科学技術振興対策特別委員会 第19号
- 発言数
- 42 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1965/05/13
会議録
○岡委員長 これより会議を開きます。 これより請願の審査に入ります。 エレクトロニクスの振興施策の強化拡充に関する請願を議題といたします。 本請願の趣旨につきましては、すでに配付されております文書表によって御承知のことと存じますので、紹介議員の趣旨説明を省略し、直ちに採否の決定をいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○岡委員長 おはかりいたします。 本請願は採択の上内閣に送付すべきものと決定するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、ただいま議決いたしました本請願の報告書の作成等につきましては、先例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○岡委員長 なお、本委員会に参考送付されました陳情書は全部で二件でございます。念のため御報告申し上げます。 ————◇—————
○岡委員長 閉会中審査申し出に関する件についておはかりいたします。 本特別委員会は、閉会中もなお科学技術振興対策に関する件について、議長に閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○岡委員長 次に、委員派遣承認申請に関する件についておはかりいたします。 閉会中審査案件が付託になり、実地調査の必要がある場合には委員派遣を行なうこととし、派遣委員の選定、期間及び派遣地並びに議長に対する承認申請の手続等は、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○岡委員長 また、現在設置されております科学技術の基本問題に関する小委員会及び動力炉開発に関する小委員会は、閉会中もなお存置することにいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、この場合、小委員及び小委員長の辞任に伴う補欠選任につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 —————————————
○岡委員長 次に、閉会中審査のため、委員会または小委員会において参考人より意見を聴取する必要が生ずることも考えられますので、この人選その他所要の手続につきましては、委員長に御一任願っておきたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇————— 〔委員長退席、前田(正)委員長代理着席〕
○前田(正)委員長代理 次に、科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。 国産技術の開発に関する問題について質疑の通告がありますので、これを許します。岡良一君。
○岡委員長 実はこの委員会では、大蔵当局に非常に関係のある決議あるいは附帯決議を数回やっておるわけです。たとえば重点的な試験研究項目についての予算の一括計上の問題、あるいはまた科学技術の研究予算というものの特殊性にかんがみての弾力的な運営の問題、あるいはまた今後の新しい科学の分野における技術の開発、あるいはまた国産資材の活用、こういう点について実は決議をしておりますので、大蔵当局に御出席を願って、そして委員会の意思を明確に申し上げ、御所信を承りたいと思って、実は大蔵大臣の御出席を求めておったのでございますが、何ぶん御多用のことと存じますので、きょうはおなじみの鍛冶政務次官の御出席をわずらわしました。 そこで、まずお尋ねを申し上げたいことでございますが、今日の自由貿易下における国際的な経済競争の実態は一体何であるかという、まずそのフィロソフィーの認識の問題です。 私どもは、やはり科学技術特別委員会の立場において、今日における国際的な経済競争の本質的な意義は、単なる商品の競争ではなく、技術の競争である。絶えず新しい技術が生み出され、これがよりよく、より安く、より大量に生産されていく、こういう技術の競争であるというのが、今後の国際経済競争に対するわが国の施策の基本でなければならない、こう私どもは考えておりますが、この点まず鍛冶政務次官の御所信を承りたい。
○鍛冶政府委員 国際経済競争における技術の大切なことは、御説のとおりだと思います。まず開放経済にうちかっていくときには、技術上先進国に負けないところまでいかなくては、ほんとうの目的は達せられないものだと深く信じております。
