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48回国会衆議院1965/03/04

科学技術振興対策特別委員会 第7号

発言数
21
登壇者
8
会派数
2
開催日
1965/03/04

会議録

岡良一日本社会党

○岡委員長 これより会議を開きます。  科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。  まず最初に、愛知国務大臣より、この際、原子力委員会の運営に関する問題について説明を聴取いたすことといたします。愛知国務大臣。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○愛知国務大臣 先般来当委員会におかれましても、原子力委員会の運営、組織等につきましては、いろいろと建設的で積極的な御論議をかわしていただきまして、感謝にたえない次第であります。特に先般は当委員会におきまして、岡委員長から御発言があり、重ねて原子力委員会のあり方について建設的な御質疑をいただきました。当時私としての考え方を御答弁申し上げたわけでございますが、幸いにいたしまして、御承知のように二人の新しい委員の方と、それから一人の再任の方をお迎えすることができ、この人事に対しましては、与野党こぞって御賛成と御承認を得ることができました。この機会に、かねがね当委員会からも御要望のございましたような、大所高所から日本の原子力政策の基本的な企画、その推進ということに当たっていただくことに相なりました次第で、ここにこのことをあらためて御報告申し上げる次第でございます。  また、原子力委員会の今後の運営でございますが、昨日とりあえず新陣容による第一回の原子力委員会を開催いたしまして、有澤委員にこの機会に常任委員になっていただきまして、委員長代理としてお骨折りをいただくことに相なった次第であります。この点もあわせて御報告を申し上げる次第でございます。  ちょうど委員の方々もお見えになりましたので、私としての御報告は一応この程度にさせていただきまして、後刻御質問等がございましたら、さらに詳しく申し上げたいと思います。  以上、とりあえず御報告申し上げます。

岡良一日本社会党

○岡委員長 ただいまの愛知国務大臣の御所信について御質疑はございませんか。——それでは、私より一言御所信を承りたいと思います。  それは、端的に申せば原子力予算の問題でございます。日本より以下のペースあるいは日本よりおくれて取りかかった国々の原子力予算が、今日はるかに日本の予算をこえておることは長官も御存じのことと存じます。私をして端的に言わしむれば、本年にしても、現在の要求額の倍額程度が計上されるならば、おそらくことし一年で原子力行政は見直されるのではないかとも思われるのでございます。総額において少ないだけではなく、わが国の予算がここ数年来、原子力の場合頭打ちになっておる。しかも、設備に見合う定員が足りないという事情が、ますます原子力の技術上の発展を阻害しておるわけでございます。しかも、原子力の研究開発の発展は、他のあらゆる自然科学の分野における進歩をも促すものでもございまして、学問全体の立場からもきわめて重要に考えておるのでございますが、この点愛知国務大臣の御所信を承れれば幸いと存じます。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○愛知国務大臣 国家の予算につきましての御質疑でございますが、実は率直に申しまして、四十年度予算についても、前にも申し上げたと思いますけれども、たいへん私としても微力を痛嘆しておるようなわけでございまして、この機会に、今後における、特に原子力を中心にいたしました科学技術の研究振興費につきましては、あらためて最大の努力を傾注いたしたいと考えております。なお、細部にわたりましていろいろと御意見もさらに積極的にお伺いいたしまして、大いに努力を新たにいたしたいと、決意を申し上げる次第でございます。     —————————————

岡良一日本社会党

○岡委員長 次に、新たに原子力委員に御就任になられました武藤俊之助君より発言を求められておりますので、この際これを許します。武藤俊之助君。

武藤俊之助原子力委員会委員

○武藤説明員 いま御紹介にあずかりました、私、武藤でございます。  これまで大学で、どちらかと申しますと原子物理のアカデミックな研究ばかりやってまいりました。が、幸い現在の原子力委員の先任の方々、また先輩の方々の中には、エネルギー経済とかあるいはエネルギー産業、ないしはまた国際法、あるいは原子炉工学の造詣の深いエキスパートの方々がおられますので、私の足りませんところはそういった方々に啓発していただきまして、他方また、委員会には参与会、また専門部会がございますので、そういった会合で専門の方々の御意見を十分拝聴して、私自身の持ち味を生かして御奉公するつもりでございます。どうか今後とも御鞭撻、御支援をお願いしたいと思います。  以上でございます。

