大蔵委員会 第3号
- 発言数
- 60 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1964/12/14
会議録
○委員長(村松久義君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十二日、増原恵吉君が辞任され、その補欠として津高壽一君が選任されました。 —————————————
○委員長(村松久義君) 交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案(予備審査)を議題といたします。 本案の提案の理由の説明は、去る八日、聴取いたしました。 それでは、補足説明を聴取いたします。法規課長赤羽桂君。
○説明員(赤羽桂君) 交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案の提案理由を補足して、御説明申し上げます。 地方公務員につきまして、さきの人事院勧告の趣旨に沿い、九月一日から所要の給与改定が実施された場合には、寒冷地手当等の改定をも含めまして、その一般財源所要額は六百億円にのぼるわけでございます。そのうち交付団体分の所要額は四百五十億円と見込まれております。他方、この財源につきましては、国税三税の自然増収が近年になく少額なため、地方交付税の増額見込み額は百五十九億円にとどまり、地方税の自然増収、あるいは地方団体の経費節減等について検討をいたしましても、なお百五十億円に達する財源不足が見込まれるに至ったのでございます。 このため、交付税及び譲与税配付金特別会計におきましては、昭和三十九年度に限り、この会計の負担において、総額百五十億円の借り入れ金をすることができることとするよう、所要の改正を行なうことといたした次第でございます。 次に、この借り入れ金の償還につきましては、昭和四十年度から昭和四十四年度までの各年度において、借り入れ金額の五分の一に相当する三十億円ずつを毎年度の地方交付税交付金から返済をいたしてまいるということを予定いたしております。この程度の償還でございますならば、一般財源の増加状況などから見て、交付税財源の年度間調整措置としては、無理がないと考えられるわけでございます。 なお、この借り入れ金は、五年の長期債を認めたというものではございません。また、実際問題といたしまして、利子負担の軽減をはかることが望ましいという見地から、この法案の附則第十七項におきまして、一年内償還を予定しているところでございます。すなわち、この借り入れ金は、国庫余裕金の状況等を勘案いたしながら、その繰りかえ使用を行なうことによって、一年内に一たん借り入れ金全額を償還してしまうわけでございます。あらためて年度の終わりごろにその次の借り入れの措置をとるという、いわば借りかえ的な措置を四十年度から四十三年度まで繰り返すということを考えておるわけでございます。 この場合、法律の規定といたしましては、昭和四十年度から昭和四十三年度までの各年々におきましては、百五十億円から順次三十億円を引いた額で、その額を借り入れ金の限度とするという表現をとっておるわけでございます。それが附則第十五項の規定でございます。 このほか、借り入れ金の利子の支払いに充てるため必要な金額は、予算で定めるところにより、一般会計から繰入れるものとこれが附則第十六項の規定でございます。また、償還金及び利子の支払いについては、国債整理基金特別会計を通じて行なうこと、これが附則第十八項の規定でございますが、それらについて所要の改正を行なおうとするものでございます。 最後につけ加えたいと存じますが、この百五十億円の借り入れ金は、地方団体に配分するにあたりましては、地方交付税と同様に取り扱う、つまり地方交付税の総額にこの借り入れ金の額を加算いたしましたものを、昭和三十九年度に限り地方交付税の総額とするという取り扱いをしておるわけでございます。 この点は、別途提案されました昭和三十九年度分の地方交付税の特例等に関する法律案第一条第一項に規定を置いておるわけでございますが、これを受けまして、本特別会計の一部改正法附則第十三項におきまして、地方交付税交付金を右の借り入れ金による百五十億を含めたものとするという規定を置いておるわけでございます。 以上、交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案について、提案理由を補足して御説明申し上げた次第でございます。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛同くださいますよう、お願い申し上げます。
○委員長(村松久義君) 補足説明は終わりました。引き続いて本案の質疑に入ります。御質疑のある方は順次御発言を願います。
○木村禧八郎君 この法案は、交付税及び譲与税配付金特別会計における借り入れ金の規定ですが、これは財政法の何条に基づいてこういうこの借り入れができることになっているのですか。
○説明員(赤羽桂君) 今回のこの交付税及び譲与税配付金特別会計の借り入れ金は、財政法の第四条におきまして、「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない」云々と規定しておるわけでございますが、一方、財政法の第四十五条におきまして、「各特別会計において必要がある場合には、この法律の規定と異なる定めをなすことができる」という規定がございます。この第四十五条に基づいて借り入れ金の規定を置いた次第でございます。
○木村禧八郎君 そこで、特別会計においては、この法律によれば、財政法のこの規定以外の定めをなすことができる、そして財政法の四条以外の借り入れ規定ができるということになっておるのですけれども、しかし、これは「必要がある場合」ですからね。その必要ということが問題ですよね。事業会計等においてはこれはわかりますよ、借り入れ金ということは。しかし、むやみにそういう特別会計で借り入れができるということではないと思うのですよ。これまで運用してまいりまして、慣例というんですかがあると思うのですよ、どういう場合に大体借り入れができるか。「必要がある場合」といったって、むやみに法律さえ出せば財政法と違った規定をすることができる、または借り入れ金もどんどんできるということになれば、これは非常に財政の乱用になりますから、そこで、これまでの例もあることですから、これまではどういう例になっているのか、そして「必要がある場合」といったって、ただ無制限じゃないと思うのです。大体その限界というものはあると思うのですけれども、その点伺いたいのです。
