逓信委員会 第3号
- 発言数
- 170 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1964/12/15
会議録
○加藤委員長 これより会議を開きます。 郵政事業に関する件、電気通信に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。森本靖君。
○森本委員 十二月の七日に高知県の高知郵便局において、郵便局の金をいわゆる強制執行によって差し押えるというような事件が持ち上がりまして、新聞でもこれはかなり大きく報道されているわけでありますが、この間の事情をちょっと説明を願いたいと思います。
○北脇政府委員 昭和三十八年の六月十三日に高知県の須崎市の一級国道五十六号線で四国運輸会社の定期トラックががけくずれにあいまして、助手の谷口幸一、当時十七歳でありますが、これが落石によりまして即死いたしました。 そこで遺族が国及び高知県を被告といたしまして、高知地方裁判所に損害賠償請求の訴を提起して、本年十二月三日に、高知地方裁判所は、被告すなわち国並びに県に対しまして、五十万円と遅延損害金並びに仮執行費用、合わせまして五十三万八千百円の支払いを命ずるととももに、仮執行宣言を付した判決の言い渡しをいたしました。 そこで原告側は、ただいま先生のおっしゃいましたように、十二月の七日に供託をしまして、同日の午後一時四十分ごろに、高知地方裁判所の須藤執行吏と大坪代理人が高知郵便局に参りまして、局長に五十三万余円の差し押えをする旨を告げました。 高知郵便局におきましては、執行吏側と種々折衝しまして、一方、郵政局に連絡するほか、約三時間にわたりまして話し合いまして、午後四時過ぎになって次長室の机の上に五十三万余円を置いて本省の指示を待つということによって了解がつきまして、執行吏は金庫の強制開披を避けたわけでありますが、本省としましては、午後二時三十分ごろに松山郵政局から電話連絡を受けまして、直ちに法務省の訟務局と連絡いたしまして善処方をお願いし、その結果、法務省訟務局は、高松法務局に連絡いたしまして、高松法務局の村重検事と大坪代理人とが話し合いまして、午後五時ごろに、賠償金の仮執行はしない、国は今週中に賠償金の支払いをする、執行停止の裁判を求めることはしない、こういうことに話し合いがつきまして、原告側の代理人及び執行吏は郵便局を立ち去った、こういう事情でございます。
○森本委員 そこで、こういうふうな例は過去にあっておりますか。
○北脇政府委員 過去におきましては、昭和三十一年二月に、大阪地方裁判所の判決に基づきまして、原告下村商店の訴訟代理人の小野弁護士と大阪地方裁判所の岡本執行吏外三名が、昭和三十一年二月二十二日午後三時ごろに大阪中央郵便局に参りまして、強制執行をするように折衝いたしまして、その日は金庫の封印をして帰りまして、その翌日の二十三日に再び参りまして、支払いの催告をいたしまして、結果的には二十三日の午前八時五十分ごろ金庫を開いて差し押えをして、債権者代理人に、このときの金額は約百八十一万円でございますが、交付した。こういう事件が一件と、昭和三十三年にも同様な事件がございまして、これは広島高裁の松江支部の判決に基づきまして、原告代理人の上原某外一名と執行吏が米子郵便局に参りまして執行に着手しようとしまして、郵便局側では、業務運営の面から困るということで種々折衝し、一方、郵政局に連絡いたしたのでありますが、最終的には業務にさして影響はないと判決したために、結局差し押えに応ずるということになった。この事例二件ございます。
○森本委員 そういう先例がありますので、これは差し押えができるということになるわけでありますが、現行法上、一体これは法律のどの条項によって郵政事業の特別会計の金が差し押えができるわけですか。これは法務省側に聞いておきたいと思います。
○青木説明員 郵便局の現金が差し押えられますことは、郵便局の業務に相当な支障を来たす場合も想像できるわけです。私どもといたしまして、こういう事例が起きたことは、はなはだ残念に思っておる次第であります。ただ法律的に申しますと、他の官庁で起こった事件による国の支払い義務でありましても、やはり郵便局の現金も一国に属するものでありますから、したがって法律的には差し押え可能、こう言わざるを得ないわけであります。ただ、もちろん公共の用に供されております動産不動産は、これは公物で差し押えができないという、かように一般の行政学者も論じておりますし、現在の通説ではないかと存じますが、ただ現金、有価証券等はこの公物に入らぬということもまた行政学者の通説になっておる。したがって、従来裁判所のほうにおきましても、現金であれば差し押えできる、かような見解のもとに、従来こういうような例があるのじゃないか、かように思っておる次第であります。
○森本委員 法的に差し押えが可能であるということになっても、郵便局の金というのは、大体が郵便貯金あるいは振替貯金、為替あるいは保険というふうに、大体加入者の預金あるいは契約者の掛金というものがほとんどであって、一部税金の取り扱い等はやっておりますけれども、他の行政官庁のような一般会計の会計とはだいぶ趣が違うわけでありますが、こういう際に、いま局長がいわれたように、事務に支障を来たすということも当然あり得るわけでありますが、こういう問題について、郵政省並びに法務省両省が十分に協議をして、事前に、こういう場合にはどういうふうに行なうというふうな話し合いをしたことはございませんか。
○青木説明員 先ほど御紹介ありました昭和三十一年、三十三年の事件が起こった際にも、私どものほうといたしましては、かような事態が発生しないように、仮執行の宣言がついている国に敗訴の判決がありました際は、国のほうで上訴いたすときには、できるだけ先方の、原告側の本人なりあるいは代理人と事前に打ち合わせいたしまして、どうしても払わなければならぬ場合は払っていく、さようでない場合は待ってもらう、さようなことで、できるだけ話をつけて処理していく、かようにその後の三十三年以後こういう面において努力してまいってきておるわけであります。大部分はそれで防げると思うのであります。 今回のように突然差し押えに来られますと、事後協議して、できるだけ差し押えを回避していただく、かような方向に持っていかなければならぬ、こう思っておりますが、その辺の具体的な扱い方につきましては、今後とも郵政省等とも御協議申し上げたいと思っておる次第であります。
○森本委員 これは大体法務省のほうがいわゆる主管の省だと思うのですが、これはできれば平生からある程度の金があって、こういう場合にはその金が差し押えられるという形をとるのが一番望ましいと思うわけですが、その辺はどうなっていますか。
○青木説明員 国が被告になって損害賠償等の請求をされます場合に、判決で負けた場合には、それぞれその事件が起こった事務を所掌しているそれぞれの各省の予算から支出されることになっておりまして、私どものほうに損害賠償の金額として予算的にも計上されておりません。したがいまして、差し押えの対象になる現金をあらかじめ用意しておくということが、現在として不可能な状態であります。
○森本委員 そうすると、各省にはやはりそういう損害賠償の一応の予算という項目がありはせぬですか。
○青木説明員 つまびらかには存じあげませんけれども、それぞれ若干の経費が計上されておるように思います。もちろん場合によりましたら、予定よりかその年度内に多額の金を払わなければならぬ場合も出てこようかと思いますが、その辺は各省において大蔵省と協議されて、その上で支出の手続をされておるようであります。
○森本委員 これは国民側も差し押えの権利が、裁判に勝った場合あるわけでありますから、それをむげに否定するということにはならぬと思いますが、ただ、しかし、国の敗訴になった場合はどこに持っていってもかまわぬというふうな、現行法の一つの欠陥といいますか、これはやはり建設省なら建設省、農林省なら農林省に対して訴訟を起こして勝った場合には、農林省なら農林省、建設省なら建設省のものを差し押えができるという形に、何とかこれは法的にならぬものですか。これは郵政省と法務省とがいろいろ協議をするというけれども、現行法上は何だかんだといったって、やはり郵便局に来て差し押えするぞと言えば、それを拒むことは現実にはできないでしょう。だから、実際には、事前によく法務省と郵政省とが打ち合わせしておいて、そういう場合には緊急の措置をとるということしかないと思う。だから、実際問題として、できれば損害賠償の場合には、それぞれの各省ごとのものを差し押えるということになれば一番いいわけでありまして、押えられるほうも確かに押えられる責任があるわけでありますから、そういうふうな何かやり方はないものですか。
○青木説明員 ごもっともなお話でありますが、いまのような処置をとるとすれば、どうしても立法的な解決に待たざるを得ないのじゃないかと思います。当面といたしましては、できるだけ先方と事前に話し合いまして、差し押えという段階にならないように防止していく。これは当面一番必要じゃないかと思います。今後いろいろ弊害がさらに生じてくるようであれば、あるいはまた立法的な解決ということも考えていかなければならぬのじゃないかと思っております。
○森本委員 大臣がおりませんが、ひとつ政務次官、この問題は、今後十分に検討していただきたい。現業官庁としてこういうことがたびたびあるとちょっと困るわけでありますので、これは法務省あたりとも十分協議をしていただいて、今後の措置を検討していただきたい、こう思うわけですが、政務次官の回答を得ておきたいと思います。
○服部政府委員 仰せのとおりで、実は昨日も幹部よりより集まって、こういうことが再々起こることを非常に憂慮いたしまして、法務当局とも緊密な連携をとって、こういう事態が起きないように措置すべきであるという意見が一致しまして、今後十二分に検討いたしたいと考えております。
○森本委員 それでこれは貯金局長に聞いておきたいと思うのですが、こういう場合にどういう措置をとるというようなことを、各郵便局に通達をしてありますか。
○武田説明員 従来はそのつど郵政局に指示を求めてくるようにしておりまして、今後もまたこの機会にあらためて通達を出しまして、郵政局の指示を受けて処理をする、こういうふうにさせるつもりでおります。ただいまのところは、当日にどうしても金を出すというときは、臨時払いで出すということにしてございます。
○森本委員 これは郵政局の指示を受けるといったところで、執達吏が差し押えに来たときに、その局長が、その差し押えをいやだと言って妨害したら、公務執行妨害になるのでしょうか。
○青木説明員 その際はもちろん暴行脅迫という行為があれば、公務執行妨害罪が成立するといわざるを得ない、こう思います。ただ、今回の事例のように、やはり若干の時間的な猶予をいただいて、その間に私のほうで先方の代理人なりと話し合って、話し合いで解決する、こういう時間的な余裕を与えてもらうように執行吏と交渉することは可能ではないかと思います。
○森本委員 私は政治的な問題を言っておるわけじゃなしに、法律上、そのような執達吏が来て、やかましく、これは差し押えるんだ、こう言って差し押えに来たときに、それはいけません、郵政省の指示がなければ差し押えてもらっては困りますと言ってこれを妨害したら、やはり妨害罪になるんでしょう。向こうがあくまでも執行するということになればですね。どうですか。
○青木説明員 仰せのとおりであります。
○森本委員 だからこれは、いま貯金局長は郵政局の指示云々と言いましたけれども、指示を受けておったら、これは公務執行妨害で局長がやられるでしょう。だから、そういう場合には一体どういう措置をしたらいいかということは、やはり郵政局から郵政局長、郵政局長から各現業局長に通知をしておいてもらわぬことには、めったにないことであっても、あったらびっくりぎょうてんして、どうしていいかさっぱりわからぬということになると思うのです。だから、へたをして、その当該の局長なりあるいは為替の現金出納官吏がこれをかりに妨害して、公務執行妨害ということでやられてはたまったも一のではない。一番被害を受けるのは現業の局ですから、そういう点について詳しく、こういうことがあったときにはどういうふうにやらなければならぬという指示を、平生から郵政省としては現業局にやっておかなければならぬ、こう思うわけです。要するに、いま言ったように、郵政局の指示を受けろとか、しかし郵政局から指示を受ける間にでも、向こうがどうしても執行するということになれば、これはやむを得ぬとか、やはりそういうふうな行政上の指示というものを郵政省が親切にやってやらぬと、現業局としては非常に困る、こう思うわけであって、その辺のことを郵政省はどういうふうにやっておるか、こういうことです。
○武田説明員 先ほど申しましたように、いま仰せのとおり、大体そういう趣旨で近く通達を流す予定でございます。ただ、訟務局長からも答弁がありましたように、私のほう、当日の支払い事務もございまして、それに直ちに差しつかえるということになりますと困りますので、現場でもなるべくよくお話し合いをして、無理のないようにしつつ、そしてどうしても渡さねばならないときには払うということでいけますように近く通達をいたします。
○森本委員 これは近く通達をいたしますと言うたところで、たまたまこれが高知の郵便局で局長、次長、課長がおるところだったからよかったようなものの、その隣の無集配特定郵便局で、これは年末だから現金で七、八十万円置いておったわけです。そういう郵便局で局長一人、女の子一人。局長は昼飯を食いにいっておった、女の子が一人しかおらぬところへ執達吏、弁護士がどっさり来て、わあわあ言うてこられたんでは、どうしていいかわからぬですよ。はっきり言って、ふだんから指示しておかないといけない。たまたまこれは大きな郵便局へ行ったからいいようなものの、これは無集配特定郵便局あたりでも法律的には完全にやれるわけでありますから、やはり郵政省としては親切に指示、通達というものを万が一でも流しておかなければならぬということでありますので、ひとつその指示をしておいてもらいたい、こう思うわけでありまして、さらにその指示をした場合には、指示をした内容をひとつ私のほうに知らせておいてもらいたいと思うわけであります。 それから昭和三十一年の大阪中央郵便局で百八十一万円が強制差し押えをやられて、それからさらに支払っておるわけでありますが、これは日報ではどういう形になるわけですか。
○武田説明員 お金を出しました日は臨時払いで払います。そうしてまた、本局から送金を受けましたら、今度は臨時受けで整理いたします。
○森本委員 この場合には、支払った場合ともらった場合との間の期間はどのくらいありますか。
○武田説明員 支払いましたのが二月二十三日で、受けましたのが三月十二日でございます。
○森本委員 その次の米子郵便局の場合はどうなっておりますか。