岡良一日本社会党

○岡委員長 青木均一委員がまだ所用のためお見えになっておりませんので、この際委員長代理に御就任をいただいた有澤廣巳君より御構想のほどをお伺いできれば仕合わせと存じます。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 このたび委員長代理に就任を委嘱されましたので、原子力委員としては長いことやっておりましたが、まだそういう委員長代理というふうな、委員会の運営にとりましてきわめて重要な地位の仕事をしたことはありませんのでございますけれども、おそらく委員長からもすでに御発言があったかと存じますが、この際原子力委員会の運営につきまして、新風と申しましょうか、少し新しい風を吹き込んだ運営のしかたにいたしたいと考えております。  従来におきましても、原子力委員会はむろん政策を審議、検討してまいったわけでございますが、何と申しましても、委員会自身には法定上の事務といいましょうか、法定上のなすべき仕事もあります。それから、原子力局が、これは科学技術庁の一つの行政機関でもありますが、同時にまた、原子力委員会の事務局というふうな仕事もしていただいておるわけでございますから、本来局の権限においてなすべきものと、それから委員会の仕事というものとの間に、画然たるけじめをつけることがむずかしい場面もしばしば出てきております。そういうふうな関係から、従来原子力委員会が、世間からは、どうも事務的に過ぎる、こういう御批判が私どもの耳にも入っております。その点を反省いたしまして、この十年の間原子力委員会がやってきました経過をもう一度振り返ってみまして、今後はもっと原子力平和利用の発展につきまして必要なる基本的な方針、政策、こういったものにつきまして、原子力委員会の活動を中心に運営をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。  むろん、この角度から申しますと、委員会といたしましては、目前に十分検討すべき政策上の大きな問題が横たわっております。  と申しますのは、一つは、私はおそらく長期計画につきましての見直しをこの際しなければならないのじゃないかと思うのであります。長期計画は、もう数年前に決定いたしたものでございまして、その基本的な方針が間違っているというふうには考えませんけれども、当時はまだアンノーンファクターであったために、その当時の表現といたしましては、かなり抽象的な表現にとどまっておる部分がかなりあります。が、しかし、自来、その後の研究開発の結果といたしまして、かなり今日においては将来を見通して確定的に考えることのできるようになった事実もたくさんあるのでございます。それだけに、この長期計画の従来は抽象的であった部分も、あらためてもっと具体的な政策化を行なうことができる段階になってきておるように思われるのでございます。そういう面を振り返ってみまして、基本長期計画の見直し作業と申しましょうか、もっと具体的な政策化をこの際はかるべきではなかろうかと考える次第でございます。  その一つの最も重要な問題点といたしましては、私はこれはまだ委員会に全部はかっておるわけじゃございませんから、委員会の意見として申し述べるわけにはまいりませんけれども、私個人の考えとして申しますと、核燃料の供給についての自立体制をこの際確立するような方針を打ち出すべきであるというふうに考えております。これもまあ基本方針の中に書いてないわけじゃありませんけれども、いよいよ原子力発電もここ数年の間には、わが国におきまして、ある程度の規模の建設が行なわれるようになってまいります。商業発電が行なわれるようになってまいります。したがって、また、それから出てくる使用済み燃料の問題も、すぐさまこれをどうするかという問題に当面してくるわけであります。  ところで、私個人の考えから申しますと、原子力発電ということのわが国にとってきわめて重要な問題は、安い電力エネルギーを供給し得るとともに、この原子力電発は日本にとりまして安定的なエネルギーの供給になる、こういう二つの有利点を持っておるわけであります。