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46回国会参議院1964/03/03

予算委員会 第5号

発言数
337
登壇者
20
会派数
3
開催日
1964/03/03

会議録

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  まず、委員の変更について御報告いたします。二月十四日、天田勝正君及び田畑金光君が辞任され、基政七君及び高山恒雄君が選任されました。十五日、林塩君が辞任され、市川房枝君が選任されました。十七日、野田俊作君、高野一夫君、徳永正利君、西田信一君及び高橋衛君が辞任され、塩見俊二君、小山邦太郎君、江藤智君、河野謙三君及び加藤武徳君が選任されました。二十二日、須藤五郎君が辞任され、岩間正男君が選任されました。二十七日基政七君が辞任され、向井長年君が選任されました。翌二十八日、市川房枝君及び加賀山之雄君が辞任され、山高しげり君及び奥むめお君が選任されました。本月二日、塩見俊二君が辞任され、高橋進太郎君が選任されました。     —————————————

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 昭和三十九年度一般会計予算、昭和三十九年度特別会計予算、昭和三十九年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  三案は、昨日衆議院から送付され、本委員会に付託となっておりますので、念のため申し上げます。三案の総括質疑及び公聴会の日取りについて、理事会において協議いたしましたので、その内容について御報告いたします。  総括質問は本日より開始いたします。その質疑総時間は千百分とし、各会派への割り当ては、自由民主党及び社会党おのおの四百分、公明会百十分、第二院クラブ及び民主社会党おのおの七十五分、共産党四十分といたしました。この質疑総時間につきましては、これを前例といたさないということになっております。質疑順位は、第一回目社会党、自由民主党、公明会、社会党、第二院クラブ、民主社会党、社会党、共産党とし、第二回目以降は社会党、自由民主党、社会党、自由民主党、公明会、第二院クラブ、民主社会党の順で、これを繰り返して行なうことにいたしました。  次に、公聴会につきましては、来たる十二、十三の両日にわたり開会することといたします。公述人の選定等につきましては、理事会において協議いたすことにしております。  以上御報告いたしました。御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 御異議ないと認めます。     —————————————

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) それでは、これから質疑に入ります。藤田進君。

藤田進日本社会党

○藤田進君 ただいま議題になりました昭和三十九年度一般予算その他に関連いたしまして、質疑をいたすものであります。  まず最初に、御承知のように予算も昨日衆議院本会議において議決せられました。憲法に定める年度内自然成立と、総理の言われる衆議院における一段と生産性を高められた結果、こういう結果でまいりました。内外の問題はきわめて重要であり、多事多端でありますが、特にその中におきましても、今後の政局が問題の焦点になりつつあることは、一般の国民の間でも否定することができません。したがいまして、まず最初に池田総理に対しまして、いわゆる七月総裁公選であるとか、党内のいろいろな事情であるとか、私どもいろんな方面から聞くわけであります。しかし、池田総理としてのその問題に対する態度は、いまだ承ったことがございません。御承知のように、わが党河上丈太郎委員長は、総選挙後いち早く、自分は頼んででも党内にいて、次の委員長は引き受けてやりたい、こういうことを言っておりました。野党の領袖、委員長、総裁ということについては、政権の座にないという、そういう意味においても、おのずから自由民主党総裁かつ総理大臣という立場は、一般世論にも重大な関心を持つことは、これまたいなめないのであります。このような事情のもとにおきまして、池田総理が今後の政局の担当、次期総裁選挙即総理大臣としての御決意なり、お心がまえをまずお伺いいたしたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 御質問に対して適切な御答弁になるかどうか、私はこの問題につきましては、先般の施政演説で申し上げたとおりでございます。あれをお読みくださればおわかりいただけると思います。しかし、しいてのあれでございますから、ここで簡単に申し上げますと、昨年の総選挙におきまして、わが党は三百名近い議席を占め、国民大多数の支持を受けておるのであります。私はその支持のもとに、施政方針演説で示しましたごとく、今年は日韓問題、OECD加入問題、あるいはILO批准の問題等等、また最近におきましては、中共問題が例年になく、フランスの承認によりまして相当クローズ・アップしてまいりました。こういう一連の外交問題と取り組んで、国家の利益を守りつつ、世界の平和達成のために努力を続けていかなければならぬと考えております。  また国内問題では、いわゆる所得倍増計画を進めていき、そうしてそのひずみを直し、倍増計画がほんとうに国民の生活に定着いたしまして、国力の発展と民生の安定生活水準の向上に一段と努力し、誤りなきを期さなければならないのであります。また政治の問題といたしまして、わが党の近代化を実現し、ほんとうに国民の信頼をますます高からしめると同時に、選挙その他をできるだけよくし、議会政治のいわゆる万全を期したい。こういう三つの問題を自分は解決していく、ことに今年はIMF総会が開かれ、あるいはオリンピックが開催され、世界の目は、ほんとうに日本にみんな向けられている大事なときでありますので、私はこういうときに、国民とともに進んでいく歴史の過程において、誤りなくこれをやっていきたい、これが私の決意でございます。詳しくは施政方針演説をお読みいただければおわかりになると思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 まあ言葉をかえて申しますと、命ある限りベストを尽くしてやりたいし、やりたいことは多いというふうに響くのであります。施政方針演説を持ってきておりますけれども、端的にいまの御質問に対するお答えになっている部分が私には見当たりません。いまの御答弁を要約いたしますれば、かかる、かなり重要であるし、また長期を要する問題を持っているので、これが解決のためにこん身の努力を払いたいと、とりもなおさず、次の党内においては総裁選挙、議会に対しては総理という、この政局を担当するという決意をここであらためて表明せられた、引き続き政局を担当して、七月総裁改選等はあるけれども、さらにその後も引き続いて、オリンピック等指摘されたように、政権を担当していくという、そういう決意を表明せられたと解してよろしゅうございますか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 私は自分の立場について自分の希望を言ったことはございません。長期政権と言ったこともございませんし、自分は日々これ新たに全力を尽くして国政に当たるということでございます。これは自分の意思がどうであろうとも、国民が支持されるわが党員のきめることであります。私がとやかく言う筋のものではございません。私は国のためになるように、日々これ好日になるように、日々これ新たな決意でやっているのが私の心境でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 当初の御答弁の受け取りました印象と、いまさらに明確化したことが、どうも違うように思われますので、再度恐縮ですがお答えをいただきたいのであります。という意味は、すべてを党にまかす、進退はこの結論を待つのみ、その間は日々これ好日という、淡々たる心境なのか、あるいは率先して自分が担当するとか、この辺でひとつ自分は引きたいと、率直に言えば、そういういわば二者択一の中において、やるかやらないか、自主的な判断、みずからの意思というものがなくて、すべてはまかせると、一応三つになる、そのうちのどれをお選びになろうとするのか、不明確でございますから、重ねてお答えいただきます。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 昔は明鏡止水とか、いろんな言葉がございますが、全部を国民におまかせいたします。

藤田進日本社会党

○藤田進君 これは現実問題としまして、国民が投票をして総理をきめるとかいうことになっていないのであります。これは法制局長官の御答弁をいただきたいのですけれども、現実問題として、お互いに非現実的なやりとりいたしましても時間のむだです。国民はそんなことは関心がない、池田さんが続いておやりになるのだろうか、党内にいろいろ伝えられておる——先月二十二日の朝日新聞も、かなり詳しく書いております。私は総理と広島という郷里をともにしております。あるいは隣の山口にもよく参ります。そこでいろんなことを聞かれるが、まず劈頭は政局問題が必ず出るのです。大平さんも今度の選挙で池田さんの選挙区に行かれておる。街頭演説その他の録音を私いろいろ聞いてみました。なかなかの御決意のほどが見えておりましたが、そういったようなムードの中で、これを国民に一切まかせるとおっしゃいますが、これは世論という形の把握のしかたもございましょうが、しかし、第一次的にきまるのはまず総理の決意でございましょう。また、これを受けてどう判断するかは、与党の内部のことでございましょう。しかし、現在の両院の議会における分野、勢力から見ても、総裁これ即、次の政権を担当する総理大臣ということになります以上、国民にまかせるんだということでは問題の解決にならないし、御答弁としては少し的がはずれているように思うのです。あなた自身の決意を、この際——これから今月一ぱい少なくとも予算の審議が継続いたしまして、重要な質疑応答がなされるわけですが、その根底をなす政権に対する担当の決意がどうなるかということが大きな問題であると私は理解いたしますので——ぜひともひとつもっと実のある御答弁をお願いいたしたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 先ほどのお答えで言っておりますように、政党政治、議会政治、いわゆる主権は国民にあるんだ、国民の世論に聞くべきだ、しこうして、その国民の世論は、先ほど答えたように、わが党の党員が代表しておるのであります、いまは。したがいまして、国民の世論に従い、わが党の方々の考えによってきまることであります。私一人がやるとかやらぬとか、おれはやめたいと言っても、なかなかやめられるものでもありますまいし、やろうと言ってもなかなかやれるものではないということは、よくおわかりのことだと思います。およそ政治家というものは、あしたにもやめる、五年でもやる、十年でもやる、こういう気持ちはあらわすべきものじゃない、もしあらわすとすれば、日々これ新たな気持ちで、国民とともに、党員とともに歩くということよりほかにないのであります。自分の感情とか気持ちとかで、とやこうこの大事な役割りを云々すべきものではないと私は考えております。これを聞こうとすること自体が少し変なんです。

藤田進日本社会党

○藤田進君 どちらが変であるかは、これは国民が見ていることですから、これに判断をおまかせいたします。しからば、そのお気持ちというものは一体いつまで続くのか、従来の経過を見ますと、すでに二選、今度の場合は、従来と違って、総裁には立候補しない、すべてをまかす、その辺でやれということであれば、それによってきまればやる、そういう御心境でございますか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 立候補しないとか立候補するとか言っておりません。そういうときじゃない。日々これ新たな気持ちで党員とともに行くというのが、私の心境でございます。立候補するとかしないというのは、いまきめるべき問題じゃない。

藤田進日本社会党

○藤田進君 こまかくなりますが、七月、自由民主党としては、総裁公選をなさる予定ではございませんか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 予定ではございません。そういう党規になっております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 党規ということは、その党規に従って七月におやりになるという結果になりましょうか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 党則によりまして七月に総裁公選が行なわれることは、予定でも何でもない、きまっておることであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 そうだとすれば、これはもう現実の問題として、施政方針なり、本日以後重要な問題について、少なくとも、今後一年ないし十年——しかし、十年などといわないにしても、三十九年度予算を前にしての議論に関する限りの御答弁は、今後一年間というものを担当していくという、そういう決意のもとにあなたの心境としてお答えになるのじゃございませんか。七月までのつもりでお答えになるのじゃないと思う。この辺から考えてみますと、総理自身の決意というものがどこにあるかということは大体うかがえるけれども、しかし、それは主観的な問題であって、私は私なりに客観性がないと思う。したがって、日々これ好日かもしれないけれども、七月という目睫に迫った、そうして日本の政局に重大な影響を持つ与党の大会があるのに、ここにおいていま答弁を回避されるということは、まことに遺憾であります。私は重ねてこの上の御心境を聞きたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 先ほど申し上げました以外に、心境はございません。

藤田進日本社会党

○藤田進君 じゃ、ここでいろいろ伝えられておることでございますので、全閣僚にお伺いをいたしたいけれども、まず最初に河野さんにお伺いしてみたいと思います。河野さんとは、私は二年余り建設委員会で審議を一緒にやりましたが、検討するとか考慮するとか、あまりあいまいなことは言わない人である。考慮すると言ったら、すぐちゃんと処理をする、確かに実力を持っておるという点では、私も敬服しております。さて、このやりとりの中で、もう目睫に迫った七月、いろいろ動きがあると報道されておるし、若干のデータも持ってきております。内閣の実力者の一人であり、いろいろ心を砕いておられるやに聞きます。河野建設大臣というよりも、国務大臣とされて党内の有力者として七月改選における現内閣総理大臣池田勇人さんの今後の政局担当に関する是非というか、御心境、御所信を、この際、お聞かせいただきたい。

河野一郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) いま総理からだんだんお答えのあったことを承っておりまして……

藤田進日本社会党

○藤田進君 御本人あなたのおことばを聞きたいのです。

河野一郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) 総理のおっしゃった以上に、私が答弁することは、この問題に関する限り、答弁を差し控えさしていただきます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 河野さん、その辺におりなさい、まだ続いてやります。  この間の会合の模様を聞いていると、五月までは、一切この問題に触れないという申し合わせをされたと聞くのであります。また、それもいろいろなお考えがあると思うんです。しかし、総理は御自身のことですから、ニュアンスとしては、施政方針を見てくれとか、オリンピックがあるとか、次の政権担当の心がまえは十分と私は解するのであります。しかし、河野さん等のしておられますいろいろな御心配というものが、一体、真意はどこにあるか、これはもう大きな将来を決する一つのこまになると思います。その意味で、河野さんの真意を重ねて聞きたい。いつもと似合わぬ答弁じゃないか、きょうの河野さんの答弁は。

河野一郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) 率直に私の意見を申し上げます。  先ほど総理からお話のありましたことを承っておりまして、私は、一国の総理大臣として現に所得倍増を基調とした重大な経済政策を遂行する途中でございます。したがって、国民諸君の期待にこたえ、これを国家国民のために安定、しかも完遂するということは、当然政治家としての私は責任であろうと思います。その意味において、総理としては引き続いて政権を担当される決意をされるものと私は期待しております。われわれもまたこの期待にこたえて、大いに協力をしていくことが適当であるというふうに私は考えます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 だんだんあれしてまいりましたが、これに対して若干ニュアンスが違うという動きか——これは御本人に関係なしに、周囲の問題であろうとは思うのでありますけれども、私の出身のお隣の山口から出ておられます佐藤さんに同様ひとつお伺いしておきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(佐藤榮作君) どうも答弁の限りじゃないように思っております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 そうでもないですよ、これは。ちょっとこれはニュアンスが強過ぎるのですがね、そうなると。答弁の限りでないということになれば、河野さんの発言とは大いに違うとも思われるし……。しかし、そう即断ずることは、私はこの神聖な国会においてまずいと思うのですが、御本人がそこにおられるのですから、そうじゃなしに、あなたの御心境をひとつ重ねてこの際……。それは答弁の内容は違う場合もあるでしょう。そんなことは別に私予想していないので、率直なところをお答えいただきたい。政局に関係すること、これから先、あなた方の答弁をいただくわけですけれども、政局そのものがどうなっていくか見通しもつかないのに、今後一年のことをやりとりしてみたってあまり大きな意味はないと思う。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま答えたとおりでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 ちょっと、さっき聞いたのは聞こえなかったのですが、どういうふうに答弁されたか、もう一ぺん……。

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほどは、答弁の限りでないと、かように申したのです。こういう質問は、私受ける筋がちょっと違いやしないか、かように思っておりますので、答弁の限りでないと、こう答えをいたしました。

藤田進日本社会党

○藤田進君 佐藤さんおかしいじゃないですか。質問するお前が悪いと言わぬばかりのことを言う。政局の問題は、わが国の内政・外交を論ずる場合に最も大切なことじゃありませんか。それに対して池田内閣の国務大臣として、答弁の限りでないという、そのことじゃなしに、内容についてのお考えは自由でしょう、御答弁は。答えられないというのなら、私は答えられるまでここですわって待っておる。(笑声)

佐藤榮作自由民主党北海道開発庁長官・科学技術庁長官

○国務大臣(佐藤榮作君) どうも答えなきゃ進行しないようですからお答えしますが、総理のお話はそれでけっこうだと。私は、ただいま池田内閣の一閣僚でございます。ただいまお尋ねは、七月についての問題でございます。七月といえばまだずいぶん先のことでございます。ただいまからさようなことはお答えするわけにいかない、かように申しておるわけでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 河野さんときわめて対照的な実情はわかりました。新聞その他の報道が間違いでないという印象を非常に深めたわけであります。  そこで、問題を転じまして次に移りますが、これは総理、外務、防衛庁長官に最も関係が深いと思いますので、お聞きいただきたいと思います。  東西の対立という形でダレス以来せとぎわ政策であるとか、封じ込め政策であるとか、いまだ残った政策の片りんもございます。しかし、大体先般の部分核停、わが国もこれを批准するといった雰囲気の中に、東西の対立は平和共存、こういった方向に向かいつつあるということは、総理御自身も認められつつあると思います。その程度の認識は別として。そこで問題は、世界の平和の一環である、特にアジア地域における平和の問題と、これに関連する外交、防衛の問題であります。現在、ヒルズマンの更迭によりましてどうなるかということでございましたが、その後任もきまって、アメリカはベトナム政策については、すでにマクナマラ国防長官が現地に参りましたり、あわただしい動きであるし、現地の事情もなかなかたいへんのようであります。わが参議院は、すでに数年前、辻政信君が南方に参りまして、現在なお行方不明であります。外務当局も熱心にこれを捜索し、あるいは外交交渉の上に乗せていると私は思わない。いわばこういうこんとんたる中において、わが国の平和、アジアの平和というものを中心に考えたときに、わが国の外交の基本というものはどこにあるべきか、東西の対立の一方にすべてを傾注していくという行き方がいいのかどうかについては、私は疑問があると思います。まず基本的な問題として、アジア諸国に対する、特に中国、台湾、あるいは南北朝鮮、ベトナム、一連の御承知のような事例の中において、わが国の対処されようとする基本的方針をまず伺っておきたい。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 藤田委員が最初に述べられました部分核停条約が成立したことは、東西対立緩和の象徴ではないかという見解に対しましては、私どもはそう見ておりませんので、部分核停条約が成立をして緊張緩和をもたらす根底には、東西間の緊張した対立関係というものが根底にあるのだというような認識を持っておりますことを、まずお断わりを申し上げておきたいと思います。  アジアにおきましても、今日、東西間の基本的な軍事力の均衡にささえられて、大きな戦火に発展することなくありますことも御案内のとおりでございます。しかしながら、御指摘のように、インドシナ半島等におきまして事態が容易でないこともまた私どもも承知いたしておるわけでございます。そして関係国がいかにして平和な事態をつくり出そうという努力をもくろんでおりますけれども、今日それがなお豊かな実りを見ていないこともまた認めざるを得ないのでございます。こういう環境にございまして、日本といたしましての基本的な外交、防衛の姿勢といたしましては、東西間の均衡状態というものにひびを入れる、あるいは不安定をもたらすようなことをやったのでは、世界の平和、アジアの平和というものはあり得ない。したがってまた日本の安全もあり得ないという認識に立ちまして^わが国といたしましては、わが国自体の防衛努力とあわせて、日米間に結ばれておりまする安全保障条約というものを軸といたしまして、米国の協力を得てわが国の安全を保障するという基本的な体制というものは、あくまでも堅持してまいりたい。過去の歴史が示しますように、アジア各地におきまして、いろいろの不安定な状態が現出いたしましたけれども、わが国並びにわが国の周辺は、藤田さんも御案内のように、安全であり得たということは、われわれがとっておる安全保障体制というものの効能が、歴史的に実証されたものであると私どもは確信いたしております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 武力均衡による結果が平和をもたらした、特にアジアの地点において、というふうに私理解いたしておりません。アジアの民族、世界の諸民族が、あの第二次世界大戦の悲惨な経験に徴して、ことに核兵器を中心とする究極兵器の発展開発といったようなことも作用いたしまして、とにもかくにも、世界の世論というものは、平和ということに凝集してきたのです。これが部分的核停ということにまいりますと同時に、引き続き、それぞれ現在の東西間においても、平和への努力がなされていることと私は思うのです。  重ねて伺いますが、そういたしますと、基本的に、いわゆる武力均衡ということを基本にして、そして東西間の対立という中に処しつつ外交は進めていくのだ、こういうふうに私は承るわけであります。私は、アジアに関する限り、世界もそうでしょうが、善隣諸国に対するいわゆる親善の外交、国民をあげてお互いに国々が信頼し合う、親善によってのみ平和というものが確保される、武力を背景とした平和というものは、きわめて危険であると解しますが、いかがでありましょう。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 私どもも心の底から親善、善隣の外交を進めたいわけでございます。現にそのように心がけておるわけでございます。しかし、平和がないところに親善はないわけでございまして、いかにかしてわが国並びにわが国をめぐる地帯の平和と安全を確保するという基調を確立しておかないと、私どもの外交は進められぬと思うのでございます。あなたがおっしゃるように、親善、敬愛の念をもって外交を進めなければならぬことは、これはもう申すまでもないことでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 安保条約のときの論争でもございましたが、南ベトナムの情勢はかなり逼迫しておるように思われます。外相とされて、常に情報を収集されておると思う。南ベトナム情勢について、この際あらためてお伺いいたしますことと、日米安全保障条約にいう極東の範囲にはむろん入ると思うのですが、この安保体制の中において、もし南ベトナムが火をふく——これにはすでにソ連、中共等の声明もあるようであります。容易ならぬ事態に発展することを私はおそれます。これらの情勢について、まず分析把握の点をお伺いいたしまして次の質問を続けたいと思います。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 南ベトナムをめぐりまして、アメリカ首脳も発言をいたしておりまするし、ソ連の通信もまたこれに呼応した報道をいたしておりまするが、これは米ソ両国における新聞の解説を媒体にした心理的な応酬でございまして、このことが直ちにベトナムにおける戦局が非常に拡大する危険性を包蔵しておる根拠であるとは、私どもは見ておりません。南ベトナムは、御案内のように、去年の十一月にクーデターがございましたが、その後できました政権が、いま陣容を立て直してベトコン掃討への姿勢を整えつつあるようでございまして、この新しい政権がどのような活動をいまから見せるのか、ただいままでの実績から直ちにいまの政権の能力を評価するのは、まだ時期尚早ではないかと思うのでございまして、しばらく現政権の施策なるものも注目いたしたいと思っております。私どもといたしましては、今日のベトナムの情勢が藤田さんの御心配になるように、これが非常に拡大いたしまして、東亜の安全を危殆におとしいれるような事態になるものとは現在考えておりません。したがいまして、安保条約との関連におきましては、もとより安保条約なりのいうところの極東の範囲に入るものと解釈いたしておりまするが、今日の事態から推して、私どもは、アメリカ側とこの事態を中心として協議をしなけりゃならぬというようにも考えていないのでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 しからば、時間がないので次に移りたいと思いますが、現地事情については、現地をかけめぐってのいろいろ報道がなされている。フランスのいう中立政策がかなり浸透し、インテリゲンチャの中でも、これを支持する勢力が増大しつつあるようであります。これは一方に偏した見方の人たちの情報ではない。また続くクーデターといったような不幸な事態が起こったわけですが、現政権としては、むしろ民生の安定政策、これに重点を注がざるを得ないというところにまで最近の事情はきていると私は聞くのであります。しかし、これを発火点としたいわばアジアにおける秩序というものが、平和というものが乱されるという心配はないということでございますか。しからば、他の地点において、南北朝鮮とかあるいは台湾、中共間であるとか等々の情勢の分析についてお伺いをいたします。特に平和を中心に……。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 私どもは、今ベトナムの事態について、これが東亜に対する大きな危機をもたらすものであるというふうには見ていないということを申し上げましたが、その他の地域の動きにつきましても、これがアジアの安定を害する、大きな不安の要因、大きな安全を害する危機をはらんでおるというようには見ていないわけでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 防衛庁長官に同様お伺いいたします。ベトナムその他、いま指摘いたしました地域一連のアジア地域における軍事情勢。

福田篤泰自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(福田篤泰君) 結論的に申しますと、いま外務大臣の答えられたとおりでございます。ただ、アジアの特殊の現象といたしまして、政治的、経済的に不安定な要素が絶えずございます。この点については、今後われわれは十分注意をもって、あらゆる要素を分析して見守る必要があろうと思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 大平外務大臣とは若干——所管が違う関係もありましょうが、一るの心配があると承ってよろしゅうございますか。

福田篤泰自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(福田篤泰君) 先ほど外務大臣が答えられましたように、いま直ちにわが国が安全と平和を害される現象は予想されない。しかし、私の言わんとするところは、アジア的な、経済的な、ないしは政治的な不安定の要素が、依然としてまだ残っておる、こういうことを申し上げました。

藤田進日本社会党

○藤田進君 外務大臣は、その点いかがですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) いま防衛庁長官が言われましたとおり、アジアの地帯に、社会的な、経済的な、宗教的なもろもろの不安定要因があることは、私も十分これを認めるものでございます。が、私がさきに申し上げましたのは、あなたの御質問の焦点が、軍事的に、直ちに大きな拡大を見て、軍事的なアジアの危機になるのではないかという御懸念に対しましては、そのようには考えていないということを申し上げたわけです。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いま私が論じておるのは、いま直ちに、きょうとかあすとかという意味ではなくして、もう少し、これは問題が大きいだけに、まず見通し得る範囲において、そういう懸念があるかないかということが焦点なんです。その点にしぼってお伺いいたします。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 世界全体を見ましても、ヨーロッパは御承知のようにベルリンというところに症状が固定した形で平穏でございまするが、アジアの地帯が一般的に不安定であるということは、あなたが御指摘のとおりでございます。これにはいろいろの原因が考えられるわけでございまして、しかもその原因は、歴史的な、社会的な、宗教的なもろもろの原因があるわけでございまして、これを早急に匡救してまいるということも、またきわめて至難なことであると思います。したがって私どもといたしましては、アジアはそういう地域であるという認識に立ちましてアジア外交は進めなければならないし、また日本の安全と繁栄も、そういう視点に立って非常に慎重に考えてまいらなければいかぬということは、重々承知いたしておるわけでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 衆議院の段階における外相答弁の中に、アジアの大国である中共について論じられまして、経済的、軍事的脅威は感じていないと。この点は、現在もその確信に変わりございませんか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) これは外務委員会における御質問に答えて申し上げたわけでございますが、現段階におきまして、直ちに軍事的、経済的脅威があるというようには、私は感じないということを申し上げたわけでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 政府当局におかれても、そういう見解であるということですが、非常に重要な問題でありますから、ベトナムの問題その他いろいろやりとりいたしましたが、この際、総理御自身とされても、同様に情勢を分析され、これに対処する方法論についても同様であるのか、もちろんそうだと思いますけれども、念のためお伺いしておきます。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 外交問題で、脅威とかなんとかいうことばをよく使われますが、私は、これはよほど注意しなければならぬ問題だと思います。いま日本が脅威を感ずるということにつきまして、それが、何と申しますか、自分の主観が入りますと、あとで非常にやっかいな問題を残すのであります。たとえばせんだっても、私は新聞を読まぬというので衆議院の岡田君からしかられましたが、ベトナムの問題でも、あるいは米国が南ベトナムを守って、そうしてベトナム軍を北ベトナムにやるのじゃないかという一部の説がある。その出たところは、結局、ジョンソン大統領のカリフォルニア大学における二月二十一日の演説で、南ベトナムでああいうことをしては非常な高い打撃を受ける、非常に損を受けるだろうということを言ったのが、実は伝わりまして、米軍の進駐とか、いろいろな脅威の問題を憶測をしております。また脅威の問題でも、たとえばボルネオにおけるインドネシアとマレーシアとの対立、そのうしろにおけるイギリス軍のあそこへの派遣等々、これは非常に脅威といえば脅威かもわかりませんが、脅威という人もありましょう。しかし、これはたいてい話し合いで解決できるだろうというわれわれは念願を持っております。また、それと、たとえば外務大臣の言った宗教的問題、いまのパキスタンとインドのカシミールの問題、それに中印国境の問題とからんで、いろいろ脅威と見る人もありますし、また、そうでない人もある。また南北朝鮮のあの三十八度線も、いろいろな見方があります。ただ、軍事的にどうこうといっても、中ソの日本を仮想敵国とするあの条約は、まだ破棄してはないはずでございます。脅威と見る人もありましょう、いや、たいしたことはないと考える人もありましょう。こういう問題を脅威と感じるか感じないかということは、私はよほど注意して議論しなければいかぬ、注意して答えなければいかぬ。いま当座の問題として、武力的に日本が脅威を受けているとは考えられません。経済的にも受けているとは考えられますまい。しかし、思想的にはかなりあるようでございます。共産主義のびまんをはかるというふうな、思想的な問題もありましょう。しかし、それが経済的にどうつながるか、軍事的にどうつながるかという問題等々は、われわれは防衛大臣の言っているように注意しておかなければならぬ、注意しておかなければならぬ問題が、すぐ脅威の問題と考えるかと、こういうことでございます。そういうニュアンスがなかなかむずかしいのでございますが、しかし大勢としては、いま軍事的にどうこうということは、私はない、また、そういうことのないように、われわれは、いわゆる安保体制のもとに日本の安全を守ると同時に、アジアにおけるいわゆる熱い戦争が起こらないことはもちろん、冷たい戦争もできるだけ排除するように、お互いに話し合い、協力して進めていかなければいかぬ、こう考えておるのでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 総理の「いま」ということばは、私どもかつて予算委員会でお答えを伺いまして、「いま」ということが非常に大きな意味を持つことを発見したのであります。いまもそのことばを使われたわけですが、先ほど言ったように、いま直ちにといったようなところに私はフォーカスを集めているのじゃなくて、しかし、そう百年先を伺っているわけでもございませんが、当面、ここ近い将来を見通したときにといった、幅を持っての分析、把握と  いうものを伺っておるわけであります。「脅威を感じない、軍事的、経済的に。」という意味は、少なくともきょうやあすじゃなくて、ここ当分というか、ここ一年、二年というか、そういった将来の発展性を考慮したときにおいても、なおかつそうであるという意味なのかどうかという点は、「いま」という語をここに話された以上、どうしてもあらためて聞いておかなければならぬと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 「いま」というのは、現実の問題としてでございますが、それは朝鮮事変の問題だって、あのときにだれがああいうことがすぐ起こると思ったでございましょうか。私の立場として、われわれが知り得たところでは、現実の問題としてはないと、こういっておるのであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 外務大臣にお伺いしますが、中ソ同盟条約というものは、中共側の人民日報その他の社説、報道等によりますと、事実上これはもう破棄されたと同様だということをしばしば発表しておるし、あるいは毛沢東主席に会った人たちとの会見の中でも、そういうことが先般言われ、報道されているわけです。まあ形式的に破棄されていなくても、事実上の作用としては、当初締約された当時と今とではかなりそういう実体的な変化があるのではないかとも思われるし、政府当局とされてはどういうふうにこれをつかんでおられるか、お伺いします。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) まだ破棄されたということは聞いておりません。そうして、この条約が中ソ関係の現実から推して、実体的な作用がどういうものであるかということは、私も詳細にはつかみ得ないことでございまするが、中ソ関係が冷却しておるという現状は客観的に認められると思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 軍事的に脅威を感じない、あるいは感じていたが感じなくなったというか、そういう考え方の根拠にはどういうものがあるか、いま答弁されたような内容もあるのかもしれないし、この際、軍事的脅威を感じなくなった、まあ統一見解として申し合わされて、総理が、共産主義の脅威はなんということをつけ加えられたのでございますけれども、少なくとも軍事的脅威というものがなくなったというその根底をなす考え方は何でございましょうか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) わが国が十分安全保障上の注意を怠らず、努力を怠らないという前提において、私どもはどこの国からも脅威を感じないというような状況でありたいと思うわけでございます。中ソ論争というものを頭に置いてそういうことを申し上げたわけではございません。

