外務委員会 第22号
- 発言数
- 88 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1965/05/19
会議録
○安藤委員長 これより会議を開きます。 国際情勢に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。 西村関一君。
○西村(関)委員 質問を始めます前にまず委員長に一言感謝をいたします。本委員会におきましては条約案件も全部審議が終わりまして、しかも本日は会期末のかなりきびしい情勢の中に本委員会を開いていただき、質問をする機会を与えられたことを深く感謝をいたします。 本日は、前に質問を保留いたしておりました、わが国が受け入れております。海外留学生の問題につきまして政府当局にお伺いいたしたいと思うのでございます。 私はこの一月に、御承知のとおり、南北ベトナムの各地を回ってまいりましたが、サイゴンにおりましたときに、たまたまサイゴンの市民病院を訪れまして、院長、ダイ博士といろいろ話し合いをいたしました。その際、この病院の従業員、特に看護婦の人たちが、アメリカから給費留学生の申し入れがあってこの募集をやったけれども一人も応募者がなかった、みんなが口をそろえて日本に留学したい、日本で勉強したいということを言っておるという話を、ダイ博士が私に申し述べておったんであります。これは一例でございますが、戦乱の南ベトナムにおきましても日本に対する留学の希望が非常に大きい。東南アジアのほかの国々におきましてもすでに多くの学生を日本に送っておるのでありますが、今日なお続々日本に参って勉強したいという者がますますふえておるという現状でございます。そういう要望にこたえられるところの十分なわが国の受け入れ体制ができているかどうかということを私は心配しておるものでございます。そこで、まず政府当局にお伺いをいたしますが、海外留学生の受け入れの状態はどうなっているか、また、大体何名ぐらい、どういう種類の学生が来ているかという点につきましてまず最初にお伺いをいたします。
○永田政府委員 東南アジアの諸国においてわが国へ留学を希望しておるということは、わが国としても非常にありがたいことでありまして、この機会にわが国の実情を見てもらい、また文化の程度をよく見てもらうということが将来の東南アジアの外交問題についても重要な効果を発揮するのではないかと考えております。そこで、わが国ではこの留学生をできるだけ受け入れたいと考えまして、現在留学生全部では三千人程度おるのでありますが経費の関係上、国費で留学を認めておるものが二百名程度でございます。その経費は一カ月三万円、これは文部省が所管をしてお世話をいたしておる次第であります。
○西村(関)委員 そのほかに、技術を習得するために通産省関係あるいは農林省関係の留学生といいましょうか、留学生という範疇に入らないにしても、そういう目的で日本に来ておられるところの者があると思いますがその点は外務省ではどういうふうにつかんでおられますか。
○永田政府委員 技術者の受け入れにつきましてはコロンボプランによって受け入れておるのでありまして、いまはっきりした数字をちょっと存じておりませんが、また後刻御報告申し上げます。
○西村(関)委員 現在二千名からの留学生がわが国に来ている。これに対する受け入れ体制はどうなっておりますか。
○針谷政府委員 いま政務次官から申し上げましたように大ざっぱに分けまして国費留学生と私費留学生とございまして、国費留学生は、来て帰るまで全部文部省所管でその宿舎から進学すべてをあっせんしております。私費留学生のほうは、国費留学生と違いまして自分の意思でやってくることでございますから、これは人数も多いし総体的に国家として特にお世話しておりませんが、ただ、一部の者につきましては、外務省の補助団体であります国際学友会で約百名ないし百五十名前後を、来た当初の一年間を原則としまして、いろはもわからない間を限りましてお世話いたしまして、進学もあっせんし、大体一年くらいたちまして日本になれたころにはそこから出まして独立で勉学させるようにしております。
○西村(関)委員 国際学友会以外でお世話をしておるところがどのくらいございますか。
○針谷政府委員 人数はよくつかんでおりませんが、民間の方でいろいろ世話をしておる方がございまして、東京では、たとえば穂積五一先生のやっている寮とか、京都では、京都の民間でやっておる寮とか、各種ありますが、その数はほんの一部だろうと思います。
○西村(関)委員 民間で篤志家がいろいろお世話をしておられる。法人組織であれ、あるいはまたきわめて私的な法人格を持っていない篤志家のお世話であれ、そういうものが外務省において正確につかまれておるということが必要じゃないかと思うのです。二百名の国費留学生はもちろんのこと、私費留学生につきましても、志を持って非常な希望を抱いて日本にやってくる主として東南アジアの国々から来られるところの留学生についてのゆくえを十分に把握しているということは外務省として必要だと私は思うのですが、いまの針谷文化事業部長の御答弁ではきわめてあいまいだと思うのですが、そういう点、もう少し資料がないのですか。
○天城政府委員 留学生の世話をしている国体のお話だと思うのですが、国費留学生と私費留学生で違っておりますが、国費留学生につきましては、まとめて入っております千葉大学の留学生、ここには留学生寮がございまして、留学生の世話をいたしております。それから、大阪外語大学も留学生課程を持っておりますが、そこにやはり学生寮を持っておりまして留学生の世話をいたしております。また、私費留学生につきましては、国際学友会、これは東京、関西、福岡に支部を持って、主として私費留学生の世話をしておる。それから、東京に日本国際教育協会というのがございまして、これも主体は国費留学生でございますか、主として東京の大学におります国費留学生のお世話をいたしております。そのほか、アジア学生文化協会、これも先ほど針谷部長からお話がございました機関でございます。そのほか、インドネシアの留学生は特にインドネシアの学生会館を持っておりますので、インドネシア学生会館として、インドネシアの学生は皆ここにおります。それから、荒川さんという方がやっております荒川ハウスというのが一つございます。それから、京都に湯浅八郎先生のやっておられます京都国際学生の家、これは最近開いたのでございます。そのほか、目下計画しているのが、私たちのところにわかっておりますのが五つばかりございますが、まだ具体的に仕事はしておりませんが、現在のところ、寮をつくり留学生の日常の世話をしようという機関が、京都あるいは東京、仙台等にできつつある状況でございます。
○西村(関)委員 ただいまお話のありました各団体の各施設において受け入れられておりますところの学生は三千名のうちごく一部分だと思うのでございますが、国費留学生はもちろんのこと、私費留学生につきましても、それは私費で個人個人がそれぞれの考えでやってくるんだからそこまで国の世話の手が及ばないというお話でございましたが、やはり留学生に対する総合的な国の態度というものが必要だと思うのであります。文部省は文部省、外務省は外務省と、技術者の問題は別といたしまして、文部省と外務省とがそれぞれ管轄の違った施設を監督しておられるということでありますが中には非常にりっぱな精神のもとに管理運営もよくやっておられるものもありますが、また中にはこれではどうかと思われるような施設もあるやに私は思うのでございます。そういう点について、総合的な指導と申しますか、国の留学生受け入れに対する方針のもとに、総括的な施策が、しかもきめのこまかい愛情のしみ通った指導が、三千名からの国費・私費それぞれの留学生の上にかけられるべきだと思うのでございますが、そういう点がまだ十分に行き届いていないように思います。その点はいかがでございますか。
