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47回国会衆議院1964/12/16

農林水産委員会 第3号

発言数
51
登壇者
5
会派数
2
開催日
1964/12/16

会議録

高見三郎自由民主党

○高見委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案、芳賀貢君外十八名提出、天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法等の一部を改正する法律案、及び芳賀貢君外十一名提出、自作農維持資金融通法の一部を改正する法律案を一括して議題とし、前会に引き続き質疑を続行いたします。芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 政府提出にかかる天災融資法について、農林大臣にお尋ねします。  政府案につきましては、一昨日の衆議院本会議並びに昨日の当委員会において、それぞれ提案の趣旨が説明されたわけでございますが、この際、大臣に明らかにしていただきたいことは、提案の趣旨の末尾において、今国会においては政府提案の内容程度の改正を行なうのであるが、次の通常国会においては、最も天災融資法の内容的な問題とされておる、たとえば条件の緩和の問題にいたしましても、あるいは金利の引き下げ、あるいは償還年限の延長、あるいは特に、運用上行なうことができるわけでございますが、一定の据え置き期間というものを法律で明定するというような点については、あげて次の通常国会において政府が抜本的な改正案を出す用意があるということを述べられているわけでございますが、はたしてそうであるとするならば、この際、主要な改正の諸点について大臣から御説明を願いたいわけでございます。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 通常国会におきましては、天災融資法の改正を今回の改正よりより以上の内容に入ってやりたい、こう考えております。いま御指摘の条件、金利あるいは償還期限等でございますが、条件の緩和等につきましてはちょっとむずかしいかと思っています。それから金利の点は、ほかの金利とのつり合い等もありますので、目下検討中でございますので、いま幾らにするということの案はまとまっておりません。実はまとまっておるくらいなら今国会に出してもいいと思っておったのですが、そこまでいっておりません。償還の期限等は延長するつもりでございます。据え置き期間は、法律に規定がございませんので、償還期間内で据え置き期間を検討してみようというふうにいまのところ考えていますが、具体的にどういうふうに内容を盛って通常国会に提案するかということは、実はまだそこまでいっておりませんので、その辺御了承を願います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 私の承知している範囲におきましては、当初農林省において改正案を作業される場合は、単に貸し付け限度の引き上げだけではなかったというふうに察しておるわけです。おそらく金利の引き下げの問題にしましても、あるいは貸し付け限度が相当引き上げになりますと、いまの農業経営の実情からいいますと、限度額を相当額引き上げた場合に、いまの収益性の低い農業の経営の中において、あるいはまた災害を受けた翌年から直ちに返済に入るというようなことになりますと、結局償還能力ということを考えた場合には、いまの償還年限の範囲内においてはこれは相当無理が出ると思うわけです。したがって、他の農業金融等にいたしましても、貸し付け金額が上回れば、それに適応した据え置きの期間、あるいは償還年限というものを妥当な線できめるというのは通例ですので、単に限度だけを上げて、償還年限等についてはそのままということは、当を得ないのではないかと思うわけです。私どもの承知した範囲では、不十分ではあるが、たとえば普通災害の場合には金利が六分五厘でありますし、開拓者の普通災害の場合も五分五厘という金利になっておるわけですが、したがって、この六分五厘あるいは五分五厘の金利等については、当初農林省にいたしましても、ある程度の引き下げを今回行なうということで作業を進められておったはずでございますが、この程度のことは、この際、大臣として参考までに述べていただいても差しつかえないのではないかと思いますが、いかがですか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 確かにいまのお話のように、金利あるいは償還期限等も延ばすということにこの次の法案には相なろうと思います。そこで、お話のような研究をしておりまして、ほかの省との関係等もいろいろ打ち合わせて、研究をしてきたのでございます。その過程についてのお話は、いま申し上げてしまうと、また法案の提出までに非常にほかとの打ち合わせや何か差しさわりもありますので、申し上げることは遠慮させてもらいたいと思いますが、確かにいまのお話のようにいろいろな検討はしてきたわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これは農林省の作業の過程が、金利引き下げに対しては大体こういう考えがあった程度のことは、大臣がお述べになって別に禍根を残すようなことにならぬと思うのです。