文教委員会 第10号
- 発言数
- 48 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1964/02/27
会議録
○委員長(中野文門君) ただいまより文教委員会を開会いたします。 教育職員免許法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本法律案については、すでに提案理由の説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次御発言願います。
○二木謙吾君 ただいま議題となりました教育職員免許法の一部を改正する法律案につきまして、御提案のお方に二、三お尋ねいたします。 第一は、教育職員の免許法は一般的に非常に複雑多岐にわたっておると聞いておりますが、現在の免許法全般について御説明をいただきたい。 それから、特に盲学校、聾学校、養護学校等、すなわち特殊教育学校の教員は、どのようにして養成されておるか承りたいと思います。
○米田勲君 この私の提案している今度の法律案の内容は、一見して御理解いただけると思いますが、現在の免許法全体か、どういうふうになっているか、あるいは特殊学校の教員の資格は、どういう養成のやり方で、どういう資格の取得の仕方をしておるかというような問題は、これは文部省のほうから詳しくお聞きいただきたいと思います。
○説明員(安養寺重夫君) 現在の教育職員免許法によります各学校の教員の資格の付与の制度の概略は、次のようになっております。 一つは、大学なり短期大学におきまして所定教育の課程を履修いたしまして、その結果によりまして授与権者から、それぞれの要件に合致したところの教諭の免許状をもらうというのが一つでございます。 いま一つは、一たん学校に職を奉じまして助教諭なり教諭ということで勤務しております間において、所定の在職年を良好な成績で勤務しおおせ、かつそれぞれ免許状取得のための必要となっております所定の単位を取得いたしました場合に、その持っております免許状の上位の免許状を取得するに至る。かようなかっこうになっております。いわば現職教育によって資格が上進されるというような仕組みでございます。 ただし、これが原則ではございますけれども、そのほかにいろいろ教師の需給関係のバランスをとるというような関係から、臨時に文部大臣が認可をいたしすまところの特別の養成制度というものがございます。現在具体的にございますものは、幼稚園教員養成所、あるいは養護教員の養成施設というものが幾つかございますが、いわば各種学校というような形のものにおいて、そういった特別の教師の目的養成をやるというような限られた意味での教育機関が認められているというようなことになっておりまして、それぞれその養成機関における教育の課程の組み方によりまして資格は違いすまけれども、修業いたしました上は、必要な免許状が得られると、かようなかっこうになっております。 まあ以上が、大体の資格を得るための制度の概略でございます。特に、いま問題になっております盲学校、聾学校、養護学校の関係について、概略申し上げますと、盲学校におきましては、現在、大学のコースで教員の資格を取得できる者は三大学ございます。いずれも国立大学でございます。それから聾学校は、やはり、大学のコースとして、国立に八大学、そういう養成コースがございます。それから養護学校は、現在、国立に二十二ございますほか、私立大学に一校ございまして、それぞれ、そこで勉学します者に対して、各種の学校の免許資格が授与せられ得るというようなことになっておるような状況でございます。
○二木謙吾君 いまお話しの大学で、四年制の大学と、それから二年制の短大を卒業した者についての免許の相違は、どういうふうになりますか。
○説明員(安養寺重夫君) 四年のコースを終了いたしまして、学士の資格を取得して、必要な教養を受けておる者に対しましては、幼稚園、小学校、中学校におきましては一級の教諭の免許状が取得されます。高等学校におきましては、同じ学士でも、二級の資格が与えられる。それから大学におきまして、二年のコースを終了、あるいは短期大学の卒業という者に対しましては、幼稚園、小学校、中学校におきまして、二級の教諭の資格、高等学校では、助教諭の資格しかないというような形の相違がございます。 ついでに、恐縮でございますが、盲学校、聾学校、養護学校の教諭の免許状というものは、それ自体としてはございますけれども、その取得は、特殊の教育に従事するために必要な若干の単位をとるということにおいて、その免許状が取得されるわけでございまして、現在、盲学校、聾学校、養護学校に就職します場合には、たとえば、小学校に就職するときには、小学校の教諭の免許状と、今申しました特殊学校の免許状と、両方持っておるというような法制になっておるわけでございます。