エネルギー問題あるいはエネルギー政策は、どの国の政策を考えてみましても、一つはエネルギーの低廉の原則、もう一つはエネルギー供給の安定性の確保の問題、この二つの要請をともに満たさなければならない。しかも、この二つの要請はお互いに矛盾するところが、少なくとも従来のエネルギー源につきましてはあったわけであります。たとえば石炭と石油の関係から考えてみましても、その点は明らかであります。ところが、この二つの要請をともに満たし得るエネルギーはこの原子力発電であるというふうに考えられておりますし、また事実そうだと私は信じております。  したがって、日本にとりましては、この原子力発電という新しいエネルギーの供給は将来にわたってきわめて重要な意義を持っておると考えるわけであります。その観点から、つまり総合エネルギーの観点から考えてみます場合には、原子力発電というものにつきましては核エネルギーの供給の確保についての自立的な体制をここに確立するように持っていくべきであろうと私は考えるわけであります。この問題は、一口に申しますならば、おそらく核エネルギーのサイクルを国内においてサイクルするような体制を考えるということであろうと思います。むろんその核エネルギーのサイクルの自立的な体制を考えます場合には、新しい炉を開発しなければなりません。あるいは再処理用工場をつくらなければならぬということはむろんのことでありますし、また新しい核燃料の成型加工方法というようなものを開発しなければならないというふうな、幾多困難な問題があるとは存じますが、しかし、それにいたしましても、この核燃料サイクルの自立体制をまず確立するという基本的な方針が確立しなければ、新しい炉を開発すると申しましても不可能であります。あるいは新しい燃料要素の成型加工を行なうということを申しましても、これも絵にかいたもちにすぎないことになります。  ですから、その意味において、こういう基本的な方針、基本的な政策の確立につきましてこれから委員会は討議を重ねて、なるべく早い機会にその案を打ち出したい、こういうふうに考えている次第でございます。  委員会自身といたしましては、いままでも個々の委員の方々が勉強していなかったわけじゃありませんで、たいへんよく御勉強なさっていただいたわけですけれども、今後は委員会として勉強したいというふうに考えているわけであります。そして委員会としてみずからこういう基本的な政策の案をつくり、そしてそれを委員会での討議の上決定したい、こういうふうに考えております。  ですから、原子力局につきましては、これをあくまでも事務局として、そしてわれわれの調査研究の補助機関としてこれを利用していく。われわれはそれらの補助機関の収集された材料であるとか、資料とかいったものを土台にいたしまして——むろん自分たちも資料の収集はやりますけれども、そういう資料を土台にいたしまして、それぞれの担当の委員がある分野についての一つの案を取りまとめていただいて、その委員がつくられた案につきまして委員会内で十分検討の上で最終的な決定をしていきたい。そういう運営をすることによりまして、いままでの委員会の運営に対していろいろ御批判や御忠言のあった点におこたえすることができようか、こういうふうに考えておる次第であります。  なお、委員会は、いままでどうも委員会内に閉じこもって、委員会内ではかなりの活動といいましょうか、討論審議をいたしておりましたけれども、しかしこれはほんとうに委員会内に限られておったわけでありますが、今後はもう少し委員会としては、ことばは少し悪いし、言い過ぎかもしれませんけれども、もっとオープンに大胆に所見を述べて、関係方面の御批判を受けた上で改めるべき点はむろん改めるというふうな行き方をいたしたならばよくはないか、こういうふうに考えております。  そういうわけでございますから、私どもの今後の運営につきましては、また多々御批判もあろうかと思いますけれども、そういう場合にはどうぞどんどんわれわれを御指導、御鞭撻をしていただきまして、要は日本における原子力の平和利用を一そう促進していくようにいたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