○天城政府委員 ただいまもちょっと申し上げましたように、留学生の世話をいたしております団体が非常にたくさんございまして、おっしゃったとおり、一元的にめんどうを見ていると申しますか、全体の世話をしておる機関は、ございません。ただ、特に私費留学生につきましては留学の事情が非常に違っておりまして、主として私立大学で積極的に私費留学生を受け入れている大学などでは、大学の中に制度的にもかなりはっきりした留学生のお世話をする機関を持っておられます。私たちといたしましては、それぞれ事情がございますので、現在のところ留学生を受け入れております諸大学及び関係の世話の団体の連絡会というようなものを持ちまして、日常の世話の問題、生活の問題、あるいは大学につましては教育上の問題について、できる限り緊密な連絡をとって、留学生の日本における留学目的の達成に力を合わせるというやり方を現在のところとっておるのが実情でございます。
○西村(関)委員 なかなかめんどうな、たいへんな仕事だということはわかるのでありますが、先ほど申しましたように、これらの学生諸君を失望させないように、また、さらに積極的な意欲を持って当初の目的を達成してそれぞれの国に帰ってもらうように、きめのこまかい愛情のしみ通った施策が私は必要だと思うのです。将来日本がアジアの中の日本としてアジア諸国の中において多くの果たすべき重大な責任があると思うのでございますが、そういうことと考えあわせまして、留学生の受け入れ体制の問題は、私は非常に重要な問題の一つだと思うのでございます。それにつきましても、ただいまお話のありました団体施設の中には、どうもこれではと思うようなものがある。これはこの前の委員会におきまして私も若干指摘をいたしました。重ねてそういうことはここでは申しませんが、この前ここで指摘いたしましたような事態が起こる。そしてまた、その結果いろいろな不祥事件が発生するというようなことでは、せっかくの国費補助をいたしておりましても、効果があるどころか、むしろ留学生に与えるところの影響は非常に悪いものがあるということを考えるのであります。これは私は国際学友会のことをさして言っているのでございますが、この点について、これは外務省の所管に属する補助団体でございますが、国際学友会の施設の運営について、この前私が指摘いたしました後、外務省としてはこれに対する調査をなさいましたでしょうか。あるいはその結果に基づいて何らかの善後策をお講じになりましたでしょうか。その点外務省のお答えを願いたいと思います。
○永田政府委員 西村委員の御説、まことにごもっともでございまして、せっかく日本へやってこられた学生諸君が、日本に来たために失望して、帰ってから逆に反日的な行動に出るというのでは何にもならないわけであります。たしかこの前の委員会でも西村委員から御指摘がございまして、寒いときガラスが破れたままに放置されておるというようなことは、政府といたしましても、まことに残念なことでございまして、御指摘のような愛情の行き届いたお世話をいたしたいと思っております。同時にまた金額の面でもできるだけ予算をふやさなければならぬと思っております。今年度外務省の補助の中で国際学友会関係が四千七百万円程度の補助金がついておるのでありますが、現在国際学友会の会計は千三百万円ほど赤字になっております。それで、この赤字を解消しながら、さらに経費をふやして、同時に精神的な面においても在日留学生に満足を与えるように指導をいたしてまいる考えでございます。
○西村(関)委員 外務省は国際学友会をあれから調査なさいましたですか。
○針谷政府委員 何とかここでしっかりした方向へ改良しなければならないということは十分考えておりまして、調査もし、また向こうの幹部とも毎週定期的に会合をして、いまどうしたらいいかという方途を練っている次第でございます。
○西村(関)委員 私はその成果を期待するものでありますが、ただ、ガラスが去年の十一月から割れておる、そのままにされておるという、そのガラスを入れかえただけでは問題の解決にならないと思うのです。入れかえてもまた割られるという、その根本の原因が一体どこにあるかということを突きとめていただかなければならないと思うのであります。やはり、何らかの不満のはけ口を求めてそういう挙に出るということについては、この前も指摘いたしましたように、経営者の側、理事者の側、つまりマネージメントと個々の学生との間の接触がほとんどないという。これはコンサルタントも中に入っておるようでありますが、そういうことを一部の学生から私は聞いたのであります。やはり、心と心の触れ合いといいましょうか、生活を通じてのお互いの向上といいましょうか、そういうものがないために、ガラスが割られたり、落書きがされたりというようなことが絶えないというふうに思うのであります。それで、しょっちゅう国際学友会の幹部と外務省の当局とは話し合いをしておられるということでありますが、ただいたずらにこの相談を続けられるというのではなしに、やはり、そういう問題に対して、どこに根源があるか、原因があるかということを深く掘り下げて問題の解明に当たっていただきたいということを私は強く要望いたしたいのであります。また、従業員の中に起こりましたトラブルにつきましても、二度と再びそのような暴行傷害事件が起こらないように、十分に手を尽くしていただきたいと思います。また、待遇の点につきましても、これは組合もあるようでございますが、組合の要求があるまでもなく、従業員の待遇については相当な配慮をしてもらいたい。もちろん、何千何百万円の赤字があるから、現実はなかなかむずかしいということもわかりますが、そこにやはり私は理事者側の責任があると思うのでございます。理事者の中には、従業員を自分の私用のために使ったり、使ったということを認めてその証文を書かされたり、そういったようなことをしておったんでは、どんなにいいことを言いましても、留学生の心には響いてこないと私は思うのでございます。こういう点について、過去において起こりましたいろいろな事件をいまここで私はあげつらおうとは思いませんが、とにかく問題がある。また、私も理事者の諸君に会って話をしてみますると、もしそんなにめんどうならばもう補助金を打ち切ってしまうぞというようなことを外務当局が言われるということも聞きましたが、私はそういうことでは責任を果たす道だとは思わないのであります。マネージメントのあり方については十分に指導をし、また検討をなさる、その検討に立って指導をなさるということは当然でありますが、赤字があるし問題が次から次へ起こるからもうやめちまえというような態度では、私は前向きの解決にはならないと思うのであります。そういう点に対していろいろ問題があるようでございますから、私は具体的にはここでは申し上げませんが、国際学友会が、せっかくのこの施設がりっぱな成果をあげられるように、これは理事者の方々もみなそれぞれ相当な方々であり、りっぱな方々であるので、それらの人たちが当初の目的を十分に達成できるような形に、外務当局としては十分な検討を加え、指導をしていただきたい、こう思うのであります。政務次官の御見解を承りたいと思います。
○永田政府委員 この留学生の取り扱いということはなかなかむずかしいものでございまして、どこの国から来られた人も、気候とか風俗習慣等が、それぞれお国柄があったり、日本と違っていることがたくさんあるために、あるときは誤解をしたり、好意をもってしたことが逆効果になるというようなこともあると聞いているわけであります。戦前には中国とか朝鮮あたりから大ぜい留学生が来られておりましたが、これは一つはその当時の国民全体の心がまえということもあったかと思いますが、当時まだ日本の人たちも、ことばはいけないかもしれませんけれども、やや軽べつしたような気持ちで待遇した人があったということを聞いているわけであります。そういうようなことから、戦前に来られておった留学生諸君の中には、せっかく日本へ来ておっても、国へ帰って反日運動に走られた方が相当あったということを聞いております。今日におきましては、こういうことがあってはならない。決してこういう過去のあやまちを繰り返さないように、われわれは心を新たにして、留学生諸氏をあたたかい気持ちで受け入れたいと考えておるのであります。ただ、先ほども申し上げましたように、国際学友会は昨年労働組合が結成されまして賃上げなど行ないました結果相当な赤字が出まして、現在抜本的に新しい方向に改組したいと考えまして、いままでの理事長は守島伍郎という方でございましたが、この方はいま引退をされまして、最近では、理事者の中から三人委員会をつくりまして、理事長の職を代行いたしまして、改革案を練っているところでございまして、できるだけ留学生諸君に満足がいくように、われわれ外務省、文部省ともに全力を尽くしたいと考えております。
