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47回国会衆議院1964/12/16

大蔵委員会 第3号

発言数
138
登壇者
14
会派数
2
開催日
1964/12/16

会議録

吉田重延自由民主党

○吉田委員長 これより会議を開きます。  国の会計、税制、金融及び外国為替に関する件について調査を進めます。  質疑の通告があります。これを許します。武藤山治君。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 大臣がお見えになっておりませんから、その前に私たちの検討する資料として、そういう立場からひとつ通産省のほうにお尋ねをいたしますが、ここ三十九年度の輸出輸入の実績、できれば地域別に、ヨーロッパ、アメリカ、東南アジアあるいは共産圏、そういうような数字をまず明らかにしてもらいたいと思います。

仲田嘉夫通商産業事務官(通商局通商調査課長)

○仲田説明員 お答えします。今年度のわが国の輸出につきましては、海外市場が非常に順調に推移したことと、国内的には商品の国際競争力が強化いたしましたことを背景にいたしまして、さらに企業の輸出意欲が非常に向上したということも加わりまして、実績の数字でまず申し上げますと、本年の四月から十一月までに約四十五億八千万ドル、これは通関ベースでございますが、前年同期に対しまして約二四%伸長をいたしております。  それから次に実績について申し上げますが、輸入につきましては、高水準ながら年初来漸次鎮静化をいたしておりまして、これを四半期別にちょっと申し上げますと、四月−六月では前年同期比で二一・八%上回っておりましたものが、七月−九月には約九・五%、九月−十一月間では八・八%というふうに伸び率が非常に落ちてきておりまして、四月から十一月までに、通関ベースにいたしまして五十二億四千万ドルというふうな、対前年同期比一三・三%程度の伸びを示しております。したがいまして現在十一月までの実績を見ますと、輸出が非常に伸長しているということと、それから輸入が鎮静化しておるということに対応いたしまして、為替ベースの貿易収支は七月黒字になりまして、以後十月まで統計が出ておりますが、貿易収支の黒字が続いております。さらに今年度一ぱいの見通しでございますが、私どもが現在想定いたしておりますところでは、輸出が、通関ベースにいたしますと大体六十九億ドル程度ではなかろうか。それから輸入につきましては通関ベースにいたしますと大体八十一億八千万ドル程度、これをそれぞれ前年度に比べますと、輸出が約二二・三%ふえております。輸入が約一二・九%ふえておるという形になろうかというふうに思っております。  それからお尋ねの地域別の動向等でございますが、これは現在手元に一九六四年の一月から九月までの数字しかございませんので、それで御了承いただきたいと思っておりますが、ことしの一月から九月までに輸出は全体で約四十六億ドル出ております。その中で一番多いのは北アメリカ州でございまして、約十五億九千万ドルであります。その次が東南アジアを中心とするアジアでございまして十三億七千万ドル、それからあとはだいぶ小さくなりますが、ヨーロッパが六億三千万ドル、あと以下アフリカ、共産圏、大洋州、南アメリカ、それぞれ二億ないし三億ぐらいの数字であります。  それから同じく商品別の輸出でございますが、これにつきましては商品の区分けは大分類になっておりますので、御了承いただきたいと思いますが、今年同じく一月から九月までの数字を見ますと、全体の輸出額は四十六億一千万ドルでありますが、そのうち機械類が十三億一千万ドル、これが一番大きいものでございます。その次に繊維品、これが九億九千万ドル、それから鉄鋼を中心とします金属品、これが八億一千万ドル、あとは食料品、化学品、非鉄金属品等で二億程度の数字になっております。  大体以上でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 そこで特にいま政治的な問題になっておるのは、金融緩和の方向と輸出の動向あるいは輸入の動向、もちろん国内の生産指数やあるいは原材料輸入、在庫等の調整というようなものも、金融政策を立てる上で非常に大きなファクターになるわけでありますが、特に私がいまお尋ねしたいのは、これらの各地域別の輸出のバランスを見ますと、ヨーロッパの金額は六億三千万ドルですから、そうたいした金額ではありません。しかし、日本の国際収支を考える場合には、六億三千万ドルの中身が動くことによってもかなりの影響を受けるわけです。  そこでさらに具体的にお尋ねをいたしたいのは、本年の六月にオランダ、デンマークが公定歩合の引き上げをやり、さらに七月にはスイスとベルギーが公定歩合の引き上げをやったわけであります。この四カ国が六、七の二回にわたって公定歩合を上げることによってヨーロッパ向けの輸出の動向というものに微動かもしらぬが何か変化があったかどうか、輸出のこれらの四カ国の動きというものはどうであったか、この辺の通産省の検討の数字はどうなっておるか、それをひとつお尋ねいたします。

仲田嘉夫通商産業事務官(通商局通商調査課長)

○仲田説明員 お答えいたします。ただいま御質問のございましたオランダ、デンマーク、それからスイス、ベルギーの公定歩合の引き上げの影響でございますが、これらの国の数字を見ますと、公定歩合が上がりました翌月には若干減っておるようでございます。ただしその後再び盛り返しておりまして、最近の九月ごろまでの数字で見る限りでは、それほど大きい影響を受けていないように思います。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 それほど大きい影響は受けていないという——国も小さいですから取引額も小さいと思いますが、しかしその国別にわかりますか。大体どの程度輸出が減ったか、その数字はどの程度になるかわかりますか。もしわかりましたらそれも発表してもらいたいと思います。

仲田嘉夫通商産業事務官(通商局通商調査課長)

○仲田説明員 恐縮でございますが、オランダとベルギーの数字しかございませんので、それでごかんべんいただきたいと思います。  オランダでございますが、今年の五月に六百万ドル出ておりましたのが、六月に五百九十万ドル、七月に五百万ドル、八月に五百三十万ドル、九月に五百六十万ドルという形になっております。それからベルギーでございますが、ベルギーは六月に三百万ドル、七月が三百二十五万ドル、八月が四百四十万ドル、九月が三百九十六万ドル、大体そういう数字でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 公定歩合が上がった国に対する日本の輸出という点から考えると、いまのオランダ、ベルギーは非常に購買力の小さい国でありますからさほど影響がない。ベルギーのほうは幾らかほんのわずかでありますが輸出が減ってきている。今度イギリスが二%引き上げをし、アメリカも引き上げをした。こういう公定歩合の引き上げを大国あるいは先進国がした影響というのは、ベルギーやオランダの比ではないと考えられるわけですが、一体あなたたちそういう専門の担当をされておる方は、イギリスの公定歩合とアメリカの公定歩合の引き上げが、日本の輸出力にどういう影響を与えるだろうか、その見通しなり、その引き上げ後における動向というものから参酌して、どのような見通しを持たれていますか。

仲田嘉夫通商産業事務官(通商局通商調査課長)

○仲田説明員 イギリスの十一月二十三日の公定歩合二%引き上げ、それからアメリカのすぐ追随する〇・五%の引き上げ、この影響でございますが、まずイギリスにつきましては、一九六三年度で日本の輸出額は約一億七千四百万ドル出ております。これが公定歩合が引き上がることによる影響でございますが、この公定歩合引き上げによりまして、イギリス自体の輸入購買力というようなものがどの程度減少するかが問題でございますが、トータルの金額からいきますと、一億七千四百万ドルに苦干の影響が出るということになるかもしれませんが、全体の輸出量のウエートから見る限りにおきましてはそれほど大きい影響はないんじゃないかと考えます。ただアメリカでございますが、アメリカは御承知のとおり日本の輸出のウエートが非常に大きいわけでございまして、一九六三年度の輸出額は十五億四千六百万ドルくらい出ております。それでこれの影響が一番問題になろうかと思いますが、私どもが見る限りにおきましては、まだアメリカの四十数カ月続いております好景気は現在もなお持続しております。いろいろ来年度になったらその景気が鈍化するんじゃないか等々の見方がございますが、現在輸出の信用状等にあらわれております先行指標等から推察いたします限りにおきましては、まだそれほど当面は心配するにあたらないのではないか、そう考えております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 当面はまだそう心配することはない、その当面というのはいつまでかわかりませんが、来年の二月、三月の時点、このころがいま金融を大きく緩和しようかどうかということで大蔵大臣が非常に思案にくれている時期なわけですね。その時期までは去年のアメリカ貿易の実績から見て二月、三月、四月、このころは一体従来よりふえるという見通しが立てられるか、減るという見通しが立てられるか、その点はどうでしょうか。

仲田嘉夫通商産業事務官(通商局通商調査課長)

○仲田説明員 私の現在の見通しといたしましては、アメリカ向け輸出は本年に入りまして大体二〇%程度伸びておりますが、これが来年一−三月にどうなるかということにつきましては、はっきりした確信はございませんが、景気が来年上半期それほど鈍化しないということになりますれば、来年一−三月も大体本年のいままでの二割程度の伸びは続けられるのではないかというふうに考えております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 輸入のほうの動向はいかがでしょうか。輸出入のバランスというものが輸入の減退によって維持されておる。先ほどの発表によると、今年四月−六月が前年比二一・八%、七−九月から十一月にかけて九・五%とがくっと輸入が減ったわけです。これはもちろん金融引き締めの効果が浸透してきたもので、政府の施策の影響でこうなってきたと思うのです。そこでいま輸入原材料の在庫率というものが非常に減ってきたと思うのですが、また一、二、三月ごろざあっと輸入が増勢に転化するのではないか、こういう心配があるわけでありますが、その点についてはあなたはどう判断されますか。

仲田嘉夫通商産業事務官(通商局通商調査課長)

○仲田説明員 ただいま先生の御指摘のとおり、四月以降輸入の水準は漸次鎮静化してまいっておりまして、大体十月の在庫率指数では三十五年を一〇〇といたしまして七二・五くらいまで減ってきております。ただ、今後どうなるかということでございますが、私どもの見ますところでは現在のこの七二・五という在庫の水準はそれほど輸入原材料その他の在庫から見まして低過ぎる水準ではない。それと申しますのは、最近は在庫管理技術の改善が非常に進んでおりますことや、それから原材料が輸入の自由化をいたしておりまして、いつでも引き合いをいたしますればすぐに入ってくるというような状態にありますので、これが再びこの指数がどんどん上がっていく、要するに在庫積み増しが行なわれるという必然性はないと考えております。したがいまして私どもの来年の一——三月の見通しといたしましては鉱工業生産がどうなるかによるわけでありますが、鉱工業生産も最近落ちついてきておりますので、大体その鉱工業生産の水準に従っていまの比率で動くのではないか。そう考えますと、明年一——三月の輸入水準はそれほど高いものにはならないというふうに考えております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 それほど高くないというのはこの七月——九月、あるいは九月——十一月期の前年同期九・五なり八・八という水準が維持されるのか、それとも四月——六月期の二一・八%という水準程度に回復されるのか、この程度というのはどの程度のことなんですか。ここらは非常に私どもが聞きたいところなんです。それによって金融緩和の方向が抜本的にどういう方向に行くかという一つのバロメーターになるわけですからね、そこらの指数はどうなるのですか。

仲田嘉夫通商産業事務官(通商局通商調査課長)

○仲田説明員 例年一ないし三月は輸入のふえる月でございますので、量としては現在の水準よりもふえることは間違いなかろうというふうに考えております。ただ対前年同期等から見ますと、私どもの現在の想定では大体一〇%から一二%くらいのふえ方ではないかというふうに考えております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 一〇%か一二%という前年比比較で輸入が位置を占めるだろう。その根拠は、いまの金融引き締めがずっと引き続いていったという想定のもとで輸入が押えられておるからだ。あるいは別な要因があって、鉱工業生産がもう過剰生産になってきた、あるいはその他特に輸入原材料を必要とする企業が非常に過剰になってきたので、さほど生産が活発にならないという見通しなのか、要因はどちらにあるのか、あなたたちの判断で要因はどちらにあるのですか、どちらを考えていますか。

仲田嘉夫通商産業事務官(通商局通商調査課長)

