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48回国会衆議院1965/03/17

運輸委員会 第13号

発言数
67
登壇者
8
会派数
1
開催日
1965/03/17

会議録

長谷川峻自由民主党

○長谷川委員長 これより会議を開きます。  陸運、海運、航空及び日本国有鉄道の経営に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。増田甲子七君。

増田甲子七自由民主党

○増田委員 まず運輸大臣に承りたいと思います。  所得の地域格差ということが政治上の大問題になっておることは御承知のとおりでございますが、運輸関係をりっぱに運営すればこれを打開できるというのが一つの条件になっておると私は思います。しかも格差是正の重大条件であると私は思いまするが、大臣の所見はいかがでございますか。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○松浦国務大臣 増田委員の御意見と全く同感でございまして、近時自動車の非常な発達を見ておりますが、これは人口が稠密であって、しかも道路が舗装道路にならない限り、自動車の輸送力というものはあまりございません。したがって、新しい地方を開発し、後進地域の開発というものに対しましては、やはり鉄路による輸送力の増強以外にない。でございますから、御県であるとか、あるいは北海道のようなところであるとか、あるいは九州のほうであるとかいう方面においては、これからさらに新線をふやしていかなければならぬ。そうして地域開発をしなければならぬ。かように思っております。

増田甲子七自由民主党

○増田委員 一応御答弁で私の聞かんとするところを答えてもらったようなわけで満足するものでございますが、御承知のとおり、われわれ運輸委員は、東海道新幹線ということにつきましては、全面的に賛成したわけでございます。しかもこれが急速に実現を見まして、今日りっぱな運営をいたしております。しかしながら、それがかえって東京、大阪の沿線の所得がいよいよ増大して、これはけっこうなのでございまして、悪いと言っているわけじゃございません。けっこうです。しかしながら、かえって格差を拡大しているといううらみがございます。私はあに、自分の出身県のことを言っているのではないのでございまして、この鉄道新幹線以外の諸府県の所得の格差をかえってふやしたというような結果になっておることについて、どういう御所見を持っていらっしゃいますか。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○松浦国務大臣 お説のようなことでございますから、皆さまの御援助をいただきまして、新長期計画というものを樹立いたしました。しかも今年度の予算の中には三千億というような工事費を見積もっておりますから、御協賛を願いたいと思っております。  これに引き続きまして、七ヵ年に約三兆億という資金を使いまして、まず岡山までを早くつくりたい。同時にその他の都市における通勤、あるいは学生の過密ダイヤの解消、または幹線あるいは支線におきましても幹線と同様な輸送能力を必要とするところ、これを現在複線であっても輸送力の足らないところは複々線、単線であるところは言うまでもなく複線にいたしたい。同時に電化にいたしたいのでございます。御県地方における長野県は、ああいう大県でありながら輸送関係においてはあまり恵まれておりません。私は増田先生が御質問になるから申し上げるのではありませんが、諏訪湖というところはスイスのレマン湖に似ておる場所でございまして、これは軽工業を盛んにならしめる唯一の土地であるということは、私の従来からのたれにもとらわれざる議論であります。でございますから、新産業都市の問題におきましても、北海道の旭川、長野県の諏訪湖、これはどうしてもやらなければならぬという考え方を持っておったのでありますから、ややもすれば港中心の産業の弊を緩和するために、また軽工業というものが日本民族にとって非常に重要な問題でございますから、そういう方面に工業を誘致する上においても、どうしても複線、電化というようなものは、松本及び信越線方面において必要であるということは言うまでもありません。現に着手いたしております。ただこれを何年までにやるかということは、これは石田総裁の方面のお考えでございますから、私はそういう考え方で石田総裁と相談をしてやっております。

増田甲子七自由民主党

○増田委員 運輸大臣は非常に親切で、私の県のことについてお答えになっておりますが、私は全国四十六都道府県のことについて質問しておるわけでございます。あとではあるいは地方の問題に移るかもしれませんが、そこであなたのおっしゃいました三千億の改良費、それから二百五十億の新線建設費、これはけっこうでございます。しかしながら東海道新幹線は御承知のとおり四千億ないし五千億かかったわけで、しかも時間的にも非常に短くできております。こういうふうには、どうしても東京ないし岡山間以外のものはそんなにスピードも早くいかないのじゃないかと思うのです。  そこで運輸大臣に特に望むところは、新線にいたしましても改良にいたしましても、東海道新幹線のごとく早く、そうして金額もなるべく多くして——多くしてと言ってもいろいろ運賃のことや過密ダイヤの解消のことやいろいろな障害はあるかもしれませんが、ひとつ国鉄に対して望むところは、やはり新幹線のごとくスピードアップをして、十年も二十年もかかってはまことに効果が薄いのでございますし、私は東海道新幹線は非常に目ざましいと思います。これは、われわれ運輸委員が当時の運輸大臣、また国鉄総裁、現在の国鉄総裁に対して極力これを、オリンピックもあるし、やってくれと言って協力したことも原因いたしております。途中において補正予算が二度もありまして、その補正予算を合計いたしますと、当初予算よりも多いくらいでございましたが、それも目をつぶっておったのです。  要するにどういうことになるかというと、東海道新幹線に重点を置かれ過ぎる傾向があります。新線にいたしましても、改良事業費にいたしましても、できるだけ早く効果のあがるように、国鉄に対し運輸大臣は臨んでいただきたい。全国四十六都道府県について私は申し上げるわけでございます。それについて東海道新幹線のごとくやってもらいたい。御所見はいかがでございますか。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○松浦国務大臣 お説のような内容において石田総裁に常に督励を申し上げておるわけでございますから、詳細は総裁からお聞きいただきたいと思います。

増田甲子七自由民主党

○増田委員 それでは、希望といたしまして、これからも、改良事業は千何百億が三千何百億にふえたということは私は多としておりますし、あなたの御要請どおり、われわれは賛成いたします。それから、新線の百何億が二百五十億になったということも、これは運輸大臣の配慮によるものでありまして、これは賛成いたしますが、いま申された新幹線のごときスピードによって、それぞれの民衆が感謝をするようにやっていただきたい。いま申すごとく、新幹線はかえってある意味におきましては国家に寄与いしておりますけれども、ある点から申せば格差を増大いたしておりますから、よく考えて、国鉄総裁とも打ち合わせ、また国鉄のほうを監督してやっていただきたいと思います。希望を述べておきます。  国鉄当局に質問いたします。いま運輸大臣に私が希望し、また要請したことは、石田さんに要請するのと同じでございますから、これについて御所見を伺いたいと思います。新幹線のごとくスピードアップをしてやってくれるかどうかということをまずひとつ伺いたい。

石田礼助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 私の申し上げんとすることはすでに運輸大臣から申し上げたのですか、要するに国鉄といたしましても、建設する以上には早く完了するということがわれわれの使命であり、また投資効果をあげる上からいっても必要なことで、その点からいって一番われわれが悩んでおる問題は土地の買収問題です。実にその点については手をやいておるのであります。幸いに土地の買収に関する法律もできましたので、これからはひとつ勇気をふるって、思い切ってその方面に突進したいというふうに考えおりますので、ことに東海道新幹線におきましては、その点については貴重な体験を得ましたので、これを利用してひとつ同じような頭でやって、御希望に沿いたいと思っておる次第であります。

増田甲子七自由民主党

○増田委員 今度は地方の問題に移りますが、もう一つ中央の問題を申し上げておきます。  鉄道五ヵ年計画あるいは第二次五ヵ年計画を作成するにあたりまして、あたり運輸委員の納得と了解——一回やったんだというような話もありますけれども、そういうことは民主的に、事実上の懇談会なり何なりを開いて、自社両党を入れ、民社も入れてけっこうなんですから——急速にやるというとどうも独断的なような感じがいたします。これは運輸大臣にも要望することでございますが、五ヵ年計画にいたしましても新五ヵ年計画にいたしましても、将来はたびたび運輸委員会の懇談会みたいなものを開きましてきめていただきたいと思いますが、従来の経緯にかんがみますと、もうさっきやったんだ、だれだれさんは出ていなかったからしようがないのだ、もう済んじゃたよ、こんなことでは困りますから、将来は事実問題として懇談会を開いて、五ヵ年計画ないし第二次五ヵ年計画を作成していただきたい。これについて御所見を大臣及び総裁に承りたいと思います。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○松浦国務大臣 もっともな御意見でございまして、決してわれわれ少数の、国鉄をあずかる者だけが集まって、至らざる知恵をもってやっていこうという考えはございません。民主主義の本体にのっとって、なるたけ多数の方の御意見を活用して、それを集中して一つの力にしていきたいと思っております。したがいまして、私は過日も次官、官房長並びに官房の連中とともに、国鉄といってもわれわれがやっているのじゃなくて、四十五万の従業員がやっている。われわれはその従業員がやるべき仕事に対するプランと、これに対する機械、器具、技術の輸入等をやって預けるということだけでございますから、まず従業員諸君が本気になってやってくれるのでなければ成果はあがらないということは、私は自分の企業を通じてよく体験をいたしておりますので、国労、新国労の両幹部を自分のうちに呼びまして、食事をしながら、あの点の改良、この点の改良、またわれわれが非常に思い違いをしておったこともあり、また向こうが思い違いをしておったこともありまして、お互いに月に一ぺんくらい飯を食おうじゃないか、そうしてお互いに胸襟を開いて労使一体でいこうじゃないかという話までこの間じゅうやっておる次第でございます。国鉄のみならず日本の政治というものはほんとうの民主主義の中に打ち立てていくところに妙味がある、かように思っておりますから、御指摘のようにやっていきたいと思っております。

石田礼助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 お答えいたします。  国鉄に関する限りは増田さんの意向に沿うように、できるだけ能率をあげるべく努力いたしたいと存じまして、着々やっておるのであります。それから国会のほうの御要望につきましては、別に御遠慮なさるような方ではないと思いますので、今後ともどうぞ御遠慮なく御希望の点はわれわれのほうにお申し出くだされば、われわれは謙虚な気持ちで検討いたしまして、御希望に沿いたいと思っております。

