決算委員会 第4号
- 発言数
- 188 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1965/02/15
会議録
○堀川委員長 これより会議を開きます。 国が直接または間接に補助金、奨励金、助成金等を交付しているものの会計に関する件について調査を行ないます。 本日は、本件調査のため、関係当局のほかに、日本赤十字社より社長川西實三君、副社長田辺繁雄君、中央血液センター副所長徳永栄一君、以上三名の方に参考人として御出席を願っております。 参考人各位に申し上げます。発言をなされる場合には、委員長の許可を得て行なっていただきますようお願いいたします。 次に委員各位に申し上げます。参考人よりの意見聴取は委員の質疑により行ないたいと存じますので、そのように御了承願います。 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを順次許します。壽原正一君。
○壽原委員 今回新たに就任されました川西社長さんは、たいへん御苦労さまでございます。きょうは、川西さんにはおととい就任になったばかりでございますので、何も事情はおわかりにならぬだろうと思いますので、お答えは副社長さんあるいは徳永さん、これらの方にお答えを願えればまことにけっこうでございます。 まず最初にお尋ねいたしますが、日本赤十字社が過去数回の戦争によって国際赤十字条約等に基づいて、人道的な業務を続けられてきたことは、これは皆さん御承知のとおりでございます。また昭和二十七年の八月より旧法人との関係を清算して、新たな特殊法人として現在の日本赤十字社が設置されておることも皆さん御承知のとおりでございます。この日本赤十字社が現在いかなる精神、目的によって、またどのような組織と人員によって国際的あるいは国内的業務を行なっているかについて、その業務内容を簡単でよろしゅうございます、お述べいただきたいと思います。
○田辺参考人 簡単に赤十字社の現在行なっております事業の概要を御説明申し上げます。 赤十字は、赤十字社法の定めるところによって、また定款の定めるところにより、この組織が定められております。それによりますと、社長一人、副社長は二名以内、理事六十一名以内、監事三名以内、代議員二百二十一名によって構成されております。事務組織といたしましては、東京に本社がございまして、各都道府県に支部がございます。それぞれ専任職員を持っております。本社と支部関係におきまして、職員は約一千名でございます。そのほかに、病院が九十四カ所ございますが、そのほかに血液センターを含めまして、職員の数は約一万九千名でございます。約二万名の職員をもちまして仕事を実施いたしております。その実施いたします仕事は、災害時における救護活動、海外におきます非常災害等の場合における救援活動、それから御承知のとおりの北鮮に帰還する人たちの援護事業、それからソ連、中共等に残留しておった方々の安否調査、こういうことを中心に仕事を実施いたしております。国内におきましては、病院運営業務のほかに、三十三カ所の看護婦養成施設を設けて、看護婦を養成いたしております。そのほかに青少年赤十字活動、奉仕団活動、これはボランティアの活動として行なっております。そのほか保健衛生活動といたしましては、民間診療であるとか、あるいは災害時における医療班の活躍、あるいは東南アジア地域におきます医療の恵まれない地域に対する医療班の派遣、そういうこともしております。そのほか家庭看護の講習であるとかあるいは水上安全法等の講習であるとか、あるいはけがをした場合の救急手当の方法など、こういったことを三つの大きな方針として実施いたしておるわけであります。 簡単でございますが、以上であります。
○壽原委員 まことに社会的な業務を行なっておって、日本赤十字社としては国民の信頼を非常に得て、そして現在は献血をなさる方も逐次上昇しておる。こういう際にまことに遺憾な不祥事ではございますが、二人の職員が相共謀して五百数十万にのぼる金額を使い込んだ。あるいは新聞紙上によりますと一千万ともいわれ、また千二百万ともいわれ、いずれの金額かはっきりわかりませんけれども、現在司直の手にかかってこれが取り調べられておるということは、私らはまことに遺憾千万に存ずるわけでございます。そこで、この件について管理監督の立場にあるあなたは、いつこの事件の内容を知ったか、また業務に関して監査責任を有する厚生省に対してはいつごろこの事実を報告したか、この点を明らかにしておいてもらいたい。
○田辺参考人 私この事件の発生を知りましたのは昨年の八月十五日であります。ちょうど靖国神社におきまして全国戦没者の慰霊祭が行なわれようとしておりました。その慰霊祭に私も参列いたすべく準備しておりましたときに、当時の大島衛生部長、それから血液センター所長の村上さん、二人からこの事件の概要を伺ったのでございます。その際私指示いたしましたことは、お尋ねがございませんでしたけれども、御参考までに申し上げますが、事件の全貌を、ことに被害額をすみやかに正確に把握するために調査を続けてほしいというのが第一点。第二点には、金額は未確定であるが、相当多額の預金の使い込みがあったようだが、もし本人等においてその金を持っておるようなことがあるかもしれないので、すみやかにその金を回収するように強力なる措置を講じてほしいということを指示いたしたわけであります。 厚生省に対して正式に報告した日でございますが、これは年を明けましてからの一月六日であったと思います。さらに文書によりまして、社長から正式には一月十九日に厚生大臣に御報告をいたしたわけであります。
○壽原委員 八月十五日に発見して、一月六日に報告した。その間一体どういう状態であったか、これは後ほど御説明願いますけれども、あなたのほうの事務組織の問題ですが、聞くところによると、この井上という者は、業務を二つ持っておったそうです。一つの部門でない、二つ持っておったそうです。それから野中というのも二つ持っておったそうですね。どういうことで同一人が二つ以上の仕事を兼務しなければならないか。その点も明らかにしてもらわなければいかぬ。こういう機構の問題について、あなたは一体どうお考えになるか。八月の十五日に発見されたものが一月の六日にならなければ報告できないという理由、この問題についてお答えを願いたいと思います。
○田辺参考人 八月の十五日に事件の発生を知りまして、先ほど申し上げましたような指示をいたしたのでございますが、その後、血液銀行当局におきまして被害の実態を調査しましたが、なかなかはっきりしない点がございますので、本社において直接これは取り調べる必要があるということで、監査室長はじめ、ほか七名の職員で監査班を編成いたしまして実態の調査をいたしたわけでございます。これが始まりましたのは九月の九日から、二十四日までの間この調査をいたしたのでございます。その結果、血液銀行当局におきまして預金から引き出して使った金額の中で、五百二十七万五千円の使途不明の金額があることがわかったわけでございます。しこうして、当人たちは、それぞれ血液銀行当局及び本社の監査班の調査の際に不正の事実があるのを追及しましたところ、それぞれ金額については全面的に承認しました。そして一部についてすでに自白をし、また総額百五十五万円を野中側と井上側とを通じて賠償したという事実もございますので、これは事実きわめて明白でありますので、九月三十日付をもちまして懲戒処分に付したわけでございます。その際、この事件をこのままにするか、あるいは至急に司直の手によって指弾の手続をとるべきか、これは赤十字といたしましても慎重に検討したのであります。できたことはしようがないので、この際すみやかに司直の手に渡して、法のさばきを受けるようにすることが、今後の禍根を断つ上においてきわめて必要であろう、こういう考えを持って、いずれこれは告発をしなければならぬと覚悟しておったのでございますが、被害額がはたしてこれだけであるかどうか。血液銀行に入金して、預金してあるものをおろして起こった被害がこれだけであります。もっともその後の調査によって、この被害額は若干減っております。五百二十七万五千円のうちで百十四万五千円は正当に支出せられたことが判明いたしましたので、差し引き四百十三万円の被害になるのでありますが、そのほかにも被害があるのではないか。この二人は集金の事務を扱っております。したがって、この血液銀行の帳簿の上におきましては未収金という形になっておりましても、現実にはすでに行って集金しておった。それを赤十字の血液銀行のほうに集金したということを報告していないということも考えられますので、こういうことは至急調査をする必要がある。しかし、その数が数十にのぼっておることでもございますし、過去のことでもございますので相当手間がとれるわけでございます。全貌を明らかにした上で告発する。また、当然損害賠償の請求を法によってする必要もございます。そういう関係で、でき得る限り赤十字内部で調査をいたしまして、全貌をある程度正確に把握した上に告発及び訴訟上の手続をとることが至急であると考えて、調査を進めておったわけでございます。それからもう一つは、八月十五日と申しますと、ちょうど血液問題に関して世論が非常にやかましくなっており、政府におきましても予備費をもってこの献血事業推進のための措置を講じようとしておったときでございますので、これは八月二十日に閣議決定をなされたのでございますが、献血機運を大いに盛り上げてやろうとしておる際に、こういった不祥事件が大きく新聞紙等によって報道されることは時期としていかがなものであろう。厚生省に正式に御報告申し上げれば、厚生省としても当然司直の手によって指弾するという措置に出ざるを得なくなるのでありましょうし、そうしたことが時期としていかがであろうか。血液事業全体の推進に悪影響を及ぼすことも顧慮いたしまして、いずれこれはそういった措置をとらなければならぬけれども、タイミングの問題として若干慎重に考慮する必要があろうという意見も内部にございましたので、十分熟慮いたしました結果、厚生省に対する正式な報告は先ほど申し上げたように、ことしになってから文書によって一月十九日に報告いたしたのであります。
○壽原委員 いま御説明を聞いておると、献血の問題が盛り上がっておる、その影響をおそれてこれをおくらしたということは、まことに私は遺憾だと思う。ということは、献血をするために献血に行く人方は電車賃を使って、半日または一日くらいの日数をむだにして、何とか世間のそういう不幸な人に私の血を上げてくださいという、そういうとうといつもりで行くのです。こういう問題が起こったならば、そういう運動を続けておる最中だから影響をおそれるというような不心得な考えであっては私は相ならぬと思う。さっそくにでも当局の手に渡して、これを国民の前にいち早く明らかにするのが当然の措置だろうと私は考えます。あなたのことばを聞いておるというと、その間国民をだまして献血を受けて、それがわからなければこのままで済まそうというような安易な考えのように聞こえるが、最高の責任者であるあなたの考え方は、われわれから見るというとまことに遺憾千万だと思う。 そこで、あなたのほうの経理状態を見るというと、私の調べたところによりますと、三十七年度から四十年までの間に一体何回監査報告をし、また日赤本社から行って監査をしておるか、厚生省のほうにはどういうような報告をしておるかということを調べてみたところが、三十七年度からただの一ぺんも行なっておらぬということを私は聞いておるのですが、その点はいかがですか。
○田辺参考人 中央血銀に関する限りまことに監査の不十分であったことは認めざるを得ないわけでございます。実はこの不正事件が起こります直前でございましたが、四月六日から数日間にわたりまして、本社の医務課長と補佐員二名が参りまして指導、監査に当たったのであります。その前にも、三十八年にも本社から監査員を派遣いたしまして監査をいたしまして、所要の指示をいたしたのでございます。その際私ども経理上の不正を発見することができなかったことは、監査の目が十分届かなかったわけでございまして、私どもまことに申しわけなく存ずるのでございますが、実は第二回目の調査をいたしましたときは、昨年の四月の六日から調査を始めたわけでございますが、どうも仕事のやり方がふに落ちないということで、先ほどお話がございましたが、今回事件を起こしました二人のポストというものについていろいろ疑問がありまするので、事務分担を変更する必要があるということで人事異動を行なおうという相談が——相談といいますか、打ち合わせができまして、そして翌月の五月の初めだったと思いますが、血液当局におきまして人事異動の案を決定しまして本部に申請をしてまいったのでございます。その申請を受けまして発令をいたしたのが六月でございます。その発令をいたしました際に、これは井上という者が事務部長の心得をいたしておりました。これが経理におきまして十分でないので、これを経理をはずしまして血液の第一業務課長というのを命ぜられておりまして、あわせて事務部長の心得を命ぜられておったのでございますが、この兼務をはずしまして、それから野中というのがこの経理のほうの係と血液の需給の関係の仕事と両方兼務をいたしておりましたのを、経理のほう、会計のほうをはずしまして、需給係一本にした。その際に、事務の引き継ぎを渋る傾向が見えた。それが今回の事件発覚の端緒になったわけでございますが、お尋ねの、監査は何回実施をしたかということでございますが、三十八年と三十九年、二回にわたって監査はいたしたのでございます。監査のやり方が不徹底でありまするために、こういった事件の発生した事実を的確に指摘することができなかったことは、まことに残念に思い、また申しわけなく存じておる次第でございます。
○壽原委員 この日赤の組織、あるいは日赤で行なっておる業務、これは全国民がひとしく御信頼を申し上げ、そしてあなた方にとうとい献血をしてきたということは、これは頭には総裁に宮さま御一家をいただいておる。また前社長の島津さんもごりっぱな方であり、事業も名前も、何というても信頼に足るということで、国民の皆さんがわざわざ献血に行っておったという、とうとい精神を踏みにじったこの二人に対しまして、いままであなた方のとっておった態度は、まことに怠慢そのものであったと言わなければならない、こう私はきめつけたい。そうして、今回あらわれてきた金額が五百二十七万五千円という金額ではあるが、この預金に問題があったのではないかと私は思う。預金の名前が井上個人の名義によって銀行に振り込まれておったという事実があるようだが、この点はどうですか。
○田辺参考人 御指摘のとおりでございます。第一銀行の麻布支店と三和銀行の渋谷支店に普通預金として預け入れをいたしておった。これは井上の名義になっております。これは赤十字の規則におきましては、資産の管理は血液銀行の所長の責任において保管しなければならないことになっております。したがって、これは銀行の預金名義は、当然血液銀行の所長の名前で預け入れしなければならぬことに規則上なっております。その規定を守らないで、井上個人の名前にしておいたということが、かってな操作をする端緒になったと思うのでございます。こういった事実を、監査した際に発見できなかったことはまことに申しわけない次第でございまして、ここに一つの事務の的確、正確を欠いておったことが、今回の事件を起こすに至った原因であると思われるわけでございます。 先ほど申し上げましたような、人事上の配置、この二人はまことに赤十字の人間として許すべからざる行為をしたわけでございます。かような人間をそれぞれ責任のある地位につけておったということも、人事上の手落ちとしてまことに恐縮ではございますが、同時に長い間大ぜいの人が関係するわけでございますので、仕事の仕組みにおきましても、経理をきわめて明確にいたしまして、その後いろいろの方途を講じて、中には悪い者もおりますし、あるいは善人であってもときには魔がさすということもございますので、仕事の仕組みの上において、ことに会計経理の面におきまして不正なことができないように、あってもすぐ発覚することができるような仕組みのはずでございます。その点規則にきめられておったことを守らなかったということが、その原因であると思うのでございます。 なお、お尋ねがございませんでしたが、いま警察当局におきまして未収金の状態を調べておりますが、これも現金集金になっておったということが、かような金を使い込むという原因であったと思いますので、さっそくそれを改めまして、すべて銀行振り込みあるいは郵便貯金振り込みの方法によってその集金を直ちに改正をいたした次第でございます。御指摘のとおり、銀行預金名義が、所長の名義であるはずのものを井上の名義になっておったということが、預金をかってに使ったということの一つの原因であると思います。
○壽原委員 どういうことでそういうふうになったかわからぬが、井上なる者をそういう重要ポストに長い間置いたということが問題である。しかしあなたのほうで中央血液銀行の事務局長が退職したことがありますね。その人員の補充はしておりますか。やめたのはいつか、また補充しておったならば、それはいつの時期かということをお尋ねしたい。
○田辺参考人 実は三十八年の四月付で前の事務部長杉山という方が退任をされたのであります。その際に、後任の補充につきまして、当事者側の意見と血液銀行の社長の意見と若干食い違いがございまして、本社といたしましては責任者をぜひこの機会に推薦をして、陣容をいろいろそのつど考えて推薦したのでございますが、他との振り合いのあるということは事実でございますが、その方を直ちに血液銀行において事務部長に受け入れるということを渋ったのであります。そこでとりあえず、当時まだそういった悪いことをする男ということは気がつきませんで、なかなか気のきいた男で、事務も達者だということでございますので、とりあえずということで井上という課長を事務部長の心得にいたしたわけでございます。私どものほうといたしましては、さっそく責任者を強く追及したのでございますが、そのうち所長と事務部長心得との間で二人あればやれるんだということで、なかなかこちら側の言うことを受け入れようとしなかったわけでございます。この辺あたりにも実は問題があるのでありますが、所長の人事上の配置が適切でなかったことと同時に、当事者側のそれに対する指導も必ずしも万全でなかった、もっと強力に、いまから考えますと、後任者を推薦してやるべきであったと思うのでございますが、実はその辺あたりにもさかのぼれば一つの手落ちがあったように反省いたしておる次第であります。
○壽原委員 いま聞いておると、井上なる者は、小才がきいてよく仕事をするから——大体人間というものは小才のきくやつらが悪いことをするのが一番細工するんだ。あなたは長い間役人をしておったそうだが、あなたが役人時代も小才のきくようなやつは大体悪いことをするにきまっておる。これからはよく気をつけてください。 そこで、厚生省にちょっとお伺いしたいのですが、事務局長が退職したときに、その人事問題については、厚生省から何ら勧告をしなかったのですか。
○熊崎政府委員 日本赤十字社の血液銀行の人事関係につきましては、事前に、私どものほうにこういうふうなことがあるということで連絡を受けた上でやるというふうなことは、慣例上やっておりませんし、私どもも日赤自体の内部の人事上の自由ということで、これに干渉がましいことは申し上げておりませんので、やめたこと、それから後任等につきましても、私どもはまだ承知しておらなかったのが実情でございます。
○壽原委員 ちょっと薬務局長おかしいね。あなたの監督下にあるでしょう。私の聞いた範囲では、厚生省では、監督の必要から後任の補充を勧告したというふうに聞いておるが、あなたはそういうことを聞いておりませんか。またそういうことをなすべきじゃないですか。
○熊崎政府委員 実は当時の事情は承知いたしております。私どもの担当課長、細菌製剤課長が出席しておりますが、私、実はそのころ局長に在任をいたしておりませんので、つぶさに事情は承知いたしておりませんけれども、いま先生御指摘されまして、当時の事情を担当課長から聞きましたことを思い出しましたが、やはり責任ある事務部長は置いたほうがいいだろうということは、こちらのほうから申し上げたことがあるやに聞いておりました。これは事後でございます。しかし待遇その他、あるいは血液センターの所長の御意見等いろいろございまして、一応向こうにどうだというようなお話はいたしたようでございますけれども、結果的に直ちに後任を置くというふうな措置はとらないままになっておりました、というのが実情ではないかと思います。
○壽原委員 これからもこういうとうとい運動を続けておる日赤に対しては、よく監督を行き届かせていただかぬと国民は信頼いたしません。それだけはよく言っておきます。 そこで、経営内容の問題に対しては、この当局の発表以来、国民の間には非常に疑惑の目をもって、そうして日赤というものをもはや信頼にならぬという声が高まっておるやに聞いておる。なお一そう、こういう問題に関して、そうして経理上の問題やあるいは運営上の問題を明らかにするために、一体今後はどのようなことをしてこれを運営し、また処理するつもりであるのか、このお考えを聞かしてもらいたい。
○田辺参考人 血液事業の運営につきましての今後のかまえでございますが、赤十字は中央血液センターをつくったのは、おそらく全国で最も早かったのではないかと思います。それで、これは赤十字の事業としてまことにふさわしい事業であり、また国際赤十字会の決議等もあって、こういうものは公益事業でやるのが望ましいという決議もございましたので、逐次血液銀行といいますか、その制度を進めておったわけでございますが、何ぶんにも新しく血液銀行をつくり、これを運営していくためには、相当お金がかかりますので、その諸条件の備わったもとに、事業を進めていくという方針で参ったわけでございます。ことに白紙のところから血液事業を進めるものでございますから、比較的技術的な問題は少なくございませんけれども、御承知のとおり、日本におきましては、いわゆるコマーシャル血液銀行というものがありまして、相当根を張った販路を持っておるわけでございます。この中に割り込んでまいりまして、これを伸ばしていくということは、容易なことではないのでございます。しかも、御承知のとおり、採血量が少なければ少ないほど経費はたくさんかかります。赤字にもなります。こういった赤字を一体どうやって埋めていくかという問題もございますので、赤十字としましては、その間、慎重なる配慮のもとに、将来こういった手当てができ、開設する際の設備費に十分な準備が要るということ、並びに開設早々二、三年は赤字を覚悟して、これを埋める覚悟でなければすぐつぶれてしまう、こういうことになりますので、この要件が備わった後に逐次仕事をしていくという方針をとってきたわけでございます。昨年閣議決定がありまして、一挙に、急速にこの事業を伸ばす必要があるんだということで、全国的に血液銀行を設置するということになりましたので、したがって従来のように、いわば病院事業の片手間として、この事業を行なうということではいけないので、本社に血液事業部を独立してつくる必要がありますので、今月十一日に血液事業部を新設いたしました。ここにおきまして、今後さらに詳細なる計画を立て、検討を加えて仕事を進めていきたいと思っております。 血液の仕事は、何と申しますか、一つの事業でございます。病院は明治の初めから古い歴史を持っておりますし、それなりにそれぞれ力を備えてきたわけでございますが、血液事業は一つの事業であるのみならず、一種の企業的要素をたくさん持っておりますので、その事業の経営にあたりましては、従来赤十字でやっております事業とはよほど違った覚悟とかまえを持って進めなければならぬ。公益性と同時に経済的な効率性というものも十分考えなければなりませんので、業務の運営の面におきましても、経理の面におきましても、その他いろいろの面において、民間の事業でやっておりますような経理のやり方を事業の運営面に採用していかなければならぬ。ところが、これにつきましては、御承知のとおり赤十字はしろうとでございます。非常に弱いのでございます。逐次勉強はいたしておりますが、今後事業部を新設いたした機会に一そうそういった研究をさらに深くし、地方に対しましても、研究の成果を十分に伝えまして、相携えて公益性と同時に経済的な効率性も発揮するようにつとめてまいりたいと思っております。 なお、血液の仕事はなかなか段取りがむずかしゅうございまして、血液の採血の申し込みがあって検査をして、医者の診断によって不適格者と適格者がきまりますが、不適格者といえどもそのまま帰さずに、ある程度の血液の検査をいたします。適格者については採血した後にこれを検査に移しまして、諸検査を経た上で合格をいたします。合格して入ってきたものを別の冷蔵庫に入れる等、これに伴う事務の運びや経理に緻密さを要しますし、またそのつど点検をして、帳簿と照らし合わせてやるということが非常に必要なのでございます。何と申しますか、今回まではいわばなれない事情もございましたが、そういった研究も十分ではないままに、たとえば何と申しますか、非常に大福帳的なやり方をとっておる。こういった問題が起こった機会に、災いを転じて福となす意味におきましても、そういった点を詳細緻密に立てまして、各血液銀行——すでにできておる血液銀行についてはもちろんのこと、今後つくります血液銀行に対しましても、そういった会計経理その他の方法を詳細に指示をいたしまして、今後この不安なきを期してまいりたいということだけ申し上げておきます。 なお、血液銀行の中にはそれぞれ運営委員会というものをつくってございます。その運営委員会をたびたび開催いたしまして、これは監督官庁の方もその他外部の方も入っておりますので、ここに実情を詳細に御報告申し上げまして、血銀内部における監査ということも厳重に行なわれるような仕組みにしてございますので、血液運営委員会というものを十分に活用いたしまして、こういった不正が起こることを未然に防止するとともに、仕事の効率を発揮するように指導してまいりたいと思います。
