商工委員会 第2号
- 発言数
- 64 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1964/12/07
会議録
○二階堂委員長 これより会議を開きます。 中小企業に関する件について調査を進めます。 まずおはかりいたします。 企業倒産に関する問題等について調査のため、商工組合中央金庫理事長北野重雄君を参考人として御出席を願うことに御異議ございまませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○二階堂委員長 御異議なしと認め、よってさよう決しました。 —————————————
○二階堂委員長 企業倒産に関する問題等について質疑の通告がありますので、これを許可いたします。板川正吾君。
○板川委員 大臣に質問いたしますが、きょうは予算委員会あるいは石炭委員会でも法案の関係で出席をされるので、時間がございませんから、ひとつ要点だけ簡単に申し上げて質問をいたします。 まず第一に、通商産業大臣になって、中小企業問題も当然管轄下にあるわけでありますが、大臣の中小企業政策に関する基本的な態度、一体これはどういう態度で臨まれるかどうか、その点を伺いたいと思います。
○櫻内国務大臣 御質問がたいへん範囲の大きい御質問でございまして、簡単に中小企業対策はどうか、なかなかどういうところに焦点を置いてお答えしてよろしいのか少しとまどうのでございますが、中小企業の数から申しますと、言うまでもないことでございますが、企業数でも九九%をこえております。それから雇用者は相当動きがありますが、大まかに申しまして大体五〇%見当は中小企業に従事しておるものと私は解釈をしておるわけであります。また、わが国の重要なる輸出産業にどの程度貢献しておるか、これが五〇%から六〇%の見当ではないかというふうに考えてまいりますときに、通産省の中小企業対策というのはある部分の対策ではない、通産省として日本の産業を考えるときに最も重点を置かなければならない対策である、こういうふうに考えながら施策を進めておるのでありまして、それがためには財政の上から、また金融の上から、また税制の上から広範囲に振興施策を講じていきたい。また、最近におきますところの中小企業の倒産の状況が八、九、十、十一と非常に激増をしておりまして、これは私の最も心痛するところであります。したがって、この中小企業の倒産に対する対策が当面の最も緊要なる問題である、こういう心がまえでおる次第であります。
○板川委員 一つまず大臣に注文があるんですがね。中小企業政策の基本的な態度として中小企業基本法がつくられております。御承知のように昨年の通常国会で成立を見たのですが、この中小企業の基本政策の基本的な方向というのは、中小企業基本法にうたわれているわけです。その中小企業基本法は、中小企業の社会的な経済的な重要性にかんがみて、大企業との格差、生産性、所得、賃金、それから経済的社会的制約による大企業に対する不利、これを是正するのが中小企業政策の基本的な方向である。こういうことを前文及び目的の中でうたっておるのですね。これはいま大臣、別なことばで言われたけれども、趣旨としては同じ趣旨を言わんとしたんだろうと思います。それはいいのですが、私はこの際一応確かめておきたいのですが、就任以来座談会その他において、中小企業を転換をさせる政策ということに非常に重点を置いておるような発言が、新聞等を通じて非常に流されておるのですが、大臣は、この企業転換ということは、結局中小企業の切り捨て政策を考えておられるんじゃないか、こう思うものですから、いま言った基本法の基本的な線と違うのではないか、こう思うのです。この点に対して私、ふに落ちないものですから、一応大臣の見解を伺っておきたいと思います。
○櫻内国務大臣 座談会あいは放送を通じての場合に、御指摘のような趣旨を私申しておると思いますが、しかし、その場合限られた時間で話しておりますので、あるいは御懸念のようなお気持ちを抱かれたかとも存じます。しかし、先ほども申し上げましたとおりに、私は中小企業の対策が通産省としてきわめて大切である、最重点的に考えておることは言うまでもないのでありまして、また、御指摘の中小企業基本法に基づいて中小企業の諸施策をやっていくということは、これはもう言うまでもございません。さように心得ておるのでございます。ただ、私としては、ただ単に大企業との格差是正という視野だけでなく、もっと根本的に日本の産業の中に占める中小企業の重要性にかんがみて、これを大いに振興していきたい、こういうような気持ちで、多少表現の巧拙があって御疑問をお抱き願うようなことばがあったかと思いますが、私として、中小企業を切り捨てにするだというような気持ちはみじんもないということを明らかにしておきたいと思います。
○板川委員 池田さんも、従来の所得倍増政策がやや行き過ぎてひずみを是正しなくちゃならぬということをみずから認めておる。また佐藤現総理大臣は、御承知のようにこの池田さんの所得倍増政策というのが単なるひずみじゃないんだ、これは生産第一主義のために人間性を没却した政治、そこに現在の大きな構造的なひずみというものがあるのだ、簡単に行き過ぎたから直すのだという程度のものじゃなくて、構造的な要因に基づくものである、こう言っておるのです。これを直すためには、いわゆる人間を尊重した愛情のある政治をしなくちゃならぬ、こういうことを総理大臣は過般の総裁選挙に公約しておるのです。その佐藤内閣の通産大臣として——現在企業の倒産が非常な、毎月戦後最大という記録を更新しております。簡単に数字をあげてますと、昭和三十四年に一千百六十六件、四百八十四億の負債、昭和三十五年には一千百七十二件、六百五十二億、昭和三十六年には一千百二件、八百四億、昭和三十七年には一千七百七十九件、千八百四十億、昭和三十八年には一千七百三十八件、負債が一千七百億円、昭和三十九年は八月以降おっしゃったとおりに激増いたしまして一月——十一月の間、一年分じゃありませんが、この間に三千六百十六件、負債が三千七百億円、これを年率にいたしますと、大体推定をいたしますと、昭和三十九年はおそらく四千件をはるかに突破するだろう、負債も四千二百億円というような負債額になるだろうということを想定しております。との昭和三十九年というのは昨年、一昨年から見れば約二・五倍、二倍半です。それから昭和三十四、五、六の好況の時代から見ると優に四倍近く倒産がふえておるのです。この倒産の原因といいますか、こういう激増しておる問題に対して、それは政府としては当然心配する、こういうことをおっしゃるでしょうが、ただ心配しているというだけではいかぬと思うのです。前回に中小企業庁長官にお尋ねすると、中小企業庁長官としてはできるだけのことをやっておるのです、こう言っておるのです。やっておるのだがしかし実際はこういうふうに激増している状態が少しも減っていない、こういう現実を大臣はどういうふうにお考えなんでしょうか。これをこのままで放置していい——まさかいいというわけにはいかぬでしょうが、一体この倒産のあらしをおさめ、経済的な不安を解消するような手をどうお考えでしょうか。企業庁長官ではだめだというのですから、この点をひとつ大臣から伺いたいと思います。