むしろ、農林省の熱意を当委員会においておおよそ明らかにしてもらうことによって、今後これらの問題の解決等についても、委員会としても具体的に促進しやすいのではないかと私たちは実は考えているわけです。単に政府部内の事情だけにこだわって、農林省としてどう考えておるかということを表面に出せないということでは、やはり次期国会において根本的な改正をやろうとしても、財政当局との力関係などもあって、なかなかできないのじゃないかということが危惧されるわけでございますから、この機会に、農林省としてはこの程度の考えは実は持っておったということを、むしろ積極的に参考に述べてもらったほうがいいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 せっかくのお話でございますが、ただそういう考えを持っているというだけで——やはり実現ができる方法でありませんと、責任官庁としての職分を果たすことができませんので、せっかくいま研究中でございますので、しばらくお待ちを願いたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 これは農林省案ができて、そして大蔵省と折衝した結果、金利引き下げは見送るということになったわけであるから、農林省が検討して案を持った時期はあるわけですから、それを単に参考までに、どの程度のことを考えて実現しようとしたかということを述べられても差しつかえないのじゃないですか。それを発言したからすぐ責任をとって大臣をやめなければならぬというような問題でもないと思うのです。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 せっかく検討中でございますので、その点はしばらく御猶予願いたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それじゃこの次の国会にどのくらい下げるのですか。たいしたことはできないでしょう。一厘くらい下げるのですか。六分五厘を一厘くらい下げるとか、五分五厘を一厘くらい下げるという程度ですか。金利を一厘くらい下げても農民は何も感謝をしないと思うのです。どの程度やるかという程度の腹がまえがなければ何にもならぬと思うのです。ですから、そういう大臣の御意図というものがおよそ明らかにならなければ、われわれとしても、この法案の扱い等について、次にやると言っておられても、どの程度やる熱意があるかということを明らかにされないで、ただこれを少数、多数の採決できめるというわけにはいかぬと思いますね。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 金利体系その他諸般の事情を勘案して、通常国会に提案しようとして目下検討中でございます。腹づもりだけいま言ってみても、できない相談の腹づもりでも困りますし、またいろいろ各方面との検討事項もありますので、先ほど申し上げましたように、しばらくその点は猶予をお願いしたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次にお尋ねしたい点は、天災融資法の法律の内容そのものが、ほとんど運用は政府に一方的にまかせておるような点が欠点になっておるわけです。たとえば現行法では、普通被害の場合には内地十五万、北海道二十万ということになっておりますね。それがすなおに最高限度十五万、二十万の貸し出しができるかというと、それはできないということになっておりますね。それはどういうことかというと、政令にまかせた点は、第一には市町村長が被害認定をする場合には、個々の被害農家の被害額というものを押えて、その被害額に対して、従来は政令によって三〇%を被害額に乗じた金額、もう一つは、やはり法律で政令にまかせておるわけでありますが、たとえば内地十五万、北海道二十万という場合においても、そのものを最高限度にしないで、たとえば北海道の冷害についても、あるいは二十号台風についても、内地の十五万を政令で十万に限定する、あるいは北海道の冷害を政令によって最高十五万に限定するということにして、この法律の最高限度を政令によって低く限定した金額か、あるいは市町村長が被害認定をした場合のいわゆる被害額に三〇%を乗じた額か、いずれか低い額を基準にして貸し付けを行なうということになるわけですからして、いずれにしても、法律に明記された限度の金額を借りることができないというのが、いまの天災融資法の政府の運用の態度であります。ですから、この点は、たとえば今回のごとく限度の引き上げを行なわなくとも、いまの法律の内容で運用よろしきを得れば、政府が今回改正されようとしたその程度の内容のものは、現行法の運用で貸し出しができるというふうにわれわれは考えておるわけですが、その点に対しては十カ年間にわたって運営された経験の上に立って、法律がそうなっておるからやむを得ないということであるか、法律の精神はそうでないけれども、できるだけ国は利子補給をしたくない、損失補償をしたくないという考えで、そういう無理な運用をしておるのであるかどうか、どうお考えになっておりますか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 規定の解釈と運用の問題でございますが、引き上げはこの国会できめてまいりますが、次の国会で政令等を改正して、今回の限度の引き上げが意味のあるようなものにいたしたい、こう考えております。  なお、現行法における運用の点についての御指摘がありましたが、それにつきましては事務当局から一応御説明いたさせます。