増田甲子七自由民主党

○増田委員 大臣、総裁とも私の質問に対する答えにはなっていないのでございます。大臣は国労の諸君とよく相談するというような答え、これはけっこうでしょう。われわれも総評と相談したいというような気持ちになっていることはきょうの新聞にも出ておりますから。そういうことの答弁を私は求めたわけではないのであります。それからいま総裁は、運輸委員は何も国鉄総裁に遠慮すべき立場じゃないと言われたが、もちろん遠慮なんかわれわれはしておりません。しかし、きまったものはきまったものだからだめだと言われているのです。そういうことはいけないからきまる前に——きまってから後の陳情や、あるいは弾効といってもいいかもしれませんが、われわれが弾効に行ったところで、あるいは要請に行ったところで、役所仕事というのはたいていあとの祭りなんです。ですからきまる前に、運輸委員はしょっちゅうこうやって時間をかけているのですけれども、きまってしまったものをかれこれあげつらっておっても、活字になったものをあげつらっておっても、運輸委員に対して気の毒だと思います。  そこで運輸委員は、やはり運輸行政についてはりっぱにやっていくように、国会という国権の最高機関の立場があなた方を監督しておるわけなんですから、そこで五ヵ年計画を作成するにあたっては、その前に事実上の懇談会を一回ばかりでなく数回持ってほしい、こういうことでございます。具体問題はあとで申し上げます。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○松浦国務大臣 ごもっともでございまして、きめてからいろいろするよりも、きまる前に十分に皆さんに御相談をして、皆さまの総意のあるところをまとめて最後的な決定をすることは当然のことでございますから、今後盛んに懇談会をしたいと思います。

石田礼助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 国鉄のほうの計画につきましては、この運輸委員会以外にも交通部会というようなものがありまして、御希望の点はわれわれは十分そしゃくいたしまして計画を立てて、そして皆さまの御賛成を得て、その上で予算を組むということになっておりますので、増田さんのような練達のお方は、われわれのしりをひっぱたいて、その点は御遠慮なくやっていただきたいと思います。

増田甲子七自由民主党

○増田委員 御答弁は一応満足しますけれども、まだ答えになっていないのでございます。松浦君の答弁はけっこうです。それから総裁の答弁はあまりけっこうではないのであります。というのは、自民党にも社会党にも交通部会があるから、そこへ行っていろいろやるからいいじゃないか、そういうことではないのです。私がきょう申し上げているのは新提案でございます。この自、社、民社の運輸委員というものは何もときどきめしをよばれるだけが能じゃないのでして、新五ヵ年計画とかあるいは第二次五ヵ年計画を策定するにあたりまして、両党それぞれの交通部会ではだめなのです。われわれ運輸委員というものが一つの懇談会を持って一これは新提案をしておるのですから、この新提案に対して、いま運輸大臣はオーケーと言われました。国鉄総裁は、各党に交通部会があるから、そこで増田のような練達たんのうな士はあんじょうやったらいいじゃないか、そんなことはいけません。それはもちろんわれわれは各交通部会においてやります。しかし交通部会に出てくるときにすでにガリ版になっておって、文句言ってもなかなかあかぬというようなことがあるのですよ。あくようにしてもらいたいと思う。つまり運輸委員の事実上の懇談会をこれから持ってしかるべきものであるということを松浦運輸大臣は賢明に答えられております。これを運輸委員長においてよく御認識願いまして、将来の新しき国会運営の形にしてもらいたい。  総裁に対して、運輸大臣と同じような考えを持っているかどうかということを聞きたいのであります。

石田礼助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 増田さんの御希望どおり、運輸大臣の精神に沿うていくということに今後いたしたいと思います。

増田甲子七自由民主党

○増田委員 それを前提としてそれではこの際新例が開かれたわけでございますから、社会党の委員においてもわれわれと一緒に事実上の懇談会をやるように、長谷川委員長も了承されたわけでございますから、何しろできたものをつべこべ言ったってしょうがない、幾ら練達たんのうでもしょうがないから、ぜひその前に、しばしば理事会もあるかもしれませんが、事実上の懇談会を、軽く昼飯くらい、池田さんの得意のライスカレーでもけっこうですから、そういうようなことをしていただきたいと思います。  そこでお伺いいたします。実はある御飯を食べた席上で五ヵ年計画ができた。そのときに、今度は長野県のローカルの問題に移りますが、松本まで五ヵ年計画のうちで電化をし、それから甲府まで複線をすることにしたのだ。それ以上は五ヵ年計画ではやれなくなってしまったのだ。それは困る。松本というものは中途はんぱなところで、長野までやってもらわないと困るのだ。長野県の県都である長野まで電化をすべきではないかと私が言ったところが、あなたは五分おくれて来たからだめです。もうきまってしまいました。こういうことでございます。これほど非民主的なことがございましょうか。これは石田総裁ではなかったかと思いますがやはり行政一体の原則ですから、総裁にそういうことであってよろしいかどうか、はなはだしく私は不満足であるということをもって、あなたにもう一ぺん——こういう五ヵ年計画を一方的にわれわれの意見を聞かずに、しかも長野県から出ておる運輸委員が増田甲子七なんです。あなたが五分おくれて来たからきまってしまいましたという。だれがきめたかどうか知りませんが、しかも中途はんぱの松本というところできめたのです。長野が県都であるということはわかっておるけれども、あなたが五分おくれて来たからだめですというのは、どういう意味でございますか。あらためて国鉄当局に伺います。

石田礼助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 実は私はいまの問題については全然存じておりません。ひとつだれか答弁してください。

今村義夫日本国有鉄道常務理事

○今村説明員 ただいまのようなお話があったかどうかは、実は私よくは存じませんが、おそらく今度の長期計画の中では、まず松本までを先にやって、あと長野までは当然やらなければならぬが、時期的におくれるということを申し上げた、そういう趣旨で申し上げたのではないかというふうに考えておるのであります。

増田甲子七自由民主党

○増田委員 総裁に伺いますが、総裁のときであったかもしれないから、あなたも調べてもらいたい。  とにかく長野県で松本までを電化をして、長野は時期的におくれるということは、つまり五ヵ年計画には入らぬということになるのです。それから図を見ましても、五ヵ年計画のところに松本しか書いてない。長野県人の常識をもってすれば、あるいは日本人の常識をもってすれば——ほんとうは運輸委員長がここへ港湾計画なりあるいは日本の鉄道地図なりを会議中くらいは掲げておいてほしいと思うのです。お互いに頭の中にはあるにしても、やはり長崎のことは私はあまり詳くない。自分のおったところは詳しいというようなことが通例でございますから。そこでもし長野県の地図を含めた日本の地図がここにあるならば、国鉄の地図があるならば、五ヵ年計画のところを赤線でも書いてあればとてもこっけいだということがわかります。時期的におくれるという常務理事のお話は、すなわち五ヵ年計画に入らなかったということなんです。県都が入らない、県の都が入らないなどというばかな五ヵ年計画があってよろしいものかどうか。あなたの答弁の不明瞭な点をもう少し明瞭にしてください。時期的におくれるということは、五ヵ年計画の中に当然入っておるのか、あるいは第二次五ヵ年計画に入るのか、第二次ではだめなんですから聞くわけです。

今村義夫日本国有鉄道常務理事

○今村説明員 私どもの今度の新しい第三次の長期計画の中には長野までの電化が入っておるのでありますが、松本までをままず前半にやって、あとを後半に延ばすという計画になっております。

増田甲子七自由民主党

○増田委員 そこがいけないのです。そこをあなた方がまずとかなんとかきめたとか言うのでしょう。それが非民主的なんですよ。やはり長野県で長野市まで行かないなんということは、とてもこっけいなことなんです。まず途中までやって、あとは第二次でやる——あなたは正直に第二次でやるということをおっしゃいましたが、第一次と第二次に分かれるということは、地方といたしましては、死活問題なんですよ。松本という中途はんぱなところでなぜやめるかということを私が懇談会に出ておるならば必ず言いますけれども、五分おくれたからだめだというようなことが、そもそもあなた方としては民主的でないということを私は申しておるわけなんです。五分、増田甲子七がおくれたからもう第一次には入らないということがとても非民主的なんです。あなたのお答えは第二次に入っておるということなんです。それではとても問題になりません。非常識です。長野——松本なんというものはちょっとしたところですから、第一次に当然入れるべきである。当時も私は石田総裁の言われるように声を大にして、いまそこでちょこちょこときめてしまったけれども、それは非民主的でいかぬから、長野まで第一次に入れてくださいと言ったけれども、あなたの答弁によると相変わらず第一次には入っておりません。第二次です。あなたの先ほどの答弁はいずれ近いうちにやるから、時期的にすぐやるから——時期的にすぐやるからといいましても、ただいまの答弁は第二次のほうでやります。そこで一次と二次とではたいへん狂ってくるということで、私はあなた方のきめ方が非民主的だと申し上げるわけであります。

今村義夫日本国有鉄道常務理事

○今村説明員 私のことばが足らぬで非常に申しわけございませんが、今度の第三次地方計画は、御承知のとおり、四十年度から始まりまして、四十七年度まででございまして、その四十七年度までの計画の中には入っておるわけでございます。第一次、第二次と申し上げましたのは、それは取り消します。長期計画の中にはちゃんと入っております。

増田甲子七自由民主党

○増田委員 それでは引き続いて松本——長野間をやるということに私は承知いたしておきますから、そのとおり国鉄当局においてはやっていただきたいし、運輸大臣としてはそういう線で監督してもらいたいと思います。  次に、私は、十河さんにたびたび質問したことで、国鉄当局が公約しておる点について申し上げます。  それは例の中央線でございます。中央線というものは東海道線と並んで、一方は中仙道が昔あり、東海道があった。そこで中仙道に匹敵するものは、東京、つまり関東と関西を結ぶものが中央線でございます。その中央線はすでにつくられて、現在は運営しておるわけなんです。ところが直通列車がないわけなんでして、かつては直通列車がございました。新宿から名古屋行き、新宿から大阪行きというものが出たわけでございます。いま新宿から長野県を通って名古屋あるいは大阪へ行きたいという人は必ず塩尻で乗りかえをして、そこで二時間ないし三時間とまらねばならぬ。だから中央線と名のつくローカル線である。これはよろしくないということを、私は前の総裁にも強く要請をし、それからはっきりした回答を得ております。すなわち直通列車をつくる、再び中央線にするというのが、十河君の私に対する答弁でございました。自来じんぜん日をけみすること三年に及んでおります。ところが、最初中央線ができたときのようにまだなっておりません。そこで中央東線、中央西線なんというつまらぬことばを使いまして——中央線は中央線なんで、中央東線も中央西線もないのです。東海道線、東海道西線というものはありません。そういうわけでございまして、中央線というものはむろん中仙道にかわる鉄道である。そういうわけでつくられて、現にあるのでございますから、これを直通列車にするように時間表を組んでもらう、すぐやります、善処しますということばでございましたが、あなた方はいつも東海道新幹線をつくる、東海道線を強化する、こんなことには力を入れておるけれども、現在、すでにレールが明治三十八年に敷かれておる中央線は、ローカル線になっております。新宿からどこへ行くか、長野に行くのです。新宿からどこへ行くか、松本に行く。あるいは糸魚川に行く。新宿から名古屋に行くという線は一つもない。レールはどのために敷かれたか、つまり昔の中仙道、いまの中央線のために敷かれておるわけでございます。東京から京都へ行くための線でございます。その第二東海道線が中央線なんであります。中央線を中央線にしてください、そうでないならば、長野線とか、あるいは長野津——名古屋線というふうに名前を変えてくださいと私は強く要望したのですが、三年に至るまで何のこともない。今日行政官庁というものは一体の原則なんです。その前の総裁の言質、公約を守っていない理由を伺いたいと思います。

