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46回国会参議院1964/01/25

予算委員会 第2号

発言数
24
登壇者
9
会派数
2
開催日
1964/01/25

会議録

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  まず、委員の変更について御報告いたします。  昨年十二月十九日、谷村貞治君が辞任され、草葉隆圓君が選任されました。  二十三日、大倉精一君、稲葉誠一君、近藤信一君及び松本賢一君が辞任され、中田吉雄君、米田勲君、藤田進君及び阿具根登君が選任されました。  本年一月十二日、藤田藤太郎君が辞任され、安田敏雄君が選任されました。  二十四日、金丸冨夫君、小柳牧衞君及び田畑金光君が辞任され、小林英三君、田中啓一君及び基七君が選任されました。   —————————————

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 次に、理事の辞任についておはかりいたします。理事戸叶武君、羽生三七君及び小平芳平君から、それぞれ文書をもって理事を辞任いたしたい旨の申し入れがございましたが、これを許可することに御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 御異議ないと認めます。  つきましては、直ちにその補欠互選を行ないたいと存じます。互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 御異議ないと認めます。  それでは、藤田進君、山本伊三郎君及び鈴木一弘君を理事に指名いたします。   —————————————

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 次に、年末年始の自然休会中に当委員会が行ないました委員派遣につきまして、派遣されました委員の方々から御報告を承ることにいたしたいと存じます。  それでは、便宜、第一班、滋賀県、京都府及び大阪府に派遣されました委員の方から御報告をお願いいたします。戸叶委員にお願いいたします。

戸叶武日本社会党

○戸叶武君 第一班の調査視察の経過並びに結果についての御報告を申し上げます。  第一班は、太田委員長、吉江、高山、中尾の各委員及び私(戸叶)の五名でありまして、一月九日から十三日に至る五日間、滋賀、京都、大阪の三府県に派遣され、道路、港湾その他の社会資本整備の状況、地方財政の状況並びに大阪を中心とした関西地方の経済状況等の調査を行なってまいりました。五日間という短い期間において、名神高速道路の視察を皮切りとして、各府県における道路、港湾、水対策の状況、住宅、環境衛生施設の整備状況等の視察、府県及び市町村の財政状況の調査、財務局、通産局、日銀支店等における経済情勢の調査、商工会議所における経済懇談会への出席等、連日にわたる多忙な日程を消化し、鋭意調査目的達成に努力してまいりました。以下、調査の結果につき概略御報告を申し上げます。  滋賀、京都、大阪の三府県は、生産所得の上から見れば、一次産業の比率は低く、滋賀県は一七%、京都府は七・六%、大阪府は一・六%、全国的に見て、産業の発展段階は高いほうでありますが、就業者の上から見た一次産業従事者の比率はいまだ高く、滋賀県は五一%、京都府は一八%、大阪府は八%、大阪に対する滋賀、京都のおくれが目立っております。社会資本の整備につきましては、滋賀、京都においては、地域開発の促進を重点に、大阪においては、成長の隘路打開を重点に、それぞれ非常な力を入れておりまして、道路網の整備、臨海地帯の埋め立てによる工業用地の造成、水対策、上下水道等の環境衛生施設の整備、大規模住宅団地の建設等の事業が活発に進められております。これらのうち、各府県に共通する問題として特に問題になっていたのは、水の問題と道路の問題であります。  水の問題というのは、琵琶湖の水位と下流における淀川の水の流量をめぐっての滋賀県と下流側との対立の問題であります。琵琶湖の水は、京都府に対しては、疎水によって汚水浄化用の水が供給され、さらに、下流に対しては、淀川を通じて阪神地方一帯に対して飲料用水、工業用水等を供給するという関係になっておるのでありますが、問題は常に渇水期に起こるのであります。すなわち、渇水期に水の放流を続けると、琵琶湖の水位は低下して、滋賀県側に漁業その他いろいろな被害を生じ、放流を少なくすれば、下流側には、水の流量の不足から、京都の汚水による水の汚濁のため、ときには、浄水能力の限界あるいは滅菌用塩素の使用量増加などの関係から、においが強く、安心して水も飲めないという状況すら現出するのであります。琵琶湖の水位と下流の水の流量の問題については、戦時中から戦後にかけての第一期河水統制事業による約束というものがありまして、琵琶湖の水位をプラス三十センチからマイナス一メートルの間で操作することにより、下流の枚方における流量を毎秒百三十六トン供給することとし、それに対する補償として、下流側の関係者は滋賀県に八千万円を支払っているという過去の事実があるのでありますが、この点については、滋賀県側は、当時の物価事情その他から必ずしも満足していないのに対し、下流側は、それを既得権と考えているという事情も存するのであります。この間に処して、建設省の出先機関は、現在の琵琶湖の水位が昭和二十九年の滋賀県との共同調査の結果認められている平年時マイナス七十五センチ、渇水年マイナス八十五センチまでは低下していないこと、及び下流の状況をも勘案し、量を極度にしぼりつつ放水を行なっているわけでありますが、琵琶湖の水位低下による被害発生の限界については、滋賀県側はマイナス五十センチという見解を持しているのに対し、現在の水位はすでにマイナス六十センチ台に低下しており、枚方における流量は九十四トン程度に減少しておりますので、滋賀県は洗堰における放水の全閉を要求し、下流では淀川の水の汚濁度の悪化で困っているという状況で、非常な対立をしておるのであります。われわれといたしましては、現地でこの問題に遭遇して以来、その解決について関係各当局の努力を要望してまいりましたが、滋賀、京都、大阪の各関係当局者との話し合いを通じて明らかになっております点は、滋賀県は、基本的態度としては、下流の必要とする水は十分供給するにやぶさかでないこと、下流に生じている被害の本質的な原因は京都の汚水による淀川の水の汚濁であり、必ずしも水の量ではないこと、京都は下水道の普及を非常に望んでいるということが明らかになりましたので、雨が降らない現状においてこの問題を解決する方法としては、京都の汚水処理施設等の整備を促進することが当面の対策としては望ましく、さらに、将来の問題としては、琵琶湖の被害調査を早急に終わり、琵琶湖を含む淀川水系の総合開発計画の早急樹立と、滋賀、京都、大阪等近畿地方全体を一帯とした水問題の早急解決をはかることが必要であるということを痛感してまいった次第であります。  次は、道路の問題であります。道路につきましては、滋賀県においても京都府においても、おくれた地域の開発ということに重点を置いて道路網の整備を考えており、道路政策の都市重点から郡部への移行を望んでおりましたが、大阪では、これと反対に、交通量の極度の飽和状態を打開するため、三環状十大放射線の建設等の道路計画が立てられており、それには、都市の大改造を必要とし、かつ、ばく大な資金を必要とするとして、政府の協力を要望しておりました。  次は、地方財政の状況でありますが、地方財政は、右のような社会資本整備の要請と税収の伸びの鈍化等により、次第に悪化する傾向が現われております。すなわち府県財政は、三十七年度の決算では、滋賀県は実質収支で五千九百万円の赤字、京都府は十三億円の黒字、大阪府は十八億円の黒字となっておりますが、単年度収支で見れば、滋賀県は約二百億円の財政規模で三億円の赤字、京都府は約三百億円の財政規模で二億円の黒字、大阪府は約一千億円の財政規模で、二億円の赤字となっております。また市町村財政も、赤字団体の数としては減少しておりますが、実質収支の黒字額も減少傾向にあります。特に、大都市として道路、都市計画、下水、港湾等、緊急解決を要すべき難問をたくさんかかえております大阪市の財政状況は悪く、三十七年度決算では実質収支で十一億円の赤字、さらに翌年度回しの実質上の財源不足額を考えれば、六百五十億の財政規模で実に三十五億円の赤字となる状況であります。このようにせっかく三十一年度以降健全化の方向をたどってきた地方財政は、再び悪化に逆戻りする傾向があらわれておりますので、政府においては今後地方財政の運営が健全化するよう指導する必要があると同時に、地方減税の実施にあたっては、それにかわるべき財源の確保について慎重に対処する必要があるということを痛感してまいりました。  最後に、大阪を中心とする関西の経済情勢について申し上げます。  関西経済全体を通ずる景況としては、生産活動の上昇に伴って出荷も伸びており、徐々に回復基調をたどっておりますが、物価の上昇、国際収支の悪化等の情勢から、先行き警戒の気運が生じており、商社の動きも慎重になってきております。特にこの地方は、中小企業のウエートが高いことから、売り込み競争の激化から企業間信用の増加、不渡りの増加等の現象もあらわれ始めております。繊維部門では、暖冬異変から一部に倒産する企業もあらわれております。金融については、大企業よりむしろ中小企業の資金需要は旺盛でありますが、大過なく融資に応じられているという状況であります。大阪においては、ただいま土地の地盤沈下ということのほかに、経済の地盤沈下ということもいわれておりまして、それは近畿地方のわが国経済全体に占める地位の低下をいっておるわけでありますが、経済活動の動きを反映する手形交換高で見ましても、戦前は全国の四一%を占めていたのに対し、現在は二〇%という状況であります。工業生産高も、貿易の額も、その全国に占める地位が戦前の半分程度に低下しております。このような経済の地盤沈下を取り戻そうとする動きの一つが、堺、泉北港等の埋め立てによる臨海工業地帯の整備となってあらわれているのであります。  日銀支店においては、中小企業に対する金融の問題、銀行の統合問題、歩積み両建て問題、政府や産業界との考え方の違いの有無等について、支店長とわれわれとの間に活発な意見の交換を行ない、特に暖冬異変を迎えての繊維関係の苦境、中小企業金融に対しては、弾力的な配慮を要望してまいりました。  また、商工会議所におきましては、三和銀行頭取上枝一雄氏、東洋紡会長阿部孝次郎氏、百又社長寺田八十二氏、大阪スタジアム社長浅田敏章氏等の各氏から、日本経済の現状に対処する予算編成のあり方の問題、国際収支の赤字克服のための抜本策をはじめとし、物価安定、資本蓄積、輸出振興、都市問題、中小企業対策、近畿経済圏の問題等、各部門にわたる意見の開陳があり、これをめぐってわれわれとの間に活発な意見の交換を行ない、非常に有益な時を過ごすことができました。  かくて、私たちの今回の調査視察は、産業、経済、社会の各分野にわたって、今後の予算審議にあたり参考とすべき多くのものを得て帰ってまいりました次第であります。  以上御報告を申し上げます。