○説明員(赤羽桂君) 財政法四十五条におきまして、財政法の規定と違った規定を特別会計においては置くことができるという規定がございます。ただいまの先生の御指摘は、こういう規定があるからといって特別会計法に何でも規定できるかというお尋ねだと存じます。ただいま現行法の特別会計法をなかめてまいりますと、この財政法の四十五条の規定によりまして借り入れ金をなすことができるとするところの特別会計は多々あるわけでございます。その類型を一応申し上げますと、大体三つに分かれておるわけでございます。 事業設備費支弁のための借り入れ金というのがございます。これは印刷局でございますとか、アルコール専売あるいは郵政といった事業会計において認められているところの借り入れ金でございます。これは事業設備費の支弁という点におきまして財政法が生産的、投資的な経費のために借り入れをすることができるという規定とは必ずしも本質的に相反しているわけではございません。 二番目の類型といたしまして、保険給付の支払い財源を補うための借り入れ金がございます。これは御存じのように、保険会計におきましては長期均衡という前提に立ちまして保険計算を行なっております。たまたま非常にある年度に被害が多かったというようなときには、まあ借り入れ金をすることができるという規定を置いておるわけでございますが、かような例といたしまして、厚生保険でございますとか、農業再保険でございますとか、森林保険といったような特別会計があるわけでございます。 その他特別会計におきましては、一時借り入れ金——年度内の資金金練りのためのものといたしまして、一時借り入れ金という規定がございますが、この一時借り入れ金の借りかえということで別個に新しい借りかえをすることができるという規定が置いてあるのがございます。これが開拓の資金融通あるいは市価安定というものが特別会計にはあるわけでございます。 今回の交付税及び譲与税配付金特別会計法におきましては、給与のベースアップのための借り入れ金でございます。しかしながら、この借り入れ金というのも結局は地方交付税の先食いあるいは年度間調整といった意味で確かな財源の当てのあるものを借り入れるわけでございまして、全然将来歳入の当てのない、返還の見込みのないものを借りるというわけでございませんので、その意味におきまして、この借り入れ金を置くことができる今回の改正は財政法四条の趣旨と申しますかあるいは、一般会計、特別会計全体を通ずる健全財政の原則に相反したというぐあいに考えておらないわけでございます。
○木村禧八郎君 どうもいままでの借り入れ金、特別会計で借り入れ金ができる例ですね、大体三つあげられましたが、どうもそれには該当しないように思うのです。今度のはですね。いまのお話ですと、先行きその財源に目当てがあるものについてはこれは差しつかえないだろうというのですが、それは大体たとえばインベントリーかなんかの場合の借り入れ、たとえば食管会計なんかは、米を買う、そのときに食糧証券を持っていって借り入れる。しかし、それは米という現物があるから、売ったあとで返す。あるいは貴金属特別会計とか外為会計とかそういった米とか貴金属とかあるいは為替とかそういうものがあるわけですね。ですから、それは借り入れの対象になるでしょうね。しかし、今度の場合は交付税という先食いということなんですね。しかし、それもいままでの事例とだいぶ違うので、どうも私はそこのところがすっきりしないと思うのです。借り入れという形がどうもおかしいような気がするのですよ。 これは三十九年度だけではないと思うのです。これは財源関係から無理にこういうことをしたと思うのですが、結局予算措置としては金利だけですね、金利だけの負担にとどめたいというところにあると思うのですよ。これは一般会計から繰り入れると、財源が窮屈の場合はないから、金利だけの負担にとどめたいというのですけれども、どうも筋からいうと私はすっきりしない。本来なら、これは一般会計から繰り入れるべきもので、どうも交付税及び譲与税配付金特別会計というものが借り入れ金ができるというのがちょっと、特別会計の性資からいって、どうも無理なような気がするのですよ。 ですから、今度は次の年度においてはどうなるか。次の年度においても、こういうことでベースアップすれば、次の年度でも歳出の増の原因になる。だから、一ぺんここでベースアップしてずっと続くわけです。そうすると、来年度はかりにこれで手当てをするとして、あとでこれは五カ年間でこれを償還する、返済することになっているわけですが、どうしてもこういうのでまたべースアップ等をする、来年またすると思う。そうすると、また地方税、地方公共団体で財源が足りないということになると、またこういう措置をするのかどうか。 ですから、これははっきりと地方財政法を改正しまして、そうして交付税率二八・九%ですか、あれをやはり引き上げるとか——あるいはこれはあれでできないのですか、特別交付税のほうでまかなえないのか。どうもこういう姿が掘り切れない。それが一つと、それからもう一つは、三十九年度に利子は予算に計上されていない、補正として。それらの二点についてお聞きいたします。
○説明員(赤羽桂君) 利子は計上されておりません。
○政府委員(鳩山威一郎君) ただいま木村委員問題とされました、この借り入れ金は給与の財源のために借り入れをしたんじゃないか、こういうお話でございますが、失態から申しますと、まさにそのとおりでございます。こういったものに対して借り入れ金でまかなうというのはおかしいじゃないか、これもまた当然な御疑問と思います。 今回の人事院勧告に基づいて公務員のこのベースアップなり、これに基づいて地方の地方公務員についても同様な措置がとられるのではないかというふうに思われますので、これに対して何らかの財政措置をしなければならない。これは当然でございますが、従来こういった補正の段階で非常な財源が要るという場合には、終戦後いろいろな措置がとられてまいりました。最近の例といたしましては、これは補正の際に非常に多額の自然増収が国のほうにあり、したがって、その二八・九%の交付税が参りますと、大体においてその範囲内で給与の財源がまかなわれたわけでございます。こういった状態が続けば問題はないわけでございます。ただ、過去においては必ずしもそうでもないときもございました。そういったときに、ある地方で起債を認めて、起債で処理をしたというようなときもございました。今回国のほうも、国自体の自然増収も少ない、法人税のごときは減収であるというような事態になりまして、さてどうするかという問題が起こったわけでございます。 こういうことで、私ども、地方団体の側におきましてもやはり地方財政法がございます、これをやはり国と同じ原則を立てておりまして、そういったやはり建設事業のための地方債というものは、地方財政法上できます。しかし、この給与の財源のための借り入れあるいは地方債というものは、地方財政法上やはり国と同様に認めておりません。こういった場合にそれではどう措置をするか。 しかし、本年度の問題につきましては、とにかく人事院勧告に対する処理がたいへんおくれまして、年末近くになりまして、九月から遡及して給与を払うという、こういうような政府の方針がきめられたわけでございまして、この場合に、これが年度当初、本年度の当初からそういったことが明らかにわかっておりますれば、国におきましても、あるいは地方団体側におきましても、年度当初からそういった当然の需要を織り込んだ予算編成がなされたわけであります。そうしてこれは決して、不可能ではなかったのであります。これはまあ本年度も、地方財政のいろいろ計画を立てましても、相当余裕のある当初の予算編成がなされておるわけでありますが、しかし、こういう年末押し迫ってまいりますと、すでに年度当初から予定されました自然増収というものは、それぞれの用途に振り向けられております。いろんな単独事業なども拡張されておる。そういうような状況で給与費を払わなきゃならぬというので、いろいろ節約をするということも実際問題としてなかなか全部はむずかしい、こういう事情でございまして、実に本年度のこの財源措置というものは、年度押し迫ってから給与費の手当てをするというところに一番の無理が来たわけであります。 これをどういうふうに乗り切るかという問題でありますが、まあこれが、国のほうでも十分な財源に余裕がありますれば、そういった特別な交付金を出すということも可能かと思いますが、何ぶんにも交付税というものは国税の非常な主要な税目に対して一定割合が交付税に行っております。したがって、交付税が少ないというのは、国の税収も少ないからそうなるのであります。国のほうでも財源にたいへん窮しておるというときであります。