地方行政委員会 第3号
- 発言数
- 134 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1964/11/20
会議録
○森田委員長 これより会議を開きます。 警察に関する件について調査を進めます。 前会に引き続き、佐世保市における原子力潜水艦寄港反対デモの際の議員逮捕その他警察官の職務執行に関する問題について、質疑を行ないます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。細谷治嘉君。
○細谷委員 昨日、一昨日とこの委員会におきまして佐世保における楢崎代議士の逮捕問題について質疑応答が繰り返されたのでありますけれども、お答えにいろいろ食い違った点がたくさん出てまいっております。しかもその経過を見ますと、まことに一方的な、自分の都合のいいような主張をしてまいっておりまして、あくまでも警察がとった行動を正当化しよう、こういう意図がまことに明瞭であります。民主的な警察の態度としてはまことに遺憾に私は思っております。たとえば現地にずっとおった、こういうことが言われたかと思いますと、その現場の実情は見ておらない、質問に対して、こういうことがあったかと聞きますと、そういうことは聞いておらぬ、総合判断をした結果、自分の主張が正しいのだ、これ以外はないのだ、こういう態度でございます。しかも憲法五十条で保障されておる国会議員の不逮捕権、こういうものを無視して、そういう点について、明らかに官房長官が陳謝した問題すらも吹っ飛ばして、すべてが神様のような正当な行為であった、こういうふうに自分たちの主張を繰り返しておるのでございます。一体この原因はどういうところにあるのか、本部長にお尋ねします。
○稻留説明員 お答え申し上げます。 いままでいろいろお尋ねいただきました事実の内容と、私どもの述べておることが食い違いがあるというお話でございますけれども、私どものほうでも、客観的にしっかりした事実を見まして判断いたしておるわけでございます。現場にいたというが、見てない場合もある、これはたくさんおるデモ隊でありますし、警察官でありますし、全部一つ一つのケースを自分の目で見るということは不可能ではないかと思っております。 次に、不逮捕権の無視ということがございましたけれども、私どものほうは、法律に従いまして、私どものできる範囲で仕事をいたしたわけでございまして、不逮捕権の無視ということは、私どもにはないと考えております。
○細谷委員 重ねてお尋ねしますが、客観的に正しい正当な行為だ、こういういまのお答えでありましたけれども、楢崎代議士が公務執行妨害だ、主観的な判断でしょう。きのうもそうおっしゃったでしょう。主観と客観の差異はどういうところにあるのですか。いいときには客観的だ、あるときには主観的だ、こういうおことばは一体どういうことなんですか、重ねてお尋ねします。
○稻留説明員 昨日の私の回答のことばの中に、主観的ということばはほとんど使っておりませんけれども、これは一警官が逮捕いたします場合に、その警官の判断において行なわれるということを主観的と申し上げたものと思います。しかし、そのケースを一つの事件としてまとめますためには、逮捕はその瞬間、一個の人でございますから、主観的ということになるかもしれませんけれども、ほかにもこれを見た者がおるわけでございまして、それを合わしますれば客観的判断ということが言えるのではないかと考えております。
○細谷委員 主観と客観の争いをしてもしかたありませんから、具体的な事実についてお尋ねをいたします。 昨日の質問に対して本部長は、あくまでも警官は楢崎代議士の手を握っておらないということを主張いたしております。そこでお尋ねいたしたいことは、佐世保署において社会党の国会議員団とあなたが話し合いをされたときに、どういうやりとりがあったのか、どういうことばがかわされたのか、ここで繰り返していただきたいと思います。
○稻留説明員 お答え申し上げます。 佐世保署におきまして、議員団ほかの方と私との会見のお話でございますけれども、一々実際のところ詳細に暗記はいたしておりませんが、大体の模様は、やはり国会議員の方の逮捕のことについてのいろいろの質問があったかと思いますが、相当喧騒な場面もありまして、一々十分に記憶いたしておりませんけれども……(発言する者あり)お答え申し上げます。そこで、私は、法に従って院外で現行犯として逮捕したことは、間違いでないということをお答えしたのが大体でありまして、そのときに楢崎さんが、さか手にとる方法を実験して見せると言って私の手を突然お握りになられたので、私は……(「握ってない」と呼ぶ者あり)握っております。そこで私は、そういうことをされてはいかない、こういうことを申し上げたのが大体の状況でございます。
○細谷委員 その席上においてはテープコーダーもありますし、あるいは記者団もおりましたから記録がございます。そのときですね、あくまでも手を握らないと、きのうおっしゃっておるのですけれども、そのときに、楢崎代議士がこういうふうに手をつかまれたんだ、こういうことを実験しようとしたところが、本部長が手を引いた、こういうことじゃないですか。手を握ったのでしょう。ただ握り方かどうかということでそれを実験しようということなんでしょう。どうなんですか。当時の事情とここの発言が違うということは、最も忌みきらわれる偽証罪に通ずるものですよ。はっきりしてください。
○稻留説明員 私も、楢崎議員が私の手を握ってきたということは申し上げたとおりでございますが、私としましては、実際そのときといたしましては、いろいろお話しいたしましたり、お話を十分円滑に進めるためには、私のからだに物理力を使用せられるということはあまりいい方法でないと感じたことは事実でございます。別にお話に食い違いはないと思います。
○細谷委員 物理力ということばを使われたけれども、いわゆる物理力をそのとき使う意図でやっておるわけではないですよ、こういう形であったという実情の説明なんですから。物理力というのは一体どういうことです。まことにけしからぬことだと思うのです。 そこでお尋ねしたいのですが、本部長、お聞きになっておるがどうか知りませんけれども、楢崎代議士の調書をとるにあたって、逆手を使ったじゃないか、こういうことは警察の暴力なんだから、自分としては告発する意思があるのだ、こういうことを調書をとった人に楢崎代議士から言っておるそうでありますが、それはひとつごめんしてくださいと言ったことについて報告を受けておりますか。
○後藤説明員 私のほうで報告を受けておりますので、お答え申し上げます。(「ちょっと待ってくれ。あなたに言っておらぬ。本部長に言っているんだ。だめだ」と呼び、その他発言する者多し)そういうお話の報告が……(「あなたに言っておらぬ」と呼び、その他発言する者あり)逮捕の際の手続といたしまして、これは刑事訴訟法にのっとりまして弁解の録収書をとるわけでございますが、その弁解録取書をとる段階におきましてそのような意味の発言があったのでございますが、弁解録取書というものは、弁解録取をするものは、そういうようなことを書くものではないということを御説明申し上げたところが、それで了承されたというふうな報告を受けております 〔発言する者多し〕
○森田委員長 許可しましたから、まあ説明を聞いてからまた……。後藤説明員、——後藤説明員、一応説明してください。 〔発言する者あり〕
○森田委員長 私、許可しましたから……。