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 次に、第二班の大阪府、兵庫県及び和歌山県に派遣されました委員の方から御報告をお願いいたします。瀬谷委員。

瀬谷英行日本社会党

○瀬谷英行君 第二班は、加藤武徳、瀬谷英行及び須藤五郎の三名によって編成し、兵庫県、和歌山県、大阪府の順に、一月九日より十三日までの五日間にわたって視察をしてまいりました。  兵庫県、和歌山県においては、県庁において地方財政の状況、道路並びに産業の現状と問題点について説明を聞くとともに、あわせて兵庫県では、神戸港の整備と川崎重工業神戸造船所を和歌山県では海南埋め立て工事と住友金属和歌山工場を見てまいりました。  十一日以降は、第一班と合流し、日本銀行大阪支店、近畿財務局、大阪通産局及び大阪商工会議所で、大阪を中心とする関西経済の現状について実情を聴取するとともに、千里丘陵の住宅建設、堺港埋め立て工事等について現場を見てまいりました。  これらの調査のうち、第一班と合流してから行ないました大阪における関西経済全般の状況調査等の諸点につきましては、すでに戸叶委員より御報告がありましたので、省略をいたしまして、第二班単独で調査をしてまいりました事項のうち、特に重要と考えられます若干の点について御報告をいたします。  まず、兵庫県の財政についてであります。兵庫県は、県南において神戸から瀬戸内海沿岸を西に延びた工業地帯があり、ここを中心にあがる県の税収入は二百七十億円にものぼっております。このため、県の財政規模は六百億円をこえ、自主財源率も六〇%強と、全国でも五、六位とされております。しかし、この県の特徴は、このような先進地帯がありながら、他方、面積が広く、瀬戸内海よりの日本海にまたがっており、したがって気候も相違をして、淡路島、日本海沿岸地域等には、多くの後進地域を広く持っているという点で、財政需要もそのため多岐にわたらざるを得ず、必ずしも県全体の財政事情は豊かではありません。事実、過去において再建団体となっているのであります。幸い三十四年以後の税収の伸びが著しかったために、八カ年の再建計画は予定より二カ年早く、三十五年度に終了しております。しかし三十六年度以降、税収の伸びが次第に鈍化をして、再び赤字になろうとしております。すなわち三十五年度の決算において、実質二十一億円にのぼる黒字を出したのに対し、三十六年度は九億六千万円、三十七年度は四億五千万円と食いつぶしてきており、三十八年度には赤字が予想されているのであります。一言にしていうならば、兵庫県の財政は、鉄鋼景気に影響されるところが少なくないということであります。  このように、一度よくなった財政が、再び悪化しつつある傾向は、和歌山県でも見られました。本県の特色は、気候温暖、観光資源に恵まれている反面、工業都市も和歌山市以外に見るべきものがなく、特に道路は非常に立ちおくれております。和歌山県は、県の財政規模が二百五十億円、財政力指数も全国十八番目となっております。ここもまた、過去において再建団体を経験し、三十六年度、三十七年度で再建計画を完了いたしました。しかし、再建後一年目の三十八年度で、すでに、形式的にはともかく、実質的には赤字に転じようとしております。  これら両県における財政悪化の原因は一方において鉄鋼、機械等、景気の影響に左右される産業が主軸をなしておりまして、そのため、最近の景気調整の影響を受けて、税収の伸びが落ちたためであるというふうに見られておりますが、他方、高度成長に比較をして社会資本のおくれが目立ち、この面から投資需要がきわめて大きくなっているということが、人件費の伸びとともに大きな原因をなしております。社会資本のうち、特に道路について見てみますと、兵庫県においては、道路の総延長が全国三位の四千八百十七キロありますが、その改良率は三七%、舗装率は一七・三%で、全国平均もしくは若干全国平均を下回る程度になっております。  和歌山県でも、一級国道四十二号線においてすら改良率が四七%、舗装率が二七%にすぎません。このように非常におくれているのみならず、すでに改良、舗装が完了している道路においても、交通の渋滞は著しく、大阪−神戸間、あるいは和歌山−大阪間等を視察をした際は、特にラッシュ時ではなかったにもかかわらず、道路の場合は電車の所要時間に比較をいたしまして、それぞれ二倍ないし二倍半を要しております。  このような交通難を緊急に解消し、また地方産業の飛躍的発展をはかるために、中国縦貫自動車道あるいは第二阪和道等をはじめとする道路整備計画を立てて、その促進をはかっております。すなわち、兵庫県においては神戸バイパス、野心的な本土四国連絡道路等高速道路六路線及び明石−舞鶴線等十三路線を四車線以上にする計画を立て、総延長六百十キロ、総額六千百億円、うち五カ年計画で二千七百七十億円の投資としております。  和歌山県では、阪神経済圏と結ぶ第二阪和及び紀伊国道と、林業開発を中心とする高野−竜神線等の新規路線、あるいは県南地域の観光有料道路を中心に計画を練っております。竜神線あるいは県南地域の観光有料道路等を中心に計画を練っております。  道路のみではなく、港湾、住宅、上下水道等、社会資本の充実のために、あるいは地域格差是正のための投資的経費は次第に伸びており、その比率を年々高めてきております。  このように地方における財政需要の増大要因は著しいものがあり、これに反し、地方財源の伸びは鈍化しつつあります。一応、三十四年、五年、六年に立ち直った地方財政も、今日また逼迫をして、地方自治体はそれぞれ困難な局面に直面し、重大な転機に立たされているのではないかという印象を特に強くいたしました。  その他多くの問題点はありますが、時間の関係もありまして、これをもちまして第二班の報告といたします。

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 次に第三班は、福岡県及び大分県に派遣されたのでございますが、委員の方から御報告をお願いいたします。江藤委員。

江藤智自由民主党

○江藤智君 第三班の調査報告を申し上げます。  第三班は、豊瀬委員と私とで、去る一月八日から福岡、大分両県に派遣され、同地方における一般情勢県、並びに地方公共団体の財政状況及び田川市を中心にした産炭地振興計画の実施状況、第四師団管下の防衛施設の整備状況、大分地区における新産業都市建設の進捗状況等につき調査してまいりました。以下、そのうち重要と思われる若干の点について御報告申し上げます。  まず、一般経済の概況でありますが、両管内の鉱工業生産指数は、昨年一月を底に漸次上昇傾向を示し、資金需要も強含みに推移し、次第に景気の回復基調を強めていたのでありますが、十二月に入って、金融引き締め措置がとられたことにより、今後の見通しとしては資金手当に困難が予想され、また、その影響が生産面に及んで、生産の伸びが次第に低下するものと見られております。  次に、両県の財政現況でありますが、福岡県の財政は、従来は税収入の伸びによって、ようやく健全性を維持してきたものの、三十八年度は歳出において、人件費、扶助費、公債費、失業対策事業費等の義務的経費の伸びが著しく増大した反面、歳入の面で北九州市の政令指定に伴う固定資産税の移譲による税収入等の減少があって、地方交付税の増加を見込んでも、なおかつ、一般財源の増加比率が、歳出における財政需要の増加に対応できないため、年度末に二十億円程度の赤字は免れ得ないということであります。  また、大分県の財政は、もともと依存財源が七四%で、自主財源が二六%といった国庫依存度のきわめて高い赤字財政でありましたが、三十一年度以来、鋭意財政の建て直しにつとめた結果、三十四年度末から実質黒字に転じ、三十七年度決算においては四億四千万円の黒字が見込まれております。しかしながら、三十八年度は大分・鶴崎臨海工業地帯建設工事の進展と、それを契機に全県的な産業構造の改善施策、また、そのための道路、橋梁など、公共施設の拡充整備を進めることになったため、が然、財政の均衡がくずれ、この際起債の増加配分なり、補助率のかさ上げ等、国からの特段の配慮がない限り、年度末に十億ないし十二億円程度の赤字を生ずることが必至の状況になっております。  なお、両県下の市町村財政でありますが、これはただいまのところ、化の方向をたどっていると申していいかと存じます。ただ問題は、地方税制の改正によって、市町村民税が本文方式に統一される場合、大分県の実例でいうと約六億円の減収を来たすことになるわけで、したがって、この問題に対しては、臨時的に交付金を支給する等の一時的な財源措置では不十分で、むしろこの際、弱小町村の交付税を引き上げる等の、永久的な財源措置を講ずるとともに、県税の減収分については、国において完全に補てんすべきであるとの強い要望が、両県当局から行なわれました。  次に、北九州市の財政に関してでありますが、三十八年度の単年度収入のみで約十一億円の赤字が予想されております。北九州市の場合は、旧五市の全職員を引き継がざるを得なかった上に、旧市相互間の初任給、給与ベース等の不均衡を是正する必要があったことなど、要するに旧五市の合併に伴う特別経費が、財政赤字の要因になっておるわけでありまして、市当局としては、今後極力、経費の節減につとめるとしても、最終的には国の何らかの援助を得ない限り、健全財政の計画策定もできかねるということで、政府の格段の配慮を強く要望していたことを、申し添えておきます。  なお、産炭地振興問題、防衛施設の整備状況、特に板付飛行場周辺における学校の防音施設の現状及び鶴崎臨海工業地帯建設の進捗状況等の現地調査についても御報告申し上げたいのでありますが、これらについては、別に文書をもって御報告いたしたいと存じますので、議事録掲載方、委員長においてお取り計らい願います。  以上をもって第三班の口頭報告を終わります。