○西村(関)委員 政務次官の言われますように、外国留学生の受け入れの問題は簡単なものでない、それぞれの国の民族の風俗習慣が違いますから、なかなか一様にはいかないし、むずかしいものだということを私も十分承知しております。あまり大きなことは言えませんが、実は私も一年二カ月自分のうちにインド人の若い夫婦を預かりまして、これは日本の米作の研究をやるために来た人でございますが、家族ぐるみ預かった経験がございますので、私もよくその点は承知しておるつもりでございます。それだけに外務省なり文部省の苦心のあるところもよく承知しておりますが、それにいたしましても、あえてこういうことを申し上げますことは、問題の重要性にかんがみまして、よりよい成果をあげていただきたいということを念願するあまりでございます。いま政務次官が言われました点については、私は今後の当局の御努力に期待したい。ただ、労働組合ができて賃上げをしたから赤字になったと言われましたけれども、私も調べましたが、ここに働いている人の賃金は、一般の公務員の賃金よりははるかに低い。賃上げされた今日においてもなお低いという状態でございます。そういう点についても、よく問題の所在を突きとめていただいて、組合とも話し合って、しかるべき解決をしていただきたいと存じます。 それから、次に、留学生のアフターケアの問題ですが、学業を終えてそれぞれの国へ帰りましたあとの世話といいましょうか、アフターケアの問題に対して十分行なわれていないように思います。また、留学生が日本に来て一番困るのは日本語の問題だと思うのです。日本語を学習する上において、その施設なり、あるいはよい教師を得るということに非常に欠けておるといううふうにも思われるのでございますが、その点につきまして、文部省なり外務省なりの御見解を承りたいと思います。
○天城政府委員 御指摘のとおり、日本に参ります留学生のいろんな問題の中で、日本語教育ということがきわ立って大きな問題でございます。留学の目的を逐げるためにはいろいろな問題がございますが、まず日本語をマスターしてもらうことが基本的な問題だと思いまして、日本語教育の問題につきましては、かねてから苦心をいたしておるのであります。先生は留学生問題にお詳しいので、こまかいことを申し上げるのはいかがと思いますが、国費留学生につきましては、千葉大学と東京外国語大学で、文科系、理科系、あるいは大学院にそれぞれ分けまして、まず最初に日本語教育に力を注いでおります。私費留学生につきましては、学友会の日本語学校が多年の歴史を持っておりまして成果をあげているわけでございますが、そのほか、最近は私立大学におきましても、留学生を受け入れておる関係上、非常に日本語教育に関心を持って、それぞれ専門の教官を置き、あるいは日本語学科とか、国際部とか、日本語研修所という名前でもって留学生のための施設を設けてきておられます。亜細亜大学、慶応大学、国際基督教大学、上智大学、拓殖大学、東海大学、早稲田大学、こういうところが最近それぞれ日本語教育に対して御関心を持っていただいて、われわれ非常に感謝いたしておるわけでございます。そのほか、民間でも、日本語センターとか、あるいは東京日本語センターとかいう私立の日本語学校ができております。それらの先生方の間、関係者の間に、最近、自然発生的と申しますか、日本語教育学会という学会ができまして、関係の先生方の研究学会なんでございますが、この先生方ときわめて緊密に連絡をいたしまして、日本語教育についてのあらゆる問題をいま取り上げて検討いたしております。特に、本年度予算におきまして、文部省におきまして、日本語教育を充実するために特別な経費をいただきましたものですから、それをもとにいたしまして、現在、専門の方あるいは関係の方の委員会を設けながら、日本語教育の各分野、たとえば日本語教育の教授法の問題、それから教材等の教科書の問題、あるいは学習書、辞書のような問題、あるいは日本語教師の養成というような各般の問題につきまして検討いたしておりまして、できれば新しく日本語教育の中枢的な機能も確立したい、こういう考え方でせっかく努力いたしておるわけでございます。一方、留学生の日本に来る前の日本語教育という問題もかなり大事な問題でございますので、現在東南アジアの国々におきましても事前の日本語教育にかなり関心を持ってきていただいておりまして、これは現在、コロンボプランとか、青年技術者派遣ですか、あのプログラムによりまして、東南アジア諸国に約十人ほどの日本語教師が出ておりますが、現地における日本語教育の問題もあわせて考えなければならない。特に日本語教師の要請が出ておりまして、率直に申しまして、これもあまり日本におりませんので、アメリカあたりからも日本語教師の要請が非常にございますので、日本語教師の養成の問題もあわせて考えなければなりません。 最後に、アフターケアのお話でございますけれども、率直に申しまして、アフターケアは、われわれ現在一番弱いと申しますか、十分にいってない実情でございます。アフターケアの問題は検討いたしておりますが、いろいろなものに関連いたしまして、一つは、日本の卒業生の向こうにおける処遇の問題がやはり非常に大きいと思います。もっと割って申しますと、たとえば日本の大学の学位を向こうでどういうふうに認めるかというような問題もございます。それはやがて待遇の問題にも関連してくる。それから、それぞれの国の雇用条件というものがありまして、たとえば公務員にしましても、はっきりした公務員制度、シビルサービスの試験制度がなかったりしまして、いわば、何と申しますか、自由任用でいきますと、いまの日本留学生はあまりいいポストに入れないとか、いろいろな問題がございます。これにつきましては、一般的な留学生の個々の状況把握ということと同時に、個々の問題について個々の国々と話し合わなければならぬ問題がかなりございます。一例はインドネシアの留学生でございますが、向こうの学制とこちらの学校制度が違うために、大学卒業の資格、日本の学士の認定のしかたが違っております。これにつきましては、日本のアカデミー・スタンダードの問題にも関連いたしますし、インドネシア学生の将来のキャリアにも関係いたしますから、これは長い間かなり真剣に話し合いを続けまして昨年解決した例もございます。そのほか、タイにおきましても、日本留学生の帰国後の処遇等につきまして相手側の政府と話し合って進めておる問題もございまして、逐次改善されておる点もございます。いろいろございまして多角的なんでございますが、私たち文部省という立場から申しますと、そういうような一番基本的な問題から解決していきたい、いかなければならぬ、こう思っておるわけでございます。そのほか、それぞれの世話団体において卒業生の名簿もはっきり確保して、帰国後の状況についての連絡方法を緊密にするとか、こまかいことを申し上げますと、あと就職後の実際上の仕事との関連というようなことで、ぽつぽつできるところから手をつけておる状況でございますが、何といっても離れた国に帰った後の問題でございますので、アフターケアの問題につきましては一番苦心いたしておるところでございます。
