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48回国会衆議院1965/05/13

科学技術振興対策特別委員会動力炉開発に関する小委員会 第1号

発言数
14
登壇者
5
会派数
2
開催日
1965/05/13

会議録

菅野和太郎自由民主党

○菅野小委員長 これより動力炉開発に関する小委員会を開会いたします。  開会するにあたりまして、私から一言ごあいさつを申し上げます。  このたびこの小委員会が開設されるにあたりまして、不肖私が皆さま方の御推挙によって小委員長を仰せつかったのでありますが、私はこういう問題については至って弱いものでありますので、幸い皆さま方の御協力によってこの委員会の設置の目的を達成するように努力したいと存じておりますので、この上とも皆さま方の御支援を特にお願い申し上げたいと存じます。(拍手)     ―――――――――――――

菅野和太郎自由民主党

○菅野小委員長 動力炉開発に関する件について調査を進めます。  本件調査のため、本日、参考人として日本原子力発電株式会社社長室副主査立花昭君及び東京大学教授向坊隆君、以上二名の方に御出席を願っております。  この際、両参考人に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用のところ、本小委員会に御出席くださいまして、どうもありがとうございます。  それでは、原子力分野の研究開発における原子力発電の位置づけという問題について、それぞれの立場において、どうか忌憚のない御意見をお述べくださるようお願い申し上げます。  それでは、向坊参考人からお願いいたします。