結果といたしまして、地方財政法の改正をやりまして地方で借り入れができるようにするか、あるいは国の側において、交付税の側においてこういった特例を出して借り入れ金ができるようにするか、これはどちらかをやらなければ現実の給与は払えません。 そういうわけで、地方財政法の個々の団体が借り入れをするということは、個々の団体としては、給与費の財源でありますから、それを借り入れ金で支弁するというのはきわめてつらい話でございます。したがいまして、国の側において交付税のほうで借金をして、それでまあ地方団体のほうに迷惑をかけないで済まそうというのが、今回の結論であったわけでございます。これがまあ必要があるかないかということは御判断かと思いますが、私どもとしては今回はこういうことしか手はないというふうに、きわめてこういった例外措置が必要になったわけでございます。 なお、来年度のベースアップ、商い給与がそのまま、続くから、これは交付税率を引き上げなければならぬというお話がございました。これは来年度以降の財政の見通しにかかわることでありまして、これは全体の国、地方を通じまして、それぞれ財政状態がどうなるかということを目下検討をいたしております。しかし、まあ私どもただいまの考えといたしましては、地方とともに国もたいへん財源がございません。それも非常に経済界の動向によりまして税収が伸びないというときは、これは国税のほうは非常に弾力性の多い、たとえば法人税のごときは非常に経済界の動向に対して敏感でございます。したがって、三月の決算がどうなるかということにも相当かかっておりますが、そういったことから国税のほうも伸びが相当よくないのではないかと思われます。その上、この減税ということが行なわれますと、国税のほうの伸びというものは非常に苦しいという状況にありまして、これが交付税率の引き上げがなかなかむずかしい。また一方、地方の財政事情でございますが、これは最近非常に硬直性が出てまいったということがよくいわれております。しかし、まあ数年前に比べますと、非常に財政規模自体は拡大をしておりまして、相当健全性は増してまいっております。一例を申しますと、地方の地方財政中に占める公債費の割合というようなものもどんどん低下しておりますし、あるいは地方の建設事業のための投資につきまして、借金でやっている投資というものは昔は大体三分の一くらいあったのでありますが、いまはもう一五%くらいに落ちております。一般財源によって建設投資を行なっておる次第でございまして、そういったことから見まして、どちらがまあ窮屈かというのは、これはいろいろ議論があるところでございますが、そういったところから、今後なかなか交付税の引き上げというものはきわめて困難であろうかと私どもは考えております。 そういったことで、ベースアップが来年度は平年度化いたしますが、これに伴って直ちに交付税率を引き上げなければならないということは、私どもはそういうものは必要であるとは考えておりません。 それから、二番目に申し上げましたことは、借り入れ金の利子でございますが、これは先ほど御説明申し上げましたように、なるべく利子は低廉にしようというふうに、国庫余裕金を活用いたすことにしております。今年度に対比する分といたしましても若干の利子支払いは必要だと思いますが、この利払い期が四月以降になるものですから、明年度の予算においてこれを措置すれば十分であるということで、今回の追加には計上をいたしておりません。
○木村禧八郎君 私は、国が地方公務員のベースアップに対して財源的な手当てをすること自体に反対をしておるわけじゃないのですし、これはむしろ社会党としては、百五十億借り入れ金の手当てなんですが、そういう財源措置は不十分であるという立場なんですけれども、ですから、百五十億手当てすることもこれは非常に額として不満なんですけれども、手当てをすること自体には反対じゃないのですけれども、手当てのしかたですね、しかたについて、こういう手当てのしかたをすることには反対はっきりと一般会計から手当てをするべきだという立場なんです。 それはいままで財源が窮屈だと言われましたけれども、私は決して窮屈じゃないと思うのですよ。それは見方ですけれども、今度の補正で、全体見ましても、とにかくやればあれだけ節約ができるのですよ、ということがはっきりしたのですが、なるほど予算というものは節約ができるものだ。ですから、いままでのまあ下方硬直的な歳出をやっておりましたが、これは思い切って私はやったら、かなりまだ節約の余地があるのじゃないかと思うのです。これは見方ですよ。ですから、いままでのマンネリズムでやっていたなら、それは財源ないでしょう。しかし、私はつくづく今度の補正を見まして、なるほど税金で、足りない分をあれだけ節約によって出せるのだということはわかった。これはもっと徹底的に、やれば出せると思う。そういう確信を持ったのですが、それは見解の相違になりますが、そこで、こういうこそく的な手当てをすることについて、どうも納得できない。 それから、さっきの財政法、どうも私は特別会計の規定なんかでも、どうも解釈のしかたによると、とにかく法律さえ出せば特別会計ではどんな規定でもできるようなどうも私は気がするわけです。いままでの事例を三つ伺いましたが、今度はそれに当てはまらないと思いますし、それから、これは何かやっぱり特別会計で必要がある場合、必要さえあれば何でも法律をもって財政法の規定以外のことを規定できるということについても、私は疑問があるわけです。 それから、いまの予算を、三十九年度の補正に利子の予算を計上してないというお話でしたが、それは利払い期が年度を越えて来るから、そのときに四十年度の予算措置をやればいいというのですが、それだけではないんじゃないですか。やはり国庫余裕金とか何かそういうものを泳いでいって、利子のつかない金で泳いでいくと、こういうことをやるので、利子がつかない。そういうことに私は理解しておったんですが、そうですか。 それから、もう一つ、交付税の問題についていまたいへん断定的なお話がありましたが、交付税率を引き上げる必要はないんじゃないかというお話でありましたが、この衆議院の附帯決議には、「昭和四十年度以降の地方財政の収支は、真に容易ならざるものがあると認められるので、政府は、これに対処し、すみやかに地方交付税率の引き上げを検討する等地方財源の充実強化に万全を期すべきである。」、こういう附帯決議がついておるのです。 それで、私は来年はどうしたってまた公務員の給与引き上げの人事院勧告がなされざるを得ないと思うのですよ。そうすると、また地方公務員の引き上げが出てきます。政府は来年の物価を、四十年度見通しとしては四・二%でやはり押えていますが、民間の金融機関七銀行が来年の見通しをやっておりますが、消費者物価はほとんど六%上がるだろう。それから、三菱銀行だったか、富士銀行は、七%と見ていますよ。一番最低に見ているところが四・五%。それから、来年は大体多くの見方では六%消費者物価上がるだろうという見通しです。これは来年の見通しですからはっきりしませんが、しかし、そうなると、国家公務員の人事院勧告が行なわれ、地方公務員のベース・アップをせざるを得ないという場合、こんなようなこそくな措置で、これは今度はやることができなくなると思う。どうしたって交付税率の引き上げというものが問題が起こってくるのじゃないか。ですから、この改正案そのものは、これで一応当面はまかなわれるとしましても、これは来年度のことを考えますと、こういうこそくな措置ではとうていこれは私はできなくなるんじゃないかと思われますので、その点、もう一度伺っておきたいと思うのです。 附帯決議もあるのですが、にもかかわらず、そういう措置をする必要がないんじゃないか。つまり、交付税率を引き上げる必要がないんじゃないかと。自治省のほうでは、一・一%引き上げて大体三〇%ですか、引き上げるべきだと、こういう要求をしているように新聞には伝えられておりますけれども、いまの話ですと、そういう必要はない、こういう御答弁なんでして、これはまた大蔵大臣にも伺わなければなりませんが、いま事務当局でかなり断定的な引き上げの必要ないという御答弁でありましたが、重ねてお伺いしておきます。大蔵省は大体もう引き上げの必要がないということで、はっきり意思統一しておるのですか。