藤田進日本社会党

○藤田進君 防衛庁長官にお伺いしますが、外務大臣並びに総理も言われているように、防衛庁長官とされても、軍事的脅威を中共に対しては感じているのかいないのか。

福田篤泰自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(福田篤泰君) 外務大臣が答えられましたとおり、現在の時点におきましては軍事的脅威は感じておりません。御案内のとおり、一時、ソ連との新疆省付近でお互いに兵力を集中しまして国境のごたごたが起こるであろうという観測が行なわれましたけれども、これも平穏になりました。また、しばらくもめておりました中印国境問題につきましても相当平静になった。また、北ベトナムあるいは北朝鮮に対する問題につきましても中共側はいま冷静になっておる。したがいまして、現在の中共の軍事的な影響力につきましては、わが国として脅威は感じておらぬわけであります。ただ問題は、よく世間で論ぜられます核爆発の実験でありますとか、将来いろいろな要素が出たときには、これまた影響力は相当にある、こう考えるわけであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 防衛庁長官、いま軍事的脅威を感じないというその根底をなすものは、彼我の武力、兵備、装備等において感じないというニュアンスを乱は受けるのであります。なぜならば、やがて原爆を保有するということになれば別だということになる。しかし、いま言われている、脅威を感じないというのは、そういう意味のものではないように理解をしておる。いわゆる平和的に国際問題を解決しよう。いわば平和路線における諸般の連鎖反応からくる脅威を感じないというふうに解すべきじゃないかと思う。原爆を保有した。あるいはわがほうよりも一頭勝れた兵備、装備をしたということが脅威を感ずる感じないのめどではないように思う。この点はいかがですか。

福田篤泰自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(福田篤泰君) 御指摘のいわゆる中共の世界政策と申しますか、平和的に解決しようとするような態度と申しますか、政策と申しますか、これは確かに日本に対して脅威を感じさせない要因でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 しからば、極東に領土々持ち、関係の深いソ連について軍事的脅威はいかがに考えておられますか。

福田篤泰自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(福田篤泰君) 御案内のとおり、アジア全般的に見まして、残念ながら、ただいまは共産陣営の三角軍事同盟、それからこれに対抗する反共の各条約機構、こういう力のバランスで平和が保たれておる。これはいなめない客観的な事実でございます。ソ連につきましても、いまのところ私どもは直接の軍事的脅威、こういうものは感じておらぬわけであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 第二次防衛計画の途中にあって、さらに第三次防衛計画に着手されていると聞くのであります。これらの方向性についてお伺いをいたします。従来、三自衛隊という形で、逐年、国力、国情に応じて漸増主義というたてまえでやってこられたわけであります。世界の動向は、日本とはもちろん規模が違うことは承知いたしておりますが、アメリカにおいてもソ連においても軍事費は大幅にこれを削減するという方向をとっております。しかるところ、第二次、続く第三次防衛計画についてさらに増強していくということに伺っているわけでございますが、この実情、実態を明らかにしていただきたい。

福田篤泰自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(福田篤泰君) 第二次防、いわゆる第二次防衛計画は御案内のとおり昭和三十七年度から四十一年度の五カ年計画の第三年度に入りまして、大体順調に進捗いたしておりますが、御質問の第三次防衛計画につきましては、ただいま関係の部局で、問題のあり方、特殊、注意すべき問題の要点につきまして基礎的な検討を始めておる段階でございます。今後も漸増するかという御質問でありますが、しばしば国会でも政府側が答えておりますとおりでありまして、国力、国情に応じまして漸増する方針でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 その漸増するという根底をなすのは、やがてあと六年ばかりたちまして、一九七〇年における安保改定という時期に備えて自主防衛ができるということがめどなのか。世界の、特にアジアの軍事事情というものは、いま申されたように、その脅威はそれぞれ感じていない。また、外交の基本路線としても池田内閣の方向性としても、善隣有好、平和外交でいくというたてまえとどうも矛盾するように思われる。この点について大きな防衛の目標としていかに考えられておるか。特に国防の従来の方針の再検討ということが伝えられておるところであります。現在その試案をつくられておるように、いまも言われるように、事務当局においてかなり進んでおると認めるのであります。その根底をなす防衛力増強の目標、際限なく第三次防衛以後第四次防衛へといくのかどうか。お伺いいたします。

福田篤泰自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(福田篤泰君) 日本の安全と独立平和を守る防衛の基本的な構想としては、日米安保体制が大きな基盤でございます。いまの体制、基盤をくずしてはすべての日本の防衛というものは根底からくつがえる大きな要素でございますが、今後もわれわれといたしましては日米安保体制、これを基調として、また米軍のアメリカ側からくるマップ、無償援助削減、これも御案内のとおり時間の問題できわめてきびしいことも想像されますので、この点については、十分われわれは、あるいは国産化をするとか、その他の方法を講じまして、日米安保体制のもとで日本の防衛力も漸増してまいり、万一の直接また間接の侵略に備えたいと考えておるわけであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 総理にお伺いいたしますが、あと六年軍事、外交等、今日におきましてはかなり長期の見通しを立てなければなりません。日米安全保障条約というものは、やがてくる改定期に備えてどういう防衛体制をととのえられようとするのか。あるいは安保条約は引き続きこれを締結、維持されようとするのか、この際お伺いしたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) いまのような状態に非常な変化がなければ、大体このままでいくとすれば、これは日米安保条約は一九七〇年以後においても続けていきたいという考えでおります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 極東の安全の保持ということ、また軍事情勢ということについてですが、若干矛盾をいたしませんか。特に三自衛隊が三次防衛と発展をし、増強するということになれば、この点が大きな矛盾を来たすように思う。特に最近米軍が逐次引き上げていった、あるいはドル防衛の見地から、あるいは兵器の発達、開発の事情が伝えられておりますけれども、これらの関連した事情からみても、わが国はまだまだ国内の後進地域の開発あるいは中小企業をはじめ、国民の所得をいわゆる倍増しなければならぬとか、いろいろ予算を伴う問題が多いわけであります。今回も相当の増額をされているわけでございますけれども、そういった事実認識において国家予算における実態等をみたときに大きな矛盾を私は感ずるわけであります。その矛盾をどのように解明されるのか、お伺いいたしたい。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 矛盾は私はないと思います。やはり日本といたしましては国力、国情に応じて最小限度にやる。こういうことでございます。したがって、国内の繁栄と、そうして低開発国への協力、こういう大きい目的がありますので、防衛費をできるだけ少なくする。そしてそのためにはやはり安保体制を続けていくべきだ。矛盾はないと思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 自衛隊の発足当初、警察予備隊あるいは保安隊と変遷してまいりました。憲法の第九条の解釈も次第に変わってまいりました。私も吉田内閣総理大臣以下、時の内閣の第九条の解釈の変遷というものもいまだに記憶に新しいところであります。当初、制憲議会におきましては、吉田総理自身がお答えになっていることは、自衛のためにも、自衛権はかりにあっても、その発動をやったり、あるいは再単備をしたり、そういったことは一切しないのだ、こう言っている。これに対して、当時、野坂参三君でしたかの委員に、自衛戦争は正義の戦争だから、これを放棄する必要はないということも言われている。御本人からだんだんとこの解釈が変わってきて、鳩山さんの内閣になってきて、原爆でも持ち得るのだといったような解釈になり、今日ではどういう解釈としてお進みになっているのか、次々と変わってまいりましたので、この際、池田内閣における——憲法第九条、戦力なき単隊だといったような時代を経てきたわけでありますが、現在の自衛隊を中心に、憲法第九条の池田内閣確定版というものを承っておきたい。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 自衛のための最小限度の力は持つことができるというふうに私は九条を解釈しているわけであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いまの自衛隊については、憲法にいういわゆる戦力ではない、こういうことはいかがですか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 私は憲法第九条に禁止されている戦力には当たらないと考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 ことばじりをとらえると思われるかもしれませんが、どうも重要でございますので、憲法九条で与えられている、許されている戦力ではあると、こういう裏面解釈になりますか。

林修三内閣法制局長官

○政府委員(林修三君) 憲法の解釈問題でございますので、私からお答えしたほうが適当と思いますので、総理の答弁を補充させていただきたいと思うのです。  現在において憲法の解釈につきましては、これは実は藤田委員もよく御承知だと思いますが、要するに、実質的には私はそう変わっていないと思っております。九条一項についてはいわゆる自衛権を放棄しておらない、自衛のための武力行動はできるのだという考え方をとっております。つまり自衛権を放棄していないということは、外部からの侵略を受けた場合に、これに対して抵抗すると申しますか、その侵略を排除するための必要な限度の武力行動というものはできるのが、九条一項の解釈であると考えております。この点は私は大方の学者にほとんど異論はないと思っております。問題は九条二項の問題でございまして、九条二項で、「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。」、この規定の解釈が、実は九条の解釈問題の中心点になっていると思うのであります。この点につきまして、ただ二項は、「前項の目的を達するため、」ということばもございます。前項ともちろん無関係にできているわけではございません。一項では、一項において、いわゆる他国に脅威を与えるような戦争あるいは武力の行使、武力による威嚇というものを禁止しておりますが、裏面としては、さっき申し上げましたように、自衛のための措置を禁止しておるわけではない、こういうことからいいまして、二項の規定は、結局、自衛のために必要な限度においての武力の行使が可能であるということを考えて、その範囲において必要な最小限度の自衛的な力を持つということは、九条二項の禁止事項ではない、かように考えているわけでございます。で、先ほど総理が言われましたように、いわゆる自衛のための必要最小限度の実力と申しますか、こういうものは、九条二項で禁止されている戦力には入らない。ただいま、それはいわゆる普通の意味の戦力に当たるかどうかという御質問でございますが、これは戦力ということばの使い方の問題になります。戦力というものは、いわゆる戦いに使い得る力、きわめて広く考えれば、あらゆる力と申しますか、相当広い範囲のものまで入ってまいります。極端にいえば警察力も入ってまいります。しかし、九条二項で、言っている戦力はそういうものではないので、やはり他国に、九条一項を受けて他国に脅威を与えるような大きな力、こういうものの行使を禁止している、かように考えるべきものだと思います。したがいまして、現在において自衛隊の持っておる程度のもの、これはここで、二項で禁止された戦力ではない、かように考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 持って回ったような解釈で、憲法がどう書いてあっても、自由に解釈できるような印象しか受けません。  そこで、防衛庁長官にお伺いしますが、第三次防衛の段階においてナイキ・ハーキュリーズの採用はしないと衆議院で答弁されておりますが、そのとおりでございましょうか。

福田篤泰自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(福田篤泰君) 御案内のとおり、現在自衛隊で持っておりますのはアジャックスでございます。しかし、純軍事技術的から申しますと、ハーキューリーズのほうがはるかに性能がすぐれております。問題は、核弾頭をつけ得るというところに大きな微妙な問題がございます。現在、第三次防衛につきまして、ハーキーリーズを採用するかしないか、まだ検討の段階に入っておりません。

藤田進日本社会党

○藤田進君 衆議院の質問に対する答弁を明確に速記を調べてみますと、採用しないとお答えになっている。それが変わりましたか。

福田篤泰自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(福田篤泰君) 衆議院の横路委員に対する答弁をよく議事録でごらん願いたいと思いますが、結論的にこう申しております。検討をこれからする、しかし、たとえハーキュリーズを採用するとしても、核弾頭は絶対にこれはつけません、こういうわけであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 それは違います。局長があとからそんなことを言っているだけです。速記録を出して読んでください。あなたが言われたのと違う。

福田篤泰自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(福田篤泰君) 最初の答弁とその次の答弁に少し食い違いがありましたので、訂正いたしまして、たとえハーキューリーズを採用しても、核弾頭はこれはつけない、こういうことが結論でございます。議事録によりまして確かでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 まあ海空においては、私の見るところ、日本の自衛隊はいわゆる触角部隊だ。P2Vの採用等々から、こう規定したいところですが、どのようにお考えですか。

福田篤泰自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(福田篤泰君) 触角部隊…。ちょっと質問の内容がはっきりしませんので、もっと具体的に……。

藤田進日本社会党

○藤田進君 海空については、その装備上から見て、大きな意味では触角部隊の性格を持っていると解するが、どうか。

福田篤泰自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(福田篤泰君) 触角という意味が、単なる探る、フィラーと申しますか、探るというだけの任務しか、いわば自衛のための有効適切な力を持たないという意味で御質問でございますならば、私はそうでない。攻撃があった際は、やはり十分日本の安全を守る力を持たなければならぬと考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 単独で十分守り得るのですか。

福田篤泰自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(福田篤泰君) 陸海空の三自衛隊単独では、とうてい無理であります。日米安保体制という大きな基盤の上に日本の安全を保障し得る、こう考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 もう現在マッハ三まで出てきたという時代に、F104Z戦闘機、今度はまた102を買わないかと言っているようでありますが、こういう装備の状況から見て、日米安保条約というものにたよりつつ、その間における部隊の作戦も若干あろうけれども、主たる任務としては何といっても触角任務しかないように見える。しからば、具体的に攻撃があった際にどういう作戦が展開されるのか、海空についてまずお伺いします。

福田篤泰自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(福田篤泰君) いかなる直接または間接の侵略があるか、これは場合場合によりまして予想が全部異なるわけでございまして、したがいまして、具体的にお答えすることは困難であります。ただ、抽象的に、観念的にお答えしますれば、海につきましては、沿岸の防備、あるいは港湾の守備、あるいは内航、外航の護衛、こういうことが主たる任務であります。空につきましては、要撃戦闘機並びに対空ミサイル、この二つによりまして防空の任につくわけであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 お答えになっておりませんが、陸上自衛隊の作戦用兵についてお伺いいたしたいと思う。しかし、まあ防衛については申し上げるまでもなく、直接の攻撃があるということを想定しながら、その直接の攻撃はどういう態様——いろいろな場合がごさいましょう。いろいろな場合を考えて、これにまさる体制を整えていくと、装備においても。ということであるのだろうと私は思う。そうじゃございませんか。攻撃される相手側の兵器なり作戦行動なりという想定のもとに、わが自衛隊のほうでは日常の訓練をし、これに対戦するという、そういうことを十分勘案しながら装備をしていく、また訓練もしていくということなんじゃございませんか。

福田篤泰自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(福田篤泰君) これも御案内のとおり、わが国としては特定の仮想敵国は考えておりませんが、もちろん、訓練につきまして、あらゆる場合を想定いたしまして、随所あるいは随時、どういう場合が考えられるか、あらゆる場合を勘案いたしながら訓練していることは当然でございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 まあ仮想敵国はあるかないか、そんなことを聞いているのじゃないのですが、しかし、まあ少なくとも直接攻撃を受ける、どういう場合というそのカテゴリーの中には、相手方の軍備の状況というもの、その特徴というものを十分つかむということはあるとおっしゃる。そうすれば、仮想敵国であるかないかという議論は別として、一応どういうところから攻撃をされる可能性がある、ある場合はこうだ、極端にいってアメリカが攻撃してくるかもしれない、これに対処するということは現状、安保体制の中においても考えられないと思う。残るところはおよそもうわかるわけですね。ですから、仮想敵国云々はともかく、今日一応の想定というものはあるのじゃございませんか。

福田篤泰自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(福田篤泰君) 自衛隊といたしましては、特定の国、あるいは仮想敵国ということを前提にすることは、私どもは考えておりません。ただ、御指摘のとおり、どういう場合な考え、どういう様相で防衛を、訓練をしているかという点でございますが、現在の私どもの考えとしましては、いわば全面戦争、核兵器、あるいは誘導弾、あるいはポラリス、こういうものを使った人類破滅の米ソおそらく中心の全面戦争はまず起こらない、そういう考えで私どもは判断いたしております。アジアにおける不安定が、将来の予想し得る状態から考えるのは、在来兵器による局地戦以下の武力衝突の問題、これに対しまして私どもはいろいろ訓練をいたして、核兵器の場合には、私どもは、政府がしばしば言明しておりますとおり、これを保有いたしませんし、また、これはアメリカのもう核抑制力に依存する以外にないのが今日の現状であります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 まあ限定戦争かあるいは全面戦争か初めからきめてかかるということは、これはあり得ないと思います。  この際お伺いしておきますが、先般十九年前に終わりましたあの第二次世界大戦に発展いたしましたが、わがほうとしては、あれ自体は自衛のための戦争であったのかどうか。防衛庁は鋭意戦史を編さんされつつあるということで、おおむねこれが終わろうとしておることも含んでおります。これらの中から過去の戦争というもの、特に第二次大戦までのあの戦いというものは、わがほうにとってどういう性格のものであったかということをお伺いします、防衛庁長官。

福田篤泰自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(福田篤泰君) 第二次大戦における性格の問題でありますが、非常に微妙なむずかしい問題で、自衛の要素もあり、また侵略の要素もあるとか、いろいろな複雑多岐な双方の言い分もあり、原因もあろうかと思いますが、私といたしましては、ある特定の調べで自衛戦争、侵略戦争と簡単なことばで断定することを避けたと思います。後世史家の正しい判断に持ちたいと思います。

藤田進日本社会党

○藤田進君 まあ、自衛のための戦争だといって当時はやってきたわけですね。しかも現時点においてすでに十八年をけみするに、この結論が当面の衝にある防衛庁長官でさえ断定ができないと、それほどむずかしいものだと思います。そこで、陸上自衛隊の作戦についてはいかに考えておられるかということであります。お伺いする要点は、結論的に言って、これはまさに本土作戦を考えられておる。対戦車ロケットもかなり購入されているし、わが陸上自衛隊の主力をなす陸上自衛隊の戦車を見ましても、それぞれ合計いたしますと、私の手元には八百七十二と出ている。したがって、本土作戦という考えのもとに進められているのかどうかお伺いします。

福田篤泰自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(福田篤泰君) 二つの場合が考えられます。直接侵略の場合の、いわば侵略してくる軍隊がわが本土に近づく、上陸を阻止する、あるいは一部上陸したものをせん滅する。これが直接侵略に対する陸上自衛隊の任務であります。もう一つの場合は、一つまたは二つ以上の外国の教唆、あるいは干渉によりまして生ずるであろう大規模な内乱または騒擾の場合の間接侵略の場合であります。こういう場合二つに分けて私どもは準備をいたしております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 間接侵略というものは、確かに自衛隊の法改正あるいは国防の基本等について書かれていることは承知しております。しかし、間接侵略に対してこういった戦車を必要とするというそういう想定に立たざるを得ない実情が聞きたいし、しかも間接侵略、この実態を明らかにしてもらいたい。間接侵略の場合には、どういうことを予想されているのか。これを明らかにしつつ対戦車ロケット、間接侵略と直接侵略二つあるとおっしゃるわけです。一つずつ解決していきたい。  間接侵略に対して、戦車を用いて内乱が起きるという事態を想定されているようでありますけれども、現在五千数百の警察予備軍もいるわけです。また国内には国内法があり、それほど——国家公安委員長はそこにおられる——戦車をそれはだれがやるのか知らない、それは聞きますが、それを使う、対戦車ロケットを装備して立ち向かわなければならぬような事態に立ち至る可能性が、現在の治安状況ではあるのでございますか、両々相まってお伺いいたします。

早川崇自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(早川崇君) 現在はもちろんございません。

福田篤泰自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(福田篤泰君) 間接侵略の場合に戦車を使うかという御質問かと存じますが、戦車の行動基準につきましては、警察側とその基準につきまして打ち合わせをいたしております。私どもの考えでは、そういう場合をもちろん予想したくないのでありますが、第一線としての警察力でまず鎮圧してもらう、これが私どもの大きな前提でございます。どうしても警察力ではこれを鎮圧できない場合、自衛隊が出動するわけであります。こまかい警察側の行動につきましては、政府側から答弁させます。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) ただいま戦車の要望を間接侵略に関連してお尋ねがございまして、大臣から御方針についての御説明がございましたが、私どもといたしましては、間接侵略と一言に抽象的に申されます事態は、いろいろと複雑でございます。したがいまして、どのような間接侵略の場合に戦車を使うか使わないかということを申し上げることは、かえって問題が多いと思いますが、一般的に申しまして、普通に考えられております警察が主として活動しますような事態におきましての戦車の要望ということは、まず非常に少なかろうと思います。ただ、戦車は御存じのように、戦車砲弾あるいはミサイルを撃つものでございますが、こういうものを撃たないで、特定の地点に障害を排除して接近をするとか、あるいは特定の者の警護に当たると、こういうことは可能であります。二・二六事件の際にも装甲車がビラをまいたわけでございます。戦車だといって間接侵略の場合に絶対使わないと、こういうふうにきめておるわけではございません。ただ一般的に申しまして、戦車は、本来は双方が武器を撃ち合う、一般的に申しますと直接侵略の場合に対処するものと考えて訓練はいたしております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 防衛庁長官は、直接、間接両面にわたって必要性を答弁されたわけですが、しからば間接侵略についてのさような期待を戦車にかけていない、そう海原防衛局長の答弁では聞こえるわけです。いわんや対戦車ロケットについては、三十七年度以降二億二千九百十九万円の予算を計上して、対戦車ロケットを購入されておるわけですね。これなどは、もちろん間接侵略には用をなさないことだと思う。そうすれば、おのずから戦車並びに対戦車ロケットというものは、直接侵略の際にこれを動員して使うのだと、作戦用兵上考えているのだということに帰結するんじゃございませんか。

福田篤泰自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(福田篤泰君) 対戦車ロケットは、当然いま御指摘のとおり、直接侵略の場合の兵器でございます。ただ私が申し上げたのは、侵略の場合の二つに分けての間接の場合に、どうしても警察力で鎮圧できない場合、やむを得ない場合には、自衛隊としての任務として出動する任務を与えられておるわけです。そういう場合に絶対それじゃ戦車を使わないかということは、言い切れないと思います。状況によりましては、間接の場合でも戦車を使う場合がある。ただ警察側とは、慎重にその行動基準については打ち合わせするということを申し上げたのであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 自治省長官は、そういう事態はないと言い切っておる。簡潔な答弁ではあるけれども自信を持っておる。どういうことが予想されるのですか。私は自衛隊の地方部隊に参りまして、いろいろ調査の段階調べてみるというと、大きな図示もされて、総評の組合員の勢力がこうなっている、これはどういう動きをして、そういう場合に、落下傘部隊はどの地点が落下傘降下地域としては適当であるかというようなことが計画されておるのであります。今日の総評傘下の組合員、国民のこれらの者が内乱を起こす、これに対処するために、以上申し上げたような作戦計画が立てられていることはこの目で見てきた。少し現実離れではないだろうかと私は驚いたのです。間接侵略の態様について現在考えられる範囲のことをひとつここでお答えいただきたい。

早川崇自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(早川崇君) 私はいまのところ、そういう内乱とか、間接侵略というような差し迫った危険はない。しかし、将来どんなことが起きるかわかりませんから、警察力ではどうにもならないあるいは緊急事態の布告をし、総理大臣の指揮をもって警察を総動員をしましてもなお防げないという場合も当然あり得ることでありますから、それに備えて、そういう場合には自衛隊法によりまして、自衛隊が出動してもらわなければならない、こういう意味で申し上げたのであります。

福田篤泰自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(福田篤泰君) ただいま自治大臣の言われたとおりでございまして、ただおことばの中に、総評云々ということがございましたが、これは私どもは一定の団体なり、あるいは結社を擾乱分子だとか、そういうようなことでいろいろ訓練したことはございません。

藤田進日本社会党

○藤田進君 事実、部隊であるのは、これは防衛庁長官の指示、あるいはそのルートによって指示を受けてやったのではなくて、第一線にいる部隊が勝手なことをやっているのだと解してよろしゅうございますか。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) 各部隊におきましての訓練の状況でございますので、私からお答えさしていただきます。先ほど申し上げましたように、自衛隊の任務といたしましては、大臣から明瞭にお答えありましたように、直接侵略及び間接侵略に対処するということでございますので、その間接侵略の場合に、どういうことが起こるかということは、一応いろいろと考えまして、その場合に必要と思われる、自衛隊として必要と思われる行動に関しましての教育訓練というものは、各部隊で実施いたしております。したがいまして、これにつきましては毎年教育計画に基づきまして、その場合にはどの程度の時間を充ててやるかということは、中央から明瞭に指示して実施しておるのでございます。各部隊が各側にやっているものではございません。ただ先ほど私が申し上げましたように、間接侵略の場合に戦車が出ないということは、ございません。戦車というものは、先ほど申し上げましたように障害物をこわしたり、あるいは普通では到達できないところに十分到達できる能力がございます。したがいまして、砲を撃つという目的以外に間接侵略、暴動等の場合には、非常に有力なものでございまして、そういうような意味における訓練は、部隊として本来の任務として、教育訓練を実施しております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いや、総評の性格を考え、そしてそれに対処する行動作戦を練って、それが図示してあるわけなのです。その点を、かってにやっているのかどうか。

海原治防衛庁防衛局長

○政府委員(海原治君) この点は、警察との関連もございますので、警察庁と防衛庁との間におきましては、治安行動に出ました場合に、どのような分担でそれぞれが行動するかということは、中央の協定できめてございまして、先ほど自治大臣からお話ございましたように、通常の場合、第一次的には警察の任務でございますが、警察の手が及ばないときには自衛隊の部隊がこれをお手伝いするということでございます。その場合におきまして、自衛隊は、先ほど申し上げましたように戦車を使用することも、これはあり得るわけでございます。その場合にはどういうような教育訓練が必要かということにつきまして、中央の指示により、名部隊はそれぞれ訓練を実施しておると、こういうことでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 防衛庁長官とは違う。防衛庁長官はそういうことは指示したことはないと……。

福田篤泰自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(福田篤泰君) ある部隊で総評を目標としてあるいは対象として間接侵略の場合を想定したことは、これは不穏当だと思います。これは一定の団体なり、結社を予定することは、まことに適切でない。右であろうが左であろうが、あらゆるものが日本の治安を乱しあるいは騒擾事件を起こす、これはすべて一般的の問題でございます。もし、特定のものを目標としているものがありました場合には、長官として注意いたすつもりでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 事実、私調査に参りまして見たわけで、説明の紙をめくって見ましたが、どうも二枚ほどぱっぱっとめくられたので、私は何かと言って元へ戻して念入りに見たわけで、間違いないんです。  労働大臣にお伺いいたしますが今日総評という、あるいはいろいろ労働団体もございますが、いま言われているような内乱の可能性がありと思われているのか、あるいは労働行政としての指導なり、サービスなりという面でいかに解釈されているか、お伺いいたします。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○国務大臣(大橋武夫君) 私どもは、労働組合に対しましては、労働条件の維持改善を主たる目的としている団体だ、かように考えているのでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 主たるはわかるんですが、いまの点はどうかというんです。

大橋武夫自由民主党労働大臣

○国務大臣(大橋武夫君) たとえば労働組合あるいはその連合体が内乱、暴動等というようなおそれがあるというようなことでございましたならば、それは、私はおそらく司法当局のほうの手にかかるべき問題じゃないかと思っております。私どものほうで、具体的に現在そういう団体を把握している事実はございません。

藤田進日本社会党

○藤田進君 外務大臣にお伺いします。いろいろ中共の国連加盟がなり、祝福される状態になれば云々、その後答弁の統一をするということになって、いろいろ伝えられております。今朝の産経にもそのことが詳しく出て、ごらんになったかと思うのであります。要するに、現時点において集約して——二転三転したように思いますが、党内事情も複雑であるということはわかります。そこで、フランスが中共を承認し、大使交換をやったという現時点において、政府としてどういう中共に対する今後対処をされようとしているのか、お伺いをいたします。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) フランスが一月の末に中共を承認するということになりました。そのことの影響というものを十分見きわめてまいるということが一つでございます。国連対策といたしましては、まだ先の話でございますし、十分それらの状況をよく勘案いたしまして、慎重に早く国連対策を練らなければならぬと思っているわけでございます。  中国問題政策といたしましては、もう御案内のように、ただいまとっているわが国の中国政策を変えるというようなことは、毛頭考えておりません。

藤田進日本社会党

○藤田進君 いやいや、いろいろな経過があるけれども、集約的にはどうかと言っているんです。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 最近起こりましたことは、フランスが中共を承認することになったということだけでございまして、それがどのような動きを、影響を及ぼすかということを見きわめておりましたら、コンゴという国が中共を承認することになったというだけでございてまして、世界的にこの問題の影響というものは、さして大きな波紋を呼んでいないというのが、今日の状況でございます。わが国といたしましても、これを契機としていろいろな論議が行なわれましたけれども、わが国の対中国政策というものは、現にとっておるような政策というものを変える意図はありません。国連対策は、ずいぶん先のことでございますので、鋭意十分慎重に材料を集めて検討してみたいと考えておるということでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 松井大使がアフリカ方面を中心に回っておられる、もうかなり時間もたっております。これらの現地状況について、つぶさに刻々の御報告があったろうと思うのですが、これらについてどういう状況であるか、この際お伺いいたしたい。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 松井大使の旅行の報告は、私まだ受けておりません。したがって、いま申し上げる段階になっておりません。

藤田進日本社会党

○藤田進君 秋の国連総会において中共加盟、重要事項方式、いろいろな議論がありますけれども、結論的に見て、国連加盟という線がかなり強くなったということが、国際的にも世論となってきておる。この点についての見通しをお伺いしたい。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) これは先ほど申しましたように、フランスの動きがどの程度波紋を及ぼすものであるかということが、世界的に注目いたしておったところでありますが、先ほど申しましたように、コンゴが中共を承認する意向を表明したというだけでありまして、これに追随する国は、ただいまのところは見られません。  それから今後どのようにこれが展開されますか、他国がどのように出ますかは、私にはまだ読みかねるわけでございますので、今度の十九総会におきましての予想を、見通しを立てろとおっしゃっても、立てるだけの材料は整っていないわけでございます。ただいませっかくの御質問でございますが、それにお答えする用意が、ただいまの段階ではございません。

