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46回国会参議院1964/03/26

予算委員会第一分科会 第2号

発言数
248
登壇者
16
会派数
2
開催日
1964/03/26

会議録

加瀬完日本社会党

○主査(加瀬完君) ただいまから、予算委員会第一分科会を開会いたします。  まず、委員の変更について報告をいたします。  昨日、亀田得治君が辞任され、その補欠として豊瀬禎一君が選任されました。   ―――――――――――――

加瀬完日本社会党

○主査(加瀬完君) 午前は、昭和三十九年度総予算中、国会所管を議題といたします。  これより、順次御説明を聴取いたしたいと存じます。最初に、大久保衆議院庶務部長にお願いをいたします。

大久保孟衆議院事務局庶務部長

○衆議院参事(大久保孟君) 昭和三十九年度国会所管衆議院関係の歳出予算要求額は、五十九億四千九百七十七万一千円でありまして、これを前年度予算額五十二億八千七百二十二万八千円に比較いたしますと、六億六千二百五十四万三千円の増加となっております。  次に、この要求額を事項別について御説明申し上げます。  まず第一に、国会の運営に必要な経費といたしまして、四十九億千二百四十八万円を計上いたしております。これは議員関係の諸経費及び事務局、法制局の所掌事務を処理するため必要な経費でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、五億六千八百八十八万七千円の増加となっております。  第二は、衆議院営繕工事に必要な経費といたしまして十億三千二十九万一千円を計上いたしております。これは議員会館の第二号館新営及びその関連施設並びに議員宿舎の建設等に必要な経費でございます。なお、議員会館の第二号館新営につきましては、別途、国庫債務負担行為として十九億三千七百五十一万五千円を要求いたしております。  第三は、国会予備金に必要な経費として、前年度と同額の七百万円を計上いたしております。  以上、簡単でございますが、衆議院関係の歳出予算について、概略を御説明申し上げました。

加瀬完日本社会党

○主査(加瀬完君) 次に、河野参議院事務総長にお願いいたします。

河野義克事務総長

○事務総長(河野義克君) 昭和三十九年度国会所管参議院関係の歳出予算要求額は、四十三億八千三百九十二万九千円でありまして、これを前年度予算額二十九億八千六十一万六千円に比較いたしますと、十四億三百三十一万三千円の増加となっております。  次に、この要求のおもな事項について御説明申し上げます。  まず第一に、国会の運営に必要な経費として、二十九億七千二百四十六万七千円を計上いたしております。これは議員に関する諸経費及び事務局、法制局の所掌事務を処理するため必要な経費であります。前年度予算額に比較いたしますと、三億三千五百三十七万三千円の増加となっておりますが、これは、主として、議員の歳費、手当等及び議員秘書、職員の給与、手当等の改善によるものであります。  第二に、参議院営繕工事に必要な経費として、十四億六百四十六万二千円を計上いたしております。これは、前年度に引き続く議員会館の新営及びこれに関連する施設工事並びに議員宿舎の増築等に必要な経費でありまして、前年度予算額に比較いたしますと、十億六千七百九十四万円の増加となっております。これは、主として、議員会館新営費の増加によるものであります。  第三に、国会予備金に必要な経費といたしまして、前年度と同額の五百万円を計上しております。  以上、簡単でありますが、参議院関係の概要でございます。

加瀬完日本社会党

○主査(加瀬完君) 次に、隈井弾劾裁判所事務局長にお願いいたします。

隈井亨裁判官弾劾裁判所事務局長

○裁判官弾劾裁判所参事(隈井亨君) 昭和三十九年度国会所管裁判官弾劾裁判所の歳出予算要求額は、一千三百六十万二千円でありまして、これを前年度予算額一千二百七十二万三千円に比較いたしますと、八十七万九千円の増加となっております。  これは人件費等の給与改訂に基づく自然増加によるものですが、この要求額を事項別に御説明申し上げますと、まず、裁判官弾劾裁判所の運営に必要な経費といたしまして、一千三百三万円を計上しております。これは当所の運営に必要な裁判長の職務雑費、裁判員の調査旅費並びに事務局の人件費、事務費等であります。  次に、裁判に必要な経費といたしまして、五十七万二千円を計上いたしております。  これは、裁判官弾劾法に基づく裁判官の弾劾裁判に必要な旅費、庁費等であります。  以上簡単でありますが、概略の説明を終わります。

加瀬完日本社会党

○主査(加瀬完君) 次に、福島訴追委員会事務局長にお願いいたします。

福島尚武裁判官訴追委員会事務局長

○裁判官訴追委員会参事(福島尚武君) 裁判官訴追委員会における昭和三十九年度歳出予定経費要求額は、一千二百二十六万四千円でありまして、これを前年度予算額一千百四万四千円に比較いたしますと、百二十二万円の増加となっております。  この経費は、裁判官訴追委員会における委員長の職務雑費及び事務局職員の給与に関する経費並びに訴追事案の審査に要する旅費その他の事務費でありまして、前年度に比し増加となっておりますもののうちおもなものは、職員俸給等の増加によるものであります。  何とぞよろしく御審議いただきたいと存じます。

加瀬完日本社会党

○主査(加瀬完君) 最後に岡部副館長にお願いいたします。

岡部史郎国立国会図書館副館長

○国立国会図書館副館長(岡部史郎君) 昭和三十九年度国会所管国立国会図書館の歳出予算について御説明申し上げます。  昭和三十九年度国立国会図書館の歳出予算要求額は、九億二千二百五十三万五千円でありまして、これを前年度予算額八億五千五百七十七万二千円に比較いたしますと、六千六百七十六万三千円の増加となっております。  次に、要求額のおもなものについて御説明申し上げますと、国立国会図書館の維持管理に必要な経費といたしまして、七億九百六十七万一千円を計上いたしております。これは、人件費及び一般事務処理、庁舎の維持等に要する経費でございます。  次に、業務の運営に必要な経費といたしまして、二億一千二百八十六万四千円を計上いたしております。これは、図書館資料を購入するための経費一億三千七百五十六万六一千円をはじめ、立法調査業務、図書館資料の収集整理利用、目録書誌の作成、写真複製業務、印刷カードの作成、科学技術関係資料の整備等に要する経費でございます。  以上、はなはだ簡単な説明でございますが、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

加瀬完日本社会党

○主査(加瀬完君) 以上をもちまして、国会関係の説明は終了をいたしました。  それでは、質疑のおありの方は、順次御発言をお願いいたします。  この際おはかりをいたします。分科担当委員外委員山本伊三郎君から発言を求められておりますが、これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加瀬完日本社会党

○主査(加瀬完君) 御異議ないと認めます。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) それじゃ、時間もあまりないようでありますので、特に、三十九年度国会の予算のうち、給与に関して若干皆さん方に質問しておきたいと思います。  まず冒頭に、衆参の関係者にお尋ねいたしますが、国会職員の給与は、内閣委員会でわれわれ討議しておる際にも、あまり論議が出ておらないのですが、基本的には国家公務員に準じておるようでありますが、その点どうですか、お尋ねいたしたい。

河野義克事務総長

○事務総長(河野義克君) お話のとおり、国会職員の給与につきましては、国会職員が特別職である関係におきまして、一般職の職員と若干違うところがございますが、大筋におきましては、一般職の職員に準ずる格好をとっております。ただ、一般職の職員に類例のない職務となっておる速記職等については、国会独自の立場で規定せざるを得ませんし、それから、衛士の関係につきましても、一般職の公安職の職務と全然同一ではございませんので、大体準じてはおりますが、格好としましては、異なる俸給表を用いておるわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) 衆議院のほうも同様ですか。

大久保孟衆議院事務局庶務部長

○衆議院参事(大久保孟君) ただいま参議院の事務総長さんのお話しましたとおりでございます。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) ただいま説明ありましたが、国家公務員に準じておるけれども、やはり特別職であり、国会職員という特殊な職場、職務の関係で若干異なっておるというのですが、異なっておる実態を調べますと、一般国家公務員よりも悪いというような現象は気づかれませんですか。その点どうですか。

河野義克事務総長

○事務総長(河野義克君) 単に給与の面に限って申しますときに、国会職員が一般職の職員に比して非常に待遇が悪いというふうには必ずしも存じておりません。職務の実際がそうであるから当然のことでありますが、たとえば超過勤務手当その他におきましては、相当な予算的措置も講ぜられておると存じます。ただ、平生行なっております職務の内容、職務の実際が、非常に心労を特に必要とするいろいろ奉仕的な仕事が多いわけでございまして、そういうことにつきましては、事務総長としても常に深甚の関心を払っておるところであります。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) 抽象的な質問はその程度にしておきますが、大蔵省の国会関係の主計官に、ひとつこの際聞いておきたいのですが、国会という特殊な職場は、一般の国家公務員の職場とは変わった一つの気苦労なり職務実態が私はあると思うのですが、そういう認識は大蔵省でどうされておるか、ひとつ聞いておきたいと思います。

秋吉良雄大蔵省主計局主計官

○説明員(秋吉良雄君) 山本先生御案内のように、給与の問題は、実は給与課で所管しておりますが、私、予算担当の主計官として知る限りのことにつきまして御答弁いたしたいと思いますが、あしからず御了承願います。  国会職員は、ただいま御指摘がございましたように、国家公務員法におきまして一般職、特別職で、特別職の扱いを受けております。これは全く釈迦に説法でございますが、三権分立という思想から出ておるものと思います。裁判所職員、防衛庁職員につきましても、特別職の扱いを受けておるわけでございます。  さてそこで、給料の問題になりますが、これは国家公務員法にもございますように、職務と責任の度に応じてこれを支給するという一つの原則がございます。したがいまして、あくまでもその職務内容ということに着目して給与というものは行なわれるわけでございます。  そこで、どの程度相違があるかということになりますと、その職務内容に着目いたしまして判断いたすことになるわけでございますが、国会の場という特殊性がございます。したがいまして、そういった、根本的には職務内容に着目して、一般職とどの程度違うかということにおいて個別判断でなされるわけでございます。  そこで、特に違っている点はどういう点があげられているかと申しますと、これも御案内のように、特に国会職員につきましては、国会特別手当という手当がございます。それから超過勤務手当につきましては、先ほど参議院の事務総長からも答弁がございましたように、一般の各省に比べまして、相当割り高な予算措置も講ぜられておるわけでございます。その他その職務内容に着目いたしまして、特殊勤務手当といたしましては、いろいろの、まあこれは俗っぽい表現かもしれませんが、下足手当とかあるいは速記授業手当とか、いろいろのまあ手当措置も、現金出納手当、そういう措置も講ぜられておるわけでございます。これは、どういうわけで違っているかというと、私、給与課長でございませんので、さだかでございませんが、たとえば、これは職務内容からじゃないかと思いますが、違っている点を申し上げますと、何と申しますか、採用、離職の場合の日割計算、月割計算については、違った措置が講ぜられておるように聞いております。そのほか賄雑費という手当の制度もあるように聞いております。  以上のとおりでございます。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) これはまあひとつ、手続上のことで聞いておきたいのですが、国会には国会独自の給与表が、先ほど事務総長が言われたように、一応それに合うようにつくられたようでございますが、この内容の問題でありますが、それは別として、これに対して大蔵省は、そういう問題についてはかれこれと言う、そういう、何と申しますか、これを是正するというか、制約するというようなことは従来されておらない、国会独自のこれはきめ方として、大蔵省は予算編成上これに対して容喙するということはないのですか。

秋吉良雄大蔵省主計局主計官

○説明員(秋吉良雄君) 特別職の給与に関する所管業務といたしまして、大蔵省設置法に、給与課で所掌するように相なっております。その関係からいたしまして、こういう問題につきましては、両院、それから給与課で御相談申し上げておるということだと考えております。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) ちょっと、給与課長、僕呼んでおかなかったのですが、いまからひとつ手配できませんか。ひとつお願いいたします。  それで、国会当局にこれから尋ねますが、たくさんあるのですが、そうやれませんので、この第二条の運用の問題で、ひとつ具体的に聞いておきたいと思うのです。この国会の特殊な職場ということになると、行政職一表二表という区別は、どうもわれわれとしては、いままでは私もそれは十分認識しなかったのですが、好ましくないと思うのです。こういう狭い職場であり、しかも、お互いが相融通し合って職務を遂行しておる場合に、国家公務員のように、行政職一表二表というような形でやること自体私は問題があると思うのですが、それについて国会当局はどういう考えでおられますか。

河野義克事務総長

○事務総長(河野義克君) ただいまの点につきましては、私どもも、常々非常に重要な問題であると思って、検討を続けておるところでございます。現在の特別職といたしましても、ひとしく国家公務員でございますが、国家公務員に対する給与の根本が、職務の複雑と責任の度合いに応じて職階というものを定めて、その職階制に応じて給与がやはり同じ思想から立てられておるということは、特別職、一般職を通じて国家公務員の給与のあり方の眼目であろうと思います。そういうふうに、国家公務員法なり給与に関する諸法律なりによって定められておるといいますことは、やはり国の意思によって国家公務員についてはそういう給与体系をとるということを表明しているのであろうと思います。また、現実におきましても、たとえば一般職の官庁において、用人さんの勤務状態あるいは自動車を運転している人の勤務状態、そういうことと国会におけるそれとが、そう本質的に異なるということにはならないと思いますから、一般職において、あるいは国家公務員全体において、やはり行政職(一)の表の適用を受ける人と行政職(二)の適用を受ける人との区別がありますならば、やはり国会職員の中においてもそういうことが考えられねばならないというふうには存ずるわけであります。ただ、現実の問題としては、俸給表の現実のあり方、その運用等については、具体的に非常に困難な事柄が相当ございまして、現在のままの姿を維持するということにつきましては、相当考慮をしなければならぬ点がいろいろある、そういうふうに存じております。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) 原則的には、やはり一表と二表との区別というのは、おっしゃったとおり、そういう区別は概念的にできますが、国会というきわめて狭い職場では、そう一がいに私はいえないと思う。  そこで、私は具体的に聞きますが、特に用務員という話が出ましたのですが、そういう第二表適用者についての従来初任給格づけ基準というものを持たずに採用されておるということから、前の入った初任給基準が非常に低かったために、あとの人と同額ないしはまだ低いというような現象を生じておるやに聞くのですが、こういうものは、すみやかにこれを是正しなければ、給与の妥当性というものを欠いておると思うのですが、現在そういう措置をとろうとしておられるのかどうか。これは衆参ともあると思うんですが、その点はどうなっておりますか。

河野義克事務総長

○事務総長(河野義克君) 行政職の表第二の適用を受ける人の初任給を是正、あるいはそれの関連で、上級のほうにも及ぼしてまいりますが、そういうことは、人事院勧告によって一般職とひとしくなされた点もございますし、それから、国会あるいは参議院として、運用として考えた点もあるわけでありますが、詳細な点は人事課長から御答弁を申し上げます。

二見次夫人事課長

○参事(二見次夫君) 御答弁申し上げます。  国会職員の初任給、昇格、昇給等の基準に関する件というものが定められておりまして、その第一条に、「国会職員の初任給、昇格、昇給等の基準については、本件及び別に定める場合を除き、政府職員の例に準ずるものとし、」云々と定められております。いまお話の行政職の(二)の給与表につきましては、政府職員の場合の準則であります人事院規則の定めるところに準拠いたしまして、初任給についても、ちゃんとした基準に従ってやっております。従来は、用人さんの場合には、行(二)の五等級の一号から八号までの間において格づけするということが定められておりました。それが昨年の給与改正によりまして、今度は行(二)の五等級の一号から十号までの間において格づけすることができると改められて、従来の八号から二号上がって、十号まで引き上げることができるということになったわけであります。そこを、従来の初任給の人は、最高五等級の八号まで格づけできたのが、これからは十号まで引き上げて格づけできるわけでございまして、以前に採用された人よりは二号高いわけでございます。その場合に、それでは従前の人たちとの間にそこに差ができ、ある程度の均衡を失するという現象が起こるわけでございますが、それでは、その二号だけを以前に採用された人全部にわたって二号ずつ引き上げるという措置をするかというと、そうではなくして、すべて一般に制度の改正の場合には、それが将来に向かって効力を発生し、特別の場合を除いては、既往に全部さかのぼるということをしないのが一般の原則であると存じます。給与関係につきましても、そういう原則がとられておりますが、ただ新しい制度が実施されることによって、現在及び将来の人にそれが適用された場合に、従前から在職する人がそれよりも給与が低くなるというようなことがある。いわゆる逆転現象というものは、これは避けなければなりませんので、そういう措置をとる必要のある範囲のものについてはそういう調整が行なわれております。たとえば、昨年の給与改正の際に、行(二)の職の運転手その他の職種について、初任給が従来は四等の一号でありましたものが四等の四号に指定がえになりまして、三号だけ初任給が引き上げられたわけでございますが、その三号だけの分を既往の在職する運転手等に全部三号ずつ引き上げたかというと、そうではなくして、いま申し上げました逆転現象を生ずるような範囲についてのみ調整が行なわれております。また、二年ほど前に行なわれました大学率の一定の条件を備えた者に対して初任給調整手当というものが支給されることになったわけでございますが、これも、そういう逆転現象を生ずるような範囲についてだけ調整が行なわれまして、既往の大学卒の採用者全部に初任給調整手当が支給されておるわけではないのであります。いまお話の用人さんにつきましても、すでに申し上げましたように、初任給が二号引き上げられたのでございますが、それは、前から在職している用人さんたちについての調整につきましては、いわゆる逆転現象を生ずる範囲の人については、すでに調整が行なわれております。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) それが問題なんですよ。あの給与の改訂その他の格づけ基準が変われば、これはさかのぼってやらぬ、いまのやつは、これはいい悪いにかかわらず、経験年数によって給与がきめられるというような公務員の体系なんですから、結局前に入った者と逆転する範囲において調整すると言うけれども、三年も四年も前に入った人と、ことし入った人と同じだということは、これは経験年数からいっても、これは不当な取り扱いだと思うのです。なお、国会職員については、これは聞くところによりますと、第二表に該当する用務員なんかの方々は中高年齢者が多いと思うのです。年齢加算をしていないということを聞いておるのですが、そういうところからきわめて給与が不合理に体系づけられておると思うのです、実態が。そういうことは間違いだと思うのですがね。これはどうですか。それで人事行政がうまくいけるという……給与というものは、人事行政をやるという上において一番大事な要素なんですから、そういう認識なくして、逆転する場合だけ調整しようということは、私は他の官庁なりその他の公務員から見て、そういうことは私は考えられないんですが、国家公務員の場合もそうだと思いますが、地方公務員の場合は、そういう場合には全部このアンバランス、要するに凹凸是正ということで全部やられるということがこれは常識なんですが、その点、やっておらないのですか。

