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47回国会衆議院1964/12/17

外務委員会 第3号

発言数
130
登壇者
11
会派数
4
開催日
1964/12/17

会議録

安藤覺自由民主党

○安藤委員長 これより会議を開きます。  国際情勢に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。戸叶里子君。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 佐藤さんが総理大臣になられましてからこの外務委員会にいらしたのは初めてでございます。たくさんの人が質問を希望いたしておりますので、限られた時間しかありませんけれども、できるだけ簡潔にお尋ねいたしますので、ていねいにお返事をいただきたい、こういうふうに思っております。  まず第一にお伺いいたしたいことは、この前の池田内閣は、その外交方針といたしまして、日本はアジアの一員である、第二に国連中心主義である、第三に自由主義陣営と手を結んでいく、こういうふうなことを言われていたことがございました。このことはあちこちで矛盾を起こしておりました。私どもはその点を指摘いたしましたが、まあ池田内閣のときにはそれでよかったといたしましても、今日のような国際情勢になってまいりますと、この外交方針だけを踏襲しているということではおさまらない、私はこういうふうに思います。ことに、日本がアジア、アフリカの一員であるというこの点は、もっと前進させ、もっと強力に推し進め、そしてもっと比重を置くべきではないか、こういうふうに考えますけれども、この点に対してどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤国務大臣 どういう点で矛盾を生じておるかちょっと私はわかりかねるのですが、池田路線を踏襲しておる、——私は、ただいま池田路線とは申しませんが、アジアの一員である、あるいは平和国家のその仲間であるから平和国家と仲よくしていくという、自由陣営、平和国家というか自由陣営、そういう立場であること、同時にまた、国連においても、その国連に加入しておる、そういう意味で中心主義をとっている、この方針には私も賛成でございます。これはいわゆる池田路線の踏襲ということとは別に私も賛成です。そして、私がただいま申しているのは、自主平和外交を展開する、かように申しておりますが、この自主平和外交の推進とただいま言われる三つの原則、これも矛盾はしていない、かように私は理解しております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 いまの佐藤総理の御答弁でございましたが、たとえば、国連の舞台などにおきまして日本がアジア・アフリカの一員であるというような立場をとりますと、アメリカの考え方と違うというような場面がたびたびこれまでも出てまいりました。したがって、そういうような場合において日本は今後まず第一にアジア・アフリカの一員であるというその線を強調して出していただきたい、その線をもっと重点視していただきたい、こういうふうに考えますけれども、この点はどうお考えでございますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤国務大臣 私は、アジア・アフリカ陣営のAA諸国と日本がその一員であるということは、これは間違いないと思います。しかし、私どもの国が自由主義国家であるということ、これもまた間違いないことであります。そういう意味で自由主義諸国と仲よくしていく、これは当然のことでございます。ただ、そこで誤解を受けやすいと思いますのは、アメリカと仲よくしていく、アメリカと意見が一致する、こういう場合において、アメリカと敵対する国に対して日本も同時に敵対するのだ、こういう結論もこれはごめんをこうむりたい。私どもしばしば申し上げておりますように、中国大陸についてはこれも仲よくしていきたいのだ、政権が現実に二つあるその状態において仲よくしていきたいのだ、これが政経分離の形だろうが何だろうが、とにかく仲よくしていきたいのだ、このことを申しておりまして、このことは、日本がアメリカと仲よくするがゆえに片一方敵対するのだ、あるいは敵視するのだ、こういう結論にはならないと思うのです。これは論理の飛躍があるが、そこに自主的なものがある、かようにお考えいただきたいのであります。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 それではもう少し具体的にお伺いいたしますが、今日アメリカのアジア政策というものは明らかに失敗をいたしております。各地において失敗をしていることは、世界の識者の認めているところであると私は考えるのでございます。もしもアジアの一員であると言うならば、私は、積極的にアジア人としてアメリカにこういう点はやはり考え直すべきではないかということを話してしかるべきではないか、こういうふうに考えるわけでございますが、この点はいかがお考えになりますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤国務大臣 アジアに対するアメリカの政策が失敗しているか失敗していないか、これはアメリカ自身——また、そういうことについて戸叶さんの御批判は、私はそれは自由だと思います。しかして、どういう点が失敗であるか、どういう点が成功しておるか、それはまた各人によりまして見方もいろいろあるだろう、かように思います。これを、総理大臣が、アメリカ政策は失敗だ、あるいは成功だ、かように申すことはいかがかと思います。私がかねてから主張しておるのは、ただいま言われるように所見を率直に披露しろと言われるいわゆる自主外交を展開するということ。これは、私ども、日本の立場において、そうして日本的な考え方で物事を判断していきたい、これに尽きるのであります。いかような措置をとりますかはしばらく時間をかしていただきたい。私はかように申し上げる以外には道はないように思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 アジアでアメリカの政策がどのように失敗しているかということは、自分は日本の総理大臣としては言えない、まあこういうことでございますが、一例をあげれば、ベトナムなどにおきましてもアメリカは失敗し、韓国に対しても相当の援助をやりながら結局韓国をああいう方向におちいらせてしまったというようなことを見ても、私は、やはり失敗であり、このことは私たちだけではなくて世界の識者が認めているところであると思います。いま総理大臣がおっしゃったのは、アメリカに対して自主的な立場でいろいろ意見を述べる、こういうふうなことを言われたわけでございますが、やはり、アジア・アフリカの一員としての発言をされるならば、正しい認識を持っていかなければならない。だとすれば、やはりベトナムの問題等においては成功しているとはお考えになっていないと私は思いますけれども、やはり、アメリカにお話をする立場においてどういう考え方でこういうような問題をお話しになるかということを承っておきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤国務大臣 アジア・アフリカの一員であること、これは御指摘のとおりであります。そのアジア・アフリカの一員である前に、私どもは日本人であって日本の国の政府の代表である。この立場を忘れてはいけない。アジア・アフリカの一員であるということだけを見て、自分の国、日本の国を忘れては困る。ここがやはり自主外交のよって来たるゆえんである、私はかように理解しております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 アジア・アフリカの一員であるということは、日本の国が一員であるということなんです。ですから日本の国を無視してアジア・アフリカの一員であるというようなことは言えないと思う。ですから、いまの総理大臣のことばはちょっとおかしいんじゃないかと思います。一員であると言うからには、やはり日本の国の立場に立って言っていることなんですから、そういうことはおっしゃらないようにしていただきたいと思うのです。  そこで、いまの問題でございますけれども、やはりベトナムなどの問題に対しては必ずしも成功しているということはお考えにならないでしょうね。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、アメリカ政策そのものの批評は、この席ではいたしません。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 そういうことでは、それ以上は追及いたしませんが、来年はアメリカにいらっしゃるということになる。そうすると、アメリカへいらしてジョンソン大統領とどういうお話をしますかということを私伺いましても、おそらく総理は、まだきめておりません、いまこれからお話を考えていきますし、また通常の礼儀として行くんだくらいしかお答えはいただけないと私は考えます。そこで、私のほうからぜひ考えていただきたいと思いますのは、先ほどから総理自身もお認めになっていらっしゃるように、日本はアジアの一員である、そうしてアジアの問題がこんなに多いときに、アジアの政策を無視して日本の平和も繁栄もあり得ないのだ、そういうふうにお考えになったときに、私は、むしろアメリカへ行く前に、このアジア・アフリカの諸国を回っていろいろな声を聞いて、こういうふうな考え方なんだからこういうふうにすべきであるということくらいはアメリカに話してあげるべきではないか、こういうふうに考えます。そして、そのことがアメリカのためにもなるというふうに考えますけれども、そういうお考えは全然お持ちにならないかどうか、お伺いいたしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤国務大臣 そこまでは考えておりませんが、御承知のように、私どもも公館を各地に派遣しておりますし、そういう機関を通じ、また、機関外におきましても、私は広く各方面の意見を徴しておりますので、私自身が回ったと同じくらいな効果があるような処置はとりまして、しかる後に出かけるつもりでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 私は、アメリカへ行くのは悪いとは申しませんけれども、やはり、行く前に、アジア・アフリカの情勢というものを御自分の目ではっきりとごらんになって、それをつかんで行ってアメリカと話をするほうがいいというふうに考えておりますので、そのことも御考慮願いたいという立場で申し上げたわけでございます。  そこで、総理が施政方針演説のときにわが党の成田氏の質問に答えられて、来年のAA会議には日本は代表を出すということを本会議でお約束になりました。このことは私はたいへんよいことであると思います。そこで、佐藤総理としては、どういう階級、どの程度の代表をお出しになろうとしているのか、この点も念のために伺っておきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤国務大臣 本来このAA会議はたいへん大事な会議でありますので、総理またはそれに準ずる者と、こういうような気持ちで人選をしたいと思っております。私自身は実は出かけるようにはちょっとならないように思いますので、私にかわる人がだれかないだろうかということで、ただいま人選をしておる、かような状態であります。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 相当AA会議に対しては評価をして、そして総理にかわるべき人を考えていらっしゃる、こういうふうなお答えでございましたが、きのうのアジア・アフリカの公館長会議での内容を報道で読んでみますと、やはり、日本がAA会議に行って、そして指導的な役割りを果たしてほしい、こういうふうなことを言われておりますけれども、総理に準ずる人が行って、公館長会議で出たような意見のように、指導的な役割りを果たすというくらいのお考えで臨まれようとされているのかどうか、この点も念のためにお伺いしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤国務大臣 指導的かどうか、それは別といたしまして、俗な表現ならば指導的というこういうことばが適当かと思いますが、私は、日本の持つ国力、ことに経済力等をもってして、そうして国際正義に立っての発言をするならば、相当の同調者があり、必ずその地位が認められることになるのじゃないだろうか、かような希望は持っております。また、そういう注意はこれにかけたい、かように思っておる次第でございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 そこで、お伺いいたしたいことは、先ごろカイロで行なわれました非同盟会議には、中国の代表権の問題が出まして、そして圧倒的に支持されたということが伝えられております。おそらく今度のAA会議でもこうした問題は出てくると思いますけれども、その場合に、日本がいまおっしゃったような立場でお臨みになるとするならば、どういうふうな中国代表権の問題をもって臨まれようとするのか、この点も伺いたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤国務大臣 予算委員会でしばしば御質問を受けまして、この点では私の考え方がわりにはっきりしてきておるのではないかと思います。いわゆる今日まで中国は一つだ、またそのもとにおいて実際には二つの政権がある、そして日本は国民政府と条約を結んでおる、したがって中共の承認問題が直ちに国府を追放というような形において行なわれること、これはどうしても受けられないのだ、また、受けられないと申しますか、そういうことであれば、これはたいへん重大な意義を持つものだ、そういう意味で、日本の態度は慎重にならざるを得ない、こういうことを申したように思いますが、この席におきましても、ただいま同じような考え方でございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 いまお答えになったようなことは、たびたびの機会で私どもも承って了承いたしておりますが、そこで、問題になりますのは、AA会議に臨んでいる人たちの一致した考えは、やはり、いまのアジアの問題で一番大きな問題は中国の問題である、こういうことはだれでも認識していることだと思います。そこで、おそらくAA会議に出てくる大多数の人たちがこの中国の国連での代表権の問題は認めるべきであるということで、積極的に支持する国が多いと思う。そういうところから、日本がたとえばいまのような国連での重要事項指定方式というような考え方を持って臨まれるといたしましたならば、おそらく日本は孤立化するような立場になるのではないか、そういう点を私はおそれるものでございます。この点、アジア・アフリカの国がどういうふうに考えているかということをもっとよく見きわめた上で出て行かないと、おそらく、日本がいまのままで何ら前進しない形で出て行けば、そこに孤立化するおそれがあると思いますが、この点はいかがでございましょうか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤国務大臣 そこがかねてから主張している点でございます。ひとしくAA会議ではありますが、中国問題をほんとうに身近に考えて、そうしてその国の基本的な問題だ、かようにまでAA会議の諸国がはたして考えるかどうか、日本と同じような考え方をしているかどうか、これが一つの問題だと思います。私は、日本の立場において、この中国問題が外交の中心課題だ、かようにもただいままでしばしば申しておりますが、はたしてさような気持ちがあの遠いアフリカ諸国にあるだろうか、気持ちとしては、むしろアフリカ諸国は、アジアの問題ではあるけれども、中国問題については比較的軽視しているのじゃないだろうか、かように私は思いますので、日本の立場と同一の立場で判断することは間違いがあるように思います。もっと具体的に申しますならば、フランス自身が、中共政府を承認しました。しかし、あの隣の東独政府をいまだに承認いたしておりません。これあたりはフランスのほうにもよく聞いてみたいような問題だと思います。それほど身近な問題になってくると、その国の外交処置が非常に敏感であり、また非常な慎重さを加えてくる、こういう点をよく考えていただきたい。AA諸国と同じだ、日本も他の国と同じように追随してしかるべきではなしか、この議論には私は賛成しかねるのです。これはやはり、自国の置かれている立場、その点におきまして重要性というものが各国によって判断が非常にまちまちだ、かように思いますので、そういう点を十分理解のいくようにすることがAA諸国に対する日本の責務だ、かようにも思う次第でございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 いまの御答弁の中の日本が追従してしかるべきだというようなことは、私は申し上げておりません。むしろ、たびたび佐藤さん自身も、中国の国連加盟の問題は非常に重要な問題なんだから重要事項指定方式にするのだということで、初め椎名さんが正直にお答えになったのによると、国連に加盟しないほうがいいから重要事項指定方式だとされて、取り消されたようでございますが、そういうように中国というものがアジアにおいて非常に大きな問題なんだから、中国の加盟ということを日本が考えなければいけないという立場で、それこそ自主的な立場でアジア・アフリカに対してそれを説得していくことが必要ではないかというふうに考えますので、先ほどからその点を申し上げているわけでございます。  