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47回国会衆議院1964/11/18

地方行政委員会 第1号

発言数
220
登壇者
10
会派数
2
開催日
1964/11/18

会議録

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 これより会議を開きます。  まず、理事の補欠選任の件についておはかりいたします。  去る七月二十四日、理事永田亮一君の委員辞任に伴いまして、理事が一名欠員となっております。この補欠選任につきましては、先例によりまして委員長において指名することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 御異議なしと認めます。それでは、理事に亀山孝一君を指名いたします。      ————◇—————

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。  すなわち、衆議院規則第九十四条の規定に基づき、本会期中、当委員会の所管に属する事項につき国政に関する調査を行ないたいと存じます。つきましては、地方行政の実情を調査し、その健全なる発展に資するため、小委員会の設置、関係各方面からの説明聴取、及び資料要求等の方法により地方自治、地方財政、警察及び消防に関する事項について国政に関する調査を行なうこととし、議長に対しその承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  直ちに手続きをとらせます。      ————◇—————

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 次に、警察に関する件について調査を進めます。  去る十三日、佐世保市において原子力潜水艦寄港反対のデモが行なわれました際に、議員逮捕の問題が生じたのでありますが、まず、議員逮捕その他警察官の職務執行に関する問題について調査を進めます。  この際、事件の概要について政府当局から説明を求めます。江口警察庁長官。

江口俊男警察庁長官

○江口政府委員 佐世保におきまする、ただいまお述べになりました議員逮捕の経過について申し上げます。  まず、全体の概要を含めて御説明したいと思います。  アメリカの原子力潜水艦シードラゴン号は、十一月十二日の午前九時ごろ予定どおり佐世保港一番ブイに係留され、十一月十四日午後二時五分出港したものであります。これより先十一月十一日早朝、政府からシードラゴン号の入港が発表されまするや、闘争は一段と盛り上がり、全国各地で集会、デモ等の集団抗議運動が行なわれましたことは御承知のとおりでございます。特に寄港地となりました佐世保では、寄港の前日早朝から出港の十四日にかけて、激しい集団抗議行動が繰り返し行なわれたのであります。  まず十一日の状況は、社会党、総評系は約千五百名、日共系が約二百名を集めてそれぞれ抗議集会を開きました。  十二日の状況は、社会党、総評系は、午前六時四十分ごろから約千四百名、そのうち学生が四百五十名ぐらい入っております。その千四百名を佐世保市総合会館に集めて、米軍上陸地に向けて波状デモをかけ、同上陸地点に通ずる平瀬町ロータリー付近では、許可されましたデモコースを変更して米軍上陸地に向かおうとして警戒中の警察部隊に激しく突っ込んできたり、阻止されるや同所の道路上にすわり込んで、付近一帯の一般交通を途絶させるなど違法行為を敢行したのであります。このため警察部隊で排除するとともに、学生十五名を公務執行妨害罪、道交法違反で検挙をいたしております。  なお、日共系はその口約三百七十名で集会、デモを行なっております。  十三日の状況は、社会党、総評系は、佐世保総合会館に約八百五十名が集まりまして午前九時過ぎから行動を起こし、一般通行人をよそおって米軍上陸地付近に向かいました。間もなく先に向かった約二百六十名が米軍上陸地付近の道路上に蝟集しまして、原潜帰れというようなシュプレヒコールで気勢を上げ、付近一帯の一般交通を著しく妨害しましたため、警察部隊は後続のデモ隊を平瀬町ロータリー付近で阻止するとともに、午前十時三十五分ごろ、米軍上陸地付近の集団の整理誘導を行ないました。  その後米軍上陸地付近から整理誘導されて平瀬町ロータリー方向に引っ返してきました約百五十名は、五、六列のデモ隊型をとって同ロータリー内に入るや、CPビル方向に向かって激しいジグザグ行進で気勢を上げ、同所の交通を著しく妨害しましたので、警備部隊で分断、圧縮し、一般交通を確保いたしました。  この間デモ隊の先頭部分は、規制に当たった警備部隊に激しく突き当たったり、警察官をデモ隊に巻き込んで、なぐる、けるの暴行を加えるなど、激しい行動をとりました。この際午前十時四十五分ごろ、このデモ規制に当たっていました平戸警察署中里巡査の右手首を右手こぶしで殴打して、同巡査の公務執行を妨害しました楢崎代議士を、公務執行妨害罪の現行犯で逮捕いたしました。このほか同時に労組員三名を公務執行妨害罪の現行犯で検挙をいたしております。  なおこの日、日共系では干尽埠頭に約二千六百名を集めまして、集会の後、市内デモを行なったほか、反日共系学生が約二百名、別に市内デモを行なって気勢を上げた状況でございます。  ついでにその翌日の状況を申し上げますと、十四日には社会党、総評系は約九百七十名、うち学生七十名を動員いたしまして市内デモを行なう一方、宣伝カー十二台をもちまして、米軍家族宿舎、基地周辺でヤンキー・ゴー・ホーム等のシュプレヒコールを放送いたしまして、米軍側に圧力をかけております。  この間デモ隊は平瀬町ロータリーですわり込んだり、行進中激しいジグザグ行進や、規制に当たった警察官に暴行を加えるなど、過激な行動も見られました。このため警察部隊で規制するとともに、労組員三名を公務執行妨害罪の現行犯で逮捕いたしました。  日共系は、干尽埠頭に約千三百五十名を集めまして、抗議集会を開きました後市内デモを行なって気勢を上げております。  以上が、今回アメリカの原子力潜水艦が佐世保に入る前の日から出ていくまでの現場における状況でございまして、その間十三日に問題の楢崎代議士の逮捕事件というのが起こっておりますが、事案の概要は以上でございます。

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 本問題について質疑の通告がありますので、順次これを許します。渡海元三郎君。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員 今回の事件はまことに不幸なる事件でございます。事は民主政治の基本にもつながる重大なる問題を含んでおるのでございます。私は本委員会を通じて、国民の前に徹底的究明が行なわれなければならないと考えます。以下、この意味において、政府当局に率直な所信並びに見解をお伺いしたいと思います。  本論に入ります前に一点お伺いをいたします。  戦後の警察は民主制度のもとに切りかえられました。警察法の第二条には、その運営は不偏不党、公平中正を旨とする旨を規定されております。その組織もまた公安委員会制度が採用されまして、一般国民の良識を警察運営に反映させることによって、その適正が期せられておるのでございます。今回の事件は佐藤内閣発足直後のできごとでもございますが、公安委員は交代したはずがございません。したがってまた警察運営は、何ら変更はないはずでございます。しかるに世上一部には、佐藤内閣の成立によって革新運動に対して、従来よりも強い態度で臨む方針であるような説が流されております。私は、内閣の更迭によって警察の運営には変更があるはずはないと考えます。また、あってはならないと考えるのでございますが、この点、いかなる御所見でございますか。国民の一部にあるこのような誤解を一掃するために、明確なる御所信をお伺いいたしたいと思います。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○吉武国務大臣 警察の運営にあたって、不偏不党、かつ公平中立を旨として、民主的な理念を基調としてこれを行なわなければならないことは、警察法の解明する基本原則でございます。国家公安委員会は常にこの精神にのっとって運営をしておるつもりでございます。公共の安全を秩序を維持すべき警察の責務にかんがみ、法秩序を乱る者に対しましては、いずれに対しても厳正公平な取り締まりを実施すべきものであることは言うまでもございません。革新政党に対して、時の内閣によって警察権の行使に違いがあるはずはないのでございます。新内閣の成立にあたりましても、警察運営にあたって変更いたすつもりはございません。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員 吉武大臣の御所見はわかりました。  次に江口警察庁長官にお伺いいたしたいと思います。  原子力潜水艦寄港の問題につきましては、国内におきまして賛否両論があることは御承知のとおりでございます。今回はその原潜の初入港でもあります。不測の事態の発生に備えて、当局は万全の対策を立てておられたことと存じます。しかしながら、その対策の根本的方針は、新内閣になったがゆえに特に変更があったというふうなことは、いまの吉武大臣の御所信によりましても、私はなかったはずであると思いますが、この点、いかがでございますか。長官の御答弁をお伺いいたしたいと思います。

江口俊男警察庁長官

○江口政府委員 ただいま公安委員長からお答えになりましたとおりでございまして、私たちも、内閣の更迭によって特別の指示を受けたり、方針の変更を命ぜられたことは絶対ございません。いままでどおりやっております。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員 さて、本論に入りますが、本事件を究明するにあたりまして、私は、特に留意せなければならない問題点が二つあると思います。その一つは、言うまでもなく、議員の不逮捕特権がいささかも侵害されるような事実がなかったかどうか、この点でございます。その第二は、警察権の行使にあたっては職権の乱用の防止に厳に注意するとともに、法の命ずるところに従いましてはすべて公正平等でなければならないという点でございます。国会議員は、その地位の至要性にかんがみ、いわゆる不逮捕特権と、院内における発言、表決の無責任の二つのことが憲法で明らかに規定され、身分の保障がされております。この保障は、国会の機能を遺憾なく発揮せしめるための重要なる保障である、民主議会政治を守るためには、寸毫といえども侵害されてはならないものであると考えます。万一、行政権やあるいは司法権の乱用によってこれが侵害され、あるいは侵害されるようなおそれがある場合には徹底的にその非を追及し、絶滅を期さなければならないものと考えるのでございます。他面警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、公共の安全と秩序の維持を目的とする法治国家上重要なる制度でございます。私は、警察行政に一番必要なることは国民の信頼を得るということでなければならぬと思います。その国民の信頼を得るために警察が考えなければならないことは、まず第一は法の運営、執行にあたって、職権乱用ということは厳に慎まねばならぬ、この点であろうと思います。それとともに、いま一つは、法のもとにおいてはあくまでも公正、平等でなければならないというところであろうと考えます。憲法第十四条には、すべての国民は、法のもとに平等であって、社会的身分または門地によりまして差別されないと規定されております。国会法第三十三条において、院外における現行犯逮捕の場合が特例規定として規定されておりますが、私はこの趣旨に出たものであろうと考えるのでございます。しかしながら、議員の不逮捕特権というものは、民主議会制度確立のためには欠くべからざる重要なる保障である点にかんがみましたなれば、現行犯逮捕というものを実施するにあたりましては、あくまでも慎重に行なわなければならないことは当然であります。実施のためには、私は適法性と必要性が絶対要件でなければならぬと考えるのでございます。しかしながら、その適法性と必要性が存する限りにおきましては、法のもと、すべての国民は平等であるとの原則は、あくまでも守らなければならないと考えるのでございます。  以上の観点に立って、今回の事件は、国会議員の不逮捕の特権が侵害されたかどうか。警察の職権乱用の防止が、万全に期せられておったかどうか。さらに国民平等のこの原則が貫かれたかどうか。このことを国民の前に明らかにせなければならぬと考えるのでございます。この前提に立ちまして、私は当局に質疑を進めていきたいと思います。  まず江口警察庁長官にお尋ねをいたします。今回の逮捕は、国会法第三十三条に規定する現行犯逮捕として措置されたことは言うまでもないと思いますが、この点いかがでございますか。念のためにお伺いいたします。

江口俊男警察庁長官

○江口政府委員 仰せのとおり、現行犯逮捕として行なわれたものでございます。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員 そのことが適法であったかどうかということは後ほどお尋ねいたしますが、国会法第三十四条の二には、会期前の議員の逮捕につきまして、「内閣は、会期前に逮捕された議員があるときは、会期の始めに、その議員の属する議院の議長に、令状の写を添えてその氏名を通知しなければならない。」このように会期前の逮捕につきましては法に明文を規定いたしております。ところが会期中の現行犯逮捕につきましては、何ら規定するところはございません。しかしながら、議員の不逮捕特権のその重要性から考えましても、当然政府は遅滞なく議院に通告すべき義務があると考えます。政府はこの措置を今回どのようにされましたか、お伺いをいたします。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 お答えを申し上げます。  楢崎代議士の逮捕は、十一月十三日の十時四十五分でございます。国会議員であることが明確に判明いたしましたのは、同十一時ごろ佐世保警察署におきまして、取り調べに当たった警察官に名刺を示されたことによって確認ができたのでございます。警察庁には午前十一時三十五分、九州管区警察局を通じて私のところに報告が入ってまいりました。私どもといたしましては長官、大臣に即刻御連絡、御報告を申し上げると同時に、警察庁といたしまして十二時までに内閣総理大臣と内閣官房長官の秘書官を通じて、それぞれ電話でもってとりあえず報告をいたしました。なお、正式には翌十四日、警察庁長官名をもちまして内閣官房長官あてに文書をもって報告をし、なお、追って書きといたしましてこの旨衆議院に御通報を賜わりたいという連絡をいたしたのでございます。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員 警察庁長官が内閣官房に連絡されたことはわかりました。議員であるということがわかった時間の御報告につきましては後刻あらためて質問をいたしたいと思いますが、警察庁のとられた措置については了解いたしました。その後内閣は議院に通告せねばならぬと思うのでありますが、この点どうなりましたか、本席には不幸にして内閣を代表される方はおられませんが、吉武大臣、国務大臣として、この点許せば答弁を賜わりたいと思います。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○吉武国務大臣 ただいま警備局長が申しましたように、私のところに報告がございましたのは十一時四十五分ころでございます。したがいまして、どういうふうなことで逮捕になったのか、早く釈放するようにしたらどうかということを言って、情報を尋ねさしたのでございます。いま申しましたように、警察庁としては内閣のほうにそれぞれ通報をいたしまして、内閣のほうから議長のほうにどういうふうに通告があったかは私存じませんが、先般の議運の委員会におきましての橋本官房長官の答弁によりますと、十二時近くに通報を受けたけれども、議長に通告するのがおくれて相済まなかったということは言っておられるのでございます。それ以上は私存じません。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員 私も議院運営委員会における模様は、まだ速記録が出ておりませんでしたから、新聞では見たのでございます。遺憾である旨を表明されております。しかしながら、このような通告が遅滞なく行なわれなかったこと、このこと自身が議員不逮捕の特権尊重に政府は欠けておるところがあるのではないか、このようなそしりは免れないと私は思うのです。内閣を代表して議院運営委員会において橋本官房長官が陳謝されたとは聞いております。しかし、事は私は陳謝だけでは済まぬと思うのです。この機会に、この委員会において国民の前に、法の明文はなくても、このような事件の場合——私はこんなことは今後は絶対あってはならぬと思いますが、万が一にもこのような事件が起きた場合においては、直ちに通告するということを明確に御確約賜わりたいと思います。当然このことは内閣の代表たるべき方に御答弁願わなければならないのでございますが、席におられませんので、吉武国務大臣より御答弁賜わりたいと思います。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○吉武国務大臣 御指摘のように、逮捕いたしましたならば、すみやかにこれを通報すべきものであると存じております。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員 これから具体的な問題につきましてお伺いをいたしていきたいと存じます。これらの点につきましては後ほど現場でつぶさに目撃された同僚議員、または現地調査におもむかれた議員等から、詳細質疑があることと存じます。しかし私も、本事件を解明する上において重要なるポイントとなる点につきまして、若干質問を進めていきたいと存じます。  今回の事件は、公務執行の妨害ということで行なわれたのでございます。公務執行妨害罪という以上は、まずその前提となる公務執行がなければならぬと思います。その公務の執行が、正当に、適法に行なわれたかどうか、これは重要なるポイントであろうと思います。  今回の事件は、原潜阻止の佐世保における運動に関連して起きたのでございます。およそ民主議会政治のもとにおきましては、大衆の政治的意思の表明として院外における大衆行動は認められておるところでございます。これらの行動を警察力によって不当に押えるというがごときことがあってはならないことは当然でございます。しかしながら、大衆の行動にも守らなければならない民主的ルールと節度がなければならぬと存じます。このルールと節度が破られ、公安の安全と秩序が害される、このような立場のときは、当然警察力の行使は私はやむを得ないものと考えるのであります。今回の事件につきまして、十三日社会党が抗議声明を出しておられますが、その中に「十三日の米原潜阻止緊急集会に集合しようとする大衆にたいし警察官の不当弾圧が行なわれたさい、」——このように不当弾圧であると申しておられます。はたしてそのときの状況はどうでございましたか。いま概要の説明がございましたが、この点は重要なる点でございますので、いま一たび明瞭に御答弁を賜りたいと思います。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 お答えを申し上げます。  御説のように大衆運動が行なわれますことは、これは一つの表現自由の憲法の保障したところにしたがって自由に行なわれるわけでございまして、私どもとしてはそれについて介入する気持ちはいささかも持っておりません。ただしかしながら、同時にその自由の限界を越えまして犯罪にわたるということになりますならば、私どもとしてはあくまでも厳正な取り締まりをしなければならぬ。これはまた私どもに課せられた責務でございます。今回の佐世保におきます反対運動に対します警察権の行使は、この集団行進が、道路交通法の七十七条によりまして許可をせられました条件にしばしば違反をして行なわれたものであります。また同時に、その際当該大衆行動に伴う不測の事態発生に備えて警備警戒中の警察官に対しまして暴行を加える等の違法な行為に及んだ場合がしばしばございます。これに対します規制、検挙の職権を私どもとしては行使をしたものでございまして、私どもとしては不当な弾圧であるとか、職権の乱用であるとかといったような批判は当たらないものであるというふうに考えております。私どもといたしましては、従来からこの種の事案がわが国において非常な不法行為にわたる場合が多い、これは非常に不幸なことだと考えておりますが、私どもとしては、これに対しては早期に、敏速に、徹底した取り締まりをするようにという指導を、全国的に数年前から引き続いて行なっておりますが、現地警察は、私どもの従来からの方針に従って取り締まりを行なったものでございます。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員 警察の御説明はわかりました。この点につきましては、新聞によりますと、職権乱用の点について告訴もしていないのだということを聞いていますが、そういった点につきまして、わが国の法の制度のもとにおいて厳格なる判断が下されるであろう、私はこのように考えます。この点はこれで終わりますが、同じく声明によりますと、「不当弾圧が行なわれた際、これを阻止せんとしたわが党の楢崎弥之助代議士を国会議員であることを承知の上、」こう書いてありますが、警察官と大衆との衝突をやめさせようとしてそこへ入っていかれた、このように書いておる。私は国会議員として当然そうなされなければならないであろう、こう考えるのでございます。あのエキサイトされた場面でございますから、阻止しようとして入りましても、手が触れ足が触れ、いろいろ間違われるようなことはあり得ると思います。いやしくも公務執行の妨害であるという以上は、楢崎君のとられた態度が明らかに妨害行為であったということが確実に確認されることが絶対に必要であろうと思います。この点、いま御答弁がございましたが、楢崎君によりますと、阻止しようとして割って入った、二度もつかまれたのでこれを振りほどいただけだ、こう言っております。どのような状況のもとにその行為を確認されたのか、この点を明快に御説明賜わりたいと思います。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 お答え申し上げます。  仰せのとおりに、当日相当数の社会党の代議士の各位が現場に行っておられたようでございますが、多くの代議士の方は国会議員であるという標識も、たすきですかをかけておられて、識別等もはっきりしており、またそういう御質問のような御趣旨でおそらくや現地におられたと思います。ただ楢崎代議士は、逮捕せられましたときには、うず巻き行進を行なっておりましたデモ隊の中におり、しかも規制中の警察官に相対して、デモの最前列に位置しておったのでございます。周囲の労組員と行動をともにしておられたようでございます。警察部隊との衝突を自分は防止をするためにおったのだというふうには私どもは認めておりません。また現実の情勢もそのようには判断せられないのが現状でございます。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員 いま一点、あなたのほうは手をたたいた、こう言う。楢崎さんは持たれたから振りほどいた。衝突を阻止しようとしてやられた行動であったかどうか、私は議員はそうあらねばならぬと考えます。しかしこれはとにかくといたしまして、その行動が——この点ちょっとまだ明確に答弁がなかった。あなたのほうは向こうがやったのだ、こう言われた。はたしてそのときの状態がどうであったか、もっと具体的にお答えいただきたい。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 御質問の点につきましては、現状は、当日制止に当たっておりました平戸署の巡査の右手を、同代議士が右手こぶしでもって打ったというのが実情でございまして、同代議士は、巡査が左手をねじ上げたのでそれを払ったにすぎない、こう言っておりますけれども、これは、そのときにおける現認者等もございまして、私どもとしても慎重に現場について当たりましたけれども、事実は、右手こぶしでもって右手を、公務執行中の巡査をなぐったというのが実情であります。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員 先ほどの御答弁の中にも、逮捕の際、議員であるということを知らずに逮捕した、このように言っておられますが、はたしてどうでございますか。議員である身分を知らずに逮捕した、こう答えておられますが、そのとおりでございますか、端的に答えていただきたい。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 現場におきまして逮捕いたしました巡査は、逮捕時におきましては同代議士の服装、同代議士の行動等から見て、まさかこの方が代議士であるということの認識は持っておりません。たすきは腰にお巻きになっておって、上から、いわゆるヤッケ・スタイルというのでございまして、同巡査が識別できなかったということは、これは私は当然であろうと思います。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員 わかりました。私も、請願デモで陳情に来ておられる場合、代議士の方ははっきりと胸にかけておる、当然わかっておったのではないかと思ったのですが、いま聞くところによると、腰にそれをつけておる、ヤッケ・スタイルと言われるのですが、どんなスタイルですか、ちょっとヤッケ・スタイルというのはわからぬのですが、私もテレビなんかを見たのでありますが、腰の辺から上の写真だけしか出ないものですから、その点もっと詳しく……。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 私どもよくヤッケ・スタイルと言うのでございますが、通常のせびろの上に別の上っ張りのようなものを着ておりまして、何といいますか、山岳服というとおかしいのですが、要するに上から別のものをかぶっておるわけでございます。したがって、普通のせびろ等の上に着るものですから、全然一般の労組員との識別はできない。また当日のはち巻き姿、これは一般の方と全く同じでございます。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員 新聞紙上によりますと、逮捕したときはいまのような姿であったのでわからなかったということでございます。しかし連行しようとされたときに、ここにもおられますが、同僚の議員諸公が、それは議員である、こういうことを言われたと思うのです。それなら当然議員であるということはそのときにわかったはずではなかったか。いま佐世保警察に行ってからわかった、こういうことでございますが、少しおかしいではないですか。当然そのときにわかっておったのではないか。わかっておっても連れていったのではないかと思うのです。連れていったとすればその理由はどうでありますか、この点を明確にお答えいただきたい。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 お答え申し上げます。  逮捕いたしました際に、連行は当然したわけでございますが、そのときに同僚の議員の方が、おれは国会議員だ、通せ、こういうことを言われたようでございますけれども、逮捕した警察官は、すでに押送車のほうに楢崎代議士を三人の巡査で両手をとって、かかえて連行して車に乗せておりまして、現場は多くの労組員等もおり、やはりこれは被疑者の奪還ということも警察としては当然考えるわけでございますので、そのまま佐世保警察署に引致をしたのでございます。その押送車の中で楢崎代議士は、おれは国会議員だ、おまえの氏名を言え、こういうことを押送の巡査に言ったのでございますが、そのときに、したがって同巡査としては、これは代議士さんかなという半信半疑の状態でございます。というのは、やはりその当日の楢崎さんの行動、服装等から見て、はたして代議士さんかどうかなという疑問を持っておったのが現状でございます。そうして現場から引致をいたしまして、十一時に名刺を出して、取り調べ官が調べに入った際に、初めて国会議員であるという身分が明確になった。  そこで御質問の、現行犯逮捕をして押送をする際に、車のところでかりに国会議員であるということがわかった場合に、おまえたちはどうするのだ、こういう御質問でございますが、この点につきましては刑事訴訟法の第二百十六条、これによって援用される二百二条、これに基づきまして、現行犯の逮捕の行為はすでに現場において完了いたしております。したがって、たとえ身分がわかりましても、院外における現行犯については、国会議員といえども不逮捕の特権はございません。したがって、当然これは司法巡査が逮捕したわけでございますので、刑事訴訟法の命ずるところに従って、司法警察員のところに引致しなければならぬ、こういうことでございますので、かりに身分がその際わかったとしても、当然私は佐世保警察署に引致すべきものであった、こういうふうに考えます。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員 ここには現場におられた方も多数おられますので、後刻この点は明確にされると思いますが、後藤田局長、あなたの答弁は、現場におられた御本人でないかもしれませんけれども、政府委員というものは——もう日にちも経過しておるのです。とにかく現場におられたと同様の全責任を持って事実は答えておられるものと私は思います。そのために、念のために後刻現場におられた議員諸公から、あるいは間違っておる点の御指摘があろうと思いますが、いま答弁されたことを私は重ねて確認さしていただきたい、こう思いますから、訂正があれば訂正していただきたい。  まず第一に、議員であるということを知らずに逮捕した。そうして連行すべく車に乗せられた。その事態において、車の下におられた警官に対して、おれは代議士だから通せ、こう言われたが、通されないということで——いまのあなたのことばで言ったらですよ。そこにおるのは代議士だと言われたんじゃなくして、おれは代議士だから通せと言うてそこに入っていこうとされた、こういうふうに言われておる。  それともう一つは、車の中において楢崎議員自身が、おれは代議士だということを言われた。しかし乗っておった警察官は、服装その他からながめて、代議士であるということが半信半疑であった、こういうふうに考えている。佐世保警察署に行って初めて名刺を出され、なるほどそのことが正しいということがわかった、このように答えられたが、そのとおりでございますかどうか、その点と、もう一つ、半信半疑であった、こう言われますが、私たちはうそをつかないはずなんだ。半信半疑であったというのは、そのようなことが往往にして言われておるから起こったんじゃないかと思うのですが、そのような事例がございますかどうか。何がゆえに警察官が半信半疑であったのか。たまたま言われたのに対して半信半疑であったとしたなれば、これは重大なる問題だと思いますので、そんな事例があったのかどうか。警察官が半信半疑であるのもやむを得なかったかどうかという点について、もう一ぺんお伺いしたい。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 お答えを申し上げます。  私どもも現行犯であるとはいえ、会期中の国会議員が逮捕された事案でございます。したがって、現場について慎重なる調査をいたしたのでございます。またこの種の事案は、とかく国会でいろいろな問題も起こってくる。私どもの答弁があいまいではこれは許されないということで、従来から私どものほうとしては責任者を現地に派遣をいたしております。今回の事件も、私どもの局の担当の主管課長を現場に終始派遣をいたして現認をいたさせております。したがってその報告、第一線からの説明、これらすべてを基礎にして私はお答えをしておるので、明確にお答えをいたしておるつもりでございます。  また半信半疑であったという点は、これまた私どものほうから派遣をした主管の後藤二課長が当該巡査に当たって調査をして、その結果の報告によるものでございまして、私の答弁は間違いないつもりでございます。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員 ちょっと私聞きのがしたかしらぬですが、その半信半疑であったという点、国会議員だと言っておるのに半信半疑であったという点、この点は何で半信半疑だったのか。そういうようなときはそんなことも住々にあったから半信半疑であったというのだったらわかりますけれども、国会議員である、こう言っておるのに半信半疑だった、こういうのでは注意が足らぬと思う。半信半疑であり得る状況であったという点をもう少し確認していただきたい。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 お答えを申し上げます。  逮捕当時における楢崎さんの行動及びその際の服装、これらの点から見て、おれは代議士だ、こう言われても、巡査とすれば、まさか国会議員の方がさような行動をするとは夢にも考えておらぬ。しかしながら、御本人は国会議員とおっしゃる、こういうところで半信半疑であった、これが実情でございます。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員 局長、まさかそういうような姿ではなかった、思わなんだ、これもわかりますけれども、まさかにしても国会議員だと言うておるのですから、そんなことを言うてだまされるようなときもあったのですか。おれは国会議員だと言うような者もときにはあるのですか。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 前例が、そういう場合があるかどうかということでございますが、ほかにそういう事例があったかどうかは私は承知をしませんが、楢崎さんは前日やはり同じように、おれは国会議員だ、こう言うので、現場の警察官がそれにおびえたという事案はございます。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員 たまたまいま出ましたが、議院運営委員会におきまして、楢崎君の事件は十二日にも何か事があった。そのときに警察官は逮捕しようとしたが、逮捕しそこのうた。そのために十三日には初めから目標をつけておいて逮捕したのだ、このように疑われておるのです。はたして十二日の姿、いかがであったのですか。十二日も逮捕しなければならないような事態があったのですか、どうですか。またこのことはほんとうにそのつもりであったのですか。事そうであれば、私は重要な問題だと思うので、明確にお答え願いたいと思う。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 お答えを申し上げます。  御質問のように前日警察官が同代議士によって五日間の傷害を受けておるという事案がございます。本件につきましては目下捜査中でございます。したがって具体的な内容は差し控えておきたいと思いますが、事実はございました。いずれその事案の内容はその後に明らかになってこようかと思いますが、いずれにいたしましてもさような事実があったのでございます。  また、前の日からねらいをつけておったじゃないか、こういうことでございますが、これは、そういう事実は全然ございません。と申しまするのは、前日の事件が起きたときの現場の配置の警察官は佐世保警察署員でございます。十三日の配置の現場警察官は平戸署員でございます。したがって、警戒に当たっておりましたところの警察区部隊が全然違うということでございますので、その間に何らの連絡はございません。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 関連して。いまの後藤田さんの答弁の中にきわめて重要な点がございます。それだけちょっとここで、質問の経過中ですから明らかにしておいていただきたいと思うのです。それは十二日において楢崎代議士がおれは代議士だということを言った。そして現場の警官が代議士だと言ったのでおびえたということなんですね。したがって、その当時においては、署は違っても楢崎代議士がそこにおったということはもう認めておるわけですね。したがって楢崎代議士が現地におったということは、まずあなたは確認するでしょうね。これが一つ。それからいま一つは、当時十二日に警官が五日間の負傷を楢崎君から負わされた。これは現在捜査中であるというお話があった。事態は十二日から十三日、十四日と続いておるわけです。あの平瀬町のロータリーの先で楢崎代議士が逮捕された事件は突如として起こった問題ではないのです。いずれ私はきょうかあすか質問をいたしますが、これは突如として起こった問題ではない。楢崎君は終始一貫初めから、十三日もずうっと相前後しながらデモについてきておるわけですから、これが知らぬとは言わせないわけです。十二日にも楢崎君がおったということは確認をしておるわけですね。まずそれをひとつ確認をしてもらいたいこと、それから楢崎君が警察官に五日間の負傷を負わして捜査中というその事件の概要をここでまず明らかにしておいていただきたいと思うのです。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 楢崎さんが十二日に現地に来ておられたということは、これはそういう事件があったわけでございますので、その付近におった者は知っておるわけでございます。また、おそらくや幹部は承知をいたしておったと思います。しかしながら、翌日の事件の際の現場警察官は、これは全く別の部隊の人間でございまして、これは知らなかった、こういうことでございます。それから五日間の負傷をしたという事件は、目下捜査中でございますので答弁を差し控えたいと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 その逮捕の問題に関連をしていまいろいろ答弁をしてくれているわけでしょう。そうしますと、楢崎君から負傷を受けたという事件があれば、これは当然ここでやはり説明をすべきですよ。それをいま捜査中だからというならば、楢崎君逮捕の事件についてもあなた方は答弁ができないことになっちゃうでしょう。楢崎君を送致をするかどうかということはこれはいま取り調べの事件でしょう。同じなんです。前日のものは言えないけれどもその日のものは言えるというのはおかしいじゃないですか。だから、これはここで明らかにしておいてくださいよ。何も隠す必要はない。何だったら隣の江口さんなりあるいは国家公安委員長に御相談してはっきりしておく必要がある。これはあとで重要な関連があるから私は言うのですよ。その概要を相談をして明らかにしてください。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 十三日の事件は、これは現行犯逮捕としてすでにもう処理をしておりますので、それは詳細お答えをしておるわけでございますが、前日の事件は、先ほど申しましたように逮捕を免れておりますので、それについては、現在警察としては参考人なり現場の状況なり各種の立証の資料を集めて調べておる段階でございますので、いまここで内容を明らかにするわけにはいかないのでございます。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員 先ほどの答弁の中で、車に乗って連行に同行した警察官は半信半疑であった。しかし、議員であるということがその際にたとえわかったとしても刑事訴訟法の規定によって当然連行しておる、こう言う。私も、現行犯という規定のもとに適法に必要性を満たして正しく行なわれておる限り私は当然のことであろうと思う。ところが、先日の議院運営委員会における大臣並びに長官の御答弁、速記録でございませんから正しいかどうかわかりませんが、東京新聞によりますと、江口長官はこう書いてある。「国会議員とは知らずに逮捕したが、遺憾である。」知っておったら、これだったら逮捕せなんだというふうに聞こえるのではないかと思う。吉武大臣、あなたの答弁として「警官隊とデモ隊とがモミ合ううち警察官になぐりかかったものがいるので逮捕したところ楢崎代議士とあとでわかり、ただちに釈放するよう指示した。」、私は法のもとに平等でなければならぬと思う。代議士だったら釈放せい、こう言われる。またあなたに指示権があるのでございます。私はどうも先ほどの答弁と矛盾すると思う。この点いかがでありますか。その真相を明らかにいただきたいと思う。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○吉武国務大臣 私は、先ほど申しましたように、通告を受けましたのが十一時四十五分くらいでございまして、でありまするから、そのときに代議士としてわかって逮捕したのであろうかといって聞き返しますと、いや知らないでやったようです、こういうことですから、それは早く釈放するようにしたらどうだ、こういうことで、別に指示というわけじゃございませんが、私の意見を申したのでございます。  なお、議運において私が申しましたのは、同様に、当日逮捕したときは本人が代議士であったということは知らなかった。その逮捕した当時の状況は、警備に当たっておったところの警察官になぐりかかろうとした、こう申しましたが、なぐりかかろうとしたのかどうかという重ねての問いでありましたから、実はなぐったのでありますと、こういうふうにはっきり申しております。そこで、それでは代議士としてわかっておったら逮捕しなかったか、こういう重ねての問いでございましたから、それはその状況によらなければわからない、こういうことでございます。  先ほど来申しましたように、議員は会期中は逮捕はできないということは原則でありますが、しかし、法の上においても現行犯の場合はこれを認めておるのであります。したがいまして、治安の第一線にあって、公共の安全と秩序の維持のために、警察官がやむを得ず、警備に当たっておりまする者に公務執行の妨害、あるいはまた秩序を著しく乱すという行為がございますれば、これは現行法として、代議士でありましょうと、あるいは労働組合員でありましょうと差別すべきものではないと存じます。

