内閣委員会 第2号
- 発言数
- 94 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1964/12/03
会議録
○河本委員長 これより会議を開きます。 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び防衛庁職員給与法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 —————————————
○河本委員長 政府より提案理由の説明を聴取いたします。国務大臣増原恵吉君。
○増原国務大臣 ただいま議題となりました一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概略を御説明申し上げます。 本年八月十二日、一般職の国家公務員の給与について、俸給表を全面的に改定し、期末手当、勤勉手当及び宿日直手当等を改定することを内容とする人事院勧告がなされたのでありますが、政府といたしましてその内容を慎重に検討した結果、本年九月一日から人事院勧告どおりこれを実施することが適当であり、また、昭和三十六年十二月十四日付人事院勧告に基づく暫定手当の一段階相当額の本俸繰り入れにつきましても、これを明年四月一日から実施することが適当であると認めましたので、この際あわせて、これら関係法律について所要の改正を行なおうとするものであります。 まず、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改めまして、次のとおり本年八月の給与改定に関する人事院勧告の実施をはかることといたしました。 すなわち第一に、全俸給表の全等級を通じ、俸給月額を現行の俸給月額より平均七・九%引き上げた額とするとともに、行政職俸給表(一)、教育職俸給表(一)、研究職俸給表及び医療職俸給表(一)の一等級を一括して、新たに指定職俸給表を設けるほか、行政職俸給表(一)について地方機関の職務の段階に適合させるため、現行四等級と三等級の間に一つの等級を設けることといたしました。 第二に、初任給調整手当の支給期間を明年四月から現行三年以内のものを五年以内に、現行二年以内のものを三年以内に延長することといたしました。 第三に、通勤手当について支給額算定の際の百円控除を廃止するとともに、自転車等使用者に対する同手当の支給額を百円増額して四百円(原動機付のものにあっては、四百五十円)に改めることといたしました。 第四に、年未、年始等に勤務した職員に休日給を支給することといたしました。 第五に、宿日直手当の支給限度額を四百二十円(土曜日から引き続く場合は、五百四十円)に引き上げるとともに、新たに常直的な宿日直勤務を行なう職員に月額三千円以内の額の同手当を支給することといたしました。 第六に、六月及び十二月に支給される期未手当を〇・一月分ずつ増額するとともに、三月に支給される勤勉手当も〇・一月分増額することといたしました。 第七に、明年四月から暫定手当の一段階相当額を俸給に繰り入れ、昭和三十六年十二月の人事院勧告の実施をはかることといたしました。 次に、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律等の附則の一部を改めまして、暫定手当の一段階相当額の俸給繰り入れに伴う所要の改正等をはかることといたしました。 なお、本法に附則を設けまして、俸給の切りかえ方法、切りかえに伴う措置等を規定することといたしました。 この法律案は、以上申し述べました内容について改正を行なおうとするものであります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○河本委員長 防衛庁長官小泉純也君。
○小泉国務大臣 ただいま議題となりました防衛庁職員給与法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 この改正案は、このたび提出されました一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案の例に準じまして、防衛庁職員の俸給月額の改定等を行なおうとするものであります。すなわち、参事官等及び自衛官の俸給表の改定を行なうとともに、これに指定職相当の欄を設けることとし、事務官等については、従来どおり一般職に適用される俸給表によることとしております。これにあわせて、防衛大学校の学生に対する学生手当の額等につきましても改定を行なうことといたしております。 また、期末手当、勤勉手当、通勤手当、宿日直手当、休日給及び初任給調整手当につきましては、一般職の改正に伴って規定の改正を行なうこととしております。 なお、この法律案の第一条及び第二条の給与改定に関する規定は、公布の日から施行し、本年九月一日から適用することとし、第三条及び第四条の暫定手当の繰り入れに関する規定は、明年四月一日から施行することといたしております。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○河本委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 ————◇—————
○河本委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し上がありますので、これを許します。田口誠治君。
○田口(誠)委員 いま公務員労働者は、本給一律七千円の引き上げを要求して戦いを進めております。そこで人事院は、本年の四月現在で職種別給与の実態調査を行なった結果、民間給与との格差で八・五%民間が上回っているということを数字の上に明らかにいたしております。そこで、その上に立って格差是正という考え方から、八月の十二日に国会、内閣に対して勧告をした俸給表の引き上げは、本俸七・九%、金額にして二千五百九十八円であり、これを五月から実施をせよということに相なっております。 そこで政府はこの問題に取り組んで、関係閣僚六人がいわゆる六人委員会を設けて検討をいたしました結果、七・九%の引き上げを九月より実施することを決定をして今国会に提案いたしておるというのが、実態であるわけでございます。 そこで、私は過去四カ年間の実態を見ますと、毎年五月実施ということを勧告を受けておるにもかかわらず、十月実施が四年間続いておりますし、今年もまた五月実施が九月実施ということに相なっておるわけでございます。政府は、本会議の席上でも、また本委員会の席上でも、人事院の勧告は尊重するという表現の答弁をいたしておりますけれども、実際的には尊重をいたしておらないわけでございます。したがって、私はこの際特に念を押しておきたいと思いますことは、四十六回国会のILO八十七号条約の批准審議のときに、公務員の権利の問題、人事院のあり方、人事院の勧告の尊重の問題、こういう問題が取り上げられまして、そして与党の委員の方も、当然人事院の勧告ぐらいは最小限度として認めてやるべきが当然であるという、こういう感賞になっておられたわけでございまするが、それにもかかわらず、六人委員会が五月実施を九月実施というようにまた勧告を歩引きをいたしておる。このことについて、その経過をまず増原大臣からひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○増原国務大臣 人事院の勧告につきましては、お申し述べになりましたように、これを実施時期を含めまして尊重をすべきことが当然であり、政府もその趣旨を従来お答えをいたしてまいったのでございます。過去四回にわたりまして五月実施が十月実施になったというあとを受けまして、本年度の勧告を受けたわけでございます。本年度は、従来の経緯を十分政府としても考え合わせまして、何とか人事院勧告を実施時期を含めて尊重をしたいという心がまえを十分持ちまして、特に六人委員会というようなものをつくりまして、前後五回にわたりまして慎重に討議をしたのでございます。討議をいたしました内容は、主として勧告どおり五月実施をしたい、何とか五月実施ができないかということが、五回を通じての討議の主たる課題であったのであります。しかるところ、本年は例年に比べまして自然増収の財源の伸びがたいへん苦しい。他の国家諸施策もにらみ合わせた上で、このきわめて乏しい自然増収の伸びをもってして、どうすれば五月にさかのぼることができるかということで論議を十分に尽くしたのでありまするが、残念ながら、いろいろくふうをあれこれ御承知のように尽くしてみましたが、どうしても財源的に五月実施に至ることができなくなりました。特に国家公務員の給与引き上げは、地方公務員給与引き上げにも当然に及ぶべき筋合いでもあるのでございますので、地方公務員関係の財源問題が特に困難な事情等もありまして、たいへん残念でありまするが、結論としては五月実施ということにはどうしてもできない。しかし、例年の十月実施ということでは、いかにも政府が人事院勧告を尊重ということを申し上げておるたてまえからいっても申しわけのないことであるから、財源の非常に窮迫をした中ではあるが、政府の人事院尊重の心持ちはここで何とかその意思を表明しなければならぬということで、さらに約百億に近い財源必要をあえていたしまして、わずかに一カ月ではございまするが、九月実施にさかのぼって九月実施に踏み切りをした。政府としては、その間の、従来申し上げておる事柄をよく考え合わせまして努力をいたしました結果でございまするが、残念ながら勧告どおりの五月実施の実現はできないという経緯であります。
○田口(誠)委員 いま大臣からの御答弁を聞きますと、九月実施に踏み切るまでには相当困難な中を思い切って九月実施に踏み切ったというような内容のことをるる述べられたわけでございますが、御承知のとおり、昭和三十五年以来五月実施が十月実施になっておりまして、これがあたかも慣例のごとく考えられており、そして一つの便宜主義的な取り方でこの期日の決定がなされておるようにうかがわれるわけなんです。それで私は、原資の関係も当然つきものでございますから、いろいろと捻出に努力していただかなければなりませんけれども、その前に、基本的な問題としてお考えをいただかなくてはならないと思いますことは、いまさら私が国会審議の中で申し上げるのはどうかと思うくらいでございますが、労使間の正常なあり方というものは、双方が信義、誠実を持っての団体交渉できめるのが、筋合いでございます。ところが、過去のいきさつもありまして、公務員は団交によって給与を決定するという基本的な原則が適用されておりません。すなわち、団交権も、あるいは団体行動権、罷業権というようなものも剥奪されておるわけでございます。したがって、公務員労働者の生存権を守るためには、団交権の代償として人事院勧告の制度が設けられておりますので、したがって、その趣旨からすれば、当然給与の引き上げを含めて、実施時期も完全に勧告どおり行なってもらわなくてはならない筋合いのものであり、また人事院勧告を尊重されなければならないことは、理の当然のことだと思うのでございます。ところが、ただいま提案になりましたように、九月実施、こういうことでございますので、私は根本の考え方として、原資があれば五月実施を行なうけれども、原資がなければ、人事院の勧告のいかんにかかわらず九月に延ばし、十月に延ばし、場合によってはそれよりも延ばすというようなことを政府が頭に置いておる、そのことが、この問題を混乱におとしいれておる理由だろうと思うので、基本的な考え方としては、ただいま私の申し上げましたことと政府の考えておることと相違があるのかどうか、この点を明確にしてもらいたいと思うのです。
○増原国務大臣 おっしゃられる点は、先ほども申し上げましたが、政府としても、人事院の勧告が公務員等のいわゆる労働三権の規制、制限に対応するものでありまして、きわめて重要な措置であることを十分了承しておるわけでございまして、人事院勧告を実施時期を含めて尊重すべきものである、しなければならぬというたてまえは、これは決していいかげんなものとしてではなく考えておるわけでございます。原資があればやる、なければやらないというふうな考え方では決してないわけであります。財源をあらゆる考え方で十分調整くめんをして、何とか人事院の勧告どおりに実施をしたいという考えであり、その気持ちで努力をした結果、たいへん残念であり、申しわけのないことでありますが、本年度は、財源の関係上、いろいろ手を尽くしたあとで九月実施ということにならざるを得なかった。考え方として、人事院勧告を尊重すべきものであるということについて、いいかげんに考えておるわけではない次第でございます。
○田口(誠)委員 今年の人事院勧告を完全に実施するかしないかということは、従来と違った一つの重要な要素を持っておると思います。そのことは、御承知のとおり、ILO八十七号条約の批准問題が四十六回国会で御案内のとおりの結果に終わりましたので、いよいよジュネーブのILOのほうでは、日本の労使関係というものは、特に公務員の労使関係というものは正常でない。したがって、政府の権限において労働者を非常に冷やめし扱いに取り扱っておるということから、調査団が調査に来ることにも相なっておるわけでございますが、本年の人事院の勧告が完全に実施されておらないということになりますと、これは日本の労使関係が国際的に大きな問題としてクローズアップされるであろうと思うわけです。こういうような点につきましても、六人委員会では十分に検討されたのかどうか。この点も、この際明確にしておいていただきたいと思います。このことは、おそらくILO八十七号条約の今後の批准審議のときに問題になろうと思いますので、ひとつ明確に御答弁をいただきたいと思います。
○増原国務大臣 人事院勧告を尊重すべしというたてまえの論議の適程で、考慮の要素の中にILOから調査団が参るという問題も、もちろん入っておるわけでございます。いろいろの問題要素を——仲裁裁定のことしの実施の問題等も考慮の中に入れたわけであります。いろんな要素をもちろん考え合わせ、根本は人事院の勧告はこれを尊重すべきものであるというたてまえでございます。おっしゃるような問題も考慮の中にもちろん入れました。しかし、たいへん残念なことであるが、財源の関係上、九月実施ということに結論がならざるを得なかったという事情でございます。