○後藤説明員 ただいま申し上げましたとおり、私どものほうでその点は報告を受けております。その内容は、楢崎先生の取り調べに当たりました吉田警部、これはきのう本部長から御説明申し上げましたように、最初は浅草という警部補が担当したのでありますけれども、名前は、ということをお聞きしましたところが、黙って名刺を出された、それには楢崎先生の身分が書いてございましたので、これは国会議員の先生であるというので、取り扱いを慎重にしなければならぬ、こういうことで、当時現地の警備本部に詰めておりました県の捜査一課長の指示を受けまして、それで、佐世保警察署の吉田警部が取り調べに当たるということに相なりました。そこで吉田警部は、楢崎先生に刑訴法上の規定に従いまして、まず現行犯として逮捕されましたそのことにつきまして、被疑事実につきましての弁解を聴取したわけであります。それで、これは弁解録取書に録取するわけでございますが、その際に先生は、ただいま先生お話しのような意味のことをおっしゃったようでございます。それで、吉田警部が、これは弁解録取書であるから、そういうことはこの記録の中に記録するものではありません、こういうことを申し上げたところが、楢崎先生は、そうですかということでこれは御了承された、こういうふうな報告を受けておるのでございます。
○稻留説明員 お答え申し上げます。 結論としまして、お話しになられましたような事実はございません。その模様は、ただいまありましたとおり、弁解録取書をつくる際に告訴云々の話がありましたが、係官は、弁解録取書の意味を説明しただけでございまして、そのときに楢崎議員さんは、了解して署名された。別にお話にあるような事実はございません。
○細谷委員 いまの後藤課長のことば、本部長のことばは違っておりますね。違っておるでしょう。そういうことについては聞いておらぬと本部長は言っておる。現地の責任者と、見に行っておったかもしれませんけれども、後藤課長の意は通じておらぬじゃないですか。これは一体どういうことですか。
○後藤説明員 それは、本部長の耳に入らなかったのは、私はそういうこともあろうと思います。と申しますのは、昨日当委員会でそのようなお話がございましたので、私のほうからそういうことの状況はどうであるかということを尋ねましたところが、先ほど私がお答え申し上げましたような報告があった、こういうことでございまいますので、私が知ってはおりますけれども、本部長の耳にはあるいは入っておらなかったのかと思います。
○細谷委員 手を握ったか握らないかということは、重要な一つのキーポイントになっておるのでしょう。そうでしょう。そういう問題について、現地の最高責任者である本部長は聞いておらぬということになりますと、これは私はいささかおかしいと思う。きのう以来の答弁では、本部長と課長は、一切の意思を通じながらここでも答弁しているのじゃないですか。公務執行妨害かどうか、こういう問題をきめる重要なポイントについて、報告しておらぬ、意思の疎通を欠いているということは、私は正常な姿じゃないと思う。重ねてお尋ねします。
○稻留説明員 手を握ったか握らないかという問題は、事態が起きました現場の事実であろうかと思いますが、このことはずっとお答え申しておるとおり、私がはっきり調べてお答えしたとおりでございまして、ただいまの御質問の問題は、取り調べ室に入りましてから、福崎議員さんと取り調べ官の間に行なわれました副次的な問題と私は考えておりまして、これは、その場ですぐ私が聞いていなかったことは事実でございますけれども、問題をきめていくのにさして大きな問題ではないと私は考えております。
○細谷委員 いまのことばの中に重要な問題点がある。取り調べ中に言ったことは副次的と言うのですか。そんなものですか。お答えください。
○稻留説明員 現場におきまして手を握ったかどうかという問題を中心にいたしましたら、私は、やはりそれは第二義的になってくる問題と考えます。
○細谷委員 まことに一方的な答弁できわめて遺憾でありますが、さらにお尋ねしますが、一昨日の質疑応答の中で、後藤田局長は、楢崎代議士の公務執行妨害は、警官のほうに向かって両手を広げた、これは公務執行妨害だ、こういうふうに言っていました。きのうは、右手をたたいたから公務執行妨害だと言っておりますが、食い違っていませんか。
○後藤田政府委員 一昨日の私の答弁、手を広げたから公務執行妨害であると申したかどうかは、速記録を私読んでおりませんので明確な記憶はございませんが、これは、昨日お答えをいたしましたし、一昨日の大臣以下の概況説明の中にもございまいますように、現場におきまして公務執行中の警察官を右手拳で右手をなぐった、こういうことで公務執行妨害現行犯であるということを申し上げておるのでございます。
○細谷委員 後藤田さん、重ねてお尋ねしますが、楢崎代議士が警官隊に向かって両手を広げたということは、はっきりしているのでしょう。確認できますか。
○後藤田政府委員 私は、その答弁の内容は、速記録を見た上にいたしたいと思いますが、楢崎代議士が両手を広げたという事実はないようでございます。
○細谷委員 これはおとといははっきりと——どの行為が公務執行妨害かということについては昨日具体的な質問で明らかになってきたのですけれども、おとといのあなたの答弁でははっきりと、楢崎代議士の公務執行妨害は警官に向かって両手を広げて阻止した、警察官職務執行法の第五条による公務執行妨害だとあなたはっきり答えておるのですよ。いまになってみますと、両手を広げたという事実も申し上げたことはないということになりますと、速記録を見るまでもなくはっきりしていますよ。あまりにもとぼけた健忘症ですよ。
○後藤田政府委員 楢崎さんの公務執行妨害は、警察官が規制をしておる、行為を阻止しておる際に、公務執行中の警察官の右手を右手拳でなぐった、これが公務執行妨害罪に問われておるのでございます。手を広げたということを私申したのかどうか、これははっきりいたしませんが、手を広げただけで公務執行妨害にはならない、こう私は考えます。
○細谷委員 その歴史は、一年か二年前のことじゃないんですよ。あなたがおととい答えたことです。それを速記録を見なければわかりませんとか、両手を広げたことについては言っているか言ってないかわかりませんとか、あなたははっきりと楢崎代議士が両手を広げて警官隊の行動を阻止した行為は警職法第五条に対する公務執行妨害だ、こういうふうに言っておりますよ。きょうになりますと両手を広げてはおりません、きのう本部長が答えたように、右手で警官の右手を打ったからそれが公務執行妨害だ、口裏をいかにも合わせておりますけれども、おとといのことはすべて忘れてしまっておる。まことにけしからぬことだと思う。こういうことでは、これは質疑も進みませんよ。もう一ぺんお答え願います。
○後藤田政府委員 たびたび申し上げますように、私の一昨日の答弁の内容が、手を広げたからそれが公務執行妨害であるという答弁をしておったとすれば、これは私はこの席で取り消したいと思います。もしそう言っておるとすれば取り消したいと思います。というのは、手を広げただけでは、これは公務執行妨害になるかどうか、私は非常に疑問でならないと思いますが、楢崎代議士の場合には、右手拳で公務執行中の警察官の右手をなぐった、これが公務執行妨害の罪に問われておるのでございます。この点はひとつ明確にいたしたいと思います。一昨日私がお答えしたのは、あるいはこれは速記録を見なければわかりませんが、私は警察官のほうに対してその行動を阻止したというんでなしに、デモ隊の行動を押えに入ったのだ、こういう質問の際に、方角が警察官に向かっておった、組合側のほうを押えにかかるんならそうじゃない、こういう意味合いで申し上げておるのでございますが、そこらの点があるいは誤解を与えている点ではなかろうか、こう思いますが、正確な点は速記録を見た上にいたしたいと思います。
