議院運営委員会図書館運営小委員会 第1号
- 発言数
- 41 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1965/01/20
会議録
○細田小委員長 これより図書館運営小委員会を開会いたします。 不肖、はからずも今回図書館運営小委員会の委員長に選ばれまして、たいへん責任の重いことを痛感いたしておる次第でございます。至ってふなれでございますから、皆さま方の格別のお引き回しをお願いいたします。(拍手) 本日は、昭和四十年度国立国会図書館予定経費要求につきまして審査をお願いいたしたいと思います。 ————————————— 昭和四十年度国立国会図書館予定経費要求書 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○細田小委員長 まず、鈴木図書館長から説明を求めます。
○鈴木国立国会図書館長 国立国会図書館の昭和四十年度予算要求につきましては、委員長をはじめ皆さま方から格段の御尽力をいただき、厚くお礼申し上げる次第でございます。 これより、国立国会図書館の昭和四十年度予定経費要求につきまして御説明申し上げます。 まず、昭和四十年度予定経費要求の総額は、十億六千四百四万七千円でございまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、一億二千九十九万六千円の増加となっております。 次に、要求額のおもなものについての概略を、予算要求額事項別表によって御説明申し上げます。 まず第一に、国立国会図書館の維持管理に必要な経費でありますが、その総額は、七億九千七百五十四万二千円でございまして、これを前年度予算と比較いたしますと、六千一百四十六万円の増加と相なっております。この増加のおもなものは、職員の給与の改定に伴う経費でございます。 第二に、国立国会図書館の業務を運営するために必要な経費でありますが、その総額は、二億二千二百二十六万円でございまして、前年度予算額と比較いたしますと、一千五百二十九万一千円の増加となっております。この増加のおもなものについて申し上げますと、まず、立法調査業務を充実するために必要な経費は、二百六万八千円を増加いたしまして、その総額は、一千四百六十七万九千円と相なります。 次に、資料の収集、整理及び利用に必要な経費は、六百九十九万四千円を増加いたしまして、その総額は、四千四百八十七万四千円と相なっております。 増加のおもなものは、図書購入費六百九十五万三千円でありまして、これにより、図書購入費の総額は、四千四十八万一千円と相なります。 次に、目録、書籍等の作成に要する経費は、二百九万五千円を増加いたしまして、その総額は、一千四百一万三千円でございます。 また、科学技術関係資料の整備に要する経費は、三百四十四万二千円を増加いたしまして、その総額は、一億一千五百六十万円でございます。 第三に、国立国会図書館の営繕工事に必要な経費でございますが、総額四千四百二十四万五千円を計上いたしております。その内容は、国立国会図書館庁舎第二期工事に必要な基本設計委託費九百万円及び現有の庁舎の冷房設備に必要とする経費三千五百二十四万五千円となっております。 なお、当館は、今年十一月、アメリカ原子力委員会の資料の寄託を受けているアジア・太平洋地域における図書館の相互協力を促進し、ひいては、これらの地域における科学技術の発展に寄与するため、セミナーを開催いたしたいと存じまして、これに要する経費百四十五万五千円を計上いたしておりますので、何とぞ御了承いただきたい.と存じます。 また、当館は、「雑誌記事索引・自然科学編」英語版の作成の経費に充てるため、議院運営委員会の御承認を得まして、アメリカ科学財団から、昭和三十五年度以降、所要の金銭の寄贈を受け、業務を遂行してまいりましたが、先般、アメリカ科学財団から、アメリカにおけるこの索引の需要度にかんがみ、昭和三十九年八月以降は、これを打ち切る旨の申し出がありました。したがいまして、当館としては、これを機会に、この事業を中止することにいたしたいと存じますので、何とぞ御了承のほどお願いいたしたいと存じます。 このほか、国立国会図書館の予算と直接の関係はございませんが、当館の組織の一部である行政・司法各部門の支部図書館の支部庁費は、総額二千三百七十六万円でありまして、二百十九万円が増額計上されております。 以上、まことに簡単な説明ではございますが、何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○細田小委員長 ただいまの図書館長の説明に対し、何か御質疑はございませんか。
○竹内小委員 二、三点お尋ねしたいと思いますが、この新しい予算要求によって、人員増となるのかどうか、この点が第一。 それから、ややこまかい質問になるのですが、項目の番号でいうと18、賠償償還及払戻金及び19、保証金という項目があるのですが、この性質をちょっと御説明願いたい。
