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46回国会参議院1964/03/10

予算委員会 第11号

発言数
244
登壇者
18
会派数
3
開催日
1964/03/10

会議録

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 予算委員会を開会いたします。  昭和三十九年度一般会計予算、特別会計予算、政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  この際、御報告いたします。先般、委員長及び理事に御一任いただいておりました公聴会公述人の選定につきましては、ただいまお手元に配付しております印刷物のとおり決定いたしましたので、さよう御承知をお願いいたしておきます。  質疑を続けます。小平芳平君。

小平芳平公明会

○小平芳平君 私は公明会を代表いたしまして、主として国内問題で総理並びに関係大臣にお尋ねしたいのでありますが、その前に、すでにここでもうたびたび論議になったことではありますけれども、総理大臣のお考えを若干お伺いしたい点が二、三ありますので、それを先にお伺いしたいのであります。  初めに、日韓会談についてでありますが、けさの新聞では、きょうから閣僚会談が始まるということを報道されておりますが、総理大臣といたしまして、今国会でその問題を最終的に解決なさるというおつもりでかかっていらっしゃるか。また、交渉の妥結の見通し、また、今国会で最終的に結論を出すような見通しをお持ちかどうか。それについてお尋ねしたい。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 日韓間におきまするあらゆる案件を一括して妥結しようといませっかく努力中であるのであります。したがいまして、それがいつ妥結するかわかりません。国会に出す出さぬはそれによってきまるわけです。いませっかく折衝中でございます。相手のあることでございますから、私は早いにこしたことはございませんが、決してあせってはおりません。将来長く両国が円満な国交関係に入ることを目途として努力をいたしておるのであります。

小平芳平公明会

○小平芳平君 決してあせってないということでありますので、日本国民の満足のいく方法で、また、そういう結論でなければならないと思います。  それからもう一つ、日韓問題とともに、ILO八十七号条約の批准の問題がありますが、この八十七号批准の問題は、日韓会談の問題とは関係なく進められなければならないのが当然だと思います。聞くところによりますと、この二つの問題を一方だけやるとしたら、どちらをやるかとか、あるいは二つとも今国会で通していくかとかいうようなことが言われておるわけでありますが、この八十七号条約の問題は、すでに再三、国会にも提案されたことでもありますし、また、いろいろな情勢の上からいっても、与野党を問わず、この問題は、早急に審議を開始し、解決しなければならない問題だと思いますが、いかがですか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 日韓会談とは関係ございません。別個に早急に解決しなければならない問題でございます。したがいまして、もうすでに国会に提案いたしておるわけでございます。

小平芳平公明会

○小平芳平君 もちろん、提案されておることはわかっておりますが、一向に審議が進もうとしない。そこで、そのままの状態で三月が過ぎ、四月が過ぎるというと、会期ももう余すところわずかになって、なくなるわけであります。ですから、こういう状態で何日か、何ヵ月か過ぎるということは、提案をしただけで、結局、いつ批准の見通しがつくかわからない状態に現在あると思うのです。そこで、何らかの方法をもってしなければ、実際問題として動き出せないという現状にあるのではないですか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 何らかの方法で、話し合いで進めていこうということで、せっかく、衆議院の議運でも持ち上がっております。私は、近いうちに解決がつくことを期待しております。

小平芳平公明会

○小平芳平君 この問題は、条約批准のほかに、いろいろな問題が付随して、結局行き詰まってしまったのは、総理も御承知のとおりなんですから、この際、国内法は最小限の改正で、批准をまず通すとか、あるいは条約の批准をまず成立させるとか、そういうような方法についての総理のお考えはいかがですか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) いまILO批准と国内法の整備、一体として御審議いただくように努力しておるのであります。

小平芳平公明会

○小平芳平君 努力とおっしゃいますけれども、実際問題として、全然動き出していないわけです。そこで、総理としての御責任で、あるいは自由民主党総裁としての御責任で、何らか動き出させるような方法はございませんか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) いまそれをせっかく衆議院のほうでやっておるわけでございます。

小平芳平公明会

○小平芳平君 せっかく総理は努力しているとおっしゃいますが、労働大臣としまして、特に大臣のお立場上、この条約の批准について、特に大臣はこの点について努力もなさってこられたと思いますし、今後もまた責任をもって解決の衝に当たらなければならないお立場だと思いますが、大臣はどのようにお考えてしょうか。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○国務大臣(大橋武夫君) 国会の御審議がすみやかに始まることを心から希望いたしております。私どもといたしましても、原案を提出いたしておりまするので、倉石案その他いろいろな問題点があるようでございまして、これらにつきましては、政府部内においても、いろいろ関係省も寄りまして検討を加えて、必要な際には国会に出して、政府の意見を述べ得るように準備を進めておる状況でございます。     —————————————

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 委員の変更がございました。  赤松常子君が辞任され、基政七君が選任されました。     —————————————

小平芳平公明会

○小平芳平君 何を検討なさっていらっしゃるのですか。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○国務大臣(大橋武夫君) すでにいわゆる倉石問題点なるものが明らかにされておりまするので、私どもといたしましては、国会の審議が軌道に乗りましたならば、いずれかの時期において、いずれかのところから、こうした問題について政府の所見をただされる時期もあろうと存じます。何ぶん複雑な問題でございまするので、各省いろいろな考え方がございまするから、事前によく連絡をいたしまして、その際において、政府としてのこれらの問題点についての統一的な見解を明らかにすることのできまするように、連絡調整をいたしながら、準備をいたしておるのでございます。

小平芳平公明会

○小平芳平君 労働大臣は、政府としての統一的な見解を発表できるように検討中とおっしゃっておられますが、総理はいかがですか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 委員会が成立いたしまして審議が始まったならば、政府の考えはそのときに申し上げる段取りでございます。

小平芳平公明会

○小平芳平君 非常に不満ですけれども、この問題ばかりやっているわけにまいりませんので、次にまいりますが、とにかく早急に批准するということが、だれが考えても当然のこととなっている今日でありますから、ひとついろいろな問題点もありましょうが、それを実現していただきたいと思うのです。  次に経済、それから景気の見通しについてですが、この点も再三問題になってまいりましたことでありますが、昨年三月の予算委員会で総理は、私は秋を待たずして景気が上がると言った。私の多年の経験と勘、この勘が当たっていくと私は自信を持っているのでございます、というようなぐあいに、総理は、昨年の予算委員会では非常に景気の問題について自信を持って、私の勘は当たると、秋になれば景気は上昇すると、あるいは昭和三十七年十月には貿易収支は黒字になるということを、前もって私がそういうことを言ったとおりになったというふうに、昨年は総理はおっしゃっておられたわけですが、ところが、今回の予算委員会の審議を通じて総理の御答弁をお聞きしましても、必ずしも昨年のようにはっきりした景気の見通しについてのお考えを発表なさっていらっしゃらないように私は感ずるのですが、いかがですか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 三十七年の調整期には、いまの生産の伸び方が落ちております。しかしこの落ちた状態は、三十七年の暮れから三十八年の初めにかかりまして私は秋を待たずして生産は伸びていく、こう言っておった。したがいまして、私の予想どおりに三十八年の五月ごろからだんだんよくなってきました。八月ごろには普通の状態になった。十月、十一月、ことしの一月におきましては、生産は非常に伸びまして、前年に対しまして一割七、八分の伸びであります。これはたいへんな伸びで、たいへんな景気であります。生産のほうから申しますと、予想を上回る。だから三十八年の生産は九%ぐらいの見込みでおります。去年のいまごろよりももっと……予定は九%の伸びで、実績は二二・六%、これからずっと横ばいになっても二二、四%くらい伸びておる。これは生産面から言ったら非常な好況の状況であります。少し行き過ぎておると思うぐらいの状況であります。そこで去年の暮れからまた調整にかかっておるわけでありますが、いろいろな事情でまだ生産が落ちるというところまでいっておりません。この一月の実績は前月に比べまして一%余り落ちましたが、一月は三・五%まで上がっておる。こういう状況で、いまは人に言わすと不景気だという人がおりますが、経済全体としては伸び過ぎておる状況でございます。これを調整して、御承知のとおり三十九年度におきましては生産が大体九%程度を見込んでおります。それには、これから生産を少し落としていかなければならない。こういうことで景気とか、不景気とかということを生産面で申しますると、これからはあまりの行き過ぎを押えていかなければならない状況であるのであります。

小平芳平公明会

○小平芳平君 総理は秋を待たずしてとおっしゃった。また生産が伸びたということは統計で見られますが、また一方では中小企業の倒産が目立つ、あるいは不渡り手形がふえてきた。そういうような現象——それからそういう点については暖冬異変だ、冬があたたかいからそういう現象も起きるのだというようなこともおっしゃるのですが、冬があたたかくて災害を国全体として受けなければ、かえってあたたかい冬を楽しんでいかれる、国民生活がそれだけ潤う。そういう景気、そういう経済というものが開かれてこなければならないと思うのですが、いかがですか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 日本の国全体の経済状況がどうかということと、そうして一部の人の破産ということが全体に経済的に見て、どういう影響があるかということは別個の問題でございます。いまは大企業、その他順調な中小企業におかれては非常な景気でございます。生産の増。しかし、過去の行き過ぎというものの整理段階に入ってまいりますと、弱い方——過去に行き過ぎた政策、方針をとってこられた方がけつまずかれるということは、これはお気の毒ですけれども、またあり得ることです。だから、あなたにいたしましても、日本の景気がいいか悪いかという問題と、中小企業の一部の人が倒れていくという、こういういやな状態を、どう判断するかという問題になってくる。そこでいろいろ議論がございますが、われわれとしてはある程度の金融の調整でこれを切り抜けようとしております。また、ある人はドラスティックな措置をとるべきだという人もおります。しかし、そこは今どういうところに主力を置いていくか、ドラスティックな措置をとってお気の毒な方がふえるということはなるべく避けなきゃならぬ。だから、金融調整でやっていこうという、徐々に協力していこうというのがいまの大蔵大臣、あるいは日銀総裁のお考え方のようでございます。しかし、私はきょうの調査で見ますと、イタリアなんかは相当な苦況に立っております。二、三日前のロンドンのエコノミストの調査報告では、イタリアのプレティ経済大臣は、これ以上生産性よりも越えて賃金が上がったならば、リラの危機だということを言っておられるような状況でございます。私は、そういうことを見ながら、日本の経済の動きにつきましてりっぱなかじとりをしていかなきゃならぬ重大なときだと思う。イタリアがそうだということになると、今度はドイツがたいへんでございます。もういまは七十五億ドルの外貨を持っている、前年度に比べまして十億ドル……。ブレッシングという連邦準備銀行の総裁は、きょうの電報では、これじゃとてもたいへんだと、ドルが集まり過ぎてたいへんで、インフレの懸念がある、アメリカとの関係をどうしようか、あり余るドルをどうしようかという心配もしておられるようであります。なかなかむずかしい状況であるのであります。だから、私はいまの経済の実態を十分見ながら、この調整期を早く脱して明るいものにしなきゃならぬ。しかし、よその国から見ますと、日本は非常にいい工合にいっておる、こう見ておる、全体としまして。しかし、中にはそういうお気の毒な人がおられるのであります。だから、できるだけ行き過ぎを抑え、そうしておくれた人に手をかしていこうというのがいまの状態であるのであります。

小平芳平公明会

○小平芳平君 その一部の人が倒産する、あるいは農家では豊作だからといって貧乏しておる。そういうことは、やはり個人がまあ経営に失敗したという例もありましょうが、政府としても責任がある、政府の責任、政府の政策にもそれだけの欠陥があった、少なくとも行き過ぎた欠陥があったということにはなりませんか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) これは、全体として考えなきゃならぬ問題であります。私は、昭和二十四年にインフレ防止対策として世界にあまりないような非常なドラスティックな措置をとりました、不景気になりました。しかし、これは敗戦日本が越えなければならぬ関所だといって、国民の協力を得ていったわけであります。その後におきましても二十八年の危機もあります。三十二年の危機もありました。そうしてまた、いまも国際収支でかなり心配しておられる人がおりますが、過去十何年かの蓄積によりまして、私は全体としては、日本の経済は歴史にないほどのりっぱな発展を国民がしてくださったと思います。きょうも閣議決定いたしましたが、三十八年の国民生活白書をきょう発表いたします。どうぞごらんくだされば、いまのお百姓さんが困っているとか、いろいろな格差が拡大したとかおっしゃるけれども、いままで非常にまずしかった人に、苦しかった人がだんだん急激によくなりつつあるということは、統計が示しております。私は、そういう意味において、一部にはお困りの方がございますが、全体としてはいい歩みを続けてきたし、今後もそれを続けていかなきゃならぬ、そのために国民とともに前向きにやっていこうとしておるのであります。いつの時代でも、どこでもあることでございます。その悪いところをできるだけ少なくして、悪い人を助けながら全体として伸ばすことが政治の目標であると考えて進んでおるのであります。

小平芳平公明会

○小平芳平君 農家の問題は、またあとであらためてお尋ねしたいわけですが、結局この問題については結論としてもう一ぺん総理にお尋ねしますが、昨年のようにいつになったら景気が上昇ですか、上向くかあるいは国際収支はいつになったら心配なくなるか、そういうような見通し、これは総理は全体としてはよくなったとおっしゃいますけれども、やはり一方では国際収支は赤字だ、あるいは金融引き締めだ、あるいは不渡り手形がふえたというふうにいわれることは、社会として、国民生活としては暗いニュースだと思うのです。そういう暗いニュースから抜け出して、こういう明るい見通しがあるという点はございませんか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 国際収支というものは相手のあることでございますから、いまから一年ぐらい前から半年前はいわゆるヨーロッパでイタリア、フランスが一番よくなっていた、しかもイタリアの発展はたいしたものだと世界の人がいっておりましたが、いまはそういうふうな状態で、非常なインフレの、物価高の賃金高、そしてリラがスイス、ドイツへどんどん逃避して、非常な赤字で因っているということになる。波を打つ。そこで片一方のドイツでは非常に外貨がたまり過ぎてしまう。相手のあることでございますから一がいにはいえませんが、いま少し行き過ぎたところを押えておるところであります。ある程度、九%くらい——外国でいいますと、九%の生産増強なんていったらたいへんな景気だ、日本人は景気になれておりますから、九%くらいでは景気とは思わない、しかし私は大体その程度でいくと思います。国際収支なんかにつきましても、これは政府がどうこういったって、この前から言っておりますが、国民の消費が伸び過ぎた、ことに外国の消費物資に対しての日本人の執着が多い、バナナなんか自由化いたしますと百五十億円もバナナを食べる、インスタントコーヒーを五十億円も一年に輸入する、こういうことがやはり国際収支に悪影響を及ぼす、日本でりっぱな万年筆ができるにかかわらずこれは何十倍と輸入するということはお考え願わなければならぬ。政府も注意いたしますが、やはり国民におかれてもそういうことをお考え願って、なるべく国産品を使う、貯蓄増強をしようということでないと困るわけであります。これは不景気については、これは私の政策ではない、行き過ぎた好景気をきらいますが、不景気は絶対に私は避けなければならない。そこで外国の伸びの倍くらい——ある程度伸びていっていけば適当な伸びじゃないか、こういうことを言っておる。これは政府ばかりでたく、国民と一緒にやっていかなければならない。だから、いたずらに心配をせず、自信を持っていきましょうというのが私の考えでございます。

小平芳平公明会

○小平芳平君 次に、私は東北地方の雪害についてお尋ねしたいのですが、災害に対する基本的な考えとしまして、たとえば伊勢湾台風のときのような大災害に対しては、国全体がこれに当たるのは当然でございますが、また、こうした東北地方に起きたような局地的な災害であっても、その災害が局地的であればあるほど、すみやかな、またできる限りの、あたたかい援助の手を打っていかなければならぬと思うのです。私も、東北地方へは初めて今回行ったような次第でありますが、ただでさえ山ばかりの、きわめて貧困な地方でありまして、その上さらにチリ地震の津波を受けたり、あるいはフェーン現象のときの災害、火災が続いて非常に山も荒廃している。そういう荒れ果てた山にまた大雪が降った。そして地方公共団体も非常に困っていらっしゃる、また住民も大雪でたいへんに困っていらっしゃる。こういう現状であります。初めに、総理大臣はこういう御報告を受けていらっしゃることと思いますが、何か具体的な検討をなさいましたでしょうか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 東北地方の雪の害は聞いておりますが、まだ調査中と心得ております。

小平芳平公明会

○小平芳平君 それでは農林大臣にお尋ねしますが、特に農家が多いわけですが、被災農林業者に天災融資法の適用を受け得るようにしてもらいたいということは、現地からもそういう申し出があったと思うんです。それでこの天災融資法の法律そのものは、いろいろと条件がむずかしいそうでありますが、こうした東北地方という特殊な環境で起きた大雪の災害でありますから、ぜひ適用してもらいたい、こういうわけです。それについてお考えはいかがですか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) この青森、岩手県は、昨年はいもち病でひどかったところでございますが、いもち病での適用が非常に困難でございましたが、冷害ということで天災融資法の適用をいたした次第でございます。  青森、岩手県下の農作物の被害でございますが、二月上中旬の降雪の被害につきましては私ども報告を受けています。三月六日に現地の調査をいたしまして、その調査によると被害の程度が約二億円、こういうことでございます。従来の天災融資法の発動状況からしますと、天災融資法の適用は困難でございます。困難でございますが、なお引き続き検討いたしております。  そこで、よけいなことかと思いますけれども、東北地方は非常におくれているところで、ひどいところでございますので、農地とか農業用施設、林道、治山施設等の災害復旧を、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置法という法律がございますので、その法律によりまして補助を行なっているほか、なだれ防止事業の推進をはかっております。なお、山林地帯での製炭業者に対しましても薪炭、原木などの国有林材の払い下げ、あるいは家畜の飼料として政府手持ちの輸入ふすまで重点的対策を行なう、こういう対策をとっております。

小平芳平公明会

○小平芳平君 先ほどちょっと、わかりにくかったのでございますが、たとえば林道とかあるいは農業用施設とか、特にあの方面に多いのは炭焼きのかまどですが、そういうものに対する補助金を出すようにしているわけですか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 天災融資法の適用は困難でございますけれども、災害復旧事業の暫定措置法という法律がございます、その法律によりまして、農地とか農業用施設、それから林道、治山施設等の災害復旧、そういう方面の補助をいたしております。それから山林地帯の製炭業者等に対しましては国有林の原木を払い下げて、仕事が進められるようにする、こういう方法をとっております。

小平芳平公明会

○小平芳平君 そのお金がほしいわけです。さしあたり現金がほしいわけであります。それで農林省のほうで、はたしてその災害を受けた農家にどのくらい、幾らかの現金収入が入るような方策を講ぜられるかどうか、それをお聞きしたいわけなんです。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 先ほど申し上げましたように、林道等の復旧事業等を行なっていきますから、それに出て給料をもらう。あるいは製炭の原木を払い下げますので、その方面の仕事が進められる、そういう方法をとっております。具体的に幾ら幾らの金がいくということは、ちょっと調べておりませんけれども、そういう方法によって現金収入が得られるような方法を講じております。

小平芳平公明会

○小平芳平君 原木の問題その他の問題は、私もお聞きしてまいりましたが、やはり現金収入の道を至急に検討していただきたいと思うわけです。  それから自治大臣にお尋ねいたしたいのですが、地方団体が経費の増大に非常に困っていらっしゃる。特に除雪作業も、お金があるだけ除雪をして、あとお金がなければしかたがない、雪の解けるのを待つというような結果にもなるわけですが、特別交付税による財源措置について、なるべく具体的に、若干してくださることは間違いないそうですけれども、どの程度をどういう時期にそういう点を見ていただけるかお尋ねしたい。

早川崇自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(早川崇君) 地方団体、特に東北地方もその例でございますが、積雪に伴う事態のために必要とする経費に対しましては、両面から、すなわち、一つは普通交付税を算定するにあたりまして、積雪度補正というものを三十七年度から実施いたしまして、三十八年度、三十九年度これを行なうことにいたしておりまするから、この面での自治体の財政に対するかさ上げができるわけでございます。また、今回のような、さらに大きい降雪につきましては、それに加うるに、特別交付税の算定にあたりまして、各地方団体ごとの降雪量を基準として道路の除雪費、公共建物の雪おろしのための経費、その他ブルドーザーを借りるとか、そういった諸対策費を特別交付税の算定に入れまして、本年度、特に青森並びに岩手の豪雪地帯に対しましては、近く特別交付税の増額を行ないまして措置いたしたいと考えております。