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 以上をもちまして、委員派遣の御報告は全部終了いたしました。  この際、政府に一言申し上げたいことは、右報告は、いずれも緊切なる問題であると存じますが、特に私も参加いたしたのでありますけれど、滋賀県、京都府、大阪府及び兵庫県にわたる水の問題がなかなか重要なる、緊切なる問題と存じますので、政府におきましても、今の報告も御参考になされ、万遺憾なきを期せられたいことを希望いたしておく次第でございます。   —————————————

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 次に、予備審査として送付されました昭和三十九年度一般会計予算、昭和三十九年度特別会計予算、昭和三十九年度政府関係機関予算、昭和三十八年度一般会計補正予算(第3号)、昭和三十八年度特別会計補正予算(特第3号)、昭和三十八年度政府関係機関補正予算(機第3号)、以上六案を、便宜一括議題といたしまして、提案理由の説明を承ることにいたしたいと存じます。

田中角榮自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(田中角榮君) 昭和三十九年度予算編成の基本方針及びその骨子につきましては、先日、本会議におきまして御説明いたしましたのでございますが、予算委員会において本日から御審議をお願いするにあたりまして、あらためて、その概要を御説明いたします。  昭和三十九年度の財政は、引き続き健全均衡財政の方針を堅持しつつ、画期的な大幅減税を行なうとともに、経済各部門の均衡ある発展に資するため、農林漁業及び中小企業の近代化、社会保障の充実、社会資本の整備等の重要諸施策を着実に推進することを主眼といたしております。  この方針により編成されました昭和三十九年度一般会計予算の総額は、三兆二千五百五十四億円でありまして、昭和三十八年度当初予算に対して四千五十円億円、補正(第2号)後の予算に対して、二千八百十二億円の増加となっております。  また、財政投融資計画の総額は、一兆三千四百二億円でありまして、昭和三十八年度当初計画に対し、二千三百五億円の増加となっております。  まず、一般会計予算について、申し上げます。  歳入のうち、租税及び印紙収入は、二兆九千四十三億円でありまして、三十八年度当初予算に対し五千九百八十九億円、補正(第2号)後の予算に対し四千七百四十八億円の増加となっております。これは、現行税法に基づく三十九年度の収入見込み額二兆九千八百七十九億円から、税制改正による減収額八百三十六億円を差し引いた額であります。  税制の改正につきましては、別途、政府委員をして、その詳細を説明いたさせますが、三十九年度におきましては、最近の国民負担の現状及び経済情勢の推移に顧み、中小所得者に重点を置いて所得税の負担を軽減いたしますとともに、企業資本の充実と設備の更新を促進するための企業課税の軽減を行ないますほか、産業の国際競争力の強化、科学技術の振興等のため、平年度千三百七十億円程度、初年度千三億円にのぼる減税を行なうことといたしております。なお、このほか、後ほど申し述べます新道路五カ年計画の策定に伴い、所要の財源を確保するため、揮発油に対する消費税の税率を引き上げますとともに、関税定率法等につきましても、若干の調整を加えることといたしております。  租税以外の収入は、総額二千七百五十一億円でありまして、三十八年度予算に比べ六十九億円の減少となっておりますが、減少のおもなる原因は、後に述べます国立学校特別会計の新設に伴い、学校付属病院収入、授業料収入等を、同特別会計へ振り替えることといたしておりますこと、及び地方における電気ガス税の減税に伴い、市町村たばこ消費税の税率を引き上げることといたしておりますため、専売納付金が減少する見込みとなっていることであります。  前年度剰余金の受け入れにつきましては、すでに、総額七百六十一億円と確定いたしておりまして、三十八年度予算に比べ千八百六十六億円の大幅な減少となっております。  次に、歳出のうち、おもな経費につき、その概要を申し上げます。  社会保障関係費といたしましては、総額四千三百七億円を計上し、経済発展に応じた国民生活の均衡ある向上と社会福祉の充実を期することといたしております。  まず、生活保護費におきまして生活扶助基準を十三%引き上げますとともに、社会保険費におきましては、国民健康保険の世帯員に対する療養給付率を四カ年計画で五割から七割に引き上げ、医療保険の充実を期することといたしております。  また、国民年金費におきましては、福祉年金につき、三十八年度に引き続き、扶養義務者の所得制限を緩和する等の改善を行ないますとともに、失業対策費におきましては、最近の雇用情勢にかんがみ、労働力移動の円滑化をはかるための諸制度につき、その一そうの拡充改善をはかることといたしております。  文教及び科学振興費におきましては、教育水準の向上と教育環境の整備改善に特に重点を置き、総額四千百三十六億円を計上いたしております。  まず、いわゆる改正標準法に基づき、小中学校における教職員数の充実をはかるとともに、補助基準を改定する等により、校舎等公立文教施設の整備を一そう促進することといたしております。  次に、国立学校につきましては、その管理運営の円滑化、なかんずく、施設、設備の飛躍的拡充をはかるため、国立学校特別会計を設け、国立高等専門学校、理工系学部、学科の増設等を積極的に行ない、産業の発展、高度化に対処し得る人的能力の確保に遺憾なきを期しております。  また、義務教育教科書につきましては、その無償給与の範囲を拡大いたしますとともに、理科教育及び産業教育の振興、私立学校の助成、学校給食の改善等につきましても、きめこまかな配慮を加えております。なお、教育の機会均等を一そう浸透させるため、育英制度の改善充実をはかりますとともに、へき地教育の振興にも特に配意いたしております。  最後に、科学技術振興費につきましても、すでに述べました科学技術教育の充実に相応じ、原子力の平和利用、国産新技術の開発等の重要研究を積極的に推進することといたしております。  次に、地方交付税交付金といたしまして、六千二百十四億円を計上いたしております。  地方財政は、地方税及び地方交付税の増収並びに国及び地方における財政健全化の努力により、幸いにして良好な推移をたどっております。三十九年度におきましては、中小所得者の負担の軽減と不均衡の是正をはかるため市町村民税の減税を行ないますほか、引き続き、電気ガス税の減税を行なうことといたしておりますが、それぞれ市町村民税臨時減税補てん債の発行、市町村たばこ消費税の税率引き上げにより、減税の結果、地方財政の運営に支障を来たすことのないよう配慮いたしているのでありまして、地方税及び地方交付税の増収並びに財政投融資計画における地方債の増額と相まちまして、地方における行政内容と住民福祉は、その一そうの向上が期待される次第であります。  防衛関係費としては、二千七百五十一億円を計上いたしまして、引き続き、他の重要施策との均衡を勘案しつつ、第二次防衛力整備計画に沿い、防衛力の質的向上をはかるとともに、基地対策の充実につとめることといたしておるのであります。  公共投資の拡大による社会資本の充実につきましては、近年、特に意を用いてまいったのであります。この結果、一般会計予算に占める公共事業費の割合は著しい上昇を示しておりますとともに、公共投資の国民総生産に対する比率は、世界的に見て最も高い状態になっております。  三十九年度におきましては、公共事業関係費として総額六千十一億円を計上いたしております。  まず、道路整備につきましては、道路輸送需要の増大等現行五カ年計画策定後の情勢変化に対処するため、昭和三十九年度を起点とする総額四兆一千億円にのぼる新五カ年計画を策定することとし、三十九年度におきましては、その初年度として、一般会計におきまして二千七百六十五億円を計上いたしますほか、財政投融資計画におきましても、日本道路公団等いわゆる道路三公団に対し千百十七億円の資金を投入することといたしております。  なお、新計画の策定にあたり、諸般の事情を慎重に考慮いたしました結果、揮発油税、地方道路税及び軽油引取税を引き上げ、新計画の着実な遂行のため必要な財源の確保につとめることといたしておる次第であります。  次に、港湾につきましても、その重点的整備を促進するため、道路整備と並んで予算の増額を行ないますとともに、最近の港湾貨物量の増大等に対応して、三十九年度を初年度とする新五カ年計画を策定することといたしております。  また、日本国有鉄道につきましては、東海道新幹線の十月完成と改良工事の拡充のため、日本電信電話公社につきましては、電信電話施設の整備拡充のため、それぞれ政府関係機関予算及び財政投融資計画を通じて所要の資金措置を講ずることといたしております。  なお、産業の発展に伴い、ますます増大いたします産業用地、用水需要に対処するため、土地造成と水資源の総合的開発を推進いたしますとともに、新産業都市の建設等、地域開発を促進するため、予算及び財政投融資計画を通じ所要資金の確保につとめております。  最後に、治山治水事業につきましても、その大幅な推進をはかるため必要な予算を計上し、災害復旧の進捗と相まち、国土保全に万全を期することといたしております。  まず、住宅につきましては、住宅対策費として三百億円を計上いたしましすとともに、財政投融資計画におきましても、住宅金融公庫及び日本住宅公団に対し千四百七十四億円の資金の投入を予定いたします等、昭和四十五年度における一世帯一住宅の実現を目標に格段の配慮を加えております。  また、上下水道、し尿処理施設等その整備の立ちおくれております生活環境施設につきましても、予算及び財政投融資計画を画期的に増額し、その積極的整備を促進することといたしておるのであります。  貿易及び経済協力につきましては、財政投融資計画におきまして、日本輸出入銀行に対し九百三十七億円の資金を投入し、その貸し付け規模を拡大いたしますほか、税制面におきましても、企業の国際競争力の強化等に資するための税制改正を予定いたしております。  また、一般会計予算におきましても、輸出市場拡大のための諸施策を強化いたしますほか、技術協力を中心に、引き続き、対外経済協力の推進をはかることといたしております。  なお、最近の貿易外収支の状況にかんがみ、その改善に資するため、海運業の体質改善と外航船腹の拡充、国際航空事業の育成強化、国際観光の振興等につきましても、予算及び財政投融資計画を通じ格段の配慮を加えております。  中小企業につきましては、中小企業基本法に基づき、その近代化、高度化を通じて、経営基盤の安定強化に資するため、財政金融上の諸施策を飛躍的に拡充することといたしております。  まず、一般会計におきましては、中小企業高度化資金融通特別会計への繰り入れを大幅に増額いたしますとともに、設備近代化補助、小規模事業対策等の諸施策を強化することとして、百六十六億円の予算を計上いたしますほか、税制面におきましても、国税、地方税を通じ平年度六百億円を上回る減税を行なうことといたしております。  中小企業金融対策といたしましては、手形割引保証の拡充等中小企業信用保険公庫による信用補完制度を充実いたしますとともに、財政投融資計画におきましても、国民金融公庫、中小企業金融公庫及び商工組合中央金庫の貸し付けワクの拡大と商工組合中央金庫の貸し出し利率引き下げのため、千五百十七億円の財政資金を投入いたしますほか、新たに中小企業金融公庫につき、債券発行による資金調達の方途を講じます等、中小企業金融の拡充、円滑化に資するための諸措置を講ずることといたしております。  農林漁業につきましては、農業基本法の定める方向に沿いつつ、農業構造改善事業と農業基盤整備事業を中心に、農業生産の選択的拡大、生産性の向上、経営の安定強化に資するための諸施策を総合的に推進いたしますとともに、農水産物の価格安定と流通機構の改善合理化に特に意を用いております。  また、農林漁業金融公庫につきましては、その新規貸し付け計画額を千七十億円に拡大いたしますとともに、融資条件の改善簡素化を行ないまして、農業近代化資金、農業改良資金の融資ワク拡大とあわせ、農林漁業金融の飛躍的拡充、改善を期することといたしております。  まず、食糧管理特別会計につきましては、同会計の調整勘定及び新設の輸入飼料勘定に合計千二十六億円を繰り入れますほか、産業投資特別会計につきましても、同会計の行ないます産業投資支出の財源に充てるため、五百七十二億円を繰り入れることといたしております。  以上、主として一般会計予算について申し述べましたが、特別会計及び政府関係機関の予算につきましても、一般会計に準じ、経費及び資金の効率的、重点的配分につとめ、事業の円滑な遂行を期することといたしております。  なお、三十九年度に新設を予定いたしております特別会計には、すでに述べました国立学校特別会計のほか、自動車検査登録特別会計がありますので、特別会計の数は四十三となるわけであります。  財政投融資につきましては、それぞれの項目で御説明いたしたのでありますが、その原資といたしましては、出資原資として産業投資特別会計八百十二億円、融資原資として資金運用部資金八千五十四億円、簡保資金千五百億円、合計一兆三百六十六億円の財政資金のほか、民間資金二千五百億円の活用をはかりますとともに、外貨債及び世銀借款の見込み額五百三十六億円を計上いたしまして、総額を一兆三千四百二億円と予定いたしております。  運用につきましては、農林漁業及び中小企業金融の充実、住宅の建設及び生活環境施設の整備に重点を置くとともに、輸出の振興、道路、鉄道等社会資本の強化及び地域開発の推進に特に配意いたしております。  終わりに、今回提出いたしました昭和三十八年度補正予算(第3号、特第3号及び機第3号)について申し述べます。  まず、一般会計補正予算の規模は、八百二十六億円でありまして、歳出として、産業投資特別会計及び同会計資金への繰り入れ、義務教育費国庫負担金等義務的経費の不足補てん等を計上いたしますとともに、歳入において所得税、法人税等租税及び印紙収入を追加いたしております。  これらのうち、産業投資特別会計への繰り入れば、同会計が行ないます日本輸出入銀行への追加出資に必要な財源を繰り入れるものであり、また、同特別会計資金への繰り入れは、経済基盤の強化、企業の体質改善を強力に推進する等のため、出資需要がますます増大しておりますので、その資金を充実することが急務と考えられるところからこれを行なうものであります。  特別会計予算におきましては、一般会計の補正に関連して産業投資特別会計並びに交付税及び譲与税配付金特別会計につき、また、失業保険給付費の増加に伴い、失業保険特別会計につきそれぞれ所要の補正を行ないますほか、政府関係機関予算におきましては、日本国有鉄道につきまして改良工事を促進するため、所要の予算措置を講ずることといたしております。  なお、これらに関連いたしまして、財政投融資計画におきましても、日本輸出入銀行及び日本国有鉄道につきそれぞれ所要の追加を行なっておるのであります。  以上、ごく概略を御説明いたしましたが、なお詳細にわたりましては、政府委員をして、補足して説明いたさせます。  何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛同願いたいと存じます。