○二木謙吾君 ただいま、お話がございました盲学校、聾学校あるいは養護学校等の特殊教育の教員め資格の取得、学校卒業、養成機関から出る者についてはわかりましたが、そのほかの取得方法は、どのようになっておりますか。教員の免許の資格の取得法でございますね。
○説明員(安養寺重夫君) 現在の免許法規の上におきましては、それぞれの学校の種別ごとに、教諭の免許状と助教諭の免許状とがございます。特殊の免許状といたしましては、養護教諭の免許状、養護助教諭の免状許というのがございます。これは学校の種別にかかわらず、一本の免許制度ということになっております。なお、盲学校、聾学校、養護学校の教諭あるいは助教諭の免許状というものが別にございます。それぞれその取得のための手続といたしましては、先ほど申し上げましたような大学なり、短期大学におきまして、文部大臣にあらかじめ課程の認定というような手続をとる、文部大臣は、教育職員養成審議会というような専門の機関に諮問いたしまして、そこでいろいろと、その内容を審査した上で認めることが適当であるというような結論が出ましたものについては、今後その大学において、その用意された教育課程を履修しおおせたものについては、それぞれ種類の異なるところの免許状を授与権者において授与してよろしいと、かようなかっこうになるわけでございます。現在、多くの大学なり、短期大学が、主として中学校と高等学校の教科別にわたる課程の認定を受けておるというような形になっておるわけでございます。
○二木謙吾君 第二点は、小学校の臨時の免許状を持っておる者、そうしてその年数がたてば、小学校の二級の免許状が得られる、また特殊教育学校においても、臨時の免許状を持っているが、年数がたてば二級の免状が得られる、こういうことになっておるように思うのでありますが、そういう年数の加算によって免許が得られるところの、これらの過程について、ひとつ御説明を願いたい。
○説明員(安養寺重夫君) 現在資格の上進につきましては、いまお話がございましたように臨時免許状を二級の教諭の免許状に上進させる、また二級の教諭の免許状を、一級の教諭の免許状に上進させるというような制度が、小学校、中学校、高等学校、幼稚園、この四種類に分けて設けられておるわけでございます。一例を申しますと、小学校の臨時免許状を取得をしておる、これは本来、高等学校を出ましただけの者に対して与えられるべきものでございます。この者が六年間小学校に勤務をいたしまして、その成績優良であるというようなことになりまして、しかもその間に、あるいは六年以上たってもけっこうでございますけれども、要するに四十五単位必要だと認められておる単位を大学において取得をする、こういう条件を全うしましたところで二級の教諭の免許状が与えられる資格を取得できるというような形になっております。これは一例でございますが、考え方は、二つの昇進の方法、いずれの場合も、このようになっておりまして、年数、単位の差はございますけれども、在職年と取得単位によって、上進が認められるというようなことにしておるわけでございます。
○委員長(中野文門君) 速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(中野文門君) 速記を起こして。
○二木謙吾君 この御提案の法律案の提案理由書にも書いてございますが、「昭和二十四年教育職員免許法の制定以来、盲、聾、養護の諸学校における教員の免許状取得の方法は、基礎免許状については同法の別表第三により、また、特殊免許状については別表第七によって実施されて」いる、こういうことでございますが、その別表第三、別表第七というのを説明していただきたいと思います。