○壽原委員 どろぼうをつかんでからなわをなうということでは、まことに納得がいかぬのだが、やらぬよりはましだから、これは大いにやってもらう。 ところで、北海道では第三者によって差益金処理委員会というものをつくっておる。あなたのほうでもうかった金の処理をどうするか、こういう委員会を第三者でもってつくった。こういうものを全国につくり、また中央にそういうものをつくっておくというと、今回の不祥事は起こらなかったはずなんだが、こういう北海道の例を見たことがありますか。見たことがあったならば、いいか悪いか。つくるべきかつくらぬでおこうということか。また、まだ見ておらぬということであったならば、将来そういう差益金処理委員会というものでもつくって、そうしてこれを処理していくというような考えを持つか持たぬか、これをやるべきかやらぬべきかという問題について、御意見を伺いたい。
○田辺参考人 差益金と申しまするのは、御承知のとおりコマーシャルの血液銀行でございますれば、売血した際に代金として五百円を払っておるわけです。赤十字の場合は献血でございますので、五百円を払う必要がないわけです。本来でございますれば五百円を差し引いた金でお分けするのが当然のことだと思います。ところが、健康保険制度のもとにおきましては、私のほうで病院にお分けしたものは、ただでお分けしましても、あるいは安くおわけいたしましても、健康保険から千六百五十円という代金を請求するわけでございますので、厚生省にも御相談し、また御指示にもよりまして、私のほうでお分けする場合には千六百五十円でお分けしておるわけでございます。そうすると、五百円ほどのものがコマーシャルに比べてよけいに入ります。この金を事業の運営に使うということは適切ではございませんので、これは別途に経理いたしまして、その中から奉仕事業費、あるいは検査をするとか、そういう公共的なものに使うということでずっと来ておったわけでございます。五百円は別途に積み立てて、その中からこういった費目について奉仕事業として使ってよろしい、残金は各血液銀行ごとに積み立てておきなさい、こういう指示をいたしておるわけでございます。 結論から申し上げますと、今日五百円の中から奉仕事業費として使い得る金額及び範囲は、厚生省から御指示がございまして三百円というふうになりました。したがって、二百円という金は当然浮いてくるわけであります。これは各血液銀行ごとに保管せずに、全部本社に送金して本社に保管せよ、こういう御指示でございます。これを運用するために特別利益金運営委員会というものをつくりまして、関係官庁あるいは献血した人の代表であるとか、その他関係者を集めまして組織をつくりまして、そこでこれを今後どういうふうに使うかということを考えていきたい、こう思っております。 北海道の場合、そういった委員会ができておりますのは、差益金をどう使うか、積み立てておけと私どものほうで指示したその使途があるわけでありますが、奉仕事業費として何に使うか、その奉仕事業費に使うということの範囲を若干越えて、地元のためにいろいろ私のほうで指示した範囲外にも使っておるような点がありますので、今後は本部に積み立てて、本部でその使途をきめていくということになりますと、各地方ごとにそういったものをつくる必要がなくなるのではないかと思うのでございます。しかし、北海道でやっておりました——献血者であるとかあるいは各方面の方に集まっていただいて、その差益金の使い方を公正に審議して使い道をきめていくということは、まことに賢明な方法であると思いますので、その方法を今後も採用してまいりたい。その際には各血銀の代表者の方とか、あるいは各地方の献血組織といいますか、そういったような方々の全部とは申しませんが、代表者の方もお入れして、そして差益金の使い道をきめてまいりたい、かように考えております。
○壽原委員 厚生省にちょっとお伺いしたい。今回の日赤の不祥事件について、あなたのほうではどういう処置を講じ、また今後こういう事件が再び起こらないためにどういう対策をどう立てるか、このことをお伺いしたい。
○徳永政府委員 ただいま壽原先生質疑の中で明らかにされましたように、献血は国民の協力と善意に基づいて行なわれるものでございまして、このような献血事業において不祥事件が起きましたことは、監督官庁といたしましてまことに遺憾千万に存じております。厚生省といたしましては、日本赤十字社本社を通じまして事情を聴取するとともに、事実の調査を進めておる次第でございます。なお、このような不祥事件が繰り返されることのないように、昨年の八月二十一日に閣議決定されました献血の推進について、この諸施策におきましても特に献血事業に関する経理の適正及び明確化を期する措置を講ずることになっておりますし、また講じてまいっております。今後このようなことのないように、日赤、また各都道府県に対しましても十分な指導と監督を行ないまして、再び不祥事件の起こらないような厳重な指導をやってまいる所存でございます。
○壽原委員 ただいま徳永次官のお答えを聞いてこういうとうといものを扱う監督当局は、今後とも万全の処置によってこの体制を整えるように御忠告しておきたい。 そこで、最後に一点お伺いしますが、当決算委員会で採血車の増置問題についていろいろ対策を講ずるようたしか一昨年か昨年述べてあるはずです。国からほとんど補助金も出ない税状では、日赤の血液銀行の質的向上をはかるということはなかなか容易な問題ではない、こういうふうに伺っておったのですが、今回の予算に計上しているだろうと思います。この計上しておる金額、予算の執行状況、また今国会に提出された予算の金額とあわせて、その内容をちょっとお知らせ願いたい。
○熊崎政府委員 血液事業の推進のために従来とも予算で計上されておった分は、三十九年度当初予算におきまして千六百六十六万あったわけでございますが、三十九年度の予備費支出をもちまして、端数は省略させていただきますが、八千万の予備費支出をいたしたわけでございます。これは先ほど政務次官おっしゃられましたように、八月二十一日の閣議決定をもちまして、日本赤十字社を主体にして献血運動を推進するという国の方針を決定いたしました際に伴いました予備費支出でございます。その際に、全国的な献血組織を確立するということで、当時におきまして全国で二十六都道府県に、全然血液銀行も移動採血車も持っておらない県がございましたので、その分を急遽予備費支出の対象にいたしたわけでございます。その際に移動採血車等の補助金につきましては、これは全国的に整備を一応終われば、あとは血液専業といいますのは、先ほど副社長が申し上げましたように、順調に進展していけばいわゆる事業経営ができるというたてまえのもとに、今後の移動採血車については、別個に国のほうで補助金——補助措置といいますか、それをとらなくても必要な場合にはこれは融資措置でもってやれるというふうな考え方のもとに、移動採血車等の補助金はあの予備費支出でもって、今後は融資でやるというふうな財政当局との内々の話し合いもできておったわけでございます。したがいまして、昭和四十年度の予算におきましては、従来とも大体五台くらい移動採血単の補助金が予算に計上されておりましたが、この分は四十年度予算におきましては計上いたさないということで、予算案をきめたわけでございます。したがいまして、残りといたしましては昨年度の予備費の支出の際に御決定をいただきました、いままで全然やっておりません各都道府県に対しまする献血運動の補助金等の経費を、四十年度当初予算に計上いたしました。これは三十九年度の当初予算には入ってない予算でございます。予備費においてそういう啓発、宣伝の補助金をそのまま四十年度予算におきまして計上した、その他につきましては、血液事業の取り締まり、監視等の委託費等は大体前年度どおりでありまして、ほかに当時最も問題になっておりました血清肝炎の対策をどうするというふうな問題につきましては、医療研究助成費という項目でもって新規に五百万円を計上する、これは私のほうの薬務局の予算の計上にはなっておりません。官房のほうの予算の計上になっております。そういったものを計上いたしまして、総計におきまして三十九年度予算よりは四百万円くらいの増になっておりますが、ただ血清肝炎の研究助成のほうが別個の項目に計上いたしておりますので、前年度予算と対比いたしてみますると、血液事業対策自体は若干減になっておりますが、いきさつはそういうことで、今後啓発、宣伝と血清肝炎対策に全力をあげてやろうというのが四十年度予算の中身になっておるわけでございます。
○壽原委員 この血液というものはどのくらいもちますか。大体三週間ということを聞いておりますが、どういうふうなことでこれを保管しておるか、またこの有効なうちにどういう状態で患者に送られるのか、その辺をちょっと話してみてください。
○熊崎政府委員 血液を採血いたしまして、採血いたしましたびんはそれぞれ一定の温度でもって、冷蔵庫あるいは冷蔵箱に保管をいたします。そして有効期間は、先生御承知のように三週間でございます。三週間以内に各血液を必要とする病院の需要が参りました場合には、一定の温度で保管したままにしておいて、それを病院のほうへ運搬をいたしまして、病院でも大体きめられた温度で保管をしてこれを使う、こういうことになっているわけでございます。
○壽原委員 これで私の質問は終わりますが、最後に、新たに就任なされた社長さん、ただいままでの質疑の中で非常にずさんな経理状態、国民のとうとい献血をめぐってのこういうような不正事件、しかもこの命が何か公共事業にでも使われたということならばまだしも聞こえるところがあるでしょうが、聞くところによると、大半が遊興費に使われておるというような現状では、これはもう何をさておいても国民の前に謝罪しなければならぬ重大な事件だと私は思います。そこでこの経理問題に対して将来は必ずガラス張りでやってもらわなければならぬと同時に、献血者に対しましても、このとうとい献血を受けたものはこういうふうに使われておるということを必ずお知らせ願う機関を持ってほしい。それと同時に、新たに御老体をひっさげてわざわざこういう不正事件の起こった日赤本社の社長としておつとめになることは、まことに御苦労とは存じますけれども、どうかいままでのずさんな経営のあり方については率直に当局とも御相談なされ、そうして全社員の奮起を促すよう、特に要望しておきたいと思います。 また当局に対しましても、何年間もはっきりした経理内容が明らかにされないまま、これを監督官庁として放任しておくというようなずさんな状態を続けさせておくということは、断じてこれは許せません。こういうことのないように当局もよく国民の前に謝罪し、そうして今後も名誉ある日赤の名を傷つけないような十分な指導をしてもらいたい、こういうことを要望いたしまして、最後に社長さんから、一言この事件に対しまするお考え、将来こういうふうにしたいというおことば、これをお聞かせ願えればたいへん幸いだと思いまするし、当局からもこの問題についての国民に対するおわびのことばをここで吐いていただきたいと思うのでございます。
○川西参考人 御承知いただいておりますように、私、一昨十三日にこの大任を承ったものでございます。まことに至らぬものでありまして、内心はたしてその重責を果たし得るや、たいへん心重く感じておった次第でございますが、本日この席におきまして一つの感じを強くした次第でございます。しかし、私お引き受け申しましたからには、余命を捧げて全力をあげて最後の御奉公をいたしたいと存じております。 就任早々このような恥ずかしい申しわけない感じを持って、全国民に対し、その代表の皆さん方にお目にかかるということは、泣きたいくらい悲しいことでございます。善後の処置につきましては、ただいまの非常に示唆に富んだ御誠意のあふるる御質問、これに対してお答え申し上げました副社長と、これからとくと真剣に相談をいたしまして、できるだけ早くいままでの不都合をおわびし、かつ今後進んで国民の皆さま方の御協力が得られますよう万全を尽くしたいと存じております。まことにありがたいおことばをいただきまして、深く感銘いたしております。
○徳永政府委員 不祥事件の起きたことにつきましては、監督官庁といたしましてまことに申しわけなく、かつ、遺憾に存じております。今後こうした事件の絶滅を期するためにも十分な指導と監督を行ない、御要望にこたえたいと存じます。 —————————————
○堀川委員長 田中彰治君。
○田中(彰)委員 動議で申し上げたいと思うのですが、電源開発の長野ダムと申しましょうか、九頭龍問題について、この間予算委員会でもちょっと触れたようでありますが、ああいう程度ではああいう大きな問題はなかなか調査できません。そこで、いろいろと資料を集めてみますと、これは容易ならぬ重大な問題である、こう感じましたので、ぜひともひとつこの問題を決算委員の御諸君、つまり、決算委員会には与党も野党もございません。皆さんの力をかりてひとつこれを調査してみたい。私どもは、与党でございますから、これを調査するには、新聞の書いたこととかあるいはうわさとかそういうものでなく、動かすことのできないりっぱな証拠、こういうものをもって臨みたい。いままで調べたことによりますと、このダムの入札は、全くりっぱなことを言っておりますが、奇々怪々なものであって、しかもこのダムの入札、あるいは電源開発に対する権力者が、この請負師にやるようにやれといって、書きものをして前の藤井総裁に厳命しております。そういうものも手に入っておる。こういう自信を持っておりますので、これが事実とすれば、国民のたくさんの税金をもって行なうこの電源開発の入札は、談合よりももっとひどい奇々怪々なやり方である。それから、このたびまた、こういうダムをやるのに世銀から金を借りてきております。これも、電源開発が借りた金でございません。政府が保証した——政府の保証とは、国民の血税で保証しておるのであります。そういうような金も使うのでありますから、これはただ電源開発の入札の談合であるというような簡単なことで済まされない。たとえこれが飛び火してわが党の内閣に傷がついたって、これは私しかたがないことだと思う。これについてぜひともひとつ調査をお願いしたいと考えておるのであります。 そこで、どうかこの次には、現在の電源開発の総裁、副総裁、前の電源開発の総裁を呼び出してもらいたい。それから刑事局長を呼び出してもらいたい。こういう大きな国民の血税で行なうこの入札にこういう談合があるんだ、あるいはまた、こういうものをやっていくと、私などはそういうもののあらわれてくるものをあらかじめ予期して待っておるのですが、どうも社会党の勝津さんなんかに聞くと、田中君、あれやってもいいが殺されないだろうかというようなことをきのう言っておったのですが、そういう身分保障というわけではないが、そういうものもひとつ含んで、刑事局長にもひとつよく知らしめておいて、保障させたがいい。それから進むに従って、法務大臣を呼び、あるいは証人を呼んで、これをひとつはっきりしたい。これはなあなあでやったということは、動かすことのできないりっぱな証拠を、いま私ここにもありますが、持っております。これは、まあここでこういう問題が展開されれば、さすがの委員長もなるほどそんなことだったかといって驚かれるだろうと思います。ここに田村先生もおいでになるが、いまちょっと見せたら、こういうものがあるならこれはきめ手だなとおっしゃるくらいだから、これは間違いのない証拠であります。そこに手紙など出たとしたらこれはたいへんな問題です。これはひとつぜひここでやってみたい、こう考えておりますから、ぜひともこの次には、いまの申し上げた方々を呼び出していただきたい。これを動議としてお願いするわけです。
○堀川委員長 田中君の発言はよくわかりました。つきましては、そのことについては、ただいま御承知のように日本赤十字社の参考人を呼んで調査いたしておる最中でありますので、ひとつあとで理事会にでもはかりまして決定したいと存じます。さよう御了承願いたいと思います。
○田中(彰)委員 けっこうです。 —————————————
○堀川委員長 勝澤委員。
○勝澤委員 この血液の行政につきましては、昨年の四月、それから六月、この決算委員会でいろいろと調査を進めまして、その結果、御案内のように、今日の血液が九割以上が売血であった。しかもその充血は、釜ケ崎やあるいはその他の山谷、こういうところで集められたものであって、その血液の良否については相当問題があり、血清肝炎の原因ではないだろうかという疑いさえあって論議されております。しかしそのことも、厚生省からそういう指摘があったのでなくて、マスコミの皆さんをはじめ一部の学者諸君が献身的な努力をして、これでは血液が困るということでこの委員会に出されてきたわけでありまして、私は、これを見ただけでも、一体厚生省という役所は何のためにあるのかという疑問を持たざるを得ないわけであります。今度の医療費の問題にいたしましても、こんとんとして混乱いたしております。厚生省というのはあつせい省だと読んだ人がありますけれども、まさに私はこのことばのとおりだと思う。そうして、この血液行政の問題について指摘をされ、ようやくにして昨年与野党一致をして、何とかやはり予算をふやさなければならぬ、オープン採血をやれという戸で、ようやくこのごろ軌道に乗ってきたというのが今日の状態だと思う。そういう中で起きたこの日赤の血液銀行の課長の公金横領というものは、私はたいへん大問題だったと思う。ですから、この時期にこういうものが世間に出たということについては、たいへん残念なことですけれども、やむを得ざるものと私は認めざるを得ないものですけれども、しかしいろいろ調べてみますと、いま副社長から話がありましたが、新聞の報道によりますと、千二百かとかと言われておりますが、しかし今度は日赤から厚生省に出された正式報告によりますと五百二十何万、いまこの席では四百十三万とこう言われております。一体この金額というものはどういう形で出てきたものであって、そうして幾らが横領されたものかということを、私はやはり明確にしてもらいたいと思う。三十八年十二月から三十九年六月までで五百かぐらいだ、こう言われておるのだから、一体その前からどうなっておるのだろうか。そうしてまた、このようなことは、もし厚生省が真剣に考えるならば、四月と六月の決算委員会で指摘されたときに日赤に対して、こういうことがないかどうかというのは、もう当然監督官庁としてよく聞き合わせて、こういう問題を明確にされるはずでありますけれども、それが厚生省と日赤の間でも何らされていない。一体厚生省は日赤をどのように監督をいたしておるのかという点も実は疑問になるのでありまして、一体副社長はどこの御出身だろうと調べてみると、厚生省のあなたの先輩ではないだろうかというような話が伝わっておるが、この国からよそに出ている外郭団体といいますか、補助団体といいますか、委託団体といいますか、こういうものを詳細に見たときに、必ずそういうものが出ているわけです。原局の監督が不十分なんです。ですから、そういう点にも私は問題があると思う。ですから、前の局長やあるいは次官がそちらに行かれることについては私はとやかく言いません。しかし行った先についての監督官庁の原局というものは、きっちり監督行政を行なわなければならぬと思う。 そこで、私は、先ほどから壽原委員からいろいろ質問された中でもうちょっと明確にしていただきたい。一体横領された金というものはどういう金であるのか、実際には金額はどうなっておるのかという点を、簡単でけっこうですから、明確にしていただきたいと思います。
○熊崎政府委員 このたびの日赤の不祥事件、たいへんな不始末をいたしまして、私どもまことに監督不行き届きでございまして、先ほど政務次官おっしゃられましたように、まことに申しわけないと思っておるわけであります。金額の点につきまして、新聞紙上で伝わりました中身とただいま副社長が申し上げられました金額と若干差があるという御指摘でございますが、私どものほうに日本赤十字社を通じまして報告を受けております金額につきましては、先ほど副社長が申し上げられましたような五百二十七万五千円の金額でございまして、それも期間は三十八年の十一月から三十九年の七月までの分ということになっております。一月に報告をいただきましてから、私どもとしましては日赤側と連絡をとって、なお詳細に調査の必要を痛感いたしておったのでございまするが、その後渋谷署の手入れがございまして、関係書類一切、これ、あげて司直のほうに渡っておりまして、私どものほうから具体的に中身を現在調査する書類が警察のほうに渡っておりますので、いまのところ不正事件の中身はあげて司直の手を待たなければわからないというふうな形になっておりますのは、まことに申しわけないことと存じますが、ともかく五百二十七万五千円にのぼります横領金額があったという事実につきましては、その経理が未収金の中身であったというふうなことでありましても、いずれにしましてもきわめて申しわけのない結果になっておるわけでございますので、今後とも十分こういうことのないように日赤側と連絡をいたしまして、経理の明確化をはかりたいと思っておるわけでございます。
○田辺参考人 先ほど申し上げましたように、赤十字の本社といたしまして監査班を編成して調査した結果、銀行預金から引きおろして横領した金は五百二十七万五千円でございます。第一銀行の分が、十一口、百六十万円、それから三和銀行の分が十六口、三百六十七万五千円でございます。この金は、先ほどちょっとお話がございましたが、五百円——これは私どもでは付帯収入と言っておりますが、コマーシャルの銀行で血液購入の代金として払っております五百円に相当する分を積み立てておって、そうしてその中から奉仕事業費を払って残った差益金とは関係はないのでございます。差益金の総額は昨年の九月三十日現在で五百万円余になっておりますが、これは中央血液銀行から本社の指示どおり本部に送金して、本部で積み立てております。これには間違いございません。 それから警察当局の手に渡ってから、警察当局におきまして先ほど申し上げました五百二十七万五千円の使途をさらに調査いたしましたところ、百十四万五千円はそれぞれ血液銀行の正当なる支出に充てられることが判明したわけでございます。これは警察の手にわたって調査した結果、それが判明したわけでございます。 それから不正の横領事件の対象になったお金は、赤十字に血液代金としてそれぞれの医療機関から収入に見合ったその金から横領したものでございます。未収金と申しますか、赤十字においてまだ未収金として計上したのは、実は集金に行ったときにもらってきておるのだ。それを途中でちょろまかした金額は、これはまた別でございます。それは目下警察当局において調査しておるわけでございまして、これとまた別のものでございます。
