運輸委員会中小私鉄振興対策に関する小委員会 第4号
- 発言数
- 54 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1965/04/01
会議録
○關谷小委員長 これより、運輸委員会中小私鉄振興対策に関する小委員会を開会いたします。 中小私鉄振興対策に関する件について調査を進めます。 先般、本小委員会において、中小私鉄の現況及びその対策等について、参考人各位から意見を聴取したのでありますが、本日は、政府当局より説明を聴取することといたします。佐藤鉄監局長。
○佐藤(光)政府委員 先般、本小委員会におきまして、たいへん御熱心に各参考人からの陳述がありまして、われわれもそれを拝聴しておったわけでございます。本日は、政府側の考え方を御説明をする機会を与えていただきましたので、以下申し述べたいと思います。 まず、中小私鉄の現況につきましては、各参考人から非常に詳細にお話がございましたので、現況に関する一応のわれわれの計数的な資料をお手元にお届けしておりますので、それを後ほど御参照願いたいと思います。 次に、従来政府側におきまして、中小私鉄振興に関連をいたしまして、中小私鉄対策として措置した事項につきまして、その概要を御説明を申し上げたいと思います。 まず、本小委員会におきましていろいろ御議論が出ました運賃の是正の問題でございます。これにつきましては、昭和三十九年度は公共料金を全面的に抑制するという政府の方針がございましたが、その抑制方針のもとで、例外的なものについては個々に措置をするというわずかの例外規定がございましたので、その例外規定を活用いたしまして、中小私鉄十二社についての運賃の改定を行なっております。なお、本日でございますが、本日からも、引き続き二十七社についての是正を行なったわけでございます。こういうように、一応政府の行政措置といたしまして、運賃改定について経済閣僚懇談会の議に付して例外的のものは検討するということになっておりますので、この手続を用いまして、三十九年度、四十年度当初に関係の運賃改定を行なったということでございます。 第二番目には、地方鉄道軌道整備法によるいわゆる赤字補助でございますが、これは、いままでお話にも出ましたように、従来は毎年千七百万円程度ということが相当長期間続いておりまして、ごくわずかな範囲にしか適用できない、特にこの運用方針につきまして現実に合わないという問題があるということで、昨日成立をいたしました四十年度予算におきましては、従来の規模に比較しますとやや金額が多い、六千七百万円という予算の計上が認められまして、これの運用方針の改定によって、これの新しく措置されました予算の運用をするということに相なるわけでございます。これが事務的に話がつきまして、運用を開始するということになりますれば、従来四社程の会社が受益するというごくわずかなものでございましたが、これが八社に増加するということに相るわけでございます。 それから、そのほかの補助金といたしまして、踏切道改良につきましては、昭和三十七年度より、多いときは五千三百万円、少ないときは二千二百万円、大体この程度の金額を補助金として支出をいたしておるわけでございます。それから雪害の関係でございますが、三十八年度は実は予算が成立しておりませんでしたわけでございますが、予備金から千八百九十一万円の除雪費の補助金を支出いたしております。それから四十年度におきましては、防雪設備に対する補助金ということで、千百四十万円の補助を予定をいたしております。 次に租税の関係でございますが、租税につきましては、昭和三十七年度以降、踏切道及び踏切保安装置について、固定資産税を全面的に免除をしておるわけでございます。それから鉄軌道用地につきましては、鉄軌道用地の特殊性にかんがみまして、評価を沿接する土地の五割減ということにしておるわけでございます。それから昭和三十九年度以降の新造の車両について、取得後三カ年間は固定資産税を二分の一額にするという措置をとっておるわけでございます。なお、地方鉄道軌道整備法による認定会社につきましては地方税の軽減をすることになっておりますので、従来認定会社九社ございましたが、今回、先ほど申し上げました措置によって新たに四社が加えられた、こういう関係に相なるわけでございます。 五番目に融資の関係でございますが、従来の実績をあげてみますと、開発銀行地域開発資金、北海道東北開発公庫、中小企業金融公庫から、三十八年度、十三社、五億一千四百万円、三十九年度、九社、四億五千九百万円の融資をいたしております。 最後に、地方鉄道軌道整備法の廃止補償の問題でございますが、この廃止補償につきしては、最近における土地の急激な値上がりのために、残存価額の評価の方法を従来のとおりにいたしておきますと、現実に廃止補償が受けられないおそれがあるというようなことでございますので、この点の省令を改正いたしまして、そういうことのないようにいたしておるわけでございます。 以上申し述べましたのが従来政府としてとった措置の概要でございまして、この結果、税制関係等につきましては、お手元に資料をお届けしてありますような——これは必ずしも中小私鉄だけに適用するものではございませんが、私鉄全般につきましての政令措置が現在こういうようなものがとられておる、こういうことに相なるわけでございます。ただ、いずれにいたしましても、このような措置では、従来各参考人からお話がございましたように、必ずしも十全の措置ではないわけでございまして、われわれとしても、何とかこれを抜本的な対策を講ずる必要があるということを考えておったわけでございます。幸いにして当委員会でも非常に御熱心な御審議をわずらわしておることでございますので、この際、従来のいきさつその他にとらわれませんで、われわれ事務当局としてまず考えられる中小私鉄の振興対策の項目としてどういうものがあるか、それについて率直に申し上げまして、われわれがどういうふうになることを希望しておるかというようなことを以下申し述べさしていただきたいと思います。もちろんこの内容につきましては、まだ政府部内で折衝を要する面も多うございますし、それらの面についていろいろ困難な問題をかかえておると同時に、これが実現につきましては、多くの有識者の方々のいろいろな御意向も承りながら、これの具体的な内容をさらに掘り下げていく必要があるわけでございます。以下、お手元の資料の順に項目ごとに申し述べさしていただきたいと思います。 まず第一に、運賃の改定の問題でございます。旅客運賃の改定につきましては、運賃の現在の状況その他につきましては各参考人から相当詳細にお話があったわけでございまして、われわれとしても、中小私鉄に関する旅客運賃の改定ということは、政府の物価対策その他の問題もございますけれども、内容につきまして、その企業の存立あるいはその他の観点から必要であるということについて認められるものにつきましては早急に処理していくようにしたい。先ほど申し述べましたように、従来とも公共料金の抑制下においてもごく一部はやっておるわけでございますが、こういうようなものにつきましてなお早急に処置をするという考え方でまいりたいと考えておる次第でございます。 