今村義夫日本国有鉄道常務理事

○今村説明員 先生のいまのお話は、中央線を一体として、中央東線、西線一緒にして、中仙道的な役割りを果たせというごもっともな御意見でございますが、いまのお客さんの流動からまいりますと、通しのお客さんはやはり東海道線を御利用になる方が大部分ではないかと思うのでございます。結局ダイヤの構成からまいりますと、東京付近からは長野地帯に行かれる方が東線を御利用になり、長野地帯の方が西線を御利用になるというようなかっこうになりますので、通しのお客さんとしてはやはり現在の東海道線を御利用になるというのがおそらく筋じゃないか。そういうことでございますと、通しの列車をつくるということはダイヤ的には可能でございますけれども、通しで乗るお容さんというものはなかなかないのではないか、中で入れかわるということに相なろうかと思うのでございます。したがって、私どもといたしましては、お客さんの流動に合わせてお客さんのためのサービスを考えるのがわれわれの責務でございますので、ただいままでのところそういうダイヤの系統になっていないということでございます。

増田甲子七自由民主党

○増田委員 私は今村君の答弁を求めているのではないのです。総裁の答弁を求めているのです。あなたはまるきり十河総裁を踏みにじったことを言っております。これは許せないことなんです。十河総裁は私に約束されております。中央線は中央線にいたします。しかもその例として、何か通し鉄道というものは昔の満州国にあった、しかしそれだけでは足りないからして、ザバイカル線というものをつくって、ハバロフスクからブラゴベシチェンスクからイルクーツクのほうへ行く、そしてそこでウラジオのほうからハルビンを経由してくる鉄道と合うくらいな二つの線をつくったのだ、そのくらい昔のロシヤ人は賢明であったなんということを私に言ったのです。だから、そんなことをいまは言う必要はないのです。いまはもう中央線ができているのですから、レールもあるのだから、しかもかつては直通列車もずっと通っておったのだから、ただ時間表をつくるだけだから、これをやってほしい、やります、これが答えで、今村常務理事の採算上どうかこうかということは、私はあとで質問します。あなたが十河総裁の約束を守るかどうかということについての質問でございます。

石田礼助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 私は、十河前総裁がどういう約束をいたしましたか、実はそういう点についての引き継ぎは受けておらぬ。ですが、これはひとつよくそのウエートを考えてみまして、もしも増田さんの御希望に沿うべきものなら、さっそくこれを実行する、こういうことでひとつ検討いたしたいと思っております。

増田甲子七自由民主党

○増田委員 ウエートではいけないのでございます。だから私は委員長に、ここへいつも、会議のあとはひっぺがしたってかまわないから、日本国有鉄道の状況とか、私有鉄道の状況とかいうものを一覧できるものを張っておいてほしいというのですよ。運輸委員会のあるときには、あるいは港湾の状態だっていいのです、航空の状態だっていいのです、そういうのを張っておいて、お互いが議論をする。あなたも頭の中に入っておりません。前国鉄総裁の十河君は、ザバイカル線もつくる必要があるのだ、だからして、通し鉄道だけでは足りないのだということまで言ったのです。私はそんなロシヤのことを聞いておりません。現にザバイカル線と通し鉄道との間は、おそらくふくらんでおるところは何百里も離れておるでしょう。ところが、こんなところは何百里も雑れてはいないのです。塩尻と豊橋との間、あるいは静岡との間は、何百里なんてないのですから、日本は百里も通らぬうちに太平洋から日本海に出ちゃうのですから、そんなザバイカル線なんということを言う必要はないのです。現に鉄道は敷設されておるのです。ただ時間表だけの問題で、中央線を中央線にしてほしい、こういうことを言ったときに、あなたは事務引き継ぎを受けておりません、だからよくわかりませんではいけないのです。だから私は、長谷川委員長に、よくあなた方のわからない頭がわかるように、ここに鉄道の図を張っておいてください、こういうことまでいま要望しているわけでございます。あなたがいま頭の中で考えて、そして新宿から塩尻を通って名古屋あるいは大阪へ行く線くらいつくらなければならぬということは、頭の中にすぐ出てくるはずです。と申しますのは、上野から長岡を通って大阪へ行く線だってあったのですから。そんな北まで回って大阪へ行く線までつくった。あれこそは無理です。いまはどうなっておるか私はよく存じませんが、これはあったっていいですよ。とにかくそういう線もあります。あるいは上野から善光寺を通って直江津へ出て、それから大阪へ直通列車で行く線もあるのです。そういうもがあるときに、中央線と名がつきながら、中央東線、西線とローカル線になっている。こういう状態はよくないということは、国鉄総裁も松浦大臣も頭の中に地図を持ってすぐわかるようでないといけない。そこで総裁に特に伺いますが、事務引き継ぎを受けていないからということで中央線をローカル線にしておいてよろしいかどうか、頭の中でいまあなたの持っている常識から答えてください。

石田礼助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 中央線というものがある以上は、それに直通列車を通すべきであるということは、  一応これはごもっともと思います。しかし実際問題からいうと、実際それを利用する客がどのくらいのものであるかということによってこれは決定すべきものではないかと存じます。この点は、ひとつよく実際の地図を調べまして善処することを私は申し上げておきたいと思います。

増田甲子七自由民主党

○増田委員 その答えは非常に不十分でございます。中央線というものはやはり第二東海道線という意味でつくったのであるから、採算とかいうことを度外視して、国鉄は運営しております。現に従来長い間直通列車があったのです。今度直通列車があればどうなるかということについて、あなたと今村理事を教育する立場で申し上げます。よく覚えておいていただきたい。  それはさっき松浦大臣もおっしゃったとおり、内陸地帯を新産都市にする必要がある、これは全然同感でございまして、松浦運輸大臣の卓見に対して私は敬意を表するものでございます。そこで松本・諏訪新産都市というものが内陸地帯でただ一つできております。松本方面が人口四十五万ばかり、諏訪地方が人口十五万ばかりあります。四十五万のところの工業生産力というものは諏訪の工業生産力と匹敵するわけです。匹敵というか、二倍、三倍なんです。しかしそれはどうでもよろしいのです。とにかくわれわれが松本・諏訪新産都市をつくりまして、東京へ荷物を送り、大阪へ荷物を送る。それは臨海新産都市と同様に輸送力をつけなければならないという問題でございまして、だから、われわれは法律を改正して中央道というものを辰野まで上げてきておるのです。これは法律改正でよほど苦労したわけでございます。それと匹敵する問題として、塩尻回り名古屋行き、塩尻回り東京行きというものをスルー・トレーンとしてぜひつくらなければならぬ。新産都市を生かすか殺すかという問題でございます。その生かす立場において私はやってほしいと思います。  それから直通列車をつくれば客は乗るのでございまして、今村君は頭の中に地図があるようですから心得ておいてもらいたいのは、直通列車をつくっておいて、その直通列車の後に三両なり五両なりつければいいのです。直通列車が少ないならば二両くらいでもいいのです。とにかく岐阜県の北側の民衆並びに木曽の民衆、それから塩尻付近の民衆というものは、東京に来るときには必ず乗りかえをしなければならぬのです。あんなところにありながら、中央線を二度乗りかえなければならぬ、そういう不便を忍んでおりますし、新産都市をりっぱに建設するということにつきましても、運輸大臣も責任があるわけであります。内陸地帯の最大の欠陥は輸送力でございます。その輸送力をつける立場からいいましても、採算が合うかどうか、それを調べてみてからやろうでは、石田総裁は十河総裁の答弁をほとんどないがしろにしております。やっぱり時間的にも空間的にも行政一体の原則でございます。その時間的一体の原則というものをあなたは破っていらっしゃる。石田総裁から、十河総裁が答弁したことについて私はよく研究し、よく善処します、こういう答えがない以上、私はおさまりませんから、重ねて強硬に質問するものでございます。

石田礼助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 私は実はこの点については全くしろうとでありますので、いまの点につきましてはひとつよく検討いたしまして、善処するということを、しかも早くということをお約束いたします。

増田甲子七自由民主党

○増田委員 答弁はやや満足しますが、十河総裁の線にのっとって善処しますという答えでなかったならば、私は黙っておりません。

石田礼助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 十河さんがどういう考えでそういうお約束をいたしましたかは存じませんが、これは十河さんのお約束にかかわらず、現状に即して実際にそういうことをするのがいいか悪いかということをやるのが私の責任ではないかと思います。十河さんが約束したから私もこれを約束しなければならぬという増田さんのお説は、どうも変だと思いますが、どうですか。

増田甲子七自由民主党

○増田委員 あなたのおっしゃることのほうがよっぽど変です。行政一体の原則というのが空間的にも時間的にも一体であるということは私があなたにお説教をしておるのですからね。十河が何を言ったかおれは知らぬぞということになったら、国鉄は総裁がかわるごとに人格がしょっちゅう変わって、前の約束なんかは何らあてにならぬということになってしまう。新規まき直しで考えるとは何ごとですか。そんなことでは問題になりません。あなたのおっしゃることはとんでもないことです。

石田礼助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 私の言うことが間違っているかもしれませんが、十河さんが一体どういうお考えでそういうことを言われたのか、私は全然承知しておりません。これはひとつ増田さんに、それはそれとして、現在の事情に即して適当な方法をとるということで、もう少し寛大にお考え願えればと思います。

