P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
48回国会衆議院1965/02/04

決算委員会 第2号

発言数
140
登壇者
20
会派数
3
開催日
1965/02/04

会議録

堀川恭平自由民主党

○堀川委員長 これより会議を開きます。  国が資本金の二分の一以上を出資している法人の会計に関する件について調査を行ないます。  本日は、本件調査のため、関係当局及び首都高速道路公団より理事長神崎丈二君、理事八島忠君、以上二名の方に参考人として御出席を願っております。  参考人各位に申し上げます。発言をなさる場合には、委員長の許可を得て行なっていただきたいのであります。さようお願いいたします。  次に、委員各位に申し上げます。参考人よりの意見聴取は委員の質疑により行ないたいと存じまするので、そのように御了承を願います。  これより質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、これを順次許します。  そこで、一つ申し上げておきたいのですが、本日建設省からの出席が、大臣は予算委員会でありますので、また政務次官はかぜをひいて入院いたしておりますので、本日は鮎川都市局長が見えておりますから、さよう御了承願いたいと存じます。勝澤芳雄君。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 首都高速道路公団の三宅坂工事について、公団をめぐってのいろいろ問題があるということで、昨年これについての捜査が行なわれておるようでありますが、この事件の概況について、取り締まりの御当局のほうから、まずどういうふうに現在まで進行しているか、お話のできる範囲で御説明願いたいと思います。

関根広文警察庁刑事局捜査第二課長

○関根説明員 首都高速道路の三号線及び四号線の建設工事の監督その他をめぐりまして、公団の側と業者の側に汚職事件がありまして、現在捜査しておりますが、現在までに、首都高速道路公団側の職員を二名、一名は逮捕、一名は任意で調べまして、業者の側は西松建設会社から三名、これは逮捕して調べております。大成建設が逮捕一名、任意一名、飛島土木関係が逮捕者一名、熊谷組任意一名、合計で収賄側二名、贈賄側七名をそれぞれ任意あるいは逮捕して取り調べまして、現在までにこれら調べた人を検察庁に送致済みでございます。  一つ一つの内容は差し控えますが、総体に三十七年の十二月から三十九年の調べをする直前までの期間に、これら業者と首都高速道路公団側の職員との間に合計七十万近い金額あるいは供応等の事犯がございました。その事実について送致しておる状況でございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そこでいままで書類送検なりあるいは起訴というような点、内容はどうなっておりますか。その起訴状なりあるいは書類送検ならば大まかな点をお話しできると思うのですが……。

関根広文警察庁刑事局捜査第二課長

○関根説明員 全員が起訴になっておりませんが、最後の一名を除いた関係者は、それぞれ検察庁のほうで起訴しております。起訴状の写しはちょっとただいま持って参りませんでした。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 起訴状の内容はどういうことですか。

津田實刑事局長

○津田政府委員 ただいまお尋ねの事件は、首都高速道路公団が西松建設関係に施工させておりました三宅坂地下インターチェンジ工事にからむものと思われますが、これにつきましては昨年十二月二十五日、公団職員一名、業者五名を東京地方裁判所及び東京簡易裁判所に起訴しております。なお別途西松建設関係の社員等にかかる公団支給資材の業務上横領事件についても、同社員三名を昨年十二月東京地方裁判所に起訴いたしております。その公訴事実の関係でありますが、内容を申し上げますと、首都高速道路公団第二建設部工事第二課主査野辺良一、これが収賄者であります。贈賄者は西松建設関東支店三宅坂出張所経理係児島敏雄、経理係その他同出張所職員の栗原和夫、越文雄、飛鳥土木の趨町作業所長の飯野栄作、熊谷組社員の石川浩の五名であります。この被告人野辺は、昭和三十七年四月から同三十九年九月三十日までの間、首都高速道路公団第二建設部工事第二課主査として勤務しておりましたが、同公団が発注施工した三宅坂インターチェンジ建設工事の工事の監督、工程管理、既済部分検査願い等の職務を担当しており、昭和三十七年末ごろから同三十九年二月までの間に前後十数回にわたり、工事に関し種々便宜、寛大な取り扱いを受けたことの謝礼並びに将来も同様の取り扱いを受けたい旨の趣旨で、現金合計六万円及び十六万円相当の供応を受けたものであります。ただいま申し上げました贈賄者側は、それに関する贈賄を行なったというものであります。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 それから、いまちょっとお話のありました西松の三名というのは、それはどういうものですか。

津田實刑事局長

○津田政府委員 業務横領でありまして、それは西松建設の関東支店三宅坂出張所長井上良臣、同係員伊東庸夫、児島敏雄の三名でありまして、これは昭和三十八年八月ごろから三十九年六月ごろまでの間に数十回にわたりまして高速道路地下インターチェンジ部分施工のため首都高速度道路公団から支給されました鋼材合計約千五百トン、時価約五千四百万円を他に売却などして横領したという事実であります。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そこで、千五百トンの資材を横領して横流しをした。この千五百トンの資材が出た根拠といいますか、これはどういうふうにお考えになりますか。

津田實刑事局長

○津田政府委員 ただいま申し上げましたのは起訴状に基づく公訴事実の要旨でございますが、その具体的な内容についてはもちろん私は東京地検から報告を受けておりませんが、受けておりまするといたしましても、公判開廷前でございますので、内容については申し上げかねる部分が相当あると思います。一応この程度で御了承願いたいと思います。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そこで、公団のほうにお尋ねしたいのですが、いまのお話の中で、千五百トンの鉄材が横流しをされた。そこで、この千五百トンが実は手抜きではないかという点で、いろいろお取り調べがされたと思うのですが、この鉄材千五百トンはどういう形で余って横流しがされたか、こういう点についてあなたのほうのお調べになった結果をひとつ御説明願いたいと思います。

神崎丈二首都高速道路公団理事長

○神崎参考人 ただいま勝澤先生から御質疑の点について、まず非常に私ども遺憾に存じておることを冒頭に申し上げておきます。おわびいたします。  この千五百トン、実際は千四百八十何トンでございますが、これは結局官給資材一万一千トンの——これは契約上スクラップになるのが五%、すなわち五百五十トンでございます。そのほかに、約九百トン余のことに相なるのでございます。この九百トン余というのは、当初の設計によって一万一千トンというものを支給いたしたのでありまするが、何分にも非常な難工事のところであって、当初の設計によって算出した数量は、結局最後に設計変更いたしまして、実際要る数量というものが出るまでははっきりしないわけであります。結局最後に仕上がりましたのが、非常に最終設計というのが長くかかりまして、ことしに入ってようやくわかったのでありまするが、この最終設計によると、約九百トン強の余剰を生ずることがわかったわけであります。したがって、いま申し上げた当初からスクラップとして許されておる五百五十トン、それから最終設計によって出てきた九百トン、その両者合わせたものがただいまその横流し云々、横領云々の数字に相なるわけでございます。実際上は、これを最後に最終設計をしましてから、それを返してもらう。余剰資材を返してもらうべきはずのものを、中途において西松建設にかってに使われてしまったというのが、この事件の本筋なのでございます。いずれにしても、かってに使われたというところにわれわれの監督上の非常な不行き届きがあったので、何とも申しわけないのであります。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 余って返すべきやつを勝手に横流しされた、こういう御見解をとられているようでありますが、世間では、いやこれは手抜きがあったのだ、こういう批判もあるわけであります。手抜きがあったかなかったかというのは、いまの段階でどの程度まで調査ができるのですか。正式にどう使ったのだという確認が、工事が終わった今日できるのですか。

八島忠首都高速道路公団理事

○八島参考人 工事の監督につきましては、先ほど理事長から申し上げましたように、非常にむずかしい仕事でありますだけに、特にきびしい監督をいたしたのでございますが、あそこの三宅坂出張所の機構から申しますと、大体二十四名の職員がほとんど昼夜を分かたず仕事をやっておりました関係で、ほんとうに夜も寝ないで監督をいたしたわけでございます。その監督の内容といたしましては、一々鉄筋をスチールテープではかるとか、あるいは地下が非常に深いのでございますけれども、こういうところへ一々もぐりましてコンクリートを練ります前に必ず鉄筋を検査する、かような方法をとったわけでございます。ただ、工事中におきまして、仮設資材等が、どうしても埋め殺しにしなければ仮設がもたないような場合がございまして、エビームチャンネルを埋め殺しにするような場面も相当あったわけでございます。そういうところにつきましては、そういうところもやはり写真にとりまして、はっきりとした確認をいたしております。その上で鉄筋の入らないところは鉄筋を打たせるというような操作もいたしました。  また、設計では、鉄筋をこういうふうにラップさせるような設計になっておりましたけれども、これも工事を急ぐというようなところから溶接に変えさしたというところもございます。そういうようなことで、一々にわたりまして証拠になるような写真をとっておりますし、またそのつど設計変更の内容につきましては現場日誌にはっきりと記載いたしております。また、監督員の持っております図面等にもはっきりと記載をいたしておりまして、そうした作業を最後におきまして積み重ねまして、最終の精算をいたしたようなわけであります。その間、構造的には何ら支障のないりっぱなものができ上がっているというふうに私どもは確信をいたしております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 工事が完成されたのはいつですか。それと、いまの鉄材の計算が千四百八十三トンという数字がきっちりと出たのはいつなんでしょうか。

八島忠首都高速道路公団理事

○八島参考人 御承知のように、あそこが開通いたしましたのは八月一日でございます。しかし開通はいたしましたけれども、残余の仕事がだいぶ残っております。たとえば路面の復旧だとか、一番難儀をいたしました半蔵門のところの路面の復旧というような仕事がだいぶ残っておりまして、実際に仕事が完成いたしましたのが九月の末でございます。また、三宅坂の現場の出張所を閉鎖いたしましたのは十月の末でございます。それからあと精算にかかりましたのが十一月に入ってからと思っておりますが——いや、精算にかかりましたのはもっと前でございますが、大体十一月ごろから本格的にかかりまして、大体見当がつきましたのが十二月の末ごろだったと思います。それを今度は正式に図面にいたしまして、はっきりとした精算書をつくり上げまして、そして最後の精算支払いをいたしましたのが一月の三十日でございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 会計検査院のほうにお尋ねいたしますが、ここが事件になっておることは御承知のとおりでありまして、これに基づきまして会計検査も行なわれて、その検査の状態について改善意見が出されているようでありますが、いまの御説明ですと、二十四名もおって厳重な管理が行なわれた、こういうように言われておりますが、会計検査の結果によりますれば、まあ業者まかせで、監督はまさに放任されておった、こう指摘されておりますが、たいへん食い違っております。会計検査院から会計検査の実情について、この改善意見を含めて当時の模様について御説明願いたい、特に鉄材の問題について。

