地方行政委員会地方公営企業に関する調査小委員会 第5号
- 発言数
- 4 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1964/12/17
会議録
○藤田小委員長 これより地方行政委員会地方公営企業に関する調査小委員会を開会いたします。 地方公営企業に関する件について調査を進めます。 本小委員会の調査経過についての小委員長報告案の起草をお願いいたしておきました大西正男君、佐野憲治君、栗山礼行君の三君から、その報告案が小委員長の手元に提出されております。報告案はお手元に配付いたしてありますが、便宜、越村専門員に朗読いたさせます。越村専門員。
○越村専門員 朗読いたします。 地方公営企業に関する調査小委員長報告案 地方公営企業に関する調査小委員会におけるその後の審査の経過につきまして御報告申し上げます。 本小委員会は、交通事業、なかんずくバス事業に関する料金抑制に伴う当面の措置についての調査経過について、五月二十九日御報告いたしましたが、その後これに引き続いて、水道事業を中心とする地方公営企業の諸問題について調査を進めることといたしたのであります。 まず、六月四日以降三回にわたって小委員会を開会し、その間、厚生省、自治省の関係当局に資料の提出及び説明を求め、詳細に質疑を行ない、日本水道協会理事長、東京都、大阪市各水道局長、日本水道労働組合書記長及び甲府市長を参考人として招致し、水道事業の実情、各企業の経営方策、さらに料金、起債、補助制度等をはじめ、公営企業の本質に触れる諸問題についても終始熱心に調査を進めたのであります。 一方、自治省は七月六日自治大臣の諮問機関として地方公営企業制度調査会を設置し、地方公営企業のあり方に関する基本的問題とあわせて、本小委員会の審議経過にもかんがみ、特に地方公営企業の財政再建に関する緊急措置について諮問し、同調査会は十一月七日緊急措置についてのいわゆる中間答申を行なったのであります。 本小委員会は問題の緊要性にかんがみ、閉会中も審査を重ね、本国会においても十二月二日再び本小委員会が設置されたのであります。 本小委員会は調査会の中間答申に関し前後四回にわたって会議を開き、自治、大蔵及び経済企画の各省庁当局から説明を求め、細部にわたって質疑を行ない、さらに地方公営企業制度調査会会長、東京都水道局長、大阪市交通局長、日本都市交通労働組合連合会中央副執行委員長及び全日本水道労働組合書記次長を参考人として招致し、詳細熱心に調査を進めたのであります。 論議のおもなものを申しますと、次のとおりであります。 第一に料金の問題であります。 このたびの地方公営企業の問題は政府の料金抑制の措置に端を発したものであり、中間答申においても料金の適正化が打ち出されているところでありますが、これについては、まず、適正な料金の基準とは何か、特に施設費との関係をいかに考えるべきか、独立採算制の原則は公営企業の公共性の見地から修正すべきではないか等の本質的な問題が論議され、料金の抑制措置に関連しては、収支の欠陥は国が補てんすべきではないかとの意見があり、また、料金値上げに関しては、地方公営企業に対する国の施策が先行すべきであるとの見解が述べられました。 第二に起債についてであります。 御承知のとおり、第四十六回国会における公営企業金融公庫法の改正法案審議の際、公庫への出資金の大幅な増額、貸し付け金の償還年限の延長及び利率の引き下げ、融資の拡大等に関し、衆参両委員会の附帯決議もあり、この趣旨に基づき、さらに起債一般について現行の起債ワクは不十分ではないか、施設改良事業も起債の対象とすべきではないか、現行の償還期限、利率等は大幅に緩和すべきではないかという意見が圧倒的であったのであります。 第三に中間答申の性格の点であります。 地方公営企業の多額の赤字の原因は、地方公営企業の基本的あり方と関連するものが多く、当面の再建策といえどもこれを切り離して考えることは困難であるため、当面の措置のみを考慮した本答申については、企業側及び組合側から種々批判的な見解が述べられ、質疑もまた、基本問題の解明こそ当面の措置ではないか、特に累積赤字三百七十六億円のたな上げ、政府の過密都市対策いかん等の問題点に集中したのであります。 かくて慎重に調査を行ないました結果、東京都の交通事業が一日千五百万円の赤字を生じつつあるがごとく、このまま放任すれば交通、水道、病院等住民生活に不可欠なサービスの提供に支障を来たすことも憂慮される現状が判明しました。したがって、地方公営企業の財政を再建し、経営の健全な発展をはかるためには、政府における各般の対策と企業みずからの大いなる経営努力が必要であり、基本的、恒久的措置のすみやかな検討が望まれるのであるが、この点調査会の答申が明年秋まで持ち越されていることは問題の解決を遷延し、事態を一そう複雑化する結果となっているのであります。 このため本小委員会としてはやむなく、当面の財政的窮状を緩和するため、企業当局に対しては各般における経営の健全化に一そうの努力を期待する一方、政府は、料金の適正化について正当な理解を示し、企業経営がこれ以上悪化し、破局に達することのないよう、特に昭和四十年度において少なくとも次の措置を早急に講ずる必要があることに意見の一致をみたのであります。 (一)累積赤字(料金抑制に伴う四十八億円の損失を含む。)は明年秋の調査会の答申を待って措置するものとするが、その間、累積赤字額に見合う低利資金(政府資金及び公庫資金)を確保し、資金繰りの円滑化と利子負担の軽減をはかること。 (二)料金改訂を抑制された九都市のバス事業に対しては、過去の損失に対する措置として昭和四十年度においても引き続き、昭和三十九年度と同様、長期債三十億円、短期資金三十億円の政府資金を確保し、融資すること。(三)公営企業の建設資金として必要な地方債の ワクを確保すること。(四)政府資金による企業債については、特に水 道事業債及び地下鉄事業債の償還期限を大幅 に延長し、貸し付け利率を引き下げること。(五)公庫資金による企業債については、全事業 債の償還期限を政府資金並みに延長し、貸し 付け利率を引き下げるため公庫に対する出資 金を大幅に増額すること。以上、御報告を終ります。
○藤田小委員長 この際おはかりいたします。 本報告を小委員長の報告とすることに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤田小委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 なお、本日の委員会に報告いたしますので御了承願います。 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午前九時五十七分散会