○政府委員(鳩山威一郎君) ただいまの御質問でございますが、第一点は、節約によって国の予算は幾らでも財源が出るのではないか、こういうお話でございます。これはもういろいろ見解の相違かと思いますが、今回二百億程度の節約をいたしておりますが、これは内容をよくお調べになればわかりますが、たいへんきつい節約をいたしたのでございます。しかも、年度が非常に過ぎまして、あと数カ月しか残っていないというときに、年間予算に対しまして一定の割合の節約を求めたのでございまして、これはたいへん、まあ各省にお聞きくださればよくわかると思いますが、これはまことに血の出るような節約をいたしております。そういったことで、これ以上このあと百五十億程度の節約ができるはずだとおっしゃいますが、それは私ども財政当局者としては全く不可能なことでございます。まあ地方団体側におきましても同様節約を期待いたしておりますが、これにも国並みの節約を求めるのは無理ではないかというようなことから、そういう点はきわめて緩和した節約内容になっております。この点はひとつつけ加えておきます。 それから、利払い期の問題あるいは利子の計上がないという問題は、先生のおっしゃいますとおりで、国庫余裕金の繰りかえ使用をいたします。それで極力利子の負担は最小限にいたしたい。なおそれでも数日間の短期の利子が必要になる場合があるといたしますと、それは利払い期も来年のことでありますので、今回計上いたしておりません、こういうことを申し上げたのでございます。 それから、交付税率につきまして、来年のことは、これはまだただいま予算編成途中であります。したがいまして、その結果がどうなるかということは、いまここで申し上げてもいたし方ないと思いますが、私どもの考え方として、地方も苦しいけれども、国もそれ以上に苦しいということを申し上げたのでございます。そういった状況で必要がないとかということより、不可能ではないかということを申し上げたのでございます。
○木村禧八郎君 もう一つ。これは見解の相違になりますから、これ以上申し上げません。大蔵大臣に今度また伺いますけれども、非常に今度補正で苦しい節約をされたといいますけれども、その節約のしかた、実体、苦しいというのを具体的にどういうふうな節約のしかたをしたかですね。もうほんとうにぎりぎりの非常に苦しい節約のしかたをしたというのですが、どういう節約のしかたをしたのですか。それから、もうすでに節約をしているのかどうかですね。節約を実際に実行しいるのかその点について伺います。
○説明員(赤羽桂君) 三十九年度の予算の補正あたりまして、御指摘のとおり、節約を行なっているわけでございますが、ただいま次長よりも御説明申し上げたとおり、非常にまあきつい、苦しい節約であったわけでございます。まず、たてまえといたしましては、三%の節約を全般にかけるというかっこうになっておりますが、そのうちで真にやむを得ざるもの、たとえば災害復旧費でございますとか、あるいは継続費、それから国庫債務負担行為の歳出化分、こういったもので三十九年度中に事業が完了するようなもの、これは除きまして、あと大体全額を節約対象額といたしておるわけでございます。それから、公共事業費についても同様な事情があるわけでございます。特別失業対策事業費でございますとか、鉱害災害復旧費、あるいは揮発油税財源の道路整備事業費とかいうようなものだけを除きまして、同じく節約をかけておるわけでございます。そういう大体方針になっております。
○木村禧八郎君 その方針はわかりますが、具体的に、たとえば大蔵省で三%節約によってどういう状態になっておるかですね、この節約のために。別に何ら事務に支障がないひと、そういうことになると、三%余裕があったということになるのですね。実は非常に苦しい節約をしているというのですけれども、それでは具体的に、じゃあ三%節約して、事務とかいろいろな行政上どういうふうになっているのかですね。もしそれがそれでそのまま動いているのだとすると、三%いままでかりに節約する余裕があったのに節約しなかったということにも受け取れるわけです。よですから、そこは具体に、節約の結果こういう事態になっているのだ。何か支障が生じなければおかしいはずですよ、どっかに無理がなければ。ほんとうはいままで予算計上してそれだけ必要な財源計上しておったのですから、それが三%節約して何らどこにも影響が出ていないとすれば、これはいままでじゃあ節約し得るのに節約しないで予算を計上していたということになるわけですね。その点、もう少し具体的に、これは知っておきたいのですよ。今後、やはり歳出の硬直性が非常に問題になっておりますから、われわれそれを検討する場合に、ほんとうに節約の余地があるのかないのか判断する場合に、具体的にひとつお伺いしておきたいと思います。
○説明員(赤羽桂君) ただいまの御質問でございますが、たとえば大蔵省においてどういうぐあいに苦しくなっているかというお尋ねだと存じます。これはあるいは官庁の何と申しますか、事務費でございますか、そういったものについての御指摘ではないかと存ずるのでございますが、官庁のいわゆる事務費、いわゆる私らのことばで言っております人頭庁質的な金は、実は毎年予算編成期におきまして、非常に相手省との間におきまして、事務的でじみではございますが、非常に足りる足りないの議論がかわされるわけでございます。そういった意味におきまして、非常に毎年当初予算におきまして、かような庁費的な事務費、これはむだのないように非常に押えられていると申しますか、合理的に行なわれておるわけでございます。そういったような意味におきまして、今度の節約対象額からは除いております。
○木村禧八郎君 それじゃ、どういうところが削られて、それでそれは行政にどういう影響を与えているか。それ、何か一つの例でもいいのですよ。何にも影響を与えていないということになると、これはおかしいですよ、それは今後の四十年度の予算をわれわれ考える場合に、非常に参考になるわけです。約二百億を節約して、何ら行政に差しつかえないのだということになれば、これはあるいはもっと節約しても差しつかえないのじゃないかという気がするもんですからね。