そこで、佐藤さんがいまおっしゃいましたことは、日本がアジア・アフリカの言うことを聞くというのではなくて、日本が指導的な立場というのは誤弊があるかもしれませんが、アジアに日本がなくしてアジアはないのですから、やはりそういう立場で日本がアジア・アフリカの国々に中国の重大性というものを話していくことは、私は必要だと思うのです。それを、いまのような形ですと、アフリカ諸国はあんまり中国の問題に関心を持たないようだから日本が説いていくんだというのですけれども、説いていくというその内容に私は問題があるんじゃないかと思うのです。ですから、追従というのではなくて、日本がいかに中国の加盟を必要と認めているかという形で説得していくというふうな態度をおとりになるべきではないか、中国の国連加盟を促進させるんだという、そういう立場で臨むべきではないかと思いますけれども、この点もう一度伺いたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤国務大臣 いかような説き方をするか、これは別でございますが、ただいま御指摘になりましたように、日本の置かれておる地位、それはたいへんむずかしい立場にあるのであります。そういう意味で、ほんとうに身近に、これは重要な問題であるということを身にしみて考えております。そういうような感じに各国がみななってくれれば、たいへんにしあわせだ、そういう意味で実情もよく説明する必要があるだろう。そして、同じようなレベルに立って、しかる後に結論を見出してもらうようにすべきではないか、実はこういうことを申しております。いわゆる指導的立場というのは、これはたいへんことばに語弊がある、かように思いますので、私はあえてその点を避けましたのも、ただいま申し上げたような趣旨からでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 それでは、もう少し内容にわたってお伺いしたいと思いますが、先ほど総理もおっしゃいましたように、中国は一つである、しかし政府が二つあるんだ、しかもいま国連に代表権があるのは国民政府である、国民政府が国際連合から追放されるべきであるという考え方は決して問題の妥当な解決をもたらすゆえんではないということは、外務大臣もその施政方針の中にもまたおとといの外務委員会でもはっきり言われたことでございます。そこで、気にかかりますのは、ここで追放されるべきではないということばをお使いになったのですけれども、この追放されるべきでないということばは何を意味するのでしょうか。これは交代されるべきではないというようなことばでもいいんじゃないかと思いますけれども、この追放ということばに何か特別な意味があるのですかないのですか、この点お答えになっていただきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤国務大臣 どうもことば自身にはそう意味はなさそうですか、取ってかわられるということ、それが追放のような形だ、こういうような表現だろうと思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 結果的にそうなるんだということばでお使いになったと思いますが、そこで、基本的な問題としてお聞きしたいのは、国民政府というものは国連に残すのであるという、その基本線というのはさまっているのですか。まずこの点をはっきり伺いたい。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 アルバニア等の提案は、すなわち中共の代表権問題を承認してそして国府の代表権をやめる、つまり取ってかわるという、こういう提案でございますが、その事実をつかまえて、これに反対である、こう申したのでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 ですから、結局国府は国連に残すということが基本的態度なのですか。この点をはっきりさしていただきたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 あくまで、アルバニア提案を、その事実に基づいてこれを承認するわけにはいかぬ、こう申したのであります。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 それではお伺いしますけれども、総理大臣、政府は中国は一つだと言っております。それと同時に、現実に政府が中華人民共和国と国府と二つある、こうおっしゃっているわけです。北京政府が代表権を持つことによって台湾の国民政府が代表権を失うということには賛成できないと言っておられる。それでは、第一に、政府の中国は一つであるという見解はどういう根拠に基づくものであるかという、この点をはっきりさせていただきたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤国務大臣 北京政府も国民政府も、みんな一つだと言っております。漢民族は一つだと言っておる。それを私どもがとやかく言うべきではない、かように思っております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 それはわかっております。ですから、中国は一つであるということは認めてもいらっしゃるわけですね。しかも中国の国連加盟ということが問題になっている。中華人民共和国の国連加盟ということが問題になっている。それが問題になっているときに、政府自身がおっしゃっていることは、いま代表権は国民政府にあるのだ、国民政府が追放されて中国の代表権が認められるのは望ましくないと言っているわけでしょう。そうでありながら、中国は一つだと言っていらっしゃる。その根拠はどこにあるかということを伺っている。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤国務大臣 御承知のように、私ども国民政府と国交を持っておりますし、また国民政府は国連ができた最初からの政府でありますし、加入政府であります。安保理事会の常任理事国でもあります。この事実は厳然としてただいまあるのでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 私が伺っているのはそういうことではないのです。いま問題になっているのは、国連に中華人民共和国の代表権の問題が問題になっている。政府は、中国は一つだと言っている。そうして、国連で中華人民共和国の代表権が認められるであろうけれども、しかし国民政府は追放されるべきではないと言っている。それじゃ、そこに一つの中国ということが成り立たないように思いますけれども、それはどういう根拠なのですかということを伺っている。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤国務大臣 ただいまそれで成り立っていると私は思っているのですよ。ただ、皆さん方のように、いまの状態は必ずしもそうでないからこれを変えろ、こういう主張といまぶつかっているだけでございます。ただいまのところ、ちゃんと国連そのものはこれを安保理事会の常任理事国にしているのですから、これに代表権を与えている。そうして国連自身が中国は二つだとかなんとかは言っておらない。やはり、一つだ、こういう態度でやっている。このことはお認めになるのだろうと思います。私どもは現実はそういう状態になっているということをはっきり申し上げる。これは議論のないように思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 それでは角度を変えて伺います。  きのう、総理大臣もあとで新聞でごらんになったと思いますが、おとといの外務委員会で外務大臣は、重要事項指定方式で三分の二の国際世論で認められた場合には日本もこれに従うのが当然であるということを述べておられます。そのときにはつまり中華人民共和国政府の代表権を認めるということを言っていらっしゃるわけです。この場合には国府が追放されるということになるのですか。それとも、このときもまだ国府の代表権というものは追放されずに、中華人民共和国の代表権が認められるということになるのですか。この点をはっきりさしておいていただきたい。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 まず、私に関する問題でありますから、その事実を申し上げます。三分の二のつまり国際世論というものの支持によって中共が代表権を承認された場合には日本としてもこれに従うべきである、私は、三分の二のつまり国際世論というものの支持によって承認されたとき、——国連における代表権問題ですね、そのことを言っているのですが……。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 済みませんけれども、もうちょっとはっきりおっしゃってください。よくわからないのです。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 私は、三分の二のつまり国際世論というものの支持によって承認をされた場合には日本としてもこれに従うべきであろう、こういうふうに答えたわけです。どうぞ誤解のないように。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 私はちっとも誤解していないつもりなんです。外務大臣がおっしゃったとおり私も理解しておりますから、どうぞ御心配をなさらないでけっこうだと思います。そういうときに、たびたび政府がお答えになっていることは、国民政府の代表権が奪われるような形であってはならないということを言っていたので、そこで、いま外務大臣がおっしゃったような場合には、国民政府の代表権というものがどうなるのですかということを伺っているわけですね。追放されなくてもいいのか、追放されるのかということを伺っているわけです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤国務大臣 ただいま外務大臣とのやりとりを聞いておりまして、私、まず第一にどういう決議内容を持つだろうか、その決議内容がはっきりしないときに、いまそこまで突き進んだ議論をされることはどうだろうか、かように思うのです。私、まず、かつてのように、仮定の事実にはお答えはできません、こういうことではなくて、それはもう皆さんとひざ突き合わして相談をすべきだと思いますが、ただいま決議の内容がわからないのですね。ただお話しになります程度では一体どうなるのか十分でない、かように思いますから、なるべく、こうなったらどうなるか、ああなったらどうなるか、こういうことで外交問題を先ばしって議論をすることがはたして正しい外交を展開していく上においてこれが役立つかどうか、その辺もひとつ考えていただきたい。非常に先ばしった議論は、重要問題であるだけに、こういう問題については避けたい、かように私は思います。どうかひとつよろしくお願いしたいと思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 どうも、よろしくお願いされても私の頭では理解できないのです。理解できないことが一ぱいあるわけなんです。何かごまかすようなことを言っていらして、仮定の事実は答えられませんとは言いませんけれどというようなことでごまかされていますが、決議の内容がどうなるとかなんとかという事態ではないと私は思うのです。むしろもう中華人民共和国の国連での代表権が認められるような機運になってきているのですから、日本の政府としてもはっきりそのくらいのことはきめておおきになっていただきたい。これ以上私も追及いたしません。ほかのときに伺うか、だれかほかの方が聞いてくださると思いますから、いたしませんけれども、国民もみんな非常に疑問に思っていますから、もう少しはっきりさしていただきたい。中国は一つなんだとおっしゃりながら、国府が追放されるべきではないとおっしゃって、中国の代表権問題はもうじき認められようとしているそのときに、日本は自主外交をいたします、一体その自主外交は何かということをみんな聞きたがっているわけです。ですから、これは先ばしるとか先ばしらないとかいうのじゃなくて、真剣にこの問題をお考えになって解明をしていただかないと、私どもも非常に困ります。どうぞそういうふうにしていただきたいと思います。  そこで、いまのような問題をそのままにされないことを望んで、残念ですけれどもこの問題はこれ以上追及いたしません。あと同僚の議員がいられますので、私はもうやめますけれども、一つだけ伺いたいと思いますのは、日本と韓国との問題です。日韓の国交正常化ということについては、もうたびたび何らかの形で実を結ぼうとしても、やはりいろいろなことで、日本はもちろんですけれども、韓国自体の中から反対も起こったりして結ばれなかった。そういうことを考えましたときに、いま急いでそういうことをされてもまた問題が起きてくる。ことに南北朝鮮の統一というような問題が起きておりますのでせいてはいけないと思いますけれども、聞くところによりますと、椎名外務大臣みずから韓国に乗り込んでいって、そして交渉を進めようというようなことまで言っていらっしゃるようですけれども、やはり私は急ぐべきではないと思うのです。そこで、そういうふうに急いでいられるとなると、請求権の問題で予算委員会で追及された中にも矛盾だらけの点がございますので伺いたいと思いましたが、それはあとの機会にするとしても、一点だけお伺いしたいのは、韓国と日本の間で何らかの形の国交正常化をはかる場合に、韓国自体は朝鮮半島全体が自分の統治しているところだと言っています。日本は三十八度線の南だと言っています。その領土の考え方の違いというものが統一されないで、まさか韓国との間の国交正常化などということはお考えにならないでしょうね。その考え方が統一されないままに国交正常化がされるということは、あとにたくさんの問題を残しますので、そういうふうなことは当然統一された上でなければやらないということでございましょうね。念のために伺いたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 条約の内容解説の問題に関連しますので、その点に関しまして条約局長からお答えいたします。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 ちょっと待ってください。基本的な問題を私伺っているのですよ。これは条約の問題ではないと思うのです。いいですか、日本は三十八度線の南と交渉しているとおっしゃっている。これは池田総理がたびたび言っていられます。私自身聞いております。それを韓国のほうはあくまでも朝鮮半島全体を統治しているのだと言っていられます。そういう二つの対立した形で、意見の統一ができない形では日韓交渉というものはまとまらないでしょうね、せめてそういう問題は統一はされるのでしょうねということを伺っておるわけです。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 ただいまのところ正当に認められた政権といたしましては韓国でございますので、その韓国の実勢に基礎を置いて、それで会談を進めておる次第であります。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 私は時間がないのですから、もう少し伺ったことに対してずばりお答えになっていただきたいのです。韓国の自主性にまかせてというのはどういうことなんです。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 実勢、実際の情勢です。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 韓国の実情ですか。私は韓国の実勢に基づいてというのでは納得できないのです。総理大臣、おわかりになるでしょう。いまのことをちょっとお答えになっていただきたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤国務大臣 とにかく、これはいま三十八度線以南をやっておるわけでございます。そういう意味で、今度の条約ができれば、幸いにして日韓交渉妥結すれば、その条約の適用範囲はそのときに明確になるということを、先ほど来外務大臣は申し上げておるのです。おそらく、そういうことを申すのは、在留の韓国人の法的地位の問題等がからんでくるから、そういう点を言うのではないだろうか、私はかように考えますが、現実に三十八度線以南であることは、これはもう御承知のとおりであります。しかし、日本に来ております者は北鮮の方も多数いるのですし、そういう、何と言いますか、法的地位の問題がからんでおるのではないだろうか。したがって、もし条約が結ばれれば、そのときに適用範囲がはっきりすれば、いまのような点についての疑問はない、それは明確にいたします、こういうことを申し上げておるのであります。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 それは条約を結ぶ態度ですね。国交正常化をする態度が、両国政府の考え方が根本的に違っているわけですよ。そうでしょう。きまってから範囲をきめるというのじゃ問題が残るわけです。請求権の問題も、北鮮のほうであとから請求すればそれはあるんだということを池田さんがおっしゃっておられる。そういうことを考えてみましても、三十八度線の南を日本は対象にしておる。ところが、韓国のほうは憲法の四条ではっきり朝鮮半島全部に及んでおると言っている。そういうふうな違いのもとに国交正常化をはかるとあとで問題が残ってくるから、この点を統一しないうちは、まさか国交回復はしないでしょうね。これは原則論じゃないですか。