それから私鉄の運賃自体が——他の運賃にも同様な事情がございますが、一般物価水準に比して非常に低い、そういうことが私鉄経営だけでなくて全体の運賃のあり方にいろんな問題を投げかけておるということは皆さんも御指摘のとおりであろうと思うわけでございます。ただ、こういうものを一挙に直すということはまた非常に問題があるかと思いますので、これらの点につきましては、先ほど申したように、一般の方々のいろいろな御感触を承りながらしなければいかぬと思いますけれども、ある程度の期間をかけて逐次是正をしていくという態度でまいる必要があるというふうに考えているわけでございます。 それから定期運賃の問題でございますが、これも従来から御指摘がありますように、中小の私鉄につきましても相当高額な割引をいたしておるわけでございまして、通勤につきましては四割ないし五割、通学につきましては六割ないし七割、もちろん例外はございますけれども、大体標準的な姿としてこういうような割引の状況になっておるわけでございます。これはいろいろ御指摘がありますように、割引率としては相当高率であると考えられますので、運賃改定のつど、できる限りこういうものは是正をはかっていくことにしたいというふうに考えておる次第でございます。 次に、バス運賃の関係でございますが、せっかく中小私鉄の運賃改定ということが考えられても、バス運賃の関係上実施ができない場合がある。こういうことはできるだけ行政上の措置としても調整をとる必要がある。あるいは原価の検討にあたって、鉄道と自動車を総合して原価の検討をはかる必要があるという御意見が出ておるわけでございますが、少なくとも運賃改定の実施の時期、その地域というようなものについては、われわれのほうでも十分に今後調整をとっていくようにしなければいかぬというふうに考えられますので、運賃を早急に処理すると同時に、こういうことも考えていくようにしたい、そういうふうに考えておる次第でございます。 次に、地方鉄道軌道整備法に基づく補助及び補償の問題でございますが、御承知のように、地方鉄道軌道整備法は、中小私鉄の振興対策の法的措置としては相当広範な事項を盛り込んだ総合的な振興対策としての完成された法律と申すべきものであるかと思うわけでございますが、これの運用につきましては、財政上の事情その他もございまして、必ずしも中小私鉄が考えておられるような運用状態になっておらぬということは御指摘のとおりであろうかと思います。 そこで、これにつきまして、われわれの考えている二、三の主要な問題をあげますと、これも将来十分に御審議、御検討を願う必要があるかと思うわけでございますが、その第一点は、改良補助でございますが、現在は、現有の営業用固定資産の価額の五割以上の改良工事を行なう場合にのみ補助が支給されるたてまえになっておるわけでございます。こういうものは、やはり改良工事を促進するという観点からいたしましても必ずしも適当な比率とは言えないのではないか、したがって、これらのものを大幅に改定、緩和することを考える必要があるというふうに思うわけでございます。 第二番目に、欠損補助のしかたでございますが、従来認定を行なうためには、単に一カ年赤字が出たということではなくて、相当期間連続して赤字であるということが必要であることになっておるわけでございますが、これを本来の姿といいますか、要するに赤字補助をする精神は、当該鉄道が運行されないことが民生の安定その他に非常に影響があるということでございますので、当該路線それぞれについての状態を精査して、それについて必要がある場合には直ちに認定をする、あるいは補助金の交付が受けられるようにするということが、当該地域における輸送の確保という観点から考えられるべき要点ではないかというふうに思われますので、従来事業全体について、しかも相当の期間、連続赤字というような要件でありますものを、いま申し上げましたような観点から改める必要があるというふうにわれわれとしては考えておるわけでございます。 それから第三番目に、災害の場合の補助の補助率でありますが、従来の立法例その他からいたしましても、二割ということになっておるわけでございますが。災害がありました際には補助を受けたいと思うけれども、割引率あるいは補助を受けたあとのいろいろな規制の関係上、受けようかどうかというような判断に迷う場合があるというお話もあるわけでございまして、こういうようなものの補助率を引き上げることを考える必要があるというふうに考えます。 それから認定会社が運輸大臣の指示に基づいて設備の改良を行なう場合の利子補給の問題でございますが、こういうものも大いに活用して利子補給を行なうような措置をとっていきたいということでございます。 それから廃止補償の場合に、収益還元率が一割二分というようなことになっておるわけでございますが、これがどうも実情に沿わないという御意見もございますので、その点も検討を加えたい。 それから国鉄バスの開業に伴って私鉄が非常に営業上影響を受けるというような問題があるわけでございます。これらにつきましては、制度的には国鉄バスの開業に伴うバスの補償あるいは国鉄の開業に伴う私鉄の補償というようなものは制度的にもございますけれども、他の業種の関係が実は制度的にないわけでございまして、こういうものも将来どうするかということをいろい専門家あるいは一般の有識者の方々の御意見も聞いて検討をしていく必要があるのじゃないかというふうに考えておる次第でございます。 次に税制でございますが、御承知のように中小私鉄につきましては先ほど申し上げましたように税制についてもいろいろ従来こまかい事務的な折衝をいたしまして、若干の軽減はされておるわけでございますが、中小私鉄が払います税金のうちの約三分の二程度が実は固定資産税であるわけでございます。固定資産税につきましては、御意見もございますので、全面的免除というような方向でわれわれとしても、これはもちろん先ほど来申し上げておりますように全体の税制の関係その他があるわけでございますが、われわれとしては中小私鉄振興の立場からこういうような問題をひとつしぼって、税の関係について努力していく必要があるのじゃないかというふうに考えておる次第でございます。 それから融資の関係でございますが、これはいろいろ御意見も出ておりますが、政府関係金融機関による融資というようなものをきめこまかになお積極的に推進をしていくようにしたいというように考えておるわけでございます。 次に、踏切道改良促進法による補助の関係でございますが、踏切道改良促進法による補助金につきましては、先ほどもちょっと触れましたように、一応金額といたしまして二千二百万円から五千万円という予算は組まれておるわけでございますが、実際の補助の対象が赤字またはこれに準ずる会社というようなことでございまして、補助の範囲が必ずしも中小私鉄全般にわたっておらないというようなことがあるわけでございます。