江口俊男警察庁長官

○江口政府委員 先日の議院運営委員会におきまする私の答弁でございますが、遺憾であるということばがなるほど新聞にございますが、これは、こういう質問に対してでございます。官房長官は議長に通告するのがおくれたといって陳謝しておられるのに、警察としては、お前のほうから議長に早く連絡をしなかったということについて何と思うかというようなお話でございましたから、これは、私のほうから直接にやるのもいかがかと思いますが、こういう問題は早く御連絡を申し上げたほうがいいというふうに思いますと、おくれたことにつきましては遺憾であります。こういう答えをしたのでございます。途中が抜けて、逮捕したことが遺憾というふうになっておりますけれども、そういうふうに御了承願いたいと思います。  それからもう一つ、これは釈明をいたしておきますけれども、その際知らずに逮捕したということは事実かということで、これは報告によればそのとおりである。それじゃわからないはずはないじゃないかということでございましたが、先ほど来御説明いたしておりますとおりの事情でわからない。しかし、わかったのはいつごろかという質問に対しまして、これは実はそのときに、いつわかったという連絡はございませんでした。しかしながら、質問者の方が、車に乗せるときには、それは国会議員だ、国会議員だというふうに言うて阻止しようとされたという連絡がありましたから、そうであれば、その際わかったとすればわかったんじゃありますまいかという想像をして、私が考えるならばその辺でわかったんじゃなかろうかという答弁はいたしております。しかし、その後詳しく調べますと、ただいま後藤田局長からお答え申したとおり、その際も実はよくわかっていないというようなことでございます。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員 今回の事件は公務執行妨害罪の現行犯として行なわれたのでございます。学説の一部には、議員の不逮捕特権は議会制度上不可欠な重要なる規定である、こういう趣旨から、この不逮捕特権の例外規定ともいうべき現行犯逮捕の規定は、議員の逮捕によって得られる法秩序維持の立場からの利益と、議員としての活動を継続せしめることによってもたらされる国家的利益とを比較衡量して、後者のほうが大きいときは前者の譲歩を要求したのがこの規定である、学説の一部にはこのような見解がございます。このような見解のもとに立ちますと、国会法第三十三条に規定する院外における現行犯の場合は、窃盗とかあるいは強盗とか殺人とかいうふうな重罪にのみ適用さるべきものでありまして、軽犯罪につきましては、一般には適用されても、議員には適用されないんだ、すべきでないんだ、こういう意見もございます。しかし、多数の学説と判例におきましては、議員の不逮捕特権というものは、議会の機能を遺憾なく発揮せしめるために、いやしくも政治的意図に基づくような不当なる逮捕が行なわれることのないように、これを抑止するための規定であり、国会法三十三条の規定は、犯罪の軽重によって解釈運用さるべきものでない、このようにされておるのでございますが、当局はいかなる見解でございますか、この点、その見解を明らかにされたいと思います。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 いわゆる国会議員の不逮捕特権の問題でございますが、これにつきましては、ただいま御質問の中にございましたように、一部の少数学説として、正当なる拘束権をも制約するものである、こういう見解がございます。これに対して大多数の学説並びにわが国の判例は、さようになっておりません。このいわゆる議員の不逮捕特権というものは、時の政府、これは憲法上の淵源がございまして、当時の立憲君主国の時代、これを淵源としておるわけですが、時の政府による不当なる逮捕、これを抑止することによって国会の機能を十全に果たさしめなければならぬ、こういう議会政治発達の過程において出てきたものである。したがって、これはあくまでも不当逮捕を抑止をするものである。これが現在のわが国の大多数の学説であり、またわが国の判例のとっておる態度でございます。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員 私も多数説に賛成でございます。議員といえども、この不逮捕特権の例外規定、いやしくも現行犯というふうな場合においては、法のもとに国民はすべて平等でなければならないのであって、議員といえどもいささかも変わるところがあってはならない。しかしながら、議員の不逮捕特権は重要なる規定でございます。したがって、その施行にはあくまで慎重を期さなければならないと考えるのでございます。このことは当然であろうと思います。このためには、その実施にあたりましては、その適法性と必要性は厳重に守らなければならない、このように考えるのでございます。今回の楢崎議員に対しましては、現地に同行された議員各位が直ちに釈放方を申し入れられた、こういわれておりますが、二時間余にわたって拘束しておられます。はたしてその適法性があったか、必要性があったか、この点を明らかにしていただきたいと思う。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 お答え申し上げます。二時間余りの取り調べをいたしておりますが、それで十分であったかどうか、こういう御質問でございますが、捜査上の必要性から申しますれば、これは二時間余の時間では私は十分ではなかったと思います。しかしながら、現地としては、何ぶんにも国会開会中の現職の代議士の方である。したがって、できるだけ早く取り調べを終わらして、国会活動に遺憾のないようにしなければならぬ、こういう配慮が加わって、二時間余の時間で、氏名も明らかであるし、国会議員であることもはっきりしておるというようなことで、釈放をいたしたものだと考えます。  また、逮捕なり取り調べの必要があったかどうか、必要性、十分性の問題ですが、これは、現行犯逮捕をして、司法巡査が司法警察員に引致をし、引致を受けた警察員は、その当時の状況を調べて、その結果留置すべきかいなかということを早急に調べるわけでございますので、現行犯の処理としては、私は当時の状況から見て、逮捕したことも十分なる理由があるし、取り調べたことも十分なる理由がある、こういうふうに考えております。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員 いま後藤田局長から答弁がございましたが、今回の事件を今後絶滅を期するためには、私たち議員の一そうの自重も必要でございますが、それとともに、この適法性と必要性について、末端に至るまで厳重なる指導の徹底が期せられなければならぬと思います。この機会に吉武自治相、今後に対するいかなる措置をやられるでしょうか、重要なるこの規定の尊厳のためにも、この機会に吉武大臣の御答弁を承りたいと思います。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○吉武国務大臣 ただいま御指摘になりましたように、議員の不逮捕特権というものは、これはもちろん考えなければならぬことでございまするから、その取り扱いについては慎重を期すべきものであることはもちろんでございます。しかしながら、公共の安全と治安の維持のためにこれを守るということも、これは警察の重大な使命でございます。したがいまして、これを乱り、公務の執行を妨害をし、あるいは暴行を加えるということでございますれば、議員でありましても、これは労働組合員と差別すべきものではないと存じます。したがいまして、国会議員の方も、こういう場合においてはひとつ今後自重をしていただきたいと思います。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員 今回の事件はまことに不幸なる事件でございます。しかし、発生した事実は、いまとなりましてはもはや何人をもってしても、いかなる方法をもってしても、取り消すことはできないのでございます。いま私たちがしなければならないことは、この事件の事後処理に対して、絶対に誤ることのないように万全を期さなければならぬということであろうと思います。このためには、本事件の真相がいささかも誤ることのないように、正しく本議会を通じ国民の前に徹底的に解明されなければならないと存じます。このことによりまして、議会政治の基本にもつながりますところの重要なる議員の不逮捕特権の侵害が行なわれたるやいなやを究明し、万一いささかなりとも侵害されたとしましたなれば、私はその非は率直にこれを認めて今後の絶無を国民の前に厳粛に誓わなければならぬと思うのでございます。他面、今回の事件が適法に正しく行なわれたとする限りにおきましては、いかなる場合においても、この正しき警察権の行為は、法のもとあくまでも厳正公平でなければならぬのだというこの警察権行使の原則は、明確に国民の前にまた示されなければならないと思います。私たちの学生時代にいわゆるゴーストップ事件というのがございました。時の県忍知事、淡谷仙吉警察部長、これらの方々は、当時権勢並ぶものなき軍部というあの大きな圧力にも屈することなく、警察権の確立を断固として守り通されたと聞いております。  吉武大臣、いまあなたは重大なる責任の立場に立っておられると私は考えます。あなたのこの事件に対する事後の処理いかんによりましては、われわれ日本国民がひとしく願っておりますわが国の民主政治の発展というものに大きく影響を及ぼすのでございます。いまこそあなたは私心を捨て、政党政派を越え、民主政治を守るんだ、こういう高い見地に立って、いかなる権力にも屈しない、このような聖者の心境をもってこの事件の処理に当たらるべきである、私はこのように考えるのでございますが、この点に関する大臣の確固たるところの御決意のほどをお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと存じます。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○吉武国務大臣 私は正当なる政治活動を抑制するつもりはございません。しかしながら、公共の安全と治安の維持を確立することは、これまた重大な使命でございます。したがいまして、これを乱る者がございまするならば、これは、私は厳正公平にこれを処理すべきである、かように存じております。

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 川村継義君。

川村継義日本社会党

○川村委員 私は、議題になっております佐世保における警察当局の取り締まり、警備の方法、あるいは交通規制の問題、いま渡海委員からいろいろ御質疑がありました楢崎代議士の逮捕問題についてお尋ねをいたしたいと思います。ちょうど渡海委員から楢崎代議士の逮捕問題について詳しくお尋ねがありましたが、私もお尋ねする順序を変更いたしまして、直接それに関連をしてまずその問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  そこで、実はきょうからあすにかけてこの委員会でこの問題を取り上げることになっておりますが、最初に委員長に率直にお尋ねいたしますが、楢崎代議士の逮捕ということが不当であった、いずれの角度から考えても妥当でなかったというようなことが明らかになるとするならば、一体その責任はだれが負うべきであるか、いま渡海委員も申し上げましたように、議員の逮捕ということは、理屈は申し上げなくても重大な問題を持っておるわけであります。そこで、当局の説明では納得できない問題が多うございますが、もしも、きょう、あすの委員会で、楢崎代議士の逮捕が不当であったというようなことが明らかになれば、一体だれがその責任を負うべきであるか、委員長のひとつ率直なる意見をまずお聞きしておきたいと思います。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○吉武国務大臣 私どもは、今回の楢崎代議士の逮捕は不当であったとは信じておりません。

川村継義日本社会党

○川村委員 長官にお尋ねしますけれども、佐世保における警備の責任は署長が全責任を負うておりますか、長崎県警本部長がその責任を負うておりますか、見解をひとつ示していただきたい。

江口俊男警察庁長官

○江口政府委員 お答えいたします。警備の全責任という点におきましては、警察本部長だと考えます。ただし、その細部の問題については、またその段階段階において責任を持っておるもの、こういうふうに考えます。

川村継義日本社会党

○川村委員 それは当然でございますね。今度の佐世保におけるいわゆる原潜寄港に伴う反対のデモが行なわれた。その交通規制の問題あるいは等々において、この警備の責任は署長であるのか本部長であるのか、そこのところがあいまいでは私たいへん困ると思いますので明らかにしていただきたいと思うのです。

江口俊男警察庁長官

○江口政府委員 佐世保の今回の警備計画及び遂行の全体的な責任は本部長にございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 それでは渡海委員の質問に関係をいたしまして私からまずお尋ねいたしますけれども、局長は先ほど、本省からも主管課長を派遣をして現地確認をしておった、こう話がありました。その主管課長は、楢崎代議士が逮捕されたときにはどこにおりましたか。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 この席に主管課長が参っておりまするので、主管の課長、説明員から説明させます。

後藤信義警視長(警察庁警備局警備第二課長)

○後藤説明員 十三日のちょうど楢崎先生が逮捕された時分には、私はその逮捕の現場の近くにおりました。ロータリー付近におりました。

川村継義日本社会党

○川村委員 それでは、あなたにいま一度伺っておきますけれども、あなたは楢崎代議士であるということは知っておりましたか、知りませんでしたか。

後藤信義警視長(警察庁警備局警備第二課長)