増田甲子七自由民主党

○増田委員 それは許されません。白紙に戻してものを考えるというようなことは総裁無責任なんでして、おれは前の総裁とは違うんだ、総裁がかわるごとに国鉄も一ぺん解体したんだというのかもしれないけれども、国鉄は積木細工ではないのでございまして、解体してまたつくり上げたという子供のおもちゃとは違うのです。今村君、やっぱりコンティニュティがあるのですから。そういうことをそろばんが昔とれたとかとれなかったとかいうなら、私はいいと言うのですよ。直通列車をつくって、箱は二箱か三箱でいいから、ほんとうの箱は松本、長野のほうに向けて、また新宿から大阪行きをつくった場合に、長野のほうから五箱か六箱仕立てて、塩尻でくっつければいいのです。これくらいの頭がなければ、これくらいの鉄道のことがわからなくてはだめですよ。新規まき直しで考えることはいけません。新産都市がまだなかった当時ですら、十河総裁は私に対して、中央線を中央線にいたします、いまは中央線という名のつくローカル線であって、二つに分かれており、途中で必ず乗りかえをせんならぬということを私は初めて聞きましてびっくりしました、事務当局を督励してやります、こう言ったわけなんです。どういうわけでやったか、こういうわけでやったかというのは、不勉強で事務当局のほうが悪いのです。採算ばかり考えておるが、採算なら私は採算に対する答案も持っています。スルー・トレーンをつくって、松本、長野へ行く列車が五両か六両、一方は一両か二両直通列車をつけるということでもいいのです。しかしながらどうしても新宿から名古屋あるいは大阪行きをつくらなくてはなりません。そうでないと、中央線は名古屋から東京へ行くというが、おれのは名古屋から松本へ行くので、東京へは絶対行かない、いい中央線の姿じゃないかなどと言っておるのです。東京の人は、おれは長野へ行くことが目的であり、松本へ行くことが目的である、中央線と名がつきながら絶対名古屋へは行かないのが中央線の実態だ、中央線という名前はけっこうな名前だと皮肉を言っております。採算はどうにでもなるのです。またタイムテーブルのつくり方なんというものは、これはどうしたってこうしたってうまくできるものじゃない。日本に中央線と名のつくもので中央線でないものは、つまり幹線です。幹線でないものはこの中央線でございます。幹線に主として力を入れるというのが、この三千数百億の改良計画でもありまするし、また新線計画でもあると私は思っております。幹線を幹線らしい姿にしてほしい。採算上のことはどうにでも相談がつきますから、全然白紙の状態で考えますということは、あなたはいよいよもって今村君よりもっと後退した答弁をしておる。それでは不勉強もはなはだしい。頭の中に中央線がちゃんと出てこなくちゃ総裁としてはちょっとまずいですよ。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○松浦国務大臣 いろいろ論争がありまして、しかも一方は国鉄総裁であり、一方は党の最長老であるというところで、これはどうもそれにもかかわらずことばが激し過ぎると思います。もう少しなごやかに話してもらえばわかると思いますが、最初に私は長野の人が質問されるから内陸の工業都市というものは必要であるということを力説したことを申し上げた。ところが、おれはそのためにやっているのじゃない、おれは日本全体の鉄道のためにやっているのだ、そんな小さな長野のことを言っているのじゃない、こういうお話があって恐縮したのです。けれどもだんだんと話しているというと、どうもあんな大きな声を出す必要がないわけでございまして、それで私はそういうことを言うために立ったのではありません。いませっかく総裁が新たな観点に立ってさらに前総裁の意見も入れて考慮すると言っておられる。その新たの観点とは何ぞや。それは前総裁が三年前に答弁されたときには、松本及び諏訪、長野の三市、あの付近一帯を通じて内陸新産都市のナンバーワンになることは予想はしたかもしれないけれども、決定はしていなかったのです。いまはすでに決定して着手はしているのです。そうすると新たな輸送に対する考え方が生まれてくるということが第一点であります。もう一つは、日本の国際収支の均衡を保つためにはどうしても貿易外収入を高めなければならない。それには日本の唯一の外資を集めるところは、富士を背景とした日本アルプスである。その日本アルプスを縦断する地方鉄道というものは、大阪から出発して東京に来る路線をやるということは、国際収支の均衡、貿易外収入をふやすという上から見ても、いまの状況は貿易は大体黒字になっておりますけれども、船とか貿易外収入は五億ドル以上の赤字なんです。そういう新しい観点か生まれているのです。そういう新しい観点をも加えて春秋の観光シーズンなんかも加えて考えるならば、増田先生のおっしゃることはそれほど大きな声を出してお話しにならぬでも、これは鉄道のほうでもうちゃんとそろばんを入れておると思うのです。しかしこういう固い人ですから、これはどうも言いかけた以上はよく調べて数字を目の前に出さなければおれはうんと言わぬぞという、ここがやっぱり石田さんのいいところでございますから、どうかその辺でひとつお手打ちをお願いいたしたいと思います。

増田甲子七自由民主党

○増田委員 松浦君の答弁は、いいと言っておるのに、横あいから口を出して、声が大きいの小さいのとあなたが言って批評されることはないと思います。私は全体的には石田君には敬意を払っておるのですから、そんなに心配する必要はない。あなたあまり心配して横から口を出す必要はない。私は全国格差の是正ということは、道路ばかりでなく、この鉄道があずかって力があるから大いに力を入れてほしい。東海道新幹線のごとくやってほしい。それに対する答弁もあなたよろしかったのですから、あなた横から口を出す必要はない。私がちょっといま感情に走って発言しておるというのは、十河さんがここでちゃんと私に約束しておるのですよ、社会党も民社党さんもおるところで。それなのにあなたは全然新規巻き直しでものを考えるというような、そういうのが石田流かも知りませんけれども、それでは人をおこらしますよ。私は石田さんには敬意を表しておるのですから、だけどもこの答弁については、やはり前に十河さんがいろんな答弁をした。それに対してあなたが知らぬようなことを言うから、自然こういうふうに声が大きくなるのです。ですから、石田さんは十河さんの答弁等も勘案してとこうおっしゃってくだされば、私はおさまるのです。(松浦国務大臣「そう言った」と呼ぶ)そう言っておらない。それは速記録を見てもらえばわかります。全然新しい観点から、全然白紙ですから、そういうようなこときりしかおっしゃっていないのです。松浦君は松浦君に質問したときに答弁すればよろしいのですから、横から口を出して助け舟を出す必要はない。元来石田礼助君は私は尊敬しておる。ですからそういうようなことを言う必要はない。ただ、このことについて、一般的に尊敬しておったり好きであっても、おこらなければならないときはおこる。反省を求めるときには求める。そうでなければ国政は運営できないのです。どうですか、社会党さん。——そういうわけでして、新しい問題は十河さんのときより起きてきたということは、いま松浦運輸大臣がいみじくも指摘されたように、内陸新産業都市は臨海新産業都市に比べて圧倒的な弱点がある。その弱点を強化する意味から中央線の東線、西線、篠ノ井線はすべて複線、電化を急いでもらう。同時に直通列車をぜひつくってもらいたい、そのことを何とかくふうしてもらいたい、こういうことでございますから、くふうして研究しましょうという答えをしてくれれば何も私は大きな声をする必要はないのです。

石田礼助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 お答えいたします。  よく十河総裁の約束を勘案いたしまして、実際の現在の現状をひとつよく検討した上で御希望に沿うことができるように努力いたしたいと思います。

増田甲子七自由民主党

○増田委員 松浦君、ちょっと……。私は長野県のことばかり言っておるのではない。山梨県が全然浮いておる。ですから山梨県の人が大阪に行こうというときには、塩尻で乗りかえて、あそこで二、三時間待って、それから名古屋に行き、大阪に行く。あるいは東京に来て、東京から行くというようなわけで、山梨県全体が苦しんでおります。あにただに長野県や岐阜県の北部ばかりではないということをつけ加えておきます。単に一地方だけの代弁を増田甲子七がしたということで、ちょっと先ほどは全国的だと言っておきながら今度は地方的だ言うけれども、地方的なことはあとで御質問しますということを前提にしながら全国的な質問をあなたにしたのですから、あなた山梨県も日本の重要構成部分であるということを考慮に入れておいてください。  これで終わります。

長谷川峻自由民主党

○長谷川委員長 伊能繁次郎君。

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員 ただいま先輩委員が行政の一体、行政の継続性について相当長期にわたってお尋ねがありましたが、私はその点について、法律に基づいて運輸行政のあり方についてお尋ねしたいと思います。  それに先立ちまして、御承知のように、戦後の運輸交通は非常な日本の経済の発展に貢献をし、ことに松浦大臣はじめたいへんな御努力をされて今日の経済復興、開発、発展を見たのでありますが、その結果として率直に申し上げますと、一部の高名な学者は、交通事業の犠牲の上に経済発展がなされたとすら極論する人がおるように、最近の交通というものは非常にゆがめられた形で取り扱われておるのであります。したがって、この際大臣にお伺いしたいことは、当面の交通の行政の継続性、一体性を伺う前に、最近の陸海空の交通の基本的な姿勢が非常に一貫性のない、総合性がないような感じがいたしますので、今後どういうような指導を全体の交通政策についてしていかれるお考えか、その点をまずお伺いいたします。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○松浦国務大臣 伊能委員の仰せになりました問題は、わが運輸省にとりまして、最も重要な問題であります。また当運輸委員会がこの運輸行政に対しまして、ほとんど一体的に御協力願いますために、今年の予算編成におきましても、またその後の審議におきましても、スムーズに進んでおりますことに対しましては、委員全体に対しまして厚く御礼を申し上げる次第であります。  総合的な交通政策はいかん、陸海空の連絡は一体どうなっておるかということが、ただいまの御質問でございますけれども、これはなかなか思いつきでお答えすることが困難でございますから、いろいろ総合的に検討いたしまして、まとめたものを一応申し上げます。その上で御質問をお願いいたしたいと思います。  まず第一には、交通機関はそれぞれの機能に特有の適性を有しております。その特性に応じて活動領域というものがおのずから定まっておると私は思っております。たとえば、大都市におけるただいま御指摘の大量の通勤・通学輸送は高速鉄道機関が有利であることは、自動車の発達した欧米先進国においても最近見直されております。また貨物輸送については自動車のほうが有利である、それが迅速であるということは、長距離や中距離は別でありますが、短距離であれば工場から駅に、また駅から家庭にというものは、小運送は要らないのです。また積み込み手数料もおろし手数料も要らない。いわゆることばでいえばドアからドアへ直結いたしますから、それはもう自動車輸送で何よりもよい特性を持っております。自動車輸送は小口貨物の近距離に有利であるということは、これは言うまでもございません。鉄道は大口貨物の中距離輸送に有利である。  そのほかに内航船、海運業は大量貨物の長距離輸送に有利であることは、これまた言うまでもありません。国内の輸送量の半分は、やはりこれらの海上輸送によって行なわれている事実を見ましても、これを物語っております。特に私の北海道のごときには、津軽海峡も当局がいろいろ骨折っておりますけれども、それは船で運ぶほうがはるかに安くて早く仕事ができるからであります。基本的にはそういう特徴を持っておりますから、それぞれ特性のある方面の領域に活動領域を伸ばしてやるということが、基本精神でなければならぬと私は思うのであります。  しかし各交通機関等の活動領域は固定的なものではなく、産業構造の高度化や個人消費構造の変化などの外的要素によりまして、また輸送施設の整備や輸送技術の近代化などの内的要因による特性の変化によって、各交通機関の輸送分野は変化していくものと思うのでございます。したがって公共の福祉を増進し、利用者の利便を確保するためには、その変化が合理的に行なわれるように、各交通機関相互の公正な競争を確保することが必要である。以上の点を考慮して交通行政を行なっていくことこそ総合的交通政策というものであり、このような方針で交通行政を強力に推進いたしたいと考えております。  第三に、ただし現在わが国の経済全体が急速に発展しておるにもかかわらず、相対的に交通投資が立ちおくれておる段階の交通政策としては、さしあたり輸送需要の急激な増大に対応して交通が経済の成長及び社会生活の向上にとって隘路とならないように、各交通機関の有する特性を考慮しつつ、全分野にわたり輸送力の増強に努力することが最大の急務であると思われるのであります。  最後に一言いたしたいことは、われわれの統括と申しますか、お世話をいたしておりまするものの中には、全くの公共性のものと、私営であって公共性のものとの二つがありますが、そのいずれを見ましても、一言にして言うならば、企業は企業者のものではない、それは最終消費者のものである、最終消費者に好意を持たれない企業というものは存立を許されないからでございます。すなわち企業の公共性というものは、最終消費者に愛されて、この企業によって生産されたものでなければ、あるいはこの企業の乗りものならば速い、そうして安全であるという安心感、それに対する信頼感というものをかちとるのでなければ、その企業は生命がないのです。そうすると企業は企業経営者のものにあらずして、企業は最終消費者のものなんです。ましてや公共企業体であるわれわれはそこに精神の本体を置きまし、陸海空の三つに分かれたおのおの特性のあるものをあわせてお世話いたしてはおりますけれども、その中心になるものはいわゆる最終消費者の方々、言いかえるならば国民生活の上に福祉増進になるように全力をあげることがわれわれの方針であろうと申添えておく次第でございます。

