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48回国会衆議院1965/05/07

運輸委員会 第29号

発言数
71
登壇者
5
会派数
2
開催日
1965/05/07

会議録

長谷川峻自由民主党

○長谷川委員長 これより会議を開きます。  造船法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行ないます。  質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。

久保三郎日本社会党

○久保委員 この造船法の改正に関連して、本日は造船政策というか、そういうものの全体について大ざっぱにお尋ねしたいと思います。  そこで、一つには、造船工業界というか、造船界の現況についてはどういうふうに認識されておるか。言うならば大手の造船関係、これは昨年OECD加盟以来、国際的に問題が出ているわけであります。日本の造船シェアが大体全体の四〇%前後というような大量の受注をいたしておりますから、そこでOECDを中心にして、まあヨーロッパ中心でありましょうが、そういうところの造船界としては、これに対して何らかの対策をとりたい。その背景は、言うまでもありませんが、造船能力の向上と船腹過剰の傾向、そういうところに大きな問題があるわけでありますが、そういう大手造船界の現況について一つ。  それからもう一つは、三千総トン以下の能力を持っている中小鋼造船界、こういうものは、いまの大手に比べては必ずしも受注はそう多くない。かたがた企業の体質もそう十分ではない、こういうふうに見られるわけであります。中小型というか小造船所についてはさらにもっとひどい傾向にあるというふうにいわれているわけであります。  さらにもう一つは、内航二法が昨年通りまして、内航海運に関する船腹の調整というか、そういうものを逐次やられつつある中で、特に小型鋼船以外に木造船の問題、こういう問題があるわけであります。こういろ大、中、小、木船はそれぞれ特殊な違った事情下にあると思うのでありまして、まずこれらの事情について、これは船舶局長から大ざっぱに御説明をいただきたいと思うのであります。

大久保武雄自由民主党運輸政務次官

○大久保政府委員 久保委員の造船業界に関する広範なる全般的御質疑がございましたので、一応御答弁申し上げまして、また船舶局長から補足させていただきたいと思います。  ただいま御説がございましたように、日本の造船の大手筋の世界の造船界に占めておりますシェアは、御指摘のとおり四〇%に達するといったような盛況を示しておるような次第であります。しかしながら、最近の世界の動きを見ておりますと、OECDの場におきましていろいろ日本の造船業の世界に向かっての進出を不当にチェックするといったような動きがございます。このやり方につきまして、かなり不公正と思われるものもございますので、この点につきましてはOECDの場におきまして相当抗議もいたしておったような次第でございまして、OECDのほうはややその動きが鎮静したかに見えるわけでございますけれども、最近またEECの面におきまして、EEC加盟国の輸出船に対しまして直接補助をしようという動きもあるようでございます。かようなことに相なりますと、これはガット精神にも反する次第でございますし、ガットに加入いたしました日本といたしましても、この点については強く抗議を申し入れなければならぬと存じておるような次第でございます。必要なる外交的な手も抜かりなく打ちますように手配をいたしておるような次第でございます。大手造船に関しましては、輸出船と相まちまして、国内におきましても、御承知のように今回新しい国内の大量計画造船に出発いたした次第でございますので、大体の造船能力は当分の間まかなっていけるのじゃないか、かような見通しをいたしておるような次第でございます。  また中小鋼造船については、御指摘のようにいろいろな問題も含んでおる次第でございますが、老朽船の改造その他適当な船型の輸出船等も関連をいたしまして、特定船舶整備公団の資金等と合わせまして、これが適当な処置をして、その施設が遊休になりませんように努力いたしていきたいと考えておるような次第でございます。  また内航二法に伴います木造船、零細造船業者につきましては、これは今後の船腹の限界の問題とからみ合わせまして、きわめて重要な問題を含んでおる次第でございます。私どもといたしましても、これらの中小造船所のあり方というものにつきましては、これはいわゆる中小零細企業と同じように、そのたえていく力がきわめて乏しいのでございますから、きめのこまかい造船政策をしていかなければならない、かように考えておるような次第でございまして、進みましては、その造船所の船台ごとのこまかな船の動きといったようなものも視察、観察してまいらなければなりませんし、一方また適当な木造船の輸出船等のことがございましたならば、できるだけこれらの造船所にこれを誘導するということもございます。またただいま、今後の内航船腹と見合いまして、これらの零細造船所を適当な企業整備に持っていくといったようなこともあわせ考えつつ、内航二法に基づく零細木造船業界の今後のあり方に遺憾なく対処していきたい、かように考えておるような次第でございまして、一応私から概括的に考え方のあらましを申し上げたような次第でございます。

芥川輝孝運輸技官(船舶局長)

○芥川政府委員 政務次官の御説明を若干、こまかな点につきまして、補足して申し上げます。  造船業の一般状況でございますが、初めに工場の数を申し上げますと、三千トン以上の船舶を建造できる工場が五十工場、それからそれ以下の中小規模のものが約四百五十工場、木造船所と称されるものは千三百工場、大体そういうような現況になっております。そのうち、大型造船所と申しますか、OECD等におきまして中心話題になっております日本の大型造船所につきましては、ただいま政務次官から御説明があったとおりでございまして、私からつけ加えて申し上げる点はございません。いわゆる中型一造船所につきましては、中小型鋼船造船業合理化臨時措置法を中心といたしまして、造船業の振興に努力をしてまいりましたが、数字的に申し上げますと、大体三十万トンの受注を平年度化いたしまして、それが四十年度は、内航二法等の過渡的措置もございまして、これは四十万トンにふえるような見通しをただいま持っておりますが、四十年度におきまして、四十万トンになるということは、その次の年度におきましては、非常に下回るのではないか、受注量が四十万トンを大きく下回るのではないかという懸念も持っておりまして、ただいまこれの対策に苦慮しているところでございます。  それから木造船につきましては、昨年の四月、中小企業近代化促進法の指定業種になりまして、全国から調査資料を取り寄せまして、本年三月末までにこれを取りまとめることにしておりましたが、若干おくれまして、せんだって一応その集計を終わりまして、今後これに基づきまして何らか木造船業の近代化基本方針を練りまして、この企業振興の対策を立てたいと考えておる現状でございます。  非常に簡単でございますが、現状を御説明申し上げました。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そこで、OECDの工業委員会第五部会、いわゆる造船関係部会でございますが、これは最近日本の造船界に影響のあるような結論を出したとは聞いていないが、その状況はどんなふうになっていますか。