宇ノ沢智雄第五局長

○宇ノ沢会計検査院説明員 三宅坂地区の高速道路隧道新設工事の件でございまするが、ここに使いました工事用鉄筋の支給及び管理が適切に行なわれていないということで、昨年の十一月に首都高速道路公団あてに改善の意見を提示いたしたのでございまするが、私のほうの検査といたしましては、今回の事件が発端となりましてこういう調査をいたしたのではございませんで、その前からすでに当然これは毎年の検査でそういう点について十分検査をしなければならない、これはここに限ったことではございません。その他の建設個所について当然やらなければならない検査の一端として検査をいたしたわけでございます。それで検査いたしましたところが、検査報告の二百二十一ページに記載してございますように、官給いたしました鉄筋について受け払いの管理が正確に行なわれていない。私たちが帳簿その他の関係書類について検査をいたしましたところ、当然返還しなければならないのに請負人の手元に残材として残っておるようなものがあるにかかわらず、それらの返還措置が行なわれていないということで、ここに記載してあるようなことにつきまして改善の意見を表示したわけでございまするが、工事に手抜きがあったかどうかというような点につきましては、私たちのほうは、検査のたてまえ上、でき上がったあとに検査に参りますが、御承知のように、ああいったような構造物の検査につきましては、でき上がったあとではなかなか検査が、不可能といっては言い過ぎかもしれませんが、はたして所要の鉄筋がそれだけ使われておるかどうかというようなことについては判定がなかなかむずかしい。普通の水路とかあるいは簡単な道路工事のようなものでございますると、でき上がったあとで現場について掘さくなり何なりして、はたしてそれだけの石材なりセメントが使われておるかどうかというようなことにつきましては、これはわりあいに判定が、簡単ではございませんが、ある程度できるわけでございます。ところが、本件のような大きな構造物につきましては、鉄筋のようなものはみな埋め殺しになっておりますので、こわしてみなければわからぬ。したがって現在の私たちの検査のやり方としましては、こういうものにつきまして書面で確認をするよりほかにいたし方がないということになっております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そこで、書面でいま具体的に首都高速道路公団から出ている鉄筋というものがこれだけ余ってきたというのは、いまの書類の上で会計検査院が検査する能力の上で、確実にそれは証言できる資料があるのですか。その点どうですか。

宇ノ沢智雄第五局長

○宇ノ沢会計検査院説明員 先ほど公団の御当局から御説明がありました精算の数量につきましては、実は先週の金曜になって、やっと私たちの手元にそういう精算報告が届いたようなわけでございまして、そうして関係書類その他は、まだ私たちの手元にまいっておりませんので、そういう数字につきまして、はたしてこれが確定数字として確認できるかどうかということにつきましては、今後十分検討してみたい、こういうふうに思っております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 この鋼材の管理が不十分であったということは、これは会計検査院から指摘しておりますが、公団の先ほどの御説明では、私は納得できません。この指摘の中でも、残材があるのに請求をされ、それをそのまま支給したり、あるいは設計変更等によって不用となって、他工事に転用するようなものについても、そのままほってあるというような状態を指摘されてあるわけであります。業者から使用したという届け出だけでこちらが確認をせずに、とにかく受け払いが行なわれたという事実だけは、これは公団の説明を聞いただけでは、私は納得ができません。会計検査院の権威ある検査によって調べた結果がここに出ておるわけであります。  そこで次に、これに対して返還請求を行なっておる業者から、請求されたこの八工事について、今日一体どれだけ残材があるというふうになっておるのですか、その点、公団はおわかりになりますか。会計検査院の説明ですと、六工事で四百八十トンある、あと二工事については残材がこの検査当時ではわからない、こう言われておるわけであります。そこで私は、八工事について——これは八工事ですから、八工事について残材が各組別に何トンずつ残っておったか、報告されておるか。こういう点について御説明を願いたい。

八島忠首都高速道路公団理事

○八島参考人 お尋ねの他の工区の業者のことでございますが、大成、飛島、熊谷の点につきましては、一応の報告が出ておりますけれども、これについて私どものほうで目下精算中でございますが、できるだけ早くこれも西松と同じような趣旨でもって精算いたしたいというふうに考えております。  それから、先ほど御指摘のありました鉄筋の管理が十分でないというお話でございますが、これにつきましては、私どもも率直に鉄筋の管理が十分でなかったということは、さように考えておりまして、まことに申しわけないと思っておりますが、本来ならば、支給品は、受け払いによって整理をして、現場の使用をまた確認をするというたてまえでございます。しかしこの工事が非常に急がれておる反面、また非常な手不足でもございましたので、私のほうといたしましては、ある程度業者を信頼し、いずれ最終的には精算によって明らかとなるというたてまえもございましたし、   〔委員長退席、壽原委員長代理着席〕 現場におきまして、実際に使いますものをしっかりと押えておけば、それによって最終的な精算はできるものというふうな考え方から受け払い簿による管理をいたさなかった。この点はいまから考えますと、まことに甘い考えでありまして、深く反省いたしておるところでございます。今後はこうした関係資材を管理いたすにつきましては、十分な事務的な手続も踏んだ上でやってまいりたい、かように考えておる次第でございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 それでは会計検査院のほうにお尋ねしたほうがいいと思うのですが、六工事について四百八十トン残材があるというのが業者から提出された資料によってはっきりしている。あとの二工事についての残材が不明確になっておるようでありますが、この業者から提出された残材はどういうふうになっておりますか、組別に御説明願いたいと思います。

宇ノ沢智雄第五局長

○宇ノ沢会計検査院説明員 いま先生のお尋ねは四百八十トンの内訳でございますか。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そうです。

宇ノ沢智雄第五局長

○宇ノ沢会計検査院説明員 私のほうで調査いたしました細別の残材を申し上げますと、熊谷組が百四十一トンです。それから大成建設が三十三トン二五です。それから西松が百十二トン、それから飛島土木が百九十三トン、以上四百八十です。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 以上四百八十ですか。そうすると、あとの二工事はどうですか。

宇ノ沢智雄第五局長

○宇ノ沢会計検査院説明員 いま申し上げましたのは六工事、熊谷組と飛島土木の分が二口になっておりますから、その合計で申し上げましたから、結局工事別にしますと六工事でございますが、熊谷組と飛島土木はおのおの二回にわたってその工事を請負っておりますので、それをあわせて申し上げましたので、結局熊谷組、大成、西松、飛島と、この四業者についての残材の合計を申し上げたわけです。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 六工事で四百八十トン余っている、こういうのが業者から出されているわけですね。そのあとで二工事の鉄筋二千二百二十九トンについては、どれだけ余っているかわからない、こういわれておるわけですね。ですから、そこをもう少しちょっと明確にしていただきたい。

宇ノ沢智雄第五局長

○宇ノ沢会計検査院説明員 八工事のうち、その他の二工事の分については残材はないわけでございます。二工事については私のほうでは残量がないということで確認しております。四百八十トンについて申し上げますと——それでは熊谷組といまの飛島土木のほうを分けて工事契約ごとに申し上げます。そうしますと、熊谷組の一つの工事は残材が百三十八トン、それからもう一件の熊谷組が請負った工事では三トン、それから大成建設が先ほど申し上げました三十三トン、それから西松建設が百十二トン、それから飛島土木も、これは二つありますが、一つは百六十三トン、もう一つが三十トン、合わせて四百八十トン、こういうことになるわけでございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 よくわからないのですが……。

宇ノ沢智雄第五局長

○宇ノ沢会計検査院説明員 それではあとで資料で御説明申し上げます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そこでいま指摘されている、たとえば千五百トン余ったというのは、西松組からは最初何トンとして申告があったのですか。

宇ノ沢智雄第五局長

○宇ノ沢会計検査院説明員 それは西松組は百十二トンです。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 西松からは残材が百十二トンと申告されたのが、実際には千四百八十三トンになった、こういうことになるのですか。公団のほうで御説明願いたい。

八島忠首都高速道路公団理事

○八島参考人 西松建設のほうで百十二トンと報告がありましたのは、それのほかに約五百三十トンばかりのスクラップが含まれております。したがいまして、全体では六百四十トンばかりになろうかと思います。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 あなたのほうから提出されている資料には、スクラップは四百九十二トンと、こうなっているのですが、これですか。

八島忠首都高速道路公団理事

○八島参考人 当初の一万一千トンに対しましては、五百三十トンでございますが、最終設計で鉄筋の量が減りますので、したがいまして、五%かけますから、そのスクラップの量もその比率で減ってくるというわけであります。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そうしますと、西松からは百十二トンの残材、いつの時点か知りませんが提起された、精細な計算をした結果、百十二トンでなくて、それが九百九十一トンだった。そしてなおそれに比率を五%かけると残材が四百九十二トンで千四百八十三トンということになった、そしてこの大部分が横流しをされた、こういうふうに数字的になるわけでありますが、こういうことなんでしょうかね。

八島忠首都高速道路公団理事

○八島参考人 そのとおりでございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そこでその残材が出たら返納するのだということが、契約ではっきりしているわけですね。ですから、残材が出たら返納するのだということが契約ではっきりしているのにかかわらず、こんなに九百九十一トンもとにかく残材が出る、ですから、これが横流しが行なわれたということは、公団側としてみて、業者は当然返さなければならぬということがはっきりしているわけですから、同じように工事をずっとやってきたならば、あるいは西松のこの責任者が、工事の監督者として長い経験を持っているならば、これは当然返納しなければならぬ鉄だということがわかっているのじゃないか、わかっているのがどうして横流しされたのか、どこにその原因があるのか、どうお考えになりますか。

八島忠首都高速道路公団理事

○八島参考人 私どもも実はこの事件が発覚するまで横流しという事実を全然知らなかったわけでございます。これは言いわけになりますけれども、現場の監督の職員というものはほとんど地下にもぐっているわけであります。材料の置き場は国立競技場の上にあるわけであります。現場の監督職員が地上にある鉄筋の管理をやるということは非常に不可能なことでございまして、もしやるといたしますならば、他の手でやらなければならないのでございます。また私自身をはじめたびたび木所のほうからも現場へ出向きまして、工事の内容についてはいろいろやかましく指示もし、監督もいたしましたけれども、まことにうかつな話でございますが、鉄筋の置き場についての管理についてはあまり心配していなかったような状況でございます。また、地上のあそこの置き場から鉄筋を使います現場まで運びますのに、何しろ大量な鉄でございます。全体で六十八万本の柱でございます。西松だけで、その鉄を一日に千本かそこら運び出すわけでありますが、これも距離がかなりありますので、一々人夫が肩で運ぶというようなわけにまいりません。やはりトラックがもって運んでまいります。そういたしますと、あそこはああいう交通の非常に激しいところでございまして、交通の流れの中に入りますと、その目で見れば別でございますけれども、ばく然と見ておるのでは、やはり工事現場へ運んでおるのではないかというような錯覚におちいるわけであります。そういうようなことから、本来は私どもの十分な管理の気持ちが薄いということには原因いたしますけれども、そうした事情も手伝いまして、こうした大量の横流しということに気がつかなかったわけで、まことにこの点は申しわけない、深くおわびいたします。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 いま出てきた西松との残材については、品物で処理するのですか、これは金額で処理するのですか。どういうことになるのですか、最終的に。