中小私鉄の側から見ますと、踏切道の整備というものが主として道路側の事情によるものであると考えられるというような事情からいたしまして、これはひとつ指定された踏切保安設備に対しては、整備費の全額を国と地方公共団体負担というようなことで、なおそういうふうに改正をするように折衝をしたいということでございます。 それから鉄道とバスの調整の問題でございますが、いろいろこれにつきましても御意見が出ておったわけでございますが、行政的には、従来われわれのほうでも関係者間において調整を行なってきておるつもりでございますけれども、今後とも、御注意もございますので、中小私鉄の保護育成というような観点も考えながら、当該地方の輸送需要、輸送力というような点もにらみ合わせて、実情に合うような処理をしていきたい。ただ、これにつきましては、いま直ちにこういう原則でというようなことを申し上げるわけにもまいりませんので、ひとつ個々のケースにつきまして十分に行政的にも善処をしていくようにしたいというふうに考えておるわけでございます。 それから国鉄との連絡を強化する必要がある。たとえば相互乗り入れというようなことは、相互に収入を増加させる非常に有力な手段であるので、こういうことを考えていく必要があるという御意見がありまして、まことにごもっともな御意見であると思われるわけでございます。ただ、具体的にはいろいろ現地の施設の状態その他について問題があるようでございますので、われわれのほうにおきましても、具体的な事例について検討をして、必要な措置を講ずるようにしたいというふうに考えておる次第でございます。 以上、申し述べました点が、冒頭にも申し上げましたように、われわれとしての大きな項目として、将来中小私鉄振興について考えていくべき点ではないかと思うわけでございます。 ただ、これにつきましては、関係方面も非常に多うございますし、あるいは財政上の制約その他もあるわけでございまして、なお、国会の諸先生方の本委員会における御審議等も承り、また、われわれとしても、必要があれば政府側に関係の方々の御意向を十分承るようなものを考えて、将来この中小私鉄振興対策の事務的な中心になって、この問題をわれわれとしては推進をしていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○關谷小委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。
○久保小委員 二、三お尋ねしておきたいのですが、ただいま御説明がありましたいわゆる地方鉄道軌道整備法に関係してであります。特に、その中で最近国鉄の新線建設がかなり促進されつつありますが、その中で、御指摘があるように、いわゆるそのために私鉄が路線廃止をせねばならぬというような問題についてでありますが、廃止補償の規定の整備ということで、いま局長からお話がありましたが、三十九年十月省令を改正の上、云々と、こういうことでありますが、これはどういうふうな省令を出されたのですか。
○佐藤(光)政府委員 地方鉄道軌道整備法施行規則の三十八条に、補償金計算上の営業固定資産の評価の問題が書いておるわけでございますが、土地の評価につきまして、従来は、もうごく平たく申し上げますと、その廃止をするときの土地の価額ということになっておるわけでございまして、そういたしますと、たとえばその用地を取得して工事をした場合には、非常に古いものでごくわずかな価額で購入しておる。ところが実際廃止をする場合には、近傍隣地の価額は相当値上がりをしておる。そうしますと、廃止補償金額を計算する場合に、実はいろいろ計算をして残存価額を差し引くわけでございます。その場合に、残存価額の評価が近傍隣地の土地の評価をいたしますので、相当の金額になる。そうすると、差し引いてかえって赤字になってしまうというようなことで、補償金額が出ないという問題があるわけでございす。ところが実際は、廃止をする場合の鉄道用地というものは、御承知のように砂利が入って、非常にかたい細長い土地である。それを利用する用役から考えましても、必ずしもその近傍隣地、近くの土地と同じ価額で評価をすることは適当でないという問題があるわけでございまして、したがいまして、改めました省令の内容といたしましては、土地は日本国有鉄道が法二十四条第一項の運輸を開始した日における近傍隣地、二十四条第一項の運輸開始というのは、いまお話しの、国鉄が地方鉄道に接近並行して営業を開始した場合でございますが、その日における近傍隣地の取引価額等を考慮した相当な価額ということで、十分実情に合う評価をいたしまして、そういうような、機械的にその日におけるその土地の時価というようなものでないように改めて、実情に合うようにしたということでございます。
○久保小委員 どうも法律の条文というようなものとか、それからいまの局長の御説明だけでは、多少よくなったのかなという感じなんであります。実情に合うようになったのかということなんです。どうもぴったりこれだけではわかりかねるのであります。たとえば最近この条項でやったものはございますか。
○佐藤(光)政府委員 現実にはまだこの条項を適用して、廃止補償をいたしたものはございません。
○久保小委員 それじゃ改正前の一番新しく補償したものはありますか。
○佐藤(光)政府委員 実は現実にはこの整備法の規定によって廃止補償をした実例はいままでにないわけでございます。
○久保小委員 そうしますと、たとえば宮崎の日南線といいますか、それと宮崎鉄道青島線ですか、ああいうものは合議の上で補償したということでありますね。いままでのケースとしては、整備法によってやるものはあまり戦後にはたくさんない、こういうふうに了解してよろしいですか。
○佐藤(光)政府委員 お話しのとおりでございます。
○久保小委員 片方は国有鉄道でございますし、運輸委員会の話題にもなったと思うのでありますが、たとえば東海道新幹線と近江鉄道のような問題も、これは話し合いできめというので問題が出たと思うのです。それからもう一つは、話し合いで解決する場合には長期間かかると思うのです。たとえばいま日程にのぼろうとしている江若鉄道と国鉄の湖西線の問題とは、江若鉄道の上に多少なりとも現実に国鉄の予定線は乗っかっていく、あるいは乗らぬでも全然江若鉄道としては廃止せざるを得ない、こういうのがわかっているわけですね。ところがこの補償の話がいまのような形で話し合いでということになりますと、鉄道の建設は多少時間的に延びます。そういうことになりますと、実際に江若鉄道なら江若鉄道の運営は寸断される形が途中で出てくる。これでは会社のいわゆる身支度というか、処理というか、再建方策というか、そういうものも実はできかねるのではなかろうかと私は思うのであります。これは単にいま指摘した鉄道ばかりではなく、そのほかにもございます。でありますから、いうならば、ある程度大筋は法律でいつの時点でどうすべきであるというような目安さえあれば、その目安によって廃止さるべき地方鉄道は再建策なり、あるいはこれの処理方針というか、そういうものは当然当初において計画としてできる、円滑に肩がわりというか、処理ができると思うのであります。