○櫻内国務大臣 御指摘のとおりに、最近の年間の倒産者の数、その額、比較いたしまして、本年一月から十一月までの数が、三十七、八年に対比いたしましても、倍以上の合計になるということについては、まことに深憂にたえないものがございます。お手元に資料がおありだと思いますが、本年の一月から六月までの倒産の原因を調べてみますと、静態的な原因として放漫経営が六.八%、過小資本が三・五%、既往の業績不振が三一・四%となっております。動態的な原因として売り掛け金の回収難が一二・〇%、在庫状態の悪化が三〇・九%、設備投資の過大が一五・四%、こういうようなふうに本年の一——六月の間の倒産について、一応の原因があがってきておるわけでございます。かような状況にございますが、いろいろな原因が内在しておりますが、それが表面化いたしましたのは、やはり主として最近の引き締め政策によるところが多かろうと思うのであります。したがってこの年末にかけましては、特に財政投融資のワクをふやす、貸し出し規模を計画を上回るように改善をする、あるいは買いオペを行ない、ただそれだけでなくして、民間の金融機関あるいは日銀等の協力も得るというような、しばしば申し上げておるような施策を講じてまいってきておるのであります。また本年の一年間を通じてみましても、四月——六月に買いオペを行なう、あるいは七月——九月の規模を若干ふやす、あるいは地域的な特殊事情に基づきます集中豪雨だとか豪雪であるとかあるいは冷害であるとかいうような場合にも、それぞれ措置を講じてまいったのであります。しかしそれが十分な効果をあらわしておらないということは、まことに残念に思うのでございます。今後におきまして、ただいま年末金融対策として行なっておる諸施策が不十分でございますれば、さらに追加買いオペなどをいたしまして、この年末に大きな影響がないように細心の注意を払っておるような次第であります。
○板川委員 従来の平年度的なもの、昭和三十四、五、六年からいえば約四倍、不況下の三十七、八年から見ては二・五倍、これはたいへんな社会的な経済的な不安をかもしておると思うのです。それは原因は設備の過大とか放漫経営とかあるかもしれません。しかし佐藤さんはこう言っています。政府は放漫経営だなんということを言う前にみずからを反省しなければいかぬ、みずからの政治を反省しなければいかぬということを「明日へのたたかい」の中で反省しているのです。それは経営になれないために、放漫的だといわれるものがあるかもしれませんが、大部分は、この資料にもありますように、在庫の悪化や既往の業績不振−既往の業績不振というのはやはり設備過大で、そうして設備過大のために、まだ設備が完全な運転をしないうちに金利の支払いに追われるとか、設備を過大にしたが、在庫がふえて、金融引き締めにあったということが大きな原因だと思うのですが、中小企業の立場からいえば所得倍増政策、高度成長だ、経済はよくなるのだということで一生懸命政府の政策に協力する意味で近代化をはかり、設備の改善をしたのですね。設備の改善をしたところが、とたんに引き締めということになって、そういう政府に協力した結果、自分たちが苦しんでおるような結果になっておるのですね。だから私は、これは政治の責任だと考えなくちゃいけないと思う。それは、池田内閣の従来のやり方が大きな原因だということは、佐藤さん自身も認めておるのですから、この場合にきたらその責任を感じて、そして四千件、毎月三百何十件もあるようなものを、少なくとも昭和三十四、五年ごろの水準まで戻すような具体的な政策を持つべきじゃないかと思うのです。最近経済同友会でも大臣に提言があったと思うのですが、経済同友会なんかでは、零細企業をその場あたりの金融をしてこれを保護するのは、かえって日本の経済のためじゃないのだ、この際、国民経済的な立場から、国家経済的な立場からいって、どうも能率のよくないのは整理されてもしょうがないのじゃないか、こういうふうな考え方なんかを出しておるようでありますが、いまの倒産のあらしの中で政府が具体的なこれに対する救済の対策を持たないということは、どうも中小企業切り捨て政策を、口じゃ言わないが、実際はそれを行なっておるのじゃないか、こういうふうにわれわれは思いたくなるのですね。だから、ひとつ、実際この一年間このようにふえておるのだから、ここで具体的な中小企業を救済するような政策を政府自身が持つべきじゃないか、それが政治の責任を感ずるものの立場じゃないのか、こう思うのですが、どうでしょう。
○櫻内国務大臣 御指摘の御趣旨につきましては、おっしゃるまでもなく当然だと思うのでございます。ただ、こういう場合もあろうかと思います。最近の日本特殊鋼のように中堅企業的な、まあ中小企業からいえば親企業的なものが倒産いたしまして、そしてそれによっての関連倒産というような事態もございます。また単に所得倍増政策の遂行ということでなくて、関放経済下におけるこれからの中小企業をどうしてやっていくかというようなことで、そこで近代化や合理化やいろいろ進めていく。しかしその間に御指摘のような金融引き締めがあったというようなことで、非常に影響を受ける場合もあろうかと思います。また先ほど申し上げたような動態的なあるいは静態的な諸原因による場合もございまして、一がいに言えないと思うのでございます。ですから、またこの対策につきましても相当実情に即していかなければならないというようなことで、通産省としては全国の通産局を中心にいたしまして、その地方の実情に即した対策を講じていく。これがためにはその通産局が中心になりまして、政府の三機関であるとか、民間金融機関であるとか、日本銀行の支店であるとか、あるいは保証協会であるとか、さらに親企業また地方公共団体、また大蔵省の出先機関である財務局、こういうものが一緒になりまして、そうして問題が起きれば、そこで懇談をしながらその実情に沿った施策を講ずるように進めてまいってきておるようなわけでございます。それによって相当効果もあげておると思うのでございます。なお、これで不十分であるということでございますれば、ただ政府の関係だけでいたします範囲は御承知のように相当限られておる面がございます、融資ワクを広げるとか、買いオペをするということでも事が足りない場合もあるのでありまして、やはりこれは局間金融機関や親企業やまた地方公共団体等の協力も得なければならぬ。そういう総合的な施策によりまして、この不幸な倒産の実情を何とか打開していきたいというのが私の気持ちでございます。
○板川委員 大臣が石炭委員会に行きましたので、その間一応中断をしておきます。大臣がまいりましたら質問いたします。
○二階堂委員長 森義視君。
○森(義)委員 中小企業の倒産に関連して中小企業の特に徴税問題、あるいは税制問題についてお伺いしたいと思います。先日もこの委員会で、倒産の原因についていろいろとそれぞれ業界ごとに違った原因があり、どこに倒産の原因の主たるものがあるかというようなことについてはなかなかつかみにくい現状である、しかしその中で、倒産の大きな原因の一つに、中小企業の金融問題、それから根本的には構造上の問題、こういうふうに大きく分けて倒産の原因が述べられたわけですが、私、中小企業の税制の問題にも今日中小企業倒産の何割かを含んでおる、こういうふうに思うわけです。そこで中小企業の税制の問題ですが、大蔵省の徴税課長がまだ来てないようですから、税制課長に先にお伺いしたいと思います。 一つは、今度の税制調査会の答申を見ますと、これは昭和四十三年度くらいまでの長期の問題で、この間、十一月何日でしたか、答申に出されましたあれを見ますと、日本の法人税というのは諸外国に比べてそう税率は高くない。ところが企業からみますと、税金かせぎしておるような状態である、こういうふうにいっておるわけです。特に中小企業ですと、幾らもうかったところでほんとうに税金かせぎをしておる、こういう。法人税の税率が外国に比べてそれほど高くないのに、事業家自体がまるで税金かせぎをしておる、特に中小企業においての税金の負担というのは非常に重くなっておるというふうに感じられておる、こういう問題について、表にあらわれておる数字の問題では、あるいはパーセンテージの問題では、なるほど諸外国と比べて日本の法人税が特別に高い、こういうことは数字上は見受けられないわけでありますが、ところが実感としてそういうふうにとらまえておる。これは、たとえば減価償却の問題だとか、あるいはいまの前年度の税金が損失になるんじゃなくして、今年度の利益に勘定されてくるとか、そういう制度の中になるほど表にあらわれておるパーセンテージそれ自体は外国に比べて高くはないけれども、実際の税負担が非常に重いと感じられるような形になっているんじゃないか。特に聞くところによりますと、アメリカなんかでは償却が終わったあとでも維持費だとか修繕費という形で税の控除を認められておる、こういうことになりますと、いわゆる企業内留保がどんどん、たくさんできるわけですね。そういう問題で、日本の中小企業の場合においては企業内留保ができないものでありますから、ほとんど利益が税金に取られてしまう。