藤田進日本社会党

○藤田進君 非常に不満であります。一国の外務大臣は、相当長期にわたる見通しを立てるということが、外交上基本をなすものであると思う。  次に、日韓会談につきまして、昨日政治会談に応じることにされたようであります。この意味するところは、事務当局の段階から政治会談へというその趣旨は、わがほうとしても、一歩譲っても、従来の事務段階における内容を譲っても、何とか解決にこぎつけたい、今国会でめどをつけたいという御主張のようでありますが、そのことを意味しますか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 会談をどういうレベルでいつやるかという問題は、内容と別でございまして、先方から高級な漁業会談をやりたいという希望がございますので、それに応諾することにいたしたわけでございます。内容が、専門家レベルの会談であろうと、高級レベルの会談であろうと、たびたび申し上げておりますように、納得のいく合理的な内容のもので妥結をいたしたいという念願には、少しも変わりはございません。

藤田進日本社会党

○藤田進君 しからば内容にいてお伺いいたします。数点申し上げますからお答えいただきたい。  この日韓会談が、いずれにせよ妥結するという段階においては、かつて小坂外務大臣のときにおいては、かなり明確な答弁を議会でしている。今日大平外務大臣においては、非常にあいまいもことしている。きのうの場合もそうであります。政治会談に持ち込むかどうか、どういう回答をするのか目下検討中だ。三時間もしないうちに、ちゃんと回答しているじゃありませんか。なぜ国会ではっきり言えないのです。その間のうちに、三時間のうちにきまったとは私は思えない。  そこで、妥結するというかりに段階になった場合に、基本条約という姿でこれを結ぶのかどうか、第一点。  また、漁業水域六海里とか十二海里とか、各国いろいろなことを言っているし、この際もいろいろ出ている。これについては既定方針どおりのものを絶対に曲げないのか、若干の譲歩はあり得るのか。  竹島問題については、従来小坂外務大臣以来言われたことは、両者の合意に基づいて国務司法裁判所に提訴ということを言われていた。相手方は、アメリカその他の第三者の調停とか言っている。わが領土と規定して信念を持つ以上は、竹島そのものについては明確にわがほうのものなりと規定ができるか。あるいは一歩譲っても両者の合意という前提のもとに、国際司法裁判所に持ち込むのかどうか。その点はかなり将来にわたって動くのかどうか。小坂外務大臣以来、何ら最終的に信念は曲げないというのかどうかお伺いします。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 妥結した暁の条約の態様をどうするかという問題でございますが、ただいま内容を煮詰めている段階でございまして、それが出そろいまして、どういう形の条約にしてまいるかということは、とくと考えてまいりたいと思っております。  第二点の漁業水域の問題でございますが、これは藤田委員も御案内のとおり、日本と韓国との間できめることは、第三国との間にも影響があることでございまするので、わが国といたしましては、筋の通った解決をいたさなければならないと思っておりまするが、具体的なことはただいま交渉中でございまするので、内容にわたって申し上げることは御遠慮させていただきたいと思います。  それから竹島問題でございますが、これは本院でもたびたび申し上げましたように、わがほうは国際司法裁判所に提訴し、先方の応訴を期待いたしておるわけでございますが、先方がまだそれに応諾の意思を表明いたしておりません。で、私といたしましては、ぎりぎり最小限度一括解決という方針で貫く以上、竹島問題につきましては、これをどのように最終的に解決するかの方法につきましては、双方合意を取りつけておく必要があると、そのように考えておるわけでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 ポイントだけでいいのです、簡単に。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) これは外務委員会でもたびたび申し上げているわけでありますが、こちらは先ほど申し上げましたように、国際司法裁判所に提訴いたしまして、応訴を願いたいということに申し上げてあるわけでございますが、先方の考え方は、第三国の調停を頼んで、それが不調に終わった場合、国際司法裁判所に提訴するかどうかを相談しようと、こういうことがいままでわれわれに示されておるわけでございます。しかし、あらゆる懸案を一括して解決するという根本の方針で対処いたしておりまするので、先ほど申し上げましたように、竹島問題はぎりぎり最小限度、私どもが希望するように解決すればけっこうでございまするが、それがかりに困難でございましても、両国政府がちゃんとこういうかっこうで解決するのだという解決方法だけは、ちゃんと合意しておかなければ相すまないのではないかということを考えて申し上げたわけでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 国際司法裁判所に提訴する、応訴する、それ以外に方法はないのだと従来聞いているわけです。その点がどうかというのです。ほかに方法をとろうとしているのかどうか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) わがほうの態度は、藤田さんいまおっしゃったとおりの態度で臨んでおるわけでございます。しかし、交渉はこれは相手のあることでございますし、お互いに合意せにゃならぬことでございまして、いろいろくふうを考えておりまするが、一括解決の方針はあくまで貫いていきたい、こういうことを申し上げたわけでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 これは領土問題は非常に、重要な問題でありますから、総理にお伺いしますが、小坂外務大臣以来、明確に答えられてきておるが、お聞きのようにあいまいになってきておる。こちらが主張しても相手があることでと、かなりニュアンスがある。あくまでも明確に国際司法裁判所にこれを提訴するという姿の時点において判断するということでなければならぬと思うのです。いかがでございますか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 私は、外務大臣が答えたとおりの気持を持っております。(「あいまいなんです」と呼ぶ者あまり)それはあいまいではございせん。そのときはまだ交渉があまり煮詰まらず、向こうの意向も聞いておりません。したがって、こっちが一方的にこっちの言うことを言っておるのであります。向こうはまたほかの考え方を持っておるから交渉しておるのであります。だから、竹島問題を国際司法裁判所にかけるということを向こうが応じなかったならば、われわれ一括のあれでございますから全部やめてしまう、こうなってしまう、そういう外交のやり方はとりません。やはり将来に向かっての両国の親善をはかるという点においては、こっちが譲れるところまである程度譲ることも考えなければならぬ、また、向こうにも譲ってもらわなければなりません。したがいまして、当初二年あまり前に、こういう方針でいかなければならぬ、通らなければオール・オア・ナッシングという考え方は、池田内閣はとらないのであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 それでは、従来より変わったとみてよろしゅうございますか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 変ったというか、こっちはこういうことでいくと、こう言っておるのです。向こうがどう出たときに一切譲りませんということじゃないのです、交渉は。と思います。だから、変わったのじゃない、こっちはそういう考えを持っておりますが、向こうはまた違った考え方を持っておるらしい。だから、われわれは一応は突っぱっていきますが、それがなければ全部だめだということは、私はとらないということです。われわれが大体納得し得ることがいいんじゃないかと思います。だから、いまこういう問題を、池田は非常に弱くなった、こうお考えになっちゃ困る。あくまで国際司法裁判所にかけるということでいっている、向こうはそうはいっていない。だから、譲るか譲らないかは、これからの問題で、これは弱くなったということではございません。

藤田進日本社会党

○藤田進君 だけれども、その一点でまとまらないからこわすわけにいかないということがある以上、軟化したことは間違いないと思う。それじゃ非常に困る。あくまでも解決という時点がくるならば、その際に立って明確に所信を貫いてもらいたい。  次に移りますが、最近の国際収支の事情を見ますと、きわめて憂慮すべき事態にあります。これは経済問題でもありますので、総理に一括お答えいただき、関係大臣のお答えをいただいてけっこうですが、二月の結果は発表されておりますけれども、特に輸入が予想以上に伸びてきた。したがって、貿易収支の面、さらに貿易外収支の面、資本取引においても非常に不安定である。これは要するに、わが国のように資源が乏しい、膨大な資源を輸入しなければならぬ、加えて、最近の状態は、ロイアルティー、つまり技術協力、技術提携といった形で相当な外貨を支払っておる。こういう一連のものを考えてみますと、根本的なやはり金融政策もさることながら、経済の成長率というもの、いま経済見通しとして企画庁で出されておりますけれども、一連のこれらについて、この際、国会において、中途ではありますけれども、見通しについてやはりアジャストされる時期にきていると思いますが、いかがですか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 三十九年一月に政府の見通しを発表いたしましたが、期末外貨準備高は十七億六千四百万ドルと、こういうふうに発表いたしておるわけでございます。大体この発表の数字は、総合収支じりで九千九百万ドルの赤字ということでございますが、大体九千九百万ないし一億ドルの赤字で済むであろうという考え方を持っておるわけでございます。御指摘のとおり、輸入が非常に伸びておるということは事実であります。貿易外収支も、それに伴いまして、当初予定いたしておりますものよりも赤字が累積をしておるわけでございますが、アメリカの利子平衡税等の問題があったにもかかわらず、ヨーロッパ市場等における外資の導入も比較的順調にいきましたために、資本収支においては六億七、八千万ドルという黒字を想定できますので、期末の外貨見通しとしては、十七億六、七千万ドルの一月見通しは確保できるという考え方であります。輸入が非常に多いというのは、申すまでもなく、生産が落ちないというところに問題があるわけであります。この問題に対しましては、昭和三十九年度に名目九・七%、実質七%という安定的成長率に押えたいということでいま御審議をお願いいたしておるわけであります。おおむね金融の問題があるわけでありますが、生産が非常に伸びておるという一面、企業間の信用が非常に急速に膨脹をいたしましたし、また、中小企業の三月期末の決算の問題等もありますので、中小企業金融を十分行ないながら、しかも安定的成長に持っていきたいということでありますので、急激にこれを引き締めるということが事実非常にむずかしいのであります。特に四月から八条国に移行するということで、開放経済に向かいますので、ただ画一、一律的な引き締めで済むということではないのでありまして、産業人自体の自覚と相まちながら、少し時間はかかりますけれども中小企業の問題等、十分めんどうをみながらこれに対処してまいりたいという考え方でおるわけであります。近ごろ、十二月から調整基調に入りました。日銀の各種の調整手段がようやく浸透しつつあるわけでありまして、政府といたしましては、三十九年の経済見通しのように安定的なものになし得るように、格段の努力を続けてまいりたい、こういうわけであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 企画庁どうですか。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 大まかにはただいま大蔵大臣のお答えのとおりであります。輸入は五十七億五千万ドルと見込んでおるわけでありますが、ただいまの情勢から判断いたしますと、それを何がしかは上回ることはほぼ間違いないのであります。どのくらい上回るかということにつきましては、各省にもいろいろ意見もあり、日本銀行その他にもいろいろな見通しがございまして、ただいまさだかに数字を申し上げることがまだできない状態であります。貿易外につきまして、ただいま大蔵大臣のお話のとおり多少予測は上回ることがあるかもしれないと思いますが、大した額ではないと思います。それを大体資本取引の予測以上のプラスでカバーをするということになるわけでございますが、資本取引の中で、長期は大体、四億ドルの手取り超過と考えております。しかし、昨年の十二月で四億ドルの線にすでに達しております。短期のほうは格段の見込み違いもないようでございますが、したがって、全部総合いたしまして、まず当初考えましたところと、結果としてはそんなに間違っておらない。輸出はやはり予測を多少上回ると思います。したがって、結論としてただいま大蔵大臣のお話になりましたように考えております。

藤田進日本社会党

○藤田進君 数字をあげて申し上げる時間がないことが遺憾ですが、通産大臣に関連してお伺いしますけれども、そういういわば見通しの楽観説というものが非常に私は危険だと思います。三月二十三日から行なわれようとするジュネーブにおける国連の貿易会議、引き続いて五月にもまたガットの会議とか、諸般の開放体制に入って今日国内の産業体制というものも十分に整わない、そしてOECDに加盟し、諸般の事情から見て、わが国の外貨事情というものは、これはすべての階層において一番心配をしておるところであります。政府の見通しのとおりにならない、金融ないし経済の成長そのものに手をつけなければならない、私もその説をとっている一人であります。したがって、貿易は、何といっても輸出を増大するという点が大きな外貨事情との関連を持つわけであります。これらの点について、三月二十三日から開かれる国連の貿易会議等々と関連して、いかに切り抜けていかれるのか、通産大臣にもお伺いいたします。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) ただいま技術導入の面についても触れられたわけでありますが、技術導入等々において、特許料その他に一億ドルぐらいの外貨が毎年外に流れているということになっております。そういうこと等をどう思うかという御質問かと思うのですが、これはわれわれとしては、いわゆる開放体制に向かいます場合において、日本の産業が世界の国の技術等に劣っておりますと輸出ができなくなるし、輸入がふえるというようなこともございますので、どうしてもこれを切り抜けていくには、必要な技術の導入というものは、これをやらなければならない、こういうことで、優良な技術の直入というものは、これはやっておるわけであります。  一方、いまのあとの御質問は、いわゆる低開発国に対する今回の会議においてどういうような措置をとるか、こういうことも含めての御質問であると思いますが、私は、この低開発国問題につきましてはいろいろ問題がある。また、われわれとして注意をしていかなければならないことがあると思っております。三つばかりあるのでありますが、一つは、海外といいますか、低開発国に対して特に特恵的な関税、あるいは特恵的な措置をとりますというと、それが日本の第三国、あるいはまた米国等における市場に与える影響というものを十分考えていかなければならない。これらの点はひとつ注意をする必要がある点だと思うのであります。それから、また、同じく低開発国といいましても、米国の場合におけるラテン・アメリカと、それからフランスにおけるアフリカの場合等々の特殊な関係のある国について特定の特恵が与えられるというようなことになりますというと、それは日本にとっても相当いろいろ影響があると考えなければなりません。また、日本の国としては、中小企業があり、また、御案内のような農業問題等もかかえておりますので、これらに対する影響等も十分考えておかなければならない。これらを勘案しながらこれらの会議に臨んでいかなければならないと思うのであります。さて、そこで、今度はいまあなたのおっしゃいましたいわゆる日本の輸出入のバランス、また、その経常収支外のバランスからくる外貨の減少についてどう考えるかというお話でありますが、私は、開放経済体制に向かっていくいまの段階におきましては、ある程度技術導入もしなければならない。また、そういうような面において利子の支払い等々の問題等も起きてくるわけでありますけれども、しかし、何としても、やはり日本の産業にまず力をつけるというところに重点を置いて、そうして輸出振興に格段の努力を払っていく。いわゆる消極的なやり方でこの問題を解決するのではなくて、積極的に世界経済と太刀打ちする、この気魄を持って日本の産業の自立をはかっていく。そうして、また体質の改善をやり、近代化、合理化を進めていくというようなやり方以外に、この日本が開放経済体制下において、しかも、日本の経済を伸ばし、そうして国民の生活を向上させていく道はない、かように考えたのでございまして、こういう意味からいって、輸出にはもちろん格段の力は加える必要がありますが、これについては地域別に、産業別に、世界の各地における状況等もこまかく分析しながら、ジェトロの組織を使って十分な効果をあげていきたい。もちろん、これは外交関係においても、われわれは経済外交を大いにやっていかなければならないと考えておるところであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 他の質問がございますので、観念的にはけっこうですが、具体的な政策として今度の国会に出されている予算なり法案等から見て、まことに外貨については危険性を感ずるものであります。大蔵大臣としては、外貨の保有量、これは多いほどいいことはわかっております。しかし、わが国のような輸出入、その他経済規模から見て、少なくともこの程度は最低保有していかなければならぬ、使える外貨は五、六億程度だと思うのです。どの程度のものが最低のものとして確保する必要があると考えられるか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) この機会に率直に申し上げておきますが、日本の外貨準備高というものに対して、いつでもいまのお説はございます。政府が発表しております外貨準備高というものに対しては拘束を受けていて、常時これをいつでも使えないのじゃないかという議論が相当ございますが、そうではないのであります。一月末の外貨準備高は十八億五千五百万ドルでございます。でございますが、これは全然拘束を受けておらないのであります。金が三億ドル近くございます。アメリカなどの証券等を買ったものが七億ドルございますし、預金も七億ドル余ほどありまして、十八億五千五百万ドルは不拘束のものでありますから、全部使えるわけであります。でありますから、これはひとつお間違いのないようにしていただきたい。  それから、十八億五千万ドルのほかに、外貨保有高として持っておるものもあるのであります。外貨保有高と外貨準備高と混淆されていろいろ御論議になっておるようでございますが、外貨準備高として、絶えずいつでも使えるものとしての準備、流動性を完全に保持しているものが十八億五千万ドル、ほかに多少両建てになっているものとか、準備繰り入れるというよりも、保有高として持っているものが別にあることは、御承知のとおりであります。日本の貿易が三十九年度六十二億ドル、輸出入とも六十二億ドル予想しておりますから、これに対してどの程度の金があればいいのかということでありますが、多々ますます弁ずで、あればあるほどいいのですが、これはどれだけになってしまうといかんのかという問題は、日本の信用力、国際的な地位の向上によって、全然今度はいままでの考え方とは違うのでありまして、信用があれば必要なだけ借り得るし、また、いつでも支払いに応ずることができる、こういうことであります。でありますから、かつては学者は、十三億ドルを割ってはいかぬと、しかし、十三億ドル割ってはいかぬという考えの中には、十億ドルくらいは使えない金だ、こういうふうな前提があって議論をされているわけでありますが、十八億五千万ドルは全然不拘束のものであり、また、世界の先進工業国等がIMFのゴールド・トランシュを普通は大体外貨準備高に入れておりますのが、日本の十八億五千万ドルの中に入っておらんのであります。日本がIMFに積み立てている一億八千万ドル無利息で使える金、日本のものと同じ考えに立つものが一億八千万ドルもあります。今までの非常に苦しんだときの三項借款、七項借款等の特別借款は、現在すでに全額完済しておる、こういう事情でありますから、信用度によって違うのでありまして、十何億ドルとか、二十億ドルということでなくして、多々ますます弁ずであって、ないのはあまりいいことではありませんが。

藤田進日本社会党

○藤田進君 幾らになるかということです。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 幾らということは、言えるわけはない。あなたのように御信用があれば、外貨準備を持たなくとも商売ができるということでありますから、これは国際場裡に立って信用を保持しながら貿易決済をやれるだけの条件がそろえばいいのであって、幾らあればいいのかということを申し上げることは非常に困難である。引っくり返して申しますと、現在の日本の外貨準備高、外貨の保有高の状態において、いままでの経済成長を続けていって国際収支が悪くなるというようなら余勢が続いていった場合に、一体これをまかなえるか、こういう御質問であれば、十分まかなっていける、こういうことを申し上げるわけであります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 そのような感覚ですから、外貨危機感というものがない。たくってもいいし、あってもいいという、どうでもいいということにしか聞こえない。  総理大臣に最後にお伺いいたしますが、今日、国際的にも後進地域の開発等をいわれております。しかし各国とも、特にドイツなどを調査いたしましても、国内の後進地域の開発というものには、かなり力を入れている。わが国は特に地域間の格差というものも大きくなってまいりましたし、終戦後の総合開発というものは、資源開発の性格が強まった今日では、人口問題とそれから一連の格差問題等が中心になって、東北から九州、四国に至るまでの地域開発促進法が議員立法ででき、あるいは新産業都市、あるいは工業整備地域、あるいは特定地域と非常にふくそうして、その指定個所というものも数がふえてまいりまして、こういう中で、先般内閣は、閣議においてきめられたと伝えられている国土縦貫道路の政令の指定の準備、それから東北、北陸、あるいは中国、九州、これはすでに地方開発促進法に基づく答申が総理大臣の諮問に答えて出ております。昨日の段階では、まだ四国は出ていないと聞くのでありますが、こういう一連の開発計画というものを推進されようとするわけであります。国内の総合開発、地域開発は、私どももとより、これを推進したいと思います。そこで昭和三十八年度を起点として四十五年度までに、これが完成を見るべく答申がなされて、諮問のとおり答申をしているところであります。また新産業都市の問題等、これらについて、そのプロセスを聞きたいのであります。  私の見ているところでは、答申いたしまして、これを受けて推進されようとする総理とされても、たいへんなことじゃないか、こういう、財源的にも非常に問題があるのじゃないか。しかしこれを克服して、実際に国民が夢ではなく現実に、その計画が逐年遂行されて、四十五年度を目途としているものが完成されることを何よりも望んでいると思う。しかし、財政的にも非常に問題があるようにも思うのであります。これについて、ひとつ具体的に、時間がないので質問は短いけれども、詳しく、本年度、どういうふうにこれを実施されようとするかお尋ねをいたしたい。  なお企画庁長官の一月の十五日の尾道の談話発表によりますと、まあ談話は読みませんが、その趣旨は、中国に関する限り南北の道路の開発を急ぎ、海岸線、内海に面して、今の第二国道というか、バイパス道路をつけるということがむしろ重要であって、いわゆる国土縦貫自動車道路というものは急がないと、これは河野建設大臣も、そういう談話を発表しております。このことが、先般閣議で政令指定ということで作業を進める御決定と、かなり矛盾をするように思う。これに対する真意をお伺いいたしまして、国土縦貫道路というものは、青森から鹿児島まで、これが着手が、昭和三十九年度から現実にできるのか、全部はできないとしても、東北、中国、九州としても、いずれかの個所から、これが着手をするという考え方なのか。地域住民としては、重大な関心を持っているところでありますから、この点、総理からお答えをいただきたい。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 国土総合開発計画の基本的な考え方については、後ほど総理大臣からお答えがあるかと思います。要するに、国土総合開発、基本法に従いまして総合開発計画をつくり、そうしてそれを、各地方のただいま御指摘のような開発計画に具体的におろしていっておるわけであります。それから、それと同時に、いわゆる拠点主義に基づきまして、新産業都市というものを指定しつつございます。またすでに、かなり工業の集積があると思われる地帯は、御指摘のように工業整備特別地域になっておる。これらの考え方は、新産業都市、あるいは工業整備特別地域を通じまして、国の公共投資を重点配分するということでございます。多少、時間的には新産業都市のほうが、より将来であり、工業整備特別地域のほうが多少時間的には近いということはございますが、これらの地方の建設基本計画ができてまいりますと、それを中央で承認をいたし、そうしてそれが、今度は縦割りと申しますか、横割りと申しますか、道路なり、港湾なり何なりの、いわゆる五カ年計画というようなものに織り込まれていく、そういう考え方に全体としてはなっております。  なお、それに取り残された地域に、これはまだ産業の誘致が、きわめて初期の段階にあるといったようなものにつきましては、低開発地域に指定いたしまして、国税、地方税の免税をいたしていく、大体全体の構想は、そのような考え方でありまして、これらをほぼ一貫して拠点主義といったようなものが貫いております。それからまた、これは工業だけを中心とした計画でなく、農業、鉱業、それから環境衛生、教育、すべてのものがバランスのとれた地域の発達をするようにということをかなり強く計画を考える上で、実施いたす上で考えておるわけでございます。  先ほど、なお具体的な問題の御指摘がございましたが、これは建設大臣がおられますと、さらに明瞭に御答弁があると思いますが、青森から鹿児島まで国土縦貫道路をつくるということは、基本の方針があると考えております。その通過地点等々につきまして、なお具体的に決すべき問題がある、こういうことではなかろうかというふうに思っております。地方の開発計画にも、したがって、それに該当いたします地域には、そういうことが申されてございます。ただ、私が具体的に談話として申しましたことは、これにはかなりの年月のかかることでございます。のみならず、国土の総合開発を考えてまいりますときに、山陰地方というものが、非常に開発拠点を求めにくい、これは非常に求めにくうございます。したがって、これらの地方は、山陽との総合開発を考えることが、より手っとり早いのではないか。そのためには、背骨に当たる縦貫道路も大切でございますけれども、焦眉の急としては、南北を結ぶ道路というものを考えていくことが山陰地方の開発そのもののためにも必要なのではなかろうか。陰陽一体になって開発を考えたほうがいいのではないか、こういう思想を持っておりまして、ただいまも持っております。  それからバイパス云々の問題は、これは特殊な事情がございまして、大体、瀬戸内海の北側は、東西に国道が走っておるわけでございます。したがって、荷物なり人の動きは、本来東西であるわけでございますけれども、海を船が走っておりますために、各港で船からあがる荷物は、ともすると南北に分かれるわけでございます。船から北に上がります。そういたしますと、国道では東西の人と物の動きと南北の人と物の動きが交差をして、交通の整理ができない。こういう実情が、すでに各県で瀬戸内海の沿岸にはあるわけでございますから、それを解消するためには、やはりバイパスというものが入り用になるであろう、こういったようなことを申したわけでございます。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) お話のとおり、全国をできるだけ平均的に開発していくということはたいへんなことでございます。しこうして、そのもとをなすものは、やはり道路でございます。来年度の予算におきましても、首都開発を中心とした首都建設公団等三公団で、千三、四百億円、一般会計のほうでも千七、八百億円、また、地方債もあることを考えますと、三千億以上の金を使っております。だれがこれをいままで想像したでしょうか。外国人も来て驚きます。よくあんなに住宅を建て、道路をこんなによくしておるということは奇跡だと言っております。だから私は、これをなし遂げるのが、やはり所得倍増計画であると思うのであります。所得倍増計画によって国の力をおこしてからこそ道路もできる。従来は、大都市中心でございましたが、私はこれを改めまして、オリンピックもすぐでありますから、地方にその力をうんと向けていく。しかし、それには繰り返して申し上げますが、経済力を伸ばす、所得倍増計画を着実に進あていくことが、これが一番の道であると、こういう考えであります。  私は国民とともに、このいわゆる光栄ある所得倍増計画をどんどん進あていって、あなたの希望しておられる地方の低開発地域の開発と民生の安定をやっていきたい、こういうことでございます。

山本伊三郎日本社会党

○山本伊三郎君 議事進行。実はほかの大臣については了解しているのですが、河野建設大臣と早川自治大臣退席するときに、委員長に届けがあったかどうか、そういう点をひとつ聞いておかなければならぬと思う。私、全然知らないのです。この点をひとつお聞きしたい。

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) いい御忠告でございますが、私にも何ら連絡ございませんでした。今後におきましては十分注意して、必ずこちらの了解を得て退席させるようにしたいと思います。  藤田さん、もう時間が来ましたが、……。

藤田進日本社会党

○藤田進君 河野さんは、どうしているのですか。

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 河野君は、いま言ったとおりおりませんが、後刻の時間のときに、御答弁をするようにさしたいと思いますが……。呼びましょうか。どうしましょうか。

藤田進日本社会党

○藤田進君 呼ぶ間、ちょっとほかのことをやっておきますわ。  総理の言われる、まあ経済力を強化しながら励行していくということでしょうが、お尋ねしているポイントは、四国を除いて地域開発促進法に基づく答申がなされておるわけです。こういうものを主体として考えたときに、昭和四十五年度までに、あの答申がこなせるのだろうかという心配を持っているわけです。国土自動車縦貫道路についても、財政上の措置ができるだろうかということで、夢に終わるのではないかということを心配いたしますがゆえに、四十五年度までに大蔵大臣を督励して、財政的な措置、これはかなり地方財政にも関係がある一連の財政措置をしながら、答申どおりこれを実現させるという決意を持ってお進めになるのか。まあ弾力的に、なるたけやってみるということなのか。そこが私の質問のポイントなんです。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) まだ答申が出まして、それを十分検討しておりません。具体的な問題、あるいはまた年次的な問題は、これから考えていかなければならぬと思います。答申は出ておりますが、その検討を十分にいたしておりませんので、重点的にどうやっていくかということは、これからの問題であります。しかし根本的には、やはりそれをやっていくような経済力をつけることであるのであります。それが私は先決問題だと思います。財源があるかないかということより、財源をつくらなければならぬ。いたずらに国際収支を心配して消極的なようじゃいかぬ。だから私は、もちろん国際収支を心配しないわけじゃございません。たとえばバナナの輸入なんかにしましても、正確な数字ではございませんが、台湾からは四千万ドルのバナナを輸入しておる。また食料品なんかについても相当ぜいたく品が輸入されておる。私は国際収支を議論する前に、どういうところで国際収支は赤字が出るかということをきわめずに、国際収支ばかり議論することは、これは国民にアピールしない。だから、決して私は楽観しておるわけじゃございません。バナナの輸入とか、とにかくこちらで何とかまかなえるものが、相当輸入されておるということをまず警告して、しかる後に、国際収支の問題をやってもらうように——これはあなたじゃございませんよ、一般の財界人あるいは評論家等に、そういうことを申したい。しかしいずれにいたしましてもやはり片一方では、くだものの値を下げるという一つの命題があります。いろいろな点を考えながら、決して私は心配しないというのじゃございません、しかし悲観をしておらない、大蔵大臣と同じであります。楽観しておるかと言うたら、手放しの楽観じゃござ  いません。しかしありがたいことには、世界の信用は非常に日本に集まっております。いま利子平衡税が行なわれたから外資導入は困難だろうといいますが、やはり窮すれば道は開けるもので、ヨーロッパからどんどんきております。いま大蔵省が押えておるというふうな状況であります。アメリカでも借りようと思えば、大蔵大臣が行けば、幾らでもと申しましても、何十億ドルというわけにはいきませんが、相当に、いままでの実績程度のものは借りられる。いまの外貨準備にいたしましても、フランスやイタリアはIMF出資その他を入れておる。いま日本では、一億八千万ドル入れておりません。今度八条国になるので、いろいろ大蔵大臣考えておられるようですが、決して手放しの楽観はしておりませんが、非常に悲観をする状態ではない。いわゆる気を配りながら前向きでいく状態であります。  しかし、いま言ったように節約できるものはできるだけ節約してもらう。輸入品の節約をお考え願っていけば、私はとにかく日本は非常に信用があるのだから——どれだけあったらいいか、昔から話がございます。日本の通貨ですよ、何ぼ使ってもいい、一円残っておる者は一番金持ちだ。——私はここで通用するとは思いませんが、二百三、四十億ドル輸出入のあるイギリスが二十八億ドルでございましょう。日本は百二十億ドルで十八億五千万ドル、それにいまの一億八千万ドルのIMFの出資がございます。大蔵大臣がいま初めて言われましたが、正貨準備ではございませんが、保有正貨は、まだかなりあるようでございます。それを言ってきますと、幾らあったらいいかという議論よりも、これを少なくならないようにすることが大事でございます。心配ないかといったら、気は配っておりますが、悲観はしておりません。前向きでいくべきです。それによって道路もたくさんできるし、いま出ておる新線も、前向きでいけば、相当できる。それは過去四年、五年の実績を見たら、東京の道やいなかの道が、あんになろうとは、十年前にだれが想像したでしょうか。やはり国民のたゆまざる努力によって、なし遂げておりますが、その国民のエネルギーと努力に道をつけていこうというのが所得倍増計画であります。これができたなら、御心配は要らないと私は思います。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 関連して。