○岡委員長 ところが、貿易自由化を控えて、外国の技術の導入がますます盛んになってきておるというような事態をこのままに放任しておきますと、これでは国産技術の開発の上においても大きな障害となり、同時にまた、御存じのとおり、外来技術の導入に伴っては相当多額な、大体一億ドル程度のロイアルティーあるいはイニシアルペイメント、また輸出市場の制限、いろいろな問題がつきまとっておりますので、貿易の自由化に伴って、外来技術の導入を現状のような形で放任することが、はたして日本が将来の国際経済競争において優位な地歩を占めるゆえんであるかどうか、この点について大蔵省としてはどうお考えになっておられますか。
○鍛冶政府委員 わが国の技術が先進国の技術に劣っておるとすれば、あらゆる方法をもって先進国に劣らざる技術にまで盛り上げていくべきことは当然だと考えるのであります。 ただ、ものによりましては、とうてい日本で技術の向上をはかっても、先進国に追っつくことができない。また、むしろ向こうのものを入れて、こちらにその点を刺激させて、強く勉強させるということも一つの方法じゃないかと思いますので、原則としては、日本の技術を高めることが何よりでございます。したがって、向こうのものを入れなくてこちらが高まる見込みがあれば、どこまでもそれをやらなければならぬと思いますが、そうでないものは向こうのものを入れて、それに刺激を与えてわが国の技術を向上させるということも考慮すべきものじゃないか、かように考えております。
○岡委員長 私は、外資法を全面的に否定するものではなく、むしろ戦後における外資法の持つ意義、戦後の復興において果たした役割りというものは、私は正しく評価したいと思っておるわけです。 しかし、それがもう今日となって、世界の驚異ともいわれるような経済成長を示しておる。ところが、その経済成長をささえる技術的な支柱は何であるか。それがおおむね外国の技術によってささえられておる。これでは私は、日本の経済成長は本物ではないという気がする。 したがって、外国の技術を導入することが日本によき刺激を与えて国産技術の開発に役立つという考え方は、もちろん私はそういう考え方もあり得るのであるけれども、しかし、それにしても、あまりにもこれでは外国の技術に依存し過ぎておると思う。日本の経済成長というものはほとんど外来技術に依存しておる。昨年のOECD加入の際に、大蔵大臣が何か御答弁しておられた一節の中にもありました、石油産業に触れておられましたが、石油産業なんかは全部外来技術の導入といってもいいくらいです。こういうことでは、重化学工業を日本の経済立国の重点的な目標とすると言いながら、化学工業がほとんど外来技術に依存しておるというような状態では、日本経済の繁栄というものが借りものの繁栄であって、本物ではないという印象を強く受けるわけであります。 そこで、振興局長にお尋ねをいたしたいが、所得倍増計画が発足してから、いわゆる甲種援助契約と申しますか、技術導入の件数の年次別の割合をちょっと御報告願いたいと思います。
○江上政府委員 昭和三十六年度からの数字を便宜申し上げたいと思います。 件数を申し上げますと、これは認可ペースでございます.が、昭和三十六年度が総件数三百二十件、三十七年度が三百二十八件、三十八年度が五百六十四件、三十九年度が五百件。これは概数で、三月末には数件の範囲内における若干の移動があるかと思いますが、以上でございます。合計いたしまして、外資法制定以来の累計件数が三千六十二件。 それから、御質問がちょっと聞こえなかったのでございますが、OECD加盟国からの件数でございますか。
○岡委員長 加えて、三十九年度のOECD加盟国からの技術導入の件数も。
○江上政府委員 三十九年度におきましては、五百件中OECD加盟国からの導入の件数が四百八十四件、総件数に対する比率が九七・五%ということになっております。
○岡委員長 これは鍛冶政務次官にお尋ねしますが、ちょうどこれは昨年の四月三日の外務委員会における経済開発機構加入の件についての審議の際の田中国務大臣の御答弁なんです。 「ロイアルティーなどにつきましても、年間一億ドルをこすというような状況でもありますので、OECD加盟に際しても留保いたしたわけでありますし」、この留保というのは、技術導入に関しては重要なる技術導入の留保ということに私は解釈しておるのですが、「この問題に対しては、外資に関する法律もありますので、これからもやはり十分厳選をして、日本の技術でもって間に合うものとか、また、同じようなものをやったり、またせり合って高い料金を払わなければならぬというようなものに対しては、厳選主義で臨むつもりでございます。」とにかく、OECD加盟の諸国からの技術導入については、外資法の運営の上に十分考慮を払って厳選主義でいく、こう言っておる。 ところが、いま振興局長のお話によると、たとえば昨年一カ年間、三十九年度、五百件中四百九十件近い。ほとんどOECDから入ってきている。一体厳選主義とはいうものの、具体的にどういう厳選主義をとっておられるのか、その厳選主義の内容をひとつ聞かしていただきたい。