二見次夫人事課長

○参事(二見次夫君) いま申し上げましたように、新たな制度がとられまして初任給が引き上げられますと、それに近い年次で採用されたところの人々との間には、はっきり場合によっては逆転現象が生ずる場合がございます。したがって、それは避けなければなりませんし、またさらに、それ以前の人との間に著しい不均衡が生ずるというようなことも避けなければなりませんので、いわばそこに地ならしが行なわれ、調整措置がとられるわけでございまして、そういう措置は著しい不均衡が生じないように、やはり先に採用された者が給与が多くて、あとからの者はそれより以下であるという、そういう地ならしは行なわれているわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) もっと具体的に説明してほしいのですが、ぼくの言うのは、たとえば昨年の十月一日から国家公務員の給与法が変わって、そのときの初任給が、一応大学、新制高校でおのおの変わった場合に、その基準で最初採用されたものとして、その人が就職してからの昇給間差をそこに加えて、そしてその人の三十八年の十月一日からの給与というものは確定をするというのが私の給与是正のやり方だと言うのです。あなたの場合は、何か調整調整と言いますが、一定の調整の基準というものが説明されておらないのですが、私の言っておるのは、また来年変わるかわかりませんが、変わった場合には、そのときの初任給を、その人が就職したときにその初任給をもらったとして、自後何年かたった後におのおの毎年昇給があれば、その昇給間差だけを加えて、そうしてその人の今日の給与にきめるんだ、こう私は言っておるんですが、そうやっておりますか。

二見次夫人事課長

○参事(二見次夫君) 行(一)の場合と異なりまして、行(二)の場合、特に用員さんの場合の初任給の定め方というのは、五等の一号から十号までというような相当幅の広いやり方がとられております。それは普通の行(一)の場合等ですと、高校卒とか大学卒とかというような学歴についてもちゃんと区別があり、一定のこまかい基準でいわば機械的に定められているのでありますが、用員さんの場合については、特にそういう学歴関係というようなこと等は要素には入っておりませずに、用員として就職される方がそういう前歴や年齢、いろいろなこと等において違っているものでございますから、相当幅広い初任給の格づけのしかたがなされていると思うのであります。したがって、これを初任給に格づけする場合には、いろいろその人の前の履歴やいろいろなことを考えまして妥当と思われるところに格づけするわけでございます。そういたしまして、やはり年次的に大体において早いほうの人があとから就職した人よりはやはり給与が高く、そこに一つの給与の秩序というものができていくわけでございます。そして初任給の指定がえが行なわれまして号俸が引き上げられました場合には、何としてもやはり前の人があとから来た者より給与が低くなるというようなことは絶対避けねばなりませんので、その間の調整はいたすのでございますが、二号引き上げたからといって、それを全部の人にずっと一番最初までさかのぼってやるというようなことではなくて、やはりその間に適当に逆転現象等が起こらないように、相互の間に均衡を失しないように調整をするということをいたしております。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) 国会というきわめて重要な職場の職員についてそういう形でやっておられたということは私はほんとうに驚くのですが、その第二表の十号なり八号の幅のあるというのは、先ほど申し上げましたように、学歴でこれを認定できないので、いわゆる経験といってもこの職場の経験の尺度というものはあまりないから、年齢加算ということで一応基準を設けて、幅があるけれども、その幅のあるということはそういう基準を設けるための一つの幅として行(二)の場合は設定されておるのです。それをただ入るときにどんぶり勘定とは言わないけれども、この人はこれぐらいでいいだろうというような想定のもとでやっておくからそういうことになる。最初に入るときに年齢加算で一応この年齢であればこれこれのものということの一つの基準があればいま言われたようなことはないのです。そうすると、その人は学歴があろうとなかろうとも、また学歴の要素も入れてもいいと思うのですが、第二表でもいいが、その他の経験年数、そういうもので一応きめておけば十号俸の幅があってもその人の個人については格づけ基準というものがはっきりするから、それがその人の初任給だけれども、その人の初任給がきまってしまえば今度給与の改訂があった場合には幾ら上がったかということを見てその人の分に差し戻してそれで計算すると、まあ調整とか、あいまいな調整をしなくともおのずから決定してくるのですね。そういう措置を私はとらなければ、これは非常に不公平が生じてもどの尺度でその不公平を是正するかということができないでしょう。あなたのほうで、この人はこの程度でいいだろうというふうなことでは、その人の生活費を規定する給与としてはあまりにもあいまい過ぎるし、また、われわれとしては承認できないんですね。したがって、やはりそういう第二表適用者の人も年齢加算とかそういうものによって初任給格づけ基準というものをつくっておく必要がある。それがなかったためにそういうアンバランスが生じておると思うのですが、これはもう追及しても過去のことですが、直ちにこれを是正するがどうかということだけひとつはっきり聞いておけば、これでこの問題を終わりたいと思います。その点どうですか。

二見次夫人事課長

○参事(二見次夫君) お話のように、初任給の格づけにあたりましては用員さんの場合には年齢と経験数というのが主要な要素になると思います。そこで、私たちは、これまでの初任給の格づけには十分その点を考慮し、これに主眼点を置いてやっているわけであります。ただ、いま申しましたように、今回の初任給の引き上げによっての措置というものは、国会職員の初任給、昇格、昇給等の基準に関する件によりまして、政府職員の例に準じておりますので、人事院規則、細則等に定められたところ準拠して必要な措置をいたしております。しかし、いまおっしゃったように、なお以前からの在職者たちとの間に著しい不均衡というようなものがあれば、それはまた具体的に検討して、将来の機会にできるだけ早く調整したいと思っております。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) それは早急にやってください。そうでないと、給与の格づけがそういうあいまいといいますか、紊乱すると、たとえそれが適当な給与であっても、本人としては納得できない場合が生ずる。また、他の人との均衡をもおのずから本人としては疑心暗鬼になるから、やはり院としては、第二表の初任給格づけ基準というものを一応年齢加算と、学歴、こういうものを入れてこうあるべきものだということをひとつ作成していただきたい、その点いかがですか、ちょっと答えてください。

宮坂完孝事務次長

○参事(宮坂完孝君) ただいま山本先生の御指摘になりました点につきましては、十分これから慎重に調査いたしまして、御期待に沿うような適正な格づけをいたしていきたいと思います。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) それから次に、もう一つ、用務員の関係について、第二表についてお尋ねをしておきたいのですが、これも実は私自身調べてもらったのですが、こういう狭い職場ですから、だんだんといまの号俸でいくと頭打ちというものができて、五等級から四等級にいかなければ給与の間差が非常に低くなる。そういうことで頭打ちが出てきておる。特にそれが三等級に固まってしまっておるという実情なんです。したがって、これを二等級にわたるという措置を講じてやらなければ困ると思います。一般国家公務員の場合には、いろいろ名称をつけてわたりをつけております。これは大蔵省あたりでも十分、それは知っておるし、人事院においてもそれは認めておることですが、国会の場合もひとつ配慮できるかどうか、この点ひとつお聞きしておきたいと思います。

二見次夫人事課長

○参事(二見次夫君) 国会職員の初任給、昇格、昇給等の基準に関する件には、その別表にそれぞれの職種のそれぞれの等級の職務内容というものが定められております。それによりまして、用員の場合には最高が二等級となっておりまして、そこに数組の用員を統合し、指揮監督をする用員取り締まりの職務ということが定められておるわけであります。したがって、用員の場合におきましては、最高の等級は行政職(二)の三等級ということに規定で定められておるわけであります。しかし、だんだん昇給しまして、号俸が上がってまいりますと、やはり頭打ち、あるいはそれに近い現象がだんだん出てまいります。それについてはやはり十分考慮していかなければならぬと思います。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) 考慮するということは、きわめてはっきりしないことばなんですがね。これはどこの国家公務員の場合でも、地方公務員の場合でもあるのです。そもそもこの行政職給料表(二)というのは、これはここで言うべき問題でない、内閣委員会でもいつも追及しているのですが、きわめて不合理な給料表であることは間違いない。したがって、この点は、これはもう用務員とか、そういう人は職階的な職務ではないのですよ。したがって、職階的な等級で律するという考え方自体が問題がある。したがって、その点はひとつ早く二等級に渡りのできるような措置をとってもらいたいと思う。そうでなければ、給料がこうも上がらないということで、現在おる(二)方々の平均は二万七百円というような平均本俸になっておるようであります。これはもう生計費から見ても全く低いので、この点はひとつ二等級に渡りをぜひ考えてもらわぬといけないと思うのですが、この点どうですか。

二見次夫人事課長

○参事(二見次夫君) 十分検討いたして善処いたしたいと思います。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) それから次に、衛視の問題にちょっと入っておきたいと思いますが、衛視は、公安職に準じてつくられておると思います。ところが、その初任給を聞いてみますと、公安職よりも一号ないし二号、おのおの低目にきめられておるようです。大学卒は四の四から四の五、短大出は四の二、また四の四、高校出は四の一ないし四の三というふうに、公安職から見ると、一号ないし二号低くきめておるのですが、先ほど事務総長は、公安職と院内の衛視との間においては、職務に若干の差があるから云々というような説明があったのですが、私は、そんなに下に格付けするような国会の衛視は公安職から見て私は低くする必要はないと見ておるのです。そういう、やった根拠はどこにあるのですか。

二見次夫人事課長

○参事(二見次夫君) お答えいたします。国会の議院警察職の給料表は、大体におきまして公安職の給料表と同じ部分を採用して作成してございます。それでその場合に、学歴といたしましては高校卒、短大卒、大学卒の人たちを採用するわけでございますが、ただ、公安職の場合と議院警察職の場合とは、そのたてまえを異にいたしておりまして、公安職の場合では、大学卒で国家試験に合格した人については、これを直ちに幹部として採用いたして、したがって、俸給につきましても相当高く格付けされております。議警職の場合におきましては、大学卒の者についてこれを直ちに幹部として採用するかと申しますと、そうではなくして、高校卒も、短大卒も、大学卒も、すべて一様に扱って勤務せしめておるわけでございます。その間に、大学卒だけを特に幹部として勤務せしめるというようなことばないわけでございます。したがって、公安職の場合には、いきなり幹部として採用され、勤務させますために、そういう高い号俸が支給されるわけでございますけれども、国会の議院警察職の場合には、そうでないために、公安職のように高い給料ではなくて、その間に差異があると、こういうことになっております。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) そういう考え方自体が国会独自で判断すべき問題じゃないですか、幹部になるから、国家公務員の場合は甲乙というような分け方をして、大学卒についてはそういう分け方をしておりますが、それも私は問題があると思うのです。しかし、ここで私は一般の公務員のことは言いませんが、国会の場合は大学を卒業してきてやはり国会の警察、警務関係を扱う職員としてやる以上は、大学を出てくれば幹部になるという考え方で格づけしても間違いないんじゃないですか、それは何か大蔵省かその他の方面から牽制があるのですか。

二見次夫人事課長

○参事(二見次夫君) 別に外部から牽制というようなことは何もございません。いま申し上げましたように、公安職の場合においては、大学卒で国家試験に合格した者をいきなり幹部として採用する、こういう制度になっております。国会の議院警察職の場合にはそういう特別な扱いをしないで、高校卒も短大卒も大学卒も同じような扱いとして採用する、ただ、将来大学卒の人が有能であれば幹部になるということもあり得ることでありますが、当初からそういう扱いをしない、そういうことになっております。ただ、これは制度として非常に重要な問題でございまして、どういうふうな制度にするかということは、これまでも衆議院の事務局とも何回かこの問題については相談をいたしたこともあるわけでございますが、まだ結論に達しておりませんし、将来衆議院の事務局とも相談いたして検討いたしてまいりたいと思っております。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) その考え方、われわれ全く理解できないんですがね。国家公務員の給与の設定というものはきわめて階級的概念が入り込んでおるんですよ。われわれが言うのは一等級であろうが、二等級であろうが、三等級であろうが、等級の職階ということより給与ということに重点を置いておるんですよ。したがって、われわれは院で考なえければならないことは、一般のそういう公安職であれば出世の道というものはあるいはおのずからあるでしょう。しかし院内では、この狭い職場ではそういう望みというものはほとんどないんですよ。ここにも班長とか副長とかいう階級を持っておるようですが、それはまあいいといたしまして、それとてもほんのわずかの範囲のいわゆる職階であって、そんなものはわれわれ問題ない。ただ、われわれ格づけをやましく言うのは給与の問題なんです。それを公安職の幹部職員になるコースであるからそれと差別するのだという考え方は根本的に間違いだと思うのです。いま言われた大学卒だけじゃないでしょう、短大も高校卒についても公安職から見るとおのおの格づけが変わっているんじゃないですか、その点どうなっていますか。

二見次夫人事課長

○参事(二見次夫君) 高校卒につきましては同じでございます。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) それと、いまの言ったやつはどうですか、そういう考え方で今後格づけについては、衛視については公安職と同様に考えると言うことで了解していいですか。

二見次夫人事課長

○参事(二見次夫君) 私たちにとりましてはきわめて重大な問題でございまして、衆議院の事務局とも相談いたしまして十分検討いたしたいと思います。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) 衆議院のほうはどうですか。

大久保孟衆議院事務局庶務部長

○衆議院参事(大久保孟君) いま参議院の人事課長から御答弁がありましたとおり、大きな制度上の問題でございますから検討さしていただきたいと思います。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) 私はそんな大きい問題とは思わないんですね、どこでそういう考え方を持ち込まれたか知りませんが、われわれ内閣委員会で、給与問題では論議するんですが、院としては独自の判断で、何もそれをやったからといって衛視の状態が変わるじゃなし、給与が一号俸高く採用されるということで何も――予算の問題はありますけれども、制度上の問題としては、私はそう大きな問題じゃないと思う。それが国会の警察職が公安職員との間に人事交流をやるとか、そういう一つのものがあればいいけれども、片っ方は一般職の公務員である、片っ方は特別職である、厳然としてそこに範囲が分かれているのだから、制度上の大きな問題として考えておらないのですが、これはやっぱり予算の関係、金の問題につながった検討はよろしいが、制度上の問題として考えるというその理由はどこにあるんですか。

二見次夫人事課長

○参事(二見次夫君) 予算の面の問題ではないのでございまして、従来同校卒、大学卒の間にそれほどの厳然たる差別、画然たる差異というものを設けていなかったのでございますが、それを今度改めて、公安職の大学卒の試験合格者と同一に議警職の大学卒の採用者を格づけするということになりますると、従来とはよほど変わったたてまえをとることになりまして、いままで同じに扱われていたという部内の空気にも差別を生ずることがどういう影響を及ぼすかという、そういうこと等をもしさいに検討しなければならないと存じます。そういう意味で制度を変えるということについて相当重大に考えておると、こう申し上げておるわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) 私の言うのは、大学卒だけの格づけを上げるということを言っておるのじゃないんです。一般公安職より若干こちらのほうが優遇といいますかよくなるかもしれませんが、全部やはり均衡をとった独自の議院警察職給料表というものをつくれ、こう言うんです。なぜそう言うかと申しますと、これも次に質問しますが、四等級、三等級、二等級というおのおの職階をつくっているんです。平衛視、それから班長、副長、それから一等級の衛視長ということになっておるようですが、これもわたりがきわめて厳重だということを聞いておる。そうすると、狭い職場におってわたりが十分ない、平から班長になるといってもなかなかなれないということになると、一般公安職は多数の職場を持っておりますからそういう役付になれるし、そういう職場というものは非常に融通性がある。そういう場合から考えると、初任給からも優遇をし、わたりもやはりある程度緩和して、そうして職務に専念してもらうということは、院の警察職遂行の上に私はいい結果を及ぼすと思うんです。その点どう考えられますか。もう院内の警察職というものは、公安職から見ると警察職務はきわめて低いものである、こういう考え方でおられるんですか。

二見次夫人事課長

○参事(二見次夫君) 国会の議院警察職が公安職に比べて低いものであるというようなことは決して考えておりません。議警職の給料表のことにつきましては、私たちも従来ともこれには衆議院事務局とも相談いたしまして、いろいろ検討を加えておる過程にあるわけでございます。いま先生のおっしゃったようないろいろな点を考慮いたしまして、衆議院の事務局とも十分検討いたしてまいりたいと思います。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) 私は国会職員全般についても言えることだと思いますが、一般の国家公務員の給与表に準ずるということはいいんですが、院は院として重要な役割りを持った職務でありますから、必ずしも私は、国家公務員の給料に基準を置いても、ある程度それを伸ばした形で設定したとしても、一般国民の非難を受けることは私はないと思うんです。特に国会というところは人にわからないような苦労をして仕事をやっておられるんです。一般行政職であればこれはうまみのある仕事が多いですよ。こう言うと非常に語弊があるかしれませんが、一般行政職はそんなに毎日苦労するというような仕事はない、国会は国会議員というきわめて重要な仕事をしておる人々が、こういうことを私から言うとどうかと思いますが、一人々々が主人なんですね。そういう人をかかえての仕事というものはなかなか苦労があると思いますね。しかもそれが一つ間違うと、日本の国政に大きく影響するというような重要な職場を持っておるというような人については、私は特にず抜けた優遇をせよとは言わない。しかし、みんながやはり国会職員である、責任を果たさなければいかぬという、これは廊下を掃除しておられる方々も一緒ですよ、また皆さん方国会の職員の幹部の方々も一緒だと思うのです。そういう意味において、ある程度合理的な判断をできるような私は号俸表というものと格づけとわたりというものを考えてもらいたいと思うのですが、それについてもう一回お聞きしておきたいと思うのです。

二見次夫人事課長

○参事(二見次夫君) ただいまの先生のおことば、十分考慮いたしまして検討いたしてまいりたいと思います。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) もう一つ、衛視について聞いておきますが、衛視の場合でも臨時衛視制度というものはあったのですか、この点について。

二見次夫人事課長

○参事(二見次夫君) これまで臨時衛視が国会の開会中置けるという規程がございまして、臨時衛視というものを置いたということがございます。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) 現在置かれないのですか。

二見次夫人事課長

○参事(二見次夫君) 参議院事務局におきましては現在五名程度残っております。それ以前にはもっと多くの人数があったのでございますが、順次これば定員の中に入りまして、現在では五名程度でございます。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) 事務総長は退席されたのですが、この衛視職、いわゆる、一般には公安職というものの臨時ということの考え方自体、私は誤りだと思うのですね。一つの警察権を持つ職員が臨時だというようなことは、私もあまり知らなかったのですが、みんな同じ服装をされておるからどれが臨時かわかりませんが、権威がなさ過ぎるのじゃないですか。