芥川輝孝運輸技官(船舶局長)

○芥川政府委員 OECDの中の第五作業部会は特に造船の関係で設けられました、いわば小委員会でございますが、これはOECDの工業委員会の中の一部会でございます。そこで三月の中旬に第五作業部会としての造船対策に関しまする報告書を取りまとめまして、それを工業委員会に報告いたしました。工業委員会は第五作業部会の報告書どおりこれを採択いたしましたが、その報告書に基づいていかなる措置をとるべきかという点につきましては、工業委員会では結論を出すことができませんで、さらにその上の理事会に上げたわけでございます。そこで理事会を開きました結果、造船問題につきましては、小グループの、これは大使級と、こういっておりますが、小グループの特別委員会をつくりまして、そうしてさらに審議を続けてはどうかという結論が出まして、小グループの会議をごく近い将来にやる手順になっております。まだ具体的にその対策その他はきまっておらない状況にございます。以上でございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そこでいまお話のあった第五作業部会というか、そのほうから工業委員会あるいは理事会に提出をされましたいわゆる問題点というのは、どういうものですか。   〔委員長退席、進藤委員長代理着席〕

芥川輝孝運輸技官(船舶局長)

○芥川政府委員 第五作業部会におきましては、工業委員会から二つの諮問を出されております。その一つは造船業の現状の分析、第二は基本的対策の利害得失の評価、その二つの点につきまして第五作業部会として意見をまとめて、工業委員会に報告するようにという諮問が出されたわけでございます。これに対しまして、造船業の現状のほうにつきましては、各国から報告を出して、それを採用いたしました程度で、特に御説明申し上げるところはございませんが、基本的対策の利害得失の評価という点につきましては、大体考え方といたしまして、一つが各国別に造船能力を押えたらどうかというのが第一点。第二点は、各国別に割り当て制と申しますか、受注割り当て制をしいてはどうかというのが第二点。第三点は、フロアプライス制と申しますか、各国別の値段を何かきめてはどうかというふうな点がこの基本的対策として論議されたわけでございまするが、そのおのおのにつきまして、いずれも実施困難である、そういうふうな意見をつけまして、そして第五作業部会の結論といたしましてそれを工業委員会に報告したわけでございます。以上でございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 話は前後しますが、わが国としてOECDに加盟する際、特にこの造船の分野についてどういう態度をもって臨まれたのか、その点はどうなんですか。こういうことはすでにOECD加盟以前におわかりだと思うのでありますが、いわゆる日本が世界の造船の第一位を占める、先ほど申し上げたように、全体の造船のシェアの四〇%くらい占めている。全体の船腹量は慢性的な過剰ぎみにおちいっているというさなかに、当然OECDの中ではこの造船問題が一つの焦点としてあがってくる。あがってきた場合には、日本のいま持っておるシェアに対して何らかの制限を加えられることは、当然と言っては語弊があるが、予想されるところであったわけであります。ついては、それに対していかなる対策というか、いかなる方針で臨まれたのか、これはどうなんですか。

大久保武雄自由民主党運輸政務次官

○大久保政府委員 OECDに加盟するにあたりまして、日本の造船業の進出に対する何らかの牽制があるのではないかということは、前々からうわさにも上っておりました次第でございますが、日本といたしましてはきわめて公正な形におきましてあらゆる企業合理化と企業努力によりまして今日の盛況を見ております次第でございますので、ただいま船舶局長からも申し述べましたような不公正な形におきましてこれを抑圧するということは、私はOECDの精神にも反することでございますし、かような点につきましては堂々と日本の主張を述べて、公正な形の取引によってぜひ貿易界におきまして造船のシェアを伸ばしていく、かように考えております次第でございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 日本の立場としてはそういう立場かもしれませんが、世界全体というか、OECDの全体の中で日本とその他の国では立場が違う形になっているわけであります。そうしますと、OECDの基本精神というか、理念といいますか、いうならば相提携してやっていこう、簡単にいえばそういうことだと思うのですね。そうなると、少なからざるところの影響を、日本自身としては甘んじて受けるかどうかは別として、受けなければならぬ、こういうこともあり得るわけなんですね。公正な競争によってということで一つの問題がありますが、公正な競争ということになりました場合、はたしていずれが公正かということになる。そういうことも考えると、なかなか問題が大きいだろうと思うのですね。  そこで船舶局長にお尋ねしたいのでありますが、基本対策の利害得失というか、そういうもので大体作業部会は三つの、まあ結論ではないが、一つの方法論として三つ出した。あるいは割り当てとかあるいは能力に応じての問題とか、あるいは値段の問題を出したというのですね。この出したことが実施不可能であろう、こういうことになっているというお話でありますが、実施困難だということにいまなっておるとするならば、これからの見通しとして何らかの結論を得るつもりでやっているだろうと思うのであります。その動向というか、展望というか、将来の結論としてどこに落ちつきそうだといま見ておりますか。

芥川輝孝運輸技官(船舶局長)

