予算委員会 第7号
- 発言数
- 179 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1964/12/05
会議録
○荒舩委員長 これより会議を開きます。 昭和三十九年度一般会計補正予算(第1号)、昭和三十九年度特別会計補正予算(特第1号)、昭和三十九年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題とし、質疑を続行いたします。 久保三郎君。
○久保委員 防衛庁長官にまずお伺いしたいのでありますが、懸案であったバッジシステムの日米の協定ができ、聞くところによりますれば、本日指定会社との間に契約をするそうでありますが、まずお尋ねしたいのは、第一点として日米合同研究の中で改善すべきものが出てきたので、本来は二次防の中で完成する予定を一年ほど延ばすということでありますが、この中身はどういうものでありますか。
○小泉国務大臣 バッジ組織の完成は、いまおっしゃいましたとおり、第二次防衛計画の完成年度までにこれも完成する予定で進めておりましたけれども、欧州におけるバッジの経験その他にかんがみまして、さらにテストを入念に行なわなければならないというような必要が生じ、一年ほど延長して万全を期したいということで、一年間延長ということになったようなわけでございます。
○久保委員 このバッジシステムの一年延長は、いま抽象的な御答弁がありましたが、そうではなくて、当初のいわゆる二百七億のワク内ではおさまらぬ、言うなれば、ヒューズに指定をしたこの機器がアメリカ側から異論が出て、これではとうていバッジ組織として完全なものではない、こういうふうに言われているのではなかろうかということですが、その辺はどうですか。
○小泉国務大臣 さようなことではございませんで、いま申し上げたとおり、諸種の改善をし、十分テストを慎重にやりまして、一年ほど延長をするということになったわけでございまして、予算の面においても、当初の計画どおり進んでおるわけでございます。
○久保委員 重ねてお伺いしますが、予算の上でも当初の計画どおり進んでおられるというが、それじゃあらためて、二百七億という計画の中でおさまるのでありますか。
○小泉国務大臣 二百七億でおさまることになっております。
○久保委員 それでは、次にお尋ねしますが、セントラルコンピューター、いわゆる中央計算機、こういうものは、これは何台備えつけることになっておりますか。
○小泉国務大臣 機械的の詳しいことにつきましては、政府委員から答弁をいたさせます。
○大村政府委員 主管局長はただいま参っておりませんが、経理局長より適宜御答弁申し上げます。 予算的には、DCが四カ所ということで計上いたしておる次第でございます。
○久保委員 答弁があわててわからぬから、もう一ぺん・・。
○大村政府委員 予算計上をいたしておりますのは、笠取ほか三カ所、DC四カ所分を計上いたしております。
○久保委員 ぼくが聞いているのは、いわゆる計算機は何台かと聞いておる。それだけ答えればいい。
○大村政府委員 お答え申し上げます。DC四カ所につきまして、大型の計算機が四カ所かと考えております。
○久保委員 四カ所だが、これはいわゆる二つずつを補えつけねばものにならぬとアメリカから指摘されたのではないのでしょうか。
○大村政府委員 主管局長が間もなく参りますので、それまでちょっとただいまの御質問に対する御答弁をお待ち願いたいと思います。
○国井説明員 電子計算機の数につきましては、ただいま手元に資料がございませんので、至急取り寄せまして御答弁をいたしたいと思っております。
○久保委員 手元に資料がないと言うが、一番ポイントだろうと思ってお尋ねしているのでありまして、そういう点がわからぬというのはちょっとどうかと私は思う。 そこで、それじゃ予備部品の割合というか、そういうものは何%に置いているのですか。
○国井説明員 本体分につきましては、バッジにつきましての総額の予算は二百七億でございますが、そのうち本体関係が百三十億でございます。
○久保委員 どうも答弁が的はずれでございますので、委員長から注意していただきたいと思うのですが、私は本体が幾らと聞いているのではない。予備部品の割合はどの程度備えつけるのかと聞いているのです。
○国井説明員 その点も後刻御報告申し上げたいと思います。
○久保委員 何を聞いてもお答えがないのでは、時間が過ぎまして困ります。 そこで、それじゃもう一つお尋ねしますが、この国産率であります。これは、前の答弁では六割ないし七割の国産率と言われておりますが、昨日の、あるいは一昨日か知りませんが、日米協定というか、そういうものによりますれば、五〇%程度だというふうになっていますが、この点はどうですか。
○国井説明員 お答えいたします。日米の生産比率はそれぞれ五〇%程度となっております。
○久保委員 それじゃ当初の計画と狂いがあるのではないか、その点はどうです。
○国井説明員 当初におきましては、五〇%以上をわれわれとして予定をいたしておりましたが、その後話し合いの結果五十、五十程度ということになったわけでございます。
○久保委員 それじゃもう一つお尋ねしますが、先ほど来バッジシステムは、当初の予算である、予定である二百七億でおさまると言ったが、絶対におさまるという確信を持って今日日米の合同研究、そうしてその積み上げである協定、交換公文、こういうものを取りかわしたと了解してよろしいかどうか、防衛庁長官どうですか。
○小泉国務大臣 二百七億で全部完成をするというこでと一切の手続を終了したような次第でございます。
○久保委員 聞くところによりますれば、二百七億のワクではおさまらぬ。そこで、結局一年延長もそういう関係がある。言うならば二次防の中では二百七億、三次防に移行して二千万ドル、こういうものを三次防の中で解決しよう、こういううわさがあるんだが、これはどうなんです。
○小泉国務大臣 さようなことは、私もいま久保委員から承りまして初耳でございまして、さようなことはございません。
○久保委員 そういうふうに長官ははっきり言明されたのでありますから。このバッジシステムの論議がこの春、あるいは昨年の春に国会で論議されまして、そのときにもそれぞれの委員諸君から、雪だるま式にこれがふえていくことはまかりならぬというようなきつい注文が出ていることをお忘れなく処理していただきたい。 それから、これは後刻でけっこうでありますが、昨日調印いたしましたところの二つの協定、一つは御案内のとおり防衛援助協定というか、一つは技術協定がございますね、そういうものを委員会に出していただきたい、かように考えます。 次に、来年度予算を概算要求しているようでありますが、その中にはT38、こういうものを二機要求しているそうですか、そのとおりですか。
○小泉国務大臣 T38の二機の購入を目下予算に提出して大蔵省と交渉中であることは、おっしゃるとおり事実でございます。
○久保委員 聞くところによりますれば、T38はいわゆる標的曳航機として導入するそうですか、それはそれにとどまることでありますか。
○小泉国務大臣 おっしゃるとおり104ジェット戦闘機の標的のために二機購入を決定いたしておる次第であります。
○久保委員 104の標的曳航用としてT38を新たに導入する理由は何ですか。
○小泉国務大臣 104のジェット戦闘機の訓練その他のために、標的用としてT38が最も適当であるというような考え方からこの購入を決定いたしたような次第であります。
○久保委員 104の標的曳航用として最も適当だとおっしゃいますが、104の曳航機ならば、アメリカあるいは今日日本でやっているように、そういう方式を踏襲するのがたてまえでないでしょうか。しかも超音速機の飛行機による、有人機による標的曳航というのは非常に危険である。なお曳航索を非常に長く延ばすということも考えられましょうが、そういうものは実際にでき得るものではない、こういうふうに思うわけです。いま大体この標的曳航用あるいは標的として使うような方式はどうなっていますか、T38を入れなければできないということでありますか、いかがです。
○小泉国務大臣 正確を期するためにも政府委員から詳細について答弁をいたさせます。
○海原政府委員 F104のパイロットの訓練のために現在どういう目標機を使っておるかということに関連しまして、先ほど大臣のお答えしましたことを補足して申し上げます。 現在までは、先生も御存じのようにT33という練習機がございます。さらにF104にDJという複座機がございます。この二つを用いましてF104のJのパイロットの訓練をやる計画で今日まできております。現にそれも実施しておりますが、このT38というノースロップ社のものは、開発の結果非常に良好な成績を、特に高高度におきまして、また超音速の分野におきましては非常にすぐれた実績がございます。さらには非常に経済的な面もございますので、現在パイロットの訓練に使用しておりますT33、F104DJの組み合わせと、38によりますところの曳航とどちらがより経済的であり、効果的であるかということも検討したいという希望がかねがね空幕のほうでございまして、今回の予算におきましては、まずこの二機を購入いたしましく実際に航空自衛隊の手でテストをした上で今後のことも考えてみたい、こういうことでございます。
○久保委員 大体104の射撃というか演習というか、そういうものは、まず104がロケットを発射して、このロケットに対して、これを標的にして発射するということがいままでやっていた一つの例だと思うんですね。いまお話しのように、比較研究するというが、それじゃ比較研究するために二機で将来も間に合うのかどうか、これはどうなんです。
○海原政府委員 曳航機といたしましては、ただいま先生のおっしゃいましたように、ロケットを発射して、これに向かって実際に射撃をする方法もございますし、先ほどお話がございましたように、目標をロープを出しまして、索を出しまして引っぱって、これに対して射撃をする、いろいろな方法もございますが、そういうことの両方に使えるわけでございます。先ほどちょっと申しましたように、このT38Bというのはマッハ一・六くらいまで出せるものでございますから、それ自体を目標として使用することもできるわけでございます。そこで、二機程度でどうなるかということでございますが、この二機というものを実際に航空自衛隊の手で運用いたしまして、その結果もしそのほうが非常に効率的であるということがわかりました場合には、航空幕僚監部といたしましては、別途にまたF104の五十機の継続生産も今回の予算で実はお願いしているわけでございます。これにつきましては、私どもは少なくとも今後七年、八年、まあ十年間というものは、このF104というものがわが国の防空戦闘機といたしまして最も基本的なもの、こういう判断をいたしております。したがいまして、先ほど申しましたように、現在の教育訓練の計画ではF104DJとT33、この組み合わせでまいるつもりでおりますが、現実にT38を入手いたしまして、そのほうがより経済的であるということがわかりました場合には、今後のF104の訓練体系とも関連いたしまして、その結果どうするかということを考えてみたい、こういうのが現在の私どもの判断でございます。
○久保委員 射撃訓練用に高速標的というか、いまのT38を導入する、こういうことでございますが、少なくとも高速度射撃訓練用に標的曳航機を導入するというならば、陸のホークあるいは海のターター、空のナイキ、いずれにも共用できるようなものを導入すべきであって、いまのような説明だけではどうもわれわれ了解しにくい。 時間もありませんから、まあ私の言いたいことをひとつ申し上げますが、どうもうわさによれば、このT38の導入には、従来もとかくつきまとう黒い霧が防衛庁にかかっているというふうにいわれております。これは、真偽のほどは確かめ得られませんけれども、少なくともT38を標的曳航用として導入し——これはとにかく二機ではものになりませんし、効率も悪い、金もよけいかかる、こういうことでありますから、将来これは練習機にひとつ移行しよう、こういうようなことが考えられておる。あるいはいまもお話しのようなコースをたどろう。こういうことでありまして、言うならば、何か別な意図で導入されてきつつあるのではなかろうか、こういうことであります。うがった話でありましょうが、来年は選挙がございます。そういう選挙にからんでどうもT38など要らぬものを持ってきたという極端な話さえ伝わっております。これは、小泉長官は御存じないかもしれませんが、この点いかがでしょうか。
○小泉国務大臣 いろいろな憶測があるというお話がございましたが、さようなことは絶対にございませんで、あくまでも航空幕僚監部でいろいろ研究討議の結果さようなことに決定をいたしたいきさつは、いま海原防衛局長がお答え申し上げましたとおりでございまして、私どもはもちろん関知いたしませんし、またさようなことがあるべきものとは考えておりません。
○久保委員 総理がおいでになりましたから、総理に先にお尋ねをいたします。二つほどお尋ねしたいのでありますが、一つは懸案である日米の航空協定についてであります。 これは長い懸案事項でありまして、本年も六月からかなり長期にわたって渡米の上に日本の政府代表が交渉したのでありますが、御案内のとおり、決裂という形になっております。もちろん、共同コミュニケにおいては、近い将来というか、友好裏にひとつやろうじゃないかということになってはおりますが、実際この六月の再度にわたるところの改定交渉には、非常に壁が厚いというよりは不平等である、この航空協定が不平等であるという認識はさらに米側にはないのであります。御承知のように、日米航空協定は占領下に締結されまして、なるほど当時としてはやむを得ない。形の上では、米側が言うとおり、日本も承諾したじゃないか、それはそのとおりであります。しかし、国務協定の精神からいきましても、かかる不平等条約は国民感情としてもこれは許すことができない一つの問題であります。先般総理がおっしゃったように、外交はナショナル・インタレストの上に立ってやる、そのとおりであります。しかも、端的にナショナル・インタレストを阻害しているのがこの日米航空協定であります。そこで来春というか、来月中旬に総理も渡米されて、それぞれ懸案事項について会談をされるそうでありますが、もちろん、そこで一挙に解決はあるいは不可能かと思います。いずれにしても、この日米航空協定がなぜこういうふうに長期にわたって改善されないのか、この点をわれわれは考えねばならぬ事態だと思うのです。言うならば、もはや先ほど申し上げたように、米側はこの協定の不平等について何らの認識は持っていない。言うならば、いままでのその他の国々と同じようなギブ・アンド・テイクといういわゆるやりとりの改定であるというふうに理解している。この理解を解くというのは、もうすでに限界に達しているのじゃなかろうか。ついては、この航空協定改定の再開にあたっては、再開の前に少なく三も現協定を破棄して、そしてその後においていわゆる交渉のめどをつけるべきではなかろうかというのが世論とわれわれは考えております。この点について佐藤総理、いかがでしょう。
○佐藤国務大臣 久保さんのただいまの日米航空協定についての御意見、しかもその経緯等については、すでにお話しになりましたとおりの経緯をたどっておりますが、しかし、その御意見の点については、まあどういう方法をとりますか、私どもも平等の立場において、そしてナショナル・インタレストを守っていく、こういう態度で交渉しておりますので、御声援を願いたいと思います。今日までの交渉の経過等につきましては、運輸大臣から詳しく説明させます。
○松浦国務大臣 ただいま総理のお答えになりましたように、重要な案件でございますから、今年の夏以来、日米航空協定改定交渉をワシントンにおいて行なってまいったのでございます。同意を得られず、むだに時間を費やしておりましたものでありますから、一時休憩をいたしまして、また再び開くということになったのでございます。現在、大統領が正式に就任せられますのは一月以後になるのでございますから、またそのころはわが方といたしましては国会の最中でございまして、結局予算でも通らなければこれは再開することができないのではないかというわが方の関係もあろうと思います。そのころにまた日米経済閣僚協議会というものが今度はアメリカにおいて開かれることになりますから、そのころにこれを再開いたしまして、われわれといたしましては、お説のようにどこまでもいままでの不平等条約的な扱いを受けておりますものを、極力努力をいたしまして、われわれの目的を貫徹いたしたい、かように思っておる次第であります。
○久保委員 決必のほどは、先般の決裂は運輸大臣就任早々の時間だと思ったのでありますが、そのときかなり運輸大臣個人と言っては語弊がありますが、強い決意をされたと思うのでありますが、政府全体の姿勢は最後にくずれた。そのために再開のめども、あるいは見通しも失ったまま振り出しに戻ったのであります。でありますから、六月交渉の経緯から見て、そこでお聞きしたいのでありまのが、アメリカにいまの協定の不平等性を認めさせられるところの要素は今日ありますか、私はないと思うのですね。そうだとするならば、これはいまお話しのように、大統領の就任、日本における国会の予算審議、こういうことがおるので、また五月か六月、その時期になるというのだが、その時期まで待ったといたしましても、やはり私はことしと同じだと思うのですね。ついてはもう決心してかかるべきだと思うのですが、どうですか。
○松浦国務大臣 先ほども久保さんが御指摘になりましたように、日米間の航空協定は不平等である点は十分あると私は確信しております。したがって、その不平等である点を十分了解の得られるように努力をする考えでございます。
○久保委員 努力をするといっても、限界があるということを申し上げているのです。限界はないとおっしゃいますか。当時政府を代表して行ったあなたのほうの部下である航空局長は、ある新聞に談話を発表して、限界がある、限界にきている、不平等性なんというそういうものは論外であって、ギブ・アンド・テイク一本やりだ。そういうものをまたもう一ぺんやり直す努力をするといっても、これはもうすでに限界を通り越している。だから、少なくとも担当大臣としては航空協定を破棄して、あらためて交渉に入ろうというのが筋ではないか、またそれが世論でありますよ。いかがですか。
○松浦国務大臣 責任者といたしましては、十分決意はいたしておりますが、それは私の胸三寸にあることでありますから、こういうところで公にすることは控えたいと思います。
