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48回国会衆議院1965/06/02

運輸委員会 第34号

発言数
120
登壇者
20
会派数
3
開催日
1965/06/02

会議録

長谷川峻自由民主党

○長谷川委員長 これより会議を開きます。  この際、日米航空協定改定について久保三郎君より発言を求められております。これを許します。久保三郎君。

久保三郎日本社会党

○久保委員 当委員会理事会において、先般、委員長を中心にして、国会決議に基づいて、日米航空協定改定、この問題をひっさげて渡米の上、アメリカ国会の担当の議員諸君と十分交渉するはずであったわけであります。その後、政府筋等からの連絡も一あって、一時渡米を中止というよりは見合わせるというか、待機ということになったようでありますが、這般の情勢を考えまして、この際、なるほど政府自体からの要請等も多少あろうかと思うのでありますけれども、しかしこの問題を当初当委員会で取り上げ、本会議において決議された趣旨のものは、いわゆる政府間交渉によっては問題の進展をはかりにくいだろう、よって国民の総意ということで国会を代表し、委員長はじめそれぞれの方がおいでになって、向こうのそれぞれの方にも十分日本の考え方なり国民の考えというものを浸透させようということであったのでありますから、そういう趣旨からいうならば、なるほど外交関係上いろいろな慣例やしきたり、あるいは情勢等の判断もあろうかと思うのでありますが、われわれはそういうものに惑わされることなく、単刀直入に即刻渡米の上、本院の決議をもって十分交渉に当たられるのが筋だと思うのです。その点についていかように考えておられるか、具体的にこの際日にちをはっきりしていくべきだと思うのですが、どうですか。

長谷川峻自由民主党

○長谷川委員長 お答えいたします。久保三郎君の日米航空協定改定促進についての御激励、ありがとうございます。  そこで院の決議もあり、皆さんの御支援もあって、私たち四名がアメリカに行ってアメリカの航空委員の方々と意見を交換して、政府折衝でできない問題をアメリカ国民によく理解してもらおうということで準備を整えたのですが、何といたしましても、ものごとを前進させるのが私たちの目的です。ところが、その後の情報によりますと、二十一日から国務省と民間航空局の間に、いままで取り上げていないところの日米航空協定改定の何がしかの案をつくり始めたから、しばらく渡米を延期されることのほうが、将来折衝するに都合がよかろうというふうな情報なども入りましたので、こわすことが目的じゃないものですから、一時延期をしておったわけです。、  ところが、一方行かれる方々といろいろな情報を交換してみますと、アメリカの国会が六月一ぱいだということが一つ、それからその伝えられた作業が二十一日から六月の十日前後までだというふうな話も聞いておりましたので、六月の中旬にはとにかく四名でどういう案ができているか、その案が不満足であればなおさらのこと、さらにこちらの意向を伝えようということで、六月中旬に出発するようにいま手配を整えておりますので、御了解をお願いしたいと思います。

久保三郎日本社会党

○久保委員 大体予定というか、そういうことを考えられておるようでありますから、そのことについては了承いたします。ぜひ交渉に成果あるように、関係の皆さんの御尽力を心から期待するものであります。  ついては、ひとつ要望を申し上げておきたいのでありますが、最近の漁業に関連するいわゆるサケの問題あるいは綿製品の問題等々を考えますと、必ずしもおいでになりまして十分な成果があがるとばかりは考えられない状況下にあると思う。よって、おいでになる委員長はじめ皆さんにはたいへんな御心労があると思うのでありますが、われわれは解決するために行くのでありまして、決して話をぶちこわすということでありませんけれども、やはり本院決議に示されたとおり、重大な決意というものを持っているわけであります。ついては、万が最悪のときには、日本国の考えとして現行の協定をも破棄しなければいかぬということでありますから、そのことを十分アメリカ国民にも一伝えておくことが必要だし、と同時に、日本国の名においてこの本院の決議がそういうことでありますので、これに対応するところの態勢が渡米前に十分整えられることが必要だと思うのであります。そつはないと思うのでありますが、そういう点についての十分な配慮をお願いしておきたいと思うのです。以上です。

長谷川峻自由民主党

○長谷川委員長 ありがとうございました。      ————◇—————

長谷川峻自由民主党

○長谷川委員長 日本国有鉄道の経営に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。

久保三郎日本社会党

○久保委員 それでは次に、時間が限られておりますので、私どもの質問も取りまとめてお尋ねをいたしますが、御答弁のほうも簡潔に結論だけを申し述べていただきたい、かように思います。  そこで国鉄当局に、先般小口集約の方針についてお伺いしたのでありますが、これは幾つかの疑問点というか、問題点を実は申し上げているわけであります。その全部についてきょうお尋ねして、御回答をいただこうということではございません。やや具体的な点についてお伺いしたい。  一つは、小口集約計画というか、その中で仕組みについては、先般の御回答ではこの一日に発足させたいということでありましたが、それは発足したのか。しないとするならば、大体見込みとしてはいつごろに考えているか、さらににその集約の仕組みの中身ですね、たとえば要員というか陣容の整え方はどの程度にするのか、あるいは仕事の内容として御承知のように全国の段階のものもありましょう、あるいは支社段階に置く、あるいは基地には基地担当として駐在員を置くということでありますが、そういう仕組みの全体は大体どういう構想になっているか。  それからもう一つは、全体のこれは規模になりますが、全体として仕組みは、大体予算というか、そういうものの配慮はあるのかないのか。どういう程度の計画でいくのか、そういうものをお知らせをいただきたい。  なお先般の御答弁では、この仕組みについては将来法人格をも予想しなきゃならぬかもしらぬというようなあいまいな態度でございましたが、この仕組みの将来について、法人格を与える必要が今日あると思って実はすべり出すのかどうか、そういう点についてまず御回答いただきたい。

原岡幸吉日本国有鉄道参与(営業局貨物課長)

○原岡説明員 お答えいたします。  仕組みの発足の時期は六月一日発足を目途とする、こういう業界との話し合いでございましたけれども、六月一日はいろいろの準備の関係で延びております。そうして目下いろいろ具体的なことについて相談中でございます。  それではいつごろ発足する予定になるか、こういうことでございますが、国鉄のほうの考えといたしましては、おそくとも七月の下旬までには何とかして発足させなければ、諸般の準備、いろいろな十月一日の実行のための段取りからいって間に合わなくなるのではないか、こういう気持ちで業界のほうといろいろお話をしている最中でございます。  それから経費の問題でございますが、これは入会金と会費という二つの考え方でございまして、これもまだ内容がはっきりいたしませんと、額についても一決定いたしておりません。そうしまして、入会金と会費の負担方でございますが、入会金については、国鉄が半額を負担し、残りの五〇の分について新免業界が二五、旧免業界が二五、こういう話し合いをしてきめております。会費につきましては、これも同じように経費をまかなうための会費の全体額の五〇%を国鉄が負担し、残りの五〇%をどういう割り振りをいたしますか、目下話し合い中でございますが、業界側の負担によってまかなう、こういう予定にいたしております。  それから、前後いたしますが、仕組みの内容についてお答えいたしますが、仕組みの考え方でございますが、国鉄の支社を単位に鉄道混載協会、たとえば関東地区でございますと、支社の名前を上に冠しまして、関東鉄道混載協会、こういうものを国鉄の支社単位につくります。そうして中央に、中央鉄道混載協会というものをつくります。各地方の鉄道混載協会の構成は、国鉄の支社並びに支社管内に所在する通運事業者、こういうもので構成いたします。中央の鉄道混載協会の構成者は、国鉄本社、日通本社、新免の全国的な組織の代表者、旧免の全国的な代表者、そしてそのほかに各地にできまする地方鉄道混載協会、こういうものが構成者になります。  そうして、もう一つ御指摘の、全国的な仕事のやり方あるいは地方地方の仕事のやり方、いろいろそれぞれの組み合わせばどうかという点でございますが、仕事の性質上、中央と地方の仕事のやり方は全く一体でございまして、そういう意味でいま申し上げましたような構成でもってつくりますけれども、仕事のやり方につきましては、中央と地方が一本になって、全体的な円滑な輸送の運営ができるように考えております。具体的な内容は、なおいま相談中でございます。  もう一つ法人格の問題でございますが、これも業界との取りきめにおきまして、法人格を持たした責任のある組織にするということが望ましいということでございますが、さしよりの出発といたしまして先ほど来申し上げましたようなかっこうで出発する、こういう次第でございます。  以上でございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 次に、先般お話し申し上げたかと思うのでありますが、共同混載というのはあり得るのかどうか。いまやっておる混載というのは、それぞれの通運業者がかってにやっている。お互いの間の共同混載というのはないわけですが、これから出発するのは小口が全体としてなくなるということでありますから、当然小口混載というのも輸送効率等から考えれば出てくるはずだと思うのであります。その共同混載というのがあるのかどうか。  それから、その共同混載した場合の運賃、料金、そういうものの割賦というか分配、こういうものはどういうふうに考えておられるか。

原岡幸吉日本国有鉄道参与(営業局貨物課長)

○原岡説明員 共同混載はあるのかないのかということでございますが、現在あるいは差し込み、あるいは共同仕立てといいますか、そういう形で共同混載が行なわれておるわけでございますが、改善による考え方はそれを全体的な能率に合わしたような形でやるわけでございまして、そういう意味合いにおきましては、何と言いますか、共同混載、一車数口扱いといいますか、一車の中にA、Bの業者、あるいはA、B、Cの業者が一緒に仕立てる場合を考えております。しかしいままでのようないわゆる差し込みとか共同仕立てとかいう当該当事者同士の話し合いによる共同仕立て、それのみによる共同混載というものは考えておりません。      ————◇—————

長谷川峻自由民主党

○長谷川委員長 この際、新任の事務次官、官房長、各局長及び海上保安庁長官より、それぞれごあいさつがございます。

若狹得治運輸事務次官

○若狹説明員 運輸事務次官を本日拝命いたしました若狭でございます。どうぞよろしく御指導願います。(拍手)

深草克己運輸事務官(大臣官房長)

○深草説明員 本日付をもちまして国鉄部長から大臣官房長に任命されました深草でございます。よろしくお願いいたします。(拍手)

亀山信郎運輸事務官(海運局長)

○亀山説明員 本日付をもって船員局長から海運局長に配置がえになりました。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

岡田良一運輸事務官(船員局長)

○岡田説明員 本日付をもちまして鉄道監督局の民営鉄道部長から船員局長を拝命いたしました岡田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

