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47回国会参議院1964/12/17

社会労働委員会 第3号

発言数
85
登壇者
10
会派数
2
開催日
1964/12/17

会議録

藤田藤太郎日本社会党

○委員長(藤田藤太郎君) ただいまより開会いたします。  委員の異動についてお知らせいたします。  十二月十五日、木村睦男君が委員に選任されました。十二月十二日、丸茂重貞君が委員を辞任され、その補欠として古池信三君が選任され、また、十二月十六日、古池信三君が本委員を辞任され、その補欠として上林忠次君が選任されました。本日、上林忠治君が委員を辞任され、その補欠として丸茂重貞君が選任されました。     —————————————

藤田藤太郎日本社会党

○委員長(藤田藤太郎君) 委員の異動に伴い、理事が一名欠員となっております。  つきましては、直ちにその補欠五選を行ないたいと存じます。互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤田藤太郎日本社会党

○委員長(藤田藤太郎君) 御異議ないと認めます。それでは、理事に丸茂重貞君を指名いたします。     —————————————

藤田藤太郎日本社会党

○委員長(藤田藤太郎君) 労働問題に関する調査を議題といたします。  まず、公社制度に関する件について調査を進めます。  質疑のある方は、順次御発言を願います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 きょう私は、公共企業体の当事者能力、特に給与、賃金問題についてお尋ねをしたいと思います。  まず、この当事者能力の問題につきましては、すでに国鉄、公社の発足いたしました昭和二十三年、これは専売も同時期でございますが、さらに昭和二十七年の電電公社の公共企業体移行、こういった当時から問題になっておったところでございます。もちろん日本の公共企業体経営全般に対する問題点は幾つかあると思います。きょうは三公社の総裁の皆さんにお忙しい中をおいでいただきましたが、実際に私は、現在の公社制度のもとにおいて、責任を持ってそれぞれの総裁の方々が国民の負託に沿うそれぞれの事業を正しく発展していくための御苦労というものは、一方ならぬものがあると思うのであります。本来、公共企業体に移行する場合には、あまり政府ないしは国会からの干渉というものはできるだけ排除をして、その自主性を公社当局にまかして、思い切った企業の能率化、合理化をやっていくということが私は筋でなくちゃならぬと、こう信じているのであります。しかしながら、予算制度を見ましても、あるいは監督権を見ましても、いろいろと問題があることは御承知のとおりでございまして、そのことは私がここで抽象的に申し上げるだけのことではなくして、すでに皆さんも御承知のとおり、昭和二十九年の臨時公共企業体合理化審議会からの答申も出ております。これは吉田内閣に対して出ております。それから、昭和三十二年の十二月にも公共企業体審議会から同様な答申が岸内閣総理大臣になされております。さらに、また、本年九月の臨時行政調査会の公社、公団等の改革に対する答申の中にもこのことは触れております。また、本年の四月十七日の公労協の半日ストライキの問題を契機にして、事態収拾のため、前の池田総理と総評の太田議長との間に当事者能力の問題についての確認があるのであります。このように、当事者能力の問題、すなわち、賃金、給与の問題を取り上げましても、きわめて矛盾が多いと思います。私は、この答申の内容を、皆さんすでに御存じだと思いますけれども、もう一回ここで勉強をし直してみたいと思うのでありますが、たとえば昭和二十九年の十一月四日から原安三郎氏が会長になりまして吉田総理に答申した中に、こういうふうに書いてあります。「ただ単にその職員の給与を公務員の給与と均衡を保たしめるといっても、その均衡の程度が問題である。企業努力の増進及び生産意欲の向上を図ることが、公社制度創設の大きな理由の一つであったとすれば、その点に相当の考慮を払っていかなければ、折角の公社企業が、人的要素の面で官業化し、当初のよい狙いが失なわれるおそれがあるという意見があった。  結論としては給与総額制度は存続するも、前述の目的達成の線に沿うように放漫にわたらない弾力性を附与することを希望する。」これはもう給与総額制度に対する弾力の付与というものをもう少し幅広くやろうというのであります。それから、時に当時の合理化審議会の中の電電部会の報告等を見ますと、もっと具体的に出ております。「給与制度」の面では、「給与総額制は原則的には廃止すべきであるが、今直ちにこれを実施することが困難であるとすれば、差し当たりこれに適当な弾力性を附与するようにすること。」こういうふうに、やはり給与総額に対しての問題点がもう昭和二十九年に強く指摘されております。これは二十七年に公社が発足して翌々年のことであります。それから、越えて三十二年の石坂泰三さんが会長になりまして岸総理に答申をした中を見ますと、これはもう思い切った答申をなさっております。「予算及び決算制度」については、「公共企業体の予算及び決算は、企業性にふさわしいものに根本的に改めるとともに国会の決議を要しないものとする。」こういうふうに、これはもうきわめて割り切った答申をなされております。また、「給与等労働条件」の面を見ますと、「公共企業体職員の給与の体系は、その職務内容と労働条件とに応じて適正に定められるべきであって、必ずしも公務員のそれに従う必要はない。しかしながら、公共企業体の運営の利益は、国民と政府と企業関係者との三者に均てんするように配慮されなければならないから、そのベース賃金は公務員に比準ずるものとし、その業績に応じて幅のある賞与制度を採用すべきである。また、予算制度の改正に伴い、公共企業体等労働関係法第十六条等の改正が必要となるが、その他の点に関する同法の検討は、別途政府において講ずることとせられたい。」こういうふうに、ここで現在の公労法の八条と十六条のものについては、その改正について答申が出ておりますが、それから、今度の臨時行政調査会の公社、公団に対する中を見ますと、やはり労使問題につきましても、「審議会を設けて、労働基本権の拡大を争議権を与える方向で検討し、符に、公社側の当事者能力の確立をはかること。」と、こういうふうにきわめて明確に答申がなされております。しかしながら、この答申について、一体政府はどういう態度をとってまいったでありましょうか、私は毎国会総理大臣の御出席を求めて、せっかくの答申でありますから、すみやかにこれに検討を加えて、本来の公社企業のあり方に持っていくべきであるということを主張してまいりましたが、御趣旨ごもっともでございますから検討いたします検討いたしますと、こういうふうにして毎年毎年検討するでぼやかされて今日に至ってきている。そういうことが今日この年末を控えて当事者能力の問題がクローズアップをし、いま全電通労働組合と電電公社の中には不幸な事態が起きておる。政府にほんとうに現在の不備欠陥だらけの公社制度というものを根本的に変えていくという熱意があれば、とっくの昔にできたはずです。少なくともこの答申は、政府が審議会をつくって求めた答申であります。にもかかわらず、十二年間をたなざらしにして、あえて現在の公共企業体に対して、きわめて自主制のない、そして公社全体として苦しまなければならないようなそういう制度を放置しておったということは、これは私は政府の怠慢もはなはだしいと思うんです。  そこで、私は、そういう経過の中できょうお尋ねしたいのは、過ぐる予算委員会等において三公社の総裁の皆さんの御意見も伺ってみますと、それぞれニュアンスが違うのであります。しかし、ほとんど現在の公社法、予算制度等につきましては同じでございますから、そういう違った答弁が出ることはちょっと私は合点がいかない。そこで、ひとつ三公社の総裁が直接現在の公社法上責任を負って仕事をおやりになっているんですけれども、これはいろいろと企業経営に対する御苦心もあろうし、こうしてもらいたいということもございますでしょう。しかし、特にこの当事者能力の問題については、ずいぶん私は困難もされていると思いますが、一体この点について三公社の総裁はどういうふうにお考えになりますか。まずこの点からお尋ねをしたいと思います。石田さんからどうぞ。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○説明員(石田禮助君) お答えいたします。  御承知のとおり、国鉄の収支をごらんになればわかりますが。人件費というものが、修繕費その他の項目に入っているやつを入れるというと、三十九年度の決算なんどにおいては全収入の約五一%以上を占めている。結局人件費というものが一番大きな項目なんです。それで、ほかの動力費だとか修繕費だとか、あるいは業務費というのはその半分以下なんです。それだけに、この人件費というものは、国鉄の経営上から考えて、非常な大きな問題です。よくお尋ねになられるんですが、たとえば組合あたりから要求が出ておるという場合に、どうして国鉄というものはそれに対して適当な答えをもってしないかということなんですが、要するに組合のほうの要求というものは大き過ぎるんだ、いつも。たいてい七千円とか八千円とかという金額であります。かりに七千円の要求をわれわれがのむとすれば、直ちにこれは年に直接人件費増のほかに、ベースのほかに、その直接のやつを加えるというと、退職金の増というものを入れぬでも六百五十億か七百億になる。これはたいへんな問題ですよ。それで、つまり民間企業のごとくに、向こうから要求がきたならば、国鉄総裁としてはそれに対して適当な答えをもってしたらいいじゃないかと、こういうんだが、国鉄側が支払い得る金額というものはあまりに小さいんです、全く。それだから答えをもってしても、向こうをばかにしたような答えになっちゃうんですね。その結果はどうなるかというと、結局交渉というものがまとまったためしがない。それで組合のほうもあいそを尽かして、結局仲裁裁定に持っていくと、こういうことになる。これは国鉄のごとき公共輸送機関として、これがストップした日には日本の経済にとって大々問題です。だから、このストライキということは、ILOがどういうことになるか知りませんが、国鉄についてはまっぴらごめんだ。これはわれわれが職責を尽くす上において、職員のストライキなんというのをやられたらたいへんなことでしょう。そこで、公平な立場から審判を下す機関に持っていって、そこでもって賃金の決定をしてもらうということだが、これは一番私は要を得たやり方じゃないかと思うのですね。お互いに交渉を持ってしてもだめなんだ。また、国鉄の予算から考えてみますと、われわれは、かりに予算の上にことしのベースアップに関する要求が何ぼだというようなことを想像して、そうして予算に組みましても、その数たるや、きわめてみみっちいものなんだ。そんな大きなものは出せやせぬ。そんなみみっちいものを持ってお答えしたところで、全く向こうからみれば、何だ人をばかにしてやがるというようなことになるのですね。だから結局まとまらぬ。しかも、われわれ人件費に関する限りは、それはちゃんときまっておって、一歩もそれよりいずることはできない、こういうことになっているのですからして、これはやはり公平なる第三者の裁定に待つということが最も私はビジネスライクな公平な方法だと思うのです。現在の方法は、私はしごく要領を得ている方法であると確信しています。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 国鉄の石田総裁は経営について非常にエキスパートであるし、私は尊敬をしておったのですが、ちょっといまのお話を聞くと、少し問題点のとらえ方が御理解いただけないのではないかと、私こう思うのですね、私の言わんとするところが。というのは、あなたのおっしゃるように、現行制度は給与総額によって縛られている。したがって、組合から要求されても、これはもうみみっちいものしか言えぬ、それでストライキをやる、それはまっぴらだ、それで仲裁機関に持っていけばいいじゃないか、こういうので、きわめて現状の態勢の中における形式的な御回答だと私は思うのです。しかし、私の言わんとするのは、さっきから申し上げているように、公労法第八条と第十六条の団体交渉で賃金はできると、こう公労法第八条はうたっている。そうであるならば、もちろん七千円の賃金が出てくるでしょう。その場合にあなたと団体交渉が始まる。そして交渉というのはどこかで妥結しなければなりませんから、お互いに歩み寄る。たとえば三千円にかりにきまったとします。しかし、その三千円にきめようとするためには、いまあなたがお話をされたように、現行制度では給与総額によって縛られているから、あなたにはその回答ができないわけです。民間会社だったら、社長が、よし、三千円出すからそれでどうだと、言う。組合のほうはそれでよろしいといって妥結するか、それで不満であると争議行為に入って、問題は中労委に移りますね。中労委がまたあっせんをしていただいて解決する、こういった方法があるのです。公企体の場合には、あなたが総裁として労働組合と対等の立場に立って自主的な交渉ができない仕組みになっているわけです。八条でやってよろしいよといっているのだが、十六条では、国会で承認したものの資金上、予算上の範囲をこえる約束は何をしたって認めませんぞ、こういうことになっているのです。だから、あなたとしては非常にやりにくいだろうと思うのですよ。だから、総裁の上にある政府の池田総理大臣が、四月の十七日に、どうもそういうことは確かにまずい、長い問題になってきた、だからひとつこういう点を是正をして、法制的に変える点があれば変えさせるようにしたらどうかということで約束をされて、次官会議でもっていま検討中である、こういう段階になってきているわけです。だから、私は率直に石田総裁に伺いたかったのは、あなたの言うことでなくて、もう一歩自主的に権限を持ってあなたがやり得る範囲の問題について、もう少し国会とか、そういうところの制約から脱御した自主能力といいますか、そういう点がなければ、労働組合と相向かいましても、あなたの言うように、全く口がきけないということになるだろうと私思いますから、この制度については、やはり現行が一番よろしゅうございますよということではないと思うんですが、そういう点の是正をして、ほんとうにあなたも自主性を持って労使と相まいえるような道を開かなければならぬというのが筋じゃないでしょうか。その点もし誤解であったら私の言う点についておわかりいただけると思いますが、いかがでございましょうか。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○説明員(石田禮助君) 結局問題は、私は資金の問題だと思うんですよ。ところが、御承知のとおり、大蔵省というものはなかなかがっちりしていますから、われわれが要求するような予算というものは、切りこそすれ、決してそのままではちょうだいできないんだ。だからして、組合のほうで要求したやつに対して、私が適当だと思うようなものを予算の上に積み立てておこうといたしましても、事実できませんね。結局その結果はどういうことになるのかというと、もうそういうベースアップに対する予算額というものは予算の上に入れぬ、入れてみたところで、もうきわめてわずかな金額でもって、その金額をもってして組合に応対してみたところで、組合からいえば、何だ、ばかにしているというような、ことほどさようにわずかな予算しかわれわれは予算の中に入れていくことはできない、これが実情ですよ。もう理屈じゃないんだ。そういうことでありますから、これはやはり組合のためにも国鉄のためにも、とにかく裁定に持っていくということが一番いいんじゃないか。とにかくストライキというものはまっぴらごめんなんだ。これは禁止して、そして公平な裁定に持っていく、こういうことです。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 どうもあなたの言うのは理論的に矛盾を来たしているのです。なるほど資金上の問題ですよ。しかし、仲裁が出た場合には、あなたのほうでは年度計画を六千億なら六千億の国鉄収入の中で建設資金その他款項目を組んでおりますね、これは国会も承認しております。一生懸命働いていただいて国鉄の収入を上げてやって、その中でどう配分するかということがきめられるわけでしょう。ですから、たとえば仲裁が出た場合にも政府が資金的な措置をしてくれない、したがって、国鉄の収入の中でどこかをいじるかして金をつくらなければならぬでしょう。だから同じことなんですよ。総裁、結局あなた方は、組合から来ると、おれは能力がないからというのでゼロ回答、仲裁でいけば予算はわずかつくけれども。要するに、あなたもやはり賃金を上げてくれということを仲裁の場でもっておっしゃっているわけだから、それを一歩団交の場において、あなたが、たとえば三千円なら三千円——例ですよ、四千円なら四千円、七千円に対して、ここまでは必要だ、経営者であれば、国鉄経営を見て賃金をきめるということができるんじゃないですか。もしあなたがきめれば、自動的に今度は予算の費目の流用について大蔵大臣の承認を得るという条文があるかもしれませんが、それを得て実施するという姿であってもいいし、もしそれがなかったらもっといいのです。結局特別会計ですから、収入の中で支出をまかなうというたてまえから、仲裁が出ればどこかいじらなきゃならぬ。同じ思想というものを私は自主的に団体交渉の中でやってもおかしくないだろうと思う。あなたも現行では困ると思っているのでしょう。仲裁が出れば七%なり八%の回答が出てくる、そうすると、それを制度上国会に出して移流用をしてもらう。しかし、いまのところは仲裁が出ないと移流用が認められておりませんから、ですから、そういう点についての改善というものがなければいかぬではないかと、こう思ってお尋ねしていることですけれども、制度そのものが現行でけっこうですということになると、池田内閣総理大臣のもとにそういう機関があったでしょう。そういう思想は佐藤内閣になっても受け継いでいると思うのです。そういう政府機関があるから現状で満足するということは、これはちょっと私は受け取れないと思う。やはりそういった点は総裁として一応御苦心になっていると思うので、できるだけおれにも自主的に賃金問題についても労使間で話し合いのできるような、全面的というようなことでなくても、そういう点くらい少し考えてもらいたいということは、国鉄総裁として私は常にお考えになっているんだろうと、こう推察しております。そういうことでどうも少し理論の矛盾がありますから、私はくどいようですが、伺っているんです。しかし、時間もありませんから、これ以上あなたに聞こうとしません。しかし、矛盾のあることはあるんでしょう。できれば、あなたも自主的に池田さんの言うような当事者能力ということについて是正してもらえれば、そのほうがけっこうなんでしょう。その点はどうですか。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○説明員(石田禮助君) これは理想論からいえばあなたのおっしゃることは全くごもっともであります。また、私が財界人としての常識からいえば、始終ゼロ回答というのは、実に組合を侮辱した活であると思う。組合を満足させるような金額というものを予算の中に組めるかといえば、実際問題としてはむずかしいのです。つまり仲裁裁定によってきめられたところで、初めて大蔵省もそれならしかたないと言うのだけれども、それだけのものをそれじゃ初めから予算に組めるかというと、要求しても絶対にそれは大蔵省は聞いてくれない、こういうことがこれは事実なんです。それですから、初めからみみっちいベースアップの予算を組むというようなことで、それに縛られて私が交渉をどこまでもそれで始終一貫するというようなことよりは、やはり仲裁裁定によって適当な金額を出してやる、そうして大蔵省もそれで初めて納得するわけです。それまでは決して納得しないんだから、初めて納得して出す、こういうことなのです。これは組合のほうからいっても、私は、仲裁裁定必ずしも不利じゃないと思うのです。ということで、現在の制度というものはまずまあこれでけっこうじゃないかということなのです。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ですから、最後のところがまたおかしくなってしまう。だから、石田総裁はものをはっきりおっしゃる方ですから、確かに大蔵省は何だかんだと、やはり予算を切ることばかり考えているから困るだろうということはわかるんだけれども、現行制度でけっこうなんだということでは、ちょっと総裁、あなたの言われている理想論にならないんじゃないですか。要するに、仲裁が出れば大蔵省は言うことを聞くというん、だから、あなたが組合と話をしても大蔵省が言うことを聞くように制度を考えたほうがいいんですよ。そうでしょう。いまのように、仲裁裁定が出た場合のみ移流用が認められているが、おれと国鉄労働組合との間で判こを押したものには文句を言うな、おれ等の金でやっているんだから、おれが判こを押したものは大蔵省も認めろということを私は言っているのです。どこだって仲裁なり中労委というような機関はあるんだけれでも、それにいくまでに、できるだけ当事者双方で解決するということが労使問題の筋じゃないですか。そういう力をあなたが持ってないのが国鉄総裁として非常に不満だと、あなたも腹の中で思っていると思うのです。しかし、大蔵省もいらっしゃるので、あなた多少遠慮しているんじゃないですか、そんな気がするんです。たたき放しでは、あと予算の折衝のときに利子補給もしてもらわなければならぬ、まあまあ大蔵省をあまり刺激してもいかぬというようなことで、これは失敬なことを言うようですが、そんな気持ちがあるんじゃないかなあというような、私は最後の発言で気持ちがするんですよ。これ以上聞いてもしようがないから、あとは一つ問題としては池田さんとの関連がありますが、あなたは全然そういう気持ちについて否定なさるというようなかっこうになっているので、そこで、運輸大臣が見えておりますか。