ところが、いままでのような話し合いで云々ということでは、そういう意向に対して、必ずしも円滑にいかないと思うので、できるならばわれわれとしてはそういう点も、法の中に、原則論ではありますが、きめてやっていくべきだと思うし、それから省令の改正によって多少有利になったというが、まだ適用されたものはないそうでありますけれども、どの程度になるのか、一応仮定を前提に計算してもらわぬといけませんが算術計算ではどういうことになるのですか。いままでのがたとえば一〇〇なら二二〇くらいになるとか、一五〇になるとか、そういう計算は出ないのですか。これだけではわかりかねます。その問題はあとで資料として出していただいてけっこうですから……。 私がいま申し上げるのは、この地方鉄道軌道整備法は抜本的に、この問題一つとっても改正する時期である、こういうように思うのです。近江鉄道のようにおかしなことで話し合いができたというのだが、これはこの法律に基づいてのものでないということであります。だから、国民から疑惑の念を持たれるのは当然であります。しかもこれは力が強いから、言うならば私鉄側に軍配が上がってうまくいったということに結果としてはなっておると思う。これが弱小鉄道ならば、政治的な発言力もないようなものならば、言うならば最低限この整備法で始末される。その時期も一番終わりである。これでは経営者としても非常に困るのではないか、こういうように思うのです。そういう点はどうですか。
○佐藤(光)政府委員 御指摘のように、建設公団による新線建設の場合の関連する私鉄の問題が現実にあるわけでございます。これにつきましては、われわれとしては、そういうようなあとで非常に問題を残さないように、個々のケースについて、十分慎重に処理をしていく考えでございますが、何か整備法の内容として原則的にそういうことを盛ることを考えるべきじゃないかという御注意がございまして、将来十分にこの辺の点は検討していく必要があるかと思います。現在、地方鉄道に接近あるいは並行して工事がなされる場合というようなことにつきましては、御承知のように強制買収の規定はあるわけでございまして、その場合にはいろいろ評価の方法等もきまっておるわけでございますが、これで十分であるかどうか。近江鉄道の場合には、御承知のように、この接近、並行という事態に必ずしも該当しないということで、問題がいろいろあったわけでありますが、かりにこの一つを例として江若のことを考えました場合に、これをどういうふうにするかということを考えた場合に、整備法の方法としてとっていくのが現実に合うのか、あるいはお話が出ましたような宮崎交通の事例のように処理をするのが現実に合うのかというような問題も実はあるわけでございます。それから現実の従業員の処理というような問題もあるわけでございまして、これらの点につきましては、今日直ちにここでどういう答えということを申し上げる段階にまだ至っておらぬわけでありますが、御指摘がございますので、十分検討を進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○久保小委員 これはケース・バイ・ケースによって非常に規模もあるいはその態様も違うと思うのでありますが、私は、原則論としてもう少し明確に法の中へ中小私鉄というか、そういうものを保護するたてまえと輸送調整の問題とをからめて原則的にもう一ぺんこの法律は見直して改正すべきじゃないか、こういうふうに考えておるわけです。なかなかむずかしいということだけで、しかも国有鉄道と当該地方鉄道が話し合いによって賠償をするとかどうとかいう問題は、これは最終的にはあると思うのでありますが、やはり原則的にはきめておかぬと混乱を招くんではなかろうか。お話がありましたように、従業員の問題等もございますし——まあそういう問題は、別段買収する場合には話の対象になるのかならぬのか、これは全然法律では明確に義務づけも何もしておりません。そういうところにやはり混乱もあると思うし、それから並行とはどの程度の並行なのか、これは実際に応じての話でありますが、かたがた気息えんえんたる地方鉄道もありますし、そこへもっていってたとえば国鉄が近代設備の鉄道を新しくつくる、そうなった場合には、かなり距離が離れていても、これは全く息の根が絶えるというようなケースもあるし、これはなかなか問題が多いと思うのであります。いずれにしても、この整備法はもう一ぺん見直す必要があると思う。単なる省令の改正だけでは事足りぬじゃないか、こういうふうに思うわけです。 それからもう一つは、先ほど申し上げたように、輸送調整上から見た鉄道とバスの問題でありますが、整備法では鉄道だけに言及しております。バスについては何らもありませんで、これは道路運送法等によって実は処理されているわけなんでありますが、運輸省自体として考えた場合に、ここでもあなたから御説明があったように、国鉄バスと私鉄、あるいは他業者のバスと私鉄の関係、こういうものはいままでも参考人からも幾多指摘されております。そういうことを考えると、単に国鉄と私鉄の問題じゃなくて、そういう中小私鉄を中心として考えたバス、国鉄も入れた、ハスあるいは国鉄、こういうものの輸送調整から出てくる問題も、この中で実は処理してしかるべきものではないか、これはもちろん自動車局が関係いたしますから、どうも鉄道監督局だけの視野から見れば、それはちょっと困るということにあるいはなるかもしれませんが、これは国の法律としてありますから、この辺のことは、やはりバスの問題にもここで言及していくべきではないか、こう思うのです。これはどういうふうに考えていますか。
○佐藤(光)政府委員 先ほど御説明しましたよう に、バスの問題は一応いままでの既存の法令でさばいております。しかし、御指摘のようなたとえば免許の調整あるいは運賃の調整という問題が現実にあるわけでございまして、これらにつきましては、われわれとしては一応行政上の措置でいったらどうかということを考えておるわけでございます。
○久保小委員 行政措置というのはかなり問題があるわけで、別に役人の皆さんを信用しないわけじゃありませんが、やはり法律という国民の権利義務、そういうものが明確になった原則のもとで行政措置というのはなさるべきであって、しかも、これはかなり利権に関係をいたします。利権と言ってはたいへん語弊がありますが、企業の消長に関係いたします。そういう問題を、単に役人の皆さんが行政措置でやった場合いいかどうか、皆さんとしても立場が困る場合もままあるのじゃないかと私は思うのです。たとえば、この中小私鉄が、もう鉄道は時代からいっても、あるいはその地域における交通の実態からいってもバスに切りかえねばいかぬ、こういう認定を企業者が下した場合に、これはもちろん監督官庁である運輸省がこれにオーケーを与えるかどうかはございましょうが、その場合には、当然その企業者がバスに代行したいといえば、その企業者のバスが優先に免許されるというような原則はやはりどこかになければおかしいじゃないか、こういうふうにも思うわけです。これは自動車局からもおいでですから、黒住業務部長からお答え願いたいのですが、いまの法律ではそういうことは別にございませんね。