向坊隆東京大学教授

○向坊参考人 御紹介いただきました向坊でございます。  この前、こちらの委員会で参考人として意見を述べさせていただきましたので、私としてはもう申し上げることが実はないわけでございますが、この前申し上げたことの中で若干、もう少し詳しく意見を述べさせていただきたいと存じます。  まず第一は、この前も申し上げたことでございますが、原子力開発の意義を二つ掲げて進むべきではないかという考え方でございます。二つと申しますのは、一つは、原子力開発をわが国としてやるのは、わが国の将来のエネルギー問題の解決のために非常に必要なことであるという意義でございます。もう一つは、原子力の開発をやりますことが、わが国の科学技術のレベル向上と申しますか、振興と申しますか、そういう面で非常に重要な分野である。そういう二つの意義からこの原子力開発というものを進めるべきである。そのどちらか一つに限ってすっきりした将来計画を立てることは非常にむずかしいんじゃないかというのが私の考え方でございます。この点をもう少しふえんして申し上げたいと思うわけでございます。  まず、エネルギー開発、エネルギーの問題として非常に重要であることは、これはもう言うまでもないことでございますし、将来のわが国のエネルギー資源を供給するホープであるという意味でみんなが期待しているということは、これはもう間違いのないことでございます。しかし、エネルギー問題だけにしぼりまして、そのためにのみこの原子力開発をしぼっていくのだ、そういう見地に立ちますとあるいは間違ったことになるのではないか、間違った方向になるのではないかということを私どもは心配するわけでございます。  それはどういうことかと申しますと、いろいろな面があると思うのでございますが、たとえて申しますと、日本のエネルギー問題を解決すればよろしい、しかも、それは経済的に解決すればよろしいということだけで考えますと、もしかすると、次から次へと外国で完成の域に達した原子炉を導入していけばいいのだ、それが一番安くてエネルギー問題の解決にいいんだという結論になるおそれがございます。これは想像だけではなくて、よく考えてみますと、そういうことになりそうなことは容易にわかるわけでございます。あるいはまた、エネルギーと経済とそれだけについて考えてみますと、今度は原子力開発のスピードと申しますか、どのくらいの早さでこれをやっていけばいいかということについても、なかなか一貫したことは言えないのじゃないかと思うのでございます。もう少し外国で安いものが完成するまでは何にもしないでじっと見ておって、その間はできるだけ石油を確保することに努力して、そしてこれで安くて安全だという見通しがついたところで急速に原子炉を導入しても、そういうエネルギーと経済という面だけからならば十分説明がつくということになる可能性がございます。  しかし、そういうやり方を進めていったのでは、いつまでたっても日本の原子力の学問、技術というものは発展しない。で、一つの考え方としては、それは発展しないでもよろしいのだ、日本はできたエネルギーを有効に使う、エネルギーだけを先に有効に使って、学問なり技術なり産業なりを興せばよろしいので、そのエネルギーを起こすところまでは全部最もいい方法を導入するということでやってもいいんじゃないかという考え方もあるかと思うのでございますけれども、しかし、そういう考え方では、いろいろの分野にそういう考え方を適用しておったのでは、国としての学問、技術というものはいつまでたっても進歩しないと思うのでございます。もう一つ、どうしても原子力をやるということは、学問的に見ましても、技術的に見ましても、非常におもしろいやりがいのある仕事で、これをやれば、それが関連の学問、技術を進めていく上に非常に役に立つ、そういう意味から原子力というものは大いに推進すべきであるという考え方が必ずそこに共存して、将来の計画というものが立てられなければならないのじゃないか、そう思うのでございます。  科学技術の面で原子力というものを考えてみますと、これは非常に大きな分野でございまして、関連する分野の広さから言いましても、それからそれに必要な設備や人の量から申しましても、非常に大きな分野でございます。こういった大きな分野をやることが、一方から言うと、そのほかの一般の科学技術の分野の妨げになるのじゃないか、そんなものにのみ力を注ぐのは健全な学問、技術の発達上書があるという考え方もあるわけでございます。しかしながら、それならすべてのものに均等に人なり予算なりを分けていけばいいのかと申しますと、そうはいかないわけでありまして、国としての大きなお金を使う以上は、やはり何らかの基準を持って幾つかの分野を選択して、そしてそのものにうんと力を入れる。それによってほかの分野も伸びていくという形が効率的と申しますか、やはり一つの大事な行き方じゃないかと思うのでございます。  これに関連いたしまして、アメリカのオークリッジの原子力研究所の所長をしておられますワインバーグという先生が論文を書いておられます。それは、国として取り上げるそういう大きな分野として何を取り上げたらいいかという、その選択の基準はどういうところに置くべきだろうかということ、そうして何を取り上げるべきだろうかといった論文でございます。  その論文の、ワインバーグさんの意見を拝借いたしますと、その場合に基準になるのは、やはりその分野だけではなくて、その分野がほかの分野へどういういい影響を与えるかという、関連科学分野への貢献の度合いというのをまず述べております。それから第二は、それがやはり国の技術をどのくらい伸展させるかという技術に対する影響。それから第三は、社会への貢献の度合いでございます。社会福祉上どういう点で大事であるかということ。この三つの点が判断の基準になるのじゃないだろうか。  そうして、そういう見方から言って、ワインバーグさんは五つの分野をあげておられます。第一は、分子生物学、生物学を分子のレベルで考えまして生物界のいろいろな現象を理解していこうという分野であります。第二は、高エネルギー物理学、非常に高エネルギーの加速器などを使いまして、物質の根源と申しますか、基本になる粒子の性質を考究する物理学の基礎分野でございます。第三に、原子力、第四に、宇宙開発、第五に、行動科学というものをあげております。この行動科学というものは、ちょっとよくわからなかったのですが、中を読んでみますと、心理学とか社会学とか経済学などを一括した人間の行動に関する科学であります。この五つの分野を取り上げて、そういうものに集中的に力を入れていくことが非常に意義があるということを述べておられるわけでございます。  この中で原子力が取り上げられておるということは、私が先ほど申しました二つの点からの意義を並べて考えるべきだということに通じておるのではないかと考える次第でございます。  これに関連いたしまして、原子力の開発のやり方が日本に似ていて、原子力の平和利用ということだけでやっておるという意味から、よく比較されます西ドイツの状況を見てみますと、いまの日本の状況と相当違ったところがあると思うのであります。  それはどういう点かと申しますと、わが国の場合には、原子力の開発にあたりまして、まず原子力研究所、原子燃料公社、それから原子力発電会社というふうにしぼりまして、そこに国の費用なり人なりを集中いたしまして、おくれた出発を能率的に取り戻そうという形で始まったわけであります。この方法は、一応それなりに意義もありましたし、いままでに相当の成果をおさめたと思うのでありますが、ちょっとここで反省してみる必要があるのじゃないかと思うのであります。