○田口(誠)委員 五月実施の勧告が十月になったのが四年続き、また今年九月実施と、こういうことでございますが、過去の状態から今後のことを考えてみますると、何といっても原資の問題がウエートを置くであろうと思います。そうなりますと、今後こうした労使関係の状態が続くとするなれば、また来年にいきまして、五月実施なり四月実施が勧告されても、値引きをされた政府の提案がなされるであろうと思うのですが、こうしたことを解消するには、今後どうしたらいいか、このことをひとつお伺いいたしたいと思います。
○増原国務大臣 まことにごもっともな御質問でございまして、このたびの六人委員会の相談の過程においても、当然そういう問題も論議の中に出てまいったわけでございます。そうして御承知のように、閣議決定の中に、人事院勧告の実施の時期等について、給与勧告時期の検討方について人事院に要請をしようということが、九月実施をきめました閣議決定の中に注として入っておるのであります。このことは、一応人事院に要請をするものとしては勧告の時期ということでございますが、勧告の時期だけで問題が解決をするとは実はまだ考えておらないわけでございます。何といっても原資の問題が最後の段階においてはのっぴきならぬ理由になるのでございますので、これを十分に調整するためには、年度途中ということはたいへん都合の悪いことでありますので、この問題をどう解決をすればいいか、これは閣議決定後、実は寄り寄り話をいたしておる段階でございまして、結論はまだ出ておらないのでございますが、これは早急に関係者の間で十分討議研究をいたしまして、明年度以降についての問題は、基本的な点において何らか従来とは違ったやり方を考えなければならない。まだその結論は得ておらないという段階でございます。
○田口(誠)委員 その点が今後非常に重大だと思うのです。従来とってこられた人事院の勧告のあり方を、人事院勧告どおり実施できないというこの責任のがれから、人事院の勧告の方法、時期、そういうようなものについて検討をしなければならない、こういうことなんでございますが、これは私は非常に重大だと思うのです。人事院を設置いたしましたときの国家公務員法の内容を見ていただきましても、給与関係の諸法案を見ていただきましても、官民格差の是正ということが第一義でございますので、それで大体四月に調査時期を置いて、そうして出たパーセンテージに基づいて五月実施ということが例年やられておるのですが、四十六回国会にも与党の永山委員からも指摘されましたように、四月に調査をして、そうして四月の数字が出れば、官民格差の是正ということなら、当然四月から実施すべきではないか、こういう質問、要望がなされておったわけです。それにもかかわらず、今度また五月実施ということに相なっておるわけでございますが、今後の人事院の勧告時期等を検討しなければならないということは、これは毎年五月実施を原資の関係で九月なり十月なりに延ばさなければならない、このことについて非常に困難性があるから、何とかこの点を糊塗するために、将来の勧告方法を考えなければならないというのが政府の考え方であって、公務員労働者の官民格差を完全に解消するという考え方から、この実施時期を云々されておるのでないから、私は非常に重大だと思うのです。したがって、私は人事院総裁にもお聞きをいたしたいと思うのですが、人事院総裁としては、五月実施を勧告したにもかかわらず、これを今年もまた九月実施になったということは、非常に遺憾に思っておられると思うのですが、遺憾に思っておられるだけではこれは解消できないので、これは将来——当面は来年度の問題を考えていかなくてはなりません。来年度もおそらく原資の問題等で、人事院の勧告どおり実施するというようなことは、従来の経過からかんがみまして、非常に困難性があろうと思うわけなんです。したがって、この点を解消するにはどうしたらいいのか。これはやはり勧告をする人事院の総裁としても考えてもらわなくてはならない問題であろうと思うので、ひとつ人事院総裁からもこの点について御意見を承りたいと思います。
○佐藤(達)政府委員 おっしゃるまでもなく、例年この勧告の実施につきまして、その時期が著しく私どもの勧告の申し上げておるところとは隔たっておるということを、きわめて遺憾に存ずるわけであります。あらためてここで繰り返すまでもない、当然おわかりのことだと存じます。いまお話のように、しからば勧告の時期あるいは勧告のやり方というものとの関連において、それをどう考えるかということでございます。率直に申しまして、私どもの根本の立場は、現在の勧告のやり方が悪いから完全実施は絶対に不可能だ、そういう論理が或り立つかどうか、これは私はそういうことにはならないと思います。現在の勧告のたてまえも、何も卒然として始めたわけじゃございませんので、過去十数年間いろいろな経験その他の積み重ねの結果出てきた方式で、一応落ちついた方式である。それはそれなりに一つの根拠を持っていると私ども思いますから、そのために完全実施は絶対に不可能だということは、私どもは考えておりません。しかしながら、いまのおことばにもありましたように、私どもがさらにくふうを加えることによって、この完全実施がやりやすいということになれば、これにこしたことはないわけであります。その意味におきまして、先ほど増原国務大臣が述べられましたように、今度の閣議決定等にもそのことが触れられておりますけれども、私どもはそういうことを待つまでもなく、もう前から真剣にその点を考慮しております。あらゆる考え方を網羅してやっておるわけであります。しかしながら、私どもの限りで考え得る事柄は、おのずから限界があるわけであります。別にお出しになるほうは、また別のほうでお出しになるわけであります。その点から考えてみた場合に、絶対の保障は勧告のやり方自身を変更することによって出てくるかどうか。これはやりやすい、せめて完全実施ができやすい方向ということでわれわれとしては考えるほかないわけであります。したがいまして、だんだん深く考えてまいりますというと、そもそもの予算制度のあり方の問題とか、あるいはさらに深く考えれば、地方公務員の方々をめぐってのいろいろな問題というところまで触れまして考えていかないと、完全実施の絶対保障という結論はなかなか出てこないのじゃないか、そういうところまでも思いが及ぶわけであります。したがいまして、私どもは私どもの立場の範囲内において、なお真剣にやっております。これは多くの公務員諸君の利害に関係することでありますから、そのくらいの意気込みでやっておりますけれども、一方において、そういう広い面においても検討が必要であろうというわけで、政府の御当局でもいま御研究になっておるようであります。それをも期待しながら、われわれも検討を続ける、こういうのが実情でございます。
○田口(誠)委員 現在の勧告制度を変えるということになれば、これは当然公務員労働者にも団体交渉権、団体行動権を与えて、そして自主的に双方が真に誠実のもとに交渉をしてきめるほか方法はないと思うのです。そのほか、勧告制度ということになれば、時期をどうずらしてみても、やはり原資の問題に関連をしてきまするし、官民格差を是正するということはもう当然のことであるから、私、この点を検討してみても、いい案が出てこないと思うのです。 そこで、いつも原資の問題で壁にぶつかるわけなんでございまするが、大蔵省のほうにお聞きをいたしたいと思いまするが、もうことしで五年間続くわけなんです。したがって、この経験にかんがみまして、将来の公務員の本俸の引き上げということは引き続きあると考えなくてはなりませんが、そういう場合に、どうして人事院の勧告を尊重するような大蔵省の予算措置が講ぜられるかどうか、この点については、当然大蔵省としてもお考えになっておろうと思いまするので、将来の展望をも含めてひとつ御説明を伺いたいと思うわけです。
○秋吉説明員 お答えいたします。 本年度の人事院勧告につきまして、例年十月実施を九月に一カ月繰り上げました点につきましての、いろいろな財政上等のくふうにつきましては、先ほど給与担当大臣から御説明がございましたとおりでありますが、なお補足して申し上げますと、災害復旧とかその他いろいろな補正要因がことしはございました。それからまた一方、自然増収というものは例年にないきびしい情勢でございましたが、積極的な検討をいたしまして、節約とかあるいは欠員不補充、その他いろいろな点を検討いたしまして、一カ月繰り上げの積極的な配慮を私どもとしていたしたわけであります。しかしながら、今後毎年こういった事態が、つまり五月実施、八月勧告という年度途中に勧告が出されました場合に、私ども財政当局の立場といたしましては、年度途中に財源の見通しがなかなかつきにくいというような段階で、これを年度当初に大幅に遡及しまして、はたして具体的にできるかどうかというのは、はなはだ疑問な状態でございます。 そこで、こういった点にかんがみまして、先ほど給与担当大臣から御説明がございましたように、先般の閣議決定の際におきましても、予算編成の実情にかんがみまして、何らかのくふうをこらしまして、勧告の時期等につきましても、検討方の余地があるかどうかということにつきましての閣議決定を見まして、鋭意関係方面で検討をしておる段階でございますが、さて、そこでまず原資を当初予算にあらかじめ組んだらいいじゃないかという御指摘の点が当然出てくると思いますが、その点につきましては、非常にむずかしい問題があるわけであります。従来政府といたしましては、公正忠実なる行政機関であります人事院の勧告を待ちまして処置してまいっておるのでありますが、これを政府のみの単なる予測に基づきまして、給与改定財源をはたして組むことがいいかどうかということについて、非常に根本的な問題がございまして、なかなかそこに割り切れない問題があるわけでございます。 それでは予備費ではどうかという議論が次に出てくると思います。予備費につきまして、御案内のように「予見しがたい予算の不足に充てるため」の予備費でございまして、給与改定財源といった特定の原資を、あらかじめ予備費として財源留保をすることが、財政法上の立場からいって、それがはたして適当であるかどうかという問題もございます。また、予備費というものは内閣に国会が授権するものでございますから、その支出の限度につきまして、おのずから一定の限度があるというようなことからいたしまして、なかなか本問題はいろいろな問題があるかと思います。もちろん人事院勧告につきましても、見込み勧告というような考え方もありましょうが、これとてもなかなかいろいろ問題がございますし、はたして何かうまい合理的な、何らかの解決はないかということで、ただいま公務員制度調査室を中心にいろいろ検討しておる段階でございまして、まだ結論に至っていないという状況でございます。
○田口(誠)委員 私は基本的な問題にまた戻るわけですが、もう一度考えを新たにしていただきたいことは、公務員労働者だったとて、団体交渉権、団体行動権、それから罷業権を与えたとて、これは当然のことであるわけなんです。このいきさつは、これは申し上げると長くなりますので、時間を節約して申し上げませんけれども、マッカーサー指令による二〇一号に端を発して、こういう経過に相なっておるわけでございますので、それで公務員労働者が罷業権を持った、裏づけを持った団体交渉によって給与の問題は解決すべきが当然であるけれども、ことばの表現では善良なる国民の奉仕者ということから、スト権なり団体交渉権を与えることは好ましくないというので、それで団体交渉権あるいは罷業権というものを剥奪して、そのかわり、そういうものは剥奪したけれども、公務員労働者の生存権は、人事院が公平な立場で守ってやりましょう。したがって、人事院としては、いろいろ問題はあろうけれども、民間の給与との格差是正、民間の給与と対等の給与くらいは支払って生存権を守ってやらなければならないということで、例年調査をして勧告をされておるわけなんです。したがって、これは何にも優先をしてこの勧告は尊重しなければならないと思うわけです。だから、いまの給与課長のお話からいきますと、何か原資の操作ができなければやむを得ないことになるんだ。したがって、こういうことは好ましいことじゃないから、いろいろ公務員制度調査室のほうで検討をさしておるんだという答弁でございまするが、そういうことではなしに、これはもうはっきりしておるわけなんです。人事院の勧告は即実施をしなければならないということなんです。それをやらなければ、公務員労働者に争議権も団体交渉権も与えなければならないわけなんです。一か二か、どっちかとらなければならないんです。したがって、この自然増収の分も、最優先に公務員の給与引き上げの引き当てにこれを充てなければならない問題だろうと思うし、それから、いま給与課長のほうから、その他いろいろと節減のできるものがあれば節減をして原資のくめんをしたという答弁がございましたが、これは当然節減のできるものは節減をすべきではあろうけれども、実際に労働者の必要なところに定員を削減をしたりして節減をすべき筋合いのものではないと思います。したがって、私は、そういう観点から考えますると、自然増収の金は、最優先に給与の引き上げに充てなければなりませんし、それで災害対策の予算なんかは、予備費で若干とってあるわけなんです。したがって、予備費でとるという方法もあるわけなんでございまするが、現在の大蔵省としては、例年行なわれる公務員の賃金の引き上げの問題については、予算措置というものは全然考えておらない、全く人事院の勧告が出てから、そのときに初めて原資があるかないかというようなこと、そしてどう原資を捻出するかというようなことを検討されるのであって、私は、そういうやり方については非常に不満でありまするし、これは変えてもらわなくちゃならないと思うわけです。一年に三兆二千億円という予算の中で、一%や二%の予算がどうこう動かせないということはあり得ないと思うのです。その他のほうは、予算の流用その他を行なっても、この公務員の賃金の引き上げの問題については、そんなに大蔵省のほうは積極的になっておらないような感じがするわけなんです。したがって、私は、もう一度給与課長にお尋ねをいたしたいと思うのですが、この自然増収の問題については、もし自然増収のあった場合には、これは最優先に公務員の給与の引き上げに充てなければならない内容のものであるということと、それから、予備費の予算措置というものは困難だ云々と言われましたけれども、これは当然災害対策等でもあるわけなんですから、予備費というものをとっておくことはできるわけなんでございまするので、その点についてひとつもう一度御答弁をいただきたいと思います。