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) ただいまの大蔵大臣の説明に関し、これより順次政府委員から補足説明を聴取いたしたいと存じます。佐藤主計局長。

佐藤一郎大蔵省主計局長

○政府委員(佐藤一郎君) ただいまの大臣の御説明に対しまして補足を申し上げます。  なお、お手元にございます予算の説明は特に御説明をいたしませんで、別に私の説明要旨を印刷してお配りしてございますから、それをひとつごらん願いたいと思います。  まず、予算規模でございますが、昭和三十九年度一般会計予算の規模は、三兆二千五百五十四億円でありまして、その三十八年度当初予算に対する伸び率一四・二%は、三十六、七年度当初予算のそれぞれ前年度当初予算に対する伸び率二四・四%、二四・三%を大きく下回ることはもちろん、三十八年度当初予算の三十七年度当初予算に対する伸び率一七・四%をもかなり下回っております。  次に、その三十九年度における国民所得の見込みに対する比率は、十六・四%でありまして、過去における当初予算規模の国民所得当初見込みに対する比率と対比いたしますと、三十六年度における一五・三%を若干上回りますものの、三十七年度における一七・〇%、三十八年度における一七・一%をそれぞれ下回っております。  なお、三十九年度の予算で注目されますことは、前年度剰余金受け入れが激減することでありまして、三十八年度に比べ、実に千八百六十六億円の減少となっております。前年度剰余金受け入れは、過去の蓄積資金の放出ということでありまして、これが少なくなりますことは、財政資金の対民間収支における散超幅がそれだけ減少する結果となりますので、この観点から見ましてもやや引き締まりぎみの予算と称することができると存じます。  したがいまして、その規模から申しましても、その内容から申しましても、今回の予算は、景気に対して刺激的効果を及ぼすというようなおそれのない健全均衡予算であると信ずるのでありますが、なお、その運用にあたりましては、今後の経済の動向に留意しつつ、十分その弾力的運営につとめる所存であります。  次に、内容に移りますがまず、社会保障関係でございますが、社会保障関係費は、総額四千三百七億円を計上いたしております。その三十八年度当初予算に対する伸びは、六百九十二億円、一九・二%であり、一般会計歳出予算中に占める割合も、十三・二%と過去の最高を示しております。  三十九年度におきましては、国民健康保険の世帯主七割給付、診療報酬の地域差の撤廃、福祉年金額の引き上げ等三十八年度より新たに実施いたしました諸施策の平年度化並びに単価上昇及び受給件数増に伴う医療費の増高等、いわば当然増的経費が相当額にのぼるのでありまして、この当然増的経費の増加傾向は、今後、年とともに強まってまいると思われるのでありますが、国民生活の均衡ある向上と社会福祉の充実に資するため、引き続き社会保障関係諸施策の改善、充実をはかることといたしております。  まず、生活保護費におきましては、被保護階層の生活内容の向上に資するため、生活扶助基準を十三%引き上げますほか、教育扶助、出産扶助等の基準を引き上げることといたしております。  社会福祉費におきましては、特に重度の精神薄弱児をかかえた家庭に対する援護の施策として、新たに重度精神薄弱児扶養手当を創設いたします等、児童保護、老人福祉を中心に施策の充実をはかることといたしております。  次に、社会保険費におきましては、国民皆保険の中核をなします国民健康保険につき、四十年一月より四カ年計画をもちまして、世帯員に対する療養給付率を五割より七割に引き上げることといたしますとともに、かねてから給付水準引き上げの要望がありました厚生年金につきましては、四十年五月よりその画期的改正を行なうこととし、本年度におきましては、その準備のため必要な経費を計上いたしますとともに、関係法案の提出準備を急いでいる次第であります。  また、国民年金費におきましては、福祉年金につき、扶養義務者の所得による支給停止基準額を六十万円から六十五万円に引き上げますほか、戦争公務による死亡等の場合におきます公的年金併給の限度額を七万円から八万円に引き上げます等の改善措置を講ずることといたしております。  失業対策費におきましては、失業対策事業の賃金日額を一〇%近く引き上げ、平均五百一円九十銭といたしますほか、最近における雇用情勢にかんがみ、労働力移動の円滑化をはかりますため、日雇労働者の就職支度金の引き上げ及び中高年齢失業者の就職促進に必要な諸手当の引き上げ等の改善措置を講ずることといたしております。  文教でありますが、文教及び科学振興費は、総額四千百三十六億円を計上いたしております。この増加額は三百九十億円、伸び率は一〇・四%にとどまっておりますが、これは、国立学校特別会計の新設に伴い、学校病院収入、授業料収入等が、同特別会計に振りかえられました関係等によるものでありまして、これらの点を調整いたしますと、その実質におきましては、六百四十億円、一七・一%の増加と相なる次第であります。  まず、最初に御説明すべきは、国立学校の管理運営の円滑化、なかんずく、施設、設備の計画的整備をはかるため、国立学校特別会計を新設することといたしていることであります。三十九年度におきましては、その財源として、一般会計からの繰入金及び付属病院収入、授業料収入等固有の財源のほか、病院施設整備のための財政投融資資金の借り入れ、不用財産の売却収入を見込み、これによって、国立文教施設、設備の飛躍的拡充をはかることといたしております。  次に、義務教育費国庫負担金におきましては、三十八年十二月に改正されましたいわゆる改正標準法に基づき、学級編制及び教職員定数の改善を行ない、小中学校における教職員数の充実をはかることといたしております。  公立文教施設費におきましては、公立小中学校校舎等に対します補助基準坪数の算定基準を、現行の児童または生徒一人当たり基準から、学級単位基準に改めますとともに、構造比率の改善、建築単価の引き上げ等を行ない、校舎等施設、設備の質量両面にわたる整備を促進することといたしております。  義務教育教科書につきましては、昭和四十年度におきます小学校第一学年から第五学年の全児童にまで、その無償給与の範囲を拡大いたしますとともに、学校給食につきましても、生乳四十万石を取り入れる等その改善をはかり、また、理科教育及び産業教育の振興、学校保健対策等につきましても遺憾なきを期しております。  さらに、私立学校教育の振興をはかるため、私立学校振興会に対し十五億円を追加出資いたしますとともに、財政投融資計画におきましても、三十八年度に倍します四十億円の資金運用部資金の投入を予定いたしております。  科学技術の振興につきましては、宇宙開発推進本部、植物ウイルス研究所の新設等により、各省試験研究機関の試験研究体制を整備強化し、原子力船の開発等原子力の平和利用、国産新技術の開発、防災科学等重要研究を積極的に推進することといたしております。  次に公共事業であります。公共投資の拡大による社会資本の充実につきましては、近年特に意を用いてまいったのであります。この結果、一般会計予算に占める公共事業関係費の割合は著しい上昇を示しております。これは昭和三十三年度に一一%ちょっとでありますが、本年度は一六・五%となっております。また、公共投資の国民総生産に対する比率は、世界的に見て最も高い状態になっております。これは政府関係の公共投資の国民総生産に対する伸びは一一%をこえております。これは世界的に最も高い伸び率になっております。  三十九年度の公共事業関係費は、総額六千十一億円でありまして、三十八年度当初予算に対し、八百七十八億円、一七・一%の伸びとなっておりますが、三十八年度をもちましてほとんど事業が完成する予定となっております伊勢湾高潮対策のための経費及び災害復旧等事業費を除きました一般公共事業関係費で申しますと、三十八年度当初予算に比べ、九百三十九億円、二一・二%という高い伸びとなるわけであります。  まず、道路につきましては、新たに、昭和三十九年度を起点とする総額四兆一千億円にのぼる新五カ年計画を策定することといたしております。その事業区分は、一般公共道路事業分二兆二千億円、有料道路事業分一兆一千億円及び地方単独事業分八千億円となっておりますが、その着実な推進に必要な財源を確保いたしますため、キロリットル当たり、揮発油税については二千二百円、地方道路税については四百円、軽油引取税については二千五百円、それぞれの税率を引き上げることといたしております。  三十九年度におきましては、この新しい五カ年計画の初年度として、一般会計におきまして、税率引き上げに伴う増収分を含めまして揮発油税等特定財源二千三百十五億円、一般財源四百五十億円、合計二千七百六十五億円を計上いたしますとともに、財政投融資計画におきましても、千百十七億円の資金投入を予定いたしております。  