したがって外部からの金融に運転資金、設備資金を問わず依存しなければならない。その金利がどんどんとかさまっていく。さらにそういう政府金融機関だとかあるいは公正な金利によるところの借り入れだけじゃなくして、苦しいときにはやみ金融にたよってくる、そういう金利の負担が累増していって中小企業の経営が非常に苦しくなってきている、こういうことが法人税率それ自体が諸外国に比べてさほど高くない、あるいはほぼ世界水準に達しておるといわれながら、日本の企業家の法人税が高くて困る、税金かせぎをしておるのだ、こういうことになっているのじゃないか。したがって、そういう問題から、私は税金の問題についてはもう少し、特に最近のように中小企業がどんどんと倒産していく中では、税金の問題についてはもう少しきめのこまかい、実情に合ったような措置を考慮していただく必要があるのじゃないか、こういうふうに思うわけなんですが、そういう表にあらわれた税率と実際に日本の中小企業家が税金で困っておる現状、そういう問題について制度上どういうふうなお考えを持っておられるのか、特に諸外国の例を勘案してお答え願いたいと思います。ドイツなんかでも減価償却の問題が早くからされておりますが、そういう問題が日本では最近是正をされたというふうに聞いておりますけれども、いままでの積もり重なった、そういう税制上のいろいろな欠陥が今度の中小企業に特にきびしくあらわれておるんじゃないか、こういうふうに思いますので、この点についての税制上のお考えをお聞かせ願いたい、こう思います。
○山下説明員 ただいま御指摘のございました税制調査会の、まだ審議の段階でございますが、その段階におきましても、先生のおっしゃいましたように、わが国の法人税負担は諸外国に比べまして決して高くないということは数字上はっきりいたしておるわけであります。ただ、いまお話がございましたように、諸外国に比べて税率は決して高くないけれども、税負担感といたしましてどうであるかということは別個の問題であると思います。御指摘の中小企業の問題につきましては、すでに税制上におきましても、所得が三百万円以下の場合においては軽減税率をすでに適用されるということでもありますし、また、お話しの減価償却の問題でございますが、これは昨年から改正作業を進めまして、本年からは著しく短縮されまして、アメリカあたりと比べますと、ただいまはわが国のほうが耐用年数は全体として減価償却の関係は改善されておるんじゃないか、かように考えておる次第であります。なお、中小企業につきましては、特別措置といたしまして、中小企業近代化促進法に基づく場合の特別償却、あるいは中小企業者の特別償却、機械の特別償却というふうな面で、中小企業につきましては従来ともにいろいろ措置を講ぜられておるところであります。そうした関係からいたしまして、十分政府としても意を用いておるわけでございますが、今後ともその点につきましては慎重に考慮いたしていきたい、かように考えております。
○森(義)委員 先ほどお伺いしました中で、前年度納めた税金が損失にならずに利益金に繰り入れられておる、こういう制度になっておるようですね。その点はどうなっておりますか。
○山下説明員 申し忘れましたが、その点は単に中小企業に限らず、法人税につきましては、法人税法九条一項に、法人税等は損金に算入いたさないということになっております。これは諸外国とも同じであって、単にわが国だけではございません。ただ中小企業にとどまる問題ではございません。
○森(義)委員 そこで、そういうことでは中小企業では自己資金の積み立てとか社内留保とか、そういう問題がなかなかできないわけです。去年納めた税金が損失にならず利益になるということになりますと、どこで中小企業は自己資金の社内留保をやっていくか、なかなかむずかしいと思うのです。今度は、税制調査会の中間報告では、法人税と配当の支払い分は一本にして、そうして法人段階に源泉課税というのですか、いわゆる法人税の三八%と配当分の二六%ですか、これを一本にして三五%にする。こういうことで、非常にややこしい税法をうまく一本にされるという案を出されておるわけです。こうなっておる限りにおきましては、資本の積み立てというか、あるいは株式の側から見ると、そういうことは配当支払い分がやはり法人税と同じように三五%一率にかかるわけでしょう。同じ率になるわけですね。そうなってくると、ますます中小企業なんか苦しくなってくるんじゃないですか、資金の調達の面において。これは大企業も含んででございますけれども、そういう形で、中小企業のいまのような状態ですと、中小企業が自己資本をもって企業を健全化していくということが税制上の問題からますます困難になるように思うわけです。もちろん、法人税は中小企業も大企業もその点においては同じような税法でやっておるんだ、こういうような答弁ですけれども、大企業の場合ですと租税特別措置法の恩恵を受ける面がたくさんあるわけです。中小企業の場合におきましては租税特別措置法の恩恵を受ける面というのはごく小さいわけです。そういう面において大企業と同じように一本の法人税で、ただ利益が少ない場合における中小企業に対する税率を考える、こういう措置だけでは中小企業の実際の自己資本の温存ということはむずかしい。中小企業の倒産の中に大きく原因となって、第二元的な原因となってあらわれておる、こういうふうに思うわけなんですが、これは国税庁の税制の中で、皆さんがここで中小企業の成り立つような税金というふうな考え方で考えてほしいということは、ちょっと無理かもわかりませんけれども、私は税法を考える場合に、ぜひともそういう面について御配慮を願わないと、日本の中小企業のこれから生きていく道において非常な欠陥が生じてくるのではないか、こういうふうに思うのです。これは皆さんに、直接中小企業の立場を考えて税金を考えろというのは無理かもわかりませんけれども、そういう点について中小企業の、たとえば社内留保だとか自己資金の蓄積だとかいう問題を税金の面から考えた場合に、どういう方法をやれば一番効果的なのか、税制の面からお考えになっておることがあればお教え願いたい、こういうふうに思います。
○山下説明員 ただいま先生御指摘のございました税制調査会の案として伝えられているところでございますが、これはどういう考え方かと申しますと、お話もございますように、現在法人税の一般税率は三八%でございますが、配当に回した分が二六%、こういうことになっております。これをこの際一本にしまして全部——昔はそうだったのでございますけれども、三十六年から配当課税制度が設けられたのでございますが、それを一本制度にして三五とか四とかというふうな案にしたらどうかということでございます。これは要するに中小企業の現実から見ますと、中小企業におきましては配当はあまりせられておらないという関係からいたしますると、三八が下がるという面におきましてむしろいい案じゃないか、かように考えておるわけであります。ただ、これはいろいろ問題がございまして、まだ正式には税制調査会の案としてもきまっているわけではございません。伝えられる案としては、そういう中小企業の現在の配当制度から見ますと、そのような面を持っているかと思うわけでございます。 ところで、中小企業につきましては、先ほど申しましたように、要するに年所得三百万円以下につきましては、現在一般税率三八%を五%下げまして三三%という率が実施されていることは御承知のとおりでございます。これをこの際どうするかという問題は、中小企業の内部積み立ての問題に非常に関係するかと思うわけですが、目下これにつきましても、税制調査会におきまして審議せられているところでございまして、近くその結論が出ると思うわけですし、それからまた、特別償却等につきましては御指摘のような御意見もあるわけでございますが、特別措置は決して大企業のみではございません。先ほど触れましたように、中小企業独自につきましての特別償却があるわけでございます。特に本年の改正につきまして、たとえば大企業に多い重要産業の合理化機械の特別償却は、初年度、従来は三分の一でございましたのを四分の一に切り下げましたけれども、中小企業につきましては従来どおり三分の一に据え置いたというふうな事情の経緯もございました。政府としても、そこは十分意を用いているところでございます。