○久保委員 胸三寸にあると言うが、ことしの六月も胸三寸にあったわけでありますが、とうとう三寸から先には出なかった。そこで総理、アメリカといわゆるパートナーとしてあなたがやっていこうということについて、これは別にとやかく申し上げません。しかし、パートナーというのは大体対等だと思うのです。しかも先ほど申し上げたように、世論をバックにして、やはり国民全体の利益というか、そういうものをバックにしてやらぬというと、これはパートナーでなくなる。政府の要人は別として、国民はパートナーでないという気持ちになるかと思うのです。ついては、いまの松浦運輸大臣は胸三寸と、こう回答がありましたが、あなたはどういうことでありましょうか。
○佐藤国務大臣 ただいまの日米間の問題、これはひとり航空協定だけではありません。非常に不均衡な一例として航空協定を取り上げておられるのだと思いますけれども、その他にも、貿易の面におきましても両者がもっと話し合って、そうして同じような立場で相互の理解を深めていく、そうして処置をとるべき事柄が幾つもあると思います。私も近く渡米するつもりでございますので、そういう際には、ただいまのような問題をまとめて、よく日本の立場も説明し、そうして友好裏にこういう問題が、解決とは申しませんが、前進するように、そういう方向で努力をしてみたいと思います。先ほど来運輸大臣が答えておりますように、事柄はただ強気に、そういうものを不平等だから断わっちまえ、そうして新しく出直せばいいじゃないか、こういう簡単なものでもないように思いますので、相互の友好関係をそこなわないで、そうしていい解決をもたらすように努力してみたいと思います。
○久保委員 そこで、重ねてこの問題で総理にお尋ねしますが、渡米されるのでありますが、その時期はいつのころで、本件も含めてお話をされる考えでございますか。
○佐藤国務大臣 けさほど私の渡米が本ぎまりいたしまして、日米両国政府で発表いたしました。ただいまのところ、十二日にジョンソン大統領と会うことになっております。一月十二日であります。したがいまして、ジョンソン大統領と直接こういうディテールにわたっての話をするかどうかは別といたしまして、米政府とはそれぞれの機関を通じて十分話をするつもりでございます。
○久保委員 それじゃ幾日くらいいらっしゃるのですか。
○佐藤国務大臣 一月の月はジョンソン大統領たいへん多忙なようであります。なかなか時間がゆっくりとれない。今日まで渡米が決定しなかったのもそういう事情があるのでありますが、しかし、ようやく米国側におきましても、十二日という日をあけてくれたようでありまして、それでただいま、できるだけ身軽にその会見に臨もう、渡米しよう、かように考えております。ただいま前後五日間、あるいは一週間、そのくらいの予定で出かけよう、かように考えておりますが、まだその詳細がきまったわけではありません。ただいまようやく十二日午前十一時から会見を持つという、その時間だけがきまりまして、そうして夜さらに会見を持つというようでございますから、それだけきまったので、前後を通じてどのくらいになりますか、まだ詳細きまらないという状況であります。
○久保委員 次に、一昨日の石野委員の質問に対して、総理は、対中国に対する政策というか、考えをはっきり申し述べられた。そのために、ともすると何か険悪な空気もあったのが、やや緩和されたというふうに伝えられているわけでありますが、ついては日中間の、これもやはり航空機の乗り入れというか、そういう問題に関連してお尋ねするわけですが、一つは、これだけ日中間の往来が非常にひんぱんになってきて、要人の往来もかなり多くなっている。こういう際に、さしあたり昨日でありますか、一応LT貿易といわれる日中間の貿易の一つの協定も調印された、こういうふうに伝えられておりますし、引き続き総体的な調印も中国から要人が来て調印をするであろう、こういうふうに伝えられておるわけでありますが、さらにこれに関連して先月の十九日に、北京で向こうの民間航空を担当する中国民間航空総局の見解として、代表として来られる廖承志の訪日に対して、臨時便をいずれかから出して行きたいものだ、こういう見解が発表されているわけなんでありますが、これに対して総理はどういうふうにお考えでありますか。
○佐藤国務大臣 日中間の航空協定、この問題はいままで前進しておらない、こういう状態もあることは久保委員も御承知のとおりでございます。これにつきましては、いろいろの技術的な問題もあるようですし、また両国の間の本来の姿からも、さらに研究を続けなければ結論が出ない、こういう状態がございます。しかし、ただいまお尋ねになりますような臨時便を出すことはどうか、臨時的に航空機を使用することはどうだ、こういう具体的な問題につきましてはもう少し研究さしていただきたい。たとえば中共の飛行機が日本に来るか、あるいは日本の飛行機がどこかまで出かけてその飛行機に乗るか、そういう問題もあろうかと思いますし、民間団体でやることが、政府が関与しなくてもやり得るか。そういう点を具体的に調べて、その上でお答えをしたい。お答えをするというよりか、そういう意味の研究をしたい、こういうことを申し上げておきます。
○久保委員 運輸大臣、逆でありますがお尋ねしたいのでありますが、専門的な担当の国務大臣でありますから。いま総理は、中国の飛行機を乗り入れるか、日本の飛行機が向こうへ迎えに行くか、あるいはそういう問題を含めて研究したいということでありますが、これは言うならば、政経分離とよく言われておりますが、これは政治に関係ございませんね。純然たるものでありまして、しかも貿易のために要人が来る。要人が来るのに、回りくどいルートをたどって忙しい人が来られるということはなかなか不可能でしょう。しかも、総理は一昨日、それぞれの場所において、適当な機会があればいわゆる政府要人同士の接触も深めたい、こういうような前向きなお話がございましたについては、これはさきほど研究の必要はなかろうとわれわれは考えております。単純と言っては語弊炉ありますが、指定された航空路を通るについて、これは臨時便でありますから別に問題はないし、もしもそれでも差しつかえがあるというならば、向こうは柔軟な態度を持っているようでありますから、日本の飛行機で商社が迎えに行くという手もあるだろうし、いずれにしても、もう少し前進した形が考えられてしかるべき時期だと私は思うのです。いかがですか。
○佐藤国務大臣 御承知のように、いま船は日本の船が向こうへ出かけたり、また向こうの船が日本に来たり、海洋の交通路はそういう意味で確保されております。しがし、今日までの国際的常識と申しますか、何だか空の問題になりますと、やや海洋の航行のような考え方にならない。そこにまだ開きがあるわけであります。したがいまして、事柄は臨時便じゃないか、あるいはLT事務所がそういうことをやるのじゃないかと、しごく簡単なようでございますが、まだ国際常識がそこまでいっておらない。こういうことでありますので、その点がもう少し研究の課題であるということを申しているのであります。
○久保委員 私は、いまもう一つ関連して質問があるのですが、いずれにしてもいまの総理のお答えは、ちっともどうも前向きのようにはとれないのでありまして、非常に神経過敏になっておられるのじゃなかろうかと思うので、佐藤内閣のスタイルもそれではなかなか出にくいのではなかろうかと実は好意的に見ているわけなんです。もう少し前進されたほうがよろしいだろう、こういうふうに思うのです。というのは、海については御説のとおり実際にやっております。空はなぜ悪いのかというと、空を自由に飛んでくれば、これはいろいろ支障がございましょう、日米安保条約というものもございますし。しかし航空路は、御案内のとおり航空路として指定されたものを通るのでありますから、これはむしろ海の上よりは空のほうが規制される形が多いと思うのです。そういう点を含めて考える時期だろうと私は思うのであります。いずれにしても研究するとおっしゃいますが、それは早い時期に研究されますか、いかがでしょう。
○佐藤国務大臣 早い時期に研究をしますが、これから研究すると申しておるのですから、いましばらく時間をかしていただきたい。ただいま申し上げますように、問題は、これが常識的になっておるような事柄だとこれは議論がないのであります。しかし、ただいま海と空はそれぞれ別になっているということを申しておりますので、まだいわゆる常識的な措置にならない。こういうことでございますので、私はあまりあせらないで、新しいことをやるのはよほど気をつけていきたい、かように考えております。
○久保委員 それで運輸大臣にお尋ねします。いまのものを含めてですが、パキスタンから中国経由東京、こういう申し入れが先年ございまして、これはただいまペンディングになっていると思うのであります。しかし、世界の情勢というのは御案内のとおり——激動ではないそうであります。佐藤内閣では流動だそうでありますが、動いているのでありますから、日本の外交方針だけ固定して定着しているのではうまくないと思うのです。ついては、中国は保守党内閣にとってはなかなかむずかしい問題もありましょうが、いわゆる政経分離の経のほうでありますから、ペンディングになっているパキスタンの申し入れとあわせて、日中間の民間協定というのをもう締結する準備があってしかるべきだと思うし、また、いずれかの航空会社同士が航空協定を結んでまいった場合にはいかが処置されますか。
○松浦国務大臣 これも、大体さっき総理のお答えになりました点とあまり変わらないと思いますが、ただいまのお話は、パキスタン航空の東京乗り入れと日中民間ベースの相互乗り入れは一括して検討すべきではないかというお話であると思います。その点に対しましては、国際情勢の動向とにらみ合わせながら、御質問の二つの問題点の処理については今後十分検討していきたいという程度以上には進んでおりません。
○久保委員 検討することはけっこうでありますが、中国との関係は別においても、パキスタンの問題は、また再びどうするかと言われた場合に、もしも強硬な手段できた場合に、あなたは担当大臣として困りはしませんか。そうなりてからいわゆる方向転換というのでは、これは政治じゃないと思うのです。だから、その辺も考えて、やはりもう到来した時期だと私は思うので、むしろ臨時便などは当然のごときものだと私は思っている。むしろ民間協定を早く締結することによって、日本、その中でも東京のいわゆる国際航空の地位というものをこの際十分に高めていく必要がある、こういうふうに思うのであります。単に日中間の往来の問題ではなくして、東京におけるところの国際航空の地位というものも考えられて処理するのが賢明な策ではないかと私は思っているのですが、どうでしょうか。
○松浦国務大臣 韓国との間におきましても、民間航空との協定が先になりまして、今後韓国との条約が締結せられましたならば、政府間の条約をいたしたいと思っておるのでございます。パキスタンの問題及び中共の問題に対しましても、政経分離を基本的な政治の動向といたしておりますが、これはほかのものと違いまして、飛行機の場合は政に入るか経に入るか、これはなかなかむずかしいところでありまして、われわれ非常に苦心をいたしておるところであります。御質問のお心持ちは十分にわかりますけれども、これをいまここで右する左すると決定することは困難であります。
○荒舩委員長 久保君に申し上げます。総理はお約束の時間がきておりますので、ようございますか。
○久保委員 まだ五分ございますから・・。
○荒舩委員長 十一時一分までのお約束です。五分おまけをいたしますから十一時五分までひとつ・・。
○久保委員 次に、運輸大臣にお尋ねしますが、フランスとの航空協定の中には、いわゆる中国大陸の一地点を云々と明記されております。この問題と関連して、いまの問題はどう考えておりますか。エール・フランスのいわゆる中国大陸の一地点を経由して東京、こういう問題が現実に申し出があったらあなたはどう処理されますか。
○松浦国務大臣 エール・フランスの問題に対しましては、申し入れがあったときにひとつ検討したいと思っておりますが、いまだ申し込みがございませんから・・。
○久保委員 いま、お話があったように、これに合意しているのでございますから、少なくともその場合には拒否できませんね。
○松浦国務大臣 現在申し込みもないような状況でございますから、具体的の場所をどこにするかということもまだきまっておらないような状況でございまして、その節に考えたいと思っております。
○久保委員 総理に、もう時間だそうですから、最後にこの問題で一言だけ申し上げたいのですが、いまお話が出たように、パキスタンからは具体的に申し入れがありました。これは御案内のとおり、政府の都合ということで、政治情勢といいますか、そういうことで一応申し入れを断わった、そういうことになっております。しかし、これはいつまでも続けるわけにはいかぬと思うのですね。しかもパキスタンとの間には航空協定も今日あって、日本の航空機もパキスタンを経由し、乗り入れております。報復手段がいつないとも限らぬですね。エール・フランスについては、日航はいわゆる北回り、南回りについては、御案内のとおり共同の運航をやっております。そういう情勢にあって、フランスはすでにドゴール大統領が中国を承認している。かなり接近した態度で来ております。しかもヨーロッパと東洋、その中でも日本を中心にする東洋、こういうものの交通路を考えれば、中国の一点を経由してヨーロッパの南あるいは北、こういうのがいまの北回りよりは非常に近い、運賃も安くなる、まあこういうことであります。しかも北回りは、最近やや採算に乗っているかと思うのでありますが、そういうものが出れば北回りは直ちに凋落する、こういうことも考えられます。そういうことを考えると、いわゆる政治の問題を別にして経済の問題を重点に考えても、当然のごとく、今日の航空行政というか、政策というか、その中には中国を度外視しての問題の展開はない、こう思うのです。だから、中国との取り組み方によって、先ほど来お尋ね申し上げた日米間の協定についても関係なしとは言いがたい情勢だと私は思うのです。そういうことを考えられて、この問題を前向きで取り上げられる時期だと私は強調しているのです。いかがでしょうか。
○佐藤国務大臣 久保委員からいままで日米間、あるいは日本とパキスタンの関係、あるいは日仏間、また日中間、いろいろの路線についてお尋ねがございました。私はこう思うのです。本来ならば海洋に航行の自由というようなものがあるのに、大気についてはそういうようなものが国際的に認められておらない。これは一体どういうわけなのか。先ほど来申し上げました具体的な例にしても、どうも海洋については船舶はお互いに交流しておる。しかし、飛行機についてはそれができない。空中というものについては、まだただいま申すような基本的な態度が決定されておらない。それが国防上の問題であったり、いろいろの理由があって、あるいは望ましい航空路にしても、その国の事情で断わっているものがある、こういうことは、いつの時代かに解決されるに違いない。ことに私どものような国から見ますれば、いま飛行機が船より以上に客の面においては利用されておる。そういう立場になってくると、もっと航空路が自由に開かれるような状態であってほしいという、それはもう皆さんと同じ立場だと思う。中共との交通をどうしろとか、あるいはパキスタンとの間をどうしろとかいうわけでなしに、いましばしば言われておるシルクロードの問題にしても、そういうところを通るなら世界の交通はもっと楽になるだろう、そういう意味の道がまだ開かれておらない。これが、先ほど私がお答えしたように、どうも国際常識的にまだ発展しておらないのです。その点がまことに残念ですという言い方をしておりますが、ただいま申し上げるような実情にある。そういう立場にありますと、その個々のもののきめ方にしても、双方にらみ合わせてきめていかなければならない、こういう状態でございますので、いまこの路線をどうするのだとか、こういうところへ話を持っていかれないで、大局のあり方、世界の航空路についてのものの考え方をできるだけ一致さすように、そういう方向へ持っていく、これがやはり新しい行き方じゃないだろうか、私はかように考えます。したがいまして、いまの個々の問題にしても、日米航空路の問題にしても、アメリカ自身が優位に立っている。それを守ろうとしている。あるいはパキスタンが新しい航空路を開いたが、さらにそれを、見方によれば日本に乗り入れをすることは、やはり航路の延長であり、その線の擁護でもあるだろう。あるいはまた中共とフランスの間にどういう協定ができても、それがやはり進んでいく。これはやはりその航空路の擁護になるだろう。そうして、しかもその航空路が排他的である、こういうようなことも考えてみなければならない状況だ。したがって、将来の航空路のあり方、それが順次海洋の航行の自由のようにおそらくなっていくのではないだろうか。われわれはまた、そういう方向で努力すべきじゃないだろうか、こういうようなことは、私は一つの夢みたいなことですが、そういうような考え方をしております。現状におきましての政経分離の立場、あるいはまたただいま申し上げるような自己の一会社、あるいは自己の会社の利益擁護、こういう立場でなしに、もっと人類自身に交通の自由、その中にはやはり航行の自由、航空路の自由というようなものがあるのじゃないのだろうか、そういう方向へ進むべきじゃないだろうか、かように私は思っております。