大久保武雄自由民主党運輸政務次官

○政府委員(大久保武雄君) 政務次官来ております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 その点で、あなたは政務次官として政務を担当されているんですが、四・一七の総評と池田内閣の約束というものは佐藤内閣も受け継いでいると思います。したがって、次官会議で検討するわけでしょう。したがって、交渉の当事者ができるだけ自主的に問題解決ができるような方向に持っていくように、公労法の矛盾を直すようにあなたはいませっかく努力中であると思います。それは否定しないでしょう。

大久保武雄自由民主党運輸政務次官

○政府委員(大久保武雄君) お答えいたします。  ただいま国鉄総裁がお答え申し上げておりましたように、国鉄の諸般の問題は、大きな予算の制約と、それから自己資金と申しますか、運賃の問題がございます。運賃の問題は、皆さん方御承知のように、国会で制約いたしておりますわけでございます。これらの自己資金の調達も、国鉄総裁自身では、これはなかなか自由にはいかないと、かようなことに相なっております。そこで、これらの問題とかみ合って進めていかなくちゃならぬ問題でございますので、ただいま事務次官会議で各方面から検討を進めております。この進み方につれまして、十分われわれとしても考えていきたいと考えておるような次第であります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 その次官会議で、すでに中間的な結論が出ておるのじゃございませんか。というのは、「公企体使用者側の自己責任を尊重するため、その当事者能力を拡大する。このため、公企体の予算面における国会の規制を緩和するような立法措置を考慮する」と、これは七月十六日の朝日新聞に、こうした当事者能力の問題に対する中間的な次官会議の結論として報告されているわけですよ。これは後ほど私はもう少し聞きますけれども、こういう結論がすでにもう具体的に出ているじゃありませんか。したがって、その措置をどんどんと推進するのがあなた方の立場じゃないですか。そんなもの少しまだぼけたような答弁じゃ、ちょっと了承できません。これは中間的な結論でありますけれども、こういう結論が出ているのでしょう。

大久保武雄自由民主党運輸政務次官

○政府委員(大久保武雄君) 中間的な結論というお話でございますが、事務次官から、まだ結論が出たという報告は聞いておりません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは新聞記事の誤りでないと私は思います。当初、政府は九月の末ごろまでにはこの結論を出すという予定で作業にかかられたわけですね。ところが、途中でしり切れトンボになっちゃって中間結論を出したのです。聞いてないのはあなた方の内部疎通が悪いのです。こういう点はよく聞いておいてもらいたい。そういうことになっている。だから、その点はあまり積極的な御発言でなかったのですけれども、経過はそういう経過ですから、ひとつその点は十分御了承願いたいと思います。