堀武夫運輸事務官(鉄道監督局長)

○堀説明員 鉄道監督局長を拝命いたしました堀でございます。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。(拍手)

佐藤光夫運輸事務官(航空局長)

○佐藤説明員 航空局長を拝命いたしました佐藤でございます。(拍手)

栃内一彦海上保安庁長官

○栃内説明員 航空局長から本日海上保安庁長官を拝命いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)      ————◇—————

長谷川峻自由民主党

○長谷川委員長 速記をとめて。   〔速記中止〕

長谷川峻自由民主党

○長谷川委員長 速記を始めて。  引き続き質問を続行いたします。久保君。

久保三郎日本社会党

○久保委員 共同混載というか、いまやっている差し込みの運賃の取り方、そういうものはどうなっているのですか。これと同じようなことになるのでしょうか。

原岡幸吉日本国有鉄道参与(営業局貨物課長)

○原岡説明員 先ほど申し上げた場合における運賃の取り方でございますが、これは個々の業者、A、Bの業者、あるいはA、B、Cの業者それぞれと国鉄との関係において、運賃のきめ方、収受をやるわけでございます。そして、業者間のやりとりというものは原則的にないというたてまえでございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 次に、集約の計画でありますが、そうなると、貨物列車のダイヤの編成が変わるだろうと想像されるわけです。ついては、いまの貨物の特急、急行、こういうものがふえるのかどうか。さらには、先般もお尋ねしましたが、代用列車を全然なくすというわけにはまいらぬ線区もあるだろう。あるいは、品物によっては従来どおりの小口扱いということでございますから、そうなりますと、多少代用列車の数は減る。しかし、スピードの速い貨物列車のダイヤはふえる、こういうふうに概念的には考えるわけなんでありますが、そういう関係はどうなっているのか。いま計画されている中身でありますが、これらの列車増発キロというものはおおよそどの程度になるのでしょうか。いかがでしょう。

原岡幸吉日本国有鉄道参与(営業局貨物課長)

○原岡説明員 いま御質問の中にございましたように、特急あるいは急行という汽車が非常にふえるわけでございます。  増発キロがどのくらいになるかということでございますが、実は、私いまここに増発キロについての数字はございませんが、特急につきましては、現在九本でございますが、これを二十三本にして十四本増加する、こういう予定にいたしております。それから急行につきましては、現在五十五本あるわけでございますが、これを九十八本にする、すなわち四十三本ふやす、こういうような概略の計画になっております。  それから代用列車でございますが、これは原則的には大体一本を残さなければならない、こういう考え方になっております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そうしますと、代用列車については、従来というか、現在走っている代用列車の線区は必ず一本残すということに相なるわけですか。

原岡幸吉日本国有鉄道参与(営業局貨物課長)

○原岡説明員 代用列車は、かなり代用列車で送らなければならない荷物のある線区、すなわち、端的に申しますと、主要線区についてだけ大体一本ぐらいは残さざるを得ないという姿を予定しております。線区に着きました便宜の列車に載せて輸送できる、こういう計画をいたしております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 次に、基地の具体的な決定はしたかどうか。先般のお答えでは大体百六十ぐらいというようなお話でありましたが、それは最終的にきまったのかどうか。  それから基地と中間地との間の代行輸送についてでありますが、代行輸送の担当はいわゆる普通業者が兼ね行なうのかどうか。本来ならば、代行輸送でありますから、国鉄自体が担当すべき筋合いのものではあろうと思うのでありますが、そういう点はどういうふうにいまなっているのか、いかがですか。

原岡幸吉日本国有鉄道参与(営業局貨物課長)

○原岡説明員 基地の問題でございますが、大体百六十の輸送基地を予定している、こういうふうに申し上げて、それを大体の前提として目下いろいろ話し合いをし、基地の中でも検討いたしております。これは現在のところでは百六十三ぐらいになるのではなかろうかという段階でございまして、最終的な決定はまだいたしておりません。  それから代行輸送の問題でございますが、これも結論を先に申し上げますと、だれに代行輸送をやっていただくということはきめておりません。いずれにいたしましても、道路運送の免許を持つ事業者にやってもらうというほかはないという考え方でございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そうしますと、基地についてはまだ最終決定でないというが、いままでの御計画では十月一日のダイヤ改正とあわせてやりたい、こういうことでありましたが、いまの手順からいうと、大体百六十三という基地は最終決定でないというならば、私のほうで推測するところによれば、できるところから順次やっていこう、最終的には百六十三ぐらいに決定していこう、これはいつの時期かわからぬ、こういうふうにとってよろしいのかどうか。いわゆるなしくずしといっては語弊があるが、逐次これを実施していこう、こういうことであるようにも思うんだが、これはどういうふうになっておるか。  それからもう一つは、基地の扱い数量というものは、かなりまとまった数量としてふくれ上がってくると思うのですね。そうなった場合に、駅の設備改善ということも当然あるわけなんだが、基地が最終的にきまっていないと、扱いの数量がはじき出せない。よって、駅の設備も改善できない、こういうことで、先ほど申し上げたように大体順次できるところからやっていこう、こういう御方針であるのかどうか、いかがですか。

原岡幸吉日本国有鉄道参与(営業局貨物課長)

○原岡説明員 基地が最終的にきまっていないと申し上げましたけれども、はっきり申しまして九分九厘大体違わないという見当でもってはさまっておるわけでございまして、特殊なものにつきまして、こっちの基地にしたらいいんじゃないか、もう一つこっちに設けたらいいんじゃないかというようなことで、一〇〇%はまだきまっていないということでございます。したがいまして、全体的な計画をし、検討をするのには支障のないような基地の予定ぐあいでもございます。そういうことでございますから、輸送基地の設備の問題も、いろいろ検討し、準備するのに支障のないような状態でございまして、十月一日に一時に全部発足させるということについては支障のないように考えております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 いまのお話だと、かなり十月一日に移行する場合に容易でなかろうとわれわれは考えている。いまの御答弁、今日ではそれだけだろうと思うのでありますが、どうも手順として、私が推測するように、順次できるところからやっていこうというような印象にとれる。駅設備にしても、もちろん簡単に改良できるものもあるだろうし、基地の置き方によってはそうもいかない点もあるだろうと思う。そういう点がどうも明確でないので、これはさらに明確な計画を立ててわれわれにお示しいただきたい、こういうふうに思うわけです。  そこで、代行についても最終的にだれにやらせるかわからぬという、これは大体支社の単位の混載協会でありますが、そういうのができると、矛の中でこれは検討して所要の手続はそこからやっていく、こういうふうに了解してよろしいですか。

原岡幸吉日本国有鉄道参与(営業局貨物課長)

○原岡説明員 大体そういうぐあいに御了解願いたいと存じます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 それから代行輸送と集約輸送の関係でありますが、一つは、荷物の輸送形態が違うわけです。しかし荷物としては鉄道の荷物ということになるわけですね。国鉄が輸送する荷物ということで、代行輸送もやるわけでしょう。そうなりますと、代行輸送の分野においても国鉄は責任を負うのかどうかですね。まあ損害賠償は当然含めてでありますが、正確な輸送というようなことも全部国鉄の責任でやるのか、それとも法人格はないようでありますが、この混載協会なるものがやるのか、それはどうなんですか。

原岡幸吉日本国有鉄道参与(営業局貨物課長)

○原岡説明員 代行輸送の分につきましては、輸送の途中におけることでもすべて国鉄の責任においてやります。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そうしますと、たとえば荷物の事故などが発生した場合、これは国鉄が従来やっている方式に従って事故調査もいたすだろうし、あるいはとれに対して損害の賠償もするだろうしということにとってよろしいですか。

原岡幸吉日本国有鉄道参与(営業局貨物課長)

○原岡説明員 そうでございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そうしますと、この代行と集約、ひっくるめて輸送の責任は全部国鉄が負う、こういうことですね。

原岡幸吉日本国有鉄道参与(営業局貨物課長)

○原岡説明員 責任は国鉄が負うわけです。ただ個々の権利義務の処理関係はいろいろだてまえが違ってくる場合があるように考えております。もう少し詳しく申し上げますと、前半の代行輸送によらざるものにつきましては、通運事業者の鉄道の利用運送という形でもって今度の輸送改善を行なうのでございまして、そういう範囲においてはおのずから代行輸送の場合における荷主との権利義務関係といいますか、そういうものが内容的に違ってくる、こういうわけでございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 ちょっと御答弁を聞いてなお疑問があるのですが、代行輸送の場合はまるきり国鉄の責任、集約輸送の場合、混載の場合は利用運送でありますから、いわゆる通運業者といいますか、混載協会が責任をもってやるならば、混載協会が責任を負うということじゃないですか。

原岡幸吉日本国有鉄道参与(営業局貨物課長)

○原岡説明員 混載輸送の場合には、国鉄と利用者との関係は車扱いの運送契約になるわけでございます。そういう意味合いにおいて車扱いの権利義務関係であるということでございまして、小口扱いの場合は、戸口から戸口まで利用者と国鉄が運送責任をもって、権利義務関係をもって輸送する、こういう次第で、その違いを私は申し上げたわけでございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 ちょっと時間をとるのでありますが、ちょっとよくわからないのでありますが、混載の場合は、車扱いとしての責任を国鉄がとるが、これは荷主に対してではなくして、言うならば、通運業者に対してとる。そうでしょう。そうですね。

原岡幸吉日本国有鉄道参与(営業局貨物課長)

○原岡説明員 そうです。

久保三郎日本社会党

○久保委員 私は箱の中の荷物をいま言っておるわけです。だから荷物自体の問題は、たとえば濡損、荷物がぬれたというようなもの、その場合には、通運業者——もっとも提供した貨車が雨漏りした場合には、もちろん通運業者と国鉄との間の責任の問題なんだ、荷主は利用運送であるところの通運業者との関係ができる、そういうふうに了解してよろしい、代行輸送の場合は、まるきり直接国鉄の責任であるから、国鉄と荷主、そうですね。

原岡幸吉日本国有鉄道参与(営業局貨物課長)

○原岡説明員 そのとおりでございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そこで代行輸送の場合の運賃というのはないのですね。今回扱うのは通しの運賃ですね。一貫した運賃ですね。そういうことになりますな。たとえばあるAという小駅がある。Bという基地駅がある。そこまで代行する。それからBからCの基地まで行く。そこから配達する。こういうことである場合、A、B間の運賃もいわゆるレール運賃ということになりますね。