後宮虎郎外務事務官(アジア局長)

○後宮政府委員 交渉の実際に当たっております立場から実情を申し上げますと、韓国の憲法上のたてまえとか何かは別といたしまして、今度できます日韓協定が大韓民国の版図に関係する部分だけをカバーするものであるということについては、交渉のグラウンドの上で了解がついております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 この間の新聞を読みますと、韓国のほうは、あくまでも、自分の統治の範囲は朝鮮半島全体に及んでいるということを言っておりますよ。ですから、韓国の考え方は、自分の領土は朝鮮半島全部だと言っておるわけであります。日本は三十八度線の南だと言っておる。だから、その点は違っているんじゃないですか。

後宮虎郎外務事務官(アジア局長)

○後宮政府委員 韓国の国内法上の立場とは別に、今度できます日韓協定については、その適用範囲は現在大韓民国が統治している地域に関係しているものに限る、これは交渉上両方とも了解がついています。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 そうしますと、もう一度念のために伺っておきたいことは、韓国は、三十八度線の南と日本は交渉するのであって、北のほうは考えておりませんということをはっきり言っておるわけですね。北は北で別におまかせしておきますということですね。

後宮虎郎外務事務官(アジア局長)

○後宮政府委員 従来ともいろいろ御答弁ございましたように、北の部分については白紙ということで両方とも了解はついております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 私どもの考え方としては、韓国の憲法を無視してまで韓国がそういうふうにおっしゃっているということはどうも考えられません。しかし、はっきりそうおっしゃったのですから、あとでいろいろな面で調べてみたいと思います。  それから、もう一つ請求権の問題は、次にいろいろな矛盾点を指摘したいと思いますので、きょうはこの程度で私の質問を終わりたいと思います。