次に、港湾につきましても、三百三十六億円を計上いたしまして、主要外国貿易港湾、地域開発のための主要港湾等につき、その重点的整備を促進いたしますとともに、港湾貨物量の増大等最近の情勢変化に対処いたしますため、新たな五カ年計画の策定を予定いたしております。  空港につきましては、引き続き、東京、大阪の両国際空港及びローカル空港の整備を推進いたしますとともに、新東京国際空港の建設に備え、所要の調査費を計上いたしまして、準備の充実を期することといたしております。  なお、工業用水道事業につきましては、東京城北地区外七地区の事業につき補助率の改定を行なうことといたしております。  次は住宅であります。住宅対策費といたしましては、公営住宅等の建設のため、三百億円の予算を計上いたしておりますが、これは、三十八年度予算に比べ五十三億円、二一・六%の増加と相なっているわけであります。これにより、各種の質的改善をはかるとともに、公営住宅、改良住宅を合わせて、六万四千五百戸の建設を行なうことといたしております。  このほか、政府の住宅施策といたしましては、住宅金融公庫による融資、日本住宅公団による住宅建設、厚生年金の還元融資による建設等がありますが、三十九年度におきましては、昭和四十五年度におきます一世帯一住宅を目標といたしまして、三十一万七千戸の政府施策住宅の建設を予定いたしますとともに、民間自力建設の推進に資するため、固定資産税、不動産取得税の減税及び新築貸家住宅の特別償却制度を拡充することといたしております。  次に、環境衛生対策につきましては、環境衛生対策費及び公共事業関係費の中の下水道事業費において、合わせて百七十六億円を計上いたしましたが、これは、三十八年度に比べ五十四億円、四四・七%の増加となっております。なお、財政投融資計画におきましても、地方債を大幅に増額いたしまして、その積極的整備を促進することといたしております。  次は貿易でございますが、貿易振興及び経済協力費といたしましては、三十八年度当初予算を二五・二%上回ります百七億円の予算を計上いたしますほか、財政投融資計画におきましても、日本輸出入銀行に対し、産業投資特別会計からの出資二百二十五億円を含め、九百三十七億円の財政資金を投入して、これにより、その貸し付けワクを千三百億円から千六百億円へと大幅に拡大いたしますとともに、国際競争力の強化等に資するための税制改正を予定いたしております。  また、貿易外収支の改善に資するため、海運業の体質改善と外航船腹の拡充、国際航空事業の育成強化、国際観光事業の振興等につきましても、予算及び財政投融資を通じ、格段の配慮を加えております。  このうち、海運対策費について御説明いたしますと、海運業再建整備臨時措置法に基づき、集約化を実行いたしました企業に対しまして、日本開発銀行がその支払いを猶予いたしました利子相当分を日本開発銀行に交付するための経費を新たに計上いたしますほか、従来からの三国間輸送助成費及び外航船舶建造融資利子補給につきましても、予算の増額を行なっております。特に、三国間輸送助成費につきましては、三十八年度予算の四億六千万円から九億六千万円へと大幅に増額いたしております。  次は中小企業対策でございますが、中小企業対策は、本来金融を主体としつつ、税制並びに歳出予算両面での諸施策を総合的に展開すべきものと考えるのであります。  まず、金融対策といたしましては、手形割引保証の飛躍的拡充、付保限度の引き上げ等、中小企業信用保険公庫による信用補完制度の改善充実をはかることとし、同公庫の融資基金に充てるため、一般会計より四十五億円を追加出資することといたしております。  また、財政投融資計画におきましても、国民金融公庫、中小企業金融公庫、商工組合中央金庫の貸し付けワクを大幅に拡大するため、千五百十七億円の財政資金を投入いたしますとともに、新たに、中小企業金融公庫につき債券発行による資金調達の道を開くことといたしております。なお、商工組合中央金庫につきましては、貸し出し利率を引き下げるため、作業投資特別会計より三十億円を出資することといたしております。  次に、一般会計の中小企業対策費といたしましては、さきに述べました中小企業信用保険公庫への出資を含め、三十八年度予算額を三九・八%も上回る百六十六億円を計上いたしております。  施策の最重点は、中小企業の高度化、近代化でありまして、三十八年度に新設いたしました中小企業高度化資金融通特別会計への繰り入れ額を三十八年度の二十三億円から四十四億円に増額し、新たに融資対象事業として追加することといたしました商店街近代化事業を含め、中小企業の集団化、協業化を促進することといたしております。また、設備近代化補助につきましても、四億円を増額し、一そう適切で重点的な運用をはかることといたしております。  なお、税制面におきましても、法人税の軽減税率の適用限度の引き上げ等、国税、地方税を通じまして、中小企業者に対し、平年度総額六百億円をこえる減税が行なわれることになっております。  次に農林漁業関係でございますが、三十九年度におきましては、農林漁業の近代化を強力に推進するため、農林関係予算として食糧管理特別会計への繰り入れを含め、三千三百六十億円、食糧管理特別会計への繰り入れを除きまして、二千三百三十四億円の予算を計上いたしております。それぞれの三十八年度当初予算に対します伸び率は、三二・八%、十六・九%でありまして、一般会計規模の伸び一四・二%をかなり上回っております。  まず、農業基盤整備事業につきましては、七百七十二億円を計上して、かんがい排水その他の土地改良事業を中心に、その事業を推進いたしますとともに、農業構造改善事業につきましては、百三十六億円を計上して継続事業の進捗をはかるほか、新たに四百地域において事業に着手することといたしております。これにより農業経営の近代化と立地に即した主産地形成の促進が期待される次第であります。  また、最近における消費者物価の動向にかんがみ、生鮮食料品の合理的な価格形成に資するため、新たに東京都  に二十カ所の食料品小売市場を建設いたしますほか、主要都市における中央卸売市場の整備を促進する等、生鮮食料品の流通改善対策には、特に意を用  いております。  最後になりましたが、三十九年度における農林漁業関係諸施策の大きな特色は、農林漁業金融を画期的に拡充改善し、これを通じ農業経営の近代化を推進しようといたしていることであります。すなわち、系統資金を活用するための農業近代化資金につきましては、五百二十億円から六百億円に、無利子の農業改良資金につきましては、十八億円から四十五億円にと、それぞれ融資ワクを拡大することといたしております。  また、農林漁業金融公庫につきましては、新規貸し付け計画額を三十八年度の八百七十億円から千七十億円へと拡大いたしますとともに、その貸し付け条件を簡素合理化いたしますため、財政投融資計画におきまして、産業投資特別会計からの出資二百九十億円を含め、七百五十五億円の財政資金を投入することといたしております。  次に特別会計への繰り入れでございますが、食糧管理特別会計への繰り入れは、千二十六億円もの巨額となっております。その内訳は、食糧管理勘定の損失見込み、調整資金の残額等を勘案して調整勘定へ繰り入れられます九百九十億円と、輸入飼料の売買に伴う損失を補てんするため、新設の輸入飼料勘定へ繰り入れられる三十六億円であります。  次に、産業投資特別会計への繰り入れといたしまして五百七十二億円を計上いたしておりますが、これは三十八年度に対し七十五億円の増額となっております。産業投資特別会計は、この五百七十二億円と同会計資金よりの受け入れ百八十九億円等を財源として、日本輸出入銀行、住宅金融公庫、日本住宅公団、農林漁業金融公庫、商工組合中央金庫、日本航空株式会社その他八機関に対し、総額八百十二億円の出資を行なう予定となっております。  次に予備費でございますが、予備費につきましては、三十八年度予算に比べまして百億円を増額し、三百億円を計上いたしております。災害復旧に要する経費等、最近における予備費使用の状況を勘案して増額いたしたものであります。  次に昭和三十八年度補正予算(第3号、特第3号及び機第3号)について申し上げます。  まず、一般会計補正予算の規模は八百二十六億円でありまして、これにより、昭和三十八年度一般会計予算の規模は三兆五百六十八億円と相なるわけであります。  次に、歳出追加のうち、産業投資特別会計及び同会計資金への繰り入れにつき御説明いたします。  産業投資特別会計への繰り入れ六十億円は、船舶輸出の急増を中心に日本輸出入銀行の貸し付けが当初計画を大幅に上回り、同行の所要資金に不足を生ずる見込みとなりましたので、資金運用部資金四十億円と合わせ、産業投資特別会計より六十億円の出資を行なうこととなり、その所要財源を繰り入れるものであります。  また、産業投資特別会計資金への繰り入れ三百億円は、開放経済体制への移行を目前に控え、出資需要の一そうの増大に対処いたしますとともに、今後の産業投資を経済情勢に応じて弾力的に行ない得るよう、同会計の資金を充実するため、繰り入れるものであります。  簡単でございますが……。