○秋吉説明員 二点の御指摘がございましたが、まず最初の第一点は、自然増収について公務員給与の引き上げについては最優先してこれに充てるべきだという御指摘に理解いたしましたが、これにつきましては、政府といたしましては、もろもろの財政需要があるわけでございます。たとえば災害復旧とかあるいはいろいろの財政需要が当然起こってまいります。そういった財政需要と、それから公務員給与引き上げ、それを勘案いたしまして、補正予算で考えるということに相なろうかと思います。 それから次の第二点でございますが、予備費の総額の問題でございますが、先ほど申し上げましたように、繰り返すようでございますが、予備費につきましては、やはり内閣に対する支出の権限の付与ということでございますから、おのずからそれは国会の内閣に対する一定の限度があろうかと思います。 なお、ちなみに補足して申し上げますと、昨年三十八年度までは二百億の予備費でございました。やっと今年度になりまして百億増額いたしまして、三百億という数字に相なっておることをあわせてお答えいたしたいと思います。
○田口(誠)委員 まだその答弁では不満足ですが、先ほど私が申しましたように、この問題は当然公務員労働者と政府が交渉してきめなければならない筋合いのものであるということです。ところが、いままでの経過はございましたが、公務員労働者の場合には、そんなことまでやらなくても、ストライキを打ってストライキをバックに団体交渉を行なうというようなことをやらなくても、公務員労働者は国民の善良な奉仕者であるから、それで、ひとつ人事院があなた方の生存権は守ってやる、引き受けるから、だから、あなた方の争議権、団体交渉権というものは剥奪するんだ、こういう経過で現在のような状態に相なっておるわけでございまするので、当然、私は政府は、予算措置の上においても、ただいまの自然増収の流用の問題についても、これは優先的に考えなければならないと思うのです。それと同時に、三兆二千億円という総予算の中で、この一%なり二%なりというものがどうこうできないというものでは私はないと思うのです。どうこうできないということは、公務員の賃金引き上げを第二義にも第三義にも考えておるから、そういうような考え方が出てくるのであって、第一義的に考えたら、私はまだやり方があろうと思うのですが、ひとつ再度御答弁をいただきたいと思うのです。
○秋吉説明員 同じことをまた繰り返すようでございますが、公務員給与の引き上げの問題につきましては、十分−再優先ということは、ほかのもろもろの財政需要もございます。そういった点を総合勘案いたしまして、できるだけ人事院勧告の尊重という線で、自然増収の問題につきましても、補正予算の編成の段階で検討してまいりたい、こう思っております。 それから、予備費の問題も、やはり先ほどと同じことでございますが、やはり内閣に支出権限を付与するというのにもおのずから限度がございます。それから、財政上の財源のゆとりということも考えなければいけません。それから、本年度百億ふえまして三百億になったという経緯もございまして、これは予備費の問題につきましては、実は私の権限外のことにもなりますから、この程度の答弁で御了承いただきたいと思います。
○田口(誠)委員 ひとつ頭を冷静にして答弁をしていただきたいと思いますことは、本国会でこの法案を審議する質疑の内容というものは、ILOから調査団が来ましたときに非常に重要な資料になるわけなんです。したがって、大蔵省の給与課長の答弁からいきますと、私から質問を申し上げる内容はわかっておるけれども、それでも原資の融通がつけばこれは勧告どおり行なうけれども、できなければ今後といえども人事院の勧告どおりは実施はできないんだという内容のことをいま申されたわけです。できるだけということを言われたので、できるだけということは、やってみてできたらやるが、できなければやらぬということなんですから、これでは国際的に、日本の公務員労働者と政府との関係が、絶対に第三者から検討をしていただいたときに割り切れないものが出てくるであろうと思うのです。政府は窮地に追い込まれるであろうと思うのです。したがって、そういうような面もあなたはお考えになって、できたらというような考え方を今後も持ってこの予算措置というものを行なっていかれるのかどうか、この点をもう一度伺っておきたいと思います。
○増原国務大臣 ただいま給与課長から御説明をいたしましたのも、あなたのおっしゃるような趣旨において申したのではないと思うのでございます。補正予算を組みまする際の、特にことしなど、たいへん限られた財源、原資でもろもろの財政需要を重点的に配慮をしてあんばいをした結果が、残念ながらことしは九月実施になったという趣旨を御説明申したのでございます。来年の問題として考えますと、先ほど申したようにまだ結論を得ておらぬのでございまして、その概要は給与課長から申し上げたようなことでございますが、これは端的に考えまして、十月、十一月ごろに勧告をしてもらって、それを次の年の四月一日、来年度から実施するというふうな勧告がもし出るとするならば、まことに都合よくこのことは処理ができるわけでございます。しかし、そういうことが実際には適当なものとして考えられない。先ほど人事院総裁も申しましたように、勧告の時期等をいろいろ考慮してみても、時期を若干ずらすというふうなことで財源のくふうがたいへんうまくつくようなことには、なかなかならないように思うということであるわけであります。これはわれわれもいろいろ話し合いをした結果、そういうふうに考えられるわけでございまして、時点を四月にとらえましても、五月にとらえましても、そうして調査の時期をいろいろくふうしてもニカ月ぐらいのものがかかるというふうなことでありますと、どうしても年度の途中に勧告が出て、これが実施は若干さかのぼるというふうなことに、勧告としては基本的にはなるわけであります。そうすると、原資の問題は、一般に給与費の中である程度のものを想定して盛り込むか、そうでなければ予備費の中へ若干のものを盛りつけるということが一つ考えられるわけですが、これは給与課長の申しましたように、給与関係経費の中に盛りつけるとしましても、予備費に入れるということにいたしましても、財政法のたてまえ、予算編成の従来からの考え方からしますると、これはなかなかなずまない、たいへんむずかしい問題があるのでございます。そこのところの検討を、いま関係者の中でいたしておる。しかし、根本において人事院勧告を尊重していかなければならぬという趣旨は、おっしゃるとおりに十分政府としても考えておるわけでございます。その点は、明年度以降の問題としては、年度途中の補正予算の場合の財源、原資という問題で行き詰まるということを避けるために、何らかひとつ方法を考えつかなければならぬということで、いま検討をいたしておるところでございます。
○田口(誠)委員 増原給与大臣の答弁からいきますと、もしそのとおり実施を行なうということになりますと、公務員の給与というのは一年間空白ができるわけなんです。だから、こういう問題はなかなか公務員労働者が黙っておりませんので、それでこれは困難があろうと思うのです。 もう一つは、現在は実施時期を問題にしておりますけれども、ただいま給与大臣のほうから一つの案として考えられる案を答弁の中で言われましたが、そうなりますと、今度は金額、パーセントで値引きをされるということは、予算編成のときにあり得るわけなんです。それはなぜかといえば、今日でもほんとうに、私が先ほど申し上げましたように、スト権なり団体交渉権の代償としての人事院である。人事院が公務員労働者の生存権を守る責務を負っておるのだ。したがって、その立場に立って勧告をしたものは、そのまま実施をしなければならない、こういうことになりますれば、現在の場合は、九月実施というより、予備費その他節約いたしても原資がないとすれば、九月以前五月までの分は、昭和四十年度の当初予算の中に組み込んで、そして遡及清算をするということもできるわけなのです。だから、問題は公務員労働者の賃金というもの、また人事院の勧告を完全に尊重するということ、このことをどうでも動かすことができるのだという思想がある限りは、私は、どういうようなテクニックを使われても、だめだと思うのです。その点どうお考えになりますか。
○増原国務大臣 人事院勧告をどうでも動かせるものだというようなことを考えておれば、これは政府としてはまことに簡単で、楽なのですけれども、考えておらぬから、申し上げておるようにいろいろといま検討をし、苦慮をいたしておるというのでございます。私は一例の案を申し上げたように思いませんが、十月、十一月ごろの勧告で、来年四月からの実施ができるというふうなことがあればということを申し上げましたが、これは案として申し上げたのではございません。そういうことはできるとは思っておらない事柄であります。したがいまして、人事院勧告を実施するというのがたてまえでありますから、政府が予備費であるとか給与関係費にあらかじめ盛りつけるというものは、これは人事院勧告を盛りつけるわけではありません。政府が何らかの形で見通しをつける、これまた、この問題についてはたいへんむずかしい、重要な問題を含むように思うわけでございます。そういうことでも、まだ結論的な段階には至らぬという一つの理由であります。政府として人事院勧告を実施しなければならぬという考え方は、これは強く持っております。その前提の上にいろいろと来年度以降の問題について検討をいたしたい、こういう実情でございます。
○田口(誠)委員 実施時期で完全実施が行なわれない、毎年毎年追及される政府としても、責任を感じておる、何とかしなければならない、こういう段階において、給与大臣の先ほどの答弁は別に一案でないとしても、これは苦肉の策として、予算編成をする時期に勧告を出してもらって、そして予算編成をするときに四月からの実施というようなことでいけば、予算編成のときに何とかなるのじゃないかという、こういう一つの考え方が苦肉の策として頭に浮かんでおられると思うのですが、私は、もしそういうようなことがあれば、これは公務員労働者の賃金の引き上げが一年間空白になって、これはおさまるものではありませんし、実施時期が完全になったとしても、今度は総予算の面からいって引き上げの率を完全に行なってもらえぬことがあり得るのではないか、こういうように考えておるのです。したがって、要は私は思想の問題であろうと思うのです。何回も繰り返すのですけれども、公務員労働者は、別に人事院から勧告をしてもらって、そうして政府がそれを完全実施して、それを法律化して払わなければならないものじゃないのです。公務員労働者は労働組合をつくっておるのだから、その労働組合と政府が交渉をして、そうしてきまった額を法律化して支給することが、これが当然であるわけなんです。ところが、これには幾分の問題もあるというので、現在のような措置が当面とられておるわけなんです。したがって、当面とられておるこの人事院の勧告というものは、即完全実施ということはもうつきものであるのであって、これは動かすことができないのだという、この思想を持ってもらわなければ、これは勧告の時期をいつにするとかどうとかというようなことを考えられても、だめなんです。私は、ほんとうにただいま申しましたように完全実施の思想をお持ちになっておれば、この国会では原資の関係で九月実施よりどうこうならないとするなれば、これは昭和四十年の四月からの当初予算の中に組み込んで、そうしてあとの分は遡及清算を行なう、こういうようなことは外国にはあるのだから、日本でもできないことはないのだから、要はやはり私は、熱意の問題であり、考え方の問題、思想の問題であろうと思うのです。そういう点で、それをそれまでやっても公務員労働者の賃金引き上げに対する人事院の勧告の問題は完全実施をする気がないのかどうかという、この点を先ほどからお伺いをしておるのです。私は相当具体的に申しましたのですが、来年度の予算の中に組み込んで、そうして遡及清算の方法もこれはあり得るのですから、この点もひとつ頭に浮かべながらもう一度答弁をいただきたい。
○増原国務大臣 私のほうも繰り返して申すようですが、人事院勧告の完全実施ということについては、政府としても十分その熱意を持ってやっていきたいというふうに考えております。ただし、いま申されました今年の五月から八月の分までを来年度の予算に組んで遡及して清算をするということについては、いままでまだその問題を具体的に検討をいたしたことがございません。ここで私からそういうことができるというふうなことを申し上げるのは、いささか軽率のそしりを免れないと思います。その点はさらに検討をさしてもらいたいと思います。
○田口(誠)委員 予算の面でございまするので、給与課長は大蔵省からおいでになってみえまするけれども、責任者の大蔵大臣なり主計局長がお見えになりませんので、これ以上この問題を追及してどうこういっても同じような答弁よりできないと思うので、この問題は後日他の委員が責任者のこられたときに相当突っ込んで質問されると思いますので、保留をしておきたいと思います。 それから給与大臣も、答弁の中では人事院勧告を完全実施いたしたいというあせりの誠意ある答弁が幾分うかがわれまするが、残念なことには、今年は誠意があっても、やはり予算措置その他で、また従来の一つの惰性からいって今日のような状態になっておるので、私非常に残念だと思うのですが、ここでまだ他の委員から質問いたしまするので、私はいいかげんな時間で切り上げたいと思いまするが、地方公務員の場合は、これは当然予算措置もお考えになっておられるのだから、完全に国家公務員に準じていくという例年の措置とは変わっておらないかどうかということを、これはわかり切ったことでありましょうけれども、ひとつ念を押しておきたいと思います。
○増原国務大臣 自治大臣の所管でございまするが、閣議決定の際にも、地方公務員についても例年のように国家公務員に準じて行なうという決定をいたしたわけでございます。その点は、例年どおりと変わりなく地方公務員についてもベースアップをするということでございます。