○細谷委員 一部始終を御存じのはずの本部長にこの点をお尋ねいたします。そのときはどういうことだったのか、両手を広げておったのか、行動はどういう形でそういう行為が行なわれたのか、御説明願います。
○稻留説明員 そのときの状況でございますが、まず御仲裁に入られたのならば、デモ隊のほうを向きまして、これをとめるという形になろうかと思います。その際警察官のほうに向いておられたわけでございます。その際手をだらっとたれておられたことではなくて、いろいろ手が動きましたから、少しは上げた場合があり、開いた場合があり、いろいろあると思いますけれども、手をだらっとたらしておられたものではありません。しかし、向いた方向は明らかに警察官のほうを向いて、それからなぐるという動作が出てきたのでございます。
○細谷委員 デモ隊のほうを向いておらぬで、警察側のほうを向いておった、こういうことばがありましたが、さらにお尋ねいたしますが、あとで私は十四日のデモにおける警察官の集団暴力的な行動についても詳しく御質問をしたいと思うのですけれども、私はそのときやはり怒濤のように押し寄せてくる警官隊に向かって手を広げましたよ。そのあとでデモ隊のほうを向いてまたやりましたよ。そのときに警察官の胸を突き飛ばしましたよ。二、三歩さがりました。公務執行妨害になりますか、お尋ねします。
○稻留説明員 一つ一つのこまかいケースによって十分きめなければ完全なる証拠判定はできませんけれども、そういった場合におきましても公務執行妨害は成り立つ場合があると私は判断いたします。
○細谷委員 公務執行妨害が成り立つ場合があるというのですが、打った、払ったということが議論されておりました。もしも左手を握ったのを払いのけるということが緊急態度だ、すべては当時の状況によって判断するということばでありますから、少しも具体的になりません。すべて逃げ口上です。楢崎さんが両手を広げた、そのときの事情が、一方的に打った、こういう判断でありますけれども、胸を押えた、あるいは警察官が怒濤のように押し寄せてくるのを阻止する、これも公務の執行妨害、こういうことになりますと、何もかにも警察官の主観的な判断で公務執行妨害、こういうことになりますね。 〔委員長退席、田川委員長代理着席〕 これはきわめて不信任ですよ。もう一ぺんお答え願います。
○稻留説明員 ただいまの御質問にお答え申し上げます。 怒濤のように押してくる警察官ということばでございますが、この内容いかんということがいろいろ問題になりまするし、その場合のケース、ケースでございまするけれども、あの場合には、大きなジグザグのデモを打ちまして、交通は大きく支障を来たし、人々にも生命、身体に大きな危険というものが予期されまして、入った警察官の行動は、これは正しい職務執行であります。そのとおりでございます。
○細谷委員 ずばり具体的に聞きますが、論点でありますけれども、お尋ねします。警官が楢崎代議士の左手を握った、その際に反射的に払いのけた。払いのける場合には、それはああいう状況の間ですから、あるいは強くなるでしょう、物理的には打ったということになるかもしれません。そういう場合にも公務執行妨害になりますか、お尋ねします。きわめて具体的な質問ですから。
○稻留説明員 お答え申し上げます。 そういう事実がございませんので、仮定の問題につきましては、いろいろの条件が備わらないとお答えできないのじゃないかと思います。握っておりませんことにつきましてお答えするのは無理じゃないかと思います。
○細谷委員 私の予想したお答えでありまして、当時の状況によって判断だということでありますが、私はきわめて具体的にお聞きしているのです。左手を握られたので、左手を払いのけた、払いのけるということが状況いかんによってはかなり物理的に打ったと感じられるようなこともあるだろう、そういう場合には今後の参考にもなりますから、公務執行妨害なのかとお尋ねしているのです。どうですか。仮定の問題じゃないですよ。
○後藤説明員 一般的な公務執行妨害界になるかどうかという御質問でございますので、私から御説明させていただきます。 これは、握られた手を瞬間的に払いのけるというような反射的な行為が公務執行妨害になるかどうかということでございますが、これは、さようにばっと握られたそのことを、思わず払いのけたという程度でございますならば、公務執行妨害は、きのう私が申し上げましたように故意犯でございます。これは犯意のない行為でございますので、そういう場合には通常犯意のない行為として公務執行妨害罪は成立しないものと考えます。
○細谷委員 犯意があるかないか、こういうおことばが出たのでありますけれども、さらにお聞きしたいのですが、その前に犯意ということばが出ましたからお尋ねしたい。一昨日かと思いますけれども、質問に対して、総評の安恒局長が歩道を歩いているときに、おまえ行ってはいかぬ、こういうことでこれをとめました。その際にとめた理由は何かと聞きますと、あらかじめ意思を通じておると考えられたから通行させなかったんだ、こういうふうに答えております。これは一体、あらかじめ意思を通じたということはどういうことですか犯意があったか、あらかじめ意思を通じておったと判断するのは、一体どういう基準でどういう尺度でやられるのですか。
○後藤田政府委員 その点は、私がお答えをいたした点でございますので私からただいまの御質問にお答えいたしておきたいと思いますが、安恒さんをとめたのは、すでにこれは事態がいかぬということで阻止線を張った後であったと私は判断いたしまして、そういう際にとめた行為は、これは当該集団に参加をする意思といいますか、そういった当該集団に加わって共同の目的を何らかの形であらわそう、こういう意思の疎通があると認められたのでとめたものと思う、こういう趣旨でお答えいたしたのでございます。
○細谷委員 現地の責任者である本部長、この事実を知っているか、その通りなのか、お尋ねします。
○稻留説明員 当時の状況を御説明申し上げます。 三々五々入ってきまして、上陸地方面に数十名集まって、さらにSSKのほうに相当の人間が、デモ隊が行ったわけであります。その間に、最初私は、三々五々入っていく人々につきましてはじっと警察官に見さしておったわけでございます。それから上陸場に集まりましてさらにSSKのほうに進んでいく姿が、これははっきりデモ隊と認めたわけでございます。その前にも一時職務質問もやらせたわけでございます。動きがおかしいのでどうか、そのかっこうからもこれは明らかにデモ隊である、こう認められたわけでございます。そういう状況の中でただいまの問題が起きたものと考えます。
○細谷委員 私の質問は、犯意があったかどうか、——デモ隊と意思を通じておった、もうすでに色を塗ったのですね。そのときの判断じゃないのですよ。そういうことで安恒局長の通行を禁止した、こう答えておりますから、現地の責任者としてそのことを御存じか、知っているとすればどういうことでこの人は意思を通じた危険な人物だと判断したのか、それをお尋ねしているのですよ。
○後藤田政府委員 私の一昨日の答弁の問題でございますのでお答えいたしますが、現場で入っちゃいかぬ、こう申し上げた警察官は、当時の状況から阻止線を張った後であるし、安恒さんの当日の服装その他から見て、やはり一般の観光客というか、見物人といいますか、そういうものとは違う、これはやはり当該集団に加わって同じ行動をするものである。共同の意思を持っておる、こう認めて阻止したものでございます。
○細谷委員 本部長答弁してください。
