文教委員会 第21号
- 発言数
- 73 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1964/04/09
会議録
○委員長(中野文門君) ただいまより文教委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。四月三日、二宮文造君が辞任され、その補欠として柏原ヤス君が選任されました。 —————————————
○委員長(中野文門君) 当面の文教政策に関する件を議題といたします。 過日の委員会に引き続き、質疑を行ないます。
○米田勲君 この前の委員会で、「教育委員会月報」に載っていた文章の問題で、国会における議員の発言を取り扱うのについて、文部省当局のやり方は不当であるという点を、例をあげていろいろ話をいたしました。それについて、私はできるだけ時間を短縮しようと思って、自分の主張をまとめ上げて話をし、一番最後に強く要望を述べてあったわけですが、そのことについて、どういう結論が出されているのかお伺いをした上で、納得ができなければ、私はさらにこの問題を究明したいし、また、前にたな上げしてある分限免職のあの問題についても、内容を全部、疑義のある点については明らかにしてもらわなければならぬ仕事が出てくるわけです。それでまず事後処理をどのようになさっておるのか。第一の質問は局長にお尋ねをしますが、「教育委員会月報」の編さん方針を根本的に改善をしてもらいたいということについて申し上げておきましたが、その後、内部でどういうお話を相談されて、具体的にはどういう改善の方針を立てられたか、その点をお答え願います。
○政府委員(福田繁君) その点につきましては、私ども従来の編集のやり方につきまして検討を加えまして、従来、地方課のみで編集をいたしておりましたやり方を改めまして、課長、視学官のレベルで編集会議というものを新たに設けまして、適正な編集をやりたいということで目下その手続を進めております。そういうことによって、今後、地方の教育委員会に対しまして、適正な記事が送られるというようなことを十分注意をして、編集会議というものを設けたいというつもりでおります。
○米田勲君 何かこの編集委員会の改善を検討されたようですが、編集方針を改善するということについては、具体的な話については、まだまとまっていないのですか。
○政府委員(福田繁君) 編集会議を至急設けて、そこで従来の編集方針についても検討いたしまして、改善すべき点は改善していきたい、かように考えております。
○米田勲君 私は、その編集方針の改善が具体的にはどういうふうに打ち出されるのかが知りたい。これはちょっと余談になりますけれども、私らの党内で、このことに関連して問題になっていることは、何か奈良の教育委員会か何かのたくさんの人が集まられた会合で、今村君は、それらのたくさんの人を前にして、文部省に置かれている地方課というのは、日教組対策のために地方課が置かれているのだというようなことを前置きしていろいろなことを話しされている。大体、私は地方課に彼がいるということは、文部当局の公正な行政の執行を誤らせると思っている。この間問題にした「しみ」と「色彩」の物語だって、文部当局のほうでは、一応はあれで事が済んだと思われているかもしれないが、われわれにすれば、国会における議員の発言があのような取り扱いを文部当局の役人の手によって行なわれたということは許しがたいことです。それはとにかくとして、どうも地方課の中に流れている空気というものは、大衆を前にして、文部省の地方課というのは日教組対策のために設けられているといっても過言ではないと、堂々と言うような、ばかげた発言が行なわれるということは、わざわざ平地に波乱を起こすために地方課というものが置かれているというような感じがするわけです。もちろん教職員組合のことは文部当局としても無関心ではあり得ない。何をことさらにそんなことを大衆に向かって言うのか。そして特に、この「教育委員会月報」に「日教組と階級闘争」というものを連載をした、この今村君の書き方にしても、私は全部調べ上げたが、この「しみ」と「色彩」物語というものと実によく似た手法なんです。決して自分では断定を下さない。なくなってしまった人の発言を持ってきたり、あるいは現におられる人の発言の一部を羅列したり、あるいは日教組の運動方針の、自分が問題を主張したいと思う個所だけを抽出してきて、そうしてこれを羅列して、結局、日教組に対する反感を大衆に抱かせようという、どうしてもねらいをそこに置いて月報などに長々と書いている。それでまだあきたらないで、ばく大な金を使って「日教組と階級闘争」という。パンフレットまでつくっている。何万冊刷ったか知らぬが、国費をかけてそういうものをばらまいて得々としている。こういう文部当局のやり方というものは、私は少なくも平常ではないと思っている。何かそういうことをすれば抜てきされるとでも彼は思っているのかもしれない。ですから、ときどき過ちを犯すわけです。結論的に言うならば、きょうのところは、まだ編集委員会の改善をして、今後、具体的に編集方針の改善を十分に検討を慎重にしていこうと言われるのですから、その点については一応私は了承いたします。ただ従来、少数の者の手によってある一つの、私に言わせるとも委員会月報としては偏向性が相当強いと思われるような、そういう編集方針はぜひとも局長の責任において是正してもらいたい。そういうことを述べて、第一の質問は終わります。 第二は、この間の質問の最後に私が提示してある委員会の会議録の全文を委員会月報に載せてもらいたい、こういう要望であります。これは、何か私のほうで無謀な提案をしているように思われるでしょうが、私の立場とすれば、一万八千冊の委員会月報が、あのような私の発言の取り扱いによって、全国にばらまかれていて、それはすでにもう皆の頭に入り込んでしまっていることなんです。このままでは、あの中のこの部分がちょっとまずかったとか、表現に多少誤解が起こるとかいったような訂正だとか、そういうちっぽけな記事の扱い方ではぬぐいされないような問題を全国にばらまいてしまっているわけなんです。ですから、私はこの間の委員会の会議録全文を月報に載せてもらいたい。それによって両者の言い分は明らかになるのじゃないか、こう思われるので、あえてそのことを提示してあったわけですから、このことについての検討はいかがでしょう。
○政府委員(福田繁君) 御要望でございましたので、その線に従って、実施をいたしたいと考えておりますが、まだ速記録ができていないようでございますので、分量等を十分検討して、一回に載せきれない分量でございますれば、やむを得ず二回に分けるということもあり得ると思いますが、御要望に従って全文を掲載したいと考えております。
○米田勲君 それでは、やがて月報に載せてもらえるということを確信をして、その点は了承をいたします。 ただ、この際、文部大臣にお話ししておきますが、私はこの問題をとことんまでつきつめていないわけです。いずれにしても、文部省の内部で前にも問題がありましたが、法案の審査中のものについて、野党の議員が反対をしているのは一部の無理解な者の反対だといったような、批判を含めての論文を載せてみたり、あるいはああいう議員の発言の扱い方についてもきわめて不当な扱い方をしているのですが、大臣の責任で、今後は絶対にああいう国会における議員の発言の不当な扱い方はさせないという約束はしてもらえますか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 十分気をつけるつもりでございます。