○田口(誠)委員 そこで地方公務員の場合には、自治省から次官通牒のきびしいのが出ておりまして、そうして各県からは、各市町村に対しましては、これまたそれを具体化して、とにかく相当無理な節減を行なってでも節減をして、この原資を見出して、賃上げの引き当て原資にするようにという内容の文書が出ております。したがって、私は一応政府としては、かっこうは地方公務員の場合にも地方税の伸びとかあるいは地方自治体でのできる範囲の節減の金額、こういうようなものを出されてつじつまは合うようにされておりまするけれども、私は、実際において全国的に各市町村とも、節減とそれから地方税の伸びとだけではまかないきれない市町村ができてくるであろうと思うのです。それで、もしそういう市町村ができた場合には、特別交付金という形で現在考えておられる以上の金額を交付される考えを持っておられるかどうか、この点について財政課長ですか、ひとつお答え願いたいと思います。
○岡田説明員 地方公務員の今回の財源措置につきましては、ただいまおっしゃいましたように、国家公務員の場合につきましても国のほうとしても節減を加えております段階でございますので、一般行政費中で、いわば地方で単独でやっておりますところのものと申しますか、物件費に重点を置きまして一部の節減の協力を求めております。また、国のほうで公共事業等につきまして節減をいたしました場合に、当然と申しますか、裏負担として不要になってまいりますところの分、これも節約に充てます。したがいまして、極力地方自治体の実情に即しまして無理のないようないわば節減を要請いたしたい。額としても決して少ないとは申しませんけれども、無理なものとも考えておらないというふうな程度でございます。 それから例年の例によりまして、税の増収分を若干検討いたしました上、算定の基礎に入れております。全体といたしまして極力現実に即しまするように考えておりますし、また、それを交付税に落とします段階におきましても、十分実情に即するようにできる限りの配慮を払ってまいるつもりでございます。したがって、全体として見た場合には、地方団体について当年度としては完全な措置ができるもの、かように考えております。しかし、個々の三千四、五百にのぼるところの地方団体のすべてについて至れり尽くせりと申しますか、完全な措置ということは、技術的には不可能な場合もあろうかと思います。それにつきましては、給与問題でございますので、御指摘のような、直ちに特別交付税というふうにもまいりませんけれども、個々の団体の財政力なりあるいはまた置かれている財政状況なり総合的に判断いたしまして、最終年度の年度末の段階におきまして、あらゆる面から援助の検討はいたしたい、かように考えております。その際に、特別交付税等もその一環にはなろうかと考えます。
○田口(誠)委員 ちょっと確認をしておきたいと思いまするが、地方税の伸びは、そこの地方自治体の自動車数とか、いろいろそういう面で相当格差があろうかと思います。したがって、国で見られた六十億というのは、これは一つの算出から六十億というものは出たと思いまするけれども、個々の自治体にいきますると、この地方税の伸びというものは、相当アンバランスがある。したがって、この地方税の伸びと、それからもう一つは、地方であれだけきびしい次官通牒、それから各県の知事が市町村長に対して相当きびしい通牒を出しておりまするので、おそらく各市町村ではできる限りの節減等は行なうであろうけれども、これはどんなにやってみてもこれ以上は節減できない。それからもう一つは、地方税の伸びも少ないということから、地方自治体の地方公務員の賃金の引き上げに該当する原資が出ないというときには、特別交付をお考えになっておられる、こういうように確認しておいてもよろしいですか。
○岡田説明員 全地方団体につきまして、交付団体、非交付団体いずれかに属するわけでございますが、財政力のない団体は交付税をもって措置されるいわゆる交付団体グループに属するわけでございます。したがいまして、交付団体につきましては、今回の措置によりまして、国家公務員並みに算定されたるところによりました意味におきましては、完全に措置されることになります。非交付団体につきましては、これは何と申しますか、税収入をもっていわゆる完全にまかなえる立場に置かれておる団体でもございますので、したがいまして、そこまで国のほうで財源的にとやかく申す立場にはない。交付団体については完全に措置される。ただ理論的計算としては完全にいっておりましても、たまたまある団体が災害によりて非常な財政困窮に見舞われておるとか、特殊な事情によりまして、あるいはまた交付税の算定技術上の、何と申しますか客観的、一般的な算定によりますので、それの乖離と申しますか、現実とのマッチしない面から財政的に困窮におちいる団体につきましては、特別交付税等の際に、あるいは地方債等を検討いたします場合に、考慮を払ってまいりたい、こう申し上げておるわけであります。
○田口(誠)委員 いまの答弁からいきますると、特別交付税の問題は全般的の考え方ではない。したがって、私のお聞きいたしたいことは、当然国でめんどうを見てもらうようになっておる地方自治体の場合は、これは当然あり得べきことであろうと思いますけれども、その他の自治体で、現在の地方税の伸びとそれから自治体における節約分で地方公務員の給与引き上げに該当する金額が出てこない場合、原資の出てこない場合には、これは給与が上げられないということになるのか、それともこれは完全に国家公務員に準じて引き上げは行なうが、それは地方自治体の一つのかいしょうにおいて、手腕において金額を借り入れなりその他を行なってでもまかなうのだ、こういうことなんですか。そこのところをもうちょっと分けて説明していただけませんですか。
○岡田説明員 繰り返すようでございますけれども、個々の団体につきましても、たまたま税収入の構造等からいって低いというところは、基準財政需要で計算いたしました差額というものは、交付税でもって完全に補てんされております。したがって、個々の団体につきましても、理論的には完全に交付税をもって措置されます。今回の給与改定によって必要な基準財政需要額の増額分につきましては、その差額は今回の交付税の増収分なりあるいはまた百五十億円を加算した総額によりまして措置できますので、したがいまして、もしなおかつ問題があるとすれど、交付団体について三十億円の節約の協力、たとえば府県につきましては三十億円でございますけれども、等の協力を求めております。これもしかし、三兆一千億の全体から申しますと、きわめてわずかな額でございます。いかに貧困な市町村でありましても、直ちにそれのみをもって団体の財政運営が困窮に陥るということは予想できない程度と考えております。しかし、給与問題につきましては完全に措置いたしましたが、ただいまの節約等も入れまして全体的にながめた場合に、困窮する団体があれば、その団体について特別交付税等の際に考えていくことは、従来からもやってまいりましたし、今度もまた考えてまいります。ただ、給与の措置によって直ちにそれに結びつくものとは考えておりません。また、内容的に十分交付税の配分あるいは単位費用の積算の際に考慮していくつもりでございます。
○田口(誠)委員 自治省も、大臣がお見えになりませんので、私のお聞きしたいことがずばり答弁できないと思いますけれども、過日行なわれた全国の知事会あるいは市町村長会、こういう会では、今度の公務員の賃上げの問題に対する次官通牒に非常に不満を表して、とても政府で考えておるよなう税の伸びとかあるいは節減というようなことはできないのだから、国のほうで交付税をやはり必要な程度ぜひとも特別に交付をしてもらいたい、こういう意見書が出ておると思うのです。これは御存じだろうと思う。地方自治体の責任者が東京に集まっていろいろと協議した結果、どうしても国に対してこの程度のめんぞうは見てもらわなければならないといって強く要請されておられるわけなんでございますから、そういう点をどのように受けとめられて今日のこの提案になっておるのか、この点をひとつお伺いいたしたいと思います。あなたでその点が答弁できなければ、これはまた後日大臣がお見えになったときに、大臣から責任ある答弁を受けなければならないと思いますので、ひとつきょうの段階での答弁ができる限り答弁をいただきたいと思います。
○岡田説明員 地方団体に一部節約を確かに求めておりますけれども、たとえば地方団体の行なう単独事業等についての節減は求めておりません。しかし、個々の団体が単独事業も合わせて節約されるかどうか、これは個々の団体の置かれている自主的な判断にまかすべきであります。財政当局としては、単独事業等の節減は求めておりません。したがいまして、いま申し上げましたように、国のほうが事業をやめることによって、当然と言っては語弊があるかもしれませんけれども、不要になってくる部分と、それから自治省が指導してまいりましたところの物件費におきましては、極力節約して、他の効率的な事業に回すようにということで、物件費の節約に限定いたしておりますので、それが直ちに不可能ということは言えないのじゃなかろうか。ただ困難であるということについては、十分承知いたしておりますし、今後も見守ってまいりたいと思いますが、これはできる、かように考えております。
○田口(誠)委員 私が約束しておいた時間が来ましたので、この辺で質問を私は終わりたいと思いますが、ただ、自治省に申し上げておきたいと思いますることは、四十六回国会で、四十年度から本文方式をとるということになった。本文方式をとるということになれば、これは税収入の面にどう響いてくるかということは、十分御存じのとおりだと思うし、それから全国の知事会あるいは市町村会で、市町村長が寄って、そして非常に深刻な意見を政府に対して出しております。それから決議文も出しており、陳情もいたしておるわけなんです。したがって、そういうことから考えてみますると、現在地方税の伸び六十億とか、地方での節約分が八十億円できるとかいうようなことは、これは政府のほうで一応出された一つのつじつまを合わせる数字であって、実際的にはできないのであって、私は、交付対象の市町村でなくとも、実際に原資をまかなえないところには、特別交付の措置は、これはどこの市町村を問わず、出していただかなくては困ると思います。それと同時に、先ほど来私が申しておりますように、何と言っても人事院の勧告の問題は、これは労働者の生存権を人事院が守ってやるというこの約束は、これは罷業権、団体交渉権を取り上げた、手足をもぎ取ったその代償としての人事院の勧告であるから、これはもし今年度の予算措置ができなければ、来年度の予算の中に盛り込んででも、そうして遡及清算をしてでも、これは完全実施をしてもらわなければならない問題であるという点をここに再度申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
○河本委員長 村山喜一君。
○村山(喜)委員 初めに、田口君が先ほど質問をいたしました中から、大蔵省の給与課長が説明をされたものの関連の中で、ちょっと気にかかることがございますから、その点をただしていきたいと思いますが、説明の中で、財政法上問題がある、特に予備費の問題について触れられましたね。財政法二十四条に、「予見し難い予算の不足に充てるため、内閣は、予備費として相当と認める金額を、歳入歳出予算に計上することができる。」これを財政法上予備費に計上する問題は問題があるというふうに私受け取ったわけですが、その点はどういう考え方で言われたのか、明らかにしていただきたいと思います。といいますのは、予見しがたい経費というものの範疇の中に入るのか、入らないのか。それはいま政府がやはりなしくずしのインフレ政策をとっておると私は思うのですが、政府の財政政策全般にわたる、政治経済全般にわたる施政の中から、民間の給与の上昇も当然出てまいりますし、物価の上昇という問題も出てくるわけでありますから、それらの問題は予見し得べきものとして考える筋合いに立つべきかどうか。たとえばいろいろ長期計画をおつくりになっていらっしゃるようであります。今度の中期経済計画を立てられる、この中における物価の上昇率は幾ら、それに見合う国民の経済の成長率は幾ら、こういうふうなものもあらかじめ数量計算的な方式であなた方としては策定をされる、こういうような立場をとってまいりますと、それは予見しがたいものではないのだから、予備費に計上することはぐあいが悪いというふうにお考えになっているのかどうか、その点を明確にしておいていただきたい。
○秋吉説明員 先ほど申し上げました財政法上問題があるという点は、給与改善費ということで特定の原資を特定化して予備費に組むということでございますと、これは財政法上問題があるという意味でございます。
○村山(喜)委員 それは災害などはどういう形で発生をするかわからないという、そういうような予見しがたいものと同じように、給与の問題も、当然人事院勧告が行なわれ、そうしてまた民間の給与の上昇が続いていく中において、それにこたえるためには何らかの対応策を持たなければならないという考え方をお持ちなんでしょう。そうとすれば、その率が幾らになるかはわからないといたしましても、やはりそれらの政策の結果、あるいは給与政策自体を内閣がお持ちにならなければならないわけですから、それが幾らの数字に該当するかはわからないにしても、それらは全般の未知数のものに対して充当するという考え方に立てば、災害の場合と給与の場合とにおいてあなたは違いをどこに、設定するわけですか。給与の改善はよくないというのはおかしいじゃないですか。
○秋吉説明員 ただいままでの政府の給与改定につきましては、人事院の勧告を待って措置するという態度でいままできておるわけでございまいます。そこで、どの程度の率になるかという問題は、なかなかむずかしい問題でございまして、そこでその率がわからないから予備費にリザーブしろいう御指摘かと思いますけれども、この給与改定の率はなかなかむずかしい問題でございまして、これをきめる場合には、私どもといたしましては、単なる予測で一体改定率はどの程度ということは、基本的な問題に触れる問題でございますから、そういった単なる予測でこれをきめるということは避けたい、あくまでも人事院勧告を待って措置するのが一番妥当だ、このように考えております。