○久保委員 もう時間でありますから、総理に一言だけ申し上げておきますが、御説のような所論もございましょうが、特にきょうお尋ねした対中国関係の航空の問題、これはあなたの一昨日の御答弁からすれば当然のごときものではないだろうかということであります。それから一般の国際航空の問題でありますが、御説のとおり、海洋については長い歴史と伝統の上に築かれた海洋の自由があります。この自由も、御案内のとおり、シップ・アメリカンあるいは航路同盟というようなところで、必ずしも日本は平等の立場に今日立たされておりません。しかし、航空については、御案内のとおり、国際協定を締結しているのは、わが国は二十一カ国であります。そのうちのアメリカを除いて二十カ国は、互恵平等の原則に立って今日やっております。アメリカ一国だけがいわゆる日本に対して差別待遇、あるいは不平等であるということでありまして、アメリカの例は、いわゆる今日世界の例ということには相ならぬと私は思うのであります。そういう点も含めて問題の解決にお当たりいただくようお願いして、総理に対する質問を終わります。 次に、運輸大臣にお尋ねしますが、一つは、最近陸海空にわたって交通事故が続発し、さらにその事故の規模もかなり大きなものになってくるのは、最近における一つの社会問題であります。これは、この国会においてもたびたび取り上げられておりますが、要はいろいろな施策がばらばらであるということ、あるいは交通投資が不足であるということ、しかも交通企業そのものが現在までのいわゆる社会風潮というか、そういう傾向に押し流されて、人命尊重は二の次で、いわゆる生産性の向上ということにきゅうきゅうとしている結果でもある。いろいろな点が指摘されておる。ついては、この際、政府は人命尊重が何ものにも優先すべき施策の重点である、こういう観点に立って、少なくともすべての施策の立案にあたっては、その基本方針をまず打ち立てていくという大原則を立てることが一つであります。特に最近の交通事故の態様にかんがみて、政府の道路交通あるいは運輸、こういうものに関する施策の企画とかあるいは立案、そしてこれを裏づけるところの予算あるいは公私の企業経営、こういうものに対して交通安全対策の義務を負わせる。と同時に、一般国民の交通に対する認識を高めていくというような総合的な施策というか、基本的な方針を打ち出す時期だと私は思うのです。ついては、交通安全基本法というか、そういうものをひっくるめたものをこの際提案する用意はあるかどうか。いかがでしょう。
○松浦国務大臣 御質問の点は全く同感であります。しかも人命単車は政治の最高目標でありますから、この点に力点を近代政治は置いていかなければならぬ、すべての問題がそこに集中されなければならぬと思っております。しかし、交通安全の基本法の制定についての問題でございますが、交通安全の確保ということは、輸送本来の基本的な任務であるのでありまして、運輸省といたしましても、これまで交通事故防止対策委員会等を初めといたしまして、各種の安全対策に関する委員会等において防止対策を検討し、安全について十分の注意を払ってまいっておるのであります。さらに行楽シーズン、あるいは年末年始、あるいはお盆等の繁忙時期におきましては、関係機関に対しましてそれぞれの事故防止の周知徹底をはかって指導してまいってきておるのでございます。交通安全基本法の制定については、さきの交通基本問題調査会の答申においても言及されておりますので、重要な問題であるのでございますから、十分考慮していきたいと考えておる次第でございます。基本法の性格から考えて、その内容は単に運輸省だけでこれを考えていくことはできません。交通全般にも関連する大きな問題でございますので、関係各省とともに連絡をとりつつ、総合的な見地の上から慎重にいま検討中でございます。
○久保委員 大体政府はいろいろな調査会や諮問委員会というものをつくっておきながら、その答申はおおむね受けっぱなしというのが多い。特に運輸関係ではそういうのが多いんじゃないですか。いまあなたがお述べになったような交通基本問題調査会、この答申はすでに三月に出ているわけですね。ところが、いまの御答弁だというと、これから大体折衝してというふうにとれます。少なくとも答申が出たならば、なるほど運輸省一省だけの問題ではございませんが、政府全体として答申を受けているわけでありますから、しかるべき方法をとって次の通常国会にはこれに見合ったものを提案するというのがたてまえだと思うのですが、これはいまだそういうところまではいってないというふうに聞いてよろしいのですか。
○松浦国務大臣 努力は重ねておりますが、次の通常国会までには間に合わないのではないかと思っております。
○久保委員 間に合わないというか、やっておらないから間に合わないだろうと思うのです。大体人命尊重が何ものにも優先するということは、先般来佐藤総理からもお話があります。口先だけで人間尊重だと言いながら、あるいは人命尊重だと言いながら、これに対する具体的ないわゆる前向きの姿勢がちっともない。こういうことでは、佐藤内閣というか、この社会開発を含めてどこに本来の姿が具体化されるのかわからぬ、こういうふうに思うのです。これはどうなんです。反省されているのですか。
○松浦国務大臣 お説のとおり社会開発の最重点事項でございますから、やっておらないじゃないかというおしかりがございますが、そうではなくて、できる限り手を分けてそれぞれ努力をいたしておりますが、この基本法的な性格のものを短時間に仕上げることは困難でございますことも、久保議員御承知のとおりであります。十分念には念を入れて仕上げなければならぬものでございますから、その点御了承を願いたいと思います。
○久保委員 次に、運輸大臣にまた一つお尋ねしたいのですが、今国会に提案された国鉄の予算補正でありますが、この中で、特に去年の予算原案策定のときに、いろいろ申し合わせというか、ありました。その中で、特に債務負担行為四百億の問題で当委員会で私から言及をいたしまして、当時大蔵大臣は、これは言うならばから手形にはしないのだ、こういう御答弁をなさった。今度の予算を見ますると、この肩がわりというのは実際は五十億、こういうふうに出ているようでありますが、この点はどう考えられておりますか。
○松浦国務大臣 昨年の予算編成のときに四百億、お話のようなわけで御承認を願っておりますうち、今度の補正予算に五十億出していただきましたが、国鉄のほうといたしましても、財源は枯渇いたしておることでございますから、あとの三百五十億はさらにお願いいたしたいと思っております。
○久保委員 大蔵大臣、いかがでしょう。あなたが前に当委員会で言明されたこととちょっと違うようにわれわれは感じておるのですが……。
○田中国務大臣 御指摘のとおり、四百億のうち五十億を補正いたしたわけでございますが、これは通勤輸送、幹線輸送、電化とかディーゼル化、取りかえ諸改良、こういうことになっておるわけでして、四百億のうちあとの三百五十億は、いま運輸大臣はできれば再補正が好ましい。好ましいことはわかりますが、いまのところなかなかむずかしいということが事実でございます。これは、四百億のうち五十億しかやらないということでございますが、そのほかに今度また追加をしておるわけでございます。ですから、四百億のうち幾らということよりも、国鉄として一番急ぐ工事を十分両方で打ち合わせた結果、二百二十五億の補正を必要とし、そのうち二十億は国鉄の財源で何とかなりますから、大蔵省として財投で二百億見た、こういうことでございますので、四百億の中の内訳からいいますと五十億でございますが、そうではなく、半分以上も補正したと同じ効果だというふうに御理解いただければはなはだ幸いでございます。
○久保委員 時間もございませんから、この問題はその程度にいたしましておきましょう。大蔵大臣もつい半年前に言明されたことでありますから、運輸大臣のあともという話は全然そでにはしないと思うのであります。というのは、来年からいわゆる基本問題懇談会で長期計画ということもございますので、実はその一番大きな問題は何といっても資金手当ての問題だと思うのです。答申の中にはいろいろ出ておりますが、どうもわれわれから見ても、この意見書の中身は矛盾がある、こういうふうに考えておる面があるのです。 そこで、この長期計画について二、三お尋ねしたいのでありますが、一つはいままで第一次、第二次五カ年計画でそれぞれやってまいりました。いずれも中途でこれは挫折であります。その原因を検討し、その挫折した原因について深い反省がなければ、長期計画というのはどういう資金手当てであっても、これは成り立たぬかと私は思うのです。この第一次、第二次五カ年計画の挫折の原因は、一つにはこの国鉄の長期計画というものが、道路や港湾と違って、政府において早くいえば承認されてはおらぬ。道路あるいは港湾は、それぞれの緊急整備法によって閣議決定というこにと相なっておりますが、このたび重なるところの長期計画は、全然それがなされておらない。単に単年度の予算を盛ってもらうための一つの参考資料程度にすぎない。あるいは運賃値上げのための口実というか、説明資料であった、こういうふうに考えざるを得ないのです。ついては、長期計画の中には多少問題があります。しかし、いずれにしても国鉄を再建し、整備せにやならぬというのは御案内のとおりでありますから、これを本腰を入れてやるというならば、やはり政府においてオーソライズされねばならぬと思うのです。運輸大臣は意見書を受けられまして、政府としてどういうふうにこの問題を考えているか。いわゆる道路や港湾と同じように、政府において承認される形に持っていくのかいかないのか、意見書には全然融れておりませんが、いかがでしょう。
○松浦国務大臣 基本問題懇談会の答申に対しましては、その意見書は閣議に報告いたしまして、大方の了承を得ておりますから、今後この実現に全力をあげていくつもりでございます。いまお話しのように、長期計画は政府に十分了解されていないんじゃないか、そういうために五カ年計画も不十分であったではないかということでございますが、今度のこの長期計画は、第三次計画は、これは昨年の十二月閣議において了解を得まして、それでこの懇談会というものがつくり上げられたのでございます。そうして幾たびか議論がせられまして、御承知のような答申が行なわれたものでございまして、その答申も、まず支出のほうの二兆九千七百二十億が出ました時分にも、中間報告を閣議にいたしました。また収入の面につきまして報告がありました時分にも、閣議に報告をいたしまして了承を得ておりますから、今後この問題は、大体いままでも中間報告をいたしておりますので、閣議の決定は六カ年計画になっておりますが、大体これは七カ年計画になるような模様でございますから、この七カ年計画の内容は、最初四年は三千七百億ずつ、あと三年は五千億ずつというようなことでお願いをする予定になっておりますので、そのワクを閣議で決定していただきまして、計画どおりの事業を遂行していきたい、かように思っております。
○久保委員 そこで、大蔵大臣にこの問題でお尋ねしたいのですが、いま運輸大臣がお述べになったように、意見書に盛られたように、計画は七年、それで前半の四年間は年平均三千七百億、後半の三年間は五千億ずつ、こういうことでお願いしたいというが、そういう計画は大体どういうふうに考えていますか。
○田中国務大臣 鉄道の増強計画が必要であるということは、そのとおりでございます。政府も、今度は基本問題懇談会の結論は尊重する、こういうたてまえでございましたので、六カ年間では多少無理にしても、七カ年間程度では何とかしたいという考えでございます。閣議決定が必ずしもいいかということでございますが、閣議決定よりも、やるならこれは法律をつくって、ひとつ国会でもあらかじめ賛成しておいていただく、こういうことのほうがいいんじゃないか。なぜならば、やはり今日の大宗は運賃値上げということになりますので、これも全然考えないで、国鉄の増強は必要である、運賃値上げは反対である、これでは困るので、それは十分むずかしい問題ではございますが、やはり国鉄の管理者も、それから国鉄の先輩も、国鉄に働いておる従業員も、われわれ政府も国会もひとつ十分検討して、やはりこういうものは必要だ、こういうものは私は閣議決定よりも、国鉄七カ年計画に関する法律くらいをつくって、かえって国民に明らかにしてやるほうがいいんじゃないかというぐらいに考えております。いま国鉄側から出している大蔵省に対する概算の姿は、逆な姿であります。四十年度が大きくて、あとは小さくなるようです。いま運輸省からは少しそれを直して、前は三千七百億、あとの三年はということでございますが、これは四十年度に運賃値上げができるかできないかということによってまた違うわけでありまして、少なくとも総額二兆九千億余は認めるにしましても、いずれにしても四十年度から先を延ばしていくのか、平均均等割りでいくのか、そういう問題は予算編成の時期までに両省で十分ひとつ詰めて、より合理的なものをつくりたい、こういう考えであります。
○久保委員 運賃値上げを含めて法律でというお話でありますが、これには異論がございますので、いずれにいたしましても、政府の責任というものをやはり明確にしなければいかぬと思うのです。だから、運輸大臣がおっしゃるような形よりは、多少大蔵大臣のほうが進歩的ではなかろうか、こういうように思うのです。ただし、その運賃の問題でありますが、第一次、第二次五カ年計画がくずれたのは何かというと、いまのお話も一つの点であります。もう一つは、所要資金をどういうふうにして捻出したかが問題だと思うのですね。国鉄の現状は、中期経済計画においても、一兆八千億の投資が必要だ、こういうふうになっております。この投資というのは、先行投資ではなくて、すべてはいわゆる投資不足に対する投資だと思うのです。そういう点からいくと、これは運賃値上げによってのみやるべき筋合いではない。第一次、第二次がくずれたのは、言うまでもなくその資金調達を合理化と運賃値上げの二面から持ってきたわけです。合理化を徹底してまいりまして、合理化を徹底する反面、言うならば企業性の追求というのが力点であります。企業性の力点からはどういう結果が出てきたかというと、一つは過密ダイヤに象徴される交通地獄、あるいは不安全運転ということが出てきた。企業性の追求は、いわゆるローカル線の放置、デラックス電車の増発、急行、優等列車にのみ重点を置かざるを得なかったということなんです。そこに大きなひずみがあると私は思うのです。今度の長期計画は、断じてかかる方針で貫くべきではない。こう思うのです。運賃値上げそのものには限度がございます。この運賃値上げによって、いわゆる政府の当然手当てすべきところの資金手当てを回避した。それは、言うならば借り入れ金の増大である。それに対するところの元本の償還に今日四苦八苦という形も、国鉄経理の中で大きく出てきておるわけです。そういうことを考えると、この反省をまず前提に長期計画の遂行を考えて、しかる後に運賃はどうするかが公平に見て順序ではなかろうかと思うのです。ましてや今日の経済情勢からいって、国鉄運賃の生計費におけるところのいわゆる算術的な比重だけでは、問題が処理されないと思うのです。ついては、先般大蔵大臣は、国鉄運賃の値上げは当分やらぬでいくほかないんじゃないかというお話でありますが、担当の企画庁長官にお尋ねしますが、この長期計画に盛られているものは、あいまいもことした結論ではあるが、運賃値上げ二六%を一つは言っております。長期計画には、私がいま申し上げたような政府がなすべき措置がとられないままに二六%が出てきているかっこうでありますが、ついては、この運賃値上げについて企画庁としてはどう考えられておりますか。
○高橋(衛)国務大臣 お話しのとおり、国鉄基本問題懇談会では、二兆九千億という財源をもって密ダイヤの解消、その他各般の施策を進めるということになっておりますが、その財源措置として運賃の値上げを必要とするという答申が行なわれておることもまたそのとおりでございます。御承知のとおり、物価の上昇がここ近年非常に急激でございましたので、何とあっても物価を安定に持っていくということのためには、公共料金の取り扱いについては特は慎重を要する、こういうふうな考え方から、企画庁といたしましては、政府部内の完全な意見の一致をまだ見ている段階ではございませんが、われわれといたしましては、少なくとも四十年度中においては国鉄運賃の値上げは好ましくないという考え方のもとに、あの懇談会の申答におきましても、値上げをする時期または幅等については、これは保留されているような状況に相なっておる次第でございます。
○久保委員 そこで運輸大臣にお尋ねしますが、いま企画庁長官の見解が表明されました。言うならば、運賃値上げは好ましくない、こういうことでございます。そこで私が申し上げたように、前段政府としてとるべき手段がやられなければならぬ。これはとらなければならぬ。一つは、国鉄の資産というのは二兆億円になっておる。その資産の形成はどういうものによったかというと、運輸収入、いわゆる運賃と合理化あるいは借り入れ金、こういうもので積み上げたのが二兆億なんです。言うならば独自の立場というか、いわゆる一般大衆と荷主の背中においてこの二兆億という資産ができた。政府の機関であるといいながら、政府出資は御案内のとおり四十億であります。意見書においても、諮問委員会の結論においても、政府出資はこれでは少ないじゃないか、政府の出資をもう少し考えるべきであるというのであるが、この点はどう思うか。 さらには借り入れ金の問題でありますが、財投に大半をたよっておるのでありますが、たとえば同じ運輸機関である海運と国鉄と比較した場合に、海運は、御案内のとおり、計画造船は金利は四分であります。そういう資金をこれに回しておる。なるほど海軍には海運の国際収支改善というか、輸入物資の安定的供給という大きな使命から、これも必要でありましょう。しかし、国内の輸送の大宗をになうところの国鉄の現状、これを考えた場合に、単純に運賃値上げによるべきではなくて、むしろいまあるところの財投に対するところの見方も変えていかなければならぬ、こう思うのです。この二つについてどう考えられますか。
○松浦国務大臣 御答弁申し上げます。 大蔵大臣も企画庁長官も、案そのもの全体には御賛成でございます。どうしても現在のままの過密ダイヤ並びに全線の複線、電化及びその他近代的な改良に対しましては、賛成していただいております。要は資金をどこから出してくるかということが問題で、いま御指摘になりましたように、運賃にウエートを非常に多くかけております。これは企業の独立性から考えまして、この改良、この大改善をしようとするならば、三つの資金を得る道しかない。自己資金、それから財政投融資並びに利用債及び公債の一部——公債ということばを使っていいかどうかわかりませんが。縁故債、利用債というものを出しております。そういう借金によるもの、もう一つは政府の投資、その三つの財源よりほかに私はないと思うのです。その政府の投資が、御存じのように、四十一億しか投資されておりません。したがって、今日の国鉄の経営の内容というものは、多少黒字は出ておるけれども、真剣にこれを勘定してみると、黒字ではない。それで、しかも収入の物価指数と支出の物価指数とは、五分の一ぐらいのもので収入して、支出は五倍を払っておる。こういうことでは、だれが経営したって赤字になるのはきまっておるのです。でありますから、私は、やはりこの収入も支出もやや指数の合った方向まで御奮発を願わなければ、これは経営の安定ははかれるものではない、こういうふうに考えております。しかし、七年の間に予定の運賃が入ればいいじゃないかということでございますならば、今年、四十年は上げられなければ、四十年に予定された運賃収入というものを政府が出資の形で出していただけば——出資で出していただくか、運賃で上げてもらうか、その二途のうち一途しかこの国鉄の第三次計画を遂行する資金源はない、かように思っております。 それからもう一つ、海運と国鉄との金利の問題について不合理ではないかということでございますが、これは全く私は同感であります。不合理なんですけれども、反面考えてみると、戦争によって国鉄もかなりこわされました。しかし、海運のほうは、政府は民間の船を全部借り上げておいて、それを全部沈没させちゃったんです。それで全然これを賠償しないのです。だから金利ぐらいは少し助けてやらなければ、とても日本は世界の海運市場において競争することはできない。現に四億ドル以上の運賃の赤字を出しております。ということも兼ねて考えるならば、やはりこれも応援してもらわなければならない、かように考えております。