八島忠首都高速道路公団理事

○八島参考人 これは原則といたしましては、残材の品物で残ったものを返してもらうというのが原則であります。しかし今回のように、品物がすでに他に売られ、または使われておる状況でございますので、金銭でもって精算をいたしたいというような考えでおります。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そこで、私は、知らなかった、あるいはわからなかった、こういう点について質問を進めようとは思いませんけれども、最終的にこれはわかることだ、はっきり言うならば、残材は余ったら返すと、こういっているわけですから、その残材を返さなければならぬとわかっていながら、なぜこう横流しが行なわれたのか。これは常識的には一番簡単だと思うのです。いつか見つかるのがわかっておるじゃないか、完全犯罪にならないわけですから、単純な犯罪なんですから。そういうことをベテランであるこういう長いこと工事をやってきた人がなぜ行なったのか。そこに私は、残材処理について最終的に——事件が起きたからこれが問題になってくるけれども、事件が起きなかったらいいかげんに済んだんじゃないかという見方を私は実はせざるを得ないわけです。  まず第一に考えるのは、手抜きがあるかないか。これは論争にならないと思うのです。これは会計検査院も私もよく聞いてみましたけれども、いまさら手抜きがあるかないかというのは、これは不可能に近いんじゃないかと思う。そうすると、今度は何をしたかといえば、結局横流しをしたのは残材だったということにしたとしか思えないのですよ。そうでなかったら、はっきりわかると思っておるような犯罪をする人があるでありましょうか、こういうベテランですから。そこに私は問題があると思う。最終的にとにかくいつの段階か、検査院に出されたあれですと百十二トンが出てきた。百十二トンも初めはゼロにするつもりだったかもしれないけれども、われわれはそういう批判で見るわけでありますから、そこに知らなかったとかわからなかったということでなくて、なぜこういうことが、横流しが行なわれたかということについてまだ私は疑問が残るわけです。  そうすると、首都高速道路公団のこういう管理というものは不十分だった。その原因が、それは突貫工事で人が足りなかったとかいろいろあると思うのです。ですから、私は、それはそれでいいと思うのです。人がなくて十分監督できなかった。監督しようと思っても無理だ。超過勤務をやろうとしても、超過勤務はできませんでした。こういうはっきりした原因がある。そして、こういうことはできないのだということをはっきりしなければならぬ。業者と監督者とうまく談合すれば、うまくものができるんだということにしてはいけないと思う。そこを私は、この点で知らなかった、わからなかったということでなくて、どこかに問題があったんじゃないか、こう思う。その点どうお考えになりますか。

神崎丈二首都高速道路公団理事長

○神崎参考人 いま勝澤先生のおっしゃること、まことにごもっともだと思います。結局は、最後の精算をすれば必ずどれだけの残材があるかということがわかってくるはずのものでありますから、それを横流ししたところでそれは一時のことであります。結局は、西松としては払わざるを得なかった、その点についてなぜそういうことをしたか、これは勝澤先生と同じような疑問を私はやはり持つのであります。ただ公団側としては、そういうことが行なわれたのは、大体御推定のとおり非常な突貫工事である、その上に人手が不足しておる、したがって支給資材の管理者の受け払いということを全くおろそかにして、相手側業者を信用するということ。  もう一つは、先ほども八島理事から申し上げましたように、構造その他は厳重に監督すれば手抜きその他のことは押えられる。それから資材の最終的な余りというものも必ずいつかは算出できるというようなことで、支給資材の制度をとりながら、その支給資材の保管管理という点にまことに遺憾があったと思うのであります。この点については支給資材制度がはたして今後続けられるものか、また続けていいものかというような点まで私ども慎重に考慮いたしているわけでございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そこで、私は西松が最終百十二トン残材だと言われたのが九百九十一トンも出てきたということになるならば、熊谷においても、または飛島においても、大成においても同じようなことがあるのではないだろうかという疑いを持たざるを得ないわけです。それについてはいま捜査当局のほうでもお調べしているようであります。首都高速道路公団でもいま精算を急いでいるようであります。これはやはり私は厳重にやっていただきたいと思う。そしていま起きている世間の疑惑をきっちりしていただきたいと思う。手抜きがあったかなかったか、あるいは残材で員数を合わせたかという点については、われわれが調べるすべもない、捜査当局でもそこまでいくかどうか、これはわからないことですから申しませんけれども、いま残っている熊谷なり、飛島なり、大成についてもやはり同じ工事場所でありますから、こういう点について私はきっちりしていただきたいと思う。その点いかがですか。

神崎丈二首都高速道路公団理事長

○神崎参考人 勝澤先生のおっしゃるとおりに私も感じますし、また私もさようにすることをかたく誓います。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そこで建設省のほうにお尋ねしたいのですが、建設省としてはこの事故にかんがみてどういう御処置をおとりになったでしょうか。

鮎川幸雄都市局長

○鮎川政府委員 首都高速道路公団の業務に関しまして、相次いでいろいろな事故を起こしましたのにつきましては、監督の立場にあります建設省といたしましても遺憾に考えておるところでございます。  申すまでもなく首都高速道路公団の仕事は、都内におきます重要な幹線道路を建設いたしておりまして、これについては対業者との関係、あるいは用地取得の面などにおきましていろいろ多額の資金を使うところであります。これにつきましては、かねがね業務執行を適正に行なっていただくようにお願いをいたしているわけであります。特に最近におきましてこういう事件がいろいろと発生いたしておりますので、建設省といたしましては、昨年の暮れに建設大臣から、特にこういう問題の発生にかんがみ今後こういうことが起こらないように、厳重注意をするようにという点につきまして公団の理事長に対して注意を喚起いたしたわけでございます。  なお、その後いろいろな点の調査も行なわれまして、事件の内容も大体はっきりいたしてきたわけでございますが、今後建設省といたしましては、いままで以上に、その綱紀粛正については、さらに一そう監督者及び末端の職員に至るまで、そういう点の徹底するようにお願いいたしたいというふうに考えておる点でございます。また、先ほど来、いろいろ御論議がございました資材の官給制度の点につきましては、いろいろな問題があるわけでございます。ただ、この材料支給につきましては、必要な数量の確保あるいは品質の確保、資材費の節減、こういう点にいろいろな長所もあるわけでございます。しかし、経済情勢等の変化もございますし、こういう点については、保管面、管理面等にもいろいろ検討する点もあるわけでございまして、今後、こういう材料支給制度につきましては、単に公団だけの問題ではなく、建設省全体の仕事の進め方の問題にも関連がございますので、目下この点については慎重に検討を進めておる次第でございます。特に公団の材料支給制につきましては、このような制度についての検討の方針にのっとりまして至急に結論を出したいというふうに考えておるわけでございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 理事長にちょっと伺いますが、あなたのほうの三十九年並びに四十年の工事建設費並びに公団の予算の総量はいま御答弁いただけますか。

神崎丈二首都高速道路公団理事長

○神崎参考人 いま、三十九年度の予算総額は五百三十八億三千三百十八万三千円でございます。それから昭和四十年度は、まことに申しわけないんですが、高速道路だけの分はここにはっきりしております。四百四十億でございます。これに、実は関連街路というのがございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 そこで、ただいま問題になっておりまする三宅坂の道路に関するいろんな刑事問題が起こったりなんかしておる問題でありますが、刑事問題は、すでに起訴されておりまするので、当院といたしましては中に入っていくべき筋ではございませんが、しかし、いずれにいたしましても、いま理事長の御説明のとおり、きわめて重要な使命、綱紀粛正の一つの対象になると思います。オリンピックで現場の工事が非常にせわしく、いわゆる突貫工事の繰り返し繰り返しなどが連続したようなことも見られるのでございますが、ただ、公団が五百数十億円、たとえば昨年度も、そしてまた高速道路においても四十年には四百四十億円も支出なさるという重要な公団でありまするので、このような部分的な工事につきましても、それぞれと設計の変更あるいはその他追加とかいろいろなふくそうする事務が予定されておることであると思うのです。あとできまりをつける。工事はでき上がったけれども、まだ設計変更の実態は掌握されておらぬ。すでに昨年の八月には開通もし、九月には路面工事の終了しておるようであります。ところが、いわゆる設計変更の数字的内容はまだ公になっておらぬということでは、やはり資材等がどこへ抜けていったのかわからぬということになるのはあたりまえじゃないか。だから、その辺に、よって起こる根本的欠陥があったのではないだろうか。だから、数名の者が起訴され、あるいは収賄で起訴されておる者もあるようでありまするが、ただ、それだけでなしに、このような突貫工事なんかもやらなくちゃならぬ。重要な首都圏におけるあなたの公団のお仕事の性質にかんがみまして、当然せなければならぬ人間、設備、事務の機構等の準備、管理体制がなっておらない。そこに根本的原因があるのではないだろうか。監督、管理適切にあらずという点を、そこへしぼっても見るべきじゃないだろうか、こういうふうに思うのですが、その点いかがでしょう。

