P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
47回国会参議院1964/12/16

内閣委員会 第6号

発言数
318
登壇者
28
会派数
4
開催日
1964/12/16

会議録

下村定自由民主党

○委員長(下村定君) これより内閣委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る十一日鬼木勝利君、鳥畠徳次郎君、栗原祐幸君、千葉千代世君、十二日上林忠次君、古池信三君、十五日久保勘一君、本日上林忠次君、辻武寿君、堀本宜実君が委員を辞任され、その補欠として、辻武寿君、上林忠次君、塩見俊二君、山本伊三郎君、久保勘一君、丸茂重貞君、上林忠次君、古池信三君、鬼木勝利君、栗原祐幸君が選任されました。     —————————————

下村定自由民主党

○委員長(下村定君) 建設省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続きこれより質疑を行ないます。  政府側の出席者は、小山建設大臣、前田官房長、小場営繕局長、三橋道路局次長、小林文書課長、上条建設研修所長でございます。  御質疑のおありの方は、順次御発言願います。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 前回に引き続いて、本法案の関係事項二、三お伺いしたいと思いますが、前々からもお伺いしてきたわけですが、結局地建には練達した行政専門家といいますか、そういう方が非常に少ないわけですね。もちろん地建に権限委譲されるということに伴って事務官系統の方が増員されましょうけれども、それは結局一地建当たり十数名という数に限られておる。しかも純粋な定員増ではなくて、結局部内のやりくりということでありますから、そこで考えてみるのに、地建は依然としてその中心は技官にあるわけですね、事の性質上当然技官にあるわけです。そこへ行政事務は非常に幅広くふえてくる。事務系統と技官との間の事務の円滑が期しがたいと思うのですね、そういう実情になりますと。そのことからくる事務の渋滞は当然考えられるわけですけれども、いままでの御説明では、いやそういうことはない、いやそういうことはだいじょうぶだという抽象的な御答弁であったので、なかなかそうはいっても了解できないわけです。現実にそういう問題は起きてくるわけですけれども、こういう問題を一体どう具体的にさばこうとするのか、納得のいくようにひとつ御説明いただきたいと思うのです。

前田光嘉建設大臣官房長

○政府委員(前田光嘉君) 地建で行ないますのは、従来に比しまして行政事務がおもでございますが、行政事務と申しましても、それは直ちに事務官が実施するということでございません。現に本省におきますところの諸般の行政事務につまきしても、技官がそれぞれ責任ある地位におりまして仕事を進めております。同様に地建におきまして行政事務がふえますが、これを担当するものにつきましては、もちろん庶務あるいは会計等の庶務は事務官が行ないますけれども、河川、道路、都市計画あるいは住宅等につきまして技術に関する事項は技術官がこれを行ないます。先般本省からこのために百九名程度の人員を新たに地建に派遣と申し上げましたが、その中も事務官のみならず技官、半分以上は技術官を出しまして、地建における行政事務につきまして、事務、技術それぞれ相まって万全を期する体制で執行体制を進めております。同時に、地建の職員及び本省から出る職員につきましては必要な訓練をするために、すでに昨年度二百名を実施し、今年度も百名及びまた近く百五十名につきまして必要な技術及び事務上の訓練を行ないまして、いささかも事務の渋滞を来たさないようにしたいと考えております。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 たとえば地方公共団体に対する指導監督の権限は大幅に地建に移るわけですけれども、その地建に移ってもそれだけで、地建だけで解決すれば問題はないですね。ところが、なかなか地建に権限は委譲されても地建だけでは簡易には済まされない。どうしても本省の段階に上がってこなければ最終的な解決はできないということになると、本省の事務量はさっぱり減らないで、しかも地建のほうは事務量がふえるという、そういう結果になると思うのですね。そういうことで、いま改正案のねらいとしては、行政能率の向上を達成するのだと提案理由では説明しておりますけれども、能率向上は、こういう事態ではとうてい期待できないのではないか、そう考えざるを得ないわけであります。こういう点はどうですか。どうしてもこういう点から二重になってしまうわけですね。地建でも当たらなければならぬ。結局最終的には本省へもということは、どうしても否定できないわけです。ここに大きな問題があろうと思います。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(小山長規君) これはこの間もたびたびお話し申し上げましたとおり、中には地建で解決しないために本省に持ってこなければならぬものがあることはこれは事実だろうと思います。ただしかし、その大部分は地方建設局で解決するように建設局長の権限も強化しますしいたしますので、その心配はまずない。  なお、具体的には、足りないところは官房長から申し上げます。

前田光嘉建設大臣官房長

○政府委員(前田光嘉君) 現在やっております行政事務のうちで、相当部分が実は前年度からの継続事業であり、あるいはまた、定型的な事務処理の分量が多いのでございます。こういうものは一々本省の指示を受けるまでもなく、一定の権限を地建の局長に付与しておるならば現地に即応してできる、こういう結論を得まして、こういう案をつくったのでございます。このために二重行政になるということは厳に戒めるべきことでございますので、そういう観点から事務的に本省の指示をこまかに受けなくても処理できるものが相当ある。これを地方に移すことによって事務処理の能率化と現地に即応した行政を行なう、こういう趣旨でございまして、御心配のような向きは極力ないように努力し、また、現にそういうことはなかろうというふうに考えております。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 繰り返しお伺いしますように、現在の地建に少し人的に余裕があるというなら話はまた別ですけれども、現在ただいまでも地建は非常に忙しいわけですね。現場の仕事で現在でも非常に忙しいところに大幅な権限が委譲してくる、それに対応するのに定員増という問題ですが、これもはっきり申し上げておるように、結局振りかえによって操作しておるだけで、純増というのは一名もないわけですね。ということは、要約すれば、結局労働強化ということは免れぬと思うのです。ただでさえいま非常に多忙で忙殺されておるところへ、こういうなれない事務量が相当入ってくるわけですから、しかも定員増はないわけですね。純増はないわけですね、みんな振りかえですから。こうなってくれば労働強化になってくることは明瞭なんですね。地方の実情を見た場合、この前も申し上げたように、地方農政局の実情を見ても、これは現実に権限が委譲されて発足しておるわけです。そういう権限が委譲された地方農政局の実情を見て回ったわけです、各地の。これは非常に人手不足を訴えているわけです。そういう轍をまたこの法案が通れば、また地方農政局と同じような労働強化という事態を繰り返すのではないかということが考えられるわけです。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(小山長規君) このこともこの間たびたび申し上げておりますが、委譲する事務量に対応する人間を建設局に送るわけでありますから、まあ簡単に申し上げますと、本省で仕事をするかわりに地方建設局に出向いてそこで仕事をすると、こういうことになるわけでありますので、理論上労働強化になるとか、あるいは事務量がふえるということはない。ないのみならず、かえって簡素化される、こういうふうに思うわけであります。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 この点繰り返し申し上げてきておるのですが、これをことばをかえて言うと、この改正案の大きな欠点ともいうべき点は、形式的な事務だけは地建に委譲しておるけれども、いわゆる実質的な権限は依然として本省にとどめ置く、こういう事態であろうと思うのです。ところが、実際の例をあげて申し上げるとはっきりしますが、たとえば工事の指名権について私調べてみたのですが、工事の指名権について現在地建で指名できる権限は、たしか一億以下に限られておるわけですね。ところが、現在直轄工事は非常に大型化してまいりましたから、一億以下の工事というものはあまりないわけです。ほとんど一億突破している。ということで、形式上はなるほど地建に権限委譲したということでありますけれども、たとえばこういう具体的な問題一つとってみても、いま申し上げておるように、地建には一億以下の指名権しかない。一億を突破した場合はもう指名権はないわけですね、委譲されたというにもかかわらず。しかも、直轄工事は非常に大型化しているわけです。一億以下の工事なんというものはあまりないわけです。こういう実情から見ても、結局現場の事務所的な仕事しか地建はできないのではないか。こういうことは、こういう一つの例からもうかがえるわけです。これは一事が万事で、これはただ単に一つの例をあげたにすぎないのです。こういう点をどういうふうに解決されるのか。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(小山長規君) 恐縮ですが、いまおあげになりました例は、これは直轄事業でありますので、いまの事務委譲の対象とは違うわけですね。従来と同じ仕事の流れであり、分量であるわけでありますから、一億以上の指名であるかないかということは、直轄事業ですから、今度の事務委譲の問題ではないわけですね。その点は御理解願えると思いますが、そのほかの問題を、たとえば事務委譲から除外して本省へなぜ残したかという問題でありますが、それぞれ一つ一つについて理由があるわけでありまして、概括的に言えば、地方建設局だけでもって取り扱っておると、かえって国全般の姿勢あるいは建設行政の執行上おもしろくない、まずいというものを特に選んで、しかも厳選して本省に残しているわけでありますから、大部分はやはり地方建設局に委譲して、地方の実情に合ったような行政の執行、こういうものをやりたいということがねらいであることをおわかりいただきたいと思うわけであります。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 どうもそういう説明じゃ納得できないですね。いままでの地建の権限で業者の指名ができるのは一億以下であったわけでしょう。これは現実としてあるわけでしょう。ところが、そういう一億以下なら指名権はあるんだけれども、さて実際問題として、直轄工事はほとんど一億以下の仕事が大部分だというなら話はわかるわけです。いま非常に工事が大型になってきて、一億以下の工事なんてあまりないのです、実際問題には。そうすると、名前倒れになって、地建に権限が委譲されるといっても、委譲されるいわゆる一億以下の工事なんというものはあまりないわけですから、実際問題としては実質的の権限委譲にはならないというわけです。そこで、そのことに関連して、たとえばいままで一億以下であったものを三億とか五億とか、そういうことに引き上げれば、これは形式上の権限委譲と同時に、実質上の権限委譲にもなるということをいまお伺いしておるわけですから、ただ名前だけでは何の意味もない。そこで、たとえば工事の予算とかといったようなものをある程度地建に委譲する、実質上の面も委譲するのでなければ、形式上だけでは、先ほどから繰り返しお伺いしているように、地建だけの交渉では話は済まない。どうしてももう一ぺん本省に行かなければならない。そういうことを繰り返しお伺いしているわけです。こういうところに中心があると思うので、一つの例から推してもこういうことは言える、こういうことを具体的にお伺いしているわけです。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(小山長規君) わかりました。ただ、いまの指名の、一億円以上を本省で指名をし、一億以下は地方建設局で指名しているという現在の指名の区分けですが、これを将来どうするかという問題は検討に値します。いま私はそれを引き上げることがいいかどうかここで申し上げられませんけれども、それは検討に値しますけれども、そのことと、この今度の法律の改正とは関係がないのであるということを申し上げたかったのであります。また、いまおっしゃいました事例がそういうことでありますからそのように申し上げますけれども、それ以外の問題について、実際問題としてなぜこんなものを地方建設局に委譲しないのだということであれば、またその面からそれぞれ官房長その他からお答えをいたさせます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 まあそういう具体的な問題は将来の問題だという意味のことをいま御答弁になったのですが、この法案も、もし通ればさっそくこれは実施ということになるでしょう。たとえばいまの指名権の問題でも、これを具体的に改めない限りは旧態依然として、地建はその指名権は一億以下の工事に限られるわけですね、そうでしょう。将来の問題じゃない、現在ただいまの問題である。だから、法改正と同時にこういうところまできめこまかい政策をやって初めてわれわれは納得できると思うのです。ただ形式の権限委譲で、実質的には……。たとえば具体的な問題一つ取り上げてみても、どうも矛盾しているとしか考えられぬわけですね。これは他にも幾らもあるのですけれども、時間の関係上多くを申しません。ただ一つの例を拾ってみてもこういうことが言えると思うのですがね。だから、法改正と同時に、たとえばこういう具体的な問題もある程度実質的に権限が委譲されてしかるべきで、だから、この例から言えば、一億以下というのは、たとえば二億以下とか三億以下とすれば、この法の精神にかなったいわゆる行政の簡素化、能率化ということはあわせ考えられるのですけれども、こういうことじゃ依然として、同じことを繰り返し繰り返しお伺いしておるわけですけれども、なかなかこちらの了解できるような御答弁がないから同じことを繰り返しているわけです。結局、二重行政、二重監督ということが依然としてどうも御答弁からは解決されないと思うのです。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(小山長規君) いまの指名の問題だけで申し上げますと、その指名権が一億円であるから、あるいはそれを、たとえば一億五千にし、二億にしたならば、地方建設局の仕事が楽になるのかということになると、それは必ずしもそう考えません。というのは、工事量は確かに大きくなっておるし、本省に伝達すべきものがその限りにおいてふえるということはありますけれども、これは建設局長が部内でまとめたところを本省に伝達するだけでありますから、そう事務上の繁雑を来たしているわけではないのであります。ただしかし、おっしゃる趣旨は、一億円ということにしないで、こういう問題はもう少し実質的に検討してみたらどうかという御趣旨であれば、これはわれわれのほうでも、いま、数年前にきめた一億円というものがはたして妥当であるかどうかということは検討を加えておる段階ではあるわけです。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 この問題は、たとえば農林省の地方農政局——先ほどから例をあげております、あるいはまた、運輸省では港湾局というのがありますね。その地方農政局とか港湾局、この実態を見ると、先ほどから繰り返しお伺いしておるようなことが、そういうことがうかがわれるわけです。それで、もしこの法案が通って実施ということになると、そういうところまで配慮されたきめこまかい措置がないと、そういう轍を二度繰り返しになるのではないか。もう農政局とか、港湾局で試験済みだ、そういうことを改めないでそのまま何ら検討されていないで出されようとするところに、私どもは納得できぬ点がある、そういうことをお伺いしているわけであります。これはこういう点について、たとえば、いまの指名権などについても、具体的に建設省としては真剣にこれは何とかいたさなければいかぬ。近い将来に検討して何とかしよう、ここでそんなら三億以下にしましょうとか、五億以下にしましょうとか、そういう答弁を要求しているわけではない。それは無理な御答弁で、そういうのをお伺いしているわけではなく、もうほんとうに、この法案がもし、かりに通ればこういうところをひとつ早急に改めるとか、具体的にその誠意のほどがうかがわれぬと、それは将来の問題で片づけられたのではなかなかこの法案は通りませんよ。ひとつ誠意のほどをお示し願います。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(小山長規君) 私も一億円という指名の範囲を増大することによって建設局の権威は確かに高まると思いますが、事務上の繁雑さというものが軽減されるかどうか。その点については、まだ、実は事務の問題でありますからよく承知しておりません。その間の事情を官房長にお答えさせまして、それで現在、検討はしているわけでございますが、さらに官房長からお話をさせまして、御納得を得たいと思います。

前田光嘉建設大臣官房長

○政府委員(前田光嘉君) ただいまお話の、建設省の直轄工事の本省に承認を受けて実施をするという範囲でございますが、この制度は昭和三十七年に設けまして、巨額の国費を使う、工事の指名に誤りがあってはいけないということ。特に決算委員会におかれましても、この点を心配のないように注意せいというふうな御趣旨がありましたので、運用をいたしております。一方におきましては、巨額の一億何千万という金を使うのに、本省の大臣の責任をもって考えなければならぬじゃないかという御意見もございました。同時に、ただいま伊藤先生御指摘のように、事務の簡素化をするために、もっと大きな資金を動かす場合でも、地建の局長で処理すべきじゃないか、こういうふうな御意見もありまして、われわれは先ほど申し上げましたように、昭和三十七年にこの制度ができましたので、その後の工事の施行の方法及び現在仕事をしているこの分量あるいは物価に伴うところの金額と工事量という点を、実は資料をとりまして検討いたしております。まだ、実は、結論を得ておりませんけれども、概要を申し上げますと、当時から現在まで建設費の値上がりは二割ないし三割でございますので、当時の一億円に相当する工事は現在では一億二、三千万円の工事じゃないかというふうに考えております。それから一億円以上の工事、なるべく大型化するようにということにいたしておりますけれども、まだ、現在の地建の工事の中で、一億円以上の工事はそれほどございません。一地建にいたしまして、一年間に数件でございます。十件をこす地建はございませんので、事務の繁雑の面から見ましても、それほどまだ事務の繁雑という問題を起こしてない。こういうふうに、両面から実は検討すべき点が多うございますが、ただいま大臣からお話がございましたように、地建の運営及び国費を適正に使うという面からの統制という面から、両々相まって適正な運用を期しとうございますので、大臣の御指示によりまして実は検討しておる段階でございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 そのことに関連して、いわゆる定員の問題ですけれども、これについても当面はいわゆる配置転換という大きな問題が出てくるわけです。純増は一名もないわけですね、前回の御説明によると。そういうことではたして労働強化を避け得るのかどうか。繰り返し言うように、現在もうすでに労働強化の実態、不足が見受けられるのですが、非常に労働強化、そこへそういうことになりますから、その定員についてはもうそれで押し切ってしまって、法が通ればそのままでいわゆる配置転換という事態だけで済まそうとしておるのか、前向きの姿勢でこの点についても具体的に何か考えがあるのかどうか。このままでは問題は非常に大きくなるのですね、労働管理の問題で大きな問題が派生するであろうことは容易に察知されるわけです。この点はどうお考えでございますか。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(小山長規君) 御心配の点もありますと思いますのでありますが、この間、私、地方の事務所長、第一線に働いております事務所長の会議の席にも申し上げたことでありますけれども、やはり従来の官庁方式であるために、いわばむだなといいますか、われわれのような民間出から見ますとむだなことをやっておるようなことはないのか、あるいは、こういうことを改めてくれればこういう問題が非常にものごとが簡単にいくのだが、という点があればひとつどしどし一線の諸君、意見を出してくれというような話をしたわけでありますけれども、そういう趣旨で、確かにいままでより仕事の中である程度の仕事を省けるといいますか、合理化できる面があるのじゃないかということで、事務の合理化というようなことについての研究も命じておりますし、また、その具体的な方針というものもすでに地建その他に出しておるはずでありますから、その点もまた官房長からお話し申し上げます。

前田光嘉建設大臣官房長

○政府委員(前田光嘉君) ただいま大臣からお答えいたしましたように、事務の合理化、特に建設省におきましては、従来直営事業で仕事をいたしておりましたが、最近かなりの仕事を請負に出しております。そういう関係で、職員の研修によりまして、従来直営工事に当たっておった者が請負の監督要員になるということになりますと、仕事の性質は変わりますけれども、人員におきましてかなり他に転用できる予定でございます。こういう点の教養、訓練を行ないまして、せっかくつとめております。今後もこういう方法等を用いまして、一方におきましては仕事自体を簡素化し、事務を合理化することによって人員の節約をはかり、また、現在ある地建の職員等につきましても、それぞれの能力が十分に発揮するような仕事を与えるというかっこうによりまして、これだけの仕事は現在の建設省の人員の中でネットの増員なくしてできる、こういう確信のもとに案をつくったのでございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 そのことに関連して、配置転換で多くの問題が考えられるのは、いわゆる不利益処分ということがこの配置転換にはえてして起こりがちなんです。本人の意に反して不当に動く場合が具体的に多く出てくるわけであります。こういう問題はどう考えておりますか。具体的に、たとえば本省から地方の、地建に対して転任になる。物心両面にわたって、本人が希望する場合は別ですけれども、そうでない限りは非常に大きな問題が出てくるわけですね。たとえば、相当年配の人なら、子弟の教育というような問題もあるでしょう。精神面の問題もある。ただ単に処遇の問題だけでなく、こういうことを十分考慮して本人と話し合いの上で人事が行なわれるということであれば話は別ですが、半ば強制的に配置転換を行なうというような場合には、えてそういう問題が起きて非常に事人権にもかかわるような問題がいままでの例では間々考えられるわけです。こういう点は断じて許せぬと思うのですが、そういう点についてどのような考えを持っておられるか、その態度をひとつおっしゃっていただきたいと思います。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(小山長規君) 役所に一たんつとめたわけでありますから、役所の仕事であるいは転任になったり、あるいは場所が変わったりすることは、もう最初の建設省につとめるときから本人も覚悟しておるでしょうし、そのつもりで労使関係がとられておるわけでありますけれども、実際問題としては、この人を転任させようということで大体配置をきめましても、本人がどうしてもこういう事情で私のほうはいま転任できないのだという事情を申し述べたときに、それを無視するということはやっていないはずでありますし、また、やるつもりはありません。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 ことばではそういうことは従来もやっておりませんと簡単におっしゃっておりますけれども、過去の事例——何もこれは建設省に限ったことではございませんが、各省庁の具体的な実際の例を見ると、こういう問題が相当あるわけです。ここでひとつ、いまそういうふうに、過去もなかったし、今後もやらぬということであるならば、ただ一片のことばでなく、これを実際にその気持ちで、その決意でひとつ今後あくまでも臨んでいただくべきだし、また、そうせなければ心にもないことをここで答弁したということになりますから、その罪はまぬがれないと思う。ひとつ十分かみしめていただきたいと思います、そのことばを。  それから、これは全国知事会が、日ごろは政府に対して非常に弱腰であるけれども、事この法案に対しては異常に腰を強めて強く反対してきたということについては、前々から実は伺ってきたわけですけれども、たとえばこれを要約したものがここにございますが、この一節を読んでみると、こういうようにまとめてありますから申し上げますが、「近時、行政の広域化に名をかりて、地方公共団体の権限を引き上げ、あるいは地方公共団体の事務処理にはんさな統制を加えて、中央集権を強化する傾向がいちじるしく、行政事務の簡素化、能率化に反する事例がはなはだしく多いことは真に遺憾である。」と、腰の弱い知事会がこういうことをはっきり言っているわけです。なお、本法律案は、「いちじるしく事務を複雑にし、二重行政、二重監督の弊害を生じることはきわめて明瞭である。」したがって、強く反対するということ、これは私がここで申し上げるまでもなく十分この点については承知のはずでありますが、知事会というと全国の知事会ですから、一県の知事は一県の県民を代表しておるわけです。そういうことになると、全国知事会ということになると、全国民の代表ということが言えるわけですね。これは了解できるでしょう。一県の知事は県民の代表ですから、それで全国知事会ということになると全国民の代表。総意を代表してこういう反対をしておるということははっきり言えるわけです。こういう意味合いで、ただ知事が一私見で反対しているとか、そういうこととは違う、全国知事会が足並みをそろえて強く反対している。こういうことには耳を傾けるべきだと思うのですが、全国民の代表という立場からこういう点を指摘して知事は強く反対し、陳情しておることに対して、建設省としてはどういう態度を従来おとりになってきたか、今後はどういう方向へひとつ持っていこうとするのか、この全国知事会の意見に対しての建設大臣としてのお考えを伺っておきたい。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(小山長規君) 知事会からの最終の要望は昭和三十八年一月二十一日付、これだと思うのでありますが、これに四項目ほど掲げているわけでありますけれども、この問題は一つ一つ前回から申し上げましたように、たとえば二重行政にならぬようにするために、これこれこういうことをしていくということを十分説明をして、これは大体了承を得られておるようであります。それから引き抜きしてはいかぬ、これは引き抜きをしません、絶対それはやっていませんということで、安心を願っておるわけでありますし、それから補助事業の中で簡易な計画の変更については機関委任をしろというようなことが一つあります。これはさしあたりはちょっと困るかもしれないけれども、将来、地方建設局が仕事がなれてきたりあるいは知事のほうのその間の十分の協議が進めば、知事のほうに権限を委譲しますということが一、二項あるわけでして、こういう問題は解決をしていると私は了承しております。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 この全国知事会が機構、行政等の改革に関連して、全国一斉に態度を一貫して反対したことは、いままであまり類例がない。行政機構の改革について全国知事会として反対したということはあまり例は私は知らないわけです。だが、この今度の問題については、全国知事会は一致して反対している。これは私が言うまでもなく、本年の一月二十九日まずそういう反対を出した。それから二月四日にも重ねて強い反対を出した。こういうことはいまだかつてない、ということは、いわゆる本法案がいかに問題が多いかということを裏書きしていると考える。そういう意味合いから、これは簡単な問題として片づけるべき筋合いの問題じゃないと思うのです。十分この声に耳を傾けなければならない。三十六年からこれは出されたわけですけれども、そういう反対の空気の中で何ら再検討もしないで、そのまま出すというところに問題があるということは、この前指摘申し上げましたから、きょうは繰り返し申しませんが、何らそういうところに反省の色がなくして、そのままずるずると出しておるというところに問題があるわけです。やはり全国の国民の総意を代表しての反対であろうから、こういう声には十分に耳を傾けるべきだと思うのです、政府として。それこそほんとうの政治の正しいあり方だと思うのですが、こういうことはいかがなんですか。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(小山長規君) 全国知事会からの要望は十分承知しておりまして、その中の先ほど申し上げましたような点は、知事会議の御了承も得たと承知しておりますが、中には国と地方との事務配分がはたして妥当であるかどうかという点について、見解の分かれるところがあります。その面はいままでも、おそらく従来の審議の過程においても国会で御説明申し上げ、これは国会の御判断にゆだねるということで、われわれの見解を申し上げているはずであります。たとえば土地区画整理事業については、個人施行または組合施行の事業計画において定める設計の認可というようなものは知事にまかせる、こういうことでありますが、この中で軽微なものは知事に委任してもいいけれども、大規模のものはわれわれの見解としてはやはり建設大臣が握っていることが正しいことだという見解で、この点は見解が違うわけであります。それ以外のものはほとんど見解の差はないと思います。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 まだ問題は各面にわたってたくさんあるわけですけれども、時間に制約がございますので、最後にいままでの問題点を要約して、ひとつ強く要望申し上げると同時に、ひとつ誠意をもつてお答えいただきたい。決意のほどをお聞きしたいと思います。  いままでのことで大体はっきりお伺いをしたわけですが、具体的に申し上げると、臨時行政調査会の意見を尊重しなければならないということ。これは前池田総理在職中からも、臨時行政調査会の答申については十分尊重するという態度で閣僚が一致してその態度を進めてきたわけです。したがって、臨時行政調査会の意見を尊重するということには当然耳を傾けるべきであるし、あくまでこれは具体的に尊重しなければならぬということが一つ言えると思います。それから私どもは内閣委員会の調査派遣で各都県を具体的に回っておるわけです。このことは前にも具体的には申し上げましたが、そのつど知事、副知事いわゆる県当局と会いますると、二重行政、二重監督、こういう点を具体的にあげて、強くその改正を要望しておられるわけです。これは全国ほとんど、そのニュアンスには違いがあるにしても、そういう要望にはほとんど変わりがないわけで、強弱の差はあってもそういう点を強く要望しておるという点、それからさらにいま申し上げた全国民の代表ともいうべき全国知事会が、いろいろ具体的に事例をあげてあるいは要望し、あるいは強く要求しておる、こういう点にも十分耳を傾けなければならぬ、こういう点が数々あるわけです。そこでひとつ、こういう問題を具体的に、ここで一つ一つということについてはお伺いしてきたわけですから、こういうことを要約的に強く要望申し上げるわけですが、こういう面に十分おこたえするためには、最後にひとつ大臣としてどういう決意で臨まれようとするのか、こういう決意のほどを最後にお聞かせをいただきたいと思います。

小山長規自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(小山長規君) いままでいろいろの御意見拝聴いたしました。中にはわれわれが意とするところは、要するに二重行政の排除であり、われわれの意図は二重行政を極力排除したい。また、事務の能率をあげたい。また、地元の関係市町村の便宜をはかりたいということが、その主眼なんでありますから、実際これを施行してみまして、そのわれわれの本旨と相反するところが出てくれば、これは改めるにやぶさかではありません。いままで申し上げましたところは、われわれの判断として、理論上たとえば本省に残しておくことが正しいと思うようなことは本省の所堂事務として法律案としてこれを掲げ、国会の御判断を仰いでいるわけであります。さらに、しかしながら、知事会議その他から要望のありますもので、現在われわれと見解が違いますけれども、実際やってみればなるほどこれは知事会の方が言っていることが無理からぬことであるという問題が出てくるかもしれません。そういう問題にはむろん法律の改正を要する場合には法律改正の手続をとりますし、あるいは行政でできることであれば、行政上の処置をとりますし、その点は最初からの本来の趣旨である事務の簡素化あるいは行政の能率化というその趣行に照らしまして処置していく決心であります。

下村定自由民主党

○委員長(下村定君) 他に御質疑はございませんか。——他に御発言がなければ、本案の質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 私は本法律案に対して日本社会党を代表して反対の討論を行ないたいと思います。  反対の理由はこれまで、いままでの質疑において指摘申し上げてまいりましたように、第一に地方建設局への事務委譲によって二重行政あるいは二重監督の弊害が生ずるということ、こういうことが明らかに考えられるからであります。政府は今回の改正によって地域の特性に応じたいわゆる建設行政を行なって、地域住民の利便をはかるということを述べられておるわけでありますけれども、具体的には許認可権限あるいは補助金関係事務の処理の権限などを地方建設局に委譲しても、地方建設局限りでは最終的に処理することはとうていできないわけです。したがって、最終的処理は結局本省まで行かなければ解決されない。この事務委譲によって、したがって、地建は中二階的な存在にしかならない。かえって行政の複雑あるいは非能率化を招いて地域住民の利便にむしろ反するのではないか、こういうことが考えられるわけです。  第二に申し上げたいのは、事務委譲によって地建の事務が大幅に増加するということになる、にもかかわらず、これに要する定員は、いわゆる内部における振りかえによって行なわれるということでありますので、結局純粋な定員増ということが考えられていないわけです。したがって、現在でも非常に労働強化の弊が考えられる現状に、この上こういう時代になればますます労働強化、労働管理の上でゆゆしい問題が起きるであろうということは容易に考えられる、こういう点をあげなければならないわけです。しかも、実際問題としては、大部分の仕事は現業でいま従事しているところのいわゆる特別会計の職員だけが振りかえられるという弊も出てくるわけです。こういうような立場で繰り返しお伺いしてきたように、全国国民の代表である全国知事会が強く反対し、そうして、これに相即応して省部内でも、いわゆる建設省内部にも、そうして、地方の地建内にもそういう視野からの反対があることを考えたとき、私どもはここで強力に反対せざるを得ないわけです。こういうようなたてまえから、私どもは本法案に強く反対するものであります。  以上党を代表し、反対討論といたします。

下村定自由民主党

○委員長(下村定君) 他に御発言がなければ、討論は終結したものと認め、これより採決に入ります。  建設省設置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

下村定自由民主党

○委員長(下村定君) 多数と認めます。よって本案は、多数をもって原案どおり、可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、先例により、委員長に御一任を願います。  午前の会議は、この程度にとどめ午後一時二十分まで休憩いたします。    午後零時十分休憩      —————・—————    午後一時四十分開会

下村定自由民主党

○委員長(下村定君) これより内閣委員会を再開いたします。  一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、防衛庁職員給与法等の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議題に供します。  三案につきましては、いずれも提案理由の説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  政府側出席者は、増原給与担当国務大臣、小泉防衛庁長官、鍋島大蔵政務次官、佐藤人事院総裁、岡山公務員制度調査室長、井原行政管理局長、掘田人事局長、江藤人事課長、瀧本給与局長、矢倉任用局長、三浦公平局長でございます。  御質疑のおありの方は順次御発言を願います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 非常にこまかくなりますけれども、人事院総裁と、それから給与局長にお尋ねをしたいわけです。こまかくなりますけれども、事柄は私は最も大きな問題だというふうに思いますので、若干私は意見を述べまして、それに対しまして人事院の考え方を聞きたい。  御承知のように、公務員の賃金は全体として低いとよく言われますし、事実低いわけであります。ところが、その中で四等以下が著しく低い。三等以上はそうでもないです。これは人事院がつくっております生計費と比べてみた場合に、三等以上はそうではない。しかし、四等以下がはなはだしく低いわけです。そこで、従来から七等の五、六から上、つまり結婚年齢——七等の五、六から上と、六等級、五等級、四等級、この中堅職員、ここに公務員の八五%がおる。この公務員の中堅職員のところがどんなに低いかということを、私は勧告の前にあっても、るる述べたわけです。ところが、今回のこの勧告では、その点についての配意がほとんど行なわれていない。中堅のところは——七等の五、六から上、六等、五等、四等というところは依然として放置されるという実情にあると思います。で、新三等をつくることによりまして四等を若干救ったような傾向も見られます。見られますが、これはあとあと新三等についてお伺いしたいと思いますが、いずれにしても、はなはだしく中堅のところが犠牲をしいられているというふうに思うんです。それらを詳細にわたっていまお尋ねをするという時間もないように思います。しかし、若干詳細になるかと思いますが、ぜひこれは総裁、頭に入れてもらわにゃ困ると私は思うんです。  で、六点あげますが、まず第一点は、名等級の上げ率を見てみると、各等級の平均のアップ率、これを見てみますと、四等、五等、六等というところが一番上がり方が少ない、率が少ない。御承知のとおりです。で、七等は平均して九・三上がっているようであります。上がっています。しかしながら、七等の五、六から上というのはがたっと落ちる。これもやはり七%くらいになってしまう。大きく落ちる。こういう事態が、三十八年の勧告でもしかり、三十七年の勧告でもしかり。ですから、三年の経緯を見ます場合に、この四等、五等、六等、七等の五、六から上というのが三年にわたって痛めつけられている。しかも、ここのところは人事院だっておわかりのはずなんです。標準生計費とこの給与額を比べた場合に、どの程度ここのところが赤字が出ているかということは十分御承知のはずです。八千円から一万円程度ここは赤字が出ている。御承知のとおりです、これは。これを放置するというのは、私どもとしては理解がつかないのです。こういうべらぼうな引き上げ方というものはない。これが一点。  次に、民間との対応較差、これを見た場合に、旧二等級は民間との差は三%しかない。民間が三%高いということになっている。それから九%引き上げる。三倍これは引き上げる。あるいは三等級は、民間のほうは二・七%高いということになっておる。これも三倍以上引き上げている、八・九%。ところが、四等、五等、六等というところは、官民較差よりもずっと落ちている。だから、二番目に申し上げたいのは、官民対応較差から見た場合においても、この四等、五等、六等、七等の五、六から上というのは著しく切り下げてある。こういうことですね。  それから三番目に言いたいことは、これは昇給金額ですね。これは毎年一回ずつ昇給があるのですから、昇給金額というものは非常に重要です。したがって、昇給金額について人事院のいまの昇給金額のつくり方は、まことに無原則であるから、この昇給金額について検討を加えるべきであるという主張をしたのです。いまここでいかに無原則であるかということは言いませんですが、簡単に申しますと、一等級、二等級、三等級というところは昇給金額というのは、これは大体一号からずっと終わりまで同じ金額、それから四等級、五等級、六等級というのは、一号から三号までは昇給金額は同じですけれども、あとはがたがたとくずれる、将棋倒しにくずれる。こういうような昇給金額の無原則、そういう点について主張しましたら、今回若干の昇給金額についての是正が行なわれている。ところが、その昇給金額が、旧一等、二等、三等というところは非常に改められた。ところが、四等、五等、六等というところは依然として改まっていない。若干の是正は行なっている。しかしながら、一等、二等、三等というのと比べますと著しくこれは是正されていない。これは御承知のとおりです。人事院のこのお出しになったものにちゃんと出ておりますから、どういうふうになっておるかということは御承知のとおりです。だから昇給金額においても、いま申し上げたとおりに、はなはだしく中堅職員のところを虐待しておる。  それからもう一つは、昇格問題。これは御承知のように、八等から七等へ、七等級から六等級へということは、ある意味で壁があっても、ある意味では物理的に上がっていける。それから、六等から五等、五等から四等というのは、これは容易でないですよ。で、三等以上は御承知のとおり、本年から相当この壁はくずした。さらに本年の勧告によってこれをくずした。四等は新三等をつくることによってくずした。四等から三等への壁というものは新三等をつくることによってある意味で大きくくずした。ところが、いま私が言いました六等、五等というところを、これは等級の壁というのはがんと残っている。それから、昇格によってここがまた大きく痛めつけられる。四等もそうですが、新三等をつくっても、名目だけですから四等も同じです。はなはだしく痛めつけられている。  もう一つ言っておきますが、これは三十七年の勧告で六等級を中心にして、十号俸間引いた。ですから、上の号俸におったものは非常に損したわけです。たとえば六等級の上の号俸におったものは、六等級は三号俸間引きましたから、これから六等級になってくるものからいいますと、三年損するということで、三カ月昇給短縮を三回やったので九カ月です。なお二年有余というものは損をしている。さらにこれから五等になる、五等でまた二年、三年損する。こういうことで、四等から五等、六等におるものは、号俸を間引いたことによって数年の損をする、これから入ってくるものよりも数年損をするという状況に置かれているわけですよ。  以上私は簡単に申し上げましたのですが、引き上げ率からいってみて、それから今度は昇給金額からいって、さらに今度は、昇格問題からいって、それにこの三十七年の勧告で号俸を十号俸間引いたということによって、もう一つつけ加えたいのは、四等にも特別調整額は相当出るようになりました。三等以上には特別調整額が出ている。本来、特別調整額というものは三等以上の処遇を改善しよう、本来の給与改善以外の道で改善しようということで出たことはいまや周知の事実です。それが、今度は四等にも若干の特別調整額が出るということになったわけです。そういう意味で、七等の五、六から六等、五等、四等というところの圧倒的多数の公務員というのが踏んだりけったりの犠牲をしいられている。これについてどういう考え方を持っておられるのか、これを聞きたいわけなんですよ。私の意見もありますが。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) おことばの節々を伺っておりますと、いかにも人事院は残忍残虐のようなことをやっているように響くのでありますが、これは全体の問題として、民間との比較の場合に百人以上というようなところに線を引いて、そこで水準をとらえて比較しておりますから、公務員の給与そのものが決して民間に比べてより以上の高いものであるということは私どもも考えておりません。そこは一つの指命と考えなきゃならぬ、こう思いますけれども、しかしながら、その内部における各等級その他のバランスにつきましては、私どもの能力の許す限りその辺のところに慎重に考慮をしてまいっておるつもりでございます。ただいまお尋ねの節々については、給与局長からいずれ詳しい御説明を申し上げると思いますけれども、私どもとしては全体のバランスを考慮しながらまいっているということを申し上げまして、なおまた、この種の委員会等における席でのいろいろな御指摘あるいはお教えというものは、これまた謙虚に私ども耳を傾けて次の作業の際の参考に供しているわけでございます。たとえば四等級を新三、新四と分けたがごときは、その一つのあらわれであると御了察願いたいと思います。そういう心組みで前向きに臨んでおりまするが、しかし今日この勧告の内容がどうだということになりますると、私どもはあらゆる努力、研究の結果、一応これは筋が通ったものだという自信をもって御勧告申し上げた、こういうことであります。