○稻留説明員 お答え申し上げます。 そういった場合におきます警察活動は、先ほど申し上げましたとおり、全体の動きで、上陸場付近にも集まりまするし、それからの進行もありまするし、その全体を見まして判断いたしまして、これはデモ隊であって、(「そんなことで判断できるのか」と呼ぶ者あり)それは判断できると思います。
○田川委員長代理 本会議終了後再開することとし、暫時休憩いたします。 午前十時四十八分休憩 ————◇————— 午後二時五十九分開議
○森田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。細谷治嘉君。
○細谷委員 質問に入ります前に委員長にお願い申し上げておきますが、長崎県警本部長は時間も制限があるようでございますから、特に指名のない限りは本部長に対する質問でございますから、本部長みずからひとつ御答弁をいただきたいと思います。 午前中御質問申し上げたのにつきまして、さらに御質問いたすわけでありますが、佐世保署におきまして社会党の国会議員団が本部長とお会いした際に、手を握る、それを払いのける、そういうことも一切いけないのだ、警察官の行動に対してはどんなこともしてはならないのだ、手を払ってもいけない、いわんや打つことはいかぬ。腕が折れてもか。腕が折れてもやってはいかぬのだ、こういう意味のことを本部長は言っておりますが、そのとおりでございますか。
○稻留説明員 会談の場合に、手が折れてもいかぬというようなことは申し上げた記憶がございません。
○細谷委員 手が折れてもということは言った覚えはないというのでありますが、警察官が手を握った、それを払いのけることもいけないのか。すべて従順に従え、こういう意味のことをおっしゃったはずでありますが、これはいかがですか。
○稻留説明員 かようなことが問題になったとも記憶いたしておりません。
○細谷説明員 かようなことが問題になっておるとは、話したことも覚えがない、こういうことになりますと、全く重大な問題です。午前中申し上げたように、記者団も来ております。とっているのですよ。必要とあればそういう証拠品だってあります。出してもよろしいのですよ。はっきり言っておることを、痛いとかあるいは手が折れるような——折れるようなということは言わなかっにしても、少なくともそういうものについては、警察官の行動に対しては手を触れてはいかないのだ、出してはいかぬのじゃないか、こういうことをおっしゃったじゃないですか。
○稻留説明員 その際お話のありましたことは事実の問題でありまして、打ったのではない、払いのけたのであるという御主張を私は聞いたわけでございます。それで、私そんたくいたしますのに、私の手を握られまして、それを、その際に私が、あるいは手を握られては困るということは申し上げたかわかりませんけれども、問題は、手首を打ったか、払いのけたかの事実の問題に関するお話であったと記憶いたしております。
○細谷委員 私がお聞きしておるのは、かりに警察官から手を握られた場合に、握られた人は何らもう手も触れてもいけないのだ、こういうふうにはっきりと本部長おっしゃっております。先ほどの手を打った、打たぬということを申し上げているわけではありません。そういうことを言った事実を私はお聞きしておるのです。いかがですか。
○稻留説明員 幾ら記憶をたどりましても、かような法律の解釈に関する問題で、手を払ってもどうしてもというような極端な場合につきまして、私はその全部が公務執行妨害になるということを申し上げた記憶はございません。
○細谷委員 午前中の質問で、手を握られた、そのときに警察官の手を払いのけた、こういうことでは直ちに公務執行妨害にならないのだというはっきりした御答弁をいただいております。私が聞いておるのは、そういう答弁があっているのに、当時の佐世保署において、本部長は、手を握られても一切がっさい手を出すことはいかぬのだ、こういうおことばが出ておりますので、その辺をはっきりさせていただきたいのが私の質問の趣旨です。
○稻留説明員 そういったような、手を握ったのを払いのけても、その他一切がっさいのものがいかないということは、とうてい私、言うたと考えることもできませんし、記憶もございません。非常にそれは極端な話ではないかと思います。
○細谷委員 私は、冒頭申し上げたように、まことに遺憾です。自分の言ったことは、現におととい以来ずっと変わってきておる。ことばの違いもあります。そういうものについて、ここで質問については、自分の気に食わないことについては聞いておらぬ、自分のいいことについては、もうそれは正しいのだということで、一切この国会の審議の中において、他のことについては一切耳を傾けないというこの態度はきわめて遺憾です。真相をきわめていくというのが警察官の態度でなければいかぬ。にもかかわらず、真実を探ろうとせぬで、一方的に問題を処理していこう、これはもう警察官の、文字どおり独裁的な越権的な行為ですよ、まことに遺憾です。 〔発言する者多し〕
○森田委員長 静粛に願います。
○細谷委員 次にお尋ねいたしますが、打つということは、公務の執行の妨害になるという物理的な程度がなければならないと思う。にもかかわらず、打ったんだ、払いのけたんだということばについてははっきりしませんけれども、直ちに楢崎代議士を逮捕しているじゃありませんか。打ったと、現行犯だというようなそんな打ち方ではなく、直ちに楢崎代議士を逮捕する、これで公務執行妨害ですか、警察官としての行動は直ちにやっているでしょう。どうですか。
○稻留説明員 公務を執行いたしております警察官が手を打たれるという行為は、職務を妨害しておる行為でございます。直ちに公務執行妨害として処置することが私はできると考えておりまして、公務執行妨害罪の要件としまして、すでに公務が妨害されたという確実な形というものが生じなければならないとは考えないのでございますが、必ず……(「必ずできるじゃないか」と呼ぶ者あり)そうではございません。妨害が起らなければ職務を執行できない、公務執行妨害罪で現行犯逮捕ができないということになりましたならば、これはたいへんなことになることもあるのではないかと思いますが、かの場合に、逮捕は私は法律の条件を満たしておるものと考えております。
○細谷委員 この問題についてもう少し突っ込んで具体的にお聞きしたいのでありますが、楢崎代議士が警察官に対して両手を広げたということは、朝の質問で確認はしませんでしたけれども、とにかく手をこうやっておったんではないだろうか、手は動かしておったんだろう、こう言っております。そして右こぶしで中里巡査の右手を打った、こういうことが通常あり得ますか。これは常識的な質問でありますが、通常あり得ますか。隊を組んでくる、それに対して何らかの手をやった、こぶしをやった、右手を打った、手は握っておらぬというのですから、そういうことがあり得ますか、現実に。非常にあり得ないケースではないかと思うのであります。これに対して、あったんだという証拠を示すこと、できますか。
○稻留説明員 そのように両者が対立、対峙いたしております場合に、右手首を打つことができるかどうかという事実の問題でございまるけれども、これはできるものと考えます。
○細谷委員 できるものと思う、——きわめてまれなケースとしてあり得るでしょう。できるものと思う、——否定しません。一般的に向かい合って、胸と胸を突き合わしている人が右手のこぶしで、——動いているんですよ。一警察官の右手を打つということは、握っていないんですから、向こうの手だって動いているんですよ。これはきわめてレアなケースです。一般的な問題じゃない。私は現実には不可能なケースだと思うのですよ。証明できますか。