大久保武雄自由民主党運輸政務次官

○政府委員(大久保武雄君) これは中間的な結論とおっしゃいましたが、結論ではないわけです。いろいろな検討はいたしておりますということを申し上げたわけであります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 石田労働大臣がお見えになりまして、たいへんきょうは各方面忙しい事情も私よくわかっておりますから、いま公社総裁に対する質疑の途中でございますけれども、この際、石田労働大臣に御意見を伺いたいと思います。  まず、第一点は、いま問題になりました四月十七日の太田・池田前首相との当事者能力の回復に対する確認につきましては、佐藤内閣もこれをすなおに引き継いでいると私は了承いたします。先般の十一月三十日でございますか、佐藤総理大臣と太田議長との会見の際にもあなたも立ち会われまして、それについて私も考えがあるということで、あなたにお頂けのような形になっておることも了承いたしております。そこで、いま問題になっておりますのは、せっかく次官会議を持たれて、九月末までに大体結論を出そうという——われわれの情報では、政府のお考えで作業を進めておったようでございます。中間結論か、中間的な報告か、中間的な見解かは別としまして、朝日新聞を引用したのですが、その新聞によりますと、中間結論として、ここに三つの点が出ているわけですね。いまの当事者能力の拡大をはかる、そのためには、予算についても国会の規制というものを緩和するようにすると、また、この行政庁の公企体に対する現在の規制も緩和するように考慮すると、こういう三点が大体およそ基本方針としてまとまったと、こう私は聞いているわけです。そこで、石田労働大臣は、労働担当としてたいへん進歩的に、前向きにいろいろ御配慮いただいているわけであります。公共企業体仲裁裁定の実施につきましても、完全実施をやってくれたのはあなたの大臣のときでした。そこで、一つ何とかいま当面の全電通の問題につきまして、あとから私伺いますけれども、それも含めて、一応当面何とか現制度の中で活用するというあなたのお考えも述べられております、予算委員会で。したがって、この次官会議をもう少し活発に活用して、そうして中間的な話を、もう少しどうするかは別としても、結論を導くように積極的にできないものでございましょうか。そうしてその結論によって政府としてまた御検討いただくと思いますけれども、そういう作業を進めたものがしり切れトンボになるということは、いかにその当事者能力がここ十年近く公社発足以来争われているのですから、政府に誠意がないと、全電通でも、こういうことを長い間積み重ねてきたにもかかわらず、今日までその問題が解決しないために起きている問題ですから、私は、政府としてはここでえりを正して、ほんとうにこの問題に対して誠意を見せる時期だと思う。それには、まず次官会議というものを活発に開いて、結論を早く浮くというようなことに私はしていただきたいと、強くこう思いますけれども、大臣のお考えはいかがでしょうか。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 四月十七日の池田・太田会談によって当聖者能力の問題が取り上げられ、そうしてそれを受けて次官会談がずっと開催されておりまして、私が新任をいたしましてからも、この問題はすみやかに解決をはかってもらわなければならぬというので、私のほうの次官に推進役を常に命じまして努力をさせておりました。いま読み上げられました、正確に私自身覚えておりませんが、七月の次官会議のときにこの種の議論の終結みたいなものができ上がった、それ以後、事務次官会議が開かれていないということを私も聞きまして、これは次官会議を再開させるようにいたし、再開いたしております。で、このことはできるだけ早くむろん片づけるようにしなければならず、それから交渉権というものを認められておる場合において、その交渉権の裏づけがない交渉権というのは、これはまあ元来おかしなものでございますから、そういうものをはっきりしたものにするようにという方向で、言いかえれば当事者能力を拡大するという方向で鋭意急がれておることは、私はあとう限りそうさせているつもりでございまするが、なお、より以上積極的に推進するようにいたしたいと存じております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 まあひとつ御確信のほどの御発言ですから、私も石田労働大臣を信頼しますが……。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) それから、さっきの御発言、現行法のワクの中で云々というのは私の発言ではないのであって、田中君の発言でありまして、現行法の中でも処理できるものは処理したいというのですが、きのう私、社会労働委員会で、大蔵大臣の発言がこうであると、おまえはどうであるかという質問を受けて、そのことばはいま言うようなことばでありましたけれども、私は、現行法のワクの中で具体的にどういうことをさしておるのか、私には直接よくわからないけれども、しかし、現在の時点を解決するために努力をいたしましょうと、私は衆議院のほうではそうお答えいたしました。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そこで、この次官会議の中間的な結論の中にも、現行の予算制度の中である程度の弾力というものを持たすべきであるというような御議論もございました。そこで、もう一つ大臣に伺いたいのですけれども、そういう政府の考え方も固まってはいませんけれども、そういう方向にいっていることはいまのところ間違いないわけですね。したがって、基本的には公労法の改正、公社法の改正、予算総則の改正、こういう点になると思いますが、当面、事態を解決するとすれば、たった一つ残っているのは、私はその面だと思います。移流用の面ですね。総裁にずばり与えるということは、これはなかなかむずかしいでしょう。ですから、これは私は基本論をはずれますが、いま当面論ということで申しますから、誤解のないように願いたいのですが、基本論は後に述べるとして、当面は郵政大臣なり大蔵大臣なり関連が出てきますよ、交渉の場合に。だから、総裁にぴたっと権限を与えていただくことがいいんだけれども、なかなかそうはいかないでしょう、この段階では。ですから、とりあえずはそういう幅を何らかの方法においてやらして、事態の解決を多少でも前進させるということしかないと思うのですよ。それでは労働大臣として、郵政大臣が直接の全電通を監督する大臣である、あるいは大蔵大臣なり、全電通からいえば、そこらの関係者と相談しなければならないと思いますが、いずれにしても、そういう方々と積極的に御相談なさって、いろいろ私の申し上げたような意見も十分ファクターの中に入れていただいて、ひとつ事態の解決のために、この問題を数日の間に御解決いただくような努力を私はぜひお願いしたいと思うのですが、いかがでしょう。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 予算の移流用の問題は、これは明確に私の権限ではございません。ですから、それについてお答えは私はできませんけれども、労働行政をあずかっている者といたしまして、特に年末、一般大衆のことも考えなければなりませんから、私は現在までもでき得る限りの努力を各方面と接触してやっておるつもりでありますけれども、なお、さらに続けてまいるつもりでおります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 その点は了承しましたが、私は、くどいようですけれども、十一月三十日の佐藤総理との会見の際における池田総理との引き継ぎの問題についてでございますから、経過が。ですから、これはやはり総理も十分にこの事態の解決に積極的にひとつお考えをいただけると思うのですよ。幸い佐藤総理は、電電公社の発足の当時の電気通信大臣で、公社法を国会に提案した当時者ですよ、私もよく存じておりますが。そういう方ですから、比較的当時から問題になった給与総額については御存じのはずです。私は当時国会におりませんでしたが、給与総額を設定するについては大問題でした。ですから、七%なり五%なり、給与予備費としてあらかじめ予算の中に置いたらどうかという論も出まして、これは自民党の方々もかなり積極的になっていただいて、あわやというところまでいったんですけれども、結局それが消えてしまった経過があるのです。ですから、当初からそのことはお考えになっておられたのですから、佐藤総理は私は理解をいただいていると思います。したがって、ひとつ全電通も好んでやるわけではないのですから、さっきも申し上げたように、もう公社法発足以来、十二年間この問題については非常に熱心に、国会においても、あるいは労働運動としても取り上げてやってきている経緯があります。そして、ことしまたもって四月に例の確認があったから、何とかという希望を持ってやってきたにかかわらず、それが政府の怠慢から、結局またそういう事態になってきているということは、これは私はその責任は政府が強く反省していく必要があると思います。労働問題ですから、違法であるとか違法でないとかというのは、十分にその時の問題として労働問題はいくわけですから、それを論ぜられると同時に、やはり基本的に労働者が何を考えているのか、その要求は正しいのかどうなのか、みずから反省すべき点があるなら、みずから反省してその道を切り開くことが大事だと思います。そういうことで、ひとつ総理大臣にもこれをよく御相談くださいまして、閣内を統一して、それは大蔵省の方々もいろいろあるでしょうけれども、やはりそこは理解をしていただいて、問題の解決のために一段と御協力をいただきたい。重ねて私はお願いするわけですけれども、その点についてはいかがでしょう。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 佐藤総理大臣と総評議長以下の人々の会談のときには、明確に私も立ち会っております。池田前総理大臣がお約束をされたことについては、その方針を継承することを明らかにされておりますので、これはもうそのとおり御理解いただいてけっこうだと存じます。この問題の処理にあたっては、むろん総理大臣にも御相談をいたしまして、でき得る限りの努力をいたしてまいろうと思っている次第であります。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 関連。いまの次官会議の問題に関連しまして、佐藤総理がそういう約束をしたということはいいのですが、口約束だけでは何にもならないので、新内閣になってからまだ次官会議を一回も開催していないのじゃないかと思いますが、やっておりますか。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 七月以来しばらく休んでいるということを私再任と同時に聞きまして、さっそくそれを再開するようにいたして、再開いたしております。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 再開しているというならいいのですが、聞くところによると、新内閣になってからやっておらないということを聞いておりましたし、ただいまの全電通をはじめ、国鉄にしても全専売にしても、それぞれ賃金の要求を出して当局と交渉しているわけですが、いま鈴木委員のいわれましたように、いろいろな問題がひっかかっている、こういうことでまた昨年と同じようなケースが起こらないとも限らないわけですから、ひとつ早急に次官会議の結論を出して、それに基づいて次の通常国会には、冒頭にそれぞれの措置がなされるようなひとつ姿勢をとってもらいたい、こういうふうに思います。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 次官会議は、ただいま申しましたように、佐藤内閣ができましてからもやっております。それから、法律的改正を必要とする事項と、それから、そのほか現在の権限内において処理できる事項と、いろいろございます。そういうことをあわせ含んで検討を急がせて、早く結論を出すようにいたしたいと思います。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 大臣何かお忙しいようで、実はこの問題のあとに大臣にお伺いして御意見を聞いておきたいということで予定しておったのですが、お出かけのようですからちょっと中断させていただいて、別の問題について一つだけ大臣の考えを聞いておきたいと思います。  それは失業保険の問題ですが、先般の委員会でも私が質問しましたように、八月に出された通達によって、現在それぞれ現地において非常に失業保険受給要件についての締めつけが出てまいっております。それは労働省で出した統計を見ましても、九月が七千八百三十件、十月が九千百一件、合計しますと一万六千九百三十一件、こういう形で非常に大きな問題が起きているわけです。そこで、私は、この通達がどういう法的根拠をもって出されたのかということを検討してみましても、失業保険法の中には、この通達の趣旨に沿うような、それに基づく法律というものはないのじゃないか、こういうふうに思うわけです。したがって、法の現存する限り、この通達は違法な通達ではないか、こういうふうに思いますし、いま申しましたように、各地で失業保険の受給の問題で、おそらく陳情にもまいっておりますように、大きなものになっておりますので、行政指導の面で十分大臣の御配慮をいただかなければならぬ、こういうふうに思うのですが、この点について、こまかい数字は申し上げませんけれども、大臣のひとつ考えを聞いておきます。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 失業保険の面につきましては、私かねがね何度も各委員会で申し上げているのでありますが、失業保険会計がいま非常に悪化をいたしております。これが人不足でないとき、つまり失業者がどんどん出てくるときに悪化する、いままでの経験ですと、昭和二十八年に朝鮮事変の終息直後にちょっと赤字を出したことがあります。そういう場合にはいたし方がないのでありますが、一方において人不足がいわれているときに失業保険会計が悪化をするのは、これは非常におかしい。その原因は、季節労働の問題と、それから婦人の結婚退職の問題、これがいま非常にふえてきているということであります。現在失業保険に加入しておられる人は千六百万人、そして、その中で大体季節労働と見られるものは五十数万であります。その五十数万に対して二百四十億円くらいの保険金が支払われる。そうして残った千六百万人弱の人に対しては六百四、五十億であります。それから、その地域を申しますと一北海道におきましては、大体保険納付額が三十七、八億に対して、給付が百四十二億円、青森県においては、納付額四億円弱に対しまして、大体給付は三十九億円、こういうような状態である。しかも、その業種は建設業、食品加工業、農業というところに片寄っております。これは非常にアンバランスであり、不均衡でございます。しかし、この現状が、つまりいまの季節労働に保険金が払われているという現状が、片っ方においては積雪寒冷地におきまする悪条件、悪条件間における中小企業の労働力確保の方法として、とられておることも、これも事実でありますし、また、一方、生産性の低い農村の人人がそれによって生活をささえておることも、これもまた事実であります。つまり制度の運用上の矛盾と、それから現実の問題とを調和させてこれを処理してまいらなければならないのでありまして、世上にいわれておるように、給付資格期間を延長するなどという処置をとる意思はありませんけれども、しかし、法の運用上適正を期していくという必要はございます。それから、同時に、不正事件もかなり起こっておるのでありまして、したがって、そういう失業保険運営上の姿勢を正されるという方針のもとに、失業保険法の規定に基づいてあることを厳重に実行するように、厳格にやるようにという意味の局長名における訓令でありまして、法律の根拠は失業保険法でございます。ただ、その運営上あまりにきびし過ぎたり、あるいは行き過ぎたりするようなことのないように、それから、失業している人々に生活の安定を与える最大の方法は、やはり次の職をさがしてあげるということなんでありますから、その次の職をさがしてあげるということをたてまえとして運営をするようにということで行政指導を十分心がけてまいりたいと考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それでは、中断しましたが、郵政大臣、たいへん全電通と公社の紛争が激しくなってまいっておりまして、あなたもたいへん御心労だと思います。直接監督の衝に当たる大臣でございますから、閣内においてもたいへん御心配いただいていると思いますが、そこで、いま石田労働大臣に、私が、次官会議の進行過程における中間的な取りまとめも事実ございましたし、その中において権衡をとる方法としては、とにかく何とかやるということになると重要な問題ではないだろうかと、こう私思うのです。したがって、それをいまここで具体的にどうこうということはいいませんが、とにかく当面の事態を解決するために、大蔵大臣、あるいは労働大臣等も十分御相談くだすって、事態の解決のために御苦心をいただいておると思うのでございますけれども、その御決意のほどを最初に承りたいと思います。

徳安實藏自由民主党郵政大臣

○国務大臣(徳安實藏君) 先ほど石田労働大臣からお話になりましたように、今回の電電公社の争いは、まことに年末を控えまして不幸なことでございますので、私どもが現在の法律を改正してどうということは間に合いませんから、できるだけ私どもに与えられた権限内において、大蔵大臣と相談の上で、できますことだけは力一ぱいやりたいと、かように考えます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 きょうは田中大蔵大臣は、出席を求めたのでありますが、予算編成の関係で、鍋島政務次官がおいでになっておりますので、いまと同様の質問を鍋島政務次官にするのでありますが、大臣としてはどういうお考えか、お聞きしたいと思います。次官から。

鍋島直紹自由民主党大蔵政務次官

○政府委員(鍋島直紹君) いま郵政大臣からもお話がございましたが、大蔵大臣は本日大蔵委員会に行っておりまして、そのあとが予算編成になりますが、農業共済の本日採決の問題がございますので、そちらに参っているかと思います。御質問の点につきましては、ただいま郵政大臣も言われましたように、閣内において最後的な話し合いがあるかと思います。そのようにお伝えを大蔵大臣にもいたしたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 さっき当事者の一人として、石田国鉄総裁の御意見を承りましたが、ちょっと途中中断しましたので、お答えがしにくいのではないかと思いますが、専売公社の総裁は、いまの現行制度の中に幾多の矛盾があると思いますが、そういう問題も関連をして、当事者能力、これをどうしたらいいか、また御意見がございましょうか。