○武田説明員 これも三月二十二日から払いまして、三月二十九日に受けております。
○森本委員 そうすると、この米子郵便局の場合はわずかに十日、それから大阪中央郵便局の場合は一カ月、こういうことですか。
○武田説明員 さようでございます。
○森本委員 一方が十日で、一方が一カ月ということになると、これははっきりいうと、何か行政上の技術的に、わざわざ差し押えをしなくてもできそうな気がしてしようがないのですよ。だから、ひとつ郵政省と法務省とでもっと真剣に、もっと具体的に協議をしてもらいたい、こう思うわけです。 もう一つはこまかい問題でありますが、大阪中央郵便局の場合に、これは一カ月の期間しかないわけでありますが、小さい問題でありますけれども、この間の金利というものはどうなるのですか。
○武田説明員 別に金利をつけておりません。
○森本委員 これは金利をつけておらぬと言うが、こういうものの金利はちゃんとつけなければいかぬごとに法律上なっているのではないのですか。もっとも、これは差し押えられているから、一体だれが利子をつけるかということにはなると思いますが、いずれにいたしましても、国が預託を受けている金については、ある一定の金利がつくようになっているのじゃないかと思うのですが、きょうはあまり内容がわからなければ、これはひとつ十分に調べておいてもらいたい。金額がこういう程度であったからそう問題ないというように考えられるかもわかりませんけれども、この場合、郵政省の金は一般会計の金ではないのだ、特別会計としての事業会計であるということをひとつ念頭に置いておいてもらいたい。だから、差し押えなんてものは、できればほんとうは差し押えるのに郵便局の金を差し押えたら一番手っとり早いのであります。全国どこでもあるのですからね。何と言っても、先ほど言ったように、この金も国民の金であり、預金者の金でありますし、保険料の掛け金、こういうことになっておるのでありますので、本来——これは一カ月しかないわけでありますけれども、かりにこれが二カ月、三カ月ということになった場合に、これが無利子であるということになったときには、いわゆる国庫金であるけれども、一般会計の国庫金とは意味が違う国庫金の場合、そういう処置がはたして妥当であるかどうであるかということも少し疑問に感ずるわけでありますが、きょう貯金局長がわからなければ、あとでそういう点についても法律的によく検討していただいて答弁を願いたい、こう思うわけでありますが、どうですか。
○武田説明員 検討いたします。
○森本委員 それでは、本件についての問題は一応これで終わりますが、法務省の訟務局長と郵政省の担当局長と、こういう問題が自後起きた場合には緊急に処置がとれるように、ひとつ事前にくれぐれも十分打ち合わせをしておいてもらいたい。同時に、できれば郵政大臣、法務大臣との間においても十分に政治的に打ち合わせをしておいてもらって、二度とこういうような事件が起こらぬようにしていただきたい、こう思うわけであります。 以上で私の質問を終わります。
○加藤委員長 次に、大村邦夫君。
○大村委員 私は、現在問題になっております電電公社と全国電気通信労働組合との争議について、総裁あるいは郵政大臣の見解をただしたいと思います。 この前に、経緯について皆さん御承知ない方もあるかと思いますから、全電通と電電公社の紛争の経緯について若干説明をしておきたいと思います。 八月の十二日に、御承知のように人事院が七九%の国家公務員の給与の引き上げを勧告しておりますが、この勧告に伴いまして、全電通は次の申し入れ書を電電公社に提出をいたしました。それは、一つは当事者能力の確立の問題であります。二つ目には、最低の措置として、人事院勧告に見合うところの予算措置、予算を確保してほしい、この二つが大きな柱になっての申し入れ書でありますが、自後全電通と電電公社との間で団体交渉が持たれたわけであります。 十月二日になりまして、事実上団体交渉は中絶状態になりました。それは、電電公社のいわゆる当事者能力のなささ、無誠意さによりまして、事実上中絶状態になったのでありますが、しかし、このまま遷延してはいけないということで、全電通も良識を持って公社と話し合いをし、十月十三日にこうした状態を打開するためにいわゆるトップ会談が行なわれた模様であります。 それは、公社側は総裁、副総裁、総務理事、さらに職員局長、それから組合側は笠原委員長、三役等で行なわれたわけでありますが、その結果、次の口頭確認がなされた模様であります。すなわち、賃金引き上げ問題について少なくとも一昨年までのような状態はとらない、組合側から具体的要求が出され、それに回答する際は、公社として自主的な立場で十分検討し、責任ある解答を行なうということであったようであります。ところが、それから二、三日後におきまして、どういうわけか知りませんが、公社側はこの最高トップ会談の口頭確認の要旨としてメモ的なものを出しまして、三役を通じないで、調交部の部長あるいは調交部の部員あるいは賃金担当、いわゆる私ども平中執と組合では申しておりますが、そういうものを通じまして、トップ会談の要旨はこういうものであるから確認をしてほしいということを再三迫られたようでありますが、トップの間で確認した事項とはかなり後退をしておるようなので、ついにその文書確認はしなかったようであります。 それから十一月九日になりまして、三十九年十月一日より七千円の賃上げを行なってほしいという賃上げ要求を組合が提出をしております。その内容は、公社側ではすでに御承知のとおりでありますが、四千六百円プラス九%、さらにこまかい具体的な内容が盛られておるようであります。この組合側の要求をめぐりまして、公社側との間でいろいろ団体交渉が行なわれ、最終的には十一月三十日までに回答を行なうことを公社側が了承した。その回答の内容、要旨というものは、先ほども申し上げましたように、トップ会談の、いわゆる従来とは違った形で責任ある回答を行なうということが骨子になる、こういうふうに理解して差しつかえないと思いますが、そうして十一月の三十日がきましたところが、なお公社側としては、慎重に検討中であるから、相当日数延長をしてほしいということが言われ、組合側では、期日がきたのだからぜひ本日回答しろ、あれこれやりとりがありまして、最終的にはさらに十日間の延長で両者が折れ合うたようであります。 いよいよ問題の十二月十日が参りましたところが、公社側は全電総発第百八十二号、三十九年十一月九日の要求書による賃金引き上げ要求についてということで、全くメモ的な回答がなされております。それは昭和三十九年度の賃金についての引き上げ要求には応じられない。これは組合側の七千円要求については、三十九年の十月一日でありますから、その項に該当する回答だと思います。さらに昭和四十年四月以降の賃金引き上げの要否については、いまは判断し得る時期ではないので、意見表明はできないが、今後民間賃金の動向を見ながら態度を明らかにする、こういうことであったようであります。 これがいわゆる今日までの経緯でありまして、こういう従来とは全然前進をしない回答について、全電通はきわめて不満であるということから交渉が事実上断絶をいたしまして、十二月十二日、新聞等で報道されましたように、東京市外電話局あるいは東京中央電報局等におきまして、いわゆる全電通の実力行使が行なわれ、公衆にも相当な迷惑がかかり、物情騒然とした、こういうことであります。 こういう状況と申しますか、背景の中におきまして、以下質問を試みようとするのでありますが、私が説明した点について、公社側で、いや、そういうことを言われますが、こういう点については間違っていますという事実があれば、ひとつ御説明をいただきたいと思います。
○秋草説明員 ただいま大村先生の過去一カ月間の労使間の今回の問題についての経過の概要は、おおむね間違っていないと判断をいたします。
○大村委員 間違っていないとするならば、おおむねということばを使われましたが、問題は、そのトップ会談の中で、双方が確認をした責任のある回答をするということと、それから十二月の十日に出された間の矛盾についてどうお考えですか。
○秋草説明員 問題の焦点は、やはりその辺にあろうかと思いますが、十月十三日のトップ会談は、いま総裁、職員局長の名前がありましたが、この点は、総裁はもちろんいらっしゃいまして、私ども十分打ち合わせの上臨んでおりますが、その席には出ておられません。それから職員局長は、たまたま外遊でございますので、不在であって、次長が出ております。 その点が事実とちょっと違いますが、まず訂正をいたしまして、トップ会談の内容は、約三時間にわたって何の記録もメモもとらず話し合ったわけでありまして、その場合に、私どもは過去十年間のこういう状態の賃金ベースの労使間の紛争というものは、従来自主性がない、当事者能力がないということをずいぶん議論をして、団交でかなり法律論とかいろいろ議論をし尽くしてきたのでありますけれども、ここらで私ども方向転換をして、私たち自身の責任ある回答をやろうじゃないかという気持ちは皆さんと変わらないのだ、しかし現在直ちにそれを完全無欠にやろうと思ったって、法律や規則で全部がんじがらめになっているので、この努力は関係当局なりにもお願いして、懸命にひとつ打開することはやるけれども、一挙にはなかなかいかぬ。しかし今度は自分で考えた範囲内で責任のある回答をしようじゃないかということは確かに申しております。また現在もそのつもりでおります。そういう考え方を具体的には、どういう回答を、たとえば有額回答であるとかなんとかいうことを私どもは一切ほのめかしておることはないのであります。ゼロ回答ももちろん私たちが考える回答の一つであります。あるいはまた、思い切って組合が望んでおるような——われわれには当事者能力がないのだという回答も、自分の意見としては自主能力の限りを振りしぼった回答だとも言われるかもしれません。いろいろな回答のしかたがあるけれども、現在の時点において、私どもは郵政省あるいは大蔵省とか労働省とかそういうところからこう言えああ言えということを強くひもをつけられてやられるということは、これからはできるだけ変えていきたい。ただ断わっておくけれども、一般の情勢として、大蔵省の意見というか、あるいは経済界の意見というか、そうした調査という程度の情勢判断に必要な連絡とか、あるいは関係の公社あるいは関係の管理者同士のいろいろな話し合いとか、そういうことは、いかに法律や規則がなくなっても当然やるべきことであって、そういうことを自主能力の冒涜だとは考えておりません。そういうようないろいろな話をしまして、自主的な回答はひとつできるだけやってみよう、これだけのことははっきり申し上げたわけであります。 そこで十二月十日の回答との関係と申されますが、私どもはいまもってこの十二月十日の回答もりっぱにそうした約束を守って自主的に回答したというふうに思っておるのであります。先ほど先生がお読みになりましたように、ことしの三十九年度の賃金については引き上げの要求には応じられない、引き上げの必要はない、こういうことを明言しております。これも従来の回答であれば、いま時分は御案内のように検討中ということを言って、ただ検討中ということで何もものを申さなかったのでありますが、これも明快に、だれにも断わらずに私どもはこういうことを言い切っております。 それから四十年度の四月からの賃金についていいのか悪いのかということは、現在の十二月の時点におきましては、何といっても一般の情勢判断というものをいろいろ調べて資料にしまして、私どもの腹をきめる時期ではまだないのではないか、そういうことをここで言っておるわけでありまして、そういう時期がくれば、民間賃金その他の動向も考えて私どもは態度を明らかにしますよということを言っておるので、少しも私どもは約束を守らなかったとかなんとかいうことはないのであります。 したがいまして、最近の最終の団交なりトップ会談におきましても、いずれにしましても二、三年前よりは私どもはずいぶん誠意を持って、皆さんの趣旨に沿って今日まで努力もし、また回答についても、いままでよりは良心的に考えてやってきておるのじゃないか、したがって昨年に比べてことし私どもの態度が後退したなんということは全くあり得ないのだということも強く申し上げまして、了解につとめたわけでありますが、一応もの別れになったということでありますので、長たらしくなりましたが、一応の経過を申し上げます。
○大村委員 私どもは、賃金要求に対する自主性のある回答というものは、今日の物価高、いろいろな諸情勢からして具体的に数字が出る、それがいわゆる自主性のある回答だというふうに理解しておるのですが、いま説明を聞きますと、三十九年度の賃金についての引き上げ要求には応じられない、これが自主性のある回答だということであります。しからば聞きますが、四十年四月以降の賃金の要否はいま判断し得る時期ではないということでありますが、御承知のように、来年の一月からは医療費の問題、あるいは消費者米価の問題、あるいは消費物価等々の一連の値上げが必至であります。そういうところでも、ある程度の推測というものはできるのではないか。さらにまた人事院勧告が出ておりますが、この人事院勧告との関連は一体どうなるのですか。そういう点について全く自主性はないとお考えですか。その点はいかがですか。
○秋草説明員 ごもっともなことで、たとえば人事院勧告がすでに出ていることは事実でございます。物価の情勢というものも、常識的に私どもは下がってはいないし、上がっている方向であるということは、社会人としてよく了解しております。しかしながら、これだけ大きな公共企業体のベースの算定などというものは、そう主観だけではなかなかまいりませんので、やはりその時期になって、そうした時期の熟するときに諸般の情勢をまた十分慎重に考えてやらなければならぬのでありまして、私どもは先ほど申しましたように、かりに公社の現在の拘束とか、諸般の法律、規則がとられても、四月ころの賃金を決定する態度というものは、現在の時点で明快にしておくという必要はなかろうということを申し上げている次第であります。
○大村委員 従来公共企業体等の賃金については、他との均衡、特に一般国家公務員に対する給与等がかなり勘案されてきめられておることは事実であります。国家公務員は七・九%上がるのですから、それをもって、しかも電電公社の職員が高ければ別ですよ。電電公社の職員の給与というものは他に比べてそんなに高くはないし、民間と比べても——これは太田・池田会談の中でも明らかでありますが、民間賃金との格差を縮めることは、法律的に措置を講じなければならないということもいわれておるのであって、現状で人事院勧告はすでに上がっておるのに、そして国家公務員と比べて電電公社の職員はよくもないのに、どうして上げなくてよいという理由が出るのですか。そこら辺がよくわかりません。