安藤覺自由民主党

○安藤委員長 帆足計君。——帆足さんにちょっと申し上げておきますが、総理は十二時に退席されますので、その点をお願いします。

帆足計日本社会党

○帆足委員 私どもは外務委員といたしまして、国民のだれしもが知りたい点を総理にただすわけでありますから、できるだけ簡潔明瞭にお答え願います。  本日は特に沖繩の問題についてお尋ねしたいのですが、昨今の世界情勢では、各国の首相並びに大統領は大体外務大臣の仕事をなさっておって、外務大臣は大体次官の仕事をなさっております。これは各国の実情であって、それほど地球は小さくなり、外交の仕事は任務が重くなっておる。日本丸がどういう方向に風雪をしのいで進路を向けるかということが、それにかかっておるわけです。特に日本はイギリスと同じように島国、海の国、船の国、貿易の国でありますから、重要なわけです。したがいまして、総理はもう少し今後はちょいちょい外務委員会に来ていただきたい。外務次官を相手にしていろいろ追及いたしたのでは、椎名外務大臣御迷惑でしょうから、やはりそのようなお心がまえでお願いしたい。  それから、沖繩につきましては、ひめゆりの犠牲を負いまして今日まで異国支配のもと十九年治外法権のもとにあることは、大臣の知られるとおりである。少女がGIに暴行を受けようと、少年がジープで引き殺されようと、裁判権のないこと、かつての上海の租界の状況と同じである。沖繩の県民は、病める者が薬を求めるように、嬰児が母の乳ぶさを求めるように、祖国に帰りたがっておる。したがいまして、総理は先日、時来れば適当なチャンスに沖繩も訪問したい、また同時に、アメリカに渡られましてジョンソン大統領と会談なさるということですが、その際に、ケネディ大統領がやはり非常な関心を持たれたこの沖繩問題に対して、琉球立法院並びに国会満場一致の決議もあることですからその決議はあなたに一定の責任を与えているわけですから、沖繩の施政権の返還の問題や手順について話し合っていただきたいと私ども期待しておるのですが、ジョンソン大統領との会談においてこの問題に触れる意思があるか、また、適当な機会に沖繩を訪れになる意思があるか、これをまず伺いたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤国務大臣 ジョンソン大統領と来年会談を持つということになっておりますが、その際にもちろん沖繩問題に触れます。その触れ方がどういう形で触れますか、ただいまいろいろ勉強中でございます。これは御承知のように潜在主権は認めてくれておるのでございますから、その主権回復、これは一日も早いことを希望しますし、これが九千万国民の熱願でもある。そういう意味では、戦後の処理のこれは最重要な問題だ、かように思います。もう戦後二十年たつ。そういう際にそういう状態についての改善が行なわれないということは、私ども国民としてまことに不満でございますから、こういう点につきましては十分納得のいくような方法で協議を進めたい、かように思います。  すでに御承知だと思いますが、一九六二年にケネディがいろいろ具体的な方策を指示しておりますが、これも私ども日本政府が大体了承しておる線でございますが、その線が今日なお実施に移るまでに協議を要する事項が非常に多い、かように思いますので、手っとり早い話は、そういう方向でものごとを詰めていくことが必要なことじゃないだろうか、かように思います。  また、私の沖繩訪問につきまして、皆さん方も非常に要望しておられるし、おそらく県民も、島民も私の来訪を待っているのじゃないか、私の訪問を待っておるのじゃないか、かように思います。過日も、ワトソン高等弁務官に会いました際に、その希望のあることを申し伝えておきました。そういう状況でございますから、適当な時期にはそれは実現するものだ、かようにお約束してもいいかと思います。

帆足計日本社会党

○帆足委員 沖繩問題の、すなわち沖繩の祖国復帰について半歩でも前進なさることは、これは党派を越えて全国民が期待するところであろうと思います。ただ、私はこの際御注意を促したいのですが、沖繩は遠く離れた南の島でありますけれども、由来うるまの島と言われ、そして山、島、海美しく、台湾をなくしたあとただ一つの豊かな亜熱帯の島であります。開発の見込み大いにある国で、八重山、西表でマラリアが退治されてまだ五カ年くらいしかたっておりません。前途洋々たる内容を持っておる、うるまの島と言われておる島であります。しかるに、沖繩のことが一般の国民にあまり知られておりません。たとえば、沖繩の人口がどのくらいかと言われると、多くの人は、ひめゆりの犠牲で十四、五万であろうか、こういう答えが多いのでありますが、総理大臣は正確な沖繩の人口を御承知でしょうか。ちょっと象徴的にテストしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤国務大臣 一口に沖繩、琉球百万ということを申しておりますが、これは正確な数字ではなくて、やはり九十万程度の住民ではないか、かように思います。

帆足計日本社会党

○帆足委員 御名答でございます。九十六万でございます。パナマの八十六万に比べて、パナマより大きな国でございますから、その点をジョンソンにお話しになればびっくりなさると思います。特に政府の注意を促したい点は、今日の国際法におきましては、沖繩の基地をアメリカに移すことは、その政治的善悪、価値判断は別として、これは国際法的に許されております。しかし、住民の施政権をその住民の意思に反して他国に譲ることは許されておりません。あたかも、自分の娘であるから売笑婦に売っても、自分の子供であるからどこかのタコ部屋に売っても自由であるということは児童憲章と売春禁令に許されてないと同じように、自国の国民の施政権を他国にほしいままに譲るということは、国連憲章、世界人権宣言、植民地解放宣言の趣旨に従っても許されないのでございます。このことをロバート・ケネディ司法長官が早稲田大学の講演会で聞きまして、沖繩を合理的に支配しておると思っておったところが、サンフランシスコ条約によって基地を借りることはできるけれども、弁務官がいて総督府が、すなわち米軍が直接専制支配をすることは国際法上許されていないことを知りまして、初めて驚きまして、直ちにワシントンに帰りまして、兄ケネディに対して、にいちゃん、これはたいへんだ、これは国際法上の基礎がなかった、こう報告したので、それならば、直ちにカリフォルニア大学の教授あたりに研究してもらって、そして日本へ復帰のスケジュールを研究せぬばならぬ、少なくとも潜在主権は日本にあるというくらいの声明をしておかなければ、国連において国際法学者に追及されても返すことばがない、東京では盟邦紳士、沖繩ではギャング、そして植民地主義者などと言われるようなことでは恥ずかしいと、こういうことがケネディ声明の始まったいきさつでございます。したがいまして、この際日本政府に、国際法的に見ても沖繩に問題があるということをよく理解していただきたい。  そこで、お尋ねいたしますが、沖繩で施政権が住民にないという事実、これは総理は確認しておられますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤国務大臣 ただいまのは法律的な議論になりますので、法制局長官に説明させます。

高辻正巳内閣法制局長官

○高辻政府委員 お許しをいただきまして簡単に申し上げますが、これは釈迦に説法でございますが、日本国との平和条約第三条で、アメリカ合衆国が有するということになっております。

帆足計日本社会党

○帆足委員 私はそのことを伺ったのではなくて、これは政治家として政治的質問をしておるわけです。法制局長官の御調査よりも、私どものほうがずっとよく調べております。いま事務官としての御協力はたいして必要でございません。われわれも東大の経済学部を出ておりますから、法律のほうはそう悪い点ではありませんでした。  そこで、第二は、沖繩に高等弁務官というのがいて支配しており、アメリカの専制政府を、軍政府を民政府と申しております。高等弁務官、民政府とは、普通のやまとことば、普通の日常ことばにすればどういう意味でしょうか、外務大臣からお答え願いたい。高等弁務官とは何ぞや、民政府とは何ぞや、あまり聞きなれないことばでございます。これは普通の常識的なことばで言えばどういう意味でございましょうか。これは法制局長官でもいいですよ。

高辻正巳内閣法制局長官

○高辻政府委員 高等弁務官等のことば上の解釈は別としまして、合衆国が立法、可法、行政の三権を行使するということになっております。その施政府を称しておるのだと思います。   〔発言する者あり〕

帆足計日本社会党

○帆足委員 高瀬君が何か言っておりますが、これは惻隠の情ともいうべきものでございまして、武士の情けで、無理にこういう御答弁を大臣に要求するのは失礼かと思います。高等弁務官という意味は総督という意味です、普通のやまとことばで。民政府とはすなわち軍政府という意味です。総督が軍政をしいている、こういう状況です。これが事実です。その事実の善悪やその矛盾をいま聞こうとしておるわけではありません。事実は事実として認めねばならぬ。  しからば、今度は、植民地解放宣言というのが、世界の大多数の国、九五%の国の承認を得て満場一致に近い数字で通過し、有効であります。この植民地解放宣言について、アメリカ代表が、自分の国はかつて英国の支配下にあったからこの定義を下すのに最も適任な国であるという前提のもとで定義を下しました。この定義は、植民地解放宣言にいう植民地とは、他国の支配を受け、その国の住民が自治権を失い、また制約され、それが長期にわたって継続的に続いておること、これが植民地の定義であるとアメリカ代表は言いました。この定義は私は非常に正確な定義だと思いますし、国際的に認められておる定義だと思いますが、総理大臣はいかにお考えですか。これは法制局長官の助言を必要としません。常識の問題です。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 御質問の内容をよく聞いておりませんでした。

帆足計日本社会党

○帆足委員 その国の住民が施政権を制約され、または施政権がなく、そして他国の支配を受けておる期間が継続的に続いておる国々、こう言っておるのです。これは常識の問題ですから、話の泉ほどむずかしい問題じゃない。しかし、ジョンソン大統領とお話しになるにあたって非常に重要な問題であるから、こういう触れ方をして注意を促しておるのです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤国務大臣 ちょっとことばが足らないように思いますが、あるいは力によりとか、それが条約に基づきこういう結果になったものは別だ、力によりかような状態が生じておればどうという、何か説明が要るのじゃないでしょうか。ただ読まれた点だけで全文を尽くしておるかどうか、私疑問でございますので、いわゆる植民地とはだいぶ事が変わっておるように思います。

