃないか、たとえば七とったっていいじゃないか、ほかにどうして落ちないのだ。これだけりっぱなものがあるのに、どこかへ入れてごらんなさい。間でも熊谷でも前田でも向こうでもいいけれども、おそらく八・五%、そんな簡単なもの入らぬですよ。そんなものは君らがかってに書いたことだ。どこかへ入れてごらんなさい。入るか。入らなければならぬじゃないか。これがりっぱな合理的なものであれば、これでもこれでも、どこかの線に入らなければならぬじゃないですか。入らぬ。一億何ぼの高いのにしか入らぬじゃないか。鹿島と佐藤より入れられないものをつくって八・五——あなたは相当大蔵省におって数字に明るいだろうから、八・五でなくていいじゃないか。七でもいいじゃないか。七・二でもいいじゃないか。九でもいいじゃないか。ここにしか入らぬじゃないか。入れてごらんなさい。

白石正雄電源開発株式会社理事

○白石参考人 実はこのロワー・リミットの率をきめるには、あける前にきめておるわけでございます。したがいまして、見積り合わせの数字がどのように出るかということにつきましては、私ども何らわからないわけでございます。したがいまして、ロワー・リミットのこの率は幾らが適正かということにつきまして、慎重審議いたしたわけでございます。そしてそのときにおきまして、私ども手元にあります数字は、過去の経験に徴しますれば、私どもの目途額に対しましてあるいは一二四%とかあるいは一二七%とか、こういった過去の実例はすべて目途額を上回るような数字が出ておったのでございます。したがいまして、 ロワー・リミットとして八・五%ときめましたこの数字が低過ぎると申しますか、少な過ぎると申しますか、そういったことを実は予想しなかったのでございます。これが大幅に二割、三割ということになりますれば、これは今後土木工事の利潤が大幅に減るということになりまして、工事の安全性を確保し得ないわけでございます。したがいまして、あらゆる角度から考えてこの率が適正でなければならぬが、それを判断する基準といたしまして、私どもは、先ほど大堀から申し上げたような数字を検討したのでありますが、さらに過去におきますところの本支店経費、金利、利潤等を各建設業者にとって検討いたしてみますと、その平均は七・一一%、あるいは場合によりましては、八・一一%あるいは七・〇七%というような数字を示しておるわけであります。これらが、私どもはロワー・リミットの率としての限度ではなかろうか、こういう物件がもう少し小さいものであり、安全性がそれほど緊急性のものでないというものでありますならば、それはまた別個の率の検討もあり得るかと思うわけであります。したがいまして、そのような意味で、私どもは、その数字が出る前に八・五というのをきめておったわけでございます。したがいまして、あけてみたら皆さん御承知のとおりの状況に相なったわけでございます。この点をひとつ御了承願いたいと思うわけであります。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 君は何も知らないから、安全性、安全性と言うけれども、西松だって前田だって熊谷だって間だって奥村だって全部安全だから、いままで事実において工事してきておるのでしょう。それからまた、このロワー・リミットの利益のことを言っておるのではないのです。七から九まで高いとか安いとか言っておるのではない。こういうりっぱな業者がたくさん入っておって、しかも鹿島よりよい業者がおりながら、どう入れてみたって、君がどんなに雄弁をぶってみても、これにしか落ちないようなやり方、このやり方が、通産大臣が認可した電発の請負方法によってのやり方ならいいが、それを無視して君のような独善的な考えの者が通産大臣が第十四条できめた電発の請負工事に関する規則、この根本的なものを投げて、こういうものをやって、しかもいままでロワー・リミットというもので成功しておるならとにかく、いま勝澤委員の言われたように、いままで成功しておらないことを知りつつ、君は安全性、安全性、何だかんだと言うが、どこに不安全性があるか。間にしても熊谷にしても前田にしても西松にしてもこっちにしても、どこに不安全性があるか。鹿島より安全性があるかもしれない。佐藤より安全性があるかもしれない。それはしろうとのあなたがかってに安全性だと言って、書物で見たことを見て安全性と言うんだ。あなたは、熊谷とか、そういう工事をやったものを知っておるのですか。間の工事を知っておりますか。ロックフィル・ダムはどうやってやるのか知っておるか。そうしてこういうようなことをやって、これが長引いてくると、今度は雪解けの水のために、たくさんの金をかけてその水を防がなければならぬ。事実上それはできない。だからこの工事がうんと延びていく。ロワー・リミットということをいままでやったが、だめだった。その前に、それより法規がないかといえば、電発にはもっと厳然とした憲法のようなものがあるんです。それを除外して何回も失敗したロワ・リミットというものをやって、どこへ入れようと入らない。君に言わせると、利益が七分であろうが五分であろうが一割であろうが、そういうことは世界の経済の流れによって、昔は請負業者は一割だったが、いまは五分でいい、いまでは機械で簡単でこうしたから三分でいい、そんなこと言っているんじゃない。厳然とした法規を無視して、そうしていままで何回も失敗したロワー・リミットで、しかもそのロワー・リミットというものは、そういうきめてやらねばならぬ通産大臣が認可した電発のほんとうの規則じゃない。君がそんなに慎重慎重と言うなら、監督官庁の通産大臣あるいはその他の監督官庁の人たちに、今度は、いままでのこういう法規ではいけないから、いままで何回もロワー・リミットで失敗したが、このたびまた失敗したロワー・リミットでやってみようと思うが、いかがですかと通達してありますか。それをしてなくて、慎重にやった、慎重にやったと言って、あなた大蔵省におってそっくり返って国民をごまかしたようなわけにここはいかない。何がどうしてわかるのだ。熊谷の成績、前田、西松、間の成績、こっちの大成、どうしてわかるか。第一村上土建を長くやったあの村上政務次官が来て何と言っている。西松でもできますということを言っているじゃないか。前田でもできますと言っているじゃないか。そのできるのに、どうして高いところにやって五億一千二百万という金をめちゃめちゃにして、あんたはそんなところで慎重にやった、慎重にやったと言うなら、通産大臣なり監督官庁なりあるいは会計検査院なり行って、いままでロワー・リミットは失敗してきたが、今度はこの厳然とした電発の第十四条にきめられた通産大臣の認可した請負のこれをやめて、この規程でやるがいかがでございますかと聞いたら、それが慎重なんだ。そうしたら、われわれはロワー・リミットで失敗したけれども、もう一ぺんやるということを通産大臣なり監督官庁なりに聞いて認可を得てやった、さもなければ第十四条の規則を改正して、今度こういうことでやるのだということでやって、初めて慎重だ。何が慎重だ。君たちみたいに人から疑惑をこうむる、その電発の幹部が四、五人で——いまこれを必ず調べて、この目途額というものを不正使用したかということを、証拠を出してやる。そのときあんたらどうする。いいかげんに、つきまして、つきましてと言わなくてもいいんだ。どうだ。何がこれが適切だ。最低額より一億何千万もよけいにしたことが適切なのか、両方とも。そうして入らぬじゃないか。これは何かくじでも引いて、上のほうでも、一番下のほうでも、まん中でも、間でもこうやれば入りました。熊谷でも入りました。前田でも入りました。大成でもここなら入ったんだ。だれが何と言ったって入らないじゃないか。入らないものをつくっておいて、八・五とった。八・五なんかとらぬでいい。九点とってもいいんだ。七点とってもいいんだ。何を君言っているんだ。しろうとをごまかすようなことを言わぬがいい。きょうはこれはまだ証人のことがありますから、これからいまあなた方の考え方がいかに間違っているか、これからわれわれは質問をする。それから委員長どんどんやって、きょうはこれでやめておきますが、君よく考えてごらなんなさい。入らぬことをやって、口先をのがれることをやめなさい。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 関連して。  参考人の各位に伺っておきたいことは、午後証人からいろいろ伺う関係がありますので、その資料としてどうしても伺っておかなければならないことがありますから、これからお答えいただきたいと思います。  きょう、昨年の藤井前総裁がおやめになった当時の経理担当の執行部の方がお見えになっておると思いますが、どなたですか。

白石正雄電源開発株式会社理事

○白石参考人 経理担当は、白石、私でございますが、請負関係につきましては経理は担当いたしておりません。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 請負関係ではなく、それでは理事の白石さんがわかりますことは、前藤井総裁は退職する当時に退職金を幾らもらったか。同時に、藤井総裁以前の総裁の退職金は幾らだったか、明らかにしていただきたい。

