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47回国会参議院1964/12/11

予算委員会 第5号

発言数
382
登壇者
29
会派数
5
開催日
1964/12/11

会議録

寺尾豊自由民主党

○委員長(寺尾豊君) ただいまから予算委員会を開会いたします。昭和三十九年度一般会計補正予算(第1号)、昭和三十九年度特別会計補正予算(特第1号)、昭和三十九年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上衆議院送付の二案を一括議題とし、昨日に引き続き質疑を行ないます。  これより三案の一般質疑に入ります。加瀬完君。(拍手)

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 総理は、テレビ対談で、歩行者優先の政治ということを述べておられましたが、歩行者優先の政治ということになりますれば、当然、地域あるいは個人、あるいは農業のような低産業、こういうものに相当の力が今後は入れられる、大切にされる政治が行なわれると考えてよろしゅうございますか。これは、いまいらっしゃいます関係大臣方に、政府の方針としてこれは確認してよろしいかどうか、承ります。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) まあ、歩行者優先の政治姿勢というところにひとつウエートを置いてお考えいただきたいと思います。いままでは、少なくともいろいろな理由があっても、まず食うことが先だとか、まず収益をあげることが先だとか、こういう実利的な面が、乏しいわれわれのまわりを見るときには、どうしてもそういうものが先行、優先して考えられたし、また、ウエートが置かれてまいったわけでありますが、あまり技術とか科学とかの進歩が早い、高い、というときには、人間性というようなものが見失われがちであるということで、今度は、そういう側面に焦点を当てて、愛情ある政治といいますか、政治の実際の姿勢を正してまいりたいと、こういうことを言っておるわけでございます。  そういう意味で歩行者優先といえば、直ちに車よりものろのろと歩いている歩行者が通ってしまわなければ車は通らないんだというような極端な考え方ではなく、少なくとも人間尊重ということを側面的にあらわしたことであるというふうにお考えいただきたいと思います。そういうことをせんじつめれば、当然、おくれている社会環境が、不整備の状態にライトが当てられて、ウエートが置かれて施策が進められると、こう理解していただいてけっこうだと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 佐藤内閣は、一面、「人間尊重」と「社会開発」ということも述べらでおるわけでございますので、社会開発ということになりますと、今後公共事業といったようなものが相当拡充発展をされると考えられるわけでございます。公共事業などにおきまして、いままではとかく個人の利益というのが、公共のためということで犠牲にされるきらいがございましたけれども、人間尊重ということをうたっているからには、あくまでも人間尊重の立場というものが、公共事業などの場合におきましても基本的には大切に考えられると考えてよろしゅうございますか。建設大臣、それから農林大臣、運輸大臣にもあわせてお答えをいただきます。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) まあ、予算的な面から申し上げますと、人間尊重ということをあえて表に出してまいったのでございますから、いままでの財政理論から申しますと、国民の税金を、血税を使うのでございますから、国家目的や、われわれが生活をするために、より効率的な投資ということを前提にしておるわけでございます。でありますから、明治から、長いこと、百年間の歴史を見ても明瞭であるとおり、やはり、離島に投資をするよりも、東京や大阪に投資をすることがより効率的である、また、一年間のうちの半年間は雪に埋もれるところに道路や橋梁の投資をするよりも、表日本に投資することがより効率的であると、こういう動かすことのできない財政理念が前提になっておったわけでございますが、しかし、その雪に埋もれるところ、また離島にも国民は住んでおるわけであります。山間僻地にもおるわけであります。でありますから、そういう人間尊重の線、また、あまねく恩恵の及ばない地域において生まれ、育ち、死ななければならない国民もおるのでございますから、そういう方々の生活の実態も考えながら、ただ効率投資というだけではなく、社会環境の整備、人間環境の整備ということにも焦点を当てて投資をしていこうという考えであることは間違いはございません。その意味で、川とか道路とか鉄道とかということだけではなく、下水とか、ごみ処理とか、また水道とか、こういう農村でも公営水道をやっておりますが、農村であっても、水道の恩恵を得ることによって、家庭の主婦の生活、人間環境がより浄化され、守られていくのだということにも十分思いをいたして予算配分等も考えるべきだという考え方でございます。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 社会開発と人間尊重というようなことを方針として出しておりますが、私ば、社会開発の中には、もちろん人間尊重も入っておるし、同時に、地域的にも開発をしていくという意味が含まれておると思います。要するに、恵まれない人に対して、恵まれない地域に対して、社会投資を相当していかなくちゃならぬ、こういうふうに理解しております。したがいまして、農村地方に対して社会保障的な厚生施設等についても十分力をいたすと同時に、公共投資として、道路、土地改良、その他公共投資を十分して、地方の開発を行なっていくということが、社会施設としてやっていく社会開発の大きな内容であると、こういうふうに理解しております。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(松浦周太郎君) お答えいたします。  人間尊重は政治の最高目標でなければなりません。したがいまして、この人間尊重の物的な方法の第一といたしましては、国家として公共投資を優先しなければならないと思うわけであります。私の担当いたしております方面といたしましては、陸海空の交通運輸の関係を担当いたしております。  まず、公共投資といたしましては、ローカル線を——できるだけ地方の飛行場をつくりたい。次には、国際航空に対しまして隘路になっておりまするアメリカとの航空協定を、まあ不平等条約とさえいわれておるのでありますから、これを均衡のとれた対等の地位における方向に交渉を継続し、これを完成いたしたいと思っております。  次には海でありますが、日本の貿易はたいへんよくいっておりますけれども、皆さんの努力によって貿易は黒字だけれども、運賃は赤字であります。四億八千万ドルくらいの赤字を持っておりますから、これは個人の事業ではありますが、利子補給その他によって、政府の援助によって今後四カ年の間に七百四十万トンの船をふやしまして、この四億八千万ドルの赤字を解消いたしたいというような目標を持っております。  陸上に対しましては、汽車及び自動車その他の乗りものに対する問題でありますが、現在は——後ほど御質問があると思いますから、そのとき答えたいと思いますけれども、第三次輸送増強計画に対しましては国家の公共投資を多額にしてもらわなければならない。そうでなければ、いわゆる人間尊重の実をあげることはできない。その方面に全力を尽くす考えでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 私の質問が明瞭を欠いたようでございますが、伺っておりますのは、公共事業をする上に、いままでよりも人間尊重の立場というものが重視されるのかどうかということを伺っておるわけでございますから、簡潔にお答えをいただきます。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(小山長規君) お答え申し上げます。  公共投資をする場合に、人間尊重ということはいろいろあると思います。いま大蔵大臣あるいは農林大臣、運輸大臣が申し上げたとおりでありますが、同時に、人間尊重というときに、個人の権利と公共の権利との間ということであれば、またおのずから違った観点が出てまいります。たとえば、土地の入手について地価対策をよくいわれるのでありますが、個人の土地に持っておりますところの権利と、公共が必要とする権利との間には、当然そこに個人の権利の限界を考えなければならぬ場合も生ずると、こう思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 赤城さんは、恵まれない人、あるいはいわゆる開発されないような、発展をしておらない地域に対しまして、あたたかい政治をすることが総理の言う人間尊重の立場というものを重視する公共事業の性格だというお話がございまして、よくわかりました。そこで、私どものいま住んでおります地域では、第二国際空港が非常に問題になっております。この第二国際空港の問題では、何にも個人の利益も、住民の意思というものも聞かれておらないわけであります。そこで、それらの点についでこれから伺います。  運輸大臣に伺いますが、運輸省は千葉県の富里付近を第二国際空港の最高の候補条件が整ったところと認めておりますのは、移転戸数が千五百戸で少ない、土地の利用度が低い、離農希望者が多い、営農者に対する代替地の提供者が多い、こういうことをいままで述べられておりましたが、いまでもこれは変わっておりませんか。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(松浦周太郎君) お答えいたします。  ただいま御質問になりました富里付近の問題に対しましては、これは航空審議会の答申によったものでございますが、約七百万坪の敷地を新国際空港用地として確保するものとし、また、空港用地として富里とする場合は、その区域の選定によりかなりの差があるのでございますが、立ちのき戸数は、最大限に見まして、やはり仰せになりましたような千五百戸程度のものであると思っております。飛行場区域につきましては、空域、地形、騒音等諸条件を勘案いたしまして目下検討中でございますが、場所の決定をしてから後、行政機関、立ちのき戸数等についての地元側の要望もある程度考慮いたしまして、十分の話し合いをいたしました上で決定いたしたい、かように思っております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 千五百戸というのは、いま該当地域として推定される七百万坪の地域内だと思いますが、その七百万坪というのは、大字としてどことどこですか。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(松浦周太郎君) 富里村の大字の字名までは私は調べておりませんから、局長が来ておりますから局長に。

栃内一彦運輸省航空局長

○説明員(栃内一彦君) ただいまの御質問の富里村の七百万坪の件でございますが、いま大臣がお答えいたしましたように、航空審議会におきまして富里村が有力な候補地としてあがっております。しかし、いまだこの場所が最終的に飛行場の建設用地と決定しておるわけではございません。また、私どもといたしましては、事務的な調査は一応可能な限り予備的にやってはおりますが、まだ精密な調査をやるというところまではいっておりません。いま大臣からもお答えしました最大限千五百戸程度であろうという戸数にいたしましても、おおよその見当の戸数でございまして、現在のところ、富里村付近が適地であるということの段階でございまして、どういうような方向に、どういうような形で具体的に飛行場を建設するかというところの詳細な段階までは立ち至っておらない。むしろ、現在の段階におきましては、どこを新東京国際空港にするかということ自体もまだ決定しておらない。富里村が有力な候補地であるという点は間違いないと思いますが、こういう段階でございますので、どの字にどういうふうにかかるというところまでは全くまだ手をつけておらない、かような状況でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 富里村付近が有力な候補地であって、移転戸数は千五百戸以内と、こうおとりになるからには、域地が確定しなくては、千五百戸であるか三千戸であるか、これは計算ができないわけです。したがいまして、千五百戸にとどまるという一体見解は、どういう地域を押えて七百万坪と区切りをいたしましたときに、千五百戸の中にとどまるということになるのか。これがわからなければ、千五百戸というのが出てくるはずがないじゃありませんか。

栃内一彦運輸省航空局長

○説明員(栃内一彦君) ただいま答弁いたしましたように、千五百戸、最大限千五百戸程度ということでございまして、千五百戸という数を明確に調べたということではございません。富里村付近には人家はもちろんございます。その人家も、非常にまとまっておるところと、比較的まとまっておらない、離れておるところがございますが、かりに富里村にきまったといたしましても、飛行場をつくる場合には、できるだけまとまった人家のところは避けるというのが当然であると思います。しかし、まとまったところを避けるにいたしましても、どういう形で避けるかというような問題は、具体的に富里に決定いたしましてからむしろ調査をいたしまして、いろいろな要件を考慮の上決定するのが穏当でございまして、現在まだ候補地の段階におきまして、どの字をどうかけるというようなところまで具体的にやることはむしろ不適当ではないか。現実に私どもとしてはそこまでの具体的な調査なり設計というものはいたしておらないのが実情でございまして、千五百戸というのは、多くても千五百戸程度の中でおさまるのではないか、あるいは千戸くらいでいく場合もあるかもしれないというような意味の千五百戸でございますので、決して、場所を確定しまして、どこの字の何番地がかかる、そこには何軒かの世帯がある、ということを具体的に調べた上の千五百戸という数字でないことを申し上げておきます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 あなたのほうはですね、他の候補地、たとえば白井は二千六百戸、八街は二千三百戸、九十九里は三千戸、稲敷台地は千五百戸、これは非常に移転戸数が多いから候補地とするのは不適当だという一つの理由にあげているわけです。ですから、富里、八街地域が千五百戸にとどまるという確証がない限りは、これが三千戸であり円千戸であった場合は、ここもまた不適当な地域とならざるを得ない。したがいまして、該当地域ははたして千五百戸でとどまるか、移転戸数が三千戸をこえるかということは十二分に吟味をされたあとで候補地として決定されなければおかしいじゃないですか。いまになって、候補地をきめて一体千五百戸かどうかをきめるということであるが、それならば、これは七百万坪の中で千五百戸ということだけれども、七百万坪の中で千五百戸にとどまるかどうかということはひとつ別の問題として、同じ問題を千葉県知事の名において説明をいたしております。移転戸数は三千三百戸こう取っております。取り方は、滑走路の延長上二キロ、幅六百五十メートル、こうして移転区域を押えるの三千三百戸になるという説明をいたしておるわけでございます。これは防衛施設庁に伺いますけれども、滑走路の延長二キロメートルと幅六百五十メートルという取り方はおおむね妥当と考えてよろしゅうございますか。

小野裕防衛施設庁長官

○政府委員(小野裕君) ただいまお尋ねの民家を移転させる区域はどのくらいが適当かという点でございますが、これは、その機種あるいはその使用頻度、あるいは地形その他いろいろな事情から、一がいに申せないのでございますが、広ければ広いだけ安全であるということは申せると思いますけれども、私ども防衛施設庁におきまして、自衛隊並びに米軍の飛行場関係でその種の措置をとってまいりました区域は、これは従来からございました飛行場であり、また近辺に初めから市街地、あるいは住宅等のあったところでございますので、そう無理はできないという事情もございますけれども、おおよそ私どもがやっておりますのは、滑走路の延長上、進入正面の大体一千メーター、幅は転移表面合わせまして七百五十メーターというようなところで私どもは仕事をいまやっておるわけでございます。これで満足かということになれば、必ずしも満足ではございません。どこまでが必要かと言われましても、いまここでにわかにお答えはできないと思います。実情はそういうことでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 まあ横幅、延長若干の違いはありますが、おおむねここいらを抑えて間違いはないわけですね。そうすると、千葉県酒々井町は、全町がほとんど移転対象になると思いますが、運輸大臣、いかがですか。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(松浦周太郎君) お答え申し上げます。  先ほど申し上げましたように、昨年十一月航空審議会の答申によって問題になっておるのでありまして、第一富里、第二霞ケ浦というようなことでやっておりますが、まだこれはどっちにもきまっておりません。これは各省の次官会議及び関係閣僚会議でしばしば相談をいたしておりますが、まだいずれにも決定をいたしておりません。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 決定してしまっては、質問してもしょうがないですよ。決定したくとも候補地になっているんだから、いま私がお尋ねいたしました富里地区に空港ができた場合は、千葉県酒々井町は移転をしなければならないワクの中に入らないかと伺っているのです。

栃内一彦運輸省航空局長

○説明員(栃内一彦君) ただいまおっしゃいました酒々井町でございますが、その町が富里村の隣にあるということは私承知しております。ただ、先ほどから申しますように、どういう方向に滑走路をつくるかということは、立ちのきを要する人家をできるだけ少なくするというようなこと、あるいは騒音の影響をできるだけ少なくするということは、飛行場をつくる場合にはきわめて基本的な考え方になっておりますので、これは何も新東京国際空港に限らず、私どもが飛行場を設計いたします場合、用地取得の場合には、できるだけ人家の立ちのきのないように、また騒音の被害もできるだけ避けるような方向に滑走路を考える。もちろん、風向きその他の問題、いろいろ技術的な問題も勘案いたしますが、ただ技術的にこれが最善であるというだけで、近所迷惑はどうでもいいというような考えは毛頭いたしておりません。したがいまして、今度の新空港がかりに富里村にきまったということになりました場合におきましても、どういう方向に滑走路をつくることが一番立ちのき戸数も少なく、かつ周囲に与える被害も最小限で済むという点は工夫をいたすことはもちろんのこと、具体的に決定いたしますれば、地元の公共団体なり、その他の方々と十分これは御相談すべきものでございまして、いまここでもって図面でどういうようにやるというようなことは私どものほうでいたしておりません。千葉県のほうで何か作業をされたということは、地方の新聞を通じて拝見したことはございますけれども、どういうような根拠に立って、どういうような設計をされたのか、また、どういうような根拠で被害の町なり、あるいは人家をはじかれたのか、その辺につきましては、私どものほうには全然御相談のないようなものでございますので、いまおっしゃいました酒々井町にかかるかどうかというような問題、あるいはかかり方がどの程度であり、どの程度の被害になるかという点は、いまのところ、ちょっとお答えいたしかねる次第でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 この富里付近の空港敷地の場合は、恒常風は北東ですね。すると、滑走路は恒常風の方向に、九十九里の方面から成田、佐倉の間の方向に向くということは、これはあなた方のほうの御説明にございますね。

栃内一彦運輸省航空局長

○説明員(栃内一彦君) ただいま申しましたように、飛行場は向風というものを一つの気象上の条件といたしまして選定するということは、もう基本的な常識でございますけれども、先ほど申しましたように、風向きだけで飛行場の方向を決定するということは適当でない場合があると思います。と申しますのは、一面、飛行機の型が大型になり、特に旅客機につきましては大型になり、かつ非常に安全性能が向上してまいっておりますので、昔の飛行機のように一、横風にはある程度耐え得る。もちろん横風が好ましくないことは事実でございますけれども、ある程度耐え得るという点もございますので、この点はかね合いの問題でございますが、風の問題をどこまで重視するかということ、それから周囲に対する影響というものをどこまで勘案するかというようなことは、具体的に当たってみませんと、何ともお答えしがたいわけでございまして、風だけでもってすべてを割り切るということは、むしろある意味では行き過ぎではないか、かように考えております。もちろん、風向きによってつくるというのが技術的には基本的な考えでございますが、ただ、そういう飛行機の運航上の技術だけの問題でなかなか処理できないという場合も実際問題はあるわけでございます。もちろん、技術上の点をおろそかにするという意味で申し上げておるわけじゃございませんが、その辺は、具体的な場所に当たってよく——風の程度にもよります。向風と申しましても、どの程度の向風であるかというような程度もございますし、風の強さもございますし、それから周囲の状況、あるいは片方を配慮するために片方にまた迷惑がかかるというような点もございますので、いろいろの角度から総合的に飛行場の位置なり方角というものは決定すべきで、ただ向風に沿うてやればこうなるではないかということで、かりに千葉県のほうでそういう設計をされたとすれば、あるいはそれによっていろいろな問題が起こるというならば、その起こった問題を解決するために、若干の方向を変えるということによって、飛行機の運航面で耐え得るか、たえ得ないかというような検討が、また別の角度からなさるべきではないか、かように考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 いいかげんなことを言われちゃ困りますよ。あなたのほうで新東京国際空港計画案というものを出しております。これによれば、四千メートルの滑走路が二本、二千五百メートルの滑走路が二本、それから横に補助滑走路の三千五百メートルのものを持っている。どういうようにこれを入れようとしたって、これは南東から北西の方向に入れなければ、富里地域の場合には入りようがないじゃありませんか。これを東へずらせば、さらに密集地帯の成田市、成東市、八日市場市というようなたくさんの人口のところが入るでしょう。これを西にずらせば千葉市が入ってしまう。あそこを候補地にする限りは、恒常風の方向からいっても、この図面からいったって、これは南東の方向から酒々井の方向に向けざるを得ないじゃありませんか。入りますか、それ以外にそこへ。千五百戸なんかという少ない人家で押えて、なおさらこの設計があの地域にどうして入りますか。

栃内一彦運輸省航空局長

○説明員(栃内一彦君) 私は、酒々井に絶対入らないということを申し上げたわけじゃございませんので、酒々井にかりにかかるとしましても、どういうふうにかかるか、あるいは何キロメートルのところにそれが位置するかというような問題は、もちろん、私は否定しておるわけでございませんので、決して酒々井にかからないということを断言しているわけじゃございませんので、現在のところ、どういうふうにするかということがまだ決定しておりませんので、どういうふうな影響があるかということを、ここでもってお答えすることはできないという意味で、先ほどから御説明したような次第でございます。また、千五百戸の戸数につきましても、これは飛行場の地域内に入る戸数が最大限千五百戸程度であろうということでございまして、滑走路の延長上に何戸の家が何メートルのところにかかるかというような問題は、これはまた別個の問題でございまして、先ほど防衛施設庁長官から、防衛施設庁においてはこういうような取り計らいをしているという御答弁がございました。こういうような問題について、今後どういうふうにするかということは、私どもとして十分検討しなければならないということは認めております。いまの御質問が、酒々井について云々と、非常に具体的な御質問でございましたので、その点につきましては、いまここで的確なお答えができない、こういう意味で申し上げたのでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 その航空技術上、転移表面というものははっきり計算できるでしょう。転移表面をこえないので、空港の地域の中だけで移転をする戸数で、あとは計算の外だという計算は、しろうとならいざしらず、あなた方専門家のなすべきものではございません。しかし、この千五百戸の問題はあとで申します。  防衛施設庁に伺いますが、飛行機は大体風に向かって離着陸をするといわれているわけでございます。先ほどから質問をいたしておりますように、富里地域ということに限って、いままで運輸省が計画をいたしております空港設計図をあてはめますと、どうしても酒々井の上空から空港に入ることになるわけでございます。そうすれば酒々井町は空港の下になりまして、転移補償地域ということになりませんか。具体的に申しますと、酒々井町と滑走路との距離は三キロ以内ということになります。それから滑走路は四本でございますけれども、直接至近距離は二千ということになります。四千でございますが、至近距離の滑走路は二千、至近距離の滑走路から大体三キロ以内の地域に酒々井町は存在するという形になりますと、これは転移補償地域ということにならないか、あるいは転移補償地域に近いところということにはならないか、いかがですか。

小野裕防衛施設庁長官

○政府委員(小野裕君) ただいまお尋ねになっております富里地区の問題につきましては、私実情を存じておりませんので、はっきり申し上げることはできません。ただ、お尋ねのございました滑走路の延長上三キロというようなところになりますれば、いわゆる進入表面の始まりということになるわけでございますから、そうした場合にどういう措置をとるかということになりますと、これはむしろ航空法のたてまえのもとにおける航空局のお考えで御処置なさることでございまして、私からとやかく申し上げることではないと存じます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 着陸帯に対して進入正面の勾配は、この空港の場合幾らに押えますか。

栃内一彦運輸省航空局長

○説明員(栃内一彦君) 五十分の一の予定でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そうすると、三キロ離れて高度は幾らになりますか。騒音はどういうことになりますか。二キロの場合はどうですか、一キロの場合はどうですか。

栃内一彦運輸省航空局長

○説明員(栃内一彦君) 現在、先ほど申し上げましたように、まだ具体的にその辺の調査をいたしておりませんが、滑走路の末端から何キロメートル程度のところが騒音がどうなるかというような問題は、なかなか一がいに申し上げにくいわけでございまして、これは実際は飛行機が飛ぶという現実の問題が起こりましたときに、騒音の程度、あるいは頻度というものを考えまして、必要が起これば補償するような方法で考えていくべきだとは思います。現在のところ、まだ場所もきまっておらない。それから敷地、場所、あるいはどちらの方向にどの程度の被害があるかという点もきまっておりませんので、そういう段階におきまして、どういうふうに補償するかというような問題、これは何ホーンになるかというような問題との関連におきまして、いまここでお答えするには、まだ私どもとしては十分確信を持っておりませんので、現在お答えするのは適当ではないのじゃないか、かように考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 おかしいじゃないですか。勾配が五十分の一なら千メートル離れて二十メートルですか、三千メートル離れて六十メートルでしょう。六十メートルぐらいの頭の上を飛行機が年じゅう通っておって、それが危険区域ということになりませんか。そういう地域がどのくらいできるか、影響を受ける人口はどのくらい、移転する戸数はどのくらいかということを勘案されて、ここの候補地がいいとか悪いとか決定さるべきでしょう。そういうことが具体的にあるのに、計算をいたしておりませんでは筋が通らないので、運輸大臣答えてください。あなたの家の二十メートルぐらいのところを飛行機が通っておって、移転をしなくていいかどうか。

栃内一彦運輸省航空局長

○説明員(栃内一彦君) 私はそういう問題について無関心であっていい問題というふうにお答えしているわけではございませんので、現在まだそこまで問題が進んでおらない。したがって、どういうような影響があるかというような点をよく具体的に調査いたしませんと、これについてどういう措置をとるかという点、あるいは移転していただくかどうかというような点は、いまここで、この委員会の席上で責任をもってお答えすることはいたしかねるということでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 防衛施設庁長官に伺いますが、五十メートルとか六十メートルぐらいの高度で飛行機が通過する表面は、一体危険区域ということになりませんか。どう扱っておりますか。

小野裕防衛施設庁長官

○政府委員(小野裕君) 五十メートルあるいは六十メートルというような低い高度で飛びます場合は、その下のほうは相当の騒音を受けるわけであります。それが常時そういうことがあるのか、ときにそういうことがあるのか、ということによりまして……。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 同じでしょう。空港ですから。

小野裕防衛施設庁長官

○政府委員(小野裕君) それはお尋ねの場所によるのでございますが、いまお話しの三千メートルのところで五十分の一、六十メートルとおっしゃったのでありますが、実際にはそれ以上——そのくらい離れましたところでは、もっと高い高度を飛んでいるのが実情でございまして、そういう意味で近いととろでは低いことが多いのでありますが、三キロのところではそう低いことはないと、こういうふうに考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 どのくらいになりますか、勾配五十分の一ですよ。

小野裕防衛施設庁長官

○政府委員(小野裕君) これば、いろいろな意味で最低限を定めた規定であろうと思います。実際の飛行機はもっと角度を上げて飛んでいると私は考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 二、三百メートルだって相当の騒音です。

小野裕防衛施設庁長官

○政府委員(小野裕君) これは、昨日御連絡がございましたので調べました資料でございますが、自衛隊のF86Fという飛行機の例がございましたので申し上げますが、これは三キロのところでは高度三百五十ぐらいになっております。そこの付近では騒音は百ないし百五ホーンという、これは一つの例でございますが、そういう資料がございました。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 軍用機よりも民間機のほうが低空になりますね、どうしても着陸する場合も上昇する場合も。そうすると、百ホーン以上の騒音があると考えられるわけですね。ですから、これは当然移転をさせる戸数の中に入れなければならないと思う。そこで移転戸数でございますが、地元では五千三百十六戸と算定しておる。大体概当する地域を押えると五千三百十六戸だ。運輸省はいま千五百戸と言っておりますが、県は一応の基礎を押えまして県の計算に基づきますと、県は三千三百戸と言っておりますが、つぶさに検討いたしますと三千七百二十八戸になる。これに敷地の千百七十八戸ございますから、概算四千七百戸以上が当然富里空港の場合は移転をしなければならない必要戸数ということになるわけでございます。こういう五千戸に近い大移転というものが適切な方法だとお考えになりますか。またこれが簡単にできるとお考えになりますか、建設大臣にひとつ伺いたい。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(松浦周太郎君) お答えいたします。ただいまいろいろの詳しい計数から出発して御議論をなすっていると思いますが、普通の飛行場で民間ががまん——がまんというとおかしいが、許容できる範囲内以上に損害を与えられる場合は、政府事業でございますから、普通の飛行場と同様の取り扱いをいたしたいと思っております。それが何戸に及ぶか実際の計数をやってみなければわからないと思いますが、いままで飛行場の中に入る七百万坪の中に入るのは千五百戸である。しかし、それに対して影響するところの戸数はまだ調べてないということでありますから、御指摘になりましたような計数によって、あるいは防衛庁あるいはほかの民間航空上における許容のできる範囲以上の点については、政府は責任を持たなければならぬと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 四千七百戸も、自分たちの意思にかかわらず、移動するということが、一体そういう強制移動をさせることは人間尊重ということになりますか。四千七百戸の移動ということができますか。これは自治大臣に伺います。結局酒々井町と富里村はほとんどなくなります。そして千葉県案によりますと、成田市の一隅に新十万都市をつくるということになる。そうすると、成田市の中に入ってしまって、行政上酒々井町富里村はなくなってしまう。住民の意見によらないで、こういうようにかってに町村が、地域を消滅させる。こういうことが自治運営の上で正しいことと言われますか。自治大臣どうです。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(吉武恵市君) 国際空港がどこになるかということはまだきまっておりませんが、政府としてはできるだけ早くということで、関係閣僚等で相談しておりますけれども、まだ決定を見ないところでございます。いま加瀬さんからお話になりました富里地区も一つの候補だと思います。ここになればどのくらいの戸数が移動しなければならぬかという点も、いろいろただいま御意見がございましたが、いずれにいたしましても、地元の住民の方々の協力を得なければやれないことでございまして、その点はきまればまた政府といたしましても、地元の方々の御協力を得るように努力しなければならぬ、かように存じております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 大蔵大臣にこの一点だけ伺いたいのでございますが、千葉県は、こういう移動を必要とするために、十万程度の都市を二つ建設しなければならない。用地費を除くその建設費は四百三十九億八千万円という数字を出しました。これは全部国が負担しなければ空港設置には応じないという態度を持しておるようでございますが、四百億にも上るような金額を簡単にお出しになるお考えがございますか。これは飛行場の費用とは別です。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 財政多端のおりからでございますから、四百億の金を出せるかどうか、そのときになってみなければなかなかわかりません。しかし、国際空港がいまどこにきまるかは別にしまして、第二国際空港が必要であることは事実でございます。どこかにきめなきやならないわけでございます。でありますから、政府及び関係のものが最も合理的である、まあ私の考えからいいますれば、何十年、何百年の将来をみても合理的であり、なるべく金を出さないで、安上がりに済んで、喜ばれる、こういうところが一番いいわけでございますので、各関係方面でいまいろいろ検討をしておりまして、ひとつ検討が終わりまして、どうしても必要であるということになれば、またそこは別でがございますので、慎重に合理的な結論を得たいと考えます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 農林大臣に伺いますが、この土地の利用度が低いと運輸省は言われておられますけれども、この八街、富里地域というのは、農業生産関係で土地の利用度が低い、生産力が非常に低いとお考えになりますか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 土地の利用度が低いとはみておりません。千葉県の一般的でございますから、特に低いとはみておりません。なお、御質問があれば所得等についても御説明申し上げます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 この農業生産の高低をみる一つの目安に、生産の機械化の状態ということがとれると思いますが、こういうとり方はいかがでございますか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 機械のとり方も一つの標準だと思います。ここが空港の敷地に決定しておるわけではございませんが、調べによりますと、東下総農業地域といいますか、その概況でみますと、農家百戸当たりの動力機械の普及台数は動力耕うん機が五十台強、動力防除機が約十台、動力カッターが二・三台程度で、一般的にいえば千葉県一般よりやや上回っておる状況でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それは統計違いますね。八街におきましては動力耕うん機は千二百四十、これは全体の六〇%の農家が持っている、発動機、電動機が千七百九十七、八五%の普及率です、富里においては八二%、あとのほうは九四%という普及率でございます。動力カッターは三百四、百四十九と、千葉県の一、二位を占めている。非常に機械化されておるわけでございますね。したがいまして、生産性は低いということは言われないと思いますが、これはお認めになりますか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 先ほど申し上げたのは農塚目戸当たりでございます。加瀬さんの御調査も相当根拠があると思います。先ほど申し上げましたように生産性等、農機具関係みましても千葉県平均を上回っておる。こういう状況でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 一、二位です。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) それは調査の上でないとちょっと。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 ここに三十七年の千葉県の統計がございます。この統計によりますと、八街は断然、市を入れてもトップでございます。市を入れても富里は四位ぐらいにございます。農家収入はどの程度だか御存じですか、この地域の。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) これも事務的なもちろん調査でございますが、三十八年度の農家経済調査によりますと、その地区を含む東下総農業地域の二月平均の農業所得が四十二万円、農業所得による家計充足率は七八%で、いずれも千葉県の平均より高い、やや高い。なお、富里、八街ともに落花生、麦、野菜、畜産物が主産物で、三十七年度の農業粗生産額は富里村が十二億円、八街町が十七億円程度と推定される、こういうふうなことになっております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 千葉県の二十七年の個人所得は十五万二千円です、平均が。八街は十五万五千五百円、富里は十八万一千円、鉱工業を入れた個人所得の平均よりもこの農業地帯は上回っておるわけです。しかも専業農家が八街は六一丁八%、富里は八三・九%あるわけです。この農家を、これだけの月数を離農させることが可能ですか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) この離農は非常に困難だと私は考えておりますが、しかし実地にはまだ当たってみた様子ではございませんから、私も的確には申し上げられませんが、困難であると思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 営農が非常に打開がしやすいと、それは代替地が多い、代替地には県有地、国有地があるということを運輸省はおっしゃっておられます。今度は運輸大臣に聞きますが、その県有地は場所はどこで面積は幾ら、国有地は場所はどこで面積は幾ら、それからつぶれ地は一体幾らになるのか。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(松浦周太郎君) 面積及び国有、民有、県有の別については局長から答えさせます。