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 木村君、簡単にお願いいたします。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 先ほど藤田君が外貨保有について質問をしたところ、大蔵大臣は、非常にわれわれ常識から考えれば、何か無責任なような御答弁ありました。ただいま総理大臣がやはり国際収支についての御答弁ありましたけれども、何か非常に無責任なような御答弁でありました。三十九年度の予算編成にあたって何を一番中心にして編成するか、われわれ伺ったときに、国際収支の問題が一番重要であると答弁したじゃございませんか。また、もう一つは物価の問題、その物価問題も国際収支との関連においてやはり考えなければなりません。常識からいって、国際収支そればかり心配して日本の経済伸びなくてはいけない、これは常識論であたりまえですよ。しかし、いま当面の日本の問題として、また、三十九年度のこの予算編成と関連して、国際収支の問題が集約的に一番大きな問題になっている。また、国際収支が悪くなり、外貨保有が少なくなれば成長の天井は低くなるわけです、そうでしょう。総理が多々ますます弁ずるで、どんどん成長を高めるというんなら、やはり外貨保有が少なくなったんでは天井が低くなるんですよ。国際収支が悪くなったら、どんな高度成長やろうと思ってもできない。三十六年度がいい例なんです。  そこで伺います。私は、前に大蔵委員会で企画庁長官に伺ったわけです、そういう観点から伺った。大体日本の外貨保有はどのくらいあればいいか伺った。衆議院の商工委員会で社会労の久保委員がこの質問をしておりまして、それに対して企画庁長官は、大体二十億ドルぐらいあればいいという答弁をした。しかし、それは久保委員から突っ込まれたから不用意に、あまり十分に検討せずに二十億ドルぐらい必要だと答弁したが、しかし、それは正確であった。しかし、だんだん私が質問したら、日本の成長の天井を高くするためには、少なくても十五か十六億ドルぐらいは最低として保有したいと、そういう御答弁があったわけです。大蔵大臣は、先ほど、心配なければ幾らでもいいんだ、十八億何千万でもみんな流動性があると言われた。しかし、みんな流動性があると、それは使い得るんですか、実際問題として。大体三億ドルぐらいが金、アメリカに七億ドルぐらい預金しています、あるいは、また、七億ドルぐらい証券を持っています、そんなに使えるみんな流動性があるんなら、三十六年のときにどうしてあんなに金利を払ってまで借金したんですか。流動性があれば使えたはずじゃありませんか。しかし、それはさっき申しましたように、企画庁長官が言われたように、国際的常識として、大体どのくらいということはめどがつかなきやならぬ。また、金融政策を考える場合にも、金融を引き締めていいのか、あるいはゆるめていいのか、それのメルクマールになるのは国際収支、あるいは外貨保有ですよ。ですから、藤田委員が聞いている大体のメルクマール、それがなければ、じゃあ金融政策をどうするか、財政規模をどうするか、財政政策をどうするか、メルクマールが出てこないじゃありませんか。大体常識としてこれを質問するのは当然じゃありませんか。それに対してあなたは、まるでそんなことは問題じゃないというように言っておるでしょう。国際流動性については、アメリカでも、全体のその国の対外的債権債務バランスによって考えるべきでしょう。大蔵大臣に伺います。いま日本の全体的な、総合的な対外的債権債務はどういう状態になっていますか、負債じゃありません。その点をひとつ伺ってこれはマイナスです、全体を総合してマイナスですよ、全体の民間のあれを全部含めて。ですから、そういう点からやはり総合的に考えるべきであって、先ほど何ですか、あるいは変なムードで、まるでかさにかかってきたように、お説教するような形で言っておられますけれども、そんな無責任な私は答弁じゃいけないと思うんですよ。もう少し、根拠のある、この三十九年度予算は国際収支が一番重要だと言ったじゃないですか、何も藤田委員がそんなこと知らないはずはありませんよ。国際収支をいま総理からお説教されるまでもなく、それだけにとらわれて議論しているのじゃないと思うのです。その点もう少し何といいますか、誠実にお答え願いたい、真剣に質問しているのですからね。いま全体的な対外的な債権債務のバランスと、それから、企画庁長官、大体日本としては十五、六億ドルくらい最低にして、そうしなければ天井が低くなる、成長率の。そういう点です。それから国際収支にきて、最後に総理が言われましたが、その点については、もう少し何というのですか、あまり大ざっぱでなく、もう少しきめこまかく御答弁していただきたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) もう木村さんの御議論を長いことずっと承っておりまして、非常に傾聴いたしておるわけであります。しかし、外貨保有が幾らであるかということは、これはあなたがいま言外に言われましたように、日本人も外国人もみんな知っておることなんです。でありますから、いやしくも国会で、一体何億ドルあればいいのかと、こういう御質問になると、結局私がお答えしたような答弁になるわけです。ところが、それをもとをどんどんと突っ込まれると、さっきお説ございましたが、経済企画庁長官の御発言のようになります。私も衆議院の予算委員会の分科会で同じ質問を三十分もいただきまして、ついに十四、五億ドルあればいいかもわかりませんが、しかし、それは議論の問題でありまして、いまのめどにして申し上げると、三十六年に引き締めをしましたときに、二十億ドルの外貨が十四億ドルに減った、引き締め政策をとりましたから。過去の例から言えばそういうことも言えますということを確かに、お答えをしたことがございますが、しかし、日本の外貨保有の問題に対して、外貨準備高の問題に対してさっき私が申し上げたように、外貨保有高と外貨準備高というものを混淆されて議論をされておることは事実であります。もう十八億ドルと言うけれども、十億ドルは両建てになっておるので全然使えないのだ、使えるのは八億ドルしかないのだと、こういう議論が横行しておることは悲しいことであります。私ははっきり申し上げて、十八億五千五百万ドルは流動性があるものであります。御承知のとおり、釈迦に説法ですから、私はあえて申し上げませんが、他の国はゴールド・トランシュ等は全部外貨準備高に入れておるのであります。日本はそれに入れておりません。ですから、外貨が三十六年当時五十億ドルないし五十五億ドル程度の輸出入を勘定としておったわけですから、三十九年度については六十二億ドルというふうに、輸出の額も上がっておりますので、その前提となる外貨準備高が多いにこしたことはない、まあだんだんと多くしなければいかぬ。ただ、日本の国力と国際信用力がだんだんついていきますと、自分の持っておる現金だけで支払うというのではなく、あの国にはこの程度の信用力があるのだ、まあ大体アメリカの三行でもって三億ドルや四億ドルというのは、いつでも電話かければ貸せる状態になっておることは御承知のとおりであります。IMFのスタンドバイは、三億五百万ドルはほとんど無条件に近い状態で借りられるということは、ほとんど世界周知であります。でありますから、こういうちょうどお互いが事業をしながら銀行から借り入れを持っておって、五十億ドルの預金があるけれども、両建てでもって六十億ドル借りているから、差し引きずればバランスの上では借り入れ金が十億ドル多いからこの会社は不健全だと、こうは言えないのであります。国際的に商売をしておる面において、お互いが信用があり外貨準備があり、いろいろな問題で決済に事欠かないということでありますから、あるにこしたことはありませんが、しかし、これは幾らなければという議論で問い詰めるべき問題ではないと、私ははっきり申し上げておきたいと思います。しかも、日本でもって、いやしくも国会で議論するのに、十八億五千五百万ドルありますといっても、そのうち十億ドルはもう拘束されているのだというようなことが、国際競争に耐えていかなければならない日本の状態として、一体外国に対して日本の利益になるのかならぬのか、こういう点もやはり私はお互いに十分慎重に配慮をすべきだと思うのであります。でありますから、さっきの御質問が——ただ、いつも御質問が衆参両院で出るような状態で、藤田委員も御質問になられたので、まあ数字をお示しすることはまことに無理でございますと、こういうことを申し上げたわけでありまして、まあ失礼なことばがあればおわびをいたします。しかし、私の真意は、そのように国際収支を軽んじておるものではない、こういうことだけは率直に申し上げておきます。  それから、外貨保有高と日本の総体の外貨のバランスを言えと、こういうことでありますが、これはまあ木村さん御専門で十分おわかりになっておるとおり、なかなか申し上げないことになっておるわけであります。これはすべてのバランスをとれば、確かにある意味においては借金のほうが、いまの時点で計算をすれば多いという場合もあったでありましょうし、ある時期には十億ドルも多かったという時期もあるのでありますし、まあこれは絶えず流動しておる問題であって、今日の時点で総体的なバランスが、総合収支において幾らであるということは申し上げられないと思います。まあ、これはひとつ事情は御了解いただけると思います。しかし、率直に申し上げて、外貨保有高というものに対しては、いつか衆議院の大蔵委員会で申し上げたことがあるかもわかりませんが、憂慮すべき状態には全然ない。私は、先ほど申し上げたとおり、外貨準備高の中に普通は加うべきゴールド・トランシェの一億八千万ドルも加えておりませんし、なお為替銀行等に一時貸し付けておる資金も相当量ありますし、普通国際的に明らかにする外貨準備高とすれば、相当程度の金額になるわけであります。そういうことも木村さん御存じのはずでありますから、まあここで申し上げないようにいたします。  それから、国際収支の問題に対する認識でありますが、これはもう開放経済に向かう場合、国をあげて国際収支に注視をしていただかなければならない。政府も、国際収支の改善、安定、拡大という問題に対しては、あらゆるものに優先をして施策を行なっておるということでありまして、総理の施政方針演説においても、私の財政演説のとびらにしておるのでありますから、これはもう木村さんと同じ考えに立っておるわけであります。  では、なぜこのように、国際収支の問題に対していろいろ議論があるのに、政府は率直にものを言わぬかというようなことを前提として言われておると思いますが、一面において外貨準備、外貨保有に対しては、日本が開放経済に向かって活動をしていけるという前提に立っておるという状態でものを考えるときに、ただ画一、一律的に引き締めることによって、物価も確かに下がるでありましょう。もちろんそれが輸出にはね返って、輸出も伸長するでありましょう。しかし、いまの日本の国情を見るときに、きのうの社会党の皆さんがお出しになったあの組みかえ動議案を見られても、日本のいまの国情を見るときには、遺憾ながら三兆二千億が大きいといった自民党内閣の出したものよりも、やはり三兆三千百億の、それぐらいの歳出要求があるのであります。それが実際の中小企業の問題、国際収支の不均衡の問題を十分比べながら、少しでも国内において引き締めよう、国際収支にあまり重点を置き過ぎるために、画一、一律的な引き締めをやることによって起こる生活の大きなしわが来ないようにバランスをとりながら、前向きな姿勢をとっていかなければならぬことは、これは私は、木村さんも御理解を賜われると思うのであります。そういう意味でいまの国際収支の問題を考えておるのでありますから、木村さん、総理も私も国際収支を全く考えていないなんという御感情を持たれないように、ひとつ御協力を賜わりたいということをお願い申し上げます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 総理は答弁はないんですか。

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 総理は、何も追加するところはないというお話でございます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 ちょっとあるんです、総理と企画庁長官に答弁していただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 来年度の輸入を六十二億ドルと見ておるわけでございますが、通関にいたしますと、おそらくこれが七十五、六億ドルになるだろうと思います。  そこで、各国でどのくらいの外貨を持っておるかということは、国によって違いますが、たとえばイギリス——先ほど総理が説明をしておられましたが、あるいはオランダなどは、平常輸入の大体二カ月分ぐらいの外貨を持っておるわけであります。西ドイツあるいはフランスが、半年以上持っております。西ドイツの場合には、少し持ち過ぎだという問題があるかもしれません。そういう外国の例もございますから、かりに二カ月ということを考えますと、明年度の場合にやはり十三、四億ドルということになるのじゃないか。しかし、私が申し上げましたのは、実はそのことよりはむしろ、外貨が二十億ドルぐらい常にございますと、過般総理大臣の施政方針演説にございましたように、経済引き締め基調に運営する必要があるといったような問題は概して起こりませんので、そのところを何億ドルか割ってまいりますと、やはり気をつけなければならぬ。国内にこれだけ生産設備がありながら、経済を引き締め基調に運営しなければならぬ、いわゆる天井が低いという問題に過去何回かぶつかっておるのでありますから、したがって、二十億ドルぐらいのものがあれば、もう少し楽な運営ができますし、民間の方々にも御迷惑をかけないで済む、こういうことをせんだって申し上げたわけでございます。私どもの悩みは、外貨が非常に低くなりましたら、皆さんにも気をつけていただけるわけでございますけれども、実際は、大蔵大臣のお話のように、利子がなくて、あるいは若干の利子を払えば外貨というものはふやし得る状態なので、ふやしますとまた、これならいいのじゃないかというような印象を与える、その辺が悩みのところでございます。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 外貨の問題は、大蔵大臣、経企庁長官が答えたとおりでございます。いま心配しておられるのは、十八億五千五百万ドルとか、あるいは二月に十八億を割るか割らぬかという問題ではないと思う。それはやはり十二月の見込み承認が九億六千万ドルばかりあります。一月も相当多い。これの決済期が、四、五、六に来るのでございます。そのときが私は心配だと思います。ことしは、前の三銀行から借りております二億は返しました。エキジムの九千万ドルも返してしまいまして、いまは十八億五千五百万ドル。十二月、一月のユーザンスが切れた四、五、六の手配をどうするかということが問題だと思います。  そこで、開放経済に向かいまして、IMF加入のときに、これは元服、成人と同じでございまして、いまのIMFのゴールド・トランシェ等を入れるとか、あるいは日本の円というものが国際的通貨になるから、ある程度ひとつ金を貸してやろうという人が多いのですから、いますぐ使わなくても、ひとつ借りておくか、こういう問題があるのです。だから、私はいままで、外貨危機というときにも、相当自信を持ってやって、半年、一年足らずですぐ切り抜けました。だから、気は配っておりますけれども、このごろ雑誌その他でいろんな学者が、もの知りの人が言っておられるようなことでなしに、私は地についた、個々の、どういう品物がいつ入ってくるか、こういうことを考えながら、外貨の問題を見ておるのであります。私は、またまかせてくれとは言いませんが、とにかく十分検討いたしまして、おくれないような手を打って、そうして国際信用の維持につとめております。だから、いま言ったように、利子平衡税の問題で非常に騒ぎ立てましたが、ことしの上半期には、やはりヨーロッパから一億ドル以上の分が入ってきます。去年アメリカから入ってきた上半期の一億九千万ドルにしようと思えば、できないことはございません。そういう状態でございますから、田中大蔵大臣が言っておるように、あまりに自分のところは貧乏で信用がないということを言わずに、これをどうやって直そうか、不必要な輸入はやめようじゃないか、もっと輸出をふやそうじゃないかということを、私はここで十分議論していただきたい。悲観は絶対にしておりません。前向きで自信を持って進んでおります。それだけ気を配って万全の措置を講じつつあることを、私は申し上げておきます。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 関連ですから、一つだけ。

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 簡単にしてください。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 簡単に一つだけ。私も、機械的に何億ドルでなければならぬということを質問しているわけじゃないのですよ。その国際収支が先行き心配ないときはいいわけです。先行き心配あるときは、相当多く持っていても心配なんです。ところが、日本の現在は国際収支が先行き心配なんです。特に貿易外収支については、海運等だんだん質問してまいりますと、運賃をとんとんにするために十年間くらいかかるというんですよ、十年くらい。非常に前と違った国際収支の赤字の問題が起きている。構造的な変化が出てきておる。それだからこそ問題になるので、それで大蔵大臣は、どうもそれに関連して、国際収支が悪いというと、日銀の公定歩合を上げろという議論が出てきて、それで大蔵大臣は上げたくないけれども、しかし、そういう議論に発展してくるどうも心配がある。非常に先を大蔵大臣は読んで、どうもぼくの質問がそれに関連しておるのじゃあいかと勘ぐったような御答弁がさっきありました。なるほど大蔵大臣はずいぶん先を読んでいると思いましたが、やはり私はそこまで機械的に幾らでなければならぬと言っておるわけではないんですよ。だから、国際収支の問題は先行きなんですよ。長期的に見て、いま非常に岐路に立っているわけです。そこで、その外貨保有はかりに多くったって、心配なんですよ、そういう場合には。その自信がないんですよ、だんだん質問をしてまいりますと。ことに貿易外収支については、海運収入なり港湾収入、いろいろ聞きましても、大体十年くらいかかるでしょう、とんとんにするために。いまそこに一番隘路があるんじゃないか、そういう意味で私は質問しているわけですよ。  どうも、さっきもお話ししているように、いままでは国際収支の問題が一番重要な問題で、三十九年度予算を編成するのに一番重大だと言いながら、国際収支はちっとも心配しなくていいような御答弁が、総理からも大蔵大臣からもありましたからそういう意味で質問します。公定歩合についてはどうお考えなんですか、最後にお伺いします。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 公定歩合は、日銀が中央銀行として諸般の情勢を十分見ながらやるのであって、私はいま関知しておりません。

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) もう時間が切れました。

藤田進日本社会党

○藤田進君 理事会の約束です。日銀だといって大蔵大臣逃げるだろうから、きょう日銀総裁も呼ぶということだったんですよ、理事会で。ところが、大蔵大臣がそう逃げないで、大蔵大臣は大蔵大臣の所管としての見識をお述べになるだろうということだったけれども、案の定あなた逃げたわけだが、要するに質疑者の時間が五分、三分となれば、もうあなた言い逃げですよ。輸入については品目別に指摘したらどうか、こういう議論もあった。みんな国際収支のデータ持ってきておる。あなた自身が自己矛盾を感じておる。危機感を訴えれば、問題じゃないと。総理は、幾ら使っても最後に一円残ればそれでいいんだと言ったり、かといって、あなたは国際収支にフォーカスを合わすんだという意味のことを言っておられるわけで、引き続き質疑が続けられ、なお一般質問等もありますから、その際私は時間の許される限り追及いたしたいと思います。  なお、各所管大臣に、事前に質疑内容、趣旨を通告いたしましたように、用意いたしておりましたが、残念ながら時間がございませんので、質疑を展開することができません。御苦労さまでした。  私は終わります。

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 藤田君の質疑は、建設大臣の答弁を残して終了いたしたものと認めます。  暫時休憩いたします。    午後一時二十四分休憩      —————・—————    午後二時三十六分開会

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 再開いたします。  質疑を継続いたします。午前の藤田君の質問に対する河野建設大臣の答弁を求めます。

河野一郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) たいへん御迷惑をかけまして相済みません。  午前中お尋ねになりました第一点は、各省に公共投資で分散化されておりますものをまとめて、これらの振興策を講ずることに相なっておるのでございまして、特定の財源の裏づけが別にこのために設ける段階に至っておりません。  第二の道路のほうでございますが、新五カ年計画によりまして、縦貫道路もしくは道路公団によりまするものは、おおむね現に手をつけておりまするもののほかに、残余千数百億、実はあるのでございます。で、これを引き当てて、東北、中国、九州、これらにどう振り当てるようにするか、これを一カ所にまとめてやるか、分散してやるかという問題でございますが、私といたしましては、それぞれ緊急の度合いが生じてくると思いますので、東北につきましても一部着手をし、さらに中国につきましても一部着手する、九州についても一部着手するということに、五カ年計画において着手することになると思います。ただし、大蔵当局ともお話し合いをして大体御了解を得ておるのでございますが、この四兆一千億という五カ年計画は、当面いたしまする財政事情からして非常に詰めて考えております。たとえば、大方の御議論にもありますとおりに、道路公債の発行の有無というようなものにつきましても、さしあたり適当でないということで、私どももさよう考えまして道路公債の発行はいたしておりませんけれども、将来道路公債等によって事業をすることは、適当な時期に達しますれば、この五年を待たずしてあらためて改定をいたしまして、そしてこれらの道路についてすみやかにこれが完成を期する所存でございます。     —————————————

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 高橋進太郎君。

高橋進太郎自由民主党

○高橋進太郎君 二月十九日の毎日新聞に、「日本に再び「大胆不敵賞」」と、こういう見出しで、英国のフィナンシャル・タイムスに「このほど恒例の一九六三年度国際経済オスカー賞を発表した。そのなかでわが国に対し、六二年に続いて再度「敢闘賞」が与えられた」、その理由は、「「もっとも果敢な経済運営の手腕」ということで、深刻な景気過熱を脱出してからわずか十二カ月の間に工業生産を一五パーセント上昇させた早わざと執念が買われた」といって報じておるのであります。いずれにせよ、池田内閣が成立以来三カ年、わが国経済が目ざましい発展を遂げ、世界の注目の的となり、またわが国の国際的地位も向上し、国民生活も一段と前進してまいりましたことは否定できないと思うのであります。このことは歴史の流れにおいて正しく評価されることと思いますので、したがって私は、ここで経済成長を問題にしようとしておるのではございません。ただ、総理も就任当初より、経済の成長を通じて、総理の言われる好意ある国民の所得倍増を約束しておられるのでございまするから、この観点に立って、ともすればおくれがちの農業の問題と中小企業の問題に対する政府の施策についてお伺いいたしたいと思うのであります。  農業につきましては、日本の農業年鑑によりますると、一九五八年から六〇年の三カ年間の一日当たりの農家労働報酬別の作物表によりますると、米、ミカン、アズキが一日千円、リンゴ、鶏卵、大豆が八百円、なたね、てん菜、トマト、ネギ、八百円から六百円、サツマイモが六百円から四百円、豚、牛、ダイコン、四百円から二百円、大豆、小麦、牛乳は二百円、こういう数字がございます。また、同じような農林省の調べで、野菜、畜産の生産者の価格と小売価格、一九六〇年の調べを見ますると、ナスが、その生産価格と小売価格で、約小売価格が三倍、キュウリが二倍、豚が三倍、鶏卵は一・二倍、こういう数字に相なっておるのであります。いかに農産物の価格が不均衡と不安定であり、かつ流通過程において問題があるかということを如実に示しておるところの数字と存ずるのでございます。なるほど米作については、食管制度のため安定したような形とはなっておりますが、しかし、私の郷里宮城県の例で申し上げますと、県平均の米作地の経営面積は一戸平均八反歩であります。しかも、五反歩未満のものがその六割でございます。五反歩というと、反当たり二石二斗といたしましても約十一石、飯米五石を差し引きますれば、売り渡し米はわずか六石にすぎません。幾ら米価が一石千円程度の値上がりをしても、わずか年五、六千円程度の増額ではなかなか生活は楽にならぬのであります。しかも、寒冷単作地帯であって、したがって、米の価格操作ではこうした零細農家は救われないのであります。食管制度は、申し上げるまでもなく、元来戦時並びに終戦直後、国民の食糧の確保という点に主点が置かれた制度でございます。いまや農業は日本経済の成長の過程においてその近代化が進められ、いわゆる十八世紀の産業革命に準じて農業革命の脚光を浴びてきておるものと思うのであります。総理が、農業は国民の苗しろであり、革命的な施策を行なうと言っておられますが、施策が革命的であるのではなくて、農業がいま革命的転換期にあって、したがって、その施策がこれにふさわしいものであれば、すなわち革命的施策になると思うのであります。したがって、いまや食管制度のみでは農村は救われないし、また、農業の近代化、農家経済の豊かさのためには、もう一度食管制度を再検討いたし、根本的に農家経済の向上と安定の配慮が必要でなかろうかと思うのであります。言いかえるならば、主要作物の価格安定のために、この際、総合的な制度が必要でないかと思うのであります。いつまでも豚肉が高い。養豚すればまた安くなる。子豚の価格さえも取れないというような状態。あるいは野菜が高い。高騰して消費物価がはね上がる。今度は天気がよくて野菜は暴落で、肥料代も償われない。いつまでもこんな状態では、農家はどこで何をしたらよいのかわからない状態であって、自由経済という波の間に間に没落していくだけであると思うのであります。たとえば野菜について申し上げますれば、私は戦前綿花を北支那で栽培奨励した経験がございますが、綿は御承知のとおり世界価格の変動が多くて、しかしながら、その価格変動を安定させるために、日本綿業の原料確保と、綿花栽培の安定のために、長期にわたって契約栽培をして、安心して農民が綿花を栽培し得るように措置いたしたことがございます。東京のような消費の大都市では、ある程度東京都が都民の生活を確保するために、野菜については契約栽培を結んで、安心して安定した価格で供給する農家やあるいは農業団体を確保し、また、需要者である都民も安心して食生活が確保できるようにする道はないのでありましょうか。同じことは、学校給食の場合にとり上げたなま牛乳についても同じことが言えると思うのであります。要は、従来の農業があまりにも米作偏重であり、しかも、米だけの農政の感があると思うのでございまするが、この際、政府においては食管制度を再検討し、農業基本法の趣旨に基づいて、農家経済の安定の観点から、主要農産物の価格安定制度に切りかえ、根本的にこれが施策を検討する用意があるかどうか、総理並びに農林大臣にお伺いいたしたいと思うのであります。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 農産物が生産者と消費者との間に非常に価格の差がある、また安定していないということは御指摘のとおりでございます。したがいまして、価格制度の面から、いまの食管制度あるいは繭糸価の安定価格制度、あるいはまた最近におきましては、畜産物あるいは野菜等につきましても、価格の安定制度を設けておりますが、十分にその機能を発揮しているとは私も考えておりません。そこで、食管制度を改正するかどうかという御意見は、食管制度を含めて、全体にわたっての総合的価格政策を再検討してみたらどうかと、こういう御意見かと思います。食管制度一つだけをとってみますると、食管制度の発足当時は米を集荷するという目的でございましたが、現在におきましては、生産者に対する価格支持制度であり、消費者につきましては、消費者の家庭の安定を保護していこうという制度に変わっておりますので、その制度そのものは私はいい制度であると、こう考えます。ただし、食管制度につきましても、三、四年前あたりから相当食糧事情がよかったものですから、これを統制からはずしていこうという意見もないわけではございません。いろいろ検討いたしましたが、結論はなかなか出ません。ことに、最近におきましては、需給関係等の長期見通しから見ましても、そう簡単にこれをはずしていくということには問題があろうかと考えております。しかし、全体として価格制度、価格支持制度、こういうものを再検討して前進させたい、こういう御意見には賛成でございます。ことに、野菜等につきまして、相当、生産者あるいは農協等と契約栽培的な方向に持っていくべきじゃないか。私もこれは進めております。指定栽培制度もございますけれども、やはりひとつの計画性を持った契約栽培的なものにして、そうして、ある程度以下に価格が下がった場合には——価格が上がったときの金をたくわえておいて、そうして価格が下がった場合にそれで補っていく、こういう制度を農協等でもやっておりまするし、また、こういうものを野菜の一、二につきましてはやっておりますが、なお、契約栽培的なものに持っていく、こういうことはぜひ進めていきたい、こういうふうに考えております。  その他、畜産物の価格安定等につきましても、思うようでございません。機動的でない、こういう面もあります。資金面が十分でないという面もございます。こういう点も改良を加えて、その目的に沿うようなことになおなお進めていかなければならないというような問題が相当あると思います。いろいろな面から価格制度を再検討して強化していかなければならない、こういうふうに考えております。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 大体農林大臣がお答えになったとおりでございますが、食管制度につきましては、私は、これは総理として答えるということになるとあれでございますが、個人の意見を相当入れて、私の気持ちを申し上げてみたいと思います。  食管制度を——私は、米の問題はやっぱりこれで続けていかなければならない。しかし、麦なんかについては、もうこれはやめるべきじゃないかという気持ちがあります。私は、今の小麦が一貫目当たり二百円というと、小麦自体を日本でつくることが、もうこれは適正でない。また、小麦が日本に合う合わぬの問題ではなしに、もう耕作者の気持ち、その他が変わってきているのではないか。大麦しかり。それよりも、やはり、都会地付近は野菜をつくるのがほんとうじゃないか。しかし、農民の方々も、ぼくは、農林省をどうこう言うわけではございませんが、ある程度マンネリズムになっているきらいがあるのではないかと思う。  それから野菜の点につきまして、いま農林大臣が言っているように、初めは、タマネギについて契約栽培ということで価格維持をやった。昨年からキャベツ、白菜をやった。そういうものにつきましても、価格支持政策、こういうふうにやっていくべきであろう。やっぱり、流通もそういうふうに考えておる。しかし、酪農なんかにいたしましても、私は、東北で国有林の払い下げと、こう言っておりましたが、豪州ではそうではございませんが、ニュージーランドに参りますと、日本の山や東北の山なんかよりももっと急な山の上まで草地にしておるわけであります。私は向こうに参りまして、羊は、あのときは一エーカー五匹でやっている。一エーカー五匹、一ヘクタール十匹であります。日本は人間が一ヘクタール五人。こういう状態でございますから、もう根本的に農業の改善をやらなければいかぬ。そうして、いまの私らの一番心配しているのは、飼料の輸入が非常に多い。これはやっぱり草地にして、トウモロコシなんかではなしに、家畜、ことに牛なんかには、草を食わさなければいかぬ。こういうふうに、もっと農業の根本的改善ということになれば、私の言う革新的改革ということになれば、もう気がまえから変えていかなければならぬ。とにかく私は三年前に、農民は一分の一になると言った。池田首切りだと、こういう考え方ではだめです。私は農業はしろうとでございますが、当然そういう道を歩まなければいかぬ。ニュージーランドの羊二匹と日本の人間一人ということでは比較にならぬ。日本でやれないかといえば、やればできる。ニュージーランドの比じゃございません。高橋さんのお国の東北全体なんかで、私は、ニュージーランドのみな山を草地にしておることを思えば、宮城県は全部できる。蔵王までできると言っていいくらいじゃないかと思う状況でございます。  酪農の問題、養豚の問題につきましても、これは価格政策をやらなければいけませんが、私は常に、これは農林省の人にしかられるかわかりませんが、豚の値が上がったから、高くなったからすぐこれから輸入しょう、それより、上がる前に輸入しておいて、不当な上がり方を押えると同時に、下がるときにはもっとうんと買い入れておく。しかし、これがやっぱり時期的にずれます。消費者からうんと文句を言われる。私は、ふだん少し入れておいたらどうかと、こう申しますと、法制上ちょっとむずかしいようでありますが、いまのところは。そういうふうにもつとお役所も農民の方々も、そうしてまた一般消費者も、もっと農業に関心を持ってもらいたいという気持ちを持っておるのでございます。  食管制度で改革すべきものは、米はしかたがない。その他のものにつきましては、やっぱり自由主義経済の立場でやっていく。私は、米はもちろん商品でございますが、これは絶対的なものです。大麦、小麦というものは、商品である野菜と同じような取り扱いでいくべきだ、こう考えておるのであります。そういう点におきましての食管制度の改正は、しかし個人のことですから、総理大臣が食管制度を改正しろということではなしに、政治を行なう上の総理としての心がまえ——具体的な問題はここで取り消してもいいですが、心がまえ、そういう心がまえを言っておるのでございます。御了承願いたいと思います。