○黒住説明員 御指摘のとおり、現在の法律ではさような点は規定いたしておりませんが、ただ道路運送法の免許基準につきましては、第六条の三項で、実情に応じて処理するということ、あるいは運輸審議会におきましてはそれらを勘案いたしまして処理をしておるかと思います。われわれといたしましても、佐藤局長から話がありましたように、ケース・バイ・ケースで十分実情に即応いたしまして、ただいま御指摘の点は処理をしていきたいと思います。
○久保小委員 いまお話しのとおり、法的には別にないようでありますから、私は原則としてはそういうものははっきり法律に入れるべきである、これは当然整備法の中に、実は自動車局の所管ではあろうか知らないが、そういうものも入れるべきではなかろうか、そうしていまお話があったように、ケース・バイ・ケースで、その原則に従って処理するということが必要だと思うのです。そういうことがないからいままでいろいろな混乱があると思うし、たとえば中小私鉄の企業の再建政策にしても、はたしてバスが認可になるのだろうかならぬのだろうかわからぬというようなことで二の足を踏んでいるものもたくさんあると思うのですね。そういう実態をにらみ合わせて、これはもう一ぺん考えていくべきではないか、こういうふうに思うわけです。まあ、その問題についてお話がありましたが、整備法については一ぺん考えてみましょうというようなことですか、それとも考えねばいかぬと思うのですが、どちらですか。
○佐藤(光)政府委員 これは、一応われわれがいままで整理しました考え方は、先ほど申し述べた点でございますが、しかし中小私鉄の振興ということにつきましては相当きめこまかい、全体的ないろいろな検討を要するわけでございますので、そういうような問題の中で、いろいろ第三者の方を入れまして御検討を願うことについては、われわれは決してやぶさかではございません。そういうような問題の中から、先ほど申し述べました以外の新しい問題が出てきて、それはいろいろ御検討をいただくということはもちろんけっこうだと思います。
○久保小委員 なかなかかたいようですな。慎重におやりになることはけっこうだが、この小委員会は中小私鉄振興に関する小委員会だから、中小私鉄振興ばかりやっておると思っているが、われわれは良質な輸送を合理的に配置するということをまず第一前提に考えなければならぬ。そのためにはやはり経営の問題が当然関係してくるということでありますから、資本があるにまかせて中小私鉄はどうなってもいいとか、あるいは権力があるから中小私鉄はどうなってもいいということで輸送に混乱を起こされるのが一番困るのです。そういう観点からも考えるべきであって、佐藤局長の言うような第三者をまじえてやることは否定しませんが、何かどうもそういうふうにこだわっておるようでありまして、これは国会の意見も聞いて、わかりましたということにならぬですかな。
○佐藤(光)政府委員 もちろん、本委員会で相当実態的な問題をいろいろ御審議をしていただいておるわけでございますので、それらの御審議の内容はわれわれとしても十分尊重して、行政当局のほうでも考えていくことは当然だろうと思います。
○久保小委員 それ以上のことを申し上げてもしようがないですから、必要があれば、私のほうでも小委員長を中心に考えてみることにお願しておきましょう。いずれにしても、そういう原則的なものはもう一ぺん洗い直してみたらいいと実は思っているわけで、申し上げたわけです。 それから運賃の問題でありますが、どうも運賃を改定する場合には、今度は大手とか、今度は中小とか、そういうことで一括やるのですが、どうして一括にやらなければいかぬのですか。運賃の改定というものはどうして時期的に一緒にするんですか、あれはどういうわけなんですか。
○佐藤(光)政府委員 別にこれは一括してやらなきゃいかぬということはございませんので、われわれとしては、今後はできるだけ一括しないで実情に応じて迅速にやりたいと思いますが、従来のやり方といたしましては、できるだけ抑制をするということでストップさしておった。相当たまったところでいろいろ問題が出てまいりまして処理をするということもやっておりますので、何か非常に一括してやったような形になるということであろうかと思います。
○久保小委員 政策が先行するということは当然でありますが、単純に運賃の問題を取り上げた場合に、企業の実態はそれぞれ違うわけです。違うのにどうして大手十四社が上げるとか、次は中小私鉄とか、今度はローカルとか、なぜそんなに一緒にやるのか。いまのお話を聞くと、大体申請があるのをためておいて、この辺で、もてないからひとつ認可しようかというようなことで、これは運賃改定じゃなくて業務処理の方針だけだと思うんですが、どうなんです。大体こういうしきたりをずっと戦後続けてきているようだが、もちろんそれでいいと思ってはおられないだろうと思うが、ケース・バイ・ケースで的確に判断して、しかも地域の問題等もからみ合わせて、さらにさっき申し上げたように政策的に欠陥があれば政策でカバーする。しかしカバーしてもし切れないというときには、やはり改定の時期は、そういうわけでそれぞれ違ってくるわけですね。そういうふうに思っていていいですか。
○佐藤(光)政府委員 私も、長年運賃改定の問題を扱っておりますけれども、別に何を一緒にやらなきゃいかぬという原則は、必ずしも立てて従来処理をしておらぬと思います。ただ現実には、たとえば非常に国鉄に並行しておる区間が多いというものにつきまして、国鉄運賃との調整の観点もあって、それらのものが現実に同時になることは例としてはございましたけれども、少なくも中小につきましては、それぞれ個々の事情に応じて個別に処理をしておったということで、特に原則を立てていつの時期にまとめてやるというようなことをやったというふうにはわれわれも考えておりません。ただ、最近の、先ほど申し上げましたような公共料金の抑制という方針が出てから、現実に政府部内でいろいろな折衝を要することになりまして、現実にある程度まとまったものが処理されたということは御指摘のとおりだと思います。
○久保小委員 中小私鉄は赤字というが、その赤字は大体関連産業等で埋めているというふうにいわれているのだが、そういう埋めぐあいはどういうふうになっておりますか、それはいま御答弁にならぬでも、資料がございましたら、三十八年決算で鉄道企業の赤字カバーを関連産業でどの程度しているか、中小別に数字を出してみてください。
○佐藤(光)政府委員 かしこまりました。
○久保小委員 もう一つ聞きたいのは、廃止補償する場合の収益還元率一割二分をどういうふうに改定しようというのですか。
○佐藤(光)政府委員 収益還元率は、一応標準的な収益というような考え方で一割二分程度というような考え方がとられておったかと思うのでございますが、これを現在の標準的な金利というような観点から考えますと、もう少し下げて、たとえば六分とか七分とかいうようなのは、いろいろな場合に計算上の実例がございますので、そういうような数字を一応めどにして検討してみたいというようなことを考えておるわけでございます。