西ドイツの行き方は、まず集中のしかたを大学に向けたわけでございます。大学の二、三のものに国の費用を投じまして、集中的に原子力開発の基礎を固めさせまして、それからだんだん国立研究所をつくって、つくっていくときにそこの大学の人たちが指導者になって進めていこう。そうして、現在までの発展をしてきた形を見ておりますと、七、八年くらい前までは国の予算としてもわが国よりもむしろ少ないくらいだったわけでございますが、昨年くらいになってまいりますと、予算から見ましてもわが国の三倍くらいのところまで伸びておる。始まった以上順調にと申しますか、順調に伸びておるような感じを受けるわけであります。  それに対して、わが国の場合には、初めに集中的にやりましたけれども、それが停とんしてしまったような形をしておる。予算で見ましても、初めすっと伸びて、それからずっと横ばいになっておる。ごく概括的に見ましてそういう形をしているわけでございます。原子力というものは、研究にしても開発にしましても、非常にお金のかかるものでございまして、始めてしまいますと、どんどんお金をかけていかなければ進んでいかない。それが頭打ちになってしまったような状態でありますと、いろいろやりかけたものが、みんなうまくいかない。そういう状態に日本が当面しているような感じがするわけでございます。今後の計画を立てるにあたっては、その点をよく考えていただきたいと思うのでございます。  ドイツの場合に、科学技術の振興という意味と、エネルギーの意味からの原子力の開発というのとを並行的に考えております一つの例といたしまして、ドイツでは、国立研究所のおもな指導的な地位におります研究者はプロフェッサーと呼んでおるわけでございます。学生を何も持たないけれどもプロフェッサーと呼んでおるということは、原子力の開発をやっておるんだけれども、そのやっておる人は学問の進歩のためにやっているという意義をそこにはっきりあらわしているような気がするわけでございます。  そういった意味から、今後の開発にあたって、あまりに、エネルギーを得るための能準とか、あるいは経済的なものばかりに目を奪われない計画を立てていただきたいというのが、第一の点でございます。  第二の点は、第一の点とむろん関連しておりますけれども、原子力の開発における環境の整備と申しますか、そういった点でございます。  原子力研究所を整備していく、あるいは原子力予算をどんどん出していく、こういったのが一つの積極的な面であるといたしますと、それをささえるもう一つの非常に重要なものがあると思うのでございます。  それは、非常に直接的なものといたしましては、原子動力炉が出てくるんだから、それについての安全性の問題をしっかりやらなければいけないとか、立地の問題をよく考えなければいけない、そういう比較的直接的な問題もございますが、もう一つ、広い間接的な問題といたしまして、幾つかの重要なものがいまのところまだ不十分ではないかと思うのでございます。  それは、一つは、国全体に対する原子力の開発の認識と申しますか、理解と申しますか、そういうものを増すための努力でございます。現在まだまだ、原子力の開発ということで日本が何をやっているかということは十分理解されておらないと思うのでございます。原子力の平和利用の努力をしているのと爆弾をつくろうとしているのとは混同されているというようなことに気がつくことは、しばしばあるわけでございます。それは、原子力のような非常に大きな予算を大ぜいの人を動員しなければならぬような仕事については、国全体としての支持が何よりも大切なことでございますから、そういう意味からの努力というものがもっとなされてしかるべきだと思うのであります。  それから、その次は、もう少し直接的で、原子力開発に携わる研究者や技術者の養成の問題でございます。  やはりアメリカの例をとって恐縮でございますが、一九五四年を契機として、アメリカで、原子力の軍事利用を大幅に平和利用のほうに力を向けてまいりましたときに、当時の原子力委員でありましたリビーという先生の講演の中で、アメリカはこれから原子動力の開発を大いにやるのだけれども、いま考えられておるアメリカの開発がうまくいくかどうかということは、ネックになるのは資金の面でもなければ技術の面でもないだろう、それに必要な優秀な研究舌や技術者を問に合わせられるか、人の点で間に合わせられるかどうかということが一番大きなネックじゃないかということを言っておられまして、その後実際にアメリカでは、この原子力関係の優秀な人を養成するために、およそ考え得るあらゆる手を打ったわけでございます。  たとえばPRのようなことから始まりまして、中学校や高校の理科の先生なんかに対する働きかけ、そういう人たちが原子力のことをもう少し知りたいと思うならば、原子力委員会の費用で否んで国立研究所に招きまして、見せる。あるいは講師を派遣して説明する。それから、大学の先生に対しては、いままで原子力というものはほとんどやっておらなかったけれども、少しでも興味を示す人がおれば、原子力研究所に申し込みますと、原子力研究所の費用で招いて、何週間か勉強してもらう、あるいは奨学金を出す。あるいは大学で原子力の施設をつくるときには大幅な援助をする。そういったあらゆる面から原子力での優秀な人材を養成するための努力をしておるわけでございます。その当時、すでにアメリカで原子力の開発に従事しておりました人間は、政府民間全部合わせまして十一万人くらいといわれておったわけでございます。それで、そのときに十一万人くらいで、おそらく大部分は軍事的なことに従事しておったんでございましょうけれども、それでとても足りないというので、そういうあらゆる努力を始めたわけであります。  日本の場合は、原子力の開発を始めて十年近くなりまして、おそらくこれに関連している人を全部集めても、まだ一万人にはならないのじゃないかと思うのでございますが、将来のことを考えますと、この人材養成のための努力ということによほど力を入れないと間に合わないのじゃないか。現在いろいろ議論されております動力炉の開発計画、あるいは長い将来の問題といたしましての高速増殖炉の開発計画というようなものが順調に軌道に乗ったといたしますと、おそらくまず人の問題は非常に大きなネックとなることが予想されるわけでございます。この点をひとつ大いに考えていただきたいというのが第二の点でございます。  そのほか幾つか申し上げたい点もございますけれども、省略いたしまして、あまり時間をとってもなにでございますから、あと御質問によってできる限り意見を述べさしていただきたいと思いますが、この機会に一つだけお願いしておきたいことがございます。  それは、国会でこういう参考人の意見を聞く会などをたびたび催されまして、非常に熱心な関心を示してくださっておるということは非常にありがたいことであり、心強く感ずるのでございますけれども、これをもう一歩進めまして、科学技術の振興の問題は非常に大切なことで、常時国会として一つの重要な問題として考えていただきたい。そのために、こういうことが制度上できるのかどうかよく存じませんけれども、科学技術特別委員会は専任のスタッフをお持ちくださって、主として調査のスタッフをお持ちくださって、そして常に日本及び海外の状況を要領よくつかんでおられて、その上で重要な政策を考えていただきたい、そういうお願いでございます。  非常に簡単でございますが、一応これで私の話をやめさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