○中山説明員 お答え申し上げます。 その点につきまして、民間賃金、公務員賃金、公企体賃金ということについて、先生が仰せになられておるような問題がかつて議論されたこれは事家でございますが、今回の本年の五月に出されました公企体に関する仲裁裁定、それから今度公務員に関して出されました人事院勧告というものを私どもよく拝見をいたしますと、ことしについては、仲裁裁定も民間との関係のことを中心にした、そういう数字をいろいろ比較検討して裁定がされております。また人事院勧告もほぼ同じような比較考量のもとにものごとを判断されて出されております。そういうことから申しまして、今年からは私どもは民間、公企体、国家公務員の賃金につきましては、大体同じようなものさしではかられつつものが判断されてきておる、こういうふうに理解をしております。
○大村委員 頭が悪いですから、回りくどいことはよろしゅうございますから、ずばり言ってほしいのですが、人事院勧告は七・九%、平均二千五百九十八円という引き上げが九月から実施されたことは御承知のとおりであります。これは一般の公共企業体あるいは民間等と比較して、春闘で賃金が上がったから、これじゃ国家公務員が安いから上がったというように理解をされておるのか。それとも一般によく春闘でやられますあの賃金闘争に伴っての賃上げよりも先に、つまり春闘の中で四月実施とか、あるいは六月実施とかあります、公務員は九月一日からというのですが、先の分とお考えですか、あとの分とお考えなんですか、そこもちょっとお尋ねしたい。
○中山説明員 私どもの理解といたしましては、いろいろお使いになっておられる数字あるいはその数字の期間、こういうものを考えまして、いかに解釈をしても、これはやはりいま先生の申されたことから言いますならば、人事院勧告は春闘の始まりというものではなくて、あそこでみんながそろったというふうに私どもは理解をしております。
○安宅委員 関連。いまのは非常に重大な回答なんですが、上げるか上げないか水かけ論になるでしょう、この委員会は団体交渉じゃないのですから。ただ、電電公社の職員の三十九年度分の賃上げが認められない、四十年四月以降の分はまだ見通しの段階だ、あなた方の答弁の柱はおおむねそういうことで、組合に対する回答もそういう回答になっているわけです。それで、人事院勧告の分が九月から実施されるということは、その当時すでに閣議で決定し、もう天下に明らかになっておる。そうすると、足並みがそろった、春闘の始まりではないというような、労働組合の委員長に答えるようなことを、あなたは言っているけれども、そうではなくて、実態的に見て電電公社の職員の九月までの分は、百歩譲って、少なくとも九月から来年の三月までの分は、国家公務員よりおくれている、そういうふうに理解できないのですか。あなたのほうではそうじゃないのですか。そろったのですか。しかも電電公社は公社制度になって、あなた方は盛んに公社制度発足以来、生産性が上がれば還元します、そのために高能率、高賃金の制度をつくるんだということを言っている。何も国家公務員と均衡をとるなんということはどこにも法律的にありません。だから、あなた方は、ほんとうは高い賃金をくれて、そして労働生産性を上げて、公社をたいへんもうけさせていくんだということを盛んに宣伝しておったし、現実に公社はことしは予算よりも増収になっているはずです。その見通しははっきりしているわけです。そうすると、現在の大まかな、中間的な集計からいっても、労働生産性の上からいっても、それは当然国家公務員からおくれている分、九月から来年の三月までの分の問題と、その間に労働生産性が上がっているという問題、こういうものをみなひっくるめていって、当然これは、木で鼻をかんだような、三十九年度分は認められないというような回答にはならない。あなたのほうで自主的に判断したとすれば、その統計はどんな数字を使ったか。言う必要はない。奥さんに聞いたら何でもわかる。これは服部さんには申し上げないが、あなたのほうのやり方がまずいから物価が上がっていると思うのだが、現実にそうなっているでしょう。それを上げることができないなんということは、だれかからの圧力があって、上げてはならない、そんな回答をしてはならない、こういうような力が加わっているから、おたおたしてしまってそういう回答になった。つまり自主能力というものはその辺で阻害をされている証拠が歴然とあらわれている。私はそう判断をしておるわけですが、違いますか。
○中山説明員 お答えをいたします。 賃金政策の根本的な問題については、私がお答えするのもどうかと思いますから、その点はいずれ上の方から御説明があると思いますが、いまの人事院勧告の点で私春闘の始まりというようなことばを使ったのはちょっと不稔当かもしれませんが、要するに意味は、ここで公務員、民間、それから公企体というものの一つのものさしではかった均衡というものがそろったのである、こういう意味でございまして、ことばをかえて申しますと、私どもの賃金を律しております日本電信電話公社法の規定を見ますと、公社職員の賃金というものは公務員、民間賃金その他の要素を勘案してきめる、こういうふうに相なっております。その点から申しまして、公務員賃金と公社職員の賃金というものは、ことに法律的にも関係があるのでございまして、その点につきましての関係が従来いろいろと問題になっておったのでございますが、ことしの仲裁裁定、ことしの人事院勧告でいろいろお使いになっておる数字、あるいはその数字をとる期間、その他を私どもが拝見をする限りにおいて、今後公務員ベースが上がったから直ちに公社職員が七・九%上がらなければならないというものではない。ただし法律にもございますように、今度公務員が七・九%上がったということが、来年の公社の賃金を考えていく際に、現状が比較をすれば公務員と公社職員とどのような関係になっておるかということを見る上においては、やはりこれを一つの要素として考えていかなければならない。見方を変えて、角度を変えて御説明を申し上げればそういうことになるのでございまして、私はその点を申し上げたいということから、先ほどのようなことばを端的に申し上げたわけでございまして、あるいは不穏当であったかとも思いますが、意味はそういう趣旨でございます。
○安宅委員 あなたは回答しないで先ほどのことばの弁解に終始しているのだ。それはなぜかというと、何か少し勘違いしていませんか。労働組合が賃上げを要求する、さあ闘争だといってねじりはち巻きをする、そんな気持ちでペースに巻き込まれてしまって、従業員の待遇をどうするか、労働政策はどうするか、賃金政策はどうするかということを考えるのじゃなくて——あなたは職員局長だからそうかもしれませんね。総裁に聞きますが、職員局長はどうも組合から賃金の要求があった、これは春闘の始まりだ、こういう考え方でおられるようですが、これは非常に間違いだと思います。もしそういうことがあったならば、総裁どうですか。
○大橋説明員 先ほどから私静かに拝聴しておったのですが、ことばの使い方がどうか知りませんが、趣旨は職員局長が言ったことは間違っていないと私は考えます。
○安宅委員 そうすると、人事院勧告の分が九月から実施される、その間自分が使っておる電電公社の職員の分は、国家公務員との関係があることはいま職員局長も言いましたが、民間とも関係があるのですから、そんなことを言ったら、そういうことを含めて、全物価体系の状態を含めて、その分は国家公務員よりおくれをとるのじゃないかという結果になっておる。これだけは認めませんか、どうですか、総裁。
○大橋説明員 その点は、先ほど職員局長も指摘しましたように、現在の公社法の三十条の二項というものがあって、公社の賃金は、公務員の給与、また民間の賃金その他の事情を勘案してきめるとなっております。そこでここに先日の十二月十日の回答にも、いまは判断し得る時期ではないので意見表明はできないが、今後民間賃金等の動向を見ながら態度を明らかにする、こう書いてあるゆえんであります。今後われわれはその点を十分検討してはっきり自分の意見を申し上げたい、かように考えております。
○安宅委員 それは総裁、誤解があるのです。四十年四月以降のことはそう書いてあるのです、判断の時期じゃない。そこは私はいまのところあなた方に何も言っていない。私が言っているのは三月以前の分です。国家公務員が九月から実施される。きょう法律が通るでしょう。それで三月までの分はまだ考慮の、判断の時期じゃないという——あなた方は範疇からはずしているでしょう。判断の時期にきているのです。民間や公務員の賃金その他を判断して、物価その他も勘案する、労働生産性も勘案する、そういう中からいって国家公務員よりその分だけは少なくともおくれているんだなと、そういうことくらいはここではっきり言えないかと私は、言っている。
○大橋説明員 この三十九年度につきましては、この春の仲裁裁定によって各種の点を勘案して公正な判断が下されたものと私は考えておりますから、その点について何か事情が非常に変わらぬ限りは、まず三十九年度の賃金については仲裁裁定の実施で適当、こうわれわれは考えざるを得ない。
○安宅委員 服部さんに聞きますが、国家公務員は九月から実施される。計数のとり方から何からみな違いますよ。電電公社は四月ころもう妥結しているはずだ。その間国家公務員の分は九月から上がる。そうすると、かりに仮定して、電電公社と国家公務員は同じでなければならないということがあったとするならば、その後半年くらいの分は電電公社の職員だけはおくれてしまったなということになると私は盛んに言っておるわけですが、その点を逃げておるわけです。服部さんはその点非常に常識的な方でありますから、安宅の言うとおりだということになると思うのですが、どうですか。
○服部政府委員 電電公社と公務員とはこれは別だと考えます。したがって電電公社の賃金は、先ほどからるる説明があったとおりに、電電公社何とか法という点で運用されると心得ております。
○大村委員 いまの御回答についても、電電公社の職員と国家公務員とは、ずいぶん毛色が違って、黒人と白人との違いのように言われて、食べるものまで違うように言われるが、そういう答弁のしかたはきわめて不誠意で、私は不満足ですが、次をやります。 人事院勧告が電電公社をはじめとする公労協や一般と比較をして先がけかあとがけかという問題にはいろいろ議論のあるところであります。しかしそれがあとであるにしろ先であるにしろ、総裁がいみじくも言われたように、やはり、客観的な情勢の変化というものですね。よほど情勢の変化があれば別ですがと、こうおっしゃいましたが、それならそういう点からお尋ねをしたいのです。 御承知のように賃金が上がります。上がりますとすでに物価が上がっておる。これは総裁もよく御承知のとおりだと思います。一々何が——とうふが十五円から十八円に上がった、牛乳が十五円から十九円に上がった、そんな例をあげなくても、もう上げる割合というものは、一つずつ見ますと二割から三割上がっておるのでありまして、物価と賃金の悪循環とよくいわれますが、もう賃金が上がる前に物価が上がって待っておる。それにまた物価が上がっていく。これは内閣総理府の統計を、消費者物価の上昇率を見てみても言えるところです。それで情勢が変わらないか、変わったかということを申しますと、公共料金の一年間のストップの期限が切れたら、御承知のようにタクシー代が上がる、ふろ代が上がる、散髪代も四百円ということになっております。そういうように非常に情勢は変わっておる。加えて四月までは情勢が変わらないかというと、総裁あたりはどういう分析をされたか知りませんが、医療費は上がらないと言明できますか。消費者米価も政府は上げないと言っておりますか。上がるのですよ。私は絶対上がるとここで確言してもいいと思います。そういうように客観情勢は変わっておるじゃありませんか。それならば人事院の勧告を別にしましても、情勢は変わっておるのだから、ここで自主的な判断をもって、自主性を持ってそこら辺を検討されていいと思いますが、物価は上がっていない、あるいはこれから三月までは情勢の変化がない、こういうことが言い切れるかどうか、ひとつ見解を聞きたい。
○大橋説明員 先ほども私申したつもりでありますが、世の中の情勢というものは始終変わっておるのです。物価が上がることもあれば下がることもある。ものによれば上がったものもあれば下がったものもある。それが非常な著しい変動があった場合には、それは年度内に二度もあるいは改定ということは考えていいかと思いますけれども、現在の状態においては、そう非常にひどい変動というほどのことかどうかは問題があると思います。いずれこれらの今後の情勢等を勘案して、何月か先になれば適当な私どもの意見を申し上げる、こういうことであります。
○大村委員 とぼければ幾らでもとぼけがききますが、しかし現実に物価が上がっておることは御承知のとおりです。 私は過日全電通の家族が陳情に来て、ちょっと世話を焼いてくれというので付き添いで参りましたが、あなたの部下の職員局の幹部のそうそうたる連中が涙ぐんでおるじゃありませんか。子供が腹が減った、物価はパンの値段も上がった。じゃ、おやつを半分に減らすか——そういうわけにもいかない、内職をみんなやる、そういうことをるる訴えておりまして、私も何かしら目がしらが熱くなりましたが、あなたの部下自体が、あれは浪花節で何も涙を流したのではない、ほんとうにそうだと思った。ただ当事者能力がないから思い切ったことが言えないだけでありまして、消費者米価が来年一割五分も上がったら情勢の変化じゃありませんか。生活の基本ですよ。それでもあなたは物価はそう上がらない、ものによっては下がる、そういうことで答弁をされて御満足でしょうか。 私はこの前の四十六通常国会の逓信委員会の中で古池大臣に質問をしました。それは参議院の逓信委員会で、例の国鉄総裁の電電公社の交換手やたばこ巻きと国鉄の職員と一緒になれるか、格差賃金があって当然しかるべきではないかということに対して、総裁そう思われますかという質問に答えて、大橋総裁は、格差賃金を設けるべきではない。電電公社にもいろいろ苦しい職場の中でがんばっておる職員も汗水たらしておる連中もおるので、賃金の格差を認めるべきでないという御答弁をされたが、総裁はいまだにそう思っておられますかと言ったら、そう思っています、こういうことを言われました。現実によその企業と比較はしませんけれども、生活に困っておるのですよ、ほとんど内職をしておるじゃありませんか。この間来た連中を見てみますと、物価が上がって生活が苦しいからこそ——物価が上がったことは佐藤総理自身認めておりますよ。認めておる上に、さらに今度消費者米価も上がっていくのです。医療費もきょうの新聞を見ますと、相当自民党の中では意見がまとまっておるようでありますが、上がるような状態であります。薬代の半分くらい負担せねばならぬ、それがまだ負担が足りないというので、自民党内部でいわゆる医療出身の議員さんががんばっておられるようですが、こういうふうに一連に物価の基本になる公共料金が上がる。さらにそれに付随して、場合によっては便乗値上げもあるでしょう、客観性は私は変わっておると思いますが、それでも三月までは引き上げる必要がないという結論がどこから出るのですか、お尋ねしたいと思います。