小平芳平公明会

○小平芳平君 私のお尋ねしたい点は、いま、自治大臣が最後におっしゃった、本年度検討して措置なさるというその時期とか見通し、具体的にどのくらいという、そういうことはいまわかりませんでしょうか。

早川崇自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(早川崇君) 今週一ぱいくらいには豪雪地帯の実情も出てまいりますので、今週末には具体的にその金額も決定いたしたい、かように思っております。

小平芳平公明会

○小平芳平君 これはとにかく急いでお願いしたいと思うのです。  それから次に、企画庁長官にお尋ねしたいことは、豪雪地帯対策特別措置法に基づいて、豪雪地帯基本計画というのがございますが、これを早急に実施し、また、この計画を実施なさることによってどのような効果をあげていかれるか、抜本的な対策についてお尋ねしたい。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) これは、ただいまお尋ねの問題よりも、もう少し基本的な計画を考えているわけでございます。先月の末に基本計画の閣議決定をいたしました。考え方は、やはり豪雪地帯は本来それだけのハンディキャップをしょっているということから出発いたしまして、一方において、農業等を含めましたいろいろな意味での産業基盤というものをそれだけしっかりよけいに手をかしてつくっておかなければならない。他方でまた、国民生活、生活環境もそれだけ劣るわけでございますから、それについても特段の配慮をしていかなければならない、こういう基本の考え方、これはやはり地域格差をなくすという一つの考えから出ているわけでございますが、そういう考え方に基づきまして、基本的な計画を立てまして、そうして産業の基盤及び生活環境の増進ということから交通、通信、あるいは道路、いろいろ流雪溝等の直接雪に対する対策、鉄道、軌道交通、船舶、通信、それから電力の供給の整備、そういったようなもの、さらには、具体的に農業、林業、水産業等に分けまして施策を考えるわけでございます。それと今度は、直接国民生活、生活環境という側では、教育、保健衛生等々、特に豪雪地帯についてそういう具体的な施策を立てて考えていきたい。そういう考え方に基づきまして、各省が、公共事業等の投資を各省別にやっていくわけでございますが、さらに、その間に調整を要すると考えられますので、経済企画庁に若干の調整費を、すでに今年度の、ただいま御審議願っております予算に組んでいる、大体そういう考え方でございます。

小平芳平公明会

○小平芳平君 もう一度申し上げたいのですが、災害の場合は、局地的な災害であっても、やはりいつまでも調査中とか検討中というのでなくて、局地的なればこそ、もっと至急に、早急に、しかもあたたかい救援活動というものを私は期待したいのです。  次に、製炭業者、いわゆる炭焼きでありますが、製炭業者といえば、山を持ったり、また、かまどを持ったりしている人を製炭業者というのだそうでありますが、実際には焼き子という、まあ雇われて働いている人も相当数いるわけです。この炭やまきというものは、だんだん使わなくなってきまして、そうしてある新聞記事でありましたが、山の燃料革命という見出しで、山奥の炭焼きのその家庭で、お勝手ではプロパンガスを使っているというような実際問題、都会でも炭やまき、たきぎというものはほとんど使わなくなってきているわけです。実情がそうなっているわけです。それでもなおかつ山の中でこうした製炭に従事している人が昭和三十六年の統計で二十三万七千人、十三万七千世帯の人が従事しているというように農林省の統計でなっております。そこで、総理にお尋ねしたいのは、こうした製炭業者の問題もありますが、それも含めて根本的に林業基本法というようなものを制定して、こうした山で生活しておられる方々の生活不安を解消し、また、ずいぶん植林すればいいところがまだ植林してないとか、いろいろな問題点があると思いますが、そうした基本法を制定する、それによって根本的に不安を解消していくというようなお考えはございませんか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 国土の七割近くが山林でございます。これにつきまして政府として重大関心を持つことは当然でございます。昔から、国を治めるは山を治めるにしかず、こういうことばがございます。私は、日本の国土内で振興開発すべきものは山林だと考えます。したがいまして、そういう方向でお話の林業基本法と申しますか、ひとつ検討に値するものだと考え、準備いたしたいと思います。

小平芳平公明会

○小平芳平君 農林大臣はいかがですか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) いろいろのお話がありましたが、林業基本法につきましてはいろいろな経過がございます。農林漁業基本問題調査会からの昭和三十五年十月の答申、あるいは中央森林審議会からの昭和三十七年十月の答申など、また、四十回国会におきましては、森林法改正に際しまして、また、四十三国会におきましては、森林組合合併助成法整備に際しまして附帯決議等が行なわれております。そういういきさつがございまするし、各方面から林業基本法を立法化しろという要望が強いので、目下農林省といたしましては、出したいという方針で検討を命じております。

小平芳平公明会

○小平芳平君 総理も先ほどのように、非常に御熱意を持っていらっしゃるわけですから、農林当局もその点について前向きでそれこそ進めていただきたいと思うんです。  それから農林大臣にもう一つ。製炭業者に対する共済制度というものを法律で定めて、民間ではすでにそうした共済制度があるそうですが、共済制度を法定するようなお考えはございませんか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 製炭業者の共済制度につきましては、実施が可能であるかどうかということで学識経験者に依頼しまして、制度についての検討を進めることにいたしております。そういうことで、三十九年度におきましても、まことに少ない予算でございますが、二百万円予算を計上いたしまして、共済制度について検討をするということを学識経験者に依頼する方針をとっております。

小平芳平公明会

○小平芳平君 次に、総理と大蔵大臣にお尋ねしたいんですが、国有林の払い下げについて、この問題については、総理が何かどういう演説をなさったとか、それについて国有林がまだ払い下げになってないとか、いろんなそういうようなうわさもあるわけですが、そういううわさはともかくもとして、私として実際見て痛感したことは、国有林に取り巻かれているためにどうもその地域を開発しようとしても実際問題困難である。これは僻地教育の報告の中にもそういう点があったのを、私、見たんですが、そういうような国有林に取り巻かれていて地域開発がおくれるとか、そういう点も出てきているわけですが、政府として国有林の払い下げに対するどのような方針、どのようなお考えかお尋ねしたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 国有林につきましては、御指摘のとおり、払い下げをしなければならないところ、また、北海道のように国が買い上げなきゃならぬところ、いろいろ地域によって違うわけであります。しかし、これらの問題につきましては、国土保全の問題、水源林涵養の問題、いろいろの問題がありますが、お説のように、国有林を払い下げてその地方の振興に資するということもございますので、三十九年度の予算で、各営林局別に国有林野管理審議会の費用を認めたわけであります。それで関係者、学識経験者を入れまして、その地域における営林局所管管内の国有林を将来どうあるべきかということを判断していただきまして、適正な払い下げ、買い上げ、その他、合理的な方向をきめたい、このようにいたしたわけでございます。

小平芳平公明会

○小平芳平君 総理大臣は。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 大蔵大臣がお答えしたとおり、着々国有林の整備の方向で進んでおります。

小平芳平公明会

○小平芳平君 次に、農林大臣と、それから労働大臣にお尋ねしたいのですが、こうした山の深いところで製炭業——つまり炭を焼いていた人たちが、その山で畜産に転換しようとしても、それもなかなか思うようにいきませんし、いっそ都会に出て就職したいというような人があったとします。ところが、炭鉱離職者の方のような場合には、政府としてすでにいろいろな政策がとられておりますけれども、この製炭業者に対するそうした職業訓練とか、手当とか、あるいは宿舎のあっせんとか、そういうような対策はとられてないように思うのですが、農林大臣として、あるいはまた、職業訓練を受け持っておられる労働大臣としての考えはいかがですか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 山村の離農は、一般の農村の離農より非常に多いようでございます。したがいまして、これにつきましては受け入れ体制等も考え、受け入れ体制の雇用の安定というようなこと等につきまして、労働省とも協議いたしております。職業訓練等につきましては、これはやることにいたしております。ただ産炭地の離職者のようにその問いろいろ手当を出すとかというようなことにつきましては、そこまでまだ考えがまとまっておりません。いろいろな方面——農林関係、漁業関係など全体として考えて見なければならぬ。ことに山村の人々は、一家をあげてというようなこともありますので、特に考えて見なければならぬというふうに思っておりますが、具体的にはまだ進めておりません。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○国務大臣(大橋武夫君) 労働省といたしましては、転職相談、その他、職業紹介の強化、職業訓練の拡充等によりまして、いわゆる炭焼きの方々の新しい職場への御紹介をつとめているのでございます。一般的には、手当を与えながら職業訓練をするということはいたしておりませんが、しかし、中高年齢の方々に対しましては、職業訓練、その他就職促進の措置をとっている次第でございます。今度必要に応じて拡充につとめたいと思います。

小平芳平公明会

○小平芳平君 労働大臣、いまの中高年齢の方に対しても、そういう山から出てくる人だからということで、特別な措置をとっておられないわけでしょうか、現在においては。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○国務大臣(大橋武夫君) 中高年齢の方の転職につきましては、一般的に特別の措置をとることに相なっておりますので、山からお出かけになりました方につきましても、同様の措置をとっているわけでございます。

小平芳平公明会

○小平芳平君 ですから、私の申し上げていることは、一般の失対法、その他の扱いを受けるのは当然でありますが、こうした特に山奥でもつで生活が立たなくなって、やむを得ず都会へ出なければならない人のために、何らかの対策を御検討願いたいと、こういうふうに申し上げているわけです。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○国務大臣(大橋武夫君) その点につきましては、先ほど農林大臣からもお話がございましたようでございますから、よく農林省と協議をいたすことにいたします。

小平芳平公明会

○小平芳平君 次に、農林大臣にお尋ねいたしますが、冬の野菜に対する価格安定策がないかどうか。まあ夏物に対しても、価格安定策といってもそう大がかりなものではないようですけれども、特にことしの場合は、カンランとかハクサイとか、非常にくさってしまった。こういう状態だと、はたして農家が夏物に対する作付けなり何なりどう将来見通していかれるか、まことに困難な状態にある、こういうふうに言われているのです。まとめてお尋ねしますが、価格安定策がないかどうか、それをお聞きしたい。  それから、ことしの暖冬による野菜の暴落、そういうことによって農家がどのくらいの損害を受けているか、それを農林省としてどう見ていらっしゃるか。その対策についてお尋ねしたい。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 野菜につきましては、価格の安定対策——非常にむずかしい問題でございますけれども、出荷の調整とか、あるいは生産の指定、あるいはまた価格の安定基金等があります。そこで、冬野菜について特にあるかということになりますというと、冬野菜だけを取り上げてどうということはございませんで、野菜一般についての生産の指定とか、調整出荷とか、あるいは一部安定制度というものを設けてありますので、こういう制度を強化拡充していくという方針でございまして、特に冬野菜だけに対策があるかという質問でございますと、冬野菜だけということには対策を持っておりません。一般的な対策の中でやっていくということでございます。  それから、野菜の被害の額がどれくらいであるかということでございますけれども、一部東京とか大阪とか名古屋とか福岡とか、こういう市場を通じての調査だけでありまするというと、約半額程度に収入がなっている、こういうふうな調査の結果になっております。その野菜の価格下落についての対策ということにつきましては、直接の対策というものはいま持っておりません。たとえばそれを補償するとかなんとかというような対策は持っておりません。全般的な価格対策、流通対策、先ほど申し上げました野菜等に対する出荷の計画性を持って当たるというような対策でございまして、直接その損害を補てんするというような対策は持っておりません。

小平芳平公明会

○小平芳平君 要するに、ただいまの農林大臣のお話だと、価格安定策もないし、また損害に対する、被害に対する対策もないというように承ったわけですが、これは非常にむずかしい問題だとは重々思いますけれども、はたしてこういう状態でいいかどうか、何らか農林省として打つ手を考えていかなければならないじゃないかということを痛感いたしますので、御検討願いたいと思うのです。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) いまやっておりますことをちょっと申し上げますと、指定産地制度、流通改善協議会等の活用によって、生産出荷の計画化の推進、これを一そう推進していきたい。これがひとつでございます。  それから野菜指定産地、生産安定事業等安値補てん制度の改善、拡充をしていきたい。野菜につきまして安値補てん制度もあるのでございます。全般ではございませんが、ハクサイ等についてはございませんが、カンランとかタマネギとか、そういうものにはあるのであります。そういう制度の改善、拡充をしていきたいということであります。  第三番目が、産業構造改善事業等によりまして、野菜の集団的な産地の育成、畑地かんがい——畑かん施設の普及等による生産体制の整備、こういうような方法を講じていきたい、こういうふうに考えております。いま直接、半分くらいの損害に対して農家にその半分くらいを補てんするという対策は持ち合わしておりませんのは残念でございますけれでも、いま申し上げましたような制度を強化、活用していきたい、こう考えております。

小平芳平公明会

○小平芳平君 自治大臣にひとつお尋ねしたいのですが、地方債計画によって見ますと、公募債の中に縁故債があるのですが、この縁故債についてひとつ私は疑問を持っているのですが、自治大臣のほうから縁故債の性格、また、これらの本年度の計画というようなものについて御説明を願いたい。

早川崇自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(早川崇君) 昭和三十九年度の地方債計画の資金の中に、五百四十一億円の縁故債を予定いたしております。これは一つは、地域開発新事業、工業用水事業等における受益会社の引き受けが一つでございます。第二番目が地方公務員共済組合資金の活用による引き受けが大部分でございまして、第二は銀行等の借り入れを内容とするものでございます。したがって、地方債計画の運用にあたりましては、事業ごとに引き受けの可能の見通しを待って具体化していく、こういう仕組みにいたしておる次第でございます。

小平芳平公明会

○小平芳平君 そこで、ある地方団体で学校の体育館を建てるということで一億五千万円ですが、そういう縁故債を計上した。これの引き受け先がPTAでこれを引き受ける、割り当てるということになって問題になっているのです。それで市長さんの説明だと、一般の負債では政府がなかなか認めてくれないから縁故債ということでやるのだというふうに言っているそうなんです。ところが、そうした父兄に寄付が割り当てられて、義務教育でありながらそうした寄付を負担するということで非常に父兄は困難な思いをしている。ところで、こうした今度は縁故債というような別個の形をもって父兄からお金を集められるということは、非常に問題だと思うのです。いま自治大臣の御説明の中にも、学校の講堂の建築に引き受け先がPTAで縁故債を募集するというような内容らしい御説明はなかったのですが、こういう点はどうお考えですか。

早川崇自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(早川崇君) 具体的な申請もまだ出ておりませんので、よく実情を見まして検討いたしたいと思うわけであります。ただ税外負担と違いまして、借金でございますから、若干性質は違いまするが、なお問題点もあろうかと思いますので、申請がございましたときには、十分具体的に検討いたしたいと思います。

小平芳平公明会

○小平芳平君 検討していただきたいのですが、縁故債のたてまえとしてそういうことが許されるかどうか、その点はいかがですか。

早川崇自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(早川崇君) 若干問題点があろうかと思います。したがって、よく実情を検討さしていただきたいと思います。

小平芳平公明会

○小平芳平君 次に建設大臣にお尋ねしたいと思います。建設大臣は、再三、道路の建設について、委員会でも、また御熱意をもって実際にも推進していらっしゃるというふうに承っているのですが、第一に、道路法の改正を提案なさると、前に御答弁なさっていらっしゃったのですが、この道路法はいつ改正案をお出しになるか、また、その見通しについてお尋ねしたいと思います。

河野一郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) お答えいたします。道路をだんだんやってまいりまして、新たに新しい五ヵ年計画をつくり、積極的にこれが改修、新設等を進めてまいる所存でございますが、そういたしますと、いま御承知のとおり、一級、二級国道というのがございます。また、県道にも、主要県道とか一般県道というのがございます。しかも、この道路が、時代が前の時代の道路法でございまして、たとえて申しますれば、高速道路というものはあるにいたしましても、産業道路というような観点で、法律に規定されているものはございません。たとえば、主要都市と主要都市を結ぶとか、一級国道についてはどう、二級国道についてはどうというようなことが、必ずしも現時点に適合しないものが見受けられてまいっております。のみならず、御承知のように、二級国道の場合には、府県にこの実施を委任いたしておりまする関係から、設計その他についても、府県の財政の都合等によりまして、その財政事情のいいところは、まあ御承知のように、二級国道でもりっぱないい道路がある。道路をお歩きになりましても、一級国道が上等で、二級国道がその次だと、必ずしもそういうことになっておりません。こういう現実からいたしまして、いろいろな矛盾がございます。そこで私は、いまこれらを一級、二級と分ける段階は過ぎた。道路については、国道というのは国でやるのが国道であって、府県でやるのが府県道だということに、大ざっぱにこれを分けるほうがいいんじゃないかと、そしてその中で、二級国道的な性格のものについては二級国道的な設計をして、全国一貫して二級国道的な設計でいくべきであるし、一級国道については、全国一貫して一級国道的な設計でやるべきだ、そして道路について一貫性を期する必要があるというような意味合いにおいて、種々検討いたさせました結果、建設省内の道路法の改正についての案は一応取りまとめをいたしまして、いま関係省との間に打ち合わせ中でございます。この打ち合わせが、幸いにしてうまく各省の意見が、政府部内の意見がまとまりまして、そして一切準備が整いますれば提案いたします。本年中に、なるべく今回の国会に提案いたしたいと考えておりますけれども、各省いろいろ御都合もおありでございますので、必ずしも私どもの思うようにいかぬかと思いますが、できるだけやりたい、こう考えます。

小平芳平公明会

○小平芳平君 それから、建設大臣がお見えになる前に、東北地方の雪の被害、岩手県、青森県の雪の被害についていろいろお尋ねしていたんですが、こうした雪の被害のある地域の道路の舗装ができておれば相当雪害を妨げる、また回復もしやすいわけですが、舗装ができてないために、非常に災害も大きくなるし、また復旧にも難儀しているというような実情にあるのです。こうした地域の道路の舗装を特に急いでいただきたいと思うのですが、これは全国的な問題ですから、そう簡単にいかないと思うのですが、こういう地域にはそういう特殊性があるということを検討していただきたいと思うのです。それからまた、こうした、これも東北に限りませんけれども、こうした開発のおくれている地域、特に山でさえぎられて産業も発展しにくい、また人も住みにくいという、こういう地域には、また高速道路その他の建設が待たれているわけですが、こういう点についてのお考え、方針をお聞きしたい。

河野一郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) お話しのように、雪国、積寒地帯の道路は、地元の県も予算もありませんために、道路の改修が、地方の受け入れ体制が十分でありませんためにおくれがちになっていることは、御承知のとおりでございます。そのために、従来の道路の建設の方針を、諸外国の実例等も十分調査いたしまして、新しい五ヵ年計画におきましてひとつ方向をきめまして、その方向は、つまり従来は道路を必ず改修いたしまして、そしてそれを舗装する、舗装する場合に、ある一定の道幅が必要である、ある一定のカーブが必要で直す必要があるということで改修をいたして舗装するということにいたしておりましたために、舗装が非常におくれております。そこで、こういうふうにしていったほうがいいか、そうでなしに、従来の道路は従来の道路なりに、ある程度がまんのできるところはがまんのできるなりに舗装を急ぐことのほうがいいだろうかということに方針を変えまして、新たに産業を興す、新たに非常に交通がふくそうするというところにつきましては、バイ・パスを設計するとか、新しく道路をつくるということは、つくるほうで一方やりますが、その半面に、いま申しましたように、従来の道路そのままで舗装第一主義でいこうという、二つの方向をきめまして、舗装につきましては、現に一級国道と言われておりますものにつきましては、四十三年までに全部終わる、それから二級国道と言われておりますものにつきましては、四十四年まで全部終わる、それから主要県道と言われておりますものにつきましては、四十五年までに全部終わる、いま府県道と言われておりますものにつきましては、四十九年までに全部舗装を終わるという年次計画を立てて、せっかくその舗装のほうに力を入れております。全部完成いたしますれば、道路は、従来の日本の道路でございますから、ときにはあまりりっぱではないものもございますけれども、一応道路らしく舗装されることになるということでやっておりますので、だいぶ積寒地帯においても変わってくるだろうと、こう考えております。

