運輸委員会 第3号
- 発言数
- 125 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1964/12/17
会議録
○川野委員長 これより会議を開きます。 本日の請願日程全部を議題として審査を行ないます。 これらの各請願につきましては、委員各位もすでに文書表でその内容を御承知のとおりと存じます。 これより直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川野委員長 御異議なしと認めます。 本日の請願日程全部はいずれも採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○川野委員長 なお、本委員会に参考として送付されておりまする陳情書は四十一件ありますので、御報告いたします。 ――――◇―――――
○川野委員長 次に、閉会中審査に関する件についておはかりいたします。 すなわち、關谷勝利君外四名提出の道路運送法の一部を改正する法律案につきまして、閉会中もなおその審査を継続するため、議長に対し閉会中審査の申し出をすることに御賛成の諸君の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○川野委員長 起立多数。よって、閉会中もその審査の申し出をすることに決しました。 次に、 陸運に関する件 海運に関する件 航空に関する件 日本国有鉄道の経営に関する件 港湾に関する件 海上保安に関する件 観光に関する件 気象に関する件の各件につきましては、閉会中も引き続き審査を行ないたいと存じますので、その旨議長に申し出たいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ――――◇―――――
○川野委員長 次に、海運に関する件、日本国有鉄道の経営に関する件及び海上保安に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。内海清君。
○内海(清)委員 海難のふえます冬がやってまいりました。したがって、この海上安保の問題につきまして若干の質問をいたしたいと思うのであります。 最近、北洋を中心としてまして漁船の海難事故がかなり多いようでございます。ただし、海難は単に漁船だけでございませんで、近海の中小船型や遠洋漁船、あるいは材木でありますとかさらには鉱石の積み荷船等におきまして多く起こっておる現状であります。特に最近の一つの特徴としては、夜間におきます重大な海難が多いということであります。しかもそれが真夜中の出帆後とか、こういうところに目立ってふえておるように思うのであります。したがって、かように多くの海難が起きておりますことは、しばしば社会問題ともなっておる状況でありますが、最近におきまする、特に漁船等を中心といたしました海難の状況について一応承りたいと思います。
○今井説明員 お答え申し上げます。 御指摘のとおり、最近海難につきましては、港内あるいは港外いわゆる沿岸の近くで海難が多発いたしておる状況でございますが、いま先生が御質問の漁船の海難を中心にして簡単に最近の傾向を申し上げますと、海難全体といたしましては、最近は五カ年間の統計によりますと、大体において件数としては横ばいの状況でございます。なぜ横ばいの状況であるかという点につきましては、最近は比較的に機関故障による海難が減少しておるということでございまして、これは船船自体のある程度の質的な改善が行なわれた結果ではないかというふうに考えられるわけでございます。しかしながら、横ばいという状況でございまして、隻数といたしましては、全体としてやはり一カ年間に約三千隻、正確に申し上げますと、昭和三十八年は二千九百三十一隻であります。大体年間を通じまして、毎年約三千隻の海難があるということになっております。 その海難の最近の特徴といたしましては、小型鋼船の海難が比較的に増加しておるということでございます。これはやはり機帆船が鋼船に逐次代がえ建造されておるということからきておるのではないかと思われます。それからさらに機帆船等につきましては、全損海難が増加しておるということでございます。それから先ほど御指摘のように、港内あるい距岸三海里未満の海域における海難が多発いたしておるということでございます。 漁船の海難の発生状況につきましては、大体漸減の傾向をたどっておりまして、昭和三十八年におきましては、先ほど申し上げましたように、一カ年間の救助海難が二千九百三十一隻に対しまして、漁船の海難は一千百八十六隻という数字を示しております。漁船の海難は先ほど申し上げましたように、機関故障による海難の減少に伴いまして漸減の傾向にはございますが、いまの数字は全体の海難に占める割合が依然として漁船が最高であり、全体の海難の四一%を占めておる、こういうことを示しておるわけでございます。
○内海(清)委員 最近五カ年の海難の状況は大体横ばいであるということ、しかも比較的機関故障による海難が少ない、しかし小型鋼船のほうは増大しておる、なお漁船につきましても漸減の傾向にあるけれども、なお全体の海難の四一%は漁船で占めておる、こういう答弁でありますが、これらの問題を考えますときに、今日の海上輸送なりあるいは漁業の状況から見まし七、確かに稼働率を上げて、経済性を高める、そういうふうなあせりもありますし、また一面事故防止に関します教育をいたしますとか、施策を講ずるひまがないという、こういうふうないろいろな要素が重なって、こういうふうな状態になっておると思うのであります。 そこで私ひとつお尋ねしたいのは、御承知のように陸上では、産業にいたしましてもあるいは交通の面におきましても、事故の要因のメカニズムがやっきとなって研究されておる、探究されておる、こういう状況であります。だから連続勤務中の労疲の増加率とかあるいは大脳機能の働きのぐあいとかあるいは勤務中の生理変化の状況とか、事故の発生する時刻の調査とか、あるいは事故発生に関するこれが防止の会議が行なわれるとか、さらに進んで個人的な指導まで事故防止に対するものが行なわれておる、こういう相当進んだ状況にあると思うのであります。ところが私どもの承知しておる範囲では、なかなか海上ではこういうふうな研究をしようとか施策を探り出そう、こういうふうな点が欠けておるのではないか。なるほど政府におきましても、いろいろ弁明もされておるようでありますし、前向きの姿勢もとられておるようでありますけれども、それが陸上に比べてきわめて薄いのじゃないか、かような感じがしてならないのであります。これは一体どういうことか。人命尊重の立場から申しますならば、むしろ海難こそとうとい人命を失い、あるいは船と貨物が海底に消えていくという、こういうみじめな状態が多いのであります。こういう点につきまして、ひとつ御所見をお伺いいたしたいと思います。
○今井説明員 いま言いました事故防止の件につきましては、海上保安庁のみならず、運輸省におきましても船員局を中心にいたしまして、あるいは海運局海務課等におきましても極力努力いたしておることと思いますが、私どものほうの仕事の面から申し上げますと、特にこれは漁船関係、機帆船関係等、沿岸を就航する船につきまして、海難の防止あるいはまた海難が起こった場合の人命救助という観点から、特に施設面におきまして、ラジオブイを必ず備えるようにというふうなこと、あるいはまた特に最近その効果が立証されておりますゴムボートを救命艇として備えつけ、必ず持っていくようにというふうなことは、強く海上保安部を通じまして各方面に強調し、要請をいたしておりるという状況でございます。
○内海(清)委員 いろいろお話がございましたが、こういう委員会におきまして海難防止に対するいろいろな弁明もございますし、あるいはまた前向きな姿勢もとっておられると思うのでありますけれども、それらが依然として効果があがらない。こういうことから、海難防止に対しまする政府の熱意が欠けておるのじゃないかというふうな批判が出ておるのであります。したがって、現在こういうふうな海難防止に対しましては、政府はその原因を十分研明して、今後いろいろな対策を早急に立てるべきである。ことに海難の多くなってまいります冬季を迎えるのであります。いまからではすでにおそいと思いますけれども、できるだけの施策を講じなければならぬ、こういうふうに私は考えるのであります。 海難の頻発の状況を見ますと、特に漁船に例をとってみますと、昭和三十八年の統計によりますところの東京における交通事故の死亡率が千人比にして〇・〇九であるのに対しまして、漁船員のそれは一・〇ないし一・二、こういう状況になっておるようであります。だからこの数字から見ますと、東京の交通事故の頻発は、いま社会問題として大きな問題になっていることは天下周知のことなんですが、漁船員の事故死亡率というものは、実にその十倍にもなっておるような状況である。このような海上での事故が非常に高い率で出て、しかも人命が軽んじられているということは、海国日本にとりまして、むしろ信用を国際的に落とすような問題でもあると私は思うのであります。これはいまいろいろ御答弁がございましたが、もちろんいろいろな面にわたっておると思います。しかしそれらが総合的に施策が行なわれていかなければ、とうてい防げるものではない。そういう点から考えますと、今日の海難というのは、私どもはただ単に天災としてこれを見るわけにいかない。むしろ人災に近い原因によるものが多い、こういうことを考えるのであります。でありますから、この海難も相当部分は国の施策がよろしきを得れば、これは防ぎ得るものである、こういうふうに私は確信するのであります。予防は十分できる、こういうふうに考えるのであります。 そこでこれはいろいろ運輸省関係におきましても問題がございましょうが、私はそれを一、二にしぼってお聞きしてみたいと思います。 まずお聞きしたいのは、この海難は洋上で起こるのであります。ところが洋上で起こる前に、その何%かは、まず船の建造の際における構造の問題、あるいは出航前の検査の問題、あるいは船の修理段階における問題、そういうふうなことから起こるのではないか。これを厳格に行なうことによりまして、ある程度のものが防げるということを私は思うのであります。 そこでお尋ねしたいのでありますが、船舶安全法に基づきますと、船舶検査官というものが設けられておるのであります。現在船舶検査官は何人おって、そうしてどういうふうな仕事を行なっておるか、この点についてひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○近藤説明員 私からお答えいたします。船舶検査官は全国海運局、支局を通じまして約五十五カ故、その定員数は二百十二名でございます。十一月の中ごろの現在員と思いますが、二名欠ということで現在二百十名と思っております。 この二百十名の検査官の内容を申し上げますと、主として船体関係の検査官、それからエンジン、機関部関係の検査官、その他電気関係、そういうものを一部含めまして二十名ということになっております。 全国の各海運局、支局五十五カ所程度のところに、多いところは十名以上おるところもございますし、支局の小さなところでどうしてもおらなければならないところ、そういうところには少なくも二名は配置したいのでございますが、中には一名というところもございます。そういった検査官の配置状況でございまして、いまお話のございましたように船舶の建造当時いわゆる新造時にあたりまして、船体の各部並びにエンジンの製造過程におきまして検査をやっております。そのほか、でき上がりました船舶の安全確保のために定期的に、二年ごとに検査をやる、そのほか船によりましては一年おきに旅客船とか大型船、そういったものに一部簡単な検査をやっております。そういうことで、新造船並びにでき上がりました船の安全確保のために安全法に基づきまして検査をやっておる次第でございます。
○内海(清)委員 ただいまの御答弁によりますと、検査官の人数は全国で大体五十五カ所に配置されていま二名欠員で二百十名、こういうことです。はたしてこの人数で、最近特に船舶も増加しておるときでありますが、すべてのわが国の船舶の検査をすることが実際問題として可能かどうかという問題であります。この点は、われわれ多少実情も知っておりますけれども、疑わざるを得ない点もあるのであります。そういう点から考えまして、私どもはもっと検査官の人数をふやすということが必要なのじゃないかと思うのであります。この検査官の人員を大幅にふやすことによりまして、政府の指導監督を強化していく、そうして海難の防止の一つの柱とすべきではないか、こう思うのでありますが、政府のこれに関しまする御所見をお伺いしたいと思います。
○近藤説明員 お答えいたします。検査官は昭和三十六年と思いましたが、三十名の増員を要求いたしまして、三十名増員になりました。その当時約百八十名のものが、いま二百十二名という定員になっておる次第であります。その当時からまいりますと、当然船腹数も非常に多くなっておるわけでございまして、検査の件数も非常に忙しいという状況がウナギ登りになってまいりますので、いろいろ増員のことを考えておりましたわけでごすが、大蔵省との折衝その他でとにかく従来の検査のあり方と申しますか、合理化の線はないのかということでいろいろ注文がございまして、昨年昭和三十八年に安全法の一部改正によりまして、御承知と思いますが、各造船所、エンジン工場等につきましての認定事業場の問題、それから検査の期間の問題、漁船などにつきまして二年に延ばすというようなこともございまして、一応検査の近代化並びに合理化を具体的に進めてまいりましたので、その成果を見まして、まだ集計的にはっきり数字をつかんでおりませんが、おいおいその実績のあらわれてくるのによりまして、今後の問題に対処していきたいと思っております。全国の検査官は確かに忙しくやっておりますし、また漁船その他の季節的なピークにぶつかりまして、一時非常に忙しいということもございまして、検査の先ほど申しましたような合理化の線とにらみ合わせまして、今後検討して十分対処していきたいという考えでございます。
○内海(清)委員 御答弁は、私が初め申しましたように、やはり政府の答弁はいろいろ弁明もありますし、また前向きな姿勢だというふうな答弁もあるわけであります。そういう検査の合理化というものをいま見ておるのだ、その間にどんどん海難は発生して人命は失われていっておるのである、こういうところにお役所的な考え方があるんじゃないかと私は思う。それでじんぜんとその結果がいつ出るかわからぬが、出るのを待っておっていいか悪いかという問題であります。このことは、私はたいへん遺憾に思うのであります。増員については、大蔵省との問題があるということでありますけれども、少なくとも人命に関する問題であります。まずもってこの問題は取り上げられなければならない。ただ単に、事務的な問題とは違うのであります。その点についてはどうお考えになりますか。
○近藤説明員 ただいま御指摘があったのでございますが、私のほうといたしましてもできるだけの措置をとっておるわけでございまして、さしあたり船舶の安全設備につきましても、来年の五月の二十六日に一九六〇年の人命安全条約が発効いたしますので、この機会に、外航船は当然のことでございますが、それ以下の漁船、沿海以下の貨物船、そういった内航船につきましても、安全設備の関係につきまして規則のレベルアップをやりまして、安全を確保するということに考えて準備を進めておる段階でございます。そのほか、満載喫水線の問題、そういったいろいろの問題を根本的に解決してまいりたいと思っておる次第でございます。