原岡幸吉日本国有鉄道参与(営業局貨物課長)

○原岡説明員 代行輸送ということばについて若干はっきり理解されてない面があるのじゃないかと思いますが、私が代行と申し上げておるのは、近距離貨物は小口扱いとして国鉄が荷主との責任において輸送する、その輸送のしかたを、自動車という運搬具でもって輸送する、こういうことを前提として代行と申し上げておるわけでございまして、いま御指摘の例といたしまして、Aの非集約駅といいますか、Bの基地駅といいますか、この間の輸送は代行という観念で考えていないわけでございます。もう少しはっきり申しますと、利用者の利用関係は、現在のA駅から託送されたという利用関係はそのままでございます。したがいまして、A駅から託送されたとする国鉄運賃を支払うということになるわけでございます。その内容をBという集約駅に持っていくということは、通運業者と国鉄の利用者には関係のない問題として行なうわけでございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 もっとわかりやすい具体的な例で、たとえばいま東京から湯河原に荷物が行くとする——湯河原ではちょっとだめですな。弘前の近くの浅虫に東京から行くというような場合、弘前が基地駅とする。その場合の運賃は、いまの運賃は小口として一本ですね。これは小口として一本で取るのか、そうではなくて、先般の説明で、言うならば、混載扱いとして一七%か知らぬが、引いた運賃になるだろう、こういう御説明があったので、その関係はどうなんですか。

原岡幸吉日本国有鉄道参与(営業局貨物課長)

○原岡説明員 東京から浅虫に行く場合、現在は小口扱いの運賃を負担して輸送しておる場合もございます。これはそれを前提とした顧客運賃という、弘前をいわゆる基地駅といたしますならば、そういう混載輸送の中で行なわれるという内容になりまして、顧客運賃、小口扱い運賃ではなくて顧客運賃を支払って輸送する、こういうことになります。顧客運賃というのは、小口扱い運賃の取りまとめに小口扱い運賃のある割引運賃でございます。通運料金の一つの中身、一つの運賃でございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 ちょっとよくわからないのでありますが。そうしますと、いまとっておる顧客運賃で全部やる、こういことですか。新しくなった場合、東京から浅虫まではどうなんですか。

原岡幸吉日本国有鉄道参与(営業局貨物課長)

○原岡説明員 浅虫までの小口扱い貨物運賃を前提とした顧客運賃を収受いたします。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そうしますと、全体としては安いという御説明なんですね。

原岡幸吉日本国有鉄道参与(営業局貨物課長)

○原岡説明員 そうでございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 ところが、実際の運賃を見まするというと、概念かもしれませんが、大体三百キロ以下は国鉄の運賃よりはトラックの運賃のほうが安いということなんです。そうですな。そうなると、言うならば、基地まではトラックで輸送するのが原則でありますから、その間の運賃が鉄道の運賃ということでは、ちょっと荷主にとって不利益ではないだろうか。むしろこれはトラック運賃にして、あとは基地から基地間のものは、いわゆる混載割引というか、それから割り出したところの運賃を取るということのほうが筋のように思うのだが、その辺はどうなんですか。

原岡幸吉日本国有鉄道参与(営業局貨物課長)

○原岡説明員 御質問でございますけれども、運賃負担は、現在の鉄道による運賃負担を一つも変えるものではございません。それで、鉄道による小口扱い運賃をもとにしてある割引をやっております。通運料金の体系における顧客運賃、これでもって全部を混載輸送する場合の運賃を収受する、こういうことでございまして、そういう意味では、運賃負担の原則的な考え方は、ある区間を鉄道によって急行輸送する、ある遠い区間を自動車によって中継輸送する、こういう輸送の内容と運賃の現在の負担のしかたとは関係のないことでございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 関係はないというふうにしておやりになるだろうとは思うのですが、しかし理屈からいくと、それはどうだろうか、トラックの運賃のほうが大体三百キロ以内は安いものを、いまのように通し運賃で変わりのない運賃でやるというのは、ちょっと理屈に合わぬのではなろかうかという疑問が起きるわけで、お尋ねしているわけです。それでもトラック運賃よりは安いのだということになるのかどうか。それはもっと具体的に計算してみなければわからぬですか。

原岡幸吉日本国有鉄道参与(営業局貨物課長)

○原岡説明員 それは具体的に検討すればいろいろあろうかと思いますけれども、それでもトラック運賃よりも安いという前提でございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 それじゃ一つの計算方式があるでしょうから、一ぺんひまを見て計算して資料として出してください。  それから次に、集約と集配という問題があるわけです。いままでもあるわけですが、この区別はどうなりますか。たとえば非集約駅におけるところの集配と集約輸送は全くトラックで一貫ですな。原則として鉄道に載らぬのでありますから、だから、その辺の区切りはどうなんです。

原岡幸吉日本国有鉄道参与(営業局貨物課長)

○原岡説明員 集約と集配がございますと、こういう御質問でございますけれども、予定しておる百のブロックの中における輸送はすべて集配である、こういう観念のしかたをいたしております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 集配であるという場合には集配料金でこれは律することであって、運賃で律するということになると、ちょっと違うんじゃないでしょうか。その辺の理屈の置き方はどうなっているのですか。

原岡幸吉日本国有鉄道参与(営業局貨物課長)

○原岡説明員 それは御指摘のとおりでございますが、擬制をしていま申し上げたようなやり方を考えておるわけでございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そうなりますというと、これは通運業者のやり方あるいはその勢力というか、集約区間におけるところの荷物の量、こういう問題にもかなり関係があろうかと思うのでありますが、これはやはりはっきりしておかぬというと、次の段階には集配を含めたところの運賃というか、集配料金と運賃と、こういう二つの立て方が、今回はこれは一本にしていくという考えにもなるのですが、そういうところの整理というか、それはまだしてない、いまのようなお話では、何か約で一本だ、こういうふうに御説明があったのですが、どっちをとったらいいのか。

馬渡一真運輸事務官(鉄道監督局国有鉄道部業務部長)

○馬渡説明員 お答えいたします。  いまお話しの集約ということばは、輸送する輸送のしかたについてのことばとして集約ということばを使っておりまして、運賃、料金の面におきます場合の集約ということばは全然使われておりません。いまお話しにありました集約というのは、いま貨物課長が答えました中に、輸送ブロック内における基地までの輸送はすべて集約というのは、それを自動車でもってその基地に集めてまいりますその輸送のしかたを集約ということばで表現したと思いますが、その場合の運賃の取り方としては、運輸省側から申しますと、集配の料金を認可をするたてまえでございますが、荷主の側から申しますと、先ほどお話しの子駅までの集配料と、それから子駅から到着地まで、もちろん基地を含めて、その基地を通過して到着地まで行くという前提で考えました場合には、レール運賃という形で荷主からはいただくたてまえでございます。その場合のレール運賃が割引になっておるということで、割引ということばが使われてくるわけであります。

久保三郎日本社会党

○久保委員 いまのお話で一応の筋はわかったのでありますが、その場合に、そうしますと、実態として、通運業者が子駅の荷物を基地駅に持ってくることは問題がない。あるいは集める場合は、これは集貨であるか基地間の輸送であるか、これは明確でないですね。それだから、いまあなたが御説明になったように、一本として集配だ、こういうふうにおとりになっておるわけですね。われわれはいまの場合は、鉄道の一つの駅、そこへ到着した荷物は、これから配達区域に配達するという二本立てに区切りがあるわけですが、この新しい形態になった場合には区切りはないというふうに考えていいのか。ものの考え方として、運賃の取り方、それから輸送のしかた、二つございますが、たとえば基地駅からいま、ある子駅まで来る、その途中でおろしてくる場合がありますね。これは配達になるわけですね。これは本来ならば子駅へ来て、それから配達として持っていくわけでしょう。今度はそうでなくて、子駅まで来ないで親駅から子駅まで行く途中でおろしてくる。これは配達になる。その辺の解釈のしかたというものは、あまりこんがらがらないでよろしい、料金の問題と輸送の形態としては、そういうことをやらせていいのかどうかですね。たとえばその場合に問題になるのは、トラックのいわゆる代行輸送ということですね。その業者がいわゆる単なる代行輸送だけの免許しか持っていない、いわゆる集配の限定免許は持っていないという場合に問題が起きやしないかという問題が出ると思うのです。そういうところの整理はできておるのか、時間がありませんから、できておらぬならおらぬでいいです。

馬渡一真運輸事務官(鉄道監督局国有鉄道部業務部長)

○馬渡説明員 荷主の選択によりまして鉄道の輸送にかけるか、あるいは混載によって運ぶかということは、荷主の申し出によるわけでございまして、その荷物はそのまま画然と分かれておりますので、整理されております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 じゃ、課長、この前あなたは出ていらっしゃったか知りませんが、その辺が非常に不明確なんです。荷主の選択なんというものは今日ないのです。通運業者が全部選択するのであって、だから私はこういうことを言っておるのはそういう意味で言っておるのであります。荷主が自由に選択できるというのは特定の荷主です。もののわかった荷主だけなんです。ほんとうのたくさんの荷主というのは、選択の自由は与えられておるかっこうにはなっておるが、実際はそれは選択してない。その選択は通運業者が選択している。これはトラックが自分の経営としてはメリットがある、お客の要望にもこたえるというので、これはトラックにやりましょう、これは国鉄に載せましょう、こうやっている。それはそれでいいと思うのです。いいけれども、このメリットのとり方によっては、そういうところに比重が多過ぎて、荷主の選択の自由というものが追及されないでは、今日のいわゆる経済の仕組みの中でこれだけが選択の自由が封鎖されるということがあっては、前進ではないというふうな理屈も一言いたいところですが、これは時間がありませんから、この辺にしおきましょう。  次に、この集約によるところの通運業者、これは小駅にあたるところの通運業者等は、言うならばこれは整理——ある程度店を縮小しなければいかぬという事態が出てくると思うんだが、それは予想されますか。

馬渡一真運輸事務官(鉄道監督局国有鉄道部業務部長)

○馬渡説明員 現在扱っております小駅の通運業者におきましても、現在の荷物をそのまま確保するという前提での今回の輸送改善の計画でございまして、小駅の荷物が小駅にもし扱いがなくなったことによって、その駅自体においては減るかもしれませんが、それを基地駅に持ち込むだけの能力を与えるということで考えております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そうしますと、国鉄の問題についてはこの前お尋ねしましたが、同じような形態が出るわけです。同じ形態でも、国鉄の場合は要員の削減という問題が出てくると思うのです。いまお話しのような通運業者についても、必ず十のものが十のものだけ基地駅に移動するということはあり得ないだろうとわれわれは思うのです。そうなった場合、これはなかなか容易でない作業だと思うのです。こういうことについてはそこに働く者たちとの円満な話し合いで解決されるように考えていくべきだと思うんだが、これは運輸省も含めてどういうふうに考えておりますか。