宮坂完孝事務次長

○参事(宮坂完孝君) お答え申し上げます。国会の臨時職員につきましては、帝国議会以来、長い伝統でございまして、開会、閉会の差の非常にきびしかった帝国議会時代のこともさることながら、新国会になりましても、そこに多分の差があるというふうな考え方で臨時職員を使ってまいりましたが、国会が最高機関として、いよいよ実績を発揮することになりましたにつれて、閉会中にも開会中に劣らざる仕事があるという現状になりましたわけですから、大蔵省の特段の御配慮をいただきまして、警務職員以外につきましては前々年全部臨時職員を解消いたしました。議院警察職につきましては、いろいろな衆議院との連絡もございまして、予算の査定されるつど、大蔵省にお願いしてまいりましたが、ようやく特段の御配慮を得て、衛視の開会中の期間を限っての採用を解消いたすような方向で善処し得るような情勢に相なりました。この点を御報告申し上げまして、毎年御配慮賜わっておりました先生方に感謝いたす次第でございます。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) もう臨時衛視というようなものは、早く本採用にしてもらって、そして衛視の先ほど申しました初任給格づけから、それから四等から三等、三等から二等、あるいは一等ということは、なかなか問題があるかしれませんが、そういうわたりを十分運用でひとつ、みなに私は三等級、二等級という名前をやれと言うのではなくして、残念ながらいまの国家公務員の給与表は、職階級がきついから、等級が変わらなければ給料は上がらないという制度であるから私は言うのですが、その趣旨をくんで、その意味で運用を今後十分考えてもらえるかどうか、その点だけ衛視について最後にお聞きしておきたいのです。

二見次夫人事課長

○参事(二見次夫君) 衛視の職につきまして、これは執行職という特殊な性格からいたしまして、職階による指揮系列があるわけでございます。したがって、それぞれの職階における定数というものは割合弾力性ないわけであります。しかしながら、号俸がだんだん高くなっていけば、これを定員がないからといっていつまでもこれを昇格せしめないというようなわけには参りませんので、その点に配慮いたしまして、暫定定数というような制度を活用しまして昇格するように、運用の面でも十分配慮いたしております。今後とも考慮していきたいと思っております。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) 次に速記職についてちょっとお尋ねしますが、この速記職給料表というものは、これは一般の国家公務員の給料にない給料表なんですが、これは前、大体一般行政職の一表で運用されておったと思うのですが、この一等級から六等級までつくられておるのですが、速記職、これはまあ私は技術を重点に置いた職種だと思うのですが、一等級から六等級というようなきわめて多い等級に分けられたというのはどういう趣旨なんですか。

二見次夫人事課長

○参事(二見次夫君) 速記職はこれは特殊な技術を必要とする職種でございまして、その技術を基礎といたしまして速記士補、速記士、主任速記士、副監督、監督という、こういう職階に分かれているわけでございます。それぞれのいま申し上げました職種に応じて一等から六等までがあるわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) いろいろ言われましたがね、速記にそれほど階級が必要であるかということ、私はしろうとですからわからないのですが、やっぱりこれは官庁に準じた考え方が出ておるのではないかと思うのですが、速記というものは熟練の度合いによってこれは給与が変わるということは一応わかるけれども、そんなに職階でこれを規定するというのは、私は常識上考えられないのですが、これをもっと等級を短縮して三等級ぐらいまでにしてやれば私は運用できると思うのですが、そうはいかぬのですか、国会の場合。

二見次夫人事課長

○参事(二見次夫君) 速記という仕事の点では同じではないかというようなことも一応は考えられるわけでありますが、やはり速記の技術にはいろいろ段階がございまして、必ずしもそのように簡単に二つや三つに分けるというわけにもいかないかと存じます。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) いま言われましたが、六等級から五等級、四等級、三等級、二等級、一等級にいく資格というか、経験年数というか、大体速記をする人の場合は学歴じゃなくして速記の試験を受けてその資格を取った人が入ってくるのですね。したがって、その初任給はここでもきめられておるようですが、それから五等級、四等級、三等級、二等級、一等級にいくというその経過はどうなっているのですか、簡単にひとつ説明してください。

二見次夫人事課長

○参事(二見次夫君) お答え申し上げます。速記士補を一年やりまして、五等級でございます。そして速記士になります。そして速記士を三年間やりまして主任速記士になります。それから主任速記士を七年間やりますと二等級の副監督になります。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) 速記士補は五等級ですか。

二見次夫人事課長

○参事(二見次夫君) さようでございます。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) 六等級は。

二見次夫人事課長

○参事(二見次夫君) 六等級というのは実際には運用していません。五等級を一年間やりまして四等級になり、それを三年間やりまして主任速記士になり、それから七年間やりまして今度副監督になり、副監督を五年やりますと一等級の監督になると、こういうことになっております。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) そうすると、速記士補の初任給はいま格づけでは五等級の何号俸になっておりますか。

二見次夫人事課長

○参事(二見次夫君) 五等級の二で一万七千百円。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) この場合は学歴というものの要素は、初任給格づけには基準には入ってないわけですね。

二見次夫人事課長

○参事(二見次夫君) はい、関係ございません。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) 年令もそれに入ってないですね。

二見次夫人事課長

○参事(二見次夫君) 入っておりません。関係ございません。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) そこで時間がだいぶ過ぎてきましたので……。前には一等級の場合、国家公務員の三等級すなわち各省課長級の待遇をしておったのですが、速記職給料表ができてから国家公務員の三等級からだいぶ落ちているような数字が出ているのですが、これはどういうわけですか。

二見次夫人事課長

○参事(二見次夫君) 昭和三十二年に給与制度の改正がございまして、現在のような八等級制度に変わりましたが、それ以前はいわゆる十五級制度というものがございました。その場合にこの十五級制度というのも職階制のたてまえはとっておりましたけれども、必ずしもそれに徹底したものではなかったわけでございまして、たとえば課長補佐につきましては八級から十二級までの間に格づけし得るというような状況であったわけでございます。そして課長は十二級以上であったわけでございます。そこで監督の身分というものがどこに位するかと申しますると、課長でないわけでございますから、課長の下であり、課長の補佐の身分になるわけでございます。そこで課長補佐である監督が十二級までは格づけされ得るわけでございますが、それが無制限にそれでは十二級になれるのかというと、そうではなくて、その当時新給与実施本部というものがあったわけでございますが、そこと国会の事務当局とが協定いたしました際に、「一課に三名程度課長と同格とみなされるものは個別的に協議の上新給与実施本部長の承認を得て本人に限り十二級とすることができる」と、こういう覚え書きを取りかわしているわけでございます。これに従いまして運用が行なわれたわけでございますが、その場合にちょっと考えると、常に、三名の者が監督、常に三名は十二級の課長と同じ待遇になれるのだと、こういうふうに思いがちでございますが、そうではなくて、監督のうち本属長がその経験や能力等をいろいろ考慮して十二級に格づけし得るかどうかということを認定し、なれると認定した者についてさらに新給与実施本部長と協議して、給与実施本部長のほうでもそれでよろしいという承認を与えた場合に、その本人に限って十二級にすることができると、こういう制度であったのでございます。そういうふうにして十二級の監督がいたわけでございますが、昭和三十二年の給与制度の改正によりましてこの現在の八等級制度に変わりましたために、そういう従来の取りきめというものは自然解消になり、また、新給与実施本部というものもなくなっているわけでございます。それでこの八等級制度に変わってからどういうことになっているかと申しますと、速記職給料表の一等に格づけされている監督は、これは課長補佐としての、号俸では最高でございますが、さらにその上の今度は課長の受ける号俸である行政職(一)の三等のところまで監督も格づけし得るようにいたしまして、これがいわゆる暫定定数制度というのでございますが、これによって現在でも速記監督が八名ほど行政職(一)の三等に格づけされております。したがって、その実質においては十五級制度の時代の課長と同格の者がいたというその実態は、現在でも同じ扱いがなされておるわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) 昭和三十二年の、あのいわゆる十五等級制から八等級制に変わったというその趣旨は、若干国会の皆さん方、これは大蔵省と、あるいはその他と打ち合わされたと思いますが、あれは、あの場合は三等級以上を非常に優遇しようという趣旨で変えられた。課長級以上は非常に優遇されるということで変えられたものですよ。国会の場合はせっかくそれに位しておった者が逆に落とされた形に、実際は格づけで調整していると言われますが、給料表自体を見るとやはり落ちておりますよ。したがって、私は、給料表はやはり三等級、国家公務員の三等級と同様な一等級をつくって、それを基準に私はこの給料表を作成しても、速記職というのはきわめて特殊な技術を要する一つですから、私はそうすべきが妥当であったと思うのです。三等級の一号を比較いたしましても五千円ほど低くなっておりますね、一等級から見ると、速記は。この点はどうも私も最近発見したのですが、この点はやはりもとの国家公務員給料表の一般職一表――行政職一表の三等級に改めて、そしてそのほか二等、三等、四等、五等、六等というものをおのおの変えても不合理でないと思うのですが、その点どうですか。検討される余地はないのですか。

二見次夫人事課長

○参事(二見次夫君) 速記職給料表の一等はほぼ行政職(一)の給料表の四等に該当するわけでございますが、その内容は速記職給料表の一等級の号俸のほうが行(一)の給料表の四等に比べて高いと思っております。ただ、いまおっしゃいました速記監督のうちで課長と同じ待遇の行(一)の三等に格づけされた人は、行政職給料表の(一)給料表の三等そのまま適用するわけでございますから、課長と同じ待遇になるわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) ぼくの言っておるのは、速記職給料表の一等級を行政職の一表の三等級で、それで表をきめて、運用の問題では、これは一号から十六号まであるのですから、これは運用は幾らでもできる。国家公務員の場合でも四等級では最高六万幾らもいけるし、その運用はできるけれども、何も十五階級から八等級に分かれたからといって、別に四等級相当に引き下げる必要はなかったんじゃないか、こういうことですが、それはどういうわけなんですか。国会の職員の一般職、つまり行政職一表の方々との均衡上、速記の場合は均衡上いかないという考え方から落としたんですか、その点はっきりしてもらいたいのです。

二見次夫人事課長

○参事(二見次夫君) 職階から申しまして、速記監督は行政職(一)の事務系統の場合にどこに位するかといえば、これは課長補佐であると思います。行政組織の中の部課におきまして、課における最高の地位というものは課長でございますし、その速記の課長の下に監督というものがあるわけでございまして、職階から言うと、課長の下の課長補佐に位すると思っております。そこで、その速記職の一等級にある監督は課長補佐でございますから、行(一)の給料表の課長補佐の受けるところの等級というと、行(一)では四等級でございますから、まず大体ここと均衡をとるということが考えられます。ただ速記職は技術を必要とする特殊な職であり、その技術ということを相当高く評価されまして、行(一)に比べてもこれは従来とも高い号俸の格づけが行なわれているわけでございます。したがって、行(一)の四等と相当の職階とは申しますけれども、行(一)の四等の号俸に比べると速記職の一等のところはそれよりはやや上であると思っております。ただ、速記職の給料表につきましてもいろいろ問題はあると思っておりますので、今後のやはり検討すべき課題だと考えております。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) 速記職はもう課長になれぬという考え方それ自体私は問題があると思うのですが、しかし課長は課長一般の三等級で格づけして、速記職は速記職として一等級にその号俸をつくっても、あるいは速記の監督は課長より給料が高い場合があるかもわからぬ。これはいいじゃないですか。これは特別職、速記職という特別な技能の職ですから、課長より給料が高くなってはいかぬというわけじゃない。しかも実際の格づけでは、実際低くしていると思うのですが、給料表まで速記職は課長よりも低い四等級でこれはならすんだという考え方自体に私は問題があると思うのですよ。したがって、前にそういう一応の課長級の、十五の階級のときに、課長級のやつでやっておったのならば、それに同等な三等級と同じ給料表をつくって、しかもそれが速記職の一等級ですから、その上に課長という職制があるようですから、その課長が行(一)の三等級へ格づけしておったら、別に何も不合理はないでしょう。その点は検討できませんか。

二見次夫人事課長

○参事(二見次夫君) 速記職の給料表も検討いたしたいと思っておりますが、ただ先ほども申し上げましたように、以前に課長と同じような待遇をする者一課について三名限り待遇すると、こう言われていたわけでございますが、したがって、速記監督が、全部課長と同じ号俸を適用するということにはなっていないのでございまして、速記監督の中で一定の条件を備えた者何名かを課長と同じ扱いができると、こういう定めでございます。したがって、その趣旨は現在でもくまれておりまして、速記監督の中の一定の条件を備えた者何名かが、課長と同じく行政職(一)の三等級に格づけされて、同じ給料表が適用されていると、こういうことでございます。

加瀬完日本社会党

○主査(加瀬完君) ちょっと問題を整理してみたいと思いますが、衆参両院の速記職は特別な技術関係の職であるからということで、優遇のためにいろいろ等級別にしたというような御説明なんですね。ところが、山本委員の御指摘は、それが結局速記職の一等級といったところで、一般職の課長級の俸給よりも俸給表は低いじゃないか。だから特別な技術を優遇するというならば、一般職の課長より速記職の監督が上の俸給になったっていいじゃないか。そういう点で、もっと考慮の余地がないのか、こういうような点ではないかと私は思っておったんです。課長さんの御説明は、いまでも速記職を優遇しているという御説明なんだけれども、優遇が優遇になっておらないというこちらの御指摘に対しては何もお答えになっておらない。その点を考慮の余地がないかということなんですから、はっきりそれをお答えいただきたい。

二見次夫人事課長

○参事(二見次夫君) 速記職の優遇ということについて、現在の給料表をもっと検討してみろと、こういうようなお話だと理解いたします。で、私たちといたしましては、先ほど来申し上げましたように、やはり職階制の制度のたてまえということを考えますと、速記監督は課長補佐であると、こういう立場に立って給料表を作成しているわけでございます。しかし、その場合も、行(一)の課長補佐と同じような扱いにはしないで、やはりその技術を高く評価いたしまして、行(一)の課長補佐よりは高く号俸を定めているつもりでございます。しかし、いま山本先生のおっしゃったように、速記者の技術というものをもっと高く評価して、もっと優遇するために給料表の改正ということを考えてはどうかと、こういうようなお考えのように拝聴いたしましたが、いま申しました制度のたてまえとそれから技術を優遇するという、この二つの立場をどう調整するか、この辺のことはきわめて重要な問題でございまして、やはりこの点も衆議院に同じく速記者がいるわけでございますから、衆議院とも十分相談いたしまして、今後検討していきたいと思っております。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) それでは時間もだんだんたってきましたので、今度はちょっと本俸の問題を離れまして、まかない雑費というものを先ほどちょっと説明がありましたが、特に国会は、国会の都合で深夜に及ぶとか、そういうことで超勤の別にまかない雑費というものを出されておりますが、これは予算をちょっと見ますると昨年よりも若干落ちるような予算措置をされておるんですが、これは話を聞きますと、昨年よりもっと増額するのだということを言われておったようでありますが、この点どうなんですか。

佐藤吉弘管理部長

○参事(佐藤吉弘君) 昨年とおっしゃいますのは、三十七年度の……。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) いや、本年度三十八年が三十九年より、ことしより来年度落ちるじゃないかということです。

佐藤吉弘管理部長

○参事(佐藤吉弘君) まかない雑費につきましては、従来から規定がございましたが、予算上は明確な措置がとられておらなかったわけでございます。で、庁費の中から余裕金額をもちましてやりくりで支給をしておる、こういう状況でございました。三十八年度に、そういうことでは、毎年庁費のやりくりということではたてまえがおかしいということで、三十八年度にはじめて立目いたしまして一人三千円ということで積算をいたしたわけでございます。三十九年度におきましてもその金額と同じ積算をいたしておるわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) まかない雑費はこれは文字の示すとおりこれはまかないですから、物価も上がっておるのですが、これは本年度と来年とは同額ということですか、少し上げる必要があるのじゃないですか。

佐藤吉弘管理部長

○参事(佐藤吉弘君) まかない雑費につきましては、三十八年度と九年度は同額ということになっております。

加瀬完日本社会党

○主査(加瀬完君) だからそれを上げる必要があるじゃないかと聞いておる。

佐藤吉弘管理部長

○参事(佐藤吉弘君) これは物価の上がりということもございますが、先ほどから総長もお答えになりましたけれども、国会職員の給与の中で、国会特別手当及びまかない雑費というものは国会職員に限って特殊なものであるわけでございます。それから超過勤務も一般の国家公務員に比しまして相当多額についておるわけでございます。それで国会職員の待遇につきましては、三十九年度予算につきましては、このまかない雑費及び国会特別手当、それから超過勤務手当、そのいずれかを増額すべく折衝いたしたわけでございますが、その中で超過勤務手当を八時間分だけ増額するということで大蔵省との間に話がきまったわけでありまして、そういう三本の柱の一つを増したということで他は据え置いた、こういう事情になっておるわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) 超勤が八時間増したというのはどういう意味ですか。超勤手当の八時間増したというのは。

佐藤吉弘管理部長

○参事(佐藤吉弘君) これは国会特別手当を増額してくれという要求を終始いたしておったわけでございますが、国会特別手当の〇・〇五カ月分が超過勤務手当の八時間分に相当いたしますので、予算の技術上の問題もございまして、超過勤務手当八時間ということが国会手当の〇・〇五カ月分に相当するものとして八時間分を増額したわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) 八時間、この国会の超過勤務手当というものはどういう方法で出されておるのですか。それはまかない雑費とか国会特別手当といわれておるのですが、それとこれとは同様な趣旨で、同様な形で本人に渡るのですか。

佐藤吉弘管理部長

○参事(佐藤吉弘君) 先ほどから申し上げましたように、一般職の国家公務員にないものがこれだけあるわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) それはわかる。超勤の場合……。

佐藤吉弘管理部長

○参事(佐藤吉弘君) 超過勤務手当は毎月勤務の状況に応じまして開会中は相当多額に、閉会中は額は落ちますけれども、勤務の状態に応じて支払われるものでございます。  それから特別手当は、これも勤務の状況にはよりますが、国会の閉会後にその前の年を含めまして開会の勤務の状況に応じまして支給されるものでございます。これは大体一人当たり〇・五カ月分でございます。  それからまかない雑費はこれは夜食をまかなうという意味で一律に支払われるわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) 超勤手当を八時間ふやしたということは必ずしも私の言っておるまかない雑費がふえたということの意味とは同様ではないのですね。趣旨は違いますね。