○内海(清)委員 どうもわれわれにはそういう御答弁はぴんとこぬのでありますけれども、なるほど安全に関するいろいろな規則を強化して、そういうふうにしようというのでありますけれども、それにはその強化したものに対するチェックがなけりゃいかぬのであります。そうでなければこれはなかなか的確にいかぬということはおわかりだと思うのであります。これらにつきましては、これは人命に関することでありますので、ひとつ早急に、いま予算の編成の時期でもありますし、お考えいただかなければならぬと思う。時間もありませんからいずれまたこれらにつきましてはお尋ねするときもあろうと思いますが、次に移りたいと思います。 次には、船員法に基づきまする労務官であります。これは、やはりこういう海難にいろいろ重大な役目があると思うのでありますが、現在、労務官の人員と業務の現況がどういうふうになっているか、この点をちょっとお伺いいたしたいと思います。
○亀山説明員 船員労務官の現在の人数は八十名でございまして、全国の海運局及び支局に配置されております。昨年、三十八年度におきましてこの八十名の労務官の臨検監査をいたしました件数は、船舶及び事業場を合わせまして一万二千七百七十四件ということになっております。監査をすべき対象は、船舶におきまして、船員法の適用のございますものが昭和三十八年十二月末現在で三万八千四百二十一隻、事業場にいたしまして一万九千三百カ所、合わせまして約五万七千七百という監査対象の船舶及び事業場があるわけでございす。それに対しまして昨年度の実績が一万二千七百でございますので、大体年間総数の四分の一程度の監査を実施いたしておるわけでございます。なお、このほかに船員法の励行に関しましては海上保安官がこの職務を行なっておるのでございます。
○内海(清)委員 労務官の人員は八十名だそうであります。この労務官の仕事が発航前検査の監査という、これはきわめて航海中の船員の生活条件を左右する重要なものであると思うのでありますが、この八十名で、いまいわれたような一年間の件数を監査してきておるわけであります。これではたして十分できるかどうか、これは検査官と同様に人員を大幅増加する必要はないかどうか、この点をひとつお伺いいたしたいと思います。
○亀山説明員 お説のとおり、労務官が監査をすべき対象船舶がふえてまいりますと同時に、船員労務官は単に船舶に臨検をいたしまして法律の違反があるかどうかということだけを、事実の摘発だけをするわけではございませんで、さらに実質的に船員の労働条件が向上するように指導を行なわなければなりません。そういう意味合いから申しますと、現在の員数では相当不足しております。特に最近漁船関係につきましては、その賃金形態の改善等につきましても、現場における指導ということが重要でございますので、いわゆる法の取り締まりということのみならず、指導面に相当重点を置かなけばならないということで人数も十分でございませんし、さらにまた労務官の知識経験ということがきわめて重大でございまます。したがいまして、現在の人数を増加すると同時に、さらにその知識経験をふやし、研修を行なって、形式的な監査に流れることなく、実質的な監査をするようにいたしたいということに考えまして、昨年来労務官の研修も行なっておりますし、その仕事のやり方についてもいろいろ中央から指示をいたしまして、つまり重点主義をとっていくという方法によって、この少ない人数で効果の上がるように努力をしております。 なお、増員要求につきましては、実は毎年大蔵省に要求はしておりますけれども、今日まで大幅な増員はできなかったわけであります。来年度も増員の要求を提出して、これは最近の漁船海難の状況等より、特にいま御指摘の発航前検査を励行する、船長の発航前検査が的確に行なわれているかいないかということについて特に重点を置きたいので、この面からの増員を現在要求をして折衝をしておる段階でございます。
○内海(清)委員 四十年度増員要求がございますか。
○亀山説明員 船員労務官十名の増員要求をいたしております。
○内海(清)委員 労務官は十名要求したそうでありますが、検査官の増員要求はございますか。
○近藤説明員 検査官は来年はいたしておりませんです。
○内海(清)委員 そうすると、検査官は増員しなくてもこれで十分ということですか。
○近藤説明員 十分ということではございませんのですが、先ほども申し上げましたように、一応昨年度安全法の一部改正によりまして検査の合理化ということを一応打ち出したものでございますので、その結果を待ちまして検討いたしたいと思っておるわけでございます。
○内海(清)委員 十分ではないが、その結果を待つということ。これは先ほど私申し上げましたように、その待っておる間に海難一枚はどんどん起きてきておる、人命が失われておるということであります。その点はどうお考えなのですか。
○芥川説明員 私、昨日船舶局長の大任を拝命したばかりでございまして、今後一生懸命勉強いたしまして船舶行政を推進してまいりたいと存ずる次第でございます。 で、ただいま内海先生の御指摘の点、特に人命の安全に関することでありまして、これは非常に重大だと思う次第であります。検査の合理化というのも、これもまた、何と申しますか、技術の革新に伴いまして当然やるべきであると存じますが、そのためにかりに海難がふえるというふうなことになりましては、これは合理化の趣旨に反すると任ずる次第でございます。したがいまして、ただいま御指摘のような点をよく今後勉いたしまして、海難統計などかりに増加の傾向というようなことに相なる現象がありますときは、それはよく考えなければなりません。また一方検査官の増員によりまして、これは少しでも防げるというふうに信じました場合には当然増員要求をさしていただきたいと存ずる次第でございますが、何分にも、まだ申しわけないのでございますが、ただいま勉強中でございますので、先生の御趣旨をよく体しまして、勉強してまいりたいと存ずる次第でございます。
○内海(清)委員 検査の合理化ももちろん必要だと思います。その間にだんだん人命が失われるということでは私は相ならぬと思います。この点は並行的に考えなければならぬ、そうして人命の損失を防いでいかなければならぬということであります。これは人命損失だけでなしに、海難によって人命と同時に国の財産も失われるということであります。この点はひとつ今後十分早急に御検討いただきたい。 そこで政務次官がおいででございますので伺いますが、私ただいま質問いたしました船舶検査官あるいは労務官の適正な配置によりますところの政府の監督指導の強化、これは今日非常な念を要する問題であると思うのであります。政府が直ちに取り組まなければならぬ緊要な問題だと私は思うのでありますが、これに対しましてただいまのような御答弁でありますが、政府は十分取り組まれる決意があるかどうか、この点をひとつお伺いしておきたいと思います。
○大久保政府委員 内海委員から非常に重大な、海上人命安全に関する政府の対策につきましての御質問がございました。つつしんで傾聴いたしました次第でございます。海上における人命の安全ということは、国際社会をあげまして、最も重大視せられておるところでございます。かような観点からいたしまして、運輸省といたしましてもこの点につきましてはつとに重視をいたしてまいっておるところでございます。しかしながら海上における諸般の悪条件と相まちまして、御指摘がございましたように漁船における事故率が東京における自動車の事故率よりも大きいというようなことも御指摘がございましたし、また私の記憶では財産の損害等も火災の損害に劣らない海上の損害であるといったようなことも記憶いたしておる次第でございまして、かような損害に対処する国の施設が十分整っておるかどうかという点につきましては、まだ尽くさなければならぬ多くの問題があると存じておる次第でございます。御指摘になりました船舶検査官の配置あるいは労務官の配置等につきましても、合理化ということよりも、人命が一人でも救われたか救われなかったかということのほうが大切な問題でございますから、その実態的な問題を重視いたしまして、今後法制並びに予算の獲得等につきまして全力をあげて御期待に沿いたい、かように考えておる次第であります。
○内海(清)委員 次に簡単に御質問いたしますが、先ほども若干の御答弁があったわけでありますが、船舶の救命設備の問題です。現行法等におきましては、漁船等について特別規定が設けられまして、その条件が著しく緩和されているように思うのであります。このことが海難船員の生命のいたずらな喪失を招いている。これが一つは大きい原因になっていると思うのであります。したがって、政府はこの際、漁船に対しましても他の船舶と同じ条件にするような用意があるかどうか、この点をひとつお伺いいたします。
○近藤説明員 ただいま御指摘のございました漁船の救命設備につきまして、従来一般船舶に比較いたしましてその救命設備が幾分劣ると申しますか、十分でなかった点がございます。それで先ほどお話し申し上げましたように、来年の五月二十六日に国際条約が発効になりますので、その条約に基づきまして国内船にも全部それを適用するように目下準備中でございます。したがいまして、漁船の救命設備につきましても、一応水上に乗り組み員をささえておくいわゆる膨張型の救命いかだといったようなものを一〇〇%持たせる考えで目下準備中でございます。そのほか、一たん乗り組み員が遭難してそういった膨張型いかだに乗り移った場合にも、救難その他の場合の連絡の方法がありませんので、自動的な救難発信機、いわゆるSOSブイでございますが、そういったものを装備するという考え方で目下準備中でございます。
○内海(清)委員 いろいろ準備中でありまして、いずれこれはできると思いますが、その準備している間にだんだん人命が失われ、財産が失われるということであります。これは早急に行なわれなければならぬと思うのでありますが、いつごろまでにそういうことが整備できますか。
○近藤説明員 その実現の時期でございますが、先ほど申し上げましたように昭和四十年五月二十六日からいずれにしても国際条約が発効になりますので、それ以前に国内規則を整備いたしまして、公布するということでございますので、来年の三、四月ごろまでには正式に公布になると思っております。
○内海(清)委員 国際条約は来年の五月に実施されるからそれまでにやればいいという考え方では相ならぬと私は思うのであります。三月ごろまでということばもありましたが、この救命設備につきましては早急にこれは実施されなければならぬと思うのであります。いまお話がございましたが、特に漁船とかあるいは内航船等につきましてはこの救命道具はございましょうが、その他の救命艇なりあるいは乗り組み員が海中に飛び込まぬでもこれが避難できるというふうな設備が一日も早く整備されなければならぬと思うのであります。ただいま三月ごろまでということでありますけれども、この海難の多い冬季に向かうのであります。早急にこれはひとつ実施していただきたい、こういうふうに考えるのであります。その点いかがでございますか。
○近藤説明員 その点につきましては、当然行政措置によりまして、救命設備の強化と膨張型救命いかだの増備ということを従来から強力に進めて行政指導をやってきておるわけでございます。
○内海(清)委員 時間がございませんので、この問題はこのくらいで一応打ち切りたいと思いますが、この問題はひとつ早急に解決していただきたい。強く要望しております。 大臣がおいでになりましたので、次に海運、造船方面の問題に入りたいと思います。 わが国の経済は、今日本格的な開放体制下に入りまして、きびしい国際競争にさらされることになったのでありますが、この激しい国際競争に打ち勝つためには、今日までの高度成長のひずみ、すなわち国際収支の不安定、社会資本の立ちおくれ、中小企業、流通機構等の低生産性を払拭する、こういうふうな多くの問題を解決していかなければならぬと思うのであります。これに対処いたします最も重要な課題は、何と申しましても、やはり国際収支の安定をはかることがその第一義だ、こういうふうに私は考えるのであります、これこそ、わが国の経済成長の基本的な条件であると思うのであります。その国際収支の安定は、まず輸出を振興して貿易収入のより一そうの増大をはかる、これは申すまでもございません。同時に、これと並行して、逐年増大しつつありますところの貿易外収支の赤字を最小限に食いとめる、これを押えて、その改善をはかることにあると考えるのであります。 これを運輸関係について見ますならば、この際外航海運、国際航空及び国際観光の一そうの充実をはかって、貿易外収支の改善に努力いたしますとともに、これと並んでより一そう船舶あるいは鉄道車両等の輸出を振興して、貿易収入を増大し、国際収支の改善に寄与しなければならぬと思うのであります。そのゆえにこそ、運輸省におかれましても四十年度の重要施策要綱の発表にあたりまして、第一に貿易収支の改善と船舶、鉄道車両の輸出の振興、これをあげておられるのだと思うのであります。また、本日の朝日新聞によりますと、予算編成におきまして、与党におきましてもやはり大綱を発表しておられますが、その第一に、済済のひずみ是正と安定成長の確保、二としては、輸出の増進と国際競争力の強化、その他ありますが、こういうふうなものがあげられておるのであります。 〔委員長退席、進藤委員長代理着席〕 そこで、一つ大臣にお尋ねいたしたいと思いますが、この二つの問題、いわゆる貿易を振興して貿易収入をふやしていく、同時に貿易外収支の改善をはかるということ、この二つはいずれも国際収支の安定に最も重要な問題でありますが、この輸出伸長により貿易収入の増大という最大国策を実現するのが一つであり、いま一つは、国際収支を不安定にする大きな要因となっておるところの貿易外収支の改善に寄与するというものでありますが、その政策の基本は全く相異なるものである、こう考えるのであります。その点につきまして両者の関係について、ひとつ大臣の御所見を伺いたい。
○松浦国務大臣 いま御指摘になりました点は、日本経済に対する一番重要な点でございます。御指摘になりました点のみをまず御答弁申し上げたいと思うのであります。 まず外航船舶の問題でありますが、これは本年の三月、経済閣僚懇談会におきまして、海運国際収支の改善対策という題目のもとに大いに研究せよということを命ぜられまして、私の代になりましてから、池旧総理大臣から四つの項目をやれということのうち、一番大きな問題は、いま御指摘になりました収入の船賃と支出の船賃の差額が四億二、三千万ドルから今年は大体四億八千万ドルくらいになるのではないかという点でございます。これは一年に直すということはできないから、計画的に造船を――つまり国内の保有造船を多くして、自分の国の船で自分の国の原料並びに製品の輸出をしなければならぬ。だからそういう計画を立てるということを命ぜられました。 そこでわれわれも、いろいろ造船能力――いまお話しになりましたように、船をこちらのほうで手持ちをすれば、今度は船舶の輸出のほうが少なくなっては困るという点もありますので、造船のキャパシティーに見合いまして、本年度は百二十一万総トン、来年度は百五十万総トン、再来年度は百七十五万総トン、その次は百九十七万総トン、自己資本建造百万総トンということで、四年間に七百四十三万総トンを保有するという考えで出発いたしたのであります。ところが、それだけのものをつくれば今度は造船所のキャパシシィーの関係で輸出するものが足りなくなるのではないかという憂いがあります。現在契約しておりますものは、満度に働きまして三年間くらいの契約をもう持っております。これは大体二百五十万トンから二百七十万トンくらいの輸出をする考えであります。ところががキャパシティーのほうはどれくらいかと申しますと、現在では普通にやりまして三百九十万トン、少し残業などをやりますと四百五十万トンはできる、こういう考え方を持っております。なお川重のごときは十五万トンクラスの船台を二つ備えた新しい造船所を香川県の備讃瀬戸のわきの埋め立て地につくることに決定いたしまして、一昨日これの認可をいたしました。そのほかの各造船所もそれぞれ十万トン以上の船台を新しく用意をしつつありますから、三年度以降におきましてはこれ以上のものをつくっても決してキャパシティーには影響しない、こういう考え方を持っております。今年度も百三十三万トンわれわれは要求いたしましたが、政府のほうでは百二十一万トンを許してくれまして、しかも財政投融資の中で百六十八億、これを認めてくれたのでございます。