○仲田説明員 私どもといたしましては、先ほども申し上げましたが、現在の在庫水準というのは、最近の管理技術の改善なり、それからいつでも買えるという状態から見まして、それほど低過ぎるものとは考えていないわけでございます。したがいまして、大体これくらいが一番在庫の量としては効率的な量であろうというふうに考えております。したがいまして来年の一−三月におきますこの伸びにつきましては、まあ生産等とにらみ合わせて大体このくらいであろうというふうに想定をいたしております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 そうすると生産の伸びと比較して、この程度の輸入原材料が妥当であろう、こうあなたおっしゃるのですが、一体生産の伸びというのはどういう伸びを示しておるのか、これもひとつ聞きたいところなんです。なぜならば、あなたさっきおっしゃったのは、三十五年を一〇〇と仮定をした場合、現在の在度率は七二・五%だ、われわれしろうと考えで見ても、昭和三十五年の日本の生産力と昭和三十九年の生産設備力では、これはえらい違いがあるわけですからね。それが三十五年と比較して七二・五の原材料の在庫率で妥当だというその根拠ですね。ここがちょっと聞きたいところなんです。

仲田嘉夫通商産業事務官(通商局通商調査課長)

○仲田説明員 ちょっと舌足らずで恐縮でございましたが、私が七二・五%と申しましたのは、昭和三十五年の在庫の絶対量の七二・五%という趣旨ではございませんで、在庫率指数と申しますのは、在庫の指数を消費の指数で割ったものでございます。したがいまして生産量がふえた分につきましては、それを反映しておるわけでございますので、三十五年の在庫といまの在庫で三十五年のほうが多いという趣旨ではないわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 だから私はこれからの生産の伸びと比較して、その指数が七二・五%程度で推移することが好ましい、妥当だ。そう言うからには、生産指数がどういうふうに変化していくか、どういう見通しを立ててそういうことを言っているのか、それを言わずに、ただできた現実だけを比較して、七二・五%、七二%なら間違いない。それは科学的じゃないです。そこらを少し科学的な根拠を明らかにしてもらわぬと、説得力がありませんね。そこはどうですか。

仲田嘉夫通商産業事務官(通商局通商調査課長)

○仲田説明員 お答えいたします。輸入の見通しを立てます際に、具体的に来年の一月から三月までどうかという点につきまして、正確な計算をすることは非常に困難なわけでございまして、私どもが一応そういう想定を立てましたのは、三十九年度の見通し、これは鉱工業生産を大体一五%くらい伸びると想定いたしまして、先ほど申し上げましたように、八十一億八千万ドル程度入ってくるであろう。それに四月から十一月までに、大体五十二億四千万ドル入っております。さらに十二月、これは例年ふえる月でございますが、十二月には七億ないし七億三千万ドルくらい入ってくるのではないかという勘定をいたしております。したがいまして四月から十二月まで、一、二、三、四半期におきまして、大体五十二億四千ないし七千万ドルくらい入るだろう。先ほど鉱工業生産の伸びと申しましたのは、一応鉱工業生産の三十九年度見通しを一五%と立てまして、八十一億八千万ドルを出したわけでございますので、八十一億八千万ドルから十二月までの教字を差し引き計算をいたしますと、通関ベ−スで大体二十二億二千ないし四千万ドルぐらい輸入が入ってくることになる。これを前年同期と比較すると、大体十一、二%アップになる、こういう趣旨でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 通産省だけ質問していますと先へ進みませんから、また関連をしてお尋ねをいたしたいと思いますが、銀行局長にお尋ねをいたします。  預金準備率の引き下げ解除が行なわれてだいぶ不況ムードを緩和しよう、金融引き締めから解除の方向にひとつ空気を持っていこう、こういう意図から昨日そういう措置がとられたわけでありますが、大蔵大臣は三月ころには何とか、今度は公定歩合に手をつけるのだ、こういうにおいをだいぶ新聞で発表しておりますが、あなたは日本の金融政策の最も土台から築くプランをつくる担当者として、一体いまの金融引き締めの状況を大臣がおっしゃるように、簡単に国民に印象を与えていい状態であるかどうか。そういうために私はいま輸出入の情勢を少し検討してみたいと思ったわけでありますが、率直な局長の、いまの非常なジレンマにおちいった今日の金融政策の状態のときに、一体来年三月ごろには公定歩合の問題も引き下げできるのだろう、こういうことを発表して業者に投資熱がまたあおられるような心配がないのかどうか。あなた担当官としてどんなような感じを持っていますか。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 金融政策は、特に民間経済を中心とした調整衆になるわけでございまして、財政がそれ以外に独立したものとして存在しておるわけでございます。いまの経済情勢をいろいろこまかく議論すると非常に長くなりますので、簡単に申しておきますと、今回の景気調整策は当初から私は非常にむずかしいものだと思っておりました。企業が非常な好況感にある場合にとかく経済の行き過ぎは起こるものでございますが、今回の場合はそれほど好況感がないままに、引き締めに返らざるを得なかった。今日のように非常にむずかしい、どっちを向いていいのかわからぬようなむずかしい状態にあるということは、ある程度予想されたのであります。特にその中で今回の調整で目立ちますのは、生産が思ったほど落ちない。十月までのところでも、依然として二八%前後の高さになっておるということは、前回あるいはそれ以前にとられました景気調整策の場合とは、だいぶ様子が違っております。何ゆえに生産がそれだけ高いかということにつきましては、一つはやはり最終需要も全体として水準が高い。したがいましてまた財政等を中心として、あるいは消費もそうでございますが伸びている。前年に対して一〇%以上が伸びている。そういう財政需要の高さが一つの原因でありますが、同時に輸出が予想外に伸びたことも生産を伸ばしている原因でもございます。どの程度のわりあいになるかということは計算困難でございますが、十数%伸びておるうちの何割かは、輸出の伸びによるものでありまして、この点はまことにやむを得ない。しかしそれだけの量的な繁栄を続けながら、会社の業績は低下の一途をたどっておる。最近の会社の業績は非常に芳しくありません。中には倒産のようなことになるものもございますが、もっともこれらにつきましては、特に最近において悪くなったというのではなくて、かねてから実は悪かった、それを隠してきた。この段階にきて表面化したというのが大部分であるように私は思います。急に金詰まりによって表面に出ざるを得なかったということはわかりますが、業績の悪化そのものは、それ以前からの原因で、しかも以前から実際にあったということが言えると思います。ですからそういった局部的なことを申しては何ですが、現象のみに目を奪われて、金融を緩和しなければならぬというふうにあせりますと、いまの深い病根がなおらないうちに、再び非常に安易なムードを盛り上げることになる。その点私どもはたいへん心配であると思います。つまり生産が非常に伸びて、量的な繁栄があるにかかわらず、会社の体質は非常に弱化してきておるという点、これの病根を除くにはどうすればいいか。むろん金融引き締めだけでそれを達成しようとすることには、私は無理があると思いますが、少なくとも民間経済界において、まだまだ何か金繰りで切り抜けようというような安易な気持ちが残っておることは否定できません。いまは過当競争などに対しても相当反省気分が生まれて、何とか自主的に調整していこうというような空気がありますけれども、しかし会社の体質をいかにすれば改善するかという点についての真剣な努力は、まだまだきわめて不十分じゃないかと思うわけです。目下こういう気持ちの問題のほかに、いまの話にもございましたが、生産がどの程度の高さでまた続くのか、それからそれが輸入に直結するわけでございます。先ほど在庫率の問題がありましたが、在庫率としては低くなってもそう含みはないと思いますが、しかしそれだけに生産を規定するものは、在庫の変動ではなくて、最終需要の強さでございますから、それがまだまだ急に落ちるというところまでいっていないというふうに判断されますので、ここでは一般的に金融の緩和のみを期待するような空気に対して、安易に答えてはならないというふうに思うわけでございます。しかし現実に会社が金詰まりが直接ではないにしても、倒産その他がふえていくことについては、国民の側からすれば、はなはだ不満があるのでございまして、そういうのをある程度やわらげながら、しかし基本的な態度としては、引き締めの基調をあまり大きくはくずさないというほうが賢策ではないかというふうに思っております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 銀行局長の判断はまことに慎重で妥当な判断だと思います。いまの緩和ムードを安易にあおるということは、日本の経済体質全体の上から見て、非常に将来大きな禍根を生むような心配がまだあると思うのです。特に、国際収支の面、あるいは物価騰貴の面、それがいろいろな面にはね返ってくる経済体質を持っているわけでございますから、どうも大臣があまり軽率に、今度は公定歩合だ、三月ごろには何とかだという、このあおり方というのは、逆に私は、輸入の動静も通産省で考えているような動静にいかなくなってしまって、これは資本主義経済なんですから、業者がばたばたまたそのムードにあおられて、計画が全部くずれるという心配もあろうと思うのです。したがって、いまの銀行局長の判断は、非常に慎重でけっこうだと思うのでありますが、ただ、公定歩合の操作をすればストレートにその影響が企業に反映するかというと、日本の場合はどうもそうなっていない。したがって、選別融資というものがいま非常に強化され、選別融資によってコントロールがなされている。こういう情勢ですから、これはやはり公定歩合をいじるよりも、選別融資の仕方、特に中小企業に対する融資の態度、こういうものをもっと私は、きめこまかく検討する必要があるのではないかと考えますが、その点について銀行局長、どんな指導方針をお持ちですか。