○村山(喜)委員 あなたが人事院勧告の結果を見てからやるのだと言っても、勧告どおりやられていないでしょう。そこに問題がある。というのは、目一ぱいの原資を予算に計上してしまった。これでは運営が非常に困るじゃないかと、われわれは予算委員会等で追及をした。そうして新たに人事院勧告が出てきたら、財源がなくて既定経費の節約まではからなければならない。それでも人事院勧告を実施できない。こういうたてまえがずっと続いておるわけです。あなたが一官吏として、行政官として、そういうような考え方を持っておられるとしても、この問題は、やはり給与政策の問題、並びに国の財政政策の問題、経済政策の問題をめぐる問題になってくると私は思う。だから、そういうような事務的な答弁しかあなたはできない立場にあるとは思うのだけれども、やはりこの点は増原給与担当大臣は、全般的な政治的な問題として、この問題も、先ほど話がありましたように、翌年度の予算の中から清算払いをするという方式と同時に御検討を願いたいと思いますが、いかがでございますか。
○増原国務大臣 その点、先ほど御質問があった中で申し上げたように思うのですが、私どものほうの立場で、まあ特に給与担当大臣としては、人事院勧告の完全実施ということを強く実施をしてまいりたいわけでございまするので、まあ来年のことを考えまして、自然増収等の伸びが本年よりもさらに鈍化しようと推定をされるときに、ことしと同じ方式では実現がきわめて困難であると一応見通されまするから、何としても当初予算に何らかの措置をするくふうをしなければならないという方向でいま検討をいたしておるわけでございます。関係者がそれぞれあるわけでございまするが、臨時国会の関係等もありまして、まだじっくりと話し合いをする段階まで至っておらないのでございますが、おっしゃるような方向のことを十分検討をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○村山(喜)委員 やはりこの問題は、そういうような債務負担行為の清算払いという、先ほど田口君の考え方のような方式と同時に、財政法上違法、あるいは財政法上適法でない、適切でないという大蔵省の考え方は、私はこれは反対ですので、予備費の中でこれらの問題についても十分考えてもらうという点は、いま善処するという検討を願う方向をお答えをいただきましたので、これらの点もあわせて検討願っておきたいと思います。 そこで、この人事院の勧告が出されました節、私は、委員会におきまして、人事院勧告の問題になります点をいろいろと意見を申し上げました。それに対しまして人事院総裁からもお答えをいただいたのでありますが、その問題にいたしました点は、これはただ私個人の意見だけではなくて、やはり国家公務員あるいは地方公務員等、この給与を受ける人たちの立場からいろいろ問題にしたきわめて熱烈な希望に基づいた意見であったわけであります。その人事院勧告がきわめて不十分であるという意見を私は申し上げました。これを受けて、今回は実施時期を除きまして、あとは全部人事院の勧告どおりに政府としては措置をする、こういうような態度のように受け取るわけでございますが、それはそういうふうに受け取って差しつかえございませんか。そしてまた、人事院の勧告を尊重するということは、人事院が出したそのものをそのとおり政府としては今後実施していくのだという基本的な考え方である、こういうふうに受け取って差しつかえございませんか。
○増原国務大臣 本年度の勧告につきましては、申し上げましたとおり、実施時期を九月からとするという点を除きまして、他は人事院勧告をそのまま実施をするというたてまえをとっておるわけでございます。
○村山(喜)委員 今後は政府は——第二点の質問にはお答えいただいていないわけですが、人事院勧告のとおりに今後やはりやっていくという基本方針でございますか、この点をお答え願います。
○増原国務大臣 人事院の勧告を尊重をして実施をするというたてまえをとっており、そのたてまえを実施するための、本年経験をしましたような事態にかんがみてその打開策をただいま検討をいたしておる、こういうことでございます。
○村山(喜)委員 勧告の内容の不合理性については、これはお認めにならなかったわけですか。と言いますのは、政府が提出をされるにあたりまして、自主的な判断、政府自体の給与政策に基づく自主的な判断というものは放棄されたのでありますか。その点をお尋ねをしておきたいと思います。
○増原国務大臣 内容の検討は、政府といたしましても公務員制度調査室を中心として検討をいたしたわけでございまするが、内容については人事院の勧告を妥当と認めてこれをそのまま実施しようという態度をとったわけでございます。
○村山(喜)委員 公務員制度調査室にお尋ねをいたしますが、室長見えておりますか。——妥当であるということをあなた方は認められたという国務大臣のお話でありますが、そういたしますと、たとえば通勤手当、昭和三十一年の人事院勧告は、六百円というものを出しましたですね。そのときにあなた方は、百円の控除というのを、勧告に反しまして控除して出すということでお出しになった。今回は人事院の勧告どおりに線を改められた。そういたしますと、前にあなた方が決定をされた線は間違いであった、人事院の勧告が正しいということを反省をして態度を変えられたというふうに受け取って差しつかえないわけですね。この点はいかがですか。
○岡田政府委員 ただいまの通勤手当の問題でございますが、最近は数年間ずっと人事院勧告の内容につきましては、これをそのまま尊重するということでまいってきております。御指摘のように、通勤手当その他につきましても、それ以前の過去におきましては、いろいろ政府で手を加えたことがあるということは事実でございます。その一つがいま御指摘の通勤手当でございますが、これは当時給与総額の中に通勤手当も含まれておるというふうな感触もございまして、そういうこともございましたが、その後、通勤手当制度が実施されまして相当期間もたっております。その間におきまして、まあ公務員と近い領域でございますところの三公社五現業あたりにおきましても、こういった控除制というものをやめてきた実情もございますので、それでこのたび人事院勧告でその控除をやめるということになりましたので、そのまま尊重した次第でございます。
○村山(喜)委員 そうしたら、公務員制度調査室を含めて政府の給与政策というものは、人事院の勧告という線をのむ以外に自主的なものはないんだ、また、今後もとろうとも考えていない、こういうことに確認をしてよろしゅうございますね。
○増原国務大臣 そういうふうなおっしゃり方ではちょっと困るところがあるのですが、いま政府の給与関係の措置をいたしまするのは公務員制度調査室でございまするが、基本的に、まあ人事院がやりまするようにいろんな基本調査をやり、分析集計をするというふうな組織、機構等は、実は現在は持っておらないのでございまして、少数のその方面の係官で人事院の勧告についてこれを検討して、これを妥当と認めるという形の措置をするにとどまるというのが、いまの実情でございます。
○村山(喜)委員 実情は私はよくわかるのですよ。だけれども、今後の佐藤内閣の公務員に対する給与政策というものはどういうものをお持ちでございますかということを、給与担当国務大臣である増原さんに確認を求めるために質問をしておるわけです。ただ人事院の勧告をそのまま尊重するというのであれば、これは人事院が給与政策をきめていく、それを政府は自然に受けてやっていくのだ、これも一つの見解でありましょう。しかし、前の給与担当大臣でありました大橋労働大臣は、当時こういうことを言われたことがあります。いわゆる政府が給与についての当事者能力を持っていない、これはきわめて遺憾である、こういう考え方も発表されたいきさつもある。とするならば、佐藤内閣における公務員の給与政策というものは、一体何であるか。この点を明確にお答えを願いたい。
○増原国務大臣 現在のところ、具体的に公務員給与の問題を考えますると、人事院勧告の実施、ことにその実施時期をことしは九月ということにしましたが、勧告は五月であるというふうな問題が当面の重要問題でありまして、これを人事院勧告どおりに実施をする方向に何とか検討をして結論を得たいというところが、公務員給与については現在考えておるところでございます。将来の問題としては、なお若干検討中の問題もございますが、まだ十分に結論を得た、実ったというところまでまいっておりません。本日ここで申し上げる段階にはまだ至らないわけでございます。
○村山(喜)委員 人事院の給与に対する考え方、特に公務員に対する給与政策というのは、人事院としては、民間給与と対比する、そしてそれを適当に位置づける、それ以外に何かございますか。人事院としての公務員に対する給与の基本的な考え方というのは何であるか。
○佐藤(達)政府委員 非常に大きな問題になりますが、私どもの普通に従来考えてまいっておりますところは、根本的には公務員は、先ほどのおことばにも出ておりましたけれども、労働基本権というものを大きく制約されておる。普通ならば、団体交渉によってその賃金がきまるはずである。しかるにこのような制度に現在のところなっておる。そこでその代行的な機能と申しますか、賃金の決定についての役割を人事院がここに背負っておる。さてその立場から、何が適正な給与であるかということをわれわれが判定しますについては、これはいろいろ白紙に立って考えれば考え方がございますけれども、現在の国家公務員法あるいは給与法の根本は、せめて民間の給与に劣らないようにというところに一線が引いてあります。これは現行制度としては、それはそれで意味があると私どもは思います。したがいまして、その角度から民間の給与と比較いたしまして、国家公務員がおくれておるという場合、これをどれだけ上げることによって追いつかせ得るかというところに重点を置いている。民間賃金との格差、それからさらには、たびたび申し上げますように、そのささえとして生計費というものをとっておりますが、その根本の考え方は、いま申しましたようなところにあると申し上げてよろしいかと思います。
○村山(喜)委員 私は、人事院にしても、公務員の給与はかくあるべしという一つの給与理論体系というものがないと思うのです。政府にも、公務員の給与政策というものがありません。そこで、そういう立場から今回公務員に関する改革意見というのが、臨時行政調査会のほうから出されている。この内容については、当然主管の大臣であります増原国務大臣はつぶさに検討しておいでになると思うのでありますが、この中でどういう方向から今後の給与政策をお考えになっているのか、これに対する改革意見書を現在の段階においてどういうふうに消化しよう、どういうふうに取り上げていこうというような考え方をお持ちになっているのか、そのアウトラインを概略説明願いまして、そうして詳しい事務的な問題は、公務員制度調査室長のほうからお答えを願いたい。
○増原国務大臣 公務員制度についての臨時行政調査会の答申については、これは行管ではございませんが、内閣で行革本部をつくりまして、ここで全体の問題についてのいま振り割りをいたしている段階でございます。これは早急に実施のできるもの、臨調答申としてもさらに検討を要するもの、というふうなものに大きく分けるわけでございますが、早急に実施できるもののうち、法律をつくり、あるいは改正することの必要なものというふうなものを、それも早急に具体案としてまとめ得るものをいままとめまして、これを次の通常国会に提出をするための措置をしようということで段階をつけているわけでございます。 公務員制度問題につきましても、これは現在は、その管理その他は実質上各省でその長、大臣がやっているものでございまして、各省に関係があるので、全体の制度改革についてと同様、公務員制度の問題につきましても、各省から臨調答申に関する意見をとりまして、現在それを取りまとめをいたしている、各省人事関係担当課長等を集めまして、この協議をいたしているという段階でございます。
○村山(喜)委員 その全般的な行政改革に取り組む政府の姿勢について、質問しているのではないのです。私は、ここで公務員の給与の問題について、質問をしているわけでございます。公務員に関する改革意見、この中に、公務員の給与政策の問題等をめぐりまして、われわれとしてはこういうふうに考えているから、このとおり勧告するという問題が提起されている。だから、それに対して給与担当大臣はどういう御見解をお持ちであるのか。これについてはまだ見ていないなら見ていない、今後検討するのなら検討するというお答えだけでもけっこうですから、お答えを願っておきたい。
○増原国務大臣 給与の具体的な問題については、まだ検討中でございまして、方向としての具体的な問題は申し上げる時期に至っておらないのでございます。審議会を設けまして、協議会方式その他について調査審議し、結論を出すという問題がございますが、この審議会の設置については、いままだその方向を検討中という段階でございます。
○村山(喜)委員 説明を聞いておると、どうもたよりない。ということは、まだあなたのレベルの段階で検討されているのじゃないのでしょう。事務的な段階で、公務員制度調査室があるから、そこで検討をさせている、それも海のものになるのか、山のものになるのか、まだ行き先がわからない、こういうことじゃないのですか。
○増原国務大臣 具体的に公務員制度調査室で検討をいたしておるということでございます。
○村山(喜)委員 そこで、公務員制度調査室長にお尋ねをいたします。 あなたは、この中で出されております給与に関する問題、これを全部拾い上げて、自分の調査室の室員に対して、それぞれこの点についてはおまえが担当をして検討しろということで仕事を割り振りして、すでに意見をまとめつつある段階でありますか、それともこれからやろうという段階でありますか、その点をお聞かせ願いたい。
○岡田政府委員 このたびの臨調答申の中にあります公務員に関する改革意見は、書類といたしましても五十数ページという非常に膨大なものでございますし、またその内容といたしましても、公務員制度全般にわたります非常に広範なものでありますし、また公務員制度の観点からいたしますと、二十三年の公務員法大改正以来の大きな勧告でございます。非常に基本的な問題を含んでおりまして、またその内容といたしますところも、単に給与にかかわりませず、人事管理、公務員制度全般にわたっております。そういうことでございまして、私どもといたしましては、先ほど大臣から申し上げましたことと関連いたしますが、行革本部からこれについての意見を求められておりますので、私ども公務員制度調査室自身といたしましても、すでに検討を進めておりますし、また人事管理の問題は、各省それぞれ現実にやっておる問題でございまして、各省と関連がございますので、各省の人事担当課長を中心といたしまして、各省からの御意見も逐次寄せていただきまして、そういうものをまた総まとめとして意見を取りまとめておる、現在こういう段階でございます。