○森(義)委員 税制調査会の今度の答申は、これは長期税制改正による——三十七年ですか、池田さんの諮問されたそれに対する答申なんでしょう。だから、あれはたしか四十三年度のあるべき税制の姿という答申だと思うのです。そこで、来年度の税制に対する調査会の答申が出るだろうと思うのですが、これは基本的には税制調査会の中間答申というのですか、中間報告というのですか、これとあまり変わらないのですか、それとも、当面する中小企業のこういう倒産の対策から考えて、中小企業の問題について、来年度は来年度の当面の税制として特別に考える面というのがあるのですか、ないのですか。
○山下説明員 ただいまのお話は税制調査会の長期答申の問題でございますが、これは来年度から当面四、五年あたりを検討しまして、そのあるべき税制のあり方ということで答申される予定でございますが、他面、昭和四十年度の税制はどうするかということにつきましても、現在税制調査会で御審議を願っておるところでございます。まだ結論に至っておりませんので私から申し上げる段階でございませんけれども、来年度の企業課税、所得課税全般につきましても、答申の中にはやはり中小企業についても十分考慮が払われるのではないか、かように考えております。
○森(義)委員 それでは、大臣あまり時間がないので、板川先生の質問が中断されておりますので、ここで中断して、板川先生に大臣に対する質問を先にやっていただきます。
○板川委員 大臣にひとつ真剣な倒産対策を立ててもらいたいということを要望したいのです。それには、当面やればやれることもあり、それからその次には、次の国会なりにそういう考え方を打ち出すという手もあると思うのです。当面やれる手としては、この十二月もまた非常に倒産も多いですから、倒産及び関連倒産するものに対する救済融資のワクというのを——これは大臣、買いオペをやるとか財政投融資をやるということを言っております。それは新聞にも出ておりますが、それだけでは不十分だと思うので、この際緊急に大蔵大臣と相談して、大蔵大臣もこの間の予算委員会で、買いオペ五百、財政投融資八百というようなことがあったけれども、柔軟な態度で、さらに必要があれば考慮する、こう言っておるんですから、私はこの十二月の、特殊鋼なんかを中心にまたさらに大きな倒産が相続いでいますから、倒産をできるだけ押えるために商工中金等に緊急の救済融資のワクを大蔵大臣と話し合って、ひとつ何とか倒産を最小限に食いとめるような当面の措置ができないものだろうか、こう思うのです。 それから、税金の問題についてはいま話しましたが、延納の制度をとるなりということも、これはできることですから、あるいは分納制度をざらに強化するという方法もできることですが、そういうような当面できる対策をとりあえずひとつ大臣真剣にやって、この倒産をできるだけ少なくするような活動をさっそくやってもらいたいと思うのです。われわれとしては、この中小企業の危機突破に対する決議案というものを用意しまして、そして政府に多くの注文を出そうと思っているんです。当面の対策、さらに将来の検討、こういうものを出そうと思っていま検討しているのですが、ぜひひとつ、大臣が、中小企業切り捨てだというような気持ちを持たせないように、真剣にこの問題と取り組んでもらいたいと思うのです。 時間の関係もありますから、以上の点について要望しておきますが、大臣の見解を伺いたいと思います。
○櫻内国務大臣 先ほど私も、地方の実情に応じての具体的な施策を講じてまいりたいというお答えをしておったのでありますが、時間の都合上十分でなかったと思います。 ただいま御指摘の三点でございますが、実は池田内閣の末期に、佐藤内閣ができました後に、私の手で、大蔵省と意見の一致いたしました八百億のワクの拡大とか、五百億円の買いオペの実施とかいうような点について、これがあるいは十分ではないんじゃないかということで、総理の御指示もございまして、いろいろ検討をいたしました結果が、まず融資ワクのほうはこの程度でいけるんじゃないか、買いオペもまずいけるんじゃないか、それよりもまず先ほど申し上げましたような民間金融機関や地方公共団体、あるいは保証協会など、その他の施策のほうが一そう中小企業の皆さんに必要であろうというようなことで、すでに発表いたしました年末金融緊急対策として講じたわけでございます。なお、その間に日本銀行とのお話し合いもしたことは御承知だと思います。したがって、この融資ワクの拡大につきましては、大蔵大臣も私も、もし実態にそぐわないという場合については、これはいま現に非常に多くの倒産を見ておるのでありますから、これに対する施策として当然考えていかなければならないと思います。心組みとしては、弾力的な気持ちを持っておりますが、現実に三機関の融資の状況などを勘案してまいりますと、実は御承知のように旅行から昨晩帰ったのでありますから、あるいは新しい事態というものがあれば、これは別でございますが、いままでのところはまずこれでいける、こういうふうなことでまいっておるのでございまして、もし新しい事態が起きておりますれば、もちろんそれに対する対策は大蔵大臣とも考える、これには間違いはございません。 なお、税金の問題については、すでに中小企業庁の長官等からお答えをしておると思います。また、ただいま御質問の中でも御了解をされておるようでございますが、私としては、実情に沿うて延納あるいは分納というものを進めて、この税金面からの、金融面の負担の過重にならないようにお世話を申し上げたいと思います。 けさほど私、党のほうからも承ったのでありますが、ただいま、超党派で中小企業の危機突破の決議が行なわれるべくお話し合いが進んでおるということでございます。当面の中小企業の実情からいたしまして、国会の皆さま方からそのように御心配をちょうだいしておるということは感謝にもたえませんし、また一そう私の責任の重大さを感ずるのでございまして、お話し合いがつきますれば、その決議の趣旨に沿いまして、私のできるだけの善処をいたしたい、かように存ずる次第でございます。
○板川委員 もう二、三点。ちょっと言い落としたのですが、この不渡り等が予想される場合、しかもその中に相当な黒字倒産というものがあるのですね。この黒字倒産が予想される場合に、企業者の相談相手になる倒産防止の相談機関というのが必要じゃないか。これは法律がなくたって、いま政府が行政指導でできると私は思うのです。政府の出先機関とか、あるいは政府関係の金融機関とか、中小企業団体、一般関係の金融機関、さらに労働組合等も交えて事前に——倒産をしてからの対策も、これは事後としてやむを得ないとしましても、倒産する前に合同でそういう相談機関を設けて、そうして事前にこれを防止する、こういうことも必要じゃないかと思うのです。佐藤総理は、かつての「明日へのたたかい」の中で、そういう機関も必要だなんてことを言っておりまするから、そういう点もひとつ考えてもらいたい。 それから、これは中小企業庁長官に聞いたのですが、政府は倒産に対する実態調査というものは全然やっていないのですね。興信所に全部まかしてあるのです。興信所は一千万円以上の負債の倒産しか調査の対象としていない。だから、一千万円以下の倒産がどれだけあるかということは政府はわからないのですね。実際、この倒産するのを見ると、平均九百万といいますか、一千万以下が九〇%を占めておりますね。一千万円以下の資本金の会社が九〇%倒産しておる、負債は一千万以上にしても。とにかく中小零細企業ほど倒産が大きい。特に社会的な問題になっておるのは連鎖倒産、零細企業の倒産、こういうものの倒産の実態というものを政府は何ら把握していない。把握していないから対策が立たない。ですから政府の機関が、大蔵省や関係機関と協議した結果、政府自身による倒産の実態調査をすべきものではないか、こう私は思うのだ。 それから、信用金庫、相互銀行等の中小企業金融機関が、あぶない中小企業に金を貸すよりはコールに回したほうがもうかるということで、いまこの不況の中で一番もうけているのは信用金庫と興信所だ、東京興信所だ、こういう説があるくらいであります。この中小企業金融が非常に逼迫している中で、中小企業に金を貸すべき金融機関が、貸さないでコールに回すようなことは、まことに使命の上からいっても問題だ。こういう点に対してはコールの規制等、さっそく行政指導をもってとりあえず規制を加えるべきじゃないか、こんなことが当面できる問題じゃないかと思うのですが、このあとの三点について政府の見解を伺いたい。
