文教委員会 第24号
- 発言数
- 112 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1964/04/24
会議録
○委員長(中野文門君) ただいまより文教委員会を開会いたします。 委員の異動について報告をいたします。 本日、千葉千代世君が辞任され、その補欠として米田勲君が選任されました。 —————————————
○委員長(中野文門君) 次に、公立の盲学校、聾学校及び養護学校の幼稚部及び高等部の整備に関する特別措置法案を議題といたします。 まず、発議者から提案理由の説明を願います。発議者小林武君。
○小林武君 ただいま議題となりました公立の盲学校、聾学校及び養護学校の幼稚部及び高等部の整備に関する特別措置法案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 御承知のとおり、盲、聾、養護の諸学校はそれぞれ幼稚部、小学部、中学部、高等部に分かれており、その運営は多くは一人の校長のもとに統轄されている現状でありますが、公立学校の場合、小学部と中学部における経費については、義務教育費国庫負担法及び養護学校整備特別措置法によって、その半額が国庫負担となっており、幼稚部と高等部における経費については、その全額が地方公共団体の負担となっております。このような跛行的財政措置が、これらの学校の幼稚部、高等部における教育の振興を阻害する要因となっており、ひいては、特殊教育の全般にわたり教育効果の渋滞を招く結果となっております。 特殊教育において幼稚部がになう役割の重要性は申すまでもないことでありまして、盲児はその視力の障害によって著しく生活圏が狭く、聾児はその聴力の欠損によって言語活動から隔絶されておりますために、基礎的学力を修得させるには、教育課程の編成にも重要な考慮が払われなければならず、わけても、幼稚部の設置を促進して早期に教育を始めることが最も肝要であります。それにもかかわらず、幼稚部教育の実態は、本校及び分校を含めて、盲学校にあっては七十五校中二校、聾学校にあっては百三校中五十七校が設置されているにとどまり、養護学校にあっては九十五校中皆無という状態にありまして、これがもっぱら地方公共団体の施策のみゆだねられている現状はまことに遺憾であります。 また、高等部については、養護学校の場合を除き、ほとんどの学校に設置されておりますが、建物、教材、教職員給与等に要する経費を、あげて地方公共団体の負担としておりますため、極度に貧困な予算による運用を余儀なくされ、中には、建物、設備、教材等の一部を小中学部から流用したり、教職員についても小中学部から割愛して兼務させるなど、各部が相互に少なからぬ不自由を忍んでいる現状であります。さらに、養護学校については、九十五校中わずかに六校が高等部を設置しているにすぎないという実情であります。 高等部は、幼稚部からの一貫した教育を施すことを特に重要視する特殊教育において、やがて社会人として巣立つ生徒に、独立生活の能力を授けるための職業指導教育にも力を注がなければならない大切な使命を持つ最終課程でありますことにもかんがみ、このような実情はまことに寒心にたえないところであります。 以上申し述べました理由により、公立の盲学校、聾学校及び養護学校の幼稚部及び高等部に勤務する教職員の給与等について、国がその実支出額の二分の一を負担すること、教材及び施設費について、設置者たる地方公共団体に対しその二分の一を国庫補助するものとすることの二点を骨子とし、これらの学校の幼稚部及び高等部における教育の充実をはかる目的をもって本法律案を提案いたした次第であります。なお、この法律は昭和四十年四月一日から施行することといたしてあります。 何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願いいたします。
○委員長(中野文門君) 以上で本法案の提案理由の説明聴取を終わります。 —————————————
○委員長(中野文門君) 次に、学校教育法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本法案については、提案理由の説明はすでに聴取しておりますので、これより直ちに質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次御発言願います。
○二木謙吾君 ただいま議題となりました学校教育法等の一部を改正する法律案を御提出になった方に二、三お尋ねをいたします。 第一に、寮母についてお伺いいたしたいと思います。昨日の委員会でも盲学校、あるいは聾学校、あるいは養護学校等においての教育が非常に重要である、大事だということが論議されたのでございますが、それらの学校における寮母の役割りの大きいことはいまさら論を待たないところでございます。寮母は学校における母親の役目を尽くすのでございまして、その人を得ると得ないとは非常に教育効果に大きな影響があるものと考えておる次第でありますが、現在、寮母を置いておるところの学校はどのくらいありますか。その内訳 盲学校、あるいは聾学校、あるいは養護学校等に分けてひとつお知らせを願いたいと思います。
○加瀬完君 ひとつ文部省の方に……。
○二木謙吾君 文部省にお尋ねいたします。
○説明員(岩間重太郎君) 寮母はただいま、昭和三十八年の五月一日現在では、国立の学校に二十名、公立の学校に千七百十三名、私立の学校に十九名、合計千七百五十二名でございます。内訳につきましては、ちょっとここに資料の持ち合わせをしておりませんので、あとでまた……。総計は以上のとおりでございます。
○二木謙吾君 寮母の待遇でございますが、大体初任給はどのくらいで、それから最高の給与はどのくらいで、それからまた平均給はどのくらいになっておりますか。
○説明員(岩間重太郎君) 寮母につきましては、ただいまのところ教育職員の俸給表の第(二)表、つまり高等学校の教職員と同じ俸給表の適用があるわけでございます。したがいまして、大学卒業者につきましては教育職俸給表の三等給の七号、一万七千円というのが初任給なんであります。それから短期大学卒業者につきましては三等級の四号、一万四千三百円、高等学校の卒業者につきましては三等級の一号、一万二千八百円、これが初任給になっております。なお、最高号俸は、寮母の場合は三等級の二十八号までいけることになっておりますので、その額は四万二千五百円ということになっているわけでございますが、平均給は、給与改定前のベースで申し上げますと、約二万八百円ということになっております。ベース改定の率が約八%ほどでございますので、さらにこれを上回ることになるというふうに考えております。
○二木謙吾君 寮母の昇給その他待遇上においては普通の職員と同様でございますか、それとも違いますか。
○加瀬完君 普通職員の俸給表に準ずるという形になっておりますので、個々それぞれは別といたしまして、基準を示せば、やや本俸は低目になるという形になろうかと思います。
○二木謙吾君 その次にお伺いしますが、寮母になる人の資格でございますね、それはどういうふうになっておりますか。
○加瀬完君 資格は養護教諭あるいは普通教諭のように特にはございません。学校教育法等で、あるいは地方公務員法等で禁止されている以外であれば認定して採用するという形をとっております。