○豊瀬禎一君 教員免許法は、それぞれ種類によりまして、別表一から七まで、それぞれの単位取得と、あるいは経験年数と免許を与える条件を明記しているわけですが、別表第三につきましては、小学校、中学校、高等学校、幼稚園等の教員につきまして、一級並びに二級免許状の取得の条件を明記しているわけです。その、別表の形態につきましては、大体、どの表も、一つは基礎資格という形の中で、条件を設定すると同時に、修得すべき単位数を明記しているのですが、別表三の欄は、たとえば小学校の一級普通免許状を取得するためには、まず第一番に二級普通免許状を必要とすると同時に、それを取得した後に、五カ年間の経験年数が必要である。同時に、さらに大学において修得することを必要とする最低単位数が四十五位単位である。こういうふうにそれぞれの免許状を、上級免許状を取得するために、まず第一番に、その以前に有することを必要とする免許状の種類を明記し、さらにその上に、たとえば盲、聾学校及び養護学校の各部の教員を含んで、その学校に最低五年間とか六年間とか、一番短いものは三年と書いておりますが、大多数、別表三におきましては、五、六年の在職年数を必要とする。それと同時に、大学において修得することを必要とする最低単位数を先ほど申し上げました各学校別に、免許状別に明記いたしまして、ほとんど全部が四十五単位を必要とすると書かれているのですが、高等学校の教諭につきましては、臨免から二級免をとる際には、在職年数が三年で単位は十五単位と、こういうふうに書いておりますが、その他につきましては、ほとんど四十五単位を必要とする。こういうふうにそれぞれの一、二級免許状の取得の条件を明記しているわけでございます。
○二木謙吾君 その次のページに書いてございますが、聾学校あるいは盲学校、養護学校の教員は、その身分待遇について格別の考慮が払われている、こういうことが書いてありますが、それは、普通の小中学校に勤める以上に特別の骨折りがひどいのであるから、待遇上、身分上において特別の考慮が払われておるのは当然のことと思いますが、その身分上なり待遇上についての特別の考慮が払われておるということは、どういうことでございますか。
○豊瀬禎一君 身分上につきましては、一般の教員と異なって、たとえば裁判官等のごとく、身分やあるいは自分の勤務する学校についての特別の保障があるわけではありません。そういう意味におきまして、法的に明記されるところの身分の保障というものについては、それぞれの公務員法あるいは地公法、教職員特例法による制約を受けておりますので、別段、身分上の特別措置が講ぜられておるとは私ども考えておりません。 待遇につきましては、御承知のように、職務給と申しますか、勤務の、いろいろ提案理由にも書いておりますように、身体不具の生徒児童に対しまして教育を行なっていくために、一般の学校と異なって、いろいろな困難を克服していくべき立場にありますので、一〇%前後のそれぞれの手当が、現行法では、給与の月額に対しまして一〇%前後の職務給が特別に支払われております。
○二木謙吾君 次にお尋ねをいたしますが、盲学校、聾学校、養護学校の教職員で、現在二級の免許の、これは普通免許でありますが、所有者は、どのくらいになっておりますか。また、一級普通免許の所有者はどのくらいおりますか。これは文部省でもよろしゅうございますが。
○説明員(安養寺重夫君) これらの特殊学校の本務教諭の数は、昭和三十八年五月一日現在で、次のようになっております。 盲学校千九百九十名、聾学校三千二百九十八名、養護学校千百三十六名、これはいずれも本務教諭でございます。これらのものが、一体どのような免許資格を持っておるかという細分は、いま申し上げました現在においては、そのような調査がございませんので、その詳細は、はっきりいたしません。
○二木謙吾君 ただいまお話しの、この一級免状を持っておる者と二級免状を持っておる者との待遇の差異でございますね、それはどういうふうになっておりますか、文部省でも……。
○説明員(安養寺重夫君) 先ほど豊瀬委員からお話しございましたように、およそこれらの学校の教諭には、本俸の八%の俸給の調整額というものが勤務している限り毎月もらえるという格好になっております。これは、一級、二級の区分にかかわりませず、教諭であればもらえるということになっております。したがいまして、その他に何か一級、二級の差ということになりますと、現在のところは、差はございません。
○二木謙吾君 次にお尋ねいたしますが、現在盲学校、それから、聾唖学校、養護学校の教職員の需給関係は、どういうふうになっているのですか。大体、みな充足をしておるか、あるいは欠員がございますか。
○豊瀬禎一君 私どもは現在におきまして、盲、聾学校等におきましては、諸問題がありながら、教員に欠員を生じるというような事態ではないと把握しております。ただ、この法案を提出いたしました趣旨にも書いておりますとおり、その在職年数が、自後の免許状の取扱いに対して十分でないという観点から、優秀な教員が、こぞって、こうした身体の不自由な生徒児童の教育に進んで従事するという条件には限られるところがある、これが私どもが、改正案を出した趣旨でございます。
