地方行政委員会 第6号
- 発言数
- 78 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1964/12/04
会議録
○森田委員長 これより会議を開きます。 昭和三十九年度分の地方交付税の特例等に関する法律案を議題とし、質疑を行ないます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。安井吉典君。
○安井委員 きのう中途になりましたので、残りの部分に対するお尋ねを続けてまいりたいと思います。 きのう財政局長から大体の今度の給与改定についての財政措置の問題について、いろいろお話を伺うことができたわけでありますが、地方公共団体における国庫補助職員、たとえば改良普及員だとか、そういった補助職員がたくさんあるわけでありますが、それに対する財源措置。それからもう一つは、一般会計ではありませんが、国民健康保険の職員、これらに対する財源措置。それから臨時職員がいるはずですが、これに対する措置。そういったような点につきまして、今回の措置の中でどういうふうに具体的になされているか。それをひとつ伺います。
○柴田政府委員 国庫補助職員の給与改定に要しますものにつきましては、この給与改定に要する金額算定の五百六十八億の中に含まれておりまして、人員は約六万人でございますけれども、地方職員の国庫補助負担金が七億であります。総額そのものといたしましては十五億、十五億のうち補助負担金が七億、こういう計算でこの中に入っております。 それから国民健康保険のほうにつきましては、同じように国民健康保険の事務費は全額国庫負担でございますので、そっちのほうの計算になろうかと思います。 それから臨時職員につきましては、事の性質上賃金支弁職員の形をとっておりますので、この計算には入っておりません。また財政計画上は臨時職員はないということになっております。現実には若干あるわけでありますけれども、定額ですでにまいっておりますので、支出の措置はいたしておりません。
○安井委員 臨時職員について全くないということですが、ないけれども、現実には臨時職員があるわけですね。それに対しても給与ベースを都道府県市町村で改めないわけにはいかないのではないかと思います。これは改めなくてもいいわけですけれども、常識的な見方からいって、そういうふうな現実の問題が出てくるわけでありますが、そういうようなものについて一切今度見てないということでは、だいぶ困る場面が出てまいります。たとえば特別交付税とかあるいは起債の措置だとか、何か特別なお考え方はありませんか。
○柴田政府委員 臨時職員というのは臨時に雇われます職員でありますし、日々雇用という形をとるわけであります。したがって、それは賃金支弁の形になるわけでございますので、特にそのベースアップについて特別の配慮はいたしておりません。実際問題といたしましては、お話のようになろうかと思うのであります。私どもといたしましては、数年前から臨時職員は政府の定数職員に切りかえて、ちゃんとした支弁補償もし、かつ必要な給与に関する措置もとるようにということを指導してまいっておりまして、年々計画的に、財政計画上は臨時職員を政府の職員に振りかえてまいりました。すでに二、三年前に全部振りかえを終わっておりますので、計画上は臨時職員がないということになっております。現実にはあるわけですけれども、事柄の性質上、それについて特段の措置をするのはいかがかと考えるのでありまして、もし必要がありますれば、それはそれで個々の団体でもって措置すべきものと考えております。
○安井委員 その問題はもう少しあとでお伺いをすることにいたしますが、全体的な問題の中で、たとえば町村職員の低給与水準の問題とか、それからいまお話のありました臨時職員の問題とか、そういう特殊な問題がやはりこの際考慮に入れられなくてはならないというふうに私ども考えるわけであります。行政局長に伺いたいのは、いまちょうど臨時職員の問題が出ましたので、この点もう少しただしておきたいわけです。大体現実にはどれくらいいるのでしょうか。
○佐久間政府委員 いわゆる臨時職員と申しまして、先生のお考えになっておりますのは、その職務の内容が常勤的なものであり、本来常勤職員として扱うべき性質のものが、臨時職員としての扱いを受けておる、そういうものをさしておられることと思いますが、そういう意味での臨時職員につきましては、数年前から繰り返し定数化するように指導をしてまいりました。私どもといたしましては、大体において定数化が終わったものと考えております。ただ、その後におきまして新たにまた発生しておるものも若干はあるかと思いますが、その点につきましては最近あらためて調査をいたしました資料は持ち合わしておりません。
○安井委員 財政計画上も一応なくなっている。もっともなくするような措置をさせたあとですからそういうことになるのかもしれませんけれども、現実にはやはりいると思うのです。そういう実態をやはりお調べになっていただく必要があると思うのです。そうでないと地方財政計画そのものがいびつなものになってしまうわけです。おそらく二万や三万ぐらいは全国段階でまた臨時職員という形で出ているのじゃないかと思います。臨時職員を雇わなくてもいい、そういうふうな事態になるべきですけれども、現実はやはり欠員不補充だとか、そういうふうな措置を一応打ち出しながらも、仕事のほうはどんどんかってにふやしていく、こういう実態があるわけです。その仕事の大部分が国が地方に強制していく、あるいは補助金をつけることによって地方に仕事を押しつけていく、こういうような形でふやしていって、人はふやすなふやすなと言うものですから、定数外の臨時職員というものはふえる一方であるわけです。つまり一たん臨時職員をなくするという御措置をとられたことはわかりますけれども、しかし臨時職員がこれ以上ふえなくてもいいという、そういう態勢をおとりにならなかったというところに私は大きな問題があると思うのであります。ですから、この問題はひとつ慎重に御検討を願いたいわけでありますが、今回も政府は欠員不補充ですか、そういうふうな原則を強く打ち出されておる。この点について地方公共団体のほうにも指導がなされていると思うのでありますが、この点、大臣にひとつ伺っておきたいのですけれども、欠員は補充するなというふうに言っている。しかし仕事のほうはそのままにされている。あるいはまた仕事をむしろ地方に政府はふやして、押しつけるようなことをやっている。これでは私はどうしても筋が通らないと思うのです。そうなると定員をふやすこともできないから、臨時職員でも置いて当面をごまかしているほかない、こういうふうになると思うのです。だから私は欠員不補充はそれはそれとして、仕事のほうも減らすという努力を政府はなされないと、私は妙なことになると思うのですが、大臣、どうでしょうか。
○吉武国務大臣 安井先生のおっしゃるとおりでございまして、仕事がだんだんと地方庁にふえてまいります。したがって、それを受け入れるために人を置かなければならぬという実情にあると思います。ただ、御了解をいただきたいのは、これは国も地方も同じでありますけれども、だんだんと人件費がふえていくのであります。ベースアップは御承知のように人事院が民間その他を考慮して勧告をし、われわれもその勧告の趣旨は尊重していくという態度をとっておるのでありますが、その結果が、給与費としての占める割合がだんだんふえていっているわけであります。御承知のように地方財政の分では、三兆一千億あまりの地方財政予算の中で、人件費が今日でさえすでに一兆一千数百億円にのぼっており、来年度はこのべースアップだけで約千二百億くらいになるのではないかと私ども踏んでおるわけであります。そういうわけでありますから、これは大蔵大臣とも話し合っておるところでありますけれども、とにかくもっと人件費というものを何か合理化をしていく必要があるのではないかということであります。もちろん先ほど申しました一兆一千億あまりの、地方財政における給与費の中の割合は、先生も御承知と思いますが、教員の給与が約四割五分を占めておりまして、警察官の給与が約一割でありまして、一般職員が残りの四割五分というくらいになっております。それで、教員はそれじゃどうかというと、今日高校生あたりになりますと、すし詰め教育というようなことで、もう少しふやしてやらなければならないじゃないかという御意見もあるくらいでありまして、これはピークですからやむを得ずごしんぼう願って、だんだん調整になると思いますが、これを整理するということは、これはとうていできることではございませんし、不補充にいたしましても、教室はあけておくわけにはいきませんからこれはどうしても必要。警察官のほうにおきましても、交番をそれじゃほっておくかというと、そういうわけにはいきませんししますから、これは私どもも不補充のワクからは例外を認めてもらっておるようなわけであります。そうすると、あとの残りの四割五分についてでありますが、これはまあ仕事は確かにおっしゃるようにだんだんふえるししますから、人がだんだんふえてきたことではありますけれども、もっと私は仕事のやり方を能率的にやっていけば、人数の節約はまだ余地があるんじゃないかという感じがするわけであります。私も昔役人をやっておりましたから、昔の話でありますけれども、あればあったほうがいい。しかし、それじゃ、なければなくて仕事ができないかというと、やはりやり方によってはできるわけであります。仕事のやり方といたしましては、昔は何か法律をつくる要件があればガリ版ですぐやらにやならない。そうするとガリ版を書く人を置かなければならないという状況でありましたが、このごろは機械化されてすぐできるような状態でありますから、この仕事についても先生がおっしゃるように、これは中央で何でもかんでも法律をつくって地方へ押しつけるということでなくて、もう少し仕事の配分についても考えなければいかぬと思います。これは大蔵大臣とも話し合っておるところでありますが、同時に人の使い方ももう少し合理化をして、そうして人数を減らして給与の改善をはかっていくということが本筋ではないだろうかという感じがいたします。もちろん仕事には例外的なものがございますから、臨時にちょっと忙しいからといって人を入れる場合があるかもしれませんけれども、方針といたしましては私はしばらくこの不補充の原則は続け、また同時に仕事のやり方をもう少し研究をして能率的にやっていく方法はないかという気持ちを持って努力するつもりでございます。