○櫻内国務大臣 ただいま、黒字倒産のような場合に事前に相談をして防ぐようにという御趣旨で相談機関のお話がございました。これはしばしばお答えをしておりますが、地方通産局を中心としての金融懇談会などで一応はごめんどうを見ておるつもりでございますが、しかし御趣旨の点について、今後通産局のみならず、地方公共団体の商工部などを中心にいたしまして、さような機関と申しましょうか、懇談の場を設けまして、事前にそういう問題の起こらないように措置をしてまいりたいと思います。 それから倒産に対する実態調査の問題でございますが、お話のように政府としてそういう成規の調査をしておりません。金融機関を通じての実情の把握につとめておるわけでございますが、ただ地方の商工会などで指導員もございまして、地方地方の通産局でどういうような問題が起きておるかというようなことについては、ある程度の資料を寄せてはおるのでありますが、これが責任ある統括的なものにはなかなかなりにくい。しかし御指摘のように十分実態をつかんでいくということがより好ましいということは当然でございますので、今後におきましてもそういう努力はすべきものだと私は思います。 それから信用金庫や相互銀行のコールに回っておるお話は、これは遺憾ながらそのとおりだと思うのでありまして、私どももその点については、これらの機関に対し、大蔵省とも相談の上で、本来中小企業に回るべき資金というものがそういうところで利かせぎをしてもらうのは困る。ということで絶えず注意を喚起しておるような次第でございますが、これらの点については今後においても大蔵省と相談の上で、でき得る措置は講じてまいりたいと思います。
○二階堂委員長 通産大臣、予算委員会のほうにどうぞ。
○森(義)委員 引き続いて御質問いたしますが、先ほどからお伺いしますのは、実は私は税制調査会の答申案をさらっと読んでみたのですが、実際に中小企業のいまの倒産に関連して、そういう考え方はプラスになる面が全然ないのです。そこで長期にわたる税制全体の改正の問題だから、当面のそういう情勢に対処するのはあれじゃないからということで、やむを得ないのだろう。ところが当然税制調査会から来年度の当面の税制の問題についての、特に中小企業のこういう歴史的な倒産に対する何らかの配慮が出てくるだろうと思っておったが、これにはそういうことが期待できない。そこで私は、来年度は特別な税制上の倒産問題を配慮した何かが出るのじゃないか、こういうふうに思うので聞いてみたところが、来年度の税制調査会で当面の税制についてはいま検討中です、こういうことなんです。そこで特に中小企業の設備近代化のための積み立て金を非課税措置をする、こういうことを考えてもらえないだろうか。それから、中小企業の中で増資に向ける配当分を非課税措置にする。何か中小企業の税制の問題でこういう危機突破のための——これは長期にわたっての税制じゃなくてもいいと思うのです。当面の危機対策として税制上ぜひ考慮に入れてもらいたい、こういうことを実はお聞きしたいと思って、先ほどから質問しているわけなんです。ところが、来年度の税制の問題についてはいま検討中でまだ出ておりません、こういうことなんですが、これは中小企業庁長官にも大臣にも特にお願いしようと思っておるのですが、座をはずされましたので、おたくのほうでそういう配慮をせられておるということがあればぜひお聞かせを願いたいし、考えてなかったら、そういうことを今度の新しい当面の税制対策として入れてもらいたいという声があるのです。それについてひとつ見解をお聞かせ願いたい。
○山下説明員 税制調査会の長期答申のほうは非常に基本的な税制全般のあり方でございまして、こまかい点までは話が及んでおりません。その点は御了承願いたいと思います。ただ毎年の例といたしまして、少なくとも当面する来年度の税制改正をどうするかにつきましては、税制調査会に臨時小委員会を設けられまして、臨時答申が出されるのが通例でございます。本年もまたおそらくそれは出されると思います。その際におきましては、相当こまかくいろいろ企業課税並びに所得課税の全般に通じて答申を出されるのではないかと思うわけであります。なかんずく中小企業につきましては、現在すでにある、先ほど申しましたような法人税の一定の取得金額以下の場合の軽減税率の問題であるとか、そういうようなことにつきましてもいろいろ審議が続けられておりますので、そうした意味からいたしまして、どのような結論が出るか私から申し上げるわけにはいきませんが、中小企業についても十分の考慮を払った上での答申をされると思うわけであります。 なお、ただいま先生の御指摘のございました中小企業につきまして設備近代化の積み立て金のようなものを非課税にするというようなお話につきましては、いろいろ従来からこの点については言われておるところでございますけれども、これは租税特別措置の中でも税制調査会では避けねばならないと申しておりますところの利益留保の準備金に相当するものである、もちろん昨今の情勢からというふうな御意見もございますけれども、これはやはり税制としてはとるべきではない、むしろ他の面において十分検討すべきではないか、かように考えておりますので、その点は申し上げられると思います。
○森(義)委員 当面のそういう点について、税制調査会のほうで細部にわたっての答申の中で御配慮いただきたいと思うわけですが、これはいずれ共同提案で出される中で要請が出ると思いますけれども、そこで当面の措置として、実は中小企業に対する徴税の面でいろいろと御配慮をいままで願っておるわけであります。分割措置、延納措置というようなことを御配慮いただいておるわけですが、最近大蔵省のほうから、来年の三月までにいままでの延納分、滞納分は徴収すべしという指令が出されたと聞いておるわけであります。大体中小企業の延納分は二カ年ですか、分割、分納を認めておるわけですが、そういう形で片方で認めながら片方では来年の三月までにいままでの滞納分は全部取れという指令を出しておるように聞いておるわけですが、その指令を出しておられますか。
○小泉説明員 先生のおっしゃる分納に二通りあると思うのです。一つは、二カ年というお話から考えますと、それは徴収猶予、これはいろいろと災害にあった企業とかあるいは非常に特異な、災害に準ずるような事故のあった企業の場合、二カ年の徴収猶予という制度があります。もう一つは、法人税法あるいは所得税法あるいは相続税法、それぞれの税法の中に入っておりますいわゆる延納、法人税法で申し上げれば、申告のときに半分納めれば残る半分は三カ月以内延納ができるという規定でございます。この二つの場合、いずれもなるほど三月末に期限のくるものもございますれば、四月、五月のもあるし、今月のもございます。これらについて、特に三月の分は三月に納めろという指導はもちろん署でいたしておると思いますけれども、四月、五月あるいは六月のものを三月に繰り上げてここで延納を打ち切るというような指導ないし指示はいたしておりません。御了承願います。
○森(義)委員 これは先日業界との懇談会でその問題が特に強く指摘をされているわけです。私は、先ほどの御説明でも、いまの御報告でも聞きますと、当面の中小企業のこういう歴史的な倒産に対して、税法上では、あるいは税の徴収技術上では総じて何らそういうものを特異として考えておられない。たとえばいままでそういう指令を出さなかったが、ことしに限って特別に三月までに滞納しているやつを全部納めさせる、こういうことになりますと、逆ですね。そういうふうに受け取ったわけなんです。いまのお話ですと、何か徴税のほうではそういうことを特別に考えておられないというお話ですが、これは大蔵省から通達が出されているのですか。それは事実ございませんか。