○大橋説明員 先ほども申し上げましたように、情勢というものはしょっちゅう移動しておるわけでありますから、刻々一々取り上げてみなければ——相当の高さに上がったものもあるだろうと思います。しかしそう年じゅう変動するものに追いついていけるものでもないのですから——よほどひどいときは年に二度も三度も上がる。かつて戦後のインフレの時代のようなときには、そういうことも必要だろうと私ども思っておりますが、まあ今日の程度の五分、三分上がったような場合、多少それよりも上がったというようなものを一々とらえて、一つの現象だけで全体を律するわけにいかないだろうと私どもは考えておるわけであります。
○大村委員 総裁みたいな高給取りには庶民の生活の実態、職員の実態はわからないでしょう、五分とか三分じゃないのです。とうふが十五円から二十円に上がったのは五分ですか。牛乳が十五円から十九円になったというのは三分ですか。そういうものがみな蓄積されて生活しているのですよ。そういうことを言ってもおわかりにならなければ、またときをあらためて質問をいたします。 私はそういうふうに物価の上昇率から見ても、あるいは政府自体が三十九年度、四十年度にどれくらいの消費者物価が上がるという、その推測を出しておるデータからしても、当然もう上げるべきだという考え方を持っています。これは常識です。さらに公社としていまの経営の状態、立場から賃金を上げる時期に来ておるのじゃないかと思うのです。それはどういうことかと申しますと、都内、特に大都市近辺の局でありますが、新規採用をする線路屋、電報配達、こういうものにはなり手がないじゃないですか。募集をされて、どうにか将来の希望の説得をして採用したところが、ものの半年もたたないうちにぽろぽろやめておる。こういう実態が随所に出ております。こういう点こそ、国鉄の石田総裁じゃないが、大橋総裁も大いにがんばってもらわなければ困ると思うのです。これではあなた仕事がうまくいかぬじゃないですか。合理化をどんどん進めていくが、電報配達がいなくてもいいというわけにもいかぬでしょう。ケーブルを引く線路屋もそうでしょう。事実上そういう状態というものが随所にあらわれておると私どもは考えますが、そういうことはありませんか。
○中山説明員 先生の仰せになられたような、最近特定の職種について非常な雇用難が出ておる、また、やや退職率が上がっておるということは事実でございます。しかしこの点につきましては、いまの労働市場の状況というものが一般的に逼迫をしておるということもございまして、電電公社のある特定の職種のみが特にひどいということでもない、全体としての労働市場の状況が非常に影響しておる、こういうふうにも考えておるわけであります。
○安宅委員 関連。職員局長、木で鼻をかんだような、そんな答弁をするものじゃないですよ。それはどこも同じだと言うけれども、どこも同じではございませんよ。大きな企業の中ではもう別な現象があらわれておるということは、二、三日前の新聞にも出ています。たとえば具体的に言うと、東京周辺では、大都市周辺では電配屋さんとかそういう外勤の人が集まらない。そのために、私は東北出身でありますが、東北から落第したやつをこちらでもう一回採用試験をして人を採っておる。子供は電電公社につとめられるというので喜んでおる。手当もみな引っくるめてこれくらいになると言われたものだから、そうだと思っておる。国のおやじに、私は今度東京都内の何とかいう電報局につとめます、電電公社というりっぱな公社に入りますと言ったら、おやじはおやじで、隣のおやじに、今度おれのむすこは東京の電話局につとめた、なるほどな、それはたいしたものだ、月給は何ぼだ、二万円くらいだ、それはいなかではたいへん聞こえがいいが、ところが来てごらんなさい。その子供は下宿料を九千円から払っておる。おやじに言ったときには二万円だったけれども、すべったころんだで、何だかんだで引かれて、勤務地手当、超勤手当から全部含めて手取り一万三千円しかない。そうすると四千円しか残らない。彼女とデートするときにつけるポマード代もない。だからどうなっているかというと、職場の片すみで小さな弁当に紅ショウガをちょこっとのせて、塩をぶっかけて、みなに見られないようにして、こそこそと食べている職員が多い。こういうことをこの間埼玉の通信部長が涙ながらに訴えておった。労働組合の委員長が言ったのではない、あなた方の直属の部長が言ってている。そういうことについては、何とか考えてもらわなければならない時期にきている、どうにもならないのですと言っておる。電電公社自体も電配の諸君から、なるほどわれわれは電電公社に入ったけれども、電配ではいまのような交通地獄のもとではあぶなくていやだ、何とか別の職種にかえてもらいたいという労働運動とは非常に別な現象も今日あらわれておる。こういうことが現実足もとに起こっておる。それをあなたは知っておる。私も言ったことがあるはずです。知っておっても、私のところだけではなしに、日本の企業全般に言えることであって、やや退職率がふえたとか、そういうことばであらわし得る状態ではないと私は考える。さらに今後そういう要員を募集するときには非常に困難な状態になるという見通しをあなたみずから持っておられるのじゃないかと思う。そういう意味で、将来の雇用政策上こういう職種の職員なんか——私は特別に例として申し上げましたが、要員募集の将来に困難性を感ずるという危険といいますか、危機感といいますか、そういうことはあなたの頭に今日あるかないか、これだけひとつ聞いておきたい。
○中山説明員 率直にお答えしますが、このことは、いまの雇用市場の状況から申しまして、特に初任給の問題につきましては、私どもとしてもいろいろ考えていかなければならないということは申し上げても差しつかえないと思います。現にことしの仲裁裁定の際におきましても、こういうことにつきましては、労働組合の皆さんともいろいろとよくお話し合いもして、ことしはあのようにきめたわけでございますけれども、それでは現在の雇用市場等の状況から考えてどうかということになりますと、まあまあそれで何とかいけておるということにはなるのでありますけれども、将来はどうかということになれば、多少の不安は持たないわけでは、ございません。
○大村委員 いまの公社経営上の立場から賃上げが必要であるという点については、安宅委員も申しておったとおりでありまして、私は衆議院で商工常任委員ですが、今日の若年労働の人手不足、これは中小企業が中心になります。その中小企業がそういうように深刻な人手不足に悩まされておるのは、結局給与のいい大企業に引っぱられていくからであります。あなたが言われるように、一般的な傾向だとおっしゃいますが、一般的な傾向じゃないのでありまして、水が高いところから低いところに流れていくように、賃金の安いところには人が集まらない、こういう傾向が出ておるのでありまして、電電公社としてもこの問題は深刻に考えていかなければならない問題だと私は考えております。 ところで、時間の関係がありますから次に急ぎますが、あの歴史的な四・一七ストの回避をめぐって、池田・太田会談が行なわれまして、いろいろ六項目にわたる確認がされましたことは御承知のとおりであります。その中の一つとして、当事者能力について再検討しなければならない、このことが両者の間で確認をされております。そういうように確認をされたのはなぜかといえば、私が説明するまでもなく、公社自体に当事者能力がなく——公労法第八条では賃金は団体交渉の対象事項になっておる。そして団体交渉でお互いに意見が一致し合意したならば協約、協定を結ぶことができる。しかし事賃金に関しては、幾らやってみたところで、当事者能力がないから、組合で言えば不誠意な回答しか出ない。公社は出したくともそれができない。そういうことから、毎年毎年世上を騒がすところのいわゆる闘争なるものが出てくるわけであります。これは必然の結果といわざるを得ないのでありまして、当然のことであります。そういうようなことは政治として考える必要がある。そこでいま申しますように、池田・太田会談の中で、当局の当事者能力についても再検討しなければならない、こういうことになったと思うわけであります。 これを受けまして、その後政府側では、公共企業体関係次官会議が持たれまして、そこでいろいろこの問題を中心に検討されたようであります。一つとして、「公企体使用者側の自己再任を尊重するため、その当事者能力を拡大する」二つ目、「このため、公企体の予算面における国会の規制を緩和するような立法措置を考慮する」三つ目、「また行政官庁の公企体に対する規制も緩和するよう考慮する、」この三点を柱とする基本方針が私はきめられたと思うのです。そしてさらに説明しますと、この三本の基本方針を中心として考えられ、当事者能力を拡大する方法といたしましては、「公企体は予算と料金に関して国会の議決を必要としているため、当事者能力について国会の関与を受けているが、この関与のあり方を改善することが望ましい。たとえば賃金交渉などについては調停段階で話がまとまれば、これを仲裁裁定が出た場合と同様にみて、予備費などの支出ができるように改めるなど部分的に手直しすることが望ましい。したがってこの改善については立法措置が必要となる。」 「行政官庁の公企体に対する規制も緩和して当事者能力を拡大する。具体的には大蔵省が公企体の予算の流用を認めるようにするのが適当である。などの改善策を出している。」これが私は次官会議の経緯だと思います。 そういうような経緯を踏んまえて今日まできておるわけですが、一方、私が申し上げるまでもなく、佐藤内閣が誕生したときに、池田内閣の政治路線を踏襲するということが確認をされておるようであります。またそのことが確認されようがされまいが、前内閣が労使間で政治的に確認をしたものについては、当然かわった内閣の首班といえども、これは引き継ぐところの責任が私はあると思うのです。そういうふうに考えるならば、この当事者能力の問題に対して政府はどういうように措置をしたのか、ここをひとつ政府の見解をお尋ねしたいのです。
○服部政府委員 本問題は、御指摘のとおり、今春以来各省の次官会議で鋭意検討中の問題でありまするが、いまだその結論は出ておらないように聞いております。したがって現段階においては意見を申し述べることは差し控えたいと思います。ただし池田・太田会談でこの方針が確認されている以上、今後急速にこの問題が解決を見るように努力を続けていきたい。かように考えております。
○大村委員 ずいぶん気長い話だと思います。結果的に見ますと、何か四・一七ストを回避するために適当なことを言ったとしかとれないのです。そうでないとするならば、あれからすでに八カ月が経過し、御承知のように組合の闘争というのは、年が明けてからぼつぼつ始まる闘争ではないのでありまして、師走のからっ風のふところを吹き流すこの寒いときに、もうみんなは耐えられないから、物価もどんどん上がるから、ひとつ賃金を引き上げてくれ、こういう声というのは年内にほうはいとして起きる。現にいまの全電通の闘争あるいは国鉄の二千円の格差賃金の解消、あるいはまた動労もそうでありましょうし、各組合が一斉に立ち上がっておるじゃありませんか。これはお祭り騒ぎでやっておるのじゃございませんでして、実際に生活が苦しいからやるのでありまして、そういうことがあらかじめ予測されるのに、いまだに、考慮中であります、これから考えなければならないというのは、あまりにも政治上無責任ではないか。佐藤さんは繁栄の中の貧困をなくするとおっしゃっています。いま貧困でみな困っているということは、みんな適当にその場のがれでしか言っていないように思うのです。その点に対してどうなのでしょうか、無責任でないと言い切れるのですか、ひとつ次官の見解をお聞きしたいと思います。
○服部政府委員 先ほど申し上げたとおり、なるべく早くこの結論が出るように懸命の努力を払いたい、かように思います。
○安宅委員 それじゃ聞きますが、池田・太田会談というのがあったために、それを受けた形で、この間佐藤さんが内閣総理大臣になったときにやはり同じような会談がありました。そのことで池田・太田会談で話し合ったようなことを再確認したといいますか、総理がかわったのですから。そういうことについてどんな話があったのかということを電電公社の幹部からあなた照会を受けたことありませんか。あるでしょう。
○服部政府委員 残念ながらございません。
○安宅委員 電電公社の幹部はそういう会談の模様等について、実際どうなっておるのかということをいろいろな関係方面に意向打診をしておるようでありますが、職員局長間違いありませんか。
○中山説明員 この点につきましては、あの会談以来いろいろ電電公社の意見も聞こうということで、上司の方が意見も聞かれておるやに私は承っております。
○安宅委員 そこが問題です。自主的能力があるかないかはそこが問題だ。政務次官、あなた、あれは何だ。ほんとうに名刺に刷っているだけじゃないか。ほんとうに聞かれもしないのか。聞かれてないか、はっきり言ってください。聞かれたでしょう。
○服部政府委員 郵政省は電電公社のあれには介入いたしておりません。したがって、当然電電公社に当事者能力があるものと認めておりますので、その点御了承願いたいと思います。
○安宅委員 そんなことを聞かれたかどうか聞いているんだ。何だ、あなた、うしろから聞いてカンニングして、そんな答弁をしてはいけない。あなたは聞かなかったら聞かないでいいんだよ。それで、いま非常に重要な発言を職員局長はしております。たとえば公務員なりあるいは民間の賃金なり、その他の事情というものを勘案して賃金はきめると言った。それから私の質問に対しては、五月から、少なくとも、百歩譲っても、九月から来年の三月までの分は賃上げを認めないなどと労働組合に回答すること自体がおかしいではないかと、私は盛んに責めたわけですが、雇用政策が多少不安があるとあなたは言った。これらの問題も、率直にいって、その他の事情でしょうね。そういう事情を勘案して、国家公務員よりは半年間くらいはほんとうはおくれをとっておるということは、現実に認めておるんだから、そこを言ったら、安宅にその次のあげ足をとられるなと思っているから、あなた方言わないだけですよ。そういう賃金の実態とは別に、今度は佐藤内閣ができてから、佐藤さんと太田さんが会った。その内容等を、あなたのほうで各方面に照会しております。これは情報が私のほうに入っております。したがって、あなたもこれはやらないとは言えないから、上司の皆さんがそういうことをやっておるやに聞いておる、こういう答弁をしておる。実際秋草さんなりあるいはだれかがやったに違いない。総裁もやったかもしれぬ。ねえ、総裁、そういうことになると、電電公社というものは、池田・太田会談があろうとなかろうと、佐藤・太田会談があろうとなかろうと、次官会議の結果が、服部さんの御努力にかかわらず、そのままの状態であるとないとにかかわらず、そういう事情が、その他の事情も加わり、物価も加わり、国家公務員のほうからはおくれをとっておるという現実、こういうものを見た場合、当然あなたのほうで自主的な判断をしなければならない。そのときに及び腰で、佐藤・太田会談では、池田・太田会談のときの話がどうなっておるからなどというアンテナをあっちこっち張って、そうして隣近所の模様を見てから、それからしなければならない、こういう考えがある証拠だと私は思うのです。それはどうです。総裁、そんなことを聞く必要はないじゃないか、自主的な能力があるなら。どうです。
