地方行政委員会 第11号
- 発言数
- 54 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1964/12/18
会議録
○森田委員長 これより会議を開きます。 地方自治に関する件について調査を進めます。 地方公共団体の議員の身分に関する問題について質疑の通告がありますので、これを許します。小林進君。
○小林委員 この問題については、自治大臣の吉武君と、それから法務省の刑事局長と、それから法制局長、この三名にひとつおいでをいただくように、事前に申し込んでおいたのでありまするが、委員長、それぞれ関係者お見えになっておりましょうか。
○森田委員長 いまお見えになっておる方は、高橋政務次官、佐久間行政局長、法務省の津田刑事局長、大堀参事官、並びに内閣法制局から荒井第三部長がおいでになっております。
○小林委員 それでは、大臣は若干おおくれになるそうでございますから、大臣がおいでになりまして御質問申し上げるその問題はあと回しにいたしまして、政務次官がお見えになっているようでございますから、つなぎという関係ではございませんが、政務次官に御質問をいたしたいと思うのであります。 最近の自治省では地方議会議員の報酬といいましょうか、地方議員には歳費ということばを使うのか使わぬのか、私は寡聞にして知りません。地方議会議員は歳費ではなくて、報酬というのかもしれませんが、その名称をひとつ正確にお聞かせいただきたいのですが、それをあまり値上げしてはいかぬぞという戒めの通達をお出しになっているようでございます。その細部についてお聞かせを願いたいと思うのであります。
○佐久間政府委員 地方議会議員の報酬の改定につきましては、一般公務員の給与改定が行なわれることになりましたのに関連をいたしまして、どのような考え方で処したらよろしいか、自治省の見解を参考に聞かしてくれ、こういうような照会が地方公共団体のほうから最近ございましたので、省内で相談をいたしました結果、私の名前をもちまして、非公式に自治省のこの問題に対する見解は次のようであるから御参考までにということで、知事あてに連絡をいたしたのでございます。 内容は、特別職の職員の給与の改定の問題といたしまして、第一番目は常勤的な特別職の給料の改定につきましては、一般職の地方公務員の給与改定の状況、その職の当該団体におけるこれまでの改定の経緯等を勘案して、適正な決定をされるべきであるということが第一点でございます。それから第二点は、地方議会の議員の報酬というものは、常勤職員の給料と違いまして、生計費とか民間賃金の上昇に対応して改定されなければならぬという性質のものではないと考えられることと、昨年から本年にかけまして、地方議会の議員の報酬が相当程度引き上げられたというあとでもございますので、特に著しく低いというような場合を除いては、この際報酬の改定については自粛してもらいたいという趣旨の内容でございます。
○小林委員 私は自治省が自発的にその通達をお出しになったのだろうというふうに実は推定をいたしておりましたが、いまあなたの御答弁では、問い合わせがあって、それに答えたのであるということをおっしゃったのであります。問い合わせに応じて答えるのと、自発的におやりになるのとでは、おのずから受け取り方が変わってくるわけでございますが、それは私の推定ですから……。いずれにいたしましても、それをお出しになったというのは、私はよろしいと思うのです。それくらいの的確な——まだ地方の民度とか地方議会のものの考え方などというものは、残念ながら憲法が指向しているような方向にいっていないところも多少はあるのでありますから、全部そうとは言いませんが、まだ若干は残滓を残しているのでありますから、やはり自治省は基本的な方向で指導性を発揮していただくことが、まだ今日の段階では必要だと思っております。でありますから、その処置は私はけっこうであると考えておりますが、それにしても、やはり方々で若干の値上げが行なわれて、どうも通達がそのまま正しく行なわれていないようでございます。何か新聞によれば、東京都も一分とか三十秒とかで、他の法案とまとめて、早目に年末手当を上げられたというふうなことも報道せられておりますけれども、いま東京都会議員の年末手当と、あるいは大阪府会議員の年末手当と、われわれ国会議員の年末手当と、一体どのくらい差があるものか、数字をお持ちでしたら、参考までにお聞かせ願いたいと思います。
○佐久間政府委員 ただいま手元に資料を持ってまいりませんでしたので、後刻御提出をいたしたいと思います。
○小林委員 それは非常に残念でございますが、私は国会議員の手当の袋はきのうかおとといもらいましたが、トータルは三十六万円だそうです。税金その他を差し引きまして、手取りは大体二十万から二十五万くらいになっておる。これが実態のようであります。ところがこれも新聞の報道その他によってですから、正確にはわかりませんが、都会議員は何か三十八万円とか四十五万円とか五十万円とか、大阪の府会議員が、これも国会議員の年末手当よりも多いとか、こういうことが伝えられております。どうも一年のうち通常国会は百五十日を下るを得ずということで、百五十日郷里を離れて、東京で議員生活をして、昔の参勤交代ではありませんが、妻子眷族を郷里に置き、議員は国会で国政に参与しているという生活と実情は忙しいでしょうが、地方議会の、それも開催日数からいえば、二カ月に一回、そういう開催日数その他から勘案して、そこにはやはりおのずから量と質は違ってくる。それがどうも国会議員の歳費が上がると世論にはたかれて、どうも国会議員は横暴だ、お手盛りだと言われる。ところがそういうはたかれている陰に隠れて、地方議会がこれに右へならえをしまして、どんどん上がっていく。いわゆる便乗値上げというふうな形で上がっていって、いまも言われるように、どうも年末手当、ボーナスのごときは、もはや地方議会が国会議員を凌駕しているというがごときは、これはいささか行き過ぎではないか。それはもらうほうは多いほうがよろしいでしょうが、いささかバランスを失った行き過ぎではないかというような感じがいたします。いま、たまたま自治省が、そういう報酬値上げ問題等について自粛の通達をお出しになったということでありますから、この機会に、いま私がお尋ねしましたような問題も、ひとつ明らかに聞いておきたい、こう思いましてお尋ねしたわけでございます。どうかそういう地方議会における数字などは早急にひとつ——大体知っていないというのは勉強が足りない、行政局長ともあろうものが。通達を出すからには、ちゃんと資料を持っていなければなりません。ひとつそこをお聞かせをいただきたい。 なお、政務次官にひとつ以上の問題について御答弁をいただきたい。
○森田委員長 行政局長、いまの問題、すぐ資料を届けるようにしてください。
○高橋(禎)政府委員 小林委員の御質問の内容につきましては、私も非常に同感する面が多いのであります。御承知のように、国家公務員の給与につきましては、人事院という公平機関が、生活費その他について科学的な調査をして結論を出してまいります。政府といたしましては、それを尊重するという態度を堅持いたしておることは御承知のとおりであります。地方公務員の一般職の給与につきましては、国家公務員の給与に準じまして、いろいろ措置をいたしておることも御承知のとおりであります。ただ、問題は、特別職、ことに議会議員の報酬というものをどういうふうにするかということにつきましては、非常にむずかしい問題があるわけであります。地方議会の議員の報酬の程度は、一体どの辺が正しいのであるかというようなことにつきまして、いろいろ今日まで検討いたしておるわけでありますが、何と申しましても、自治体はやはり地方自治のいわゆる自主性というものを尊重していくという立場に地方自治法等もできておりますようなわけで、そしてそれは憲法の精神にもつながるわけでありまして、政府において強力に命令するとかというようなことはできないわけでありますので、やはり各地方公共団体の理事者なりあるいは議会等において、きわめて良心的にその結論を出していかれるべきものである、こう考えるのであります。しかしながら、自治省といたしましては、それが正しい公平な結論が出てまいりますように、随時注意し、必要の場合にはその指導もいたしておるというのが現状でございまして、お話のような、いろいろ小林委員の御心配になりましたような問題を解決してまいるために、自治省といたしましても鋭意努力しておるということを御了承願いたいのであります。