○華山委員 関連して。ただいまのことに関連いたしまして、質問というよりも大臣の認識のことにつきまして申し上げたいと思います。一般的におっしゃったのは、比率をおっしゃいました。これは全体のことだと思います。そういう全体のことは、各府県について申しますと当たりません。たとえば東北地方、大体同じでございますけれども、山形の例を申しますと義務教育費が五割でございます。高等学校の先生の給与が二割でございます。警察官の給与が八%、したがって県庁自体の職員は二二%、その二二%のうちで現場の職員というものがほとんど大部分といってよろしい。あるいは保健所、あるいは農業改良普及員、そういうふうなもの、あるいはその他の土木職員、そういうものが多いのでございまして、東京の官庁におけるところの観念を、県庁職員、そういうものに持っていくということは、私は無理だと思います。地方行政委員会で秋田県にこの夏参りましたときに、秋田県知事はこういうことを言っておる。全部の職員の給与の中で、知事の左右できるものは、知事が自分の権限で縮小できるものは一五%しかない。幾ら努力してみても、この一割を減らしたところが全給与の一・五%しかならない。こういう実情でございます。私は実態といたしまして、そういうふうな実態の県が非常に多いということを考えていただきたい。一律にどこもここも同じではないということをひとつ考えておいていただきたい、それだけ申し上げまして、御所感でもあればひとつ……。
○吉武国務大臣 実情はいま華山先生のおっしゃるとおりだろうと思います。私も想像つきますが、いまの国からいろいろ命じている仕事自体をもう少し考え直していく必要があるんじゃないか。全然役に立たぬ仕事をやっているわけではございませんけれども、これはひとつやめようとか、これはどうしても必要だから残そうとか、その仕事のやり方はこういうふうに合理化していこうというくふうがまだ足りないんじゃないかという感じがいたします。私も、最近の県庁の中の実情は、中には入っておりませんけれども、地方庁は現業みたいなものですから、お話のとおりだろうと思いますけれども、私は県庁が独自でやっている仕事にむだがあるというわけじゃございません。それは全体について、国の仕事をたくさんやっておりますけれども、そのやっている仕事をもう少し再検討してみたらどうだろうかということで申したのでございます。
○華山委員 私は大臣がパーセントを根拠にしておっしゃったから、そういうパーセントで、まだまだ県庁の経費の中には、県庁固有の職員がたくさんいるんだというふうな考え方は、これは地方地方については決してあたらないものだということを申し上げたのです。
○安井委員 私は先ほどの大臣の言明でわからないわけではないのですけれども、一つだけ重大な点が落ちていると思うのです。というのは、私が、国がどんどん仕事をふやして、地方に押しつけているということも一つの原因ではないかということを申し上げたことについて、お答えがないわけです。つまりいまの現状において能率的に仕事を進めるのは、それはできる面とできない面はありますけれども、だれだって能率的にやりたいという意欲を持っているし、これは当然のことだと思うのです。しかし、幾ら努力をしても国のほうがどんどん新しい法律や新しい仕組みをつくって地方に押しつけていく。しかしそれについて必要な人件費のほうはさっぱりめんどうを見ない。こういうことで、仕事だけはどんどん行くのですから、どんどん仕事はふやすぞ、ふえたって地方は非常に非能率的なのだから、もっと能率的な体制でやればできるじゃないか。さあ仕事はどんどんやれ。国は地方に仕事だけ押しつけて、そういう中で地方における人件費は総体の中の割合をどんどん比率を上げていく一方だ、こういうような実態がいまあらわれているのじゃないかと思うわけです。だから私は、国がどんどん仕事を地方に押しつける際に、自治省あたりが、もっときっぱり押えて、地方に欠員の不補充だ、欠員不補充でやりなさいという指導をされる以上は、やたらに、給与の裏づけなしに仕事を地方に押しつけることを、そこでチェックしなければいかぬじゃないか、そう思うのです。欠員不補充という御指導をされる以上は、そういう御決意がなければいかぬと思うのですが、いかがですか。
○吉武国務大臣 お話のとおりだと私も思います。したがって、その点は掘り下げてではございませんけれども、原則的に大蔵大臣とも話しているわけでございまして、私が先ほどことばが足りませんでしたけれども、華山先生がおっしゃったように、それは国がいろいろの仕事を各省でつくって、そうしてそれを末端は、みんな地方庁がやらねばならぬものですから、府県や市町村が仕事を引き受ける。したがって、手がなければできぬから、それがふえる。これは私は実情だろうと思っております。そのものをひとつ何とか合理化したい、こういうことでございます。
○安井委員 あとまだほかの委員からの質問がありますので、さらに市町村職員の給与水準の現状と、それに対する対策の問題にちょっと触れて終わりたいと思うのですが、現状から見れば、町村職員の十何万名に及ぶ諸君は、市の職員よりも低いし、もちろん県や国家公務員よりも低い給与水準に置かれているわけですし、私どもの調べでも、町村職員の給与は、これは去年の五月の調べですが、一万八千九百六十五円というような低ベースで、地方財政計画における市町村職員の平均ベースにも至らぬし、交付税の基準財政需要額における給与水準にも達していないというふうな実態があるようにも見られるわけです。地方公務員法には、きのう秋山委員あるいは細谷委員の質問にもあったように、地方公務員法第二十四条の、国家公務員や他の地方公務員あるいは民間の給与ベース、そういうようなものの考慮からきめらるべきだと言われるのにかかわらず、他との比較においてはそういうふうな実態があるわけです。ところでまたいろいろ聞いてみますと、給与関係条例や、あるいは規則の制定も十分でないところもあるし、町村長の主観で給与がきめられていくという実態もあるようです。初任給基準も十分でないものもあるし、あるいはまた一応そういうふうな基準に関する条例や規則はあるけれども、それは自治省への報告用にできていて、実際のところはもう一つ内規みたいなものがあって、それで処理している。ちょうど二重帳簿式でやっているところもあるというふうな話も聞きます。あるいはまた給与の条例はつくってありますが、一般職員もいわゆる行政の(一)で当てないで、行(二)の基準に合わせて実際の給料をきめているとか、そういうようなやり繰りをしているところもあるというふうな話も聞きます。定期昇給のない者もあるし、扶養手当もきちっと支給しないで、最高は幾らというので頭打ちで押えて支給をしておるところ、通勤手当の無支給のところ、あるいは打ち切りのところ、時間外勤務手当の支給のないところ、宿日直手当等は、国家公務員並みに支給されているのはほとんどないのではないかというようにも言われております。暫定手当の支給のないところもある。こういうふうな実態が現実にはあるようです。しかも労働基準法に違反するような勤務条件があっても、その労働基準法の適用は、実は町村長自身が労働基準監督署長のかわりをするように法律では定められているわけですから、これは自分で自分を取り締まるわけですから、なかなかそういうふうにはうまくいくわけはないわけです。日本の労働基準行政は、市町村の場合にはそういうふうな仕組みになっている点にも問題があるわけでありますが、いずれにいたしましてもこういうふうな問題がたくさんあるわけで、きのうの御答弁の中でも、行政局長はいろいろ措置は講じておるというふうなお話も私は聞いていたわけでありますが、私はこの全体的な事情の中から、予算編成にあたっては、まず当初予算から給与費は義務的な経費として優先的に計上するような、そういう指導や仕組みをつくる必要があると思います。あるいはまた昇給の費用などは、当初予算からはっきり計上させておくというのが当然なことだと思います。そしてまたこういうふうな実態は地方財政そのものがきわめて貧困だというところから起きておるわけで、この間発表されております三十八年度の自治省の全国の市町村や都道府県の決算の状況から見ますと、大都市や都道府県の赤字はひどいわけですね。町村のほうは案外赤字傾向が深刻化してないようなふうにも見えるわけですけれども、じっとながめてみますと、結局やるべき仕事をやってないで、やっと赤字を増大させるのを押えているというふうなことではないかと思います。つまり行政水準が非常に低いままでがまんをしている。その中に給与の問題も入っているわけです。給与水準もずっと低くして、そういうことでやっとこすっとこ財政の極端な悪化を押えている、こういうふうな実態があるのではないかと思います。したがって、全体的に地方交付税等の傾斜配分を強めるとか、そういうような中から町村の財政を強化していく道も同時に講ぜられなくてはならないわけです。財政がきびしいものですから、結局地万交付税の中で給与財源として充てられているものまで学校の建築費にいってしまったり、橋をかける費用にいってしまったり、そういうことになっておるのではないかと思います。そういう根本的な解決の問題が大事だと思います。 それからまた地方職員、特にいま町村職員に限定して申し上げているわけでありますが、いまの給与水準を一ぺんにいま正しい姿に戻せといったって——ちょうどいま給与改定の時期ですから、この際に一ぺんにやりなさいといっても、あるいはこれはちょっとめんどうかもしれません。ですから少なくも年次計画をもって、何年間で給与ベースを正しい姿に直す、こういうふうな御措置ももっと真剣に御検討をいただく必要があるのではないか、そういうふうに考えるわけです。