○稻留説明員 それはいろいろからだのかっことにより、その場合に足を一歩引いて打っておるのでございますから、からだを、足を引きましたりねじったりいたしましたならば、十分になぐることができるわけでございます。お尋ねは一般的なことでございまするが、具体的な場合には、確実に今回なぐっておられるわけでございまして、隣におりまする警察官も——本人だけが自分だけで判断しまして主観的にやったのではなく、隣におりまする警察官も暴行だ、こう発言しておるわけでございまして事実行なわれたのであります。
○細谷委員 本部長は、その現場を見ていらっしゃらないということを言っておりますが、行っておりました後藤課長も見ておらない、こう言っております。ところが一部の描写はきわめて正確に見ております。両手をあげたのかどうなのかわからぬ。しかし左足を半歩うしろに引いたということだけはきわめて正確な——持っておりますよ。おかしいでしょう。行動の全体がつかめぬで、左足だけうしろに半歩開いたということだけが正確で、その他の行動についてはわからない。おかしいでしょう。力学的な形からいけば、左手をとられたから左足を半歩自動的に開くということなら、これは物理的にありますよ。何もせぬで、胸と胸を合わせて、左を半歩開いて、そして右手を打つということは、きわめて非常識な形ですよ。
○稻留説明員 確かにその場合接触して、それから連続して一歩足を引かれて手をたたかれたのでございます。何回申し上げましても同じでございます。
○細谷委員 その問題について、確かにというお答えでありますが、そういう不自然な形というのは、私の考えからしますとなかなかあり得ない姿なんですから、さらにもう一ぺん精査をするお気持ちがございますか、いかがですか。
○稻留説明員 将来に私どもがいろいろの警察活動をやっていきまする上の参考としまして、一定の時期が来ましたらいろいろ研究はいたしてみますけれども、この場合の刑事上の手続としましては、相当十分な調査ができておりますので、その点につきましては証拠の問題もありまするし、調査中の問題でもございまするので、これ以上説明いたさないつもりでございます。
○細谷委員 いまのおことばの中できわめて私は遺憾に思うことは、そういうことであれば今後の問題としては参考にし検討もいたしましょうけれども、今回の問題は調査中であるから、もう十分に調査したんだから調べる余地はない、こういうことは少し私はおかしいと思う。そういうことについて、もっとやはり完璧な、客観的な事実というものを調査するというのが、治安をあずかる警察の態度でなければならぬと思う。基本的な姿勢の問題です。あとでもう少しその意思の問題なり、あるいは色がついておるとか、そういうことばもありましたからお尋ねいたしますけれども、改めるということじゃなくてもっと完璧にやるということは、いついかなるときでも人間、あるいは特に警察官は努力しなければいかぬ点でございますが、そういうお気持ちはございませんか。
○稻留説明員 ただいまの御質問は、全般的に、私どもが警察活動をやりまする場合に、完璧を期してやるということを心がけなければならないという御質問かと思いまするけれども、私どもは、常に、至らぬところもありまするけれども、完璧を期して研究もしまするし、教養もいたしまして仕事をしなければならないと考えております。
○細谷委員 犯罪の意思があったとみなした、あるいは意思が通じておる、こういう場合には、これは状況判断といいますか、警察官の判断で公務執行妨害の重要な要素になるんだ、こういうお話がございました。十三日に行なわれたデモは、昨日、一昨日の質疑を通じてその姿ははっきりしております。若干の順序のあれがあったにしても、違法な形ではなくて協力しつつ行なわれた、こういうふうに現地におった国会議員の方が述べております。そういうことになりますと、この意思がその犯罪の意思だ、あるいは通じておる、こういうだけの判断で逮捕を決定する。こういうことになりますと、私はどうもいろいろなことばがやりとりされておりまして、それも否定されておりますけれども、あらかじめ計画的に楢崎代議士をつかまえよう、こういうことで終始しておったのではないか。だからやっとつかまえた、こういうようなことばが現に押送の途中において警察官のことばから出ておる。こういうことだと思うんですが、これについてはいかがですか。
○稻留説明員 犯罪が成立いたします場合に、意思があるかどうかということを見きわめるわけでございますけれども、いかなる犯罪につきましても、また故意というものがなければ犯罪はできないと思いますが、しかしながら、しょせん私どもがこういったものを判断しますのは、いろいろ言動、形、そういったものからその人の意思というものをそんたくするわけでございまして、それ以外に方法はないかと考えております。 なお、必ず楢崎代議士さんを逮捕する覚悟で待ちかまえていたということでございまするけれども、決してさようなことはございませんし、そんなことを各部隊に通達するというようなこともいたしておりませんし、また交代交代に仕事をしておりまして、あの騒ぎの中でそんなことを実はするひまもなかったわけでございまして、決してそういうことはございません。
○細谷委員 本部長にお尋ねいたしますが、あなたは十二、十三、十四とありました警察官の行動について、一切瑕疵がなかった、十分な統制のもとに行なわれた、こういうお考えですか。
○稻留説明員 その日の警察官の活動につきましては、先般も御報告申し上げましたように、事前に精密な計画を立てまして、また実地にも幹部を集めまして、また部隊員となるものに対しましては、十分な教養をやって遺漏のないようにやりましたけれども、法律的に私どもは問題を残してはおらないと思いまするけれども、いろいろマイク宣伝の方法あるいは個別個別の警察官のもっとうまい処置、そういったものは、事実私どもはもっと研究をしていきたいとは考えておりますけれども、法律上何らかの責任を問われるようなことはなかったと思っておりますが、警備実施そのもののいき方というものは、常に反省し、研究して、さらにりっぱな警備活動ができることを志すということは、これは私当然のことであると思いまするし、またつとめていかなければならぬと考えております。
○細谷委員 今後もさらにもっとりっぱなことにするのだ、今度の警察官のとったことについては落ち度がない、こういう意味のお答えでありますけれども、十三日に在佐世保八社の報道関係者から、ある記者に対して取材中暴行があった。こういうことで抗議がありませんでしたか。
○稻留説明員 抗議文を受け取っております。
○細谷委員 その抗議の内容はどういうもので、抗議文を受け取って、どういう処置をされたかお尋ねします。
○稻留説明員 抗議の内容は、取材活動中の某新聞社の記者に、警察官がからだに触れた、引きおろしたというような内容でありまして私はこれを受け取りまして——その場の記者団の抗議の状況というものは、非常になごやかなものでありまして、その問題を起こしたとせられる人が所属しておる新聞社の方もおられましたけれども、一言も私には発言をいたしておりません。しかしながら、私はこれを受け取りまして、調査しなければいかぬ、事実をたださなければいかぬというので、部下に命じましたけれども、事実が出ておりません。事実そのケースは、本人の言われることには、午前中の九時半に起きたというのを、三時ごろになって持ってこられたようなかっこうになった事実でございますが、しかし、私はこれを受け取りまして、各幹部にも申しましたけれども、私はみずから大半の部隊を回りまして、取材活動というものは大切なものであるから、できるだけこれが円滑にいくように協力しなければいかぬということを、私自身各部隊を回ったのでありますけれども、事実は出ておりませんし、また抗議文を受け取りますときにも、抗議文はいただきますけれども、事実の判断につきましては、はっきりしてから御判断くださいということを記者の方に申し上げましたら、納得されたわけであります。以上に全然違いはございません。