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 これからいずれにいたしましても、金融はいつかは緩和するような環境をつくらなければいけません。しかし日本では、金融緩和がありますと、大体いまのお話ですと、すぐには公定歩合は響かないとおっしゃいますが、引き下げ方によりましては、大体半年くらいすると、逆のムードが出てくるというのが通例でございます。そういう場合に、いま中小企業とおっしゃいましたが、やはり私は、一番注意を要するのは、大企業の動向であろう。こういう大企業を中心として何らか健全な融資のルールを確立しておかないと、緩和した場合に困るということ、これをただいま金融制度調査会において御審議願っておるわけでございます。一方で、それらにつきましては、ですから、急激に大企業向けの貸し出しが増加する、そういうことが口火となって全体に波及するということでございますから、これをチェックする方法を考えておるわけでございます。中小企業につきましては、私は、一言で中小企業と言っても、非常にその態様も多く、数も非常に多いわけでございますので、中小企業全般について金融のあり方ということをかくあるべしというふうに簡単には申せないと思いますが、一般に、最近の倒産等の例に見ますると、大体過去における非常に高い伸び率をもとにして設備等を拡充する。最近では、人手不足のためにいやおうなしに機械化を迫られるという点もございます。そういう場合に、えてして、運転資金の増加分というふうなことをあまり考えていない。設備をとにかくやってしまって、そしてあと売り上げが伸びたら何とかなるだろうというふうに思っているのですが、かなり流動性を持っておった中小企業が、設備に金を固定し過ぎたために、運転資金に詰まったという例がかなり多いようでございます。私は、そういったことにつきましては、大企業のみならず、中小企業につきましても、新しく設備を行なおうとする場合に特にそうでございますが、その後における運転資金をあわせて十分用意した上でかかるべきである。その見通しなくして拡張に踏み切るということが、結局、命取りになるというふうな感じがいたしますので、設備だけを切り離してそのよしあしを論ずるということでなしに、総合的に資金繰りを十分見通した上でやるように、また、金融機関としても、そういった点に着眼して融資をする。そうすれば、けが人もあまり多くなくて済むんじゃないかと思います。ただ、いたずらに、設備の拡張に対して親切に金を貸してやることだけが中小企業の対策にはならない、私は、そう思うのでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 なかなか銀行局長、いま重大な意味を含んだ発言でありますが、なぜ中小企業のおやじが設備投資に狂奔をし、回転資金まであまり気をとらわれずにどんどん機械を入れかえ、工場をつくれば何とかなる、そういう考え方になったか。一番の問題は、これが問題なんですね。その元兇、責任者はだれかといえば、政府ですよ。池田さんは、一年間九%ずつ経済は成長するんだ。十年間で倍になるんだ、こういう発表を再三国会の答弁の中でも、新聞記者会見でも、遊説に行ってもしゃべっているわけです。企業家の倫理感というものはどうなるかといえば、総理大臣が十年間所得倍増、年九%というんだから間違いないだろう、さあ競争に負けまいとあせるのは当然でしょう。設備競争に狂奔するのは当然でしょう。資本主義というのは、各人各人の企業家の倫理感、すなわち、自分たちが生産をすれば、まじめに倫理道徳にかなった行ないをしてやっていけば、どこかで神様の手によって導かれるんだ、うまく調和がとれるんだという理念が、資本主義の根底にあるわけなんですから、その理念を、九%という数字によってぶちこわしたわけですよ。企業家に、経済は循環するんだということを忘れさせたわけですね。ですから、私は、企業家だけの責任であるといってこれを責めることは、少々どうも政治をつかさどるものとしては無責任だと思うのです。そういう結果から生まれたひずみなんですから、今日の中小企業の苦しさなんですから、これは当然国が、今度はこうかじを変えなきゃいかぬ。でなかったら、どんなちっぽけな社長でも、社長と名のつくものは、国が一回教育をする。何かいままでの考え方というものを変更させないことには、責任はおまえたちにあるんだ、つぶれるものはやむを得ないんだということでは、これは済まされない、私はそう思うのです。しかしあなたは直接政府批判はできませんから、その問題についてあなたから回答を聞こうと私は思いませんけれども、とにかくそういう姿なんですから、中小企業問題を政府の責任において、どうこれを、どの程度まで救えるかということを真剣に考える必要があると思うのです。私らから見ると、まだいまの自民党政府は真剣でありません。そこで私は、具体的に大蔵大臣の国会における答弁あるいは提案理由、そういうものの端々から私が受け取った対策は何かというと、大蔵大臣は、まず、手形法の改正をやる、銀行法の改正をやる、下請代金支払遅延等防止法の改正をやる、歩積み両建て問題を取っ組む。もう一つは、融資を打ち切った銀行と業者との関係——つぶれた業者ですよ。つぶれた業者になぜ銀行が融資を打ち切ったかという詳細な報告を銀行局に集めているという答弁をしました。私は、これらの問題について具体的に一つ一つ、銀行局はどういう検討をしているかということをお尋ねしてみたいと思うのです。  まず、最初は、手形法の改正のねらい、骨子、内容は、大体どんなものを改正しようとしているのか、そこらをひとつお尋ねいたします。担当は銀行局じゃないんですか。なかったら、担当の方にひとつそれを回していただきたいと思います。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 手形法そのものは、銀行局の所管ではないと私は思いますが、金融にからんでおりますので、大蔵省としては私のほうが担当するようなことになりますが、手形法そのものの主管は法務省でございます。ずっと以前にも、私は、法務省に向かって、何か不渡り手形について制裁の手段が政治的に考えられないかということを申し入れておりましたが、法務省の見解としては、たいへんむずかしい問題であるということでございます。つまり、手形法そのものは、私、専門でございませんが、わりに各国共通とも言っていい法体系になっております。非常にめんどうな法律でございますが、手形の流通を促進するというのがその法の精神なんであります。手形というものは、各人があたかも紙幣を発行するがごとく、それが一定期間流通することになっておるわけでございますが、しかし日本では、これがとかく乱用されているという事実が多いんではないか。初めからほんとうに払う意思があったかどうかが疑わしいような手形も出ている。御承知のように、融通手形もあるというふうなことで、手形が非常に安易に乱用されるがあまりこれの被害者も少なくない。不渡り手形の枚数は、御承知のとおり、非常に多いのであります。また、そのために制裁手段として、銀行取引の停止を食うというものの数も、東京だけでも何千人に上っておるわけでございます。しかしこれらの中を見ますと、一ぺん取引停止を受けながら、別の会社をつくってまた再び銀行取引をする例もございます。これにつきましては、私どもいま銀行協会にその制裁手段を強化することについて研究をさせております。近く成案を得るものと思います。非常に手ぬるい。というのは、最後には中小企業の中に半ば意識的に手形を出して品物を買い取り、これを別途に処分いたしまして自分のふところに入れて倒産するという計画倒産がございます。こういったものは金は持っておるわけでございます。倒産しても、会社が倒れても相手に迷惑をかけただけで自分は金を持っているという例があります。この者がまた会社をつくることは非常に容易でございます。それで銀行取引を始める。一向に痛痒を感じない。したがいまして、これらにつきましてはある程度証券取引法で取引の停止を受けたその会社の責任者は、他の証券会社をつくって責任者になって登録しようと思っても、それは拒否できるということになっておりますから、こういった式に、銀行取引停止も悪意の不渡りを出した人には実質的に制裁が及ぶようにというふうなことを厳重にやっております。そういう方向で研究を進めております。一方で、法務省に対して刑事罰を適用する方法は考えられないか。刑事罰となりますと、そういう経済的な制裁と違いまして体刑まで及ぶものでございます。これは外国にはある程度例があるのです。しかしアメリカのようなところでは、手形という制度はほとんど使われていない。小切手の支払いが多いわけであります。小切手ですと一覧払いが多うございまして、一覧払いをするのですから、振り出すときに残高がなければ、これは初めから悪意があると見なされる。支払う意思がなくて小切手を切ったということになりますから、調査は非常に簡単でございます。手形の場合ですと、九十日後に、はたしてそのときに支払いの当座預金があるかどうかわからないわけであります。それを最初から支払う意思があったかなかったかということをきわめることは、人間としてはほとんど不可能に近いのじゃないかというふうな点がやはり実際問題としての難点である。一つは、根本的には手形の流通を促進するのが手形法の精神であるのに、その手形についていろいろ刑事罰を設けることは、それとだいぶ触れるところがある。各国の制度などももっと厳重に調べてみないと、簡単に請け負えないというのが実態であろうと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 政務次官にちょっとお尋ねしておきますが、大蔵大臣は再三、速記録を見ても十数回にわたって手形法の改正をやる、しかも通常国会に提案すると言っているんですよ。私の質問にも予算委員会でそう答えているわけです。したがって、大蔵大臣は諸般の情勢を検討しての上でそういう発言をされたものと思いますから、手形法の改正案を通常国会に出すという約束がほごにされないようにひとつあなたも督励をし、大蔵大臣が言外にしたことは、速記録に載ったものは必ず実行するという決意を——政務次官、いまの答弁を聞いておってどう思ったか知りませんが、あなたの心境をひとつお伺いしておきます。