○大橋説明員 先ほど職員局長の申したのは、次官会議で審議をしておられる、その次官会議に公社の幹部の者も呼ばれて、この改正案についての意見を聞かれた、こういうことだと私は考えております。
○安宅委員 そうじゃないよ。
○大橋説明員 いえ、そのとおりです。私はそのとおりだと考えております。
○安宅委員 そうじゃない。私は佐藤・太田会談というものに限定をして、そうしてそのことが、そういう話し合いというものが、さきの池田・太田会談という、はっきりいま大村さんの言ったようなことが受け継がれ、あるいは再確認されているかどうか、あるいはどういう話し合いが行なわれておるかどうかということを、あなたのほうは益んにアンテナを張って各方面にたぐっておるのです。それが労働省のおぜん立てではなくて、橋本官房長官がやったことだからけしからぬというので、労働省がいまそっぽを向いて困っておる。それだったらたいした話し合いになっていないようだ。したがって、今度は、この次の分は、三十九年度分は上げぬでもいい、あとは四十年度分以降はさらに考えましょう。まさか自主的能力がないとは回答できないから、そういうことであなたのほうは回答しておる。これは公社の相当の幹部が言っていますよ。私のところにもちゃんと情報が入っておる。それくらいの情報がとれないなら、国会議員はやっていけませんからね。そういうのがあなた方の態度です、それが自主的能力ありなんて、そういう考え方はおかしいのです。ないからどうしたらいいのか。ひとつないとはっきり言って、大蔵省あたりを少しおどかしてやろうじゃないかという議論も、あなた方幹部の中の討論では出ているのです。まさかないとも言えないから、労働組合に対してあやふやな答弁をしているのでしょう。そのいきさつも私は知っている。そういう当事者能力がないということを労働組合にはっきり回答したっていいじゃないかという議論が、あなたのほうの幹部会議で出たということは、私ははっきり情報をつかんでいるが、そういう話はなかったですか。
○大橋説明員 この十二月十日の回答は、全然ほかの方の意見を聞いておりません。全く公社の幹部の独自の見解に基づいて返事をしております。どうか誤解のないようにお願いいたします。
○安宅委員 いや公社の幹部の話をまとめるまでの間に、そういうことがなかったのか。
○加藤委員長 安宅君、あなたはまたあとでやるのでしょう。なるべく関連は簡潔にしてください。本体がどちらかわからぬようになっても困るから、関連は関連で要旨を述べてください。
○安宅委員 そんなことを言うなよ、困ってくると逃げるようなふうに委員長言ってはだめだよ。
○大村委員 委員長、御心配なさらぬでも、野党議員ですから、私のほうで適当に調整してやります。 そこで次官、政府の見解ということになるのですが、もう一回念を押しておきますが、当事者能力とは一体何ですか。
○服部政府委員 ちょっと人事局長から……。
○曾山説明員 当事能力の問題は、大別して二つが考えられます。 一つは、予算上の制約の問題は一応別といたしまして、少なくとも自己の責任におきまして、完全な自主的な判断のもとに団体交渉を行なっているかという問題が第一点だろうと思います。 第二点の問題といたしましては、先ほど先生方から御指摘のございましたように、予算総則上の給与総額の制約がありますために、団体交渉及び調停段階では問題を解決することができず、結局仲裁裁定に待たなければならないという問題につきましていかにするか。その解決の方策として、これらの制約を自主的に解決できるということの能力が当事者能力だというぐあいに理解しております。
○大村委員 大体そういうことでしょうが、しからば今日、公共企業体には当事者能力があるのかないのか。当事者能力というものがそういう内容を持っておるとすれば、ないと判断して差しつかえないと私は思いますが、どうなんですか。
○曾山説明員 ただいまのお尋ねの点につきましては、公労法八条でもちまして、先ほど先生からも御指摘のございましたように、賃金につきましては団体交渉をし、協約を結ぶことができるということが書いてあるわけでございます。しかも電電公社につきましても、先ほど秋草総務理事からお答えになりましたように、いろいろと今年度三十九年度の給与のアップ等の問題につきましても、その必要はないということ等をお答えすること自体が、やはり当事者能力のあるという証拠であるというお話でございましたが、私どももそういうぐあいに理解している次第でございます。
○大村委員 それは当事者能力がないから太田・池田会談が持たれて、公共企業体の関係次官会議があったんじゃないですか。ないということを意思表明しているのに、いまあるというのはどういうことですか。今度は次官、政府の見解をひとつ……。基準内と基準外の予算の移流用もできないようないまの実態の中で、ないから総裁以下企業体の幹部はみんな困るのでしょう。
○服部政府委員 当事者能力はこれは当然あるわけでありまするが、実際問題として仲裁裁定に待たねばならないという実例から、これはもう当然前向きでこの問題を検討せねばならない、かように考えております。
○大村委員 実際はないのですね。公社、公団等の改革に関する意見、つまり公社制度の改善に関する見解が臨時行政調査会から三十九年九月に出ています。これは否定ができないと思います。これは政府の諮問機関です。その中に公社つまり国鉄、電電等の給与管理及び労使関係についてというのがあります。 私が説明してみますと、「国鉄、電電の職員は、公共企業体への移行の際に公務員としての地位から離れて一企業の従業員として扱われることになった。つまり各種の労働条件については労働組合と公社当局との団体交渉によって定めることが基本原則となり、団体交渉が基本的労働条件を決定する方法として確立された。しかしながら労働条件の基本的な柱である賃金ベースについては、給与総額制度によって公社の交渉当事者能力は実質上無きに等しい状態である。」ここですよ。ないのです。「つまり公社の賃金ベースの決定は企業の業績、支払能力、他産業との賃金比較などとは無関係に〔前年度ベース×定期昇給率×予算定員〕という方式で算出され、これを自主的に変更することは許されない。」ここも自主性がないのです。「しかも定められた給与総額内で、企業の自主的判断に基づいて要員を節減し、」自主的判断ですよ。こういうことはよくやられるのですよ。「これによって捻出した源資で賃金ベースの改訂を行なうこと」つまりよく言われる「(高能率、高賃金政策の実施)すら「ヤミ給与」として否定され、」されたでしょう、総裁。靱総裁はおやめになりましたね。あのときに電電内部の雑誌にずいぶん不満たらたら書いてありました。私はまことに気骨のある人として尊敬しておるのです。「「ヤミ給与」として否定され、給与総額の削減措置がとられるなど、賃金についての企業の自主的管理は全面的に否定されている。」自主性ないのですよ。いいですか、十八万おる人間を十五万に減して「高能率」、ここだけは自主性があるのです。「高賃金」ここには自主性がないのです。そうでしょう。「このため公共企業体の組合運動はますます尖鋭化することとなり政治斗争、対政府斗争を行なわぬ限り問題の解決ははかれないという意識を強めることになっている。又公社当局が労働条件の基本についての自主的解決能力をもたないため、」随所に指定してありますよ。「トップから現場までを含めた管理者に対する強い不信感が一般職員にひろがりつつあり、更に団体交渉においても肝心の賃金問題が実質的対象となりえないため、極めて些細な事項までが繰返し議論されることとなり正常な業務の運営に強い悪影響をあたえている。」これをすみやかに解消して、国民の負託にこたえる公共企業体にふさわしい運営をするために、いわゆる公共企業体の関係次官会議が開かれ、そこでいろいろと論議をされた。それがいまだに放置をしてある、こういうことですよ。政府の見解はいかにといえば、まことに済みませんが、これからひとつ誠意を持って慎重にやります、こういう御回答でありました。人間は生活をしていかなければなりません。物価はどんどん上がる。生活は苦しくなる。武士は食わねど高ようじと言われても、そういう調子にはいかないでしょう。先ほど臨時行政調査会の意見書の中にも指摘をしておりますように、常に紛争が絶えない。当事者能力がない。そのとおりでしょう。 ここでちょっと関連して質問をしておきますが、政府はそういうふうにまる八カ月も過ぎていまだにこの問題を具体化しないために、紛争が現に起きております。この紛争に対して電電公社が国民に対して申しわけがないから処分をするんだ、こうおっしゃっておられます。ここら辺は自主能力があるようでありますね。一方では、みずから約束をした、しかも池田さんが約束をし、それを受け継いで次官が検討をして善処しますと言ったことをやらないでおいて、処分をするなんてもってのほかだと思います。その責任は一体だれが負うべきなんですか。国民がみんな処分をしてくれと望んでいるのですか。いつまでも約束を実行しなければ、何ぼでもそういうことは繰り返して行なわれますよ。処分したからといって問題が済むのじゃないのですよ。問題は、その根源を除去するところにあるのです。根源を除去するというのは何か。当事者能力です。そうして公労法第八条できめてある団体交渉事項の対象になり得る賃金の問題、そういうものをお互いに自主能力で解決するようにすることが紛争の解決をはかることになるのでしょう。私は、政府が、次官がおっしゃるようにいまだにやっていないことは事実そのとおりでありまして、そういう中でみずからの責任は回避して、苦しい生活環境の中で、労働条件の中で、一生懸命でやっても、それでもできないからやむにやまれずああいう行動に出た者を罰するということは、これは本末転倒だと思います。(「違う、違う」と呼ぶ者あり)違うとおっしゃるのは——まああなたのような人を相手にしてもしょうがないですがね。 そこで次官にお尋ねしたいのですが、そういう責任は一応たな上げして、それを解決しておればこういう紛争はないのにもかかわらず、それをやらないで処分をするということが間違いなんだ、まずその見解をお聞きしたい。
○服部政府委員 先ほどから申し述べておりますとおりに、池田・太田トップ会談が事務的におりてまいりまして、自来関係各省の次官会議で検討しておることは御承知のとおりなんです。なるほど時期がおそいじゃないかという御指摘がありましたが、したがって私は可及的すみやかにこの問題が解決つくように、私のほうも関係しておる次官も出ておりますので、ひとつ早急にこの意見をまとめていく決意でおりますということを申し述べます。
○大村委員 じゃそれまでは——きわめて意地の悪い質問ですが、公共企業体等労働関係法第八条に、賃金は団体交渉の対象事項であるとあるが、その交渉は当事者能力がないですから、やっても無意味ですから待ってくださいということなんですか。
○服部政府委員 当事者能力はあるとわれわれは見ておりますので、決して団体交渉は無意味だとは考えておりません。
○大村委員 それではお尋ねしますが、団体交渉の中でかりに二千円賃上げを認めたそのときには、直ちに実施しますか。
○服部政府委員 ちょっと人事局長から……。
○曾山説明員 その点につきましては、御承知のように公労法十六条によりますと、「公共企業体等の予算上又は資金上、不可能な資金の支出を内容とするいかなる協定も、政府を拘束するものではない。又国会によって所定の行為がなされるまでは、そのような協定に基いていかなる資金といえども支出してはならない。」という制約があるわけでございます。したがって、先ほど来いろいろ議論になっておりますように、こういった制約のために資金上あるいは予算上の制約がございます場合には不可能になろうかと思います。
○大村委員 賃金は団体交渉の対象事項である。予算上、資金上不可能なことはこれはまかりならぬ。明らかに矛盾は矛盾であります。矛盾はお互いに認め合っておりながら、そのワク内で議論してもしようのないところでありますが、しかし団体交渉の対象事項である賃金と称するものを、百円上げても二百円上げても、予算上、資金上不可能とおっしゃるでしょう。じゃこれは死文じゃないですか。百円くらいならいいんですか。二百円ならいいんですか。
○曾山説明員 賃金につきまして、団体交渉いたし、労働協約を締結するためには、当然その企業体の中におきますところの財政事情その他十分に検討いたされまして、あらかじめそういった問題につき検討がなされた上で協定が結ばれることが望ましいと考える次第でございます。
○大村委員 望ましい次第ですが、望まれぬのですよ。実際にやれないじゃないですか。百円もよう出さぬじゃないですか。二百円もよう出さぬじゃないですか。それでは公社はそれだけの能力がないんですか。私も電電公社生活三十年です。数字にうといようですけれども、若干は知っています。政府が拘束をするからですよ。あるいは国会の承認を得なければならない、そういうことがあるから、口が裂けても言えないんです。どんなえさをぶら下げても、口が届かなければえさをもらったことにはならぬでしょう。一方では団体交渉をやりなさい、一方では当事者能力はありません、一方では予算上、資金上制約があります、こういう形でやって、一体紛争の解決になるでしょうか。私は法律論の解釈をめぐって議論したってしようがないと思うのです。いかにして今日のような状態を解消していって、繁栄の中の貧困をなくして、その部分部分に応じてお互いに希望を持って働くことができるか、そういうものをつくるのが政治です。いまのじゃ、まるで政策不在といわざるを得ないのですよ。事実上政策不在ですよ、当事者能力がないんですから。そうして処分はする自主能力はあります。なるほどあるですよ。定員を削減するようなときはありますよ。処分するときには自主能力はある。これは私は間違いだと思うのです。断じて処分をすべきでないと思います。総裁、どうなんです。処分をすることによってこの紛争が解決をするのかどうか、これを前提にして御答弁願いたいと思います。
○大橋説明員 自主能力の問題から発展して、処分の問題にまできたようですが、しかしながら、私のほうの処分をするということは、違法な仕事のやりぶりがあったから、その行為に対して処分をするということでありまして、何も賃上げの合法的な正しい争議については、私どもは決して処分しようとは考えておりません。