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 次に泉主税局長。

泉美之松大蔵省主税局長

○政府委員(泉美之松君) 主税局長の泉でございます。大臣の御説明のうち、昭和三十九年度の租税及び印紙収入の見積もり及び税制改正の内容につきまして補足して御説明申し上げたいと存じます。  恐縮でございますが、お手元に、「昭和三十九年度租税及び印紙収入予算の説明」という小冊子を差し上げておるはずでございますので、その三ページをお開き願いたいと存じます。ここに「昭和三十九年度租税及び印紙収入予算額」の表が載っております。これで租税及び印紙収入の概要がわかるように相なっております。一般会計が上のほうにありまして、まん中から下のところにその合計がございまして、その下に交付税及び譲与税配付金特別会計が載っております。  表の第一欄は昭和三十八年度予算額でございまして、そのカッコの中に入っております数字が当初予算の額でございます。合計二兆三千五十三億であったわけでございます。それが第一次補正の結果、本書きにありますように、二兆四千二百九十五億に相なっているわけでございます。ただいま御提出申し上げておりまする第二次補正によりまして、八百二十六億円を追加いたしますと、二兆五千百二十一億に相なるわけでございます。三十九年度におきましては、こうした三十八年度の租税及び印紙収入の状況を基礎にいたしまして適正に見込みました結果、次の欄のカッコ書きにありますように、当初予算の二兆三千五十三億に対しまして六千八百二十六億の自然増収を見込むことといたしました。自然増収の見込み方に対しましては、従来とかく過小ではないかとの御批判がございましたので、三十九年度におきましては適正に見込むことにつとめたのでございます。六千八百二十六億は、前年度当初予算に対しましては二九・六%の伸び率となっております。従来三十六年度におきまして、及び三十七年度におきまして、約三〇%に近い伸び率を見込んだのでございまして、三十八年度は一五%三の伸び率でございましたので、それに比べますとかなり多目になっておりますが、三十六年度におきましては、決算におきましては、当初予算で見込みましたより以上の収入になっておりますので、六千八百二十六億と申しましても、そのうち二千六十八億はすでに昭和三十八年度に増収が見込まれておるものでございまして、その上に加わりまする三十九年度自体の収入の増加といたしましては四千七百億程度でありますので、この程度の収入は十分確保し得るものと考えておる次第でございます。  その税目別の内訳につきましては、カッコ書きにそれぞれの税目にございますように、所得税におきましては二千十六億円、法人税におきましては二千八百六十五億円、酒税におきまして四百八十億円、物品税におきまして四百三十六億円、関税におきまして四百四十九億円と相なっておりますが、その見積もりの詳細につきましては、繁雑になりますので、省略をさせていただきまして、ごく簡単に申し上げますと、所得税のうち給与所得につきましては、雇用の増加が四%、給与の増加が九・一%と見込みまして収入を計上いたしまして、このような数字に相なっておるわけでございます。申告分につきましても、経済企画庁の経済見通しに従いまして収入を計上いたしました結果、このように三十八年度に比しまして三百九十三億円の増収を計上いたしておるのでございます。  次に、法人税につきましては二千八百六十五億円と、前年度当初予算に対しまして三七%の増収を見込むことになっておりますが、これは御承知のように、生産、物価の動向と法人税収入との間におきましては、約六カ月程度のズレがございますので、三十九年度中におきまする総生産の伸びは九・七%でございますけれども、三十九年度の法人税収入には、三十八年後半の生産が一四%ほど伸びております現状が大きく反映いたしますので、このような数字に相なるわけでございます。  次に、酒税につきましては、清酒が八・二%、ビールが十三%、酒類全体が九・一%増加するものと見込んでこのように計上いたしてございます。最近の消費の動向からいたしますれば、この程度の消費が当然見込まれるものと考えております。  次に物品税につきましては、テレビ、冷蔵庫、自動車、扇風機等主要課税品目に、最近の消費の動向を勘案いたしまして、このように見込んだ次第でございます。  また関税につきましては、最近の通関実績を考慮いたしまして適正に見込みました結果、このような数字に相なっておるわけでございます。  この結果、昭和三十九年度におきましては、現行法による収入見込み額は、三欄目にありますように、二兆九千八百七十九億円に相なるわけでございます。もっとも備考の3にございますように、今回新たに自動車検査登録特別会計が新設されますので、そのほうに印紙収入の中から十三億二千三百万円をさいておりますので、それを差し引いた金額が二兆九千八百七十九億円に相なるわけでございます。  その次は税制改正による減収でございますが、この点につきましては、その次の四ページ及び五ページをお開き願いたいと存じます。これに初年度、平年度と大きく分けまして、所得税、法人税等の一般的減税と、租税特別措置及び税制の整備によります減収とを掲げておるのでございまして、所得税の一般的改正によりましては、初年度六百四十九億円、平年度七百三十七億円の減税になっておりまして、法人税の改正によりましては、初年度三百一億円、平年度四百九十三億円の減税になっております。そのほかに相続税の改正で、平年度四十四億円、初年度二十七億円の減税となっております。  次に租税特別措置及び税制の整備によりまして、法人税及び所得税につきまして減収を生ずる反面、輸出所得控除制度の廃止に伴います増収がありますので、差し引きますと、租税特別措置及び税制の整備関係で初年度二十七億、平年度百二億の減収に相なっておるわけでございまして、これらを総計いたしまして、初年度千三億、平年度千三百七十六億の減税を行なうことになっておるわけでございます。  御承知のように、今回の税制改正におきましては、国税、地方税を通じまして平年度二千百八十億円、もっとも国税のほうはこのように金額が確定いたしておりますが、地方税のほうは、まだ多少不確定なところがございますので、今後若干増加する見込みでありますが、一応二千百八十億円の平年度減税を行なうことになっておるわけでございます。一般会計のほうにおきましては、これから揮発油税の増徴によります分、関税率の改訂、特にバナナに対する関税率を引き下げることなどによります減収、国際収支改善のためにとん税の増徴いたします分等を差し引きますと、初年度八百三十六億の減収と相なるのでございまして、それを差し引きまして二兆九千四十二億七千三百万円を租税及び印紙収入の三十九年度予算額に計上いたしておるわけでございます。  税制改正の内容につきましては、お手元の資料の二十五ページ以下に要綱が掲げてございます。その内容を詳細に申し上げますことは、時間の関係で省略させていただきまして、ごくかいつまんで申し上げますと、所得税におきましては、中小所得者の負担を軽減することに主眼を置きまして、諸控除を引き上げております。すなわち、基礎控除を一万円、配偶者控除を五千円引き上げる。扶養控除につきましては、十三歳未満の者について五千円引き上げる。十三歳、十四歳の者について一万五千円引き上げることといたしております。また、事業所得者の専従者控除につきましては、二十歳以上の者につきましては二万五千円引き上げまして十五万円に、二十歳未満の者につきましても同じく二万五千円引き上げまして十二万円といたしております。白色申告者の専従者につきましても、一万五千円引き上げまして九万円といたしたのであります。  次に、給与所得者につきましては、給与所得者の負担の現状を考慮いたしまして、定額控除の一万円を二万円に引き上げる。給与の収入金額から定額控除後の四十万円までは二〇%、四十万円超一〇%の控除を行ないまして、最高限度が従来十二万円でありましたのを、十四万円に引き上げております。  そのほか、所得税につきましては、退職所得の控除の引き上げ、あるいは投機的な資産の譲渡所得に対する課税の適正化をはかる措置、譲渡所得、山林所得、一時所得に対する十五万円の控除を引き上げる措置、寄付金控除に対しまして控除限度額及び控除率を引き上げる措置を講じております。  次に、法人税におきましては、開放経済への移行に備えまして、企業の内部留保の充実と設備の更新をはかって、企業の経営基盤を強化することを主眼といたしまして、まず耐用年数につきまして、平均一五%の短縮を行なうことといたしますほか、減価償却制度につきまして、改善合理化をはかることといたしております。  次に、法人のうち中小所得者に対する負担の軽減をはかりますために、軽減税率の適用限度を、年二百万円から年三百万円に引き上げ、同族会社に対する留保所得課税の軽減をはかることといたしております。  次に、相続税につきましては、遺産に対します基礎控除を二百万円から二百五十万円に引き上げる。贈与税に対しまする基礎控除を二十万円から四十万円に引き上げることといたしております。  揮発油税につきましては、先ほど御説明がございましたが、揮発油に対する揮発油税及び地方道路税をそれぞれ一〇%増徴いたしまして、道路整備財源の拡充に資することといたしております。  租税特別措置につきましては、昭和三十二年以来整理、合理化の方針をとってまいっておるのでございまするが、明年度におきましては、開放経済移行に備えまして各般の政策要請が加わっておりますので、かなり租税特別措置を追加拡充いたしております。  その第一は、輸出所得控除の制度を廃止いたしますので、輸出振興がわが国の国際収支の安定改善のために重要であることにかんがみまして、企業の国際競争力に資するために、法人税の一般的改正のほか若干の特別措置を講ずることといたしておるのでございます。その内容は、輸出特別償却制度の延長とその合理化、技術輸出所得控除制度の延長とその控除率の引き上げ、海外市場開拓準備金制度の創設及び低開発国に対する投資の圧縮記帳の四つと相なっております。  次に、企業の資本充実に資する見地から、支払い配当に対する法人税率を、二八%から二%軽減して二六%にいたしております。また、証券投資信託の収益分配金に対する課税につきましては、利子所得に対する課税との権衡を考慮いたしまして、源泉分離の措置を講ずることといたしております。  このほか新しい措置といたしましては、住宅または家財につきまして支払った損害保険料につきまして、損害保険料控除の制度を設けております。この限度は二千円になっておりますが、建物の更生共済等、長期の共済あるいは保険につきましては、最高限度を五千円にいたしているのでございます。  次に、科学技術の振興に資するために、試験研究用機械設備の特別償却を拡大いたしますとともに、鉱工業技術研究組合に対する支出金の特別償却の割合を引き上げ、重要国産技術の取得につきまして、特別償却の制度を創設いたしております。  次に、住宅建設の促進に資するため、新築貸し家に対する特別償却の率を、従来の十割増しから二十割増し、耐用年数五十年以上のものにつきましては、二十割増しから三十割増しにいたしております。  なお、特別措置の整理、合理化の一環といたしましては、今回耐用年数を一五%短縮することと見合いまして、設備投資の相当進んでおりまする重要産業用合理化機械につきましては、特別償却の割合を、従来の三分の一から四分の一に圧縮いたしまして、また、貸し倒れ準備金につきましては、企業会計原則の考え方及び商法の改正に伴いまして、貸し倒れ引き当て金と改正いたしまして、金額毎期洗いがえの方式をとることにいたしております。  次に、交際費につきましては、損金不算入の制度の措置を強化することといたしたのでございます。  なお、新設の租税特別措置といたしましては、農業協同組合、漁業協同組合、事業協同組合等の特別法人におきまして、出資の四分の一に達するまで留保いたしました場合には、毎年一定額の範囲内におきまして、その留保額のうち二分の一は法人税を課税しないことといたしたのでございます。  また、農業を経営する個人が、法定相続人に生前贈与を行ないます場合におきましては、贈与税の課税につきまして、納期の延長をするなどの特例を行ないました。  以上のような税制改正を行ないます結果、国税におきまして平年度千三百七十六億、初年度千三億の減税を行ない得ることになるわけでありまして、この結果、標準世帯におきましては、四十八万円の年収の場合には、所得税が課税されないという方針が貫かれているわけでございます。  なお、このような減税を行ないました結果、昭和三十九年度の国民所得に対する租税負担率は、国税、地方税を合わせまして二二・二%に相なっておりまして、三十八年度の二一・五%に対しましては、若干上昇いたしておりますが、これは、わが国の国民所得が最近急激に増加いたしている関係上、やむを得ないことかと存ずる次第でございます。  なお、直接税及び間接税の比率につきましては、直接税の比率が若干上がりまして、三十八年度の当初予算の五六・八%が、五八・七%に相なっております。  以上、簡単でございますが、これをもって説明を終わらしていただきます。