菅野和太郎自由民主党

○菅野小委員長 次に、立花参考人にお願いします。

立花昭日本原子力発電株式会社社長室副主査

○立花参考人 いま御紹介いただきました立花でございます。  私は、原子力学会の高速炉の専門委員会の委員をしておりますものですから、そういう高速炉に関連をいたしまして、各国でこの高速増殖炉に関しまして、どういうふうな態度でこの研究開発に臨んでいるかということを通しまして、先ほど委員長からお話がございましたような点について解明させていただきたいと存じます。  高速増殖炉につきましては、最近非常に注目を集めつつあります。それは、一つには熱中性子炉についての技術がある程度確立いたしましたと同時に、その間にいろいろな技術が蓄積をされてまいりまして、そして同時に、実は原子力のそもそもの本命でありますが、そういう点で高速増殖炉というものに本格的に各国が乗り出しつつあるのではないかと思います。昨年はジュネーブ会議にはアメリカ、ソビエト、英国、フランス、ドイツ、さらにスウェーデン、イスラエルなどからもいろいろな論文が出ております。  そういうふうに、各国がこの高速増殖炉につきまして非常に積極的な動きを始めましたところの理由といたしましては、私は二つくらいあるように存じます。その一つは、資源論でございます。それからもう一つは、先ほど向坊先生からもお話がございましたような、科学技術振興の推進力としての原子力という意味でございます。  資源論につきましては、一般的によく知られております意味と同時に、なぜこの高速増殖炉の研究開発が必要であるかということの理由づけといたしまして、実は二重の意味があると思います。  それは一つには、たとえば一トンの天然ウランがございまして、その場合にその中から有効に熱エネルギーとして引き出すことができますところの有効成分、これが水原子炉の場合ですと、プルトニウムのリサイクルを入れましてもせいぜい二%くらいであるということがアメリカのほうでもいわれております。これがさらに重水炉になりますと五、六%になりまして、ファストブリーダーになりますと五0%ないし九0%である。そういう一定量のウランの中の有効成分が非常にふえる、数十倍になるということ。  それと同時に、さらにもっと大きな理由があると思います。それはどういうことかと申しますと、一トンのウランから熱エネルギーとして取り出すことのできる成分がとにかく十倍以上ふえるということは、逆に申しますと、一トンのウランの値段が数十倍になりましても、その電気のキロワットアワーの中に入っておりますところの原料費は同じであるということになります。そうしますと、ウラン資源問題というものが少しこのごろやかましくなってまいりまして、その場合にぜひお気をつけていただきたいことは、ウラン資源と申しましても、その一ポンドの価格によりまして資源量が非常に違ってまいります。たとえば現在一般的に採堀されておりますウランの値段といいますのは、一ポンド大体十ドルまでの価格のものでございます。これはいろいろと埋蔵量につきまして数字がございますけれども、大体において数十万トンから百万トンである。それがたとえ今後の採鉱によりまして十倍ぐらいにふえたといたしましても、それを軽水炉で燃焼いたしますと、そのエネルギー総量は石炭換算にいたしましてせいぜい数千億トン。現在の世界の石炭埋蔵量といわれておりますのは大体一兆トンのオーダーでございます。そうしますと、石炭資源よりもさらに少ないということになります。  今度は、ファストブリーダーになりますとどういうことになりますかと申しますと、先ほども御説明いたしましたように、一ポンドの値段が十ドルでなくても、たとえば百ドルであるとかあるいは五百ドルでありましても、そのキロワットアワーの電力原価の中に占めますところの原料費の部分は、軽水炉の場合と同じであるということになります。世界じゅうに、この十ドルのウランの資源量、それから荷ないし五百ドルのウランの資源量とがどのぐらい違うかということにつきましては、世界的な調査はございませんけれども、アメリカ鉱山局がアメリカ国内を対象といたしまして調べた数字を見てそれを検討してみますと、大体行ドルないし五百ドルになりますと、十ドル・パー・ポンドのウランの埋蔵量の一万倍ぐらいになります。そういうふうに一万倍ぐらいになりまして初めて石炭資源よりも飛躍的に多くの資源が人類の手に入ることになります。したがいまして、百ドルないし五百ドルというような非常に高いウランは、軽水炉そのほかの原子炉ではかなりこれを使うことが困難でございます。その場合には非常に燃料費が高くなる。しかし、増殖炉の場合には、先ほど申しましたように有効成分が非常に多いということになりまして、原料費だけに関しましては十分に採算が合う。そういう点で人類の手に渡りますところの利用資源が飛躍的に拡大する、そこに増殖炉の大きな意味がありますことが、各国が増殖炉ということについて非常に注目している理由であると思います。  