○政府委員(鳩山威一郎君) 予算の総額に占めます普通の事務費と事業費の割合でございますが、まあ一般官庁ではほとんど人件費が非常に主要な部分でございまして、約七割五分から八割くらいが人件貯でございます。あとのわずかの額が事業費と庁費というもので占めております。節約をやりまして非常に問題になりますのは事業費でございます。ガソリン税財源以外の公共事業あるいは一般の庁舎の建築とかそういったものにつきまして、これは例外なく三%を年末も近くになって減らしたわけでございます。 まあこれが実際どうなるかということ、これはずいぶん私どもも心配でございますし、自治省におきましても非常に心配をいたしまして、事業費自体が、事業量自体が節減するということにぜひしたいということで、そういった自治省からの希望もありますし、また私どもそうなければならぬと思っております。それから、すでにいろいろ契約がだいぶ進んでおりますのでございます。その一定のかりに一億なら一億の契約をいたしまして、その三%を節約するといった場合に、これがどうなるかという問題があるわけでございますが、これが、この相手の業者に三%値引きしてもらえれば、これは一番都合がいいのでありますが、なかなかそうもいかないという問題がありまして、これが翌年度に尾を引きやせぬかという問題が一つ心配があるわけであります。そういったことがないか。事業量を節約、それだけ減らしまして、事業量を減らして、その分だけ契約を改訂をして、それをまあ節約の効果を出すというやり方でなけりゃ困るというふうに私どもは考えておるのでございます。 その辺で非常に、まあ実際にこの役所の運行が支障が生じてないじゃないか、こうおっしゃいますが、その点は最低生活費については節約しないという考え方でやっております。しかし、まあそれ以外の経費があるのでありますが、私どもこう使っておりますこの青い写真刷りのようなやつは、これは普通のざら紙と違って最低生活費でない部分に入っております。最低生活ではせいぜいガリ版刷りくらいが最低生活でありまして、こういった青い刷りものといったようなものは節約の必要最小限度にしてくれということで、会計課のほうで統制をいたして、枚数を一々押えて必要な限度、急ぐものだけについてこういうコピーを使うというようなやり方をして、まあそういう面ではやや会計上の手続は相当きびしくしております。そういったことで、まあ具体的に非常に困ってないじゃないかとおっしゃられるのも、それを一々ここでいまこういった点で非常に支障が出ているということを申し上げられないのは残念でございますが、まあ役所の通例として、金があれば年度末に車を買うというようなこともやっております。まあ私どもも非常にぼろぼろな車に乗っておりますが、こういったものが、年度末にいってまあ毎年少しずつやっている更新ができなくなるというようなことは、各省において相当出てくるのじゃないかというふうに思っております。
○木村禧八郎君 それじゃ、あとで何か資料みたいにして、できる限り、一々まあこまかいあれは必要ございませんが、二百数十億の節約によってどういうところがどういうふうに節約されて、それがどういうふうな影響をもたなしているかということを……。これから四十年度予算では相当そういう問題が大きくなってくるのですよ。問題がね。今後節約の問題がね。いわゆる効率的使用とかそういった問題が非常に大きくなるのです。ですから、何か資料的に参考になるように、ひとつその何か作業してみてくれませんか。それは、そんな、あまりこまかくやるったって無理ですけれども。
○委員長(村松久義君) それは影響まで資料として要求されますか。
○木村禧八郎君 たとえば、一つの何か具体的な例でいいですよ。庁舎なら庁舎、それがいまお話ししたように、それが事業量を減らすのか、業者にまけさせる、それができなけりゃ翌年度に尾を引くというようなことになると、これは節約の意味がないから、何か具体的な一つの事例を二、三あれしまして……。私の質問意図はわかるでしょう。意図は、今後の、いまの歳出の硬直性ね、これをどういうふうにして是正するかということを考えなければ……。節約の一つの問題になるのです。そんなに無理だのにそんなに節約したって、それはいろいろな国の行政が障害受けたら、マイナスになりますから、できないということになる。その限界をつけることもできますし、何か資料として出していただけませんか。
○委員長(村松久義君) どうです、可能な範囲はあなた方、どういうふうに考えておられますか。例をあげて、事項、金額といった程度じゃだめかな。
○成瀬幡治君 例です。全部とは言わない。二百十五億の中身を全部とは言わないのだから……
○委員長(村松久義君) あなた方、可能な範囲をひとつここで出してください。
○政府委員(鍋島直紹君) いまの木村先生の御意図は十分わかると思いますが、現実にこれから節約するわけでございますから、具体的な影響までということは、なかなか。来年度に持ち越すのか、あるいはいまのように業者がまけるのか、あるいは現実に単価を下げて、三%減で契約を改訂し直すかという、一つの事業でそれぞれいろいろな例が今後出てくるわけでございます。相当無理があると思います。したがいまして、具体的な例、いまの御意図に沿った可能な範囲のひとつ資料をできるだけつくることにいたしたいと思いますが、万全なものは、ちょっとなかなか全体的にはできないと思いますので、御了承願いたいと思います。
○委員長(村松久義君) どうですか、その程度で。
○木村禧八郎君 まあ、その程度で……。
○委員長(村松久義君) 質疑をどうそ。
○成瀬幡治君 木村委員あるいはその他、提案あるいは補足説明等からお聞きしまして、元来ならば地方交付税法でベースアップ等があった場合にまかなわれれば一番いいわけですね。ところが、それができないのだ。総額はとにかく六百億要するのだ。そこで、百五十億はこうして、あとの四百五十億の問題は三税の、いわゆる交付税の伸びなり、あるいは経費節減その他等でまかなっていくというお話でありますが、ですから、元来、本質的な話からいえば、これは大蔵委員会でなくて、地方行政委員会に関係するわけでございますが、交付税の基準単価の改正ということは当然考えられていいわけですよ。これは自治省の問題になるかもしれませんが、交付税のいわゆるはじき出す準位基準ですね、それは当然上がるものと考えていいわけですね。
○説明員(赤羽桂君) 本法のほうは、地方行政委員会の関係のほうで単位費用の改訂を行なっています。法律で単位費用の改訂を行なっています。
○成瀬幡治君 そうしますと、地方行政委員会のほうにかかっておる単位基準を上げても、なおかつ足らぬわけなんですか。
○説明員(赤羽桂君) 御指摘のとおりでございます。
○成瀬幡治君 足らない。
○説明員(赤羽桂君) はい。
○成瀬幡治君 それなら、改正は意味がないことになりはしないですか。これは地方行政委員会の問題になると思いますけれども、単位基準が引き上げられて、元来は交付税の中でまかなうというのが原則だと思うのですよ。地方公務員のベースアップ等、その他、まかなわなければならないものが、引き上げてもなおかつまかなわれない引き上げ方をしておるということは、一体どういうことなんですか。
○説明員(赤羽桂君) 単位基準と申されましたのは、先ほどから申し上げておりますのは、いわゆる単位費用でございまして、給与のベースアップに伴いましていろいろな、警察費でございますとか、土木費でございますとか、そういった中の給与が上がるために、単位費用が改定されたわけでございます。その需要をまかないますために財源が不足した、こういうぐあいに考えているわけでございます。
○成瀬幡治君 私のお尋ねしているのは、元来はこの委員会でなく、地方行政委員会でやるわけですが、ベース改定が行なわれれば、当然単位基準は引き上がるわけでしょう。そして、それで全部がまかなわれるかっこうにならなくちゃならないわけでしょう。ですから、少なくとも、ことしは別として、四十年なり四十一年、四十二年、四十三年というものは、その単位費用が引き上げられることによってすべてがまかなわれなければならないじゃないかと、こう言っているわけです。原則上そういうふうに引き上げられておりますかと言っているわけです。
○説明員(赤羽桂君) 原則としてはおっしゃるとおりでございます。
○成瀬幡治君 そういうふうにまかなわている。そうすると、この百五十億というのは、端的にいって、三十九年度だけのベースアップに必要な経費だけで、これはもう四十年以降はベース改定のために交付税が少しでも穴があいていくような心配は全然ないわけですね。