○久保小委員 赤字の会社は適用ありませんな。
○佐藤(光)政府委員 御説のとおりでございます。
○久保小委員 それはそうでしょうな。ところが、大体においてこういう適用を受けるものは、一割二分であろうが七分であろうが、収益があるような私鉄は、極端な言い方であるかもしれませんが、問題はないと思うのです。大体決算赤字というような会社が困るわけなんです。だから、こういう点も見ていただくのもけっこうだが、さっき申し上げたような残存価額の問題等についてもっと考えなきゃならぬ、こういうふうに思うわけなんです。そういう点どうですか。大体これは大したことじゃないですよ。
○佐藤(光)政府委員 御指摘のとおりに、これは非常に全般的に大きな問題ということにはならないと思います。むしろ評価の問題その他現実のやり方の問題であろうかとわれわれも思っております。
○久保小委員 もう一つは国鉄との連絡強化でありますが、この場合、特に都市交通の場合が多いと思うのでありますが、国鉄の連絡設備、しかも都市内でありますから多額の費用がかかる。こういう場合になかなか企業としては持っていけない。でありますが、これは何か予算か制度の中にそういう仕組みはございますか。これに対する手当てとして……。
○佐藤(光)政府委員 これは御希望として非常に強く出ておりましたので検討する問題としてあげておるわけでございますが、内容をもう少し具体的によく承ってその対策を十分考えていきたい。したがって、いま直ちに、たとえば私鉄にこれこれの補助をして、こうするというような答えは出しておるわけではございません。
○久保小委員 終わります。
○關谷小委員長 肥田次郎君。
○肥田小委員 私も若干の質問をいたしたいと思います。 まず、先ほど久保委員のほうからも質問のありました点でありますが、鉄監局のほうで出されましたこの対策について先ほどからおっしゃられておったように、大体経営者側あるいは私鉄総連という労働者側、こういう方面から提起されたいろいろな問題について一とおりの答えはここに出ておるように思いますけれども、どうもまだいささかもの足らない面がありますので、この点については、まず第一番に、あなたのほうで理解をしておられる中小私鉄の赤字というものに対する責任といいますか、これをどういうふうに考えておられるかということを、議論ではなしにずばりひとつお聞きしたいのです。たとえば、従来の補償状態というものを私鉄経協から出してきた資料で見ましても、昭和七年には百十二社で、大体当時の金額にして年間七百二十万何がしです。たとえば五百倍という換算率で見てみますると、年間三十六億円になっておる。そういう巨額の補償が当時行なわれておった。これは、いろいろな理由があると思うのですけれども、現実にはことしやっと補償が六、七千万円にのぼったけれども、いままでは毎年大体二千万円程度であったのです。格段の相違があるのです。 そこで双方からいろいろと公述をしておりましたように、今日の中小私鉄の赤字というものは、大体要約すると、低運賃ということは、いろんな事情からこういうことになった原因が一つある、これはそのとおりだと思いますが、その他に動かせない原因というものは、あなたのほうでも認めておられるように、通勤通学の高率の割引というものが原因をしておる、こういうことになっておるのでありまして、したがって、この補償というものの考え方は、いままでのような考え方じゃいかぬのじゃないか。要するに、国が一つの強力な指導方法でもって通学あるいは通勤の割引その他にいろんな割引を強制しておる、そういうことになってくると、割引によるところの差額補償、減収補償というものが当然何らかの方法で考えられなければならぬ。これについては外国にも例のあることですから、いままでのようなものを廃止をされて、そうして昭和二十八年につくられた地方鉄道軌道整備法というものの概念を今日変える状態にきておるのではないか、こういうふうに思うのですが、この点はあなたの考え方としてはいかがでしょうか。
○佐藤(光)政府委員 御指摘のように、戦前の補助金制度にかわる戦後の補助が整備法でございます。整備法の運用につきましては、先ほども申し上げましたように、現在必ずしも十分な運用ではないことは御指摘のとおりでございますが、一応の考え方といたしましては、長年経営をしておりまして、経営的に御指摘のようないろいろな外的な事情が累積をして赤字が出ておるというようなものにつきましては、その最後において赤字に対する補助金を出して、それで一応その輸送が確保される手段を考えておるわけでございまして、したがって、その内容といたしましては、運賃制度のあり方、その他経営の問題、その他集約されてこの中に出てきておるものが最後に総括して補助の対象になるということに一応制度的にはなっておるかと考えるわけでございます。そこで御指摘の運賃制度自体が、やはり定期等においていわゆる公共負担を負っておるということは御指摘のとおりでございますが、これらの分が一応赤字補助の制度が適用される面においては救済されておるというふうに考えるわけでございまして、したがって、先ほども申し述べましたように、むしろ運賃制度の中においてそういうような高額の割引を適用しておること自体問題がある、こういうものをまず是正していく方向に考えるべきではないかという考え方で、先ほど御説明申し上げたわけでございます。
○肥田小委員 私もこれはなかなかむずかしいことだと思うのですが、あなたのほうで省令を出されても実際にはこの助成の実効はあがらないということはよく御承知でやっておられるわけです。ですから、そうなってくると、一例をとってみても、割引とか、それから事業に対しては免許制、運賃に対しては許可制、こういうふうにそれぞれが規制のもとに行なわれておるというこの責任は、やはり政府のほうで何らかの形であらわさなければならぬ、こういうふうに思うのです。ですから、実効があがらないということは、あなたのほうでも御承知なんですから、これにかわる新しい実態に沿ったところの補償ができる方法を新しく検討されることは今日ではむしろおそいのではないか、こういうふうに考えるわけですが、こういう問題については、これもそれぞれから意見が出ております。もちろんこの運賃の関係につきましても、たとえば経営者側のほうでは物価の上昇に応じてスライド制にしてくれ、こういうふうな意見も出ておりました。それからまた労働者側のほうでは、この運賃について先ほど久保委員も言っておりましたように、これを一括して何か統一値上げというような処置というものは誤りであって、そうではなしに地方のそれぞれの立地条件を考慮したところの地方単位の運賃というものに改めてはどうか、こういうふうな意見も出ております。もちろん私鉄総連という労働者側のほうでは、運賃についてはその重要な問題であるところの労働者の賃金を保障するために最低賃金というものをつくって、中小私鉄における労働者の賃金が大手の賃金の半分以下であるというようなことのないような措置を講じた上での賃率の決定、そしてその賃率の上げる限度というものがあるから、それの上げられない面については国で補償をする、こういうふうな考え方も出ております。したがいまして、こういう賃率、企業に対する補償、こういうものは、今日までの考え方を一変して新しい方法でもってこれらの打開策を早急に講じていただく必要があるだろうと思いますが、これはいずれまたこの小委員会の結論というものの中でどういう形で出るか、小委員長の御努力にまつ以外にはないのですが、いまここで私のほうでお伺いしたいのは、こういうことについて検討の余地があるというふうにお考えになっておるのか、これはもう検討の余地ではなしに着手しなければならぬ問題だというふうにお考えになっておるのか、そこのところを聞いておきたいと思います。