栃内一彦運輸省航空局長

○説明員(栃内一彦君) 私のほうで調べましたところでは、国有地として約百三十万坪、県有地として七十万坪というものがあるというふうに調査をいたしております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 どこですか、場所は。

栃内一彦運輸省航空局長

○説明員(栃内一彦君) 場所は、国有地につきましては宮内庁の行政財産、それから県有地につきましては、私どものこれは実地の調査ではございませんが、成田地区、富里地区というようなものがあるように問いでおります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 つぶれ地は。

栃内一彦運輸省航空局長

○説明員(栃内一彦君) つぶれ地と申しますと……。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 結局、空港ができて出ていかなければならない農地ですね。

栃内一彦運輸省航空局長

○説明員(栃内一彦君) 空港ができて、出ていかなければならない農地という御質問でございますが、これは先ほど申しましたことと関連いたしまして、七百万坪というものの、どういうふうな場所になるかというようなことで、かなり違ってくるんではないか、かように考えておりますが、大体のところは、あるいは一定のあれではないか、かように考えておるわけです。何坪になるというところまでは現在のところ抑えておりません。むしろ、こういう国有地なり県有地をかえ地として役立てていくことが可能ならば、農地の転換ということも比較的容易ではないかというように見通しを立てておるだけでございまして、具体的に何坪をどうするというところまでは抑えておりません。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 農林大臣に伺いますがね、つぶれ地は大体県の調査では二千七百三十二ヘクタールですよ。まあ概算二千町歩と押えましょう、空港の中だけで。いま代替地としてあるのは百三十万坪と七十万坪、百三十万坪はこれは宮内庁の下総御料牧場、これは宮内庁は開放する意思はないと、はっきり言っておる。開放したところで一体二千町歩以上のものがつぶれて、四百六十町歩ぐらいになりますか、四百六十町歩ぐらいのところへどうして入れますか。これが離農対策だ、農林省も心配ない、確かに営農計画が立っておる、かえ地は十分だと保証できますか。大臣としていかがですか。二千町歩つぶれて五百町歩足らずのものを出して、ここへどこかまとまれ、農地は心配ないんだと農林大臣おっしゃいますか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) まだ敷地が具体化していろわけでもございませんし、したがいまして、どれくらいの土地がつぶれて、どれくらいの代替地が必要だからという話も受けておりません。しかし、いまのお話のようにつぶれ地に対して代替地が非常に少ない。それに押し込めるということはなかなか困難であると思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 千葉県の調査では二千七百三十二ヘクタールのつぶれ地ができる、農耕地だけですよ。この代替地は付近に求めようとしても成田市、山武町というのは飛行場に一部かかるわけでございますから、あとは佐倉とか、柴山とかという付近町村に求めるほかない。全部求めても三千八百七十一ヘクタール、二分の一提供しても二千ヘクタール、三分の一では千三百ヘクタール。千三百ヘクタールに三千ヘクタールをどうして入れられますか。これはかえ地がないということになる。これはかえ地がなくても空港は大切だから農家は離農させても空港をつくらなければならないと農林大臣としてはお考えになりますか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) きまっておらぬ問題についてのお尋ねでございますけれども、かえ地がなくて離農させるということは、私のほうとしては承認できないところでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それならば営農保証が立たない限りは、この地域に空港を設定することは農林省としては反対だ、こう了解してよろしゅうございますね。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) その他のいろいろな条件も勘案して結論は出さなくてはなりませんけれども、もしもそういう場所へ空港がくるときには、営農、離農につきましては十分な措置をとらなければならないと思います。それがとれないときには、これは慎重に差し控えなければならないと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 重ねて運輸大臣に伺いますが、先ほども申し上げましたが、移転戸数が四千戸を上回るというようなことが予想されますのに、ほかの地域は二千戸でも移転戸数が非常に多いので不適当だといわれておりますのに、一体移戸数が非常に多いのに、ここだけどうしてもつくらなければならないという理由は何ですか。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○国務大屋(松浦周太郎君) 技術的の問題ですから、その点については局長からお答え申し上げたほうがいいと思いますが、私ども研究している問題から申しますというと、富里地帯でなければ空の余裕がないのです。東京湾関係の埋め立てその他もずいぶんありましたけれども、それもいずれをとりましても、羽田の働きがほとんどできなくなります。また富里でなければ霞ということになりますが、霞には軍の飛行場がありまして、これも空の関係がうまくいきません。でありますから、陸上に今仰せになりましたようないろいろな隘路はありますけれども、このSSTの超音速の飛行機を飛ばすためには、空に相当の余裕のあるところでなければなりませんし、また海上に近いところでなければ速く上空に上がってから能力を発揮することができません。今仰せになりましたように、普通のジェット機と同じように離着陸の場合はそう大きな音をたてないで、ほんとうの上空に至ってから能力を発揮するのでありますから、四千戸とか五千戸とかいうものは専門家が調べたのか、どなたがお調べになったのか知りませんけれども、われわれの調査では、そうたくさんないと思っております。しかし、その調査につきましても、まだ十分いたしておりませんので、富里以外に空の余裕がないということになれば、多少の政府の資金がかかりましても、国民に迷惑をかけるわけにはまいりませんので、補償はしなければならぬと思っております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 一方の地域では二千戸に満たないような地域があっても、二千戸も移動をさせることは不適切だとして候補地から落としているわけです。ここは四千七百戸も移転をしなきゃならないというのに、ここだけ取り上げる理由は何だ。それはあななのおっしゃるように、空の条件、航空条件が一番いいでしょう。航空条件かよくったって下に住んでいる人間の条件ははなはだ悪い。人間のほうをどうしてくれる。だから、人間尊重なんということをおっしゃるならば、あらためて聞くというんだ。人間尊重しておらないじゃないか。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(松浦周太郎君) ちょっとあなたのほうが言い過ぎじゃないかと思う。人間を尊重しておるからこそ補償を十分にすると言っておるんです。でございますから、空の条件が悪ければこしらえることはできないんです。空の条件のいいところでなければ……。もう東京の付近には、西のほうは四つのアメリカの飛行場がありまして、ブルユーフォーティーンがあって西に行くことができないんです。それならば霞がいいじゃないかといっても霞には軍の飛行場があるんです。東京湾の埋め立てをしたらいいじゃないかということになったら、東京湾の埋め立てを七百万坪やるとすれば、船の出入りの問題から、あるいは羽田の飛行場の動きが全部だめになるんです。でございますから、その場所しかないということになれば、人間を尊重する意味において問題になるのは、そこに住む人の、次の生活が安定するようなことを国は考えなければなりません。必ずしも農業でなければならないというだけでもないんです。農業じゃなくて、離農して他のほうに転職したいという申込みもずいぶんあります。それからまた飛行場の中で働きたいという人もあります。でございますから、また、この際土地をさらに多く買収して合理的な農業の構造改善に入りたいという人もあります。でございますから富里付近及び千葉県内だけで土地を得ることができなければ、北海道でも東北でも、広いところへまた行って新しい農業をやってもらうということも一つの方法ではないかと思っております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 大きなお世話だ、そんなことは。そんなことは個々がきめることだよ。それが昔ながらの考え方の公益優先の考え方だ。人間尊重じゃない。人間尊重というならば、この人たちが何を考え、どうして生活が立つかということを先に考えるのが当然じゃないか。いま農林大臣に一問一答したように、営農をしたいという、農家で食っていけるんですから。百万以上の収入農家がたくさんあるんです。自家用車の保有台数は八街町が千葉県で一番多い。それだけの裕福な農業をやっているんだから農業をやりたい。農業をやるにしては、土地がどこかあるか。代替地がない、こういうことがはっきりしている。北海道に行けの、岩手県に行けの、あんたもう一回それを言うか。言ってごらんなさい。言うならあらためて私のほうも責任を追及する。もってのほかだ。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(松浦周太郎君) 千葉県内に求められなくて、どうしても農業でなければならないということで、国はどうしても飛行場がここで必要であるということであれば、土地のあるところに移転してもらう以外に道がないということを申し上げておるんです。その場合において、国はやはり営農の完全にできるように、草地の改良でもあるいは畜産の方法でも、十分の真に構造改善された意味における農業ができるような施設を行なってやるべきであるという主張を持っている。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 ですからそういう地域は千葉県にはないんですよ。さっき農林大臣に申し上げたとおり、つぶれ地は三千町歩に及ぶでしょう。代替地は七十万坪しかないじゃないですか。どうにもこの付近に土地を求めたって全部の土地で三千八百七十一ヘクタールしかない。まわりではどうにもならないですよ。北海道に行けばいいかもしれぬが、個々が飛行場のためならみんな北海道に行くという意思になるかどうかというのが問題だ。というのはあなたも御存じでしょう。一体この地域で住民の意思はどうなっていますか。反対が三〇%ということになっていますけれども、飛行場がつくられるだろうと思われる該当地域を調査すれば、八街では反対が四五・七、それから富里では五一・七、しかも条件つきの反対まで入れると八街は六七、富里は八八%反対しているんですよ。土地を提供しろと。これから政府の要求する該当地域の住民は七〇%前後というものは反対なんだ。そういう意思を全然かまわないで、おまえは北海道へ行けば営農ができる、百姓やりたければ北海道に行け、こういうばかなことが言えますか。住民の意思というものは一体どういうことになるのか。だから念を押して、人間尊重というならば、これからはこういった地域の人々の考え方を尊重してくれますかねと伺ったら、皆さんは尊重するとおっしゃる。尊重することにならないですか。自治大臣に伺いますが、地域のじゃない七〇%が反対をしているような問題を、政府は強行することが当を得た方法とお考えになりますか。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(吉武恵市君) 地元の地域の方々が何%反対をされているかどうかということは、私のほうはまだ調査もしておりませんからわかりません。しかし反対という中にも、補償とからんで反対されている方もあるでありましょうから、それはいろいろの条件にもよることでございまして、要するに、先ほど申しましたように、地元の方々の協力を得なければなかなかできないことでございまするので、その点は、どうしてもその地域でなければならぬということになれば、協力を得る方法を考えなければならぬ、かように存じております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 建設大臣に伺いますが、公共事業の土地取得の場合、損失補償基準要綱という閣議の申し合わせは、現在でも生きていると考えてよろしゅうございますか。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(小山長規君) 補償基準のことであろうと思いますが、これは今でも生きております。ただ大規模な場合には、御承知のように関係者で協議をする方法がありますことをつけ加えにおきます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 協議をいたしましても、それはあくまでも近傍類地の適正価格ということが標準になりますか。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(小山長規君) そのとおりでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 近傍類地の適正価格というものは固定資産税の評価は参考になりますか。それとも全くのその時点における時価ということになりますか。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(小山長規君) お答えいたします。固定資産税を基準にいたしまして、契約時もしくは締結のときの時価を参考にするということでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 その地域の固定資産税の評価額は三百円ないし四百円あるいは五百円という程度です。これを反百万円という価格で買収することが可能ですか。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(小山長規君) いま申し上げましたように固定資産税というものを参考にするわけでございますが、やはり近傍の時価というものは当然に標準になるわけでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 百万円で買えるか買えないか。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(小山長規君) その辺のところはちょっと私ではわかりかねます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 固定資産税の評価額が三百円とか五百円、坪ですね。そうすると、これは反にすれば九万円なり十五万円になりますね、こういう評価額が出ているところを百万円以上という価格で買収することが、この基準要項に照らして可能かどうかということです。できるとか、できないとかおっしゃってくださればけっこうです。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(小山長規君) いまおっしゃったような仮定のもとであればできません。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そうすると、さっき自治大臣は、条件の方もあろうとおっしゃいましたが、百万円以上でなければ反対だという者を入れますと、反対は八街では六七%、富里では八八%、山武町では九〇%になるわけでございます。こういう地域の住民の意思というものを、一体、空港設置という政府の方針で強行することが妥当かどうか、自治大臣としてどうお考えになりますか。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(吉武恵市君) 先ほど申しましたように、そういう価格で反対をされている方が、どれくらいあるかということは、私のほうはわかりませんが、要するに補償の問題等もからんで反対をされていることもありましょうと思いまするので、その点あたりも考慮して、地元の方々の協力を得なければならぬと、かように思います。要するに、これは飛行場ばかりじゃございません。ダムにしましても、そういうときには、こういう問題ということは、ありがちなことでございます。それで反対だと、反対なら、それじゃ絶対にできないかとこういいますと、その間に話し合いの進め方によって、話のつく場合も相当あることでございまするから、その点は、私どもとしては、地元の協力をできるだけ得るように努力をしなきゃならぬ、かように存じております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 一年にわたる話し合いと説得の結果、結局七〇%——詳しく言うならば、六七%に八八%という反対が固まっているわけです。こういう住民の意思というものが尊重されなくてよろしいかどうかということなんです。  そこであらためて伺いますが、たとえば酒々井町が、町の意思として空港設置には反対だ、協力できないという議決をいたしましたら、自治省としては、この取り扱いをどうお考えになりますか。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(吉武恵市君) 先ほど申しましたように、まだ政府としては、どこにきめるといってきめているわけじゃございませんで、方々にたくさんの候補を持って検討されているときでございます。でありますから、もしどうしてもどこでなければならないということになれば、またその線に沿うて協力の努力を払うわけでございます。ただいまは、あるいは——私は存じませんけれども、加瀬さんのおっしゃるような状況であるかもしれませんけれども、もし必要であるということになれば、またいろいろの努力の方法もあろうかと、かように存じております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 大臣、私の聞いているのは、そういうことじゃないです。酒々井町が反対という議決をしたような場合は、その取り扱いはどうなさいますかと……。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(吉武恵市君) だから、先ほど申しましたように、反対の決議がございましても、あらためて協力方を要請をして懇談をするということもあろうかと私は存じます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それが、自治法による、地方団体に対する指導、助言の正道でございますか。住民の意思が反対ときまったら、それを尊重するのが自治大臣の立場じゃございませんか。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(吉武恵市君) どうしても反対だということであれば、地元の方の御意向をも尊重しなきゃなりませんけれども、そこは話し合いというものがあることでありまするから、一度決議をされたから、それでもうだめだと、こういうふうに初めから考えていかぬでもいいじゃないか、かように存じております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 自治大臣、くどいようですけれども、議決というものがありましたら、その議決を尊重するのが自治省の立場じゃございませんか。議決をしたものを、いろいろ干渉をしたり、あるいは、いいことばでいえば、指導、助言をして、議決をくつがえさせるということは、当を待ている方法ではない。こういう場合は、特にそういうことが言えませんか。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(吉武恵市君) 議決は、私は尊重しなきゃならぬと思います。しかし、議決をされたからといって、それだけで済む問題でない場合もございましょう。したがって、懇談をする機会を持つということは、これまた、国のために、国際空港はどうしても必要だということであれば、努力をすることは、私は差しつかえないと、かように存じております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 国際空港を、日本のどこにもつくってならないと主張しているわけじゃないです。しかし、地域の住民の生活が、全然破壊され、町村の形態というものが、酒々井町なら酒々井町というものがなくなってしまうわけですから、そういう犠牲をおかしてまで、われわれは空港に協力をするわけにはいかないという議決をしたならば、この議決は、尊重されてしかるべきでしょう。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(吉武恵市君) 何度申し上げても同じようなことでございまするけれども、議決があれば、その議決は尊重しなければなりませんが、しかし、一度議決がございましても、地元の方々と御懇談をするということは、これは差しつかえないじゃないかと、私かように存じます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 あなた方政府の、空港を設置しょうという考え方を固めておってですね、地元に折衝されては大きに困ります。自治大臣は、当然、地元の意思がどこにあるかということを推して、地元の住民の意思というものを、むしろ閣議に反映させるというお立場をとっていただかなければ困るんじゃないですか。それが自治大臣の職務でしよう。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(吉武恵市君) 先ほど来申し上げまするように、地元の決議につきましては、これは尊重しなければならぬという態度は、おっしゃるとおりでございます。しかしながら、これが必要だということになれば、どこでも、飛行場をつくることにおいて、それは賛成だというところがあるかもしれませんが、おそらくむずかしいだろうと思います。そうすれば、やはり、その関係の地元の方と懇談をし、話し合いをする。話し合いがつかぬかもしれません。しかし、話し合いをするという努力をすることは、私は一向差しつかえないものだとかように存じております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それは一向差しつかえございません。しかし、相変わらず、町が分解をすることは反対だと、ここを去って生活の道がないのだから、ここを明け渡して空港を設置することは反対だという意思が固まっておったら、これは尊重されてしかるべきじゃないですか。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(吉武恵市君) 私同じことを申し上げてはなはだ恐縮でございまするけれども、地元の決議というものは尊重しなければならぬということを、私は反対しているわけじゃございません。しかし、一度決議があったからもう絶対にだめだといってあきらめなくても、もしどうしても必要だとあれば、御懇談をするという努力を払うことは差しつかえはないじゃございませんかと、かように申し上げているわけでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 あなたにもう聞きませんけれどもね、住民の意思が七〇%以上反対だというのは、一年間の経過を経て、町当局が調査をした結果、明らかになっている。だから自治大臣は、こういう意向というものを、もし閣議で問題が出たら、反映してくれなければ困ると思うわけです。  そこで労働大臣、たいへんお待たせいたしましたので、一つだけ伺いますが、先に運輸大臣も、百姓をやめたところで生活の保障が立てばいいじゃないかという御見解がございました。で、ここで少なくとも四千戸以上に及ぶ者が、いまの空港ができた場合は、生活形態を変えなければならぬ。で、県とかあるいは運輸省は、空港に就職させるからいいと言っているけれども、空港に就職させましても、私たちもいろいろ調べましたけれども、たとえば空港の会社というのは、空港の代理店でありますとか、空港の支店でございますとか、必ずしも地元の者が、すぐ行って現状以上の生活が保障されるということにはならない、何万人に及ぶ者が失職をいたしまして、簡単に現在の生活保障というものができる、あるいはおやりいただけるとこう考えてよろしいですか。この点をどうぞ。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) ただいままでほかの関係各大臣からお答えいたしましたように、場所が、政府としてまだきまっているわけではございませんし、したがって、どれくらいの数の人々が移転を余儀なくされるか、その移転を余儀なくされた人々のうちで、どの程度の人が、他の地域で農業をやり、どの程度の人が、他の職業へ転じようとなさっておるのか、正確には——正確どころか、一般的にもまだ予測がつかない状態ではございます。しかし、国が、そういう方針を決定して、そうして他の産業へ移ろうとする人々が出てまいりました場合におきましては、むろんこれに対して職業のあっせん、あるいは直ちに新しい職業につくといたしましても職業の訓練等も必要でございましょう。特に若年層の場合はよろしゅうございますけれども、中高年齢層となりますとなかなか簡単な問題ではないと思います。しかし、特別の訓練を施したり、万全を期したいと思っておるのであります。それからもう一つは空港の就職の問題にいたしましても、空港にその離農する人々に適する仕事というものがどの程度あるものか、これもむろん計算をしてかからなければならぬと思いますし、その数が非常に大きなものになりましたならば、たとえば石炭離職者に対してとったような処置をも考えなければならぬと思います。万全を尽くしたいと思いますが、人数その他によってはこれは決して簡単な問題ではないと存じます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そこで、労働大臣のおっしゃることよくわかるわけです。したがいまして、ここに空港ができる場合は何人の離農者が出るか、転職者が出るか、それがどういうように救済をされるか、そしてその生活収入といいますか、補償はこの程度はだいじょうぶだといったようなことが十二分に検討され、住民に伝えられて、賛否を問うという方法がとられてこなければ、はなはだ私は不親切だと思うわけです。ただ空港をここにするかあすこにするかということだけで、おまえたちは離農をするけれどもこういう点で心配はない、おまえたちは離農するけれどもどこに新しく土地を与えるのだというような対策というものが全然行なわれないで空港の設置だけが進められておる現状でございます。これは少なくも転職対策というふうなことから考えて私は適切ではないと思いますが、そういう点が検討されてだいじょうぶという一応のめどがついてやはりここに踏み切る、ここはだめだという結論を出していただかなければならないと思いますが、この点はどうでしょう。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 私の承知いたしております範囲では、たとえば現在は、地理的な条件、距離の問題あるいは空の状況、そういうようなところから、いかなるところに適地があるかということを調査し、その適地としての幾つかの候補地が上がっておるということでございます。それがどこどこにきまる、どこどこが一番適当だということになった場合、それを最終的に決定する場合におきましては、むろん離農者の職業のあっせん、今後の生活の状態を担当するのは私どものほうでございますので、私どものほうとしてはそれに対する十分な施策を考究いたしますが、しかし、その考究するのには費用もかかり時間もかかる、そういう点も勘案してもらわなければならぬことでありまして、私どものほうと無関係に決定されることは困ることだと思っております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 よくわかりました。  そこで建設大臣に伺いますが、五〇%以上というような反対があります場合にも強制的にここを収用するというような方法で土地の取得をいたしますか。これは建設省の御担当ですから、伺いいたします。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(小山長規君) お答えいたします。強制収用というものは、反対者が幾らあるからやめるとかあるいはやるとかいうようなものではないのでありまして、事業の性質によって収用委員会の同意を得ましたならば、これは当然反対者がある場合にやるのが収用の原則でありますから、何%あるからこれはやめるのだということでは収用の効力がないわけでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 法律形式的に解釈すればそうでしょうけれども、二分の一以上の反対のあるような地域に、強制収用なんかをおかけになって、強制収用の実が結びますか、あなたの政治的な判断を聞いているのです。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(小山長規君) 先ほどから各大臣が申し上げておりますように、まだものがきまっておらぬのでありますが、いよいよきめるという段になりますれば、当然まず第一にやらなければならぬことは、地元との話し合い、協力の面であります。そうしてその大部分の人が協力いたしましょう、そうして一部の人だけが反対をしておるために、それでどうしても目的が達成できないというときに、初めて収用する権力を出すのが、これが政治的な判断であります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 厚生大臣に伺いますが、総理は、社会開発と人間尊重の演説の中で、公害を非常に大きく取り上げて述べられておりますね。で空港ということになりますと、騒音ということが一つの公害のごとくこのごろは考えなければならないわけでございますが、日本音響学会の調査による騒音のための人体に対する影響について御報告を受けておりますか。

神田博自由民主党厚生大臣

○国務大臣(神田博君) 騒音に対する影響については、究明する分野が非常に多いことは御存じのとおりであります。現在科学技術庁の騒音に対する総合的研究の一環として、三十九年度から実施に移っておりますが、まだしっかりしたものはできておりません。御参考になろうかと思いますが、厚木飛行場の騒音に関する人権擁護局の調査の内容が私どものほうにまいっております。御参考までに申し上げておきます。  飛行場周辺の住民百名に面接、四百名にアンケートを出して調べた。それからテレビなど日常生活に支障がある、鶏が卵を産まないなどの訴えがあり、また、頭痛、目まい、不眠、疲労などを起こすという訴えがありました。しかし、今日の医学的立場からまいりますと、それが全部すべてその症状が、騒音のために起こったという断定はむずかしいというような報告を受けております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 その報告はもっといろいろ内容があるわけでございますから、あとで問題にいたします。  昭島の医師会の報告がありますね、御存じですか。

神田博自由民主党厚生大臣

○国務大臣(神田博君) 私まだ聞いておりませんので、政府委員から説明させます。

舘林宣夫厚生省環境衛生局長

○説明員(舘林宣夫君) 昭島の医師会等に騒音の影響のことを聞いた調査の報告を私も受けておりますが、それらによりますと、ただいま大臣がお述べになりましたような、騒音のために頭痛あるいは眠られない、そのために身体に疲労を来たす、あるいは目まいを来たすというような障害を訴える者があるということを聞いております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 昭島の医師会は、神経衰弱、高血圧、胃病、偏頭痛、難聴がふえており、肉体的な影響以上に、精神的なストレスの蓄積が多くて、少なくとも子供を育てる環境ではないという報告をいたしております。それから大臣のさっきおっしゃった昭和三十九年十月二十八日付の法務省人権擁護局長からまいった報告は、頭痛、目まい、神経障害、聴覚障害、不眠症、生理不順、胃腸障害、血圧高進、母乳障害、出産障害、安静療養障害が非常に多いということが報じられておりましたね、この対策について厚生省は何か考えておられますか。

神田博自由民主党厚生大臣

○国務大臣(神田博君) 騒音に対するそういう面の対策ということにつきますと、まだ具体的にあがっておりませんが、たとえば羽田の飛行場の深夜発着を制限するというようなこと、あるいはまた、学校とか病院等に対する騒音防止に関しまして、何らかの補償をして、防音装置をしていく、こういうふうな対策を考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 防衛施設庁に伺いますが、この法務省人権擁護局の報告は、あなたのほうに出されたわけですね。基本的人権の尊重の観点からすると放置するわけにはいかないと、こうおっしゃつておりますね。これはお認めになりますか。

小野裕防衛施設庁長官

○政府委員(小野裕君) 私どもの関係の飛行場に関連する騒音の問題でございますが、ただいまお話のように、人権擁護局からの御通報もいただきまして、私どもとしましても、この状態がこのままでいいものだとは考えておりません。まあ従来からあれこれいろいろな対策を講じつつまいったのでありますが、今日の状態で十分なものだとは思っておりません。今後とも一そうあらゆる対策を進めていかなきゃならないと、こういうふうに思っております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 運輸大臣はしろうとですから、簡単にその騒音などというのは考えておられるようですけれども、いま人権擁護局から防衛施設庁に報告をされた内容というものを長官がお認めになった。しかも、厚木飛行場の騒音は、同飛行場滑走路を中心に十キロ内外に及ぶ、滑走路より十キロ離れておっても八十フォン以上である、こう言っております。それから着陸時は周辺を迂回するので周辺一帯が騒音下になる。上昇航空機下では北二・五キロにおいてもソニック・ブームが起こる、こう言っておられます。これを防衛施設庁ではお認めになりますか。で、こういう弊害が当然新空港にも起こるわけでございますから、この対策というものを運輸大臣はどうお考えになっておられますか。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(松浦周太郎君) お答えいたします。まあ先ほど来いろいろ議論をいたしましたが、まだ富里に決定してしまったわけではないのです。もしこれを決定したということになれば、御質問のような趣旨に従って、それぞれの手を打っていかなければならぬと思っております。また、騒音の問題に対しましても、私は何の技術的な要素を持っておりませんから、それぞれの権威にはかりまして、十分に影響のない施設を施さなければならぬし、また、それに対する補償はしなけりゃならぬ、かように思っております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 防衛施設庁の長官に伺いますがね。いまのような問題は、空港ができてから処置できる問題でございますか。それから何らかの補償によって補いのつく問題でございますか。

小野裕防衛施設庁長官

○政府委員(小野裕君) 騒音に対するいろいろ対策は、事前に用意してかからなきやならないものもございましょうし、また、自後の状況によりまして必要な処置を講ずるというものもございます。いろいろな対策がございますので、一がいに全部初めから用意すると、しなければならないということも申せませんし、また、早くしたほうがいいというものもあろうかと思うのでありまして、いろいろでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 騒音の対策がないというのが現状でしょう、率直に申し上げるならば。したがいまして、その騒音の影響が最も少ないというところに空港の設置というものを選定しなきゃならない一つの目安というものがなければならないでしょう。一体富里地域に空港を設けた場合、この騒音はどのくらになりますか。騒音の起こり得る数、それから影響、こういう御調査がなければ、簡単にここがいい、あすこがいいなんていうことが言われるはずのものではない。運輸省に伺います。