阪田泰二日本専売公社総裁

○説明員(阪田泰二君) お答え申し上げますが、専売公社の事業は、御承知のように、国鉄、電電等の事業と多少事業の内容が違っております。それから、企業の現状といいますか、たとえば収支の状況その他かなり違った点がございますわけで、先ほど国鉄総裁が申されましたのとは多少違った点が出てくるかと思いますが、まあ同じ公共企業体でございますので、事情の同じ点もあるわけであります。当事者能力の点につきまして申し上げますと、これは基本的には当事者能力がございまして、もちろん法律、予算その他の制約があるわけでございますが、それをもちまして日常まあ団体交渉などをやっておりますし、それによりまして解決している労働関係、給与関係の問題がたくさんあるわけでありますが、ただ、いつも御指摘になりますように、いわゆる春闘といいますか、ベースアップの要求、これにつきましては、なかなか私どものほうだけで片づかないで、いつも仲裁裁定というところまでいくことが常例になっております。それで、そういう場合の問題について考えますと、結局これは給与準則の問題といいますか、給与総額の問題が一番焦点になっているようでありますが、いままでいろいろと組合とベースアップの問題につきまして交渉してまいる場合に考えますことは、これは必ずしも給与総額の制限の面ばかりではないと思います。やはり当事者能力があり、責任があるのだから何でもやれるというものではないと思います。よく専売公社は、おまえ非常にもうけているではないか、千何百億ももうけているので、幾らでも給与として出せるのではないかということをおっしゃる方もあるわけでありますが、これは内容としては、いわばたばこの消費税といいますか、税金に相当する部分が利益になってあらわれておるわけでありますから、そういう金があるからといって、直ちに専売公社の経理上それを出してもいいというわけにはまいらないと思います。また、かりにそういう余裕がございましても、給与の原則にございますように、一般公務員、あるいは民間との権衡、社会的な一般の給与の水準というものがあろうと思いますので、そういったものをこえて金があるからといって払うわけにはまいらぬと思います。そういったようなことで、毎年率直に申しますと、組合からも非常に大きな額の要求が出てまいりますので、なかなか話が進まないというのが実情であると思いますが、ただ、公社としましていろいろ検討しまして、また、組合と話しまして、ある程度のものを出したいと考えましたときに、やはり給与総額というものに引っかかってくるということが起こってまいります。そこで仲裁裁定にいくということになるわけであります。こういった点につきましては、やはりわれわれとしましても、こういう制限はなくなる、あるいは緩和していただくことのほうが、制度としては私どものほうとしてはやりよいというふうに考えております。ただ、基本的に申しますと、結局公社と申しますものは、法律制度のもとにおいて、また、国会で議決を経られました予算というもののもとにおいて行なわれ、また、財政収入をあげるという目的を持っておるものでございますから、そういう制約のもとに動いていく機関でありますので、全然制約なしに自由かってにやれるようにしてほしいというふうには考えておらないわけであります。もう少し現状に即して、ある程度の緩和をしていただいたほうがやりよいのではないかといったような考えを持っております。それで、最初御質問ございましたときに、最近の臨時行政制度調査会ですか、この勧告につきましても御指摘がございましたと思いますけれども、この勧告によりますと、公社の事業関係につきましては、多少勧告自身の文章等に理解をしかねるようなところがあるわけでございますが、大体の趣旨といたしましては、先ほど申し上げましたような公社の収入支出差額、消費税に相当する部分があるわけでございます。そういうところをはっきりさせれば、その他の点についてはできるだけ公社の経営に自主性を与えたほうがいいのじゃないか、こういう勧告のように考えております。具体的にはいろいろ問題の点がありますが、大きく申しますと、そういう勧告が出ておりますが、これは立法面になりますので、政府のほうでお考えになることと思いますので、実際経営に当たっておりまするわれわれの気持ちとしましては、全体としてはそういう方向に進んでいくほうがいまの公社の事業の実態から申しまして適切なのじゃないかというふうに思っております。また、そういう方向にいきますことが、ただ部分的にいまの給与の総額、これだけをはずす、たとえば国鉄さん等におきましても運賃値上げも問題になっておりますが、われわれのほうでも、たとえばたばこの価格、定価というものを、これは法律でこまかくきまっておるわけでありますが、そういうものはやはり法律できちっと制限されておるわけでありますが、そういったような状態のもとにおきまして、部分的にたたある条項だけを緩和するということだけでは、またほかのほうにひっかかりが出てくるのではないか、総合的にやはり考えて行政制度調査会のおっしゃるような方向に考えていただかないと、なかなかこれは非常に複雑な問題になってきますか、全体として円滑にいかない、こういうふうな気持ちを持っております。  それから、なお、先ほど国鉄総裁から労働基本権と申しますか、具体的には争議行為、スト等につきましてお話がございましたが、この点につきましても、専売公社の事業の実態——現在は法律的に沿革的に国鉄、電電と同じように扱われておりますが、事業の実態からいいますと、公益的な影響といいますか、こういうものが専売関係はもちろん全然ないとは申しませんが、非常に少ないと思います。そういう意味におきまして、これは専売事業の実態に即して、専売についてだけ申し上げますが、私どものほうとしましては、そういった点につきましても現状に即してわれわれの考えを申し上げますれば、こういうものにつきましても緩和するといいますか、はずすといいますか、特別な法規でなくて、一般の労働組合、労使関係と同じような規制で十分ではないかといったような考えを持っております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 たいへん経営に心血を注いで御苦労なさって、その中からにじみ出る御意見があったと私は思います。ただ、いまお話の中で、私が触れました給与の問題ですが、阪田さんのおっしゃるように、私もノーズロースで無条件でやれということではないのですね、要するに公社の給与というのは、民間賃金なり、あるいは国家公務員の賃金等を勘案してきめることになるという大前提がございますから、たとえばことしの公労協の賃上げは七千円という要求が出ておりますが、たとえば昨年国家公務員は七・九%のベースアップが勧告されておりますね。これは四月の資料によって出されているわけですから、毎勤統計だということになると四月の実際の手取りということになりますから、四月からやりますと、実際には遡及して実施しておりますから、ベースアップでない時期における物価指数によってはじかれているわけです。したがって、いま現在、たとえば七・九%の国家公務員に準ずるだけのベースアップをしてやりたいと思っても、実はそのことはあなたの権限ではできない。要するに給与総額にしばられている、本来その程度のものについても、予算の関係、それは収入支出は特別会計でございますから、そういう中であなたがなるほど公社法の給与のあり方について客観的な情勢も勘案して、これが大体公社職員のことしの俸給であるという確信を持たれても、それが予算化されておらないということだけによって結論が出せぬわけでございましょう。そういう前提に立ってのことでございますから、そうであれば、その程度のものは少なくとも公社総裁と全電通労働組合なり専売なり国鉄の組合との間に、それぞれ双方の当事者の責任においてこれくらいの私は自主性というものは与えてしかるべきじゃないか、さっきも言ったように、ゼロでございます。できませんと、こう言う。仲裁にいけば公務員ベースくらいのやつは必ず毎年毎年勧告が出ているわけです。そして制度を悪用して、実際の労働問題を正しく受けとめていない、私はちょっと宙に浮いたようないまの法律制度というものだと思うんです。だから、もう少し労働問題というものの実態に即したやはりあり方をこの制度の中でぜひやりたいというのが私の考え方なんです。ですから、阪田さんも、その辺については、ひとつかってなことを労使間でへいを取っ払っておいてやれというような、決してそんなむちゃくちゃなことを言っておるのではございませんで、その点はそう理解をしていただきたいと思います。  それから、電電公社のほうですが、労働組合との間に、いろいろとこの問題については長い間話し合いがあったと思います。特に私は総裁にお尋ねしたいのは、十月の十三日に大橋総裁が労働組合のほうにこの問題に対する言明をされておるわけですね。その言明というのは何を一体さしておられたのか、ちょっとばく然として私にはわかりませんが、少なくとも当事者能力の問題についてはいろいろ問題がありますが、自分の責任において明確な態度をきめて回答しよう、こういうことを私は言っておるものと思う。そこで、予算委員会等における総裁の御発言ですと、当事者能力は全くないとはいいません。しかし実際問題として、実行になりますとたいへん困難でございますという御苦心の発言があるわけです。私は、この十月十三日の全電通に対する総裁のこの御回答といいますか、御発言といいますか、御確認というか、そういったものは一体何かということをいまここでお聞きをしておきたいと、こう思います。

大橋八郎日本電信電話公社総裁

○説明員(大橋八郎君) ただいま十月十三日に私が団交の際に何か申し述べたことについて、実はその日は私は団交に出ておりません。また、大体団交には出ないことになっております。副総裁並びに総務理事等が出て話をしたのであります。そのときに私はあとで項目を見て同感だということで承認しておるのでありますが、要するにいままではどうも連年ベースアップの問題が問題になる際には、検討中検討中ということで数カ月間どうも引き延ばしたことがある。どうもそういうことはあまりおもしろい慣行ではないのだから、われわれとしては正面切っての自分の意思によって明確に返事をしようじゃないか。それで今度の要求についても、正面からはっきりした自分の意思の表明をする、こういう意味の話をしたように私は聞いております。その意味において私それを了承しておるわけであります。  そこで、当事者能力の問題でありますが、これは広い当事者能力の問題でありますと、いろいろな点について当事者能力の問題があるわけでありますが、他の問題は、おそらくこの際問題にしておられるのじゃなかろうと思います。主としてこれは給与の問題についての当事者能力の問題であろうと思います。ほかの点については、当事者能力としては、官営時代に比べれば、私は相当自主的能力が与えられていると思います。官営時代に比較してですよ。しかし、それが非常に完全かどうかということになると、これは問題であろうと思いますけれども、官営時代に比べれば相当広い自主性が与えられている、かように考えるのであります。ただ、給与に関することになりますと、これはきわめて、何といいますか、いろいろな制約がそこにある。鈴木先生からも御指摘のありましたように、現在の法制のもとにおいては、給与に関することは団交事項として認められておって、両者の話し合いによってきめ得ることになっている。これはやはり正面から考えますと自主性を認めたということになると思います。したがって、給与に関する事項は自主性がないとは言えぬと思います。しかしながら、現在認められているこの給与に関する自主性は非常に幅が狭いのでありまして、給与と他の予算との流用というものは禁止されておる。給与の中でも、基準内給与と基準外給与との流用も禁止されておる、こういうきわめて窮屈なことになっているわけであります。したがって、いつも問題になっております争議の際には、結局仲裁裁定までいかないとものが解決しない、こういう現状であります。こういうことを繰り返すことは、私どもとしては、公社の運営上はあまりおもしろいことじゃないのだから、何とか少し運用のできるようにすることが非常に望ましいと、かように考えまして、今日まで機会あるごとに私どもはいろいろの委員会に対する意見、あるいは政府の御当局に対して希望し得る機会にはお願いを申している次第でございます。現在も、この前、鈴木先生の御質問に対して答えたとおり、非常に困難な現在の制度のもとにおいては、そのことは現在でもさように考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 三公社の予算総則を見ますと、給与に対する総裁限りの権限というものは、もうないんですね、これは何にも。たとえば役員に対して支給する給与に要する経費とか、職員に対して支給する基準内給与に要する経費とか、あるいは基準外給与とか、こういったものとの相互の流用につきましても、これは郵政大臣の承認を受けなければできない、これは予算総則二十三条。それから、役員に対して支給する給与に要する経費、職員に対して支給する給与に要する経費、これはいまと大体同じですが、繰り越し制限の場合ですね、こういう場合においても、これは全然総裁には権限がない。それから、給与総額の問題についてもしかりであります。これは郵政大臣、大蔵大臣の協議ないしは郵政大臣の認可、特別給与の支出の二十六条におきましては、これもまた郵政大臣、大蔵大臣の認可が必要である。それから、公社法七十二条の一項にある、その年度における経済事情の変動や、その他予測しがたき事態に応ずるための臨時支給というものについては、これは給与限度額が二億円に押えられている、しかも、予算できまっておりましても、それを使う場合には郵政大臣の承認を受けなければならない。こういうふうに、すべて政府の承認が必要になってきている。で、私は、電電公社法が制定されました当時の給与総額制度というものは、この職員給与に対する流用制限というものはなかった。これは電電公社総裁にまかされておりました、基準内外の流用は。したがって、二十七年の暮れの全電通の賃金要求を受けて、団体交渉では結論がもちろん出ませんでした。それで調停委員会に持ち込んで、調停委員会から提示された調停案も公社はのんだ、組合ものんだ、両者が受諾した。そこで、これは国会でも問題になりまして、結局調停段階で実現したことがあるのです、これは。当時、私は全電通の書記長をしておりましたから、その当事者の一人でございました。そのように調停案で問題が解決したことがあるのです。これはかつての予算委員会で、石田労働大臣が、調停案で解決したことはなかったと、こう答弁されておりましたが、あれは間違いで、実際には一度あるのです。これは一体どこにそういうやり得る条件があったかというと、給与の経費の基準内外の相互移流用——給与総額はありましても、その総額の内部において基準内はどう使う、基準外はどう使うということは総裁権限にまかされておったから、だから、その面においてはある程度の自主性が当事者能力の一部にあった、当事者能力でできた。ところが、それが昭和三十二年になりまして、移流用を禁止するというぐあいに予算総則が変わってきたために、基準内で五億余っても六億余っても三億余っても、これは大蔵省にのしをつけて返すということになる。返すといえばおかしいのですが、使えないことになる。こうして一たん公社に対して与えた若干の能力すら、中途においてこれは剥奪してくるという、そういうべらぼうなやり方をしてきておるわけです。そうしてだんだんと公社自体があらゆる面から制限を受けて今日に至っている。一体、総裁に既定経費の中で自主的に組合と話をしてやる方法がありますか。仲裁裁定が出た場合には、これは移流用を認められておりますね、これは公社法が変わりまして。だから、これはいいです。そのほかの場合には、一切国会の議決がない限りは、予算上、資金上、国会で承認した以外はびた一文も出せないと、こういう全くおかしなかっこうの締めつけがあるわけですね。ですから、大橋総裁がどういうふうに回答しようかと思って苦労をしてこういうふうな文革にしたのだと、文章というか表現か知りませんが、いまさっき申し上げたような形になったと思うのですけれどもね。実際にはできないのじゃないですか、大橋総裁。全くないとは言えないということは、あるということが一部あるんでしょうね。しかし、全くないとは言えないというただ一部の点については、一体これは何があるというのでしょう。そこのところがちょっとわからないのです。ないのじゃないですか。