○後藤説明員 私は、楢崎先生が逮捕されたということは、署に警備本部がございまして、そこに警察本部長も詰めておりましたが、そこに戻りました後に、逮捕された人が楢崎先生であるということを聞きました。

川村継義日本社会党

○川村委員 重ねてお尋ねしますけれども、課長は、福崎代議士が逮捕された現場は目撃しておられないわけですね。

後藤信義警視長(警察庁警備局警備第二課長)

○後藤説明員 楢崎先生が警備部隊の隊員に対して暴行を働いたというその現場近くにおりましたが現場はたいへんに混乱をしておりましたので、私の見ておるところからは、そのたたいておる状況はわかりませんが、連行する状態は、私ははっきりと目撃しております。

川村継義日本社会党

○川村委員 では重ねてお尋ねいたしますけれども、楢崎代議士が連行されるというその現場は見ておられたということであれば、そのときには楢崎代議士であるということは御存じであったか、知らなかったか。

後藤信義警視長(警察庁警備局警備第二課長)

○後藤説明員 私は、その現場で見ておりましたら、三名ばかりの警察官が一人の逮捕された者を連行して護送車のほうに連れていくというところをはっきり見たわけでありますが、その周辺には新聞社のカメラマンもたむろしておりましたようでありますし、また通常の国会議員さんのつけております赤だすきではなくて、白たすきをかけておられる方が一人、その護送車の近くまで警察官の制止を排除するというようなかっこうで近づいていく状況を見ておりますが、その逮捕された方が楢崎先生であったかどうかということは、私、今日まだ楢崎先生にお目にかかっておりませんし、どういう方であるかわからぬのでございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 それでは後藤さんも楢崎代議士が逮捕されておられるということは、連行される姿は見たけれども、楢崎代議士であったということは知らなかった、こういうことであります。  そこで局長にお伺ねをいたしますけれども、先ほど局長の答弁によりますと、楢崎代議士がヤッケ・スタイルであった、国会議員のたすきは腰に巻いておった、こういうお話でありまして、逮捕したところの警官も国会議員であったということは知らなかった、こういうことでありましたが、その点間違いございませんね。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 間違いございません。そのとおりでございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 楢崎代議士はたすきを斜めにかけて、そして警官がデモ隊に突撃をしてその隊列を排除しようとしておる中に入っていったのであります。そのときにはたすきを斜めにかけておった。これは後藤さんも見ていない。ところが二、三名の警官がつかまえたその中から引き出したので、たすきは下へずり落ちてここへかかった、たすきを腰に巻いて上からヤッケを着ておったのではありません。ヤッケではありません。普通のジャンパーなんだ。寒いから、雨が降っておるから。その上からたすきをかけておったけれども、引きずり出されていくときにそれがずり落ちてここへかかってきた。それでも国会議員でない、こういうように考えられるのかどうか、明らかにしてもらいたい。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 たすきをかけていたというお話でございますが、私どもは、たすきはかけていなかった、ヤッケ・スタイルというのは、つまりヤッケ・スタイル、ヤッケ・スタイル、こう言うわけでございますが、要するに上っ張りのようなものを先ほど申したように着ておって、国会議員であるということは全然わからなかった、こういうことでございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 ということは、あなたのほうにはそういう報告がきておるということですね。たすきはかけていなかったと、あなたは見られたわけではないでしょう。いかがです。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 私は、先ほどお答えいたしましたように、現場の報告に基づいて答弁をいたしておるのでございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 そこに一つの報告と実際との食い違いがある。いま一つ楢崎代議士が連行されようとしたときに社会党の滝井代議士、小柳参議院議員がすぐそばに行きまして、これは国会議員である、待て、こう言ったのであります。これは報告しておりますか。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 そばにおられた国会議員の方が、おれは国会議員である、通せ、こういう声があったということは報告を聞いております。

川村継義日本社会党

○川村委員 そこにまた一つの問題があると思う。もちろん、あるいはその楢崎代議士に近づいていった両代議士が、おれは代議士だと言ってあるいは近づいたかもしれない。しかし、楢崎君を見て、これは代議士であるから、待て、こう言っておる事実がある、これは確認しておりますか。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 逮捕せられた方を、これは代議士であるから、待て、こういう報告は聞いておりません。おれは代議士である、通せ、こういう報告を聞いております。

川村継義日本社会党

○川村委員 あなたのほうに参っておる報告は、そのときの実際とそこにまた一つの食い違いが出ておる。いま一つ両代議士が、代議士だ、待て、こう言ったときに、国会議員が何だ、こう言って言うことを聞かないで車のほうに連行した、この報告はきておりますか。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 おれは代議士だ、通せ、こう言ったときに、代議士が何だ、こういうことを言ったという報告はきております。その点は、私は現場の警察官の興奮のあまりの発言であろうと思いますが、不適切である、こう考えております。

川村継義日本社会党

○川村委員 翌日の現地における新聞記者諸君の目撃しておる記事を見ましても、大体みな同じことを書いております。これは楢崎代議士の連行をしばらく待たせようとした二人の代議士だけでなくて、付近におりました新聞社の皆さん方も確認をしておる事実であります。  それからいま一つ問題がある。ということは、楢崎代議士を車のほうに連行していく途中に、つかまえておった警官が、ようようつかまえたと言っておった。これは知っておりますか。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 そういう報告は、私は聞いておりません。

川村継義日本社会党

○川村委員 こういう点は、その現場の警官と、それから滝井、小柳両氏、それから逮捕された楢崎代議士、これだけが対決するならば明らかになると思う。そうしてあなたが言うように、連行して車のところに連れていって乗せて署に運んだ、こういう経過をたどっておるということはあなたの報告、先ほどからのいろいろお話の中でも、警官は楢崎代議士であるということを知らなかった、車の中でも半信半疑であった、こういうようなことは、一方的なつくり上げられた報告ではないかと私は思う、どうでしょう。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 先ほどお答えを申し上げましたように、事柄はきわめて重大な問題でございます。それだけに、私どもとしては慎重の上にも慎重を期して、現場から各種の報告もとり、また、現場に臨んでおった主管課長からも事情を聴取をいたしましてお答えをいたしておるのでございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 後藤田さんは、局長として現場からの報告に基づいて御答弁なさっておるのは、それはわかります。ところが、現場の実際の事実と、あなたのほうにきておる報告には相当の食い違いがあるということは、私が申し上げた二、三点でもおわかりいただけると思います。そこで、私が申し上げたいのは、すでに警備責任者において、相当その日は強硬方針の指令が出されておったのではないかと考える。これはいかがでしょう。

後藤信義警視長(警察庁警備局警備第二課長)

○後藤説明員 十三日に特に強い警備方針が示されたということはございません。これは私現地の警備本部におきまして本部長と一緒におりまして、そういう状況をつぶさに見ておりますが、さようなことはございません。前日十二日は、先ほど一般的な情勢の説明の中で長官が御説明申し上げましたように、労組員及び学生が中心でございますが、あの平瀬町ロータリー付近におきまして停止をいたしまして、そうして上陸場の付近まで通せということを執拗に現地でも交渉されますし、それから署におきましても交渉されたのでございます。さような状況でございますので、これは、やはり何といいましても上陸地付近の混乱を避けるために、警察のほうでこの場面のデモ行進は禁止しておったわけでございますが、これを相当執拗に迫っておられるので、強行するのではないかという心配は私どもも持ったのでございます。十三日の朝は、私も現場にその当時行って見ておりましたが、三々五々道路の両側を、形はデモという形に直ちにはみなされない状態でありましたが、あそこの総合会館という宿舎から、ほとんどアリがちょうど行列をしておるような状態で、道路の両側から上陸場までロータリーを経過して行っておりました。私自身は、これはいけない、これは早く何とか措置しなければ、形を変えたデモが上陸地付近において行なわれるであろうということを考えまして、これは本部長に早く報告しなければならぬというので、現地の警備本部に参りましたら、本部長はすでに電話の報告を受けまして・現地に行って措置されたのでございまして、当日は十二日と違って特に断固たる方針でやるとか、きつい取り締まりをするとかということはございませんで、一般的な警備方針に基づいて警備の指示をしたものでございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 いま後藤さんの説明されたここに至るまでの規制その他の経過についてあとでまたお尋ねをします。  とにかく楢崎代議士が逮捕されたその十時過ぎ、午前中というものは、前日に見られないほど現地の警官が非常に興奮をして殺気立っておる。私は十二日午後このデモ行進を見たのでありますが、あるいは制止されておる状況を見たのでありますけれども、なかなか警官も落ちついて、ついにすわり込んだ諸君をかかえ出すにしても、ときたまうしろ手にねじ上げて運ぶのがありましたけれども、大体労組員を扱うにしても、たいへん妥当であったと私は思っておりました。警棒使用もほとんどなされておらないし、この分であれば、われわれが一番憂慮しておる衝突の状態、あるいは大きな負傷者を出すとか、そういうことはないであろう、こう思っておりましたけれども、十三日の午前中は、すでにもう警官の意気込み、態度から相当変わっておった。そこでその具体的な例を一つ私申し上げておかなければならぬ。それは楢崎君が逮捕されて車に乗せられた直後、そのロータリーからはるか矢岳町寄りのデモ隊の中で一人逮捕されております。手錠をかけられて三名の警官が連行しておった。それを目撃した私が、ちょっと待て、こういうように合い図したら、いきなり、何を言う、からだに触れたら逮捕するぞ、こう浴びせかけられた。しかし私は、公衆の面前で逃げもしない者を手錠をかけなくてもいいじゃないか、手錠をはずして連れていけ、こう言ったら、つかまえた者を手錠をかけても当然ではありませんか、こういうように実にいたけだかな言動を私は浴びせられた。そこで私は警官の諸君に、そこで手錠をはずして連れていってくれと交渉さえも許されない。それは、手錠をかけるということは、まあ警官の現地の諸君の考え方で当然であるかもしれませんが、あのようなまっ昼間、しかも逃げもしないところの労組員を逮捕していくのに手錠をかける、そこまでいかぬでもいいじゃないか、三人でつかまえて連れていってもいいのじゃないか、こう考えたから、私はちょっと待て、できたらひとつ手錠をはずして連れていってもらいたいと思ったのでありますが、こう言ったら、何を言う、触れたら逮捕するぞ、こう言われたので、どうにもならぬ、非常に残念に思った。まあこのことにもいろいろそれは考え方がありましょうけれども、そのときにはそれぐらい警官の諸君が興奮をしておりました。ところが、これには、いま後藤さんが言うように、一つの経過がからんでいるとは私も思います。要するにそういう事態でありましたので、国会議員が何だ、たくさん国会議員が状況を見ておる、もしも手出しをしたならばつかまえてしまえ、しかも楢崎代議士は前日も何か少しいざこざがあったということを聞いております。そこで特にそういうような指示を、いわゆる国会の開会中である、国会議員であるということなどを無視して、そういう強硬方針を出しておるのじゃないかと私は見ておるのですけれども、この点はどうお考えになっておるのか、お答えをいただきたい。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 お答え申し上げます。   〔委員長退席、中島(茂)委員長代理着席〕  こういった大衆運動に伴う不法事態の取り締まりというものは、とかく御説のように現場が殺気立つものでございます。したがって、そこにとかくのトラブルが起こりやすい、これはもう従来の経験から見てそうでございます。したがって、私どもとしてはでき得る限りの注意を払わせて、そうして、あくまでも相手が興奮すればするほど警察官というものは冷静でなければならぬという教育をいたしておるのでございます。  なおまた、手錠の問題でございますが、これは、やはり従来の経験から、とかくそのまま群集の中に逃げられてしまう、こういった事例が非常に多いわけでございます。したがって、手錠をかけるかどうかということはやはりそのときどきの状況によるものでございますが、手錠をかける必要のないものにかけるということは、これは私は避けてしかるべきである、こういうふうに考えます。  また、当日特別なそういう指示をしておったかどうかということは、現場に行っておりました後藤説明員からお答えをいたさせます。

後藤信義警視長(警察庁警備局警備第二課長)

○後藤説明員 ただいま局長からお話がございましたように、国会議員であるから特にどうというような指示は一切いたしてございません。ただいま川村先生おっしゃいましたように、非常に平穏な状態で警察官が逮捕するというような状態でございましたならば、これは非常に落ちついてやれると思うのでございますが、私目撃しておりましたように、まさしく十二日の状態とは違いまして、十三日のあの時間帯におきますロータリー付近の状態というものは、はなはだもって道路の交通をまさしく著しく妨害するような形で、しかもデモのコースとして認められている場所ではございますけれども、方向は全く反対の方向でございます。ロータリーから総合会館のほうに向かっておるのでございます。これは、許可の申請は反対側のほうに流れることになっておったのでございますけれども、そちらの方向に向かって、そうしてまた五、六列も隊伍を組んで、スクラムを組んで激しい蛇行進をし、その際に、熊本県から応援に来ておりました警部をその激しいデモの中に巻き込みまして、これを道路のはたに倒し、なぐる、けるということで負傷をさせておるといったような激しいデモでございましたので、これに対する規制というものはその現場の状況上ある程度、殺気立つというのはなんでございますけれども、警察官のほうでもやはり多少行き過ぎたようなことばづかいというものもあったかと思うのでございます。しかしこれは、ただいま局長が申し上げましたように、決してそれでいいとは私どもは思っておりませんで、十分にこの点は——私から申し上げるのもなんでございますが、注意をいたしておるところでございますし、また今後も重ねて注意をいたしたいと考えるわけでございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 そういう指令を出したということは、とても答えられる問題ではないと思います。後藤さん、いまお話がありました問題については、あとでお尋ねいたします。  先ほど、現地に行かれた後藤課長は、楢崎代議士は知らぬ、こう言っておられますが、それを私が疑うわけじゃない。どうもやはりその点はぼくはよく納得しない。というのは、こういうことでしょう。あのロータリー付近で十時四十分ごろに、中に入っておった集団が一応出されてきた。そのときに、一応出切ってしまって、一番最後尾に立って、デモから少し離れて、しかもロータリー方向を見ておったのは楢崎代議士であり、滝井代議士であり、小柳参議院議員であった。三人は、もうすでにデモは過ぎ去ったあと、ロータリー方向を後尾について見ておった。というのは、私はあとの状況を観察しておったのだろうと考える。ところが、あなたがよく知っているように、右側のほう、道路の左側のほうで衝突が起きた。そこに楢崎代議士が入っていった制止をしようとしたのである。そこで局長にお尋ねしますが、楢崎さんが逮捕された場所はどこか。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 図面でお答えを申し上げます。  楢崎さんが逮捕せられました場所は、平瀬町のロータリーから上陸地方向に向かって左側、ロータリーから約五十メートルの場所で逮捕せられております。

川村継義日本社会党

○川村委員 位置は大体そのとおり。場所は歩道の上なのか、車道の上なのか、車道であったら何車線の場所であるのか、それを明らかにしてもらいたい。   〔中島(茂)委員長代理退席、委員長着席〕

後藤信義警視長(警察庁警備局警備第二課長)

○後藤説明員 楢崎先生が逮捕された場所は、歩道と車道とのちょうど境目のところでございます。この道路の幅員は、場所によって一定してございませんが、約二十メートルのところでございますので、車線といたしましては大体二台ずつ対向して通れるような状況だと思います。

川村継義日本社会党

○川村委員 重ねて後藤さんにお聞きしますけれども、あなたはその場所を見ておったのですか、先ほどのお答えもありますから。

後藤信義警視長(警察庁警備局警備第二課長)

○後藤説明員 私は、先ほど申し上げましたように、先生が逮捕される場所は見ておりません。それで、この私が御説明申し上げましたのは、先ほど局長からお話を申し上げましたように、非常に重要な事件でございますので、私も念を入れまして、逮捕の現場におりました、逮捕に協力をいたしました警察官、及び暴行を受けました警察官、それらにつきまして、それぞれ事情を聴取した結果、ただいまのように申し上げたわけでございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 後藤さんは、実際自分でその場所を現認をされたわけではない。ところが、これは局長のほうにも確たる報告が来ていない。楢崎さんがつかまったのは歩道である。これははっきりしておいてくださいよ、これは後ほどまた、そこに至る経過がありますから。歩道である、それが一つ。それから現行犯である。これが大きな問題でありますが、公務執行妨害である。先ほどあなたの説明によりますと、平戸の署員の巡査を楢崎さんがこぶしでたたいたという。実際にやってみてくれませんか。どういう形でやったのか、わかりますか。

後藤信義警視長(警察庁警備局警備第二課長)

○後藤説明員 これは、お断わりいたしておきますが、私がその場所を現認したわけではございませんで、暴行を受けました中里巡査、逮捕に協力いたしました右田巡査、中野巡査、岡田巡査、これらの供述によりまして私が記憶しておるところでございます。それじゃ、ちょっといま実演をいたします。

川村継義日本社会党

○川村委員 いいですよ。楢崎さんは、先ほど私が申し上げているように、デモが入って通り過ぎて、三人の議員とロータリーの方向を見て、一応状況を見ておった。ところが後方左側のほうでわっと衝突、混乱が起きた。そこで御本人は大急ぎで中に入っていって、そして、こういうかっこうで待てと制止をしようとしたら、いきなり左手をうしろにねじり上げられた。だから、何をすると言って、こうはたいた。これは、あなたのほうではよくわからないかもしれぬ。それを明らかにするには、本人及び現場の警察官がおると明らかになります。はたいたのである。これは局長、あるいは長官がいいかもしれませんが、どちらでもいいですけれども、これは一体公務執行妨害に値するのかどうか、よく聞かしてください。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 ただいま先生のおっしゃるような状況であれば、これは疑問がありますが、私どもの報告によりますというと、事実が違います。やはり公務執行妨害の現行犯ということでございます。つまり、労組のほうに向かって、こうおとめになっておられたのではなくして、警察官と相対しておった、そして、それはまさに混乱をしておった分断後のデモ隊の正面におられた、こういうことでございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 この点は現認の問題でありまして、局長が受けておる報告では不十分だと思うのです。福崎代議士も左手を逆にねじ上げられなかったならば、こぶしを振ったか、あるいはこういうかっこうであったかわからないが、警官をたたいたりなどはしないと思う。いきなりこうねじ上げられたら、これを取りのこうとするのが、だれでも痛いからあたりまえではありませんか。そこで、そのときの警察官の公務執行とは一体何だ、これをひとつ説明してくれませんか。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 お答え申し上げます。  当日のこの警備、警戒に当たってデモの規制をしておった公務執行中の警察官でございますので、当該の公務執行は何であったかということになりますというと、このときの現状におきましては、警職法五条の制止行為中の警察官に対する公務執行の妨害でございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 そうなりますと、先ほど私がちょっと例を言ったように、一人の人がいきなり手錠をはめられて連行されようとする。ちょっと待て、手錠をはめなくても連れていかれるじゃないか、ちょっと待てというふうにして手を触れたら、これも職務執行妨害。逮捕すると言ったのだから、そうなる。そう考えていいですか。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 単にことばだけで、その程度で公務執行妨害になるとは私は思いません。あくまでもそれはその場における状況でございまして、もしその場合に、先生がだめだと言う警察官に対して何らかの暴行に及べば、これはまた当然公務執行妨害ということになりますが、ただいま先生のおっしゃる程度であれば、これは私は公務執行妨害には至らぬと思います。

川村継義日本社会党

○川村委員 そうすると、警官は職務を執行する上について、別にこぶしを振り上げて打ちかかってもこない、あるいは棒で突いてもこない、あぶない、ちょっと待てと、こういう制止状態をとった者に対して、いきなりじゃまだというような考え方で左手をねじ上げる。これは警官の職務執行としては許されることですか。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 もちろん当該の人がそのデモ隊と一緒の行動もとってなくて、全然別で、御説のような純粋な行動であるならば、これはもうそういうことをした警察官のほうが不当であるということになろうかと思います。

川村継義日本社会党

○川村委員 現地に行っておりました議員諸公は、もちろん社会党の議員でありますから、原子力潜水艦が日本に寄港するということについては反対だ、よくない、そういう基本的な考え方で運動をしておることは、もう私がここでるる申し上げる必要はない。しかし、これは安保の時点においても、あるいは砂川そのほかのいろいろな事件があったときでも、国会議員は別に一つ使命を持って現地に行っております。ということは、無用な摩擦を起こさせてはならぬ、こういうことでけが人などを出させるようなことがあってはならぬ。これはデモをやっておる団体の諸君にものを言う場合もあります。警察のほうにものを言う場合もある。実はこういう使命を持って現地にそれぞれ派遣をされるわけであります。そこでちょうど前日十二日の午後、同じ場所で学生の諸君が相当強い行動に出た。ところが、あのときにもしも社会党の議員が制止に入らなくて、また警官の諸君が議員諸公の制止を聞いてくれなかったならば、とんでもない大けが人が続出しておったと私は思う。というのは、あの場所の左側の歩道のまた左側、いわゆる基地との間には深い堀があります。みぞがあります。あれだけの警官が学生隊になだれ込んで、これを排除しようとする。歩道上は大混乱におちいる。あのまま押し込んでいったら、学生の大部分はあの深いみぞの中に転落をして、相当大けが人を出したに違いない。私はこう考える。もちろん一人はついに相当の負傷をして救急車で運びましたけれども、しかし、そのときには議員諸公が、あぶない、待てと、こういう制止をして、石橋代議士等と中に入ってこれを抑制しましたし、また警官もそれ以上強行することを思いとどまったので、救急車で運ぶという事態が一人で済んだのです。そういうことを考えると、この十三日の時点でも、同じ場所なんですよ。しかもデモをやっておる組合員諸君は、まだ正式に指揮下に入っていない。これはあとで申し上げます。あの勢いで車道から歩道上に押し上げられてきたらたいへんだ。楢崎代議士も同様な考え方で中に割って入ったに違いない。それをじゃまだと言わんばかりに左手をねじ上げて、そのねじ上げた左手を痛いから払いのけるために振った手が巡査に当たったということで逮捕するなどということは、行き過ぎではないか。職権の乱用これよりひどいものはないではないかと私は言わざるを得ません。いま一度局長の考え方をお聞きしたい。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 私も、先生がおっしゃいますように、従来から国会議員の方がこの種の大衆運動に多数参加をせられるということを承知をしておりますし、また、その際の現地における国会議員の先生方の行動というものは、いままさに先生がおっしゃるような行動であること、従来の経験上そういうことと存じております。したがって、そういった先生方の現場における混乱を防止をするための御配慮には、私どもも感謝をしておるのでございますが、ただこの佐世保原潜の際における楢崎先生の行動は、私どもはさように見ていないのでございます。それは、前日の事件、またこの十三日の事件、これらから見まして、いささか他の国会議員の先生方の平常見られる行動とは別なものである、こういうふうに私は考えております。  また、左手をねじ上げて云々、こういうことでございまして、これは行き過ぎでないのか、そのねじ上げたものを払ったんだから、これは行き過ぎじゃないのか、こういうお話でございますが、これは、楢崎代議士の供述調書は私は読んでおりますが、そういうふうに出ておりますけれども、これは事実認定の問題でございます。私どもとしては、やはり参考人なり現場の状況なり、それらから見て、証拠をはっきりして事件を送致をする、こういうことでございまして、事実認定のまあ違い、こういうことになります。