馬渡一真運輸事務官(鉄道監督局国有鉄道部業務部長)

○馬渡説明員 直接私の所管でない自動車の関係のことではございますけれども、自動車の業界、通運業界におきましての作業量を想定いたしますると、現在よりも相当大幅にふえる見込みでございまして、その分を合わせて考えた場合に、縮小の方向ではおそらく予想されないで、拡張の方向で考えられるだろうという見通しでございます。その拡張に対する要員その他に対する問題が出てくるかと思いますけれども、それは各事業者によって処理をしてもらうということで考えております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 その要員の削減、移動、こういうのが必然的に出てくるんだが、これは円満な話し合いで早急に片をつけなければいかぬ。しかしまだいままで聞いた中では、実際は計画もきちっとこれでありますというところに行ってないから、なかなかそこまで話が進展しないだろうと思う。早急にその移動というか削減というか、そういう問題について話をしてやるなら円滑にやるということにしなければいかぬと思うのです。その点はどうかと聞いているのです。

原岡幸吉日本国有鉄道参与(営業局貨物課長)

○原岡説明員 輸送改善に伴う要員の削減、移動の問題でございますが、これは十分話し合って円満にいくようにやりたい、こういうふうに思っております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そこで話をする時期は、いつの時期ごろになったら話をするのですか。これは具体的に……。

原岡幸吉日本国有鉄道参与(営業局貨物課長)

○原岡説明員 いつごろというか、なるべく早くから話をしたい、こう思っております。

長谷川峻自由民主党

○長谷川委員長 次に、野間千代三君。

野間千代三日本社会党

○野間委員 新幹線の問題について、時間もありませんから、簡単に二、三お尋ねいたします。最近新幹線の、事故にはならないのですけれども、運休であるとか、たとえば五月の末でしたか、台風六号では一日運休になるというような、こういう運休関係の事故がたいへん多いのでありまして、国民に多少不安を与えていることがある。これも国鉄の皆さんのお力で、いわゆる傷害事故にわたらないで運行されていて、その努力に対しては敬意を表したいと思いますが、十月一日から新しくダイヤを改正をして、今日のダイヤの状況からスピードアップをするというふうに、あるいは増発をするというふうに伺っておりますけれども、それはいかがですか。

川上寿一日本国有鉄道常務理事

○川上説明員 新幹線が四月以降架線の事故あるいは先般の台風六号に伴います停滞前線による豪雨によりまして、長い間運休をいたしまして、利用者の皆さま方にたいへん御迷惑をかけて、いま先生の御質問のように、十月の時刻改正に対していろいろな批判が出ております点は、私ども国鉄当局者が至らない点がいろいろありまして、申しわけないと思っております。四月に三件ばかり発生をいたしました架線の事故につきましては、原因がわりあいにはっきりいたしておりまして、最初予定をしたよりも架線の振動が激しいために、架線の金具がそれに十分な構造になっておらなかったということで、これは早急に応急措置はしてございますが、取りかえる予定になっております。それから路盤その他の落ちつきがなかなか進みませんで、台風以前にも徐行の個所がまだ十分に取り切れないところがございましたが、先般の台風による豪雨によりまして、だいぶ方々に小さい決壊個所が出まして、これも応急措置はもちろん済みまして、現在最終的にはまだ十四、五カ所の徐行個所を残しておりますが、その他は順次よくなりつつございますが、路盤の落ちつきにつきましては、まだ十分とは言えない状況でございます。したがって、十月に三時間十分の運転にし、ダイヤを現在の三十往復から約五十往復に多くするという点については、国鉄の当局といたしましてはまだ最終的の決定を下しておりません。これは四月の下旬からもう一回そういう意味で新幹線を見直す作業を現在いたしておりまして、六月の中旬以降になりますと、その見直しの結果によります応急的な措置あるいは恒久的な措置がどうなるかということがはっきりいたします。それともう一つは、梅雨期に入りましてさらに多くの雨が降ることが予想されますので、その辺の状況を見まして決定をしたいと思っておりますが、いずれにしても安全を第一にと総裁の石田も申しておりますので、その線に沿った十分な検討をいたしたいと思います。

野間千代三日本社会党

○野間委員 私は十月のダイヤ改正は、まだ多少危険ではないかという立場で質問をしておるのですが、主として新幹線の事故、架線の事故等いろいろありますけれども、最近の事故の傾向を見ると、やはり路盤の不安定、落ちつきの不足、そういう点が振動が多いという関係などから他の事故を誘発すると言えると思う。そういう意味で路盤の安定をつくり上げるということが非常に重要ではないかというふうに思うのですが、そういう意味で五月の二十八日に総裁が、二年間で十四億円くらい投資をして築提の強化をしたいという声明をされておりましたけれども、この路盤は当初の計画でいくと、たしか営業を開始するまでに一年くらいの期間を置いてその間施工して、その後に営業開始をするというのが計画の当初の予定であったと思う。これが実際にはたしか三十九年の一月ころに路盤ができ上がって、そうしてその年の十月に開業、こういう状況であったと思う。したがて、営業をしながら路盤を強化していく、こういう実態があらわれてきたのが最近の、特にこの大雨あるいは微弱な地震、そういうものに対する路盤の弱点があらわれてきたのじゃないか、こう思うのです。しかし、いまのように運行をしながら路盤を強化するということは、たった四時間しか作業間合いがない。したがって路盤を調査したりあるいはそれを強化するという作業についても相当問題がありはしないか。作業時間に問題があはりしないかと考えておるのですが、そういう点はどうお考えですか。

川上寿一日本国有鉄道常務理事

○川上説明員 御指摘のように新しく築堤をつくりまして、それを路盤として列車を運行いたします場合に、この築堤が落ちつくには相当な時間がかかるわけでございますが、場所によりまして必ずしも一年あるいは半年で落ちつくというものではございませんで、下の地質によりましていろいろ違うわけでございます。それを、運行を始めましてから路盤を安定さし、あるいは築堤ののりを安定させますために比較的工事がおくれておりまして、いわゆる比較的新しい路盤のところはのり面の強化あるいはのりじりの強化の工事を相当に進めております。したがって、そういうところにつきましてはかなり安定を見まして、今回の台風によりまして築堤ののりが滑りましたようなところは、むしろやや古くからつくっておりましたために草のつきなどがよくて、のり面が安定しておりましたために、特に工事を急ぎませんといいますか、新しいところから工事をやっておりましたために、古くできましたところはまだ工事が済んでおらなかったわけでございます。そういうところが崩壊をしておりますので、そういう点につきましては至急工事を急ぎまして、できるだけ早く安定をさせたいと思っております。それから石田が申し上げました十四、五億の金と申しますのは、そのほかに、従来の経験から申し上げますと十分であると思われているところも、今回は築堤が非常に長い延長にわたっておりますために、さらに築堤、路盤の強化をする工事を含めておりまして、これは二年以内と言っておりますが、できるだけ早く完成をいたしまして、一日も早く安定した路盤の上で安心して乗っていただくようにしたいと思っております。

野間千代三日本社会党

○野間委員 仁杉さんが見えておりますからちょっと伺いたいのですが、一つは、特に弱い地盤のところへ築堤をする場合には独得の工事をするというふうに当時いわれておったのですが、土を盛る前の地盤そのものを強化してその上で築堤を積むということをするはずですけれども、その地質の調査が十分でなかった点があったのではないか。したがって、調査期間の不十分のために、地盤そのものが弱くてその上に築堤を積んだ結果あらわれてきた路盤の弱体という点がなかったかどうか、その点が一つ。  そういう点がもしあるとすると、私はそういう点があったような気がするのですけれども、そういう点についてはすでに築堤ができていま営業が開始をされている状態の中でそういうものを調査する方法が現在あるのか、あるとすれば、それはどういうふうにしておられるのか、これが第二です。  第三番目に、いま川上常務が触れられておった弱体の部分について強化をする場合に、現在運行されている状態で工事をする場合に、砂利を詰めるというだけではおそらく済まないと思います。あるいはのり面に補強するということでもやはり内部の部分を強化することにはなかなかまいらぬと思う。そういう面についてはどのように強化されるのか、以上三点についてお尋ねいたします。

仁杉巌日本国有鉄道常務理事

○仁杉説明員 お答えいたします。  第一点の建設時代に地質の軟弱なところがあって、その調査が不十分ではないかということでございますが、軟弱なところがある程度あるということは、工事期間約五年間の間にかなりの調査をいたしまして、土質につきましても資料を十分取りまして調査をいたしまして、御指摘のように調査が非常に不十分であったという結果ではなかったと思います。ただ築堤をいたしますときにも、特殊な工法をとるということもいたしました。ただ現在におきますいわゆる土の化学と申しますか、そういうものの発展の経過が必ずしも現在高架橋をつくったり、鉄の橋をつくったりするほどの精度を持った計算をし得るというまで発展をしていないということでございまして、私もかなり長い経験がございますが、どうも土のことに関しましてはなかなか計算がうまく結果に一致しないということがございます。それで建設当初といたしましてはかなりの調査も一議論もいたしたのでございますが、なお不十分なところがあったというのが現状でございまして、この点はまことに申しわけない次第であります。  第二点の、調査が不十分で現在調査をしなければならないかというのでございますが、局部的にはそういう場所も一あるかもしれませんが、まず大体におきましてここからここはこういうものであるということがわかっておりますので、特殊に調査の必要な場合には横側からボーリングをすることによって可能でございますが、こういう必要は非常に少ないのではないかというふうに考えております。  第三点で、路盤をどういうふうに強化するのかという御質問だったように思いますが、この点につきましては現在路盤の強化という意味が二つあると思います。一つはだんだんに路盤が軟弱なところで沈下していくという問題。もう一つは雨が降りましたような場合にそれが流れる、この間のような事故を起こす、この二つに分けて考えなければなりませんが、だんだん沈下していくという問題に関しましては、年月がたちますと、だんだん沈下がおさまってくるということでございまして、軟弱地盤の上の現在特殊な場合に、ごく弱い場合には強化をする方法を考えておりますが、それ以外のところでは自然のつきを待つというたてまえをとっております。これで線路が安全かという問題でございますが、これに対しましては結局軌道面の整正をどんどんやっていって、運行に差しつかえないようにしていく、こういう方法をとるわけです。現在のところ、先ほど川上が申しましたように、十月の改正までの間にその沈下とその路面の整正とがつり合っていく、十月にはかなりいい状態で二百キロの運転をしても危険がない状態に持っていく、こういう前提でいま努力を重ねておるということでございますが、先ほど川上が申しましたように、その点につきましては今後さらに試験、調査等をいたしまして検討を加えて、最後の断をもう少しあとで下したいというふうに考えております。  それから雨が降りました場合にどういうふうに補強をするかという問題でございますが、実は建設の当初から、この点につきましてはかなり神経を使いまして計画をしたのでございます。建設途中におきましても、御承知のとおり、数カ所におきましてのり面の崩壊が起こったというふうな現実を見まして、これは実は予算の制約がかなりあったのでございますが、予算増額のときにも防災に対する予算ということを皆さんに御説明申し上げまして増額をしていただいたわけでございます。正確な数字は申し上げかねまするが、大体三十億ないし四十億の金を全線に投資いたしまして、のり面防護をいたしたのでございます。それで今回の結果を見ますと、これはかなりの成果をあげましておりますと私は判断しております。それは、いままでの防災をしない前でございますともっとひどいことになったと思いますが、かなり個所数は減らしたということでございます。先ほど川上が申しましたように、古い路盤のところで安定していると判断したところあるいは予算の制約その他もございまして、上まで立ち上がってなかったところ、あるいは特に長いのり面のところというようなところが今度災害を受けておりますので、現在その現状を詳細に専門家に検討させておりまして、至急にいまのような災害が起こらないように補強をいたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