鍛冶良作自由民主党大蔵政務次官

○鍛冶政府委員 大臣自身どのような研究をしておられるか知りませんが、いま言われたような方法で研究しておられる。銀行局のほうでも研究しておることは間違いございません。それからいま言われたように、制裁ということになるとこれはもっぱら法務省の関係でございます。この間商工委員会へ呼ばれてそのことを私は答弁いたしました。大体いま銀行局長が答弁されたようなことでございますので、よく聞いておきまして、研究しておられることだけは間違いないわけでございます。しかしなかなか容易じゃございません。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 その最終的な結論は大蔵大臣でないと、信義をどこまで守るかという人柄のことにも関しますから、これはやめます。  その次に銀行法の改正のねらいですね。銀行法を改正すると大蔵大蔵は再三言っておられるわけですが、どういう点、何をねらいとして改正しようとしておられるのか、これは銀行局長の担当ですね、ひとつ御答弁願います。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 銀行法の改正をしたいという気持ちを大臣が持たれていることは事実でございます。ただし銀行は、日本銀行法につきましても二年、三年かけて金融制度調査会で検討した問題でございます。銀行法ということになりますとやはり相当な検討期間が必要ではないかと私は思います。だからすぐ国会に出すというふうな簡単な仕事ではないと思います。その銀行法について、どういう点に改正を要するような点があるかということは、したがいまして私ここで直ちに申し上げることはどうかと思いますが、大づかみな感じを申し上げますと、いまの銀行法は昭和二年、ちょうど昭和の金融恐怖の起こった時点とほとんど同じ時期にこの国会を通っているわけでありますが、非常に銀行が乱立しておった、これを整理統合する必要がある。当時千数百の銀行を数えておりましたが、これを合併させるというのが第一のねらいだったと思います。法文の上ではちょっとわからないのですけれども、資本金の最低限が書いてございますが、最低限を書いておきまして増資を認めないという方法をとったわけです。歴史の話になりますが、そういうことでいや応なしに合併するようなことをやって、その結果銀行数は非常に減ったわけでございます。それが今日大体においては一県一行ないし二行でございまして、銀行の基盤が比較的強いというふうになった一つの原因であると思いますが、もう一つは、その当時の銀行経営のあり方等から見て、預金者保護に徹しなければいかぬ、預金者保護ということが何よりも銀行の大事なことであるということで、そういう精神だけが織り込まれております。今日になりますと、預金者保護ということが銀行の生命ともいうべきものであるという点においては何ら変わらないのでありますが、銀行の営む活動は日本の民間経済に対して非常に広範な、深い影響を持つものである。経済の変動その他も銀行の態度等によって相当変わるものでございます。これは御承知のとおりだと思います。そういたしますと非常に多額の資金を擁して、企業の生命をさえ制するというふうな、銀行といたしましては当然にその社会的責任あるいは経済的責任というものを感じなければならぬし、そういう観点で資金の運用をしなければいかぬ。資金運用面におきましては銀行法は何ら触れるところはございません。外国の法律は、やはりきわめて自由な立場をとっておるのが一般的でございますが、大口貸し出しは制限するというのは大部分でございます。これは大体においては金額制限というのは、銀行の自己資本のある割合をこえたものは大口として仕分け、これを禁止する、あるいは認可制にするとか、中央銀行の承認が要るとか、そういう制度がございますが、日本にはそれもございません。したがっていまの銀行法は、運用面については完全な自由態勢となっております。それは今日までの銀行の日本における、ことに日本経済に占める地位から考えて適当ではないのではないか、少なくとも運用に関する何らかの理念を織り込むべきである。そうしてわれわれのやっておりますいろいろな行政指導——自由とはいいながら実際はいろいろ行政指導を行なっておりますが、そういう行政指導に対して法的な裏づけがあったほうがいいのではないか、こういったばく然とした考えがございます。それらにつきましては統制経済にいくかいかないかというような分かれにもなりますので、どの程度のものを織り込むかということについて、長い、相当深い検討が必要であると私は思います。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 私がなぜここでそういう質問をしているかというねらいは、私のほうから申し上げますと、中小企業救済対策としてこれをやるという大蔵大臣の答弁なのです。そうするといまの答弁では、日本の経済運営そのもの、銀行の性格そのものに社会的責任というものを付加したり、そういう体系を、ひとつこの際行政指導のものを法的に裏づけていこうという抜本的な立場から考えておるわけですね。そうするとこれは中小企業対策として手形法の改正と銀行法の改正をやるのだなという錯覚を、国民に答弁を通じて大蔵大臣は与えているわけです。一体この二つの法案の改正が直接的に中小企業救済にどういう役割りを果たしますか。ないならない、どうですか、その辺の銀行局長の答弁は。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 銀行法というものを中小企業対策のために改正するというのはいささかちょっと見当が違い過ぎるのじゃないかという感じが私はいたします。銀行法はいま私が申しましたとおり、もっと広い視野に立って検討すべき問題で、中小企業対策としてならば、いまの相互銀行、信用金庫、そういったものの融資のあり方、これは私はいまの状態に満足しているわけじゃございません。量的に申しますと、相互銀行などコールをあまりふやしてもおりませんし、貸し出しの比率もかなり高うございます。しかし多く貸しているからそれでいいのだということにはならないわけでございます。私どものほうにも、非常にむずかしいのでございますが、どちらかといえば国民経済的に見てやや不要、不急とみなされる方面に対する貸し出しが多い、そのためにわりあいに重要と思われる中小企業への金融が不十分であるという点が感ぜられます。こういった点は行政指導でも私はできると思いますが、逐次改めさせていきたい、それがほんとうの中小企業金融じゃないかという感じがいたします。利益があがればいいという観念で運用されては困る。信用金庫などがコール市場にもたくさん出しておりますが、こういったもののあり方につきましても、これから産業資金全体の需要供給との関係において十分指導を強化することを考えております。そういった方向で中小企業金融対策というものを考えていくべきではないかと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 いまの局長の答弁ならまともなんですよ。ところが大蔵大臣は、予算委員会などで質問すると、この二つをいま盛んに考えて、通常国会へ出すのだ、そうして中小企業対策は万全を期するのだと言う。どうも答弁を聞いておると、これは局長などの補佐が少々どこか欠けているのじゃないでしょうかね。大臣に対する補佐がどうも足りないような気がする。たとえば信用金庫や相互銀行あるいは信用組合を通じて零細中小企業にはこういう方法でひとつ救済をしていこう、そういう具体的な答弁は何もないですよ。私はこの前も予算委員会でずっと傍聴しておって、どうも一国の大蔵大臣として何も中小企業対策をやっておらぬじゃないか、こういう感じがするわけです。そこで最後に詰め寄ったら、実はいまつぶれている企業がなぜ銀行から融資を打ち切られたか、打ち切られたためにつぶれた、内容が悪いために打ち切った、その個々のケースを全部銀行局へ報告をさせておる、こういう答弁があったわけです。そこでその資料を大蔵委員会へ出してもらいたい。個々のを調べてみたら、こういうわけで金融機関が打ち切ったのだ、それをまず資料としてもこの次までに出してもらいたい。  もう一つ、今度は提案になりますが、こういうように中小企業がばたばた倒れていく。あなたの意見では、倒れたのは倒れたほうが悪いので、もともと倒れるような、困っていたところが、それが金融引き締めのしわ寄せで露呈してきたのだという、何か政府が責任を回避するような立場からの答弁がなされておる。「金融財政事情」のごく最近号を読んでみると、そんなに倒産倒産と騒ぐことはないのだという意味のことが書いてある。あれは興信所が大いに宣伝をしてうけに入って、手が多くなったからこまかい倒産までみな計算に入るようになったから中小企業の倒産件数があたかもふえたようなことを言っているのだ、こんなようなことを「金融財政事情」の中に書かれておりますが、私はまことにもって、これこそは中小企業が例れた原因を無視し、責任を回避するための論文だと思うのです。しかし、それはいずれといたしましても、とにかく一カ月間に、私が申し上げるまでもなく、十一月だけで不渡り手形が九万何千枚、銀行取引停止の業者が四千十二件、これはたいへんな事態ですよ。銀行取引が停止されればその業者はどういうことになるかということは、これはもう子供でもたいへんなことだ、こう考えます。しかし、それを個々の企業家責任として何とも手が打てないというところに私たちは歯がゆさを感じておるわけであります。手はあるんじゃないでしょうか。たとえば具体的に中小企業金融公庫の窓口で特別な中小企業倒産対策というのをつくったらどうだ、これも一つの方法じゃないか。そうしてもう手形をかかえて割れない、ワクがなくて銀行は割ってくれぬ。あるいはどうしてもここの回転資金があと二百万なければ再来月あたりあぶない、こういう業者は事前にわかるわけですから、そういうものを事前に調査されるならば、私は倒れるものを半分に減らすことは可能だと思うのです。その努力をすることが、資本主義経済運営者としての当然の責務だと私は思うのです。そういうことをさっぱりやっていないのです。こういう点、やろうと思えばすぐにもできないですか。手形法の改正だ、銀行法の改正だ、下請代金支払遅延等防止法の改正だという答弁でお茶を濁さなくても、現実にやろうと思えば、いまのつぶれている企業の半分くらいは救済できると思うのです。どう考えてひねくり回しても、これは企業家個人の責任のものは救済の方法はないとおっしゃいますが、何としてでも幾つかの方法をずっと私たちに示して、これを一つずつどのようにやれば解決する、しかしこれはここにネックがある、資金がない、大蔵省資金運用部の金が借りられない、いやこうだという何か障害があるのですか。やろうと思えば、私は、一国の総理大臣、大蔵大臣が決意をするならば可能なことだと思いますが、銀行局長の御見解はいかがですか。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 中小企業の倒産につきましては、私どももたびたび通牒を出したり、あるいは銀行の代表の方々に対して非常に強い要請をいたしております。その趣旨は、先ほどお話が出ました、本人が計画的に倒産をするというような悪質なものはどうにもなりませんが、そうでなくて、他からのしわ寄せによる連鎖倒産というものは、その金繰りのつまずきだけで倒産に追いやられるものは絶対に防止すべきである。本人自身が累積赤字をかかえておって、もはやどうにもならないものはいたし方ありません。それは連鎖倒産という形がありましても救済し得ない場合がある。しかし、中小企業を含めましてすべての企業について見まするに、政府機関が急に申し入れを受けてこれを調査してその適否を判断するのはきわめて困難でございます。大体いままでの取引銀行、取引金融機関がそのいきさつ等を十分に把握する能力がある、そういう立場にあるわけでございまして、全国に非常に多数そういうケースがあります場合に、これを一カ所にまとめてそのよしあしを審議することは、いたずらに時機を逸するものだ。私どもいまとらしております方法は、各地域に金融懇談会というようなものがございます。これは銀行のみならずほかの金融機関の代表もみな加わっております。日ごろたいした仕事はしておらぬようでございまいますが、先般の通牒によりまして、これは各地において事前に連鎖倒産等をいかに防止するかという具体策を検討し研究せい、それで用意をしておきなさい。それから具体的にそういう事例が発生した場合、直ちにその会合をしまして、連鎖倒産を全然なくするように、つまり企業は必ずしも一つの金融機関と取引しておりません、二つあるいは三つというところと兼ねて取引があるわけでございますから、それらの関係のところが相集まって、おのおのの責任額をきめるというような方法をとってそれを防止するということを現にやらしております。最近発生しました大きな中型企業の倒産の場合におきましても、これは銀行その他の金融機関においてその対策を考究中でございまして、いままでのところでは、たとえば、例を申すのはなんですが、日本特殊鋼の関連会社はたくさんございますが、まだ連鎖倒産の報告は参っておりません。そのようにかなり無理だと思う場合にも、金融機関が従来の取引の実績等を考えまして、救えるものはできるだけ救うという方策を現にやっております。そういう方法が最も実際的ではなかろうかと思っております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 私は、銀行や金融機関の社会的責任という立場からも、この際各行政単位に、市単位程度に銀行同士のきちっとした中小企業倒産対策委員会なるものをつくって、つぶれそうだと思うものは少なくとも二カ月前くらいにはわかるわけですから、直ちにそこへ相談に参れ、これは政府の責任ですよ、そういう施策をやるのは。ところがいまの中小企業は、これは銀行局長の責任範囲じゃありませんが、政府三公庫の貸し出しのルーズなこと、この期間のかかること、まことにもう想像以上ですよ。七月に申し込んだのがまだ借りられないのです。経済がこういう急テンポに動く時代に、半年もかかって政府資金をようやく借りるなんということではとても間に合いません。その間高利貸しから日歩二十銭でも何でも借りてこないことには、借りられると思っていくと、あの書類を持ってこい、これを持ってこいということで、七月、八月に申し込んだのがまだ貸し付けになっておらぬ。こういう状態では、何か私は、いまの金融機関自体がもっと真剣に、深刻に今日の事態を認識するような政府が大号令を出せないことにはどうにもならない事態がきておると思うのです。そういう点を、今後金融機関の自己責任という点をもっともっと、法律はなくとも、ひとつこの際、大蔵大臣なり総理大臣から強く要望してもらって、ひとつそれらの解決策を具体的にお示し願って、なるほどこういう経済運営をやってきた責任まで政府は解決するんだ、こういう態度にいまの政府の態度が変わるように担当官としては大いにひとつ努力をしてもらいたい、こういう強い要望をいたしておきます。その要望に対して何か御意見がありましたら伺いたいと思います。

高橋俊英大蔵事務官(銀行局長)

○高橋(俊)政府委員 これまでもできるだけのことはしておるつもりでございますが、金融機関の社会的な責任というふうな点はまことにもっともっと強調しても強調し足らないのでございますので、私もそういう点で今後とも最大の努力を払いたいと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 中小企業の倒産問題は、これ以上いろいろ質問しても、具体的な、これが妙薬だ、これが対策だというものが政府のやっているものにない、こう私は考えるので今後に期待をいたします。  次に、海外投資の問題、特に南北問題、こういう問題がいま非常に大きな国際政治経済上の問題になっております。そこで本年のわかっておるまで、十月か十一月か、それまでの間の海外援助、海外投資の実績をひとつ先にお示しを願いたい。

後藤達太大蔵事務官(国際金融局国際収支課長)

○後藤説明員 御答弁を申し上げます。  ただいま持っておりますのが本年の上期の数字でございますが、低開発国に対しますわが国の投融資額、合わせまして一億一千八百万ドルに相なっております。これは昨年の一年間が二億六千五百万ドルでございますから、約半分弱でございます。内訳について申し上げますと、賠償等の贈与に当たりますものが本年の上期に二千四百五十万ドル、長期信用供与、直接借款あるいは延べ払い輸出が七千万ドル、民間投資が二千二百五十万ドル、そういうことになっております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 ただいまの数字には海外経済協力基金などは入っていますか。

後藤達太大蔵事務官(国際金融局国際収支課長)

○後藤説明員 お答え申し上げますが、ただいまのは低開発国向けにわが国としまして資金を出しましたトータルでございます。入っております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 海外経済協力基金が入っておりますね。

後藤達太大蔵事務官(国際金融局国際収支課長)

○後藤説明員 入っております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 海外経済協力基金の融資先の国、どういう国にどういう金額を出しておるのか、海外経済協力基金を中心に答えを出していただきたいと思います。

後藤達太大蔵事務官(国際金融局国際収支課長)

○後藤説明員 海外経済協力基金の融資額につきましては、本年度の上半期でございますが、三十億円となっております。その内容につきましては、タイ、インドネシア、ペルー、メキシコ、ナイジェリア等に対します開発融資につきまして融資承諾を与えております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 これはあとで資料でひとつ要求をいたしておきますから、詳細に報告を願いたいのは、海外経済協力基金の融資先、国名、業種、金額、それから過去の投資先の実績、その企業がどうなっておるか、そういう点の資料を詳細にひとつ配付を願いたい。こういう要求をしておきますが、いかがですか。

吉田重延自由民主党

○吉田委員長 いまの資料よろしゅうございますか。

後藤達太大蔵事務官(国際金融局国際収支課長)

○後藤説明員 けっこうでございます。私のほうから提出いたしたいと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 それからいま低開発国援助の問題が国際舞台でにぎやかに議論をされておるわけでありますが、政府はかつて国民所得の一%程度を海外投資あるいは援助に向けたい、こういう発表を、おそらくあれは閣議決定だったと思いますが、いたしておりますが、明年度海外援助、そういうものに対しては現在どの程度の金を要求しておりますか。

後藤達太大蔵事務官(国際金融局国際収支課長)

○後藤説明員 ただいまなお部内で検討いたしておりまして、明年度の見通しその他の一環といたしまして、どの程度の数字にするか検討中でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 しかしもう大蔵省へは大体要求は出ておるわけでしょう。どのくらい要求が出ておるのですか。

鳩山威一郎大蔵事務官(主計局次長)

○鳩山政府委員 全般的なものはただいまちょっと持ち合わせがございませんが、ただいまお話に出ました海外経済協力基金につきましては、たしか百六十億の要求が出ております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 現在の基金の残額はどのくらいございますか。

鳩山威一郎大蔵事務官(主計局次長)

○鳩山政府委員 正確な数字は後ほど資料でお出しいたしたいと思いますが、百億を若干こえる程度のものがあると思っております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 あなたは国の財政の出すほう、歳出のほうの見張り番をする大役でありますが、百億残があって、さらに百六十億の要求をされた場合、これはどうしても出さなければならぬというほど、内容を検討した場合重要性のある投資先、あるいは投資業種、そういうものの検討はどうなっておりますか。