白石正雄電源開発株式会社理事

○白石参考人 ちょっとただいま記憶いたしておりませんので、調べまして御報告申し上げます。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 総裁の退職金が明らかにならぬと困る。それは昼過ぎになると思うのですが、これからの証人に伺っていろいろ調べる資料に、どうしてもこの退職金の額はわかなければならぬ。そういう点ですぐ調べてもらいたいと思います。同時に藤井総裁以前の総裁の退職金もここで報告をお願いします。  藤井総裁が退職するまぎわにこの鹿島建設を決定するに至りました理由はどういうところにあったか。いまの理事の各位で知っている人があったら、お答え願いたいと思うのです。退職まぎわにきめたという点です。

大堀弘電源開発株式会社副総裁

○大堀参考人 私は、前藤井総裁のときから副総裁をやっております。私が藤井総裁のお考えを承知いたしましたのは八月二十日の役員会ででございます。そのときに一工区、二工区とも現在指名されましたとおりの五社が役員会で決定されたのでございまして、藤井総裁のお考えは、この五社を競争さして、ロワー・リミットをきめてやるという、二十日の役員会の決定がございますが、あれが総裁のお考えであると私は理解いたしております。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 この結論を見出す前に、通産省の今井通産次官と公益事業局長とあなたと三人で、これをきめることはやめるべきではないか、こういう忠告を藤井前総裁にしたという話がありますが、事実ですか。

大堀弘電源開発株式会社副総裁

○大堀参考人 私は副総裁といたしまして、実は吉田新総裁が内閣から諮問されましたのが八月四日であったと思いますが、後任総裁の諮問が明らかになりました段階で、前総裁であります藤井総裁が本件の処置を、藤井総裁の責任で施行されるということは適当ではないんじゃないか。これは私長い役人生活から見まして、後任者がきまりました段階でこれを施行するということはおやめになったほうがよろしいということを再三総裁に申し上げました。それで藤井前総裁がお聞き入れくださいまして、私は、藤井総裁が本件については長らく苦心検討されておられたと思いますので、藤井総裁のお考えはおそらく——私らもほかの仕事は一切まかされてやっておりましたが、本件については総裁が御自身から御勉強されておられましたから、私は総裁のお考えはおそらく正しいのであろう、最も正しいと思いますが、その内容いかんにかかわらず、後任総裁が明らかになった段階で処置をとられることは、私はやはり私の考えとしては適当ではないと思いますから、これだけは思いとどまっていただきたいということで、藤井総裁もその意見をおいれくださいまして、八月二十日の役員会で案だけをきめたわけであります。そして吉田新総裁に引き継ぐということをきめたのでございます。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 いずれこれは前の藤井総裁に伺うことになりますが、さらに新たにつけ加えて伺います。あなたがいろいろ忠告といいますか、あなたのお考えを申し上げるといいますか、とにかく鹿島建設との契約は次の総裁によって契約なさるべきではないかというお話をされましたとき、そのときに当時の総理ですが、池田総理の総裁選挙のときの運動にだいぶ大穴をあけているので、この大穴の穴埋めをしなければならないので、どうしてもやむを得ないのだ、こういうことを言われたという話がありますが、この点はどうですか。

大堀弘電源開発株式会社副総裁

○大堀参考人 全く聞いたことがございません。私は聞いてございません。  それから、ちょっとおことばを返すようでありますが、藤井総裁のときに鹿島建設云々ということはございません。五社に指名して五社に競争させるということしか伺っておりません。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 次の証人喚問で、もとの朝日新聞の記者と藤井総裁がここに出てきて、あなた方にはお帰り願うか、あるいは別室でお待ち願うかして、この両者に質問をすることになるわけですけれども、あなたが藤井さんからお聞きになっているならば、この際やはり全然関係ないというのでなくして、あるいはこれは正式なところで言ったのではないかもしれないけれども、副総裁ならばあなたに一番いろいろな問題を漏らしておると思うのです。そういう点で、やはり藤井さんがあなたに、まあ大穴を埋めるためにと言わなくても、あるいは池田に政治献金しなければならぬという意味のものでもあるか、とにかくそれに類することを言ったか言わないかを明らかにしてもらいたい。

大堀弘電源開発株式会社副総裁

○大堀参考人 私は伺っておりません。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 そうしますと、今井通産次官と公益事業局長がこれを後任総裁に契約をさすべきではないということを言われたことについても、あなたは御存じないのですか。

大堀弘電源開発株式会社副総裁

○大堀参考人 役所のほうで心配されておったかもしれません。私は、私の判断で、総裁に先ほど申し上げたような御忠告を申し上げました。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 あなたは副総裁という立場ですから、相当いろいろな助言をしたと思うし——あなたは今井通産次官が言われたことも公益事業局長が言われたことも全然耳にしてないのですか。言われたことがあるかもしれぬというようなことではなくて、もっと明確なお答えをひとつ願いたい。

大堀弘電源開発株式会社副総裁

○大堀参考人 私は、役所からこうせいというような話は聞いておりません。私は、私の考えとして、やはり総裁がこの段階でおやりになることはいけませんということを申し上げたわけでございます。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 これは副総裁に関係のないことでありますが、実はこの鹿島建設に契約される前後について、過日も田中委員から、総裁の奥さんから名刺を電源開発の総裁のところへ持っていったということについての質問があったのですが、いずれこれはあらためて伺うことになるわけでございますが、当時実は疑惑の種になっております。二月十二日の新聞に、タンクの上から飛び下り自殺をしたという、事故死ということになっておりますが、あの大蔵省の証券局の若林恭夫という人が、未明にタンクの上に登って飛び下り自殺をしたのか、あるいはすべったのかわかりませんが、とにかく事故死ということで、少なくとも大蔵省の企業財務課の課長補佐である。しかも東大を出ている人である。その人が水槽タンクの上に朝登った、なんということは、どう考えても理解できないことです。世間ではこういうことがいわれているのです。名刺の交換はされなかったけれども、その後の連絡は、この若林があなた方のところへ連絡をしておるといううわさがあるわけです。この若林という人を知っておりますか。

大堀弘電源開発株式会社副総裁

○大堀参考人 私も大蔵省の方はたくさん存じ上げておりますが、若林秘書官は私は存じ上げていない一人でございます。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 きょうおいでになりました方で大蔵省出身の方はたくさんおると思いますが、だれか御存じの方もあるのではないかと思いますが……。課長補佐ですよ。

白石正雄電源開発株式会社理事

○白石参考人 若林でなしに中林であったかと思いますが……。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 前の総理大臣の秘書官をやっておったという中林だか若林だか、間違っていればたいへん失礼でございますが、中林であるかもしれません。それなら知っておりますか。

白石正雄電源開発株式会社理事

○白石参考人 私承知いたしております。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 あなたの心当たりで、この中林さんの死因あるいはまたあなたの方ところにこの九頭竜川の問題について何らかの連絡がありましたか。

白石正雄電源開発株式会社理事

○白石参考人 死因につきましては全然承知いたしておりません。また何らの連絡も受けておりません。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 これは昼過ぎの証人喚問の関係で伺うことでございますから、あなた方に伺っておきますが、当時の朝日新聞の倉地武雄という人は藤井さんとたびたび会っているわけですが、最初は非常に仲がよかったようですけれども、おそらく、きょうの証人のときの様子等伺ってみますと、そうでなくなるだろうと思います。この間、実はここで藤井さんと田中委員が質問したあと、廊下で大論争しておりまして、それをドアをあけて出ていって聞いたところによりますと、両氏ともだいぶ激高しておりました。これはあとで伺いますから、この証人二人の前後の様子がわかると思いますけれども、この当時の朝日の記者の倉地武雄さんという人は副総裁のところへは伺ったことがありますか。

大堀弘電源開発株式会社副総裁

○大堀参考人 私は面接が一回もないと思います。記憶ございません。その方、来ておられないと思います。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 ほかの方にはありませんか。

浅尾格電源開発株式会社理事

○浅尾参考人 ございません。

堀川恭平自由民主党

○堀川委員長 参考人各位には、委員会の調査に御協力をいただきまして、まことにありがとうございました。     —————————————

堀川恭平自由民主党

○堀川委員長 速記を中止してください。   〔速記中止〕

堀川恭平自由民主党

○堀川委員長 それでは速記を始めてください。  それでは、国が資本金の二分の一以上を出資している法人の会計に関する件について、証人より証言を求めることにいたします。  御出頭になられました方々は、藤井崇治君。そうですね。

藤井崇治前電源開発株式会社総裁

○藤井証人 そうです。

堀川恭平自由民主党

○堀川委員長 倉地武雄君。そうですね。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 はい。

堀川恭平自由民主党

○堀川委員長 この際、証人より証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことに相なっております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が、証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあった者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び、医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあった者がその職務上知った事実であって黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになっております。しかして、証人が正当の理由がなくして宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることになっておるのであります。一応このことを御承知になっておいていただきたいと思います。  それでは法律の定めるところによりまして、証人に宣誓を求めます。全員御起立を願います。  宣誓書を朗読していただきます。藤井崇治君。   〔証人藤井崇治君朗読〕    宣 誓 書  良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、  又、何事もつけ加えないことを誓います。   昭和四十年三月二日                藤 井 崇 治