野間千代三日本社会党

○野間委員 いまのお答えで大体新幹線のほうはこのあたりが不安だ、あるいはこのあたりが弱体である。軟弱であるということが大体いままでの経験で想定がついておる。それに対して補強しているというふうに伺えるのですが、いままでの事故の状況を見ると、事故の状況では、あるいは乗務員が発見をするとか、主として突発的に陥没をしたり、そういう場合に急停車をして除行をして事故を起こさないで済ましてきているというようなことが相当多いのです。  それから、最近の状況を見ると、新幹線軌道整備規程でその範囲におさまらないで、それ以上に軌道狂いが起きたりあるいは噴泥をしたりしているところが、たとえば軌道狂いなどは二千カ所もあるというふうに伺っておるのです。そういうふうに、とにかくああいうものは突発的に起きているのが非常にあらわれているんです。ですから、これは通常の業務としていま言われるように補強をしたりなんかするのは当然ですけれども、それと同時に全体的に建設時代の資料に基づいて全体として築堤を強化する、そういうふうにしないと突発事故が起きる危険性が多いのじゃないかというふうに考えられるのです。したがって、これは時間がないので簡単にしますけれども、私はそう思いますので、一方では十月一日の時間改正を一応検討をすると同時に、あるいは多少冒険的かもしれませんけれども、いま作業前が四時間ですね、夜中の四時間です。この間に軌道の検測車が走ったりあるいはいろいろするわけですけれども、そういうことなので、思い切って始発あるいは終発の電車の運行を中止して、作業前あるいは検測をする時間を増加さして、抜本的に、特に盛り土の部分についての再検討と再強化をすべきじゃないか、こう思うのですが、そういう点についてはお考えはありませんか。

川上寿一日本国有鉄道常務理事

○川上説明員 ただいまの毎晩の作業前を使いました軌道の整備につきましては、そのつど狂いを整正しておりますが、その狂いの範囲は、運行に危険を生ずるということではなくて、乗りごこちが悪いという程度の狂いでございます。それから乗務員が発見をしたということは、実は私は一件だけしか聞いておりませんが、あとは毎日昼間の時間の検測、あるいは線路要員が電車に乗りまして、乗りごこちの悪いところを発見して、それを徐行に持っていっておるわけであります。主として乗りごこちの面でございます。ただ、その四時間の作業前で十分であるかどうかということにつきましては、いま検討をしております点で、さらに全般に一そうの作業力を投入しなければ間に合わぬかどうかという点につきましては検討しておりますので、その検討の結果、もし間に合わないとなれば、先生のおっしゃるとおり終発あるいは始発を、繰り上げ、繰り下げいたしましてやることもやむを得ないかと思っておりますが、現状ではまだそこまでいっておりません。  それから、路盤全般につきましての強化については、いま仁杉の申し上げましたのは、悪いところだけ直すとおとり願ったかもしれませんが、全般の検討をしておりますし、それらの工事につきましては、昼間でもできる作業が大部分でございますので、時間が足りないために仕事が進まないというようなことはないものと確信しております。

野間千代三日本社会党

○野間委員 時間がありませんので、検討していただいておりますから、それでよろしいのですが、これから雨季に入る、それから台風の機会に入ってまいります。しかも一東海道新幹線の乗客は非常に増加をしておるという状況であります。増加はたいへんけっこうなんですけれども、それだけに事故が起きた場合のことを考えると、これは考えたくありませんけれども、そのことを考えながら常に安全を第一にしなければならぬじゃないかというふうに考えますので、特段に、最近の傾向から見れば路盤の問題については一そうの警戒心を旺盛にして強化を願いたい、こういうふうに思います。  それから一点つけ加えますが、橋梁の柱、たとえば、たしか新横浜駅の西側のほうの柱で脚台の裏が沈下をしておるというようなことをちょっと聞いたことがあるのです。そういう方面についても十分にひとつ御検討いただいて、安全についての万全の策をお願いしたい、こういうふうに思います。      ————◇—————

長谷川峻自由民主党

○長谷川委員長 次に、海運に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。内海清君。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 いろいろお尋ねしたいことがございますが、できるだけ簡単にいたしたいと思います。  最初に内航関係につきまして少しお伺いをしたいと思うのですが、御承知のように昨年の十二月に運輸省で内航船腹量の最高限度がきめられたわけであります。これは確かに当時のあれで申しますと、現有船腹量というものと適正船腹量というものはかなりギャップが出てきているのではないか、したがって、これを押えなければならぬということだと思いますが、この適正船腹量の算出の基準についてひとつ御説明願いたいと思います。

高林康一運輸事務官(海運局参事官)

○高林説明員 適正船腹量の算出の基準につきましては、まず内航輸送量が今後どのような姿を示すかという輸送量の想定をいたした次第でございます。ちょうど中期経済計画の考え方も大体かたまっておりましたので、それらの点も考えまして、まず全般的に、マクロ的にこれをとりまして、内航海運におきましては、トン数におきましては大体年率八・九%ぐらいの伸び、これは中期経済計画においても同様な考え方をしたわけでございますが、トン数におきまして年率大体八・九%、トンキロにおきまして八・六%の伸びというものを想定いたしました。かつ、同時にこれらの内航海運の、一番大宗貨物でございますところの石炭、鉄鋼、セメントというようなそういう主要貨物におきましてそれぞれの計画がございますので、それらと突き合わせまして、今後の輸送量の想定をやったわけでございます。このような輸送量の想定をいたしますと同時に、次には船腹量につきましてどのように考えるかということで、適正船腹量につきましては、輸送原単位というものを想定いたしました。この輸送原単位をそれぞれ従来の実績あるいはまた理論原単位と申しておりますけれども、理論的にどのような原単位でやり得るかというようなこと、それらのことを勘案いたしまして、一種の原単位を討議いたしまして、その結果、この原単位によりまして船腹量を算定いたしました。この原単位によりますところの算定、それから先ほど申しましたところの内航輸送量の伸びに関しますところの算定、こういうものを合わせまして、それで適正船腹量というものを三十九年度から四十三年度までにつきましてそれぞれ策定したということになっております。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 この適正船腹量の算出につきましては、それぞれ輸送量の想定あるいは輸送原単位、こういうふうなものを勘案されまして船腹量というものを算出したということであります。  そこで、ここでもう一つお尋ねしたいのは、内航船舶につきましては、現在まで満載喫水線というものはほとんど表示されていない。海員組合と船主等の協約の上でやられたものはあるようでありますが、ことに内航におきまして海難が非常な問題になっておるときでありますので、ただいまのお話の積み荷の件につきましても、この辺がいろいろ関連して問題が出てくるのではないか、こういうことを考えるわけであります。そこで算出されました積み荷、これは輸送の原単位にも関係してくると思いますが、内航船舶の現在運搬しております積み荷というふうなものをどういうふうに考えられて算出されておるか、乾舷マークとの関連で算出されておるのか、この点をお伺いしておきたいと思います。

高林康一運輸事務官(海運局参事官)

○高林説明員 原単位を算定いたします場合に、積み荷の算定につきましては、まず実績によりますと同時に、どのような理論的な単位が考えられるかを検討したわけでございます。そこで、その場合におきましては、満載喫水線というふうな観点は、特にこれを取り入れなかったわけでございます。これは満載喫水線それ自体にはいろいろ問題もございますので、またこれを取り入れて考えるといたしますと、現在の船腹量算定の場合におきまして問題がございますので、この観点を特に取り入れずに、大体過去の実績の数値、その他をいろいろ参酌いたしまして、かつ理論的にはどの程度までが妥当であるかというような点も参酌いたしまして、この積み荷商を算定した次第でございます。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 満載喫水線等の問題は、現在までは考えられておりませんので、そういうものがこの基準を考える場合に取り入れられていないということもわかるのでございますけれども、今日内航船舶で満載喫水線の問題ということは、これは海難の問題と同時に、もし満載喫水線を設定するならば、ほとんどそれ以上の積み荷をしておるのが現状である。これは実際にごらんになればわかるのであります。そうすると、もし満載喫水線というふうな乾舷マークというものの表示が内航に徹底されてくると、そういう算出基準もまた異なるものだと思うのであります。この満載喫水線の問題につきましては、ほとんど考えられてないようでありますが、もしこれが徹底してくるならば、積み荷の算出基準もよほど変わってきて、適正船腹量というものの算出も変わってくるのではないか、こういうふうに考えるのでありますが、この点はいかがですか。

高林康一運輸事務官(海運局参事官)