来年度はそれならば幾らかというと、百五十万トンでございますから、来年度の百五十万トンに対しましては大体七百十九億の資金を必要といたします。これに対しましても産投並びに開発銀行等の資金を活用いたしますから、それに対しまして、大体六分五厘の金利でありますが、二分五厘は利子補給をいたしますから、本人の負担は四分になるのであります。その後、全体数は先ほど申しましたように七百四十三万トンでございますから、約五千億の資金を必要といたします。その五千億の資金のうち三千億はいま申しました財政投融資系統の政府資金を使いまして、本人の金利負担は四分ということであります。そのあとの二千億は一般銀行その他の本人の信用力によって資金を調達する、これは大体九分一厘になりますから、その中の三分一厘はこれを補給する考えでありますから、これは六分の個人負担になるのであります。そういう方法によりまして、御指摘になりましたような点を、七百四十万トンを四カ年でつくるということでありますが、それを四カ年でつくりましても、これは現在、四億ドル前後――四億ドル以上のものの横ばいでいくだけなんですし、これは何もならないと思うのです。 なぜそうかというと、ちょっと話は長くなりますが、パーセントで言うとぴんとこないですから、実際の話で申し上げますと、まず鉄の生産量と油の消費量が近代国家の経済力のバロメーターだといわれておるのでありますが、私どもは戦争のときになべ、かままでスクラップにいたしまして、最高のピークが六百五十万トンだった。それが三カ月しか続かなかった。ところが今日の日本の鉄の生産量は何ぼかというと、四千万トン、世界の第三位であります。これは約六倍に躍進している。また油の消費量は昨年は約七千万キロリットル、今年は八千五百万キロリットルに達するであろう、来年は一億キロリットルになるであろうということでございますから、これも七、八倍に躍進いたしております。そういうことになりますと、これはこれに正比例してそれぞれの企業が盛んになり、御存じのように高度成長政策をとるに至りましてから今日まで約一兆前後の設備投資が行なわれておりますから、これは設備投資をした以上は工場は動かさなければならない。工場を動かすとすれば、日本には原料はありませんから、原料はほかから運んでこなければならない。原料を運んでくれば製品は輸出しなければならぬということでありますから、船はやはりイギリスくらいの保有量、二千二百万トン以上の保有量を持たなければ黒字にならぬというのが日本の現状なんです。その二千二百万トンの船を急造するということになれば、御指摘になりましたように輸出のほうがもう減っていくということになりますから、いまの七百四十万トンを一時やって、第二次計画で黒字になるように考えるよりほか道がない、かように考えております。 それから車両の問題でございますが、車両の輸出は減るよりも毎年ふえております。 以上、いまの御質問に対してお答えしたわけであります。
○内海(清)委員 いまの大臣の御答弁で、この両者は並行的に伸ばさなければならぬ、こういう御決意のようでございまして、まことにこの点につきましては、わが国経済の安定的な成長の面から見ましてきわめてけっこうなことであると思うのでございます。 そこでひとつお伺いいたしますのは、先般の海運合理化審議会の答申によりますと、わが国の船腹量は昭和四十三年に千五百五十一万総トン、これを目ざしまして、昭和三十八年度末に比しまして七百四十三万総トンの邦船を建造しなければならぬ、こういうことでありますが、そうすると、ただいまの御答弁によりますれば、この答申どおりの計画を実施に移すという御決意と承りましてけっこうでございますか。
○松浦国務大臣 そのとおりでございます。
○内海(清)委員 まことに、この計画が実施に移されますならば、この貿易の伸長とあわせて貿易外の収支も、なかなかそう簡単に減りませんでしょうけれども、軽減の方向にこれが向かっていくということで、この点につきましては今後かたい御決意でもってこれが実現に御努力いただきたいということを強く要望いたすわけであります。 そこで、先ほどお話がございましたが、四十年度におきましてもこの国内船いわゆる百五十万トン、これを建造しよう、こういうことでございますが、この条件あるいは資金量につきましても先ほど御答弁がありました。このことで大体これが達成されるものだと思うのでありますが、御承知のようにただいまちょうど予算の編成期でございます。したがって、こういう計画も御決意も予算の裏づけがなければなかなかこれが実現が困難である、こういうことでございます。この点につきまして十分なる御決意があると考えるのでありますが、ところがこの計画造船はいままで長期の建造計画というものが何べんか策定されたのでありますけれども、計画どおりに実現がいったことは、これは失礼かもしれませんがほとんどない、こういう実情なんであります。この点につきまして私どもは心配するわけでありますが、この計画が実現されないとしますと、このことは海運と同時にこれと表裏にあります造船関係にとりましても、きわめて重要なことであります。 そこでお伺いいたしたいのでありますが、来年度はこれは必ず実現するというお見通しがございますか。
○松浦国務大臣 先ほど申し上げましたように、今年度は六十四万トン当初計画はやっておったのです。そこで私の代になりましてから何とか計画をやり直せということで百三十三万トンを要求いたしました。それをこの間の補正予算のときに百二十一万トン認めてくれました。それでその不足分の財政投融資の分に対しましては百六十八億、これを認めてくれたのであります。でありますから、今度は来年度の百五十万トンに対しましては、先ほども申し上げましたように、七百十九億という資金が必要になるのでございます。実は、先刻九時半からここへ来るまでの間経済閣僚懇談会がありまして、いま申し上げましたことは全部この経済閣僚懇談会の了承を得まして、それで大蔵大臣も大蔵大臣の側としてさらに意見を述べられましたが、これはこのままにしておけば、このほうは何をおいてもやらなければ、いま内海さんの御指摘になりましたように、せっかく貿易をやっても、船がふえなければ船賃を外へ払うことによって何にもならぬことになる。だからこれだけはひとつ何とかしなければならぬということを大蔵大臣は言明いたしておりますが、しかし財政投融資の原資も一兆六千億くらいしかないのですから、これは各省からそれぞれ要求せられますので、平たい話ですけれども、何分どまりになるかこれは一つの問題であると思いますが、各閣僚がこれに対しまして全部賛成をしたものでありますから、経済閣僚懇談会の決議に基づいて私どもはどこまでも食い下がって七百億の金をとるつもりであります。
○内海(清)委員 ただいまの大臣の御決意を承りまして、たいへんけっこうなことだと心強く感ずる次第でございます。この二十一次つまり四十年度の計画造船、これが大量に建造されるということ、これは私どものいままで常に主張してきたところでございます。今回のこの計画が完全に実現に移されるということになりますならばこのことは国内船の建造ということも常に優先的に取り上げて考えてまいりました造船界にとりましても、まことに心強いことだと思うのであります。 ところが、他面、造船界は、これまで邦船の建造とともに非常に輸出産業の花形として輸出船の建造を行ないまして、貿易収入の面で大きく貢献してまいりました。これによって貴重な外貨も大量に獲得してきた。この船舶の輸出ということがとかく見落としがちになる。しかしこの実績は私どもは見落してはならぬと思うのであります。特にいま大臣もお話ございましたように、明年度は財政資金が逼迫するという見通しから、政府支出の面におきます圧縮の意向が非常に強いように打ちだされておるということであります。このことは今日までも常に予算折衝の面におきまして大臣をはじめ各部局の皆さんがつぶさに味わってきておられるところと思うのであります。したがって、この問題は、いま運輸省が予算要求をされております四十年度におきます開銀の二十一次計画造船用の船舶向けの貸し出し所要資金七百十九億、それと同じく四十年度におきまする輸銀の船舶向けの貸出し所要資金の千二百十二億円、この確保ができるかどうかというこの問題に結局集中されてくると思うのであります。ところが、この輸銀の面を見ますと、輸銀は、四十年度の貸し出し規模は二千二百六十億、こういうことに算定しておるようであります。そのうち船舶向けが千二百十二億であります。これに対しまして政府出資が五百九十八億円と、財政融資が九百二十億、こういうものを要求しておるようでありますが、これらの確保ができるかどうか、これが最も重要な問題であります。しかし、これはいま折衝の段階でありまして、大臣のただいまの御決意に期待いたしまして、私はこの問題が達成せられるであろうということをたいへん心強く思うものであります。 ところが、ここで十分御認識しておいていただきたいと思いますことは、輸銀がいま要求している四十年度の船価向けの貸し出し所要資金の千二百十二億という金額は、そのほとんどが、これはその九〇%以上になると思いますが、これは輸銀融資を前提としてすでに契約済みの船舶に向けられるものだ、こういうふうに私どもは承知しております。この点は間違いありませんか。
○松浦国務大臣 仰せになりましたように、のほうにわれわれが融資要求をしておりますものは、千二百十二億であります。いましきりに事務的な折衝をいたしておりますが、いまのところまあ確保できる情勢であります。しかし、先ほども申しましたように、十六省庁、そのほか各政府事業から一兆六千億に向かってそれぞれの要求が熾烈なんです。その中をくぐってわれわれはこれを獲得しなければならぬものでありますから、いまからそのようなお声を発していただきますことは、援護射撃として私は非常に感激しております。大いにひとつ御支援を願いたいと思います。
○内海(清)委員 大臣のただいまの御決意に敬意を表しますが、この資金の千二百十二億は、先ほど申しましたような理由から、絶対にこれは確保されなければならぬものであります。いわゆる必要最小限度の額と思うのであります。もしこれが確保されない場合におきましては、すでに契約済みの船舶に向けられる資金でありますから、三十二年以来常に建造量におきまして世界の首位を保っておる、しかも船舶の輸出は、これまた品別におきましてもその額においては一位ないし三位を保っておる。また、プラント類の輸出額におきましてもこれは六〇%以上、こういう額を占めておるような船舶の輸出でございます。 〔進藤委員長代理退席、委員長着席〕 このわが国の貿易収入の上にきわめて大きな貢献をしてきた輸出船であります。これはただいまの大臣の御答弁では千二百十二億は必ず確保する、こういう御決意でございますので、ぜひともこの点はひとつ御努力願いたい。 ところが、私どもただいまの大臣の御決意を承りましてたいへん心強く感じるわけでございますけれども、最近、巷間伝えられるところによりますと、この新造船向けの所要財政資金の総ワクをきめて、そしてこれを開銀資金と輸銀資金に振り分けよう、こういうふうな議論が行なわれておるようであります。ところが私ども考えますのに、この議論は全くいわば無謀な議論でありまして、財政融資を、政策の基本が全く異なる二つのものを一緒に考える。この両者はもう同じ立場で論ずべき筋合いのものではないと私は考えるのであります。この点に関しまする大臣の御所見をひとつ承りたい。
○松浦国務大臣 いまのお話の点については、そういう矛盾したような割り当ての銀行の割り振りについては、われわれは筋の通らぬことはやらせないつもりです。どこまでも筋を通していきたい。それは今年度だけじゃないものですから、一ぺん筋を踏み違えるといつまでもそうなってしまうのでありまして、日本の造船というものは日本の工業の一番先端をいって世界の四割もつくっておるような状況でございますから、これについては筋を通していくつもりでございます。
○内海(清)委員 これはいま大臣の仰せのように全く筋違いのものでございまして、この問題はあくまでひとつ筋を通していただきたい、こういうふうに思うのであります。したがいまして、国内船と輸出船、この船舶向けの所要資金、開銀が七百十九億、輸銀が千二百十二億、これはそれぞれの立場において確保されなければならぬと思うのであります。それこそがわが国の経済の成長の最も基本的な条件になるものだ、これが国際収支の安定にはぜひ欠くことのできない問題だ、こういうふうに私は考えるのであります。これに対しまして、いま大臣の御決意を承りましてたいへん心強く感じておるのでありますが、どうかひとつ有終の結末が出ますように、この上とも最善の御努力を要望いたしたいと思います。 いろいろまだお尋ねしたいことがございますが、時間が与えられておる時間を過ぎております。いずれまた他の機会にお伺いいたしたいと思います。 重ねて要望いたしますが、この実現に最善の努力をおそそぎいただきますことをお願いいたします。
○松浦国務大臣 予算編成を目の前に控えまして、十九日に第一次内示をするというときにあたりまして、内海さんの筋の通った御質問はいずれ新聞紙上を通じて政府当局並びに日本全体の財界人のために響くことであろうと思います。非常な御協力をいただきましたことに対しましては感謝いたします。
○川野委員長 久保三郎君。
○久保委員 ただいま内海委員から国際収支改善、海運収支の問題と船腹増強の問題のお話がありましたが、私どもはいまのお話には多少疑問があります。時間もありませんから一言だけ申し上げて、次の機会に掘り下げた議論をしたいと思います。 国際収支の中でも、海運収支の恒常的な赤字、これを解決しようというのは、なるほど日本の政府にとっても国民にとっても一番大事なことだと思います。そこで従来運輸省を中心にして、政府は国際海運収支改善イコールと言っては語弊があるが、船腹の増強ということで今日に至ったようであります。いまお話のとおり、運輸大臣からそれぞれの向きに要求をしているということであります。しかしながら、ここで考えなければならぬことは、四十三年度において海運収支が今日の状況で横ばいということを描いて、しかもそれに対しても七百四十万トンの新造をせねばならぬ、そのとおりかもしれません。しかし基本的に海運収支を改善する方向は、単に船腹増強では不可能だろうと私は思うのであります。なるほど七百四十万トンつくる。そうしてこれを使う道は何かというと、最近の御方針によりますれば、定期船に新造船を投入する、あるいはスポット対策といって、これも定期の分野で新たな観点からこれにも船を投入する、あるいは三国間輸送にも、こういうふうに大幅に考えられておりますが、定期船の今日の状態というか、大まかにいえば、対米航路は御案内のとおりオーブン・コンファレンスで、いわゆる盟外船の脅威にしょっちゅうさらされておる。それからもう一つは、それ以外の定期船の航路においては、御承知のように日本のシェアは残念ながら対等の立場には立ち得ない、こういうのが今日の定期船の実態だと思います。 しかも最近六つのグループに今年度集約いたしまして、この上半期の海運企業の収支はやや好転に向くということでありますが、いわゆる上向きに転じたということの一つの大きなメリットは、言うまでもなく海運市況の上昇であります。われわれはこれが好転の決定的な原因かと思います。なるほど集約によるところのメリットもこれはもちろんあります。しかし、ひるがえって内部的に見た場合に、この好条件が、このカーブにおいてずっと続くものだという保障は、海運は自由でありますから、どこにもありません。 さらに新興国の問題一つとりましても、新興国のいわゆる自国船主義というか、船腹増強は異常な熱意でやっている、こういうことを考える。しかもシップ・アメリカンの態度は緩和する態度はさらさら見えない。こういうことを見ますと、海運企業と船腹増強との問題は慎重に扱ってもらわなければならぬ、かように思うのであります。なるほどお話しのとおり五千億を投じて七百四十万トンつくる。そのうちの三千億はお話しのとおり財投的なものでまかなっていく。それも可能かもしれません。しかし可能だという保障は、今日の日本の財政の中ではありません。もしも七百四十万トンを固執するならば、この財投のワクはさらに狭まるというか、いわゆる融資条件はさらにきつくなる。きつくなった場合には、海運企業はそのしわ寄せを受けざるを得ない、こういうことだと思うのであります。そういうことでは船はできるが海運企業は再び前のごときものに転じてしまう、一つはこういうことを考えていただきたいと思う。 それからもう一つは、海運収支を好転するというが、海運二法案審議の際にも私から申し上げたように、現在の貿易の形態、貿易構造の変革なくして、海運収支の好転はあり得ないということであります。先ほどお述べになったように、大宗物資であるところの石炭、鉄鋼、石油、これらはいずれも船足も長いところにその市場を求めているわけです。しかも船積みもCIF契約によって大半はなされておるということじゃありませんか。この構造を変えることをまず第一に考える時期だろうと思うのです。私はこれを全面的に撤廃していくなんということは考えてはいません。しかし戦前におけるところの日本の海運の一つのシェアはどこかというと、日本周辺、極東でございます。戦後政治上の変わり方、そういうものが大きくなって今日の一つの形ができたと思うのです。もはや戦後二十年でありますから、この辺で考え直さなければならぬと私は思うのです。 まさに海運界も、いわゆる再建の道は、集約はできたが、次は、いわゆる貿易の形態を改めるという他の観点から一つは推し進めてもらいたい。鉄鉱にしても石炭にしても、中国のこの資源というものとを考え合わせてやらなければ、実は船足は短くならぬ。空船距離はだんだん長くなる。しかも大きな船でなくてもこの極東周辺に資源を求め得られるならば、私は可能だと思うんですね。そういうことを考えれば、単に――と言っては語弊があるが、七百四十万トンつくるというのには私はにわかに賛成しがたいと思うのです。当面、集約後におけるところの海運企業と日本の海運収支を好転させるというならば、スクラップ・アンド・ビルドの方式によって、いわゆる船質を改善していくというのがまず当面取り得る最上の策だろうと思うのです。いまの貿易構造の中で船腹を増強して、海運収支を好転させるというのは、私は大きな間違いを起こすんではなかろうか、水をかけるようでありますが、そういうふうに考えております。 こういう点について運輸大臣はいかがお考えになっておりますか。