○鈴木国立国会図書館長 第一の点の人員増は、四十年度におきましては一人もございません。認められておりません。 それから、第二の点の賠償金の問題は、御承知のように、館法に従いまして、納本制度は、国会に本を納入した人については、その実費額を弁償するように法律できまっております。いままでは9というところに書いてあります図書購入費という中に全部包含されておったわけでございますが、これは法定で義務費としてどうしても支払わなければならないものでありますから、今度初めて新しく立目いたしまして、本年度からは二つに分けまして、納入出版物代償交付金というものでその点を分けたわけでございます。
○柳田委員 アメリカの科学財団からは日本の「雑誌記事索引・自然科学編」英語版の需要度というのはあまりないのですか。
○鈴木国立国会図書館長 これは、向こうの求めに応じまして、日本の自然科学に関する雑誌の記事、日本語で書いてあるのを向こうの人が見やすいように英文に翻訳しておるのでございます。これは向こうが戦後日本のいろいろな科学記事に対して非常に興味を持って、そういうようにやりましたが、これは千部刷っておりまして、五百部はアメリカの中の需要に充てておったのでありますが、いまはほとんど需要がなくなったので、もう要らなくなったからということでございます。
○茜ケ久保小委員 この予算とは直接関係がないのですが、おたくのローマ字の索引の問題、ヘボンと何かのあれはいまどうなっているか。私もいろいろ相談を受けたり陳情を受けたものですから、この機会に、現在どうなっているのか、また、館としてはどういうような意向であるのか、ちょっとそれを伺います。
○鈴木国立国会図書館長 ローマ字の問題は、国字に関するローマ字というのとは別個にひとつお考えおきいただきたいのでございます。これはカードの問題でございます。カードは、御承知のように、本を配列したり本を引き出すときの手引きになるわけでございます。それは冊子目録に印刷したものとカードにしたものと二つあるわけでございます。このカードのほうでございますが、カードの一番下に、いままでは日本の本について、著者と本の名前をローマ字で書いておったわけであります。それを図書館では、前にもカードの両わきにヘボンと訓令と両方並べて書いておったわけでありますが、三十一年からそれを廃止して、訓令一本にしてしまった。ところが、これは外国のほうへも売り出しておるものですから、外国のほうで、ことに人の名前、たとえば船田という場合には、Fで書くか、Hで書くかによって、ファイルのとじ込み方が別のところへいってしまうわけでございます。同じ図書館でいままでユネスコへ送っていた目録には、みなヘボンを使っておったわけであります。それで、冊子のほうはへボンであってカードのほうは訓令でいきますと、合わないわけです。それで、外国のほうからも、そういう索引を引き出したり、いろいろなカードを次々と繰り込むときに非常に不便であるから、何とか著者名と本の名前だけは統一してくれないかという要求がございました。これはもっともな話で、向こうではそのカードをまたヘボンに直さなければ使えないのです。どうせ日本人とすれば日本語が書いてあるのですから、日本ではそうたいしたことはないじゃないかというのです。そればかりではなくて、国内の図書館の比例をとって調べてみましたら、国内の図書館は大半がへボンでカードができておるわけです。年間七十万枚も売っておるわけでございますから、それならば、向こうでこれを買ってまた手直しするよりも、初めからその需要に応じたほうが向こうでは人件費が省けるわけですから、みなに利益をもたらすのではないかということで、統一しようじゃないかということになったのでございます。
○柳田委員 統一してヘボンになったのですか。
○鈴木国立国会図書館長 そうしようということでございます。
○柳田委員 それは文部省のあれに反するのじゃないですか。
○鈴木国立国会図書館長 それは反しないのであって、日本の政府の出版物というものはほとんどヘボンです。それから、日本の言論界の英字新聞は全部ヘボンになっております。
○柳田委員 文部省としては訓令のほうじゃないのか。訓令というのはどこの訓令ですか。
○鈴木国立国会図書館長 それはどこかわかりませんけれども……。
○柳田委員 ぼくは、国としては訓令でやっておると思ったが、そうじゃないのですか。
○鈴木国立国会図書館長 国としてはそうではございません。現に官庁で出版しておるものはみなへボンでございます。この間のオリンピックのあれは文部省主催でございますが、全部ヘボンでございます。
○柳田委員 オリンピックは文部省じゃない。
○茜ケ久保小委員 職員がこれに対していろいろ言っており、われわれも相談を受けておるので、その職員にも言い分があるでしょう。けれども、問題は、こういう大事な仕事でありますからスムーズにいかないと困るので、いまお伺いしたらそういう状態であるが、組合とのこれに関する関係はどうなっておりますか。