○二木謙吾君 次にお尋ねをいたしますが、現在盲学校、聾学校、養護学校に勤務しておる教職員で、一級普通免許状の取得を希望をしておる人員が、どのくらいあるのですか。
○豊瀬禎一君 その資料は持ち合わせございません。ただ、補足しますが、二級免許状を持っておる者は、これは一般的に推測いたしまして、当然、一級免許状を取得したいと、こういう考え方を持っておるだろうと思います。そういう意味におきましては、二級免を持っておる者は、全部一級免の取得を希望しておるだろう、しかし具体的に、二級免から一級免を希望しておる者が何人、希望しない者が何人かということになりますと、その把握はございません。
○二木謙吾君 実際問題といたしまして、特殊教育諸学校に勤務しておられる一級免許状を取得した教員は、普通教育の学校へ転出をしていく可能性は多いかどうか、ひとつ。
○豊瀬禎一君 私、過去一、二回、私の県あるいは四国の県につきまして、こうしたいわゆる特殊学校に参りまして、いろいろと免許法の改正あるいはいわゆる一般の諸学校との交流の問題について話し合いをした機会を持っておるんですが、二つの傾向があると判断してよろしいと思います。一つは、やはりこうした身体不自由児については、長く在職し、その経験を豊富にしていくことによって、よい効果をあげたいと、いわゆる特殊教育に生涯をささげたいという情熱に燃えておる教員も、かなりあると見ております。同時に、そのことをより充実していくためにも、途中で一度普通学校にかえって、さらに自分の視野、経験を広めることによって、再び特殊学校にかえってきて教育をしていくほうが、より、何と申しますか、自分の力を向上し得る、こういう観点から、一つは特殊学校だけに一生を送るということよりも、ある時期においては、普通学校にかえったほうがよろしいという考え方を持っておる者もあります。同時に、やはりいろいろそうした教育に従事しておる体験の中から、耐え得られなくなってみたり、あるいはその他の、御承知のように盲、聾、養護学校というのは、所在地が普通学校のように各地にあるわけではございませんので、通勤距離とか、あるいはその他の一身上の都合によりまして、転勤を希望し、一般学校にかえりたい、こういう人間もあると思います。大体、大まかに分けまして、そういう考え方を持っておりまして、特殊学校の先生が、僻地のごとく、何カ年間かすると、あるいはできるだけ早い機会に、平地にかえりたいと希望しているような、特殊学校に二、三年勤めたら、一般学校にかえりたいと、こういう傾向は、あまり私どもは見られないと考えております。ただ、そういう理想といいますか、情熱を持っておる人々といえども、何らかの一身上の都合で普通学校に行った際、現在のように二級免から一級免を希望する際に、現行法のようなことは片手落ちであり、しかも自分たちを差別待遇する考え方である、このことが間接的には、教育効果を上げる上に支障といいますか、影響を来たしていることはいなめないと見ております。
○二木謙吾君 この提案理由にも書いてございますが、現行の別表第三は、昭和三十六年六月の免許法の改正で改められたものでありますが、その際に、一級免許状を取得する場合に限って、盲学校、聾学校、養護学校における在職年数を加算しないということにしたおもな理由は、私どもの考えでは、法体系の整備を考えるとか、あるいはまた、教職員の専門性を確立しようと、こういうような意図でやられたのではなかろうかと、こういうふうに考えるのでございますが、提案者におかれては、どういうお考えか、また文部省としては、どういうお考えであったか、ひとつ承りたい。
○豊瀬禎一君 改正の意図につきましては、いろいろ承り、また推測できるわけですが、一つは、いま二木先生が御指摘のように、これが加算される、算入されるということによって、一級免が容易に取得できる、そうすると、一級免取得に必要な経験年数を経た人々が、せっかく特殊教育に対して豊富な経験を持ち始めたときに、一般学校にかえっていく、こういうことを防止するのもねらいであったように聞いております。しかし、私どもは、そうした移動希望と、免許状を取得し得る条件の制度というものを混同して、その法によって、取得の条件をきびしくすることによって、普通学校に転出するのを防ぐということは、制度としては好ましくない、あくまでこれは、盲、聾学校に勤めようが、どこに勤めようが、学校教育法に基づく学校である以上は、経験年数というのは平等に算入さるべきものである、そうして盲、聾学校、あるいは特殊教育に従事する優秀な教員を長期に確保したいという政策は、別途の立場から、先ほど課長が言いましたような、手当の八%を一〇%にするとか、あるいはその他の優遇措置によって、これを確保すべきである、こういう考え方を持っております。