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員 いまの交通に関する理論的なお考えについては私どもも了承できるわけでございますが、私は一例を交通事業の基本である経営の基礎となる運賃というものに取り上げてみますと、現在の航空、海運、陸上というものが、最近の政府の政策、いかゆる公共料金の規制、このことはすでに政府の見解と民間の見解において残念ながら見解を異にした結果、裁判の上で問題が処理せられる、はなはだ遺憾なことでありますが、私は裁判のことを云々するわけではありませんが、現在のいわゆる公共料金、運賃というものが道路交通法に基づく適正なものであれば今日ほど混乱をしないのではないか、しかるに現に新幹線を契機として航空、陸上鉄道との問題、ただいま大臣が触れられた北海道方面の貨物輸送の海陸の問題、いずれも混乱をいたしておる。こういうようなことで現実に鉄道が鉄道としての適正運賃が確保され、海陸との調整がとれれば、私はもう少し日本国内の貨物輸送というものは適正になるのだろうと思いますが、現在は不当に国鉄が負担過重になっておる、こういう事実がある。  また、航空等についても新幹線ができたとたんに北海道、福岡のほうは航空運賃を上げるが大阪は下げるというような事態で、こういうような運賃を基準とした混乱の問題について、これはできるだけすみやかに、また自動車と鉄道についても同様でありますが、この問題を根本的にこの際運輸省において十分なる検討をもってき然たる態度でひとつ正しい運賃政策の上に立った交通行政というものを確立していただきたいと思うのですが、この点に関する大臣の御所見はいかがですか。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○松浦国務大臣 御指摘の点は全くごもっもでございまして、ただいま申し上げました国鉄の輸送力増強に対しましては、財源がなければできないものでございます。またその国鉄の運賃というものが一般物働指数から見るならば問題にならないような指数の上に立って、買い入れるもの及び人件費の指数と運賃の指数とが非常に違っておるというようなこと、あるいはいま申されました飛行機の運賃がそれぞれバランスを失しておる、あるいは一ヵ年間ストップになりました各種料金が、一月にストップになったのだから、ストップになるときに上げられた人と、同じような状況においても一年延ばされた人とのその考課状の上にあらわれる計数が何億という赤字を出しておるというようなこととか、実に非常な複雑な状況になっております。これらのそれぞれの分野における局長及び係の者と慎重協議いたしまして、御指摘になりましたような点を十分に是正いたしたい、そうしてさらに国鉄の運賃にいたしましてもいろいろ考えておることもございますから、いずれまた追ってある機会には御相談申し上げる機会がくるのではないかと思っております。

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員 私は、現在の状況では運賃を基準としてすべての経営の合理化をはかる以外に道はない、その間に総合性がないと海陸の輸送の混乱を来たしたり、陸上と鉄道と航空交通との非常な混乱を来たすというような点については、今後特段の勇気ある大臣の御配慮を特にお願い申し上げたいと思うのです。  ついてはさいぜん増田委員が言われた行政の一体化、行政の継続性の問題について、逐次事務当局からお答えをいただきたいと思うのでありますが、日本国有鉄道が自動車経営に乗り出しましたのは昭和五年、その前に政府に自動車交通審議会ができて、それによって今後付帯事業としての国鉄の自動車経営をどうやっていくかという政府としての慎重な検討を遂げて、初めて名古屋付近あるいは広島付近に国営バスというものが昭和五年から六年に経営をされた。その後御承知のように当時の政府は、後刻国鉄総裁にも御質問申し上げますが、国鉄総裁は代行、先行、短絡、培養なんというものは、もう三十年も四十年も前の古い陳腐なる政策だと、政府の政策を批判された。運輸審議会において批判をせられましたが、私はこの点についても後刻申し上げたいと思いますが、政府はそういう行政方針に基づいて国営バスというものをやられた。その後代行、先行と鉄道建設審議会における関係、この点が政府で大きな問題となった。国鉄バスの運営については路線選定を自動車審議会でなく鉄道建設審議会に諮詢をする。それほど重要な問題として、昭和八年以降戦争の終わるまでそういう取り扱いを受けたわけでございます。  その後戦後におきましては、昭和二十四年十二月運輸省自動車局長、昭和二十四年十月、昭和二十五年九月、さらに昭和二十七年二月十二日における村上運輸大臣の国鉄バス経営に関する基本的方針というものが常に一貫して、行政の継続性、これはただいま大臣が仰せになりました公共の奉仕者たる交通機関というものは常に長い目で見て一貫した行政政策がとられており、またとられなければならない立場でございます。その際におけるこまかいことは私は略しますが、民営バスとの関係あるいは代行、先行、短絡、培養との関係、各般の問題について周到な配慮をもって運輸省は行政を指示せられて今日に至っております。さらに昭和二十九年の六月には、時の中村自動車局長は国営自動車と民営バスとの調整について、伝統的に、昭和二十四年以来また戦前からの方針を確認せられて、官民のバス運営というものを調整し指導をしてこられたわけでございます。この間の問題については、私どもがその行政の指導を受けた立場において、運輸省の行政指導に深い敬意を払っております。最近におきましては御承知のように昭和三十八年六月綾部運輸大臣が国鉄バスと民営バスとの関係、ことに名神高速道路で周到な声名を出されております。しかし昨年の九月に松浦運輸大臣が名神高速道路に対して官民のバス事業に免許をせられたその行政行為と一昨年の綾部声明との関係においては、やや方針が異なっておるやに私ども拝見をいたしておりますが、昭和五年に国鉄バスが政府の方針として運営せられて以来今日に至るまで、ことに綾部声明の最近の方針、さらにまた昭和三十八年の十月末に時の木村睦男自動車局長が国鉄バスに対する指導方針、これらのものを出されましたが、かくのごとく三十数年にわたって運輸省は国鉄バス並びに民間バスに対しては一貫した方針がとられております。また国会においても村上運輸大臣はじめ一貫した声明をせられておりますが、この方針というものは現在もなお、最前先輩増田委員が言われたように行政の一体性、行政の継続性という観点からなお運輸省としては堅持せられておると思いますが、この点についての御意見を拝聴いたしたい。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○松浦国務大臣 ただいま御指摘になりました問題でありますが、国鉄は日本国有鉄道法第三条の規定によりまして、鉄道事業に関連する自動車運送事業の経営を行なうことができるということになっております。したがって、名神高速道路上のバス事業が鉄道事業に関連するかいなかを慎重に検討いたしました。名神区間には東海道線が走っておりますが、これは主力を東京−大阪間のような長距離輸送に注いでおり、名神間ないしはその間の中小諸都市へ接続する中小距離の輸送需要に対しては必ずしも十分満たしていない。この事情は新幹線開通後においても、これが東京−大阪間のような長距離輸送を主目的としていることから変わらない。したがって、名神間の鉄道輸送力を補完する意味においても、名神高速道路上のバス事業を鉄道事業に関連するものと認めたものであります。したがって、先ほど御指摘になりました綾部運輸大臣の引き継ぎの問題でございますが、御指摘の方針は高速道路によるバス事業のあり方について全国的規模による構想についての一つのビジョンであった、今回は名神間の高速道路についてのみの具体的な処置であって、全国的規模による構想を前提とするものではない。したがって、前記の方針を無視したものとは考えておりません。

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員 ある程度ただいまの御答弁で理解できるものもございまするが、さいぜん先輩委員からお話しのように、業界並びに関係者を集めて天下に声明をされ、これでいくのでこれ以外には考えてないということを公にせられたのみならず、文書をもって綾部運輸大臣は声明せられたのであります。したがいまして、私はこれが単なるビジョンであるかどうか、この点はきわめて重大な問題だと思いますので、この点についていまビジョンと仰せられましたが、かくのごとき行政上の重大な声明、しかも業界を集めて特に大臣が大臣室においてこの問題は声明せられたのでありますので、私どもはビジョンとしてではなく、行政指導の重大な問題である、かように理解しておりますが、ビジョンであるかどうかという点について、ひとつ重ねてお尋ねをいたしたい。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○松浦国務大臣 御指摘の点に対しましては、今回の措置はあくまでも名神間のみに対するものでありまして、全国的構想を前提とするものではありません。したがって、日急バスについても、運輸審議会の要望を尊重し、名神間の事業者が枢軸となることによって、名神間事業者による合弁会社としての性格を持たせ、これに免許をしたものであります。