○鈴木国立国会図書館長 組合のほうは、いま柳田先生がおっしゃるように、国できめたローマ字の方式に反することは、国家機関としてはおかしいじゃないかということでわれわれのところに最初はきたわけです。ところが、それはいま衆参をはじめ、日本の政府機関を見ても全部ヘボンでやっておるじゃないかと言いましたら、その点は今度引っ込めたわけです。ところが、今度はそれに対して、これは日本で出版された日本の図書、日本字で書かれた図書なんだから、これをヘボンだの訓令だのいわないで、かなでやったらどうかという申し入れをしてきたわけです。それはいまでもかなでやっているところはございます。ございますけれども、高級というか、専門的な図書館になりますと洋書が入ってくるわけです。洋書を今度かなでやれば、それを引き出すのに、洋書の人の名前にみなかなをつけなければならないわけです。それはなかなかたいへんなことで、統一するわけにいかない。それをローマ字としていれば、英語で書いてきた著者でも一緒に混合して組み入れることができますけれども……。
○茜ケ久保小委員 いままでかなり時間がかかっておりますが、現在まだヘボンにしたいという意向だけであって、する作業をしておるわけじゃないのですか。
○鈴木国立国会図書館長 それはまだいたしておりません。
○茜ケ久保小委員 それは、近くやるというあなた方の態度はきめてあるのですか。
○鈴木国立国会図書館長 私たちも、いま参議院でこれを検討しようということになっておりますから、その検討する前にわれわれの態度を打ち出すべきじゃないと思っておりますから、一応差し控えております。
○柳田委員 昔、田中館愛橘さんという貴族院議員がおって、毎国会、ローマ字論を展開して有名だったが、あの人は訓令ですか、ヘボンですか
○鈴木国立国会図書館長 あの人は日本式です。
○柳田委員 政府は、そのときに、どういうようにいっていたのですか。
○鈴木国立国会図書館長 それは調べておりません。私は国字問題には触れないというたてまえでやっておりますし、外国から申し出てきたのも、国字問題はよそにして、人の名前と本の名前を索引で引くときに不統一であっては出てこないからということなんです。
○柳田委員 しかし、いま訓令でやっているのを、わざわざ金をかけて直すこともないじゃないですか。国立国会図書館がやっているのですから、地方の図書館も順を追うて漸次——急にやっては金が要るでしょうから、国立国会図書館でやっているように順に地方もやらせたらどうですか。
○鈴木国立国会図書館長 それはなかなかそうはいきません。これからの図書館の国際性というものを考えると、日本の一局部で日本人だけにサービスするのならいいのですけれども、国際的にカードを売り出して、国際的になってきたときには、やはりそれは図書の整理という問題の中で便利さの点に従っていくのが最もよろしいのではないかと考えております。
○茜ケ久保小委員 ぼくの言いたいのは、いい悪いは別として、あなた方は専門家ですが、組合の言い分も、よく聞いてみると、かなり聞くべき点もあるのです。そこのところはよく聞いて、結局組合の諸君が変に曲がっては仕事も困難でしょうから、国際性もあるし、重要な仕事をやっておられるのですから、仕事のしかたもスムーズにいくように、ことに、いま柳田委員もおっしゃったように、よけいな金をかける必要はないので、そういう点もよく勘案して、きまったからには自信をもってやってもらいたいと思います。
○進藤小委員 第二期工事は、どの程度の内容のものですか。それから一般公衆の利用度はどのくらいか、その点を御説明願います。
○鈴木国立国会図書館長 今度おかげさまで第二期工事に対しましては九百万円ばかりの設計委託費がつきまして、それが四十年度中にでき上がれば、四十一年度から予算化しまして、大体二カ年くらいでもってあとの半分を完成したいと思っております。 もう一つの点は、一般国民が利用できるかどうかという点でございますが、その点は、どなたさんでも満二十歳以上であれば利用ができることになっております。
○進藤小委員 現在どの程度に利用されておりますか。
○岡部国立国会図書館副館長 現在、毎日八百名前後でございます。
○竹内小委員 夜間閲覧の関係は、どうなっておりますか。
○鈴木国立国会図書館長 夜間閲覧はやっております。
○岡部国立国会図書館副館長 夜間は八時までやっております。
○細田小委員長 他に御質疑はございませんか。——それでは、昭和四十年度国立国会図書館予定経費要求につきましては、お手元に配付の印刷物のとおり決定し、議院運営委員会においては、勧告を付さないで議長に送付すべきものとし、次回の委員会において、以上の審議の経過並びに結果を私から報告いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○細田小委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 本日は、これにて散会いたします。 午後一時散会 ————◇—————