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 次に吉岡理財局長。

吉岡英一大蔵省理財局長

○政府委員(吉岡英一君) 昭和三十九年度財政投融資資金計画及び三十九年度予算に基づきます財政資金の対民間収支見込みについて、補足説明を申し上げます。  お手元にあります「予算の説明」という冊子をごらん願いたいと思いますが、「予算の説明」の六十五ページをお開き願いたいと存じます。六十五ページに「第5財政投融資」という表題になっておりますが、その右のほうの「昭和三十九年度財政投融資資金計画」、「1原資見込」という表をごらんになりながら、お聞きとり願いたいと存じます。  昭和三十九年度財政投融資資金計画は、その合計欄にありますように、一兆三千四百二億円の規模であります。三十八年度の一兆一千九十七億円が、三十七年度に対しまして二二・六%の伸び率でありましたのに対しまして、三十九年度は二〇・八%の伸び率でございます。  原資別に御説明申し上げますと、まず第一に産投会計の出資でありますが、一般会計からの繰り入れ五百七十二億円を含めまして八百十二億円、三十八年度に比較いたしまして百七十八億円の増を見込んでおります。産投会計はこのほかに資金を保有いたしておりますが、三十八年度の当初におきましては、三十八年度から翌年度に持ち越します資金を二百六十九億円と予定いたしておったのでありますが、これに対しまして、三十九年度は、三十八年度の補正で三百億円を資金に繰り入れました結果、三十九年度から四十年度への資金の持越額は三百九十七億円を予定いたしております。すなわち、三十八年度の当初の予定に比べまして、約百三十億円多い約四百億円の資金を将来の出資財源に備えて保有をしておるのであります。  次に、資金運用部資金でありますが、八千五十四億円で、三十八年度に比較いたしまして千六百四十一億円の増を見込んでおります。その大宗をなしますものは次の郵便貯金でありまして、三十八年度の千九百億円に対して八百億円の増の二千七百億円を見込んでおります。かなり大幅な増加を見込んだ形となっておりますが、最近の郵便貯金の増加状況はきわめて好調でありまして、特に昨年の暮からことしになりましてから非常に順調な伸びを示しております。ただいまの状況で参りますと、三十八年度に大体二千七百億円の増を見込めるのではないかと考えております。したがって、三十九年度に二千七百億円の増を見込みますことは決して無理な数字ではないと考えております。  次に、簡保の資金でありますが、集中満期の関係がございまして、三十八年度に比較いたしまして百億円減の千五百億円を見込んでおります。  次の公募債借入金は、三十八年度の千八百八十二億円に比較いたしまして六百十八億円の増の二千五百億円を見込んでおります。その大宗をなしますものは次の政府保証債でありまして、三十八年度の千三百三十二億円に対し四百七十八億円の増の千八百十億円を見込んでおるわけであります。これもかなり大幅な資金の増を見込んでおる形となっておりますが、先ほど申し上げました郵便貯金と同じような状況がございます。三十八年度の千三百三十二億円は、年度途中におきまして追加改訂をいたし、百五十億円を下期において追加をいたしております。その結果、最近におきます政府保証債の発行規模は、すでにかなり増加をいたしております。三十九年度の千八百十億円は月平均にいたしますと百五十億円の発行ベースでありますが、昨年の十二月の発行実績は百五十五億円、一月が百四十七億円、二月、三月が大体百五十億円と、すでに百五十億円の発行ベースに達しておるのであります。この公募債借入金二千五百億円につきましては、これを引き受け消化いたします公社債引受協会、全銀協を含めました全金融機関等の代表者が入っておられます金融機関資金審議会におきまして、先日、三十九年度の二千五百億円程度のものは消化に協力いたしましょうという約束をいただいておる金額でございまして、民間資金を特に圧迫するほどの金額ではないと考えております。  次の外貨債等は、大体三十八年度とほぼ横ばいの五百三十六億円を見込んでおります。産投外貨債並びに政府保証外貨債につきまして、三十八年度と同額の一億二千五百万ドルを期待をいたしております。アメリカの市場が、利子平衡税法案がアメリカの国会でただいま審議中であるということから、一時停とんをしておりますが、三十九年度におきましては、これの目鼻もつくと思われますし、一方、ヨーロッパの市場は多少明るいきざしも見え始めておるようであります。彼此勘案いたしまして、三十八年度と同程度の一億二千五百万ドルの外債調達を期待しておるわけであります。次の世銀借款は、これも新たに、一億ドルの新規借款の内諾を得ております。これに基づきます。三十九年度の引き出し額を計上いたしたものであります。  以上、原資を合計いたしまして一兆三千四百二億円の規模を予定いたしているわけであります。いずれも通常の原資を見込んだものでありまして、無理な数字ではないと考えておりますし、民間資金を特に圧迫したりする数字ではないと考えております。  次に、これの運用でございますが、運用につきましては、農林漁業及び中小企業金融の充実、住宅の建設、及び生活環境施設の整備に重点を置きますとともに、輸出の振興、道路、鉄道等社会資本の強化、及び地域開発の推進に特に配意をいたしております。その結果、運用の各機関別の数字が次の「資金計画」の表に出ているわけであります。  これの一々の御説明は、先ほどの主計局長の説明と重複いたしますので、省略させていただきたいと存じますが、次の六十七ページの「使途別分類表」で大勢をごらん願いたいと存じます。  この使途別分類の(1)(6)からまでの項目、すなわち、住宅、生活環境整備、厚生福祉施設、文教施設、中小企業、農林漁業、いわゆる国民生活に最も密接な関係のある部門への投融資が、その合計欄、右のほうでごらん願いますように、三十八年度の五千四百四十五億円が六千八百十二億円に増加をいたしております。増加金額が千三百六十七億円で、伸び率といたしまして二五%でありまして、財政投融資全体の平均伸び率二〇・八%をはるかに上回っているのであります。その結果、この六項目の合計額が財政投融資全体に占めます比率は、三十八年度が四九・一%であったのに対しまして、三十九年度は五〇・八%にウエートを増しております。それから、次の(7)(10)までの国土保全災害復旧、道路、運輸通信、地域開発等、産業基盤の造成になります公共投資につきましても、それぞれ増加を見込んでおりまして、その結果、二の(1)から(10)までの小計の占めます比率は、財政投融資全体の中で約八五%に達しております。一方、(11)の項目の基幹産業についてごらんいただきますと、三十八年度の千百二十一億円に対して千九十七億円と、やや減、ほぼ横ばいの状況でございます。全体といたしまして、財政投融資の資金運用の重点が、基幹産業的なものから次第に国民生活に非常に密接な関係のある部門に重点を移しつつある。三十九年度に至ってその比重が五割をこえたということが言えると思います。  以上、簡単でございますが、昭和三十九年度の財政投融資の概略について申し上げました。  次に、お手元にあります二枚紙のこういう資料がありますが、「昭和三十九年度予算に関する参考資料」という資料をごらん願いたいと思いますが、三十九年度予算に基づく財政資金の対民間収支の見込みでございます。  昭和三十八年度が、先ほど主計局長から御説明申し上げましたように、前年度剰余金の繰り入れが二千六百二十七億円と多かったのに比べまして、昭和三十九年度は、これが七百六十一億円に激減をするということと、国際収支の見通しが約一億五千万ドルの赤字になるということによりまして一番下の欄の外国為替資金が五百四十億の揚げに転ずるという大きな二つの原因によりまして、昭和三十八年度の当初予算に基づく見込みが三千七百五十億円の散超見込みでありましたのに対しまして、三十九年度は千二百十億円の散超の見込みにとどまっているわけであります。  簡単でございますが、補足説明を終わります。