川村継義日本社会党

○川村委員 局長、たいへん私、気になる重大な発言があったと思うのです。そうすると、十三日の十時四十五分ごろのその時点における楢崎代議士の行動によって逮捕したのでなくて、前日から合わせて一本、こういう意味で逮捕したのですか。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 国会議員の先生方の行動がどうであったかということに関連して、それと楢崎先生の行動はいささか違っておった、こういうことを申し上げたにすぎないのでございまして、逮捕行為は合わせて一本ではございません。前日の事件は、現在捜査中でございます。十三日の事件は現行犯として逮捕をした。これはおのずから別個の逮捕行為でございまして、前日あったからあくる日逮捕した、こういうふうなものでは絶対にございません。

川村継義日本社会党

○川村委員 楢崎代議士の十二日の行動その他のあれによってではない、楢崎代議士の行動その他を考えると、私が国会議員がどういう使命で現地に行ったという、その考えとは違うものがある、そういう考え方によって十三日のその時点における楢崎代議士の行動は見ておる、これは局長、重大な問題ではないかと思います。ということは、同じことを本部長も言った。あなたのことばは、本部長の考え方が伝わっておるとも見られる。本部長も同様のことを言った。それを署長室でいろいろ追及されると、まあ、あとでは否定をいたしました。しかし、率直に言って、楢崎さんの性格がそうせしめる、こういうことまで言った。これはあした明らかになりましょう。これはたいへんな発言だと思う。ということは、先ほどから後藤さんも楢崎代議士は知らなかったと言っておる。あなたの報告でも現地の警官は知らなかったと言っておる。また、本部長も、署に連れてくるまでは知りませんでしたと言った。しかし、よう考えてみると、みな知っているではありませんか。楢崎代議士の行動というか、それをしょっちゅう監視をしておったということになる。そうなりましょう。いまあなたの発言からすると、それが明らかであると思う。そうすると、この逮捕というのは仕組まれた逮捕である、こう私は断定せざるを得ないのであります。いかがですか。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 御質問のように、仕組まれた逮捕であるというような事実は絶対にございません。私がお答えをしておりまするのは、先ほどから川村先生がおっしゃるように、国会議員というものはこういう使命を帯びて行っているんだ、こういうお話でございますので、まさに従来の経験に徴してそのようにやっていただいておる。しかしながら、楢崎さんは、前日の現在捜査中の事件及び十三日の事件の結果から見て——後にはそれは楢崎さんと判明したわけですが、結果から見て、どうも楢崎さんの御行動は、一般の従来から見られた議員団の方の行動とは違うものがあった、こういうことを申し上げておるのでございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 これはどうもたいへんな問題ではないかと思う。十三日の十時四十五分における平戸署の署員を楢崎氏がたたいたという、そのことによっての現行犯、執行妨害、こういう逮捕をしたのに、前日の行動がどうであったとか、あるいは他の議員と行動が違っておるとか、こういうことは一体理由になりますか。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 現行犯逮捕をいたしまして楢崎さんとわかった。その行動は、まさに通常の国会議員の行動とは違って、警察官に対する公務執行妨害の行為であった。また、十三日の現行犯逮捕の結果、この方が楢崎さんであるということがわかって、前日の行動も、これはやはり楢崎さんがやっておるのだという−他の佐世保警察署の警察官が前日事件を扱っておりましたので、その者の証言から、これはやはり楢崎さんが前日やっておった、こういうことがわかったわけでございますが、その点はいま調べ中でございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 そういうような見方をしておる。そこで十三日十時四十五分楢崎代議士を逮捕した。事実私が言っているように、制止をしようとした代議士が、いきなり左手をねじ上げられたので、これを払いのけようとしてたたいた、こういう結果になった。ところが、前にこういうことがあったからそれはそうではないであろう、これはやはり警官をたたこうと思ってたたいたんだろう、こういう判断は許されますか。あなた方がそういう判断に立っておるなら、大問題じゃないかと思うのです。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 私が申し上げておりますのは、予断ではなくして、結果から見て、一般の国会議員団の方の行動のように、事態が混乱にならないように、行き過ぎにならないように、トラブルが起きないようにということでやられたものとは認められない、楢崎代議士の行動は、これはまさに現行犯の逮捕に値する公務執行妨害の罪である、こういうふうに私どもとしては認定をいたしておるのでございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 予断であろうが、結果から考えたと言おうが、前にどういうことがあろうとなかろうと、現行犯というのは、十時四十五分、その時点におけるそのことでなければならぬ。それによって逮捕するならするということが起こらなければならぬ。ところが、逮捕してみた。いろいろ言われるけれども、前の日にこうであった、行動はこうであった。そこでこれはてっきり私が事実を証明しておることとは違う。あくまでも警察官の職務を妨害しようとして楢崎氏がやったに違いない、こういう判断で逮捕したということは、大問題じゃありませんか。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 さようではございません。十三日の行為そのものが警察官の公務執行妨害の現行犯の罪に値するものとして逮捕をしたのでございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 それで私がさっきからお尋ねしているように、楢崎代議士は、両方の仲に入ってその大きな衝突を制止しようとした。ところが、いきなり左手をねじ上げられた。そこでその痛さを払いのけるために右手を使った。それが一体公務執行妨害、いわゆる現行犯として逮捕をされねばならないものかどうかということであります。いかがですか。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 デモ隊を規制中の警察官の右の手首を右手挙で殴打したということで公務執行妨害の罪として私どもはやっておるので、その点は事実認定といいますか、あなた方の御主張と食い違っておるわけでございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 この問題は、実際われわれが見ておった、あるいは本人が言っておる事実と、現地から本庁に報告されておるそういう状況とが、相当事実の上において違うようでありますから、これは何らかの方法で明らかにされねばならないと思います。ということは、先ほど渡海委員が質問の最終段階においていろいろ述べておられましたけれども、こういうことが軽々に許されるということになると、一体国会議員というものはどうなるか。憲法で保障しておる不逮捕の特権というものがどうなるか。その精神というものは一体どうなるのか。警察権力の前にはあわのごとく消え去る危険性がある。それを私は心配しているわけです。これはひとつまた本日及び明日にわたってさらに明らかにされねばならないし、なおそれでも不明な場合には、実際の場合において、あるいは現地におけるその直接関係者の諸君等を前にして、明らかにされねばならない問題だと思います。  そこで私は、次に、いまの問題が惹起したその前段におけるデモ規制——デモ規制と言っていいかどうかわかりませんが、交通規制とでもいうか、この点について当局の考え方をこの際聞いておきたいと思います。  まず第一にお聞きしたいのは、矢岳町に総合会館というのがあります。これから数百メートル延びて四車線の車道をはさんで両方に歩道がある。それが延びていわゆる平瀬町ロータリーというところにいく。平瀬町ロータリーから左側に市内に入る道路がある。同じ幅の道路で、これは県道であります。これは百四、五十メートルもありましょう。これがさらに港のほうに延びて右に右折する。大体米軍が使用しておる建物が多いようでありますけれども、その道路が右にずっと数百メートル延びている。そして先のほうに通じておる。こういうかっこうになっておる。ほんとうはこういうものは正式の図解が必要になりますけれども、あなたのほうには図解の説明がきておると思う。そのロータリーを通過して百四、五十メートルも行きましょうか、その突き当たりにいわゆる上陸地というのがある。そこから右に右折をしておるわけです。これは県道であって、一般の車も一般の通行人も通っておる。いままではいわゆるデモのコースとして佐世保署の署長はこちらのほうに指示行進することを認めてきた。ところが今回、十二日以降ロータリーから先はデモ行進コースとして許可しなかった。その理由は一体なんですか。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 従来から、平瀬町のロータリーから上陸地まで、それからさらに右折したほう佐世保船舶工業会社に至る道路、この間を集団行進を認めろ、認めないということでとかくの論議があったのは事実でございますが、いままでこれを認めたのは一回だけのようでございます。従来、いつも交通上の支障があるということで、認めた事実はございません。ここを認めない理由は、御説のように、上陸地点まで大体二百メートル近くのようでありますが、それからさらに右折をして五百メートル前後、ところがこの道は、佐世保船舶重工業の会社がありまして、その東の門から先は私道であるということで、行きどまりであります。したがって、デモを認めますというと、順行、逆行の折り返しデモが行なわれなければならぬ、こういうことになるわけでございます。したがって、当該道路は、大体多数の人の通行もございますし、また一時間に大体四百台見当の車両通行も米軍関係あるいは会社関係等のものがあるようでありますが、そういったことで、折り返しのデモの姿になって交通上まことにぐあいが悪い、いわゆる袋小路といいますか、こういうことでございますので、そういう意味でロータリーから先には入れない、こういう方針をとっておるのでございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 ロータリーから先のその県道について、今回デモの行進を許可しなかった。それの法律的な根拠というのは道路交通法ではないかと思いますが、それは何条の適用によって禁止をしたのですか。

後藤信義警視長(警察庁警備局警備第二課長)

○後藤説明員 道路交通法第七十七条におきまして、道路の交通の支障のあるような行為をする例示がございますが、その例示をさらに受けまして、公安委員会が定めた行為をする、こういうことがございます。それで長崎県といたしましては、公安委員会の定めといたしまして規則を設けておりまして、その中で集団行進をする者は、この七十七条によって許可の対象になるということがきめてあるのでございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 七十七条の適用によって、公安委員会の規則によってこれを禁止をした。先ほど委員長も言われたように、このような指示行進、認められた当然の権利である指示行進をする場合には、これは非常に慎重でなければならぬ。委員長も大衆行動を抑圧する考えはないと、こうおっしゃったようでありますが、そうなければならない。七十七条の適用によって禁止をするということになりますと、私はちょっとやはり皆さん方の解釈がひどくなるのではないか。一応やはり条件をつけて行進の方法等々、十分その責任者と打ち合わせをして、条件をつけて許可されるべきが当然ではないかと、こう考えるんですが、これについてのお考えはどうですか。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 仰せのとおり、交通に著しい支障がなければ、これは認めるべきですし、また認める際にも、これはやはり十分一般の交通と、それと表現自由の形として行なわれるデモと、これがぶつからないというかね合いを考えて、十分条件をつけて、デモが整々と行なわれるというようにやるのが適切でございます。なお、当日のこのデモの許可申請に対する当方の許可の条件につきましては、これは後藤説明員から説明をさしてお答えをいたしたいと思います。

後藤信義警視長(警察庁警備局警備第二課長)

○後藤説明員 当日の道路使用許可の申請がございまして、これに対しまして許可が与えられたわけでございますが、その条件が示されてございます。いろいろございますが、第一は、進行の経路がございます。これは、かなり詳細に、どこからどこまではどちらを通るとか、あるいはどこを回るというようなことまでございますが、その中に問題になりました、いま先生御指摘のロータリーから先の部分につきましては、これは条件と申すのがはたしてよろしいのか、あるいは法律的には、その部分については許可にならないということで、一部分の許可というふうに解釈すべきかと思いますけれども、第一番に「申請にかかわるロータリーを経て、SSK東門に通ずる道路は通らないこと。」というのを条件で一応明示してございます。さらに「一梯団を二百名以下」とすることとか、あるいはその梯団ごとに責任者を置いて自主規制をはかるというようなこととか、あるいは隊列につきましては三列の縦隊にするとか、あるいは各梯団間の距離は何メートルにするといったようなところまできめてございます。さらに渦巻きとか、あるいは蛇行進など交通の妨害となる方法で行進しないこととか、あるいは「プラカード、旗などは交通の妨害とならないよう把持すること。」とか、あるいは「現場警察官の指示に従うこと。」というようなことが明示してございます。なお、注意的に「以上のことを参加者全員に周知徹底させること。」というような条件がつけられておるのでございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 私がお聞きしたいのは、それはデモ行進の許可を受ける全体の経路についての条件であって、ロータリーから先、これは禁止している。ロータリーから先も県道であり、四車線の車道が通っておる。両側は歩道がついておる。車の数あるいはその他の交通の条件は、ロータリーから手前、いわゆる矢岳町方向に至る状態もロータリーから先の状態も大差はない。そこで、ロータリーから先も禁止をするということでなくて、正々堂々と行なわれるように条件を付して許可してよかったのではないか、こう私はお尋ねしておるわけです。許可しなかったから、ロータリー付近でついにああいう混雑も、衝突のような状態も起こるし、十三日の午前中のような状態も起こったのではないか。許可されてその条件を守られるように指示行進を行なっておったならば、あのような事態は起こらなかったのではないか。私は、皆さん方が、現地の責任者がただ単に交通規制、交通緩和という、そういうねらいでなくて、もっとほかにねらいを持ってあそこを禁止した。ここに一つの大きな混乱を生じたところの根本原因があるのではないかと見て取っておるわけです。この点についての考え方をお聞きしたい。この点はまた明日も本部長等から聞ける機会があろうと思いますが……。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 その点は、先ほどお答えいたしましたように、この道が、佐世保船舶工業の東門から先が私道となっておりまして、一般の通行を許さない、つまりいわゆる袋路である、また迂回路がない、こういうようなことから、ここで集団行進なり集団デモを認めるということは、集団行進なり集団デモなりの順行、逆行の折り返しになる。そういたしますと、車両の通行も相当ございますし、人の通行もあるし、これらとの間の相互の関係を見て、ここから先は通さない、こういう方針をとったものでございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 デモ行進の規制については、これは全国的にいろいろの疑問と問題を起こしておる。この点はひとつまた後日明らかにしてもらいたいと思いますが、約束の時間がまいりますから先にお尋ねを進めます。  そこで、問題の十三日の午前中の規制の問題であります。十二日そのような状態で、ついに海を見ることもできない。デモ隊員全部であります。そこでやはり隊員自体のいろいろの要求もあったのではないかとわれわれは推測するのでありますが、原子力潜水艦が入っておるというから、どういうかっこうをしているのか見たいという、これはやはりだれでもの願いがあったのかもしれない。全国から佐世保へ来て、黒い潜水艦を見ないで帰ってしまったということでは話にならないという気持ちもあったと思う。そこでわれわれがちょうど午前中、九時前に聞いたところでは、きょうは一応このデモ隊を解散をする、そして総合会館前で解散の宣言がなされた。そこで見たい者はひとつ順次行って歩道を通って見てくるように、こういうことであります。そこに至ったいきさつは、実は前日、なぜ許さないのだ、こういう取り合いの末に、警察署長が、これはもう交通問題から、七十七条の適用によって禁止をいたしておりますから、許せません。しかし、皆さん方が三々五々お通りになることは、これは禁止するわけにまいりません、御自由でございます。こういう実は意思表示があって、そういうようなことで、十三日の午前九時ごろだったと思います、私も、それではひとつ小柳さん見てこようじゃないか、そういうことで、実は私は国会議員のたすきもはずし、そのままの形で小柳両三名と海を見に行った。ほかの労組連中もだんだんちりぢりばらばらに歩道を通って海のほうにやってまいりました。地図で局長も知っているように、上陸地から右に曲がって数百メートルありましょうか、その広い道路を通り、一回りして帰る予定だったと思うのです。よくわれわれは数はわからないが、そのうちに、一隊、二隊の警官隊が指揮されて、その道路上にかけ足で次から次に入ってくる。何だ、こう聞いてみたらば、すでにもう遮断をされた、ちりぢりばらばら、てんでん自由意思で入ってくることもまかりならぬ、こういうように言われたということであります。ここに一つ問題がある。それから、中に入っておったところの諸君は、私の見るところでは、おそらく海岸寄りを通って一定の地域まで行ったら今度は逆に引き返して帰ってくるのではなかったかと思うのでありますが、そういう事態にならないうちに、警察の車が、帰れ帰れ、ロータリーに引き返せ、こう言って盛んに警告を発し、そうして、入ってきたところの一小隊、二小隊というような警官諸君が、その中に入っておった諸君を一個所に集合させた。押しつめてしまった。これがちょうど私営バスの停留所の付近であります。そこでがくがく、いろいろと言われておりましたが、バスで帰ろうじゃないか、バスの時間を調べたら、いつ来るかわからぬ、午後になるようだ、じゃ臨時バスでも出してもらえというようなことで騒いでおりましたが、結局相当の時間がたってから、百名にのぼりましょうか、押し集められた諸君が警官隊の力によってそれから左側を通ってロータリーの方向に持ってこられた。その間いろいろのこぜり合いもあったようです。もっと詳しく説明したいのですけれども、時間がありません。それからロータリーの方向に持ってこられた。そのとき警察のほうは、その押し集められた諸君を全くのデモ隊だと見ておる。ところが、その中には指揮者はいないのです。全国から集まった者がばらばらに入っている。その地域は集団行進は許可してありませんよ。そこで、石橋代議士が、これをおまえたちは集団と認めるかどうかと聞いたら、認めざるを得ないでしょうと言う。じゃおれがひとつ世話やきになって誘導して向こうへ行くからおれにまかせろ、こういうような段階を踏んで、石橋代議士が先導してロータリーの方向に出ていった。ところが、食いとめられて……。

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 川村委員にちょっと御注意申し上げますが、お約束の時間が迫ってまいりますから、その辺簡潔にお願いいたします。

川村継義日本社会党

○川村委員 そこで、ロータリーの付近に帰ってまいりますと、遮断をされた一団の諸君はみな左側の道路上に全部押し上げられた。ところが、出てまいった者はロータリーの方向に向かって右側から出てきた。上陸地からすると左側から来るわけです。ロータリーに向かって右から入ってきた。そこで、出てきた諸君はどう考えますか。向こう側の歩道上に一ぱいおりますから、おそらくそれに合流しようと思うでしょう。当然なんです。合流しようと思って向こうに行こうとしたが、これは後藤さんしっかりひとつ考えてください。そのときには、警官は両側にずっと配置をされておると同時に、中央線にぐっと部隊が置かれております。そして向こうに合流するのを防いでおる。そして矢岳町のほうに帰れと指示した。これは後藤さんがさつき言ったのとずいぶん違うのですね。それはデモが許可された行進と反対ですよ。こっちへ帰れ、そして押し返されていっておるわけです。そこで、残念ながら、そういう状態でありまして、向こうには合流できないようにする、帰ってきた連中はそのまま矢岳町のほうに帰れと言われる、そこでジグザグが行なわれたわけです。これに警官隊がだだっと、声は出なかったけれども、一団となって、デモ隊——そこではもうデモ隊と言っていいかもわからないが、これを排除にかかった。そして混乱が起こったのですよ。なぜ、ロータリーから出てきた人たちを、自分たちの同志諸君が待っておる左側の歩道上、これはおそらくそこに押しつめられておった、そこに合流させることを許さなかったか。なぜ矢岳町のほうに帰れ、総合会館のほうに帰れと指示したか。そうして、許されたデモコースに従って行進しないからけしからぬ、こういう指示、指揮というものは、私はあり得ないと思う。そこに混乱が起こった。私が先ほど楢崎代議士のことで三名の議員諸君が後尾に立って見ておったと言うのは、そのロータリーから出てきた集団と称する諸君が出てしまったその後尾で実は三人の諸君が立っておった。こういうような経過をたどっておるわけであります。しかも、その帰ってきた諸君を無理やりに一部は押し返そうとする。向こうへ帰れと言う。ところが、ちょうどそのとき、この歩道におった諸君が今度は見るに見かねて、その引き揚げてきた諸君と、歩道からおりて合流しようとした。これをぐうっと警察がまた押し返した。そこに楢崎代議士が入った。経過はこうなんですよ。  そこで、あのときの混乱は、私は現地の指揮に責任があると思う。しかも、こればかりでなくて、ロータリーより向こうにおる場合も、あるいはデモコースの進路を現地のほうで自由自在に変更させる、こういうこともあっておる。そういう警備の方法等についても、あるいはこの規制の許可の考え方、そういうところについて、私は非常に問題があると思う。それが言うならばこの混乱を起こした根本になっていはしないか、こう考えておるわけです。もちろん、後藤さんが言っておるように、全く許可もしていないところをジグザグ行進をやったとか、すわり込んだとか、そういう、それはなるほど警察当局から見るとけしからぬ行動もあったかもしれぬけれども、そういうような激発をするようなことは、名長官、名局長がおられる警察行政の上にあってはならぬと私は思っておる。それらについての見解をこの際明らかにしておいてもらいたい。

江口俊男警察庁長官

○江口政府委員 川村先生のただいまの御意見については、結論として、現場の指揮、警備計画等の混乱がそういう混乱の原因になるというようなことにつきましては、十分あってはならないということで検討しなければならぬと考えますが、十三日におけるその状態につきましては、私の聞いております限りにおきましては、ただいまの話とは多少違って、三々五々入るものは自由じゃないかということで、それはよろしかろう、しかし、それがデモの形になるといけませんぞということで入れたところが、二百五、六十名の者が入って、心配したとおりデモの形になったので、警告を発し、声名くらいはその警告によって自発的に外に出た、しかし、あと残りの百五十名程度の者はどうしても出ないので、やむなく警察部隊をもって規制をして、ロータリーのほうに押し返した。その時間は、わずかな距離でございまするけれども、一時間くらいかかっているようでありまするから、それは規制としても慎重にやったものだと私は考えております。その後の混乱につきましては、現場を見ておりました後藤課長から聞きましても、警察で混乱を規制する以外はない状況だったということでございまするので、事実関係については多少の食い違いがある、こう考えまするが、方針として、警察部隊の指揮が悪いために無用の混乱を起こすということのないようにしなければならぬことは同感でございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 時間が参りましたので、またあとでお聞きしなければならぬと思いますが、三々五々海を見に行く、潜水艦を見てこよう、こういう諸君をどうしてデモだと考えたのか、私はまだわからぬですよ。ところが、あとで聞いてみると、デモの変形と見なす、こういうこと。デモの変形とは一体何だか、新聞社の皆さん方は散歩デモだと言う。こういうことばが使われておる。こういう判断をされるところには、確かに警備に当たる当局が不信感を持って、何かをやり出すのじゃないかと思われたのじゃなかろうかということはわからぬでむない。しかし、これは大きな問題ですね。  そこで、実は、現地のデモ隊の指揮をとっておった総評の安恒君が一人で歩道を通ろうとした。ところが禁止された。行くな、ストップだ、君、歩道を一人で歩いて何が悪いということで、そこでやりとりをしたそうであります。これは私は御本人から聞いた。そこで、一体なぜ悪いのか、それはもう禁止をしましたから悪いです、こういうことなんですな。そこで、安恒君が、おかしいではないか、おれは安恒だ、おれがはち巻きを締めているのが気に入らぬのなら、はち巻きをとって入ってくれと言え、歩き方が気に入らぬならば、どういう歩き方をして入れと言うてくれ、あるいは鉄かぶとをかぶっているのが悪いならば、それもとって行けとか、何か条件を出せ、条件のとおりにするから、こう言ってもだめです。そして一人を通さない、こういうことが実は実際問題として出ているわけですね。局長、いま長官が言われたように、取り締まりのほうにはいろいろ考えがあったと思うけれども、一人の人が歩道を通っていこうとしたときに、もうこれから先は禁止をしたから、安恒、おまえは通っちゃまかりならぬ、こういうことが一体許されていいのですか。ほかの一般市民は通っているのですよ。こういうことです。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 当日も、お説のように、三々五々行くのはどうだ、こういうようなやりとりがあったわけでありますが、もちろん集団行進そのものを認めるわけにはいかぬ。しかしながら、一般の通行があるわけで、それは当然やっているわけですから、一般人と同じところを歩かれるということであるならば、これは道路交通法七十七条に基づく許可条件に該当するものではないのだ、だからこれは差しとめるわけにはいかぬのだ、こういうようなことで、いわゆる三々五々戦術というのがあったと私は思うのです。そこで、ただいま御質問の安恒さんの場合ですけれども、そういった三々五々で行った者が結局は上陸地付近で二百五、六十名ばかりの集団になってしまって、そこでシュプレヒコール等をあげて、いわゆる集団デモの形になった。そこで、これじゃ、主催者側の言っておられる三々五々行くのはどうだといってどんどん入ってくるのを認めるというと、これは不測の事態を起こしてくるというので、禁止の措置をとったのですが、安恒さんは一人で歩いておった、それを一体なぜいかぬのだ、こういうことですが、一般人としての通行はいいわけですけれども、安恒さんの場合は、その当該集団の行進をやる方々との間の意思の疎通がある、こう認めざるを得ないと思います。つまり集団の一員である。したがって、そういった場合には通行はできない、こういうことを申したのであろうと思います。