高橋進太郎自由民主党

○高橋進太郎君 それに関連して農林大臣にこの機会にお伺いいたしたいのは、最近農林大臣の談話として、消費者米価を生産者米価にスライドさせるというようなことが報ぜられて、相当議論があるようでありますが、御承知のとおり、現在の生産者米価には、相当な行政諸費がかさ高に含まれておるので、したがって、こういうものまでも米価をそのまま消費者米価にスライドさせるということは、これは適当ではないのではないかという気がするのでございますが、新聞の傳うるところでございますので、この機会に、こういう点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。  なおまた、最近ではやみ米が値上がりしておるような若干状況から、端境期の米の不足を心配する向きがあるのでありますが、今後の食糧事情等につきまして、この機会にお伺いいたしたいと存じます。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 生産者米価と消費者米価の決定の方法でございますが、御承知のように、生産者米価は、生産者所得補償方式という形の方程式を当てはめて決定しております。消費者米価は、家計の安定をそこなわないように、こういうことできまっております。それぞれのその立場立場からのきめ方でございますが、その間に深い関連があるといえばある。しかし、ないといえばないような形で、しかし、価格の決定方法に、コスト価格というものがありまして、生産者価格からどのくらいのコストがかかって、それが一般小売り価格といいますか、消費者価格というような価格の決定のしかたがございます。米の場合は、そういうコスト価格じゃなくて、政策的な観点から生産者米価がきまることになっております。しかし、その間に、いまの行政諸費等は別にいたしましても、何か生産者米価と消費者米価との間に関連というものといいますか、消費者米価をきめる場合の要素として、ファクターとしての生産者米価がこれくらい上がったら、消費者米価がそのうち幾ぶんかは負担していいのじゃないか。政府が負担するものと消費者が負担するものというような区別がないものだろうか。実は四、五年前に、食糧管理特別会計のどんぶり勘定をいろいろな勘定に分けたときも、そういう検討をいたしたことがあります。そういうことで、そういう関連というものがあるならば、関連を持ったような形で、生産者米価をきめたときに、消費者米価というものもひとっきめておいたほうがいいのじゃないか、こういう考え方を実は言ったことがございます。しかしこれは、ことしは御承知のように、そういう関連性あるなし、いずれもそういうことは抜きにして、消費者米価に上げない、こういうことにしておりますから、その関連性の問題と、消費者米価を上げないという問題と、はっきり分けて申し上げたいと思うのでございますが、研究だけはしてみたらどうだ、こういうことで事務当局にそういう研究を命じておりますが、別にいま結論が出ておるわけではございません。  それからもう一つは、食糧事情でございますが、御承知のように、昨年は非常に初めのうちは気候が、天候が悪うございました。途中から回復いたしまして、結果においては、三番目の豊作ということになっておりますが、一昨年から昨年では百三十万石ぐらい減収だと思います。ところが一面におきまして、政府の買い入れ米といいますか、政府へ売り渡す米の量は、一昨年より、昨年から今年にかけて七十万石ぐらい多くなっております。でありますから、政府の握っている米というものは、一昨年より多いわけでございます。ところが、一昨年あるいは昨年の端境期等におきまして、新米の食い込みといいますか、新米を早く食い込んでおります。そういう関係で、全体といたしましては、食糧事情は必ずしもいいというわけではございません。一昨年より、昨年よりことしの食糧事情はよくありません。したがって、農家でいえば、保有米が少なくなっている、全体的にいえば、やみに流れる米が少なくなっている、こういうことだと思います。政府へ売り渡した米が非常に多いのでございますから、逆に保有あるいは横に流れる米が少なくなる、その方面が少し高くなっている、こういう傾向だと思います。そして、来年の端境期ごろの計算をいまいたしておりますが、端境期の保有といいますか、繰り越し米がいささかとんとんといいますか、去年は五万トンぐらいでございましたが、その後それくらいより少し少なくなるのじゃないか、こういう見通しでございます。そういう見通しでございますので、いままでも輸入の方面の手当は相当したのでございますけれども、幾ぶん輸入を増さなければならぬじゃないか。配給のほうが御承知のように十キロ配給になっていますが、実際には七キロか六キロ幾らでございますが、これを十キロ全部要求する、あるいは業務のほうで相当要求するということになりますと、相当窮屈になります。しかし、従来の実績のような配給でいくということになれば、心配するようなことはございませんけれども、いろいろな点を考えまして、十分の措置をとっていくという方途を講じておる次第でございます。

高橋進太郎自由民主党

○高橋進太郎君 次に、農地の問題、農地制度の問題についてお伺いをいたしたいと思います。これまた、一九六一年の農林省の農家経済調査を見ますると、反当及び一時間当たりの収益表に関する調査の中で、三反歩以下で一時間七十六円、五反歩では七十八円、一町歩では九十一円、一町五反では九十四円、二町歩では百十二円、二町歩以上では百四十円というような数字が出ておるのであります。言いかえるならば、幾ら働いても、五反歩以下では、二町歩程度の耕地所有者の半分にもその労働価値がならないということを物語っておる数字だと思うのであります。しかも、わが国では五反歩以下の農家が半数近く占めておる現状であり、このごろでは、御承知のとおり、田植えでも収穫でも、ほとんど共同作業で、しかも、じいちゃん、ばあちゃん、かあちゃんという、いわゆる三ちゃん農業のような形であります。幾ら農業の近代化を叫んでも、身動きもできないような家内農業の中では、機械を持ち込んでも、なかなか生産性を向上させるということは望めないと思うのであります。どうしても耕地が適正規模であることが、農業の近代化の私は前提でなかろうかと思うのであります。この意味で、最もこれをはばんでおるものが、私は農地法でないかと思うのであります。私が申し上げるまでもなく、従来の地主耕作を廃止して、働く者の耕作権を確立してやるということは、あの終戦当時、日本経済の立ち直りのために、また、食糧の増産のためにも、農家経済の安定のためにも、全く必要であって、その意味で、地主から耕作者を解放し、いわゆる寄生的な地主を排除するという意味で、農地法の歴史的意義は、高く私は評価されるべきものと思いますが、しかし、いまや農業の近代化という焦点に合わせて、もう一度これを見直す必要はないでありましょうか。たとえば請負小作の問題でも、あるいは農地の信託制度でも、あるいは小作料の適正価格の問題でも、あるいは耕作規模の問題、あるいはまた耕作者が安心して協業し得るような協業のしかたに対する法的な保護の問題等、幾多の問題を現在の農地法ははらんでおると思うのであります。こういう意味で、私はもう一度農地法というものが再検討されるべき時期でなかろうかと思うのでございますが、総理並びに農林大臣の御所見をお伺いしたい。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 確かにお話のとおり、いまの農地制度は、農地法は農地法として非常な存在理由があったと思います。ことに、地主と小作人というふうな関係から、耕作者を保護していこうということで相当効果はあり、存在理由はあったと思います。しかし、いま地主の復活というようなことは考えられるものではございません。考えても、これは存在理由がないと思います。そういう意味から考えまするならば、やはり耕作者が適正な経営面積を持って、企業的な農業をやれるというような面に力を入れていくのが農地法としてのあり方だと思います。そういう意味におきまして、三十七年でございましたか、農地の農協による信託制度あるいは農業生産法人の制度、あるいは農地の経営面積の上限を撤廃して経営面積が幾ら大きくなってもよろしいというようなことにいたしましたけれども、そのとおりに効果が進んでおるとは私も見ておりません。しかし、一方においては、農地取得の資金等も相当増して、経営面積を広げていくようにと、こういうことにいたしておりますが、他方、御承知のように、兼業農家が非常にふえてきております。そういう面から考えましても、一面においては、農家らしい農家ということには、どうしても経営面積が相当あって、その基盤の上に立ってやっていかなくちゃなりません。一面においては、兼業農家等におきまして、雇用を先に安定して、雇用に入れる制度が必要であると同時に、一面におきましては、農家として、共同作業といいますか、そういう方面に共同してやっていくという道を相当進めて、強化していかなければならぬ、こういう面を持っておると思います。そういう面から、いまの農地法におきましても、御指摘のようないろいろな問題があります。でありますので、そういう面によって、経営面積を広げるということが一つでございます。そういうものを拡大する。もう一つは賃貸借といいますか、いまの請負農業というようなものも各地であります。あるいは農業法人なんかの問題もありまするし、信託の問題もあります。そういう面からは、賃貸借の面で、貸した、借りたという面から共同による経営面積を広げていく、こういうような面があろうと思います。そういう両面から、農地法につきましてさらに検討を加える必要があるのじゃないか。あるいは農地の転換等の問題、耕地の転換等の問題、いろいろな面がございますので、実はこの面もさらに検討を進めて、結論を得ましたならば、私はこの問題を提案してみたい、こういうように目下研究を続けておる最中でございます。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 農林大臣が答えたとおりでございます。  どうも私は不思議なんですが、いろいろな統計を見ますと、農村の機械化というので、耕うん機でございますが、昭和三十一年には百戸について一・五ぐらい、三十四年には百戸について七戸ぐらい耕うん機を持っている。三十七年では百戸について二十八戸持っている。農地がそれだけ一緒にならずに、あの耕うん機を持たなければお嫁さんが来ないので、百戸に二十八戸も持っている。どうやっていっておられるのか、もうここがいまのひずみでございますね。だんだんこれから農民の方々がわかってこられる。しかし、いま農林大臣の言われたように、戦後におきまして、急な経済発展、経済の拡大、人手不足ということになりますと、農家がやっぱり、イギリスとか、フランス、アメリカの昔のような状態で、一ぺんにいわゆる専業農家になり、一度に他の産業につきっきりというわけにいかぬ。で、やはり日本は、西ドイツと同じように、いま兼業農家の過程をとっておるわけで、私は五年なり七年なりはやむを得ない。農民が半分近く減るときにも、農家というものをどう見るかという——いま相当数にのぼる農民の方が、千二百七、八十万人、こういっておりますが、これは専業農家じゃないのですな。農民じゃないのです。一年に五十時間ぐらいでしたか、一週間に一時間農業を、クワ持てば、それは農民ということになっております。こういう数字でまいりますと、ほんとうの農家というのは非常に少ない。農業に従事している人は少ない。だから、私はドイツと日本は同じ過程をとって歩くと思います。で、私は三、四年前も、ドイツの日曜農家——日曜だけ農民になるということを、一つの民族の苗しろからいって排斥するものでない。だから、兼業農家を許さぬという考えはいかがなものかと思います。これはドイツはちょうどそういう例であります。しかし、いつまでもこういう変態的なものは、一部が変態的であって、実際は専業と非農家ともう分かれなくちゃいかぬ。しかしその間に兼業農家の存在も認める、しかし兼業農家はあくまでも変態的である、こういう農業の姿にしなければならぬ。それには、いまお話しのとおり、大規模経営で百軒に二十八軒持っておる耕うん機がその能力を発揮するように、五畝とか一反以下では機械をやったって非常に非能率でございます。進んでいわゆる農地の合併、経営規模の拡大がぜひ必要なことだと思っておるのであります。

高橋進太郎自由民主党

○高橋進太郎君 ただいま総理のお言葉の中に、日曜農家あるいは兼業農家のことでばがございましたが、私は農業問題解決のためにどうしても見のがせないのは地域開発の問題でなかろうかと思うのであります。最近地域開発調査会が意見を発表いたしましたが、それによりますと、年々東北地方から東京を中心にして流入してまいります人口が約百二十万程度で、これが食いとめのためにはどうしてもそれらの地方に一つのセンターを設けて東京のマンモス都市化を防がなければならぬというような結論を言っておるのであります。私は、こういう大都市のマンモス化という観点ではなくて、むしろ日本の農業問題の解決あるいは農家経済の安定という問題及び農民の所得格差の解消というためには、どうしてもこの地域開発というものが真剣に国の施策として取り組まれて初めて一つの農業問題に対する解決のかぎを与えるものと思うのですが、総理並びに経企長官の御所見を承りたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) お話のとおりで、そういうことがございますから、新産業都市を設けまして、東北にも三カ所設ける、また九州にも設けたのでございます。それで、関西、たとえば中国、四国、九州——いかにもこれは発展するようでございますが、せんだってちょっと聞きましたところ、中国、四国、九州で人口のふえる県はそう産業県とも言われておりません広島県だけで、あと福岡県をはじめとして全部人口が減っておる、こういうことを私は聞きましたが、何も広島が私のくにで人口がふえておるといばるわけではございませんが、産業都市でない広島がそうです。そうして福岡なんかは減っておる。これはやっぱり何としても考えなければならぬ問題でございますので、九州にも三カ所、東北にも三ヵ所、こういうふうに設けまして、徐々に、東京、大阪に集まることなしに、中国、東北でもほんとうにりっぱな百万都市をつくる、そうして農民の就業の機会と作物のいわゆる効率的利用ということを考えなければならぬと思っております。

高橋進太郎自由民主党

○高橋進太郎君 大体総理の地域開発に対する御所見を伺いましたので、これ以上経企長官からお伺いする必要がございませんので、次に中小企業の問題についてお伺いをしてみたいと思うのであります。  私が申し上げるまでもなく、中小企業者が二千万に近いところの人々であって、わが国の就業人口の約四割を占めておるという、文字どおりわが国経済の原動力であります。ところが、経済成長の過程においてどうしても取り組まなければならぬ中小企業の最も重要な課題であったにかかわらず、最近まではどうもこの問題に対する施策が薄かったのではなかろうかと思うのであります。と申しますのは、通産省におきましても、初めて中小企業に関する年次報告がこの議会に提出され、相当この報告書の中でわれわれも中小企業の実態を究明し得るような状況でございまして、したがって、この際、中小企業のこの通産省の報告に基づきまして、二、三お伺いをいたしてみたいと思うのであります。  そこでまず、中小企業で一番の大きな課題は、何といっても中小企業者に対する金融の問題であると思うのであります。私が一口に中小企業と、こう申し上げましても、企業以前のいわゆる零細企業、いな生業とも言うべき部門から、中企業のようにもう大企業に準じておるところの業種までありますから、一がいにこれの対策を論及するということはなかなかむずかしいと思うのでございますが、今年度も中小企業につきましては政府におきましても相当留意せられて、財政投融資その他においても相当の予算を盛られましたが、まだまだこれは二階から目薬の感があるのじゃなかろうかと思うのであります。特に、この報告書でも指摘しておりまするように、金融引き締めの結果、手形の決済が非常に延びたということであります。昭和三十六年には、六十日から九十日のものが六割、九十日から百二十日のものが二割という状態であったのが、三十八年度では、六十日から九十日のものが二割に減じ、九十日から百二十日のものが四割に増加し、従来ほとんど見なかった百五十日のものが二割以上も占め、中にはいわゆる二百日の台風手形であるとか十カ月のお産手形というようなものまで飛び出してきて、はたしてこれらは手形と言えるのか借用証文というのかちょっとわからないようなものまで出てきておるということでございまして、したがって、手形割引という面だけでも中小企業へ相当な金融負担がかかっておるのであります。しかも、大企業とその下請及びあるいは下請に準ずるところのそれらの中小企業者の関係を見ますると、私の知っているだけでも、たとえば日本においても最も大きい企業者で世界的にも名の知れておるところの企業者が、わずか百万円足らずの金を、これがその下請あるいは下請に準ずるものに対するそれの支払いが一カ月一万円、こういうことになりますと、約八十万円程度のものを八十カ月かかって支払う、こういうような状況でございまして、これは一つの例でございますが、私はおそらくこうした例が方々にあるのではなかろうかと思うのであります。どうも企業界というものは強い者勝ちと、こういうような従来の考え方では、なかなか日本経済というものが健全なる発達がなし得ないのではなかろうか。いろいろ通産省におきましてもそうした下請に対する支払い条件やその他について配慮をせられておると思いますが、何せ中小企業というものは弱く、しかも後難をおそれてそれを役所にも言えないし、また自分でがまんする、そういうような無理がきていろいろな問題を惹起すると思うのであります。したがって、私は、どうしてもこれは大企業者側が企業的にも強いのでありますから、中小企業に対しては、いわゆる戦国時代ではなくて、ともに相助け、育成していくというような、ドイツあたりで見られるような、大企業は大企業としての部門を守り、中小企業も十分立っていくような大企業者側からの配慮というものが十分必要でなかろうかと思うのであります。この点は先般通産省でもいろいろと行政的な配慮をせられておるのでございますが、これらの点についての通産大臣の御所見をひとつ伺ってみたいと思うのであります。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) お説のとおり、手形の支払い期間というものは相当一両年の間に延びてまいりまして、百五十日以上の手形というようなものも最近は相当ふえており、二割前後になっておるという総計も出ておるのであります。そこで、私たちといたしましては、こういうような信用膨張によりまして仕事を大企業がする、そうしてそのしわ寄せを中小企業が受けておるという姿では、今後ますます中小企業は大企業の圧迫を受けるような形になりはしないかということを非常に心配をいたしまして、実はこの一カ月間ぐらいの間に、大企業と中小企業との間、おもなる、特にたとえば富士鉄とか八幡とか東芝とか日立とかいうような一流会社について一応調べてみたが、こういう一流会社はさすがに、支払い手形遅延等防止法の精神を守りまして、多くは納品をいたしましてから六十日以内には——比率はずいぶん違いますけれども、現金あるいは手形を支払っております。そうしてその手形はいずれも割引きがされておるのでありますが、ところが実際は、そういうような大企業におきましても、いわゆる中小企業でない資本金五千万円以上のような会社に対して支払う場合には、かなり長期的な手形が行なわれておる実情があるようであります。これは調査がまだ行き届いておりませんが、いずれにいたしましても、中小企業といっても、先ほど高橋さんがお話しになりましたとおり、非常に上から下までの間には差があるのでありまして、しかも、下請企業といっても、大企業からその次の企業、その次の大きな規模の企業から次の企業、それから中小企業までいくうちには二、三段階ある場合もあり、それぞれの形においてもいろいろの問題がここに出てきておるというような実情であります。そこで、こういうようなことでございまして、支払い手形遅延等防止法のこの精神を十分に生かすということがまだ行なわれておらない実情にかんがみまして、今回公正取引委員会と協議した上で、大体私たちといたしましては、百五十日以上の手形を出しているようなところは——百五十日以上の手形というとなかなか銀行でも割引かないというような状況にもありますので、ここら辺を一応めどにいたしまして、大体そういうような手形を出しているかどうかというようなことの調査を、親会社——今度は下請だけではございません、親会社全部、親会社といいましてもまあそうたくさん全部にはなりませんが、約二千から二千五、六百に関するものについてはこれを全部報告をさせる、また、それの関連の下請等についてもこれを報告させるということをいたしまして、そうしてその会社が百五十日以上の手形を支払っているような場合、しかもその手形が割引かれておらないような実情があった場合には、われわれといたしましては、いろいろの行政指導もするし、何らかのそれに対して警告なり、あるいは何らかの、場合によってはさような必要なものであれば、大蔵省に対し、銀行等に対して融資等の手続をとる必要もあるかと思います。もしそういうことでこれをつぶしてしまったのでは、下請企業がそのためにまた参ってしまう、こういうことになりますから、ここら辺を十分腹の中に入れながら、百五十日以上というような手形は順次なくしていく、そうしてこれをせいぜい九十日ぐらいまで順次持っていくようにしよう、こういう考え方のもとに、公正取引委員会といま協議するというか、相談をいたしまして、下にずっと指令を流したという段階になっておるわけであります。こういうようなわけでありまして、私たちとしては、この種のやり方によって順次長期の、いわゆるお産手形だとか、あるいは台風手形というようなものが解消するように指導をいたしてまいりたい。これはどうしてかといいますと、急に一ぺんに収縮いたしますと、窓口規制でやりながらまた一ぺんに中堅企業に対して非常な金融上の収縮作用を起こさせるということの経済に与える影響等も考えながも順次これをやってまいる。将来も、場合によっては、私は下請代金支払遅延等防止法というものも改正するというようなことも考慮いたさねばならないかと、こういうふうに考えておるようなわけでありまして、そういうような意味で、万遺漏なき施策を今後とってまいりたい、かように考えておるところであります。

高橋進太郎自由民主党

○高橋進太郎君 ただいまは大企業に対する関係を申し上げましたが、次には、金融機関に対する関係について大蔵大臣にお伺いしたいと思うのです。  これも、先ほどの報告書にもありましたとおり、中小企業が大企業に対してその金利負担が四%程度高く、一三から一四%という非常な金利負担をして株式の平均配当をはかるに越えているというような状態でございます。かつまた、やはりその報告書に見ますると、中小企業の預金率が大企業の倍以上も多いという、これは明かに、大企業に比して中小企業がいわゆる歩積み両建て制をしいられているということの証左であると思うのであります。大蔵大臣は、たびたび新聞等で見ますと、両建て歩積み解消のために非常な熱意を持って当たっておられるのでありますが、いわゆる開放経済、国際経済に乗り出すためには、日本のこうした高金利政策というものでは、なかなか国際経済力というものはつかないのでありまして、こうした開放経済に進む意味からも、私はやはり低金利政策というものを推進していくということが一つの日本経済の目安でなかろうかと思うのであります。そういう意味から、私は特に都市銀行の貸し出しの比率を見ますると、これまた大企業偏重であって、中小企業に対する貸し出しは年々減ってきておる、こういうような、先ほど申し上げました大企業の場合と同じように、金融機関もやはり愛情を持って日本経済をともに育てていく、そうして企業的に弱い中小企業に愛情を持って育てていくということが私は肝要であると思うのでございますが、これらに対する大蔵大臣の御見解をひとつお伺いしたいと思うのであります。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 御承知のとおり、開放経済に向かうのでありますから、日本の企業の国際競争力をつけるためには、できるだけ早い機会に低金利になることが好ましいことは言うをまたないわけであります。低金利に対してはいろいろな理屈もあるようでありますが、大もとを考えますと、原材料を持っている国と、日本のように原材料を持たない国が競争するのでありますから、原材料を持たないというところにもうハンディがあって、その上、外国の金利と比べてみると、外国の金利よりも日本の金利が高いというのでありますから、二つのハンディを持っているわけであります。いままでは、日本人は時間をよけい働いたのですが、戦後労働三法等ができて、今度は世界の国民と一緒の条件で働くというのでありますから、原材料のないということ、原材料に大きな運搬賃をかけるということ、あとは金利が高いというハンディがあることは言うをまたないわけでありまして、戦前のように自由競争時代には、金利は現在の二分の一以下に下がったという例もあるのでありますから、そういう正常な状態が好ましいことは言うをまたないわけであります。しかし、現実問題として、一ぺんにそういうことができるわけじゃありませんので、たんだん正常な金融を築いていくように努力しなければならぬわけであります。  なぜ金融の正常化ができないということで、私は一年間にわたってあらゆる意味で検討しましたが、なかなかめんどうなところがあります。日本人は非常に企業意欲が旺盛でありますので、金利よりも、金がほしい。必要なときに必要な量を貸してくれるなら金利は高くていいという、たくましい人が非常に多いので、そういうところにも金融の正常化がなかなかいかないことがあるわけです。ですから、オーバーローンの解消ということよりも、日本人自体がオーバーボローイングの解消ということにほんとうに目ざめてこないと、いまのように企業間の信用が無制限に膨張して、手形というものが長期サイトになる。そのうちには、融通手形と商業手形の区別がつかないようになる。こういう事態が続いていくと、歩積み両建ては解消する方向ではなく、ますます不信用に対して歩積み両建てを要求するという悪循環が続くわけでありますから、その日本の特殊な状態というものを十分考えながら、日本人自体がほんとうに正常な産業形態をとるようにしなければ、金融の正常化もなかなかむずかしいということが事実であります。  しかも、その事実に対して何も対処しないというのではありませんので、中小企業に対しては、あらゆる角度からの金融対策をやっております。中小三公庫に対しましては、前年対比、この第四・四半期においては二七%も資金量をふやしているわけであります。また三十九年度予算では前年対比二一%ふやしているわけです。経済成長率が九・七%名目成長というのでありますから、倍の一八%資金量がふえれば相当ふえたということになるのですが、どうもそれでもなお足らぬというのは、金融の中に正常ならざるものが相当存在するということだと思うのです。いま私たちが一案として、責任方式等というものも一つ考えてみたわけであります。資本金が少なくて金融だけでつないでおりますと、ほうり出した場合でもたいしたことはない、こういう非常に不信用な状態がたくさんありますので、やはり資本金と借り入れの額というものに対して一つのバランスをとろうということを一案として考えてみましたが、なかなかこれがいますぐ適用されるほど簡単な状態でもないわけであります。しかし、現実に着目しながら金融の正常化をはかりつつ、中小企業に対しての格段の金融的配慮もいたしていきたいということであります。  時間があればもっと申し上げたいのでありますが、以上申し上げます。

高橋進太郎自由民主党

○高橋進太郎君 どうも、いま大蔵大臣の話を聞いておりますと、政府が十分中小企業の金融も考えてはいるのだが、なにせ企業意欲が非常に旺盛でというようなお話がございましたが、大蔵省の法人企業統計を見ましても、資本金二百万以上の企業者間の信用は、昨年の六月現在では十四兆であったが、現在は優に十五兆をこえている。企業の売り上げ高と受取手形の割合も、三十六年度の一五%から三十八年度は二〇%も高まっている。こういうているのです。そうしますと、この数字だけ見ましても、これはもう一兆円以上のものがいわゆる手形のような形で、しかも長期化されてきておりますから、したがって、こういう面に私はむしろ中小企業の金融上のしわ寄せが来、同時に問題があるので、したがって、いまのように金融の流れというものをよほど中小企業本位に考えてやらぬと、いわゆる総理の言う革命的な方法でこれは考えていただかぬと、なかなか解消しないのではなかろうかと思うのであります。  それはそれとして、一つここで問題にいたしたいと思いますのは、手形の問題です。  三月一日の新聞によりますれば、昨年末よりも倒産が非常にふえて、二月はピークで、その負債総額が約三百五十億であり、不渡り手形は昨年同月に比して二七%も増加しておるということを報告しておるのであります。不渡り手形が出るいろいろな原因、あるいは倒産の原因につきましても一様ではないと思うのでございまするが、一つには、私はやはり不渡り手形が出るということは、いま金融機関は、戦前と違って信用保証制度がございますから、その調査が非常に不十分でなかろうかと思う点が一つと、それから同時に、先ほど来申し上げたとおり手形が非常に長期化してきておる、こういうような状態で、従来の手形という経済秩序の問題につきまして、どうしても経済人の反省というものが十分でないのではなかろうか。大蔵大臣も、いわゆる不渡り手形を出した悪質の者については、これは体刑にすべきだ、こういうような意見も言っておられましたが、私も全く同感で、これはむしろそういったような、故意に不渡り手形を出すようなのは詐欺罪なり、あるいは経済秩序破壊罪なり、これは体刑をもって臨むべきであり、同時に、手形自体についても、その流通期間の制限であるとか、あるいはまた、その発行についての罰則であるとか、もう一度、手形というものについて、いまや経済の血液ともいうべきものでございまするから、経済秩序保持のためにも、手形法と申しますか、あるいは手形の問題というもの、不渡り手形というような問題は、十分ひとつ考える必要があるのじゃなかろうかと思うのであります。  なお、そうした法的措置のほかに、現在のところでは、信用保証は、金融機関に対してはその手形の保証をいたしておりますけれども、不渡り手形を受け取ったところの中小企業者はどうしても代位弁済をせざるを得ないのであります。ところが、手形の期間が非常に長いものですから、その間における経済変動というものがなかなか中小企業者ではつかめない。したがって、どうしても中小企業者の災難ともいうべきこういう不渡り手形につきましては、私は一つの保険制度というものを創設して、全額いま不渡り手形をつかんだ中小企業者が代位弁済をし、そのために連鎖反応を起こして倒産するという、みじめな言いかえるならば、非常にまじめに働いておりながら、不渡り手形というようなことで連鎖反応的に倒産に追い込まれておるところの中小企業者の問題を、これは制度的にも考えてやるべきではなかろうかと思うのであります。そうして、こういうような保険制度が出てまいりますると、受け取った中小企業者も、保険がなければその取引上非常に警戒をいたしまして取引を行ないますから、そういう意味でも非常に保全になると思うのであります。そういう意味で、手形に関する、特に不渡り手形防止に関する大蔵大臣並びに通産大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 手形法及び小切手法は、昭和九年の一月一日付で両法とも施行になっておるわけでございますが、当時とは非常に経済情勢も違いますので、私は、手形法及び小切手法というものを新しい観点から再検討する必要があるということを感じたわけであります。  どういう意味かといいますと、中小企業者というものは、金融がふえておらぬと言いますけれども、戦後は中小企業専門機関ができましたし、また、都市銀行も三〇%を目標にしておったものが二五%を割っておるといいますけれども、扱い資金量は非常に大きくなっておりまして、大企業の生産量と中小企業の生産量との比率を見てみますと、必ずしも中小企業向けの融資が都市銀行においても減っておるわけではないのであります。にもかかわらず、幾らやりましても中小企業の金融が非常に困るということは、いろいろな問題があります。端的に申し上げると、戦後の道徳問題が一つあります。これはもう戦前の経営者というものは、非常に自分でもって金の支配をやっておりましたから、相当信用というものに対しての考え方を前提にしておりましたが、戦後は、法律上非常にむずかしい組織になりましたので、会社の経営者と会計というものはもう全然別であって、会計操作というものは、もう経理担任者がそのままの感じでやっているということで、どうもわれわれが大企業者やいろいろな人たちと話をしても、そのまま通らない、手形の日付を入れろといえば、何カ月間も納品を受け付けないというようないろいろなことをする、こういうものが一体商売道徳上あり得るのかというぐらいの問題もあるわけであります。中に。  第二の問題は、融通手形の問題があるのであります。融通手形に対しては、融通手形を発行しなければ金融ができないというような不正常な状態を当然のことだと考えているような状態では、これはどうにもならないわけであります。  でありますから、昭和九年の一月一日から施行しました手形法も小切手法も、正常な状態ということを前提にしてつくられておりますので、現在のような新しい状態がたくさん出てきたときに、この法律でもってこのままいいのかということになると、なかなか問題があります。でありますから、いろいろな問題をできるだけ正常に、時間をかけても正常化をはかろうと思いますけれども、いろいろな問題を検討してみますと、やはり法律にも手をつける必要があるというような段階だと私は思うのです。手形などはきのうまで何もしておらなかった人が、会社をやめて看板かけて、手形を数千万円発行して、半分ぐらい現金化して逃げてしまう、こんなことがあるのでありますから、私は、やはりそういう事実を対象にしては、法制上の整備が必要である——まあしかし、これは非常にむずかしい問題もありますので、この手形法の罰則等は、施行後一ぺんも適用された例がないというほどむずかしい問題でありますので、法務省、通産省、十分検討しまして、やはり現在の時代の実情に対応する法制の整備は必要である。外国では詐欺罪を適用しておったりやっておりますし、これは、ある意味においては、悪らつな、故意に手形を出しているものなどは、私は相当な罪になると思うのですが、経済事犯というものは追及しないというような原則がもう常識論になっているところに盲点がありますから、やはり盲点をついた行為が横行している現状から見ると、やはり何らかの措置を必要とするのではないかということで、いま法務省等にお願いをしまして検討をいたしております。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 信用保証協会に四十五億を出資いたしまして、これによって手形の銀行に対する保証をいたしていることはお説のとおりでありますが、その手形自体を保証するという制度はまだとっておらないのでございます。これについては、ただいま大蔵大臣からもいろいろお話がありましたが、技術上いろいろな問題がございますが、検討をいたしてみたいと存じます。