堀川恭平自由民主党

○堀川委員長 次に、倉地武雄君。   〔証人倉地武雄君朗読〕    宣 誓 書  良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、  又、何事もつけ加えないことを誓います。   昭和四十年三月二日                倉 地 武 雄

堀川恭平自由民主党

○堀川委員長 それでは、宣誓書に署名捺印を願います。   〔宣誓書に署名捺印〕

堀川恭平自由民主党

○堀川委員長 証人に申し上げますが、証人の発言は、証言を求められた範囲を越えてはならないことになっております。また、発言の際は、そのつど委員長の許可を得てから発言していただきたいのであります。お尋ねしているときは、着席のままでけっこうでございますが、御答弁の際は、起立して発言をしていただきます。  また、念のため証人に御注意いたしますが、他の証人が証言したことに直接お答えになるようなことは慎しんでいただきます。  証言は、委員長または委員の求めた際にのみ行なってください。証言は、委員の発言に答える形で行なっていただきます。  以上、あらかじめ御承知おきをいただきます。  この際、おはかりいたします。  出頭されました二人の証人を、同席せしめて証言を求めることに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堀川恭平自由民主党

○堀川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  それでは、証人の略歴について簡単にお述べ願います。藤井証人。

藤井崇治前電源開発株式会社総裁

○藤井証人 私は、明治二十七年の七月一日広島県において生まれまして、小学校、中学校を出まして、京都大学に学び、大学を卒業いたしまして逓信省の官吏となりまして、昭和十七年に退官いたしまして、その後追放を受けました。これは翼賛運動に関係したゆえをもって追放になりました。発送電株式会社の副総裁をやりましたときに追放になったのでありますが、これはきわめて短期間でございました。それから追放が解除になりましてから、電源開発株式会社の副総裁をし、その後電源開発総裁を三期間つとめまして、昨年の八月末に任期満了とともに退任いたしました。目下何もいたしておりません。

堀川恭平自由民主党

○堀川委員長 次に倉地証人。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 私は愛知県の生まれでありまして、生年月日は明治四十一年十一月四日でありまして、新聞記者生活をずっと続けてまいりまして、終戦の暮れに非常に感ずるところあって、私は朝日新聞を最後にやめまして、以来週刊「北海タイムス」を直ちに創設いたしまして、その後文筆生活を続けて今日に至っておるわけであります。

堀川恭平自由民主党

○堀川委員長 それでは発言の申し出がありますので、順次これを許します。田中彰治君。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 倉地証人にお尋ねいたしたいのですが、あなたと藤井総裁が知り合ってから今日までの関係についてごく簡単に御説明願いたい。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 私は朝日新聞時代に、翼賛会及び翼質政治会の記者クラブに籍を置いておりましたが、最初翼賛会の記者クラブにおりましたころに、藤井さんがたしか実践局長ではなかったかと思いまするが、あるいは間違っておりますれば翼賛壮年団のほうかもしれません。おいでになりまして、その御招待がありまして、その席で初めて面接したわけであります。以来翼賛会で共同会見とかいろいろな関係で会ってまいりましたが、その後私も北海道のほうに転任になったりいたしまして、すっかり間が絶えておりました。ところがちょうど十年ほど前に小坂電源開発株式会社総裁と藤井副総裁との間に——これは決算委員の皆さん方も御承知かと存じますが、非常に問題が起きました。私、藤井さんという方は翼賛運動のころから非常に人格的に信頼しておったわけであります。したがいまして私は、朝日新聞では、藤井総裁の佐久間ダムにからむ問題に対して非常に批判的に書きましたが、それに対して朝日新聞に籍を置いたところの人たち、あるいは小坂徳三郎君であるとかその他みんな寄ってたかって藤井総裁を批判しておるような状態でありました。私がその事態を詳細に、どちらが正しいか、どちらが正しくないかきめることは、なかなか困難でありましてきわめなかったのでありまするが、藤井さんという人を私は信頼して、藤井さんの味方について、そうして私は藤井さんのために、私が主宰しておりました「言論時代」の誌上でもそれを書きまして、まあ小坂総裁には、あるいは小坂総裁の支持に回った朝日新聞の人たちには、まことに友人としても、ことに小坂徳三郎君とは同じ千葉の支局員として小坂君が見習いでまいりまして、私がいろいろお世話したようなことがありましたので、友情の点からも、つらい面もありましたが、やはり正しい面は正しく見ていくべきだという考えのもとに私は敢然として藤井さんの側に立って戦ったわけであります。その後あるいはお会いしたりあるいはまた電発の副総裁もしばらくおやりになりましたので、私は藤井さんとの間もあまり長く常に交際を保っておるということではありませんでしたが、あるいは間に何か用があると行ってみたりあるいは離れたりしておりました。私が雑誌記者をやっておる関係上、私は藤井さんにはまことに恩こそ感じておれ、私はあだは少しもありません。同時に私は今日この、余分なことかもしれませんが、証言台で相対立して藤井さんと、ここに黒白を争わなければならないような立場になったということに対しまして、非常に私は藤井さんのために、私のためにもまことに残念でたまらないのであります。  以上であります。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 藤井証人、簡単でけっこうですが、いま倉地君の言われたようなことに間違いございませんか。