小平芳平公明会

○小平芳平君 次に、建設大臣と大蔵大臣にお尋ねしたいのですが、緊急措置法が改正になって、道路建設の事業量が拡大する、また、いま御説明のように、道路が舗装され、建設されていくということは、非常に国民が待ちわびているところでありますけれども、その財源としてガソリン税を引き上げられるということは、第一に物価にはね返って物価上昇の原因になりはしないか。また、このガソリン税は、そう富裕階級が払うとも限りませんので、ほとんど大部分を生活の楽でない人たちが負担するようになりはしないか。そうして、こういうようなガソリン税の値上げ、道路をつくるといえばさあガソリン税を上げようというようなことはたいへん好ましくないと思うんですが、いかがでしょう。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 御承知のとおり、二十八年からガソリン税を目的税式にいたしまして道路整備の財源確保をはかっておるわけでございます。道路の受益者負担といいますか、先進諸外国でもガソリン税を道路の特別財源にいたしておるわけでございます。歳出要求も非常に大きい状況から顧みまして、ガソリン税を増徴して道路整備を急ぐということが道路運送業者その他の利益を侵すものではないということは、各国の例に徴しましても明らかであります。道路がよくなれば、車の摩耗や修繕、維持も非常に簡単でありますし、いろいろ経済計画をいたしてみますと、道路の整備をするほうがより急であるという観点に立っておるわけでございます。一般会計からも相当量つぎ込んでおるわけでありますが、無制限に一般会計から道路につぎ込むというわけにもいきませんので、他の財政支出とのバランスも十分見ながら可能な限り一般会計の支出も行なっておるわけであります。このたびの一〇%引き上げによりまして、今度イタリー等はまたガソリン税の引き上げをやりましたけれども、おおむね先進諸外国に近いガソリン税率になりますので、これ以上引き上げるというような事態に対しては非常に慎重に考えるべきだということを考えておるわけであります。今度の四兆一千億五ヵ年計画は最小やむを得ざる規模でありますので、ガソリン税の一〇%の増徴に対してはひとつ御理解いただきたい、このように考えます。

河野一郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) ただいま大蔵大臣からお答えいたしましたように、欧米各国に比べましてこの程度のものならばがまんいただけるのじゃなかろうか。ほかに道路建設公債というようなものがありますけれども、いまの財政事情から考えまして、国内の経済情勢から考えまして、今年もしくは明年からその実施に入ることは適当でないというふうな考え、一方においては、非常に道路の建設を急ぐという立場からいたしまして、やむを得ざることだろう、こう考えております。

小平芳平公明会

○小平芳平君 そういう理由のあることもよくわかるのですけれども、私が申し上げたようなマイナスの面もあるということを申し上げたいのです。  それから、時間がありませんので、労働大臣にお尋ねしたいのは、最低賃金制を法定するということはどのようにお考えか。現行の業者間協定の不備については、すでに指摘されているとおりでありますし、また、客観情勢から見ても、若年労働者の不足それから初任給の上昇に伴ってわりあい初任給が平均化してくる、そういう現在の段階で、最低賃金制の法定についてもう一つ進んでいかれるお気持ちはないかどうか、お尋ねしたいと思います。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○国務大臣(大橋武夫君) 最低賃金制と申しますと、いわゆる全国一律の最低賃金のことだと存じまするが、最低賃金の制度がそちらの方向へだんだん引きずられていきつつあるし、また、政策としても将来はそっちの方向へ進むべきものであろうということは、私も考えております。しかしながら、現在のわが国の最低賃金制度は、それに比べまするというと、あまりにもかけ離れておるのでございます。現に、現行法のもとにおきましては、業者間協定がたてまえになっておったような状況でございます。したがいまして、現在、最低賃金法に業者間協定方式のほかに行政官庁による職権方式がありますけれども、これは運用されていなかったわけでございます。全国一律最低賃金ということに相なりますると、いわゆる職権方式、そして、それが全国一律ということになりまするので、これは現行の状態から見ると非常な違いようだと思うのであります。そこで、まず状況を順次ならしていく必要もあるわけでございます。現行法の活用によりまして、業者間協定から逐次行政庁による職権方式に移行させるということが先決問題として必要だ、こういう考えで、労働省としては一昨年以来職権方式の採用ということを考えまして、これにつきまして中央最低賃金審議会におきましていろいろこれが運用についての方針、条件等を検討していただいておったのであります。昨年の夏にそれに対する答申が出まして、近く重ねてこまかい実施上の事項についての答申が出ますので、それに従って職権方式というものを全国的に普及させてまいりたいと思うのであります。で、こうして職権による最低賃金というものがある程度出そろいまするというと、わが国の現状から見て、全国一律の最低賃金の制定が可能であるか不可能であるか、これについての実際上の実例が出てまいりまするので、その上でこの実情と見比べて結論を導き出すようにいたすのが実際的である、かような考えで進んでおるような状況でございます。

小平芳平公明会

○小平芳平君 どうも時間がありませんので、いろいろこまかい点は申し上げられませんのですけれども、諸外国並みということを盛んにおっしゃるようですから、やはりこういう点についてもそういう例をよく取り入れて一歩進んでいっていただきたいと思います。  それから最後に厚生大臣にお尋ねいたしますが、社会保障制度が、制度としてはいろいろできましたのですが、内容としてはほんとうの形式だけというような点のそういう社会保障制度もまだたくさんあるわけですが、いま私がお尋ねしたいのは、児童手当についてですが、所得倍増計画でも、「年功序列型賃金制度の是正を促進し、これによって労働生産性を高めるためには、すべての世帯に一律に児童手当を支給する制度の確立を検討する要があろう。」というふうに言われておるわけです。そして賃金制度全般にわたってこういうように移り変わりつつあるときに、ここでまた児童手当というものを検討し実現していくという方向に進めなければならないと思うのですが、いかがでしょうか。

小林武治自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林武治君) お話しの児童手当の問題でありますが、わが国では児童関係の制度としては、あるいは生活保護の関係、あるいは税の控除、あるいは母子手当とか、あるいは生別母子扶養手当とか、こういうふうな特殊なものはいま行なわれておりますが、一般的な問題としての児童手当の制度はいまない。しかし、この問題はお話しのようなことで諸外国にも相当行なわれておりまするし、また、わが国としましてもこの問題を検討する要がある、こういうことを考えまして、昭和三十六年度以来中央児童福祉審議会に児童手当部会というものを設けてこれを検討していただいておるわけでございますし、一方、政府当局としましても、いろいろの社会保障制度がくつわを並べてできたが、ないのが一般児童手当である、こういうことで社会保障制度上の大きな一つの欠陥になっておるということは事実でありまして、これがいまのような問題、すなわち、所得と家族構成とのバランスをとることによって家庭の生活水準を維持する、あるいは児童の健全育成、資質の向上、あるいは福祉の増進、またいまお話しのような中高年齢層の家族構成が多いために労働力の移動もない、また雇用にも非常に大きな支障を来たしておる、こういう事情からいたしましても、今後の問題として児童手当制度を導入することが必要である、こういうふうに考えておりまして、昭和三十九年度の予算におきましても、約一千万円を計上して児童手当制度を検討する。これによりまして、大体私どもはことし全国の世帯約十一万世帯を対象といたしまして、家族の構成、あるいは家庭の所得、あるいは子供の就学状態、いろいろな面のことを検討すると同時に、一方におきましては、御承知のように現に事業所等においては家族手当を支給しておる。したがって、この現状を把握する必要がありますので、全国でもって約一万七、八千かの事業所を選びまして、そうして産業別規模別に現在家族手当の支給の状況、あるいは支給の程度、こういうものをひとつ調査をいたして、この両々相まった上の資料を得て適当な方策を検討したい。  ただいまのところは、それではどういう内容で、あるいはどういう時期にと、こういう質問であったのでありますが、これはまだそれらの問題が内定をいたしておりません。今年度におきまして、児童審議会あるいは政府の調査等を持ち寄った上でもって考えたい、こういうように思っております。

小平芳平公明会

○小平芳平君 先ほどの労働大臣に引き続いて申し上げたものですから、賃金問題のことなんで申し上げてしまったのですが、いま厚生大臣がお話しのように、非常に児童福祉という点がおくれている。そこで、児童手当をつくるということに対して非常に御熱意のあるお答えをいただきました。で、問題としては、この児童手当をそういうふうにつくる場合に、どこから支給するかとか、あるいは何歳まで支給するか、あるいは精薄者、不具者はどうするかというようないろいろな問題点があると思うのですが、そういうような具体的な点についてはまだ御検討を始めていらっしゃらないのですか。

小林武治自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林武治君) お話しのように、からだあるいはその他にマイナスを持っておる児童に対する福祉施設というものは相当に行なわれております。要は一般児童の問題でありますが、一般児童と申しましても、たとえば十四歳に限っても約三千万近くある非常に大きな問題でありまして、これらを、たとえば年齢の制限、あるいは所得制限、あるいは保険制度によるか、いろいろの方法があるのでありまして、これらもいま検討を加えつつある、こういうところであります。

小平芳平公明会

○小平芳平君 それでは、それは至急に検討を加えていただきたい。また、早く実施する方向に実現していただきたい。  それから最後に厚生大臣にもう一つ簡単に申し上げますが、生活保護費ですが、生活保護費は、三十九年も引き上げられてはおりますけれども、一方においてはまた消費者物価も上昇しているのですが、こうした階層に対する生活保護をもっと充実させていくというお考えがないかどうか。また、特に厚生大臣として、社会保障関係のいろいろな制度がたくさんあるのですが、どういう点に重点を置いておやりになっていかれるか、この点についてお尋ねしたい。

小林武治自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林武治君) 社会保障制度としましては、重点は生活保護の問題、あるいは所得保障としての年金の問題、あるいは医療補助としての医療給付の問題、こういうのが主要な問題になってまいっておりまして、生活保護問題というのは一番古くから日本の社会保障制度の中心をなしていた問題でありまして、その後におきましても、毎年物価上昇あるいは生活の向上、これに見合うような基準の引き上げを行なってきておるのでありまして、最近数年におきまして相当な伸びが見えておるようであります。しこうして、三十九年度といたしましては、御案内のように一三%、こういう数字でありまして、大体政府の見通しの物価上昇は四・二%、したがって、自余は生活水準を上げる、こういうふうなたてまえでやってきておりまして、これらが十分であるか不十分であるかいろいろ見方がありますが、政府としましては、一般の国民の生活水準、あるいは経済情勢、また政府の財政、こういうようなものと見合ってこのような決定を内定する、こういうことになっておりまして、私どもは必ずしもこれでいい数字とは思っておりませんが、いろいろな事情からかような決定をした。また、今後においても水準の向上ということについては相当に努力しなければならない問題である。なおまた、保護基準そのものが社会保障のいろいろの基準になっております。生活保護とか各種収容施設の給食費とか、いろいろな政策の基準になっておりますので、相当大事な項目でありますので、できるだけ実情に沿うようにいたしたい、今後もこの向上に努めなければならぬ、かように考えております。

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 小平君の質疑は終了いたしました。  暫時休憩して、十二時半定刻に再開いたします。    午前十一時五十七分休憩      —————・—————    午後零時三十七分開会