帆足計日本社会党

○帆足委員 私は、沖繩のことに戻っておるのではなくて、いま植民地の基本的定義について述べたのであります。それについて、力のない植民地というものはありません。すなわち、他国の専制支配が行なわれておる以上、そこに裁判所もつき、憲兵もGIもおる、力があります。しかし、条約によるということはありません。たとえばゴアでも最初は条約によって貸していたわけです。しかし、それはしかたがない。屈辱的条約で百年なり九十九年とかそういうような形で従来施政権を譲り渡した例が多いのでございます。しかし、そういう統治のしかたはもう今日の時勢と人権にそぐわないということで、植民地解放宣言が国際連合を通過しました。したがいまして、沖繩の置かれておる状況は、少なくともその住民の施政権が極度に制約され、そして他国の支配を受けておる。それは条約によって認められておりますけれども、しかし、客観的には制約される。したがって、人権宣言、植民地解放宣言の趣旨にそれはもとるものであるということをアメリカの国務省自身の学者が言っておるのでありますから、私は、そのことをやはり総理大臣がジョンソン大統領に、常識的意味において、この植民地解放宣言、国連憲章の趣旨にこれはそぐわないものであることは事実であるというくらいのことは言われても差しつかえのないことであると思います。  同時にまた、沖繩の問題につきまして御注意を促したい点は、沖繩の住民、島民、すなわち沖繩県民は、総理大臣は日本国民とお考えでしょうか。日本国民であるとすれば、日本国民としての権利義務を持たねばならぬ。日本国民でないとすれば、だれが沖繩住民の意思に反してわが同胞を日本国民でないということを強制し得る権能を政府に与えたのでしょうか。そういう法的基礎があるでしょうか。これは今日も国際法上非常に論議されておる問題である。いま歴史の過渡期でありますから矛盾を持っておりますけれども、総理大臣から沖繩のことをジョンソンにお話しになるにあたってはよく心にとめていただきたい点ですから、お尋ねするわけです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤国務大臣 国連の植民地解放の宣言にこれが入っているかのようなお話でございますが、沖繩はもともとこれはいわゆる植民地ではございません。この点は非常にはっきりしておりますので、その点の誤解のないように願いたいと思います。  また、住民が日本国民か、これはもう日本国民だ、私どもかように考えております。したがって、潜在主権は認められておる。ただ、その国民としての権利義務がどうして完全に行使されないような状況に置かれているか、こういうことになれば、これはいわゆる法律問題になりますし、それが施政権の問題と関連を持つことになる、私はかように考えます。私は帆足さんほど大学であまりできがよくなかったので、その程度の理解でございます。私もやはり法学部を卒業した者でございますけれども、ただいま申し上げるような感じがいたしております。  私は、むしろ、ただいま仰せになるような考え方よりも、私どもが一番不満に思いますのは、戦後二十年たっておる、その後における戦後の処理がまだできていない。そういう立場における本来の主張が一番正しくもあり、主張し得ることではないだろうか、かように思います。その後安保条約というようなものができておりますので、そういう点からの制約のあることは承知しておりますが、ただいま申し上げますように、戦後の状況はもう今日までずいぶん経過しておりますけれども、これがいわゆる国際間の正常化の状態にならない、こういうように私自身は実は考えられてならないのであります。したがいまして、ただいまの植民地廃止宣言そのものを引き合いに出されますが、私は、それよりももっと基本的なものがあるんじゃないだろうか、また、それを国民はほんとうに要望しておられるんじゃないだろうか、かように思います。

帆足計日本社会党

○帆足委員 そのような趣旨の弁明は、アメリカ側からなされまして、アメリカ政府がなされるならば、私は満足ですが、日本政府がそういうような弁解的立場に立たれることは、私は法制局長官が補佐の責任を全うしていないことを遺憾に思います。というのは、ゴアのことが問題になりましたときに、ポルトガルの政府は同じことを言いました。ゴアは長い間インドから納得ずくでちょうだいしたものであって、ゴアは植民地でない、ゴアはむしろポルトガルの州と呼ぶべきものである、そしてゴアはいずれはインドに返すつもりであるから、植民地のリストの中に入れられるのは迷惑である、これはポルトガルの政府が言うたことです。それに対して、インドは、ばかこくな、ゴアは黒人すなわちインドの民族が住んでおり、そして総督がこれを支配しており、そしてゴアの中ではゴアの市民の市民権は制限されておる、これを植民地的状況と言わずして何ぞやと。ついにネールはかの地を解放することができました。したがいまして、私は、いまここでせっかく沖繩祖国復帰のために努力してくださるという佐藤総理を責めようとは思いませんが、しかし、少なくとも植民地的状況である、パナマ運河地帯の総督が支配している場所と同じ、似た状況であるということだけはジョンソン大統領に言ってもらいたい。というのは、沖繩県民は日本国民であると総理は言われたけれども、日本国民であるならば、日本の国旗を掲揚する権利があると私は思う。国旗には戦争のときの思い出もありますから、私どもも多少釈然とせぬ気持ちがありまして、痛ましい青年の日を思い出して釈然とせぬ気持ちはいたしますけれども、いまでは、オリンピックを機会にして、やはり日の丸の旗のひるがえるのを見てわれわれはうれしい気持ちがいたします。沖繩の小学校で、運動会の日にも国旗を掲げることが正式には認められておらず、おずおずと国旗を掲げねばならぬというような状況で、私は相すまぬことであると思います。こういうこともジョンソン大統領には話していただきたい。いまここで法律的論議をするならば、鉄道省専門の佐藤総理よりも、あるいはいまの段階では私が勝つかもしれません。しかし、勝ってみたところで、少数党ですから、しかたがありません。勝つことよりも、この際は、総理を激励して、そうして、沖繩で他国支配のために苦しんでおる九十六万人の同胞が一日も早く、少なくとも施政権だけでも祖国に戻り得るように早めてもらいたいということを要求する次第でございます。  もうどうせあと三、四分しかありませんので、もう一つお尋ねしますが、総理も御承知のように、私たちは朝鮮人帰国のことに協力いたしまして、そうしていま八万人の朝鮮人の諸君が、他国で轗軻不遇の生活をしている朝鮮人の友がふるさとに帰られる。その数は八万人を越えました。私は、いま思うて、自民党の岩本前副議長、この方が帰国協力会の会長をしておりましたが、この気骨りょうりょうたる正義の士のことを思うと感銘深く覚えるのでありますが、当時外務委員会で政府当局は、たかだか三千人か三万人以上帰ったら大きな意味の仕事として勲章を上げようなどと冗談を委員長が言われたくらいです。それがいま、オリンピックのときの全観衆が七万五千と聞いておりますが、あの全観衆より多い数の朝鮮の友がふるさとに帰って、とにもかくにもふるさとは近しい、ふるさとに安住の地を見出しておるわけでございます。それが契機となりまして、いままでは、茂山の鉄鉱やくず鉄などを日本に運びますのを、香港にまで一度運んで、若松の港を見ながら香港に運んで、そうして、また香港から引き返してきて荷揚げをしておったのが、帰国のことが動機となりまして、そういうばかばかしい天の摂理に反したことはやめようというので、直接輸入になりまして、ことしは茂山のあの優秀な鉄鉱石が、みんなだれもが知っているあのかってわれわれが開発した鉄鉱石は三十万トンも輸入されるようになりました。来年はおそらく五十万トンになるでしょう。日本の鉄鋼の産額はいまや四千万トン。戦争直前の最高でも七百万トンにもならなかった日本が、朝鮮、台湾、満州なくしていまや四千万トンの鉄をつくり、アメリカ、ソ連に次ぐ第三の鉄の生産国になろうとしております。しかも、国内には優良な粘結炭もほとんどなく、優秀な鉄鉱石もない日本が、輸入鉄鉱石と輸入した粘結炭をもって世界で一番安いに近いコストでいま鉄をつくり得るようになりつつあることは御承知のとおりでございます。したがいまして、私は、貿易に関する限り、どうせ原子力の戦争はないのですから、貿易をしたものの勝です。百の理屈よりも、島国日本は貿易をせねばならぬ。貿易は日本にとってはエネルギー吸収の唯一の場所ですから、はっきり言うならば、すべては輸入、これが日本のエネルギーの源泉です。この人道的な仕事が成功しました暁に、オリンピックのことでスケートの選手がまいりました。また、オリンピックの代表も、いざこざはありましたが、とにかく日本を訪問しました。また、朝鮮赤十字の代表の入国も、外務大臣のごあっせんによって許可されました。それに続きまして、貿易に関して、純粋にイデオロギーを離れた貿易のことであるならば若干名の入国は認められるであろうということが新聞に伝えられております。私は、引き続いて科学技術並びに崔承喜さんのようにみなに親しまれた舞踊などの交流もはかるべきだと思います。朝鮮の芸術は相当の水準のものでございます。そういう文化交流、イデオロギーを離れた形でそういうことはなされてしかるべきだと思います。そして、帰国協力会に協力しました者としましては、一度国に帰ると、壮士一たび国を離れれば生きてまた帰らず、もう二度と帰れない、こういう状態について心配しております。お母さんが残ったり、またおじいさんが残ったりした家庭は多いのです。また、娘がこちらに残って母親だけが向こうに行ったり、そういう場合に、一目だけでも娘の赤ちゃん、孫に会いたい、または病気の母に会いたいというようなときに、一定のワクをきめて、里帰りというか、赤十字のあっせんなどで多少の例外は認めてもよろしいのではあるまいか。と申しますのは、帰国したら、清水寺から飛びおりたようなことになって、二度と親戚にも娘にも会うことができない。抱き合って新潟の港で泣いて別れている風景を見ましたときに、私は、赤十字委員会のお許しがあるか、適当な人道機関の許可があったならば、一定のワクと秩序をもって多少の例外は認めてもよいのではないかという感を深くいたしております。おそらく、岩本信行代表理事が御存命であったならば、佐藤さんを口説いてきっとそれは実現するであろうと私は思います。無制限な往来、そういうことを今日の事態にわれわれは言うわけではないのです。したがって、きょうの新聞の記事は正確かどうか、また、よい影響を与えるか悪い影響を与えるか存じませんけれども、秩序を追って進まれるならば、私は、世界が平和を求めておる今日、それは人道、貿易、技術、文化の限界においては政府がそういう方向に向われること、すなわち前向きになられることはよいことであると思います。したがいまして、きょうの新聞にも出ておりましたが、朝鮮の問題において、イデオロギーを離れてそのような若干の朝鮮との往復ができることについて佐藤総理は御理解があられるかどうかということだけを伺っておきたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤国務大臣 ただいま切々たる、また、人間愛といいますか、人類愛に立っての御発言がございました。官房長官が中心になりましていろいろ研究しておるものがございます。ただいままでまだ結論は出ておりません。しかし、ただいまのお説のようなことになればたいへんいいことだ、かように私は考えております。この問題については帆足さん同様私も心を痛めておる一人であることを申し上げて、お答えといたします。