神崎丈二首都高速道路公団理事長

○神崎参考人 大まかに申し上げて、いま吉田先生のおっしゃたとおりだと思います。ただ、しかし、これは言いわけ的になりますが、この点も、いまお触れなさったのですが、何ぶんにも公団発足と同時にオリンピック招致ということがきまって、すべて時限的にオリンピックというところで押えられて、率直に申し上げれば、過去の公団の仕事がしっかり土に足をつけて、たとえば、いまお話しの、設計等もすっかり設計を完了して完全なものにして、それから発注するということであれば、こんな間違いはなかったと思うのでありまするが、それが時限的に縛られておるものでありまするから、こまかい話を申し上げれば、この際、はなはだ恐縮なのでありますが、ともかく、たとえば漁業権問題で一号線がぎりぎりのところまで足踏みをする。また、いま問題になっております四号線のところは、例の文化財の問題で、英国大使館の前の設計がどうしてもきまらない。そのうちに時間的にどうしても間に合わないという事態になって着工せざるを得なかったというようなことで、確かに過去五年間のオリンピック高速道路の築造には、どうも私ども土に足をつけた形で仕事が進められなかった。それもまたできなかった。そういうことがこういうことの大きな原因になっておると思うのであります。今後は、ぜひ、設計等もはっきりさせて、後に設計変更等はあまりしなくても済むような、りっぱな設計をつくってから発注する。しっかり地に足をつけた方法で仕事を進めていきたい、こう考えております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 それは、実はしろうとならそういう話ができるのであります。われわれしろうとがそういうことを言うわけなのであります。いずれにしても、現に工事が進行中である。工事の進行というものは資材が投資されて、人間が働いて進んでおる。ところが、いわゆる設計変更の数字はまだ確認されていない、こういうことになっているわけでありますから、仕事が済んでから設計変更の数字あるいは図面その他のものは確認する、確定する、こういうことになるのでありますから、これはやはり何といっても受け入れ体制がよろしくなかったのじゃないか。それならば発注するほうが一体無理なんだ、発注することが無理だということならば、その責任は建設省にあるのではないか。そうじゃなしに、やはり公団としては、これは無理なら無理とおっしゃればいいと思うのです。人間が必要なら人間を入れたらいいと思う。技術がまずければ有能な者を入れて、それでもなお不可能ならば不可能をしいるのだから、これは返上してしまう、それぐらいまでいかなければ抜本的解決はできないと思う。結局これはかまえの問題になるのかもわかりません。だから無理とは知りながらやりました、どうにも能力に合わぬけれどもやりましたというのでは、これは弁解にならぬ。また責任者の立場ではないと思う。それは縛られて、しりをぶったたかれてやるような位置にある人ならば別ですけれども、とにかくいずれにしても五百億円以上の膨大な経費をお使いになるような、日本で最も有力な公団の立場なんでありますから、いまのお話では他に責任を転嫁するような半面もあるような感じがいたします。やはり問題はいまの点、あとになってから設計変更が確定したというようなことは実にまずかったと申すほかないと思うのであります。だからそれはこのぐらいでいいと思いますが、そこで最終的に数字を確認してしまったのは、一体時期としてはいつなんですか。

八島忠首都高速道路公団理事

○八島参考人 最終的に設計金額が決定いたしました、支払いをいたしました、また資材の精算をいたしましたのは一月三十日でございます。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 せっかく大臣が見えましたので、ちょっと一言お尋ねしておきたいと思うのでありますが、実はいま伺っておりますのは、首都高速道路公団の三宅坂の工事にからむ西松建設の件なんです。だんだんと事情並びに原因等が明らかになってきておりますが、根本は一つこういう点があるのです。  オリンピックの突貫工事でおっかぶさってきた仕事で、現場監督者も地下にもぐっておるというようなこと、資材の置き場も国立劇場のあとであったものをどこかほかに移してしまわなければならぬというようなことで、ごった返しておるそのさなかのできごとです。それからもう一つは、設計そのものは変更を三回やっておりますが、設計変更自体の最終の数字の確定、確認というものが工事終了からはるかに後になっておるということであります。そういうようなときは、当然何かのミスが生ずるのはあたりまえじゃないかと思うのであります。これはオリンピックというものがしいて、非常に過大な、過重な責任を負わすということになったのではないだろうかということが考えられます半面、公団のほうの受け入れの体制、管理体制が非常にまずい、なっておらぬ、こういうようにも考えられる、両者からんでこの問題が起こったのではないかと考えられますが、その点は大臣どうですか。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○小山国務大臣 いまお述べになりましたような事情で突貫工事をやっておったということ、それから監督者が十分な目を光らせるだけの体制になかったというようなこと、実際そういうようなことから起こって異例の事件だと思っております。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 異例であるかどうか知りませんが、最近あなたも綱紀粛正についてはすでに声明を出しておられるらしいのですが、相当多量に粛正の対象は起こっておるのではないであろうか、こういうことも考えられます。つきましては、その原因の一つといたしまして、たとえば東京都におきましても建設関係の工事は甲乙丙丁、何か固定しているような印象を社会に与えております。もう少し広げて、自由にその機会を与えるように範囲を広げる必要があるのではないだろうか。これはやはり請負制度そのものにくるんじゃないだろうか。いわば一種の過当競争といいますか、もう名はきまっておる、だからお互いにぐるぐる回っていくんじゃないだろうか、こういうようなことにもなる。そこに人情がからんでくる。親しみが出てくる。下のほう、末端の現場においても同様である。こういうことも粛正すべき対象になるのではないだろうか。あるいはこういう一種の汚職的な事件の起こる原因がそこにあるのではないだろうかというように思いますので、要するに、これは請負制度自体に相当再検討を要する段階がきておるのではないであろうか。これがほんとうに入札の精神を貫いていくということを、ガラス張りの中でやり得るようにするということを目標に、請負制度自体の再検討を要するのではないか。そうしてこれを請け負う者、それから発注する者との関係が厳正に、公正に行なわれていく、こういうことになり得るのではないかと思うのですが、その点についての御所見はいかがでありますか。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○小山国務大臣 請負制度に原因があるのかどうか私も実はまだ見きわめかねております。と申しますのは、むしろ競争が激化しておるために、自分のところに何とかしてとりたいというようなことで、あるいは供応したりするような事例もあるようにも考えられる。そうしてまたときに食事をともにしたりするようなことが普通のことのように考えられているような慣習もあるように考えられる。そこで、この間から就任以来その点をやかましく言っておるのでありますが、事件の起こるたびに、まあいずれにしましても公団側あるいは官庁側の人間の心がまえがまず大事なんだから、こういう問題が起こるのは突発的に起こるんじゃなくして、やはり事前にそういう風潮が——お互いの監督される者、監督する者互いに私生活にわたってまでいろいろ交渉をもっておれば、自然にわかるはずだ、だから監督者たる者はそういう問題が起こりそうな場合に備えて、始終私生活の面まで場合によってはわかるような体制を整えておって、そうして事前に防止できるものは事前に防止してもらいたい。事前に防止することを怠ったために問題が起こった場合には、やはり監督者としても責任は免れませんよということを厳重に注意いたした次第なんであります。

吉田賢一民主社会党

○吉田(賢)委員 結局建設省といたしましては、他にもたくさん問題はありますけれども、この問題につきまして具体的に何らかの措置はおとりになったのでしょうか。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○小山国務大臣 この問題につきましてはすでに当面の責任者は免職にしてありまするし、監督者は戒告しております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 大臣、中身をもうちょっとはっきり申し上げますと、これは不正工事だ、手抜き工事だといって世間で騒がれて取り調べがあった。取り調べがあって残材が出て手抜きじゃないだろうかという問題になった。手抜きであるかないかというのは、私の調べた範囲においては今日の段階では、手抜きであるかないかというのはわからないと思うのです。ですからやった工事そのものについて確認をして、証拠のないものについてはそのことばを信用する以外にない、こういうことになっておるわけです。そうしてそれじゃ手抜き工事で残材が幾らあったかといったら西松は百十二トンだといって当時報告をしたというのが会計検査院の報告なんです。それが建設省で半年間にわたっていろいろ精算をしたら、九百五十四トンだと今度出てきたわけです。そしてスクラップがあるから、それを入れると大体千五百トンになる。それが横流しされたのだ、こう言っているわけです。そこで、残材があったら契約上返すことがはっきりしているわけです。契約上はっきりしておるにかかわらず、その残材が横流しをされたというのは、明らかに結論的に犯罪がわかるにかかわらず、横流しをする、完全犯罪にならないことははっきりしておるわけです。そういうことが行なわれた。なぜかといえば、結局監督管理がいいかげんで、工事が終わればまあまあだ、こうなるということを見越してやったと私は推定をせざるを得ないわけです。ですから、そこでよく言われます、日本は汚職天国だ、不正の天国だと言われている。いま青少年犯罪で、ちょっと子供がやればすぐそれで問題になります。あるいは物を百円でも二百円でも盗めば問題になります。人のふところにちょっと手を入れただけで問題になります。しかし、このような大きな事件が起きても、結局監督者がほんの戒告やあるいは訓告になって、そしてまあ刑事事件にひっかかったのは運が悪いんだというような風潮になったら、私はたいへんだと思う。こういう不正工事をやった、汚職の起きたような会社というものは、やはり経済的にその会社に制裁をきっちり加えるべきだと思う。かりに西松がやったら、首都高速の西松に対する工事の割り当てというものは、もういままで一年にやった半分以下にしか入札の権利も与えないというくらいの措置をすべきなんです。そうすれば不正なことをやれば会社がつぶれるということになるのですから——いま不正なことをやれば会社はますます大きくなっていくじゃありませんか。あるいは、いうならば、役所と一緒になってそういうものがますます栄えていくじゃありませんか。ですからそこをきっちりしなければいけない。汚職をやった、不正をやった会社については、やはり建設省だけじゃない、国全体がそういう業者についてのきっちりした制裁をきめるべきじゃないか。それをやらないから、いつまでたったもこういうことが起きている。その点についてどうお考えになりますか。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○小山国務大臣 私も同じような考えでありまして、したがって、今度の場合は西松建設に対しましては、首都高速道路公団の指名は、一年間停止しております。それから全建設省関係の仕事に対しましては、当分の間指名停止を講じてあります。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そこで、こういう事件が起きたら、極端にいえば西松があげられたとたんに株が十円や二十円下がった、こういう現象まで極端に起きることによって、やはりその会社に対する、業者に対する取り締まりができると思うのです。  次に私がお尋ねしたいのは、この事件でひっかかった伊東さんという第二建設部長ですが、この人について首都高速道路公団の中で、これは気の毒だからといって、この部長についての嘆願書をとにかくまとめて出そうとしたということがあったわけです。あるいはこれによると出したとか、あるいは提出を取りやめたということがあるわけでありますけれども、この点については公団のほうからちょっと話を……。