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 委員会を再開いたします。  引き続き質疑を行ないます。安田敏雄君。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 農林大臣が日韓交渉へ午後からおいでになって、けさの新聞では、専管水域十二カイリの問題は絶対妥協しないとがんばっておる、こういうような記事も出ておりますので、先に農林関係についてお伺いしたいと思います。  農林関係の三十九年度予算は、全体で三千三百六十億円で、前年度に比べまして八百二十九億円の増で、パーセンテージにしますと三二・八%増加をしておるわけでありますが、食管会計の繰り入れを引きますというと、大体これが千二十六億円になっておりますから、二千三百三十四億円で一七%の伸びをしております。一応かなり表面的には増加しておりますが、これを公共事業と非公共事業に大分してまいりますというと、公共事業は一千三百二十八億円で百八十五億円の増加、非公共は二千三十二億円で六百四十二億円の増加となっております。しかし食管の千二十六億円を除いたベースで比較しますというと、三百三十八億円の増加にとどまっておりまして、三十七年度の伸び二百六十七億円、三十八年度の二百四十七億円に比べまして目立って増加したとも考えられません。池田総理は選挙中に各農村を回って歩きました。農村の現実にかんがみまして、その公約の中で画期的、革新的近代化対策、こういうことを打ち出しまして、相当全国の農民はこの予算に期待したのでありますけれども、こういう昨年度の計算からいきますと、たいした伸びがない。決して画期的な予算とも考えられませんが、総理のまずもってお考えを聞きたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) わが国の産業構造から申しまして、立ちおくれの農業、中小企業につきましては、特別の力を入れなければならぬことは万人の認めておるところでございます。農業のごときこの第一次産業、原始的の産業につきましては、これは相当時間がかかることであります。私は一方において農家の所得の中枢をなす米穀、米につきましては、食管制度の適用によりまして財政負担を相当ふやし、また他方これからの農業の構造改善、機械化等につきましては、いままでよりもうんと力を入れておる次第でございます。生産基盤の強化、農業構造改善につきまして、また先ほど申し上げました機械化、それから選択的拡大の方向への施策は相当入れております。またこの裏づけをなす金融につきましても、農林漁業金融公庫の融資も相当ふやし、またいままでの金利が数段階に分かれておったのをこれを集約化しまして、三分五厘の低利率のものを多くすると同時に、無利子の貸し付け等もやる等、いままでの施策につきましては革新的な方向の変化を示しておるのであります。しかし先ほど申しましたごとく、農業につきましては何としても時間のかかることでございます。一般の中小企業その他のようにはまいりません。しかし、この方向を変えて、構造改善事業のほうに一歩巨歩を進めたということが私は革新的なもので、これが今後あらわれてくると思います。そのまず第一の措置と考えておるのであります。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 予算といたしましては決して——多少前進はしておりますが、画期的とは思われません。特に農基法の農政下のもとで構造改善を遂行しておるわけでありますが、この点につきましては後ほど触れます。ただ総理の御答弁の中に、相当農林関係の資金につきましては金融的に大幅に増加した、したがってそういう中から近代化をはかっていくんだ、こういう答弁があったわけでありますけれども、しからば、この金融制度の強化によって、従前の補助金制度から農政というものが融資制度に変わったのか、そして同時に農業に企業意識を持たしていくのか、こういう問題に突き当たるわけでありますけれども、この点について農林大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 脆弱といいますか、あまり強くない基盤を持っている農業関係でございますから、農業に対しまして国がこれを助成していくということはどこの国でも行なっていることでありまするし、また日本といたしましてもその点を改めようという気持は持っておりません。少額補助等につきまして数年前に整理をいたしまして、金融制度に変えたこともありますが、それは効果をねらってそういうことをいたした例はございます。しかし全体といたしまして金融に切りかえるということではございませんが、助成も行なうと同時に、助成だけではなく、やはり自分が借りた金は自分のものであるし、返さなくちゃならぬ金でございます。心がまえから言いましても、企業的といいますか、自立経営をしていくということに一そうな便宜といいますか、方法といたしまして助成ばかりでなく、金融面でその金を使って立ち上がっていくと、こういうことも必要だと思います。こういう点から金融面を大幅に広げたり、利率を低くしたりして、この方面で相当農家の立ち上がりを期待する、こういう意味で金融のほうに相当力を入れた、こういうことでございます。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 農基法の目標であるすなわち二町五反の自立経営農家を育成して、現代の苛烈な資本主義の競争の中で、はたして大企業だとかそういうものよりの圧迫の中で企業意識を持たしても、それは企業として二町五反の自立経営農家で成り立つとお思いになりますかどうか、この点ひとつ総理から見解をお伺いしたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) いままでの零細農家のたとえば一町以下というようなことではとても成り立たないのであります。これは作付の種類によって反別は違ってまいりますが、やはりわれわれ計画をしておりますように、二町とか三町とかいうことでないとなかなか立っていかぬと思います。したがいまして、生産基盤の拡大強化につきまして極力構造改善事業のもとにやっていきたいと考えております。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 まあ近代化を盛んにうたっているわけでございますが、確かに金融制度の中におきましてはある程度の前進をしております。たとえば近代化資金におきましても五百二十億円から六百億円と、八十億円の増加になっておりますが、問題は、近代化をうたいながら、この近代化の資金が一件当たり十八万円というような零細な資金では、たとい融資の対象になってもその近代化のベースに乗らない。また零細性を克服できない。こういう問題があるわけでございますけれども、その点についての農林大臣のお考え方をお聞きしたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) この資金面におきましては、個人を対象としたものと、一つの事業、たとえば構造改善とかあるいはまた土地改良とか、そういう事業体を主としたものと二つに分かれております。できるだけ資金を有効に役立ててもらうという意味におきまして、共同的な事業に対する資金が相当多いのでございます。しかし、個人個人のいろいろ機械の購入とか、設備、施設、こういうものに対する金融の道も開けております。でありますので、そういう面におきましても十分この金が使われるように、簡素に、そして長期にわたって使われるような方法を講じてきておるわけでございます。その意味におきましては、両面について十分資金を効率的に使用できるような方法をさらに一そう進めていきたい、こう思っております。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 特に農業の場合は、せっかく原資を用意いたしましても、そのワクが使い切れないというような問題も過去の中には残っております。特に開放経済体制を迎えますというと、いろいろの環境の変化といいますか、そういう面から適確でないというようなものも相当出てくるわけでございますが、そこで池田総理は、この農業の近代化について、一体金融のベースに乗らないところの零細企業、第二種兼業を含めた零細企業、こういうようなものを含めてまでも政府の金融機関がお世話していく、こういうように基本的にお考えになっておりますかどうか、その点をお伺いしたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 私は、この農業がりっぱな企業として成り立つように助成していこうというのでございます。兼業農家につきましても、第二種兼業の人は農家という統計には入ってくるかもわかりませんが、実態面では第二種兼業は真の農家ではない、統計上は入ってくる。だから、第二種兼業農家というものをすぐつぶすかということになりますと、それはその人の考え方で、たとえば都会地近くにおるとかというふうな方々は、私は第二種兼業としても十分農民のあれとしても立ち行くわけで、統一的にこれはけっこうなことだと思います。しかし農家全部が第一種、第二種ではいけない。やはり第一種の人は第二種兼業になる場合もあります。そうすることによって農家専用の耕作反別がふえて農業の企業化が進んでいく、こうなってまいりますから、第一種、第二種とかいうのでなしに、りっぱな農業が企業として成り立つような農家を育成しようというのが私の考え方でございます。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 御答弁の中に、第二種兼業を第一種兼業の方向に乗せていくのだというような考え方がありましたが、そういう第一種にしても第二種にいたしましても、なかなか金融のベースに乗らないような零細性があるわけです。したがって、そういうものまでも政府関係の金融公庫の中のお世話に乗せていくのかという、こういう問題が出てくるわけですよ。その点基本的な考え方をお聞きしておるわけでございます、最後に。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 実態の認識について相違があると思います。第二種兼業、いわゆる農業以外の所得が非常に多いというときには第二種兼業としての存在を認めますが、第二種兼業にして、いかにしてそれを金融をつけて農家としての立ち行きを考えるかは、ほとんど考えるところはございますまい。第一種兼業の人が第二種になるということは、片一方においてりっぱな農業が成り立つための必要なことでございますから、これに対しましては金融その他で信託制度とかいろいろな……。あるいは農地の売却ということもございましょう。そういうことで金融がものを言うのであります。そうして農業専業の人に対しましては、農地の取得とか、あるいは土地改良とか、あるいは機械化とかというふうなことで、りっぱな企業として成り立つ農業としての金融の制度が必要であると思うのであります。だから第二種兼業に、それでは農林漁業としてどういうあれを出すか。これは第二種の人には私はあまり金融の道は少ないのじゃないかと思います。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 明確ではないのですが、時間等の制約もありますので、もう一点この点だけをお伺いいたしますが、実は、農基法をつくった、その後その農政を推進するために農地法を改正いたしまして信託制度ができました。そして自立経営農家二町五反をつくるためには、全国の一農家当たりの保有面積は約九反でございますから、これを集約していかなければならぬ。そういう裏づけの法律が出てきたわけです。そういう考え方からいきますというと、農林省当局の考え方は、むしろ金融ベースに乗らないような第一種、第二種の兼業農家は、これを零細農は整理していく、離農さしていくという、こういうことが近代化であるというように受け取られるわけです。そうしますというと、ただいまの総理の答弁あいまいだったが、総理がそういう考え方に立たないで、何か第一種、第二種の金融のベースの中では、金融の対象には乗るんだか乗らないんだかわからないような答弁がありましたが、そこに一つの食い違いがあるではないか。そういうことが結局画期的な政策を生み出すということに至らなかったのだというように、何か理解しなければならないというふうに私は考えておるわけでございますが、こういう点の予算作成にあたっての論争点があったかどうか、そういう点について農林大臣にお伺いいたします。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 第二種兼業等が融資のベースに乗らぬ面もあるのじゃないかという、こういうところがらいろいろ御議論が発展しておったようでございますが、私はこういう兼業農家が、はたして農業としてやっていこうというのか。あるいはまた、ほかの業態に入るのか。こういうことの岐路に立っておるものがあろうと思います。農地は少ないながらも農業としてやっていこう、こういうものに対しましては、大きな金融ベースに乗らぬかもしらぬが、たとえば農業機械等などを購入する資金も、近代化資金の一つでございますが、そういう資金などで機械等も買ってやっておる面があろうと思います。事実そういうのがあります。あるいはまた、そういうものの共同化をはかりまして農業を進めていくという面もありますから、決してこれを追い出すというようなことではなく、農業としてやっていこうというものにつきましては、いろいろな方法において団体的に共同的に、経営面積が広くなっていく。こういう方法は講じていくということは、これは当然のことであると思います。でありますので、予算の面等におきましてそれを整理するとか整理しないとか、こういう面の折衝、話し合いはございません。要するに自立経営、こういうものを進めていくために、あるいは土地改良にいたしましても農業構造改善事業にいたしましても、その他のいろいろな施策を総合的に進めていく。こういうことで予算等につきましても話し合いはいたしましたが、特に零細農を切り捨てるとか、あるいはこれに対しての金融を全然しないで離農を促進していくというようなことについての話し合いはありません。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 再度お尋ねいたしますが、私はこれからの農政に直面して、零細農を離農させていくという、これはいろいろな方法があると思いますが、そういうようなことに立って農業の政策を考えていくのか、それとも零細農を含めて日本農業を考えていくかということは、これは今後の政策にあたって特に重大な問題だと思います。したがって、そういうことの基本的な考え方をお聞きしたい。そういうものが錯綜しておって解決がつかないから、今度の予算が結局画期的といいながら、ついには画期的でなかったんだという結果に陥ったのではないかということをお聞きしておるのでありますが、その点お願いいたします。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 現実の農業政策といたしまして、零細農も含めて農業政策を行なっておりますけれども、しかし事実の問題といたしまして、農業就業人口が他産業に出ていく、これは事実でございます。農業白書にも申し上げて御承知のように、三十七年度のごときは七十一万人くらい出ております。でございますから、少ない就業人口といいますか、少ない農業人口によって、しかも農業が成り立っていく、やっていける、こういう方法は当然考えていかなければならない問題でございます。でございますから、農業政策として零細の農家についても一緒に農業政策というものは講じなければなりませんが、事実問題として少なくなってくる人口に対して、その少ない人口で農業はやっていけると、こういう対策は、なお進めて講じていかなければならない、こういう方針でございます。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 私は、兼業農家をも含めた今後の農政のあり方を考えていくべきだということを主張するものの一人でございますが、この点はまたあと回しにいたしまして、次に、食糧管理関係の問題についてお尋ねいたします。今度千二十六億円という赤字、これはもう戦後初めてのことでありまして、先日、総理は、国会のこの委員会の答弁におきましても、将来麦は食糧管理会計からはずしたい、こういう意思を明らかにしております。そのはずすということは、この連年膨大化する赤字を単に縮小するために、財政上の事由を大きく取り上げてあのような考え方を表明したのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 私は食管制度につきまして先般もお答えしたように、米につきましては、やはりこれを続けていかなければならない、麦は御承知のとおりいわゆる間接統制で、いわゆる価格支持政策によっておるのであります。米とはおのずから性質が違っております。また、麦の農家におけるウエートというものは、だんだん少なくなっております。そうしてまた、農業を集約的にする場合におきましては、やはり麦から果樹あるいは野菜その他酪農のほうにこの労力を向けるべきではないか、私はこういう私見を持っておるのであります。したがいまして、麦を食管からすぐはずすということを言ったわけではございません。将来こういう麦の問題も検討すべき問題だ、農業構造改善事業とともに、また、農家の収入をこれ以上ふやすためには、いままでのような米と同様あるいは米に次ぐいわゆる作物として考えていくのかどうか、あるいは選択的多角経営の関係で、これを変えていくのがいいかどうか、研究に値する問題だと私は言っておるのであります。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 将来はずしていくという考え方ですが、その将来とは、具体的にどういうことを意味するのか、たとえば近き将来ということばもありますが、問題は、国内産の麦に対しますところのいわば増産対策なりあるいはその他の対策を考えた上でこれをはずしていくという考え方に立っておるのかどうかということなんです。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 多年やっておった麦の耕作をいま直ちにやめろとかいうふうなことはむずかしい。やはり農家が麦よりもほかのものをつくったほうが農家のためにいいのだというふうな気持ちを持っていかなきゃいかぬと思います。三年ぐらい前に麦の支持価格によってなるべく麦を少なくしようというふうな試みをいたしましたが、何と申しましても農民の方々は保守的でございまして、ずっと昔から手がけたもののほうがいいという考え方の人もおられましょう。また昨年私は、関西地方でのあの長雨による麦の被害によって、麦を何か転換したらどうか、こういうことも言ってみたのでございますが、四国とかあるいは中国の段々畑では、すぐ麦を転換できるかどうか。野菜に転換すると申しましても、四国と関西、中国との関係から申しまして、すぐ野菜が運べるわけでもございません。そういう麦よりもほかのものをつくったほうが結局農家の所得に貢献するのだという気持ちを農民に持ってもらうように、政府としては施策を考えていくべきだと私は思っておるのであります。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 農林大臣、総理の答弁でよろしゅうございますか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 総理の考え方と私も大体合っています。大麦ですが、大麦は御承知のように主食としてのウエートが非常に薄くなってきております。でありますので、えさといいますか、飼料のほうに回るような傾向でございます。そういう面におきましては、やはり大麦の作付等も進めていかなければならぬと思います。小麦等は輸入が非常に多いのでございますから、小麦のほうなどは、これはより以上の転換作物があるというならば格別でございまして、そうでない限りにおきましては、やはり小麦の作付等も進めていったほうがよろしい、こういうふうに考えております。でありますので、大麦等につきましては、いまお話し申し上げたように、だんだん作付が減ってきております。えさのほうに回すという方針がよかろうと思います。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 年々麦作の作付が減少しております。私の調べでも三十七年に百二十六万町歩、三十八年百十五万町歩、こういうふうに減反しておるわけでございますが、これは政府がパリティ方式で買い上げても採算がとれないというところに原因があろうかと思います。しかし、昨年ソ連の小麦買い付け等で、まあ国際的にはそういう影響によりまして輸入麦も相当値上がりを昨今はしてきております。そういうようなことで、国内産麦の価に大体近づくような傾向もあります。特に私がこの三十九年度の予算の中で、今度食管から別にいたしました輸入飼料勘定等の赤字を見ますというと、これは三十六億ありますけれども、その大部分は麦でございます。たとえば小麦を八十八万六千トン、それから大麦を四十万四千トン、えさとしてこれを輸入しているわけなんです。こういうことによって三十六億の赤字を出しているわけですよ。しかも、このえさの赤字の問題につきましては、これはまた後ほど時間があればやりたいと思っておりますけれども、そういうような大きな赤字を出しておる。いまそういう、とにかく外国の大麦、小麦を入れたきゃならぬというときに、内地における国内産の麦作対策というものをどうしても考えなきゃならぬ。先日も総理の答弁では、外国からたくさんのバナナやえさを輸入するということは不本意かと、こういうことを言っております。しかし輸入飼料の大部分は麦なんですよ。ですから、そういう麦を内地の田を遊ばせることなくて、これを何とか対策を講じていくということ、そういうことでないと私はならぬと思うわけであります。特にその三十六億の赤字を出している、それが実際酪農農民のためにこれがなっておるならばいいのです。現実はそうではない。もし三十六億あったなら、それを麦作対策のほうに振り向けていく。これくらいの英断がなければならないと思うわけでございますが、こういう現在の飼料関係からいたしまして、国内における麦作対策をすべきである。そういう点からいって、私は、食管からまずはずすことはよくない、何かの対策が出てからやるならやるべきだ、こういうふうに考えておりますが、農林大臣はどう考えておられますか、さらに、そういう情勢の中から、総理は軽々しく麦をはずすと言うようなことを、私は慎んでほしい、こういうふうに思うわけであります。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 飼料問題は、いまお話のとおりでございます。でありますので、先ほどもちょっと触れましたが、大麦等を飼料として進めていかなければならない。あるいはふすまのためにも小麦の作付等も相当やっていかなければならない。輸入をで弄るだけ少なくしていく。こういう方途がとられなくちゃならぬと思いまして、そのほうを進めております。そこで、麦を食管制度からはずすかどうかという問題でございますけれども、総理も、何もいまはずすとかはずさぬとかという問題ではなくて、麦をどういうふうに転換するかということについての検討は進めなくちゃならぬ、しかし、いまお話のようにどういうふうに転換するといっても、これは飼料等については非常に重要な作物でございますから、そういう点からも考えて、麦をいま食管制度からはずしていく、こういうことは私は不適当だろうと思います。総理もそういう意味で先ほど御答弁されておったと、こういうふうに私は了解いたします。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 どうもこの間の答弁でも、先ほどもはずすということを言っておりまして、将来ということばを使っておりました。しかし、私はそういうはずす前提条件としては、国内の麦作対策を、こういう畜産状況からいたしましても、えさの問題からいたしましても、そういうことをやって後初めて考えていくべき問題であって、いま軽々しく将来はずすというようなことは言ってはならない。こういうふうに思うわけです。総理いかがですか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 私は、あなたの考えとちょっと違っているところは、今国際収支の問題から申しまして、われわれが一番心配しているのは飼料の問題、えさの問題でございます。小麦は日本の土地としてはそう効果的ではございません、気候、風土から申しまして。小麦の増産も、これはできるだけやらなければなりませんが、これは私はそう多量を望むことはできない。しからば、いま一億万に近い鶏の問題、またこれから進めていく酪農の関係で、いますぐ日本の大麦に頼るという結論を出すか、あるいは国有林の開発等によってトウモロコシはできないか、あるいは草地をうんとつくるべきじゃないか、こういうふうにやはり飼料の問題は、単に飼料がないからというので、すぐ麦に頼るという結論を出す前に、もっと私は飼料問題として考えなければならない。もう数億ドルの輸入をしているのであります。千何百億円の輸入でございます。これをどうやるかということを考えながら麦の問題も解決していかなければならない。飼料が足りないからすぐ麦に頼るといっても、そう結論を早く出すべきではない。私はこういう考え方であるのであります。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 総理は飼料といえば何でも一緒に考えているようでございますが、人間でも米の御飯ばかり食べておったのでは育ちません、やはりたん白質をとらなければ……。そういうような問題があって、結局濃厚飼料の問題は今のところ国内ではまかないきれない。したがって輸入をしなければならないという実情にあるわけですよ。ですから単に草地を開発したからといっても、なかなか総理のおっしゃるように問題が解決しないと思うのです。この点は時間がありませんからあとにいたしまして……、