○芥川政府委員 OECD自体の将来の見通しを私が申し上げるのは非常にむずかしい問題でございます。客観情勢としてその後に起きましたことを御報告いたしたいと存じます。先ほど申し上げましたように、OECDそのものといたしましては、第五作業部会の報告を理事会まで上げまして、一応そこでもう造船問題を打ち切るか、もしくは引き続きさらに議論を続けるか、この点につきましては相当問題があったように見受けております。その結果、先ほど申し上げたレベルの高い連中、いわゆる大使級といっておりますが、その連中が集まって、もっとゆるい、何か各国の意見がまとめられるような方法がないか、つまり先ほど申し上げた生産割り当てにしても、造船所の能力制限にしても、いわば非常にきつい案でございまして、これは各国とも各国の持っておりまする経済機構いかんによりましてはとうてい受け入れがたい点は明らかでございますので、そういうふうなことではなくて、もう少しゆるいような、いわゆる国際協力というふうなことに進む道がありはしないかというふうなことを基本にしまして、大使級の小さなグループをつくって、今後審議を続けていこうというふうなことにきめたようでございます。ただOECDとは別ですが、御承知のとおりのEECにおきましては、これと若干別な動きがあるように見受けております。と申しますのは、EECの中心国でありまするフランス、イタリア、ドイツにおきましては、一九六七年以降約一〇%の造船直接補助をやってはどうかというふうなことをEECの内部の委員会で一応中間結論として出しておるように見受けられます。EEC自体、これは閣僚会議を経ておりませんので正式な結論とはいわれませんが、ドイツ、フランス、イタリアにつきましては、ただいま申し上げたような直接補助の方向にものを考えていくかのように見受ける次第でございます。  それから、イギリスにつきましては、前回御報告申し上げましたイギリスの造船海運関係の担当大臣が帰国した後の動きを見ておりますと、日本並みに約八年もしくは日本より若干長い十年の延べ払いを許容しまして、輸出に力を入れているというふうな状況が出ておる次第でございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 いまお話しのOECDのほうの結論というのはなかなかっきかねるだろうということでありますが、それとは別にEECの中でいまおあげになったような直接補助をやろうという動き、一〇%程度の直接補助というようなこと、あるいはイギリスにおけるところの延べ払いの延長というような特徴的なものが出てきているわけなんでありますが、たとえば、この一〇%の直接補助をこれらの国々がやった場合に、日本の現状の、いわゆる助成といっては語弊があるが、これは間接的でありますが、そういうものとの関係で打撃がどの程度出るか、いわゆる船価においてどうなのか、そういう試算はしておられるのですか。

芥川輝孝運輸技官(船舶局長)

○芥川政府委員 特にその計算をしたわけではございませんけれども、われわれがいろいろの例でつかんでおりますのは、欧州の船価と日本の船価の間に約一割から一割五分程度の開きがあるんではないか。そこで先ほど申し上げましたように、一九六七年以降一〇%の補助ということは向こう自体の内部の合理化を考えての話と存じます。その辺になりますと、つまり一九六七年以降ごろになりますと一〇%補助をされれば、日本も欧州のほうも船価には差がなくなりまして、したがって日本の造船業が現状のままとどまることは、合理化、近代化に一そう努力をして、やはり若干の船価差を持っておりませんと、何ぶんにも遠いところからの受注でございますので、日本の造船業は欧州より若干下回った船価で出し得る体制にないと、造船輸出は困難ではないかという見解を持っております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 日本の輸出船舶が外国のそれに比べて船価が安いということが一番魅力であるのか、それともその他の理由で現在四〇%のシェアを大体保っていられるのか。これは船価の問題が大きい分かれ目になると思うのでありますが、それ以外に日本の船舶というのは、船舶工業というか、どんな点が優秀であるために四〇%のシェアを保っていられるのか。そういう点はどうなんですか。

芥川輝孝運輸技官(船舶局長)

○芥川政府委員 ただいま船価の点につきましては一〇%ないし一五%の補助が必要であるということを申し上げましたが、そのほかに建造工期が非常に短いという点も一つの輸出を盛んにならしめておる原因であろうかと存じます。結局工期が短いと資金が寝ている期間が非常に少なくて済むということに相なりますので、工期の短い点も造船輸出を盛んにしている原因であろうかと思います。  もう一つ、これはこの間日本に三隻の十六万トン型の大型のタンカーが発注がきまったわけでございますが、その発注をいたしました理由としては、その船主がそれまで約二十九隻の日本できのタンカーを使ってみて、比較的技術的に安心して使えるというふうなことから十六万トンを発注したというようなことを言っておりますので、技術的にも決して負ける内容の船ではないという点も、造船の受注を容易ならしめているのではないかと存ずる次第でございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 いまおあげになった技術あるいは工期の短縮、これは造船工法の近代化、合理化、そういうことでやってきたと思うのでありますが、これからは、国際競争力に打ち勝つためには、何といってもそういう問題を重点に取り上げていかなければならぬ、これは当然だと思うのであります。  そこで問題は、いまこういう形で近代化、合理化を進めていくというのでありますが、さらにこの分野だけで、いわゆる輸出船舶をつくっておる大手の造船所そのものにとって、これから近代化、合理化の方向というのはどんなところに余地があるのか。それはどういうふうに考えていますか。

芥川輝孝運輸技官(船舶局長)