佐藤吉弘管理部長

○参事(佐藤吉弘君) さようでございます。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) 超勤の八時間ふえたということは、これは実態からふやさざるを得なかったと思うのですが、国会も実際本人の超過勤務の時間数だけ厳格に支払っておりますか。

佐藤吉弘管理部長

○参事(佐藤吉弘君) 超過勤務手当が実際の勤務よりも少ないということは、勤務に支給するだけ額がないということは、各省ともこれは同じでございますけれども、本院におきましては相当時間数がよけいについておりますので、各省に比しますればその足りない度合いは少ないと、こういうふうに承知しております。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) 国会の場合は何時間ついているんですか。

佐藤吉弘管理部長

○参事(佐藤吉弘君) 年間で三百十五時間、今度、三十九年度におきましてはそれにプラス八時間ということになります。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) そうすると、三百二十三時間ですね、国会では。一般公務員の場合は何時間だということを言っておりますか。

秋吉良雄大蔵省主計局主計官

○説明員(秋吉良雄君) 各省によって若干の相違はあろうかと思いますが、私が聞いておりますところによりますと、大体本省につきましては月平均十八時間が多いように聞いております。したがいまして、年間に直しますと二百時間程度ではないかと思います。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) 平均十八時間ですか。大体二十三時間くらいに私は見ておるのです。しかし、それにしても国会は若干多いということを言われておるのですが、これは私は職場の実態からいって、もう少し大蔵省も考えなければいかぬと思うのですね。各省の超過勤務というものは、これは各省の公務員の場合、出張があるから私はそう言いませんけれども、やはり国会の場合の超過勤務というものは全く国会の都合で避けられない事情が御存じのようにあるのですね。したがって、この点から見ると、実際問題でこれは国会の関係者に聞きますが、三百二十三時間になって実際の超過勤務の何割に当たりますか。

佐藤吉弘管理部長

○参事(佐藤吉弘君) 正確に現在数字を持ち合わせませんので何割と申し上げるわけに参りませんが、開会中に特に深夜に及びまして、特に超過勤務手当が足りないという場合には、昨年の場合でも二十数時間分を別にもらっておるわけでございます。したがいまして、これは通常の国会の運営がなされた場合の超過勤務手当でございますから、状況によりましてはこのままではないということでございますので、必ずしもそう勤務の実績に比しまして非常に足らないというわけではないわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) これはもう超勤の問題は、これは非常にどこでも問題になるのです。これは実際どっちかといったら、公務員の場合は若干問題は別ですが、これは労働基準法違反ですからね。超勤をさしておいて、それに対する代償を、賃金を払わないということは、これは全く違反です。これはもう大蔵大臣も認めておるのだから、この点はひとつ完全に支払うようやってもらわぬといかないのです。これはもう国会職員だけでない、一般の職員全般ですが、特に国会の場合はその点は完全に払うようにこれはできないものですか。これは大蔵省もおられますが……。

加瀬完日本社会党

○主査(加瀬完君) どなたがお答えになりますか。

佐藤吉弘管理部長

○参事(佐藤吉弘君) 念のために申し上げますが、先ほど申し上げましたのは、国会の会期が延長がない、あるいは臨時国会がない場合の基準でございまして、国会が延長になりあるいは臨時国会、特別会等がございます場合には、その分は、開会中の分として、別に増額されるわけでございます。したがいまして、三十七年度におきましては、実行三百七十四時間、三十八年度におきましては、四百四十八時間になる見込みでございます。これでほぼ従来完全に超過勤務に対しては手当を支給しておるのでございまして、山本委員のおっしゃるほど、その超過勤務に対して超過勤務手当が支給されていないという事態はないわけでございます。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) いやそれならそれでいいんですよ。もう払っておるということになれば。それは別に三百五十時間であろうと、四百時間であろうと、二百五十時間であろうと、それをどうこう言うのでない。超勤しておるのに払っておらないというような意味の答弁をされるから、私が言っているだけであって、完全に払っておるならそれでけっこうです、当然のことであるから。それを言われたことで、これはこの問題は解決するのですが、ほんとうに払っておるし、払うということの方針でいままできておるし、現実に払っていることに間違いないですね、この点だけ……。

佐藤吉弘管理部長

○参事(佐藤吉弘君) 先ほどちょっと私のことばが誤解をいただいたかと思いますが、超過勤務に対しましては、従来からも完全に支給をいたしておりまして、将来も十分超過勤務に対しては完全な支給をいたす方針でございます。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) 私が聞いた場合に、国会の場合、そう言われて、私は調べてないですからわからないのですが、国会図書館の場合、立法調査局なんかでは超勤が完全に払われてないやに聞くのですが、その点はそういうことはないですか。

岡部史郎国立国会図書館副館長

○国立国会図書館副館長(岡部史郎君) 国立国会図書館の超過勤務の場合におきましても、実働に対しまして、すなわち勤過勤務を命じました実働に対しまして超過勤務手当を支払わないということはございません。なおあらかじめ念のために申し上げておきますと、国会図書館の超勤予算は一人当たり年間を通じまして、昭和三十九年度におきましては、二百二十一時間の割り当てになっております。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) それであればまことにけっこうです。一般国家公務員の場合は、これは大蔵省の主計官おられますが、実際の実働で五割ないし、七割ぐらい支払われておったらもうこれはいいほうだといわれておるのですが、国会の場合はそれほどきちんと超勤についてやっておられるということについてはいいんですが、間違いないということを確認してこの問題を終わります。  最後に、もう一つ、ひとつ聞いておきたいのですがね、国会で昨年ですか本年度ですか、勧奨退職を強要――、強要といいますか、やられたようでございますが、その実態はどうなっておりますか。

宮坂完孝事務次長

○参事(宮坂完孝君) 勧奨退職の件につきましては、ここ七、八年の経緯を経てきておりますが、一般の職員は年齢六十三歳、それから用員室勤務の職員及びそれに準ずる職員につきましては、六十七歳をもって退職していただく、こういうような制度で実施しております。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) その場合に、方法の問題ですが、大体私は国会職員のそういう人の該当者を聞いたんですが、特殊な人が多いようですね。したがって、年齢からいうと相当高い年齢であるが、勤続年数もほとんどない、そういうことで退職金はほとんど問題でない。それでとてもやめてしまうと身寄りもないというようなことで、そういう人が相当あったようです。その際に本人はどうしてもいかないという場合は、これは勧奨ですからやめさせるわけにいかないと思うのですが、その場合、家庭まで出かけていって家の人からくどいてやったというような、われわれでいうとどうもやり方としてはおもしろくない方法でやられたということですが、そういうことはあるのですか。

宮坂完孝事務次長

○参事(宮坂完孝君) 高年齢の職員を退職願うということは、まことに、その取り扱いについては十分慎重なる温情のあるやり方をしなければならないことは申すまでもありませんが、前々回でしたか、分科会でも御注意をいただいておったわけでございまして、われわれのこの件を決する部長会議におきましても、特に総長からこの点については再度強調されておるところでございまして、特にその直接折衝に当たりました者は、まあ官庁の制度でございますから課長補佐とか課長とかいろいろな過程を経てくるのでございますが、とりわけ部長が直接担当するようにという総長命令も出ておるわけでございまして、この点については十分慎重にして温情のある取り扱いを私たちもやっておるつもりでございますが、何ぶんいろいろな経緯もございまして、御質問のようなことを一、二度私たちも身をもって経験いたしました。しかしながら、最近の実例を私は見ますにつきましては、六十三という年齢を切る職員についてはそういうケースはあまりないのでございまして、特に六十七歳をもって切る年齢についても、こういう点につきましてはいろいろなケースをわれわれは持ったわけですが、むしろ私といたしましては、その家庭なりいろいろな条件を勘案いたしまして、むしろ黙って辞表を出してくれる職員のほうにも何かあるこみいった事情がないかどうかということを私たちは心配しているわけでございまして、特にいろいろなケースが起きた事件につきましては、本人の家庭事情を十分私たちは掌握いたしておりましたので、一、二家庭についてお話し申し上げたこともあるやに聞いておりますが、それらのケースにつきましては、私たちといたしましては、明日路頭に迷うような家庭に出張いたしまして辞表を取ってくるようにという、そういう残酷なことは絶対にないのでございます。特に私はこれについて申しげ上たいのでございますが、本院の部課長は短きは二十年、長きは三十年、四十年の経歴を持っておる職員でありまして、そういうような非人道的な処置をいたす部課長は一人もいませんことを申し上げておきます。

山本伊三郎日本社会党

○担当委員外委員(山本伊三郎君) 長い間いろいろと質問いたしまして、いろいろと確約と申しますか、御答弁を願ったのですが、私はこの質問の冒頭に申し上げましたように、国家公務員給与とか、そういうものについては、われわれもたびたび本院でも論議をしてきたのですが、国会職員については、自分らの足元であるにかかわらず、あまり自分らもこれについて、関心――関心ではなしに、知らなかったということは非常に残念だったと思います。まあ私は、国会職員については、一般国家公務員よりも特別職として優遇されておるという考え方でいままでおったわけです。というのは、こういう特殊な職場です。私も議員の一人でありますけれども、ほかの官庁に行くと、こういうことを言うとどうか知りませんが、それの統率者は大体一人です。まあ大臣は別として、課長とかあるいは局長一人ですが、国会の場合は、参議院では二百五十人という主人公をかかえておる。仕事自体も非常に私は気を使っておられると思うのです。われわれも実はそう思っているけれども、おのおの一人々々が国政に参画しているのですから、そういうことを気づかずに、まあいわば気ままな場合もあると思う。そういうものも不服も言わずに処理するということは、非常に私は職員としては、もう人間としても職務を通じて隠忍されておるということもあると思う。そういうことは、必ずしも給与に盛れとは言いません。言いませんが、そういう職場であるという考え方のもとに、私は全般的に言って国家公務員の給与よりもよくてもいい。特別職はそこに一つの存在価値があるという考え方から発言いたしました。きょうは大蔵省の主計官も見えておると思いますが、この点は十分これをお聞き願って、われわれが言うまでもなく、皆さん方でその点をぜひ善処されるように最後に要望申し上げまして、私の長い質問でございましたが、これで終わりたいと思います。

加瀬完日本社会党

○主査(加瀬完君) 他に御質疑のおありの方はございませんか。――御質疑もないようでございまので、以上をもちまして国会所管に関する質疑は終了したものと認めます。  午後は一時三十分より再開することにいたしまして、暫時休憩いたします。    午後零時十二分休憩    ――――・――――    午後一時四十八分開会

加瀬完日本社会党

○主査(加瀬完君) これより予算委員会第一分科会を再開いたします。  委員の変更がございました。豊瀬禎一君が辞任をされ、その補欠として亀田得治君が選任をされました。   ―――――――――――――

加瀬完日本社会党

○主査(加瀬完君) これより内閣及び総理府所管を便宜一括議題とし、説明を聴取することにいたします。まず説明を承ります。野田総務長官。

野田武夫自由民主党総理府総務長官

○政府委員(野田武夫君) 昭和三十九年度における内閣及び総理府所管の歳出予算案について、その概要を御説明いたします。  内閣所管の昭和三十九年度における歳出予算要求額は十八億六千二百七十八万一千円でありまして、これを前年度歳出予算額十五億九千九百八十六万円に比較いたしますと、二億六千二百九十二万一千円の増額となっております。内閣所管の歳出予算に計上いたしましたものは、内閣官房、内閣法制局、人事院、憲法調査会、国防会議及び臨時司法制度調査会の事務の執行に必要な経費であります。  次に、総理府所管の昭和三十九年度における歳出予算要求額は五千六百十六億三千七百三十万八千円でありまして、これを前年度歳出予算額四千九百六十四億九百六十五万八千円に比較いたしますと、六百五十二億二千七百六十五万円の増額となっております。  総理府所管の歳出予算に計上いたしましたものは、総理本府のほかに公正取引委員会、国家公安委員会、土地調整委員会及び首都圏整備委員会の四つの委員会と、宮内庁、行政管理庁、北海道開発庁、防衛庁、経済企画庁及び科学技術庁の六庁の外局に関するものでありますが、このうち、防衛庁、経済企画庁及び科学技術庁に関する歳出予算計上額三千五十二億三千四百九十四万六千円につきましては、他の分科会において御審議を願っておりますので、これらの部局以外のおもなる経費について以下予定経費要求書の順に従って事項別に申し述べますと、総理本府一般行政等に必要な経費二十八億九千百四十五万三千円、文官に対する恩給支給に必要な経費百八十四億九千百八十四万六千円、旧軍人遺族等に対する恩給支給に必要な経費一千二百二十二億四千九百五十六万七千円、沖繩援助等に必要な経費二十億三千五百五十三万円、警察行政に必要な経費二百二十七億四千百九万二千円、北海道の開発事業に必要な経費八百九億八千五百三十五万九千円、等であります。  次に、その概要を御説明いたしますと、総理本府一般行政等に必要な経費は、政府政策に関する広報活動の積極的推進、生存者及び戦没者等の斜勲、青少年対策の推進、対外経済協力の推進及び臨時在外財産問題等のための経費でありまして、前年度に比較して二億六千百三十六万八千円の増額となっております。  文官等に対する恩給支給に必要な経費は、恩給法等に基づいて退職した文官等に対して年金及び恩給を支給し、また国会議員互助年金法に基づいて退職した国会議員に対して互助年金を支給するための経費でありまして、昭和三十九年度におきましては、恩給金額改定の年令制限撤廃、琉球政府職員及び奄美群島教育職員の恩給是正、外国特殊機関の職員期間の通算等のための経費を新たに計上しておりますが、失権等に伴う減少がありまして、差し引き前年度に比較して七億八千八百四十万一千円の増額となっております。  旧軍人遺族等に対する恩給支給に必要な経費は、恩給法等に基づいて旧軍人及び遺族に対して恩給を支給するための経費でありまして、昭和三十九年度におきましては、恩給金額改定の年令制限撤廃、傷病年金受給者の妻に対する家族加給、特例扶助料の支給範囲拡大及び南西諸島における戦地加算算入のための経費を新たに計上しておりますが、失権等に伴う減少がありまして、差し引き前年度に比較して百五十億三千六百二十一万三千円の増額となっております。  沖繩援助等に必要な経費は、沖繩における農林漁業資金、土地改良事業、護岸、漁港等施設整備及び土地調査等の産業開発関係その他社会的福祉、医療、文教、技術関係の援助並びに南方同胞援護会に対する補助等のための経費であり、医療、文教等の援助経費につきましては、その執行にあたって必要に応じ、それぞれ関係各省の所管に移しかえて使用されるものでありまして、前年度に比較して四千七百三十八万一千円の増額となっております。  警察行政に必要な経費は、警察庁及びその付属機関並びに地方機関の経費及び都道府県警察費補助のための経費でありまして、前年度に比較して二十億四千八百六十四万七千円の増額となっております。  北海道の開発事業に必要な経費は、北海道における土地改良、農用地開発、漁港、住宅、林道及び造林事業等の経費と、治水、道路整備及び港湾整備事業等の経営に充てるための財源の各特別会計への繰り入れ金等であり、事業費については、その執行にあたってそれぞれ関係各省の所管に移しかえて使用されるものでありまして、前年度に比較して百二十七億八千九百九万六千円の増額となっております。なお、このほかに国庫債務負担行為として、総理本府におきまして光学式読み取り装置借り入れのため四千十三万円を計上いたしております。  以上をもちまして、昭和三十九年度内閣及び総理府歳出予算要求額として計上しております経費の説明を終わります。よろしく御審議あらんことをお願いいたします。

加瀬完日本社会党

○主査(加瀬完君) それでは、ただいまの説明に対し質疑のあおりの方は順次御発言をお願いいたします。  ただいま御出席の方々は、説明を終わりました野田総務長官、高辻法制局次長、人事院小林管理局長、総理府多治見会計課長、松永審議室長、三枝広報室長、岡田公務員制度調査室長、岩倉賞勲部長、大竹特連局長、臨時農地等被買収者問題調査室山野室長らでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 最初に沖繩問題につきまして若干お尋ねいたします。  沖繩問題のために日米協議会を作るということは、もともとはアメリカ側から言い出したことであり、もうすでに二年以上にもなっておるわけですが、一体これはどうなっておるのか、その経過並びに現況をまず説明を願いたいと思います。

野田武夫自由民主党総理府総務長官

○政府委員(野田武夫君) ただいまお話のありましたとおり、日米協議会並びに日米琉の技術協議会の設置は、アメリカ側からの提案でございまして、日本政府といたしましても、ぜひこれを実現いたしたいと思い、非常に歓迎いたしたのは御承知のとおりでございます。自来、この協議会を設置しますに至りますようにお互いの交渉が今日まで続いておりまして、その後実現を見ないことは、政府としても非常に遺憾に思っておるところでございますが、大体最近おそらく日本政府とアメリカ政府の問の交渉が妥結するという見通しは持っておりますが、まだその実現を見ておりません。したがって、これは主として外務省が交渉の相手になっておりますが、しかし、せっかくの御質問でございまするから、大体総理府でわかっております範囲内で特連局長からその経過の概要をお説明申し上げます。

大竹民陟総理府特別地域連絡局長

○政府委員(大竹民陟君) つけ加えて申し上げることもないかと思いますが、御承知のように、ずいぶん長い経過を経ておるわけでございます。最初にきっかけとなりましたのは、一九六二年の初めにケネディ大統領が沖繩の政策を明らかにいたしまして、経済的な復興については日本と協力していきたいということをはっきり打ち出されたわけでございます。その際の声明の中に、こういう問題については、日米今後協議していく適当な機関をつくろうということをうたわれたわけでございます。そのとき以来の研究でございまして、形式的には今日話が大体煮詰まりまして、まあ私ども外務省から聞いておりますところでは、もはや両国の間に基本的な問題として残されておるものは何ものもないというふうに聞いております。私どもも早くこれが成立することを期待しておるような状態でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 約二年以上かかっておるわけですが、どういう点が問題点となって今日まで延びたのか、その点を明かにしてほしいと思います。これは総務長官のほうでわかっているのじゃないですか。総務長官は交渉の対象じゃないのですか。