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 関連。実は農業問題で総理にお尋ねした際に、ちょうど御不快のようでありましたので、かわって宮澤企画庁長官から御答弁がありましたので、はなはだ恐縮ですが、関連で一言お尋ねいたしたいと思います。  政府の所得倍増計画の中で、農業の部面ではどうして所得倍増を達成するかという基本にあるものは、二・五ヘクタールの自家保有面積の農家百万戸創設ということであります。これが基本方針になっておるわけです。ところが、先日申し上げましたように、三十七年一年をとってみましても、一町五反歩以上一万四千戸以上、それから二町以上が一万戸足らず。でありますから、この趨勢でいくというと、所得倍増計画の目標年次までに、私はせいぜい計画の八分の一程度いけばいいほうじゃないか、こう思います。そうすると、それが基礎で農業における所得倍増というものを計画されたのでありますから、これは根本的に再検討されなければならぬのではないかと思います。  たとえば米作だけを例にとってみて、所得倍増はどうして実現できるか。これは三つあります。一つは耕地面積が倍になること、一つは収穫量が倍になること、一つは米価が倍になるとと、そのどっちも困難でしょう。収穫が反当十俵が二十俵になる可能性もほとんどない。一万三千二百円の米価が二万六千四百円になる可能性もほとんどない。そうすると、残る一つの耕地面積が、二・五ヘクタールの百万戸創設がほとんど達成できないとすれば、所得倍増計画も農業面では根本的にくずれ去った、再検討を要するのじゃないか、こう思います。宮澤長官も先日、アフターケアという意味で再検討しなければならぬ、こういうお答えがありましたが、これはことばのあやの問題ではなしに、私はその二・五ヘクタール百万戸ということが所得倍増の基本的な農業における命題であるとするならば、その面からくずれ去ったのであるから、これは根本的な再検討を要する。これが一つ。  もう一点は、兼業農家の兼業収入を含むいわゆる農家収入で計算をすれば、所得倍増の目標にある程度接近します。しかし、純農業収入でいけば、私はこれまた所得倍増の目標年次には農業部面では倍増にならぬと思う。  ですから、その二つの面で、私は根本的に再検討を必要とすると思います。失敗があったかなかったかという議論でなしに、私は根本的な検討を必要とする。そううい意味で、いままでのように、あっちやこっち少しずつ食いかじるようなやり方でなしに、いまの兼業収入を含めるいわゆる農家収入、そういうものを入れても今後の所得倍増というものを農業で考えるのか。ほんとうに純農業収入で所得倍増ということを考えるならば、いまの保有面積の観点からいっても、将来それがどうしたら達成できるか。たとえば給料で生活するだけの条件があれば、土地を手放します。ところが、私はいなかで見ておりまして、むすこが近所の役場や農協あるいは工場等につとめまして、たかだか二、三万程度の給料をもらったからといって、絶対に祖先伝来の土地を手放しません。中には道路の拡張、工場敷地で手放す人もおりますが、ほとんど九九%はたとい一反歩十俵の収穫が八俵に収穫が減っても手放さない。ここに問題があります。ですから、この問題をどう解決するかということを考えなければ、私は農業部面における所得倍増計画は達成が困難だと思います。総理の御意見をお伺いしたい。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) いまお話しになったように、祖先伝来の農地を手放したくないということはわれわれも認めます。しかし、問題は、法律によって土地の分合をやることになれば、これは話は楽なんですけれども、そういうことはできません。したがって、農家が大体四割減るというふうなことはなかなかむずかしいことでございまして、時間を要することでございます。あるいは十年でできないかもわかりませんが、いまは迷っているときなんです。迷っているところなんです。これで他の産業がずっとやって、農業との所得の開きができるということになれば、その気になりやすいのです。これがやはり農業という原始産業のむずかしいところなんです。他の中小企業で二年かかるものなら、農家は五年も六年もかかるべき性質のものです。それをまず前提に置いて、いままでの数字がこうだから十年たってもこれを伸ばしただけというものではないと思います。いままでは非常にどっちにしようかというところなんです。だから、これが五年たち、八年たち、十年たっていくと、その機運が非常に出てくるのだから、いままでのどっちにいこうかという機運も起こらないときの分の統計を伸ばしていくものじゃない。ちょうど私が、十年たったら四割減ると言ったときにびっくりされたのが国民の皆さんです。しかし、そうなってくるとそうならざるを得ないのです。歴史の前進の過程においてこれは前提といたします。  そうしてあなたのお話のように、土地の耕作面積がふえるか、高くなるか、増産か、これは一つばかりにたよるべきものではない。三つが三つ重なり合うこともあるわけでございます。だから、そのことばが結局、農業収入でなしに農家収入かと、こういう問題と同じことになってくるわけです。だから、私には、その三つがどの割合になるかわかりませんが、三つ一緒になることも考えなければなりません。そうして、機運がそういうふうに向いてくること。  そこで、たとえば一九三三、四年から二十年間でアメリカの農業人口は半分になりました。そうしてイギリスはいま全体の五%が専業農家ばかりになっている。フランスも相当耕作面積がありますから、人口の一割七、八分のほとんど専業農家になっております。しかし、西ドイツは敗戦後の過程におきまして急激に産業がふえたために、いわゆる兼業農家が相当ふえてきておる。第二種の兼業が相当ふえております。これは日本でもそうなってくるのです。そこで、専業がいいか兼業がいいか、第一種がいいか、第二種がいいか。私は、二、三年前も、西ドイツのようにいわゆる日曜農家というものもこれは捨てたものではない、こういうことを言っておりますが、第二種兼業というものを全然排除する気持はありません。これは過程におきまして、その国の経済の発展の状況によって第二種兼業もあり得るのです。ドイツがそのとおりです。第一種をどうするかという問題、これはやはりその置かれた環境、地理的、経済的条件によってあれしますが、第一種の兼業もこれは排斥すべきものではない。いまのように一部の農業外の所得があり、そうして主として農業をやっている、こういうものの集約も考えられましょうが、専業農家も、北海道にあるごとく、これも奨励すべきものです。私は、あなたの述べられたことは全部一体となって、そうして二町五反の理想に向かっていこう、それが二町であったらいかぬというわけの問題じゃない。耕作反別によって、とにかく企業として成り立つ農家を育成しようというのが私の考えです。  所得倍増計画は失敗だということは、まだ農業の歴史的、社会的、あるいは経済的あれによって、他の事業と同じように考えるということは私は早計だと思います。われわれは前から考えておる目標に向かって進んでいかなければならない。そこで、いまの麦の問題とかいろいろな飼料の問題等も総合的に、とらわれずにひとつやっていく。そのときにはやはり、先ほど来問題になりました国有林の払い下げ等等、日本のような山の多い、東北のような丘陵の山をほうっておくということは、あの土地の多いニュージーランドから比べても、私はもっと切りかえて考えなければならぬものだと思います。だから、もう少し前向きに、大胆に私は考えていかなければならない。いわゆる使命感を持っていくべきだ、農業開発の使命感、これが必要だと思います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 世界的に農業問題がむずかしいということはわかりますので、日本だけ簡単に解決するとは思いません。そういうことを前提にして私のお尋ねしたいことは、総理の言うように、目標年次までに必ずしもできるわけではない、時間がかかるとおっしゃいましたが、それはそれでいいと思います。それならそれで、十年で所得倍増がこういうふうに達成できると言っているのですから、十年ではむずかしいから、もっと長い期間、十五年になるか二十年になるか、その点が私は、計画再検討の、そういう意味の修正が必要ではないか、こういうことを言っているのです。  もう一つは、いま申したように、総理の答弁の中にありましたが、結局、兼業収入を含む農家収入で算定しないと、純農業収入だけではちょっと困難ではないか。いかがですか、この二点だけひとつ。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) われわれはあくまで十年の目標でこれをやっていこうと努力しなければならない。いま言ったように、初めの二、三年で結果を考えるべきではありません。十年でやるように努力する。しかし、結果においてそれが十五年になるということは、これはいたし方がない。しかし、そういうことにならないように、強力な施策をもっていくべきだということでございます。いま変える変えないの問題ではありません。目標に向かって邁進すべきです。  それから、農業所得と農家所得の問題、これはやはりこれからの日本の七、八年のあとの産業の行き方によって、ある程度結果が違ってくるかもわかりませんが、とにかく農と名前のつくものを、非農業の人との生活水準の格差を縮めることを考えるのが第一、第二には、やはり専業農家としてりっぱないわゆる企業としての農業を打ち立てる、これが私の目標であります。いままでの実績があれだからといって、しり込みをして計画を変えるとか言わないで、まだまだ計画に向かって邁進する。そのためにはやはり為政者も農民の方も、国民全部が農業に対しての考え方も強力にやっていかなければならない。それだから、私は、倍増計画をつくりますときに一番の私の悩みは、農家をどうしようか、いろいろ研究してみましたところ、どうしてもこれは三分の一、あるいは四割近く農家というものが減るということ、これをどうしようかというのが私の一番の心配であったのでありますが、やはりそういうことが出てきたわけであります。ですから、私ども十分これに向かって全身の努力を傾けなければいかぬと思います。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 次に、最近の米の需給状況の悪化についてお伺いいたしますが、国民は三年続きの豊作と聞かされておった。ところが、最近週刊朝日に、「突如として米びつに穴があいた豊作日本」、こういうふうな題で出ておる。あるいは中央の新聞を見ますと、「お米の配給に赤信号」、こういうような表題が掲げられておりまして、まあ私どもの調査によりましても、東京では一人一ヵ月十キロの配給が六キロに、大阪では五・六キロに減ってしまった。で、各地で配給米が悪くなったといって、準内地米と徳用米を一般配給にまぜる。これは徳用米といっても五等米です。あるいは徳用米を配給米として扱ったり、一、二等の特選米であるべきものが三、四等米にすりかえられたり、こういう質と量ががた落ちになってしまって、まことに憂慮すべき事態に立ち至っておるわけであります。こういう問題についても、先日、羽生先生のほうからも御質問があったわけでありますけれども、最近聞くところによりますというと、従来の準内地米の当初の輸入計画十三万トンに七万トン追加する、しかもそれだけでは足りなくて、さらに追加するとかいうことで、合計——最近は砕け米というような米まで含めまして三十二万五千トンを輸入するということは、これは昭和三十三年以来初めてのことなんですよ。したがって、こういうような一体需給関係でもって、はたして国民食糧のいわば需給に対処できるのかどうか、こういう点を農林大臣からひとつ詳細にお答え願いたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 昨年は、三年続きの豊作ということは事実でございまして、一昨年よりは、この間も申し上げましたように、石数でいえば百三十万石減りましたけれども、三番目の豊作であるということは事実でございます。  それから、配給米十キロが六・七キロくらいになっているんじゃないかと、こういうことでございますが、十キロ配給の線はくずしておりません。事実、実績が六キロから七キロくらいの実績でございましたので、そういう実績でいっておるということでございます。  第三番目には、徳用米あるいは準内地米が十キロの配給の中に入っておるじゃないかと。これは三十八年産米は作柄はよかったのでございますけれども、質は非常に悪うございました。五等米、等外米が非常に多かったのであります。そういう関係から、質の点では配給の中に悪い米が入っておる、こういうことでございます。  そこで、全体的に食糧の需給状態について申し上げます。三十九米穀年度の米の需給事情につきましては、三十八年産米の生産は豊作であった前年度、これは千三百万九千玄米トンでございます、石数にして八千七百七十三万に比べまして、若干の減産でございます。まあ石数にいたしますと、百三十万の減産ということになっております。なお平年作の水準は上回っておるわけであります。また、消費は、一人当たりの主食消費量がほぼ頭打ちの傾向にあります等の事情を考えますというと、本年度の需給関係につきましては、両三年以来の、端境期におきまして引き締まりの傾向にあります。古米が持ち越しが少なくて、新米、米穀年度でいえば翌年度の米、それを食い込むというような情勢にはあります。しかし、全体としては均衡のとれた情勢であると見て差しつかえないと思います。  第二に、一方、生産面は減産、百三十万石ばかり減っておるのでございますけれども、それじゃ政府に買い上げておる米、これはどうかというと、政府の買い上げの米はふえておるわけであります。これは石数にいたしまして七十万石くらいがふえて、おります。それから、最近の特色といたしまして、政府買い入れ比率が毎年上がってきておりまして、三十九米穀年度におきましても、昨米穀年度よりは七十万石くらいふえております。でございますので、減産しておる中から政府の買い上げておる米はふえておると、こういうことでございますから、農家の保有米とか、あるいはやみに回る米といいますか、自由米といいますか、そういうものは総体的に減っておると、こう思います。しかし、政府の買い入れ比率は、今申し上げましたように相当ふえておりまして、その結果、買い入れ、売却ともにその規模が拡大しております。需給操作上は、政府所有の古米、持ち越し量が減っておりまして、新米の早食いをしておる、こういう状況は先ほど申し上げたとおりでございますが、そういうものの調整をはかって推移してきた事情にございます。  それで、三十九米穀年度の内地米の需給推算といたしましては、供給量を六百九十万玄米トン、精米にいたしまして六百二十八万精米トン、新米を含めて九百九十三万の精米トン、需要が六百九十万の玄米トン、精米にいたしまして六百二十八万トンと、こう見込んでおります。二月二十日現在の政府買い入れ数量は約六百八十五万トンで、前年同期に比しまして約十万五千玄米トンの増となっております。三十九年産米の売却操作によっても対応し得るので、総体として供給量は不足しておるとは言えません。不足はしておりません。しかし、いま申し上げましたように、自由米といいますか、収穫は減っておるのに政府にそれだけ売り渡す、農家から見れば売り渡す、政府から見れば買い受けておるということでございますから、自由米流通量の減少、それから農村人口の都市への流出等に伴って、消費人口が増加しております。それから、酒米の需要増加等が見込れますので、木米穀年度の端境期、九月の需給調整上は必ずしもゆとりがあるというわけじゃございませんので、相当量の新米の早食いによらざるを得ない、こう考えております。こういう関係でございますので、本米穀年度の政府米の需給状況等を考えまして、端境期における主食配給に万全を期する、こういうことが必要でありますので、次のような措置をとっておるわけであります。  準内地米の輸入計画数量、これは三十九会計年度十三万トンを予定しておるのでございますが、この良質な外国産米の輸入を繰り上げて行なうということ。それから政府の売却につきましては、内地米及び準内地米を含めて、おおむね従来程度の家庭用所要量を確保するため、過去の売却実績、地域的事情等を勘案いたしまして、供給量と見合って売却の調整を行なっている。非常に出荷がおくれたりなんかしまして偏在をしておった傾向がございます。そういうことでございますので、その調整を見まして手当てをいたした次第であります。  以上のような措置は、需給調整の万全を期するためのものであり、本米穀年度におきまして、一般消費者に対して配給は一人一月当たり十キロ、この配給の線はくずしておりませんで、実受配量は確保し得る見込みでございます。  麦類等につきましても申し上げるべきことがございますが、そういうような状況でございますので、特に窮屈でございますけれども、輸入の繰り上げ及び調整等をやって、端境期に差しつかえないような方法をとっておりますので、不安はないと、私はこういう見込みでおります。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 この配給米の逼迫状況につきましては、先日農林大臣は高橋委員の質問に答えて、輸送関係あるいは酒造関係の偏在によって、いまちょっと不自由を来たしておるのだというような答弁があったわけです。また、最近の新聞紙上を見ましても、事実逼迫しているということを認めておる。いまの答弁でも、まあ端境期において万全を期しておるというようなきわめて——ほんとうにはたして間に合うのかどうか確信の持てないようなことに近い御答弁をしておるわけです。その原因その他については、農林大臣の時間がありませんから省略しますけれども、実際端境期に、はたしてまかない得られるのかどうか。というのは、これから三月、四月、さらに十月のオリンピックというぐあいに、やがて四月ごろになりますと、消費量というものが飛躍的に増加していく傾向が、これは一般の動向としてあるわけなんです、社会的の情勢を見たときに。そういう観点からして、ますますこれが逼迫するのではないか。事実私が末端において、これは米屋さんに米を持ってきてくれと言ったら、日曜だからだめだ、どういうだめかと言うと、倉庫がからっぽだ。米穀小売り商の連合会に聞いたところが、もうほとんどないと言う。そういうことで地方では、そういうその関係人が直訴の形で農林大臣のところに来ておるわけなんですよ。そういう動向を見たときに、必ずしも数字の面だけでは、われわれは信用できない。したがって、今後旺盛な消費量に対してどう対処していくかという重大な問題があろうかと思います。この点は、時間がないので省略しますけれども、お答えはよろしいと思います。まあ、そういうことで非常にわれわれは心配するわけでございますが、そこでこういう情勢のやさきに、先日、日本の経済をある意味においては動かすというような経済同友会から、農業近代化への道ということで提言をしております。それによりますと、価格対策は、農家の所得政策として運用されてはいけない。こういう観点から、米についても管理価格に市場価格機能が反映するようある程度自由取引を認める方向に移行すべきである。こういう重大な提言をしておるわけなんです。たまたま、こういう大きな経済を動かす団体の提言というものは、往々にしてそのようになる場合があるわけなんです。そういう意味合いからいたしますと、こういう米の逼迫する現状の中でこういうような提言をするということは、まことにわれわれとしては納得のできないことでありますが、この提言に対して総理は、一体しかるべき提言であるか、そうでないかというような問題について、ひとつお考えを聞きたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 私はその提言をまだ受けておりません。先ほど申し上げましたように、米につきましては、われわれいまの食管制度を進めていく、こう言っておるのであります。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 御承知のように二、三年前、あるいは三、四年前、非常に豊作が続いておったときに、そういうような考え方も一部にございました。最近の事情等をよくお調べにならないで、数年前のそういう気持ちをあらわしたのじゃないかと私は受け取っておるのでございますが、私はそういう点におきましては、いまの需給関係は、決してこれは数字ばかりではなく、不安はないと思います。ないと思いますけれども、これは米の問題は、消費の需給見通しをつけて、そうして国民の食糧に不安がない、こういう基礎ができませぬときに簡単に自由にするというようなことは、これは差し控えなくちゃならないのじゃないか、こういうふうに私は考えております。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 総理は受けておらぬと言うがね、こういう提言が一応報道関係で発表されておる、国民は関心を持つわけなんです。しからば為政者として、たとい提言は受けてなくても、私はこういう提言があったのだから、これに対する考えはどうかと聞いたら、提言は受けておりませんということでは、私は為政者としてはまことに心外だろうと思うのですね。もう一度お伺いいたします。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 食管制度、米の統制は続けていくと言っておるじゃございませんか。その内容を読んでおりませんから、自由価格を設けるとか何とかいう内容じゃないですか、自由販売とか……。私は米の統制、食管制度を続けていきますと言っておるのですから、答えになっておると思います。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 農業基本法策定当時、米は四十五年度まで絶対まかない得る、したがって、これは選択的拡大の対象ではないが、斜陽産業でもないというようなことを、当時政府側が言っておったわけです。そういう中から、米の増産というものは、そう力を入れないというような農政をやってきたわけです。ところがですよ、過去の日本経済を見ましても、食糧を外国から多量に輸入しないときのほうが、経済の発展が非常に大きいわけです。たとえば昭和二十八年度に経済成長が三・六%に減少しておるというときには、非常に食糧を輸入しておった。こういうときには生産資材だとか鉄鉱石だとか、こういう生産財の輸入ができない。ところが三十年以降は、米の豊作、増産等でもって、食糧の輸入が極度に減ってしまいました。したがって、生産財の輸入が思うようにできる。こういう点が国の経済発展の一番基盤になっておると思うわけであります。こういう観点からいたしますというと、私はどうしても今後とも、さっきの飼料問題を含めて、国内用の米と麦は、あくまでも国の経済成長の基盤でございますから、こういう点につきましては、食管制度を堅持していくのだ、こういう態度が必要であると思いますけれども、御見解を総理にお伺いしたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) いまのあなたの根拠は間違っております。一つは間違い、一つは正しい。それは昭和二十八年に米を輸入したのは、これはたいへんな災害で凶作であったために、一億五千万ドルの緊急輸入をしたのであります。したがいまして、昭和二十八年の国際収支は赤字で、そこで昭和二十九年の予算は一兆円予算に押えた。これは生産が伸びないときには米の輸入をするのじゃない、米の輸入をしなければならないような凶作があったから、緊急輸入一億五千万ドルやった。そのために赤字ができ、ほかのものの輸入も減った、こういうことであります。昭和三十年後は、御承知のとおり豊作が続きまして、米の輸入はあまり行なわれなかった。それでやっぱり経済の発展はできた。米をたくさんつくるから、経済の発展があるというわけじゃございません。二十八年の基準というものは、そういう特殊のいわゆる災害による米の緊急輸入というものがあったことを御承知おき願いたいと思います。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 私は災害とかの関係でなくて、やはり国民食糧が自給態勢をとる、そういうような点が肝要であり、しかもそういうようなときのほうが、生産財その他の資材の輸入に非常に役立つから、そのときのほうが経済発展に資するのだ、そういう観点から米の自給態勢をまず整えておくことが、一番肝要ではないか、こういうように申し上げておるわけであります。この点は論点はわかりますから、あとにいたしますが、そこで農林大臣が二時でございますから、次に構造改善の問題につきまして進みたいと思いますが、一国の農業が国際経済の影響を受けて転換しておる例は、かつて欧州諸国に対しましてアメリカの余剰農産物が多量に進出した、こういうときに、耕畜農業から畜産農業に転向していく例が幾度もあるわけであります。そこで、いまやっておる構造改善事業でございますけれども、これも自由化の中では、必然的に体質の改善を要求されなければならない。そういう意味も含めまして、農基法第一条における、自然的、社会的、経済的不利益を補正するほか、自由化に対処して国際競争力を強化するために、そういう目的をも含めて現在進めているのかどうか、そういう点を農林大臣に伺います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) もちろん、国内的の問題といたしましては、農業基本法にありますように、他の産業との生産性の格差を縮小しよう、あるいは生活水準の差を少なくしていこう、こういう意味であります。国際的に見ますならば、自由化に対処しまして日本の農業生産物の国際的コストは非常に高くついていますから、これはコストを低下して農業が合っていくようなものにしていかなければならない。そういう面の体質改善が必要である、そういう意味でありますから、構造改善におきましても国内的、国際的観点から農業の体質改善をやっていく、こういうところへ力を入れておるわであります。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 現在の構造改善事業は、私の感じでは大型機械を買いなさい。たんぼを大きくして二町歩にしなさい。農道を五メートル五十に広げなさい、近代化や省力作業のために共同作業場をつくりなさい。それをやれば事業費の半分を国が持ちましょう。これは融資単独事業は別ですよ。そしてうまくいったならば、ほかの農民にまねさせなさい。あくまでもこれはパイロット方式なんです。そういうようなものがどうも特徴になっておる気がするわけです。また事実そうであろうと思うわけであります。ですから、そういうことがはたして構造改善かどうかということなんです。米をつくるなり、酪農をするなり、豚を飼うなりの場合、一体米の値段は農民がやったときどうなるのか、牛乳やチーズの値段はどうなるのか、あるいは自由貿易という環境の中で、農産物のワクを政府は一体どのように定めるのかということが、少しも明らかになっておらないわけです。むしろ、そういう価格問題はわきのほうに置いてしまって、ただ経営や技術を、経営規模を大きくしたり、技術を革新したり、そういうことが問題の解決の一番焦点、それが構造改善だというような感じを実際問題として受けているわけでありますけれども、この点についてのお考えをひとつお聞きしたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 構造改善々体質改善ということに把握してやっておる、こういう場合に価格政策といいますか、価格のめどなしにやっていたんじゃだめじゃないか、こういうふうなお尋ねかと思います。私は価格のめどを初めからつけていくということは、非常にむずかしいと思うのです。一般的に、たとえばお話がありました米なら米は、価格を支持しておるのでございますから、この米をつくっていく上におきまして大体の目安というものは、これは農業においてもわかるわけであります。あるいはその他の作物、畜産等につきましての価格支持制度は、非常に弱いのでございますけれども、こういう点につきましても、ある程度の目安というものはできております。でございますので、価格をどれくらいにするから構造改善をしろというようないき方はしておりませんけれども、しかし、価格という面もこれは当然考慮に入れておるのでございますが、構造改善におきましては、いまお話のような数々のことは、一つは労力を節約してコストが安くても農業生産ができるように、この国際自由経済の波に当たっても、その波に砕けないような形にもっていこう。こういう意味でございますから、体質の改善はそういう点で進めておるわけでございます。同時に価格の問題は一般的の価格の、農産物の価格制度としてこれに対する見通しとか、あるいは支持対策は講じていく、こういう方針でございます。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 つまりですね、その米価なり畜産物の価格なり、そういうような価格が、ある程度支持価格がきまっておれば、農民は安心して農業に専心するわけなんです。そういう環境をまずつくってやるということが、私は農業政策の一番基本でなければならないと思うわけです。それが欠けておるわけですね。もしそれができておれば、別に政府が半分補助金を出さぬたって、農民はたんぼに出れば努力します。あるいは大型機械を買うならば、それだけの意欲は出します。そういうような環境の整備がないからこそ、いつまでたっても、ただ形式的にパイロット方式でもってやっておるという、そういうようなことが出ているわけなんです。どう思いますか、そういう点は。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 価格だけ上げれば、捨てておいても体質改善をしていく、こういうことには私はなかなかむずかしかろうと思います。ことに価格というものは、農産物価格ばかりではございませんから、全商品の価格との均衡というものもございます。そういう意味でございますから、価格さえ何倍かに上げれば捨てておいてもよくなると、こういうわけにはまいらぬと思いますので、やはり何といいましても、国際的に日本の農業生産物というものはコスト高になっておりますから、これがコストが安くできるというような態勢へ持っていけば、これは国際競争力にそっくり勝てるようなことには困難だと思いますけれども、国際競争力にたえていくような方向へ進めていくということが、これは基本的の問題だと思います。また、価格の政策を、価格支持を捨てておくというわけではございませんで、これはいま申し上げましたように、一般的の農産物の価格支持対策といたしまして、農産物に対しましてとっておりますところの支持対策というものは一そう強化していく。構造改善の地区ばかりでなく、全般的にこれは考えてそれに伴って構造改善を推進していくということでいくのが適当じゃないかとこういうふうに考えます。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 実際、各地でやっている構造改善事業はほんとうに試験的というか、試みのような感じがするわけです。そういう中から将来政府といたしましては、技術体系なり、あるいは技術形態をつかみ出そうとしているのじゃないか、こういう印象を実際末端では受けるわけですよ。したがって、あくまでも試みである以上は、当然失敗したときでも、最終的の責任は政府が負わなければならぬ。ところが、現実には融資単独事業まで含めますというと、農民の負担が七割になっているわけです。こういう点の責任制というものは、もう少し政府が負うような農政をしなければならないと思うわけでございますが、こういう点につきましての見解をひとつ承りたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 構造改善をやっておるところの農民の負担が多くなるということは、これは避けなくちゃならぬと思います。現実には事業費の五割は国の補助、二割は県のほうでいたしますが、これは交付税からいきますから、結局七割はいきます。そのほかに、単独事業のほうは融資で三千万円ですか、一地区平均三千万円、千万円多くいたしておったわけでございますが、そのほかにも系統農協等の融資という面もございます。でございますので、私は、よほど無理な計画でなければ、いまのお話のように、七割負担というようなことは私はないと思います。それで、計画等を十分相談にあずかりまして、そういう負担が増さないようにこれは進めていかなければならぬ。同時に、これは人ごとじゃございませんで、私ども、農民としてやっぱり自分自身がやっていくということは、これは好むと好まざるとにかかわらず、パイロット地区であろうとかなかろうとかということにかかわらず、これはどうしてもそういう方向へ進まざるを得ない日本の農村の実態だと思います。いろいろ経験というか、いままでの実績におきまして、あまり適当でないという面などはなお一そう改めながら、どうしてもこうしても、これはパイロットという意味よりも、全部農村の体質を改善していく方向へ持っていかなければならぬ、そういうふうに考えております。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 まだいろいろありますけれども、次に移ります。  そこで、先日、本委員会における答弁の中で、農地法の改正について、将来は経営規模を拡大するために農地法の改正をしていくのだという意思をほのめかしておりますが、そのとおりでよろしゅうございますか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 農地法につきましては、農地信託制度、あるいは農業法人、あるいは、また、農地の所有の限度を撤廃さした、これは経営面でございます。ところが、なかなか実績が上がっておりません。そこで、経営面積を広げるという意味におきまして、所有権で広げていくか、あるいは賃借——借りてそして広げていくか、こういう二つの道があろうと思います。たとえば先ほどお話のありましたような兼業農家の場合などのことにつきましてそういう面があらわれていると思います。その他農地の制度、あるいは農地法等につきましては相当検討する問題がたくさんございます。でありますので、今国会においてそういう改正案を出すという段取りにはいかぬと思いますけれども、各方面の意見等もいま聞いたり、あるいは事務的にいろいろな検討を加えさせております。でありますので、私は、農地法というものはいずれ改めていかなくちゃならぬという面があると思います。ただいま検討中でありますので、結論は出ておりません。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 私は、国内における土地の利用区分の問題についてお聞きしたいわけです。というのは、わが国の全農地というものは国土面積の二〇%、EEC諸国では六七%余りある。こういうように非常に農地が低い。それで、日本の農地法でも、農地は「耕作の目的に供される土地」、こういうように規定しておりますが、今日では、耕すところだけが農地でなければならないという実質的な理由はもうほとんどないと思います。そういう立場から立って、農地、農用地を拡大する、たとえばEEC諸国並みになったとするならば、三倍ぐらいになります。そういうことになりますというと、そういう広がった農地を基盤にいたしまして、農家はそれを基盤にいたしまして所得を大幅に改善されられる、こういうことも考えられるわけであります。きのうも米田君のほうから北海道の問題で、第一次産業を拡大しなきゃいかぬという問題がありましたが、たとえば北海道で牛を五十万頭飼うというような——六十万頭にする場合には二十万ヘクタールの農用地を造成しなければならぬという問題がありました。こういうような問題等も考え合わせて見て、どうもわが国土における土地利用区分というものが非常にうまくない、多くの欠陥がある。したがって、これに調整を加えなければならぬという段階へきておりますが、そういう点についての考え方をお聞かせ願いたいと思います。で、これにつきましては、なお総理のほうも、過日、経済企画庁の長官のほうへ向かって土地利用の問題を何か相談したようでございますが、あわせてそのときのお考え方もお願いしたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 国の土地を最も有効的に利用することが必要でございます。いま例も出ましたが、北海道等におきましても、農地を政府が一たん買い上げて、そのままで処分未済というようなところも相当ございます。そういうところなどは草地造成の適地としてやっていこうということで、これは調査もいまいたしておりますけれども、それは一例でございます。あるいは国有林の問題等もございます。そういう面がありますので、総合的に土地利用区分をきめましたり、利用の効果的な方向を考えるということは必要であると私も考えております。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 農林大臣が答えたとおりでございます。ちょうどもう例にとって恐縮でございますが、中国地方の沿岸部と東北、北海道をお比べになったら、いかに土地に対してのいわゆる考え方が違っているか、われわれは、耕して天に達すというあの中国地方で育てられた自分としては、北海道、東北においてはもっともっとやるべきである、やっぱりこれは政府が力を入れていくべきである、国有林の問題にしてもみなそうでございます。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 土地利用の問題につきましてはたいへんお答えがいいわけですが、実は国内には、ずっと昔から部落の利用に供されておった入り会い山がたくさんあったはずであります。これが明治の地租改正、あるいは、または民法制定を機会に、国有林であるとか、あるいは大きな山林地主の私有地にこれが編入された歴史があるわけであります。したがって、今日土地利用区分を考えるならば、これらの土地を含めて、やはり単に国有林の開放でなくて、これを第三次農地改革といいますか、そういうような方向へ押し進めていくのが至当であって、単に経営規模を大きくするのだからといって、零細農やそういう小農を離農さしていくというようなことでなくて、これらの問題を含めて、私は、農地法を改正する、農地改革を行なうべきだと、こういうように考えるわけです。また、そういうように主張するわけでございますけれども、この点につきまして、いま土地利用は大いに積極的にやらなきゃいかぬ、国有林も開放しなければならぬ、こういうことを言っているわけでありますけれども、さらにもう一歩進めて、私の申し上げたような考え方に立って土地改革を推進していくべきだ、このように思いますけれども、総理の考え方をお伺いいたします。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) あなたの申された対象の土地が私の頭にちょっと浮かんできません。明治維新以前の入り会い権の問題等々がございますが、私はそれについての実態を知りませんので、答えがむずかしいと思います。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 いや、私は入り会い権の歴史を見ますというと、これは明治の地租改正、民法制定によって国有林とかあるいは私有地に編入をされているわけです。だから、そういうものを日本のこれからの農業を全体的に育成して畜産を振興するというような立場から考えるならば、当然それらを含めたところの農地改正の問題を取り上ぐべきだ、こういうように言っているわけで、基本的な考えをお聞きしたいわけです。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 公有林といいますか、明治の前に入り会い権を持っておった部落の人々などが、明治維新のころの土地改革で入り会いの権利を失っているという事実はあろうかと思います。しかし、土地改革でそれをもとに戻すか戻さぬかということにつきましては、これは権利の問題で、なかなかむずかしい問題があろうと思います、土地の移動もその後ありますから。国有林につきましては、入り会いの問題等、いろいろ検討いたしまして、そういう面で経営面積を広げるというばかりでなく、入り会いの点につきましての問題等は、いま検討を進めております。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 私は、いまのような問題を抜きにして、小手先の構造改善事業を押し進めても、結局それは農業の発展にも飼料の自給態勢にもつながるような問題の解決にはならぬと思うわけであります。これは私の意見でありますから、答弁は要りませんけれども、そういう考え方を持っておるわけであります。  そこで、ちょうど二時でございますから、お約束の大臣よろしゅうございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 ちょっと関連。