○村山(喜)委員 その段階がどういう段階なのか、きわめて抽象的な説明でありますし、具体的にどの程度まで事務的に進行をしているのかうかがい知ることもできませんが、問題は、公務員の給与制度については、採用、昇進等の任用方法等も含めて抜本的に再検討をせよ、これが基本的な柱ですね。その中から、たとえば公務員の給与については団体交渉と労使協議の場であるところのホイットレー方式を用いてやりなさい、こういうようなのも出されておりますね。 その中で、私は人事院に関連してお尋ねするわけでありますが、処遇の向上というのが出されておる。その中で管理職手当は将来俸給に繰り入れるべきである、当面はやむを得ないので定額制として存続をしてもよろしい、こういうようなものも出されております。さらに今回法律案の改正案が出されておりますが、行二の給与表の内容を見てみますときに、これらの現業部門で働いておる職員は、公労協関係の現業部門で働いておる職員に対応するものとして考えるべきであると私は思う。私はここにも郵政省関係の公労協できまりました給与表を持ってきておりますが、それは通し号俸制になっている。ところがあなた方は、あくまでもそういうような現業部門についても、行(一)との対比、いままでの過去のいきさつから位置づけましたそれらのものを中心として、通し号俸的なものに改めるというような考え方はおとりにならない。やはり職階的な、しかもその職階はきわめて不明確なもので、まだ職階制度自身が実施されておらないわけでありますから、職務の内容の困難性、責任の度合い、そういうような分類の方式に従って給与というものを位置づけて、それに人間を当てはめていこうという政策をとられておる。そういうような給与政策が、はたして是であるか。さらに今回は、旧二等級をすべて一等級に、旧三等級をすべて二等級にし、しかも今度は局長、次官等はこれを指定職に改め、しかもその基準のとり方は、次官であれば国務大臣の七割、こういうような形の中で、上のほうには特別職をきわめて優遇する形を初めに打ち出して、それにならうかっこうで、しかもそれは民間の事業所を調査していく中から、五百人以上の規模の段階の支店長であるとか、あるいは工場長とかいうところの給与を押えながら、片一方においては、今度は下のほうになると、五百人以下のところと位置づけをはかりながら、上のほうにはきわめて手厚い給与政策がやられておる。しかもいま来年度予算の要求が始まっておりますが、その中において、すでに管理職手当を含みますいわゆる特別調査額の問題等については、さらに現在の基本給にその調整額の率を少し上げながら——最高限度は二五%で押えられておりますから、それは上げるわけではないのでありますが、中間の一二%とかいうものを一六%にするとか、二〇%というものを新たにつくるような方向で、すでに人事院からオーケーをもらったと称して各省では作業が始まっておる。こういうように上のほうには厚い給与政策をおとりになり、しかもその中で臨時行政調査会から指摘された内容としては、管理職手当は将来俸給の中に繰り入れるべきであるが、とりあえずはしかたがないから当面は定額制にして存続をさせてもよいだろう、こういう取り上げ方をしておるのに対しまして、あなた方は別なコースを一路邁進しておられる。一体人事院は、民間との給与対比ということだけをお考になっておるのか。国民の各層から出されてまいりました人たちが、こうあるべきであるという一つの意見を出しておるのに対しましては、どういう立場であなた方は取り組もうとしておられるのか、この際人事院総裁の御意見をお聞かせ願いたい。
○佐藤(達)政府委員 御指摘の行政調査会の管理職手当の問題に糸口を求めましてお答えを申し上げます。 この臨時行政調査会が管理職手当の解消というものをどういう角度から目ざしておるか、その点は私どもの考えるところでは、やはりただいまのおことばにもありましたように、一種の職階制的なものを頭に置いて、そうして管理職ときまっておる者については、もう本俸の中にはっききりそれを繰り込むべきじゃないかという考え方の筋がそこにうかがわれるようにも思うわけであります。その考え方の根本は、いまの国家公務員法のとっている職務と責任に応じて給与をきめるという本質から申しますと、それはそれとして合っておる。したがいまして、現実に申し上げますと、ただいま半分おしかりの意味を含めての御指摘がありましたけれども、たとえば指定職というものについては、この管理職手当的なものは本俸のほうに統合していくというような行き方の点では、むしろ逆行ではなしに、それに従っておる方向をとっておるというような言い方もできると思う。しかしながら、これをすべての部面にわたっていまの職階制的なたてまえをもって律することができるか、これは現実の給与水準全体から申しまして、とてもそういうようなことはできない。まず今日においては不可能である。しかし、上のほうのいまのようなとらえ得る範囲のものがあるわけでございますから、それをとらえてそういう措置をとって、今度もその趣旨の御勧告を申し上げているというわけであります。 なお、上のほうが厚いというお話がありましたけれども、おことばの中にもありましたように、国務大臣に比べて次官は七割ということでございます。それはすなわち、国務大臣の給与が前回の特別職の俸給の改定によりましてずっと上がりましたものですから、次官との格差が非常識な程度に開いてしまった。諸外国の例から見ても、とうていこれはこのままではほっておけないということで、まあ七割程度にとどめたということでございます。したがいまして、その辺のところはそういう面からきておる。私どもとしては、上のほうがよくなるということで下のほうをほっておいたということでは決してないと信じておるわけございます、できるだけのことは——上下ということばで表現すれば適正を欠きますけれども、便宜そういうことばを使わしていただければ、その他の部門についても十分考えておるということだけをとりあえず申し上げておきます。
○村山(喜)委員 職階制はきわめて問題があると私は思う。いまも総裁がおっしゃったように、これには最低の生活を保障するだけのレベルアップがなされた後でなければ、職階制給与というものは導入できない。三つの限界線が私はあると思うのでありますが、それにしましても、下のほうは率をよくした、率をよくしてあるけれども、行(二)の上昇額の平均額というものは、これは上がる額そのものは、率だけは九・四%ぐらいになっているが、実際は平均額よりも下回っているわけです。そういうような下のところが、物価政策の関係から、高度成長政策のもたらした物価の上昇による生活苦というものを訴えている。それらが救済をできていないところに、あなた方の官民比較の等級のとり方、ここにも一つ問題点があるんじゃないかと思う。いわゆる標準的な生計を営むものとしては、何等級何号を押えておいでになるのですか。
○瀧本政府委員 ただいま、標準的な生計を営む者は何等級何号俸を押えておるかという御質問でございます。人事院におきましては、生計費の観点から給与を見るということはいたしておりません。それは御承知のように、行(一)の新制高等学校を卒業いたしまして、初級職試験に合格いたしました者が公務に入ってまいります際に、その給与をきめますのに、民間におきまする高等学校卒業の初任給ということだけでなしに、東京におきまする十八歳程度の者の生計費というものがどういうものであるかということを計算いたしまして、それでその生計費よりも民間の一般から求めました初任給の平均が低いという場合に、そこまで上げるという措置を従来もとってまいりましたし、今回もやった次第であります。 そこで、それはいわゆる単身者の東京における生計費でございまするが、あわせて二人世帯、三人世帯も計算いたしております。これは報告にも載せております。われわれはやはりそういうことが非常に望ましいということは考えておりまするけれども、現実には一つの目標という意味においてこれをながめておるので、それをかっきりと俸給表上のどこというふうに合わしておりません。これはまた技術的にもそういうことは非常にむずかしいのであります。すなわち結婚年齢等におきましても、平均で二十八歳とか二十九歳ということが一応常識的に言えるのでありますけれども、これは平均的な話でございまして、実除には非常に広い幅の年齢層において結婚されるということでございまして、そういう場合に、ただ平均値をもってものを考えるということがどれだけ適切であるかどうかということがございまするし、また子供が当然できるわけでございまするが、そのできまする際の年齢等におきましても、これまた平均ではものを言うことができるかもしませんけれれども、現実には非常に幅のある問題で、ある特定の等級、特定の号俸というものと合わすということは、非常にむずかしい問題でございます。したがいまして、われわれ一応見当をつけるためにいろいろな方法で見てはおりますけれども、これを直接結びつけては考えておりません。ただ現在は、こういうことだけはひとつお考え願いたいというふうに思うのであります。最初に標準生計費を考えましたときには、まだいわゆる期末、勤勉手当というふうなものがほとんどない時代、すなわち俸給表上の本俸というものだけがもうほとんど唯一の主要な給与であったという時代におきましては、俸給表上の給与ということで一応考えなければならないのは当然のことでございまするけれども、現在におきましては、その後の事情の変化によりまして、いわゆる期末、勤勉手当というもの。が相当ふえてまいっておるということがあるのでございます。これもやはり年間収入のうちに入るのでございまして、このことはやはりそれもあわせて生計費というものを見ていかなければならないというように考えております。
○村山(喜)委員 じゃ端的にお尋ねいたしますが、あなた方が上級公務員試験をやっておられる。そして甲に合格をした。それは七の二に位置づける。ところが一年したら今度は六等級に昇格をさせる。こういうような制度をおとりになっていらっしゃいますね。ということは、それだけ給与が低いからかような位置づけをやるということの端的なあらわれじゃないんですか。
○瀧本政府委員 御指摘のように上級職試験——大学を卒業いたしました者が受けまする試験に上級職試験というものがございまして、この中に上級職試験の甲と乙がございます。甲のほうは、御指摘のように七等級二号俸から出発いたしまして、一年の後におおむね六等級にまいるということでございます。これは人事院といたしまして、六等級の資格がある者を試験するということを上級甲の試験として、これを二、三年前に創設になった次第でございます。ただ、そういう方々もやはり見習いとして一年間は七等級におっていただくという意味で、もともと上級甲というものは六等級の職務に耐え得る試験である、こういう観点からこの試験はつくられた次第でございます。しかしながら、創立当時の状況におきましては、一年で直ちに上げますると、従来の方々との序列が非常に狂ってくるという問題もございまして、当初は一年半というようなことで出発したのでございまするが、現在はやはり見習い期間の一年間は七等級に置く、その上で本来の六等級にしておる、こういうことになっておる次第であります。
○村山(喜)委員 最も恵まれ立場にある人でも、そういうかっこうになるわけです。恵まれない八等級あるいは七等級から出発をする公務員、それは一定の年齢に達しましても一われわれのところに俸給明細書が最近送ってまいりました。その給与の内訳を見てまいりますと、これは人事院としては、資本主義体制のもとにおける労働者のいわゆる労働力の再生産というだけでなくて、賃金の中には労働者階層としてのいわゆる次代における再発生といいますか、そういうようなものも賃金の中には当然加えなければならない。これは資本主義的な賃金の見方からいたしましても、そういうような労働者階層が労働者階層として次の時代にも生存ができるような給与というものまで含めて問題を見なければならないと私たちは思うのですが、そういうようなものや、あるいは基本的な憲法に書いてあります、健康にして文化的な最低の生活を享受できる、こういうような条項から照らし合わせましても、臨調のほうが報告をしておりますように、公務員が生涯安んじて公務に専念し得るような給与が確保されなければならないというこの報告書に照らし合わせてみましても、十八歳で初級試験に合格をした者の給与の仕置づけだがこれが一つの柱になって、他の生計費理論に基づく給与のあり方というものをほんの参考にするだけ、これではたして公務員に対する労働三権を奪い取った代償的機能を人事院は果たしているつもりですか。
○佐藤(達)政府委員 おっしゃることはごもっともでありまして、のみならず、私どもいつも特に行(二)の諸君にお会いして、いまの俸給明細書のことも知っております。また、直接にいろいろの苦境を訴えられて、これは身にしみて感じております。したがいまして、これは従来の経過を申し上げればおわかり願えると思いますけれども、できるだけそれらの点についての配慮を重ねながら、行(二)については特段の改善が毎回重ねられておると私どもは思っております。ことに今回の場合におきましても、初任給の決定方法などという点についても、相当その点に考慮をして、適切なあんばいをしていこう、そういう気持ちは持っております。ただし、やはり全体の公務員の給与体系というもの、あるいはまた民間の同種の仕事をしておる人たちとの見合いというものも、先ほど申しました根本のたてまえというものから、全然無視するわけにもいきません。したがいまして、そういう一つの苦しいもがきの中で、できるだけこれらの方法に生活の安定を保障して差し上げたいという気持ちで努力をしていることは、これはもう事実でございます。また、その努力をさらに重ねていきたいという気持ちを強く持っておるということだけは、ここで申し上げておきたいと思います。