○柏木説明員 技術の導入につきましては、御承知のように、それが国民経済に役立ち、生産力を高めていく等、わが国に十分寄与するということを審査いたしまして導入を認めておる次第でございまして、また一方、国産技術で十分間に合うところを入れるということはしない、そういう観点から厳選をいたしておりまして、個々の技術導入案件につきまして、これがはたして国産で十分やれるかどうか、あるいはその技術導入がはたして国民経済あるいは日本の生産性向上のため、その他日本経済に寄与するかどうかということを審査いたしまして、その際に、各省の間でも、通産省なり科学技術庁なり大蔵省なり、関係省が集まりまして、個々に審査いたし、その上で結論を出しまして技術導入を認めておる次第でございます。 三十九年度の技術通人案件五百件中大部分のものがOECD関係の国からのものでありました事態は、日本の要求する技術というものはやはり世界的に見ても非常に高度な、先進国にしかない技術ということになっておりまして、したがって、現状においてはOECD諸国の技術を導入する場合がどうしても多くなってくるというふうになっておるものと思います。
○岡委員長 それじゃ、国産技術で問に合うかどうか、あるいはもう少し国が努力をすれば国産技術でもって間に合うから技術導入をさせなくてもいい、こういう技術的な観点からする外資審議会の認許可について、具体的にどういう方法をとっておられるのですか。
○柏木説明員 外資導入案件につきましては、大体外資審議会にはかりまして導入の可否を決するのでありますが、外資審議会には幹事会がございまして、その幹事会には通産省なり科学技術庁の担当者が出席して、そこで個々に意見を述べておる次第でございます。
○岡委員長 厳選主義をとられる、特に大蔵大臣がはっきり明言されたように、「日本の技術でもって間に合うものとか、また、同じようなものをやったり、」云々というふうに、技術的な観点から相当厳選主義をもって臨もうと言いながら、事実上、ぼくは外資審議会の運営を見ていると、厳選主義という大蔵大臣の言明はまだまだ、まあ率直に申せば空文の域を出ないような感じがするわけです。 そこで、それじゃ振興局長にお尋ねしますが、一体、OECD加盟国でもけっこうですが、それらの国々と、そして日本の場合と、年間の平均でもけっこうですが、技術を輸出して得た対価と技術を導入して支払った対価との比率ですね、各国の比率と日本とを、もし資料があったらひとつお示しを願いたいと思う。
○江上政府委員 各国の技術導入金額と技術輸出によって得た対価との比率は、正確な統計がございませんが、いろいろな方面から集めました資料で、これは年次必ずしも統一しておりませんが、概略申し上げますと、技術の輸入に対して輸出のほうが超過になっている国はアメリカだけでございます。これは一九六一年の数字でございますが、アメリカにおきましては技術導入によって支払う対価と技術輸出によって獲得した外貨との比率が九二0%ということになっておりまして、これは圧倒的に輸出が多いということになっております。ヨーロッパ諸国は、各国ともいずれもやはり日本と同様輸入超過でございますけれども、日本に比しましてその比率はかなり高く、一九六0年の数字で、フランスが導入に対する輸出の比率が五0%、それから西ドイツが、一九六一年の数字でございますが、導入に対する輸出の比率が三0%ということになりまして、大体ヨーロッパ諸国は三0%から五0%の間ではなかろうかと思います。 これに対しまして、日本の技術導入と技術輸出の比率でございますが、一九六三年、昭和三十八年におきまして、技術導入に対します技術輸出の比率が、これは外貨で獲得いたしましたものが四・一%、そのほかに、科学技術庁が調査いたしたわけでございますが、現物で受けとっておるものがございます。たとえば外国における鉱石の開発をして、その鉱石で受け取っておるというようなものでございますが、これを合計いたしまして、三十八年の数字が五%でございます。三十九年におきましては、現金で受け取っておりますものが四・六%、なお、現物で受け取っておるものの調査は完全にできておりませんが、そういうことで、日本の技術導入に対する輸出の割合というものは、先進諸国に比して、はなはだ少ないということがいえるかと思うのでございます。
○岡委員長 そういうような、いまお聞きのような状態なんですね。それで、貿易は自由化する、為替は自由化する、そしてOECDには加盟をする。ところが、国際競争は、商品の競争というよりも、技術革新の時代には技術の競争である。 ところで、技術導入と技術輸出のバランスというものを見ると、日本は一0%にも足らない。事実上厳密にいえば、現物で受け取ったものを別とすれば、四・一%か七、八%。ところが、OECD加盟諸国は、アメリカは特別といたしましても、おおむね三0%から五0%。私どもも、たまたま海外に旅行いたしましたときに、その国別に専門家に当たってみた数字が、大体やはり三0%か五0%。こういう数字を見ても、日本の国産技術の開発に対する努力が非常におくれておる。これはやはり大蔵省が金を出し渋っているというところに原因があると思うが、いずれにしても非常に劣っておるという事実を認識をされますか、どうですか。