○芥川政府委員 これは、一つは技術問題であろうかと存ずる次第でございます。御承知のとおり、超大型船の技術につきましてはまだ経験が少ないわけでございます。技術は、御承知のとおり、ファクター、経験の積み上げの上にようやくできておるものでございます。したがいまして、超大型船につきましては、設計の点その他からまだまだ解決すべき問題が多々あると存じますので、まず第一には技術の解明につとめたいと考えております。これを具体的に申し上げますと、たとえば十五万トン型なら十五万トン型はどの程度の要求される力に耐えればいいかという問題になりますと、それがめぐりめぐりまして外板の厚みになるわけでございます。そこで外板の厚みになりまして、その結果ただいま持っておりまする製鉄所の製鋼能力の程度で済むかどうか、その辺に非常に問題があるわけでございます。まず第一に技術問題を十分解明して、安心して運航できる船体をつくる必要があるのではないかと存ずる次第でございます。それから、そのあと設備の合理化につきましては、これは大体現在採用しております溶接ブロックの大きさが非常に大きくなってまいりますので、つり上げて物を動かすというようなことではなくて、たとえばビルディングドックにして、建造能率の向上というふうな点から建造方式のさらに近代化ということを考える必要があるんではないかと存じておりまして、ただいま超大型のドックの整備を急いでいる次第でございます。輸出条件その他につきましては、当然日本と諸外国のとっておりまする措置との間で、日本が大体同じような助成措置をとってやれば負けない。ただいま申し上げた技術問題あるいは設備の問題を解決することによりまして、常に日本造船業が受注できるという体制をとってまいりたいというふうに考えている次第でございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そこでこの建造の条件というか、たとえば国内船で計画造船一つとっても、ことしの二十一次船でありますか、これが百五十万総トンといわれておるようでありますが、この条件は実質的には後退しているのではないか、こういうふうにも思うわけです。これは政務次官にお尋ねしたほうがいいと思いますが、先般もこの委員会でちょっと論議があったと思うのでありますが、いままでの条件からいけば多少後退しているように見受けられる。これは現状から見て少しく当を得ないのではないか、こういう話が出ているわけであります。これはどういうふうに考えていますか。

大久保武雄自由民主党運輸政務次官

○大久保政府委員 後退しているという御質問の意味は……。

久保三郎日本社会党

○久保委員 たとえば輸銀のワクにしても、実質的には後退したかっこうがありますね。

大久保武雄自由民主党運輸政務次官

○大久保政府委員 輸銀のワクが四十年度百五十万総トンの建造に十分財政資金としても見合っていないじゃないか、かようなお尋ねであろうかと存ずる次第であります。そこで、これらの資金につきましては、今後大蔵省並びに内閣とも打ち合わせまして、必ず年度間の財政資金のあんばいによって計画造船の所要量は確保する、かような了解のもとに出発いたしておるような次第でございます。  昭和三十九年度におきましても、当初計画から数次にわたりまして造船の量もふやし、また資金ワクもこれをふやしまして、計画造船の拡大につとめたような次第でございますので、昭和四十年度におきましても、さような財政資金、計画の確保ということにつきましては、年度間において必ず手当てをする、かような約束をいたしておるような次第でございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 それはこれからの話でありますから、まあそれでいいでしょう。  ところで、大手造船所の造船能力というものは最近どの程度になっているんですか。

芥川輝孝運輸技官(船舶局長)

○芥川政府委員 ただいまの造船能力につきまして御説明申し上げますが、大型船を建造しております主要二十六工場で約四百二十万総トンというふうになっております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 ところで世界の造船というか、いわゆる船舶の受注量を大体八百万総トンないし九百万総トンという見通しをつけておるのが常識のようでありますが、いまのお話しのわが国の四百二十万総トンの能力ということを考えると、かなり問題がありはしないか。そこで設備拡張というか、特に大型船台の拡張傾向が多いのでありますが、最近はこれはどうなっておりますか。世界の傾向も見ないで船舶の大型化というようなことで大型船台をどんどんつくっていった場合に、はたして四百万総トン程度の受注が今後コンスタントにあるとは考えられないのです。先ほどお話があったように、EECなりあるいはOECDの中で新たな各国別の対策を立てようかという機運、あるいは日本の造船界に対して何らかのいわゆる制肘を加えようというような傾向を見ますと、そういう四百二十万総トンくらいは大体受注確保ができるということは、安易に手放しではできないと思うのです。だからその大型船台をどんどんつくって造船能力を増していくのだという方向は、ここで多少見直していく必要がありはしないかと思うのですが、これはどういうふうに考えておりますか。

芥川輝孝運輸技官(船舶局長)

○芥川政府委員 ただいまの点は御指摘のとおりでございます。運輸省におきましても、昨年、海運造船合理化審議会に対しまして、運輸大臣から超大型化に対しましてわが国の造船施設の整備をどういうふうにしていくべきであるかという諮問をいたしました。それに対する御答申に基づきまして、現在施設の整備をやっているわけでございまして、その中には、ただいま御指摘のこれ以上はふやさないという意味も含まれておるわけでございます。  ただ、世界的に船型が大型化してまいりますのは必然的な傾向ではないかと存じます。船型が大きくなりましても燃料費もしくは船員費はほとんどふえなくて済むわけでございますので、非常に輸送費が安くなりますから、したがって港湾その他の施設の近代化に対応いたしまして船型はどうしても大きくなる傾向がございますので、大型施設を早目にやっておいたところは大型船の建造ができるという現状に相なっております。それが日本の受注が非常に大量にできた一つの原因ではないかと存ずる次第でございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そうしますと、いまの海造審の答申に基づいて、政府としてはこれ以上大型船台の増加は規制するというような方針をとっておられるわけでありますか。

芥川輝孝運輸技官(船舶局長)