○松浦国務大臣 私の先輩の松村謙三先生が行かれまして、いろいろ経済の問題について御相談になったんでありますが、その基本をなすものは政経分離ということであります。すでに今度肥料の相当の量を貿易することができるようになりますことは、両国の将来のために非常によいことだと思うのでありますが、その開轢炭を使うということになれば、やはり太沽の港を使わなければならぬ。あるいは鉱石を近いところから持ってこようとするならば、海南島の、日本がかつて戦争中に開拓いたしましたあの七五%もあるやつを持ってくるのが一番近いということになりますが、これはいずれも大きい船が着かないんです。それで、実は八幡の重役や、それから日本鋼管の重役と座談会をこの間一ぺんやったのですが、近くても一万トンクラスの船で運ぶのと、十万トン以上の船で速力から運ぶのとのコストは、品質が同等のものであるならば、十万トン以上の船で遠方から運んでくるほうが安い。しかも、開演炭は近ごろ灰分が非常に多いということを言っております。私はそういう専門的なことを知らないのです。ただ太沽の港に大きな船が入らぬということはわかります。ということでございまして、これはいまのところ、あなたもおっしゃったのですが、一ぺんに中共に切りかえてしまうということはできないだろうと思います。しかし、一衣帯水の間の経済の交流と文化の交流をやろうということが国策になっておる以上は、それは、それだけの原料が近いところにある以上は、コストが合えば、これは経済の原則として当然持ってこなきゃならぬ、こういうふうに思っておりますが、業者は、いままで中共との間の取引があまり円滑にいっていないものですから、遠方から大きい船で運んできてコストを安くしようというふうに現在はやっておるようでありますが、お説の点については今後いろいろ話し合いをいたしまして、政経分離のたてまえの上に、経済の取引はやっぱりこちらから物をやりましても向こうから物をとってこなければ、ちょっとことばは変なことばですけれども、バーター・システムの上に立たないとぐあいが悪いのでありますから、当然そういうことに将来はなってくるんではないか。いま急に切りかえることはできない、そういう考えであります。
○川野委員長 久保委員に御相談申し上げますが、経済企画庁長官が来ておりますから、ひとつ海運の問題は後日にしていただいて、国鉄の問題にしていただきたいと思います。
○久保委員 それじゃそのほうにすぐ入りますが、一言だけ、いまの話に開轢石炭の話が出ましたが、なるほど灰分が多いとか、港が小さいとかいうことでありますが、そういうものは積極的に経済協力でやっていけば問題は片づくと思うのです。だから、そういうことで前向きで考える時期であるということだけ申し上げて次の問題に入ります。 そこで国鉄の長期計画について一言お尋ねするわけでありますが、政府は一昨日か昨日この国鉄の問題の裏づけになる資金調達の一つの方法である運賃値上げは四十年度は少なくともせぬ、こういうことで、先般予算委員会で私からお尋ねした際に企画庁長官の御答弁のとおりに実はなったわけであります。当時運輸大臣は、言うならば、この長期計画の裏づけは、運賃値上げばかりでなく、もう二つの方法がある、こうおっしゃいました。これはそのとおり。これからは、そうなれば結局運賃値上げは一応一つの柱として消えました。あとは二本の柱、いわゆる政府が出資をするのか、あるいは財投をどの程度めんどうを見るか、この点であります。この点は、運輸大臣はあとからお尋ねすることにして、企画庁長官として、答申がありました二兆九千八百億のこの計画は閣議でも了承されましたね。あるいは中期経済計画でも一兆八千億の計画が一応あなたが主宰してきめたようであります。そうなりますと、当面来年度の問題になりますが、これに対して企画庁としては、やはり意見書どおり長期計画の初年度は、大体平均して三千七百億の投資が必要だといっておりますけれども、これを認めた上でどういう対策を講じよう、講じたらいいか、どういうふうに考えておるか、いかがですか。
○高橋(衛)国務大臣 国鉄の基本問題懇談会の答申が出るまでにも、経済企画庁の事務次官もメンバーでございまして、経過はよく報告を受けております。そうして、戦時中以来、交通、通信関係が非常に閑却されておりまして、そのために投資が非常におくれておるということ、これまた十分に認めざるを得ない。また最近におけるところの非常な混雑の状況、それらの点も十分われわれとしては認めまして、そうして積極的にこれが改善をはからなきゃならぬということは、経済企画庁自身も十分了解しておるつもりでございます。ただ問題は、中期経済計画を立てました根本の理由は、いままでややもすれば、高度成長の結果もございますが、いろいろな国際環境等の関係もございまして、国際収支の壁にぶっつかって経済の調整をしなきゃいかぬというふうな事態に過去何回もぶつかっておるわけでございます。いままでは為替管理その他の方法によって政策的に対策を講ずる道があったわけでございますが、今年の四月から開放経済体制に入ったという関係もございまして、政策手段が財政金融政策に限られるというような状況になってまいったわけでございます。 そういうふうな関係から、どうしても経済の運営を、少なくとも国際収支についてはバランスをとっていく、同時にいままで消費者物価が相当高度に連続して上昇してまいったのでございますが、これを安定的な状態に持っていくということが必要である、こういうふうな観点から、昭和四十二年においてその目的を達成するために、なだらかに各年度の経済計画、経済運用をしていくべきである、こういうふうな観点からものごとを判断いたしますると、結果として、この五年間に社会資本投資を十七兆八千億以上にしては国際収支の赤字の問題が出てくる、さらに物価にも悪い影響を来たす、こういうふうなことになります。したがって、十七兆八千億というものが実際上の天井になったというかっこうに相なっておるわけでございます。しこうして、その十七兆八千億を各社会資本の項目にそれぞれ分けていく場合については、いろいろ判断のしかたはあると思いますが、これは各分科会のいろんな御主張も取り入れ、またそれぞれの事情もよく勘案いたしまして、かりにこういうふうな数字を、一兆八千二百億という金額を割り当てたわけでございます。しかしながら、これはまことにむずかしい問題でございまして、この答申自体におきましても、国民経済及び財政の動向を勘案して弾力的に対処する必要がある、この答申自体がそのこと自体を認めて弾力的に対処する必要がある、こういうふうに言っておりますので、そのときどきの財政経済の事情に応じてこれが具体的な決定を行なうべきである、かように考えておるわけでございます。政府といたしましては、この答申をまだ政府の方針として決定する段階には至っておりませんが、全体として経済を安定的な方向に持っていくという根本方針、この計画の行なわれた趣旨そのものは十分に尊重して経済運営に当たっていきたい、かように考えておるわけでございます。 しこうして、物価の関係をずっと検討してみますると、今年度当初見通しにおきましては四・二%の消費者物価の上昇度を見通しとして考えたわけでございますが、最近ずっと、今後の見通しを含めていままでの実績を勘案してみますると、ちょうど九月、十月ごろから野菜の高騰が非常に激しくなったというような事情もございまして、また同時に、当初見通しにおきましては実質七%の上昇であったものが、大体九・四%ぐらいにいくだろうというふうに、相当見通しよりも成長そのものが大幅になってまいりました。なお、三十八年度の実質成長率が一二%をこしている、そういうふうな前年度からの影響のずり込みもあるような関係からいたしまして、結局四・八%にならざるを得ないだろうというふうにただいま考えておるところでございます。同時に、来年の一月からは公共料金のストップの期限が切れるわけでございまして、ケース・バイ・ケースに非常に慎重な態度で対処するつもりではございますが、しかしながら、それにしてもその影響をある程度受けざるを得ないという事情もございまして、来年度は経済の成長率は七・五程度といたしたわけでございますが、物価の見通しにつきましても、今年度当初見通しの四・二よりもやや高いところの四・五という数字に行かざるを得なかったわけでございます。そして、その四・五自体も、私ども中期経済計画の方向から申しますると相当に高い水準でございまして、何とかもう少し低い水準に年々努力をして落ちつけていきたい、これが中期経済計画の示すところでもありまするし、政府としてもその方向にあらゆる努力を傾注していきたい、かように考えておるものでございます。 そういうふうな際に、国鉄自体として運賃収入によるところのものを財源とする必要性は十分にわかりますけれども、これを四十年度中においては何とかひとつごかんべん願って、そしてその後にやっていきたい。国鉄運賃の引き上げということは、当然に他に相当な広い範囲の波及効果をもたらしますので、そういう意味で基本的な問題の一つとしてそういうふうにお願いいたしたい次第でございます。 しかして、財源の問題はどうすべきかという問題は、これは中期経済計画において、先ほど申しました五年間としては一兆八千二百億、これは前五カ年の実績であるところの九千六百億に比べますと約倍近い金額でございまして、相当大きく繰り上がっておるようでございますが、具体的にしからば四十年度においてどうするかという問題は、これは大蔵省において、財源との見合いで、財政投融資を含めてお考え願うのが筋道である、かように考えております。
○久保委員 企画庁長官、時間がございませんので簡単に……。大蔵大臣も約束の時間はあと三分ぐらいしかありませせんが、ちょっとお待ちください。 企画庁長官に一言だけ聞きたいのですが、それじゃあなたの御説明は一応いいです。運賃の与える影響などもわかっておりますので、われわれも同意見です。しかし、二兆九千億がいいか悪いかは別にして、国鉄の現状を考えた場合にどうするか、これは政府の大きな命題ですね。 そこであなたにお聞きしたいのは、財源のほうは田中大蔵大臣がおいでになりましたから後ほどお聞きすることにいたしまして、あなたはいわゆる経済企画庁長官として、今日の国鉄の現状からして、この長期計画で盛られたいわゆる前半四年には平均して三千七百億と答申しておりますね。年間三千七百億というのは平均だから、あなたのように、初年度は弾力的に百億でも千億でもいいのだ、あとやればいいのだということになるかもしれませんけれども、現状から見て、弾力的に前半が三千七百億、後半が五千億、こうなっている。多少これは弾力的なんですね。だから、少なくとも三千七百億の当初のいわゆる投資というか、これは必要だとわれわれは考えているのだが、経済企画庁長官として、今日の国鉄の現状からして、その数字はお認めになりますか、どうですか。
○高橋(衛)国務大臣 先ほども申しましたとおり、経済の見通しをきめます以上、それによって当然に財源の幅が制肘を受けると思います。財政の国民経済に占めるところの割合が二二・何%でございますか、その程度に押えることが妥当であるという税制調査会の答申もございまして、そういたしますると、現実の姿としては、これが必ずしもそのとおりいかないという場合があり得ると思います。もちろん答申の線は望ましい線ではございますが、現実には財源の面から制肘を受けることはやむを得ぬ点じゃなかろうか、かように考えておる次第でございます。
○久保委員 企画庁長官ちょっとお待ちください。大蔵大臣、どうしても約束ですから……。 大蔵大臣もおわかりでございますが、国鉄の長期計画といいますか、これに対して一応長期計画は閣議でもお認めになった。ただ、財源の問題がいままでペンディングで、いまもいるわけです。その中で、この間予算委員会でもお尋ねしたが、運賃値上げの問題は、企画庁長官がおっしゃるとおり、やらぬということになりました。ついては、まず来年度どうするかが大きな問題です。政府出資でいくのか、財投でどうめんどうを見るのかという二つの方法以外に道はないだろうと思います。という意味で、どういう考えでいまいらっしゃるかという問題についてお尋ねいたします。