安藤覺自由民主党

○安藤委員長 穂積君に発言を許します。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 委員長と総理大臣にお尋ねをいたしまして、きょうの議事のあとの進行を決定いたしたいと思います。  実は大臣、総理も御了承の上だと思いますが、一昨日の当委員会の理事会におきまして、本日は十時から総理、外務大臣そろって、総理の在席される時間が約九十分、そういうことを確約の上できょうの委員会が開かれたわけです。ところが、緊急な政府の御要務で約四十分おくれになられたわけですね。しかし、私どもはその予定で、あと私のほうの党では、黒田壽男、私穂積、続いてあなたに緊急な当面の外交問題についてお尋ねをするつもりだったわけです。ところが、いま伺いますと、もう時間がないということですね。これはわれわれの責任ではないわけです。そこで、私は、妥協案として、きょうはひとまず質問は割愛をいたしまして、そのかわりといっては何ですけれども、そのかわりでもあり、かつ、当面の重要な外交問題については、やはり常任委員会のたてまえから見ましても、当外務委員会には、外務大臣はもとよりでありますが、総理に積極的にひとつ御出席願って、そして、国民の疑点とする点、政府の方針というものを内外に明らかにすることは、当委員会、国会運営としても望ましいことだと思う。こういうことで、委員長並びに総理においてその点を了解されて、次の機会といいますともう通常国会になりますが、通常国会中におきましても、きょうの埋め合わせはもとよりでありますけれども、いま申しました趣旨で積極的に出ていただく、それでわれわれの質問に答えていただくということが確約ができますならば、きょうはこれで総理に対する質問は打ち切って次に留保いたしたいと思いますが、いかがなものでございますか。委員長と総理で御相談の上で両方からお答えをいただきたい。

安藤覺自由民主党

○安藤委員長 ただいまの穂積君の御発言に対しましては、委員長といたしましても極力努力いたします。

穗積七郎日本社会党

○穗積委員 総理、何か一言……。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○佐藤国務大臣 どうも、今回の私の出席要求、これは私のほうもふなれがありまして、たいへん皆さま方に御迷惑をおかけしたと思います。この種の問題は、どの委員会がどうだという気持ちは毛頭ございませんし、また、国会の重要な責務を果たされる上において必要であれば、私どもがそれに出てくることは当然だと思いますが、ただいま申し上げたいのは、よく連絡をとっていただかないと、今回のは当理事会の問題ではなくて私のほうの秘書官のふなれで、たいへん御迷惑をおかけしたように思います。十分連絡をとっていただき、また同時に私どもが計画をすれば差しつかえない事柄で、必ず適当なときを見つけ得るのではないか、かように思いますし、きょうはたいへん時間をはしょりまして皆さま方に御迷惑をおかけした、かように思います。せっかくの問題でございますからうんと時間をとりましてお話をすることが望ましい、これにつきましてはお説のとおりであります。ことにまた、皆さま方も私の仕事が非常に激職であることも御理解をいただいておるようであります。よく話し合いはできるだろう、かように思います。

安藤覺自由民主党

○安藤委員長 永末君。

永末英一民主社会党

○永末委員 中国の代表権問題で伺いたいと思いますが、先日のこの委員会で外務大臣は、重要事項指定自体は何ら目的を持つものではない。こういうことを申された。われわれもそのように聞いております。総理大臣は自主外交ということを言われるのでありますが、自主外交というのは日本国政府に方針があって初めてでき得るものだと思います。そこで、重要事項指定自体は何ら目的を持つものではないという、こういうことでございますから、一体外務大臣は北京政府の中国代表権問題に対してイエスという立場でこの国連総会にお臨みになるのか、ノーという立場でお臨みになるのか、お答えを願います。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 中共の国連代表権問題は、アルバニア提案によりますと、即国府の追放、すなわち交代する、こういうのでありまして、これはまあ力のバランスを非常に著しく変更することであり、極東の情勢に非常に大きな変化を来たすので、平和及び安定という点からこれは同調できない、こういう考え方を基本的に持っておったわけでございますが、この重要事項指定は、さような大きな結果を生む問題であるから、どこまでもこの問題を取り扱う上においては重要事項指定方式によって処理すべきでありまして、すなわち、換言すれば、国際世論の背景のもとにこの問題を処理することが必要である、こういう考え方を持っておるので重要事項指定方式を主張しておる。重要事項指定そのものは、言ってみれば重要だから重要である、こういうことでありまして、重要事項指定というものには何ら特別の政治的目的はない。手続問題をきめる問題でありますから。ただ、同時に、いま申し上げたように、この問題については、実質上国府追放、取ってかわるということがあって、これは重大な問題であって、われわれはそれに同調できない、反対である、こういう立場をとっておるのでありまして、いわゆる合わせて一本と申しますか、重要事項指定方式によって特別慎重な取り扱いをするという場をつくってもらいたい、こういうことで、その場において討議される内容そのものはわれわれは同調できない、アルバニア方式に関する限りにおいては同調できない、こういうことを言っておるのでありまして、結局、合わせて一本と申しますか、重要事項指定方式そのものには目的はないけれども、それによって審議されるその内容については大いに文句はある、こういうことなんであります。

永末英一民主社会党

○永末委員 この前の委員会でも大体二月ごろにはこの問題が国連の中で討議をされるであろう、こういうお見通しを外務大臣は答えられた。だといたしますと、そのころにはアルバニア提案を離れてこの中国代表権の問題について日本政府は方針を持ってかからなければならぬとわれわれは考えます。いまのお話では、北京政府に中国代表権を与えるということについては否定的な考えを持って臨んでおられるように伺いましたが、いかがですか、重ねて伺いたい。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 アルバニア方式という現実の問題にしぼってわれわれは論じておるのでありまして、これに関しましてはやはり同様の主張をもって臨みたい、こう考えております。

永末英一民主社会党

○永末委員 問題がアルバニア方式ということにこだわっておられるようですが、アルバニア以外の国からも別の提案があるかもしれません。日本国自体もある提案を持っていくという心がまえはございませんか。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 この問題に関して日本自体から提案するという考え方はいま持っておりません。

永末英一民主社会党

○永末委員 私どもは、日本国がこのお隣の中国と非常に長い歴史もあり、重要問題だということを、佐藤内閣のできて以来総理から伺っておる。だとすれば、自主外交というのなら、われわれは持っておらぬがどこかの国から来たものについては態度をどうしようかというのではなくて、やはりわが国がこの中国の代表権問題についてある方針を持って、その方針によって国際連合傘下の加盟国に呼びかけてそれを通す、こういうことが自主外交だと思いますが、重ねて、外務大臣はそういうふうにお考えになるかならぬか、伺いたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 必ずしもすべての問題に先がけて発言したり提案することが自主外交だとは私は思っておりません。

永末英一民主社会党

○永末委員 すべての問題なんと言っているのじゃないのです。中国問題は非常に重要であって、わが国としては実にこれは重要な問題だから重要事項に指定したいのだとあなたおっしゃったでしょう。それだけ重要だと思っておられるのなら、わが国がそれに対する方針を持つのはあたりまえじゃないか、こう申し上げておるのですが、いかがですか。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 方針を持っておることは、重ねて申し上げる必要もないくらいくどくどしく申し上げておりますが、だからといって、すべての問題を先頭を切ってやるという必要もない。また、この問題については、かねて池田前内閣時代から言われておるとおり、この中共代表権問題は国際世論とともに解決すべききわめて困難な、しかも重要な問題である、日本ひとり独力をもってこの問題を処理することはあまりに大き過ぎる、ゆえに、具体的に言えば、国連の場において、いわゆる重要事項として国際世論とともにこの問題を解決すべき問題である、こういうことが言われておりますが、その考え方についてはただいまこれを変更する必要は認めておらないのであります。でありますから、国際の動向を十分に観察して、そしてその上で自主的にこの問題の処理に取り組む、こういう基本的な態度をとっておるのでございます。