藤井崇治前電源開発株式会社総裁

○藤井証人 翼賛時代のことは倉地さんのおっしゃったとおりだと思います。が、私には、これは記憶がぼけておりまして、はっきりしておりませんが、おそらく倉地さんのおっしゃったとおりであろうと思います。その後お目にかかったのは私が副総裁をやめましたときに、例の佐久間問題で、この委員会にも呼び出されたことがあるのでございまするが、そのときには私の所信、私のありのままのことをお述べしたつもりでございまするが、先ほど倉地さんがお述べになったように、倉地さんは好意的に「言論時代」という雑誌でございましたか、雑誌名も忘れておるのでありまするが、使っていただいた記憶はございます。その後副総裁をやめまして、その間倉地さんと、これは全くプライベートの問題で何回かお目にかかったことは事実でございます。今度この問題につきまして先般(田中(彰)委員「いや、倉地君の言ったことが事実であればいいのです」と呼ぶ)それに関連しての問題でございますから、ついでにしゃべらせてもらいたいと思います。倉地さんと私とがどうも見解が、見解というよりも事実の認識が違っておることを、倉地さんがお述べになったように私も遺憾に思っております。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 倉地証人にお尋ねいたしますが、あなたは私どもがこの九頭竜ダムをやるというような話をどこからお聞きになったか知りませんが、聞かれて、国会のこの廊下でありますが私はあなたから直接聞いたんですが、この件については、藤井総裁が非常に憤激している。これは鹿島建設などにやらすのではなく、やはりこのほかの熊谷とか、前田とか、西松とか、間とか、こういうような、やはり予定価格により近いところに入れておるものにやらせなければならぬやつを、非常に無理をしてやらした。ついては池田総理の夫人からも、鹿島にこれはぜひともやらしてもらいたいというような名刺を持ってきたこともあったけれども、自分はそれを断固けって公平にやるつもりでおったのがこういうことになってしまったというようなことを、藤井総裁が言われた。これは私も委員長に申し上げておきますが、藤井さんとあるところで会ったときに、藤井さんから詳しいことは聞かなかったが、決算委員会に呼び出すならば、池田の夫人から、この仕事は鹿島にやらしてもらいたいという名刺をもらったから、その名刺を、決算委員会に呼び出してもらうならば読んでもいいということを私が聞いたのですが、後日藤井さんに言わせると、それはあんたの記憶違いだ、実はその名刺は、広島の水野という請負師に広島でやるある電発の工事の埋め立て及びその他の仕事をさしてくれというこれの依頼の紹介状であるとか名刺であるとか言われたのですが、まず私は別として、倉地証人から聞くのですが、一体そういうことがあったのでしょうか。あるいは藤井さんの言うように、倉地さんが聞き違えて、思い違えておられる、あるいは、そうでないことを言っているといって、藤井さんも非常に憤激されておったが、その点は、倉地証人、どうなんでしょう。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 私は大体藤井さんの、副総裁のいま私の話になかったとおっしゃいましたが、実は私は藤井さんが小坂さんと争っておられるころには、再三私は藤井さんと会っております。それでその後私は、まことに藤井さんにとっては心外な私の言い方かもしれませんが、私はこれでもこれなりに藤井さんのことは心配しておったわけです。そうすると、いま質問がありました——田中議員からだったと思いまするが、何か藤井さんが私に会いたがっているぞという話でございました。何か会いたがっているようだという話がございましたので、それで私は、このころ電発へ電話かけましたら、藤井さんが、うちへ電話かけなさいと、こう言うのです。お宅の電話は、私が茅ヶ崎に住んでおりますし、わかっておりますので、これで見ると九月の二十九日の一時三十分に藤井さんに、これは朝うちから大町のほうの藤井さんの自宅に電話かけました。そうすると午後一時三十分に五七一の四二九七に電話かけてくれということでございました。それが藤井さんのいま持っておられる事務所の電話番号を聞いた初めてであります。そうしてもう一ぺんそこへ午後の一時三十分に電話かけてくれということでございましたから、私の事務所からその時間に電話をかけました。そうすると、この間も、藤井さんが、そこで会ったということを藤井さんがおっしゃいましたが、君の事務所はどこだとおっしゃいますから、私は麹町におりますので、麹町だ、それじゃ近いからいいな、それじゃ四谷の有明屋ですか、つくだにを売っているその有明屋の横を入ったところに富田という旅館があるから、そこへ来てくれ。そこで、おそくともちょっと待っておってくれ——それから一時間後ですか、そのくらいだと覚えておりますが、そういうことでありました。ところが、実は私はこの富田旅館というところでは、前の副総裁で小坂さんと争っておられたときに、藤井さんはお忘れになっておるかもしれませんが、私は二度目であります。ここへそのときに行って藤井さんともう一人新聞記者がおりまして、三人で、そのときは藤井さんに御招待にあずかって、いろいろ当時の佐久間ダムの話を私は聞いておりました。しかし、私ももう十年近い前のことですから、その旅館を忘れておりました。それでさがしながら行って、旅館もだいぶきれいに普請しておりますし、やっとさがし当てて参りました。そうしてそこで待っておりますと、藤井さんがおいでになって、そこで初めてこの九頭竜ダムの話を藤井さんから私は承っておりました。そそれまでは私は業者でもありませんし、何でもありませんから、九頭竜ダムというものに対しては、若干新聞なんかで九頭竜に発電所ができる、ダムができるということは、程度のことでありまして、そのほかのことは全然知りませんし、それから藤井さんがそれにどういうことで憤慨しておられるかということも全然知らず、全くの白紙でそこの場所に臨んだわけであります。あとは御質問によりましてお答えいたします。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そこで倉地証人にお尋ねしますが、その富田屋とかという旅館におたずねになったときに、この応接間においてそういういろいろな話をされたのか、それとも、食事でもともにしながらゆっくりとそういう話をされたのか、その点はいかがなんでしょう。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 そのときは、私が先に参りまして、まだおいでになっておりませんでした。それでお茶が出まして、まことに妙な話ですが、お菓子が出まして、それだけでたしか、しまいに何か食事でもするかとおっしゃったようでございますが、私は、恥ずかしい話ですが、毎晩ビールの一本ぐらい晩酌をいたしますので、人と酒を飲むとおもしろくないから、酒は一人で飲むほうなんです。毎晩酒は飲みますが、それは一人でやります。宴会に行くのも、人を招待するのも私はきらいで、このころ特にそういう癖が著しくなっておりますので、御辞退申し上げまして、お茶とお菓子だけで最後まで私はお話しました。二時間くらいお話をいたしたと思います。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 あなたはこの前に藤井がわざわざおれを呼んで、食事をともにしながら、九頭竜ダムについていろいろどこかで語ったことがあるということを言われたが、それは何か富田屋とは違うのですか。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 それは前のいわゆる副総裁のときの話とごっちゃになっているのじゃないでございましょうか。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 それじゃ、富田屋で二時間近くお話をされた、九頭竜ダムに対する知識はあなたはあまりなかった。そこで藤井さんから、九頭竜ダムのいろいろな不満、あるいはいろいろな藤井さんの抱負等その他お聞きになったのですが、その聞かれた話しをここでひとつしていただけますか。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 私はいま申しましたように、九頭竜という名前だけは、これは昔何かの雑誌に、一位に当選した名前で九頭竜という名前は私は福井県にあるということは知っておりました。しかし、いきなり藤井さんから、実は壁頭の話が鹿島組から思いもかけないような大金でもって誘惑に来たというお話のしかたでありましたので、私はこれはたいへんだ、しかも新聞を経営しております、新聞の主筆であるところの私に、藤井さんが会いたい、しかも自分で席を設けられて、そうしてお呼びになるからには、私にこれを書かせようという意思が働いておるということを私としては感じました。それから私はメモを出しまして、そうして藤井さんの話をメモにとりまして書いたのがこの記事であります。  それでこの前の委員会のときにも私は傍聴しておりまして、藤井さんは創作だとおっしゃいましたが、それはもちろん文章とか、あるいは見出しだとか、あるいはこの見る角度というものに対しては、私の意思というものが働いております。しかしながら、ここに流れておる事実というものはこのとおりでありまして、それで私はこれが九頭竜川の長野の発電所をはじめ三つあって、そのうち今度のやつは長野であるということもこのときに承ったのであります。以上、これでごらんのとおりのことであります。  ただ私は、これを書くにあたっても、藤井さんは気の毒だ、やはりいろいろな政治的圧力が各方面から、あるいは内部からもかかった、この記事を読みますると、副総裁がこう言ってきたとか、あるいは通産次官がこう言ってきたとか、あるいは公益事業局長がこう言ったということが全部出ておりますが、それは全部藤井さんの口から私は聞いたわけでありまして、私は非常に同情した。まだまだ藤井さんは働けるし、まだまだやれるのに、こういうことでおやめになるということは非常にかわいそうだという気持ちで、私は非常に義憤を感じて、むしろ藤井さんのために私は書いたのが十月十日の記事であります。以上であります。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 倉地証人、それはあなたと藤井さんとの話し合いがあってこの記事が書かれたのですが、ここは証人としておいでになっておるのだし、たくさんの方が聞いておられるのですから、詳しい話を、藤井さんがたとえば鹿島からこういう圧迫を受けた、鹿島からこういう誘惑を受けた、公益事業局長はこう言ってきた、あるいは通産大臣がこう言った、あるいは次官はこう言ったと、具体的な問題を、そこに簡単に、藤井さんと話されたことを速記にも書かなければいかぬから、ひとつおっしゃってください。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 これはなかなか簡単に個条的に申し上げるわけにいきませんが、長い間の話し合いの中に、質問したりお答えになってきたわけですから……。  ただいま申しました鹿島組から——私もここに「ドン欲な鹿島建設」と見出しに書くほどのことはたいへんな決意を要するわけです。だから、これははっきりと藤井さんが、誘惑があった、しかしわしは敢然としてこれをけったというお話を聞きました。その後藤井さんがそれで——その前後のことはわかりませんが、前の総裁公選による池田内閣ができまして、そして櫻内通産大臣が就任されました。そうすると、たしかその認証式の翌日くらいだと思いますが、直ちに藤井さんは行かれて、そしてあいさつに行かれた。そうすると、その場で、君をこのまま今度もまた留任してもらうつもりだ、こういう話だった。自分はまだなりたての通産大臣で事情は何もわからないはずだ、それがいきなり通産大臣として留任してもらうつもりだという話は非常におかしい。これはおかしいぞということは自分は考えた。自分としても、これはうわさで聞いておるところでは、池田さんが総理になられるには相当の穴があいている、その穴を埋めるためにこういう動きがされておるのだというふうに自分は感じておった。ところが、それと同時に、それに次いで——自分はその場ではそれをそのままありがとうございますといって受けないで、しばらく考えさしてくださいと言って帰った。ところが、その後考えてみても、これは政治的に、自分はいままできれいにやってきたのだから、こういうことに巻き込まれるのはいやだ、だからわしは辞職することにしたのだ。ところが、この九頭竜の工事だけは自分の在職中にはっきりときめてやめたい、こういうので運んでおったところが、通産次官が来られて、そして通産次官は、これはもう君はやめるのだから、やめるあなたがこれをきめていかれるということはないじゃないか、こういう話だった。それからまた、次いで公益事業局長も同じようなことを言ってきた。さらに大堀さんですか、いまの副総裁からも、あなたおやめになるのにきめられることはないじゃないか。八方から実は圧力が加わったから、自分としては入札の方法だけは、はっきりとすきのないように入札の方法を——入札ないし今度請負業者の決定をする方法ですね、その方法はわしがきちっときめてきた、こういう話で、もう一分のすき——そこへ不潔なもの、不浄なものが入り込むすきがないようにしてきたのだという話で、きょうあたり、あすかあさってか発表があるだろうという話でありました。その話を聞いて、またこれに戻りまするが、私としてはますます藤井さんの才覚がきれいなものがあるとここに書いているわけです。以上です。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そこであなたも、証人もマスコミのほうにおいてはなかなか相当な方なんだが、ただ鹿島組から誘惑があった、あるいは圧迫があった、ああそうですかというだけでおしまいにならぬで、やはりどういう誘惑があったとか、どういう圧迫があったとか、そういうようなことについて藤井証人から何か聞いていませんか。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 それは長い話の一こまでして、それだけのことに長い説明を受けたわけじゃありませんが、私の質問としては、それはいまの金じゃ数億ぐらいのものなんですか。