○田中国務大臣 まだ財政規模もきめておりませんし、財投の規模もきめておりませんので、さだかに申し上げる段階ではありません。ありませんが、国鉄運賃を一年間、四十年十二月三十一日までは引き上げない、こういうことを内閣として決定いたしましたので、私の考えから言えば、国鉄の増強計画は必要である、それから二兆九千億も何とかしてのまなければならないという基本的な考えではございますが、その財源の大宗である運賃値上げというものが十二カ月間できないということになれば、これはその前提条件がくずれますから、すなおな気持ちから言えば、四十一年度から増強計画をやるということが一番いい、私のほうの財政当局から言えばそういうことになるわけであります。しかし、国務大臣として、鉄道の現状をいかんせんかということに目をおおうわけにいきませんので、乏しい中からでもやりくりしながらこれをスタートせしめるということは真剣に考えなければならぬわけであります。これは国会に対して内閣は連帯で責任を負っておるわけでありますから、大蔵大臣だけでそれはだめですと言うわけにいきません。そういうわけで、財源がないのに金は払おうというのですから、非常にたいへんなことは御承知のとおりでございます。これは私がやっても、あなたがやっても同じことなんです。ですから、現在の財政の可能な限り財源一ぱいに努力しなければならぬ、こういうことになっておるわけであります。ただ、現在の規模が二千六百億であります。二千六百億の事業費の中で新幹線が六百億ありますから、国鉄の一般の事業規模は大ざっぱにラウンドで申し上げますと二千億であります。三千五百億、三千七百億でもこれは小さいということが考えられます。これは事故でもあれば、もちろんどんなにあっても足らないわけでありますから、そういう面から考えればよくわかるのですけれども、何しろ一般会計が一〇%余しかふえない、こういう状況であるにもかかわらず、財投だけでも一五%が幾らふやしても一六、七%というときに、鉄道だけが一八五%になる。これは一体そういうことができるのかどうか、非常にむずかしい問題であることは事実でございます。しかし、このむずかしい状況であっても、国民各位の不便に対して、政府は可能な限り前進的姿勢をとるということは政治上当然要求されることでありますので、その中でひとつ国鉄、運輸省、大蔵省でいい知恵をしぼって、とにかく前向きの姿勢をとろう、こういうことでおととい、きのう、きょうと全くこれは鋭意検討を進めておるようなものではなく、たいへんな努力をいたしておるわけであります。ですから、いま三千七百億も一体のむのか、これは非常に不可能だと申し上げざるを得ません。三千三百億は参りますが、三千三百億にしてもたいへんなことでございます。三千億にしても、二千億を三千億ですから五〇%増しであります。ですから、いままでの財政のやり方だけでもってまかなえるとは思っておりません。ですから、知恵をしぼりながら、国民各位の協力も得ながら何とかして七カ年計画――初め八カ年計画でどうですかときのう運輸大臣に言いましたが、一喝のもとにやられてしまいましたし、運輸大臣の立場からいえば私もそうだと思います。私も運輸大であればそのくらいのことを言うだろうと思いますので、どうも相手の気持ちは非常によくわかるのですが、こちらの立場もたいへんであります。でありますから、一日、二日、きょう、あす、あさってぐらいの間に、とにかく国鉄の六カ年計画が七カ年計画ということで政府はおおむね了としなければならないだろう。ただ私のほうで、七カ年計画を大蔵省でものんで閣議の決定をする、それで運賃は皆さまが上げちゃいかぬ、こうなったらえらいことになってしまいます。ですから、少なくとも四十一年の一月からはどの程度上げられるのか、その後四十三年ごろになったらどうなるのか、財源の見通しを立てて、そうして三千七百億、三千五百億にはならないけれども、四十年度はとにかくほかのものに比べてみれば、政府としては可能な限り前向きの姿勢をとったのだ、こういう国民各位の理解を得られるような姿勢をとりたい、こういうことでございますので、二、三日待っていただきたい。いずれにしてもあと二週間のうちには国鉄七カ年計画に対して細目をひとつ発表いたしまして、皆さんの御審議をお願いしたいという考えでございます。いま申し上げられることは、非常にむずかしいことでございますが、七カ年計画を四十年度から発足はせしめなければならないだろう。二兆九千億はのまざるを得ないだろう、二兆九千何百億というのですから、三兆円にしよう、こういうものでございます。これは二兆九千七百億円よりも三兆円というほうが国鉄増強に対しての姿勢をあらわすわけでありますから、そういう意味で三兆円にしよう、こういうのが現段階における私の考え方でございまして、金もないのに景気のいい話をするなという御批判もあろうと思いますが、私はやはり国民が国鉄に対して希望をつないでおる、また期待をしておるものがありますから、政治的な立場も十分考慮をいたしまして、いま申し上げた二点を前提にして、財政上、財源上、可能な限りの努力をいたしたいと思います。
○久保委員 大蔵大臣も時間ですから一言だけ申し上げておきたいのですが、大体苦しいお立場はよくわかりますが、われわれとしては、去年の暮れの閣議了解事項というか、そういうものを国民も忘れてはおらないわけでありまして、あのとき結局一札をやるから国鉄総裁もおりろ、運輸大臣もおりろ、というようなことで、来年度は少なくとも、基本問題について資金の計画もつけてひとつ検討をする、だから債務負担行為四百億というようなものでおりたらどうか、やむを得ませんということで、国民も来年はひとつ殺人的な混雑も多少よくなるから席もすわれるというような期待を持っていたわけですが、いまのお話だと、なかなかそうはまいらぬかもしれないということであります。少なくとも大蔵大臣は、多少真剣にお考えのようでありますから、三兆というのはあとでもいいですが、当面どうするかということを国民は期待していますので、まあ遠慮はしませんけれども、少なくともそういうことを念頭に置いて進めていただきたい、かようと思います。約束の時間ですから、どうぞ……。
○田中国務大臣 当委員会の御意思は十分私も承知をいたしておりますし、私も鉄道当局に対しては熱意を持っておりますので、とにかく最上の案、皆さんにほめられる案にはならないが、よくいろいろなことを考えたな、ほかの費用の増額に比べて相当前向きに思い切ったわいというような姿勢は出したい、こう思いますので、せっかく御支援を願います。
○久保委員 大蔵政務次官は暫時おいでをいただきたい。 そこで企画庁長官、あなたの話は、どうも内閣総理大臣のような話をおっしゃいまして、田中大蔵大臣のほうが多少ことばの上では――中身はわかりません、これからでありますから。(笑声)ことばの上では多少前進というか、誠意があるようなお話なんです。あなたの話は誠意がないというようなことではないが、何か気がねをされておる。私は企画庁長官としてお尋ねをしておるのでありますが、少なくとも三千七百億というか、そういうものはお認めになりますか。純粋に財政のことは、大蔵大臣がいますから、国鉄の現状と国民の生活の間においていまの増強計画はいかがでしょうかという意味で実は私はお尋ねしたのですが、そういう意味ではどうでしょうか。いわゆる単純な意味で……。
○高橋(衛)国務大臣 先ほども申し上げましたとおり、基本問題調査会には経済企画庁の代表も委員として参画して、これに賛成をしておる次第でございまして、したがって、財政の規模がその中で許すことができるのならば、これは三千七百億円やることが望ましい。またその方向に努力すべきだということを考えておる次第であります。
○久保委員 わかりました。けっこうです。 それで、運輸大臣、お話のとおりのことでありますが、あなたはいま大きな難関に逢着しておるようですが、この問題はどういうふうに御処理なさろうと思っておりますか。いかがですか。
○松浦国務大臣 大体お二人の答弁をお聞きになったらわかるのじゃないでしょうか。その上に私が蛇足を加えても同じことだと思うのですが、御要求であれば、私の考えを申し上げます。
○久保委員 要求しています。
○松浦国務大臣 それはこの間から申し上げておったことと同じように、私はやはり三つの柱であると思う。それは、第一は、やはり財政投融資その他国から借りるか、あるいは公債を発行するか、とにかく借金でいくことが一つ。一つは国の鉄道ですから、国家がこれに投資する。一つは利用者が改良のために協力する。この三つしかないと思うのです。そのうちで一番むずかしいのは利用者の問題です。しかしガソリン税を考えましても、道路を多く使う者が道路の修繕、道路の新設をするという意味においていくあの思想は、やはり利用者が鉄道をよくしていくということの基本的な思想はやはり考えるべきものであると私は思っております。それは公共企業体のことでありますから、できるだけ万全を尽くしてサービスをしなければなりませんが、これに必要なる実費は負担してもらわなければ、赤字になることは当然であります。しかし経営者の経営内容、これには悪い点は十分御指摘を願いまして、改善する必要があることは言うまでもありません。しかし、いかに改善をいたしましても、今日の支出と収入の指数からいきまして、これは非常なアンバランスになっておりますから、当然直さなければならないと思っておりますが、ことしは政治的に考えて、米を上げる、あるいは医療費を上げるということになりますから、パーセントは、エンゲル係数の上にあまり大きなものはないといっても、物価が上がるというムードというものについては非異な影響がありますから、一年据え置きということにならざるを得なかったのであります。それならば国の投資ができるかといえば、これもまた四千五、六百億しかない。だから予算編成の前に値上げをしていただかなければならないといったような窮屈な状況なものですから、これに多額の投資をさせるということができないということになれば、財政投融資の増額を迫る、あるいはその他の方向、あるいは利用債、縁故債、さらに公債という名前は使いませんけれども、債というようなものも考えられておるようでありますが、そういう財政当局が、いまも三千三百億ということを大蔵大臣が言って行ったのですが、少なくとも三千三百億の台を割ったのでは、これは計画的な工事はできないです。そこで七カ年に延ばして――きのう私と大蔵大臣との話は、七カ年の間に三兆はつくってやろう、そのかわり出発は三千七百億には達しないことはがまんしてくれとは言っているのです。ところが交通部会や基本問題調査会のほうでは三千七百億を一銭切ってもいけないというのがけさまでの交渉であります。それから三千億と三千七百億との間をどういうふうに折衝するかというのが現実の姿であります。これは偽らざる問題であります。ところが、もう両人も行ってしまって、閣内の変な問題をここにさらけ出すようでありますが、企画庁長官が、あなたがおっしゃったように五年間に一兆八千二百億しか出せぬ。そうすると、五年間に一兆八千二百億の割合でやれば、これはわれわれの要求する二兆九千億にならないです。しかし大蔵大臣は三兆と言い、一方は二兆五千四百億しか出さない。こんなことを言うのもおかしいですけれども、速記録の上に載るものですから、一応言っておかぬと、そばで運輸大臣黙っておったということになるとぐあいが悪いです。一兆八千億は五カ年では年に三千六百億です。それが七年になりますれば七千二百億です。一兆八千二百億と七千二百億では二兆五千四百億にしかならぬ。二人並んでいてまるでおかしな話なのですよ。これは、なぜ私がこういうことを言うかというと、ここにいなければいいのです。いるものですからこのことだけははっきり申し上げる。 それで、私と大蔵大臣との話は、七年にして三兆にしてやる、そのかわり三千億と三千七百億との間の話は今後事務的に折衝させる、こういう約束なんです。だからこれだけは速記録に残しておきたい。こういう話が出ねば私はそこまで言わないつもりだった。こんなとぼけた話はないのです、ほんとうに。だからそれを申し上げておきます。以上であります。
○久保委員 あなたがおっしゃるとおりであります。しかし企画庁長官が言うとおりでも来年度あいまいもこたるものがあるから、だめ押しにかかったわけなのです。私も会議録に残しておこうと思うのでやったのですが、まああなたはそうおっしゃるのですが、少なくとも三千億などというようなちゃちなものではまかなえるはずはないのですから、せいぜいがんばっていただきたい、こういうふうに思います。時間的に延ばせば幾らでもできるのでありますから、延ばしていただくなら何も長期計画と銘打って六年あるいは七年ということで期限を切る必要はないのでありますから、そのことも十分お含みでありますから、御努力をいただきたい、こういうふうに思います。 そこで時間も過ぎますから次の問題に入るわけでありますが、当面というか、先般も当委員会で申し上げましたが、国鉄の要員問題についてでございます。これは、松浦運輸大臣はたびたび現場の職員等ともお会いになって実態がおわかりかと思うのでありますが、最近特に労働力の需給の関係もございまして、国鉄の現状は労働力の面からも非常に危機感を覚えるものがございます。たとえば、いまの実態からいくと、数多くの者が採用するという約束でいながら今日まで採用になる見込みがなくて、やはり職員と同様の労働をしているわけです。これは国鉄部内ではいわゆる臨時雇用員と称します。こういう者を採用ということで試験もして入れてまいります。ところが何カ月たっても本採用になる見込みがないというので、ほかのほうに有利な職場があればそちらに流れていく、あるいは現実にその職務をやっていながらも、いろいろな一般職員との格差がございます。特に年末のごときは、一般の職員は公務員並みかもしれませんが、ある程度の年末手当も出ます。ところが臨時雇用員は同じ仕事をやりながらも、臨時雇用員という身分で、かなり低い年末手当で、一般社会では申されないほどの手当を実はもらっている。普通の月にはいつか採用になるだろうというので、多少低目の月給袋でもあまり気にしないでやっているのですが、年末という一つの段階に来ますと、精神的にも非常に大きな打撃を受けているということが一つございます。 そういうことで、まず第一に国鉄当局に、副総裁にお尋ねするのでありますが、当面来年度の予算要求をいまいたしているそうでありますが、その中で要員増の問題はどういうふうな要求をされておるのか、この点をお答えいただきたい。
○磯崎説明員 国鉄の要員関係につきましては、前回も久保先生から御質問がございました。私どもといたしましては、実は昭和二十五年以来職員の数をふやさないということを非常に強い柱にして今日までまいったわけであります。しかしながら、いま御指摘のとおり、どうしてもやはりやり切れない部面がございまして、その部面をカバーする意味である程度臨時の職員を使っておったわけであります。しかしながら、一方、いまお話しのとおり、非常に労働力の逼迫等の事情から、そういう形ではもう人間の採用がほとんど不可能になってきたというのも一つの事実でございます。そこで私どもといたしましては、過般の基本問題懇談会におきましては、今後ともあらゆる努力を払って、人をふやしてはいかぬ、要員不増の基本方針を堅持しろ、こういう強いお示しも実はあるわけではございますが、しかし、やはり過般もお答え申しましたとおり、現実の事態に直面いたしまして、一つ一つの問題として解決する場合に、まず第一にただいまの臨時職員の問題につきましては、どうしてもこれは解決しなければいけない問題の第一だというふうに考えておるわけでございます。同じような仕事をさせながら、臨時的な身分でもって仕事をさせるということはいかにも不自然でありますし、ただ人を押えるために押えるということにもとられますので、実はただいま大蔵省にお願いしております予算の中には約八千八百人ほどの臨時職員を本職員にするという要求を出しておるわけでございまして、この点は何とかして大蔵省にお認め願って、来年度早々現在の臨時職員の大部分を本職員にしてまいりたい、こういう考えでございます。
○久保委員 いま八千八百人ほどの採用前提の臨時雇用員を定員化する要求をしている、こういうことでありますが、そのほかに実はいろんな第一線の職場で欠員というか、人間の絶対量が足らぬ、定員に見合うような作業ではない、非常に少ないということから新規の増員計画というか、そういうものは御要求になっておらないのでしょうか。
○磯崎説明員 その点につきましても、現在までは極力仕事の合理化と申しますか、あるいは機械化によって人間を生み出しまして、そうしてそれを配置転換してほかの職場に使うという方針をとってまいりました。しかしながら、その合理化あるいは近代化、自動化というものもおおむね限度に近いというふうにも考えられますし、また一方、来年度におきましては、東海道新幹線の車両をふやしまして、計画どおり一日五十往復程度の列車運行をしたい、あるいは来年秋には東海道新幹線の充実とともに全国的にわたってもう少し旅客あるいは貨物にいいサービスをしたい。ことに多少の複線区間もふえてまいりますし、列車も入るようになりますので、ある程度の時刻改正もしたい、こういうためにやはり相当数の人間を、いままでのような合理化だけではどうしてもまかない切れない点があるんじゃないかというようなことで、数につきましてはいろいろ現在折衝中でございます。要求といたしましては、約三千近い人間の増員要求を大蔵省にしておるわけでございます。もちろんこれの裏には、まだ、いままでやってまいりましたような合理化あるいは近代化を進めると相当程度の人間をそちらから捻出いたしますが、どうしてもやり切れない面、どうしてもそれでカバーできない面につきましてはある程度頭数をふやす、その点については内閣の基本問題懇談会の御趣旨と若干現実の問題として食い違う点がございますが、その点は、何とかやってみたけれども、どうしても困る面だけはやむを得ず頭数をふやすというような方向でいくつもりでございます。