○政府委員(鳩山威一郎君) 成瀬委員よく御承知のとおり、交付税は、これは三税の一定割合でございますが、単位費用は今回改正をいたして引き上げておりますが、これは明年度以降のことは、これはまた現在検討中でございますが、各税のそれぞれの伸びがございますから、単位費用は毎年交付税率が上がるとか上がらないとかいうことと関係なしに、地方の自然増収が相当見込まれ、かつまた、交付税も自然増がありますから、そういうものがあれば、単位費用をほうっておけば余ってしまうわけです。毎年単位費用を上げまして、それが交付税全体がうまく配分できるような単位費用をつくっているわけでございます。したがって、今回引き上げられました単位費用は来年は、また平年度化いたしますし、その他の税源の伸びがございますから、当然また引き上げられる。今年の補正で直されました以上に単位費用は引き上げられると思います。 これの財源は、これは従来交付税の増、あるいは地方税の伸びとか、こういったものが一切その財源になるわけであります。それでなおかつ交付税が足りるかどうかということは、今後なお検討しなければならぬことでございますが、先ほど申し上げましたのは、国のほうも財源が非常に詰まってまいっておりますので、過去におきましたような、なかなか交付税の改定というものが相当壁にきているということを申し上げたのであります。したがって、今後いろいろな面で、今回とりました措置も、従来の考え方からいえば、やや不健全というか、超健全ではない。国の予算があれば、現在それで出してしまえばそれでいいわけでありますが、これが後年度、あと五年間に尾を引いているわけであります。そういった意味で、やや従来のやり方からいえば健全性がそれだけ減ったということになりますし、それは国、地方を通じて来年度の財政というものは相当従来と違ったような方向にいかざるを得ないのじゃないかというような気がいたしております。これはまあ地方も非常に苦しいという話か多々あるわけでありますが、国のほうも非常に財源が詰まっているということを先ほど申し上げたのであります。
○成瀬幡治君 国もほしいが地方もほしいとか、そういうことではなくて、問題は、地方が苦しいということは初めから頭に入っていると思います。だからこそ、五年間で返せということになるのです。元来なら、今年度の一時借り入れなら翌年に返せというのが原則なんです。ところが、返せそうもない。だから、五年間にやっていくということは、地方自治体がやりくりがえらいということをすでに国は認めているということに立てば、あなたはいろいろ言っておられますけれども、いわゆる交付税率の二八・九%というものをこの際検討をしてみるとかなんとかいうことが次に出てこなければうそなんですよ。 そうやって見ておれば、そのうちに三税の伸びがある、いろいろな伸びがあるから、何とかやりくりが立つだろう。しかし、五年間の間にはとてもえらいことだろうということは、頭から勘定に入れておいでになるわけですね。五年間のうちには交付税率の引き上げは一切やらぬというお考えなのか、それとも、こういう五年たたなきゃ返せないようなふうにえらいのだから、交付税率のことも検討をしておるというのか。事務局はそこら辺のところは、これは大臣答弁でなければならぬかもしれませんが、実際は検討しておみえになるのかどうか。 苦しい、苦しいというだけじゃ、国が苦しいということはわかりますよ。しかし、地方がより苦しいということがわれわれは問題だと思う。現に、あんた、国家公務員はおそらくこの十二月までにもらうでしょう。地方公務員は今年一ぱいに、九月に遡及してもらう県はないでしょう。一月になるところもないでしょう。おそらく二、三月になるでしょう。それほど地方自治体は苦しんでおるということを考えて行政をおやりになろうとしておるのかどうかという点は、私は問題だと思う。だから、そういう意味で質問しておるわけです。だけれども、これは大臣答弁ということになるけれども、事務局としては検討してみえるかどうかということを、まずお聞きしておかなければならない。
○政府委員(鳩山威一郎君) 今回私ども財源措置を考えます場合は、これは地方団体でもいわゆる交付団体でございますが、交付団体分につきまして、今回交付税の自然増収で千五百たしか九億でございます。それに今回の借り入れ金が百五十九億と百五十億でございます。約三百億以上の交付税が参るわけでございます。これはまあべースアップだけですと四百二十五億でありますが、これにつきまして、その四分の三の金は今回の措置で地方に出るわけでございますから、国のほうとしては最大限の努力をして、そういった措置を考えたというふうに私ども解しておるのでございます。 まあ私ども明年度予算の編成についてはただいま鋭意努力いたしておりますので、したがって、予算ができ上がってみませんと、どういうことになるかということは申し上げられないわけでありますが、ただ私が先ほど申し上げましたのは、いろいろ交付税だけですべて措置をするということは、もうとても考えられないのであります。衆議院の附帯決議におきましても、「交付税の引き上げを検討する等、」という字が入っておりまして、地方財源の充実について各般の増収対策というものを当然しなきやいけないと思いますし、またいろんな建設事業に対しましてもっと起債を増額していくというようなことも考えなきゃいけない。それから、節約も当然考えなきゃならぬ。そういったことで諸般の措置が検討されなきやならぬと思います。そういった意味で、私ども明年度の地方財政というものは、たいへん問題が多い年だと思います。そういった意味でもちろん検討をいたしております。
○成瀬幡治君 何かあなたの説明を聞いておると、四百二十五億のうち三百億考えてやったようにおっしゃるけれども、そうじゃなくて、百五十億は借金でしょう。返さなければならぬ金なんですよ。そこで、実際考えてもらった金は地方自治体の責任においてこれは返さなくちゃならぬ金なんですよ。これは地方自治体のほうでいえば、百五十九億しか交付税では考えてもらえなかったということですよ。地方自治体の借金なんですよ。そいつを五年間で返せという。借金しただけの話で、地方自治体は健全財政には少しもならぬ。国が不健全にするようにしむけておるわけだ。元来なら、健全財政を維持するなら、地方も健全財政を維持するようにやっていくのが本来の姿勢でしょう。これで、国は百五十億めんどう見てやったという、責任のないようなことを言わずに——これじゃ地方自治体は不均衡財政です。不健全財政になってきた。だから、今後どうするんだ。それについては事務局としてはこういう案があるんだということを示してもらいたいと思うんです。
○政府委員(鳩山威一郎君) 百五十億の措置でございますが、これは借金をいたしたのは国でありまして、地方ではないのであります。これは、従来こういった場合に地方債で処理をした例が数回ございます。これは地方にとって非常につらいことで、元利払いに追われるわけでございますが、今回の借金は国の特別会計が資金運用部から借金をいたしたものでありますので、国庫内の借金で、これが返すという、観念的に特別会計というものがこれは地方の特別会計である、地方の財源をとっておる特別会計であると、こういう御跡旨かと思うのでありますが、この借金をいたしたのが国でありますから、国のほうで利子の負担もしなきゃならぬ。そういう意味で、この地方団体にこういった給与費のために借金というものはあまりやらすというのは非常にあとあとたいへんであるということから、国のほうの側で借金をして、それでことしの交付税は払うと、いうこういうことをいたしたわけであります。 これは、つらいからということももちろんでありますが、過去において自然増収、が非常に出ました年が、これは最近は特に自然増収が多かった年が続きまして、多いときには二百億からの交付税財源が余りまして、まあ余った金は翌年度一般の税収にそれだけ足しまして地方に分けております。こういった年が過去三、四年はあっております。相当な金額にのぼっております。で、この交付税の財源が所得税、法人税、酒税と、御承知のように国税の三税でありますが、これは国税中でも非常に弾力性に富む税で、非常に伸びの多い税であったわけであります。伸びの多い税を地方の財源としてリンクをいたしたわけでありますが、この伸びの多い税というものはやはり経済界の影響も敏感に受ける、そういった意味で、自然増収の多いときは非常に余る、また足りないときは出るということで、本年は特に給与費が非常に年末押し迫ってから出さなければいかぬ、こういうことがありまして、ただいまのところ何ともならぬというのが実情でありまして、これが長期的に見て二八・九%では絶対足らぬのだということではないと私どもは考えます。