それから、もう一つの科学技術の振興の推進力としての原子力、その原子力の中でも最も研究開発の特徴的な高速炉、そういうことについて次に御説明させていただきます。  経済成長と科学技術投資ということにつきましては、アメリカ並びにEECそのほかで非常に最近は活発になりまして、たとえば原子力につきましても、ヨーロッパ原子力機関でありますとか、そういうところで組織的な体制づくりと申しますか、そういうことが非常に行なわれておりますことは、いまさら申すまでもないと存じます。大きなことを申しますと、国家の経済活動の水準そのものはその国の産業規模によってきまる、これは当然でございますが、同時に、経済活動の成長率というものは科学技術の振興、その国の科学技術の水準によってきまってくる。お金あほうで申しますと、科学技術投資によってきまってくるということがいわれております。二年前に行なわれましたOECDの科学閣僚会議の中の資料には、最も進んだ技術を使用している国ではその国が利用可能な知識の量が経済成長の限界を規定する、ということが書いてございます。こういうふうな科学技術に対する非常な期待がいろいろな国で行なわれつつあるわけですが、その発端となりましたのは、私は原子力であると思います。不幸にもそれは爆弾という、要するにマンハッタン・プロジェクトと申しますか、そういうふうなものであったわけですけれども、それが一つの新しい科学技術、非常に組織的な科学技術というものの発端となりまして、それからいろいろ科学技術投資ということについて非常に各国の注目を集めつつあります。  アメリカでは現在大体百五十億ドル、五兆円ぐらいの金が科学技術開発に投資されております。その中で非常に大きな部分は宇宙開発でございますけれども、とにかく非常に多額の国家資金が投ぜられているという意味では、原子力はやはり非常に特徴的である。そしてその場合に、北欧でありますとか、カナダでありますとか、そういうところでは、これは必ずしも軍事利用に結びついておりません。  なぜこういうふうに近代的な国家が科学技術投資に非常に努力を注いでいるかと申しますと、あるいはその中でまた特に原子力を特別扱いにしまして、原子力によってそういうものの推進力としての役目を果たさせているということの理由は、二つあると思います。  一つは、各個別のいろいろな科学あるいは技術というものが原子力によって非常に精密化され、促進される。  これはたとえば流体でありますとか、伝熱でありますとか、あるいは自動制御でありますとか、計算機でありますとか――電子計算機などというのはまさに原子力と歩みを同じくしてここまで発展してまいりました。そういう点で、あるいは新材料1そういう新材料のいろいろなものからまた現在のエレクトロニクスみたいなものも出てきておると存じますけれども、そういう新しい材料であるとか、あるいはいろいろな技術、たとえばセミコンダクターのああいうふうな純化する技術でありますとか、こういうものに似たようなものが実は原子力の中にもございます。そういう個々の科学なり技術というものを精密化し、促進する、そういう問題が一つございます。  それからもう一つは、現在の科学技術というものは非常に総合されている。そこに非常に大きな特徴があると思います。  たとえば動力炉開発ということになりますと、核物理や物性論はもちろんといたしまして、抽象数字であるとか、生物物理であるとか、あるいは流体、伝熱、構造、自動制御、あるいは金属、化学工業、さらには微気象でありますとか、海洋学、地震、こういうものにまで関係してまいります。  こういう非常に広範囲のもの、広範囲の研究者が一つの目的を意識の中に置きまして、そして協力していく。こういうふうないままでの科学に見られなかったような非常に新しい研究上の有機体と申しますか、アメリカではプロジェクトということばが非常に出てまいりまして、こういうものをプロジェクトシステムというふうに呼んでおります。こういうふうないろいろな専門の方が集まるということは、実はマネージメントの上から申しますと、非常に困難である。それは皆さんの関心がみな非常に違っておりますから、そういう点で非常に困難である。しかもそのときに強制的な形で個々の研究者に、たとえば気象の研究者に動力炉開発だからそれに関連したものをやれ、そういうふうな上からの命令といいますか、そういう形で体制をつくりましても、これはその人間の創造能力を殺してしまいます。したがいまして個々の人間の創造能力を一00%に発揮させるような自由を個々の研究者に保たせながら、しかも全体といたしましては、一つのはっきりした目的、それが新材料の開発でありますとか、あるいは新動力炉の開発でありますとか、そういうものに持っていく。これは非常に高度なマネージメントを必要とするのだと思います。アメリカではそういうものをリサーチマネージメントと申しまして、盛んに議論が行なわれておりますけれども、そういう非常に高度の研究上の有機体をつくるということが行なわれましたのは、やはり原子力が最初であると思います。  