○芥川政府委員 先ほど私が申し上げたとおりでございまして、そのときに具体的にあげたものを重点にしてやりまして、さしあたりそこにとどめておく、ただこれはその他の企業もぜひやりたいという場合はどうするかという問題は別の問題でございますが、その場合にはもう一度この海運造船合理化審議会に諮問するなり何なりいたしまして、さらにその大型施設を数ふやすかどうかをきめることに相なるかと思います。現在のところでは、昨年六月の答申に基づきまして、その限度において整備を行なっておる次第でございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 時間もありませんから、ここで資料要求をしておきます。  先ほど来のOECD関係の資料、それから日本としてOECDに日本の造船業の現況あるいはこちらの政策に対する弁明というか説明、こういうものをお出しになっていると思うので、そういうもの、それからいまの昨年六月の海造審の答申、そういうものをあとでけっこうですから出してください。  そこで造船界にとってもう一つの大きな問題は——その前にちょっと申し上げますが、日本の船舶が低廉であり、低船価であるというようなことは、諸外国においては低賃金ということを一つの理由にしてそれぞれ日本の造船界の船舶そのものの分析をしているだろうと思うのですが、政府はいわゆる低賃金による低船価というような問題に対してどういうふうに認識されておりますか。

芥川輝孝運輸技官(船舶局長)

○芥川政府委員 低賃金という点につきましては、確かにそういう誤解が欧州諸国にあったわけでございます。たとえば、せんだって参りまして日本造船業を詳しく見てまいりましたイギリスのロイ・メイソンをはじめといたしまして、その他ノルウェーあたりから来ている連中も、日本の造船所の現状を見ますと、そうではないということをよく認識しております。と申しますのは、見かけの、いわゆる造船所が直接払います賃金は若干安いわけでございますが、その他の厚生施設にいたしましても、または作業の現場におきましても、いずれも欧州よりは非常にまさるものであるということをいずれも認めておるわけでございまして、いわゆる低賃金というものが意味します非常に貧しい、しかもそういう環境の中で肉体的な労働をしているのだということではなくて、そういう認識は全部改まりまして、きわめて近代化された、具体的に申しますと騒音などほとんどない、欧州などでは考えられないいい環境のもとで、しかもりっぱな工員の住宅その他備えたところで行なわれておるということを皆さん認識して帰っておりますので、いわゆる低賃金式の印象は次第にこれを是正されておるのではないかと信じておる次第でございます。  また、先ほどもお話の中で、低賃金がなくなった場合に何をもって競争するのかというお話でございましたが、これは一トン当たりの所要工数がいま諸外国に比べて日本は非常に低くなっております。これは企業近代化、合理化が非常に進んでおりますので、その結果ではないかと存ずる次第でございます。工数の少ないという点をもってただいま競争力の一つの大きな原動力としておる次第でございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 低賃金でないということで諸外国から来た調査団も感心して帰られたということでありますが、いまお話しの中の近代化、合理化を進めてまいりまして、いままでのような作業からだいぶ変わってきた、言うならば、多少作業がオートメ化してきている、多少ではなくて、もっと進んでおるような面もあるようでありますが、そうなりますと、ここで労働の密度というか、そういうものがかなり高まってきているのは事実でありますね。でありますから、そういうようなものを考えれば、やはり労働の質が高まってきたということでありますから、そうなるというと、いわゆる賃金論争をここでするわけでございませんが、かなり賃金の問題、労働の質の問題で、ややいまの見方は修正さるべきものが一つありはしないか、こういうふうにわれわれは考えているわけでございます。かたがたいわゆる工期短縮あるいは合理化、あるいは工員にしても、専門的なものから多様化しているわけですね。いままでならば、単に溶接工なら溶接工だけでやっていたものが、溶接もやればその他の仕事もできる。これは近代化、合理化のために、そういうふうに二つも三つもの作業ができるようになってきたということになりますと、そこに当然のごとく労働災害というか、これもかなりふえてきていないか。近年の統計は持ち合わせておりませんが、われわれは労働災害もかなり多くなってきている、そう聞いておるわけなんでございまして、そういう面の対策というか、これをどういうふうに考えているか、あるいは見方はどういうふうな見方をされているか、いかがですか。

芥川輝孝運輸技官(船舶局長)

○芥川政府委員 ただいま御指摘の労働災害につきましては、実は私のほうは、労働省のきめた基準を造船所が励行しているという前提のもとにやっておるわけでございますが、特に造船労働という特殊性のために運輸省がこれを監督している面はお説のとおり何もないわけでございます。ただ問題は、近代化いたしましたために生ずる大きな災害、これにつきましては、現在のところ幸い造船業のほうは他の産業と違いまして大災害はない、むしろ災害は減っておる傾向にあるのではないかと存じておりますが、ただいま資料も何も持ち合わせておりませんので、御答弁申し上げることができないような次第でございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 災害については、それは大きな災害は、もちろん機械化、合理化、近代化というか、そういうことをしておりますから、多少減ったとは思うのでありますが、そうではない、日常の労働災害というものはかなり多くなっているとわれわれは聞いておるわけなんです。これはあとで関係方面からとってもらいたいと思います。  そこで次の問題として、いわゆる造船界には受注の波動、こういうものが従来からつきまとっているわけでございまして、企業防衛というか、そういう企業の立場からして、従来は社外工に依存する分が非常に多い産業であります。最近は、労働の需給の関係からいって、従来のような社外工を使うわけにはだんだんいかなくなったと思うのです。最近における社外工の使用の傾向というものをどんなふうに見ておられますか。

芥川輝孝運輸技官(船舶局長)

○芥川政府委員 先生の御指摘のとおり、工事量の起伏につきましては、大体社外工をもってこれに充てておるという現状でございます。常用工につきましては、昭和三十八年以後、十万人台で推移しておる次第でございます。したがいまして、受注量がふえましても常用工はこれをふやさないでまかなっておるという状況にございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 この社外工と常用工の比率はどんなふうになっていますか。

芥川輝孝運輸技官(船舶局長)