○成瀬幡治君 それなら、五年に償還せぬでもいいでしょう。
○政府委員(鳩山威一郎君) これは自治省との間の話し合いでも、五年間に最少限度五年間三十億ずつは償還をする、これが余ればそれ以上繰り上げはいつでもするというふうにお互いの約束にはなっておりまして、法律でもこれは借り入れ金の最大限を書いてございます。したがいまして、法律上も、これはかりに来年自然増収がうんと出たというようなことがあれば、一気に返ってしまうかもしれません。そういう意味で年度間の調節だ。これは非常に固定的な税収であれば、こういった年度間調節というのはあるいはおかしいかもしれませんが、所得と法人というものは非常に伸びのぐあいが経済界の動向を反映いたしますから、したがって非常に余るときもあれば足りないときもある、こういう意味で、年度間調節という意味でこの借り入れ金をしたという意味でございまして、絶対的な不足ということでこの借り入れ金をしたというふうには考えておりません。 これはそういった意味で、先ほど木村委員のお尋ねも絶対的に足りない金を借り入れ金でまかなうのはおかしいじゃないか、こういうふうな御説でありますが、私どもはそうではなく、そういった非常に伸びの著しいときもあり、そうでない年もあるから、それを年度間調節をして借り入れ金でまかなうということもあっていいんじゃないか。これは過去に逆に非常に余ったという年が四年もありまして、そういったことから余ったときはまた繰り延べることもあり、足りないときは借り入れをして、それでまた自然増収の多いときにこれを返すということも可能であるということで考えておりまして、まあ今回も自治省のほうで三〇%に引き上げろという要求がございます。これはしかし、この問題とは全く別個の問題としてお互いに考えておるわけであります。この毎年三十億の償還というものと切り離した問題として、地方と国との財源をどうするかということで考えておる次第でございます。
○成瀬幡治君 鳩山さん、あなたの話を聞いておると、三税の伸びは動くと、しかも伸びるほうが多いんだと、だから来年経済がよくなったら一ぺんにこの借金なんか返してしまえそうだという話もある。そういう見通しほんとうにありますか、来年の話だけれども。
○政府委員(鳩山威一郎君) 来年のことは、いま申し上げましてもこれは……過去の実績を申し上げれば、その辺もわかっていただけるかと思いますが、三十五年には三百六億円余っております。三十六年は九十八億円。三十七年度に百億、三十八年度は百三十八億円が余って、これは三十九年度に繰り越されたのでありますが、こういったことで、これは予算でございますから、一年間そのとおりびっしり合うというのがおかしいので、余ったり足りなくなったりするというのが、そのほうがあたりまえだと私どもは思っておりますが、こういった引き締めをしていくときは、非常に苦しいということで、いろいろそういった計画になりますが、まあ過去において引き締めをして、あと数年たってから非常に経済が伸びるという、そういったサイクルを繰り返してきておりますから、いま来年はどうだと、こうおっしゃられましても、それは必ずしも来年はそうならぬかもしれません。しかし、これは五カ年間のことを聞えておりますから、私は五カ年の間には、過去においては実際にこういった非常に余った年が数年出ておりますからしたがって、五カ年間には必ずそういった年もあるだろうということは、十分過去の実績から予想してかまわないんじゃないかと、こういうふうに考えております。
○成瀬幡治君 そうすると、あなたの話を聞いておると、ようわからないんですよ。来年のことは大体見通しは立っているでしょう。言えなければうそなんですよ。だけれども、それは動いておるからわからぬということで、たとえば窓口規制を十二月中にやめて、公定歩合の問題を一月ごろに何とかするだろうという予想は大体立っておる。しかし、それにしても四十年度の見通しというものは暗いし、だから来年度は一ぺんに百五十億はやれそうもない、余裕金は出そうもないと。その次もどうもわからない。だから、五カ年にやるんだと。本来であれば、この交付税法の十三条の原則からいっても、あるいは財政法その他の原則からいっても、借りた金は次の年に全部すっかり返しちまうというのが原則で、今度は形はそうなっておる。利子負担の場合であなたは言っておられるけれども、事実は書きかえられていく。とにかく五年間たたなければ返せぬほど見通しは暗いだろうということなのか。あるいは三年たてばこれは返せそうだというんだけれども、まあ最大限だから、五年借りたんだと。これは別段五年間で返すんじゃなくて、五年間のうちに余裕金が出たらいつでもみんな返しちまう、そういうための五年間なのか。それとも自治省と大蔵省との話し合いで五年というのが非常に固執されたようにわれわれは聞いておるわけです。そうじゃなくて、特別に五年間で計画するということは、まあ五年間ぐらいの間には何とかなるだろうというような押えでやっておられるのか。それとも、ほんとうに均当割りで五年間にぴちっと返されるのか、そこはどういうことなんです。余裕金が出たら、これは当然ぱっといってしまうのですか。これは当然なんですよ。全部一挙にお返しになるつもりなんですか。余裕金が出るという見通しがあるのですか。ほんとうにやってみなければわからぬというのが本音なんですか。
○政府委員(鳩山威一郎君) 先のことでございますから、これはまあ将来の、実際時が経過しませんと、はたしてどうなるか、先のことを、何年度には非常に自然増収が余計出るだろうというふうなことは、いまからこれはちょっと経済企画庁でもそういった予測はできないかと思います。
○成瀬幡治君 それじゃあ、なたのほうの計画というのは、この財政法の何ですか、四条か、あるいは何やら何かに関連して、国に対しての償還の計画を立てなければいかぬということが書いてあるから、そういうようなことで埋めたものだというふうに了解しておっていいわけですか。ほんとうはわからぬけれども返らぬこともあり得る。五年のうちに景気が悪ければ返らぬということも考えておっていいわけですか。やってみなければわからぬという五年間ですか。五年には必ず返すというのか。
○政府委員(鳩山威一郎君) これは五年間には必ず三十億くらいは分割で返します。なお、その間に非常に自然増収が多額に出て、交付税が余るというときは、期限前でも返します、こういうことです。
○成瀬幡治君 だから、地方自治体がえらくなりはしないかと言っているわけです。五年間にはかりに余裕金が出ずに、ぎりぎりであっても、三十億なら三十億というものは毎年返していくのだということになるから、しわ寄せが地方自治体に行きませんかという。いや、そのときは国はまた借り入れをするから御心配は、要りません、こういうふうにあなたのほうは御答弁になるだろうけれども、しかしそのくらいのことなら、根本的に二八・九%という配分率のほうのことについても検討をしなくちゃならぬと思うわけです。ですから、そこら辺のことの検討も事務局としてはやっておいでなのかどうかということがお聞きしたいわけです。