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員 その点は後刻お尋ねをいたしますので、私は現在触れておりませんが、ただいま運輸審議会の御意見も出ましたし、大臣から今回の高速道路上における国鉄の免許は補完的なものである、こういう御答弁がございました。そこで私は運輸審議会の答申と大臣が特に声明せられた補完という内容についてお尋ねをいたしたいのでありますが、運輸審議会が昨年八月に答申をせられた理由についてここで申し上げてみますと、「1名神間を主目的とするもの、名神間については沿線バス事業の分野が錯綜している現状であり、また高速バスと各沿線事業者の在来バスとの接続の円滑化が必要であり、さらに本高速自動車国道上のバス運行は、我が国においては、画期的なものであるので、交通許容量、安全性等を考慮すれば、本高速自動車国道上に多数の事業者によるバス運行を行わせることは適当でない。したがってこの事業を担当させるには適切な民営事業者二者程度をして公正競争を行わせるとともに、また一方において、此の区間の輸送の重要性にかんがみ、日本国有鉄道をして高速自動車国道上のバス事業を行わせることが適当である。したがって、今後の需要見透し等も勘案して、日本急行バス株式会社と日本国有鉄道とを免許又は許可することを適当と認めた。」かように書いてございますが、ここが理由でございます。その理由には、さいぜん大臣は日本国有鉄道法第三条を指摘をせられましたが、第三条には国鉄に「関連する自動車運送事業」とあるわけでございまして、残念ながら運輸審議会の答申、しかもその理由には単に高速道路上における運送の重要性にかんがみ日本国有鉄道をして高速自動車国道上のバス事業を行なわせることが適当だとなっておりまして、何ら理由になっておりません。私は、日本の行政機関である運輸審議会がかくのごとく粗雑な法律的な根拠に基づかない理由に基づいて免許をせしめたということをはなはだ遺憾に存じますが、このことは論じませんけれども、補完ということを大臣が言われましたので、今日まで歴代の運輸大臣は、代行、先行、短絡、培養ということでそれと民営バスとの競合を避ける、そうして双方の円滑な運営に基づく事業の発展をはからしめるために国有鉄道をしてバス運営をせしめるのだ、こういうことになっておりますが、さらに一昨年十月の木村声明——綾部運輸大臣当時の木村自動車局長の声明に基づいて、補完ということばが国鉄自動車運営の指導の上に新たに方針として加えられたので、この補完とは何ぞやということを私は当時も国会においても、また運輸大臣に対してもお尋ねをいたしました。その答弁の内容は、既設の国有鉄道の運輸が一ぱいになってもう輸送力がない、その上沿線を走っておる民間バス事業も、輸送上、さいぜん大臣がお話しのように、最終の利用者の利便を十分に全うするゆえんでない場合において、国有鉄道のバスのごときを免許するのが補完である、こういう解釈をせられたのを私は聞いておりまするが、今回の高速道路上におけるバス事業の免許というものは、新幹線は現状のとおりでまだ輸送力は十二分にございます、既設線の東海道線の輸送力も新幹線によってなお余力ありと思量せられますが、こういう事態において、はたして余力のあるところに補完ということばが使われるかということにおいて私は多大の疑義を持つものでございます。この点については大臣からそういう御答弁がございましたので、事務当局から補完の内容についてひとつ御説明をいただきたい。

佐藤光夫運輸事務官(鉄道監督局長)

○佐藤(光)政府委員 日本国有鉄道法第三条の  「鉄道事業に関連する自動車運送事業」の中に補完の機能があるということは伊能先生御指摘のとおりであります。具体的に東海道線の輸送需要について、その判断の基礎となりました事項について御説明申し上げたいと思います。  新幹線開通前における米原——京都間高を例にとりますと、旅客列車が二百本、貨物列車が百四十本、その他合わせて三百六十本の列車が運転されておったわけでございます。これに対しまして、新幹線に転移すると思われましたものは、長距離旅客と、大阪−名古屋間を直通するような限られた範囲の中距離旅客でありまして、当面六十五本の中長距離列車のうち、差し引き約二十本の列車が、新幹線の開業によって御承知のように削減を見ておるわけであります。しかるに昭和四十五年度を想定いたしてみますと、同じ区間に旅客の輸送量が約一・八倍、貨物が一・六倍になるものというふうに考えられるわけであります。しかも旅客のうち通勤、通学を主体とした近距離列車が現在約六十本から約百本、四十本の増加が見込まれ、貨物列車も輸送量の増加に比例してふえていくものと思われるわけでございます。このように、国鉄によらなければ輸送できない旅客貨物の増加が、新幹線開通によって削減可能な列車本数をはるかに上回ることとなり、このため中長距離旅客列車を運転する余裕がなくなっていくような事情が当該区間についてあるわけでございます。御承知のように、国鉄の第三次長期計画におきましては、この区間の線路増設を取り上げておるわけでありますが、当面名神高速道路の開通によって、さきにあげました旅客のうちで、名阪、名神間のような中距離の旅客につきましては、これをバースによって運ぶことが可能になったわけでございます。ちなみに現在線でまた約二十本の列車がこれら旅客のために運行されておりますが、これをバスのほうに転移させるとすれば、それに見合う列車本数を通勤、通学の旅客あるいは貨物を運ぶために必要な列車に置きかえることが可能であろうというような事情でございまして、数量的に見ましてこのバス運行が補完的な機能を果たすべき性格にあるというふうに判断をいたしておる次第でございます。

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員 はなはだ奇異な御答弁を伺ったわけでありますが、私どもは、運輸省が声明せられた補完の意味については、ただいま佐藤局長が御説明せられたようには伺っておりません。現に免許の実態については、道路運送法第六条、第七条等によりまして免許をする際の手続が明記せられております。その際運賃の問題はもちろんでありますが、経営の問題、経営の実態についても運輸省は採算の問題等も十二分な考慮をせられて免許をせられたはずでございます。ところが実績は、御承知のように国鉄並びに日急バスとも非常な赤字を出しておる。国鉄については、償却とかあるいは税金とかいうようなものもありませんから、現在の実情は、輸送人員が国鉄六に対して日急バス四というような実情で、一月のごときは、日急バスが月に千三百万円、国鉄はおそらく千八百万円ぐらいではなかったかと思いますが、月に民営である日急バスのごときは償却その他を入れますと二千五百万円の赤字を出しております。私はここでなぜかようなことを質問するかと申しますと、日本急行バスはさいぜん大臣のお話しのように、綾部声明に至るまでにおきまして、運輸省の指導に基づいてこれは運輸省の長い戦後の方針でありますが、バス事業の自主的調整と、その自主的発展、これが運輸のバス事業、自動車交通事業に対する行政の基本的な方針でございました。その例を申し上げますならば、新たに長距離等において交通需要を生ずる場合においては、いたずらに沿線の業者が対立抗争することのないよう、関係沿線業者相集まって円満な運営をしろということが運輸省の基本的な方針であり、また私どもはこれを正しい方針である、かように了承をしてその指導方計に従ってまいりました。東北急行バス、常盤急行バス、関門急行バス、中国急行バス、四国急行バス、また九州の横断急行バス等、いずれも運輸省の指導方針に基づいて業界はその運営をやってまいりました。また、日本急行バスにつきましても、私は率直に運輸審議会において申し上げましたが、国鉄に免許することは、私はあえて反対ではない。しかし国鉄法第三条並びに三十五年にわたる運輸省の指導方針からいうならば、法律上の解釈並びに運輸省の指導方針からいえば、現状では国鉄に免許をすることは適当でない。法律を改正して免許をするのが一番すっきりした形だと、かように申し上げましたが、運輸省の指導に基づいて、日本急行バスというものが設立をせられ、当初運輸省の方針は、運営審議会の答申にも出ておりますが、民間二業者で大体七十五両程度でまず九十往復くらいをすることが適当だ、かようなお話でありましたが、今回の免許においては三十往復ずつ、しかも後刻お尋ねいたしますが、その後に免許せられた会社を加えまして九十往復、いずれも赤字でございます。そうすると、免許に際して、かくのごとく赤字を出すということは、それは当分の間は新しい事業についてはやむを得ざる点もございますが、私は補完ということが、ただいま佐藤局長の説明をせられたような意味において運輸省が一昨年声明せられたようには思えません。しかし、これはこれ以上あえて追及をしようとは思いませんが、問題の核心に入りまして、先般、大臣が名神高速道路上における免許についての声明を出された。これはさいぜん大臣がお話しになりましたが、ビジョンではなくして、明らかに行政行為をなされるに際しての声明だろうと思うわけでございます。  この中に、私非常な重要な問題がありますことは、内容を全部申し上げることを避けますが、そのうち、声明の、これこれの処理を行なうという前書きのあとで(3)として、日急バスと国鉄以外に、「他の民間合弁会社としては、近鉄、阪神及び南海の三者により設立させる」こういう声明を大臣はしておられる。ところが、私、非常に奇異な感じを持ちますのは、この三者は申請をしておりません。いまだかつて運輸審議会においてもまた運輸省においても申請をしない会社に対して、先立って運輸省が免許をするというようなことをいわれた事例を私は承知しておりませんが、この点についてはどういう事情であったか、お尋ねいたします。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○松浦国務大臣 これは私の考えもあるのですが、さっきの補完の問題にも関係するのでございますが、私はこれは法律と少し違うかもしれませんけれども、率直に自分の考えを申し上げます。そのほうがかえって私はいいと思います。  私は国鉄の補完の問題もさることながら、財政上の補完ということが私の非常に心配した一つなんです。財政上の補完ということばがあるかどうか、それはわかりません。けれども、私は北海道なんです。北海道には陸の孤島という、鉄道も何ない村がたくさんあるのです。そこでわれわれは国鉄に押しかけてバスをずいぶん運行さしております。雪が六尺も降る。そこでスノー・モーターを持ってきて雪をはねる。学校の子供が五、六人しか乗っておりません。だから結局調ベてみるというと、あるときは十三億、あるいは十五億、少ないときでも十億というような、バス事業で赤字を出す。だから少しは日の目を見るところにも国鉄が顔を出してやったほうがいいのではないか。それはいろいろ法律文的に言えば、先ほどの鉄監局長が言ったような補完という意味もある。そういう意味で、一方においてこの未開の土地において大きな犠牲を払っているものを、こういうところで多少のプール計算になるだろうということが一つでありました。また全国的に業者をお集めになりまして、こういう新しい路線に対する、将来は東京−大阪、名古屋−大阪というところもこれからもできるでしょう。そういう全国的なバス業者が、そこに関係のないバス業者に権利をやらなければならぬという考え方も一つの考え方であります。私の考え方はこうなんです。それはたとえば近鉄、これは国鉄の新幹線ができるまではちょっと回り道ではありますけれども、上六から出て名古屋へ出てくるのは二分早かった。そこまで自由経済の中で戦って彼らはがんばった。そしてそれだけの創意をなしつつ運輸交通事業に努力いたしております。ところが新幹線ができて客が激減しつつある。これは見てやったらいいではないかという考え方です。それから阪神も同様で、これは大阪から神戸までの関係がないものですから、これはひとつ近鉄と結べば神戸から大阪、南海、この三つをやれば一つのブロックになるだろう。これはいずれも自由経済下において競争して生き残ってきておるものだから、こういう生き残ってきておるもののところに新しく新幹線ができたのだから、これに対する恩恵は彼らにも一部味わわしたらいいではないか、しかし基本的の日急バスにまず権利を与えるべきである、同時に国鉄には全国的なプール計算のためにひとつ考えてやったらどうかという三つの意味において私は考えたのです。ここにいろいろ法律上の解釈がございますが、野党の方もおったと思いますけれども、私は自分の考えはそういう考えでこれは了といたしました。  そこで私は悪いところがあれば自分の悪いところは改めるつもりでございますけれども、いまのお問いは、申請のないところになぜそんなのを誘致したかということでございますが、実はあなたはこの日急バスについてお世話なさったのでございますから御存じのように、今回のこれに対しましてずいぶん押すな押すなの申請書が出まして、二十件も申請者があったのです。その二十社の申請者の競争になった。このような事情があったものでございますから、この事態を円満に処理するという上から見て、三社に経営させることが適切であるという運輸審議会の答申も尊重いたしまして、さしあたり国鉄とともに日急、それからいまの日本高速と三つでやったというのが私の信条であります。私は何もつくりごとを言っておりません。それを法律的にやればこうだ、ああだという議論もあります。その中にあるいは法律を踏みはずしておる部分があるかもしれませんけれども、私はほんとうに国鉄にやらせるということが、——一番ひどいのは旭川から和寒というところに行くのに山越しに塩狩峠を越すのです。塩狩峠を別の道でいまのアスファルト道路でないところを越すのです。六尺くらい雪がある。その雪を毎朝はねなければバスが通らないのです。それで毎日国鉄は雪をはねまして、子供は六人しか通わない。そこは入植者なんです。入植者をよそへ変えれば、変えたほうが国鉄の損害が減るのですが、やはりそこにおる以上は輸送してやらなければならないといったようなことが北海道にはたくさんあるのです。そういうことで、そういう損失を、一方でもうかるかどうかわかりませんが、まあこのほうがいいというのですから、それならばそこへひとつ入れて、そこでその赤字を直して全国の陸の孤島を助けてやろう、こういうのが私のほんとうの本音なんです。