○勝澤委員 血液センターからも副所長見えられておるようですからちょっとお尋ねいたしますが、発見されたとき、それからあなたのほうで取り調べをされて懲戒免職をやった九月三十日、そして実際に告訴したのが一月十六日、このようにおくれたのはどういう意味があるのですか。そしてなおあなたのほうでお取り調べをして、そしてある程度本人なりから金を取っている。ですから私たちが見ていると、隠し切れなくなって告訴せざるを得なくなった、こう実は見ざるを得ないのです。この辺をわかりやすく解明をしていただきたいと思う。とにかく事件が発生をして、そしてあなたのほうでお取り調べをして一応の金額というものを出さして、これについて誓約書をとったかどうか知りませんけれども、返す方向である程度金を取った。その見通しがついたから九月三十日で退職にしたでしょう。そしてあと見ていると、一月十四日に渋谷警察署に告訴した。告訴する前に厚生省に報告をした。日赤の中だけでまあまあとうまくやろうとしたけれども、ばれてしまったので告訴した、こう実は思わざるを得ないわけです。そこで一体日赤というものはどうなっておるのだろうという疑問がなお拡大するわけです。この点の解明をしていただきたいと思います。
○徳永参考人 ただいまのお尋ねでございますが、事件が発覚いたしましたのは七月の末でございます。これは片方の野中と申す者が犯罪を行なったということがわかりまして、井上というほうは、当人はまだしらを切っておりまして、これが自白をいたしましたのは、かなりあとでございます。その間両方追及しておりまして、両方の自白がそろいましたので、自後は独断で引き延ばしたというわけではございませんで、先ほど副社長からの説明にもございましたように、本社と緊密に連絡をとって、被害額の調査というものをいたしておったわけでございますが、何ぶんにも未収金その他でございますと、先方へ問い合わせをしなくてはなりませんので、なかなかそれが私どもの力では思うにまかせないので手間どったというのが現状でございまして、決してうやむやに済まそうという考えでおったわけではございません。 〔委員長退席、壽原委員長代理着席〕
○勝澤委員 私はどうも、金額さえ回収したらうやむやに済まそうじゃないかという気がしてならないのです。八月二十四日井上から五十万取って、九月二十五日に八十万取って、井上からは百三十五万九月二十五日までに取ったわけですね。それで九月三十日に退職させているわけですね。それから片方の野中のほうは、二十万円を八月二十日に取って、あとは両方誓約書と、こうなっている。厚生省はこの辺の経過というのは御存じなんですか。一月十六日まで、この一月十九日付の日赤から書類が出るまで知らなかったわけですか。どの時点でお知りになって、どういう御監督をされたのですか。
○熊崎政府委員 先ほど副社長からお話がありましたように、厚生省のほうに連絡をいただきましたのが一月六日でございます。その際に副社長のほうのお話の中に、先生御指摘の一部回収したものがあるという金額の内訳も私ども拝承いたしました。ただ当時日赤の副社長のお話によりますと、日赤内部でも、やはりこの際、井上、野中の犯した犯罪につきまして早急に告発をすべきじゃないかというふうな非常な強硬論も中にはずいぶんあったようでございます。しかしちょうど時期が献血運動が閣議決定をされました前の事件でございますし、それからまたあの閣議決定がありまして、積極的に厚生省、日本赤十字社、各都道府県、これを合わせて献血の盛り上がり運動をやるというふうなことで、十一月には愛の献血助け合い運動というふうな月間の行事もいたしておりますし、これに対しての非常な悪影響というものを考えれば、告発するのはそういう時期が終わったあとでもいいのではなかろうかというふうな日赤内部の御意見もございまして、いつでも告発する用意を整えておきながら、やはり献血運動のスタートをスムーズにやりたいというふうな配慮のもとは告訴するのがおくれたというふうな事情を承っておりまして、私どもとしましても、そのような御判断であるとすれば、告発時期がおくれたことは確かに遺憾であるにしましても、当時の客観情勢等から見て日赤がこれをひた隠しに隠すつもりはなかった。やはり早急に表に出すという考え方のもとにいろいろ配慮されておったのだということがわかりましたので、これも万やむを得ない措置ではなかったかというふうに考えておるわけでございます。
○勝澤委員 業務上横領というものをどういう時点で告訴するかということは、たいへんむずかしい問題ですから、そこまでにしておきます。 そこで、先ほど決算の問題について壽原委員からも質問されましたが、三十八年度の日赤の決算というのは厚生省に出されておりますか。
○田辺参考人 三十八年度の決算につきまして厚生省に提出しました書類は、決算案でございます。これは手続といたしまして、三月の末の代議員会にこれを付議いたしまして御検討いただいて御決議をいただきますと、正式に決算書になるわけでございますが、大体いま出しております案と変更があるということはないと思います。形としては案ということになっております。
○勝澤委員 三十八年度ですよ。
○田辺参考人 三十八年度です。
○勝澤委員 三十八年度はもう終わったのじゃないですか。
○田辺参考人 終わりましても、代議員会が開かれますのが三月の末でございますので、ちょうど一年おくれになるわけでございます。
○勝澤委員 そこで具体的問題のほうをちょっと聞いてまいります。けれども、いままで日赤のほうは、献血者から献血を受けた場合、今度はその本人が血液を必要とする場合は無料でやるというふうなことを行なっていたように聞いておるのですが、その点いかがですか。
○田辺参考人 閣議決定が昨年行なわれまして、政府から会計経理について正式の通知がありました機会に、その取り扱いが変更になっております。それ以前は、これはPRの意味もございまして、献血意欲を推進する意味もあり、献血した人に対してはその人が血液を必要とする場合に無料で差し上げますという、こういう取り扱いをやっておったわけであります。血液に要する経費はどうしても一本当たり千百五十円くらいかかるのであります。それをただでやるとこちらに損がくるわけでございます。それを、先ほど申し上げました五百円の付帯収入がありますので、それを積んでおって、その付帯収入の中から出しておったわけでございます。ところが、これは私もそういうやり方をやっておるということを実は詳細存じませんで、献血学生連盟の方が私のところに参りまして、赤十字の血液事業の運営を見ておると、会計経理が大部分の血液銀行は赤字を出しておるじゃないか、しかもそれでも足りなくて、足りない部分を都道府県とかあるいは支部とか、各方面から補助金、援助金をもらって、その赤字を埋めておるのが現状ではないか。しかもただでやるといっても、本人に渡すわけではないので、医療機関に渡しておるではないか。医療機関ではただでもらったものをはたしてどうしているか。おそらく健康保険にそのまま請求して、もうけているのは医療機関ではないか。少なくとも実費ぐらいは取っていいのではないかということがございまして、先ほど申し上げましたとおり、赤十字の血液事業も独立採算制をもって、つまり血液事業運営のために必要なる経費は、血液事業に伴って生ずる収入をもってこれをまかなうという独立採算制のたてまえをとるということが当然のことでございますが、またそういうことで国からもいろいろの指示がございまして、さっきもお話しございました差益金、付帯収入に伴って生ずる差益金については、その使途もまた金額も限定されました。それが三百円以内である。残りの二百円については全部ためておいて本社に積め、そうしてそれは赤十字と厚生省と相談の上で使うということになりましたので、事実無償で配付していくということが不可能になってきた。かつ、そういうただでやるというやり方を実施することがはたして適当であるかどうかということを考えますと、少なくとも健康保険の被保険者、つまり医療費が全額健康保険で支給される者にとっては、赤十字がただで支給するといいましても、病院に支給するわけでございますので、病院はそれをただで支給した場合——赤十字自体でやっている場合には、これはそういう場合には取っておりません。健康保険に請求しておりませんけれども、ほかのいろいろの医療機関がございますので、はたしてそういうところが医療機関から健康保険に請求しているかどうかということについては、医療機関がそれを請求して取っているということも考えられますので、それはただだといっても、ただそう思っているだけの話で、もともとただなんだから、むしろこの際千六百五十円を請求して、そして五百円を積むようにしたほうが経済的にも、赤十字の事業経営の面から適当ではないか、こう考えまして、昨年の十月以降さように改めたわけでございます。
○勝澤委員 よくわからなかったのですが、どういうふうに改めたというのですか。
○田辺参考人 献血した人が血液を使う場合であっても、病院にお分けする場合は千六百五十円でお分けする、こういうふうに改めたわけでございます。 ただ一部負担を伴う人がございますので、二百円の差益金の運用の問題として、一部負担を伴う人に対する一部負担を若干でも軽減するように使うようにしたらどうかということで、目下検討中であります。
○勝澤委員 この問題は昨年問題になったときも、結局献血した人あるいは預血した人は無料でやるからということで、われわれもまた国民もそういう報告を受けておったわけです。それがいまのお話ですと、今度は献血した人でも同じように金を取るのだ、こういうふうになってきたということで、先ほどあなたの言いましたように、少し日赤のPR的な意味もあったけれども、そのPRがきいて献血が伸びたと私は思うのです。それが何かいまのお話ですと、閣議の決定で——その辺が実はよくわからないわけです。一ころ日赤と厚生省と意見が違っておったということでいろいろ論議をされたというお話も聞いておりますけれども、もうちょっとそこをわかりやすく御説明願いたいと思うのです。従来は無料でやっておった。従来無料でやっておったのができなくなった。経理面を、あなたの説明なり今度出された資料を見て、なるほどと思いますよ。しかし従来やられておった、今度はだめなんだというところが実はわからないのです。
○田辺参考人 血液事業の運営に要する経費をどうやって調達するかというやり方につきましては、各国によって違っているようであります。アメリカあたりでありますと、赤十字の血液は全部無料でお分けしているということを聞いております。そこで血液事業の運営に要する費用は、たいへんなお金だろうと思いますが、赤十字が募金によってまかなっている。したがって、アメリカの場合におきましては、血液事業は、赤十字の血液事業が本質であって、コマーシャル機関その他はこれを補完するという形になっておるのだろうと思います。そこで私のほうの場合でも、実費が約千百五十円程度でございますので、お分けする場合に、もともと千百五十円でお分けすればそれでちょうど話が合うわけでございます。しかしこれも私のほうでは、厚生省当局に対しまして、そういう要望をしたのでありますが、健康保険のたてまえ上二重価格制をとるということがいろいろの問題があるので、いまここでとれないということで、千六百五十円でお分けして、その中から奉仕に要する経費を差し引いて、残りは別途に積み立てる、こういう形になっておるわけでございます。そこで従来供血した人にはただでやるということでございますが、健康保険の被保険者、これは非常に数が多いわけでございます。この方が輸血を受けた場合におきましては、赤十字がただでお分けしようが、無料で分けようが、結局健康保険からその金が出るわけでございます。それはいたずらに赤十字がただで分けたと申しましても、本人はもともとただであるわけでございますので、本人は負担はないのでございまして、結局赤十字としては実費分だけを損するという形にならざるを得ないわけであります。健康保険の被保険者に関する限り、ただでやったということをいうだけの話で、実際を分析して追及してまいりますれば、結局医療機関側が千六百五十円の利益を受けるという結果になってしまうわけでございます。ただだというのは、もともとただなのでありますから、そこで確かにPR用にはなりましょうけれども、そこを合理的——しかも一方そういう内容があるところへもってきて、いままで千六百五十円出したのが、経費のほうでは付帯事業の利益金から落としておりますので、それが一方厚生省と協議の上差益金として全部積むということになりましたので、事実上できないことになった。しかもそれは廃止しましても、必ずしも不合理ではない。PRあるいは供血した人たちに対する優遇、恩典を与えるとか、あるいは献血しやすいような体制をつくることは、また別途の方法で考えることにしまして、やはり一応それぞれ合理的に割り切って、さらにその上で献血のムードを促進するなり、献血者に恩典を与えるということは、また別途の方法で考慮していったらいいのではないか、こう考えまして、さような措置をとったのでございますが、新聞等におきまして誤解を生じまして、赤十字では従来のとおりやりたいんだが、厚生省がやかましいことをいうものだからできなくなった、こういうふうに書き、また理解している向きもあるようでございますが、必ずしもそういうことではございませんで、赤十字独自の判断にいたしましても、こうするほうがこの際は妥当であろう、こう考えまして、そういう措置をとった次第でございます。 なお御指摘のように、そういう理屈は別問題として、そうなったからPRをする際に非常に不利益な点があるんだという事実は、われわれも認めざるを得ないと思います。したがって、供血した人に対してよりもっと献血しやすいような一つの措置を、優遇措置と申しますか、皆さんが献血したおかげでかくのごとく公共の、あるいは輸血を受ける人たちのために有益に使われるのだ、こういうことをさらに検討いたしまして、御指摘のようなPRしやすいような道を進めてまいりたい、かように考えております。
○勝澤委員 そこで、私は最近の血液の献血の状況について厚生省にお尋ねしたいと思います。どういう状況になっておりますか。日赤あるいはほかでもやっておるようですから、その関係ですね。
○熊崎政府委員 現在日本国内におきまして、血液銀行が本年の統計によりますと全部で八十七ございます。そのうち日本赤十字社が、昭和三十八年度末では既設のものが十六ございましたが、三十九年度の当初計画と、予備費支出の決定をいたしました以降の分を合わせまして、二十八カ所三十九年度にできることになっておりますので、日赤が四十四カ所ということになるわけでございます。それで最近の献血の状況を、これは預血を含めまして申し上げますと、昨年の一月から十一月までの平均実績、これを献血、預血と売血とに分けてみますと、三十八年の一月から十一月までの同期の率では、献血、預血の占める率が二・三%で、残りの九七・七%といいますものは全部売血という形であったわけでございますが、三十九年の一月から十一月までの平均実績は一二・四%と、大体六倍程度の実績を示しておるわけでございます。特にああいう八月の予備費支出をやりまして、献血運動の組織化という措置をとりました以降、九月におきましては、二五・四%、十月が二五・八%、十一月は二八・〇%ということで、平均一月から十一月までは一二・四%でございますが、九月以降の毎月の実績を見ますると、二〇%をこえるという率を示しておりまして、献血、預血のPRといいますか、特に献血の組織化をはかりました効果はこの率で相当上がっておるということは言えるんじゃないかと思いますが、なお、私どもはことしも一月以降移動採血車が全国的に配置をされました後は、献血運動が組織的に大幅に伸びるということを期待いたしますとともに、各都道府県並びに日赤を督励いたしまして、今後もこの率がさらに伸びることを期待して現在努力をいたしておるところでございます。
○勝澤委員 先ほど副社長からもちょっとアメリカの例が言われましたが、献血制度の問題については相当厚生省行政の中でも立ちおくれており、ようやくにしていま先ほどのような状態に上がってきたわけでございますから、これはやはりいまの情勢、いまの現況の中でどうするかというだけの対策でなくて、やはり諸外国の例も十分考えてもう少し抜本的な立場からものを考えなければならぬと思うのです。そうしないと、いまのように継ぎはぎで、現状の中でどうするかということになるわけですから、その一番世論の盛り上がっておるときでありますから、そしてまた一人々々自分に関係のあることですから、やはりその点は、特に私は、いままでのをただ手直しをするだけでなくて、献血、預血というものを、どうもう少し発展させていくかということについて考えていただきたいと思う。それで三十九年の十一月二十日にオープン採血についての方法が答申されたと思うのです。オープン採血については、いまどういうふうに行なわれておりますか。その現状について御説明願いたいのです。
○熊崎政府委員 お答えいたします。昨年売血制度の弊害を指摘されまして、献血制度を推進するという方法としてオープン採血をやったらどうだというふうな御要望が、学界のほうからも出てまいりました。私どもとしましては、オープン採血をどのようにしたらいいかということを、厚生大臣の諮問機関である薬事審議会に、保存血液基準の一部改正についてという諮問を行なったわけでございます。そして御指摘のように審議会のほうから十月の終わりに、出張採血を一定の条件のもとで実施する場合はさしつかえないという答申をいただいたわけでございます。したがいまして、この答申によりましてオープン採血の基準といいますか、これを早急に実施するためには、法令等の改正が必要でございますので、現在その法令の起案にかかっておるわけでございますが、何ぶんにもオープン採血をやります対象が、学校等の集団の場所である、それからまたオープン採血をやる場合、医師なり看護婦の熟練した方々が必要であるというふうな技術的な問題、それからまた一番問題は、私どもとしては、大都市等を予定したところで日本赤十字社に限ってオープン採血をやるような、法令的な基準というものをどのように考えていくかというふうな法律的な若干の問題がございまして、現在私の手元で官房のほうと相談をしながら、法令の作成を現在検討中でございまして、いずれ近いうちに法令の施行措置を行ない、実施の運びにいたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○勝澤委員 行管も昨年御指摘をされておりますように、献血の問題についても、日赤が中心とはなっておるけれども、公、私立なりあるいは国立病院、大学病院という形で取り扱いのやり方、方法等が一定していないというような指摘をされているわけです。いまお話しのようなこともお考えになっておるようでありますけれども、これはやはり、私も先ほど言いましたように、厚生省というのはテンポがおそいわけですから、それが事人命に関する問題ですから、ぜひそういう問題については早くやっていただくと同時に、それから、いまの現況から私いろいろ聞いてみますと、移動採血車について、車が少ないとかあるいは処置する人が少ないとか、あるいはこの献血制度の地域的な組織というものがまだ確立されていない、いろいろ問題があるようですから、こういう問題についてもやはり早急な対策というものを行なわなければならぬと思うのです。 そして次に、院内血液銀行に対する取り扱いといいますか、こういう点はどうされておりますか。
○熊崎政府委員 院内血液銀行の採血は、これは院内で血液を使用する場合にのみ院内血銀の開設を認めているわけでございまして、院外の需要、つまりよその病院に血液を出す場合は、これは普通の血液銀行と同じでございまして、この場合には薬事法によります医薬品製造業の許可並びに採血取締法によります採血業の許可等を受けなければならないことになりますので、院内の需給を間に合わせるということだけに限って認めるという方法をとっておるわけでございます。これを日本赤十字社の血液銀行なりあるいは民間の血液銀行と同じような資格で、直ちに薬事法による製造業として認めるかどうかという点につきまして、私どもは、現在のところ消極的に考えております。監督その他の面でとても行き渡りませんので、消極的に考えざるを得ないという態度でございます。
○勝澤委員 問題点につきましては、詳細に専門的な立場で行管からも指摘をされておりますから、これ以上私は専門的なことについてはしろうとがとやかく言いません。 最後に、いま南ベトナムに対しまして日赤の医療班を派遣したらどうだとか、するとかいううわさが出ておりますが、この点はどういうふうになっておりますか。これは政務次官でしょうか、日赤でしょうか。日赤のほうはどうですか。
○田辺参考人 そういう話は現在聞いておりません。
○勝澤委員 もしそういう話が出てきたときには、日赤としては、どうお取り扱いになりますか。
○田辺参考人 赤十字が海外に活動いたします際には、必ず姉妹社であります現地の赤十字から要請がございます。また当該地域の赤十字社は国際赤十字を通してあわせて要請してくるのが従来の例でございます。すなわち、現地の赤十字及び国際赤十字から日本の赤十字に医療班を派遣してほしい、こういう要請があった場合に、その要請に応じて医療班を派遣するのが従来の例でございますので、今後ともその例によってまいりたい、このように考えます。 〔壽原委員長代理退席、福井委員長代理着席〕
○勝澤委員 では、日本の政府が特別な立場で、日赤にそういう要請があっても、日赤としては従来の例によった方法によらなければ派遣をすることはできない、こういうことなんですね。
○田辺参考人 政府の要請によって派遣すると申しましても、これは政府の立場でございますので、赤十字の立場としましては、はたしてその実情がどうかということは現地の赤十字が判断することでございます。向こうさんの要望しないものをかってに押しつけがましくやるということも、これは赤十字の立場としましては原則から見まして適当でありませんので、国際赤十字及び現地の赤十字からの要請によって海外の活動をやる、こういうふうな原則を踏むことを今後とも続けてまいりたいと考えております。
○福井委員長代理 長谷川保君。
○長谷川(保)委員 同僚諸君が伺いました点との重複を避けまして、血液問題及び血液全体に関連しながら、日赤の今回の不祥事件についての御質問をいたしたいと思うのであります。 まず最初に伺いたいことは、厚生省のほうにお伺いしたいのでありまするけれども、最近の医療用血液の年間の需要量はどれくらいになっておりますか。
○熊崎政府委員 三十八年度までの統計によりますと、大体六十万リットルちょっと切れますが、三十八年度がピークでありまして、六十万リットルの供給をいたしておったわけでございますが、その後売血制度の欠陥等が非常に問題になりましてから血液の供給というものが、非常に減ってまいりました。供給が減ってまいりました原因としましては、需要も多少落ちたのではないかと思います。といいますのは、従来の需要が、必要でないというと語弊があるかもしれませんが、医療上絶対不可欠な血液の供給をする場合以外に、やはり相当むだに使われておった気配があるのではなかろうかということを私どもも推定をいたしておるわけでございますが、供給がその後多少下回ってまいりまして、現在のところ、三十八年度の供給に比べますと大体二割ぐらい減になっておるような状況でございます。