○鍛冶政府委員 日本の技術を向上せしめるための国費は決して惜しんでおるわけじゃないと思います。思いますが、そういうものは輸入せぬでも日本で十分開発できるか、やはり輸入しなければいかぬかというその見通しの違いじゃないかと思うのでございまして、お説のように、日本で開発できるものならば、できるだけやることは当然でございます。 私は工具の会社に関係いたしておりますが、工具の原料、鋼鉄ですが、モリブデンの入ったものをドイツ及びスイスから輸入しております。これはもう五、六年前からなんです。そこで、日本でもこれができるだろうというので、ずいぶん各製鉄会社へ見本も持っていってやっておりますが、残念ながらいまだできないので、相変わらず外国から輸入しておるわけです。それから、自動車会社も私は知っておりますが、これもどうしても日本ではできないので、最初はヨーロッパから部品を入れて日本で組み立てておりました。そのうちに、ようやく日本で同様のものができるようになった。これはできるようになったのはこの三、四年前でございまして、その前はだいぶ長い間外国のものをそのまま部品を入れて日本で組み立て、しかも技師は向こうから来て、でき上がりを見てそれで発売する。 こういうような状態でありましたので、どうしてもやれないということになればしかたがございません。過渡期として入れなければならぬものは入れますけれども、そうでない、日本でやれるものならばやらなければならぬということは、これは御説のとおりで、決してさようなことには金を惜しまない考えでございますから、どうぞ御指導のほどをお願いいたしとうございます。
○岡委員長 科学技術振興費に関して、政府の予算的努力と申しますか、こういう点、外国と日本との比較的な数字は科学技術庁にはありませんか。
○小林(貞)政府委員 お答え申し上げます。 研究投資におきまして、政府がどれくらい出しておるかという数字が手元にありますので、それを説明さしていただきますと、アメリカにおきましては非常にたくさんの金を政府が出しておるわけでございますが、七一%というものが政府の負担になっておるわけでございます。それに反しまして、日本は、政府が国全体の研究投資の中で負担しております比率が二八%という数字でございますが、そのもとになります国全体で研究投資をどういうふうにいたしておるかという数字をさらに申し上げますと、アメリカでは円に直しまして五兆三千億円、イギリスでは六千三百九十億円、フランスは二千八十一億円、西独が四千三百六十五億円という外国の数字に対しまして、日本は二千八百十二億円、こういう数字が国全体としまして研究投資に出しておる金であり、そのうちで政府がどれだけ分担しておるか、こういう数字でございます。 以上のような状況でございます。
○岡委員長 そうすると、日本の二千八百余億円の中で、二五%が政府の投資額である、そういうことでございますか。
○小林(貞)政府委員 御指摘のとおりでございます。ちょっと私あるいは数字を間違えたんではないかと思いますが、二八%でございます。
○岡委員長 アメリカで政府が五兆何億という金を出しておる、これは絶対数、絶対額について云々することは、いろいろの点で私は無理があると思うが、大体民間の研究投資と政府の研究投資との比率というようなものは、これはやはり重要な参考とすべきものだと思うわけです。 そういう点から見て、いま報告があったように、アメリカは七一%、他の国々、OECD加盟の諸国も相当やっていると私は思う。ところが、日本はわずか二八%しかない。それでは鍛冶政務次官のおっしゃったように、大いにやりますと言われるけれども、全然これまでやっておらない、まだまだ余地があるのではないか。 特に私は、日本の科学者の持っている潜在的なポテンシャルが決して低いものではないと思うのです。そういう優秀なものが皆外国に引きさらわれていってしまうような状態さえ現にずいぶん起こってきているというような状態、こういうことを考えましても、日本の政府がもっとすぐれた若き研究者に対して、自由で豊かな研究環境をつくってやるということは、政府の今日の急務であると私は思うのです。こういう点についての予算的努力が日本では非常に足りない。いまこの数字の報告をお聞きになりまして、これで日本は十分だとはたして思われますか。
○鍛冶政府委員 いや、決して現状は十分とは申しません。やれることはやらなければならぬと思っておりますので、御説に従ってできるだけ支出するように努力いたしたいと考えます。