○久保委員 そこで、新しく要求中のものでありますが、その中には、前回も申し上げたと思うのでありますが、特に国鉄の職場は特殊な教育が必要だと思うのです。先般名古屋、あるいは昨晩でありますが、東京近辺の実態を実は同僚の諸君とともに見てまいりました。われわれも多少若いころ経験はございますが、最近機械化された部面も相当ございます。しかし基本的なものはちっとも変わらぬはずであります。ところが、たとえば養成というのを名古屋なら名古屋の駅のしかも小荷物というところへ実は入れるわけです。これはきょう来いといえばきょう来まして、それで十カ月なら十カ月そこへ先ほど言った臨時雇用員という身分で置くわけなんです。ところがこれは入ってきてすぐに仕事をさせるわけですね。言うならば実際アルバイト的なものです。というのは、小荷物というのは口をききませんから、荷札を目当てに作業するわけです。ところが、全国どのくらいの駅の数があるかわかりませんが、数多くの駅がある。しかも汽車も各方面に出ているという場合に、このきのう入った者に荷物かつぎ――といっても単純なかつぎ方じゃありかせん。どの列車に載せて、上りか下りか、それともどっちのほうへ行くのかわかりません。そういう者を実は直ちに現場に配置している。こういうのがあるわけです。こうなりますと、これは作業の能率的なものはとてもできない。しかも専門的知識も全然ございませんから、間違いも起こしやすいということであります。 そこで、この間も要望しておきましたが、当然、われわれが戦前に経験した立場からいえば、養成定員というものを実は持っております。私は、靴下末期でありますが、当時国民学校卒業生百二、三十名を半年間教育をいたしております。これは現場の第一線には立たせませんでした。この戦争の末期においても、こういうことをしなければ実は実際第一線に立て得ないのですね。ところが今日のような状況ではなおさらのことだと私は思うのです。そのためには当然養成定員も置かなければならぬ。 もう一つは、運転要員については、先般も申し上げたとおりです。新しい機械導入、最近におけるところの交通のいわゆるダイヤの密度、こういうものを考えますと、当然十分な訓練期間を置く。そのためには訓練に必要な要員も当然入れるべきだと思うのです。案外これがいままで切り詰め切り詰め、いわゆる要員の不減不増というような大原則をとったために、言うならばつらいために、養成定員というものを全部なくしたかっこうがあります。これは将来にわたってもたいへん問題があると思う。いわゆる労働の質からいっても問題がある。安全輸送の面からいっても問題がある。 だから、今回御要求なさっているところのいわゆる要員増の計画の中にはそういう養成定員のワクというものも十分盛り込んであるのかどうか。いかがでしょう。
○磯崎説明員 国鉄の仕事には外から連れてまいりましてすぐ役に立つという面がほとんどなくて、やはり、ただいまおっしゃったとおり、ある程度の訓練なりある程度の予備教育をいたしませんと、仕事にもなれない、あるいは仕事自体が非常に危険である、あるいはけがをするもとになるというようなこともございますので、できればできるだけ多くの職種につきましてある程度の期間をもって養成いたしまして、その養成が済んだ者から逐次職員と申しますか、業務に繰り入れていくというのが本筋だと思います。しかしながら、最近の苦しい人員事情のために、現在では、ほとんどそういう期間なしに、外から連れてきた人間をすぐ新しい職種につかせなければならぬという事態があるわけでございます。今後、先ほど申しました臨時雇用員の職員化等とからみまして、その運用を極力養成面に充てる。そうして職種によって――またあらゆる職種を養成する必要もございませんので、養成の必要な職種につきましてはある程度の養成定員を使って養成をしていく。それとただいま申しました臨時雇用員の職員化と、両方総合的に考えまして、最小限度必要な職種につきましては養成をもう少し計画的に、組織的に、できるだけやってまいりたい、こういうふうに考えております。
○久保委員 お話しの点はなかなかむずかしいようでありますが、労働の質を将来にわたって考える場合に、単純に一般公募してそのまま職場に投入するという形はいかがかと私は思っています。必ずこの世代の人間が質的に国鉄の断層を来たすのじゃないか。そうなりますと、やはり戦前ありましたような養成機関も確立して、質のいい者を教育していくというためにも、やはり要員増は考えるべきだというように思っております。大蔵省の政務次官もおられますが、十分配慮していただく段階だと思います。 そこで次の問題として、これは運輸大臣に一言お尋ねしたいのでありますが、あなたには私から何もるる説明する必要はございません。この要員は、いま磯崎副総裁の言うとおり、要求中だそうでありますが、要するに要員問題はいままでの運輸大臣はどうも積極的に出てくれないのです。幸い松浦運輸大臣は、最近職員の諸君ともお会いになって実情は十分おわかりかと思うのでありますが、この問題については積極的に御努力をいただけると思いますけれども、いかがでありましょう。
○松浦国務大臣 この間も、北海道や九州からの御婦人の方々と機関士の方々に四回ほどお会いいたしました。その実情はよく伺いましたので、ただいま経営者の代表である磯崎さんがいろいろ仰せになりましたが、とりあえず八千八百人の臨時雇用員を本職員にしたいということを大蔵省のほうに要望しておられるようでありますから、われわれもこれを大いにひとつ援護射撃いたしまして、これが通るように努力したい、かように思っております。
○久保委員 副総裁、八千八百人は、採用前提の臨雇が八千八百でございますか。
○磯崎説明員 八千八百人をもう少し詳しく申し上げますと、先ほど私が申し上げました養成の補充が約三千、それから実際に職員の代用として使っておりますのが五千八百、それで八千八百でございます。これは結局実際には新規採用がございますので、両方一緒にしてやりくりすることになりますが、一応観念的には三千と五千八百に分けて要求いたしております。
○久保委員 八千八百の要求だけでしょうか。そのほかに新規増員――これも形の上では増員になりますが、肩がわりするだけですから実質的にはこれは増員にならぬのですね。その点はどういうように要求されておりますか。
○磯崎説明員 ただいまの八千八百は、いわゆる私のほうで申します予算定員をふやしてくれという要求でございます。しかしながら、お説のとおり現実にその連中はいま働いておるわけでございますから、若干の養成定員のやりくりの問題はともかくとして、それほど実人員の増加にはなりませんが、そのほか先ほど申しました新幹線の所要人員並びに時刻改正の所要人員等につきまして約三千名の増員を要求しておるわけでございます。
○久保委員 多少低めの要求かと、われわれは現場の実態を見ていると思うのでありますが、臨時雇用員の肩がわりというか、これは当然やらなければならぬ筋合いだと思うのです。形の上だけで臨時雇用員にしておいても、実際にこれを使わなければ仕事にならぬのでありますから、これはそのとおりだと思うのですが、そのほかにも最近の労働の実態を見てみますと、かなり要員が窮屈で、たとえだ夕ベ参りましたところでの話では、徹夜勤務で夜間睡眠時間は四時間だそうです。ところが実際に寝る時間は二時間だそうです。というのは、そのあとの人間の補充ということがききませんので、少し早いが起きてくれということで現場の監督者から起こされる。その場合いやだとは言えないから、結局二時間寝て働いているということを聞いてまいりました。これは実態でありまして、そういうことからいうとこれはかなり低目な要求でありまして、なかなか問題が多いかと思うのです。それにしても、いま運輸大臣からも努力しなければならぬというお話ですが、幸い大蔵省の鍛冶政務次官がおいででございますから、大蔵省もいままで十分国鉄なり運輸省のお話は聞いておられるだろうと思うのでありますが、この要求の扱いについてはいまどういうふうにお考えでしょうか。
○鍛冶政府委員 先ほどから議論のありましたように、新規採用しないというのは政府の大方針であります。さらにまた国鉄のほうからも増員をしないということを言ってきておられるようであります。しかし、いま仰せのように現場でございますから、幾ら方針がそうであっても、現実に要るものがなかったら動かないことになりますから、そこで、方針はそうであるが、どうしても現場としてやらなければならないものはどれだけであるか、それをいま見きわめておる最中だそうであります。先ほどから話のありましたように、臨時をほんとうの職員に直すのは八千八百人、そのほかに新幹線その他いろいろのところから約五千人、一万三千幾らの要求があるそうでありますから、とても全部それだけのめるかどうかわかりませんが、どうあってもやらなければならないものだけはやらなければならないということで、目下査定を懸命にやっておるところであります。
○久保委員 要求は、いま鍛冶政務次官からお話がありました一万三千程度ですか。
○磯崎説明員 さようであります。
○久保委員 臨時雇用員は八千八百以上おられるのじゃなかろうかと思いますが、その点はどうですか。採用前提のほうは……。
○磯崎説明員 まだ八千八百のほかにおりますが、それは今後現場補充をする、あとの減少する人の補充に充てていくという方針でやっていきたいと思います。
○久保委員 そこで、この臨時雇用員制度でありますが、鍛冶政務次官も実情をお知りになっておるようであります。ただし大蔵省の事情もありますので、それを目一ぱいやるかどうかわからないという御答弁ですが、それはそのとおりでありまして、今日日一ぱいやるという約束はまだできないだろうと思いますけれども、いずれにしても実態は、政務次官も政治家で所々方々お歩きになるでしょうからおわかりのとおりでありますから、最大限の努力をしていただいて安心して働けるようにしてほしいものだとわれわれは強く希望しておきます。そこで臨時雇用員制度でありますが、近くそういう方針で要求がきまりましょう。少なくとも今年末までには当然きまるだろうと思います。 そうしますと、いま言うところの、たとえば磯崎さんのおっしゃるような八千八百がいるかどうかは別として、この採用を一るの望みとして歯を食いしばってやっておる諸君に、とにかく来春早々には希望を与えてほしいと思います。 実は名古屋に参りましたときに、こういうことを言う子供――と言っては語弊がありますが、十七、八歳の青年がおりました。われわれは一るの望みをいま託しておるが、ほんとうにいつ採用してくれるのかわからないというのでは、もうがまんができません。一日四百何十円かで働いておるわけですが、そういう諸君の募集されるときの条件は、言うなれば採用しますということであって、これは常識的に見て二カ月や三カ月は見習いということがございましょう。しかし二カ月、三カ月を過ぎてもまだ見習いだか本職だかわからないということで、これは少しだましたのじゃないかという話です。それから福利厚生施設も完備しておるということが書いてあるというのです。ところが来てみれば福利厚生施設もあまりりっぱではなく、前近代的な職場であるという意見が出ました。これではとてもじゃないが、われわれはがまんができないので何とかひとつ考えてほしいという話も出ております。これは痛切な話であります。しかし、これもほっておいて希望を全然持たせないでおくと精神面からくずれてくると思います。事故も出ます。だからいまの御要求がはっきりしたならば、おそらく今月中にはできますから、そうなりますならば、おそくも一月末か二月初めには、たとえば試用員制度というものがございますし、採用前提でありますから、雇用員から試用員の身分に切りかえていくべきが当然ではなかろうかと思うのであります。その点はいかがでしょうか。
○磯崎説明員 その点につきましても、いろいろ現場の実態を調べますと、やはり若い諸君が入ってきて非常に希望を失っているという事実はたくさん聞いております。いまの増員要求が目鼻がつきましたならば、なるべく早くそれを実現化するようにしてまいりたい。部内的な手続はいろいろございますが、それらを勘案した上で、予算定員を極力四月から使えるような形でもって運用してまいりたい、こういうふうに思っております。
○久保委員 いまのお話で、大体目鼻がつけば四月一日から予算定員がフルに使えるという前提に立てばおそくとも一月末か二月初めに試用員にきちっと置きかえることが可能だと思うのです。そうすれば、いまの険悪な精神的状態も落ちつけさせ、真剣に腰を据えて鉄道の業務につける、勉強もしようということになると思うのです。それは鍛冶政務次官、そういうデリケートな問題もございますので、これはぜひ大蔵省でも考えてほしいと私は思います。 それからもう一つ、この雇用員制度でありますが、労働力の需給の今日的なあり方からいっても、雇用員制度というのは将来廃止されたらいかがかと思うのです。採用前提で試験をやって身体検査もして、これなら適格だということでとるのでありますから、直ちに試用員にして二カ月なり三カ月かかるでしょうが、そういう期間をおいて、それぞれ適性に応じて現場に配置する、こういう仕組みのほうが筋だと思うのですが、それは副総裁、どうお考えですか。
○磯崎説明員 その点につきましても、私どものほうといたしましては、現在の臨時の職員の中には、当然職務の性質上臨時であっていい職種もあるわけでございます。しかし、そうでなしに本質的に当然もう本職員であるべき職種についている者につきましては、今後こういう非常に変態的と申しますか異例な形は、できるだけなくしまして、そして一定の養成期間が過ぎれば、すぐ正式な職員にするというのが当然な形だというふうに思っておりますので、極力早くそういうすっきりした形に戻したいという気持ちを持っております。
○川野委員長 野間千代三君。
○野間委員 いまの臨時雇用員の問題の副総裁の答えで、できるだけ早くそういう制度をなくしたいということですから、これはけっこうなことで、ぜひそうしてもらいたいのです。 ただなくすまでの問題が一つあるのですが、初めにこれは安全上の問題なんですが、国鉄が安全輸送を根幹にしなければならぬということは、今度の第三次計画でも骨子になっておりますけれども、たしか静岡県の磐田市の西貝塚というところで事故がありました。五人の方がなくなられました。あのときの確認車がありますけれども、確認車の定数はたしか乗員は三名というふうに聞いておりましたが、実際にはなかなか三名乗れない。しかも一番重要な技術掛等確認車の班長にあたるべき方が、人員不足でなかなか乗務されないというのが実態であったそうです。あの事故の内容の問題はまた別にやりますけれども、こういうふうに最も安全であるべき新幹線の場合でもそういう実態では、これは他の現在線においては推して知るべしだというふうになろうと思います。そういう意味で要員の問題については、いまのお答えでまだ十分ではないのじゃないかというふうに私は思いますので、関係の当局あるいは大蔵省でもぜひ御配慮をいただきたいというふうに思います。 次に臨時雇用員の問題ですが、なくなれば問題ないのですけれども、なくなるまでの措置として現実にいま働いておられるのですが、その方々は実は日当が、名古屋の地方でもって四百八十円あるいは四百六十円。東京で、きのう私も行ったのですが、隅田川の小荷物掛をやっていらっしゃる臨時雇用員で五百八十円だそうです。しかもこの方々は最短でも二カ月、最も長い方は名古屋では十二カ月、東鉄の場合に八カ月というふうにいわれています。そういうすでに職員と同じような仕事をしていらっしゃる方がそういう実態で、しかも一緒にやっていらっしゃる臨時人夫の学生さんは千円だそうです。そうすると、学生さんよりも一生懸命働いて、経験のある方がその半分にも満たない。しかも当然夜間やりますが、夜間の手当はたしか徹夜料が四十七円です。ラーメンも食えないと嘆いていらっしゃいますけれども、これは臨時雇用員の制度がなくなるまでの当面直ちに――特にこれはいま年末年始の繁忙時期でたとえば隅田川の小荷物は一日の出づらの四六%が臨時雇用員です。つまりその職場の主体的な力が臨時雇用員、その方々が五百八十円で働いている。隣の学生は千円、これではまことに困りますので、制度がなくなればそれはなくなると言ってしまえばおしまいですけれども、そうではなくて、当面直ちに臨時雇用員の給与についてどう考えていらっしゃか、あるいはどう処置しようとされているか伺います。