○二木謙吾君 寮母については、寄宿舎があってはじめて寮母というものが必要になってくるのでございまして、学校教育法は小学校や中学校のことが書いてあるので、小学校や中学校にはどういう職員が必要であるというようなことが書いてあると思いますが、学校教育法に寄宿舎のことが書いてないので、寄宿舎に必要な寮母のみを今度学校教育法に入れようと、こういうようなお考えかと考えておりますが、それについてお考えを……。
○加瀬完君 学校教育法の施行規則の中に寄宿舎の問題もございまするが、寮母の問題もあるわけでございます。ただいま二木委員の御指摘のように、寮母はこの種の施設にとりましては欠くべからざるものでございますので、法律的にも地位を与えて資質の改善あるいは寮母そのものの職務の認識というものを深めてまいれば、寮母を設置する目的も若干よくなるのではないか、こういう考えで御提案を申し上げているわけでございます。
○二木謙吾君 学校教育法の、いまお話しのとおりに、第八条を改正して寮母の資格を制限しなければならないというようなお考えかと思いますが、どういうふうに制限すべきものであるとお考でございますか。
○加瀬完君 制限をするのではございませんで、教育職員としてやはり法的な地位を与えることによって寮母そのものの職務内容もはっきりいたしてまいりますれば、資質の向上ということも期待できるのではないか、こういう意味でございます。
○二木謙吾君 私は現在のままのほうが選考するについてよい人が得られやすいのじゃないかと思いますが、提案者はどうお考えですか。
○加瀬完君 問題は御存じのように、「寮母は、寄宿舎における幼児、児童又は生従の世話及び教育に当たる。」ということでございまして、世話だけにとどまりませんで教育をするということになっておりますので、御指摘のように、さらに質のいい方を求めざるを得ないという関係にもあるわけでございます。そのためにはやはり法的な地位を与えて寮母の権威というものを高めるという措置をとったほうが人材を集めるのに便宜ではないか、そういう考え方を私どもはとったわけでございます。
○二木謙吾君 寮母にその人を得るということが私は一番大事なことであると思うのです。それにはいまの学校教育法に入れるよりは現在のままのほうがよいかとも思うが、いまのあなたのお考えでは、学校教育法に規定するほうがよいと、まあこういうようなお考えで、その辺の理由をもう少し詳しく承りたいと思います。
○加瀬完君 これは寮母にとどまりませんで、他の私どもお願いを申し上げている職種にも関係があるのでございますが、ただいまの何と申しましょうか、寮母の立場というものは、職員として寮母を置くということが必ずしも法律的には明確化されておりません。それから職務内容も法律的には明文がございません。身分というものも確立を法律の上ではされておりません。そこで、寮母を置かなければならないということ、それから職務内容というものをはっきりさせ、しかも身分というものを確立するほうが、先生御指摘のような目的を達することになるのではないか、こういう考え方でございます。
○二木謙吾君 いま提案がおっしゃられたとおりに、学校教育法等の改正にこれを入れて現在のままでおくと、こういうことについて、寮母そのものについて実質的にあるいは身分において、資格においてどういうふうな利点がありますか。
○加瀬完君 利点といたしましては、寮母を必要とする施設には当然寮母を置かなければならないということになれば、便法ではなくて、正規に寮母のいい質というものを求めざるを得ないという傾向が生じてきて、そういう行政措置が考慮されていくものと思うのでございます。職務内容もはっきりいたしますれば、だれでもいいから、ちょっと世話係を置くということではなくて、教育をもするという立場で寮母が選考されるという形がとられてくるのではないか。身分も確立されるということであれば、寮母に対する志願者というものも現状よりは質のいいものが求められるようになるのではないかという考え方を私どもはとったわけであります。
○二木謙吾君 いまの規定ではその効果があがらない、法的にこれを確立することが寮母の質も向上すれば、またそれに適するべき人が得やすい、こういうふうなあなたのお考えですか。
○加瀬完君 形式的には、当然やっておる仕事そのものは教育職員ということになるわけでございますが、内容的にやっていることがそうであれば、形式的にもそういうような法的地位を与えるということのほうがよろしいのではないかということが一つでございます。それから寮母というものが、いままで世話及び教育に当たるということでございますが、教育に当たるという面よりは世話係というような形で選考をされてきがちであった、そういう一つの傾向があろうかと思います。しかし、それには寮母を設置する目的を必ずしも一〇〇%満足させるものではございませんし、そういう意味ではなくて、むしろ世話係ではない教育係を選考しなければならないような情勢でもございますので、そういうためには、質量ともいい方に来ていただくという意味でも、法的にはっきりとした地位を与えることのほうがよろしいのではないか。また、先ほど申しましたが、そういうことになれば、これは地位もはっきりするわけでございますし、職務内容もはっきりするわけでございますから、安んじて、やはり寮母そのものを教育の一つの何と申しましょうか、本来の仕事と考えて希望する者が出てくれば、その方たちがやはりその仕事に張り合いが出てくるという考え方をとったわけでございます。
○二木謙吾君 文部省においては、これについてどういうお考えでございますか。
○政府委員(八木徹雄君) 特殊教育の場において寮母の果たす役割の重要性ということについては異論のないところでございます。ただ、学校教育法に書いておると安心感が強い、あるいはその財政的な措置も十分であって、そして逆にこの教育施行規則に書くとそれが頼りないという考え方では律しられないんじゃないかと思う。学校教育法と学校教育施行規則と一体になって、りっぱな教育ができるように仕向けていこうという考え方であるわけでございます。その意味で教育法には教頭のような者も施行規則のほうに置いておって、教育法に入れていないというような事情でございますので、決して施行規則に書いておるから不十分だとは言えないんじゃないか。だから、私のほうはこのこと自体について、いま特に施行規則に書いておるものを教育法に移し植えようという、そういうような考え方は持っていないわけでございますが、なお、この寮母だけの問題でもないので、ほかに問題があろうと思いますので、せっかくの提案のことでもございますから、全体のバランスというものを考えて、教育関係職員全体のバランスを考えて検討さしてもらったらいいのではなかろうか、こういうふうに考えます。
○二木謙吾君 次に、養護の助教諭並びに実習助手についてお尋ねをいたします。御承知のとおり、養護助教諭あるいは実習助手が、それぞれの学校において果たしておりますところの職務が、それらの学校の教育に欠くべからざる重要性を持っているということは、あらためて申し上げるまでもないことでございまして、現在、養護の助教諭はどのくらいありますか、また、実習助手はどのくらいありますか、これをひとつ。