○長谷川(保)委員 そうすると、需要量に対して供給量は一応バランスがとれていると当局は考えておりますか。
○熊崎政府委員 大体そのように考えております。
○長谷川(保)委員 ところが、実情はそうではなくて、血液がないために手術ができないというのが、相当大病院にあるのです。その点は、当局としてはお考えになっておらないわけですか。
○熊崎政府委員 私どもには医務局でいろいろと病院側の事情もわかっておるわけでございますが、若干やはり血液が不足であるというふうな実情を聞かぬでもございません。しかし、とにかく売血による保存血液の供給をやるのがいいか、あるいはあらかじめ予定された手術日というものがございますので、その予定された手術日にもし純良な血液が入手できないとすれば、手術日が予定されておりますので、その予定された手術日までに、親戚なり友人、同僚の方々から血液をあらかじめ募集するといいますか、そういう形にして、あらかじめ売血じゃないいい血を求めるという方法をぜひ各病院のほうでやっていただくようにお願いをいたしたいというのと、それから緊急の場合にはやはり新鮮血輸血という方法もあるわけでありますので、まくら元で輸血をするという場合も考えられるわけでございますので、まず病院におきましての緊急の場合に必要な血液の供給というものは、いまのところそうたいへんな事態になっておるようには私どもは聞いておらないのが実情でございます。
○長谷川(保)委員 そうすると、先ほどのお話の六十万リットル、その二〇%落ちてきておるというのには、直接の供血量というものは入っていないのだろうと思いますが、その点はどうなんですか。直接の供血量が入っていますか。
○熊崎政府委員 そのとおりでございまして、これは民間血液銀行なりあるいは日本赤十字社のほうで製造いたしております保存血全体の供給量でございます。
○長谷川(保)委員 そうすると、直接の供給量を厚生省では一体どれくらいあると押えておるのでしょうか。ということは、将来これがほんとうにりっぱな血液センター等ができてまいりまして、国民が十分信頼してまいりますと、それは大きな供血の潜在勢力になるわけですね。ですからそれをどれくらいに見込んでいらっしゃいますか。今日、日本の各病院で使われております直接の供血量ですね。
○熊崎政府委員 大体各国の保存血の製造量というものを私どもは入手いたしておるわけでございますが、西独あたりで、大体年間の製造量四十六万リットル、それからフランスあたりで五十四万リットルというふうな数字が出ておりまして、その数字から見合いましても、私どもは大体現在の六十万リットルより二割減になりました程度の供給量で大体まかない得るのじゃないかという見当をつけておるわけでございます。
○長谷川(保)委員 だから面接の供血量というものを厚生省は、どれくらいに抑えていらっしゃるか。現在日本で行なわれておるのはどれくらいと予想されておりますか。全然つかめないのですか。
○熊崎政府委員 実は手術の際に使われます血液の量等につきまして、保存血だけであれば、これはわかるわけでございますけれども、まくら元輸血といいますか、新鮮血等につきましては実はデータをとっておりませんので、現実に六十万リットルから二割引きました分にどれだけ加算されるかということにつきましては、現在のところちょっと調べようがないわけでございます。
○長谷川(保)委員 これは医務局のほうでお調べになれば、あるいは保険局のほうでお調べになれば、供血輸血をいたしましたものの代金の請求等があるわけでありますから、当然ある程度調べられると思いますので、これはやはりお調べになっておく必要があるのじゃないかというように思うわけです。今日実際におきましては、そういう場合に御承知のように、職場の仲間が出しましたり、学校で出しましたり、あるいは町の有志の人が出しましたり、あるいは自衛隊の諸君などがずいぶん供血をしておるわけです。これは相当な大きな量だと思うのですね。それで実際のところ、やはり相当数大きな手術をするところでは、血液がないために手術をおくらせるということが事実あるのです。こういった点もやはりお調べになって供血対策をお立てになりませんと、単に外国がこうだからということではいけないのでありまして、ことに日本で最近大きな問題になってきております診療費の値上がりの中の薬剤、材料費、こういうものがなぜ多くなってきたかということは、大きな手術ができるようになって、そこでいままで死んでおった人が助かる、同時に、それらの手術をするための必要な血液代あるいはそれらに要する検査その他、あとの注射代等々が非常に多くなってきた。それは先般も保険局長に来てもらって、乙表による診療費の値上がり、ことに薬品、材料費の値上がりのカーブというものと甲表のを見ますと、甲表のほうがよけいひどくなってきている。この点を十分おつかみにならぬと、今日の診療費が上がってまいりました、そして今日非常な大きな問題になっておりまする保険経済の問題、したがって保険法の改正という大きな問題、この問題のつかみ方が変わってしまう。今日政府は正確につかんでおらぬ。政府といえば厚生省が当然の責任者であります。厚生省はそれを正確につかんでおらぬ。そこに今回の保険問題の混乱の原因があるというように思う。でなければ、乙表のほうが、薬代等は薬を使えば使うほどもうかるのでありますから、したがって、乙表のカーブがぐっと上がって、甲表のほうが少なくてあたりまえ。甲表のほうでは、薬を使えば御承知のようにむしろ収入は決してふえなくて、逆にしばしば損をするというのが実態であります。したがいまして、甲表がぐっと上がっていっているということは、これは血液を非常に使わにゃならぬ、したがって、また検査その他のことをしなければならぬ、そういうような大手術が非常に行なわれるようになった。かつてできなかったものが非常に行なわれるようになった。つまり医学の進歩、したがって、その恩恵を受けまする国民の平均余命というものは非常に延びてきたということと見合わせまして考えませんと、大きな間違いだ。それを私は厚生省当局はそのつかみ方が間違っていると思うのです。したがって、私は、いまの血液量というものを正確につかむ努力をしませんと、いまの実態をつかみかねることになるのではないかということを思うわけです。でありますから、直接の供血量というものをやはりお調べになる必要があるというように思うわけです。先ほど同僚議員からいろいろ御質問があったのでありますけれども、この日赤の血銀以外に、公共団体のやっておりまする、いわば血銀がある。さらに、公益法人がやっているものもあるようであります。それから同時に、株式会社でやっているものもある。院内血銀もあるということであります。それに直接のものがあるということになりますけれども、一体これらの血銀の供給量のうちで、いまのような公共団体、公益法人、株式会社、院内血銀、こういうものでやっているものをつかんでおるのでしょうか。全体のパーセンテージはどういうようなものになっておりましょうか、伺いたいのであります。
○熊崎政府委員 先ほど血液銀行設置状況を経営主体別には申し上げませんでしたが、全体が八十七ございまして、このうち公立でやっておりますのが十カ所、日赤が四十四カ所、それから公益法人が十一カ所、それから株式会社が三十二カ所、こういうことになっておりまして、それで三十八年の実績によりますと、株式会社で売血が九七・八%行なわれておる、こういうことでございます。
○長谷川(保)委員 先ほどのオープンシステムのやり方でまいります場合に、これを日赤だけにやらせるというお話でございましたが、公私立病院あるいは大学病院あるいは公共団体、あるいは公益法人、こういうようなものになぜやらしてはいけないのですか。なぜ日赤だけにこれを限らなければならぬのですか。その厚生省の方針をきめました理由を伺いたい。
○熊崎政府委員 現在移動採血車の運行を認めておりますのは、日本赤十字社だけでございまして、やはり日本赤十字社の場合には、その本来の目的から見て、採血者の集まっておる場所に車を出し、あるいはオープン採血班が出ていくということをたてまえにして、むしろ血液銀行で採血するのは従的な考え方にしたいということで、従来その方針で指導をいたしておるわけでございます。公立なり株式会社、公益法人等につきましては、全部血液銀行内で採血をするということにいたしておるわけでございます。それでオープン採血を認めます場合にも、このオープン採血の方法自体が、やはり無菌状態で、なるべく細菌のない状態で採血をしなければならないことと、それからまた、採血方法について熟達の方々が従事していただかなければならないということ、また、その趣旨が本来的にやはり献血運動の推進にあるというふうな考え方のもとに、大都市を主体にして日本赤十字社に限って認める方法が一番適当ではなかろうかということが、中央薬事審議会の先生方の中でも圧倒的な御意見でございまして、運用上そういう形でやってみたいというのが私どもの気持ちでございます。
○長谷川(保)委員 どうもその論拠が薄弱だと私は思うのです。日赤以外の、たとえば大学の病院あるいは公立の病院あるいは公益法人の病院、当然病院というものは御無知のような医療法その他によって十分な規制を受け監督を受けてやっているのであります。おそらく日赤の病院と多くのそれらの病院と比べまして、日赤のほうがより清潔である、よりりっぱであるというようなことは言えないと思うのです。これは現実に調べてみればわかる。数年前、二、三年前でありますけれども、社会労働委員会においてこの日赤中央病院の問題が取り上げられた。ずいぶんと社会労働委員会から警告をされておる。そのときに、日赤中央病院というものは生活保護の患者をろくに入れない、差額徴収ばかりやっておる。しかも中央病院のある部分は実にがたがたのひどいものである。非常に古い不潔な建物で、そうしておよそ近代病院とは考えられないようなものであるという事実は、ずいぶん指摘されたのです。そのときに葛西君、前の厚生次官が日赤の副社長をしておりましたから、厚生省にずいぶん強く警告をいたしましたけれども、当時安田君が厚生次官であったかと思いますけれども、それに対して一年後にまた質問をいたしましたけれども、何らの処置をしなかった。今回の不祥事件の問題も、私は後に申し上げますけれども、そこらに問題がある。だから日赤だけにそうさせるという理由はない、いかなる理由によって日赤だけにさせるのか。ほかにもオープン採血をするということは、この供血、献血、預血等においてそれを非常に能率化する方法である。たとえば労働組合の諸君、自由労働の諸君、学校、こういうところに出ていって献血をさせる、預血をさせるということになれば、その諸君が仕事をやめて、そうして病院まで来るというようなことをせぬでもできるわけであります。したがって、だれが考えても、どこの病院にも——病院というものは医療法によって、これは十分監督され指導されておるのでありますから、したがって、そういうような病院というものに原則としてどこにも許すという方法をとるべきであって、日赤だけにこだわって、これに許すという考え方それ自体に、今回の不祥事件が起こってまいりました原因があると私は考える。そういう厚生省の考え方自体に間違いがある。なぜ大学病院ではいけないのか。公的な、地方に基幹病院的なものがたくさんある。県立病院でもずいぶんりっぱなものがたくさんある。済生会の病院もある。あるいは組合病院もある。いわゆる公的病院もまだたくさん、それらはみなりっぱなものがあって、日赤に決して劣っていない。私の町を見たって、私の町の病院というものとどう違っているか。それにまさるとも劣らないものが一ぱいある。でありますから、日赤だけになぜ許さなければならないか。この理由がいまのお話では私は納得できない。もっとやはり血液問題に真剣に取り組むということであれば、ことに売血をできるだけなくしていこうとするならば、そういうような営利を目的とせざるところのもの、そういうものにどんどんオープン採血をさせるべきだと思う。私は残念ながら薬事審議会のほうの答申の中にそういうことがあるかどうか見てありませんけれども、これは厚生省としては、いまの論理は非常に薄弱だと私は思うのです。この点いかがでしょうか。 〔福井委員長代理退席、委員長着席〕
○熊崎政府委員 先ほど日赤だけというふうに私限りましたのは、実は県立が若干ございますので、公共立の場合には移動採血車等も認めておりますので、訂正させていただきます。大学病院その他公益法人がやっております病院等がやる場合に、これを認めるか認めないかという先生の御意見でございますが、これは従来の院内血銀を認めておるというのと同じような態度で私どもは考えておるわけでございまして、認めないとか認めるとかいう問題では私はないんじゃないかと思います。つまり実態が、現在の大病院におきましての院内血液銀行といいますものが、どこでも自由に院内血銀を開設してもいいことになっておるわけでございます。ところが、実は院内血銀に従事する医者なり看護婦さんの方々が、なかなか採血プロパーの仕事として従事することを快しとされないというふうな実情がございまして、院内血銀は十分な院内の血液の需要をまかなうまでに至ってなくて、結局日本赤十字社なりあるいは場合によっては民間血銀に全面的に依存するというふうな状態になっておるわけでございまして、やはりこういう採血を主体にする医療行為といいますものが、日本赤十字社なりあるいは公立の銀行というふうにきまった分野において専属的にこれをやっていただく人の営々たる毎日毎日の行為に依存せざるを得ないという実情を私は申し上げたわけでございまして、先生の御説のようなことになりますと、たとえば公益法人に認めて、それじゃ民間血液銀行にもオープン採血をなぜ認めないのかというふうな議論にまで発展いたしまして、際限が実はないわけでございます。したがいまして私どもとしては、移動採血車を持っておる血液銀行、これは主体があくまで日本赤十字社になるわけでございますが、そういうところに限って認めるような方向にすべきではなかろうかということで、目下その案を検討いたしておるということを申し上げたわけでございます。
○長谷川(保)委員 それは全くの詭弁であって、移動採血車をほかに許さないのでしょう。現在、許さないから日赤でやらざるを得ぬということになるのでしょう。だから際限がないと言うが、際限はちゃんとある。血銀までの際限はちゃんとある。それ以上は広がりはせぬ。だから私は、本来はその血銀なるものが、今日におきましても、先ほどお話しのように、ずいぶんと売血問題が出てから変わってまいりまして、また日赤等の非常な御尽力もあって、かつて昭和三十八年の一月におきましては、わずかに全体の一・六%しか献血、預血がなかったものが、三十九年の十一月にはすでに全体の一二・四%というような、約十倍にも匹敵するようなものに順次なってきている、こういうことになってきておるんでありますけれども、これらのことは、これがもしほんとうに売血をなくそうということであれば、移動採血車をむしろ血銀に許して、そして血銀が、売血専門の方ではなくてむしろ工場、事業場、学校等にも出ていけるようにすれば、われわれ目的は売血のきたない血をなくそうということでありますから、したがって、そういうことについて十分な監督をなさってそれをやりさえすればいいのであって、日赤だけにやらすという理由は何もない。日赤だけが一番いいという理由は何もない。むしろ今回の不祥事件ほど国民の憤激をかったものはないでしょう。だから、日赤だけしか移動採血を許していない、今後もそうだ、それ以外に許さぬという考え方は変じゃないか。いまの公共団体には一部許してあるということであるけれども、そういう考え方自体が変じゃないか。だから、そこらに日赤があぐらをかいてしまいますところの原因があると思うのです。だから、いずれまた社会労働委員会でもこういう問題は十分議論したいと思いますけれども、やはりこれは厚生省は考え直すべきだ。こういうような一方的なことをしてはいけない。だから、私は、後に申し上げますけれども、血液を売買の対象にする、営利の対象にするということは大反対でありますけれども、こういう今日の日赤だけにしか移動採血車を許さぬということはだめなんです。これは一般的に考えても、こんな考え方は独占禁止法違反ですよ。やはり、むしろ二つなり三つのものが競争で、お互いにりっぱにやっていくというやり方でないとだめなんだ。そうでないと、どんな人でもあぐらをかいてしまうということになりますから、この問題はまたあらためて議論いたしますけれども、これは十分に厚生省は今回の事件にかんがみて考え直しをすべきであるということを申し上げておきたいと思うのです。 それから次に、最近テレビを、一週間か十日前でございましたが、見ますと、この日赤の不祥事件がありましてから献血が急速に低下してきているというNHKのテレビがございました。この傾向については、あなた方は昨年の十一月ごろまでしかデータを持っていないようでありますけれども、ごく最近はどうなっているのか、データをお持ちでしょうか。これはNHKのテレビでやったのです。
○徳永参考人 ただいまの献血者のことでございますけれども、不祥事件が新聞紙上に載りましたのは一月の中旬でございます。それ以後献血者数については私ども非常に心配いたしましたのですが、事実はさほどの影響はございませんで、移動採血など、話がきまりかかったところが、二、三、話がうまく進まないというようなことはございましたけれども、別にきまったものが取り消しになるというようなこともございませんし、私どもに実際来られる方の数も、非常に神経質に気を配っておりましたのですが、かえってふえているような気もいたしますし、総計いたしまして、これは一月だけの数をとりましても昨年度の一月当たりの数に比べまして大差ございません。ですから非常にありがたいことだとわれわれ考えております。
○長谷川(保)委員 先ほどの日赤の献血でありますけれども、いまのお話ももう一つ突っ込んでおいていただきたいと思うのですが、NHKが、夜の九時四十分からであったと思いますけれども全国にテレビで放送しています。これによると最近非常に低下しているという放送がされた。もしそうでなければ、やはり日赤でも厚生省のほうでもNHKの注意を喚起しておく必要がある。そういう放送をされますといよいよ献血意欲がなくなってしまいますから、これはよく実情をお調べになって、もしそうでなければNHKに訂正をさしておく必要があると思います。 それから、同時にいまの日赤の献血でありますが、たとえば、私の静岡県で申しますと、静岡に最近二つ血銀ができているわけです。それは緑十字と日赤です。ところが、私の住んでおります浜松で献血したいというと、静岡まで行かんならぬ。それが一つと、今度献血をした浜松の住民がけがをした、病気になった、すぐ血液がほしいというて日赤のほうに申し出ると血が来ないという。地方都市には血が回らぬ。献血しても返ってこないという事実があるんだが、これは日赤ではどうお考えになるのですか。こういう事実は事実あるんですか。私に訴えてきておるのですが、そういう事実はどうですか。
○田辺参考人 ただいまの浜松における状況でございますが、いま実情についての資料も持ち合わせございませんし、実情も聞いておりませんので何とも申し上げかねるのでありますが、血液センターというのは大体県庁所在地にございますので、確かにそこへ行って献血をするということは非常に不便でございますから、でき得れば要所要所に血液センターの支所を将来赤十字の財政の許す限りつくるようにしてまいりたいと思っております。さしあたりの措置としましては、日取りをきめておきまして、段取りをきめておきまして、そこへ血液自動車が行くということにせざるを得ないわけでございます。将来オープン採血を許していただくようになりますれば、現在の血液自動車が行くよりはもっと簡便に地方都市にも採血に行くことができるようになると思います。 なお、献血いただいた血を地元における医療機関等に配給する組織についてでありますが、これも一々、本部の血液銀行にためておいて、それで要望のあったつど、持っていくということは非常に非能率的でございますので、地元における配給機関等と特約を結んでおきまして、その地元の配給機関から医療機関に配給されるように仕組みを考えておかなければならない、こういうふうに一般的に考えております。
○長谷川(保)委員 だから、厚生省はなぜ一都市に二つを許すか。むしろ今日血銀の配置というものこそ厚生省が考えるべきであって、厚生省当局は静岡県の静岡だけに許さぬで、もし静岡に一つ許したならば、ほかのもう一つは浜松に許すとか、あるいは沼津に許すとか、こういうような配置をすべきである。それを同じ静岡なら静岡——静岡というところは静岡県のまん中ではあるけれども、そこに二つだけを許して、そのために地方の者は、それを得たいとすれば、運賃その他で困る。輸送その他でもって手間もとる。すぐほしいといっても手に入らぬという形になるわけです。いま私どもしばしば名古屋からとっておるのです。名古屋から自動車が走ってくるわけです。そうすると三時間かかる。そういう形になっちゃう。これではいけないのであって、厚生省としましては、当然まず全体の血銀が血銀網をつくるために、公私を問わないで、全体の配置を、そういうように一カ所にほとんど同時に二つを許して、ほかにはないというようなことをすべきでない、こういう点は厚生当局としましては当然全体の配置というものを考えていかなければならぬ。そこにいわゆる行政がある。それでなかったら行政もくそもあったものではない。全くの自由にやらせればいいことになっちゃう。そうじゃなしに血銀を許可するときに、そういう配置を当然考えていくべきであるというように思うのです。いまのお話は地方都市の一つの例として申し上げたわけであります。現実にそういうように訴えてきておりますから申し上げたのでありますけれども、そういうような地方の都市におきましては、血銀がないために、いざ自分がほしいときに、献血はどうやらしたけれども、その血を得ることができない、こういうようなことはやはり献血運動というものを非常に阻害する。もうこの人たちはそんなばかなことがあれば二度としないということに私はなると思うのです。ですから、私も献血が非常に大事であると思いますから、私もしました。それは名古屋から来ました。ところが名古屋の日赤と静岡の日赤のほうでけんかという形になった。これは名古屋の日赤の車を持ってきて、事実は緑十字がやりましたけれども、みずからうちの労働組合員とともに相当量の血を献血したのです。そういうようなことになりまして、これでは困るのでありまして、それで血がほしいときにその血が得られないということになれば困るのであります。これは当然預血にしろ献血にしろ、こういう問題はやはりできるだけ多くの者に——採算が合わなければ採血車はどこだって持ち合わせはしないのでありますから、採算が合うように、見込みのあるところに採血車を持っていくのでありましょうから、できるだけすべての、ことに公的なあるいは公益法人的なものには、病院には監督をした上で採血車を自由に持てるようにいたしまして、そうしてさらにできるだけ血銀を全国至るところの都市に配置するということにしなければならないと思います。こういう点はひとつぜひとも日赤当局も厚生当局も十分に考えていただきたい。いま申しましたようなことが事実あると私のところに訴えてきておるのであります。これは浜松のある労働組合員から訴えてきておるのでありますが、そういうことになれば非常な大きなマイナスになりますから、絶対にそういうことのないようにあらゆる努力をしていただきたい。今日、日赤の採血車の稼働状況を実際において聞いてみますと、月のうち十日くらいしか動かない非常に非能率的な行き方をしておる。これは地方で聞きますと非常に非能率、まるで遊んでいるようなものです。そういうようなことでは採算が合わぬということは当然なことになってくるのでありまして、これらの点もまあ十分なまだPRができていないということも当然言えますけれども、いまのような変ななわ張り争いなんかあってはだめです。これはなわ張り争いなんかすべきではないのであって、一番便利なところの日赤なら日赤、ほかの病院なら病院のほうに申し込めばすぐ移動採血車が来てくれる、五十人集まれば来てくれるというようなことにしなければ、この血液問題の解決はこれ以上困難になる。やはり売血というものは全部なくするべきである。したがいましてスピーディーな動きができる、能率的な動きができるようにしなければだめなんで、あぐらかいておっては困ると思うのです。 そして今回の不正事件でありますが、先ほど伺っておりますと、どうも私が持っております資料とは少しく違うように思われるのであります。いろいろ御釈明がありましたけれども、まず第一に伺いたいことは、一体これは日赤で最初に発見したのか、警察のほうが先に手を入れたのか、どちらでありましょうか、先に伺います。