鳩山威一郎大蔵事務官(主計局次長)

○鳩山政府委員 現在懸案中のものは若干あるかと思いますが、来年度どの程度の融資が出るかということにつきましては見方が非常にいろいろございまして、的確なことは申し上げかねるわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 それではまだ予算査定に入っていないから、詳細な点についてはお尋ねすることが無理だと思いますので、海外投資の問題についてはひとつ後日に質問を残したいと思います。  次に、国債整理基金の担当の方いらっしゃいますね——おりませんか——国債整理基金特別会計の質問をされても答えられる方はいらっしゃいますね——その方にちょっとお尋ねをいたしますが、昭和三十九年度、四十年度の償還額は一体幾らになっているか。

原秀三大蔵事務官(理財局国庫課長)

○原説明員 お答え申し上げます。  まず昭和三十九年度でございますが、これはまだ年度進行中でございまして、はっきりした、確定した額は幾らかということを申し上げる段階にはなっておりませんですが、現在私ども予想しておりますところでは、三十九年度中の国債償還残高は約四百億円に近いもの、こう予想しております。  それから、次の四十年度でございますが、これもまだ、たとえば国際通貨基金あるいは国際開発協会、IMF、IDAその他ございますが、これからの償還要求がどのくらいございますか、これは全く未確定の要素でございますので、これまたはっきりしたお答えを申すわけにはまいらないのでございますが、大体三十九年度並みの出資国債の償還要求がある、こういう前提で見込みますと、約三百億を若干こえる程度ではないか、こう予想しております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 現在の国債残高ですね、これは総額幾らありますか。

原秀三大蔵事務官(理財局国庫課長)

○原説明員 現在の国債残高でございますが、昭和三十九年の十一月末現在で申し上げまして内国債の合計は四千四百六十六億円でございます。(武藤委員「外国債は」と呼ぶ)外国債は六百二十四億でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 この内国債の四千四百六十六億円の約款というか契約というか、当初発行したときに償還期限が来ることは大体わかっておるわけですね。いろんな要素、まあ特別の事情が加わって幾らか償還をおくらせたりなんかできるものはあるけれども、大体のノーマルな形としては、いつはどれとどれは返さなければならぬという一応の目安はあるわけですね。その目安をひとつ、過去五年間、これから将来五年間くらいの償還、当然これはこうすべきだったという、最初発行したときにもうわかるわけですから、そういう金額はどうなっていますか。

原秀三大蔵事務官(理財局国庫課長)

○原説明員 ただいま私が内国債と申し上げました中にはいろいろな種類のものがございます。大きく分けましていわゆる普通国債と申しますもの、それから、いわゆる交付国債、遺族国債、引き揚げ者国債、特別給付金国債等でございますが、このカテゴリーに入りますところの、私ども年賦償還性国債と申しておりますが、このカテゴリーに入るもの、もう一つは、先ほどちょっと御説明申し上げましたIMF、IDAに対する出資国債、こういうカテゴリーがございます。外貨債につきましては、英貨債、米貨債、スイス貨債、ドイツ貨債のそれぞれの種別がございます。それで内国債でございますが、これは十一月末の債額が二千五百二十六億円でございまして、これは内国債のうち普通国債でございますが、これは二千五百六十二億円でございます。これは戦前に出されました国債で、その後市中金融機関保有分は、これを三十七年度以降現金償還をいたしまして、その他日銀保有分等につきましてはこれを借りかえしているものでございます。それで、御質問の趣旨から申しまして、今後市中償還分がどのくらいの額につきまして年度中の現金償還の額が来るかという点を申し上げますと、ただいまちょっと長期的な計数を持っておりませんのでございますが、昭和三十九年度におきましては百一億円でございます。それから昭和四十年が十一億円、昭和四十一年が十七億円でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 そうすると、現在償還基金としてあります総計は、基金としてためてある金は幾らですか。

原秀三大蔵事務官(理財局国庫課長)

○原説明員 償還基金としてためてあると申しますか、それは国債整理基金特別会計の趣旨からいたしまして各年度の償還額を平準化する、こういう趣旨からいたしまして平準化資金というものを用意しております。その額はただいま現状におきましては約五百五十億円ばかりでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 この国債整理基金特別会計への繰り入れ金は、まあ私が申し上げるまでもなく前々年度剰余金の半分を基金に入れるというそういう趣旨でできておるわけですね。これを来年はひとつ手をつけて、繰り入れ金をひとつ滅らそうという考え方が大蔵省にあるようでございますが、それはほんとうですか、そういう考えがあることは。

鳩山威一郎大蔵事務官(主計局次長)

○鳩山政府委員 まあ来年度の予算編成のいろいろ準備をいたしておりますが、まあ来年度いろいろ財源難というような事情もございまして、私ども事務当局としてはいろいろなことを研究はいたしております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 いろいろなことを研究しておるというのは一体どういうことか。いろいろというのだから幾つもあるでしょうが、全部出してください。

鳩山威一郎大蔵事務官(主計局次長)

○鳩山政府委員 いろいろということばがやや適切を欠きましたので取り消さしていただきますが、国債償還の、償還に対しまして従来、まあ財政法の規定があるわけでございますが、これにつきましていろいろ従来の制度の趣旨とかあるいは諸外国のそういった減債基金の制度のやり方とかあるいは諸外国におきまして剰余金はいかに処理しておるかというようなことを研究をいたしております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 諸外国で二分の一やっておるか四分の一やっておるか、日本経済新聞にもかなり詳しく、これは鳩山さんが発表したことかどうかわかりませんが、これは大臣談話でないことだけは確かです。大蔵省の担当官が出したのだと思いますが、二分の一ずつ積み立てておくという法律ですからね、これは。法律を改正しなければ四分の一に今度は一般財源を繰り入れることを減らせないわけでありますが、私は主計局の予算編成のしかたというものも、こういう経済の実情、こういう財源の実情のときにはやっぱり歳出を押えなければいかぬと思うのです。やっぱり財政の原則は歳出をコントロールすることですからね。そうでしょう。私経済と財政の違いというのはやっぱり入るをはかっていずるを制するという原則がいまの財政学上の一つの基本的原理になっておるわけです。ところが歳出はばたばた要求どおり認めている。さあ財源が足りないから何でもかんでも洗いざらいみな出してしまう。こう出したあとの三年後なり五年後なりあるいは十年後なりはどうなるのか。田中さんが大蔵大臣をやっているときだけメンツが立てばいいというような考え方で財政を組まれたらこれは国家を毒するものですよ。そういう点やはり主計局自体も、私はこういう事態のときにはき然とした態度で歳出をコントロールしなければいかぬと思う。ところがこの新聞を見ると、これは何ですか、旧地主に給付する交付公債の償還が始まるというのは、これは農地解放当時の国債のことですか。それとも新たに地主補償というものが国会を通るという前提でこういう財源を必要とするという考え方なんですか。これはどうなんです。歳出面の。新聞には「四一年度からは旧地主に給付する交付公債の償還も始まる」と書いてある。これはいつ出した公債ですか。

鳩山威一郎大蔵事務官(主計局次長)

○鳩山政府委員 日本経済にどういう記事が出ておりますか存じませんが、私どもはそういうことを発表したことはございません。おそらく推測でいろいろ書かれたと思いますが、おそらくそこに載っておりますことを推測いたしますと、それは今後法律が通りまして発行されるであろうところの農地関係の交付公債であると思います。私どもは決してそういうことを発表しておりません。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 これは冒頭にも申し上げましたように、だれがしゃべったかということはないんです。しかし日本経済の一面の、しかも前段にこれだけ大きく書かれておるわけです。ですから私は歳出の問題について、やはり主計局がもっと総合的な判断をあるいはもっと国民的立場に立つというか、国家的立場に立って、こういうときにこそコントロールをしないと、財政の原則はめちゃくちゃになりますね。いまの今日の事態を、そういう将来の心配を鳩山次長全然お持ちになっていませんか。いかがでしょう。あなたの気持ちを聞きたいです。

鳩山威一郎大蔵事務官(主計局次長)

○鳩山政府委員 ただいまいろいろ主計局がこの際大いにき然とせよとおっしゃられて、私どもまことにそのとおりだと存じております。日ごろ私ども努力いたしておるのも、歳出をいかに圧縮するかということに大半の精力を使っているわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 基金として、平準化資金として国債の償還に充てる金というのは五百五十億円しかない、しかし来年度償還をする金額は百一億だ、だから金は余っている、こういう考え方で国民に対する借金の返済金を減らしていくという考え方は、財政運営上好ましいか好ましくないか。政務次官どうですか。好ましいですか、好ましくないですか、それだけ答えてください。

鍛冶良作自由民主党大蔵政務次官

○鍛冶政府委員 いまそれだけを一つ答えるわけにいきませんから、いずれまたよく……。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 それでは、先ほど鳩山さんはいろいろなということばは取り消して、いろんな財源の苦心をしている、実際はいろいろ苦心しているのですよ。そのいろいろの幾つかを私がここでちょっとお尋ねいたしますが、たとえばこの間参議院を通過した補正予算の財源を見ても、国有財産払い下げの収入を二十五億円と見てますね。国有財産といえば、国の山かあるいは土地か建物か何かを二十五億円、この年の詰まったときに——当初予算にあるのですからね、ちゃんと。もう売り払い代金収入が幾らというのが。それがわずかの期間で二十五億ぽんとまた国有財産が売れるというのですから、どこの土地のどういうものを売るのか、当然疑問が出てきますね。これをひとつ中身を、二十五億円の国有財産払い下げ収入追加予算、この中身は何です。主計局ちょっと説明してください。

宇佐美勝大蔵事務官(国有財産局総務課長)

○宇佐美説明員 お答え申し上げます。  詳しい中身はいま手元に持っておりませんが、これは急にふえたわけじゃございませんで、当初の見込みが、予算の編成のときになりまして、またあらためて見通してみますと、あれだけふえた、こういうことでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 そんないいかげんな予算査定ってないでしょう。当初予算の見込みより何か二十五億ふえたという根拠があるわけでしょう。たとえば山を何町歩売るとかあるいは国有の宅地を幾ら売るとか、これはやはり積算の基礎がなければ——二十五億はそんなふうなものですか。それとも、当初の見積もりが少な過ぎて、どことどこの件をどのくらい売るということがいまになって発見されたのだ、何かやはり積算の基礎は明らかにあるわけでしょう。

宇佐美勝大蔵事務官(国有財産局総務課長)

○宇佐美説明員 これは予算の歳出の性格と歳入の性格が多少異なりまして、相手もございますし、初めの見通しが実際と多少食い違うということはやむを得ないのじゃないかと思っておりまして、当初の予算の見積もりのときに意識的に押えておった、そういうことは別にございません。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 あなたはそういう理屈を言うのでしたら、過去五年間の国有財産払い下げの実績と当初予算の差額を発表してみてください。

村田博大蔵事務官(国有財産局国有財産第二課長)