野田武夫自由民主党総理府総務長官

○政府委員(野田武夫君) 交渉の対象は、実は外務省でやっておりますので、つまり御承知のとおり、日本政府とアメリカ政府の話し合いでございまして、総理府の沖繩関係の特連局と、総理府と現地の沖繩の民政局とかあるいは高等弁務官というものとの折衝ではないのであります。しかし、大体非常に関連が深いのでございますから、一応は私どもも承知いたしております。そこで、延びている理由ということを御指摘になりましたが、実はこのケネディ大統領の声明以来、いま特連局長が申しましたとおり、特に沖繩の安寧と民生の向上をはかる、これにはどうしても経済力をつけなければならないし、その経済の援助をやる場合には、今後はつまりアメリカの援助プラス日本政府からも援助をするという形で、現在も経済援助は沖繩にやっております。そこで主としてこの日米協議会というものは、その日米の沖繩に対する経済援助を主眼としたものでございまして、次いで同時に設置されようとする日米琉の技術委員会は、その日米協議会の援助方針に基づいて、具体的に日米琉――日本とアメリカと琉球政府と話し合う、こういうような大体仕組みになっておる。そこでこの日米の協議会は、やはり主眼は何と申しましても、いま申しましたとおり、沖繩の経済的な発展、産業の開発、同時に特に民生の安定、さらに向上、こういうようなことが主としての考え方でございますから、日米協議会も当然この線に沿うて、これが実現しました場合には話し合いを進める。しかしその間に、たとえば施政権の問題とか自治権拡張の問題とか、あるいは教育に関する問題、いろいろ実は日本政府といたしましては、まあその主たる目的は経済援助が主でございますが、できるだけ沖繩住民の希望また沖繩住民の幸福をはかるために、あらゆる場所において、日本政府の意向を伝えたいという考え方は、これは当初から持っておったのでございまして、私どもは、日本政府としては当然の考え方だと思っております。これらにつきまして、アメリカといたしましては、もちろん日本政府がこういう希望やまたは要望することを拒否するものではございませんが、やはり正式に日米協議会ができますということにつきましては、やはりその間、これは正式の機関になりますから、アメリカといたしましても、念には念を入れて、その協議事項の内容、またはその運営その他につきましては細心の注意を払っておるようでございます。そういうことで、したがいまして、日本の外務省とアメリカの国務省の関係でやっておりますが、まあいろいろの協議会設置、日米琉の技術委員会、御承知のとおり従来は琉球政府の意向というものは、これは正式に発言するという機会がなかったのを、今度は正式にこれを日本とアメリカに発言するという、こういう協議会の形になるのでございますから、やはりそういうことを勘案して運営を円滑にやりたい、協議会が発足してすぐ運営についての疑義があってはいけない、こういうことを勘案いたしまして、きわめてアメリカ政府も慎重にやっているようなことを聞いております。しかし、ただいま特連局長からお答えいたしましたとおり、ほとんど日本政府とアメリカ政府の意見の調整その他については話し合いは煮詰まっております。もう私どもといたしましては、当然これはでき上がるものだということを期待いたしておりましたが、なかなかそれが時間がかかっております。これらにつきましては、おそらく私はそう遠くない機会にアメリカの政府の最後の態度が示されることを期待いたしておりますが、経過といたしましては、つまり日米協議会、あるいはそれとともに日米琉技術委員会の運営の問題、なるべく円滑に運営したい、そういう点からして細心にいろいろな問題をとらえまして、慎重に検討いたしておると、こう私どもは解釈いたしております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 まあもともとアメリカ側から言いだして日本がそれに乗って、それではやろうとこうなって話し合いが進んだわけですが、それが難航しておるというのは、基本的には一九六二年の初めにそういうケネディ声明が出たけれども、あとからその声明に対して水をかけられて、実質的には何度か後退したものにしようと、そういうところに大まかにいって問題点があるのではないかというふうに私たちはみておるわけです。そこで、したがってこの問題をはっきりさせるには、ケネディの声明にさかのぼらなければいかぬわけです。これは特連局長でもよろしいから、ケネディ声明の骨子をもう一度ここで明らかにしてほしいと思うのです。単に経済的な条項だけではないわけです。まずそれからひとつ明らかにして下さい。

大竹民陟総理府特別地域連絡局長

○政府委員(大竹民陟君) ケネディ大統領の声明でございますが、一九六二年三月十九日に出たものがございます。その前の年に、池田総理がケネディ大統領とワシントンで会われまして、その後大統領は各省調査団を沖繩に直接派遣をいたしております。その各省調査団の報告の結果をまとめて大統領の声明を出したという意味のことが最初に書いてあるわけでございます。特に、琉球が日本本土の一部であることを認め、また自由世界も、安全保障上の考慮が、沖繩が完全に日本の主権のもとへ復帰することを許す日を待望している、それまでの間は、すべての関係者が、寛容と相互理解の精神で対処しなければならない事態にある、私は、――大統領でありますが、――米国がこの精神を表明し、琉球住民対する米国の責任をいままでよりも効果的に果たし、さらに琉球諸島が日本の施政下に復帰することになる場合の困難を最も少なくするため、幾つかの特定の措置をとるよう指令した、この措置は次のようなものである、とございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 その幾つかののあとを言って下さい。

大竹民陟総理府特別地域連絡局長

○政府委員(大竹民陟君) まず第一に、「琉球諸島に対する援助を六百万ドル以内にしている現在の制限を撤廃するためプライス法を改正するよう議会に要請する。」、二番目は、「米軍および琉球政府が雇用している琉球人に対する給与の水準並びに公衆衛生、教育および福祉の水準を、数年後には日本本土の相当する地域での水準に達するよう引上げるため、琉球における新しい計画を支持する案を議会に提出する準備を行う。」、三番目には「琉球の経済開発のための借款資金を今後年々着実に増加させるための提案を議会に提出する準備を行う。」、四番目には「昨年の池田総理大臣のワシントン訪問に際し同総理大臣と私が討議したとおり、琉球住民の安寧と福祉及び琉球の経済開発を増進するための援助供与について、米国と日本との協力関係実施に関する明確な取決めを作成するため日本政府と討議を開始する。」、これが先ほど申し上げました大統領の声明の部分でございます。五番目といたしまして、「施政権者としての米国が必ずしも保留しておく必要のない行政機能を、いついかなる状況の下で今まで以上に琉球政府に委譲することができるかを決定するため、琉球諸島の行政機能について継続的な検討を行う。」、次に六といたしまして、「琉球にある米国の軍事施設または琉球諸島自体の安全保障維持のために必ずしも必要でないすべての統制を撤廃するため、琉球住民の個人的自由を不必要に制限していると考えられる諸統制について継続的な検討を行う。」、大体これが当時の原文そのままでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そこで逐次聞いてまいりますが、協議会という以上は両者間のメンバーを出し合うことになるわけですが、この点はどういうふうな話し合いになっているわけですか。この点は非常にそう意見が違っているわけじゃないと思うのですが。

大竹民陟総理府特別地域連絡局長

○政府委員(大竹民陟君) 私どももさように承知いたしております。私どもが直接の衝に当たっておりませんが、先般の衆議院の予算委員会におきまして、外務省の担当参事官から説明されたところによりますと、日米協議会は日本側が外務大臣、総務長官、アメリカ側がアメリカ大使をもって構成する、こういう説明をしておりましたのを聞いております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 日米琉は。

大竹民陟総理府特別地域連絡局長

○政府委員(大竹民陟君) 日米琉につきましても、私ども問題があるというふうに聞いておりません。これはまだ外務省といたしまして、公な席で発表したことを私聞いておりませんので、私どもは外務省から内々には聞いて承知しておるが、問題がないということでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 これは当然総務長官も参画する機構なんですから、知っているわけでしょうが、もう少し具体的におっしゃって下さい。

大竹民陟総理府特別地域連絡局長

○政府委員(大竹民陟君) 外務省がやっておりますので、間違っておるかもわかりませんが、私どもが承知いたしますところでは、まず沖繩におきます米側の責任者の代表、これが議長格になる。それから琉球政府の側では首席またはその代理者の方、日本政府といたしましては総務長官が指名する者が参画する、こういう構成だと聞いております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そこでこういう協議会は、性格としては沖繩の経済的な援助、こういうものだけにこれは限定されたものになるのでしょうか。先ほどのケネディの声明からまいりますと、広範な問題がたくさんあるわけなんですね。そういうものの中から経済援助の面だけを抜き出してこの協議会をつくる、こういう狭いものなのかどうか。あるいはまた、そういうことについて相当な議論があって延びていたのかもわかりませんが、そこら辺のところはどういうことになっているのでしょうか。

野田武夫自由民主党総理府総務長官

○政府委員(野田武夫君) 先ほど一九六二年のケネディ声明の内容を申し上げました。その内容も主としてやはり沖繩住民の安寧、それから福祉、それに関連して特に経済援助の必要を言っておるようでございます。もとよりそのほか諸般の沖繩住民の自由とか、行政の問題とか、いろいろな問題を考えておるのは声明どおりでございます。しかし、よく協議会が沖繩全体の問題を討議する機関としてこれが生まれるかどうか。そこでたとえば一つ例を引きますと、いまやはり沖繩住民はもとより、日本といたしましても、施政権問題というものが一番大事な問題でございます。しかし、日米協議会と施政権問題、その他問題のとらえ方につきましては、これは何と申しましても、特に施政権問題のごときはいわゆる高度の政治問題でございまして、これは日米協議会で取り上げるということでなくて、当然日本政府とアメリカ政府との外交折衝によることが多いのでございます。したがって、この協議会の一つの主眼は何と申しましても、民生向上の、いわゆる経済的な開発、経済的な沖繩の成長ということが主眼であることは、これは私は明らかだと思います。さらにその裏づけといたしまして、日米琉技術委員会が同時に発足することからいたしましても、このならいとするところは何と申しましても、沖繩の経済問題ということが主眼であるということが私は明らかではないかと思います。しかし、日米両国政府が正式にこの協議会を設けますにあたりましては、その協議の内容といたしまして、沖繩全般に触れるということは、これはそのときの情勢によりましてあり得ることである。したがって、その議題が何であっても、基本的にはやはり沖繩の全体の問題に関連いたしますから、必ずしもこれは経済問題だけ協議して、ほかの問題には一切触れないんだと、そう私どもは窮屈には考えておりません。しかし、少なくとも日米協議会の発足というのは、いままでも御説明申しましたとおり、主眼といたしましては、やはり沖繩の経済問題が主眼であるということは、私どもも理解しております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 これは協議会の発足にあたっては、ちゃんと協議会の規約なり目的などが書かれるわけでしょう。その目的というのは、どういうふうにまとまっておるんですか。

野田武夫自由民主党総理府総務長官

○政府委員(野田武夫君) まだ最後の話し合いが煮詰まっておりませんから、ただいままでの経過だけのことで、これが最後の成案だということの御説明はできないのでございますが、大体いままでの経過から見ますると、目的は、いま私が繰り返して申し上げましたとおり、やはり経済問題を主としてやるというような形で、この趣旨あるいは目的は、そういう意味において交渉を続けておるように聞いております。

加瀬完日本社会党

○主査(加瀬完君) 速記をやめて下さい。   〔速記中止〕

加瀬完日本社会党

○主査(加瀬完君) 速記を起こして。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 どうも不明確ですね。日本協議会が経済問題以外の問題もやれるんだと、そういう権限が与えられるのであれば、私がこれから指摘するような問題は、またそこでやったらいいわけなんだが、しかしそういう権限があるのかないのか、どうも不明確です。そこでその点は、外務省から来たらなお重ねて聞いてみることにいたしますが、経済問題以外にいろんな問題が出ておるわけですね。沖繩における個人的な自由の拡大とか、あるいは琉球政府の権限の拡大とか、こういう問題が出ておる。これは非常に大きな問題として関心を持たれておるわけなんです。そういう問題の、ケネディ声明後における変化というものはありましたか。あったとすれば、具体的にどこがどういうふうによくなったという御説明をお願いしたいわけです。

大竹民陟総理府特別地域連絡局長

○政府委員(大竹民陟君) おっしゃいましたように、主として一般にいわれております沖繩の自治権の拡大、あるいは自由人権のいろいろな制限を緩和、撤廃していくという問題に、沖繩の人々は非常に大きな関心を持っておることは、私どももよく承知をいたしております。それ以後、どういうことが行なわれたかということでございますが、この声明が出ました際に、まず沖繩側の代表でございます行政首席の任命方法というものが変更いたしました。従来は、沖繩の立法院にはかって高等弁務官がきめる、これが改正になりまして、立法院の指名する者について弁務官が任命すると、若干の変更でございますが、沖繩の人たちの希望が全部というわけにはいかなかったのではないかと思いますが、そういう変更が行なわれております。また、民政官、これは高等弁務官の下に配置されているものでございますが、民政官は文官をもって充てる、従来は軍人でございましたのを、文官をもって充てるというふうなこともやっております。それから、法律を地元でつくります場合に高等弁務官の指図の権限が比較的大きかったものの一部を修正するというふうなこともやっております。そういうふうな変更もございますし、あるいはまた近くには、アメリカの傘下にございます電力公社あるいは水道公社というようなもので、従来それはみなアメリカ側の民政府の職員がその代表者をつとめておったわけでございますが、沖繩の人々をもってこれに充てるということも一やっておりまして、アメリカ側では、これは琉球人民の自治権の拡大というような意味も含めたものであるという説明をしておるようでございます。人権問題につきましては、いろいろ事件が起こります際に、私どもといたしましても、外務省を通じましてアメリカ側にいろいろ申し入れなどをしております。現地の制度といたしましては、この声明が出ました前後を機といたしまして、労働組合の制限と申しますか、従来は高等弁務官が承認しなければ、労働組合として一本立ちできなかったわけです。この高等弁務官の承認を廃止したというふうなことをやっておるように承知いたしております。大体記憶いたしますところだけを申し上げますと、そういうことでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 いま、るる説明がありましたのは、たとえば最初の主席の任命について、立法院の推薦によって弁務官が任命するようになったと、こう言われるわけですが、本来は、主席は当然沖繩住民の選挙でやるべきものですね。権限がちゃんと分かれておるわけですから、沖繩住民の持っておる権限の範囲内で行動するわけですから、選挙でやったからといって、別にそんなに不都合は生じないと思います。だから、そういうことができない、結局新制度であっても、高等弁務官の意にかなうものでなければこれはなれないわけです。それから、民政官について文官を採用する、こういう問題についても、しからば、一体どれだけ変化が出ておるのかというと、これも大したことはないのじゃないかというふうなことをいわれておるわけです。それから、労働組合の成立について、高等弁務官が承認を与えなければできない、それを廃止した、こんなことはあたりまえのことで、そんな制度があることがおかしいわけです。権限自体はちゃんと高等弁務官が持っているわけですから、その内部における動きについていろいろな結社の自由、また結社というかそういう団体の自由まで取ってしまっているということは、そんなことが二年前まであることがおかしいわけです。軍政であろうが何であろうが。だから、この程度の改革ではケネディの声明の線に沿って相当なことがやられたのだということには私はならぬと思うのです。そういう点をどういうふうに日本政府としては理解しておるのか。もうこの程度であの声明の線は相当生かされたのだ、まあ一応満足しているというふうな態度なのか。いや、もっともっとこの点とこの点は、直していかなければならないのだというふうに考えておられるのか。考えておるとすれば、当然二年間の間に折衝もやっておられるはずなのです。その辺のところをひとつ明らかにしてほしい。

野田武夫自由民主党総理府総務長官

○政府委員(野田武夫君) ケネディ声明以来の、いま特連局長が申し上げましたことは、つまらないことだと一がいに言い捨てるような、そうつまらないことだとは私は思っておりません。やはり主席を選定する場合に高等弁務官が選んで、これを君らのほうにやれと言うて立法院に持ち込むのと、立法院のほうでこれがいいというわけでこれを選挙しまして、これが責任者だというて高等弁務官のほうに持ち込むのとは、やはり沖繩住民の民意の何と言いますか、あらわし方がたいへん私は違ってくるのではないか。また民政官を武官から文官に移したということも、やはりそこに武官の政治というものと文官の政治というものとの差がございまして、沖繩住民に対する政治的影響、心理的関連、こういうものからいたしますと、私はやはりわずかでも前進していると、こう思っております。しかし、それだから直ちにこれでもって満足しているかというお尋ねでございますが、私どもは満足いたしておりません。そこで日本政府といたしましては、まああらゆる問題、あらゆる機会において、いわゆる基本的な問題は沖繩住民の福祉、安寧、秩序、こういうものを、つまり民生の安定というものを大前提として、これを目標として、ひとり行政関係ばかりでなくて、あらゆる角度から沖繩住民の幸福をはかりたい。そこで、たとえば人権問題にいたしましても、これは幾つも例がございまして、今国会でもずいぶん質問がありましたが、人権問題に関連いたしまして、どうしても日本としては理解しがたいという問題は、やはり外務省を通じましてアメリカ政府当局にいろいろの交渉、折衝を重ねております。また、一つは、私どもが、先ほどお尋ねの日米協議会並びに日米琉技術委員会、これの実現を期待いたしまするものは、特に今日まで沖繩政府の意見が率直にアメリカ――また日本に対してもそうでございますが、正しいルートに乗って発言する機会がほとんどない。陳情の形式、要望の形式はありますが、対等の立場でもって意見交換をするというようなことはない。そこで、たとえば日米琉委員会ができ上がりますと、これは三者がおのおの平等な立場で委員として臨むのでございますから、そこで率直に沖繩住民の意思が端的に表現する機会を得る、結論的には。これはいろいろ経過もありましょうが、少なくともいままでなかった琉球政府の意見を率直に述べる機会を持つ、こういう意味でありますから、私どもは個々の問題につきましても、もちろん日本政府としてどうしても理解に苦しむという問題は、これはその事柄によってアメリカに対していろいろの折衝をいたしておりますが、日米協議会並びに特に日米琉委員会が発足するということになりますれば、私は相当大きな変化と申しますか、前進があるのじゃないか、こういうように考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そこで、先ほどからも問題になりましたように、経済問題以外にたくさんいろいろな問題があるわけですね。向こう側がケネディ声明以来やったことを私は不十分だ、そんなことをする必要はないということは何も言っていない。しかし、そんな程度のことだけじゃなしに、これはたくさんいろいろあるわけですね。特に人権問題などは。だからそういう問題などをどうしてこの協議会の議題の対象としてはっきりこう取り上げて言えるような仕組みにしないのか。しないことになる公算が強いような感じを先ほどの御説明から受けているわけですが、今後そういう人権問題なり、ほかの問題はこの協議会でやるつもりなんですか。日本政府としては、どうも協議会の目的自身がはっきりせぬようですから、たとえばいろいろ伝え聞くわけですが、協議会の目的などをきめるについて相当日米双方で異論がある。したがって、たとえば日本のほうは、沖繩は終局的には日本に返ってくるのだ、こういうふうなことをはっきりと前提にして協議会を作っていきたいというふうな考え方が強いわけでしょう。そのことに必要な諸般の問題をこの協議会で扱っていくのだ、こういうふうになれば、それは自治権の問題なり、人権の問題なり、いろいろな問題が当然そこに入ってくるわけですね。だからもう少しざっくばらんに、どの点で両者の意見が二年間も合わないでぐずぐずしているのかをはっきりしてほしい。そうしませんと、米側のような、これを経済問題だけに押し込むというのなら、あとの問題は多少の金をくれて逃げてしまう。それではケネディ声明に言う沖繩は終局的には日本に復帰するんだというふうなことが、これは単なるそのときだけ大統領が声明して、あとは少しも裏づけというものが前進しないというふうに邪推もできるわけですね。私の聞かんとするところはそこなんです。