○米田勲君 それでは、第三番目に持ち出してありました今村君の行政処分の問題、これは局長にお尋ねをするよりは、文部大臣にお尋ねしたほうがいいと思います。私は、厳重な注意をしたくらいの行政処分では納得できないという気持ですが、どういうふうになさるつもりですか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) この間も申し上げましたように、文部省の事務当局のやりましたことについては、すべての責任は私にあると思います。私に対しまして責任を追及なさることは一向かまわないことでありますが、事務当局の身上のことにつきましては、これはひとつ大臣におまかせを願いたいと思うのであります。指導監督の不行き届きの点がありましたらおわび申し上げなければなりませんが、私としましては、指導監督上、十分な配慮をいたしてまいりたいと存じておりますので、そのようにひとつ御了承順いたいと思います。
○米田勲君 私はだれかれによらず、人を処分したりすることは原則的には反対なわけです。しかし、今村君のような行動をとった者が、単に注意をしておくという程度の、そういう処分であっては、これは私は秩序が乱れると思っているのです。筆の走りか何かしらないが、しまいは文部大臣までやゆしているといったようなことをあの月報に書くに至っては、彼はもはや文部省の役人としては資格がなくなっている。頭はいいかもしれぬ。ですから、これは文部大臣に一任してくれと、私が考えますというのでなく、とにかく行政処分でけじめをつけるという約束はしてください。
○野本品吉君 関連。私は、いままでこの問題についていろいろと論議されることを注意深く聞いておりました。そこで、米田委員のお気持は私は十分わかる。わかるが、大臣に部下の者を処分せよということを、国会の名において、委員として委員会においてそれを要求することは、立法府と行政府との限界に混乱を起こす、したがって、いままでの論議に基づいて大臣がどのように判断し、どのように処するかということは、大臣の行政権に属することであり、その大臣の措置が不十分である場合には、また一応の意見というものは述べられると思うけれども、大臣に、課長をやめさせろとか、やめろとかというようなことを確答を求めることは、私は三権分立の原則にもとってくる、こういうふうに考える。
○米田勲君 それは、野本君のいま言ったのは、関連質問というのですが、何ですか、ぼくに言っているのですか、だれに言っているのですか。
○野本品吉君 そこであなたの言われる要求に対して、私どもは少なくも、この委員会において、そういう声が出ることに対して不満である。これはあなたの質問に関連している質問。関連するので、委員としての、当然の意見として表明する自由を私は持っていると思う。
○米田勲君 関連質問だから黙っていた。私は了承したのだが、ぼくの質問に対して、そばから批判をするのでは関連質問ではありませんよ。それは自分の主張として述べられる、新たに発言を求められるなら、私は野本君が何を、言われようと——国会における正当な議員の発言が不当なる扱いを受けた。そういう者が文部省当局の中にいる、そういう者を行政処分をすべきだという主張を大臣に迫ることが何が悪いのですか。国会と何ら関係のないことをしたのなら別ですよ。私個人の国会における正当な発言を、ああいうふうな不当な扱いをしたことに関連をしているのです。だから責任をとらせなさいと言っている。それが何が不当ですか。
○委員長(中野文門君) ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(中野文門君) 速記起こして。
○野本品吉君 ですから、私は先ほども米田君の国会における発言に対して、これをゆがめたりするような扱いについては、私自身も実は問題だと思っておる。ただし、そういうことがあったからということによって、大臣はおそらく相当いろいろと心配されておると思う。したがって、この問題は大臣の行政権の範囲において善処すべき問題であって、確答を求められても、大臣としてはここで確答するというようなことは、きわめて軽率であると私は思う。大臣にはこの点についてどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 米田さんの御意見、御要望は十分承っておきますが、部下の身上のことにつきましては、これは行政大臣であります私におまかせをいただきたいと思うのであります。
○米田勲君 私はいま大臣に私の意見を述べて答弁を要求したんですが、野本君にああいう横合いから文句をつけられるような質問はしていないつもりです。私は私の気持で率直に述べて答えを願おうと思っている。大臣が何を答えるかは大臣の自由です。何も大臣にこう答えろと言ったって答える気がなければ答えない。ですから、私はここでそういうことを確答しなさいとか、確約しなさいということ自体がおかしいというその横やりは迷惑です。大臣がどう答えようが大臣の自由です。ここの委員会でそういうことを言ってはならぬということをあなたが言うのは不当です。私は私のことに関連をして、不当な扱いを受けたので行政処分をすべきだ、あなたはその約束をするか、そう聞いているのであって、聞くことが悪いとか、この委員会でそういう発言をするのは三権分立の考え方にもとるじゃないか、だから発言をすべきでないというのがあなたの意見。私はそんな考えは持っていない。しかし、私が大臣の口を割って、言いたくないことを言わせるなんという無謀なことをしているなら、そこに至ってはあなたの言うことは当たるでしょう。大臣が答えるか答えぬかは大臣の自由なんですから、私がまたそれを確約しなさいと言うことだって自由です。それが何も三権分立を侵しているわけではない。何も国会に関係のないことだったら私はそんなことを言わない。こういうことが再び行なわれてはならぬ。私だけではない、だれの発言だってそうです。こういう軽率な扱い方をしたり、不当な扱い方をしたりすることが、文部当局の手によって再び繰り返されないためには、けじめをつける必要があると強く考えておるんです。だから私は大臣に、行政処分をするという約束をしなさいということを言っている。単に、注意を与えておきます、厳重に注意を与えましたというような程度ではけじめをつけたことにならぬものではないかということを私は考える。大臣はいかがですか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私はこの問題につきまして先般もお答えいたしましたように、十分注意をし、将来を戒めたつもりでおるわけでありますが、それ以上のことにつきまして、御要望もあるようでございますが、そういう問題につきましては、すべて私にひとつおまかせをいただきたいと思うのでありまして、ここでお答え申し上げる限りではございません。