○芥川政府委員 ただいま手元にあります資料は、三十九年九月現在でございますが、大手二十九工場で職員、工員合計が十万六千人、それに対しまして社外工を含む臨時雇用者が六千八百人、そういうふうになっております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そうしますと、これは十万六千に対して六千八百人、だいぶ従来から見て、傾向として少なくなってきた、減ってきたと思うのでございますが、そうですね。もうすでに従来の社外工ではやっていけないという傾向に、一つにはなってきたと思うのです。そこでこの社外工でカバーしていくというようなやり方は、もはや造船界においてもある程度修正されなければならぬ、こういうふうになってきたと思うのです。これに対しては、運輸省としては何らの見解なり対策というか、そういうものはお示しにはなっていないのでありますか。

芥川輝孝運輸技官(船舶局長)

○芥川政府委員 これは各社の企業方針によるところでございますが、運輸省の側といたしましては、造船はもともと受注に波のある産業でございますが、幸い造船工場が持っております機械は、いわゆる大型の鉄鋼加工に耐える機械でございますので、厚板加工なり大型の丸棒加工なり、そういうふうなものは全部引き受けてもいいというぐらいなつもりで、いわゆる造船とその他の部門と半々ぐらいが一番企業を安定させるのではないかというふうな見解はしばしばこれを示しておる次第でございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 いまのお話だと、いわゆる造船界の機械のほうとの比重をお述べになったようでありますが、そういうものを総体的に見て、最近の近代化、合理化とあわせてやはり社外工という身分の者を使うことは、今後それは考えものであるというふうにわれわれは考えているわけです。それは、一つには、先ほど冒頭にお話が出ましたOECDなりEECに対しても、低賃金ではないというような材料にも、社外工を大幅に使っていること自体、なると思うのです。しかも近代産業として、これが昔のようなおくれた産業の中でやっているというならば、企業防衛というか、そういうものからいっても、波動に合わせた社外工をやっていくというのは一番いいと思うのですが、最近は社外工は大体常用工と同じような仕事と雇用形態になっているわけです。大体年間通じて社外工というかっこうになっている。こういうものはすでにもう常用の範疇に入る筋合いのものが非常に多いと思うのですね。だからこういう形で企業を防衛することは、社会的にももはや許されない時代ではないかと私は思うのです。もちろんこれは局長がおっしゃるように、それぞれの企業の責任と考えによって処理される問題でありますが、言うならばいわゆるしろうとでもできるというか、そういう仕事では最近はなくなってきたわけです。専門的な知識なり技能なりが必要になってきた。そうでなければ船舶の建造のいわゆる近代化、合理化、それに乗っていけない。労働の質をもっと高めていかなければならぬ。質の悪いといっては語弊があるが、低劣なもので間に合うから社外工という制度があったのでありますが、最近の造船工業界は、造船のほかに、いわゆる機械分野というか、機器分野と一緒にやっていることでありますが、そういうものを考えると、やはり社外工というような存在をいつまでも残すべきじゃないし、労働の需給関係からいっても社外工が適切にとれるかどうか、これはなかなかとれなくなったので、いま御説明があったような数に減ってきたということでありますが、労働需給の関係からだけ問題をとらえるのではなくて、造船工業というか、そういうもののやはり近代化、これをはかっていくためにもやはり質を高める、そのためには常用化していく、こういうことがわれわれは必要だと思うのです。時間もありませんから、これはあとで、最近の社外工というか、そういうものの数字はお調べできましたら出していただきたいと思うのです。  そこで、もう一つ、次には中小型鋼造船といまの大手の関係でありますが、大手は御承知のように、いまでは小さいのでありますが、中型というか、そういう船台を持ちながら、大きい船台をどんどんつくっているということになっておるわけなのであります。そうなると、中小型のほうの分野まで大手がやっていく、そこに問題が一つあると思うのです。これはなかなかむずかしい問題だと思うのでありますが、大手は中小型の分野について受注を調整するというような方針がなければ、まず中小型は持っていけないだろう、こういうように考えられるのです。これに対してどういう考えで指導されておりますか。

芥川輝孝運輸技官(船舶局長)

○芥川政府委員 大手の造船所の船台を大きくいたします場合には、造船法を適用いたしまして、持っておる船台の小さなほうをやめさせるという方針をとっております。それから受注と申しますか、受注の指導につきましては、たとえば公団船のように開銀の金を使って中型船をつくる場合には、大手造船所は遠慮するようにという方針を明確に示して中級造船所に特定整備公団の船がいくような行政指導をやっておる次第でございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そこで、先ほど御説明があったいわゆる中小型鋼船の関係でありますが、これは臨時措置法によって、大体建造能力を年三十万トン平均化していく、こういう御説明がありましたが、しかも四十年度は四十万トン程度になるだろう、四十一年度以降これは減っていくだろうという御説明があったわけでありますけれども、中小型というか、この造船所の建造能力はいまどの程度になっておりますか。

芥川輝孝運輸技官(船舶局長)

○芥川政府委員 中小型造船所だけで約四十万トン、こういっておりますけれども、実際はこれを若干上回る程度ではないかと思っております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そうしますと、将来の展望として大体造船能力に見合った受注が確保できるという見通しが今日あるのですか、どうでしょう。

芥川輝孝運輸技官(船舶局長)

○芥川政府委員 数字的に明確な根拠を示して申し上げることはできないのでありますが、われわれが試算しておりますところでは、大体三十万トン程度が今後数年間の平均水準の受注量ではないかというふうに考えておる次第でございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そうしますと、十万トンの開きで、かなり大きいと思うのです。三十万トン平均にして、大体四十万トンくらいの能力があるということになりますと、かなり大きい開きがある。この開きについては、いわゆるスクラップするのか、あるいは転換させるのか、そういうような指導というか、方針はお持ちですか。

芥川輝孝運輸技官(船舶局長)