野田武夫自由民主党総理府総務長官

○政府委員(野田武夫君) 亀田さんの御趣旨はよくわかります。私どもも、できればそういう話し合いが正式にできることが非常にいいことだと思っております。しかし、これは二国間の交渉ででき上がるのでございまするから、いま外務省がどの程度に折衝しておるか、その内容は、ただわれわれは仄聞するところでございますから、責任を持ってお答えできないのを遺憾に思いますが、もちろんその趣旨に沿うことはけっこうですが、かりに経済問題にしぼるということにいたしましても、これはケネディ声明でも言っておりますとおり、また私どもが期待しておるとおり、当然いつかの日には沖繩はわれわれの同胞であり、われわれの領土でありますから、施政権もわれわれに返ってくるという期待はもちろん持っております。その期待の裏づけとして、やはりこれはアメリカだけの経済援助じゃなくて、日本政府も進んで沖繩に対する経済援助をして、そうして私どもとしては、やはり日本内地と同じぐらいの経済的地位を沖繩も持たなくちゃならぬということから、経済援助をいたしております。そこで今度できます協議会が、かりに経済援助に限るといたしましても、またその方法はどうかと申しますと、これは御承知のとおり日本政府といたしましては、日米協議会だけが沖繩問題を討議する場所ではございませんので、正式の外交ルートによってどんどん日本政府の意向もアメリカ政府に伝えることもできますし、また日本の意思というものは、いろんな機会にこれは自由に発表することもできます。またさらに、これが日米協議会が経済問題に目的が限られたということにいたしましても、これは沖繩の経済問題はやはり沖繩住民全体の問題でございますから、その目的以外の沖繩に対するいろんな意見が全然発言ができないなんということは、私は思っておりません。それはいろいろ原因、理由、また将来に対する沖繩住民の幸福ということから考えますと、経済援助そのものも、ただ金を幾らやるとか何をするというだけが経済援助じゃなくて、経済援助の目ざすところはやはり沖繩住民の幸福であると、それならば沖繩経済援助の方途と同じように、沖繩住民がいろんなことに苦しんでいることがあれば、これは私どもが正式の議会じゃなくても、その間に協議会において発言は私はある程度自由じゃないかと思っております。これは外務省とアメリカ政府の交渉でございますから、私の希望かもしれませんが、そういう考えを持っております。しかし、重ねて申しますと、先ほど申しますとおり、協議会に限らず、日本政府といたしましては、アメリカ政府に対しまして沖繩問題は正式な外交交渉として自由にできることでありますから、私はもしこれが経済問題に限りましても、やはり日米協議会というものが実現したほうが好ましいんだと、こう思っておるのでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 最近の沖繩の事情等から見ると、アメリカはできたらこういう協議会すらつくりたくないんですよ、はっきり言って。いやいやつくる、自分が提案した手前もあるし。ただそういうものができて、それを足場にして日本政府のほうからいろんなことを言われるということを、あらかじめ何とか狭くしたいというところがねらいなんじゃないですか。私たちはそういうふうに仄聞しておるわけなんです。先ほど総務長官は、議長は高等弁務官だと、こう言われましたが、招集者はその高等弁務官がやるわけでしょう。定期的な会合といったようなものはあるのかないのか、そこら辺のきめ方によってはこんなものは全く飾りものになってしまうわけです。議長の権限と、定期的な会合の有無と、そういうような点はどうなっております。

大竹民陟総理府特別地域連絡局長

○政府委員(大竹民陟君) これは私どもの承知しておる範囲でございますが、東京の委員会は日米間でございまして、両国の発議によりまして随時開かれるというふうに聞いております。また沖繩に設けられます技術委員会は、日米のやはりこれも発案によりまして随時開かれるということに承知しております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 両方の発議がなきゃいかぬのですか。どちらか一方が発議をすれば開かなきゃならぬのですか。そこはどうなんです。

大竹民陟総理府特別地域連絡局長

○政府委員(大竹民陟君) 法律的にいいますと、権限と申しますか、両方にあるというふうに聞いております。まあお互いに話し合いでございますから、どちらかが話を始める、お互いに合意をして会議をやる、こういうことになるのじゃないかと思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そうすると、国際司法裁判所の提訴みたいに、両方がよっしゃと、きちんと呼吸が合わなきゃ会議にならぬわけですね。だから都合の悪い問題については避けていくということにしか結果においてはならぬじゃないですか。本気にやるのであれば、やはりいろんな問題がたくさんあるわけですから、随時にというようなことじゃなしに、きちんと定期的にやらなきゃいかぬわけですね。ことに経済援助の問題だけをとってみたって、ちゃんと予算編成との関係等もあるわけだし、何月と何月には必ず開く、そういうものでなければ、それはただ形だけつくって、世間に対しては体裁のいい顔をするというだけのことじゃないですか、いまのようなことでしたら。いや、それは日米間のことだからそんなかた苦しいことを書く必要はないのだ、それなら何もつくる必要はない。現在だってそれでいいんだから。いまでも何かひとつ話があるといえば、両国間で、いやそんな話は聞く必要はないというようなことになれば、なきにひとしいようなものの感じがするわけですが、ことに今度の場合は日米琉と、琉が入るわけですね、直接日本と琉球の代表というものが同じ場所でやるわけなんです。これが定期的に義務的にきちんと開かれるというものであれば、それだけでも相当な私は意味を持ってくると思うのですが、どうもその点があいまいですね、どうなんですか。

加瀬完日本社会党

○主査(加瀬完君) ただいま古屋総務副長官並びに上村アジア局調査官が出席されました。

大竹民陟総理府特別地域連絡局長

○政府委員(大竹民陟君) 少し申し落としましたが、経済援助の問題につきましては、当然予算の問題にも関連いたしてくるわけでございまして、私ども承知いたしております従来からの経過からいたしますと、おそらくそういう問題につきましては、どういう時期に開くというふうなことがいずれ何かの形で同意されるというふうに承知をいたしております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 その基本的な取りきめ以外に、そういういまおっしゃったような、必要なときに義務的に開く条項というものができるわけですか。どういう形になるのですか。

大竹民陟総理府特別地域連絡局長

○政府委員(大竹民陟君) 決定前でございますから、結果においてどうなるか、私どもわかりませんが、ただいままでの経過から申しますと、基本的な交換公文のほかに、そういったものを書きましたものをお互いに交換するというふうなことではなかろうかと思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それで、その別個の覚え書きのようなものには開催を義務づける規定が入るのですか。

大竹民陟総理府特別地域連絡局長

○政府委員(大竹民陟君) 義務というふうに申しますか、その辺外交上のことばづかいもあろうかと思いますので、私の感じておりますことは、当然その時期にお互いに開こうというお互いの申し合わせが文書になってくる、こういう形のものというふうに考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 いや、私はことばづかいなどはどうでもいいんですよ。定期的にきちんと開かれるという裏づけができるのか、そこを言っているわけなんです。

大竹民陟総理府特別地域連絡局長

○政府委員(大竹民陟君) 外務省が来ておられるようですから、そちらから申し上げたらいいかと思いますが、聞いておりますところでは、必ず必要な時期に開くということが書かれるというふうに聞いております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 つまり必要な時期に開くというようなことでは、これはまたそのときの主観的な要素が入ってくるわけです。必要な場合には開くなんて、よくそういう規約などがありますよ。ところが、開きたくない場合には、いや必要を認めないのだというようなことで逃げられてしまうわけです。そうじゃなしに、経済問題一つとったって、何月と何月にはどうしたって開かなきゃならぬ時期というものがあるわけでしょう。それならば、いつといつには開く、そのとき随時必要が生じたときに開くとか、それならわかりますよ。お互いに予算というものがあるわけなんだから、アメリカにしたって日本にしたって沖繩にしたって、そういう現実からいっても、きちんと明示できるんじゃないか、それを言っている。

大竹民陟総理府特別地域連絡局長

○政府委員(大竹民陟君) おっしゃいましたように、必要な時期というのは少し大ざっぱに過ぎたわけでございますが、そういう意味ではやはり必要な時期が何月何月というのがあるわけでございます。そういう状態に置かれた場合に開くというふうな表現で書かれるものであろうというふうに考えております。

加瀬完日本社会党

○主査(加瀬完君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

加瀬完日本社会党

○主査(加瀬完君) 速記を起こして。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それじゃあなたにお聞きしますが、先ほどから総務長官、特連局長からお答えはいただいておるのですが、非常に大事な点で多少不明確なんですが、この協議会が設置される場合の目的ですね、これをどういうふうに表現するのか。構成のほうは先ほど大体伺いました。目的のほうは、何か経済援助というところに狭く限定してしまうのか、あるいはそうじゃなしに、ほかの人権の問題なり、自治権の問題なり、いろいろな問題がたくさんあるわけですね。そういう懸案等もこの協議会においてやっていくというふうな目的が含まれるのかどうか、その点をあなたのほうからもう一ぺん説明してください。

上村清記外務省アジア局調査官

○説明員(上村清記君) ただいま御質問のございました協議会、また現地におきます技術委員会というものの目的でございますが、東京に置かれます協議会の目的といたしましては、日本とアメリカとの沖繩に対する経済援助、その経済援助のいろいろな方針なり、その他根本的な政策について協議しましょうというのが、東京における協議会の目的となるだろうと存じます。技術委員会は、これは沖繩にできますけれども、この技術委員会の使命というものは、沖繩の現地において、技術の実施に関するこまかいことを現地で相談しましょうというような趣旨をもってできるのが、現地における技術委員会と存じます。  それから、自治権回復の問題、その他人権擁護の問題、そういうような事項がこの委員会の話し合いの対象になるかというような御質問でございますけれども、私どもの承知いたしております限りでは、自治権の拡大とか、あるいは返還問題というものは、非常に大きな問題でございまして、これはほんとうの国の最高政策である。で、この協議会は沖繩の経済援助に関する協議会であるから、まあ一応そのワクの外に置く。しかしながら、かといって、それは全然言わないと約束したわけではない、時と場合によってはそれはあるかもしれないけれども、一応このワクからはずして置く、だから、この協議会の話題の一応外になるというようなことに考えることができると存じます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 一応説明としてははっきりしたわけですが、そうすると、まあ表向きとしては経済援助の問題だけだ、こういうことのようですね。そこで、大臣にお聞きしなければならぬのかもしれない問題ですが、経済援助以外の問題ですね、沖繩住民の非常な要望がある問題がたくさんあるわけですが、こういう問題はどういうふうに今後扱うことになるのです。ただ問題が起きたときに、そのつど、いわゆる外交交渉というかっこうで扱っていくということになるのですか、あるいは何かまた別個なことを考えておるのか、全然そんなことはもう考慮の中にないということなのか、どういうふうになっているんです。

上村清記外務省アジア局調査官

○説明員(上村清記君) 現地における技術委員会、またはこの協議会は、ただいまも御説明いたしましたような目的で、一応そういう構成になっております。しかし、その場にはいろいろな問題もございましょうし、またその委員会の委員に対していろいろな方面からの話がございましょう。しかし、それは結局また外務大臣等のほうへいきまして、外交交渉のほうにいくようなことになると存じまして、この委員会として取り上げる問題ではないものと存じます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そうすると、それ以外の問題の窓口的な役割りを演ずるのだと、そういうことなのですか。論議はしない。

上村清記外務省アジア局調査官

○説明員(上村清記君) そういうこともあり得るだろうということで、まあ大臣のところへきますいろんなことは、それだけではなくてほかにも非常にございますが、まあそのうちの一つだって大臣に情報がいくということはあり得るだろうと存じます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 まあその程度にこの問題はしておきまして、それで、来年度の沖繩における経済援助ですね、日米間の。これは前年度に比較してどの程度ふえるわけですか。日米双方おもな中身を申してください。

大竹民陟総理府特別地域連絡局長

○政府委員(大竹民陟君) まず日本の援助について申し上げます。予算を御承認願うように出してあるのでございますが、昭和三十九年度予算で約二十億一千百万円でございまして、これのうち琉球政府の会計に計上されます分が約十四億五千万円、こういう形になっております。内容的には、予算で御審議を願っておりますように、主として産業開発関係、それから文教関係、技術援助、その他昨年からの引き続きの事業が多いわけでございます。主として力点は経済開発、沖繩の経済の力をつけていこうという点に力点を置いてまいっておりますのと、それから教育、医療関係というふうなところに重点を置いておるわけでございます。  アメリカ側のそれに対応いたします予算は、これは日本の場合でございますと、昭和三十九年度の予算は、この七月から始まる沖繩の会計に入っていくわけでございます。また、アメリカ側はこの同年度の予算がまだきまっておりません。いまアメリカの国会でまだこれから審議をするところでございます。アメリカの国会にアメリカ政府が提案しておりますものは、プライス法による援助が千二百万ドル、それからそのほかにアメリカ自身が使います管理費が二百四十万ドル余り、こういうことでございますが、これからアメリカ国会で審議をされるという段取りになるわけでございます。その前年の昭和三十八年度、現年度の関係を申し上げますと、日本側の援助が十八億八千万円でございます。このうち沖繩の琉球政府に入りますのが約十四億二千万円、これは来年度とほぼ同様なところに力点を置いて援助をしております。アメリカ側のこれに対応いたします援助は、総計いたしまして――これは最近アメリカ側で発表したものをそのまま申し上げますと、プライス法による援助が七百八十六万ドル、その他の法律による援助が二十九万ドル、それから高等弁務官の資金から出る援助が五百六十万ドル、総計して千三百七十五万ドルになると言っておりますが、この高等弁務官資金を除きますと、それより五百六十万ドルも少なくなる。すなわち、中身を申しあげますと、プライス法による援助七百八十六万ドル、この中には琉球政府に直接交付いたしますのが五百二十五万ドル、それから水道に出しますものが二百万ドル、技術援助に出しますものが六十万五千ドル、こういうことになっております。琉球政府に渡します五百二十五万ドルでございますが、この中身は、日本から行きます援助と大体同じ分野に出されておりますけれども、若干違っております点は、たとえば公安関係と申しますか、取り締まり関係の公安の意味でございます、それの方面にも若干金を出しておるようでございます。必ずしも日本の援助と同じではございませんが、大体やはり地元の経済力をつけていく。それから衛生関係あるいは教育関係を向上するという方面に使われている金が多いように承知をいたしております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 この援助部分は日米双方同額ですか。これはいろいろな事業に援助をするわけでしょうが、一つ一つのこの事業をとった場合に……。

大竹民陟総理府特別地域連絡局長

○政府委員(大竹民陟君) 大体総額で御説明を申しますと、アメリカから出します援助の中で、琉球政府の会計に計上される分、つまり琉球政府が使っておる部分を数字で申し上げますと、一九六四年度の予算が八百三十三万五千ドルでございます。これは予算の数字でございます。前年度の六三年が六百六十二万ドル、その前の六二年が四百八十二万ドル。これに対応いたしまして、日本からの援助で同じように、琉球政府に提供されておりますのが、六四年度で三百九十四万ドル、その前年度が二百三万六千ドル、その前年度が六万七千ドルというふうな関係でございまして、数字も額ももちろん違うわけでございます。援助をいたしますにつきましては、いま申しました数字からもおわかりいただけますように、五分五分あるいは三対一というふうな比率は必ずしもないわけでございまして、相互に適当と認める部分、大体それが先ほど申しましたように、同じ方面をねらっている部分が多いわけでございます。たとえば学校なぞについて申しますと、学校の教職員の訓練でございますとか、技術的な援助、これは日本側の援助が多いわけでございます。しかし、学校の校舎を建てるというふうな施設面ではアメリカ側がよけい金を使っておる。日本はそれを出しておらないというふうな関係になっております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そうすると、逆にこの日本単独のものもあるわけですね。

大竹民陟総理府特別地域連絡局長

○政府委員(大竹民陟君) 若干ございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それはどういうものですか。

大竹民陟総理府特別地域連絡局長

○政府委員(大竹民陟君) たとえば土地の調査などの援助がございます。これは沖繩がひどく痛みまして、区画整理も何もできておらない、土地台帳まで焼けてしまったというふうなことで、日本側から援助をいたしておりますけれども、アメリカ側はこれは出しておらないというふうな問題もございます。一、二そういった問題があるわけでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 将来の見通しとしては、この日本の援助額の増加率というのは非常に急激に大きくなっているわけですね。それがだんだんふえてまいりますと、アメリカのこの援助額というものはどういう影響を受けるのですか。やはり総額の中における比率というものはだんだん変わっていく、日本側が多くなっていくというふうに見通しておられるわけですか。どうなんです、これは。長官どうですか。

野田武夫自由民主党総理府総務長官

○政府委員(野田武夫君) これは協議会ができますれば、お互いに経済援助を主眼といたしますが、大体いま局長から御説明しましたとおり、昨年三十八年度よりも三十九年度がふえている。また、各年度を比較いたしますと、ずっと年々日本の援助もふえております。しかし、大体これを向こうの経済政策とにらみ合わせてやることでございまして、どの程度にふえていくかということは、当然琉球政府自体の計画、また日米から見た琉球の産業開発、経済開発全体を見通していくわけでございます。いまのところ、やはりできるだけ強力に沖繩の経済開発をやりたいということでございますから、まあ協議会におきまして、これがはっきりふえるとかどうとかということは、協議会の内容と、それから沖繩の経済政策、財政政策を基本として考えなければなりませんが、常識的に見て、やはりふえる傾向にある、こう考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 沖繩の経済開発なりをどの程度まで持っていく予定なんですか、内地の適当な県に見合うようにというふうなことが抽象的にいわれておるわけですが……。