栃内一彦運輸省航空局長

○説明員(栃内一彦君) 騒音の問題につきましては、先ほどもお答えいたしましたが、いま大臣の率直な御答弁がございました。先ほど申しましたように、騒音の被害がある程度あるということは私も承知しております。ただ、先ほどおっしゃいましたように、制限表面の、建築制限の高度でもってすべての飛行機が飛ぶということでもございませんので、実際問題はもっと高く飛ぶというもございましょうし、また、軍用機のソニック・ブームというものと、民間機とは非常に趣を異にしておるというような点もございますので、なお、先ほど何回も申しましたように、富里村付近ということでございますが、どこまでもどうという非常に具体的なところはまだ飛行場そのものの場所、または移転戸数というものもはっきりしてない状況でございますので、どの程度の騒音の対策をしなければならぬかという具体的な計数というものは、現在のところ持っておらないというのが率直なところでございます。  なお、先ほど富里付近は四千戸ないし五千戸の立ちのきの必要があるのではないかというの話がございましたが、それに関連しまして、ほかの候補地は二千戸あるいは三千戸のところがあるのに、どうして富里だけを選んだかというような御質問、すなわち富里のほうがほかの候補地よりも立ちのき戸数が多いのではないかという御質問がございましたが、私どもが立ちのき戸数を調べました場合には、先ほど申しましたように、いずれの候補地につきましても、具体的にここからここまでを飛行場にするというような精密な計算をしておるわけではございませんので、大体この付近の人家の棚密度はどうかということで、その飛行場をここに置いた場合に大体どのくらいが限度かということで、いわば、飛行場の周囲の立ちのきの問題が起こるか起こらないかという場合の計数は計算いたしませんで、飛行場場内に大体どのくらいの戸数がかかるであろうかというような意味の比較でございますので、飛行場周辺の立ちのきの問題ということを今後どういうふうに考えていくかというような問題は、もちろん私ども真剣に取り組まなければならないと思いますが、そういう問題との関連におきましては、ほかの土地であるならば、富里につきまして、いま先生のおっしゃったような範囲内程度のかりに立ちのきをする、これはきめておるわけではございませんが、というようなことになれば、さらに多くの、ほかの場所でございますれば、立ちのきというような問題になるのではないかというふうに考えております。いずれにしましても、騒音対策の問題は非常にむずかしい問題でございますが、これはいずれの場所に飛行場をつくるにしましても、大きな社会問題でございますので、いろいろな、防衛庁あたり、あるいはそのほかの、いま先生のおっしゃいました学会の方々の御意見を伺うというようなことで、まじめにこれには対処していかなければならないと考えております。現在のところ、繰り返すようでございますが、直接の飛行場の用地すらまだ最終的にきまっておらないということ、まだ候補地の段階であるというような段階でございますので、どの程度の騒音の補償をすべきかというところまでは具体的な数字を持っておらないのでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 厚生大臣に伺いますが、精密計算をしないで、大体千五百戸だなどと言って設定をされて、あとで当然影響する騒音の範囲が多くなりましたときには、一体政府の施策として当を得たものかどうかという問題が残ると思う。私どもは各町村の部落別の戸数を計算いたしました。そこで空港の地域に当てはまるところと目される点について個別的に調査をいたしまして計数を出した、私どものほうは精密計算です。政府が精密計算をしないで、いいかげんに千五百戸くらいであろうなどといって騒音対策を怠っておるということは、厚生大臣としてどうお考えになりますか。しかも、千葉県当局のはめましたワクは、滑走路の延長二キロ、ところが、人権擁護局が出しましたのは、滑走路より十キロでも八十フォン以上の影響があるといわれている。そうなってまいりますれば、これはわれわれが推定しておりまする戸数よりも、影響戸数なり影響へ口というものは非常に大きくなる。影響人口を調べますと、最小に見ても十三万四千人、広げて見ますと十七万七千人になります。こういうところに一体どういう対策を立てるかということを考えないでよろしいかということが一つ。  もう一つは、ソニック・ブームが軍用機だと言うけれども、アメリカではソニック・ブームというものを研究しないで空港の安全性は保てないという議論が学者の間で圧倒的なんです。この問題について厚生省としてはどういう御研究をなさっていますか。

神田博自由民主党厚生大臣

○国務大臣(神田博君) お答えいたします。  空港の問題につきましては、他の同僚大臣からも御答弁がございましたように、まだどこにどうしてできるかということを私ども実は十分承知いたしておりません。いまお述べになったところが候補地の一つであるというふうに聞いておる程度でございまして、もちろんいま加瀬議員がお述べになりましたように、具体化してまいりますれば、そういう問題は十分研究いたしまして、また十分な対策を講ずるということは当然のことと考えておりますが、この段階といたしましては、まだ十分な連絡と申しましょうか、そういう話し合いを聞いておりませんので、これ以上ちょっとお答えしかねます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 しかし大臣、この騒音被害は大きな公害だとお認めにはなりますね。それが一点。  もう一つは、位置をきめてから被害の対策をするのではなくて、位置をきめる前に被害の影響というものは検討されて、事前に少なくも空港の場合は騒音対策というものは立てられるべきものではございませんか。それが筋じゃございませんか。

神田博自由民主党厚生大臣

○国務大臣(神田博君) 騒音の公害であることはこれはもう加瀬さんのおっしゃるとおり私もそういうふうに考えております。それからいま申されましたようなこと、先ほど答弁したとおりでございまして、なるほどそれは予定をされている土地から調査するのはこれはもちろんけっこうでございますが、いままだその段階までいっていないのではないか、こういうふうに考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 安全性の検討というものが行なわれないで、位置がきめられるということに御賛成ですか。

神田博自由民主党厚生大臣

○国務大臣(神田博君) まあこの安全性の検討なくして位置をきめるかどうかということのように伺ったのでございますが、政府として飛行場をつくるということでございますれば、これはもう閣内あげてそれぞれ持ち腸持ち場で施設をする、また、騒音の防止をやるということは当然のことでございますから、これはそういうことがもっと具体化してまいりますれば連絡があると思います。その際に十分手落ちのないようにいたしたい、こう考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 それではこう確認してよろしゅうございますか。厚生大臣としてはこの騒音による被害の問題が解決されない限り、しかも十五万人前後という大きな人口に影響する地域に空港を設定することには無条件では賛成しない。したがって、慎重に検討をする、よろしゅうございますね。

神田博自由民主党厚生大臣

○国務大臣(神田博君) お答えいたします。どうも加瀬さんの、何か一つの仮定でお話しになっておられるように承るのです。考え方といたしましては、そういう考え方で善処いたしたい、こう思っております。

寺尾豊自由民主党

○委員長(寺尾豊君) 加瀬君の質疑は終了いたしました。  午後一時二十分に再開することといたしまして、休憩いたします。    午後零時十五分休憩      —————・—————    午後一時三十三分開会

寺尾豊自由民主党

○委員長(寺尾豊君) 予算委員会を再開いたします。  委員の変更がございましたので御報告いたします。  高野一夫君、奥むめお君が辞任され、八木一郎君、佐藤尚武君が選任されました。     —————————————

寺尾豊自由民主党

○委員長(寺尾豊君) 休憩前に引き続き、質疑を行ないます。豊田雅孝君。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 まず通産大臣にお尋ねをいたしますが、中小企業の倒産問題中心に応急措置並びに基本的な対策についてお尋ねをいたしたいと存ずるので到ります。  すでに御承知と思いますが、全国の企業倒産件数は、十一月の負債額一千万円以上のものだけで件数五百十八件、負債金額五百九十億円、件数金額ともに、これまでの最高記録でありました十月の記録をさらに更新してきておるというような状態であります。特に注意しなければならぬと思いまするのは、この記録の更新は本年の七月以来毎月繰り返してきておるのであります。特に憂慮いたしますのは、本年の一月から十一月までの倒産件数、総計いたしますると三千六百十六件でありまして、負債金額は三千七百一億円にのぼっております。これを昨年に比べますると、件数は一、三四%ということになっております。負債金額では二五四%。で、件数金額ともに昨年の二倍半前後に相なっておるということであります。すでに昨年が相当の倒産件数を見たんでありますが、それの二倍半前後に相なっておるということは、これはゆゆしきことだと考えるのであります。で、今後年末に際しましてさらに倒産件数もふえると思いますが、最も憂慮いたしておりまするのは、来年の二月ころであります。これは、言うまでもなく、二月ごろになりますると、年末の無理な資金手当の破綻が出てくるおそれもありまするし、ことに財政資金の揚げ超期にぶつかるわけでありますので、この二月前後を最も憂慮いたしておるのであります。そういう面におきまして、来年の二−三月、いわゆる年度末資金対策といいますか、これにつきましては、よほど思い切った措置を講じなければならぬのではなかろうか。金融引き締めを緩和する段階ではない、そのかわり、ひずみを是正するべく、きめのこまかな手を打つということに相なっておりますればおりまするだけに、この年末から特に年度末にかけまして、思い切った措置を講じなければいかぬのではないかというふうに考えるのであります。基本的な問題につきましては、またあとから伺うことにいたしまして、さしあたり近く最も憂慮せられてきております二月ごろ中心に対しての資金対策、これをいかようにお考えになっておられるだろうか、御所見を伺いたいと思います。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま豊田委員が御指摘のように、七月以降、毎月倒産件数、また金額におきましても、その記録を更新いたしまして、その責任の衝にある私どもといたしましては、まことに深憂にたえないものがございます。現在におきましては、年度末をいかにこれら深刻な状況にある中小企業の対策に万全を尽すかということに鋭意努力をいたしておるようなわけでございまして、先般来繰り返し申し上げておるとおりに、本年の末にかけましては、八百億円のワクの拡大、五百億円の買いオレペレーション等を中心とした施策を講じつつあるわけでございますが、はたしてこれがどの程度の結果に終わるのか、その点も非常に成り行きを見守っているようなわけでございます。したがって、昨年度におきましては、年度末におきまして、貸し出し規模の百二十億、財投が五十億というような手配をいたした次第でございますが、明年の一−三月におきましては−いま昨年度と申し上げましたが、このことしの一−三月、来年の一−三月については、本年の一−三月に比較してどの程度にいたしたらばよろしいかということにつきましては、まだにわかに判断をしかねておるところでございます。おそらくただいまの情勢からいたしますならば、この年度末対策については相当思い切った施策を御指摘のとおりしなければならない、これは十分注意をいたしながら対策を考慮いたしたい、かように思っておるような次第でございます。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 年末資金対策につきましては、相当前にいろいろ通産大臣特に御苦心なられまして、いま御指摘のありましたるごとく、三政府系金融機関八百億、買いオペ五百億ということに相なりましたが、当時といたしましてもこれでは非常に乏しいということは言われておったのでありますが、その後の模様、特にいま申し上げまする来年の二月中心にしてのことを考えますると、ほんとうにこの際徹底した対策措置を講じなければならぬと思いますので、特にその点御考慮願いたいと思いますが、特に具体的な問題を一つだけ申し上げますが、中小金融のうちで最も中心をなすものは、言うまでもなく、組合金融であります。その組合金融関係につきまして、商工中金に対しましては年末に短期資金が出されておることは御承知のとおりであります。したがって、来年早々これは返済期に迫られるわけでありまして、これが大きく中小金融、特にその中心をなしまする組合金融に圧迫になってくることが明らかになってきておるのでありまして、この面について短期資金を長期資金に振りかえると同時に、これが増額を徹底的にやるということが差し迫った問題だと思うのであります。この点について御所見を伺いたい。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) 豊田委員がおっしゃいますように、短期資金につきましては今回手配をいたした額が七十億あるわけでございます。それが三月までに返済期が来るのでございますから、これについては特に考慮をしていかなければならぬと思います。今回追加をいたします場合に、貸し付け規模が三百二十億円、そのうち財投額が二百億円、この中を、御指摘のような問題がございますので、私としてはできるだけ折衝をいたしまして、その結果が中長期のものが百三十億円、しかし、残念ながら、短期のものが七十億円あったわけでございます。この点はお話のとおりに特に注意をいたしましてこれに対する対策は考えていきたいと思います。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 応急的な問題はその程度にいたしまして、あと大蔵大臣が見えればまた念を押さなきゃいかぬかと思いますが、根本的な対策に移りますが、中小企業の倒産防止をいたしますということになりますると、金融は一応の頓服みたいなもので、とうていそれだけで根本的な倒産の解決はつかぬのであります。へたをするというと、中小金融をある程度やりましても、大企業のしり始末金融に堕していくという傾向すらあるわけでありまして、ここに非常に戒心をする必要があると思うのであります。具体的にいいますと、大企業のしわ寄せ——支払い遅延に対しまして、抜本的なメスを入れなければならぬと考えます。具体的に申し上げますると、下請代金支払遅延等防止法、あれによりますると、親会社が下請から給付を受領いたしまして、それから六十日以内に支払いをしなければいかぬ。一応支払い期日は六十日ということが明記してあるわけであります。ところが、その支払い期日になって渡すもの、これが現金なら問題でないのでありますが、手形である場合において、その手形のサイトを幾ら以内という限定がないので、その点におきましてむしろ反対解釈的に、手形のサイトというものは底なしで延びほうだいというような現状であります。過去におきましては、金融機関で割り引かれる手形というものは大体九十日——三カ月が通り相場であったのでありますけれども、これが百二十日四カ月になり、いまでは金融機関で割り引かれるものでも五カ月——百五十日の手形が普通ぐらいになってきているという状態であります。これをかりにサイト百五十日といたしますると、受領してから手形を支払うまでの間の六十日を加えると二百十日になり、検査収納の期間をかりに三十日といたしますと二百四十日、この二百四十日間の金利というものは、全く中小企業者が負担しなければならぬ。これはたいへんな負担であります。しかもその五カ月サイトの手形を金融機関に持ち込んで、三拝九拝して手形の割引をしてもらう。そうなると、今度は歩積みだということになりまして、そこにおいて実質的な金利負担というものは、さらにさらに加重せられてくるのであります。それでも長いものには巻かれろで、やむなく中小企業者はおじぎをしているようでありますが、そういう場合には、さらに親会社のほうでは、もっと抵抗力が下請にあるのだろうという点から、さらに条件を悪化してくる、こういう状態でいきますというと、いまの手形のサイト、百五十日が、やがては百八十日になり、あるいは二百十日になっていく危険性すらあるわけであります。その面で下請代金支払遅延等防止法の改正をすることによりまして、手形のサイトをどうしても規制しなければいかぬ、さように考えられるのでありますが、この点につきまして、公正取引委員会の委員長の御意見を承りたいと思います。

渡邊喜久造公正取引委員会委員長

○政府委員(渡邊喜久造君) 下請代金の遅延防止につきましては特別な法律がありまして、われわれのほうとしまして、それの執行に中小企業庁の助力も得まして当たっておりますことは、御承知のとおりであります。本年の調査件数、あるいはそれによる法律違反事件についての勧告あるいは行政指導の件数等は、いずれも前年同期に比べまして相当ふえておりますが、ただ遺憾ながら、現在の金融情勢、景気情勢を反映していると思いますが、支払い遅延の実態はむしろ悪化こそしておれ、決して改善されてないというような考え方をしております。同時に、したがいまして、現在の法律自体について、いろいろいまの御指摘のような点もこめまして、もう少し見直す必要があるのじゃないかと、これは前国会以来われわれのほうで引き続いて検討しているところであります。御承知のように、中小企業庁の審議会に下請関係の小委員会の設けもございまして、幹事としてわれわれの職員も参加しております。近くそのほうの結論も出ることになっておりますので、その結論を見た上で、同時に、かねてのわれわれの検討も加えた上で、法改正の点につきましては近く公正委員会としての結論を出す、こういうつもりでおります。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 いまの委員長の答弁によりますと、審議会の結論待ちとはいうものの、手形サイトの規制については前向きでかかっていかなければいかぬというような考えを持っておられるというふうに解釈してよろしいですか。

渡邊喜久造公正取引委員会委員長

○政府委員(渡邊喜久造君) 現在のわれわれの法執行の考え方によりましても、六十日以内というのは、まあ原則的には現金、手形でもって払う場合においては、通常の条件においてそれが金融機関で割り引き得るものということを前提として法解釈をしております。しかし、それが実態的に必ずしも、いまのお話のように九十日に延びてきておるというような事実はこれはあります。したがいまして、それをあるいは何日以上の手形を出してはいかぬというかっこうで規制するのがいいか、もう少し違ったかっこうで規制するほうがいいか。ねらいとしましては、豊田委員がおっしゃっているような以外に、手形の長いものをそのまま放置しておくということはけしからぬという、これはそのとおりでございますが、それを立法の手段としてどういうかっこうをとるかというような点については、もう少しわれわれのほうとしては検討してみたい、かように考えております。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 もはやこういう段階まで来ますと、先ほど来申しまするように、手形サイトの規制ということを、支払遅延防止法の改正によりまして、少なくとも大企業振り出し手形についてはやっていくということでなければ、いかに中小企業金融に力を入れましても、全く底なし状態であります。こういう点について真剣に公取としては研究をせられたいと思いますが、一面、通産省として大臣、中小企業庁長官の立場からいかにお考えでありましょうか。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま公取委員長がお答えをいたしましたように、下請に対する支払い遅延の点につきましては、法の許す範囲で立ち入り検査もいたし、場合によっては警告をするというようなことで改善の効果をねらっておるのでございますが、お話のごとくに、思うような効果があがってきておらないと思います。この点につきましては、私はただ単に中小企業の場合のみから考えずに、なぜそれでは親企業がそういう措置をするのかという点にもさかのぼって検討していかなければならないというようなことで、親企業がそういう長期の手形を出す実情などについても十分検討をいたしてまいっておるのでありますが、その実態はなかなかつかみにくいのであります。いろいろ警告をいたし改善方を望んでおりましても、一般的な金融引き締めの状況というものが、親企業をして思うように行動せしめないようなきらいがございます。なお、最近におきましては、だんだんこの中堅企業、親企業にもなかなか金融の逼迫の点も見られますので、私としては、産業界全体の問題といたしまして、経済閣僚との間でいろいろ協議を申し上げておるわけでございますが、すみやかにこういうような事態を解消いたしたいと思います。もちろんこの法の七で欠くるところがございますれば、ただいま委員長のお話もありますように、これが改正をするにやぶさかではございませんが、むしろ私はもっと実態的なところに問題があるのではないかと思います。そこで、これもしばしば申し上げておるところでございますが、通産省としては地方の出先通産局がございます。この通産局を中心にいたしまして、政府三機関あるいは日銀の支店あるいは保証協会、また地方公共団体、あるいは大蔵省の出先の財務局などとともどもに金融懇談会などを設けまして、そうして親企業に対して十分注意を喚起いたし、またよく監視をいたしまして、中小企業に影響が出ないように、あまり長期な手形が出ないようにというように指導をしてまいっておるようなわけでございます。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 支払遅延防止法につきましては、先ほど申しましたけれども、取り締まりは幾らやるといいましても、手形のサイトの規制がないということになりますると、ものさしがないようなものでありますから、いかに取り締まろうといったって、ものさし、基準がなければ取り締まれないわけです。そういう点において、どうしても手形サイトについて最初は多少私は甘くとも一応の規制の基準をつくるということでお進めにならなければ、これはもういつまでたっても百年河清を待つがごときもので、公正取引委員会は存在の意義がないというようなことになると思うのであります。そういう点で、通産それから公正両方、真剣に前向きでこの手形サイト規制にお取り組みを願いたい。時間がないものでありますから、これはこの程度にいたしておきます。  大蔵大臣がお見えになりましたけれども、先ほど、お見えにならないときに通産大臣には質問いたし、非常に真剣なる御答弁を得たわけでありますが、倒産旋風、御承知のとおりの状態であります。ことに、これから来年の二月中心で財政資金の揚げ起期でもありまするし、また年末資金の手当の無理が出てくるということで、近い将来においては二月中心で一番業界は不安におびえておるわけであります。したがって、これに対する年度末の資金対策というものは、年末のあとを受けて、真剣にやっていく必要があるだろうと思うのであります。ことに大蔵大臣は、金融引き締め緩和まだその時期にあらず、そのかわりひずみ是正についてはきめこまかな手を打っていく。これは佐藤総理もさように言われておるんでありますが、それだけに、この年度末危機を突破する最善の措置を講ぜられたいと思います。いかがでありましよう。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 十二月の年末金融に対しましては、金融調整下ではございまするが、思い切って、というような措置をとっておりまするし、また、これからもとるつもりでおります。と同時に、十二月は乗り越えても二、三月の期末金融が逆にかえって逼迫するということに対しましても、十分考えられることでございますので、調整下とはいいながら、この中においてひずみの解消も十分はかっていくのだという姿勢をとっておりますので、中小企業の期末対策も含めまして、金融上も遺憾のない措置をとってまいりたいと、こう考えておるわけであります。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 さっき触れました歩積み、両建ての問題でありますが、これは一年間に半減をさしていく、二年間にはゼロにするというような方向でいくというふうに、大蔵大臣も衆議院の大蔵委員会でしたかで明言せられております。きょうわれわれに配られました公取の資料を見ましても、ほとんど改善の実があがっておらぬ。借り入れ金に対する拘束預金の比率でありますが、これは二八・九%でありまして、半年間に〇・四%減ってきておるだけであります。こういう状態であります。これから考えますると、これはどうしてもここらで特殊指定にせられて、そうしてこれが取り締まりに厳正を期していくという体制をとらないと、もはやおさまらぬ段階に来ているんじゃないかというふうに考えるのでありますが、公取委員長並びに大蔵大臣の御意見を承りたいと思います。

渡邊喜久造公正取引委員会委員長

○政府委員(渡邊喜久造君) 先ほど、ただいまお話がありました一年間に半分、まあ、これは主として普通銀行を中心に話が出たと思うのですが、そうしてあと一年でやめると、こういうお話がその当時ありました。まあ、私のほうで現在、そこに出してあります拘束預金の中にはいわゆる根担保的な拘束預金というものも全部入っておるわけでございまして、これをどういうふうに考えていくかというような問題は、現在まだ集計ができただけでございますので、もう少し分析をしてみたい、かように思っております。考えようによっては、ある程度改善されたとも言えますし、あまり改善の実がなかったという見方もできるわけですが、もう少し検討してみたい。幸い、十一月末の数字が近く本年一ぱいには大蔵省のほうに集まるというふうに聞いております。われわれのほうは、いわば借り手のほうから無記名の抜き取り調査をして一応の数字を出したわけでございますが、大蔵省のほうの調査は、各銀行なりその他の金融機関からいわば悉皆調査的に報告が出るはずでございます。さらに、それを一月になりまして大蔵省のほうでは直接抜き取り的に銀行についていわば裏づけ的な検査をしてみようと、こういう企画があるかと聞いております。ちょうどあの話が出ましたのは五月末でございましたから、私のほうでいま差し上げましたのは九月末でございます。十一月末はちょうどその半年たったあとの姿でございますので、現在の段階におきましては、私としましては、大蔵省に出ました報告なり、その大蔵省の検討の結果を待ちました上で、どこまで銀行がその改善の実をあげてくれているかという点をとっくり見てみたい、その上でわれわれのほうの態度もきめたい、かように考えております。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 歩積み、両建ての問題につきましては、大蔵省としましても非常に真剣な気持ちで考えております。また、都市銀行も、地方銀行も、相互銀行も、信用金庫等、特に中小企業専門金融機関の過当、不当とも見られる歩積みに対しては、これはひとつ徹底的に解消をはかるということで、大蔵省としましても相当強い姿勢を出しておりますし、また、金融機関も期限を付して拘束性預金の全廃をはかりますと、こう言っておるわけでございます。でございますから、私のほうでも随時検査も行ない、特別検査も行なうということだけではなく、この歩積み、両積ての解消問題につきまして実効がどうしてもあがらないという場合には、じんぜん日をむなしくしていくという考え方ではなく、必要があれば規制も行なうという考え方であります。いままでの銀行法のたてまえ上からいいますと、こういうものに対してまで大蔵大臣が注意を行なったり、また、行政的な指導を行なうことはできないのではないかなどという考え方もあったようですが、私も、こういうものに対しては、現行法で不備があるなら法律改正もまたやむを得ないことだと思いますし、現在の歩積み、両建てというものは商慣習としてどこにでもあるのだから、なかなか解消しろといったって解消できるものではございませんよなどという、そういう態度は許さないという相当強い気持ちでおるわけでございます。あと半年、一年という間に少なくとも全廃をいたしますという一札を出してございますから、ただ漫然と待っておるというわけではなく、その間ににおいて随時日銀とあわせて特別検査も行ない、抜き取り検査も行ない、できるだけ早い機会に過当、不当ともいわれる歩積み、両建ての解消を真にはかってまいりたいという考えでおります。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 これについても特殊指定にするということは、あまりぎょうぎょうしく考えられないで、気楽に特殊指定にして、そうして規制の体制を確立するということがむしろ私はすべて気分を明るくしていく道だと思うのであります。さっきの支払い遅延に伴って手形サイトの規制をしていくのと同様、一つのものさしというか、はっきりした体制を確立するということがもうこういう段階になってくると必要だと思うのでありまして、真剣に、しかも急速にひとつお考えを願いたいと思います。  不渡り手形の問題でありますが、これは最近の例の日特の倒産に関連いたしまして、その不渡り手形を持っておる中小企業会社だけでも百十四社にのぼっておるといわれております。いかに日ごろ中小企業が健全経営をやっておりましても、大企業からの振り出し手形というものが不渡りなりますると、その額面が相当の金額であればあるだけに、買い戻しその他で、もう一夜にして倒産するというのは、これは明らかな事実でありまして、全く一種の天災にあうようなものであります。したがって、私は考えるのでありますが、海外に物を輸出するその代金が回収不能になったときには、輸出保険制度というものが御承知のとおりありまして、これで救済せられる。ちょうど大企業国へ中小企業国から輸出をしたその代金が回収不能になる、その受け取り手形が不渡りになる。これに対しては一種の共済保険的な措置があってしかるべきじゃないかというふうに考えるのでありますが、この点、通産大臣、御所見はいかがでありましょうか。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) お話のように、ただいま事例をあげられたわけでございますが、日本特殊鋼振り出しの手形が不渡りになって非常な影響を受けるという場合が幾つもあると思います。これらについて輸出保険のような保険制度をしたらばどうか、こういう御意見でございます。豊田委員御承知のように、信用保証協会が実施している現行の手形割引保証制度がございます。これは本年度から拡充強化をいたしまして、かなりの成績をあげておるとは思うのであります。しかし、御提案のように、これでは不十分なのでありまして、輸出手形保険に準じた制度を研究しよう、特に、不渡りを保険事故として保険金を支払うことができるようにするようにとの御提案だと思うのであります。この点についてはいろいろ検討しておるのでございますが、いまのところ、まことに遺憾ではございますが、そういう保険を実施して、現実に即して考えますときに、他面また欠陥もございまして、にわかに輸出保険制度のような結論を早急に出せるかどうかということについては、いまのところはっきり申し上げかねるのであります。しかし、最近の実情などから考えまして、私としてさらに検討をいたしまして、できれば御趣旨のような線に沿いたい、かように考えておる次第であります。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 具体的に私のほうからもう少し申し上げますと、これは保険者は中小企業信用保険公庫にしたらどうかという考え方であります。そうして被保険者は手形割引をした金融機関にする。そうして、その金融機関と中小企業信用保険公庫の間で包括保険契約をやっておきまして、大企業振り出しの手形の割引をしたら、信用保険公庫に金融機関から通告することによって具体的な保険契約は成立する。そうして、保険料は、被保険者でありまする金融機関と、それと手形の割引を受けた中小企業者が二分の一ずつ負担をする。そのかわり、被保険者になりました金融機関は中小企業に対しましていわゆる遡求権を行使しない、保険金額の範囲内において遡求権を行使しないという行き方によってやったらいいのではなかろうか。これは中小企業信用保険公庫法の改正によってもう一歩進むことによって、不渡り手形に対しまする非常な業界あげての不安の解消に資し得るという考え方なんであります。いま通産大臣は真剣に研究してみようということでありますが、大蔵大臣の御見解も伺っておきたいと思うのであります。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 共済保険制度の問題の御提案がございましたが、確かに中小企業の不渡り問題を検討していく過程において、どうしてもそういう問題が研究すれば出てくるわけでございます。私たちも研究したことがございます。さあ、これをやってみますと、なかなかむずかしい問題がたくさんございます。これを保護するものは、どうも信用度の低いものが保護されやすい。そうなると、一体これで保険制度が成り立つのか。結論的に見ると、政府が不渡り手形を買い上げるような結果にならないか。なかなか問題もあるようでございます。しかし、これは何とかして中小企業の不渡り問題、特にその下請代金が不渡りになったために、関連倒産を余儀なくせられる、この問題でございます。何とかしてもっといい道を考えなければならぬということだけは私たちも同じ立場で検討いたしているわけでございますので、時間をかしていただきたい。これはそういうことのないように、十分拝聴いたしまして、政府側でも何とかひとつ考えてまいりたいと思います。ただ、これは、現行の制度のままで、また現行の考え方が、現行の現在行なわれておるような責任感そのままを前提としましてただ不渡りになったものだけを救済していく道はないかという考え方だけではなく、やはり手形の制度の問題、手形法、小切手法、それから商手ではない融通手形の問題、それから手形の振り出しというものが、何人も振り出すということよりも、下請自体に対して支払われるものは代表権を有する者でなければならないというような制限をどこかに付さなければいかぬ。社長の名前でなくて、代表権を持たない常務取締役、経理部長の名において出しておるとか、こういうふうに手形を振り出しておる、小切手を振り出しておる日本の現在の考え方をもっときびしく——受け取った者が非常に被害を受けるということもさりながら、手形を発行するということは、発行するという人に対しての自覚、責任感、もっとその責任をきびしくどこまで追及するのか、法制上必要はないのかというような問題もあわせて検討をすることによって、できるだけ下請が元請が倒れたことによって黒字でありながら関連倒産等が防げるような状態をひとつ考えていかなければならぬと思います。十分検討してまいりたいと思います。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 この中小企業倒産問題に対しましては、金融はさしあたり万全を期することはもちろんでありまするけれども、先ほど来申し上げまする手形サイトの規制、それから不渡り手形の共済的な行き方、もう一つは歩積み・両建てに対してメスを入れていく、この三つぐらいは少なくともやらなかったならば根本的な倒産対策というものにはならぬと思うのでありまして、真剣にひとつ御検討を願いたいと思います。労働大臣がちょっと席をはずされたものですから、じゃ労働大臣の質問だけをあとにしまして、労働大臣にあとでちょっと質問をします。