大橋八郎日本電信電話公社総裁

○説明員(大橋八郎君) 全然ないわけじゃございません。これは基準内、基準外それぞれ別々の流用は禁止されておりますが、基準内なら基準内の中においての流用というものの幅はあるわけであります。これはもちろん非常に幅が狭いのですから、きわめて小さなことではありますけれども、全然ないことはないわけです。現に、最近の一年間のものを拾ってみましても、幾つかのやはり自由な考えによってきめたものがございます。

藤田藤太郎日本社会党

○委員長(藤田藤太郎君) 私からちょっと。どうもいま議論されていることが、鈴木さんの質問されていることが、どうも私は皆さん方との間で十分にかみ合って議論されているように伺えないわけなのです。ひとつこういう点で審議を進めていただいたらどうかと私は思うのですが、一つの問題は、石田総裁がおっしゃいましたように、三公社は国家機関である、国家の監督を受けることは当然である。しかし、私は財界人として、独算制ということを含んでおられることだと思うのですけれども、政府の国家機関として、独立採算制というその中で事業をおやりになって、その目的というものは、日本の経済や国民生活や公共福祉に、より寄与するための事業発展ということになっておられるのではないか。だから、経営の面から見ても、独立採算制で、より事業の発展をしていくというものにいろいろの縛りが出てくるということ、むろん監督は厳に監督を受けて、無暴なかってなことはできないにしても、そこには事業を発展さそうという意欲というものが経営の面にあらわれてこなければならぬ。その重要な要素である労働者の、たとえば賃金とか労働条件とか給与という問題は、憲法にわいても、または基準法においても、対等の立場できめるということが厳然としてあるわけです。で、賃金というのは、本来どこの世界でもみんなそうですが、生産に対してどれだけ労働力を——知能であろうと経験であろうと、提供するということによって賃金、労働条件というものがきまってくるということは当然のことだと思うのです。そういうぐあいにして独算制で事業をおやりになっておって、そして実際に経営を発展し、国家経済、公共福祉、住民生活の向上のためにやっておられる国家機関の事業で、実際に労使関係を持っておられる方が労働条件をきめられない、一銭の労働条件も回答ができないというかっこうは、経営の面からいってもそれは問題があるということになるのじゃないか、私はそう思うのです。そういうことをどうすればいいか。実際に経営をおやりになっている方々が、自分の事業を発展さすためにどれだけ労働力が提供されているかということで賃金、労働条件を判断するということが正常な私は事業の形だと思うのです。その事業をやっている人が一銭も回答ができなくて、仲裁裁定で——労使関係としてストライキはいややとおっしゃいましたけれども、労働者の要求が当局との間に妥結ができれば、ストライキの条件というものは生まれてこないわけでありますから、だから、そういうことについて三公社としてはどうすればいいかということが真剣に政府に要求されてしかるべきではないか。政府当局としても独算制というものの確保で監督はされているけれども、微に入り細に入り、いま鈴木委員が言われたように、ほんとうに微に入り、こまかいところまで一々政府が監督をして、それでなければ何にもさわれないということがいまの回答になっておる。それで仲裁委員会で事を処するということで、もういまの現状の措置はそれでやむを得ないんだということだけでは、そこで働いている労働者はそれは重大な問題でありますし、公社自身を経営されている方も、それではやっぱり本来の目的達成ということとは離れていくのではないかと私は思うのです。そういうところが端的に——政府も次官会議をやっていると言うだけじゃなしに、ほんとうに、いまの公社の独立採算制を押しつけていると私は言いませんけれども、まかしている状態の中で、もっともっと当事者能力を持たして、国家の機関として国家が要求しているものにこたえてもらうためには、もっと真剣になって政府機関はそれと取り組まなければならぬし、公社自身もそういう問題についてもっと真剣に取り組んで、幾多の問題の解決に当たるというのが、いま問題になっている当事者能力の問題でなかろうかと、私はそう思っているのですけれども、私の感じですけれども、中心の問題からどうもはずれているようで、監督を受けますとか、やむを得ないとか、ストライキが困るから云々とか、それは中立機関があったほうがいいのだと、そういうところにどうも御発言がいっているようでございますから、鈴木委員のいまお尋ねされている問題とは少しはずれているような、私は委員長として聞いておりましてそういう気がするわけでありますから、そこらあたりを、ひとつ鈴木委員のお尋ねをされている問題の中心について、ざっくばらんにここでは御意見を出して、いい方法を見つけていただけばけっこうだと私は思うわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 郵政大臣に少しお尋ねしたいのですが、いま総裁は、何かしら当事者能力が、ささいなことではあるが、あるのだ、こういうわけなんですよ。それは給与総額内部においてのやりくりにおいて妥協することがあるとすれば、まあ私もそこで具体的にそういう問題を二つ三つということは聞きたいとは思いませんけれども、そういうものは当事者能力の範疇じゃないのじゃないですか。先ほど申し上げたように、予算総則を見たって、何一つあなたに能力を与えられていないのです、権限は。そこで、すべて郵政大臣なり大蔵大臣の承認を得るという、そういうかっこうになるわけですから、そこで、大臣もたいへん郵政大臣として御苦心なさっていると思いますが、どうでございましょうか。この前の予算委員会における私の質問に対して、最初大臣は、郵政事業とちょっと勘違いしたような御答弁をなさいましたね。これはあとからお気づきになったようなんですが、きょうはその点をひとつ明確にしておいていただいて、特に公企体の電電公社の監督をするという立場にある大臣として、いま予算総則に示されておりますようないろいろな認可権限を持っているわけですね、認可権限を持っているわけなんです。ですから、どうしても労働問題が激烈化してきますとおたくのほうに関連が出てくるわけですね、この賃金問題に関しますと。ですから、その場合に、この発動については、あなたの権限において、良識においておやりになるわけですね。今回の場合も、これは私は新しい賃金ベースに対する要求に対して、それじゃ当事者能力があるからといって、それに対する回答ができるかというと、できないと私は思うのですね。で、予算委員会で大臣はこう答弁されているのですね。「賃金並びに労働条件等に対する団体交渉に対しまして、いまの組織と機構の上におきましては、やはり能力はあると私どもは認めておるわけであります」と、こう言われているのですが、これは郵政省の公労法の適用である全逓労働組合との間における考え方ではないかと私は思いますがね。これは全電通と電電公社の場合のとは、これは公社のほうにまかしてあるからと、こう言われておりますけれども、しかし、まかしてあるからといっても、いま言ったような関連が出ておるわけですね。ですから、一体この当事者能力というのは、大臣として、電電公社の場合ですね、あるのですか、ないのですか。

徳安實藏自由民主党郵政大臣

○国務大臣(徳安實藏君) 先ほどお読み上げになりました、郵政大臣が認可しますとか、あるいは大蔵大臣と合議して認可しますかという問題、これにつきましては、電電公社の総裁が、かくすることが必要だということで私どもに御相談がございますれば、もちろんこれは誠意をもってそれにこたえていく考えでございます。しかし、いまのところでは、まだそういう申し出もございませんので、そのままになっておりますが、このことを解決するためにはかくすることが必要であるから、私の権限内においてこういう許可をしてほしいとか、あるいは大蔵大臣と折衝してもらいたいということでございますならば、まあ法を犯すわけにはいきませんが、法を犯さない程度においては、私の権限でもってできることは誠意をもってこれに協力する考えでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 その協力関係はわかりましたが、具体的に監督大臣として、いまの法制上、当事者能力というものはあるというふうにお考えか、ないというようにお考えかという点をお尋ねしたいと思います。

徳安實藏自由民主党郵政大臣

○国務大臣(徳安實藏君) それは先ほど総裁も申されましたように、広い意味におきましては、私どもはやはり自主的な判断をし得るという立場からいって、能力はあると考えておりますが、ただ、この賃金ベースの問題につきましては非常に制約を受けておる。ですから、全面的にすべてが能力があるとは考えておりません。不完全ではあるが、一応あるとは認めておりますけれども、賃金の問題になりますというと、やっぱり国会の承認を受けなければならないものが出てまいりまして、それを無視してどうこうできぬという形になっておりますから、もしこれを完全能力あるようにしてやりますためには、やはり法律上の措置をとりまして、そうして国会の審議をわずらわさなくてもできるような措置をとる以外にはないのではないかと、かように考えます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 予算委員会当時よりも大臣の御所見がはっきりと私にもわかりました。その点はいいのでありますが、問題は、給与総額制度というものがはっきりありますね、ですから、新しい事態として賃上げ要求がきた、その場合に、新しい賃金を施行するための予算的な措置とか、そういったものについてはほとんどできないという大臣のお考えでしょう。既定の給与総額の中で、いま多少はこの予算総則に定められたもの以外において、それこそ九牛の一毛くらいの若干の、能力といっても能力の中に入らない程度の、顕微鏡にかけてもわからないくらいのものは給与総額の中においてやり得るかもしれない。しかしながら、いまの具体的な問題は賃金問題でございますから、七千円上げろといってきた、七千円上げろ。しかし、そんなことはおれには権限がないから上げられないというのか、そういう新しい事態に対しての給与問題を論ずる場合、既定の給与総額の中でやれると思われない。そうなりますと、具体的な賃金要求については当事者能力ないのでしょう、あなたの言うことはそういうことでしょう。ですから、ほかのささいな、ここによくわからない程度の、目に見えないようなものについては何かあるかもわかりません。私にもわかりませんが、そこまで追及するのは酷でしょうから、いま言った具体的なベースアップについての能力はないんじゃないのですか、そういうふうにいまの御答弁をとっていいのですか。

徳安實藏自由民主党郵政大臣

○国務大臣(徳安實藏君) まあ非常に大きな制約を受けておるということだけは言い得ると思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 大臣。この前も予算委員会で、あなたそのことばかり言うんですね。制約とか高い次元とかいうふうな話でございますけれども、もう少し具体的にお答えいただけませんかね、実際ないんでしょう。いま自主的に解決するという方法はないんでしょう、自主的に解決するという方法は。