高橋進太郎自由民主党

○高橋進太郎君 次に、総理並びに法制局長官、あるいは建設大臣にお伺いいたしたいと思うのですが、社会資本の充実と土地収用の問題についてお伺いをいたしたいと思うのであります。  われわれから見ますると、道路であるとか港湾であるとか、河川、あるいは住宅、こういったような国民生活に最も基本になる問題で、しかも、それはいずれも土地に基礎をおく。ところが、土地というものが元来代替性がないわけですから、それ自体強く社会的な制約を受けべき性質のものでありますが、それがかえって代替性のないところに目をつけて、投機的に運営されているというような状況。そこで随所に補償成金であるとか一獲千金の徒があることは、まことににがにがしいと思うのであります。元来、財産権というものが、十九世紀に入って尊重せられておるということは、これはいわゆる十九世紀に入って、生きることが個人の責任である、こういう考え方から、同時に、個人の社会的活動を期待するという意味で、これは財産権というものが非常に高く保障せられておるものと思うのであります。ところが、最近の福祉国家になりますと、就職でも、あるいは生活することでも、最終的には国でめんどうを見る、こういうようなぐあいに変わってまいっておるのでありまするから、反面、それだけ、所有権というもの、財産権というものは、社会福祉のためには一つの制約を受けるということは当然であると思うのでありますが、わが国の憲法十二条にも、明らかに、そうしたこの権利というものは同時に社会的な公共の福祉のためにこれは活用するという責任を負うと規定をしておるのであり、最近の、かりにドイツのワイマール憲法はじめ、いわゆる最近におきまするこうした所有権の観念につきましても、同時に、これは所有権は所有権として社会的に尊重されるのは、それが社会的な一つの責任と、また役に立つようにこれは活用すべきであるというところにこの権利を社会的に尊重する理由があるのであって、いままでのように煮ても焼いてもおれのものは勝手である、こういうような考え方、あるいは所有権は神聖にして侵すべからずというような法律論というものは、もはや、これは十九世紀的な私は法律論であると思うのであります。そういう意味で、とかくどうも、所有権、特に土地所有権というものを法律で規制することは憲法違反であるなどという議論も出てくるのでありますが、私は、決して法律の規定による福祉のための公共のための制限は、決して憲法違反でないと思うのでございまするが、この点についての法制局長管の見解を承りたいと思うのであります。  それから第二には、現在の土地収用法の運営でございまするが、どうも手ぬるいのであります。むしろ私は、現在の土地収用法のたてまえから言うならば、現在の緊急措置法に準じて、土地の補償と収用とを切り離して、そうして収用は、なるべく迅速に一つの公共的機関の裁決によってこれは収用し得るような状態にし、補償は、若干時間がかかっても当事者の納得のいくような、別の機関においてこれは解決すると、こういうぐあいにして問題を解決するのでなければ、現在のように、補償金額がきまらなければいつまでたっても収用ができぬというのでは、いわゆるごね得、あるいは文句の言い勝ち、こういうような、正直者がばかを見るような形になるのでなかろうかと思うのであります。  第三点は、現在のような土地に対する投機的活動というものを法的に私は抑制することが一方においては必要でなかろうかと思うのであります。  第四点は、空閑地及び社会的にむだに使われているような場所につきましては、これまた社会的効率のあがるような形において、相当の税法上及びその他の行政措置をもって、これが規制をいたす必要があると思いますが、いずれにしても、最近のように地価が他の物価に比較いたしまして何十倍も上がるということでは、これは一方、信用の過大膨張の原因ともなり、同時に、物価のはね上がり、及び経済の健全なる成長にも非常な障害があると思うのでございまして、こうした土地問題に対する総理の御見解も承りまして、この問題の政府側の御所見を聴取いたしたいと存ずる次第であります。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 空閑地の問題につきましては、なかなかむずかしい点はございます。今後も研究していきますが、その他の問題につきましては、高橋さんのおっしゃるとおり、私は、収用委員会の手続その他につきまして非常に憶病な点がある、これを今国会ではある程度改正するようにいたしますが、これはびしびしやっていかなければ、いままでのような状態では、国家財政、地方財政も持ちませんし、また物価騰貴のおもなる原因もここから出ておるのでございます。私は、土地収用につきましては果敢な措置を講じていきたい。きょうもちょっと夕刊に出ておりますが、技術研究所をあるところへ持っていこうとしたところが、土地収用ができない、計画どおりにいかぬ。これは幾らやっても、そういうことだったら政治も何もできません。私は、強力に勇敢にやっていかなければならぬと、こう考えております。

河野一郎自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(河野一郎君) お答えいたします。  ただいま総理からお答えがありましたとおりに、土地収用法等につきましてお話のありましたとおり、この国会で改正することにいたしまして、大体政府部内の意見は一応取りまとめがつきまして、いま党との話し合いをいたしておる段階でございます。  要点は、お話のありましたとおりに、特定公共事業にあっては、緊急裁決の申し立て後、収用委員会が二カ月たっても緊急裁決をしない場合におきましては、建設大臣がかわって裁決できるという点がおもなる点の一つでございます。その他の点では、委員会の委員の一部を常勤にいたしまして、必要に応じて常時委員会を開催できるという点がございます。こうすることによって、緊急裁決につきましては、幾ら長くても二カ月以内には大体裁決して、そうして収用できるようにする、こういうふうにするつもりであります。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 収用に対して、委員から申し出た場合、申し出た日から一年間以内に収用に応じた場合には税で免税措置をとることになっております。申し出て一年間経過した場合には特別措置をしない、こういうふうなことになっております。  それから投機的な土地の売買につきましては、今回の税法の改正によりまして、一年以内に転売したというようなものに対しては、特例を認めないで、そのまま課税をいたす、このようにしたわけでございます。

林修三内閣法制局長官

○政府委員(林修三君) これは、高橋先生のおっしゃるとおりに、十八世紀末のフランス革命から始まりました財産権の絶対と申しますか、財産権の絶対の思想が、二十世紀になりまして、いわゆるワイマール憲法で、所有権は義務を伴う、こういうように社会的な財産権、財産権の社会的制約という観念が入ってまいりましたことは、おっしゃるとおりでございます。いまのわが国の憲法も、第二十九条で、第一項では、御承知のように、財産権は不可侵——侵してはならないということを規定しておりますが、二項で、財産権の内容は公共の福祉に適合するように法律できめる、ということになっておりまして、公共の福祉の制約、これを法律で内容をきめることを憲法で認めておる。したがって、財産権の内容は絶対、いわゆる昔のフランス革命以後の十九世紀的の絶対の思想でないことは、これは当然でございます。ただ、やはり財産権の、いわゆる私有財産権制度はとっているわけでありまして、やはり制約については法的な基礎がなければならないということでございます。大体の一般の考え方といたしましては、財産権に内在するような制約、これは一般的に補償なしで制約できる、しかし、土地収用はその適例でございますが、特別偶然に、ある財産を公共のために用いる、そういう場合には正当の補償が要る、ということが大体の考えでございます。正当の補償というものは、結局、社会的に見て正当の補償であって、必ずしも財産の価額そのものでないということも大体の学説でございます。そういうところも、私どもも立法にあたって十分に考えてやっておるわけでございます。現在の土地収用法も、制度的にはこれは相当整備されております。相当整備されてはおりますが、まあ御承知のようにいろいろ運用上の問題がございます。なお、制度的に整備を要する点もございます。ただいま建設大臣よりお話がございましたとおりに、今回特に問題になります収用委員会のことついて規定の整備をはかろうということを考えておりまして、全体として、一方に財産権の保障、しかし他方に公共の福祉の制約、両方相まっていきたいということは、われわれの常に考えておるところでございます。

高橋進太郎自由民主党

○高橋進太郎君 最後にもう一点お伺いいたしたいと思いますのは、行政機構の改善と行政運営の能率化及び簡素化についてでございますが、私はかつて日本の役人には各省あって国家なしということを申し上げたのであります。それはちょうど封建時代に各藩があってその上に天皇の感じがなかったように、現在の行政機構のもとには、各省がそれぞれ行政のなわ張りの上に権限を持ちまして、この間も人事院の報告によりますると、民間の重役として天下った者が百五十人程度あるというような発表がございましたが、それぞれ各省がやはり退職後の生活から何からめんどうを見てやる、こういうようなことで、ちょうど封建社会において、君の馬前に死んだ者は孫未代までも見てやると、こういうようなことでありまするから、封建武士がすなわち自分の身命を賭したと同じように、なかなか各省にとりましては、その権限なり何なりは非常に大切であると思うのであります。もちろん、こうでありまするから、各省の役人から申しまするならば、月給が安くとも、とにかく一生懸命、夜の夜中も働くと、こういうようないい面があるのでございまするが、しかしながら、そういう面から考えますると、どうしても、明治初年のように監督行政ではない、いまの国民の生活全般にわたって行政が大きな発言を持ち、また国民生活が非常に影響される今日におきましては、国の行政の総合化、あるいは公務員の能率化、もしくは行政の運営の簡素化と、こういうことが大きなこれは一つの表題になってくると思うのであります。総理が第一次池田内閣を組閣せられて以来、公務員の待遇につきましても人事院の勧告どおりいままで実行をしてまいったのでございますが、その反面においては、公務員の能率化、あるいは行政運営の効率化と、こういうことを強く約束せられまして、こういうような期待に沿うために、行政審議会というものを設けて、そうして国民の期待にひとつ沿いたいと、こういう点が大きくこの行政審議会に私はかけられた点であると思うのであります。ところが、ようやく最近行政審議会の結論も出てくるようでございまするが、早くも各省の突き上げにあって、閣内等におきましては行政審議会の答申についてどうも難色を示すというような新聞記事が出るようでは、非常に心配で、遺憾にたえないのでございまするが、総理におきましては、行政審議会の答申を待って、行政機構の改善並びに行政運営の能率化あるいは公務員の能率化ということに思い切ったひとつ施策をせられ、このためには臨時国会をも召集して断行せられる御所信であるかどうか、その点をお伺いをするとともに、今年度——三十九年度の予算編成を見ましても、どうやら大蔵大臣はじめ非常な政府の熱意によりまして、われわれが考えておるような新しい項目につきましても、あるいは新政策についても、だいぶ盛られてはきておりまするけれども、それは反面、自然増収という、経済成長に伴う大きな自然増収という財源があったからこれは可能であると思うのであります。毎年毎年自然増収を当て込んだり、また自然増収を当てにして予算を組むということは、これは不適当でありまして、いままで既定予算については、ほとんどどうも、大蔵省の主計局においても、あるいは各省においても、不問に付すようでございまするけれども、私はもうこの辺がぎりぎりで、この際、不要不急の行政事務と事業については、徹底的な整理及び再検討を行なって、そうして既定予算について思い切ったなたをふるわれて、そうして行政整理とともに、行政事務の問題とともに、来年の編成におきましても、そうした点を編成上考えることが緊要と思うのでございますが、この点について総理並びに大蔵大臣の御見解並びに行管長官の御見解を承りたいと思うのであります。

早川崇自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(早川崇君) お答え申し上げます。行政機構のあり方につきましては、高橋委員のおっしゃるとおりでございまして、国民の各位は、能率の上がった行政、親切な行政、これを期待いたしておると存ずるのでございます。ここに行政機構の改善の要望が起こってまいりましたので、先般の総理の施政方針演説の中にも、この行政機構の改善の問題を前向きの姿勢をもって取り上げておられる次第でございます。したがって、ただいま臨時行政調査会にこの答申をお願いいたしておる次第でございますが、これが答申をいただきました上におきましては、政府といたしまして、これを正面から尊重いたしまして、前向きの姿勢でもってまいるつもりには変わりはございません。特に、ただいま閣内においていろいろと不一致のような御意見がございましたが、そういうことは絶対ございません。あくまで法律の命ずるところによりまして正面からこれに取り組んでまいりたいつもりでございます。しかし、いずれにいたしましても、行政機構の改善という問題を、これを実現するためには相当の決意と同時に勇気が要ることは、御存じのとおりでございますので、今後一そうひとつ皆さまの御激励によりましてこの目的を達してまいりたいつもりでございます。  なお、明年度の機構並びに定員の問題についての御意見でございますが、これは私どもやはり新しい機構、新しい定員増は厳重に押えてまいるという方針をとってまいった次第でございますが、根本的に不要不急の仕事の問題につきましては、やはり臨調等の答申を待ってこれを実現することが妥当ではないかと考えておる次第でございます。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 行政の簡素化、補助金等の合理化等に対しては、大蔵省としても大賛成でありますし、またそうなければ財政の健全性は貫けないわけであります。今年度新しく部局の増設等もお願いをしておりますが、これは時代の進展に即応しましてよりよい行政を行なうために最小やむを得ざるものとして新設をお願いしたわけであります。しかしまあ、特別会計や事業会計は別としまして、一般会計等は、やはりここらでひとつワクをかけて、新しい部門が必要なる場合には、要らない部門を振りかえるとか、定員の中で振りかえてもらうとか、そういうものに対しては相当前向きに勇気を持ってやらなければいかぬだろう、それには国会のひとつ前向きな御後援を切にお願いをいたしたいというように考えます。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) お話のとおり、私は役所の仕事にも人員の配置にもむだが相当あると思います、改善すべきものが。三、四年前までの人が余っておる時代とは違っております。民間のほうはもう非常な体制を変えておりますが、官庁のほうはほとんど変わっていないのではございますまいか。だから、その意味におきまして、臨時行政調査会の答申は、私は法律に示すごとく極力これを実施していく、また実施し得られるような合理的な答申を出してもらうよう私は願っておるのです。  先ほど役所の機構がむだが多いと。とにかく半年近く国会がございまして、そうして各省の幹部がこういうふうにお集まりになって、これはよその国では見られぬ状態でございます。半年、局長がずっと国会へ行って、局長が行っておるとすれば、次長がどういう質問があったかということに戦々恐々とするような日本の議会の討論、あるいは官庁のあり方というものは、まずわれわれは考えなきゃいかぬ。よその国にはあまりないと思います。やはり国会が国権の代表であり、各党がおのおのしのぎを翻るのならば、総理大臣なんか一カ月に一ぺんくらい出てくればいいんじゃないか。各省大臣は用事のある人だけ出てくると、こういうふうにしないと、私は国民が非常に迷惑だ。だから行政機構の改革を自分は熱意を持ってやりますが、行政と立法との関係につきましても、私はひとつお互いに考えてみる必要があるんじゃないか。イギリスの制度を学び、そうしてアメリカの制度を取り入れておるこの状態は、イギリスにもないアメリカにもない非常に非能率な状態であるということを、私はいま質問を聞きながら、ずっと見まして、ほんとうに国民に申しわけないということをつくづく感じておるのでございます。行政機構のみならず、私は国会審議運営につきましても、十分お互いに考えていかなきゃならぬ問題だと思います。

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 高橋君の質疑は終了いたしました。     —————————————

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 次は中尾辰義君。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 私は公明会を代表いたしまして、外交、財政、経済につきまして若干お伺いをいたしたいと思います。  まず、総理にお伺いをいたしますが、日本外交の三原則といたしまして、政府は国連中心主義、自由陣営との協調、アジアの一員としての外交を強調いたしております。また最近におきましては、近隣外交ということも叫ばれておりますが、中共問題やベトナム、 マレーシア紛争等、山積しておるアジアの現況におきまして、しかも開放経済を迎えんとする今日、従来の対米協調主義のみでは、わが国の繁栄はむずかしいと危倶するものでありますが、今後のアジア外交をどのように推進していくのか、まず最初に総理に所信をお伺いをいたしたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) アジアに位する日本といたしましては、アジアの一員としての役割りをつとめていくことは必要でございます。また地理的にそういう関係だけでなく、経済的にもわれわれはアジアにおける先進国として、そうして同様のおくれている国々の発展を助けなきゃならぬ、協力していかなきゃならぬ、こういう使命を持っておるのでございます。私はそういう意味におきまして、アジアの一員とし、アジアの先進国とし、そうしてまた、アジアの発展のためには他の地域の先進国とアジアの後進国との協調を保つ役割りを演ずべく進んでいきたいと思います。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 そこで、東南アジアの問題について若干お伺いいたしますが、日本の貿易の構造におきましては東南アジア貿易の比重が最近は漸減いたしてきております。また一方EEC及び中共が東南アジアにおきまして市場獲得をねらって懸命に工作をしておるように聞いておるのであります。日本にとって東南アジア向けの輸出は、もう言うまでもなく重化学工業を育成する、また国際競争力を強化すると、そういったような点から考えまして、非常に重大な役割りを持っておるわけですが、最近における東南アジア貿易の実情及びどういう点が隘路になっておるのか、これは通産大臣にお伺いをいたします。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 東南アジア向けに対する日本の輸出量は、お説のとおり、三十四年には東南アジア向け三七・五%でございましたが、三十八年には二九・五%と、確かにお説のとおり低下いたしております。で、しかしこれは御案内のように、東南アジアにおける外貨が非常に不足をしておるとか、あるいは一次産品の、われわれが買い付けをする場合においても、なかなかわれわれが必要とする量以上に向こうが要望しておるというようなことがありますために、われわれとしては、いわゆる支払いの問題が窮屈になっておる関係上、どうしてもその貿易が総体的に順次低下しておるというような状況であります。   〔委員長退席、理事平島敏夫君着席〕   そこで円借款でありますとか、あるいはその他の経済的ないわゆる協力というような問題等を通じて、今後も大いにひとつこういう方面の市場の開拓といいますか、その国に力をつけることによって——経済力を増すことによって、向こうが購買力を持つようになるというような工夫をしていかなければならないのでありまして、低開発国全体の問題としても、特に東南アジアの問題は、われわれにとっては重要な課題となると考えております。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 倍増計画によりまするというと、昭和四十五年度の輸出目標は九十三億二千万ドルと承っておるのでありますが、現在東南アジアの貿易量は大体十億ドルくらいじゃないか、かように思っているわけです。そこで目標年次における東南アジア貿易量を大体二〇%から二五%くらい、こういうふうに見ますると、大体二十億ドルから二十三、四億ドルの貿易量をやらなければならぬ。そうすると、大体まあ現在の倍になるわけです。あと四十五年までに幾らもないわけですが、目標年次までに倍増計画の予定の貿易量を達成でき得るかどうか、そういったような見通しがあるのかどうか。また、どういうふうにやっていくのか、そういったような点を……。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 四十五年度までの計画になれば、大体九十三億ドルの輸出ということでございますから、確かにお説のように二十億ドルから二十五億ドル程度は少なくとも東南アジア向けの輸出をしなければならないと思います。そういうことができるかどうかということでございますが、これは先ほど申し上げましたとおり先進国の間において、低開発国をいかにして援助していくか、国連の関係におきましても、あるいはまたガットの場におきましても、こういう問題をいま国際的に取り上げる、OECD等においても、そういう問題は特に取り上げて、今後研究をいたしていくわけでございまして、われわれとしては、そういうような目標を達成するために、日本としても、いわゆる東南アジア向け、低開発国向けの援助ということについては総理もしばしば言明をされておりますが、財政の許す限り極力努力をいたしてまいりたい、かように考えておるところでございます。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 先ほど外貨の問題が出ましたが、現在東南アジアの外貨保有量は大体推計どのぐらいございますか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 東南アジアのどこの国をおさしになりますか。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 インドネシア、フィピン……。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) インドネシアは発表しておりませんが、相当困っております。大体一億ドル割るんじゃございますまいか。大体の勘でございます。  それから、その次は。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 フィリピン、マレーシア、タイ、カンボジア、わかっているところで……。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) フィリピンは二億五千万ドルから三億ドルぐらいあるんじゃないかと思います。タイは大体そのくらいです。ちょっと上回ります。ビルマのほうは割に窮屈でございまして一億五千万ドルくらい。インドもやっぱり二億ドル余り。三億ドルを割るんじゃございますまいか。相当いま借金をしております。大体それでよろしゅうございますか。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 けっこうです。そこで、東南アジアとの経済協力促進を目的といたしまして対外経済協力基金というのがありまして、ちらほら最近の新聞に出ておりますが、この基金が東南アジア開発にどれだけ利用されておるのか、大体この運用状況につきまして通産大臣にお伺いしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 海外経済協力基金から東南アジア関係への貸し付け状況でございますが、件数が少のうございますから、恐縮ですが一つずつ言わせていただきます。北ボルネオのサンダカンの水産事業に三千万円、それからインドネシアのニッケル鉱の開発に承諾額としては三億八千万円、ペナンの海外漁業に九千九百万円、タイのオイルシェールに二千二百万円、タイの、これは芝浦精糖かなんかでございますが、精糖事業に承諾額としては十億円、それからインドネシアのカリマンタンの森林開発に四億五千万円、そのほかに北スマトラの石油開発事業に承諾額としては十億円でございます。なお、これは、あまり企業ではございませんが、ビエンチャンの水道に二億五千万円、そのぐらいを承諾額としております。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 それで、基金の出資の総額は大体百七十億くらいと聞いておりますが、それの残額ですね、そういうものはどういうふうになっておるのかお伺いしたい。

宮澤喜一自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 資本金が百七十億足らずでございますが、そのうちで二月の末までで投融資を承諾いたしました額が八十七億円、実行いたしましたのがそのうち四十二億円ばかりでございます。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 次に、三月下旬からジュネーブで国連の貿易開発会議が開かれることは、これは新聞紙上に出ておりますが、世界経済拡大発展に取り残された南北問題についていろいろ討議があると思いますが、わが国はどういうふうな態度で臨まれるのかお伺いしたいと思います。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 後進圏との貿易拡大の問題は、ただいままでガットその他でも取り上げられ、OECDでも取り上げられて論議され、実行されてまいったのでございますが、今回国連主催のもとに貿易開発会議が御承知のようにジュネーブで今月下旬から開かれることになりました。この会議でさしあたってどういう成果が期待されるか、まださだかには読み取ることはできないのでございまするが、先ほど藤田さんの御質問に対して通産大臣からもお答えがございましたように、この貿易開発会議の事務局長のブレビッシュ氏から大体の草案は発表されております。これに対して私どもいま検討いたしておりますが、問題点として三つ、四つ考えられると思います。  その一つは、けさほどのやりとりにも御指摘がございましたように、特恵制度というものをどう取り扱うかという問題でございます。これにつきましては、わが国が軽工業、中小企業、農業をかかえております関係上、野放しで特恵制度を認めるという態度にはなかなか出られないと思います。しかしながら、特恵制度を採用することを原則的にわれわれが認めないということではなくて、これの適用にあたりましては、わが国の実情をよく勘案いたしまして無理のないようにしなければならぬと考えております。  第二は、補償融資制度を設けるという提案があるのでございますが、これは案としては非常に進んでいるのでございまするが、そういう案をとる前に、いま各国で議論をし、一部実行いたしておりますように、商品協定をどの国についてどのようにとってまいるかというような問題、あるいは輸入に対するクォータをどのようにとっていくかというような問題も、その前提としていろいろ吟味しなければならぬ問題があるのではなかろうか、いきなり補償融資制度に飛びつくというわけにもまいらないのではないかと考えております。  第三の問題として、機構問題というのがありまして、貿易開発会議の事務局を大きく設けまして、そこで南北の貿易問題というものを調査し、実施していこうという提案でございまするが、すでにガット、その他実行的な能力を持った事務局もございまするので、私どもはこの貿易会議に事務局を設けることには反対はございませんけれども、あまり膨大なものに対しては必ずしも賛成ではないのでございます。その他若干問題はございますが、初めてのことでもございまするし、私ども原則として、後進圏との貿易拡大は、先進国と先進国との貿易は非常なスピードで伸びておりますのに、後進圏との間の貿易の伸びは十分じゃないという傾向は、あなたも御存じかと思うのでありますが、それをいかに打開してまいりますかの問題につきましては、真正面から取り組んでまいらなければなりませんし、わが国もこれに対して応分の寄与をしなければならない心組みで、すぐれた代表を送りまして討議に参加いたしたいと考えているわけでございますが、いま発表されましたような草案に対しましては若干そういった意味の留保を感じておるのがただいまの状態でございます。なお、いま検討中であるという状況です。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 それでは日韓問題につきまして簡単にお伺いしたいと思いますが、日韓交渉の妥結の時期につきましては、政府は五月ごろとの予想を立てておったようでありますけれども、漁業問題に関して六者会談が非常に行き詰まってきた、そこで政治会談に持っていくというようなことを新聞記事で見るわけでありますが、そこで、この問題になっておりまする専管水域、共同規制水域、操業漁船の隻数の問題に対しまして、わが代表がどういったような基本態度で臨むか、それについてお伺いしたい。これは外務大臣に……。   〔理事平島敏夫君退席、委員長着席〕

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) これは本委員会におきましても御報告申し上げておりまするように、第一会談はただいままで専門家レベルで行なわれておったわけでございます。私どもは、従来この専門家レベルの会談におきまして、問題を可能な限り煮詰めまして、究極において煮詰まらないものをその段階においてより高級の会談に持ち込むという態度であったのでありまするが、一昨昨日先方から高級会談を持ちたいという希望がございましたので、われわれのほうでも協議いたしました結果、これに応じようということにいたしまして、先方がこちらのカウンター・プロポーザルに対しまして応諾いたされますならば、三月十日ごろから漁業高級会談ということが持たれるようになるだろうと思います。しかしながら、けさも藤田さんの御質問にも答えましたとおり、私ども会談の形式がどうであれ、内容について高級会談であり、政治会談であるからぞんざいにやっていいなどとは毛頭考えていないわけでございます。私どもは、従来本委員会におきましても申し上げておるとおり、国際慣行をふまえた上で、水域というものを考える場合にも、筋を通した解決でありたいということを基本の方針といたしておるわけでございます。専管水域の外における共同規制、これは魚族を保存して両国の漁業者が長い間にわたって利益を享受してまいる状況を確保するには乱獲はいけないのでございまするので、両方共同して共同規制措置を考えることには原則として私どもも反対ではない。ただその共同規制の方法は、あくまでもこれは実行可能なものでなければならぬということと、両国が平等に規制を受ける性質のものでなければならぬ、これは当然のことでございますが、そういう基本の精神で交渉に臨んでおるわけでございます。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 いまから見通しを云々することはどうかと思いますが、ただいま筋を通して妥結をしたい、筋が通らぬ場合もあるいはあるかもしれない。ですからそういうふうに共同規制の問題にしても平等に規制をする。そしてそういうことも筋が通らない場合は、あるいは日韓会談が延びることも考えられるわけですか。それとも政府はこの際早期解決をしたいのか。その点についてお伺いしたい。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) たいへんむずかしい御質問でございまして、私どもといたしましては、双方がお互いの理解を持ちまして筋が通るような解決をいたしたいということ、これもできるだけ早くいたしたいということでせっかく努力をいたしておるところでございます。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 そこで李ラインは北朝鮮にもあるわけですが、水域規制は妥結をいたしましても当然北朝鮮の水域に関しては及ばないと思うのですが、これはどういうふうに考えておられますか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) この漁業交渉全体は韓国が現に支配の及ぶ領域についての御相談でございます。そういう前提でやって進めておるわけでございます。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 そこで日韓問題は、漁業問題のほかに国交正常化の問題、あるいは一般請求権、焦げつき債権、在日韓国人の法的地位に関する問題、そういう問題がのぼっているわけでありますが、この一般請求権につきましては、経済協力という形で有償二億ドル、無償三億ドルの援助が定まったようにわれわれは新聞なり、そういうもので見ているわけですが、その他の件につきまして国民の前に明らかにされておりませんので、私はこの際一つ一つ確認かたがたお尋ねをしたいと思うわけです。まず最初に、無償三億ドルの算定基礎は何かあったのかなかった  のか。この点についてお伺いしたい。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) これほ本委員会でも再三にわたって私から御説明申し上げましたが、算定の基礎が、本来請求権という以上は法律的根拠に基づいて算出すべき性質のものでございます。その前提としてさらにそれを裏づける事実関係が的確に把握されなければならぬことは当然でございまするが、そのような努力を両当局でやったのでございまするが、すでに終戦後ずいぶん長い時間がたっておりまするし、その間にいろいろな事件もありまして、事実関係を正確に捕捉するということが不可能で、また、著しく困難なものが多いのでございます。  第二の難点といたしましては、法律的根拠と一口に申しますけれども、どういう法律に基づいてこれは根拠があると見るかという見解につきましては、遺憾ながら日韓双方見解を異にするわけでございます。われわれが効力があったものと見る実定法というものの効力を先方は認めないということもございまして、双方が一致して捕捉した事実、また、双方が一致した法律的根拠というものを見出すことはほとんど不可能でございます。そういう事態に立ち至りましたので、私どもといたしましては、過去を幾らせんさくしてみても、そこから解決策を見出すことは困難であると判断いたしまして、将来に向かって隣邦である日本が韓国に対していまあなたがお示しの有償無償の経済協力をいたします、そして向こうはそれを受ける、そのことによって請求権問題は一切解決するということを合意し合う。そういう解決の方式に荒筋合意を見たわけでございます。もっとも、いつも申し上げておりますように、すべての懸案は一括して解決するということが政府の基本方針でございますので、この解決は交渉途上における一応の合意でございます。その他の懸案と同時に最終的に解決するときに、初めてそれが両国の合意になるわけでございます。まあ交渉途上における一応の大筋の合意という意味で、そういう取りきめをいたしておるのがいまの段階でございます。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 次に、有無償五億ドルの経済協力のやり方です。どういうような方法で協力するか、その点を……。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) これは十年間にわたって韓国の経済の復興のために考えられたプロジェクトに対する日本の生産財、日本の役務でもって協力しようということでございます。どういうことをやるかということは先方の政府が計画するたてまえになるわけでございます。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 それで、まあ私は確認の意味で聞いているわけですから、そういうつもりでひとつ御答弁願いたいと思います。  アメリカが現在までに韓国に援助をした金が五十二億くらいあると聞いておりますが、大体そういうところですか。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 正確には私も記憶いたしておりませんが、ほぼあなたのお示しの金額で、そのうち、米国の対韓経済援助は一九四五年から一九六二年までの累計約二十八億ドル、このほかに軍事援助があります。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 そこで、現在韓国では五カ年計画が進行中でありまして、聞くところによりますると、非常に外貨事情が悪いので、ことしに入ってからも計画が非常に円滑に進んでおらないと聞いておるのであります。そこで、一体この五カ年計画の中で、いま申し上げた経済協力の五億ドルというものはどういう役割りをするのか、あるいはこの点は聞きましてもまだ不明かもしれませんが、私どもの気持ちといたしましては、やはりこれは出す以上は有効に使ってもらいたい。これは日本人の気持ちでございまして、先ほどのアメリカの五十二億ドルの援助に基づきましてやったわけですが、依然として韓国は経済的に自立できない、こういつたような実情でありますので、これは希望としまして当然でありますが、日本としましても積極的な助言を行なうべきだと、こう思うわけです。  そこで、次にお伺いしたいのは、一般請求権に関しまして、民間協力の一億ドルということがいわれておるわけです。これはどういうふうになっておりますか、お伺いしたい。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 三億ドル、二億ドルというのは政府が計画し、政府が相手方政府に対してお約束をする金額であり条件でございます。民間ベースでは、御承知のように、輸出金融の形で、民間の間の契約でいろいろなことが行なわれるだろうと思うのでございます。で、その金額はどれだけになるかというようなことは政府が予測するわけには私はまいらぬと思うのでございます。一億ドル以上ぐらいの民間借款が期待されるだろうというお見込みを言われておるのだろうと思いますが、政府がそれに対してコミットしたものでは決してございません。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 次に、在日韓国人の法的地位につきまして、これも最近はまた新聞の社説等に出ておりますが、条文作成の段階に至ってこういつたようなことが出ておりますが、一体どの程度まで話し合いがついておるのか、その点についてお伺いをしたいと思います。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 条約局長から御説明させます。