○村山(喜)委員 私は、人事院総裁の善意を疑うものではございませんけれども、現実にあらわれてくるあなた方の勧告の内容そのものから見てまいりますと、一体人事院としてはどういう給与に対する基本的な考え方をお持ちなのか、それがわからない。政府に対しましても、政府は公務員に対する給与政策をお持ちではないのではないか。とするならば、具体的な一つの例を申し上げてもよろしいわけです。それは労働大臣が炭鉱の労働者についての最低賃金を告示いたしました。しかし、公務員についての最低賃金が、一体給与政策の中においてどのように位置づけられているか、これははっきりいたしません。これらの問題は、当然国が労働大臣の職権に基づいて最低賃金制を告示するような時代を迎えているとするならば、公務員として働かして、それが生涯安んじて、汚職もしないでやっていけるように、えらい人が民間に横すべりをして高い給料をもらうような現在の制度を改めていくためには、もっと基本的にお考えを願いたいという点だけは、強く要望申し上げておきたいと思うのです。 そこで、初任給についての問題でありますが、時間があまりありませんので、具体的に内容を掘り下げていけば幾らでもありますけれども、次の点だけ質問を申し上げておきたいと思うのです。 これは郵政省の職員の給与に対する労使協議の結果妥結をいたしました仲裁裁定の配分の内容に関するものであります。この中で見てまいりますと、初級試験の合格者は一万四千五百円、今度人事院が勧告されましたのは一万四千百円、中級試験の合格者は一万五千八百円で、これも人事院勧告よりも二百円高、上級試験の合格者は一万九千二百円、これは乙のほうですが千円高、甲のほうは二万二百円で、一万九千百円ですから、これは一千百円高、医師については三万一千百円、人事院勧告は二万六千三百円、こういう結果が出ております。しかもこの俸給体系を見てまいりますと、いろいろな職群に分かれてはおりますけれども、通し号俸として規定づけられている。もちろん郵政の関係におきましては団体交渉によって当事者間が妥結をしたものでありますが、これらの公共企業体に働く職員の特殊的な勤務条件というものももちろん頭の中に入れながら私は考えていきたい問題として、公務員と公共企業体で働く労働者の間において、こういうような初任給それ自体からもすでに差がつけられてくる。しかも仲裁裁定については、財源があるなしにかかわらずこれを完全に実施をする。公務員の場合には、人事院勧告というきわめて力のないものが出されるので、予算の範囲内、法令の範囲内で処置をしていく。こういう問題のとらえ方自体が、現在の政府の考え方ではないか。そこに公務員の下級者の間には土気が沈滞をするし、そして共産主義に走る諸君が最近はきわめて多い。この問題をあなた方はお考えにならなければならない段階ではないかと思うのでありますが、この初任給はこういうふうに差がついている。特に医療職の初任給の押え方等においては数千円の開きがありますが、これらに対して人事院は一本どういうような見解で、国家公務員の医療職の職員はそういうような公労協企業体で働く人の場合よりも少なくていいという結論をお出しになったのですか。
○瀧本政府委員 ただいま公社、現業等につきましていろいろ初任給を御提示になったのでございますが、本俸におきましてはまさしくそのとおりでございます。これは公社、現業によりまして、いろいろ例をお示しになったのでございますが、また内容的に見てまいりますと違っております。たとえば上級乙に相当いたします初任給にいたしましても、電電公社におきましては、本俸上の数字一万六千七百円、専売では一万八千三百円、郵政では一万九千二百円、林野では一万七千七百円、こういうふうにいろいろ違っております。そこで今回われわれのほうで勧告いたしました数字は、一万八千百円という数字になっております。これは三公社五現業のどことも数字自体は完全に合ってはおりません。しかしながら、ただいま申し上げましたような数字から一応ごらんいただきますれば、大体平均のとれておる数字で、これがよほど格差がかけ離れておる数字というふうにおとりいただかないことになるのではなかろうかというふうに思っております。 もとより、われわれのほうといたしましては、民間におきます初任給を調査いたしまして、その民間におきます初任給を、たとえば技術系あるいは事務系、また大学卒、短大、高卒いろいろ調査をいたしまして、そして基本的な数字を一応目途といたし、それを俸給表上でも、これは昇給間差額とかいろいろな関連がございますが、そういうものをあんばいいたしまして、大体民間の初任給に合うようにきめておる次第であります。われわれのほうも初任給は、これは累次最近の初任給の上昇に合わしてそのつど上げてまいったものでございまして、現在の初任給、今度おきめになろうとする初任給が、それほど低いものであるというふうには考えておりません。 医師等につきまして、お示しのように、たとえば国鉄あるいは電電、郵政等で高い給与をきめております。しかしながら、これは俸給表全体系の中におきまして、やはりその関係できめる必要がございますので、お示しのように、われわのほうは医師につきましては二万六千三百円というふうなきめ方をいたしておるのでございますが、それは俸給表上の金額でございます。現実に四級地等に在勤される場合、いろいろな初任給調整手当を含めますならば、相当の金額になるということは、御了承願えるのではなかろうか。現にわれわれの俸給表上の金額といたしましては、上級甲の大学卒が一万九千百円に対しまして、医師は二万六千三百円というふうなきわめ方をしておりまして、これは公務部内におきましては相当の高い給与をきめておる次第であります。しかしながら、お示しのように公社、現業に比べて医師が低いといううことも、事実でございます。お医者の給与というものが非常に高くて、そして公務部内のバランス関係からいうと非常になじみにくいということが、医師の給与をきめます際の非常に大きな困難な事情になっておるのでございますが、この問題につきましては、今後も引き続きでき得る限りこれは解決をしていかなければならぬ問題であろうというふうに、われわれ問題として考えております。
○村山(喜)委員 問題として考えているんだったら、ひとつ体系的な問題もありましょうけれども、善処方をお願いしておきたいと思います。 次に、時間がありませんので、自治省の財政課長に尋ねますが、町村の職員がきわめて低い賃金の段階に押えられておる。自治省の調査によりましても、昭和三十八年五月三十一日現在の全国町村一般職員の平均本俸額が一万八千九百六十五円、これは地方財政計画の中から見ますしても、あるいはこの基準財政需要額の算出の計算基礎の単価に比較をいたしましても、実勢の単価がきわめて低い。しかも現在の地方公務員法が、労働基準監督署の職権を市町村長に監督機関として委任をしているようなかっこうの中からすでに出されておる。というのは、公平委員会等を置かないところは、市町村長がその違反的な問題に対しては責任をとるようになる。こういうきわめて職務内容から見ても、そのような不平、不満が一方の権力を持っているものが決定を行なうような形になって、しかも近代的な労務管理というものが十分に行なわれていない。そして能率の低い者が集まってくる。しかもそれは低賃金に据え置かれておる。こういうような状態の中で、いわゆる厚生省が定めます生活保護基準よりも低い職員を放置されておるとするならば、きわめて重大な問題であります。盛んに自治省でも条例や規則の制定をやるようにという行政指導もしておられるようでありますし、国会においても地方行政委員会で決議もされておりますが、これに対しまして、この町村職員の低賃金の状態を改善するために、あなた方はどういう対策をお持ちであるのか。特に町村財政を抜本的に充実をしませんと、この問題は解決はしないわけでありますので、それらの財政政策の問題にも関連をしてお聞かせを願っておきたいのであります。 それからこの際、地方公務員の給与改定に伴う財源の問題につきまして、大蔵省の平井主計官も見えておりますから、自治省と大蔵省両方から御答弁を願いたいのでありますが、今回交付団体の必要一般財源が四百四十九億ということで、第一次補正による交付税の伸び並びに地方税の伸び、地方の節約分、これらのものを合わせましてもなお足らないので交付税会計の借り入れ金百五十億円を充当することによりまして当面を糊塗することになりました。しかしながら、借り入れ金であります起債措置は、利子相当分については国が責任を持つということになっているようでありますが、いずれにいたしましても明年度以降におけるところの交付税の先食いになっておることは事実であります。それが現在の交付税率を改めまして、三〇に引き上げるというようなことが約束をされているならば、これはまたそれも言えないわけでございますが、この財源の問題をめぐりまして、自治省としては交付税率の引き上げを大蔵省に要求をされる考え方であるやにも聞くのでありますが、大蔵省としては、これらの問題に対するところの地方の財源の問題について、来年度のこの会計におきましては平年度化した場合には、給与改定分だけでも一千四百億くらいの増になるのではなかろうかと言われておる。しかも最近の地方財政は、きわめて困窮化しつつある。これはやはり国の高度経済成長政策が地方財政をして窮乏化さしたということにも原因があるわけでありますが、そういう点から、この地方公務員に対する財源措置の全体的な見通し、今後の対策をどういうふうにお考えになっているか、御方針をお聞かせ願いたいのであります。
○岡田説明員 町村の吏員の給与につきましては、自治省といたしましても、確かに全般的にながめますと、低いように思われます。財政計画等を策定いたします場合には、極力国家公務員のベース、あるいは自治体等を総合的に勘案いたしまして、検討いたし、努力いたしております。今後ともそのように続けてまいりたいと思います。今後の考え方でございますが、自治省は、個々の団体の財政につきまして、地方団体から要望がありました場合、あるいはまた要望がなくても指導したほうがよろしいというふうに認めた場合には、個々の団体について現実に指導をいたしております。そのような場合、あるいはまた財政再建をやろうというような場合におきましては、給与につきましては合理化——合理化というのは、非常に低いような場合には、それの適正化等も含めまして指導をいたしております。また、全般的にはあれでございましても、個々に見ますと、年齢の問題とかあるいは学歴等の問題もありますので、一がいに申し上げられませんが、極力そういうふうな合理化に向かって指導をいたしておりますし、また今後とも強力に進めたいと思います。しかし、根本的には市町村の財政力の強化の問題でありますので、今後比較的財政的な弾力性に乏しい市町村につきまして力をつけるような努力を続けてまいり、それによって、一方では指導と相まちまして、対処してまいりたい、かように考えております。 なお、第二番目の問題でございますけれども、今度の給与改定に対処いたしましては、一応百五十億の特別加算を加えまして交付団体について完全措置することになったことは、先ほど申し上げたとおりでございます。来年度以降の問題につきましては、たとえば税制調査会等の答申もございますし、これを受けて、一体どの程度の減税の幅になっていくものか、あるいはまた地方税の増収がどの程度になっていくものか、それが端的に申しまして今回の給与改定の平年度化等の財政圧力に対応してどの程度のものになっていくかというふうなことを総合的に判断して、財政力強化の方向で、制度的にもまた運営の面におきましても努力いたしまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○平井説明員 今回の地方公務員の給与改定にあたりまして、特別会計におきまして百五十億円の借り入れ金を認めまして、これについて利子補給をいたしました趣旨は、ただいま岡田財政課長から御説明いただいたことと大体同じでございます。ただ、交付税率改正の問題は、御承知のように交付税法の規定を見ましても、普通交付税の総額が引き続き交付税計算による一般財源不足額に対して著しく異なることがあった場合は、税率の引き上げ、制度改正等を検討する、こういうたてまえになっております。したがいまして、今回の給与改定の当然のうらはらとして、来年度以降の交付税率の引き上げというようなことを考えるということは、私どものほうとしては全然考えておりません。ただ先ほど岡田財政課長からも御説明がございましたように、来年度以降の交付税の問題につきましては、全体としての地方財政の推移、その中における自然増収なり交付税の伸びなり、そういったものの中で考える問題でございまして、先ほど申し上げましたように今回の給与改定と結びつけて考えることは妥当ではないというふうに考えております。むしろ私どもの感じといたしましては、今回の給与改定に関する限り、当初元本の補給という問題も議論はされましたけれども、利子補給だけで足りるという考え方をとりましたのは、百五十億円を五年間で均等償還するといたしますれば、毎年度三十億円程度になるわけでございまして、現在の交付税規模五千六百億円、これが過去の経緯からいたしますと、毎年ある程度の伸びを示していくわけでございますが、こういった大きな交付税の毎年の伸びの中で十分消化できる、そうい前提のもとに利子補給のみで足りる、こういう政府としての結論に達したものというふうに了解いたしておるわけでございまして、その意味においても、直ちに来年の交付税率引き上げの問題と結びつくべきではなかろうというふうに考えておる次第でございます。
○村山(喜)委員 その問題は、短時間であなたと論争もできないだろうと思います。これらは地方行政委員会でそれぞれ取り上げられて、交付税率の問題等も、当然三〇%に引き上げなければならない実態が、もう今日の地方の財政状況であると私たちは見ておる。その点からさらに要求をしてまいりますが、ここで防衛庁の職員の給与法の一部改正の法律との関係で、自衛官等の俸給表の対応のしかたでありますが、これを国家公務員の公安職の場合と対応させながら検討してみますと、二等陸佐、二等海佐、このあたりまでは公安職の一表の三の三を適用するということになっておりますが、一等陸佐以上は行政職の一表の二の一から二の五、陸将補の場合は二の五、そして今度は将になりますと甲乙内、これに指定の甲、指定の乙それから行(一)の一の二を適用をする。これらの給与表の中から私が問題にいたします点は、暫定手当率が、階級が高くなれば非常に高くなっている。一体これは防衛庁の職員の給与だけでありませんで、事務官等が十六万円の場合の暫定手当額は、五千円ということに前はなっていた。一般公務員の暫定手当についてはこれを据え置いたにもかかわらず、上級者、特に指定職等になりますと、この率を逆に換算をして引き上げて高く見込んでいる。これ具体的な数字はここに持っておりますが、申し上げなくてもいいと思います。そういう一般の低いところの職員はきわめて低くしながら、上級者になればなるほどそういう措置をおとりになる。一体これは人事院の範疇に属するのか。あるいは防衛庁の場合は防衛庁でお答えを願いたいのでありますが、階級が高くなれば高い暫定手当率をかけで俸給表を算出する、こういう方式をなぜおとりになるのか。また人事院としてはそういういままでとってまいりました方式をさらに格差をつけて拡大をしていくというようなのをなぜお認めになるのか、その点を両方からお聞かせを願っておきたいのであります。