○小林委員 自治省が、いまの政府次官の御答弁のように、やはり自治体の自主性を尊重をしながら、なおかつその間、適宜適切に指導援助をしていっているというその原則的な御答弁は正しいと思います。 〔委員長退席、田川委員長代理着席〕 あんまり指導監督が行き過ぎては自治体の自主性を失うことになりますし、といってどうも放任しておけば、まだ自治体は未成熟な成分がたくさんあって、うまく運行されない、こういう状態でありますから、自主性と監督指導は、ともに兄弟相補っていくがごとくいかなければならないというその理念は、十分了承いたします。 その気持ちで、私はいま一つ自治省にやっていただきたい、あるいはやるお考えがあるかどうかという問題は、それは陳情の行き過ぎということであります。大臣、行政局長にお尋ねいたしたいという問題の事案も、実はそこから発生している。地方自治体の陳情が目に余るものがある。それを地方の議会の中で地方議員が職務行為として質問をしておる。その質問がいわゆる陳情政治の成果に重大な悪影響を及ぼすということで、その質問をいたしました議員に対して何か弾劾の決議案を突きつけるとか、糾弾の決議案を突きつけるとか、そういう事件が起きたのであります。私は、事件の内容その他は大臣がお見えになりましたら正しく事案を申し述べて、それから正確な答弁をお伺いいたしたいと思うのでありますけれども、その前ぶれとして、一体現在のこの陳情政治のあり方が、これでよろしいとお考えになるかどうか。いま、行政というものは、地方住民の意向というものは、地方議会、地方自治体の行政を通じ、市町村議会を通じ、都道府県議会を反映し、都道府県議会、都道府県の行政を通じて、中央行政に吸い上げている。中央議会に吸い上げている。行政のルールは一応きまっております。しかるに、どうもここ数年というものは、町村会議員から部落の住民に至るまで、何でももう陳情にあらずんば夜も明けずということですね。しかも、中心の議会、中心の行政府を目ざし、海のごとくやってくる。それをあっせんするのがすなわち国会議員。そうして問題が解決をすれば、あの先生のおかげだ、この先生のおかげだ。これを、その世話、陳情あっせんで、行政府や中央の権力に圧力を加えたり何かしたその特定の議員あたりの功績に帰し、あの橋ができたのはあの先生のおかげだからそれは何々橋だ、あの道路ができたのはあの先生のおかげだからあれは何々道路だ、道路の完成と同時にその先生の胸像をつくろうかとか、橋ができたら橋のたもとにその陳情のあっせんをした先生の銅像をつくろうかなどという、これがいまの世上のしきたりになっている。こういうような陳情政治のいまの実態を一体自治省はノーマルなものとお考えになっているのかどうか、正常な形であるとお考えになっているかどうか、ひとつ政務次官、行政局長に承りたい。
○高橋(禎)政府委員 陳情政治につきまして、小林委員の御心配になっておりますようないろいろの弊害のある点も、やはり認めざるを得ないと思うのであります。もちろん憲法が国民に請願権を与え、また自分の意思を当局に理解してもらうために、正しい方法をもっていろいろ意見を述べるということも、ある面から見ますと許さるべきものもあると思うのでありますが、しかし、お話のように非常に弊害を生んでおるということも事実であります。それにつきまして、自治省といたしましても、これをこのままに放置しておくというような考えはないのでありまして、それが打開と申しましょうか陳情政治の弊を除却するために、いろいろと検討いたしておるわけであります。それについて考えておりますところでは、やはり地方住民に関連の深い事務はできるだけ地方公共団体の手によって、いわば現地において解決できるような仕組みにしなければならない。すなわち、事務配分という問題がそこにあるわけであります。そしてそれがためには行政事務の地方移譲とかあるいは許可、認可、その他国の関与する面を整備するとかあるいは補助金の整理、地方公共団体の自主財源の充実、こういう面を合理的に解決をしていかなければならない。ほかにも問題はありますが、例をあげますといまのような問題でありまして、それらの解決によって陳情政治の弊を除去していきたい、こういうふうに考えておるわけでありまして、今後もその線に沿うて努力をいたす考えであります。
○小林委員 政務次官のこの陳情政治の弊害をお認めになりまして、それを除去するために努力をしておられるという御答弁は、ちょうだいいたしたいと思います。おっしゃるとおり、やはり日本の行政が地域の格差なく、市町村の末端の格差なく公平に行なわれているものとするならば、陳情も請願も要らない。やはり行政の目の届かぬところがありますから、そこで地方住民がやはりその実情を国会に陳情をする、あるいは国会を通じて各行政府に請願をする。こういうやり方はいまおっしゃるとおり私は決して不必要であるとは申し上げません。現段階においては必要でございましょう。けれども、その陳情の中に特定の議員を入れて、あの議員が紹介をし、あの議員の圧力を加えてもらったればこそ、こういう行政の結果があらわれたのである。この補助金をもらえ、この道路ができ、この橋ができたのは、特定の議員の功績である。この陳情の成果だといって、これを国民はあまねく通常のものと考えている、これがあたりまえのことだと国民は考えている。こういうことが普通のことであるという考え方を植えつけてきた今日の実情が、一体正しいかどうかということを私は問題にしているのです。 そこで行政局長もおられるから私は具体的に聞くのだけれども、いまの自治省におきまして、いわゆる一番地方自治に関係のある一般の交付金、あるいは特別の交付金等を、それぞれ科学的根拠に基づいて配分をしておられる、こういう配分について、地方末端の行政から見ると、ここにいわゆるボスの政治家の力というものが非常に大きく介在すると考えている者があります。どうも社会党の先生なんかに頼んだところで満足な交付金はもらえない、やはり権力を握っている与党の政治家、しかも実力のある先生にお願いをすれば、一般地方交付税もよけいもらえる、特に特別交付税は、権力を握った先生のお力をかりるというと来ないものまでが来る、何しろ佐久間行政局長は、あの権力ある先生の前ではネコににらまれたネズミのようなものだ、柴田財政局長というようなものは、権力を握った政治家の前では一言もものを言えない、そこでできるのだと考える。こういうことはいま大臣もお笑いになったけれども、笑いごとじゃないですよ。いわゆる行政の末端に行けば、それを住民はみな信じているのだから。だから都道府県を度外視し、いわゆる自治省へ自治省へと草木もなびくように、陳情が大挙して行なわれる。そうして、まずその実力者の先生のところにわらじを脱いで、そしてあなたのところに押し寄せるという形があらわれている。ぼくは行政局長自体に聞きたい。あなたは実際におやりになったかどうかは別として、そういうことをお認めになりますか。実際にこれは世論なんだ。火のないところに煙は立ちません。やむを得ずそういうことをやりましたというならば、正直にひとつここでやりましたとおっしゃい。これがあなたたちとの問答ならば、自治省へ行ってやればいい。この問題を素通しに国民にはね返すために私はこうやって汗をかいてやっているのですから、あなたも神に誓うような気持ちで、顧みて自分の良心に恥じるようなことを言っちゃいけません。ぴしゃっと言ってください。
○佐久間政府委員 御説のように、市町村が本来でございますれば県を通じまして、県が中央の各役所と交渉をいたしましてきめるべき問題につきまして、わざわざ市町村の議員の人が中央の官庁に出かけてきまして陳情にまいるということが、相当行なわれておることは事実でございます。 〔田川委員長代理退席、委員長着席〕 私どもといたしましては、市町村の問題は県がお世話をしているのだから、できるだけ県を通じて事情を申してこい、直接市町村の当局者が東京へ来ることはむだなことだからやめるようにということを、従来再三注意をいたしておるわけであります。かりに特殊な事情があって、市町村がどうしても陳情しなければならぬことがありましても、市町村長が来ればいいのであって、わざわざ市町村の議員の方々が、そう大ぜいむだな旅費を使って東京へ来るということはする必要がないのだ——財政局長はあるときには市町村の議員の方が陳情にたくさん来れば来るほど、逆に手心を加えるというようなことを冗談に陳情者に言われたこともあるわけでありますが、自治省といたしましてはそういうような気持ちでもって、むだな陳情のために地方の議員の方々が東京へ出てくることはできるだけやめるべきだという考え方で指導をいたしております。 それから先生のおっしゃいましたように、陳情の中には、特定の国会議員の方が紹介をされたり、案内をされて私どものところへ来ることも相当ございます。その国会議員の方々がたいへん実力者であるから、私どもがその陳情には筋を曲げて耳を傾けるというようなことはなすべきことではございませんし、私はえらい先生が来たからそのために動かされて、本来通すべき筋を曲げるというようなことはいたしたことはございませんし、そのようなことはすべきではないと考えております。ただ先生方の中には、陳情者の方々に、それは自分の功績だというふうに宣伝される方があるということは、あり得ることだろうと私も思います。