中川融外務省条約局長

○政府委員(中川融君) 在日韓国人の法的地位につきまして交渉しておるわけでございますが、大体いわゆる戦前から日本に在住しております韓国人には、一般外国人とは少し異なった法的な地位を考える。つまり、一般外国人よりも強制退去の事由を少なくする、こういうかっこうの地位をはっきり認めてやろう、こういう話になっておるわけでございます。問題になっておりますのが、その子孫について同じような待遇を認めるかどうかという点につきまして、その範囲をどの程度にするかということがまだ先方とはっきり確定いたしておりません。大体一代限りぐらいは認めていいのじゃないかというようなところに落ちつきかかっております。大体従来までの交渉の内容はこのようなことでございます。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 まあいまの問題ですが、そうしますと、結局講和条約の発効の以前までに日本におりました韓国人は一代限りと、こういうふうになるわけですが、その点について。

中川融外務省条約局長

○政府委員(中川融君) 大体この韓国人として特に優遇される地位を与えられる者はその一代限りでございます。  なお、その子につきましては、成年に達するまではその両親と一緒に永住を認める、成年に達した場合には、これが一般の外国人並みの永住権に切りかわるというのが大体の考え方でございます。しかし、同時に、長い間日本に居住しておりましたという関係がございますので、その子につきましても、この強制退去等にあたりましては、決して不合理なような待遇を与えないように日本側も考えるわけでございますが、法的な地位といたしましては、ただいま御指摘のありましたように、いわば親だけ、講和発効までに日本にずっと住んでおった韓国人、その後も引き続いて住んでおる韓国人、これについてそういう優遇的な地位を与えよう、かような考え方でございます。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 そうしますると、在日朝鮮人の中で、大体六十万ぐらいと聞いておりますが、その中で韓国籍を名のる者がどのくらいあるのか、また、北朝鮮の国籍を名のる者がどのくらいあるのか、その数についてお伺いしたい。

中川融外務省条約局長

○政府委員(中川融君) 在日朝鮮生まれの方々、この方々の中で韓国籍が何割、北朝鮮系が何割かということが実は的確には統計がないわけでございます。大体半分々々くらいではなかろうかと考えるわけでございますが、と申しますのは、外国人登録におきまして、一応韓国と書く人と朝鮮と書く人とあるわけでございますが、必ずしもその書き方だけで、韓国と書いた人が韓国系であり、朝鮮と書いた人が北鮮系であると、こうも断定できないようでございまして、したがいまして、これは結局、日韓協定ができました暁に、韓国籍として自分で申請される方、こういう方が結局韓国籍ということになるのではないかと一応考えられるのでございますが、これらは協定のできぐあいによりまして結局きまるわけでございまして、いまのところは、まだ確定したことになっていない次第でございます。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 そうしますると、韓国籍のほうを名のる者は一応問題はなかろうと思いますが、北朝鮮の籍を名のる者の処遇はどういうふうになりますか、その点について。

中川融外務省条約局長

○政府委員(中川融君) 結局韓国籍の方々は、いわば一般外国人より退去強制の事由等が少なくされる、いわば優遇される地位に法的に認められるわけでございますが、同時に、北鮮系の人たちを差別するという考えも、実は日本当局としてはないわけでございまして、法的に許される限度におきましては、大体実質的に同じ待遇を与えるようにしたい。これは協定に基づくわけではございませんが実際上の取り扱いにおいて、できるだけ近い待遇を与え、その間に実質上の差別はできるだけないようにいたしたい、かように考えておるわけでございます。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 これもまだ聞くのもどうかと思いますが、政府の意向を聞きますけれども、日韓交渉が妥結した場合には、共同宣言の形になるのか、条約協定になるのか、これについて、これは外務大臣から。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 先ほどの藤田さんの御質問にもお答え申し上げたのでございますが、いまは内容的な煮詰めを鋭意やっておるわけでございまして、一応それが全部出そろった上で、どういう条約の態様にしていくかという点は、その段階で慎重にきめたいと思っておりますので、あらかじめこういう方式でいくのだというようなことを、いま頭に置いておるわけではございません。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 その問題は、そのくらいにしておきまして、もう一つ。  これも従来から問題になっているのですが、韓国における日本代表部がいまだにないわけでありますが、韓国のほうは日本のほうにある。この問題はどういうふうになっておるのか。なぜ向こうのほうが許可しないのか。その点について、外務大臣にお伺いします。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 私どもといたしまして、ソウルに日本政府の代表部があるほうが便利だと思います。また、それが相互主義から申しまして当然のことと考えておるわけでございます。したがいまして、再三にわたって先方の政府に対しましてそういう申し入れをいたしました事実はございます。先方といたしましては、それはよくわかりますが、もう交渉を早く妥結にもっていきまして大使館設置ということにいたそうじゃありませんかということでございます。したがって、事がそういう形で運んでいないことはきわめて遺憾でございますが、私どもいまの状態が相互主義から申しまして、はなはだ変態的な状態であるという、きわめて遺憾な状態であるということは重々承知をいたしておるわけでございますが、また、それをあくまでも先方に主張してソウル代表部を置くということをいまの段階で強く主張しようとも思いません。これは当然先方がそういう理解に基づいて先方からわがほうに対しましてお申し出があってしかるべき性質のものだと思うわけでございます。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 ですから、私がお伺いしているのは、まあ外務省としては強く主張しようとは思わないということでありますが、韓国側が許可をしないのはどういう理由に基づくのか、これを聞いておるわけです。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 交渉の妥結も近いことだからという理由を先方は言っております。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 次は、中共問題につきまして一括してお伺いしたいと思います。これは外務大臣と総理にお伺いしたいと思います。中共問題は、これまでいろいろな角度から委員会等におきまして論じられてきたのでありますけれども、結論といたしまして、アジアのこの繁栄と世界の平和を論ずる場合におきまして、中共問題は非常にこれは重要な意味を持っていると、先般フランスの中共承認以来政府当局は中共問題をどのように把握をしておるのか、非常に私もまあ不明瞭な点があるわけですね。それで貿易駐在員の問題にしても、あるいは航空機の乗り入れの問題にいたしましても、あるいは新聞記者の交換、あるいは吉田元総理の訪台に伴う日中貿易に対する態度、考え方、こういつたようなことで各大臣の答弁がどうも一致しておらない。ばらばらな答弁であるように思うわけです。そこで、このような問題に対しまして、具体的な問題に対して、この際政府の統一見解はどういうふうになっておるのか。その点につきまして一つ一つ聞くのはめんどうですから、一括して外務及び総理大臣に伺いたいと思います。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) 中共問題がフランスの新しい動きからにわかにわが国の朝野で論議を呼ぶことになったのでございますけれども、わが国のあなたの言われる統一見解というのは施政方針演説ですでにはっきり示されておるわけでございまして、国民政府と正規の外交関係をもって友好関係を維持いたしたいと、中国大陸との間には政経分離の原則に立って貿易その他事実上の問題を処理してまいるのだと、こういう方針に少しも変わりはないわけでございます。したがって、いまあなたが御指摘になりました、最近論議をされておるような具体的な問題につきましても、この方針に照らして処理して措置してまいるということでございます。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 ですから、私が聞いているのは、その具体的な問題を一つ一つこれはどういうふうに見解がまとまっておると、このように御説明を願いたいわけです。

大平正芳自由民主党外務大臣

○国務大臣(大平正芳君) いま問題になっておりまする新聞記者の交換問題あるいは航空機の乗り入れ問題あるいは貿易事務所の設置問題。これは政府といたしましては、まだ政府のほうにアプローチがございませんので、政府の見解を述べるといった段階ではないわけでございます。ただ、国会等でお尋ねがございますので、政経分離の原則に照らしまして、もし、そういう問題が取り上げられてまいりますれば、政府にアプローチがあれば、政経分離の原則に照らしまして検討いたします。こういうことが、いわば統一的な見解と申し上げて差しつかえないと思います。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 そこで、総理に最後にお尋ねをいたしまするが、きょうの産経新聞に、政府の中共問題に対する統一見解、こういうことで突っぱねておるわけでありまして、中共問題に対する政府の正式な統一見解というものがきまっておればお伺いをしたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 政府の統一見解は、私の施政方針演説で述べたとおりで、いろいろな派生の問題につきましてどんどん議論されておられるようでございます。私は何も関知しておりません。あの施政方針演説で申し上げたとおり、フランスが中共を承認したからといって、いますぐ政府がどうこう統一見解という必要はございません。しかし、私は外務当局からいろいろな情報は常に聞いております。いまここで、施政方針演説以外に申し上げることは何もございません。  それからただいま東南アジア各国の分を申し上げましたが、あのうちで、インド三億ドル余りと申しておりましたが、インドはいま問題になっておりますIMFから二億ドル近く借りておる金額がございます。そうすると五億余りになります。フィリピンはちょっといま情勢が悪くて二億ドルと申しましたが、一億ドルくらいです。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 次に、財政問題についてお伺いいたします。  まず、三十九年度の一般会計予算でありますが、三兆二千五百五十四億円で、前年度に比べまして一四・二%の増になっているわけです。これに国立大学校の運営費等を含ませますと、大体一五%の増になっている。そこで、新年度の経済成長率は一〇%弱にこれはなっているわけでこの予算の膨張率と経済成長率の伸びの度合いというものがまあ差があるわけですな。これは大体、両方見合わせて決定されるべきものじゃないかと私どもは思うわけなんですが、この点につきまして、大蔵大臣にお伺いしたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 三十九年度の成長率は、いま、御指摘のとおり、名目九・七%でございます。しかし、税は、ちょっと法人税等は三十八年の下期の分が三十九年度に繰り込むわけでございます。三十八年度の経済成長率は当初考えましたよりも第二次、第三次補正をお願いいたしましたように、自然増収が二千億余にわたるわけであります。このような高い成長率を続けておりますので、九%の鉱工業生産を前提にして考えますと、これを税に換算をしてみますと一四、五%になるわけであります。でありますから、三十八年度の下期の分が三十九年度に入るということで、高い成長率の前年度分の後半期分を見積もっておりますので、自然増収としては五千八百二十六億ですから、その数字が見積もれるわけであります。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 私が聞いているのは、経済の成長率と予算の前年度比というものが、パーセントが違うわけですが、そこのところを聞いているわけです。ですから経済成長以上に財政が膨張するということは、結局その国民所得の伸びよりも予算の割合が増大することである、結局税金の取り過ぎじゃないか、まあ、とにかく、これは税負担のパーセントから見ましても、ことしは二十九年以来最高の二二・五%、こういうような数字を示しておるわけです。そういう点をひとつ、なぜこういうふうになったのか、大蔵大臣から鮮明にひとつ伺いたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 経済成長率と税収見積もりの前年対比率が違うことは御承知のとおりであります。三十八年度の成長率は当初六%と押えたわけでありますが、実質六%で、御承知のとおり、対前年度比の予算の伸び率は一七・四%であります。三十七年度、三十六年度は、申し上げなくても、実質成長率は二二、四%にもなりましたけれども、予算の伸び率は二四・六%、二四・四%、こういうふうに率が違うことは御承知のとおりであります。でありますから、国民所得と税負担率という問題が論じられるわけであります。国民所得に対する税負担は、御承知のとおり、三十二年度以降伸びておりますけれども、しかし、これもいまから三年前、三十六年度、三十七年度と同じ割合であります。減税額をどの程度見ておるかという問題も問題になるわけでありますが、これは当該年度の歳入になる金額と当該年度の減税額の割合をいうわけであります。これは六千八百億の自然増収でありますが、前年度剰余金が千八百億余波っておりますので、実質の歳入財源になるものは四千九百億弱であります。これと、初年度における国税の減税額との比率を見ますと、一七・一%になるわけであります。これは、三十二年以降、最高の減税をやっておるわけでありますから、経済成長率名目九・七%と押えまして、一般会計の対前年度比一四・二%と押えましたのは、三十八年、三十七年、三十六年等と比べまして、相当引き締めぎみの予算である、このように言い得る わけであります。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 それでは、これはこの前新聞に出ておりましたが、大蔵省が最近新しい税負担の基準として四年間に一%ずつ上げることを検討しておると、こういうように新聞に出ておりますが、アメリカのケネディやジョンソンの、貧困追放のために減税法案を通すのに、必死となっておる、日本の大蔵大臣は、これから税金をさらに四年間に一%ずつ伸ばしていこう、こういうことになるわけでありますが、これは税制調査会の二〇%程度に押えるという答申にも反しますし、どういうわけでこういうふうに増税のほうに持っていくのか。また、これは実際において検討されておるのか、そういう点についてお伺いしたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 税負担率を下げたい、国民所得に対する税負担率を下げたいということは当然私たち考えておるのでありまして、税負担率を一%上げていこうなんという考え方は持っておらぬわけであります。しかし、国民所得に対する税負担率だけでものを考えるわけにはいかないということを政府は申しておるわけであります。それはなぜかと申しますと、歳出によって国民にサービスをいたしております、財政サービスをしておるわけでありますから、このサービスと国民所得に対する税負担率というものが、両方とも考えて、バランスの上に国民所得に対する税負担率を考えていただかなければならない、こういうことを申し上げておるのであります。ただしかし、昭和三十七年の税制調査会では二一%程度に押えたほうがよろしい、二〇%前後と、こういう勧告があったと思いますが、これも絶対的な数字をあらわしておるわけではないのであります。絶えず減税をすることと、歳出によって財政サービスをすることが、どちらにウエートを置くべきかということは、十分価値判断をしてかからなければならぬわけであります。でありますから、社会保障とかその他公共投資が非常に進んでおって、国民に対してサービスが行き届いております諸外国の例等をとりますとおわかりになることだと思います。六一年でアメリカが二七・六%、イギリスが三二・一%、フランスが三〇・五%、イタリーが二六・七%、西ドイツが三二・六%、当時わが日本は二二・二%、今年度の税負担率二二・二%と同じ率になっておるわけであります。でありますから、この国民所得に対する税負担率だけで考えることはできないというふうに言っておるわけであります。大蔵省で、税制調査会で考えられた二〇%前後ということを、二二、二三、二四、二五に上げていこうなどという工作もしておりませんし、そういうことを現在考えてはおりません。その年度その年度の予算を編成しますときに、歳出と減税との状況を十分勘案してきめられるべきものであって、ただ二〇%前後という税制調査会の数字にのみこだわるのはどうか、こういう考えを持っておるわけであります。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 それであればけっこうでありますが、これは日経新聞が間違っておるのかしりませんが、新しい税負担の基準点は四年間に一%程度ずつ上がるのはやむを得ない、このように大蔵省の談として出ておるわけで、私は聞いたわけです。  時間がありませんから次に行きますが、総理にお伺いをいたしますが、経済見通しによりますというと、物価が四・二%上昇におさまるであろう、こういうことになっておりますが、ことしの膨張予算でもって、また過去三カ年の経験から見まして、はたしてこれで物価がおさまるか。かつて総理は、物価は一両年で安定させると、このようにおっしゃったわけでありますが、この総理のことばもやや信頼を得ないようになったわけです。そういう点につきまして、総理の確信ある答弁をお伺いしたい。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 経済見通しとか経済計画というのは、これはこういう姿が望ましいということでございまして、自由主義経済のもとにおきましては、こうならなければいかぬといってそれを押えておくわけにはいきません。ただ、そういう見通し、望ましい姿になるように政府は努力しております。ただいまのところ、大体前年に比べて四・二%、そうして二%くらい上がるのだ。昨年の三月を基準といたしまして、消費者物価はいまのところ昨年三月に対して二・六%程度の上がりであります。いま落ちついておりますが、私はいまの様子ならば、公共料金一年ストップというこのムードづくりがかなり効果が出てくるのではないか。ただ、私の心配しておる問題は、今度の春闘でございます。これでどれだけ上がるかということになりますと、これはもうまた相当上がれば、私は消費者物価の上昇に非常な影響を及ぼすということを心配しておるのであります。だから、名目賃金が上がるよりも物価が上がらぬほうがいいのだという議論が、去年の選挙中に多うございましたが、どうぞそうあってほしいことを私は考え、できるだけ賃金の上昇も押えて、そうして物価も押えていく。賃金は勝手に上げて、そうして物価が上がるのは、消費者物価が上がるのはいかぬ、こういうことはどうも通らぬ。経済原則ではありません。物価の上がった——上昇というものは、おおむね去年も一昨年もやはり消費者の消費というものが年々一割五分以上上がってきているのであります、一割五分以上。で、昭和三十九年は、一割五分年々上がってきたのを一割一、二分で押えたい、こういうことでございますが、もし賃金が相当上がるということになれば、消費がふえる。国際収支が心配なる。そこで、私一昨日とった電報でありますが、イタリーなんかも増税を始めております。相当な消費者物価がイタリーも上がっておりますが、これに備えて増税をやる。私は増税は考えておりませんが、ここをよく労使の間で考えてもらって、ことに賃金がいままでのようにどんどん、とにかく言われておりますように、こう物価が倍増したのに賃金はひとつも上がらない、こう言っておりますが、これは賃金の上がり方よりも生産を伸ばしていく。大体賃金がそうでございましょう。昭和三十年と比べて、一般賃金は倍になっておりませんか、公務員なんかもほとんど倍近くになっておる。物価が三十年に比べて三割ぐらいしか上がっておりません。賃金は倍近くになっておる。私が内閣を持ちましてから、所得は五割四分上がりましたが、物価が二割何分で、実質が三割四分ふえたということは、施政方針演説で言っておるとおり、私は、ここでの議論なんか、物価倍増で所得はふえぬ、こういう議論がありますが、これは事実にみんな反しております。私ははっきり申し上げますが、とにかくいま春闘が一番の問題でございます。これが公正なところで、いまの日本経済の実情を見て、国際収支を見て公正なところできまりますならば、私の見通しでは実現できると思っております。もしそれ相当な価格が上がるということになると、この見通しは、まあがんばってはいきますが、なかなかむずかしいということでございます。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 ただいまの総理の答弁は、春闘におきまして賃金が上がれば物価もある程度やむを得ない、何だか責任のないような答弁でありますが、私は、賃金はこれから相当上がる方向にあるのではないか、こういうふうに考えておるわけであります。そこで、違った角度から、財政の面から考えまして、今年は一般会計が三兆二千億、それに財政投融資が一兆三千億、これに加えまして地方財政を合計しますと、七兆六千億円の膨大なあれになるわけであります。これが三十九年度の国民総生産を二十三兆円とかりに推定をいたしました場合には、大体三〇%ぐらいの財政規模になるわけですが、このぐらいの大きな金が政府の財貨サービスとなって、財貨サービスの改善となって需要を起こす。そういう面から見て、賃金は私は上がると思います。財政規模の面から見ても、やはり過去の三カ年の例から見ても上がるのではなかろうか、こういうわけでお伺いをしているわけです。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 一般会計の規模が一四・二%ふえたと言いますが、国民所得に対する一般会計の規模は一六・四%であります。前年度に比べて、前年度は一七二%でありますから、これに比べて下がっているわけであります。しかも、金融から見ましても、前年度の前年剰余金が千八百六十六億も減っておりますので、財政対民間出資の散超幅は、そういう意味で非常に窮屈になっておるわけであります。でありますから、この予算はよく見ますと、案外緊縮過ぎるのじゃないかという面もあるわけであります。いままで三十六年度が対前年度比二四・六%、三十七年度が二四・四%、三十八年度が一七・四%、こういうことであります。財政投融資につきましても、対前年度比二〇%余でありますが、前年度の財政投融資は二二・三%だったと思います。そういう意味からいって、とにかく相当引き締め基調にあるということは言えるわけであります。しかも、物価問題に対していつでも財政規模を言われますけれども、財政は御承知の固有の使命を持っておるわけであります。でありますから、物価に対して財政が全然関係ないということを言っておるわけではありません。これは財政というのは歴史を見てもおわかりになるとおり、不景気に対して、かつて日本でも匡救土木工事、救農工事を起こして景気の浮揚をつけたということもあります。アメリカではテネシー・バレー等でいろいろの公共投資をやって、不景気に対して何とかやらなければならない。また今度の一大減税をやるというようなことも、半面財政投資をすると同じ効果をねらってやっておる面がありますから、でありますから、長期的に見ますと、財政規模というものが相当考えらなければならぬという面も確かにあります。  もう一つは、財政規模というものは心理的な影響がありますので、まじめに健全性を貫かなければならぬということが言い得るわけでありますが、とにかく、物価に対しては、財政規模の問題よりも、やはり金融がウエートを持って考えられるべきであるということは、論議のないところであります。  もう一つ、財政には日本の特有な状態があります。いまでさえも道路は、昭和二十七、八年の八十数億に比べて四兆一千億、五カ年計画をやっておっても、まだ有料道路の計画は遅々として進まない。社会資本の不足ということ、また社会保障の充実、こういう問題を考えますと、財政の持つ固有の使命というものが相当あるのでありまして、まあ三十八年の一般会計、財政投融資の規模そのものは過大ではない。少なくとも景気刺激をするような要因を含むものではないということは言い得ると思いますが、しかし、これが執行等につきましても細心の注意を払って、国際収支の改善と物価の安定、抑制に対して細心の注意をいたしたいと思うわけであります。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 そこで新年度の自然増が六千八百二十三億とあるわけですが、減税分を引きまして大体四千億が新規の財源になっておるわけです。ところが、諸物価の高騰あるいは人件費や予算単価の引き上げで、そういうものが財政にはね返って財政膨張の要因となっておる。ですから、当然増的な経費が相当にふえております。新規の施策の財源に充てられたものかどのくらいあるのか。新規の施策の財源に充てられたものが、そういったような人件費の高騰だとか、予算単価の引き上げだとか、そういう財政膨張の要因になっておりますそういうものを引きまして、新規の施策の財源に充ておる財源がどのくらいになっているか。またどういう施策があるのか。それにつきまして……。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 当然増経費ということに対しても、またなかなか議論のある点であります。現行法に基づきまして、現在ある法律に基づいて、前年度には十月一日からこれを法律を施行しておりますから、これが平年度化するというような問題も、当然増経費と言われております。それから、人事院の勧告を受けて十月一日からこれを施行したために、これが平年度化されて給料が非常に上がった。また現行法で何年の何月からはこういうふうに率を上げると、こういうような、補助金の率とかいろいろのものが自動的に上がるような場合、そういうことに対する予算も全部当然経費、当然増と言われておるわけでありまして、私たち政党政治の状態から見まして、こういうものを当然増と言うことはあまりにも事務的な考え方ではないかと思われますが、いずれにしましても、拘束を受けておるものであります。好むと好まざるとにかかわらず計上しなければならないものを当然増、新規施策——新しくこの国会に法律を出して補助金の率を引き上げるとか、また新しく家族に対する給付を行なうとか、いろいろな問題、社会保障を拡充いたしましたり、また、道路に対して一般会計からの投資をふやしましたり、そういう経費は大体こまかく区分はできませんが、自然増収額の二分の一ぐらい、半々ぐらいだ、このくらいに大体いくと思います。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 自然増の半額となりますと、これは減税分を引いた半額ですか。大体四千億……。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 大体そんなところです。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 それからもう一つ心配になりますことは、いま申し上げましたように、当然増がだんだんふえてきますし、また四十年度以降におきましても国民健康保険の五割給付から七割給付への増、あるいは厚生年金給付内容の改善、また、元利補給の住民税減税の補てん債等の後年度の当然増の経費が予定をされているわけです。それからまた、政治的には農地報償について準備の費用が経費に計上されている。あるいは金鵄勲章受章者に対して一時金を支給するとか、また在外資産の補償についても調査会を設置する、こういったようなことが政治的にきめられているわけでありまして、これからまた高度成長が続く限り多額な自然増が必要でないか、 この調子でいきますというと、財政が膠着状況になって行き詰まるのじゃないか、こういうようなことも言われておるわけですが、これにつきまして大臣の見解を伺いたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 財政が膠着状態になるということにもいろいろの議論があるわけであります。財政が膠着状態になるというのは、法律でもっていろいろ縛っておりますから、そういう意味では自由裁量権がなくなり、すべてのものに対して法規裁量をしなければいかぬ、自動的に法律によってはじかれる、こういうことを言うとすれば、予算に対する自由裁量権がだんだん少なくなってきて、まあ思い切った政策ができないということも言えるわけでありますが、しかし、国会中心主義であり法定主義である。租税法定主義というのは、戦後租税法定主義が非常に強くなっておりますが、その他の予算に対しても、あらゆるものが法定主義になっているわけであります。でありますから、拘束を受けておるというのは、これから新しい仕事をやろうというのは拘束を受けておりますけれども、それ自体が非常に新しい政策であり、抜本的な政策であった。こういうことから考えますというと、予算が全く拘束性を帯びてどうにもならないような状態になるとは、考えておらないわけであります。まあ、これからでも、毎年毎年新しい予算に対しては五カ年計画をつくる。また、法律で制定をするということになりますから、そういう意味からいえば、大蔵大臣がつかみ金でつけられるようなことはだんだんなくなるわけでありまして、それが新しい制度かもわかりません。しかし、行政機構などが膨張をしてどうにもならないというような拘束性というものは、これは排除しなければならないわけでありますから、行政の簡素化、機構の合理化というようなものに対しては、大いに前向きで対処いたしておるわけであります。まあ、これから二十何%というような対前年度膨張という予算は組めないにいたしましても、各国で組んでおりますように、せいぜい高くても対前年度一〇%、普通であれば四%、低ければ三・五%、多くても六%限度というような予算をいますぐ組むわけにいかぬと思うのですが、先ほど申し上げたとおり道路を考えても、社会保障を考えても、住宅の問題を考えても、下水の問題を考えても、都市計画の問題を考えても、なかなかそうはいかぬと思いますけれども、少なくとも、所得倍増計画の年率七・二%程度の安定的成長というものは続けていけると思うのであります。まあ、国会の御審議でもおわかりのように、九・七%に名目押えても一五%になるのじゃないかというほど日本の経済成長率はたくましいのであって、これをいかに九・七%に押えて、いかに物価を安定させ、輸出に持っていこうかというのが、いまの政策の焦点になっておるわけでありますので、当初考えた七・二%年率程度の成長は続けられる。そうすれば、年間一五%程度の自然増収というものは見積もれるわけでありますから、予算が全く拘束を受けるということはまずないと考えていいのじゃないかと思います。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 それでは、次に財投の問題ですが、ただいまの問題は大蔵大臣のおっしゃるとおり、日本経済がさらに成長してもらえば、私も非常に安心をするわけでありますから、ただ、そういったような心配があるものですから聞いておるわけでありまして、さらに財投の関係の規模が一兆三千億になっておるのですが、その中で政府保証債や公募地方債等の公募債借入金が二千五百億円、さらに外貨債が五百三十六億円、こういうふうになっておるわけです。こういうことにつきましても、公債発行のきらいがありはしないか。また、これは現行国債発行制度の抜け道ではないか、こういうようなことが批判の的になっておるわけですが、これにつきまして、大蔵大臣の所見を伺いたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 財政投融資の中で、外債の五百三十六億円、これは今年度の発行見通しが一億二千五百万ドルでございました。これらの実績から見ましても、外貨債のほうは大体見通しをつけて御提出をしておるわけであります。それで、まあ外貨債というものが、内国債を発行しないからといって外貨債でもってやるのは抜け道ではないかというのですが、これは御承知の国際市場の拘束性がありますし、もう一つは日本の対外信用というものもありまして、これは一挙に三億ドル、五億ドルというふうにふえていくべきものではないのでありまして、内国債を発行するということと外貨債を発行するというのの違いはここにあることは御承知のとおりであります。それから、公募債借り入れ金が千八百八十二億から二千五百億にふえているということでございますが、これは大体この財投計画をきめますときには、資金運用審議会を開きまして、三十八年度の実績見通しに立って、この中にはこれを引き受けてくださる金融機関の方々が全部入っておりますので、民間資金を圧迫しない限度において実行できる範囲を提示をして、円満に引き受けの了解を得たものを計上したわけであります。しかも、三十八年度の十一月、十二月は大体月間百五十億のワクが現在もうすでに消化をされておりますので、このような情勢から考えますと、三十九年度にこのままの数字を引き延ばしても、民間資金を圧迫するううな状態は全然ないということで、十分消化可能の金額を計上したわけであります。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 この外貨債の五百三十六億円でありますが、これは資金調達の大体のめどはついているわけですか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 御承知の三十八年度は一億二千五百万ドルでありまして、アメリカ市場において一億ドル、それからドイツにおけるマルク債二千五百万ドル、計一億二千五百万ドル御審議を願ったわけであります。大阪府・市債のマルク債の二千五百万ドルは消化をいたしましたが、一億ドルのアメリカ市場における外債につきましては、利子平衡税が七月に出ましたために、約五割五分程度の消化で今日までストップしているわけであります。しかし、この残余のアメリカ市場で消化できなかったものは、その後ヨーロッパ市場の開拓によりまして十分調達ができましたので、できる見通しでありますので、大体年度末までには所期の外債の発行は円満にできるという見通しであります。しかも、そのような状態を十分考えまして、しかも、アメリカの利子平衡税というものが、いまのままで六、七月まで審議が継続されてもという状態で、今年度と同額一億二千五百万ドルを計上したわけでありますので、この外債に対しては、大体発行の見通しはつくものと考えております。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 それから、これは新しい制度ですが、住民税減税に伴う補てん債といたしまして百五十億円の三分の二を、すなわち百億円を元利補給とすると、こういうことになっておりますが、これは発行計画はどういうふうになっておりますか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 住民税の減税を考えまして、このただし書き方式によっております市町村分を本文方式に二カ年間で戻そうということを考えたわけであります。で、これは標準税率でやっておる市町村もあるのでありますから、これらの市町村が標準税率に直そうというときには、当然市町村負担でやってもらいたいということは、私たちもそのように考えたわけでありますが、画期的な減税でありますし、特に標準税率以上に取らなければならぬような財政困難な市町村である現状にかんがみまして、国が財政援助をしようという考え方に立ちまして、これらの減収分に対して、当該地方公共団体が起債を行なう場合、その三分の二に対して元金の補給を行なうということにいたしたわけであります。これは、弱小市町村に対する財政援助という考え方でかかる措置をとったわけであります。二割ずつ漸減で五カ年間見ていこうという考え方でありまして、過去にも北海道の固定資産税の税率を標準に直しますときにやりましたり、また、大きな災害等があった困窮市町村に対しても、かかる措置をとった前例もありまして、国が公債を発行するというのではなく、あくまでも減税をする、またしなければならない当該市町村に対する財政援助の立場で三分の二の元利補給を行なうわけでございます。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 住民税の減税につきましては、それは昨年私も予算委員会でお伺いをいたしまして、ただし書き方式では地域的に非常に格差がある、そういうことで私はこれには賛成をいたしますけれども、そのやり方が、ことし初めてのことでありまして、五カ年間にわたる補助金の延べ払い方式であって、まあ実際の赤字公債じゃないか、こういうこともよく言われておるわけですが、これはどういう、ふうになりますか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) これは、国が発行をします場合には、赤字公債と言われるかもわかりませんが、国ではないのです。先ほどからるる申し上げておりますとおり、超過税率で取っておる市町村が、起債によってやるわけであります。しかし、標準税率以上に取らなければ学校も建たぬ、道路もできない、何もできないというような市町村であります。特に、私は新潟県でありますし、それから、早川自治大臣はあまり財政力豊かならざる和歌山県の御出身であります。でありますので、話をしてみると、実態が非常によくわかるわけであります、こういう問題に対して。ただ、地方税の減税というものは地方税でやるべきである、こういうただしゃくし定木の気持ちだけでこれを標準税率に戻せと言ってもできるものではない。ますます格差が開く。しかし、法律的にまげて、国が永久に補助をするわけにはいかぬ。だから、実情を十分見ながら、しかも、その基本的姿勢を正しながらやる方法とは何かという場合には、起債が当該市町村がやり、この三分の二に関して国が五カ年間元利補給をしようと、こういうことでありますので、先ほど申し上げましたように、北海道の固定資産税の場合も三倍くらい取ったことがあります。これはどうしても北海道には住む人がなくなってしまうわけです。そういうことでは困るというので、これを標準税率に返す場合、同じ処置をやったのであります。それから災害の場合も、どうにもならないで起債などといってもしかたがないということで、元利補給の道を開いたわけでありまして、これはあくまでも地方公共団体が起債で行なうものに対して国が財政援助をやるという考えであって、国が行なったものではありません。もう一歩進めて、しかし将来の財政負担をちゃんと約束したでないか、こういうことになれば、これは債務負担行為というのが防衛庁などにもありまして、国会の御議決によって将来の財政負担も行なっておるわけであります。これは事態によってやむを得ざる処置としてやったものでありまして、かかるものを将来発行しようという気持ちはいま大蔵省で持っておりませんし、また真にやむを得ざる処置であるということで、赤字公債というものでは絶対ないということは、明らかに御理解を願いたいと思います。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 赤字公債論議は私は続けようとは思いませんが、実際は国が元利補給をしているわけでありますから、それに近いような感じがするわけであります。  それで、時間がありませんので次の問題に入りますが、これは財政と金融の問題ですが、一般会計と財政投融資、さらに地方財政を加えまして、さっき申し上げましたように七兆六千億と、この膨脹予算で組んであるわけです。ところが、実際金融は昨年の年末から御承知のとおり非常に引き締まってきておる。そしてかつてない中小企業の倒産が続出をしておる、こういうようなことを考えまして、財政は膨脹する、そして金融は引き締めるということは、これは財政金融政策について矛盾がないのか、こういう感じがするわけですが、これを総理大臣にもお伺いします。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) まあ財政は膨脹だということは、膨脹でないということを先ほど来大蔵大臣が言っておる。それから、金融はいまの情勢からいったらある程度引き締めなければいかぬ状態でございます。少し伸び過ぎました。私は、あけましたら、おととしの暮れから去年のいまごろは、秋を待たずして好景気になる、上向くと、こう申しました。私の予想どおり八月ごろからずっとよくなりました。少し私の想像以上によくなっておるのであります。それは御承知のとおり、去年の五、六月ごろは前年に対して六、七%、八月ごろは八%、十月は一一%、いまは前年同月にし対て一六、七%じゃございますまいか、一月のあれは、生産が伸びましたから。こういうことは行き過ぎであります。だから暮れから締めておるわけです。けれども、こういうことは、財政はそうふくらんではおりません。金融はいま引き締めなければいかぬ。それはなぜかと申しますと、去年の秋から上向き方が大きい。そして預金のふえ方か相当——そのふえ方にはある程度実勢以上のものがありますので、いま大蔵省でいろいろ銀行に対して指導をしておる状態でございます。財政がふえて金融を引き締めたとよく言う人がおりますが、これは財政金融に対しての絶対責任を持っておるわれわれとしては、それはふに落ちない議論でございます。大蔵大臣が言っておるとおりでございます。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 まあ、総理はかつて、中小企業に対しましては革命的な措置をすると、こうおっしゃったわけです。それで私ども期待しておったわけでありますが、結果といたしましては、非常に逆なような結果が出ておる。こういうようなことで、ある程度不信を持っておるわけです。この状態は、いろいろな新聞、雑誌等を見まするというと、あるいは六月ごろまで続くのじゃないか、こういうことも書かれてありますが、午前中も説明がありましたが、今後の中小企業の対策、むしろこの中小企業に重点を移すような金融のあり方が考えられるのじゃないか、こういうことも考えられるわけですが、その点につきましてお伺いしたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 中小企業に対して一体何を考えるのかといいますと、まず税制の問題であります。もう一つは金融の問題であります。もう一つは企業診断とか、また設備の改良とか、それから技術革新とか、中小企業の経営実態に対して政府が各般の施策をするということになるわけであります。この税につきましては、平年度二千百八十億円のうち六百億余にのぼる中小企業減税を行なっております。中小三公庫につきましては、御承知のとおり、前年対比二一%の資金をふやしておるわけであります。もう一つは、金融につきましては、保険公庫に一般会計から金を入れまして、いままでの何倍かの保険、付保のワクをひとつうんと広げようということをやっておるわけであります。もう一つは、戦後つくられました中小企業専門機関の指導はもちろんのこと、これは非常に大きく資金量がふえておりますので、中小企業の生産の伸びよりはるかに大きく預金が伸びておるわけでありますが、この中小企業専門金融機関以外に都市銀行、地方銀行等の中小企業向けのワクを十分ふやすようにという措置をいたしておるわけであります。なお、いままで日銀が買いオペレーションをやるような場合に、中小企業専門機関に対しての対象を広げるということもいたしておるわけであります。なお、中小企業専門機関である相互銀行等の日銀の口座を開いて、基金的なめんどうを見ようということもやっておるわけであります。そのほか、中小企業に対しましては、まあ私が先ほどの御質問にも答えましたように、下請代金支払い——遅延防止法に対して、ひとつ政府は思い切って取り組もうという考え方もいたしております。それから、手形法とか、それから小切手法とか、そういうものに対しても、中小企業の新しい体制に順応するような状態で、改正点があるならば、真摯な立場でひとつこれと取り組もう。いままでも、こういうものに取り組まないで専門家にまかしておくべきであると、タブーのような状態であったものに対しても、勇気を持って取り組もう、こういう考え方を持っておるわけでありますから、政府が革命的に近い対策をしようというこの意気込みに対して対処する姿勢は、あらゆる方面からひとつ看取していただけると思う。  ただそこに、ちょっと申し上げると、中小企業というのは特異な存在でありまして、世界に例がないわけであります。でありますから、この中小企業というものに対してあらゆる施策を政府が行なうとともに、中小企業と零細企業等の、いわゆるこれからの経営というものに対して、一つのめど——まあそういう中小企業の育成に対する基準というものに対しても相当お互いが考えないと、きのうまでは働いておった人たちが、二、三人でもって中小企業の看板をかけて、百万円の資本金でもって届け出て、すぐ五千万円の融通手形を発行する、これが中小企業だ、こういう考え方ではもうどうにもならないので、やはりお互いが、国全体が、将来の中小企業の姿はかくあるべしということにやはり相当積極的に取り組んで、その一つのめどをつけて、それに順応するような対策をとるべきだろう、こういうふうに考えておるわけであります。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 そこで、ただいま大蔵大臣のお答えありましたように、この下請代金支払遅延防止法あるいは手形法の強化とか、歩積み両建ての預金の抑制、こういうことも従来大臣から聞いておりますし、非常に景気のいい、かけ声だけはいいんですが、どうも実行の面になって要領を得ないようなしり切れトンボみたいになっているわけです。この点につきましては、いま大臣がおっしゃったように、これはひとつ強力に推進していただきたいと、かように考えております。  それから三月度における金融市場の資金不足が千六百億ぐらいあるのじゃないか、こういうように予想されておりますが、政府の見方はどうですか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 一説にはそのようなことも言われておりますが、政府、日銀、各銀行等、十分年度末の金融繁忙期に対処してこまかく検討いたしております。日銀の三月における買いオペレーション千億も、もうそのような実態に対処して行なうということも考えておるわけであります。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 日銀総裁がおいでになりませんのでやめますが、次に、国際収支の問題で、これも午前中問題になりまして、私も聞いておりましたけれども、外貨危機が叫ばれておりますし、新聞や雑誌等にも出ております。国民も非常に不安な感じを持っておりますし、また、経済の見通しとかそういうようなことにおきましても、国民も参考になるわけです。そういうわけでお伺いをいたしますが、午前中の答弁は、外貨の保有高というものは国際間の信用の問題であって、それにこだわる必要はないというような答弁でありましたけれども、やはり、これは、貿易量、貿易の規模、輸入量の規模とか、あるいは世界経済の変動に備えるとか、あるいは緊急の場合の輸入に備える、こういうようなことで大体外貨はどのくらいかというような適正保有高というものは、信用は別問題としてあるのじゃないかと、こういうように思うわけです。さらにお答えを伺いたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 先ほど総理大臣がお答えをいたしましたとおり、ビルマ、タイ、インド、パキスタン、フィリピン、 マラヤ六カ国を合わせて約二十四、五億ドル。この中にはゴールド・トランシュも入っているわけです。それからイギリスは二十六億五千七百万ドル。フランスが四十四億五千七百万ドル。しかし、二十億ドルというときもあったわけですが、さらにフランスはその前は、総理はよく知っておられまして、二十億、その前が十七億、その前に十億、その前の年は六億四千五百万ドル、こういうときもあったわけであります。この反動で四十四億五千七百万というような大きなものになっておるわけでありますが、各国の持つ外貨保有高とそれから輸出入の数字を申し上げますと、非常に大きいわけであります。  イギリスの輸入だけで、イギリスが百三十億ドルだそうであります。百三十億の輸入に対して二十六億ドルということでありますから、日本がいま持っているのは一月末十八億五千五百万、ゴールド・トランシュの一億八千万ドルを加えて二十億ドル余ありますから、まあまあとにかく心配し騒ぐほどの外貨準備ではない、このようなことは比較論から言えます。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 それで、わが国の長短期の借り入れは五十億ドルくらいにのぼっているのじゃないか、こういうふうに私は見ておるのですが、実際はどのくらいあるのか。また、その利払いと特許料ですね、この利払いは年間にどのくらいになっておるのか、その点をお伺いしたい。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) いま、長短期の問題は、調べて申し上げますが、大体特許料と元利払いで一億二、三千万ドルくらいあるというふうに考えます。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 もう一ぺん答弁して下さい。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 大体、特許料が、昭和三十八年度は七千五、六百万ドルか八千万ドルだったと思います。三十九年度は一億ドルちょっとこえます。  それから利子のほうですが、これは前の外貨債と今度の国債あるいは民間の配当、外国人の持っておる配当等で大体一億五、六千万ドルじゃないかと思います。  正確の数字は、大蔵大臣から答えさせます。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 三十七年度の分を申し上げますと、借り入れ金の元利払いが七千五百万ドル、それから特許料等で合わせて一億一千三百万ドル。でありますから、二億ドルくらいになっておるわけであります。これが三十八年の四月から十二月までで計算をしますと、一億八千余万ドルになっておるわけであります。でありますから、少し前年度よりもふえておるという状態であります。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 そうしますと、年間の予算ですね、両方でどのくらいですか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 両方合わせて年間を通じ二億四、五千万ドル、こう申し上げたわけであります。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 それから貿易収支の問題も出ましたが、これもいろいろな新聞等を見ますというと、三十八年度末は大体四億ドルくらいの赤字になりそうであると、さらに貿易外収支も四億ドルくらいの赤字と、合計で経常収支は八億ドルくらいになると、こういうような予想になっておりますが、そうしますと、総合収支は大体どのくらいになる見通しなんですか。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 三十九年三月三十一日現在は十七億四千百万ドルですか、六百万ドルですか、これが一月の見通しであります。大体十七債五、六千万ドルくらいから十八億ドルの間で年度を越すと、このように考えております。その間総合収支で一月の見通し九千九百万ドルの赤字でありますが、大体九千九百万ドルないし一億ドルちょっとくらいの赤字であろうというふうに考えております。それから三十九年度一ぱいは総合でもって一億五千万ドル赤字というふうに考えておるわけであります。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 それから日本の総合収支は資本収支の黒字で補ってあるわけでありますが、それはまあ結局対外債務であって、結局利払いがふえたことになると、こういうことで、やはり貿易収支は貿易収支で健全なる収支黒字を出すべきじゃないか、こういうようなことがいろいろいわれておるわけであります。そういうことで政府も努力をされておることだろうと思いますが、それにつきましてあとからまた貿易問題についてお伺いしたいと思います。  そこで今度二月の二十七日にイングランド銀行が公定歩合を一%引き上げた、こういうことは、これはわが国の外資の流入にはあまり影響があるかないかといったような点についてドル防衛政策と関連してお答えいただきたいと思います。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 衆議院の予算委員会でも同じ質問を受けまして、あまりわが国には影響がないでありましょう、こうお答えしたわけであります。まあいま公定歩合を引き上げたことによってユーロ・マネーや短資が多少イギリスに流入することもございましょうが、ロンドンにあるわが国の為銀に入る短資というものがこれに対して制約を受けるということはないようであります。まだ金利差もありますから、多少日本に対する短資がふえこそすれ、これによって減るということはないと思います。それから日本はまだポンド建債を出しておりませんので、その意味ではイギリスの公定歩合の引き上げがわが国のイギリスにおける外資導入に支障あり影響ありというふうには考えられないわけであります。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 通産大臣はお見えになりませんか。