そのほか町村の職員の場合は、農協の職員のほうが安いから町村のほうもそう上げるわけにはいかぬとか、たいていそういうような問題が出てくるわけです。そのまた基礎は、日本の農村の零細性だとか所得の低さ、貧しさ、そういうところに実は根本的な根があるわけでありますが、それはそれとして解決をしなければいけませんが、地方公務員法の国公やあるいは他の地方公務員との全体的なバランスできめていくという、そういう趣旨からいっても、やはり根本的な給与面における改善対策というようなものを進めていく必要があるのではないかと思います。 最近は町村の仕事は、自治大臣もさっき仰せられましたけれども、現実には農業構造改善事業だとか何か盛んに押しつけられてどんどん仕事がふえていくわけです。ところが、なかなかいい人材が集まらないですよ。それは給与が逆に、県の職員や国家公務員よりも町村の職員が少しぐらい高くても、やはり県庁の職員になったり国家公務員になったりするほうに流れていくのではないか。そういうようなことですから、日本の全体の政治行政の基礎がやはり市町村の段階に置かれているということからすれば、やはりいい人が町村役場に集まっていかなければいけない。そういう面から考えましても、この際根本的な検討が必要ではないか、そういうふうに思うわけであります。 時間の関係がありますので、問題点をずっと申し上げたわけでありますが、この点につきまして大臣や、それから直接の御担当は行政局長だと思いますが、あるいは財政局長等からも御所見があればお述べいただきたいと思います。
○佐久間政府委員 町村職員の給与の改善につきまして、いろいろと御所見を承ったわけでございますが、私どももその御趣旨につきましては全く同感でございます。昨日も秋山委員の御質問に対しましてお答えいたしました中で申し上げましたとおり、自治省といたしましても、町村給与の改善合理化につきましては、近年相当努力をしてまいっておるわけでございます。昭和三十五年に、御承知のような一般的な通達を出しまして、以後この状況も見まして、本年当初におきましては、自治労のほうからそれぞれ問題のあるものにつきまして、直接私どもがその状況も聴取いたしまして、それらを披露いたしまして、各府県が積極的に指導するように連絡もいたしたわけでございます。それらの中には、先ほどおあげになりましたようないろいろな事例がございましたが、何ぶん三千あまりの町村の中でございまするので、ままいろいろ問題のあるところのあることもやむを得ないと思いますが、私どもといたしましては、このような事例が全くなくなりまするように指導をしてまいりたいということで努力をいたしておるわけでございます。特に自治労の出されました資料の中で、規則の不備なものもございます。私ども調査をいたしましても確かにございましたので、その点につきましては、本年の七月に整理をするように、私の名前をもちましてさらに通達をいたしたような次第でございます。先般もまた職員の代表の諸君から、その後の状況もお話を承ったのでございますが、なお今後努力をしてまいりたいというふうに考えております。 先生もおっしゃいましたように、一挙に非常に低いところを改善しろといっても、これは財政その他の事情で無理でございますので、年次計画で改善するようにという指導も従来からしてまいっておるわけでございますが、さらにこの点につきましても努力をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○柴田政府委員 お話を承っておりまして、おおむね私どもも同じような考え方を持つわけでございますけれども、ただ一つ事実と違いますことは——違いますというと語弊があるかもしれませんが、私どもは数年来、町村に対する財源傾斜配分を続けてまいりました。町村につきましては、財源が実は相当充実をしてまいったつもりであります。現にある程度のものはいっております。実は私もここ一年ばかりの間でございますけれども、何回か町村につきまして、そういう実態を見てまいりました。ところが非常に不思議なことには、投資的経費と申しますか、事業費に使われるようにと思って、実は財源を配ったのでありますけれども、その財源があまり事業費に使われていないということは、言いかえますれば、町村の財政を見てまいりますと、ここ数年来非常に給与費の伸びというものが著しいのであります。したがって、もとより理想から言いますれば、いろいろ問題がございましょうけれども、少なくとも給与関係の是正という問題は、数年来いろいろな御指摘を受けておりました。その御指摘を受け始めましたころに比べますれば、相当直っているのではないか、私は実は直っておると思っております。もとより問題は残っておりますけれども、しかし旧態依然ではございませんで、むしろ非常に是正される方向に動いておる。むしろ問題は財政的にだけ申し上げますならば、給与費の総額というものが非常に伸びが著しいので、逆に町村財源が苦しくなっている。町村の事業費というものはすべて起債によっている。起債は財源ではございませんけれども、起債によって仕事をしておる。それがまた公債費にはね返ってきて、一般財源の増加額というものは、給与費の増加額と、公債費の増加額と、事業費、こういうものを合わせますと、全部食いつぶしております。そして新たな事業財源というものはすべて起債によっている、そういう事情が散見されるのでございます。これは一体どうしたらいいかというので、やはり給与費の問題のあり方というものをわれわれとしては財政的に考えていかなければならぬ、こういう問題を痛切に感じておる次第でございます。
○安井委員 いまの財政局長の御答弁のうち、投資的経費が給与費のほうにみんな回っている、というおっしゃり方ではないけれども、そうとれるようなお答えでございましたが、給与費がふえていくのは物価がどんどん上がって、生活費が上がっている、そういうようなことから自然に上がっているという、そういう面があるのではないでしょうか。それから財政収入のほうは実はそのわりに伸びていないということ、つまり物価がどんどん上がっていく、そういうようなものの中で財政需要のほうはふえていくけれども、財政収入のほうはふえ方が鈍い、こういうようなことから給与費の全体の中に占めるバランスが逐次上がってきている、私はこういうふうな理解のしかたもあるのではないかと思うのです。ですから、いまある地方財政のそういう仕組み、地方財政の中の財政収入における仕組みをそのままにしておいて考えたら、私はそういうことになるのであって、給与費を含めた財政需要の伸びに全体的に見合うような、そういうふうな財政収入の仕組みをつくるべきではないか、そういうふうに考えるわけです。つまり入れものそのものはあまり大きくならないで、入れものの中身の、特に義務的な給与費というようなものが伸びていく、こういうようなことになっているのではないかと思います。だから入れものそのものを、地方財政の総ワクというものをふやす努力をなさらないといかぬのではないか。私はむしろ問題をそういうふうにとりたいのですが、どうですか。
○柴田政府委員 私の言い方が少し悪うございましたが、私が申しましたのは給与費、いままでの安井先生の御指摘では、町村の給与水準というものは依然として低水準だ、一つも直っておらないじゃないかというお話しでございましたので、いや、まだいろいろ問題があるけれども逐次直っておりますよというお話を申し上げたのでございます。御指摘のような問題ももちろんあることは承知しておるのでございまして、全体として町村の財政のあり方と申しますか、この動きつつある地方行政の実態に対処した各地方財政制度の仕組みと申しますか、財政のあり方というものにつきましては御指摘のような点もございますし、なおわれわれといたしましても検討すべき点があるのではなかろうかと実は考えておる次第でございます。
○安井委員 自治省ではいまの町村職員の全体的な給与水準について三十五年以来の動きをしっかり数字的にとらえて、そうして国家公務員やあるいは他の地方公共団体の公務員との比較がどういうふうになっているかとか、それをしっかり押えた上に立って、これから先にそのアンバランスをどうくずしていくのかということ、それについての具体的な計画は現在はお持ちになっていないわけですね。——しかし近いうちにお持ちになる、そういうふうなことでさっき行政局長おっしゃったのだと思うのですけれども、どうですか。
○佐久間政府委員 当委員会におきましても前にも申し上げたことがあると思いますが、ただいま先生のおっしゃいましたように、この三十五年の通達後においてどの程度ほんとうに改善されているかということは、これはぜひつかみたいということで、昨年の四月一日現在におきまして、全地方公務員の実態調査をいたしたわけでございます。この調査は国家公務員あるいは他の地方公共団体とのほんとうの比較ができるように、ほんとうのと申しますのは、ただ全体の算術平均ではなくて学歴、経験年数の同様な者が、国家公務員と比べて高いか低いかということがはっきりつかめるような調査をいたしたいということで調査をいたしたわけでございますが、これは全職員についていたしたものでございますので、統計局に集計を依頼してございますが、だいぶ日にちがたっておりますから、これはもうそう遠からず結果が出ると思いますので、その資料が出ました上でさらに具体的な対策を検討してまいりたい、かような考え方をとっておるわけでございます。
○安井委員 あと時間がありませんので、これで終わりますけれども、ぜひその資料を、はっきり出ましたら私どもにもお見せいただきたいと思います。いまのところはまだ何か基礎がなくてお互いに話をしているようなかっこうでありますので、ひとつその資料をはっきりお出しいただいて、それを中心に私どもも考えたいし、自治省のほうでも一つ腰を据えたしっかりした対策をぜひ打ち出していただきたい。それだけひとつお願いしておきます。
○森田委員長 川村継義君。