そういう有機体というようなものは、研究者の数をふやしましたり、あるいは研究投資をふやしましただけでは決して成長いたしてまいりません。これにはそういう一人一人の研究者の意識の高まりとか、意識と同時に、今度は知識的にも非常に高い程度を必要といたします。アメリカの研究所に参りましていろいろとディスカッションなどいたしますと、向こうの人間は、専門の違うことにつきましても、自分の携わっているプロジェクトについてはかなり本質的な要点をよく知っております。こういうふうな有機体をつくるということも、各国が原子力開発を積極的に推進していることの一つの理由ではないかと思います。  それで、現在実用化されておりますところのコールダーホールでありますとか、あるいは軽水炉でありますとか、あるいはやがて実用化に近いような段階まで来ておりますところのカナダの重水炉とか、こういう原子炉のそれが経済性を達成するところまで伸びてまいりましたその過程を振り返ってみますと、それは必ずしも、何年までに実用化するとか、何年になれば要するに何ミルになるとか、そういうふうなことだけで行なわれてきたのではないと思います。  たとえばコールグーホール型につきましても、これはプルトニウムの生産用の原子炉の熱を有効に利用しようとする形がそもそもであった。実際にそういうものをつくってみましたところが、かなりそれが成功した。そこから先に実は英国としても私はかなり一つの誤りをおかしているのではないかと思いますが、それは、その成功のところで直ちにそれを実用規模に非常に拡大いたしまして、結局横に伸びまして、そして研究開発ということについてどうもいささか手抜かりがあった。それが最近になりまして英国の原子力政策についていろいろな混乱を生んでいる一つの原因なのではないかと思います。  それから、軽水炉につきましては、御存じのように、これは潜水艦のかとして最初に実用化が生まれてまいりまして、それをいかにして経済性にするかということについてAECがかなり多額の令を投じております。いままでに民間用の原子力開発に米国原子力委員会が投じました額は十五億ドル、五千億円に達しておりますけれども、そのうちのかなりの部分が軽水炉にいっております。そういう実用性だけを目的としませんようなバックグラウンドがあって初めて実用化ということが逆に達成されつつある。  これは、たとえばカナダの原子炉になりますと、軍事的なものは全然ございませんで、十年前の、たとえばジュネーブ会議のころには、重水炉で助力炉などということはどこの国でも全然相手にいたしませんでした。一九五三年、十二年ほど前にアメリカで重水炉を動力炉にするという計画もございましたけれども、そのときに、とてもこれは採算に合わないということになりまして、どこの国もそれについてあまり積極的ではなかったと思います。しかし、カナダはその中で営々として自分たちのつくってまいりましたところの重水炉を動力炉として使うことについて、おそらくその初期のときには、現在のように世界的にも注目を集めるとはとても想像していなかったと思いますけれども、そのときにはおそらく先ほど申しましたような科学技術そのものの追求ということが一つの大きな理由になっておったのじゃないかと思います。これが十年間常々としてその方針を貫いてまいりますと、最近では、ヨーロッパで重水炉を開発しようとしております国々が非常にたくさん出てまいりました。北欧関係は前からやっておりましたけれども、フランスやイタリア、あるいは英国、それからチェコやドイツなどもそういうものをやっております。そのおもな国々は、また同時に高速増殖炉につきましても非常に積極的にやっております。  こういうように、先ほど向坊先生からもお話がございましたけれども、実用性だけを目的としましたり、あるいはエネルギー問題――エネルギー問題ということは日本の場合には非常に大切でございますけれども、それのみに集中して原子炉の研究開発ということが推進されてきたのではないと存じます。やはりその奥に、その国の科学技術を振興させていくという、場合によりますと非常にばく然としておりますけれども、しかし将来の国ということを考えております。その何々の型の原子炉がいつになったら経済性を達成するか、何ミルになるかというような議論は、子供が生まれましたときに、その子供が大きくなって大学を卒業したときの初任給を云々するようなことに近いのではないか。もちろん、おやじが定年に達します前に子供が卒業してくれませんとたいへん困ることは確かでございますけれども、それと同時に、もっと基本的な態度といたしまして、原子力開発ということをお考えいただきたい。特にそういう基本的態度をつくっていただきませんと、高速増殖炉のような、アメリカなどでも非常に技術的にも困難な、そういうものを十年後の世界というものを目標といたしまして開発を進めていくということは、実際的には日本では行なわれにくいのではないかということを感じます。  そういう点で、ひとつ原子力というものを科学技術振興という立場からも御考察いただきたいと存じます。(拍手)