久宗高農林事務官(農林経済局長)

○久宗政府委員 ただいま御指摘の例の三〇%でございますが、私ども運用の経験から見まして、これが非常に不合理だということで、いままで非常に争い続けてきた問題でありますが、今回提案いたしております限度額の引き上げをおきめいただきますれば、当然ただいま大臣から申されましたように、数字が実質的にそれによって押えられないように、政令の改正をいま財務当局と検討中でありまして、御期待に沿い得るものと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 最高限度を引き下げる政令のほうはどうですか。

久宗高農林事務官(農林経済局長)

○久宗政府委員 例の政令で三〇%と、もう一つは選択的になっております。三〇%という数字につきましては、私ども納得がいっておりませんので、今回の限度の引き上げと関連いたしまして、それと見合って選択するのに限度の引き上げが意味を持ちますように、政令のパーセントを改めたいと考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 だから、二つの点について、被害額に対する三〇%という問題は、経済局長におかれても、これは矛盾がある、不合理であるということを明らかにされたわけですが、もう一つは、政令で、その最高限度額がせっかく十五万とか二十万というふうに定められておっても、それを大体五万くらい引き下げて、十五万のものは十万にするとか、二十万のものは十五万にするとか、無理にその許容された限度を下げて、そうして該当する被害地域に対して一定の対象になる経営資金のワクを示すというやり方にも、非常に問題があると思いますが、そういう点はどう考えておるのですか。

久宗高農林事務官(農林経済局長)

○久宗政府委員 今回提案しております法案について御説明いたしましたように、従来重複被害者と新規被害者の措置を変えておった、それをやめまして、重複被害者の場合にはそれを外ワクにいたしましたので、御指摘のような難点は今度はないわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それは政令三百四十三号によって今年の七月から十月までの低温等についての政令の指定をしたわけですが、その場合に、別表に明らかにされておるわけでありますが、重複被害農業者に貸し付ける場合は十五万、これは激甚指定以外の都道府県の区域の場合です。それから重複被害農業者以外、被害が連続的でない、重複しておらないという場合の被害農家に貸し付けられる場合は、十万円ということになっているでしょう。それだと、普通被害の場合には十五万まで内地は貸し付けることができるにもかかわらず、それを十万円というように下げております。政令で、別表にですね。ですから、その矛盾というものを一体どう考えるかということですね。十五万まで貸せるのを、政令で最高十万ということに抑えておるわけですからね。

久宗高農林事務官(農林経済局長)

○久宗政府委員 従来の措置で申しますと、すでに、ことし被害を受けた方で、前の借金が残っておられる方の分を含めまして、最高限度がきまっておりましたので、やむを得ず、内割りにせざるを得なかったわけであります。その点はまことに不合理でございますので、少なくとも重複の方でございましょうと、新規の方でございましょうと、資金の需要は同じにあるわけでございます。今回はその借りかえ部分でございますが、これを外ワクにいたしたわけでございます。ですから、限度額には加算と申しますか、外ワクになりますので、このような政令の中で縛りをする必要はなくなったわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そうすると、かりに政府案が通った場合には 限度を圧縮するというやり方はなくなるわけですね。重複被害者に対しては、それは外ワクとして加算するということになれば、普通災害が生じた場合、現行の場合でいえば、内地十五万はそのまま十五万として適用するわけですね。それは間違いないですか。

久宗高農林事務官(農林経済局長)

○久宗政府委員 計数は変わってまいりましたけれども、おっしゃるとおりの内容でございます。内地で申しますと、天災融資法の場合には、二十万が限度になりますが、借りかえの必要のある方は、そのワクの外に出られるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そうしますと、現在の法文の整理上、今度は貸し付け限度を政令で圧縮しないということになれば、十五万とかあるいは二十万は、政令で定める範囲内に引き下げるということは法文上必要ないということになるのですね。最高限度はそのまますなおに認める、重複の場合には外ワクで加算するということになれば、いまある最高限度を政令によって下げるというその条文は必要ないということになるのですね。

久宗高農林事務官(農林経済局長)