○川村委員 人事院勧告が出まして、政府が九月実施ということをきめ、地方公務員についても同様右へならえをして切りかえるということで進めておられるわけであります。これについて財源問題、大臣がたいへん努力をなさったことはたいへん多としておるのでありますけれども、何しろ七・九%の引き上げ、人事院勧告は五月実施ということで勧告をしたのを九月に実施するということは、何としてもこれは残念きわまりないことであります。 私はまず大臣に、人事院勧告についてどういうお考えを持っておられるかお聞きすべきであります。しかし、すみませんけれども、佐久間局長が御用件があってお急ぎのようでありますから、大臣の御所見をお聞きするのをあとにいたしまして、直接行政局長のほうに一、二点お聞きをしておきたいと思います。 まず今度の切りかえにおいて給与表の取り扱いでありますが、これはやはり人事院が勧告をした給与表を地方公務員にもそのまま適用する、こういうことであろうと思います。しかしそのままといっても、従来たとえば行政職俸給表の(一)を見ると、地方公務員は三等級から八等級に当たる表を使わせておった、何かこういうような特別な措置があったようでありますが、今回も自治省としては何かそういうような給与準則とでもいうようなものを地方団体に示す用意を持っておられるのかどうか、それを初めにちょっとお聞きしたい。
○佐久間政府委員 今回の人事院勧告を地方公務員に適用いたします場合におきましても、自治省が従来とっておりましたように、国家公務員に準ずるという基本的な方針で指導をしてまいりたいと考えております。 ただいま御指摘のございました俸給表のことでございまするが、府県の場合におきましては、従来国の三等級を一等級に相当するものと考え、以下順次適用いたしておったわけでございまするが、今回もそういう考え方でまいりたい。そこで今回新たに国家公務員の場合におきましては、いわゆる新三等級というものが設けられたわけでございます。この取り扱いを地方公務員の場合にどうするかということでございまするが、この新三等級を設けましたことにつきましては、国家公務員の場合と比較いたしますと、率直に申しまして、地方公務員の場合におきましては非常に適当な措置であったかどうかということにつきましては若干疑問もないわけではございませんけれども、そこを全体として国家公務員に準じた扱いをしてまいるというたてまえをその、まま堅持してまいりたいと考えておりまするので、ちょうど国の新三等級に相当するものを地方でこしらえるという考え方で当てはめてまいりますと、地方の課長のうちの一部の者ということになるわけでございまして、地方の課長級を二つのランクにするたてまえで国の新三等級に相当する者と四等級に相当する者というふうに分けてまいりたい。したがって、そういうことでまいりますと、従来、府県につきましては、通常の県が六等級ということにいたしておりましたのが七等級、等級が一つふえるということになると思いますが、考え方は、冒頭に申しましたように、国家公務員に準じて給与改定をするという方針で、そのような指導をしてまいりたいと考えておるわけでございます。
○川村委員 等級の定め方はいまのお話でよくわかりました。そこで、いま一つ念のためにお聞きしますけれども、その場合に国家公務員は八等級に分かれておる、地方公務員は言うならば七等級のランクにする、こういうことでありますが、その場合の号俸の置き方、金額、そういうものの適用はやはり国家公務員と同じものを使う、こういうように考えてよろしゅうございますか。
○佐久間政府委員 そのように考えております。
○川村委員 旧号俸から新号俸に切りかえるときも、やはり国家公務員と同様の考え方によって切りかえる、こう理解してよろしゅうございますか。
○佐久間政府委員 そのように考えております。
○川村委員 そこでお尋ねをしたいのでありますが、これは柴田さんのほうにもお答え願わなければならぬかと思いますけれども、いまの佐久間さんのお話でわかりましたように、旧号俸から新号俸に切りかえる場合に、大体部長クラスは県においても市町村においても二等級、地方の等級でいえば一等級になりましょう。そこに切りかえてある。課長クラスは、県においては、国家公務員の等級でいえば三等級、地方公務員の等級でいえば二等級になりましょう。そこに切りかえてある。市町村の課長クラスは国家公務員の表でいえば四等級に据え置いた。それから地方公務員の等級でいえば三等級のところにやはり置いてある。こういうような切りかえがなされるようであります。 そこで、その点で第一にお聞きするのは、都道府県の課長クラスと市町村の課長クラスの等級を分けたのは人事院勧告の何か法律的な根拠があってなさったのかどうか、それをまず聞かせてください。
○佐久間政府委員 先ほど私申し上げましたのは、あるいはことばが足らなかったかと思いますが、府県の場合におきまして、課長クラスが従来国の課長補佐、四等級の等級に一応当てて考えておったのでございますが、国の課長補佐クラスが新しい三等級と四等級と二つの等級に分かれることになりましたので、それに対応いたしまして、府県の場合におきましても課長クラスが二つの等級に分かれるというようなことを指導をしてまいりたいというふうに申し上げたわけでございます。 〔委員長退席、亀山委員長代理着席〕 それからただいまお尋ねの府県の場合と市町村の場合でございまするが、先ほど七等級というふうに申し上げましたのは、一般の府県の場合を念頭に置いて申し上げたわけでございます。市町村の場合におきましては、これは規模、また職員構成、組織、職員数というようなものが大小区々にわたっておりますので、大都市におきましては、府県と同様な俸給表をつくるということが適当でありましょうし、小さな町村におきましては、一般の市町村におきましては、全体が四等級くらいということが適当でありましょうし、市町村につきましてはそれぞれの規模規模に応じまして、組織なり職員構成を考えて適当に措置をしてもらう。これも従来大体そういうことでやっておりまするので、今回の給与改定におきましても、特に従来と違ったやり方をするということは考えておらないわけでございます。
○川村委員 県段階においても、お話のように国家公務員の表によって俸給を考えると、課長クラスでも三等級と四等級に分かれる、そういう分かれ方がある、市町村においてもそういうことがあるというようないまお話のようであります。これは人事院勧告に基づく一般職員の給与法の改正の附則四項にそういう趣旨のことが書いてあります。お話の内容はよくわかります。私がお聞きしたのは、ただ単価のとり方において、これは交付税の算定内容に関係すると思いますけれども、これは柴田さんにお尋ねしますが、統一単価のとり方において、今回府県の課長クラスは国家公務員の表でいえば三等級に見てある。その号俸をとってある。市町村のいわゆる課長クラスは統一単価表のところから見ていけば国家公務員の等級で四等級のところに置いてあるようです。そういう統一単価表の設定をしてある。それが交付税の算定になってあらわれてくるわけですね。その区別はどういう考えでなさっておられるのか、この点を聞きたい。
○柴田政府委員 府県の場合の部長級と課長級の単価のとり方につきましては、御指摘のように、また行政局長から答えられましたように、自治省といたしまして指導をいたしております原則と申しますか、これに立って俸給表をとり、その俸給表の平均値と申しますか、そこに、大体置いておるわけであります。市町村の場合におきましては、大体人口は十万でございますので部長制はとらない。課長制を原則として単位表は計算しておるわけであります。もとより個々の団体について補正をいたします場合に、つまり態容補正係数を使います場合には、人口が大きくなり大都市に近づいてまいりますれば部長制も採用してまいる、こういう補正係数の段階になるわけでありますが、人口十万の段階では大体課長しかいないものと考える。その課長の俸給表と申しますか俸給の単価の引き上げ額につきましては、昭和三十年の調査が基礎になっているわけですが、そのときの学歴、経験年数の平均と申しますか、これを基礎にして国家公務員に当てはめた場合の俸給表をとる。したがって、そこには特別、国家公務員の俸給表のどのクラスを採用するということはございませんで、むしろ実態調査の結果の学歴、経験年数別の人間の平均値を国家公務員の俸給表に当てはめればどうなるか、こういう計算のもとに計算をして単価をきめている、こういう次第でございます。
○川村委員 私がお尋ねしておるところがはっきりしないかと思いますが、いまの点で、この前の昭和三十九年度の交付税の改正をなさったときにいわゆる統一単価表というものを一般職員の場合に示してある。これは都道府県の場合の部長クラスで言えば三等級の十三号というのが部長クラスの単価号俸になっておる。課長クラスは四等級の十三号、こういうようになっておる。これはおそらく国家公務員と同じ等級を考えて示してあると思う。これを今回の切りかえにあたって当てはめていくならば、課長クラスは三等級の七号、部長クラスは二等級の十二号、こういうようになっておる。市町村の場合は部長クラスで言いますと、当初の統一単価表の単価は三等級の十二号であったが、今度の切りかえでは二等級の十一号にしてある。そこで部長クラスを見てまいると、今度の一般職の職員の給与に関する法律の切りかえの附則どおりに切りかえてあるようであります。それは間違いございませんね。——ところが、市町村の課長クラスは同様な処置になっておるけれども、都道府県の場合の課長クラス、つまり当初の四等級の十二号というものは、統一単価のそれから考えてまいりますと、今回は三等級の七号というような号俸を設定をしてある。先ほど国家公務員と同じような切りかえをしてあると言っておられますけれども、そのとおりに都道府県の課長クラスについては行なわれておらない、つまり統一単価の採用ができていない、こう考えざるを得ないような疑問が起こっているわけです。おわかりでしょう。それを説明してください。