○米田勲君 私は大臣のいまのことばで、一応これ以上はっきりしたことを答えてくれということも無理だろうと思うが、しっかりしたけじめをつけてもらいたいということをつけ加えておきます。 それから、このことに関連して大臣にお考えを願いたいのですが、前に教科書の無償措置法の行政指導について、教科書主管課長会議を開いて幾多のことを指示した、その指示内容が法律の趣旨にもとる問題が幾つもあったわけです。この委員会でもそのことを詳細に私は出して答弁を願ったし、法律の解釈についても誤りのないようにぴしっとけじめがついたと思っておる。ただ、私はその後の文部当局の措置についてきわめて不満である。その不満の理由は、前の委員会の最後のときに豊瀬委員から、どういう措置をしたかという質問があった際に、まだ主管課長会議を開いておらない。私はそのこと自体が、私に言わせると怠慢ではないかと思われる。国会の委員会で自分たちのやった行政指導に相当問題点があったということが明らかになっているのに、じんぜん日を送って主管課長会議を開こうともしないということは、国会の再議というものに対して、これを重視する態度が基本的にないのではないかという感じがするわけです。局長の頭ですれば、いまわれわれがもらったこの情報ですか、内簡ですか、これで事が済んだとあなたは思っておられるんでしょう。これは一体いつ出された内簡ですか、お答えを願います。
○政府委員(福田繁君) この前の委員会におきまして、豊瀬委員からお尋ねのございました際に、内簡を出したように申し上げたのでございますが、その点は私の記憶違いでございましたので、訂正をいたしておきたいと思います。内簡は出しておりません。ただし、あの当時、米田委員の御質問にもお答え申し上げたかと思います。あるいは私のまた記憶いたしております範囲では、加瀬委員のお尋ねの際に、十分私どもは法律の趣旨に従って指導を徹底させるために、次の主管課長会議の際に十分これを実行いたしますということを申し上げたのでございます。したがいまして、私どもは四月にこの主管課長会議を開くという当初の計画がございましたので、その際に当委員会において問題になりました点は十分趣旨の徹底をはかりたい、こういうつもりで当時申し上げたわけでございます。ただし、私が錯覚を起こしましたのは、この差し上げた資料は、これは当時の委員会の結論でございますので、たしか三月の二十日ごろであったと思います。こういう資料をつくりまして、主管課長会議はまだ開かれておりませんけれども、関係の向きにはこういう資料を差し上げられるように準備をいたしたわけでございます。それが現在の段階でございます。
○米田勲君 私はその最後のところのことばがちょっとはっきりしませんでしたが、そうすると、われわれがいただいたこの資料というものは、今度の主簡課長会議に提示してよく説明されるという、こういうためにつくられてあるものですか。
○政府委員(福田繁君) 今度の主管課長会議にももちろんこれは使いたいと思います。それまでの間にいろいろ各県で照会あるいは聞き合わせ等がございますれば、こういう資料によって指導するというつもりでつくったものでございます。
○米田勲君 いままで何県にこの文書を出しましたか、何県に。その県はどこですか。
○政府委員(福田繁君) これは県のほうに送ったのではございません。まあお尋ねに従ってそれぞれの関係者には差し上げたと思いますが、具体的には何県の方に差し上げたということはわかりません。
○米田勲君 私はあなたの答弁から推測をするのですが、おそらくこれはどこの都道府県の教育委員会にも行っていない、この文書はまだ。そこで灘尾文部大臣にお伺いしますが、あなたは一体、国会の委員会であれほど行政指導の問題で問題になったことが、今日まで都道府県の教育委員会に何ら趣旨が伝えられていない、こういうことは一体従来とも行なわれていたことなんですか。慣行なんですか、そういうことが。私は納得ができないのですよ。あれは事は重大なことなんですよ。法律の解釈にもとるところがある、指導に。ですからその誤り、誤った指導を是正してもらわなくちゃならぬというのがわれわれのこの委員会で取り上げた問題なんです。その中には明らかにその誤りを認められた個所もあるわけです。問題になっておる個所も幾つもある。そのことがいまだに、あれからどれくらいの日数を経過していると思いますか。あなたの省では何も手続を踏んでいないということです。こういうことは怠慢ではありませんか。大臣はどう思っておられますか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) この問題についての文部省なり私の考え方はすでに御承知のとおりでございます。われわれはそれに基づいて趣旨の徹底をはかってまいらなければならぬと存じております。局のほうにおきましては、課長会議を開いた際に十分趣旨の徹底をはかっていこうという心づもりで今日までまいっておると思うのでございますが、これは手おくれになってはもちろんいけないことでありますけれども、手おくれにならない時期において課長会議を開いて、趣旨の徹底をはかろうという考え方をいたしておるように、私は承知いたしておるのであります。なお、いまここにありますいわゆる資料でありますが、この資料につきましては私も十分承知いたしておりませんが、問題について問い合わせ等があった場合のお答えの資料としてつくったものではないかと思うのであります。いずれにいたしましても、委員会で問題となり、私は私の考え方を皆さん方に申し上げたわけでありまして、これが徹底しないということになりますれば、これは私の責任は重大だと思う。皆さん方に申しわけないというわけで、十分その趣旨の徹底には努めたいと考えておりますが、課長会議の開催までしばらくお待ちをいただきたいと、このように私は考えております。近く開くつもりでおるようでございますので、その際によく皆さん方のお考え、私どもの態度というものについて説明いたしたいと思います。
○米田勲君 大臣、それで満足な答弁ですか。私はこの間、この委員会で問題になったことをあなたはよく記憶しておるでしょう。それが今日まで何にも手が打たれていないのですよ。手が打たれていないということは、あの主管課長会議で指示した内容がそのまま動いているということなんです。今日なおその手が打たれていない。私は一つ議会軽視でないかと思う。一つは文部省の怠慢。どうもこの問題は、あの主管課長会議の指示をした内容をずっと見てみると、きわめて原案を固執しているという空気が強いわけです。議会で修正議決をされたことに対して不満を持っている。したがって、何とかして行政指導の面で原案を復活をさせようという意図のもとに指導を加えたのではないかと思われる節さえある。しかし、それがもし私らの思い過ごしであるとしたら、もっと早くあの問題が起こった自後、主管課長会議を開くなり、あるいは委員会で問題になった点で、特に前の主管課長会議で、指導の上で疑義が生じやすい問題を網羅したものを出して、正確な法律の解釈なり、行政の指導なりを手早く行なうことが私は正当な文部省当局のあり方だと思う。それが今日まで全然手が打たれていない、主管課長会議はいつ開くのかしれないが、この仕事は四月に入ってからすでに動いているのでしょう、実際に。選定の地区の問題にしろ、あるいは各県における教科書選定審議会の問題にしろ、どんどん動いている。その動きは主管課長会議というものが軸になって動いている。その主管課長会議自体に問題があった。ですからほんとうに文部当局がこの委員会において取り上げ、みずからもその非を、認め、誤解の生じやすい点を認めたのですから、なぜ今日までそれをやらないか。これからやりますとか、こういう考えですというようなことでは私は少なくも納得ができない。灘尾文部大臣にしてはきわめておかしい、そんな答弁をするのは。あなたはそんなでたらめな人ではないはずだ。少なくとも国会で問題になったようなことは局長まかせにしておくようなことでなく、あのことはどうなったということぐらいいままで質問をしたり確めたりしたことがあるのですか、まかせっはなしでないですか。だから今日までこういうことになっているのじゃないですか、大臣は局長に対していままでどういうあの問題についての、取り扱い方を指示しましたか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) この問題につきましては決してほうりっぱなしではないと私は思うのであります。従来からこの委員会の御趣旨と反するような、御趣旨に合わないような取り扱いをしておる向きに対しては十分注意もいたしておると思うのであります。私はもちろん、局長以下に対しまして、委員会の経過というものを尊重して、その趣旨に従って事務をとるようにということをはっきり申し渡しておるつもりでございます。