○久宗政府委員 現在でも政令によって引き下げるという形にはなってないので、政令によって定めるというようになっておりまして、その中で書き分けておったわけです。今回は法律のほうで明らかに最高限度がきまりまして、いまの借りかえ部分につきましては、そういう方はその限度にさらにそれを加えた額になるんだというように法文上明らかになりましたので、政令でいじる必要がなくなったわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 だから、法文にそれを残しておく必要はないんじゃないですか。

久宗高農林事務官(農林経済局長)

○久宗政府委員 前の法文でも、政令によって引き下げるということにはなっていませんので、政令によって定めるということで、その定め方として内割りをしておったわけであります。今度はその借りかえ部分が外に出ましたので、そういう政令の内容を書く必要がなくなったわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 だから、この分だけは削除する改正を行なったほうがいいんじゃないですか。第二条第四項一号ですね。「市町村長が認定する損失額を基準として政令で定めるところにより算出される額」、これはいいが、「又は十五万円(北海道にあっては二十万円、漁具の購入資金として貸し付けられる場合は一千万円)の範囲内で政令で定める額のどちらか低い額」という、そういうものは要らぬじゃないですか。

中沢三郎農林事務官(農林経済局金融課長)

○中沢説明員 お答えいたします。  現在貸し付け限度額につきましては、ただいま御質問がございましたように、二条四項一号で規定しております、「市町村長が認定する損失額を基準として政令で定めるところにより算出される額」、これは先ほど御質問にございました三〇%の事項でございます。それからその下に、従来の旧規定でございますが、「又は十五万円の範囲内で政令で定める額」ということになっております。それで、今回十五万円が二十万円に上がったわけでございますが、この二十万円の範囲内で政令で定める額ということになっておる関係上、一応法律の二十万円という限度はそのまま法律には書く形になりますが、そのままの金額が書かれるわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 だから、そのままであれば、政令にまかせる弾力性というものは要らぬわけですね。二十万そのままということになれば、何も政令でその範囲内できめる額というものは要らぬということになるでしょう。これがあったので、非常にこれが問題がかもされておるわけですね。普通被害の場合には三〇%で非常に低く押える。被害が甚大の場合は最高限度を今度は政令で低くして、そのいずれかということになるわけですね。被害が低位の場合には被害額に対する三〇%で、十分借りることはできない。被害が甚大の場合には最高限度を政令で引き下げておくから、その限度額一ぱい借りることができない。これは両方で首を締めているのですよ。だから、被害額に対する三〇%が不適当であれば、これは今後の政令の運用は四〇%以上とか五〇%以上にされると思いますが、その点はどうなんですか。

久宗高農林事務官(農林経済局長)

○久宗政府委員 実質的にはおわかりいただいたと思うのでございます。三〇%までは実質に直す。それから、一番問題でございました借りかえ部分が内割りになっておった問題は、法律上直しまして、外ワクに持っていく、こういうことでございますが、法律の形式といたしましては、最高限度をきめる法律でございますので、それにつきまして、その範囲内で政令で定めるという規定は残ってもやむを得ないのではないかと思います。実質的には現在のところ、それによって特別な指定をする必要は何もないというふうに考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 次にお尋ねしたいのは、返済期間の問題についても、これも五年以内で政令で定めるということになっておるのですね。この五年ということになると、特別被害者以外は五年の適用を受けることができないのですね。それで、普通被害二年とか、開拓の普通被害三年とか、せっかく五年の期限が法律に定められておっても、その期限の半ば以下に完済しなければならぬというような、そういう無理なことを押しつけているわけですね。これも災害対策のための措置法であるとするならば、五年ということになっておれば、そのまますなおに認めてもいいじゃないですか。こういう点が、もう災害を受けて半死半生になっておる農家を、それにまたおもしを縛りつけて池に沈めるようなことをやっておるわけですから……。今度はこの点はどうするのですか。たとえば内地二十万とか北海道三十五万に引き上げる、そして年限については、現行においても五年まで認められておるにもかかわらず、また二年とか三年ということでは、今度は返せないようにするわけでしょう。その点はどう考えておるのですか。

久宗高農林事務官(農林経済局長)