○柴田政府委員 先ほどのお尋ねに対する御説明を明確に申し上げますと、都道府県の統一単価の基礎になっております号俸の切りかえは、部長級は現行が三の十三、これが二の十二になるわけです。したがって七万六千五百円から八万二千九百円になります。課長級は四の十二を十の十二に改めております。これを新三等級を採用するのかというお尋ねだと思いますが、新三等級を採用するものはごく一部の、むしろ課長の中の重要課長ということになるわけですから、平均いたしましてむしろ四の高いところの号俸に切りかえる、こういう形でございます。したがって五万三千五百円を五万七千四百円に切りかえております。
○川村委員 その点です。もう一回私のほうからくどいようですけれども申し上げますと、今度の切りかえにあたって、統一単価表の採用にあたって、部長クラスは市町村の場合も県の場合にも、県の場合には三等級の十三号から二等級の十二号へ、これは一般職の給与切りかえの法律どおりに切りかえて統一単価を設定してある。市町村の場合もそのとおりになっておる。市町村の課長クラスについてもそのとおりになっておる。そのほか吏員、雇用人等の切りかえも、また統一単価の採用も法律どおりになっておる。ただ、なぜ県の課長のクラス、つまりもと四等級の十二号俸をやったものだけが、統一単価の設定にあたっても、切りかえにあたっても法律どおりになっていないのか、こういうことを聞いておるわけです。
○石川説明員 県につきましては、御指摘のように新三等級の設定の問題がございますが、新三等級の七号の場合にも五万七千四百円でございまして、私どもの統一単価で四等級で十二号をとります場合にも五万七千四百円と同一金額になっているわけでございます。統一単価につきましては、新三等級になりますのは一部でもございますし、格づけといたしましては四等級の十二号をとって統一的に計算をしておって差しつかえないだろう、こういう考え方で四の十二、従来どおりにいたしておるわけでございます。
○川村委員 先ほど佐久間局長のお話で切りかえ等も国家公務員どおりにやる、こういうことです。いまあなたの説明で、なるほど考えておられることはわからぬではありませんけれども、この切りかえにあたっては附則別表第二によりますと、四等級の十二号というものが新しい号俸では三等級の八号にならねばならぬ。そこでいろいろ理屈はあっても統一単価を設定する場合に、なぜ三等級の八号に統一単価をきめなかったかということなのです。附則によれば四の十二号のものは三の八号にならねばならぬ。そこで統一単価をとるときにもその号俸の金額をとるべきではないか。ほかの部長クラスや一般の市町村の課長なんかを見ると同じようにとってある、これだけなぜとらなかったのかと私は聞いている。
○柴田政府委員 新三等級になりますものは、国の場合でもごく少数な人間に限られるという方針でもございますし、財政的に見ます場合には、現在のままで切りかえて別にそう大きな影響はない、かような考えから統一単価といたしましてはおことばのような方針をとらなかったのでございます。
○川村委員 私はこの点よく理解がいかないのです。ということは、結局もっと言うならば交付税の算定のような場合でも、単位費用をつくっていく場合に、結局その基礎の金額というものを落としていく。数が多いとか少ないとかいう問題ではなくて落としていく。ただそれだけの理由からいまのような方法をとるということはよくないことではないか。もうちょっと切りかえなら切りかえのときに、法律に基づいた国家公務員なりの考え方でやるべきではないか。私はこう思うのです。いま一度……。
○柴田政府委員 厳密に言いますれば、単位費用の中に含まれている課長の中で、この課長は新三等級、この課長は四等級とお話のように区分けをすべきでございます。しかし現在新三等級をどのような方針できめていくかという具体的な問題につきましても、国家公務員の場合でもまだ明確な線が出ておりません。したがって、また地方庁の場合でも、どのような形でこれをとっていくのがいいかといったような問題も、今後の問題としてあろうかと思います。かたがた、それが財政的に見まして、そうさしたる影響がないということになりますれば、今回の暫定的な給与単価の設定といたしましては、その問題を一応考慮に入れまぜずに、旧来の形において切りかえるという形をとることもやむを得なかった、こういうことでございます。
○川村委員 そういう財政的あるいは平均的な考え方で推し進めていこうとするならば、三等級なら三等級のわずかな、ごく一握りというような、交付税の算定基礎をはじく場合に、そういうような課長クラスをとらなくて、もっとすっきり、筋の通った課長クラスの本俸を計算したほうがもっと理屈に合うのじゃないか、私はそういうような疑問がこの中からとれません。とにかく、私は切りかえは法律どおりにやはりやって、統一単価を、それに見合った考え方をやるべきではないか。ほかの部長クラスやあるいは市町村の課長クラス、そのほかの吏員、そういうものはみな、前の統一単価の設定と今度の新しいものの設定切りかえは法律どおりになっておる。ただ、県の課長クラス、数が少ないからといって、それを落として、統一単価をつくったというところに、どうしても解せないところがある。これは八号に直せませんか。
○柴田政府委員 直す必要はないと思います。
○川村委員 理由をもう一ぺん……も。
○柴田政府委員 先ほど来るるお話し申し上げておりますように、ごく一部の問題でございますので、もっと厳密に言いますれば、この課長級でも、同じ四等級の十二号、あるいはそれ以下のもの、これとのかね合いと申しますか、新三等級に切りかえるべきもの、昇格すべきものと、それからもっと下のほうのものというものを総平均して出すべきものかもしれません。従来の経緯から、ある程度統一単価の中に昇格財源等をも含めてまいっておることもございますし、新三等級に切りかえるものも、ごく小部分だということを考えますれば、統一単価といたしましては別段不都合でないと考えるわけでございます。
○川村委員 佐久間さん、用件ございましたら……。またあとで、時間があったらお聞きします。 それでは続いて、第二の問題として、交付税の算定について若干お尋ねいたします。 ちょうど私、昨日委員会に全部出席しておりませんで、同僚委員の皆さん方からどのような質問があったか十分承知いたしておりませんから、あるいは重複するような点があったら御容赦いただきたいと思います。 たくさん聞いていくことは時間的にどうかと思いますから、一つ、二つお尋ねいたしますけれども、簡単にひとつ答えてください。 宿日直手当を、交付税の単位費用を算定する場合に見ていかない、あるいは見てあるならばどういう形で見てある、そういう点を知らしておいていただきたい。 〔亀山委員長代理退席、委員長着席〕
○石川説明員 たとえば小中学校につきましては、校費を改定単位とするにつきまして、宿日直手当そのものを計算の基礎において算定をいたしているわけでございます。警察等につきましても、それぞれ積算の基礎の中に織り込んでおりますので、今回の宿日直手当の改定にあたりましては、それぞれこれは上積みいたしまして単位費用を引き上げてございます。
○川村委員 小学校、中学校の場合に見てありますか。
○石川説明員 お手元に私のほうから資料を差し上げておりますが、その二ページをごらん願いますと、たとえば小学校費の教職員数、学校数の欄をごらん願いますと、単位費用が八万七千円と、七万九千円から八千円アップになっております。このアップは宿日直手当のアップでございます。
○川村委員 私がその点疑問に思ってお尋ねしたのは、いただいた資料の四番目、五ページに、単位費用改定例というのが一つ示してあります。住民登録費の資料であります。このところを見てまいりましても、その給与関係費の算定基礎の中に宿日直という項目があがっていない。それは一体あげなくてもいいのかというのが一つ。この資料にはありませんけれども、前回の四十六国会に皆さんからもらった算定基礎の資料の中に、小学校、中学校というような算定例がありますけれども、その中にも宿日直という積算の費用が見当たらない。あなたはいま含まっていると言うけれども、どういう形で含めてあるのか、もうちょっと詳しく説明願いたい。
○石川説明員 交付税の計算の技術上の問題もございまして、戸籍住民登録費の中に宿日直手当を計上いたしておりませんが、たとえばその他の諸費の庁費の中で、それぞれの施設に必要なものは宿日直手当として計上をいたしているわけでございます。
○川村委員 それでは、今度見込んであるその宿日直手当は、人事院勧告どおりにしてあるわけですか。
○石川説明員 人事院勧告どおり交付税の中で措置してございます。
○川村委員 それでは第二の問題で、通勤手当の見積もりでありますが、通勤手当は、交付税の中に見ていかれる場合に、四十六国会のときの通勤手当はたしか県の場合には二百三十四円、市町村の場合には二百八円、こう見てあると思う。今度の新しいものは県の場合二百六十八円、市町村の場合二百三十八円、こういうような数字で計算をされておるようでありますけれども、その理由をひとつ説明してください。私が申し上げた数字も、誤りがあったら、それも指摘してもらいます。
○石川説明員 これは昨年度と同様の考え方でございまして、国家公務員について勧告が行なわれました際、そのアップ率がほぼ地方公務員の場合にも当てはまるであろうということで、そのアップ率を基礎にいたしまして、財政計画上きめられた措置額を、そのまま通勤手当の中でも通勤手当のアップ率として交付税でも措置することにいたしているわけでございます。
○川村委員 そうすると、国家公務員とは相当開きがあるということですね。そう理解して差しつかえございませんね。
○石川説明員 それは開きがあると考えます。
○川村委員 大臣、これはあとでまたお尋ねしたいと思いますけれども、通勤手当をなぜ国家公務員と大きく差をつけなければならぬのか、そのお考えをひとつ聞かせていただきたい。
○柴田政府委員 これは国家公務員の場合と比べまして、地方公務員の場合は、小さな地域に住む職員が多いわけでございます。つまり市町村が入ってくるわけでございますので、通勤手当の支給の額というものも、平均しますと小さくなってくるわけでございます。それは過去に実績がございまして、その実績を基礎にして率が出ております。その率によって計算をしておるというのが実態でございます。