○小林委員 それじゃ端的に聞きますが、あなたは実力者の国会議員があなたのところに来て陳情した交付金や特別交付金その他の問題について、あるいは紹介をし、みずから来て頼まれても不公平なことをしたことはない、筋を曲げたことはないとおっしゃるのでございますね。明確に言ってください。一言でよろしい。
○佐久間政府委員 私は実力者の方が来たからといって、筋を曲げたことはございません。ただ実力者の方がわざわざおいでになれば、陳情の御趣旨は私もできるだけ丁寧に耳を傾けて聞く、そういう態度はとっております。
○小林委員 なければいいです。それは重大なことですから。 大臣がお見えになりましたから、ひとつ大臣にお尋ねいたします。
○森田委員長 小林君、ちょっと御了解を得たいのですが、大臣は四十分までだそうですから、できるだけ簡単にお願いします。
○小林委員 それでは大臣にお伺いいたしますけれども、私はこのたびお尋ねいたしたいことは、議員の議会内における発言の自由が一体どこまで保障されるかという問題について、御質問をいたしたいのであります。もちろん議員と申しましても、国会議員については、憲法第五十一条あるいは国会法にそれぞれ規定をせられておりまして、本会議や委員会において職務行為としてなした発言の内容や表決の内容については、外部からの追及を免れることを得るという規定をいたしております。これは問題ではありませんけれども、私のお尋ねいたしたいのは、国会議員外の議員、すなわち都道府県議会だとか、あるいは市町村議会において行なった議員の発言であります。もちろんその発言は、職務行為としてなした正式の発言であります。これに対して一体いかなる保障が与えられるかという問題についてお尋ねをいたしたい。 それについては、こういう抽象論じゃいけませんので、私は具体的に地方議会にあった問題を提示しながら、ひとつ大臣の結論をお伺いしたいと思います。これは事例でありますから、少し説明が長くなりますけれども、事件の発端は、新潟県議会において起こった問題であります。発言者は岩野良平という県会議員であります。新潟県議会社会土木委員会において塚田十一郎知事に対して質問をいたしましたことが、県会外において取り上げられた問題であります。期日は昭和三十九年三月十三日でございました。 事件の正確を期するために、当日の県議会土木委員会における記録の抜粋を読み上げることにいたしますから、大臣耳を傾けて聞いてください。「三月十三日、社会土木委員会記録抜すい」岩野委員「陳情政治は最近眼に余るものがある。河野建設大臣の発言のようであれば知事も部課長も不要で、大臣につながる代議士一人いれば間に合うことになる。不急の箇所が立派にできているのに急を要する箇所が放置されたり一部の人の話で町長にも相談なく町の都市計画事業が変更されるようなことがあっては困る。」知事「公正で均衡のとれた行政が行われるよう代議士にもよく協力をお願いしたい。」岩野委員「県道については交付税、譲与税等で一〇〇%近く国から面倒みてもらっているが市町村道に対する国、県費の支出は微々たるもので、その反面地元負担金、寄附金あるいは交際費等多くの出費を強いられ、現状では市町村道の整備はとても望み得ない。自動車の交通不能五八%という市町村道では国、県道の毛細管的機能を発揮することなど到底できない。従って消防自動車が使えないのでガソリンポンプが大部分という有様で防災活動にも支障が起きている。へき地道路予算も僅か一億では一〇キロ位しかできず、新産都市にのみ偏重して他は放置されているように思う。」知事「へき地道路についてはこれで十分とは考えていない。相当程度人の住んでいるところには小型自動車位は通れる道をつけたい。従って県道、市町村道の区別はつけない。又へき地については舗装より先ず延長を伸ばすことを考えている。必要なものは格上げも考えたい。市町村財政の苦しいことは承知している。自治省でも対策を検討しているようである。」岩野委員「財政再建当時の遺物である負担金は近い機会に全廃されたい。県道の認定基準は現状に合わないと思うが、部長は是正の意思はないということである。唯今の知事の答弁と異る。」知事「負担金は漸減の方針をとっており、事実年々へっている。県道認定についての詳細な基準は承知していないが実態に即するよう検討したい。」これからが問題なのであります。岩野委員「任意団体例えば土木協会等の仕事に県職員を従事させることは好ましくない。特に金銭事務を取扱うことは汚職発生の原因にもなるのでこのような姿は是正すべきである。このような団体に多くの血税が使われているがこれは汚職に近いものであり、このような団体を必要とする現在の行政の在方には問題がある。もっと県は姿勢を正す必要がある。」知事「部長からきいたところでは県職員が土木協会等の金銭事務を取扱っている例はないということであるが、なお調査の上間違いのないようにしたい。」これが抜粋です。 ところがこれに対しまして、新潟県南魚沼郡の六日町の町会が、いま読み上げました発言を取り上げまして、昭和三十九年三月三十日午前九時三十分、町議会を招集いたしまして、いまのこの岩野県会議員の発言に対して、町会の中にいわゆる糾弾決議案というものを上程いたしたのであります。 以下、昭和三十九年三月三十日招集されました第四回六日町町議会臨時会会議録抄本を朗読することによりまして、どういう結果になったかということを申し上げたいのでありまするが、大臣お急ぎのようで、抄録を全部読み上げるわけにはいきません。ちょっと必要な個所だけ読み上げまするけれども、会議の次第、日程第一号決議案、こういうことになりまして「日程に従いまして日程第一号決議案を上程議題に供します。局長朗読後提案者の説明を求める。」こういう議長の発言によりまして、そこでいわゆる弾劾決議案というものが読み上げられたのであります。 その弾劾決議案を読み上げます。「決議文、六日町は昨年拾弐月六千参百万円の財政欠損金を整理するため、財政再建団体の適用を受けることに決定した。依而、今後四カ年間桜井町長と議会は一体となり赤字を解消し乍ら、道路改良、河川改修、農業基盤整備、教育施設の充実、観光並びに地下資源の開発等後進地域脱却のため総力を結集して、その実現を図らねばならぬ秋である。然るに過般新潟県議会社会土木委員会に於て、知事、土木部長、道路課長等出席を求めた際、当町出身岩野良平議員は六日町のみならず全郡の公共事業推進の前途に打撃を与ふるが如き発言、即ち「南魚土木振興会は汚職に近いものがある、陳情政治によって出来た河野道路とか、田中の橋だとかは汚職に繋がっている。大資本のみに利用される関越高速自動車道には反対である。」等のあったことは少数不満分子の見解を代弁するものとは言え極めて遺憾に堪えない、そもそも岩野県議は昨年三月まで六日町長として、南魚町村会長、郡土木振興会長を兼務し、その間本議会全員一致して支出を拒否した国道事務所引揚工事費を町村会負担金に摺り替えて強行支出手段に訴える等、地方自治弱体化の行為をし或いは土木振興会長として自ら夜の自民党員と称して陳情政治の先頭に立ち乍ら、反面、本町の負担金は議会の追及と政治生命の失脚を懼れて在任中納入せず、局面を糊塗してきたではないか。桜井町長就任後郡町村会並びに土木振興会に対する未納金が執りあげられ、過去の運営に批判の目が向けられるや、自己の責任を他に転嫁せんとして発言せるものと断ぜざるを得ない。その言動はイデオロギーの相違という観点に立ちたるものに非らずして、天に唾する背信行為と言わざるを得ない。斯る悪意に満ちた謀略戦術が本町に不利益を与うることを住民とともに悲しみ、本議会は将来に向って斯る謀略と障害を排除しつつ協力融和、栄光への前進を誓うものである。昭和参拾九年参月参拾日提出、提案者内田銀太、桑原市太郎、井口儀三郎、小林武雄、上村武雄、富所四郎」こういう決議案文を上程いたしたわけでございまするが、その三月三十日の議会の結論は、まずその真相を期するために特別委員会を設けよ、特別委員会を設けてそして事実の調査を行なおうではないか、特別委員会を設けて審議をまかせるということにしようじゃないかという動議が出まして、そういうことが決定されたわけです。