○久宗政府委員 御指摘のような難点が従来あったと思います。その分け方も、一般と、激甚でない場合と、激甚というような分け方で、政令の中に小刻みにしておったようなことがございまして、具体的に当てはめました場合に、相当難点のある運用があったわけでございます。そこで、現在私ども折衝いたしておりますのは、全部五年といってしまうかどうかにつきましては、やはり被害の度合いと、それを返し得る経済余力と申しますか、これはやはり償還期限をきめます場合に一応理論的の基礎になりますので、計数が出ますと、一応その範囲内でできるものはその内縛りをするということは、私やむを得ないと思うのです。ただ、実質的にいままでの二年あるいは三年というふうにいっておりましたその内容が適当であるかどうかにつきましては、若干疑問がございますのと、もう一つの考え方といたしましては、一般と激甚というような分け方でなくて、個々の農家の方の被害の強さですね、特別な被害者というような方とそうでないものといったような分け方も、あるいは必要になるんじゃないか。これが技術的にできますかどうか、若干問題ございますので、いまさような点につきまして大蔵と折衝いたしております。また、内容といたしましても、御指摘のような償還の能力から見て、無理のないように運用いたしたいということで折衝いたしております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 その点は非常に大事な点ですから、大臣にお尋ねいたしますが、従来の形でいきますと、内地十五万の場合は政令で十万しか貸さない、北海道二十万の場合は十五万、そういう普通被害の場合には、従来はおおよそ返済期限が二年ないし三年ということにしているわけですね。今回は限度の引き上げによって内地二十万、北海道三十五万円ということに普通被害はなるわけでございますが、政令で今度最高限度を押えないということになると、被害の度合いの高い農家は、二十万ないし三十五万円は借りることができるということになるわけですね。その場合、たとえば一番短いのは従来二年ですから、二カ年間に二十万ないし三十五万円を返せるかというと、これは事実上返せないと思うのです。三年間に返すとしても、内地では年額七万円、北海道では十二万円、元金だけでそれだけ償還しなければならぬことになるわけですから、そういう点は農林大臣の御判断に基づいた場合、甚大な災害を受けた翌年あるいは翌々年からそういうような災害資金の返済が、はたして能力として可能であるかどうかということは、いかようにお考えになりますか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 災害に必要な資金が多くなる、また法律上多くしたということになれば、償還の期限もやはり長くなければ十分に償還していけないといういきさつになると思います。でありますので、実情に即して、改正の点においても、また実際においても、償還期限等を検討していかなくちゃならぬと思します。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そうすると、かりにこの法律が通ると、結局改正に基づいて対象になる北海道の冷害あるいは二十号台風等は、今度は改正法の適用を受けるわけですが、そうなると、従来の貸し付け限度によるところの指定した被害地域に対する経営資金の総ワクの是正とか、あるいはまた限度が引き上げになるわけですからして、その限度額の改定とか、それに伴う償還の条件ですね、法律で認められた最大の範囲でこれは償還させるということに内容を改めて、政令を出さなければいかないと思うわけですが、そういう点についてはどういう配慮をなさっておられるのですか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 改正後においてできるだけその実情に即して、最大限度に償還期限等も延長していく。特別被害者等におきましては、これは当然五年でございますが、そういうふうに運用というか、配慮していきたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 だから、特別被害者だけが五年ということは、これはいまの政令が示しておるのも五年になっておるのです。あと三年、二年というものが別にあるわけです。だからそれらは、被害の度合いが若干低いとか高いとかいう判断は、この金額だけにはよらぬと思うのです。