川村継義日本社会党

○川村委員 これは、前段に局長が言ったように、自由な歩道を通っていくという者を、だれであろうと差しとめられる権限はない。先ほど私が申し上げたように、皆さん方のほうでどういうそんたくをされたのか、何かしでかすんじゃないかという大それた考え方でやられたのか、それはいろいろあろうと思う。総評の責任者であるからということで、中に入って行くのをとどめたということは、やはり私は問題があると思う。しかも、局長が後段に言ったように、何か意思の疎通があるから、安恒を通してやったら、先に行って集合さして何かやるのじゃなかろうか、そういうようなことまでも考えて阻止したということになりますと、これは心外もはなはだしいと言わざるを得ません。  私は先ほどから二、三の問題をあげましたけれども、石橋代議士がバスの停留所からかわって、当時の警官と話し合いをして、いわゆる世話やきとしてロータリーまで誘導する場合における警官の行動を見ても、あるいはロータリーにおける先ほどの阻止されておった諸君とロータリーから出てきた諸君との合流を阻止した、こういう指揮のしかた、規制のしかた、あるいは何かしでかすんじゃなかろうかというようなことで、一人の指揮者を通さなかったというようなこと、こういうところに警備方法上、指揮上の問題があると考えねばならぬと私は思います。  そこで、この点は皆さん方にひとつ今後注意してもらいたいことなんですけれども、特にああいう場合には、各県の警察官のいわば混合体です。だから、指揮系統はぴしっと一本にしてもらいたい。熊本県警の指揮隊長が右と言う、佐賀県の県警の指揮隊長は左と言う、そういうばかなことを起こさないようにしてもらわなければならぬ。それから、言うまでもないことでありますけれども、警官はやはり何といっても大きな職務を背負っておりますし、つらいこともあろうかもしれぬけれども、冷静に事に当たるという考え方を持ってもらわねばならぬ。どうも今度の佐世保の状態から見て、特に十三日のごとき、デモ隊の諸君を、何か悪者の集団、悪いことをしでかすのだ、そういうような眼で見ておるのではなかろうか。私は警官の一人一人についてそんな考え方を持っておるとは言いません。その点はやはり、分隊長というか、小隊長というか、そういう指揮者の諸君の考え方というものが非常に重大になってまいりますから、その点はひとつくれぐれも指導してもらわなければならぬ。いろいろと具体的な問題はまたありまして、ほかの委員からもこれは指摘されると思いますから、十分ひとつ御検討をお願いしておきたいが、最後に、何かお考えがありましたら長官からひとつ……。

江口俊男警察庁長官

○江口政府委員 警察のたてまえとして、各府県が責任を持った各府県ごとの警察で処理するということになっておりますが、何.ふん、大じかけな人数の要る場合には、各県同士で応援ということをやりますことは間々ございます。今度の場合なんかもその例でございますが、その場合におきましては、言うまでもないことでございますけれども、各県間の応援要請の規則に従いまして、応援を受けました府県の公安委員会の指揮下に入るということになっておりますので、技術的に他県の者は使いにくいというような点は、それはございましょうが、しかしながら、とにかくやり方としては、今度の場合はすべて長崎県警における方針と責任において行なわれるということになっておるわけでございます。その間にやり方が違う点がございましたとすれば、それは逐次直していかねばいかぬ、こういう考え方を持っております。

川村継義日本社会党

○川村委員 こういう場合に幾つかあちこちでこういう問題が起こるのですけれども、今度の場合でも、現地の佐世保署員の諸君、実に頭の下がるような態度なんです。やはり他県から応援に来た諸君が心配するような状態になりがちだ。この点はひとつ、いま前段私が申し上げたこととあわせて、十分ひとつ指導をしてもらわなければならぬと思っております。  これで終わります。

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 午後三時三十分から再開することとし、暫時休憩いたします。    午後一時四十三分休憩      ————◇—————    午後三時四十分開議

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。佐野憲治君。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 先ほど来の川村委員の質疑に関連いたしまして、一応大臣並びに関係者に疑義をただしておきたい、こういう意味から質疑したいと思います。  まず第一に、大臣は先ほど来、公共の安全と秩序を守るために当時における警察官の職務執行は正当なものであったということを数回にわたって繰り返しておられるわけですけれども、ここで大臣にお聞きしたいと思いますことは、公共の安全と秩序ということばは、警察法第二条による社会通念としては理解いたしますけれども、一体、法律技術的にあるいは法律用語としての面から見ますと、非常に不確定な概念であり、かつまたあいまい多義的な性格を持っている。こういう点は法律学者からも指摘されておるとおりだと思いますが、大臣は、公共の安全、秩序、これを一体どのように解釈しておられるか、この際にお聞きしておきたいと思います。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○吉武国務大臣 公共の安全、秩序の維持というのは、一般の公衆の福祉のために安全を維持し秩序を維持する、こういうことでございます。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 それでは社会的通念としてであって、法律用語として一体どのように解釈しておられるか。しかも第一線の警察官がいわゆる職務を執行するにあたって公共の安全と秩序を守るために正当であったと言われる根拠となっておるその公共の安全と秩序、このことに対しまして私思い起こしますのは、昭和三十三年、同じこの第一委員室におきまして、警察官職務執行法の改正が提案されまして、この席におきまして当時の公述人である眞野さんは、私は十年間も最高裁判所の判事をやっておったけれども、公共の安全、秩序、このことは法律的にはまだ私自身も把握することができ得ない用語なんだ、あいまいな用語だ、こういう点を指摘しておられるわけです。最高裁判所の判事ですらそう言っておられる。ところが、第一線の警察官が公共の安全と秩序のために職権を行使したことが正しかったのだと言われる意味は、一体どういう状態のもとに公共の安全と秩序が侵され、乱れようとしておったのか、この点に対して一応明らかにしていただきたいと思うのです。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○吉武国務大臣 公共の安全及び秩序の維持というのは、結局社会通念できめるより以外ないと思います。具体的には、佐世保におけるあの際は、いわゆる道路交通法で認めております一般の交通を著しく阻害をする、それを阻害させないようにするということであると思います。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 そこで、私、一応大臣にも想起していただきたいと思うのです。あの警察官職務執行法が提案されたときの第五条、第六条の中に、公共の安全と秩序を維持するためにという用語が初めて出てまいったわけです。そのときの条文を少し見てみますと、犯罪が行なわれようとしておる、そのまま放置すれば公共の安全と秩序が乱れるおそれのある場合に警察官の制止ができる、あるいは立ち入りができる、こういう規定が挿入されておりましたために大きな問題を惹起し、警察官職務執行法の改正案が廃案となった。このときに論議されておりましたように、犯罪が行なわれようとしておる、一体犯罪とは何か、こうなってまいりますと、軽犯罪法その他をも含めるいろいろな法律、そのことが、大衆行動の中で常に何らかの形のものが含まれてまいる。ですから、公共の安全と秩序というこのあいまいな多義的な法律用語をもってして第一線の警察官が取り締まりに当たるとするならば、まさしく大衆運動を抹殺するという結果を招来するであろう、こういう点が一番大きな論拠でもあっただろうと思うのです。そういう点に対して、大臣は、公共の安全と秩序という、こういう抽象的な内容を持っておるあいまい多義的な表現というものを、私はもう少し慎んでいただきたい。でなかったら、第一線の警察官が、おれたちがやっておることは公共の安全と秩序のためなんだということで、しかも、公共の安全と秩序とは一体何であろうか、これすらも認識しない第一線の警察官によって権力が行使されるということは非常に重大な問題を伴うのではないかという点を懸念するから、大臣のもう一度これらに対する考え方を明らかにしていただきたいと思うのです。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○吉武国務大臣 公共の安全と秩序の維持ということは、お話のように、ことばは簡単で、非常に内容のある問題だと思います。したがいまして、そのことばだけを使って、何でもかんでもそれにひっかけるというようなことは、これはあってはなりません。ほんとうの実質上、その事態において、これはほうっておいてはいけない、こうしなければならぬということできまる問題だと思います。佐世保のデモ隊の問題は、その問題に関連をしてどうかという判断をするほかないのでありますが、けさほど来局長からも申しましたように、あの道路は一般の人が通るところであります。それをただおとなしくデモ行進をされることであれば、それは正当なるいわゆる政治活動としてこれを認めていい問題でありますけれども、これが蛇行進になる、あるいは渦巻き行進をやる、そうしてその中へ人が巻き込まれて危険にさらされる、こういうことは警察官としてほうっておくべき性質のものではない、かように存ずるわけであります。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 ただいま大臣の説明の中にも、前提として、楢崎代議士の逮捕事件も関連してまいるのですが、道路交通法によって違法性が惹起した、だからここで公務執行、実力行使をやるんだ、ここでいろいろな妨害行為その他が起こったから検挙する、逮捕する、こういう事態が続いておるわけです。  そこで、大臣なり長官にも伺っておきたいのですが、道路交通取締法が道路交通法に改正された昭和三十五年、私もやはりその法律の審議に参加した者の一人として、当時の地方行政委員会において論議された点も知っておりますし、道路交通取締法を道路交通法に変えるときに委員会におきまして附帯決議もついております。と同時に、警察権の、特に指示権の拡大に対しまして厳重なる附帯決議もいたしております。あるいはまた法案の説明、審議を通じまして、当時の提案者あるいはまた補足説明に立ちました柏村長官に対しまして、条文の解釈をめぐりましても非常にきびしい警告も、運用にあたっての注意もなしておるわけですが、これらのことに対しまして、法案が通過しましてから、そうした国会における附帯決議なり、国会における論議、審議、並びにこの法律がともすれば乱用の危険性があり、権限の拡大強化に対して非常に不安をひそめておるということを指摘され、運用にあたっては法の目的に沿うように適正な運用をはかるんだという説明であったわけですけれども、一体これらのことが第一線の警察官並びに各級警察機関に対しまして報告なされておるのか。条文個々の解釈をめぐりまして、あるいは逐条解釈におきましていろいろな疑問点が出てくるのは当然だろうと思います。そうした場合に、この法の立法の趣旨なり、一体国会の審議の過程を通じて問題点として指摘された点、その運用にあたって戒心しなくちゃならない点、乱用を戒めねばならない、これらの点を詳しく知らせて、あるいは通達されておるかどうか、この点をひとつお聞きしておきたいと思います。

江口俊男警察庁長官

○江口政府委員 お答えいたします。  先般というか、御指摘の昭和三十五年に道路交通取締法を道路交通法という名前に改めました趣旨は、十分御承知のように、単に取り締まりというのみならず、危険の防止、交通の円滑というような考え方も同時に取り入れるというのが一つの考えでございましたが、その際に、議会の御審議を通じていろいろ御意見が出まして、附帯決議がついておることも存じています。ただ、何月何日にどういう形でその趣旨を徹底せしめたかということにつきましては、現在私ここに銘記はいたしておりませんけれども、法律そのものを部内に徹底いたします際におきましては、当然附帯決議の趣旨、説明等も加えて、ただいまおっしゃったような意味合いのことをその係には十分教育しているつもりでございます。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 道交法の問題になりますと、第五条の警察官の信号に従う義務、あるいは六条における混雑緩和の措置、七条における道路通行の禁止及び制限、それから、十一条の行列等の通行、七十七条の道路の使用の許可、大体これらの点におきまして警察権限を拡大いたしたわけです。しかし、この拡大が、大衆運動なり、あるいはまた憲法二十一条に示しておる、保障しておる表現の自由、これを侵す危険性を多分に伴っておる、この点を私たちは指摘いたしたわけですが、これは、私たちだけではなくて、当時交通法規関係を担当いたしておりますところの検事である木宮高彦氏も、学術雑誌におきまして、今度の取締法から改正法案に移行するにあたって憂慮すべき点として指摘されておりました点は、道路交通法の内容にはおのずから限度がある、このことをとかくすると第一線の警察官は忘却するのではないか、第二点としては、指示の内容が抽象的に書かれておる、その運用いかんによっては警察官の主観的判断によって行き過ぎの可能性が生まれてくることを非常におそれる、第三点として、警察官の裁量の余地が広過ぎる、このことは、ややもすれば、国民の権利を侵害するだけではなくて、警察、特に公安警備の必要上、または集団示威運動の取り締まりの必要から、法を故意に拡大解釈するおそれすらあり得る、こういう点を警告いたしておるわけです。道路交通の取り締まりという道路における危険の防止並びに安全、円滑化、この目的のためにつくられた道路交通法にはおのずから限度がある。この点は、木宮検事と同じ主張に立ちまして、当時私委員会においても主張いたしたわけです。これに対して柏村長官の答弁は、特に六条の場合におきましても非常に問題になったのですけれども、これらのことは、最近における都市の交通、車両の運行、このことから起こる混雑、このために必要最小限度の規制を行なう、従来の取締法では、現に起こっておる都市における交通激化、これを阻止することはでき得ないではないか、そういうために必要限度の権限を警察官に付与するのだ、他意はないのだ、こういう点にしぼって、乱用のおそれのないということを明らかにいたしておるわけです。ところが、先ほど来の質疑を見てまいりましても、道路交通法違反が一番逮捕の原因となり、あるいはまたそのことが公務の執行となる、それによって制止しようとする。これが公務執行妨害となってくる。こういう点に対して一体どのような解釈を持っておられるか、この機会にやはり明らかにしておいていただきたいと思います。

江口俊男警察庁長官

○江口政府委員 お答えをいたします。  道路交通法の趣旨につきましては、ただいま佐野委員よりおっしゃったとおりのことでございまして、私たちも全く同感でございます。道路交通の円滑、安全という目的のほかに、この法律を適用する、あるいは乱用するというような所存は毛頭ございません。第六条の指示というものは、特に警察官個々が判断をするので、いろいろまちまちになるのじゃないかというおそれがあることもお説のとおりでございまして、そういうことのないように戒めておるわけでありまするが、今回の佐世保のデモ全体に対する取り締まりというか、規制は、七十七条の、これは警察官個々人が判断するというのじゃなしに、全体的な計画を署長がよく検討して、条件をつけたり、許可をしたりしたわけでございまして、その点は警察官個々の判断によったものではないのでございます。それからまた、あるいは逮捕し、あるいは制止をした事例がございますが、これは、道路交通法に単に違反しているからすぐつかまえるとか、あるいは制止をするとかいうものではなしに、そのことがひいては、制止の場合であれば、同時に他の人間の生命、身体、財産に影響を及ぼすおそれが切迫しておる、こういうような状態と認定してやったものでございまして、道路の交通が多少混雑をしておるということで、すぐさま実力を行使して、それに抵抗すれば公務執行妨害というので処置をしたということではないと私は解釈をいたしております。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 だから、犯罪が行なわれようとしており、そのまま推移すれば公共の安全と秩序を乱すおそれがあるから制止をする、こういうことになり、その前提として道路交通法というものがいわゆる実力行使の一つの手段となってまいっておる、こういう点は認めますか。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 補足説明をいたします。  ただいま長官の言われましたのは、道路交通法の違反の状況がある、それがひいては人の生命、身体、財産等に危害が及んでくるおそれになってくる。そこで、そういう状況下におきまして、まず警察官としての職権行使をきめております警察官職務執行法五条で、まず警告をする。その警告に応じない、しかも事態はあぶない、こういう状況でございまするので、次の段階として制止行為に移っていく。こういうことを長官は御説明になったものと考えます。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 いまの後藤田局長の話では、警察官職務執行法によって、生命、身体、財産、これに危険が、まさに侵害されようとしておる。だから、いわゆる警察官の権力発動となったのだ。しかしながら大臣は、公共の安全と秩序が乱れるおそれがあったから、警察官として当然の職務執行をやったのだ、こう言われるところに食い違いがないのですか。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○吉武国務大臣 ちっとも食い違いはございません。いま局長が話しましたように、混乱をほっておけば、そこに生命の危険もございましょうし、治安の乱れるおそれもございまするから、それを安全を保持し秩序を維持する必要があった、こういうことでございます。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 だから公共の安全と秩序というあいまいな多義的な解釈を持つ用語を使われることは私は危険だ、かように指摘すると同時に、そのまま放置すれば一体どういう事態が起きたのだ、現に起きておったのだ、こういう点はいずれ現地に参りました委員のほうから質疑があるはずですから私は譲りますけれども、そこで長官にお尋ねしておきたいのは、警備実施要則ですか、昭和二十九年九月の国家公安委員会の規則第十五号ですか、これに基づいて今度の警備計画が立てられたと思うのですが、そこでまず第一に、一体この実施要則によりますと、事案発生の実施機関である警察署長が本部長になる、こういう原則を置いておるわけですが、今回の場合は、先ほどの質疑によりまして県警本部長が警備部長として指揮をする、こういうことになってまいりましたのは一体いかなる理由に基づくものか、お尋ねしておきたいと思います。

後藤信義警視長(警察庁警備局警備第二課長)

○後藤説明員 御指摘のように、警備実施要則には、各級の段階に応じましてそれぞれ必要な規模の警備本部を置くということに相なっております。今度の場合は全県下をあげての警備実施でございますので、当然警察本部長を長といたします長崎県警備本部を県本部に設置いたしますと同時に、実施を担当いたします現地の佐世保市におきましては、佐世保警察署長を長といたします現地の警備本部を設置したということでございまして、警備本部は、警備実施要則に申しますものが二つできたという感じと申しますか、そういう形でございます。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 といたしますと、佐世保の場合におきましては、現地署長の実施機関を長とする警備計画がなされ、県警本部長を長とする警備計画がなされておったといたしますと、後ほどでもけっこうですけれども、県警本部並びにその本部長に配属する部隊の編成、並びに佐世保の署長を長とする佐世保警備本部並びにこの実施部隊の編成その責任、あるいは命令指揮系統、この点を後ほど書類として配付していただきたいと思います。  そこでさらにお尋ねしておきたいのは、原潜問題が重大な政治問題であり、これに反対、賛成するのは政治的な自由として憲法に保障されておるわけですが、その中で計画対象として甲号、乙号、丙号、これを定めなくちゃならないことになっておりますが、今度の佐世保原潜寄港をめぐる一連の警備問題につきまして、一体乙号でやられたのか甲号でやられたのか丙号で計画対象と指定されたのか、その点を……。

後藤信義警視長(警察庁警備局警備第二課長)

○後藤説明員 先生いま御指摘になりましたのは、警備実施要則の、昔と申しますか、初めの要則であると思います。現行の警備実施要則ではそのような甲号、乙号、丙号というような区別はいたしませんで、必要のつど計画をつくるということに相なっております。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 その場合におきましてもやはり甲号、乙号、丙号と、計画対象の指定と同じような形で積まれておると思いますが、それらに対する計画は一体どのようになっておったか、この点を……。  同時にもう一つ関連いたしまして、県外から応援の派遣がなされておるわけです。応援派遣されましたところの部隊は、一体だれの指揮下に入っておるわけですか。

後藤信義警視長(警察庁警備局警備第二課長)

○後藤説明員 全般的には、午前中長官から御説明申し上げましたように、今回の警備の最高の責任者は、県の警備本部長であります県警察本部長であります。そういたしまして、県外から応援を求めましたが、これらの部隊はすべて県警察本部長の総括的な指揮のもとに、さらに具体的には警察本部長の計画いたしましたところに従いまして、またそのつど重要な問題については県警察本部長が指揮をいたしまして、その指揮に基づきまして、現地警備本部長であります佐世保の警察署長が部隊の指揮をとったのでございます。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 その場合におけるところの現地に派遣されてまいった部隊、機動部隊あるいは特科部隊、一般部隊、こういう種類に分かれておるわけですけれども、一体どういう種類の実施部隊であったのか。それは編成の問題と関連いたしてまいりますが、そうした実施部隊と現地佐世保本部の署長と地方警察本部長の指揮下にある部隊、この権限関係は一体どうなっておったのか。あるいは派遣を要請されたところの理由は一体何であったのか。特に他の府県から警察官の応援派遣する場合には、当然警察庁長官の認可を要する、こういうことになっておると思いますが、一体どういう理由で派遣を要請されたのか。

後藤信義警視長(警察庁警備局警備第二課長)