だからこの決議案はまだ決定には至らなかった。そうして六日町議会の中に調査のための特別委員会というものが設けられて九人の委員が任命をされました。その九人の委員が日を同じくして県庁に出かけて行ったわけです。県へ出かけて参りまして、そして県の社会土木委員会に行って実情の調査をしたわけです。その調査の結果は、新潟日報という、これは新潟県第一の新聞でありますが、その新潟日報の四月二十五日に報道をせられておるのであります。それには「〃発言内容を曲解〃、社木委、事実の相違認める」こういうことでございまして、これは四月の二十二日であります。県議会社会土木委員会では当の岩野県議から「私の発言が故意にまげられて六日町議会で問題となっている。いずれが正しいか委員会で調査してほしい」と要望があった。このため同委では松井源内、中川彩正副委員長、当日の議事録署名委員の長谷川多喜男(自民)小林藤吉(社会)両委員が立ち会いで同町議会で問題となった〃岩野発言〃と当日の議事録から岩野氏の発言内容を拾い出して比較した結果「六日町議会の決議文内容は事実と相違している」ことを認めた。この点について社会党県議団は「単なる伝聞だけで県議の発言内容が公式の場で中傷されては県議会の権威にもかかわる」として同決議案を提出した六日町の議員に厳重抗議することを決めたほか、党県本部でも独自に調査を進めることにした。」云々、こういうことになったのでありますが、こういう決定が四月二十五日県議会の中になされて、事実と相違しておることが明らかにせられたわけでございます。 大臣もお忙しいでしょうから、私も実態を要領よく認めていただくために証五を申し上げます。これは魚沼新聞というのです。この内容は、今度は調査委員が県に行きまして調査してきた結果を六日町の特別委員会に報告しておる記事なんです。六日町新聞の第七六九〇号に載せられている。その見出しは「決議文内容はちがう、調査特別委員会から報告、しかし六月議会に上程」というのでありまして、「さる三月三十日の六日町臨時議会で設置された調査特別委員会は約二カ月を経過した五月二十六日午後一時三十分から六日町公民館で開かれ、委員会として三月二十日の議会に富所四郎氏ら民主クラブ所属の六人の議員から提出された決議文を五対三の多勢で採択することを決定した。」特別委員会を開いて、特別委員九名のうち一人は委員長、あと八名が採択したら五対三で採択することに決定した。「同日の委員会は九委員の全員が出席桑原委員長から先月下旬委員会の決定によって三人の委員が県議会事務局に出向いて、臨時議会に提出された決議文の内容と同月十三日に開かれた県会社会土木委員会において岩野氏が発言した内容が一致するかどうかを調査した結果〃発言の内容と決議文の内容には相違がある〃と報告があったが、これに対し富所四郎委員」いわゆる提案者です。「らは「委員らの調査の範囲では一部相違している点は認めるが、調査範囲外に我々は県会社会土木委員会で岩野県議が発言したという資料を持っている。この資料は今日は公表しないが、これは県会議員という県幹部から入手したものである」と発言、この結果二時間にわたって話し合いを続けたがまとまらず、これ以上話し合いを続けても進展の見通しがつかないと採決した結果「同委員会としては本会議の報告に同決議文は採択すべきであるという報告をする」という態度を五対三の多数で決定した」こういうことになったわけであります。これに対して一方の岩野県会議員は、証六で「名誉キ損で告訴」今度は、一方県会議員のほうは、こういう決定をした町会議員の六名を名誉棄損で提訴した、こういう順序を経てまいりまして、いよいよ六日町の本会議が昭和三十九年七月七日に招集をせられて、この特別委員会が五対三で決定せられて、本会議に、採択すべしという議案が上程をせられたわけであります。 昭和三十九年七月七日招集第六回六日町議会定例会会議録抄本、その中の、日程第三号、継続審議、決議文について、議長「本案を上程議題に供し桑原特別委員長の報告を求める。」こういう順序を追ってまいりまして、その結果はどうなったかというと、賛否の論争を繰り返しておきながら、結論としては、議長「投票の結果を報告します。投票総数二十八票、内賛成十四票、反対十四票、可否同数となりましたので議長が決します。本決議案はこれを採択するに決しました。」こういうことで、議長の一票で十五対十四で、こういう弾劾決議案といいますか、糾弾決議案が決定をされたということになっているのであります。 これに対して、一体世論の動向はどうかということでありますが、参考までに世論の動向の主たるものを申し上げますと、第一は、根本は陳情政治の批判から生まれたことであります。最近議員が議会で発言したことが問題になる傾向が強まってきていることは慨嘆にたえない、こういう見出しでありまして、「陳情政治は最も糾弾されなければならない腐敗政治の根源であり、民主政治の否定でもある。一党一派に気脈の通ずる地方政治家でなければ橋も道路も良くすることにならないとすれば、国会議員の選挙だけやって内閣を組織し、組織された内閣によって地方自治体の首長も議員も任命すればそれでよいということになる。」そういうことになりましょうな。特定の中央につながっている政治家だけに頼めば、橋も道路もできるということになれば、そういうことになるでしょう。「新産都市は指定以前は緑と太陽と空間のある新しい極楽都市の夢を住民に与えた。だが今では極楽浄土どころか「聞いて極楽、見て地獄」と言った方がよい状態になっていることは心ある人の知るところである。これらの問題を歯にキヌを着せずに追及したことが犯罪人扱いにされる奇妙な動きが議会の内外に強まってきていることは、私にとって不吉の予感がしてならない。かつて某代議士が東条政府の戦争政策に反対して除名され、時の政府にこびを売るものだけが大政翼賛会推薦で国会議員になれたような一人一党独裁政治の前兆でなければよいがと思っている。演説の巧劣で批判される前に、その内容をガン映してもらいたいものである。」いま一つは、これは県会議員の世論であります。われわれ国、県政の批判的立場に立つ野党議員は、野党議員の議会内部における発言を、こういうことで他の下級議会において弾劾をされたり糾弾されるようなことが続けば、自由な発言も何もできなくなる。これは議会内における議員の発言に対する重大なる制約ではないか。民主政治の根源をゆすぶる問題ではないか。こういう世論も出ているわけであります。 大体概略して事情を申し上げました。これに対して、私は自治大臣にお伺いいたしたいことが二点ある。 一点は、いま申し上げましたように、議会内における議員の自由な発言に対して、一体それを外部において糾弾をし、あるいは批判をすることの可否の問題。もしその自由が許されるならば、一体法律根拠はどこにあるかという問題です。 第二点といたしましては、いま申し上げました議会内部の発言の内容は事実と相違しておる。これは社会土木の委員長も、副委員長も、記録の署名者も、なおその他の列席いたしました議員の諸君も、新潟県議会の事務局長も、口を合わせてそれが事実と相違しておることを証明しておる。にもかかわらず、それがその事実と相違しておる。特別委員会の長もその事実と相違しておることを認めておりながら、なおかつそれを下級議会内で糾弾をする、弾効をすることの可否であります。こういうことが一体許されていいのか悪いのかという法律問題や裁判問題は、また裁判長や法律家に聞くといたしまして、こういうような風潮、政治的動きに対する自治大臣の所見をまず承っておきたいと思うのであります。