瀧本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(瀧本忠男君) ただいま総裁からお答え申し上げましたが、私から若干補足させていただきます。  まず、各等級の上げ率という点で最初御指摘があったのであります。そのときに行政職俸給表(一)というものに御着目の御議論のように拝聴いたしたのでございますけれども、われわれといたしましては、御承知のように今回の本年における人事院勧告におきましては、従来は企業規模五十人ということでやっておりましたものを、百人に直して、そのために官民格差は多少広がっているというような点もございます。そこで、各俸給表を各等級別にごらん願いますと、官民の較差はそれぞれうまくマッチはいたしておりません。これは公務員は、それぞれ行政職以外に、医療職とか教育職とか、その他の職種がございます関係上、個々に見てまいりますると、必ずしも御指摘のようにうまく合ってはいないのでございます。しかしながら、われわれといたしましては、やはり大まかにこの俸給表をくりまして、このことはもうすでに過ぐる委員会におきましても、御説明申し上げておりまするので、あまり詳しく申し上げませんが、大まかにくくり、また各等級も個々の等級ということでなしに、上下三段階ぐらいにくくりまして、そして平均引き上げ率というものの目安を立てまして、それに従ってやっているということでございまして、決して意識的に御指摘のように五等級、六等級をいじめるということはいたしているものではないのでございまして、その点は御了承願いたいと思うのであります。のみならず、かねて鶴園委員がいろいろ御指摘になっておりますこと等は、私ももちろん研究いたしておりまするが、御指摘になりました点等につきましては、これまた真剣に研究をいたしまして、そういう御希望等もごもっともな点が非常に多いので、それに沿うべくわれわれ努力をいたしている次第でございます。しかし、そこでこの各等級の上げ率ということにつきましては、ただいま申したとおりでございますが、何せ最近の傾向といたしまして、初任給が非常に上がっていくということがございます。したがいまして、七等級あるいは八等級あたりは、これはどうしても上げざるを得ぬ、また標準生計費を計算いたします際におきましても、やはりこれはたとえば八等級の二号俸という辺が、一応単身者の標準生計費を見合わすところになっております。そういうところはどうしても上げざるを得ぬというようなことから、この下のほうを上げていくということは、これは現実にあるわけでございます。また上位等級の今回の指定職俸給表の甲というあたりにおきまして、たとえば大学の学長あるいは各省の次官というようなところは、これは一般職の公務員部内におきます最高の責任のあるポストでございまして、そういうところは、やはり特別職の大臣というような方々の給与と全然無関係に考えることもできない面もございます。したがいまして、結果的には今回の勧告において、そういう点が御指摘の中心だろうと思いまするが、どうしても、人事院も努力はしたのかも知らぬが、その結果は依然としてほかの等級に比べて五等級、六等級が多少劣っているのではないかという御指摘であろうと思うのでございますが、そういう点になりますと、われわれも結果的にはどうもそういうきらいがあるということは、これはもう認めざるを得ないような感じがいたすのでございます。したがいまして、これは今回の勧告でも十分努力はいたしたのでございますけれども、今後におきまして、むしろそういう辺を中心に今後改善をはかっていかなければならないというのは、いまわれわれも考えておる中心問題でございます。  そこで今度は昇給昇格の問題になってまいりますが、昇給金額につきましては、御指摘のように三十七年に間引きということをやりまして、その間引きを行ないました結果、各等級におきまして非常に昇給金額に凹凸を来たしたということはあるのでございます。そういうことで従来俸給表の形が非常にすなおなものでなかったというようなこともございましたので、今回は間引きというような方法によりませんで、各等級におきまする初号から高位号俸に向かってスムーズな形で、また従来は各等級の上位号俸が、上位号俸に向かいまして非常に昇給金額が低くなっておったのでございますが、これをできるだけ上げるように努力するということをいたしたのでございます。たとえば五等級について申しますならば、従来最高号俸の十六号は、十五号のところが七百円という昇給間差であったのでありますが——最高号俸に達しまするところの昇給金額が七百円ということであったのでありますが、今回はこれを千円というふうにいたしておるのであります。また六等級につきましても同様に七百円だったものを千円にする。四等級におきましては千六百円でありましたものを千八百円にする。七等級におきましては七百円でありましたものを八百円とするというような努力をいたしておるのでございまして、その結果、切りかえに際しましては、各等級の高位号俸は相当の改善になっておるということは申して差しつかえないのではなかろうかというふうに思うのであります。しかし御指摘のように、多少やったようであるが、それでもなお俸給表の形が整然としておらぬということでありますが、われわれもそのように思っております。これは引き続き今後俸給表改定の機会を経まするたびごとに、これは改善をしてまいりまして、そうして各等級の上位号俸の改善をはかってまいりたい。ことに御指摘のように、四、五、六等級その辺が中堅職員でございますので、この辺の問題については細心の注意を払って、できる限りやってまいりたい、このように考えておる次第でございます。  それから昇格問題につきましては、これはもうあらためて申し上げるまでもないのでございますが、いまの公務員法並びに給与法の体系は、一応職務給という体系になっておりまして、職務の段階に応じて等級別定数というものがきまっておるということであります。いま私が申しておりますことは、そういうやぼなことは言わぬでもよく知っておるというおしかりがあろうと思うのでありますが、原則はそういうことであります。そこでそういうことにあまり固執いたしますると、実際の人事管理の問題といたしましては、いろいろ支障を来たすということがございますので、われわれはやはり人事管理の面からその辺の考慮をいたしまして、そうしてできる限り——理屈のつく限りと言ったほうがよろしゅうございますが、上位等給の定数の増加をいたすということをやってまいっておるのであります。今後もできる限りそのことは引き続きやってまいろうと思っております。単年度だけごらん願いますと何をやっておるかというおしかりがあろうかと思いますが、たとえば三十五年から三十九年までにどういうふうな改定をやっておるかということを大ざっぱに申してみますると、七等級から六等級への定数改定というものは、現在六等級はおおむね三万くらいの定数でございますが、三十五年から三十九年までに七等級から六等級への切り上げと申しますか、評価がえと申しますか、合わせて六万ぐらいやっておるのでございます。——失礼いたしました。現在の六等級定数は六万でございます。それで三十五年から三十九年までに約三万の七等級から六等級への切り上げをやる。そうして五等級については現在定数は約四万四千でございます。六等級から五等級への切り上げは三十五年から三十九年までの間に一万三千ばかりやっておる。また四等級について見ますと、現在これは新三ができまするので、今後違ってまいりますが、現在の四等級は二万二千ぐらいでございます。これに対して五等級から四等級への切り上げないしは評価がえが五千ぐらい、このように努力してまいっておるということを申し上げまして御了承を得たい、このように考えております。また今後におきましても、こういう努力は続けてまいりたいというふうに思っております。  それから三十七年に間引きをやった、そのときに六等級の間引きをやって、今後その間引きのところを通っていくものはなるほどそれは得をする。しかし、すではそこを通り過ぎるものは今後そこを通ってくるものに比べて非常に損じゃないか。なるほどお前のほうでは三短というものを今回一回やるけれども、九カ月にしかならない、これは非常に今後入ってくるものに比べて損である、扱いが必ずしも適正でないというお話がございました。これはやはり最近の傾向といたしまして、どうしても給与の上下幅が——上下幅というのはいろいろな言い方があろうかと思いますけれども、つづまっていくと申しますか、初任給が漸次上がっていくに従って、そういう傾向があるということもあるのでございます。従来の人を不当に落とすというようなことはやっておりません。むしろ御指摘のように三短というようなことで多少バランスをとる意味において優遇をしておるのであります。全体的に民間におきましても、傾向といたしまして初任給が上がっていくというような傾向があり、それに従って給与体系が漸次変わっていくというようなことがあるのでございまして、やはりそれに即応した措置であるのでございますので、それを同様に三短をやったということで、その適用を受けない人にも全部やれというお話は、これはまたちょっと無理がある点ではなかろうかというように思うのであります。ただ、おっしゃっておりますおことばの給与の均衡ということは非常に大切なことであるから、そういう点については今後も細心の注意をしてやれというお話にわれわれ承りまして、その点はさらに今後も十分な細心の注意をしてまいりたい、このように思います。  また、特別調整額につきましては、御指摘のように、今回地方出先機関につきまして、これをある程度広げることを考慮いたしております。これは御承知のように特別調整額が支給されますれば、超勤等が出ないということになるのであります。おおむね予算的に見ましても超勤の振りかえということが原則になるのであります。そこで、われわれは最初この特別調整額は超勤の振りかえということで出発したのでありますけれども、その後におきまして職務と責任、あるいは管理監督の面からこの公務員の職域をできるだけバランスせしめようという努力で何回か改定を重ねてきておるのでありますが、今回は地方出先機関におきます管理監督の地位に対しまして、それを広げてまいるという処存をいたしておる次第でございます。

下村定自由民主党

○委員長(下村定君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

下村定自由民主党

○委員長(下村定君) 速記をつけて。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 大蔵大臣にお尋ねをいたしますけれども、これは十一月の二十六日の本会議で、私は人事院の勧告あるいは給与の問題について一点にしぼって大蔵大臣中心に伺ったのです。それは実施時期の問題について伺ったのです。そこで、そのときに大蔵大臣が答弁をされた答弁を含めて、これからもう少しこまかく伺いたい、私もまた意見を述べたい、こう思います。その一つは三公社五現業のほうは、五月十九日の仲裁裁定ですね。これは補正予算を組まないで消化したのです。例年そうですが、四、五年の間補正予算を組まないで実施しておるわけです。本年も五月十九日に仲裁裁定が出て、そしてこれは総額として、大蔵大臣の国会の答弁では約五百十五億、この金を補正予算を組まないで四月一日から実施をした。公務員の場合は九月一日だ。どういうわけかということを私は聞きたい。勧告と仲裁は非常に似てきまして、ほとんど類似しまして、民間の百人以上の企業の四月末と均衡をとる。両方ともそうなっておる。四月末の民間の賃金に三公社五現業の場合も均衡をとる。公務員の場合も均衡をとるというのだが、一方のほうは四月一日実施、一方のほうは九月一日実施、なぜそういうことをしなければならないか、これをひとつ……。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 三公社五現業は、御承知のとおり企業会計でございますので、勧告を受けて、法律上で移流用ができるような仲裁裁定が出ました場合には、その企業の中において企業努力を行なうというような、企業努力によるメリット等を当然考えられる形態になっております。でございますから、仲裁裁定等が出た場合に、国会の議決では予算総額制をとっておりますので、その予算の範囲内において行なえるものはもちろんでございますが、法律の定めに従いまして移流用等が許されておれば、可能な限りにおいて支給することができるようになるわけでございます。ところが一般会計は、御承知の合理化メリットというようなものがないわけでございます。また一般会計の給与の原資はおおむね国民の税によってまかなっておるということでございますので、税の状態によりまして左右せられるということは考えなければならないことでございます。特に財政法の定めるところによりまして、一般会計の財源等は正常な原資をもって行なわなければならない。公債等の道も過去においてはございましたが、こういうものは公共事業、また借り入れ金を行なう場合には確実な財源がある場合というような制約がありまして、人事院の勧告をいただきました場合でも、予算上資金上非常にむずかしい場合には、この勧告の精神は十分理解もするし、これを尊重するたてまえをとっておりますが、必ずしも勧告の時期どおりこれを実施することが不可能である、ということに基因するのでございます。また一つは国家公務員の給与というものにつきましては、国全体の経済に及ぼす影響もありますので、広範な立場から検討しなければならないと、こういう基本的な問題もございますので、三公社五現業のように四月一日から実施ができないということがあり得るわけであります。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 いま大蔵大臣の答弁がありまして、これは私はいまの大臣の答弁ははなはだ遺憾だと思うのですが、それはこの六月一日の衆議院の予算委員会において、大蔵大臣が、二公社五現業の五百十五億の金をどういうふうに捻出したかという説明をしております。それによりますと、いま大蔵大臣が言われたように、三公社五現業は企業体だから企業の合理化あるいはメリット、そういうものによってやれるというようなお話であったんです。そういう金はまことに微々たるものです。五百十五億の中の、大臣の説明によりますというと、その圧倒的な部分は移流用と予備費です。移流用というのは退職金です。それからメリットによってというのは増収分があります。それから資産充当というのがあります。これは一般会計にはない。資産充当並びに増収、その金額というのは非常に少ないんです。圧倒的な部分はこの移流用と予備費、移流用は退職金ですよ。そこでもっと詳細に私は一つ一つの企業体について調べてみると、そうしますと、いまの大蔵大臣の言われる一般論的な企業合理化のメリットでというような話は通用しないですよ。これは最初からこの退職金なら退職金の中に相当の含みを持たせて組んである。あるいは大臣は知らぬかもしれない。詳細説明してもいいですよ。ですけれども、詳細説明するのも他のこれは企業体のことですので——詳細に検討してみると、大臣が言われるメリットがどうとか、企業合理化という話はこれは通用しない。ですから私もこの問題は基本的にいって公務員の賃金、給与、これを財政当局は非常に軽視しているんじゃないか。毎年十月一日だったんですよ、四年間。毎年十月一日ですと、八%上げろ上げろと人事院は勧告するんだけれども、毎年十月一日では四%ずつしか上げたことにならない。毎年毎年半分は値切ってきているんですよ、いままで。これは何といっても公務員の給与というものを財政当局ははなはだしく軽視しているというふうに言わざるを得ないと思う。いずれにしても、大臣、私はこの三公社五現業の経緯からいって、これは財政当局としても政府としても、非常な努力の結果、こういうことになってきているんだろうと思うんです。ですから一般の公務員の場合にあっても、こういうような努力をしてもらわなければ困るというふうに思うんです。たとえば昇給原資の中に組んでもいいんですよ。かつては昇給原資は三十一、二年ごろは五・五%組んであった、給与総額に対して五・五%組んであった。年々低下しまして、いま三・五%組んである。だからそれを五・五%程度組むとか、あるいは六%組むとか、あるいは退職金を百三十何億組んである国鉄の場合は、退職金が二倍にふくらましてありますが、退職金を若干ふくらますというような弾力性を持たして予算を組めば、これは私は実行できる。そうではなくて、勧告が出たときに、さて補正財源でというところに問題がある。どういうふうに考えておられますか、大臣のお話をひとつ。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 三公社五現業の仲裁裁定の実施をしました結果論から見ますと、企業努力、合理化メリット等によって充当したものは少ないということでございますけれども、これは結果論からでございます。私が先ほど申し上げましたのは、会計の一般会計及び企業会計との本質的な差異を申し上げたわけでございます。でございますので、企業会計である三公社五現業等の場合は、法律の定めるところによっておるならば、移流用ができる場合は移流用もできますし、御指摘になりましたように、鉄道の会計の中におきましては、三月三十一日で支払わなければならない退職料を四月一日にずらして、年度をかえて払おうという窮余の一策をとって仲裁裁定を守ったことは事実でございます。事実でございますが、本質的に考えまして、料金収入をもってまかなうような企業会計の中における給与というものと、一般会計いわゆる国民の税をもってまかなう一般会計の中における給与というものについては、弾力性に関しては遺憾ながら差があるということは、これはお認めいただけると思うのであります。そういう立場を申し上げたわけでございまして、制度の上でもそのように明らかにしておるわけでございます。それから一般会計の昇給原資の中に繰り越せばいいじゃないかというお話でございますが、これにもなかなか問題がございます。これはまあ公務員給与の問題だけを論議をしておりますときには、確かに四月一日勧告実施を実現をする、勧告そのものを尊重し、四月一日からこれを実施をしたほうがいいという立場で議論をするとそうなりますが、御承知のとおり、租税法定主歳、給与法定主議は厳密に守らなければなりません。特に財政法の規定におきましても、一般会計が非常に厳密な要求をせられておることも御承知のとおりでございまして、勧告が出るであろうというようなことを予測をして、昇給原資の中に組み込むということになると、これは予算委員会ではえらいことになると思うのです。これは法定主議であり、いわゆる組んだ中で——もし組んだとしましても、その組んだだけの予算と勧告が同一であれは、これは問題はないと思いますが、あらかじめ出るであろうことを予測をして組んだ場合、法律と予算額が違う、これは給与法定主議というものとまっこうから問題が起きるわけでございます。五%だったら五%組んでおけば、人事院勧告は政府が組んだ範囲内でなければならない、そういう制約があるならば、これはそういう制度ができます。ところが人事院勧告というものは民間との給与較差があった場合に勧告しなければならない、政府はこれを尊重する、予算上、資金上どうしても不可能な場合以外はやらなければならないと、こういう法制になっておりますから、法律改正を行なわないでもってこれらの問題を合理的に解決をするということになりますと、やはり公正な第三者である人事院の勧告を待って措置すべきである、財政を守っておる大蔵大臣としてはこれはやむを得ないことでございます。これを何とか合理化そうということは私もまじめに考えてもみましたし、まじめに考えてみたわけでございますが、結論として、これをどうもうまくやる方法はなかなかむずかしいのでございます。退職料を国鉄企業会計の中等においては水増しをしておいたということでございますが、企業会計の中においても、政府関係機関として国会の議決を得ておるのでありますから、退職人を倍増して計画をして、水増しをしておったんじゃございません。この流用した金は当然四月一日には払わなきゃならない、こういう計算になっておるのでございまして、いやしくも人数や金額を水増ししておって仲裁裁定が出るであろう、いわんや一般会計の中において、人事院勧告が出るであろうということを予測をして、昇給原資の中に組み込むということは、遺憾ながらいまの制度、いまの法律の建前からいいまして非常にむずかしいということを申し上げておきたいと思います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 大臣は中身をよく承知されていないんじゃないですかね。だからそういうお話を何かされるように私は思うのです。だから、私が先ほど申し上げたように、大臣の答弁を材料にして、すべての事項についての調査をして、そして申し上げているのです。ただ、いろいろ差しつかえもございますから中身については申し上げない。申し上げませんですけれども、しかし、含みを持たせて組んであることは間違いない、これは。どういう立場から言っても間違いない。国会でお組みになってきめたんだけれども、そこにちゃんと含みがある。かつて三公社五現業も補正予算で消化した場合がある。そうして、そういう場合には、実施の時期を値切られたり、額を値切られた。ですけれども、大体含みでやれるようになってからは補正予算を組みませんし、実施の時期も要らないことになったわけですよ。前は値切ったんですよ、公務員と同じように。実施の時期も額も値切ったものです。これを値切らなくなった。これは前進なんですね。その前進をやっぱり認めているわけです、私は。だから、そういうようなことがやれるんじゃないか。一般の公務員の場合だってやれるんじゃないか。予備費の問題だって、これは大臣、国鉄の予備費とそれ以外の三公社五現業の予備費と一般会計の予備費と性格が違うんだという話では、これは困ります。あるいは移流用の問題についても、これは困りますよ。移流用できるんですよ、給与関係については。大臣の承認を得れば移流用できるんですよ。だから、私は当初予算の中にやはり組まない限りにおいては、実施の時期を尊重するとか、人事院の勧告を尊重するとか言ったって、初めからそういう考えじゃない。大臣は国会の答弁で、本会議の答弁でこういうお話をされた。いままでは、高度成長で毎年二千億くらいの増収があった。しかし、来年からは安定成長になるので見込みと現実の間にもほとんどズレはなくなるのじゃないか、こういうお話ですね。そうしますと、いままでは増収で給与改定をやってきたわけですよ。公務員の給与改定をやってきたわけですよ。来年はないということになりますと、これはどうなさるのですか。財源はないという、来年からは。これじゃ給与改定できないでしょう。だから、私は当初予算の中に、人事院勧告はこの程度のものがある。たとえば六%なら六%、七%なら七%というものがあるということを想定して組めということを言っているのではない。だが、幾らかのものを組んでおけばいいじゃないか。二%でもいい、三%でもいい、若干の含みを持たせたものを組んでおけば、さて、勧告が出た場合に、補正財源も要りますけれども、補正財源だけで公務員の賃金を考えるというところに問題があるんですよ。そういう点の検討をすべきじゃないかと私は思うのですがね、いかがですか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 私も検討はしてみたのでございます。検討はしてみたのでございますが、なかなかうまくいかないのです。はまらないということでございます。いまの制度の中で、先ほども私ちょっと触れましたが、人事院勧告というものは尊重しなければならないという精神的に拘束もしておりますし、またわれわれもそう考えております。おりますが、予算上、資金上どうにもならないときはこれを、値切るということばがいいことばかどうかわかりませんが、どうもあまりいいことばじゃございませんが、いずれにしても、出せないときには出せないんだ、こういう措置ができるんだから、それを法律的に正面から取り組んで、人事院勧告に対しては、あらかじめ過去三年だったら三年間の、三年間かまあ五年間か、そういうものを基準にして昇給原資の中に組みなさい、それから人事院勧告というものは、その予算額を上回って決定してはならない、勧告してはならない、こういう法制上整備でもされれば、これは財政法やなんかとは背反しないのです。ところが、そうではなくて、一方的に、あらかじめ予測をしてつかみ金で組むなどということはいけない、こういう財政法の規定があるわけですから、そういうつかみ金武なものをやれないように、健全財政主義が貫かれておるわけでございます。それともう一つは、予備費で組んだらどうか、こういうのですが、三公社五現業などは、これは予備費というものは企業会計であるだけに大きな計画をしておるけれども、その計画間において調整をなお要する、そういう場合にはひとつ予備費をもって充てよう、合理化の効率を高からしめるために、そういう考え方が前提にありますので、そういう意味では予備費イコール調整費的な性格を持つわけでございます。企業会計においては、これは民間においてもしかりでございます。一般会計の予備費というのはそういうことではないのです。予備費というものは、御承知のとおり非常に厳密に、過去の実績からもう必要やむを得ざるものに対して予備費の制度というものがございまして、予備費など水増ししてやってはならないということは、これはもう予算委員会では絶えずおしかりを受けておるのであります。昨年までは二百億でございましたが、今年度三百億にいたしました。この三百億にした百億の増も災害予備費として別ワクにしなければならないという、厳密な姿勢をとっておるわけでございます。三百億にしましたけれども、きょう現在で約六十三、四億しか残っておりません。これで一体三カ月間持つのかという御質問もあるわけでございます。そのぐらいに一般会計の予備費は厳密にやっておるわけでございます。この予備費の中に、昇給原資といえば四、五百億にはなるでございましょう、こういうものを一体組んで来年度予算に八百億の予備費を、これは現実的に財政上も無理でございます。財政多端のおりからでございますから、それは現実的、数字的にも無理でございますが、いまの予算制度の中で、予備費の中でかかるものを想定して、不確定要素のままにこれを予備費に組み入れるということは、これは財政法上の相当な疑義がございまして、いまのところではなかなかむずかしい。私自身来年度一体勧告が出ないのかということを考えたときに、出ないようにすることはいいことでございますが、出ないようにするためには物価も安定しなきゃなりません。それから三公社五現業のとにかくこの年末から三月に対する要求も一体どうなるのか、民間の春闘、賃金が一体上がらないで済むのか、もちろん倒産をどんどんしておるような状況から、去年までのように大幅に上がるとは思いません。思いませんが、そうならないと、これはどうしても民間企業との差でまた勧告を受ける、こういうことで勧告を受けた場合、来年度一体勧告の実施ができ得るであろうか、せめて十月一日を九月にしたのでございますから、九月ぐらいは守らなきゃならぬ、こういうことになると、とてもこれは私がいま考えておって守れるような状況でない、一月になるか、来年の四月になるか、これはたいへんなことになる。これはまごまごしたら内閣飛んじまう、ほんとうに真剣にそういう考えであります。これは所得政策などというよりも賃金ストップだと言われてもしようがないという事態が起きますので、まじめに考えております。でありますから、きょうも、増原給与担当大臣もおりますが、例の六人委員会を開きまして、どうするのだ、来年は。勧告が出ないような情勢をつくりますということは遺憾ながら申し上げられないので、出たらどうするかということで、まあまあ出てからの話だというような無責任なこともできませんので、真剣にけさも一時間これに対して検討して次官会議を開き、人事院の御意見も聞いて、制度上どうするかということを真剣に考えよう、こういういま前向きの態勢をとっておるわけでございますから、ひとつ過去のことは過去のことといたしまして、将来また御注意がございましたらお聞かせいただいて、これはほんとうに政府だけの考えではなく、いろいろな意見を聞きながら、より合理的なものにしていきたいという考え方があることだけは、ひとつ申し上げて御理解を得たいと思うのです。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 大蔵大臣、来年の勧告があることは間違いないですよ。それは労働省が毎月勤労統計を発表しております。これは三十人以上の企業ですが、毎月勤労統計を発表している。この数字が十月まで出ている。で、ことしの四月を一〇〇としますと、非常な上がり方ですね。この十月ですね、六・五%上がっている。これは昨年よりも上がっている。昨年はこんなに上がっていない。ことしは四月を基準とすると、十月ですでに民間は六・五%上がっている。これがまたぐっぐっと上がりますよ。物価もがんがん上がる。勧告がないというようなことではお話にならない。これは勧告がある。すでにいままでも六・五%上がっている。勧告はある。しかも、ことしみたいな八・五とか七・九という小さなものではないですよ。すでに六・五%上がっている。これがぐっとまた上がります、来年の四月まで。これは頭の痛いところなんでしょうが、しかし、事実はこれは勧告はあります。はっきりしている。そこで大臣にお尋ねしますがね、四十年度の予算をいま編成されておるのですが、その場合の勤労所得の一人当たり平均伸びはどのくらいと考えておりますか。去年は九・一%伸びる、こう申されておられた、三十九年度は。今年度の税収の見込みの場合に、これは大臣でなくてもいいです、何ぼ伸びると見ておられますか。来年の予算を組むのに税収を見積もらなければならない、その税収を見積もるときに賃金はどれだけ上がると考えておりますか、きめておるか、七%八%上がるということを、どうですか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 予算は、いま各省の査定を行なっておる段階でございまして、まだ経済見通し等の数字が固まっておりません。十九日くらいまでに固めたい、こういうことでやっておるわけでありまして、今年度の成長率が一体どうなるのか、大体当初七%、名目九・七%でございましたが、引き締め下にございましても、現在一〇%に近い高い水準のようでございます。しかし、これから一−三月の問題もございますので、年度間を通じまして、大体どの程度ということをいま試算をいたしておるわけでございます。それから中期経済見通しにおきましては、四十三年まで五カ年間平均八・一%という数字が出ておりますので、この中期経済計画の見通しを基礎にして、今年度の成長率を差し引いて、残りの四年間にどのような状態で経済成長が進むであろうか、また進めなければならぬかということを、いま作業中でございます。でございますので、現在来年度の経済成長率をさだかに申し上げられる段階でございませんが、しかし、もう三日か四日後だから全然わからぬことではないだろう、こういうことで、しいて申し上げれば七%と八%の間くらいの成長率であろう、まあその場合に一体どのくらいの税収——まださだかな数字は申し上げられませんが、まあ大体来年度の成長率は実質七%ないし八%、足して二で割れば七・五ということになりますが、そういうような幅であって、名目成長率が大体一〇%を越すであろうといったことになりますと、まだこれは輸出の状況とか国際収支の長期資本流入のめどがついておりませんで、正確な数字にはなりませんが、大体一〇%を越すであろう、弾性値一・五を適用いたしますと、大体明年四千五百億程度の増収があるということであります。これは全く大ざっぱな話でありまして、四千五百億を積み重ねて、その中で所得税が一体幾らか、そのもとである所得の伸び率が幾らであるということを計算して申し上げておるわけではございません。でございますから、もう少したちまして、少なくも来年の一月二十日からの国会で十分数字をあげて御説明いたしますが、いまの段階でどの程度所得率が伸びるのかを申し上げられる段階にはございません。これは事務当局にお聞きになっても、現在経済企画庁との作業をやろうということでございますので、現在はまだ全く未確定な状態でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 未確定でも、実質七、八%、名目一〇%をこすというような大体のお話ですと、やはり給与所得の増というものは相当見積もらなきゃならぬというふうに思いますが、六%になるか七%になるか八%になるか、いずれにいたしましても、給与の所得というものは四十年度はそれだけ伸びると、こう見ておられるわけですね。上げざるを得ない。大蔵省自身、勧告のあるのを認めているのです。勧告はありますよ。それはありますから、そういう場合に補正予算でどうしても見なきゃならぬということがわからないのです。含み金でも、つかみ金をもってでも、予備費の中へでも含めるべきじゃないかということです。組めないはずはないじゃないですか。前は三公社五現業がそうだったのですよ。それがこの五、六年の間に補正予算を組まないでやるようになったのですよ。これにはしかけがある。私はぜひそれをしようと思うが、いろいろ影響があるから説明しないだけの話です。だから公務員の場合もそのしかけをつくりなさい。つくらないということは、それは公務員の給与というものを軽視していると私は思うのです。あるいは労働権を軽視しているのだ。武士は食わねど高ようじというのは徳川時代の話ですよ。いまの近代体制には適用できない。まずこれは政府の手足になって働いている者の賃金というものを重要視しない、これは財政当局の私は一貫した考えだと思うのです。それは改めなければだめですよ。補正財源で何でもかんでも消化しようなんていう横着な根性では、この問題は解決しないと私は思うのです。前向きに解決するというのですから、これは大蔵大臣、含みでもいい、つかみ金でも何でもいい、三公社五現業と同じように処理してもらいたい。そうでないと、また来年がばかげた話ですよ。この問題は手に負えぬようになる。たいへんなものです、来年はまた。ことし以上大きな問題になる。その点については、大臣もう一ぺん。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 官公吏の給与問題を軽視しておる、そんなことは絶対ございません。これは全く尊重いたしております。重視もしております。私自身もあなたと同じ考えなんです。実際において働いてもらっておりまして、私も現業を持っておりますから、この現業の諸君と給与の問題で絶えず不信感を持つ、これは非常につらいことであります。はなはだ遺憾だと思います。ですから、いま私が一番困っておるのは公務員給与の問題と米価の問題です。これはもう生産者米価は上がっても、とにかく消費者米価の問題というのはなかなかむずかしい。同じこの公務員の給与のベースアップの勧告を受けて、これはどうも値切った、値切ったと、私のほうでは最善の努力はしているのですが、どう考えても、五月一日から実施をするということがもし確定しても、一カ月値切ったんじゃないか。これは全部やっても昔値切ったのをどうするのだ、これはどこまででもいくのであります。私はこういうことを考えると、こんなことでいいか、実際。ですから法制上も整備をして、何かお互いの間に争いのないように、これはあなたがいま言ったように、三公社五現業のように企業会計ではありませんから、料金収入とか、お互いが合理化メリットによってみずから賃金を得たり、予定よりも増収が上がった場合は期末賞与というものを団体交渉において得られるという制度のものではない。と同時に、公務員というものは一定のワクの中で縛られておって、そして大いに努力をしてもメリットが自分たちのところに与えられない。しかも闘争権はない、罷業権はないと、こういうことからいうと、私は何かもっと合理化したい。こういうことでもって、ほんとうに私は真剣に考えているけれども、また将来私たちもお互いに長い政治生活をするのですから、こんなことは一日も早い機会に片づけておきたい、こういうことですが、遺憾ながら、考えてはいても、どうもうまくいかない、というのは、一般会計の制度であります。国民の税金はどう使うか、使うことに対しても非常に厳密な租税法定主義であって、法律によらざれば税を徴してはならない、同時に、この国民の血税を使う場合に対しては、法律で相当手きびしく縛っておる。これは当然のことであります。そういう制度の中でうまくやるといっても、なかなかうまくいかないのです。そういうところが非常に困っておるわけで、ですから人事院総裁にも、私もいろいろ親しい間柄でありますから、何とかこれを、ちょうど八月に勧告をするわけでありますから、八月は概算要求をする時期であります。政令に基づきまして人事院勧告も八月の末までにやってもらって、来年度予算はこの勧告によるべし、こういうことにでもしてもらえば、これは何とかして予算の前ですから、これはひとつ組まざるを得ない、こういうようなことが一番いい。ただ、前年度の四月の状態でございますから、この前年度の四月と、実施をする来年度の四月との間の一年間を一回だけどうするか、こういう問題を何とか考えればできるのじゃないかというところまで考えて見ました。しかし、それは一ぺんだけ利子補給をすればそれでいいのかというと、いやそうじゃない、利子補給を一ぺんした原資に対しては、償還が終わるまで利子補給をしろ、こういうことを要求されるので、ついに利子補給はいたしませんということになるのと同じように、一年間の差は一回だけではなく、絶えず一年前の状態によって計算をするので、一年間分の差額が永久に——永久に勧告の出るような政治では困りますが、そういう過程においては全部補てんをしなければいかぬ。こうなると、これはとてもむずかしい。そういう場合には、増税ができるとか、減税をやめるとか、こういう問題とぶつかってまいります。私自身もここ一年半ばかり積極的に考えました。大蔵省の事務当局は少し先に行き過ぎるというくらい注意を受けても、私はあらゆる面を考えてみて、何とかお互いの不信感だけは取り除こうと考えたのですが、なかなかいまの制度の中では、いますぐむずかしいということで、ついにこの四十年度の予算編成には間に合いませんから、せめて六人委員会で話をしたこの気持ちをもう少し合理的にするために、大蔵省と、自治省と、それから増原さんのところと、それから労働省と、この四次官をひとつ集めて、そして総務長官が中心になって人事院の意向を十分聞いて、何とか知恵を出せと言っている。優秀な官僚は知恵があるのだから知恵を出せ、こういうことをきょうようやくきめた。ですから何とかしたいという考えはあるのですが、どうもいますぐ四十年度に間に合うということではないようですし、しかし、お互いにこういう問題はいつまでも同じことを、争いの種を残しているようなことは政治の上でもいいことではありませんので、何らかの措置があれば考えたい。政府がこのまま前向きになっておるんですから、どうぞひとつその苦衷をお察しいただいて、ひとつ御理解を賜わりたいと思います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 いま大蔵大臣の話は前向きじゃないです。それは大後退ですよ、若干違った面は少しはありますけれども、三十四年までは翌年の四月実施です。三十五年から年内の十月になったわけです。ことしはそれが九月一日になった。これは大蔵大臣が努力されたせいですが、これをまた翌年の四月から実施するなんといったら、これは前に戻るのですよ。これは前向きどころの騒ぎじゃなくて、これは大きな後退なんですがね。しかし、その一年間を何とか埋めたい、こういうふうにおっしゃいますが、しかしやはり事実は四月末の調査が翌年の四月実施です。毎年ですよ。その間、埋めなければならぬ。そんなばかなことをするのなら、当初予算に組んだほうがいい。だから大臣、これはやる気がないのだと私思うのです。そうですよ。今年はあんなに財源のないところでとにかくやる気があるものだから、一カ月さかのぼった。四年、十月一日が続いて、本年はさかのぼった。その程度のやる気があるかないかの問題じゃないですか。ですから、私は会計制度が違うとかなんとかいう話では全然受けられない。たとえば退職金の問題だって例をあげてもいいですよ。あるいは昇給原資の問題でも、二、三%のものを組んでおけば、七%六%の勧告出たって、そう驚かないでいい。びっくりぎょうてんしなくてもいい。さらには八月から十一月にかけて、てんやわんやしないでいい。全く非能率な、ばかげた話ですよ。ですから、大臣がそこまで前向きだというふうにおっしゃるのですが、そういうお考えなら、何か当初予算の中に若干の含みを持たしておいたらどうですか。できないことないですよ。その点について最後にお尋ねをして、それからもう一つ大臣にお尋ねをしたいのは、衆議院で附帯決議がつきましたですね。この衆議院の附帯決議は、人事院勧告を完全実施するために予算措置を講ずるよう最善を尽くすべきである、こういう附帯決議です。これについて出席しておった大蔵政務次官は何とも言わなかったそうですが、附帯決議がついたら、政府は、ひとつよろしく誠意をもって努力いたします、こういう答弁をするのが正常な状態なんですよ。何も言わなかったそうです。ですからこの附帯決議について、どういうふうな考えを持っておられるのか、この二つをお尋ねします。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) いずれにしましても、当初予算に見込み数字を計上することは、現在の法制上非常にむずかしいということをはっきり申し上げておきます。それから事実問題として、昭和四十年度の予算編成に対して、財源上どうかというと、これは見込み数字を組み込む財源的余裕はありません。これははっきり申し上げておきます。昭和三十六年は対前年度比二二・六%でございます。三十七年は二二・四%、私になりましてから三十八年は財政規模が大きい大きいとおしかりになっておりますが、一七・四%、今年度は一四・二%、まあそれよりももっと来年度は少なくなります。ですから対前年度当初予算の増額比が三年間で約五五%に減る、こういうことから考えますと、それでもなお財源は非常に苦しい、きょうもおしかりを受けておりますが、減債基金制度を変更しまして、剰余財源の二分の一を国債整理基金に繰り入れるものを、これを四分の一にして、百六十数億円の財源措置も必要とするかもしらぬというように、非常に窮屈なところでございます。また窮屈であるというけれども、これが普通である。いままでのやつが間違っておった、いままでのように大きく超高度成長をするので、物価が上がったから、七%というより六%くらいに下げなさい、そうしないと物価は下がらない。またひずみの問題も解消できない。こういうことで、正常な状態、ノーマルな状態になりつつあるわけであります。そういう状態で、とても現在の状態で予見をして、三百億でも二百億でも組み入れられるという現状にないということだけは事実でございます。これはひとつまあ余すところなくほんとうのところを申し上げておきます。  それから衆議院の附帯決議はどうか、これは私はその当時出席をしておりませんでした。おりませんでしたから、他に政務次官が出席しておったかどうかわかりません。出席しておったけれども、黙っておったということの事情は承知いたしておりません。まあ普通からというと、附帯条件がつきますと、附帯決議に対しては、附帯決議の趣旨を尊重いたすべく最善の努力をいたしますということを申し上げることになっておりますが、それを申し上げておらぬということはどういうことかわかりません。わかりませんが、少なくとも人事院勧告を尊重しないという投げやりの姿勢ではございません。このことはあらためて申し上げておきます。衆参両院の決議に対しては尊重するということはあたりまえであります。ただ、尊重するというならば、来年の四月一日からやれるかといいますと、それは予算上、資金上の問題があるので、他の、国民に対するいろいろな状況等に十分注意しながら、国会の決議を尊重しつつ最善の努力を傾ける、こういうことで御了承をいただきたいと思います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 少し長くなりましたが、これは三公社五現業におきましても予算上、資金上ということであったわけですが、この問題が五年くらい前から解決をしたということになって、いらざる紛争がこれでなくなっておる。公務員の場合は依然としてこの紛争は残っておる。財源上来年はいよいよ苦しいということであるが、来年は今年以上の紛争になるというふうに見なければならぬと思う。でありますから、私としてはこの問題は、紛争を起こすということはよくない。だから大臣のおっしゃるように、前向きの姿勢でもっと根本的に考える必要があると思う。また大臣の気持ちの中に、三公社五現業と違って、公務員の賃金についてやはり軽視しているという考え方をどうしても捨てきれない。ですから、今後、衆議院の附帯決議もついておるし、当委員会においても附帯決議をつけようと思いますが、今後、大蔵大臣として一そうの御検討を願って、大臣に対する質問を終わりたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 検討いたします。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 そこで、続いて、先ほど私は七等級の五、六から——結婚年齢から、六等級、五等級、四等級というところがいかに冷遇され、虐待されておるかという点について、五点、六点、それぞれ理由をあげて申し上げた。それぞれにつきまして給与局長から答弁がございましたのですが、しかし、あの答弁は私に言わせますと、全然答弁になっていない。全く答弁になっていない。昇格問題もお話がありましたが、これも答弁になっていない。あるいは昇給の問題についてどうだこうだというお話がありましたが、六等級の十五、六号なんというのは一人か二人しかいない、ああいうところは。六万人の中で二人、三人、十人ぐらいしかいないところを一二、三%上げてある。こんなところを上げても上げたことにはならない。ですから私は、この問題は総裁をよく御存じないじゃないかと思うのですがね。知っておれば、総裁がこんなことをされるはずはないと思う。人事院は、長年の間こういう非常に数字的にいじくり回した経験と経緯がありますから、だからわかっておるに違いないと思う。だがしかし、何ともしがたい点があるかもしれぬ、過去のいきさつからいって。総裁はこれを御存じないんじゃないですか。私はこの問題については何回か問題にしてきておる。きょうも詳細に申し上げようと思うけれどもその時間がないから申し上げないだけの話で、ただ要点だけを申し上げておるはずなんです。おわかりになっていないんじゃないですか。ですからこれをどういうふうにしなければならないかという点について、私は一つは昇格問題をはっきりしてもらいたい。これが第一点です。これによって痛めつけられておる、ここが。その根拠とするところは、私も無方針で言っておるのではない。人事院が、すでに八等から七等級は、ある意味でスムーズになるようにしてある。三等以上は、これは御承知のとおり、大きく弾力性を持たした。四等も形の上では新三等級というものをつくることによって二分割をするという形で、これまた弾力性を持たした。問題は六等、五等級というのが残っておる。それを変える必要があるという点です。できますよ、やれば。できないはずはないです。  もう一点は、ここのところの昇給金額をもう少し変える、しかも、これはおかしいと思うのだけれども、大体、人事院は、従来は各等級の中位号俸、まん中の号俸、ですから、六等級、七等級のところでいいますと八号俸ぐらいのところ、六等級でいうと七号、八号ぐらいのところ、そこを中心に置いておった。ところが、いまや、初めのところを中心に置いておる。六等級の一号、二号、三号というところ、五等級も一号、二号、三号というところを非常に重点を置いておる。そこのところは、ごく一部の公務員が、すうすうと通っていく人たちがそこを通るわけです。今度なんかもひどいのですが、きのう職場に行きましたら、こういう話をしているのですな、ひでえもんだ、これは人事院がするんだろうか政府がするんだろうか、ひでえもんだと。今度は一挙に三号俸、四号俸上がる人があるというのです。それを盛んに言っていますよ。聞いてみたら、調べてみたら人事院がやっておると。たとえば四等級一号の人は三等級の一号になるわけですよ、今度。これは四号、五号一挙に上がるわけです。四等級の二号俸の人、これも三等級の一号になる。一挙に三号俸も飛んじまう。四号俸も飛んじまう。これは、この新三等級ができたときに、上級職の連中が言ったのは、新三等級ができたために、よけいなのが一つできた。そこでおれらも二、三年足踏みをしなければならぬという不満が非常に強いわけです。新三等級ができたときに、新三等がなければ、四等から三等に移れた。いまでいえば二等に移れた。ところが、新三等ができたために、二、三年歩かなければならぬ。そんなばかな話はないと、こう言うのです。それを解決するために、今度、こんなことをやっておる。一挙に三号、四号も上げてしまうというやり方をやっているのじゃないかというように思うのです。それは一つのよけいな例ですけれども、いずれにしましても、私は、人事院が、圧倒的公務員、八五%の公務員を、なぜこんなに踏んだりけったりしなければならないか、あらゆる角度から踏んだりけったりしておる。昇格問題からいっても、引き上げ率からいっても、昇給金額からいっても、どういう点からいっても踏んだりけったりしておる。これについて私は人事院総裁の答弁を聞きたい。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 先ほど給与局長から一応お答えいたしましたところについて、この際重ねてのお尋ねでございますが、最初から給与局長の答弁なかなか正直に、問題は問題としてここで申し上げておるという感じを持ちました。そういう気持ちでわれわれは問題に臨んでおるということを、まず最初に御納得いただきたいと思います。なお、いま、お話の中で、四等、五等、六等という辺の、一種の、これはおそらく壁の問題を指摘されておるのじゃないかと思いますが、壁の問題は、申しますまでもございませんが、要するに、それぞれ各等級については職務の責任あるいは性質というようなものをとらえて、標準の職務をつくらなければならないわけでありますから、等級の制度をとっ払ったと同じようなぐあいには、これはできないわけです。したがいまして、それは単純な問題ではありません。ありませんが、しかし、お話の趣旨もわからぬことはない。したがいまして、そういう理念に即して検討していく、そうしてそういう理念からくる説明がつくものは、これは何もこだわる必要はないので、何も私どもは踏んだりけったりするためにある役所ではございませんから、それだけの心意気は持っております。それだけひとつお含みおきを願いたいと思います。