神崎丈二首都高速道路公団理事長

○神崎参考人 確かにその動きがあったのでございます。しかし、提出は取りやめた。一部出ているようなことを書いたのがございますけれども、それは間違いで、提出いたしてはおりません。私どもも部内から、部内の者がそういうことをするというのに対しては、まあこれは個人の自由行為でありまするから、厳重にとめるわけにもいきませんけれども、反対の意向を漏らしておったのでありますが、いいあんばいに提出はいたしませんでした。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 大臣、そこで聞きたいのです。いま理事長は個人の自由だと言った。確かに個人の自由でしょう。個人の自由でしょうけれども、個人でやっているわけじゃない。公団の内部の課長とか係長、こういう職名を持ったのがやらしているわけですから、こういうことは許さるべきじゃないのです。このごろ、現職の役人が選挙違反にひっかかりますと、課長がひっかかったんだから係長がみんなでひとつ陳情しようじゃないかという風習がどこの省にもあるのです。まさにこれと同じことです。こういうことが役所の中から起きて、百何名、いや三百名も判を押したという事実が問題なんです。こういうことが行なわれていることを知りながら、提出段階においてとめたということはこれはけしからぬですよ。こういうことを考えてとにかくこういうものをやり出した。このことこそ私は問題にすべきなんです。ですから、汚職の天国だというのです。あれは運が悪いんだ、だからとにかく何とかみんなでもらい下げてやろうじゃないか、課長や下の者が、ひっかぶって責任をとってとにかく書類送検になったんだから、こういう考え方が公団の中にある。私はその経過について厳重に取り調べをして、厳重な処置をすべきだと思うのですが、大臣いかがですか。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○小山国務大臣 そういうものの考え方とか、そういう、たいしたことじゃないんだという考え方のもとにそうやったとすれば、これはもう全くけしからぬ話でありまして、これは厳重に今後も戒告すべきことだと思います。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 特にいまこの首都高速だけではないわけです。ほかの運輸省におきましても、あるいは国鉄におきましても、通産省におきましても、数々の事件が起きております。国民はこんなにも汚職があるのかとあきれ返っておるわけでありますから、この点私は、やはりきっちりとした処置をして、再びこういうことがないようにさせねばならぬと思う。それがやはり大臣の責任であり、またわれわれ国政を担当しておる国会の責任でありますから、ぜひその点については十分の御注意をお願いしまして、この高速道路公団に対する質問を終わります。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 ちょっと関連して。私は、いまの勝澤委員が指摘されました最後の問題、これは重大だと思うのです。というのは、つまりこういうような嘆願書が出てくるという空気、その背後に何があるかということを考える。言いかえれば、実に気の毒だった、こんなことはみな常にやっているんだ、それをひっかかったのは実に不運だったという空気があると思うのです。それが重大だと思うのですね。これは私の政党関係でも非常に注意しなければならぬのであって、私はこの点をよく調べたいと思うのでありますけれども、これらの大きな日本の代表的な四つの建設業者というものは、私は政党関係に対しましても相当な献金をしていると思うのです。そういうようなことから、おそらくたいしたことにはならないだろう、万一のときにはもみ消してくれるだろうというような安易な考え方、いわば政党関係に献金をしているということから、たくさんの建設工事を持ってじょうずに抜くんだ、抜いたって、万一のときにはもみ消してくれるだろうというような安易な気持ちもあったろうと思うのです。同様に、今度の公団側にしてみれば、いやもうそんなことは常時あることであって、そしてこのひっかかった諸君は実に気の毒だったんだというような考え方からそういうことが常に行なわれているのではないか。これは公団側でも、今度飛行機でもって全国あっちこっち大名旅行をしたというようなことを見ていれば、三宅坂の現場主人の人がもらっている給料でもって一体そういうようなことができるかできないかというようなことは、これはお考えになればすぐわかることだと思うのです。ところが、そういうことが行なわれておるということ自体の中に、実は常にこういうことが実際においては行なわれている。そういうような業者の買収行為、収賄行為というものが行なわれているんだということをやはり私は示しているんじゃないか。ほんとうは、この公団の監督者は常にそれを見ておればこれは変じゃないかということにお気づきになるはずだと思うのです。だから部内でもってこういうことが行なわれておる、嘆願書をつくるということが行なわれておるということ、その空気が出てくるということ自体の中に、私は常々こういうような収賄行為というものが行なわれている、あるいは供応行為というのもが平気で行なわれているということを示していると思うのです。でありますから、建設省としましては、担当大臣としましては、こういう問題については十分な注意を払いませんと、私は、いまのような各政党に対する献金と合わせてこういうことが全国で行なわれているということは容易ならぬことであるというように思うのです。ですから、これは国民に対して私どもとしては十分注意をしなければならぬ点でありまして、いまのような行為が行なわれている、そういう空気が当然のことだ、ひっかかったのは不運だったということになるとすると、実に容易ならぬこと。ただ、私ども、いまそういう空気が行なわれているということの背後に重大なものがあると思うんです。大臣としては、この問題は当然厳重にお考えにならなければならないと思うが、大臣はどういうようにお考えか。また公団の理事長としては、現実にずいぶんそういう収賄、供応というようなことは行なわれていると私はにらんでおるんだけれども、それについてどうお考えになるか、お二人のお考えを、また今後の処置をお伺いしておきたいと思うんです。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○小山国務大臣 まさに、いまおっしゃるようなものの考え方で、私は就任以来、特に競争の激しい建設業界に接しておるものは始終その点を気をつけてもらいたい、供応などというようなことはもうあたりまえのことだというような感じがあってはたいへんなんですから、そういうつもりで、いままでもずっと各地方を回りますたびにも、あるいはみんなを集めた場合にも始終その点を注意しておるわけでありますけれども、こういうことが起こりますことはまことに残念なんであります。これは周囲の空気でそうなりますのか、あるいは本人がそういう不心得な心がけのためになりましたのか、その点はこれからもいろいろな面から究明しなきゃなりませんが、仰せのとおり、こういう問題はきわめて厳正にやらなきゃいかぬ、こう考えております。

壽原正一自由民主党

○壽原委員長代理 長谷川委員にちょっとお伺いしますが、大臣が時間がないそうですがよろしうございますか。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 よろしいです。

神崎丈二首都高速道路公団理事長

○神崎参考人 いま長谷川さんから御注意のことは、私前々から実に強く感じておるところであります。ただ、このたびの大名旅行云々ということがございましたが、実は旅行という事実は今回初めて知ったわけで、まことに非常識なことで、これをあらかじめ私は存じておればすぐにある疑いを持ったわけでありまするが、今年初めて知ったわけでございます。ただ休暇という届けが出ておったのであります。  それから嘆願書云々が、不運な男だというような気持ちで出たものとは思いませんけれども、そんな気持ちで嘆願書などということが計画されたものであれば、これはまたとんでもないことで、この点は十分取り調べもいたしましょうし、注意もいたすつもりでございます。

福井勇自由民主党

○福井委員 関連して。簡単です。公団の請負の仕事について、これは建設大臣に、私は決算委員の理事の立場として総括的なことを尋ねようと思ったけれども、いま時間がないので次に大臣には尋ねますが、首都高速のほうのたてまえを簡単にちょっと尋ねてみたいことが一つあるのです。これは道路公団などにも及ぶことですが、請負工事の今回の不正があったことについていろいろ波及されてくる問題がたくさんあったわけですが、私の尋ねようというのは簡単なことを一つ。ある大きい請負組が不正が暴露した。その下にたくさんジョイントされておるそれ以下の組があるわけです。名前は一つ一つは一切省きますが、Aの一流組の下に、Bの一流組の下に、それぞれジョイントされておる工事屋があります。これは御専門ですからよくおわかりのことですが、このジョイントされておるBのクラスのものは、いままで建設省なりあるいは公団なりへも多年入っておって何のとがもないばかりか、非常に無きずの成績の優秀なものがBクラスにジョイントされておる。ところが、Aが失策したためにこのジョイントされておる下もストップを食うというようなことを首都高速のほうではしておられますかどうですか。

神崎丈二首都高速道路公団理事長

○神崎参考人 その点については、その例がないと思いますけれども八島参考人から……。

八島忠首都高速道路公団理事

○八島参考人 AならAという業者と契約いたしました場合には、どこまでも最終の責任はAという会社が持つのであって、その中にどういう形でやっておりましょうともAが責任は負うというふうに考えております。ただ、下請承認ということがございまして、特にこの部分については下請を何組にやらしたいから承認してもらいたいというような承認願いが出て、それを私のほうで承認いたしました場合には、そのBの会社が事故を起こした場合には当然Bの会社にも制裁を与える、こういうことになっております。

福井勇自由民主党

○福井委員 そういうことがないであろうということが答弁されましたので安心しておりますが、大きい工事の組には、御存じのとおりそれぞれ深い因縁があってジョイントされておりますので、Aのほうがストップを食って、それからそのジョイントされておる下の組が、同時にまたその親組の責任を一緒に負わされてストップされるという可能性が多分にあります。そのときには、やはりきわめて成績もよく、かつ建設省のほうにも認められておるのに同時に連れていかれる。しかも遊んでしまう。今度はBの組のほうには因縁がないから行けぬというようなことについては、よくお調べになるとあると私は想像しておりますから——想像でここで申し上げるということは、決算委員会としてははなはだ不穏当なことばとも思われるかもしれませんが、実はあると私は確信しておりますから、そういう名前を一々あげるというと支障があるということも私想起しまして、そういうことがありましたら、やはりあたたかい気持ちで他の方面にジョイントをするというような気持ちでやっていただきたい。と申しますのは、これも賢明な理事者の方々に申し上げることではありませんが、おやじが法律違反をしたからといったって、御存じのとおり、昨今むすこもお嫁さんも何もひっかかるということはないということは、こんなことは申し上げるまでもないことですから、その影響を——これは首都公団のことではなくて、建設省の請負に関する総括的の問題になるかもしれませんが、いまほかのほうにはそういう例も現実にたくさんありますから、ひとつあなたのほうの公団にあったなら、今後ないようにあたたかい気持ちで処置していただきたいということを希望しておきまして、答弁は要りません。

壽原正一自由民主党

○壽原委員長代理 参考人にごあいさつ申し上げます。  参考人各位には、委員会の調査に御協力をいただきましてまことにありがとうございました。厚くお礼申し上げます。      ————◇—————

壽原正一自由民主党

○壽原委員長代理 次に、歳入歳出の実況に関する件について調査を行ないます。  これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので順次これを許します。勝澤委員。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 それでは通産省にお尋ねいたしますが、まず最初に捜査当局のほうからお尋ねしたいのですが、平岡事件とまあ通称言われておりますが、この事件の関係者はいまどういうことになっておりますか。それで、起訴理由なり容疑の内容をお話しできる範囲で御説明願いたいと思うのです。