○吉武国務大臣 小林先生から、新潟県の六日町議会及び県会における発言の状況についてるる御説明がございましたが、実は私いま初めて承りましたので、内容の真偽の状況はわかりませんが、第一点の陳情政治ということはよくないじゃないかという御意見については、同感でございます。私は、ただ同感という意味は、大ぜい押しかけて陳情するということはおもしろくないという意味でありまして、今日の民主政治の世の中でありまするから、直接民衆から意見を具申をされ、その意見に従って政治をするということは、これは民主政治の基本であって、そのこと自体は私はこれを抑制すべきものではないと思います。ただ陳情は、今日の状況はややもすると大ぜいが押しかけて圧力団体になり、あるいはまた多大なる経費を使うということは、これはもう世間の批判の的になっていることであり、過日閣議におきましてもそういうことのないように、ひとつ各自がそれぞれに徹底するようにという総理からの御示達もございまして、私はただいまの小林さんの御意見につきましては、そういう意味合いにおいては賛成でございます。 なお、地方議会内における発言の自由についてどうかということでございますが、私は言論は自由であるべきであると思います。ただしかし、国会につきましてはそれぞれの保障の規定がございますが、地方議会にはそれがございません。したがいまして、発言は自由であるからといって、何でもかんでも言っていいということにはならないと私は思います。それは国会におきましても同様のことだろうと思います。したがいまして、発言されました内容が事実であったかなかったか、どちらが正しかったかどうかということは、いま小林さんのおっしゃったことだけで——私は小林さんがまさか事実と相違したことをるるお話しになったとは思いませんけれども、しかしいま初めて聞きまして、ここで直ちにどちらが正しいか正しくないかということは、ちょっと私は申し上げかねると思います。それが一つであります。 それから、地元の町会等において、それに対する糾弾の意思表示がなされたということでございますが、これも自治体のやることでございまして、自治体のやることを、一々私どもがどれが正しくてどれが正しくないという裁判みたいなことをやっていくということは——これは正しからさることをほうっておくということはよくはございませんが、一々その真偽をただして、白黒をつけていくということは私はいかがかと思います。したがって、発言につきましては、それぞれの責任を持たれるでありましょうし、またそういう事実に相違したことを意思表示されれば、ただいま小林さんのお話を聞きますと、告訴の手続をとられておるということでございますから、それはおそらく裁判によって決定されることだろうと思いますが、要は自治体でございますから、ひとつ円満に、地方自治のために党のいかんを問わず御協力を願って、地方の振興のために御協力を願いたいというのが私の真意でございまするので、御了承いただきたいと思います。
○小林委員 大臣もお急ぎのようでありますから、いま一問くらいであなたを解放してあげることにいたしまするけれども、いまの御答弁によりまするというと、下級議院の議会内における発言の自由があるということだが、しかし私語だとかやじだとかの発言の自由があるわけじゃありません。職権に基づく発言はおのずから責任を免除せられていることは事実でありましょう。これは国会議員のごとく、地方議員もまたその職務行為として行なった発言には、その自由と保障が与えられているかということを私はお尋ねしている。あなたのお話によれば、おっしゃるように規定はありますよ。地方自治法のいうように品位を傷つけては云々とかありますが、あなたの御答弁によると、一つは県議会内における発言の自由、一つは町議会内における発言と表決の自由と表現の自由ということになるわけです。いずれもそれぞれの自由な立場でことを処置したということになるわけであります。けれども、いまも言うように、まず一つは事実と相違しておる。そしてまた一つの議会が、そういう速記録にない——速記といいますか、委員会は速記ではございませんで、将来県議会の委員会の記録も速記にすべきかどうかということがいまここから発生をしておるようでありますが、そういう上に署名者もおるし、傍聴者もおる。そういう人たちが事実と相違しておると言うものを、そういう決議文に盛り込むことの可否が一体いいのか。それとも言論の自由であるということが、一体それまで拡張解釈していいかどうかの問題であります。私は、先ほどから、あなたが来られない前から申し上げておる。地方自治体の品位の問題じゃないか、住民のレベルの問題じゃないか。それをいまの自治省としては、自治体は自主的にやるべきであるということで放任していいのか。あなたは自治体の自主性を尊重すると同時に、一方には指導監督する、こういう責任がある。こういう品位のないやり方をあなたは放任して、一体それでよろしいとお考えになるのかどうか。もしよろしいとおっしゃるのならば、こういう品位のないやり方を許されるならば、われわれ国会議員を含めて、議員の国会内部における自由な発言というものが、間接的に大きな制肘を受ける。われわれがもし品位のない発言をすれば、国会内部の自主的規制がある。懲罰制度があって、議員みずからが懲罰にかけて、あるいは国会から放り出す、あるいは登院停止をきめる、あるいは陳謝をする、あるいは何々するというちゃんと規約があって、みずから自動的に規制されているにもかかわらず、外部においてこういうことまで干渉してくることは行き過ぎじゃないかということが一つ。いいですか。事実に違っている。 いま一つは、こういう陳情政治を批判したということが、地方の発展に、自治体の振興に影響するという考え方、これが正しいと一体あなたはお考えかどうか。土木協会というのがあるのですよ。大臣御存じでしょうか。各郡内、県内の土木屋が協会をつくって、そうしてあの橋この道路をつくってもらうために、お役人が出張してきたら接待をして、まあ何とかひとつごちそうしよう。あるいはその事業の完成のために行くときの旅費や日当にしよう。あるいは各代議士や先生方のところに行くときにおみやげにしようという、そういう陳情請願のための——いわゆる主たる目的と言っては語弊がありまするけれども、そういうことの目的もかねた土木協会などというものがある。一体大臣の足元にあるかどうか。私はそれもあわせてお伺いしたいのでありますけれども、そういうことは政治を乱すんじゃないかという発言をした。そうしていま一つは、その道路ができ、橋ができるというと、その陳情や請願の先頭に立ってくれた先生とか代議士をいわゆる神様のように考えて、この道路は何々先生のためにつくてもらったんだからと、その代議士の名前を冠して何々道路だ、この橋は先頭に立って陳情をしてくれた先生のおかげでできたのだから何々橋だ、みんな国民の血税なんですよ。先生方は、陳情に来たときに昼飯を食わせてもらったかもしれないけれども、あるいはおみやげをもらっている、あるいは運動費をもらっているかもしれません。それはわからぬが、ともかく昔は自分のふところから出していた。昔のいわゆる議員さんや地方の名家は、みずから自腹を切って金を出してつくったから、銅像や何かができたけれども、今日の政治家は自腹を切って出しはしません。そういうところに何々橋、何々道路などという名前をつけるということはよくないと非難したら、それは陳情政治や道路の建設の促進に支障がある、町の発展に悪影響があるから弾劾するというこの考え方が、一体地方議会の正常な姿であるかという、この二点を大臣にお伺いいたします。
○吉武国務大臣 第一点の議会内における発言の自由でありますが、私は、言論は自由であるべきだと思います。しかし自由であるからといって、事実に相違することを言い、あるいはまた品位を傷つけるようなことをなさることは、これはよくないと思います。本件がどのような事実に相違し、またどのような品位を傷つけたかどうかは、ただいま承っただけでは、私は申し上げかねます。それが第一点であります。 それから、それぞれ発言されたことについては、それぞれの方が責任をとられるべきものであると思います。地方自治は地方自治の中でそれは解決をしていくということでないと、それを一々自治省が取り上げて、裁判所のように白黒をつけていくというようなことは、私はいかがであろうか、かように存ずるわけであります。 なお、陳情政治につきましては先ほど来申し上げましたとおりでございまして、民主政治のことでありまするから、民意を反映して、それが国政に反映をし、そうして地方自治の振興をはかるということは、これは民主政治としてはけっこうでありますが、ただ小林さんが指摘されたようなことによって行なわれるということは、これはおもしろくないことだと思います。私は、まだそういうことをいたしたこともございませんので、そういうことがあるかないかは存じませんけれども、これは陳情政治が先ほど申しましたように、多くの金を使い、多くの人を動員をして、そしてそれによって行なわれるということはよくない。しかしながら、民主政治の世の中でありますから、地元の方々の民意を反映して、それによって政治をする——私は自治省におきましても、社会党の方が連れておいでになっても快く会う、自民党の方がおいでになっても快く会う。党派を分けて陳情の意見を左右したことはございません。また、ごもっともであることは私は快く承って努力しておるということを申し上げておきます。