○細谷委員 いまの本部長のおことばには重大な異議があります。なごやかな話だった。けんかじかけで話をしたのではなくて、なごやかに笑いながらの話だった。笑っていようが、怒っていようが、真実は真実です。取材ということはきわめて重要だ。デモ隊も、考え方の相違はありますけれども、平和というものをどういうふうに確保しようかという形で行動している。いずれも重要でしょう。そうではないのですか。しかも現実に、これは具体的に新聞に名前まで出ております。私の目の前でジュラルミンの一メートルくらいの台の上で、写真班が、ある新聞社の記者が写真をとろうとしておった。あのロータリーの総合会館寄りの右側の街路樹のすぐ横です。そのときに、怒濤というこばを午前中使ったのですが、警察官がぐっと押し寄せてきました。台の上に乗っていた記者が吹っ飛ばされました。そういうものを見ております。現実にこういうことをやっておりまして、たいした問題はなかった、なごやかに話をした、こういうことで、それでもなお警察の行動は正しかった、一点の瑕疵もなかったと御主張なさいますか。
○稻留説明員 ただいまの御質問でございますけれども、人間であります私ども警察官がやりますことが、常に一切正しいというふうにはいかないと思います。しかしこの場合、新聞記者の事件は、調べましても、事実が明確に出ておらないのでございます。以上でございます。
○細谷委員 もう少し申し上げましょう。言わなかったから警察官の行動は許されるのだ。——その前でデモ隊の隊長が、これほど攻勢にやられたら、もう指揮者として、やはりどうにもならぬと言っていたら、お前も引っぱるぞと言って、手を引っぱって、引きずり込みました。これは感情でしょう。お互いに隊長がこういうふうに攻勢をかけられては、デモ隊としてもとても統制できない、こういうことを言っておりますと、なまいきだ、お前引っぱるぞ。そのすぐ目の前では、台の上に乗っていた新聞記者が突き飛ばされた。幸いに警察官がぐっと押し寄せてきたから、警察官の上におっこちましたから、たたきの上におっこちませんでしたけれども、普通の場合ならけがしますよ。ただそれが言われなかったからといって——私はそれを目の前で見ております。それでも警察官は正当なことである、こういうおことばだと、これはたいへんな問題だと思います。 いいですか。十四日のデモの姿を申し上げましよう。総合会館に向かったんですよ。司令部のゲートのほうには——最初はセンターラインから右側です。そしてゲートの手前のほうになりますと、左のほうに曲がらせました。デモ隊を曲がらせるんですよ。そしてその一隊が写真班を吹っ飛ばして、そうしてデモ隊の隊長はお前はなまいきだと言って、手を引っぱって、そしてぐっと押し寄せて行ったのは、総監部のゲートのところで押し寄せて、若い人の髪の毛をつかまえて、そして逮捕しているでしょう。センターラインもくそもないですよ。そういう姿、警察のとった警備の体制というのは、それでも完璧だったのか、反省を要しないのか。今後もっと完璧にしたい、完全にしたいというおことばでありますけれども、それでも警察の行動は許されるのですか。
○稻留説明員 先ほどから申し上げておりますように、その実事ははっきり出ておらないのでございます。私どもとしましては、もう少しどういう警察官にどうされたかということをお願いしておるのでありますけれども……。 〔発言する者あり〕
○森田委員長 御静粛に願います。
○稻留説明員 事実が出ておらないのでございましては、万が一にも事実が出ました場合には、私どもとしては反省するのにやぶさかではございません。しかし、事実は十分調査いたさなければならないと考えております。
○細谷委員 事実が出ておらぬというのですが、私はこの二つの目で事実として見ておるのです。私の言うことは全然聞かぬ。新聞記者から言われたのを調べてみたらたたいしたことはないといっても、吹っ飛ばされたことは事実です。現に十三日には新聞にも出ております。どこの新聞社の記者か書いております。それもなごやかであまり問題にしなかったからいいのだ、こういうことであります。そういう事実が出ておらぬ、きわめて正当だというが、私が言ったような事実があるし、記者団からもそういう抗議が出ておるのですから、十分に検討をして二度とああいう警備体制にならないように注意しますと言うのが、治安を預かる本部長のことばではないかと私は思うのですが、意見は変わりませんか。
○稻留説明員 その新聞記者事件というものは、事実として確実な判断を私ができないということは事実でございますけれども、ただいまのお話がありましたし、見たというお話もございますので、それはさらに調査して、調査の結果によりまして一そう警備活動というものをりっぱにしていかなければならぬということは私は考えております。
○細谷委員 十分に調査していただきたい。警察官の楢崎逮捕の問題については、一点の瑕疵もないように言う。ほかの問題にも幾多の問題点がある。ある意味では、私は現場におって、こういう挑発行為に出られるとたいへんなことだということをしみじみと感じました。そういうことでありますし、また、逮捕の前後をめぐってきのうおととい以来のことでありますから、今後そういうことについて十分に警察官の行動をひとつ正しい姿でやっていただきたいというふうに思います。
○森田委員長 滝井君。
○滝井委員 ちょっと、いまの細谷君の質疑応答の中で重大な点が出てきておりますから、関連をして確認をしておきたいと思います。 中里巡査の隣におった警官もそれをそう証明しておるという発言があった。そこで、その隣におったおまわりさんの名前をひとつ教えておいていただきたいと思います。まずそれが一つです。
○稻留説明員 右田巡査と中野巡査でございます。
○滝井委員 そうしますと、隣といっても両側あるので、右田さんと中野さんは、中里巡査の左におりましたか、右におりましたか。
○稻留説明員 中里巡査の右が右田巡査でございます。
○滝井委員 中野さんは。
○稻留説明員 左でございます。
○滝井委員 そうしますと、後藤さんに尋ねます。あなたが楢崎君の問題について証言をしたのは、いま右田と中野の二人を本部長が言われたわけですが、あなたは十八日の答弁では四人名前を言ったはずです。あれをちょっともう一回、がたがたしておったからはっきりしなかったので、だれが一番まん中におって、どういう形で四人が配置をしておったか、あなたの見解をここでひとつ言ってください。
○後藤説明員 私がこの前申し上げましたとおり、暴行を受けました警察官は中里巡査でございます。中里巡査が楢崎先生と正対しておったわけでございますが、中里巡査の右側に右田巡査、左側に中野巡査、それから、その間に二名ばかり入りまして、その隣が岡田巡査でございます。このことを申し上げたのでございます。
○滝井委員 そうしますと、その二人入った巡査というのはどういう巡査ですか、名前は。
○後藤説明員 これは、私はどういう巡査であったか聞いておりません。と申しますのは、この前私から御答弁申し上げましたときに、共同で逮捕いたしましたその逮捕行為が、中里、それから右田、それに中野と加わりまして、それから岡田がその状況を見ておる、こういうことで、私はそういう意味で四人の関係者を述べたのでありますけれども混乱した状態でございましたので、その岡田と中野の間にだれがおったかという点では、私は現地において聞くことができませんでした。