○久保委員 大臣いろいろお話がありましたが、たとえばあなたの会社で、資本金が四十億で資産が二兆億なんというのは、これはびっこだとは思いませんか。むしろ運輸大臣の立場からいけば、運賃の問題はもちろんあなたの所管事項でありますから大事でしょうが、少なくともそういう政府の一閣僚としても、政府に対する対策というか、手当てというか、そういうものも担当大臣としてはもっと前向きで積極的に考える時期だろう、こういうことでお尋ねをしているわけです。否定はされていないようでありますが、とにかく政府出資というものも十分考えて、借り入れ金についても、その利子負担についてどうするかを考えていくべきだと私は思うのであります。海運のことをいろいろお話がありましたが、国鉄も同じですよ。つぶされないだけの話であって、あの戦後から今日まできたのは、二兆億の資産は、先ほど申し上げたような手によって築き上げた。ただし、海運は国際競争に勝つためにということなんで、戦時補償の肩がわりとして利子をまけているわけではわれわれはないと思っております。戦時補償のことで言うならば、国鉄は一兆八千億まるまる国家の支出であるべきだ、私はそう思っているのです。それは当然だと思うのです。だから、そういう論議はいずれ別の機会にいたしまして、少なくとも前向きで当分考えなければいかぬ。これに力点を置いていただきたい、こういうふうに思います。 時間もありませんから次に移りますが、ただ運賃の値上げのやつは、いわゆる黒字ではない、赤字である、こうおっしゃいましたが、いまのとにかく経常収支は黒字でございます。結局それでは値上げの理由は、言うならば資金調達ということですね。資金調達ですよ。経営が苦しいから上げるというのではなくて、それはどこを突ついても資金調達の理由であります。いわゆる経営の赤字が理由ではないのであります。次には合理化でも、先ほど申し上げたように、資金に不足している、とてもじゃないが間に合わぬ。きのうも運輸大臣は陳情を受けられたが、秋田のほうのローカルの駅で、陸橋は夕方になっても電灯を節約するためにつけぬそうであります。非常に困る。ばかばかしいくらいの合理化をやっております。オーバー・ブリッジの電灯を電灯料節約のために消してしまう、こういうことをローカルではやっておるのです。そういうものでありますが、それでも調達ができない。あるいは国家予算の中でも、いままでの形からいくと、一銭もよけいな金は出ないということで運賃値上げ、これは理由になりません。だから、いま申し上げたような各点について検討を加えることが、まず先決でありましょう。私は、それだけ申し上げておきます。 そこで、国鉄総裁に最後に一つだけお尋ねするのでありますが、この基本問題懇談会の意見書の中には、要員問題にも触れております。生産性は向上したが、国鉄の経営と将来の需給を勘案すれば、四十五万でこれは極力押えていけ、こういう意見でありますが、今日国鉄の企業、それからいって、オートメやなんかがきくものではございません、限界に達しております。しかも安全運転は至上命令であります。それから考えれば、この基本問題懇談会の意見書に盛られたこの要員の抑制ということについては、われわれは疑問があると思うのです。この点について国鉄の総裁はどうお考えでしょうか。
○松浦国務大臣 その前にちょっと私の話・・。 先ほど、政府施策に対して、前向きの姿勢が足りないじゃないかというお話がありましたが、それは相当やっているのです。先ほど申し上げましたように、これは、運賃で収入をはかるか、政府の投資を願うか、その二兎のうちの一兎しかないと言っております。でございますから、お話のように二兆円のものに対して四十億の投資しかないのでございますから、これは、私はどうしても政府投資をしてもらわなければならぬということで、この六カ年計画の中には、約四千億の資金を出してもらうように要求はしてあります。けれども、大蔵大臣を前に置いてぐあいが悪いのですが、なかなかいい顔をしてくれないのです。そこで運賃のほうにいくのですが、これはひとつ久保さんも御協力願って、運賃を安くして、そして政府のほうから出させるように御協力をお願いしたいと思います。 それから、もう一つは、オートメーションあるいは合理化をして機械化をしていかなければ、とても労力が過重になりましていけませんから、どうしてもそうなってくると、人間不増の問題になってくるということでございますが、私は、一面において合理化をやると同時に、他面においてやはり企業が積極的に幅を広げていくという面において合理化をすべきである。そして、なるたけ関連産業によって利益を得て、国民負担の運賃を軽からしめていくべき合理化をすべきである、こういうふうに考えております。
○石田説明員 久保さんにお答えいたします。 第三次計画に関連しまして、人のことについてお尋ねがありましたが、われわれの方針といたしましては、技術革新による作業その他のいろいろの近代化等によりまして、できるだけ人間はふやさない。これは懇談会の答申にある線に沿うていきたいと思いますが、はたしてこれができるかどうか。しかし、できるだけのことはやらねばいかぬ。すでに国鉄は昭和二十八年ですか、それから今日まで人間は一つもふえておらぬ。その間に輸送量というものは非常にふえている。ことに最近は、また新幹線でもって数千の人間をそのほうにとられておる。そこへ今度第三次計画というようなことになって、人間をふやさないでやれるかどうか。しかし、これはやはり国鉄としては全力を尽くしてひとつ人間をふやさないでやれるように努力せねばならぬということに考えております。ただ、国鉄というものは独立採算のもとにある。ところが、経費は約四千五百億で、そのうちに人件費にかかるものが三千百億というように、人件費というものが非常に大きなウェートをなしている。だからして、人件費というものに対して国鉄というものは全力を尽くして節約するということにせねばいかぬ。しかし、これはもう全力を尽くしましても、そこには限度がある。ただいま申されたような、あんまり無理をすると、事故の発生を起こす一大原因をなす、こういうことからして、全力を尽くしてなおかつどうしてもいけないという場合において、初めて人をふやす、こういうことにせざるを得ないということを私は考えております。
○久保委員 いま総裁と運輸大臣からそれぞれ歯切れの悪い答弁がございましたが、歯切れの悪いのは当然なんでありまして、失礼でありますが、意見書には、いわゆる要員増は抑制していけ、こういうことをいっておるから、そういうワクもある。しかし、現実には非常に困っているという、そのジレンマにおちいった答弁だと思うのでありますが、私は非常に大事だと思うのです。他の産業と事違って、人間の手によらねばならぬ作業が非常に多い。また人命に関する仕事でありますから、これをオートメ化し、機械化しても限度がある。すでに東海道新幹線においても、御案内のとおり、今日世界の最高水準のそれぞれの技術を駆使してやっているわけなんですが、それでも事故と円滑な運行はいまだしの観がある。そういうことを考えると、やはり要員も前向きで考える時期だと思う。もちろん、意見書で指摘されたように、将来の需給の問題は、これは労働者が一番担当かもしれませんが、少なくとも問題は、やはり長期の展望に立って、質と量について策定せねばならぬ、これは政府の大きな責任だと思うのです。だが、事国鉄だけの問題に限って、将来の需給の関係もあるから、ふやすのはやめておけ、あるいは、いま総裁がお話しのように、独立採算の中で、収入がないから、そこで人件費が伸びていくから、実はそれは押えなければならぬ、こういうことだけでは問題の進展はないと思うのです。人件費というならば、全部人間は使わぬということでいくのが一番理想的なんです。ところが、それはできない。どういう形でか——いま、たとえば合理化の一環として国鉄業務の切り捨てということをやっている。切り捨てというのは、国鉄から捨ててしまうわけではない。国鉄の直営からいわゆる下請の形、たとえば、先般東海道で作業員の死傷事故がありました。これはまさしく国鉄自身の手によって線路の狂いを直し、あるいは路盤の沈下を手直しするということは当然やらねばならぬ。ところが、請負に出し、また下請にいく、こうなればなるほど国鉄の経営の中では人件費としてはあらわれない。形を変えた形で実は出てきているわけです。それを、その現実に目をおおって、単に帳じり合わせの要員不増の方針はとるべきではない。私はそういうふうに考えます。運輸大臣、いかがですか。
○荒舩委員長 簡潔に答弁願います。
○松浦国務大臣 お説のとおりに、やはりただ人間を減らすばかりが能ではないと思うのです。特に輸送事務のごときは、機械化するといっても限度がありますが、事荷物の積みおろしについては、非常に日本はおくれております。その点は相当合理化する点はあると思う。合理化して余った人間をどこに使うかということが問題だと思うのです。それを減らすのではなくて、今度名神国道にバスを許したのですが、そういう仕事をふやしていって、その利益によって国鉄の総合的な運賃を安くしていくというような方向に進んでいきたいと思っております。
○久保委員 いまの私の質問に対してお答えがない。いわゆる現実は違う。たとえば臨時雇用員と称する者が今日八千八百人もいる。それは第一線の職員と同じような仕事をしているのですよ。おまえの身分は何だと聞かなければわからぬ。そういうのをそのままにしておいて不増をいっても、問題にならぬということを申し上げた。あなたの御所論についても、それは傾聴に値するものはあります。事業を拡張してやっていく。これはそのとおりです。しかしその前に、いわゆる現実に目をおおってのこの意見書の結論には、われわれは承服しかねるということを申し上げているのです。総裁はそのとおりお考えだと思うのですが、こそくな手段によって長期計画を進めることについては、断じてこれはまかりならぬ。洗いざらい全部国民の前に全貌を明らかにしていくことが、私は国鉄の再建のための基本だと思うのです。その点を申し上げて、時間がまいりましたから、質問を終わります。
○荒舩委員長 先ほどの保留してあります電子計算機の問題について当局の答弁を求めます。国井装備局長。
○国井説明員 先ほどお尋ねがございまして、答弁を保留いたしました件、お答えいたしたいと思います。 一件は、バッジ組織の電子計算機の数に関する御質問であったかと思いますが、要撃計算機は四機、それから追尾計算機は二十一機でございます。 もう一点につきましては、バッジ組織に関して初度部品はどの程度予定しておるか、こういう御質問であったかと思いますが、これは主要機材の一割を予定いたしております。 以上でございます。
○荒舩委員長 この際、関連質疑の申し出がありますので、これを許します。井手以誠君。
○井手委員 新潟地震に関連して簡単に二点お伺いをいたします。 科学技術庁にまずお伺いいたします。新潟周辺の地下水のくみ上げによる地盤沈下についての原因、これは先般の委員会でも報告がございましたが、もう一ぺん確認をしておきたいと思います。
○橘説明員 新潟地盤沈下の原因は、昭和三十五年六月二十日の科学技術庁資源調査会の報告にございますとおり、急激な大量揚水にあるとする説を重視せざるを得ないという見解をとっております。
○井手委員 新潟の地盤沈下は急激な地下水のくみ上げがおもな原因である、これが明らかにされました。 そこで、法制局長官にお伺いいたします。地下ガスのくみ上げは鉱業法によるものでありますが、地盤沈下が地下ガスのくみ上げがおもな原因でありますならば、当然鉱業法によってその会社は損害賠償の責任があると考えられますが、長官の見解を承っておきます。
○高辻政府委員 お答え申し上げます。 御指摘のように、鉱業法百九条の規定がございます。その規定は、文言上は、鉱物の掘採のための土地の掘さくによって与えた損害について鉱業権者の無過失賠償責任を認めておることは御承知のとおりであります。とろこで、天然ガスの採取は、私どもあまり詳しくはございませんが、地下水をくみ上げて行なうものだそうでありますが、この地下水のくみ上げがここでいう土地の掘さくということになるかどうかというのが問題点であろうかと思います。それにつきましては、かつて政府当局から御答弁したこともあるわけでございますが、単純な文字解釈から申しますと、地下水のくみ上げが直ちに土地の掘さくに当たるということにはならないというふうにも思われます。しかしまた、一方鉱業法の当該規定の立法趣旨あたりから見ますと、この場合における地下水のくみ上げが土地の掘さくに含まれるというような解釈をする余地も全くなくはないようにも思われます。その辺は、結局は裁判所の判断に待つほかはないのでありますが、そのような解釈が成り立ちました場合に、いまの相当因果関係というようなことが十分に立証できるかどうか、その辺が現実の具体的な問題としてまた一つ残るのじゃないか、こういうふうに考えるわけでございます。
○井手委員 法制局長官としてはとんでもない答弁ですよ。鉱業法の対象にはちゃんと天然ガスのくみ上げが書いてある。そういうような三百代言的な見解をこの席で申すものではありません。法理の解釈はすでにできておるはずです。私はこれを論議する時間がきょうはございませんから、もっと大事な問題について私はお伺いいたします。 新潟のあの大地震の起きたあと、まる一日たって臨港町三百五十戸が延焼いたしました。その火元は、あの地震が起きたときに爆発した昭和新工場のものではないと考えておりますが、消防庁の見解を承っておきます。
○松村政府委員 新潟の昭和石油の火災は、第一と第二の二つの火災がございます。第一の火災は、地震と同時に四万五千キロリッターのタンクに火が出たのでありますが、これは静電気かあるいは金属摩擦によるもので起きた。これによって十三世帯延焼しております。ただいまの御質問は、その第二の火の問題だと思いますが、第二の火は、一時三分に地震があったのでありますがへ五時間少し過ぎました六時半ごろに第二の火が出たのでありますが、これは、昭和石油と隣の三菱電機の両地面にわたりまして、地震によりまして昭和石油のガソリンタンクからガソリンが排出しまして、それが当時水が出ておりましたその水の上に一面に広がりまして、いまだに原因が明確でないのでございますが、何かの関係でこのガソリンに火がついた。そこで、それによりまして工場がだんだん燃えてまいりまして、いまお話のあります、私どもの勘定では三百二十世帯になりますけれども、三百二十世帯が延焼いたしました。これが昭和石油の延焼の問題の私どもの調べた事実でございます。
○井手委員 私が聞いた分だけをお答えをいただきます。臨港町の三百数十戸が延焼したのは、昭和石油のあの地震と一緒に爆発したあれとは出火は別ですかと聞いておるのです。
○松村政府委員 ただいまことばが足りませんでしたが、二つの火災があったわけです。第一の火災と第二の火災とは全く関係ございませんから、第一の火災によって延焼したものでないと言えると思います。
○井手委員 民家三百数十戸を焼いたその火は、地震と同時に起きた昭和石油新工場の爆発とは関係がない、これは明らかになりました。そうしますと、地震が起きてから五時間を経過して出火いたしておるのであります。 そこで、法務省にお伺いをいたします。大正十五年の松山地方裁判所、それから昭和六年の大阪地方裁判所でございましたか、こういう判例があると私は記憶いたしております。地震による付近の火災が消火されて、激震後六時間を経過したあとに発火した火災が地震とは因果関係がないとされた事例として判例があると私は記憶をいたしております。この大阪の場合は、激震があって六時間後になお弱震があった。その弱震ではほかの火災は起きていない、そこだけの火事であるから、地震に伴う火災であるとは考えられないという判例でございます。いかがでございますか。大臣でなくとも、局長でもけっこうです。
○平賀政府委員 ただいま仰せのような大阪地方裁判所の判決がございます。ただ、なるほど六時間後に火災が発生したということが言われておりますが、六時間後であるから因果関係がないと言っておるのではございませんで、六時間後に発生したということも一つの事情としまして、その事件で被告になっております保険会社が言うように、地震によるものであるという立証がない、そこで、六時間後に発生したというような事情も考えて、地震によるものではないようであるということで原告が勝訴になっておる事件でございます。ただ、その事件におきましては、保険会社のほうで控訴をいたしまして、事件は大阪控訴院にまいりまして、控訴院の判決はたしか昭和八年に判決になっておりますが、控訴院の審理の結果におきましては、その火災はやはり地震によるものである、というのは、地震によって発生をいたしました火災が飛び火をいたしまして、それが延焼してその火災が起こったのであるという逆の認定になりまして、保険会社のほうが勝っておる。そういう結論になっておるようでございます。
○井手委員 それでは、地震による火災であるということが立証されなくては、火災保険金は当然支払わなくてはならぬと考えますが、どうですか。
○平賀政府委員 いわゆる火災免責約款によりまして保険会社が免責を受けようとしますれば、保険会社のほうにおきまして、その火災が地震によるものであるということを立証しなければならぬわけであります。したがいまして、その立証ができない場合には、保険会社としては保険金を支払う義務があるということに相なると思います。
○井手委員 法務省の見解は明らかになりました。 消防庁にお伺いをいたします。昭和石油の旧工場か三菱か、その原因は近いうちにわかりますか、わかりませんか。