○二木謙吾君 いまのお話もございましたが、現行の別表第三は昭和三十六年の六月に免許法の改正でなったのでありますが、その改正は、教職員の専門性を確立しよう、こういう意図を含んでやられたものではないであろうかどうであろうか、その点は御提案者はどうですか。
○豊瀬禎一君 この定めによって——もっと端的にいいますと、こういう制限規定によって専門性あるいは専門技術といいますか、あるいは能力といいますか、専門的能力の優秀性を確保するということにはならないのではないかと、私はそう考えております。
○二木謙吾君 この点について、文部省のひとつ考え方を承りたいと思います。
○説明員(安養寺重夫君) 三十六年に法改正をいたしたわけでございますが、その考え方は大体次のようなことにあったわけでございます。元来、免許法規の上では、現職の教員が教職にありながら上級の免許資格の取得ができるような制度を設けておりますが、その考え方において、大学の直接養成による場合と同じように単位の修得のみを要求するというのは多少酷ではないか。かてて加えて、所定の教師としての在職年数をいわば評価をいたしまして、単位の修得に変えるというようなことも考えていいんではないかというようなことでやっているわけでございます。しかし、その在職年と申しますのは、あくまでその単位修得というものの内容が、はたから要求されている際、小学校は小学校の教師としての必要な単位の修得ということでございますので、在職年につきましても、その学校の資格を上進させるに必要な専門的な在職年数でありたいというような考え方で、それぞれの学校別に上進の方法というものをきめたわけでございます。実は三十六年以前には現行法規のような説明がございませんでしたので、しからば盲学校、聾学校、養護学校の各部に教師として在勤した場合の経験年数というのはどういうものだという疑問もございましたし、その点を明らかにしたいというようなことで、臨時の、仮の資格しか持っていない者が教諭の資格をともかく得るという場合においては、それぞれその学校を各相当のものとみなしまして計算には入れる。ただし、一たん教諭になりました上で、さらに上級の最高位の教諭の資格を得るという場合には、やはりそれはそれぞの学校の専門性といものを峻別したい、そういう考え方でおったわけでございます。特に中学校、高等学校になりますと、教科別に教師の資格というものがきめられているというようなこともございまして、やはりその教師の専門性というものを要求し、資質の向上というものを考えていきたいということにあったわけでございます。
○二木謙吾君 この法案に盛られている改正点と全く逆な場合、すなわち普通教育の学校に勤務しながら特殊学校の免許状を取得するとき、たとえば中学校の一級免許状と盲学校の二級免許状を持っている者が、新たに盲学校の一級普通免許状を取得しようとする場合に、それに必要な修得単位数と在職年数、それに必要な修得単位数をとらなければならぬ、あるいはまた在職年数は何年たてばこれができるか、それをひとつ御説明願いたいと思います。
○説明員(安養寺重夫君) 中学校の一級教諭の免許状を持ち、盲学校の二級の教諭の免許状を持っております者が、盲学校の一級の免許状を取得したいという場合に必要な条件は次のようになります。それは、盲学校におきまして三年以上良好な成績で勤務をいたしまして、盲教育に必要な大学の単位を六単位とるということでございます。ただしこの場合、盲学校の中等部につとめておるものと思いますが、中学校の在職年数というものは加算できないということになっております。
○二木謙吾君 いまの答弁で明らかになったように、普通教育に携わる教員が特殊教育関係の上級の免許状を取得する場合の要件といたして、特殊教育に携わる教職員が普通免許状の上級免状を取得する場合の要件も同様には扱われておるということでございますが、これは私がさっき申し上げましたような、その教育におけるところの専門性を確立しようと、こういう上からまあ当然のことであると思いますが、御提案者はどういうふうにお考えでございますか。