大竹民陟総理府特別地域連絡局長

○政府委員(大竹民陟君) 事務的な観点から御説明を申し上げたいと思います。今日、沖繩の住民所得、この観点から見ますと、大体本土側の、つまり、いわば小県と申しますか、そういうところの国民所得と大体おっつかっつの状態と申しますか、昨年度の一人当たりの住民所得が大体二百九十ドルから三百ドル近く、になっておるわけでございまして、数字だけから合わせていきますと、大体、本土でいっております小さい県並みに追っついてきているというふうなかっこうになっておるわけでございます。しかし、経済の特色といたしましては、いわゆる軍基地経済に非常に依存しておると申しますか、所得のほとんど半分程度はそこから出てきているというふうな関係になっております。それからまた、いろいろな資源の関係、あるいは気候風土の関係とかいうふうな点から申しまして、砂糖あるいはパイナップルというような産業がおもになっておりますが、これは日本の貿易上の特恵措置によって命脈を保っておるというような状態でございます。こういうものを改善していくということが、日本の援助をいたす場合にはもちろん、アメリカ側にとりましてももちろん大きな問題と思うのでございます。どの程度まで引き上げていくかということでございますが、これは私のほんとうの個人的な感じということでしか申し上げられない、私としてはそういう立場でございますけれども、たとえば所得はいま申しましたようなことになっておりましても、行政上の施政というものが相当遜色を持っておるということもまた事実でございます。例をとって申しますならば、たとえば保育所とか、あるいは病院の数とか、あるいは内容的に施設の状態とかというふうなものを見ましても、本土の県のそういうものに比べてまだ相当の遜色があるというふうなことでございます。さしあたりそういうところも本土と同様なレベルに持っていくということが一つの大きな目標ではなかろうかというふうに思っております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 大体わかりましたが、最近日本だけで援助して沖繩でやっているような工事ですね。そういうものについて米側のほうが検査をするというようなことがあったんでしょう。共同で援助しているのじゃなしに、日本だけで援助してつくっている施設ですね。

大竹民陟総理府特別地域連絡局長

○政府委員(大竹民陟君) 日本政府が琉球政府に援助いたします際には約束ごとがございまして、完全に金を渡した目的どおりのものをつくってもらいたい、また、それができたかどうかは、あとになってまた会計検査をしてもらうという約束ごとができておるわけでございます。琉球政府自体といたしましても、その点注意をして事を運んでおると思うのでありますけれども、私どもが聞いております範囲では、アメリカ側もまたこの日本からの援助がむだに使われないように、目的どおりに使われるようにということには相当強い関心を示しておる。琉球政府だけが検査をするのではなくて、場合によりましてはアメリカ側も立ち会いまして、技術的な点につきまして協力をしておるというふうなことも聞いております。あるいはそういった意味の検査と申しますか、そういうものがあるいは行なわれたことがあるかというふうにも考えますけれども、具体的にどの事例ということは、私は承知いたしておりません。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そういう場合には、日本政府は検査するのでしょう、まず第一次的には。

大竹民陟総理府特別地域連絡局長

○政府委員(大竹民陟君) 第一次的には琉球政府の会計検査がございますし、また日本政府の会計検査もやり得るという約束になっております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それはやっておるのですか。

大竹民陟総理府特別地域連絡局長

○政府委員(大竹民陟君) これは近く出発することで、いま話を進めております。アメリカもそういった意味で言えば、琉球政府の監督者というふうな立場で相当な関心を持っておるというふうに考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そのアメリカ政府側が金を出しておらぬ問題について、そんな検査までしにくる必要はないわけですね。軍事的な問題じゃないのたから、純然たる琉球政府の問題なんだから。それに対して日本が援助しておるんだから、こちらが第二次的に検査する、それがまあ筋でしょう。だからそういうことはケネディ声明の線からいっても、逐次排除すべきことなんじゃないですか。何かおれのほうが技術が進んでおるのだ、ひとつ調べてやれというような、そういうことはちょっと行き過ぎですわな、金を出しておるなら別だが。それはもちろん琉球政府が頼んで、見てくれという場合は、これはまた別でしょう。そうじゃなしに、従来どおりのような考えで日本政府の事業に対して向こうが調べる、こういうことは排除すべきじゃありませんか。

大竹民陟総理府特別地域連絡局長

○政府委員(大竹民陟君) 私も具体的にどういうふうなやり方で検査をしたかあまり聞いておりませんが、おそらくやっておるとしますれば、考え方といたしましては、やはりアメリカとしても、日本に対して責任の一半を持っておるというふうな意味で、善意の検査と申しますか、確認と申しますか、そういうことはあるいはやったのではなかろうかというふうに考えるわけでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それから、最近通信事業に関する高等弁務官の布令が出たことを御存じでしょう。その布令によりますと、放送局の開設の免許権、これを高等弁務官が新しく掌握する。従来琉球政府が持っていたものを、新しく掌握する。それからまた、既設のものについても再審査をする。こういうことにしたようですが、こういう事実はそのとおりですか。

大竹民陟総理府特別地域連絡局長

○政府委員(大竹民陟君) 事実はそのとおりでございまして、布令を改正いたしまして、ことしの一月であったかと記憶いたしますが、そういう改正が行なわれております。その際に、新聞会見などでアメリカ側が言っておりますことは、そういう改正は、電波の利用と申しますか、そういうものは、アメリカの軍の関係あるいは琉球の民間の関係、こういうものがあるので、やはりこういうものを一元的に、最も効果的に利用する観点からこういう改正をやったのであるというようなことを言っているのを承知いたしております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それは技術的ないろんな問題があるのだろうと思いますが、しかし、従来なかった高等弁務官のそういう権限を新設していることは、これは多少行き過ぎじゃないですか。ことにいま日米委員会を、協議会をつくろうといっておるわけですね。こういう問題こそ、やはり開発なりいろいろなことに関係してくる問題でもあるし、当然これは慎重にやるべきですね。それを、かってに軍の布令でもってばんと自分の権限を設定してしまう。これじゃ自治権の拡大とかなんとかいっておったって、実際にやっておることは、これは逆ですね。これは高等弁務官が軍のものも民間のものも全部権限を掌握したわけでしょう。

大竹民陟総理府特別地域連絡局長

○政府委員(大竹民陟君) 行政主席が認可を与える前に高等弁務官が承認をしなければいかぬという書き方でございますから、おっしゃるとおりと思うのでございます。この布令には通信局の開設と、それからもう一つ通信の技術者、通信士と申しますか、これの免許も含まれておったと思うのでございますが、その点につきましても、やはり将来高度の技術を統一していくためにというふうな理由を申し述べておるようでございます。全体的に見まして、形の上から見ますと、あるいは地元にものをまかせるということに逆行する現象であるというふうにも読み取れるわけでございます。あるいはまた、琉球政府のそういった方面の技術的な実体というようなものがどういうふうになっておりますか、その辺は、私どもは現在まだよく承知をいたしておりません。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 こういうことは日本政府としてもっと強く意見を出さなければだめですよ。もし琉球政府のほうに技術的な援助が必要であるのなら、そういう援助こそ日本がやったらいいじゃないですか。日本の技術者を送るなりして琉球政府なり琉球の人の権限なり自治権をやはり高めていく。そのことが日本に接近する一つの具体的な道だということは、だれでも考えている。だから琉球政府自身を強めることを考えてやらなければ、君ら水準が低いから、おれが握っていなければ心配だといったようなことは僭越ですよ。そんな考え方をすれば、後進民族というものは、いつまでたったってそれはうだつが上がらない、どんな場合だって。何も琉球だけのことを言うわけじゃない、そういう考え方は間違いですよ。だから、いまからでもいいと思うのです。いままで琉球政府が持っておった権限を狭める、奪い取るなんということは、これはもってのほかだと思うのですね。それを、皆さん方がそういう情報だけを聞いて、のほほんとしている。日本政府としては、それに対して、軍政に対して文句を言う筋道はないのだというふうな、そんな腹のないことじゃこれはだめですね。総務長官知っておるのですか、そういう事実を。

野田武夫自由民主党総理府総務長官

○政府委員(野田武夫君) その当時特連局から聞きました。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 その当時連絡だけは聞いたのですか。で、何か相談したのですか、政府内で。

野田武夫自由民主党総理府総務長官

○政府委員(野田武夫君) ことしの一月でしたか、その連絡がありまして、どういう事情かということを調べるように言ったのですが、その結果として、やはりいま局長が御答弁いたしましたとおり、電波関係は高度の技術を要するのだ、軍の関係でやむを得ずやったのだ、こういう報告でありました。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 だから私が、高度の技術を必要とするのであれば、日本の技術もずいぶん高いわけですからね、そういうことに対して日本政府が援助したらいいじゃないか。いまからでもこういうものはひとつ訂正したらどうですか。やはり問題は、何か具体的な問題で筋の通らぬことがあった場合に、その際にきちんと折り目をつけなければいかぬと思うのですよ。総務長官だけで考えていないで、閣議の問題にでもして、きちんとしたらどうですか、こういうのを。沖繩の政府にとっちゃ非常にやはり重大問題だと思うのですよ。おまえら技術が低いからがまんしておれ、そういう考え方ですか、総務長官。

野田武夫自由民主党総理府総務長官

○政府委員(野田武夫君) いまお話のとおり、この話を聞きましたのは通信布令が改正されたあとでございまして、その理由を調べておりますが、日本もいろいろの技術援助をいたしておりますが、実はそういうことがないことをわれわれはもちろん希望いたします。そこで、せっかくの亀田さんのお話でございますから、さらにひとつ事情を聴取してみたいと思います。何しろ施設権を向こうが持っておる関係で、こういうことについて相談を受けないで、ばかっとやられるということは、ひとり通信布令だけの問題でなく、事前において伝わってくる、こういうことのためにも早く日米協議会のようなものができなければならない。そうしてひとつその間においてわれわれ日本政府としての考え方を率直に述べる機会を得たいと、こう思っております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 ひとつ真剣にこれは再検討してください。沖繩の人はみな注目しておるわけですから、政府が真剣にやってくれるかくれぬかによって、自治権の拡大の問題等について日本政府はどこまでほんとうに考えてくれているかというやはりバロメーターになると思うのですね。これは要請しておきます。  それからもう一点、犯人の引き渡しの問題ですが、米側が琉球の犯人をつかまえて、日本政府が必要としておる場合にはその犯人を日本政府に渡す、こういうルートをつくったやに聞くわけですが、これは事実ですか。

大竹民陟総理府特別地域連絡局長

○政府委員(大竹民陟君) 日本とアメリカの間に逃亡犯人の引き渡し条約というのがございます。これは明治三十何年かにできました非常に古い条約でございますが、これは相互の国民が犯罪を犯して相手国に逃げ込みました場合に、特定の犯罪につきましては、正式の交渉があれば引き渡すということをきめました条約でございますけれども、最近、沖繩におきまして、アメリカ側から、この条約の一つの手続的な規定といたしまして、日本で犯罪を犯しまして沖繩に逃げ込んでおるというような者につきまして、この条約の趣旨に従いまして日本に引き渡してもよい、引き渡しをする、こういうこともやはり弁務官の布令でございまして、手続きをきめただけでございまして、そういう布令を出しておる事実はございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 日本の犯人がアメリカ本土に逃げ込んで、アメリカ政府からその引き渡し条約によって日本政府に渡してもらう。逆の場合、日本政府がアメリカ政府に渡す、これはいいと思う、普通の場合は。しかし、沖繩の場合には、多少おかしいじゃないかという感じがするわけです。琉球政府というものがちゃんとあるわけですから。そうして、琉球政府と日本政府の関係というのは、これは特殊な関係ですね。アメリカ側は、いや琉球政府というのは表には出られぬのだ、表向きは全部高等弁務官だという考えかもしれませんが、そういう軍事関係に直接関係のないことは、私は琉球政府の仕事とみなしていいと思うのです。琉球政府と日本との間であれば、そんな日米間の古い条約など適用したりする必要はない、琉球政府と日本政府の約束をそこでつくってもらったらいいわけですよ。潜在主権があり、それからいずれちゃんと日本の領土になるべきところですから、自治を拡大しなければならないということがそこにあるわけです。そういう場合に、琉球政府から直接日本政府に渡してもらう、何でそういう手続がとれないのか、この点が理解できない。一たんそれを軍政府に渡して、軍政府から日本政府に持ってくる、そんな迂遠なことをする必要はないではないかと思うのですが、どうでしょうか。

大竹民陟総理府特別地域連絡局長

○政府委員(大竹民陟君) この布令を日本側としてどう考えるかということにつきましては、いろいろ問題があると思います。したがいまして、その後私どもといたしましては、外務省、法務省等に御検討を願っておるわけでございまして、いずれまたその検討の結果が出てくると考えておりますけれども、ただいまお話になりました点は、亀田先生のおっしゃいましたとおり、今日、沖繩の地位が非常に特別のものでございまして、御案内の条約第三条によりまして、やはり外に対しましては、アメリカが施政権を持っておるという形になっておるわけでございます。琉球政府の立場は、やはりそういう意味ではアメリカの政府の機構の一部と申しますか、こういう言い方をするのが適当かどうか問題だと思いますが、条約上アメリカが施政権を持っておるという立場からだけ説明をいたしますならば、アメリカの機構の一つであるという解釈もあるいはできるかと思うのでございますが、現在の琉球政府の章典では、これはもうアメリカ側がきめた章典でございますが、琉球政府としては対外的な能力を独立しては持っておらない、そういうものはすべてアメリカを通してやるべしという制限を設けております。この制限を取るかどうかということが先立つ問題ではなかろうかというふうに考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それは局長の言う点も、もっともだと思います。そういう一般的な制限があるわけです。しかし、そういう制限を撤廃させなければいかぬわけですね。軍事関係のことについての制限を取れといっても、そんなことは無理でしょう。軍事的な立場があって、そこの施政権というものを確保しているわけですから。だからそれ以外のことについてはともかく高等弁務官の布令だということであれば、何でもかんでもやっていけるのだという考えがいまだに出ているわけですね。先ほどの電波の問題といい、この犯罪人の引き渡しについても、こんなものは、ほんとうに沖繩の自治権の拡大ということをアメリカ政府が考えているなら、それはもう同じ日本人同士のことだから、沖繩政府から直接日本政府に渡したらいいですよ。逆に、そういう態度に出ることが私はほんとうだと思う。だからこういう点にも基本的にアメリカ政府の考え方で直さなければならない点がたくさんあらわれているわけですね。総務長官、これもひとつ検討していただけますか、犯人の引き渡しについて。

野田武夫自由民主党総理府総務長官

○政府委員(野田武夫君) 亀田さんの御意見、私も大体そうあってほしいと希望する一人でございますが、先ほど局長が申しましたとおり、施政権全体を持っております、その自治権につきましても、まだこちらの希望するように返還を見ておらぬ段階では、こういうつまり日米間のいろいろな条約の施行にあたりまして、やはり沖繩政府と直接日本がやれない状態であることは御理解願えると思います。これらにつきましては、平素やはり政府が言っておりますとおり、できるだけすみやかに施政権の返還、また、施政権全体がいけないときには、自治権その他のいわゆる沖繩人民の権利をなるべく早く復帰いたしたいという非常な強いわれわれは希望を持っております。これらにつきましては、やはりいまお話のとおり、われわれのほうでさらにひとつ検討を加えまして、いろいろ向こうの真の意思その他もひとつさらに探求してみたいと思っております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 ある人は、沖繩はだんだん日本のほうに近づくのだというふうな夢だけ与えられて、実際は逆になっていっている、こういう批判すらされているわけです。こういうやはり具体的なことからそういう批判が出るわけでして、これは十分ひとつ具体的な問題として再検討してほしいと思います。  それでは次に、旧地主補償に関連する調査ですね。この点につきまして若干お聞きしたいと思うのです。大体この予算審議の終わりまでには、各種の調査が出そろうというふうに考えていたわけですが、現状はどういうふうになっておるのか、先に御報告を願います。

山野幸吉内閣総理大臣官房臨時農地等被買収者問題調査室長

○説明員(山野幸吉君) 現在総理府で行なっております調査は、被買収者の農地の実態調査が一つ、これは御案内のとおり昨年終了をしまして発表を見ておりますが、その他被買収者の生活状況調査、それから報償問題についての世論の動向調査、それからその他農地――終戦後における農地改革後の農地政策の変遷等を中心とします基礎調査がございますが、これらは現在なお進行中でございまして、三月の末ぎりぎりまでには所要の報告をいただき、あるいはまた調査が終わるような見通しになっております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 これはまあ邪推するわけじゃありませんけれどもね、三月の中ごろまでにはできるだろうというふうに聞いていたわけですが、ことさらに何か延ばされて、そうして予算審議に間に合わないというふうなかっこうにされているようにも感ずるわけなんですがどうなんですか。

山野幸吉内閣総理大臣官房臨時農地等被買収者問題調査室長

○説明員(山野幸吉君) 決してそのようなことはございません。基礎調査等につきましては、当初私どもは実は本年七月ごろまでかかる見通しでございましたが、いろいろ諸般の情勢から今年度内に完成すべきだということから、特に大急ぎに研究を進めていただきまして、やっと年度末ぎりぎりに間に合うような状況でございまして、決して調査を遷延しておるものではございません。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 まあわざとそういうことはされぬと思いますが、そこで、七月ごろをめどにしておったと言われるのが、特に三月一ぱいで仕上げようということになった理由というのはどういうことなんですか。私たちは、一時来年度にこの調査がかかるというふうに聞かされたものだから、それならば来年度に入ってちゃんとした調査の結果の報告を受けて、そして論議すべきものはしよう、こう思っていたわけなんです。ところが三月中に仕上げるんだという情報を聞かされた。それならば予算審議の過程で、ぜひ見たいものだというふうに考えたわけですが、ともかく最初の七月中というやつが、なぜこの三月中に変わってきたのか、そこをお聞かせ願いたい。

山野幸吉内閣総理大臣官房臨時農地等被買収者問題調査室長

○説明員(山野幸吉君) 昭和三十九年度の予算編成に際しまして、いろいろこの問題につきまして政府部門、与党との間で話し合いが進められまして、最終的には予算委員会で官房長官からも御説明があったと思いますが、農地報償問題に関する調査は、昭和三十八年度じゅうに完了するということにきまったために、調査を促進することにいたした次第でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 あれは、予算委員会でそういう発言をされたのはいつでしたか。