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 簡単でございますか。農林大臣の時間のなにがありますから、簡単にお願いいたします。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 非常に重要な経営面積の拡大の問題が出ているわけですが、基本的な問題として一点お伺いしたい。  それは、経営面積を拡大しなければならぬ、過小農経営を何とか解消しなければいかぬ、これは立場のいかんにかかわらず、ほとんどこれはきまった議論だと思うんです。しかし、それをやるには、一つは所有権の移動をやる。しかし、これはなかなかいろいろな条件に制約される。それから、もう一つは賃貸、これもなかなかその条件等についてむずかしい。そこで信託制度といったようなことを始められたけれども、これもなかなか利用されておりません。そこで、これは社会党は以前から、多少立場は違うわけですが、やはり共同化——土地の利用の共同化ということを盛んに言っているわけなんです。しかし、この問題は、あなたのような立場から考えても、もう少し本質的に検討してもらう価値があるんじゃないかと実は思っている。で、共同化ということなら、たとえば五戸なり十戸の零細農家が一緒に一応やろうという出発点をとるわけですね。これは土地と直ちに無関係になるわけじゃないから、わりあいその踏み切りはつくわけなんです。土地をこの際譲るとか貸すとか渡してしまう形態じゃないわけですからね。だから、やはりそういう立場からもう少し共同化というものを検討してみる必要があるんじゃないか。土地利用の共同化ということが始められた後にこれがほんとうの共同化に進んでいくか、あるいはその過程において労働力等が余ってくるから、それじゃおれのほうはもうこういう条件でひとつ引き下がっていくとか、いろいろな問題が起こってくるだろうと思うんです。それは私は自然の成り行きにまかす以外にないと思うんですね。だから、経営規模の拡大ということを言いながら、所有権なりあるいは賃貸借、そういうことだけにとらわれておらないで、もう少し社会党が言っているような共同化というようなものを活用してみるということが必要じゃないかというふうに思っているわけなんですが、その点に対するひとつ考え方を聞きたいわけです。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 先ほど申し上げましたように、農地法を改正いたしたときに、農業法人というもので農業経営をやっていくという道を開いたわけでございます。でございますから、これに対しての条件等がいろいろございます。これは一つの共同でございます、農業法人——農業生産法人。でございますから、私は、自立的経営農家の育成ということが基本的な私どもの考え方でございますけれども、共同によって経営面積を広げていく、こういうこともやっぱり自立経営の一つの私はワクの中、範疇の中に入れてもいいと思う。こういうような考え方でございますので、共同によって自立経営を進めていくということも検討に値するし、また、それを進めてみたい、こう考えております。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 次は経済見通しの問題についてお聞きしていきたいと思います。時間がないので詳細には聞きませんけれども、昨年ですね、企画庁では三十九年度の経済成長率を実質七・二%から八%と見て、名目を一二%ということでいたわけなんですね。これは三十八年度よりやや落ちるわけでありますけれども、その後、その予算編成にあたりましては、これが名目九・七%、それから実質七・〇ですか、それから物価のほうが四・二と、こういうことになったわけです。そこで、その名目が一二%から九・七ですかになったにもかかわらず、当初見込んでおった自然増収をあなたのほうでは六千億か六千五百億ぐらいたしか見積っておった。その名目が下がって、自然増収が六千八百億になったという、こういうことがちょっとふしぎに思うわけなんですよ。この点について、どういうわけでそういう経過になったかをひとつ御説明をお願いしたいと思うわけです。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 当初一二%の見通しをつけておったときに六千億ないし六千五百億だったものが、名目九・七%になってどうして六千八百二十六億になったか、こういう御質問だったかと思いますが、御承知のとおり、当初政府で考えましたもの、まあ六千億ないし六千五百億というのは、政府というよりも、大蔵省試算でございます。この基本となるものにつきましては、昭和三十八年度の経済成長率が低くて、三十九年度が高いだろうという見通しに立っておったわけであります。なお、税制調査会でもって検討するために見通しを出せということでありましたので、当時の考え方で見通しを出しましたときには三十八年度の実質成長率を見通すことができませんでしたので、六千億ないし六千五百億と、このように見たわけでございます。しかし、その後、第二次、第三次補正の財源で御承知いただきましたように、三十八年度の経済成長率が私たちが当初見ましたよりも非常に高くなって、二千億余の伸びがあるわけであります。でありますから、三十八年度のベースが非常に大きくなりましたので、三十九年度は名目九・七%に抑えたいと、これは物価と、開放体制に向かいまして、御承知の国際収支の安定ということを考えまして、実質七%、名目九・七%と押えたわけであります。しかし、三十八年度の基本ベースが大きくなりましたので、三十九年度の名目成長率は下がりましたけれども、税収は六千八百二十六億になったと、このように言えるわけでございます。六千八百二十六億から三十八年度の第二次、第三次補正分の二千億を引いていただきますと、実質三十九年度に自然増収となりますものは四千八百億でございますので、例年の例から見ましても、四千八百億円の自然増収は大きなものではないということは御了解いただけると思います。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 検討の過程でいろいろな数字の可能性を考えてはおりましたが、いまのようなことはございませんでした。で、成長率なり鉱工業生産指数なりと歳入との関係で申せば、勤労所得税は問題があまりございませんと思いますが、法人税などは半年以上のおくれもございますし、その年の成長率とその年の自然増収とを結びつけて考えることが必ずしも実際的ではないと思いますが、のみならず、いまのような事実はございませんでした。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 一二%のときに六千億見積って、それが九・七になったので六千八百億税収があるんだという矛盾があるわけですね。ですから、そういう点に矛盾を感じますというと、何か成長率をあまり低く押えますというと、税収が低くなる、そのために、予算編成に非常に支障を来たすのではないか、こういうような配慮のもとに——数字はまちまちでありますから、いろいろファクターがありますから変わりますけれども、そういう要素によってしたのか。それとも、金融界だとか財界、あるいはまた、あまり低くするというと所得倍増計画の七・二からはずれてしまう、そういうことではよろしくない、こういうような総理の強い提言があったか。そういうようなことであったのか、こう不思議に思うわけです。そういう点をお聞きしたわけですけれども、どうですか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) いま経済企画庁長官から申しましたとおり、政府としての試算ではなく、大蔵省が税制調査会に出します当時の、まだ三十八年度の実質見通しが不確定な状態でありましたときに、一〇%ないし一二%というようなものをはじいて、大体ことしは六千億ないし六千五百億だろう、私が閣議で、三十九年度の予算は一〇%対前年度比に押えたい、このようなことを申しましたときの試算の数字でありまして、政府としての確定数字ではないわけであります。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 これは二、三年前の例ですけれども、毎年、政府の経済見通しを立てたものを経済の実態に比べますと、結果においては、いつも見通しのほうが低いという実績があるわけです。特にことしは一般的に景気の上昇面にあるというときです。そうしますというと、ことしも政府の見通しを相当成長率その他が上回っていくのじゃないか、特に物価は依然として高騰を続けていくのではないか、こういう予想が従来の事実からいくと持たれるわけですが、この点について、総理の御見解をお伺いいたしたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) ことしは、施政演説並びに大蔵大臣の財政演説にありましたとおり、引き締め基調、いわゆる調整のときでございますから、大体この程度の見込みでたいした狂いはないと思います。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 これは私の意見になりますが、予算編成の、こういう過程を仄聞するところによると、景気を刺激しないようにするために、成長率をあまり高く持っていかないほうがいいのだ、あるいは歳出について、圧力団体その他を含めて強い要求があるから、これに見合うためには、税収もよけいに見なければいかぬ。それから同時に、政策としては、諸種の減税も大幅にやりたいという政治的努力、こういうこともしなければならぬ。こういうようなことで、とにかく史上最高の六千八百億円に落ちついたわけなんです。ところが、三十九年度は、国際収支の関係、あるいは物価安定、八条国移行、種々困難な問題が一ぱい横たわっておるわけでございますけれども、六千八百億の税収が可能かどうかという問題があるわけです。こういう点について、総理でも大蔵大臣でもよろしゅうございますが、そういう問題が一つ。  そういう中で、はたして期待のとおりの安定成長ができるかどうかという問題もあるわけです。そこで、さっき総理も、公明会の小平委員に答えたときに、西ドイツを非常に盛んに謳歌しておりましたが、西ドイツは、最近は必ずしもよくないのですよ。最近は、国際的な総合収支は二億二千万ドルで赤字になっていて経済成長を押えた、こういう世界金融経済年報の記事が載っておるわけです。非常に謳歌しておったが、ああいうのは非常に古い時代の答弁なんですね、総理の答弁は。そういうことからいたしましても、いま私が申し上げたようなことが非常に心配になるわけでございますけれども、その点について、単に、いろいろなことを配慮しながら前向きでいくのだという総理の抽象的な答弁だけでは、受け取れないものがあるわけですね、国民の一人といたしましても。そういう点について、もう少しく具体的にお聞かせ願いたいと思うわけです。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) まず一番目の御質問は、六千八百二十六億円の税収が確保できるかと、こういうことでございますが、もちろん、この税収見通しにつきましては、圧力団体とか、その他、減税等の要因をまずきめておって税収見積もりをきめたのではないのでありまして、名目成長率九・七%、実質七%の成長率で税目別に積み重ねてはじいた数字が六千八百二十六億、こういう数字で、非常にこまかく出ておるわけでありまして、政府としては、できる限り厳密な態度で積算をしたわけでございます。私は、六千八百二十六億という数字を確保する一とはむずかしいことではない、このように考えます。それはなぜかといいますと、現在でも予算を組むときの前提となりましたものが、国際収支の安定と物価の抑制、こういうことを前提として組んだわけであります。でありますから、名目九・七%でございますと、今年よりも多少下降ぎみになるわけでございます。でありますので、いまでも国際収支が不安だというようなことを言われておりますものは、三十九年度の成長率も今年度と同じように高い、こういう見通しで、まあいろいろ言われておるわけでありまして、まあ押えることのむずかしい、たくましい日本の経済の実態から見ますと、九・七%の成長率は維持できる。でありますから、六千八百二十六億、すなわち、今年度の自然増収分二千億を引きますと、三十九年度の分としては四千八百億余でありますので、これが確保はむずかしいことではないというふうに考えます。  その第二の問題は、全く逆の問題でありまして、国際収支の安定と物価の抑制が一体可能か、いわゆる政府が庶幾した九・七%をこして、非常に異常な高度な成長を来たさないような安定成長は可能か、こういうことでございます。これは、いま御審議を願っております三十九年度予算と、なお財政投融資、金融等、まさに一体に考えながら、四月一日から開放経済に向かうのでありますから、国民各位の協力を得ながら、今度は政府が庶幾しました九・七%をはるかに上回るということがないように、安定的成長を続けるべく、各般の施策を進めてまいりたい、このように考えます。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 私は、政府が見込んでおる自然増収がとれるということが可能だとすれば、景気が過熱して、さらに物価の上昇が続くだろう、こういう心配があるから、お尋ねしたわけです。まあ、その点は、その程度にとどめておきます。  それから、まだちょっと時間がありますが、過日、総理は、総評の岩井事務局長との対談の中で、最終的に、最後にお別れするときに、最低賃金制について両者の意見が一致して、総理も最低賃金制を認めるというように同意したように承っておりますが、その点について、そのようでよろしゅうございましょうかどうか、少しお話し願いたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 御質問にお答えする前に申しておかなければならぬことがございます。いま、ドイツの経済につきまして、最近の雑誌には、そういうことが載っておる、総理の答弁は古いのだろうということでございますが、古くないのでございます。きのう参りました電報でございますから、それよりも新しいのでございます。きのうドイツの連邦銀行の総裁ブレッシングが言ったことばで、十億ドルふえておる、正確に申しますと、三百六億マルクでございますから、七十五億ドルの外貨保有でございます。去年、おととし、先おととし六十四、五億ドル、去年の輸出は非常な超過でございますから、ことにドイツの信用によりまして短期も入ってきておりますから、七十五億ドル、去年に比べて十億ドルふえておる。これは最も新しい、きのうの電報でございますから、そちらの雑誌が古いということを申し上げておきます。  それから最低賃金制の問題でございますが、この前、総評の岩井君と会いまして、この問題は、前からいろいろ聞いておるので、私はこう申しました。総評の方々が三、四年前は十八歳八千円の最低賃金制を言っておられたが、どうです、いまは、経済成長のおかげで、十八歳八千円じゃなく、中学出た人が一万円近くなったじゃないか、最低賃金制につきましては、こういう情勢を見て、ひとつ考えなきゃならぬ、こう言っております。しこうして、昨年の八月に最低賃金審議会の答申がありました。その答申によりますと、いまの最低賃金法の精神をうんと活用していくべきだ、そうしてやっぱりいまの現行制度を活用し、そうして今後におきましては、やはりいまの業種を選定し拡大して、そうして最低賃金の拡大をはかっていこう、こういう答申がきておりますので、私はその答申にしたがって、今度は考えていこうというのであります。で、日本の現在置かれている産業職種別の、いわゆる企業別のいろんな点から申しまして、総評の言っておられるような最低賃金制に、いま直ちに移行するとは私は言っておりません。十分検討すべき問題だと言っておるのであります。     —————————————

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) ただいま委員の変更がございました。安井謙君、小平芳平君が辞任され、河野謙三君、浅井亨君が選任されました。     —————————————

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 総評の考えている最賃制も、ことしの運動方針では相当弾力性が出てきているわけです。したがって、そういうような方向は、総理としては直ちには賛成できがたいものがあるかもしらぬけれども、方向としては、大体あなたの考え方は、総評の考えている点について妥当である、こういうようにお考えでありますかどうか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) あの申し入れ書も見ましたが、初めの文句なんか私と根本的に違っておる。しかし、私は最低賃金制の問題は、いわゆる格差の是正の問題からも、年功序列制度の打破の点から申しましても、最低賃金制を拡大して上げていくということには賛成でございます。そのやり方の問題でございます、やり方の問題。要は旗じるしよりも実行でございますから、先ほど申し上げましたように次男坊、三男坊の、あの就職に困って最低賃金が叫ばれて、十八歳八千円といっておったのは三、四年前でございます。いまは中学卒業生の十四、五歳で一万円、こういうようにやっていくことが、わが自由民主党の政策である、こう言っておるのでございます。上げていこう、合理化していこうという方向も同じですから、やり方と考え方が違っておるということでございます。   〔委員長退席、理事斎藤昇君着席〕