寺尾豊自由民主党

○委員長(寺尾豊君) 豊田君の質疑は一応終了いたしました。次に豊瀬禎一君。——それじゃ豊田君の石田労働大臣への御質疑を願います。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 労働大臣にお尋ねをいたしますが、金融倒産のみならず、いまや労務倒産時代になってきたということをお聞き及びだと思うのでありますが、非常に中小企業は労務に逼迫をしておりまするが、特にこれに対しての労務補給務対策として、さしあたりどういうことをお考えになっておるのか。ことに一番いま問題になっておりまするのは、大企業から中小企業の従業員をひっこ抜かれるということであります。手塩にかけてようやくというときにひっこ抜かれる。聞くところによりますと、一人ひっこ抜くと裏であっせん料五万円が動いておるなどという声すらあるわけであります。これに対する一つの規制といいますか、あるいは少なくとも行政指導というようなことが必要だと思うのでありまするが、御所見を承りたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 人の労働力の移動に際してあっせん料とか、名目はともかく、何にしろ、そういう裏に金銭が動きますことは、これはどうも人道上から申しましても、また、職業安定法の精神から申しましても、好ましくないことでございます。したがって、それについては、そういうことの是正について検討をいたさせておるところであります。  中小企業の労働力が大企業に比べて逼迫度が強い、これは事実でありますが、しかし、と申しまして、職業の選択の自由はございます。働こうとする人々がよりよき労働条件のところを目ざして動いていく、これもどうもやむを得ないところでありまして、やはりどういたしましても規模別の労働条件の差、これを縮めていく以外にはない、こう思うのであります。で、初任給、賃金の上昇、その他から、近年は規模別の賃金格差は縮まってまいりました。しかしながら、規模別の生産性の格差というものはまだまだ、若干縮まっておりますけれども、賃金格差の縮小には追いついていないのであります。したがって、根本は、その労働条件がだんだんと大企業に近づいていきますし、また、いかなければ、労働力は確保されないのでありますから、それにたえられるだけの生産性を中小企業が持つことが根本だろうと思います。  しかし、労働省といたしましては、中小企業が単独でできない事業、たとえば、住宅、厚生施設、そういうものについては、協同組合その他を通じまして、共同宿舎や共同厚生施設等に補助、融資その他の便宜をはかってまいりまするとともにあるいは退職金共済制度の活用を促進をいたしましたり、その他、政治の手によって、中小企業が自分でなし得ないものを下からささえて、大企業の条件に近づいていくように努力をいたしたいと思っておるのであります。  しかしながら、もう一つ考えなければならないことは、その労働力の有効なる活用ということについての検討ということを指導することでないかと思うのであります。特にサービス部門等におきましては、わが国にはまだまだ過剰サービス、つまり人手がたくさん余っておって、労働力が安かった時代の伝統と申しますか因襲が残っているように思うのであります。自分は昔と少しも変わらないことをやっておって、世の中の変化に応ずることは政府で何とかしろということでは、これは立ち直れないのでありますから、やはり労働力の有効なる活用ということについての行政指導をやっていく必要があるだろうと思います。  それから同時に、大企業や政府関係機関が若年労働あるいはまた技能労働力というものを先取りする、そのために中小企業に行かない、こういう部門に対しましては、御承知のごとく、先般、政府関係機関を招致いたしまして、職種を示して、中高年齢層で代替し得られる職種については若年労働力を採用しないようにということを強く勧奨いたしますと同時に、密接な連絡をとってその実効をあげるべく努力中であります。また、日経連を中心といたしまして大企業の間におきましてもそういう動きが最近生じてまいりまして、これをひとつ促進をいたしてまいりたいと思っておるのであります。ただ、やはり若い労働力に殺到するということは、実際若い労働力を必要とすること以外に、一種のムードみたいなものがありはしないか。たとえば、中等学校の卒業生に対する求人の倍率は三・六倍、あるいは高等学校については四倍と、こう申しましても、求人側に一種の水増しムードがある。それから実際必要でないのに、あるいは再検討すれば節約できる、あるいは若い人を使わなくても済む場面に使っておるという面が非常に多い。これはやはり中小企業、大企業、政府関係機関を通じて強く反省をしていかなければならぬのじゃないだろうか。一例をあげますと、高速度道路公団やあるいはその他の有料道路の切符切りなどというようなものは、これは若年労働を使う必要がないものであります。若年労働者は、ああいうことに熟練しても何も将来役に立たないのでありますから、そういう点については積極的に中高年齢層に切りかえる。あるいはデパートその他におきまする過剰サービスの問題、そういう点も検討をするように行政指導を促進していくことによって、ムード的な求人需要、あるいは大企業、政府関係機関の先取りを押えて、中小企業に回っていくようにと、こう努力しているつもりであります。  全体を通じて、繰り返すようでありますけれども、何としても申さなければならぬことは、やはり労働条件に接近をしつつあるし、そうして労働条件の向上を通じなければ安定的な労働力の確保はできないのでありますから、それにたえられるような条件を中小企業対策としてつくり上げていくことが先決であって、安い賃金、悪い労働条件のままで中小企業に人が行くようにしろと言われても、これはどだい無理であります。同時に、中小企業経営者が、労働力の需給関係その他労働問題一般に対する世の中の移り変わりというものをよく認識して、必要労働力の確保と同時に、労働力の有効利用ということについて真剣な検討を、してもらうことが要点だろうと考えておる次第でございます。

豊田雅孝自由民主党

○豊田雅孝君 時間がないようでありますから、一言要望しておきます。特に緊急に考えられますることは、最初に申しました大企業の中小企業従業員引き抜き、これを防止すべく早急に対策を講ぜられるようにお願いしたいということであります。これは感情問題になる。一種の社会問題的な傾向がありますので、その点特に強調いたしまして、善処をお願いしたいと思います。     —————————————

寺尾豊自由民主党

○委員長(寺尾豊君) 豊瀬君。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 まず第一番は、産炭地の主として教育問題についてお尋ねいたしたいと思います。  御承知のように今回の有沢調査団の調査対象の中に産炭地における教育事情が入ったことは、ある意味においては喜ばしいことであり、別な意味においてはまことに憂慮すべき事態に産炭地教育がなっておるということを意味するものであると思います。今日まで、石炭合理化に伴いまして、石炭炭業の疲弊、同時に産炭地における地方自治体あるいは地域における諸炭業の疲弊と相まって、教育問題と申しますか、産炭地における教育が、非行の続出や学力の低下や、あるいは家庭の教育破壊とか、家庭そのものの破壊とか、いろいろな条件を生み出してまいっております。こうした特定の地域における政府の政策の欠陥による特殊な教育の疲弊というか困窮というものに対しまして、単に地方自治体やあるいはそれ自力の挽回にまかせるべき問題ではないと思うのですが、これに対して、文部省の基本的な見解と申しますか施策の大綱をお尋ねいたしたいと思います。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 産炭地の教育問題につきましては、ただいま御指摘もございましたように、文部省といたしましてもたいへん頭を痛めておる問題でございます。ただいま御指摘がございましたように、有沢調査団にも積極的に文部省の担当官を参加させておりまするし、また、特に文部省だけの自主的な立場からも独立に調査もいにしまして、国としてなさなければならない措置たつきましては、十分考究し、すでに実施しているものもございますが、たとえて申しますれば、要保護家庭、準要保護家庭といったようなものが、ある一つの学校について見れば、相当の比率を占めているというような状況でございますし、また、それ以外にも非行少年の問題等悲惨な状態もございますので、いろいろの点にわたりましてできるだけの措置を講じてまいりたいと考えておりますが、なお、具体的な御質問に応じまして、具体的な対策もお答えいたしたいと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 ただいま決意と申しますか方向につきましては、大臣の見解わかりましたが、たとえば要保護家庭、準要保護家庭にいたしましても、はなはだしい学校になりますと七〇%に近い割合を占めております。それが、ひいては、教育の破壊だけではなくして、地方自治体に対する財政負担としても大きなものとなってきているわけです。その要保護家庭の増加ということが、直ちにといえば若干の弊害がありますけれども、ひいては非行少年の激化となっております。これは特に大蔵大臣もお聞き願いたいのですが、すでに小学校の上級生、あるいは中学校の下級生でさえも、生活のかてにするためにからだを売ってかせぐ。そのことを父親、母親を承知の上であっても、食うためにはやむを得ないといって見過ごしている事件が、警察の手に渡る前に、すでに学校の補導によって次第に多くなりつつあります。こういう状況の中で、従前どおり要保護家庭がふえればふえただけ手当てをすればよろしいという考え方に立っては、この産炭地の、あるいは一時的な現象とも言えるでしょうが、現段階における条件を解決する手だてにはならないわけです。そこで、主として貧困な要保護家庭等に対する対策を、非行等に結びつけて、文部省は従来と異なってどのような産炭地に対しては特殊な手だてを行なう考え方を持っていますか。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 具体的な対策の二、三を申し上げたいと思いますが、何と申しましても、ただいま御指摘のありまするような、産炭地域における準要保護児童生徒に対する対策というものが一番中心をなすと思います。そこで、就学援助費、給食費等の補助につきましては、その実情と、それから調査の結果や、地元の要望を反映いたしまして、四十年度におきましては、補助率を十分の八程度まで引き上げたい、そうして国庫の負担をふやしたいという考え方で、四十年度の概算要求につきましては、大蔵省はもとよりでございますが、自治省その他関係省と折衝をいたしまして要求をいたしているようなわけでございます。たとえば、その中には、教科書費、学用品費、修学旅行費、通学用品費、それから給食費、医療費といったような費目があるわけでございます。また、すでに、三十九年度中にも、既定のワクの中で相当の措置を講じております。また、いずれ御指摘もあろうかと思いまするが、教員定数の問題にいたしましても、産炭地域の児童数が急激に減少することに伴って措置をする必要がございますので、これに対しましても、標準法施行令等におきましてできるだけの措置を考えたい、かように考えているわけでございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 ただいま、中学生の作文では、おとうさんが勉強せよと言ったところが、おとうさんは私を食べさせていない、自分の子供を食べさせることもできないで、国のお世話になりながら、人に対してお説教するようなおとうさんでは自分は言うことを聞かない、こういった種類の、あるいは母親が飲食店等に出かせぎに行っている。この職業に対する何と申しますか、嫌悪感と申しますか、こういったものが随所にあらわれている作文が近ごろ小学校、中学校でも非常に多くなっているわけです。こういう自分の父親や母親に対する権威を認めないといいますか、愛情すらも喪失しつつあるこのことがやがては非行に走っていくという段階では、要保護家庭がふえると地方自治体に対する手当ても考えて補助率をアップする、ふえただけは何とか見ていこうという従前どおりの手当てを若干手厚くするということでは、解決できないテンポで進んでいるということです。現地の教師たちは教育がなくなったと叫んでいますが、こうした過程の中から、国が一つの政策を展開しながら、産炭地に対してここまで落としてしまったということに対する、小学生にはあまりないのですが、中学校の作文等に見られる一つの国の政治に対する不信感、あるいは自分の両親に対する不信感、こういったものを教育の中で除いていく必要があると思うんです。そのために、警察の手に渡す前に、非行化するまでに子供を救済するためには、文部大臣としては、たとえば、いますぐに予算要求しているとかいないとかいうことでなくて、どういうことをやっていこう、あるいはそのことに対する必要であれば新たに現在要求している四十年度の予算に追加してでも必要な措置を講じよう、これだけの決意を持って産炭地というものをながめておられるかどうか、その決意と申しますか、心がまえについてお伺いいたしたいと思います。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 大体、この産炭地域の問題につきましては、北海道をはじめ、八都道府県が産炭地域を持っているわけでありますが、そのうちで福岡県が一番深刻な状況のようでございますことは、いまさら申し上げるまでもないところであります。特に福岡県の実情につきましては、先ほど来申しておりますように、非常に頭を痛めているわけであります。何分にも県内関係する地域が大体三分の一ぐらいというような状況でございますし、それから、先ほど御指摘にございましたが、福岡県内の産炭地域に要保護、準要保護家庭が平均しても三割近くなっているというような状況でございますから、先ほど申しましたように、三十九年度中にもできるだけの応急措置を講じつつあるわけでございますが、何と申しましても、ただいまお話ありますように、これは文部省としても非常に重視ししている問題ではございますが、有沢調査団の最終報告でもおそらく御指摘がいろいろあると思いますけれども、総合的な対策が必要であろうかと思いますので、政府全体の各方面に行き届いた対策の一環として教育の対策を考えてまいりたい、かように考えております。  なおまた、ただいま一般論としてお話がございましたが、こうした特殊の地域の教育の問題がともするとおくれをとる、そのために社会的にもあるいは将来の問題といたしましてもまことに憂慮すべき状態にあるということはまことに申しわけないことである、かような認識で私といたしましてはできるだけのことを考えてまいりたいと思っております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 有沢調査団が報告書を提出した後に、あまり具体的には出ない問題もあると思いますが、それが文教政策上新たに措置すべき事項を含んでいるもの、あるいは現行制度の中でさらに現在要求の予算よりも追加して措置しなければならない場合、こういった場合には、有沢調査団の報告内容の実施に対しましてもこれを忠実に実行していくという決意が大蔵大臣にあるかどうか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) いま調査団の答申を待っている段階でございます。過般もこの席から申し上げましたが、石炭事業に対しては、政府は私企業の限界をこえているくらいすでに財政金融的にあらゆる措置をとっておりますが、石炭企業の重要性、また現状ということを考えますときに、この答申を待ちましてできる限り前向きに措置をしてまいりたい、こう考えるわけでございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 厚生大臣にお尋ねいたしますが、いま申し上げました少年非行の問題を解決をしていくためには、いわゆる学校教育などのワク内だけでは不可能な問題を持っていると思うのです。その地域におけるたとえば青少年センターをつくるとか、婦人センターをつくるとか、あるいは公園をつくるとか、そういった厚生施設と申しますか、これが、すさんでいる地域の人々、さらには青少年に対して、あたたかい、豊かな気持ちを与えていくと思うのです。こういった社会環境の改善も同時にまたなければ、現在の産炭地における青少年の救済はできないと思うのですが、こういう産炭地における厚生施設に対してどういう見解をお持ちでしょうか。

神田博自由民主党厚生大臣

○国務大臣(神田博君) 産炭地における子供の教育その他保育について厚生省といたしましてどういう施設を考えているか、こういうようなお尋ねでございましたが、ただいまのところ、厚生省といたしましては、いまお述べになりましたような深刻な事情等を考慮いたしまして、適当な方策をひとつ考えていきたいと検討中でございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 選当な方策を考慮中であるということは、有沢調査団の報告を待って、その中にあれば措置するし、なければやらないということでしょうか。それとも、昭和四十年度の予算要求の中で新たに何かそういった事業を要求してあって現在大蔵省と折衝中であるという趣旨でしょうか。

神田博自由民主党厚生大臣

○国務大臣(神田博君) 先ほど来のお尋ねを承っておりますと、有沢調査団から何か出てくるようにも聞いておりますが、もしそういうものが出てまいりますれば、十分ひとつ考慮いたしたいと、こう考えます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 かりに調査団の答申の中に産炭地における厚生施設がない場合におきましても、厚生大臣としては十分配慮を願いたいと思います。  文部大臣にもう一点お尋ねいたしますが、これも文部大臣にはすでに説明する必要のないことと考えておりますが、家庭の貧困化に伴って、眼病、皮膚病、伝染病等の疾病が青少年に非常に激増しております。ところが、昭和三十九年度の各学校に対する養護教諭等の配置は、まだ、学校教育法に全校必置が定められて十数年の歳月を経ておりますけれども、現在実施されておりません。こういった状況を養護教諭の欠除によるところの手の届かないという問題、さらに要保護家庭の増加によるあるいは補導のために教師が一週のうちに数時間授業をさいて飛び回っている、事務量、あるいは教育密度、あるいは皮膚病、伝染病等の児童疾病の増加、どの条件をとりましても、産炭地においては特殊な課題が学校教育の中にあるいは教師の中に課せられておる問題です。したがって、一つには教育の質を高めていく、そういうために、一学級における生徒数を縮減して、一人の子供に対する教師の手を十分に行き届かせるようにすると同時に、非行その他のいろいろな特殊児童の増加に対処していくために、ここ暫定的でもよろしいんですが、産炭地に対して特別の教員配置の必要があると私考えておるんですが、数字等はよろしいですから、基本的な見解をお答え願いたいと思います。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 養護教員の問題、あるいは事務職員の問題、あるいはさらに教職員の定数、全体の配置の問題というような問題につきましては、御承知のように、標準法の施行令といったような非常にこまかい規定もございますから、これによりまして福岡県内の教職員の配置等につきましては三十九年度中にも十分意を用いまして、約六百人程度の配置を標準法の施行令によりまして特別に行なっております。なお、その具体的な配置等につきましては、御案内のように、福岡県の教育委員会と十分御相談をして、われわれの意図が現場によく行き届くように、いままでもいたしてまいったつもりでありますが、今後におきましても十分ひとつ配慮してまいりたいと考えておるわけでございます。  なお、たとえば生活保護の関係などが非常に手続その他でややこしい、結局学校の職員等がそういう事務をやってやらなければならないというような実情なども先般も御論議に出ておりましたけれども、そういう点につきましても、厚生省等と十分連絡をとりまして、現実の事態に誤りなく対処するようにしてまいりたい、かように考えております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 自治大臣並びに大蔵大臣にお尋ねいたしますが、石炭産業の疲弊によりまして地方自治体の財政が非常に逼迫しておることは御承知のとおりでございます。したがって、従前の措置では地方自治体の機能を喪失すると言っても大げさでないほど困っておると思いますが、そのためには地方自治体に対する特別の財政措置が必要であろうと思いますし、さらに、直接あなたの所管ではありませんけれども、教育関係につきましても、これは大蔵大臣になりますが、施設、設備等の補助率にいたしましても、補助総額にいたしましても、大幅にこれを引き上げていって、ここ数年の間に地方自治体の立ち上がりをやっていかなければ、私が直接質問いたしております教育問題に対する文部省の施策だけでは十分の手が行き届かないと思うのですが、地方公共団体に対する財政措置につきまして、自治、大蔵両大臣の御見解を承りたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 産炭地におきます教育の問題等を考えますときに、国の補助率を上げなければならないというような御指摘でございますが、これは地方財政の問題の中といたしまして、低所得でどうにもならないような家庭の子供さんの就学促進その他で地方公共団体が支出をしたものに対しましては、全額交付税でみるというふうに措置をいたしておりますし、産炭地域ということで特殊な補助率を使い得るかどうか、これはなかなかむずかしい問題であります。でありますから、地方財政の中で特別交付税等交付税制度がございますので、こういう制度の中で十分配慮していきたいと思います。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(吉武恵市君) お答えを申し上げます。ただいま産炭地における地方財政の逼迫の状況はお話のとおりでございまして、非常に気の毒に存じております。したがいまして、自治省といたしましても、これらの町村に対しましては、交付税をもってでき得る限りめんどうをみていきたい、かようにいままでも考えておりますが、今後もなお一そうこれにつきましては留意をするつもりでございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 次に、九月の八日ですか、政府が公布されました義務教育費国庫負担法に基づくところの限度政令の問題についてお尋ねいたしたいと思います。  まず、自治大臣にお尋ねいたしますが、教員と一般地方公務員の給与にアンバランスがあるかどうか、アンバランスと申しますのは、どちらが高いかという一般的な聞き方でもよろしいのですが、さらに地方公務員全般と国家公務員全般にはなはだしい懸隔があるかどうか。文部大臣には、教職員と国家公務員の関係におきまして給与の大きな差があるかどうかお尋ねいたします。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 第二問は私についての御質問でございますので、便宜上先にお答えいたします。公立学校の教職員の給与、これは全体の単純平均でございますが、たとえば、小学校で申しますと三万八千六百四十五円、これに対しまして国家公務員の場合には三万二千六百七十円、こういうような現実には開きがございます。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(吉武恵市君) お答えを申し上げます。こまかい資料を持ち合わせ、ませんので、あとで正確なものはお届けをしたいと思いますが、県の一般職員の平均は三万一千円程度でございまして、ただいま教員のほうは文部大臣からお答えがありましたように、小学校では平均三万八千円ぐらい。私どもも一般職員よりは教員のほうがやや高いという感じを持っております。なお、一般職員と国家公務員との給与はどういうふうになっているかというお話でございますが、これは各県によりまして違っておりますので、一がいには申し上げられませんが、やや国家公務員より高いところが多いように見受けられます。しかし、町村によりますると、国家公務員のところまでいっていないのも相当ございまするので、全体を平均してどうなりますかは、もう少しこまかい数字を拾ってみませんとお答えしにくいかと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 文部大臣の国家公務員と教職員の比較は、御説明ありましたように単純比較ということですから、学歴、経験年数等の中身がかなり違っておりますから、その数字ではいずれが高いと即断することは危険と思います。たとえば同じ大学出で、同じ経験年数で比較を持ってこないと無理と思いますが、まあこまかいことは予算委員会ですので触れませんが、私がそのことをお尋ねいたしておるのは、教職員の給与が一般地方公務員、あるいは国家公務員とはなはだしく懸隔を生じて、これが国の財政に大きな負担をかけておるという判断に立っておられるかどうか。さらには、昭和三十九年度の教職員の実数が、これは当然のこととして文部省の標準法よりも上回ったり下回ったりすることは、現行体制上では地方自治体の自主的な決定にまかせておりますから、これと一致することのほうがおかしいのですが、この標準定数法による教員総数と現員とにはなはだしい懸隔が私はないと考えておるのですが、文部大臣のお考えいかがですか。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) ちょっと御質問の要点が正確に把握できませんでしたけれども、標準法並びに施行令その他の法令によりまして、申すまでもないところでございますが、公立学校の教職員等につきましての給与は二分の一は国庫が負担してもらう、こういうことになっておりますことは、いまさら申し上げるまでもないところでございます。それから教職員の給与に対してどうであるかというお尋ねも含んでいるものと理解してお答えいたしますけれども、私は文部大臣といたしましては、教職員の資質の向上ということが非常に大事なことであると思いまするので、教職員の待遇の問題につきましては、各府県それぞれ違っておるような点もございますけれども、一般の公務員とは違って基準の立て方もできておる関係もありますので、なるべくこの待遇については、機会あるごとに、でき得る限りこの給与を改善をしてまいりたい、基本的にはそういう考え方でおるつもりでございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 私がお尋ねいたしたいと思っておりましたのは、給与においても数においても、いわゆる大幅に国の財政に負担を加重するほどのいわゆる標準定数並びに一応推定さておる教員の給与の平均と申しますか、あるいは国家公務員とのバランスを失していない、こういう把握に立って聞いておるわけです。もちろん荒木大臣、灘尾大臣時代も、国会におきまして明確に、標準定数法は標準であって、それよりも下回ることのほうが望ましいと考えております。これを各県が努力していただいて、もっと下回るほど努力していただいた実績に対して、これを抑制するような措置はとりたくないというのはずっと文部省の考え方ですが、これは現行のたてまえとしては当然ですが、この限度政令の制定が今度やられたわけですが、義務教育費国庫負担法の制定の際のまず立法精神を見てみますと、このたてまえは、国が義務教育を、国民に義務を課する以上は、国の責任としてその負担を定めたものであります。同時に、この制定の際に、提案者である竹尾委員並びに文部当局の質疑応答の議事録を見しましても、当然のこととして、ただし書きの、ただし、特別の事情ある場合に最高限度を定めることができるという政令は、教員の給与が国家公務員に対してはなはだしく上回って国に財政負担をかける場合とか、一般地方公務員と同様の事態を生じて国にはなはだしく財政負担をかける場合等、非常に特別の事情ある場合に最高限度をきめる政令をつくることをきびしく制限する趣旨に立って立法を行なっております。ところが、文部省が今日まで委員会等で説明しておる資料によりますと、昭和三十九年は、あるときには四百四、五十と言ったり、さきの自民党の文教と私どもの会談の中では、百九十名にすぎないという数字を出しております。五十万に近い教職員の数の中から、百や四百や五百の数が標準より上回っておることをもって、国の財政にはなはだしく負担をかけるとか、あるいは特別の事情ある場合と解しておるということは、昭和二十七年制定の際の立法精神とはなはだしくそごしておると思うのですが、大臣の所感を承ります。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) この点につきましては、昨年の十二月に標準法が御承知のように大幅に改善されまして、義務教育の妥当な規模と内容を保つことになったわけでございます。それまでの状態におきましては、いわゆるすし詰め教室の解消あるいは教員の不足対策というようなことが、むしろ標準法の内容の重点であったかと思うのでありますけれども、それを大幅に改善をいたしまして、標準法としては妥当な規模と内容を保つことになりましたので、それに基づきまして、そこに定められた基準あるいは標準法の施行令で、いろいろの特殊事情も勘考いたしまして一つの基準ができるわけでございますが、それを越えて二分の一国庫負担になりますようなことになるということは、各府県間の均衡もとれなくなりまするし、先ほど来申しておりますように、標準法の大幅の改正があったというような事態をもとにいたしまして、従来、限度政令においては、いわゆる不交付団体だけを特別扱いにしておりましたけれども、その以後におきましては、特別の事情に該当するものと考えることは適当であろう、こういうふうな考え方に立って限度政令の改正を行なった次第でございます。なお、申すまでもないことでございますが、これは教員人事のそごを生じたり、あるいは円滑な教育の実施にそごを生じたりすることは、どうしてもこれは防がなければならないわけでございますから、限度政令の制定、運用等につきましても、標準法の施行令と十分にらみ合わせて、また各都道府県の実情を十分に把握いたしまして、そして現実の事態として御心配のないような措置を講じておるつもりでございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 文部省の官僚が答弁するのでしたら、それでもがまんできますけれども、それでは政府は、四十五人が国際的な基準に照らしても、また日本単独を考えましても、日本の義務教育諸学校の一学級定数としては、教育効果あるいはいろんな角度から考えても最高である、ベストであると考えておられるならば、その理論の一部は成り立つのです。しかし、従来の文部大臣は四十五人にしておりますけれども、荒木大臣のごときは、御指摘のように、三十がよろしいか三十五がよろしいかは即断できませんけれども、少なくとも四十以下にすることが望ましいと考えていますという答弁で過ごしてきている。これは文部省の一つの一学級定数に対する理想像であると私どもは解して今日まで文教政策の一端を見てきている。それを四十五に法律をつくった。そうして三十九年度はまだ四十五にも到達しないで四十九においておきながら、義務教育費国庫負担法の制定の際には、地方の自主的な定数決定を尊重する、僻地、離島の多いところには定数標準法どおりでは配置できないだろう、無医村には養護も特配する必要があるだろうし、小規模学校には特別の配慮が必要だ、こういう地方教育の自主的な判断に立って今日まで標準を上回った努力をしてきている。法律を破ったのではないのですよ。前向きでよいことをしてきておった。その県に対して、にわかに、まだ四十五年にもならない現段階で限度政令をつくって、一名でも上回ったらおまえのところは自前でまかないなさい。これは少なくとも義務教育費国庫負担法の制定の精神、また法の精神とは合致しない。違法とは断定できないかもしれませんが、しかし、少なくとも負担法の精神に忠実なるゆえんではないのではないですか。もう一度大臣の御答弁をお願いいたします。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) まず第一に、四十五人という定員数の学級規模がベストであるかどうかということについては、いろいろの見方があろうかと思います。しかし、一方におきまして今後数年間、あるいはそれ以上に予想される児童数の急速な減少ということも現実の事態としてはあるわけでございます。そういう関係から見まして、四十五入ということを目標として五年間でその適正規模まで持っていこう。これには何と申しますか、実支出額の二分の一は全国一律に国庫の負担になるわけでございますから、各都道府県が歩調を合わせてといいますか、結果において国庫に負担さすべきものについては、制度上一年に一人ずつ学級規模を減らしていく、それに基礎を置いた定員を鑑定して計算をして、積算の根拠にするということを考えていくことは、この事態においては当然なおさねばならないことではなかろうかと私は信じております。しかし同時に、先ほども私申しましたように、その移り変わりの過程におきましては、実際の教員の人事行政の上において、そのために不当な摩擦が起こるというようなことは避けていかなければならない、こういうたてまえを一方においてとっているわけでございます。そこで法制その他たてまえ、あいは国庫負担の現状の制度ということを踏んまえながら、現実の事態において、理論上、観念上はともかくといたしまして、実際上そごの行なわれないように各都道府県と十分に思想を合わせ、そうして十分な配慮をしてまいりますれば、実際上の問題としてはそごを起こさないで進んでいける、かように考えるわけでございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 現実処理としては大臣の配慮はわからないではありません。しかしながら、立法の際に、提案者も、しかも政府当局も、事情がある場合というのは非常にきびしい条件をつけておる、それを今日四十五人を標準とする法律をつくったから、直ちに一名でもはみ出したものについては半額を持ちませんよ、これは政令を定め得る政府の権限を法律の精神を上回って行使したと断定しても差しつかえないと思う。もう一度、大臣にお尋ねしますが、特別の事情がある場合という特別の事情というのは、今日の段階でどういう具体的な事情をさすのですか。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) この点につきましては、先ほども申し上げましたが、昨年暮れの標準法の改正で、大幅に教育規模の内容等を充実改善するということはできました。で、それに基づいた事態におきまして、各府県が均衡のとれたようなかっこうでやってくれたことの結果を二分の一国庫が負担するということについて特別の必要が生じたと、私どもは解釈をいたしておるわけでございます。なおまた、教育につきましては、先ほども御指摘がございましたように、地方の自主性ということが非常に尊重されておるわけでございますから、たとえば四十五人の学級規模よりももっとベストな学級規模がある、あるいは四十五人の規模にするのにはもっとスピーディーにやったほうがいいというような、これは見方によれば非常に適切な考えと思いますけれども、それをやられる場合は、その結果において生ずるところは、ひとつ地方の自主財源でやっていただいていいのではなかろうか、私はこう考えていいのではないかと思うのであります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 時間が少なくなりましたので、突っ込むあれがないですが、大臣がいまおっしゃった四十五人に定数を下げたから、すし詰め解消の努力をしたから、はみ出したところは自前でやりなさいということは、逆に言うと、四十五人にしたということが特別の事情だという御説明ですね。四十五人にしようが、三十人にしようが、これは各都道府県の自主的な決定であるということは現行制度上御承知のとおりです。そして、しかも先ほど申し上げましたように、北海道とか、長崎等の僻地、離島、小規模学校をかかえておるところは、財政がなくとも教育の機会均等の原則から、養護の心配をしなければならぬし、教員も増をしなければならない、これを懲罰的に、お前のところはかってにふやしたのだから、あとの金は自前でやりなさいと、これは現行定数を決定する権限を持っておる地方教育委員会の自主性の実質的な侵害であるし、同時に、義務教育費負担法ではその実支出額の半額を負担するというのがたてまえですから、そして、特別の事情がある場合にというこの定めについては、特別の事情とはこういうことが想定されるという、立法の際に国会で論議され、文部当局もそういう見解を披瀝しておる。しかこもの定数法が通過する際に、あなたのところの与党議員のほうから附帯決議が出されておる、現在では標準よりも上回っておるところがある、これに対して直ちに国庫負担金制度の適用がなくなるものとすれば、改正法のねらいとは偉いますから、四十五人に到達するまでは限度政令はつくらないようにという附帯決議をし、しかも、これは院の意思であり、議会の意思であります。前灘尾文部大臣はそのことに答えて、各都道府県が決定した定数をできるだけ尊重するように努力します、これは負担法の実支出額の精神を忠実に守るという意味であります。定数決定の都道府県教育委員会の権限を尊重した発言であるし、限度政令を制定しないように努力するという意思表示ですよ。政令を制令を制定しないようにというワクがはめられた。これに対して所管大臣が、各都道府県が決定した実数を尊重していくように努力しますと国会で決議に対して答えておることを、新定数法の初年度の実施にあたって直ちに政令を制定するというがごときは、国会の議決、所管大臣の答弁、これは政府の意思表示だと思いますが、灘尾文部大臣を通じて意思表示された政府の意思というものは、半年後には弊履のごとくくつがえされておるということは、国会における大臣答弁というのは全く信用できないということではないですか。議会の決議と、これを受けて立った灘尾文部大臣の、都道府県が決定した定数を尊重しますと、こういう政府の見解は、さきに決定した限度政令をつくりたいという二月ごろの閣議決定を議会においてくつがえした意思表示ととるべきが至当じゃないですか。私どもは忠実にそう受けておる。少なくともそういう努力を所管大臣はするということではないですか。そういうふうに理解しないと、所管大臣の議会における答弁というのは全く信用できないということになるでしょう。その間の関連を愛知大臣はどうお考えですか。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 当時の御議論は私も十分調べて承知をいたしておるつもりでございます。灘尾大臣が、各都道府県のきめる自主的な定数はできるだけ尊重をいたしてやりたいと思いますと申しましたそのとおりを私としてはできるだけの努力をいたしておるのでありまして、私は国会の御審議や御意見について誠意を尽くして忠実であるつもりでございます。なお、申すまでもないことでございますが、政令をつくらない、あるいは改正をしないというようなことを政府がお約束をしたということは私としては承知しておりません。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 灘尾大臣の答弁をお調べになっておればわかると思いますが、できるだけ尊重するという方向は、それにワクをはめないということです。これは論議のいきさつでわかっておることですが、少なくとも国会のいきさつの問題は抜きにして、議事録に残っておる附帯決議並びに所管大臣の答弁は、義務教育費国庫負担法の本則を守っていきたいという努力目標を示し、附帯決議の内容は、そのことと、現行体制上では都道府県教育委員会が定数決定の実権を持たされておる、そのことが教育の振興をするために必要であるという判断を示しておるものであります。これを五万も十万も都道府県が標準よりもふやしていきますと、国の財政の措置としてはいろいろと困られることが生じるかもしれません。しかし、それでも現行体制上はそれを可と認めています。その際に限度政令をつくるかどうかということは、確かに論争の種になりましょう。しかしながら、三十九年度実数において標準を百や二百上回っておることが特別の事情だと判断をしたところに、この義務教育費国庫負担法の本則の精神をじゅうりんしたと私は考えておるわけなんです。このことに対しましては、大蔵大臣、あなたは財政のやりくりの責任者ですが、上回っても持ちなさいというのが本則ですね、義務教育費国庫負担法の。その実際支出額の半分を持つと書いてあるのですから。現在までそうやってきておりました。それを文部省の資料では——法的な問題をお尋ねしておるわけではないのです。あなたの腹がまえです。百か二百、三十九年度に上回っております、だからすぐ政令をつくって、それ以上には、その県で独自にやったんですから自前で全額持ちなさい。これは負担法の精神と、少なくとも違法とは私は断定できないと思うけれども、矛盾する考え方である、こう思うのですが、大臣の考え方は……。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 政府は矛盾するとは考えておらないわけでございます。義務教育費国庫負担法の第二条には、確かにあなたが御指摘のとおり、「実支出額の二分の一を負担する。ただし、特別の事情があるときは、各都道府県ごとの国庫負担額の最高限度を政令で定めることができる。」と明らかに書いてございます。でありますから、特別の事情、いわゆる府県が特に教育を充実しようという思想のもとで定数以上に教員をふやしておるというものは特別の事情であると、そういう意味でこの最高限度をきめても国庫負担法の二分の一実額負担ということと相反するものではないという解釈をとっておるわけでございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 大蔵大臣には法的な見解を尋ねないという前提でしたが、都道府県が自主的にその教育事情に応じて配置したものを特別な事情であると判断するというがごときは、これは法律制定の際にきちんと論議されておることですし、また普通の本則とただし書き事項との関係におきましても、そういうことを特別の事情ある場合と考えるのは全くむちゃな考え方ですよ。しかし、あなたとここで法律論争をしようと思いませんので、やはりそういった国の財政の逼迫かどうかは論議の余地あるところです。私どもは、三兆数億にのぼる総予算の中で、現在、限度政令を定めて、苦しい地方財政の中で最小限度必要な標準を上回る教員を配当しておるという都道府県に、半額は持ちませんという冷酷むざんなやり方をするということが、佐藤総理の施政演説とははなはだしく懸隔があり、そのことことだけをとっても、佐藤榮作個人の思想というものは空虚なものであると判断せざるを得ないと思うのです。しかし、時間がありませんので、あと党の持ち時間が三十分残っておりますので、もうちょっと……。  次に第三の問題に移りたいと思います。昨日、労働大臣は、田畑君でしたかの質問に答えられまして、ILOに対する批准に伴う国内法改正の問題の進捗について報告がありました。そのことについては私触れません。ただ、労働大臣として特に御配慮を願いたいのは、ILOの一つの機関である教員問題専門家委員会というのがございますね。ここでも一つの結論を出しておるわけです。それは、教職員組織——これは団体といってもよろしいと思うのですが、これは定数の決定とか、あるいはその供給等の問題については、当然、全国的な機関に対して参加するというか、意見を述べる機会を与えられることが望ましいと、こういう考え方を持っていっております。そういう一つのILOの意向は抜きにいたしましても、少なくとも、いま言ったように、限度政令ができると、都道府県は自動的に自己負担で教員の給与を全額持たなければならない。そうすると、必然的に標準定数まで下げてくるという結果が生じるわけです。このことは、文部省が定員を決定しておるという考え方を持っても差しつかえないと思うし、また、日本教職員組合という団体をとって見ましても、たとえばきのう愛知大臣の答弁の中から出ましたように、国立学校の教員も含んでおる、そういう問題も加味、配慮していきながら、やはり団体交渉権、労働協約締結権なり、団体交渉権を与えられるかどうかは、まだ論議中ということですから、これに対しての答弁は求めませんけれども、少なくとも労使といえば——あなたはきのうは使ではないとおっしゃっていたですが、文部省と教職員団体がその法的な権限関係を抜きにして、いろいろな自分たちの考えておる教育政策、教育問題、給与、労働条件等について話し合いを持てないという現在の慣行というのを、私は労働組合という立場に立っても、今度は逆に手をひるがえして、日本の教育という観点からも私は望ましいことではないと思うのです。少なくとも労働組合と、それに関係を持つ国の機関との文部大臣との間に、あるいは教職員組合との間に、形の問題は別にして、当然、青少年の問題にいたしましても、いろんな教育の問題にいたしましても、定数決定の問題等につきましても、話し合いをする、意見を述べる機会とか、こういったものは、もうこのあたりで開くべき段階にきている。法的に権限がありませんから、愛知文部大臣のように、やはり日教組に会うのは違法でございます、こういうかたくなな、からを閉じておっては教育のためにもならないし、労働運動の正常な発展にもならないと思うのですが、石田大臣の見解を承りたいと思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 御質問の中に問題が二つあると存じます。一つは、教育政策に関しての教員団体と文部大臣との話し合いの問題でございますが、これは全く私の権限に属することでございませんので、お答えは遠慮いたしたい。文部大臣からお聞きとりをいただきたいと存じます。  それから労働団体として、職員団体としての考え方でございますが、一般  −私は日教組と文部大臣という関係については、これも私の所管ではございませんから、文部大臣からお聞きとりをいただきたいと存じますが、一般論といたしまして、労使関係において、いわゆる交渉を持つという関係は、使用者と、その使用者に使われておる、雇用されておる人との関係において行なわれることが労働関係における交渉でございまして、したがって、そういう使用者の立場に文部大臣がいるかどうかということに相なると思うのであります。これも文部行政の問題でございますから、その判断はひとつ文部大臣にお聞きとりをいただきたいと存じます。  しかし、さらに一般論として、国民個人あるいは団体が、憲法上、国の機関に対して不平を述べたり、意見を具申したりすることは、これはもう明確になっておるのであります。それが可能であることは明確になっておるのでありますが、しかし、それを行なうことが適当であるかどうかという判断によって、その当事者の判断によって面会が、意見を聞いたり、あるいは不平を聞いたりすることは適当と思えばやればよろしいのでありまして、拒否も、適当と思わなければ、それを行なわないということもあり得るのは、これは一般論としてそういうふうに解釈をいたしておるのであります。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) この問題につきましては、一昨日も当委員会でお答えいたしましたとおり、法律論、制度論といたしましては、文部大臣としては地方公務員であるところの教職員につきましては、勤務条件の改善等につきましては権限がございませんし、責任体制にございませんから、当事者になることは、法律論としても、制度論としても私の考えとして、とるべきことではないと、かように考えております。  それから憲法十六条の一般論でございますけれども、これはもちろんどういう問題につきましても、一般の御陳情その他がございます場合におきましては、これは否定されることではないと思います。しかし、いま石田労働大臣も申しましたとおり、現在の日教組と文部大臣との関係において申しますならば、従来からしばしばそうでございましたように、いまの時期において何らかの問題でかりにお会いをするということになったといたしましても、これは従来の日教組のかたい御主張からいたしまするならば、何の問題でありましても、文部大臣がお会いをしました場合には、日教組側としては、これは中央交渉として、文部大臣とこういう団体交渉的なものをやった、そしてそこに出た話はわれわれが戦い取ったものである、こういうふうになさることがきわめてたやすく予想されることでございますので、いまの段階におきましては、私は実際問題としても、こうしたことをされますると、地方その他についても非常な影響があって、教育行政を混乱させる、かような私は信念に立ちますので、ただいまのところは、そういう御希望がございましても、私はお受けする気持ちはございません。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 愛知さんは前の大臣ほど頑迷固陋な頭ではないと私どもは信頼しておるのですが、かりに過去にそういうことがあったかどうかは知りませんけれども、あったといたしましても、そのことに固執して、さあ団体交渉を勝ち取ったと日教組が宣伝するから会いたくないとか、それは政治ではないですね。あなたは大臣としてかわったんだから、法的な交渉関係の態様がどうあるかは、これからやがて石田大臣の答弁のように内閣で調整してやるところでしょうから、そのことを突っ込んで聞こうとは思いませんけれども、文部大臣の姿勢として、問題のいかんを問わず会って意見を聞いて、とるべきものがあればとる、あなた方の考えを主張すべきものは主張する、これが民主政治というものであるし、行政の長としての心がまえじゃないですか。それだけのゆとりと申しますか、配慮もなく、ただ、法的に交渉権がございません、地方ですすべてきまることです。この地方ですべてきまるという言い方も、限度政令をつくってみたり、いろいろ現在の文部省が、たとえば学力テストを画一的に実施しようとしておるとか、こういった点からして問題がありますけれども、そこまで触れていくと長くなりますが、法制度の態様については別の機会に譲るとして、いずれにしても、所管大臣であるあなたが——日教組のほかにもう一つ団体もあります。それに会うなというのではありません。公聴会にしろ、地方の教職員の研究団体にしろ、特に五十万の組織を有する日本教職員組合の代表に会って、それぞれの考えを聞き、あなたの主張を述べられていくということは、憲法の精神からしても決して間違っておることではないし、当然の行政の姿勢ではないですか。もう今日になったらそれを改むべき時期であるし、佐藤総理の所信表明の新しい施政の中にもこのことは盛られておると思うのです。このあたりで荒木さん時代の頑迷固陋な姿勢を変えて、雪解けの時代に一歩愛知大臣の手で進むべき時に来てはいないですか。どうお考えですか。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 私としては、先ほど非常に率直に申し上げたとおりでございます。雪解けというようなお話もございましたが、同時に、これは日教組側におかれても十分にお考えをいただきたいところでありまして、時代の流れに沿うて私ももちろんこういった過去のとげとげしい対立というようなことは克服していきたい、これはだれしもの考えることではないかと思いますが、現状におきましては、私の信念は先ほど申し上げたとおりでございます。