○松村政府委員 お答えいたします。 これにつきましては、地震以来調査もしてまいりましたが、いずれとも、何が原因かということは明確に断ずることができません。これからもなお調査は続けていくつもりですけれども、おそらくこの原因は明確にできないのではないか、こういうふうに考えております。
○井手委員 そこで、大蔵大臣にお伺いいたします。火災保険の支払いについては、保険会社が進んで地震による火災であることを立証しなくてはいけないのであります。いま消防庁の見解によりますと、原因はおそらくわからぬであろうということであります。そういたしますと、当然保険会社はこの臨港町の罹災者三百数十戸に対して火災保険金を払わなくてはならぬ義務が生じてまいるのであります。きわめて重大な問題でございます。私は、法律を誠実に実行しなくてはならぬ当局、特に大蔵大臣の地元でこういう惨事が起こったのでありますから、すみやかに適切な指導をやってもらいたい、保険金支払いの指導をやってもらいたいことを強く要求いたすのでありますが、大臣の見解を承っておきます。
○田中国務大臣 新潟におきましては、第一には成沢石油、第二には日東紡の倉庫付近の火災、第三には昭和石油の第一火災、いま御指摘になっておる第二火災、こういう問題がございます。私も保険に対しては所管大臣でございますし、私の地元でもございますから、こういう問題に対して保険契約者との間にごたごたが起きないように、また保険制度の将来の発展のがんにならないようにということで十分注意をしてまいったわけでございます。この昭和石油の第二の問題につきましては、なかなかむずかしい問題があるようであります。これは、いま私が届け出られております書面によって見ますと、関係者は九月八日に保険金の請求の意思があるということを表明したようでございます。それから、保険会社は、本件については免責であるというふうに、明らかに相対立しております。法律上はどうかというと、御承知のとおり、私が言うまでもなく、地震に関係のものだという証明がない以上払わなければならぬということ、また、地震に関係がありということであれば払わないでもいいわけであります。でありますから、これはきっと争いになるのでありまして、争いにならないうちに行政指導しろ、こういう御趣旨の御発言だと思いますが、いずれにしましても、こういう全く相対立しておる状態にあるものに対して、所管大臣として、払ったほうがいいだろうということを個々のケースによって指導することは現在のところできないわけであります。これは去る国会におきまして大蔵委員会でも与野党で真剣に検討した問題でございますが、この問題だけではなく、新潟の地震に関して起こった火災全体に対してのこれらの問題も十分検討した結果、とにかくある意味においての行政指導をすべきであるという結論になり、私たちも保険会社との間に話をしたりいたしまして、総額二億円に及ぶ義援金の拠出をきめたということでございます。しかし、こういう非常にはっきりしたケースのものに対して、関係保険会社に、払ってはどうか、こういうことを行政指導する立場にはないということは御理解いただけると思います。
○井手委員 直接間接に地震を原因とするものについては払う必要がない、新潟地震については払う必要がないということをあなたのほうの係官は国会で答弁をいたしております。これは間違いです。臨港町の火災については地震とは因果関係がない。もしありとするならば進んで証拠を出さなくてはならぬ。それは法務省の見解ははっきりしておるじゃございませんか。当然払わすべきですよ。これは払わせるよう指導なさる御意思があるかどうか、もう一ぺん重ねて・・。
○田中国務大臣 井手さんのお気持ちもよくわかりますし、私も大体そんな気持ちだったのです。ところが、いまの法律をずっと読んでみますと、なかなかむずかしいということと、いわゆるその出火の原因については不明であるということでございます。でありますから、地震に関係ないと断定できる段階にないわけでございます。同時に、地震に関係ありというふうに明らかにこれを証明する証拠もいまのところないということでございますから、先ほど政府委員が答えましたとおり、これを決着をつけるとすれば裁判によって結末をつけてもらう、判定をしてもらう以外にはないわけであります。でありますから、いま両方でもって話がつくかということになれば別でございますが、全然その相対立をしておるという状態。まだこの保険契約者は保険契約約款に基づいて支払い請求の書類でもって請求をしておりません。でありますから、そういう事態において、この問題に対して十分証拠がないのであるから、保険契約書の精神に基づいて支払いをなすべきである、こういう立場において所管大臣が行政指導をするには、時期的にも非常に早いし、むずかしいケースにあるということを申し上げておるわけであります。
○井手委員 関連でありますから、いまの答弁、非常に不満ですけれども、多くは申し上げません。もう事態は明らかになりました。地震と関係があるとするならば、保険会社は進んで資料を提出しなければならぬ。そうでない限り保険支払いの義務があるということが明らかになりますから、これで私は質問を終わります。
○荒舩委員長 これにて久保君及び井手君の質疑は終了いたしました。 午後は一時より再開することといたします。 午後の質疑者は安井吉典君であります。 その出席要求大臣は、大蔵大臣、文部大臣、厚生大臣、農林大臣、通産大臣、自治大臣及び北海道開発庁長官であります。 暫時休憩いたします。 午後零時十一分休憩 ————◇————— 午後一時十一分開議
○荒舩委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 昭和三十九年度補正予算三案に対する質疑を続行いたします。 安井吉典君。
○安井委員 本年は新潟地震をはじめ、災害がたくさんあった年でありますが、特に豊作年と言われながらも北海道の冷害凶作、それから中国、四国、九州にわたる二十号台風、さらに八月来からの長雨災害、これは福島、宮城等にわたるわけでございますが、こういう災害も多発をいたしております。とりわけ北海道の冷害は深刻かつ異常であります。この臨時国会が始まるまでの閉会中にも、十数回各委員会で取り上げ、災害対策がいろいろの角度から講ぜられてきて、大体いま仕上げの段階にきているような気がするわけでありますが、私は、きょうは一番特徴的な北海道の冷害凶作の問題を焦点に据えながら、政府の災害対策の問題についてのお考えをお聞きいたしたいと思うわけであります。 昨日の新聞の夕刊の「今日の問題」という記事の中に、こういうのがあります。「冷害を救え」「不作の傷心に加えて、迫る年の瀬に、思いあぐねて自殺し、あるいは一家心中するといった悲劇が、すでに数件も起っている。離農するにも借金のために動けず、酪農に切替えようにも借金がかさむだけである。これからの食糧を、冬越しの準備を、いったいどうすればよいのか。あおりを食ってクマやツルまでがエサに困っている有様だから、幼い子どもたちのオヤツに手のまわらぬ悲しさが察せられる。」こういう表現があります。ことしの北海道の冷災害は、大体農家戸数にして十五万五千戸、全農家戸数の七十五%にわたり、七十六万一千七百九十七ヘクタール、損害額にして五百七十三億円にのばるというわけでありますが、今日までの段階におきまして、救農土木事業の問題でありますとか、あるいは検査基準の問題だとか、飯米の問題、飼料や種子、共済金の支払いの問題、予約概算金返納延期の問題、こういったような問題がいろんな角度からとらえられまして論議されておりますので、きょうはこれらの問題はあとで時間があれば触れることにいたしまして、特に現在一番焦点となって残っております。今後における農家の経営と生活のための資金対策の問題、この点をまずお聞きをいたしたいと思うわけであります。 ことしの秋の収入で来年の秋まで農家は食いつないでいかなくてはならないわけであります。特に単作、一毛作地帯においてはそうであります。そこで北海道の場合でも、五百七十三億という大きな収入減に対して、一体政府はどの程度の資金措置をなさるか、現在まで大体きまっております分もありますが、さらに今後において考慮される額をも含めて一体どれぐらい天災資金でありますとか、自作農維持資金だとか、あるいはまた共済金の支払いの問題もございますが、そういうもので全体的にどれぐらいの対策を講ぜられるおつもりか、それからまず伺いたいと思います。
○中西政府委員 お尋ねの点でございますが、天災融資法の関係では、御承知のようにすでに四十五億円の融資ワクを決定しまして、十一月の中旬であったと思いますが、示達済みでございます。さらに自作農創設維持資金のほうも四十億円のワクを決定いたしております。道庁にもう割り当てを済ましております。さらに共済の関係につきましては、現在年内支払いをすべく作業を急いでやっておるところでございまして、まだ金額は確定いたしませんが、達観して申しますれば七、八十億円の金が要るのではないかというふうに見込まれます。なお、天災融資法についての融資ワクの法律上の限度についてでございますが、引き上げる作業を別途いたしております。そういうことが実現いたしますれば、先ほどの四十五億円に相当額の追加も見込まれる、かような現状でございます。
○安井委員 いまのお答えによりますと、天災資金が四十五億、自作農資金が四十億、共済のお金が七十億ないし八十億ということになりますと百五、六十億ぐらいです。五百七十三億という全体被害量に対して、それだけの金で対策が終われりというふうな言い方は、私は非常におかしいと思うのですが、法律の改正の問題もいまあるというふうに言われました。その点、これからあとお聞きをいたしたいわけでありますけれども、全体的に一体どれだけ金が要るのか、そういうのをまず押えてから問題の解決に進むべきではないかと思うのですが、いかがですか。これは、農林大臣、いかがですか。
○赤城国務大臣 ただいま官房長からお答えさせましたことは、天災融資法とか、あるいは自作農資金とか共済資金とか、こういう融資として出せるべき制度のもとで出す資金でございます。その他災害復旧の農業用の工事であるとか、あるいはまた、その他救農土木事業に対する資金とか、利子補給とか、いろいろなものを含めれば相当な額にのぼると思うのでございますが、いまお答えしましたのは、そういう制度上から出せる資金の額でございます。その資金の額につきましても、私ども思うようであるとは思っておりません。天災融資法等の改正をまって、そのワク等もふやしていきたい、こういうふうに考えております。
○安井委員 これは官房長でけっこうですが、数字の問題ですから事務当局からのお答えを願いたいわけですが、救農土木は全部でどれぐらいなんですか。私の記憶では、それが何百億にものぼるというふうには聞いていないわけです。そういうようなものも入れて、一切がっさい入れても、どうでしょうか、五百七十億というふうな大きな収入減を満たし得るような額にはたしてなるのでしょうか、そういう面からの事務的な作業というものは行なわれなかったのでしょうか、その点、ひとつ伺います。
○中西政府委員 救農土木等につきましては、北海道庁でいろいろ計算いたしまして、相当数の農家に労賃収入を与えるということで、労賃収入総額十七億五千万円程度だったと思いますが、計画を組まれました。それを道庁あるいは市町村の単独事業あるいは公共土木の関係等に割り振りまして、農林省でも、林野庁関係の作業等に重点を置いて救農の実があがるようにということで、目下作業をやっておりますが、十七億五千万円大体詰まっておる、かように考えます。 なお、つけ加えて申しますと、大臣のお話のありました各般の施策、主食の代金延納の措置とか、いろいろなことがあるわけでございますが、全体として、災害で、われわれの見込みとしましては、北海道についての被害は五百四億と考えております。先ほど申し上げました天災融資法のワクは一応四十五億でございますが、これは倍あるいはそれ以上になるように法律改正の措置をとりたいと実は思っております。それらを合わせて考えますと、農民が経営を営むにつきまして投下いたしました経費は十分に回収され得るそういう見通しを持っております。大体経費率は、農家によって違いますが、三割ないし五割というようなところだろうと思うのですが、せっかく投入した経費も回収されないということでは次の営農に非常な支障があると思います。そういう意味で、経営へ投入した分については十分これを補てんしなければならない、そういう観点を持っております。
○安井委員 天災融資法の資金ワクも、現在四十五億まできまっているが、さらにこれは倍以上になるだろう、こういうふうなお答えでありますが、私の聞くところでは、北海道のいろいろな資料からの要求が百五十億で、現在までの段階で四十五億というふうに三分の一以下に決定がなされているわけです。昭和三十一年の冷害でも百六十億決定していたのが、現在四十五億ぐらいであります原因が大体どこにあるのか、そういう点に若干疑問を覚えるわけであります。 その点が一つと、それから天災融資法の改正が行なわれればこの額はふえるということのようですね。その点、天災融資法の改正は今度の国会にいつごろお出しになるのか。今度の国会は、公務員の給与ベースの改定の問題とともに、本年起きております各種の災害に対する対策というのが一つの重要な焦点であるわけです。その中で政府がお出しになります法案は、天災融資法の一部改正法案だけだというふうに伺っているわけでありますが、国会の審議が相当進みまして、しかもこの予算委員会の審議はもうきょうで一般質問が終わって、月曜に上がるという段階のようです。それにもかかわらず、今度の国会審議の一番の焦点の一つであります災害対策の根本になります天災融資法の提案がまだないということは、私はどうもふに落ちないわけでありますが、その辺の事情、さらにまたその内容にはどんなことを予定されておりますか。それは農林大臣のお答えですか、お願いしたいと思います。
○赤城国務大臣 天災融資法に対する改正案は、もちろん会期中でございますが、できるだけ早く出したいと思って準備を進めておるわけでございます。少しおくれておりますのは、根本的と言いますか、の改正は通常国会にしたい。暫定的と言いますか、特例法的な形でワクの問題とか法人に対する貸し付け、こういう点だけにしぼって出そうかということにしておりまする関係上、いろいろ特例法として出すか、改正法として出すかという問題がまだ十分内部できまっておりませんこと。それから、さかのぼるのをどの辺までさかのぼるかということなどがまだきまっておりませんので、それで少しおくれておるような次第でございますが、会期中にこれからでもできるだけ早くまとめまして、これだけは出したい、こういうふうに考えております。
○安井委員 そういたしますと、きょうの段階では、今度の改正の内容はどういう点なのか、したがって、その改正のぐあいによって融資のワクがふえるのか、減りはしないと思いますけれども、どれだけふえるかということもきまってくるんだろうと思いますね。そういたしますと、きようの段階では、内容はまだ御発表願えないし、どれだけふえるかという額も、倍以上になるだろうというふうなお答えだけで、それ以上はきょうはお答え願えませんか。
○赤城国務大臣 内容につきましては、利率とか償還期限という点には触れないでいこうと思っています。でありまするから、貸し付けのワクと法人に対する貸し付けを拡大していく、こういう点だけにしぼっていこうかということでございます。でございますから、融資のワク等につきましても、何十万にするかということに少しまだ疑問というか、まとまりのつかぬ点がございますが、大体全体としてどれくらいかということは、先ほど申し上げましたように、倍ぐらいになるという予想はつきますが、それ以上こまかい数字はまだ申し上げる段階ではございません。
○安井委員 さらにお伺いをいたしたい点は、ワクは、現在一般十五万、北海道二十万という基礎数字があるわけですね。これの引き上げと、それから法人に対する分を新設する、それぐらいの程度だというお答えでありますけれども、現在災害一般について一番基礎になっているのが天災融資法、これは、もちろん北海道だけじゃなしに、さっきちょっと申し上げました二十号台風にしても、長雨災害にしても、これは全部基礎になっているわけです。ところが、いまのその内容は、限度額ももちろん問題でありますけれども、その利率においても、普通の災害の場合には六分五厘、激甚地としての特別な指定がされました地域が三分五厘、こういうふうな内容であります。償還年限も二年ないし五年というふうなことで、据え置きもありませんし、あるいはまた、これに対する補償については国庫の補助があるわけですが、これも補助が十分ではない。こういうふうな問題が天災融資法の中にもありますし、これに伴って激甚地災害に対する財政援助法の中にもあると思うわけです。私は、この際全体的な農業に対する金利体系というものの再検討も必要だと思うのですけれども、最近の段階では、農業構造改善資金等もごく安い金利のものができているわけです。ところが、これは災害なわけなんです。しかも天災なわけです。農業改善資金でも三分五厘ぐらいの資金があるのに、災害の、天災による資金に、そういうものよりももっと高い六分五厘という金利でいまの仕組みがある。ものすごくひどい地域でやっと三分五厘、こういうような点から、私は、自然の猛威に伴う力弱い農民や漁民あるいは林業に従事している人たちに対する災害に対する融資条件というものは、この際大幅な緩和措置を講ずべきではないか、このように考えるわけでありますが、御意見いかがですか。
○赤城国務大臣 その御意見、傾聴に足る御意見だと思います。ただ、いま改正する場合におきましては、お話の中にもありましたように、ほかの金利体系とのいろいろな関連もございますので、これは通常国会まで研究をしていきたい、こう考えておりますので、今回はそれに手を融れないでいこうかと、こういう考えを持っておるわけでございます。