○加瀬完君 養護助教諭は小で四百六十八、中で二百五十九、あるいはこれは少し古い統計かもしれませんので、もし、もっと新しいものがございましたら、あとで文部省のほうで御指示をいただきたいと思います。実習助手は約一万名と、これは概算でございますが、私のほうでは把握をいたしております。なお、高等学校の養護助教諭は、私のほうは数をつまびらかにいたしておりません。
○説明員(岩間英太郎君) ただいま加瀬先生からお話のあったとおりでございますが、さらに内訳を申し上げますと、養護助教諭は、国立学校では一人、公立学校で八百三十六名、私立の学校で百十三名、合計九百五十名、実習助手につきましては、国立学校で四十一名、公立学校で七千六百五十名、私立の学校で千二百十四名、合わせまして八千九百五名、これは高等学校でございますが、このほかに特殊学校、盲聾、養護学校がございますけれども、そこに百八十四名ばかりおるわけでございます。
○二木謙吾君 現在の養護助教諭の資格、あるいは免許の種類はどういうふうになっておりますか。
○説明員(岩間英太郎君) ただいま免許法の上では、助教諭、それから養護助教諭につきましては、臨時免許状が必要だということになっております。臨時免許状は小中学校の場合には、高等学校卒業者で教育職員の検定に合格した者というものが基本的なものでございますが、高等学校につきましては、大学二年以上在学しまして六十二単位以上を修得するか、あるいはまた高等専門学校を卒業して教育職員検定に合格した者というふうな制限がございます。
○二木謙吾君 養護助教諭の現在の待遇状況についてひとつ承りたい。また、その次には実習助手についての待遇状況を承りたいと思います。
○説明員(岩間英太郎君) 先ほど寮母のときに御説明申し上げましたように、養護助教諭、実習助手は大体それと同じでございます。現在、養護助教諭につきましては、小中学校の関係は教育職員の俸給表の(三)というのが適用になっております。高等学校の養護助教諭につきましては、教育職員の俸給表の(二)というのが適用になっているわけでございます。大学卒業の場合には、原則としまして三等級の七号一万七千円、それから短大卒は三等級の四号一万四千三百円、高等学校卒は三等級の一号一万二千八百円、最高号俸は高等学校の場合が四万二千五百円、三等級の二十八号、小中学校の場合は三等級の二十二号三万四千八百円ということになっております。なお、平均給与は前のベースで一万八千五百円という程度でございます。実習助手につきましても大体同じでございまして、初任給につきましては同様でございます。また、最高号俸も同様三等級の二十八号の四万二千五百円ということになっております。平均給与は旧ベースで一万八千七百円ということになっております。
○二木謙吾君 いまの養護の助教諭並びに実習助手等の昇給、あるいは退職の際の退職金とか、あるいはまた恩給とかというものについてひとつ御説明を願いたいと思います。
○説明員(岩間英太郎君) これは教育職員の俸給表の適用を受けている関係からいたしまして、教育職員と同様でございます。なお、恩給あるいはそれにかわる共済年金の関係で申しますと、最近は共済年金に移り変わったのでありますが、共済年金の関係も同様でございます。したがいまして、本法におきましては、先ほど加瀬先生から御指摘がございましたように、一般教員に比べまして低いわけでございますけれども、しかし、取り扱いとしましては全く同様の取り扱いをしておると申し上げて差しつかえないと思います。
○二木謙吾君 現在、学校教育法の施行規則あるいは教育公務員特例法の施行令でこれはさまっておるわけでございますね。それを今度特例法できめようと、そういうようなお考えですね。そうすると、本人にとりましてはどれだけの利益があるか。
○加瀬完君 先ほど政務次官の御答弁の中に教頭などの問題もございましたけれども、学校教育法などが制定をされますときに教頭職というようなものは、いまの管理職的な性格ではっきりしておらなかったような関係もありまして、教頭等の問題も学校教育法の中に入れられなかった一つの理由ではないかと思うわけでございます。同様に、先ほどの寮母にいたしましても、このたびの、いま御質問の実習助手にいたしましても、当初におきましては実習助手の教育的な位置、あるいは職務内容、あるいは寮母の職務内容というものが、いまほど重要視されておらなかったのではないか。しかし、いまは御存じのように、実習助手にいたしましても非常に大きな教育的な役割りを占めておるわけでございますから、こういう状態の中において、普通の職員と職務内容その他におきましても何ら遜色のないような教育的な責任というものを負っておるわけでございますので、はっきりと法定化するほうがよろしいではないか。法定化したところで何にも本人に直接利益というものはないではないか、あるいは利益があるとすれば、どのようなことだという御指摘でございますけれども、第一段階として、教諭あるいは養護教諭といった方々と同じように、実習助手も寮母も肩を並べて法定をされるということになれば、やがてその職務内容あるいは法的地位というものが確定するに従いまして、待遇あるいは地位といったようなものも考えざるを得なくなってくるのではないか、その第一段階にまず法定化しよう、こういう考え方でございます。
○二木謙吾君 法定化すると、実習助手など高等学校で実際に得られにくい、資格が一つつくから得られにくいというような点はどうお考えですか。
○加瀬完君 これは法定化しましても、採用条件を法律的にきびしくするわけではございませんで、現行法どおりでございますから、その辺の関係は法定化するからといって得られにくいという形は起こってまいらないと思うわけでございます。で、それよりもむしろ、何かことばが悪いわけでございますけれども、日陰者のような形で置くのではなくて、はっきりと法律の上で実習助手というものが教職員の一つの位置を占めるということになったほうが、これはむしろその位置に希望する者が一応身分的に安定をするわけでございますから、現状よりも希望者が満足な状態で落ちつくのではないかという考え方でございます。
○二木謙吾君 それでは、第五十条の高等学校の職員の中へ実習助手を入れたほうが実習助手も得やすければ、あるいはその本人も職責を自覚して大いにやると、こういうようなあなたのお考えと私は思いますが、その点に関して、いまの施行令でやっておるのと実質的には変わりはないですわな。その点もう少し理由を明確にしてもらいたいと思いますがね。
○加瀬完君 実質的には変わりがないという御指摘でございますが、結局、施行令の中で位置づけされておりましても、実質的には学校教育法の中で法定化されております助教諭なり、あるいは技術職員なりというものの仕事と大差はないわけでございますし、責任も大差がないわけでございます。ですから、むしろ本法にはっきりと位置づけるということのほうが妥当な方法ではないか。なぜならば、実習助手なり寮母なりというものは、いままでは教育的な価値判断というものが一般によく知られておらなかった、あるいは教育的な位置というものも不明瞭であった。しかしながら、実習助手というものはなくてはならないものだ、寮母というものはなくてはならないものだということがだんだんはっきりしてきたわけでございますから、ここで本文の中にはっきりと載せるべきじゃないか、こういう立場でございます。