○西村(関)委員 次に、留学生の問題につきまして、一つの事例として、私は、マラヤから、現在のマレーシアでありますが、留学して千葉大で勉強しておりますところのチュア君の問題についてお伺いをしたいと思うのです。チュアスイリン君の問題ですが、これがいろいろないきさつがありまして国費留学生の身分を打ち切られた。現在は私費留学生として千葉大で勉学を続けておる。しかし、その国費留学生の身分を打ち切られたということに対して、チュア君は納得がいかないというので日本国政府を相手どって提訴しているという問題がございますが、このいきさつを簡単に御説明を願いたいと思います。
○天城政府委員 御指摘のマレーシアのチュアスイリン君の件でございますが、この学生は、三十七年度、当時のシンガポール政府の推薦に基づいて、当時の国費留学生として採用いたしまして、本人が造船工学希望なものでございますから、理工系の千葉大の留学生部に入って勉強していたわけでございます。ところが、去年の八月でございますが、マレーシア政府から正式の外交ルートを通じましてわが方に対し、同人の在日中における反国家活動を理由といたしまして、同人の身分打ち切りの要請があったわけでございます。これは外務省とも慎重な御相談をした結果、九月四日付で国費留学生としての身分を打ち切ったわけでございます。この理由はいろいろございますが、ごく簡単に申しますと、当時のシンガポール政府、いまのマレーシア政府のいわば人材養成計画に協力するという考え方で、当該政府の推薦に基づいた者を採用してきたわけでございます。しかも、当時のシンガポール政府におきましては、留学生の派遣にあたりましてかなり厳重な条件を付し、誓約書に署名をいたさせておるわけでございます。その条件に反するという認定がマレーシア政府からあったわけでございまして、私たちも、両国の友好親善促進、人材養成計画ということで始めた国費留学生でございますから、当該政府の意に即しない形で留学生をお世話するということも本来の目的に反するということで、国費留学生の身分を打ち切るということにいたしたわけでございます。なお、本人が引き続いて日本で個人の資格で私費留学生として勉強することについては、私たち、国費留学生という両国間の特殊な関係がないわけでございますので、これにつきましては、本人の自由意思で勉学を継続したいならば続けていっていいだろうという態度を当初から持っていたわけでございます。途中でいろいろな紆余曲折がございますが、結果的には、あらためて千葉大学の私費留学生として入学を希望いたしまして、大学も所定の手続をとってこれを認め、本年の四月から第三年次の私費留学生として千葉大学で勉強しているのが実情でございます。 なお、裁判のお話が出ましたけれども、裁判につきましては、本人から身分打ち切り処分の取り消しの行政訴訟が東京地方裁判所に提訴されておりますが、目下裁判は係属中でございます。
○西村(関)委員 ただいま天城局長の御答弁では、正式の外交ルートを通じて身分の打ち切りを要求してきたということでございますが、外務省にお伺いをいたしますが、シンガポール公務員委員会から八月の五日に在シンガポール日本国総領事館の持原氏にその話があって、在シンガポール日本国総領事館の上田総領事から八月六日付の外務大臣あての書類が提出されておる。それから、一方、在日本マレーシア大使館から外務省に口上書が出されておる。これが外務省の情報文化局文化事業部長のもとから八月の二十九日に文部省の調査局長に通達が出された、こういう経路だと私は聞いておるのでありますが、そのとおりでございますか。
○針谷政府委員 そのとおりだと思います。
○西村(関)委員 ところが、シンガポール州政府のリークァソユー総理が州政府の議会において次のような答弁をしておるのであります。このようなチュア君の問題については、情報は日本政府から受けておる、そしてまた、同時に、公務員委員会なるものは、いかなる外国政府にも手紙を書く権限がない、したがって、公務員委員会からそういうものが出たということは考えられない。正式の外交文書というのは、クアラルンプールでありますかの正式の外交部からでなければそういうものは出ないはずだということを答弁しておる。これは向こうの新聞にも出ておるのでありまして、これは裁判の証拠書類として裁判所にも提出されておるというふうに聞いておりますが、これを正式の外交ルートを通じてチュア君の国費留学生の身分を打ち切ってくれということを言ってきたというふうに外務省が受け取られたのは、そういう点と関連してどういうふうに理解をしておられるのですか。
○針谷政府委員 ただいまのシンガポールの議会での答弁は、昨年の十一月十三日の予算討議が行なわれた際に、たしか、いま先生のおっしゃったように、質問に対しまして、公務員委員会は対外交渉権はないということと、チュアが反マレーシア活動を行なったことを自分たちは知らないということを答弁いたしております。そして、実は、この身分打ち切りをやりましたもとは、三十九年八月二十六日在京マレーシア大使館からの口上書によりまして、——大使館の口上書というものは、これはれっきとした政府の意思をあらわしておるわけでございますが、これによりまして身分を打ち切りしたわけでございますから、そのシンガポール議会での州首相の答弁はどういう意向かということをシンガポール総領事から州政府にただしましたところが、ことしの一月二十八日の総領事あての向こうの公式の書簡で、首相の答弁は、事前に十分聞いていなかったもので、首相自身本件は十分理解しておらなかったために誤解があったという手紙をもらいました。そして、同時に、その公務員委員会は対外交渉権はなるほどないけれども、スカラシップ調整委員会というのがございまして、これは対外折衝ができる、そしてスカラシップ調整委員会の委員長は同時に公務員委員会のチェアマンをやっておるという公式の書簡をいただきました。
○西村(関)委員 その在日本マレーシア大使館からの口上書なるものは、内容はどういうものでございますか。
○針谷政府委員 その趣旨を申しますと、チュアが日本におきまして反マレーシア運動の委員長をやったことがあるから、これは政府の方針に反するものであるから、身分を打ち切って即刻シンガポールに帰国させてくれるように日本政府に要請するという趣旨のものであります。
○西村(関)委員 そのような口上書によって、チュア君のその実情について、それがはたして事実であるかどうかということを調査なさいましたか。
○針谷政府委員 調査いたしました。しかしその反マレーシア運動というものは、少なくともマレーシア政府にとりましては政府の方針に反するというふうに向こうは理解しておるわけでございます。そして、この留学生制度というものは、個人の問題よりも、わが政府といたしましては、政府間の一つの契約でやっておりまして、向こうの政府が要請してきたことをこっちで頭からそれを認めないということは、ひいてはわがシンガポール総領事館の活動が非常にしにくくなるということがございまして、まず政府間の問題としてここに重点を置いたわけでございます。
○西村(関)委員 チュア君が反マレーシア活動をやったかどうかということを、マレーシア大使館から言うてきたのをうのみにされたのではなくて、調査したとすると、どういう調査をなさいましたか。どういう事実があったのでございますか。
○天城政府委員 これは外務省の担当官と私たちの担当官で調査いたした結果でございますけれども、三十八年七月二十日それから九月十五日付でチュア君の署名いたしましたマレーシア連邦成立反対声明書が発表されております。それから、九月十六日の夕刻に在日マレーシア大使館におきましてマレーシア建国祝賀パーティーが開かれ、その開催中にチュア君をはじめ在日留学生連合会の学生が反対デモをしましたという事実が指摘されております。