菅野和太郎自由民主党

○菅野小委員長 以上で参考人からの御意見の聴取は終わりました。     ―――――――――――――

菅野和太郎自由民主党

○菅野小委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。岡良一君。

岡良一日本社会党

○岡小委員 別に特別な質疑じゃないのですが、質問があったらまたお答えいたしますが若干申し述べた、ということがあるという向坊さんのお話があったので、こういう機会に洗いざらい聞かしておいていただきたいと思います。  お二人にお聞きしたいことは、今度機構改革をいたしました日本原子力研究所のあり方についての率直な御意見、特にまた向坊先生からは、大学の研究と原子力研究所の協力に関する件、こういうふうな点について具体的な御所見があったら伺わしていただきたいと思います。  立花さんからは、いま御指摘のリサーチマネージメントという立場からして、日本原子力研究所の機構やあり方はあれでいいのか、そういう点について、率直な御意見があれば聞かしていただきたいと思います。

向坊隆東京大学教授

○向坊参考人 ただいまの点につきまして、率直に申し上げたいと存じます。  最近まで、原子力研究所が基礎から応用に至るまでの非常に広範な分野を全部一手に引き受けて、一生懸命やってこられたのでございますが、最近のような段階まで遊んでまいりますと、何でもかんでもあそこでやるということはなかなかむずかしいと思われます。したがって、最近もう少し問題をしぼろうという意味で、それを動力炉開発のほうに向けようとしておられるのも一つの当然の動きであろうと思うのでございます。  しかし、もしそういうことでございますならば、私たちは、どうしてもぜひ国立の基礎研究所の非常にしっかりしたものを別に考えていただきたいと思うのでございます。  動力炉開発は非常に大切なものであると同時に、非常にむずかしいものでございますから、とても片手間ではやれないので、原子力研究所ぐらいの規模のものが一本になってやらなければとてもだめだろうというのも当然でございますが、そればかりやっておりますと、先ほど立花さんが、イギリスの失敗の一つは、コールダホールの炉がうまくいったときにただそれを大きくすることによって、あるいはそれの経済性をよくするという努力のみにいままで集中してきたことが、現在、将来計画を立てる上に非常に困ってきている原因であろうということを言われましたけれども、それと同じようなことが起こることをわれわれは心配するわけでございます。  基礎研究というものを動力炉開発と同じウエートで取り上げていただきい。このためには、もし原子力研究所が動力炉開発に指向されるならば、別に非常にしっかりした、りっぱな国立研究所をつくっていただきまして、そこを中心として、大学などとも大いに協力して基礎研究を進めていく、こういう形が健全な発達のために望ましいと思うのであります。  幸い大学のほうも、京都大学の付属原子炉実験所が動き出しまして、一つのセンターができたわけでございますけれども、あそこにあります施設は限られておりまして、一応あそこにある炉を使ってやれる範囲の基礎研究というものが当分の仕事になると思うのでございます。どちらかと申しますと、放射線の照射の道具としての炉を持って、それによっていろいろな学問分野を開発していこうという、そのセンターに成長していくと思うのでございますが、一方新しい原子炉を開発していくための基礎研究、そういったもの、あるいは関西炉よりもっと大きな、もっと進んだ型の研究炉を使っての研究、いろいろやりたいことが一ぱいあるわけであります。そうした意味から、ぜひこういう基礎研究のセンターが考えられるようにお願いしたい、こう思っております。

立花昭日本原子力発電株式会社社長室副主査

○立花参考人 原子力研究所のあり方そのものにつきましては、私特に御意見を申し上げるような立場でないと存じますけれども、先ほども申しましたように、私は原子力関係に従事いたしましてことしで十一年目でございますけれども、その間の私自体の原子力開発というものについての認識を振り返ってみましても、やはり初期のころは非常に単純であると申しますか、ここ十年間、やはり私なりにかなり基本的な問題につきましても非常に成長してきたと思います。  それと同じようなことが、実は原子力研究所の中にもあるのではないかと存じます。確かに原子力研究所のいままでの成果というものは、欧米のものを見た目から見ますと、必ずしも十分でないところがたくさんあると存じますけれども、しかし、私は、これを発展的な方向での一段階である、しかも日本の中でどうしても通らなければならぬところの段階であった、そういうふうに解釈しております。  先ほど申しましたように、原子力というものは、非常に広範な分野を含んでおりますし、それから、先ほどお話しいたしましたような、非常に総合的な研究所の有機体をつくっていきませんと、なかなか成果が得られない。  残念ながら、日本の科学技術の歴史を振り返ってみますと、こういうふうに基本的な線から出発をいたしまして、そして具体的なものまで一貫して日本自身でつくり出していくということになりますと、明治以来の富国強兵の政策の結果といたしまして、それの悪いほうのあらわれる面といたしまして、そういう一貫体制というものにつきましは、日本の中で、経験と申しますか、そういうものが非常に不足していたと存じます。日本は外国で確立いたしました技術を導入いたしまして、それを国産化し、あるいはそれに部分改良を加えまして、コストを下げていくとか、そういうことにつきましては、いままで非常に優秀な成績をおさめてきたと思いますが、初期から非常に大きな構想を持ちまして、そして基本的な問題から出発するということにつきましては、それほど豊富な経験を持っておりません。  したがいまして、欧米流に見ましたところの批判的な立場から見ますと、確かに日本原子力研究所のいままでの成果というものについては不満足な点が多いと思います。  しかし、一つ重要なことは、私のような研究者と申しますか、そういう人間の立場から見ますと、こういう科学技術の組織体制と申しますか、そういうものは、私たちがどうしても日本につくっていかなければいけないものだと存じております。したがいまして、それを欧米流のものを日本のものに直ちに移しましても、これはまず絶対に成功いたさないと存じます。それは、日本の土壌に合いましたものを日本人自身が、われわれ研究者も、それからここにお集まりいただいております政治に従事なさっていらっしゃる方々もあわせまして、そういうものを日本自身の土壌の中につくり出していかなければならないのだ。そういうふうに存じます。  そういう立場から申しますと、原子力研究所の中には非常に優秀な人もたくさんおります。そういう点ではむしろ非常に人材には恵まれつつあるのではないか。もう一つは、最近になりまして理長長も交代されまして、若い方々がかなり責任ある地位についてきつつあります。こういう方々はこの十年間の中でいろいろと経験されまして、それなりの失敗と申しますか、それと同時に知識と、いろいろな意味での経験をお積みになってきつつあると思います。  そういう点で、私自体は、原子力研究所の今後のあり方というものにはかなり期待できる。先ほど申しましたような有機体をつくり上げていくことが、私自体は、やり遂げられるのではないかと思っておりますし、そういうことについて、ぜひ関連の方々の御協力のもとに、そういう方向に進みたいと、原子力研究開発に携わっている一人として考えます。