○磯崎説明員 これは先ほど申し上げましたように、仕事の性質によりまして経験とか熟練を要する職種には、極力初めから職員を使うということにいたしたいと思います。ただ、いま現実に、たとえば先生方がきのうごらんくださいましたあの場所などにつきましても、実際の問題になりますと、いますぐどうこうということにはまいりませんが、本職員の採用給の問題その他十分考えて検討してまいりたいと思っております。アルバイトの職員よりずっと安い給料で働いているという事実もございますので、何とかこれは調整しなければなりませんけれども、一方職員としての採用給の問題もございますので、結局やはり臨時職員としての期間を極力短縮してやるということでもって問題を解決したいというふうに思っております。
○野間委員 時間もだいぶ過ぎていますから、そう繰り返しては言いませんが、いまのお答えでは久保先生の御質問に対するお答えでも、いままでよりも早い機会にこういう制度がなくなっていくというふうには理解をして、臨時雇用員の方がそこに希望を持っていくというふうに当面なろうと思いますが、しかしそれはあくまでも希望であって、実際にいま生活をしている中で、いま言いましたような実態では、これはむしろ人権の問題にも当たるのじゃないかというふうに思います。たとえば保険の問題でも、あれは国鉄の共済に入っておりませんから、国鉄の医療機関にはかけてもらえない。しかもこういう低賃金の中で高額な健康保険の保険料を支払っている、こういう状態です。寮の場合でも低賃金の中から寮費、光熱費あるいは食費一切、まかない人の人件費も払っておる。これはいま副総裁の言われたようなことでは、労働力の再生産をすることにはならぬじゃないかというふうに思いますから、木で鼻をくくったようなことでなく、何とか前向きで善処できるように、いまの日当の金を直ちに制度上どうということはできなければ、他の面ですることがないのか、あるいは徹夜料にしても一般職員はたしか百円と思いますが、その百円まで満たぬでも四十七円ではひど過ぎるので、もう少し何とか検討して近いところでは年末年始の繁忙の時期にでも何とかならぬものかと思いますが、いかがでしょう。
○磯崎説明員 その点につきましては、ただいまのお話のとおり、給与の問題だけでなしに、ほかの医療機関の利用その他いろいろ各種の厚生施設につきまして、できるだけ非常に変態的な身分にある気の毒な連中に、少しでもよくなるように最善の努力をいたしたい、こういうふうに考えます。
○野間委員 給与問題についてはいまの御答弁で期待をすることにしたいと思います。 もう一点あるのですが、これは臨時雇用員の問題もありますが、一つには特に隅田で痛感をしたのですけれども、全国的に小荷物、貨物の年末年始の輸送、もちろん旅客もそうですが、特に実際に感じたのは、たとえば隅田の場合には、いまの施設で、いまの臨時雇用員、あるいは臨時人夫をたしか八十人使っておるといいましたが、そういう実態の中で大体最高九万個ではないかというふうに駅長も言っておりました。ところが実際にはこの数日間十二万個から、二十五、六日あたりには十三万から十四万個くらいになるんではないかというふうにいわれておるわけです。そこへもってきて臨時雇用員の問題は、臨時人夫ですら千円の日当では来ないということで頭打ちだそうです。これはぜひ国民の輸送から考えてみて当然何とかして消化ができるようにする。いまのところ五千個からあるいは一万個ぐらい残るんじゃないか。これはわれわれの推定ですけれども、そういたしますと、これは非常な事態ですから、そういうことのないようにぜひ措置を願いたいというふうに考えます。しかし直ちに給与の改善あるいは日当の改善をしにくい面があるとすれば、いまの小荷物の十四、五万個の解消ということは非常にむずかしいんじゃないかというふうに思うのですが、ぜひ前向きで解消ができるようにお願いをするのです。 ただ問題は、そういうふうにしながらも、いまの見込みとしては非常に困難だというふうに考えられることです。そこでこれはぼくらとして希望するわけじゃないけれども、職員の実態、あるいはお正月用のものがお正月に着かないということがあっては困るので、十分な措置をしながらも、ある時期には、あるいはいま当面の計画として、小荷物の受託の制限であるとか、あるいは輸送制限であるとか、そういうこともやむを得ない処置としてときには考えざるを得ないんじゃないかというふうに思いますが、そういう点についてはいま当局ではどうお考えですか。
○磯崎説明員 毎年年末になりますと、ことに贈答品の増加その他によりまして、非常に小荷物、貨物関係の手が張ってまいるわけです。私どもといたしましては、いま先生のお話のとおり、それの受けつけを止めることは極力いたしたくないというふうに思っておりますが、しかし能力以上のことをいたすということは、かえって非常にひずみを大きくいたしますので、もし万が一のことがありますれば、ある程度の受託制限その他はせざるを得ないというふうにも考えております。昨年でございましたか、ちょうど郵政省関係でもって非常に小包が当方に殺到したことがございます。そういった際にはやはりある程度受託制限などをいたしますが、ことしはまだもう少しやっていけるんじゃないかというふうに思っております。しかしながらその日に処理できなかった状況等を見まして、やはり臨機応変な処置をとらなければならないと考えております。
○野間委員 いま副総裁の見ておられる状態と、それから私どもが実際に名古屋なり、あるいは隅田川、品川、東京等で見た実態では、ある程度見方にずれがあるような気がします。ですから十分に現場のほうの実態をおつかみになっておると思いますけれども、一そう見ていただいて、そうして国民からしてもあまりいきなり制限されても困りますから、十分な計画をしながら、いつごろからこうなりましたということも含めて、慎重にひとつ対処願いたいというふうに思います。 もう一点は、いま申しましたように臨時雇用員の問題もありますが、しかし実際の職員にしても、旅客あるいは貨物に限らず、年末年始には非常な努力をされるわけですね。特に休養もとれない。職員のこれを担当していらっしゃる皆さんは、何とかして輸送は完遂しようということで、四時間の睡眠時間もときには起こされる。起こされればやはり起きなければならぬというふうなことでやっておられるようです。これは大蔵省のほうの関係にもなると思いますし、運輸大臣のほうにもお願いしたいのですが、ぜひ年末年始の輸送ぐらいには、一般の給与、一般の手当以外に、繁忙に関する当局側の心持ちとして応分の手当をする必要があるのではないかというふうに思うのですが、それはいまどう考えていらっしゃいますか。
○磯崎説明員 実は、年末年始は世の中はお休みですが、国鉄のほうは全く休みなしでやっているわけでございます。それにつきましては、繁忙手当と申しますか、そういったものを支給しろという話があるのは要求としては当然だと思います。しかしながら、一方また新しい手当の制定等につきましても、いろいろ財政上のみの理由ではなしに困難な理由もございますが、今後十分そういった点を総合的に考えまして、あるいは年末年始だけに限らず、いろいろな繁忙の時期がございますので、それを全体どういうふうにいたしますか、給与全体の問題として考えてまいらなければならないというふうに思っております。
○野間委員 いま副総裁が答えられましたが、制度上の問題やあるいは国鉄のさいふの中の問題で、副総裁や総裁等が年末年始等の繁忙に対して十分な措置をしたいと考えた場合でも、実際にはなかなか出てこない、自由にならないということが多い。ですからこれは運輸大臣のほうでも十分に心得ていただいて、そういう措置ができるような援助をしてもらいたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○松浦国務大臣 先ほど来臨時雇用の人たちを本職員にするということについての議論に端を発しまして、いろいろのお話のやりとりがありましたが、私はこれは経営者のほうと勤労者の代表とのお話はどっちも当然なことだと思います。そこで経営者のほうでは大蔵省のほうまで一万三千人を要求しておりますから、私といたしましては大蔵省と三者でひとつよく協議いたしまして、新しくいま入れるのではなくて――この間じゅうもこの代表に会ったのです。二年も三年も前から臨時雇用ということでやっておる。この人たちがおるために運行が平常にいっておるのですから、新しく入れるというならとにかく、いまその人たちがおるためにやっておるのですから、これは経験も積んだであろうし、この辺で本採用にすべきものだと私は思うのです。この点は、財政上の問題はすべて大蔵大臣の承認を得なければならぬことになっておりますが、ちょうど鍛冶さんも聞いておられることでありますから、三者でよく相談いたしまして、皆さんの意のあるところを十分実現いたしたいと思っております。 それから繁忙手当の問題に対しましても、これはただいますぐやるとはここでは申されませんけれども、言外にあるところは十分御同情のあるようなお話でありますから、これは九牛の一毛になるかもしれませが、しかし意のあるところはしたいと思っております。
○野間委員 十分な答えではないのですが、大蔵省、運輸省等でも御援助をいただいて、とにかく国鉄職員の繁忙期の労働状態というのは他では想像がつかないような実態ですから、ぜひそういう意味で十分な御留意を願いたいと思います。 最後に、これは国鉄の皆さんに申し上げるのですが、職場で小荷物、貨物関係に特に目立つのですけれども、職場の環境ですね。暖房であるとか、あるいはお湯の設備であるとか、詰め所であるとか、非常に狭いところできたなくて設備がない、そういうところで大ぜいの職員が休養をする。あるいは寝室の問題であるとか、これはあげれば数限りなく職員の作業場における設備が非常に悪い。 〔委員長退席、進藤委員長代理着席〕 これはぜひ大きな力を加えて改善をして、とにかく一人前の官庁の中で作業に従事ができるというふうにしてもらいたいと思います。 以上で終わります。
○進藤委員長代理 泊谷裕夫君。
○泊谷委員 時間の関係もありますので、二つだけお尋ねしたいと思います。 国鉄の労使双方は、終戦後ずいぶん努力をしまして、運転事故の件数については世界でも一番少ない、こういうところまでがんばってきておるのでありますが、しかし一朝事を起こすとたいへんな騒ぎになる、大事な人の命を奪うというようなことにもなるわけであります。ことしの四月、当委員会でこの事故の問題について議論がかわされました。長年の先輩が築き上げた鉄道の運行状態で、前部と後部につきましては相当な強さを持っているが、隣接線に対する防護手配というのは非常に弱い。これは新幹線でも用地を取得する場合に、建設省のほうは大蔵省と話しが早くついて簡単に手に入ってしまうけれども、鉄道のほうは自まかないでなかなかうまくいかぬ。片一方の建設省のほうは、関係市町村に対して助成があるけれども、鉄道はない。こういう関連で横の防護手配ができない、こういうような悩みがあるわけです。機械化されてそれが改善されておるといいながらも、横の防護手配が十分になるのには相当日数がかかるだろう。ともあれ踏み切りも三千件くらいの事故のうち、鉄道の責任というのはわずか十五件しかない。ほとんど他動的な力でやられているわけでありますが、一方、どんどん人が東京周辺に入ってくる。住宅が建つ。乗客の乗りおりが多いために無理をしなければならぬ。こういうことで、四月一日の事故防止対策に関する小委員会では、往年、事があった場合にはすみやかに後方に乗せておる車掌をして防護手配をせしめた。それがいま人員削減の関係で廃止されておるが、しかし当面その後部車掌を添乗せしめて、事があった場合に一刻も早く発炎筒をたいて隣接線を走行する列車の防護に当たることが好ましかろう、こういう議論が出まして、当時の川上説明員も大体この考え方に同意されておったわけであります。年末年始の繁忙期に入るに際しまして、この取り扱いがどうなっておるか、この際明らかにしてほしいと思います。 特に、列車の乗務員だけ取り上げるわけではありませんが、新幹線の諸列車の場合でも、名古屋のなま中継を見ておりますと、この機関士の子供が、NHKの放送記者のインタビューに答えて、お父さんが超特急の一番運転士としてうれしいだろう、こういう質問に答えて、とてもかわいそうでたまらないということを子供は答えております。ですから、ただ単に列車乗務員あるいは機関車乗務員ということでなくて、鉄道業務全般について検討を加えなければならぬと思うのですが、当面措置できるものとして後方防護のための列車乗務、これの復活を当然されておると思うのでありますが、その後の取り扱いがどうなっておるか、これを聞かしていただきたい。
○磯崎説明員 複線区間の後方防護をするために最後部に列車乗務員を乗せておりました。それは数年前に廃止いたしましたが、実は前回の当委員会でも申しましたとおり、私どもといたしましては、複線区間の追突事故、あるいは側面の事故については一番大きな欠陥になっておることを非常に心配いたしまして、まず主要複線区間は全部自動列車停止装置、あるいは車内警報器をつけるということによって、もし前の列車が何らかの思わぬ事故で止まった際には、必ずそれが機械を伝わって、後の列車へわかる、こういう形でもって後方防護と申しますか、列車の運行自体を防護する、こういう機械的な方法が一番正確なのではないかというようなことで、全力を車内警報装置あるいは自動列車停止装置に集中してやってまいったのでございます。したがいまして、最近の人員事情等からいいまして、後方防護の車掌を乗せるよりも、やはり機械的にこれを防護したほうがよっぽど安全であるし、さらにまた合理的でもあるというようなことでもって、その車掌問題は検討しながらも、方向といたしましては科学的な防護方法にこれを変えていく、こういう考え方でおるのでございます。
○泊谷委員 副総裁、四月一日の会議録をごらん願えれば明らかになっておるのですが、機械化されることに私どもは同意をしないというのではないのです。機械化されて、走っている列車みずからが自動制御できれば問題ないわけですけれども、これは参考人を呼んで聞いたところでも、それは終局の目的をそこに求めながらも、当面はそういう措置ができるものではない。機械化を数多い国鉄職員が十分こなせる段階にきて、廃止するというのであれば話はわかりますけれども、当面人為的に防がなければならぬものについてはそう措置すべきだという意見の開陳がありまして、川上常務もそれは検討しなければならぬ問題ということを明らかにされておるのです。この点をもう一度お答えいただきたい。 あわせて、その部分的なとらえ方をされると私も困るのですが、年末年始の増発列車は約五千本でございましょう。これだけ混んでいるところへ五千本入れる。先日私もちょっと里帰りをしましたが、現地ではそのスジを立てようというのですが、タマがないでしょう。専門的な話に入りましたから端的な言い方をしますが、ですから、本社でこの暮れ、正月は何としても運ばなければならぬ。部分的には天候異変というのですか、ことしは寒季が早かったということで積雪が東北、北海道は従来より早い。本州だって同じでしょう。そういうことでこの五千本の列車をこなすのには何としても人をかり出さなければならぬ。そのために本社から示達でも出ているならいいのです。示達も出ていない。ですから副総裁がお話しされるような部分的なとらえ方でなくて、この増発五千本にするただいまの求め方についても本社として地方局に示達を出す約束が具体的にしてもらえるのか。いまの車掌の問題とあわせてお答えをいただきたいと思います。