そうなんだ、ということであります。以上であります。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そうすると、数億ぐらいの金を出すから鹿島組にこれをさせろという意味のものなんですね。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 そうです。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そこでさっき山田委員の質問に大堀副総裁が答えたのですが、藤井さんがやめられるときに、あなたの言われたように、大堀さんは、あなたもうやめられるのだから、今度すべてが新総裁のもとに行なったほうがいいのだ、あなたあまりこれに関与するなと大堀さんが言ったということをここで証言しているのです。そこでいまあなたの話を聞くと、藤井さんが請負師を五名指名された、あるいはまた、そういうことも、そう言いながら大堀さんも、副総裁も認めているのですが、あなたの聞かれた藤井証人の話には、鹿島、間、熊谷、前田、西松と、この第一工区のほうにおいては五名を指名をされたと言われましたが、鹿島だけはいろいろなそういう誘惑があったから抜いておいた、この五名の指名から抜かしておったというような説明をされたのですか、五名を指名したと説明されたのですか、どうですか。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 五名指名の話しか聞いておりません。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 その五名に鹿島組は入っておるのですね。どうなんですか。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 入っていたはずです。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そこで私ちょっとおかしく思うのは、五億以上の金を持ってきて誘惑にかかり、それを拒否したと言われたならば、常識上そういう誘惑したような鹿島組を除外されて、たとえば五社でもほかのものを入れて、除外されてやられるのがほんとうなのに、それをやはり指名入札に入れられたということについて、あなたが藤井さんを非常に潔白な人だ、人格的に信用すると言われるが、その点はあなたはどうですか、新聞記者の良心として、五名に鹿島組を入れたのを何とも思わぬでお考えになったか。どうもそんな大きな金を持ってきて誘惑したやつを除外したのだから、鹿島を入れないほうがほんとうじゃないかというように考えられたのか。そのままああそうかと、誘惑をけったが鹿島を入れたのは別にふしぎはない、こういうぐあいにおとりになったかどうか。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 何しろこれは突然の話でしたし、その点は、田中先生に言われれば、私の突っ込みが足らなかったということは認めます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そこでもう一つお聞きするのですが、これはわれわれにもほかから聞いているのだが、確かにこの請負の入札がおかしいし、これに献金も五億くらいされておるということを聞いておる。あなたの話もやはり五億とおっしゃる。そうすると、一番最低の入札よりも鹿島組が入れたこの間がやはり五億一千二百万というと、やはり五億というものを仕事の中から余分にとらして、そうしてそれから献金をもらったというようなことにだれも思うのですが、あなたがどこかに漏らされたのか、われわれがほかから聞いたのか、これは私ちょっと記憶ありませんが、藤井さんも、池田、佐藤の戦いのときには、業者その他から非常に金を集めて、そして池田に多額な政治献金をされた。それだから池田は、おれだけは首にしない、おれの首は安全だと思っておったときに、ぽつっとやられたので非常に憤激して、あなたにそういうことも漏らし、あるいは北海道のサンアイホテルへ行って友人等にも不満を漏らされたことはわかっているのだが、そういうようなことをあなたにおっしゃいませんでしたか、どうですか。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 私はそこまでは知らないのです。この藤井さんと会ったときに初めて始まったことで、そういうことまで私は知りません。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 それでは、藤井さんがあなたと会われて、あなたにここまで来いと言って、あの定宿は藤井さんの定宿で、藤井さんがいろいろ秘密なことを話されるとき、あそこへ行かれるのだが、あそこへあなたを呼び寄せて会われて二時間も話した。そこで藤井さんがどうしてそういう不満をあなたに言われるのか、どうして言わなければならないのか、それはどんな気持ちで藤井さんが言われたと思いますか。その点どうなんですか。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 それはいきなり藤井さんから聞いたわけですが、あと私は夢を見て——藤井さんの話をいろいろ考えてみまするに、これはどうしても藤井さんの気持ちとしては相当憤激された表情でした、話が。だから、やはりそのときの藤井さんの気持ちとしては、包んでおれなかったようなくやしさがあった。それが私に話しされたということで、私にこういうふうに書いてくれ、ああいうふうに書いてくれという話は一つもありませんでしたが、それは藤井さんの人となりだと思うのです。私が藤井さんの胸中を察して、私が記事にしたということであります。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 あなたも相当なマスコミで、われわれもなるほどあの人は相当なものだと思っているのだが、しかし、その憤激された原因、五億持ってきたからそれを突っ返して、おれは憤激したと言うだけではそんなことおっしゃらぬと思う。鹿島組はひどいやつだ、金を持ってきたが返してやった。あんなやつは風上に置けないと言われるならなんですが、あなたに憤激してそういう話をされたという憤激の原因は、あなた何だとお思いになりましたか。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 それは藤井さんとしてやはり政治的なものに——はっきり藤井さんのことばで言われましたが、政治的なものに巻き込まれることはおれはいやだ、それでわしはやめたんだということを言っておりましたが、私としては自分の想像を申し上げるということよりも、そのままを受け取って私はお答え申すよりほかにないと思う。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そのときに、これだけの記事を十月に書かれたのだから、藤井さんがこういうことを言ったことがないことを書かれたなら、あなたを呼ばれて、あなたと長い交際なんだから、倉地君、君ちょっと来てくれ、君どうもとんでもない記事書くじゃないか——そうでしょう、いま藤井さんがあなたのおっしゃる状態なら、この記事を取り消してくれとか、君でたらめ書くなといって、その件についてあなたに一言あるはずなんです。そのまま何もなくて、そして今日まできて、ここで藤井さんの心境が変わって、あなたの言われたことを言わないと藤井さんがおっしゃっておるのだが、これについてどういう関係から藤井さんが心境の変化があったのか、あるいはまた、これを書いたとき藤井さんから何かあなたに、そんな記事を書いてくれては困る、でたらめ書くなといって、去年の十月のことですから、言われたことがあるのですか。これ書いてから藤井さんとお会いになったことはあるのですかどうですか。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 その後何ら藤井さんからは——見ておられるか、見ておられないかは知りませんが、何のあれもありません。  まことに恥ずかしい話ですが、われわれは売り出し最中なんです、この新聞の。ですから、できるだけ皆さんにお世話になったり何かしていこうという気持ちは十分あります。したがいまして、私はこれだけ藤井さんの言い分を書いてちょうちん持ったのだから、藤井さんのほうから何かあいさつがあるのではないかくらいのことは、私も多少は考えましたし、私の社内でもそういう声をみんな言っておりました。何もあいさつないじゃないか。ところが、そういうことを言っておるみぎりに、ほかのあるよその、これは日刊紙の関係の人ですが、それが、君は電発の藤井さんにうまくしてやられた、こういうことを言うのです。それで、それは最近の話です。私は非常に憤然としまして、それでは、そんなばかな話はない、私は藤井さんは信じておった、そんなばかな話はない。一ぺん藤井さんの真意を聞いてみようというので、再三大町へも電話かけましたし、東京の事務所にも電話をかけました。なかなか——一度なんかはお宅へ電話をかけると、十時から十時半ごろに出かけるから電話かけてみろという話です。それはいつごろか知りませんが、一カ月か一カ月以上前だと思う。電話をかけました。そうすると、男の人が電話に出まして、まだお見えにならぬという話で、そのときは、率直に申しますればすっぽかされた形であります。  それから私は、新聞にも日にちを書いてありますが、その日にちは確認できませんが、これははっきり——ちょうどいま長い間待たせていただいた間に思い出したことがあるのです。それは藤井さんがようやく会おうというので、藤井さんの事務所に参りましたが、初めて、それは電話で、日航ホテルと、何とかいうひらがなで三字書いた名前のところです。その間の大通ビルというビルに来てくれ、何時に来てくれということで行きました。その帰りに隣に、——事務所は一番わかりいいのは山形新聞の東京支社があるのです。その支社長は、私が長い間山形支社におったときからの友人で、一ぱい飲もうかという話がありましたものですから、その打ち合わせに寄った。そのついでに、実は前の藤井副総裁の事務所に寄った、そんなところに君藤井さんの事務所あるのかいと言いますから、藤井さんが会った覚えがないとおっしゃれば、そのことは彼が証言してくれます。それは余談ですが、そのときに秋以来初めて藤井さんの事務所を訪れてお会いしたわけであります。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そのお会いしたときに、この新聞に対して、君、こんなことを書いてくれてどうも迷惑したとかなんとかいうような非難をされたのですか、黙っていられたのですか、いいこと書いてくれたと言われたのですか、どうなんですか。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 それは何にもありません。何にもありませんが、何かぼくに対しては、非常に冷たい不満な態度をあらわされておりました。それでいろいろ聞きましたところが、おれはもうやめたから何にもおれは言わない、わしは、そんなことは会社のほうへ聞いてくれ、もうおれは関係ないのだから、こういう藤井さんの話でした。私は実はその場でお感じになったかどうか知りませんが、私は憤然たる顔をしたはずであります。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そうすると、名刺ですね、池田の夫人から名刺で、この工事はひとつ鹿島にやらしてくれというような話をあなた、藤井さんの口から聞きませんでしたか。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 その話は全然、この間の委員会で初めて私は耳にしたんです。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 じゃほかの方々の質問もございますから、私はもう一、二の質問でやめますが、あなたが藤井さんとそれだけの長い間のおつき合いであり、また十月わざわざ藤井さんに——あすこは定宿にきめていられるところですが、そこへ行かれて二時間も話をされて、そうしてこれを書かれた。いずれ書かれたことに対して、普通なら電話でとめるとか——何もしない、今度会われたら、おれはもうやめたんだからというようなことで、あなたに冷たくて、あなたが憤激されたというのですが、これは正面なところおっしゃって、何で藤井さんがそういう態度を——あなたと長いおつき合いでしょう。これもあなたに書けとかいろいろ言われたんでしょう。それで今度会われたら冷たい態度をとられた。藤井さんがどうしてそういう心境の変化をしたか、藤井さんの心境の変化について、あなたはまさかばかな方でないんだから、あのやろう冷たいなということだけじゃなくて、何かその心境の変化についてあなた、どうお思いになりましたか。あなたの思われたこと……。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 それは、私はその場ですぐそういう感じを持ったわけではありませんが、この委員会に来て、私の心境としては、善意に解釈しまして、やはり最も私が善意に解釈して、藤井さんは、もうやめられたことだし、しかもこの話が藤井さんにもはっきり——私にもわからぬ点ですが、はっきりしていられれば、それはやはりいまの政府なり自由民主党というものに対して大きな影響を与えるという大きな次元のもとに、いま一つは、やはりあとにおる人が、何といっても自分の後輩だし、後輩のことなどもお考えになってのお話でお変わりになったのではないか。あの当時は、非常にとっさなときですから、憤激されておられたが、日にちがたつに従って静かにお考えになって、そういうお考えにおさまってきたんじゃないか、かように私は理解しております。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 藤井さんが、鹿島が数億の金を持ってきて誘惑した、あるいはまた、政治的なものにつながりを持ちたくないからやめられておりますが、藤井さんは腹の中では、絶体に今度もやめぬで済むと思っていられた。藤井さんが自分から何もないのに、おれはもうやめたいから、政治とのつながりはいやだ、あるいは鹿島の誘惑なんかおれはもういやだ、電発がいやになったからやめるということをおっしゃったのじゃないですよ。