徳安實藏自由民主党郵政大臣

○国務大臣(徳安實藏君) これはやっぱり私のほうの電電公社ばかりでなくて、全部に関係することでございますから、ですから、私一人がここで判断して政府の見解を答弁することもいかがかと思いますけれども、いま申し上げましたように、賃金のベースアップにつきましては、給与総額というところにワクがございますために、そのワク内においての自主的なことは、これは自由にできるようでございますけれども、しかし、それ以外に上がるということにつきましては、補正予算等の措置を講ぜられなければ協約はできないということでありますが、これはそこの見方によりまして補正予算を組み、あるいは協約がその給与総額よりか上回るというような場合には、そういうことを用いなくてもできるという手段が現在ないのであります。結局これはどうしても制約を受けておりますから、ですから、その制約受けておる範囲内においての能力しかないということであります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 そうしますと、あなたの論は、七千円の賃金ベースの要求があった。そうすると、そのうち五百円なら五百円は何とかやれるんだというのですね、そういうものはやれる。しかし、それ以外のものについてはできないのだと、こう言われるわけでしょう。それは一体、たとえ五百円上げるについても、電電公社の総裁に一体どこにそういうあれがあるのですか。もしやるとしても、あなたの認可なり、大蔵大臣と協議してから承認するなり、それがなければ既定の予算のワクの中でもびた一文も使えないのじゃないですか。それはあなたの権限であるし、大蔵大臣との協議の中に含まれておる条件ですからね。ですから、電電公社には何もない、そういうことじゃないんですか。

徳安實藏自由民主党郵政大臣

○国務大臣(徳安實藏君) 当事者能力というものは、賃金にももちろんこれはございます。しかし、ほかにもあるわけで、ただ、全部が当事者能力はないのだとは言えないわけで、当事者能力というものは私どもあると考えていますが、しかし、賃金の面におきましては法律上の制約がございますので、それをこえた能力発揮はできないのだ、その範囲内においてのみしか能力はありませんということでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それがわからぬとさっきから聞いているのです。ただ私を煙に巻くつもりですか。そう簡単には巻かれませんよ。もう少し大臣ね、こういう委員会だから、予算のようなところではちょっとごたごたしているものだからゆっくりやり取りできないでしょう、率直に言って。幸いわが社会労働委員会ですから、こまかいことでたいへん恐縮に思いますけれども、もう少し明確な御答弁をいただきたい点は、何か制約があるからというようなことでぼやかされてしまうのですけれども、具体的にそれじゃあ七千円の賃金要求が出て団体交渉やりますでしょう。しかし、これは全部やるということはとてもできない。しかし、そのうちどうだひとつ——まあ例ですがね、五百円だけはひとつやろうじゃないか、こういう場合になりましても、その五百円の金を出すのには、言うならば予算総則上の制限がありますから、その制限についてあなたのところに行って頼むというわけです。それじゃあよろしい、それじゃあここからひねり出すというような場合を考えてみる。それが三百円になるか五百円になるか、みみっちい話ですが、そんなことまで言いたくないけれども、一つの例だから言うのだが、そういうふうな場合にも総裁にはないじゃございませんか。一体、給与総額の基準内と基準外ででき上がっているものの相互の移流用をまかされていないのですから、移流用さえ。それを大蔵省と折衝して、ことしは平均定員町名、平均単価が幾らと、これしかないのです。そのどこをついてやれば出てくるのですか、出てくるはずないですよ。だから、そういう意味から言うと、あなたの権限発動によって多少ともできるので、それ以外総裁には全然権限がないから、だからやっぱり新しい賃金問題については権限ないのじゃないですかと、こう言うのです。ですから、あるかないかということを言ってくれればいいのです。予算総則上何とかということは言わなくていいので、ずばり、育ってください。言えないのですか。

徳安實藏自由民主党郵政大臣

○国務大臣(徳安實藏君) わけて、このベースアップだけの場合についてはどうだということでございますれば、いまお話のような点もあると思います。しかし、これは私よりか、まだ鈴木先生のほうがよく御存じかもしれませんけれども、両者の間で、まあそういうことは過去においてもあまり例がないといえばそうですけれども、法律の上から申しますと、総裁が、組合と給与総額をこすようなものがありましても協約を結ぶということも、いまのこの法律の上では絶対不可能とはいえないようであります。ただ、それを今度は実施することにわたりましては、やはり国会のほうに持ち出して、国会のほうの承認を受けて初めてこういうことができるということになるようでありますけれども、そういう意味からいきましても、必ずしも私は能力ないとはいえない、こうも実は考えているのでありますが、しかし、そういう非常手段が過去においては例があまりないしということでありますが、法の上からいえば、私はそれも可能だというような解釈を与えているわけでありますので、ですから、給与総額というものに非常に大きな制約を受けておって、これはひとり電電公社だけが政府の一つの機関でございますれば、あるいはいと簡単な解決策もあるいはあるかもしれないのですけれども、やっぱり三公社五現業の関係がありまして、ただ一つの公社だけの意欲だけで一人が満足する、ほかはどうでもいいというような措置もとれない場合もあって、やはりそこには政府機関であります関係から、そこに足並みをそろえなければならないものもありましょうし、あるいは、また、生活というものに対する一つの水準もあり、物価の値上がり等に対する一つの水準もありましょうから、そういうことも勘案しながら考えていかなければなりませんので、そこで、これから意欲を発揮すればもうかるところもあれば、幾らやっても全然もうかる見込みのない一つの現業もあるようであります。そういう点において、非常にこれをいかに調整していくかというような問題も政府のほうでは苦心して考えておるのがいまの現状でございます。ですから、大きな意味において、全体をひっくるめての能力がないかといわれれば、私は能力があるということを考えるわけでありますが、しかし、事を分けて今度は分析して、この部分だけはどうだといわれますというと、法律的な制約を受けておりますから、その部分について完全な能力はないということを申し上げておるわけであります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 まだ少しわからないのです。要するに公労法上協約を結ぶことはできますね、当事者間において。しかし、その結んだ効力は、国会の議決がない限りは発動できないわけですから、ですから、それは大臣、当事者における能力ではなくて、制約を受けたところの能力じゃないんですか。能力というか——だから、要するに結果的にいうとそういうことはできないということであって、その見通しがある場合に、あなたが、よろしい、おれにまかせろ、電電公社と全電通とで協約を結べ、あとは承認については引き受けるということならできますよ。そういう決意があなたにありますか。あるならそれも一つの方法かと思うが、そうじゃないでしょう。

徳安實藏自由民主党郵政大臣

○国務大臣(徳安實藏君) 私は、あるからしなさいというわけではなくて、能力という点から考えてみますというと、必ずしも全部が否定されるわけではないので、総裁がやろうという決意がついて、そうしてこうだということになりますればそういう道もある、法律の上には認められているということでありますから、したがって、賃金の面におきましても絶対にないとは言えないではなかろうか。また、いまの給与総額というものがありまして、そのワク内で操作をする、それ以外のことはやはり裁定等によらなければその額が変更できないというワクをはめられておりますからできないのでありますけれども、しかし、これはひとり電電公社ばかりじゃございません。他の現業、郵政特別会計にしても同じことでございます。したがって、そういう意味において全然ないじゃないかとおっしゃるならば、それはまあそういう御理屈も立つかもしれませんが、私どもはそうは考えられない。やはり与えられた範囲においての制約はありますけれども、与えられておる範囲においての矢じるし的な能力は持ち得る、こう考えているわけであります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 もう私も何回も聞くのでいや気がさしたんですがね。それはあなた、ほんとうの意味における当事者能力ではないのですよ。要するに、結ぶことは許されておっても、それは国会の議決を経なければ給与総額をふくらませない限りは効力がないわけですから、ですから、当事者の間できめたことがそのとおりすっといく場合に、これは能力があるということであって、ですから、あなたの言われる能力があるということがどうしても私にはわからぬです。だから、ある部門においてはないと言えると言うのだ。だから、賃金の問題について新しいベースを出したときに——ぼくは具体的に話をしているんですから、ほかのことはいいですよ。七千円賃金を上げてくれ、こういったときのことを例に出しているんですから、あなたはその部分について、ある部分と言うならこれはないということになるんで、そういうことでしょう。だから、そういうものについては協約を結んだって、そんなものは当事者できめられないんですから、これは当事者能力というものは相互間でやって効力を発することをわれわれは言っているのです。そういう意味においては当事者能力はなくて、上において助けてもらった場合に初めてそれが生きるということであって、あくまでも労使間において自主的な判断によってきめられる権限というものはない、こういうことになるのじゃないかと、くどいようですけれども聞いているのですよ。ある部面というのはそういうことですか。それなら了承しました。

徳安實藏自由民主党郵政大臣

○国務大臣(徳安實藏君) 私も、そうわからぬことを言っているわけじゃないと思うのですが、賃金については、これは当事者能力というものはたくさんいろんな含みがありますね、一つじゃない。賃金ばかりが能力じゃないのですから、ほかにもありますね、団体交渉の上においては。ですから、全部が全部ないとは言えない。これは全部の能力が団体交渉の条項についてはあるとしなくちゃならぬ。そのうちで、ほかのは実質的にほとんど完全にあると思いますが、しかし、賃金においては、先ほど申し上げたとおり、給与総額という一つのワクがありまして、それが国会の承認を受けているものであって、これをこすようなものに対しては国会の承認を得なければならぬたてまえになっておりますから、そこで、その限界において能力はあると思います。しかし、それ以上にはやっぱり国会の承認を得なければならぬということでありまして、何でもかんでもというわけではない。  それから、もう一つは、先ほど申し上げたとおりに、現法規の上においても、やはり総裁が協約を結ぶ上において、政府のほうで何と言おうと、こうだといって協約を結ばれることは法で禁じられてはいない。それが今度は国会に持ち込まれて、審議の際においてこれが承認されれば有効になるし、承認されなかったならば有効にならないということでございまして、これはやっぱりいかなる場合の能力にいたしましても、一応の制約がある。全部無制限でないということをひとつお考えくだされば、その範囲においてのみあるのだということで御了解願えるのじゃないでしょうか。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これはわからぬですよ、わからぬように答弁するから。ぼくだって日本人だから日本語はわかるのですが、あなたの言うのはよくわからぬです。あなたの言おうとする苦しい詭弁というやつが私にはよくわかるのですね。ないのだけれども、それをあるように言おうとして、あっちからもこっちからもあるような理屈をつけていうだけで、これはさっぱり——第三者に聞いてもらえばわかるのだけれども、どうも私のいま理解する範囲では、あなたの言っていることはわからんですよ。私は、何と言おうと、現在の具体的に私が指摘した賃金要求等については、これは権限ないのです。だから、それをあるようにするというのがこれは当然のあなたに課せられた任務でありますから、あなたもあると言ったって、それは限られたものだということは言っておられますから、ですから、完全能力回復という方向にひとつ英断をもって当面邁進してもらいたいと思います。これは今後の一つの基本方針ですから、ぜひ御努力いただくことにして、さっきも私お話を承りましたが、もう一度念を押しておきたいのは、当面、全電通と電電公社の間における紛争解決には、さっきお話をいただきましたように、努力すると、こうおっしゃってくださいましたので、どうぞひとつその誠意をもっての御努力を積極的に忍はやってもらいたいということが一つと、それから、さっきの御発言で、わしもできる範囲においてひとつやりたい、こういうふうにお話を承ったのですが、その御腹案等をいまお聞きできますか。

徳安實藏自由民主党郵政大臣

○国務大臣(徳安實藏君) 現在の段階におきましては、先般も申し上げましたように、電電公社と組合側との団体交渉になっておりますので、その内容等も、私どもは、非常事態宣言があったのでこういう状態になりましたということも聞いておるのですけれども、内訳の内容等につきましても、これは自主的に従来おやりになっているので、私のほうが介入しないのがたてまえになっておりますので、詳しいことは存じませんので、この点とこの点だけはこうなさっていただけばこうしましょうという話はまだしておりませんが、これは電電公社の総裁のほうでよくお考えになって、この範囲でこういうふうにすればこういうふうになる、それについては、私どものほうで、こういう処置をとってくれればこれはこうなるのじゃないかというお話がございますれば、これは申し上げましたように、私どもがこの問題解決に助言したり、あるいは一役買うことにおいて非常に円満に解決する道がございますれば、できるだけ大蔵大臣とも相談しまして御協力を申し上げる、その気持ちには変わりはございません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは重大な問題でございますが、政府内部、企業体内部における意思の十分なる疎通等の問題について、私はここであえて申し上げませんが、少なくとも、その事態が起きたことは、これも事実でございます。したがって、大臣も人間でありますから、相談かけられた、かけられなかったということでは違いますね、それは人間、感情はあるでしょう。しかしながら、そういうことをひとつ殺しても、私は、当然郵政大臣として、みずからが監督をする電気通信事業の中に、年末を控えて労使間における紛争が激化し、聞くところによりますと、明日、明後日とまたきわめて重大な影響を経済界に与えるであろうというような組合側の計画もあるようでございます。したがって、私としては、もう瞬時も許せない問題だと理解いたしますので、ぜひひとつ大臣の立場から、高い角度から大蔵大臣あるいは労働大臣、それらの皆さんとも十分に御相談くださいまして、ぜひひとつ最大限の事態解決のために努力をしたいということをさっき御回答いただいておりますけれども、もう一回私はあなたの御所信を承っておきたい、こう思います。