○米田勲君 文部大臣がいかようにそう考えておられようとも、文部当局は動いていないじゃないですか、あなたの趣旨のとおり。なおざりにしているのではないと言っても、事実はなおざりにしているでしょう。これは否定できないでしょう。今日まで何ら手も打たなかったということは事実なんだ。ですから私は、この委員会で問題になれば、その時、その場をくぐり抜ければそれでいいんだ、そういうことを文部当局は考えているのじゃないかと邪推するわけです。もう少し文部当局のやり方について、文部大臣は責任を持って指導してもらわなければならぬ。こんなルーズなやり方でいくから問題が幾つも幾つも、次から次に起こってくるんじゃないですか。そうして現に、こういう怠慢な行政指導のために、青森県においては全県一区の教科書採択をきめておる。内容を調査してみると、上北、三沢、十和田の三教育委員会は、それをまとめて、その区域を一本の採択地区にしてもらいたいということを強くここで述べたらしいのですが、県の委員会の説得で全県一本になった。これは全県一区の教科書採択というのは原案にあったが、それは削除されている。削除されているということは、全県一区にはしないということが立法者の趣旨なんです。そうでしょう。それをこういう委員会が、採択地区を全県一区にしないで、われわれのところの三委員会を一本の選定地区にしてくれということを主張したにもかかわらず、それを押え込んで全県一区になった。こういう事実が発生してくるのも、前の主管課長会議の指導では当然生まれてくるのです、 これは。そういうことをやっても違法ではないと指示しているのですから、それをいまだに取り消さないから、こういうことが起こってきてもふしぎはないわけです。局長はみずからやるという約束をした。その行政指導の是正をやらないがゆえに、こういう事実が発生してきている。あなた方こういう事実の起こることを好んでいるのではないですか。局長はこのことをどう思いますか、自分のいままでやらなければならない行政指導を怠慢しておいて、こんなことが発生してきていることについてどう思いますか。
○政府委員(福田繁君) ただいま大臣からお答えになりましたように、私ども大臣の御趣旨は十分伺っておりましたけれども、先ほど申し上げましたように、その当時の委員会におきまして、私どもは、なるべく詳しく当時の私どもの指導を具体的にやるには、やはり主管課長会議でやるのがよろしいという考えを持っておりました。したがって、直ちにその際に、主管課長会議を開くということはお約束いたさなかったのでございますけれども、四月には主管課長会議を開くので、そういう機会に十分趣旨の徹底をはかってまいりますということを、ここでお約束を申し上げたつもりでございます。その線に従って私ども考えておりまして、教科書の選定に関する資料の作成その他につきましては、これは今後の問題でございます。したがって、四月の主管課長会議で十分間に合うというふうに私ども判断いたしたわけでございます。ただ、採択地区云々のことでございますが、青森県の問題も聞いておりますけれども、これは私どもの指導と何ら関係はない問題でございます。
○米田勲君 私らの指導と関係はないとは言われないのではないですか。現に諸沢君は質疑に対して答弁をしておる。全県一区の採択地区にしても何ら違法ではないのだということを明らかに言っているでしょう、質問に対して。ですから、その文部省の指導に基づいてこれをやっているということは考えられるでしょう。立法府でどういうふうに修正されたかなんというよりも、文部省の言うことさえ聞いてやっていれば間違いないと思っている教育委員会ですから、だからこういうことは、もちろんあなたのほうで、そうせよと県教委にそのことを強く指示したとは言いませんよ。しかし、あなた方が行政指導した、その線に沿って青森県教委は効いている。その後この委員会で問題になって、全県一区の教科書の採択地区というのは原案の趣旨であったのであって、それを立法府で削除したということは、積極的にそれを否定しておることなんです。それが法の趣旨でしょう。それにもかかわらず逆の指導をしたのだから、直ちに、その法の解釈は間違っておる、疑義のある説明をしたが、法のたてまえはこうだ、したがって、こういうふうにしてもらわなければならぬということを直ちに手を打つべきじゃないですか。そういう責任を果たさないから、こういうことが起こったのだと私は言っておる。それを何が文部省当局の責任ではありませんと、そういう突っぱねるような、そういう自由な立場にあるのですか。あなた方が主管係長会議を前にやっていないなら別ですよ。もちろん文部省当局が、教育委員会のやることを一から十までくちばしを突っ込むことは、これは行政機構の組織の運営の面からいっても間違いです。だから私はそんなことをやれと言っておるのじゃなくして、こういう結果が起こってくることも、あの主管課長会議で指導した、その指導に誤解や誤りがあるのを、そのまま今日まで放置しておい出たから、こういう結果さえも生まれてくるのだと指摘しておる。それを、何の関係もありません、私らがやらせたのではありませんと、そういうきれいな答弁は、いまのあなたの立場からは出てくるはずがない、出てくるべきでないのです。しかも先ほどの答弁の中では、私はことばじりをとらえて言うような結果になるけれども、あのときに私は直ちに主管課長会議を開くと約束しなかった——何ですか、その答弁は。そんなことの約束をするしないはあなたらの善意できめることですよ。約束をしてもしなくても、そのことが必要であると思えば、間髪を入れず手を打つべきなんです。約束をしなかったから今日まで開かなかったのですという、そんな答弁では、あなたらの善意を信頼できなくなりますよ。そうなってくると、私は不当なことばで追及をして、約束をしなければ文部省はやってくれないのだという考え方に立たざるを得なくなりませんか。直ちに開く約束をしなかったから今日まで開かなかったのだ、そういうのはあなたの言い方の間違いではありませんか。もう一つは、こんなことになったのは、青森県教委の責任で、文部省の責任ではありません、私らとは関係がありませんという答えは間違いではありませんか。もう一度お答え願います。
○政府委員(福田繁君) ことばが足りませんかもわかりませんけれども、私どもは善意をもって、できる限りこの国会で論議になりました点は訂正をいたしたいということをお約束したわけでございます。したがって、そのお約束の線に従って、この次の課長会議においてやれば十分間に合うというように判断をいたしておったわけでございますので、そういうように私はお答えをしたつもりでございます。青森県の問題につきましては、主管課長会議の際にも、私どもとしては法律の趣旨は郡市単位ということがたてまえでございます。郡市単位あるいは教育事務所一単位でございますが、それが通例の場合でございまして、その線に従って私どもは採択地区というものは設けられるべきものだというような考え方で指導いたしましたのでございます。