○後藤説明員 申し上げるまでもなく、今回の原潜の入港につきましては、私どもの手元に入りました情報によりますと、実力をもってこの原潜の入港を阻止する、あるいは入港しました原潜の乗り組み員が上陸するのを妨害する、あるいは上陸した乗り組み員については、種々の方法によって上陸をするというその目的を達成できないようにして、原潜が再び入ってこないようにするというような考えのもとに大衆動員をなさっておるように承っておったのでございます。したがいまして、どのような事態が生ずるかもわからない。私どもの最も心配いたしましたのは、原潜の乗り組み員を取り囲んでこれに対して乱暴をするというようなことから、思わざる事態が発生するのではないかということも心配いたしましたし、あるいは基地の中に特に激高した群衆がなだれ込むというようなこともあるかもしれない。それからまた佐世保には、あそこに名切谷を中心といたしまして、米軍の住宅街がございますが、この方面に対するいやがらせ、ないしはその他の不法事件というものも起こるかもわからない。あるいは米軍の軍人がしばしば使いますバー、キャバレーの街がございますが、そういう方面にいろいろな事態が起こるかもしれぬというようなことを考えましたために、長崎県の警察官は定員二千三百四十でございますが、そのほぼ半数を動員いたしましてこの警備に当たったのでございますが、さらに、それでは私どものほうで入手しました情報に基づく大衆動員ないしは学生の参加等に対しまして十分な警備ができないということで、他県からの派遣要請ということに相なったわけでございまして、この派遣要請につきましては、警察法にございますように、警察庁の承認は別に必要といたしませんで、都道府県の公安委員会が、その必要を認めて他の都道府県公安委員会に要請をする。その要請をする場合には、できるだけ事前に警察本庁に通報をする。もし緊急の場合であってそのいとまがない場合には、事後においてすみやかに通報をする、こういうことに相なりておるのでございます。その手続に従いまして応援要請をいたしました結果、福岡県、佐賀県、熊本県からそれぞれ所要の警察官を派遣したということでございます。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 私は幾らの人員を派遣したか、こういう点を確認しておきたかったわけですけれども、後ほどでもけっこうです。  問題は、そうしたことから考えられることは、一体佐世保で何が起こったか、起こっていない。しかも起こるおそれがあるだろう、それが公共の安全と秩序を乱すことになるであろう、こういう想定のもとにいろいろな警備計画をつくられる。その中で実施部隊が配置につくというところに問題の大きな根源があったのではないか、かようにも考えられるわけですが、そこでこの実施部隊のいわゆる権限、特に現地における実施部隊、佐世保署長を長とする警備本部と、先ほど申し上げましたように県本部長を長とする実施機関、いわゆる警備本部というものと、どういう指揮命令系統というものが保たれておったか。たとえば道交法七十七条を指摘される。道交法七十七条には、なるほど署長の許可、権限が述べられております。しかしながら、これに例示されておる項目を見てまいりましても、すべてお祭りだとかあるいはまた道路においていろいろな広告等を立てるとか、こういう形のものに対しまして使用許可に対するところの権限を定めておるわけです。これらの例示におおいかぶさって、公安委員会が定めるものについては云々という用語もあるわけですけれども、しかしこの七十七条の中から、いわゆる長崎県公安委員会が、憲法で保障されている集団的示威運動すらもこの規制の中に置いておくということは、これは道交法の面から見ても非常に問題のある公安委員会の規則だろうと私は思うのですが、こういうことに対して警察庁長官は一体どんな指導をなされておりますか。公安委員会が、他の場合におきまして疑義となります点は政令において規制しておる。法に対して不明確な点は政令において規制しておる。ところが七十七条におきましてはお祭りだとかロケーションだとかあるいはまた縁日だとかあるいは屋台だとか、こういう日常道路を占拠しておるものに対する規制をきめておる条項、しかもそれらの中で公安委員会が定める特殊な事情もあるだろう、こういう意味における規定を逆に解釈いたしまして、憲法で保障しておる集会あるいは行動の自由このものを制限する、これは明らかに憲法上も大きな問題を含んでおる規則だと思うのですけれども、一体どのような指導をなさっておられるわけですか。

江口俊男警察庁長官

○江口政府委員 道交法の目的が、ただいまおっしゃるようなものであることはわれわれ十分承知をいたしておりますけれども、いまのような場合におきましても、交通上の支障になることが明らかである祭礼等と同じように、やはり十分前もっていろいろな条件等をつけて規制しなければ一般交通を妨げるというものにつきましては、私たちは長崎県のみならず、ほかのところでもそういう取り扱いをいたしております。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 だから、道路上における危険の防止並びに交通の安全、円滑化、こういう目的の法律、この目的の法律の中で、治安的な要素を含むものを公安委員会が定め得る前提として対象をしぼっておると思うのです。前に例示されておるこれらの関連するものに対して、ある程度の制限を加えるというのが当然じゃないか。その行列その他によりいろいろな意味での道路の混乱というものが起こってまいるとするならば、これは十一条なりあるいはまた五条なりあるいは六条において道路の危険防止、交通の安全円滑、この目的のためにする警察官の指示権というものは与えられておるわけです。何も公安委員会がこういう規定を、しかも例示されておることと全然違ったものを規則において——政令にはないですよ。しかも法律は予期してない、国会の審議の中においてもこういうことは予期してなかった。また政令において厳格なワクはめをしなくてもよろしいという程度のことを公安委員会が定めることができるという規定を置いておるわけです。こういうものをそういう中に挿入するというところに問題があると思いますが、この点はどうですか。

江口俊男警察庁長官

○江口政府委員 ただいま御指摘の問題は、長崎県道路交通法施行細則の第十五条の「道路の使用の許可」という問題であろうと思いますが、仰せのように、道路において祭礼その他というのは法に書いてあるとおりでございますが、そのほか十に交通ひんぱんのところに……(「何に基づいてやっておるのだ、言ってみろ」と呼ぶ者あり)とにかくこの法律の第七十七条の第四号の最後から五行目でございますか、ずっと並べて書いて「通行の形態若しくは方法により道路を使用する行為又は道路に人が集まり一般交通に著しい影響を及ぼすような行為で、公安委員会が、」云々という文章がございます。それを受けてここにこまかく書いてあるのでございまして、私は、道路交通を確保する上において最小限度のことであれば、それに籍口していろいろなことをやるということはもちろんいけないのでございますけれども、最小限度の規制をやるということはこの法律の所期しておるものであろうと考えます。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 法律の求めておるものは道路の危険防止と交通の円滑、安全だ。そのことのやはり限度があるし、この限度を逸脱して、いわゆる警備、公安警察の必要上から、ここの条文がもし拡大解釈されるとするならば、木宮検事ではないが、それでは現在検事として取り扱っておる事犯を見てまいっても、大衆運動、示威運動はできなくなってしまう、これに乱用されるおそれすらも出てくる、こういう点を指摘いたして法改正にあたりましては慎重を要望された、こういう趣旨から見てまいりましても、当時における委員会の質疑を通じましても、政令でもない、しかも一公安委員会の規則によってこういう重大な問題がかってに制約される、こういうことをおそらく予期もされなかったし、もしそういうことになってまいりますとやはり大きな問題点を含むのじゃないか、かように考えるので、長崎県の公安委員会がこういう規則をつくるということに対して、一体警察庁は何らの指導もなされていないわけですか。もしそうであるとするならば、これは大きな問題だ、かように考えるわけですが……。

江口俊男警察庁長官

○江口政府委員 お答えをいたします。  長崎県に具体的にいかような指導をしたかということはわかりませんけれども、あの条文の解釈としてそういうことができるということは、警察庁としても同じ意見を持っております。ただ、そう解釈ができるけれども、そのあとの問題は、それを乱用して、交通上の安全とかあるいは危険とか円滑とかに関係のないというか、関係はあってもそこまでする必要はないというような面までそれを及ぼすという適用の問題については、個々の場合にあたって検討いたしませんと、適当であるか適当でないかということは言えないと考えます。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 関連ですから、あまり長くやっては恐縮ですが、ただ、そこで警備実施要則——廃止になっているそうですけれども、あるいはまた改正になっておるかもしれませんけれども、しかしながらそういう中で教養訓練ということが非常に大きな項目としてあげられておると思いますが、一体そういう警備実施に当たる警察官の教養訓練として、今日における原潜寄港に対する反対、賛成、これは大きな政治問題として、賛成も反対もそれぞれあると思います。また学者その他の皆さんも、労働組合だけではなくて、多くの国民が不安と疑問を持っておる。だから、これに反対することも私は当然だろうと思いますし、あるいは賛成する方もおられる。こういうときに警察官は、原潜寄港という問題に対しまして賛成論と反対論とがある、同じ国を愛する立場において政治信条の見解の問題としてここになされておる、憲法において当然二十一条における示威運動、表現の自由は保障されておる、こういうことに対する教育、教養、これに対するところの訓練というものは一体とられておったのかどうか。  同じく関連いたしまして、道交法の場合におきましても、道交法が、いま申し上げるような事態を惹起することをおそれて国会の審議の過程におきまして、あくまで警察官の権限行使に対するところの言明をされておるわけです。そうした言明を、立法の趣旨を乗り越えてそういう規則を制定されてくるわけなんですけれども、そういう立法の過程において、審議の過程において問題となり、かつまた警察庁に対する見解、運用に当たる見解というものをただした、こういう点に対して、一体教養訓練の一つとして単なる条文解釈だけで、道交法はこうなんだという解釈だけなのか、そういう法の立法の趣旨、改正になった大きな理由、こういうものが教養訓練として取り上げられておるかどうか。  第三の点として、楢崎代議士に対する逮捕が起こっておるわけです。しかもいまの皆さんの報告と現地に行かれた方の間に大きな相違があるし、これからも質疑があるでありましょうけれども、楢崎代議士に対する逮捕は、皆さんの昭和三十二年二月二十四日につくられた逮捕術教範ですか、この中で述べられておる逮捕技術、これを使用してのいわゆる逆手をもって楢崎代議士を逮捕しようとしておる、あるいは日ごろ訓練されておる教範に基づいてまず警察官がそういう行為に出ておる。これを払いのけたというところに問題があるわけですけれども、しかし、そうしたいろいろなことはこれから質疑されるでありましょうけれども、一体国会法三十三条なりあるいは憲法五十条、こういうものに対して、当然あの原潜問題に対しましては日本のあらゆる階層から抗議に参加してくるであろうし、そうした場合に国会議員も当然重大な関心を持ってここに集まるであろう、そういう場合におけるこれらに対する憲法並びに国会法に対するところの教養訓練が一体なされておったのかどうか、そういうときに対する訓練というものはなされておったかどうかという点を、ひとつ最後にお尋ねしておきたいと思います。

江口俊男警察庁長官

○江口政府委員 お答えをいたします。  第一点の、原子力潜水艦が日本の港に寄港することについては、賛成の方もあり反対の方もあるので、その点について警察官は特別の訓練を受けておるかどうかというお尋ねでございまするが、今回に限って特別の、賛成もあり反対もあるのは当然だから、両方平等に間違いのないようにというような特別の訓練は、現地においてはともかくとして、警察庁全体としては特別にそういう意図の訓練はいたしておりません。いつもあらゆる問題について、多かれ少なかれ賛成、反対という意見はあるはずでありまして、そのいずれでありましても、反対であっても、法の許す限りの反対をおやりになる分については、それについて警察官個々人の意見はありましょうけれども、警察としては何ら関与しないという立場でありまして、ただしその行動がいやしくも法を逸脱しているものについては、何も原子力潜水艦に限らず十分な警備はやらねばならぬ、こういう方針で従来からまいっております。  第二点の道交法の改正の場合に、十分係の警察官を訓練したかというお尋ねでございまするが、それは先ほども申し述べましたように、具体的にどういう訓練をしたということはここで申し上げられませんけれども、法の改正のたびごとには、国会における審議の経過なりおつけになりました決議なりの趣旨というものは、十分係員に徹底するように教養しているはずであります。  第三番目の楢崎代議士の逮捕のときに逮捕術でやったかどうかということでございますが、これは、私も先ほど休憩時間中に、われわれの聞いているのと、ここで御論議になるのとずいぶん実際の状態が違うということで、さらにあらためて現地から帰った者に事情を聞きましたが、これはさか手にとったわけでも何でもない、こちらがさか手にとれるような状態じゃなしに、ほんとうに胸と胸とがくっつき合ったような状態で、こちらのほうが制止をしておったら、手を触れるなということを言われて、そのとたんに右手をなぐられたという供述にこちらのほうはなっておるのでございますから、それは逮捕術による逮捕というようなことは当然ございません。  それから最後に、こういう場合は、国会議員の方がお出かけになって活躍をされるということが十分予想されるので、特に何らかの訓練を−そういうものについては憲法五十条あるいは国会法三十三条の趣旨を十分前もって吹き込んでおいたかというお尋ねでございますが、これはどうも不用意といいますか、私たちそういうことを予想いたしておりませんために、何らそのことについては事前には現地に対して注意もしなければ訓練もいたしておりません。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 最後に、公安委員長に所見をお尋ねしておきたいのですけれども、と申し上げますのも大臣の先ほどの言明あるいはまたいろいろな御意見を伺っておってやはり不安となってまいりますのは、公共の安全維持ということが政府の施策と同意義に解釈される、こういう危険性、だから原潜反対運動が罪悪視される、あるいはまた集団行動の中から微細な犯罪も発生するかもしれない、そういう場合においても、結局そうした憲法に保障する立場に立って問題を解釈するのではなくて、政府の考え方で問題を第一線の警察官に教養する、こういうことが当然の国民の基本的権利としてデモが行なわれておるのを罪悪視する、こういう傾向も出てくる。そのことが不幸な事態を今日巻き起こした原因ではないかという点も考えられますので、この点を厳重に忠告いたすと同時に、大臣の所信を承って私の質疑を終わりたいと思います。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○吉武国務大臣 私は午前中にも申しましたように、正当なる政治活動というものを抑制するつもりはございません。したがって、それが公共の一般の福祉に害を及ぼす、安全を害する、秩序を乱すという場合に、これを維持する必要がある、こういうふうに考えております。

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 大原亨君。

大原亨日本社会党

○大原委員 いままで同僚の議員からいろいろと質問があったわけですが、私はその中で納得できない点や、あるいは十分触れられなかった点を中心といたしまして、事態の真相を究明したいと思います。  ただいまの江口長官とそれから局長の答弁の中で、私は表現の違いがあったと思うのですが、現実に生命、身体、財産に危害があった、それから道交法違反の問題と、そういう二つの問題についてどういう現状の認識をしているのか、その点について最初に江口長官のほうからひとつ明確な答弁をいただきたいと思います。

江口俊男警察庁長官

○江口政府委員 まず前提になる犯罪は何かという問題になると、道交法の違反、道交法の違反があってもすぐ逮捕とか実力行使というところには結びつかないのであって、その道交法の違反を規制しようとした場合にその公務の執行の妨害があったり、あるいはその他の人の生命、身体、財産に直接危険の迫るような状態というものが加味されて実力行使が行なわれておる、こういうことを私は申し上げたわけであります。

大原亨日本社会党

○大原委員 道路交通法違反の問題については、いろいろあいまいな答弁があったわけですが、道路交通法の七十七条のどの条項のどこに違反をするのか、この根拠をひとつ明確に示してもらいたい。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 お答えを申し上げます。  御承知のとおりに、道交法の第七十七条第一項四号の中に、「又は道路に人が集まり一般交通に著しい影響を及ぼすような行為で、公安委員会が」、道路交通の「危険を防止し、」「安全と円滑を図るため必要と認めて定めたもの」、これについての定めが、長崎県の道路交通法施行細則というものが昭和三十五年の十二月につくられておるのでございます。その中に道路における集団行進というものが規定をせられておるのでございます。この集団行進をする場合には、これは所轄の警察署長の許可を受けなければならない、こういうことに相なっております。その細則の規定に基づきまして警察署長が申請を受けて、その申請に対して許可をし、許可に対して各種の条件をつける。これに違反をする、これに違反をしますというと、道路交通法の第百十九条の罰則規定が働いてくる、こういう関係に相なっております。

大原亨日本社会党

○大原委員 この第七十七条と長崎県の道路交通法施行細則の第十五条の三号ですが、この法律の精神については、いま佐野委員のほうからいろいろと議論があったのです。そこで、この法律に具体的にどのような違反をした事実が発生をしたのか、これを一つ明らかにしてもらいたい。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 午前中にも申しましたように、この許可の条件で、行進の隊列であるとか、梯団の関係であるとか、通行の区分の問題であるとか、いろいろな条件がついております。ところが現実の長崎の今回の場合には、二百六十名ばかりのものがロータリーから中に入る。三々五々入る。これはしたがって集団行進の規制には触れないわけでございます。ところが上陸地付近でそれらが集団の形になってしまったということで、そこでこれはいけないということで警告をいたしておりますが、百名ばかりの人はそれでもとのほうに帰り、残りの百五、六十名ばかりの人がまあなかなか立ち去らなかったわけですが、二百メートルばかりの間を警察の警告によって約一時間ばかりかかってロータリーのほうに帰ってくる。ところがこのロータリーのところに帰ってきてから、これはまさに何といいますか、非常な激しいジグザグ行進、渦巻き、こういったようなことで現場の警察官もその中に巻き込まれて、これで暴行を受ける、こういった事態があったわけでございますが、こういった事態になりますと、道路交通法の違反の形態はもちろんのことでございますけれども、同時にまた、これは人の生命、身体、財産の危険を生じておる、こういう事態に相なってまいるわけでございます。  そこでまず最初は、やはりそういう場合でも、犯罪が行なわれようとするときにはまず警告をするわけですが、生命、財産、身体の危険、こういうことになりますと、これは制止行為になってくる。この制止行為の段階に入っておるときに起きた公務執行妨害の罪に該当する、こういうことでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 いまの点で、現場の事実の認識の問題で一番大切な点は、あなたは一連のことをずるずると言ったけれども、道路交通法違反という事実の認定、警察官の行動の開始、そういうものがすべて前提となっているわけですよ。そのことを集中的に私はまず第一に議論しているわけです。きょうの午前中からの議論では、その点が明確でないから、私はその点について明確にしたい、そういう点です。つまり私が聞きたい点は、ロータリーから二百メートル先の岸壁のあたりにそういう集団行動——ここにいうところの集団行進が起きておったのですか。長崎県の道路交通法施行細則十五条三号にいうところの集団行進が起きておったのですか。それでどういうふうな状況であったのですか。その点を明確にしてください。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 まず最初に二百六十名ばかりが上陸地付近に三々五々行った人が集合をしてきた。ここでは、この段階ではいわゆる人の集団、こういうことでございます。歩いておったかどうかということになりますと、これは集団となってたむろして、シュプレヒコールを上げておったわけでございます。この場合におきましては、これは道路交通法第七十六条の違反の形態でございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 あなたはまた七十六条のことを言っているね。けさからの議論は違うのですよ。  その点はともかくとして、私が言っているのは、どの法律をもってやったかと言ったならば、あなたは、道路交通法七十七条の第一項第四号に基づく、長崎県道路交通法施行細則の十五条三号によったんだ、こういうふうに言ったじゃないか。だから私は、どのような集団行進の事実が起きておりましたか、こう言ったのです。この問題は私は別のところで、現地の責任者や警備課長を含めて、その当時並行してこの法律の疑義、いままで警察当局と解明してきた疑義について私は直接衝に当たっておるから、このことと関連してまた別に言うけれども、あなたはこの法律に違反をしておる、この細則に違反をしておると言うから、どのような集団行進がありましたか、こういうことを私は言っているのです。そのことについてあなたが報告を受けた事実を言ってください。これは吉武国務大臣の議院運営委員会の答弁とも関係するけれども、私はその点を集中して言っているのであって、ほかのほうへぼかしちゃいけません。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 私は、先ほど一連の行為の流れとして御説明申し上げましたが、御質問の趣旨は、集まったときにどうであったか、こういうことでございますと、これは二百六十名くらいの者が三々五々集まっていって、そこで人の集団となって、道路交通に著しい妨害に及んでくる情勢に相なった、同時にまたシュプレヒコール等も上げておった、したがってそれは、そのときにおいては七十六条違反の形態、これに対して警告措置を発しておる、こういうことでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 道路交通法についていま話をしておったところが、七十六条の問題が出てきたわけだが、つまり交通に障害がある状況がありましたか。私は警備課長と一緒に、現地を警察の自動車に乗って、私と中村重光代議士と労組代表と県会議員が一名警察の車に乗って現地を通った。問題が起きたと諸君が判断をした直後、私は警察の自動車でそこを通ったのです。あなたは交通の障害があったと言うけれども、どこにあったか、どういう報告で——写真があったら写真を出してもらいたい。私は現実に県警の警備課長と一緒に警察の自動車に乗って現地を問題が起きた直後通った。ロータリーのこちらからゲートに向かって、左側はこれは機動隊が多くてちょっと行けなかったから、私はゲートに直面して、そして造船所のほうに回った。これは袋小路じゃない、自動車が堂々と通る。造船所のほうを回って、ずっと大回りをして警察署に行ったのだ。そのときに私は現地を見ておるが、あなたは私が知らないと思ってかどうか知らないけれども、集団ができて、そして道路交通法上の危険その他のことが予想できるような障害が起きている、これは参加をした一人一人の人を前後において私は意思確認をしているけれども、そういう人々の意思とは全く関係のない、独断だ。そういう事実が起きているというようなことをあなたは答弁したけれども、私は実際に現地を警察の自動車で通って何らの障害はなかった。二百五、六十名が一団となった事実はない。一方はバスの停留所があるから、これは県道ですから堂々と通れるのです。バスの停留所にやはり相当並んでバスを待っていた。私はその直後警察の自動車で通っているのだ。県警の警備課長を私が呼べと言うのもその趣旨だ。だからそのことにおいて、私は警備課長と一緒にそこを堂々とさあっと通った。何らの障害はなかった。あなたは障害があるというようなことを盛んに言っているけれどもいかがですか。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 当該道路が県道であって、平素から米軍の関係者あるいは佐世保造船会社の職員その他これらに出入りする人等の相当の通行の車、人があると聞いております。当日またそういった一般の人も通行をしており、これらの車両なり一般の人の通行に著しい妨害となるおそれが出てきた、こういうふうに報告で聞いております。  なおまた現地に行っておりました課長がおりまするので、お許しがあればその状況は御説明をいたしたいと思います。

大原亨日本社会党

○大原委員 現地へ行った課長の答弁を求めます。

後藤信義警視長(警察庁警備局警備第二課長)