○豊瀬禎一君 先ほど安養寺課長から説明がありましたが、私も小並びに中学校の教育経験を持っておるのですが、なるほど中学校では教科別に免許状があるわけですが、国語、社会の教員を長くやっているその人が、小学校に行った場合に、全体の教科が教えにくいという現象は確かにあります。すべての人が音楽とかへ体育に熟練しておるわけではありません。そうかといって、小学校の教員の一級免許状を持っておる者が数十万人おると思いますが、それがすべて小学校の教科全体に対して、中学校の教科別のようにたんのうなといいますか、優秀であるかというと、御承知のように、必ずしもそうではない。少なくとも前期初等教育あるいは中等教育の前期というものは、そういうことよりももっと教育の部面については、多少科目的には本人の技術が優劣あろうとも、別のものが必要とされておるというのが専門教育じゃない義務教育諸学校の一つの本質であろうと思うのです。そういう点から考えてまいりますと、同じ一級免許状を持っておりましても、それは能力におきましては千差万別だと思うのであります。したがって、そういうことによって教師の必要な専門性というものかもし要求されるとしても、それは研修その他の措置によって養うべき問題であって、免許状の取得の条件の差等によってこれを確保するというやり方は、あくまで私どもは肯定さるべきではないと、こういう考え方です。
○二木謙吾君 いまのお話もよくわかりましたが、たとえば現行の二級普通免許状の授与を受ける場合と同様に、一級免許状の授与を受ける場合にも、聾学校あるいは盲学校、養護学校等の在職年数に通算を認める必要がある。こういうのが今回の改正の要点であると私は思いますが、このように改正されることによって、免許法の目的に掲げられておるところの教職員の資質の保持と、その向上をはかるという点と矛盾はしないだろうか、その点、提案者の方の御意見をお伺いしたい。
○豊瀬禎一君 先ほどから説明申し上げましたように、別表三と別表七によってそれぞれの取得の規定を分けておるわけですが、私どもが意図しております改正法が生じましても、たとえば盲聾学校に在職する二級免を持つ人々が、その経験年数を加算されて一級免を取得するような条件になったといたします。その際にその免許状が一級免として発動いたしましても、いわゆる待遇その他には影響はないわけですが、もし専門性の確保という観点から申し上げますならば、問題点は、その人が特殊学校から一般の学校に転任してその教育に当たる場合の問題であります。特殊学校におる限りはその経験年数が加算されるということだけでございますから、別に問題はないと思います。その際に本人が加算されない場合は、異動が行なわれました場合には二級免状を持ったままでその学校に行って勤務します。加算されると一級免許状を持って一般小中学校等に勤務するわけです。現在の法のたてまえからいたしまして、それぞれ一級免を持った人々を当該学校に全員確保することが望ましいことであろうと思いますけれども、平地の小中学校におきましても、必ずしもそのようではありませんし、まして僻地その他におきますと、前回も申し上げましたように、全然、免許状のない者がこの教科を持っておるというのが現状でございます。したがって、本人の力量が経験年数が加算されたから増すとか、そういった性格のものではないのです、特定のAという人が盲聾学校における経験年数を普通学校に行った際に加算されて一級免を取るかどうかの問題ですね。したがって、本人の力量とそのこととは別個の問題である。したがって、一級免を取得できるようになるというたてまえのほうが、もしかりにその人が一般の学校に行きたいという希望を持った際には、一級免許状を取得ができるという条件の中に、よりよき自己の研修をおさめて優秀な、別な言葉で言いますと、若干語弊がありますけれども、一級免に値するような教師になりたいという努力はそこからも私はついてくるのではなかろうか。現に私はそういった意見を持っておる現場の先生たちにかなり多く接し、意見を聞いておるわけです。したがって、他の学校に移転した際に、そのことが給与と関係あれば、また別の角度から問題になってまいりますけれども、そのことは関係ないことでございますから、本人がAという人間が盲聾学校から普通の学校に転校した際に、その人の専門性ということは、経験年数が加算されたことによって一級免になったから専門性ができたとか、二級免のままであるから専門性ができないとか、あるいは優秀な教員であるかどうかということに差別できるものではないと思う。ただ一級免を取っておれば、転勤しやすいという条件は新たにできると思います。その際に、それでは一級免状を持てば普通学校に転勤しやすい。それならば、その人の、優秀でもないものが多く異動していくかというと、御承知のように、盲聾養学校というものは全国でわずかな学校でございますし、各県に同種の学校が多いところで二、三校、大体一校ないし二校程度だと思います。そういうところから百人前後の人間の中から普通学校に移動するという形の中では、数千あるいは万をこす教員構成の中で、それが専門性が喪失されるとか、あるいは全体の教師のレベルがダウンするとか、そういったことは、何といいますか、非常に微細な観点から、そのことだけを突つき上げていくと一応考えられますけれども、全体の体系の中においては、そういうことは配慮に値しない問題ではなかろうか、このように考えておるわけです。