○岡委員長 したがって、とにかく外資審議会の運営の問題だと私は思うのです。外資審議会が、甲の会社がAの技術をBの国から入れたいと申請があった場合、一体これが日本の国産技術において間に合うか、もう一押し政府が予算的になり援助してやれば入れなくても済むのじゃないかというような、これは非常にむずかしい問題ではあるが、しかしこういう点をやはり十分技術的な観点から、外資審議会の連帯においては、技術算入に関しては十分検討される必要があるのじゃないか。 この外資審議会のいわゆる外資の導入等については、日本経済の正しい発展を阻止するものではないか。日本経済の復興に悪影響を与える場合には、外資の導入は認可してはならないというようなことがうたわれておる。実際運営上は、いまもおっしゃったように、国産技術の発達をなるべく阻害しちゃならないとか、中小企業を圧迫しちゃいけまい、あるいは産業秩序が乱されないように、あるいは受け入れ企業が適格であるかどうかなどというようなことが、一応導入すべきかいなかの審議の許可基準になってはおるのだけれども、実際上の運営を見ると、そうなっておらない。 昨日も、茅科学技術会議議員がこの点を指摘しておられた。この際日本も、もう少し外国依存の状況から脱却することが日本の科学技術振興の当面の急務ではないかと言っておられる。先般、この委員会の席上へ有澤廣巳原子力委員長代理をお呼びしたときにも、有澤委員ははっきりおっしゃっておられた。それは、日本のこれからの原子力産業が、日本の石油産業のようにセールスマンになってはいけないのだ、もっと自主性を確保しなければいけないのだということを指摘しておられた。 このように、それぞれやはり学界なり、またその関係における専門的な権威者が、日本の外国依存のあまりにも激し過ぎることに対して鋭い指摘をしておられる。極端には、日本はセールスマンだ。いま鍛冶さんは自動車のことをお話しになりましたが、このままでいきますと、今後の新しい科学の分野でも、結局は、何かといえば二言目には外国のものを買えば安くつくということで、研究が怠られる、あるいは開発の努力もしたがって阻害される、いまのような現状を進めていきますと。そうすると、四、五年前の自動車業界のように、フォードを買い、あるいはシボレーを買い、ガソリンも外国から買い、日本は単に運転手であるにすぎない。これでは真に科学技術がりっぱに国是として取り上げられた姿ではないわけです。 その点を、どこに隘路があるかというと、これはやはりいまも数字をもって示されたように、国産技術育成に対する大蔵省の財政的見解というものが、あるいは今日までの財政的な拘束というものが、国産技術の育成の非常に大きな障害になっておるということは、私は数字で明らかだと思うのです。こういう点は今後十分注意をしていただきたいと思う。 それから、外資審議会の運営の場合、日本経済の復興に悪影響を与えない場合云々というようなことのほかに、外資法の中で国産技術の開発という見地が、もううんとそういう立場からの規制が今日以後は前面に登場してくるべきじゃないか。これまでは、戦後の荒廃した経済復興のためには、外資法は日本経済の復興に害を与えてはならないという考え方で運営されてよかったが、今後の技術をもってする国際競争の場においては、外資法はむしろ国産技術の育成を阻害しちゃならないという、こういうルールが外資法運営のテーマになるべきじゃないか。それがいつもまだ経済効率的な問題が中心で認許可がされているというのが、事実偽わらざる現状ではないか。 こういう点をひとつそういう趣旨に改めるという意味で、外資法の改正を私はすべきじゃないかと思う。このことは私は、五、六年前に大蔵委員会で水田大蔵大臣にも率直に申し上げたときに、もう改正の時期に到達しておるという御答弁をしておられた。しかし、依然としてそうではなく、しかも貿易自由化の声がかかればますますもって奔馬的に、馬が走るように外資導入が急がれた。こういうような状態はもう規制をしていく。これはなかなか困難なことは私はわかっておるのだが、しかしながら、これはやはり民間企業の諸君にも大きなキャンペーンを起こす。通産省なりあるいは大蔵省なり、科学技術庁なりが協力して、適正にそういう行政指導をやり、同時に、そういう自覚を促すキャンペーンを展開していくということが、私は今日の非常に重大な仕事じゃないかと思うのです。 私は、そういう意味で、大臣も来ておられませんから、大圏にお伝えを願って、適当な機会にひとつ大臣から責任ある御答弁を承りたいと思うのでございます。 問題はまず、科学技術予算の重点研究項目の一括計上の問題について、科学技術庁がそういう要求をした場合、大蔵省の見解はどうか。これは一括計上していただかないと、なかなか自由な研究の発展が期し得ないというのが科学の特殊性なんだから。 