○後藤説明員 先生おっしゃっておるのは、ゲートの前の集団のことであると思います。それで、そのほかにぞろぞろ歩いていきました状況は、私けさ申し上げたとおりでございまして、これは総合会館から道路の両側を三々五々アリの行列のような状況でロータリーを通過して、上陸地のほうに向かっているということを申し上げました。さらに私がその辺にまいりましたときには、上陸地にぶつかるあの道路が右折いたしまして、佐世保重工のほうにまいりますが、その方向に向かう人もありました。そうして集団は二カ所にできておりました。一カ所は上陸地付近、つまりロータリーからまっすぐ参りました二百メートルばかり先の地点の、ロータリ一側からいえば左側でございます。それからもう一つは、先生おっしゃいますように、バスの停留所がございます佐世保重工に至る道路と上陸地点とのちょうど中間ぐらいの、佐世保重工に向かいましての右側の地点でございました。これらの集団に対しましては、いずれも警察のほうで歩道に上がりなさいということをまず警告をしておりました。車道に出ると危険だから、あるいは交通違反になるからというような意味で、交通に障害があるという意味で、まず歩道に上がりなさいという警告を発しました。しかしながら、この警告が必ずしも直ちに守られない状態でございました。そういう状況でございましたので、このゲート付近の、上陸地付近の集団は数がだんだんに多くなるということになりますと、これがますます道路の交通に障害を与えます。これは、上陸地のあの付近からはタクシーの発着もございます。それから先生いまおっしゃいましたように、佐世保重工のほうから物資を運搬するトラックなども出入りしておりました。当日私もその現場におったわけでございますが、この集団によりまして道路の交通が停滞をするという状況が切迫しておりましたために、いま私が申し上げましたようなかっこうで、警察のほうでは、道路交通の支障になるからということで、その行為に対して警告を発しておる、こういう状況でございます。その警告に応じまして、この上陸地付近の集団、これは四、五十名もございましたでしょうか、これがロータリーのほうにそのまま帰っていった、こういう状況でございますが、さらにSSK、つまり佐世保重工のほうの側におりました約百五十名の集団、これはなかなか帰らなかったのであります。そうしてまた車道のほうにはみ出しておるという状況であります。そのころになりますと、これは総評、社会党のほうの宣伝カーも入ってまいりまして、ヤンキー・ゴー・ホームというシュプレヒコールの音頭をとるというような状況で、ますますこれが集団のかっこうになる、それが動き出すということになりますと、全くこれは、車道と歩道の区別のあるところはできるだけ車道のほうに出ないようにということで、警察の部隊で規制はやりましたけれども、なかなかそれがうまくいかない。そうしてまたこの時間は、午前中に説明がございましたように、約一時間を要しましてロータリーのところまで帰ってきておりますが、途中では停滞をしましたり、あるいは警察官の車道に出ないようにという警告に対しまして、やはり立ちどまって抵抗をするというような状況、それから宣伝カーも盛んにアジるというような状況で、これは全くのデモということになったと私は見ておるのでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 ぼくはこの中で、いまべらべらと言ったけれども、ものすごくこれは問題点がたくさんあるのだよ。あるけれども、課長さん、私は一つだけあなたに言っておきます。こっちの局長のほうの答弁の進行を保留をしておいて、課長さん、あなたに言っておきますが、つまり停滞状況が生じたときに、私どもの社会党の石橋代議士はじめ二、三の人が現地の警察官に相談をして、この集団はいつまでもこういうふうに警察がいびるような形で対立しておってはいけないから、これを誘導していくべきではないか、こういう提案をいたしたのであります。これは石橋代議士その他本人が見えればわかるわけですが、そうしましたら、現地の警察の指揮官は、ぜひ先生それをお願いいたしますと、こう言ったのだ。最後のところだけ私は取り上げているのですよ、前のほうはまたあとで言うから。そこで、お願いします、それじゃ方向はどこを歩いていかしたらいいか、こういうことで、警察官と協力いたしまして、指揮者がいないんだから、デモ行進、集団行進ではないんだから、そこでみんなの前で確認をして、だれもそんなものはいないから、見当たらないから、あなた指揮なさいということはできないんだ。そこで石橋代議士その他の私どもの国会議員が現地の警察官と相談いたしまして、交通を円滑にするためにその集団を誘導したんです。誘導をして、いわゆる皆さん方が禁止区域と言っておるロータリーのところまで出てきた。そこで非常に混雑しておることは、警察側の責任である点は私は明確にするけれども、とにかく出てきたのです。これは石橋代議士を証人として呼んでもいいし、本委員会でこれは何してもよろしいし、現地におった人もあるし、現地の警察官もそれは知っておる。そういう事実について私は政府委員に聞きたいが、報告を受けておりませんか。これは重要な事実だ。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 私は、石橋先生がそういう行動をとられたということは報告を聞いておりません。ただ、あの現場の状況は、集団誘導をしておる、こういう報告を受けております。

大原亨日本社会党

○大原委員 局長、ここが大切なところですよ。つまりバスの停留所をちょっと曲がったところ、それから手前へかけて、やはりお話のように百名くらいかたまっていたわけです。百名余りでしょう。そのかたまっていたときに、これはこのままではいけないから、やはり八時から十一時までというふうに正規に届け出をしておるデモコースに誘導をしなければいかぬじゃないか。ここには、現実にデモじゃないから指揮者もだれもいないだろう、この行動を見てみたらわかるように、そのことは私どもが、だれがそこにいたかということもいずれわかるでしょうけれども、そこでどうしたらよろしかろうかといって警察官の人に相談をしたのです。そうしたら、警察官のほうで、それではひとつ先生この集団を誘導してください。何も交通を障害することはないのですよ。道交法の問題についてはあとで議論をするけれども、そういうことはないのですよ。そういう交通整理に、石橋代議士が警官隊と合意の上に協力をしたのです。そのことははっきりしておるのですよ。これはたくさんの証人がおるし、実際に警察官側も了承して、両方でやったわけです。そうしてロータリーのところへ行ってうろうろするから、石橋代議士がどっちへ行ったらいいのだと大きな声で言ったら、いまの話が出てくるのだが、機動隊はいわゆるやまたのおろちじゃないけれども、指導権が、いまあなたも半ば認めておるように非常に乱れておったのだ。あっちへ行けと言うやつもおるし、こっちへ行けと言うやつもおるし、どっちだ、どっちだと言ったところが、こっちへ行けと言ったところへ行っておったのだ、そういうようなことですから、 ロータリーの外へ出て−ロータリーの外は正規のデモ行進で許可を受けたところです。あとで議論するけれども、デモの許可を受けておる。  そこでそのときに、そういう警察官の意見衝突があって、混乱するような状況であって、せっかく誘導してきたのに対して警察官が襲いかかるようになってきたものだから、強力に排除するようなかっこうになってきたものだから、無届け集団ということが頭にあるものだから−これは交通整理の一つのかたまりです。それに対して突入してくるものだから、自発的に、衝動的、本能的に、こちらの歩道で休んでおったのが何だということになって出てきて合流をしようという事態になったのだが、その事態についてはさらに詳しく説明する。道交法によるデモの届け出と一緒に詳しく説明する。だけれども、私が言うのは、警備課長は現地に行っておったわけだけれども、その報告を受けて吉武国務大臣や江口長官は議運でいろいろ答弁しておるけれども、しかし、私が言うのは、最後の場面の一つだけとって言っておるのだが、あれを禁止区域における違法デモだというふうな断定を下すということは——手をねじったというのは一対一の問題で、あとで議論するけれども、私は、そんな一方的な情報で一つの予断を持ってこの事件を大きくしていくというようなことは、私は実際に現地におって県警の警備課長と一緒に自動車に乗ってその直後に行ってその状況を見ておるのです。これは前の話へ戻るのはあとにいたしまして、そういうことを報告を受けていないということはもってのほかだ。それを違法デモであるというふうに警備課長はぬけぬけと言う。そういう説明のしかたをやるということは許せない。これ一つだけとっても、私はこのことについては絶対に許せないけれども、政府委員に私はもう一度確かめるが、この点については、私の言うことは天地神明に誓ってうそ偽りはないと思っておる。その点についてもう一度、あなたが確信を持てるか、持てなければもう一度検討し直して答弁するか、いままでのあなたのほうの答弁は、これは全く誤った一方的な報告に基づいた、実力行使を正当化するための前提の答弁であるとしか思えない。そういう一方的な答弁で国会においてこのような重大な問題を議論することは私はできないと思う。そういう不誠意な、事実に反する答弁に対しましては私は了承できない。そういうことで国会議員の逮捕事件その他の問題についてこの問題を持っていくということは、私どもは事実に反すると思うから絶対に承知できない。その点についてもう一回答弁してもらいたい。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 ただいまのお話にもございましたように、時間は九時十五分ごろから中に入ったのですが、九時三十五分ごろから十時四十分ごろの間、つまりロータリーから上陸地までの間の道路、この間におけるこの集団の行動というものと、ロータリーを出てからの行動というものは、これはよほど実態が異なる、これは私も認めます。ただし、前段階においても、わずか二百メートルの間を、百六十人ばかりの方は、これを外に出すのに一時間もかかっておる。これはやはり私は正常なものであったとは思えません。したしながら、そうは申しましても、この二百メートルの間におけるこの集団の状況というものは比較的平穏なものであった、こう私は思います。それから、それから先の状況は、これはまさに激しいジグザグ行進、こういうことに相なっておるわけでございます。  なお、そういった事実関係は、これは現場に行っておりました課長がおりまするので、詳しく御答弁が必要であればいたしたいと思います。

大原亨日本社会党

○大原委員 私が言ったのは、午前中からの政府委員の答弁の中にもあったし、あるいは現地に行ったという警察庁の警備課長の答弁にもあったけれども、とにかく一時間もかかって違法なるデモを行なったというふうに言われるのですが、デモの場合は、警官の制止も聞かないで指揮者がちゃんとおってやる場合ですが、これは実際には、警察のほうでああでもないこうでもない、こういうことを言っておるから長くかかったのであって、それと相談をしながら、円滑にデモコースのロータリーの外に誘導するということについて合意が成立した上においてやっておる行動なんである。これは交通整理ですよ。交通整理に協力しておる。それをそういうふうに断定しておることについては、依然としてあなたの正確な答弁がない。その点についてどのような判断をしておるのか。現地へ行った課長の説明は、やはりあのとおりである。これは何回聞いてもあのとおりであろう。そこで、これは私は江口長官にお聞きしたいことなんです。江口長官、私が言うことと、政府委員の答弁との間においてかわされたそういう議論において、あなたはそういう事実認識について、これは誤りがあるのじゃないか、こういう点でもう一回大所高所から判断をし直す必要をあなたとして考えておるかどうか、その点ひとつ……。

江口俊男警察庁長官

○江口政府委員 現場の状況については、ただいま大原委員からおっしゃったこと及びわがほうから派遣をいたしておりました課長が報告しておることと、ただその解釈というか、その本質ということの考え方については、議論というか異論があるようでございますけれども、事実は大体一致しておるんじゃないか、ロータリーから上陸地でございますか、そこまでの間のことは。ただ、いま初めてといいますか、きょう初めて出ました現場における指揮官が石橋先生に頼んで、そしてそれを誘導してもらったというような話は、私、実はここで初耳でございますから、それは確かめたいと思います。警察官の行動については、私たち報告を受けておることをそのままもちろん信用してここで報告をしておりますけれども、報告漏れがあるということであれば、それは十分聞いて、そういうことが絶対になかったということは私ここで断言できない、こう考えますから、それはよく調べます。

大原亨日本社会党

○大原委員 これはやはりなかなか、議運の席上でもそうでしたし、いままでもそうですが、一方的な警察側のPRがあるわけですよ。これじゃ私は問題点を冷静に議論することはできないのです。だから、いまの長官が言われた点については、私はもう一回言っておきますよ。石橋代議士その他は、現行における警察官の指揮者と、どちらにこれを誘導したらよろしいか、もし警察官で誘導する場合にトラブルが起きる可能性があれば、私が誘導するがどうか、こういうことまで突っ込んで話をして、お願いしますということになって、そして指揮者がいないからその集団を誘導したのです。つまり、ロータリーの中へ入りましてから——私は、前後において、それぞれのオルグ、参加した団体、参加者の意思を確認して、指揮者の意思を確認しましたが、中に入ってからは、歩道を通って交通障害にならないように一人一人が行動をして、現地の埠頭において原子力潜水艦を見学するのだ、見てくるのだ、これは一人一人の行動ですよ。デモは、外のロータリーの届け出のところにデモの届け出があるのですよ。そういう事実を知っておるのですから、私は率直に言って、吉武長官、そういう現地へ行って希望者が自主的に見てくるのだということで——アリのはうようにということをうしろで言っていたけれども、あなたの警察官のほうで見てびっくりしたのだと思うのだ。現場の指揮体制の問題になるわけだが、そこで話をしておるのですよ。あとで話をするが、私はもう一つ重大な点で、報告があるかどうかという点を申し上げるが、びっくりして、法律をとんでもない道交法でない方向に解釈しておるのです。ここに混乱があるのであって、中でデモをするという意思はない。シュープレヒコールはどうかということになる。原子力潜水艦反対だ、こう一人が言ってだれかが唱和したら、これはデモになるかといえば、そういう議論を私はあとで聞いたけれども、だれかが一人「反対」、こう言って、だれかその周辺の者がこれに唱和したからといって、これは集会でも何でもないです。それは自主的に反対だという意思表明を個人個人がしただけです。これは前の日に警察署長やその他の方々と話をしているのです。私はそれをこれから話をする、明らかにする。  そこで、政府委員の警備局長の答弁のところへ返って、そういうことから見ると、あなたの最初の説明は、課長の説明とは違って、いわゆるゲートのところに二百名内外の者が集団を組んでいた——これは議事録を見たいけれども、そういうふうに集まっておったのがデモのおそれがあった、こういうことでロータリーで実力阻止をしたのだ、こういうけさからの発言です。あなたの発言もそうです。それに対しまして、アリのようなとか、あるいは入ってくるときに一時間もかかって不法デモをやったとかというふうなことを課長がべらべらつけ加えたからだけれども、あなたのは、はるか向こうのほうを見るとゲートのほうに集まっておる、そういう判断して、これはデモになりやせぬかといって心配をした。これは非常にオーバーな、過剰なんだけれども、これはまた問題だけれども、そうあなたは言っている。それは、あなたは部下の報告や現場認識において誤りがあるのではないか。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 お答えします。私は、けさほど来の答弁で、当日のロータリーから上陸地点までの中の間、それからロータリーを出てからの状況、これらを一連のものとして続いて説明をしましたので、すべてがデモであった、こういうようにお聞き取りになったかもしれませんが、ただいま議論になっておりますところは、ロータリーの中の問題でございます。したがって、その事実の点については、私はやはり課長の考えと同じでございます。ただ、先ほど集団になったといったときに、課長と私の違いは、私はそれがあたかも集団は一つであるかのごとき印象を与えたかもしれませんが、これは集団はやはり二つあったわけでございます。事実の点につきましては、これは現場におった課長の言うとおりでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 自然の現象としまして、海岸のところへ集まって原子力潜水艦を見る人と、それからちょっと離れたバスの停留所に、私が県の警備課長と一緒に自動車に乗っているときだが、そこで私はちょっとおりて、石橋代議士その他同僚の議員がおられたから、私は警察へ行って、後に申し上げるような問題について話をしますよ、こういうことで通ったわけです。そして円滑におさめる点についてお願いをして通ったわけです。通ったわけですが、しかしそれは現実にバスを待っているのです。これは何だと言ったら、バスを待っているのだ、バスの停留所、そのとおりだ。だから、二つのかたまりがある一定の時刻においてあらわれたことは事実ですけれども、しかし、あなたが、やはりあそこに集団がある、これが十五条第三号の規則に違反をしないか、違反をするのはおかしい、集団行進じゃないじゃないかと言ったところが、七十六条ですと新説を出した。新しい解釈を出した。そういうふうに非常にあいまいな認識のもとに現地を指揮しながら、現地に課長も行かせながら、そういう時々刻々の連絡というものが非常に前提を誤ったことで警察権力を行使さしておる。これは県警と現地警察の関係においてもあるじゃないか、これは後に申し上げるが、おんなじです。そういうことを私は申し上げておるのですが、あなたのような答弁でしたら、私どもはまじめに審議するわけにはいかないのだ。あなたの答弁は−私は途中で、十五条三号に関する問題と七十六条に関する問題で、事実認定の問題に関連をしてあまりひどいことを課長が言うから話をそらしましたが、しかし、そのことは私は現場で見ておるのですから、あれをデモだというふうに、集団行進であるとか集会であるとかというふうに解釈するのであるならば、たとえば観光団があそこへ行って港を見る、あるいは造船所への通勤者というものがぞろぞろと列をなしていく。それを客観的に見てどこが違うのか。違うのであるとするならば、本人が持っておる一人一人の意思が違うというふうに言うかもしれない。それは人を見たらどろぼうと思えというふうなことで、あやしいと思ったら現行犯でなくても逮捕するというふうな、それは警察権の乱用である。そのようなことは許されない。入る者もそういう意思はないし、私の立ち回ったところではないし、そして正規に届け出ているデモのコースというものがあるのだから、そこに実際に自由見学、自由行動をとって、集団の行進のそのコースにはまるまでの、そういう自由行動において、いろいろなオーバーな主観的な判断を加えて、そしてそれを正当化するために次から次へといろいろな報告をしているのじゃないか。こういう点であります。その証拠といたしまして——国警長官はちょっと忙しい用事があるそうだけれども、これは三十分だそうだが、お帰りになりましたら、またゆっくりやりますが、一つお尋ねしておきますが、吉武委員長、議院運営委員会で御答弁になりましたことが、この個所に関しまして三カ所ぐらいございます。その答弁によりますと、埠頭の上がり場に相当多数の集結をして、これがデモ隊化するおそれが出てきたので、これはいかぬということで、三々五々の根っ首を絞めた、制止した。その制止から楢崎代議士の逮捕事件へ発展いたしておるわけです。これも非常にずさんな報告だと思うのですが、出ているわけです。これは局長の、政府委員の御答弁と似通っておる点があるのであります。事実判断の問題ですが、似通っている問題があるわけです。その後私が議事録を調べておりましたら、国家警察の皆さん方も調べに見えまして競合したような形になりましたが、御心配な点があると思うのですが、この点は吉武委員長のほうでいろいろと御協議になっておると思うのですが、議院運営委員会の御答弁はこのあと出てまいりますけれども、これは事実に反する。そういう点を私は判断をいたしておるのです。あとの二、三の答弁もあとで一緒に申し上げますが、その点について吉武委員長は、私のあるいはこの質疑応答の中から、どういう点についてあなたはお感じになりますか。議院運営委員会における答弁というものは私は納得できない。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○吉武国務大臣 ただいまのお話でございますが、議院運営委員会において私はそのような発言をしております。それは先ほど来、警備局長がるる話したところとおんなしだと思います。つまり三々五々ロータリー線から埠頭のほうへ、上陸場、上陸地のほうへ入って行った、それ自体はそうたいしたことじゃございませんが、それがいま言ったように二百五十名もたむろしてきますと、それがデモ隊化するおそれがある。これは私は、治安の責任を持つ者としては、心配するのはもっともだと思います。したがって、そこへどんどん、どんどんたまってきたのでは、危険な状態になってはいけないからそれをロータリー線のほうへ出した、これは私は処置として決して間違った処置ではないと思います。

大原亨日本社会党

○大原委員 局長の答弁と大臣のいまの答弁は似ているところがあるのですが、その別の、これは安宅運営委員の質問に対して吉武国家公安委員長は「一つのデモ隊を形成するようになったので」と、こういうふうに過去形で、これは議事録のそのままですが、答弁になっておるわけです、別の場所では。初めは疑いがあるというふうに答弁になっておりまして、だんだんと本物になって「なったので」と。それからいまの質疑応答で明らかなように、二百五十名が一緒になっておったのではないということは現地の課長が言っておるのです。これは二つに分かれていて、一つのかたまりの人はゲートから原子力潜水艦をのぞき見している。みんな見ている。その中で反対だと言った人があるかもしれない。他の一団は相当離れたところで、バスの停留所で列をつくって待っている。これはおかしいということでいろいろな圧力がかかってきて、警察官のほうで、これを一カ所にまとめるようなそういう行動をとったところに一つ問題があるわけだが、ほっておけば何でもないことなんです。そういう意思もなければ客観的な事実もない。吉武国務大臣が、この議運におきまして御答弁になっていることは、このようなことなんだ、私が申し上げたとおりなんだ。「一つのデモ隊を形成するようになったので」と、これは第二番目の発言ですが、そういうふうに過去形になっている。それは政府委員の二百五十名が一緒になったという答弁と、二百五十名が二つに分かれた、そういう説明のしかたと、追及いたしましたら説明のしかたが、非常にばらばらになっておる。客観的な事実は非常に違うのです。本人の意図に至りましたら、まるっきり百八十度違うわけです。これはまた立証する方法を私どもは考えますけれども、これはまるっきり違うのです。議運における吉武国務大臣の答弁を私は見まして、これはとんでもないと、こう思ったのです。とんでもない答弁だと思った。そんなことで、国会議員の身分上の重要な問題が、そういう前提で次から次へと、そうしてオーバーな解釈で、やれ性格であるのやれ何の、そういう全く人権を、名誉を棄損するような方向で議論が進むということは許しがたいことだ。吉武国務大臣の議院運営委員会における答弁を私は見て、そういうふうな感じを持ちましたが、これは議院運営委員会で問題となるでしょうが、この委員会で、議院運営委員会における吉武国務大臣の御答弁というものは、非常に私は手抜かりのある粗雑な間違った答弁ではないか、こういうふうに私は思いますが、大臣いかがですか。

吉武恵市自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○吉武国務大臣 私が議院運営委員会でデモ隊化したと言ったかどうかはわかりませんが、いま御指摘になったから言ったかもしれません。しかし、その点はけさほど来警備局長が言ったことが正確であります。そのほうをひとつ御採用願いたいと思います。  で、けさほど来警備局長が申しますように、三々五々ではあるけれども、それがロータリーからだんだんと上陸地点へ集まって二百五十名、ほっておけばどんどんどんどん幾らでもふえるのですね。そういう事態をほっておくことは危険であると見ることは、警察の治安の責任を持っている者としては、私は当然だと思う。したがって、これはいかぬというので、それをロータリーで食いとめて制止し、また、これをこのままほっておけばどうなるかわからぬから、これをロータリーの外へ誘導して出していったという処置も、私はこれは当然の処置だと、かように存じております。

大原亨日本社会党

○大原委員 誘導して出していったということは、私のことばに同調しておられるわけですが、誘導している場面が不法デモだ、一時間もかかった不法デモだ、こういうふうな前提で話は進んでいたんですよ。あなたの記録を見てごらんなさい。長官の記録を見てごらんなさい。そういう前提で進んでいたのですよ。それを私は質疑応答で事態を明らかにしておるのです。それから、私が明らかにしたい点は、もう一回聞きますが、あのロータリーを中心に現地における指揮の責任者はだれですか。現地における指揮者はだれですか。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 これは、ロータリーのあの現場における責任者という意味では、佐世保警察署の次長の江浜という警視がおりますが、この江浜警視があそこのロータリーのあの現場の部隊の指揮官でございます。ただし、これは、その上にもちろん署長がおりますし、本部長がおることは、先ほど来申し上げておるとおりでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 政府委員に聞きますが、道路交通法の七十七条による現地の指揮者は、許可その他を与える指揮者、法律を解釈して条件をつけたりして許可を与える指揮者はだれですか。そういう責任者はだれですか。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 所轄の警察署長でございます。したがって、この場合は佐世保警察署長ということに相なります。

大原亨日本社会党

○大原委員 それで、大臣はあとお仕事をしてお帰りになってください。きょうはゆっくりやりますから。  それで、もう一つ、いまの事態がはっきりいたしましたし、私は、その点は現地の責任者は十二日は佐世保警察署の次長であるというふうに思っている。十三日は県警の警備課長が現地の責任者であるというふうに、私は署長あるいは現地の警備課長と話し合った結果そういうふうに了解しておるけれども、これは間違いですか、いかがですか。