○川村委員 もういまその考え方は通用しないのではありませんか。その実績をひとつ根本からやり直したらどうです。地方公務員は、狭い地域だからといって、安くていいということにはならぬのではないか。地方の都市あたりに住んでいる国家公務員だって、何もはるばる遠方から通勤しておる者ばかりでない。その同じ都市内に、官庁の近くにおって、バスでも電車でも通勤できるところに大多数は居住し、通勤をしている。むしろ県庁の職員あたりが一時間なり二時間なり時間がかかるところから通勤をしておる、そういうのが実態じゃありませんか。実績だといっても、何年前の実績か知りませんが、そういうものをもとにして相変わらずこういうような金額をはじき出しておるということは、実情に合わないのではないか、これは根本的にやり直す必要があるのではないかと思いますが、お考えを伺いたい。
○柴田政府委員 県庁の場合は、おっしゃるようにどちらかと言えば国家公務員に近い場合が多うございましょう。市町村になりますと、その関係はがらっと変わってくる。市町村でも大きな都市になりますれば、やはり国家公務員なりあるいは県庁の職員に近くなってきましょうけれども、全体として見ました場合には、やはりその比率は落ちざるを得ない。したがって、現在国家公務員との率の計算は、いままでの格差をそのまま置いているわけでございます。その格差が特に縮まるような事態が発生しておるかおらぬかということにかかるわけでございますけれども、少し前の率をそのまま据え置いておるんですから、あるいはもう一ぺん調べ直す必要があるんじゃないかとおっしゃられれば、そろそろ調べ直してもいいころじゃないかと私も思いますけれども、現在のところでは、ほかによるべき資料もございませんので、過去の実績を基礎にして計算をしてきておるということでございます。
○川村委員 いまのお話だけでは、私は今日の地方公務員の通勤の状態を考えるとマッチしないものがあると思います。今回でも市町村は狭い、県は相当違うのじゃないかということであれば、県だけでももう少し考えて組み直すということがあれば、なるほど少しは満足されるものがありますけれども、県もわずかに三十円程度しか上げておらぬ、町村も三十円程度しか引き上げていない、そういう見込みを算定に織り込んでいる。国家公務員は申し上げるまでもなく百円の控除だってとれている、そして四百円、四百五十円、これは自転車なんかで通勤する者ですよ。局長、自転車で通勤する者が四百円、四百五十円ですよ。市町村の者は何で通勤しますか、歩いて行きますか、こういうことを考えてみると、私はこの開きというものを至急是正すべきである、そうして交付税の単位費用の算定を組み直すべきである、こう考える。四百円、四百五十円の国家公務員のものは自転車通勤だということをひとつ考えて、あなたたちが設定をしておる県の二百六十八円、市町村の二百三十八円をもう一ぺん考えて答弁していただきたい。
○柴田政府委員 算定の基礎そのものが国家公務員の通勤手当の改正と何ら変わっていないわけでございまして、別段そこには変わりはない。ただその通勤手当の計算の基礎になる率、これは地方公務員の通勤の実態というものに非常に激変がありますれば率は変わってくるだろうと思います。しかし、その激変が特別ないということでございますれば、これは調べてみなければわからないわけでございますけれども、特にそれを改定をする、その率を変えるという必要といいますか、理由もないわけであります。一応ほかに資料もございません、おっしゃるように勤務の実態が変わっておるかもしれませんけれども、今日の状態を全体から見まして、一部においてそういうものがございましても、全体としてそう大きく率の改定を必要とするような大きな変動はないのじゃなかろうか、こういうことで同じ率を使っておるわけでございます。まあしかし調べる必要はございましょう。できるだけ近い機会にさらに実態を、現に変更ありやなしやという点について調査してみたいと思います。
○川村委員 これはぜひひとつ実態をいま一度よく調べていただくことを、ここでまずお願いをしておきたいと思います。これまでのやり方においてその理屈を踏襲すれば、局長のお話しのとおりだと思いますけれども、どうしてもこういうような金額を単位費用の積算の基礎に持ってくるということは、私は納得できません。 それからその次に同じようなことで、これは交付税課長のほうでもよろしゅうございますが、お聞きしておきたいことは、扶養手当の問題でございます。扶養手当は、私の記憶が違っておったらひとつお教えください、国家公務員の場合は妻、それから一番上の子供は六百円、二番目からは四百円ではなかったか、こういうように考えておりますが、間違っておったら教えてください。そこで交付税のこの算定の中で扶養手当をどう考えてたとえば課長の場合は一千三百五十一円という金額が出てきておるのか、吏員の場合はどうして一千百三十円という金額が出てきておるのか、雇用人の場合にはどうして五百九十円という金額が求められておるのかお教えいただきたい。
○石川説明員 これは標準団体等につきまして実態調査を行ないました、その調査の結果を基礎として平均的なものによって単価を算出いたしておるわけでございます。
○川村委員 これは平均で求めてあるわけですね。そうすると、子供が次から次に生まれていくというような場合にはどうなりますかね。しかも四十国会初めに出されたその単価も現在求めてある単価も同じ、その後子供は一人も生まれておらぬということになる。どういうことですか。まあ交付税を算定するときにこういう理屈はあるいは合わぬかもしれぬけれども、実際問題としてそういうふうに扶養家族の平均ということで考えていくことがいいかどうか。局長どうです。
○柴田政府委員 交付税の計算をいたします場合に、吏員は子供を何人生むべきだという計算をするわけにもまいりませんので、実際問題といたしましてはこういうものはあまり実態と違っても悪うございますし、なるべく平均値を取っていかざるを得ないのでございますが、ただ実際問題としてこの額が多いか少ないかという問題になりますれば、やはりここでも調査の問題が起こってまいりますけれども、むしろ最近の傾向は子供は減っておる状態でございます。それらを見ますればこれは多いかもしれないのであります。まあしかしささいな金額でございますのでそのままにしてある、こういうわけでございます。
○川村委員 これ以上はその点は申しませんけれども、どうもおかしい。そういうかっこうで交付税の算定というものを、何十年とは言えませんけれども、年々同じ形でやってこられるから、先ほどから問題になっているように給与費等を考える場合に困るという欠陥も出てくるのではないか。私はそういう点で交付税の算定の土台というものが非常に弱いということを指摘をしたいと思います。 そこで、次に大臣にひとつお尋ねをいたしたいと思いますが、一々こまかなことをお聞きしては恐縮でございますから、こまかなことは関係担当のほうでお教えをいただきたい。当初申し上げましたように五月実施というものが九月に見送られて、これは公務員にするとたいへんな損害ということにもなるわけであります。せっかく期末手当、勤勉手当をそれぞれ〇・一引き上げろという勧告をされたけれども、これも九月実施になったので結局夏のやつはこれは切られる。年末と三月、こういうことで〇・二%アップにしかならぬ。相当な問題を含んでいるわけでありますが、それらの問題をいまさらここで申し上げてもせんないことではあります。 この人事院勧告の問題についてはいろいろと批判もされておりまして、幾つかの問題点があるようであります。官民の差が四月一日で八・五%あった。これは人事院も言っている。さらには四月の労働組合関係の賃金要求の結果おおよそ二%近く、一・八九%は上昇をしておるという。今日でも、どんなに低く見積っても民間と公務員との賃金差は二五%はあるのではないか、こう言われているわけです。こういうような実態の中に九月実施ということになると、これは公務員の立場からするとたいへんな問題だと言わねばなりません。人事院勧告が完全実施されなかった結果、相当の打撃を公務員が受けているということはもう申し上げるまでもありません。 そこで、こういう点について大臣はどのようにお考えになっておるか。この人事院勧告の処理の点について、どう認識をしていられるのか。金がないからしょうがなかったのだ、これだけが問題なのか。簡単でよろしゅうございますからひとつお聞かせをいただきたい。
○吉武国務大臣 川村さんの御指摘のように、私どもも現段階においては、国家公務員にいたしましても地方公務員にいたしましても、人事院の勧告はこれを尊重していくつもりでございます。ただそれでは完全にことしからでも五月からやったらどうだというお話でありますが、従来もう何年間十月から実施しておりましたし、また本年は特に国の財源も枯渇をし、いわんや地方財政は非常に窮屈でございます。したがいまして、地方公務員だけとってみましても、従来のように十月から実施いたしましても、完全に不足いたしますものは二百億近くあったわけでございます。したがって、その財源でさえ苦しんでおったときでありますので、どうしようかということで、六人委員会で相当論議をいたしましたが、お話のように、私どももできるだけ人事院の勧告は尊重していこうという気持ちがあるものでありますから、できなくても誠意を示そうじゃないかということで一カ月繰り上げまして九月一日実施にしたわけであります。十月でさえ二百億近くの財源が不足しておりました上に、一カ月さかのぼりますとさらに四十億近くこれに重なってくるわけでございまして、その点は漸次人事院勧告を尊重していくということよりほかにないじゃないか、こういう感じを私ども持っております。もう皆さん御承知でございましょうけれども、五月実施にしますると、地方公務員だけで、ベースアープだけに要するものが千七十二億であります。今日地方財政が非常に窮屈であります際に、これだけをすぐやれとおっしゃいましても、実際問題としては非常に困難でございまして、一カ月しか誠意を示されなかったということははなはだ遺憾でありますけれども、そういう事情の中にもかかわらず、われわれが努力した点をひとつお認めをいただきたいと思います。