岡良一日本社会党

○岡委員長 ただいま新たに御就任になられました青木均一委員がお見えになりましたので、一言ごあいさつを承りたいと思います。青木均一君。

青木均一原子力委員会委員

○青木説明員 私、新たに原子力委員に任命されました青木でございます。よろしくお願いいたします。     —————————————

岡良一日本社会党

○岡委員長 質疑の通告がございますので、これを許します。福井男君。

福井勇自由民主党

○福井委員 本日は幸いにして、新たに非常な信頼と期待をかけられた新委員の方々のごあいさつと抱負を承りましたので、この機会にちょっと時間をいただいて、全般的な意見を申し上げ、また要すればお尋ねしたい点もあろうかと思います。  いまごあいさつのあった中に、私が日ごろ最も抱懐しておった点と全く一致する点がございます。それは、原子力委員会と他の方面、——他の方面は一々私は存じませんが、国会にいたしましても、もっとオープンに接融していただいて、この科学技術の委員会のごときは、国会のうちでも、活字としては別に印刷してありませんけれども、超党派的に最も模範的に運営されておるような委員会だと私たちは誇りを持っております。そういう確信を持っておりますので、それなればこそ、党は違いますけれども、私たちが尊敬しておる岡委員長を委員長と推戴いたしまして、みんなの意見をりっぱに戦わせ、飛躍するに非常な役立てになっておるということを、私は確信しております。そういう委員会のワク内のことも御参考に申し上げて、いまごあいさつの中にありましたとおり、この委員会の質疑応答などということは、かた苦しくお考えにならなくてもよいのでございますが、それはかた苦しいというような考えもありますから、他の場合におきましても、始終率直にオープンに、私たちもそのつもりで今後そのような方向に積極的に持っていきたいと思っておりますが、新委員におかれてそういうお気持ちがあれば、なおさらけっこうなことでございます。オープンな遠慮会釈のないディスカッションができるような間柄でなければ仕事はできません。原子力委員会のいままでの状態がどうのこうのということは、決して申しません。揺籃時代というものはやはりむずかしいものでございますから、これからこそ急ピッチで馬力をかけてもらわなければならぬ事態だと思いますから、私は特に私の意見として披瀝申し上げた次第でございます。  これは質問ではございませんが、たとえば原子力船の問題にいたしましても、なかなかぎちぎちしておりまして、専門的な技術的な問題だとか、あるいはまた法的な解釈だとかいうようなことは、国民は知りません。  平和利用の急先鋒であるところの原子力船というものが日本ではよその国より早くできるんだなという程度で、ここでの論議やあるいは学問的な問題については一々九千万の国民は知りません。とにかく日本でも平和利用の先端の原子力船が早くできるのだ、いま原子力の平和利用ということで、科学方面の教科の材料としてこれなどをまっ先に、何百万何千万あるか知りませんが、少年少女たち、学生に説いております。それがどうとかいうようなことが記事に出ると、一体何だいということが起こりますので、直接の衝に当たられておる方、ない方、関連しておるだけだというようなことをお考えにならなくて、積極的に原子力委員の方々は、日本の原子力の最高峰として、国民の期待に沿うよう御活動になるよう祈念するわけでございます。特に新たに御就任になられましたので、清新気鋭な空気も注入していただくことを私たちは希望しておりますし、国民もまた同じような期待を持っておると思っております。  その原子力船のテンポの若干のおくれというようなことに関連して、総括的なことを申しますると、科学技術の躍進時代には世界のテンポが非常に急ピッチでいっております。これも国民がやはり知っております。また、先ほど委員長が委員長席で、日本の科学技術予算というものがどうも飛躍的に増加しない、先細りになっておるという意味のことを言われておりますが、これなども私は非常に残念しごくなことでございまして、日本の予算編成の一つの欠陥がここにあらわれておるということを申し上げたいのであります。これなどは、行政機構の大きなワク内の、大蔵省の予算編成というようなことについてむずかしい問題がありますから、そう一口に福井が申し上げたところで、右から左に解決つくなどという、そんななまやさしいものであるとは私はゆめゆめ考えておりません。非常にむずかしい問題でありますが、その一端を申しますならば、原子力委員の方あるいは原子力局の各役人の諸君が、何にも知らない大蔵省の役人をつかまえて、ぎゅうぎゅういわされて、そうして核分裂のことから話していかなければならぬなんという機構そのものがおかしい。これは原子力委員の責任でも何でもございません。日本の置かれておる現在の宿命的な欠陥でありますけれども、そういうことも心の中に描きつつ改革していくという気持ちをやはりみんなが持たなければ、目的は達せられないと思います。最近の世界の科学技術の飛躍についていこうとするのに先細りだということを委員長がいま嘆かれたのでありますが、これは全く同感であります。そういうようなことも意見を申し上げて、新委員の方には多大な御苦労でございますけれども、新しいお知恵をもってこの難局を切り抜けて、日本の原子力政策について、あるいはその原子力事業についての飛躍を、特に指導的な立場からはかられたいと思います。  たとえば、いま原子力発電ということを申されておりますが、これなども、私は原子力商船ということを一つだけ先に申しましたけれども、それより先駆するのは原子力発電であろうと思っております。コールダーホール一つをとりましても、ずいぶん長くて長くて、ヒントンが来ましてから実に長い年月を経て、ようやくできたころにはよかったとか悪かったとかいうようなことになっておりますので、これから関電にいたしましても、青木さんの東電にいたしましても、中部電力にいたしましても、どうか、職務の上からはどうもとかなんとか言わずに、これらの大きい会社は積極的に早くどんどんやれというふうに声をかけていただくと同時に、それには政府のほうがそのつもりにならなければだめじゃないかという反論がすぐ出ますが、そんなことをおっしゃらずに、そのほうはそのほうで政府のしりをひっぱたいて——それは政府がなかなかやらぬからとおっしゃる。そういうことばは官僚からは出ます。原子力委員のほうからは出ないと思いますが、そういう論法を進めていけば、政府のほうで、国会のほうでやるべきことで、ワクが違うとかいうようなことを言いますが、今度の原子力発電の民間の新しい一つの構想を飛躍させますためには、ほんとうに新しい考えで、皆さんのような新たにお出になった期待の多い方々にひとつ革新的な手を打っていただかないと、速度は上がらぬと思います。たとえば、いまだに二十五万キロワットくらいのユニットでなければどうも予算の関係で踏み切れぬとかいうような一会社の一つの考え方があって、実際は五十万キロワット、七十万キロワットやりたいのだけれども、どうも政府の、あるいは輸銀の、あるいは世銀の、エトセトラの一つの制約があるから、残念ながら二十七万キロワットくらいでやめておこうというような消極的な策がとられるおそれが現在多分にございます。  まあそういうようなことも何もかも含めて、ひとつ今後飛躍的な指導と開発に御尽力相ならんことを祈念いたしまして、私は質問ではございませんので、お答えは一つも要りません、一言申し添えさせていただきました。