やめさせられるように、後継者を見つけられて藤井さんがやめるように追い込まれたという経過については、あなた知っていますか。それとも、どういま考えておられますか。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 その点は私にはわかりません。想像をめぐらして、ああでないかこうでないかということを考えていますが、そこまでここで私はちょっと……。判断に苦しむのです、これは。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 それはおかしいですね。あなた、藤井さんと長い間交際されて、それから前の前総裁、これを小坂総裁と争われたときも、われわれも藤井さんの言を正しいとして、藤井さんにやはり御支援までいかなくとも好意を持った一人です。あなたの好意の持ち方は非常に私は猛烈だと思う。そのときも感じていました。そしてあなたを呼んで不満をぶちまけられて、いろいろな、そんな鹿島の金の誘惑のあったことまで言われる間柄でいながら、藤井さんが電発の総裁をみずからやめたかったのか、もう一期やりたかったのか、やめなければならぬ事情はどこに追い込まれてやめなければならなかったのかくらいのことは、これだけの新聞で、これだけのことを書くあなたが、それを推察なさらぬでお知りにならぬ。それはわからぬと言われるのは私はおかしいと思うのですね。そうでしょう。私が、いまあなたと藤井さんとの長い間の深い交際が、そこで争わなければならぬということも、藤井さんがあなたを利用したのか、興奮の余りにあなたにぶちまけたが、あといろんな関係で、これから社会に立っていかれる上において、何か考えられて、利益のことを考えられてあなたを捨てられたのか、あなたが全部うそを言っておられるのか、それは私も、ここにおける委員の方も、それを聞いてやはり私は何かこれは倉地君の言うことはほんとうだ、あるいは藤井さんの変化がどこから出たんだというようなくらいのことは、私でもここでお話を承りながらわかるわけです。そのあなたが、いや藤井君はどうしてやめたのか、もう一期やりたかったのか、やめなければならぬところにだれに追い込まれたのか、どうしたのかくらいのことは、あなたは想像はしていらっしゃる、私はそのあなたの御想像でいいが、伺いたい。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 先ほども申し上げましたように、藤井さんは要するにそういう政治的圧力だとか、いろいろな感じでそういうものに巻き込まれてはいかぬという気持ちでやめられたという話ですから、結局そういうものがなければやはり留任していかれる気持ちが前にはあったということは私は推察できるのではないかと思います。そういう私自身の考え方です。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 あなたの前で申し上げては何だけれども、藤井さんもなかなか海千山千の方で、そんなぐらいの政治の圧力や、五億持って誘惑に来たぐらいのことや、そんなことで進退を自由にされる方ではございませんよ。岸についていいときは岸についておられるし、佐藤についていいときは佐藤についておられるし、池田でいいときには池田のところにちゃんと献金を持っていかれる。それは私が言わぬでもあなたはよく知っておられるでしょう。その方が、突如として、やりたいやりたいと言っていた電発を、われわれもこの次もやられると信じていたのが、やめられるのには、こういう事情で、もっと重大なことで、政治的に何派から追い込まれたとか、何派からこういうふうにあれされたとか、自分でおれないように持ち込まれたとかいうことがなければ、なかなか藤井さんも、辞表出しておれは電発総裁やめるということをおっしゃる方ではありませんよ。私も長い間の交際で知っておりますが、それについて私はあなたの考え方でいいのです。ただ、あなたがくるっとそこでぼかされるとちょっと、あなたのすべてのことを信じがたくなる。あなたはわかっているでしょう。藤井氏はこれでやめたな、これで追い込まれたな、ここでやめなければならなかったな、これに藤井はだまされたな。聞くところによれば、池田、佐藤の争いには、相当金をつくって持っていかれたそうだが、池田氏はありがとうといっておったから首切らぬと思っていたが、首切られた、こういう話もある。その他いろいろな話もある。これは私は言わぬでもいいが、あなたはこれだけのものをお書きになっているし、古い交際で、そうして藤井氏がただ政治力の圧力に押されるのがいやだといえば、電発に入った当時から政治の圧力はある、小坂さんの下で副総裁しているときから政治の圧力がかかっております。またいろいろうわさにものぼった方です。そんなことでやめられる方ではありませんよ。それを飛び越えていかれる方です。それはあなたもよく御存じなんだ。そこであなたは藤井氏がどうしてやめたか、これについてあなたのお考えはどうか、これ一点だけ伺ってやめたいと思います。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 それは藤井さんから聞いただけのことしか私は申し上げられません。私の想像には幾通りもあるのです。こういう場合もあったのではないか、こういう場合もあったのではないかという想像はありますけれども、想像だけで申し上げることは、私はここでは遠慮させていただきたいと思います。これは証人台に立っての話ですから、想像ではちょっと私は申しかねるわけですけれどもね。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 それを証言としてとるのではないのです。あなたは藤井さんの言われたことはさっきおっしゃった。ところが、あんたがやはり藤井さんとそこで争わなければならぬという原因にもいろいろありますが、あなたの想像でけっこうです。私は想像でいいと言っているし、速記録にもそう書いてある。あなたの想像は、藤井氏がやめた原因はどんなぐあいに想像したか。二つぐらいあるでしょう。それをあなたに聞かないと、これは結末がつかない。ただ藤井さんが政治的な圧迫、鹿島から数億の誘惑があったから、おれは振り切って、いやだからやめた、そんなことでやめませんよ。あなたは藤井さんが小坂氏と争ってから次の総裁になられるまでの藤井さんのとった行動、経路、なられてからの仕事、すべてあなたは知っているじゃないですか、どうです。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 田中先生、買いかぶっていらっしゃると思うのです、われわれを。案外新聞記者というものは、表面ばかり見るものなんですよ。案外そう裏のほうを憶測して見ないのですよ。ことにわれわれみたいな新聞記者生活をした連中は、自分から言っちゃ変ですが、朝日みたいなところにおった連中は、案外お坊っちゃんで、くぐったものの見方というのはしないのですよ。だから、いろいろくぐったことをおっしゃるけれども、私は藤井さんとつき合っているからよく知っているけれども、表面を見ておって、裏のほうは案外見てないという感じが私は最近ことにしているのです。それだけ申し上げて、こういうこともあったろう、ああいうこともあったろうということは、ちょっと私が申し上げることはどうか、こう思うのですが……。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 私はあなたが朝日におられたから、そういうことを言うのですがね。私はまた新聞記者諸君に対する見方、考え方を変えている。その裏を探って表と合わせることのじょうずな人が、新聞記者の優秀な者だ。たとえば私が、君、あしたどこへ旅行するのだ、まあ旅行はするかしないかわからぬけれども、ちょっと埼玉県のほうに用事があったのだがなと、こう言ったとき、あなたはすぐに、田中彰治が何時ごろの汽車で埼玉県に出張する、これは何であるといって、あなたが想像された記事をお書きになって、それがぴしゃっと当たるところに新聞記者のあれがある。たとえば、君、あした決算委員会で何をやるのだ、まあ九頭竜ダムさ、どこまでやるのだ、いや、どこまでやるなどと言いませんよ、まあ徹底的にやらなければいかぬなと言うと、それに尾をつけてさあっと書いて、私らの考えているところをぴしゃっと当てるのが新聞記者なんです。そういう私の考えから見ると、私は、新聞記者としてはあなたを相当信頼申し上げておる。いまあなたは、おれは藤井さんの表だけ知っていて、裏のほうはちっともわからぬとおっしゃるのですけれども、いろいろ、あなたの「河野に挑戦 一年半」なんというのを見ても、なかなかいいところをついておられるけれども、あれだけあなたがつかれるのなら、たとえ藤井さんがうまいことを言っても、やつうまいことを言っているけれども、やめたのはたいていこれだろうといって、想像じゃなくて、あなたが言われたことに、ぴしゃっと藤井さんの気持ち——あいつちゃんと知っているな、おれの腹の中まで知っているといわれるような名答がそこから出なければならぬはずですが、あなたがそれ以上言わないとおっしゃるならばしかたがありません。私はほかの方のあれもありますから、これでやめます。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 関連して。ただいまの田中委員の質問に対して、藤井さんが変わったと思われる点を倉地証人に伺いたいと思うのです。どうも、これも想像される筋ではないのかと私は思うのですが、それは、歴代の電源開発総裁の退職金を調べてみますると、高碕さんが五百万円、小坂さんが三百八十八万八千円、内海さんが五百万円、年限は長かったですが、藤井さんの場合は、旧来の主人の退職金とはまるで違って、三千七百万円の手当をもらっておるわけです。こういう点で、たぶん大きな会社ですから、退職金の率はあるにいたしましても、そういうところの行賞なども勘案されるのじゃないかというしろうと判断を私たちはするわけです。そういうことについては、全然御判断をなさることはありませんか。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 それは初めて私はそういう数字を耳にしましたけれども、とにかくいま朝日新聞の重役を二年やると——任期が二年ですが、二千万円朝日新聞では退職金を出すのです。いまの物価の考え方からすれば、その数字はあまり高いという感じはしないのですが、しかし率直に私が、こういう想像は非常に失礼な想像ですが、何か退職金でもたくさんやられておるのじゃないかとか、あるいは何かおやめになるときは、役人というのはやめるときにたくさんせんべつが出るそうですから、そういうことでもあるのじゃないかぐらいなことば、これは私の口から言わせられなくても、ひとつ皆さんのほうでその点は御研究願って、そうして、私がそうやって藤井さんを責めるということは、私としては、初めに申し上げたように全くつらいです。それはひとつ御了承願いたいと思います。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 しろうとのわれわれが判断いたしまして、前の公益事業局長であるとか、あるいはその他の通産省の役人が、後任の総裁に最後の決定はさすべきではないかと言われたときに、藤井総裁が急いで、おやめになるまぎわに決定をした。私、こういういきさつについては、どうも、何でそう急がなければならなかったのかという理由がわからぬわけです。何かこれについて、倉地証人おわかりになりましたら……。早くきめなければならなかったという理由をひとつ……。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 入札決定の方法ですか。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 いや、そうじゃなくて、早く決定をしなければならなかった当時の状態ですね。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 それは藤井さんの口から聞きました。公益事業局長ないし事務次官あるいは副総裁も、あなたの任期中にきめていく必要はないじゃないかということに対して、がんとして反駁された話は藤井さんの口から聞きましたが、藤井さんは、それはもう早くやらなければいけない、しかも冬が近づいてくるから、冬が来る前に着工しなければいけないから、ことに新しい総裁では事情がわからぬ——この間この委員会でも、あまりおわかりにならなかったようなお答えが多かったですが、あれは全くのしろうとがいきなり来てもわからない、だから自分のおるうちに、まあうわさもされておるから、最もそういうすきのないような行き方でやらなければならぬ、こういうことを言っておりました。  それで、質問がないですが、もう一つ、私、ここでつけ加えさしていただきたいのは、二度目に先生の事務所で会ったときに、実は私が憤然としたときに、藤井さんが黙っておられまして、しばらくして、実は最近おれのところへ、いまの入札を開封するのと、それから会社のいろんな予定額を、いろんな部分的に予定しておるのを、一つにして計算するのとは、同じ日にぴしゃっとやるように自分としてはやっておる、そういう方法をやるように私は例をつくってきておるのに、今度の場合は、何か一日か二日か知らぬが、だれかのところにしばらく持っておったということを私のところへ聞きに来たのがある、それに対しても、自分は、会社へ行ってそれは聞きなさいという答えをしたのだが、そういうことを君、耳にしておるかという話を聞きました。これは私としては非常に重大なポイントだと考えまして、私は新聞記事にも書きましたが、それでさらに藤井さんに、私は、それはだれか聞きたいと思いまして、それはたれですかと言って聞いたところが、藤井さんはそれは口ごもっておりましたけれども、君と同じような商売の人だ、こういう話でした。ではジャーナリストですか、こう言いますと、そうだということで、それを私は確認をして帰りました。それはその会見のときの最後の話です。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 ただいまの倉地証人の御発言を、藤井さんお聞きになったと思うのでございますが、いまの倉地証人の御発言に対しまして、藤井さんのお考えになっていることをお述べ願いたいと思います。