○二木謙吾君 実習助手はまあ教諭を助ける職員であって、免許状の必要のない者もおると思います。現に私のところの高等学校あたりでも免許状を持たないで実習助手をやっておる者がございますが、これをこういうふうに法的に規定づけるというと、そういう者が雇いにくくなる心配はないですか。また、それをどうしても法的にきめねばならぬという理由についてひとつ。
○加瀬完君 法定化しましても、資格試験を新しく設けて助手を採用するということでは、先生御指摘のようにないわけでございます。しかしながら、免許状を持って指導に当たる者と、免許状がございませんけれども、助手として生徒に対しまして指導の助けをする者と、これは教育上当然必要でございますから、したがって、必要でありますならば法定化するということのほうが、本法に法定するほうが妥当な方法ではないか。そうなってまいりますると、何か現状よりも採用条件などがやかましくなって、採用条件が悪くなるのじゃないか、とりにくくなるのじゃないかということでございますが、私たちはむしろ逆に考えまして、本法で法定化されるということになれば、法律的には身分が確立するわけでございますから、安んじて助手は助手としての職務の希望を持つし、あるいは助手そのものの仕事を天職と考えて精励をする、そういう意味合いで希望をするし、定量化するということが考えられる、そういう見方をとっておるわけでございます。
○二木謙吾君 いまの小関、川辺問題について文部省の所見はどうですか。
○政府委員(八木徹雄君) 先ほど来の御質疑を聞いておってもおわかりいただきますように、してはならないということではないのですね。だが、したら困るということでもないと思うので、しなければならぬという課題であるかというと、そうでもないのではないか。まあ全体的には他の公務員との均衡という問題がありましょうし、それからまた教育関係職員との関連もあったりいたしますので、検討して、問題は、やはり安心をしてみんなが一生懸命教育に専念できるようにしてあげるということが望ましいことではあろうと思いますから、やることによって実際に実益が大いにあがるということであるならば、十分に検討する課題ではないかと思うのでございますけれども、他との均衡だとか、あるいは関連だとかといったようなことで、そこまでまだ踏み切れないというのが現在の立場じゃないかと思いますが、先ほど申し上げましたように、検討すべき課題ではあろうかと思いますので検討さしていただきたい、こう思っております。
○二木謙吾君 民間の会社でも雇員というものがある。それから今度それがほんとうの工員になる、工員になったものがさらに社員に取り上げられる、成績のいい者がですね。そういうような順序で官庁でも雇員というものがあり、それから吏員と申しますか、あるいは事務官といいますか、そういうものになる、そういうような規定はどういうふうになっていますか、官庁のほうでは。
○説明員(岩間英太郎君) これにつきましては必ずしもきまった形というのはないようでございますけれども、たとえば吏員の場合でございますと、各県それぞれまちまちでございますが、吏員の下にいわゆる雇員というのがあるわけでございます。雇員から吏員に上がるには、やはりきびしいところでは大学を卒業しましてから何年かたち底してから吏員に任用する、少なくとも短期大学を卒業してから数印の経験を積みまして吏員に任用する、そういうような仕組みがとられているのが現状でございます。
○加瀬完君 いまの問題でございますが、学校職員の場合は他の官庁とは別な立場で考えなければならない面があるのではないかと思うわけでございます。たとえば寮母を例にとりますれば、寮母は何か特別な舎監なら舎監というのがありまして、舎監も同様に寮母と一緒になっておりまして、ちょうど何といいますか、病院にたとえれば婦長がおって、看護婦がおって、いつも婦長の監督の中で看護婦が執務をするという状態ではございませんで、寮母そのものが独立して職務内容を持っているわけであります。ですから、これはやはり舎監は舎監、寮母は寮母独立の職務内容を持っているわけでありますから、寮母を施行令で位置づけておいて、やがて資格をとったらどうこうするという立場の経緯をとれないわけでありますので、やはりこれは独立的に考えなければならないのではないかと思うわけでございます。実習助手にいたしましても、これは助教諭にやがてなる、あるいはやがて教諭になる、自動的にはそういう関係にはないわけでございます、実習助手としてやはり独立をしておるわけでございますから。で、これだけの大事な仕事をやっておるわけでございますから、やはりこれは本法に規定すべきではないか、そういう考え方に立ったわけでございます。
○二木謙吾君 次に、助手のことについてお尋ねいたしますが、これはあなたから、いただいた刷りものの一番終わりのところからその次のページでありますが、国立学校設置法施行規則というのがありますね。その第一条に書いてある、読むのは手間がかかりますから読みませんが、「各国立大学に左の職員を置く。」、こういうふうに書いてございますね。それに講師、助手、それから事務職員、教務職員、技術職員ということが書いてありますが、これの資格とか、身分とか等についてひとつ御説明を願いたいと思います。
○加瀬完君 文部省のほうから……。
○説明員(岩間英太郎君) 助手につきましては文部省令の大学設置基準というのがございまして、そこに資格が規定されておりますが、ただいま御指摘になりましたような教授とか助教授、講師、そういうものにつきましても、大学設置基準にそれぞれ規定があるわけでございます。助手につきましての規定は、大学の学部を卒業した者あるいはこれに準ずる能力があると認められろ者であるというふうな資格の制限があるわけでございます。小中学校の教員のように免許状その他の制限はないわけでございます。ただ欠格条項といたしまして、国立学校の場合には国家公務員法、公立学校の場合には地方公務員法、それから私立の学校の場合には学校教育法のそれぞれ規定の適用があるわけでございます。
○二木謙吾君 職務の内容について。
○説明員(岩間英太郎君) 助手の職務の内容につきましては、やはり大学設置基準にあると思いますが、助教授の職務を助けるということになっておると思いますが、職務の内容自体は、たとえば文科系の助手、それから理科系の助手それぞれ異なると思いますけれども、助手の場合にはほかの学校の職員と違いまして、教授あるいは助教授になる卵と申しますか、そこから教授、助教授が生まれてくるというふうな点もございます。かなり高い資格、つまり大学院の課程を終了したものというふうなものも入ってくるわけでございます。したがいまして、職務の内容はかなり付帯的なものから、助教授をほんとうに助けるというものまで職務内容がかなり異なっておる、このように考えております。
○二木謙吾君 助手の給与とか、それから昇給その他いまの待遇状況は、やはり助教授たちとみな同じでありますか。
○加瀬完君 大学の助手の待遇というものは、先生御存じでもございましょうが、非常に悪いわけでございます。助教授と比べてもはるかに低いわけでございます。現実の問題といたしましては、長く助手をやりまして助教授あるいは教授といういままではコースがあったわけでございますけれども、有名な大学でも民間のほうの給与がいいので、助手が助教授を待てなくて民間のほうに流れていくという傾向があると言われておるくらい助手の待遇というものは、教授、助教授も問題でございますけれども、特に助手はその待遇におきまして、他の民間の同一学歴、同一の経験年数のものと比べれば、あるいは他の一般の官庁などに比べても非常に低い立場だと言われております。