○米田勲君 局長、またこの前の蒸し返しになるのですが、主管課長会議の内容については、私はほとんど知っておるのですよ。その中に指摘しておいたでしょう、答弁しているのじゃないですか。全県一区の採択地区にしてもそれは違法ではないのだ、だからやってもよろしいということ言っているじゃないですか。その影響を受けているのでしょう。しかし私は、あなたが幾ら丁重な答弁をしようとも、私に言わせるとふまじめです。われわれが真剣になってここで論じていることがちっとも行政の面に反映しない、なに議員の連中が何を言おうと、そんなことは知っちゃいないというのが本音じゃないですか。あれほどここで問題になって、それで善処します、これこれの点についてこうしますと言ったから、あの程度で終わったんでしょう。私はあの問題を打ち切るときには、少なくもあなたは善意を持って、早急にこの法律解釈の誤解のある点や、指導の上で行き過ぎや誤りのあった点については是正をしてもらえるものだと信頼をして打ち切ったのですよ。それを今日までやらないで投げておくということは、何とあなた方が答弁をしても、それは怠慢であり、軽視ですよ、議会の議員の発言の。来年度から実施になる、四十年度から実施になる、そういうものであれば、私はゆうゆうと四月に主管課長会議をやってもいいんですよ。それは間に合います。しかし間に合わないじゃないですか、もう。間に合わないところが幾つもできてくる。そして一度ある程度まで進んだ話は、あとから是正をしようとするとむだな時間がかかるんじゃないですか。どうしてそういうふうに、われわれのここで問題にしていることをまじめに、期を失せず指導をしてもらえないのか、自分らの指導の誤りをすなおに是正できないのかということに対して納得ができないのですよ、私は。そういう態度のあなた方とここでいくらまじめに論じても意味がないのです。時間を空費しているだけにすぎない。灘尾さん、あなたは一体どう思いますか、このことを率直に聞かしてくださいよ。これからやるんですというそういう話で、一体それが正当なんですか。少なくもいままで手を打たなかったことはまずかったということくらいは反省があってしかるべきじゃないですか。これからやるのです、どうして役人というのはすなおに出れないのですか。私にそこまで追及されたら、それはまずかった、もう少し早くやるべきでした、こう答えるのが私は常識だと思うんですが、役人はそれを答えない。何とかかんとか言い逃れて、そしてこの場を終わらせよう。午前中に終わろうという約束だから米田はやがてやめるだろう、こんなことでも思っているんじゃないですか。灘尾さん、はっきりしてくださいよ、その点。まずいのはまずいのだという反省がなければだめです。そんなこの場限りのうまい話でいくから、そういうことで通れる癖がついているからうまくない。はっきりしてください、文部大臣。
○国務大臣(灘尾弘吉君) まずかったか、まずくなかったかというようなことにつきましては、これはいろいろ考え方もあろうと思うのであります。米田さんのお気持ちからいえば、明らかにまずかったということになるわけでございますが、当事者のほうからいえば、まあこれでもやっていけるというようなつもりでやってまいったことと思うのでありますが、米田さんに御不満をかけましたということはまことに残念に考えます。したがって、この問題の処理につきましては、なるべくすみやかに課長会議を開きまして、十分趣旨の徹底するようにいたしたいと思います。事務当局の考え方に、あるいは米田さんの御期待に沿わない点があったかと思うんですが、そういう点につきましては十分注意させることにいたしたいと思います。
○加瀬完君 関連。局長の先ほどの御説明を伺っておりますと、主管課長会議に話すか話さないかということが、何か米田君の要望のように錯覚しているようですがね、米田委員の質問はそうではなくて、ここできまった法律の趣旨が全く生かされないような説明が行なわれたり、また、運営においてそのような運びが地方に行なわれる危険がある、それを取り除かなければならないということが趣旨であったと思うのです。ですから主管課長会議をやるかやらないかということではなくて、米田委員の指摘されたような法の運営の誤りが行われないように措置をするということが、文部当局に課されたあの場合の責任であり、それをお約束なすったと私は了解しているわけです。で、具体的にそうなってまいりますと、青森県のような問題が起こる、起こった、また同じような問題が所々に起こるかもしれない、こうなってまいりますれば、どうしたって主管課としての責任が、米田委員の質問に対するお約束の責任は果たされておらなかったという反省を率直に持っていただかなければならないと思う。そうして、まず第一にその点を御反省をいただいて、そうして具体的な主管課長会議というものを一体どう開くのか、あるいは青森の問題ですね、たとえば十和田地区では、米田委員の指摘のように地区で要望していることが、県の教育委員会で認められない、こういったような具体的な問題をどう処理するのかと、こういうことがはっきりとしてお答えになれなければ、私も米田委員が御指摘になるような点もうなづかざるを得ないと思う。で、米田委員の質問をいたしましたのは、何も文部省をどうこうということではなくて、問題が法律の運営がよろしきを得なければ困るという趣旨でもって、それであなた方の御回答をも了承しているわけですから、率直なやはりお答えをいただかなければ、この問題の結論はつかないと思う。で、もう時期が過ぎてしまったことは、これは言いわけをしたってどうにもならないわけですから、はっきりと、やはりこの間の趣旨を生かすという点で、集約をしてお答えをいただきたいと思うのですが、いかがです。
○政府委員(福田繁君) いま加瀬委員からお述べになりましたような御趣旨であれば、当然そういうように運ぶべきであったと考えます。ただ当時、私の理解いたしておりました範囲では、先ほど申しましたように、主管課長会議を早急に開いてやれというように私は受け取っておったわけでございます。したがいまして、なるべく早い機会に開くことは、私どもとしては考えたいと思ったのでございますけれども、四月に入れば主管課長会議は当然開催される予定になっておりましたので、その際に十分これをやりたいというような、そういう気持ちで申し上げたのでございます。したがって、私どもとしては、例年ならば主管課長会議は四月の末なはずでございますけれども、ことしは少し早めまして、来たる十七、八日に主管課長会議を開きまして、この問題の趣旨の徹底を十分はかっていきたいと考えております。青森県の問題につきましても、十分その際に事情を聞いて見たいと考えております。
○豊瀬禎一君 ちょっと関連して。青森県の問題ですがね、私の調査では、本委員会で、大臣が法の解釈について、文部省としての責任ある回答をなさった前に、県の教育長が十二条の適用を発動していると考えているのですが、この事実についてどういう情報を持っておりますか。私の聞こうとするところは、諸沢説明の生きている段階で、県教育長が十二条を発動したと見ているのです、筋道として。調べていなければ調べていないでいいですよ。
