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48回国会衆議院1965/05/17

外務委員会 第21号

発言数
84
登壇者
7
会派数
2
開催日
1965/05/17

会議録

安藤覺自由民主党

○安藤委員長 これより会議を開きます。  国際情勢に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。  戸叶里子君。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 ちょうど会期もあとわずかでして、まだベトナムの問題とかあるいはアジア情勢の全般の問題をいろいろ質問したいのですけれども、きょうは何かたいへんに大臣も時間がないようですし、そしてまた穗積委員の質問もあるようでございますので、私は簡単に韓国との間の関係について二、三問いただしておきたいと考えております。  四月の三日にたしか日韓漁業協定についての介意事項というものがイニシアルされたということを私どもは承っているわけでございますけれども、当時は、非常に問題が多くて、私どもは国会で、そういうふうな日本がたいへんに譲った形の合意事項とか、あるいはいろいろあとに問題を残すような合意事項では納得いかないということを幾たびか政府に進言をいたしました。しかし、政府自身が韓国に相当の譲歩をして、合意事項というものができたと思います。ところが、今回、聞くところによりますと、相当日本が譲って合意した合意事項に対しても、何かこれを変更するような申し入れがあったということを聞いているわけでございますけれども、これは全く一国の外交としてはゼロであって、一つのまとまった合意事項にいまけちをつけて改正しろなんという態度自体が非常に間違いであるし、そういうような国であっては、とても私は外交交渉なんか進められないのではないかと思いますけれども、この基本的な考えについて大臣のお考えを承りたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 漁業の問題について、あらゆる場合を予想して、微に入り細をうがって、こういう場合はどうする、こういう場合はどうするというようなことまでは、なかなかどうも書いても書き切れないような問題が間々あるのであります。そういったような問題に関連して、必ずしも旗国主義というのは徹底して適用できない場合があるのじゃないかというような疑義を向こうから申し出ておるということは聞いておりますけれども、いかなる場合にしても、とにかく、合意された原則、基本的原則を曲げるようなことは絶対に譲るべきでない、こう考えております。しかし、まだ折衝の段階でございまして、われわれのところへ問題を持ち込んで、そして新しい指示を受けるというようなことは一回もございません。いわば下の段階における折衝の程度でございまして、問題の基本に触れるようなところまでは話は進んでおらない、かように私は承知しております。しかし、いかなる場合でも、すでに合意した問題を曲げるというようなことは絶対にこれはあり得ないし、また、そういう譲歩をすべきでないと考えております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 外務大臣のいまの御答弁は、下のほうのところで話が来ているだけで、まだ自分のところまでは話が来ておらない、そして一応合意したことに対しては曲げないつもりだという御答弁でございましたけれども、ただ、私どもが考えますと、国と国との間でさんざんもみにもんで、しかも日本側としては相当譲歩をしたというふうな、私たちが見ましてもそう考えられるその合意事項に対して、一応けちをつけてくるといいますか、国内をその合意事項では押えきれないんだから何とかしなければならぬのだ、こういうようなことを下のほうの者にしろ何にしろ言ってくるということは、外交という技術から見ましたときに、全く一つの独立国としてなすべきことではない、こういうふうに考えますけれども、その基本的な考え方についてどうお考えになりますか。こういうようなことは言われてもしかたがないんだとお考えになりますか。やはり、一応きめたことに対してけちをつけてくるといいますか変更を求めてくるというような、そういう外交というものは許さるべきではない、こういうふうにお考えになりますか。この点をもう一度伺いたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 ですから、問題をこまかく微に入り細をうがって一々の場合どうするかということになると、きめたことでもやや疑問が起こるような場合がよくあるのですね。そういうような事柄に属するようなことについての向こうからの申し入れがあったのではないかと思うのでありますが、具体的に私はこまかくまだ聞いておりません。おりませんが、いずれにしましても、一たんきめた基本の方針に抵触するようなことは、これは再びいかに申し込まれても絶対に聞くべきではない、こう考えております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 いま外務大臣がおっしゃいましたように、旗国主義について、共同規制区域の旗国主義あるいは裁判管轄の問題等につきまして疑問の起こるようなことがあるから、そういうことを問題にしたんであろうけれどもというような前提があったわけですけれども、私はそういうことは全然ないと思うのです。はっきりとその点は話し合った上で合意事項ができたと思います。たとえば、共同規制区域の中においてはその取り締まりは旗国主義にするんだ、こういうふうに私ははっきりさしていたと思うのですけれども、その辺何かあいまいであったかもしれないと思われるようなそういう内容であったのですか。いま外務大臣の前言のほうにちょっとそういうような疑いがあるので、やはりはっきりさせておいていただきたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 いや、ですから、共同規制区域の、取り締まり等については旗国主義でいく、それから裁判管轄権も旗国主義でいく、この原則に触れるようなことは絶対に譲歩すべきではない。また、譲歩する考えもございません。ただ、実際問題として、いろいろなことを考えた場合に、この場合に旗国主義とは一体どういうことなのか、それでは解決されない場合もあるのではないかというような疑問が起こる場合が間々あり得るのです。そういう場合に際しても、問題の解決案として基本的な取りきめに抵触するようなことは絶対譲るべきではない、こう考えております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 外務大臣の御決意はともかく、共同規制区域内においては旗国主義を守るんだ、こういうふうなことをおっしゃりながら、間々問題になるようなこともあるということがどうもどっかにひっかかるのですけれども、問題になるようなことはないと思うのです。というのは、共同規制区域の中ではそれぞれの国の裁判管轄権なり何なりにまかすんだということで旗国主義の立場をとるんだ、こういうことはさまっていて、そこに何ら疑う余地もないような合意事項だったんじゃないですか。だから、あのときに決定した合意事項というものはどんなことがあっても変えないんだという信念をお持ちになっていれば、私は別に何もそこに問題はないと思うのですけれども、その辺のことをもう一度はっきりおっしゃっていただきたい。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 変える考え方は持っておりません。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 それでは、韓国がどういうふうに言おうと変える考えはない、はっきりしたわけです。  そこで、もう一つ伺いたいことは、韓国がこういうふうなことを言ってまいります理由というものの中には、この国会の委員会でたびたび問題にいたしました李承晩ラインというものの撤廃、こういうことに対して韓国民をなだめるために、何らかの形で李承晩ラインは将来は残るんだというような印象を韓国民の中に残す、そういうふうな含みをもって合意事項なりあるいはまた条約なりにイニシアルしたんじゃないかと私は考えるわけです。したがって、こういう問題の解釈の違いというものが、たとえばあの基本条約においてもいろいろわかります。領海の問題とか、あるいは領土の問題、施政権の及ぶ範囲の問題、こういう問題で韓国はかってに解釈しておる。こういうところに問題があるわけでございますけれども、いま外務大臣のおっしゃった合意事項についても、基本的な韓国との間の条約についても、絶対に意思の齟齬はないんだ、韓国でどういうことを言おうが日本の立場というものは変えないんだということを、もう一度念のためにおっしゃっていただきたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 でありますから、漁業条約というものが、専管水域、共同規制区域、そのほかは一切何らの規制が行なわれない区域、こういうふうにきめておるのですから、これによって李承晩ラインというものは存在する余地はもうごうまつもないということになるのでありまして、そういう考え方に変わりはありません。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 旗国主義の問題はわかりましたけれども、韓国のほうからは、その問題だけでなしに、まだほかにも合意事項についての何かの申し入れがあったんじゃないかと思います。たとえば漁獲制限の問題とか、そういったことの申し入れがあったと思うのですけれども、その点について外務省のほうではどういうふうに情報をつかんでいるかをお話し願いたい。私どもは新聞報道で少し読んでおりますけれども、はっきりしたことがわかりませんので、ここで説明をしていただきたいと思います。