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 総評で、いま直ちに全国の一律制を確立すべきだということについての目安については、これはなかなか、いろいろ問題がありまして、それは容易じゃないでしょう。しかし、いま考えておるのは、全国一律一万四千円を十八歳ですか、十五歳ですか、考えておるわけですね。そういう点については、これは価幣価値の中で考えた、生み出したものですから、このぐらいに出ておりますが、現在のところ、そういう点についてはどうでしょうか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 十八歳一万四千円にきめることがいいか悪いかというのが、先ほど申しました日本の経済構造の点からいっていかない。最低賃金審議会の答申のごとく、現行法を活用していって、そうして職種を選定し拡大していくように、そうして賃金の目安をつくっていこうというのが答申でございました。これは非常にりっぱな答申だと思いまして、われわれその方向でやっていきたいと思うのであります。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 実は通産大臣にお願いしますが、たくさん通産大臣にあったわけですけれども、時間がありませんから、これはまた、一般質問かなんかのときにいたします。中小企業対策の問題でいたしますけれども、ただ、それに入る前に一つお聞きしたい点があるのは、きのう米田委員の質問に答えまして、石炭の大口需要先は電力会社であり、電力会社が火力発電に必要な一定の量を確保し、それから価格も下がらぬように生産会社を通じて購入しておるから、炭価については大幅な値下がりはない、こういうような発言をしておるように思われます。ところが現実に電力会社のほうでは、石炭事情の悪化によって、電力会社がそれを一手に引き受けていくという理由は、今日の段階ではないんだと、むしろそういうような点に、もし石炭との関係で電力も考えるとするならば、もっといまの電気料金は上げなければならぬだろう、こういうような言も、われわれときどき聞いておるわけなんです。こういう点について、将来石炭の需要の大口が電力産業だと、こういうように考えていくということは、まことにわが国のエネルギーの問題を考えましたときに重大な問題だろうと思います。今日、重油で発電したほうが、はるかに能率はいいわけですよ。発電原価も安いわけです。こういう点について、もう少しく押し詰めた考え方、たとえば総合的に、油もそれから電気も石炭も含めた総合エネルギー対策ということで問題の処理を考えていくことのほうがいいのではないかという、こういう考え方を持つわけですが、御所見をお伺いしたいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) きのう申し上げたことを引いての御質問であったのであります。ちょっといま、あなたが言われた前段の意味がよく理解できませんでしたが、総合エネルギー対策として、石炭を大体五千五百万トンという数字で抑えまして、これは必ず確保していくという考え方で、総合エネルギー対策を考えておるわけでございます。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 その石炭の需要先を電力業界に全部依存している、そういうことなんですね、現実に、大体大口といたしましては。そこで問題になるのは、電力業界のほうでは、石炭の内部的事情を電力のほうへ一方的に押しつけられてきたのでは、これは将来料金の問題やその他の問題に関係があるから、はなはだ困るというような問題もあるわけですね。この点のあなたは、きのう米田君への答弁に対しましては、もっぱら電力目当ての石炭の問題を考えていくというような答弁があるんですよ、この速記録に。ですから、そういう点をもう少しく明確に、ただ電力にのみ逃げていくというような答弁だったから、私はそれに対してお聞きしたわけです。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) お答えをいたします。石炭の需要は、もちろん電力だけではございませんが、電力も大口であるということは間違いございません。たとえば昭和四十二年をとってみますと、五千五百万トンの供給に対して電力が需要するのは二千五百五十万トン、こういう想定をいたしております。四十五年には三千万トン、こういう数字を予定いたしておるのでありまして、その場合において石炭は、もちろん、何といいますか、重油等をたきます場合よりは、ある程度高くなることは事実でありますが、しかしこれは公益事業でもございますし、いままでの設備もありますし、その他エネルギー政策という観点から見て、やはり電力が相当部分を消費するということについては、電力会社としてもこれを了承いたしております。また、その結果、電力料金にこれは大きくはね返って、料金の値上げ問題にこれが直接大きく影響するということは、われわれ、は考えておらないところでございます。

斎藤昇自由民主党

○理事(斎藤昇君) 安田君の質疑は終了いたしました。     —————————————

斎藤昇自由民主党

○理事(斎藤昇君) 次に、豊瀬禎一君。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 私は最後の質問者ですが、ここに池田総理を中心として、主として教育問題にしぼって、その所信をただしたいと思います。御承知のように、第四十一国会、一九六二年の八月の国会におきまして、初めて池田総理は、国会の中で人つくりという考え方を打ち出されてまいったわけですが、以来今日まで、池田総理の構想される人つくり政策というものが、池田内閣の文教その他施政全般にわたって、今日までどのように具現されてきたか、なお、今後総理としては、その構想をどのように具体的に展開していこうとされておるか、まず、人つくり構想の基本的なかまえについてお尋ねいたしたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 御質問が、総理大臣が日本人の人つくりをやるというふうなお考えで御質問になったら、これは誤りであります。私は、申し上げているように、人つくりというのは自分自身がつくっていくのであります。りっぱな、人に尊敬せられ、人に敬われ、そうして国を愛し、徳の高い、そういう人を自分自身でつくっていくのであります、人つくりというのは。政府といたしましては、そういうりっぱな人つくりに励んでいただくように、家庭的に、学校に、あるいは社会において、そういう環境をつくるというのが政府の仕事であるのであります。これはたびたび申しております。したがいまして、教育課程、教育内容の上昇、社会教育の育成、あるいは今年は、家庭教育につきましての施策を講じておるのであります。予算面におきましても、それらの点が、去年、ことし、また来年度の予算にもあらわれておると思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 総理のただいまの答弁のように、総理が人つくりをやるのではない、このことの基本的なかまえについては賛成ですが、現実の問題としては、政府という政治権力が、現在の憲法や教育基本法の精神から逸脱して、直接教育支配の傾向が顕著に見えておる、こういう判断を持つと同時に、少なくとも内閣として、人つくりの重要性を考えられるならば、いわゆる政治の面において、単に、家庭教育、社会教育充実予算を組みました、こういう構想だけでは、第一回の人つくり懇談会の中で池田総理が、経済発展のために人つくりの重要性を考えたという池田総理の発想というもの、趣旨というものが生きていないと思うのです。私が再度聞きたいのは、もちろん人つくりというものは、現行の法体系の中では、各自の考うべき基本的な権利であります。しかし、政治の面においてどこに重点を置いてこのことを達成しようとしておられるのか、こういうことを聞いておるわけですが、再度御答弁願いたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) あなたの御質問の冒頭は反対でございます。私はそう言っていないのです。自分は所得倍増というものを唱えたが、これはやはりわれわれの生活水準、環境をよくし、みんなの働く意思、りっぱな人になろうとする個人の資質を伸ばしていくための所得倍増であって、所得倍増は手段であって、目的は、りっぱな国づくり、人つくりであると申したのであります。私は、経済成長のために人つくりをやるのだとは決して言っておりません。逆でございます。  そこで私は、そういう考えのもとに、一人一人が自分の資質を伸ばして、りっぱな人になってもらう努力を積み重ねる環境をつくろう、こういうのであります。もちろん憲法や教育基本法の精神によっていくことは当然であります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 総理の答弁ですが、総理は、第一回の人つくり懇談会が一九六二年十二月五日開かれた際に、私は経済出身のため、かねてから経済の安定成長のために力を尽くしてきたが、りっぱな人つくりなしには経済の安定や国づくりは望めない、こういうあいさつをしておられます。このことは、いま総理が、私の指摘と異なって、経済の安定成長のための人つくりという、方便論として打ち出されておる、このように判断するのですが、首相の見解は、当初のあいさつとは異なっておりますか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 私はそういうことを言った覚えはございません。私は、たびたび国会でも申し上げておるとおりに、所得倍増というものは、国づくり、人つくりの手段である、それ自体が目的でないということを言っております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 総理の人つくり論というのは、経済審議会等で答申しております人的能力政策、あるいは教育投資論と背馳をいたしますか、これを肯定しますか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 教育投資論というのは、聞いたことでございますが、私は、そういう銭金の問題というためにやっておるんじゃなく、そういう思想が、いまの人つくりというのが、所得倍増、経済発展の手段のように聞こえますが、そういう考えは持っておりません。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 教育投資論ないしは人的能力政策論と一致しますか、反対ですか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 投資論とか、人間成育論というのは、一致する場合もありますが、一致しない場合もある。目的は、りっぱな人つくり、りっぱな国づくりでございます。そのために教育は発達する、そのために人の技術を上伸し、そうして道徳観念の高揚ということは人つくりの手段であります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 一致する場合もあれば、一致しない場合もある——基本的に私は、マン・パワー・ポリシー、あるいは教育投資論、これはイコールのものと判断しておるのですが、それと現行の教育基本法のねらいというものは、完全に背馳する、対立するものと考えている。ところが総理は、一致する場合もあれば、矛盾する場合もある——その見解と理由を述べてください。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 一致する場合もありますし矛盾する場合もあるとは言っておりません。一致する場合もありますが、目的は、人つくりであるということでございます。で、あなたは、教育基本法と私の考え方と、矛盾しておるとおっしゃいますが、どこが矛盾しておりますか。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 一致する場合もあるということは、どういう点で一致するという意味ですか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 教育を伸ばしていったり、あるいは自分自身が自分の素質を伸ばしていこうということが、国づくりの手段であるのであります。だから一致すると言ってもいいと思います。しかし、人つくりというのは、単に教育を伸ばすということが目的じゃない、教育というものは人つくりの手段である、こう言っておるのであります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 時間が少ないのですが、そのことについて、もう一つだけ尋ねておきますが、人的能力政策ないしは教育投資論というのは、あなたの考えでは、基本法と一致する、そうして、そのことについては、具体的にどういう点が一致するかということは、お答えになれるのですか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 質問の趣旨がよくわかりませんがね。教育基本法、憲法の精神は、りっぱな人をつくって、民主主義的な、いわゆる文化国家を形成するということを目標にしている。これが人つくりのためのあれである、こう言っておるのであります。矛盾とかなんとか、どこが違うのか、よくおっしゃっていただいたらお答え申し上げます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 それは私のほうが答えるべき問題でなくて、池田内閣は、人的能力政策、教育投資論に立って教育を進めようとしておられる。だから、これは私としては、憲法、教育基本法の精神と相反する、こう言っておるのです。相反しないとすれば、あなたの考えておる人的能力政策あるいは教育投資論というのを述べるのが当然であって、どこが違っていますか、あなた言いなさいと。質問は私が質問しておるので、答えるのはあなたのほうです。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 質問の趣旨がわからないから、どういうことで私の考え方が間違っておるか、あるいは私の考え方を聞きたいとおっしゃるのか、わからない。私は教育投資論というのを賛成しちゃおりませんよ、賛成しちゃおりませんよ。教育が発達してりっぱな人ができるということは、私の、いわゆる憲法あるいは教育基本法の望んでおる民主的な文化的なりっぱな福祉国家をつくる手段である、こういうことを言っておる。私は教育投資論是認しちゃおりません。そういうことばもありますが、それは人つくりの手段でございましょう、と言っている。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 反対であるということで一致する面もあると、先ほどのあなたの答弁が、基本的には間違っておったということを確認して次に進みます。  次に、人的能力政策の基本方向あるいは教育投資論と異なった方向で文教政策を進めておるとされると、現行の基本法、憲法の精神をそのまま生かされておる、こういうふうに理解してよろしいと思います。ところがですね、実際の文教政策の推進を見てみますと、たとえば国会で法律が通った、そのことと、全く相反するような行政指導を文部省が行なって、国会の席上で大臣がおわびをする、こういう事態が進んでいる。しかも、そのことは、先ほど私が言った経済審議会の人的能力部会が答申した人的能力政策、いわゆる国家総動員法の緊急原理を平時化、恒久化して人間を適性、その適性に従ってどう配置するかという基本的な立場に立って教育がそれに従属されておる、こういう判断をせざるを得ないわけです。具体的な文教政策の中にも、そういうことが絶対に行なわれていない——総理としては責任持てますか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) どうもあなたのおっしゃることがよくわからないのですよ。非常にりっぱな文句のようでございますが、そのずっと流れている思想が、ちょっと私にはっきりこないものですから答えにくいのですが、もっとわかりやすく言っていただきたい。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 文部省は、少なくとも現在の文教政策は、検定制度あるいは大学管理に対する態度、あるいは大学学長の任命等をめぐる人事管理の問題、あるいは地方教育委員会の法を教育委員会総会の席上で突然改正して、かつて国会において紛糾した問題の、当時の過去の姿に戻そうとしておる、こういう一連の動きの中から、また、教育白書の具体的な内容を見てみると、いわゆる経済発展のために人的配置をどうしようかという観点に立って進められておると判断せざるを得ない。文教行政の一こま一こまが、そういうわだちを歩いていないという自信が持てますかと聞いている。今度はやさしいのですから、おわかりでしょう。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) その問題につきましては、先ほど来答えておるじゃございませんか。だから私は、りっぱな国づくり、りっぱな人つくりということを目標にして、そしてあらゆる施策を講じておる。文教行政もそれでございます。経済政策もそれでございます。だから憲法、教育基本法の精神にのっとってやっております。だから具体的の問題、大学の問題だとか、あるいは教育委員会の問題だとか、あるいは教科書の問題等ならば、文部大臣が来ておられますから、具体的に質疑応答なさったらどうでしょうか。私は、文部大臣は私の考え方と同様な気持ちで進んでいることを確信しております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 質問する相手を総理大臣から別にきめてもらう必要はありません。  そこで次に進みまして、総理に再度お尋ねいたしますが、いま総理が述べられたような態度で文教政策を進められておるとすれば、当初の答弁からすると、主として社会教育、家庭教育等の教育条件の整備あるいは社会条件の整備というところに人つくりの一つの重点を置いておられる、このように判断してよろしいですか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) そのとおりでございまして、りっぱな人つくりのために環境を整備し、盛り上がる気持ちを起こしていただいて、自分自身でりっぱな人になってもらう、こういうことでございます。しこうして私は、そういうあなた方のような専門家に対しまして、検定の問題とか、あるいは国立大学の問題は、文部大臣が所管でございますから、文部大臣とひとつ御意見を戦わしてもらいたいと言うことは、私、総理大臣として当然のことだと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 あなたとつまらないやりとりをする意思はございませんから次に進みますが、社会教育あるいは家庭教育、これが人つくりの一つの重点である。別なことばで言えば、根底である。これにまた、私は言っていません、と逆論なさるかもしれませんが、昨年の政府の施策を見てみますと、母親がになうべき、父親がになうべき家庭教育に対しても、池田総理は指図をしようとする姿勢のようであるし、社会教育についても、政治がなすべき具体的な教育的な条件、あるいは積極的な人つくりの条件整備の問題については、端的に言いますと、予算的にもたいしたことがなされていない。そういう中でつくり論だけがムード化しておるということはですね、もう一つ総理に反論してお答えを願いたいのは、どうもイギリスでは人柄論を教育の一つの目標としておる、フランスでは資格論、あなたはどういう資格を持っているか。ドイツでは知識、アメリカでは技能、こういう一応の分け方が成り立つとすると、先にお断わりしておきますが、総理は、それ全部含めてと必ずおっしゃると思うのですが、総理の人つくり論は、主として技能を中心とした人つくり論ではなかろうか、そうしてもう一つ加えるならば、施政方針演説の文章にあらわれておる祖国愛とか、文化に対する尊敬、愛情、祖国の文化に対する。こういう点から考えて、やはり国土愛的な道徳教育が人つくりの一つの重点ではなかろうか、こういう気がするのですが、全くあなたの構想と根も葉もない考え方でしょうか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 先ほど言っているじゃございませんか。徳性を涵養し、祖国、民族を愛し、そして世界の人から信頼される、みんなからりっぱな人だとあがめられる人だと、こう言っているのであります。何も資格を言っておりません。技能だけを言っておりません。知識を言っておりません。私は、わが党の大会で、昔の教育勅語を引用したり、あのことばを引用したことがあります。非常に私はいいことばだと、何と申しますか、ここで申し上げなくても、あなた御存じないですかどうですか。「智能ヲ啓護シ徳器ヲ成就シ」ということばがある。「學ヲ修メ業ヲ習ヒ以テ知能ヲ啓発シ徳器ヲ成就シ」、いいことばでございます。私はこういう気持で言っているのであります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 そこまでいきますと、やはり、当初私が疑問に思ったことが、あなたの答弁の中からはっきりと出てくるわけです。私は、価値の判断というもの、すなわち道徳の内容というものは、政府とかあるいは教師とかが覊絆を示したり押しつけるものではなくて、各自が憲法の基本的な権利に沿って選ぶべき基本的なものである。それをあなたは「徳器ヲ成就シ」とか何か古めかしいことばを引っぱり出して言っておりますが、徳性の涵養と一般的に総称する場合と、特定の徳性を文教対策あるいは教育の中で求めよう、定めようという姿勢は、基本的に異なると思うのです。やはり、池田内閣の姿勢の中には、経済発展あるいはいま進められている諸政策に必要な徳性というものが限定されて要求されておる、こういうあなたのいまの答弁で理解に立つのですが、間違っておりますか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) あなたの考えは、私の考えと間違っております。違っております。私は、どこの国でも、たとえそれが共産圏の国であっても、やはりこうあれかしということは言っておるのであります——中共でも、ソ連でも。私は、やはり、国民の一人一人が「學ヲ修メ業ヲ習ヒ」、「智能ヲ啓発シ徳器ヲ成就シ」、こういう気持が必要だ。これは私は教育勅語を引くのではない。私は常にそういうことを思っているから言う。教育勅語を引くというのではございませんよ。そういう観念で皆さんがりっぱな徳性を涵養せられ、それはいろいろな考え方もございましょう、そうしてやはり、人に好かれ、世界の人から信用されるりっぱな人になる、そういうためのいわゆる環境をつくろうというのであります。家庭教育、社会教育、学校教育もちろんのことであります。これが中心であるのであります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 なかなかうまい答弁なさるのですが、あなたが言っている、答弁をしておられることは矛盾をしております。国際社会人となるとか、あるいは正義や真理をたっとぶというその基本的な方向と、あなたが例示された徳性の具体的なものを総理として国民に望んでいくということは、おのずから別個の問題ですよ。だから、私があなたの人づくり論は教育基本法の前文並びに第一条に相矛盾するものだと言ったのはそこです。教育の目的というものをあげて、こういう人格を養成するのだということを明記しております。ところが、人的能力部会の答申、あるいは文部省の教育白書、すべてあなたの主張される経済発展の手段として、それに必要な、ある部会では、人口資質の向上という中で進められておる。文部省では、それが技能訓練的な形で、一般の教養よりも優先されようとして、学校制度まで改正される。こういう点からして、あなたがどう強弁されようとも、国際人から愛されるとか、一般社会の中で協調を保っていくという趣旨のものと、あなたが先ほど徳性として例示されたものは、明らかに違っています。そうお思いになりませんか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 自分の考えのとおりに答弁さそうとごらんになっても、そうはいきません。私は、いまの人的何とか会とか、そういうものへ行ってしゃべったことはありません。国会で私はたびたび言っておるのです。それを曲げようと思われるから、話がとんちんかんになる。だから、私は前から言っておるように、そして人づくりのムードをつくり、国民がそれを、人づくりを欲しているじゃありませんか。ムードができたということは、そしていままでの学校教育に対しまして批判の声が相当出ておるじゃありませんか。道徳教育なんかをやろうといったって、だれが反対いたしますか、一部の人だけじゃありませんか。これはやっぱり人づくりのムードができた証拠です。人づくりは大事なものだということを、ようやく日本の国力の発展と安定から出てきたムードだ。私はいいことだと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 人づくりのムードができたことに対して、あなたが進めようとしておられる人づくり論の根拠が経済発展の手段でという形から出てきておるから危険であるということを指摘しておるのです。先ほどの答弁で、社会教育、あるいは家庭教育、こういう観点から人づくりの重点を置いていきたいという御答弁です。予算的に見ましても、施政方針の演説の中でも、あるいは文部大臣の予算提案の趣旨の中でも、そういうことが出ております。  次に、学校教育という場の中で人づくり論を進めていくとすれば、あるいは人づくり政策を推進していくとすれば、現在の段階が総理としてはどこに力を入れるべきだとお考えですか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 教育課程におきましても、また教員の場におきましても、教員の素質の場におきましても、そうして学校の施設の場におきましても、いわゆる施設設備その他の各方面に力を入れていかなければなりません。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 そこで、具体的にお尋ねしますが、先ごろ最高裁が義務教育無償の憲法の解釈論を決定したことは、御承知のとおりです。このことにつきましては、過ぐる国会で二回にわたりまして私は代表質問で総理の見解をただしましたが、あの最高裁の結論が出た後に、政策として義務教育無償の実現の方向に対して従来のとおりのかまえをなお堅持しておられましょうか、それともあれが出たから従来答弁の線を縮小していきたい、こういうお考えでしょうか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 最高裁の判決は、憲法の条章からいき、教育基本法その他からいって、義務教育無償ということは授業料を免除することであると判決したのであります。これは現行憲法の解釈でございます。しかし、その解釈に私は従いますが、立法論としては、これからどうやっていくかという立法論としては、教科書無償の問題も考えましょうし、給食の問題も拡大していこう、これは憲法に反するものではございません。私は、これからも、憲法の精神に沿いながら立法論としてやろうというのであります。憲法の解釈を変えるのじゃない。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 初めてりっぱな答弁を伺いましたが、非常に満足ですが、教育基本法の中に授業料のことが明記してあるから、最高裁としては、それを、一つの最小限度の制約を認めたと思っております。  そこで、もう一歩突っ込んでお尋ねしますが、いま給食とかその他言われたですが、教科書は無償にしようというすでに方針を決定されております。次に、学校給食の問題は、私が理屈を言わなくても、現在の所得格差の中で、義務教育あるいは幼児教育あるいは人づくり論の全般的な構成の中から、早急に全国完全実施し、しかも総理に特にただしたいのは、これはやがては国庫が無償の原則の拡大という観点に立って全額負担することのほうが望ましいと考えますが、総理の姿勢としてはどうでしょうか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 初めておわかりいただいておるようでありまして、教科書無償の問題につきましても、私は心ならずも昔反対したことがあります。心ならずもでございます。しかし、実施は私の内閣でやりました。いまの学校給食の問題も、心ならずも大蔵大臣時代に反対いたしまして、時の文部大臣の天野貞祐さんから非常にしかられた。選挙の運動に行きましても、土佐で——高知で、あるいは徳島でございましたか、非常にあとから聴衆のうちからきらわれましたが、しかし私の内閣になりましてこれを拡大することができた。結局、国民の各位の努力のおかげでございます。したがいまして、まず義務教育の教科書につきましては、私は予定のとおりにやっていこうと思います。しかし、学校給食というものは、教科書のように簡単にはいきません。簡単にはいきません。しかし、私は、民主主義の立場からいっても、国民保健の上からいっても、これをできるだけ広く拡大する方向に進みたいという気持ちは持っております。私は、財政上の都合で、いまから十二、三年前、大蔵大臣として、まだ早いと、こう申しましたが、だんだんこれはやはり拡充すべしという気持ちは、そのときも、実施し、拡充すべきことの気持ちを持っておったのです。やはり職掌柄一応待てと言ったことがあるのでありますが、方向としてはそういう方向に行かなければならない。しかし、これはやはり、繰り返して申し上げますように、教科書並みにはいきません。やはり健康の問題もありますし、環境の問題もあります。しかし、方向としては拡大していったほうがいい。いままでの経験から申しますと、けっこうだと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 現在、国民の中に、学校給食の完全実施に伴って、同時に生乳を全生徒に飲ますべしという請願あるいは陳情運動が起こっていますが、文部大臣並びに厚生大臣の所見を承りたい。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 学校給食の中で生乳を採用すべしという議論が高いことは、私もよく承知いたしております。また、今後の理想という点から申しますれば、すべての児童に生乳ぐらいは飲ましてやりたいというような気持ちもないわけではございません。ただ、現実問題として考えまする場合には、一挙にこれを行なうということは事実上不可能であろう、とう思うのであります。われわれとしましては、やはり生産側の状況ないしは供給の計画というものと即応いたしまして給食のほうの体制を整えてまいらなければならぬと思うのでありまして、逐次生乳の採用の方向に向かって進んでまいりたいというので、今年度に比べますれば明年度は約倍量の生乳を取り扱うようにいたしておるわけであります。これは供給面の事情あるいはまた供給に関するはっきりした確実な計画というものと即応して考えるべき問題であると考えておる次第であります。