○小泉説明員 私御答弁申し上げたのは、制度の問題としてそういう制度がある。また、現在三月までに特に全部分納分を納めろという指令が出ているのじゃないかという御指摘でございましたので、さようなお答えを申し上げたわけでございますが、この不況下あるいは経済調整下で何か特別の措置はないかという御指摘でございますれば、実は措置がすでにとったのがございますので、藪田徴収課長のほうから……。
○藪田説明員 具体的な措置につきましては、従前から、先ほど管理課長の申しましたように、延納、分納の措置をとってきております。特に本年度に入りまして以降、当面の経済危機に対処いたしまして、税法上は企業で著しい損失を受けた場合、あるいはその事業を廃止あるいは著しく縮少した場合、さらには売り掛け代金の回収が従来に比べまして非常に長期化してきた場合、そういったような個々の例をとりまして、従来から考えてきましたそれらの観念を若干広げることによりまして、これらの適用が広く救済できるというような措置をとってございます。たとえば売り掛け代金等につきましては、従来はやはり不良債権という形で、相手方が倒産あるいはその他によりまして回収が不能になったというようなものを明確にして、その中から落としておりました。従来からの取引が大体三〇%くらい期間的に延長になりまして、大体サイトが百二十日をこえるといったような債権につきましては、特に従来の貸し付けに準じまして、それらのある程度の分については計算上入れまして猶予を認めるかどうかということを考えていきたいというように、特別の措置をいたしております。
○森(義)委員 事実問題として企業が倒産した場合、もちろんこれは債権者会議が開かれて、あとの企業の整理が行なわれるわけです。そういう場合、商法上の先取特権からいうと公課が第一位なんですね。それから人件費ですか、そういう場合に、税金の場合はどういうふうな措置をしておられるのですか。企業が倒産して債権者会議が開かれて、債権者から管理者を出してやるという場合に、税金関係はどういう取り扱いをしておられますか。だれか担当者がその債権者会議の中に入っておられるのですか、公課の債権ですね。
○藪田説明員 具体的には、一般的に倒産状態に入りました中におきましては、普通の債権同様の態度でございまして、しいて積極的に債権者会議に入る場合は少ない思います。ただ現状でございますと、たとえば会社更生法等で申し立てる場合が多うございます。おそらく、更生手続に入るものが多い。そういった場合には、やはり当然裁判所のほうからも国税についての御質問がございますし、これらについては積極的にその場に臨んで意見の開陳をいたしております。大体従前と違いまして、こういった場合に必ずしも国税が最優先するという考え方はございませんで、裁判所の認定にもよりますが、一般債権の例によって考えておられるようでございます。その場合に、それまでのいわゆる保全措置、担保の関係あるいは差し押えの関係、そういったものは別個にやられております。
○森(義)委員 一般債権と同じように考えておるということですが、倒産した場合、労働者の退職金や賃金の支払いの問題が競合するわけですね。税金が第一優先だからという形で——他方では、積立金をしていなくても、退職金規定がちゃんとあった場合には、当然労働者はもらえる権利を主張しますね。そういう場合に、いまお話しのように一般債権と同じような取り扱いをしておるんだということならば、人件費のそういものは先に優先しますか。公課が優先するんじゃないですか。
○藪田説明員 いまの御質問の点は、おそらく、たとえば会社更生法によって整理に入りまして、一応ある一定限度におきますところの国税なり債権なりがきまりまして、そのあとにおいて、事業が継続されておりますから、それに対する従業員に対する給与の関係、それから国税の関係にどちらが優先するかという問額かと思います。この場合におきましても、税が優先順位にあります場合の優先順位については変わりはございません。ただ実際の場合には、その辺で裁判所のほうでそれをどちらを認めるかという問題が出てくると思います。おそらくその給与の関係と、それから給与に関する源泉所得税なんかが競合する場合が多いと思います。必ずしも常に給与に国税が優先するということはないと思います。
○森(義)委員 会社更生法の適用で裁判所から管財人をきめて更生法の適用の決定がおりた場合はいいのですが、全部解散してしまう場合は、労働者はそこの資材を持ち出すわけです。その場合に、税務署と金融機関とのあれでトラブルが起きるわけです。われわれは夜こそっと、あれを張ってあるやつを持ち出すわけですが、そういう場合に、いまのお話ですと、優先順位は変わらないけれども、実際の取り扱いとしてはかなり実情に合うたような取り扱いをしている、必ずしも先取特権を主張してない、こういう話ですが、実際問題として、差し押え物件、そういう形のものをわれわれが持ち出した場合、大問題になる可能性があるでしょう。
○藪田説明員 現に差し押えを受けております物件は、動産の場合は、国税だけではございませんが、大体占有を国税のほうに移すのが大原則であります。ただその事業の状態でございますと、それを引き揚げることによって、事業がその段階でストップいたします。通常の場合、それらの事情を勘案して、使用許可をしておるのが実情だと思います。要するに相手方に保管を要請する、そして保管の状態で事業を継続していく、その間そのものを使用しておるという状態が通常でないか。大体引き揚げるかどうかという場合の判断はそういうことで、常にそれを引き揚げることによって事業に著しく影響を与える、むしろそれを相手力に保管使用を許可することによって納税が促進されるでないかということで、そういうふうに引き揚げをしないで保管をし、使用を許可しておる。大体事業の場合はそういう例が相当多いと思います。そのものがやはり相手方に保管の責任がございます。その保管の責任のあるものがその状態のままで第三者に持ち出されたということになりますと、当然そこには問題が出てくるかと思います。
○森(義)委員 ちょっと具体的な問題になりますけれども、保管の責任者は経営者であるわけで、一応使用をさせてもらっているという形ですね。そういう場合に労働者が持ち出した場合、国税庁が労働者を相手に告発されるということはありますか。使用者に保管の責任はあるけれども、持ち出したのは労働者なんです。
○藪田説明員 当方の対象としてはあくまでも保管の対象でございます。ただ差し押え物件でございますので、相手に使用の許可がございましても、当然封印その他、あるいはときによりましては搬出の禁止その他の措置がしてあるかと思います。それらの条件に該当する場合には、たとえば封印を破棄したといったような問題は当然当事者にかかってまいります。それからあと債権の追求は第一次的には相手方、相手方に対する追求が第三者に及ぶ場合ももちろんございますが、それはそのときの情勢によりますので、一がいに言えません。
○森(義)委員 そうすると、債権の追求はあくまでも第一人者ですから、使用者、経営者になるということに考えていいわけですね、労働者が持ち出しても。国税庁が考える場合ですよ。
○藪田説明員 一般論としてはちょっとお答えしがたいのですが、要するにその持ち出すときの状況によりまして、一がいにそれが常に当面の相手方であるところの経営者のみに限定されるかどうかは問題だと思いますが、ただ徴収法のたてまえからまいりますと、一応保管を命じておりますのが滞納者であります相手方であります。したがって、それがかりに使用を許可されている場合も、従前の状態のようにおいて使用する、たとえば織物の織機でございますと、それを使って織物業を継続していく、あるいはほかのものでもそういう状況で続けております。それがどういう形で動かされるかはやはりそのときの状況によると思うのです。直ちに第三者にいくという状況は、普通徴収法のたてまえからまいりますとないかと思います。