後宮虎郎外務事務官(アジア局長)

○後宮政府委員 いろいろ表現とかなんとか小さいことは別といたしまして、大体旗国主義の問題の解釈適用の問題についてのことがおもなものでございます。それ以外といたしましては、漁獲高の問題、これをどういうふうに表明するか、——隻数制限をやる場合の標準として、漁獲高というものはそういう意味だということに一応了解がついておるわけでありますが、それを実際解釈適用していく場合に、その制限高を実際それ以上こえた場合にどうなるかとか、いろいろ技術的な問題がございます。それを韓国側が安心できるようにどういうふうにチェックといいますか実施していけるのか、そういうような問題について十分意思の疎通をしておきたい、そういうような希望だというふうに承知しております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 外務大臣、いまアジア局長がおっしゃったことをお聞きになったと思うのですが、たとえば漁獲制限とかあるいは隻数制限をこえた場合にどうするか、こういうような問題ですけれども、これは、私は、合意事項をイニシアルに持っていくまでには当然話し合って、はっきりした上で合意をしたというふうに考えております。それにもかかわらず何かそこにまだわからないようなことを言ってくることは、その合意事項に納得がいかないといま言い出したとしか考えられない。おそらく外務大臣ははっきりとそういうこまかい問題についても話し合った上での合意事項と思いますけれども、この点はいかがでございますか。合意事項の中にはまだ変える余地のあるようなイニシアルのしかたをしていられたんでしょうか。この点を念のために伺っておきたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 漁獲制限の問題は隻数制限を主眼としてきめる、隻数制限をきめる一つの参考資料として漁獲高というものを一応考える、こういうふうにきまったことは御承知のとおりであります。その点の変更はいまさら問題にならない、かように考えておるのでございまして、その点は説明をすればよくわると思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 そうすると、後宮さんにもう一度伺いたいのですが、合意事項の中にはっきりきめられた隻数の制限、漁獲高の制限というのはどのくらいになっていたのですか。今後のこともありますから、念のためもう一度ここではっきりさしていただきたい。

後宮虎郎外務事務官(アジア局長)