寺尾豊自由民主党

○委員長(寺尾豊君) 豊瀬君の質疑は終了いたしました。     —————————————

寺尾豊自由民主党

○委員長(寺尾豊君) 次に、浅井亨君。

浅井亨公明党

○浅井亨君 まず、国鉄総裁にお伺いいたしたいのでございますが、今回第三次の輸送力増強計画に対しまして総額二兆九千億というような設備投資を計画されておるのでございますが、その資金の調達はどのようにお考えになっているのか、その具体策をお知らせ願いたいと思います。

石田礼助日本国有鉄道総裁

○説明員(石田礼助君) お答えいたします。二兆九千七百二十億、この内容につきましては、経営基本問題懇談会及び調査会のほうで詳しく説明してあるのでありますが、要するに、その半分というものは大阪、東京付近の通勤の問題でございます。この輸送力の増強、それから安全装置の問題ということでありまして、あとの半分は幹線における輸送力の増強、これによって過密ダイヤの緩和をはかる。それから、踏切その他いろいろ交通安全の問題に関して等いろいろありますが、要するに、半分は借金をしてはとてもこれはどうにもならぬ。東京、大阪付近における交通問題なんというものは、大部分が通勤者であります。非常な大きな割引をもって輸送しておるのでありますので、利息のつく金をもってしては、とてもこれは国鉄としてはやりきれぬ。安全装置の問題にしてもまたしかりであります。こういうものはひとつ自己資金をもってするか、あるいは政府の出資をもってやるか、これ以外には方法がない。少なくとも国鉄というものは独立採算でやっている以上は、これは借金をもってやることはできない。そこにおいて、それではどうするかということなのです。  まず私は第一にはだ、政府が出資しろ。国鉄の現在の資産というものは、貸借対照表によれば、まず二兆と言っております。しかし、実際はこれは新たにつくったら非常な金です。それに対して政府が一体いま幾ら金を出しておるか。実にみみっちいものである。たった四十億です。しかも、それは戦前の四十億ではなくて、戦後の四十億なんだな。それで、たった四十億の金を出して、そうして国鉄というものは国有鉄道なんというのは、国有鉄道ではなくて民有鉄道なんだ。そうしてわがもの顔をして、一番いけないことは、第一に運賃というものをめちゃくちゃに安く押えている。それから、さらに公共負担というものをやらしておる。これが計算してみたら数千億になる。そういうことをやっておるので、ぼくは政府はあえて過去における罪の償いをしろというのじゃないのだ、私は。  とにかく国鉄というものはこういう状態で、いまや通勤の問題にしても全く交通地獄ですよ。そのほかの幹線の輸送にしたって、にっちもさっちもいかないところに来ている。日本の経済のためにしても、通勤者のためにしでも、何としてもこれは思い切ったことをやらなければならぬ。とにかく終戦後、戦争でもってぶちこわれた鉄道というものに対して、進駐軍なんていうのはアメリカ式の頭で、これはもう鉄道は斜陽産業だという頭だ。それから、日本の国の、一般の国の空気も、これからは自動車の時代でもって鉄道の時代じゃない、こういうようなことで、あげて国鉄に対しては実にもう冷々淡々だ。一向修理なんというのは思い切ってやりはせぬ。少なきはわずかに一年に二百億を、多きにおいて五百億かそこら、かくのごとくにして昭和三十一年まで来た。これがゆえに修理もろくすっぽできぬ。いわんや輸送力の増強なんというものは全然できぬ。  そこで、三十二年になって初めて第一次五カ年計画というものを立てたのですが、とてもそんなものじゃ追いつかぬということで、第二次計画を立てたのだが、ところが、一向資金がない。それがために今度はどうしても修理はせっちん詰めになっている、いま国鉄は。そこで、第三次計画というものを立てて、思い切ってこの際ひとつやろうじゃないか。要するに、過去における過小投資の累積というものと、国なり議会、いや国会——あなた方じゃない、過去における国会ですよ。(笑声)これがだな、とにかく国鉄というものを酷使して、そうして安い運賃で押えつけてきた結果が、今日におけるこの交通地獄、都市付近の交通地獄であり、幹線における輸送過密ダイヤ、もう一歩誤れば非常な大きな事故が起こる、こういうところに来たのです。だから、これは、この資金の問題については、政府は一ぺん熱い煮え湯を飲まにゃだめですよ。そうして助けてくれなかったら、これはもう国鉄というものは生きる道がないのだ、これはそういうことでひとつ……。  この今度の二兆九千七百二十億の半分以上というものは、東京、大阪における都市付近の交通緩和の問題、それから安全の問題というものにかかっておるのだから、とても独立採算の国鉄としてはできないのだから、これはやはり利息のつかない金、それには政府は出資しなさい。みみっちい四十億なんというのじゃ、国有鉄道なんていばったってだめなんだ。そうしてもう一つは、運賃の値上げをひとつさせてくれ。  御承知のとおり、国鉄の運賃というのは世界で一番安い。こんな安い運賃なんか、天下にありはせぬ。物価というものは三百五十倍とか四百倍とか、国鉄の運賃というのはいま何倍です。百六十一倍だ、旅客運賃は。貨物運賃だって二百二十倍ぐらいでしょう。電話なんていうのは、過去において敏腕な社長がおったがゆえに、昭和二十八年においてすでに二百三十三倍まで上がっている。国鉄は三十二年と三十六年に約三割上げて、なおかつそれで旅客運賃なんていうものはわずかに百六十一倍なんです。要するに、われわれ国鉄陣、これは国鉄にも非常な私は欠陥があったと思う。弱かったのです、国鉄自身が。要するに、愛のないおやじが、ろくすっぽめしも食わせないで子供をこき使ってきた結果というものが、現在における国鉄の状態だ。だから、この罪の償いというものは政府は一ぺんやらなければいけないのじゃないか。そういうことで、ひとつ国会なり政府なりというものが今度はぜひともひとつ熱湯を飲む覚悟において助けていただきたい、こういうことが私の希望です。

浅井亨公明党

○浅井亨君 いま国鉄総裁からいろいろな観点に立ってのお話を聞きましたが、この問題に対しまして、いま政府に対していろいろおっしゃったように思います。だから、運輸大臣は、いまの国鉄総裁のことばからして、どのようにお考えになっているか、それをひとつお伺いしたい。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(松浦周太郎君) お答えいたします。大体いま総裁の仰せになりましたように、公共投資というものをもう少しがんばってもらわなければ、正常に戻らないと思います。汽車は脱線しませんが、国鉄の財政状は態脱線しております。いま仰せになりましたことをもう一ぺん復唱する必要はありませんが、物価指数の差が、収入と支出において大きに違っている。その違っているところは埋めなければ経営がなりませんので、その差を埋めたのは、全部これは借金で埋めています。これが三十九年度末になりますというと、現在は七千七百二十億ぐらいですが、今年度末になると大体八千億、五百二十億の利子を払わなければなりません。こういう企業体というものは、これは親方日の丸だということでこんなことになったと思いますが、一般企業体ならばもう存立しないはずなんです。しかし、そのときそのときの時代に沿うような近代化をしていかなければ、多くの国民に迷惑がかかる。のみならず、一番問題になりますのは、老朽機材を使ってやることによって大きな事故が続発いたしましたならば、国民に何とも申しわけございませんから、この点もひとつお考えを願いまして、政府も国民もともに御協力を願うという行き方にしなければならぬと思っております。  そのためには、まず大蔵大臣に対しましては、財政投融資に対して大いにひとつ、いままでは、財政投融資の一割三分を昨年いただきましたが、それくらいのことではとうてい間に合いませんから、もう少しがんばってもらう。財政は窮屈であると申しますけれども、いまのようなお話でございますから、政府投資というものに対しましても、大体六カ年を通じて三千九百億を要求いたしておりますが、今年度少なくとも四百億ぐらいの財政投資をしてもらいたい。その上にやはり国民のほうとしても、非常にいろいろなものの物価の上がる中で恐縮ではございますが、運賃の値上げも御承認願いたい。そうして財源を得て、通常な安全輸送ができるようにひとつ御協力を願いたいと思っております。

浅井亨公明党

○浅井亨君 いまの大臣の答弁を聞いておりますと、何だか哀れな気持ちを催すわけですが、これはどこまでもいわゆる国鉄の運賃——自己資金とはいいますけれども、国鉄の運賃を上げるということは、国民全体の生活に及ぼす影響は甚大であります。そこで非常に皆さんが心配しているわけなのです。先ほど総裁のお話にもありましたけれども、もっと政府が真剣になってこれは考えていかなければならぬ問題じゃないか。いわゆる自己資金、自己資金と、こういいますけれども、やはり親元である政府が、ほんとうに血税をもって集められたその金を、その足のほうにもつと回していくべきじゃないか、こういうような、ほんとうにそのような気持ちがあなたの一念の中にあるかないかということです。方法じゃないのです。あなたの一念の中にそれがあるかないかということが問題なんです。そういうことについてはっきりしたひとつ答弁をしていただきたい、こういうふうに思うのです。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(松浦周太郎君) もちろん、言うまでもありませんことであります、大蔵省に要求書を出してあります。それがこの予算査定においてどうなるかという問題でありますが、食い下がっても取るつもりです。けれども、諸君もやはり国家の議員ですから、この予算査定についても御協力を願いたい。これが私の心情であります。  同時に、公共投資というものについて、半面また公共企業体でありますから、公共奉仕、サービスという問題も十分にいたさなければなりません。しかし、半面にまた独立採算制というものがあります。これに対して非常な高い割引を強要されて、その割引のお客さんだけが五割にも七割にも毎年ふえていって、その設備を完成するために多額の金を要する。しかし、昼間は遊休設備になるというような問題もひとつ克服していかなければならないところに、私はこの割引の問題については少しみんなして考えなければならぬと思っております。通勤割引——一般会社の通勤割引というものについては、これは通勤手当というものを大体みんなもらっておるのですから、その通勤手当は割引以外のものをもらっておる。しかし、そのもらっておる状況からいえば、通勤割引をやめてしまっても、結局全部会社が通勤費を負担することになる。はね返ってくるのは法人税が減るということになると私は思う。ただ、一番困るのは学生であります。学生の九割二分という問題でございますが、これも私は五割引きくらいがほんとうではないか。つまり直接の、油であるとか、電気料であるとか、あるいは人件費であるとか、直接の経費というものぐらいはちょうだいいたしまして、あとのはサービスするというようなことにすれば、五割引きくらいがほんとうではないか。しかし、御家庭で非常に困っておる方があるということは市町村を調べれば十分にわかりますから、その五割引きとか九割二分の差額の四割二分というものは、これは社会保障として別な項目で一般会計から出すということが、独立採算制の上に立って国鉄のやるべきことではないか。私はそう思っております。

向井長年民主社会党

○向井長年君 関連。いま浅井委員から国鉄総裁に答弁を願って、国鉄総裁は国鉄の立場から現在の問題をるる説明があったと思うのです。その国鉄総裁の今後の国鉄のあり方について、いわゆる政府出資の問題とか料金問題とか、こういう問題を強調されて、それに対して運輸大臣は政府としてどうなんだ、こういう質問を浅井委員がやっておるはずなんです。ところで、いま聞いておりますと、松浦運輸大臣は、国鉄総裁が先ほどから訴えられた問題の補足をしているにすぎないのです。あなたは政府のいわゆる運輸大臣である。国鉄総裁ではないはずです。しからば、国鉄総裁がるる述べられた問題について、浅井委員が今後政府としてはそれに対してどう対処するか、こういうことになれば、それに対して自信をもって政府の態度を答えるべきである、ただ大蔵省と折衝とかそういう問題でなく、運輸大臣はこれに対してこうします、こういうことをなぜ答えられないのか。非常にわれわれ聞いておって、何と申しますか、政府間の問題あるいは運輸大臣の使命が何にもその説明の中ではないと思う。これをあわせて政府のいわゆる運輸大臣としての責任上、先ほど国鉄総裁が言われた問題について明確な答弁を聞かしていただきたい。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(松浦周太郎君) 何べん答えても同じことです。それは、どなたが運輸大臣になりましても、国の財政というものに対する共同責任があります。その国の財政の共同責任の前に立って、その軽重をおのずから考えていかなければなりません。しかし、先ほどのような当局の話がございますから、食い下がっても取るという決意以上には、ありません。

向井長年民主社会党

○向井長年君 しからば、国鉄総裁が言われたことはそのとおりである、運輸大臣は認めて、それを実施すると、こういうことを明確に言われておるわけですね。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(松浦周太郎君) 言うまでもないことであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 関連。どうも筋が通らないと思う。当委員会で何回も同じような松浦運輸大臣の答弁がなされた。われわれは目に余っておりましたが、これは、あなたの少し非常識なことでも、本気になってやっているんだろうからということで了解しようと思っておった点もあるわけです。ところが、ますます、最近になると、このような答弁が当然だというふうに行なわれる。しかも、いまなんかは、まあ議員の諸君も当然これに努力すべきだというようなことを言っておる。むろんこれは、国会議員としては、それは、その点については大いに検討して、やるべきことはやります。しかし、何もあなたのそういうような干渉を当委員会の委員が受ける、そういう筋合いのものではない。あなたは大体、大蔵大臣ともっと折衝しなさい。そしてそこで非常に解決のできないいろば不満のようなものを、当委員会にぶちまけている。これは筋が違います。答弁としては筋が違います。国務大臣の立場として、自分自身に言っているのじゃないか。あなたは政府の一員でしょう。そうして政府に対してまるでこれは請願のようなことをここでぶちまけている。全く筋が違っていますよ。そんなことでは、これは非常におかしいと思うのです。まるで当然のことだというふうに、また開き直っているから、あえて私も立ち上がって、これは筋を正さなければならぬから発言しているんでしょう。これはもう少し反省しなさい。この点ではっきり答弁願います。なってないじゃないか。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(松浦周太郎君) あのくらい申し上げましてもはっきりできないとすると、どういうふうに申し上げたらいいか私は判断に苦しむのでありますが、大蔵大臣との折衝、それはもう二週間を出でずして最終の問題があらわれると思います。現在、政調会その他においていろいろと練って、迫っております。ただ声を大にして二人でけんかするだけではいけない。合理的にどうしてもこれは出させなければならない線をこしらえて、それによって国民の皆さまに納得のいくような線で交渉を続けております。それを、どの点が答弁が陳情で、どの点が弱いという御指摘でありますが、私は、自分は弱い答弁ではないと確信を持っております。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 議事進行。こういう重要な問題が審議されておるときに、財政当局の大蔵大臣がおらぬということは、これは当予算委員会に対する一つの軽視だと思う。したがって、大蔵大臣があらぬから運輸大臣はかってなことを言っておるけれども、大蔵大臣は一体どういう考えかわからないのですから、私は大蔵大臣の出席までこの問題を保留してもらいたい。浅井さんのことですから、ここで私は休憩を要求したいけれども、さっそく大蔵大臣を呼んできてもらいたい。

寺尾豊自由民主党

○委員長(寺尾豊君) そのような手配をいたしております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 関連して。簡単でいいですがね、いま山本さんの言われたことに補足しまして、財政問題が審議されていることも問題ですけれども、所管大臣ですよ、予算の。予算の審議をしているときに、所管大臣がいなくていいんですか。こういう慣例はいけないと思うのですよ。至急やはり出席さしていただきたいと思いますね。

寺尾豊自由民主党

○委員長(寺尾豊君) その手配をいたしておりますし、早急に出席を求めます。

浅井亨公明党

○浅井亨君 いま関連質問からいろいろと御意見が出たようでございますけれども、私自身も、いわゆる運輸大臣が何かわれわれに協力を求めている。われわれ協力することはやぶさかではございません。しかしながら、その所管大臣である運輸大臣が大蔵大臣とほんとうにわれわれ国民のために一はだ脱いでこの問題を解決しておこうというような、そういう熱情のある、情熱のある、愛情のあるような気持ちで大蔵大臣と話してきたかどうかということを私も心配をしているわけなんです。それで、私は、そういう場面を見せていただくわけにはいきませんので、ここにその大蔵大臣がいまおられぬということは非常に残念だと思うんです。それで、寸刻も早くここにお連れしていただきたい、こう思います。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(松浦周太郎君) それじゃ、私は結論だけしか先ほどから申さなかったものですから、何かおざなりにやっているようにおとりになって、いろいろな関連質問もあり、いろいろのお話がありましたが、そもそもこの問題は、経過を申し上げますならば、昨年の十二月、予算編成の際にわれわれの要求がいれられないというときに、いわゆる基本問題調査懇談会というものが設けられまして、そうして国内におけるこれに対する権威を集めましてまる一カ年の間検討を続けてまいったのでございます。その結果、十月中に一応支出の面の二兆九千七百二十億というもの、先ほど総裁が仰せになりましたような過密ダイヤの解消、あるいは幹線の電化、複線化、あるいは私鉄の大都市地下鉄の乗り入れ、その他各般にわたっての近代化、改良工事等を目標にいたしました内容でございます。これは閣議に中間報告がされましたときに、だれの発言もございません。これは何とかして財政経済の許す限りやらなければならぬということで、閣僚全体がこれに承認を与えまして、その後、十一月二十七日だったと思いますが、日にちはちょっと記憶違いがあるかもしれませんが、二十四日か二十七日であったと思いますが、今度は支出と収入との両方を総合した報告書が出されました。このときも副官房長が詳細にこの説明をいたしましたものに対しまして、私はさらに付言いたしまして、これは重要な問題でございますから、今年の予算は非常に窮屈なようではございますけれども、お米の値段を上げ、あるいは医療費を上げた後に運賃を上げるということは、国民に対して非常に迷惑をかけるから、できるだけ財政投融資並びに政府の国鉄投資によって今年度はまかなえるようにしてもらいたい。そのためには六カ年計画が七カ年計画になってもしかたがない。そこで、前期第一は四カ年といたしまして一二千七百億、第二期に三カ年といたしまして五千億ということにいたしまして、その要求を強くいたしたのでございます。そうしてこの意見書に対しましては、閣僚にはだれも反対がないのでございます。主管大臣といたしましてこの計画の早期実現については最大の努力を払う。先ほどからその努力を払うということだけしか申しておらぬものですから、何かどうも口先だけではないかというようなお考えがあるようでございますが、私は責任上、これはなさざればやまずという考えでやっておりますから、御了承を得たいと思います。

浅井亨公明党

○浅井亨君 いま運輸大臣から努力する、また今日までやってきた、このようにおっしゃられます一から、まあ一応そうだと納得して、まずお聞きしたいことは、国鉄総裁はやはり運輸大臣に対しまして、または大蔵大臣に対しまして、真剣にそういうことをお考えになって話し合ったと思うんです。自己資金と運賃の値上げというものを先ほどお話しなされると、ごもっとものような話ですけれども、どこまでもそれは国民生活を危うくするものであるから、不安にさすから、何とかしてこれは国家から出していただくという、こういうお気持ちでお話しになったと思うんですけれども、そのいきさつをひとつお話しいただきたいと思うんです。