藤井崇治前電源開発株式会社総裁

○藤井証人 いまのというと、最後の一点でございましょうか。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 いや、最後の点ばかりじゃなしに——倉地さんに伺うと言っていますから、いまのはちょっと取り消しましょう。  それではもう一つ、倉地さんに伺います。倉地さんがお出しになっております新聞を読ましていただきますと、何となしに、この工事は鹿島にしなくちゃならぬような印象を持った発言を、藤井さんがしておるような印象を持つ文章があるわけです。それは、池田元総理の政治上における穴をあけている部分を埋めなければならないということのために、このことの結論を出さなければならない、こういう記事の書き方のところがあるわけですが、これについて何か心当たりがありましたらば、この際御発言願いたいと思います、倉地さん。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 具体的な心当たりは私はありません。ただ私は、あの佐藤さんと争われた総裁選挙というものは、相当に金が流れたということはもう新聞紙上でも明らかになって、相当書いております。したがいまして、そこへもってきて、藤井さんからそういうことばが出たものですから、それで私も、これはやはり総裁選挙に使われた金は相当の額のようですから、それを埋めるためには、一口ばかりじゃなくて、あっちこっちそういうふうにして、そのたくさんの中の一つとして、九頭竜川が利用されたのか、利用されようとしているという感じを強く感じました。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 さらに、一日持っていたというこの書類について、もう一人のジャーナリストというのは、おわかりになっていたら、この際名前を明らかにしてもらいたいと思います。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 何ですか。