○二木謙吾君 お伺いしますが、まあ寮母にしても、あるいは実習助手、あるいはまた助手にしましても、現行の教育公務員特例法の施行令できめてあっても、これは特例法にお説のとおりきめても、実質的にはあまりその待遇その他については変わらぬと、こういうことなんですな。
○加瀬完君 私のほうから御了解をいただきたいのは、寮母なり、助手なり、あるいは実習助手なりというものの教育的な職務の内容と、それから責任というものが非常に大きい。そしてまた教育上必要欠くべからざるものであると、こういう点をまず御認識をいただきたいと思うのでございます。一例を申しますと、寮母などは労働基準法というのがございますが、ほとんど寮母などには労働基準法というのは適用されておりません。適用されておらないということは適当なことばではないかもしれませんけれども、労働基準法の精神というもののほんど恩典に浴されないような状態にあります。過酷な労働、二十四時間勤務という、極端に言うならば、形をとらされておるわけでございます。あるいは実習助手にいたしましても、助手にいたしましても、いま申し上げましたとおり、待遇も職務の広い割にはよくありません。ですからはっきりと自分というものが法制化されるならば、やがて寮母などの非常に過酷な労働条件といったようなもの、あるいは待遇の面等も次の段階として改良されていかざるを得ないであろう。その一つの段階として、まず身分を法的に確定しようという考え方でございます。
○二木謙吾君 御提案の趣旨よくわかりました。一応私の質問はこれで終わります。
○野本品吉君 いま寮母の問題につきましていろいろと話し合いが進められていたのでありますが、寮母の任務の大切であることは私もよくわかっておりますが、それで、考え方として寮母に教育公務員の地位及び身分を与えることにしようというお考えなんですが、われわれが公務員としてこれを認めるということは、国が期待する教育、子供の教育の問題について責任のある、責任を持つことのできる人間であるということを一応認めるということになろうと思うのですね。とすると、国が期待する教育上の重大な責任をまかせることができるという、そういう寮母である以上は、国がまかせるに足る資格要件というものを備える必要があるのではないか、そういう点についてどういうお考えですか。
○加瀬完君 寮母というのは、御存じのように非常に過酷な労働でございますし、責任も非常に重いので、これにいま野本委員の御指摘のように、急に学歴なりあるいは経験年数というようなものをきびしくいたしますと、待遇が薄く、責任の重い割に、結局資格が高いということではなかなか応募する、現実的に応募をする人がいなくなるような現状でございますので、現在では任命権者の判定という形でこれはまかされております。学歴、経歴といったようなことは条件にはなっておりません。しかし、待遇が改善されて寮母というものを社会的にも重視しなければならないという形になってくれば、御指摘のような問題が起こってくると思うわけでございます。ただ私たちが申し上げたいのは、普通の学校の寄宿舎等であるならば、これは舎監だけでほとんど教育的な指導が可能でございますけれども、特殊学校における寮母を置くような環境の子供たちにとりましては、世話をすることがすなわち教育でございますので、ただ母親のように世話だけすればいいということは許されない場合が多いわけでございます。そこで、どうしても教育的な効果というものもねらわなければなりませんから、そのためには、寮母というものの身分が安定し、寮母の待遇というのが改善をされて、優秀な者が寮母に志願をするという形をとってこなければならないと思うわけでございます。しかし、いま御指摘のように、要件だけきびしくいたしましても、待遇の条件が悪いわけでありますから、今度かたなしという形になりますから、いまはまず法的に身分を与えて、将来、寮母が経済的にも待遇をされる基礎を開きまして、そうして労働条件等も緩和するとともに、待遇の問題も改善をしていく、しかしながら、現状においては、現実にいまの寮母に明るい将来というものを約束するという方法をとったらどうだろうという考え方で提案をしたわけでございます。
○野本品吉君 私は一晩でありますけれどもね。こういう学校へ泊って、そうして寄宿舎における子供の生活及びその指導がどういうふうに行なわれているかというのを見たときに、寮母というのは非常に大事なもので、母親のかわりになる人なんですね。家から遠く離てて寮に入って、そうしてその寮で友だちと大ぜい遊べますが、同時に、母親の愛情を注いで寮母はその子供たちを親切にめんどうをみてやらなくちゃならぬ、きわめて重要な任務だと思うんです。そういう意味で、私は、養護教諭よりも——養護教諭は大ぜいの子供を相手にしておりますから、主として負傷とか、疾病とか、そういう面を担当するが、ほんとうの教育的な意味においては、寮母の持つ責任というもの、それから重要さというものは養護教諭より以上だと、こう考えているんですよ。そこで、養護教諭の問題については養成機関をつくり、いろいろな資格要件を与えるんですが、せっかくその重要な任務を持っている寮母というものを育てていこうとするならば、私はやはり一応の資格要件を備えた、しっかりした者を寮母として任用していくというようなことにしないと、ただ食べ物の世話をするとか、あるいはよごれた物を片づけてきれいにしてやるとか、そういうことだけでは済まされないと、こう思うんです。そういう意味で、養護教諭以上の私は愛情と親切さと、それからりっぱな人柄を求めているわけなんです。そういう点から考えると、公務員としての地位を与えるからには、やはり公務員に教育の責任を託するに足る、公務員としての資格要件を備えた人を寮母に頼まないというと、これは数の問題だけでなしに、その寮で二十四時間一緒に生活をしているんですから、それから受ける感化、影響というものは非常に大きいのだから、そこでしっかりした者がほしいという気持ちが強いものですから、したがって、国が教育を託すに足るような寮母がほしい。そういう寮母は寮母としてのりっぱな資格要件を備えた寮母であってほしい、そういう考え方をしているわけなんです。
○加瀬完君 いま御指摘のとおりでございます。特殊学校におきましては、保健、健康管理ですか、それとともに身体機能の管理というものもこの寮母が行なわなければならないわけでございます。したがいまして、健康な子供の母親は、健康管理ということだけでいいかもしれませんけれども、特殊学校の子供には特殊な保健対策、あるいは生活機能の育成対策というものをも寮母はしなければならないことになりますので、その責任は非常に大きいわけでございまして、当然いまのような、だれでも採用できるという寮母の採用条件よりは、教育的な専門的な要件を必要として原則的にはこなければならないと思います。ただ、これは文部省が先ほど御提示になりました統計の前の統計かもしれませんが、現在、寮母は盲学校六百五十七人、聾学校で八百二十人、養護学校で百四人、合計千五百八十一人という数でございます。しかし現在の寮母の仕事は三交代をしなければ無理だろうと言われております。そうしますと、五千人前後の寮母というものがなければ、現在の特殊学校の寮母の機能というものが、寮母も満足するような状態では働かせ得ないということになるわけでございます。五千人の、いま先生の御指摘のような資格者ばかり集められるかということになると、看護婦なら看護婦、あるいは養護教諭なら養護教諭を集めるのすらも志願者がないという現状では、とても望むべくして得られるものではございませんので、まずそういったような寮母というものは、教諭以上の責任と職務内容を持っておるものだということを認識させる意味におきましても、まず身分を法定化する。職務内容をはっきりさせる。そうして労働条件なり、あるいは待遇条件なりというものを改善をいたしまして、御指摘のような優秀な方が寮母にやがては参画をしてくるという道をまず開きたいという考え方でございます。