○田辺参考人 これは赤十字で発見いたしたのでございます。一等最初に発見いたしましたのは銀行当局でございます。
○長谷川(保)委員 それで、先ほど伺っておりますと、五百二十七万五千円というものを銀行からおろして不正使用した、こういうことであり、そのうち百十四万五千円は、これは正規に使ったものであった、こういうお話でありましたが、私の知っているところでは、これは職員の夏期のボーナスであった。これが百十万円というように伺っております。これはどうでしょうか。
○田辺参考人 それは警察で調べた結果、そういう事実が判明いたしたわけでございます。
○長谷川(保)委員 ここらにちょっと私ども社会人としてはあきれることがあるわけです。それは、初め日赤は五百二十七万五千円が不足しておるという発表をなされた。ところがそのうち百十万円は職員全体の夏期のボーナスだ。一体夏期のボーナスに出したものがわからないのか。それが一体日赤はわからないような帳簿のつけ方をしておるのであるか。これがあとで夏期のボーナスであることがわかった。日赤が五百二十七万五千円を不正使用しておると発表しておいたあとで、警察に言われてそれがボーナスであったとわかったということですね。一体夏期のボーナスなら最初からわかっているのじゃないですか。それが区別つかないような帳簿の整理のしかたをしているのか、帳簿のつけ方をしているのか、これは私ども社会人としては、あまりのことにちょっとあきれてものが言えないという形なんですが、これは実際どうなんですか。
○徳永参考人 お答えいたします。 ただいまの御指摘のような点が確かにございますが、この不正事件を両名が行ないました際に預金通帳から金を取るという場合に、証拠隠滅といいますか、出したり入れたりという操作をかなりやっておりまして、実際にはその入れたお金がどこから入ったかということが非常に複雑になっておりまして、最初私どもの調査でそれを、ちょうどボーナスに見合うところに入ったのだということを見そこなっておったわけであります。これはずさんとおっしゃられると一言もございませんけれども、隠すように動かしておりましたものですから、簡単に預金をおろしてすぐそれを全部着服するというような簡単なやり方でございませんでしたものですから、私どもでは見つからなかったというのが実情でございます。
○長谷川(保)委員 さらに野中安子名義で預金しておったものが四万五千円あるということを私は聞いておるのでありますけれども、この野中安子の名義で預金してあったものが四万五千円。それを先ほどの副社長のお話ですと、合わせまして百十四万五千円という数字になるように思うのです。でありますから、野中が自分で横領して自分の名義で預金しておった、あとで一応それを出さして、それでこれは事実あったんだ、だから百十四万五千円はこれは使ってなかったのだ、こういうこと、実際は取ってしまったやつをまた取り返しただけのことであって、そういうことになっておるのではないか。どうですか。
○徳永参考人 お答えいたします。 野中安子の個人名義に振りかえられたというわけではございませんで、これは普通預金から出したものの一部を当座預金に四万五千円振り込んでいたということでございます。
○長谷川(保)委員 それからさらに、渋谷署の発表として二月六日の毎日及び日経に報道されておるところによりますと、そのほかにさらに五百万円くらいのものがあるように言われておるのでありますが、この点はいかがですか。
○徳永参考人 ただいまの四百十三万というのは現金の被害でございまして、そのほかの未収金の被害というのは警察のほうで調べておりまして、これははっきり出ておりません。何分にも以前からのものを先方の病院に当たりましていろいろ調べますので、はっきりした金額は出ておりませんが、この四百十三万円より若干ふえることは確実であろうと思います。
○長谷川(保)委員 その新聞その他の記事によりますと、この野中安子は五百万円くらいの金を横領しておって、そうして中島晃という二十八になる人ですか、かつて三十年に中央血液センターの職員として勤めておって、いまはバーのバーテンか何かしておるという、そういう男にみついでおったらしい。その男に預けておったというのでありますけれども、その男がほとんど全部を使ってしまっておるというようなことを聞くのであります。井上が四百万円くらい、野中が五百万円余というようなことになり、たいへんな金額になってくるように思う。そうすると、もしそういうことが事実であるとすれば、これは二人はツーツーでやっておったものであり、仲間でやっておったものと思わなければならぬのであるが、これらの点はどうなのか。
○徳永参考人 私どもにはっきりいたしませんが、警察へつかまるまでに私どもで両名を問いただしました限りでは、この点ははっきりいたしませんでした。最後のほうでは両名共謀というような感じがいたしましたが、警察でその後聞きますと、やはり警察のほうでもそういうふうにお考えのようでございます。
○長谷川(保)委員 そこで社長さん、あなたはまあなったばかりで、いかにもお気の毒なことだけれども、私が不審にたえないのは、先ほど来お話を伺っていると、帳簿が警察に押収されているから調べようがないというお話でありますが、この血液は全部日赤の地方の病院で使っているんでしょう。もしそういうことであるとすれば、その方面を調べればすぐわかるじゃないかと私は思うのです。それを何カ月も調べずにおくなんというばかなことはない。こんなものはすぐにも——十日もあればわかってしまう。世の中に住んでいるわれわれから見ればそういうふうに考えられるんだが、そのほかにもこの血液は出しておるんですか。一般のところへ出しているんでしょうか。社長さんの常識として、いかにも私は——わずか、もし日赤関係に出しているという血液であれば、これは調べるのはわけはない。また、そのほかにも出しておるとしても、そうたくさんなところへ出しているんじゃないのでありましょうから、その取引先をシラミつぶしに調べれば、こんなものは一週間か十日で全部わかってしまう。それが警察に書類を持っていかれたからわからぬなんというばかなことはない。これは社会通念としてそんなことはあり得ない。特にこのような大きな迷惑を日本の社会全体にかけ、その血液を献血してくれた人に非常な侮辱を与えた、こういうような大きな事件でございますから——こんなものはもう取引先を全部調べれば十日もあればすぐわかってしまう。それがわからぬというのは私にはわからぬのでありますが、どういう事情でしょうか。
○堀川委員長 長谷川委員に申し上げますが、社長さんにお聞きじゃなければいかぬでしょうか。
○長谷川(保)委員 社長さんの御意見をまずお聞きしたい。常識でいいです。
○川西参考人 私の常識としてお答えし得ることは、あなたのおっしゃるとおりに地方のほうに照会さえすれば、別に警察から書類を返してもらったのを見なくてもわかるということであれば、私自身の態度と常識は、この問題は再びこういうことを繰り返さないということを断じてしなければならぬ。そのためには原因、真相というものを十分に糾明しなければならぬ。まだそのときは私は持っておりませんし、先ほど来の質疑応答から私ども持った考え、そして態度は、できるだけ早く、先ほどの応答から相当答えもありましたけれども、なお、いまのような御質問があったり御意見があったりするわけですから、そういうような点については、わかるものなら早く調べて、そして適当な処置をとる。こういうこと以外に、地方に配っておるのかどうかとか、そういう事実については私は答えることができません。副社長がおりますから、そのほうから答えてもらうことにいたします。
○田辺参考人 いまの御質問は、未収金の中からつまんだ実情はどうかということでございますが、これは中央血銀で配給しておりますのは、赤十字は二五%ぐらいでございます。あとは他の病院に配給しております。その数は中央血銀で調べた取引先は六十四ございます。それで、実は当然そういうことをやっておったのではないかということは、この事件の報告を受けたときにすぐ感じました。それで本社で監査をいたします際にも、銀行の預金ばかりではなく、未収金の中からちょろまかしておったのを調べてもらいたいということで調べてみたのですが、六十四ございまして、しょっちゅう出たり入ったりしておりますものですから、正確な調査ができかねておりました。時日を重ねまして三十九年三月末現在で六十四病院について調べましたところ、向こうでは未収金になっておる金額はこれだけだ、赤十字で未収金になっているのはこれだけだ、それを照らし合わせますと、差額がやはり五、六百万円になるわけであります。的確な数字は持ち合わせておりませんが、向こうが払ったのに未収金がありまして、こっちで入金の手続がおくれているという事実がございますので、その中でほんとうにごまかした金額がどのくらいであるかということは正確にはわからなかったわけであります。また去年の十二月ぐらいまでかかりましてそういう実情は調べたわけであります。これは、私のほうでも正確につかんでおくことは、損害賠償の請求をいたしまして法的な措置を講ずる必要がございますので、鋭意調べておったのでございますが、さらに正確には、目下警察当局におきまして、未収金の中からごまかしたお金が幾らかということを逐一各施設、病院ごとに調べております。その数字の大体判明したのが警察署等から新聞社等にわかった数字ではないかと思っております。大体私どもが聞いておりますのは、五百万円程度と聞いております。さらにそれ以上にあるのかどうかは、まだ警察で調べておりますので、その金額を合わせてみますと——先ほど申しました四百十三万円という預金からごまかした金と米収金からごまかした金を合わせますと、御指摘のような九百万円の金になるのではないか、なおその四百十三万円という預金からごまかしたお金のうちで、野中安子が横領した分と、それから井上和行が横領した分との割合がどうなっておるかと申しますと、警察当局の調べによってわかった点でございますが、野中は三百三十万五千円、井上が横領した金額が八十二万五千円。野中が横領した金額の大部分を、先ほどお話がありました中島晃に渡しておったのが、警察当局の調査によって判明した。こちらで調べたときにはお互いに自分の横領した金額を少なく言いまして、あとはおまえの責任だということで判明しなかったわけであります。警察で調査した結果、この金額の横領の内訳と申しますか、どちらが幾らということは、そういうふうにわかったわけでございます。
○長谷川(保)委員 私の持っている資料で私がちょっと計算したところでは、総額千五十六万円になるのです。けれども、私の資料が合っているかどうかわかりません。わかりませんが、とにかく終わりが三十九年七月でございましょう。七月までのものでございましょう。三十九年七月から今日までもうすでに半年の余たっているのですから、その間にこの六十四の取引先というものを全部シラミつぶしに調べればわかる。われわれならこんなものは十日もあればわかりますよ。そんなばかなことをしていたら、日赤としては国民に言いわけが立たぬですよ。警察が資料を持っていったから警察が調べる、そんなばかなことはないのですよ。あなたのほうで先に調べて警察のほうにどんどん協力する、ここからこう出てきました、ここからこう出てきましたと、どんどん資料を提供しなければうそです。そうしてこういう問題は一日も早くケリをつけるということをしなければうそでありまして、こんなことができないようでは、みんな辞職してもらわなければならないと私は思う。こんなばかなことはありませんよ。また厚生省当局も、七月から今日までもうまるで八カ月も九カ月も、これをこのまま警察の調べ上げるのを待っているなんということで、そのまま見のがしておるということではだめです。これはどんどん日赤に協力して、けつをたたいてやらせなければならぬ。これはきょうお集まりになったどなたでも明らかだと思う。七月の終わりにやったことがいまだにわからぬ。日赤自体でわからぬ。言いかえれば、日赤の帳簿はないのじゃないかという以外に推測のしようがない。こんなばかなことをやられておったのでは、たまったものではありません。私ども、毎年毎年町内会に割り当てがきて、いろいろ日赤の寄付金というものを出す。私はそんなのは変だと言うのです。言うけれども、町内の集めに来る人も、そんなことを私どもが言うと気の毒でありますから、私は家内に、いいから言うだけ出してやりなさいと言って、いつも毎年寄付しておるわけです。ですから、わずかな額でありますけれども、全国民がそれをやっておるのでありますから、日赤はもっと責任を持たなければいかぬです。血液問題だけでなしに、こういうようなやり方自体に問題があるのであって、これは野中とか井上という人の責任よりも、むしろ私は、日赤の当局自体に問題がある。ことに、何で井上の私印でもって預金をさしておいたのですか。これは公金じゃありませんか。当然責任者が所長の印でもって預けなければならない。なぜ私印で預けておったか。なぜ私印で出し入れができたか。こんなことは、およそ事業を経営する者としては、役所といわず一般の私企業でもこんなことは考えられません。一課長、しかもこれは運転手さんから上がってきた人だという。私は運転手さんが下級の人だと言うわけじゃありませんけれども、およそ運転手さんから上へ上がってきたという、しかもまだ三十二とか三とかという青年、二十七とか八とかいう娘さんたちに、こういう大きな金を扱わしておったということ、しかも私の印でやらしたというのはどういうわけです。当然公印ですべきものであり、所長が判こをついて見るべきものである。特に預金を出したり入れたりしていろいろわからぬようにしてあったと言いますけれども、それならばこそ、なおさらこういう問題は見てやらなければならない。なぜ私印でやったのでしょう。この理由を聞きたい。日赤ではほかのものもみなそうやっておるのでしょうか。それならば至急に私はやめなければならぬと思います。
○田辺参考人 御指摘のとおりでございまして、赤十字では、預金の名義は当該施設の長の責任において行なわなければならないと、規定の上においても、通牒においてもはっきりしておるわけでございます。なぜそういうふうになっているのを、中央血銀において、所長名義でなく、井上個人名義になっておったか。またなぜそれを赤十字が立ち入り検査に行ったのに発見できなかったのか。まことに申しわけないことでありますが、私ども赤十字は、率直に申しますと、善意の人の集まりだというふうな一般的な印象がございまして、まさかと思うことがときどき起こるのでございます。これをだんだん調べてまいりますと、やはり長い間に多数の人が関係いたしますので、そういった会計経理なりやり方を、非常に厳重に、一定の形式によってきちっと守るように指導することが非常に大事であると考えまして、鋭意進めておるわけでありますが、何ぶんにも施設の数が多く、職員の数が多く、また本部の指導力等も人員等の関係から十分でございませんので、一々見てやるわけにはいかないのでございますが、少なくとも規定できまったことはそのまま守らせるということが大事だと考えまして、常に規定の存し方を会議その他の際に厳重に指示しておったわけでございます。まことに本社のきめました規定を守らないで済んでおったということは常識では考えられないことでございまして、なぜそういうふうなことをやっておったかという御質問に対しましては、血銀当局における所長以下のやり方がうかつであった、こう言わざるを得ないと思うのでございます。
○長谷川(保)委員 うかつでは全く済まされぬことでありまして、なお追及しなければならぬのでありますけれども、時間もあまりありませんから、少し進めることにいたします。 一体いつから日赤は血液事業をやっておったのですか。
○徳永参考人 昭和二十八年でございます。
○長谷川(保)委員 そうすると、三十八年十二月前の金の処理はどうやっていたのです。この井上がやります前はどうやっていたのですか。
○徳永参考人 金の処理とおっしゃいますと、どういうことでございますか。
○長谷川(保)委員 二十八年から血液銀行の仕事をやっておった。そうすると、三十八年十二月に井上が前の業務部長ですかのおやめになったあとを継いだということでありまして、それ以後にこの不正が行なわれたというのでありますが、三十八年十二月に井上がかわります前は、一体そういうような経理はどうやっておったのでしょう。私どもに言わせると。こんなことを井上が急にやるはずがない、その前からこれはくさいぞという感じがするのであります。だから三十八年十二月、井上がかわる前にはどういう金の処理をしておったのか、その実情を伺いたい。
○徳永参考人 経理の実情でございますが、貯金通帳などにつきましては、これは名義は所長名義でございましたが、代理人として事務部長の名前で届け出はなされております。これは銀行のほうにも了解を得ましたし、本社のほうにも届けは出ておりますが、代々事務部長がかわりますときに代理人変更という手続はとるわけでございます。ただ井上の場合にその変更の手続が明確でなかったということは私どものうかつでございまして、所長にそういう届けをはっきり出しておらないということを聞いております。これは当座預金でございまして、そのほか普通預金もありますが、名義は大体同じような形式でございますが、個人名義と申しますか、銀行名と職名は上につけて、井上という名前で銀行に届けておるようでございます。実際はおろす場合にはその井上の判でおろしておる。井上がかわります前、やはり事務部長の名義でこれはおろせるようになっておりたと存じます。
○長谷川(保)委員 前の事務部長さんがおやめになった、その事務部長さんのときにも、そうすると私印でやっておったわけですね。事務部長さんの私の名義で、私の印でやっておったのですか。一体この預金の名義はだれになっているのです。
○徳永参考人 名義は所長でございまして、代理人として事務部長という届けが重ねて出されます。ですから、通帳の一番最後には当人の名前が、事務部長の名前が載るようになっております。払い出しの実際の手続は、ですから事務部長の判で行なえるようになっております。
○長谷川(保)委員 これはそうすると、先ほど普通頭金と当座預金に分かれているようなお話でございましたけれども、普通預金はその判こでもって自由にやれる、それから当座預金のほうもやはり井上なり前の事務部長なりの判こでやれるということになっているのでしょうか。
○田辺参考人 ここに、三十三年の九月以降の普通預金、当座預金の名義人の名前が出ておりますが、いずれも事務部長の名前で手続してあるようであります。判こも個人の判こになっております。
○長谷川(保)委員 おそらく前のほうも、はたして、どれだけの監査ができておったか、どうも私どもにはあぶなっかしいと思うわけです。こんなことがわからなかったという監査のやり方では——だれが監査委員か知りませんけれども、私、ここにその名簿を持っておりますけれども、そんなばかなことはない。監査がこのまま通って、判こがついてあれば、これは言うまでもなく監査委員の大きな責任です。したがいまして、当然、世の中のしきたりからすれば、あるいは法律的に申しましても、もし残金が支払えなければ、これは監査委員が当然責任を負うべきだと思います。このようなことで、われわれとしては——これだけの公的な事業でありますから、したがって、あらゆる金の支払いというものは当座預金で、小切手でする。そうすればだれに払ったかわかるわけですから。入ってくるものも同様に、当座振り込みでするなりあるいは郵便の振替貯金でするなりということをして、だれから幾ら入ったかということが一目瞭然ですぐわかってくるということにして、どこでもそういうごまかしができないということに当然しておくべきでありまして、おおよそいつからこういうような大福帳的な経理がされたのか。およそ世の中の常識と非常におくれた組織であるというふうに思わざるを得ないのであります。 〔委員長退席、福井委員長代理着席〕 三十八年十二月前のほうの監査は十分できておるのでしょうか。すでにこういう事件があったのでありますから、前にさかのぼって、当然再監査をしておかなければならぬと思いますけれども、そういうのをしてあるのでしょうか、してないのでしょうか。何だかあぶなっかしくてしようがないという気がするのですが、どうですか。
○勝澤委員 どっちなんでしょうか。さっきから聞いていると、血液センターか日赤本社のほうか、そこのところがはっきりしない。血液センターが答弁するのじゃないか。そこがどうもさっきから聞いていてよくわからない。どっちの監督か。
○田辺参考人 ただいまの監査の点は、本社が血液センターを監査しております。 判こがどういうふうになっておったかということは、血液センターのほうで答弁すべきことでございますが、私のほうで……。
○勝澤委員 副所長はそんなに新しいのですか。長くいるのでしょう。長くいるならもうちょっとわかりそうなものですが、歯切れが悪いですね。
○長谷川(保)委員 ちゃんとできているのでしょうか。三十八年十二月以前の監査がついてあったと思いますが……。
○田辺参考人 監査と申しまして、一応決算をとりまして、審査して決算は終了いたしておりますので、一応決算は済んでおるわけでございます。ただ決算の際に貸借対照表によって未収金となっておるものは、実は未収金ではなくて、こちらでは未収金と思っておるが、途中でごまかしがあって、そういうことになっておったというふうに思うのであります。 預金については、三十八年の十一月以降、野中安子が経理係長を兼務して以来の預金関係を調査したのでございますが、それ以前におきましては、私どものほうではまだ調べておりません。正直に申しまして、いまのお疑いでもっともでございまして、それ以前にもこんなことがあったんじゃないか、またやっておったんじゃないかというお疑いでございますが、こういった預金をごまかしてやっているということはないと思いますけれども、これもできる限る調べさせたいと思います。
○長谷川(保)委員 私の持っている資料によりますと、監事は八幡製鉄株式会社会長小島新一、三井銀行会長佐藤喜一郎、前第一銀行頭取酒井杏之助というお三人がなっておられますが、その時分からこの方々が監事をしておられるのでしょうか。全然めくら判だけを押しているのでしょうか。実際監査のやり方は、どういうふうにやっているのですか。