○川村委員 大臣もたいへん遺憾であるというお気持ちはおわかりのようでございますし、時間もないことでありますからあと一つ、二つお聞きをいたします。 高等学校卒業の初任給は一万四千百円、これは人事院からいただいた資料によりますと、結局独身男子の標準生計費というものが基礎になっておるようであります。これをこまかにお聞きしたいのでありますけれども、時間の関係上一緒に申し上げまして、大臣並びに局長等の関係者の皆さん方の御意見を聞いておきたいと思います。 高校卒の初任給は一万四千百円、こうきまっておるようであります。男子十八歳程度の標準生計費が、実は人事院のはじき出した資料によりますと一万四千七十円、この一万四千七十円の内訳の食料費というのが五千九百円になっておる。五千九百円を一日当たりに割ってみると百九十四円四銭、一食分は六十四円六十八銭、これで一体食うていけるかどうか。これは皆さん方はどうお考えであるか、これが一つ。 住居光熱費というのが二千六百七十円になっておる。一体男が住まいをして、あるいは光熱費を使っていくのに、二千六百七十円で済むかどうか。これはどうも、十八歳程度の男の子は、やはりうちにおって親のすねをかじって生活をしておるという見方でしかはじき出されていないのではないかと思う。二千六百七十円で住居光熱費がまかなえるかどうか。これが第二。 第三番目に、被服費として一千四百六十円出してある。十八歳程度の男子は月にシャツ一枚分の被服費があれば生活できるとお考えであるかどうか。 雑費として四千四十円はじき出してある。書物も読まなければならぬ、ときには映画も見なければならぬ、病気のことも考えなければならぬ、交通、通信、交際、こういうものを考えていくときに、一体月四千四十円でまかなっていけるかどうか。これは実は人事院の皆さん方にお聞きしたいところですが、きょうおいででありません。しかしこれらに基づいて、一万四千七十円という標準生計費がはじき出されて、高校卒業の初任給は一万四千百円と決定をされておる。そこでこの初任給の決定はこれでよろしいと皆さん方はお考えになっておるか、そういう点を率直にお話をいただきたいと思う。
○吉武国務大臣 これで食えるか食えぬかという御議論は、実はもう終戦後から今日まで常に繰り返されている問題でございます。私は、これでは非常に不十分であろうと思います。不十分であろうとは思いますけれども、しかし日本の国はとにかくあの戦後の荒廃の中から立ち上がりまして、漸次いま経済の成長を見ておるのでありますから、やはり国として、国民としてしんぼうしながら、だんだんとその所得を増していって、この水準を上げていくよりしようがないのであります。食えぬから食えるだけよこせ、そうしてそれはあとはどうなっても、というふうなことでは、国の財政はやっていけない。それは個人の経済についても同様であります。ですから、これで十分と言えるかとおっしゃれば、私は率直に十分でない、これではお気の毒だと思う。それでは十分なだけ出したらいいじゃないか、こうおっしゃいましても、それはなかなかできないことです。先ほど申しましたように、もう国でも地方でも、人件費、給与費というものは相当多額にのぼっておる。地方では、先ほど申し上げたかどうか知りませんが、全体の三兆一千億の予算の中で、一兆一千億からのいわゆる給与費を出しておるわけであります。人を少し減らして給与を上げたらどうだという考え方を持ちますけれども、先ほど来皆さん方がおっしゃるように、仕事が多いのでなかなかその余地はないぞ、これも私は真実だろうと思うのであります。だから、そういう中から立ち上がって、そうして切り抜けていく、——それではだんだんと生活が悪くなっていくかというと、おかげで日本の国はだんだんと復興いたしまして、生活水準は私は向上しておると思います。でありますから、その点は国民の皆さまとともに、ひとつこの際しんぼうしながらだんだんと切り抜けていって、お話しになりましたように、まあまあこれで生活ができるようになったというところへ早く追いつきたい、こういうつもりでございます。
○川村委員 大臣の御訓辞はひとつ承っておくことにしましょう。 ただ、私が申し上げましたように、人事院の標準生計費がそういうような形ではじき出されて、公務員の高校卒の初任給が決定をされておる。ここのところを重大に考えていただかなければならないと思うのです。国の財政、これはもちろん大事でありましょう。しかし、人間はやはり食べて働かなければなりません。そこに働くことができるだけの生計費というものが必要になってくることは、理の当然だと思います。そこで、これではやっていけないから、こういう人たちは一体足らない分をどうしておるか。これは大臣ひとつよく考えていただきませんと、社会上のいろいろなひずみが出てくる。ここに一つ私はこの給与表の問題があると思う。これは、いろいろ御議論はありましょうけれども、私が申し上げている考え方も間違いではないと思う。 そこで、たいへんくどくなって恐縮ですけれども、こういうような標準生計費を編み出すときに、人事院は二千六百九十カロリーというものを考えておる。たん白質の九十二・六グラムというものを考えておる。そうしてこれで食って生きていくためには差しつかえないのじゃないかという見解があります。ところが、御承知のとおりに、二千六百九十というこのカロリー、これをまた人事院が食料費のマーケット・バスケット方式によって編み出したのを見てみると、実に驚くべきものがございます。私はここにくどくど申し上げません。その二千六百九十カロリーを編み出すについて、たとえば小麦粉を五グラム、マグロが十グラム、牛肉が八グラムというように五十九品目並べてある。われわれがこんなものを求めようとするときに、小麦粉を五グラム下さい、牛肉を八グラム下さい、こういうことは実際問題としてできないわけですね。このマーケット・バスケット方式の計算は、机上計算でしかないわけでありまして、これは現実と離れているということは、その組み立て方において指摘できるということをわれわれは考えておらねばならぬと思います。油あげ四グラム、がんもどき五グラム、こういうような積み重ね方をして二千六百九十カロリーというのがはじき出されておるわけであります。こういうような形で先ほど申し上げましたような一万四千七十円という生計費がはじき出されておる。こういうところにも問題があるわけであります。 そこで、ただいま大臣のおことばの中に、いろいろ日本の国が伸びてきた、しかし、おれたちはできるだけがまんをしてこれを切り抜けていかねばならぬというようなお話等がございましたが、もう一つ私がぜひ指摘をしながらお聞きしておきたいと思いますことは、この人事院が標準生計費を示しておりますのを見てまいりますと、いま申し上げましたように、一人の場合は一万四千七十円、これは八等級の二号俸であります。二人の場合は二万七千二百七十円、これは七等級の八号であります。三人の場合は三万六千七百七十円、これは六等級の十号であります。四人の場合は四万三千五百二十円、これは六等級の十六号であります。五人の場合は四万八千七十円、これは五等級の十四号であります。そこで、こういう俸給を取っている公務員がこの生計費に到達するには一体どういう年数を要するか、これを私はぜひお耳に入れておいていただきたいと思います。いま申し上げましたように、十八歳の高校卒業のこの年数は、一人の場合にこれは十八歳で零といたします。二人の場合にはこの二万七千二百七十円の標準生計費を獲得するには十三年間かかります。その人は三十一歳になります。家庭が二人ですから。つまりこれで言うと三十一になって嫁を持てというのです。でなければ公務員の給与からいけばこの標準生計費をまかなえない。三人の場合はどうか、これは子供が一人できた、ここまでいくには十八年かかる。算術計算でいけばそのときに公務員は三十六歳になる。三十六になったら子供を一人持て、こういうことですね。四人の場合を考えて、五人の場合を考えて、五人の場合は四十三歳になる。二十五年間かかる。これは人事院が出した標準生計費に到達する公務員の給与ベースの実はあり方なんです。実に驚くべき給与の実態をあらわしておるのであります。いま私は男子十八歳程度の一人の場合の初任給の点を申し上げまして御見解をお聞きいたしました。そうして標準生計費と公務員給与表との、その到達年数関係を大まかに申し上げました。こんなことを考えてきますと、公務員はこれだけの俸給ではとてもやっていけない。これが明らかになると思うのです。そうなるとやはり何かこれは考えていかなければならぬ。悪いことをするわけにはいかぬです。 そこで大臣にお聞きいたしたいと思いますことは、そういう俸給表の実態でありますから、地方の団体がその公務員の働きをより高めていくために何らかの手当てを考える場合には、それを一々皆さま方のほうで、そんな給与を出してはけしからぬ。年末手当も国家公務員並みでなければならぬ。プラスアルファ等々、ことしは期末手当も 〇・一切られておる。五月実施をしておればそれもあるんだけれども、それもない。何らか考えていくというような手当を地方団体が考えた場合に、それを一々皆さま方のほうで干渉なさるおつもりではないでしょうね。地方公務員の性格から考えて、やはりできるだけのそういう配慮をやってやるべきではないかと私は思うわけであります。大臣のお考えをひとつお聞かせ願いたい。