○西村(関)委員 チュア君は一九六二年の四月に来日をいたしております。そのときにはまだマレーシア政府は成立していなかったのであります。日本に参りましたマレーシアの一国民が、自分の国の動向に対して、歴史的な重大な影響を与える事件に対しまして意見を発表するということは優秀な学生であればあるほど私は当然のことだと思うのでございます。そういうことに対して、歴史の回転の中において祖国の重大な運命をきめる重大な変化があったときに、時の政府の方針に盲目的に従っていくということでなしに、やはり良心に従って自由な発言をするということは当然認められることだと思うのであります。そしてまた、もしマレーシア政府がマレーシア政府の意思によってその統治権を行使しようと思うならば、パスポートを取り消すという方法が留保されていると思うのでございます。ところが、チュア君が行なったマレーシア反対は単に言論活動だけであった。大使館にデモをかけたということも、静かなるデモをやった。しかもそれは、百八十名を有するところのマラヤ留学生会の会長として、自分が進んで会長になったのではなくて百八十名のマラヤ留学生から選ばれて、全会員の意思に従って動いただけであります。個人の意思ではなくて、全会員の意思によって動いたのであります。この臨時大会には百八十名のマラヤ留学生のうち百二十名が出席して、満場一致できめたことを、彼が委員長として、会長として実行しただけのことだと聞いております。こういうことを考えますと、在日マレーシア大使館から身分の打ち切りを要求してきたということを、日本政府は全くうのみにしたというふうにしか私はとれない。もしマレーシア政府が統治権を行使して。パスポートを取り消すという、チュア君に対してマレーシア政府自体のやることを、日本政府にやらしたというような印象さえ私は受けるのであります。その点につきまして、私は、このチュア君に対してとられました政府の態度というものは、今後も起こり得る事態であろうということを考えるだけに、非常に重要な内容を持っていると思うのでございます。いまもお話にございましたように、マレーシアとの外交関係からこのような決定をせざるを得ないことになったということを言われるのでありますが、日本政府は、インドネシアとマレーシアの紛争に対して仲裁の労をとろうとしている、何とかしてその問題の解決に力を貸そうという姿勢を示しているというときに、一方的にチュア君の問題についてマレーシア政府の言い分だけをそのまま受け入れて、これに加担するということは、チュア君の問題はインドネシアの政府も非常に重大な関心を持っておるので、今後のマレーシアとインドネシアの紛争の和解のために、日本政府が中立的な立場に立ってその労をとろうとしておるやさきであるだけに、私は、むしろ両国の間にひびを生ぜしめるような結果にならないかということを思うのであります。外務省から文部省に送られました文書については、先方政府の要請に応ずることといたしたく、同君の留学生身分打ち切りにつき早急に措置ありたくお願いするというような文書を外務省は出しておる。これはもう全く一方的に、マレーシア政府の、いわゆる大使館の口上書というものをうのみにしたということとしか受け取れないのであります。そういう点に対しても、留学生のあり方についてもう少し深い配慮に基づいた措置がとられてしかるべきではないかと思うのでございます。この外務省の文書は、外務省できめて入国管理局にまでその書類を出しておられるということでありますが、私は、留学生の問題は、日本が預かった以上は、送られてまいりました相手国の政府の立場も十分に考えなければなりませんけれども、日本政府が自主的にこれらの学生をお世話する、そういうことでなければ、いまの東南アジアの諸国の政情が不安なときであるだけに、——特に南ベトナムからもたくさんの学生が来ておりますが、南ベトナムにおきましては政権が常に変わっておるし、政情がきわめて不安定であります。そういう状態のもとにあって、ただ祖国をよりどころとしてだけ勉学することができないような状態に置かれておる留学生の身分を思いますとき、日本政府がき然たる態度で自主的に、誓約をかわしたその誓約の条文に反しない限りは、これらの留学生を守っていく、こういう姿勢が私は必要だと思うのでございます。こういう点について政府はどういうふうにお考えになりますか。
○安藤委員長 政府側にちょっと申し上げますが、できるだけ簡単にして要を得た御答弁を願うようにお願いいたします。
○針谷政府委員 マレーシアからの国費留学生は、募集、選考も従来から向こうの政府が第一線に立ってやっておりますので、今後とも留学生制度をうまく運営していくためには、向こうの政府の立場というものを十分考慮していかなければならないという立場をチュア君の個人の立場よりもわれわれは重く考えてこれを処理しております。
○西村(関)委員 その点は私も全然否定するものではございません。しかし、今回のチュア君の事件につきまして、向こうの政府からの要請があったたび、ことに留学生の身分がどうなるかということについて留学生諸君は非常な不安を現在訴えている。それは私は当然そういう不安が出てくると思うのでございますが、その点も全然考慮に入れないというわけにはまいらないでしょうけれども、一たん日本に受け入れた以上、約束の期間は日本が自主的に教育の実をあげていくためにつとむべきである。また、マレーシア政府の誕生に対して意見を差しはさむことがいいとか悪いとかいうこともさることながら、そういう国際情勢の動きについても、学内においていろいろ学校の指導の中にもそういう点が含まれておると思いますけれども、留学生の教育というものを政治的な取引の道具にするというような傾きをできるだけ取り除いていくように努力しなければならぬと思うのでございます。そういう点に対しまして、政府は、チュア君が日本政府に出しました誓約書のどこに一体違反しているか、しかもその保証人には文部省の課長がなっておられるわけなのであります。その保証人として、前の留学生課長の佐藤薫氏がなっておられる。そういうふうにちゃんとできておるのでありますから、そういう誓約書によって処理をしていく、そしてまた、誓約書に違反するような言動があれば保証人が責任を持って指導していくということがあってしかるべきだと思うのでありますが、そういうことは全然なされないで、相手国の政府からの口上書でもってこういう処分をせられたということについては、留学生の間に非常な不安を与えておるということを外務省あるいは文部省はお考になっておられるかどうか、その点お伺いいたしたいと思います。
○針谷政府委員 このチュア君の身分打ち切りをいたしますにつきましては、この口上書が最後決定する動機となりましたけれども、それ以前におきましても、シンガポールにおきましては、非公式に向こうの州政府から、これを何とか日本でやってくれという話が何回もあったわけでございます。そういうことをやはりわれわれも考慮に入れまして、単にこの一本の口上書でやったというわけではございません。それから、シンガポールから来る派遣留学生におきましては、日本の国費留学生のオファーは向こうの政府に出されたものという解釈と別個に、シンガポール州政府と派遣される留学生との間にこまかい誓約を結んで、違反者についてはシンガポール政府においてはいつでも身分の打ち切りをするという誓約書を向こうでつくっておるわけであります。そういうことをいろいろ勘案いたしまして、この結論をわれわれは出したわけであります。