後藤信義警視長(警察庁警備局警備第二課長)

○後藤説明員 長崎県の県本部の警備課長斎藤君は、佐世保の現地の警備本部に詰めておりました幕僚でございます。したがいまして、十二日も、十三日も、十四日も、ロータリーにおきます現地のあの部隊の指揮官は佐世保警察署の次長の江浜警視でございまして、その指揮系統は現地の警備本部長であります警察署長に直結いたしております。斎藤君はその署長の幕僚でございます。さらに、その現地本部に警察本部長もおられましたので、警察本部長がさらに総括的にそれらを指揮されておった、こういうことでございます。

大原亨日本社会党

○大原委員 つまり、許可を与えることについての権限と、それから許可を与える条件や、そういう指導については現地の佐世保の署長が権限を持っている。それは県警の本部長が言ったんだ。君はよけいなことを言わなくてもよい。それで、私の聞いたことと違う点は、問題の日に、私は、現地の責任者はどなたですかと、こう言って、あらためて十二日に続いて十三日に私は名刺を出しましたが、そのときにあらわれてきた人は斎藤という県の警備課長でありました。だから、その現地におりました次長のお話を聞きますと、きょうは私じゃありません、きのうは私でしたが、きょうは私ではありません、こういうことでございました。これはどっちがほんとうですか。現地で私にお話しをいただいた次長と県警備課長のほうが正しいのですか。それとも現地へ国家警察から派遣しました後藤課長のほうが正しいのですか。どっちですか。

後藤信義警視長(警察庁警備局警備第二課長)

○後藤説明員 これは、私はその斎藤君がどういう話をいたしましたか存じませんけれども、指揮系統は、何べんも繰り返して申し上げますように、全般の指揮統轄は県警の本部長でございます。その下に現地の警備本部が設けられましたので、この現地警備本部長は所轄の佐世保の警察署長でございます。それから、部隊があのロータリー以外にも配置されておりますが、ロータリーのあの付近における部隊の指揮官、これは江浜という佐世保署の次長でございます。そのことを申し上げたのでございます。かりに県警の警備課長が、先生がお話したなったときに応待をしたといたしますならば、県警の本部長から特命を受けて、その場合はその問題につきまして斎藤君がそういう交渉の相手になるように別途命令をもらったものと考えます。

大原亨日本社会党

○大原委員 それは警察署長に実際に来てもらわないとわからないことです。実際はまだたくさんこれからありますけれどもね。現地における指揮系統、責任分野の混乱、いろいろな問題がありますが、これはまたあとで時間が一そのことに触れると長くなるのかもしれないのだが、つまり、こういうことであります。吉武委員長が議運で答弁しておるように、遠くのほうを見ると集まっておった、それでデモ化するおそれがあったからこれは制止しましたという、そういうその時点の問題です。これは私が警察へ行く前の問題です。そこで、その場面は三々五々それぞれ行ってスムーズにいっておったし、事故もなかったし、歩道を歩いておるのですから、本人たちは車道へ出ていわゆる道路交通法にいうところの車両等の妨害をしようとする交通妨害の意思はないのですから、基地内云々というようなことがあったけれども、これはもってのほかだ。この問題は道路交通法で皆さん方が議論すべき問題じゃないのです。この問題を議論しておること自体がおかしい。みんな治安立法とごっちゃにしておるわけです。  それは別にいたしまして、その場面において、私はなぜそこへ行ったかというと、総評の安恒政治局長がひとり歩いておったところが、あなたは通ってはいけません、こう言ったので非常におこった。普通の一般市民はひとりで歩いておるのに、私はなぜ歩くことができないんだということで抗議を申込しんでおりました。そのことは報告を受けておりますか。

後藤田正晴警視監(警察庁警備局長)

○後藤田政府委員 安恒さんが一人で歩いておった云々のことは聞いておりません。

大原亨日本社会党

○大原委員 そこにおった警視は、私が名前を聞きました。私の名前を言って名前を聞きましたら、草野君という警視でありました。これは知っております。そこで、草野警視に対しまして、この現地における責任者はだれか、きのう以来現地における責任者の佐世保警察署の次長といろいろ話し合った経過もあるし、署長あるいは県警の諸君と警察署において話し合った経過もあるから、ここの責任者が出てもらいたい、こういう要求を草野警視にいたしましたところが、草野警視は次長と相談いたしまして、きょうの現地における指揮者は私ではございません、斎藤課長であります。彼と違うことを言ったわけだ。そこで斎藤課長が出てみえました。そこで、私は、きのう以来、十二日の事態においては、この問題は議論するたくさんの問題があるわけですが、ロータリーから二百メートルが袋小路というふうに言うが、袋小路は実はないわけだが、袋小路という岸壁までの間においてデモを禁止したことは、一般の市民が自由に行動しておるだけでなしに、県道であるだけでなしに、左寄り、左寄りというふうに歩けば道路を横断するときだけの問題であるから、それを交通整理をすればいいのであって、そしていままでもそういうそこでデモをした前例がある。特に原子力潜水艦寄港という私ども社会党にとっても、あるいは国民にとっても重大な関心であるこの問題で、憲法二十一条に基づいて、表現の自由という権利に基づいて、基本的人権に基づいて行動を起こすという場合において、意思表示をするという場合において、これは暴徒でも何でもない。集団的な意思表示をするという場面において、市民が自由であり、いままで前例があるところにおいて、格別にここで制限を設けることは不当である。何といっても不当である。われわれは基地の中へ入り込んで云々ということはないんだ。そのことは話し合って明確であるにもかかわらず、そういうことをやることは不当である。そのときの話として、三々五々自由に行動されるということについては、一般県民、一般市民的な自由の問題とこれは何ら抵触しないし、矛盾もしないし、そして自由に行動されるというふうなことは、少々声を上げられても、交通に障害がない限りはこれはデモとみなすことはできません。したがって、個人個人としてそういう意思表示を歩道においてなさるということについて、やれるということについて、気持ちを述べられたり表現をされたり、あるいは現場を見にいくという場合においては、これは規制のしかたはありません。こういうことについては、現地の次長との間においても、それから警察署の署長との間、あるいは署長を取り巻いている県の警備部長との間においても、これは議論をして考え方を統一しておるのです。ですから、そういう解釈は当然のことなんです。だから、十三日に三々五々あるいは一人行っている場合に、あなたはオルグ団であるからということで差別をして制限をすることはけしからぬ。実際に交通の障害がない。道路交通法の取り締まりの対象でない。しかも非常に事実を誤認したオーバーな判断で、デモが起きるおそれがあるとか、あるいは吉武国務大臣は、デモが起きたとか、そういうふうな議運委員会における数々の答弁、そういうかってな答弁を通じましてPRをしながら警察側の態度を固めていったというようなことは、これはとんでもない。そこで、私は斎藤課長に対しましてその経過を述べて、あなたはこの責任者であるというのであるならば、私も国会議員であるから、ひとつ一緒に行って警察署長との間において考え方を統一してこの場の混乱を防ごうではないか、私はこういう提案をいたしました。そして警察の車へ乗ったのであります。斎藤課長と私が乗りまして、労組代表、そこのオルグ団の代表といたしまして安恒政治局長が乗りまして、続いて中村重光代議士が前日来の話をよく知っておりますから乗りまして、警察署に行ったのであります。それは九時半から十時やや前でありました。警察に参りまして、現地の指揮責任者、権限を持っている署長に対しましていろいろ話し合いをいたしました。話し合いをいたしまして、署長もそういうことを申しましたし、現地における実情認定、現場の指導についてやはり問題があるように指摘されましたけれども、その点については私も心配であるから、直接双方が現地に帰って現地で解釈を統一していくならば、これは何らトラブルが起きる心配はないであろう、こういう署長との間に合意が成立いたしましても私どもはそれぞれ別々にロータリーに帰ったのであります。ロータリーに帰って私はすぐ車の上へ上がったのですが、そのときに、はるかかなたを石橋代議士がうしろに向かってその集団を誘導をして、警察官がそれを取り巻くかっこうで出ておったのであります。したがって、私どもの真意というものについて非常に皆さん方は驚いた。驚いたと思うけれども、しかし、それは驚くというふうな理由ではない。ゲートのところへ行って実際を見たいというふうな、そういう希望者であって、デモは、個人としても集団としても、総合会館の前から解散を命じて、デモを始める場合においてはあらためて届出に従って集結を命ずる、こういうことで、あとで確認をいたしてみますと、そういう行動を起こしておるのであります。そこには非常に判断や予断があって混乱をいたしておりましたから、私は、責任者の署長との間において、ともに現地へ行きまして、そしてその間の調整をしよう、そういうふうに約束をいたしまして帰ってきたのであります。そのときは何らのトラブルはなかったのであります。だから、ゲートの中、いわゆる皆さんが言う禁止区域、ロ一夕リ−からゲートの間におったそういう事態も、逐次警察との話し合いで解決しておったし、あるいは現地におきましても警察署長との話において、斎藤課長も含めて警察署長との話において話はついておった。そこで、私どもの立場は、いま言ったように、憲法に基づく集団意思表示の権利を十分確保することが当然の権利であると思うし、しかしながら、これで無用の紛争、トラブルやけが人が出てくるということは、これはいけないことであるから、これを防止しようということを警察署長にも県警の諸君にも申し出て、その点は相互理解をしておる。地方行政委員会の二宮委員等も、十一日の日に行って署長とも話しておるし、その後においても話をしておる。何らトラブルが発生するような、そういう事態にはなかったのです。  そこで、私は江口長官に質問を申し上げますけれども、私どもが中村重光代議士と、そして安恒政治局長と斎藤課長とがともどもに現地の事態を解決するために警察署長のところに行った、行ってどういう話をした、そして現地の指導のためにそれぞれ帰ってやろうということについて話し合いをしたということについて報告を受けておられますか、いかがですか。

江口俊男警察庁長官

○江口政府委員 報告を受けております。

大原亨日本社会党

○大原委員 つまり、そこでその事態が漸次明確になりましたが、吉武国務大臣の議運における答弁、それから江口長官の御答弁を見てみますと、楢崎氏逮捕事件に至るまでの経過といたしまして、つまりこういうふうになっておるわけですね。「ロータリーのところで、もうこの中に入れないのだという体制を置いて阻止していたところを、」楢崎代議士が「ぶつかってきて腕をなぐられたということで、先ほど来申しましたように、知らないから逮捕していった」、これは吉武さんの答弁です。もう一つ吉武国務大臣の答弁を読んで遺憾に思うのは、つまり、三々五々で進んでいったそういうオルグ、一見見るとわかるけれども、オルグ団の人々は、これは自由行動、見学行動であったが、しかし、それをデモ隊とみなして、客観的な事実もなし、デモ行進をしたという事実もないのに、そういう事実の前提のもとに、また、話し合いが現実に行なわれておったという、そういう事態をも無視いたしまして、誘導されました一部の集団がデモの届け出の区間であるロータリーを出たところで、そこで現地の機動隊その他の指揮が混乱をいたしまして、あちらこちらへ行くときに、これは禁止しておるのだから追い出せという、そういう勢いで、猛烈な勢いで機動隊がうしろからのしかかってきましたものですから、現地の歩道やその他におりましたオルグ団、制止をされておったオルグ団、交通障害もなかったが、そのときはすわり込みでも何でもなかったのですが、そのオルグ団が本能的に合流をいたした。それを警官隊、機動隊が遮断をした。力をもって遮断をいたしました。そこで、遮断をし、石橋代議士が先頭に立っていたその集団は、デモのコースとは逆の総合会館のほうに向かっていくように命ぜられたのでありますけれども、そういうことで自然に逆流をする形になった。その点については午前中の政府委員の答弁でも一方的な答弁がございましたけれども、そういう事態の中で、歩道の中で、・歩道において楢崎代議士の逮捕事件が発生をしたのであります。であるとしますと、いままで制止しておるのに、ぶつかってきて腕をなぐられて、公務執行妨害の状況があったので、現行犯として逮捕した、こういう前の事態の説明、なぜ公務執行妨害に至ったかというその経過の説明、そういうものなどは、議院運営委員会においては、当時非常に時間的ないろいろな問題があったろうが、ずさんであって、そうして事実について一方的な警察側の情報のみに基づいて、後に申し上げるように、現地の滝井代議士、小柳議員、あるいは本人その他を通じて言ったことについては一方的に否定をしておいて、一連の公務執行妨害をでっち上げるような、そういう形において楢崎代議士に対す不当逮捕事件が起こっておる。こういうことは、私は許すことができないことである。議院運営委員会の答弁と比較をいたしまして、楢崎逮捕事件の場面におけるそれまでの事態について、警察側はもう一度再検討すべきではないか、事実をもう少し的確に調べるべきではないか、そういう点について、私は長官の見解をただしたいと思います。

江口俊男警察庁長官

○江口政府委員 お答えをいたします。  御承知のように、いま吉武公安委員長の答弁及び私の答弁を引用なさいましたが、あの議運というのは、事柄の起こりました日の、たぶん一時半ごろからの会議であったと思います。私は、よそで会議をやっておりまして、そこから役所に帰り、この議院に参ったような記憶がございますが、少なくとも私たちがそのときに受けておりました報告、これはもちろん証拠として当時の電話受けもございますけれども、それは吉武公安委員長がお述べになったとおりの内容でございます。だから、そのころだれだれが誘導してくれたとか、現地の責任者とどういう話があったとかというようなことは、一切ございません。それからロータリー内のことは、楢崎代議士の逮捕とは直接関係がなく、そのときの報告は、どうもニュアンスからすれば、先ほど後藤田警備局長が申し述べたように、入るときは三々五々だからやむを得ない。それは、そういう話は前の日にしたそうでありますが、しかし、中に入ってデモの形態になっては道交法の違反になりますぞということは言ってある。ところが、だんだん三々五々入りました数は、二百五、六十名と聞きましたが、そういう者が入った。入ったが三々五々で入って、入った中で、二つに分かれておったということは、あとできよう皆さんから聞いているわけですけれども、その中でどうもこのままじゃやはりいけないという状態になったので、警察部隊がロータリーのほうまで出てくださいという警告をしたら、そのうちの百名ぐらいは自発的に出られた。ところが、あとの百五十名ぐらいがどうしても出られないので、警察部隊で規制をしたということばになっております。実力でロータリーのほうに押し返したということでございましょう。たまたまそのときにいわゆるデモ隊といいますか、あとから後続して入ろうとした人たちをこれ以上入れちゃいかぬというので、いわゆる阻止線といいますか、ロータリーのところでとめておったわけですが、それと合流した際に相当な混乱が起こり、ジグザグデモがひどく行なわれた。それを規制しようとして手を広げておった平戸署の中風でございましたか、巡査の手を楢崎代議士が打たれたので、公務執行妨害罪の現行犯として、本人及び両わきにおった警察官三人で逮捕した、こういう報告を受けましたので、そのとおりお答えしたわけであります。

大原亨日本社会党

○大原委員 議運のあなたの答弁、吉武国務大臣の答弁もそうですが、つまりきょうのあなたの答弁ですと、私が突っ込んで話をするまではそうでしたが、道路交通法違反の事実があって、そしてそれに対して、それが基礎となって生命、身体、財産の危害が出てきたので、公務執行妨害として逮捕した、最終的にはそういう答弁。しかし、議運の答弁というのは、全くこれは直結しているわけだ。デモが発生するおそれがあったと最初言っている。あとはデモが発生したというふうに言っている。これがまたたいへんだ。そういうふうに言っているのだ。そういうおそれがあったということで、ああいう事態の制止行動になったんだと、こういうことなんだ。中から誘導して出てきたんですから、警察官と合意の上で、それで秩序立って警察官を制止しておいて、あちらに行って、デモコースに入りなさい、こういうふうに命令してやれば、そこを見ておれば、警察官が出ていかなかったら、混乱するわけがないんだ。デモコースは、ロータリーの外は許可になっておるのですよ。石橋代議士その他が苦労して、現地の警察官とどっちに行こうかということについて全部相談をして、合意の上で、デモ隊の指揮者がおらぬからというので頼まれて出てきたところに追い打ちをかけるようなことをしなかったら——許可を受けたデモのコースなんだ。そうしたら、自衛上の手段でジグザグになったり、両方が合流したりする事実はなかった。最初からそういう事実はないのですよ。非常に冷静に事が処理されているのですよ。その話し合いを警察の責任者との間においてもしようというんです。私どもは、直接の現地の闘争本部の指揮者ではないけれども、しかし、自由に、そうして精一ぱい意思表現をしながら、表現の自由で集団行動をとりながら、トラブルは回避しようということにおいて——トラブルを回避しようと県警本部長がわれわれに最初あいさつしたけれども、そういうことにおいては一致しておるのだから、話は順序よく進んでおった。それを出てきたのは、普通の不法デモだというふうに現地の機動隊が認識しておって、それに襲いかかった。そこに混乱の原因があったから、それを楢崎代議士が中に入って制止した。学生は、私たちのデモの範囲ではありませんよ。しかし、やはり学生も人の子でかわいい子だから、関係がなくても、学生とデモ隊の間に入って、私たちはエキサイトしておる状況については、全体から見てこうしたほうがいいと思ったら制止するのだ、そういう状況において制止しておるところを、楢崎君の手をねじった。これに関する限りは、前の日との関係があるということを言われたから馬脚が出たけれども、その日はねじったのだ。反射的にこれを払いのけたのだ。一連の事態からいったって、警察側のほうに——絶対に私は公判廷において、その他においてやるけれども、そのことをやるのだったら徹底的にやるし、政治上の責任を追及するけれども、こういうことに対して、性格が何であるとか、あるいはたすきはかけていないとか——たすきはかけている。警察官がもみくちゃにしたときに、たすきが落ちたんだ。そういうことにおいてでっち上げをして挑発をかけておいて、国会議員の身分というものが次から次に葬られるのだったら、造船汚職やその他悪いことをしておる者は総理大臣以下いっぱいおるけれども、警察官に対するほんとうの信頼が確保できますか。あなたは不偏不党と言ったけれども、できますか。もしそういうことで軽犯罪法で、ちょっと触れたということで、どんどん、自民党の中であったならば、佐藤派であれば河野派、河野派であれば佐藤派、そういう派閥の違った国会議員とかあるいは野党の議員を、国会中に、そういうことをどんどん一方的な情報や一方的な判断をもってやるということになって、それで国会議員の正常な活動というものが保障されますか。そのことできょうも渡海議員も最初に言われたように、憲法が不逮捕権を保障しているのです。悪いことを自由にしてもいいというのじゃないのだ。しかし、簡単なことで、犯罪容疑で、それに対して警察権力を発動して、そうしてそれに対して正当なる緊急避難の行動をした場合であっても、ちょっとしたことであっても逮捕するということになれば、野党が国民にかわって意見を代表して国会において正々堂々と正しい審議をしようというふうな、そういう審議権をじゅうりんすることになる。そうして国会は三権分立ですよ。国会は最高決議機関であるのだが、警察権力が国会の権限を侵犯することになるのだ。これは与野党の問題ではない、国会の問題だ。そういう誤った一連の——まだたくさん法律上、事実上の見解を指摘することはできるけれども、ずっと誤った独断的な判断を基礎として、そうしてあたかも楢崎代議士が不法なことで——最初のときに誤って制止しておいて、その中にぶち込んだような、そういうかっこうで罪をつくり上げて、そうして逮捕する、逮捕が当然だ、そんなことをうそぶくということに至っては、これは民主主義の国家じゃありませんよ。李承晩の野党に対する態度と同じではないか。これは私は冷静に事実を究明すべきであると思う。そういういままでの一連の答弁に対して、われわれは絶対承服しませんよ。そんな警察の答弁で、しかも一線に行っておった警備課長を見てごらんなさい。どんな独断的なでっち上げの答弁をしているか。わしが言ったことで、江口長官が答弁されたことでひっくり返ったことがたくさんあるじゃないですか。何のために行っておったのだ。そういうことで会期中の審議権や身体が不安になるようなことがあったならば、絶対に国会は成立しない。これは一党一派の問題ではないんだ。きょうはいま国務大臣がおられませんけれども、もう十分くらいで帰るんだし、絶対に許しません。江口長官の見解をひとつ聞かしてもらいたい。

江口俊男警察庁長官

○江口政府委員 お答えをいたします。  国会議員の不逮捕特権と申しますか、憲法の精神というものについては、もちろんわれわれも十分承知しております。しかし、先ほど来の御論議を伺っておりますと、私たちの聞いておる状態と、それから議員さん方からおっしゃる状態との間にかなりの食い違いがある。したがって、このことの事実関係については、これは意見の違うところは別として、どこまでもきっちりすべきものだということで、私は御指摘のことの点については、われわれの聞かないことがあればなおよく調べますということを申し上げたのでありまして、後藤田局長なり後藤課長が言っていることが違っている点があるというふうに、私は現在はもちろん考えておりません。しかし、足らないところがあることがあるいはあるのかということでなお念を入れたい、こういう所存でございます。したがいまして、そういう事実がささいであるのにやったとか、あるいは重大であるかというようなことは、これは事実の問題でございますから。私たちとしてはそういうささいなことじゃなしに、やはり公務執行妨害というはっきりしたものがあったので、警察官はこれを逮捕したのであろう、こういうふうに信じておるわけであります。

大原亨日本社会党

○大原委員 いまの御答弁ですけれども、後藤課長の説明と江口長官の答弁は議事録を見ればはっきりするし、いまの答弁でも事実の食い違いを認めている。したがって私は、こういう前提のもとにおいて重要な楢崎代議士の逮捕事件というものがうやむやに葬られるということについては、絶対に了承できない。これは国会の権威と国民主権の立場において絶対に了承できない。私は、現地における中里巡査、それから警察署長、次長、斎藤課長、そういう人々をすべて含めて、ここで対決をして、事実を究明して、楢崎委員も出席させて、そしてここで事態を明らかにして、是は是とし非は非として、うやむやに葬ることなしに審議を尽くさなければ、われわれの責任を果たすことはできない。証人として私は喚問することを委員長に要求いたします。

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 その問題は、よく理事の間で打ち合わせをいたしまして結論を得たいと思います。御了承願います。

大原亨日本社会党

○大原委員 そのことが、議運の答弁においても、けさからの吉武国務大臣の非常に不遜な答弁においても、全部関係があるわけですから、そのことの事実を究明をするということ、お互いに虚心たんかいに冷静に究明をするということが、事態を明確にして、そうして警察権力がファッショであったかどうか、われわれの国会に対しまして不当な警察権力の侵害をしたのかどうか、不逮捕特権の問題、憲法の問題と関連をして、そうした議論だけでなしに、事実に基づいて徹底的に究明することでなければ議事は進行しない、私は、そういうふうに考えますから、証人を直ちに招くという理事会その他開会の手続をとっていただきたい。これを委員長に強く要求いたします。

森田重次郎自由民主党

○森田委員長 それぞれの手続を経た上、結論を出したいと考えます。暫時休憩いたします。    午後五時五十八分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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