○村田説明員 実は五年前にさかのぼりましての資料は手元にございませんが、ただいま三十八年度の予算額に対します決算額の数字を申し上げますと、国有財産売り払い収入が百二十三億予算で歳入されておりましたが、これに対しまして決算の数字は百七十八億、こういうことになっております。三十九年度は、年度進行中でございますので、まだいまのところわかっておりません。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 最初に国有財産の払い下げは相手があることであるから見積もりが非常にむずかしい、それはわかりますよ。しかし、初めに低く見積もったためではない、これでは弁答にならぬのです。やはり積算の基礎を、当初予算を積算するときにはこういう方法でやったけれども、補正予算でどうしても財源がほしいので、今度は積算がこうなったから二十五億ふえたのだ、それでなければ国会答弁にならぬじゃないですか。  私は資料要求をします。過去五年間の予算と決算の差額を資料にしてひとつ提出願いたい。それから、こういう積算の基礎が変わった理由をあなたに答弁を求めても——もう大臣がお見えになっていますから、あなたに対する質問はこれで終わります。資料でひとつお出しを願いたいと思います。  大臣にお尋ねをいたします。一つずつお尋ねしていきますが、いまの佐藤内閣の新大臣就任早々石田労働大臣が非常に勤労者に喜ばれる政策を発表いたしました。勤労者住宅建築についての減税をする、こういう発表をしたわけであります。もちろんこれは特別措置でやらなければならぬと思いますが、この勤労者住宅建築に対する積み立て金の減税案に対して大蔵大臣はどのようなお考えを持っておりますか。また、それがどのような推移を四十年度予算でたどるか、その見通しについてもお尋ねをしたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 四十年度の予算案でどういうふうな措置をとるかということは、いまつまびらかに申し上げられない段階でございます。ただいままで事務当局の考え方を承知をいたした限りで申し上げますと、税の理論からいって非常にむずかしいというようでございます。私も、このような勤労者住宅ということだけで、特別な措置がとられるということではなく、やはり税法上は地方税、国税を含めまして、住宅建設を促進するにはどうあるべきかという問題で検討しなければならぬ問題だと思います。いままで日本の住宅建設というものに対しては、公営住宅主義といいますか、財政投資を主眼とした住宅行政というものにウエートが置かれてまいりましたが、きのうも申し上げたとおり、住宅というものは個人の力によって住宅建設を促進するということがより合理的である、またこれを前提となすべきであるということは事実でございます。またイタリアにしろ西ドイツにしろ、あらゆる国々で急速に住宅の改造を行ない、スラム街の解消を行ない、また勤労者住宅の大量建設を行なった事例の基幹をなすものは、ほとんど税制の施策によりまして、不動産取得税とかまた固定資産税を長期に減免を行なう、また住宅に関係のある損害保険会社及び生命保険会社の剰余金をどう使うかというようなことを十分配慮することによって、住宅建設が思い切ってなし遂げられておるという例に徴しまして、先般の国会で空間の利用、地価対策も含めまして住居の用に供する高層建築の高層部分に対する減免税の措置をお願いいたしました。こういうものを拡大をしていくことがやはり正しい方向であるというふうに考えます。これは勤労者住宅ゆえに勤労者住宅のための税制を行ない、また庶民住宅であるがゆえに庶民住宅にこれを行ない、農山漁村の住宅改良についてはまた別に行なう、非常に複雑になりまして、これはもう少し合理的な面を考えて将来やはり税制上の措置を必要とするというふうには考えます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 第二に、愛知文部大臣が就任早々これもたいへんりっぱな文部大臣だという好評を拍した一つの政策があります。それは学校教育振興のために、私学に対する寄付金を損金として認める、すなわち、課税対象にしない、免税をする、こういう発表をいたしたわけであります。大いに私学連盟は拍手を贈って愛知文部大臣の健闘を応援したわけでありますが、この施策については大蔵大臣としてあなたのお考えはいかがですか。さらに四十年度予算案に対しては盛られるのか盛られないのかも明らかにしていただきたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 私学に対する免税措置につきましては御承知の寄付免税制度がございまして、申請に基づきまして大蔵大臣がこれを認め、その期間免税措置がとられておるわけでございます。これ以上に私学に対するものはすべての免税にしなさいという議論がございます。ございますが、現在の状態においてすべてのものを免税にするということはむずかしいということでございます。これは権衡上の問題もございますし、またいろいろな問題からいって、景気のいい話でございますが、私も教育振興のためにはやりますと言いたいところでございますが、そこはそこ、やはりいろいろな面を考えまして、まあ現行の制度は相当進歩した制度であるというふうに考えます。しかし一時憲法上の問題その他がございましたが、この問題に対しては国会でもすでに定義を下しておりますので、あえてそういう問題を前提として申し上げておるのではございませんが、いずれにしましてもすべてのものに対して免税をする、いままでは御承知のとおり校舎をつくるとか設備等に対して寄付免税の申請を行ない、その期間に限って免税措置がとられておるということでございますが、給与を払うのも、すべての問題が私学という名のもとに行なわれる、経常支出をまかなうために寄付金をもってすべて充てて、これが全部免税になる、非常にむずかしい問題だとは思います。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 むずかしい問題だということは、四十年度にやるのかやらないのか、それも先へ延ばすのか、そこらの大臣の見解はどうですか。なかなかいい政策じゃありませんか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 いま制度がございますから、制度の運用については大いに弾力的にやってまいりたい。これは大蔵大臣のところへ申請が出ますから、申請が出て、もうこの次はやりませんと言ったんですが、やってみたらもう少し工事費がかかるし、もう少しいいものをつくりたいというようなものも出てくるでしょう。そういうものに対して実情を十分見まして実情に合わせて弾力的に運用するということで足るということで、損金算入の問題でございますので、これを大いに拡大するとかいうことは来年度は御審議を願うという状態では行なわないということでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 第三に、これは赤城農林大臣の担当でありますが、農民の米の予約減税が今日は一石、百五十キロ当たり千四百円、農民に税金がかからないように制度ができております。この予約減税を非課税からはずすという意見があるようでございますが、大蔵大臣としてはどうしますか。農民にとって重大関心事ですが、いかがですか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 予約減税の問題につきましては、政府の税制調査会ではこれをはずすべしという答申でございますが、わが自由民主党にあります税制調査会はそういうことはなかなかむずかしい、こういう対立した議論がございます。まあいろいろ思いをめぐらしておるわけでございまして、いま直ちにどうするかということは申し上げられない段階でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 中立的な、しかも専門家の税調が出した結論と与党である自民党の出した結論とを——こればかりじゃありませんがね——あなたはどちらを重んじますか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 税調の答申を重んずるということはこれはもう当然でございますが、税調の答申を尊重するということと、やはり野にある声ということに対しても耳を傾けなければなりませんし、また農村対策、いわゆるひずみ解消という面から見ましても恵まれない環境にある農山漁村の人々に対して、ただ一律画一的な理論でこれに対処でき得るか、はなはだむずかしい問題でございますので、もろもろのことを考えながら適切なる結論に導きたい、こう考えておるのであります。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 第四に、神田厚生大臣の担当になりますが、医師の収入中、今日七二%を必要経費として控除を認めているわけであります。この特別措置に対して一体来年度、四十年度どうするか、大蔵大臣の見解をひとつお伺いしたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 本件についても政府の税調は理論的にこれを廃止をするように答申をしております。またそのような考えを明らかにいたしておりますが、医者というものは非常に大切なものでございますし、人命尊重と人間の生活というものを主題にして政治を運営しようという佐藤内閣の看板もございますので、なかなか慎重を要する問題だということで、いま苦慮いたしておるわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 きょうの答弁に対する態度は、ふだんの田中さんに見られない慎重な答弁です。主税局長に耳打ちをし、主税局長の経過をよく耳に入れて答弁をいたしております。ところがどうも田中さんはりっぱな人ではありますが、税調の答申を尊重すると都合のいいときには尊重して、今度はちょっと都合が悪くなると分離課税にしたらいいと言ったり、株屋にだいぶ喜ばれるような税制の問題を一人歩きしてみたり、どうもどこまで信用していいか、ちょっと私らもあなたという人格を理解する上に非常に戸惑っておるわけです。本音は、ひとつ君子豹変しないで、税調の決定というもの、答申というものはそのまますなおに尊重しましょう、こういう態度でいくのか、なに何回か新聞に発表しちゃったからおれのメンツもあるからメンツを重んじて税制のほうに手をつけるか、大臣の今日の心境をひとつ率直にお聞かせ願いたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 君子豹変をするというような考えでは絶対にございません。政治家たるもの言行一致をしなければならぬという考えであることも事実でございます。また税制調査会の答申を基本的に尊重するという姿勢もそのとおりでございます。これを額面どおり受け取っていただきたいと思うのでございます。またメンツにとらわれたり一身の毀誉褒貶に思いをいたすというようなことは断じてありません。しかしこれは立場の差でありまして、あなたがまたここへおすわりになると、なかなか理論的にだけ世の中が片づいておるものではない。やはりこの複雑な、テンポの早い世の中の現象に目をおおうことなく、事実を把握しながら適切によりよき方向に誘導しなければならない行政の責任を考えますと、理論的にも現実的にも常識的にも一筋でありたいという気持ちもありますが、同時に一人の恵まれない人も救済しなければならない。ただ大筋に前進することによって、その過程において、ある犠牲者はやむを得ないというようなことはとれないのであります。そこが政治の責任という面から考えると、遺憾ながらそう画一、一律的に、理論的にも現実的にも合わない問題もあるのであります。それはあなたも御承知のとおり、私企業には国民の金を使ってはいかぬ、こう思いながら必要であれば石炭にも使わなければならない。税負担の公平というものは必要である、そのとおりであります。しかし石炭業に対しても、また海運の再建に対しても必要であれば特例措置を必要とするのであります。またそうあることによってひずみの是正がされる、お互いがすべて前進的姿勢をとることが可能になる道が開かれるわけでございますので、そういう立場に置かれてまたこまかくものを考えながら現実に対処しなければならない大蔵大臣の責任も御理解賜りたいと思います。

佐藤觀次郎日本社会党

○佐藤(觀)委員 関連して。先ほどの私学振興のことについてちょっとお尋ねしたいのですが、御承知のように大学の急増対策で私学は非常に困っているわけです。愛知文部大臣からも、ぜひ免税をやりたいということでございますが、先日、前の大蔵大臣の水田三喜男氏も、私学の寄付行為の免税について——いま総合大学の計画中らしいのですが、痛切に感じておる。しかもおれのときはやれなかったけれども、非常に自分も困っているんだから、何とか前向きの姿勢でやってもらいたいという意見がございましたが、ちょうど泉さんも見えますが、大臣は泉さんと違って東大の出じゃない、私学の出でございますから、これを何とか前向きの姿勢でやってもらわないと、おそらくいま、私学は急増対策で設備資金にものすごく金がかかると思うのです。この点は前進する意味で何かいい案はないのか。いままでのとおりではやっていけないと思うのですが、その点伺いたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 私は、官学出でなくても私学の出であっても、そういうものとは関係なしに、佐藤さんの言われることはよくわかります。またそういう姿勢で大蔵省も対処しておりますし、現行の制度を活用することによりまして十分対処できる。しかもあなたが言われましたとおり、大学急増、高校急増という問題は焦眉の問題でございまして、かかる問題につきましても先ほどちょっと触れましたが、一回やってもうこれでおしまいです、というようなものであっても、新しい事態に対処して、必要があれば十分寄付免税の措置を行なうということでございます。いわゆる承認もできるわけでございますので、そういう問題に対しては十分考えながらやっております。水田前大蔵大臣、愛知文部大臣も大蔵省に二十五年もつとめた優秀な官吏の上がりでありまして、それはもう十分承知してそういうことを発言されております。また、私と水田氏も、また愛知氏との間にも意見の交換もしておりますし、現状に対処して画一、一律的にならないように、現状で必要のあるものに対しては対処できるのか、できるようにしましょう、こういう考えでございますので、ここはひとつわれわれも慎重かつ前向きで対処しておりますから、御理解をいただきたいと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 大臣のいまの答弁でもほぼ了解できますように、文部大臣や労働大臣あるいは厚生大臣がかなり国民にアピールをした政策が今度は軒並みに切り倒されるわけですね。四十年度予算にはおそらく労働大臣の提唱した政策も乗らない、文部大臣の提唱したことも乗らない。内部を少し詳細検討して、前向きに少々芽を出す程度で、四十年度予算にはどうも実現しそうにもない。同じ自民党の大臣が就任早々発表した政策が国民にうそをついたことになる。こういう政治のあり方というのは、もっと閣内で意見を統一し、検討してから国民に発表すべきだと思うのです。少々軽率のような気がする。国民をだましたことになりますからね。ちょうど池田さんの所得倍増論、九%が国民をだましたと同じようなことを現実の閣僚がやるということはあまり好ましいことじゃないと思うのです。とにかく来年は非常に財源が窮屈で、大蔵大臣としてはたいへん頭痛の種のようであります。そういうときには歳出をできるだけコントロールする以外に私は財政運営上姿勢としてはあり得ないと思うのです。来年の歳出をコントロールするというあなたの決意それをひとつ聞きたいのです。歳出のどういうものを今度は切ろう、いままで正力団体に約束をしたものもあるけれども、これもひとつ来年はしんぼうしてもらおう、そういうようなものがあるはずですよ。それをひとつ明らかにしてください。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 いま予算編成の過程でございますので、項目をあげて款項目別にこれはどうしますということをお答えできないことをはなはだ遺憾といたします。しかし乏しい財源の中で可能な限り最大の効果を上げようということで予算編成に努力をいたしておるのでございます。具体的に申し上げられるものとすれば、補助金の整理統合、こういうことはやりたい。また行政においても重複しておるような行政機構の簡素化を行ないたい。また欠員の不補充等を行なうことによりまして、行政事務費の膨張を避けなければならない。また地方と国との間の紛淆がある場合にはこれらをただしていかなければならない。窓口は国民のためにあるのでございますから官吏行政的な気持ちからよりサービス行政ということにするためには窓口をどう開放しなければならぬかというような問題は真剣に取り組んでおるのでございます。しかし欠員不補充といっても、ただ欠員不補充でどうにもなるわけではございませんので、具体的にはまず欠員不補充の中にも将来の人的構成を考える場合、人間の断層をつくってはならない。いまの制度の中で四十五、六から五十二、三で官庁から、定年はなくても大体出ていかなければならない、こういう一体制度がいいのか、これをもっと延長できるのか、できないのか。できる場合一体どういうことになるのか。また省内における人事の交流、また内閣全体としての人事の交流、国と地方との人事交流に対していままでのような状態でいいのか、こういう問題とも積極的に取り組んでおるのでございまして、合理化をはかるという考えでございます。いずれにしましても、財政豊かならざる状況であることは御指摘のとおりでございまして、財政の姿勢をただしながら、財政が経済を刺激するようなことがいやしくもないように、形の上でも、内容の上におきましても、正しい意味の予算を編成してまいりたい、こう考えておるわけであります。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 いま国庫はたいへん資金繰りに困っておるようですね。現金やり繰りに困っておるようですが、新聞によると、十二月中に四百五十億円の大蔵省証券を発行するという報道でありますが、これはおやりになるのですか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 十二月の資金繰りを見まして、現在の状態では御指摘のような数字で大蔵省証券を発行せざるを得ないということでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 現在の国庫の現金繰りの様子を少し明らかにしてください。担当官でけっこうです。