岡崎英城自由民主党通商産業政務次官

○岡崎政府委員 事務当局のほうからお答えを……。

津田實刑事局長

○津田政府委員 お尋ねの平岡関係の事件でございますが、目下この事件は捜査中のものと、それからすでに起訴をいたしたものとございます。それで、その捜査中のものにつきましては、通産省の関係になるわけでありますが、第一は通産省通商局輸出振興部の職員に対する業務上横領被疑事件を指すものと考えられます。これは目下東京地方検察庁におきまして身柄を拘束の上、捜査中でありますが、それはその被疑者が職務上保管にかかる通産省のある資料を持ち出して、これを株式会社平岡の西村総務部長に交付したという容疑にかかるものであります。この容疑につきましては本年一月二十日その当該係員を逮捕いたしまして、目下勾留中であります。  この事件は、東京地方検察庁におきまして、株式会社平岡にかかる法人税法違反事件等を捜査中に発覚したものでありまして、この平岡関係につきましては、すでに一月二十八日、株式会社平岡及び同社代表取締役平岡信生を法人税法違反により、また、右平岡信生外二名を詐欺罪により、それぞれ東京地方裁判所に起訴いたしております。その法人税違反の内容は、株式会社平岡の昭和三十六年三月一日より昭和三十七年二月二十八日までの事業年度において同社の法人税五千百九万余円を脱税したものであるという事実でありますし、また平岡信生外二名にかかる詐欺罪に関する事件は、昭和三十六年十二月ごろ、輸出契約につき保険事故発生の事実がないのにかかわらず、通産省輸出振興部長に対して、保険事故が発生した旨の虚疑の申告をし、普通輸出保険金名義のもとに二千百二十五万円を騙取した事実であります。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そこで、いま起訴されている平岡の関係ですけれども、これは輸出契約の偽造、供給契約の虚偽の申告、こういう二つなのですか。それとも契約の虚偽の申告だけなんですか。その点、起訴状ですか、よくわからなかったのですが、詐欺罪の関係についてちょっと御説明願いたい。

津田實刑事局長

○津田政府委員 ただいまの件につきましてはすでに起訴になっておりますので、その関係の公訴事実を申し上げます。  被告人平岡信生、三宅栄二、稲留耕一らは共謀の上、株式会社平岡が外国府社との間に締結したように仮装した架空の輸出契約について、通商産業大臣との間に結んだ普通輸出保険に関し、損失発生名下に保険金を騙取しようと企て、まず株式会社平岡と米国商社ブレックナー・ブラザース・インコーポレイション外四社との間の、別紙被保険輸出契約一覧表に記載のような架空の輸出契約六口につき、右株式会社平岡名義で通商産業大臣との間に、別紙普通輸出保険契約及びその延長契約一覧表記載のとおり、同会社を被保険者とするそれぞれの普通輸出保険契約を締結するとともに、さらにこの締結した各普通輸出保険契約につき全部、または一部の輸出未了を理由として、その保険期間の延長と一部保険金額変更の契約をいたしたのち、昭和三十六年五月十七日千代田区霞ケ関三丁目一番地所在通商産業省において、同省通商局振興部長に対し、通商産業大臣あての、「米国においてはゴム底布靴類似品に対しても同国内の製造業者の販売価格を基準とする関税が賦課されることになったため前記輸出契約の未履行部分につき各外国商社から契約の取り消しを受けたので損失が発生した」旨の虚疑の損失発生通知書六通を提出した上、同年八月十八日、右通商産業省において、右振興部長に対し、真実各外国商社から、各輸出契約につき、その未履行部分の取り消しを受けた事実もなく、また、その各輸出契約品の供給契約者とされている米満化学株式会社との間に供給契約を破棄するにつき、合計二千四百五十八万七百八十三円の損害賠償を支払う約束をした事実もないのに、別紙保険金請求一覧表のとおり、あたかも各外国商社から各輸出契約の夫履行部分につき取り消しがあって、その契約額合計一億二千百七十三万六千三百四円を受け取ることができなくなるとともに、米満化学株式会社に対する損害賠償支払いの約束によって、株式会社平岡では二千四百五十八万七百八十三円の損失をこうむったので、普通輸出保険約款に基づき、その損失額の百分の九十に該当する各保険金の請求をなす旨記載した請求額合計二千二百十二万二千七百五円五十五銭の保険金請求書六通を添付書類とともに提出し、さらにその後米満化学株式会社に対し、右損害賠償金として合計金二千四百五十八万七百八十三円を支払ったかのような仮装の経理処理をなすとともに、これに添う米満化学株式会社名義の架空な同額の収領証六通を追加提出し、右振興部長をして、真実株式会社平岡の前記輸出契約につき保険事故が発生し、かつ供給契約者たる米満化学株式会社に対し右損害賠償金が現実に支払われたことによって株式会社平岡に同額の損失が発生したものと誤信させ、よって同年十二月二十二日、同省において、同振興部長より普通輸出保険金名下に金額二千百二十五万二千三百七十五円の小切手一通の交付を受けて、これをだましとったものである、こういう事実でございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そこで輸出契約が偽造されたということでありますけれども、保険金支払いの理由がアメリカの関税引き上げだという。この保険を契約して、あらかじめ今後の予想をもって保険契約が可能なのかどうなのか、保険契約するとこれが必ず保険金がもうかるのだ、こういう見通しのもとに保険金というのはかけられるようなシステムになっておるのですか。そういう関連はどういうふうになっておるのでしょうか。

今村昇通商局次長

○今村説明員 輸出保険につきましては、ただいまのお尋ねのように、あらかじめ危険があることを予知しまして保険をかけるということではございませんで、一般に輸出契約をいたしましてから船積みが行なわれますまでに可能性としていろいろリスクがございますので、それをあらかじめカバーするという一般的な自己防衛というような見地から輸出業者が保険をかけておるものと承知しております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 輸出契約はいつなされて、それから保険支払いの関係を事件を追ってちょっと期間的に説明を願いたいのです。

矢野俊比古通商局輸出振興部輸出保険課長

○矢野説明員 事件の経過に従いまして御説明をいたします。  いまお話のございました六件につきましては、昭和三十五年七月から昭和三十六年一月に至りまして六件の輸出契約が成立いたしました。これが保険のほうには大体昭和三十六年二月から七月に申し込みが来てございます。事故の起こりましたのは三十六年四月七日のアメリカの関税委員会規則によりましてASP課税という形になりまして、実費的に関税引き上げが行なわれたわけでございます。この適用は四月十二日からするというふうに発表になっておりますが、事故認定としましては、その引き上げの規則が出ましたのは四月七日ということでございます。そこで五月に六件につきまして請求がございまして、これをわれわれのほうで査定に入った。約款の上では七月から大体一カ月というふうな形できめておりますので、請求したときから大体合計しまして三月ぐらいが最高限度額でございますが、この場合は非常に審査に慎重に手間どりまして、十二月の末、二十二日に保険金の、先ほど御説明がありました二千百二十五万二千三百七十五円の支払いをいたしました。事件の経緯は以上でございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そうすると三十六年五月に請求があって十二月に保険金を支払ったというわけでありますが、いまもお話のありますように、日数的には相当かかっておるのでありますが、この間に書類の偽造あるいは虚偽の申告というようなことについておわかりにならなかったのですか。この点いかがですか。

矢野俊比古通商局輸出振興部輸出保険課長

○矢野説明員 私のほうで保険引き受けをいたします際には、輸出契約書の写しを出していただくことになっております。したがいまして、輸出契約自身の偽造という問題になりますと、これは書面審査をしておりますので、相手方のバイヤー名に応じてのサインというものがございまして、あと輸出金額、輸出数量、船積み期日、支払い条件という必要記載事項が書かれておりますれば、輸出契約としまして充足する要件でございますので、これによって引き受けをいたしまして、それによります保険契約を結びまして、保険料徴収をするという形に入るわけです。それから支払いにつきましては、この場合、事故によりまして輸出ができなくなった、その結果メーカーとの契約破棄という形になったということでございまして、メーカー側にどれだけの額を払ったか、メーカーはそれをどれだけ受領したかという点の領収証、保険金の供給契約一切の資料を集め、それによりまして審査をしておりますが、いわゆる偽造ということになりますと、私どものほうへ出てきました資料が、日付をいろいろタイプに打ってあるのを薄くさせたとか、改ざんした模様があるとか、あるいは領収証あたりに、たとえば三という数字が漢字で書いてあるのを直しているような動きがあるということでございますれば非常に慎重にいたしますが、全然それが同一の筆跡で整理がされておるということになりますと、いわば完全に仕組まれておりますと、そこまで追及して見破っていくということは非常にむずかしいように考えられております。この件につきましては、当時におきまして偽造というところには全然気がつかずに結局支払いに移ったというふうに考えます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 先ほどのお話でも、請求から支払いまで一カ月くらいであると言われておりますが、保険金の支払いがおくれた理由はどういうことですか。

矢野俊比古通商局輸出振興部輸出保険課長

○矢野説明員 この点につきましては、事故発自身も、関税引き上げによりまして、五月十三日に損失が発生したということで、五月に当事者のほうから通知がきた。それを私どものほうで外務省に確認したというようないきさつもございます。さらに、その後に向こうから契約不履行になる、キャンセルレターと申しますか、輸出契約を破棄するというレターの提示を求めるというような形で、そういう点の確かめ、正当性を理由づけて、さらに供給契約の内容その他がいろいろむずかしい形で書いてありますので、その点でそれを立証するに足るエビデンスというものを相次いで求めたように担当の者から聞いております。そのために手がかかったということであります。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 これはいま問題になっているインボイスの係長との関係はないのですか。保険金支払いについてはどうですか。

今村昇通商局次長

○今村説明員 それはございません。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 請求から支払いまで日がこんなに長くあったにかかわらず、それが偽造だったり、あるいは虚偽の申告だったということがわからないという点について、これは相当大きな資料ですから、その資料の中から、どこからかおかしいなという点があらわれるべきではなかったかと思いますが、それが発見できなかったというのは、われわれしろうとが考えてみるとよくわからないわけです。その辺をもう少し解明していただけませんか。

今村昇通商局次長

○今村説明員 現在輸出保険の契約申し込み件数は、一年間で約三十七、八万件あると思います。したがいまして、その一々の審査につきましてはできるだけ厳密にやることを期しまして、いま課長から申し上げましたように、いやしくも怪しい節のある者につきましては非常に突っ込んだ審査をしております。また保険の前歴と申しますか、事故を起こした者につきましては特に厳密に審査をしておるわけでございますが、何分にも件数が非常に多うございますので、どうしても書面審査ということが中心にならざるを得ない実情でございます。ただ、この平岡の場合は、非常に金額が大きいので特に慎重を期しまして、いろいろな角度から審査をした次第でございます。通常の場合よりも時間をかけて審査をしたわけでございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 三十六年度の個別保険金支払いの件数はどうなっておりますか。それと一緒に保険収支の状況もちょっと伺います。