瀧本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(瀧本忠男君) また補足させていただきますが、昇格問題につきましては、先ほど総裁が申し上げましたように、これはやはり現在の公務員法並びに給与法におきまして当然あるワクなんで、これを全部通し号俸でやれとおっしゃっても、これはまあ法律のワクをこえた話になるわけであります。まあそうは申しましても、先ほども申し上げましたように、やはりその辺の人事管理上の問題がございまするので、その限度におきましては、われわれも従来も努力してまいったつもりでありまするが、今後におきましても重ねて努力をしてまいりたいと申し上げるよりしかたがない。やはりこれは誠実にやりたいというふうに思っております。  なお、先ほど例にお出しになりました八等級から七等級の問題は、これは人事院がやっておるのではないのでございまして、等級十五級制度から、現在の等級制度に切りかえるに際しまして、国会でそういう御意向がございまして、それに従ってやっておるという点は、これは御了承おき願わなければならぬというふうに考えます。  それから昇給金額につきましても、先ほど舌足らずのことを申し上げたのでございまするが、今回、先ほどちょっと最高号俸のところだけを申し上げましたので、あるいは十分御理解いただけなかったのではなかろうかというふうに思いまするが、たとえば例を六等級にとってみますると、初号辺で、現在昇給間差額が千五百円のものを千六百円にいたしております。五号飛びで申し上げますが、五号の辺で千八百円が千八百円、十号辺で、千四百円が千六百円ぐらい、それから十五号の辺で七百円が千円ぐらい、それから五等級で申しますると、初号、現在二千円の間差額が今回も二千円、それから五号のところで千九百円が二千円、十号のところで千四百円が千六百円。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 それはわかっている。

瀧本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(瀧本忠男君) わかっておる……。それじゃ重ねて申し上げるまでもございませんが、おわかり願っておるのならばそれでけっこうなんであります。改善したのは最高号俸のところだけじゃないのでございまして、そのことは十分おわかり願っていれば非常に幸いだというふうに考えます。  それから新三等級の問題に関連いたしまして、非常に飛ぶじゃないか、飛ぶ場合があるのじゃないかというような話がございまするけれども、われわれは四等級の人が新三等級に昇格いたします際、切りかえの際に合わせて昇格をいたすわけでありますが、新三等級には標準職務表というものを定めておることは申すまでもございませんし、それから資格基準表というものを定めまして、四等級の在等級年数あるいは四等級を合わせました在級年数と申しますか、経験年数、勤続年数、そういうものをきめておりまして、それで最低限の資格をきめておるということでやっておるのでございまして、決して無秩序にやっておるというわけではないので、その辺も御了承願いたい。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 いま瀧本さんが御説明になったようなものは資料でいただいているからようわかっている。その上に立って言っているので、そんなことは上げたことにならないと私は言っているのです。この一等、二等、三等の引き上げ率、昇給金額の引き上げ率からいったって、上げたことにならない、下がっている。百円やそこら上がったかもしれません。率は下がっている、ところが一等、二等、三等全部上がっているじゃないか、昇給率というものは上がっているじゃないか。下がっているのですよ。私は何も知らなくて言っているのじゃないのです。下がっている。だから、いま総裁なり局長が答弁されたように、六等から五等へ、五等から四等へという昇格問題について、ほかの等級の壁と同じようにこれから努力されるということでやれば、これは私はわかります。そうでなければ、いつまでたってもだめですよ。ここのところは。ですからそういうことで了解します。  それから次に、行(二)の問題を伺っておきます。どうしてもやっておかなければいけない。行(二)という俸給表は、非常に悪い俵給表だと、総裁は、これは人道上の問題だから、ぜひ今後とも一そうの努力をしたいということだったのです。ところが、今度の勧告を見ますと、あまり努力をされていない。これがいかに惨たんたる俸給表であるかということは、私はもう繰り返さない。あるいは総裁御存じかもしれない。あるいはまだ御承知でないか——まあ私が何回も言ったから御承知のとおり、行政(二)というのは子供を持てない俸給表だ、子供一人持てない俸給表なんだということなんですね。四十五歳にならなければ夫婦になれないという俸給表なんです。人事院の標準生計費から、はっきり出るわけですからね。二人世帯というのは二万七千円要る、人事院の計算ですと。二万七千円を行(二)の人が取るのには、四十五にならなければ取れない。子供一人持ちますと、三万六千円要るということに人事院の標準生計費ではなっている。三万六千円取るというのは——行(二)の人はいつまでたっても三万六千円にはならない。ですから、これは子供一人持てない俸給表じゃないか。しかもこの行(二)というのは、御承知のとおり平均年齢が四十二歳、平均経験年数が十八年。十五の俸給表がありますけれども、その中で最も高年齢なんです。しかも経験年数が最も高い。こういう人たちに対してこんな子供を持てないような俸給表をつくっておるということは、これは私は理解つかないですね。子供一人持てない、三人世帯になれないような俸給表をつくっておるわけですよ。ですから、この問題について私は今後人事院が一そうの努力をすべきだと思うのです。具体的に申し上げますと、この昇格を非常に押えていますね。昇格ですよ。たとえば行(二)というのは六万人が適用を受けているのですが、六万人の中で最も多いのは自動車の運転手さんです。これは一番多い。これが約八千五百名ですね。その次に多いのが守衛さんです。それから電話交換手の三千五百名とか、こういうのが多いわけですね。ところが、電話交換手を見ますと、これは一等級というのは暁天の星みたいだ。それから自動車の運転手さんにしてもしかり。一等級というのは八千五百名の中で何十名しかいない。二等級というのは、これまた暁天の星みたいだ。なぜこういうふうに昇格問題に対してこんな壁をつくらなければならないのか。俸給表を別にしたのですから——俸給表を別にしてあるでしょう。それで、行(一)の四等級以下が行(二)の俸給表に大体なっている。行(一)の場合の四等級というのは二万一千名おりますよ。ほんとうですよ。率からいっても相当な数字です。五等級からいっても、五等級は二十三万ですから相当な数字です。ところが、この行(二)の場合は、一等級、二等級はまるで暁の星みたいですよ。こういう俸給表を別にしているのにかかわらず、行(一)と同じようにこんなむちゃくちゃに厳格な昇格を何でやっておられるのか。一等級は次官ですか、そうではないでしょう。こういう昇格の問題を私はまず根本的に考える必要があるというように思いますが、これはひとつ御答弁をいただきます。ひどいですよ。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 行(二)の方々の関係は最もわれわれが心を痛めておるところであるということは、これはいまのおことばでも御了解いただいておるように拝察するわけです。その気持ちはわかっていただけると思うのです。そういうところから——まあこれもすでに御承知のことで、ここで繰り返す必要はないと思いますけれども、たとえば昭和三十七年、三十八年、今回の勧告におきましても、できる限りの努力はしてまいっておるつもりでございます。しかし、この努力では足りないというおことばだろうと思います。私どもが今後行(二)の関係については特に留意をいたしまして、そうして少しでもいい方向に持ってまいりたい、そういう気持でおります。

瀧本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(瀧本忠男君) ただいま総裁が御答弁になりましたように、人事院といたしましては、これは総裁の御命令もございますし、また、御指摘の点につきまして、人事院といたしまして行(二)につきまして努力はしてまいったのでございまするけれども、その努力が御指摘のように不十分であるということも、これまた認めざるを得ないような現状でございます。したがいまして、今後におきましては、これは俸給表の問題のみならず、その運用等も含めまして、さらに一そうの研究をしてまいりたい、このように思っております。ただ、申し上げてみたいことは、行(二)につきましては、現在のところ、いろいろな各職種がございますが、年齢の高い方が非常に多いのでありまするが、全体的に見ますると、民間と較差が大体合っておるという形になっておるのでありまして、それでなおかつおかしいじゃないかという御指摘がまあよく出るのであります。考えてみますると、その配分方法がやはりどうもうまくないのではなかろうかという問題があるようでございます。まあその職種別の配分方法等につきましても、今後十分研究してまいらなければならないというふうに思っておりまするが、今回は、先ほど御指摘の電話交換千等につきましても、これは標準職務表を一部改定をいたしまして、車庫長あるいは電話交換手の主任というような方々は、一等級に出得るような道を開きたい。また守衛長等につきましては、現在では三等級どまりということになっておるのでありまするが、これも二等級まで出るように標準職務表を改めたい。また、小使さん、用務員の方々の主任といわれるような方々につきましても、三等級に出られる、まあそういうことも実行上の問題として、してまいりたい、このように考えております。まあ行(二)全体につきましては、先ほど総裁の言われたおことばに尽きておりますように、われわれとしましては、もう先ほどの行(一)の中位等級と申しまするか、その辺の問題と、行(二)の問題、この辺が今後の給与改善にあたりまして、これは主力を置いて究研し、努力しなければならぬところであり、また、努力してまいりたい、このように思います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 電話交換手の例をとりますと、先ほど私は——三千三百名おる、この電話交換手というのは。その中で一等級というのは十三名です。これは暁の星みたいなものです。それから二等級は百五名です。だから、部下が何名おるとかなんとかを行(二)で言う必要があるのでしょうか。大車庫長とか、中車庫長とか、小車庫長とか、そんな部下が何名おるとか、行(二)に言う必要があるのですかね。そんなことでやるから、部下がいなければどうだこうだということを言われるから……。一体昇格問題を根本的に考える必要がある。行(二)の場合、なぜこれは一等級というのは次官と同じように考えにゃいかぬのですか。こんな行(二)というのは、先ほど私が言っているように、行(一)から俸級表を分けて四等級以下の賃金になっているのですよ。その場合に、昇格をこんなにうるさく言ったのじゃ成り立ちようがないじゃないですか。給料の上がりようがないじゃないですか。運転手さんでも、合わせますとこれは八千五百名。八千五百名の中の一等級なんというのは、合わせて六十名しかいない。こんなふうにする必要はないと私は思う。まことにこの昇格問題というのは、この行(二)の一等級の場合においては昇格問題というものを根本的に考えるというお考えがあるかどうかですね。ひど過ぎるのです、これは。で、先ほど私が言いましたように、この十五の俸給表の中で最も年齢が高いのです。しかも、経験年数でも最も高い。しかも、これはばらばらに散らばって散在している。ところが、自動車の運転手とかなんとか、あるいは小使さんとかはすみっこにあって仕事をしている、そういう人たちだけに、これは私は考えなきゃいかぬ。こんな昇格問題をやられたのじゃ処置ないと思うのです。だから、私は根本的に昇格問題を考えるという必要があると思うのです。その点についてお尋ねをします。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 行(二)の場合について昇格問題等を行(一)の場合と完全に同じに考えるということは、これは事柄の性質上非常にむずかしいことは当然おわかりと思いますが、行(二)の、御指摘のような点をめぐって、いまおことばにありましたように根本的にひとつ考えようじゃないかということは、われわれも実は寄り寄りそういうことを言っております。これの根本的な改革がいつになるかそれは別であります。それくらいの心組みで臨んでいくという決意でおります。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 もう一つ行(二)の問題についてお尊ねをしておきたいのですが、行(二)の場合は行(一)その他の俸給表と違いまして、中途採用が非常に多いわけですね。その中途採用が多いために民間歴を官歴に換算する、これが大きな問題になるわけです。小使さんが入ってくるという場合に、なぜ民歴を言わなければならぬか、自動車の運転手さんが入ってくるのになぜ民歴を言わなければならぬか、運転は同じじゃないですか。どこに差がある。小使さんの場合にしても運転手さんの場合にしてもタイピストにしても技術です、これは。それを行(一)と似たような形で民間歴がどうだということで計算される。中途採用者が多いだけに、非常にこれは弊害ですよ。私は、この民歴の換算についても行(二)の場合においては特に根本的に考え直す必要があるというふうに思います。小使さんを、民歴が五年の小使さんが来たから、お前の五年間というのは、というようなことでは話にならぬです。その点について。

瀧本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(瀧本忠男君) いろいろ行(二)ついてお話が出まして、われわれ非常に参考にもなりますので十分研究したいと思うのでありますが、現在におきましても行(二)の中で、いわゆる自動車運転手そのほか建設機械、操舵手、いわゆる技能職員、大分けにしましてそういうグループと、それから用務員、守衛さんというような、どっちかというと労務的な職員と二通りあろうかと思うのであります。技能労務職員の場合には、御指摘のように経験年数ということを問題にいたしておるのでございます。労務的な場合には、これはあまりそこのところは問題にいたしておりません。技能労務職員につきましても御指摘の点等はかねて問題になっておる点でございましたので、われわれここ一、二年の間に、累次に従来の二分の三計算というのを逐次なしくずしにこれを廃止していくという方向で現在努力しております。これは今後におきましても一そうその努力を続けたいというふうに思うのです。労務のほうにつきましては、もともとこれは民間の経歴というものは問題にいたさずにやっております。しかし公務の中に入ってこられました以上は、そこでやはり前後のこれは序列といいますか、そういうような問題ができるので、それをやたらにくずすことはできませんので、その辺につきましては、これは細心の注意をしてやってまいりたい。いずれにいたしましても、御指摘の点等につきましては十分研究し、また対応策を考えてまいりたい、かように考えております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 自動車運転手さんのような技能職については民歴が一年六カ月、これが一年になるのでしょう。それから十年の自動車の運転の経験があったとしても役所へ来た場合には六年くらいの経験として見るわけでしょう。そんなばかなことがありますか。小使さんとか、守衛さんとかというところは、一年二カ月民間の経歴があれば一年というふうな計算をするようですね。ですけれども、こういう技能職について、運転の技術の問題でしょう。それをこんにに切っちまうから、だから経験年数がうんと短くなってしまって下のほうに格づけされる。いままで人事院が努力してきたことは認めます。そのとおり努力してこられました。特にこの二、三年努力してこられている。しかしなおこういうものが残っている。一年六カ月というのが一年。こういうことでは私は行(二)の場合には非常に問題だと思います。  もう一つ、こういうことをやっている。たとえば技能の場合、技能の経験年数の換算には三年を差し引くということをやっておる。こんなばかなことをなぜやるのですか、自動車の運転手さんをはじめ免許証所有者の場合ですね、三年差っ引いてしまう。十年経験を持っておっても頭から三年差っ引いちゃう、七年で計算する。しかも今度は七年の一年一年が、一年六カ月つとめて一年、民間の一年六カ月が一年です。こんなおかしなことはないですよ。それは戦争前ならいいかもしれませんよ。ですから、いまの場合に私はこういう計算をやられては困る。即刻これはやめてもらいたい、こういうものは。いかがですか。

瀧本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(瀧本忠男君) 三年差っ引くとおっしゃるのですが、これをやった趣旨は、とにかく経験がなくても三年までのところは経験があるものと同様に取り扱おうという趣旨で始めたわけでございます。したがいまして現在のようなたてまえになっているのであります。これは二、三年前にやったことでございますが、なっておりますが、現在となってみまするというと、三年を差っ引くという問題は、非常に差っ引き方にウエートがかかりまして、御指摘のような点がございます。したがいまして、この点は今回法律を通していただきます機会に、あわせて改めたい、このように考えております。  それからこの過去の経験年数を差し引いて考えるという問題でございますが、これも現存の技能労務職員につきまして、ある程度は直しておるのでありますが、これも漸進的に直してまいりたい。御趣旨に従いまして直していきたい、このように考えております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 いま局長さんあるいは総裁が御答弁になった内容からしますれば、今後この行(二)の問題について改善の道が開けるものというふうに思います。思いますが、御承知のように三年くらい人事院としまして行(二)の問題についていろいろ努力してこられた、また在職者調整をやられるというふうに努力してこられたが、その前に入った人たちですね、三年、四年前に入った人たち、あるいは三十二年前に入った人たち——三十二年前に入った人たちは非常に頭を打ったんですね、それは是正されたわけですが、その前に入った人たち、こういう人たちは、三年くらい前から行(二)の俸給表は漸次よくなったけれども、そのよくなった俸給表に乗れない、下のほうにおるわけです。そういう問題についてどういうふうに是正をする考えを持っておられますか。

瀧本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(瀧本忠男君) ちょっと大ざっぱなことを申して恐縮でございますが、行(二)につきまして現在比較的数の多いのは、先ほど御指摘もございましたように、守衛、用務員というものが比較的数が多いのであります。こういう方は、わりあい年齢のいかれた方が多いということは申し上げるまでもありません。そういうことで行(二)の平均年齢が高くなっておるということもございます。そういう、わりあい高年齢の労務職員という方々だけをとりまして、そうして民間の同種の方と比べてみますと、公務のほうが高くなっているというような現状があるわけでございます。そこで行(二)の関係につきましては、技能関係の職員と労務関係の職員と同じような俸給表を適用している。問題は三等級辺が主力で、いずれにも共通しているような問題があるわけでございます。そこで、いまのような形のままで御指摘のような点に対処するには非常にむずかしい。現に民間と比較して高くなっているような方々を高くするというような結果になってしまったり、いろいろな困難な問題があるわけです。そういう点につきましては、われわれ技術的にもう少し検討してみたいというふうに思っております。このことはもう大きな見地から申しますると、やはり相当年齢のいった技能職員、この方々が、全体がバランスとれるとしても、その辺が引っ込んでおるということはどうも事実であります。したがいまして、そこにつきましては、十分今後何らかの方法を考えまして対処しなければならぬ、このように考えます。ただ、まあしかしそういうことにつきましても、全然やっていないわけではないので、これは先ほどもお認めいただいたのでありますが、いわゆる間引きをやります際にも、行(一)そのほかの俸給表では、いわゆる三節という間引きをやったのでありますが、四号俸について一号間引くというのを一節としまして、三節やった。行(二)については四節やっております。したがいまして、今回もまた在職者調整で、行(一)なんかはいわゆる三短しか出ておらぬのでありますが、行(二)においては六短のものも出てまいる。そういうところが全部かぶっておるとは申しません。しかし、何ほどかやはりそういう方々の改善に役立つことになっておるのじゃなかろうかというように思っております。いずれにいたしましても、御指摘の問題は、取り扱い上非常にむずかしい問題である。技術的に非常にむずかしい問題であるというふうに思っておりますが、しかしながら、それは技術的に何とか解決したい、こういうふうに思っております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 さっき給与局長は、行(二)の場合には、民間と公務を比較した場合には大体合っているのだというふうなお話がありましたけれども、これは人事院のことしの調査で、官民対応を見た場合にびっくりすることは、十五、六から二十四、五までは民間と大体歩調が合っておる。これはこの二、三年非常にいろいろ初任給の格づけ等を変えたり、若干の在籍調整をやったりされたから若いところから、二十四、五のところは民間と大体合っている。ところが二十六から四十五の間くらいまでは民間のほうがずっと高い。公務のほうがずっと落ちる。四十五をこえると今度は公務のほうが若干民間のほうよりよくなる。こういうのでびっくりしたわけですね。よう頭に入れておいてもらいたい。私は先ほどおっしゃったような昇格問題なり、あるいはいろいろな点について考えて、今後根本的に是正されるということであれば、そういう面の是正ができるというふうに思います。ぜひそういうふうにすみやかに御努力を願いたいと思います。  次に、住宅手当についてお聞きしたいのですが、住宅手当はまたゼロになった。今度もあっちこっち歩いてみますと、住宅手当は出している。これはどうされるつもりですか。ぼくはこういう問題を専門にしておるものですから、どこへ行きましても、民間の会社へ行っても、銀行へ行っても、住宅手当はどうなっておるかと聞くのです。聞いた限りにおいては、実に合理的にできておるように思います。ですが、公務員の場合はゼロ回答になっておる。  もう一つ暫定手当、これはどうなさるおつもりですか。地方と都市との均衡をはかるという場合に、基本的な問題は、一つは暫定手当だと思うのです。ところが人事院に言わせますと、いやそれは東京都は高くなっておる。あるいは大阪が高くなっておるというお話であります。これは理由があるのだ、東京が高いのは。あるいは大阪が高いのは理由がある。それは大企業が集中しているということも一つの理由でしょう。さらにもう一つは、やはり娯楽費とか、あるいは交際費とか、雑費、こういうものが多いのですよ、都会は。住宅が高い点もあります。地方においてはそういうようなものは低い。住宅の完備ぐあいからいいましても、たとえば東京都を例にとった場合には、東京都における住宅の場合と地方における住宅の場合と非常に違う。圧倒的に違う、公務員の場合。そういう点からいいまして、私は暫定手当について、従来のような方針で人事院としては検討なさるべきではないかというふうに思います。その点についての考え方をお尋ねしておきたいと思います。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 住宅手当は勧告のたびごとに御指摘を受けるのでありますが、率直に申しまして、全く困っているということであります。私ども民間の調査におきまして見ましても、実は住宅手当を支給しております事業の数は、まだまだ半数にも達していないという程度であります。それが一つの根拠にもなるわけでありますが、もう一つは、かりにこの住宅手当を踏み切って支給しようといたしましても、千円や二千円そこらじゃ話にならない、かえってその非常識を笑われるくらいであります。手当らしい額をひねり出そうといたしますためには、結局今年で申しますと、八・五のその較差の中から、これはまたやりくりで、どこかの犠牲において出さなければならないというまたそこに障害がございます。あれこれいまだに困った困った、これは率直に困ったと申し上げてよろしいと思います。困っているのが実情であります。しかしながら、一方においてこの公務員の住宅、ことに国設の宿舎などの面もあわせて考えなければならない、これがまた絶対的に不足している、これも事実であります。ことに独身寮というものが実はほしいのであります。公務員にせっかく志願してこられましても、独身寮がないためにそれがみすみすよそに転ぜられるという事例も私どもまのあたりに見ております。そういう面の施設の保障という面もこれはあわせて考えなければならぬということで、昨年は総理大臣に私口頭でお願いいたしてまいりました。その結果、本年の予算に相当の御考慮をいただいたと思っておりますが、さらに今年は要望書というちょっとよそ行きの形になりましたが、書面にいたしまして、これは新聞等にも発表しているが、政府のほうに直接私が持ってまいりまして、お願いいたしているわけですが、そういうような面とあわせて考慮はいたしておりますが、住宅手当そのものということになりますと、これはいまのところなかなか踏み切りがつかないということを率直に申し上げておいたほうがよろしいと思います。  それから暫定手当の問題は、いよいよ三級地、四級地というところに問題が煮詰まってまいりまして、これはたいへんなことであります。この調査につきましても、これはよほど周到につぼを心得てやらないと、また不合理な結果になって、またおしかりを受けるということにもなりかねない。そういう点につきまして慎重に検討をいたしまして、りっぱな結論を出したい、こういう心組みでおりまして、目下検討の途中でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 次に、今度の人事院勧告に出ておりますところの法務省の常直手当、この問題についてお尋ねをいたしたいわけですが、この宿日直手当並びに交通手当、それから同じような常直手当が勧告されたわけですが、まだ政府に伺いたいことは、この実施は九月一日から実施されるのですか、それとも来年の四月一日ですか。

岡田勝二内閣総理大臣官房公務員制度調査室長

○政府委員(岡田勝二君) 常直手当の問題は、九月一日から実施することにいたしております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 宿日直手当は。

岡田勝二内閣総理大臣官房公務員制度調査室長

○政府委員(岡田勝二君) 同様に九月一日でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 交通手当は。

岡田勝二内閣総理大臣官房公務員制度調査室長

○政府委員(岡田勝二君) 同様に九月一日でございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 そこで、これはあと払いをされるのですか、すでに九月一日というのは過ぎているのですが。

岡田勝二内閣総理大臣官房公務員制度調査室長

○政府委員(岡田勝二君) 追給という形になるわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 次に、いまの常直手当についてお尋ねをいたしますが、まず第一にお尋ねをしたいのは、この常直手当について人事院に行政措置要求を全法務がやったのは三十七年の三月一日です。そうして三十七年に調査をしておられます、実情調査。実情調査をしておられる。そうして昨年の年末に、しかも押し迫って、これは三十八年の十二月の二十六日——いよいよ御用じまいの前の日ですね——判定が出た。そうして、ことしの八月の勧告に出ている、実施が九月一日と、こうなったわけですが、私はこれを見まして、こういう公平審査がこんなに時間かかっちゃ話にならない、裁判所と同じようなことをされたのではかなわないという点ですね。その当時も総裁にもこの問題について申し上げた。で、すぐまあ出たわけですけれども、しかし、何分にも三年かかったんじゃ、こういう判定のスロー・モーションは非常にいろいろな公平審査について不満が出ております。スローモーだ、全般ですよ。これだけの問題に限らない。全般の問題について公平審査が非常にスローモーだ。もちろん正確に的確な判定をしてもらわなきゃならない。ですから、調査なりあるいは事業の審理にあたって正確を期せられ、慎重を期せられるということは当然私どもとしても望むところでありますけれども、ただ、あまりにも長過ぎるという点ですね。こういう点についてどういうふうに考えられておるのか、これが一つです。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 公平審査一般の問題についてひまがかかり過ぎるという御指摘は、これはごもっともだと思うのです。私自身も、どういう原因でそんなに長引くのかということを疑問に思いまして、いろいろ関係の局の人々とも事情を聞いてみたのですが、人手が足りないなら予算をうんと要求して人手をとろうじゃないかということで、いろいろ尋ねてみたのですが、なまけているわけではないということは、これは間違いないんです。実際は、結局当事者がおられます関係で、現実の問題としては、当局者の処分者側の御都合がそこに出てくる、あるいは弁護士の人が忙しくてとても間をあけてもらえなくて困っておる、それから請求されてこられる側のほうでもいろいろ御都合があって、そういうような事情による場合がむしろ多い。そのほかに、もちろんいまおことばにありましたように、正確、的確にということでありましたから、それらの手続を省略するわけにいかない。それらの御都合ともにらみ合わせながら、正確、的確なる結論を得るべく努力をしておるということで、心ならずもいまのような御批判が出るようなことになったというふうに思います。これは、関係者の方々のいろいろ御協力も得て、われわれとしても、もっと積極的に早くこれが進まぬことには、これは公務員の利益の致命的な問題であります。何とかしてひとつこれを少しでも早く、スピード・アップをこれは深く考慮しておるわけであります。  常直手当の問題は、これはその御説明の中にも多少入りますけれども、何分妙な制度でございます。これを調べると、なかなか、それは似たような場面というのがほかにあるかないかというところまで手を回して調べた上でありませんと、説得力のある判定は出ませんから、その意味で非常に慎重を期したいということを申し上げておきたいと思います。     —————————————

下村定自由民主党

○委員長(下村定君) 質疑の途中でございますが、委員の異動について、この際御報告いたします。  ただいま林田正治君が委員を辞任され、その補欠として山崎斉君が選任されました。     —————————————

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 この判定文を見ますと、昨年の十二月二十六日の判定ですね。この判定文を見ますというと、この登記所の宿日直というのは通常の宿日直と変わらない、こういうのが一つ出ているわけですよ。変わらないと。ところが次に、理屈が今度はつきまして、変わっておると、こうなっておるのです。   〔委員長退席、理事小柳牧衞君着席〕 通常の宿日直と変わらない。それはそのとおりでしょう。しかし、次に出てくることは、変わっておる。なぜ変わっておるかというと、これは家族と一緒におるから寂蓼感がない、あるいは疎外感がない、恐怖感がない、それから家事もやれると、こういう言い方なんですね。ですから、この常直手当については、二つの面を持っている。一つは変わらないという性格、もう一つは、妙な話なんですけれども、寂蓼感がないとか、疎外感がないとか、家事がやれるとか、恐怖感がないということで、また通常の宿日直とは違った面がある。この二つを見ておるわけです。そこで、判定としては何らかの——何らかじゃなくて、宿日直手当の合理化をする必要がある、こうなっているのです。それに対して、今度は局は違うのです。同じ人事院ですけれども、給与局のほうで検討されて、勧告としては、一カ月三千円の範囲において常直手当を支給する、こういう判定が出たわけですね。そこで、これは通常勤務と変わらぬ、通常の宿日直と変わらないというのはうなずける、そのとおりだと思います。それから、通常の宿日直とは違う。それは寂蓼感がないとか、あるいは疎外感がないとか、恐怖感がないとか、家事の、私生活と切り離せないという点ですね。これは私に言わせますと、これは寂蓼感なり疎外感なり恐怖感がないということは、家族と一緒に宿日直をやっておるからですよ。だから、あるいは外部に対して非常に強さを持っているというのは、自分の家族も一緒になって宿直しているから外部に対しても強いのですよ。さらに、国民の権利義務である、権利であるところのいろいろな登記関係の処理というものを守っているということになるわけですね。そういう面の評価がないわけですよ、これは。だから、私に言わせますと、これはもうおかしな話ですけれども、組合はこう言っている。それから従来は手当というようなものは出ていない。このまん中に立った判断をしておられるのです。これは足して二で割るというやつですよ。よくある。こういうやり方ではこの問題は解決できないのではないか。確かに家族と一緒におる。ですから、それは外部に対しても強いのです。一人でやっているよりも非常に強い。そのかわり、これは年じゅう住んでいるわけですよ。たいへんですよ、これは。そういう意味で、私はこの判定はおかしいと思うのです。四百二十円というのを削るためにこういうものを出されたのだろうと思いますけれども、逆に言って、やはりそのことは強調されなければならない。通常の宿日直と変わらない、加うるに家族とともにやっておるためにこれはたいへんだという、そういう強調もしなければならぬと思う。プラス・マイナスしてみると、四百二十円という宿日直手当がどうだということになるのだろうと思いますけれども、その点について三千円以内というふうに出されましたですね。その根拠をひとつ聞きたい。いま私が言ったような理由だろうと思うのです。ですけれども、この判定と人事院勧告との間にはどうも少しばかりズレがあるようにも感じますし、この三千円というものについての考えをお聞きしたい。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) これは院内の各局に関することでありますから、局長に別々に答えさせるわけにいきません。私がお答え申し上げる筋だと思いますが、判定について御批判がございましたけれども、この判定はりっぱな判定だと私は自信を持っております。ただし、その前提になっておりますこの常直勤務そのものが、これは先ほどちょっと口走りましたけれども、まことにこれは奇妙な制度でございます。それは、率直に言えば、確かにうまみのある一つの制度であるという見方もできましょうけれども、概して、うまみのあるというものは不合理なものがうまみがあるのでありまして、その辺に思いを及ぼしますと、やっぱり常直勤務そのものについても、もっと根本的に、交代制をはっきりさせるとか、なんとか、抜本塞源的なひとつシステムを立てていただかないことには、われわれとして、給与の問題でそれに追随していくことはほんとうはおかしなことだと思うのです。そういう意味で、一応弁明申し上げておきますが、もっと今度は——今回の勧告で三千円とはこれいかにというお話も出ていましたが、これは今の判定と矛盾しておりませんが、それよりも、給与の勧告について民間の同じような場合を調べておりますが、これも御承知のとおりであります。同種のケースを調べました結果、民間の場合について二千九百九十七円とかいうような数が出ておりますが、まあ、そこで少し繰り上げまして、切り上げまして三千円というところがちょうどいいところであろうという結論になっております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 これは民事局長にお尋ねしておきたいのですが、こういうような、公務をやるところが同時に私宅である、自分のうちであるというような執務形態ですね。民事局長いらっしゃいますね。自分の公務をやっているところが同時に私宅である、そうして私物と同時に公物を一緒になって守らせるというこの公務のやり方ですね。これは私、徳川時代と非常に似ておると思うのですけれども、徳川時代では、自分のうちで仕事をやっておった面が出先機関に多かったわけであります。自分のうちが同時に役所である。いま登記所の場合におきましても、そういう面が非常に強いわけですね。言うならば、封建的なといいますか、公私一本にして登記書類を守らせるというような感じですね。こういう問題についてどういうふうに考えられておるか。私も、そういう執務形態が非常におくれた執務形態であるというふうに思います。でありますから、この問題をすべて給与で解決する、あるいは給与面で解決するという点については問題があることはわかります。これは総裁として、おっしゃるとおり、給与ですべて解決することは問題があるというふうに思いますけれども、一応法務省としてどういうふうに考えるのか、これをまずひとつ。