○小林委員 その土木協会があなたの山口県にあるかどうか、それから何々橋、何々道路というような例のあるのを、一体あなたはお認めになるかどうか。
○吉武国務大臣 私のほうの県にあるかどうかは、私は実は存じませんし、そういうものを利用したこともございませんから、私はわかりません。また私の県には何々橋、何々道路というものはございません。あるいはほかの地域であるかどうかわかりませんが、私の県内にはそういうものはございませんことを申し上げて、お許しを得たいと思います。
○華山委員 関連して。いまの自治大臣のおことばでは、地方自治体はどういうことをきめてもいいというお話であるようですが、地方自治体というのは、なるべく権限の広いほうがいいにきまっておりますが、ある一定の限界があるはずです。地方自治法にも議会の権能ということが書いてありますけれども、先ほど小林委員のおっしゃったような、そういうことを議決する権能というものは地方自治体にございますかどうか。ありますれば、どこにその権限があるのか、ひとつ行政局長から承りたい。
○佐久間政府委員 地方自治法には、議会の権能といたしまして九十六条に掲げてございまするが、そのほか九十九条などにも議会の権能が書いてございます。ここに明確に具体的に書いてない問題につきましても、議会といたしましてはそれについて意思決定をするということは、これは当然あるわけでございます。ただその場合におきましても、先生のお説のように、いかなることでも取り上げて、それでは決議ができるかということになりますと、おのずから限界があろうと思います。抽象的に申しますると、地方公共団体の公益に関する事項というふうに申し上げていいかと思います。したがいましてその当該地方公共団体の公益に関係のない純然たる個人の誹謗のようなものをするということは、これは議会の権能を逸脱しておるというふうに申していいかと思います。
○華山委員 具体的にこのような場合はないと思います。たとえば私国会議員でございますが、国会議員は院外には責任はないと憲法に書いてはありますけれども、この責任というものも法律上にはきまっておるはずです。私がここで発言したことを県議会なりあるいは市町村議会で議決して、華山という国会議員のやつは、あれはわれわれのためには不利益であるという決議ができますか。
○佐久間政府委員 その点につきましては、なおよく法律的には研究申してみたいと思いますが、先ほど申し上げましたように、やはり当該地方公共団体の公益に関する事項というのが一つの限界であろうと思うのでございまして、当該地方公共団体の公益に関係のないものについて個人の発言をとらえてどうこうするということは、これは議会として逸脱しておるというふうに考えます。
○華山委員 それはしかし、この問題は大問題ですよ。私たちが言ったことは、山形県なら山形県に対して公益に害がある、あれは国会議員としてまことに不当な発言だということを、公益に関係があるといって県会が決議できますか、その点明確にお願いしたい。
○佐久間政府委員 国会議員の発言につきましては憲法に規定もございまするので、院外でもちろん責任を問われることはございませんことは申し上げるまでもございません。ただ国会議員の方が議場でなさいました発言について、地方議会が全然触れてはいかぬかどうかということにつきましては、絶対にそれを論評の対象にしてはならぬということまでは言えないのではないか。そこにおのずから良識による取り上げ方の限界というものはあるように思うのでございます。
○華山委員 私がお聞きしていることについてもう少しはっきり答えてください。われわれ国会議員が言いましたことを県会議員が論評し、あるいは世の中におきまして論評する、これは自由でございますよ。しかし県議会が華山なら華山の言ったことは、県にとって公益上まことに遺憾であるということの決議ができますかどうかということをお聞きしている。憲法の解釈とは、民事上あるいは刑事上の責任を問わない、こういう意味でございましょう。そういうふうなことであるならば県議会は決議ができるはずです。どうでございますか、その点。それは論評されることは、お前は国会でこういうふうな発言をしてけしからぬということは、私たちは選挙だって何だって言われますよ。それは国会議員の特権ではない。ただ議会で議決することができるかどうか、ひとつお聞きしておきたい。重大な問題です。
○荒井政府委員 憲法五十一条の規定は国権の最高機関であるという国会の立場からいって、近代の諸国家の憲法でいずれも認められているというものでございます。この規定は明らかに「両議院の議員は、」ということを定めておりまして、憲法に関する学説等いろいろ見ましても、この規定が直ちに地方議会の議員について適用されるという説は調べましても見当たらないように存じます。そのほか憲法の他の条項を見ましても、地方議会の議員について同様の保障があるという明文の規定はない。さらに地方自治法のいずれの規定を見ましても、直ちにそのような保障がされていないという点からいいまして、実定法の解釈の問題といたしましては、地方議会の議員の発言に、議会内における発言につきまして、議会外で無答責であるということに直ちにはならないというふうに存じますが、ただいまの御質問の点、確かにいま華山先生おっしゃいましたように、まあ五十一条は直接的には民事、刑事上の責任は問われないという規定であると存じます。しかし、その規定の趣旨から申し上げますと、公的な機関であるところの地方議会というものが、その特定の議員の、しかも国会の議院内における発言について非難をするとか、あるいは弾劾をするというような決議をするというのは、五十一条の規定の趣旨からいって、公的な機関が行なうものとしてはなはだ好ましい状態でない。憲法はそういうものを予想はしていないのではないのかというふうに存じます。ただ地方議会としてそれをどのような形で取り上げるかと申しますか、地方議会として何らかの意見があるとした場合に、何らかの意思の表明のしかたがあり得るのではないかと思いますが、しかしそれが公的な機関の決議というような形であらわれるということは、憲法五十一条の趣旨から見てはなはだおもしろくないことだというふうに私は存じます。
○華山委員 いま小林さんのおっしゃったことは、非常に重大なことだと思います。これは地方議会が、県議会で県会議員の発言したことを批判する、これはいいでしょう。批判するのはいいけれども、これを決議にするというふうなことは、私はたいへんな問題だと思う。その点につきまして明確に——いまここで御研究が足りなければ研究されてもよろしゅうございますけれども、明確な御答弁と、法律上の根拠を、ひとつ例規になりますからお示しを願いたい。私はこれは大きな、民主政治の根本の問題に触れるのじゃないかと思う。発言の自由が制限されます。これは国会議員だからといって、県会議員だからといって、民主政治における地位というものは同じなはずなんです。ただ国会議員につきましては、憲法上規定している特権は、民事上、刑事上の責任を持たないというものが私は考え方だと思うのです。この精神からのっとってというふうなお答えでは私はわからない。私は国会議員につきまして県議会がそういうふうな議決ができないのだというふうなお話をぼんやりお聞きいたしましたが、同様な趣旨で私は県会議員というものに対し、市町村議会におきましてこれを議決するなどということはできないのじゃないか。それにつきまして、議会内部の問題であるならば議会内部で、たとえば県会議員の行動が議院の品位を害したとか、あるいは県政上非常に悪い影響があるとかという県議会の自律としまして、自律的の性質としてやることは、それはあると思うのです。やっていいと思うのです。しかしこれが外部から公の機関で議決するなどということは、もってのほかのことじゃないか。こういうことをこのたび認めるということは、私はたいへんなことだと思うのです。これは根本の問題ですから私はあくまでも追及いたしますが、いまここで明確な御答弁ができなければあとでもよろしいけれども答弁していただきたい。
○森田委員長 ただいまの華山委員からの発言は、具体的な問題であり、相当重要な法律問題だと思いますから、後日政府のほうで意見をまとめて書面で御回答願います。
○華山委員 終わります。