○豊原説明員 先ほどの運転車掌と申しますか、後方防護のための車掌のお話につきましては、当委員会でお話しの出ましたのはそれももちろんございますが、全然車掌を省略する線区があるわけでございまして、そういうところはいま保安の上から申しましても短区間ではございますけれども、問題があるということでございますので、そのうちの一部につきましては復活の措置をやったわけでございます。全面的な運転車掌の復活ということにつきましては、いろいろ要員上の大きな問題がございますので、いまのところ措置をやっておりません。 それから二つ目の、年末の臨時列車に対する要員の措置につきましては、乗務員につきましては養成を終わった者を張りつけておりますし、乗務員のみでなくいろいろ要員上の問題がございますが、これは各支社、管理局におきまして列車が動けるような要員の手配をやっておるわけでございます。
○泊谷委員 常務、これでおしまいにしますからすきっとお答えいただきたいのですが、列車乗務員のほうの問題は、確かに従来の運信では、自動閉塞区間で特殊なものについては乗務を省略していい、つまり乗務を省略する列車とあるのを、今度は自動閉塞区間で乗務せしめなければならぬ列車、こうきめることですし、だから当然七百七十というような数字は変わってくるわけです。だから、五月十四日の小委員会で十一項の決議をあげましたね。この中の一項に、信号回路の問題を規制し、次の項に「安全に関する職員の量的質的充実」こういうことを入れてまとめたものでありますから、その点は何名にするかということは国鉄労使双方の話でありますので、ここで何名でなければならぬというものでありませんけれども、その精神を生かして、とにかく万全を期してもらわなければ困るということであります。これが一つ。それから二つ目の問題は、手配をしていますというのは、現実に私が聞いた話では、局の連中が悩んでおるのです。スジを立てようとしても、本社からそれに対するタマの手配の示達がないというのです。だから十分な列車運行を確保するために本社として具体的な示達を出してもらえるかどうかということをお尋ねしているのです。
○豊原説明員 初めの、小委員会でおきめになった精神をくんで、安全の確保に努めるということにつきましては、まことにそのとおりでございますので、具体的に話し合いをしながらやっていきたいと思います。 それから二番目の、いまの臨時列車に対する手配でございますが、本社としましては、十月期に全国につきまして三千名の手配をいたしまして、これで各現場において列車の運行をはかれる、こういうふうに思います。
○泊谷委員 どうも食い下がって恐縮ですが、私は鉄道で実務を担当したのですが、十月採用は、毎年の退職を逆算して、平常ノーマルなところの人員を査定をしてくるのです。これは実態として御理解いただけると思うのです。ですから私どもはオーバーロードになるといえば、当局のほうはそうは言いません。負担過重だということばですべてを打ち消しているわけです。しかし五千本のスジを立てるのですから、五千本ということは、十月の三千とは質的な違いを見せておるので、現地では幾らか幅をゆるめてもらわなければ、スジが立っていけない。この二十二日から始まるのですね。苦悩しているのが実態です。事、お客さんを運ぶ、まかり間違えば、除夜の鐘を聞きながら人の命を奪っちまうという事態ですから、この点はとにかく掛け値をしてひっかけようというわけでもありませんし、実態として現地を調査されまして、具体的な局で幅を持たせるような示達をどうしても出してもらわなければ乗り切れないと思いますので、くどいようですが、もう一度お答えをいただきたいと思うのです。
○豊原説明員 私どもとしましては、十月期の手配で何とか乗り切れるというふうに考えておるわけでありますけれども、現に支社なり局なりできわめて困難と申しますか、不可能という問題が起これば、別途考慮いたしたいと思います。
○泊谷委員 時間がないから、おしまいにします。
○進藤委員長代理 肥田次郎君。
○肥田委員 だいぶ時間が過ぎておりますから、いろいろと要員問題で聞きたいことは省略いたしまして、間接にはこの問題に関連するのですが、緊急に確認をしておきたいので、ひとつ質問をしたいと思います。 それは、いま国鉄のほうで新幹線に、正しくは立席承知というのですか、承認というのですか、私はよく確認をしていなかったのですが、先般私と友人五名ほどで乗ったことがあるのですが、そういう切符で乗りました。この料金のことについても、はっきり確認をしてないのですが、この立席承知というか、承認というのですか、これはどういう料金制度で販売をしておるのですか。
○磯崎説明員 それは特急券が割当が全部済んでしまって特急券がない場合に、立っていてもいいから乗るという意味で、立席承知ということで、料金は普通の特急券と同じでございます。
○肥田委員 それはなかなかアイデアはいいのです。確かにそういう利用者の要望にこたえるということになろうと思うのですが、しかし立ち席を承知するということで通常料金を取って特別列車に乗せるという、このいわゆる切符発売の根拠と、それからそれによって生ずるところのいろいろな問題について、どういうふうに理解しておられますか。これは鉄監局長のほうからも、それから国鉄当局のほうからもひとつ聞かしておいてもらいたいと思います。
○磯崎説明員 私のほうでは旅客運送規則によりまして、たとえば東京から大阪まで特急に乗る場合には、特急料金として幾らもらう、こういうことがきまっております。これは一種の契約の条項でございます。その契約の条項は、特急の場合には席があるということを前提としての契約でありますけれども、契約の相手方が、席がなくてもいいのだということを条件とされた場合には、席がないということを承知して東京――大阪間の特急に乗っていただく、こういう契約を結ぶわけであります。したがいまして、私どもとしましては、逆に今度は何人乗ってもいいかということになりますけれども、これはやはり車の物理的な性格その他の関係より、乗る限度はきめております。したがって、ぎゅうぎゅう詰めに乗せるということでなしに、たとえば特急券がどうしてもない、親の死に目に会えないからぜひ乗りたい、こういう場合には、特急料金をそのままお払い願って、国鉄の旅客運送規則によって乗っていただく、こういうことになっております。
○佐藤説明員 お尋ねは、特別急行料金を支払って乗車した乗客に、座席をどういうふうに手配するかという問題でございます。これは契約の範囲に属することでございまして、われわれとしては、それが輸送状態として適切なものであれば差しつかえないというふうに考えております。
○肥田委員 それではお伺いしますが、国鉄で考えておるところの特別列車の料金というものは、これは何ですか。あなたのほうで自由なそういう解釈で、それでいわゆる料金決定というものと何らそごを来たさない、こういうふうに考えておるわけですか。
○磯崎説明員 特別急行料金は、御承知のとおり運輸大臣の認可によってきまっております。これは運賃法に根拠がございまして、運賃法上、運輸大臣の認可を得てきめることになっております。急行料金についても同様でございます。したがいまして、その範囲内で旅客側の選択なり旅客側の希望によりまして、一般条項に合わなくてもぜひ乗りたいという場合には、ごく例外的な措置としてそういう措置をやっております。
○肥田委員 ごく例外的な措置と言われるなら、これはわかるのですが、これは一つの例をとってみても、私が先般友人五名と一緒に乗った場合にも、あれは朝の九時半ごろでしたか、新幹線の「こだま」でした。あのとき何名乗り込んだか知らないけれども、いわゆる通路に一ぱいになるくらい、いわゆる立席者が乗っているわけです。これは私は少なくとも常識の範囲をこえたものだろうと思うのです。こういう形で切符を発売した場合に、そのよって起こるところのいろいろな事象というものに対して考えられたことがありますか。私はこれはいまここであまり議論をしようというふうには考えていないので、もしそういうことなら、あとでまたあらためてやり直しますけれども、実際に私が感じたことは、通路でじゃまになってしかたがないほど、立ち席の切符を持った人が乗っておる。これが一つです。こういうことがあるのかないのか、ひとつ答えてもらいたい。 聞くところによると、立席承知の切符は普通料金より百円安いのだとか安くないとか……。ところが私が乗った場合には、通常の料金を取られてみな乗っておったということが一つ。それから通路にじゃまになるほど立ち席の人が乗り込むということは、これは一体指定列車として指定席に乗っておる人に対してどういう印象を与えるかということを一つ考えなければならぬと思う。私はおそらく不愉快きわまるだろうと思う。大体乗るときに常識的に、この列車にはもう腰かけに坐る以外の人は入ってこないのだとみな考えて乗って、みんなかけておると、通路に一ぱい、わあわあっと入ってくる。そういう状態の特別列車、指定席列車というものが常識的に考えられるのかどうかということが一つ。それから車掌の乗務勤務にしたって、私は、そういうことになってきたらまことに変な状態が起こってくるのじゃないかと思う。これはいろいろな関係がこれから後に起こってくるだろうと思います。それから駅にしても、そういう切符を発売をするという着想は、最初はどういうところからそういうふうになったか、大体想像はできますけれども、特にいま言ったように、二通りの切符がどうもあるらしい。これはあとで調べればわかるでしょうが、いわゆる所定の金額で売ったところの立席承知の切符を持って乗ると何か百円安いのだというような、そういう形の切符を持って乗る人、こういうふうなものがあるとしたら、この切符を扱うところの駅務者の仕事の内容というものはいよいよ複雑なものになってくる。こういう問題が起こってくると思うのですが、この立席承知の切符を発売をするときにそういうことを考えられたことがあるかどうか、この点いかがなものでしょうか。 それからもう一つ、これはあとでまとめて答えてもらって、そうしてあらためて問題にしたいと思うのですが、このときに私と一緒に乗った連中は、どうも若干誤解があったかとは思うけれども、立席ならば、向こうに着けば指定席料金分は返すのだろうというような考え方を持っておったようだ。この考え方からいくと、指定席列車というものはこれは指定者以外の者は乗っていないというのが常識なんだ。乗せないというのが常識なんだ。だから、通路にじゃまになるほど乗っておるということは、その人たちからいわゆる所定の料金を取って乗せておるということは、料金そのものが不当料金を取っておることになるじゃないか、訴訟を起こそうじゃないかということを言っておるわけだ。この訴訟が勝訴になるかならぬかは別にして、その問題は十分問題になることと私は思う。指定席列車という前提があるでしょう。だから、あなた方の考えておられるように、特別の緊急やむを得ざる場合には臨機に処置をする、立ってもらっても、普通の料金さえ出してもらえば乗ってもらう、これはまことにまる得の、少しも損のいかぬあたりまえの話なんです。しかし、同時に、その裏にはそういう性質を含んでおるものなんだ。立っていくべき性質のものじゃない。すわっていくという所定の一つの定格、列車の中に立っていって、立った者があたりまえの料金を払っていくということは、これはものの考え方というものを少し変えてもらわなければいかぬと思う。それは従前の、よし、乗せてやろう、こういう気持ちと同じなんだ。そういう問題が将来起こってくる。だから、そういう幾つかの問題が起こってくるということを想定をされておるのかどうかということが一つ。それから、少なくとも通路がじゃまになって困るというほどのそういう立席切符の発売ということは、おやめになったほうがいいと思う。それから、それをおやめになると同時に、いま私自身もそういうことを考えておりますので、この立席承知ということで、外見的には国鉄が売ったものはまるもうけというような形の切符の売り方は問題を起こすから、これもおやめになったほうがよかろう、そして何か新たな方法をお考えになったほうがよかろう、こういうふうに考えるのですが、これは、いまお答えいただけなければあとでけっこうです。現実に、どうもこれは訴訟ものだということを言ってきておる連中がおりますから……。
○磯崎説明員 その立席承知で料金が違うという話は、私は聞いたことがございませんが、十分取り調べてみます。ただ、現実に、その乗られる方の中に、とにかく立っていってもいいから行きたいんだ、では、それはすわるという権利を放棄なすっていいのですかと伺って、それでもいいんだという場合には、やはり臨機の場合にはある程度はお認めするというのが、いままでの常識的のやり方だと思いますが、中におられる方が不愉快だ、あるいは、おれは座席指定の中で人が廊下に立っていると不愉快だというような意見も、あることはございます。これはお互いさまでございますが、しかし、できるならばそういうことはしたくないわけでございます。ことに通路を通れないほどになりますといろいろな業務上の支障もございますので、立席承知については極力人数を制限すると申しますか、例外的な処置としてやってまいりたいというふうに思っております。ただ、最近のお客さんは、御承知のとおり、立席承知どころか、入場券でだまってお乗りになる方が非常に多くて、実はそういう方の取り締まり自体も、とても手を焼いておるわけでございます。かといって、改札口で切符がなければ絶対乗せない、こういうしゃくし定木の扱いはまた官僚的だというふうにいわれまして、その他の扱いはたいへんむずかしいと思います。ことに土曜日の帰りの熱海・小田原間に若干目に余るものがあるというふうに聞いております。それにつきましては、もう少し実態をきわめました上で適当な制限を加えてまいりたい、こういうふうに考えます。
○肥田委員 それで、十分検討されると思うのですが、私はこのことはよく研究してもらいたいと思うのですよ。よろしいですか、国鉄のほうで余裕があれば乗せてもいいということ、これは経営者としての親切心と、それからもう一つはいわゆる利得の面と、これは二道です。しかし、原則というものがありますよ。指定席列車というものは――私は人からよくこういう話を聞くのです。この列車は指定席だから乗ってもらっては困りますといって車掌から突きおろされましたという人があるのです。この処置がいいか悪いか別ですよ。しかし、この列車は特殊列車で、座席指定列車だという場合には、乗っておる人々は、もう座席にすわって乗る者以外にはない、廊下に立うておる人がないのがあたりまえだと思うのですよ。そういう特別指定席列車というものの規格というのですか定格というのですか、そういうものに対する信頼の棄損を国鉄みずからやるような態度、そういう考え方というものはどうだろうかということが、新しい問題として出てくるだろうと思います。これは乗客側から当然起こってくる問題だというのです。ですから、立つのを承知でお乗りならお乗りなさい――これは一つの商品に考えると、これはきずものだけれども、あたりまえの値段を出すなら、それだけほしいなら売りますよ、こういうことと同じことなんです。そうしたら、食堂を見たいという人があって、みんながちゃんとテーブルについて食事をしておるときに見たいといったら、どうぞ、入場料を払って見てくださいというふうな、そういうことまでの行き過ぎたサービスという形は、常識的にはないのです。ですから指定席列車というものは、指定席列車の定格というものを重んずることが必要なんで、乗りたいというから乗せる、そうしてあたりまえの料金を取る、これはどうも少し形がおかしいように思うのです。これはこれだけの問題じゃありません。実はこれに関連していろいろと聞きたい問題があるのですけれども、それは次回に回わします。けれども、そういう問題が現実に、表向きに起こってきたらなんだからと思って、一応それに対する対策を当然お考えになるべきだ、こう思ってきょうは質問したわけです。
○進藤委員長代理 本日はこれにて散会いたします。 午後一時二十九分散会 ――――◇―――――