平賀健太法務省民事局長

○政府委員(平賀健太君) ただいま仰せの点、私どもも非常にごもっともな点があると思います。人事院総裁も不合理だということを申されまして、私どもつとにそのことは考えておるわけであります。ただ、いかんせん、この法務局の出張所  ——いわゆる登記所と申しますのは、職員の数が非常に少ないところが多いのでございます。職員わずか一人で仕事をしておる出張所というのが全国に約二百五十カ所ございます。それから、二人だけというのが七百カ所以上もあるというような始末でございます。そういうところにおきましては、庁舎と職員の住宅というものを別にいたしまして宿直をさせるということになりますと、かえって職員に大きな負担になりはしないか。ことに職員が一人しかいない二百五五十カ所、最近はだいぶこれを減らしたのでありますけれども、以前は三百カ所以上あったのでございます。そういうところにおきまして宿直をさせるということになりますと、かえって不便なのではないかということも実は考えられるわけであります。それからなお、はなはだ遺憾なことには、この法務局の出張所というのは、国の施設が非常に少ないのでございます。大ざっぱに申し上げますと、こういう末端の登記所は、大部分が市町村から借り上げておるというようなところが多いので、建物も古うございまして、明治時代からのものが非常に多いのでございます。この職員が、この庁舎に接続しまして——私ども居住室と申しておりますが、ここに家族と一緒に住んで仕事をするという形態が、明治三十年ごろからのこれはしきたりになっておりまして、いまこれを急に改めるということになりましても、まず登記所の庁舎から改めていかなくてはならないという問題も出てくるわけでございます。そういう次第をもちまして、非常に不合理な面もあるのでございますけれども、急速にこれを改めるということができない事情にございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 私も、いま民事局長が御答弁になりましたように、この問題を急速に解決するということは容易でないというふうに思います。そういうことになりますと、この問題はやはりそういう意味ではより解決しやすい。給与の問題で解決する。同じ政府内部のことでございますから、給与で解決するという方法をとらざるを得ないのではないか、こう思いますですね。したがって、そういう前提に立ちまして、先ほど私申し上げましたように、この問題を給与によって片づけるということだけでは問題がある。しかし、いまの段階で考えます場合に、これはやはり給与で考えざるを得ないのではないか、やむを得ないのではないかという感じを持つのです。その場合に、私は、先ほどありましたように、この判定にあるように、通常の宿日直と変わらない、しかし、一緒におるから疎外感がないとか、あるいは寂蓼感がないとか、あるいは家族と一緒で家事もやっておるという強調はいいのですが、その裏側をまた強調してもらいたい。一緒になって宿直をやっている。一緒になって外部に当たっている。しかも、普通の宿日直というのは十日に一ぺんとか二十日に一ぺんというのですが、これは毎日やらなければならない。毎日毎晩やらなければならない。こういうわけですね。そういう意味を判定は強調しない。そういうことになりますれば、私は、これはやはり人事院としては宿日直手当として処理すべきだというように思うのです。ですから、一日四百二十円の宿日直手当を支給すべきである、こういうふうに思うのです。これを三千円というようなつかみ金で出す性質のものでないのではないかというように思います。いかがでございましょうか。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 先ほども触れましたように、まあ、不合理と言い切ってしまうのも、民事局長の手前、いかがかと思いますので、ちょっと変わった制度だということにしておきますが、制度が妙な制度であるから三千円でいいのだというようなたてまえでわれわれ考えているわけではありません。したがって、判定とのつながりはむしろそういう面ではないので、先ほど触れましたように、民間の同じようなことをやっておられる場合についての手当は一体どうなっているかということを当面の比較にとって、そして三千円ということを算出しておりますので、そういうように御了解をいただけたら幸いかと思います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 いや、総裁のそのお話は、ボート小屋の番人からいろいろお調べになっておるようでありますが、   〔理事小柳牧衞君退席、委員長着席〕 これはボート小屋の番人、あるいは保健所の方、これはこういうものは私は当を得ていないと思う。御熱心なのはけっこうなんですが、どうも当を得ていないというように思いますね。私はこの判定そのものがおかしいと言っているのです。総裁はこの判定は正しいという前提でやっておられる。私はこの判定がおかしいというのは、疎外感とかあるいは恐怖感とか、そういうものはないという強調をしておるわけです。それを裏返していく。その面も見なければいけない。つまり、家族と一緒に当たっている。年がら年じゅう家族と一緒に当たっている。そして、国民の権利である登記物というものを外部に対して守っている。こういう事態が強調されてないんです。ここのどこにもないんですよ、そういう強調。だから片手落ちだと、だから判定は間違いだと、不十分だと、私は、そういう意味で、宿日直手当として考えて支給すべきじゃないか、こういう主張なんです。ですから、これは判定が正しいという御前提に立っておられるから、やむを得ないと言えば言えるんですが、しかし、これはやはりはっきりさしておく必要があるというふうに思います。ですから、その面の強調がないのは片手落ちだという点ですね。公平局長、どういうふうにお感じですか。

三浦直男人事院事務総局公平局長

○説明員(三浦直男君) この措置要求の要旨は、法務省の章程に基づきまして、常直勤務の義務のある出張所長につきましては何らの給与措置がされておらないというようなことでございますが、宿日直手当を若干支給されておるけれども、請求者といたしましては、常直勤務は宿日直に該当するものであるということで、しかしながら、それが完全に支給されておらないという趣旨で、これは違法な措置であるから完全実施をしてもらいたいというような要求でございます。これにつきまして、人事院といたしまして、百五十三カ所の出張所につきまして詳細に実地調査なり、あるいは文書による調査をいたしまして、実態の調査をいたしたのでございます。それによりますと、先ほど御指摘がありましたように、職務自体の面におきましては、人事院規則による宿直勤務に該当するものであるというふうな認定をいたしたのでございます。さらに、勤務の面におきまして、勤務の強度なりあるいはその勤務の心身に対する負担の度合いにつきましてさらに考察いたしましたところが、これが通常の宿日直勤務の場合と比較いたしまして、これと全く同じであるかどうかと申しますと、一般の通常の宿日直勤務におきましては、本来の勤務終了後に庁舎におきまして、自分の生活の本拠たる家庭から離れまして、その勤務場所におきまして身体的な拘束を受けまして勤務をするというような状態でございますが、この常直の場合におきましては、その勤務の大半は一種の手待ち時間でありまして、その実勤務時間は、通常の場合計算いたしますと、大体三十分ないし一時間ぐらいになるというようなことで、大体手待ち時間が多いのでございまして、その手待ち時間の間に、私生活を家族とともにしながら、勤務をする。もちろんその場合に非常に重大な登記書類というようなものの管守の責任というものはございますが、そういうことは十分に認めますけれども、先ほどおっしゃいましたように、この常直勤務については、通常の宿日直勤務に比較いたしますと相当軽易なものであるといという判定を、認定をいたしまして、通常の宿日直勤務の態容を考慮いたしまして制定してあります宿日直勤務手当をそのまま支給することにならないのじゃないかというようなことを勘案いたしまして、これは何らかの別のこの勤務に相応する額の宿日直勤務手当というようなものを考慮する必要があるというように考えて措置して、そういう勧告をいたしたわけでございます。まあ、規程の上から申しますと、非常に拘束を受けて四六時中勤務があるわけでありますが、出張所長さん方のお話をいろいろ伺ったところによりますと、事実上におきましては、緊急やむを得ない冠婚葬祭の場合とか、そういうようなときには事実上勤務を離れていいというようなことにもなっているようでありまして、勤務の内容自体が、先ほど先生がおっしゃいましたようなことも考えられますけれども、それほど家族ぐるみでやっておるんだというような、そういう強度の勤務であるというような認定はいたさなかったわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 これは私先ほど申し上げましたように、いまの公平局長のお話は、この判定の内容の御説明だったわけですが、私もその判定の文句そのものはそのとおりと思うのですが、ただ欠ける点は、その裏側のほうを強調しておられない、主張しておられないという点であります。でありますから、この判定については問題があるというふうに考えますし、そういう立場から宿日直手当と同じような金額を支給すべきだと思います。  そこで次に、これは大蔵省にお尋ねをいたしたいわけですが、いままでこの出張所につきましては、年間拘束されておるからしてということで十日分の宿直手当が出ている。そういう出張所を一年のうち十日間は解放しようということですが、さらにそれが進んで一年間のうちの日曜日と祭日だけ、それはちょうど一年間に六十四日ある。それで六十四日の宿直料を出して、そうして日曜日と祭日だけを出張所長をそういう年間の拘束状態から解放しようということで六十四日分出ておったわけですが、ところが、今回三千円出るというところから、この六十四日を半分にしたということですね。これはどうも私は、三百六十五日全部宿日直が出るというなら、これはダブリますから、六十四日を引かれるということはわかる。ですが、三千円出したからということで、せっかく日曜日、祭日だけは解放しよう、その金を半分に削るということは、これはいかにも大蔵省はえらいみみっちいところまで目が届くものかと思うのですが、この点がどうも私は解せない。だから、日曜、祭日は従来のとおり解放する、そして、それ以外に三千円なら三千円の常直手当というものを出すというならまだいいんですがね。それはどういうお考えでしょう。

秋吉良雄大蔵省主計局給与課長

○説明員(秋吉良雄君) この問題につきましては、実は私も非常になじみがあるのでございますが、当時私は予算の主査をやっているときに、十日の日直手当を予算化したものでございます。先ほど先生御指摘ございましたように、だんだん性格が変わりまして、つまり、年間通じまして六十四日分について、日曜、祭日の日直手当についての予算等を組んだ。その際に、これは余談でございますが、超過勤務手当を若干削ったことがございます。先生から御指摘がございましたが、その御指摘の点も含めまして、その問題は一応議論がございまして解消したわけでございますが、今回これを削ったのは、当時の超勤の場合とは違いまして、先ほど申し上げましたように、常直手当という新たな制度ができたわけでございます。その六十四日につきまして、各出張所長の、つまり宿日直勤務の実態を見ますと、約半分程度が代行日直になっているという実態でございます。したがって、常直手当という新たな制度ができました以上、その半分に相当する日直手当は当然それに吸収されるという結果になるのじゃないかというので特に削減したわけでなくて、常直手当の新たな制度の創設に伴う当然の減少ということでやったわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 それでは、せっかく日曜日と祭日、一年間のうちの六十四日は出張所長を解放しようじゃないかという趣旨は大きく減殺されることになるのですね、半分減りますと。金は三千円近くもらうけれども、しかし、日曜、祭日は半分は解放されないという形になりませんですか。ですから、これを、残しておけばいいんだ、六十四日は。これを半分に削って、そうすると実際の形は、一年のうちの日曜、祭日六十四日のうちの半分だけは解放してやるが、あとの半分は解放せぬ、こういうことになるわけですね。

秋吉良雄大蔵省主計局給与課長

○説明員(秋吉良雄君) 特に、解放する、どの程度解放するということの議論ではなしに、日直手当の六十四日分につきまして、その実態が半分は代行日直をやっているということに着目いたしまして、当然それは引かれるという考え方のもとに減少したわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 いや、これは代行するのはあたりまえじゃないんですか。解放しなければならぬのだから、だれか別の人に泊まってもらって、それで、まあその一日だけは何となく自由な身になって、日曜、祭日だけは自由な身になって——代行するのはあたりまえじゃないですか。民事局長の意見を聞きたいんですがね。

平賀健太法務省民事局長

○政府委員(平賀健太君) ただいま鶴園委員から仰せのように、従来認められておりました六十四日の日直手当が半分になったというのは、そのとおりでございまして、その理由は、いま大蔵省から言われたとおりであります。私、どうも特につけ加えることはございません。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 それから、これは税金がかかることになるんじゃないかな。宿日直五百円をこすということになると、税金がかかるということになると思うんだが、これはまとまって三千円ということになると、五百円こすから税金の対象になるということになりませんか。こまかい話だけれども、第一金がこまかいんですから。六十四日を半分に削ろうというんだから、税金も問題にならざるを得ない。だから、どうもあまりこまか過ぎるように思うのですけれどもね。これはおそらく税金の対象になるんじゃないか。まあ、税金の対象にならなければまだいい。税金の対象になりますと、また百五十円ぐらい引かれますよ。えらいこまかいですね。民事局長だって、六十四日を削られることは不本意だと思う。せっかくあるものを削られるのは不本意だと思う。これは毎日出るわけですよ。ただ、つかみ取りで、毎日出せば一万三千幾らになるわけですから、その中の三千円出しておいて、せっかくあった日曜、祭日だけ解放しようという。それも半分に削ってしまう。おまけにまた、ひょっとすると税金がかかりそうだというのでは、さっきの話じゃないけれども、まことに踏んだりけったりで、まことにみみっちい話になるので、これはぜひ大蔵省としても善処を望みたいのですがね、どうですか。こんなことまでやらんでもいいでしょう。大予算を預かっているのに、そんなこまかい、一年のうち半分しか解放しないという——筋はそうなりますよ、筋は。だから、この点について、ぜひひとつ給与課長の検討を望みたいですね。おかしいですよ、これは。本来なら全部出さなければいかん、私の主張ですと。それをせっかく三千円出たということで、その中からまた削ったのでは、これは話にならんですね。だから、ぜひ再検討を願いたいと思いますがね。よろしゅうございますか。検討しなさい、そのくらい。大蔵省というのはみみっちいな。

秋吉良雄大蔵省主計局給与課長

○説明員(秋吉良雄君) これは宿日直手当だけの問題じゃなしに、常直手当制度との関連の問題として、当然これは検討した結果、こういう形に相なったのでございます。したがいまして、いろいろ、この問題をどう処理するか、宿日直手当の問題をどう調整するかということで、過去幾多の議論を重ねて今日に至った。それからまた、人事院の実態調査あるいは民事局のそういった調査等を参考にいたしますと、六十四日の日直勤務が半分程度代行日直になるというようなことからいたしまして、こういう結論にならざるを得なかったわけでございます。問題は、常直手当という制度ができた以上は、私どもの立場としてはこういう結論にならざるを得なかったということを再びつけ加えておきたいと思いますが、税金の問題は私の所管外でございますから、御答弁は遠慮させていただきたいと思います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 これはまた話がもとに戻るようなことになりますけれども、これはどうももう少し民事局のほうと大蔵省のほうと折衝されて、いまのこの実情、こういう実情だけは解決しなければいけない。あまりにもこれはみみっちいですよ。三者の関係——人事院と民事局と大蔵省、この三者がはさまってひどい目にあっている。これはぜひ、さらにひとつ善処方を望んで、次に移ります。  次は五%の欠員不補充の問題ですね。これを行政管理庁長官にお尋ねをいたしたいわけです。この五%の原則として九月の四日現在の欠員は、これを不補充にする。これから四十一年の四月一日まで五%の欠員の不補充がきめられたわけですが、一体どういうことでこういうことをきめられたのか、その点をまずお尋ねします。

増原恵吉自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(増原恵吉君) 欠員不補充の措置というのはあんまり感服した措置ではないわけでございまするが、臨時行政調査会の答申を受ける段階の想定をし、一般に行政機構について相当の合理化、簡素化等をやるべきであるという声も相当に聞かれる状況等を考え合わせ、一面、給与改善の措置を人事院勧告に基づいて行なうこととも若干あるいはにらみ合いもいたしまして、従来の年々の欠員の状況等を考え合わせた結果、九月四日という日を、これはいわば偶然の日でありますが、これをとりまして、そのときに欠員の状況を調べ、閣議決定をいたしたわけでございます。この日から欠員を一応不補充といたす。これは、全部おしなべて何でもかんでもというわけではないのです。同日以後に生じました欠員につきましては、それぞれの職種等に応じた補充をもとより認めるわけでございます。大体の職種については、その後生じた欠員については五割——二人欠員したならば一人の補充を認める。これは行政職俸給表の適用を受ける者、その他の俸給表の適用を受ける者は九割——十人の欠員が生ずるならば九人は補充を認めるという形にし、五現業——現業部門は規制をしない、補充を認めるという形の措置を講ずることにしたわけでございます。行政機構の簡素化、合理化というものを将来に持っての含みが一つであります。一つは、給与改善のための措置も若干は考えあわせてこういう措置をとったわけでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 これは、いま長官のお話を承っておりますと、これは容易でないという印象を受けるわけですが、つまり、臨時行政調査会の答申が出る、そういうものを受けて、つまり、簡素化せいというようなことを受けて、大体、本筋としてはそれが五%の欠員不補充という形になる、若干給与の問題とも関連をしてくるというお話ですが、これは臨時行政調査会の設置法が通過をしますときに、人員整理をしないという一つの附帯決議がついて、当時の長官はじめ、これは守るのだということで再三答弁があった。ただ、臨時行政調査会の会長でありました佐藤会長は、人員整理をしなければならぬというような発言をされて、それがまた衆議院の内閣委員会で問題になって取り消されるという経緯があった。しかし、依然として人員整理をしたいという考え方があったものと見なければならぬというふうに思いますが、そういうような臨時行政調査会の動きというものをやはり含みとして、五%の欠員不補充をされるというようなことが本筋であるということになりますれば、これは臨時行政調査会設置法通過のときの附帯決議というものは、これは臨時行政調査会を拘束するだけでなく、政府もやはり拘束されるというふうに見なければならぬわけでありますから、何か、佐藤会長にかわって政府のほうが人員整理をする、結果的には人員整理をするというようなことになってくるというふうに思いますがね。だから、そうなりますと、これはどうやら容易ならない私どもは問題だと思うのです。附帯決議案の趣旨からいいまして、五%はおかしいというように思います。  それからさらに、時間の関係もありますからお尋ねをしておきますが、これは効果はないのですね。これは強制力を持っていないのでしょう。やらぬところがあった場合にはどうするのかという点も聞きたいのです。やらぬところがあったら強制するのか。あるいはできがたいところもあるでしょうし、そういうものを強制するのかという問題も残ると思いますが、いずれにいたしましても、いまは勧奨退職というような問題がありまして、これはあとから伺いますけれども、やめていくわけです。ところが、行政職の場合においては二人やめなければ一人欠員補充できないと、こうなったものですから、やめないのです。やめてもらっちゃ困ると、二人やめなけりゃ一人補充できないのですから、やめてもらっちゃ困る。いまでもやめるやめると、やめるとやはり労働強化になりますからやめるのを引きとめておったけれども、いよいよ二人やめなければ一人補充できないことになりますから、いよいよやめてくれるなということで、しがみついちゃう。やめない。これはやめたらわれわれその仕事、荷物負わなきゃならぬ。いままでは一人やめると一人補充しましたからよかったのですけれども、そうでなくて、この五%の欠員不補充が出てから、二人やめて一人補充するというのですから、それはなかなか容易でない。やめるなんというときはとめるのです。これは何も効果ないのじゃないかと思うのです。むしろ、ほっといたほうがやめる人があるのですよ。やめたいという者があっても、いや、お前がやめると補充ができないから困る。それは五人おる十人おるというような職場が一ぱいあるのですから、五人、十人おるという職場で一人やめるというのは、これはたいへんなことですよ、あと補充しませんから。やめてくれるなということにこれはならざるを得ない。現実に職場がそうなんです。やめようという者があってもやめるなということになる。しがみついちゃうのです。えらいことですね。何も効果ないですよ。効果がないだけではなくて、もう公務員のなり手がだんだん少なくなって、応募者が非常に少ない。こういう状況に年々進んでいるわけですが、昭和四十一年までこういう状況であるということになりますと、これはいよいよ質的、量的に公務員にますますなり手が少なくなる。さらに、この影響は昭和四十一年、四十二年等にも及びましょうが、そういうことになりますと、ますますいまの新制高等学校出る者はどんどん減少するわけですから、これはいよいよ非常に大きな私は影響を及ぼすのではないか。これから入ってくる者に対しても非常に影響を及ぼすのではないか。質的、量的に非常に大きな影響を及ぼす。さらに、従来、公務員の人員構成というのは非常にいびつだということが盛んにいわれるのです。これはまたいよいよ周知の事実がそのいびつさというものをこの二、三年の間にまた一つつくり上げていく。いませっかく漸次こう是正をされる方向に動いておるのですが、また二、三年の間にまた一つのいびつなところをもう一つつくっちまう。この与える影響は決して四十一年で終わらないと思います。新しく入る者に対しては、おそらく四十二年四十三年とこの影響を及ぼしてくると思うのです。そうしますと、これはどっちからとってみても、五%の欠員不補充というものはプラスにならない。現実問題としてプラスにならない。今後の人員構成の面からいっても、あるいは新しく入ってくる者からいっても、これは何もプラスにならない。どこかの総理大臣がちょっと考えると非常にいいようにも思いますけれども、しかし、現実の公務員の実情というものからいいますと、何もプラスにならない。行政管理庁がいろいろやられる中で評判の悪いものもありますけれども、これくらい評判の悪いものないですね。もちろん、欠員不補充ですから評判いいはずないと思います、各省に対してね。しかし、評判の悪いというのは、単に感情的なりなわ張り根性から言っているのじゃない。いまの現実の問題からおかしいじゃないか、何を行政管理庁やっているのか、こういう意見じゃないかと私は思うのです。ですから、これは私としましてはすみやかに、ある程度の期間を置いて状況を見て、そうして再検討をされるべきだというふうに思いますですがね。御意見をひとつお伺いしたいと思ます。

増原恵吉自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(増原恵吉君) 欠員不補充の問題は、読んで字のごとく、欠員を補充しないということでございまして、人員整理ではございません。臨時行政調査会を設置するときに、人員整理をやらないという条項があることは明瞭でございます。人員整理をやらないという形で合理化、簡素化をやろう、そういうためのまあ一つの措置というにとどまるわけでございます。しかも、一面には行政需要というものがいろいろ変遷もしてくるし、増加もしてきますので、年々増員というものがあるわけでございます。増員の要望は四万数千。現実に増員をやむを得ずされるものも相当——一万足らずにはなるというまあ状況でございます。そういう問題を、全体としてなるべく簡素でしかも能率的なものにするということは行政機構としては十分考えなければいかぬことで、しかも、たいへんやりにくいことである。まあ、そういうことを考えて、一つの手としての欠員不補充、これはおっしゃるとおりたいへんりっぱなやり方とは実は私どもも思っておらないのであります。まあ、所管としての行政管理庁がこの問題を主張してやっておることでございますが、各省あまりお気に入っていないことは、よく承知をいたしております。しかし、こういう要望というものが閣議というふうな場で取り上げられますると、皆さん賛成をされるわけであります。そうして、やめる者があると労働強化になるのでやめさせないでおく、そういうことの心配があることも、十分討議をした場合に予想をしたわけであります。そうして、これは原則としてこういうふうにあれをしておりまするが、特に相当の年配の人が自然に近く交代をされる、そうして新しく若い人が入ってくるというふうな事態は、特に個別的にこれを処理するということも考えておりまして、そういうふうな、この措置のために自然な——やめる人がとどまるということのないように、その配慮は具体的には各省にもしてやっておるのでございます。新しい人が一般に入ってこないという御心配も、私どももそういう心配をしたのでありますが、これは増員の分、その他新規に補充をするというふうな形で措置をしておりまするものについては、ことに新規増員のものについては、これを採用を認めておるわけでございます。個々具体的には十分配慮をいたして、ことにピラミッド型の人員構成がいびつにならないように、そういう点は十分注意をしながらこのことをやっていく。たいへんりっぱなやり方ではありませんから、長くこれをやろうというようなことは考えておりません。いわば、四十年度中、四十一年の三月三十一日ということをめどにやっておるわけでございます。その効果もそう大きな、平均して五%近いものがこれで、何といいまするか、いわば欠員不補充で実現するとは思っておらないわけであります。ほうっておきましても相当高い欠員率を出しておるところもあるわけであります。いままで欠員が一%、一・二%というようなところがこれで大きくなるというふうなことも、実はそう大きくは期待はしておらないのであります。個別の問題としての配慮は十分にいたしながら実施をしてまいりたい、かように考えております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 政府全体としてはいま欠員が約五%近くあります。この九月四日現在で、自衛隊が一番多いが、約一四%欠員がある。それから、研究職が六%、それから医療職六%と高いものがありますが、これは自衛隊は人数が大きいだけに、一三%というのは、三万三千くらいの欠員がある。ですから、政府全体として見ますと、欠員は四・三%こしている欠員になっております。ですから、いま長官のおっしゃるように、五%という欠員不補充というのは、何となくあいまいなように聞きましたが、すでにもうあるのですから、自衛隊が大きいものですから、一三%といいますと、たいへんな欠員になります。ですから、政府全体としての欠員率は四・三%、四・四%くらいになっている。ですから、私いま伺った範囲では、五%の欠員不補充というのはそうめんどうな話でないような印象を受ける。ただ、各省に五%だということで強制されるということになりますと、もうこれはえらい話です。強制力はあるのかどうかという点をもう一つ伺うこと。それから、定員はそれぞれ法律によりまして、農林省でいいますと、あるいは厚生省は何千何百何名、人数までぴしゃりとままっているわけです。その中で一%前後の欠員を持っているということは、政策上、あるいは人事処理上考えられますけれども、五%という欠員を目標にして持っていくという考え方は、これは私はやはり法律のたてまえからいって、政策で五%というのは、これは常軌を逸しているというふうに思います。法律で何千何百何十名ときめてあるのですから、その中から五%これから欠員不補充に持っていくという考え方は、これはどうも私は法律を政策で動かすという印象を非常に強く受けるのです。もちろん、一%前後のものが欠員であるということは、人事処理上必要だというふうに思います。配置転換とか、あるいは異動とかいうような面から考えましても、これがせっかく定員がきまっているのを五%という考え方、これは行政管理庁としては自己矛盾じゃないかというふうに思います。どうも先ほど申し上げましたように、いろいろの諸点からいって、これは効果ないと私どもは思うのです。思いますから、効果はないだけではなくて、非常に逆効果になっているという印象を受けるわけです。ですから、私どもはすみやかに——すみやかと言わなくてもいいが、ある程度期間を置いて状況をひとつ検討されて、二カ月に一ぺんずつ行政管理庁に報告するようなことですから、ですから、そういう中で再検討される必要があるというふうに思います。それを望みたいと思いますが。

増原恵吉自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(増原恵吉君) おっしゃることはよくわかりますが、強制力というようなものが特別にあるというふうな性質のものではありません。しかし、政府でそういう方針をすでに閣議で決定をしてやっていることですから、各省はこれに従ってくれるというふうに確信をいたしております。いつまでもこういうことではなく、来年度じゅうということは申し上げたとおりであります。なお、個別に相当こまかく配慮をすべきところは配慮をしていこう、こういうことは申し上げたとおりでございます。定員というものは、限度をきめておりますので、法律上の違反とかなんとかいう問題ではなかろうと思うので、しかし、これが平常のやり方ではないので、平常の状態でこういうことをやることが決して適当とは考えておらないので、四半期ごとでありましたかに、この状況を報告をしてもらうのであります。また、事態はこまかく各省からもそれぞれ要望が出てまいるわけでございますので、実情に合わないような面は、具体的な除外例の問題として十分措置をしてまいりたい。大体、うんと高い自衛隊という例外がありますが、研究職その他をあれをしまして、そのほかの通常の形でいっているものが全部五%になるというふうな状況は、まずないと思っております。いままで、普通一番多いところは、平均で多いのは一・二%程度の定員の欠員が一番大きいわけであります。そういうところは五%までには行かなかろう。五%で押えるということも実はたいへん考えた末でありますが、結局は腰だめにならざるを得ないので、五%ということにいたしたわけでありますが、個々に不工合のあるところは、これを例外を認めて供給をしていくということはやってまいるつもりでございます。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 ちょっといまの問題に関連して、いまの長官のお話を承りますと、一年間の定員の不補充という原則を立てられたようですが、そうしますと、来年局を設けるとか、あるいは部を新設するとか、あるいは新たな公団を設けるとか、こういうような面は、不補充の原則から見ても、また、したがって、積極的に定員をふやさぬというたてまえから見ても、一切局の新設、部の新設、あるいは公団の新設等は認めない、こういうことになるわけですね。特にこの点は過日行政管理庁長官の名において、ちょうど予算編成の時期でもあるから、そういうようなことは一切認めない、こういう方針を行政管理庁としてはとっていると新聞で拝見したのですけれども、ちょうどまたこの臨時国会終わると予算編成のどたんばに来るわけで、いまの方針は不補充の原則を貫くと、これはいま言ったようなことになるわけですが、その点どういう方針でおられるのですか。

増原恵吉自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(増原恵吉君) 新聞等で発表いたしましたので、ごらんをいただいた向きもあると思いますが、局、部等の新設は原則としてはこれを認めないという方針で、絶対認めないという方針ではございません。閣議としては人員の増員も原則としてはこれを認めず局限をしていこう。配置転換等でやっていく。しかし、これも絶対に認めないというものではございません。したがいまして、人員についても、おそらく結論的に申すと、若干の増員は認めざるを得ない。特に現場関係の仕事については相当の増員を認めざるを得ない。認めることは適当であるというふうなものもすでにあるわけでございます。原則として、まあこれを抑制をしていこう、局、部の増設はこれも原則としてはこれを認めない。しかし、全然、まだ認めないということでありませんので、相当たくさんの増設要望が出ておりまして、これはいま具体的に審査をしているという段階でございます。公団についてもさようでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 まあ、私はいまの五%欠員不補充の考え方が、実際、臨時行政調査会の関係もありますし、それから定員法というのは、限度をきめてやるというふうにおっしゃいますが、しかし、実際の運用はそうはなっていない。限度をきめてやるのではなくて、やはり実際、ぎりぎりは人員を確保する、確保してあるという前提に立っておると思います。しかし、一%前後の、まあ一%足らずの欠員は持っておる。これは人事の処理上の問題として出てくると思います。ですけれども、五%という大きなものを、定員法がある、定員というものが法律できめてあるにもかかわらず、そういうものをつくるということも、これは問題があるさらに、実際問題として見た場合に、これがどういう効果があるかというと、効果はあまりないのじゃないか。だけではなくて、むしろ逆効果になってきている。今後新しく入るものも入りにくくなって、しかも、これが年度途中でやられるものですから、ちょうど新しく公務員になる人たちの試験がされる。試験が終わった直後にこういうような問題が出てくる。さあ、さて新規採用はないじゃないか。若干の増員のあるところは新規採用されるというような状況になりますと、これは今後入ってくる者に対して非常に影響を与えてくる。このことが決して来年だけだとおっしゃるが、波及は四十一年、四十二年まで波及してくるというふうに見なければならぬと思うのです。そういう意味で、私は少しばかり、五%の欠員不補充という考え方は、どうもかっこうだけつけたというような印象を非常に強く受けてならない。したがって、四半期ごとに報告を受けることになっているわけですが、ぜひひとつ検討をしていただきたい。再検討をしていただきたいという点、おそらくいろいろ検討されるでしょうけれども、どうなるかということを検討されると思いますが、ぜひ御検討のほどを願いたいと思います。  次に、五%とも関連いたしまして、勧奨退職の問題を伺いたいと思うのですが。いまどこへ行きましても、勧奨退職というのは各省行なわれておりまして、この勧奨退職というのは、私は、国家公務員法によりますと、国家公務員は終身公務員ということになっておりますし、それから定年制も、法律としては定年制はないわけですし、そういう場合にこの勧奨退職は行なわれておる。しかも、各省とも勧奨する年齢の基準をきめまして、年齢の基準をきめて、そして勧奨しているという状況ですね。これは一体どういうことなのか。どういう根拠に基づいてやっておられるのか。法律としてどういうところに根拠を求めてやっておられるのかというのが一点です。  もう一つは、この勧奨退職というのは強制力があるのかどうか。これは字で読んでみるように、奨励しすすめるということですから、これは強制力はないというふうに思いますけれども、一体強制力はあるのかどうかという点ですね。その点をひとつお尋ねをいたします。

増原恵吉自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(増原恵吉君) 勧奨退職というのは、読んで字のごとくでございますから、強制力のあるものではないと思います。まあ、定年制がないたてまえで、強制力がないという形で行なわれておるものが勧奨退職であろうと思うのですが、定年制を検討をして設けるべきであるという意見が有力にいま行なわれておるわけでございます。定年の問題については、検討をいろいろしておるわけでございますが、なかなか簡単に成案を得がたいということで延び延びになっておりますが、やはり一般公務員について定年の問題を考えるべきであろうというふうには、方向としては考えておるわけであります。したがって、それにかわるものとして、全体の人事のやりくりの都合上、勧奨退職というものが、これは自然に生まれてきたものと言えるのではないかと思うのでございます。やはり官庁それぞれにおける人員構成、新陳代謝等を考えまして、ある年限で勧奨退職をしてまいる。もちろん強制力はないという形でやることが、事実上、やはり必要性はあると言わざるを得ぬのではないかというふうに考えるわけでございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 関連。  いま大臣の御答弁の中に、定年制はある年齢でしくべきであるとの意見が出ておる、こういうことでございますけれども、当内閣委員会、前国会の場で同じ内閣の労働大臣は私の質問に答えて、いわゆる雇用の安定、高年者の雇用の安定という立場からも今後は定年制廃止の方向でいま検討されておるということと、いま長官から言われたこととは矛盾しておるわけなのです。われわれは、いま、現内閣は一体どちらをとろうとしておるのか、ちょっと判断に苦しむわけであります。そこで、大きな矛盾でありますので、この際どちらが一体信頼できるのか、ひとつ明確にしておいていただきたいと思います。

増原恵吉自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(増原恵吉君) 私が申しましたのは、一般的な方法としてやはり定年の問題を考えることが適当であろうという、これは臨時行政調査会でもそういう答申があるわけでございます。そういう方向が大体において出ておる、そういうことで検討をいたしておる、まだなかなかしかし結論は得られないということを申したわけでございます。労働大臣が答弁をされた問題、十分私実情を承知をいたしませんが、おそらく問題は中高年齢層の雇用の問題に関連をしたことではないかと思うので、この問題は定年制をしきまするにしても、何歳を定年にするかということがたいへんむずかしい問題である。そういうことと関連をし、中高年齢層の雇用問題、りっぱに働ける人はそれぞれの職域で長く働いてもらうという問題との関連において、これはたいへんむずかしい問題があると思います。その問題をおそらく労働大臣は言われたのではないか。定年の問題は、方向として、と私は申し上げましたが、そこはなかなか簡単に、何歳で定年にするかということはなかなかむずかしい問題でございまして、なお十分に検討をしなければならぬ問題、同時に、そのことが公務員にとりましては、退職金の問題なり、共済年金の問題ともからみまするし、退職後の生活あるいは高年者としての仕事ともからむわけでございます。なかなかむずかしい問題であることは申すまでもないことでございます。そういう意味の私は発言であろうと、そういう意味では、おっしゃるとおり、中高年齢層の職域開拓の問題は同時に考えるべき問題である、このように考えます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 時間がありませんから多くをお伺いしませんが、長官も御指摘になったので、若干やっていきますけれども、定年制をしくような場合は、その場合に前提条件があるわけです。それは、いま一部を長官御指摘になりましたけれども、やはり具体的には退職金を大幅にして、そうして昔の恩給、いまは共済退職年金、こういうもので退職後の生活を十分保証できる、そういう時点に立って初めて定年制をしいてしかるべきだ、こういう視野から定年制の云々についてはそのことを不可欠の条件として今後深い検討を重ねていただきたいということを、この機会に給与担当大臣でございますので、そういう関連からひとつお願いしておきたいと思います。

増原恵吉自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(増原恵吉君) おっしゃる点十分に了承をしておるつもりでございますので、十分にその点は慎重に検討をいたします。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 これは、いま勧奨退職は強制力がないというお話なんですが、国家公務員を所管している人事院の見解も聞いておきたい。

矢倉一郎人事院事務総局任用局長

○政府委員(矢倉一郎君) 鶴園委員の御質問につきましてお答え申し上げます。勧奨退職は、あくまでも文字どおりでございまして、したがって、強制力を持たないということはそのとおりでございます。強制力を持たせようと思えば必然的に分限処分という形をとらざるを得ないのが現行法のたてまえでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 この勧奨退職は、実際のすすめ方を見てみますというと、この際おまえさんはやめたらいいじゃないか、いまおれの言ったときにやめれば割り増し退職金を出すぞ、そうでなければ今後割り増し退職金を出さぬぞと、こういう言い方なんですね。ですから、割り増し退職金というと退職金が八割ふえるわけですから、たいへん大きな経済的な圧力を加えるということになるわけなんですよ。ですから、実際上は、すすめという段階を越えて、勧奨退職でやめなければ八割増しの退職金はつかぬぞということで、経済的に非常に大きな負担を感ずる、すすめられた者は。で、すすめではなくて、やっぱり自由意思ではなくて、ほんとうにやめなきゃならぬのじゃないかという感じを受ける。そして、もし残ったとしても、おそらく配転を命ぜられるのではないか、あるいは仕事を与えられぬのではないか、だからだんだんやめなければならぬというところに追い込まれるのではないかというような感じを与えておるようですね。ですから、全体として見ますと、泣き泣きやめていく。終身公務員という、定年制はないにかかわらず、泣く泣くやめなければならないという事例だって一ぱいあるというふうに見られます。ですから、こういうような勧奨退職というようなものをやめたらどうなんでしょうね。いま任用局長は、強制力がないというお話ですが、実際上は、いま言ったように、八割増しの退職金はつかぬぞ、そして、一ぺん勧奨をやったらあとは勧奨をやらぬぞと。あとは二年、三年、五年、十年でもつとめられるかというと、なかなかそうはいかない。配置転換が来る、あるいは仕事を与えられぬのではないかというのだから、自由判断にはならない。ですから、ある意味では脅迫を感ずる。そうして、泣く泣くやめなければならぬという事例だってこれはまあ実情じゃないかというふうに思うのですがね。ですから、そこら辺の問題についてどういうふうに考えられておるのか。  それともう一つ。さっき行政管理庁長官の答弁の中に、定年制にかわるものとして自然に生まれてきたというお話がありましたが、これは困りますね。定年制はないのだけれども、定年制にかわるものとして自然に生まれてきたというお話では、これはどうにもならぬ。答弁としてはまことにまずい私は答弁だと思うのです。ですから、そういうことではないのだろうと思うのですね、私も。ですから、もう少しどういうことなのか、長官の答弁をいただくと同時に、ひとつ任用局長の答弁をいただきたい。