○安井委員 まあ、いろいろ検討されるのはけっこうでありますが、しかし私は、いまの場合、一日も早く金を出してもらいたいという災害地の農民の気持ちにこたえるような施策が必要だ。やはり一日も早く結論をお出しになる、そういうことでなくてはならないと思うわけであります。 さらに問題は、天災融資法の場合は、これは実は政府がお金を貸すわけではないわけです。農協や銀行がお金を貸して、それに政府が利子を補給して五分五厘なり三分五厘なりに低めるわけです。なお、補償だけの道は一応ありますけれども、そういう仕組みなわけです。ですから、肝心の金融機関のほうは、なかなか貸したがらないわけです。すでに借金を一ぱい持っております農家には、別な政府の金を貸すのなら別ですけれども、そうではなしに、農協に一ぱい借金がある、銀行から一ぱい借りている、その人が、災害が起きて、さらに農業協同組合等が借金を上乗せするというふうなことは、なかなかやりかねるような実情があるわけです。現に全国的に天災資金の消化というものは非常に悪い。開拓農家などは、なかなか借りにくいような条件にあるようです。なるほどワクはできても、肝心の組合やその他の金融機関のほうが貸してくれない、こういうふうなことがあるようです。だから私は、ほんとうに天災に対する補償的な意味を含めた経営資金の貸し付けということなら、やはり政府資金を貸し付ける。いまの農協や銀行の金じゃなしに、自創資金のように政府資金を貸し付ける、そういうふうな仕組みでなければならないと私は思うわけです。それだけ政府に金がないというならば、農協に金だけはあるわけですから、政府が一たん吸い上げて、それを公庫なり何なりの中でプールしながらそれで貸し付けをしていく、こういうふうなかまえが必要ではないかと思うのですが、この点につきまして、農林大臣のお考えを伺いたいと思います。
○赤城国務大臣 その考え方も一面あると思います。ただ、この系統資金のほうが、実際借り受ける人々の経営状況等もよく知っておる、あるいはまた災害の状況なども知っておる、こういう関係。また財政資金よりも貸し付け条件等その他が、手続等もそうでございますが、非常に弾力的であるというような利点もあると思います。 〔委員長退席、青木委員長代理着席〕 そういう点で、現在の制度のほうが借り受ける者にとっては便宜じゃないか、こういう観点からいまの制度を支持しておるわけでございますが、そういう面から考えて、いまのほうがいいんじゃないかというふうに私どもは考えております。
○安井委員 その点、私の考え方はだいぶ違ってくるわけでありますが、きょうは十分時間がありませんので、一応私のほうから問題の提起というふうな形にとどめておきたいと思います。 この天災資金のほかに、自作農維持資金の問題、これはずいぶん農民が期待をしているようです。さっき申し上げたように、天災資金のほうは、ワクはきめられてもなかなか現金にならない。さらにまた天災資金は、現金でくれるわけじゃないので、農協その他の金融機関に一応ワクがあって、農民が肥料を買いたいといえば、その分だけ貸してくれるというふうな仕組みで、現金には一銭もならないわけです。その点、自作農維持資金のほうは、これはきまれば現金として農家のふところに入るわけですから、天災資金ももちろん要求はいたします、経営資金としての天災資金は要求いたしますけれども、生活資金にも向ける可能性のある自作農維持資金に対する要求というものは非常に高いわけであります。今度も北海道の要求が八十億、これに対して現在までの段階では四十億程度の政府のワクの決定が行なわれたというふうに聞くわけでありますが、要求の半分ぐらいというふうなことでは、これはもうどうにもならないのではないかと思うのですが、どうでしょう、これにつきましても、これは法律の改正ということには関係がないと思うのですが、今後さらに増額をするという点についてのお考えを伺っておきたいと思います。
○赤城国務大臣 天災融資法の改正をしまして、そのワクがふえる、融資の資金もふえるということに伴いまして、自作農資金もこれをふやしていく、こういうふうに考えております。
○安井委員 天災資金がふえれば自作農資金もふえるというふうに伺ったわけですが、そういうふうな関連性でふえていくわけですか。その天災資金がたとえば五十億ふえたら自作農維持資金はどれだけふえる、そういうふうな仕組みになるわけですか。
○中西政府委員 必ずしも比例しないわけですけれども、今度の冷害の実態にかんがみまして、できるだけ実態に即した融資ワクをきめたいという趣旨で、大臣がおっしゃいましたようなことで、できれば自創資金のワクも今後ふやすように努力をいたしたい、かように思っております。
○安井委員 先ほど天災資金の根拠法の改正についてはただいま作業が行なわれている旨のお話があったわけでありますが、自作農維持資金法の改正についてはお考えになってはおりませんか。と言いますのは、これも現在の融資条件は、年利五分以内、据え置き三年以内、償還二十年以内というわけであります。先ほど私が申し上げましたように、全体的な農林漁業に対する金利体系が次第次第に低くなっくいく現況にあるわけです。そういう中にあるわけですから、やはりこの際、天災資金の問題に関連をいたしまして、自作農維持資金法の改正というふうなことが必要ではないかと私は思うのですが、その点、いかがですか。
○赤城国務大臣 自作農維持資金は、災害を対象としておるばかりでなく、相続とか疾病とか、そういうほうも対象としております。でありますので、いまのおことばにありましたように、そういう方面との関連、金利体系との全体ということから見ていかなければなりませんので、災害のみから見られないのは御承知のとおりだと思います。そういう面におきまして、ただいま改正しようという考えはいま持っておりません。
○安井委員 いま、自作農維持資金が使われる道は非常に広いということは、私もよくわかっておりますけれども、しかし、その使途にも災害向け資金というものがあるわけです。ですから、今日における災害資金の一番中心になっております天災融資法の改正が行なわれるとすれば、自作農維持資金の災害向け資金についても、同時にやはり検討が行なわれるべきだと思うのです。そういう意味で私は申し上げているわけでありますが、貸し付けの限度についても、やはり営農の条件がどんどん変わってきている現在では、もっと限度を上げてもらわなきゃ困る、こういうふうな要求もあるわけであります。特にこの政府資金のほうは、すでに自作農維持資金を借りている人は、一たんワクがきまっても、その借りている分を除いた分だけしか貸してくれないわけです。だから、現在の段階ですでに多額の自作農維持資金を借りていて、そして猛烈なひどい災害を受けた、こういう人については、現在の五十万円という限度ワクを引き上げない限り、もう借りる可能性はないわけです。借りられないわけですよ。制度はあったって借りられない、こういうふうな問題も起きてくるわけであります。ですから、私は、やはり災害の資金制度をこの際全面的に洗い直して検討をする必要があるのではないか、かように考えるわけでありますが、いかがですか、大臣。
○赤城国務大臣 お話の点もありますので、検討はいたしてみたいと思います。
○安井委員 大蔵大臣はいまうしろにいますけれども、大蔵大臣に伺っておきたいと思います。 やはり金融の問題で、融資条件その他を緩和しようというと、大蔵大臣はいつも渋い顔をなさるそうでありますが、しかし私は、災害の問題は、一般的な貸し付け条件その他の問題とは若干趣を異にしていると思うのです。先ほども私申し上げましたように、日本の農業や漁業やあるいは林業等は、今日でも下積みになって、大きなひずみの中にあるというふうにもいわれておりますが、ごく力弱いものであるだけに特別な配慮が必要であり、そういう弱さの上に天災という大きな打撃を受けたというふうな場合には、金利の長期化、引き下げ、据え置き期間の延長、あるいはまた貸し付けワクの拡大、こういったような根本的な措置が真剣に考えられなくてはならないのではないかと思うわけです。今日、天災融資法の一部改正法案の作業も行なわれているとお聞きするし、さらにまた農林大臣も今後において先ほど来の私の主張点も含めて検討をされるというふうなお話もございますが、ひとつこの際、大蔵大臣からお考えを伺っておきたいと思います。
○田中国務大臣 農林大臣から御答弁申し上げましたように、北海道の冷害に対処しまして、融資条件等を改正するためにいま準備を進めておるわけでございます。北海道の冷害は非常に深刻なものでございまして、われわれといたしましても、これが農民の再生資金の確保というような面に対しては十分配慮してまいりたい、このように考えておるわけでございます。大蔵省はいつでも切ることだけを考えているというようなことでございますが、事農政に関してはそのようなものではございません。農林大臣との間にもひとつ十分検討しながら、適切な措置をとってまいりたい、こう考えております。
○安井委員 いまいろいろ御検討でありますことはよくわかりますけれども、今回の問題もあるし、さらにまた今後深く根本的な検討が進められなくてはならないという、その二段の農林省の態度のように、さっき私は伺ったわけです。当面の問題の解決、さらに第二段目として恒久的な天災の問題に対する資金対策を次の段階で考えていく、こういうふうに伺ったわけでありますが、当面の問題については、いまの大蔵大臣の御説明で何だかわかったようなわからないようなことですけれども、次の段階の、やはり天災の問題については、もっと真剣な検討が必要ではないかと私は思うのですけれども、農林大臣の御答弁のほかに、大蔵大臣のお考えとして、金利の引き下げだとか、あるいはまたワクの拡大だとか、据え置き期間の長期化だとか、こういう問題について、天災という実情に合ったような、そういう考慮が私はぜひ必要であると思うのでありますが、その点についての御見解を伺っておきたい、こういうことです。
○田中国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、天災融資法、激甚災法等につきましては、現在改正条項について検討いたしております。できるだけすみやかに結論を得たいと考えております。また先ほど申し上げたように、北海道の冷害が非常に深刻なものであるという事態を十分認識しまして、これに対応できることでなければならないということを考えておるということも申し上げたわけでございます。それから応急対策だけではなく、恒久的なものとして、一般論としての天災融資法及び激甚災法、その他自作農法もしかりでございますが、こういう農民に関するものに対してもっと手厚くという考え方でございますが、私も、これに対しては農林省の意向も十分聞きながら、実態に即して法の整備を行なっていくという方向でございます。先ほど御指摘がございましたが、金は相当ございます。農中等系統資金にはあるのですけれども、利息の問題等、確かにそういう問題はございます。農中の金が農民に還元されないで、関連産業という名において大企業に回っておる、こういう制度上の問題自体ももっと真剣に掘り下げて、農民の金は農民に回るようにするにはどうするか、ただ金がないというようなことだけでは農業対策にはならないということで、民間資金の活用、その場合の施策上の問題をどう調整するかという問題に対しても、検討を続けてまいりたいと思います。
○安井委員 先ほど来の大蔵大臣の、今日の問題については実情はよくわかっているつもりだから、そういう方向で検討をするということでございますので、その点はぜひ前向きの姿勢でお願いをしておきたいと思います。 次に、開拓農家の場合においては、今度の農業被害は特に深刻であったようであります。たとえば北海道の場合でも、二十七万戸の開拓農家のうち約九二%が被害を受けて、これが被害額五十五億円、一軒当たりにして二十五万円。ところが、これらの開拓農家の特徴は、戦後の緊急開拓という形で、人間が多いから北海道の山の中へでも押し上げろというふうな、これは少し極端な言い方でありますけれども、そういうふうな形で行なわれたものですから、負債を非常にたくさん持っているわけです。営農というよりも、その日暮らしを続けているというのが現在の状態で、蓄積が全くない、あるのは負債だけ、こういうふうな実態にあるわけです。平均いたしますと、これらの開拓農家の一年間の普通の年の粗収入が四十一万円あるわけですが、負債の総額は一軒当たりにいたしますと六十八万円。粗収入が四十一万円で、この四十一万円あったって、これはもうやっと暮らしているだけですよ。その日暮らしだけ。その上に六十八万円の借金を背負っている。こういうふうな異常な営農形態が今日あるわけです。そこへ持ってきて九二%が深刻な打撃を受けた、こういう事態であります。ですから、天災資金にいたしましても、借金だらけなところに農協がそれ以上重ねて貸しはしないわけです。自作農維持資金にいたしましても、限度が限られているから、それ以上貸してくれない。こういうふうな事態があって、結局開拓者資金という特別ワクをふやして災害対策を講ずるよりほかないというような事態ではないかと思います。開拓者資金については、このワクを平年よりも相当大幅に増額をすることが一つと、それからまたこの融資条件も、一般的な天災資金だとか自作農維持資金と比べますと、まだまだ検討が必要ではないかと思うわけであります。この開拓者資金についても、今度天災融資法の改正が行なわれる際に、同様に融資条件の改正、こういうふうな措置が必要ではないかと思うわけでありますが、このワクの拡大と融資条件の改正についてのお考えを伺っておきたいと思います。
○中西政府委員 開拓者資金融通法の関係の融資のワク等につきましては検討は進めておりますが、現段階で近い将来どうこうするというようなことを申し上げるところまではいっておりません。お話のように、金利の全般についていろいろ左右勘案を要するというようなこともございますので、そういう点では十分検討いたしたいと思います。なお、開拓者の困っておる実情はお話のとおりでございますが、御承知の二類農家、これからさらに育ってりっぱな農業を打ち立て得るというふうに見込まれます二類農家の救済につきましては、自創資金への借りかえをさせまして、荷物を軽くして前進させるという配慮をいたしております。さらに三類農家で、旧債をどうするかということについても、目下最終的な詰めの段階に入っています。 また、離農援助の問題につきましても、本年度三百五十戸でございますか、最近の閣議できめていただきまして、来年の予算でもさらに追加をいたし、十分現地の実態に即するようにいたしたい。それら各方面にわたって開拓者対策を十分に配慮いたしたい、かように思っております。
○安井委員 借金の問題をいま持ち出したついでに、負債の重圧に対する具体的な対策がないと、開拓農家の場合、一応新振興対策で一類、二類、三類と農家を分類して、もう見込みのない人は離農させる。一人前になった人は、もう一人前の農家扱いにする。そうして三分の一だけに開拓対策を集中していくというふうに農林省の施策がいまありますことは、私も聞いているわけでありますけれども、やめていく農家にしても、離農資金四十五万円をもらったって、自分の田畑を売って、そして四十五万円をもらって駅まで行けないわけですよ、もういままでの借金でなくなってしまう。ことしの冷害凶作で、開拓地などは土地の値段ががったり下がっているわけです。土地の問題ということで、都市では宅地対策が重大な政治の問題点になってまいりましたけれども、しかし、山奥の開拓地では、土地の値段が下がっております。北海道のようなところでも、水田では十万円から二十万円するのが、山奥に行きますと、一反歩五千円ぐらいです。それがことしの冷害からあとは、買い手がなくて三千円になり、二千円になろうとしております。こういうふうな実態が現にあるわけですから、土地を売って出ていきなさいと言ったって、売ったお金では、それに四十五万円の離農奨励金をもらったって、自分のうちの門口も出ることができない。こういう次第であります。この負債の問題は、開拓農家だけじゃなしに、一般農家にも非常に大きな重圧に今日なってきております。この災害によってさらに重加されたでしょう。しかし、特にこの開拓農家の場合は、離農するにしても、これから開拓農家として生きるにしても、あるいはまた償却をして一般農家並みに扱われるにしても、この負債の問題が非常に重大な問題になるという点からいたしまして、この負債整理について、たな上げをしろと言ったって、いまは新しい資金を貸しなさいと言っておいて返さないようにしなさいというのじゃ、ちょっと話が通らないかもしれませんが、旧債については、新しく営農を前進させるためには、いま重荷になっている旧債を一時長期資金で借りかえをしてやる、こういうような運びがなければ、これからあとの前進が非常に困難になると思うわけですが、この点について、農林大臣はどうでしょう。
○赤城国務大臣 一般的に見ましても、農家の負債が相当あるようでございます。三十七年度になっても、一戸平均七万七千円、こういうことになっております。災害のほうは別として、一般的の負債は前向きの負債が多いようでございまして、公庫資金とか近代化資金等の資金が多い、長期低利のようでございます。それにしても負債が相当高まってきた。災害地におきましては、いまのお話のように、たとえば開拓者につきましても四十五万の離農資金を出すことにしてありますけれども、その数も今度ふやしましたが、旧債を処理していくと、それがなかなか用を足さないというような事情もあると思います。でございますので、これは一般的に考えましても、旧債を借りかえる等によって前進をするような方向に持っていかなくてはならないと思います。そういう点につきましては、負債全体の問題として検討を進めていきたい、こういうふうに考えております。
○安井委員 きょうここでどうするというお答えはいただけないと思いますが、これは開拓農家を含む農家負債の問題について、ひとつ真剣に御調査の上、対策についてしっかりしたものを打ち出していただきたい、そのことをお願いしておきたいと思います。 あと問題はたくさんありますので、次に厚生大臣おいでですから、厚生省の所管と考えられます問題を少し伺っておきたいと思います。 この冷害対策につきまして、世帯更生資金の貸し付けだとか、母子福祉資金の貸し付けだとか、こういうふうな、特に力の弱い農民に対する措置というようなものも、逐次決定をされているということも私も伺っております。ところで国民健康保険事業に対して、今度の冷害凶作がだいぶ強い影響を与えているという点を見のがすわけにはいかないと思います。当然市町村民税の減税と同様に、減免措置が講ぜられなくてはならないし、そういうような点についてももうすでに措置が進んでいるそうでございますが、それによって市町村のほうは減税をした分だけ財政が苦しくなってくる。国民健康保険の財政は、これはいまだかつてないほどの重大な危機にいま来ているような感じを受けます。冷害なんかなくてもたいへんなことで、東北や北海道は、もうその打開の道がないものですから、保険料の値上げにいく。一昨年くらいに一世帯あたり全国平均四千円か五千円くらいの保険税あるいは保険料であったのが、東北や北海道に参りましたら、大体一世帯あたり一万円以上というのが最近は常識になってまいりました。それでも赤字を出している、こういうふうなわけです。そこにもってきて、当然今度のような減税措置が行なわれれば、税金の入り方が減ってくる。これに対しては特別調整交付金というふうなことで八割までは埋めるというふうな厚生省の御方針だそうでありますが、しかし八割埋めても、二割はだれか出さなければいけない。それだけの余裕があればけっこうでありますけれども、火の車の国民健康保険事業の財政でありますから、これはたいへんなことではないかと思います。これは国民健康保険税だけの問題ではなしに、一部負担金のほうも、患者が病院の窓口で払ってくる一部負担金のほうも、これは滞ってくるのではないかと思います。市町村立の病院が、払えない人は見てやらぬというわけにもいかぬでしょう。こういうふうなことから、私は国民健康保険財政に対する一般的な、全体的な方策というものが、来年度の予算の中に強く打ち出されてこなくてはならないと思うと同時に、いまのような特別な事態の中にある市町村、これは北海道だけじゃなしに、全国的にほかにもだいぶ出てくると思うのでありますけれども、こういうようなものに対して、厚生大臣としての特別な御配慮というものがなければいけないと私は思うのですが、どうでしょうか。