石田礼助日本国有鉄道総裁

○説明員(石田礼助君) われわれが要求しているのは、まず政府から六カ年にわたって四千億の出資をしてくださいということなのです。出資だけではとても足らない。大部分というものはやはり運賃の値上げというものにたよらざるを得ぬ。  浅井さんは運賃値上げに対して反対のようですが、私はその意味がわからぬ。企画庁あたりでは、運賃を上げるということは物価を上げるということにすぐ通ずる、こう言うのです。これは簡単明瞭過ぎると思う。とにかくいまのような国鉄の輸送状態をもってしては、輸送力も足らず、これでは輸送は快速にいかぬ。結局、物価のきめ手というものは、物資の需要供給のバランスいかんにあると思う。このバランスをきめる大きな力というものは輸送力にある。その輸送力が欠乏している。それを是正するということは、つまり物価を下げるという一つの大きな力じゃないですか。そういう意味において、あなたはどうも運賃値上げということに対していやに反対なさるのですが、私にはわからぬ。いわんや、いまの国鉄の運賃というものは、あなた安いか高いかよく御判断ください。これはこの前の国会でも言って置いたのですが、いまの旅客運賃なんというものは、昭和十一年に比べて百六十一倍、物価は三百五十倍、電話なんというものは、すでに昭和二十八年において二百三十三倍になっているのです。旅客運賃のごときは、昭和三十二年と三十六年の二回約三割値上げしたが、それでもなおかつ百六十一倍にすぎない。安過ぎるのですよ。値上げではない、つまり是正をする。  そうして、私はもう一つ考えなければならぬのは、日本のいまの一番大きな問題は国際収支の問題にあると思う。国際収支を是正する点からいえば、あの一般民衆の購買力というものを運賃なんかに取り上げるということは一つの手ですよ。高橋亀吉君なんかもそういうことを言っている。そういう経済学者というものは日本にたくさんいる。運賃値上げというものは、政治的にはどうも少しまずいかもしれないけれども、日本のいまの経済状態からいえば、決して悪いことではない。それで国鉄の輸送力もふえ、そして近来の交通地獄というものも是正され、国際収支もそれによって是正される。すべてがいいじゃないですか。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 関連。ちょっといまの総裁の答弁は非常に軽率なところがあったと思うのです。なるほど物価は三百倍かもしれない、また運賃は百六十一倍かもしれないけれども、いわゆる公共料金とかあるいは政府機関、政府施策によるものは平等に上げなければならぬという考え方、あるいは一方が上がっているのだからそれに追いつくように多少は上げていくべきだという、ものの考え方が違うんじゃないかと思う。やはり普通の料金が土がっていった場合にも、国鉄であるとか、あるいは電電公社であるとかいうものの料金というものは、公共性、サービス性ということか考えていけば、据え置くなり、あるいは上げるにしても非常に漸騰であるというのが普通であり、これは世界の通例となっているのですが、その辺の考え方は、上げるのがあたりまえだという総裁の考え方には納得できないものがある。この点についてはっきり答弁願いたいと思います。

石田礼助日本国有鉄道総裁

○説明員(石田礼助君) お答えいたします。運賃を上げるということは、何もただいたずらに上げるのではない。輸送量、つまりいまの都会付近の交通地獄というものを緩和する、輸送力をふやす、この必要上やむを得ず上げる。しかも非常に安いところにあるんだから、上げるといってもこれは是正じゃないか、こういう私の意見です。私は政府なり国会にお尋ねをしたいのですが、いまのような交通状態を一体そのままにしておいていいのですか、それを是正するには金が要りますよ。しかも自己資金が要る。その自己資金というものは一体どうしてわれわれが手に入れることができますか。そこで、政府の出資というものと、そうして運賃値上げという……。それで、もう一つ申し忘れたが、一体国鉄が独立採算制のもとにあって、しかもろくすっぽこわれた鉄道も直すこともできず、輸送力をふやすこともできない、日本の経済についていくことができないというような状態にあるのにかかわらず、国会なり政府というものは、公共負担というものを国鉄に背負わしている。国鉄は公共事業なるがゆえに、これは余裕ある範囲においてはするだけのことをして、余裕のある限りにおいては喜んで公共負担を負うのはよろしい。けれどもそれをやれない、できないのにかかわらず公共負担というものを背負わされて今日まできている。天下にそんな政治がありますか、世界にありはせぬ、日本だけです。そこにおいて、私は、やはり政府なり国会というものが煮え湯を飲みなさいと言うのです。いずれしても、われわれはいまの交通状態とたたかうためには砲弾、軍艦が要る。それをくれないで国鉄でやれといっても、一体どうしたらいいのですか。結局、よれはくれなかったらほったらかすというよりほかないんだ。その結果はどういうふうになるのですか、私は決してこれは日本のためにはならぬと思う。とにかく日本の経済における国鉄のウエートというものをよくあなた方がお考え下さることを希望する。一番いいのは、手っ取り早いのは、一週間国鉄の運転をすっかりとめてみるんだな。そうすると日本の国鉄というもののウエートというものがどのくらいにウェートがあるかということがよくわかる。そこで、これは何とかしなければならぬということが真にあなた方にわかると思う。要するに、われわれは、これは戦争におもむく戦士のようなものです。要するに、あなた方がわれわれに鉄砲をくれ、鉄砲のたまをくれなかったらいくさはできない。それをどうしで下さるかということが問題なんで、もしも運賃を上げないで自己資金が得られる方法があるならば何をかいわんや、それはもうそれにこしたことはない。その方法がにありますか、私はないと思う。それはお聞きのとおりです。(「議事進行、議事進行」と呼ぶ者あり)

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 関連して。あなたは証人として来られておるのですから、あなたの性格もわかりますから、答弁は私はよく聞いておりますけれども、いま、浅井議員があなたに質問しているんですね。それが国会ということになると、ぼくらに対する答弁だと、反駁いたしますよ。証人でありますから私はこれ以上申しませんけれども、質問者は浅井議員、それに対する答弁なんだから、国会はどう考えておるかということは言い過ぎではありませんか。この点は十分考えて、証人なら証人らしく、浅井議員の質問に対して答えていただきたいと思います。国会全部をあなたが言うなら、国会全部が取り上げて話をしますよ。その点だけ注意しておきます。(「議事進行、議事進行」と呼ぶ者あり)

寺尾豊自由民主党

○委員長(寺尾豊君) 浅井君、質問を続けて下さい。

浅井亨公明党

○浅井亨君 国鉄の経営状態を見ますと、黒字であると聞いておるけれども、事実であるかないかは、はっきりしておるのだろうと思いますが、そういうときに、なぜこういう運賃値上げをしなくちゃならぬのか、そういうところの理由をひとつ簡単明瞭お話し願いたいと思います。

石田礼助日本国有鉄道総裁

○説明員(石田礼助君) どうしていまのようなときに運賃の値上げをしなければならぬか、こういうことなんだが、これは必要やむを得ざるにいずるものである、こういうことで、このほかに手がない。実にわれわれとしては、物価を上げちゃいかぬという政府の方針に反するような、特に政治的にあなた方から見るというと、浅井君から見るというと非常に大問題でしょうが、これはもうやむを得ないのだ、ほかに手があれば別に運賃値上げなんということをする必要もないのですよ。ほかに手がなく、やむを得ずやるのだということに御了承願いたいと思います。

浅井亨公明党

○浅井亨君 いまの総裁のお話ですと、やむを得ない、ほかに手がない、こういうのですけれども、船なんかの問題でありますと、融資が非常にたくさん出ておりますし、また利子補給とか、また支払いの延べ払い、こういうようなものがあるわけなんですが、そういうことに対してほんとうに国民の生活安定のためにこうあらねばならないというお気持でもって政府に要求されたかどうか、この点についてもう一ぺんはっきりお答え願いたいと思います。

石田礼助日本国有鉄道総裁

○説明員(石田礼助君) お答えいたします。要するに問題は、いまのような都市付近の交通地獄というものをそのままにしておいていいかどうか、また幹線における各地におけるネックというものをそのままにしておいていいかどうか、これは日本の経済のために大いに考えなければならぬ問題だと思う。少なくとも国鉄としては、その輸送任務を負っておる立場から考えて、いまのような全然余裕のない、弾力性のない輸送力をもってしては、その任務を尽すことができぬ。われわれの任務というものは輸送というものを十分に満足にやる、安全にやる。ことに浅井さんはごらんになったかしらぬが、東京近在における京浜東北線にしましても、あるいは中央線にしても、総武線にしても、あの状態を見てごらんなさい。あれは人道問題ですよ。あれを一目見た人からいえば、万難を排してやらなければならぬ。それで運賃値上げによって、それはマイナスの点もあるかもしらぬが、それを差し引き勘定してもやはり運賃値上げをやらざるを得ぬ。そのほかにいい手があればこれはぜひ教えていただきたいのだが、われわれの貧弱な頭からはどうもそれ以上の知恵が出ない。(「ありますよ」と呼ぶ者あり)どうぞひとつ教えて下さいよ。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(松浦周太郎君) ちょっと補足さしていただきます。先ほどのお問いが、黒字が出ておるのになぜ上げるのかというのが主題でありまして、なるほど五百億ちょっとの黒字が計数上あらわれております。この間の、基本問題懇談会の答申の中にもございますが、御存知のように、四十五万人の従業員を使っておる国鉄は一銭の退職積み立て金を持っておりません。これは私は企業として非常に責任感がないやり方だと思います。  もう一つは、取りかえ財産——まくら木あるいはレール、バラスというような取りかえ財産は一応二分の一落としておりますが、あとはやっぱり財産として計上いたしております。これの償却歩率は非常に低い歩率である、われわれの企業経営からみるならば、ああいうものであるとか、ボールベアリングであるとかいうのは、取りかえたときにすでにこれは消耗費として経費に落とすべきものであります。そういう計算をいたしますというと、八十三億ばかり赤字になるはずでございます。そういう意味からみても、黒字であってもそれはほんとうの黒字ではないというふうにもなりますし、いまもお話がありました過密ダイヤその他幹線の電化及び複線化その他の、明治時代の鉄道を近代化しなければならない。この老朽の鉄道そのままでやっておりましたならば、先ほども申し上げましたが、これが事故にはね返っていったならば、少しくらいの運賃が上がるよりも、非常に大きな迷惑を国民にかけるということに私は一番責任を感じておるのでございます。私は、朝起きると新聞をみて、きのう一日事故がなくてよかった、きょう一日また事故のないようにと、心の中で祈っております。これが私の一番の悩みとするところでございます。

浅井亨公明党

○浅井亨君 大体御意見は聞いたのですが、もう一ぺん運輸大臣にお聞きしたいことは、こういう国鉄の運賃というものは、公共性と企業性と、こういう問題からいろいろな問題が起こると思うのです。その点について、公共性と企業性との関連性において、いかようなお考え方をもっておるかということを、はっきりひとつわれわれにわかるように説明していただきたい。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(松浦周太郎君) 公共企業体でございますから、いうまでもなく国民へのサービス、国民の運輸交通のための公器でございます。しかし、そのサービスも実費を償うことのできない情勢におきましては、正当なる実費をやはり国民に負担してもらわなければならないという考えの上に立っております。特に、先ほど来しばしば総裁が申されましたように、百六十一倍と三百六十倍という話をしきりにされましたが、恒久機材、機関車をつくるとか、あるいはいまの新しい客車をつくるとかいう、軽金属やあるいは鋼鉄の恒久機材というようなものは五百倍以上、あるいはものによっては六百倍以上に達しております。また、人件費は平均五百七、八十倍から六百倍に達しております。そういうアンバランスの状況で続けてまいりましたならば、これは先ほど申しましたように、ようやく汽車は脱線しないようにいっているけれども、財政的には脱線しておるということでございますから、両方からみて、独立採算制という意味の公共企業体でございますから、その両方からみて、これを直してもらわなければならないという考え方の上に立っております。

浅井亨公明党

○浅井亨君 先ほど、大蔵大臣がおられないので、ひともんちゃくしたわけですが、そのことについて、運輸大臣並びに国鉄の総裁から、大蔵大臣に対しましていろいろと要請があった、こういうことですが、そのことについての経過をひとつお話願いたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 日本国有鉄道は、第一次五カ年計画、第二次五カ年計画、第三次五カ年計画というようにして、五カ年計画をずっと策定してまいったわけでございます。政府が公にきめました五カ年計画は第一次五カ年計画ということでございまして、この五カ年計画に対しては既定計画のとおり工事を行なってまいったわけでございます。ところが第一次、第二次、第三次と国鉄がつくってみても、なおかつどうにもならないという事情は、事情はいろいろございますが、いずれにしても鉄道の利用度というものは急激にふえておる、こういうことでございまして、国鉄自身がつくった第二次、第三次の五カ年計画で増強を計画しても間に合わない。それだけではなく、いろいろ大きな事故が起きたわけでございます。このような過密な状態において、このままに放置もできないということで、政府は国鉄基本問題懇談会をつくりまして、この答申を待って抜本的な検討をしようということで、答申をいただいたわけでございます。答申は御承知のとおり、六カ年に二兆九千億という、いままでのものから考えまするとたいへん大きなものでございます。大きなものでございますが、この六カ年間に二兆九千億というものをやっても万全なものではないとさえ言われておるわけでございます。ところが、いままでの状態において一体どうであるかというと、財政投融資計画の中で、しかも財政投融費は非常に大きい大きいといって、いつでもおしかりを受け、そのために物価が上がるんだとさえ言われております。その投融資の中の一割以上が国鉄にさかれておるわけでございますから、どうも政府といたしましても、三公社五現業という制度の中で、国鉄にさけるものは一体どうかといったら、ほとんどリミットにきておるということでございます。あとに残るものはどうかというと、公共負担という、いわゆる国鉄に対しても一般の国民の税金の中から出すべきか、出さなければならぬという、いわゆる公共負担をなすべしという議論と、鉄道運賃を値上げをして鉄道を利用する人に負担をしてもらうという理論しか成り立たないわけでございます。一般会計から出るものでは、出資によるものか利子補給によるものかということの二つしかございませんし、ところが、この一般会計から——いわゆる国鉄というものの運賃を上げたり、自己資金をふやすということは非常にむずかしいから、だから一般会計から負担すべしだと、こういう議論に対しては、これはまた明治からいろいろな議論があるわけでございます。これは鉄道省の時代から、鉄道というものに対して国民の税金をもって負担をなすというものには限度がある、こういうことで独立採算制を強く推し進めてきた経緯もございます。三公社という国鉄、電電、それから専売、こういうものから考えるときに、これをみんな国民の税金でまかなっていいのか、これは議論がある、というよりも、これは独立採算制のまさに本義をそのまま進めていくべきだということで、三公社の制度が現にあるわけであります。ですからやはりどうしでも六カ年間二兆九千億、最小限やらなければならないとしたならば、その中で一体どの程度運賃の引き上げによってまかなえるか、こういうことをやっぱり考えざるを得ないのであります。でありますから、米価を上げ鉄道運賃を上げて、それで一体どうして物価を押えるのだと言われれば、また言わなくても、政府はこの問題に対しては非常に深刻にものを考えておりますが、一面において、毎日毎日われわれの目の前ですし詰になって——国鉄総裁の意見も、聞いておりますと少し激しいところがございます。ございますが、実際真情を吐露しておるわけでございます。何百万、何千万の国民の、わが同胞の命をあずかっておるのでございますから、やはり私はこういう激しい気持ちにもなると思う。実態がそうなんです。ですから、これはいままででも事件が起きたときには、国民はあげて、瞬時の停滞も許さず、国鉄は何とかしろ、こうなるんですが、毎日毎日そのような状況が続いておるわけでありますので、ここでやはり国鉄の状況を十分政府自体も考え、同時に国民自体の理解も得て、国鉄の二兆九千億増強計画にはひとつ協力しよう。われわれ自身も六カ年でやることはむずかしいと思う、七カ年、八カ年、しかし七カ年、八カ年ということになればそれだけ危険も多いわけであります。危険も多いだけではなく、国鉄そのものを増強しなければ生鮮食料の運搬もうまくできないために、物価に非常に影響がある、こういうことでありますので、われわれもいま真剣に四十年度予算編成を契機にしまして検討いたしております。でありますので、運輸省、国鉄の意見だけではなく、物価の問題、また国民的な考えに立って国鉄再建計画に対する意見を徴しましたり、あらゆる角度からこの二兆九千億の計画をどうして実行しようかということを考えておるわけでございますので、暫時といいますか、四十年度予算編成までひとつ十分御批判も賜わりたい、と同時に、理解あるひとつ態度でお願い申し上げたい、こう考えるわけでございます。まあこれだけの仕事を短い時間にやるとすれば、仕事を倍増することでございますから、倍も三倍もしなきゃならぬということでございますので、率直に申し上げると、その大宗はやはり六カ年、七カ年間を通じてみますと、運賃値上げというものに待たなければならないのではないかというような気持もいたします。しかし、この問題は物価との問題もありますので、慎重に検討をいたしたいと考えます。

浅井亨公明党

○浅井亨君 いま、いろいろと御意見を承りましたが、やはり名前は国鉄でございます。国という名前がついている以上は、やはり真剣に大蔵大臣としても考えてもらわなきゃならぬと思います。いまの話から聞き、また総裁のほんとうに真摯的な、いわゆる求めてやまざる姿、政府に対してこういうふうに交渉していると、こういう真摯的な姿を見ますと、ほんとうにまことにけっこうだと思いますし、そうあらねばならないとも思っております。そういうことについて特に大蔵大臣は今後その対策に対して心して実行していただきたい、こういうふうに思っております。  次いでお伺いしたいのは、七月から九月期の貿易収支を見ますと、世界的な運賃市況の好転により多少転したとは言っておりますけれども、長期的な観点から見ますと、非常に船腹が不足いたしておる、だからこれの大幅な改善はなかなかできないだろうと思われるのでございますけれども、これに関しまして海運造船合理化審議会の答申が出ておるわけなんですが、この答申について政府の御見解をお伺いしたいと思います。運輸大臣にお願いしたいと思います。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(松浦周太郎君) ただいまの海運造船合理化審議会の答申に対する政府の見解はどうかというお問いでございますが、政府といたしましては本答申を尊重いたしまして、現在の一連の海運政策を変更することなく、所要の財政資金を確保して、海運国際収支の改善のために遺憾なきを期したいと考えておるのであります。現在海運業界は再建整備の順調な伸展を伴って大量建造に耐えられる体力を養いつつあるのであります。建造に必要な償却前の利益の確保も見込まれておるのでございます。なお、政府といたしましては、大量建造が海運会社の経理内容の圧迫にならないよう十分留意いたしております。すなわち現在建造中の過半を占めておる保証船については十年船価回収ベースを融資の前提条件とするとともに、今後の経費の上昇率を織り込み、採算確保に無理のないように開銀等関係者と協力して指導に努力をいたしておるのであります。

浅井亨公明党

○浅井亨君 この海運収支は、昭和三十八年度が赤字が四億四千万ドルと聞いております。これを悪化させないために、今後四年間にいわゆる七万四十万総トンを建造しなきゃならない、こういうのですが、その七百四十万総トンのものを四年間につくろうとしますと、その所要資金ですか、その所要資金はどのようにお考えになっているのですか。またどれくらいとお考えになっているのですか。それをひとつ明示していただきたい。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(松浦周太郎君) 最初私が入りましたときは、今年度は六十四万トン保有するつもりでございました。それを、どうしても四カ年間に七百四十万トンつくらなければ——いま四億四千万ドルとおっしゃったんですが、今年度は四億八千万ドルくらいになるんじゃないかという心配をいたしておりますが、そういうものの解消はできないという結論になったのでございますから、本年度からふやしていかなければならぬ、まあこういうことになりまして、百三十三万トン、百八十六億円の融資を大蔵大臣にお願いをいたしました。ところが、財政当局もなかなかいろいろな問題がありまして、われわれの言うようにはなりませんでしたが、しかし、この窮屈な中におきましても、百三十万トンの要求の分に対しまして百二十一万トンを認めてくださった。そうして百六十八億たしか今度の財政投融資の中に組み入れていただいたと思っております。それで、今年度のこれに対する総資本は四百十六億であります。来年度は百五十万トンの手持ちをいたしたい。それに対する七百十九億の予定を持っております。再来年度及びその次は二百万トンと二百二十万トンということになっておりますが、その金額はまだ計上いたしておりませんが、必要であれば、海運局長が来ておりますからそのほうに答弁いたさせます。

若狭得治運輸省海運局長

○説明員(若狭得治君) 七百四十三万トンの建造に要する財政資金でございますけれども、総額大体五千億でございます。その中で、財政資金が三千億でございます。先ほど大臣から御説明ございましたように、本年度は百上十一万トン、四百十六億の財政資金をつくっております。明年度は七百十九億でございます。それから明後年、これは断わっておきますけれども、七百四十三万トンの中には、自己資金でおつくりになるものというものも想定いたしておりますので、われわれ計画いたしておりますのは六百四十三万トンでございますが、その建造計画といたしましては、明後年の計画は百七十五万トン、それから昭和四十二年度が百九十七万トンの建造予定、計画造船の分でございます。その総額は先ほど申し上げたとおりでございますが、具体的な資金の計画はまだ年度別に詳細に具体的な船の型等の問題もございますので、年度別の計画の内訳はまだつくっておらない状態でございます。

浅井亨公明党

○浅井亨君 大蔵大臣はこの資金のことについてどのように考えているのか、大蔵大臣からひとつ御返答願います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) これらの資金手当につきましては、答申の線を十分に考えながら処置してまいりたい、こう思います。

浅井亨公明党

○浅井亨君 貿易収支の改善の見込みからすると、これは必要だと思うのでありますけれども、企業採算性から考えますと、なかなかこれは慎重にやらなきゃならないと思います。そこで、積み取り比率でございますが、これはだんだんと低下いたしておりますし、自由化によるところの外国船の進出も多くなっております。そのようなときにどのような対策を立てておられるのですか、運輸大臣に御返答願います。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(松浦周太郎君) 大体日本の造船能力は普通三百九十万総トンぐらいできるのでありますが、少し時間外労働などをやりますと、四百三十万総トンないし四百五十万総トンぐらい建造できると思うのであります。従来の輸出船にいたしましては、現在なっておる契約も相当の数がございまして、三年間というものは相当の数を持っております。いずれも二百七十万トン前後の輸出量を持っております。そこでいま言う数字が四年間に七百三十万トンの造船ができるかということになるだろうと思うのでありますが、それは十分私はそれだけのキャパシティは現在の能力でできると思いますし、現に川崎造船所は新しい十万トン以上十五万トンまでの新造船所をある方面に計画いたしておりまして、これも二、三年のうちには稼働し始めますし、その他の各造船所もそれぞれ新造船台をつくっておりますから、われわれの計画しておる保有船舶量並びに輸出船舶量には影響のないキャパシティを持っております。

浅井亨公明党

○浅井亨君 いまそういうお答えでありますが、こういうふうに大量の船をつくっておりますと、かえって海運基盤を圧迫するというようなことは全然ないでしょうか。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(松浦周太郎君) これについてはヨーロッパにこれの協議会ができまして、この間も参事官が行ってまいりましたが、今度われわれも参加しなければならないような時期がくると思っておりますけれども、まだどこの国がどれだけの保有トン数以上は持っていかぬというようなところまではいっておりません。しかしお話のように、海の中に無限に船を浮かべるわけにはいきませんから、そういうトン数過剰による過当競争というようなもののない範囲内において、それが起こらない前に日本の保有船舶量というものは優先しなきゃならぬという、いまは非常なむずかしいところでございますから、努力いたしております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 関連。ただいま運輸大臣、四十三年まで七百数十万トン建造する、それで過剰になるおそれはないと思うというお話でしたが、OECDに参加しまして、海連の自由化は大体二年後にくるわけですね。いままでどんどん外国に船を輸出しております。非常に安い船をどんどん輸出しております。自由化になった場合積み取り比率が低下する可能性もあるわけです。そうなった場合、問題は、日本の荷主との問題が出てくると思うのです。そこで、前に経済企画庁長官は、これは重大な問題である、ただ船をつくるばかりが能ではない、OECDで海運が自由化になった場合、日本が安い船を輸出して、外国の船会社が安い運賃で日本の品物を運ぶとなったときに、日本の船は過剰になるおそれがあるわけです。したがって、どんどん船をつくる場合には、その前に日本の荷主との間の積み取りについての、この問題を解決しなければならないというので、何かそういう審議会みたいなものをつくったはずです。この問題が解決しない以上、ただ船をつくったらいいという——国際収支の改善に役立つものではないということは前の審議で非常に明らかになっておるのですよ。ですから、その点を明らかにしませんと、ただ船ばかりつくれば国際収支の改善に役立つというわけにはいかないので、この経緯がどうなっているのか、それでOECDに参加して自由化はいつくるのですか、自由化になった後どういうふうにするのか、その点は非常に重大だと思うのです。この点についてこの際伺っておきたいと思います。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(松浦周太郎君) 木村委員の御説は一応ごもっともでございますから、その点に注意いたしまして、競争力の十分に持てる、従来の欧州並びにアメリカでつくっている船よりも競争力の十分に持てる船をつくっております。同時にまた日本の国内におきましては、十年間荷物と船の償却のバランスをとりまして、それで十年間に償却のできる見込みが立った分から着工さしておるというような方法を健全にとっておりますから、この点は心配はないと思いますが、しかし、各国において非常に船ができる場合、OECDの問題は問題になると思いますから、その前に、私はやはり世界の保有船舶量の中で日本が優先するだけのものは持っていかなければならぬ。そこでもう一つ問題になりますのは、七百四十万トンをつくりましても、その四十三年度における日本の工業力並びに日本の原料輸送、製品輸送というものは非常にふえてまいりますから、七百四十万トンつくりましても、なおかつ外国の船を使わなければならぬというようなところに一そう悩みがあるのです。それで、それをつくった結果どうかといえば、このいま御質問になっておられます四億ドルというものを一体どうするのだという、その四億ドルがゼロにならないで、いわゆる四億ドルが横ばい程度のことにしかならないのです。で、私個人の考えとすれば、少なくともイギリスくらいの、二千万トン以上持たなければこれはいけないのじゃないかと思うのですが、いまの木村先生の御指摘のあったような点もありまして、それはまあ第二次的に考えるべきではないかと考えております。

浅井亨公明党

○浅井亨君 次いで文部大臣にお伺いしたいのでございますけれども、いわゆる近ごろ船は自動化されております。科学的にもまた技術的にも非常に向上いたしております。そのものに準じていかなければならないのは船員の高度技術の問題でございますが、その船員の教育ということに対しまして、どのようなお考えを持っておるか、お伺いしたいと思います。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 船員の技術の問題につきましては、たとえば端的に一例を申し上げますると、ただいま全国にございます高等学校程度の商船学校というようなものができるならば、高度の技術を教育訓練するような方法をできるだけすみやかに講じたいと考えております。

浅井亨公明党

○浅井亨君 いますみやかにと、こう言いますけれども、こういう教育はなかなかそう短期間にはいかぬと思うのです。船腹量が今後四年間にちょうど倍以上になるということでございますけれども、いまおっしゃられたようないわゆる学校でございますが、商船大学というようなものに対する希望者が非常に減っているわけなんです。そういうものに対してどのようなお考え方を持っておるのか、それをひとつお伺いしたい。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 実は根本的かつ応急的な対策といたしましては、運輸省に御承知のように海員養成の審議会というものがございまして、すでに答申の出ている分もございまするので、その線に沿うて運輸省とよく協議をいたしまして、措置を進めたいと思うのでありますけれども、これらにつきましては、四十年度のさしむき予算の問題でもございまするので、ひとつ財政当局にも大いに協力をしてもらわなければなるまいと考えております。

浅井亨公明党

○浅井亨君 それについて運輸大臣のお考えをひとつ。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(松浦周太郎君) 御質疑のように、船員の養成に対しましては、非常に頭を悩ましております。しかし、最近日本丸と海鷹丸と二隻実習船が約百人ぐらい乗せて、勇敢に太平洋に出発いたしましたが、忌揮なく申し上げれば、商船学校というものはもう少し増してもらいたい、そして海国日本という精神をもう少し吹き込んでもらいたいということが私の希望であります。造船能力は御存じのように世界第一でありまして、世界の約四割近くつくっております。ただ、お金がないものですから保有量が非常に少ない。この保有量は、いま木村先生が御指摘になりましたが、私はやはりイギリスと競争するだけのものを持って、そして貿易外黒字を船のほうから出すように努力をしなければならないんじゃないか、それは運輸省の大きな責任じゃないか、こういうように責任を感じておりますが、何としても、ない袖は振れないものですから現状の程度でありますが、船員のことについては、極力文部省と相談いたしまして、増員するように努力をいたしております。

浅井亨公明党

○浅井亨君 先ほど関連質問にもあったのですが、三国間輸送の問題ですが、これは相当好結果をあげているとは思うのですけれども、いままでこうずっと見てみますと、予算はあまり変わっていないのですが、このことについて現状はどのようになっているか、ひとつ説明していただきたい。三国間の輸送問題です。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(松浦周太郎君) 現在三国間の輸送で金をあげておりますものは大体五千二百万ドルぐらいでございます。将来四十三年ごろには一億二千万ドルぐらい働きたい。その一億二千万ドル以上で、それでやはり四億ドル前後の赤字になるのでございます。

浅井亨公明党

○浅井亨君 今度のこの答申によりますと、内航船の最南限度も示されておるのでございますけれども、それに対してはどのような見解を持っておられるのでしょうか。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(松浦周太郎君) わが国の内航船の現状は、日本の輸送量の全体が千八百六十七億トンぐらいでありますが、その中の四五%がこの内航船によって運ばれておるのです。それで六五%が鉄道と自動車によって運ばれておりまして、わが国の内航船の輸送に対するウエートというものは非常に大きなものでございます。しかも、この内航船は老朽船が多いのです。でございますから、何とかしてこの内航船を、大きな役割りを果たしておるのでございますから、過剰船舶に悩み、また、老朽船が多い、そして過当競争をやって企業経営が非常に窮屈になっておるというようなことでございますから、政府といたしましても、この内航海運事業の経営の基盤強化のためには、まず内航海運二法案を制定いたしまして、これによって海員組合による業界の組織が現在着々と進行中であります。一方、船舶の過剰傾向も調整して、適当な船舶量にしていくためには、内航海運業法の規定によりまして、海運造船合理化審議会の答申に基づきまして、ひとつ適正船舶量を定めるとともに、最高限度を設定いたし、これによって内航船舶量の調整を積極的に実施していきたいと存じておる次第でございます。しかしながら、このような最高限度の設定とともに、他方、船質の改善を積極的に推進する必要があります。また、造船の事情も考える必要がありますので、内航二法案に対する衆参両院の附帯決議案、海運造船審議会の答申をこれから十分に尊重して、今後代替建造を促進することといたしまして、これに要する資金等に財政資金を確保していきたい考えでございますが、これに対しましても相当財政の投融資であるとか、あるいはその他の特殊銀行の応援であるとか、あるいは一般銀行とのことに対しましては、運輸省といたしまして、できるだけあっせんいたしたいと存じておる次第でございます。