増原恵吉自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(増原恵吉君) ことばが不十分であったかもしれませんが、やはり公務員の全体の——先ほどの御質問の中で人員構成ということばがありましたが、やはり相当の年齢になれば、まあ正規の形はやはり私は定年制というものになるのが穏当であろうとは思いますが、なかなか定年制を適切にやるという段階にまだ至っておりませんで、定年制をやったところは一部分しかございませんが、そういう形でも、しかし、やはり人員構成を考えまして、つとめたい人はいつまでもつとめるという形には、やはり官庁の構成としては行きにくいところがございますから、自然に勧奨退職というものができてきた。こういうふうに申したので、定年制にかわるものとしてこれが制度としてできたらけっこうだという趣旨で申したのでは毛頭ないわけであります。しかし、そういう形の新陳交代をやることを絶対いかぬとは私どもは実情言い切れぬと思うのでございまして、まあ、何というか、特別退職金を出す——鶴園さんは反対の方向から言われていたので、やめぬとやらぬぞ、そういう言い方をする人もありましょうが、ここらでひとつ円満退職してくれれば特別退職金が出ます、こういう言い方が私は普通の言い方じゃなかろうかと思います。そういうわけで、何か全体の人事の都合ということで行なわれるものは、私はあってもやむを得ぬのじゃないか。ここに何か特別に考えるというものがあるのはもってのほかでありますが、全体としてのものはある程度やむを得ぬのじゃないか。しかし、これはそのことがけっこうとは思いませんで、やはり基本的にいろいろの条件を整備した上での定年制というものに行くのが私はやはり適当ではないかというふうな考え方をしておるわけでございます。

矢倉一郎人事院事務総局任用局長

○政府委員(矢倉一郎君) 鶴園委員の御指摘の一つの例示として、たとえば退職金割り増しを一つの材料とする勧奨の問題があった場合に、これは一つの強制にわたるおそれがあるのじゃないかという意味でお話しになったと存じますが、この勧奨退職は、実際問題としては、一つの法律上の問題よりは事実上の問題として出てくる場合が多いわけでございますが、したがって、もちろん現行法のもとでは、強制にわたるような勧奨退職というものがもしあらわれてくれば、結局、その勧奨の当否の問題、妥当性の問題というものが必然的に課題になると思いますので、そこで、現在そのことに対する一つの救い 御承知のように、公務員がある程度その職場で安定しているということは、御指摘のとおり、非常に大切なことでありますが、こういう点についての、つまり強制にわたるかどうかということの救済の問題というのは必然的にその職員の身分安定の問題もからんでまいりますので、そこで旧来人事院の運用のしかたは、御承知のように、いわゆる強制退職の場合には一つの不利益な処分を受けた疑いがある、そういうことで、審査の対象とする措置をとってきておりますので、また、片や、いま申しましたような職員の身分の安定の問題もございますので、運用の面からいたしましても、さような強制にわたらないような注意を人事院としては下しておるということをお答え申し上げておきたいと思います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 最後に、この勧奨退職は、先ほど申し上げましたように、法律的な根拠は何らないものだし、さらに、公務員になり手がだんだん少なくなっておりますし、さらに、今後ますます公務員になり手がないという状況だと思うんです。その意味で、現在おる公務員というのは宝みたいなものですね。これをそうすすめて早うやめろというおかしな話はないと私は思うのです。宝みたいなものですよ、いまおる人たちは。その宝みたいなものを早うやめたらどうかというような話をされるということは、これはどうも私は実情を御承知ないのじゃないかという、そういう感じがするのですね。さらに、高年齢の人たちを活用しようというような政府の方針もあるわけですし、そういう場合に、勧奨を何か経済的な、あるいは自由な判断を曇らせるような、そういうやり方で勧奨退職をやるということは、これは好ましくないというふうに私は思います。さらにまた、実際、これは各省で基準年齢をきめて、その年齢に達したらというので、もう二、三年前からそわそわしているのですよ。再来年になったらおれのところに言ってくる、おまえやめたらどうかと。ところによっては半年前に予告するのがあるそうですね。予告をする。参議院なんかもそのようですね。予告するそうですね。半年くらい前に予告して、そしてまた三カ月くらいたって今度は内示があるらしいのです、やめたらどうかと。ですから、二年くらい前から、もう来るぞ、もう来るぞ、こういうようなわけですね。こういうようなことは、私は、いまやこの勧奨退職というのはある意味で制度的なものになってきているのです、決しておやめになることをすすめるというようなものじゃなくて、制度的なものまでに。ですから私は、先ほど行政管理庁長官が定年制にかわるものというような御発言もあるいは出てきたのじゃないかという推測もしたのですけれども、そういう意味で、この問題については行政管理庁長官としても、人事院としても、これは慎重に取り扱ってもらいたいと私は思います。その点についてひとつ考えを聞いておきたいと思います。

増原恵吉自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(増原恵吉君) 勧奨退職というのは、やはり人員構成上の都合で、やむを得ずと申しますか、自由な勧奨によるものでございまするから、強制にわたる、自由を束縛すると申しますか、そういうようなことにはならないようには十分注意をしてまいらなければならない、かように考えます。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 行政管理庁長官の言われたところと全く同感に考えております。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 二、三お尋ねしたいと思うんですが、あるいは鶴園委員の質問と重複している点があるかもしれませんが、専門家でないので、ひとつわかるように御答弁いただきたいと思います。  最初にお尋ねしたいのは、まず人事院総裁にお尋ねするわけですが、給与改定の勧告についてこれが完全実施をはかるということは、特に人事院総裁としても強い御要望だと、こう考えておりますが、ただ、御承知のように、先般来いろいろ国会で議論されているように、これは完全実施の一つの方法として、十月に勧告し、翌年の四月実施、こういう形に持っていったらどうであろうかというようなこと等も言われているわけです。この点について、人事院当局としても、いろいろ財政の問題あるいは予算編成の問題等とも関連されて検討されておると聞いておりますが、この点についてはどのように検討が進んでおるのか、これをまずお尋ねしたいと思うわけです。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) おことばを待つまでもなく、私どもとしては、勧告が、時期の面におきましても完全に実施されるようにということをひとえに念願しておるわけでありますが、ただ、数年来、これが私どもの勧告どおりに実施されておりませんために、いろいろなまたそこに問題が提起されております。たとえば、勧告の時期がもっと考えられないかというような形で出ておるわけであります。先年、この参議院の内閣委員会におきましてもそういうおことばは確かにありました。そういうこともありまして、私どもとしては、完全実施を保証できるような何か方法があればこれにこしたことはないわけでありまして、その意味で検討をずっと続けてまいってきておるわけであります。ただしかし、私どもの立場は、民間に完全に追いつかせないことには筋が通りませんから、あるうしろの時期をそのまま空白にしたままで、先に向かって四月からというようなことは、とうていお話にならないことでありますから、民間との給与の比較をしたその時点までは常にさかのぼりながら、その実施を期していかなければならぬということになってまいりますために、なかなかこれはむずかしい問題であります。しかし、先ほど申しましたような趣旨で、勧告及び調査の時期というものもいろいろ組みかえて、ずらしてみたらどういう結果になるかということをずっと検討を続けて、今日なお現に検討を続けておりますけれども、いずれにしても、率直に申し上げまして、落ちつく先は勧告の時期あるいは調査時期をいかにずらしても、絶対にこれが完全実施できるという保証はないではないか、結局お金の問題に落ちつくのじゃないかということが、率直な所感なんでございます。  また、現在の勧告の時期、調査時期につきましても、これが非常に不合理であるために、勧告は完全実施が絶対にできないものかというと、そういうものでもないということにだんだん思いが及んでまいりますと、なかなか調査時期あるいは勧告時期をずらすということは、数年来固まってきていることでありますから、これをずらすことはよくよくの決意を要する。その及ぼすいろいろな影響も考えなければならぬということもあって、いまだに調査中でありますけれども、先ほど申しましたように、一方、やはり予算面あるいは予算制度の面まで触れまして、これは政府のほうでもお考えいただくべき面が大きくあるのじゃないか。これはかねがねそういうことも増原国務大臣その他にもお伝えして、両々相待って完全な実施を見るためにはどうしたらいいかということを検討していこうということで、現に進めているわけでございます。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 増原給与担当大臣にお尋ねいたしますが、たしか衆議院の内閣委員会で増原大臣は、八月勧告、五月遡及実施というやり方は財政の運用上不都合が多いから、十月か十一月ごろに勧告してもらい、その翌年度から実施すると都合がよろしい、あるいは、年度当初予算に何らかの措置を講じておくという方向で完全実施できる方向を事務当局で検討しておるというような御答弁をなされておるわけなんですが、この大臣の発言の中身をあれこれ考えてみますと、それが、なるほど完全実施できるかなあという感じもしますが、また同時に、年度当初の予算の中でこれこれ上がるであろうという見積もりで予算の編成ということができるかどうかという点では、また疑問が出てくるわけです。事務当局で検討されておられるようでありますが、どの程度の作業状況になっておるのか。とにかく新しく年を迎え、また、新しい勧告の時期も間もなく来るわけで、この問題については、勧告の完全実施という観点からこの問題が検討の爼上にのぼってきておるわけでありますが、その辺をひとつお聞かせ願いたい、こう考えるわけです。

増原恵吉自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(増原恵吉君) 人事院総裁からもお答えがありましたが、勧告の時期だけをいろいろ総裁とも私じっくり話し合いをしてみたのでありますが、いま四月をとって調査をしてもらう、五月から実施という勧告が出ております。これに若干の——三カ月くらいの調査、集計、検討、勧告のための期間が要るわけで、若干短かめることはできるようでありますが、いま三カ月かかっているのが二カ月半というのが精一ぱいのようでございます。そういうことを考えますと、いま四月をとってみるとか、六月をとってみるとかいう動かし方で、なかなか完全実施といううまい案が実は出てこぬわけでございます。一応考えますると、十月、十一月ごろに勧告をされて、その勧告が明年四月からの実施であるということであるならば、これはたいへんぐあいがよいわけです。ところが、そういうものは、現在のたてまえで行くならば、四月という年の実態に即して翌年の四月から行なうということになるわけでありますから、これでは実は話になりにくい。まあ、頭の中だけで考えてみますと、六、七月を基準に調べてもらって、そうして十一月ごろに勧告を出してもらって、何というか、推定値を出して、明年の四月から、その年は別にもう一ぺん他の勧告をやってもらって、過渡的には二度やる年がありましょう。そういうことで、次の四月の推定値を出してもらう。そうして四月からやれという勧告がもしできて、その推定がほとんど狂わんように出てくるという見込みがもしあるとするならば、私は一つの方法ではないかと思うのですが、これは人事院総裁とも話をしてみたのですけれども、そういう推定をして、それがほとんど狂わぬ。七・九と出したものが、せいぜい狂って七・八とか、狂うという程度のものがまず期待できないということになりますと、推定による勧告を受けて、四月から実施するということもたいへん困難だということで、実はなかなかいい知恵が浮かばぬわけであります。  もう一つの方法は、給与関係費の中に若干の盛り込みをするという、先ほど鶴園委員の仰せになったような問題、あるいは予備費に計上をしておくという問題はありますが、これはさっき大蔵大臣がお答えしましたように、この点については、たいへんまたむずかしい諸種の問題がありまして、まあ、大蔵大臣がわれわれと話をしておるときには、さらに強い口調で、なかなかこれには賛成をしてもらえないというような状態でございます。したがいまして、事務当局の間でそうした具体案を検討してもらったのでありますが、まだ結論を得ておりません。したがって、六人委員会、これもいろいろな事情で少しおくれまして、今朝開きまして、先ほど大蔵大臣から申したように、十分いろいろな方面から思い切った論議、検討をしてみたのでございまするが、結論的なものにはきょうはまだ到達することができませんで、これは六人委員の関係の次官相当官等に早急にひとつ検討をしてもらう。方向は人事院勧告の完全実施という目標で検討をしてもらおうということにきょうのところは落ちついたわけでございまして、残念ながら、まだ結論は得ておらないのでございます。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 佐藤人事院総裁になられてから、勧告の内容等については、特に昨年、ことしを見ても、較差を完全に埋めろという勧告で、その点は人事院の権威も相当私は前進しておると、こう見ておるわけでありまするが、ことに、ことしの勧告を出されたあと、人事院総裁みずから池田総理に会って、今度こそはひとつ一〇〇%政府も尊重してくれ、こういうようなことで強く要望されたこともわれわれは聞いておりますが、結果においては、たとえば一番われわれの心配しておる五月遡及の問題を見ても、九月ということで抑えられたわけで、この点まことに遺憾だと、こう考えておりますが、この点人事院総裁としてはどういうお考えでおられるか、この点承っておきたいと、こう考えております。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 今回ことしの勧告につきまして、従来の例よりも一月進められて九月からとされました政府の御努力に対しては、これは率直に敬意を表します。しかしながら、私どもの勧告の趣旨から申しますと、やはりこれは五月にさかのぼっていただきませんと筋が通りませんので、したがって、また先ほどお話に出ましたように、勧告の完全実施をいかにして確保すべきかという問題にこれはつながってまいります。そういう点に目下真剣に取り組んでおるということでございます。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 次に、若干この内容についてお尋ねするわけですが、まあ八・五%の較差を埋めろという勧告を出されたわけですが、その中で、俸給表の改定分として七・九%をどうするか、この配分をどうするか、こういうことで人事院当局としても作業されておるわけです。ところが、その結果を見ますると、行政職俸給表のたとえば(一)の改定率を見ますと、官民較差の実態に合っていないのじゃないか、こういう感じを持つわけです。というのは、たとえば二等級については官民の較差が三・一%とあるのに、七・九%の改善を行なっておるし、三等級については二・七%に対し、七・八%を改善し、むしろこれは民間を上回っておるわけです。四等級は格差一一・八%に対し、わずか七・八%、五等級は九・一%に対し七・七%、六等級を見ますと一〇・九%に対し八・一%、七等級は二五・四%に対し九・三%、八等級が一九・八%に対し一三・九%、いずれも民間給与を大きく下回っておる。こういうことは一体これはどのように理解してよろしいのか。人事院としては特に民間との給与の較差を埋めるということが勧告のたてまえであるし、また、そうであったという御答弁をいま承ったわけでありますが、特に四等級以下が改訂の時点においても劣っておるが、実際の配分を見ましてもこれが落ちておる、こういう点です。特に先ほどいろいろしさいにわたっての質問あるいはまた御答弁がございました。まあ、われわれしろうとの目から見ても、この配分の姿を見ますと、実際民間との較差とはこの俸給表のこの等級においてはこの表にあるのだが、しかし、今回の七・九%の配分を実際見ると、下に行けば行くほどその率が悪い。これが毎年中だるみの是正などと言われているが、いつもそれはことばに終わって、結果から見ると、上に厚く下に薄い。この点が是正されていない。こういうわれわれは強い不満と、それからまた、まことにせっかく勧告を出されても、民間給与との較差の是正が、下に行けば行くほどできていないということは、勧告の本旨からいっても相反するのじゃないか、こういう感じを持つわけですが、この点ひとつ承っておきたいと、こう思うのです。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 勧告にあたりましての基本的な立場を申し上げますというと、先ほど申しました民間の給与の関係と公務員の給与の関係とのおのおの水準をとらえまして、四月現在でその較差をはっきりいたします。しこうして、その較差の中で、各等級あるいは職種別の俸給表の給与の配当をするわけでございますが、その場合には、一応民間の組織と役所の組織というものとの違いがございます。やはり役所は役所としての組織から来る体系というものがございますものですから、その辺から一応の違いは出てまいります。しかしながら、一方において全然同じ仕事をやっておるたとえば課長なら課長と民間の課長との関係というようなことを全然無視しているわけではございません。それはそれでにらみ合わせながらやってはおりますけれども、結論は、大体官庁の組織という内部の体系をとらえてやっておるわけであります。その結果でき上がった形について、いろいろこれは先ほども御批判がございましたし、その御批判は御批判としてわれわれも反省はすべきでありますけれども、体系としては一応筋の通ったものとして勧告申し上げたということに、一言にして申し上げれば、そういうことに尽きるわけです。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 さらにもう一つ、同じことでございますが、たとえば民間を上回る職種、海事職、教育職、医療の(三)ですね、これと、下回る職種のそれぞれの較差をプラス、マイナス総合的にこれを取り上げて、八・五%の較差を直して完全に埋め合わせするという方法を、いまお話のように、とっておるわけですが、各俸給表各等級に配分するについては、行政職(一)の改善率を基礎としてその改善率に見合うように、民間を上回る職種も、下回る職種についても、同じようなこの比率を適用しておるわけです。この改善率がいわゆる合併較差方式と称する方法で算出しているわけでありますが、こういうことでは、行政職(一)、研究職、医療職、このような重要な職種の俸給の適用を受けているものはいつまでも民間を下回る改善しかできない結果になると考えるわけです。だから、この際人事院当局として考えてもらうことは、こういう合併較差方式というやり方を改めて、相当民間給与に比べて下回っておる職種について、特に先ほど申し上げたような四等級以下を比べてみると、実際民間から比べると相当低い。こういうようなところをもっと是正する。あるいは優遇策を講ずる。こういうようなことが考究されてしかるべきじゃないか。この点についてもう一度ひとつお考えを承っておきたいと思いますが、今後こういうような問題点について何らかの是正措置をとるのかとらないのか。これらの点についてひとつ承っておきたいと思います。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 先ほど触れましたように、たとえば五等、六等、七等というような辺について、民間の横のそれに対応する人たちのものを全然目をつむっているというわけではございませんので、それはにらみながらの結果が勧告としてあらわれているという趣旨でございます。さらに、それについてなお下回っているからもう少し上げていいじゃないかという御批判は、先ほど来また出ているところでございます。それはそれとして、私どもはまた率直に伺って、さらに改善を期するつもりではございますが、しかし、今度の勧告に関しましては、そういう点も考慮に入れた上でお出ししているということをお含み願いたいと存じます。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 せっかく総裁の御答弁でございますが、先ほど指摘したように、実際今回の配分の実態を見ますと、私が申し上げた点は否定できない実情でもありますので、この点、さらに今後の人事院の善処を強く要望しておきたいと、こう思います。  次にもう一つお尋ねしたいのは、新三等級の設定でございますが、今回の改定によって、現在の四等級を二分割して新三等級を設ける、こういうことになっております。ところが、四等級の在職者は現在二万一千名いるのに、この中で新三等級に編入される者は、格上げされる者は四千五百人程度と承っているわけでありますが、そうなってきますと、これは五名に一名、こういうわけでございます。ところが、四等級の八号俸以上を見ましても一万八千人もいるわけで、はたして四千五百名を引き上げたことで、各省にわたって職員間のアンバランスというものが一体これで処理できるのかどうか、こういうことを、われわれは強く疑問に考えておりますが、この点についてひとつ総裁の見解を承っておきたいと思います。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 新三等級は、これは現在の四等級というものは、多少複雑になり過ぎて、あるいはいろいろなものが入りまじってきている。これをひとつやはり整理をして、そして新しい三等と新しい四等というふうに分解するのが合理的であろうという立場から、新三等級を設けたのでありますが、その場合に、しからば、どの仕事を新三等級に格づけするかという場合に、やはりたびたび申します職務と責任、こういうものに着目して、そしてピック・アップをして、たとえば本省の課長補佐という場合をとらえてみますというと、たいてい一課に数人の課長補佐がおります。その中に、おそらく通常の場合として一人は総括的な補佐に当たって、相当ほかの課長補佐よりも大きな責任を負っている人があるということになりますれば、その人をとらえて今度新しい三等級に格づけするというようなことの分析の結果、ただいまお話に出ました四千五百人というのは、大体私どもの考えているところと当たっておりますが、そういう結果がこういう数字になって出ている。考え方の根本はいま申しましたようなことでございます。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 考え方の根本はわれわれもわかっておるわけですが、八月十四日の参議院の内閣委員会においても、あなたのほうのだれかがこういう答えをしておるわけです。四等級は非常に詰まっておる。しかも、三等級と四等級の俸給表の額に断層が相当激しくついておる。そこで新三等級を設けるのだ。こういうことを説明されておるわけですが、私のお尋ねしておるのは、新三等級にそういうものを今度こさえられて、制度として一つの新しい格別を設けられたということはわかるわけでありますが、ただ、二万一千名の中で新三等級に格上げされるのが四千五百名前後、こういうことになってきますと、先ほどの御答弁の中にあった、非常にまあ四等級が上が詰まっておる。この問題の処理というのはこの程度のワクではむずかしいのじゃなかろうか。もっとワクをふやさなければ、その辺の処理ができないのじゃなかろうか。こういうことを私はお尋ねしておるわけですが、その点についてもう一度ひとつ御説明を願いたい、こう思うのです。

瀧本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(瀧本忠男君) 先ほど鶴園委員の御質問にも出てまいったのでありますが、新三等級を設けました理由は、先ほど総裁が御説明になったのですが、私から多少追加して言わしていただきますれば、現在の四等級というものの職務の段階が非常に分化いたしまして、非常に幅の広いものを含んでおるという事情が一方にあり、また、その現行、二等級——今度の新二等級でありますが、今度の新二等級と、現行四等級、現在の三等級と四等級の間には、いま御指摘のように、これは非常に大きな断層があるというように、あれやこれや総合いたして考えてみました場合に、やはりたとえば本省の場合でありますれば、一つの課の中におきまして課長補佐というものが通常四、五人おるようであります。その中で、たとえば課長の代決権を認められておるというような者が一人おるというようなことでございます。また、地方出先機関になってまいりますれば、この出先機関の職務の段階が相当あるにかかわらず、すべて四等級になっておるというようなこと、そういうものをあれこれ勘案いたしまして、今回四等級を二つに分けまして、新三等級と四等級にいたしたということでございまして、職務の段階からいろいろ推定いたして考えてみますると、おおむねこの数字は四千前後ないしは四千五百程度ということになるのでございます。これは、やはり職務の段階からそういうふうな数字を決定してまいるのでございまして、一方、先ほどからお話が出ておりまする、非常に詰まってきておるではないか、現在の人員構成がとっくり型になって、そして六等級から五等級、五等級から四等級と圧力がずっとなっておるのじゃないか、その辺を考えなければ現在の人事管理というものは非常にむずかしいのじゃなかろうかというお話になるのでございますが、その点につきましては、やはり等級別定数の改定でありまするとか、これは何も新三等級を設けたということでなしに、従来からやっておりまする六等級、五等級、四等級の定数の増加というようなことを毎年やっておるのでありまするが、そういうような問題、あるいは一つの等級におきまする高位号俸の改善率を厚くする、ひいてはこういう高位号俸の昇給金額を大きくする。いろんな方法をかね合わせましてわれわれ努力いたしておるところでございます。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 いま御答弁の中に、総括課長補佐というようなことばがございましたが、それはどういう仕事をやるのか、これは一つの職名なのか、また総括課長補佐というものを中心に新三等に格上げするという話ですが、この仕事の内容が非常に困難な業務を所掌する課長補佐、こういうようなことで表現されておるようですが、しかし、困難な業務を所掌するというような抽象的なというか、非常に理解しにくい、こういうようなことばで総括課長補佐というものが認定されておるということになってきますと、各省にわたって人事の取り扱いにいろいろこれはアンバランスが出てきようし、公正を欠く面も出てきようと思うのですが、こういう点については人事院としてはもうちょっと正確にして、しかも、一般的にして各省バランスのとれた人事行政をやっていく上に明確な基準というものが示されてしかるべきじゃないか。こう考えるわけですが、この点にどうですか。

瀧本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(瀧本忠男君) 御指摘のように、これはばく然と数字を各省でやってみまして、そうして、総括課長補佐というようなことでやっては混乱が起こると存じます。したがいまして、われわれといたしましては、この各等級にそれぞれ標準職務表というものが現在あるわけでございまするが、新三等級には、これは新しくつくるわけでございまするから、どういうものがその標準的職務であるという、この新三等級の標準職務表を新たにこの際設定いたす所存でございます。それと同時に、また各等級に、低い等級になりますると最低資格要件と申しますか、そういうものは、たとえば四等級に何年在職し、あるいは七等級からずっと六等級、五等級とずっと通算してまいりまして、その年数が何年であるかというようなことで最低資格要件というものをきめまして、そういうことで運用いたすということで、できる限り各省間にバランスのとれた運用のしかたをやってまいりたい、このように考えております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 関連して。新三等の問題ですね、この新三等をつくられたのにいま人事院の局長の話ですと、四等を二つに割ったというお話ですが、勧告の中には、四等と三等との間に新しく一つの等級を設定したということになっておりますね。あなたの説明は、二つに割ったというようなことになっているんですよ。これは人事院の当初の考え方からいえば、やはり四等と三等との間に一つの新しい等級を設定したということだと思うんですよ。二つに割ったというような妙な話をされたのじゃ話にならぬと私は思うんですが、そういうお考えですか、二つに割ったというお話ですか。  それから、この新三等級をつくりまして人数が四千五百名くらいの数字ですが、ちょうど二割ちょっとぐらいですね。二割ちょっとぐらいの数が新三等に移るわけですが、ところが、実際は総括班長なんというものはいなかったのですかられ。総括班長なんというものはいなかったんですよ。そういう新聞発表をされるものですから、あわてて総括班長をつくろうということになってわあわあ騒ぎ始めた。これは実情に合わなくなった。本省ではたいへんな混乱ですよ、総括班長なんて言うから。その後、重要なる困難なる班長ということに変わった。これは現実に合っていますよ。そこで実際私は先ほどちょっと申し上げたんですが、二等、一等に進む人たちがどうしても新三等を通らざるを得ない、これができたものですから。だから、これがみなここへ流れ込んだ。したがって、四等あたりのところを何とかしようという考え方の効果は減殺されたと私は思う。そこで、私のもう一つ伺いたい点は、地方においては非常に混乱が起きている。おそらく私は相当な調整はからざるを得ないだろうというふうに思います。本省は、目の前にあるからわあわあ言うでしょうが、地方の機関は、目の前にないから、おそらく総裁なり局長のところには届かぬだろうと思います。届きませんが、現実には非常な混乱が起きておる。ですから、地方においては相当調整を必要とするだろう。もちろん、本省においても調整を必要とするだろう。そういう立場からいえば、四千五百名というのはもっとふやさざるを得ないと私は思います。その等級の人員数からいいましても、新三等というのはもう少し数をふやす必要があるというならば、八千から二万程度こす必要があると私は思います。そういう点についてどういうふうに今後考えていくのであるか。その二つをお尋ねします。

瀧本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(瀧本忠男君) 新三等級は新設するわけでございます。現行三等級と四等級の間へ新しい等級として新設する。これはもうそのとおりでございます。先ほど私が申し上げましたのは、その新設するやり方といたしましては、現在の四等級の官職の幅が非常に広いので、これを分ける形において新しく新三等級を新設する。こういうことになる、こういうことをちょっと寸足らずのことばで申し上げた次第でございます。それから、御指摘のように、これは新しく設けるものでありますから、われわれは事前にずいぶん勉強したつもりでありまするけれども、これは御指摘のように、目の届かぬところがあると思いまするし、各省においても同様のことがあろうかと思います。したがいまして、最初は私は、勧告時点における研究のときには、おおむね三千ないし四千人ぐらいと思っておったのでありますけれども、その後、時間の経過とともにこれは多少ふえてまいっておるという傾向はございます。したがいまして、やはり本年一年——九月からやるわけでございまするが、九月から来年一ぱいの定数というものを一応策定するつもりではおりまするけれども、しかし、実情に合わすためにそこはやはり今後十分考えていかなきゃならぬ問題があろうと思いまするし、そういうことはできる限り考えなければならない。また、来年の定数策定にあたっては、そういう経験を生かして考えていかなきゃならぬ。場合によりましたら、本年、多少暫定というような問題も考えざるを得ないような事態もあり得よう。まあ、あまり無理をするつもりはございません。ただしかし、これはあくまで、いわゆる四等級の高位号俸者が非常に多いからそれを救済するというだけを目的にしておるわけではございません。そういうこともこれはもちろんございます、気持ちの上では。しかし、あくまで、官職の幅が非常に広いから、そこを分離するという考えで新しく新三等級を新設するということでございまするので、これはやはり職務と責任という観点からポストを見るということが中心になりまして、それと合わして、やはり人事管理上の要請というものも入れていかなければならない、このように考えております。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 もう一つ。いま局長のお話を聞いていますと、それから総裁のお話を聞いていますと、四等級というのは非常に職務が複雑化しているというお話ですね。これは四等だけじゃないですよ。五等も六等も同じです。五等を取り上げてみて調べたものを私も見ました。四等にどの程度職務が重なっているか、混雑しているか。それなら五等はどの程度混雑しているか。こういうふうに見ていきますと、これは同じですよ。まあ、当然でしょう、このことは。だから、四等だけについてこういうふうな措置をされるというのはおかしい。五等も割りなさい。六等も割りなさい。複雑なんだから、錯雑しているんだから割ったらいいじゃないかと私は思うのです。割らないならこれは昇格問題を考えなさいというふうに主張するわけです。おかしいですよ。四等だけが錯雑しているわけじゃない。五等も六等も錯雑している。それはあそこのところの昇格の幅というものが、壁というものが非常に厚いから。圧倒的に厚い。折り重なってきておるわけです。だから、四等だけじゃありません。五等も六等も同じです。ですから、錯雑しておるから二つに割ったというような点に重点を置かれますならば、それは五等も六等も同じです。そんな差のあるものじゃない。これは実情からいっても当然なんです。ですから、私はこの新三等をつくるということは、指定職俸給表もそうですけれども、これは八等制について根本的に人事院はくずしてきたというふうに考えざるを得ないわけです。くずしてきた。くずすのはいいです。大いにくずしてもらいたい。どんどんくずす。けっこうなんです。だから、それを四等だけくずして、あとの五等、六等なんというのをほったらかすから問題が出る。その点どうです。

瀧本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(瀧本忠男君) いろいろ御指摘ございましたが、まあ、官職の名前がたくさんあるということよりも、むしろ職務と責任の問題として幅が広いということを申したのです。それは各等級それぞれ職務と責任の幅がございまするから、御指摘のような点が、あるいは五等級、六等級に絶無だというふうにはわれわれ考えません。これは程度の問題でございまして、それが四等級のところで非常に著しいというので四等級を問題にした。したがって、今後等級をどういうふうに運営していくかということは、やはり十分研究し、注意してこれはまいるべき問題でございまするが、今回は、ただいま申し上げましたような理由によりまして、四等級のところを問題にした、こういうことでございます。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 いや、今回はというふうにいまお話しになりましたが、今回は四等をやったが、続いて五等、六等もやるということなんですか。私は官職名が錯雑しているということを言っているわけです。同じです。局長のおっしゃるように六等、五等でも、四等でも、錯雑しています。だから、たとえば四等の支所長と言うが、しかし、四等の支所長の中には、百人を持っている文所長もあれば、三十人持っている支所長もおるのです。一ぱいある。そういうものは、さらに課長もおれば部長もおる。今度部長を新三等にしたのです。だから、五等だって同じですよ。ですから、今度はそういうふうにしたのですが、続いて五等、六等についても、これはそういうような四等でやったと同じような考え方をやられるのかどうか、あるいはそういう方向に検討されるのかどうか、その点をひとつ。

瀧本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(瀧本忠男君) 現在そういうことを予定しておるわけではございません。これはやはり実態に即して今後とも十分注意しながらそういう問題は研究していかなければならぬ。で、先ほどは、等級をつくればまた昇格の際に一つ段階が多くなるから、かえってぐあいが悪いというような、これは鶴園委員が御指摘になったとは申しませんが、まあ、各方面で意見が出る場合にそういう問題がございます。そこで、むしろ問題として、は、一般職員の等級というものはあまり細分しないほうがいいではなかろうかというような意見も一方に出てまいるのでございます。で、現在われわれがやっておりますることは、この下位等級につきましては、一つの等級における高位号俸の改善を厚くするということでこれは進めております、現在。そういう点につきましては給与局として努力するつもりであるということは申し上げられると思うのでありまするけれども、等級の合併ないしは分離というようなことにつきましては、現在のところ何らそういう問題は考えておりませんが、今後の研究にまちまして、必要があれば、そういう問題も考えなければならない場合も起ころうかと、等級の合併さらに分離した場合に数をふやすというような問題も、今後の研究にまって考えるわけでございまして、現在のところ、そういう問題について決定した方向を持っているというわけではございません。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 それでは、五等、六等の問題については、昇格問題で善処すべきだ。これは先ほど総裁も局長も善処するという考え方があったのですが、善処するということをもう一ぺん聞いておきます。

瀧本忠男人事院事務総局給与局長

○政府委員(瀧本忠男君) これは先ほどいろいろ御質問がございましたときに、この現在の等級別数の改定状況ということにつきまして、過去五カ年間の大まかな数字を申し上げまして、努力している状況を申し上げたのでございまするが、今後におきましても、これはやはり人事管理上の要請でございますので、そういうことは継続的に、連続的に、あまり断層を持たないような形でやっていく必要があるのではなかろうかと考えておるのであります。で、そういう線におきまして、努力は今後もいたす所存でございます。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 私は最後に総裁に、直接この給与の問題ではございませんが、お尋ねしておきたいのは、けさの新聞を見ますと、例のILOの条約批准に関連して、国内法の改正がかれこれ政府の中で議論されて、大体政府案が固まりつつある、そういうことを報道しているわけです。特にその中で、この人事院の権限の問題と、総理府の人事局の権限の問題等についても、旧——旧ということばをつかって、旧政府案よりも相当後退して、人事院の権限は相当大幅に残される情勢になった、こういうようなことを伝えているわけですが、しかしまた、人事局の設置については、最終的に固まっていないというように伝えているわけです。  お尋ねしたいのは、われわれとしては、現在の時点においては、人事院はあくまでも存続すべきであるし、したがって、人事院の権限というのは後退さしてはならない。そういう意味で、総理府に人事局を設けるということは特にILOの批准に関連をする国内法あるいは国内の制度改悪の最大なものである。こういう立場でわれわれは人事局設置そのものにも反対しておるわけですが、総裁は就任以来、人事院の使命と、また、したがって、その使命遂行する上から見て、人事院の権限の縮小については真向こうから反対しておるやにわれわれは新聞等で見ておるわけです。  そこでお尋ねしたいのは、いま政府案としてかれこれ議論されておる人事院と人事局との関係については、総裁としてどのようにお考えになっておるのか。また、いま言われておる政府案の程度で人事局を設けた場合に、人事院に対する影響はどうなのか。また、人事院が、国家公務員法にあげられているような使命遂行のためには、あくまでも人事局の設置ということについては反対であるという立場で総裁としては閣議の中等においても強く努力されるべきだと、こう考えておるわけでありますが、こういう問題について総裁のひとつお考えをあらためてお聞きしておきたい、こう考えております。

佐藤達夫人事院総裁

○政府委員(佐藤達夫君) 御指摘の問題につきましては、すでに衆議院のILO関係特別委員会が二国会にわたって設けられたわけでありますが、その席上において私どもの、少なくとも人事院としての考え方は相当精細に私は御説明申し上げております。その立場は当然今日も維持しておるわけでございます。したがいまして、あらゆる機会に、非公式ではありますけれども、われわれの信ずるところを政府側にも連絡を申し上げておるわけでございますが、ただいまのお話の、けさの新聞に出ましたところは、たまたま御指摘もありましたように、まだ政府案としても固まっておらぬということでありますし、また、それについてとかく申し上げるべき筋ではございませんけれども、先ほど申し上げましたように、従来の立場をもってりっぱな政府案ができるようにと私どもは念願しております。どうぞ御支援をお願いいたします。

下村定自由民主党

○委員長(下村定君) 他に御質疑はございませんか。——別に御発言もなければ、三案に対する質疑は終局したものと認めて、これより三案を一括して討論に入ります。  ただいまお手元に配付いたしました自由民主党、日本社会党、公明党、民主社会党の各党共同提案にかかる、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案は、便宜委員長から提出いたします。  この修正案の趣旨は、政務次官及び内閣官房副長官のうち国会議員から任命されたものの俸給月額並びに国会議員の歳費月額については、昭和四十年八月三十一日までの間は、なお従前の例によることといたそうとするものであります。この際、あわせて討論を願いたいと思います。  また、鶴園君から委員長の手元に、三修正案が提出されておりますが、この修正案の御意見は討論中にお述べを願いたいと存じます。  では、御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。