○滝井委員 そうしますと、楢崎事件の客観的な公述をしたのは、右田と中野と岡田、それから本人の中里、この四人に限定できますね。
○後藤説明員 これは、私が現地におりまして帰るまでの間に聴取いたしました状況から、この四名をあげたのでございますが、その後の捜査の結果におきましてどの程度の者があらわれましたか、そのほかのことは存じません。
○滝井委員 そうしますと、その後の状況で追加する者があれば、いまひとつ明らかにしておいていただきたいと思うのです。いま本部長は二名しかあげなかったのです。二名しかあげなかったのだが、十八日は四名あげたわけですね、中里巡査もひっくるめて。それで数が違うわけです。われわれもでくの坊ではありませんから、一番のポイントだけはきちんと筆記をしながら押えていっているわけです。昨日以来後藤さんが稻留さんをなかなかリモートコントロールするわけです。こういうリモートコントロールが行なわれると、なかなかわれわれは真実をきわめにくいわけです。前日にあなたが全部言ってしまっておるものを、今度は翌日に来た人に聞く場合に、前日の証言と間違わないように、ひっくり返されないようにするために、あなたがうしろからいろいろ操作をして発言を指示すれば、これはその真実が埋没してしまうことになる。そこで、いまあなたが調べてこられておるわけですから、あなたは二人なのか、それともうしろの後藤課長の四人説なのか、結局一人の差が出てきておるわけです。そのほかにあるのか、ここでひとつ天地神明に誓ってはっきりしておいてください。
○稻留説明員 先ほど中里巡査の隣におったのはだれかと聞かれましたので一番右と左に近い者をただいま御返答申し上げたわけでありまして、岡田巡査が二、三人をおいて左側におりましたことは、私もちゃんと知っております。 さらに、次の御質問の、ほかに証拠となるような人がおるかどうかということでございますが、これは、私もこっちに出てきまして、その後の調査も聞いておりませんし、また、さらに写真その他いろいろの資料がございまして、これが出るか出ないかということは、ただいま申し上げることはできません。
○滝井委員 そうしますと、あなたが出てくるまでの間においては、中野さんと岡田さんの間に二人というのと、今度は二、三人になっちゃったのですが、だんだん基盤が狂うのでは困るので、二、三人おって岡田さんがおった、というここまではあなたが出てくるまでの確認したことである、こう確認しておいて差しつかえないのですね。
○稻留説明員 それが大要でございまして、間違いございません。
○滝井委員 もう一つ、昨日非常に不穏当なことばがあるわけです。それは、楢崎代議士が十二日には国会議員だと言われて、そうして警察官がひるんで楢崎代議士に逃げられたということばを使ったわけです。これをもしあなたが逃げられたと言うのならば、楢崎君は逃げたことになるわけです。そこで、これはいやしくも一国の国会議員があの大衆の面前で逃げるということは私はないと思うのです。楢崎君はそんなひきょうな男じゃありません。社会党の中でも最も勇気のある、最も行動的な男です。したがって、これをもしあなたがここで取り消すならば、早く取り消してもらわなくてはならない。ほんとうに逃げられたというのならば、もう一ぺんここで確認をしておきたいと思います。どちらですか。これは非常に重大な点ですから。
○稻留説明員 私どもといたしましては、あの場合、逃げられた、こういうことばで表現いたしたいと思います。
○滝井委員 それならば、この写真を見てください、これは大臣に見てもらいたいと思いますが、逮捕された楢崎君のまわりに——ここに写真がありますが、この状態で逃げられますか。これだけたくさんの者が出ている。それで新聞は何と書いてあるかというと、楢崎弥之助代議士はこのあとすぐ放されたと書いてある。客観的に報道関係者が見たところでは放されたと書いてある。これだけ人が十重二十重に取り巻いておるのに、この状態において逃げられますか。だから、あなたがもしここであくまでも逃げられたということ、こちらの立場からいえば逃げたということですが、このことばをあくまでもあなたが言うならば、いま確認をしたけれども、私はもう一ぺん言っておきます。新聞その他は、決して逃げられたとか逃げたとは書いていない、放されたと書いてあるのです。そして、こんなように、この写真を見ると、五人も六人もが首を締めるようにしておるのですから、逃げようたって逃げられないのですよ。あなたはそのあやまちをはばかってはいけませんよ。
○稻留説明員 その点につきましては、御説明があったとおり、当該警察官がたじろいだわけです。その瞬間に警察官の手のうちから逃げられたわけですが、逃げられたということは、私どもといたしましては、楢崎代議士が逃げたということ必ずしも同義ではない。ほかの人たちが中に入って、私どもがその後しっかりお話し申し上げたりお聞きしたりすることができないという場合もございますから必ずしも楢崎代議士さんの心の中とは一致しなければならない問題ではないと私は考えておりますが、そこのところは私はわかりません。
○滝井委員 大臣、あなたは国家公安委員長として、十分いまのことばを聞いておいていただきたいと思います。国会議員をつかまえて、逃げられた、こういうふうに言う人ですから。しかも、これだけ十重二十重におまわりさんが囲んでおるのですよ。逃げられるはずがないじゃありませんか。とにかく逃げられたという確認をしておりますから、しかも自治大臣、国家公安委員長、上官である警察庁長官の前で言っているのですから、ひとつお忘れにならないようにしておいていただきたいと思います。 これでけっこうです。
○細谷委員 本部長、時間もありませんから簡単に質問いたしますが、一巡査の主観的な判断で開会中の国会議員が逮捕された。私は、いままで本部長の私の質問に対する答弁を聞きまして、その主観的判断が一つだに客観的に裏づけされておらないのをたいへん遺憾に思います。 そこで私はお尋ねしたいのですが、本部長は、この問題についてはきめるところできめるべきだ、こういうふうに言っていらっしゃいますが、そのとおりでございますか。
○稻留説明員 まことに失礼でございますが、きめるところできめるべきだという意味をもう一度お教え願いたいと思います。
○細谷委員 あなたは送致をするのだと言っているでしょう。裁判所か何かで白黒をきめようと言うのでしょう。それでいいのじゃないかということをおっしゃっているでしょう。そうじゃありませんか。
○稻留説明員 送致をする方針にいたしております。
○細谷委員 送致をする方針だというのは新聞できちんと言っておりますし、いまあなたから聞きまして、方針はわかりました。その黒白は裁判所でつけよう、そうおっしゃっているのでしょう。新聞を切り抜いて持ってきているのです。そうじゃありませんか。
○稻留説明員 刑事事件は、送致いたしましたら裁判所できめていただくことになっているわけでございます。私どもがかってにどうこうできるものではないと考えます。ほかの御質問ならば別でございます。
○細谷委員 あなたは送致をするとおっしゃった。そして裁判所できめる以外はとやかく言うべきじゃないと思う、こういうことでしょう。憲法五十条国会法三十三条の国会議員の不逮捕特権がございますね。私は端的に申し上げて、いままでの質問を通じて、遺憾ながら警察官の独善的な判断、一方的な判断、これをいわゆる警察官の特権と申すならば、憲法で保障されている国会議員の不逮捕特権よりももっと大きな、その上にあるような警察官の特権である。こういうふうに事実はなってくると思うのです。 そこでお尋ねしたいことは、送致をした、起訴されない場合あるいは裁判で無罪になった場合−無罪になると確信しておりますが、あるいは起訴されないと確信しておりますが、そうなった場合、あなたの責任はどうとりますか。