○大村委員 わかりました。処分がないものと解します。一方では、政府は約束したことを実施しない。そういう中で、やむにやまれずやること、これは自己生活の防衛じゃないですか。もっと言えば、憲法からいっても差しつかえないことです。そういうように理解をして次の質問に移りたいと思います。 〔発言する者あり〕
○加藤委員長 御静粛に願います。
○大村委員 さらに質問いたしますが、当事者能力については政府としてはいつごろまでにその結論を出す予定なんですか。
○曾山説明員 先ほど政務次官からお答えいただきましたように、郵政省の性格といたしましては、政府という資格と公企体当局という資格と、二つあるわけであります。公企体当局という資格におきましても、先ほど来問題になっておりますように、公労法の精神が、一般論といたしましては、賃金を含む労使間の紛争はできるだけ当事者同士の合意によって解決することが望ましいということでありますので、賃金の引き上げの紛争が仲裁裁定までいかなければ解決できないようになっているという、いわば実態に着目いたしますときは、次官が申されましたように、この問題につきまして電電公社の立場をも十分理解をされまして、あらためて十分な検討をする用意がある。そうしてそれの具体的な措置につきましては、政府間に持たれておりますところの関係次官会議におきまして現在検討中でございますから、それを待っていただきたいというお話でございます。 また、いわば政府としての立場からも次官がおっしゃいましたが、これはいろいろ先生方との議論の分かれるところになるかもしれませんが、次官会議の中におきまして、私ども内容はもちろん公式に受けておるわけではございませんので存じておりませんが、やはりいろいろ議論がございまして、各公企体の間におきますところの財政事情、具体的には人件費、物件費等の比重の相違等が給与に反映いたしまして、各公企体等のアンバランスが非常に出てくるというようなことになった場合の問題が問題になろうかと思います。 また、電電公社にいたしましても、私どもの郵政の仕事にいたしましても、特に郵便の仕事にいたしましても、公企体の持っております独占的な性格、あるいは民間企業との違いというようなことを勘案いたしますときに、同時に、給与をまかなうための財源がすべて国民の負担に帰するというようなことを考えますときに、少なくともこの賃金引き上げというような大きな問題につきましては、ある程度若干の制約があってしかるべきではなかろうかという議論もあるようであります。 さらには、先生方、つまり国会の立場からいたしまして、予算審議権との関係をどうするか、あるいは政府の予算編成権を、公社の場合には調整権でありますが、どうするかというような非常に困難な問題があるわけでございまして、したがって、そういうことを累次検討を重ねていきますためには若干の時間がかかる。しかし先ほど来次官が申されておりますように、現在の当事者能力の問題につきましては、現行制度につきまして若干の改正を考えていきたいという御意思におきまして、そういう姿勢で進んでおるということでございます。
○大村委員 いつまでという期限を切るのもきわめてどうかと思うのですが、しかし現実にこういう紛争が起きておりますし、約束もされたことでありますし、八カ月も経過してこれからぼつぼつ慎重に諸種の状況を勘案してなんて言われると、いつまで待っていいやら心配になるからそういう質問が出るのですが、少なくとも年末からさらに来春にかけて、一月からさらに四月にかけましていろいろと紛争が発生してくると思いますので、そういうことをお考えになれば、もうすみやかにそのすみやかは一カ月、二カ月の話でなしに、いままでの八カ月の経過を入れた上のすみやかで、早急に対処を願いたい。でないと、こういう紛争は次々に絶え間なく起きて、それこそよく政府が言われるように、国民に多大な迷惑をかけることになるから、十分考えていただきたい問題であります。納得をするわけじゃございませんが、その結果によっては、私どもはさらにまた意見を申し上げたいと思います。 それから現行制度の活用の問題ですが、私どもの存じておるのでは、十二月七日の参議院予算委員会におきまして永岡委員の質問、さらに十二日の同参院予算委員会における鈴木委員の田中蔵相に対する質問に対して、現行制度の中で活用をしなさい——その質問の要旨は当事者能力の問題ですよ。こういう現行制度の活用の中で行なってくださいということですが、一体その現行制度の活用というのはどういうことなんでしょう。問題は賃金を上げなさいということですよ。それには当事者能力がない、けしからぬじゃないかという質問に対して、現行制度の活用の中で行ないなさいということなんですが、一体どういう活用があるのか。これは蔵相の回答でありますから、本来なら蔵相にお聞きするのが妥当かもしれませんが、もし御承知ならひとつ手を教えていただきたい。
○服部政府委員 またおしかりを受けるかもしれませんが、これは予算上の問題で、大蔵省の分野に属するわけで、ちょっと答弁を差し控えたいと思うのですが、御了解願いたいと思います。
○大村委員 そう言われますとちょっと困るのですが、次官も私より詳しいと思うのですけれども、現在公社の予算制度の中で、給与について基準内と基準外賃金があるわけです。この移流用もできない、そういう実態の中で、現行制度の活用の中で、ひとつ賃金要求の問題についても考えなさい、これは私はどう考えてみても回答が出ないと思うのですよ。だからお尋ねしたのですが、そういう矛盾が随所にあります。総括して言えば、当時者能力は、どう言われても、この賃金問題の紛争に関する限りはない、こういうことで私どもは結ばざるを得ないのでありまして、何としてもこの問題は早急に解決をしてほしい。労使間で解決をしようとしても、私ども国会で総裁以下公社の幹部をずいぶん攻撃いたしますが、これはどの攻撃してみても、政治的に解決をしなければならない問題がたくさんあります。法の制約があるんですから、そういう点は何ぼ電電公社が当事者能力でふんぞり返っていばってみたところでないのですから、やはり政府は積極的にこの問題を取り上げてやる必要がある、このことを強く要望しておきます。 いろいろまだ質問もありますが、私の質問はこれで終わらしていただきます。
○加藤委員長 安宅常彦君。
○安宅委員 それでは服部政務次官に聞きますが、臨時行政調査会の答申に書いてある内容、その程度しか電電公社等には当事者能力はなし、こういうふうに書いてあるのですが、あのとおりのことは認めるわけですね。あれは尊重しないのですか、あるいはそんなことはないという考え方ですか。どっちですか。
○服部政府委員 いろいろと論議されましたが、それについて、先ほど来申し上げておるとおりに、次官会議でせっかく検討中ですから、その結論を待ってひとつ出したいと思います。
○安宅委員 当事者能力は、臨時行政調査会の答申の内容に書いてあるそういう状態だ、そう答えればいいんです。あなた、そうじゃないんですか。違うのでしたら違うことを言ってくださいよ。
○服部政府委員 これは臨時行政調査会の意見でして、ちょっと前向きになりますが、労使関係については審議会を設けて労働基本権の拡大を争議権を与える方向で検討し、特に公社側の当事者能力の確立をはかる——これはたいへん前向きの答弁になりますが、ことを十分に考えてみるということなんです。
○安宅委員 それでは電電公社総裁、その臨時行政調査会の答申の内容をごらんだと思いますが、大体その程度の当事者能力しかないという御判断なのか、そういうことについてお伺いいたします。それ以上あるのですか、ないのですか、それだけでいいんです。
○大橋説明員 先日予算委員会で鈴木強さんの御質問がありましたから、それに対しても答弁いたしたのですが、現在給与に関しては団体交渉事項として協約が結べる、こういうことが御承知の八条の規定にあるわけです。したがいまして、当事者能力なしとは断言はできないと思います。ただ、これを実行するにあたりましては、各種の制約がありますから、非常に困難であるということを申し上げたのです。できるだけその困難を排除しまして、できるだけ働きいいようにしていただくことは私は非常に望ましいと思います。
○安宅委員 そういうことを聞いているのじゃない。総裁、それはわかります。なるほどそのとおりだと思います。実態は臨時行政調査会の答申程度です、こういうふうに考えているのか、それ以上あるぞと考えているのか、どっちなんです。それは困難がありますとかなんとかじゃなくて、困難があるのは初めからわかっているのです。あなたに同意をしているのです。だからその程度なのか、それ以上なのか。秋草総務理事そうですか、あなた担当だから……。
○秋草説明員 調査会のあの答申は、解説といいますか、対策の意見じゃなくて、現状はこうであるという御説明だと思いますが、この点につきましては、個条書きで一々こういう点、こういう点、こういう点というふうに明記してあるものではないのであって、ことばのとりようではございますが、私はおおむねあの説明は正しいと思っております。
○安宅委員 あわれなるかなないのだ、実質的にはないのだ、そういうことだ。わかりました。 それでは政務次官、私はこの間、郵政省が、おもに郵便の集配をやっている人、そういう人々が集まらないからというので、募集手当などをくれて人を集めるという前近代的なことをやってけしからぬじゃないかということを質問したら、それは公共職業安定法に違反していない、こういう答弁であったのですが、初めて聞いたことでありますからあとであらためて統一した意見を申し上げます、こういう大臣の答弁でありました。きょう大臣がいないのだから、どうなっているか、あなたが答弁してください。
○服部政府委員 お尋ねの点は、人が来ないことや郵便局の退職者の漸増に伴って、本年六月末現在で約五百三十人の欠員の状態となったため、この欠員補充施策として本年の夏以来その要員の確保をはかった問題であります。なお募集にあたっては、公共職業安定所に求人申し込みをしたほか、各種の広報活動等を行なって採用人員の確保に万全を期したわけであります。 職業安定法違反云々でありますが、また募集手当支給の問題でございますが、最近における雇用難の実情にかんがみて、早急に要員を確保することは困難であると判断いたしました。就職希望者のあっせんについて職員各位にも協力を求めました。このあっせんについては、協力を求めた者に対して、特別に募集手当などの手当は支給いたしておりません。ただし、勤務時間外に要員確保に協力していただいた関係もありますので、このような場合には超過勤務手当を支給いたしました。通常、職員をあっせんするために公共職業安定所及び高等学校の就職担当教官との接触などを必要とするが、そのために実費の補償をすることは、従来も実施されていたことであり、予算上または会計上からも特に違法にはならないと心得ております。
○安宅委員 それでいいのですか。監察局長、どうも言いにくいのだけれども、超過勤務の命令をして人を集めさせる、こういうことですね、いまの答弁は。そういうものに超過勤務手当をくれることは——郵便の職務なら郵便の職務、為替だったら為替という職種の線はちゃんと引いてある。それ以外に郵政省では貯金の募集をする、保険を募集することは聞いたけれども、人の募集までして超過勤務手当をくれるなどとは、実は初めて聞いたのだけれども、それは背任になりませんか、どうですか。
○稲増説明員 管理者が職員を募集するためにやるのは当然管理者のつとめです。管理者以外の職員の場合は、管理者の命令を受けまして募集することは当然でありまして、それが時間外にやりますれば、その実働時間に従いまして超過勤務手当を払う、かようなことになります。
○安宅委員 実はたいへん言いにくいことですが、労働省のそういう係の人をぜひ呼んでもらいたいと委員部に話をしたら、郵政省の中でだいじょうぶでございます。こういう話だから、私は逓信委員会のことだから、何もほかの省の役人を呼んでこようなんという大それたこともやれないと思って非常に低姿勢なんです。そういう答弁だったら、これは呼んでこなければ話になりません。とんでもないことです。 それでは服部さんに聞きますが、人を集めた場合に実費弁償みたいなことをやっておった。そういうことについては、これまでも行なわれておったし、そういうことは職業安定法違反にならない。こういう答弁でありますが、その法の根拠を第何条ですか、はっきり答弁してください。
○服部政府委員 決して命令ではなくて、(安宅委員「命令しなかったら超過勤務手当を払うのは違法ではないか」と呼ぶ)やはり欠員があると完全業務遂行は困難である。また、欠員があれば欠員があるだけ、他の職員に過重になってくるということを御理解願えると思うのです。したがって、命令でなくて、協力を要請した、それによって協力してもらったので、ここで命令しなかったら超勤を出せないじゃないかという御指摘がありましたが、それから背任ということも御指摘がありましたが、予算上も協力していただいたから、やはり管理者は一部の方に労働過重することは忍びないという立場で、これに対する理解の問題だと思うのです、正直言って。あなたが御親切に、労働省を呼ぼうと思ったが、逓信部内のことだから理解してということはありがたいおことばで、その理解をもう少し延長してもらえればその点も御理解願えると思うのでよろしくお願いいたします。
○森本委員 政務次官、これはいいかげんな答弁をしてはだめですよ。やはり国会というところは法律に基づいての論争をやっておるわけでありますから、これは協力とかなんとかいうことでなしに、やはり超過勤務手当を出すならば超過勤務を命令しなければ出せないはずです。だからその点について、手当を出しておる面については、明らかに管理者が命令しなければ出ないはずです。だから、そういうふうな問題について、政治的なそういう答弁をすることと、それから法律上の問題とは、これはおのずからはっきりしていかなければならぬ。政務次官といえども、平生から親しいからといって、いいかげんな答弁をしては困る。そういう点については、はっきりしておかなければならぬ。要するに、超過勤務の命令というものを、職員の募集ということでなしに、その他の業務ということで募集したとか、あるいはその他の面で超過勤務を命令したとかいうことになれば、答弁が逃げる答弁になってくる。そういうことを教える必要はないけれども、実際問題としてそういう超過勤務を命令しなければできないわけでありますから、それがいま言ったようないいかげんな協力とか、それに対する報償とか、報償なら報償でそれに対する名目があるわけです。だから、政務次官として大臣の代理として答弁しておるわけでありますから、一応はっきりとしていただきたい、こう思うわけです。
○服部政府委員 まことにふなれな点で恐縮いたしております。私が言い過ぎであったかと思います。とにもかくにも、何ぶんにもこの種の問題には経験も浅いわけでございまして、いま森本委員から御指摘があったとおりに、私はあくまで協力という字句を使いましたが、何ぶんにも確保するために、業務命令の内容も十二分に関知いたしませんが、そのように訂正させていただいて、ひとつ御理解願いたいと思います。