徳安實藏自由民主党郵政大臣

○国務大臣(徳安實藏君) 私はけんかするのは大きらいでございまして、いかなる場合でも話し合いでいこうという主義で、役所でも、また、組合関係でもその方針で終始一貫しております。したがって、電電公社のことにつきましても、まあいろいろ行き違いがあってこういうふうになっておるとは思いますが、組合側も国民に迷惑かけるようなことをなさっても決して名誉でありませんし、同時に、また、電電公社の管理者のほうも、自分の豪族の方からそういうことを起こさしても、これも決してそういうものが名誉とは思いません。これはやはり一軒の家は一軒の家で丸くおさまるように、誠心誠意披瀝して努力することが必要だと思います。私はこの話を聞きまして、私のほうからむしろ進んで時々刻々報告を願いたいということを要請してございます。同時に、総裁の人柄を信頼いたしまして、なるべく国民に迷惑をかけないように、労使関係で円満に話し合いがつきますように協力するという督励もいたしておるわけでございまして、私どもは微力でございますから、どこまで力添えできるかわかりませんが、何しろ年末でもありますから、十分こうした点につきましても、客観情勢等も考えまして、そうして総裁のお考え、そうしてその手腕に期待をいたしますと同時に、国民が迷惑にならぬように、なるべく円満におさまるように私どもも協力をすることをお約束していいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 その点はぜひひとつお願いしたいと思います。  それで、もう時間も予定を過ぎておりますから、私はこの辺で終わりたいと思いますが、いままで約二時間にわたって質疑を展開してまいりましたが、要は、私が最初に公企体発足以来の経過を皆さんに申し上げ、その間における幾多の闘争等もございまして、欠陥を是正すべしという世論が盛り上がっておるにかかわらずこの改正をさぼったのは明らかに政府の怠慢であり、私はそのことをさっきも石田労働大臣に申し上げたのですが、きょうは大臣は徳安郵政大臣しかおられないので、閣議に対して反映していただくのは恐縮ですけれども、徳安大臣にお願いするよりほかない。どうぞひとつ当事者能力の回復については、池田さんが約束され、佐藤さんがそれを引き継がれているわけですし、次官会議もせっかく開催中でありますから、ぜひこの問題は早急に政府としても次官会議のほうを叱咤勉励をして早急に結論を出し、さっきの柳岡委員も言われたように、できるだけすみやかに法の改正の措置をとっていただくように、私は心から大臣にお願いしたいのです。それをひとつぜひ閣議の席上等におきましても御発言くださいまして、佐藤総理大臣の同意を得て、その方向にいけるように御配意をしていただきたいと思いますが、たいへん重ねての私の強い要求で恐縮ですけれども、大臣のお考えをひとつ聞かしておいてください。

徳安實藏自由民主党郵政大臣

○国務大臣(徳安實藏君) 私は、この問題については、ほんとうにしろうとでございましたが、多少でもこのごろ勉強してまいりました。次官会議で取り上げて論議していることも、これもだんだん調べてまいりまして、その全貌もわかってまいりました。本日も運輸大臣、あるいは労働大臣等とも大臣室で話をいたしまして、ある段階にいったら、とても事務当局ではあるいはおさまりがつかないかもしれませんから、大蔵大臣にもおいで願って、ひとつ閣僚間で一ぺん話し合ってみようじゃないかという話もしてございます。そうしなければいけないのじゃないかというような気もするのです。先ほどから次官会帳の模様等について御質問があるようでございますが、私どももその内容等を聞いております。聞いておりますが、その結論が出ていない、つまり両方とも議論が対立するわけでございます。政府部内でも意見が一致しないものがほとんど大部分のようであります。おそらく私どもの党内でも意見が分かれると思います。そういうものをいかに統制をし、いかに党をまとめ、政府の意見をまとめるか、同時に、これは私どもだけの問題でもないので、やはり社会党でいったって、やはり相当意見があると思います。先ほどちょっとお話になりました、かりに給与総額というものをはずすし、国会の審議からはずすと、実際は社会党さんでも御同意なさるものか、あるいはそれならば、もうすでにはずされているものもありますから、料金等もはずして、そうして独立して一本にしようじゃないかという意見も分かれるわけです。そういう場合に、それじゃ料金等を国会からはずすことにもはたして御同意ができるかどうかということにつきましても、私どもは先ほども話し合ったのですけれども、お互いに暗中模索でなしに、むしろ私どもの考えはこういうことがあるのだが、あなたのほうはどんな御意見ですかというようなことも話し合ってみたらどうですか、そうして、いや、どうしてもこれは困る、あっちだけでは困る、こっちだけはいいということになって、話し合いが一致しなければ、これは煮詰まるまで両方とも協議しながら、できるものからやっていくということも一つの方法だと思います。つまりいろいろ結論と申しますか、議論が出ております。出ておりますが、じゃあ次官会議で、一方のほうでよろしいといっても、大蔵省のほうでは、そうされるとこっちにこういう影響があって困るじゃないかという問題点が出てくるというようなことで、相当論議をされているのですけれども、結論が出るのにはなかなか困難だということでありますから、もうこんなことは秘密にしておくことでもありませんので、私は適当な機会に私どもの政府部内でもまとめ、大蔵省とも相談をしながらまとめて、そうして政党のほうにも、なるべくなら法律を出すなら円満にいったほうがいいのですから、そういう意見もどんどん出ているやさきですから、社会党のほうはこういう点について、あるいは民社党のほうはこういう点について御同意ができますかという点を煮詰めながら進んでいったらどうかというようなことまで、私は閣内でも、ちょっと飯食いながら話をしたのですが、できるだけすみやかにそうした問題を提起できますように、私どもはこういう不満なことはいつまでも残しておくことでもないと思います。私どもがつい最近こちらに参りまして知ったものですから、非常におくれているようでございますけれども、極力次官会議等にもお話いたしまして、早く解決できるように努力をいたしたいと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは鍋島政務次官にお願いしておきます。これは御答弁は要りませんが、実は国家公務員の人事院勧告をめぐって、予算措置の問題で御意見がございますね。勧告の時期を変えるか、予算編成に間に合うようにするか、それとも中途の場合には、あらかじめ何がしかの予算措置をしておくか、こういう議論があるように聞いております。増原給与担当大臣の意見は新聞紙上で拝見したのですが、できるならば四十年度予算にあらかじめのものを組んでおいたらどうかというような御意見を持っているように伺ったのですが、これは必ずしも閣内の統一ではないと思いますから、そこで、一つ考えられることは、公共企業体の場合でも、いま制度の改革を直ちにやれといっても無理でしょう。したがって、いずれにしても、公務員ベースに見合う、公務員ベースを勘案してということになっているわけですから、当然公務員が上がれば公企体も上がるという寸法になってくるわけですね。そういう問題とあわせて、ひとつ公共企業体職員の給与の改善の問題につきましても、人事院の問題を論ずる場合は、ひとつあわせて御検討いただくように、これはひとつ大臣によく伝えていただきたいし、また、実力のある鍋島次官ですから、ぜひひとつ御配慮いただきたいと思います。それから、運輸省のほうも、松浦大臣が委員会に出ておって、きょう御出席いただけませんが、どうかひとつ先ほどから問題になっております当事者能力というものは、郵政大臣がおっしゃったように、早くそういう不完全なものを直すという点ですね、これなんですよ。これは政府の責任ですよ。大臣はちょいちょいかわるから、来てみて初めてわかるというようなところに問題があるのだから、これはしかと大臣のかわるごとに引き継ぎをしていただく、私は、やはり大臣にはちゃんと引き継ぎ事項の中に入れてもらいたい、こう言って引き継ぎ事項に入れてもらっているのです。運輸省のほうでもそういう点を引き継いでもらって、国鉄事業がほんとうに総裁以下の英知によって、機動的に、能率的に運営ができるようなやっぱり体制というものをぜひやるようにお願いしたいと思います。ひとつどうぞこの点もよろしくお願いして、私はこれで終わります。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○説明員(石田禮助君) 最後に、一つ鈴木さんに申し上げたいと思うのですが、かりに国鉄総裁というものが労使のベースアップの問題について交渉がある、その場合に、私にこれを解決する権限がある、財政的にも。ところが、なかなか要求が大きいんですよ。たとえば七千円要求をするといっても、一年にどのくらいになります、六百五十億だ。国鉄の全収入の一割ですよ。それだけやはり国鉄というものは独立採算でならぬ以上は、運賃などを値上げしにゃならぬ。はたして国会がこれを一体容認してくれるかどうか、問題はここだな。要するに、これはお互いの立場になって考えるということにおいて問題の解決のかぎがあると思う。ところが、お互いの立場になって考えるということは、欲のある人間にはちょっとむずかしいね。これはどうしてもその間に差が出てくるですよ。そこで、私は、一番いいのは、やっぱり仲裁裁定、第三者として公平な決定をさせる、これが一番いい。現存のこの方法は非常に私はいい方法で、それで私は国鉄の総裁として、国鉄職員の給与の問題について同情的に考えないか、考えておる。現に昨年あたりも、ほかの公社あたりに比べ、国鉄の職員の給与は非常に悪い。ぼくは調停委員へ持っていって、ぜひこれは上げにゃいかぬ、こういうふうに言ったようなことで、決して国鉄職員の立場を考えないで冷々淡々としてやっているわけじゃないんだと、しかし、実際ほんとうに組合の要求を一〇〇%いれるためには、これはとてもできるものじゃないんだと、これはあにそれ国鉄のみならず、世界各国すべてそうだ。しょっちゅうアメリカあたりでもストライキをやっているでしょう。鉄道あたりに対しては、なかなかこれは労使の間で協調できないもんだから、大統領が仲裁までとってやる、こういうふうなことで、ああまでこの労働問題について訓練を経たところでも、なおかつそうだ。日本のような若いところでは、鈴木さん、なかなかあなたの考えるようにうまくいきゃしませんよ。これは、だから、やっぱりいまの段階では仲裁裁定という第三者をして公平な決定を下させるというのが実際上の最も公平ないい方法だと私は考えております。それで、幸いに仲裁裁定できめれば、われわれが要求したってくれない場合においてでも、大蔵省は何とかして金をくださると、こういうようなことです。これは一番いい方法だと思う。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは御年輩の総裁のおっしゃることですから、私もあえて聞いておけばいいんですけれども、しかし、そうもいかぬですから、だから、やっぱりあなたがそう言われるとぼくもやっぱり言わなきゃならぬ。老いの一徹でなくて、時代は動いているのですよ、大勢というのは。池出前総理も認めているように、いまの当事者能力というのは矛盾があって直さなきゃならぬのだと、政府はまあ佐藤さんが引き継いでいるわけですよ。そういう客観的な新しい情勢の中で、やっぱりみんなが考える、みんなが前進してるんだから、あなた一人さっきから同じことをまた立って言おうとしているのは、要するにPRはあなたうまいや、こういうことを言おうとして、国鉄運賃等も上げてくれ、そういうPRをしようという意図は私はわかった。しかし、老いの一徹はあまり出さないで、新しい時代に即応する。しかし、私たちは、年長者であり、たいへん経験の艦かな総裁のことですから、御意見は十分承りますよ。しかし、これはこうだからといって、いつまでも意見を、質問しないのに立って、また同じことを言うということは、私は国会に対してどうかと思うのです。あなたのPRはわかりました。これはわれわれ国鉄経営をもっと総裁勉強さしておかないと、どうしても料金値上げをしなければだめだと言っても、そうですかと言えない、そういうことです。新しい時代の方向にどうぞ順応していただくように希望します。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 国鉄総裁に一言だけ、私もちょっと気にかかるものですから。先ほど総裁の御意見を聞いておりますと、国鉄総裁としては、何ら当事者ではない、経営能力がないのではないかという気がするのです。何でも私は経営ということになれば、当然経営の中には労働問題が入ってくると思う。それがまた重要な問題だと思う。したがって、合理化をする、労働者をどういうふうに配置し、どういうふうに働かせるかということを一生懸命やっているのですが、賃金の問題になると、これは私は知らぬ、第三者にかけるのが一番いいのだとおっしゃるが、労働と賃金は一体だと思うのです。したがって、その面で考えますと、経営能力というものから考えていないのではないか、こういうふうに思うのですが、総裁はどういうふうにお思いですか。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○説明員(石田禮助君) さっき鈴木さんは私のことをPR、私はPRのためにこういうことを申しているのではないのです。実際に労使の問題を解決するためには一番これがいいと信ずるゆえに申し上げていることなんで、要するに、結局ベースアップということは運賃アップということに通ずるわけです。結局それを私にまかせるなら、それはもうストライキにならぬようにやりますよ。同時に、それに対する鉄砲のたまをくれなきゃだめです。国会にそれだけの一体腹はあるかどうか、現にいま問題になっているやつだって、なかなか運賃なんか上げると言っても承知せぬじゃないですか。そういうくれるものをくれないでおいてやれと言ってもできるはずはないですよ。どうですか、その意見は。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 だから、私としては、ひまの公社、そういう給与の面から考えても、労働者のほんとうの立場を考えても、いまの公社制度では欠陥が多くあるのではないか、したがって、総裁としても、こういう面についての矛盾を解決するように働きかけなくちゃいかぬのではないかということを先ほどから鈴木先生も、言っているのです。これに対して総裁は、現状を容認しているような御意見をはかれますので、私どもとしても気にかかるわけです。今後ひとついま総裁が考えておられるような意気のある、覇気のある経営を今後やっていこうというならば、いまの公社制度の矛盾点を積極的に解消するあらゆる方策を、三公社の総裁が共同して政府に当たっていただきたい、このことを強く要求しておきます。  次に、電電公社の総裁にお聞きしたいのですが、先ほど鈴木委員の質問の中でちょっと聞き漏らしたのですから、再度お伺いしたいと思うのです。それは十月十三日の自主的な責任ある回答というものと当事者能力との関連ですね、先ほどから郵政大臣なり総裁のことばを聞いておりますと、一部当事者能力があるようなそういう口ぶりですが、責任ある回答をするということを言ったのは、どの程度の当事者能力を反映して言ったのか、あるいはどういう考えなのか、その辺の自主的回答というものについての内容をちょっとお聞かせしてもらいたいと思います。