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員 常識論としては、大臣のお話、私も実によくわかります。また大臣がこの問題について非常な御苦労をされ、自主的に大臣みずからの判断において処断をされたことについて、私は非常に敬意を表しておる一人でありますが、御承知のように現在は民主主義国家であり、法治国家であります。運輸省設置法の第四条を、おそらく大臣はお読みになられてもお忘れになられておるだろうと思いますので読み上げてみますと、「運輸省は、この法律」この法律とは運輸省設置法です。「この法律に規定する所掌事務を遂行するため、左に掲げる権限を有する。但し、その権限の行使は、法律に従ってなされなければならない。」かように書いてございます。したがって私ども運輸行政によって大臣の御指導を受けておるものは、常に法律に従って行動すると同時に、また役所も法律に従って行政をしてくださるものと確信をいたしております。ところが、今回の名神高速道路上におけるバス免許の行政行為については、ただいま大臣のお話しのように、私は実質論としてはよくわかります。ことに私はこの点については、国鉄に免許をすることについてはあえて反対でないということは、運輸審議会の公聴会においてもみずから言っております。ただし、法律に基づいてなさるべきであるということを申したわけで、同様に法律に基づいてわれわれは免許の申請をし、役所の御判断をいただいておりますので、法律に基づかずして申請をしてない会社——したがって私は見解は異なりますが、大臣のお考えをもし貫くとしまするならば、国鉄について私は後刻国鉄総裁にお尋ねいたしますが、防衛理論、いわゆる防衛上われわれはやらなければならないというようなことも国鉄総裁が言っておられますが、防衛理論というものは法律論でございませんで、常識論でございます。そういう意味から防衛論をもし国鉄について認めて、また近鉄についてお話があったようなものであれば、近鉄、国有鉄道、日本急行バス、こういうようなもの三社の免許であれば、これは大臣の御判断。私は反対であっても適法のものとして了承をいたしますが、申請をしてない三社に免許するというところに今後の重大な運輸省の行政上の禍根を残すおそれがあるから、この点はひとつ今後はこういうことはないのだということの安心のできる御声明をいただきたい、かように思います。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○松浦国務大臣 実はもう少し申し上げませんとわかりませんが、この関西高速バスというのが、これが本体なんです。村岡さんがやっていたんです。村岡さんがやっておりましたものを——いまの近鉄は自分個人では相当な株を持っているんですけれども、それで、株を持って一緒に日急をやっておったわけなんです。だから、村岡さんを入れかえて、それでほんとうはこの関西高速バスというものが申請しているのです。しかしあとで名前を変えただけなんです。本体は関西高速バスなんです。これはどうしてもいかぬということならば、その名前を変えればいいのですけれども、実はこれは関西高速バスなんです。

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員 私は事情をよく存じ上げておりますので、大臣に言いわけをしていただこうとは思いませんし、私自身も大臣のお考えを貫けば、近鉄と国鉄と日本急行バスに免許をされたならば、大臣の御趣旨は貫かれただろう。しかし、私はそれについても法律上の見解からは反対だということを申し上げましたが、いま関西急行のお話が出ましたので、私もその点については申し上げたいと思うのですが、当初現在の日本高速、佐伯君のやっておられる日本高速に免許をされるというようなお話があったから、私はそれはいよいよ法律を曲げるものだからおよしなさい、せめて関西急行バスにでも免許をされれば、その暁において、自由経済においては株の譲渡は自由ですから、こうしたことが役所が法律を無視し、あやまちを繰り返さないせめてもの方途であるということを私は申し上げた。それ以上はかような席では申し上げる必要もない、かように考えておりますので、したがいまして、私は結論としてこの問題について申し上げたいのでありますが、綾部声明、全国的なこの種の高速道路上においては、私はきょうは法制局長官が来ておられないので、いずれこの問題は法制局長官にも政府の法律的見解を明らかにしたい、かように思っておりますが、関連の限界、大臣は常識的な説明をせられましたが、私はそれでは了承いたしません。第三条に基づく国有鉄道に関連するバス事業の限界というものは、かりに名神がいかなる関連があるのか、大臣は財政上の補完という新語をお使いになられました。私もこれから勉強いたしたいと思っておりますが、第一部長が出席しておられるそうでありますが、私は法制局部内においても山内第二部長のごときは、この問題に対する明確な判断を下されたが、いまの政府は明確な判断を下されておらないので、第三条に基づく国有鉄道に関連するとは、従来の行政の方針では代行、先行、短絡、培養並びに新たに綾部大臣、木村局長のもとにおいて補完ということばが使われておる、補完をしも私はいまの佐藤局長の説明では納得はいたしませんが、補完ということばも入れた上で、名神まではいい、それじゃどこまでがいいのか、理論的に、第三条に関連する国鉄の自動車運営の限界とはどの辺のものかということを法制局から御説明願いたい。

関道雄内閣法制局参事官(第一部長)

○関政府委員 日本国有鉄道法第三条の三号に「鉄道事業に関連する自動車運送事業」というのが、国鉄として営み得る業務として掲げてございます。この関連と申しますのは、日本国有鉄道が営みますところの鉄道事業というものの目的というものを十分に達成するために、これをあわせ営むのが合理的である、そういう範囲に属する自動車運送事業である、こういうふうに考えております。

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員 驚くべき御答弁をいただいた。法制局第一部長、もう一ぺんそれじゃ明らかにして——私はそういう答弁であれば了承いたしません。それじゃ運輸省が三十数年にわたって自動車交通事業というものを官民一体として指導せられた場合における民間との関連についてはどうお考えですか。合理的であれば民間のいかなるところへも入っていいという御見解ですか。これは運輸省が今日まで——私はだから昭和五年以来運輸省の伝統的方針を明らかにして、昭和二十四年以来歴代の自動車局長が官民の限界について明確にしております。民間と競合してはならないということを明らかにしておるが、あなたのいまの国有鉄道の事業運営上合理性があれば差しつかえない、とほうもない御答弁をなされるが、もう一ぺん御答弁願いたい。

関道雄内閣法制局参事官(第一部長)

○関政府委員 私申し上げましたのは、別に民間の事業と競合してもいい、あるいはそれをやるほうが都合がいいならばやっていいというふうに申し上げたつもりはございませんで、ある具体的な鉄道事業を国鉄が営みますについて、その当該鉄道事業の目的を達成するためには、それを自動車運送事業をあわせ営むことが合理的であるという範囲であるというふうに申し上げたわけでございます。  それではそういう自動車運送事業であれば国鉄がすべて当然にこれを営み得るかということになりますと、これはまた別の問題でございまして、国鉄法の五十三条二号によりますと、国鉄がそういう範囲の事業でありましても、これを営むについては運輸大臣の許可が必要なわけでございます。まずそういう範囲の事業に属さなければ問題になりませんが、そういう範囲に属した上で、さらに運輸大臣が他の全般的な運輸政策の見地からこれを許可するかどうかをきめるということになると思います。先ほど来先生の仰せられました短絡その他いろいろの形態につきましていろいろ仰せになっておりましたのは、おそらくその合理性を持つということの一つの類型をあげたものと思います。それからまた、それについて運輸省が従来から国鉄に対する御指導をなさっているというのは、結局私がいま申し上げました国鉄法の五十三条二号による許可の手続をとりまして統制が行なわれたもの、こういうように考えております。

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員 私は五十三条の問題はよく承知をしておるのであります。したがって、あなたにお尋ねする前に、運輸省の行政方針について今日まで伝統的な実情をつまびらかにした。したがって、以上私が運輸大臣並びに事務当局に質問をして明らかにせられた範囲において、第三条による関連とはいかなる限界があるのか、関連の限界とはどこだということを法律的に伺っているので、私は常識的な説明を伺おうとは思っておらない。その点を御説明願いたい。

関道雄内閣法制局参事官(第一部長)