○野本品吉君 文部省にちょっと聞きますが、学校教育法施行規則の中にある「寮母の数は、寄宿舎に寄宿する児童等の数を六人をもって除して得た数以上を標準とする。」、こうなっておりますね。現実はどのくらいですか。
○説明員(岩間英太郎君) ただいままでは、昨年の暮に標準法の改正をお願いしたのでございますが、それまでは、標準法の上では七人に一人ということになっておりましたが、改正によりまして六人に一人というふうに、学校教育法の施行規則どおりに改めております。そこで大体私どものほうでは、三交代制がここで可能になったのではないかというふうに考えますが、まだ法律を制定いたしましてやっと予算の執行が始まったばかりでございまして、私どものほうではっきりした数字はつかんでおりませんが、五月一日を基準にいたしまして調査を行なうことになっておりますので、それによりましてどの程度充足されたかはっきりするのじゃないかと思います。しかし、ただいま加瀬先生もおっしゃいましたように、どうも充足というのはなかなかむずかしい面があろうと思います。
○米田勲君 関連質問。文部省に見解をお尋ねしますが、いま加瀬委員のほうから提案をしておる寮母に学校教育法に基づく一定の資格を与えて、身分を安定させるし、将来は待遇を改善し、人材も得たい、こういう方向に向かっていきたいということをるる説明されているわけです。そこで、文部省は、免許法の一部改正を今度出してきているのです。その前段のほうは、高等学校の教諭に対して特例を開こうとしているわけです。このものの考え方を、いまの寮母問題と両方対応して見ると、ぼくは当然、文部省は、こういう免許法の一部改正の道の特例を開いている立場から考えるならば、寮母についても同じような考え方に発展すべきではないかと思うのです。この法律案の内容を見たり、趣旨説明を読むと、やはり特定の技能の分野に限ってだけではあるが、教諭の免許状を出そうとしているのです。しかし考えてみると、たとえば剣道の特殊技能を教えるにしても、わざだけ教えるものじゃない。頭をたたいたり、胴をたたいたりすることだけを教えるのじゃなくして、やはり人間教育——精神教育ばかりやられても困るけれども、人間教育をやる。そうすると、やはりより広い知識技能を持った資格者を当然求めるべきなんです。免許法のいまの立場は、そういう意味で、高等学校の教諭は大学の課程を経て一定の資格を持った者に教諭免許状を与えておる。それでは、人材はそれでいいのだが、実際には人が集まらない。そうすると、特殊技能の教育に事欠く現状である。こういうので、私は十分でないと思うけれども、当座やはりこういう特例を開く必要があるというふうに基本をくずしてきておる、文部省自体は。そういう考え方を認めるのであれば、寮母に学校教育法に基づく資格を与えれば、やかましい規定が必要になるのじゃないかと当然考えられるね。待遇を改善しようとすれば一定の資格条件を備えた者にしかやらさぬということになるが、いまの話しと対照すれば、過渡的な期間、過渡期においてはそこのところはやはり人も得なければならない、よりいい者も得なければならないという立場で、やはりぼくは寮母にも学校教育法に基づく一定の身分を与えるための措置を開くべきだ、積極的に。こういうふうに私はいまの質疑応答を聞いていても、免許法の一部改正を出してまで特例を開いて基本をややゆるめようとしておる文部省の立場から言えば同じじゃないか。こういうふうに感じながら聞いておるのですが、あなたらの考えはどうですか。
○説明員(岩間英太郎君) 米田先生のお考え、私全く同感でございます。そういうふうにただいまのところは資格の制限もしないでやっておりますが、それと、それから学校教育法にのせるということはちょっと違うのじゃないかという感じがいたします。
○米田勲君 違う点をよく説明してください、そこがわからないから。
○説明員(岩間英太郎君) いまここで第八条を改正して寮母というものを新しく入れますということは、条文をごらんになりますとわかりますように、資格につきまして監督庁が定めをしなければならないということになるのじゃないか。逆に寮母につきまして一定の形式的な資格、たとえば高等学校卒業であるとか、そんなふうな資格をきめなければいかぬのじゃないか、そういうふうに感じられますので、むしろ米田先生のお考えになっているお心持ちはわかるのですが、それと学校教育法の改正というのはちょっと違う点があるのじゃないかという感じがいたします。
○米田勲君 そういうふうに筋に立って主張すればあなたのようになる。しかし、この免許法の一部改正を出しておる文部省の考えは、大学出のそういう特殊技能といってもだめだということで、すでにくずしておるのです、法案の内容を見ると。だから、いまの学校教育法云々ということを四角四面にとれば、今度はやかましい基準も設けられるが、そこはこれと対照すれば、やはり過渡的なある期間を限定するか何かして、人も得られる、あまり厳密な資格ばかり言っておっては人も得られないから、人を得られるような緩和した条件で、また、免許状の種類にしても、くずした特例を設けるような立場だって考えられてしかるべきだ。だから、いまのこういう学校教育法そのものであれば厳密な資格がある、それに特例を設けるという考え方だって考えられるのじゃないか。しかし、特例をむやみに設けて困るということであれば、過渡的な年数に限定してそういうことを考えることは不可能なのかどうか、その点はどうですか、専門的に説明してください。
○説明員(岩間英太郎君) ただいま米田先生のおっしゃいましたことをちょっと取り違えておりまして、米田先生は、学校教育法にこういうものを規定して身分安定をすると同時に、資格要件をきめなければならないのだが、それについては過渡的に一時緩和するという方法が望ましいのじゃないかという御意見と伺いましたが、全くそのとおうだと思います。ただ、学校教育法を改正して寮母を入れるかどうかということについては、先ほど政務次官からお答え申し上げたと思いますが、ほかの職員との関係もございまして、十分検討してまいりたいと思います。