○神田国務大臣 お答えいたします。 北海道の冷害につきましていろいろ例をおあげになりまして、非常に災害の程度が激甚であって困窮している。そこで、国民健康保険の掛け金の軽減、あるいは一部分担金の軽減等において考えていると思うがということでございます。これはもとより私どもといたしまして、今年度におきましては、いまお話もございましたように、知事を督励いたしまして、十分の八までは減免をして、そして財政交付金でそれを埋めていく、こういう一応の考え方を持っておりますが、その減免も、だいぶ程度がひどいようでございますから、普通のワクよりも減免の度合いを上げていきたい、こういうような考えを持っております。 それからまた、十分の二についても非常に困難ではないかということでございます。私どもといたしましても、その点も考えないわけではございませんが、なおこれは研究いたしまして、実際問題として町村財政が十分の二もやっていけないというようなことでありますれば、そのときになおまた御相談いたしたい、こう考えております。 それから世帯更生資金がどうなっておるか、母子福祉資金がどうなっておるかということでございますが、これは、今年度といたしまして、前者につきましては千三百五十万円、それから後者につきましては一千万円程度予備費から用意をいたしております。 明年度のことについて十分考えておるかということでございますが、これはいま予算折衝の過程でございまして、十分いまお述べになりましたようなことを念頭に置いて善処いたしてまいりたい、かように考えております。
○安井委員 一応特別調整交付金で処理できない部分についても、実情を見てさらに特別な措置を考えている、こういうふうに伺ったのですが、そのとおりですね。
○神田国務大臣 お答えいたします。 前回の、たとえば伊勢湾台風等におきましても、大体十分の八の減免で、十分の二はまかなっておったようでございます。そこで、北海道の今度の冷害につきましても、大体十分の八までいったならばいくのじゃなかろうか。ことにいまその十分の八の内容も、程度を個々の場合に引き上げて見ていきたい、こう思っております。 そこで、いまお話のございました十分の二でやっていけないというような場合には見るか、こういうふうに伺ったのでございますが、これはそのときにひとつ御相談いたしたい、こう考えております。
○安井委員 時間が十分ありませんので、次に中小企業の問題をちょっと伺っておきたいと思うのでありますが、今度の北海道の冷害のしわ寄せが中小企業にもずいぶんいって、北海道通産局等の調べによりましても、百五十五億ぐらいの農家向けの売り掛け金がある、そのうち相当多額の固定化が予想される、こういうふうなことのようであります。農家所得が激減をし、負債が増大をし、しかも購買力が減退をするという中からそういうふうな事態が出てきているのではないかと思うわけでありますが、これに対しても、通産省では二十五億ぐらいの対策のための資金を出されることをすでに決定されているというふうにお聞きいたしておりますが、しかし、全体的な情勢からすれば、二十五億ぐらいの措置で、それで十分なのかということについて、私も若干疑問なきを得ないわけであります。特にいま年末になってまいりまして、年末金融で四苦八苦をしている、その上に農家向けの資金が焦げついてきている、そういうピンチがダブっているわけですから、それだけに慎重な対策が必要ではないかと思うわけでありますが、この点についてひとつ伺いたいと思います。
○中野政府委員 今回の北海道の農業冷害のために、中小企業が農家に対して持っております売り掛け金の回収が非常に困難になって、中小企業が非常に困窮をしておるということは、御指摘のとおりでありまして、北海道庁の調査によりますと、これは関係の商工会、商工会議所等と連絡をとって調べたものでございますが、売り掛け金総額約百五十六億円でありまして、ただこのうちには、いま御指摘のありましたように、通常の事態におきましても存在する売り掛け金の残高というものももちろんありますし、本年じゅうに回収できる見込みのものも含まれておるのでありまして、そういうものを引きまして、特に今回の冷害によりまして増加いたしまする売り掛け金がどれくらいかということは、これは北海道庁が通産局等と相談をいたしまして調査をいたしまして、約三十億ないし三十八億円に達するのじゃないか、これについて特別の措置をこの際講じないといかぬ、こういうことになりまして、このうちで、中小企業の皆さん方が自己資金というか、自己調達というか、こういうものによって調達できるものも幾ぶんございますので、このうちから特に二十五億円を今回の特別の措置として取り上げる。そのうちで、政府関係の商工中金、中小企業金融公庫、国民金融公庫の三機関がございますが、ここで十億円の特別のワクを設定いたしまして、これは中小公庫が三億、国民金融公庫が四億、商工中金が三億、合計十億の年末の特別融資——年末には、御承知のように年度下期の分といたしまして三機関で全国で八百億の資金追加を今回やっていただいたのでありますが、その中からできるだけ北海道へ回すという特別の措置をやっておりますが、それ以外に、いま申し上げました十億を別ワクで、しかも災害融資ということで、融資条件等も緩和いたしまして貸し付けることにしております。また、北海道庁におかれましても、信用保証協会を通じまして、民間の、政府関係金融機関以外の金融機関に五億円を預託いたしまして、これによりまして民間金融機関から十五億円以上の特別融資を行なわせる。これには、担保その他でいろいろ中小企業には問題がございますので、北海道の信用保証協会が特別保証をやる。保証料も今回特別に保険料並み——中央から再保険をしておりますが、その保険料並みに保証料も下げる。商工会議所、商工会等におきましても確認書というものを出させまして、簡単な手続で保証協会が保証をして、そうして融資のあっせんをするということでやっておりますので、何とか、中小企業の非常に困難な状況でございますが、これの経営の維持安定に効果をあげるように、すでに十一月の末措置をいたしまして、すでにどんどん貸し付けを行なっておる状況でございます。
○安井委員 あとまだ問題がありますので、中小企業対策の面では、これからあと具体的な進みの中で資金がもっと足りなくなったような場合には、ぜひ追加措置を講ずるとか、適切な措置を講ずることをひとつお願いだけ申し上げておきます。 次に、自治大臣に、先ほど来お待ち願っておりますので、地方財政の問題をちょっと伺っておきたいのでありますが、救農土木事業への起債充当でありますとか、市町村民税その他の税の減免の問題等については、すでに御措置が行なわれているわけでありますが、これらの資金もまだ十分ではないというふうな声もありますので、さらに御検討を願いたいことと、それから、特に財源補てんの問題でありますが、先ほど国民健康保険財政の問題でも申し上げたと同じことが言えるわけであります。この財源補てんについて特別交付税による措置が行なわれるはずでありますが、具体的にはどういうふうな形で行なわれるのか、その点をひとつ伺いたいと思います。
○吉武国務大臣 お答えを申し上げます。 救農土木事業につきましては、最初道庁のほうから五億円程度の要望がございましたけれども、その後被害額がだんだん大きくなってきたようでございまするので、これを八億に増額をしております。なお、租税の減免その他地方団体としての経費がかさまるだろうと思います。これにつきましては、大体その農村の農業の被害額に応じて特交で見ることになっておりますけれども、これは毎年二月ごろ全部をまとめましてでないとわかりませんですが、そういう減免の補てんに対する特交というものは考えなければならぬ、かように存じております。
○安井委員 減免額に応じてではなしに、被害額に応じて配分をする、こういうふうなことのようですね。その点と、それから、ことしの財政もたいへんですけれども、来年の財政もこれは引き続いてたいへんなことになるのじゃないかと思います。つまり、住民税はことしの所得を基礎にして明年の住民税の計算がなされるわけですから、ことしは一応去年の所得基礎で計算をされても、大幅な減免をしてしまって、ことしも苦しいし、来年は来年でことしの所得が基礎になって計算されますから、また来年もたいへんなことになる。少なくともこれは二年続きになるわけでございますが、そういう点もあわせてお考えおきを願っておかなくてはならないと思うのでありますが、どうですか。
○吉武国務大臣 お話のように、ことし減免されました問題と、もう一つは、所得はどうしても減ります。そうすると、ことしの所得の減った分は来年度に回って地方税の減収となるわけでありますから、これは、御承知のように、交付税は基準財政需要と基準収入との差額を見て交付税を見るわけでございますから、当然そこで見ていくようになるだろう、かように存じます。
○安井委員 こういうふうな特殊な事故のある年は地方財政にはずいぶんいろんな問題が出てきて、冷害のために、収入は減るが、その一方、支出のほうは、いわゆる財政需要は増大する一方であります。政府が御用意された救農土木事業のワクが少ないということで、市町村は身金を切って救農土木事業を実施して、その分だけ赤字に残しておる、そういうふうな実態もあるようです。 それからまた、地元の新聞によりますと、クマの被害もずいぶん大きくて、クマが出てきて市町村にどれだけ影響があるかということでありますけれども、ことしは、さっきもちょっと言いましたように、山の中にえさがないものですから、山ブドウだとか木の実だとか、そういうようなものもやはり冷害でないわけですから、クマはどんどん里に出てくる。これによりまして、この新聞の記事によりますと、ことしの四月から四百七十五頭のクマをとっておるそうです。去年よりも九十六頭もことしはよけい退治をしておるということのようでありますが、これは九月ごろの数字なので、実際は五百頭をこえているだろう。このために、地元の市町村はクマ撃ち奨励金というふうなものを出しているようです。クマがどんどん出てきて子供を殺したり何かするわけですから、そういうふうなことで、全道の市町村のうち、いままでは、五十九カ町村が条例で支給しているわけですね。それが、ことしは百十九町村にふえた。そして、北海道庁は、その市町村が条例をつくってクマを一頭殺したら一万円出すというのに対して、五千円補助をしているわけです。その北海道の道の財政の補助費の予算が百五十万円。この予算がもうなくなってきたそうです。そして、日高の平取町というふうな町は、ハンターに一日千円の日当を出してやる。ここではもう女の子が殺されたりしているわけですから、たいへんなわけです。そこで、この町だけでもだいぶクマはとりましたけれども、戦果はあげたけれども、もう六十万円の予算をこのクマとりだけに費やしてしまった、こういうふうな実態もあるようです。札幌の近郊にさえことしはクマが出てきておって、クマのために五人が死んでおります。家畜も、綿羊が百九十三頭殺され、牛が百七十七頭、馬が四十九頭、約一年間に四千万円くらいの被害総額になっているそうです。クマの関係は、これは農林大臣の所管で、営林局、国有林の林野庁のほうの所管になっているわけで、クマの問題について、それからまた地方財政の問題は自治大臣の所管でありますので、それに対してどう処置するかというお答えはここではいただきませんけれども、ひとつこういうふうな重大な問題がありますことをはっきりと御理解を願いたいと思います。林野庁のほうも、これらの資料をとって、これからのあとの対策というものも考えておられるようでございますので、ぜひ御検討おきを願いたいと思います。 次に、文部大臣に伺っておきたいと思いますが、子供たちの問題であります。冷害のために弁当も持ってこられないというふうな子供たちが大体六万人をこえているというふうな数字が一応出ているわけです。そのうち、学校給食をやっているところと、やっていないところと、そういうふうな区別はございますけれども、これらに対しても一応文部省は準要保護児童扱いで措置をする、こういうふうな方針をお出しになっていられるようでありますが、ただ、これの実施は来年の一月からということになっております。どうも、すぐに手を打ってすぐに実施されるという、こういうふうな仕組みでやってほしかったわけでありますが、相当ブランクがいままであるのはどういうわけか。それからまた、明年のほうが農家の生計事情というものが深刻になってくるのではないかと私は思います。つまり、ことしの収穫で来年の秋までの生活が確保されなければいけないわけですから、来年のほうがこれはむしろたいへんではないか、そういうふうに思います。その点、明年度予算にもしっかりこういう面を見ておいていただかなければならないと思うわけです。 それから、学校給食につきまして、準要保護児童のやつは市町村が相当負担をかけられるわけですね。そういたしますと、財政が非常に苦しくなっております市町村が、自分の負担がつらさになかなかやらないというふうな事態が起きやしないかということも心配です。ですから、これから先の御計画をお立てになる場合には、市町村に負担をかけないで国がひとつ責任を持ってやるのだ、このくらいのかまえをやはりお示しを願いたいと思うのでありますが、この点、いかがですか。
○愛知国務大臣 北海道の冷害に対しまして私どもも非常に心を痛めておるわけでございますが、ちょうどお尋ねがございましたので、いままでの経過とこれからの措置についてお話しいたしますと、こういうことに考えております。 一つは、ただいまもお話がございました学校給食の問題、それから教科用の図書その他の問題、もう一つは育英奨学の問題、大きく申しますとそういうふうな項目になるかと思います。 まず、準要保護児童生徒に対する学校給食費の問題でございますが、学校給食につきましては、小・中学校合わせまして約八千人分を今回の冷害について追加配分することにいたしました。これはすでに給食を実施している学校についての追加分でございますが、いまだ給食を実施していない学校につきましては、応急給食の開設を関係市町村に勧奨しております。合わせて全部で約五万三千人分になるかと見込んでおりますが、合計約二千万円の国庫補助金を必要と認めておるわけでございます。これは既定の補助金の予算の中で何とか差し繰りができますので、ただいま一月以降というお話がございましたが、すでに、関係市町村と打ち合わせのできましたところは、十二月からも実行に入っておるわけでございます。 それから、修学援助費の補助といたしましては、教科用図書、学用品費あるいは修学旅行費というようなこともございますが、小・中学校合わせて約二万人分、これも追加配分することにいたしておりますが、約一千万円の国庫補助金が年度内に予算内で措置ができることになっておりますので、いまだ配賦がされていない関係市町村の向きに対しましては、申請を促しまして、早急に補助金の交付を行ないたい、かように考えておるわけであります。 育英奨学生、これは高校生の関係でございますが、北海道を主といたしまして、青森にも若干わたっておりますけれども、約八百名程度に特別採用の措置を講じておるわけでございます。 これらはとりあえずの措置でございますが、昨日産炭地全般についての九州方面のことともあわせて申し上げた点もございますけれども、四十年度におきましては、こうした特定の産炭地域とか冷害地域とか、限定された特定の地域に対しましては、四十年度の予算の要求の概算の中にも補助率の引き上げを含みまして、関係市町村の負担というお話もございましたが、それらも勘考いたしまして、ものによりましては十分の八の補助率に引き上げてもらいたいということで、ただいま大蔵省のほうにもいろいろお願いをいたしておる、こういう状況でございます。
○安井委員 いまの御説明のうち、特にこの点だけさらに伺っておきたいのは、日本育英奨学生の採用の問題です。給食の問題は、これは小・中学生でありますが、高校生についても、この間ちょっと聞いてみますと、水田地帯のまん中にあります高校ですが、最近授業料の未納がすごくふえてきたということです。授業料の納入日までに、その高校では、全旧制の生徒が四百八十四人のうち未納者が四百九人、——納めた人が少ないわけです。定時制の場合は、二百四十二人のうち期日までに納めたのは、いつもは期日までに納めているのが、そのときは百人くらいしかない、こういうふうな実態が出てきているようです。ですから、満校生に対する育英会の奨学金のワクも、実情をよくお調べになって、相当大幅に拡大される必要があるのではないかと思います。それから、もう一つは、現在はたしか一人千五百円、特別奨学生の場合は三千円というふうに聞いておるわけです。ところが、授業料が北海道の場合は道立の場合で約六百円くらい、何かれ合わせまして父兄のところから出ていくお金が三千五百円くらいから四千円くらいは普通要るようです。千五百円ではこれはどうにもならぬ。特に私立高校の場合は、普通の御家庭でお考えになってもわかりますが、大体五千円くらいになるのじゃないでしょうか。そういうことになりますと、千五百円というこの単価では安過ぎるし、特別奨学金の三千円あるいはそれ以上というところにやはり御決定にならぬと、問題は解決しないと思うわけでありますが、これはいますぐと言わないにしても、明年度予算等でやはり十分に御検討される必要があると思いますが、いかがですか。