鶴園哲夫日本社会党

○鶴園哲夫君 私は日本社会党を代表いたしまして、原案に反対の意を表するものであります。  今回の人事院勧告には、例年になく大きな問題点がありますが、それらをうのみにしたこの法案については、種々本委員会において主張いたしたところであります。  第一に、今年は九月一日実施となりましたが、五月一日実施が無視されましたことは、大きな問題点であります。  第二番目は、引き上げ率が少ないことであります。特に四等以下についてはその配慮がはなはだしく欠除いたしておると思っております。  三番目には、指定職俸給表、新三等等をつくりまして、今日の混乱しておる八等級制を収拾しようといたしておりますが、これは無方針で、これまでの人事院の行き方からも逆行する措置であります。  次に、行二の問題につきましても配意がはなはだ不足をいたしております。さらに宿、日直手当、住宅手当、通勤手当等についても、まことに上不備であります。  以上のような考え方に立ちまして、原案に対しまして、反対の意を表明するものであります。  次に、三法案に対します修正案を提出をいたします。これは三法案を五月一日から実施すべきであるという修正案であります。一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対しまして、五月一日から実施すべきである。特別職の給与の法案につきましても、五月一日から実施する必要がある。防衛庁職員給与法等の一部を改正する法律案も、五月一日から実施する必要がある。この修正案を提出をするものであります。  次に、委員長提出の共同提案につきましては、時宜を得たるものといたしまして、賛成の意を表するものであります。

小柳牧衞自由民主党

○小柳牧衞君 私は自由民主党を代表いたしまして、委員長より提出されました各党共同提案による修正案に賛成をいたします。  次に、鶴園君提出の修正案につきましては、もともと会計年度の途中において、公務員の給与改定のため、多額の財源措置を講じなければならないことは、財政上もきわめて困難な点もあることと存じますのでありますが、政府としては極力財源の捻出につとめ、できるだけ人事院勧告の尊重につとめてこられたのであります。ことに、従来は十月一日から実施しておった給与改定を、今年は九月一日に改めたのでありまして、この点政府としても格別苦心努力の存したことと存じます。しかも、給与改定に関する補正予算もすでに成立いたしておりますので、私は、鶴園君提出の修正案に対しては反対するものであります。  以上の趣旨により、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案並びに防衛庁職員給与法等の一部を改正する法律案に対しましては、原案に賛成、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対しては、各党共同提案による修正案並びにこの修正部分を除く原案に賛成いたしまして、私の討論を終わります。

鬼木勝利公明党

○鬼木勝利君 私は公明党を代表いたしまして、ただいま議題となっております、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対しまして、反対の討論をいたすものであります。  わが国の経済は、前内閣の経済政策の失敗によりまして、至るところにそのひずみをあらわし、中でも、昭和三十六年度から年平均六%以上の消費者物価の連騰は、国家公務員の生活にも非常な悪影響を及ぼしまして、去る三十五年以来毎年人事院勧告が行なわれて、数回にわたり国家公務員の給与改定を見ましたのでございまするが、現実にはその生活はますます低下の一途をたどっていくのみであります。現在、国家公務員の政治力にたよるところは、民間企業との給与較差の是正という点のみならず、四年間にわたる物価上昇による生活へのしわ寄せの解消に対する期待が非常に大と言わざるを得ないのであります。しかるに、当法案は、俸給表の改定並びに勤務手当、宿直・日直手当の改定が人事院勧告に基づいてなされたのでございまするが、その実施期日につきましては、五月という勧告から、毎年のことではございまするが、またしても著しくかけ離れた九月実施ということに相なりまして、国家公務員の生活の安定、向上という点に十分考慮が払われていないのであります。申すまでもなく、人事院勧告は、交渉権、罷業権がないところの公務員の特殊性から、そのかわりといたしまして人事院制度が設置されておるのでありまして、四月の官民給与比較をもとに公務員給与引き上げ勧告ということに相なっておるのでありまして、この趣旨からいたしますれば、政府はその勧告を尊重し、完全実施をすることは当然と言わなければならないのであります。しかるに、佐藤総理をはじめ給与担当大臣の増原さん、あるいは田中大蔵大臣等は、まことにことば巧みに口を開けばきまって人事院勧告を尊重すると言っておきながら、例年のごとく財政的理由のもとに人事院勧告をついに無視してきたのであります。これは決して尊重ではない。一部の尊重であります。現に人事院総裁も、政府の今回の処置は筋が通らぬと、見解をはっきり表明しております。まさにしかり。これは明らかに人事院勧告軽視であり、人事院存在の根本的意義がまことに不明瞭となり、人事院の権威の喪失であると言わざるを得ないのであります。これはまさに政府みずからが人事院の存在を破壊するものと言わざるを得ないと私は思うのであります。恒産なければ恒心なし。衣食足って礼節を知る。与うべきは当然与えることこそ、人間尊重の佐藤内閣としては万難を排して五月実施を実行すべきであると私は信ずるものであります。ことに、人事院の勧告の内容につきましても、それ自体についても私どもは満足するものではないのです。どうぞ、将来これが完全実施ということについて、政府は万全の配慮をなすべきである。かように私は強く要望いたしまして、本法案に対して反対の討論を終わるものであります。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 私は民主社会党を代表して、政府提出の三案に反対し、さらに各派共同提案になる特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案並びに社会党提出の三修正案に対して賛成の意を表します。  なぜ政府提出の三案に反対するか。その理由を簡単に申し上げますと、人事院は三十五年以来職種別民間給与実態調査に基づいて官民給与の総合較差に基づく公務員の給与引き上げを勧告してきたというこのことは、また、昨年以来官民の較差を完全に埋めるという立場に立って勧告を進めてきたということは、人事院の権威のために一歩前進である。この点については敬意を表します。しかしまた、しさいに配分等について内容を検討してみますと、いわゆる中だるみ是正ということがいつも言われておりますが、本年もその面においてまだまだ大きな弱点を示しているということは遺憾であります。ことにまた、今日の政治の失敗から来る著しい物価の引き上げ等から見ました場合に、こういう程度の勧告で公務員の生活の安定がはかれるか、こういう点についても不満であり、深く疑問を持っております。また、初任給について高卒千七百円、大学二千円引き上げ、あるいはまた、宿日直手当の増額等がなされておることは一応観迎いたしますが、初任給における民間との較差が三千円以上になっておる現状のもとで、この程度の初任給の調整手当でもってりっぱな公務員をおさめ得るかということは非常に疑問であって、こういう点でも不満でございます。特に、公務員労働者の切実な要求でありました住宅手当の創設、扶養手当の増額などが、必要性を認められていながら今回も見送られたということは、まことに遺憾であります。特に、われわれとして今回の政府のとられた措置について不満を禁じ得ないことは、政府はいつも勧告の完全実施を唱えてきましたが、四年来サボってきているわけです。いまさら言うまでもなく、労働基本権を制限された公務員のためのその代償機関として人事院が発足しておるわけでありまするから、人事院の勧告を尊重するということは、即法律を尊重することだと考えます。なるほど、ことしは一カ月だけさかのぼったということは、政府にとっては誠意を示したという主張になるでありましょうが、しかし、このことは勧告を尊重したこととは私はならない、こう考えるわけであります。政府は財政の窮迫を理由にいたしまして、またまた完全実施をサボったわけでありまするが、まず法律を尊重し勧告を一〇〇%守るということが前提になり、その前提の上に立って財源措置を講じていくことこそ民主的な政府のあり方として当然とるべき措置である、かように考えておるわけで、このような点に本年度の政府の措置がまた重要な欠陥を示したという点において、私は政府提出の三案に強く反対の意思を表明するものであります。

下村定自由民主党

○委員長(下村定君) ただいま討論中の鶴園君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三により、内閣に対し意見を述べる機会を与えなければなりません。よって、この際、鶴園君提出の修正案に対し、内閣から意見を聴取いたします。増原給与担当国務大臣。

増原恵吉自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(増原恵吉君) 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び防衛庁職員給与法等の一部を改正する法律案に対する修正については、政府としては今年度の財政事情にかんがみ、賛成いたしがたいところでございます。

下村定自由民主党

○委員長(下村定君) 他に御意見もないようでありますから、討論は終結したものと認め、これより順次採決に入ります。  第一に、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案を問題に供します。  まず、討論中にありました鶴園君提出の修正案を問題に供します。鶴園君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

下村定自由民主党

○委員長(下村定君) 少数と認めます。よって、鶴園君提出の修正案は否決されました。  では、本案全部を問題に供します。原案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

下村定自由民主党

○委員長(下村定君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、防衛庁職員給与法等の一部を改正する法律案を問題に供します。  まず、討論中にありました鶴園君提出の修正案を問題に供します。鶴園君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

下村定自由民主党

○委員長(下村定君) 少数と認めます。よって鶴園君提出の修正案は否決されました。  では、本案全部を問題に供します。原案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

下村定自由民主党

○委員長(下村定君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、特別職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案を問題に供します。  まず、自由民主党、日本社会党、公明党、民主社会党の各党共同提案にかかる修正案を問題に供します。本修正案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

下村定自由民主党

○委員長(下村定君) 全会一致と認めます。よって、四党共同提案にかかる修正案は可決されました。  次に、鶴園君提出の修正案を問題に供します。鶴園君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

下村定自由民主党

○委員長(下村定君) 少数と認めます。よって、鶴園君提出の修正案は否決されました。  では、先ほど可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

下村定自由民主党

○委員長(下村定君) 多数と認めます。よって、修正部分を除いた原案は多数をもって可決されました。  以上の結果、本案は多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。

小柳牧衞自由民主党

○小柳牧衞君 私はこの際、ただいま可決されました一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、附帯決議を付することの動議を提出いたします。

下村定自由民主党

○委員長(下村定君) ただいまの小柳君から提出の動議を議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

下村定自由民主党

○委員長(下村定君) 御異議ないと認めます。  それでは、小柳君提出の附帯決議案を議題といたします。提案理由の説明を願います。

小柳牧衞自由民主党

○小柳牧衞君 この附帯決議案は、自民、社会、公明、民社各党の共同提案にかかるものでありますが、便宜私から朗読さしていただきます。     事院勧告の実施時期  が、今後完全に尊重せられるよう政府は財政上 の措置について、最善を尽すべきである。  最近において、人事院勧告は四月の民間給与実態調査に基づいて八月に行なわれ、その実施は五月にさかのぼるということになっているのであります。これに対して政府は、昨年までは十月からこれを実施するようにいたしておりましたが、本年において九月より実施するように特段の努力をされているのでありまして、その努力のほどは十分に認めたいと思います。しかしながら、政府としても、会計年度の途中において多額な財源措置を講じなければならないことでもあり、人事院勧告どおりに実施することについては、現状のままではきわめて困難の点もあろうかと存ずるのであります。したがって、政府においては財政上の措置について勧告が尊重されるような方法を検討し、善処せらるるよう要望するものであります。  以上が附帯決議を提出する理由でございます。

下村定自由民主党

○委員長(下村定君) 別に御質疑もないようでございますので、これより本案の採決を行ないます。本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

下村定自由民主党

○委員長(下村定君) 全会一致と認めます。よって、本附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。

増原恵吉自由民主党行政管理庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(増原恵吉君) ただいまの、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重して善処いたしたいと存じます。

下村定自由民主党

○委員長(下村定君) なお、本院規則第七十二条により議長に提出する報告書の作成等につきましては、先例により、委員長に御一任願います。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

下村定自由民主党

○委員長(下村定君) 速記をつけて。  議事の途中ですがここで休憩し、再開後防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案の質疑を行なうことといたします。午後七時まで休憩いたします。    午後六時十七分休憩      —————・—————    午後七時十四分開会

下村定自由民主党

○委員長(下村定君) これより内閣委員会を再開いたします。  防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案は、すでに第四十六回国会におきまして提案理由の説明を聴取いたしておりますので、先例によりこれより質疑に入ります。  政府側出席者は、小泉防衛庁長官、高橋防衛政務次官、小幡官房長、海原防衛局長、島田教育局長、堀田人事局長、軽部衛生局長、大村経理局長、国井装備局長、麻生参事官、財満施設部長、藤本労務部長、岡野大学学術局審議官、吉里同学術課長でございます。  御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 この法案の関係面で二、三大臣を中心にお伺いしておくんですが、まずお伺いしたい点は、従来の審議の経緯に関連して二法、特に後者の自衛隊法の面については、その改正内容について、法はまだ成立してないわけですけれども、内容の一部はすでに政令などによって実施している面があろうかと思うんですが、この点はどうなっていますか、まずもってお伺いしたいのです。

小泉純也自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小泉純也君) 自衛隊法の改正の主目的は、南極観測の支援を自衛隊ができるように自衛隊の任務に明記していただきたいというのが主なる目的でございまして、先ほど伊藤先生からお話がございましたような、政令等でやれないのかという意味にも受け取れましたが、十分でございませんので、どうしても自衛隊法の改正を願いまして、明確な任務の中においてこれを十分に、その南極観測の任務を達成したいということにあるのでございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 私いまお伺いしたのは、まだ二法案は、従来、審議を重ねてきましたけれども、成立していない。そこで、その成立を待たずに特に二法のうちで自衛隊法の内容については成立を待たないですでに政令などで実施に移されている面があるのかないのかということをお聞きしたわけなんです。

麻生茂防衛庁参事官

○政府委員(麻生茂君) お答えいたします。自衛隊法の改正として政府から御提案申し上げておりますこの内容を、政令等で実施しているということは、これはございません。ただあるいは南極観測かと思いますが、南極観測につきまして防衛庁が艦船の設計あるいは調達について事実上御協力を会計法等で許す限度におきましてやっていることはございますが、自衛隊が直接南極観測に協力するということをたてまえにしました措置というものは、具体的には何らやっておらないわけでございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 そこでお伺いしますが、自衛隊法の十三条、十九条、二十一条を見ますると、部隊の組織、編成については、一部特別な事由の場合、たとえば国会閉会中に限って政令で改正し得るようになっているわけです。そこで先ほどお伺いしたのは、その規定に基づく措置がなされた面がありますか、ありませんかということです。

麻生茂防衛庁参事官

○政府委員(麻生茂君) 先生御指摘のように、自衛隊法の十三条、これは陸上自衛隊でございます。それから海上自衛隊につきましては十九条、それから航空自衛隊につきましては二十一条のそれぞれの第二項におきまして、特別の事情がある場合におきましては、政令で御質問のような措置ができるようになっておるわけでございますが、今回提出をしておりますところの法案につきまして、これらの条文を適用いたしまして、政令で、法律で規定すべき事項を実施したということはないわけでございます。やっておりません。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 そこで、そういうような措置はとっていないとのことでございますので、さらにお伺いしますが、実際にはさような措置をとっておる面があろうかと私どもは見ておるわけなんです。と言いますのは、いま申し上げました十三、十九、二十一条の政令による措置として、表面そういう措置ではないというだけであって、実際にはそういう措置はとられておるものがあるんじゃないか、こういう観点からお伺いするわけです。

麻生茂防衛庁参事官

○政府委員(麻生茂君) お尋ねの点は、おそらく築城の臨時航空隊のことだろうと思います。築城につきましては、臨時航空隊ということで臨時の措置としてやっておるわけでございまして、いわゆる航空団というものを設けてやっておるわけじゃございません。したがって、航空団としての団長が権限をもってそういう措置をしていくというような体制にはないわけでございます。これはあくまで法律が通って初めて第八航空団として発足するということで進んできているわけでございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 こういう法でも、特別の事由のある場合は政令でそういう措置をとることを認めておるわけでしょう。したがって、誤解されませんように……。私はそういう措置をとったのが悪いとかいいとかいうことを言っておるわけじゃない、この政令に基づいてやった措置があるかないかということを確かめておるだけです。  そこで私は一つの例でお伺いします。いまちょっと触れられたようですけれども、第八航空隊の身辺について、私ども先般、十月ですか、九州に参りまして築城基地を訪問した際この目で見てきたわけです。と申しますのは、F86Fの飛行隊がもうすでに移駐してきておる。それはこの法律が制定するであろうという前提のもとにこういう措置がとられたと、実質上第八航空団がもうすでにでき上がっておるかのごとき姿を呈しておったわけです、実際には。そこでこういう例はあるのではないかということを伺ったわけです。

麻生茂防衛庁参事官

○政府委員(麻生茂君) 結局先ほど御質問がありましたような条文の規定を適用いたしまして、法律で設けてありまする部隊の措置をこの法律が通らない間にやっておるという事実はないということでございます。あくまでも臨時航空隊というようなことでございまして、航空団司令としての権限というようなものは与えておらぬわけでございます。それよりもう少し下級の、いわゆる部隊の長としての権能しかまだ与えてないわけでございます。したがいまして、航空団としての十全の機能を発揮するという段階には、実は法律が通っておりませんので、なっておらないというのが現状でございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 私いまお伺いしたのは、そういう権限とかなんとか、もうすでにでき上がっておることを言うのでなくして、私どもが十月に築城部隊を訪問した際に、F86Fの飛行隊がすでに移駐しておったと、その姿はこの法が成立した暁にそういう姿になるわけですが、そうすると、権限とかそういうものはすべて完成するわけですけれども、いま法が制定してないから、その前提としての一つの姿がもうすでにできておる、そういうことを言っておるわけです。これはあるのかないのかとさっきから言っておるわけですが、あると言うと追及されると思って、こういうものはないのだと言っておるわけですね。しかし、現実に私はこの目で見てきた。築城の場合には、築城基地ではすでにF86Fの飛行隊がもうすでに二つの飛行隊が移駐してきておった。これは法制定の暁にそういう姿が完成するものである。完成というのじゃありませんけれども、その過程がすでに進んでおったということを聞いておるわけです。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) 先ほどから麻生参事官が御説明しておりますが、この臨時の特別部隊というものと、先生御指摘の築城に現在行っております部隊の性格の関係でございますが、私ども築城に、法律が通りますれば第八航空団を持っていきたい、こういう計画がございます。しかし、法律が通りませんので、そういう措置はできませんときに、あそこの基地をあけておくわけにはまいりません。したがいまして、その基地の管理、整備等のためにどうしてもそこに若干の部隊を派遣する必要がございます。そのためには通常これまでしばしばとってきた処置でございますが、一般命令と申しまして、臨時の派遣隊というものを長官の命令でこれをあらかじめ派遣いたします。で、臨時のいわば一時的な正式の法による認知があるまでの一時的の先遣部隊的なものが配置されるわけであります。その場合その基地の管理をしておりますので、訓練その他の関係から、将来そこに配備されますような飛行機を持っていきますことはこれはございます。ある程度その姿が長期的な形になりまして、見ようによりましては、すでに部隊をつくったような感じを与えることもございますけれども、実際は先ほど申しましたように、築城の管理のために臨時に派遣された部隊が配置されている。そこにおりおり所要のスコードロンが訓練その他のために配置される。その訓練が、本来おりますところの基地の使用条件に関連いたしまして、やや長期にわたることがございます。しかし、あくまで航空団の本部そのものは従来の場面に置いてある、こういうことが実態でございまして、こういうことは過去におきましても間々そういう例がございます。そういうようにひとつ御了解願いたいと思います。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 時間の関係もございますから、この問題だけを追及いたしません。ただ、いままでの答弁を通して感じられることは、どうも非常に警戒しているように思うのです。突っ込まれはせぬかということで、こっちはそういう悪意で追及しているわけではない。現実この目で十月に築城基地を見てきたわけですから、その姿ははっきり私の目に入っているのです。そういう前提でお伺いしているので、そういう点で率直にお答えいただけばいいわけです。したがって、自後の御答弁も警戒なんかしないで、ありのままぶっつけでひとつ大胆率直にお答えいただきたい。大体私はこの問題は重大な法案ですから、ついでだから申し上げますけれども、十数時間の質問要綱を準備しておったわけです。ところが、多くを申しません。大体結論的には本日あげるのだということでありますので、私だけでやっているわけではないので、皆さん関係の方も多いわけですから、時間の関係もございますから、重点的にしぼって短時間に成果をあげてやめたいと思います。しかしながら、こちらにいかに誠意があっても、答弁側にそういう誠意が見受けられないと、やむを得ないので深追いするというような事態も立てくるわけです。そうすると、あるいは十二時を過ぎるやもわからないので、そういうことになってはいかぬですから、ひとつ率直大胆にありのままをお答えいただきたいということを前提に、以下二、三の問題についてお伺いしたいと思います。  そこで、まず法案自体についてお伺いしますけれども、この法案の説明によりますと、防衛庁本庁の職員が二千九百三十二名、内訳は自衛官二千百七十一名、非自衛官七百六十一名、こういうものの増員をこの法案で説明しておる。そこでまず最初にお伺いしたいわけですが、昭和三十八年、昨年の十二月末現在の自衛官の欠員の数字の資料を私はここに持っているわけです。もし間違いがあったら御訂正いただきたいわけですが、陸上には二万八千七百四十七名、海上は千九百六名、航空については二千二百十九名、こういう合計にいたしますと三万二千八百七十二名となっているわけです、この欠員が。そこでもう一年もたっておりますから、今年末の欠員の数字をまずもってお示しをいただきたい。

堀田政孝防衛庁人事局長

○政府委員(堀田政孝君) お答え申し上げます。昭和三十九年度九月末の充足状況を申し上げますと、陸上十四万九百二十五名、欠員三万五百七十五名、海上現員三万一千六百九十七名、欠員千五百九十四名、航空現員三万七千四百八十名、欠員千五百七十七名、統合幕僚会議現員七十五名、欠員ゼロ。合計現員二十一万百七十七名、欠員三万三千七百四十六名、以上でございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 そこでお伺いいたしますが、今度の増員については、この法案が成立しなかった関係で二年度分の増員が含まれておると思うのですが、そこで自衛官の二千余名については第二次防衛計画で艦艇とかあるいは飛行機が次々にでき上がっているので、それに応じてという意味の御説明があったわけです。そこでこの増員の必要が生じた翌年の七月からすでに一年有半たっておるわけですけれども、一方法案は御承知のように成立していない。しかし、別にこのことで、増員が実現されぬわけですけれども、別に支障もないのじゃなかろうかと思われるのですけれども、別に支障はなかったのでしょう。どうなんですか、その点をお聞きしたい。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) 増員予定の法案が成立しませんために具体的支障がなかったのではないか。特に現在かかえております欠員との関係でお尋ねでございますが、実は増員の法案が通りませんためにいろいろと私どものことばで申しますとやりくりをしておるわけでございます。先ほどのおことばにもございましたように、たとえば本年度の海のほうのユニホーム——制服のほうの定員増が三十五年のDD、三十六年DE、三十五年SS、これは二隻ございます、三十六年SS、こういう艦艇のための定員でございます。したがいまして、こういう船に乗り組ますためにはあらかじめ要員の訓練を積み重ねなければなりません。船ができてきましたときには、それに当初基幹要員となります者を乗り組ませまして、逐次また教育をしていくということをとっておるわけでございますが、その事前に基幹要員をとって教育することができませんために、ほかのほうでこれはなかなかむずかしいわけでございますけれども、融通をつけまして何とかそういう船が出てきた場合には乗り組むことができるような要員をほかの部分、圧縮できる部分を圧縮してやりくりをしている、こういうことでございます。このやりくりの例を申し上げますと細部にわたりますので省略したいと思いますが、とにかくそれぞれの部隊のどこかにしわ寄せがあることは事実でございます。ただ率直に申しまして、たとえば百名の定員のおります部隊の、そのうちで五名あるいは中名かりに欠きましても、一年程度の間におきましては何とかやりくりがつくわけでございます。しかしながら、これが三年、四年と長期になりますと、全般の編成に支障が出てくる、こういうことでございます。あちこちに少しずつ何とかしわ寄せしてやりくりをしている、こういうことでございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 そこで、さらにお伺いするんですけれども、こういう問題をしぼると、問題は欠員という問題にあると思います。いま御説明がございましたようにいろいろやりくりをしておった、そういう実態についてはしばしば各地方の部隊なり駐屯地を回って実情は大体把握しているわけです。そういう前提に立ってお伺いしておるわけですけれども、先ほど御説明があったように、三十八年十二月末現在で特に陸上では二万八千七百四十七名であったと。そうだとすると、三十九年、ことしの九月現在、陸では三万五百七十四人ですか、約千八百名、二千名近い欠員がさらにふえているわけです。海上、航空については大体日ごろからあまり問題はない。問題は陸上の欠員だということは私どももよく承知しておるんですけれども、さらにこの欠員はふえておる。こういうことで、特に陸上自衛隊の欠員の問題についてはいろいろ調べてみたんですが、これは数年前からなんですね。特に具体的には三十五年以後毎年平均して三万人ほどの欠員がいわゆる正常の姿になってしまったかのごとき感を呈しておる。そういうところに問題があろうと思うのです。それをさらに深めてみますると、一士とか二士、そういう昔のいわゆる兵に相当する定員に不足があるということが、これはもう究極するとそういうことになるわけです。ここに非常に問題があろうと思いますが、結局陸上については定員はいま大体九万六千ぐらいだろうと思いますね。そこでそれに対して現員が約六万三千、だから約三万人の欠員ということに計算がなるわけです。しかも、それがいま申し上げたように下級隊士、一士とか二士というところに集中している。これはこのままでさておいて、そして二千とか三千の自衛官の増員の計画をしても意味がないのじゃないか、まず欠員を補充して、そしていい悪いは別ですよ。いまいい悪いということを言っているのじゃないですが、論議として欠員が三万もあって、そこで全体として自衛官を三千ふやすということは私意味がないと思います。まず欠員を補充して千、二千をふやせばそれだけプラスになりますが——大体陸上については三万以上の欠員がある、ここに大きな自衛隊としての課題があろうと思います。そういうことを中心にいまお伺いしているわけなんですが、この点についてはどのようにお考えですか。

堀田政孝防衛庁人事局長

○政府委員(堀田政孝君) お尋ねの点でございますが、確かに陸は三万の欠員をかかえております。その三万の実態はいま伊藤先生がおっしゃった士の隊員が大半でございます。しかしながら、御提案申し上げて御審議いただいております法案で増員をお願いしておりますのは、陸上はシビルが二百三十一名、海が制服が千六百七十二名、空が制服が四百二十六名、海のシビルが四百二十六名ということでございまして、海空の制服が二千百六十八名、陸と海のせびろが六百九十一名という内容でございまして、制服は全部海空でございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 そこで、さらにお伺いしますが、こういうふうに大量の欠員が出てきておるわけですけれども、それにはよってきたる原因がなければならぬと思うんですが、これはまあ基本的な問題ですから、あえて長官にお伺いをしたいんですが、こういう大量の欠員が出てきた原因は一体那辺にあるのかということを長官はよくお考えだろうと思うんですが、たとえば具体的にはどういうところに起因して、こういうような欠員が、いわゆる補充されないままに今日にきておるかということですね、その点について御説明いただきたいと思います。

小泉純也自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小泉純也君) 自衛隊に欠員が非常に多いということにつきましては、伊藤先生御心配をいただいておるとおりでございまして、私どもこれは基本的な、重大な問題であると痛心をいたしておるのでございます。その原因についてはいろいろと多岐にわたるのでございまするが、最近における経済界の実情等からする若年労働力の逼迫というようなことから、いわゆる俗に世間でいわれておりまする人手不足、ことに若い人たちにそれが多いというようなことが最も直接自衛隊の募集に響いてきた大きな問題の一つでもございます。また、自衛隊におけるところの待遇の問題、任期満了後における就職の問題等ございまして、これら一般に世間における若年者の待遇と自衛隊の隊員に対する待遇とにあまりに差が大き過ぎるということも、これまた世間の認むるところでございまして、国防のためとして挺身自衛隊に参加する若人の精神面は別といたしましても、やはりある程度待遇というものが世間並みに相当大きな開きがないように漸次つとめていかなければならないのでございまするので、防衛庁におきましては数年来このことに鋭意努力をいたし、すなわち環境の改善に努力をいたしてまいっております。ことに最近におきましては募集方法の改善、待遇の改善万般について宿舎等の関係におきましてもできる限りの努力をいたし、また、満期後の就職のあっせん等につきましても積極的な施策を遂行いたしまして、自衛隊の募集を容易ならしめるようにいたしておるのでございまして、また、一面には国民の国防意識の徹底、自衛隊に対する理解と協力というような面も大きな要素でございまするが、これは御承知のとおり、最近の災害出動、また、オリンピック東京大会のごとき成果が国民に深く認識されまして、最近においては各地とも募集率が非常に上昇をいたし、オリンピック後におきましてはほとんど全国を通じて一〇〇%前後というようなことに相なっておるのでございますので、私どもはこういうことで今後とも積極的な努力を続けて環境の改善の実施ができるならば、日ならずして欠員の充足は可能であるという明るい見通しを持っておるような次第でございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 そこで、戦前とこの事態を比べてみて、戦前はもちろん徴兵制がございまして、農村の青年がいわゆる壮丁の供給の源泉とも言われておったと思うんです。これもいい悪いは別なんですが、そこで、現在、農村を見ると、この戦後の経済政策の失敗から、特に農業政策の失敗から、いまは農村には青年はいないのです。農業を実際にやっているのはお年寄りか御婦人であって、ほとんど青年は、いまの農業政策では農業では生活できないということで、これはもう皆さんが御承知のように、青年はみな都会へ都会へと出てきておるわけです。こういうことも一つの大きな直接の原因になっておると思うのです。そういうことで、昔は徴兵制をしいておりましたから随時定員は補充できるわけですけれども、もう私どもとしては、この現在の募集制度はもう限界に来ているのじゃないか。そこで徴兵制度をしけば楽楽一〇〇%徴集はできると思うのですけれども、この点については、大臣は今後どうしたらいいかという、こういう問題に関連してどのようにお考えですか。

小泉純也自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小泉純也君) 先ほど申しましたとおり、いままでの欠陥をできるだけ急速に是正をいたしましていくならば、隊員の充足というものはきわめて明るい見通しでございますので、私どもは徴兵とかなんとか、そういうことは今日夢想だもしておらないのであります。また、隊員の充足云々と徴兵制の実施というような問題は、おのずから私は別個の問題と考えておりますし、徴兵というようなことは全然考えておりません。同時に、また、事実そういうことを考えなくても、先ほど申しましたとおり、今日までは、伊藤先生御指摘のとおり、非常な欠員の多いのが続きまして悩んでおりましたけれども、今後はきわめて明るい見通しで、日ならずして欠員をなくして定員を充足できるという私ども明るい見通しと自信をもって臨んでおるような次第でございます。

小幡久男防衛庁長官官房長

○政府委員(小幡久男君) ただいま募集が限界にきたんじゃないかというお話でございますが、募集の組織について、まだ限界にきておらないという判断をしております。と申しますのは、私、一昨年イギリスに行ってまいったのでございますが、イギリスは大体二十五万に一カ所募集事務所を持っております。ところが、日本のほうは、私の調査では百二十五万に一カ所であります。もちろん募集の兵力量が違いますから、その兵力量の差を適当に換算いたしましても、五、六十万に一カ所ぐらいは日本でも必要ではないか、そういう見地から見ますと、一番はっきりしておりますのは、イギリスの陸軍は、ロンドンで約十五カ所募集事務所を持っております。ところが日本では、一千万の都会で正式のものが一カ所、実行が一カ所でございますから、わずか二カ所でございます。そのような状態でございまして、先ほど先生が御指摘になりました農村の子弟の都会集中ということが事実ならば、もう少し都会方面の募集の網を確実に、綿密にやっていくということも一つの方法ではなかろうかというふうに考えまして、来年度の予算ではそういう募集の組織をも相当きめこまかく改善する予算を組んでおります。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 昔の徴兵制に前提を置いての募集の面は、大体連隊と司令部というのがあって、いまは地方連絡部並びにその出張所というところでいま募集の面を担当しておると思うのですが、特にいままでお伺いした中でさらにお伺いしたいのは、陸上に欠員の問題は集中しておるわけです。陸海空で、特に陸に欠員が集中しているゆえんは一体那辺にあるのか、こういう問題もこの際明らかにしておく必要があろうと思うのです。その点をひとつ御説明いただきたい。

小幡久男防衛庁長官官房長

○政府委員(小幡久男君) 御承知のように、一番基本は、陸がまず大量に隊員を募集するということが一番基本であります。その次は、海空に比しまして、技術職種が海空ほどは全般的に陸のほうは有技者が少ない、つまり普通のことばで言いますと連隊の歩兵といいますか、そういった社会にすぐ技術を持って間に合って出ていくという職種の仕事の割合が海空に比較しまして陸は多いという点がやはり一つの問題であろうかと思っておりますので、先ほど長官も申しましたように、特に陸につきましては、在隊者の特技の教育、それから社会へ復帰するにあたりまして、社会が必要とするような職能教育も奨来は拡充していくというふうなことをやっていきたいと思っております。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 次に、あまり時間がありませんからこまかくお伺いできないわけですけれども、法案の説明に、日米相互防衛援助協定の第七条第二項に基づく米政府に対する円資金提供事務の所掌がえ、こういう説明があったわけですけれども、これに関連してお伺いするわけですけれども、まずお伺いしたい第一点は、在日米軍の軍事援助の顧問団というものがあるのですね。この顧問団についてお伺いしたいわけですが、この軍事顧問団の任務は一体那辺にあるのか。そうしてその人員は、現在、どのくらいになっておるか。そうして、ここ数年来の増減の傾向は一体どういうことになっておるか。この三点についてまずお伺いしたい。

麻生茂防衛庁参事官

○政府委員(麻生茂君) 在日米軍事援助顧問団の任務は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定の第七条だと思いますが、そこに規定されておりまするように、同相互防衛援助協定に基づいて供与される装備、資材、役務その他の援助に関するアメリカ合衆国政府の責務を日本において遂行し、かつその援助の進捗状況を観察する、こういうのが在日米軍援助顧問団の条約上与えられている任務であります。それから数でございますが、ことしの初めでございますが、約百五十人でございます。こまかく申しますと、百四十八人、こういう数字でございます。内訳を申しますと、士官が七十五人、下士官が四十四人、軍属が二十九人という数字でございます。それから変遷でございますが、この軍事援助顧問団の設けられましたのは昭和二十九年でございますが、二十九年の十二月の数字で申し上げますと、当時の総数が四百八十八人でございます。これがだんだん減ってまいりまして、各年度で申しましょうか。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 いやいや概数でけっこうです。

麻生茂防衛庁参事官

○政府委員(麻生茂君) 最近たとえば安保条約が締結されましたときの三十五年の六月で申しますと、これは二百二十九名になっております。それから少しずつまた減りまして、先ほど申しましたように、今年の初めの数は百四十八人という数字でございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 いわゆるアメリカの海外軍事援助の縮小という政策から、日本でもMAPの額は年年少なくなっているわけですね。この運事援助の縮小から当然将来の軍事顧問団の仕事もだんだんなくなってくるのではないか、当然縮小されてくると思うんですが、まあ大体百名をこえる程度の顧問団もだんだんその意味は薄れてきたかと思うんですね。最初二十九年のときは四百八十八名であった、いまは大体百名ぐらい、その使命もだんだんだんだん漸減されて、相互防備援助協定の実益はだんだんなくなってしまうのじゃないか、そういうふうに当然考えられるわけなんですけれども、こういうことの見通しについてはどうなんですか。もう近い将来軍事顧問団は必要はない……どのようにお考えですか。それで大体の展望はどうですか。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) 顧問団の任務は先ほど麻生参事官から申し上げたとおりでございますけれども、一般的に申しまして、新しい装備をアメリカから受け取るということが減ってまいっているということは事実でございます。しかし、それと同時に、一番新しい近代的な兵器につきましての技術というものはやはりアメリカのほうの指導を得なければならないということもこれは事実でございます。したがいまして、現在程度の顧問団というものの数はそう今後減らないのじゃないか。具体的に申しますと、たとえば海上自衛隊につきましても、新しい兵器をアメリカからもらいました場合に、これに慣熟する当初の間はやはり向こうのほうから技術的な援助を受けております。そういうことを考えますというと、ここ当分の間顧問団の人員が大きくは減少しないのではないか、これが一つでございます。さらには、現在顧問団は、私どもはいわゆる有償援助と申しましてアメリカの装備品を金を払って買っております。これをMSMSと申しておることは先生、御承知のとおりでございます。この業務は従来ワシントン駐在の日本大使館を通じてやっておりました。しかし、その業務があるいはこの顧問団の手を通じて行なうことになるかもしれない、こういうような実は動きもございます。これはまだ決定いたしておりませんが、そういうことになりますと、この東京の顧問団は、MSMSの業務に関しまして、先ほど申しました新しい技術の指導とともに、必要な存在になろう、こういうことでございます。現在の私どもの感じといたしましては、現在程度の人員というものはここ当分必要ではないか、こういうふうな一応の判断でございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 それでは次の問題をお伺いいたしますが、予備自衛官の呼称及び制服の着用について、先般提案理由の御説明があったわけですけれども、どうもこの問題はおかしいと思うんですね。これは大体どういうことから予備自衛官なんという問題が出てきたのか。これはたしか一昨年ですか、陸幕長等が定年退職されるときに、時の総理であった池田さんが、多年の経験のあるこういう有識の士を定年退職さしてしまうのは、いかにも惜しいと、そこで昔軍事参事官というのがあった、こういうような制度を検討してはどうかというような下命があったとか、ないとか新聞などで伺っておるわけですが、こういったものに原因があって、こういう予備自衛官というような呼称が生まれてきたと思うんですけれども、このいわゆる経緯について概要だけひとつお聞かせいただきたいんです。一体この予備自衛官というのは、どういう意味なのか、改正は何をねらっているのか、こういうことをお聞きしたい。

麻生茂防衛庁参事官

○政府委員(麻生茂君) 今回御提出申し上げております予備自衛官の呼称の問題は、現在は予備自衛官に採用されましたときには、防衛招集を受けたときに、どういう階級の自衛官につくということがきまっておるわけでございます。したがって、ふだん自分はどういう呼称をしたらよいかということは別にないわけでございますが、それでは予備自衛官の士気と申しますか、あるいは自覚を持たせるにはまだ不十分ではないか。したがって、たとえば予備自衛官として、陸士長なら陸士長という階級が、防衛招集されましたときに、その階級に任命されるんだということがきまっておりましたものが、ふだんから予備陸士長という呼称をつけて呼ぶことができるということになれば、予備自衛官としての誇りと申しますか、あるいは自覚というものを持ちまして、予備自衛官としての任務遂行上非常に貢献するというふうにわれわれとしては考えて、このような呼称を考えたわけでございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 この自衛隊法を見ますと、この予備自衛官というのは、防衛招集とか訓練招集、こういう年間約二十日ほどですか、そういう期間はなるほど義務づけられておるわけですが、この期間以外は自衛隊法で何ら規定はなくて、いわゆる民間人同様であるということは事実ですね、民間人同様である者がこういう制服をつけて民間の行事とか、その他にもいろいろ出ておるということになると、どうもこれはぴんと私どもには受け取りがたいのですけれども、昔の在郷軍人制度というものがあったのですけれども、それを模倣をしたかのごときものであるのかどうか、そういうこととどういう関係があるのか、こういう点について御説明いただきたいと思います。