浅井亨公明党

○浅井亨君 いま申し上げましたのは、この内航船でございますが、   〔委員長退席、理事平島敏夫君着席〕 この現有の船ですが、貨物鋼船で百二十三万トン、それから木造船貨物で八十三万一千トン、鋼船の輸送船で四十七万六千トン、木船で三万五千トン、このように現有がなっているわけなんです。ところが、適正量のほうを見ますと、鋼船の貨物のほうが百十三万一千トン、それから、木船の貨物のほうが七十八万五千トン、それから鋼船の輸送船が四十五万七千トン、木船が三万一千トンと、こういうふうに私は見ておるわけなんですが、こういうふうに現有船力よりも下回っているということは、いわゆるこれからの木船業者であっても、これは新造ができないというふうに考えられるわけなんです。こういう点に対してはどのような考え方を持っておられるのですか。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(松浦周太郎君) 石炭の問題等に対しましても、従来木船や機帆船でどんどん運んでおりましたが、これは非常な不経済な過当競争になるのでございますから、まず鉄船に順次計画的につくりかえていく予定でございますが、その他専門的な技術方面に対しましては、局長が来ておりますから、局長のほうから答弁をさせます。

若狭得治運輸省海運局長

○説明員(若狭得治君) ただいま木造船の現有船が最高限度より多い、したがって新造船はほとんどできないじゃないかという御質問でございましたが、これは代替建造を行なう場合には当然新造を行なうということを考えておるわけでございます。御承知のように、現在の木造船の機帆船の実情でございますけれども、約七〇%が税法上の耐用年数を超過している船舶でございます。したがって、この代替建造を積極的に進めませんと、企業経営はもちろん、人命の安全にも影響するわけでございますので、代替建造を積極的に進める。したがって、船をつぶしまして新しい船をつくるわけでございますから、船舶の絶対量には影響はないわけでございます。実際問題といたしましては、財政資金をつけてつくります場合には、現状では一・五トンつぶしまして一トンつくるという方式をやっておりますから、これを進めていきますれば、最高限度量と現有船腹量との調整ということが、多少時間がかかりますけれども、必ず実現するわけでございます。

浅井亨公明党

○浅井亨君 先ほどちょっとこの輸送のことについてお話があったのですが、その輸送構造を見てまいりますと、先ほどお話しのように船舶によるものが四六%、国鉄によるものか三四%、自動車なんかが一九%、こういうふうに輸送の面ではなっておるように私は覚えております。そこでその国鉄のほうはだんだん低下しているように思うのですが、そうすると、内航海運というものは特に重要化してくるのじゃないか、こういうふうに思うのです。そうすると、そこでこの内航海運に対するところの船舶がかえって不足するのではないか、こういうふうに危惧を抱くわけです。この点、ひとつ……。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(松浦周太郎君) ただいま若狭局長が御答弁いたしましたように、老朽船をスクラップにいたしまして、性能の高い船を、近代的なものをどんどんとつくっていくという方針に変えたのでありますから、これは輸送の面においてはそう違わないのでございますが、しかし先ほども申しましたように、日本の工業力、日本の貿易というものはますます増大されてまいりますから、現在のトン数をもって云々することはできない。半面陸上のことを考えてみまするならば、約六兆近い金を使って、二級国道以上のものは全部舗装いたしますので、自動車の輸送量というものも現在よりも相当ふえるということは、だれでも考えられることでございます。また先ほど来、ずいぶん長い議論をいたしました国鉄の輸送力の増強問題、この第三次計画が完成いたしましたならば、現在の国鉄の輸送量よりもはるかに輸送量はふえるというような三つの関係を勘案いたしまして、これは通産省とも相談いたしまして、内航海運に対しましては、それぞれ石炭問題も加えまして立案いたしたものでございますから、大体その案でいけると考えておる次第でございます。

浅井亨公明党

○浅井亨君 いろいろなこの事情を考え合わせてまいりますと、この木船に対する必要性で次第に少なくなってきているように思います。この点について、六月に内航二法の成立を見たのでございますが、そのときの附帯決議に対しまして、その後木船業界に対するところのその指導などはどのようにやっておられるのですか。この六月でございますから、それ以後のひとつ経過をお話し願いたいと思います。

松浦周太郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(松浦周太郎君) 六月の附帯決議の問題に対しましては、まだよく勉強いたしておりませんので、局長から答弁させます。

若狭得治運輸省海運局長

○説明員(若狭得治君) 木造船の需要は減少するであろうという不安に対する御質問でございますけれども、先生もおっしゃいましたように、将来の問題を考えますと、確かに木造船に対する需要は減ってくるであろうと考えられるのであります。ただ、現状におきましては、どうしても木造船でなければ、たとえば港湾の関係であるとか、あるいは工場の生産量であるとかいうような関係から、木造船でなければならないというところもございますので、そういう面については、やはり今後とも木造船の新しい建造を必要とするであろうというふうに考えられるわけであります。先ほど申し上げましたように、今後、木造船の代替建造ということもどうしてもわれわれは進めてまいりたいということでございますので、そういう面から、木造船の代替につきましても、やはり国として適当な援助を考えざるを得ないということで、たとえば、中小企業金融公庫の資金をあっせんするということにつきましても、いろいろ打ち合わせを進めておるわけでございます。また、来年度の予算におきましても、木造船の代替建造について具体的な施策を考えていくということで、現在大蔵省と折衝いたしておるわけでございます。

浅井亨公明党

○浅井亨君 次にお伺いしたいのは、幼稚園の七カ年計画についてでございますが、これは文部大臣にお答えを願いたいと思います。  近ごろ都市の周辺とか、すべての地域でございますが、たくさん団地もつくられてきております。幼稚園の入学というんですか、入園率というものが非常な姿になっているということでございます。こういうことに対して、父母は非常にこの幼稚園を一日も早くたくさん建ててくれというようなことを希望しておるのでございますが、この七カ年計画というものをもっと縮める、またその幼稚園の数もたくさん増設していこうというようなお気持がおありと思いますけれども、それに対するほんとうのところを明示していただきたいと、このように思います。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) ただいま御指摘のとおり、この幼稚園教育というものは非常に大切なことであると考えるのでありますが、現在の七カ年計画で申しますと、よく御承知のことと思いますけれども、人口おおむね一万人以上の市町村に対しまして、幼稚園の就園率を六三%程度に高めたいということが七カ年計画の内容になっておるわけでございます。これを具体的にやってまいります場合におきまして、三千六百の新たなる幼稚園と約千学級の増加をその間にはからなければならないということになりますので、実は率直に申しますと、これだけの計画でもなかなか大へんであると考えておるわけでございますが、とにかくただいまのところといたしましては、この七カ年計画をできるだけ計画どおり推進するということに全力をあげてまいりたいと、これができまする場合におきましては、厚生省のほうの関係の託児所等と合わせまして、大体結果において五歳児の就学率というものがほぼ一〇〇%に達すると、こういう計画でございます。

浅井亨公明党

○浅井亨君 それでは七カ年計画の中で、公立はどれくらい建てられる計画ですか。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) もう少し詳しく申し上げますと、地域の実態によって異なりますけれども、先ほど申しましたように、一万人の地域に一つの幼稚園を設置と、それからその規模は百二十人、四学級を標準にすると、それから五歳の子供は百人、四歳あるいはそれ以下の子供は二十人を単位にする。そして人口一万人について、五歳のところでとりますと、約百人というわけであります。それから公立と私立の状況は、既設の分につきましても、先ほどもお話がございましたように、地域的に非常にアンバランスがございます。ことに、新しくできました団地その他の状況等につきましては、何と申しますか、刻々に変化するような状況でございますので、それらを見合わせまして、一年度ずつ、この公私立の関係を適切に配置してまいりたいと考えております。まだ、こまかな点につきまして、年次計画について、公立と私立をどのようにするかというところまで細部におきましてのはっきりした計画というところまではいっておりません。

浅井亨公明党

○浅井亨君 幼稚園のこの設置基準でございますが、これが非常に厳格というのですか、きびしいのですが、そういうようなことを聞くのでございますが、これをもう一ぺん検討してみるというお気持ちがあるかないか。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 最近、新聞でも御承知のように、特に大都会周辺、東京都がその適例でございますが、最近、住宅の府というようなところにつきましては、非常な入学難になっておりますので、こういう点については、先ほど申しましたように、公立の設置を早めるということをどうしてもやらなければならないと考えておるわけであります。

浅井亨公明党

○浅井亨君 そこで、この私立の幼稚園でございますが、こういう幼稚園を建てますのに、先ほどお話がありました基準がありまして、なかなかこれはうまくいかないわけなんです。いわゆる九百九十平方米ですか、その敷地を持たなければならぬと、また、それに対しまして建設するには五千万円ほどの金がかかるということであります。そういう私立幼稚園の設立に対しまして、国家としては何らこれを補助しようというようなお気持ちがあるのかないのか、これをひとつお伺いいたします。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) これは七カ年間でいま申しましたような計画を推進してまいりますためには、どうしても私立の幼稚園につきまして、現在、何と申しますかな、たとえば月謝でございますか、授業料から申しましても、私立のほうが非常に高いわけでございます。月千五百円というようなところの状況で私立はあるような状況でありますので、どうしても、これは何らかの国家的な援助がなければ、こうした大計画は推進できない、かように考えておりますが、いろいろほかの財政需要も、文部省関係におきましても、なかなかたいへんなんでありますので、こういうような点を細部にわたりまして、鋭意いま検討中でございます。

浅井亨公明党

○浅井亨君 片方では、そういう基準をきちんときめて、なかなかこれはやりにくいと、だけれども、それに対して、補助の面については考えているというのでは、これは両立しないように考えますが、この点はどうですか。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) この設置基準というものをあまり緩にいたしますると、教育の内容その他にも非常な影響がございますので、これは双方にらみ合わせて善処するよりほかにないと思います。  それからなお現在におきましても、御承知のように、私学振興会等を通じまして、幼稚園の私立の分につきましても国家の援助はやっておるわけでございます。

浅井亨公明党

○浅井亨君 この七カ年計画を見ますと、人口一万ですね、そういう市町村に一園を設置するといっておられます。ところが、公立幼稚園の設置を地方議会でやると、こういうふうにきめたというのですが、そこへ私立の幼稚園の反対がありまして設置されないという例がここに出ておるわけなんですが、そういうことに対しまして、政府はどのような指導をしておられるか。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) そういうことも間々聞かないではないわけでございますけれども、いずれにいたしましても、幼稚園の設置ということが非常な急務であると思いまするので、これはまあ地方の教育委員会等の具体的なまた措置になるわけでございますけれども、公私立相並行して、なるべくすみやかに適正配置のもとにおいてよい幼稚園ができるようにしてまいりたい、かように考えております。

浅井亨公明党

○浅井亨君 次にお聞きしたいのは、入園の願書ですが、これを受け付けをすると、二日前から親たちが行列をしている。そういうために警官までが警戒にかけつけた、こういう話があるのです。もう一つは、三年ほど前から、親たちの一晩徹夜をしていたのだというのが、これはもう常識だと、こういうふうなことも聞いております。こういうふうに入園児が非常に多くなっておるのでございますけれども、こういうことに対する対策は、いわゆる人間尊重というような面から見てもたいへん疑わしい問題ではないかと思います。こういうことに対して、どのような方法をお考え、また、どのような指導をしなくちゃならないとお考えになっているか、お伺いします。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) これは全く私も憂いをともにしておるわけでございまして、先ほど申しましたように、これは東京都内のある地域等について起こっておる特異な現象でございまするので、そういう地域につきましては、早急に幼稚園の設置ということはどうしても急がなければならないと考えております。ただ、何ぶんにも現在のところ、いま警官まで出ているというお話で、そういう事実もあるわけなんでありますけれども、すぐに右から左にこれを収容するという名案もないので、結局いまつくっております方針を適正配置、特に勤労者階級等の住宅が新たにふえたところにことに顕著にあらわれている現象でございますから、そういう地域に早く具体的な幼稚園を設置するという以外に方法はない。これをどうしても推進しなければならない、こういうことであると思っております。

浅井亨公明党

○浅井亨君 いま申し上げました、このこともそうでございますけれども、二日も徹夜して、そうして順番を待っているというような、そういう問題がたいへんだと思う。こういうことに対して、その入園ということに対しての方法ですが、この方法はどのように、考えておられるだろうと思うのですが、いろいろ方法あろうと思うのですが、聞くところによると、テストをやっているとか、また先着順、これが問題なんですが、抽せんという方法もありますし、こういうようなことから考えてみますと、この抽せんでやるというのが一番、子供とか父兄に対して影響力がないと、こういうふうに私は考えるわけなんです。そういう面に対してはどういうふうにお考えになっているか。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) これはなかなかむずかしい問題でございまして、一つは、御承知のように、有名校の幼稚園に入るということが将来の進学に対しましても非常な特典があるというようなことがまた別の要素としてあるわけでございます。そういう点につきましては、ただ単に幼稚園を増設するというだけではあるいは解決できない問題も多少あろうかと思います。それから、そういったような点につきましては、これは教育制度全般、大学に通ずるところの一つの大きな問題であると考えまして、これらについては、お話しいたしますと長くなりますけれども、いろいろの点で、たとえば大学の入学試験のあり方、やり方等が実は幼稚園のほうまで及んでいるというところもないではない。こういうような根本的な点につきましても、ほんとうに真剣に取り組まなければならない問題である。一面こういうふうなむずかしい問題がございます。それから、現にやっております採用方法等につきましても、実は文部省として指令をするとか、指導するということもなかなか困難でございますが、たとえば抽せんにいたしましても、五歳の幼児でも抽せんに漏れた、負けたということはやっぱりあとあとまで相当のいろいろの感情のしこりを残すのではないかと思います。そういう点からいえば、ほんとうは義務制度にでも幼稚園制度をしまして、だれでもがとにかく適齢になったらばいれる、また、その中においては有名校偏重というふうな父兄、社会の考え方を直してもらうというようなこともあわせて措置する以外に方法はないのではないか。ところが、義務制につきましては、いろいろの関係もございますから、とにかく七年計画というものをやり抜いていく。そして託児所と合わせますと、結果において大体がみんなはいれるということになり、そのころ合いも見て別に考えるべきものではないだろうか、まあかような考え方でおるわけでございます。

浅井亨公明党

○浅井亨君 次にお聞きしたいのは、幼稚園にはいるのに受験料が三千円要る。これはもう大学並みなのでございますが、また、入園しましても、三千円とか、ないし五万円、こういう入園料が要る。月謝にしても千八百円要る。こういうふうにPTA会費とか本代とか、いろいろなことを見ますし、毎月六千円を下らない、こういうことなんですが、私立高校以上の費用がかかっているということになっているわけなんですが、こういうような負担で父兄の方々が非常に悩み、苦しみ、悲しんでおるというような姿であることを聞いております。また見てもおりますが、こういうことに対しては文部大臣はどういうふうにお考えですか。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 先ほどもちょっと触れたわけでございますが、たとえば授業料についてみましても、地方によって相違はありますけれども、平均してみますと、公立の場合が月六百円程度、それから私立のほうは平均してみますと千五百円程度、このように非常に大きな開きがございます。それから私立の中におきましても、入学料その他いろいろの負担が父兄にかさんでいるということは、私どもも正確な数字はつかんでおりませんけれども、おおよそのところは想像にかたくないわけでございます。それに対する対策としては、先ほど申しましたように、私立については私学振興会の融資その他の方法ですでに援助はある程度はやっておりまするし、また公立につきましても、地方交付税における財源措置を改善してもらうということも適切な方策であると思います。これらの点につきましては、自治省や大蔵省にも協力をお願いをしなければならないと思うのでありますが、たとえば地方交付税におきましては、単位費用の積算基礎が人口一人当たり約六十一円というような低額であるというようなところも、私どもとしては問題のある点ではないか、こういうふうに考えております。   〔理事平島敏夫君退席、委員長着席〕

浅井亨公明党

○浅井亨君 次に、この子供を入園させるために寄付というのがあるわけなんです。これはまあ私、見たわけではないのですけれども、こういうことがあるのです。また寄付を求めるというようなことを前もって予告するというようなことも聞いているのですが、この税外負担の禁止、または父母の負担軽減ということから、ついては次官通牒もあったわけでありますが、こういう寄付行為についての明確なお答えをいただきたい、こう思います。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) これは、先ほども申しましたが、将来の問題としては義務制ということになりますと、この問題のとらえ方は非常に考え方が楽になってくると思いますが、現状においては、私立幼稚園につきましても、早急に多く適正な地域につくってもらいたいという希望を非常に強く持っておりますために、四十年度予算の概算要求などでも、これらの点に一つの重点を置いているわけでありますが、たとえば私学振興会に対する政府出資というようなことを相当考えていただければ、おのずから多額の寄付を取らないでも済むようなふうになる。結局公立、私立を通じまして財源の措置、これにできるだけのことをしなければ解決ができない、こういう現状でございます。明快な態度をというお話でありますが、私としては、父兄の負担がなるべく少ないように、そうしてなるべく公私立ともすみやかに適正な地域により多く幼稚園をつくるように、こういう態度が私のとるべき態度であると思っております。

浅井亨公明党

○浅井亨君 先ほど義務化ということについてお話がありましたし、また財政的問題からそういう新設の幼稚園というものはなかなか建設困難だ、こういうふうにもおっしゃておるのですけれども、小学校のの児童もだんだんに減ってきているので、教室もあいていると思うのです。そういうところを使って教育してもいいんじゃないか。だから、そうすれば、義務化の問題、また、その資金の問題の点から考えましても、非常にスムーズにいくのではないだろうか、こういう考えを起しているわけであります。そういうことに対して文部大臣はどのようにお考えになっておりますか。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) 御同感でございます。実は御承知の中教審等におきましても、この幼稚園問題をもうこの際徹底的にひとつ取り上げて献策しようという動きもあるくらいでございまして、何と申しますか、積極的に前向きに前進しなければならないと考えます。

浅井亨公明党

○浅井亨君 次に保育所の問題でございますが、公立が六千四百七十二、私立が四千二百三十二、このように私は覚えているわけでございますが、その保育所において養育と教育ということを同時にやっているということですが、そういうことについて大臣はどのようにお考えになっておりますか。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) いまおあげになりました数字は、私どもの持っております数字と同じかと思うのでありますが、幼稚園の——まあいままで申し上げましたことは主として財政的と申しますか、資金的な面を、あるいは施設の面を申し上げたわけでありますが、もう一方においては、教員の確保ということがやはり非常に大きな問題でございまして、御参考までに申し上げますが、現在国公私立の大学、あるいは短期大学、あるいは文部大臣の指定する養成機関で幼稚園の教員を養成することになっておるわけでございますが、これを急速に拡充する必要がありますので、明年度から四年制の養成課程を新設することに、これは四十年度の新規の予算の概算要求をいたしつつあるわけでございます。

浅井亨公明党

○浅井亨君 そこで、この幼稚園と保育所というのを一元化してやっていくという、そういう気持ちはどうなんでございますか。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) この点につきましては、かねがね厚生省ともよく協議をいたしておりますけれども、まあ設置のたてまえと申しますか、厚生省のほうでやっていただくものは、少なくとも発想としては社会保障的な考え方から入っておられるわけであります。そこで、大体が文部省として幼稚園の側でお引き受けするものを六割四、五分、それからあとの三割幾らというところが託児所の系統で引き受けていただく、こういう結果になると思います。しかし、教育の内容、教育課程等につきましては、できるだけ同じであることが望ましいのでありますから、本年の四月から、教育課程という名前でございましたか、正確な名前は記憶いたしておりませんが、教育内容の基準につきましては、厚生省と文部省で相談をいたしまして一本のものにいたしまして、そしてその教育準課程によりまして幼稚園教育をやっておりますので、本年四月以降におきましては、内容的にはそごなく運営ができる、こういうふうに考えております。

浅井亨公明党

○浅井亨君 次にお伺いしたいのですが、保育園の園長さんといいますか、これは資格というのは要らぬでしょうか、どうでしょうか。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) この点は政府委員からお答えいたさせます。

竹下精紀厚生省児童家庭局長

○説明員(竹下精紀君) お答えいたします。  最低基準によりまして、保育所の園長につきましては、公立のみ資格をきめておりまして、二年以上児童福祉の関係の仕事に従事した者ということになっております。

浅井亨公明党

○浅井亨君 そうすると、保育所の保母の資格それからこの園長の資格は、そこにどんなような差がありますか。また、この保育所の園長の資格は要らない、保母には要るのだ、こういうことなんですが、この必要がないというのはどういうわけだからちょっとはっきりしないので教えていただきたいと思います。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) これは、先ほど申し上げましたように、たてまえといたしましては、教育の内容が同一基準であるということが一番必要であるので、まず、本年四月から教育課程を統一と申しますか、同じ基準によってやるということにいたしましたのでありますから、当然将来におきましては、その教員の資格等につきましても、同、基準であることが当然の要請になると思いますが、何ぶんこの計画を始めまして早々でございますので、まだそこまで十分に措置ができていないわけでございます。  これも御参考まででございますが、たとえば昭和三十八年六月に幼稚園の教員免許状を持っていた者は四千七百八十七名、それから実際に幼稚園で就職している者は二千七百八名、こういうような数字も出ておりますので、こういう点にも解決の道があるのではなかろうかと考えております。

浅井亨公明党

○浅井亨君 先生の実態をいまおっしゃっておりましたが、非常になり手が少ないということですが、それは結局は給与の問題が、いわゆる市町村、都道府県のいろいろな、ところによって非常な格差がある。こういうのでひとつなり手がないんじゃないか、こういうふうに思うわけですが、その点はいかがですか。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) それはまことにごもっとも、そのとおりなんであります。そのとおり、全部がもちろんそうではございませんが、そこで、幼稚園の教員、託児所の保母等につきましても、待遇の改善と資質の向上ということが絶対的な要件である、こう申してはばからないのであります。

浅井亨公明党

○浅井亨君 そこで、幼稚園の教員は、育英奨学金ですか、この貸し付け金の返済免除があるわけなんです。ところが、この免除をやはり同じように適用してやったならばいいじゃないか、こういうふうに考えるわけなんですが、その点ひとつ……。

愛知揆一自由民主党文部大臣・科学技術庁長官

○国務大臣(愛知揆一君) ただいまお話がございましたが、実は遺憾ながら、幼稚園のほうにも免除規定がないのであります、現在。その点は悪いほうに同様なんでございまして、これは検討して改善したいと実は思っております。

浅井亨公明党

○浅井亨君 次に公害の問題でございますが、きょうの新聞にもガスの問題が出ておりました。きのうはちょうど人権デー、無煙デー、こういうふうにいわれておるわけでありますけれども、その一つの例といたしまして、富山市におけるところの、これはことしの九月十四日ですか、富山化学で起きた塩素ガスのタンクですね、これから続いたパイプが破裂して、四百五十キログラムの塩素ガスが流出して、工場周辺に住んでおる住民が五百人そういうものが被害を受けたという事件があるわけなんです。こういう事件は、工場災害ではなくして、私は公害として考えるべきだと、こう思うのですが、このことについて、経過並びにその考え方というものをひとつお話し願いたいと思います。通産大臣。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) ただいまお尋ねの富山化学の事故でございますが、これは御指摘のように、有毒ガスが漏洩をしたという事件でございまして、確かに公害的な要素を多分に持っておると思います。ただいま手元に当時の詳細な記録は持ち合わせておりませんが、性格といたしましては、お尋ねのとおりであったと思います。

浅井亨公明党

○浅井亨君 いま聞いておりますと、公害の要素を持っている、こういうふうにおっしゃったように思うのですが、公害というのはどういうことなんですか。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) お尋ねがなかなかお答えがしにくいと思いますが、一般的には、たとえばばい煙がどうであるとか、あるいは汚水がどうであるとか、そういうふうな範疇であろうかと思うのであります。そこで、公害的と申し上げましたのは、今回の場合、工場からの有毒ガスが、常日ごろこれに対する防備と申しましょうか、そういうものが十分でなければ、一般の住民にも影響を与える、こういうようなことから、そういう性格から公害という意味合いに立っております。

浅井亨公明党

○浅井亨君 その公害があった、それに対する防止の責任者はどこにおありになるのですか。その責任の所在を聞きたいのですが。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) 富山化学の場合の責任者というのにつきましては、事務当局から申し上げたいと思いますが、いま先ほど申したとおりに、手元に当時の事故記録等を持っておりませんので、明快を欠きます。ただこの場合は、ガス管の工事をやっておって、その措置がよろしくなく、そのために有毒ガスが漏洩をいたしまして、一般の住民に影響を与えた、こういうような関係のない一般の住民の方などに影響が及ぶということから、公害的な要素を持っておると申し上げたわけであります。なお、その工事の責任につきましては、事務当局からお答えをさせます。

伊藤三郎通商産業省軽工業局長

○説明員(伊藤三郎君) 富山化学の場合におきまして高圧ガス取締法の関係から申しますと、責任者は当該川場の作業主任者でございます。

浅井亨公明党

○浅井亨君 いま、この富山化学のことですが、監督の中心はどこにあるのですか。

伊藤三郎通商産業省軽工業局長

○説明員(伊藤三郎君) 直接監督の責任は、県当局でございます。

浅井亨公明党

○浅井亨君 あの問題ですが、この危険ガスは高圧ガス規制法で見ますと、毒ガスという点では何から規制を設けられておりません。また、ばい煙規制法を見ますと、特定有害物質の項に塩素ガスが加えられておりますけれども、これも何も強いところの規制はありませんし、ただ勧告をすると、こういうことになっているわけなんです。そうすると、こういう複雑した問題ですが、これは毒物ガスだと思いますが、そういう劇物取締法から見ましても、有毒ガス上の物質に対しては何ら規定がないように私は思うのですけれども、こういうふうにふくそうした問題でありながら、こういう事件が起きたということに対して、どのようなお考え方を持っておりますか、それをお伺いしたいと思います。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) 富山化学の場合におきましては、高圧ガスの取締法に一応触れるものとして、この事件の調査などいたしました。それは確かに毒性はございますが、高圧性の毒性のガス、こういうことからこの取り締法に触れるものとして、調査もいたし警告もいたしたような次第でございます。

浅井亨公明党

○浅井亨君 そうすると、これ毒物、劇物ですが、こういう毒性ガスに対してどのような規制をしておられますか。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま御説明を申し上げましたとおりに、富山化学の場合は毒物、劇物の指定にはならないのでございまして、高圧ガスでそして毒性のあるものと、こういうことでございます。なお、専門的になりますので、事務当局から重ねてお答えさせてもよろしいと思います。

伊藤三郎通商産業省軽工業局長

○説明員(伊藤三郎君) 塩素を使用いたします場合、通常高圧の状態で使用されますので、したがいまして高圧ガス取締法の対象になっております。でありますが、毒物及び劇物取締法の対象にはなっておらないということでございます。したがいまして、富山化学の場合におきましては、高圧ガス取締法によって措置をいたしたわけでございます。

浅井亨公明党

○浅井亨君 いま高圧ガス、高圧ガスと言いますけれども、そうすると、塩素ガスは毒物じゃないんですね。

伊藤三郎通商産業省軽工業局長

○説明員(伊藤三郎君) 塩素は毒性はございますが、毒物及び劇物取締法の指定になっておる毒物ではないということでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 関連して。いまの浅井さんの質問、それから答弁を聞いておりまして思うことなんですが、高圧ガス取締法によって富山の場合はやったということですが、そのほかこのところ塩素ガスのだいぶ被害が各地で起きております。北海道はじめ各地で起きております。そういうような毒性ガス自体に対して、はっきりした法律の取り締まりがないんではないか。毒物、劇物のほうであるいは大気が汚染した場合もたいした規制がない。高圧ガスで取り締まられている分はいいかもしれませんけれども、それ以外のもし公害が低圧の場合そのほかで起きた場合、どうするかということです。そのことについて新法の樹立ということが必要じゃないのか。毒ガスそれ自体に対する新しい規制の法律ということが焦眉の急のように思われるし、現在のように多くの工場ができてきて、そういう公害が非常に発生しておるけれども、はっきりした措置がとれないということになりますと問題になります。その点についての考え方はどうか。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) この公害関係の問題、非常に大切なことでございますので、少しく詳しく申し上げておくほうがよかろうと思うのであります。  現在、公害問題が起きましたときに、法的に何で取り締まるのか、こう言いますと、先ほどからお話がございます高圧ガス取締法が一つございます。それから毒物及び劇物取締法もお話が出ておったとおりでございまして、これもございます。それからばい煙の排出の規制等に関する法律というのがございます。この毒物及び劇物取締法や、あるいは高圧ガス取締法で、製造、消費、貯蔵、販売にあたって危険防止のため必要な規制措置をとっておりますし、また特定の有害物質を排出する施設に事故が発生して、多量の有害物質が排出される事態が生じた場合、これはばい煙の排出の規制等に関する法律にそういう場合の取り締まりの規定を設けております。確かに御指摘のように、これらの法律では十分でない点が、監督官庁の私どもも認めておるのでございまして、しかし立法措置につきましては、国会の御審議を待たなければなりませんので、この富山化学の事故等のあとで、一段と法令の厳正な運用をはかる考えで、十一月十三日に通産省の関係としては、この高圧ガス取締法の施行規則の一部を改正いたしました。日常点検の励行、修理工事の際の危険防止等に関する規定を整備した次第でございます。なお、高圧ガスを多量に消費している事業所について規制を強化するために、高圧ガス取締法自体の改正は行ないたいという方針で検討中でございますが、この毒物及び劇物取締法は、これは通産省の関係でございませんので、確かに監督の上から申しまして、なかなかむずかしい点があるということは御指摘のとおりだと思います。