岡良一日本社会党

○岡委員長 次に、田中武夫君。

田中武夫日本社会党

○田中(武)委員 私も実は質問ということではなく、希望と申しますか、これを申し上げて、今後委員会の運営等に努力をしていただきたい、このように思うわけでございます。  と申しますのは、まず第一点は、いまさら私、論議を蒸し返そうとは考えておりませんが、昨年の八月に、原子力委員会が原子力潜水艦の安全性については確認をした、この問題を提起したことがあるのです。私は、原子力委員会設置法からいって原子力委員会にそういう権限はないのではないか、こういう問題を論議いたしましたときに、当委員会において、この委員会は科学技術特別委員会であるから、あまり政治的でなく、科学技術的なことを論議すべきじゃないかという意見も出ました。しかし、私は、国会における科学技術特別委員会であるから、この委員会は政治的な問題、政策的な問題を論じるのは当然だ。しかし、原子力委員会こそひとつあくまでも科学的に、理論的にと申しますか、政府からの圧力ということには屈しられないと思いますが、そういう政府の政策に追随するというようなことでなく、あくまで自立の気持ちを持ってやってもらいたい。このように思うわけでございます。  幸いにいたしまして、新しい二人の新委員が就任せられ、また、われわれが敬愛をいたしております有澤先生が委員長代理、こういうことになられましたこの機会に、これからこそほんとうに原子力委員会として、政府の政策に追随する、あるいは、失礼ですが、政府の御用的な結論を出すというようなことでないように、ひとつやっていただきたいということが第一点であります。  それから第二点は、先ほど有澤先生もおっしゃっておりましたが、戦後いわゆる新しい組織として行政委員会というのができました。たとえば選挙管理委員会、教育委員会、あるいは公安委員会等々でございます。原子力委員会は、実は厳格な意味における行政委員会ではございませんが私はそれ以上にひとつ自立していただきたいことを希望しておるのです。この行政委員会につきまして——教育委員会あるいは公安委員会もそういうことがいえると思いますが、行政委員会についてのいろんな批判がある。そこで、行政委員会制度を云々するというような意見もありますが、私はそうではなくて、行政委員会がほんとうの行政委員会としての役割りを果たしてないところに問題がある。  と申しますのは、言い過ぎかもしれませんが、それらの行政委員会が事務局に左右されており、言うならば事務局の立案したこと、あるいはそういうことにただ賛成をする、こういうようなことで終わっているというような失礼ですが、委員会が実は間々あります。  そこで、いま有澤先生もおっしゃいましたが、原子力局はあくまでもこの委員会の事務局として原子力委員会が命ずる資料、あるいはそういうものに関するデーター等の提出をするというような役目をさしていただいて、そういうことはいままでもなかったかと思いますが、この事務局である原子力局といいますか、役所のほうが原子力委員会に対してあまり左右するようなことは今後ないと思いますが、そういうことは絶対廃していただきたいということ。  さらに、最後に、三点は、もう御承知のとおりわが国が原子力を平和に利用するということでできました原子力基本法には、いわゆる三原則がございます。あくまでも原子力委員会はこの三原則の上に立ってやっていただきたい。新しく就任せられました先生方、及び新しく委員長代理となられました有津先生に、はなはだ恐縮な言い方でございますが、今後われわれ期待いたしております。ことに野党の立場から期待を申し上げておりますので、よろしく運営等についてやっていただくことを希望いたします。