原秀三大蔵事務官(理財局国庫課長)

○原説明員 現在の国庫の収支の概要ということの御質問でございますが、国庫収支はことしの四月から十二月までに八千六百六十六億円の払い超になっております。他方この払いが全部政府当座預金の減にはならないわけでございまして、御承知のように食管、外為、資金運用部、これはそれぞれ証券を出しますので、政府当座預金の減にはならないわけでございます。これらの政府当座預金の減になりませんファクターは、この八千六百六十六億の払いのうち、四千六百六十八億円でございます。したがいましてことしの四月から見まして、国庫当座預金の減少を伴うべき政府資金の払い、これは三千九百九十八億円、約四千億円でございます。他方三十九年三月末の政府預金の残高は三千七百億円ばかりでございますので、この差額約二百六十億円でございましょうか、このくらいが赤になる、こういう見通しでございます。政府当座預金は常に約二百億円くらいの支払い準備残高を持つのが例とされておりますので、この二百億円を加えましたところ、合計四百五、六十億円、これが大蔵省証券発行を予定している額でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 国の金庫が、国庫がこういう証券を発行しなければ、どうも年末のやり繰りがつかぬという事態は、戦後何回、何年と何年にありましたか。

原秀三大蔵事務官(理財局国庫課長)

○原説明員 戦後の例といたしましては、昭和三十四年に百五十億円の大蔵省証券を発行しております。その後の例はございません。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 これを見ても田中大蔵大臣、いかに今日経済のひずみだけでなくて国の財政自体、資金繰り自体にもこういう非常な苦しい状態が生まれているということはわかりますね。いわんや今度は財源の中身を拾ってみると、これまたたいへんな事態があると思うのです。いまあなたがいらっしゃる前に、減債基金の繰り入れを減らそうという大蔵省の考え方が、新聞にきのう報ぜられたので、その内容についても一応ここで質疑応答をしたわけであります。  元来国債償還に充てる金というのは、前々年度の余剰金の二分の一を一般会計の剰余金の中から繰り入れておく。そして国債償還を確実にできるようにし、さらに国債保有者が安心のできる体制をいつも保持しておこう。そういう性質のものが、今度田中さんが大蔵大臣になっていよいよ三年目、来年でこれでやめるだろうと思われるときに、洗いざらい財源をみんな引っぱり出して、もう重箱のすみをようじでつつくがごとき財源の捻出のしかたをしなければならない。私はそうなった原因、その責任をここで追及しようとは考えません。しかしそういう事態になってきて、いままでの財政原則をばたばた改正をして、政治は力だ。多数ならばどういう法律にでも改正できるんだという安易な考え方の上に立って、この国債整理基金特別会計の繰り入れを減らしていこうというこの考え方は、私は将来の展望から見て非常に無責任な処理のしかただと思う。大蔵大臣の見解をひとつ伺っておきたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 財政に対しては、私も財政法の本義にのっとりまして、健全を基調とするということに対しては、もう人後に落ちないつもりでございます。でございますから前池田総理のときにおきましても、場合によっては国債を発行してもいいという考えはございましたが、国債の発行は確かにある時期に必要かもしれませんが、現在の段階においてはこのことをとりません、こういうことを言っております。佐藤新内閣の誕生におきましても、国債論がございましたが、国債は発行いたしません。またインベントリーの取りくずし等もいろいろ問題になっておりますが、もう取りくずしてもいいだろう、こういう御説もございますが、それは政治の姿勢としてできるだけ取りくずしたくない、こういう考え方でおります。と言いながら取りくずしもやらないので、減税は値切るのか、こういうと大体いままでは値切らない方向で幾らか上積みもしながらも減税をやってきておる、こういうことでありまして、健全財政という基調を貫きながらも、相当必要なところには予算を配分しておるというのでございますから、これはひとつそう大蔵大臣が長くないであろうというようなときにそういうことをやるのかというようなお気持ちでなくて、この財政法六条の規定によりまして、年度剰余金があった場合、二分の一繰り入れるという問題を四分の一にやったといたしましても、これは戦後一兆円予算をやらなければならなかったときもございます。戦後非常にインフレが高進をしたというようなときに、こういう場合には特に財政の健全基調というものを貫いていかなければならぬ。余ったからといってこれを全部使うというようなことであってはならないという考え方で、かかる規定があったわけでございまして、昭和二十年から戦争が終わった直後のような状態ではないということで、金がない金がないと言いながら、ちょうどいまと逆の御質問を受けたことがございます。一体大蔵省は、健全財政と言いながら超健全と、財政支出、歳出の要請が、国民の中から熾烈にあるにもかかわらず、なぜ財政法六条を改正しないで、いつまでもため込んでおくのだというような議論もあったわけであります。そのときは、はやる馬を押えるような気持ちで、とにかくがまんをして今日まできたのでございまして、今日私はこの二分の一が四分の一に変えられるというようなことがあっても、それは時期としてはそういう時期にきたのだ、こういうふうにひとつおくみ取りをいただくのが、すなおな考えじゃないかと思います。どうぞひとつよろしく。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 どうも大臣はまだ国債整理基金特別会計の内容を数字的にもよく把握していないし、現在、平準化資金という返済に充てる資金が幾らで、しかも年々償還しなければならない金額が幾らで、そういうようなことを十分把握してみたら、どうもあなたの財政運営というものは適切でないという答えが出るのですよ。もう私は一時までという時間でありますから、内容については議論はいたしません。そういう点をあなたが大蔵大臣になったときに、どうもノーマルないままでの運営ができなくなって、こういうものをみんなばたばた取りくずしていかなければならぬというような財政状態に追い込んでしまった。あなたは実にりっぱないい大蔵大臣だという定評でありますが、最後にここまで財政を苦しくしてしまった。歳出をコントロールできなかった大蔵大臣。こういうらく印を将来の史家があるいは評するでありましょう。そこで私はあなたにいま苦言を呈しておるのです。いまこそあなたは将来大蔵大臣として名を残す人としては、この財政運営は少々まずいのではないだろうか、こう私は考えます。しかしこれは批評になりますから、これ以上議論はいたしません。  そこで第二に、本年度の予備金はいまどのような使用状況になっておって、残はどのくらいございますか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 予備費は約六十二、三億残っておると思います。いずれにしても七十億弱であります。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 この前のこの国会で、本年地主に対する国民金融公庫を通じて二十億円の融資をする法案が出された際に、大蔵大臣は——これは継続審議になっております。いま参議院であと二日、三日の間に審議されるわけでありますが、その財源は予算措置はされてないわけなんです。予算にないのですよ。もうあれは期限が切れて継続継続になって——ところがあなたはここであれが通過をすれば、予備費の中から支出をいたします、こういう答弁をいたしております。いよいよ予備費は六十億しかなくなってきて、あと一、二、三月とございますが、この法案が通ったらやはり予備費から支出をなさいますか。そのお考えをひとつ承りたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 法律が通れば、法律違反は行なうことができませんから何とか財源措置を考えなければならぬわけでございます。予備費で支出ができるような状態であれば予備費で出します。予備費がなくなってしまうということになれば、もう何カ月もないことでございますから、来年度でやるということになるかもわかりません。そういう問題はその事態に対処して適切に処置いたしたいと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 そこにやはり大蔵大臣の機能の発動がほしいところがあるわけなんです。ああいう法案は提案から三回も通過しないで流れて二年越し——二年半もすでに経過をしておる。こういうものはやはり党内をまとめて大蔵大臣が今日の実情を訴えて、それはもう通らないように、撤回をするようにやはりそういう空気を醸成するのも大蔵大臣の歳出をコントロールするという立場から私は当然必要だと思う。そういう私の考え方は間違っていましょうか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 政府が国会に提案をしておるのでありますから、これは国会の御審議を待つということで、そうでなくて大蔵大臣が国会の権限までもいろいろ制肘するということになったらたいへんなことでございます。そういうことでなくて、国会の御審議を待つということが正しい行き万だと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 新聞のことを言うとまた大蔵大臣は、新聞のことは当てにならぬと言うかもしれませんが、それでは減債基金繰り入れ金を四分の一に減らす法律を国会に出して繰り入れ金を減らしていこう、その文章の中に、昭和四十一年度からは旧地主に対する交付公債の償還も始まるからということが書いてある。そうするとやはり地主に対する報償というもの、交付公債の発行というものをおやりになる気持ちはまだお持ちになっているわけですか。通常国会にでもそういう法案は出すつもりですか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 これは政府といたしましては最終的に措置を決定いたしておりますので、四十年度予算の中で実現をはからなければならないものだと考えております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 それこそ私は今日の財政事態というものをまことに無視し、今日の財政を一そう窮乏化の方向に追いやる筋も合理性も科学的な検討もなされない態度だと思うのです。こういう財政の実情で、予備金ももう幾らもない、あるいは大蔵省証券を四百五十億円発行しなければならない、国有財産は当初見積りよりは二十五億も収入増を見積らなければ補正予算は組めない、たばこの収入も、二十億円もたばこをうんと国民に吸わして財源に追加をしなければならない、日本銀行の収益金を百数億円財源に見積らなければ補正が組めない、こういう財源状態のときに、歳出をコントロールできないという大蔵大臣は将来の日本の財政の歴史の中に大きな汚点を残すと私は思いますが、あなたは、そういう汚点を残してもいい、この際はおれは独走してもやっていくのだという考え方で強引に地主に対する交付公債を発行する法案を出すのですか。それをもう一度確認しておきたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 現在の段階におきましては、政府が政府の態度を明らかにいたしておりますので、自民党内閣が続いている以上実現をはかるべきであるという考えに変わりはありません。また大蔵省証券を発行するということはよろしくないということにきめつけられておりますが、これは私は必ずしもそう考えておりません。なぜ一体財政というものがこういうふうに窮乏事態にきたかということは、いままでが高度成長ではなく、常におしかりを受けておりますが、超高度成長の過程において相当な自然増収がはかられておった。こういうものはノーマルな状態ではない。ですから安定成長に引き上げなさい。安定成長になればいまのような状態が当然なのでございます。これは社会党の皆さん方の御要請に応じてだんだんとそういうふうになってきた、ノーマルな状態になってきた、こういうことでございまして、税収があり過ぎるときにはあり過ぎる、正常になってきたら少しどうもなさ過ぎるということは、これは十分ひとつお考えになっていただきたい。これから経済が成長するとだんだんそうなる。特にいろいろな政策をやってきた。私は、いつでも減税に対しては少ない、歳出ももっと出せ——国会においてはほとんど九〇%以上歳出増加要求、それから減税を大幅にやれという御叱正がございましたが、いま考えてみると、減税も相当大幅にやったからだんだんとそれも平年変化されてきて、税収もだんだんと正常な状態になってきた、こういうことも言い得るわけでありまして、これはひとつ長い実績を十分御批判の上、いまやっておるものに対しては万全な体制をとりますし、同時に健全基調はくずさない態度でまいりたいと思いますので、御叱正賜わるとともに御協力、御指導を賜わりたいと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 もう持ち時間もなくなりますので、最後に一つ資料の要求と、もう一問質問をして終わりたいと思います。  いま大蔵大臣が言った超々高度成長政策がもたらした今日の経済情勢あるいは財政事態は、これから安定成長に進めていけば大事ないのだ。一体大蔵大臣の考えておる安定成長とは、鉱工業生産指数はこの程度に進み、国民の貯蓄率はこのくらいに進み、投資額はこういうくらいに推移し、そして財政がこういう規模で推移していくのだ、これが安定成長なんだ、だからそういう方向にかじをとっていきたいのだという大蔵大臣としての資料、ことばでなくていいのですから数字まで入れて、日本経済の安定成長とはこれだというビジョンを資料にして提出を預いたいと思います。  それと、最後にお尋ねをもう一つしておきますが、いま投資信託の問題が非常に心配をされておりまして、私も過般予算委員会で簡単に一問だけ大蔵大臣に尋ねたわけでありますが、きょうはこの問題を実はこまかく質問をしたいと思ったわけですけれども、時間がありませんから簡単にお尋ねしておきますが、いま投資信託を金融機関が持っておるのか、それともほんとうの大衆投資家が持っておるのか。その持っておる金額の比率というものはどんな状態になっておりますか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 投資信託につきましては政府委員から答弁をさせます。  それから、これからの安定成長の経済成長率及びそれに伴う諸般のデータを提出しろということでございますが、これはなかなか膨大もないものになりますので、いますぐ御提出するというわけにはまいりません。大体、政府が受け取りました中期経済見通し、こういうものを弾力的に運用すればいいものであろうというような考え方でございます。また数字というよりも、一月からの通常国会で御質問に応じまして具体的にお答えを申し上げることで御了解いただきたいと思います。