○高林説明員 満載喫水線を設定いたしました場合に、理論原単位におきますところのグロストン当たりの積み荷高というものがどのくらいになるかというようなことは、確かに設定のされ方いかんによりましては、いろいろ関連が出てまいる点があるのではないか。この最高適正船腹量を策定いたします過程におきましては、内航業法によりまして、海運造船合理化審議会に御諮問申し上げたわけでございます。その場合に、ただいま先生が御指摘のような満載喫水線の制度というものとの関連におきまして宗単位をどう考えるかというような点は、検討の問題の一つになった次第でございます。ただその場合に、満載喫水線を——これは国際条約上の問題でございまして、当然内航に及ぶべきであるかどうか、また及ぶといたしましても、いろいろ地域的な変化もあり、問題がいろいろ多い。したがって、これらの点についてはやはり制度そのものの成り方を見て、そしてしかる後考えるべきではないかということで、満載喫水線の観点というものを特に取り入れないで、従来の傾向というようなものから見て、それぞれ原単位を算定していったという結果になっておる次第でございます。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 ただ乾舷マークということを、当然やはり私は内航におきましても、今後あらゆる船に全部ということにはいかないかもしれぬけれども、考えられてくるであろうということは予想するわけであります。これは海難その他の状況から見ましても、確かにそうであるということ州うかがわれるわけであります。でありますから、この積み荷量と輸送原単位なども、確かにこういう面が考慮されていかないと、もし今後これが進められた場合には、さらに船腹の上に問題が起きてくる、こういうことを考えるわけであります。現在乾舷マークについては大体内航船についてはどういうようなお考えを持っておられるか。

高林康一運輸事務官(海運局参事官)

○高林説明員 満載喫水線を内航船にどのようにして適用するか、あるいはしないかという問題につきましては、現在造船技術審議会におきまして満載喫水線制度というものをどのように拡大といいますか、現在の対象を拡大のるかという問題を審議をお願いしておる次第でございます。他方、また、当然これは航行安全の問題にも関連いたしますので、海上航行安全審議会におきましても、この造船技術審議会の審議の進み方というものと関連して今後取り上げることになってくるかと思います。  私ども、もちろんこの審議会の御意見によりまして措置を進めていく考えでございますけれども、現在まで、もちろんこの積載に原因するところの海難が相当程度多いことは事実でございます。ただこの場合に積載という問題が、積みつけということのしかたに原因するのか、あるいはまた積み過ぎであるのか、それらの点につきましていろいろ判別することが困難な場合もございます。当然現在積載ということに原因いたしますところの海難がすべて過載であるというようなことではないのではないかというふうにも考えられますけれども、その辺、海難の実態ともよくにらみ合わせ、あるいはまた航行の実態、たとえば内海の場合、それから外洋の場合、これはいろいろやはり積みつけ方というものについていろいろ相違があってもしかるべきではないかというふうにも考えられます。これらの点、十分その海難及び運航の実態というものもあわせて、いかにして海難を防止するかという見地からわれわれは処理してまいりたいと思います。  ただ、問題はやはり満載喫水線を何らかの形で一般的に強制適用いたします場合に、当然非常な中小企業、零細企業でありますところの内航海運業というものに対するところの経営に非常な大きな影響がある。それらの点を内航海運業の健全な発達というような観点、それから同時に航行の安全ということをどのようにしてはかっていくか、この両方の観点を整理いたしまして、私どもといたしましては今後審議会の御検討を通じまして何らかの結論を得たいというふうに考えておる次第でございます。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 この問題はむずかしい問題でございますけれども、この乾舷マークを設けることによって内航海運の経営の問題も出てくる、これは現状においては当然でございます。しかし、これも適正運賃あるいは標準運賃、いろいろ言われておりますが、こういうものがはたして現在までどういうふうに実施されてきたか、ここに私は問題があると思う。ですから、この経営の問題は確かに運賃の問題が一番大きい問題であって、ただ積み荷を少々多くするとか、危険までおかしてそういうふうにやるとかやらぬとかという問題はむしろ末節であると、私は海運の状況から言えば考えるわけであります。  この問題をやる時間がございませんが、保安庁がおられますから保安庁のほうにひとつお尋ねするわけでありますけれども、現在内航においてこの乾舷マークというふうなものを、全部というわけにもいかぬわけでしょうけれども、一定の大きさの船以上にこれを設けたらいいか悪いか。実際の海難の状況その他から考えられまして、保安庁の御意見をお伺いしておきたい。

猪口猛夫海上保安官(警備救難部長)

○猪口説明員 御承知のように海難の大部分は千トン未満の船舶に多いわけでございます。先ほど高林参事官からもお話がございましたが、その海難の原因が過載であるかどうかという問題につきましては、一がいに過載だとは申し上げられないと思います。はっきり過載またはそれに近いものが直接原因で海難になったというものがはっきりいたしておりますのは、土砂運搬船、それから問題の三十九トン型等につきまして若干ある程度でございまして、過載による海難とはっきりしたものは、たくさん海難があるわりに、私たちの手元では判明していないわけでございます。しかし、御指摘のフリーボード・マークがつくということは、海難防止の面から申し上げましても非常に好ましいことであると私たちも存じておる次第でございます。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 この問題はいずれよく御研究願って、先に譲るわけでありますが、いずれにいたしましても、適正船腹量の決定にはかなり重要な問題だ、こう考えておるわけであります。もちろん海難の問題につきましては、今日の内航の船員の資質その他いろいろな条件がございまして、一がいにここで断定するわけにまいらぬと思います。  そこで、ひとつお尋ねいたしたいと思いますことは、この最高船腹量の設定によりましての新船の建造の問題でありますが、海運局におきましては、内航海運組合法に基づく内航関係業者団体、この点についてどのように話し合いでこの新船建造の問題を進められておるか、この問題をお伺いしたい。

高林康一運輸事務官(海運局参事官)

○高林説明員 船腹の建造あるいは船腹の調整——現在の内航海運業界におきましては、前国会にも御審議願いましたように、内航海運業法で考えておりますのは、現在非常に船腹過剰である、したがって何らかの船腹規制というものを必要とするということが基本的な私どもの考え方でございます。そのために最高限度という制度を設定したわけでございますけれども、しかしながら、このようにいろいろ直接規制をいたします場合におきましても、基本となりますものは、内航海運組合法によるところの内航海運組合が、いわばその本来の調整機能でございますところの船腹調整機能というものを発揮してもらうということがやはり前提になるかと考えます。したがいまして、私どもといたしましては、最高限度設定、それと同時に各内航海運組合におきましても自主的にそれを調整してもらいたい。ただ、内航海運組合全国団体といたしまして現在五つございますけれども、それら相互の間にいろいろの関係もございますが、それらの五つの団体でもっていわば合同して委員会のような制度をつくって、そして船腹の自主調整をはかってもらいたいということを希望し、またそのようにして自主調整を現在も進めておるという状況になっております。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 この内航海運組合におきまする内航関係の事業者団体、これでつくられておるのがいわゆる合同委員会ですね。合同委員会と海運局との関係は、いまお話のございましたように、これでできるだけ自主調整をやらそう、こういふうにいま承ったわけでございます。ところが一応この合同委員会の審査を通らないと、新船建造について海運局は書類を受理しない、こういうふうな事態もあるように聞いておりますが、この点いかがですか。

高林康一運輸事務官(海運局参事官)

○高林説明員 最高限度が現在設定されております。したがいまして、その最高限度をこえるところの登録というものは、原則としてこれは認められないわけです。まあ船舶建造をいたします場合に、当然その船舶登録というのが内航海運業法で要るわけでございます。そこで事実上そういうような自主調整というようなことを進めておりますので、そういうような自主調整の結果を十分尊重いたしまして、そして登録事務を進めるというふうに現在やっておる次第でございます。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 これは、御承知のように合間委員会というのは、法的なバックはないわけですねところが、合同委員会を通らなければ海運局に書類を受理しない、この点は少しどうかと思うのです。その点いかがですか。

高林康一運輸事務官(海運局参事官)

○高林説明員 理論的にはもちろん海運局の登録の事務処理というものは、これ自身で独立して行なうことが法的その他にも可能なわけでございます。ただ、何と申しましても一、内航海運業法は、基本的には内航海運組合法によりますところの海運組合の自主調整ということをやはり前提にいたしまして、そしてそれにいろいろ国がバックアップをするというのが全体的な考え方でございます。そこで、その自主調整の結果をやはり尊重してやっていく、なるべく自主調整によって船腹建造というものが調整されていくということが最も組合を強化する手段でもございますし、また望ましい方向ではないかというふうに考えまして、そこで自主調整の結果、内航海運組合においてどのような意見を持つか、その意見を尊重して登録その他の事務を進めるというふうなことをやっておる次第でございます。これらの点につきましては、基本的にはやはり組合の強化ということを私どもとしては念願しておる次第でございます。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 もちろんいま言われましたこともわからぬことはございません。ただ、法的の根拠りないものを、その機関を通らなければ書類が受理されないということは、自主調整というのはあくまでも参考事項であります。参考事項でありますが、海運局として何か業務を合同委員会に委託されたようなことが事実上あるわけですか。

高林康一運輸事務官(海運局参事官)

○高林説明員 業務を委託したということではございません。ただ、私どもといたしましては、最高限度設定に伴いまして、組合の自主調整というものをうんと進めてくれ、それからまた組合の自主調整の結果は十分尊重して、私どもとしてやっていきたい。したがって、もちろんいま先生の御指摘がございましたように、海運局も、これはまあ地方海運局長に判断をゆだねておりますけれども、地方海運局におきまして、その自主調整の結果、違った判断を持つということは、理論の上ではあり得るかと考えます。ただ、もちろん業界の実態というようなこともございますし、やはり組合自身が一番組合員あるいはアウトサイダー等の関係も十分承知しておるというふうに考えまして、それを極力尊重して進めておるという実態でございます。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 極力尊重するということでありますが、実際は極力尊重というよりも、むしろそれによって審査が左右されておる、こういう傾向があると思うので、そこのところに私はやはり海運局としては筋を通すべきじゃないか、こう思うのです。だから、当然この意見を尊重されることは必要だと思いますけれども、現状の姿からいきますと、むしろ海運局の権限が合同委員会によってある程度浸されておるのではないか。合同委員会を通らなければ海運局は書類を受理しないという形、これが法的な根拠があるものなら当然でありますが、あくまでもこれは自主調整という一つの側面援助ですね。その点をひとつ今後の処理にあたっても十分お考えいただく必要があるのではないか、こう思うのです。  これもこの辺にしておきまして次に移りますが、本年度の特定船舶整備公団の代替によります建造ワクは大体八万三千総トンということになっております。これは今後、内航海運のほうがこういう状態になってまいりますと、いわゆる中小造船等のワクの増強の関係から考えましても、できるだけ広げられなければならぬ、こういうことを考えるのです。明年度以降のもしこれに対しまする見通しと申しますか、お考えがこざいましたならば、ひとつお示しいただきたい。