山野幸吉内閣総理大臣官房臨時農地等被買収者問題調査室長

○説明員(山野幸吉君) 衆議院の予算委員会の分科会で、たしか衆議院におきましては予算委員会でもあったかと思いますが、はっきりいま記憶しておりません。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 総務長官にお聞きしてもいいんですが、これは旧地主補償と非常にからんでおる調査ですね、この調査は。それで、そういう立場があるので、七月までかかる予定でやっているものを三月一ぱいで切り上げる、これを切り上げて出さぬことには、次に自民党から出そうとしておる法案が論理上出せぬわけですね。調査の結果を待って考えるという、こう言うておるけれども、実際は調査の結果を見ないうちに、今日きめてしまっておるわけだが、建前上はそう言っておるわけですわね、調査の結果を待ってあとの法案のことは考えると、こうおっしゃっているわけなんです。だからその順序からいきますと、そんな七月ごろまで調査をやっておってもらっちゃ困るということが自民党の中から出てきた。そのために急遽三月末にひとつ調査を仕上げよう、そういうことになったんじゃないですか。総務長官どうですか。

野田武夫自由民主党総理府総務長官

○政府委員(野田武夫君) これは実はいま室長が申しましたとおり、四つの事項の調査にかかりまして、大体実態調査は早く終わったんであります。それから世論調査も大体年度末までに終わるという見通しがそのときあったんですけれども、基礎調査がどうも延びるんじゃないか、こういうことから、まあ大事な調査であるから、それがどのくらい延びるかというと、まあ二カ月か三カ月延びるという見通しであるいはほとんどでき上がるだろう、こういうことです。で、いまお話の政府与党の間ですが、実態調査がこれはすでにもう出ておりますものですから、皆さん実態調査でもって大体この報償問題の取り扱いをきめてもらいたい、それはできないのだ、政府としては全調査が終わらなければできないのだ、そこでいろいろのいきさつはもちろんありましたが、しからばその調査を早めることはできないか、こういうことでした。それで、私は調査のほうの係の者と打ち合わせまして、与党その他の意見はこういう意見があるんだが、ほかの四項目――三項目の調査は大体年度末までに済む。すでに実態調査は公表しておるのでありますから、あと一つ残るものが二カ月、三カ月かかるというのだが、そいつを促進できないか、事務的にどうだ。こうなりますと、それは大体あとが、ほとんど終末だから、残っておる一つに集中していけばできると、こういうことでございます。それならばひとつ集中してみてはどうか。そしてできればほかの調査はすでにできているものもあるし、すでに見通しとしても、もう年度末までにでき上がるという見通しもできておるし、あと一つ残っておる調査だけに二カ月、三カ月費やすよりも、まあ年度末までにひとつ精を出してやってみないか、こういう大体打ち合わせを役所でやりました結果、それはやれないことはないということでしたから、それでは事務的に運べるならひとつ年度末までに運んだらどうだろうか、そういういきさつで大体の全調査を年度末までに終了すると、こういう話し合いで事務当局と係の者と打ち合わせました結果であります。別にいまお話の、何かかっこうをつけるためにことさら早めたりおそくしたりしているというようなことではございません。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 しかし長官からいまお答えになったのをずっと聞いておりますと、何とか調査を早め得ないかというそのことを言い出した動機というものは、私が指摘したとおりなんでしょう。いま大体長官もそういうふうにお話しされておりました。だから私は、そういう動機で、正規の機関がやっておる調査活動を早めたりおくらしたり、そんなことはよくないと思うのです。またそんな相談に乗るべきじゃないと思うのです。それは別な動機で、できるだけ仕事は早いにこしたことはないんだからどうだろうというふうな、純粋な話なら乗ってもいいだろうけれども、実態調査だけでは補償法案出すわけにはいかない、部分的ですからね。やっぱし実態調査だけじゃね。だから、その筋から、ともかく早く上げてくれ、そんなことははなはだ不明朗だと思う。学者はそういうことを承知したんですか、じゃ急いで間に合うように、ひとつ三月三十一日までにやりましょうというようなことを。どういうことなんです。

山野幸吉内閣総理大臣官房臨時農地等被買収者問題調査室長

○説明員(山野幸吉君) これは昭和三十八年度の予算で御案内のとおり一億八千九百万円の調査費がつきまして、昭和三十八年度完了するということでそもそも出発しておるわけでございます。途中におきまして、私どもとしましては、より完全なものにするには、何がしかの調査費を得て、できれば昭和三十九年度予算で二、三カ月調査を続行したらという意思を持ったわけでございます。しかし、予算としては三十八年度の予算で完了するというたてまえになっておりまして、したがいまして、研究を促進して完了せいといわれましても、これは決して無理な話ではないという工合にも考えられるわけでございます。委託先における研究の状況を最近聞いてみましたら、予定どおり作業を促進して、年度末にはぎりぎり間に合いますと、こういうことでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 だから、予算は昭和三十八年度末までにやられることになっていることは、これは明確なところです。ただ調査のことですから、そのとおりいかぬ場合がある、いかぬ公算が強かったわけなんだね。それをそういう補償法案を出す都合があるから早めてくれいと、これではちょっとどうかと思うんだな。そこを言っているわけだ。それはそんなことと離れて、いや来年度はもうそんなものに出す予算財源はないんだと、それからその予算の問題も、多少そういう意味では関係あるんだが、実際は私が言うたとおりなんでしょう。そういう立場から自民党の旧地主補償を推進しておる人が、みなさんのところへどんどん押しかけて来たわけなんでしょう。そしてあとの担当の仕事も総務長官引き受けてくれというような話もあったはずだし、それにつじつまを合わすように三月三十一日までにやろうというんでしょう。そして四月になったら補償法案を出そうと。動機を私は聞いている。そんな理屈なんかは、三十八年度の予算なんだから、そんなことはわかっています。どうなんですか。そういうことなんでしょう、根拠は。

野田武夫自由民主党総理府総務長官

○政府委員(野田武夫君) それはそうです。ものごとを勘ぐって言えば幾らでも何とでも言えると思うのですが、これはもっと率直に申しますと、いま言っておりますとおり、三十八年度でみな終わるということで、全部役所もその態勢でやっておった。それで役所の内部のことですが、せっかくのお尋ねですから申しますが、実態調査も早くできている、それから生活状況調査や、それから世論調査、これは大体その意味で非常に促進しておりましたから、大体最初の予定では年度末までかからないだろう、三月も、いまの予算審議の中で発表ができるのじゃないかというお話がありましたが、大体その程度にはできる予定であったのです。そこで、これは報償法を出すとか出さぬじゃなくて、どうしたのだ、どうしたのだということですから、私も事務的な方面の意見だけ聞いてはいけないが、事務的な意見も聞かなくちゃならぬし、調査の内容はどうなっているんだというと、大体三つの調査は、一つはもう早くこれはでき上がっているが、あと二つも三月の中旬までにはできるだろう。そこまで集中すると、あと一つの基礎調査のほうは少し延びるという話ですから、それなら、もうせっかく三十八年度で全部やるつもりで予算も取っておったし、しかも、もうすでに早くでき上がった調査もあるし、あと残された調査は大多数は三月中旬までにでき上がる。あと残っている調査もこれは一緒にできないのか。いま亀田さんは、いろいろ、何かすぐ報償法案でも出すようにそれと一緒になって考えているとおっしゃいますが、私は、事務的にやはりできるものは少し無理でも事務的につとめてやるということが本筋だと思います。それで実態を聞いてみたのです。ところがそれは最初からの約束ですから年度末までに完了する予定だが、どうしても基礎調査は事務的に無理だということですから、それじゃ最初に予定しておった世論調査は、あれなんか三月中旬を少し延ばして、それと一緒にしてもいいじゃないか。総合的な全調査を最初の予定どおり年度末までにやる予定にいかないか検討してみてくれということで、二、三日検討いたしました結果――二、三日もかかりません、一日、二日です――それで、やりましょう。そのかわり世論調査なんかも一週間か十日延びます、それはやむを得ない。全部年度末にそろったらよろしい、そういうことで、事務的な立場から考えてやれるということですから、それじゃやってもらいたいと。何もやれるというのを、ことさら引き延ばすこともありませんし、また、あと残された四つのうちの一つは、いま言ったとおりすでに完了している。あと二つも一週間か十日延ばせば、さらにもっと手のかかる基礎調査も年度末までに一緒にということならでき上がるということですから、それでいいじゃないか。年度末まで最初の予定どおり、事務的にもう少し早くやったらどうかということで、それじゃ全部年度末までに完了しよう、こういういきさつで、いま室長が申しましたとおり年度末までには全部完了する、こういうことになっております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 その点はその程度にしておきましょう。ただ私の心配するのは、調査というものについて、外部から見ておって延びたり早くなったりまた延びたり、あまりいろんなことをしますと、何か政治的に操作しておるようで、それではその調査を基礎にして、みんなが国政審議をやろうという、その大事な点に一つの影が出てくるわけですね。そういうことを実はおそれているわけなんです。そこで総務長官にその実態調査の結果等についての質問も、実は世論調査の結果も含めてしたいと思っておったのですが、まあその一部だけしか出ておりませんから、中途はんぱになりますから、これはまた四月に入ってから適当な機会にすることにいたしまして、きょうはその点はいたしませんが、一点お聞きしたいのは、総務長官が旧地主補償の窓口、実行の窓口を引き受けましょう――農林大臣とだいぶ押し合いになっていたようですが、結局お引き受けになったようですが、その心境を聞きたい。

野田武夫自由民主党総理府総務長官

○政府委員(野田武夫君) 御承知のとおり、いま問題になっている農地の報償問題でありますが、これは前にもしばしば申しましたとおり、全調査が完了して、その上において、その調査に基づいて政府の態度をきめる、これが私どもの態度であります。したがって、この調査の結果、何もすることばもうないのだということならばいいが、何かの措置をしなくちゃならぬ、こうなってきますと、当然これはどこかで事務的に取り扱わなくちゃならぬ。そこで最初いろいろな折衝がございまして、総理府であとの仕事がある場合にはやってくれないか、あるいは農林省でやってくれ、これはお話しのとおり、事実ありました。私はどの役所がやるとかやらぬとかということは、これは総理大臣がおきめになることでありますし、総理がきめてどの役所でやれとなれば、これはもう当然やらなくちゃならぬ立場にありますからというので、これは新聞でも、私そう新聞記者にも言っておりますから、間違いありませんが、いまのままで総理府でやろうとかやれないとか――大体やる。どうしてこのままの機構でやれるのか。しかし、総理大臣が最後にどの役所でやれ、やったほうがいいということになれば、もちろんわれわれは総理の幕僚でありますし、政府の一員でありますから、これは総理大臣の指令によってやることにしようということの態度を私は一貫して持っております。私は農林大臣ともあまり折衝はしませんし、いろいろなことはあったかもしりませんが、最後に総理から、もし調査の結果何らかの措置をするという場合には、総理府でやってくれと言うので、それじゃ引き受けましょうということで引き受けたわけであります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 その点なんですよ、問題は。あなたは、この調査を担当しておる役所の責任者なんですね。調査のほうの責任者なんです。その調査の結果を見て、そうして考えなくちゃならぬという性格の問題なんですね。ところが、実際は、先に考えてしまっている。だから、実際は先に考えてしまっているから、調査が終わらぬうちにそういう話が出てくるわけなんです。だから、私は総務長官がどういう態度をとられるかなと思って、いろいろあの当時の新聞は細大漏らさず見ておりました。農林大臣なかなか筋を通して、そんな農林省のやったことにけちをつけるような、そんなことをわしがやれるかというようなことで、これは絶対受けつけない。これはなかなか筋が通っている。総務長官のほうはどうされるだろう、あんなことを引き受けたら、これはたいへんなことになるがと思っていたら、結局引き受けられましたね。そうすると、調査の結果、何らかの措置をしなければならぬ場合には、おまえ引き受けてくれよ、そういう条件づきだと長官はおっしゃるだろうと思うのです。ところが、これはほかの人に、ほかの大臣にそういう条件づきで引き受けさせるなら、私はこれはまだ――政治ですから、行き当たりばったりにやるわけにはいかぬから、多少準備が要るということもあり得ると思うのです。ところが、あなたは調査の担当者なんです。その人がそんな仮定の引き受け方をしたのでは、あなたが責任者であるこの調査というものはもうすでに色がついている。あなたの引き受けたことを裏づけるために、何かごそごそ、最終の取りまとめを延ばしたり縮めたりやっておる。そうなりますよ。だからあなたがどうしてもこの総理の命令で引き受けなければならぬとしても、三月三十一日に調査結果がわかるまでは、だれが何と言っても、職責上からいって、そんなことはまかりならぬという態度をとられたら、これはたいしたものじゃと思って、私はかたずを飲んで見ておったのですが、そうでなかった。これは筋が通らぬと思う。そういう条件つきだから、あなたは差しつかえないとおっしゃるかもしらぬが、非常に私は残念だと思っております。どうでしょうか。

野田武夫自由民主党総理府総務長官

○政府委員(野田武夫君) 非常に御親切な御忠告をいただきまして、私もあなたと同感なんです。そこで、これは内輪のことだからあまり言うとなんですが、まあしかし、お互い政治家ですからざっくばらんに申し上げますが、この問題は私はあなたのおっしゃったように調査の責任者です。したがって、調査の結果によって何分の措置をとることになるかならぬか、これはまず前提がありますが、そこで、あなたのようにおっしゃれば、もうすでに何にか私のほうで次の措置をとるようにもう用意をしておる、こういうような御観測のようでありますが、それは全く事実と違うのです。なぜかなれば、実は私のほうではいま調査室はありますが、これは三月三十一日にこの調査室は名実ともになくなります。そうすると、この間に何分の措置をとるということにあなたがそうおっしゃるから、かりにそういう仮定にいたしますが、そうすると、これは総理府できめることじゃございませんから、もちろん閣議の問題になって、いろいろ問題になるでしょう。何もしないということになればそれまでですが、すると仮定いたしますと、どこでやるかという場合に、その場合に総理府ということでございますが、この調査室は、三月三十一日に解消して、まだ何らの次の措置をとるような機構を持っておりません。それでもちろん調査室そのものは、これは人間がおるから、いろいろな理屈をつけて残すとか残さぬとかできるでしょう。また政令でもやれるでしょう、そんなことは政治上問題にしないのです。私の言うのは、調査の機関は持っておりますが、しかし何らかの措置をする場合には、調査の機関でするわけにいかない。これはおわかり願えると思う。こんな大きなことを三人や五人の調査室で、もう一ぺんやれと言っても、できることじゃない。だから、もしあなたが言われるように、この世論調査室がもうすでに何らかの措置をするという前提のもとに色づけをやっているならば、それは表向きはちゃんと機構をつくってやったわけですが、私は今日までに何らその措置をとっておりません。措置がきまれば、そうして総理府がやる、こういうことになれば、ここに初めてそういう機関をつくらなければならぬ、こう考えております。やらなければ何も機関をつくる必要がないというので、全く総理府の中におけるこれらのものを処理する機関というものは、白紙でおるわけであります。これはどんなに調査されても、私の態度は、世間にもそう申し上げ、総理も申し上げておりますが、この世論調査の結果によって、そうしてその結果、結論として何らかの措置をするというその場合には、総理府でやるという場合は、新たな機関をつくってやる。だからそれまでは何も機関を設ける必要がないというので、何らそれに対して予算も準備もいたしておりません。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それほど白紙のすっきりした立場でおられるなら、そう急いで引き受けなくても、四月になってからでもいいわけですよ。逆にそういうことも言えるわけです。だから一般に見ておりまして、非常に割り切れぬものを感じていることは、これは事実です。これだけ申し上げておきます。  それから世論調査の関係をちょっと聞きますが、日韓会談に関する世論調査ですね、これはなされたものがありますか。

野田武夫自由民主党総理府総務長官

○政府委員(野田武夫君) これは、日韓会談は昨年の三月に一度やっております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 ちょっと結果をおっしゃってください。

野田武夫自由民主党総理府総務長官

○政府委員(野田武夫君) 結果ですか。結果の概要がここにちょっとありますが……。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 資料としてもらってもいいです。

野田武夫自由民主党総理府総務長官

○政府委員(野田武夫君) 一応ここにあります。これは概要ですから、詳しくはあとでまた……。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それはどこの調査ですか。

野田武夫自由民主党総理府総務長官

○政府委員(野田武夫君) これは総理府でやったもので、それによりますと、日韓会談が進められていることを知っているかどうかということ。知っている者が七一%になっております。それからまた、韓国との国交をなるべく早く正常化することに賛成かどうかというので、賛成か反対かという調査ですが、賛成の者が四三%、反対の者が四%であります。それから、これは民間でやっておるのでございます。これは私どもの参考に持っておりますが、別にお尋ねございませんから……。もし何ならば、最近、そのあとでやりました民間調査はあります。これは持っております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 じゃ一緒に資料としていただきます。

野田武夫自由民主党総理府総務長官

○政府委員(野田武夫君) じゃあちょっと御参考に申しますと、あと詳しいのは資料で差し上げますが、これは民間の世論調査でございます。総理府でやりましたあとの調査でございますが、これも大体同じ数字でございまして、日韓会談が進められていることを知っている者は、これも七一%になっております。日韓会談を積極的に進めることに賛成か反対か、これは総理府でやりました世論調査よりも少し――ほとんど近い数字でございますが、ちょっと違っておりますが、日韓会談を積極的に進めることに賛成の者が四七%、反対の者が五%、それで政府は、さらに、総理府といたしましても、最近もう一度やりたいと思っておりますが、まだいまは、その準備をいたしております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 これは資料を拝見して、また、適当な機会に議論することになると思うのですが、なかなかこの世論調査の出し方というのはむずかしいわけでして、二つの国の間で国交がない、現在それをちゃんと話をまとめて国交を開く、これに賛成かどうかといえば、これはもう大部分が賛成しますよ、ぽつんとそういうふうに聞かれたらね。それはあなた、隣同士でそんなことをせぬほうがいいなんとそんなことを言う人は、おそらく私はないと思う。だからこの問題の出し方が、きわめて重要なんですね。そういう点で、いまちょっとお聞きしますと、賛成票をたくさん取りやすいような問題の設定のしかたのようでありますが、あらためてこれはじっくりやります。じゃ一応これで……。

加瀬完日本社会党

○主査(加瀬完君) 他に御質疑の方はございませんか。――御質疑はないものと認めます。  以上をもちまして、内閣及び総理府所管に関する質疑は、終了したものと認めます。  これをもって昭和三十九年度総予算中、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、総理府のうち防衛庁、経済企画庁、科学技術庁を除く全部及び法務省並びに他の分科会所管外の事項の審査は、全部終了いたしました。  なお、予算委員会における報告の内容及び審査報告書の作成につきましては、慣例により、これを主査に御一任願いたいと存じます、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加瀬完日本社会党

○主査(加瀬完君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  これにて散会いたします。    午後四時十五分散会

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