○堀田政府委員 お答え申し上げます。いま村山先生のお尋ねが二点ございますので、二点についてお答えをいたします。 第一点の俸給表が陸海空の二佐までは公安職の(一)を適用する、一佐以上は行(一)を適用しておるという問題でございますが、これは二佐の階級にございます者と一佐の階級におります者との具体的な仕事の内容を検討いたしてみますと、一佐のほうが一般行政職の仕事に近い、こういう状況でございます。たとえば具体的な例を一つ申し上げますと、二佐の場合は、行(一)の三等級でございますから、警察の場合と比較いたしますと、階級は警視、本庁の大体課長補佐くらいに匹敵をいたします。それから一佐の場合には、行(一)の二でございますから、本省もしくは本庁の課長クラスに該当をいたします。したがいまして、警察署長もしくは本庁の課長補佐の仕事をいたします二佐は、本省もしくは本庁の課長に相当いたします一佐とは、仕事の内容が若干違う。こういうふうに考えられますので、一佐以上は一般行政職に近いという観点から、行(一)の体系にはめ込んでおるというふうに御理解いただけたらいいと思います。 第二の問題でございますが、暫定手当が上にいくほど多いのではないかという御指摘でございまけれども、これは自衛官の場合には、部隊を新編をし、配置をし、あるいは改編をいたしますために、移動もしくは転属、入校等の動きがかなりひんぱんに行なわれるわけでございますから、そのつど給与が変動するということは非常に繁雑であるし、本人にも不便をかけるということから、従来全隊員がそれぞれ暫定手当を受けておるもの、こういうふうに仮定をいたしまして、それを平均をして木作に繰り入れるという方式をとっております。たとえば青森の部隊に一佐が何名、神町に何名、東京に何名と申しますと、その現実の員数の総平均で一佐の暫定手当の総額を割るわけでございます。平均をいたしました数値を一本で本俸に繰り入れる、こういう方式をとっておりますので、形の上では一佐のほうが一尉の暫定手当よりも繰り入れられたものが多いという形になっておりますけれども、これは現実に一尉が地力に多く分散をしておる、一佐がやはり中央に多くきておるということからまいります算術平均的な結果でございまして、政策的な措置では全然ないわけでございます。
○瀧本政府委員 一般職の公務員につきまして、暫定手当を上のほうを上げておるじゃないかという御指摘でございますが、これは暫定手当は御存じのように凍結されておりまして、しかも等級号俸によりまして金額が固定化されておる、こういう現状になっております。したがいまして、現在のところ、暫定手当の額は本俸に対しましておおむね三%くらいになっておるといういふうに存じております。もとは五%だったわけです。そこで新三等級を設けますとか、あるいは等級の号俸を延伸いたしまして、最高号俸を延ばすという措置をいたしますと、そういうところの対応いたします暫定手当の額というものがないのであります。つくらなければならぬという新しい事態が起こるわけです。また、指定職俸給表をつくっても、同様なことが起こるわけです。しかしながら、われわれはそういうところの暫定手当を上げていくという趣旨ではございません。したがいまして、今回は次官のところが上がりましたけれども、十六万円時代の次官の暫定手当の一級地の五千円、これはもう今回も変えないのであります。さらにこれを基礎にいたしまして、従来の次官、それから学長の関係等から、この新しい暫定手当の額を算定しておる。これは三十二年当時の暫定手当が凍結された状況に立ち返りまして、この金額を算出しておる。その当時はなかったのでありますから、やはり何らかの便宜措置にならざるを得ぬ。そこは多少の便宜措置ということではございますけれども、おおむね原則は三十二年当時の金額に相当いたします金額ということで算定いたしておる、このようなっております。
○村山(喜)委員 それは間違いありませんか。というのは、大学の総長の場合などは、暫定手当額を計算をしてみると三千四百四十円、それを今回は格上げをしたというのですか、指定号俸に改めていくためにこれが五千四百円、こういうことに上がっておるのじゃないですか。
○瀧本政府委員 ただいまも申し上げましたように、次官のところは、これはもう十六万円時代に五千円ということでございます。その次官のところを根幹といたしまして、七大学の中の五大学、あるいは東大、京都の学長というところは、従来のいわゆるワク外計算の方式によりまして、この五千四百円というものを算出しておるということでございます。したがいまして、御指摘のように、かつて一等級の八号俸という場合にこの金額が幾らであったというものとは、変わっております。これは明らかに東大の学長あるいは京都、そのほか五大学を含めました七大学につきまして、昨年特号俸を出したということで、これは従来の考え方より変わっておるんだ。その当時は、東大の学長は一等級号俸であったのでありますけれども、それは変わったんだということでこれは計算がしてあるわけであります。そのために御指摘のような五千四百円という数字になっておる次第でございます。
○村山(喜)委員 どうも理論的に私ははっきりしていないと思うのです。その特号俸を設定したものだけは、ストップ令にもかかわらず、新たに対応する暫定手当額を算出をして、それによってまた新たに今回指定号俸を受けさせる、こういうような考え方自体の中に、給与政策の下級者と上級者に対する差別的な意識が働いておるのじゃないか。これは私一人だけの見解じゃなくて、そういうふうに受け取ってもしようのない給与体系、俸給表ができ上がっておる、こういうふうに見ております。この点は、また時間がありましたら問題にいたしてまいります。 そこで、最後になりますけれども、今回法務局の出張所の職員に対して月額三千円なりの打ち切りの宿日直手当を支給をされるということでございます。これはいままでほとんど出していないわけでございますから、きわめていいことには違いないのでございますが、これに対するところの判定並びに勧告、いろいろないきさつをたどっているようでありますけれども、一体月額三千円というものによってこの宿直、日直を継続的にやらせる。その場合に、これは一年じゅう無休という勤務態様をとらせるということになってまいりますと、国家公務員には労働基準法が適用されておりませんけれども、今日まで出されております人事院の規則なりあるいは国民の祝日に関する法律、休暇日に関する太政官布告、これらの点から見ましても、一体その考え方が妥当であるのかどうか。祝日とかあるいは日曜等におきまして、別に代行者を置くというのであるならば、これは考えられないでもないのでありますが、前は六十四日分の手当が別に出ていたということを聞くのでありますが、今回は大蔵省のほうでそれを半分に削る、こういうようなことで、代行者の宿直、日直を半分に削るということに出たようであります。そうするならば、一体こういう勤務形態そのものが、一人の人がずっと日直も宿直も三百六十五日やるということ自体にも異常な問題がありますが、それをめぐりまして一体人間として三百六十五日も勤務を命ぜられるというかっこうが、はたして三千円という、それだけの措置で解決ができる問題であるのか。これは基本的人権に関する問題に発展をするだろうと思うのでありますが、一体六十四日分の半分しか大蔵省は認めないというのに対しまして、人事院としては、適正な——あなた方の三千円の措置が及ぼす効果、行政的な均衡ある措置、その他をお考えを願いましたときに、現行の宿日直手当を勘案をして合理化をはかるべきであるという判定が出されているようでありますが、現実に出されました法律の改正案との関係から、今後はどういうふうに対処しようとお考えになっているかを、代行者の問題にも関連をさせながら御答弁を願いたいのであります。 時間がありませんのでついでに申し上げますが、民間との差額を含めまして比較検討した結果、手当関係を〇・三%ふやすということが決定をされまして出されておるわけであります。ところが本来ならば、五月から実施をしなければならないのにもかかわらず、財源の関係で九月から実施をするということになってまいりますと、六月の十五日に支給をさるべき〇・一は、現在のところ支給される考え方はとられていないやに聞くのであります。この問題は〇・三を夏と冬と年度末にそれぞれ〇・一ずつ振り当てたにすぎないのであって、〇・三の分については、年度末に支給をしても、あるいは年末に支給をしても、数字としてそれだけの差があるということを認めているのでありますから、六月の十五日に支給をしなければならないということではなかろうと思うのであります。したがって、今度の年末に、六月の十五日にこの勧告どおりに実施されたならば当然支給を受けている〇・一については、年末の〇・一にプラスして〇・二分を支給をすべきであるということで、人事院としては、その勧告に照らし合わせても、給与担当大臣に相談をされ、給与担当大臣はまた閣議でその旨を主張をされて、せめてもの罪滅ぼしといえば罪滅ぼしになりますが、公務員の期待に沿わなかったわけですから、そういう点から御善処方をお願いを申し上げたいと私は思うのでありますが、これに対しまして、人事院総裁はどういう態度で今日まで終始されてきたのか。そしてまた、給与担当大臣は、それを具体的にどうされようとお考えになっているのか、この点もあわせてお答えを願っておきたいのであります。
○佐藤(達)政府委員 大体二点お尋ねがあったと思いますが、最初にお話に出ました常直勤務というのは、私どもの目から見たらきわめて変則な勤務形態なので、こういうものは一日もほうっておくべきものじゃないとほんとうは思っております。したがいまして、そのほうはまたそのほうの当局者の御努力によって一日も早く解消していただきたいということを念願しますけれども、さればといっていまあるものをほうっておくわけにいきませんから、私どもとしては、この際少ないか多いかいろいろ御批判もありましょうが——多いという御批判はないと思いますけれども、三千円ということで一応これは妥当だということで手当てをいたしました。実はこれは半分は自慢に考えておる措置でございます。 それから第二問のほうの六月の例の期末手当のことでございますが、これは隣に給与担当大臣もおりますし、直接に村山さんからお聞きになっていろいろお考えだろうと存じますけれども、私どもの立場では、六月十五日とか何とかいう問題では実はないのでありまして、五月にさかのぼって実施していただきたいということをお願いしておるのであります。それができないときに六月がどうだということは、これはむしろ国会で御判断いただくべきことじゃないかと思います。
○増原国務大臣 給与担当大臣としては、いつもこの点残念なお答えをするわけですが、私も、五月実施を閣内においては大いに努力をし、主張をしてまいりましたが、残念ながら提案のとおり、九月一日からということになりました。その点、六月の〇・一を特に考えるということは残念ながらできない状態で、その措置は現在はとられておらないわけでございます。
○村山(喜)委員 この問題について増原給与担当大臣は努力をされて、その結果お答えになっておるとは思うのでありますが、五月から実施できなかったから、せめても六月の十五日に支給すべき〇・一くらいは、プラスアルファとして年末に——これは公務員と民間との差がそれだけあることを認めて人事院が出したのですから、まだ年末までには相当期間がありますし、この委員会を通じて、これからも絶えずほかの委員からも請求があると思いますので、あなたももうできなかったからしようがないというような形でなくて、いまからでもおそくはありませんから、ぜひ努力を願いたいと思う。この点について前向きで御努力をされる決意は、もうないわけですか。その決意をひとつ……。もっとねばってもらいたいと思うのですが、どうですか。
○増原国務大臣 この問題の基本的な解決の際に、私どもとしてはずいぶん努力をし、ねばったのでございますが、残念ながら提案したような形に落ちつきました。現在の段階で〇・一を努力するということは、まずまず見込みきわめて困難という事情でございます。
○村山(喜)委員 この問題は、国会のほうで、これからも自民党のほうにもいろいろ相談をしながら、私たちは一生懸命にやっていこうという形でおりますので、給与担当大臣は、それらをやはり前向きの形で受けて、善処分をお願いを申し上げたい。 この際、人事院のほうに一言要望申し上げておきたいのは、今回自衛官の俸給表の計算基礎を見てまいりますと、超勤率として、いわゆる超勤の繰り入れ率として〇・一二八三、これが算入されて俸給表が出ているようであります。一・一一六三を掛け合せて俸給となっている教員の超過勤務手当は、現在支給されておりません。そして前は二号俸の差があった。今度の初任給の改定にあたりましては、わずかながら数職員の給与の初任給の月額は一般の公務員よりも高うございます。しかしながら、超過勤務手当は全然支給をされていないにもかかわらず、校長と教頭はさらに管理職手当を増額をしようという態勢である。そして一般の職員に対しては何ら考えていない。考えているかもしれないけれども、現実に予算の上には出てこない。自衛隊の場合には、超過勤務の算定率が困るというので、こういう数字で俸給表を出している。それができるとすれば、教員の場合にも当然その措置を講ずるか、あるいはもっと別な方法があるとすれば、そういう立場からこの実態に合わせたような給与体系というものをおつくり願いたい。この点はもう時間がありませんので、きょうは要望の程度にとどめておきますが、さらに善処方をお願いを申し上げ、終わりたいと思います。
○河本委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は、来たる七日午後十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、これにて散会いたします。 午後一時四十一分散会