○後宮政府委員 こまかい数字の問題につきましては、はっきりドラフトができるときまでは両方で発表できないことになっておりますが、考え方といたしましては、各漁種ごとに出動し得る隻数を定める、漁獲トン数についてはそれをすべての漁種に共通いたしまして隻数をきめる場合の標準として、大体このくらいの漁獲高をとるためにはこのくらいの隻数に制限する、そういう趣旨の合意になっております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 このくらいの漁獲高をとるためにはこのくらいの隻数という場合に、その漁獲高にしても隻数にしても目安というものを置いておるはずですね。それはやはりきまっているのですか。そういうことが私どもわかっておりませんので、あとから韓国側からそれが話の内容でしたと言われても、これはごまかされてもわからないじゃありませんか。やはりはっきりさしておいていただきたいと思うのです。

後宮虎郎外務事務官(アジア局長)

○後宮政府委員 隻数につきましては、各漁種ごとにはっきりした隻数を具体的にきめることになっております。漁獲高につきましては、そういうかたい意味の制限ではなくて、制限は隻数に対して直接規定せられる、その隻数を算出する場合のめどとしまして漁獲高はこのくらい、これはめどとしての数字になっております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 漁獲高が六十万トンとか、隻数が十五隻とか、いろいろこれまで言われましたが、そういうことは数字としてまだ発表されてないのですね。お話し合いの中にある程度の数字というものは出たと思うのですけれども、これはどうなんですか。

後宮虎郎外務事務官(アジア局長)

○後宮政府委員 話し合いの中で出ております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 それはまだ発表できないのですか。

後宮虎郎外務事務官(アジア局長)