麻生茂防衛庁参事官

○政府委員(麻生茂君) この予備自衛官の現在の階級を申し上げますと、昔で言いますと、将校と申します階級に属するものが一尉以下でございます。約百五十人。それ以外は全部昔の例で申しますならば下士官とか兵——曹士に属するというような構成に現状なっておるわけです。  それから先ほどの民間の知識人というお話があったのでございますけれども、法律におきましては、制服を着て出ています場合を、防衛招集とかあるいは訓練招集のような勤務に服しているという場合以外におきましてはしぼっておるわけでございます。この法文でごらんになればおわかりになりますように、「自衛隊が行なう儀式その他公の儀式に参加する場合」こう言っておるわけであります。この公の儀式というのを国あるいは地方公共団体というようなものが主催する儀式のことを言っておるわけであります。  それから二号には「自衛隊の行なう行事その他長官の定める行事に参加する場合」というのでございまして、自衛隊の行なう行事というのは、たとえば自衛隊の行なう演習のようなものを考えておるわけでございます。その他私的と言えばあるいは言えるかもしれませんが、予備自衛官自身のたとえば結婚式のようなとき制服を着るのを認めよう、こういうことでございます。従来旧陸海軍であった当時の予備役の人に認めた例がございますが、大体それと同じようなことで考えておるわけでございます。従来の在郷下士官につきましてもこういうような規定があったわけでございまして、たとえば演習または観兵式参観のときとかあるいは賀儀葬祭のときとか、特に在郷軍人たる身分を表彰するときというような規定がございまして、満期帰郷、召集または簡閲点呼以外に制服を着ることを認めておったわけでございますが、それに類似しているといえば類似している、こういうことが言えようかと思います。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 それでは予備自衛官については自衛隊法が制定された当初から、定員については大体一万五千人と聞いておる。その後三十六年に一回、三十七年に一回、それぞれ二千人の定員増があって、合計一万九千が大体いまの予備自衛官の定数であろうかと思うのですね。  そこでお伺いするわけですけれども、予備自衛官の階級別現人員についてはどういうことになっておるか、これだけをまずお伺いしたいと思います。

麻生茂防衛庁参事官

○政府委員(麻生茂君) 現況について申し上げます。  現員で申しますと、先ほど申しましたように、階級ごとで申し上げましょうか。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 その概数でいいです。

麻生茂防衛庁参事官

○政府委員(麻生茂君) 先ほど申しましたように、尉官クラスで百四十八人、それから曹クラス昔の下士官ですか、これが四千三百七十九人、それから士長以下、士長、一士、二士でございますが、これが一万四千四百六十六人、合計一万八千九百九十三人、定員につきましてわずか七人の欠員という状況でございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 それではこの予備自衛官についていま一点だけお伺いしますが、第二次防衛力整備計画のいわゆる昭和四十一年度末の予備自衛官の目標はどういう数字においてあるか。

麻生茂防衛庁参事官

○政府委員(麻生茂君) これはもう先生御承知のように、三万ということでわれわれ見積もりいたしております。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 次に、時間がありませんから次の問題をお伺いしますが、自衛隊法の第百条の二の改正に関連してお伺いします。いわゆる外国人についての教育訓練の委託の問題ですね。これは言うまでもなく、いわゆる防衛庁関連の面ではいままででも外国人が訓練教育を受けておるわけです。問題は、自衛隊法によって、そういう規定がなかったから、この際自衛隊法を改正して外国人についての教育訓練を委託できることの改正、そういうことであったと思うんです。これは私どもとしては、どうもこの趣旨には理解しがたい点がある問題で、このねらいについてまず御説明をいただいてからお伺いしたいと思うんです。

島田豊防衛庁教育局長

○説明員(島田豊君) 自衛隊の学校におきますところの外国人を委託するという問題でございますが、現在諸外国から二、三照会がございまして、防衛大学校につきましてはすでに委託できる旨の規定を設けまして、外国人を防衛学校において教授いたしたことがございます。したがいまして、防衛大学校以外につきまして、外国から照会がありました場合に、自衛隊の教育訓練に支障のない限度におきましてこれを委託し、教育をするということは、それらの国とわが国との親善、友好という面に寄与すること非常に大きいと考えられますので、防衛大学校に設けましたような規定に準じまして、自衛隊の学校におきましても、外国人を委託教育できると、こういう規定を設けたい、こういう趣旨でございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 そこでお伺いするわけですけれども、現在はいわゆる防衛庁関係の附属機関である防衛大学等に外国の学生が教育訓練を受けておる。ただこれは防衛庁関係に限定されておったわけですね、現在までは。そこで、一歩これを拡充して、いわゆる自衛隊関係の面でも教育訓練が受けられるように、そういう説明であったわけですけれども、そのこと自体は私どもの立場から言うと、趣旨に反対せざるを得ないということをいまお伺いしておるわけです。ということは、日本には言うまでもなく、平和憲法があって、平和の方向に向かって進んでおるとき、外人に対して軍事上の教育訓練を外人にまで与えるということの関連から、私どもはこういう趣旨に反対せざるを得ないということをいま伺っておるわけなんです。しかも、いままでは、防衛庁関係の附属機関である防衛大学、こういうところではすでに行なっておるわけですね。それをさらに拡充して自衛隊法の面にまでこれを拡充するということがねらいであろうと思うのですよ。これはあくまでも私どもの立場から反対せざるを得ないということをいま申し上げたのであって、これはここでこういうことを追及したからといって、いますぐ撤回するということは言わぬでしょうし、この問題は多くを追及いたしませんけれども、この機会に、こういう点については、われわれとしては強く反対の意を表明するものであるということをひとつここで明らかにして、この問題は深追いすることを避けたいと思うのです。  最後に、問題の両極地域の観測に対する自衛隊の協力の問題。これはいろいろ問題をはらんでおるわけで、特に南極観測関係の方々は強くこのことを私どもにいろいろの形でぜひこの法案を通してくれ——この法案を通してくれということではなくして、その南極観測が実現できることを熱望しておると思うのです。もちろんわれわれとしては、南極観測そのものには両手をあげて賛成しておる。これはおそらく何びともこういうことの観測については協力をささげるにやぶさかではないと思う。この点ははっきりしておるわけなんですけれども、ただ問題は、いままで数次にわたって海上保安庁が輸送の面を担当してきてその使命を完遂してきたわけです。だからこの南極観測に関する輸送その他については、従来どおり海上保安庁でいささかの支障もない、こういうふうに私どもは、過去の実績からなぜこの海上保安庁でいけないのか、こういう点を了解に苦しむわけなんです。おそらく南極観測関係の方々から見ると、輸送を自衛隊が引き受けるということで、この法案が通らなければ南極観測もできない、こういうはめになるわけです。しかし、国民はあげて南極観測には進んで協力しておる。だから、南極観測関係の方々からいうと、防衛二法にこういうものを含まされたんでははなはだありがた迷惑であろうと思う。それから一方、立場をかえていうと、防衛庁としては、南極観測に反対する国民はないであろうから、このことを防衛二法に含ましておけば、おそらくこの防衛二法はそういう意味からもわりあいに比較的安易に国会を通るであろう、こういう賢明な判断をなさったのではなかろうかと私どもは推測しておるわけです。いずれにしても、従来は現実の問題としてこの南極観測の輸送は、海上保安庁が担当してきて何ら支障がなかった。いまここで輸送だけなら、まだ問題は明確なわけですけれども、ここに問題になるのは、ここにもありますように、「輸送その他」という表現があるわけですね。輸送なら輸送ではっきりするわけですが、まずこの時点でこの法案が通れば、輸送の面を担当して、そうして次の時点では「その他」、「その他」ですから、実に意味は広いのですね。輸送以外の面はみんな「その他」に入ってしまうわけですね。そういうことで、軍事の面が非常にこの中に介入してくるということをわれわれはまじめにおそれているわけです。こういうことを率直にお伺いして、この問題については繰り返し申し上げておるように、観測そのものは進んでやらなければならない。この防衛二法案の成立については先ほど来、まだまだ問題は多いわけですけれども、さらに問題のある法案だからということで反対してきたわけです。南極観測はぜひやりたい。防衛二法は率直に言って通したくない。これは私どもの率直な意見です。まあ、こうやってここまできたわけですけれども、まずこういう点からはっきりさしていただきたいのは、従来やってきた海上保安庁が、この輸送の面を担当するとどういうふうな弊害があって、どういうような失敗があったのかということからまずお伺いしたいと思うのですが……。

岡野澄文部省大学学術局審議官

○説明員(岡野澄君) 文部省の南極関係の審議官でございますが、なぜ保安庁でできなくなったかということについて御説明申し上げたいと思います。  御説のように、日本の南極観測は六回にわたって行なわれまして、それから中断のやむなきに至ったのでございますが、なぜ中断せざるを得なくなったか、いろいろな理由があったわけでございますが、第一には、砕氷船が非常に老朽化したことが第一点。第二は、航空輸送の要員の確保が非常に困難になったということ、第三は、観測隊の中核となるべき機関が十分でなかったというような諸点があげられたわけでございます。それで再開にあたっては、その点について南極地域統合推進本部において、慎重にいろいろな角度で検討はしましたが、日本の昭和基地は、非常にほかの基地に比べまして、いいところでございますけれども、行くのに非常に困難でございます。それで御承知のように、昭和基地に接岸できましたのは、第一回だけでございまして、あとはいずれもある程度まで進入しましてから、ヘリコプターで人員、資材を運ぶというようなことになったわけでございまして、保安庁にお願いしまして、一番保安庁がお困りになっておりましたのは、実はパイロットの確保でございまして、非常に手薄になりまして、とうていその点の手当てができないというような御意見がございまして、それで本部では、再建にあたってはやはりそういう輸送の手段を強化するという見地で、どうしても防衛庁にお願いする以外にないという結論に達したわけでございます。第一点の御説明はこれでございます。

島田豊防衛庁教育局長

○説明員(島田豊君) この規定では防衛庁が運輸省の協力を得まして「輸送その他の協力を行なう。」ということになっておりますが、「その他の協力」ということが、これは非常に将来拡張していろいろな面で自衛隊が乗り出していくのじゃないか、こういう御懸念があると思いますが、やはり主体は、航空機及び船舶によりまして、観測に必要な人員、物資を、わが国と南極基地間において輸送するというのが主たる面でございまして、「その他の協力」というのは、しいて申し上げますれば、通信業務及び雪上車の改良試験というのがさしあたって問題になるわけでございますが、そういう面につきまして、自衛隊が協力するというこういう程度のことを現在考えているわけでございます。これが将来輸送以外の業務にさらに大きく広がっていくということは、毛頭考えておりません。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 昨年八月の閣議決定では、輸送は防衛庁が当たる、こういう決定であったと思うのですが、ところが、今度の提案の内容を見ると、「輸送その他の協力を行なう。」——ちょっと先ほどからお伺いしているのですが、この点にまだはっきりした御説明がないわけですけれども、閣議決定では、防衛庁長官も閣議に出席なさっているでしょうが——ああ、そのときはまだ関係なかったわけですかね、昨年の八月ですから。閣議決定では、いずれにしても輸送は防衛庁が当たるという決定であったと思うのですよ。もし間違ったら御訂正いただきたい。輸送は防衛庁が当たる、それから今度のこの法案では「輸送その他の協力を行なう。」、ちょっとぼんやり聞いていると、何ら変わらぬところですけれども、よく耳を澄まして聞いていると、だいぶ違うのですね。輸送は防衛庁が当たる。この今回の場合は「輸送その他の協力を行なう。」、この実に「その他」に——「輸送」ははっきりしていますから、具体的に。「その他」というのは、一体何を意味するか、これは将来の問題ですが、先ほども言ったように、非常につかみどころがない、大きな、何でも処理できる、今後。そういう突破口をここで築くのではないか、こういうことも当然に考えられるわけです。当然にですよ、論理上当然そういうことになると思うのですが、「その他」とは一体どういうことですか。

小幡久男防衛庁長官官房長

○政府委員(小幡久男君) そういう面は先ほど教育局長から申し上げましたとおり、雪上車、雪の上を走る車の設計でございますが、私もこの南極観測を防衛庁で引き受けます場合に参画しておりました者といたしましてお答えいたしますと、南極観測のプランそのものは観測本部でおきめになるわけでございます。だからそのプランにないことは自衛隊は実質的には決してやらないという含みになっておりまして、計画は文部省ですか、そこにおります統合推進本部の計画に従って、その計画から生まれてくる依頼に基づいてやるという前提でございますから、決して防衛庁がその計画にないものを自分でかってにやるというような御懸念は毛頭ないというように考えております。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 もちろんほかにいわゆる統合推進の本部があることは私どもも承知しておるわけです。南極地域統合推進本部、こういうものがあって総合的にこれを進めておるわけですけれども、その南極地域統合推進本部、この機構については現在どうなっておるか。そしてまた、この防衛庁との関係で、その他の今回のこの法案の成立によって一体どういうことになるか。もちろんこれは統合推進本部ですから、全体的な統合の推進本部でなければならぬ。言うまでもなく防衛庁の構想としては「輸送その他の」、まあ「その他」がくせ者なんですけれども、「その他の協力を行なう。」ということですから、この統合本部の面をひとつ簡単に御説明いただきたいと思います。

岡野澄文部省大学学術局審議官

○説明員(岡野澄君) 現在南極地域統合推進本部というのが置かれておるわけでございますが、これは実は閣議決定によって置かれた機関でございます。それでその本部長は文部大臣でございまして、副本部長に防衛庁の事務次官はじめ関係官庁の事務次官並びに日本学術会議の会長さらには学識経験者等が入りまして構成されておるものでございますが、今後南極地域観測を恒久的に実施するというたてまえでございますので、文部省といたしましては、この本部の設置を新たに法律によってつくりたいと考えておるわけでございます。その場合の本部の目的は、国が行なう南極地域の学術調査及び研究に関する計画及び実施を推進する機関という目的で南極観測に関する基本的な計画の企画立案、関係機関との連絡等を行なう機関といたしたいと考えておりまして、この本部の定めた計画に従いまして、輸送をお願いしたいと考えておるわけでございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 そこで繰り返しお伺いしますけれども、輸送その他の協力を担当するということですけれども、この協力が通常の場合は問題ないわけですけれども、科学技術面を加味するというと、また意味は格別違ってくると思うのです。いわゆる純粋の科学の分野に軍時的な目的が導入されていくことには問題が大いにあるわけです。日本学術会議が反対しておるのもこの辺に論拠があろうと思うのです。この点はどうなんですか。

岡野澄文部省大学学術局審議官

○説明員(岡野澄君) 学術会議におきましても南極観測が学術調査であるという点、これは明確でございますので、学術会議の関係者も自衛隊に御協力を求めるということについては、異議がないわけであります。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 しかし、学術会議の全部の関係者が反対しておるということではないと思うのですけれども、学術会議の一部に反対の面があったということを私どもはっきり新聞などで報道されておることを見ておるわけです。全然そういう反対がなかったのか。一部に確かにあったと思うのです。その反対のいわゆる根拠はどういうことであったのか、こういうことを明らかにしてありのまま言っていただきたいと思うのです。

岡野澄文部省大学学術局審議官

○説明員(岡野澄君) 学術会議におきまして、一部の会員は、自衛隊にお願いすることはおもしろくないというお考えの方も確かにあったわけであります。しかし、学術会議全体として、総会におきましては、自衛隊の御協力を得るということにきまったわけでございまして、その間、御指摘のように、学術会議ではいろいろな議論がなされたと聞いております。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 南極条約第一条を見ますると、「科学的研究のため又はその他の平和的目的のために、軍の要員又は備品を使用することを妨げるものではない。」と規定されておる。こういう規定があるわけですけれども、これに基づく改正であろうと思うのですが、この条文の規定はあくまで平和的目的ということに限定されておると思うのですけれども、これをさておいては相ならぬと思うのですけれども、この点をひとつ御説明願いたいと思います。

岡野澄文部省大学学術局審議官

○説明員(岡野澄君) 御承知の南極条約は日本が原署名国で条約に加盟したものでございまして、この条約に違反するというようなことは考えてはいかぬわけでございまして、したがって、南極地域の今後の観測はこの条約にのっとって行なうわけでございますので、あくまでも平和的目的のために各国協力して南極観測をするという態度であることは間違いないと思うわけでございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 次にお伺いしますが、いま建造されつつある観測船についてお伺いするわけですけれども、衆議院における答弁の内容を見ますると、法案が成立すれば一応自衛隊に籍があるという意味で自衛艦というふうに理解したいと、こういう意味の御答弁があったわけです。ずいぶんややこしい理解のしかたですね。もっと端的に参議院でははっきりわかるように、ひとつどういうふうに理解したらいいか、この観測船についてちょっとややこしい表現であるので、簡明にひとつお聞かせをいただきたい。

堀田政孝防衛庁人事局長

○政府委員(堀田政孝君) ただいま先生のお尋ねの質疑がございましたときに、私は防衛庁の教育局長をやっておりましてその答弁をいたしましたので、御説明申し上げますと、なぜ自衛艦という名前で呼ぶのかという御質問だったかのように記憶いたしますが、これは法律がもし通りました場合には、自衛隊の船でございますから、自衛艦という名前で呼ぶことになる、かように理解をいたしますと、そのようにお答えしたように記憶いたします。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 そうしますと、この観測船についてはこの法成立の暁には、ことばをかえて言えば、軍艦としての地位を与えられる、そういう艦船等になるのだ、そういうふうに理解していいわけですね。

堀田政孝防衛庁人事局長

○政府委員(堀田政孝君) そのように御解釈いただいてけっこうだと思います。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 この観測船とそれに伴う航空機もいま建造が進められていると思いのですが、その進捗状況はどうなっておるのですか。

国井真防衛庁装備局長

○説明員(国井真君) 艦船と航空機の進捗状況でございますが、船につきましては、来年の七月半ば竣工の予定で建造を進めております。これは大体予定どおりいくものというふうに考えております。それからヘリコプターにつきましても、来年の五月でございますが、納入予定でございますが、これにつきましてもやはり順調に進捗をいたしまして、予定どおり入手できるという状況でございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 時間の関係もございますから、もうこの辺でやめたいと思うのですが、心ならずも最後にお伺いします。  自衛隊の現在の協力状況は一体どうなのかということと、観測船要員訓練の計画はどうなって、どのように具体的にいま進められておるのか、こういうことについて最後にお伺いしておきたいと思います。

島田豊防衛庁教育局長

○説明員(島田豊君) 観測船の設計につきまして技術研究本部において受託いたしております。さらにまた、観測船の建造及び航空機の購入につきましては、文部省の依頼に応じまして監督、検査、こういう面で協力を申し上げておる、こういう状況でございます。  失礼いたしました。これからの自衛隊としてなさなければなりません問題の一つは、観測船に対する輸送員の乗り組みでございまして、これは法案が通過いたしますれば、さっそくに十二月からでも輸送要員を持ちたい、こういうふうに考えております。また、ヘリコプターが極寒地におきましていろいろ輸送業務に当たりますので、それの耐寒訓練を来年の二月に北海道におきまして実施すべく現在計画を準備をいたしておる状況でございます。ああいう極寒地におきますところの離着陸あるいは氷の氷群の上におきますところの航法あるいはああいう極寒地におきますところのヘリポートの設定あるいは航空機の輸送、そういういろいろの点につきまして十分な研究をいたす必要がございますので、そういう耐寒訓練を来年実施する、こういう予定でございます。  それから前後いたしますが、輸送につきましては乗り組み員を逐次それに乗せまして船に十分慣熟をさせ、竣工が来年の七月の予定でございますし、出港が、大体、現在の統合推進本部の予定でございますれば十一月になりますので、その間、期間が非常に短いというところで、十分以前から乗り組ませまして慣熟訓練あるいは就役訓練、こういうものをやるつもりでございます。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 関連があるから統合推進本部の立場からの計画をお聞きしたいのですが、いま輸送についての要員の教育訓練、こういう面についての御説明があったわけですけれども、観測自体の準備も相当具体的な——法案の有無にかかわらず、これはただ急に教育訓練したのじゃ間に合いかねるので、いまから相当具体的に観測自体について進められておると思うのですが、そういう面は一体、現在、現時点にあってどういう程度に計画が進められて、どの程度具体化しておるのか、こういう全貌について概要だけをお聞かせいただきたいと思います。

岡野澄文部省大学学術局審議官

○説明員(岡野澄君) 再開する南極地域観測におきましてどういう観測を主としてやるかという計画につきましては学術会議で熱心に検討されておりまして、その案が本部に提出されておりまして、この間の総会でもそれが御承認になりまして、その計画に従いましてこれから具体的に隊員の人選にかかるという段階でございます。大まかに申しますと、やはり再開の初年度の計画といたしましては、従来に引き続きまして、地球物理学的な観測調査を主体といたしまして、それを二種類に分けまして、定常的な観測と研究的な観測に分けていく。越冬隊の規模は十八名を計画しておりまして、船で観測し、あるいは手伝い、支援隊員合わせまして約四十名という規模でございます。この業務には気象庁あるいは電波研究所はじめ各大学、科学博物館等が相集まりまして、しさいに専門的に検討しておる段階でございます。

鬼木勝利公明党

○鬼木勝利君 時間もだいぶきたようですが、二、三いまからお尋ねいたしますので、簡明率直に答えてくださいよ、そうせぬと結局長くなるから。  先ほど長官の御説明をお聞きしまして、自衛隊員の募集方法の改善とか、あるいは待遇改善、任期満了後の就職のあっせんというような点に努力をしていると、こういうお話でございまして、まことにけっこうで、歴代の防衛長官は隊員の優遇ということについて十分意を用いていらっしゃるようでございますので、その点私具体的に少しお尋ねをしたいと思うんですが、曹及び士官の営内居住と営外居住についてどういうふうになっているのか、その点をお尋ねをしたい。これは一曹以下は営内居住するのが原則である、こういうふうにこれに書いてあるんですが、現在どういうような状態になっておりますか。

堀田政孝防衛庁人事局長

○政府委員(堀田政孝君) お答え申し上げます。原則として曹士は営内に居住をするというのがたてまえでございますが、曹の一部分は結婚をいたしまして家庭を持つというようなこともございますので、営外に居住することが認められております。営外に居住を認められました者は営外手当を支給されます。これは金額を申し上げますと、現在は三千五百八十五円でございます。先ほど成立いたしました給与法の改定によりまして、五百二十五円増額になり四千百十円の営外手当の支給を受けるわけでございます。しかし、曹の階級におります者が全部営外に居住をするということがまだ実現をいたしておりませんで、逐次この営外居住のワクをふやしてもらう、逐次と申しますのは住宅問題、与えられます居住の施設がこれに伴いませんとやはり不都合がありますので、居住施設等については手当を考えながら営外居住のワクをふやしていくということに努力をいたしておる状況でございます。

鬼木勝利公明党

○鬼木勝利君 その営外手当の三千五百八十五円というのは、食費の単価じゃないですか、一月の。

堀田政孝防衛庁人事局長

○政府委員(堀田政孝君) これは営内における諸経費プラス食費ということに相なります。と申しますのは、食費全部を個人負担をいたすわけではございませんので、食費の個人が負担をすべき部分と、それから営内における諸経費、これをプラスいたしたものを営外手当として支給するというたてまえになっております。

鬼木勝利公明党

○鬼木勝利君 ところが、営外居住をしていらっしゃる方が四千百円で結婚されて、そして住宅に安住していらっしゃるかどうか、もっと高家賃の借家に住んでいるんじゃないか、事実は苦しんでいるのではないかということをお尋ねしている。

堀田政孝防衛庁人事局長

○政府委員(堀田政孝君) 先生御指摘のとおり、四千百十円でもし相当高い間借りをいたしますと足らないわけでございます。しかしながら、自衛官には住宅手当というようなものもございませんで、結局原則は営内に居住する。事があったときには営内ですぐ事に応ずるというのがたてまえになっておりますので、したがって、営内で食べる食費の一部と営内でいろいろ使う経費、それをプラスしたものを営外手当として支給する。支給された営外手当の範囲内で外で生活をせざるを得ないという形になるわけでございます。そこでやはり御指摘のように、高い部屋を借りたのではかわいそうでございますので、営外居住者が入ります住宅をたくさんつくってやって、これに入れるということが次の問題になります。ただいま来年度の予算等では待機宿舎という名前で待機をしてそこに住まうというたてまえの宿命の要求をいたしておる状況でございます。

鬼木勝利公明党

○鬼木勝利君 現在そういう官舎ですか、宿命に入っていらっしゃる方、当然希望していらっしゃるけれどもまだ入れない方、どういうふうになっておりますか、その点。

堀田政孝防衛庁人事局長

○政府委員(堀田政孝君) 階級別の資料、私持ってまいっておりませんが、現在までに確保いたしておりまする住宅が二千百九十と私記憶いたしております。なお、来年度要求をいたしております住宅が三千三百というふうに記憶いたしております。

鬼木勝利公明党

○鬼木勝利君 それで三千三百戸来年度住宅予算を請求すればそれで終わるというわけですか。完備するというわけですか。

小幡久男防衛庁長官官房長

○政府委員(小幡久男君) ただいま人事局長申し上げました営外の、昔で言えば下士官の宿舎がどのくらい充足されているかという問題は、二カ年間で大体五割程度までいきたいという考えで、二カ年間の計画をつくっておりますが、さらに数年間の間に七割くらいまでいきたいという考え方でございます。現在人事局長申しました来年度の計画をそのまま順調に二年やりますと、私の計算では大体五割は安定するのではないかというふうに考えます。

鬼木勝利公明党

○鬼木勝利君 だから私が言っているのですよ。防衛二カ年計画とか、三カ年計画とか、第二次計画ということをあなたたちがやっておって、人間尊重と言いながら、兵器尊重、軍備尊重をしている。佐藤総理は人間尊重と言うけれども、人間は尊重してない。だからわれわれは反対せざるを得ない。その点大臣はどうお考えですか。

小泉純也自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小泉純也君) 鬼木先生のおっしゃる点は私も同感でございまして、先ほど伊藤先生の隊員の欠員補充の問題についても申し上げましたとおり、環境の整備、隊員の処遇を改善をしなければこの充足の目的を達することはできない。今後積極的にこれに熱意を持って努力をしなければならぬということを申し上げておりまして、ただいま鬼木先生の御心配をいただいおりますとおり、こういう宿舎の問題等は何ものにも優先をして積極的に実現をしなければならぬ問題であると、私は長官就任以来痛感をいたしておる次第でございまして、そういう点に今後あとう限りの努力をいたしたいと存じております。

鬼木勝利公明党

○鬼木勝利君 長官のその御答弁は私全くそのとおりだと思うのですが、わずか三千戸や二千戸をつくって、そうして二カ年計画とか三カ年計画なんて、これはふざけた考え方ですよ。ことに佐藤総理は人間導重ということを声を大にして言っている。隊員を優遇しなければ募集をしても幕集が芳しくないというのは当然です。あとでまたそれに関連して私はお尋ねしますが、こういうことが私どもが防衛庁の年次計画に対してどうしても不満です。  その次に、もう時間がありませんからまたゆっくりこれを掘り下げて、いずれまた委員会でやります。  第二点でお尋ねしたいのは、この隊員の帰郷の問題ですが、隊に在任しております間に何回ぐらい郷里に帰らしておるか。昔は帰休兵というのがありましたが、その点をひとつお尋ねしたいと思う。

堀田政孝防衛庁人事局長

○政府委員(堀田政孝君) お答え申し上げます。従来は隊員で、たとえば郷里を離れて遠隔地に勤務をいたしております者を制度的、組織的に郷里に帰らせるということはしておらなかったわけでございます。しかしながら、たとえば北海道に在勤をしております者の七〇%が大体内地の者でございますし、その七〇%のうちのさらに五〇%が中部以西の出身者であるというようなことから、せめて年一回の休暇で帰るくらいのことは考えてやらなければならぬ、これについてはやはり経費も見てやるべきではないだろうかということで、来年からは年一回はぜひとも帰れますように予算要求をいたしておるわけでございます。

鬼木勝利公明党

○鬼木勝利君 いままでのはそういうことをやっていないと。私は自衛隊員の募集というようなことをあなた方がただうまいことを言うて、鐘太鼓たたいてうまいことを言うて募集しても、事実上自衛隊員が郷里に帰って、自衛隊はこんなにいいぞと、われわれはこういう見本だということを実際に郷里に帰って、あたかもにしきを飾って郷里に帰るがごとき姿を見せることが募集の最もこれは私いい方法だと思う。それを北海道あたりに行っているのに、年に一回も帰さぬなんて、年一回くらいは親にごきげんをとり、祖先に墓参りをすると、当然のことです。それをいままでやっていないなんて、あなた方あまりうかつ過ぎる。長官は最近の御就任だから、おれは従来からそういうふうに考えておったけれども、これからやるとおっしゃると思うけれども、官房長はどういうふうに考えておりますか。

小幡久男防衛庁長官官房長

○政府委員(小幡久男君) 私も昨年八月官房長になりまして、いろいろおっしゃいますこと、全く先生と同じ意見です。したがいまして、いま人事局長が申しましたとおり、待機宿舎をつくる、これも毎年八億ですか、そこそこの金だったのですが、今度は二十四億の概算要求を出してありますし、また、その帰休旅費を今度は北海道から中部以西の間については出すという予算を出しております。  さらに、食費を今度は大幅に値上げをしていただくことになりました。大体百三十八円から百六十五円に上げてもらう補正予算を出しております。  さらにまたもう一つ、いわゆる兵隊から下士官になる昇任率が非常に悪くなっております。これは何とかよくしてやりたいということも考えておりまして、結局その若い兵隊がなっていく自分の先の下士官の昇任を何とか明るくするということが一つの大きなポイントであるということを考えまして、就任以来、その予算をつくるのに実は一年費やしまして、幸い今度は四一年度予算にはそういった内容のものを多く盛り込んで、長官の御指示を得まして出すように相なりましたような次第でございます。

鬼木勝利公明党

○鬼木勝利君 あなたはどうも要らぬことを、私の尋ねておらぬことを……、食費のことなんかはまだ尋ねておらぬ。あとでやることだ。いま少し的はずれでなくして、はっきり答弁してくださいよ。だから時間がかかってかなわない。  それで、これからは年に一回くらいは帰郷をさせるという予算を要求している。むろん旅費や日当を支給してやられるんだと思いますが、どれほど予算要求をしていらっしゃるんですか。それに、また、基準はどういうことを基準にして……。

堀田政孝防衛庁人事局長

○政府委員(堀田政孝君) 私の先ほどの答弁が、お答えが実は不正確でございまして、先生にたいへん誤解をお与えして申しわけないのでございますけれども、従来の経緯を申し上げますと、制度としては休暇で帰省をする旅費の規程はあったわけでございます。しかし、それはたとえば昭和三十二年以前に入隊をした者というふうにきざみをつけまして、逐次予算を削られ、昭和三十八年にはちょうど総理府令の改正がありまして、これが廃止された。それではあまりにもひどいではないかというので、今回は全面復活を要求した。先ほど申し上げましたように、北海道在勤一年以上の隊員で中部以西に出身地を持っておる者は、年に一回は郷里に帰らせるというふうにいたして、予算は一億円を要求いたしております。

鬼木勝利公明党

○鬼木勝利君 一億円ということは、あなたはぱっと言われたが、何を算定基準としたかと聞いているのです。そういうことで十分まかなえるかどうかということです。

堀田政孝防衛庁人事局長

○政府委員(堀田政孝君) これは在勤隊員の実態を調べまして、それぞれ郷里に帰りますキロ数、それから隊員数、これを基準にして旅費をはじき出したものでございます。

鬼木勝利公明党

○鬼木勝利君 これはそれじゃあとで計数的にはっきり私はその資料をいただいて、私も研究したいと思います。  じゃ次に移ります。第三点は、自衛隊における委託医学費ですね。これは年間、月間でもいいですが、月でもいい、幾ら手当を支給しているか、研究費を、補助費といいますか。

軽部弥生一防衛庁衛生局長

○説明員(軽部弥生一君) お尋ねの件は、月額四千五百円、これを学資補助として貸し与えておるわけであります。

鬼木勝利公明党

○鬼木勝利君 お医者さんの研究をさせるのに、月額四千円で、そんなことで話になるかならぬか。衛生課長ですか、あなた部長ですか。局長、何で局長が……。

軽部弥生一防衛庁衛生局長

○説明員(軽部弥生一君) 私どもの将来医官を志そうという医学生に対する学資の貸与金が四千五百円でございまして、私、先生お尋ねを取り違えましてたいへん失礼申し上げました。隊に勤務いたしております医官に対します研究費は、年間ただいま——これは臨床の、病院に勤務いたします者と、それから部隊に勤務いたします者で金額が変わっておりますが、両方を平均いたしまして年間約六万と記憶いたしております。

鬼木勝利公明党

○鬼木勝利君 それは医官に対する研究費が六万。年間六万というのはたいそう多いようだが、月に直せば、五千円、委託学生は月額四千五百円、そういうことで医学を最高度に研究させようなんて、研究できますか、それで。大臣ひとつ御答弁願いたい。

小泉純也自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小泉純也君) 先ほど冒頭に伊藤先生からも鬼木先生からも、われわれも率直にひとつ質問するから、率直に答えよというお話もございましたし、私もほんとうに率直に申しあげまするが、私も長官就任以来まだ半年にもならないわけでございますが、長官に就任いたしましてから、先ほど来隊員の待遇その他いろいろなことを勉強いたしまして、痛感いたしますことは、これではあまりに待遇が悪過ぎる、こういうことでは隊員の充足ができないのも無理はない、もっとこれは抜本的に自衛隊のあり方というものを考え直さなければならないのじゃないかということを実は痛感をいたしておるわけでございまして、先ほど鬼木先生の御指摘の一々の問題につきましても、私、全くおっしゃるとおりである、自分自身もほんとうにそれを痛感して、今後これをどうして具体化していかなければならないかという長官としての責任を痛感をいたすわけでございまして、先生の御指摘、御高見には全く同感でございまして、いろいろと御指摘いただくことを先ほどから感銘深く拝聴いたしておる次第でございます。今後とも十分こういう面に画期的な努力をしなければならないということをここに申し上げておきます。

鬼木勝利公明党

○鬼木勝利君 長官の御答弁は私もまことに敬服いたしますが、将来に大いに私は期待いたしておるのでありますが、この委託医学生が学校を出て、そしてインターンも終わって、民間にどんどん飛んでいくのじゃないですか。そういう点の歩どまりはどういうふうになっていますか。

軽部弥生一防衛庁衛生局長

○説明員(軽部弥生一君) ただいまお話しのように、その事実はたくさんございます。大体インターン終わりまして残りますのが、そこでくずれまして約半数五〇%まででございます。この制度が始まりましてから本日までの総体を見ますと、いわゆる貸費学生としておつき合いをいたしました中から、現在自衛隊に勤務いたしております者が総体の二五%、歩どまり二五%と申し上げますか、そういう数でございます。

鬼木勝利公明党

○鬼木勝利君 結局、私はこれは待遇が悪いからだと思います。待遇がよければ私は踏みとどまって、やはり自衛隊から貸費されておる、学資金を借りてやったのだから思義も感じておられると思うのです。けれども、あまりに待遇が悪いから、私は何がしかの借りたお金は戻してすぐに民間に行かれるのだと思う。これは待遇の問題から私はきていると思う、ほかに原因はないと思う。  大体以上のようなことは、私は、大臣は別といたしまして、官房長も、そこにいらっしゃるえらいお方、私は内閣委員に就任以来ずっと言い続けてきているのだが、あなた方、御答弁は、ごもっともでございます、さようでございます、まことに口は巧みなことを言われるけれども、少しも意見尊重していない。  次に第四点は、施設長官がお見えになっておりますか。——お尋ねしたいのですが、老朽隊舎の改築状況はどういうふうになっておりますか。これもたびたび私はお尋ねしたが、尋ねたときだけで、あとは全然話も何もない。

大村筆雄防衛庁経理局長

○政府委員(大村筆雄君) 老朽隊舎の改築状況でございまするが、ここ数年老朽隊舎の改築の経費の獲得につきましては、特に重点を置きまして、御承知のとおり、三十九年度予算におきましては、前年度の約倍の坪数の老朽隊舎の改築の予定に相なっておるわけでございます。今後四十年、四十一年度におきましては、いわゆる老朽隊舎のうち、隊員の充足状況等もございますので、その八割につきまして二カ年間に老朽隊舎の改築を完了いたしたい。そういう目途のもとに現在予算の要求をいたしておるところでございます。

鬼木勝利公明党

○鬼木勝利君 大体もう少し具体的にあなた方説明しなきゃ、そんな抽象的に去年の二倍やったとかあるいは八割やるとか、大体いままで、じゃあいままで三十九年度でどれだけの坪数改築しましたか。来年度の予算要求はどれだけ坪数の修築、改築の予定であるか。なおあとどれだけ残るか。完了までに何年かかるか。率直にひとつ、まああなたもう少し計数的に言いなさいよ。そんな雲つかむような話で。

大村筆雄防衛庁経理局長

○政府委員(大村筆雄君) たいへん失礼いたしました。ちょうどいま手元に資料の持ち合わせがなかったものですから、数字を申し上げることができないでたいへん申しわけない次第でございまして、後刻、即刻、ただいま御指摘の数字を御説明さしていただきたいと思います。