○森(義)委員 労働者の場合は生存権の問題だから、いわゆる緊急避難で、あらゆるものに優先するのだということで持ち出す。とにかく生きていかなければならぬから、これは緊急避難という形で、現行法のあらゆるものに優先するのだという考え方で持ち出すという場合に、国税庁から告訴されるというふうな問題が起きるかということを私は聞いたのだけれども、いまのお話ですと、あくまでも保管責任者である第一人者の経営者であるとお聞きいたしましたので、そういうふうに了承いたします。
○藪田説明員 ただいまの点は、一般論としてそういうふうに直ちに御理解願うと、将来問題が出る場合があろうと思います。使用を継続するときの情勢において、大体はそういう将来のことはあまり考えておらないと思います。ただ、大体動産は、最初に申し上げましたように、占有を改定して引き揚げるのが原則であります。それをもとへ残しておりますのは、やはりその事業を継続することによって、あるいはそれを保管させることによって、業者がその段階においてより納税を推進することができるという考え方でやっておりますので、それが賃金の不払い等が生じまして、いわゆる従業員との間にいろいろのいざこざができた、それからそれを持ち出されたときに、そちらのほうが常に優先するというような考えは、ちょっとその場のいろいろな状況でないと出てまいりませんので、その場合に、直ちに第三者とどういう関係に入るかというのは、その場の状況でないとわかりません。ただ当方が最初想定したときには、相手方との関係にありました。通常の場合ですと、相手方に大体——棄損した場合、極端な場合、封印がございましたものを、封印を破棄して持ち出して売却したということになりましたら、当然そこで第三者の封印破棄その他の問題が出てくる。情勢によりませんと、一がいにお答えできないと思います。
○森(義)委員 そういうことになるだろうと思うけれども、一応時間の関係もありますので、そのくらいでおいておきます。 商工中金の北野さんがお見えになっておりますので、この前のあれで、参考人としていろいろと御意見をお伺いしたわけですが、これは私ちょっとノートしておったのですけれども、間違いがないかどうか、ちょっと先に確認したいと思うのです。いわゆる商工中金の取引先では五月から十月までの間に百四十一件が倒産、こうおっしゃいましたが、間達いでございませんか。——そうなりますと、もう一つ聞きたいのですが、百四十一件というのは、いわゆる商工興信所の一千万以上の負債で倒産したもの、それと同じか、もっと以下のものも入っているのですか。つまり五月から十月までですと、全国で一千万以上の負債で千六百六件の倒産です。そうすると、商工中金の取引しておるのは、そのうちの百四十一件ですから、一〇%足らずだ。商工中金の取引しておられる、いわゆる組合金融でやっておると倒産が非常に少ない、こういう数字のように私は見たのですが、この百四十一件というのは一千万以上の負債の倒産なのか、あるいはそれ以下も含んだものか、ちょっとお聞きしたい。
○北野参考人 先日申し上げました五月から十月までの六カ月間の商工中金の取引先の倒産件数百四十一件と申しますのは、これは負債金額とか資本規模とかいうことに関係なく、商工中金の所属の組合と当の組合員の倒産件数でございまして、大体金額的には事実上一千万円以下のものが多いだろうと思います。いままでのところ、幸い取引先の倒産件数は少ないという状況でございますが、ただこれが商工興信所の調べにかからない負債総額一千万円以下のものが多いだけに、小さなところの倒産の動向がこれによってわかるわけでございまして、その件数が五月から十月まで、毎月毎月ふえてきております。やはり十月は最高の三十八件でございます。
○森(義)委員 なるほど、そうするとこの百四十一件というのはむしろ一千万以下の小口ですね。そうすると商工興信所の統計の中にあらわれていないものですね。それからたしかこの間の説明では、いまの商工中金の貸し出しが三千八百億、これは手形割引を含んでですか。
○北野参考人 そうでございます。
○森(義)委員 その中で六割以上が短期で、あとは長期、短期というのはほとんど一カ月か二カ月のものだと思うのですが、手形割引を含んでいるというと、その短期の六側というのは手形割引が中心ですか。
○北野参考人 大体いま御指摘のように、現在貸し出し残高は三千八百億をこえておりますが、その六割強が短期運転資金でございます。短期運転資金と申しましても、これは一年未満の分でございまして、三カ月のもございますが、大体もっと長い方が多いのでございます。それから短期貸し付けの中で手形割引は相当の割合を占めておりますが、いま正確な数字を存じておりません。
○森(義)委員 商工中金が政府三金融機関の中で、特に組合金融として今回の倒産の激増の中で果たしておられる役割りは、私はたいへん大きいと思うのです。かなり熱心にやっておられるということについて、実は感謝をしておるわけです。そこでいま出されました百四十一件の倒産の実情を、これは商工興信所の調査と全然違う別なあれでやっておられますものですから、私たちも参考にしたいと思いますので、この「商工金融」という雑誌、そういうところにも載せてほしいと思うのです。そうすると一千万以下の負債、債権の倒産のあれがよくわかると思うのです。そこで、先ほどちょっと北野さんも座談の中で話をしておられたわけですけれども、関連倒産で不渡りをもらってそれが会社の欠損になって倒れていく、こういう場合の資金手当て、これは短期ではとても返済能力はないと思うのですが、そういう場合にはどういうふうな取り扱いをしておられますか。将来その企業は返済能力があるという場合に、かなり長期にめんどうを見ていただければ、私は倒れずにやっていける面が相当あるのじゃないかと思うのです。そういう場合においてどういうふうな見方をしておられるか、また従来そういうものに対する手当てをどう考えておられるか、お聞かせを願いたい。
○北野参考人 特に私どもは、前会も申し上げましたように、この際連鎖反応によりまして、企業自体としては堅実に運営されていながら倒産するというような、いわゆる黒字倒産は絶対にないようにしたいという意気込みでやっております。したがいまして、その欠損補てんのためのいわば赤字融資になるわけでございますけれども、企業が健全に経営されております限り、これは長い目で見れば返ってくるのだ、こういう考えでおるわけでございまして、そういうものに極力資金手当てをしようということでやっておりますが、最近の資金需要の面から見ましても、そういったうしろ向きの資金需要がふえておりますだけに、長期運転資金を希望しておる向きがだんだんふえてきておるわけでございます。これにもできるだけ応じるようにいたしておりますが、ただ年末なんかになりまして、非常に仕事が多い場合に、長期運転資金となりますと、勢い相手先のいろいろな資産状況、取引状況なんかを調べますために時間がかかるおそれがございます。そこでとりあえず短期運転資金でまかなっておきまして、年が明けて少しひまになってからゆっくり考えて、あとをつないでいく、こういうようなやり方でやりたいと思います。
○森(義)委員 それからもう一つ。第三・四半期の貸し出しの純増が五百五十億だ、特に十二月だけでも三百四十億考えておる、こういうお話なんですが、中小企業というと、長官のあれでは商工中金に大体財投が三百二十億ですか、それから先ほどの通産大臣のお話でも、年末中小企業金融を政府は特別な配慮をする、全部で八百億ですか、それで何とか切り抜けられると、北野さんのこの間の説明でも、第三・四半期に五百五十億、十二月だけで三百四十億を考えておる、こういうことなんですが、この十一月の倒産を見ますと五百件をこしておるわけですね。それで年末金融には、十二月倒産が続いてくるわけですから、私はかなり大きな金額が必要になるのじゃないかという気がするのですが、いまのあなたの見通しでは、それだけでやっていけるという見通しなんですか。