○後宮政府委員 標準になりました漁獲トン数につきましては、当時発表になりましたとおり、十五万トンということになっております。各具体的な漁種ごとの隻数についてまではまだ発表することにはなっておりませんが、話し合いとしましては一応出ております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 イニシアルした合意事項というものは、当然そういうようなこまかいことを話し合った上でできたと思うのです。その基本線というものをも韓国側ではいま不満に思って、これを何らかの形で直していこう、たとえば、トン数なり隻数なりということに直接関係ないかもしれないけれども、いま申し上げましたような旗国主義の問題とか、あるいは共同規制区域内の制限の問題とか、日本にだけ制限して韓国のほうの制限はゆるくするとか、そういったような形でおおいかぶせようとしているように私どもには見受けられるわけでございますけれども、この点について外務大臣はどういうふうにお考えになりますか、伺いたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 これはあくまで互恵平等の原則に従ってやっておるのでありますから、この問題については、韓国だけにまけてやるとか、そういったようなことは全然ないと思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 まあ互恵平等ということばはたいへんけっこうでございますけれども、この国会で先ごろいろいろと質問申し上げたときにもはっきりしたことは、日本は相当譲りに譲っているわけです。ですから、私どもは少なくとも互恵平等とは思いません。しかもなお、今後こういうような形で韓国からのいろいろな下し入れ、しかも合意事項にイニシアルをしておきながらこれを直してほしいというようなことを言ってきていることに対して、日本の国民は、これは許すことができないのだ、外交の基本的な面から考えてもこれはとんでもないことだという考え方を持っておるわけでございますが、いま外務大臣のお話は、旗国主義ということは絶対にまげないんだ、こういうことでございますけれども、どうも漁獲高、それからまた隻数、こういうような問題では、少し何か私どもの納得のいかない線があるわけです。そこで、私どもとしましては、もしも公にできないならば非公開でもいいですから、この交渉の内容で出た隻数なりトン数なりの詳しい問題について資料をぜひ出していただきたい。そうでないと、私たちがあとで問題になったときに非常に困ると思いますので、委員長にぜひお願いしてこの資料を出していただきたいと思いますが、いかがでございますか。委員長、お取り計らい願えましょうか。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 関連ですから一緒に……。  いまの戸叶さんの資料提出については、非常に大事ですから、漁種別に隻数とそれから漁獲高制限数ですね、これのいままで暫定的にしろきまっております分は、取り扱いは秘密であろうと公開であろうと政府の判断にまかせますけれども、資料提出をぜひ要求をいたしたいと思っております。漁種別の洋紙な内容を報告していただきたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 漁獲問題の規制の方法については、船の種類でございますとか構造、まあいろいろその複雑な関連性から割り出される問題だとわれわれは承知しておりますので、そういうことをどの程度まで向こうと話し合ったのか、外務省としてはそういう詳細な点についてはわかりませんので、そういう点の資料提出の問題等につきましても、農林大臣とよく打ち合わせをした上で御返事を申し上げるということにしたいと思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 当然これは外務省としても知っておかなければならない重大な問題だと思います。たとえば、いまの韓国のような情勢からいたしますと、自分のほうが不利になればどんな約束でもかってにほごにするというような、あるいはまた適当に解釈するというような、そういう相手の国だと、今度のことを見ましても私は考えるわけです。そうであるならば、やはり外務省としても、この重要な問題であとからいろいろなことを言われたときに、それに対応するためにもやはりその資料は取っておくべきだと思いますし、私どもとしてもこれは知らなければならないと思いますので、ぜひこれを出していただきたいということを私は再度要求したいと思います。  さらに、韓国におきましては、野党が相当強くこの日韓会談の問題については反対をしておるようなわけで、先ごろはすわり込みまでされましたし、学生運動も、ある程度押えられながらも相当あちこちで反対をしているわけです。しかも、これを押えるために、朴氏がアメリカヘ行き、また、こういうふうな、日本に対して一度イニシアルした合意事項の修正を申し入れるというようなことまでして、何とかごまかそうとしているわけでございますけれども、これほど問題の多い、しかも解釈のお互いに違っているようなところのあるこの条約を、まさか休会中に調印するとかなんとか、そういうようなところまでは決してお行きにならないと思いますけれども、外務大臣、その点についての御所信をちょっと承っておきたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 調印は休会中であっても政府は当然できることでございますからやるかもしれません。しかし、イニシアルをやった基本線をくずすようなことは絶対にいたしません。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 まあそういうようなお答えをなさるじゃないかと思って私も考えていたんですけれども、非常に問題が多いのですから、軽卒なことをしていただきたくないと思います。その前にぜひとも委員会なり何なりを開いて十分討議をする機会をつくっていただきたい、これを強く要望いたします。  それから、いま韓国の問題について穗積委員からも質問がございますので私はこの程度にいたしますが、一点だけ伺っておきたいことは、きょう日米協議委員会があるようでございまますけれども、そこでぜひ問題にしていただたことは、沖縄でいまベトナムに船員が連れて行かれようとしていて、そして強く反対をしております。この問題についても、やはり日本の国である沖縄の問題でございますから、施政権がアメリカにあるからしかたがないとか、そういうな形でなくして、沖縄県民の気持ちになって、このことをどうか強く日米協議委員会へ話を持ち出していただいて、反対をするような船員まで連れて行ってほしくないということくらいは言っていただきたいと思いますけれども、この点のお考えを伺っておきたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 船員を強制的に雇い上げる、雇い上げるということは、これは合意ずくでありますけれども、強制労働につかせるなんということは、これは考えられないことでございます。しかし、そういう御心配がもしありとすれば、国会の一部にそういう心配をなさる方があるというくらいは話して、そういうことの万々ないようにいたしたいと思っております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 たいへん軽く見ていらっしゃるですけれども、これは、国会の一部だけでなくて、相当多数の人が反対しているし、国会だけでなくて、たくさんの働く人たちが反対をしている。そしてベトナム戦争にそういう形で協力していくということに対して非常に不満を持っているということをぜひこの機会におっしゃっていただきたいと思うのです。たとえば、沖縄にベトナムから将校を連れてきて、そして沖縄で訓練をして帰すというようなこういう問題についても、いまだんだんに大きな問題になってきておりますので、どうかこの機会に、ベトナム問題についてあまりなすことをしなかった政府というものが、せめてこのことぐらいは日米協議委員会でぜひ発言をしていただきたいと私は要望をいたしますし、また、その御返事がどうであったかを次の機会に聞かしていただきたいと思いますが、外務大臣よろしゅうございましょうか。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 機会があればよくひとつ話して、あなたのおっしゃることをよく話してみます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 機会があればでなくて、機会があるのですからやっていただきたいと思うのです。  私はまだたくさん質問がありますけれども、何か十一時までというお話で、なお穗積委員が御質問があるようですから、穗積委員に質問を譲って、次の機会にしたいと思います。

安藤覺自由民主党

○安藤委員長 穗積七郎君。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 大臣にいまのことに関連をしてちょっとお尋ねをしたいのですけれども、私どもの入手しておる資料によりますと、いまの戸叶委員のお尋ねいたしました漁業の合意書に対する向こう側の最近の修正意見は、この協定は三年間の暫定的なものにしたい、これが第一点、それから、第二点が、一年以後に修正の意見が一方から出されて、そうしてそれが合意に達しない場合には、六カ月後にその一方国からの合意に対する修正意見が成立するものとして認める、それから、いまの漁獲量の制限の問題でございますが、これについては、共同水域外でとったものも制限量の中に加えて計算をするという点、それから、いまの共同水域において、相手国の漁船が違反を犯したと思われる場合には、他の一方国からもその漁船に停船を命ずる、すなわち、取り締まりの全部ではないが一部でございますね、臨検の要求はないようだが、停船命令をすることができるという修正意見が出ているようにわれわれは伺っておりますし、それから、第五には、同じく共同水域における漁船の制限でございますが、合意事項によりますと六十トン未満というのに対して、最近韓国は五トン未満というきびしい制限をつけてきている、それから、最後に第六としては、基線の引き方について沿岸国が一方的にきめることができる、こういうのが最近の向こう側からの漁業合意事項に関する修正意見のおもなるものである。これらの内容は、いま戸叶委員も指摘されましたように、それは単なる解釈あるいは協定の文章、字句の修正ではなくて、基本的には李ラインは実質的に撤廃されない結果になる。基本問題に触れておるように思われるわけですが、いま申しました、われわれの仄聞し得ておる向こうの修正意見というものは大体間違いがないように思いますが、そういう理解でわれわれはただいまの日韓交渉の経過を理解してよろしゅうございますか。まずこの点から最初に伺っておきたいと思います。  なお、これについて、私がいま申しました向こうの修正意見と思われる情報に誤りがあれば、具体的にどことどこが誤っておる、それから、それ以外に向こうから具体的な修正要求があったとすれば、いまのお話のほかにこれこれの修正要求があったということを具体的かつ正確に報告をして  いただきたい。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 具体的な向こうの修正意見と申しますか、そういったような問題についてはあとからアジア局長からお答えいたさせますが、いずれにいたしましても、いわゆる本調印をやる前の一つの折衝の段階でありますから、その点につきましては、われわれといたしましては、大綱についてすでにいろいろな検討の結果イニシアルをしたのでありますから、あくまでその基本ラインに沿うてこの条約の仕上げをするということに変わりはございません。  なお、向こうのいろいろこまかな意見を出しておるというその具体的な問題につきましてはアジア局長からお答えいたさせます。