○愛知国務大臣 現在とりあえずの措置としてやっておりますのは、北海道等につきまして、平年作に対して冷害によっておおむね五割以上の減収が見込まれるというような家庭の高等学校の生徒、これをとりあえず、日本育英会の採用基準にできるだけ合致するということはもちろんでございますけれども、特に採用予定数として、先ほどもちょっと申しましたが、北海道について大体八百名程度というところに対象を置いて措置をいたしつつあるわけでございます。それから、貸与の月額でございますが、これは、ただいまお話がございましたように、原則は千五百円でございますが、特別貸与は三千円から三千五百円になっておるわけでございます。これを一挙にふやすということはなかなか困難でございますが、お話のございました点はなお十分考慮してまいりたいと思います。
○安井委員 じゃ、文部大臣はけっこうです。 次に、農林大臣のほうの問題にまた移りたいと思うわけですが、冷害、凶作という問題でこれに非常に関心が持たれております際に、一方では、海のほうでも凶漁ということで、これにも対策が必要だというような声が最近ずいぶん起きてきているようです。もっとも、沿岸漁業は、これは日本全体に慢性的な不漁というふうなことで収入減退の実情があるわけでありますが、最近、たとえば北海道の場合も、利尻、礼文両島のコンブが五カ年平均の一五%くらいしかとれていない。ふだんなら大体四億円くらいの水揚げがあるのが、八千万円くらいしかとれてない。オホーツク海のサンマの漁況も、前年に比べると八・八%くらい、イカなども三七%くらいというふうなことで、そういうふうな問題も農村における凶作とあわせて浮かんできているようなわけです。これに対していろいろ対策があると思うのでありますが、これは農業の場合と漁業の場合とはいささか違いまして、一つの魚のあとにまた別な魚が来たりするわけですから、一般的な年一回の作柄という農業の場合と若干違うと思うわけでありますが、一般的に沿岸漁業のきわめて困難な状態に対して、農林省としてどう対処されるおつもりか。 それから、もう一つ、この際同時に伺っておきたいのは、沿岸漁業の振興の場合に必ず突き当たるのは、沖合いにおける底びき漁業との問題です。漁場が競合してしまって、たとえばタコをとる網を底びき漁船がさらっていってしまう。魚もさらうし、漁具まで一緒にさらっていってしまう。そういうようなことで、常に衝突が絶えないわけです。沿岸漁業の振興のためには底びき禁止区域の拡大という強い要望が最近も起こってきているのは、大臣もすでにお聞き及びと思うのですが、沖合いの中小漁業をどう処置するかということにこれはからんでくると思います。しかし、やはり重点は、非常に苦しい沿岸漁民を救う、こういう立場から問題の解決を私は打ち出すべきだと思うわけでありますが、この際、こういう沿岸漁業の問題についてのお考えをお伺いいたしたいと思います。
○赤城国務大臣 ただいまお話しのように、コンブ漁業とかオホーツク海のサンマも相当の不漁でありますし、また、イカの漁も全道的に薄漁だと聞いていますし、また、今後の後どりイカ漁もどれだけ期待できるかという状況のように聞いております。このような被害に対しまして、一部の漁業種類についての地域的不漁であることもあり、道庁としてさしあたり次のような対策を講じておるという連絡を受けております。一つは系統融資でありますが、土木事業の実施等により生活資金の確保措置を講じたい、それからまた、再生産資金の融資と漁業経営資金の確保措置を講じていきたい、それからまた、借り入れ金の償還期限の延長及び延滞利子の軽減措置を講じていきたい、こういうふうに聞いています。 私のほうといたしましては、青森県及び岩手県におけるサンマ、イカ不漁の対策をも含めて、こういうような対策を講じたいと思っております。 すなわち、系統資金等の融資条件の緩和と再生産資金等の融資の円滑化をはかるために、農林中金、漁信連等の系統金融機関、農林漁業金融公庫及び関係金融機関に対しまして、系統による越冬資金の貸し付け、それから、すでに貸し付けておる金の償還期限の延長及び再生産に必要な資金融通の促進等の措置を講ずるように、私のほうの農林経済局長とか水産庁長官連名によりましてそれぞれの機関に依頼をしております。 第二は、被害漁業者に対しまして、中小漁業融資補償法に基づく補償融資の円滑化をはかるために、北海道漁業信用基金協会が必要とする場合には政府の保険契約ワクの追加を行なう用意がある旨を、道庁及び基金協会に通知をいたしております。 第三といたしましては、被害漁業者に対する所得税、事業税等の徴収猶予等の措置については関係各省と交渉して善処いたしたい、こういうふうに考えております。 なお、沿岸底びき漁業等との問題でございますが、底びき漁業は比較的能率的な漁業でありまして、とかく沿岸漁業と摩擦を起こしやすい漁業でありますので、従来から、禁止区域の設定、減船、遠洋漁業等への転換をはかるようにいたしておりますが、なお、沿岸漁業者との間で、漁場利用につきまして協定をするように指導しております。そうして紛争防止につとめてきましたが、今後においても極力、操業の秩序が両者の間に守られるよう指導いたしたいと思います。特に摩擦を起こしやすい海域におきましては、できる限り操業協定が締結されるように指導して、沿岸漁民の漁場を確保するようにしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○安井委員 いまの漁業問題について、もうあと時間がなくなりましたので、深く触れるゆとりはございませんけれども、やはり凶作にあわせて考えていただかなければならない問題で、特に漁業は何かこう農業と比べても政治の谷間に置かれているというふうな印象を受けるわけでございますので、特段の配慮を願っておきたいと思います。 最後に、今日見るようなこういう冷害、凶作というふうな事態が再び起きないような措置を講ずべきであると私は思うわけでありますが、その恒久対策の問題についてちょっと伺って、終わりたいと思います。 このような異常な天候は、これは従来もなかったわけではありません。したがって、また今後も必ず来るということだけは予想しなくてはなりません。ことしの冷災害の特徴は、長雨やあるいはまた気温の低さ、そういうようなために成育がきわめて遅延をしている。その遅延をしている状態のもとで、九月二十七、八、九日にかけての強烈な霜のために生育がストップしてしまった。こういう事態で、農林大臣も現地をごらんになっているからよく御承知のとおりであります。ですから、たとえば大豆なんかも、生育が二週間もおくれていたわけですから、まだ青々と茂っているときに零下二度から零下四度の低温の霜のために生育がストップして、ちょうど枝豆のようなかっこうで死んでしまった、こういうようなわけです。 〔青木委員長代理退席、委員長着席〕 水稲についてもそういうわけです。そういうような反面において、一方、酪農のほうは、もちろん草その他えさがだいぶやられたわけですから、被害はないわけではありませんけれども、畑の農作物に比べますと、これはやはり問題になりませんくらいいいわけです。それからまた、根菜類であるビートだとかバレイショなどは、ほかの豆類などに比べれば被害は少ないほうであります。ですから、私どもも農林水産委員や災害対策委員の人たちと全道をずっと歩きましたけれども、ことしの災害を見ての印象は、ものすごく悪い畑やたんぱと、その隣のほうでは、草はまだ青々と茂っていて、牛がそこで遊んでいる、あるいはビートのほうはちゃんとできている、そういうふうな事態を目にするわけです。ですから、そういうような中から、おのずから寒冷地にふさわしい農業の方向というものが浮かんでくるのではないかと思います。つまり、草地の開発というようなものを推し進める形から、酪農をもっと徹底的に進めていく、あるいはまた畑作農業でも、根菜類はできがいいわけですから、それにふさわしい農業の基盤整備をはかっていく、こういうようなことでなくてはならないと思います。もちろん、指導体系の充実やら、気象観測の強化とか、そういうような問題がたくさんあります。たくさんありますけれども、せんじ詰めれば、そういうところになってくるのではないかと私は思います。畑作農民が、根菜類やあるいは酪農が安定した農業への道だと知りながらも、しかし現実にはなかなかその方向にいきかねております。その原因は、豆類をつくれば、これは作の悪いときはたいへんだけれども、もしうまく当たれば、いつかは相当な金がころがり込んでくる、そういう投機的な気持ちにさせられるわけです。そういうようなところからそんな作物に移ってしまう。つまり、酪農に移っても牛乳の価格はなかなか上がらない、とても生産費を償わない、中小家畜においても値段が上がったり下がったりして安定しない、こういうような価格政策のまずさというようなものも結局農民を不安定な農業に追いやっている基礎になっているのではないか、かように私は考えます。つまり、農業基盤整備だとか草地開発だとか、そういうような面をどんどん進めていく反面に、農産物の価格安定等、営農の安定の方向づけをするような、そういう農政が同時になくてはならない。せんじ詰めればそんなことになるのではないかと思うのです。この点につきまして、まず農林大臣から、現地を実際にごらんになってお帰りになった立場からお考えを伺っておきたいと思います。
○赤城国務大臣 北海道の将来の農業体系等につきましては、おおむね御指摘のような方向で私も考えておるわけであります。かつては東北等におきましてもしばしば冷害がございました。しかし、最近におきましては、冷害を克服しておるような営農体系もだんだんでき上がってきております。北海道におきましてもだんだん冷害は少なくなった。しかし、ことしのようなまれに見る冷害にも際会いたしますけれども、これにつきましては、寒地であっても、北海道ぐらいのところは世界にもたくさんあって、営農も十分やっていけるところがあるのでございますから、そういう先進地といいますか、そういうところの営農方法なども考えてやっていかなくちゃならぬ、こう考えています。品種の改良等も、ずいぶん耐寒、耐冷に品種を改良してきましたが、さらに改良していかなくちゃならぬ。あるいはまた、稲作も相当限度まで北のほうへ行っていると思います。でありますので、重点はやはり畑作の農業に置かなくちゃならぬ。畑作におきましても、畑作と、いわゆる酪農、畜産などに結びつけて、たとえばてん菜なども酪農と結びつけを特に強化していく、あるいはいまお話しのように、草地を造成していくというようなことも考えなくちゃなりません。それとともに、いま最後に、価格対策につきましても十分の配慮をしなくてはいかぬじゃないかというふうな御指摘でありますが、この点等につきましても、たとえば牛乳等につきまして、北海道だけではございませんが、四十年度におきましては、加工乳を中心とした価格対策を強く推し進めていきたいというふうにも考えております。あるいはまた、草地の造成等も、北海道につきましては特に大きな草地を造成していきたい、こういうふうにも考えております。要するに寒地農業という、ことばは適当であるかどうかわかりませんが、あのくらいのところで十分に農業をやっていける、災害にも耐え得るような農業を確立していくという方向には十分の努力をしていきたい、こういうふうに考えております。
○安井委員 北海道開発庁長官においでを願っておりますので、伺いたいわけでありますが、北海道総合開発計画の中に、やはりことしのような経験を生かしていくという方向がつくり出されなくてはならないと思います。全体的な計画のことは、きょうはもう時間がありませんのでお聞きするゆとりはございませんが、とりあえず、いよいよ明年度予算編成というふうな時期に来ている際でございますので、当面どういうふうな措置をお進めになることが適当かということでありますが、いろいろ私も伺っておりますけれども、大臣の率直な御見解をお聞かせ願いたいと思います。
○増原国務大臣 北海道における冷害対策としての基本的な方向は、ただいま農林大臣から総合的にお述べになりましたところに尽きるわけですが、開発庁が担当いたしまする分野もございまするが、その分野では、特にお尋ねの来年の問題にしばりますると、酪農、これの基盤になりまする草地の造成というところに力を入れたい。小規模草地はいままでもやっておりまするが、これは続いてやりまするが、大規模な草地を二カ所ばかり、上士幌、豊富町地区に国営をもってひとつやりたいというつもりで、ただいま予算要求をいたして折衝中でございます。それと、ことしの冷害でごらんになりましてお気づきをいただいたと思いまするが、土地改良を畑地についてやっておりまするところは、冷害が著しく低いといいまするか、そういう状況でありまするから、畑地の土地改良をしっかりやりたい。黙っておっても、水田関係の土地改良はいままで要望もたいへん強く、相当行なわれておりまするが、畑地のほうがおくれておりまするので、これは、排水・客土などにとどまらず、道路の関係、農業用水の関係等全体を含めまして、畑地帯の総合土地改良事業というふうな構想で畑地帯の土地改良に力を入れてまいりたいというようなことで、開発庁所管として恒久対策で力を入れてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○安井委員 いま開発庁長官から、大規模草地開発事業の問題と、それから畑地帯についての総合的な土地改良事業の実施という点を御計画になっている旨のお話がございましたが、これは実施は農林省だと思います。農林省としてのこれについてのお考え方、さらにまた、何としても最後は大蔵大臣ですから、大蔵大臣も、やはり冷害のこういうふうな事態に対する措置として、一応いまの段階でどう考えておられるか、まだ私もたくさん問題があると思うのですけれども、草地の大規模な開発と畑地総合開発というような問題の御提出がいまあったわけでありますけれども、農林大臣と大蔵大臣のお二人のお考えを伺っておきたいと思います。
○赤城国務大臣 草地の造成等につきましては、来年度全国的にもそういう農地を国営で造成しようという考えを持っていますが、特に北海道はそういう適地でございまするので、酪農振興の方策として北海道には二カ所ほどやっていきたい。それから、土地改良も、冷害の原因は、北海道長官のお話のように、やっぱり土壌が悪いから冷害を受けやすいという大きな原因があると思います。土壌の改良ということが必要でありまするし、土壌の改良を中心とした土地改良、ことに畑地の土地改良等につきましては十分力を入れていきたい。これは財政当局も十分了承してくれるものだと思います。そういう方針で、まあ徹底的といいますか、思い切って北海道に力を尺くしてみたい、こう思っております。
○田中国務大臣 私が申し上げるまでもなく、いま北海道開発庁長官及び農林大臣も申したとおり、政府は北海道の開発ということには特に意を用いております。もう太政官時代から百年間、しかも五百万人の北海道がだんだんと少なくなるというような状態につきまして、特に開発庁の制度をつくったということも、政府が何を意図しておるか十分おわかりだと思います。特に、冷害等にあった北海道を考えるときに、より手厚い積極的な施策が必要である、これはもう言うを待たないわけでありまして、財政的にも可能な限り格段の措置をとりたいと思います。
○安井委員 時間が過ぎて恐縮ですが、これだけ締めくくりに伺って、終わりたいと思うのです。 畑作共済の問題ですが、やはりことしの冷災害の中でも、水稲については一応農業共済金の支払いの道があるわけですから、少なくも七十億かそこらの金がこれで埋まるわけです。しかし、畑作のほうはそういうものが全くない。北海道だけじゃなしに、全国的な大きな問題であるわけです。果樹共済の問題についても、農林省でいろいろ御検討が進んでいるそうでありますし、また、畑作共済についてもこれまでいろいろな形で検討が進んでいることも伺っているわけでございますが、技術的にはいろいろめんどうな問題もあろうと思いますけれども。しかし、やはりもう踏み切るべき時期に来ているのではないかと思うわけです。畑作共済を、当面は漁業共済のようなかっこうでも私はいいのじゃないかと思います。そういうような形でもやるべきではないか。もしどうしてもできなければ、水田の場合には相当程度の大きな予算放出があるわけですから、畑作農家には、災害補償というふうな形で天災があった場合には一定の補助金を支給する、これは共済の仕組みとちょっと違うわけでありますけれども、しかし、共済の場合でも現実には国の金で補いをつけているわけですから、それとは仕組みが違いますけれども、すぐに共済の制度ができないとすれば、そういうような災害補償といいますか、そんな仕組みも私は考えてもいいのじゃないかというような感じも受けるわけであります。おくれている畑作農業に対してのこの問題について、今日までどういうふうな段階に検討が来ているのか、そしてまた、これから先の段階において早急に実施するというかまえにおいて大臣はどういうふうなお考えをお持ちなのか、それを最後に伺っておきたいと思います。
○赤城国務大臣 お話のように、果樹共済につきましては相当調査も進みまして、だんだんこれが実現できるような方向に近づいてきています。畑作につきましては、作物も非常に多いし、また、困難の状況もいま御指摘のような事情でございまして、研究はいたしておりますが、早急にこれが実現するという検討まではまだいっておりません。なおさらに検討いたしてみたいと思います。御意見のような、共済とは別に畑作に対しまして何かこれが振興できるような方途等の御指摘がありましたが、そういう点も含めて、畑作共済につきましては前向きに検討を進めていきたい、こう思っております。
○荒舩委員長 よろしゅうございますか。——これにて安井吉典君の質疑は終了いたしました。 これをもちまして昭和三十九年度補正予算三案に対する一般質疑は全部終了いたしました。 次会は明後七日午前十時より開会し、締めくくりの総括質疑に入ります。 明後日の質疑者は辻原広市君一人であります。なお、念のため申し上げますが、理事会の申し合わせにより、締めくくりの総括質疑の持ち時間は二時間でありますから、あらかじめ御了承願います。 辻原君の出席要求大臣は、内閣総理大臣、外務大臣、大蔵大臣、文部大臣、通産大臣、労働大臣、自治大臣、増原国務大臣及び経済企画庁長官であります。 なお、七日月曜日午前九時三十分から理事会を開きますから、御了承願います。なお、理事会の御相談でございますが、締めくくりの質疑終了後直ちに継続いたしまして討論採決に入りたいと考えておる次第でございます。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時五十六分散会