菅野和太郎自由民主党

○菅野小委員 原君。

原茂日本社会党

○原(茂)小委員 向坊先生に直接関係しない質問になるかもしれませんが、ざっくばらんに感じておられるままを教えていただきたいと思います。  たとえば現在の段階における原子力開発、ことに動力炉に関する開発は、途中からですが、お話を伺った範囲では、まだまだ系統的にいかぬ、むしろ国全体の力を何らかの形で総合するそういう力を出さない限りは、国際的な視野に立ったとき、われわれのおくれというものが目立ってくるのじゃないかという印象を受けたんです。相当進んでいるということもできるのでしょうけれども、そういう立場に立って、急速に日本独自のこの種の科学技術の開発にむだのない力の結集というようなものをはかるべきだという感じを持ちますので、そういう違った角度からひとつお伺いをするのです。  たとえば病気のガンでございます。いまだに日本のガン学界における傾向というものが、しろうとの私どもが見ましても、何か一つの学閥といいますか、学説閥と言っていいほどに相当広く一つのワクがあります。いい悪いは別なんですが、そのワクをはずしてしまって、もう少しフランクな検討なり国の全体の力を結集した国際的な視野に立つガン全体の現状というものを日本の学者あるいはこれに関連する人がもう少し開放的に取り入れてもらう。その上で研究をする必要があるのじゃないかというふうに、しろうとながら考えておるわけです。  それと同じようなことが、今日原子力を研究し、あるいは推進しようとするわが国の全体を見たときに、何か学閥――これは端的な例でございますが、急速に進歩させるためには、国産国産ということに拘泥する必要はない、広く海外から現状のありとあらゆるものを取り入れて、多少経済的な面でのコスト高その他はあっても、急速に進めるという立場からいうならば、あまり国産ということにしぼるべきではない、偏重すべきではないという意見があったり、逆の意見があったりというようなことも含めて、いままで相当海外の研究もされ、広く知識を得られ、特に今日では教授をされておられる向坊先生が、何にもこだわらずにひとつお考えになって、ちょうどガン学界に対するしろうとの私が心配しているのと同じようなことが、今日この分野において芽ばえもし、あるいはその危惧が現にあるというようなことをお考えになるかどうか。全然その心配はない、そういったものはまだできるところへいっていないというふうに考えてよろしいか。ざっくばらんに端的に、ひとつこの一点だけお教え願いたい。

向坊隆東京大学教授

○向坊参考人 だたいまの点につきまして私が感じていることを申し上げますと、まあ動力炉の開発ということはたいへんでございますので、国の総力を結集しなければいけないのじゃないか、閥のようなものをつくって対立した意見を出しているようではものにはならないのではないかとおっしゃる御意見は、まことにごもっともだと思うのでございますが、日本が原子力開発を始めた時分に、すぐ五つくらいのグループが産業界にできまして、競争を始めた。そのときに私は、いまおっしゃったとおりのことを考えまして、五つのグループができるなら、それぞれ何か分担でもきめて、全体として一つのものができ上がるような方向にでも進んでくれればいいんじゃないかと念願しておったのですが、実際はそれぞれが協力という形ではなしに、競争という形で現在に至っているような気がするのでございます。しかし、これは日本の現実の姿でございまして、むだの多い競争を至るところでやっているということが、現在の日本の活力をささえているようなところもある。非常に激しい競争をするということが技術を進歩させるというところもあると思うのでございます。  そこで、私が考えておりますことは、増殖炉の開発といったような非常に将来の問題につきましては、これは何とか一本になって、少しでも早く実現するような努力をすることがいいのではないか。非常に実用化が目前に迫っておりますような炉については、何と申しますか、手の打ちようがないと申しますか、競争にまかせておくほかないのではないか。せめて先のほうはひとつしっかり一本の計画を立てていくのがいいんじゃないか。  幸いにして学界の分野では、この原子力というものが新しいものであるせいもございまして、学閥といったような弊害は全く見られておらない、そう思うのでございます。非常にみんなが協力してやっていこうという機運が強いのです。いろいろな分野の人、いろいろな大学の人が協力してやってゆこうという機運が非常に強いのでございまして、この協力の体制はぜひ保持して、将来のための基礎研究を発展さしていきたい、そう念願しているわけでございます。  まあ、お答えになるかどうかわかりませんが……。

菅野和太郎自由民主党

○菅野小委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  両参考人に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、本問題調査のためたいへん参考になりました。小委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十四分散会

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