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 次に、高島調整局長。

高島節男経済企画庁調整局長

○政府委員(高島節男君) 私から、三十九年度の予算案の参考といたしまして、三十九年度の経済見通しと運営の基本的態度につきまして補足御説明を申し上げたいと思います。  お手元に「昭和三十九年度予算案補足説明」という大きな字で横書きにいたしました資料がございます。これに即して御説明いたしてまいりまして、別途お配りいたしました「昭和三十九年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」という活版刷りのほうを参考にしていただきたいと思います。  まず、三十八年度の経済情勢、すなわち、三十九年度への見通しを立ててまいります際の基本となることしの見通しでございますが、三十七年十月に引き締め政策が解除いたされましてから回復基調に転じておりまして、三十八年度に入ってからは予想を上回る経済拡大が続いておりますことは、御承知のとおりでございます。この結果、三十八年度の国民総生産は大体二十一兆九千五百億円という規模になる見込みでございまして、経済の成長率は実質八・二%程度に達する見込みでございます。このような経済の拡大の原因は、個人消費、財政支出といったものが引き続き堅調に伸びておりますことに加えまして、在庫投資の増大や、設備投資の回復が見られるなど、国内需要が全体として増大してきていることによるものが多いと思います。輸出もまた、このような拡大された経済を基盤といたしまして予想を上回る増加を示しております。また、鉱工業生産は、このような総需要が旺盛でありますことに加えまして、最近における設備能力の増大に伴って、企業が操業度を高く維持しようという意欲が強いことも作用いたしまして、大幅な上昇を続けておりまして、年度間、対三十七年度比で大体一一三・六%程度の見通しに相なるかと思います。  この間におきまして、国際収支のほうの面では、輸出は相当な好調でございまして、年度間大体五十五億ドルに達すると思いますが、輸入がさらにこれを上回って増大いたしておりますために、貿易収支はかなりの赤字が避けられない見込みとなってまいっております。このように輸入が著しく増加いたしております理由としては、鉱工業生産の予想以上の上昇に伴って原燃料の輸入が増大いたしましたことのほか、粗糖その他の一部の商品の海外市況が高騰したことや、海上運賃が上昇したこと、さらには長雨被害により国内産麦が不作であったというような、幾多の臨時的な要因が重なっているわけでございます。また、海運収支の悪化等によりまして、貿易外収支の赤字幅が拡大いたしておりますほか、資本収支の面におきましても、三十八年七月に米国のドル防衛措置が強化されまして以来、黒字幅が急激に減少いたしてまいっておりまして、特別借款の残額九千万ドルの返済もございましたので、年度間の総合収支としては約一億ドル程度の赤字とならざるを得ない見込みでございます。  次に、物価の動きにつきましては、卸売物価は、全体としておおむね安定的に推移いたしておりますが、消費者物価は、農水産物、サービス料金のほか、中小企業製品を中心としてその騰勢は依然として弱まっていない段階にございます。  以上が三十八年度の経済情勢でございますが、このような経済情勢を見てみますと、過熱をいたしました過去二回の経験におきますように、設備投資または在庫投資といったようなものが行き過ぎまして国際収支の危機を招いた場合とはだいぶその様相を異にいたしておりまして、個々の需要面の要素の中で特に行き過ぎた増大が見られるものがあるというわけではございません。しかしながら、もしこのまま推移いたしてまいりますと、国内の需要や鉱工業生産は引き続いて活発な伸びを示し、国際収支の均衡や消費者物価の安定を期待することが困難な事態となってまいり、わが国経済の長期にわたる安定成長の基盤が損われるのではないかと憂えられる事態であると思います。したがいまして、開放経済への移行というきびしい国際環境に目下対面いたしておるわけでありますが、それに対処しつつ経済の安定成長を確保することを目標として今後の経済運営をはかってまいるという必要が出てまいっているわけでございます。  このため、三十九年度の経済運営にあたりましては、絶えず国際収支及び消費者物価の動向に注意を払いつつ、国内需要が適正な水準をこえないよう、経済を引き締め気味でしかも細心の注意を払って運用をいたしてまいるとともに、輸出の振興、海運収支の改善、あるいは物価の安定、あるいは農業、中小企業の近代化、あるいは社会資本の充実といいましたような重点的な施策を強力に推進いたしまして、わが国経済の均衡ある発展と国民生活の向上をはかってまいるというのが基本方針になるかと思います。  このような経済運営の基本的な態度に基づきまして、三十九年度の経済の均衡基調を失わない望ましい成長の姿を想定いたしてみますと、国民総生産の規模といたしましてはおおむね二十四兆円、その成長率は実質七%程度というところであろうかと思います。これは、成長率といたしましては、三十八年度は先ほど説明いたしました八・二%程度でございますが、これに比べますと下回ることになりますが、所得倍増計画で想定いたしております成長の基本路線には沿ったものでございます。  次に、この場合におきます経済の主要な項目につきまして、三十八年度と比較しながら簡単に御説明を申し上げてまいります。  まず、個人消費支出でございますが、経済環境が引き締まって消費者物価も安定の方向に向かってまいりますに伴いまして、その名目の伸び率はやや鈍化して、一一−一二%程度になるものと見込んでおります。  設備投資につきましては、中小企業等の部門では近代化の必要性が強く、また、投資の意欲もきわめて強いので、かなりの増加が見込まれますが、全体としましては、金融面からの制約もございますので、四兆一千億円程度、大体三%前後の伸び率にとどまるものと考えております。  また、在庫投資は、経済が引き締め基調で運用されますのに伴って、幾分減少してまいると思います。  次に、政府の財貨・サービスの購入につきましては、先刻来御説明のありました予算の計画に従いまして、中央・地方財政を通じて約五兆二千八百億円程度と見込まれまして、三十八年度の実績見込みに比べますならば、伸び率としては一一%程度ということに相なっております。  このような需要面の状況に対応いたしまして、供給面では、まず、鉱工業生産でございますが、金融政策の機動的な運用と相まって、企業及び金融機関の態度が漸次慎重なものに移りかわると期待いたされますので、その伸びが漸次鈍化してまいると考えております。したがって、年度間では、大体九%程度の上昇にとどまるものと見込んでいる次第でございます。農林水産業の生産につきましては、三十八年に麦の不作がございました。それが回復してまいる等の関係もございまして、全体として約五%程度の上昇を見込んでおります。  次に、国際収支でございますが、輸出につきましては、海外経済情勢が三十八年度と引き続いて、あるいはそれ以上に好調に推移することが期待いたされますので、政府、民間一致協力して輸出面に努力を傾注いたしますれば、三十八年度に引き続いて一二−一三%程度の伸びが期待されるわけでございます。また、輸入は、国内の経済全般が落ちついた方向になってまいりますれば、漸次現在の増勢も鈍化して、八%程度の増加にとどまるものと見込まれますので、貿易収支は大幅に改善されて、年度全体としましては、大体均衡することができるのではないかと考えております。これに対しまして、貿易外の収支におきましては、目下外航船腹の増強というような長期的な観点に立った構造対策が講じられておりますが、まだ三十九年度の段階においては赤字の増大が避けられませんので、経常収支全体としましては五億五千万ドル程度の赤字が見込まれる次第でございます。当面、このような赤字を補うため、長期健全な外資の導入の促進が必要になってまいりますが、アメリカのドル防衛措置強化の影響もありまして、資本収支の面において三十八年度程度の黒字を期待することはできないような状況にございますので、総合収支で見てまいりますと、年度間を通じまして、これだけの施策を講じてまいりまして、なおかつ一億五千万ドル程度の赤字となることは避けられない見込みでございます。しかし、ただいま申し上げましたように、貿易収支の改善に伴いまして、国際収支の基調は漸次全体として均衡化の方向へ向かっていると考えておる次第でございます。  次に、物価につきましては、卸売り物価は、ほぼ横ばいに推移するものと考えておりますが、消費者物価につきましては、先般来の閣議決定等、あらゆる施策を結集してまいることによって安易な値上げムードが経済全体として抑制されてまいりますならば、騰勢はかなり鈍化いたしまして、三十九年の三月から四十年の三月まで、三月対三月というところの上昇率はおおむね三%程度におさまり、また、三十八年度と三十九年度と年度対年度を比較してみましても四・二%程度の上昇にとどまるのではないかと期待いたしておる次第でございます。  以上、簡単でございますが、三十九年度の経済見通しとその運営の基本的態度につきまして御説明申し上げました次第でございます。

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 以上をもちまして六案に対する説明は終了いたしました。   —————————————

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) この際、おはかりいたします。  委員派遣第三班、福岡及び大分県に派遣されました江藤委員から、補足の意味をもちまして文書による報告書が委員長の手元に提出されましたので、これを会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

太田正孝自由民主党

○委員長(太田正孝君) 御異議ないと認めます。  それでは、本日はこれにて散会いたします。    午後一時一分散会    ————・————

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