○田辺参考人 監査には個別的な監査と、それから決算の際の書類を監査するというのがございます。ただいまあげられました方々は、本社全般の監査でございまして、決算書全部について書類によって監査するたてまえになっているわけでございます。大事なのは、そういうものと別に、個別的な監査をいたしまして、こまかくえぐり出しまして、事務の処理あるいは経理の行き方その他を的確に把握いたしまして、不適当なところを是正する措置が大半であるわけでございます。と同時に、第一線の行ないます事務の処理の基準と申しますか、たとえば先ほど仰せになりました、支払いは全部小切手で行なう、当座必要な現金だけをそのところに保管しておいて、その限度をきめておいて、それ以上の現金を持たせない、あとは全部小切手で支払う、こういうやり方。これも赤十字の場合におきましては、会計規則その他が非常に不備でございまして、現金払いということが従来からのたてまえになっておりますが、今日では、実際は小切手によって支払うように改めさしております。ここらあたりでも、その後小切手で支払うように改めさしたのです。そういたしますれば、小切手で支払う場合には、支払い計画を添えまして一カ所長印をとりますので、小切手に判を押すことによって金を引き出していく、現金は少額の支払いに当てる、こういったやり方を当然なすべきであります。私も、実はこの事件が起こりまして、現場に行きまして事務処理のこまかいことを調べてみたのでございますが、先ほどお話がございましたように、事務の流れということと、それにマッチした会計経理のやり方というものは、もっともっと精密にして固める必要があると感じたわけでございます。現在、新事務部長が参りましてから、会計経理のほうの専門家でございますので、逐次事務処理のやり方を改めておりますから、その点は、現在では疑問のないようなはっきりしたやり方に訂正になっております。事務の処理がおそいじゃないか、あるいは個人の名義になっているのは何事かと、いろいろ御指摘を受けるわけでございますが、これを契機といたしまして、こういうやり方をやっておるところがほかにもあるかもしれませんので、たびたびの関係者会議の際に、緻密な経理をするように指導しておる次第でございますが、今後も十分徹底さしてまいりたいと思います。
○長谷川(保)委員 ここにお宅の組織図がございました。それによりますと、副社長の下に監査室がちゃんとある。人事部、総務部、振興部、社会部とともに監査室があり、衛生部、外事部、報道室というものがある。この監査室は何人でやっているのでしょう。
○田辺参考人 室長以下、兼務を入れまして五人だと思います。
○長谷川(保)委員 これは、本社及び本社の直接やっている仕事だけの監査室でしょうか。支部のほうにも監査委員というのがありますけれども、その点はどうなんでしょう。全国のものをみんなやっている監査室なんでしょうか、どうなんでしょうか。
○田辺参考人 本社の監査室は各支部にも及びます。地方にある監査室というのはその支部ごとの監査室でございます。
○長谷川(保)委員 そうすると、この監査室それ自体が五人ばかりじゃ無理でしょう。弱体だと私は思いますね。これは機構もやはり根本的にやり直さなければいけませんね。
○田辺参考人 おっしゃるとおりでございまして、何と申しましても病院だけでも九十幾つあり、支部が四十六ございます。そのほかに血液センターがある。金の出し入れを伴う施設が非常に多いわけでございます。本社の人間の数は、先ほど申しました外事部、社会部、衛生部、血液事業部あるいは振興部、いろいろ合わせまして全部で九十六人でございます。ほかの病院をとってみますと、四十から五十の病院を経営しているだけで百人からの人を雇っているわけであります。一つ一つとりましても、相当大きな大事な仕事をやっているのでございますが、何ぶんにも最近のような様子になりますと、人を採用する場合はたくさんの経費が要りますので、最小限度の人でできるだけ効率的にやっていこうとする関係上、監査等がついおろそかになるわけでございます。そこで私のほうでは、何と申しましても常時不断に監督指導をしてもらうのは都道府県でございますので、厚生大臣にお願いいたしまして、厚生大臣から都道府県に通達を出していただきまして、都道府県の所管部課は、常時その所在する病院等の監査指導をお願いしたいということで、こちらから知事にお願いをして、都道府県の職員によりまして赤十字社の事務を監査していただくようにお願いしているわけでございます。また、厚生省自体も直接地方にお出かけいただいて監査していただくようにお願いしてございます。監査は非常に大事な仕事でございますが、大部分が兼務である監査室の力には限度がございますので、常に重要性を指摘され、また言われますけれども、旅費もかかりますし、人件費もかかるということで、つい大事だと思いながらも手が及ばない状態でございます。
○長谷川(保)委員 社長も御承知のように、つい最近裁判の行なわれました事件にも、たとえば鳥取及び長野の支社の不正事件があります。三十七年から三十八年二月にかけまして、鳥取の日赤だけでも、約手三十一通、四千百二十五万円という額のものをある医療材料商等に、から手形、いわゆる融通手形というたぐいのものを出していたというような事件がついこのごろ裁判したばかりであります。こういうようなこと、その他いろいろ見てまいりますと、やはり日赤として綱紀が非常にたるんでいる。たるんでいる原因としましては、名誉総裁には皇后がなり、名誉副総裁には宮さまがなる、また日赤の副社長はいわば代々前厚生次官が就任する、こういうようなところ、私たちが国会でもってそういうふうな問題を先ほど申しましたように突っ込んでも、厚生省は自分の先輩でありますから遠慮してものを言わぬらしい。でありますから、先ほど申しました日赤中央病院の件でも、社会労働委員会でずいぶん激しく追及されて、しかも一年間何もしていなかった。約一年後に聞いてみたら、何もしておりませんでしたということをぬけぬけと厚生省のほうでも言っておるというような、いわば袞竜の袖に隠れると申しますか、そういうことで日赤社法の上に立ってあぐらをかいているというように思われるのであります。 私は、もう少し突っ込んでみたいのでありますが、同僚の諸君の質問がまだ残っておることでございますから、この点は他の機会に調べさせていただきたいと思うわけでありますが、ここにもう少し伺っておかなければならぬことがあります。それは、松江の日赤の看護婦事件というのがあります。御承知のように、無料献血で献血者がありましても、結局日赤がもうける仕組みになっておるというようなことを看護婦が話したというので、ついに懲戒という形になって、不当労働行為でいま地労委に労働組合は提訴しておるということを伺っておるのでありますが、こういう事件の真相はどういうところにあったでしょうか、承っておきたいと思います。
○田辺参考人 松江において看護婦に対する懲戒——配置転換を行なった、またこれに関連して労働委員会に提訴されて、いま争いになっているという事実は承知いたしております。それが血液問題に関連して、院内血液銀行であったと思いますが、院内血液銀行で献血を受けて、その金を病院がもうけておるということでございますが、本社といたしましては、保存血液を製造する経費は、一般の血液銀行並みに千六百五十円の中で千百五十円とするように指導いたしております。そのお金は、松江の赤十字病院では、医療社会事業部というところに回しまして、医療社会事業部で社会事業のほうにこれを使っております。そういう実情であったわけであります。それを十分に当該看護婦に説明したのか、あるいは説明したにもかかわらず言うことを聞かなかったのか、何ぶんにもその事情はよくわかりませんが、その言動において不穏当なところがあるというので、所長の権限でありますので、所長がその看護婦の配置転換を行なったということでございます。いま労働委員会で調査中でございますので、その具体的な場合に即してとった措置が適当であるかどうかについての事実の当否についての判断が下されると思います。私が聞いておるところではそういった状況であります。
○長谷川(保)委員 医療社会事業に使われることは決して悪いことではないと思います。しかし同時にまた、本来ならば、医療社会事業は大きな病院には全部あるわけです。ケースワーカーがおって、ちゃんとやっておるわけです。でありますから、そういう金は、本来病院の費用として診療報酬の中から計算さるべきものです。でありますから、いま看護婦の申したことは必ずしも不当ではない。言い方にもあったかもしれませんけれども、確かに日赤としては、前は、ただで献血をさせておいて、その人がほしいときにはただくれておった。けれども、今日では、金を取るようになったということになりますと、必ずしもこれは看護婦が言ったことが不当ではないというように思うのです。ことに先ほど副社長は、健康保険でやった場合には、結局、ただ血を出してやっても、健康保険被保険者は自分は金は出さない、健康保険で病院側が請求するのであって、いずれにしても同じだ、金は取っても取らぬでも同じだというようなことを御発言になりましたが、健康保険の家族や国民健康保険の人は違うではないか、この諸君は、かつてはただであったのが今度は半額取られてしまうということになるのはないでしょうか。そうすると変なことになってくるのではないですか。その点はどうなんですか。
○田辺参考人 その点は先ほどもちょっと申し上げましたけれども、実はいままででも私のほうで病院にただあるいは低廉で配給した場合に、病院当局が健康保険にどういう要求をしているか、本人、家族にどういう負担をさせているか明らかでないわけです。場合によっては、ただでもらったものについてもちゃんと半額負担をさせている向きがあるかもしれないのであります。こういったことははっきりとさせないと——今回そういった措置をしたのでございます。問題は残っております。赤十字の血液を使った人であって一部負担を伴う人については、一部負担があるわけでございます。これは一方において二百円の差益金が出ますので、その差益金をもって一部負担の若干の軽減にしたい、これは私どもの一つの要望でございます。これにつきましては、最初からの約束で、厚生省と御相談して使い道をきめるということにいたしておりますので、今後一部負担を厚生省と相談して、幾らかでも一部負担の軽減に役立てるように努力したいと思います。 ただ、御了解得ておきたい点は、赤十字の事業でも全部ただというのはおかしいわけでございまして、献血した人につきましてもいわゆる管理調製費といっておりますが、実費がかかるわけでございますので、やはり実費として千百五十円——実は赤十字の事業は赤字でございまして、現在のところ本数が少ない関係上能率が悪く、全部赤字になっておりますけれども、少なくとも千百五十円の実費を徴収するということは、実はおかしくないんじゃないかと思っております。ただ二百円の差益金を充てるということは自由でありますので、そういったことにつきまして、今後、厚生当局と十分に相談して善処してまいりたいと思います。
○長谷川(保)委員 そこで、もう一つ伺っておかなければならぬことは、かつて献血をしてくれれば、あなたが必要なときにはただで血をあげます、こういう約束で献血をさしておる。その諸君はかつて献血をしておった、まだいただいてない、今後血が必要になった、そのときにもしただで差し上げませんと詐欺になるということになります。この点はどう処理していらっしゃるのですか。かつて献血をしてくれた人にはただであげますということを言って、約束した人には今後も全部ただであげることにしておられるのでしょうか、その点伺っておきます。
○田辺参考人 その点も十分注意いたしまして、すでに約束をしていることは守られなければなりませんので、そういう方にはただであげます。ただし、健康保険でまるまる被保険者である場合には、いずれにしても同じでございますから、その場合いかがでございましょうか、千六百五十円で売ってもよろしゅうございますかと御了解を得て、御了解を得た場合には千六百五十円で売り、得られない場合にはただで差し上げる。したがって、約束はどこまでも守るというふうに文書にいたしまして、各地方の血液銀行に指示をいたしておる次第であります。
○長谷川(保)委員 現実に全国の各病院でそれができるかどうか、これはずいぶんあぶなっかしいものだと思います。 それから、ここに私は株式会社なるある血液銀行の調製管理費の内訳書を持っております。これを見てまいりますと、その内訳は、血液ロス費十五円、供血対策費二百二十五円四十銭、採血ぴん百二十九円八十一銭、採血セット六十四円九十六銭、材料費四十一円一銭、労務費百五十七円八十八銭、検査費百二十九円二十九銭、製造経費百六円八十銭、原料廃棄十三円六十二銭、合計いたしまして製造原価は八百八十三円七十七銭、そのほかに一般管理費が五十五円九十三銭、供給販売費二百五十四円八十二銭、製造廃棄十二円四十八銭、総原価といたしまして千二百七円、輸血セット七十円、総計いたしまして千二百七十七円、こういう数字が出ております。この中を見てまいりまして、日赤が、公益法人がやる場合には、おそらく供血対策費二百二十五円四十銭、原料廃棄十三円六十二銭、供給販売費二百五十四円八十二銭、製造廃棄十二円四十八銭というものはおそらく要るまいと私は考える。この合計が五百六円三十二銭という数字が出てくるわけです。そうすると、いまの五百円のほかになおこれだけのものが製造管理費というもので追い出してよこしたのでありますから、これはおそらく十分に計算してあるんでありましょうが、これを見ますと、なお五百六円三十二銭が五百円の血液代のほかにまだ浮いてくるというようなことを考えるわけです。先ほどお話しのように、能率が悪いからいま損をしています。これは先ほど申し上げたとおり、一月にせいぜい十日ぐらいしか働かない血液銀行なら、損をするにきまっています。普通に商売する人は二十五日は働かなければならぬ、当然そうなりますから、したがって、能率が悪いから損だということになりますけれども、しかしこの血液銀行が損をしています、損をしていますと言っているが、実はどんどんもうけていることは明らかだ。したがって、こんなものを表面からはいさようでございますかと受け取るほど私ども人がよくないのでありまして、したがって、フルに動かすということになれば、いまおっしゃるような損をするということでなくて、相当もうかるというように思います。それらについて大蔵省あたりが今後のことを考え、厚生省あたりが今後の方針についていろいろ言ってくれたと思うのです。ことに大蔵省が——船後さんがどういう考え方でいるか聞いてみなければわかりませんけれども、大蔵省当局としてはそこらをねらっていらっしゃると思うのです。でありますから、いま損をするのはやり方が悪いから損をするのであって、これはほんとうに事業経営の能力のある人がしっかりやれば、決してこれは損をする仕事でないと私は思うのです。いまお話しのような損する損するということは、よほど経営のことを十分にお考えになっていかないと、表面だけで損するということを私ども受け取るわけにまいらぬのでありまして、ぜひ日赤もそういうふうに御尽力いただきたいと思うのであります。 もう二つ、三つ伺っておきたいことがございます。これは厚生省のほうに伺いたい。病院に参りまして、いまお話しのような直接に供血をしてくださる方がたくさんあるわけです。たくさんありまして、この人々はたとえばバスでやってきている、あるいは汽車に乗ってやってきているわけです。いなかの人が部落総ぐるみでやってくる、あるいは学校でみなやってくれる。そうすると患者のほうではその費用を払わなければならぬ。また供血をしてくださいましたからそれらの人に対して、いなかの実情を申しますと、たとえば部落でやった場合には部落の人を呼んでみな一晩ごちそうをするということをやるわけです。そういう費用が相当かかるわけです。また病院へ来た人に、株式会社血液銀行でもやっています、日赤でもやっていらっしゃるわけでありますけれども、栄養剤を差し上げる、あるいはコーヒーを一ぱい出す、いろいろなことをするわけです。同様なことを、ただでもらうわけにいきませんから、何らかの形でお礼をするわけです。その場合に、その患者が供血をしてくれた人に頼んで、実はこれこれの費用を使いましたのでどうか領収書を書いていただきたい、こう言って領収書を供血した人からもらって、それをたとえば国保あるいは健保のほうに療養費払いのような形で要求する、こういうことが当然あっていいと思うのです。事実やっているところがないではない。そういう場合に保険局としてはそれは正しいものとして支払うという形をとるのが正しいかどうか、この点を伺いたい。事実これはあるわけです。みなやっているわけです。私のところでやった例なんか申し上げますと、なかなか大きな金を使っている。これはもちろん制限があります。いまの二百CC千六百五十円の額はこえるわけでありませんけれども、私は実例を調べさしたのでありますけれども、相当にやはり血をいただいた患者のほうで相当大きな支払いをしておるのでありまして、いまの売血等であるいは日赤血銀からいただいても千六百五十円というものを取られるということでありますから、それならばその範囲内で患者のほうから供血した人に支払った場合には、当然その領収書をいただいて、それを保険のほうに請求ができる、こういう制度をとるのが合理的だと思うのでありますけれども、ここらはどうお考えですか。
○松尾説明員 ただいま先生御指摘のように、直接病院に参りまして生血を提供いたします。その場合に従来の生血提供というか新鮮血といたしまして提供いたしました血液代は、いわゆる療養費払いとして取り扱っております。その療養費払いのときの取り扱いといたしまして、従来のやり方としては、すぐ直ちにもよりで得られない、その近辺から得られませんで、物でいえば輸送費というべきでありましょうが、いわばその供血者の方が費用を使って来られた、こういう場合には、その療養費払いとする生血代に含めまして請求しても差しつかえない、こういう考え方でやっているわけでございます。
○長谷川(保)委員 それが末端にいくと通じていません。ですから、実は私のところでケースワーカーが親切に教えてやった。それで取りに行ったらしかられた、こう言って帰ってきている例が幾つもあるのです。私は、当然これは売血を回してもらうにしても、あるいは日赤の血銀から回してもらうにしても、千六百五十円というものは支払うのでありますから、当然これらのことは療養費払いとして認めてよろしいと思うのです。けれども、それが通じておりませんから、そういう問題をひとつ通じてあげて、そして直接に供血してもらいます患者——ずいぶん大きな手術をしますと血液代もたいへんなことになりますから、それを少しでも補ってやるという親心を、やはり厚生省としては、合理的なことでありますから当然とるべきだと思うのであります。ぜひこれらのことを末端のほうによく流してやってもらいたい。かわいそうに、おずおずして供血者のほうに頼んで使っただけのものを書いてもらって、せっかく書いたものを持っていったらしかられたということではいけませんし、これらの人にも生血のいい血がいただけたのでありますから、やはり当然のことをすべきでありますから、末端のほうにひとつその点を通じておいていただきたいということを思うのであります。 それからもう一つ伺いたいことは、今度は薬務局長に伺いたいのでありますけれども、こういうことをやったらどうなんです。たとえば私の町を例にしましょう。五つの大きな病院がある。組合病院、それから社会保険病院、それから国立、日赤、それから私どもの経営している病院、大きな病院が五つある。いつもこの五つの病院は組んで、そして休日、日曜を順番に受け持ってやっている、こういうやり方をしているわけです。ところがみな血液に困りますから、そこでこういうことをしたらどうだろうかという話が出てきているわけです。五つの病院が一緒になって、それと町の三万人の組織人員を持っております遠労会議という大きな労働組合がありますが、その労働組合とが組んで、労働組合は自分の組合に参加しております各単位組合、この単位組合によって組合員の二〇%の人に二百CCずつ預血をしてもらいまして、預血の証券というもの、預血券というものを組合が持っておる。そうしてその血はどこへ置くかというと、その五つの病院のうちのある一つの適当なところを選んで、要するに院内血銀のようなものをつくるわけです。そうして、その組合員がその病院のどこに入っても、そこで血がほしいときには預血券を出せば、その一つの血液センターからすぐそれを持っていってあげられる、そういう組織をつくろうじゃないか。そうして、いまのから考えてまいりまして、大体千六百五十円だと、私ども計算して大体七百円ぐらいは金が余るのじゃないか。この七百円ぐらいは、その組合員に渡すのではなくて——渡すと売血のおそれがありますから、渡さないで、その組合の預血センターというものに置いておいて、そうして組合員の福祉のために使う。たとえば成人病検診をやる、あるいはその他の健康的な福祉の増進のために使うということにしよう、こういうようにしたらどうであろうかという案があります。もしこれが全国的にできますと、労働組合は三万人の労働組合員がみんな相互扶助の形になりまして、交通災害だけでなしに、産業災害等で頭をやられたという場合に、すぐそれでいける。あるいは病気でも何でもすぐいける。仲間意識が非常に発展するということが考えられる。ですから、この売血を征伐するのに非常にいいあれになる。ことに、自分たちの病院で使うことでありますから、したがって、責任を持って、たとえば黄だんをやった人から一切とらないというようなことがみなできるわけですね。そういうような組織をつくることはどうであろうかという案があるわけです。私はこれを聞いて、非常にいい案じゃないか。問題は院内血銀を一つの病院だけで使うのでなしに、もちろん血液管理の技術者を入れなければなりませんけれども、その幾つかの病院が組んでやる。院内に一つずつ置けばみな一人ずつの専門の技術者がおるわけでありますが、それを一カ所でやれば、いわば専門の技術者は一人で五つの病院を全部やるということになるわけです。そういう形になりますから、それはいいではないかというように思うのです。先ほどの厚生省の方針と少しく違うわけだが、これは合理的ではないかというように思うわけですけれども、この点はいかがですか。こういう仕事を進めたらどうか。少なくとも考えてみる価値はある。
○熊崎政府委員 お考え、確かにけっこうな考え方だというふうに考えられますけれども、現在国といたしまして血液問題に対処する銀行は、献血を主体にするという考え方にいたしておるわけでございます。したがいまして、現状は、確かに御指摘のように、非常に献血組織の侵透が十分ではございませんし、これは今後私ども日本赤十字社、各都道府県と一緒に推進をしなければならないことでございますが、その根本は、やはり組織づくりにある。御指摘のように、労働組合なりあるいは学校なり官庁、そういったところで組織を利用して献血体制の確立を期するということは、ことばは違いますけれども、全く先生の預血の体制をつくるというのと同じことでございます。それで問題は、採血をだれがどういう方法でやるかということになると思いますが、それを国が考えておりますのは、日本赤十字社を通じて、あるいは県立の血液銀行を通じてやるという方法にいたしておるわけでございまして、御指摘のように数病院が集まって院内血銀でやるということは、法律上、どうしてもその院内血銀をやるとすれば、これは血液銀行でなければ売買行為を許されませんので、やはり血液銀行の許可が必要である、こういうことになるわけでございます。しかし、現在のところ血液銀行の許可につきましては、民間血液銀行の許可を私どもいたしておりません。やはり県内自給というものを目標にして、血液銀行を持っていない未設置県に血液銀行の網をかぶせるという方法をとっているわけでございますし、また、地域的に県によりましては南と北が非常に離れておるというような場合には、南の県庁所在地とまた別の方向でそういうふうな血液銀行をつくることについては、これはもちろん今後とも考えていかなければならない問題だと思いますけれども、ただ、現在の院内血銀のままで御指摘のようなことをやるということについては法律的に不備があるということと、それから、血液の組織づくりということは、やはり献血を主体にしてお願いをしていかなければならないのじゃないかということでございまして、御指摘のような預血という形をとりますと、これはどうしても売血に通ずるような形、つまり五百円の問題がからんでまいりますので、売血に通ずるような形にもなりかねませんし、その辺は今後十分検討さしていただきたいと思っております。