後宮虎郎外務事務官(アジア局長)

○後宮政府委員 いま穗積委員からお話しになりましたような先方の修正案というものが新聞等にも出ておることは承知いたしております。そうして、そのうちのあるものは先方の考え方に合っているものもございますし、あるものは必ずしもそのとおりぴたっと当たってないものもございます。先方の申し出は、実は先週非公式な形で日本側の意向を打診し、かたがた韓国側の意向を伝えるというような形で取り上げられましたので、実は今週一ぱいくらいかかりまして非公式に話し合いをいたしまして、先方が一体どこまでどういうことを考えておるのかということをもう少し詰めておる段階でございますので、いまの段階でまだはっきり先方の修正案がどうということをちょっと交渉上言える段階にないわけでございます。ただ、大きく分けまして、イニシアルをいたしました合意事項と必ずしも合致してないのじゃないかという点もあると同時に、合意事項の中では技術的な問題といたしまして何も触れてなかった、そこのところをこういうふうにきめたいというふうな意見、すなわち補完すると申しますか、そういう意味の提案と、合意事項の中で一部われわれのほうから見るとどうも修正を考えているのではないかというふうに見られる点と、両方の種類の示唆がございます。こういう点につきまして、ここ一週間、十日くらいよく先方の考え方を詰めるという段階でございます。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 それでは、ちょっと局長にお尋ねいたしておきますが、共同水域の取り締まり並びに裁判、いわゆる旗国主義の内容は、これは取り締まりはつまり停船と臨検がございますね、おもに分けて。それから裁判。これは旗国のみが持つ権利である。それに対して、相手国、つまり韓国なら韓国が、向こうの船が日本側の漁船の共同水域における違反行為を発見した場合には、旗国の監視船にそれを通報する。その場合には、旗国側はそれを尊重して、そして取り締まりにあたり裁判にあたって適当な措置をとる。とった措置については、あとでその相手国に対して、具体的に言えば韓国に対してその措置を報告をする、通報をする。こういう取りきめが漁業取り締まりに対する旗国主義と称せられるもののいままでの合意事項の内容であるようにわれわれは理解いたしておりますが、そのようでよろしゅうございますね。

後宮虎郎外務事務官(アジア局長)

○後宮政府委員 そういう考え方で合意事項はできております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 それに対して、共同水域における臨検はないけれども、停船までは沿岸国でなし得る、すなわち韓国側で一方的になし得るという修正、意見が出ておることは事実でございましょう。いかがでございますか。

後宮虎郎外務事務官(アジア局長)

○後宮政府委員 停船問題が一つの問題になり得ることは事実だと思いますが、その範囲等については、今後、さっき申しました詰めの段階を経ないと、どういうことを考えておるのかまだはっきりしないということでございます。しかし、はっきりしておりますことは、全般的に停船権を全部自分のところへよこせとか、そういうことでないことだけは察しております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 それから、もう一つは、共同水域の制限トン数を縮小して、六十トンが五トンであるかどうか、その数字のことは別といたしまして、非常に大幅な制限トン数の切り下げ、縮小、それが提案されていることも事実だと思いますが、この点は間違いないでしょうね。

後宮虎郎外務事務官(アジア局長)