岡良一日本社会党

○岡委員長 ほかに御質問はございませんか。——中曽根君。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 たいへんおめでとうございます。  新聞によると、原子力船の入札の問題でいろいろ困難な点があるようですが、当委員会であるいは質問があったかもしれませんが、念のために御質問いたしたいと思います。  どういう事情で入札者、応札者がいないのかよくわかりませんが、私らの想像するところでは、あのような新しい開発をやるという場合には非常に不安定な要素が多いので、通常の会計手続によっては計算の基礎もできないし、思わざる負担もかかってくるというおそれから応札者が出ないのだろうと思う。  そこで、おそらく外国においては、特にアメリカ等においては、いろいろな過程をよく分析して、それに対する原価計算をして、そしてそれに対する一定の手数料のようなものを考えて、その後も変動乗数のようなものを設けて、関係者が不安のないような形であのような新しい試作品あるいは開発物というものを取り扱うようにしておるのだろうと思う。日本の会計規則や財政法がそういう体制になっていないために、ああいうような困難な問題が起きておるのではないかと私は思う。これは単に原子力船の問題のみならず、新しい開発をするという場合にすべて出てくる問題であろうと思う。  そういう観点から、原子力委員会あるいは科学技術庁としては、何らかの新しい措置をやる必要があるのではないか。おそらく会計法によっても、随意契約というものは必ずしも不可能ではないと思う。しかし、公正な考え方からすると、何かそういう新しい開発物に関しては特例を設けるとか、法の改正を必要とするのではないかと思う。  今般の場合にかんがみて、今度の問題をどういうふうに処理するか、あるいは恒久対策としていかなる対策を講ずべきか、この点について御質問してみたいと思います。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 いま中曽根委員から、私にとりましてはたいへんむずかしい御質問が出たのでありますが、原子力船の応札者が出ないという事情につきましては、昨年石川理事長から、私ども委員会のほうで事情の聴取をいたしました。  理事長のお話では、応札者が出ないという事情については、いま中曽根委員がおっしゃったように、どうも造船業者の問にはこの原子力船の建設につきましていろいろな不安な要素が多くてそして他方においては造船の受注を非常に大きく引き受けておる。そこで、あまりもうからないところから、どうもどれくらい損をするかわからないような仕事を引き受けることについては消極的になったのだ、こういう御説明でございました。  しかし、これから後の事については理事長はなお比較的明るい見通しを持っていらっしゃいました。何でもきょうですか、あしたですか、造船工業会において理事会を開きまして、一社を選定してその一社に造船を引き受けてもらうように工業会でお願いしようということが行なわれるから・理事長としてはそれまでは静観をしておるのだ、こういうお話でございました。  そこの点についてのわれわれの判断は、あまり事情がはっきりしませんから、判断はちょっとしにくいのでございますが、しかし、理事長が責任を持ってこの問題に当たっておるのでありますから、事情の聴取はときどき行ないまして、そして私どもの気のついたような点は御助言をいたす、こういうふうなやり方でいままできております。もし理事長のほうで、こういうことについて委員会のほうでもっと何か助力をしてもらいたいとか協力してもらいたいというふうな御意向のある点につきましては、私ども喜んでこれをバックアップする、こういうやり方できておりますので、いま応札者が出なかったからといって、またすぐどうするかというふうに委員会としても動いておりませんし、理事長自身もそういう静観の状態にいるのです。  それから、原子力船の建造の問題と関連をいたしまして、科学技術の開発というふうな場合には、もっと予算の面で、たとえば継続費というふうなものを考え得られるのか、あるいはもっと弾力性のある予算額の見積もりというふうなことができないかというふうなことの御質問でございますが、そういう必要性につきましては、私ども幾つかのケースにおいて痛感をしておるところでございます。