矢野俊比古通商局輸出振興部輸出保険課長

○矢野説明員 三十六年度におきます全体の保険金支払いの数字でございますが、これは支払い件数八百八十三件、支払い保険金額七億六千七百万というのが三十六年におきます全体の保険金の支払い件数及び支払い金額でございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 これは個別保険ですか。

矢野俊比古通商局輸出振興部輸出保険課長

○矢野説明員 これはいわゆる私ども引き受けております全保険でございまして、個別保険だけに限りますと、支払い件数十八件、支払い保険金額二千三百三十一万四千円という数字が出ております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そのうち平岡はどうなっておるのか。

矢野俊比古通商局輸出振興部輸出保険課長

○矢野説明員 平岡に払いましたのは、先ほどの御説明のとおり二千百二十五万二千三百七十五円ということでございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 件数はどうなんですか。

矢野俊比古通商局輸出振興部輸出保険課長

○矢野説明員 件数は六件です。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 十八件のうちの六件ですか。

矢野俊比古通商局輸出振興部輸出保険課長

○矢野説明員 そうです。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 この個別保険の状態から見ますと、支払いが三十六年で十八件のうちの六件だというわけですから、そんなにふくそうしている要務じゃないと私は思うのです。そうしますと、やはり保険金支払いについては相当厳重なことをやっておると思うのですが、たくさんの書類が要るでしょうし、それからこの程度の日数をかけておるわけですから、それでもわからないという点については、まだ少し疑問が残るわけであります。そこで、さらに、いま逮捕されている中村さんですか、インボイスのこの関係につきましてはまだ捜査中であるということでありますから、こういう書類の取り扱い方というのは、業界から見れば相当大事な書類だといわれておりますけれども、こういう取り扱いはどういうふうにされておるのですか。

今村昇通商局次長

○今村説明員 輸出インボイスにつきましては、輸出業者が輸出のときに通関をいたします際二通提出いたしまして、そのうちの一通が税関から直接通産省通商局輸出振興課の統計班あてに送ってくることになっております。このインボイスは統計上の目的に使用いたしまして、毎月輸出インボイス統計というものを作成いたしておりますが、それの資料に使用いたすわけでございます。大体毎月の通関が十七、八万件ございますが、そのうちで輸出インボイス統計に使用しておりますのはその中の五十八品目、件数にいたしまして二万ないし二万五千件くらいのインボイス統計に使用しておるわけでございます。使用いたしましたインボイスは、六カ月間これを振興課の中に保存いたしまして、その後振興課長の決裁をとって焼却をいたしております。その六カ月間の間におきましては、これを原則として外部には出さないというたてまえで、特に省内もしくは関係の公的団体で統計上の目的に借覧をするというようなときには、振興課長の承認を得て借覧をする、こういうふうな扱いをいたしておったわけであります。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 その輸出インボイスというのは、輸出業者については相当関係があるのですか、大事な資料になるのですか。

今村昇通商局次長

○今村説明員 輸出インボイスと申しますのは、船積み書類の中でも非常に重要性の高い書類でございまして、その取引一件一件につきましての数量、金額はもちろん、品物の規格の明細でございますとか、あるいは単価がどうなっておるとか、あるいは取引条件、それからもちろん売り先、売り主等の名前も記載してございまして、これは税関で通関いたします際の通関の金額の決定の非常な基礎になります。あるいは為替銀行で手形を取り組みます場合の手形金額決定にも重要な基礎になるものでございます。記載事項がそういうことでございますので、商売上の一種の機密と申しますか、そういうような内容を持った書類であります。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そういうような大事な書類がいままでの取り扱い方の結果、こういう事件が起きたわけでありますけれども、その取り扱い方についてはどうお考えになっておりますか。

今村昇通商局次長

○今村説明員 かねがねこれは公文書の扱いにいたしておりまして、非常に厳重に、担当官にもその趣旨を徹底して、取り扱いには特に注意をしておったわけでございます。特に外部等の関係につきましては、純粋に統計の目的に使うという以外にはこれを借覧させない、特に個々の業者については、これは一切目は触れさせない、こういうような条件でオフィシャルな団体にこれを借覧させたことはございますが、そういうような厳重な扱いをいたしております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そういうような厳重な取り扱いをしておるというのですが、これは新聞によりますと、輸出振興課の山下課長さんの話ですが、インボイスは六カ月保存した後焼却することになっておるが、倉庫もなく、部屋に山積みしてある状態だ、どの程度あるかわからぬというような談話が出ておるわけであります。ことばでは厳重なようですが、取り扱いは厳重でないので、厳重な取り扱い方がどの程度なのかよくわかりませんけれども、金庫の中に入れておくほうがいいのか、倉庫の中に入れておくほうがいいのか、よくその取り扱いはわかりませんが、不十分であったといわざるを得ないと思うのです。建物の関係かどういう点からかわかりませんけれども、その点はどうですか。

今村昇通商局次長

○今村説明員 実際上の保管の状態でございますが、これは本来ならば書庫に入れるとか、適当な保存の方法を講じなければいけないのでございますが、何ぶんにもただいま申し上げましたように、非常に膨大なボリュームでございます。通産省の施設の関係がなかなか適当な方法がございませんので、執務をしております部屋の中の書だなに入れる、あるいは積むとかということで保存をいたしておったような実情であります。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 官房長にお尋ねいたしますが、この問題に関して内部的に規制といいますか、こういう点は通産省としてはどういうふうにお取り扱いいたしましたか。

熊谷典文大臣官房長

○熊谷政府委員 そういう取り扱いの問題につきましては、このほかにいろいろな問題もあろうかと存じます。ただ先ほど次長が申し上げましたように、場所の関係、いろいろな点の悪条件はあるわけでございますが、今後そういう面につきましては、一段と厳重にやるように、あるいは場所等の問題につきましても十分配慮してまいりたい、かように考えております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 最後に政務次官にお尋ねいたしますが、この事件は、私は、保険金が、まあ契約偽造あるいは虚偽の申告という形で詐取された、こういうことが一つだと思います。これの経過はいまお聞きになったとおりですが、書類の上でこれをおやりになっているようでありますけれども、たいへんたくさんな金額なんですね。そうして個別保険の件数というのは、先ほどお伺いいたしましたように、年度で十八件のうち六件で、あとは包括保険ですから、これくらいのことで虚偽の申告をされたり、偽造されたりするのが発見できないということについては、私はたいへん遺憾だと思うのです。そういう点についてはひとつ検討されて、こういうことのないようにしていただきたいと思います。  それからもう一つは、いま中村さんという方が勾留されておりまして、どういう結果になるかよくわかりませんけれども、いまのお話ですと、たいへん大事な書類だということを言われておるわけでありますから、こういう取り扱いについては厳重に考えていただきたいと同時に、やはりこういうことによって内部的にいろいろ疑惑を持たれたり、あるいは業者との関係で何かあるというようなことのないようにしていただきたい、こういう点について、この二つの保険金支払い問題、それから綱紀の粛正といいますか、機密書類の取り扱いといいますか、こういう問題についての政務次官のお考えを聞きたいと思います。

岡崎英城自由民主党通商産業政務次官

○岡崎政府委員 ただいまお話のございました問題につきましては、通産省といたしまして非常に残念に存じます。将来こういうことが再び起こらないように、十全な注意をいたすことは申し上げるまでもないことであります。  特に、この事件が起きました後に、通産大臣はさっそく省の幹部会議を開きまして、事務次官以下、各局長、次長等招集いたしまして、将来厳重にかかることが起こらないように十全な注意を払うということを特に大臣も申しました次第でございまして、われわれもその趣旨に基づきましていまお取り調べになっている事情等をいろいろお聞きいたしましたり何かいたしまして、いろいろくふうをいたしまして、再び起こらないようにいたしたいというかたい覚悟を持っておる次第でございます。  ことに、初めの保険金の問題につきましては、わが省だけでもいけない面もあると思いますので、会計検査院とも打ち合わせをしたり、また関係官庁と打ち合わせをいたしまして、こういうような書類が出た場合の審査のしかたその他について十分にくふうを加えて、再びこういうことが起こらないようにいたしたいと思っております。  中村事務官の書類の問題でございますが、これは書類の扱い方等についても、通産省全体の気持ちの問題がもっと締まっていかなければならない点があると思いますので、この点について、慎重な態度をとって、扱い方等についてくふうをいたしますとともに、また保管の処置等につきましても十分研究いたしまして、再びかかることの起こらないようにいたしたいという気持ちでございます。  以上お答えといたします。     —————————————

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 次に、運輸省のほうに……。  最初に捜査当局のほうに、これもまだ取り調べ中のようですけれども、お話しできる範囲内の点について御説明を願いたいのです。