○後宮政府委員 たしか一部につきまして一隻当たりのトン数の問題が問題になり得るというふうに承知しております。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 そこで、大臣にお尋ねいたしますが、新聞の報道するところによりますと、近く朴主席はアメリカを訪問いたしまして、いろいろなアジア情勢その他の問題について話し合いをし、それからアメリカと韓国間における援助関係を強化する、あるいは行政協定についても話し合いをするということが報道されておりますが、その朴・ジョンソンの会談の中でもくろまれておる一つは、やはり日韓会談を促進するということ。そうなりますと、いま日韓会談の政府間の話し合いの中で大きく出ているのが、いまの漁業合意に対する修正をのむかのまぬかという問題が考えられるわけです。いま大臣は原則譲歩はしないということでございましたが、今度の日韓会談の真の促進者、真の提案者は一体だれかということになると、やはりイニシアを握っているのはアメリカ。それで、アメリカの威光を非常にかさに着るというか利用をして、アメリカに弱い日本に圧力を加えて、いわゆる政治的配慮あるいはトップ交渉というような非常に非合理的なことばをカムフラージュにして、原則についても、それからまた経済の上でも漁業の上でも量的にもはなはだしく譲歩せしめられておる。そういう、いわば日韓交渉は当初よりずっと長い経過を見ますとワンサイドゲームで、こちらがどんどん譲歩せしめられておるという苦いあるいは奇怪な印象を国民は持っておるわけです。したがって、最後の詰めになりまして、いまベトナム問題等とにらみ合わせてこの日韓会談の政治的意義が評価されており、それは日韓両国の正常化であるとか経済援助の問題をはるかに飛び越えてしまって、そして軍事的な必要による日韓会談の促進、こういう判断で、最近の韓国における政府と国会の場における討議を見ましても、韓国政府の日韓会談に対する政治評価というものは、経済的な協力よりは軍事的協力の必要というものを強調する、こういう段階に巻き込まれておりますので、今度の朴・ジョンソン会談によって、このいわゆるトップ会談あるいは政治的話し合い、判断というようなカムフラージュによりまして、いま大臣が戸叶委員並びに私にお答えになりました原則的譲歩は断じてしないということに対しても一まつの不安を持つ。しかも、最近韓国から提案されました修正意見に対しては、中間的な報告を、あなたの事務当局というものは交渉上の必要という名目によってこれを国民の前に秘密にしておる、こういう状態でありますので、いささかわれわれも不安を抱かざるを得ない。そういう朴正煕氏のアメリカ訪問、それから生じてくる日韓会談における日本に対する圧力、こういうものがもしあったといたしましても、断じてわれわれ国民の利益の側に立つ外務省として原則は曲げないという点を、この際最終交渉に臨む外務省の態度として明確にここで国民に約束をしておいていただきたい。くどいようでございますが、いま申しましたような最近の政治的動きを背景にいたしまして、もう一度その点の外務大臣の御決意を国民に明らかにしていただきたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 日韓会談は、たびたび申し上げるように、日本としてはただ日本の国家利益だけを基調としてこれを推進しておるのでありまして、他の干渉を受けて、あるいは圧力を受けて心ならずもその方向に従っていくようなことはごうまつもないのであります。  それから、今度の朴正煕大統領のアメリカ訪問も、日韓会談についてアメリカに指示を受けるとか、あるいは日本に対して共同の圧力をかけるとかいったような意図は、そういう意図があるとも、あり得ようとも私は全然考えておらぬし、そういううわさも聞いておりません。したがって、そういうことが客観的に行なわれるということを私は全然期待しておりませんので、先ほどから申し上げる既定の原則・基調というものは絶対に曲げないということをお約束して差しつかえございません。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 まあそれはそれとして、曲げないという御答弁でけっこうです。それで、アメリカからの圧力が行なわれてないというようなことを言い切られましたけれども、それは、過去の事実においても、日韓会談の陰には、常に、アメリカの国防省の担当官が訪日あるいは訪韓をいたしまして、あるいは日本の在外公館を通じて政治的圧力を加えてきた事実は、われわれは幾らでも証明できる。したがって、私どもは単なる煙のないところへ疑いを立てるというようなことで危惧しているのではないことをもう二度念のために御注意申し上げておきます。  そこで、もう一つ日韓会談についてお尋ねいたしたいのは、最近韓国政界において問題になっております。竹島問題に対しての韓国政府の態度についてでございます。日本では、日本側の領土であるという主張に立って、そこで、日韓会談の交渉の中では、これを国際司法裁判所にかける、個別交渉で妥結ができなければ国際司法裁判所に提訴して、そして問題を客観的に解決をしたい、こういう意向を持っておるようであるけれども、われわれはそのようなことは断じてこれを受け付けない、これはあくまで韓国の領土であることは明確な事実であるから、その確認を変えて国際司法裁判所に提訴することに同意を与えるなどということはみじんも話したことはないし、考えたこともないし、今後も考えないという点は言い切っておるわけですね。これは、先ほどの漁業問題とともに、最近の日韓交渉の内容が、いままでの予備折衝の内容が漸次両国の国民に知らされるに至って、かの国におきましても野党並びに一般世論というものが、屈辱的外交である、売国的外交であるということが強くうたわれて、その政治的圧力、下からの突き上げの中で、いま漁業に対する修正意見あるいは竹島に対する強い態度というものが再確認されておるわけです。わがほうとしては、いままで国民に約束されておる点は、一括解決である、こういうことでありますから、その点についても、これは一体どういうふうにしてやられるつもりであるのか、この際最終段階に入る時期を前にいたしましてぜひとも外務省の考え方を明確にしておいていただきたい。これは韓国における論争と照らし合わせて大事な点でございますから、閉会前に明らかにしておいていただきたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 国際司法裁判所の裁断に待ってこの所属問題をきめたいと考えて、その方向に努力しておるわけであります。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 きめたいと思うと言いながら、相手は、全然考慮の余地はない、また、そんな話をした覚えもないし、今後もしないつもりであるということを言い切ってしまっておるわけですね。これをどうしておくずしになる成算があるのか。そこは細工はりゅうりゅう仕上げを見ろということでしょうが、どうもいままでの交渉経過から見まして、竹島問題については、いままで口頭でも何らの了解に達していなかったのでしょう。議題にも取り上げていなかったのでございますか。念のためちょっとそこから伺っておきたい。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 これは事務当局の間でいろいろ資料に基づいて研究調査するというような問題じゃないのでございまして、別途の取り扱いをしておるのであります。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 そうすると、司法裁判所に提訴以外には譲歩しない、そして、それに相手が応じない場合には、一括解決のあれから見て、最終的な日韓会談の最終妥結はしない、この点をそういうふうに理解してよろしゅうございますね、政府の公約として。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 いろいろこの問題についてはわれわれとしても考えておるのでありまして、交渉の過程においてはこれを一般に公開するということは適当でないと思いますので、おまかせ願いたいと思います。      ————◇—————