○西村(関)委員 時間があまりありませんので私は先を急がなければなりませんが、チュア君の場合は、シンガポール政府と本人との間の誓約書がある、日本の文部大臣と本人との間の誓約書、二つが並行しておる。国費を出すのは日本国政府である。日本国政府と本人との関係がもっと尊重されていいのではないかというふうに私は思います。もちろん外交関係に影響を与えるということを顧慮するということは当然だと思いますけれども、これが一般の他の国からの留学生あるいはマレーシアからの他の留学生が与える影響というものは非常に大きいということを思いますがゆえに、日本国政府の判断に基づいて留学生の身分の処理を行なうということを中心にして、もちろん向こうからの要請というものも無視するわけにいかないし、それは非常にウエートを置かなければなりませんが、むしろそれよりも日本国政府の立場というようなものによりウエートを置かなければならないと思うのであります。しかも、チュア君に対しては、事前に警告も助言も与えておられない、十分な調査もしておられない、いきなり事務的に奨学金を打ち切ると口頭で言い渡しておられる、後にチュア君から強い要求が、ございましてやっと文書を作成したという経過もあるやに伺っております。チュア君のやったことは、政府を転覆しようという運動でもないし、ただ一学生として、一青年として、祖国の運命をきめる歴史的な転機にあたって、自分の良心に従って発言をし、ある種の行動をやった、決して政府を転覆しようといったようなそういう運動ではなかったということを考えますときに、身元保証人であるところの留学生課長の佐藤薫氏はもっと親心をもって指導をしていただいてしかるべきではないか。一回も警告を発したり訓戒を与えたりしておられない。保証人というのは形式だけのことであるか、身元保証人としての責任をどういうふうにとっておられるかということも私は伺いたい点であります。 聞くところによりますと、チュア君の事件の再発を防ぐためと称して、政府は政治活動の禁止ということを新たに誓約書の中につけ加えられたわけでございますが、一体政治活動とは何を意味するか、どこまでのものを政治活動というのであるか、どういうことをしたらいけないのかということでありますが、そういう点も人おのおのの見解によって違ってくる。今後この条項が認められていくためには、どういう基準でまたどういう方法で、だれそれは政治活動禁止の条項に違反するというふうに調べて結論を出されるのか、どのような手段をとるつもりであられるのか。私は、本委員会におけるところの臼井課長の答弁はきわめて遺憾であるというふうに、これは穗積委員に対する答弁でありましたが、承っておったのでありますが、こういう点に対して、いままでなかった政治活動の禁止という条項を新たに挿入するということについては、これは一応国費留学生という身分を打ち切ったということでマレーシア政府に対して日本政府として十分言い分が立つであろうと思うのでございますが、さらにこういう誓約をさせるということに対しては、一体どういうところにねらいを持っておられるのか、この点についてひとつお伺いをしておきたいと思います。
○永田政府委員 今日わが国がインドネシア、マレーシア両国の紛争調停をいたしたいと考えておりますときに、こういう事件が起きましたことはまことに残念なことでございます。西村委員のお説のとおりに、その国の国民が盲目的に何事も国の方針に従う必要はないということは当然であると思いますが、ただ、この場合、チュア君の国籍はマレーシアにあるわけでありまして、今日わが国はマレーシアを認めておるのであります。そうすれば、お互いに大使を派遣して公認されておるマレーシアの国の方針に反した行ないをやる、そしてその出先の在京大使館から口上書をもって、チュア君の身分打ち切りと、帰国をさせるということを要請してきたということは、これは、外務省といたしましては、個人チュア君の問題もさることながら、やはり国と国との外交関係を円滑にやっていくということ考えておるわけでございまして、ただいま御質問がございました誓約書の条件に政治活動をしないようにという項目を入れたということは、今後またチュア君のような二の舞いをやる人があれば、また同じようにマレーシアの国から口上書か何かの形で身分打ち切りを要請してくるに違いない、この日本とマレーシア国との——これはほかの国の場合もあるかと思いますが、日本とその国とのトラブルがそのたびに起きたのでは、今後わが国とそれらの国との平和関係を保っていくために障害になると考えまして、外交関係を正常にうまく運ぶためはやむを得ない措置であったかと考えるのであります。
○西村(関)委員 この政治活動を禁止するという誓約については、いま私のお尋ねいたしましたのは、どういう基準でこれをきめるのであるか、政治活動とは何であるか、またどのような手段を講じて留学生が政治活動をやったということを調べるのであるかということで問題が起こったときにどういう尺度でその誓約書に違反するということをきめるのであるかということもきわめて私はあいまいだと思うのであります。行き過ぎれば、これは思想、信仰、言論の自由の圧迫になるのであります。そこのところの尺度が非常にむずかしい。当初の日本政府との間にかわされておるところの誓約書の中において、まじめにその誓約書の中身を順守して勉学にいそしんでおるということであって、政治問題に対して発言をし、またある種の行動をするということ、これは当然だと思うのでありますが、それに対してこの条項を入れるということは、どの点まではよろしいか、どの点がいけないということなども、私は取り扱い上きわめてむずかしい問題が起こると思うのであります。むしろチュア君の事実上の保護者であるところのアジア学生文化協会の実際の責任を持っているところの穂積五一理事長あたりが政府との間に誓約をして、今後自分が責任を持って日本政府に迷惑を及ぼすようなことはしない、日本政府の心配しておられるような結果は来たらさないように十分に監督指導するということで、文書の中身はともかくとして、チュア君がお世話になっておるところのアジア学生文化協会の理事長の名前で誓約をするということのほうがむしろ効果的ではなかろうか、私はこう思うのであります。 これは入国管理局にも大きな関連がございますので、管理局の次長さんもお見えになっておられますが、そういう点に対して入管の当局としてはどういうふうにお考えになりますか。
○中村政府委員 具体的なチュア君の問題について申し上げます。 本件は一年の留学期間を認めておいたところが、本件のような問題になったのでございますが、去る四月二十九日でその期間が切れたので、さらに置いてもらいたいという問題になったわけでございます。その際にはチュア君は国費留学生でなく私費留学生として千葉大学の入学を認められたという状態にございました。したがって、本人に対しては今後日本政府に迷惑になるようなことはしてはいけないぞということを話しましたところが、本人がその旨を誓っております。また、具体的に保証人であるアジア文化協会の穂積先生が保証するとおっしゃっていられます。そういう状況であるならば、今後迷惑をかけないということであるならば、日本に置いてもいいんじゃないかという考えで、目下その手続をとっております。
○西村(関)委員 チュア君の問題は、マレーシアにおきましてもインドネシアにおきましても大きな波紋を生んでおるのであります。いま私の手元にあります新聞の写し、これは三月十八日付のザ・ストレート・タイムスという新聞でございますが、この新聞紙上にチュア君のおとうさんが切々たる訴えをしておる。世論もかなり巻き起こっておる。そういう状態に対して、シンガポールの日本総領事館のスポークスマンは、チュアスイリン君は私費留学生として千葉大学で勉強を続けることが許されたということを三月十七日に発表しているのであります。それは三月十八日付のこのストレート・タイムスにも出ておる。またわが朝日新聞にもそのニュースが送られてまいりましたが、事実と違っておったので、それは朝日新聞には載らなかった。チュア君が千葉大学に入学を許されたのは三月三十一日であります。これはシンガポールの総領事館がやはり現地の世論を心配して事前にそういう発表をしたんだというふうにしか受け取れないのであります。そういうことを考えると、チュア君の問題は、いま政府当局からいろいろお話のありました御答弁だけでは十分に納得がいかない問題が尾を引いていると私は思うのであります。そういうことを私はここで取り上げて申しておりますのは、国費・私費留学生全般を通じて、日本が受け入れておる留学生の問題全般に関係する大きな問題だと思うがゆえでございます。こういう点について一々御答弁を承ることは時間がありませんからできないと思いますが、私が留学生の問題について心配をいたしますのは、アジアにおける日本としての奉仕の道、日本として果たすべき責任の上において、留学生をどういうふうに受け入れたかということが非常に大きな影響を来たすということを考え、できるだけ政府当局が、さきに申しましたように、こまかい配慮と行き届いた、しみ通るところの愛情を持って留学生問題を取り扱っていただきたいということを念願するためでございます。もう一度最後に政務次官の御見解を承って、私の質問を終わりたいと思います。