○小林委員 ただいまも華山議員から御質問がありましたように、問題は県会内部における議員の発言をその下級の議会の議員が個々に批判をする、あるいは住民が批判をする、こういう問題は一向私は差しつかえないと思うのでありますけれども、いわゆる町村議会という公的機関を通じて、その機関の中で糾弾の決議をする、弾劾の決議をするというようなことは、これは私はまことに許さるべきことじゃないと思う。こんなことが許されるならば、議会政治の根底はくずれてしまいますよ。先ほど華山さんの質問の中でも、国会議員の発言に対しては云々できないようなお話があったといいますが、私はそうは聞かない、聞いていないのであります。これは国会議員の国会内部の発言においても、もしいまの事例が許されるならば県会の中でも弾劾決議もできる。国会議員の発言を県会のみではない、町村議会においても議員の弾劾決議ができる。こういう形になってくるのでございまして、各市町村内部においてこんなことをどんどん流行のようにやられるとするならば、事実上議会内における議員の発言の自由というものは全く制肘されてしまう。憲法の精神も議会政治の根底もくつがえされるという、こういう危険性が含まれているのであります。それでも自治省の佐久間行政局長よりはさすがに法制局の荒井部長のほうが、少し前向きの答弁をしておる。少し専門家らしい。それは好ましいことでないという。好ましいことでない、それは憲法は予定していなかったのだろう、そういう答弁があった。おそらく新憲法はそういうことを予定していなかったのかもしれないと思われる点もあるけれども、しかしこれが野放しにされて許されることはないのであります。何か法律的な解釈でそういうことが阻止できるならば、明快な回答をいただきたい。できないならば、法的処置に訴えてでもこんなことができないようにしてもらわなければならない。せっかく委員長のお話で、書面で責任ある回答をしていただくということになっておりますから、その書面をお待ちいたしまして、またひとつ御質問をいたしたいと思うのであります。 この問題に関連いたしましていま一つお尋ねをいたしたいことは、これは私やはり刑事問題じゃないと思いますけれども、ある人を弾劾するというふうな、人の身分に関する決議を、確固たる証拠によらないで公表もできないような資料があるとか、いまはそれは発表できないとか、何々の幹部が教えてくれたとかいうふうな、そういう根拠のもとで、一体その弾劾決議などというものをつくっていくその姿勢、一体これが正しいか正しくないかということが一つ。これは常識論であります。常識論でありますけれども、これはやはり地方議会政治の品位に関する問題でありますからそれが一つ。 いま一つは、人の身分に関するこういう重大な問題を十四対十四という可否同数という形の中で議長がその一票を投じて弾劾を決定する、こういうあり方、これも議会政治の姿勢としていいか悪いか。 なお先ほどは時間がないからと言いましたけれども、この会議録は地方議会の中において記名投票でやるべきか無記名投票でやるべきかということを議論したのでありますが、無記名でやるべしということで多数決で決定して、無記名投票でこの弾劾決議をきめているということ、人の身分に関するような問題を無記名投票できめているということの軽率さ、これも私は議会政治のあり方としては少し間違っているのではないかと思いますけれども、以上の三点について、これは行政局長、法制局第三部長、それぞれ御所見を承っておきたいと思います。
○佐久間政府委員 第一点の、公にされない資料によりまして、それを根拠といたしまして、議員の身分に関係した問題について議会が判断を下すということは、これは正しい態度ではないというふうに考えます。
○小林委員 何ですか。
○佐久間政府委員 もう一度申しますと、第一の公にされない個人的に入手された資料をもちまして、このような問題について議会が判断を下すということは、これは正しい態度とは思いません。 それから第二番目の、このような問題に対する決議を、可否同数で議長が裁決をするというような形できめていくということにつきましては、議会の運営の上から見て非常に望ましい状態だとは思いませんが、しかし、まあそういうことが絶対にあっちゃいかぬかというと、これもそこまでも言い切れないように思います。良識の問題かと思います。 それから無記名投票でやったことが適当かどうかということにつきましては、私は先生のお話のようにどちらかといえば無記名でやることは正しい、適当だとは思いませんが、これもいかぬということの問題でもなかろうかと思います。
○荒井政府委員 ただいまの行政局長の答弁につけ加えて申し上げることはございません。大体同様な見解に立ちます。
○小林委員 そこで私は刑事局長に来ていただいたのは、こういうふうな形で糾弾をされているものでありますから、いまの県会議員が告訴をいたしたのであります。五月二十七日に名誉棄損で告訴をいたしております。ところがその後さっぱりどうも事態が進展をしない。それはまあ私は裁判所も人手がありませんし、まわりを見てみますると非常にお気の毒なくらい人間もないのでありまするからやむを得ないと思いまするけれども、こういうことがしばしば県内でも、地方議会紙を通じてだれもが関心を寄せている問題でありまするので、いま少し裁判所を促進をしてもらえないかということで、私自身も管轄の裁判所へお願いに上がったこともありまするけれども、いままでまだ進展をいたしておりません。一方にはそこで巷間人の言うことには、検察庁でも警察でも、まあ野党とか権力の側に立たない者に対してはなかなか迅速果敏に事を御処理になります。選挙違反等も、なかなか検察庁は野党側、権力を持たない側には峻厳迅速におやりになるけれども、権力者側がそこに介入する問題については、どうも事件の進展をお急ぎにならない、こういう批判が出てまいりますので、一体こういうような県民の注目の前に立って争っておるこのような事件に対して検察庁が——検察じゃありません。法務省の刑事局長でありまするから、行刑の行政上どういうふうに一体処置をしておいでになる考えなのか、ひとつ御所見を承っておきたい。
○津田政府委員 ただいまのお尋ねの事件は、本年の五月二十六日に新潟県議会の岩野議員が六日町町会議員であります内田議員外五名を名誉棄損により新潟地方検察庁六日町支部検察官に告訴したという事件だと思うわけでございます。この事件につきましては、その後もちろん取り調べをいたしておりますが、まあただいま遅延の点についてのお尋ねでございますから申し上げますと、実は本年六月に御承知の新潟地震がございまして、新潟検察庁管内の事務処理については、一般的にまあ遅延をいたしておるわけですが、特に六日町支部につきましては、御承知のように検察官が常駐いたしておりませんで、週一回長岡支部から出張して事件の処理に当たる。現在取り調べておりますが、やはり問題点といたしましては、先ほどお話がございましたように、県議会における発言その他、もちろん六日町町議会における発言も問題になるわけですが、これらについては速記録のないものもございます。したがいまして、その事実鑑定というのはかなり多数の人によってきめなければならぬというような問題がございまして遅延しておる、——遅延しておると申しまするか、処理に期間を要しておるというふうに考えておるわけでございますが、その程度までは、昨日御質問があることを承知しまして照会調査をいたしたわけであります。でありますが、検察庁としましても御指摘のような問題は非常に重要と考えますので、今後はできるだけ促進をいたしまして、この事件につきまして、もし地方でさような批判があるとすればさようなことのないようにいたしたい、その疑惑を払拭いたしたいと思うのでございます。