安藤覺自由民主党

○安藤委員長 千九百年十二月十四日にブラッセルで、千九百十一年六月二日にワシントンで、千九百二十五年十一月六日にヘーグで、千九百三十四年六月二日にロンドンで、及び千九百五十八年十月三十一日にリスボンで改正された工業所有権の保護に関する千八百八十三年三月二十日のパリ条約の締結について承認を求めるの件及び千九百十一年六月二日にワシントンで、千九百二十五年十一月六日にへーグで、千九百三十四年六月二日にロンドンで、及び千九百五十八年十月三十一日にリスボンで改正された虚偽の又は誤認を生じさせる原産地表示の防止に関する千八百九十一年四月十四日のマドリッド協定の締結について、承認を求めるの件、以上両件を一括議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。戸叶里子君。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 ただいま議題になりました両件につきまして二、三質問したいと思います。  日本はこの条約並びに協定に早くから入っているようでございますけれども、日本がこの条約に違反をして問題を起こした例、それから日本が違反をされた例、こういうものがあったら、ここで出していただきたいと思います。たとえば、この工業所有権を保護されないで向こうでどこかで盗用されたとか、そういうような例のことですけれども、その条約に関してそういう問題があったならば説明していただきたいと思います。たいへん与党の皆さんお急ぎのようですから、私簡単にしますから、答弁も簡単で要を得てわかりやすくしていただきたいと思います。

倉八正特許庁長官

○倉八政府委員 だいぶございます。日本が違反したというのは、かつて外国の主として意匠権と商標権を侵害した、たとえばイギリスの陶磁器のデザインを盗用したというケースがございます。ところが、最近は逆でございまして、日本の商標とかあるいは意匠権が近隣諸国から盛んに——盛んにと言うとおかしいのでございますが、非常に侵害されるケースが多くなっております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 日本が最近はたいへん近隣諸国から意匠権が侵害されておるそうですか、大体どのくらいの件数ありますか。それから、どんなものがありますか。その内容をちょっとお知らぜいただきたいと思います。

倉八正特許庁長官

○倉八政府委員 昨年の十二月の初め調べたのでございますが、大体日本が侵害されておるものが六十数件ございます。そのおもなものは、繊維とそれからトランジスターラジオの意匠、それから食料品の商標、こういうのがきわ立って多いように考えられます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 そういうふうな問題を起こした場合に、この条約に入っておらない、締約国でない国が相手であった場合は、どういうように解釈していくのですか。締約国ばかりが相手と限らないと思うのですが、そういう場合はどういうふうに解決していくのですか。

倉八正特許庁長官

○倉八政府委員 二つ方法がございまして、第一の方法は、外交ルートを通じまして、外務省を通じ出先機関からそれに対する抗議をするという方法が一つと、それから、もう一つは、条約に加盟しておりませんが、その国において特許制度を有する国があるとすれば、一本が正式にそこに出願しまして、意匠なり商標なりの登録をする、この法律による方法と、外交を通じてやるという方法の二つがございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 そうしますと、締約国の場合のほうが問題の解決はしやすいというよりは、むしろ締約国でもそういうような違反をする場合があるということですか。締約国である場合にそういうことをする場合があるかどうかということと、それから、締約国と締約国でない場合と比べてみると、どちらのほうが問題の処理のしかたがしやすいのですか。まず第一に、締約国でもそういう違反をすることがあるかどうかという問題を……。