○永田政府委員 先ほど来西村委員の留学生に対する切々たる愛情のある御発言を私どもよく拝承いたしまして、これからは先生の御趣旨に沿うように努力いたしたいと考えております。
○安藤委員長 加藤君。
○加藤(進)委員 時間の都合もありますから、一、二重要な問題について次官にお尋ねをしたいと思います。 最初に、つい最近沖繩で起こった事件についてお尋ねしたいと思います。これは先日戸叶委員からもこの問題について触れられた問題でございますが、去る五月十四日に沖繩で、タグボートの日本人乗組員二十二名に対して米軍のカールソン少佐が、ベトナムへ行け、こういう命令をしたのであります。ところが、このことは沖繩県民にとっては非常な不安を巻き起こしておりまして、もしこのようなことが引き続いて行なわれるならば、たとえトラックの運転手はそのためにべトナムへ連れていかれるんではないかなどというような声が起こっております。一体アメリカは沖繩の県民に対してこのような命令をする権利があるのかどうか、このことをお尋ねしたいと思います。
○永田政府委員 ただいまの御質問でございますが、お話にありました点につきましては、外務省の存知いたしておる範囲では、タグボートの乗組員の自由意思に基づいてベトナム行きの船に乗る人の希望があるかないかということを募った事実はございますが、これを強制したことはないということであります。また、ベトナムへ行かなければ首にするといったような事実もないという報告がまいっております。 ————◇—————
○安藤委員長 これより請願の審査に入ります。 今国会において本委員会に付託されました請願は六十四件であります。請願日程第一より日程第六四までを一括議題といたします。 各請願の内容については文書表で御承知のことでもあり、また先ほど理事会で検討願ったところでもありますので、この際、各請願について紹介議員よりの説明聴取等は省略し、直ちに採決いたします。 請願の日程中第三四ないし第三七の各請願は採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○安藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○安藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○安藤委員長 なお、本委員会に参考のため送付されました陳情書は、お手元に配付してありますとおり三十六件であります。この際御報告いたします。 ————◇—————
○安藤委員長 国際情勢について調査を続けます。加藤進君。
○加藤(進)委員 先般も戸叶委員に対して椎名外務大臣が、強制するなどということはとうてい考えられない、こういうふうに答弁されておりますし、いま次官もやはり、自由意思であって、これは強制ではない、こういう断定的な御回答でございました。しかし、事実はこうですよ。カールソン少佐は、この二十二名の日本人船員に対して、一時間を限ってイエスかノーかはっきりせよ、こう迫っている。要求にもしも応じなければ処分する、こういう言い渡しをしている事実がはっきりしております。これはもう事実上の命令ではないですか。こういう不法なことをアメリカが現在沖繩で平気でやれるというのでしょうか。その点もう一度重ねてお聞きします。
○枝村説明員 ただいまのお尋ねのような事実が一部に伝えられておりますが、われわれといたしましても、この事件の経緯を非常にはっきりさせるように実は調査しておるところでございます。ただいまのところまだ非公式な情報しか持っておりませんが、ただいま先生からお尋ねのありました件につきましては、何か誤解があったらしいというような話でございます。現に、翌十五日には、そういった回答をしてくれないかという要請も撤回された、こういうふうに私承知しております。
○加藤(進)委員 次官は断定的に、それは自由意思でやったのであって強制したのではない、こうおっしゃいました。いまの御答弁によると、まだ十分調査が行き届いておらないけれども大体そういうことだというような返事でございます。これは多少私は食い違いがあると思っております。私が特に政府にお願いしたいのは、こういう事実をもっと正確にてきぱきとはっきり調査していただきたい。それからまた、このような事態が起こっているということについては、これは当然アメリカの政府に対して抗議をするのが至当であると思いますが、もしこのようなことが事実であるとすると、抗議される意思があるかどうか、その点だけ確かめておたいと思います。
○永田政府委員 正確な情報がまだわかりませんが、もし先生のおっしゃるようなことが事実であるとすれば、先方に対して十分注意を促すつもりでございます。
○加藤(進)委員 私は特にこの事件だけを申し上げておるのではありません。本来アメリカが沖繩のわが日本同胞に対して徴用にもひとしいようなことを命令する権利が一体どういう根拠に基づいてあるか、この点を私はお尋ねしたいと思うのです。
○永田政府委員 お尋ねのような命令をするという権利はないと思います。ただあくまでも自由意思に基づいて、本人の気持ちによって決定するということであると思います。
○加藤(進)委員 それでは、いまの政府の答弁を信用いたしまして、次の問題に移ります。 アメリカがいまベトナム行きの各種兵器、弾薬、ジープ、トラック、車両、さらに軍靴からナパーム爆弾まで大量にベトナムの戦線に送っておることは、これはもう周知の事実になっております。日本の商社はこういう米軍からの軍需物資の発注を受けた場合にこれを断わることができるかどうか、その点お尋ねします。どうでしょうか。
○永田政府委員 そういう発注を受けた場合におきましても、これを受けるか受けないかということは、その当該商社の自由であると考えます。
○加藤(進)委員 それでは次にお尋ねしますが、どの程度米軍から発注が行なわれておるのか、どのような種類、またどのような数量、価格、こういう点について政府は調べることができるかどうか。
○安藤委員長 それでは、加藤さん、ただいまのあなたの御質問については、若干の私のほうに手違いがございまして、あなたの御要求どおりの政府委員が出てきておりませんので、それぞれの担当局課長が出ました上、いずれかの機会に御答弁申し上げることにいたします。御了承願います。
○加藤(進)委員 それでは、お答えができない状況だと思いますので、この問題について私は特に次のように要望をしておきたいと思います。 第一、ベトナムの戦争に対して非常な大量の軍需発注が現に行なわれている。また、私の聞いておる範囲では、政府にはそれを知る方法というものはないようです。こういうことでありますれば、アメリカは日本で何を注文してつくらせても全く無制限、野放しと言ってもいいではないか。こういうふうにして日本で軍需品の発注・調達をだれはばかるところなく無制限に行なって、しかもそれをベトナム戦線で使っている。日本の政府はそれを知らない。こういう状態を私たちはとうてい黙っておるわけにはいかないのでありまして、この状態はまさに日本がアメリカによって事実上アジアの弾薬庫、武器庫にさせられておるという事実としか思えないのでありまして、この点は政府に適当な機会にお答えをお願いしたいと考えております。
○安藤委員長 ただいまの御要望、承知いたしました。
○加藤(進)委員 それでは、次に、アメリカの第七艦隊の行動について私は質問したいと思いますが、本年三月二十三日から四月五日にかけて第七艦隊、アジャックス号を含む十二隻が佐世保を出港して、その後姿をくらましたのであります。これらの艦隊が一体どこへ行ったのか、その点政府は存じておられるのでしょうか。