○長谷川(保)委員 これはいまのお話のように、預血というのと献血というのとは、実際は同じことなんです。いわゆる株式会社の血銀がやるなら別でしょうけれども、いまのようなことをやれば同じことなんです。それから一病院ではその病院の中でしか使うことができないという院内血銀は、いま野放しになっているわけですね。実際においては、その病院で、たとえば患者がその病院の中におらぬで自分のうちにおるというときに、必要があればその病院から血液を持っていって輸血するわけですから、これもまたいまのような五つの病院が一緒になって労働組合を組織して——これは労働組合のほうからの申し入れなんですけれども、そういうことをやっても、売買じゃないのであって、自分の血銀を合理的に五つの病院が一カ所でやる。しかもいまお話しのように、その病院があり、日赤があり、あるいはまた社会保険の病院があり、国立病院がある。全部公的病院です。そういうようなものがあれば責任を持ってやれるわけでありまして、またそれを十分御監督になればいいわけです。したがって私はそういうことは当然考えられていいと思う。売買ではないんだ、院内血銀を一つずつ自分の中に持つかわりに、技術者その他経営を合理的にするために、近くの病院でありますから、一カ所のところで集中してやる、合同してやるということになるのでありまして、こういうやり方も確かに一つのおもしろい方法であるというように思うわけであります。それから、先ほど来申しておりますように、必ずしも日赤あるいは県立の移動採血車だけをやる必要はない。これは当然十分に信用のできる病院であればみなお許しになって——これは監督は十分にしなければならないけれども、お許しになっていいというように思うのであります。そういう点はひとつ十分考えていただきたい。血液行政の推進のために考えてもらいたい。もしそういうことであれば、その三万人の諸君はやろうというております。これは全国でもそうだと思います。そういうようにひとつお考え願いたいと思います。 まだありますけれどもおそくなりまして、同僚委員も待っておりますので、またの機会にいたしまして、私の質問をこれで終わりますが、どうか日赤当局におかれましては、日赤の本来の使命に立ちまして、この大きなあやまちというものをぜひともひとつもう二度としないようにすみやかな態勢をおつくりになって、またこれらのことの一切をすみやかに御解決になるように心から希望いたしまして、私の質問を終わります。
○福井委員長代理 吉田委員の御発言前にちょっと申し添えます。 すでに各委員も知っておられますとおり、いままでの質疑応答でわかっておりますような不正がないようにするために、名実ともに徳望の高い川西新社長を迎えたわけですが、吉田委員は質問の中に社長に対するのがございましたらこれを先にまとめていただき、川西社長に先に退席してもらいたいと思います。これは一昨日理事会においても了承されておりますので、御協力をお願いいたします。吉田君。
○吉田(賢)委員 予定時間が相当経過しておるらしいので、川西社長に二、三根本的な点について伺っておきたいと思うのであります。 すでに御承知のとおりに、特に昨年の四十六国会におきましてこの血液問題が、いわゆる売血問題として非常に大きく浮かび上がりまして、いろいろな角度から検討せられましたが、そのような結果といたしまして多くの国民に、どうか売血がなくなって献血へ、こういうような願いがほうはいと起こったわけであります。それに加うるに、同八月の二十一日には閣議決定となりまして、御承知のとおりに日赤を一つの主体とする献血の事業が推進せられるという方針もきまりました。そこへ今回の、この委員会できょう例の会計の使い込みのスキャンダルというものが出たのであります。こういうようなわけでありまするので、いまの日赤の立場は、いかにしてこの売血をなくして総献血へというようなそういう目的、使命に日赤が当たるかという、非常に重大な問題であろうと思うのです。日赤がおっしゃるごとく善意の人の集団であり、皇后陛下を名誉総裁にいただいておる、何か知らぬ、触るるべからざる、良心と善のかたまりのような感じで国民は対処しておったのであります。ところが一面、売血とか献血とかいうことが国民の保健衛生の観点から重大化いたしましたし、それからまた政治問題化いたしましたので、この渦中に投じて、あえて閣議決定の方向に向かって受けていくという立場をおとりになったわけであります。こういうわけでありまするので、私は根本的に、一体しからばこの国民的要請とまた政府の一つの方針にこたえてどうしようかという根本の心がまえをまず聞いておきたいと思います。
○川西参考人 この問題は、一般的に考えましても非常に重要な問題で、世界各国においても進んだ国は日本の何十倍、何百倍というような力をこのほうに注いでおると承知いたしております。日本の現状において、いまおことばにありましたように、国民的要請であり、そして政府の熱心な御慫慂、御方針に、日赤がこれにこたえてその成果をあげるということは、日赤としてもとうとい、非常に喜ばしい仕事だと存じております。ただ不幸にしてこういうふうな不祥事件があって今日のような委員会が開かれるということは、先ほども申し上げましたようにまことに残念なことであります。しかし副社長の答えのうちにもありましたように、私も承っておりまして、自分の心に深く刻み込まれて誓うことは、今後断じてかくのごときことが繰り返されないように万全の注意をしつつ、このとうとい仕事を受け持たしていただく使命を果たしたい、こういう気持ちでおります。
○吉田(賢)委員 私の御質問の焦点は、少し転換しまして、スキャンダルを主にして伺ったのじゃないのであります。スキャンダルを主にしたそれについては当初最初に大体悲壮な決意が述べられました。これはわれわれ今後に御期待申し上げまして御信頼申し上げるのですが、そういうことを尋ねるゆえんは、いまの献血というもの、売血という実態、国民はその真相なりその重要性を聞いて、実ばもう驚いておるわけであります。ところで、その大きな仕事と取り組んでいこうというのがいまの日赤のお立場なんです。ですから少々の善意ではこれは解決できません。少々のスキャンダル問題をどうかしますという、それとは違って、もっと観察の立場は大きくなります。この要請にこたえる、いわば唯一の日赤になっております。たとえば移動採血車を持っておる公共団体といったところが、厚生省の御発表によると、五つの県らしいんですね。それ以外ないらしいんですね。としますると、これはほとんど唯一の大きな力ですから、この存在、このお仕事に取り組んでいかれる日赤としての一つのかまえは一体どうなるのですか。その辺について、これはいままでのような公益性ということだけではいきませんというその御説もごもっともなんです。そういった具体的な施策の前に、もう少しく大きく日赤としてこれに取り組むべき態度は、もう決定しておらなければならない。個々の職務はよろしゅうございます。また個々の具体的改善の方針もよろしゅうございますけれども、そういうことの前に根本的に非常に重大なお仕事であると思う。あるいは病院の経営も大事ですけれども、病院は国立病院あり、その他の病院あり。この採血の事業というものは、いわばいま日赤に課せられておる、国民から見ると当面した最も重大な一つの仕事を、はたしてやってもらえるのかどうかということにかかっておる。これがわれわれの声なんです。われわれはその点について聞いているので、あなたが何をお考えになってどういうふうなお心がまえで臨もうとしておられるのかということを伺いたい。
○川西参考人 私の答え方が悪かったか知りませんが、私は同じことを繰り返すことになるのですが、この仕事がスキャンダルがあったとか、具体的な事件がどうだとかいうことに限られて、私の所感を申し述べたわけではなかったのです。この事柄が世界一般的に考えてみて、ことにいわんや日本において非常にとうとい大切な仕事である。それに対して過去のあやまちをおかさぬように、そしてこのとうとい仕事を十分に発展させていくように一生懸命にやります、こういう態度であります。 具体的にいかなる方法をとるか、たとえば献血はやはり結果をうんと得なければなりませんから、その献血については国民全体に訴えなければならぬ。そうすると国民全体に訴えて、最も有効な献血を得るためには、先ほども指示してくだすったように組織を利用する。いかに国民自身が動いてこたえてくれるかどうか。こういうことにくふうをこらし、そしてみんなに呼びかけていくということを日赤は考えなければならぬ。それからいろいろ費用が要るということもあります。その費用も日赤は国民の善意に訴え、あるいはときには政府の応援も得るというようなこともあるでしょう。そこいらの規則については私詳しいことは存じません。この国会にまたお願いをするというようなこともあるのだろうと思います。そこいらは事務的には私はわかりません。けれどもともかく献血について国民の善意に訴え、それに必要な費用について、やはり各方面の力を得て、日赤の名において、日赤のできるだけのことを、関係の深い方面とあるいは協力を仰ぎ、あるいは連絡をとりして、挙国一致の態度でやっていくというような意気込みでこの問題に当たりたい。こういうつもりなんでございます。
○吉田(賢)委員 私、過日日赤側の宮代町というのですか、採血の設備がありますところを見せていただきました。採血の仕事の状況を拝見したのでありますが、私の受けた感じでは、率直に申しますと、やはり非常に大きなこの仕事に対処なさる上においては、一体財政の計画なんかはどうなるのだろう。財政の計画なしに仕事をするといっても容易でない。たとえば国会もいろいろと申し上げたり、厚生省もお骨折りになって大蔵省との了解がついて予備費を八千万円ですか、これは採血車二十六台でしたか、さらに一般会計からは五台でしたか、三十一台というようなものが支出されて、そのうちの二十六台が日赤でありましたか、ということになっておるようです。これはしかも五百万円ほどかかるらしいのですが、半額が日赤負担ですから、日赤は相当な財源を持ってこれに対処なさっておるのだろう。それは善意に訴えてとおっしゃることは、これはもっともでございまして、この態度はしごくわれわれもごもっともと思いますが、やはり問題は、具体的に爼上にのぼり、進行の過程に入っておるのでありますが、何か財政的にもこれからいろいろと国民の善意に訴えなさる上ではあるのではないだろうか。たとえば採血の場の状況を見ましても、もっと近代的な清新な受け入れのかまえはないのだろうか。東京は千万の人口を擁しておるのだが、最もよい施設がこれなんだろうかと、まことに失礼だけれどもわれわれも驚いてしまったのです。そこらの会社でも、もっとよい感じのする近代的な能率的な施設を持っておりますから、このようなことを思いますと、いま大きく持ち上がってそうして日赤におおいかぶさっていったわけですね。そうして閣議決定で日赤という名前が出る、こういうことは私は珍しいと思うのです。その日赤の現状を見まして、一体これは財政的にきゅうきゅうなさっておる結果じゃないだろうか、少し老朽の感じさえいたしました。そういうようなことで一体これは消化できるのだろうか。大きな仕事をと言われておるけれども、また明文の上といたしましては、国際的な崇高な使命に——条約もあり等々でそれにいそしんでおられるのだから、そんな形よりも実を、またああいうような看護婦の方が、全く善良そのものの人のような方が、一生懸命やっていなさる姿を見ると、私ども頭が下がります。けれどもやはりもっと現実はきびしいのでございますから、財政は悪いのだろうか、財政計画はどうなんだろうかというようなこともちらっと私の頭にひらめいたのです。 そこであなたに、よろしい、それはそういうような献血の重大な作業がどのように出てきても受け入れ態勢、財政的に心配は要らぬのだ、こういうことになっておるのかどうか。しかしあなたのほうはまさか一般の営利企業のように、膨大な社内留保があるわけでもなかろうしするので、その辺のところはどうなんだろうか。ここをさらに一転して、具体的に聞ければ伺ってみたい。もっともこれは具体的になるので、それはわからぬということであれば、これは副社長に聞きますけれども、そういうことなんです。だからきょうは何も非常に精密な数字を並べてくださいというのじゃないのです。一般的に、すでにあなたによって主宰される日赤になっておりますから、財政は心配ないのか、これからなのか。さらに政府に向かってうんとこれに協力を要請しなければならぬような実情にあるのかどうか。その辺が抽象的でもいいのですから、どういうふうになっておりますか。
○川西参考人 端的に申し上げまして、ただいまの日赤の私が得た知識、実は知識というのは何もないのです。と申しますのは、十三日にあいさつに参りました。あくる日は日曜で、そうして今日なおあいさつに回っておるというわけで、事務的な、数字的なことは一つも聞いておりません。したがって財政はだいじょうぶかということをおっしゃっても、答える能力はありません。現状がどうであるかということは副社長に答えてもらいますが、しかし意気込みとしては、さっきも申し上げましたように、あなたの御質問は非常に御親切の込もったおことばと承っております。日赤が日赤だけの力でかくのごとき大事業ができるとは、私は常識的に考えて思いません。ちょっと聞いただけでも、病院自身も、厚生省でも有名な古い病院ばかりで、改造を要するというお話すら承っておるということであります。こんな状態でありますから、この血液銀行は非常に金の要る問題、そして大きな規模においてやらなければ実効があがらないようなものに対して、常識的に考えて、事務的の数字的なことは私ども聞いておりませんけれども、これはよほど大きな決心でよほどいろんな方面と連絡をとり、お力を得、国民全体に共鳴してもらわなければならない仕事であろう、こういうふうに感じております。
○吉田(賢)委員 なかなか社長の答弁はすみに置けませんで、たいへんに誠意のこもった態度で多謝しますが、私どもしろうとが考えましても、おととい御就任になったかもしれませんけれども、やはり数カ月あるいは相当な期間、日赤にお入りになるのに、突然雨が降ってきたというわけでもございませんでしょうし、相当御調査にもなって、いかにあるべきかということもお考えになって、その上でふん切って大きな仕事をお引き受けになって社長のいすにおすわりになったものと、あなたの御用意の深さから見て当然そうあるべきだと私は思うのですが、その辺は押し問答になっても意味のないことでございますから一転いたしまして、やはりずいぶんいろんな方面にあなたも広く、深く公のお仕事をやっておいでになりましたが、さきに副社長がお述べになっておりました独立採算制にいきたい、公益性のみではいくまい、経済性を尊重するという面も大事である、こういうようにおっしゃっておりましたが、やはりこの種の事業のむずかしさが一つはそこにあるのじゃないだろうか。ただわれわれが素朴に考えますと、献血者の心境など、たとえば私も学生の人に会って、あなたどういう動機で献血するのですかというようなことを尋ねてみたりしましたが、やはり幾らかでも社会奉仕になったら私はけっこうだと思って実は仲間を誘ってまいりましたというようなことを見たり聞いたりしたのですが、やはりそこには全く公益性以外に何もありません。しかし副社長が嘆くがごとく、実は千百五十円でも赤字ですというふうにおっしゃる。その辺のこともわかります。あるいはあっちこっち移動採血車を飛ばす等々しなければなりませんでしょうから、これはたいへんなお仕事だろうと思うのです。さりとて一体独立採算性というものが、ことばではともかくといたしまして、ほんとうに公益的ものというならば、やはりそれで貫くということにしなければ、公益もやりたいし、ちょっぴり企業的にも損をせぬようにやりたいしということは、国鉄の例に見ましてもうまくいかぬです。やはりそこは十年、二十年かかって何とか相当なパーセンテージの献血になってしまうというようなゆうちょうな問題と違いますから、やはりそこいらは相当ふん切って、公益性なら公益性に徹する。公益性でも何でもかまわぬのです。要するに国の財政とかあるいは国民の浄財とか、各方面のいろいろな経済的力によってこの事業が推進されるということになるならば私はいいと思うのです。そういう辺もあるのだから、どうも独立採算というのは、お考えになっておることはしごくもっともなようだけれども、軽率に原則をきめていくということはちょっと困難だろうと思うのです。そこはそういうてもなかなかうまくいかぬ。だからそこはいまの要請からするならば、こたえる道は公益なら公益に徹する。もし採算というような面でいくのなら、これはあるいは企業的な経営にまかすことも一つの方法だ、議論はそうなってきますよ。そのほうがよほど効率的だしよほど能率的だ。もうけるためにあらゆる手段をもって設備もよくするだろう、サービスもよくするだろう、宣伝もするだろう。それに良心が伴っていけば徹底していくんじゃないかというような考えにも発展していきますが、ここは分岐点として私は非常に重大だと思う。だからこれは、これも検討しなければわからぬならそれでもよろしゅうございます。しかし副社長の国会の答弁で、すでに独立採算というような、そんなことばが出てきてしまったものですから、あなたには相当確信を持った御意見を承っておかねばならぬ、私はこう思うのです。どうですか。
○田辺参考人 これはむしろ厚生省のほうからお答えになったほうがいいと思います。というのは、閣議決定の基礎となっております補助金の支出の際、あらかじめ国から赤十字にこういう条件でお前のほうに補助金を出すが、それを受け入れるかという重要な項目の中に独立採算制というのが入っておるのであります。それを承知しなければ補助金はやらぬという態度であります。これは他の地方公営企業などとは違いまして、仕事は企業自体としては非常に単純な仕事でございます。設備投資についても実はそうたくさんの金がかかるわけじゃないのです。 そこで現実を観察いたしますと、北海道であるとか東京であるとか、ある程度の血液の量の伸びているところは血銀はやれるわけです。小さい県は需要が少ない。したがって採血する量が少なくて済むというところは、一本当りの原価が非常に高くつきます。しかし東京とか北海道とかその他大人口をかかえているところは、採血量が多くなればなるほど原価が割り安になってくるので採算がとれる。そこで全国を一本にして調整すれば何とかいけるのじゃないか、こういうのが政府当局の見解です。赤十字が一生懸命勉強して努力をすればそうなるのじゃないか。したがって私どもは、長い間の努力の結果として、そういう結論に到達するように努力せざるを得ないのです。その意味において独立採算制を目途としてこの事業をやるというふうに決心いたしたわけであります。ただし、この仕事は、先ほども申し上げましたように、白紙のところで赤十字が血液事業を始めるわけではございません。コマーシャルが全国的に根を張っておるところに私どもが出ていくわけでありますから、売血が減るのに対応してこちらが伸びていくという関係になりますので若干日にちがかかります。赤十字も従来各支部の実力の備わったところから、二、三年くらいは赤字であっても、その赤字にたえてやれるところから逐次やっていこうという態度をとったわけでありますが、今回は一挙に全国的に血液銀行を設置しよう、こういう態度でございますので、私どもこれを引き受けるかどうかについては、赤十字の財政のこともありますから十分研究いたしたのです。したがって私のほうでは、そういう要請があるならば二、三年の間の赤字というものも実は心配してくれないか、めんどうを見てくれないかということを厚生省に対して要望したわけです。しかし政府のほうでは血液の採血の自動車の半分だけしか補助はしない、これだけでやれ、こういう強い御指示でございました。私どもでは実は国に対してもっと要望したいのでございますが、また国としてなすべきこと、なし得ることはもっとほかにあると私は思います。しかし、だからといって赤十字のなすべきこと、赤十字のできることをするということはどうだろうか、私どももそう考えまして、御指摘のとおりたいへんな事業でございまして、将来にもたいへんな問題をかかえております。だからといって赤十字としてこの事業をしぶる、国が十分なことをしてくれないから赤十字もしないのだ、こういう態度はいかがかと思いまして、赤十字としてはなし得ること、なすべきことは万全を尽くそう。しかしその努力には限界がございます。その努力の限界について十分国としても見定めていただきまして、必要な御援助、御協力はしていただきたい、このように思うわけであります。 先ほどの独立採算制の問題につきましては、国の大きな方針から出てきたことではあるし、またわれわれとしても二、三大きな府県で血液事業が相当進んでいるところにおきましては、独立採算制でも十分やれるところもございますので、将来何年か努力を重ねていくうちには、全国的な調整をすれば赤字を出さないでやれるようになるのではないか、これはそういう見当をつけたわけでございます。しかし独立採算と申しましても赤字が現実に出る場合にはそういうわけにはいきませんが、これは赤十字のほうの社費、地方財政の寄付金あるいは交付金等をもって赤字を埋めてまいりたい、かように存じておるわけでございます。 なお設備投資につきましては、お話しのとおり中央血銀などに参りますと、今日もうすごうございます。御承知のとおりもっと事務室あるいは控え室、待ち合い室なども拡充いたしまして、大ぜいの方々の御要望に沿うように改造をしていかなければならぬ時期に来ております。幸いいわゆる差益金と称する金額は中央血銀だけでも五百万円くらいあるものですから、それを活用して設備の改善に充てていきたい。今後も血液銀行で本格的なものをつくっていく必要があるところはたくさんございますが、これも各方面からの赤十字の社費ないしは寄付金をできるだけ集めまして、これによって逐次血液銀行の本格的な建物の整備をはかってまいりたい、かように考えておるわけであります。御指摘のとおり財政問題はたいへんな問題でございます。覚悟をいたしておりますが、赤十字には大事な事業でございますので、これにもつと大きな重点を置いてやってまいりたい、こういうふうに考えております。
○吉田(賢)委員 社長、すみませんがもうちょっとおっていただけますか、たいへん申しわけありませんけれども。
○福井委員長代理 理当会の申し合わせどおりひとつ………。
○吉田(賢)委員 できるだけ……。ついはしなくもいまのような問題が起こりましたので、この問題はやはり私は大事だと思っておりますのです。これは一つは千六百五十円いわば金を受け取って、そうして千百五十円を管理費その他の経費に充てる、五百円利ざやができる、そういう数字が出てくるものですから、その辺やはり独立採算、一面経済行為的な考え方を織り込んでおかなければいかぬというふうになるのであろうかと私は思うのですが、私は別の角度から——それはそうとわかっておりまするが、刑の角度から汚染の血液をなくしてしまって売血をなくするというこの仕事の重要性にかんがみまして、その面もあるけれども、なおこの献血の考え方、そうして献血者、その事業、そういうものを全国的に普及徹底さすという急務のほうがウエートが大きい、こういう観点から少しその辺を独立採算、経済行為的なそういう原則的な方面を軽視していくべきでないか。さりとて乱暴に金を使われたら困ります。やはりこの点は厳重に、国民の血税でございますので、これはゆめいまのような事件は起こすべきではないこと、これはもちろんでございますが、そういうのではしなくも議論がそこへいったものですから、そこでこれはあとでなんでしたらあなたがお帰りになって、きょうは厚生省、大蔵省も見えておりますから伺ってみてもいいんですが、やはりこの点はあなたのほうの御意向としては、すべて受ける受けぬのことじゃなしに、これを是とする以上は是とする方針、意見というものをどんどんと政府なりあるいは厚生省なり大蔵省に持ち込んでいくというような意気込みがあってしかるべきじゃないだろうか。そうしないと、その辺の弱さも、善意ばかりで事の成就を妨げていく結果に私はなる、こう思うのです。だからそこは厘ごうも不正をなくするし、また一そう効率的に予算の執行もいたします、また仕事においても全く能率を上げてやるというふうな計画も立てていくというような意気込みになって、やはり公益一本に立っていくべきじゃないか。これは私の考えでありますが、そんなことを実は考えるのです。それであなたにひとつ御意見があれば聞かしていただきたい。なおほかの省の方とは問答しますが、どうでございます。あるいはぐあいが悪ければほかへ聞きますが、どうでございますか。