高林康一運輸事務官(海運局参事官)

○高林説明員 ただいま御指摘のございましたように、四十年度の特定船舶整備公団によりますところの内航貨物船の代替建造は大体八五三千トン程度を予定し、予算といたしまして大体五十一億を計上しておる次第でございます。これは現在の内航の老朽のしかも過剰の船腹というものを整理して、そして新鋭船に代替したいということを考えておる次第でございます。  この予算につきましては、昨年度三十九年度が大体四万五千トン程度の建造で、本年度が大体八万三千トン程度の建造というふうに、ほぼ倍くらいの建造量にしたわけでございますけれども、いまの内航の実態を見ますと、依然として老朽船というものが多い、またしかもそれが過剰船腹であるというふうに考えられます。したがいまして、私どもといたしましては、今後このような代替建造方策というものをさらに拡大して、また一年だけではなかなか一ぺんにはできませんので、やはり長期的な計画のもとでこれを進めていきたい。またそのワクを拡大することによりまして、いろいろ造船所との関係ということも非常に円滑に進み得るのではないかというふうに考えておりまして、これからの代替建造予算というものについては今後とも確保増大というような点について努力してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 これは、参事官のお話によりましても、今後内航海運の状況、ことに不経済船、老朽船が非常に多い、これを近代化してまいりますためにも当然このワクを広げなければならぬ、こういうことでございます。これはひとつ来年度以降画期的に御努力いただきたい、こう思うのであります。  さらに、いまの特船公団のワクの八万三千トンですが、これは御承知のように、代替建造はSB方式になっておるわけですね。すなわち一対一・五ということになっておるわけです。ところが、これがいまやはり実際問題として問題がありますのは、いわゆる一ぱい船主である。今後は内航におきましても、できるだけ船型は大きくなることが輸送面から考えても経営の面から考えても好ましいことなんです。ところが、これが一対一・五ということになっておるところにいま問題があると思うのですが、これで、はたしてこの代替建造がうまく進んでいくかどうか。ことに老朽船とか不経済船というのはむしろこういう一ぱい船主あたりに多いのである。そういう面から考えましても、このことはいまいろいろ問題になっておると思うのです。その点につきましてのお考えをひとり……。

高林康一運輸事務官(海運局参事官)

○高林説明員 まず解撤はいま御指摘のございましたように、一・五をつぶして一をつくるというのを原則としております。この点につきましては、やはり一ぱい船主等においていろいろ問題が多いことは、ただいま御指摘のございましたとおりでございます。ことに一ぱい船主が多いのは機帆船の場合と考えられますけれども、機帆船の場合におきましては、この一・五の計算におきましてデット・ウエートによりますところの計算方式をとりまして、できるだけこの解撤に伴いますところの負担の増というものを避けるようにして進めておる状況でございます。ただ、しかしながら、やはり今後の国民経済の姿の私ども想定しております状況においては、ある程度の船型でなければならないのではないか、そういうような点につきまして一ぱい船主だけではなかなか処理ができないというふうにも考えられますので、これらの点については、現在各地におきまして一ぱい船主が寄り集まって、あるいは協同組合、あるいは会社というような形態をとりながら、大型船、内航の比較的大きい船をつくるというような動きがだいぶ出ております。私どもといたしましても、一ぱい船主が一ぱい船主のままでということは今後の競争上においても非常に問題が多いのではないか、やはりある程度の協同組合方式なりその他の団結方式によりまして固まってやっていくというような方式をとってもらいたいというふうに考えており、またその方向に伸びまして、各地でそういうような機運が出てまいっております。そういうような傾向を今後も助長してまいりたいというふうに考えておる次第であります。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 運輸省の考え方は私はよくわかりますが、実際問題として、一ぱい船主の持っておるのはいわゆる老朽船であり、不経済船が多い。これがいろいろ合併とか合同とか、いわゆる企業規模を大きくするというところにまた問題が出てきておるわけです。その点から考えて、これは全部そういうわけにもいかぬと思いますけれども、これは現状におきましてはやはりある程度これらの点について再検討してみる必要があるのじゃなかろうか、こういうことを私は考えるわけであります。この点もきょうはもう論議する時間がございませんから、この程度にいたしておきますが、今後ひとつ十分この点御研究いただきたいと思うのであります。  なお、これに関連しまして、これは先ほど参事官からもちょっとお話がございましたけれども、いわゆる中小造船所の問題がかなりあるわけであります。参事官も広島県の木江のほうにも御視察願ったそうでございますけれども、これは県あたりとしても実は非常に弱っておる。これはただ単にああいう瀬戸内の島のみならず、その他淡路局等におきましても、木造船関係は非常な問題を持っておるわけであります。しかし大体中小造船所のうちの五百トン以上のものについては、これは本年度のいろいろな代替建造その他海難あるいは中小企業の融資の面、あるいは輸出船、あるいは漁船、こういうようなもので、本年度あたりはある程度のめどがついておるのです。ただ問題は五百トン以下ですね。このいわゆる零細な造船所の問題がいま非常に問題になっておるのであります。しかもこれは数が非常に多いということである。したがって、これをこのままに放置しておくならば、一つの社会問題として発展しかねないような状況であるのであります。しかしいま国としては、これらに対してどうするということは何ら出ていないのであります。私どもがそういう人からよく聞くのは、たとえばこれは状況が違うのでありますけれども、わが国において塩田の整備をやった、これは一つの国の政策としてやったのでありまして、国からいろいろな問題が出ております。こういうふうな問題もあるので、これはちょうど船舶局長においでいただいておりますので、ひとつ船舶局のほうからも御意見を伺いたい。  海運局につきましても、また内航の問題との関連でございますので、これらについての御意見があれば承りたいと思うのであります。

芥川輝孝運輸技官(船舶局長)

○芥川説明員 五百トン未満の船舶の製造業者に関しましては、御指摘のとおりでございまして、私どもの調べましたところによりますと、中小鋼造船所と申しますのは全国で四百四十五ございます。そのうち五百トン以上建造できます造船所が九十一ございます。それから五百トン未満、これが三百七十五という数になっておりますが、その三百七十五のうち、約三百が木造船業者兼業でございます。この兼業者のほかに、木造船所としては約千というものがあるわけであります。  ただいま御指摘の問題は、五百トン未満の三百七十五の工場についてであろうかと存ずる次第でございます。この小さな業種を対象にいたしまして、これは木造船が中心になっておりますが、御承知のとおり、中小企業近代化促進法、これによりまする調査を私どもでやりまして、その結果近代化基本計画というものをつくることになっておりまして、仕事の進行状況を申し上げますとただいま木造船所の分を終わったわけでありますが、木造船所だけでは基本計画はできない。と申しますのは、木造船業者がみな鋼船へ進出してまいるという機運がございます。そうなりますと、ただいま申し上げました三百七十五の業者が非常に影響を受けるわけでございまして、木造船の近代化基本計画を立てます上にも、この三百七十五の業者をもう一度調査いたしまして、実態をつかんでまいらなければならない、こう考えておる次第でございまして、ただいまその調査に着手したところでございます。見通しといたしましては、秋までには近代化計画の基本計画を出しまして、それによりまして、たとえば合併なり集約の促進なりの具体的措置を明らかにする必要があるのではないかというふうに考えております。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 これは運輸当局におきましても、船舶局を中心といたしまして、これらの実態調査をして、そして根本的な対策を立てよう、こういうことでございます。これは私どもから番言わせますならば、今日まで内航の問題が取り上げられましたときに、当然これがあわせて考えられるべき問題であったと思うのであります。しかしこれはやむを得ません。やむを得ませんが、この問題につきましては、ひとつ早急に調査されまして、根本的な政策を打ち立てていただきたい。ことに、御承知のように、これがありますのは、みなきわめてへんぴなところが多いわけです。したがって、他に転換するとかその他というふうなことを考えましても、これはなかなか容易な話ではない。この点につきましては、時間がございませんから、強く要望しておきまして終わりたいと思いますが、いずれにしても、これはできるだけ早い機会に方策を決定していただきませんと、今日非常に問題になっておるところでございます。この点をひとつ強くお願いしておきたいと思います。  それから、船員局関係でありますが、これは本年度も計画造船が百五十万トン計画されて、大量の船ができつつあるところであります、したがって、それに対します船員の養成計画、この点をひとつお伺いしてみたいと思うわけであります。

木内文治運輸技官(船員局教育課長)

○木内説明員 船舶職員の養成につきましては、文部省に商船大学二、商船高校五校ございます。それと運輸省に海技大学校がございまして、これも養成いたしておるわけでございます。船舶の増強によりまして、三十六年から三十七年、三十八年と、文部省の商船大学並びに商船高校では合計年間百四十名増、養成してまいっております。また運輸省の海技大学校におきましては、既成船員の再教育で職員の養成を短期にいたしております。需給に不調を来たした場合には、海技大学校の養成定員をふやしまして、その必要に応じておるわけでございます。こういう考えで今後の需給を推定いたしますと、商船大学並びに商船高校の養成定員と、運輸省におきます海技大学校の再教育による養成定員をふやしていきますと、この計画には応じ得る、こういう線を出しております。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 今後の船腹の増強については、大体船員の教育、養成についてはめどがついておる、こういうことでございますね。ただここで、従来もずいぶん船員不足が言われてきたのであって、ことに内航あたしではそういう船員の資格の問題まで来ておるわけであります。この点はよほどお考えいただかぬと問題があるだろうと思います。まあいま非常に不況で、陸上関係も悪くなりましたから、せっかく船員の養成したものが陸上へ逃げるというふうな率は少なくなるかもしれませんが、今日まではそういう状況が非常に顕著にあったということであります。これが船員不足を来たしておる一つの大きな原因でも一あったわけであります。これらにつきましては、ひとつ今後十分お考えいただきますと同時に、この船員の再教育あるいはすでにあります教育施設の昇格の問題、これらもいろいろこれまで論議されてまいりましたが、これはいまどういうふうになっておりますか。

木内文治運輸技官(船員局教育課長)