○政府委員(福田繁君) お尋ねの点がよく私わかりませんが、先ほどの米田委員の御発言の中にございましたようでございますが、主管課長会議の際に諸沢課長が指導しました内容につきましては、全県一区でやれというような、そういう趣旨のことは毛頭申し上げていないはずでございます。私もそのように聞いております。したがって、その諸沢課長の指導と青森県の問題とは、私は関係ないというように理解をいたしております。
○豊瀬禎一君 ただいまの答弁の中で重要な問題がありますが、これは本番の米田委員がやることでしょうが、私のあの関連質問の際に答えられたことを、私は新聞記者と一緒にその日に全部読んでみたのですが、あなたの答弁では、従来、県一本でしているところは、両党間の話し合いでそのまま踏襲してよろしいというようなふうに議員から聞きました。したがって、そういう意味の指導を行なっておると課長から報告を受けました。こういう答弁があったはずですよ。それと、いまのあなたの答弁は食い違いますが、これは本番の米田君に譲りたいと思います。この際私が指摘したいのは、大臣は事務当局のいままでの答弁を聞いて、四月で間に合うだろうと判断しておられたのではなかろうかと思います。そして、例年四月末なのを今度は四月中旬に開きますと、こういう答弁ですね。ところが、これはあまりにも答弁のための答弁ですよ。というのは、この教科書法の法の解釈の説明を行なった主管課長会議は二月でしょう。そのときからすでに法の解釈あるいは適用についての指導が開始されておる。それを例年は四月末ですが、今度は中旬に開きます、四月中旬に早めて、できるだけ早くやろうとしているという答弁は、第一回の指導と関連して考えますと全く荒唐無稽ですよ。そして私が先ほど指摘したように、旧指導の形態の中で、青森県の教育長は、六十八の地教委に対して十二条の適用を行なって所見を求めた。八三%は希望なしと言ったその中で、米田委員が指摘した数地区は、別に県一本でなくしてもらいたいという明確な意思表示をした。この事実をはっきり大臣は認識していただきたいと思うのです。この内簡的な資料が各県にいかないうちにすでに、言いかえますと、二月の諸沢指導の形のままで、少なくとも青森県教育委員会は動いておる。ただそれを否定する唯一の証拠は、福田局長が前回、本委員会で答弁した。大きな問題になりましたので新聞紙等で知っております、こいつは事実でしょう。しかし行政指導の形態としては行なわれていない。新しい解釈に立った指導が行なわれないままで青森県はやられておる。しかも、局長は私どもの行政指導とは関係がないと言っておりますが、私の知っているところでは、青森県教育長は三月末に上京してきて文部省で会っておると思うのです。そして帰って、直ちに別個に採択地域を設けてもらいたいという地教委の十九名を集めて、その席上、東京から帰ってきたばかりですが、やはり県一本にやりたいと思うので、あなたのほうの方針を変えなさいと、また、ある新聞等のスクープしたところによりますと、そんなかってなことを言うと、教科書はただになりませんぞと、こういうむちゃなことも言ったやに聞いているのです。これをつながらして考えてみますと、東京に行って会ったのか会わなかったのか、それはあなたたち自身が知っているでしょう。私が推測するのは、その際にこの指導を受けていない、あなたもしていない、行政指導と関係がないから青森県には何もしていないとおっしゃる。青森県も電話連絡では聞いていない。ところが、最初は県の教育長が東京にきて、県一本化することに自信を深めていったような発言で、別個の採択地域を設けたいという文書回答をしたところに対して押さえつけている。この事実を見ると、かりに諸沢君が会ったとしても、諸沢君はこの資料のとおりの指導を行なわないで、やはり従前の指導を行なったんじゃないかと、こう思います。これは青森だけの問題でなくして、他の県におきましても、四月中旬に予定されている主管課長会議の議を待たずして、すでにこうしたことが行なわれている。青森県教育委員会は、三月三十一日に県一本を決定して、四月十日に発表する予定になっている。向こうの新聞を読んだか、あるいは積極的に電話をかけたか、こういった二つの事実がない以上は、青森県教育委員会は、正式には、当委員会で大臣が答えられた法の適用を知らないまま、十日に県一本をすでに発表しようとしているんですよ。私があの際に心配したのは、これが青森県だけでなくして、幾つかの県がすでに十七、八日前に決定しようとしている。それを二月に第一回の主管課長会議を開いておいて、例年四月末ですけれども、二週間程度繰り上げて早めにやるというのは、これはどう善意に解釈しても、あの問題の事態の重要性に対して適切な主管課長会議の招集ではないんではないかということは、青森県の例一つをとってみてもはっきり言えると思うんです。福田局長に再度お尋ねいたしますが、青森県教委が新らしいというか、米田委員の追及した点に大臣が答えた点に基づいて各県地方教育委員会が望んだというあなたの根拠は何によって生まれていますか。青森県教育委員会が新解釈という、大臣の答弁の新解釈に基づいて指導したというあなたの根拠は何によって出ているんですか。私は旧指導によって行なったという一連の事実と見ているんですが、あなたがそう考えるならそれでよろしい。そうでないとすれば、新解釈によって青森県教育委員会は地方教育委員会に終始望んでいるということをあなたが言うとすれば、あなたの根拠はどこから出てきているんですか、こう聞いているんです。
○政府委員(福田繁君) 私ども、青森県の教育委員会が旧指導によっているかどうかということはわかりませんけれども、その点については、青森県の県内の事情と申しますか、全県一区にするについてのそれ相当の事情をもって、これを実施しているのではないかと考えております。私どもが何か全県一区が望ましいから、それを積極的に指導しているかのようなお尋ねのように私は印象を持つわけでございますが、私どもは決してそういうことはございません。必ずしも全県一区が望ましいから、そういうふうにやってほしいというようなことはもちろん申しませんし、これは法律の趣旨から申しましても、それぞれの地域に応じて、教育上、あるいは学校のあるいは教育委員会のいろいろな事情等を考えて十分それは決定すべきことでございます。私ども必ずしもそういうように考えていないわけでございます。そもそも十二条にカッコして、県の区域を含むということが原案にございましたが、その趣旨は、今日においても少しも変わっていないつもりでございます。
○豊瀬禎一君 あなたのいまの答弁では、新解釈に基づいて青森県教育委員会が誤りなく十二条を発動しているという根拠がないでしょう。それは逆からいうと、諸沢旧指導が生きているということですよ。そうすると、四月十七、八日ごろ主管課長会議を開き、いままでに文書によっても、法の解釈論についてこういう指導を地方教育委員会に流さなかったということは何としても時期的に見ると怠慢でしょうが。そのくらいのことは率直に、二月に第一回をやって誤っておったのだったら、四月末の二週間繰り上げますということでなくて、すでに三月三十一日にそのことを決定しておる教育委員会があるし、四月十七、八日以前に決定しようとする教育委員会が幾つか出てくる可能性があるということ、四月十七、八日の主管課長会議というものは時期おくれの感はどうしても否定できぬでしょう、大臣どう思われますか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 法律改正の趣旨に反したことが地方で行なわれる、それが前の指導の結果によるものであるというお考えのような御質問だと思うのでございますが、はたしてそうであるのかということは私にはちょっとわかりかねるのであります。それとすぐに、この趣旨の徹底がおそいということに結びつけてのお尋ねに対しましてはお答えしにくいのであります。趣旨の徹底あるいは周知方法がおそいという御批判につきましては、先ほど米田さんにもお答え申し上げましたように、そういう御批判を受けるということは私どもとしてもまことに遺憾なことであり、残念なことであると思います。いまの問題とどういうふうに結びつくかということは、実は私はお答えしにくいのであります。