○川西参考人 正直なところ社長として責任のある答弁をするだけの用意がございません。個人として考えるというようなことは、それは自由でもありますし、いろいろ意見もないわけではありませんけれども、しかし私も責任のある地位について責任のある席にいま臨んでおるのでありますから、いまの問題につきましては、やはり御意見を謹聴して、そしてことに非常なお励ましをいただいたことありがたく存じております。具体的にいろいろそういう根本的な問題として御指摘になったわけでありますし、私も根本的に大切なことと思っておりますので、いろいろ話を伺った上で過去の経過、現在はこうである、しかしこれではいかぬというような意見を私が持ち得るようになれば、私も別にどなたに遠慮するというような考えを持っておりません。ただ受け身で仕事をしようなんというようなさもしい、おとなし過ぎる考えは持っておりません。ただしいまは積極的にどう願いたい、こうしたいというようなことを申し上げるような用意がお恥ずかしい次第ながらございません。正直に申し上げます。
○吉田(賢)委員 ちょっと二、三分間ですから、締めくくっておきたいと思います。いまのような問題ですね。受けていくための財政の計画ですね。それからいまのようなそういう一つの事業方針に対する基本原則ですね。それからさらに私の一つの御忠言は、東京都はかなり刺激も大きかったので、私は献血の思想が発達しておる地域じゃないかと見ております。しかしながら現状は採血車がないとか聞きましたのですが、あなた方のほうの車も日夜走っておられるらしいですけれども、まことに二階から目薬というほどに応ぜられない実情じゃないかと思うのです。そこで根本的に東京都におきましてもっと大じかけな献血への施設を日赤が先頭を切って充実していく、こういうような各般の問題をきょうは御回答願うのじゃなしに、きょうからの早急な課題にして急遽最高幹部で御検討になって、最善と思われる方針を御決定ありたいと思うので、その点についての御意見を伺いたい。 これで終わります。
○川西参考人 仰せのとおりよく検討いたします。
○福井委員長代理 それでは参考人のうち川西日本赤十字社社長に申し上げます。 本日は当委員会の調査にきわめて長時間御協力をいただきまして、まことにありがとうございました。当委員会名をもって御礼申し上げます。どうぞ社長さんは御自由にお引き取りを願います。 他の参考人の方々は、まだ質問があるようでございますから、もう少々お残りを願います。
○吉田(賢)委員 なるべく早くいたしますから、すみませんが、もうしばらくおつき合い願います。
○福井委員長代理 古田委員にももう一度希望いたします。きわめて長時間になってまいりましたので、できる限りの短縮を願って御協力をお願い いたします。
○吉田(賢)委員 承知いたしました。 ただいまの問題ですが、大蔵省の御方針を伺うのもちょっと失礼かもしれませんが、こういう点はどうなんですか。いまお聞き及びのとおり、一体厚生省の予算要求のらち外に出てもっと積極的にこうしてはどうかという、そういう予算作成の措置というものは大蔵省はとれないのですか、もしくはとらないことが習慣なんですか。
○船後説明員 予算編成の一般論でございますが、大蔵省といたしましては所管の各省の御意見というものに従いまして予算を編成する、こういうたてまえになっております。
○吉田(賢)委員 厚生政務次官に伺いましょう。やはりいまの段階におきましては厚生省は全力をあげて国民の要請にこたえてもらいたい、そのためには中途はんぱの経済主義でなしに、利益追求というものを放棄いたしまして、会計を厳正に、そして予算をもっと効率的に合理的に使いさえすれば、計画を厳重に指導し監督していくのならば、公益に徹してこの際この事業を進めていくべきだ。日赤を柱なら柱でよろしゅうございますが、しかし同時に、閣議決定によれば他の地方公共団体は並列してその任務を背負っていくという趣旨にもなっております。こういう点から見ましたら、地方公共団体にいたしましても、たとえば都道府県にしましても、半面、営利でやれ、損をしないようにやれ、バスと同じような観念でやれというような式になってきますと、やっぱりこの種の事業はそう伸びないのじゃないか、案外手間どるものじゃないだろうか、そしてまた独自の方式が地方、地方で考えられるのじゃないだろうかというようなことすら私は思います。もっともそのためにいい発見をして全体の推進に役立てばけっこうなんですけれども、こういうことを思いますと、やはりここは、その考え方をむしろ捨てて、この際は公益性を強調するということでないと成績はあがらないのじゃないだろうか。献血が一割をこえたらしいですな。だから、売血が八割九分ですか、八九%になったらしいから、これはたいへんいいと思いますけれども、そんなことを遅々としてやっておりましてはいけません。ですから、原則問題をもう一ぺん御検討になってはいかがですか。そうしますと、大蔵省に向かってもかなり強く出なければいくまい。四十年度の予算は二千万円、八千万円の予備費を使ったらそれでいいじゃないかということになるかもしれませんが、全国的な大きな問題をつかまえて二千万円の予算ではけたが違っているのじゃないだろうか、二十億円かいなと私は実は言っていたのです。これを都道府県全部に割ってしまったら一体どういうことになるだろうか、そのことを思いまして非常にさびしく思うのです。だからここはもっと大胆に公益性を発揮するということに踏み切るということはいかがなものでございましょうか。
○徳永政府委員 お説のとおりだと思います。この問題はそうなまはんかなことではなかなかやれるものじゃございませんから、十分その点も考慮しつつ、また閣議決定の線もあることでございますから、そういう点も十分配慮いたしまして、御要望に沿うような努力を今後続けてまいりたいと思います。
○吉田(賢)委員 たとえば国の補助が移動採血車は二分の一でございますね。この場合、三十台や五十台のものは国費で全部やるように要請したらどうかと思うのですが、いかがなものでしょうか。
○熊崎政府委員 従来血液対策といたしまして予算計上いたしておりましたのが大体千二、三百万から千五、六百万ということでございまして、その中には移動採血車の二分の一の補助分がほとんど大部分という形になっておるわけでございます。それを例年五、六台だったものを予備費でもって一挙に二十六台をちょうだいいたしましたので、その予備費の要求にいたしましても従来の二分の一の補助ベースという線は変えないままに大蔵省と相談いたしたわけでございまして、二分の一の自己負担分につきましては日赤もしくは都道府県のほうで負担をしていただくというふうな形でまいりたいという考え方に立ったわけでございます。
○吉田(賢)委員 船後さんに伺いますが、いま五県が県としての採血車を持っているようでございますね。ところでこれは新規には都道府県で二分の一持つようになる、それを出すのを渋って幾らかおくれている県もあるようです。だからいまの地方財政から見ましても、国策としてのこういう業務を一々予算に計上しなくちゃならぬということで、これが時期がおくれていきますので、こういう国策の要請に応じるものは、どうせ地方財政に負担させてもそれはまた事業の伸展を鈍らす以外にありませんから、要請があるならばもっと国庫の負担率を引き上げるというふうにすべきじゃないかと私は思うのです。これはあなたの御答弁がどういうふうにいただけるのかわかりませんけれども、その点はどうでございましょう。
○船後説明員 三十九年度の予備費支出で二十六台いたしたのでございますが、その場合地方公共団体に補助金を交付するというのは、たまたまその県に日赤の病院がない、したがいまして採血の場所といたしましては、県が直接責任を持ってやるという県だけになっております。ただいま補助率を引き上げぬかというお話でございますけれども、従来のこういった公的な医療設備というものに対する補助のバランスから考えましても、またこの採血事業が一応二百cc当たり千六百五十円というベースで遂行される企業でございますから、種々の観点からこの率を引き上げるという考えは持っておりません。
○吉田(賢)委員 千六百五十円で企業だとおっしゃっておりますけれども、企業的観察からいたしますと、どうしてもコマーシャルを助長するようなすきを与えていきまして、大部分が依然として売血で、これが三割、五割も献血が伸びるということは、私は、当分不可能じゃないか、こういうふうにも考えるのであります。もし千六百五十円が問題になるならば、たとえば献血のものとそして売血のものとに価格差をつけるということも一つの案じゃないかと思います。そうしたら企業だとおっしゃる考え方が少し是正されるんじゃないか。やはりこの問題は何よりも献血の思想なり事業を大きくするということに主眼を置いて、そしてこれを千六百五十円受け取るから企業だというような、そういうふうな考え方でないように扱うことができぬものだろうか。もしむだがあるのなら、どんどんとそれ自身を切っていくということは、考えられたら幾らでも方法があります。現にいまいろいろとおやりになっておりますね。サービスみたいなものもあるし、それからまたかりに三百円送料に使って二百円残って、二百円が日赤の本社に委託される。われわれの推計によりますと、九万本とかりに仮定しますと、千八百万円くらいになるわけですが、そういうものに一体どういう性格を付すべきか、そういうことが問題になるわけです。ですから、そういう数学のあれこれについて議論が多少あるといたしましても、さりとてこれを企業的な観察をするというふうになると伸びぬ。私は、伸ばすということのためにどうすればいいのかということに主眼を置いてもらいたい。予算の作成もその辺の配慮を、予算を要求する側も大蔵省も講じていくべきじゃないだろうか、そして一刻も早く売血をなくするということに、多少コマーシャルと摩擦が起こるかもわかりませんけれども、どんどんと地方公共団体を活用していったらどうだろうか。日赤と組む余地があれば組んだらよいんじゃないか、こういうふうにも実は考えるわけでございます。そういうふうに思いますので、どうもその点、あなたが企業的な観察をしておられるのとは意見が違っておるのでありますが、これは別の機会に少し議論をしなければしようがありません。
○船後説明員 千六百五十円という値段は、これは御承知のとおり薬価基準の体系からきまってくる価格でございます。この千六百五十円の中に原料となる血液代価相当額が約五百円、残余の千百五十円が製造原価その他管理諸費、それから民間の血銀でございますと、そこから利益金を出す、こういうことになっております。先ほど長谷川先生も御指摘になりました、この血液製造の事業が、合理的かつ能率的に運営されるならば、千六百五十円の価格を基礎にしますと、血液代価相当分五百円、その他で大体二百円程度のものがあがるんじゃないか。つまり現在の千百五十円の血液代価以外の価格の中で、大体製造原価と目されるものは九百円くらいじゃないか、かように考えております。そういった範囲内で日赤も血液の製造ということに関しては、やはり経済性、合理性は追及すべきである。日赤の中でもかなり取り扱い数量の多い北海道の日赤でございますが、これは現に千六百五十円の中で十分に収支がペイするという経理をやっております。三十八年度は、たしか一億円ちょっとの売り上げの中で、一千万円程度の利益を出しております。ほかの日赤血銀その他がなぜそれでは能率が悪いかといいますと、これは第一に献血の量が伸びないから、献血の取り扱いの量が少ないから悪いんだという面があるわけであります。これを昨年の閣議決定の線をもちまして、わが国の制度はすみやかに献血中心に切りかえる、こういうことになっておりまして、また国のほうといたしましても献血推進のためには予備費をもって、一千万をこえる一千五百万円の経費も支出いたしております。そういうことで国とか地方とか公共団体が国民の献血意識を高揚していく、また同時に先ほど長谷川先生のおっしゃいましたように、労働組合あるいは学生とかあるいはまた町内会、そういった方々が相互扶助の精神といったようなもので献血を伸ばしていく、こういたしますればおのずから献血扱い量がふえるはずでございますので、そういたしますと、千六百五十円という金の中で十分収支が償えるはずではないか、かように思います。そういたしまして献血が中心になったらもう売血がなくなってしまう、私はそういう世の中が早く来ることを念願しておるのでございますが、そうなりますれば、必ずしも薬価基準における千六百五十円という単価にとらわれる必要はないのでございまして、その時点におきまして、これは厚生省の所管でございますが、適当な、正しい原価計算からこの血液の価格というものを決定される、そういうことになるのじゃないかと思うのであります。
○吉田(賢)委員 薬務局長に伺いますが、厚生省が献血思想を普及するということについて、相当具体的な方針をお持ちだろうと思うのですが、たとえばその場合に、都道府県に対して、あるいはいまおっしゃいました地域団体とか職域団体とか、そういったものでいろいろ人間とかあるいは文書とか、いろいろな方法でその対策が講じられるかと思うのですが、主としてどういうことをおやりになるのですか。
○熊崎政府委員 昨年の八月閣議決定をいたしまして、献血思想の普及向上をはかるという方針に基づきまして、主として私どもが考えておりますのは献血の組織づくりといいますか、まず職域と地域に分けまして、職域においては健康保険組合あるいは労働組合等に呼びかける、それから地域におきましては婦人会、青年団体、そういったところを主体にいたしまして、献血の組織づくりを始めようという考え方でございます。したがいまして、中央におきましては献血推進のための中央の打ち合わせ会をつくり、地方におきましては各都道府県ごとに献血の推進委員会をつくりまして、そして各職場なり地域の方方に出席していただいて、それで献血のPRをやっていくという形をとっておるわけでございます。
○吉田(賢)委員 構想はしごくもっともであってよろしいと思うのだが、しかし予算を見ると推進経費総計して千二百万円しかないのですね。人口割りにすると東京は百万しかない。全国に割るとして一体幾らになるのか、それでくまなく職域に、くまなく地域に、あるいは婦人団体に、あるいはまた都道府県、自治体にというようなことになると、一体予算の裏づけなしのそういう抽象的な方針の打ち出し方ではいまは動かぬのではないか、現に動きつつあるのかどうか。これは四十年度の予算で、そこまで手が伸びておらぬとおっしゃるかもしれませんけれども、これは、本年度は、推進費は千二百万円あるわけですね。ですから相当伸びておらなくてはならぬと思うのですが、しかし現実にはまだそういうふうには寡聞にして耳にしないのでありますが、一応何か組織ができたようでもまだ動いていない、ましてや献血の実績などそうあがってこないのじやないか、現にあがっておらないのは全国の統計でも明らかだ、まだ一割強しかあがっていないのですから。そういうようなことになっておりますので、要するにこれも一つは予算措置が非常に不足しておるのじゃないか、これで他の都道府県に対して協力態勢を要請する、あるいはまた各他の省の出先等に協力を要請するというようなことなんかとても及びがつかぬじゃないか、そんなことを思うのですね。これもまた言うだけに終わるんじゃないかと思いますが、どうですか。
○熊崎政府委員 いわゆるこういう思想の普及宣伝といいますか、こういう関係の経費で、二分の一で国庫補助の支出を行なうということはなかなか、前例も少ないし、非常にむずかしい仕事でございますが、予備費支出の際にそれを思い切って財政当局と相談をいたしまして、法律に基づかない予算措置でもってこれを補助として取り上げるという話し合いがきまったわけでございます。金額的には確かに御指摘のように少ない金額であるとは思いますが、しかし、私どもは各都道府県に対しましてこのような補助方針を打ち出すことによって、それ以上の財政措置の裏づけその他PRの各種の経費の支出を各都道府県にお願いをいたしておるわけでございます。献血の実績があがらないという御指摘、確かにそのとおりでございますが、実は移動採血車の予備費支出をやりまして、製作に約三カ月ぐらい日数がかかりまして、昨年の十二月二十日前後にやっと全国的に移動採血単が整備されるという形になりまして、実は献血思想の普及宣伝、ことばをかえていえば献血推進委員会をつくり上げてその機運を盛り上げるということは残念ながら時期的に少しおくれまして、ことしに入ってからの仕事になるわけでございます。去る全国衛生部長会議あるいは全国薬務課長会議等を開きました際においても、私のほうからは、ことしはとにかく日本の血液問題の成否を決する年というぐらいの気持ちで各県の担当責任者の方々に血液問題に精魂を打ち込んでいただきたいという強い要請をいたしておりまして、これがこの春、秋にかけまして、一斉に動き出すことを私どもは強く期待いたしておるわけでございます。何ぶんにも冬季間はなかなか採血という行為は寒さのせいで実施のむずかしい点もございまして、私どもはこの三月以降の献血思想の普及並びに採血の増大ということに大きく期待をかけておるわけでございます。
○吉田(賢)委員 私は、さっきも長谷川委員が労働組合のことを強調しておりましたがこれにはしごく賛成でございますが、他に一つの有力な支柱といたしまして、高等学校ですね、高等学校の年齢は、非常に感激性にも富んだ年ごろになってきますが、高等学校からさらに大学へというふうに、学校を対象に全国的に打ち込んでいくということを、それこそ広範な組織づくりの対象としてお取り上げになってはどうだろうか。幸い三月から一斉に全国各府県の採血車が動くならば、同時にくつわを並べて高等学校並びに大学へというふうにひとつ打ち込んでいったらどうか、こういうふうに思いますがそれはいかがでございましょうか。
○熊崎政府委員 そのとおり、先生の御意見全く賛成でございまして、文部省のほうとも連絡して、そういう方針でやるつもりにいたしております。
○吉田(賢)委員 そこでこれは私日赤のほうへ伺ってみたいと思うのだが、実はさっきもちょっと申しましたが、東京都の成果があがっていくということは、全国的に非常に大きな刺激になると私は思います。東京都にはもりもりとこれに協力するというような精兵のような人が相当おると思うのでございますが、これにつきまして、あなたのほうの採血車は一台ですか、一台であっちこっちなさってもなかなかこれは足りないのではないか。だから、人口比率から見ても十分の一でありますので、これをもっと出してしかるべきではないだろうか、こういうふうに思うのですが、それはどうでございましょうか。そういうような構想をもってひとつ対策をお立てになる必要はございませんでしょうか。
○田辺参考人 東京都にはいま血液銀行は二つしかございません。問題になった中央血銀のほかに、最近武蔵野のほうへ血液銀行を一カ所つくりましたが、自動車のほかに千数百万円かかりました。国からの補助は自動車の半額でございます。一カ所に自動車を二台か三台置けばいいと思いますが、それよりはむしろオープン採血のほうが経費がかからないで行なわれます。私ども早くオープン採血を行ないたいと思っておるわけでございます。それは自動車ですと、一台で同時に二人しか採血できませんので、寒い所に学生など立っておりますと、非常に御迷惑をかけますが、オープン採血ならば、採血場においてたくさんのベッドを並べて一度にたくさんの採血ができるということになります。いわば金をかけてやることだけが能じゃございませんで、やはり効率的にやるということが非常に必要だろうと思います。自動車につきましても、移動車をふやすことは、一台五百万くらいでございますが、問題は医師、看護婦、技術者の確保がたいへんなのでございます。これはいまのところ何とか病院の医師に依存しておりますが、病院もなかなか人手が不足しておるものですから、血液自動車に出ていただくことはなかなか気持ちよく承知していただけませんので、こういう所要の技術人員の確保という問題も実は非常に大きな問題があるわけでございます。しかしながら、東京都の血液銀行が二カ所だけではとても足りませんので、将来順次拡充していくという御説には全く同感でございます。努力いたしたいと思います。
○吉田(賢)委員 社会局長にちょっと伺いたいのですが、売血の供給者問題は依然として重大で未解決ではないかと思うのです。そこで私は、売血のいまの層、グループはどこが一体最も大きな供給源になっておるか、これをちょっと確かめておきたい。
○牛丸政府委員 これは東京の例を見ましても山谷地区が——山谷地区だけではございませんが、大体階層から見ますと、日雇いの労務者が、雨が降ったりなんかして仕事にあぶれたような場合に、その中から売血をする人がある、あるいは地域的に山谷なりあるいは大阪の釜ケ崎というようなところがそういう売血常習者の主たる地域になっておるというふうに承知しております。
○吉田(賢)委員 そういたしますと、やはり売血者というのは依然として山谷とかあるいは横浜の壽町、大阪の釜ケ崎、あるいは名古屋の中村町ですか、そういう地域なのでございますか。そういうふうに理解していいですか。
○牛丸政府委員 スラムの問題としてはそういう点でございますが、しかし学生のアルバイトとしてもそういうのがございます。しかし、最近の事情としては、献血の推進ということで、そういういわば民間の血液銀行の採血行為に対しても相当規制が行なわれておりますので、現在のところは事情はよくわかりませんが、従来はそうでございます。
○吉田(賢)委員 やはりその実態を正確に把握するということは、別の角度から見まして、社会保障ないしはスラム街あるいはそういう人生の敗残者の吹きだまりの諸般の問題を解決する上におきまして、厚生省の重大な仕事になるのじゃないかと私は思うのです。これはやはり実態を——それならば学生アルバイト等の売血者がどんどん出てきたというなら、その層、その地域、あるいはその事情とか、その数とか、あるいは依然としてそうでない階層の日雇いないしは仕事を失った失業者、あるいはそれで食っておるような人、そのような者がどのくらいを占めておるのかということの実態把握が非常に重要だと思います。これはすみやかに、私は前の国会でも言っておるのですけれども、東京のまん中に山谷があって、日本一の売血の供給源になっているということでは、文明国じゃない、政府のおひざ元で何というていたらくかと言ったくらいでありますが、この点はやはり厚生省は全力をあげまして、社会福祉的見地から解決をしてもらわなければ私は相ならぬと思います。その人たちが仕事を失なうものならそれは道を与えなければいけない、生活の手段を失なうものなら、正しい生活に復帰させるという手段を講ずることが私は行政府の責任だろうと思います。こういう点について、積極的な施策がなされなければいかぬと思います。これでいろいろ予算もお組みになっておるか知りませんし、まただんだんと一方の献血運動が盛んになってくるのに対応しておやりになっておると思うのですが、次官、この点はだいじょうぶですか。
○徳永政府委員 お説のような問題も十分配慮しまして、今後一そうの努力を傾けてまいりたいと思います。
○吉田(賢)委員 局長にもう一ぺん伺っておきますが、これは資料としてひとつ至急にお出しいただきたいと思います。それは売血の層と群とその後どういうふうな事情に経過しておるのかどうか。これはやはり血液の供給源を正確に把握する上におきまして、血液事業推進の上におきましても私は重要な素材になるべきものと思いますので、きょうでなくてよろしゅうございますから、ぜひとも委員会にあてて資料を出していただきたいと思いますが、その点はいかがでございましょう。
○牛丸政府委員 地区的に調査いたしまして、できる限りまとめまして、後日提出いたします。
○福井委員長代理 参考人各位には、委員会の調査に御協力をいただきまして、まことにありがとうございました。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時二十二分散会