山田長司日本社会党

○山田(長)委員 もう一人のジャーナリストと藤井さんが言われたという、そのジャーナリストはだれですか。わかっていたら明らかにしていただきたい。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 それは、私はそれが即ジャーナリストであるかどうかということも信じておりませんし、同時に、それは藤井さんがそのときの口ぶりから見て、ほんとうにそれがジャーナリストであったのかあるいは他の人であったのか、そのことは疑問であって、ましてやその人はどういう新聞社かということは、私は知りません。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 関連。倉地さんにお尋ねしますが、倉地さんの出しておる「マスコミ」、これは五十七号ですか、この中に、藤井前総裁がだいぶ態度が変わったということを書いたあとで、「これは君、池田首相の党総裁選挙の運動費で大アナがあいたから、このダム請負による政治献金でそのアナを埋めようとしているんだ」と、貴下は話されたではありませんか。」こういう書き方をし、さらに続いて、「そこでは貴下から聞いたなぞと書かないし、「池田首相の党総裁選挙費云々」の言葉も、人の名誉に関する問題と考えて書かなかったのです。」こういうぐあいに書いてあるわけですが、そこでお尋ねしたいのは、新聞には書かなかったけれども、ここで本日証人として、知っていることはすべて言う、こういう宣誓のもとに証人になられておるので、藤井さんから、どういう池田首相との関係を話されたのか、この点をひとつ隠すところなく明らかにお述べをいただきたいと思います。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 それはちょっと私の文章がまずいのか、そこのお感じが違うと思うのです。ということは、そこで私が書いておるのは、最初に十月の十日に藤井さんに会ったときに、藤井さんに聞いたときに、そういう、当時の池田総理のいまの問題とか、いろいろな問題を聞きました。それからまた、藤井さんからいろいろ聞いたニュースでもって、あの紙面は全部できております。できていますが、私は藤井さんの立場というものを考えたがために、この紙面では——最初の十月の紙面ですよ、十月の十日付の紙面では、藤井さんから聞いたと、藤井さんに触れるような書き方は一つもしなかったじゃないかということを言い、さらに、総理の云々という問題は、重大な問題ですから、それを聞いても、それはメモをとっただけで、私はその問題は聞き捨てにしたわけです。しかし、事ここに至りますと、ことにそれはこの間の決算委員会後につくった新聞ですから、これはここまでくれば、私としても洗いざらい全部出さなければならぬという気持ちで、そこへそれだけ書いたのです。それだけが全貌なんです。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 それだけが全貌というけれども、池田首相の党総裁選挙費云々——云々ということが全貌だとは私は思いません、云々というのが全貌だとは思わない。さらに、「「これは君、池田首相の党総裁選挙の運動費で大アナがあいたから、このダム請負による政治献金でそのアナを埋めようとしているんだ」と、貴下は話されたではありませんか。」こう書いてあるけれども、ほんとうに四谷で会ったときに、藤井前総裁から、——時の総裁ですか、そういうことを聞かれておるのかどうか。聞かれておるならば、云々などという全貌はないので、云々の内容を、知っているものはすべて言うという宣誓のもとに証人になっているのですから、これを明らかにしてもらいたい。これが私の質問です。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 それは感じがおかしいと思うのですが、話は長い話ですからね。云々ということは、それはもうあとではっきりしているでしょう。私の書いているように、穴埋めに使われたと書かないで、切ってもう一ぺん書いていますね、その記事は。そのとおりです。穴埋めに使われたというふうに、私は——そこに書きましたとおりです。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 いま一つ、それでは集約して聞きますが、あなたは藤井総裁から、池田首相の総裁選挙の運動費の大穴があいたので、穴埋めのためにこれをやるのだと池田が言っておると藤井総裁から聞いたと、こうおっしゃるのですね。それをはっきりしてください。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 池田さんが言ったというふうに聞いてはおりません。池田さんが言ったというふうに聞いておりませんが、要するに、何といいますか、総裁選挙で穴があいた、あいたから、その穴を埋めるために、この九頭竜に圧力をかけてきたのだということの話をされたわけです。

栗原俊夫日本社会党

○栗原委員 藤井さんからされた……。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 そうです、そのとおりです。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そこで倉地さん、あなたはそれまでおっしゃってくれれば概略わかるのだが、この前あなたからこういうことを私はちょっと聞いたのです。あの山梨の温泉場に行きまして、目途額の総額——目途額というのは最高額ですね。四十五億九千万のいろいろの請負のこういうものを封印して、そして東京に持ってきたわけです。それを一日か二日、さっきあなたはちょっと言われたが、一日か二日総裁が——総裁か副総裁、ここの間で持っておった、金庫の中に入れてないのだ、一日であるが持っておったというふうにちょっと話されたようにいま聞いたのですが、さっきもちょっと言われたが、それはだれからお聞きになったのですか。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 それは、いま申し上げたように、そういう事柄を、ある人が藤井さんのところに聞きに来た。聞きに来て、君はそれを知っているかということを聞いたんです。その人にも、藤井さん、聞くなというわけです。それはすべていまの幹部のところに行って調べてくれ、聞いてくれという話を、そこへひょこっと持ち出された。それは、いまちょっと訂正しておきますが、私は、新聞には一日と書きました。藤井さんの話では、一日、二日ということじゃなくて、かなり、一日か二日か数日かわからぬがという話でした。ところが私は最少の日にちをとって、新聞には遠慮して一日と書いたというのが事実でございます。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そうしますと、それが藤井さんのところに来て、とにかく藤井君、君も電発におったんだが、山梨で封印した一番大事なものを、金庫に入れないで、一日か二日、総裁が——私、総裁と聞いておりますが、持っておった。それを君知っているかと言って、藤井さんに聞いたわけでしょう。そして藤井さんは、それはおれに聞くな、電発に行って聞けと言った、こういうことなんですか。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 そうじゃないんです。そうじゃなくて そういうことを聞きに来たのがおる。私に、君は耳にしてないかという話がちょっとありまして、それから、その人にも、いや、現役の人に、いまの幹部に行って聞いてくれ、とにかく君、向こうへ行って聞いてくれということだった。それで私は、それはだれですかということを聞いたところが、少し口ごもっておられて、そして、それは君と同じ商売の人だ、一緒だというお答えでした。それだけです。それ以上何もありません。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 そこで、簡単でいいですから、お前と同じ商売の人だといわれたときに、それはマスコミ関係の人であるとあなたは思ったか。さきに言われたように、それはマスコミ関係のものじゃない。電発の関係の人とか、あるいはどういうところの人と思われたか、それが一点。  それから、藤井さんのそのことをお聞きになって、それはでたらめだと思われましたか。そういうことがあったんだなというふうにあなたは感じられましたか。その話の感じと、それからマスコミであったと信じられたか、あるいは電発の幹部と信じられたか。あるいは警察の人と信じられたか、だれと信じられたか、それをちょっと最後にお聞きしたい。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 これは、私は新聞記者でないだろうという気がしました。というのは、大体藤井さんのところに寄りつくような新聞社の連中に聞いてみました。君らそういうことを知っているか——みなそういうことを知ってないわけです。だから、私は新聞記者ではないと思いますが、それはわかりません。それは藤井さんだけですからね。ほかの連中にしても、電発の人はそんなこと聞きに来るはずはないでしょうし、あるいはここにおられる決算委員会の方かしりませんが、だれが聞きに行かれたか、私はちょっと想像がつかぬです。

田中彰治自由民主党

○田中(彰)委員 あなた急所を逃がしてはいけない、藤井さんの言われたことがでたらめと思ったのか。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 でたらめではない、真実そういうことがあったということです。

堀川恭平自由民主党

○堀川委員長 勝澤君。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 倉地証人にお尋ねしたいのですが、この五社の名前というのは、藤井総裁からお聞きになったわけですね。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 そうです。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 それで、こういうお話を先ほどされておりましたが、鹿島建設から、在職中に、藤井総裁について何億という数字を示して誘惑があった、それを藤井総裁ははねのけた、こういう話を聞いたと言われたように聞いておりますが、そうですか。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 先ほどもお話がありまして、それははっきりと聞いたということをお答えしております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そこで、誘惑のあった鹿島建設を、この五社の中になぜ入れたか。鹿島組は五社の中に入っているわけですね。それは誘惑があってから入れたと思いますか、あるいは誘惑がない前から五社というものは考えられておったのですか。その辺はどういうふうに受け取りましたか。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 それは私は知りません。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そこで、誘惑があったという鹿島建設を、この五社の業者の中に入れたということに、御不審を持たれなかったでしょうか。

倉地武雄言論時代社主幹

○倉地証人 もっともな御質問で、先ほどもお答え申しましたように、そこは私の突っ込みが足らなかったということです。

堀川恭平自由民主党

○堀川委員長 ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕

堀川恭平自由民主党

○堀川委員長 速記を始めてください。  この際暫時休憩いたします。    午後二時二十分休憩      ————◇—————    午後二時三十六分開議

堀川恭平自由民主党

○堀川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、理事会の申し合わせにより、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  すなわち、国が資本金の二分の一以上を出資している法人の会計に関する件中、電源開発株式会社関係調査のため、本委員会に参考人として関係者の出頭を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堀川恭平自由民主党

○堀川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  なお、参考人の出頭日時及び人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堀川恭平自由民主党

○堀川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時三十七分散会

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