○木内説明員 商船高校の昇格につきましては、運輸省にあります海技審議会で昨年の八月ごろ答申を得まして、これを運輸大臣に答申し、なおかつ文部大臣に建議いたしております。文部当局におきましてもこの建議に基づきまして、ただいま昇格についての検討を始めております。さように文部当局からは通知を受けておる次第でございます。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 商船高校の昇格の問題、これはただいまお話しになりまして、われわれのほうもこの運動を続けてきておるわけでありますけれども、おそらく来年度は全部になりますかどうか、ある程度これが予算化されてくるのじゃないかということも考えておりますが、これはただ文部省の問題というよりも、むしろ船員養成の問題、運輸省の問題でありますから、ひとつ運輸省から強力にこれを進めていただきたい、こう思います。同時に、ことに内航におきますいろいろな海難の問題を見ますと、船員の技量不足ということが非常な問題になっております。今後船員の再教育、こういう問題につきましても、ひとつ十分なる施策を進めていただきたい、こう思います。時間がございませんから、きょうはこの程度にいたしておきます。  最後に病院船の問題ですが、これは保安庁関係になると思いますが、この船舶航行の安全と並んで私どもが重要視しなければならぬのは、やはり船員の健康問題だ、こういうふうに考えるのであります。これは保安庁におきましても、この点についてはいろいろ考えておられますし、さらに今日までも衛生管理者の問題その他でだんだん進められてきておるわけでありますが、私ども特に心配いたしますのは北洋であります。いまずいぶんと船が出ておるわけであります。ところが北洋では巡視船の「津軽」とか「宗谷」——「宗谷」はいまこっちに帰っておるようでありますけれども、こういうようなものが海難救助その他こういう方面に当たっておるようであります。その状態はどういうふうになっておるか、ひとつお話し願いたいと思います。

猪口猛夫海上保安官(警備救難部長)

○猪口説明員 御承知のように私たちが取り扱っております海難等に関連いたしまして、海上におきます乗り組み員の病気並びに負傷も相当あるわけであります。三十八年の実績をちょっと御披露申し上げておきますと、私たちが取り扱いましたものが、海上におきます病気、負傷合わせますと三百四十五件あります。そのうち海上保安庁が実際に取り扱ったものが二百七十二件ございまして、その大宗となるものは北洋におきます。集団漁業の病気、負傷が多いわけでございます。しからば、それに対してどういうぐあいにやっているかと申しますと、巡視船艇によります医者の派遣あるいは患者の陸上輸送あるいは通信による通信医療というものがおもな実態でございまして、御承知のように五月一日から向こう三カ月にわたって行なわれます北洋におきます鮭鱒時期におきましては、本日も一四百八十隻ばかりのものが北洋に集団漁業しておるわけであります。それに対しましては、先ほど先生がおっしゃいましたように「宗谷」及び「津軽」を中心とした四百五十トン以上の船を北海道の鮭鱒漁業連合組合と特別な任意契約を結びまして、向こうの負担によりまして医者を常時巡視船に乗せまして、突発いたします病気あるいは負傷に備えておるというのが実情でございます。私たちの立場から申しますと、船上の診察あるいは施療というものは、現在持っております「宗谷」でありますれば担当思うようにいきますが、千トンクラスではなおかつ非常に不十分でありまして、少なくとも二、三千トン以上のものが私たちの立場から申しますと必要であるということを痛感いたしておる次第でございます。  なお、二千トンクラスの船を私たちの手でつくることはなかなか困難でございますが、目下大体建造計画を進めております段階におきまして、千トンクラスの巡視船には全部診察あるいは臨時の患者の収容施設をつくるようにいたしておる次第でございます。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 保安庁としても現状ではいけないということを認めておられるのですが、御承知のように現在北洋では約五万人の人が出ていっておるということであります。この五万人の人が海洋で漁業に従事しておるのでありますが、この大集団にとって、海難以上に健康管理あるいは病気の治療、これは重大な問題だと思うのです。ことに独航船の乗組員にとってはきわめて重大な問題であると思うのであります。ところが、健康を保持するに足る医師というものが今日はほとんど乗ってないということであります。これは人道上から見ましてもきわめて重大な問題だと考えておるのでありますが、これに対しまして漁船船員並びに船員の問題を直接担当しておられます船員局、これらはどういうふうにお考えになっておるかということ、あるいは将来どうすべきであるかという対策、現状の改善と将来の対策というようなものがございましたら、ひとつお答えいただきたい。

星野肇運輸事務官(船員局厚生課長)

○星野説明員 ただいま先生から御指摘のとおり、この船員の災害、疾病の発生率というものは陸上に比較いたしまして非常に高いのでございます。それでいろいろな対策をいままで講じてまいりましたが、船員局だけで処理できないいろいろな問題が内在しております。たとえば医療関係の厚生省あるいは水産行政をやっております水産庁、警備関係の海上保安庁、こういう関係官庁にいろいろ関係がございますので、ことしの初めから運輸省に御参集を願いまして種々検討をいたしておる次第でございます。  さらに、ただいま御指摘のように、船員法上の問題、船員法におきましては船舶に乗り組ませるべき医師を指定をしておりまして、それとの関連がございますし、さらにまた安全衛生管理者制度というものがございまして、国家試験による衛生管理者、これをどういうふうに乗り組ましていかなければならないか、非常にいろいろと複雑な問題が内在しております。過日、これは四月でございますが、船員労働委員会からも海上の医療制度を根本的に、全面的に再検討するように運輸大臣に建議がございました。これらの問題を含めまして、いずれ適当な審議機関を設けまして、ここで十分検討いたしまして対策を早急に立てていきたいと考えております。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 この北洋の漁船員の労働条件あるいは保健衛生の問題、これがよくないということは十分御承知である。同時にこれはただ単に北洋だけでないと思うのでありまして、 ほとんど世界の七つの海に進出している日本の漁船員の問題、これにみな、あてはまると思うのであります。したがって、この問題はきわめて重要な問題でありまして、いままでこのことに対して政府が積極的な保護措置がとれていなかった、こういうこと、ははなはだ遺憾に思うのであります。  今日、世界の各国の状況を見ますと、病院船などがかなり進んでおるのであります。私どもいま資料をいろいろ集めて翻訳などを願っておるのであります。いずれ機会を見ていろいろ詳しく研究してさらに討議したい、こういうふうに考えておりますが、たとえば、西ドイツで申しますと、海難救助を含めた目的を持った病院船というものが現在六隻あるわけであります。これが非常な活躍をしておるということ。またアメリカでは、民間団体がポープ号という一万五千トンの病院船を東南アジアの諸地域に派遣しておる。それからオランダでも、漁船船員対象でドウ・フープ号という一千トン・クラスのものが活躍しておる。こういうふうなことでありますが、こういう諸外国の状況を船員局あるいは保安庁あたりは十分今日まで御研究になっておるのかどうか。この点をひとつお伺いしたい。

星野肇運輸事務官(船員局厚生課長)

○星野説明員 ただいま先生から御指摘になりました諸外国の例でございますが、私どもも先生のいまの御説明の程度しかまだ入手しておりません。特にドイツあたりの行なっておりますのは非常に進歩的であって、非常によい例であると私たちは思っておりますが、こういう形態はわれわれもひとつ今後推進していったらいいのではないかというように考えております。  ただ問題は所管官庁でございますが、ドイツにおきましては水産庁でこれをやっております。そういう問題も今後関係各庁との間でよく調整をとりまして意見の交換をやりまして検討したいと思っております。

猪口猛夫海上保安官(警備救難部長)

○猪口説明員 私たちのほうでも調査研究いたしましたが、資料といたしましては、ただいま先生が御披瀝になりましたものと大体一致しております。大体その程度のものを私たちも調査研究段階において得ている次第でございます。  この病院船的なものをどうするかということについては、ただいま船員局からお話がありましたが、私たちの見地から申し上げますと、先ほど申し上げましたように臨機的な、応急的なものにつきましては千トンか二千トンのものでかなりできるであろうと思います。ただし一番私たちの経験で問題になりますのは、その船に乗り組む医者が相当問題になると思います。できれば巡視船に乗り組む公務員たる医師がおれば、私たちの立場でこの問題もある程度応急的にりっぱに処理できると思いますが、御承知のように医者を公務員並みの俸給で乗せるということにつきましては、ほとんど不可能的な状況ではないかと考えております。そういう点に私たちの立場から申し上げますと非常に問題がありまして、ただ船をつくればそれで済むかという問題以外にそういうふうな問題があるということを付言しておきたいと思います。

内海清民主社会党

○内海(清)委員 必要だということは認められておるようであります。これらの諸外国の船におきましては、洋上において、何と申しますか、相当大がかりな手術もできる、同時に治療もできる、こういう状態までいっておるようであります。したがって、これらの点につきましては今後ただ単に海難ということだけにはわが国ではいかぬかもしれませんが、たとえば海洋調査とか気象調査というふうな多目的のものでもけっこうだ。しかし、先ほど話がありましたような、わが国ではこういう問題が起きると常に官庁のなわ張りの問題になる。したがって、なかなかこれらの間において調整がとれていかない。これははなはだ遺憾のことだと思うのであります。ことに人命に関係のあるものがそういうことで遷延されることはきわめて遺憾であると思う。この病院船の建造につきましては、これも御承知だと思いますけれども、フィリピンのマグサイサイ大統領がおりました時代に、わが国に病院船の発注があった。日本の造船所で、すでにこの設計はやった経験があるのであります。ところが、大統領の死去によってこれが中止になったことがあるのであります。こういう状況でありますので、わが国の造船技術をもってすればこれは十分なし得る、世界に誇るようなものができ得るということは明らかなことでございます。きょうはちょうど大臣のかわる時期で大臣もおられませんから、なかなか約束するわけにもいきませんけれども、少なくとも運輸省におきましては、中心的な役割でこれを進めてもらいたい。特にとりあえずは北洋中心でもけっこうだと思いますが、この七つの海に進出しております日本の漁船員のために、ぜひともこれを早期に計画して、できれば来年度からでも建造にかかる、ここまでいっていただきたいと思うのであります。そのことを強く要望いたしまして終わりたいと思います。  なお、北洋の漁船員からも、病院船の問題は海員組合の支部の決議として、私のところにも要請してきております。これは特に北洋に出ております漁船員にとっては切実な問題であります。このことをひとつ御承知いただきまして、十分この点をお進めいただきたいと思います。たいへん時間をとりまして申しわけございません。

長谷川峻自由民主党

○長谷川委員長 次回の委員会は、来たる七月十二日月曜日を予定しております。本日はこれにて散会いたします。   午後零時五十三分散会

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