○吉武国務大臣 たいへん専門的なこまかい数字をあげての御見解でございまして、非常に傾聴してお聞きしておったのであります。あるいは数字を分析して御指摘になればそのとおりであり、無理があると思います。しかし標準生計費がどうかということになりますと、大ざっぱに幾らだとこう言いましても、なかなかそれでは通らないから、いわゆる標準生計費の取り方をこまかく分析をして、いまお示しになったような説明をしておるわけであります。しかし、実際の問題になりますると、そう一々こまかく生活をしておるわけではない。平均して分析すればそういうふうなマーケット・バスケット方式により何が幾ら幾らで合計して何カロリーということで、これはよく前々から私どもも議論しておったところでございますが、しかし実際はだんだんとこの内容が充実していっておると思います。 それから第二の年齢別なりあるいはまた家族の状況から分析してのお話でございましたが、これもそのとおりだと思います。私はこれはひとり国家公務員あるいは地方公務員のみならず、日本全国全体の問題として、今日農村におかれます幾多の方々の生活の状況を見ましても、私は決してこれはこのままでいいとは思っておりません。ですから、私は先ほど申しましたようにこれがだんだん悪くなっていくということであれば、ここで非常に決心をして何らかの措置を講ずるということにならなければなりませんけれども、幸いにして日本は国民の勤勉力によって経済も復興をして、生活水準も伸びておることでありますから、そこで一般にいまお話になったような十分な生活はできませんから、まあ、しばらくごしんぼう願いながら早くそこへ到達しようじゃないか、こういうことを申し上げておるわけであります。で、結論的には、先生は、こういうふうに苦しいから地方で上げたものはまあ目をつぶって通したらいいじゃないかという御結論かと思いますが、これは実を言いますと国家公務員に準ずるということになっておりまするし、国家公務員の給与のベースは民間のベースに完全に一致はしておりませんけれども、毎年毎年、それを標準として改定をしていっておるのでありますから、地方公務員も——国家公務員も十分だとは言えませんけれども、これにならっていくということでないと、生活は困るじゃないか、困るから、県にしても町村にしてもこれにアルファをつけて、そうしてプラスしてやろうというのを、やかましく言わぬでもいいじゃないかとこうおっしゃいますけれども、それではきりがないのであります。そうしてその足らぬしりはどうするかというと、結局いや、交付税で見てくれろ、あるいはまた国が元利を補給してひとつ補てんをしてくれろ、こういうことではきりがございませんから、私どもとしては上がっておるものをいまここで直ちに下げなさいとは言うべくしてなかなかできないことだから、これは無理かと思うけれども、しかし、国家公務員に準じて地方公務員もひとつやるようにしてください、こういう指導をしておるわけであります。中には国家公務員の給与ベースに届かないのもあるでありましょう。いなかの町村なんかになりますると、他との関係もあり、また財政上の問題から低いのもあるかもしれませんが、これはできるだけ私どもとしては、国家公務員に準じてならってほしいということを指示いたしますと同時に、国家公務員にならって、給与財源をわれわれはない中をくめんしておりまするから、それを府県や市町村でかってにどんどん上げられて、そうして金が足りないから埋めろ、こういうことではやはりいけないので、私は十分か十分でないかとおっしゃれば率直に十分でないと思います。これだけで子供をかかえて生活ができるかと言えば非常に苦しいと思いますが、しかし、それは国全体として働いて、そうしていわゆる所得を増して、早く余裕のある生活へ持っていこう、こういうふうにひとつ御了解をいただきたいと思います。
○川村委員 いろいろいまの点、議論のあるところでございますが、時間がございませんので一応この辺にとどめたいと思いますけれども、実はいまのような問題は人事院関係の皆さんにいろいろとお聞きすべきであったと思います。大臣に所見をお聞きしたわけでありますが、いま大臣からいろいろ懇切な御答弁がございましたけれども、それについてはそのままどうも納得できない問題がある考えるわけであります。そこで、私は時間がございますれば、一体今日の地方の財源を充実するにどうせねばならないか、皆さん方はどういうことを考えておられるか、今回のこの特別の財源措置等に関連をしてお聞きをせねばならないと思いましたけれども、時間がございませんから、また後日に譲らせていただきたいと思います。その後の地方財政の問題は、三十八年度の市町村及び府県の決算状況を見ても、三十九年度の運営を考えても、並みたいていのことでないということを憂慮しておる者の一人であります。かと言って、給与をこれ以上引き上げることも相ならぬということは、決してそのとおり考えるべきものでもありませんし、重大な問題がこの後の地方財政の運営にくるということを考えておるところでございます。それらの問題につきましては、また後日お尋ねをいたしたいと思います。 終わります。
○細谷委員 関連して。先ほどの大臣の川村委員に対するお答えの中に重大なおことばがありますから、関連してひつと質問いたします。 先ほど大臣にことしは十月実施を九月にしたのだから誠意を示したのだ。このことにつきましては、私、昨日の質問で、大臣の労を多とすると申し上げたわけでありますけれども、同じお答えの中にこういうことがある。漸次人事院勧告を尊重していくのだ、こういうおことばがございました。これまでもこの委員会で、尊重するということをいわれたが、五月というのはいつも十月に値切られてきたじゃないか。今度も九月ということで値切っておるのじゃないか。ところがいまのおことばでありますと、従来は漸次ということはありませんでした。常に尊重して完全実施できるように努力するのだということでありますけれども、きょうのおことばでは漸次尊重していく、こういうことばがはからずも大臣のおことばから出たのであります。たいへん重要な問題だと思う。きょうの新聞を見ますと、増原給与担当相は大体において八月の人事院勧告というのは困るのだ。ひとつ十一月ごろ勧告してもらおうじゃないか。そして新年度からそういう給与の問題は、財政計画の中に織り込んでいくようにしたい、こう言っております。ところが十一月は勧告が出ておりません。来年の十一月になるとたいへんなことになる。六人委員会等で九月実施に関連して、大蔵当局等の意見もあって、たとえばいろんな締めつけが今後行なわれるのじゃないかということが地方団体側で憂慮されております。きょうの増原担当相の新聞に出たことばから推察いたしまして、また漸次尊重するのだという大臣のおことば、これはどうも一致したところから出ているのじゃないか。六人委員会でいろいろなことがやられたのじゃないか。一カ月早めたけれども、今後そういう勧告が十一月になされるということになりますと、かえってマイナスになる、こういう問題になるわけでありまして、先ほどの大臣のことば、六人委員会でそういう問題がやはり話されているんじゃないかという気がいたすのでありますが、この点についてひとつ大臣の見解といいますか、ことばをひとつはっきりお聞きしたいと思います。
○吉武国務大臣 私は気持ちを申し上げたのでありますが、もう地方庁は、年度半ばで改定されることは非常に困っておること、これは御承知だと思います。ことしなんかも途中で改定になりましたために、六百億という金をくめんしなければならぬ。それが自然増収が思うようにいきませんので、結局百五十億を国の預金部から借り入れてまかなうというような状況でありますから、毎年毎年こんなことを続けていくというのは、私はあまりいいやり方ではないと思う。私ども人事院の勧告は尊重していくという基本線は変わりはありません。願わくは、四月一日から通常予算に国も府県も組めるようにしていただければ、高いか安いかという問題はあるでしょう。ございましょうけれども、それは人事院がいろいろと検討をして結論を出されれば、それをわれわれは尊重していくつもりなんですから、いまのように八月に勧告が出て、そして途中で補正でやっていくということになりますというと、いままでは財源があった。自然増収というものが相当成長率が高いために、ありました。補正予算でまかなってきたからあまり問題になりませんでしたけれども、私は今後はそう簡単にいままでのような成長というわけにいかないと思うのです。自然増収もおのずから限界がある。そうすると毎年こういう状態を繰り返すだろうと思う。これはあまりいいことじゃない。基本的に言うならば、四月一日から実施ができるようにして、しかもそれが通常予算に、国も府県も町村も組めるような制度に改めていただきたいと思っております。 〔委員長退席、藤田(義)委員長代理着席〕 しかしそう言っても、なかなか現実の問題になるというと、そう簡単にはいきにくいだろうと思うのです。いきにくいと思うが、その中を何とかくめんをしていくように努力しなければなりませんが、まだそんな話はしたことはございません。もしできないといたしますれば、いわゆるいままでどおりの方式を踏まれますというと、十月から実施するか、九月から実施するか、ことしは九月から、無理の中をくめんしてきましたから、ちゃんと私はこの人事院の勧告というものを尊重していかなければならないという気持ち、誠意を示して申し上げたことでございまして、私もできることなら四月一日から組めるような制度に改めていただくことに異議はございません。
○細谷委員 いまの大臣のおことばを聞きまして漸次尊重していく、こういう漸次ということは取られたようでありますから、それで理解いたします。問題は、五月か四月、一カ月なんです。勧告はいつも五月実施ということになっておるわけですから……。きょう増原給与担当相がああいうことを言っておりますと、どうも一年間ストップしちゃう。来年の十一月ごろ勧告して再来年の四月一日からでもやるつもりではないか、そういうことが六人委員会で話されたのではないかというような気がいたします。財源の問題については、たとえば来年度の予算においてどうするかということは重大な問題でありまして、自治省としても、そういう財政計画を十分含んで御検討いただかなければならぬのでありますが、ひとつこの勧告の時期については、大臣おっしゃるように問題点がありますけれども、さればといって増原給与担当相のおっしゃるようなことでは、これは川村委員が先ほど指摘したように、たいへんな公務員の生活上の問題にも関連してまいるわけでございますから、ひとつ十分な御配慮と御検討をいただきたいと思います。
○藤田(義)委員長代理 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十四分散会