○芥川政府委員 能力と実稼働の点につきましては、これは能力はいつでも最大が出てまいりますので、大体これの七割ないし八割動けばそれはもう十分ではないかというふうに考えられる次第でございます。それから四十万トンと申しますのは、能力いっぱいの受注がことしはあったわけでありますが、これは来年度以降は三十万トン以下に減るのではないかという見通しを先ほど申し上げたわけでございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 特にこの中小型鋼船関係で開銀融資による近代化という、そういうものがございますね。これはワクはどの程度になっていますか。

芥川輝孝運輸技官(船舶局長)

○芥川政府委員 三十四年から現在まで十七億の開銀資金ワクを投じております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 一件当たりの最高額は限定がございますね、どの程度になっていますか。

芥川輝孝運輸技官(船舶局長)

○芥川政府委員 ちょっといま最高額、限界があるかどうか、ちょっとわからないので申し上げられないのですが……。

久保三郎日本社会党

○久保委員 たしかあると思う。船舶局長が関心を持っていないようでは、特に中級の造船所に問題があると思うのですが、これが近代化を急がなければならぬというような要望がかなり多いわけですね。ところが、この貸し出し限度といいますか、そういう限度があって、なかなか思うようにいかぬという話も出ておるわけです。これについてどうかと思うのですが、御存じないとすれば、次にでもお調べいただいてお答えをいただきたいと思います。

芥川輝孝運輸技官(船舶局長)

○芥川政府委員 ちょっと誤解いたしまして申しわけございません。ワクの限度と申しますか、民間資金と開銀資金との負担区分でございますが、これは五〇%を原則としております。資金量の最高融資ワクがどうかと考えましたので、そういうワクは制限がなかった。——ちょっと誤解しましたわけです。

久保三郎日本社会党

○久保委員 この五〇%でございますが、中級造船所の企業の力からいって五〇%市中に仰ぐというのもなかなかむずかしい面もあるようだと思うのですね。しかも造船界の最近の傾向として、いいものも多少あるようでありますが、大手筋と違ってそうはうまくいかぬという場合に、資力、信用の問題等もあるかと思うのです。そういう五〇%の問題を多少考えてやらなければ、このいわゆる中小企業の部類である中級の造船所というものはなかなかうまくいかぬ、こういうふうに聞いているわけなんです。そういうことはいままでどういうふうに交渉されているか。いかがですか。

芥川輝孝運輸技官(船舶局長)

○芥川政府委員 現在のところ五〇%のワクでやってまいりましたのは、やはりそこで融資のできるところがどうしても選択されて他の工場よりは先に近代化が進むという結果を生むというようなことはやむを得ないと存ずる次第でございます。ことに先ほど御指摘のように能力が現在ふえつつある現状でございますと、この五〇%をさらに六〇%、七〇%と上げても、中小型造船所の整備を促進すべきであるかどうか、非常に議論の分かれるところでございまして、現状は五〇%をしばらく維持してまいったほうがいいんではないかというふうに考えておる次第でございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 いまの話は、能力のないやつはしようがない、こういう話ですが、それはそのとおりなんだが、あるものでありますから、そこにあるから、どうにかしなければならぬということであって、能力のないやつはしかたがないんだということでは政治ではないと思うので申し上げているわけなんで、これはきょう別に結論づけるつもりはございませんが、その辺のことも十分考えていかぬと造船の政策というか、それにはならぬと私は思うのであります。大体船をつくる人でありますから、お金のほうについては多少違うのかもしれませんが、そこのところを考えてもらわぬと安心して企業が発展できないだろうと私は心配するわけです。  そこで、次には木船の問題でありますが、木造船の現況は先ほどお話があったとおりでありますが、きめのこまかい対策が必要だというが、そのきめのこまかい対策とは何だろうか、こういうふうに聞きたいのです。

芥川輝孝運輸技官(船舶局長)

○芥川政府委員 先ほど申し上げましたように、中小企業近代化促進法によりまして指定業種となって、近代化の基本方針は集めた資料に基づいて定めてまいるわけでございますが、いわゆるきめのこまかいと申しますか、たとえば技術向上のために講習会を開催いたします。あるいは標準設計を作成いたしまして、各造船所の指導に当たります。さらに、たとえばモーターボート競走の収入金によります一部をこちらに回しまして、設備の合理化の手助けをするというふうな点をすでに実行しておる次第でございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そこで、さっきお話がありました中小企業近代化資金に対する要求というか、基本項目というか、そういうものも取りまとめが大体できたというが、それでは、その取りまとめされた中でどんな要求が多いのか、一つ二つおっしゃってください。

芥川輝孝運輸技官(船舶局長)

○芥川政府委員 これは三月末にようやく全部集まりましたので、ただいま解析中でございます。若干それより行き過ぎたような説明をいたしまして、おわび申し上げて訂正いたします。