○豊瀬禎一君 今度で終わりますが、第一回の指導が行なわれていなければ、四月十八日になるのか、あるいは四月末になるのか、そのことは私どもはとやかく言いませんよ。誤った指導が行なわれたという事態から踏まえて、しかも、それは二月に行なわれておる、二月に行なっておるということは、従来は四月末の主管課長会議では間に合わないという判断があったから二月に第一回を開いたのですよ。そうして誤った指導をしておるのに今日まで開いていない。しかも初中局の掌握では、青森県に対してこの文書も行っていない、電話もかけていない、文部省の行政指導とは全く無関係に行なわれてきておる。そうすると、青森県教育委員会が新解釈に立って適用したという唯一の根拠は、新聞上で見るということ、あるいは速記録を見るということ、そういう向こうの主体的な善意だけしか期待できぬじゃありませんか。だから、そのことだけで完全に誤った解釈でやっておると断定はできません、大臣のおっしゃるように。しかし、もしそれがそう行なわれておるとすれば、これは怠慢だけでは済まされない問題ですよ。第一回の指導をしておるから。そういうきわめて何というか、時期を早く繰り上げて、間に合わなければ文書でもまずさしずめやるとか、主管課長会談を二月に開いたのだから。——三月の八日でしたか、大臣の答弁したのは。その直後開くというだけの的確な処置がなされなかったということは否定できないと思うのです。そうして青森県は、私が言ったように、そのこと以前にやっておるし、地方教育委員会に対する指指導を行なっておるし、しかも重要な教育長の十九名を前にしての発言は、東京からいま帰ったばかりであるけれども、県一本単位にまとめるべきであるという確信を自分は深めて帰ってきたのだ。このことは三月末につくられたこの資料の指導を受けていないということです。私はそういう点から大臣がいろいろ監督に対して責任を感じておられるようですけれども、単に青森だけでなくて、他県にも米田質問に対する大臣の答弁の趣旨が徹底されないままで、すでに主管課長会議以前に法の適用が行なわれておる事態はきわめて重大だと思うのですよ。青森県の場合は十分実態を調査しておいてください。以上で関連質問を終わります。
○米田勲君 先ほど諸沢課長は福田局長に耳打ちをして、その答弁が、主管課長会議で採択地区を全国一本にすることは不法でない、法にもとるものではないという指導をした覚えはないと言っておるが、それは事実か。それであれば、私はまたあの日の速記録を持ち出してきて事実を糾明するぞ。あなたはあのときにそのことを指導していることははっきりしているんだ。それは質問のところでやっている。質問が出た。従来そういうふうにしていたところもあるので、県の事情によって全県一区にしても法にもとるものではないとはっきり答弁をしている。それをいまになって、そういう指導を主管課長会議にしなかったというのであれば、もう一度あのときの速記録を持ってきて一々私はやりますよ、そういう、いまごろになって言い出すなら。局長、もう一度確かめてください、彼に。
○政府委員(福田繁君) 私は確かめる意味で諸沢課長にちょっと聞いたのでございますが、私が承知いたしておる範囲におきましては、全県一区が望ましいとか、全県一区についてやるべきだというような指導は、当時の課長会議におきまして諸沢課長から指導いたしておりません。ただいま御指摘のありましたような事柄は、あるいは私この前の委員会で申し上げましたように、従来、教科書を数種選定しておりましたところでは、従来のやり方についてもこれは差しつかえないというような指導はいたしたわけでございます。それと採択地区の問題は別個でございまして、採択地区については十二条の法律のとおりに指導していると私は確信しております。
○米田勲君 それは局長は指導した場所にいないのじゃないか、あなたは。彼が指導したときの場所に。あなたがいま説明したのは正しい。積極的に一区にしなさいと指導はしていない。採択地区を全県一区にするほうが望ましいのだと、そうは指導はしていない。これは私も認める。質問が出た。そのときに彼は、全県一区の採択地区にしても不法ではないとはっきり言っている。法にもとるものではないということばを使っているということは、全県一区にしても違法ではないんだということをみなの頭に打ち込んだことになるでしょう。なるから、青森県の教育委員会が、地教委がそういうふうにしてもらっては困るということを言っても、そのときの指導が正しいと信じておるのだから、全県一区にしてもらわなければ困る、こういうふうに指導を加えたのも、これは主管課長会議のその指導に基づいてやっている。ですから問題があるというのです。 それから豊瀬委員から出て、みんなにやにやしたが、県の指導を聞かないでそんな採択地区をきめると、その教科書は教科書無償措置法の対象になりませんよということは、この日の主管課長会議で言っておる。脅迫しているんです、これはえんきょくに。笑い事でも何でもない。そういうふうに指導をせいといっておる。そうしてまとめなさいという話になっている。それは何も全県一区のときに使ったのではないですよ。全県一区にするためにそういう脅迫のことばを使ってまとめなさいと言ったのではない。しかし、それは一連の話の中に出てきていることばだ。それを全県一区の採択地区に反対する教育委員会を押え込むことに使った。諾沢課長は明確にこの指導の中で言っておる。その同じ手口を使ってやっておるのですから、主管課長会議の幾つもの誤りの点のうち、少なくも全県採択地区を一つにしてしまうということは不法ではないという指導をしているんですよ。不法ではないということは誤りでしょう。明らかに違法なんだ。従来どういうことが行なわれようとも、従来のこととはこの新法は無関係なんだ。従来どんな採択が行なわれていようが法律は新たに出た。その新しく出た法律というのは、原案に、県を一つにした採択地区を含んでおったのだ。それを積極的に抹殺した。抹殺したということは、立法府の趣旨は、あの法律に対する趣旨は全県一区の採択地区は否定したということなんだ。これはあなたも認めるはずだ。認めたのだ。この前、法律解釈についてあなたもそれをやっている。そのやっている根拠は、もちろん半分は教育委員の頭から出ただろうけれども、半分は彼の行政指導に力を得てやっておる。だから時期がおそいではないかということをそこから言った。あなた方がこの委員会で問題になって、行政指導上やり直さなければならないものがあるのに、今日までじんぜん日を過ごしたことは怠慢であって、その怠慢がついにこういうことまで起こしたのだと一つの例として上げておる。だから、いまごろになって主等課長会議でそういうことを言ったことがないとか何とかいう諸沢課長の言い方は、いまごろになってひきょうです。この点は再度確かめておきます。全県一区に採択地区をすることは法のたてまえではないということを局長はよく知っておりますか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 全県一区にすることが違法であるか、違法でないかという御議論のようであります。