しかし、まだいまは国庫債務負担の形で一応間に合わせているような形でございますけれども、ほんとうに基本方針というか、根本的な方針を立てて、その線に沿って開発を進めていくということになりますと、やはりその問題が最終的には起こってくる問題であろうと思いますが、それにつきましては、私どもだけの見解というわけにもまいりませんから、なお十分部内でも検討いたしますし、そしてある成案を得ましたならば、これを皆さん方にもお話を申し上げたいと思います。また、関係当局にも説得に参りたい、こういうふうに考えておる次第でございます。この間、愛知長官と懇談をいたしましたときにも、まさに中曽根委員が御質問になった問題が指摘されたわけでございまして、ですから、その点につきましては、これから研究をしようというふうにわれわれの間では話し合っておるところでございます。  以上でございます。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 この問題は、原子力船のみならず、たとえば将来ブリーダーをやるというような場合に、必ずまた出てくる問題であろうと思います。いまから世論を起こさせ、事務当局としても検討をしておく必要があると思う。このことを念のために申し添えておきます。  それからもう一つ、原子力船の応札をちゅうちょしている理由は、原子炉の取り扱い、原子炉規制の問題があるだろうと思うのです。動力炉を設置するという場合に、たとえば三重県のような反対運動が起こる。それを造船所でやるという場合になると、造船所がまたデモのちまたとなったり、造船所の作業に差しつかえるということを心配しておるのだろうと思う。  そこで、前から原子力地帯整備法ということをわれわれは言うておって、地帯整備に伴ういろいろな恩典や手配をしてやらなければならぬが、原子力船のような場合には、特に造船所でやるというようなことになると、場合によっては密集地帯でやるということにもなりかねない。そういうことに対する法制上の、あるいは行政上のいろんな措置をやってやらなければ、なかなか造船所といえども、おいそれといってやれるものじゃないと思うのです。こういう点について、いかなる配慮をしているか、原子力委員会の御見解を承りたいと思います。

有澤廣巳原子力委員会委員

○有澤説明員 地帯整備の問題につきましては、これはいま専門部会の報告が出ましたから、それをもとにいたしまして、原子力委員会でさっそく結論を出したい、こういうふうに考えております。  原子力船の原子炉の安全性に関する規制に関する問題でございますが、これはまだ確かに御指摘のような問題点があるわけでございます。この造船所が一体どこの造船所になるか。炉のほうは、何でも三菱のほうの会社で炉の建造は引き受けられたんですが、どこの造船所で船をつくって、たぶんその船を建造する場所で炉を入れるということになろうかと思いますが、その炉の運転につきましては、どういうふうに、試運転といいましょうか、あるいは炉の試運転までいかない、臨界に持っていくような場合には、一体その造船所の船台そのものでやるのか、あるいは進水後にどこか持っていって、少し遠いところに持っていってやるのか。そういうふうな事情は、まだわれわれにははっきりしておりません。いずれこれは原子力船事業団の理事長とよく、造船所がきまりましたらわれわれもよく話を聞いた上で、そういう心配のないように配慮をいたしたいと考えておりますが、まだ何といいましても具体的になっておりませんので、いま私どものほうでも検討するという段階には至っておりません。地帯整備のほうはこれからやりますけれども、原子力船に積み込む場合の炉の規制についてどういうふうにするかという問題については、まだ十分検討しておりません。これは一般論的にやり得るものか、それともいま申し上げましたような特殊的にやらなければいかぬものか、その点もまだ検討ができておりませんので、むろんいよいよ造船所がきまるということになりますと初めて具体的な問題に取りかかり得るかというふうに考えておる次第でございます。