久保三郎日本社会党

○久保委員 それでは、この次の機会に、解析が終えたらひとつわれわれにもお知らせいただきたいのでありますが、これに関連していわゆる内航二法のときに問題がございまして、木船の実態からいって船腹量の策定は困るという業界からの話も強く出たようであります。しかし、内航のいわゆる安定を期するためには、やはり船腹量の策定が必要だということで、本委員会でも可決したわけでありますが、ついてはかたがたやはり木船造船所のあり方、これの近代化なりあるいは転換策なり、こういうものがあわせて考えられなければ、実際に万全な政策とは言いがたいのであります。いまお述べになったようなものが一つ二つございましたが、それもいまの要求項目というか、そういうものの解析をして対策をお立てになると言うのでありますが、早急にこの対策を立ててやらぬと、なかなか一般の大手は好況というか受注量一ぱい一ぱいある、中小あるいは木船はそうでないというようなことであって、何か政策の焦点が単に大手だけにしぼられて、あとはどうも能力に応じておやりくださいというふうにもとれるわけで、これは別にいやみでありませんが、そういう日の当たらぬ企業に対してやはり十全な対策が必要だろうと私は思うのであります。これは要望しておきます。   〔進藤委員長代理退席、委員長着席〕  それで最後に、運輸大臣がいらっしゃいましたから一つだけお尋ねしておきますが、運輸省として、輸出船と国内船の建造に対してどういう統一的な見解をお持ちですか。たとえば先般瀬戸内海においでになって、運輸大臣は、大幅建造というか、国内船の建造、貿易外収支というか、海運収支の改善というようなことで膨大な数字をお示しになったようであります。それも一つの見解でありますが、しかし、かたがたいわゆる造船界にとれば船舶の輸出ということも、これまた大きな問題がありますね。これをやらなければいかぬ。国内船の建造ばかりでいわゆる造船界を維持するわけにいかぬ。むしろ比重は、御承知のように、外国船の受注を主として考えていくというような実態なんですね。その場合に、外国輸出船は当然日本の国内船と海運の分野においては競争する立場にある、こういう相反する問題がある。これに対してどの程度の見解をお持ちなんでありますか。国内船と輸出船との関係はどういうふうに考えられておりますか。たとえばいっとき問題になりました仕組船の解釈についても、まだはっきり解釈がついていないのじゃなかろうかと私は見ているのでありますが、そういうものの調整というか、政府部内特に運輸省の問題でありますが、どういうふうになっておりますか。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○松浦国務大臣 この間、瀬戸内海で申し上げましたのは、港湾の範囲であって、何か将来のビジョンというものを述べろということで、いろいろちゅうちょしたのですけれども、港湾をつくっていくためには将来の日本の造船というものはどのくらい手持ちするのだ、またどのくらい輸出するのだという一つの標準がなければいけないじゃないかというので、長期展望というものをやってみたのですが、それはいわゆる長期のビジョンでありまして、まだそれはほんとうの政策として取り上げたものではありません。けれども、現在の日本の経済の成長率が七%半とか、あるいは実際は八%とかいっておりますけれども、今後農業並びに中小企業その他弱小産業を安定させ、これを向上させつつ行きましたならば、そういう大きなパーセントは見られない。かりに現在の伸びつつある産業が従来と同じように伸びましても、そういう面にひずみを直しつつ行くということになれば、平均四%ないし四・五%しか伸びないという計算の上に立っても、やはり六十五年というような将来を、長く二十五年先を見るならば、四十億トンというような貨物を運ばなければならなくなるのですよ。そういう点に立って申し上げたのであって、これはまだほんとうの運輸省の計画として予算を組むようになったものではありません。しかし現在の状況としては、今年度は四百二十万トンくらいにいくのではないか、そのうち輸出と国内船とが大体七割・三割くらい、国内船は御承知のように百五十万トンですから、これから注文のほうで外国へやるものは三百万トンないし二百八十万トンぐらいにいけると思うのです、という大体の見当です。それで来年度以降四十二年ごろには五百万トンの生産能力を持つだろう、それは現在川重その他三社ばかりの船台の用意から見まして、五百万トンは優に生産することができるだろう。そのときにおきましてはやはり四、六の——四、六というのは歳出六割、国内、外国船四割という考え方の上に立っております。そうでないと、七百四十万トンというものの最終年度の手持ちの船ができないことになりますから、大体最終年度においては五百万トンできるだろう、できるだけの船台はできつつあります。ですからそういう考えの上に立っております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 数字のことは別として、私がお尋ねしたかったのは、たとえば仕組船一つとりましても、どの程度のものをいわゆる仕組船として建造を許すのか、そういうものの解釈が統一されておりますかどうかを聞いているわけです。これは国内船と輸出船との関係でありますが、そういうものがたまたま統一的に解釈をしていないと混乱が起きる、造船界と海運界で問題が起きるということがあるわけなんですね。そういうものはどういうふうになっていらっしゃるのか、それを聞きたかったのです。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○松浦国務大臣 いまのは大まかなことを申し上げたのですが、こまかしいことは局長から申し上げます。

芥川輝孝運輸技官(船舶局長)

○芥川政府委員 ただいま仕組船というおことばがございましたが、仕組船の内容につきましては実は海運局と打ち合わせ中で、まだ定義もはっきりしておりません。といいますのは、それの持っている国籍にいたしましても、それに当てる荷物にいたしましてもいろいろございまして、仕組船の限界がはっきりいたしておらない状況にございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 大臣、いま船舶局長が答弁したとおりなんでありまして、そのほうが大きいのでありまして、それからしたがってあなたが御答弁なすった数字が出てくるのであります。そうでないというと、これはしょっちゅう造船界と海運界のほうで見解が分かれてうまくいかぬということがあるんですね。そういう見解を統一して、初めて日本の造船と海運がどういう方向でどの程度持っていくかということが、これは一番大事な点なんですね。大事な点がまだきまってないということは、これはやはり運輸大臣としての責任ではなかろうかと思うのであります。この次にまだ海運関係法案もありますから、そのときまでにひとつもう一ぺん歯切れのいい答弁をいただくことにして、きょうはこの程度にしておきます。

長谷川峻自由民主党

○長谷川委員長 他に質疑はこざいませんか。——他に質疑もないようでありますので、本案に対する質疑はこれにて終局いたしました。     —————————————

長谷川峻自由民主党

○長谷川委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もございませんので、直ちに採決いたします。  本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

長谷川峻自由民主党

○長谷川委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。  ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

長谷川峻自由民主党

○長谷川委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。   〔報告書は附録に掲載〕

長谷川峻自由民主党

○長谷川委員長 松浦運輸大臣。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○松浦国務大臣 本案に対しまして慎重御審議、御議決いただきましたことは、ありがとうございました。

長谷川峻自由民主党

○長谷川委員長 次回は来たる十一日、火曜日、午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十九分散会

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