経営資金ですから、経営規模の大きいものと小さいものでは、同じ被害の深度であっても、計算上出てくる経営資金としての額というものは、違った金額が出てくると思うのです。ですから、それらを十分考えた場合には、たとえば普通被害者と認定された場合であっても、開拓者の普通の被害者と認定された場合であっても、五年の償還期限が法律で認められておる場合には、実現可能な五年の最大限の償還期間を与えるということは当然だと思うのです。その点と、もう一つは、現在の法律でも、二カ年の範囲内で据え置き期間を認めるということは明定されておるわけですから、そういうものも十分活用されてはどうかと考えるわけですが、この点に対して具体的な大臣の答弁をお願いしたい。  時間がないという委員長の通知がありましたので、残った問題だけ申し上げますが、もう一つは、北海道の災害は、北海道庁の報告によると五百七十三億円、農林省の統計調査部の被害調査によると約五百十億円ということになっておるわけです。いずれにしても五百億円に違いはないわけであります。この膨大な被害額に対してわずかに四十五億円だけ政令でワクを与えたということは、まことにこれは不当きわまる点なんです。どういう計算で、こういう極端に少ない四十五億円というものを出したのか、その点の経緯を明らかにしてもらいたいわけです。これはわれわれとして納得できないです。おそらく今回の改正案を通す材料に使うために、現行法では、五百億以上の冷害の損害であっても四十五億円程度しか認めることはできない、これを百億円とか百五十億円にするためには、どうしても限度の引き上げを行なって、それを機会にして妥当な経営資金の被害地域に対するワクを改定しなければならぬという材料にお使いになったとすれば、まだ許すべき点もあるが、もしこの改正が行なわれない場合においては、四十五億円なんていう不当な金額というものは、われわれとしては絶対これは了承することができないのです。そういう点に対してどういう計算をしたか、これはあとで明細な資料も出してもらいたいと思うのです。  もう一つ、関連して大臣にお尋ねしたい点は、天災融資法とあわせて、今年度の災害によって農家は相当の負債を残すわけです。天災資金の場合には、明年度の再生産の資金を確保する目的を持っておる。したがって、今年生じた負債を整理するという性格は全然ないわけです。そのためにはいま活用されるのは、自作農維持資金法に基づいてこの政府資金を放出することによって、固定化された、あるいは固定化されようとする災害の負債というものをこれで吸収する、救済するというところに目的があるわけでありますが、この場合も、社会党のほうからは自作農維持資金の改正案を出しておりますが、こういう問題も、この次の国会において天災融資法とあわせて、総合的に自作農維持資金の法律改正等も行なうべきではないかと考えるわけですが、これに対する大臣のお考えと、この三点に質問をとどめたいと思いますので、十分納得のいくような御答弁を願いたい。納得がいかない場合には時間超過でもやむを得ぬと思いますね。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 償還期限等につきましては、お話しのように償還能力を頭に置きまして、最大限に実情に即するように活用いたしたいと思っています。  それから統計調査からいくと、五百十億損害がございますが、そういう被害に四十五億は少ないじゃないか、確かに少ないのですが、このほかにも助成の方法もありまするし、あるいはまた保険金の支払いもありまして、損害すべてを天災融資でカバーするというわけにもまいりませんので、そういう四十五億というワクになっておるわけでございますが、このワクが非常に少ないということで、今回の改正に伴ってワクを拡大するというつもりでございます。  第三の、負債についてはどうするか、ことに自作農維持資金の改正を考えているかどうか、これは対象が相続とか疾病とかその他を含んでおりますので、天災のみではございません。そういう関係で、いまのところは改正をしないつもりでおりますけれども、この天災融資法に改正を加えること等も勘案いたしまして、さらに検討を続けていきたい、こう思っております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 局長、北海道の四十五億の内容を説明してください。