○小林委員 まあ先ほども吉武自治相が言われているように、県会議員は県会内部における発言は自由だ、町村会における町村会議員の発言やそういう決議の行為も自由であるというふうな実に安易な考え方である。だからなるべくそこらはひとつ円満に解決するようにやってもらいたい、こういう実に安易なものの考え方です。だけれども、そういう安易な考え方がやはりいま内閣の閣僚を牽制している。検察庁はその権力者のその内閣の下に属しているのでありますから……。いま一つは、やはり河野橋だの田中橋という時の権力を握っている者のちらほらしているそういう名前が出てくる、そうしてそこにいる閣僚はまあ円満にひとつやってくれよという考え方。そこでそういう空気をやっぱり受けて、検察庁あたりのいわゆる権力機関も、まあそういう政府側の意向を受けて、問題をサボタージュ——サボタージュと言っては非常に悪いのでありますけれども、サボタージュをしておきながら、そのうらにうやむやでまあうまくやれよ、なるべく調子よく合わして取り下げでもしてしまえというような空気の醸成に、いわゆる間接的な指示というまでにはいきませんけれども、そういう醸成の盛り上がるのを漫然と待っておられるのではないか。そうしてわれわれ権力を持たない側に対しては、ささいなことでもぐっぐっ、ぐっぐっとお締めになって、そうしておやりになるのではないか。こういう権力機構のあり方に対しても国民はいささかの不安感を持ちつつある。それがいまのお話じゃそういう真意のないということをおっしゃいましたけれども、あるいは新潟地震その他いまおっしゃるとおり六日町には常駐の検事さんいらっしゃいません。それはおわかりのとおりです。私自身は事実あそこの住民でありますから、実情はよくわかっております。わかっておりますが、世間はそういうようなことまで考えて、いつでも権力者側が介入する問題は、それはうまくやられてしまうじゃないか。そういうような疑惑の残らないように私は問題を明確に処理していただきたい。あるいはまあそういうふうにうまくこんなことは、自治大臣が言われたように、まあひとつ円満に解決するようにしておけよというふうな御指示があったならありましたというふうにまた明確に言っていただければいいし、なければないで、ほんとうにひとつ——与党、野党、在野いかんを問わず、問題の処理には厳正公正におやりになるというならばこの際明確なひとつ行刑のあり方をお示しをいただきたいと思う。
○津田政府委員 ただいまのだんだんのお尋ねでございますが、元来名誉棄損事件というものは非常に捜査処理上むずかしい問題でございます。ことにこの当該被告訴人たちは、公務員であります。したがいまして、公務員につきましてはその事実が証明されますと、真実であるという証明がありますと、これは罰せられないとこになるというような特別規定が刑法に設けられております。したがいまして、そういう事実証明の問題が非常に重要な問題である。そういう意味におきまして普通の窃盗とかそういう事件とは非常に違った種類のものでございますので、処理に時間がかかることは、これはやむを得ないところと思うわけであります。 それからもう一つ、全般的に申しまして権力者その他に対して、検察官が手心を加えるのではないかというような点でございますが、これは御承知のとおり現在の検察庁は検事総長を頂点といたしまして一つの組織になっておりまして、法務大臣といえども個々の事件は検事総長を通じてでなければ指揮できないことになっております。しかも検事総長の意思に反する指揮をいたしますと、いわゆる指揮権発動という問題になる。したがいまして、さようなことは法務大臣はもちろんいたしませんし、私どもの法務当局といたしましてもさようなことは一切いたしておりません。もっぱら現地の自主的な意思に基づいて処理をいたしておるわけです。ただ一般論といたしまして事件の遅延はあくまでも防ぐようにということは、しばしば申しておりますのでありますから、事件の遅延を防ぐということは、それは遅延をしたことによって、利益を受ける側にとってもあるいは不利益を受ける側にとってもひとしく遅延を防ぐようにいたしておるわけでありますので、さような組織になっておることを御了承願いたいと思うのでございます。
○小林委員 まあ、たまたま指揮権の発動の問題も出ましたから、私はまあその問題には触れませんけれども、自来そういう問題も含めて、若干やっぱりこういう検察行政等にも、国民は完全な、一〇〇%までの信頼を与えていないということも事実なんでありますから、ひとつ十分お考えをいただきたいと思います。これは先ほど華山氏が言ったように、何といっても国会議員のあり方、本質の問題に関することであります。私も検察のお調べの状態がどこまでいっているかということをしばしば直接、間接に聞きにくいのでありますが、いかにも残念なことに進んでおりません。だれだれが証人に呼ばれたからという話も聞いておりますけれども、まだ私のところに証人として出頭せいという話はきておりませんということも聞いておりますので、お伺いいたしたわけです。どうか、これだけを特に促進してくれというお願いはできませんけれども、諸般の事情を考慮して、なるべく早急に結論が出るように、ひとつ御協力をいただきたいと思います。 次に行政局長にお尋ねいたしますけれども、先ほど自治大臣は言いっぱなしで逃げてしまった。あれは逃がすわけにいきません。私はまた日をあらためてやります。あんな無責任なことではいけませんが、一体あなたはそういう何々橋とか何々道路というような俗称をつけて、選挙民がそういうような形で陳情政治の成果を喧伝し、評判しているというようなことを、お聞きになったことはありませんか。それから、そういう橋や道路を特定の先生につくってもらったからといって、生きているそういう人たらを記念するために、その近くに銅像をつくるとか胸像をつくるというような実例を御存じありませんかどうか。知っているなら知っている、知っていられないなら知っていられないと、以上二つの問題についてお聞かせ願います。
○佐久間政府委員 何々道路とか何々橋とかいう俗称をもって呼ばれておりますケースがありますことは、私も耳にいたしたことがございます。それからまたそういう方々の銅像なり胸像なりを建てようという話も、聞いたこともございます。
○小林委員 そういうようなことは、好ましいことであるとお考えになっておりますか。
○佐久間政府委員 好ましいこととは考えません。特に地方公共団体の公費を使ってそのような建設をするということは、これはあるべきことではないと考えております。
○小林委員 それじゃ、寄付金等を募って、胸像や銅像をつくることはよろしいのですか。
○佐久間政府委員 関係の住民が、自発的な意思によって金を集めまして、感謝の意をあらわすために胸像をつくるということは、これは押えるわけにはいかぬと思いますが、そのようなことがあちこちで行なわれるということは、決して望ましいことだとは思いません。
○小林委員 繰り返して申しますけれども、国費でつくられた国道の費用は、それが県道でも全部住民の金でございましょう。税金から出ておるのでございましょう。橋においてしかり、河川の改修においてしかり。それを、その住民の金によってつくり上げることを、一応建設省なりその他の官庁にごあっせんをした、それだけのことで、その人があたかも私財を投じてその道路やその橋をつくったかのごとき、そういう感覚で胸像や銅像がつくられておるということは、これはどうでしょうか。民主政治の根底に関する住民主権というものを、否定する考え方ではないですか。こんな考え方からいけば、民主政治や住民のいわゆる主権というものは、全く認められぬ形になります。そこに本質論があるのだが、一体自治省はそれを好ましいことではないというふうにお考えになるか、それを放任されておるのか。これは一番先にお尋ねしましたように、どうも地方議会におけるそういうような報酬の値上げは好ましくないぞというふうな自粛自戒、そういう指示くらいお出しになってもよいのじゃないかと考えておりますが、そこまで積極的にお考えになるお考えがあるかどうか、従来どおり放任しておくのかどうか、その点をまずお尋ねいたしたいのであります。
○佐久間政府委員 御趣旨は、私全く同感でございます。ただ私も一、二そういう事例があるということを耳にしただけでございますが、もしそのような事例が全国的にあるということでございますれば、私ももっと積極的な指導をするように、省内におきましても相談をいたしたいと思います。
○小林委員 積極的に指導していくというそのおことばを私はちょうだいいたしまして、なおいろいろ申し上げたいことがありますけれども、与党の親友の渡海代議士も、ひとつやめてくれという要求もございますので、やはり渡海議員の顔も立てて、きょうの質問はこれで打ち切りたいと思います。先ほども言いましたように、議員の国会内における発言が、他の機関においていわゆる弾劾の決議案というような形で処置されるということの重大性の問題を中心としていま質問したのでありますけれども、そのよってきたる原因は、やはり陳情政治によって生まれたということ、陳情政治の成果を阻害するからけしからぬということで、弾劾決議案が生まれてきたのであります。この陳情政治の弊害というものは、実に底なしにおそろしいものがあるのでありますから、どうか自治省においては、ひとつそういうふうな弊害の根底を断つように、適当な指導をしていただきますようにひとえにお願いをして、私の質問を終わることにいたします。
○森田委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時三十八分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