○稻留説明員 将来どうなったというような仮定の問題につきましては、私もちょっとお答えできないと思いますけれども、私どもは、法に定められた手続を追っていくということになるのではないかと考えております。
○細谷委員 仮定の問題には答えられないということでありますが、少なくとも本部長として責任ある行動をとった、こういうことでございましょうから、私は常識的に判断するのでありますが、さらにもう一つお尋ねしたいことは、昨日も滝井委員から質問がございましたけれども、裁判できまるということが——もうすでにこの種の、破廉恥罪の現行犯ならともかく、政治的な問題のそういう現行犯という今回のようなものは、裁判できまる前にすでに政治的な目的が達成される、こういうことになるわけでありまして、だからこそ憲法で不逮捕権という特権が認められておると思う。こういう問題についてどうお考えなんですか。
○稻留説明員 政治的目的の問題でございまするけれども、私どもといたしましては、法に定められたとおり法を執行するということになるのじゃないかと思います。
○細谷委員 時間がありませんが、私は午前と午後と引き続いて質問をいたしたのでありますけれども、きわめて遺憾で、問題を客観的に明らかにしようという意図が全くないことを私は知りました。したがって、このままでは、こういう重大な問題でありますから、どうにもなりませんので、ぜひともそういう問題を明らかにするために、委員会において、委員長において、しかるべき証人をひとつ呼んでいただいて、事実をはっきりとさせていただきたい、こういうふうに思いますから、ひとつ善処を強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
○安井委員 関連して。本部長、どうしても四時にはお帰ししなければならないということで、そういう理事会の申し合わせでございますので、いまお帰りになります前に、もう時間がありませんので、ほんのわずかお伺いをいたしておきたいと思います。どうせまたこれから一度二度とおいでをいただかなくてはならないと思うわけでございますが、いまちょっと伺っておきたいのは、中里巡査、年齢は幾つで、警察経歴はどれくらいの方ですか。
○稻留説明員 昭和三十五年警察官拝命で、二十六歳でございます。
○安井委員 たくさんお聞きいたしたいことはありますが、この人は合気道やその他武道のなかなかの達人だというふうに伺っておりますが、そうですが。
○稻留説明員 その点、まだ私自身は知っておりません。
○安井委員 もう時間がありませんので、ちょっと本部長に申し上げておきたいわけでありますが、今回のこの事件は、憲法第五十条、国会法第三十三条の国会議員の不逮捕特権に関する重大な事案であります。たとえば清宮四郎教授の憲法の本を読んでみますと、この不逮捕特権については、「不逮捕特典の目的は、議院の活動を保障するよりは、政治的動機にもとづく妨害から議員の身体の自由を守ることに重点があるとみなされる」、こういうふうに書かれております。いずれにいたしましても、立法権を他の権力の干渉から保護する、こういう重大な意義を持つ規定であります。したがって、院の許諾がなければ逮捕ができない、そういうことでありますが、唯一の例外は、これは現行犯であるときだけは例外として逮捕がその場で許されるわけであります。ところが、今度の事例を考えてみますと、この現行犯は公務執行妨害罪だといわれる。ところが、公務執行妨害罪を構成するには、警察がいままで御説明をされているように、向かい合っていて、警察官が何もしないのに代議士のほうが手を打った、だから公務執行妨害だと言われる。ところが楢崎代議士自身は、そうじゃないのだ、先に手を握られたのだ、握られたのを払ったのだ。そういうことなら、先ほど来の警察庁の御見解のように、これは公務執行妨害罪じゃないわけですよ。現行犯でも決してありません。だから、逮捕はできないわけですよ。だから、問題は、この重大な憲法から国会法にわたる規定のいま最後の問題点は、手を握ったか握らないかという、そういうところに私はもうこの問題の最後の接点があると思います。だから、そういうふうな重大な事項に対して、今日まで大きく証言が食い違っているわけですよ。そこで、その最後の重大な点について、あなたのほうで、これは犯罪だ、犯罪でない、そういうふうな物的証拠は、それはいまのところは何々ですか。証言だけですか。警察官の証言だけですか。
○稻留説明員 目下捜査中でありまするから、そういった証拠につきましては、一つ一つお示ししないほうがいいのじゃないか、こう考えております。
○安井委員 証言以外に何か物的証拠として準備できるとお考えになっているものがありますか。
○稻留説明員 それもお答えするわけにいかぬのじゃないかと考えております。
○安井委員 それじゃ、もう時間がありませんので、この点はさらに御答弁をいただくのを保留いたしますけれども、いずれにしても、ずっといままでのお話を承っておりますと、その中里巡査自身とその近所にいた巡査の証言が、この憲法の規定の最後のよりどころといいますか、最後の問題点は、その証言だけによっているということになるのじゃないかと私は思います。そういうような意味から、これは、ぜひこの問題については、現場から中里巡査、さらにまた佐世保の警察署長、あるいはまた第一線指揮に当たったのは警備課長だというふうにも伺っておりますが、それからまた逮捕に当たった巡査全員とはいいませんが、その中から少なくも一人の方はぜひ出てきていただいて、はっきりとこの国会の場で、間違いか間違いでないのかということを私はお示し願わなくてはならないと思うわけです。 それから、本部長のきのうからきょうにかけてのお話を承っておりますと、たとえば警察署内における公務執行妨害罪に関する楢崎議員とのお話のやりとりなどが、だいぶ事実と違うようですね。その点は、同席いたしておりました国会議員もたくさんいるわけです。放送局のマイクロホンもそのときにあったそうで、だからテープレコーダーも私どもあると思います。それを取り寄せまして私どもよく調べて、ぜひ今度の機会に国会における御答弁とそれとが違っているかいないかということを確かめなくてはならないと思います。そういうこともひとつはっきり御理解を願いたいと思います。これはぜひ委員長、やはり今後も審議を進める際に——幸いにいたしまして本部長は説明員だそうですから、私どもは参考人ならこれはなかなか議決やその他でめんどうかと思いましたら、説明員という資格で、おいでいただけるのに非常に都合がいいそうでございますので、さらにまた、きょうはこれはしかたがありませんけれども、この次またおいでいただくようにお取り計らいをぜひ願っておきたいと思います。さらにまた、証人の召喚につきましては、先般来の私どもの強い要求でございますので、ぜひこれから開かれる理事会等におきましても十分私どもの意見をお聞きいただきまして、証人喚問について実現されますようにお願いをいたしたいと思います。
○細谷委員 先ほど私は質問を終わりますということばを言いましたが、きょうの段階における本部長への質問を終わりまして、あと国家公安委員長なりあるいは警察庁長官等に対する質問は留保してありますから、念のため申し上げます。
○森田委員長 暫時休憩いたします。 午後四時一分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