永末英一民主社会党

○永末委員 国際世論と言われますけれども、あなたの国連総会における演説でも、中国問題を特に取り上げて重要だということを各国に呼びかけられた。その呼びかけられた相手方のほうは、それなら一体日本の方針は何だろうと聞きたいと思っておったと思うのでありますけれども、それには全然触れておられない。国際世論をつくる、そういう気がまえをまずお持ちになることが必要だと思います。これはひとつ、そういう覚悟であなたがいろいろお考えになることを見合いながらまたお尋ねしたいと思います。  次に、あなたの国連総会における演説の中で、いわゆる国連の待機部隊のことについて触れられた。すでにデンマーク、ノルウェー、スウェーデン等までは待機部隊についてはっきりとした国内法上の手続を経、予算を計上してつくっております。ところが、あなたのほうは、その待機部隊については深い敬意を表する、こういうことだけであって、そうして一足飛びに国連の平和軍なるものが常設的にできることをひとつ期待をいたしておる。飛んでおるわけでありますが、敬意を表したり期待をしたばかりでは、あなたが国連総会の演説で言われるように、国連が平和維持機能をちゃんと持つようにすることが刻下の急務だ、こういう大演説をされておられるのでありますから、日本は一体何をするのかということを方針を打っていなければ問題がぼけてくると思います。したがって、待機部隊というものに対してあなたは、日本もまた参加をしていくべきだ、そういうお考えのもとに敬意を表されたかどうかを伺いたい。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 そうではないのでありまして、国連が平和維持機能を強化することについては、もし適当な方法があるならば、これは日本のみならず各加盟国が双手をあげて賛成するところであろうと思います。そこで、ソ連からも提案がございました。その趣旨においてはやはりこれは尊重すべき提案であると思うけれども、具体的にこれを運用する上において非常に困難な問題をたくさんはらんでおる。であるからして、今日もうすでにそれを実施しておる北欧三国、カナダあるいはオランダ等の国連待機軍、待機部隊の設置ということがわりあいに手っとり早い問題のように思われるので、むしろ現段階においてはこういうような方法に敬意を払う、実質上から見てこれを尊重する価値があるのではないかという所見を述べたのでありまして、まだしかしこの問題は正式に国連によって取り上げられた問題ではないのであります。これを一体国連が取り上げて、その上この運営とかあるいは国連との関係あるいは経費の問題、いろいろ具体的に研究をしなければならぬ余地がもちろんありますけれども、それはそれとして、わりあいに実用化する上において相当価値のある内容を持っているのではないかということを取り上げて、これに対して支持する意見を述べたのでありまして、日本がそういうものが国連の一つの制度として取り上げられた場合にどう対処するかということについては、もちろん具体的に具体案を持って臨んだわけではございません。しかし、こういったようなことを公開の場において支持するということが、こういったような問題がだんだん具体化する一つの契機になるものと私は考えておったわけであります。

永末英一民主社会党

○永末委員 この九月の社会主義インターの理事会におきまして、デンマークの外務大臣ペ−ル・ヘッケルプ氏からこの問題の具体的な提案がございました。彼らは、自国もこういう準備をしてここまでやっておる、それで、これをひとつ国連加盟の各国に呼びかけて国連の制度とするようにしたい、こういうかまえで準備を進めておるわけであります。外務大臣のおっしゃるように、支持をするけれどもわが国は無関係だ、こういうようなことは支持にならぬのであります。待機部隊というのは火消し部隊の役割りしかいたしませんけれども、それがいいと日本政府の意向を表明されるならば、待機部隊そのものに対して日本国もまた参加をするのかどうか、こういうことを腹がまえをしてからでなければ、支持とか云々とか言うことはできない。そういう腹がまえをせずにそういう発言をされるということであれば、かえって各国から、日本政府の真意をはかりかねて、信用を失墜することになる、私はかように思います。もう一度重ねて、待機部隊を支持されるからには、日本の国内法あるいはその他いろいろな問題がございましょうけれども、準備をされて参加をするつもりがあるのかどうか、この点をひとつ伺いたい。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 これが国連で取り上げられて制度化するようになれば、もちろん日本としてはこれに対してどういう関係を持つかということを考えるべきであると思う。しかしながら、それは、ただ外務大臣が、国会の十分な審議、決定というものを背負わずに、それを持たずに軽々に言うべきことではないのでありまして、そこまで踏み込むということになれば、十分に国会の御審議を願って、そうして国のいわゆる公論というものを背負って、そうして対外的にこれを発表する、こう考えるわけでございます。

永末英一民主社会党

○永末委員 国連総会における一国の代表としてのあなたの演説は、これはまさしく外に発表されたわけであります。そうすれば、日本政府としてはこの問題について何らかの準備をしておるだろうと、ほかの国々が考えるのは、また私は当然だろうと思うのです。この憲章四十三条によるところのいわゆる国連警察軍というものについて、いろいろな国、ソビエトをはじめ提案をしておりますが、非常にむずかしい問題があるので、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー等は、自国のやれる範囲でここまでできるということを具体的に進めて提案をしてまいっておるわけであります。だといたしますと、いまあなたがおっしゃるように、それがだんだん上がってきて国連の制度になったときに考えたらいいという問題ではないと思う。一刻もゆるがせにできない国連の平和維持機能のためには、ここまであなたは演説されておるのだから、さっそくあなたの政府としてもこの問題についてやはり積極的な対策をつくり、それでもって国会の審議を要すべきものがあればそれをする、こういうことが態度ではないかと思う。国連にこれが制度としてできるということの前に、これらの三国は、自分らでそれをつくるから、この使用については国連総会、安全保障理事会ないしは国連事務総長等の指示に基づいて使わせるということで、イヤマークされた軍隊をすでに持っておるわけであります。ここまで準備しておることが現実でありますから、日本政府の進み方についてももっと積極的な取りかまえをしてからでなければ、この問題についての発言をすることはならぬとわれわれは思いますが、もう一度この点についてお答えを願いたい。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 重要な国連平和維持機能強化についてのいろいろな提言なり、あるいは提案に至らないまでもどこかでそういう大きな事実が発展しつつあるという場合に、十分の具体的な準備なしにどの意見も述べられぬというようには私は感じておりません。でありますから、今回あの程度の支持的な意見を述べることは、決して私は過重な行動ではないと考えております。

永末英一民主社会党

○永末委員 私は意見を述べるななんと言ってはいないのです。意見を述べられたら、その意見の裏打ちをする準備を政府としてはやられなければ、かえって国際信用を落としますよ、こういうことを御忠告申し上げておる。言われたのは事実でありますから、その準備をされて、そうしてわれわれにどうしようかということを国会におはかりになるのが順序だと思います。これはひとつあなたの進め方を私どもとしては監視をしておりますから。  もう一つの問題は、非常に重要な問題を演説の中で言われました。すなわち、来年は国連ができて二十年になるので、憲章を全面的に再検討することもわれわれの重要な課題であるといわなければなりません、これはあなたの発言です。確かに、国際連合ができました最初は、戦争中からこの構想が企てられました。私どもとしましては、国連がほんとうに普遍的な性格を持つというためには、そういう成立過程にあった問題、こういうものを振り捨てなければならぬ点があると思います。たとえば、その中で、五十三条、百七条にあるようないわゆる敵国条項、こういうものを置いておいて、国連の構成員が一律平等である、こういう感覚にはなってこないと思いますが、全面的な再検討と日本政府を代表して言われたからには、敵国条項について削除するないしは検討する、こういう用意があって発言をされたかどうか、伺いたい。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 敵国条項については、今日においてはわが国にとっても適切でないと考えるので、それは今後適当な機会を見てこれの削除について検討いたしたいと考えておるのでありますが、その手続といたしましては、憲章再審議のための全体会議準備委員会が国連に設けられておりまして、同憲章再審議の時期・方法について検討することになっておりますので、この問題もこの再審議が行なわれる際において憲章全体のワクの中においてこれを検討してまいりたい、こういう考え方をもって進めておる次第であります。

安藤覺自由民主党

○安藤委員長 永末君、お時間もだんだんまいっておりますから、お運びを願います。

永末英一民主社会党

○永末委員 国際連合がほんとうに全世界の平和維持機能の名に値するような機構になるためには、やはりその加盟国が平等に参加しておるということが憲章上も明確にならなければならぬとわれわれは考えております。われわれは社会主義インターの各加盟国にはそのことを主張してまいりました。政府も、いま外務大臣のおことばでございますから、全力を尽くしてそのことが完成せられるように努力をひとつ期待しておきます。

安藤覺自由民主党

○安藤委員長 川上貫一君。

川上貫一日本共産党

○川上委員 私の質問は単直でありますから、外務大臣はもう簡単に明瞭に答えてもらいたいと思う。ただ、ちょっとお願いしておきますが、私はいまちょっと耳をわずらって聴力が十分でありませんので、少し大きい声で明瞭に答えてください。  御承知のように、サンフランシスコ条約、これによると、琉球諸島は、合衆国を唯一の施政権者とする信託統治制度のもとに置く、こういう提案が行なわれかつ可決されるまで、合衆国はこれら諸島の領域と住民に対して行政、立法、司法上の権力の全部及び一部を行使する権利を有するということをきめてあるのです。そこで問題なんですが、一体アメリカは今日この条約に基づいて沖繩の信託統治ということを提案する意思がどのようにあるのかどうか、いつ提案するのかどうか。これはアメリカのことであると言われないように、日本としては重要でありますから、外務大臣のお答えを承りたい。

藤崎萬里外務事務官(条約局長)

○藤崎政府委員 日本政府のほうから合衆国政府に対しまして、この地域を信託統治に提案するようなことはやめてもらいたいということを申し入れて、そういう回り道をしないで、できるだけ早く日本に返還してくれということを言っておるわけであります。それに対しまして、アメリカのほうは、まだ公にはそれじゃ信託統治提案はやらないということは言っておりません。私どもの日本側の気持ちはくんでいると思いますが、公に提案をしないとは言っておらないわけでございます。

川上貫一日本共産党

○川上委員 提案をしないということは言うておらぬというのですか、いつ提案するということを言うておらぬというのですか、どっちですか。

藤崎萬里外務事務官(条約局長)

○藤崎政府委員 前者でございます。

川上貫一日本共産党

○川上委員 提案しないということを言わないというのはあたりまえです。そんなことを言えるはずはない。提案するという前提のもので施政権を持っておる。提案をしないということを言うはずはない。提案をいつするのかということです。もうサンフランシスコ条約発効後十二年たっておる。日本が国連に加盟してからも八年たっています。日本政府としてはいつ提案をしますかということを当然聞かなければならぬ。それを聞きましたか。

藤崎萬里外務事務官(条約局長)

○藤崎政府委員 それでございますから、日本政府の立場としましては提案してもらいたくないので、提案してくれるなというふうに言っておるわけでございます。日本にまっすぐ返してもらいたい、できるだけ早く、信託統治なんという回り道をしないで、そう言っているわけでございますから、いつするのかということを聞くわけがないわけでございます。