○安宅委員 あんたは政務次官として答弁しておるのですよ。この間大臣は、話を聞いておると重重ごもっとものように聞こえる。したがって、初めて伺ったことでありますから、職業安定法の問題で、いかなる名目であっても、人を職業あっせんする場合には金を取ってはならないと書いてあるのです。それから政府みずからがやる場合にも、労働大臣の許可を得てそういう場合にはやらなければならない、こう書いてある。労働大臣の許可もいっていないし、それから無償でなければならないはずの職業あっせん、これはあなたみたいなことを言うと、私がやった、そうしたら実費弁償をみな取って出かせぎの労務者をみな私が手配した、これはまことに重大なことになるのですよ。あなた方、郵政省だからやって悪いということはない、そういうことでは法律違反に明らかになっておるんだ、結果的には間違いであります。しかし、人が足らないから——ほんとうの話、私はそれを聞きたいのですが、なぜ欠員が集まらないのか、先ほどの賃金の問題を中心にして聞きたいのですが、話がそこまでいったから具体的にはそのことだけ聞いておるのです。その場合に人が集まらないので、当事者の努力もないし、賃金も上げられない、初任給も上げられないから苦しいんだが、苦しまぎれにそうやったことが、事実上法律に違反しておった。これは今後やりません、まことに申しわけありません、これだったら話がわかる。あなたのいまの答弁は、郵政省の幹部が書いた原稿をそのまま棒読みしたんだと思うのですが、そんなことでは政府の統一見解になりません。それがもし政府の統一見解だとすれば、当然これは労働大臣をまず呼んでもらわなければ困る、こうなるのです。どうなんですか。私が相当示唆を与えておりますが、そういう答弁になりませんか。
○服部政府委員 御指摘のとおり、この金の問題についてはもうすなおに、ある程度御趣旨のとおり私ども理解できます。したがって、非常にむずかしい問題でありまするが、もう少し研究いたしまして、今後のいわゆる欠員確保についても十二分にいまの御注意を尊重いたしまして、万遺漏ないように今後もしていきたい、かように考えます。
○安宅委員 結果的に職業安定法に抵触しておったということを認めたわけですか、認めないわけですか。そこのところをはっきりしてくださいよ。
○曾山説明員 ただいま法律の問題につきましてお尋ねがございましたので、ちょっと付言さしていただきます。先ほど先生から御指摘のありました問題二点ございまして、国が自己の職員を雇用いたします場合に、労働大臣の許可が要るかどうかという問題が第一点と、第二の問題といたしましては、御指摘の職安法四十一条によりまして、財物等の給与をしてはならないという点に違反していないかという二点の問題があろうかと思います。 第一点につきましては、先生御承知のように、職安法におきましても、他の規定がある場合ということでございまして、他の規定が国家公務員法の任用の規定にきているわけでございます。したがって、私どもの仕事、御承知のように国家公務員法の適用を受けますので、この任用の節に従って任用する。当然労働大臣の許可を得るということにつきましての制約を免れておるわけでございます。 ただ第二点の問題につきましては、いま次官からもお答えがございましたが、これにつきましてもいろいろ見解があるということを承知しております。先ほど御指摘のありました四十一条を、理屈っぽくなりますが、御理解をいただくために申し上げますと、「労働者の募集を行う者は、第三十六条又は第三十七条」云々とありまして、同条つまり三十七条二項の規定によりまして、「労働大臣の許可を受けた報償金又は実費弁償その他被用者に支給する賃金若しくは給料及びこれらに準ずるものを除いては、財物又は利益を与えてはならない。」除いておるという除外例があるわけでございます。そうすると三十七条の二項では、「被用者以外の者をして労働者の募集を行わせようとする者が、その被用者以外の者に報償金を与えようとするときは、労働大臣の許可を受けなければならない。」とございます。したがって、労働大臣の許可を受ければできるのでございますが、行政解釈がございまして、被用者以外の者とは「募集主の委託を、受けて募集に従事する者で、募集主とは雇用関係のない者をいう」というのであります。そういう一応の解釈になるわけでございます。 しかし、そう申しましても、先生すでに御指摘になりましたように、この超過勤務手当の支給は、事実超過勤務手当という形での支給区分に従って支給しておりますが、形式的にはその面からも違法ではございませんのですが、その額がこの前の委員会でも三千円、千円ということをおっしゃいまして、実際の超過勤務時間が千円以内のものにつきましても、千円をやっておったという例が、その後調べましたところ出てまいりました。そういう点からいたしますと、先生御指摘のように、そういうものにつきましては、私どもいろいろと問題になろうかと思いますので、次官もおっしゃいましたようにいろいろ問題がございますから、私ども率直に従来のそういった実態を今後は生じせしめないように極力指導をいたしまして、御趣旨に沿って努力いたしたいと思います。 なお、次官からも再々お話がございましたように、また先生御指摘のように、東京都内におきます若年者職員の募集は非常に困難でございます。政治的なお願いかもしれませんが、どうぞそういう点も何とぞ御寛容と御理解をいただきいと存じます。
○安宅委員 ぼくに月給くれていないで、御寛容などと言ったって、だれ一人集まるかい。とんでもない。そんなことはだめです。あなたの答弁の趣旨を聞いていると、国家公務員法があるから労働大臣の許可を受けるという条文を免れておるのであるという御趣旨ですね。そしてその上に立って、今度は超過勤務手当を、超過勤務した以上にくれておった分についてはまことに申しわけない、こういうことです。それでは人を集めるために、超過勤務を何時間してまいりました。あなたのほうで何時間の超過勤務を命ずるという前提に立って私は何時間してまいりました。局の中でするのじゃありませんから、募集しに行ってデートしようと何しようとわけがわからない。それは確認することもできない。そういうものに超過勤務手当というものを支給することがいいのか悪いのか。超過勤務手当という名目で、その実費弁償という意味での手当を支給するのがいいのかどうなのか。超過勤務時間以外に相当する超過勤務手当を出したのはけしからぬような気がする。こういう答弁というものは、ほんとうの枝葉末節であって、そうではなくて、超過勤務手当というものをそういうものに使っていいのかどうか、監察局長どうです。
○稲増説明員 監察局といたしましては、そういうことはないと思っております。
○安宅委員 いいのか悪いのかと言っておるのです。答弁をやり直してください。
○曾山説明員 私調べましたので、私のほうから答弁さしていただいたほうがあるいはいいかと存じます。先ほど千円、三千円という話が出ましたが、私どもそういう話があるということを調べた過程におきましては、実際は予算を配賦するめどといたしまして、先生方御承知のように、一種の配算単価という形で、現業局に支給いたしまして、その範囲内において、たとえば先生御指摘のように、二十時間だったら二十時間、そういうことを申しましても、支給するのはたいへんでございますから、千円相当の、たとえば五時間なら五時間の範囲でひとつ見つけられるものを見つけてくれというような指導でなかったかと思うのです。そういたしましても、若干私ども苦しまぎれかもしれませんが、本来の超過勤務手当は本来の業務それ自体とつながったもので出すことが一番望ましいのでございましょうが、さればといって事実勤務時間外に上司の依頼を受けまして人を集めてくる、雇用してくる、それに超過勤務手当を出すということにつきましては、違反ではないというふうに感じております。しかし、先ほどから何回も申し上げますように、その出し方がルーズだったと思いますので、再々申し上げますが、私どもの非を認めまして、今後そういうことのないように、せっかく指導をしてまいりたいと存ずる次第でございます。よろしくお願いいたします。
○安宅委員 職場にこのごろ外務員が集まらなくて困っておるから、皆さん集めてきてください。親類縁者をたよって集めてきた人には、一人集めれば三千円、内勤の人一人連れてくれば二千円あげます。世の中にそんな超過勤務の命令のしかたがあるか。 それからもう一つは、郵便局長などがそういう仕事にあたっておる。この人たちの超過勤務手当は支給しておるのですか。郵政省は管理職というものには超過勤務手当は支給しないことになっておるはずですね。それから監察局長は、先ほど管理者が、人が集まらないためにそういう仕事をするのは当然なんだと言われたが、管理者でない人も集めてきている。それはどうです。 もう一つ、人ごとのように人事局長はそういう事実があったようでありますがと言うけれども、だれが命令したのですか。郵便局長が自発的にやったのですか。あんたのほうで金を出したとなれば、あんたのほうで命令したのじゃありませんか。自発的にやったものになぜ超過勤務手当という原資を使って金を出したのですか。以上一つ一つ、時間がないからはっきり、あっさり答弁してください。
○曾山説明員 御指摘のように、管理者につきましては超過勤務手当が出ませんので、先ほど来次官もおっしゃいましたように、物件費を支給いたしまして、ちょうど従来非常勤を雇うのと同じような形においてやってもらったわけであります。これはお話でございますけれども、管理者の仕事に当然含まれておりますので、問題はなかろうと存ずる次第でございます。 第二の、平素その仕事に携わっていない郵便の差し立て区分をするとか、そういった人、あるいは電話交換をするといった人につきまして、そういうことをお願いしたということになりますと、先ほど来申しておりますように、局長の依頼を受けまして、また規定的には権限の一部の委任を受けましてやったというふうに理解しておるわけでございます。 第三の自発的にやったのか、それとも省が命じたかということでございますが、これは私自身のことを申して恐縮でございますけれども、ことしの五月の末まで東京の郵政局長をしておりまして、いかにして欠員を早く充員するかということで苦心しておりました。しかも、私、本省に参りましてから、東京都内におきます深夜伝送便ということで、郵便の赤い自動車を夜走らせて、できるだけ郵便を二十四時間処理するという形におきまして郵便の速達をはかるために増員をしたわけでございますが、その増員の過程におきまして、先ほど次官がおっしゃいましたように、五百三十人かの欠員が急に出ましたものですから、それに対処するために、いま何とか管理者も一般従業員もあげて努力しようじゃないかという、自発的なと申しますか、お互い期せずしての声が上がったわけでございます。これにつきましては、東京地区の組合の方からも要求がございました。ある一定の時点までに人を完全に充員しなければ協力しないということがあったのでございますが、それこれ考えますときに、私どももいろいろと問題——御指摘のように特に千円、三千円といったような問題につきまして若干不首尾があったと思いますが、先ほど来申しておりますので、その点につきましては御了承願いたいと思います。
○稲増説明員 ただいま人事局長が申しましたとおり、職員が、局長の命を受けて職員を募集するということは違法ではないと思います。
○森本委員 ちょっと曾山君のいまの答弁で、管理者には物件費から出ておるという答弁があったが、それはどういう意味ですか。
○曾山説明員 個人支給をいたす物件費の支弁ということではございませんで、御承知のように非常勤を集めます場合に、学校の管理者、学校の職員、担当の職員の方と庁費でもっていろいろと懇談会をやるというような形でございます。したがって、個人が自分のふところに入れるということではないわけでございます。と申しますのは、管理者の当然の職務でございますから、管理者が自分のふところに入れるのは許されないというふうに理解しております。
○森本委員 そういう経費が現業局にありますか。ちょっとその経費の出どころがおかしいように思うのです。物件費というのが、たとえば補食費なら補食費という形において実際に補食された形で出ておればなんですが、物件費の中からというのはちょっとおかしいと思うのです。
○曾山説明員 御承知のように年末等になりますと、私ども、必ずそういった庁費を全郵政局に配賦いたしまして、できるだけ早い機会に懇談も遂げ、優秀な非常勤職員を獲得するようにということで経費の令達をするわけでございます。それと同じような趣旨をもちましてこの緊急な、先ほど次官の申されました方針のもとで処理をいたしますためにそういった処理をとったわけでございます。
○安宅委員 その辺は納得できません。それから非常勤非常勤と言いますが、募集したのは非常勤なんですか、ほんとうの本採用の国表公務員なんでありますか、どちらなんですか。
○曾山説明員 臨時補充員でございまして、したがってそれから一定の期間、たちますと、本務者になることを約束された職員でございます。
○安宅委員 国家公務員法上の問題で、この職業安定法の労働大臣の許可を受ける責任を免かれているというのは、それは任用の問題で国家公務員法では明らかにしてあるわけですね。そうでしょう。それ以外にあなたのほうでは任用の方法はあるのですか。
○曾山説明員 任命の規定に従って、つまり国家公務員法の規定だけで私どもは職員の任用をしているというふうに理解しております。
○安宅委員 それでは集まらないから、募集手当をくれてやったということですか。そういうことについては、あなたのほうで幾ら逃げようったって、逃がしませんよ。したがって、あなたのほうが最後までそれで突っぱるんだったら、超過勤務手当の支給のしかた、金がどこから出たのか、自発的に郵便局長なりがそういう人を募集したというならば、その金の出どころ、自発的にやったものに金をくれていいのかという問題、それから職場に張ったのはだれが張ったのか、こういう問題全部ひっくるめて、職業安定法違反を中心にして、私はこの問題はもっと別な意味から——あなた方が最後まで逃げるんだったら逃げ道を閉ざします。そういうことをここで宣言しておきます。もし、もう一回政府が相談をなさって——監察局長もよく聞いてくださいよ。あんた、それを見逃がしたことになりますからね。そういう問題について協議をして、ちゃんとした解釈が出てこない限り、私はそれを許すことはできません。御寛容の態度を腸わりたいと言ったってだめです。
○服部政府委員 ただいまの問題について、私も慎重に安宅委員の発言内容を聞いて、まことに遺憾な点があったことをすなおに認めます。今後はかようなことを繰り返さないよう十二分に法的に踏む道は踏んで、御心配のかからぬように配慮いたす考えで決意をいたしておりますので、ひとつこの点は御了承を願いたいと存じます。