小林武治自由民主党厚生大臣

○国務大臣(小林武治君) 文部大臣と同じ考えを持っております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 総理、文部、厚生、諸大臣のそれぞれの答弁からいたしまして、完全に無償にするか、あるいは生乳をいつまでに飲ませるかという具体策の問題は別にして、現在、給食を次第に国庫補助金をふやしていく、やがては無償にしていく、あるいは生乳を飲ませていく、こういう施策の一つの障害は大蔵大臣にあるような気がするのです。大蔵大臣としては、総理の次第に広げていきたい、こういう観点に立って、文部その他の関係各省からこうした措置を要望されたときは、進んで予算支出の意欲がありますか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 昨年学童に対する粉乳の問題を解決し、今年度は四十万石生乳を採用したわけであります。二年間引き続いてやっておるのでおりますから、積極的であるということは証明済みであります。財政の許す限りにおいて前向きで対処してまいりたい、このように考えます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 次に、総理にお尋ねしますが、現在の青少年不良化の問題は、ひとり教育界あるいは教育の問題としてでなくして、全世界的な、あるいは全社会的な問題になっていることは、私から指摘するまでもないと思います。この原因をどう把握し、総理としては、この青少年不良化を防止していくという観点から、どういう対策が必要だ、あるいはどこに重点を置いて青少年不良化を防止していこうと考えておられるのか、具体的な政策あるいは姿勢論としてお尋ねしたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 非行少年は、お話のとおり、わが国ばかりでなしに、全世界的の問題でございます。しこうして、これに対しましては、やはり家庭教育、学校教育、いわゆる義務教育の間に——まあ高等学校の教育ももちろんでございますが、家庭教育、学校教育によってこれを直していかなければならない。そうしてまた、社会の体制、いわゆるテレビ、ラジオ、マスコミの問題等も、映画もございますが、これは社会的の問題です。こういう各方面からやっていかなければならない。従来、青少年問題懇談会というものを内閣に置きましてやっておりました。私はこういうことではいかぬ。やはり一つの部局を設けまして、各省、各部面での担当される人の調整をはかっていくと同時に、また非行少年に対しましての補導の問題、非行したあとの問題——そういうことをさせないように教育することも当然でございますが、非行のあった後の補導の問題、保護の問題、これも十分二度と繰り返さないようにやっていくように各方面からの施策が必要と考えます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 決意のほどはわかりましたが、ただいまの施策で、青少年不良化の増大は少なくとも防止できる、あるいは三十九年、四十年度、次第に減少していくという見通しですか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 減少していく見通しでなくて、減少させるように努力するということが政治でございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 私は、いまのあなたの答弁では、減少させていく努力をしたいというだけで、させていく自信のある施策ではなかろうと思います。と申しますのは、一つは家庭、一つは学校という教育機関、もう一つは社会全体の責任、それぞれの関連と分野があるでしょう。その中において、家庭においてはいかなることが必要か、あるいは学校教育の中では、社会の中では、このことに対して、法務あるいは文部その他の関係各省の仕事が、必ずしも一貫して青少年不良化の防止という力が入っていない。特に、あなたの進められてきた経済政策によって、一部は所得倍増になったかしれませんが、所得の格差が生じて、家庭教育、学校教育に専念できない、あるいはそこまで生活のために手が届かないという所得格差、貧困が一つの青少年不良化の増勢になっている。こういう点を考えていきますと、単に防止策でなくして、根本策としては、あなたのかりに所得倍増政策を肯定するとすれば、その格差の是正ということにまず力を入るべきではないでしょうか。このことが成り立って、初めてそれぞれの分野における具体的な政策というのは実っていくものと私は考えるんですが、総理の所感は。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) きよう閣議で報告されました生活白書をごらんになりましたら、あなたの質問の論拠がくずれることがわかります。格差はだんだん縮少してきています。だから、青少年対策としては非常にいいときであると考えております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 それならば、かりに白書を肯定するとすれば自信が持てますと先ほどあなたが御答弁なさらないと、総理としてはきわめて無責任な答弁になります。  そこで、文部大臣にお尋ねしますが、青少年不良化の問題を、単に、総理が言った、後段の法務行政という角度でなくして、教育行政という角度から見ると、どこに力を入れるべきであるとお考えでしょうか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 教育の面におきましては、日々の教育活動すべてにわたって、りっぱな子供をつくっていくという努力がなされなければならぬと思うのであります。もう現にどういうことをやっておるかということは豊瀬委員が一番御承知のことでありますが、すべての面におきまして、まじめに、真剣に、子供の育成ということについて努力する必要があろうかと思うのであります。特に、すべての学科、科目等を通じまして道徳教育ということはなされなければならぬと思うのでありますけれども、それだけでは不十分だというので、特に道徳の時間を設けまして、道徳教育をさらに推進することにいたしたのでありますが、これに対しましても一部反対の声もございますけれども、今日、この道徳の問題については、ずいぶんと推進してまいったつもりでおります。足らざるところをさらに補うということでわれわれも努力いたしておる次第であります。何と申しましても、道徳教育という問題は、いわゆる非行防止という点につきまして、教育の場においては最も大事な問題ではないかと思うのでございます。もとより、学校だけで片づけ得る問題とは存じません。家庭におきましても、社会におきましても、すべての人がりっぱなあと継ぎをつくっていくという心持ちで協力するということがなければ、思うような成果はあげにくいと私は思うのでございますけれども、学校教育という面におきましては、いまのような心がまえで進んでまいりたい。また、すべての教職者諸君がこれに協力し、勉強していただきたいと思うのであります。  社会教育の面におきましては、先ほど来お話も出ております関係から、従来やってまいっております青少年に対する社会教育、あるいはまた、今回予算をちょうだいいたしまして始めたいと思っております家庭教育、これらを、すべて一そうの充実をはかり、努力をしてまいりたいと思うのでございます。何と申しましても、しかし、これは国民全体がその心持ちになってやっていくということでなければ、学校教育の面、社会教育の面でいろいろ努力いたしましても、一歩外へ出れば、すべてが非行の原因とつながっておるというようなことでは困るんでありまして、その意味におきましては、私は全国民の御協力をぜひ得たいと、かように考えておる次第でございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 基本的なかまえとしてはそれでいいと思うんですが、ただ、全国民の協力なくしてはという言い方だけでは青少年の不良化を減少さしていくことは不可能だと思います。やはり、教育の面から考えて社会環境あるいは家庭に問題があるとすれば、それを、学校教育あるいは教育行政の中で何を排除し、何を促進していくかという課題があろうと思う。その具体的な政策を、あれば再度お答え願いたいと思います。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 何を排除する、何を促進するというふうなことは、一がいには申せないと思います。いろいろ非行の原因として指摘せられておる事項もあるわけでございます。そのような問題につきましては、それぞれの教育の場におきまして十分と教育する必要があろうと、また、社会に対しましては、これが非行の原因だと思われるものに対しましては、われわれ関係者それぞれ協力いたしまして、社会からそのような姿を排除していくという努力をしてまいらなければならぬと思っております。同時に、一般的に申せばそういうことでございますが、やはり、この問題については、個別的な指導というふうなことも考えていかなければなりません。すでに非行少年となり、あるいは警察その他の手をわずらわしておる諸君に対しましては、それぞれの向きにおいていろいろと補導がなされるでありましょう。学校の面におきましても、生徒の個別的な事情、こういうものをとらえまして、適切な指導をしていくように努力していかなければならぬ。この点におきましても、従来必ずしも十分とは存じません。十分とは存じませんが、やはり、こういう方向に一そうの努力をすべきであると私は考えております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 もう一度だけお尋ねしますが、昨日米田委員がただしたことですが、たとえば、日本のような現在の試験制度ですね。このことが学校教育の内容と体系を乱しつつある。これも一つの、いわゆる学校教育が、そのことによってほんとうの機能を果たし得ないような条件が重なっておる。このことも一つの青少年不良化の原因であろうと思います。このことに対しては早急に抜本的な解決策を見出したい、こういう決意でしょうか。方法はけっこうですから、明確な決意だけ承りたい。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 現在の入学試験を中心とする諸事情というものを考えましたときに、いかにも、こういうことがあるいは青少年の非行ということにつながるという部分があるということは、これは認めざるを得ない。したがいまして、われわれとしましては、りっぱな選抜制度と申しますか、進学の方法について、りっぱな方途が発見せられれば、これを採用するに決してやぶさかではないのであります。私ども真剣に検討いたしたいと存じますし、同時にまた、名案があれば、遠慮なくひとつおっしゃっていただきたい、こういう心持ちでおるような次第でございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 時間が来ましたが、もう一、二残っておりますので、しばらくごしんぼう願いたいと思います。失礼ですが、労働大臣は所用がおありのようですので、あなたのほうで差しつかえあれば私の質問は切りますので、御遠慮なく答えていただきたいと思います。  防衛庁長官にお尋ねいたしますが、昨日米田委員の質問に対しまして、向こうが攻撃すればこちらも攻撃するのは当然だと、こういう見解を表明されたようでございます。そこで、私が聞きたいのは、全般的な防衛問題じゃなくして、板付基地の問題、このことにつきましては、すでに衆参の委員会で論議になってきたところですが、あの板付基地を今後米空軍が大幅に兵力を縮減し、数機にとどめるような態勢になる際には、どういうふうに処置しようと考えておられるか、具体的に御答弁願いたい。

福田篤泰自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(福田篤泰君) 板付基地の問題でありますが、これは、先般日米両国で発表いたしましたとおり、あそこに常置しておりましたF105部隊が横田基地に参りまして、本年の十月一日まで、米軍の横田基地にあるF102戦闘部隊の一部、約数機といっておりますが、常時分遣されまして防空に当たることに相なったわけであります。十月一日以後はこの分遣部隊は引き揚げますが、なお、その後米軍としては、補給並びに訓練としてその基地を使いたいと言っておるような状況でございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 長官にお尋ねしますが、板付基地に関しては、他の基地と異なって、市会全員、市民全部、あるいは市当局の市長はじめ、これが全体一丸となって、米軍の使用中でさえも市民に返還してもらいたいという運動をしてきたことは御承知のとおりだと思います。わずかに補給基地や、あるいは台風の際に、移動する、待避してくる基地として板付を存続させるには、あまりに七十万市民に対する無誠意であるし、また、その利用価値としても、他の基地を利用してもできることではないかと思うのです。いま申しましたように、全市民の一致した板付基地撤退という、移転というこの悲願に対して、米軍が大幅に使用しなくなる現段階で、依然として半遊休施設的な内容で米軍に貸し与えたい、こういう所感ですか。

福田篤泰自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(福田篤泰君) 板付基地に対する米軍の使用目的は先ほど申し上げたとおりでございまして、したがいまして、いまのところ、返還の考えは持っておらぬわけであります。   〔理事斎藤昇君退席、委員長着席〕

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 そうすると、米軍は、ほとんど飛行機にして要撃機数機、あるいは補給基地として使いたい、こう言っております。御答弁のとおりです。補給基地は、板付を使わなくても、他にたくさん間に合うところがある。そうすると、板付基地をそのまま米軍に貸しておきたいという長官の考え方の中には、きのうの米田委員への答弁と相まって、さらにつけ加えて、北九州各地にナイキを新たに配置しようとしておられる、こういう防衛構想の中から、依然として中共、韓国に近い板付基地は非常に攻撃的性格を持ち得る基地として温存していく、こういう防衛計画が腹にあるのではなかろうか、このように考えるのですが、このことに関して、板付等を中心とする防衛計画の基本的な姿勢について長官並びに総理に答弁を求めます。

福田篤泰自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(福田篤泰君) 板付基地の任務、性格でございますが、これは、あくまでわが自衛隊の基本鉄則である自衛権の範囲内において防空上の任務としてこれを使うつもりでございます。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 防衛庁長官が答えたとおりであります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 長官に再度お尋ねしますが、そうすると、米軍は半遊休的な施設にする、防衛庁長官としては自衛のための必要な措置、こういうことになりますと、ナイキの新たな北九州における配属と相まって防衛配置を強化しようとする方針があるのですか、ないのですか。

福田篤泰自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(福田篤泰君) ナイキの一大隊はすでに関東地区にあることは御存じのとおりでございます。将来は北九州地区に設けたいということを検討中でございまして、まだ決定には至っておりません。なお、104戦闘部隊が新田原に参りますが、ナイキ部隊にいたしましても、また104要撃機部隊にいたしましても、すべて純然たる防衛の任務を与えられております。

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 豊瀬君の時間は……、結了を急いでください。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 長官にお尋ねしますが、そのあなたの純然たる防衛の目的というのは、各委員会における答弁の内容からすると、必要があればというのは、国民のための防衛であれば、たたかれた際にはたたき返すのだ、また、戦術からいうと、たたかれる危険があるときには、積極的な防衛という意味で、こちらからも先にたたくことがあるのだ、こういう内容を両方とも持っておる防衛力の温存であり強化である、こういうふうに理解してよろしいですか。

福田篤泰自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(福田篤泰君) 御案内のとおり、ナイキにいたしましても、またインターセプターとしても、100にいたしましても、敵の基地をたたく能力はもちろんございます。たびたび御答弁申し上げておりますとおり、法理論的な議論は別といたしまして、私どもは、現実の防衛態勢から見ましても、攻撃的な、いま御指摘のような要素は全然考えておりません。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 板付基地に自衛隊として新たに航空機等を配属する考え方はない、このように理解をいたします。そうすると、航空機基地としての板付は、市民の要望にこたえて、この際、米軍の補給基地等は別個に設けて、福岡市民の要望どおり移転するか、福岡市民に返還されるべきが至当と思いますが、再度このことに対する総理の御見解を承ります。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 先ほど防衛庁長官が答えたとおりでございます。

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 豊瀬君……。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 もう一問で終わります。  長官と大蔵大臣に同時にお尋ねいたしますが、従来の板付基地が市民に返還されずして、依然として防衛力の一つの拠点として米軍が使用していくという段階になるとすれば、現在まで進めてこられた周辺の約二十数万の市民に与えている被害、そのうちで最も大きな騒音対策というのは、どう考えましても、最終的の米軍基地がなくなるまでは、特損法上の多少の問題があろうとも、政治的にはこれは措置されていくべき性格のものだと思いますが、長官並びに大蔵大臣の見解を承りたいと思います。

福田篤泰自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(福田篤泰君) 板付基地周辺の住民の方々にはたいへん御迷惑をかけておりますので、御案内のとおり、すでに三億近く支出し、学校も約四十六校防音工事をいたしております。福岡市長とのいろいろな文書による話し合いもございまして、予算が通りました後に財政法に基づく実施計画、地元の要望に基づきましていろいろと検討いたしたいと考えておるわけでございます。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 板付基地学校防音関係では、昭和三十七年までに十六億一千九百万円、三十八年が五億三百万円、計四十二校、二十一億二千二百万円の工事を行なっておるわけでございます。御承知の米軍基地関係の騒音対策費は、学校及び病院に対する防音工事費として総額二十八億五千万円を計上いたしておるわけでございます。しかし、この内訳はまだ決定いたしてございませんが、このようにして前向きに対処しておるわけでございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 再度お尋ねいたしますが、ただいまの答弁は、現段階では、大蔵大臣の御答弁は、騒音対策等についても前向きの姿勢でやっていきたいと考えておる……。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) やっております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 やっております、やっていきたい、やっていく、こういうふうに確認してよろしいですか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) いまお答えを申し上げましたように、このように前向きにやってまいりました、こういうことを申し上げておるわけであります。

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 豊瀬君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして、総括質疑通告者の発言は全部終了いたしました。よって、総予算三案の総括質疑は終了したものと認めます。  明日午前十時に委員会を開会いたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後三時三十分散会

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