鬼木勝利公明党

○鬼木勝利君 資料がなくたって、大体その予算要求をこのくらいしてこうだと、昨年はどの程度というようなことは大体わからなきゃならぬと思うのですけれども、まあそれはわからぬと率直にお答えいただいたから、私も率直に受けまして、あとでそれはまた委員会ででも承るということにいたします。  次に、任期満了後の就職状況ですが、技術訓練あるいは職業訓練をなさってそうして社会にどういう方面に就職しておるか。そういう点が……それもまた資料がないとおっしゃられればこれはまたしょうがない。

堀田政孝防衛庁人事局長

○政府委員(堀田政孝君) お答え申し上げます。これは陸上自衛隊の分について申し上げたいと思いますが、業務別に申し上げますと、一般事務、会計事務、守衛、一般労務、自動車運転、自動車整備、機械器具製造工、一般工、電工、建設事務、建設機械運転及び整備、販売、セールスマン、その他、こういうふうに相なっておりますが、昭和三十五年は退職者数三万一千名のところ、あっせん希望者が二万五千九百、これは全員あっせんをいたしております。それから三十六年、これは退職者数二万三千のうち、希望者数が一万九千六百、これも全員あっせんをいたしております。三十七年は、二万二千人の退職者数に対しまして、就職あっせん希望が一万二千、これも全員就職をいたしております。三十八年は二万四百のうち七千四百八十が希望いたしまして、これも全員就職あっせんを完了いたしております。大体ただいま申し上げました職種別の分布を見てみますと、圧倒的に多いのが自動車の運転でございます。たとえば、三十八年度について申し上げますと、七千四百八十のうち約二千、これが自動車の運転でございます。なお次に多いのが機械器具の製造及び一般工員、これがそれぞれ約一千、そのほかは大体まばらに分布をいたしております。そういうような状況でございます。

鬼木勝利公明党

○鬼木勝利君 そういうふうにはっきりと答えていただくと、たいへん時間が能率的で……。その就職の点は非常に私はスムーズにいっておると思います。  次に、これは先ほど伊藤委員のほうから御質問がありましたので、私重ねてどうということはございませんが、予備自衛官の問題ですが、これは私も戦前の在郷軍人みたような感がしきりにしてならぬのですが、しかもこの訓練に招集命令を出す、そのように書いてあるようですが、民間人を命令によって、招集令状によって招集するということはいささか私は不穏当のように思われる、そういう点についてもう少し説明していただきたい。

麻生茂防衛庁参事官

○政府委員(麻生茂君) 予備自衛官の制度は、元隊員でありましたような一定の資格あります者が、一定の期間を限りまして、志願によって任用されておるわけでございます。したがって、志願をいたしましたときに、法律上は年に二回、二十日以内の訓練紹集を行なうと、こう規定しておりますが、そういうことをよく了承いたしまして予備自衛官になっておるわけでございまして、別に問題はないというふうに了解をいたしておるわけでございます。

鬼木勝利公明党

○鬼木勝利君 それだったら、私は、これは徴兵制度じゃないのだから、ある特定な訓練の期間中に招集するのでしょう。これは一朝有事の際に招集するのですか。その点、もう一度………。

麻生茂防衛庁参事官

○政府委員(麻生茂君) 予備自衛官につきましては、招集というおことばがございましたが、訓練招集というのと、防衛招集というのと、二つあるわけでございます。訓練招集は、年に二回以内、二十日以内で訓練招集を行ないます。これによって予備自衛官としての、短期ではございますが、防衛招集によって応じたとき、そういう自衛官として任務ができるような訓練をやっておるということでございます。  それから防衛出動命令が出ました場合に、そのときの自衛官の人員では十分防御出動の事態を処理きないという場合におきましては、防御招集命令を出しまして、予備自衛官を招集して、先ほど申しましたように、予備自衛官になるときにしておきましたところの階級の自衛官にこれを任じまして、自衛官として自衛隊の任務に従事させるという制度になっているわけであります。

鬼木勝利公明党

○鬼木勝利君 したがって、これは特定の期間の訓練期間に招集するのであるから、しかも、民間人を招集する。それは法的に招集に応じなければならぬということになっているでしょう。招集命令を出すということは、招集通知あるいは招集要請とかいうならわかりますけれども、命令ということになると、これは絶対それではどんな自分の家業が多忙であろうが、どうしても手が離せないというようなときでも、全部放棄して行かなければならぬ。それでは戦前の一銭五厘の赤紙と同じだ、招集はがきと同じことになる。その点はどういうふうになっておりますか。

麻生茂防衛庁参事官

○政府委員(麻生茂君) この実際の運用について、申しますと、大体、七月から十二月の間に予備自衛官として参加しやすい時期を選びましてやっているわけでございます。その点は十分含んで訓練をやっているつもりであります。

鬼木勝利公明党

○鬼木勝利君 いとも簡単にあなたはそういうことをおっしゃるけれども、受けるほうはそういきませんよ、受けるほうは。先ほど長官は徴兵というようなことは夢想だに自分は考えない、それは当然の御答弁だと思うのですが、どうもこれは戦前の、私は、在郷軍人の制度化するのじゃないか。しかも、公式な行事には制服をつけさせる、何の用があってそういう制服をつけさせるのですか。自衛隊も、訓練期間中ならば服を着るというのはあたりまえなんで、民間人となって、何のために公式の会合にそれを着用させるのですか。もう少しその根拠を、納得するようにひとつ話しをしていただきたい。

堀田政孝防衛庁人事局長

○政府委員(堀田政孝君) 予備自衛官制度は、たびたびほかの政府委員からもお答え申し上げましたように、原則が自由でございまして、本人が希望しなければ予備自衛官になる必要は、端的に言えばないわけでございます。しかも、制服の着用ににいたしましても、本人がやはり制服を着たくないということでございますれば制服を着なくても差しつかえないわけであります。防衛庁が招集をするいろいろな行事等に本人が誇りを持ち、自分の制服にかって着た制服に誇りを持ち、現在もその服を着たいという者がそれを着用して整列する、あるいは参加するということに私どもは意義があるというふうに考えて、今回の法案をお願いをしておるわけでございます。しかも、たとえば、命令を出すということは前の在郷軍人会と同じではないかという御指摘でございますけれども、よしんば制服がなくて訓練招集に応じないという場合でも、別に附則があるわけではございませんで、職員給与法の規定によってお金を差し上げない。来ない人間には手当を差し上げないというだけのことでございます。したがいまして、心身の故障だとか、あるいはだれが考えても正当な理由であるというような事柄に当たらない場合、それは手当を差し上げないという措置をとるだけでございます。しかも、それに対してそのほかの罰則を加えるというようなことはございませんし、本人の自由意思にまかしておりますので、昔のような在郷軍人制度にそれを発展させるとか、あるいは実質は在郷軍人制度なんであるということは当たらないのではないかというふうに解釈をいたします。

鬼木勝利公明党

○鬼木勝利君 あなたの説明でやや明瞭になってきたんですが、私はこれは全く自由意思だと思う。それ以外にないと思う。国民をそういうことで縛るというようなことはもってのほかだ。自衛隊そのものがこれは志願制度なんです。希望なんです。それを予備自衛官だけは自由を束縛するというそういう点が麻生さんの説明はどうも舌足らずではっきりしないから、私再度質問したわけなんです。要は、問題は、私は先ほどから伊藤委員の御質問にもありましたように、現在の自衛隊の定員すら確保できない、現在員でさえ確保できないのに、そんな在野におけるところの予備自衛官のために一生懸命になるというようなことは、これは本末転倒もはなはだしい。現在も自衛隊員がりっぱで、そして国民から愛され親しまれて、ほんとうに国民の自衛隊員だということになれば、自然に私はあなた方がおっしゃるように予備自衛官だって自発的にできると思う。これは本末転倒なんです。二兎を追うもの一兎をも得ず。どちらが主体かわからない。その点明確なひとつ答弁を願いたい。

堀田政孝防衛庁人事局長

○政府委員(堀田政孝君) 私は予備自衛官というのは、これは先ほどもたびもび御説明申し上げましたように、手当が月に千円でございますけれども、しかし、その充足率は九九・九%でございます。したがって、非常に低い手当でありながら、しかも年に何日間か出てきて、昔の自衛隊員の生活をもう一回やってみるという人が九九・九%おるわけでございます。非常に熱心な人たちであり、かつ自衛隊員であったことに誇りを持ち、自衛隊員の生活をもう一回何日間かやることに意義を認めておる、こういう人たちであると思います。したがって、この人たちがおるということ、この人たちをふやすということと、それから陸上自衛官が先ほど申し上げましたように士の階級で非常に募集に骨を折る、非常に欠員が多いということとは別のこととして考えなければいけないのではないか。陸上の自衛官の士の隊員がなかなか集まらないという問題は、先ほども官房長からお答えを申し上げましたけれども、やはり自衛隊に入ってくる人たちが自衛隊を知らないということが相当大きな原因ではないだろうか。  それから先生にいろいろ御心配いただきました入ってきてもろくな生活ができない、隊舎もろくでない、老朽隊舎である、食べものもまあ私どもは外の食べものに比べるとやはりそうぜいたくなものは食べていないと思います。それから二年間そこで生活したならばそのあとはやめていけば生活が保障されていないといったような非常に悪い条件にある。そういったことを解決しませんと、入ってきた人間は脱落をいたしますし、それから出ていきましてもいい宣伝はしないということでありますから、入ってくるまでの問題、入ってからの問題、出ていったあとの問題ということについてあたたかい配慮を重ねて幾つかのむずかしい問題を解決いたさないとなかなか募集ということはむずかしい、充足ということはむずかしい、こういうふうに考えております。

鬼木勝利公明党

○鬼木勝利君 したがって、私はあなたそういうふうなことをおっしゃるのならば私も言わなければならぬことになってくる。だから私言っておるのですよ。現在の現時点におけるところの自衛隊員の優遇ということがすべてを左右するかぎではないか。いま予備自衛官なんかのことよりももっと緊急に対策を立つべきところのものが、焦眉の急のものがあるのじゃないか。そんなことにわれわれの反対を押し切ってやいやい言うよりも、まず第二次防衛計画の主点は、隊員の優遇じゃないか、それがまず最初じゃないかということを私は言っている。あなたの見解をもう一度どうぞ。

堀田政孝防衛庁人事局長

○政府委員(堀田政孝君) 隊員の生活環境の改善、優遇ということは先生のおっしゃるとおりでございます。先生が先ほど来たびたび御指摘になりましたような問題がすべて解決をされますならば、私どもは充足率が低いとかあるいは宣伝が悪いとかいうことは一切なくなるであろうというふうに考えております。御支援を得て一歩一歩そのような政策の実現に努力をいたしてまいりたいと考えております。

鬼木勝利公明党

○鬼木勝利君 そういうことが解決されるならばというような仮定の条件ですね、解決することはあなた方の職務じゃないですか。それを第一義にしなければ日本の自衛隊というものの存在はないということを私は言っている。また、こういう点は議論はあとに譲ります、刻々と時間が迫っておりますから。  その次にお尋ねしたいのは、先般十月でしたか、私ども内閣委員としまして九州を視察さしていただいたのでありますが、その場合に、宮崎の新田原の航空基地に参ったのでございますが、F104の戦闘機がいま何機あそこに配置されているか。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) 現在、新田原の第五航空団、これに入っています機数は手元にございます数字は、十一月二十日現在のものでございますが、これは五十九機でございます。その後たしか一、二機増加配備されたと記憶しておりますが、正確な数字は十一月二十日現在五十九機でございます。

鬼木勝利公明党

○鬼木勝利君 その後一、二機……はっきりわからぬというのは簡単ですね、防衛局長は。これに対してパイロット、操縦士は何人おりますか。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) 概数約四十名でございます。

鬼木勝利公明党

○鬼木勝利君 これも約ですか。私どもが視察いたしました場合は五十機配置してありましたが、パイロットは三十名だという。しかも十数名はいま練習中で乗っている、こういう御説明でしたが、その場合に私は、パイロットが四十名、いま防衛局長は約四十名と仰せになったが、私はその当時三十名というふうに聞いた。その後一、二機ふえているだろうという、防衛局長の御答弁はだろうと、これも四十名だろうと、こういうことだろうと思います。これは全部仮定の話ですから、さっぱりはっきりしないけれども、結局私どもがあそこへ参りましたときに、三十名ほどおると、そのうちの十数名は現在練習飛行をしておる。だったらほんとうに飛べるものは十何名しかいないじゃないか。それで飛行機は、戦闘機は五十機もきておる。遊ばしておる。これは兵器ばかり買いたがって、集めたがっている。先の先の第三次防衛計画の先までも生産計画をしたかどうか知らぬけれども、そういうような気配もないではないか。乗る人間はいない。戦闘機ばかりそろえている。これははなはだおかしいじゃないかということを徹底的に私は追及したのです。ところが、そのとき隊長ですか、いわく、いや決してそういうことはない。で、私は過重になるんじゃないか。飛行機が、戦闘機が五十機もあるならば、それに対して、パイロットを百人もそろえておりますというのならば過重にもならぬが、飛行機は五十機もそろえておいて、乗る人間は三十人しかいない。あとの十何人はいまけいこしておる。練習しておる。そういうことじゃパイロットは非常に過重じゃないか。もうこれは私のしろうとの考えで、めくらヘビにおじずで、あなた方がお聞きになると愚論としか思われぬかもしれぬけれども、これでだいじょうぶかと、ところがその隊長いわく、いや決して御心配要りません、だいじょうぶでございます、そう言って、やがて私どもは鹿児島のほうに参りました。その新田原から鹿児島に行ったその翌日、F104機は新田原の上空において墜落している、御存じでしょう、防衛局長。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) 御指名でございますので私からお答え申しますが、まず前段のパイロットと飛行機とのつり合いがとれていないのじゃないかという点の御質問でございますが、これは航空自衛隊が、先生御存じのように、現在建設造成の過程でございますので、ある程度やむを得ない状況でございます。二次計画におきましては、五年の後におきまして大体飛行機の座席当り——DJが二つございます、Jは一つでございますが、この座席当たりにつきましてパイロット幾らという数を持っております。若干今日までのところパイロットの養成がふえております。飛行機のほうは予定どおりできております。したがいまして、現地に配置しましたときに必ずしも飛行機とパイロットとの数の均衡がとれておりません。しかし一方におきましては、飛行機のほうは御存じのように稼働率がございます、また定期整備もございます。したがいまして、新田原におきましても、飛行機とパイロットの関係は、ちょうどパイロットの訓練をするにいま見合った飛行機の運航の状態でございます。この点はひとつぜひそのように御了解願いたい。  それからさらに、先ほどの飛行機の事故でございますが、これはまあ非常に不幸なことでございますが、これは飛行機のある部分の装置が働きませんために、結局パイロットがいわゆるフェール・アウト、その飛行機が安全に飛行場に着陸させることができないという判断をいたしますと、やむを得ず海中の方向に向けて脱出をいたします。そういう事故であります。御存じのように、飛行機はたとえばF104におきますというと、一万時間当たり四件なり五件なりというものの事故というのは、一般的に申しましてやむを得ないこととなっております。今日まで航空自衛隊はわずか二件でございまして、当初考えておりました数値よりも少ない事故で済んでおります点も、ひとつ御了承願いたいと思います。

鬼木勝利公明党

○鬼木勝利君 あなたの説明は、むしろ不可抗力で全部やむを得ない。そういうことをおっしゃるけれども、人命を、やむを得ないから、私はそういうことではすまないと思うのです。あなた方は、ただ単にここで答弁して弁解すればそれで能事足れりというふうなお考えをもっていらっしゃるかもしれないけれども、パイロットが間に合わないで、ただ飛行機だけ急いで、これはほんとうにへたの道具寄せというのであって、私はそういうことは根本的にあなた方の考え方をもう少し直していただかぬというと、人命ほどとうといものはないのだ、今年に至ってたった二機だ、二機だって私は承知できない。だからもう少しまじめな誠意のある答弁をしていただきたいと思う。もう一度お答え願いたいと思います。

島田豊防衛庁教育局長

○説明員(島田豊君) 新田原の航空団におきますF104のパイロットの実情につきましては、現在よく存じませんが、全体的に104のパイロットの訓練状況を申し上げますと、本年度当初の見込みでは、年度末に百九名となる見込みでございますが、十一月現在ではすでに百四名のパイロットを養成しているところでございまして、計画に対しまして、順調に進んでいるわけでございます。104のパイロットの給源は御承知のとおりにF86F並びにF86Dのパイロットから給源を受けるわけでございますが、五百時間以上の滞空経験をもっております者が約五百名おりまして、104のパイロットの補給源としては、十分その中から厳選をするに足るものがあるというふうに考えております。現在飛行機の生産の進捗状況もございまして、若干パイロットの養成状況が立ちおくれておりますが、四十一年度末、つまり二次防の末期におきましては、飛行機に見合うパイロットの数が養成できるというふうな見通しをもっております。

鬼木勝利公明党

○鬼木勝利君 あなた方の答弁は、一応の答弁であって、私が、事実伊藤理事もここにいらっしゃいますが、十分その点を質問して、これはだいじょうぶか、こういうことで、だいじょうぶですかと、再三再四にあたって私は念を押している。しかも隊長はだいじょうぶです、おまかせください、みな優秀なパイロットばかりでございます。優秀なパイロットが十何名まだいま練習中だ、こういうお話なんです。そうして舌の根のかわかぬ翌日、もうすでに墜落している。この事実を何と見るか、もう少し私は真剣にあなた方は考えていただきたいと思う。もう一度御答弁願いたい。

小泉純也自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小泉純也君) 先ほど来の鬼木先生の御心配はごもっともでございまして、最近における航空事故の続発には、私ども最も痛心をいたし、また、その責任を深く痛感をいたしておる次第でございまして、私はいままで例にない、たしか日は忘れましたが、晩おそく墜落の事故を聞きまして、役所にかけつけまして担当者を集め、異例の通達をいたしたこともございます。再三にわたって厳重な戒告をいたし、また、航空自衛隊の視察にあたりましても、訓練はもちろん大事であるけれども、事故防止に慎重な配慮をしなければならぬということを強調をいたしてきております。まことにただいま御指摘のような新田原の事故につきましても、先生方が御視察をいただいて操縦士の問題で御心配をいただいておるさなかにF104が墜落事故を起こした、そういうことはまことに申しわけない至りでございます。いままでも非常な努力をいたしておりますが、今後事故防止に万全を期してそういう事故が起こらないように、先生のおっしゃる人命尊重ということに最重点を置いて自衛隊の育成に私努力いたしたいと存じております。

鬼木勝利公明党

○鬼木勝利君 時間がございませんので、もう一、二問お尋ねしたいのでございますが、この程度で私割愛したいと思いますが、ただいまの長官の御答弁によって私も満足に思います。ぜひ将来人命尊重という観点にまず第一の焦点を置いて、そして防衛政策を進めていただきたい。かようにくれぐれも私要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 私、予算の使い方ということで一つだけお尋ねしておきたいと思うのですが、それはF104に搭載する電子機器データ・リンクの生産の問題について、去る五月五日に防衛庁事務次官の名においてアメリカのRCA社と、それから日本の日立、東芝二つの協力会社というのを指示されたわけでありまするが、この決定に至るまでのいきさつについて担当の局長から御説明を願いたいと考えます。

国井真防衛庁装備局長

○説明員(国井真君) データ・リンクの発注に関します経緯でございますが、当初私どもは米国でデータ・リンクの生産実績を持っておりますRCA、コリンズ、ヒューズの三社を選びまして、この三社から提案を求めました結果、ヒューズ及びコリンズが辞退をいたしましてRCA社が最終的に提案をいたしたわけでございます。これが昨年の八月でございます。このRCA社の提案につきまして私ども内容を検討いたしましたところ、航空自衛隊の要求をいたします性能を満たしておると、満足するという結論に達しまして、このRCA提案のARR662を採用することにいたしたわけでございます。その後このRCA社が日本国内において技術提携をいたしまして、日本国内で製作を担当する会社として日立製作及び東芝を指名をいたしてきております。私どもはこの提案を入れまして、主契約会社としては日立製作を指名をするという予定で、三十九年の五月に諸般の準備が整えば契約をいたすという意味の生産内示をいたしたわけでございます。以後現在に至るまで日立製作それから東芝及びRCAの三社の間におきまして生産に関する諸般の準備についての打ち合わせが行なわれておるというふうに承知をいたしております。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 いまお話のような経過でございますが、日本が、防衛庁がRCA社を選ばれたということは、すでに米国において、この会社において日本向けのデータ・リンクが開発されたという前提でこの会社を指定され、また、協力会社としての先ほどお話しの日立、東芝、これを契約の相手方となされた、こう考えるわけでありまするが、RCA社においてはすでに日本向けのデータ・リンクについて開発済みであったのかどうか、この点が明確になっていたのかどうか、これをひとつあわせて御答弁願いたい、こう思うんです。

国井真防衛庁装備局長

○説明員(国井真君) 当時RCAにおきましてはARR62型というものを生産実績を持っておりまして、日本に提案をいたします際には、これを改良いたしましてARR662というものの開発途上にあったわけでございます。提案に際しましては、この改造型のARR662というものにつきましての提案というものをしてきたわけでございます。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 私の知り得た資料によれば、RCA社というのはNATO諸国向けのデータ・リンクについては完成していて、しかもこのNATO諸国というのはF104D、こういう機種に設計する目的で、これはすでに開発を終わっていて、日本のF104Dについてはまだ未完成である、こういうような段階において、この契約はしない、こういう話が防衛庁のほうで進められてきた、このように把握しているのですが、この点はどうなんですか。

国井真防衛庁装備局長

○説明員(国井真君) ただいまの点はおおむねRCAにおきまして開発が行なわれておったわけでございますが、私どもその後さらに事態を確かめるという必要もございますので、一応の生産内示を五月八日にいたしておるわけでございますが、その後まだ実際には契約に入っておりません。で、その後この新改造型が確実であるという確証の上で私ども契約に入りたい、かように考えております。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 もし装備局長のお話のように、それが一応開発されていた、あるいは完成に近いものであったと、すべて前提とするならば、話もおのずから違ってくるわけでございますが、当初、防衛庁がこの予定価格を三十億と踏んでおられたわけですね。ところが、その後の問題なんですが、三十億と当初踏んでいたのが、その後ある時間の経過後には三十五億程度まではやむを得なかろう、こういうような話になって、さらに先ほどお話がありました、そして、私が特にお尋ねしました事務次官名でいよいよ契約を取りかわす、そういうような段階になってきた。そういう時期になってくると、米国のほうからさらに十四億をひとつ当初予算に追加してくれ、でなければなかなか注文に応じられない。こういうようなことになったわけですね。かりに、まあ三十五億としても、十四億追加するということになれば五〇%に近い新たな値上げを要求してきた、こういうわけですね。私の言いたいことは、ほんとうに防衛庁のほうで空幕か内局かどこか知りませんが、ほんとうにこのF104搭載データ・リンク受信機の機種選定についてRCA社がほんとうに完成してこれを日本に売りましょう。そういうような研究か開発が終わった段階で話し合いが、あるいは契約の話し合いが進められたとすれば、当初防衛庁のほうで三十億ないし三十五億、こういう予定でおられたわけで、三十億、三十五億と防衛庁が踏んでわられたときは大体そういうつもりで話を進められ、また、予算もそのつもりで組まれたと思うんです。ところが、いよいよ契約の話し合いになってみたら新たに十四億追加しろと、こういうようなことを向こうから言われてきた。こういうようなことについて私の言いたいことは、要するに、アメリカから今後いろんなこういう兵器、機材を発注し、買うことになるでしょう。バッジの完成につれていろんなむずかしい高度な兵器をあるいは機材を取り入れる、こういうことになってくるでしょう。そういう場合についてほんとうに限られた予算を有効に使っていこうということならば、ほんとうにアメリカにおいてそれは完成した機材であるのか。あるいはまた、開発が終わってほんとうに契約のできる段階に来ているのかどうか。それくらいは十分把握し検討され調査されて、そういう確認の上に立ってこういう機材についての契約等はなさるべきじゃないかと、この点を私は問いておるわけなんです。

国井真防衛庁装備局長

○説明員(国井真君) ただいまのお話で、RCAから当初の提案以後に値上げの要求があったのではないかというお話でございますが、本日までのところ、私どものほうにはそういう値上げの要求は出ておりません。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 そうしますと、防衛庁としてはこれをどの程度の予算に見積もり、また、どの程度の予算ということで折衝なされておるわけですか。

国井真防衛庁装備局長

○説明員(国井真君) 私ども当初予算に組みましたのはデータ・リンク所属品等を含みます本体関係でございますが、これが三十億という予算で予算を組んでおります。契約もこの範囲でおさめていきたいと、かように現在考えております。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 そうしますと、契約の話をいま進めておるわけですが、RCA社のほうとしては、あるいは日立、東芝のほうも三十億で応じようと、三十億という話で話が進んでおるわけですか。私の調べたところによれば、そうじゃなくして、いまアメリカのほうからRCAの代表が来ていろいろ防衛庁にも話し合いを進めておるようだが、それは十四億をあくまでも追加してもらわなければできない、こういうような話になっておるので、あなたのほうでも頭を痛めておる、こう聞いておるわけですが、この点、どうですか。

国井真防衛庁装備局長

○説明員(国井真君) RCAから防衛庁に対しての値上げ要求というものは出ておりませんので、私どもたまたま向こうからRCAが来ておるということは承知いたしております。これについても、当初予算どおりに抑えるということで、さらに努力をして契約を結ぶということにいたすつもりでございます。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 まあ私、ひとつ装備局長のいまの答弁をしかと耳に入れておきますので、あなたの御答弁が今後また大きく変わったような場合は、ここであなたは私に真実を伝えなかったということになりますから、その責任はひとつとってもらわなければならぬと、こう考えるわけです。したがって、私はあなたを追及するとかなんとかいってこの問題を取り上げているのではないので、これはひとつ大臣にお聞き願いたいのは、要するに、いろいろ先ほど申し上げたように、今後アメリカからのいろいろの兵器、機材を入れるについて、しかもまた、防衛局長の先ほどのお話を承りますと、軍事顧問団は百数十名おるが、この軍事顧問団の任務も、いま言ったようなこういう新しい兵器等についての、いろいろ日本についての助言なり勧告なりというわけですか、そういう任務を持っているので、これ以上減らないであろうというお話がございましたが、そういうようなことを考えてみても、今後自衛隊が装備を近代化するにつれて、相当、一つの兵器を入れるについても何十億、あるいは何百億、こういう多額の予算を必要とするわけです。したがって、私の申し上げたいことは、今後予算の使途等についても十分特にアメリカ側と折衝するような場合については調査を周到にされて、必要以上に自後に予算をさらに追加しなければならない、こういうようなことがあってはならぬと、こう考えておりますので、その点を厳にひとつ注意しながら、予算の運用等については御努力を願いたい。ことに自衛隊については、先ほど来お話がありましたように、災害出動であるとかあるいは災害の救助、今回の特にオリンピック等における自衛隊の役割り等については、国民から高く評価されているわけでありまするから、そういう自衛隊が正しく国民から理解され、認識されておるということは、これはけっこうなことであるわけでありますが、同時にまた、それだけに、防衛予算の使用、運営等については十分また国民の理解、納得のいくように明朗に進めていくべきである、このことを私は強く要望したいと思ったので、この問題を一つだけ取り上げてお尋ねしたわけですから、そういう意味でひとつ、装備局長の先ほどの御答弁を私は了承いたしますが、大臣にも私の質問の趣旨をひとつくんでいただいて、将来とも善処願いたい、こう考えておるわけです。

小泉純也自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(小泉純也君) ただいま田畑先生の予算の問題についての御質問につきましては、十分御趣旨を体して今後慎重に研究もいたしますし、取りきめの問題につきましても十分慎重正確を期して進みたいと存じております。また、先ほど装備局長との問答にもございました問題につきましては、なお、田畑先生の情報もございますので、十分速急に調査をいたしまして、また、違った点があれば御報告を申し上げるようにいたしたいと存じます。

下村定自由民主党

○委員長(下村定君) 先ほど鬼木委員の御質問に対して経理局長から答弁を保留された問題がいま調査ができたそうでありますから……。

大村筆雄防衛庁経理局長

○政府委員(大村筆雄君) 先ほど鬼木先生から老朽隊舎の建てかえの坪数について御質問をいただいたわけでございますが、御質問の点につきまして数字的に御説明を申し上げます。現在、自衛隊の隊舎の総面積は約四十万坪ございます。そのうち、本年度約二万二千坪につきまして建てかえをいたしまして、来年度以降、保安度三千五百点以下の老朽隊舎の坪数が約九万坪残るわけであります。これを、先ほど御説明申し上げましたように、その約八割につきまして四十年度、四十一年度に建てかえをいたしたいという予定で、現在、予算の要求をいたしておるのでございますが、したがいまして、四十年度におきましては約三万四千坪、一万九千分につきまして予算の要求をいたしておる次第であります。

下村定自由民主党

○委員長(下村定君) 他に御質疑はございませんか。——別に御発言もなければ、本案の質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。  なお、石原君から委員長の手元に修正案が提出されております。本修正案の御意見は討論中にお述べを願います。

石原幹市郎自由民主党

○石原幹市郎君 私は、自由民主党を代表しまして、本法律案に賛成の意を表明するものであります。世界の平和は全人類の熱望であり、また、各国政府においてもたゆまざる努力を続けているのでありますが、遺憾ながら、各国間の相互の信頼感の欠如は依然として根深く、原子力を背景として力のバランスにより平和が維持されている状況であり、極東方面の情勢もまた同様であります。このような国際情勢にかんがみ、自衛隊は、わが国土防衛のため、国防の基本方針に基づいて、現在第二次防衛計画を実施し、装備の近代化につとめているのであります。本法律案は、以上の趣旨に基づき、自衛官及び予備自衛官を増員し、部隊を整備せんとするものなどであり、さらにまた、来年より再開が予定されておりまする南極観測に対して、その輸送を自衛隊に協力せしめようとするものであります。御承知のごとく、南極観測は空前の国際的な学術調査であり、その成否は非常に重大であります。一日も早く本法律案を成立せしめてその準備に万全を期すべきであります。  なお、本法律案につきましては、附則に修正を必要とする点がございますので、本法律案に対する修正案を提出いたします。なお、修正案はお手元にお配りしてありますので、それによって御承知を願いたいと存じますが、その趣旨は、本法律案附則第一項ただし書きに規定する時日がすでに経過しておりますので、このただし書きを削除しようとするものであります、以上修正部分を除き原案に賛成いたしまして、私の討論を終わります。

伊藤顕道日本社会党

○伊藤顕道君 私は、日本社会党を代表いたしまして本二法案に対して反対の討論を行ないたいと思います。  反対理由の第一点は、大体が憲法第九条違反であるといわれておるこの自衛隊それ自体をさらに定員増によってこれを強化しようとする点であります。その詳細については質問の過程において申し上げましたので、詳しく申し上げませんが、戦力なき軍隊とかあるいはまた、かような名称によって、いま軍事科学は異常に発達しておる、こういう世界の情勢の中で、ほとんど、戦力ではないと日本では言っておりますけれども、戦前の陸軍を相当上回ったこういう軍備をしておること自体が世界の情勢の中ではきわめて危険である、こういうことを指摘せざるを得ないわけであります。  反対理由の第二といたしましては、予備自衛官五千名増ということと、その呼称並びにその制服の着用ということでありますが、これは一言に要約いたしますならば、先ほどもお尋ねしたわけですが、戦前の在郷軍人制度の復活をねらったものとしか考えられない。そういう面に非常に危険性がある、こういう断定からこの点についても反対の意を表さざるを得ないわけであります。  第三点といたしましては、自衛隊で外国人の教育訓練を受けられるようにしようとする点、これは現行法ですでに防衛庁の附属機関である防衛大学には外国人が軍事教育訓練をすでに受けておるわけであります。この制度をさらに自衛隊にも引き及ぼそうとすることでありますけれども、日本では平和憲法があり、その前文において世界の平和を高い理想をもって宣揚しておる、こういう日本という国において外国人の軍事教育訓練をやろうということはきわめて不適当である、こういうことは許さるべきではない。こういう観点から第三の反対理由にあげたわけであります。  第四点といたしましては、いわゆる自衛隊が南極観測に協力しようとする問題でありますが、もとより国民といたしまして南極観測それ自体にはきわめて熱意をもってこれに協力することに決してやぶさかではございません。けれども、先ほどもお伺いしたように、提案理由の説明の中にも、輸送その他の面に協力する、輸送それ自体だけではなくして、まず輸送の面を担当し、次第にいわゆる純粋な科学の分野に軍事力を導入するようなおそれなしとしない、こういう観点から自衛隊が輸送をまず担当するということについては、危惧の念を持たざるを得ないわけで、従来重ねて海上保安庁がこれを管掌してきたわけですけれども、何らの支障はなかった。こういう事例から考えても、従来どおりの面で十二分にその使命を完遂できる、こういう幾つかの点をあげまして、本二法案に反対の意を表するものであります。

鬼木勝利公明党

○鬼木勝利君 私は、公明党を代表いたしましてただいま議題となっております防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案について反対の討論をいたすものであります。  本法案の提案理由といたしまして、第二次防衛力整備計画に基づいて防衛力の内容の充実を期し、二千九百数十名の増員をはかろうとするものでありまするが、私はかような大量増員をはかるよりも、むしろ現状の自衛隊員の士気の高揚及び待遇改善をまず第一に行なうことが焦眉の急であると思考するものであります。  現在の自衛隊に対しましてはとかくの論議が存するところであるかもしれませんけれども、隊員に対しては私は何ら関係のないところでありまして、歴代の防衛庁長官も隊員の待遇改善につきましては、強くその実行を約してこられたところでございます。ことに佐藤総理は、声を大にして人間尊重をまず第一に標榜しておられるところであります。こうした意味からいたしましても、防衛計画の第一に取り上ぐべきことは、私は隊員の待遇改善であると信ずるものであります。こうした観点からいたしまして、本法案に示されました防衛力増強は当を私は得たものでないと、かように思うのであります。また、予備自衛官も五千人を増員して呼称と制服等の規定を整備する、かようにございまするが、これは明らかに戦前の旧軍隊の在郷軍人制度の復活とも私は思わるべきものであると存ずるのであります。現在、自衛隊員の募集すら非常な困難をきわめておるときにおきまして、むしろ現在員の自衛隊員の確保をはかるということが、私はまず第一番でなければならない。その次に、予備自衛官は私は自然的に、先ほどお話のありましたように、自発的に生まれてくるものでなければならない。まさにこれは本末転倒ではないか、かように考えるものであります。これは明らかに国民大衆の意思に反した時代逆行の計らいであると、私は考えざるを得ないのであります。  以上の理由をもちまして、この二法案に対しましては、遺憾ながら反対をするものであります。  以上をもちまして討論を終わります。

田畑金光民主社会党

○田畑金光君 私は、民主社会党を代表して、防衛関係二法案に対し反対の意思を表明します。  反対の第一は、先ほど石原委員の賛成討論の中にありましたが、今日の世界の平和はバランス・オブ・パワー、力の均衡の上に保たれておるというこの前提でございますが、われわれも今日の平和の根底に力の均衡がある一面のあることを否定するつもりはございません。しかし、わが国がこういう立場に立って平和を求めるほうが賢明であるかどうか、こういう点については意見を異にするものであります。ことに日本を取り巻くアジアの情勢を考えましたときに、われわれはもっと平和外交、特にアジア外交、対中国問題の解決処理等を通じ、もっと日本をめぐるアジアの平和を開拓することこそ、わが国の今日置かれた民族的な使命であると考えておるわけであります。もしまた、力の均衡論に立つ平和を追求するならば、中共の核実験、あるいはやがて核武装ということを考えてみますと、当然日本もまた核武装をしなきゃならぬ、こういう論理にも通ずるわけで、そういう意味から、われわれは、力の均衡論に立つその立場だけで平和を求めることは危険であり、また、わが国のとるべき道ではない、こう考えておるわけであります。  第二の反対の理由といたしましては、わが党といたしましては、自衛隊はこれ以上拡大すべきでない、こういう基本的な立場をとっておりまするが、それは憲法の戦力不保持の原則から見ましても、また、自衛隊法にありますように、自衛隊は直接侵略、間接侵略に対処するのがその目的であるといたしますならば、今日のわが国の内外の諸情勢において、自衛隊をこれ以上拡大する条件はないとわれわれは判断しておるからであります。  ただ、最後に、今回の法改正の中に、特に自衛隊が今後南極地域観測に輸送の面で協力する。このことは、明らかに平和目的のためであり、また、学術研究のためであり、また、わが国の今後の大きなる平和国家としての土台を築くという立場からいたしますならば、自衛隊のこの輸送援助の措置そのものについては反対すべき理由はないわけでありまして、むしろ大いに賛成するわけであります。今後自衛隊も、また災害救助や、先ほど申し上げましたように、今回のオリンピックに示されたような国民への協力、国民の中にあって、国民とともにあるそういう姿こそ、自衛隊の今後果たすべき役割りであろうと考えておるわけでございまして、そういう平和目的からする自衛隊の今後のあり方を考えてみましても、これ以上自衛力あるいは自衛隊を拡大するということは、そういう条件はないと判断いたしますので、以上の点から、防衛二法案に反対の意思を明らかにしておきます。

下村定自由民主党

○委員長(下村定君) 他の御意見もないようですから、討論は終局したものと認め、これより防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案について採決に入ります。  まず、討論中にありました石原君提出の修正案を問題に供します。石原君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

下村定自由民主党

○委員長(下村定君) 多数と認めます。よって石原君提出の修正案は、可決されました。  次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

下村定自由民主党

○委員長(下村定君) 多数と認めます。よって修正部分を除いた原案は、多数をもって可決されました。  以上の結果、本案は、多数をもって、修正議決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、先例により委員長に御一任願います。  本日は、これにて散会いたします。    午後十時十三分散会      —————・—————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