○政府委員(鳩山威一郎君) この三十億という金の大きさの問題でございますが、これは地方の財政全般に対する比率から申しましても、これはきわめて少額のものでございます。これは先ほど節約すれば幾らでも出るだろうというふうに木村委員がおっしゃいましたが、私どもこの三十億が地方財政に全く影響ないということまでは申し上げるつもりはございませんが、この程度の金であれば、これは財政の運営に予定を立てれば十分にこの程度のことは処理は可能であるということを申し上げるのであります。 したがいまして、これは地方の借金だ、こうおっしゃいますけれども、いま現在給与を払うということが何しろ必要なことでありますから、こういった措置をとったわけであります。したがって、こういった借り入れが非常にいいことであるということまで私は申し上げるつもりはございませんが、しかし現在の時点におきまして、国、地方の状況を考えまして、こういった措置が現状において一番措置としてはいい措置であるというふうに思います。
○成瀬幡治君 あといわゆる、財政の問題にならなければならぬと思うのですが、私は実際の問題として先ほどちょっと触れましたが、国家公務員には大体十二月中に差額分等は支給されると思うわけです。ところが、地方自治体の話を、地方公務員関係の話を聞いてみますと、どうやってみても大体二月以降になるのでしょう。いま予想されているのは、年度内に支払われるところは一県もないでしょう。一月に払えるところはなさそうです。御案内のとおり、神奈川はもう少し見ると、これは富裕県がですよ、不交付団体が。愛知なんかでも、私が知り得ていを範囲内では、十七日の日に県会があるのですけれども、どういうことになっているか知りませんけれども、大体二、三月にならざるを得ないでしょう。ましてや、交付団体はやりくりの見通しが立たないのですよ。ですから、これは地方行政委員会の議論になると思うのですけれども、しかし、大蔵省は、いや、もうそんなことは一つも御心配ございません、これでおれのほうはめんどうを見ちゃったんだ、やらないのは地方自治体が悪いんだというような態度では、私は地方自治体がつらいと思うのです。やりきれぬと思うのです。だから、もう少し大蔵省自身が、そうじゃなくて、やはり国家公務員に十二月に俸給が渡るならば、地方公務員にも同じように、何も公務員として公共のために奉仕するところは、国家公務員だけ早うもらなわなければならぬという権限はないと思いますし、それほど差別しなくてもいいと思う。そういう差別待遇はする必要はないと思います。差別待遇に結果的になるのは、財源措置を何といったって大蔵省は握っておるわけです。それが地方公共団体に対して冷たい、独善的だから、そういうことになると思うのです。こういうことは、それは大蔵大臣の問題になると思うが、事務局でももう少し、結果がこうなるのだから、おれのほうが努力が足らないぐらいの話をしてもらわないと困る。やりくりができぬ。やりくりができぬといって、国のほうは渡るのだ。十二月二十日ごろには、幾らおそくても渡るでしょう。そういう結果が出ていいと思ってあなた方はやっているんですか、仕事を。一緒に渡るのが理想的じゃないですか。
○政府委員(鳩山威一郎君) むしろ政務次官にお願いしたほうがいいと思いますが、私どもの考え方を申し述べさせていただきますと、成瀬委員のおっしゃるように、私ども地方のことに対して、あるいはそういったお考えをお持ちになるかと思います。それはきわめて、私どもからいえば非常に残念なことに存じます。今回の措置におきまして、もこれは単にいろんな事務的な数字のみでいけば、また別の数字も幾らも出たわけでございますが、今回百五十億の借り入れで三百億以上の財源手当てをいたしたというのは、これはいろいろ数字を御検討いただければ、相当思い切った措置をしたというふうに私どもは考えておるわけであります。 これはなぜそういうようなことになるかと申しますと、これはかりに地方の実際の自然増収はいろいろあるということも、数字としては出ないことはないのです。また、節約でも、国並みにしたらもっと節約ができるはずだということも出ます。しかし、そういうことを言っておったのじゃ現実にいま給与を払えないじゃないかというところの解決になりませんから、したがって、これだけの措置をとったのでございます。国のほうは、やはり国自身で経理を握っておりますから、いろんなことも直ちに措置ができますが、地方のほうは地方自治でありますから、当年度の自然増収があれば、それはみな住民福祉のために使ってしまうというのが、これは一つのやり方だと思いまして、そういった状況がありますから、今回こういった措置をとっているのでございます。節約のしかたにつきましても、あるいは地方税の伸びの見方におきましても、そういった点は十分考えまして、われわれの見方からすれば相当無理のないような数字になっております。 ただ、現実にほんとうに困っている地方団体もありますし、なお余裕のある地方団体も現実にございます。これはやはり地方団体の財政運営がそれぞれの団体によって違いますから、したがって、先に事業をたくさんしてしまったところは困っておりますし、非常に健全に運営された県はこれで十分やっていけるというような、これはそれぞれ県によりまして違うと思います。そういうことで、予算をどんどん先に使ってしまった県では、だいぶつらいというのがなお残ると思います。しかし、そういったところを標準として財政措置をするということは、とてもいまの状況ではそこまでなかなかできない。地方でもなお努力をして、何とかやっていけるというところが基準になって、十分これでやっていけるというふうに私どもは考えております。
○成瀬幡治君 あなたのおっしゃるように、地方税の自然増がどれくらいあるとか、あるいは単独行政費の節約をどうするとか、いろいろなこともございます。直轄事業の補助をどれだけということもあります。こういうようなことは、主としてここの委員会じゃなくて地方行政委員会が主たるところだと思うから、私はあまりとやかく言うわけにはいかないと思う。場が違うとあなたのほうはおっしゃるだろうと思いますから、遠慮しますけれども、しかし、大蔵省のいまのような、鳩山さんのような認識じゃ、地方自治体はやりきれぬです。 あなたは、大蔵省にも言い分がある、言い分があるとおっしゃるが、地方にも言い分があるんだ。あなた、地方自治体はみんなえらいんだ。そういう認識だけは、言い分はあんたのほうよりも地方自治体のほうがよけい言い分があるということだけは、よく認識しておいてもらいたい。これは大蔵省としては万般の手を打って、それでやりくりできぬのは地方自治体が悪いんだ、あげて地方自治体の責任だというような言い方でなくて、もっと大蔵省としてはいろんな点でよくめんどうを見てやるとか。大体あんた、三税のうちの、非常に伸びのいいものを自分のところに取っている、こんなことも大蔵省としては非常に地方自治体をよくめんどう見ている例のようにされているが、大体二八・九%という数字がおかしいですよ。三分の一ぐらいやったらいいんです。だけれども、そういうことはよけいですから、以上の話でやめます。
○委員長(村松久義君) ほかに御質問ございませんか。 ちょっと速記をとめて 〔速記中止〕
○委員長(村松久義君) 速記を始めて。 本日はこの程度として、明日午前十時より開会することにして、本日はこれにて散会します。 午後零時二十三分散会 —————————————