大橋八郎日本電信電話公社総裁

○説明員(大橋八郎君) 自主的能力があるかという質問に対しては、私も事に対して非常に困難な制約はあるが、全然自主的能力なしとは言えないということを申し上げたのです。そこで、ただこの前、前向きの姿勢でまじめに答弁をする、意見を発表するということを言っていたこと、これは私今後もまじめに発表するつもりであります。しかし、現在の状態におきましては、十二月十日に回答をしたあの程度のことしか現状の情勢においては言えない。今日の情勢を見て、そのときの答弁においては、またそのときの情勢において、何というか、出し得るだけのものは私は出すが、出し得ないものは出さない。出し得ない場合において、おまえは自主的能力がないのではないかという御批判を受けるかもしれませんが、しかし、私どもはまじめに出し得るものは出し、出し得ないものは出さないということを申し上げるつもりでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 十三日の責任ある回答というのは十二月十日の回答である、こういうことなのですが、十二月十日の回答を私もちょっと見せていただいたのですが、いままでとあまり変わっておらないと思うのですが、きのうの衆議院では、総裁は非常にいままでよりも前進した回答だと言われておるのですけれども、私どもからみれば、全然内容的に何ら具体性もなし、いままでの回答と何ら変わってはいないのではないか、こういうふうに考えております。そこで、この回答の中で、いまはそういう賃上げをするかどうか判断をし得る時期ではない、こういうふうに言っておられるのですが、一体これはどういう根拠、理由をもってそういう時期ではないと判断されておるのか、その辺をお伺いしたい。

大橋八郎日本電信電話公社総裁

○説明員(大橋八郎君) 十二月の十日の回答は先とちっとも変わらぬではないかという第一の批判、しかし、これは読んでいただけるとわかると思いますが、いままでは現在くらいの段階においては、数回繰り返して検討中であるというような、いわばあなた方がごらんになれば実に不誠意な回答だといわれてもしかたがないような回答を従来やっておる。しかし、そういうことは私は繰り返すべきではない。そこで、十二月の十日の回答をお読みくだされば、第一段において、三十九年度の賃金についての引き上げは要求に応じられない、これははっきり申しております。しかし、四十年四月以降の賃金の改定の要否については、現在の段階ではまだ意見を発表する段階に達しておらないということを言っているわけです。これもはっきり私は言っております。それではどういう点でまだはっきり言えぬ段階かと仰せになりますと、御承知のとおり、公社法の第三十条の二項の規定では、公社の給与の水準は国家公務員の給与及び民間の会社の従業員の給与その他の動向を勘案してと、こうある。この第二項の条件が定まっていない、こういうことでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 この回答の中で、特に民間賃金等ということで、公務員ということばを抜かしておりますね。これは勘ぐれば人事院勧告がすでに出されておって、国家公務員と電電公社職員の給与について相当な差が出てきた。これをごまかすために公務員というものをここから抜かしたのか、こういうことも考えられるわけです。私どもとしては、いま二十条の問題を言われるならば、当然ここに公務員並びに民間賃金等の動向を勘案して、そのときどうというのが本来のあり方ではないかというふうに思うのですが、なぜここで公務員というのを抜かしたのでしょうか。

大橋八郎日本電信電話公社総裁

○説明員(大橋八郎君) 御承知のとおり、今年の春闘の結果、裁定が下ったわけであります。その裁定の中においては、民間賃金並びに主として民間賃金についての比較を遂げられまして裁定が下ったことは御承知のとおりであります。したがいまして、私どもは、この際、民間賃金というものは最も重きを置いて考えなければならない動向だと、かように考えて、特にこれを一つ抜き出したわけでありますが、公務員賃金もしんしゃくすることはもちろんであります。しかしながら、現在の公務員賃金は、私どもの理解するところにおいては、公社の賃金と民間の賃金の裁定と、あるいは何といいますか、協定と、でき上がったものをしんしゃくした上で今年度の公務員の賃金はきめられておるのでありますから、これをこの際しんしゃくするということはちょっとはずれているのではないか。もしこれが非常に裁定というか、調停がおくれて来年度の勧告が出た暁には、これは非常な参考になるけれども、現在のところではその参考というものはここに含まれておる、こういうふうに私は考えております。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 公務員の人事院勧告の中では、私は、いま総裁の言われたように、三公社の賃金の問題については含まれていないというふうに思う。これは勧告の中に、明らかに民間賃金との比較で出しているわけでございまして、公社職員の賃金を含めた人事院勧告だと、こういうふうには理解できないわけです。そこで、四十年度のいま予算編成期にあたって、先ほど鈴木委員も若干触れられておりますけれども、いまの法律の中では、どうしても賃金を上げようということになれば、予算要求の中で積極的に、総裁と申しますか、公社の軸部が考えておられる賃金、あるいは組合が要求する賃金なりを勘案して、予算要求の中で積極的に大蔵省なり郵政省に対してやっていくということがなければならないんじゃないか、こういうふうに思うんです。この回答では、いまそういう時期ではない、今後そういうものを見てから態度をきめたいというんですが、それでは私はおそ過ぎはしないか。いま四十年度の予算が各省折衝で行なわれている中ですから、この際にこそ態度を明らかにして、そうして大蔵省、郵政省に要求するのが私は自主的な、そうして、また、責任ある回答になるのではないか、こういうふうに思うんですが、いかがですか。

大橋八郎日本電信電話公社総裁

○説明員(大橋八郎君) 先ほども申し上げましたように、本年度の仲裁裁定におきましては、民間の賃金を対象として大体定められたと了解しております。また、人事院の勧告の際も、同様に民間の賃金を参考として勧告になっていると思いますので、とにかくこの三者の賃金は三十九年度に関する限りは、大体同じ行き方でおそらくきまっていると私は考えてよろしいだろうと思う。そうすると、三十九年度に関する限りは、これはこの際は言う必要はない、こういう結論に達したわけでございます。四十年度しますと、まだ民間の動向も、なるほど多少これは動いているかもしれませんけれども、まだそれがどの程度に民間の動向がなるということがはっきりいたしません現在の段階において、幾ら幾らここで要求するということでわれわれが予算の要求をするのも早計に失する、かように考えているわけでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 賃金の問題は、単に民間賃金なり、国家公務員との比較の上で決定されるべきものではないと思います。これは三十条にも一応いろいろうたわれていると思います。当然生産性の問題なり、労働の対価でございますから、そういうものの判断の上で賃金は幾らにすべきかということは決定してもよいと思います。したがって、単に民間賃金がどういうふうに動くかいまわからぬので要求ができないのだ、こういうことでは、私は経営者としての責任が来たせないんじゃないか。人を使う使用者としての立場からいけば、当然電電公社の合理化計画なり、あるいは現在の電電公社の職員の労働の問題等を勘案して、そうしてそれにプラス民間賃金との関係、国家公務員の賃金との関係、そういうものを勘案して最終的態度をきめるというならばわかるのでありますけれども、単に民間賃金なり国家公務員の賃金との比較というのみで、まだその予算要求をする段階ではないというのでは、私は了承できないわけです。そういう点はいかがですか。

大橋八郎日本電信電話公社総裁

○説明員(大橋八郎君) 仰せのとおり、三十九年度の民間の賃金、公務員の賃金というもの、その他の事情を勘案しとありますから、この二つだけでないことははっきりいたします。しかしながら、この二つが最も重要なものであるということも、特にこれを抜き出しておることから考えましても、最も重要な参考にしなきゃならぬのだと考えますので、先ほど申し上げたようなことを申したわけでございます。ことに本年の仲裁裁定においては、主として民間との比較に非常に重点を置いて裁定せられておりますので、大体これが今日のまあ裁定の指針として私どもは考える最も重大な事項として考えますので、ここに特にこういう返事をしているわけでございます。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 まあまだ閣内で正式に決定したわけじゃないでしょうけれども、けさの新聞等を見ますと、来年度の物価の上昇は四・七%か五%ぐらいに押えると、こういうことも言っているわけですが、そういう物価の上昇等を見ても、当然予測される問題でございますし、これはひとつ労使の間で積極的に十分話し合って、そして早急な賃金の解決をしていただきたいと思うのですが、それに関連しまして、新聞に出ておりますように、明日から全電通労働組合が抗歳の行動を起こすと、こういうことでございます。これに対して郵政大臣から先ほど御意見をいただいたわけでございますけれども、公社としては、やはり労使の問題ですから、これは労使の間で最終的にも解決をしていくと、こういう積極的なかまえが私は必要ではないかと思います。したがって、総裁として明日以降の労働組合のこういう行動に対する対策、あるいはその紛争解決のためにどういう態度をとっておられるか、お聞きしたいわけです。

大橋八郎日本電信電話公社総裁

○説明員(大橋八郎君) 昨晩私は組合の委員長にも会いまして、私どもの回答の趣旨もよく説明をし、委員長の意見も聞きましたのですが、まだ必ずしも何方の意見が一致したわけじゃございません。しかしながら、私は、先ほど郵政大臣並びに労働大臣も仰せになりましたとおり、池田・太田会談というものを引き継いで、次官会議において将来自主的能力を与えるように至急にやろうとしている際でもあるから、その実現に信頼して、ひとつそういうことを急いでやらなくてもいいじゃないか、急激な、ストライキに類似したような行動はとらないでもいいじゃないかということを私は懇切にいま説明しておる状態でございますので、なお、今後これらの問題についてはよく話し合うつもりで考えております。

柳岡秋夫日本社会党

○柳岡秋夫君 いずれにいたしましても、この労働組合のあしたからの行動はやはり大きな問題でございますし、これは当然郵政大臣ともども、ひとつ積極的にこれが紛争解決のために努力をしていただきたい、かように思いますし、私は、公社自体が、ほんとうに公社の幹部一体となってこの労使間の紛争解決に当たっていないのではないかというような感じを受けざるを得ないのです。一例を申し上げますと、先般公社の中で逮捕されるという事件が起きたんですけれども、これなど見ましても、片方の関係ではそんなのは知らない。片方の関係ではちゃんと警察に出動要請をしておる、こういう形なんですね。少なくとも、これは庁舎の管理はこっちだ、労働組合問題はこっちだ、こういうことはわかりますけれども、しかし、労働問題についていろいろな問題が起きてくるわけですから、当然公社内のそれぞれの幹部間において十分意思統一をして、そして労使間の紛争をさらに拡大するような方向でなくて、これをさらに直していく、なくしていくという方向にやはり公社幹部としては一体となって当たっていかなければならないのじゃないか、こういうふうに思うのですが、ひとつそういう点を十分今後公社幹部として十分連絡をとって、そして労働組合との正常な関係を一日も早く確立をされますようお願いをしておきたいと思います。  以上でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○委員長(藤田藤太郎君) 本件に関する質疑は、本日はこの程度にとどめたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤田藤太郎日本社会党

○委員長(藤田藤太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  他に御発言もなければ、本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十五分散会      —————・—————

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