加治木俊道大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○加治木説明員 現在の投資信託の総残高中に個人、法人別に占める数字は手元に持ち合わせておりませんが、最近の募集状況を見ますと、これは会社からの報告によるものでありますけれども、大体九九%が頭数では個人の消化であります。ただし金額では一〇%前後——ものによって違いますけれども、法人——法人の中には金融機関も若干入っておると思いますが、企業法人、金融機関の消化が含まれております。大体そういう状況であります。もし総残高についての詳しい資料を御要求でしたら、後ほど資料として提出いたします。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 そうしますと、投資信託というのは大半が金額も件数も大衆投資家が持っておるものなりという判断に立っても間違いありませんね。

加治木俊道大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○加治木説明員 そのように御理解いただいてけっこうだと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 明年償還期限のくる投資信託は金額にして幾ら、そして現在の価格がどの程度で償還できそうかという、現在の評価で言ったらどの程度になりますか。

加治木俊道大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○加治木説明員 来年償還期限のまいります株式投資信託の現在の残高、途中で解約される分がありますから現在高でいきますと千百六十億ばかりでございます。そのうち現在額面が割れているものが千七十億ばかり、パーセントにいたしまして九二%くらいが額面割れということになっております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 大臣、いま事務当局が答弁されたように、額面割れの、しかもはなはだしいのは五千円の元本が三千二百円くらいのもありますね。私の友だちが持っているのを聞きましたら、三千円を割っているかもしれぬ。こういう話なども承っております。これは重大な問題ですね。幾ら資本市場をよくしろ、貯金をしろ、貯蓄をふやせと言っても、こういう状態では大蔵大臣が意図するような方向には日本の金融はなかなか進んでいかない。その原因は何かというと、これはいろんな見方があると思いますが、設定額が非常に無計画に、投資信託会社が喜ぶような形で過去においてどんどん設定をされたというところにも大きな原因がある。議事録に記録するためにちょっと数字を申し上げておきますが、池田さんが総理になる前の三十四年には、設定額は千八百二十四億円であった。それが所得倍増論が唱えられた三十五年には、三千六百二十億円、一挙に倍額にはね上がった。その翌年は一たん発行すると、今度はそれだけの人件費を維持したり、それだけの経営をしなければならぬために、三十六年には驚くなかれ八千三百二十六億円の設定額です。これまた三倍近い投資信託の設定額が行なわれております。三十七年になって四千三百九億、三十八年四千四百十七億というように幾らか調整がされたようでありますが、しかし一たんこういう無計画に設定を許していったというところに大きな原因があるので、こういう点から考えて、今後大衆投資家の保護という立場から、一体政府がどういう方法を講ずるかということを投資家なり国民は非常な関心を持っておるわけであります。具体的に、元本割れに対して、どのように対処しようとしておるのか。この点一点だけお尋ねをして、私の質問を終わりたいと思います。

加治木俊道大蔵事務官(大臣官房財務調査官)

○加治木説明員 来年は二月から元本割れの償還が始まる、いまのところではそういう状況になっております。これをどういうふうにいたしますか。いま投資信託の委託会社の意向も聞きながら検討中であります。もし希望があるならば、いまの約款では一年間は約款上延長し得る規定がございますので、場合によればその規定を活用して、そういうような措置をすることも場合によっては必要ではないかと考えておりますが、かりに一年延長した場合にどういう措置をとるかということまで具体的には今日の段階ではまだきまっておりません。近く結論を出したい、かように考えております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 大臣に要望しておきますが、一年間償還を延長した場合に、一年後の経済状態が一体どうなるかということも、おそらく田中大蔵大臣にも検討はできない状態、こういう情勢でありますから、これは非常に根の深い問題であるということを再認識して、大衆投資家が日本の資本市場をほんとうに育成するような施策ができない限り、今日の危機は突破できないということを強く警告をして、私の質問を終わりたいと思います。      ————◇—————

吉田重延自由民主党

○吉田委員長 武藤山治君より中小企業に対する年末徴税に関する件について発言を求められております。これを許します。武藤山治君。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 私は自由民主党、日本社会党、民主社会党三党共同提案による、中小企業に対する年末徴税に関する決議を上程いたし、皆さんの御賛同をいただきたいと存じます。  まず最初に案文を朗読いたします。     中小企業に対する年末徴税に関する件  最近中小企業の不渡、倒産が戦後の高水準を更新する等中小企業の経営が極めて困難の度を増している現状にかんがみ、徴税当局は、年末の税務行政の執行に当っては昭和三十九年十一月十八日付の国税庁長官通達の趣旨に徹し、甚だしく悪質の場合を除き、調査、検査、滞納処分並びに納税者の呼出等は行なわないよう納税者の立場を充分に配慮すべきある。  趣旨を簡単に申し上げます。  最近金融が非常に逼迫をいたし、また企業の収益率も低下をして、中小企業の倒産は本年八月より毎月記録を更新するようなありさまであります。不渡り手形も十一月には九万枚を突破し、銀行取り引き停止処分を受けた業者は、一カ月に四千件をこえるに至りました。これらの現象に見られるように、中小企業の経営は困難の度を一そう増しており、特に年末は業者が一年間の清算をし、決算をしなければならない現金の非常に必要とするときであります。同時に業者は経営に狂奔し、非常に多忙をきわめておる時期でもあります。そういう点を私たちは十分検討し、配慮して、いやしくも徴税当局が年末年始にわたって、調査、検査、滞納処分等行なう場合には、これらの実情というものを十分配慮すべきであるという、三党一致の見解に立ったわけであります。特に国税庁長官はこの点についてすでに通達を発しております。その通達を見ますと、年末年始における十日間程度は、特に必要がある場合を除き、臨戸して行なう所得税、法人税、酒税等の調査、検査及び滞納処分並びに納税者の呼び出しは行なわないこと。  二、特に必要があって、臨戸して調査、検査及び滞納処分等、並びに納税者の呼び出しを行なう場合であっても、納税者及び来客等の第三者から、無用の非難を受けるような言動のないよう、特に留意することという趣旨の国税庁長官の通達が出されました。このことはまことに好ましいこととは思います。しかしこれをさらに末端税務行政を担当する税務職員に対して、一そう徹底をするために、本委員会において決議をいたしたいと存じます。  簡単でありますが、提案理由の趣旨説明を終わりたいと思います。

吉田重延自由民主党

○吉田委員長 ただいま武藤山治君より、中小企業に対する年末徴税に関する件について、三党共同提案による決議をされたいとの動議が提出されました。  本動議について議事を進めます。  討論の申し出があります。これを許します。田澤吉郎君。

田澤吉郎自由民主党

○田澤委員 私は自由民主党を代表して、ただいま提案されました決議案に対し、賛成の意を表明するものであります。  申し上げるまでもなく、古来わが国におきましては、年末に一年の総決算を行ない、新たな年を迎えるという風習がありますため、年末年始は中小企業者等が最も繁忙をきわめる時期と相なっております。かてて加えて、本年は、ただいま提案者からも御説明がありましたように、不渡り倒産等が相次いで起こっているという状況にあります。  したがいまして、このような時期にさらに徴税が強化されるということになりますと、納税者はいわば追い打ちをかけられるという結果になりますので、滞納処分等はもちろん、税務調査等は必要最小限度にとどめられるべきであると存じます。  この点につきましては、例年国税庁において適切な措置がとられてきておるようでありますが、なお一そうこの趣旨を末端に至るまで十分徹底させ、いやしくも不測の事態の生ずるようなことのないよう政府において十分な配慮が行なわれるべきであると存じます。  以上、簡単でございますが、賛成の討論といたします。(拍手)

吉田重延自由民主党

○吉田委員長 これにて討論は終局いたしました。  おはかりいたします。  武藤山治君提出の動議のごとく決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉田重延自由民主党

○吉田委員長 御異議なしと認めます。よって、武藤山治君提出の動議のごとく決議するに決しました。  なお、本決議は大蔵大臣あて参考送付いたしますから御了承下さい。  ただいまの決議に対し、政府より発言を求められております。これを許します。田中大蔵大臣。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○田中国務大臣 国税庁におきましては、年末年始の事務執行にあたりまして配慮すべき事項につき、すでに十一月十八日付で通達をしているところでございますが、御決議の趣旨に沿いまして、さらに同通達の徹底をはかることといたしたいと存じます。      ————◇—————

吉田重延自由民主党

○吉田委員長 農業共済再保険特別会計の歳入不足をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案を議題といたします。  他に御質疑はありませんか。——御質疑はないようですから、これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

吉田重延自由民主党

○吉田委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ることといたします。  おはかりいたします。本案を原案のとおり決するに御異議ありません。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉田重延自由民主党

○吉田委員長 御異議なしと認めます。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉田重延自由民主党

○吉田委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。   〔報告書は附録に掲載〕

吉田重延自由民主党

○吉田委員長 次会は、来たる十八日午前十時より委員会を開会することとし、本日はこれには散会いたします。    午後一時十三分散会

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