私はこの問題については、先ほど来のお話がちょっと私のふに落ちないところがあります。したがいまして、このお答えは次の機会までひとつお許しをいただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○米田勲君 これはいまごろあなた、そういう保留の条件を出してきているが、会議録をごらんなさい。明確に法律解釈については一致している、文部当局と私らの法律解釈が。その中に、県を一つの採択地区にするということは原案にはあったが、修正議決されたとき、これは積極的に排除された。だから、少なくとも全県一区ということは法のたてまえではない。これだけは明確、局長どうですか。文部大臣よく知らないのじゃないですか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私はこの問題がこの委員会においてそういうような明確な形においてお話がされたということは記憶がないのであります。また、この修正の趣旨につきまして、どういう御趣旨であそこをお削りになったかという点についても明確なものがございません。したがって、そういう点についてなおよく私の納得がいきますように、当時の事情を取り調べました上で、あらためてお答えを申し上げたい、かように申し上げておるのであります。
○米田勲君 文部大臣、あのときのいきさつについては知らないといまごろ言うのですか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 知らないとは申しません。ただあのとき問題になりました点は、いわゆる数種の教科書を選定する云々のところが問題になったと思うのであります。また、皆さんのお話し合いの上で、あそこを削るということになったこともよく承知しております。いかなる趣旨に基づいてあそこが削られたかということは、いま米田さんのおっしゃる御趣旨であったのかどうかということについて確めてみたいと思うのであります。
○米田勲君 法律の原案にあった県を含むということばが削除されたことは文部大臣御承知ですか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 承知いたしております。
○米田勲君 それが削除をされたということは、そのことが否定されたということには解釈しないか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) そのときのお話し合いの状況によると私は思うので、必ずしも否定されたということにはならぬと思うのでありまして、われわれは御修正になりました法律に基づいてものごとは考えていかなければならぬ。いかなる御趣旨によってこれを削除されたのかということについて、私ははっきりした記憶を持たないのであります。そういうふうなことは、ただこれは削るというお話は伺いました。削るというお話は伺いましたが、どういうことでこれを削るかということについての御論議は伺っておりません。
○米田勲君 文部大臣にしては不見識じゃないですか。事今日に至って、この重要な法律解釈の問題について、しばらく調査研究をするから回答を保留するなんという、まことに私は文部大臣の立場としては不見識だと思うのです。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私の法律解釈論ははっきりいたしております。御修正になりました法律案の解釈といたしましては、私は全県一区を、取りましても違法ではないと考えておるのであります。したがって、この話が少しふに落ちない、このように考えますので、よく当時の事情を調べまして、あらためてお答え申し上げたい、こういうことを申しておるのであります。
○米田勲君 これはそういうふうに前のことにもどすのであれば、文部大臣に言い分があるのだが、あなたのほうでは、これはここの委員会の話ではないのですから、あなたも知っておられるように、隣りの部屋で一時間もかけて相談してこられてから、そうしてぼくらに回答したのです。だから、いまごろになって、この重大な法律解釈上の疑義が生じてくるということはおかしいことだと思う。この問題のケリをつけるときに、私は事前に、法律上の解釈については全部福田局長に聞いて確認をして、双方の間に解釈上ズレがないということを確認しておる。これは会議録を見ればよくわかる。福田局長どうですか、文部大臣ばかり答えていなくて、あなたと私との質疑の間で、解釈上に全く疑義がないということで次に移ったということは記憶しておりませんか。
○政府委員(福田繁君) 他の点については私ははっきり記憶いたしておりますが、この十二条の全県一区の問題については、お尋ねはなかったと記憶いたしております。
○米田勲君 それであれば会議録を調査していかなければならない。
○国務大臣(灘尾弘吉君) だから調べた上で……。
○米田勲君 それでは文部大臣にお尋ねいたしますが、あなたが保留してわれわれに回答するのはいつですか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 次の定例の会議のときにお答え申し上げたいと思います。
○米田勲君 そうすると、青森県の地方教育委員会が、上北、三沢、十和田等の教育委員会が、採択地区をこの所で一つにしてくれということを主張しても、それを否定して、全県一区の採択地区にしたということについては、いまのところ文部省は違法でないという解釈に立っておるのですか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 青森県の事情が、どういう事情でそういうことになりましたか、私はつまびらかにいたしておりません。ただ、法律論としてお答え申し上げますれば、地方の実情によってそのようなことが適法に決定されているものといたしますれば——この適法と申しますのは、手続その他の問題でございます。間違いなく決定されていることでありますれば、法の解釈の問題といたしましては、別段違法とは考えておりません。ただ、つけ加えますが、いまの解釈問題につきまして疑義を生ずるということはまことに遺憾だと思います。したがって、私といたしましては、十分確かめた上であらためてお答えを申し上げたい、このように申している次第でありますので御了承願います。
○米田勲君 私は与党の諸君、政務次官、大臣を含めて、この問題については非常に、いま、ただいま不信感を持っております。あれほど重要な話し合いをし取りきめたごくわずかな限られた部分の解釈についてさえ、いまになって……、一時間も大臣と隣りの部屋で打ち合わせた最後の難関であった問題等を含めて、こういうあいまいなことを、いまさらになって一言い出すのであれば、きわめて不信感を持っております。したがって、次の委員会にどのような回答が出るかは別として、もし、いま文部大臣の仮定して言っておる全県一区の採択地区に対しては違法でない、これは法令のたてまえに反していないということであれば、私は重大な決意があります。 以上を申し上げまして質問を終わります。
○委員長(中野文門君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(中野文門君) 速記を起こして。 本日の、委員会はこれをもって散会いたします。 午後一時八分散会 ————・————