中曽根康弘自由民主党

○中曽根委員 もういいです。

岡良一日本社会党

○岡委員長 それでは、最後に一言申し上げたいと思います。  実は当委員会といたしまして、慣例によって国会開会中、各種の研究機関を調査し、見学いたしておりますが、今回の場合には、どこへ参りましても、科学技術政策の首尾一貫した不動の政策をという声がほとんど異口同音に伝えられまして、特におくれて発達した原子力政策においてはその声が強かったようでございます。おそらくこれは科学技術政策に対する評価の一般的な低さということからもこれが動機となるかもしれませんが、一面からいえば、直接にはあまりにもひんぱんに最高の責任者が交代し過ぎるのではないか、こういうことが十分察せられました。  幸い有澤廣巳委員が委員長代理に御就任になり、先ほど愛知国務大臣からも勇断ある今後の原子力委員会についての運営の所信を承りました。私は、国務大臣であって繁忙であるから便宜的に委員長代理を設けるというのではなく、委員長代理としての有澤委員がこうしてきょうも与野党から支持されて御就任を歓迎されておるのでありますから、今後の原子力委員会の中核として御精進をいただきたいと思います。いまその委員長代理から委員会運営について二つの基本的な方針を承りました。  一つは、委員会は委員会の責任において提案し、これを討論し、そうして決定をする。したがって、その決定の実現に対しては委員会は最終まで責任を持とうという意欲を示されました。これはもともとこの委員会としてもすでに論議された点でございますが、どうかその方針に従って、ぜひとも今後原子力委員会が原子力政策の最高の決定機関であるという権威を発揮していただきたいと思います。具体的には原子力設置法に認められている権限を十二分に私は発揮をしていただきたいと思うのであります。たとえば大学との研究に関する協力の問題については文部大臣に、また予算の要求については基本的なフィロソフィーを示して直接大蔵大臣に、あるいは原子力発電については将来の展望に立って通産大臣に勧告をする。こういう権限がございますので、縦横にこれらの権限を発揮せられて、あくまでも原子力政策の最高の決定機関としての権威を保持せられんことが一つのお願いでございます。  第二には、これまた委員長代理が申されましたが、できるだけこれから原子力委員会の活動は公開的に、開放された形で運営をしたいということでございました。これももとより私どもの支持するところでございます。どうかこれからは国会をあまりうるさいものと思われないで、進んで接触をせられ、ときには、原子力委員会の決定された政策を通じて、国会とけんかをされても私はいいくらいに思っております。  また、原子力に関する学会の総合シンポジウムのようなもの、こういうものにも、アメリカのシーボルグ委員長のごときは、わざわざ遠くに飛行機で出かけてこれに参加し、所見を述べておるようでございますが、勇敢に担当の委員の方も御活躍を願いたいと思います。  それから、水戸の射爆場の問題につきましては、先般委員会から派遣をされた私どもに、周辺の地方団体はそれぞれ決議をもって強硬にその返還の要求を訴えられました。委員会といたしましても、いま御論議のあった地帯整備等の立場から、おそらく代表を現地に派遣をして実情を調査し、適切な配慮をするくらいの意欲があってもいいのではないかとも思われます。  何はともあれ、新しく発足された新委員会におかれましては、委員長代理の有澤廣巳先生を中核として、国民の信をつなぎ得る委員会の権威をあくまでも高めていただき、また、このことが国民の間に、原子力委員会に対する、原子力政策そのものに対する理解と支持を獲得するゆえんと存じますので、今後とも皆さまの御精進を心から祈念をいたす次第でございます。  本日は、この程度にとどめ、次会は三月十七日水曜日午後一時より理事会、同一時三十分より委員会を開くこととし、これにて散会をいたします。    午後二時三十二分散会

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