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) ちょっと出られましたが、すぐ帰ってくるそうであります。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 開放経済について若干伺いたいと思います。昨年の十月から自由化が九二%になりまして、その後輸入等も相当ふえておりますが、この自由化によりまして輸入や輸出がどういうような影響を受けたのか、輸入も増加しておりますが、その内容はどういうものがふえたのか、その点についてお伺いしたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 自由化によりまして最も目立つものは、いわゆる消費財でございます。三十五年にいたしました綿毛の分は、これは自由化いたしましても大体生産規模は上がる。ただ、あと残りました食料品関係で申しますと、非常な状況でございます。まあここで申し上げますと、ちょっと先ほども触れましたが、バナナの輸入は一年間で六百万ドルぐらいでございましたが、去年の四月に自由化いたしましてから十一月までで三千五百万ドルでございます。百四、五十億円のバナナを食べる。一年間にしましたらたいへんなことでございます。これはもう六百万ドルのが四千万ドルぐらい、百七、八十億ぐらいになりましょう。これはもう考えてもらわなきゃいかぬ。それからまたインスタント・コーヒーなんかは、五十億円ばかり入りましょう、千三百万ドル。それからレコードなんかも六百万ドルですから二十何億円、ゴルフ道具も三百万ドルぐらい、十億円以上でございます。万年筆とかいろいろなものが非常に自由化して入るようになりました。で、これが外国のものと負けるかというと、そうでもないものも相当ある、万年筆なんかでも。だから、一時的に外国かぶれの状況かもわかりませんが、私は、やっぱり国民全体として、バナナが四千万ドルをこえる見込みということは、日本のいわゆる果物の増産その他を考えなければならぬ。そうして、いまのコーヒーとか万年筆とかレコードとかゴルフ道具、こういうものがとにかく何十倍といっていい、自由化でふえるような状況になっておるのであります。この機会に……(「どういう階層の人か」と呼ぶ者あり)国民大衆でございましょう。ごく上の階級の人がバナナをそうたくさん食うわけでもございません。インスタント・コーヒーをそう何十億も飲むわけではございますまい。大衆の消費がそれだけふえているということでございます。だから、一般原料というもの、鉄鉱やあるいは羊毛、綿花というものも自由化してある程度ふえますけれども、目に見えるようなものはそういう消費財が多いのでございます。これは、私はあえてそういうことをここで申し上げることが国民に通ずると思います。バナナが六百万ドルだったのが見込みでは四千万ドルをこえる。インスタント・コーヒーも千三百万ドルこえる。そうすると四、五十億円のインスタント・  コーヒーということになるわけですね。それからレコードとかゴルフ道具とか万年筆等、いろいろあるのでございます。私は日夜こういうことを考えて心配しているのですけれども、とめるというわけにいきませんから、そこで、生活水準の上昇も賃金の上昇も、もう政府が八%、七%、こう言っているのですから、一五%も二〇%もふえておったときよりはやはり考え方を変えてもらいたいというのが私のいまの心境であります。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 もう時間がありませんから、次へ行きますが、四月からIMFの八条国に仲間入りをするわけでありますが、そうしますと、経常取引の外貨支払いは制限することができなくなる。すると外貨割り当て制度をやめることになりますが、それにつきまして、今後の輸入管理体制はどういうふうになっておるのか、これは通産大臣にお伺いしたいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 輸出関係の閣僚会議をとりやめる、外貨予算制度をとりやめるということについて、御案内のように、ただいま外資法その他外為法の法律の改正案を出しておるわけでありますが、いままではいわゆる金の面からどういうものをどれだけ入れるかということで割り当て制度をとっておったわけでありますが、これからは制限品目がまだ百八十二品目残っております。こういうものについては半期ごとに一定数量どれくらいを輸入するかというようなことをきめまして、その範囲内でやはり割り当てをいたしていく、こういう制度に変わってまいるわけでございます。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 数量の割り当てに今後変わるというようなことですが、それはガットには抵触しないわけですか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) これは、抵触  いたしません。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 それから外資導入の件についてですが、外資の導入が戦後の日本産業の発展に大きく貢献をしている、その事実は認めるのでありますけれども、開放経済になりまして資本の自由ということになりますというと、直接の対日投資が激増してくるのじゃないか、こういうようなことも考えられる。また、外資の企業支配ということも考えられないこともないわけでありますが、国内産業を保護するという立場からどういうような規制対策があるのか、その点についてお伺いしたいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 自由化をいたすのでございますが、その場合においても、資本の場合においては、今度OECDに入る場合にも、留保を十八項目ほどとっておりますし、それから日本の経済に直接悪影響を与えるような直接な外資導入というようなものはOECDの関係においても禁止はいたしておりません。したがいまして、今後は、実際問題としましては、外資法、外為法の今度改正が出ておりますが、一応入るときにスクリーンをするという形をとりますが、しかし、これは非常に日本に不利なもののみに、まあ例外的にそういうものだけをするということでありまして、いい外資の導入はやはり依然としてこれを歓迎するといいますか、導入を認める、こういう仕組みでやってまいりたいと考えております。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 それに関連いたしまして、日米通商航海条約によりますというと、締約国は内国民待遇を与えなければならない、こういうことが書いてあるわけですが、この関係はどうなるわけですか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) その関係については、先般の閣僚会議がありましたときにも実は私はホッジスさんともいろいろお話をいたしておるのでありますが、日本が本来的に資本の自由化をするという方向で進めていく限りはこの条約改定は必要ないであろう、こういうようなことで大体意見の一致を見ておるわけであります。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 それでは、たとえばアメリカのフォード会社が直接外貨を持ち込んで日本に工場を建てる、そういうようなことがあった場合には、これは阻止できるのか、どういうふうになっているのか、お伺いしたい。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) ただいまそういう具体的ないわゆる外資を直接フォードが持ってきて工場を建ててやるという計画があるということは聞いておりませんが、いわゆるノック・ダウン方式で部品を持ってきて組み立てるというようなことを考えておるという説もあります。しかし、このことはまだ具体的になっておりませんが、いずれにいたしましても、その場合においても、やはり先ほど申し上げましたようなたてまえから、日本にとってこれが非常な悪影響があるかどうかというようなことを十分考えた上で態度を決定してまいりたいと思います。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 私はたとえで聞いておるわけでありまして、そこで、今度は、日本フォードによる資金の調達とか、あるいは日本フォードは横浜に土地を約五十万平方メートルぐらい持っておりますが、あれを売り払って資金を調達をしてそうして会社をつくる、そういうようなことはどういうふうになりますか。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) その場合におきましては、日本のフォード、私実は具体的な内容を知りませんので、あるいは答弁が間違うかもわかりませんが、自分の土地を売り払ってその金をもって工場をつくる——工場をつくるという意味はどういう意味かわかりませんが、向こうからいわゆる部品を持ってきて組み立てて工場をつくるのか、あるいは直接すべてのものをつくられるのか、あるいは外注をどのくらい出してどうやるのか、そういう計画等を具体的に聞かしていただきませんと、どうするかということをお答えできないと思います。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 私も一つの例として聞いておるだけでありまして、日本フォードの資金構成は、アメリカのフォード会社が全額出資になっているそうであります。そういう前提のもとに聞いているわけです。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 外国から資金を持ってくる場合をチェックするわけでありますから、スクリーンできますが、こちらにあるいま御指摘になったようなものを、あるいはそれをこちらでもって売り払ってさらに支店や出張所の名においてこれをするという場合に、現在の状態では拒否する方法がない、それをとめるという方法はないと考えます。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 とめる方法がないのだということですが、時間がありませんので、とめる方法がなければ、フォード会社が大々的に工場をくつりますと、相当な日本の自動車会社に影響を与えるのではないか、こういうことも考えられるわけです。それはまたよく検討していただきまして、次にお伺いしたいのは石油の問題でありますが、日本の石油精製業の大半が原油買い付けを資金とする外国資本によって制せられておりまして、したがって、この総合エネルギー対策の重大な障害になっておる、こういうようなことを聞き及んでいるわけでありますが、これは簡単でよろしいのですが、その実情を通産大臣にお伺いしたい。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 外資は大体三億五千七百十万ドルほど日本に入っておるわけであります、いままで三十八年度まで。これに対しましては、石油業法等もございまして、あまり外国資本がそれによっていろいろのシェアを取ったり、あるいはまた、日本の石油業界に大きな影響を与えないように、いろいろの行政指導その他をやっておるわけであります。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 ただいまお話がありましたように、大体日本の石油会社が外国の石油会社から融資され、また借りておるのは、私の調べたのでは千百二十五億円、こういうふうになっております。ところが、日本の開発銀行が石油会社に貸したのはわずか十数億円にすぎない。通産省の総合エネルギー部会の資料によりますと十二億八千万円、こういうようになっておるわけです。それから同じく開発銀行が電力に貸したのが、これが昭和二十六年から三十六年まで二千五百六十六億円、石炭に貸したのが五百十一億円、こういうことから考えまして、日本の石油会社に対するところの政府の融資、こういうのが少ないのじゃないか。したがって日本の石油精製会社が世界を支配する七大石油資本系から借金をいたしておりまして、ほとんどこれは自主性がない。こういうことで、この石油供給体制は改善をする要があるのじゃないか。これもまあちらほら私も聞いているわけでありますが、この際に通産大臣の所見をお伺いしたいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) この問題は従来しばしば論ぜられてきたところでありますが、現在日本におけるいわゆる外資系といわれる石油会社におきましても、われわれの指導といいますか、われわれと協力をいたしまして、そのような悪影響を与えるような措置はとっておらないと考えております。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 ですから、悪影響はないとおっしゃったですけれども、やはりこれはひもつき融資でありますから、安い石油はどうしてもほかから買えないと、こういうようなことになるわけですが、そういう点がやはりこれは障害になるのじゃないか。ですから、やはり国としても相当な財政投融資をしてあげるのがいいのじゃないか、こういうふうに考えるわけです。  そこでもう一つ、いま石油は鉱山局で扱っておるわけですが、これをエネルギー庁とかあるいは石油庁、そういったようなものをつくって機構を合理化していくと、そういうような考えはないかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) ただいまのところそのような計画は考えておりませんが、しかし、エネルギーの重要な部門を占めておる石油問題でございますので、通産省としても非常に重要に考え、石炭、あるいは電力、あるいはまた将来の原子力問題等ともにらみ合わせまして、十分総合的なエネルギー政策の実現に邁進をいたしておるわけでございます。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 それからこれも外資のことですが、わが国の経済の現状におきまして、どのような国内産業に外資の導入を歓迎をするのか、その点についてお伺いしたい。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 日本の場合は、御案内のように、中小企業は弱体な中小企業がございます。また、農業等もございまして、こういうものに非常に悪影響を与えるというようなものは、これは差し控えてもらうようにいたしたい、こういう感じでスクリーンをいたすのでありまして、そのような措置をとってまいりたいと思います。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 差し控えの問題でなしに、日本のどういう国内産業に外資を歓迎するのか、それを聞いておるわけです。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) その企業自体に力をつけたい産業に力をつけていくようなものであれば、私は、先ほど申し上げた以外のものについては差しつかえない、むしろこれを歓迎する態度をとってまいりたいと思います。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 もう一つお伺いしますが、外資の導入につきましてはいろいろな種類があるわけです。直接の投資、あるいは長期の借り入れとか、市場経営の株式の取得、あるいは転換社債、こういうふうなものがありますが、これもどういうような形の外資が歓迎されると考えるか、その点について。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 私たちとしてはその形の問題はあまり問うところではないのでございまして、その実体が日本の経済にどういうような好影響を与えるかということを中心に考えているのでございます。

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 中尾さん、時間が参りました。簡単ならばよろしゅうございます。

中尾辰義公明会

○中尾辰義君 それではもう一つ、世界貿易の動向といたしまして、どうしても後進国あるいは共産圏等とも貿易をやっていかなければならない。そういう場合の延べ払いが各国とも競うてやっておるわけですが、それにつきまして、延べ払いの政府の今後の対策、延べ払いに対する方向、そういうようなものをお伺いしたい。  それにつきまして一点だけ、いま中共が一万二、三千トン級のタンカーを四隻引き合いに来ておるわけですが、これは五年間の延べ払いということで引き合わせが来ておりますが、これは政府として許可をするのかどうか、その点についてお伺いをし、それで終わりたいと思います。

福田一自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(福田一君) 延べ払いの問題でございますが、これは低開発国に対しては世界各国ともだんだん延べ払いの期間を延長するような傾向でございます。日本としては必ずしもそういうことは望ましいことではありませんが、しかし、やはり諸外国が先進諸国がそういう措置をとります場合には、これも勘案して延べ払いの限度を延長する等の問題もきめていかなければならないと考えております。  それから中共が船の問題について延べ払いで船の建造を申し入れておるということでございますが、これにつきましても、まだ条件その他われわれは何ら聞いておりませんが、いずれにしても、これは輸出入銀行で大体どういうことになるかということをきめてまいるわけでございます。私たちとしては、具体的に出てきた場合に、通産省としての考えを、もし問題が起これば、そこで考えを述べればいいと思っております。いままだそういう話を聞いておりません。

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 中尾君の質疑は終了いたしました。  今日はこれだけにして、明日は十時から始めます。散会いたします。    午後六時二十五分散会      —————・—————

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