○関政府委員 国鉄法の三条三号の解釈といたしましては、私が先ほど申し上げたようなことになると思います。

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員 どうもたいへん不満足な、不十分な、わけのわからぬ御答弁でありますから、これはいずれ法制局長官を別途御出席をいただいてこの問題を解明したい、かように存じます。  最後に国鉄総裁にお尋ねいたしたいのでありますが、総裁は去る三十九年七月十日、「名神高速道路上にバス事業免許申請に対する公聴会席上における国鉄総裁の口述記録」でありますから、これは全文がそのまま掲げてございますが、その際総裁は、「従来運輸省当局は国鉄バスというものは、先行、代行、短絡、培養の4原則の範囲内に止まる可きものであるとおさえておりましたが、このようの考え方はもう20年も30年も古い頭であって、私は問題にならんと思います。」かように言っておるわけであります。またさらにそれに関連をいたしまして、「過般、運輸省が発表されました書類に高速自動車国道上におけるバス事業の在り方につきましてという、ステートメントにおいて、どういうことをいっているかというと、国鉄バスについては、現行の日本国有鉄道法に照して、名神高速道路上のようなバス事業を行なうことは、鉄道に関連する自動車運送事業の範囲を逸脱するものと考える。即ち関連するということは、飽くまでも鉄道事業と従属的関係に立つ範囲において、鉄道輸送の先行、代行、短絡、培養、又は補完的機能を果すべきものと解すべきであるとこういうことを言っておりますが、私は、これは時代錯誤も甚だしいものであると考える。」かように言っておられ、最後に、全文を読むことは省略いたしまするが、「それから、このもう一つは国鉄は大きな資本を背景に持っている有利な立場にあるということを申しておりますが、高速道路上のバスにどのくらい一体資本を必要といたしますか、名神高速道路上におけるこのバス事業に必要な資本なんていうものは、そうたいして恐るべき大きなものではない。そのくらいの資本を入れることのできないような一体企業家にこれを私は、やる資格がないと思います。国鉄はうしろに国がついておるようなことを大げさにいう程じゃない。さらにですね、国鉄は行政当局である運輸省の解釈に従うべきものであると、さもなければ法治国の秩序は保たれないというような極端なことをいう人もあるようですが、運輸省だって神様ではない、時に過ることもある。従って、その解釈が過っておるという場合には、私は国鉄の管理者として堂々と戦おうぢゃないか、これが私の責任であり、義務だと考えておる。」実に堂々たる御所見を述べておられる。そこで私は、運輸省が神様でもないから間違うことがあるということと同じように、国鉄総裁も神様ではないから間違うことがあるということは総裁のおことばどおりに受け取れる、かように考えますが、この点について総裁ができるという、私は総裁の事業家としての今日までの御経歴に対しては多大の敬意を表するものでありますが、国家機関としての国鉄総裁としての、こういうものをでき得るという一つの法律的な根拠をお伺いしたい。

石田礼助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 従来の国鉄のバス事業につきましては、さっきから皆さんが申されたとおりに国鉄の輸送事業に関連する事業ということになっておったのでありますが、その後この法律ができた以後、自動車というのは非常な発展をしてきた、道路も非常に発展してきた。昔の古い自動車、古い道路に基づいてこの法文というものは解釈すべきではない、やはり発展的に解釈していくべきものであるということでできたのが、補完ということなんです。これは昭和三十四年三月の第三十一国会の参議院予算委員会で、当時の国鉄総裁はこういうことを言っておられる。「最近には都市の膨脹が非常に急激に進んで参りまして、同時にまた道路が相当よくなって参りましたから、都市間の中距離も鉄道の補助、補完のために自動車で経営していきたいということを考えております。」と言ったところが、時の運輸大臣の永野大臣はこの方針を承認しておりますと、こういうことを申されまして、補完ということばができたわけであります。これは伊能さん十分御存じのことだろうと思う。その後、そのときの政府委員であった運輸省自動車局長はこういうことを言っておる。国鉄バスの運営につきましてはいろいろ問題がございますが、私の考えといたしましては、たとえば東京——大阪間に高速自動車道路が建設されるという場合には、現在の国鉄の鉄道事業との関連も考えます、このような場所におきまして国鉄の自動車を運行させるということに関しましては、当然考慮すべきものである、当然考慮すべきものであるということは許可をすべきものであると、こう私は考えております。  それで、要するにさっき申しましたような、最近における自動車の発達、道路の発達ということから考えまして、国鉄がバスによった一貫した輸送サービスを提供するということが、公共使命を課せられた国鉄の責任であると私は考えております。それからして、たとえば運輸省が初め出したりを念入りに見ましても、国鉄は高速道路に出てはいかぬとは言わない、三割の出資をしろと言っている。三割の出資をして出るということは、国鉄に出ても差しつかえないと、つまりこういう根本精神のもとに、日急と手を握ってやれ、三割の出資をしてやれとこういうことなので、私は、こりいうことがいわゆる補完ということの精神の発露だと思う。すでにこの問題は、何も名神高速道路において初めてこういうことが起こったのではないので、昭和三十三年において博多−山口間において同じようなことが起こり、そのときにやはりこの解釈は、補完という精神の発露から起こったものである、決して新しい問題ではない。要するに山口−博多間のあの高速道路に国鉄のバスを許した精神の発露がやはり名神高速道路に出てきたものだ、こういうふうに考えております。  それから、運輸省の方針に国鉄が反するとかなんとか言いますが、あれは別に何も運輸省が国鉄に命令したわけではない、運輸省の方針をただ申されただけの話でありまして、これは国鉄から考えれば私は反対なのです。だからして神様ではない、ただ一つこれに反対しているゆえんだ。私の意見が違っていれば、運輸大臣がそれを言うことを聞かなければいいのです。  それからさらに、さっき伊能さんは、国鉄は、石神高速道路に国鉄のバスを入れるということは国鉄の防衛論が出ている、こういうことを申しましたが、決して防衛論の頭がないとは私は言わぬ。それは確かに防衛論はあるけれどもそれが全都ではない。ただ一つ、現にフランスにしたってドイツにしたって、国鉄に沿うた道路におけるバス事業というものは、これを鉄道の独占にしているということから考えても、これは別に防衛論を言ったからといってふしぎではない。ふしぎではないが、これが主なるものではなくて、われわれはこの国鉄というりっぱなバスのサービスだと思っている。事故の数からいったって日本では一番少ない。こういうものをつまり公衆に与えて、鉄道とともに輸送業務に当たるということは、国鉄の公共性から考えても、私は当然にやるべきものである、こういうことに考えておる次第でございます。

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員 私は、総裁に失礼ですが、しろうとの常識論を伺おうとは思わない。ただいまの永野運輸大臣当時における問題も、私は当時参議院議員でよく承知をしております。その後幾多の論争のあった結果が、綾部運輸大臣の声明となったわけです。これはよく頭の中に御銘記をいただきたい。紆余曲折というものはあります。  その結果有権的な方針ができたということを私は申し上げたい。あえて私は総裁と論争を、時間もありませんからいたしませんが、私は運輸大臣が言われた免許に関する実態についてはよくわかりますが、それが法律的にはたして妥当であったかどうかということを指摘したわけでございます。と同時に、行政の一体化、行政の継続性というものは、さいぜん松浦運輸大臣が冒頭の運輸行政の総合政策において強調せられましたように、最終利用の利便ということは一番大切であります。と同時に、運輸省が免許をし、運輸省が行政しておられる業者というものに対しては、十分な合理的な指導と、法律に基づいた行政指導の配慮が私は必要だろうと思います。この点について業界、国鉄であろうと、鉄道事業であろうと、航空事業であろうと、海運事業であろうと、すべて運輸大臣の声明せられた方針、運輸省の行政の方針、長い間積み上げられた方針というものに対しては、ひとしくみなそれに基づいて行動をいたしております。それが行動されないようになると、かりに国鉄総裁のように神様でないから運輸省が何を言おうとかってだというようなことで業界が動くようになっては、私は大臣の希望せられるような総合行政というものはなかなか行なわれなくなるのじゃないか。したがって、私が特にこの際大臣にお願いしたいことは、運輸行政というものは長い間、永遠の行政でございます。したがって、業者も企業体としてはこれは個人の責任ではない。企業体自身が公に奉仕するものだ。そういう立場から運輸省の行政に対して絶対の信頼を持って行動をしておる業者、また絶対の信頼を持って行動すべき業者、そういう業者が、もし突如として従来の方針に違ったものが出され、あるいはそれが法律に違背するような形で出されるということになると、業者の帰趨というものは混乱すると私は考えますので、大臣が長い間御苦労され、ことに運賃問題等については、おそらく各交通業界は、大臣の御努力に対しては非常な感謝をいたしております。したがって、そういう立場からどうぞひとつ運輸行政の実施にあたっては、長い伝統と積み立てられた行政方針というものに対しても、ぜひ十分な御配慮を持って御行動いただきたいということを最後にお願いを申し上げて、私の質問を終わります。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○松浦国務大臣 ただいまたいへん御親切なる御激励を賜わりまして、感謝にたえません。順法精神は言うまでもなく、長い伝統と歴史をとうとびまして、ただいま御指摘になりました諸条件はあくまでもこれを一貫していきたいと思います。陸海空おのおのその性格は違いますが、行なうべきところは社会福祉、国家福祉に貢献するということでございますから、その道を一貫いたしたいと存ずる次第でございますから、この上とも御支援をいただきたいと思います。  なお伊能さんは運輸行政の先輩でございまして、いろいろな面において御支援、御指導を賜わっておりますのに失礼ではございますが、先ほどの論争中私が自分の心情を申し上げるために、あるいは法律をはずしておるかもしれないけれどもということばを使いました。しかし大臣として法律をはずしておるかもしれないけれどもなんということは、これはどうも法治国の大臣の落第生であります。でございますから、これは取り消しますと同時に、あくまでも順法精神でいくということに言いかえていきたいと思います。  それからもう一つは、こういうことを申し上げておきたい。いま御指摘になりましたこの法律違反ではないかという問題の関西高速バスというものは、二月二日運輸審議会から答申があったのです。それで三日に関西高速バスに認可をしたのです。それをあとで株を買って彼らが日本高速バスにかえたのです。でございますから、法律を犯してはおらぬけれども、まぎらわしいようなことになっておるかもしれませんが、私は法律の番人でございますから、法律を犯したかもしれないというさっきのことばは取り消します。あくまでも順法精神で参りますことをここにお誓いいたします。

長谷川峻自由民主党

○長谷川委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は来たる十九日午前十時より開会することとし、これにて散会いたします。    午後零時三十六分散会

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