○米田勲君 これは寮母の問題は今日ただいま問題になっているのではなく数年の懸案事項なんです。野本先生も言われておったが、実際寮母の勤務条件なんて考えたら非常に過酷なもんだね、あなたも知っているかもしれない。それに対して待遇がどうなっているんだということになると、ぼくはやはり気の毒な状態でないか。だから将来は優秀な資格を備えた寮母を得られるにしても、当面その寮母の身分というか、立場というものを何かもっといまよりは明確なものにして、そして一方、過渡的には条件を緩和して漸次待遇も改善していく、こういう経過を経て将来はしっかりしたものにしていくという考え方で、早急にこれは検討してもらわなきゃならぬ。いま社会党の加瀬さんから提案しておるやつを直ちにぼくは文部省も賛成だというふうにして、そしてそれの過渡期の方策は、一体それじゃどうするかというようなことについて研究をしてもらえるならいいけれども、これからあなたたちが研究するといえば、当分、長いんだ、ぼくに言わすと。また文部省がそこまで踏み切るまでには数年の長きを要する。だから、その辺を一体いつごろまでに研究する現在は腹なのか。そんなことも見通しをつけたいから、ちょっと見解を聞かしてほしい。
○説明員(岩間英太郎君) 私、政府委員でございませんので、たいへん恐縮でございますが、政務次官が先ほど検討すると申されましたので、その下僚といたしまして、政務次官の指揮を仰ぎまして十分検討いたしたいと思います。
○米田勲君 ぼくはいまうしろのほうの人たちに言っておったんだが、社会党が提案した法案の審査をする場合に政府委員を一人も出席さしておらぬというのは、これはやっぱり委員会運営上うまくないですよ。大臣や政務次官がおっても、政府委員はたいてい普通の場合出席しておる。いまのような立ち入ったことが言えなくなる、責任上。私は説明員ですから、もうこれ以上はとてもということになるから、運営上も、委員長考えてくださいよ、政府委員が一人も現在いない。これは委員長に、いまお話が出たから要望しておきます。
○委員長(中野文門君) ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(中野文門君) 速記を起こして。
○米田勲君 これはぼくは与党の委員にも十分考えてもらいたいがね。政務次官はさっき研究さしてくれと言っている気持はわかりますよ。しかし、寮母の問題は問題になってから長いんだよ。そして実際寮へ行ってあの身体不自由な子供を世話している寮母の実態を見たら、何とかしなきゃならぬという気持はだれにもあるんじゃないか。その何とかする方策の一つとして、いま加瀬さんから提案をしている内容のものをわれわれ出した、しかし、それには四角四面に言うといろいろ問題がある、四角四面に言うと問題が起こってくる。したがって、私は免許法の一部改正の法案を出すような文部省なんだから、情勢に即応した、そういう紋切り型のものでない便法を講ずることだってできるんじゃないか。そういう立場で早急に結論を出してもらうのでなかったら、この法案の審査を終わっちゃって、いつのことやらわからぬ時期に研究の結論を出すということでは不満である、そんなことでは。われわれとしては一日も早くこの法案を通してもらって、何とか寮母の問題についても目鼻をつけなきやならぬ。一歩前進させなければならぬ。だからそれにかわる、わが党が出しておるのにかわる何か一歩前進のため、いい方策がこれ以外にありますと、こういうふうに。だからどうだという話にでも積極的に出てくるならいいけれども、多くは文部省のいままでの様子を見ていると、その場のがれで、当分そんなのはたな上げということになりかねないので——今度は違うかもしれませんよ。——なりかねないので、私はもっと厳密なことが聞きたいわけです。ただ、きょうの話を研究したいというだけならちょっとたよりない。どうですか、そういう点は。いままでは研究していないんですか。
○説明員(岩間英太郎君) 本日、初中局長が指導部課長会議をやっておりまして、この席でもお約束したようなことをお話しするということで、ただいまそちらのほうに参っておりますので、その点たいへん恐縮に存じますが、学校教育法の一部改正、特に職員の規定につきましては、これは去る昭和三十三年の第二十八国会におきましても、養護助教諭、講師、そういうものにつきまして、政府でこれを行なえるというような方向で御提案を申し上げたことがございました。不幸にして審議未了になりまして実現しなかったのでございますけれども、そういうふうに絶えず研究をしておるという点はひとつお認めいただきたいと思います。
○吉江勝保君 先ほど二木委員の質疑をされたのに少し関連しまして重ねてお尋ねしてみたいと思います。 この提案された理由のおもなものがここにあげてありますが、その第一は、寮母その他これらの職員を置くことができることを明確にするということをあげておられるんですが、先ほど政務次官の答弁を聞いておりますと、学校教育法並びに施行規則、一体として運営をしておる。で、そういう立場から考えまして、今度これを法律に規定する、法律の中に入れて置くことによって明確になるので、そこに入れてないと、この趣旨説明によりますと明確でないのではないかというような感じがするのですが、提案者は、現在の学校教育法施行規則の中に書かれておるのでは明確でないというふうにおとりになっておるんでしょうか。
○加瀬完君 明確の度合いということになろうかと思いますけれども、より明確にするのは、これは法定化することのほうがよろしいのではないか、なぜならば、施行規則というものは、これは一々国会にかけなくても変更され得るものであろうかと思います。しかし、法律ということになりますれば、これは立法府の議決を経なければならないものでございますから、しかもその職務内容というものは、先ほど申し上げましたように、学校教育法の中に入れて差しつかえないと私ども思量いたしましたので、より明確にするという意味合いで法律の中に入れたい、こういう考え方でございます。
○吉江勝保君 それでは趣旨説明のときにお読みになった文章では、「より」ということばが入っていないんですね、だからちょっと私、いま説明を聞いておりますと、大体そのより明確にしたいんだという、こういう御答弁だったのですが、趣旨説明のときにお読みになったのでは、「より」とか「一そう」とかいうことばがなくて、明確にしたいと、こういうようにお読みになったように思うんですが。
○加瀬完君 説明を加えればいま申し上げましたように、「一そう」とか、「より」ということになるわけでございますが、それはつづめてみると明確化するということでございますので、さらに御質問や御疑念の出ないようにするためには、あとで申し上げたように書くべきであったかもしれませんが、本旨とするところは変わりはございません。
○吉江勝保君 それでは、現在でも施行規則に載っておりますのは、決してこれが不明確であるというような意味ではないということは、いまの御答弁で了承しておいていいわけですね。それをより一そう明確にするという意味で提案をされておる。
○加瀬完君 法律的には、見方によりましては施行規則にまかせっぱなしでは不明確になるおそれも生じてまいりますので、より明確にするためには本法に入れたいということでございます。
○吉江勝保君 それからその次に、二番目の第二点が、「その身分を確立する規定を設け、」、こういうふうにおっしゃいましたですね。この身分の確立は現在の規定ではどこにありまして、それでは不十分だというようにお考えになっておりますか。
○加瀬完君 これも先ほど申し上げましたとおり、やはり学校教育法の中に、はっきりと身分というものを確定したいということでございます。
○吉江勝保君 その現在の法令でございますと、現在の法令の中にはどこかに規定があって、それでは十分に確立されていないので、今度、法律に入れよう、こういうお考えなのか。