○北野参考人 実は、この間十月二十三日に財政投融資の追加が決定になりまして、その当時では、まあ大体第三・四半期も貸し出し純増五百二十から三十ぐらいでやっていけるのじゃないかというような感じもございました。ところがその後の情勢からいたしまして、どうもそれではいけないというので、十億ふやし、十億ふやしいたしまして、いまの段階ではどうしても第三・四半期は五百五十億は出さねばなるまい、こう考えておるわけでございます。それでその後も引き続きましてずっと状況も見ておりますが、いまの段階ではどうやら五百五十億の純増、言いかえますと十二月として三百四十億の純増でどうやら私のほうの取引対象については処置できるのじゃなかろうか、こう考えておりますけれども、これは絶えず様子を見ておりまして、状況によっては弾力的にやっていく必要があろうと思っております。ただ問題は、むしろ一——三月にあるのでございまして、前会も申し上げましたように財投二百億のうち、実はざっくばらんに申しますと、そのうち七十億というものは三月末までに政府にお返ししなければならない短期資金なのでございます。いまの状況でいきますと、その関係がございまして、一——三月の貸出しにどうも少し無理が起こるのじゃなかろうか。幸いに、これで一月早々になりましてからの状況を見ておって、一——三月もそう心配ないというならよろしいのでございますけれども、そうでない場合には、国会の休会明け前後にはまた政府のほうにお願いしなければならぬというふうなことが起こるのじゃなかろうかというような心配を持っております。
○森(義)委員 これは委員長、きょう大臣がおられない、政務次官はおられますけれども、中小企業の問題について中小企業庁長官もおらぬ。われわれの聞いておることが、当の責任者がおらぬでは、実際具体化してもらう場合、まるで困るのです。忙しいのはわかります、しかし中小企業庁長官ぐらいは出ていなければならぬと思うのです。どういう理由か知らぬけれども、大臣はほかの予算委員会あたりに行っておるようでありますが、政務次官に質問しても、政務次官はおそらく新しい方ですからそう詳しくは御存じないと思う。そういう姿勢で、はたして中小企業の倒産問題を真剣に考えておられるのか、私は非常に疑問を持つわけでございます。まだこれから、いま北野さんが言われますように、この倒産は年を越して来年も引き続いて行なわれ、さらに激増していくことが予想されるわけですが、そういう場合にこれからの対策を、しかも長期にわたる対策をどうしようかということを考えてもらわねばならぬときに、中小企業庁長官もおらぬというのはけしからぬと思うのです。これは委員長、どういうふうにお考えですか。
○二階堂委員長 いま中小企業庁長官も、それから通産大臣も予算委員会に出席中なのであります。ですから、政務次官が来て話はよく聞いておられるわけでありますが、いずれまた機会を見まして来ていただきまして、そのような話をしてもらったらいかがと思います。
○森(義)委員 これはほんとうに、私は、物価の値上がりと、いまの中小企業の倒産は社会問題だと思うのです。政府は、やれアジア外交の強化とか、いろいろなことに熱を上げておられるようですが、それもいいでしょう。しかし当面国民が期待しておるのは、底沼に入っていく中小企業の倒産をどうして救済してくれるのか、あるいは諸物価の値上がりをどうして食いとめてくれるのかということが、国民の政府に対する期待だと思うのですよ。そういう角度で、われわれはこの中小企業倒産の問題を今日の政治的な課題としては一番大きな課題だという考えで、いろいろ何とかしなければいかぬということで考え、努力しているわけです。ところが、経済全体の中の一部分だというようなとらまえ方、産業行政、通産行政の一部分だというようなとらまえ方をどうも通産大臣、中小企業庁長官もしておるのじゃないかという感じがするわけです。政務次官、おそらくこの点は非常に重要な問題だとお考えになって、この間からずっと御出席になっていただいておると思うのですけれども、特にきょうは大臣は予算委員会等に御出席をしておられるようですけれども、もっと真剣な姿勢でこの問題に取り組んでいただきたいということを強く要望しておきたいと思います。
○北野参考人 さっき御質問がありました点、いまわかりましたのでお答え申し上げます。 現在の時点におきまして、三千八百億の貸し出し残高のうち、長期資金、これは設備資金と長期運転資金、それが三五%、短期運転資金が六五%、だんだんふえてくるのでございます。それでその六五%を内訳いたしますと、さっきお話がありました商手割引と商手を担保にして証書貸し付けをいたします、それもつまり商手関係でございますね、それを合わせまして四一%、単名手形のものは二四%、こういう状況でございます。
○森(義)委員 大臣も中小企業庁長官もおられないから、政務次官にひとつお願いしておきたいのですが、先ほど申し上げようと思っておったのですけれども、実は経営指導員の問題なんです。通産省としては、経営相談に経営相談員を配置して、中小企業の経営の合理化あるいは近代化の問題等について努力していきたい、こういう大臣の答弁があったと思うのです。経営コンサルタントというのは、実際私たち地方におりまして、とてもよく勉強しておられます。ところが、お願いをいたしましても、実際に経営診断をしていただけるのは時間がかかるわけなんです。こういうシステムで、中小企業指導センターというのですか、そういう問題もこの前の委員会でも出ましたけれども、もう少しそれを拡張してもらって、先ほどの相談所の設置の問題も、そこに少なくとも経営診断できるくらいの人を十人も二十人も配置できるような体制をとらなければ、実際問題としてはなかなかその相談所がほんとうに動かないと思うのです。相談を持ちかけられますね、そうしますと現地へ乗り込んでいって、そうしていろいろと話し合いを聞かなければならぬわけです。場合によっては取引先に出かけていって話を聞かなければいかぬわけです。あるいは金融機関に、いままでのいろんな金融機関が持っておる信用調査、そういう問題も聞かなければいかぬわけです。とてもそれは忙しいわけですよ。そういう問題について、ただ人を配置しておるというだけでは、いまの状態では非常に不十分だと思うのです。そういう点について、特に相談所を設置してもらいたいという要請と同時に、そういう訓練された企業診断員の数をふやす、その人たちの待遇が非常に悪いわけですね、その待遇をよくする、こういうことをぜひお願いしたいと思う。そういうものがないものだから、やみの企業診断員がいるわけです。これはものすごく高く取るわけです。たとえば基準局におったとかどこかにおったという人で、若干そういうことのわかる人がやみでやって、それでかなり優秀な所得をあげている人がいます。こういうのは場合によっては金融機関との関係等もありまして、正しいあれができないのですよ。政府の機関と違いまして、片方に肩持ちをしたようなあれがあるのです。かなり優秀な人ですけれども、そういう人たちはいろいろな関係で公正な診断ができない場合があります。こういう問題も、やみでやるというのは、やはりそれだけ必要を痛感しているからです。だから実際問題としてはそういうやみの高い金を出してやってもらうのじゃなくて、政府からそういう配置を十分にしてもらうような努力を要望しておきたい。
○村上(春)政府委員 ただいまのお話は、ちょうど今日中小企業倒産の問題が非常な世間の大きな問題になっておるわけでございますから、特に指導員につきましては私どもも御希望に沿うように努力検討いたしていきたい、こう考えております。 それから先ほどお話のありました中小企業問題に対して通産省少しなまぬるいじゃないかという御意見もございましたが、ちょうど御案内のとおり大臣が昨晩帰りまして、けさ九時に登庁いたしまして、私さっそく報告いたしましたことは、ちょうど大臣の留守中に日本特殊鋼の倒産という問題が起きたわけでございます。それでそれにつきまして、単に中小企業のみでなく、大企業に対しても十分考えなければならぬのじゃないか、特にいわゆる大企業の倒産は中小企業に大きな連鎖倒産の反映があるわけでございますから、これについても十分この際考えなければならぬということを、私、大臣留守中の問題を報告いたしたのであります。 指導員の問題につきましては、私ども特に検討して、十分善処していきたい、こう考えております。
○森(義)委員 終わります。
○二階堂委員長 次会は公報をもってお知らせすることにし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十八分散会