川上貫一日本共産党

○川上委員 しかし、アメリカのほうでは、元のケネディも元のダレス長官も、極東の治安が、緊張が緩和し解決するまで施政権は返さぬと言っておる。それは御承知でしょう。これに対して言うたんですかどうですか、日本政府は。——ちょっと委員長に聞きますが、外務大臣に聞いておるので、条約局長に聞いておるのじゃないのですから。これはどうなりますか。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 緊張が緩和するまでは返したくないこともほぼ——まあ軍政でございますから、そういうふうな考え方を持っておる当局もあるかもしれません。しかし、何せ二十年に近い年月を経ておりまするので、だんだんと施政権の返還を日本としては要求してもいいもう時期になっておる、かような判断のもとに、機会を見てこの問題を提起しておるわけでございまして、いまさら信託統治などということはいわゆる回り道になる、かようにまあ考えておるわけであります。

川上貫一日本共産党

○川上委員 それは、外務大臣、うらはらを言うておる。信託統治にはもうできっこないです。国連憲章にはこう書いてあるのです。第八十三条、「戦略地区に関する国際連合のすべての任務は、信託統治協定の条項及びその変更又は改正の承認を含めて、安全保障理事会が行う。」と書いてある。いま信託統治を提案したって安保理事会はこれを承認することは絶対にあり得ない。アメリカの軍事基地なんだ。それだから、アメリカは信託統治に提案ができない。信託統治に提案ができないから、今度は、極東における緊張が緩和し安全が保障されるまで施政権は返さぬ、こう言うておる。そのことを裏返して外務大臣は言うておられる。  そこで、私は聞きますが、極東における緊張が緩和し安全が保障されるようになるまで返せぬ法的根拠は何ですか。これの条約上の根拠、これは外務大臣にお聞きしたい。条約局長じゃありません。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 、平和条約の条項にこれは根拠しておるのであります。

川上貫一日本共産党

○川上委員 平和条約の条項のどこに極東の緊張が緩和するまで沖繩の施政権は返さぬということがありますか。条約局長に聞いておるのと違うのだけれどもね。

藤崎萬里外務事務官(条約局長)

○藤崎政府委員 平和条約第三条でアメリカは三権を行使する権限を持っておるわけでございまして、これについては別に終期はついておりません。アメリカが極東の緊張が緩和したら返すと言うのは、向こうが自発的にこちらの要請に応じて言ってくれておるわけであります。

川上貫一日本共産党

○川上委員 私の聞いておるのはそうじゃないですよ。そういうことをアメリカが言う条約上の根拠は何かということを聞いておる。

藤崎萬里外務事務官(条約局長)

○藤崎政府委員 そういうことを言う条約上の根拠というものがなくちゃならないという関係のものじゃないのでございまして、現状が条約上の根拠に基づいておるわけであります。それを日本に有利なように変更するのはこういうときにはいたしましょうと、向こうが条約上の義務もないのに言っておるということであります。それがまあ法律論でございます。

川上貫一日本共産党

○川上委員 信託統治について提案するまで施政権を持つということは、暫定的な問題でしょう。一時的な問題でしょう。信託統治はしない。結局暫定的なもの。ところが、一方においては極東の緊張が緩和するまで返さぬと言っておる。こういうことを言う条約上の根拠は何かということを聞いておる。条約上の根拠はないじゃないですか。一方的な無法のことを言うておるだけじゃないですか。日本政府は、条約上の根拠がどこにあるか、どうしてそんなことを言えるかということを聞いたことはありますか。これを私は聞いておる。

椎名悦三郎自由民主党外務大臣

○椎名国務大臣 信託統治に付するまではアメリカが三権を行使する、こういう第三条に根拠があるのでありまして、これをあくまでアメリカが堅持する限りにおいては、その施政権の返還についての期限が切られておらないのでありますから、条約上のこの規定に基づいてアメリカがこれを保有するこがとできるわけです。ただ、しかし、アメリカとしては、日本の立場も十分に考慮して、緊張緩和の際は施政権を返す、こういうことを言っておるのでありますから、結局、法律解釈としては、第三条に基づいて言っておるのだ、こういうことになるわけです。そこで、さらに、一体基地の機能を発揮する上においてはたして施政権というものは不可分の関係を持つものであるかどうかということになるわけでありますが、われわれは、必ずしも基地の機能を強化するために施政権を行使するということは絶対不可分の問題であるとは考えない。そこで、そういうまあわれわれの判断から、施政権を返してもらいたい、できるだけ早く返してもらいたい、そのかわり基地の機能を弱化するあるいは低下するということなしに十分に協力をしようという心組みのもとに、こういう提案を向こうに対して言っておるのであります。そのことを御了解を願いたいと思います。

川上貫一日本共産党

○川上委員 どうもちょっとこれはわからぬです。サンフランシスコ条約の条項によれば、信託統治を提案しそれが可決されるまで沖繩の行政、立法、司法上の権力を行使する権利をアメリカ合衆国に認めてある。この提案をして信託統治にならなかったら、完全に日本に返ってくる。完全に日本に返ってきて、日本の固有の領土でありますから、日本の領土になる。日本がこれに政治をする。それとあなたは軍事基地の問題を混同してしまう。そうではない。重要な問題は、信託統治をするまでとあるんですから。政府は施政権を戻してくれというようなことを言うて一日一日と軍事基地を延ばしておる。そこではなくて、いつ一体信託統治にする提案をするのか。提案しないと言ったら、これは問題です。いつするのか。どうして早くしないのか。今月今日でも提案ができる。何にも提案のできないという根拠はない。これをなぜ要求しない。これを要求せずにおいて、一面においては施政権を返せと言っておるのであります。ごまかしておる。沖繩をごらんなさい。軍政をしいておる。そして世界一と言われるほどの軍事基地をつくっている。これは永久基地です。暫定的な施政権のもとで永久的軍事基地をつくっている。そうして、ミサイル基地、核兵器の基地をちゃんとつくっている。これはアメリカが信託統治の提案をしてもそれが否決されるにきまっているんだ。それを要求すべきだ。きょうでもできる。なぜこれを政府はしないのか。これをしないで、いかにも施政権を返してもらうようなことを言うてこれをごまかしておるという、これを聞いておるのです。

藤崎萬里外務事務官(条約局長)

○藤崎政府委員 平和条約第三条には、「このような提案が行われ且つ可決されるまで」、とございますので、まあ仮定の問題でございますけれども、可決されたらまたもとのもくあみでございまして、否決されるまではいつまででも三権を行使できる、これは法律論でございますが、法律論はそうなるのでございます。  それから、極東の緊張とかなんとかということが平和条約にないじゃないかという御指摘でございますけれども、まあ平和条約にないことといえば、返還ということも書いてないわけでございまして、それは第三条のようなふうに物事を持っていかないで、日本側にすぐ返してもらいたい、奄美大島みたいに返してもらいたいというのが日本の立場なわけでございます。

安藤覺自由民主党

○安藤委員長 川上君にちょっと申し上げますが、約束のお時間がだいぶ過ぎておりますし、外務大臣はいま参議院のほうから要請が来ておりますのでそちらに回っていただかなければなりませんので、簡略にお願いいたします。

川上貫一日本共産党

○川上委員 私はいつでも時間だけは守ろうと考えておるし、いままでもそうやってきております。この問題についてはもっとたくさん聞きたいことが残っておる。ことに沖繩の問題というのは非常に重要な問題なんです。それでありますから、あらためてお伺いをしたいと思いますが、一つだけ聞きます。  アメリカがこれを信託統治にする提案をする、そうすると、いまの条約局長の話では、それが否決されても、可決されるまでというのであるから、可決されるまで施政権の領有は続くと、こういう考えですか。この点は非常に重要ですから伺っておきます。もしそうであるとすれば、可決されようが否決されようがアメリカは日本には返さぬということになる。否決されたらそれまで、可決されたらそれまで、沖繩は永久占領ということになる。沖繩の施政権をサンフランシスコ条約によって日本に返すときは永久にない、否決されても可決されるまでまだ残る、あなたの解釈ではこう理解してよろしいか。

藤崎萬里外務事務官(条約局長)

○藤崎政府委員 大体そのとおりでございまして、可決されるまでということが条件になっておりますから、先ほど御質問の中にありましたように、否決されたらアメリカはこの平和条約第三条の規定に基づいてすぐ日本に返さなくちゃならなくなるだろう、こういう御議論のようにはならないということを申し上げておるわけでございます。

川上貫一日本共産党

○川上委員 時間がありませんから、きょうはこれで終わります。これは留保しておきます。      ————◇—————

安藤覺自由民主党

○安藤委員長 これより請願の審査に入ります。  今国会において本委員会に付託された請願は四十九件であります。請願日程第一より第四十九までを一括議題といたします。  まず審査の方法についておはかりいたします。各請願の内容につきましては文書表ですでに御承知のことと存じますので、各請願について紹介議員により説明の聴取等は省略し、直ちに採否を決したいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

安藤覺自由民主党

○安藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  請願日程中第一及び第二は採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

安藤覺自由民主党

○安藤委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  ただいま採択と決しました両請願に関する委員会報告書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

安藤覺自由民主党

○安藤委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

安藤覺自由民主党

○安藤委員長 なお、本委員会に参考送付されております陳情書は、お手元に配付してありますとおり百三十九件でありますので、この際御報告いたしておきます。      ————◇—————

安藤覺自由民主党

○安藤委員長 閉会中審査に関する件についておはかりいたします。  本委員会といたしましては、閉会中もなお国際情勢に関する件について調査をいたしたいと存じますので、この旨議長に申し入れたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

安藤覺自由民主党

○安藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十八分散会

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