○佐藤(光)政府委員 私鉄の運賃のあり方につきましては、肥田委員の御承知のように、それぞれ非常に経営体が異なっておりますので、統一した考え方ではなくて、それぞれの実情に応ずる運賃改定をするということで、御承知のように、北海道の寿都鉄道あたりは、キロ当たり八円八十銭というような賃率が認可されておるわけでございますし、それぞれの改定のしかたも、先ほど申し上げましたように、個々の実情に応じて一社一社検討して認可していくというたてまえをとっておるわけでございます。その原価の内容につきましては、いろいろお話がありましたように、人件費等につきましては、労使間の交渉によって得られた結果を結果として受け取って、原価の計算に入れるというやり方をとっておるわけでございまして、それらのやり方をいま根本的に変えるというような考え方は実はとっておらないわけでございますが、ただ御指摘のような構成のしかたその他につきましては、本委員会等でまた御注意いただきましたならば、それを十分に参照して、今後の行政措置の上に反映をしていきたいというように考えておる次第でございます。
○肥田小委員 その次に、これは自動車関係にもお伺いしたいのですが、中小私鉄が一応この助成の対象になることは、もう今日までの先例になっておるのですが、今日このいわゆる中小バスについても同一理念でいいのかどうか。私はもう今日ではそういう考え方で進めないと、中小私鉄だけ対象にしているということでは不十分な点が出てくるというふうに思うのです。この中小私鉄、中小、ハスと申しますのは、これはあなたのほうでよく御存じのように、大多数が兼業ですけれども、バスだけ独立しているところの中小バスもあるが、こういうものについてやはり同じ解釈で進まなければならぬと思うのです。これは自動車局のほうでは、どういうような理解を持っておられますか。
○黒住説明員 現在自動車につきましては、整備法のような法律がもちろんございません。しかし最近におきまして、中小の、ハス事業者は経営上非常に困難を来たしておりますので、現在運賃の改定その他によりまして措置をしているところでございますけれども、今後御指摘のような点につきましては十分検討を要するところであると思います。
○肥田小委員 私もこの点については、これも先般来各経営者側あるいは労働者側から意見が出ておりますから、つけ加える必要はないと思うのですが、中小私鉄の中小バスについては、私は特にいままでのような姿と変わってきておるという点を強調しておきたいのです。それは御承知のように、大体バスというものはどこへでも道路さえあれば引っぱれる傾向が強い。そういうことから大衆的な要求というものが非常に幅広く出てくるわけです。ですから中小バスが利害採算を度外視してバスを大衆の求めに応じてそこまで延長せなければならぬ、こういうふうな事実がたびたびあります。そうなってくると、いよいよ赤字が出てくる、こういうことになってくると思うのです。ですからこの考え方をわれわれはさらに進めてみると、今日の状態では交通機関の、特に地方におけるところの交通機関の中小鉄道あるいは中小バスというようなものについては、これはその地域の問題に関する限りは、まるでその地域の財産のような社会化した傾向がある。そういう傾向が今日出てきて、この傾向は私はますます強くなると思うのです。決して一企業として採算だけで運行しているものじゃない、大衆の要求に応ぜざるを得ない、こういう傾向が非常に強くなってきておると思うのです。ですから、そういう理解の上に将来の中小バスに対する対策というものを講じていただかなければならぬ。したがいまして、中小私鉄に対する振興策、助成策、こういうものは同時に中小バスについてもこれが同じ考え方の上に立って実施されていく、こういう必要があると思うので、特にこれは強調しておきたいと思うのです。 それからもう一つ、これは運輸行政上の指導の点でお伺いしておきたいのですが、大体問題になるのは、やはり中小バスが地方において過当競争をやるということだろうと思います。この赤字の要因というものは、過当競争という点にもあると思うのですが、こういう過当競争に対して、いわゆる路線の免許の限界というものを新しく検討される必要があるのではないか、こういうふうに思います。今日まで一応思想としてあったのは、独占より、いわゆる単数より複数のほうがよろしい、こういう考え方は一般にあったようであります。しかし私は、実は複数がいいか単数がいいかということについて、これはいろいろと議論もあるでしょうけれども、私は今日、単数ではいけないという議論は成り立たないと思っておるのです。それは大衆の要求というものが強くなってきて、決して単数の会社が独占企業としてわがままをするということは許さないような大衆の考え方というものが強くなってきておるから、したがって、単数でもいいような条件のものがたくさんある。何も好んで複数にして、そして過当競争をやらす必要はないじゃないか、こういう意見もある。要するに単数と複数の面では功罪相殺ということが今日ではいえるのではないかと私は思う。したがいまして、こういう路線免許については、中小バスの赤字を解消する一つの手段、赤字経営を防止する一つの手段として、それぞれの地域に、いわゆるこれは計算上いろいろむずかしいことがあると思いますけれども、そういうものを一応概念の中に入れて、そして路線免許というようなものをもっと厳格にやってもらう、こういう方法を講じてもらわなければいかぬと思うのですが、この点についてのお考え方はどうでしょうか。
○黒住説明員 道路運送法におきましては、公正なる競争ということを規定いたしておりますが、これはすべての路線について必ずしも複数による競争を規定しておるものではないのでございまして、実際行政の処分の場合におきましては、現実の路線におきます乗車効率あるいは乗車密度、キロ当たり収入等、標準的なものを勘案いたしまして、免許あるいは却下処分をいたしておるものでございまして、不当なる競争によって事業者が共倒れになるという事態は避けたいと思っております。 それから、相当複数の路線が多いわけでございまして、今後必ずしもこれをさらに複数化を進めていきたいというふうな考えでございませんで、個々のケースに応じまして、公正なる競争あるいは事業の健全なる発達ということを中心にして考えていきたいと思っております。