久宗高農林事務官(農林経済局長)

○久宗政府委員 これは先生御存じのとおり、私ども数字を待って、いつでもできますように用意をしておったわけでございますが、十一月の初めになりまして、やっと北海道で数字を持ってこられまして、はなはだ大きく数字が狂っておったわけでございます。そこで、本来ならば、その数字の調整と同時に限度の引き上げと、両問題があったわけでございますが、限度の引き上げにつきましては、すでにお答え申し上げましたように、法律改正が要りますので、そうかと申しまして、その間にずっと御要望のある資金のうち、一部はすでに御必要なものもあるかと考えまして、暫定的な措置といたしまして、従来の計算方式、これには私どもも納得しない点がたくさんございまして、問題になっておったわけでございますが、それによりまして一応数字を四十五とはじきまして、それはかりの数字といたしまして、それが一応天災資金として出られる措置をとって、本格的な限度の引き上げをやろうということでしたわけでございます。したがいまして、あれ自体につきましては、今度の限度とも関係がございませんし、またその算定の方向についても、私どもとしては納得しないものがありますが、一応この四十五億程度のものが、従来のやり方によれば計算されますので、それを一応の措置として第一次の措置をとったわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでわかりましたが、重大な理由は、北海道庁からの天災融資法に基づく経営資金の所要額の手続が非常にずさんであったので、時間切れになって間に合わないので、第一次分としてとりあえず四十五億円きめた。こういう点は、北海道の非常に手続の粗漏と事務的怠慢に起因したと言われれば、これはけしからぬというわけにもいかぬですが、その理由は一応お聞きしておきます。しかし、もう一つは、従来の方法という場合に、端的に申し上げますと、たとえば昭和三十一年の大冷害は、これは現在の天災融資法の当初の対象になっておるわけです。このときの被害総額は、農林省の発表によりましても四百四十四億五千万円ということになっておるわけです。この中に八月干ばつ被害が八十四億円含まれておりますが、この四百四十四億五千万の被害額に対して、天災融資の経営資金は百六十億円出しておるわけですね。いいですか。四百四十五億円に対して百六十億円、天災融資法が発足した三十一年当初は出しておるわけです。従来の経緯ということになれば、この法律の生まれた当時は、こういう相当実情に合致したような資金ワクを出しておりながら 今回の北海道の場合には五百億をこえる大きな被害額が出たのに対して、わずか四十五億円ということになると、被害額が三十一年よりも百三十億も多くて、それで融資ワクは百二十億円も少ないということになるわけですが、これはどういうことなんですか。従来の例ということになると、これが一番はっきりした証明になるのですよ。

久宗高農林事務官(農林経済局長)

○久宗政府委員 いまの四十五億にあまりこだわっていただきたくないのでございますが、と申しますのは、御存じのとおり、普通天災融資法を発動いたしまして、いよいよ額が総体的にきまりますのには、相当の時間がかかっておるわけでございます。たとえば二十号台風なり長雨にいたしましても、冷害の四十五億以下に政令で総額をきめているような経過でございます。したがいまして、十一月の初めにお持ちになりました数字を踏まえて、私のほうで四十五億という数字を一応きめましたのは、これはまさにほんとうに特例的に、その程度の額でもまず御必要な部分から出していったらという気持ちで出したわけでございますので、たとえば私どもの統計数字から出ましたものを引きまして、被害の実情に即しまして特別の措置をしながら、だんだん数字を固めていくわけでございます。かような措置をとるひまがございませんので、なま数字のまま使いましてやった。したがいまして、私ども四十五億にはこだわっておりませんので、あらためて今日御審議いただいております内容によりまして、総額を決定いたしたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 わかりました。  それでは改正案が通過いたしました後には、北海道には百五十億円くらいの融資は改定になるのですね。どうですか。

久宗高農林事務官(農林経済局長)

○久宗政府委員 総額の問題につきましては、いま私どもとしてはお答えできないわけでございます。ただ、前回の百六十億との比較をなさいましたけれども、あの場合には借りかえ資金で五十億近いものが入っておりますので、実質的には百六十億と今回の四十五億の比較にはならぬわけでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 しかし、どのくらい出せるということはわかるでしょう。それをはっきりしなさい。局長、あと質問しないから……。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 先ほどから答弁しておったように、二倍以上というめどは持っていますけれども、幾ら幾らということは、まだ少し間を置いてもらわないと、申し上げる時期に達しておりません。

高見三郎自由民主党

○高見委員長 これにて内閣提出、天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案及び芳賀貢君外十八名提出にかかる天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法等の一部を改正する法律案の両案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

高見三郎自由民主党

○高見委員長 芳賀貢君外十八名提出、天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法等の一部を改正する法律案は、国会法第五十七条の三の規定に該当するものでありますので、この際、内閣の意見を聴取いたします。赤城農林大臣。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○赤城国務大臣 社会党提出になりまする天災融資法の改正案は、種々傾聴すべき点がありますが、政府といたしましては、現段階において賛成しかねる次第でございます。     —————————————

高見三郎自由民主党

○高見委員長 引き続き両案の討論に入るのでありますが、別に討論の通告もありませんので、直ちに採決に入ります。  芳賀貢君外十八名提出にかかる……。   〔「委員外の者が入ってきて何を言うか」と呼   び、その他発言する者多し〕

高見三郎自由民主党

○高見委員長 暫時休憩いたします。    午後二時四十分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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