津田實刑事局長

○津田政府委員 ただいまお尋ねの点は、運輸省航空局関係の収賄事件をさすものというふうに考えられますが、運輸省航空局監理部補給課の物品の納入等にからむ事件でございます。同事件につきましては、関係業者二名、課員三名の身柄を拘束いたしまして、ただいま東京地方検察庁において捜査中でございます。内容は捜査中でございますので、あまり詳しく申し上げかねますが、これは一部新聞等にも報道されておりますので申し上げますと、化学消防車用消火液納入と超短波送受信機納入、そういう関係で、数万円の現金を収賄した、こういう事実の容疑によって捜査をいたしておるわけでございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そこで三十六年度からこの航空局の化学消防車の購入状態を見てみますと、日本造機販売株式会社と三十六年度に三台、三十七年度に三台、三十八年度に三台、みなこれは随意契約になっておって、三十九年度だけ二台指名競争で、森田ポンプと日本造機と競争入札をやって日本造機ということになっているようでありますが、三十六年度から日本造機だけが随意契約ということになっております。この理由といいますか経過といいますか、こういう点についての御説明を最初に願いたいと思います。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 ただいまお尋ねの消防ポンプにつきましての、何がゆえに随意契約にしておったか、また三十九年度においてから指名競争入札にしたかという経緯につきまして御説明いたしますが、このいま問題になっております消火ポンプはいわゆるローカル空港におきまして使用いたしますポンプでございますが、このポンプは性能その他の点につきまして一定の要求にこたえなければならないというものでございます。主としてどういう点の要求性能を満たさなければならないかという点につきましては、放出水量、あるいは消火剤を出す能分というような点等、それからもう一つはなるべく圧力の強い力を持たなければならぬというような点から、一定の規格を要求するわけでございます。この要求に合致している消防車をつくるメーカーが、ただいま御指摘の日本造機株式会社以外には当時なかったというような点から、ここと随意契約を結んでおったという経緯がございます。ただ三十九年度になりまして、いま御指摘になりました森田ポンプという会社におきましても同程度の性能を有する消防車をつくることが可能であるということで、これを指名いたしまして、指名競争入札ということにいたしたわけでございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 私の調べたのによりますと、三十六年ごろでも随意契約でなくて指名競争でもやるべき会社があったように実は思うのですけれども、たとえば三十八年度の消防庁の調査によりましても、森田ポンプ、それから日本機械工業、市原ポンプ、日本造機、こういう形で、日本造機は消防庁の調べによると生産状態は第四位ということになっているわけです。そうしますと、森田ポンプ、日本機械工業、市原ポンプ、日本造機、こういうような四社の大きなのがあるにかかわらず、運輸省は日本造機とだけずっと三十六年、三十七年、三十八年は随契してきたという点について、私、疑問を持つわけです。それから三十九年度も、指名ですけれども、最終的にはこれは日本造機が落札しているようでございますけれども、まあこのごろは入札なんていっても実際には談合でやっているのでしょうから、どこかを初めからきめているのでしょうけれども、そういうのがいいか悪いかわかりませんけれども、事実そういうことになっていますと、この航空局のやったのはみな日本造機から入っている、この辺についてもちょっとどうも私よくわからないのですけれども、一社にしぼったという経緯、そして日本造機だけがずっと入っている、そうして日本造機との関係者が収賄でいま事件になっている、こう考えてみると、まかせきりでやられてきたというような気がするわけですが、その辺はどうなんですか。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 ただいま御指摘をいただきましたが、消防車そのものを製作するメーカーというものには日本造機以外に森田ポンプあるいはその他の業者もあるということは承知しておりますが、先ほど申し述べましたように、特殊の性能を備えたこの消防車というものを当時製作しておりましたのはこの会社のみであり、かつこの会社は当時までにおきましてほぼ同様な規格の消防車を製作しておった実績もあったということでございます。消防車につきましても、いろいろな性能があると存じます。したがいまして、単に消防車のメーカーというだけでは指名競争に入れるわけにはまいらない。一定の規格にほぼ近いというようなものの生産が可能になりました場合には、当然競争入札にすべきと思いますが、当初におきましては、そういう状況になかったということになっております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 それから通信機材の関係で、日本電気通信との資材関係は、どういうふうになっておりますか。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 車載無線機につきましては、ただいま問題になっております日本電気通信株式会社という会社との契約もむろんございます。そのほかの会社ともむろん契約をいたしております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 この通信機材の関係は、大体最近の購入状態というのは、どういうものが、どれだけか、会社別に金額はわかりますか。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 ただいままでの三十七年度からの分につきまして申しますと、三十七年度に芝電気株式会社という会社から一個四十五万円、それから三十八年度におきましては、日本電気通信株式会社から二個、一つは十九万円、他は二十九万円、それから日本電気株式会社から四個、単価四十七万円でございますから、四個で百八十八万円、それから三十九年度におきまして、日本電気通信株式会社から二個、一個二十九万円、こういう契約をいたしております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 この事件は捜査中で、いろいろまだ明確でない点がありますが、この問題を私見てみますと、仕事の運営の上からいきまして、一人の係長にまかせ切って行なわれてきたという点が見えるようでありまして、あまり総合的な検討というものがされていないように思うのです。そういう点で、こういうことが起こらないようにこれから機構の上でもやはりいろいろ考えてみなければならぬし、あるいはまた、こういうことがなぜ起こるのかという点についても、いろいろ新聞によりますれば、内部的な操作をするためのお金だというふうにいわれておるわけでありますが、この取り扱い、これに対処する態度といいますか、こういう点について官房長のほうから運輸省としてのお考えをお聞きしたいと思います。

堀武夫大臣官房長

○堀政府委員 こういう事件が起こりました原因につきましては、捜査の結果がはっきりしませんとよくわかりませんけれども、ただいまお話のような内部的ないろいろ交際費とかあるいは忘年会とか、そういうものの経費を捻出するというようなものでもしあるならば、これは非常にゆゆしい問題でございまして、そういうことが今後ないように十分気をつけなければならぬことだと思います。  この事件が発生いたしましてから、直ちに次官通達を出しまして、出先の機関はもちろんのこと、本省のすみずみまでこの通達の趣旨が徹底するようにいたしております。  なお、この事件の直後において、臨時省議を開きまして、この一片の通達のみでは、不十分でありますので、非常に具体的に、こういう点についてはこういう点を注意しよう、それは課員の一員に至るまで徹底させようということで、多少行き過ぎるくらいに締め上げようという決意をいたしまして、いまそれを実施しているわけであります。  なお、職員が長い間同じポストでそういう腐りやすいような仕事をやっている者につきましては、できるだけ適宜早い機会に取りかえるようにいたしたい、こういうふうに進めております。  なお、こういうような問題が起こらないようにするためには、業者の協力も必要だと思います。誘惑をしないように、そして何か少しでも職員の中におかしなそぶりあるいはおかしな要求等をする者があるようでしたら、できるだけ早くその管理者側に耳打ちしてもらう、そして事前に注意を与えて、心が曲がりかけた者は、実際そういう問題が起こらない先に改心させるというような措置をこれから講じていきたい、かように存じております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 それでちょっとさっき忘れましたが、何か化学消防車を入れたけれども、消防士を配置していないというようなことがいわれておるようですが、これは消防車に見合った消防士の配置あるいは消防を取り扱う担当者といいますか、こういう点についてはどうなっているのですか。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 消防車の問題につきましては、いま消防車を扱う人間はどうかという御質問でございますが、羽田、大阪におきましては不十分ではございますが、専門にこの仕事をやるという職員がおりますが、いわゆるローカル空港におきましては、現在までのところこの仕事を専門にやるという職員がまだ配置されてないというような状況でございまして、これは決して許さるべきことではないということで、何とか専門の職員を置きたいということで努力中でございますが、現在までのところまことに残念でございますけれども、専門の職員はローカル空港につきましてはまだまだ配置されておらない、こういうことになっております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 消防車があったけれども、実際に火事になったときに消防車が使えなかったということになれば、これは重大な問題だと思います。これはたいへんな責任問題になると私は思うのです。ですから、せっかく化学消防車が配置されておれば、その消防車がいざというときに使える——こういうものはとかくふだん忘れがちであって、どこかで事故が起きると、これはたいへんだということになるわけでありますから、やはりよほどじょうずに運用をしないと予算もふえていかない。いつかここで消防庁に来てもらっっていろいろ聞きました。火事があればみな大騒ぎをするが火事が終われば——ですから、十年に一回、二十年に一回あるかないかわからぬようなものについての予備をしなければならぬわけでありますから、いろいろそういう点についてはたいへんだと思いますけれども、せっかく消防車があって、火事になったけれども使えなかったということになったら、それはやはりその場だけの責任ではなくなるような気がします。ですから、これは十分検討をして、予算をつけるならつける、人を入れるなら入れる、あるいは人がどうしてもなければ、きっちりした担当者というものをつけておくというふうに、特に要望いたしておきます。  最後に、政務次官にお尋ねいたしますが、先ほどもお聞きのように、最近各個所で職員の収賄、あるいは業者との関係、いろいろ問題が出ております。特に先ほどから指摘をいたしておりますように、運輸省でも航空局以外で、国鉄の中でも、最近また新聞で報ぜられておるわけでありまして、私はたいへん残念なことだと思うのです。またさっきの首都高速ではないけれども、書類送検された部長のために嘆願書を書くというようなことが公然と行なわれておる。これもまた重大なことだと思うのです。こういう考え方でやられると、私はたいへんなことだと思う。選挙違反でもつかまったのは不運だ、つかまらないのは幸いだといわれてはたいへんです。やはり汚職でも、汚職がなぜ起きるのか、なぜ収賄が起きるのか、なぜ業者がこういうものについてああして寄ってたかって誘惑をするのかという点を十分考えて、やはりできる限りのきっちりした取り締まりといいますか、執務の厳正を期さなければならぬと思う。特にこの際、運輸省では国鉄の問題あるいは航空局の問題と、こう起きておるわけでありますから、ひとつ厳重な取り締まりを特に私からお願いしたいと思いますけれども、御所見を最後にお尋ねしたいと思います。

大久保武雄自由民主党運輸政務次官

○大久保政府委員 ただいま御質問をいただきました運輸省の問題につきましては、大臣はじめ、まことに申しわけないと存じておるような次第でございます。先ほど官房長がお答え申し上げましたことに尽きるわけでございますけれども、仰せのように、事件がありましたときだけのことで済まされないわけでございまして、さようなわれわれの心がまえ、機構並びに精神上の緊張と申しますか、今後のかまえと申しますか、そういうことは今後持続いたしまして、運輸省関係の仕事にかようなことを繰り返さないようにとくと留意いたしたい、かように考えておる次第でございます。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 一言関連して。いまのお話によれば、汚職がつきまとった消防車をどうやら買ったけれども、消防士がないという、その理由ですね。それは予算がないのか、あるいは雇いたくても人がないのか、どういう理由で消防士がないのか、その理由をひとつ……。

栃内一彦運輸事務官(航空局長)

○栃内政府委員 ただいまお尋ねの点は、定員の予算要求がなかなか認められないということでございまして、これは私どもの努力なり説得力が足りないという面もあるいは御指摘を受けるかもしれませんが、人がないという以前の、ローカルの空港につきましてはいままで定員を認めてもらえなかったというのが実情でございます。

長谷川保日本社会党

○長谷川(保)委員 それは実に重大でございまして、ローカル空港にそういう事故が起こらないとはいえない。飛行機の火炎は今日もしばしば起こっておるわけであります。でありますから、定員の予算が認められなかったから人がないんだ、しかし消防車だけは買ったんだというような事態であってはならないのでありまして、そういうなくてならぬものの定員の予算が認められないということがあってはならぬと思います。この点については非常に遺憾と思います。どうか運輸省におかれても、それらの点についてせっかくの御努力をなさって、そういうばかな、ローカルの飛行場には消防車は買ってあるけれども、実際は使えないんだなんということを国民の皆さんが聞いたら、おそらくりつ然となさると思うし、事故がないとは限りませんし、そのとき焼けてしまっていいんだということにならない。何としてもそれは防いで、乗員なりあるいはその他の乗客なりを助け出すということ、ああいう事故はなかなか困難でありますが、それにもかかわらず懸命な努力をしたというならわかりますけれども、もしそうでなしに、そのまま焼いてしまうということになれば、実に重大な責任問題でありますし、人命の問題でありますから、その重大さというものははかることはできない。どうかそれらの点については、われわれも協力をいたしますから、ぜひともせっかくの御尽力をなさるように強く要望いたします。

壽原正一自由民主党

○壽原委員長代理 本日はこれにて散会いたします。    午後一時六分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