○安宅委員 それはたいへんよろしいです。ただ、そのわびるしかたにもあるんですね。おれはこの点悪くないんだぞ、かんべんしてくれなんというわびのしかたは、あんたはやっていないが、うしろの人は一生懸命やっておるんだ。それは問題だから、その辺も考えてはっきりした統一見解をまとめてください。 次に、私はこの間電電公社と郵政省との中途採用者の初任給の算定の比較を出してくれと言った。その比較を出してきた。たいへん回りくどいことばが書いてありますが、別表その他を見るときに、電電公社より非常に悪いようだ、非常にとは書いてないが、おれの見方だと非常に悪い。大体あなたのほうで電電との間にいろいろのいきさつがあったけれども、組合が反対をしているからうまくないのだ——ろくな案を出さなければ反対をするのはあたりまえで、人が集まらないから労働組合のほうからも要求があったからとか、労働組合に責任を転嫁するような話をする。おれが社会党だから、何か労働組合の御要求がございましたとか、労働組合の反対があったからうまくいかなかったとかいうように、労働組合にかこつけるようなことばかり人事局長は言っているが、現実の問題として、郵政と電電公社の中途採用者の待遇の違いがあるということを、あなたはこの資料について認めているということに理解してよろしいですか。 それから電電公社の方に伺うのですが、電電公社は郵政省より有利ですか、不利ですか。
○曾山説明員 御要求のありました資料をごらんいただきまして、いまのお話があったわけでございますが、私どもも率直に申しまして、先生のお手元に差し上げました資料にも入れておりますように、電電公社と郵政では中途採用者の初任給の算定方法はかなりの差がございます。どちらがそのものにとって有利かということになりますと、電電の期間の計算とか、あるいは職種とかいうような関係で個々のケースで異なりますので、一がいには言えぬのでございますが、しかし、率直に言って、一般に電電が有利だということは認めておるわけでございます。ただ、事情がこちらとちょっと違いまして、三十八年の十月にこの換算表、つまり中途採用者の初任給につきましての普通換算表を改正いたしました。郵政の場合は基本給等につきましては、二十六年の四月ということでありますので、差がありますのは、決して私ども当然だとは考えませんが、先ほど来の年末の全逓信労働組合並びに他の組合との団交の過程におきまして、鋭意煮詰めてまいりまして、省の案もすでに先生のお手元に差し上げましたかどうか、資料でお示しでありますように、組合側に示したわけでございます。しかし、組合側が省側の改正案を不満といたしまして、公労委の仲裁裁定の申請を行なうということになってきた次第でございますので、私どもやむを得ないことであろうというぐあいに考える次第でございます。
○中山説明員 お答え申し上げます。 この採用者の問題は、私どものほうの全電通労働組合から、中途採用者で給料が非常に低い人があるということから要求がございまして、私どもも交渉してまいりました。この中途採用者の問題は、是正をはかるにいたしましても、中途採用者そのものの中にもいろいろ均衡を気をつけなければならぬ点もあるので、私どもはそういう観点から遺憾のないようにいろいろと組合とも折衝いたしまして、いまのようなことに決定を見たわけでございまして、どこと比較してどうこうというようなことで私どもはやったわけではないので、これは組合といろいろな中途採用者相互の関係その他に無理のないようにということでやったわけでございまして、どこより低いからどうとか、どこより高いからどうとかいうことでしておるわけではございません。
○安宅委員 たいへん自主的になりました。こまかいことは当事者能力でやられたのだろうと思いますが、おかしいですね。さっきの話とたいへん違ってきました。郵政省が省側で出した案を組合はのまないと言いましたが、あなた方が出した案そのものが電電公社よりまた現行より悪いですよ。だから全逓がむくれるのはあたりまえの話で、そういうことをあなたのほうで言っていて、そして生活保護をもらったほうがかえって有利ですと、市役所に照会したらと言われたような職員をたくさん本務者としてかかえておって、そして人を集めるときには三千円くれるなんという人買いみたいなことをしなければならぬ、そういうことをほっておいていいのか悪いのか、非常に大きな問題です。 そこで私は聞きますが、どうなんですか。この間私が言いましたように、四畳半に家族五人で、あまり表現が悪いところはあとから議事録を消してくれと言いましたけれども、ほんとうに困ると思うのです。おばあちゃんとおやじと奥さんと子供とがいるのです。大体労働基準法の関係で宿舎規定でありますか、規則があるはずでありますが、郵政省が四畳半に五人住ますということはこの法律に違反しておりませんか、それはどうなんですか。
○曾山説明員 先般御指摘がございましたように、職員の住宅という点につきましては、率直に申しまして私ども完全というぐあいには思っておりません。ただ制度的に言いますと、御承知のように国家公務員の宿舎法のたてまえは、業務上必要な方に布令を支給するという形でございまして、したがって、一般のいわゆる労働安全衛生規則の適用の対象になりますところの民間企業における宿舎というものとは、性格がちょっと違うのでございますが、しかし、さればといって決して民間に劣るようなものを私どもつくったということではございません。極力、先ほど来御指摘のありました若年労働者の採用にあたりましても、ほとんど全員を入れるような宿舎をつくりまして採用に努力しておるような次第でございます。そのあおりを受けまして、先生御指摘のように、いわゆる小世帯、つまり家族構成が四人くらいの方たちの宿舎がこの一、二年圧迫を受けたことは事実でございます。そういう点につきましては、先般も申し上げましたが、共済資金と予算の増額を相当計画いたしまして、現在折衝中であるわけでございます。
○安宅委員 最後になりますが、電電公社はどことも比較してきめたことではない、自主的に労働組合と話し合った結果そうなったのだ、こういうたいへん当事者能力みたいな話を言っていますが、郵政省、あなたのほうも、先ほど言ったように、電電公社は国家公務員あるいは民間産業その他との比較、そういう待遇の問題、処遇の問題、賃金の問題では非常に関連がある、こういう答弁をしておるのですが、あなたのほうだって、同じかまのめしを食ってきた人がたくさんおりますよ、郵政省、電電公社なんというのは。そういうときに、電電公社のやつは比較しないということは言えないと思います。大体それと同じくらいにしなければならないと思います。ほんとうは郵政省はそれ以上くらいやらなければ人が集まらない。電電公社は電配が集まらぬという話を私がさっきしましたが、あなたのほうはもっと苦しいでしょう。そうしたならばあなたのほうでは中途採用者なり——国家公務員法に基づいて人事院の試験をやって、郵政職の四級ですかなにかとって入ってくる人はもはやいないから、しょうがないから、あなた方いいかげんといっては語弊があるかもしらぬけれども、いわゆる中途採用者を一生懸命募集しておるのです。そういうときに、私らのほうでは案を出したけれども全逓信労働組合がこれに反対するからしかたがないと思いますなどという答弁ではなくて、少なくとも電電公社がやっているくらい以上の案を出さなければならない。そうでないと、これは雇用政策上困る、そうあなたは思いませんか、どうです。
○曾山説明員 先ほど電電公社中山職員局長が申しましたように、私どもといたしましては、最も合理的な普通換算表を作成するという自主的な気持ちでやっておるわけございます。おのずからそこには道がはっきりしているわけでございまして、たとえば具体的な例になりますが、地方公務員として、あるいは公共企業体の職員として在任した前歴期間というものを八割ないし十割見るということにつきましては、電電公社も同様だというぐあいに現形をしております。こういう基本的な問題につきましては何ら差異があるわけではございませんし、これはあくまで合理的な原則にのっとってしかるべきだというように考えるからそうしておるわけでございます。 なお、非常に問題になりましたその他の期間に入りますものにつきましては、先ほど来御指摘がございますように、若年従業者の獲得が非常に困難でございますので、これにつきましても、これを思い切ってと言っては語弊がございますが、私どもといたしましては、予算の制約等もございますので、相当思い切ったつもりで上げたのでございますが、なおそういう案を提示いたしましたけれども、組合側ののむところとならず、仲裁に持っていったわけでございます。仲裁裁定でこれがかりに、省の案ではやはり少しきびしい、もう少し上げるべきだという裁定が出れば、当然それに従って私ども修正してしかるべきだというぐあいに考えるわけでございます。
○安宅委員 仲裁なんか求めぬでも、ほんとうはそれくらいなことは、全逓どうですか、この辺奮発しましたくらいのそういう労働政策というものをやらないと困るんですよ。もうけちけちして、五円出すところを三円くらいにして、あとで仲裁で二円なんというものでない、そういう性格のものです。こういう案は、賃金を二千円上げるとか三千円上げるということと違います。そういう心がまえだから郵政省はけちんぼだと言われるのですけれども、それで従業員を生活保護基準以下の人をたくさん雇わなければならない。だから募集手当というものがなければ人が集まらない、こういうことになる。これはあなた、たいへんいい話でありますが、せっかくそこまで踏み切ってお答えになるのだったら、仲裁とか調停とか四の、五の言わず、全逓ともう一回話し合って、実は国会で問題になった、したがって修正案というものを考慮しようじゃないか、そういうような労使円満な解決の方向に努力する、そういう意思はありませんか。
○曾山説明員 先ほど来申しましたように、いわゆる当事者能力、こういう点でもございまして、処遇改善をはかるという点につきましては、私どもも大いに努力すべきだと思うのでございますが、いまここでちょっと申し上げるのをはばかるくらい、組合案によって現在の普通換算表を直しますと膨大な予算を食うことになるわけでございます。ただいまの財政状況からいたしまして、できるだけのものをはたきまして私ども示したという形になっておりますので、その点御了承願います。
○安宅委員 最後に、郵政審議会の郵便事業近代化に関する答申の中に書いてある、臨時者というのは本来の本務者より、賃金は、日ごろの一日一日の賃金というものは原則として高くなければならないのに、郵政省の場合には本務者より臨時者のほうが一日当たりの賃金が安いということが書いてあります。それはけしからぬというようなことが書いてあるのですが、あなたはそう思っていると思うのです。したがって、資料として出してもらいました「郵便局で雇用する臨時雇いの賃金日額について」というこの金額を見ますと、大学のアルバイトだってこんなばかくさい、だれが行くか。東京あたりで六百六十円だね。外務職以外の分は五百七十円、最低は四百三十円。四百三十円でアルバイトに来てくださいと言ったって、だれも来ないですよ。こんなものをつくったってだめだ。そういう意味で、これは郵政審議会の答申とにらみ合わせて早急に改正しなければならないというようなお考えがあるかどうか、それを聞いておきたいと思います。 ただ、最後に念を押しておきますが、先ほどの、募集手当をくれて人を集めた件について職業安定法違反ではないと最後まで突っぱるならば ——これは悪うこざいましたという意味の政治的な発言は次官から承りましたが、その内容について、どうしても先ほど答弁した分は消えておりません。政務次官が幾ら政治的な答弁をしたとしても、人事局長がいろいろと逃げたりそらしたりした分は議事録から消えておりません。そういう問題を含めて、そうしてはっきりした統一解釈といいますか、そういうものをこの次の委員会で承らない限り、これは郵政省かってにそんなことをされたらたまったものではありません。なぜかというと、その根本は労働者に対する賃金が安いから人が集まらないのでありますから、それを度外視しておいて、そうして中途採用者の人の給料を上げると膨大な予算を食うなんて言いながら、人を集めるようなときの金はどこからともなくひねり出して、一人集めれば三千円なんていう、基準も何もないような金を出しておいて、基本的に労働者に対する賃金を押えておくなどという誤った政策を今後とられてはたまらぬから、私は、この問題を含めて、それだけは今後の委員会でさらに明確に出してもらいたいということを留保の一つの条件としておきます。その上に立っていまの臨時者の賃金について答弁してもらいたい。あとは終わります。
○服部政府委員 ただいま賃金増額について大蔵省に強く要求中でございます。
○安宅委員 それだけですか。郵政審議会の答申を認めるのかと聞いているのです。それだけ答弁してください。
○服部政府委員 もちろん要求しているということは、答申の線に沿って努力しておりますので、ちょっとことばは足りなかったですが……。
○加藤委員長 本日の質疑はこの程度にいたします。 ————◇—————
○加藤委員長 これより請願の審査に入ります。 今国会におきまして、本日までに当委員会に付託されました請願は全部で二十一件でございます。 これより日程第一より第二一までの請願を一括して議題といたします。 まず審査の方法についておはかりいたします。 各請願の内容につきましては、文書表等によりすでに御承知のことでありますし、さらに先刻の理事会におきまして、慎重に御検討を願いましたので、この際、紹介議員よりの説明聴取等はこれを省略し、直ちに採決いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤委員長 御異議なしと認めます。 それでは直ちに採決いたします。 日程中第一、第二、第四ないし第七、第一一ないし第一七、第一九ないし第二一の各請願は、その趣旨妥当なものとし、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 なお、各請願に関する報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○加藤委員長 なお、御参考のために御報告申し上げます。ただいままでに本委員会に参考送付されました陳情書は、全部で四件でございます。 ————◇—————
○加藤委員長 次に、閉会中審査に関する件についておはかりいたします。 すなわち、いずれも一本院議員提出にかかる 一、郵便局舎等整備促進法案 二、公衆電気通信法の一部を改正する法律案 三、日本電信電話公社法の一部を改正する法律案 並びに 一、郵政事業に関する件 二、郵政監察に関する件 三、電気通信に関する件 四、電波監理及び放送に関する件 以上の各件につき、議長に対し閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時二十四分散会