○永田政府委員 私、存じません。
○加藤(進)委員 政府は存じないと言われる。しかし、これらの軍艦がベトナムへ行って爆撃を行なっている、また直接戦闘に参加している、これは周知の事実であって、御存知ないのは政府だけかもしれない。こういうことについて、政府は、知らない、存ぜぬ、こういうことでほおかぶりされるつもりでしょうか。
○永田政府委員 アメリカの艦隊がどこへ行っておるかということを一々こちらで調べる方法がないわけでありまして、私は正直に存じませんと申し上げた次第であります。
○加藤(進)委員 それでは、こういうふうに理解していいわけですね。アメリカの艦隊は日本を基地として出港するけれども、日本の政府は、その行き先、行動については何ら報告を受けておらない、こう言っていいわけですね。
○永田政府委員 日本の基地から出発をして直接ベトナムなりあるいはその他の戦闘に参加するというのであれば、これは当然事前協議の対象になりますから、われわれに相談があるはずであります。そのほかのところへ出かける場合には、これは日本政府に通知をする必要がないと思いますから、どこへ行ったか、それはわれわれにはわからぬわけであります。
○加藤(進)委員 それでは、事前協議はいままで一度でもあったのでしょうか。
○永田政府委員 いままでなかったと思います。
○加藤(進)委員 そうすると、政府は、アメリカの艦隊がどこかへ出動したということも知らないし、また、どういうところを通過して行ったということも存じないし、それが寄り道をしてあるところへ寄っていったのか、それとも直接行ったのかということも全然わからないという状態でしょうか。
○永田政府委員 日本の基地から出発しまして直接戦闘に参加をする場合には、アメリカは当然日本と事前協議をいたすのであります。しかし、ハワイへ行くとか、ミッドウェーへ行くとか、沖繩へ行くとか、直接戦闘に参加しない場合には一々日本には通告がありませんから、行くえが一つ一つはわからないということであります。
○加藤(進)委員 そうしますと、政府の論理はこうですね。アメリカ軍が作戦行動をとっておれば、それは事前協議があるはずだ、事前協議は今まで一度もないのだから、どこかへ立ち寄ってから行動したに相違なかろう、アメリカの事前協議がないということに基づいてそう判断せざるを得ない、こういうことですね。
○永田政府委員 アメリカと日本は同盟国でございまして、その国がうそをついておるとは私考えておらないのでありまして、事前協議のなかったということは、いままで直接日本の基地から戦闘に参加しなかったことであると考えております。
○加藤(進)委員 これはアメリカの行動について日本の政府が全く自由野放しにしているということをことばの上で表明されておると思います。アメリカは一度も事前協議をやっておらない。アメリカが事前協議を日本の政府に通告をしなければ、何をやってもかって次第、政府の知らぬうちに日本の港湾から作戦行動さえ平気でできるという状態ではないでしょうか。その点いかがですか。
○永田政府委員 それは、国と国とのこれは人間と人間との場合も同じでありますが、信頼の問題であります。アメリカが日本をあざむいて、あるいはうそをついて直接戦闘に出発するというようなことはあり得ない。もしそういうことをすれば日本政府はじめ日本が反米的になるということがいかにアメリカにとって大きなマイナスであるかということをアメリカもよく存じておると思いますので、いままではこの信頼を裏切るようなことはなかったと確信いたしております。
○加藤(進)委員 重ねてお聞きしますけれども、それでは、アメリカの艦隊は寄り道なしに直接日本の港からたとえばベトナムに出動したというようなことを、政府は何一つみずから確かめることはできないわけですね。
○永田政府委員 われわれは、アメリカから通知があれば事前協議をいたしますが、しからざるときは、この協定に違反して直接戦闘に参加したとは思っておりません。
○加藤(進)委員 これは非常に重大な問題でございますから、今後私たちももう少し政府に対してこの点を追及したいと思いますが、なお私は次の点で政府の答弁をお願いしたいと思います。 一九六〇年のいわゆる安保国会において、衆議院の日米安保特別委員会、これは四月十三日に行なわれておりますけれども、政府は次のように答弁をしております。戦闘作戦行動として日本を出ていく場合には事前協議の対象となります、直接戦闘行動をしていないところへ行く場合であっても、日本の基地を離れるときに戦闘の目的を持って出ていくのであれば、戦闘作戦行動のために出ていったと判定されます、こういうふうに政府は答弁しております。この説明に基づいて国会は条約を通したのであります。お尋ねしますが、政府はこの答弁をいまでもお認めになるか、それとも変更されるのか、否定されるのか、その点を承りたいと思う。
○永田政府委員 たとえば、日本の港を出て沖繩に立ち寄るということは、沖繩に行ってから戦争に加わるという決定がなされれば、これはやむを得ないことであります。日本を出発するときから、最初から直接にベトナムならベトナムへ行くということがわかっておれば、もちろん事前協議の対象になります。
○加藤(進)委員 そうでない場合はどうですか。いまここで言われておる、直接戦闘行動をしていないところへ行く場合であっても、日本の基地を離れるときに戦闘の目的を持って出ていく場合には、これは戦闘作戦行動のために出ていったと判定されて、それがまだ事前協議の対象になる、こういうふうに答弁をしておるわけであります。
○永田政府委員 日本を出るときに戦闘作戦行動に従要するという任務を与えられておれば、事前協議の対象となります。
○加藤(進)委員 したがって、私は一番初めに、アメリカの艦隊の行ったのはベトナムであることは万人周知の事実だと指摘している。しかも爆撃を行ない直接戦闘行為を行なっている。したがって、これは当然、この安保国会における政府の答弁から言うならば、事前協議の対象にならなくてはならぬ、こういうことを私は言っておるわけでございます。政府はこのような説明を行なって条約を通したのでありますから、今日そのような条約の趣旨、条約の精神に対して大幅な変更を行なっている、かってな解釈を加えているということになる。こういうことがもし許されるとするならば、条約はつくられても、条約そのものについて、その趣旨、精神に反するようなかってなことができる、こういうことを裏づけるわけでありまして、国民と国会を愚弄するもはなはだしいと私は考えるわけでありますが、その点はいかがでありましようか。
○永田政府委員 問題は、日本の港を出るときに戦闘行動の任務が与えられておったかおらぬかということでありまして、日本の港を出るときに戦闘行動の任務を与えられておらなければ、事前協議の対象になりません。また、日本の港を出るときに作戦行動に従事する任務を与えられておれば、当然事前協議の対象になるわけであります。
○加藤(進)委員 そういう三百代言的な答弁では、私は満足できませんよ。ベトナム戦争で直接爆撃を行ない、また直接の戦闘行動を行なっておることは、これは事実なんです。ですから、そういう第七艦隊の実際の行動を見ながら、日本を出るときにはそんな考えを持っておるかどうかは私たちにははっきりできない、こういう政府の答弁では、アメリカが日本を基地として、空軍基地ばかりでなく、日本の港湾を使って公然と戦争に参加している、こういうことを日本の政府は認めているということになるんじゃないでしょうか。このことは、アメリカのベトナム戦争に日本が直接巻き込まれ、また共犯者になっているということを事実として証明しているのでありまして、私はこういうことについては政府の態度を断じて許すわけにはまいりませんので、きょうは時間がありませんが、今後とも私たちは、わが党は、引き続いてこのことを追及するという点を保留いたしまして、きょうはこれで質問を終わりたいと思います。
○安藤委員長 本日はこの程度にとどめ、散会いたします。 午後六時十八分散会