浅井亨公明党

○浅井亨君 近ごろ化学分野が非常に発達してきておりますが、こういう危険物は非常にたくさんになってきていると思います。そういうことに対しましてその取り扱いですが、そういうものに対しての会社にいたしましても、やはりある程度の教育のあるものでなければならないと思います。こういう問題に対しまして、教育のあり方はどのように考えていらっしゃるのでしょうか。文部大臣はどこかへ行っちゃったな……。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま文部大臣は中座を伝えられておるようでございますが、この安全教育の問題でございますが、通産省といたしましては、人命尊重ということがこれが第一義であるということから、従来から産業災害等の防止に鋭意努力をしており、安全教育の面についても、高圧ガス取締法、火薬類取締法、鉱山保安法に所要の規定を設けその推進をはかっているところでございまして、今後とも人命の尊重ということを第一義として、安全教育の充実をはかってまいりたいと思います。

浅井亨公明党

○浅井亨君 これはアメリカあたりでありますと、この安全工学科と、こういうような学問が独立してあるそうでございます。そういうようなことから考えまして、これはどこまでも推進しなくちゃならないんですが、この安全工学というものを系統的に体系づけたような機関をつくるというようなお考えはあるんでしょうか、ないんでしょうか。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) ただいまのお尋ねでございますが、これも私がお答えするのが適切かどうかわかりませんが、ただ通産省の所管といたしましては、安全工学というものが確立されているかどうかは別といたしまして、通産省傘下に、御承知だろうと思いますが、工業技術院がございまして、その下に十三の試験所を持っているわけであります。その試験研究所におきまして、それぞれの専門分野に関連する事項について、その防止技術研究を鋭意推進しているような次第でございます。  ところでそれではいまの非常な科学技術の進歩の上からまた最近の公害災害の実情からいたしましてなお十分でない、こういう見解に立ちまして、各研究所の機能を結集いたしまして、一そう統一的かつ強力に公害防止技術研究を推進する体制を整備いたしたいということから、明年度の予算編成のいま折衝中でございますので、産業公害防止技術研究所の新設をいたしたいと、こういうような考え方に立っております。

浅井亨公明党

○浅井亨君 次いで、その企業の過当競争が非常に近ごろ行なわれておるわけなんです。こういう問題から、公害を起こすということが非常にたくさんあるんじゃないかと、そういうふうに考えられてまいりますが、こういうことから考えて、その害の及ぼすところのものは、人間の生命であります。そういう生命を軽視されているんじゃないかと、こういうふうに考えてくるわけなんです。それでもうちょっと法的にはっきりした公害発生防止の基本法というようなものでもつくっていこうじゃないか、こういうようなお考え方を持っておるかどうか、こういうふうに考えるのですが、この点についてお話し願いたいと思います。

櫻内義雄自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) 過当競争と申しましょうか、産業の発展に伴いまして、労力不足のために無理が生じ、そのためにいろんな問題が起こる場合も考えられます。また、高度の科学技術の急速な進展で、その施設、規模の大型化というようなことによりまして、先ほど御指摘のような教育の面からの不足というようなことからも問題があろうかと思いますが、私どもといたしましては、こういう新しい事態に即応いたしました万全の総合的保安規制を行なうことができるようにということについては、いまの御質問の趣旨と全く同感でございますが、この際考えたいことは、特定の化学工場に関するこういう相当な技術の高い、あるいは総合的な工場、こういうところが問題だと思うのであります。これらに関する保安取り締まり体制を整備いたしたいということで、新しい立法措置を鋭意検討中であるということは間違いございません。

浅井亨公明党

○浅井亨君 いままでお聞きいたしましたが、こういうような問題が事故を起こすということは、その相手は人間でございます。そこで、人間の生命の尊厳さという面から考えまして、特にこういう問題に対しましては、当事者全部が腹を一つにして真剣に考えて、りっぱな施策を打ち立てていっていただきたいと、こういうふうに念願いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。     —————————————

寺尾豊自由民主党

○委員長(寺尾豊君) 浅井君の質疑は終了いたしました。

寺尾豊自由民主党

○委員長(寺尾豊君) なお、ただいま委員の変更がございました。永岡光治君、米田勲君が辞任され、亀田得治君、鈴木強君が選任されました。     —————————————

寺尾豊自由民主党

○委員長(寺尾豊君) 次に、八木一郎君。

八木一郎自由民主党

○八木一郎君 佐藤総理は、去る一日に自由民主党の総裁に選ばれました。その就任第一声のあいさつの中で、参議院選挙もあと半年後に迫っています、この選挙は私が自由民主党総裁及び内閣首班に就任して初めての国民の審判を受ける選挙でありますと述べておられまして、私ども国民としては、この参議院の六月改選期の選挙は事実上の総選挙であるとも受け取られるのでございますが、そこで、国会審議の過程におきまして、佐藤総理が国民の求める諸政策をどのようにして実行しようとしておるか。佐藤内閣は、国民がいま問題としておる一つの重要事項ともいうべき日本の農業はどうなるかという問題に対して、どのような政策で臨んでおられるかという真剣なまなざしは、私は国会に集まっておると思われるのでございます。そこで、私はこれらの問題につきまして主として農林大臣、関連して大蔵、厚生、文部各大臣に対しまして御質問申し上げてみたいと思います。答弁は、時間は経過しましたが、丁寧、具体的に国民の国民による国民のための審議だという角度からお願い申し上げたいと思います。  農林大臣、あなたはこの間、神田の共立講堂で開かれました第十回の年次農協大会に総理大臣を伴って出席せられて、全国津々浦々から集まりました農民の声に耳を傾けられ、所信を述べていただいたということについては、歴代総理中初めてであったので、好感をもって迎えておるのでありまするが、その日の要望決議は、御承知のように国民の食糧は、国民の手で、自給率現状以上を絶対確保、政府、農林省はこれを農政の基本目標として必要なあらゆる施策を実行せよと叫んでおるのであります。問題はその点にしぼりまして政府の施策の全貌にわたって、たとえば農民の立ちおくれ問題とか、あるいはその指摘に当たっておる改良普及制度の刷新、充実とか、労働力の流出問題とか、主婦農家の、あるいは後継者の、あるいは価格安定の、あるいは土地改良など一連の問題が次々ときめこまかに出ておりますが、一応総括的に農林大臣よりこの点について御説明を得たいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 日本の農政の根本問題でございますが、これは私から申し上げるまでもなく国民の食糧をまかなって、そうしてまた農民として他産業との所得格差、あるいは生活水準の格差を直していく、こういうことであろうと思います。そこで国民の食糧の自給の問題でございますが、これは日本経済の全般から見ましても、ことに米を中心とした食糧がもし大半輸入するということになりますならば、他の工業の輸入等、したがって、輸出等も非常に窮屈になると思います。そういう意味におきまして、他の産業のささえをなしておるところの農業でございますから、またその農業の自給度というものは維持していかなければならない。現在、御承知のように、農業の労働力も相当、三十七、八年七万ぐらい外へ出ています。そういうことで労働力が弱体化もしております。こういう弱体面もありますけれども、どうしても食糧の自給度は維持していかなければならない。三十六年、七年、八年、大体自給度は八四%、三十八年は少し麦の不作等がありましたので減りましたけれども、八四%程度を上下しております。最近におきましては、八〇%の自給度に落ちております。しかし、この線は維持していかなければならぬ。中期経済計画におきましても、四十三年までの見通しにつきまして、八〇%の自給度は維持していかなければならぬ。食糧の総生産を増大していく、維持していくということが、日本経済における農業の立場でもありますので、そういう方向で進めていきたい、こう考えております。

八木一郎自由民主党

○八木一郎君 自給率は、現状よりは上がると思いますか、下がると思いますか。いま考えておられます施策を熱意を持って実行して、どういうふうにお考えになりますか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 農業生産のマイナス面も出ておりますけれども、基盤の整備を一そう進めていく、あるいは技術の開発、普及、また後継者の対策、もろもろの施策等を講じていきますならば、いまの自給度八〇%は維持していける、こういう見通しでございます。

八木一郎自由民主党

○八木一郎君 必要性は十分に認めて維持しなければならないというお考えであって、実際は年次報告を見ればわかるわけです。中期報告にもあらわれておるように、下がるのじゃないか、下がるという見通しの上に立たないと、結果はぬぐうことができないものになりはしないかと思いますが、もう一回念のために伺います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 計画経済でございませんから、すべてをこれを強制するという形でやっていくわけにはまいりません。一つの見通しで自給度の見通しを立てております。したがいまして、中期計画等においても見通しを立てておる、その見通しが大体四十三年に八〇%、こういう見通しを持っておるわけであります。その見通しも、お説のとおり、いろいろ農業に対して不利な条件がございますから、その不利な条件を克服していきませんと、その見通しを維持していくということは困難であろうと思います。したがいまして、農政のすべてを動員しまして、そうして、この自給度を維持していく、こういう方針で進めておるわけでございます。

八木一郎自由民主党

○八木一郎君 現実の問題といたしまして、農畜産物をつくってくれる農民の気持になって素朴なことを申し上げてまいりますならば、品目ごとに需給計画を策定いたしまして、必要な施策を、この裏づけに、こうする、ああするという点を示していただかないと納得いたしかねる。真に中期報告のように八〇%以上は絶対に維持いたしていく施策だというならば、たとえば生鮮食品とか、米とか、肉類、こういうものは一切輸入に期待しない、こういう原則が立つとか、たとえ輸入を許すという場合がありましても、韓国ノリを一億枚以上は事情の変更であっても許さない。そうして、零細な漁民の気持ちになって、沿岸漁民の保護に当たっていくというような、こういう配慮がなされなければならぬと思いますが、この種の品目は何と何で、どういう裏づけをしていこうというようなことについて、具体的に検討の事実がありましたら、この際伺いたい。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) さきに農業基本法ができましたときに、その八条によりましても、農産物の需要と生産の長期見通し、こういうものを立てて公表したこと、御承知のとおりでございます。これは農産物の十年後の需要と生産を想定したものでありまして、その後の事情を見ますと、個々の品目につきましても、若干伸びたもの、減ったものありますけれども、大筋はこの見通しの方向に動いていると考えていますので、その見通しを踏襲していきたいと思っております。したがいまして、その輸入等の問題自由化等の問題につきまして、これを根拠としてやっていたらどうかという御意見でございます。もちろん、こういうものが重要な参考といいますか、根拠には相なりますけれども、輸入等の問題は、なお需要の動向、あるいはまた国際的競争力の関係、こういういろいろな立場から輸入等につきましても勘案していくことに相なりますが、それにいたしましても、需給計画というものが大きな参考になっていくことはもちろんでありますので、個々の品目等につきましてもそういう見通しに従う、見通しを参考にすると同時に、国内の生産状況、あるいは需要の動向、国際競争力の現状等における勘案を考えまして輸入等は行なっていくと、こういうことにいたしておる次第でございます。

八木一郎自由民主党

○八木一郎君 乳製品とか、あるいはでん粉だとか、麦だとか、こういう国際競争力の弱いものについて農林省でせっかく施策することが、政府はアフターケア的なことに追いまくられておって、結果はあとを追っておる、こういう事実がたくさんあるので、そこで例示的に伺いますが、例を何にとってもあるのですけれども、たとえばでん粉問題——このころになって問題になっておりますこのでん粉の事実によりましても、砂糖が自由化された安い砂糖が来る。そこで、でん粉からブドウ糖というのが、そこから押されてくる。農安法できめた、去年はイモは四十円、ことしは二十円、こういう事実になって、大騒ぎをして手当てをしていかなければならぬということをいたしておるわけですけれども、こういうことを直すためにいまや問題になっておる課徴金制度というようなことをやってみようという御意思がありますか。あるいは輸入トウモロコシの関税を一〇%を三〇%にするとか、あるいはでん粉買い上げの懸案を五十五億奮発して手当てしてしまうとか、アフターケア的にあとでなく、先にいたそうという用意と施策がありますか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 極力先に手当てをしていくことがとるべき方針だと思います。中にあとでやったものもございますが、先にやるべきだと思います。で、お尋ねのでん粉等の問題は、これは価格の支持をいたしておりますけれども、これは自由化という問題だけではないと思います。国際糖価が非常に下落いたしましたので、自由化のときの見通しとちょっと違ってきたというような関係にございます。  それからその手当てでございますが、これは価格安定の法律に従いましてそれぞれ手当てをしてきたわけでございますが、なおさらにその手当てをいたしたいということで買い上げの措置などをとる方針を進めておるわけでございます。  また、トウモロコシ等につきまして関税を上げたらどうかということでありますが、これは国際的に関税は下げるというようなケネディ・ラウンドの話し合いもありますので、上げるということはこれはなかなが困難でございます。しかし、その価格の安定ということについては配慮をしていきたい、こういうふうに考えています。  その他乳製品等につきましても、たとえば今度考えておりますことは、加工品等につきまして一手に輸入をするというようなことで、その差益が出ますから、その差益を酪農振興等に回そうじゃないかというような案を持っております。  それから課徴金の制度等につきましては、EEC等におきましても行なっており、これは問題がございます。しかし、たとえば牛乳等につきまして不足払い的な制度というものを考えていったらどうかということで、せっかくその方向に検討を進めておるということも一つの例でございます。  その他、いま農産物の約七割が価格支持あるいは補給的な財政支出をいたしております。米のように十分にやっておられるものもまあありますけれども、なかなか不十分の点が多いのでございます。たとえて言えば、野菜等のような生鮮食料品等につきましての価格の支持ということは、指定生産制度とか価格安定制度を設けておりますけれども、十分じゃございません。また、魚等につきましても、輸送その他の関係もありまして、冷凍等のことによっての支持対策も考えておりますが、十分でない。価格支持制度はありますけれども、これをなお十分にやっていかなくちゃならぬ問題が相当あると思います。

八木一郎自由民主党

○八木一郎君 価格安定の問題が出ましたが、各品目ごとにでなしに、たとえばここに蚕糸の価格問題がありますが、何か具体的に十億政府に期待しておる、三十億の基金をというような問題について。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 繭等につきましては、御承知の繭糸価格安定法によりまして最高最低の帯をつくりまして、その間において価格を支持していくという制度がございます。しかし、この安定価格帯の幅が非常に広いので十分でないというような最近の様相でございます。したがいまして、蚕繭事業団あるいは日本輸出生糸保管株式会社というようなものを合併いたしまして、もっと中間価格支持をするような方向でやったらどうかというような意見もございます。その意見ごもっともだと思いまするが、いままでの繭糸価格安定等の関係もありますので、過般、蚕糸業振興審議会でございますか、審議会において議論もありましたので、小委員会を設けて、私のいま申し上げた方向に沿うて検討を進めている、こういう現状でございます。

八木一郎自由民主党

○八木一郎君 いまの問題ですが、佐藤総理が大蔵大臣のときに、三十三年暴落で十億の金を基金に出した。そのときの口約束ですが、三十億程度のファンドを必要とすると、十億さしあたりという形で今日にきておる。そこで、農民のほうは十億積み立てをみずからいま零細なものを集めて積んでおるわけです。積み上げたときに、政府は出す用意がありますか、十億期待しておる。政府の用意のほどを伺いたい。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) よく検討いたしてみたいと思いますが、御承知のように、いま申し上げた日本蚕繭事業団とか日本輸出生糸保管株式会社等を統合しまして中間安定構想を考えておりますので、そのほうを優先的に私ども考えております。

八木一郎自由民主党

○八木一郎君 考えておるということは、用意があるととれるのですか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 事業団のほうの構想を考えておりますので、十億円政府で出資するということについては消極的にいまのところ考えております。

八木一郎自由民主党

○八木一郎君 零細な農民の安定意欲に同調をして、ぜひともこれは、すでに積んでおる農家、農民の立場になって善処を強く要求をいたす次第でございます。  関連で大蔵大臣にちょっとお尋ねしますが、三つあるのですが、その一つは、水産のノリ養殖業に対する税制改正ということが一点業界で強く問題になっております。大臣のもとにまでその要請は、声は届いておると思いますが、いかがでしょうか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) ノリの課税についての話でございますが、個々のノリの生産者に対する課税を、標準課税によるか、また収支計算に基づく課税によるかは、事業の規模の大小、それから標準課税がその土地の実情に照らしてどの程度正確に個々の納税者の所得を反映しておるかという点を具体的に勘案をして現在決定をしておるわけでございます。ノリ業者その他から言っております共同出荷の問題は、個人売りが非常に出ておるとか、こういう問題につきましては、実情を十分調査をいたしまして、税負担が不公平にならないように十分注意して合理的にやりたい、こう考えておるわけであります。

八木一郎自由民主党

○八木一郎君 具体的に収益課税をこまかに、こういうふうに解してくると、言いかえると、農村の反別割りのように、こういうふうにしてもらいたいという、これは私は正しいと思うのですが、検討されてみようという意思はございませんか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 本件については、法律事項でもございませんので、実情に合わせてより合理的に、また不均衡の起こらないようにということで、十分配慮してやっておるわけでございますが、これからの問題につきましても御趣旨の線を考えながら適切に処置してまいりたいと思います。

八木一郎自由民主党

○八木一郎君 そのノリの関係では、変動所得税を施行してもらいたいという点も検討を要望しておりますが、これは変動所得税という制度で……。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 他の漁業の問題と違う問題でございまして、御説のとおりに、そのまま実現をいたすべく努力をいたしますとはお答えはできませんが、研究をいたしてみます。

八木一郎自由民主党

○八木一郎君 その二つは、農業用あるいは水産用のガソリン税に対する免税の問題、これは結論が出ましたか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 農業用の機械の燃料に消費される揮発油税の税金をまけろ、こういうことはもう前から言われております。これは、同税が道路整備の目的税になっておりますから、これを取ることはおかしい、こういうことでございます。私も、去る国会におきまして、衆議院の予算委員会、またその後の当委員会において、これの減免税を行なえ、こういう強い御発言に対して、非常にむずかしいとお答えをしたのでございますが、どうしてもまけなさい、こういうことでございましたので、ついに、四十年度以降ひとつ前向きに検討いたします。こういうふうにお答えをいたしておるのであります。これは私も国務大臣として国会の議場を通じてお答えしたことでございますから、これを実現するように事務当局に検討を命じまして、それで事務当局もいま検討しておりますが、なかなか検討すればするほど技術的にむずかしいということでございます。でございますから、ただ減免税を行なうということは技術的に非常にむずかしくて、現在の制度の上では混乱が起きるというようなことであるならば、他にいい方法はないか、これは減免税と同じような状況、すなわち、農業施設とか、農道とか、いろいろな施策に対して予算を盛るというようなことも一つの救済の方法ではないか、いずれがいいのかという問題に対しては、事務当局は非常に苦慮しております。苦慮しておりますが、国会に対して、前向きで検討しますと、こういうことを私が言明したのでございますから、できるならばやりたいということで検討しましたが、なかなかいまのところ非常にむずかしいということでございます。時間が許すならば、その理由を十分申し上げたいのですが、八木さんは十分御承知のことでございますので、省略いたしたいと思います。ただ、本件の問題に対しましては、技術問題でもありますし、ちょうど税制調査会の答申を待っておりますので、税制調査会の公平な意見を聞きたいという考え方も持っておるわけでございます。税制調査会の御意見等も聞きながら、四十年度税制の改正に際しては、本件に対して結論を出したい、こういうように考えております。

八木一郎自由民主党

○八木一郎君 その二つは、これも久しく国会の中で毎度問題にいたしてきております農業並びに農業課税の税制改革諸問題について、熱心に御検討をいただき、前向きで検討してきたが、これだけは今回芽を出せるというところまできておりませんか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) いまのやつですか。

八木一郎自由民主党

○八木一郎君 全体の農業課税の問題 一々申し上げるとたくさんありますけれども……。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 農業課税の問題、いま御指摘になったような問題もございますし、また、農協に対する法人税、利子税、不動産取得税、固定資産税の減免、いろいろな問題がございますが、この中でもって大体やっておりますものもございます。まあ、できるものは最高にやりたいということで現在までやってきておりますが、最後に残っておる農業用機械のガソリン、これを減免せいということで壁にひとつぶつかっているわけでございます。いずれにしましても、農業とか中小企業はひずみ是正という面からいいましても、最も重点的に取り上げなければならない、また取り上げようということを言っておるのでございますから、実現可能なものがありましたら、御指摘を待つまでもなく、政府といたしましても前向きで処理してまいりたいと考えます。

八木一郎自由民主党

○八木一郎君 関連して厚生大臣にもお伺いいたしたいことがあります。これは文部大臣と関連するのですが、先ほど来問題になった幼児教育、保育園、幼稚園、それを中心にして農村の大切な幼児教育と家庭の問題——社会開発公団まで単独でもやろうと言って佐藤さんに一枚看板をとられた厚生省ですから、どうかひとつ全般にわたって御説明を得たい。

神田博自由民主党厚生大臣

○国務大臣(神田博君) お答えいたします。  ただいまのお尋ねの御要旨は、保育所等について農村にもっとふやせ、あたたかい気持ちで人つくりの基礎を打ち立てろ、こういう全体の行き方になっております。御承知のように、保育所はだいぶ農村に設置されておりますが、農繁期等のことを考えますと、まだまだ行き渡っていないというのが実情であると考えております。これらの数をふやす問題、それからまた、保育所を通じまして児童の教育、あるいはまた給食その他等によって体力を向上する、あるいは保健、いろいろ保育所の使命というものを十分生かしまして、農村子弟の基礎づくりをいたしたいと、かように考えております。  なお、いまお述べになりました農村全体についての福利厚生施設の強化とか、国の福利厚生施設等につきまして、都市に比べて低いのではなかろうか、さらにまた、そういうような点については、年金制度とか、あるいは国民保険制度の改善とか、保健衛生施設拡充など、いろいろ必要な案件があるのじゃないか、こういうような意味合いかと考えます。これらの点につきましては、私ども、農村におきまする生活環境施設の整備、簡易水道の普及とか、あるいは国民健康保険制度の強化、あるいはまた国民年金制度の改善、母子健康センター、僻地診療所の整備等、保健施設の拡充、世帯更生資金の充実等の諸施策を推進しまして、都市、農村間の生活環境、保健福祉水準の格差の解消につとめまして、いわゆる社会開発と申しますか、厚生行政の側面から農民生活の向上をはかりたい、かように考えております。

八木一郎自由民主党

○八木一郎君 その必要性と、やはりこれを希望し努力しているという誠意は認めますが、実際問題として、いま把握しておられる予算に対し、一体、現状よりか伸びる期待を寄せられるかどうか、総括的に、この中でこれとこれはというのがありましたら聞きたいと思います。

神田博自由民主党厚生大臣

○国務大臣(神田博君) ただいま申し述べた中で、大体厚生行政は御承知のように、幅も広く、奥行きも深いことでございまして、これが一つのきめ手だというようなものではなかろうかと、こう考えております。いま申し上げた諸点につきまして十分努力してまいりたいと、かように考えております。

八木一郎自由民主党

○八木一郎君 特に保育園の問題が非常に農村の社会問題になっておるのです。そこで、施設、保母あるいは人的な問題について心配のない措置が打てると胸をたたけますかどうですか。

神田博自由民主党厚生大臣

○国務大臣(神田博君) 御指摘になりました保母等の待遇改善の問題は、もう長年の懸案でございまして、これが解決いたしませんと、保育所の増設どころか、既存の保育所も、設備は残って人はいないというおそれなしとしないという私は認識のもとに立ちまして、十分努力いたしまして、この有効な運営をいたしたい、かように考えております。

八木一郎自由民主党

○八木一郎君 こういうこと言いたくないのですが、貧乏人は農村では保育園、金持ちは幼稚園、そして、その間にともに影響の深い六、七歳までの人つくり、人間形成に非常な影響のあるこの問題について、政府としてどのように真剣味を持って取り組もうとしておるか、予算要求の事実をもってお答えをいただきたいと思います。

神田博自由民主党厚生大臣

○国務大臣(神田博君) ただいま貧乏人は保育所で金持ちは幼稚園だというようなことばであるように承りましたが、私はこの点、八木委員といささか所感を異にいたしております。ということは、保育所は御承知のように、その使命が夫婦の勤労態勢等を確立したい、幼児からある時期までのお子さんをお預かりして、教育もし、保育もし、保健、給食、あるいは睡眠、その他保育所として必要な仕事を受け持っているわけでございます。幼稚園は、学校教育法によりまして、三歳以上のお子さんに限って、しかも、これは昼間四時間程度でございますが、そういう時間をもって教育していこうということでございまして、これは私は目的が違っておるのだと、こう思っております。  そこで、保育所に、いま申し上げました低所得階層の方がおるということは、夫婦共かせぎと申しましょうか、いろいろ事情もあって保育所に託する場合があるわけでございます。そういう意味でございまして、必ずしも保育所へ入るのは貧しいものだと、幼稚園へ入るのは金持ちだという意味ではない、両者それぞれ特徴を持っておりまして、その目的とする使命を持っておりますから、この点は、おことばを返すようでございますが、違うのじゃないか、こう考えております。  予算等の点につきましては、政府委員から答弁させようと思います。

網野智厚生大臣官房企画室長

○説明員(網野智君) ただいま手元には、保育所だけの予算要求の数字を持っておりませんが、児童福祉施設の整備につきましては、来年度予算要求といたしまして、十三億四千万要求しております。それから、ただいま大臣がお話し申し上げました児童福祉施設職員処遇改善につきましては、二十三億の要求をいたしておるわけでございます。

八木一郎自由民主党

○八木一郎君 本年に対しては。

網野智厚生大臣官房企画室長

○説明員(網野智君) 本年に対しまして、これは給与の改善及び職員の増員に要する経費でありまして、その分だけを増の分として、それだけを要求しております。

八木一郎自由民主党

○八木一郎君 この種の問題を総合的に見て、締めくくりとして農林大臣にちょっと伺いたいんですけれども、ひがみを持って、いま私も、口にすべきことではないが、そういう声があるということをそのまま、国民の中から出た声ですから申し上げたんですが、農村でこのような事態になって——私、締めくくりをつけて——しかも、食糧の自給度はりっぱに責任を持てると、こういう内容について、だから責任を持ってやれるんだということについての説明をいただきたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 先ほど申し上げましたように、非常に農村の労働力が不足しています。でありますので、国民の食糧を自給して農業に明るい見通しが持てるか。持てないじゃないかというような声が相当あると思います。しかし、まあビジョンといいますならば、少ない労働力で国民の食糧をまかなっていくということが望ましいことでございます。でありますので、何といたしましても、国内的に見ましても、国際的に見ましても、農業の体質を改善しなくちゃならぬというようなことで、構造改善事業に着手いたしておるわけでございます。これと関連いたしまして、どうしても少ない労働力でやっていくということでありますならば、機械化を進めていかなくちゃなりません。ところが、機械化を進めていくにつきまして、日本の農地は非常に狭い。あるいは分散している。かえって機械を入れたために費用が増すというようなうらみもあります。ありますので、どうしても自立農家を、質的にあるいは量的にこれを強化していかなければならぬと思います。そういう意味で、質的に強化するのには何といたしましても、少し時間はとりますけれども、生産基盤である土地の改良等をしていかなければならぬ、特に圃場の整備等をいたしまして土地を集団化していく、こういうことは、質的に少ない労働力で機械化に進んでいくことのための補強になると思います。それをやるにつきましては、なかなか、そこまでの機運がありますけれども、やり得ない面もありますが、その機運を助長する意味におきましも、来年度におきましては、山林地帯におきましては林道、農業地帯におきましては農道、こういうものを貫くことによって、その周辺の圃場の整備をしたい、せざるを得ないというところに持っていって、質的に土地の生産性を高め、少ない労働力でやっていけるように強化していきたい。あるいは量的に見まするならば、これも、質も伴いますけれども、経営規模を広げていって、そうして機械の効率、それから技術の開発にも沿うていけるようにしていく、もちろん、価格の政策もそれに伴っていかなくちゃなりません。こういうようなもろもろの政策を行なっていくことによって、私は、農業というものがいわゆる斜陽産業的な、捨てたものでないと、むしろ主人公となって、人に使われないで自分が主人公となってやっていけるというような産業でございまするし、後継者につきましても、サラリーマンや他産業と違って、土地もある程度確保されておるのだし、あるいは住宅等もある程度確保されておるのだし、あるいは生産の手段等も持っておるのでございますから、いまの農業というものについて、農業がやりよい環境を育てていく、また、そういう方針を進めておりますから、私は明るい面が出ておると思います。暗い面も出ておりますが、明るい面が出ておると私は思います。その明るい面をなお助長するような政策を行なうことによりまして、農業の将来、農村の将来というものにも、見通しはいい見通しを持ち得る。したがって、われわれが考えておる食糧の自給、そして他産業との格差を是正していくという方向に進めていく私は自信といいますか、そういうふうなものができ得るという心がまえを持っております。

八木一郎自由民主党

○八木一郎君 魅力のある農業といいますか、明るいという、抽象的には出ますが、実際問題として、農村を歩いてはだに感ずることは、非常な努力を必要とするということで、私は、第一線の農業、林業、漁業、産業各部門を指導していらっしゃる方々の処遇を考えてやる、これが、いま、大臣のように村長大臣ですから、そういう意味でひとつこれを見てやる必要があると思いますが、この点を最後に伺いまして……。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) お話しのように、もちろん第一線で、農業を魅力のあるものに持っていかなくてはならないという熱意と、そして指導に当たっている人々の待遇から、それが活動しいいようなふうに私どもはやっていくことが必要だと思います。私らだけで声を大にして、また予算だけを裏づけしましても、その末端のほうで、そういう方向に進めていく人々の努力が伴わなければ、われわれの方針がしみていかない、こう思いますので、そういう人々の待遇や、そういう人々が働きいいようなもろもろの施策はなお強化していきたい、こう考えております。

八木一郎自由民主党

○八木一郎君 同じ問題で大蔵大臣ちょっと……。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 私も農業の生まれでございますし、特に豪雪単作地帯の出身でありまして、農業で努力しておられる人たちに対して政治の焦点を当てて、特に戦前、戦中、戦後にかけて、農民が非常にしっかりしておったからこそ、今日の日本の経済再建の基盤が確保されたのでありますから、ただ数字的な面で農業がペイをしなければならないというようなだけの考えではなく、日本における農業の持つ重大性ということを認識をしながら施策を進めていくべきだと思います。前総理も、農山漁村は民族のふるさとだと言いましたし、また、今度の佐藤総理も、日の当たらないというか、恵まれない面に対しては、より積極的に施策を行なうということを明らかにしているのでありますから、財政の面からも、これらの問題の前進のためにあらゆる努力を傾けてまいりたいと思います。

寺尾豊自由民主党

○委員長(寺尾豊君) 八木君の質疑は終了いたしました。  本日はこの程度にいたしまして、明十二日午前十時に委員会を開会いたします。  これにて散会いたします。    午後六時四十九分散会

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