○肥田小委員 もう一つお伺いしたいのですが、これも鉄監局のほうで一応明らかにされておりますが、税制についての考え方、固定資産税は全面的に免除されるように努力したい、こういう意向がはっきり出てまいりました。これは実は鉄監局長にお伺いしたいのですが、具体的にこれはどういうふうにおやりになるのですか、やっていただけるのですか。自治省あたりではこれらの収入については地方の重要財源という考え方で、これは容易に応じそうにもない。ですから、これを具体化していくためには、よほどの努力と、それから新しい着想といいますか、そういうものによらなければ、税制面の負担軽減ということはなかなかむずかしいのではないか。私は、このことはもうほんとうにやってもられなければならぬと思うし、これを抜きにして、たとえば公共事業としての政府の監督というものは片手落ちだと思うので、その点について具体的な方法というものをひとつ示してもらいたいと思います。
○佐藤(光)政府委員 先ほどもちょっと申し上げましたように、私鉄の企業全体で計算してみますと、営業費の中で諸税の占める割合が大体三%程度、そのうちで固定資産税が六二%というような比率になっておるわけでございます。従来固定資産税の減免につきましては、先ほどちょっと申し上げましたように、それぞれ個々の具体的なものをとらえて、減免の措置を政府部内で折衝しておったわけでございまして、これの対象が、実は現実には新しく固定資産税を賦課されるものに対する軽減というような形で、主として都市付近におけるものが現実の減免の対象になっておるというようなことでございますので、方向としまして、特に参考人からも御希望がありました地方の中小、特にその中の赤字会社に対する税の減免ということが強く出ておりまして、この問題をわれわれとしては取り上げたわけでございます。 ただ、御指摘のようにいかなる戦術によってこれを獲得するかというのは相当問題であろうと思いますので、今後その戦術については、われわれも十分検討してまいりたいと思いますが、先ほどちょっと触れましたように、土地についての評価を軽減してもらうというようなことは、現実には中小私鉄の固定資産税の賦課に対する軽減にも相当大きく働いておるということでございまして、こういうような、いわゆるなしくずし方針でいくか、あるいはもっと別の方法でいくかというようなことは、今後なお十分に検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○肥田小委員 もう少し突っ込んでお伺いしたいのですが、たとえば一つの目標ですね。いま局長のおっしゃったように、大手筋というものよりも、当面急がなければならぬのは、いわゆる中小私鉄の振興対策というこの方法の中でいくことになってまいりますると、これはどの程度の目標ということになりますか。たとえば現行の国鉄の税金程度、こういうものですか。さらに、全然赤字なんですから、これらについては特別措置で全免にするというふうなお考えなんですか。目標は、この赤字中小私鉄についてはどういうふうなお考え方でしょうか。
○佐藤(光)政府委員 実は説明では非常に簡明直截に固定資産税全免という旗じるしを掲げておるわけでございますが、御指摘のように参考人の中の御陳述の中にも、赤字会社については全免、それ以外については国鉄並みというような御意見も一応出ておったわけでございます。したがって、先ほど申し上げましたように、戦略戦術といいますか、具体的にどういう考え方でどういうふうな折衝をしていくかということは今後十分検討してまいりたい。実は国鉄並みというようなことは、土地の評価の折衝をいたしました際にも、そういうようなことで自治省あたり等とも折衝はいたした経緯もあるわけでございます。
○肥田小委員 大体そういうお考え方でしたら、どうかひとつこれを実現するために大いに戦術戦略の妙味を発揮して、これの実現をしていただきたいと思います。 それからもう一つお伺いしたいのですが、たとえば現在赤字会社にかかわらず、それぞれの私鉄の企業というものが相当な借り入れ金でやっているのですが、これらについては数年前にやられたところの海運業者に対するようないわゆる利子補給、こういうようなことについて何かお考えはございませんか。たとえば大手は一応いいとして、当面中小私鉄が、経営者側の資料によれば三十一億という赤字になっている。それぞれがみな実数はなかなかつかみがたいけれども、借り入れ金を相当持って経営をしている。こういうものの当面の救済策として何か新しい具体的な方法をお考えになっておられるかどうか。
○佐藤(光)政府委員 中小私鉄の経営状態については御指摘のとおりと思いますけれども、利子補給制度自体を考える場合には、御承知のように、海運の場合には壊滅的打撃をこうむった、新しく商船隊を整備する必要がある。いかなる方法でそれを整備していくか、われわれの理解するところでは、前向きの施策としてそういうものがなされている。したがって、先ほどちょっと触れましたように、たとえば中小私鉄においてこういう例がそうひんぱんに出るとは思いませんけれども、設備を改良する、つまり新しい投資をする場合の資金コストの低減というようなことについては考えていくべきであろうと思いますが、現在すでにあります赤字は主としてこれはいわゆる経営上の収支不足というものに対する赤字であるとするならば、これはやはり整備法のたてまえからいわゆる赤字補助というような考え方をまずとるのが筋ではないかというようにわれわれとしては考えまして、先ほど申し上げましたような——しかし、それにしましては補助金が非常に少ないわけでございまして、そういう方面のすでにある法律の筋を通じて予算化に対する努力を続けていこうというのがわれわれの考え方であるわけでございます。
○肥田小委員 もう一度確認したいと思うのですが、そうすると中小私鉄の赤字経営でどうにもならない、こういう例はたくさんあるのですが、たとえば一時金が払えないために、組合があっせんをして、そして労働金庫やその他で金を借りて、それを一時金の支払いに充てる、こういうふうな会社もあるのです。そういうものについての助成策としては、整備法を適用してそしてその実効をあげていきたい、こういうことですか。
○佐藤(光)政府委員 長崎電軌の脇山参考人がたしか肥田委員のお話のような、運賃改訂が押えられたために経常費が不足しまして労金から金を借りて一時的のいろいろな支払いに充てるというような御説明があったわけでございますが、そういうようないわゆる赤字金融というようなものに対する直接の措置というようなことではなくて、先ほど申し上げましたようないわゆる整備法による赤字鉄道に対する補助というものにこれは具体的に該当するかどうかは別の問題でございますが、そういうものに該当するものについてはそういう方向でいく考えであるということを申し述べた次第でございます。
○關谷小委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は来たる八日木曜日午後一時より開会することとし、これにて散会いたします。 午前十一時三十七分散会