倉八正特許庁長官

○倉八政府委員 第一の問題は、締約国にもございます。たとえば、トランジスターラジオの商標のごときは、イタリアにおいて、広いことばで言えば模倣されたというケースが三、四件ございます。  それから、締約国でない国が広い意味の違反をやっておるかという御質問に対しては、そちらのケースのほうがはるかに件数としては多うございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 締約国でない国のほうが件数が多い、そしてその問題の解決も締約国でないほうがむずかしいというふうに解釈していいですか。

倉八正特許庁長官

○倉八政府委員 大体先生の御指摘のとおりだと思います。締約国でない国は、大体一口に言えば未開発国が多うございまして、したがいまして、そこを通じて工業所有権を主張するということは、相手の体制ができておりませんから、外交手段あるいは、商社間の取引においても非常にむずかしい問題が出ております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 一ぺんそういうトラブルを起こしますと、同じ国はそういうトラブルを起こさないかどうかということと同時に、問題はどのくらいの日数で解決しておりますか。

倉八正特許庁長官

○倉八政府委員 この解決というのがわりあい長くかかるということと。それから、どのくらいの解決率があるかという先生の御指摘でございますが、大体事が起こりましてから二年くらいかかりまして大部分解決しておるというのが現在までの実績でございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 アメリカがこれに入っておらないようですけれども、入ってない理由はどういうことなんですか。

佐藤正二外務事務官(大臣官房審議官)

○佐藤説明員 マドリッド協定にはアメリカは入っておりませんが、アメリカは実は州によってこの種の法律が違うものでございますから、それで、協定に入ることによって全部にそれをやってしまう、強行させるということができないという理由で入っていないと私は考えております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 それだけの理由ですか。

佐藤正二外務事務官(大臣官房審議官)

○佐藤説明員 これは二つになるわけでございますが、工業所有権条約とマドリッド協定は違うわけでございますが、マドリッド協定に関しましては、これはむしろもともとヨーロッパ関係の国の協定でございまして、その理由もございましてアメリカは入っていなかったと思います。それから、工業所有権のほうはアメリカは入っているわけでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 特許とか実用新案とか、たくさん工業所有権があるわけですけれども、日本が外国にそういうもので特許料を払っているものがあると思うのですけれども、日本が特許料を払っている金額は大体どのくらいかということと、それからまた、その反対に日本が外国に特許を売って、そのロイアルティーで受けているお金、そういうふうな金額がおわかりになったら、ちょっと教えていただきたいと思います。

倉八正特許庁長官

○倉八政府委員 日本が外国の特許権を買っている、いわゆるロイアルティーの支払いが現在四百五十億円あります。日本がそれだけ支払っているわけでございまして、それから、日本が外国に特許権その他を売っているのが十四億円でございます。圧倒的に日本が多く外国から工業所有権を買っている、こういうことでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 いまの数字を伺いますと、外国から非常に特許権のあれを買っているわけなんですけれども、そういうことは結局日本の技術というものが非常におくれているということなんですか。どういうことなんでしょう。

倉八正特許庁長官

○倉八政府委員 一口に言えば、いま先生の御指摘のとおりでございまして、特に戦前と戦後十余年間というのが日本の技術というものの伸展の余地が非常に少なかった、そういうことで、日本がそのギャップを埋めるために非常に急いでいるわけでございまして、したがいまして、結果的には外国から買うものが圧倒的に多くなっているというのが現状ではなかろうかと思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 このギャップは近いうちに埋められるような可能性はありますか。そういう見通しはおありになりますか。それからまた、だんだん日本の特許権を売るほうが多くなりつつあるというような傾向がありますか。

倉八正特許庁長官

○倉八政府委員 今後の趨勢として見ますと、日本が世界の五大工業国になりまして、最近の技術の進歩は非常に著しいのでありまして、私は、このギャップというのがだんだん小さくなっていく、まあパーパーになるということは相当時間がかかるかと思いますが、最近は、十四億円と私が申し上げましたけれども、これは三年間ぐらいのうちでそうなったのでございまして、ほとんどゼロから十四億円にわずかでなった、こういうことから見ますれば、今後日本の技術輸出というのはますます盛んになって、外国からの技術輸入というのは次第に衰えてきて、そのギャップは次第に縮まってくる、こう確信する次第であります。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 どうかこのギャップを一日も早く埋めるようにがんばっていただきたいと思います。  あとけっこうです。

安藤覺自由民主党

○安藤委員長 これにて両件に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

安藤覺自由民主党

○安藤委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  両件を承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

安藤覺自由民主党

○安藤委員長 起立多数。よって、両性は承認すべきものと決しました。  おはかりいたします。ただいま議決いたしました両件に対する委員会報告書の作成等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

安藤覺自由民主党

○安藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

安藤覺自由民主党

○安藤委員長 閉会中審査に関する件についておはかりいたします。  本委員会といたしましては閉会中もなお国際情勢に関する事項について調査をいたしたいと存じますので、この旨議長に申し入れたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

安藤覺自由民主党

○安藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、閉会中審議のための委員派遣等の手続につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

安藤覺自由民主党

○安藤委員長 御画議なしと認めます。よって、そのように決しました。  本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。    午前十一時二十六分散会

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