それから、あまり形式的な単年度主義に縛られますと、科学研究というものの成果が予算の制約からして阻害されるという実態があるわけです。だから、別にアンノーンファクターというものではなく、科学というものはそういうものなんだから、もっと科学というものに関する予算についての考え方を十分考え直してもらいたい。 もう一つは、外資法を、もう従来の、日本経済の復興に悪影響を与えるというふうな考え方じゃなく、国産技術の開発を阻害するようなものは導入しちゃならないという、この大きなルールを表面に出すように改正をする必要があるのではないかという問題。同時に、そのことのためにもしキャンペーンが必要なら、そういう問題について大きいキャンペーンをやる。 それから、国産技術の開発、それに伴う基礎研究の充実等については、やはり現在の機構の整備と財政的な措置の強化というものはどうしても必要になってくるわけなんだが、臨調はそれに対してかなり満足すべき答申を出しておるわけなんです。この点、臨調の答申に対する大蔵省の見解はどうか。 それから、特にいまも申しました、この原子力政策の今後の自主性の確保という問題、これは原子力委員長代理として有澤先生も先般委員会において強く強調しておられた。もしこれが一歩誤りますと、いま現在日本の石油産業が国際的な石油カルテルの支配下に技術的にも資本的にも置かれてしまって、日本産業としての経営の自主性がなくなってしまうというような状態が、新しい科学である原子力産業の場面に出てくることは、まことに好ましくないことである。したがって、こういう点を反省をして、日本の原子力政策における自主性を十分に確保するための大蔵省としての思い切った予算的な措置を講ずべきだ。 これらの五点については、私は大蔵大臣から、いつの日にか、近い将来に明確な御答弁をひとつ願いたい。書類をもってでもいいから、当委員会に御提出を願いたい。 以上で私の質問を終わりたいと思います。
○鍛冶政府委員 技術を輸入せなければならぬが、輸入せなんでも日本で勉強すればこれを充足できるかということは、科学技術庁のほうできめられることだと思いまするので、その標準はひとつあとで科学技術庁のほうから説明を承りたいと思いまするが、いずれにしましても、大蔵省だって、入れぬでもいいものを無理に外国のものを買っておることはないと思います。ただ、科学技術庁のほうで入れなければならぬものだとおっしゃるからそれを入れまするので、しかし、それは入れぬでもいいといっても、ほうっておいていいのじゃないから、日本のほうで勉強させる。それについての費用を出さなければならぬ。これはもう当然だと思いまするので、その点は十分考えたいと心得ます。 それから、原子力の点についても、お説のとおりだと考えまするが、できますれば主計官が来て、原子力にどんなような考えを持っているか、この際聞いていただいてもいいと思いまして、主計官を呼びましたが、まだ来ません。 それから、いまのおことばは、速記録もまたできましょうから、十分その点は私から大臣に責任をもって申し上げて、いずれ機会を得て答弁させるようにいたしたいと思います。
○岡委員長 私、質問をするのじゃないのですが、なるほど幹事会が外資審議会のもとにございまして、その幹事会のほうでやはり若干の専門委員的な方が国産技術との関連でこの技術を導入すべきかいなかの判定をしておられるのだが、この意向が、調査が十分できがたい状態が一つ問題点としてあることと、かつまた、その意向が十分に取り上げられているかどうかという点にも問題があるということが、現在の外資審議会の運営上の、国雄技術の開発という立場からの問題点なんです。 だから、私が先ほど来申し上げておるのは、これはほんとうにキャンペーンを起こして、そして民間企業なら民間企業の自覚を高めながらいくことがまず前提にもなろうと思いまするし、そういう自覚があって初めて、いわゆる商業上の秘密というようなワク内における研究も、ある程度まで公開的な要素を持ち、期待できるのではないか。 そういう点を含めて、これは科学技術庁の仕事だとおっしゃっても、科学技術庁もそれは一生懸命やっておるようだけれども、なかなか実際問題としては外資審議会で取り上げられないような——取り上げられないといっては悪いけれども、十分尊重されていないような私は感じを受けておりますので、そういうような点を今後御考慮を願いたいということと、科学技術庁の責任だと言われたのでは、私は科学技術庁の味方を少ししなければならぬ。 いずれにしましても、ひとつ大蔵大臣によくお話しいただいて、責任ある御所信をまた伺わしていただきたいと思います。 委員長、これで私の質問を終わります。
○前田(正)委員長代理 それでは、本日はこの程度といたし、次会は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。 午前十一時二十四分散会