○加瀬完君 一例を申し上げますならば、「教員又は寮母」、こういうように改めたいというのが私どもの趣旨でございます。教員あるいは寮母というものを比べまして、職務内容は、何と申しましょうか、教員の職務、寮母の職務というのは違いますけれども、教育関係の職務内容であることには変わりはないわけでございまして、そういう立場からは教員あるいは養護教諭その他ございますと同じように、やはり寮母なり実習助手なりも位置づけたいという考え方でございます。
○吉江勝保君 いまの希望といいますか、趣旨はよくわかるのです。で、現行法ですね、現在これらの職種の人たちの規定されておる法令、法はないでしょう、令でしょうが、そういうものの中に規定されておることは確立が不十分だとか、あるいは確立はしていない、だから今度、法律に規定をして明定しよう、こういうお考えなのか、現在の規定されておるのにはどういう不十分さがあるか、その法令の根拠と不十分さをお聞きしたい、こういうわけなのです。
○加瀬完君 不十分ということでございます、結論を申し上げるならば。先ほど申し上げましたように、教諭と寮母で職務内容の細目は違いましても、責任なり教育職務ということについては差等がないわけでございますから、これは同様に取り扱わるべきものではないか。そうであるならば、一方は施行令だけにまかせる、一方は本法にはっきりと確定をするという現在差別があるわけでございますから、そういう意味で明確にしたいという前回の御質問のときにお答えをいたしました趣旨と同じでございます。
○吉江勝保君 先ほど二木委員の質問にお答えになっておりましたように、施行令というように寮母についてはおっしゃっておりましたね。
○加瀬完君 施行規則です。
○吉江勝保君 これは特例法の施行令をお指しになったのですか。
○加瀬完君 学校教育法の施行規則でございます。
○吉江勝保君 そうですか。そのときに施行令というようにお答えになっておったと思うのでございますが。その次の第三点ですが一法の整備をはかることによって云々、この三つの大体理由のようですが、「法の整備をはかる」ということは、これはどういう意味なのですか。
○加瀬完君 御質問、もう一度おそれ入りますが、内容をもう少し……。
○吉江勝保君 この法律の提案理由の一番最初に、三つの理由をあげて、そして「本法律案を提出いたす次第でございます。」と、こう述べられております。その三点が、いま聞きました一点、二点と最後に、「法の整備をはかる」というふうにお述べになっておるのですが、総括的に、この法案が出されることによって、学校教育における法の整備がどういうようにはかられるのか、その点をまとめて御説明願いたい、こういうわけです。
○加瀬完君 「法の整備をはかる」と申しましたのは、先ほど御指摘になりましたような職務を明確にするとか、あるいは職務内容の明文確立といったようなことを法定化していくということによりまして、寮母なり実習助手なり、そういう位置に置かれておる人たちの法の立場というものをはっきりさせるという意味が一つでございます。もう一つは、教員の中の教諭なり助教諭なり、こういう人たちは学校教育法の中にはっきりと位置づけられておりますが、いま私どもがお願いいたしておりまする職務の人たちははっきり位置づけられておりませんから、それらを加えることによって学校教育に従事する人たちの一連の関係者というものは、全部、学校教育法に制定をされるという形で、そういう意味の整備というものをはかりたいという考え方でございます。
○吉江勝保君 法の整備の意味には二つ目的があるように聞きましたが、それではそのあとのほうの学校教育に従事しておる職員というのですか、職種の人たちをあげて、この法律に明定することによって法の整備をはかりたい、こういう御趣旨だとすれば、現在、学校教育法あるいは施行規則等にきめられておって法律にあげられておらない学校教育職員あるいは学校教員、こういう者がまだ相当あるのではないかと思うのですが、それはどういうようになるのでしょうか。
○加瀬完君 私ども提案の趣旨といたしましては、先ほど申し上げましたような職種をまず入れるということを当面の法の整備の内容といたしたわけであります。
○吉江勝保君 そうしますと、現在、学校教育法の施行規則等に残されておるほかの職種についても法律に明定をしていこう、そういう考えで、いまあげられた三種ほどの職種のものをまず取り上げて法律にきめていこう、そういうお考えなんですね。
○加瀬完君 その他の職種のことについては、必ずしもいま文部省の行政の考え方で、たとえば教頭なら教頭職というものをあげると、考えておる考え方に必ずしも私どもと同意見ではございませんので、いまお願いをしておりますものとは同様に扱う考えはいまのところございません。
○吉江勝保君 私の何といいますか、聞いておらぬところまで詳しく説明をされたようですが、それではどういうものは将来法律にあげていこうというようにお考えになっておるのか、この法案を審議する参考に、将来、それではあげていこうというのはどういう職種のものをお考えになっておりますか。
○加瀬完君 私ども党といたしましては、いま提案を申し上げておる点を法の整備の内容としようとする次第でございまして、他のことについては個人的にここで見解を申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思います。
○米田勲君 関連して、私も発議者の中に入っておりますから、いまの吉江さんの質問に対する答弁を発議者の一人としていたしたい。 学校にはまだ、昔、小使といっておった雇員がいる。それから警備員を置いているところもある。これは現在、市町村職員の身分なんだね。それで、それまでもここへ持ち込んでくるかどうかということはこれは研究を要するのじゃないか。仕事の内容をもう少し検討する必要がある。だから、雇員や警備員と、この寮母、助手との仕事の内容というものは相当私は違うと思う。だから、それまでをいま直ちに、これができれば次にはそれもというようなことは、党としてはいまのところ考えてない。
○吉江勝保君 よくわかりました。私はそこまでを念頭に置いたわけではないのですが、先ほど法の整備をはかるという趣旨の中に、現在あげておられる寮母ほか三職種の人たちの整備をはかるということのほかに、学校教育に従事しておる職員ですね、学校教育に従事しておる職員の法の整備をはかりたい、こういうように二点おあげになったので、それで学校教育に従事しておる職員あるいは教員、こういうものについては何をお考えになっているのか、この目的は二つありますと、こういうようにお答えになったので、それでは何か第二のほうにお考えになっておる、法の整備の対象に考えておられるものがあるんじゃないだろうか、こう思うので実はお尋ねをしておるのです。だから、教頭は入れませんというようなお答えはあまり期待しないので、お入れになろうとする学校教育職員というのにはどういうのがあるのですかと、こういうふうにお聞きしたのです。
○加瀬完君 当面は、いま提案をいたしておる者のワクだけでございます。
○吉江勝保君 一応この程度にしておきます。
○委員長(中野文門君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(中野文門君) 速記を起こして。 本日の委員会は散会いたします。 午後三時三分散会