○二木謙吾君 この問題について文部省の所見はどうですか。
○説明員(安養寺重夫君) 法改正をいたしました以後に、いろいろこの問題で御意見を承っておりまして、また関係の特殊教育に従事しております先生方からの意見等も、われわれできるだけ広く徴するように心がけてまいったつもりでございます。概略申しますと、現在、特殊教育振興というような観点から、それを専門にいたしたものばかりをその学校方面に誘致するということが多少困難な場合がございます。まあ、いわば需給の関係から、いろいろ普通教育のみをおやりになつて、特殊教育については特別の教育を受けなかったというような人を誘致せざるを得ないというような現実がございます。したがって、われわれといたしましては、なおよくその需給のバランスというようなことも考えあわせまして研究いたしたい、かように思っておるわけでございます。
○二木謙吾君 ただいま御提案になっておる趣旨もよくわかるのでございますが、この提案のように改正を行なった場合に、改正規定によって実際どの程度の効果があるかということをひとつ。また、御期待になっておる点があるか、それをお伺いしたいと思います。
○豊瀬禎一君 私どもは、一つは原則論としてこのことは実現したいと考えておるわけです。その原則論と申し上げますのは、先ほどもお答えいたしましたように、免許法の第一条ですか、その目的の中にある資質の向上、資格の保持と、こういった観点から考えてまいりましても、実際の教育という職種から考えましても、現在の一般の小中高等学校等と、盲聾学校の教育の実態は、特殊学校のほうにはプラス専門の知識、技術というものが要求されるけれども、少なくとも義務教育諸学校においては教育の基本が同じでございますから、教師の資格あるいは資質においても同質のものが要求され、さらに特殊学校にはプラスアルファが要求されておる。そのプラスアルファの要求されておる学校に勤務しておったものが、プラスアルファの必要でない一般の学校に実際のその経験年数が加算されないということは平等を欠くというよりも、むしろ不当な差別である、こういう観点がまず第一でございます。同時に、先ほども申し上げましたように、これだけ苦労しておるのに、その経験年数を加算しないという法のたてまえが不当差別であるという感じ方というものが、教師に対して法のたてまえ、あるいは特殊教育に従事する人々に対する優遇、こういった観点から考えましても、そうした不当な差別がされておるという気持を抱かせるような制度というものは一日も早く改正することが、現在勤務しておるところの特殊学校教育の効果をあげていくためにも必要であり、教師の教育意欲を高めるためにも必要である、こういう考え方を持っておるわけでございます。したがって、このことが改正されても、直ちに一級免許状を自分は取得できたからと、盲聾学校等の先生方が一時に普通学校に転任するということは考えられませんし、また、かりにそういう特別のところに現象が起こったとしても、それは現在の異動制度の中では相互に話し合いをしながらこの問題は解決できる。したがって、安養寺課長が答弁いたしましたような、教師の需給関係にはこのことは大きな支障を来たすような条件にはならない。したがって、法的な平等性からいいましても、また、特殊教育に従事している、先ほど数字を述べられました一万に近い先生方の教育意欲を高めていく効果は、私はこの改正によって、立ちどころにといいますと、こう取ってつけたようでございますけれども、かなり大きく教育意欲を高めることができる。その期待、そのことのほうが大きなあれで、決して予想され得るマイナスというものはいまのところ考えられないのではなかろうか、このように考えております。
○二木謙吾君 次にお尋ねをいたしますが、盲学校、聾学校、養護学校、これら特殊教育学校の教員の養成機関は、中央においても地方においても着々整備、充実をされておる、こういうことで、その様子をひとつお聞かせ願うと同時に、近く文部省においても教員免許法の一部を改正する意図があるというふうに聞いておりますが、この御提案の改正案との関連その他について説明を願いたいと、かように考えるものであります。養成機関が、いま申し上げましたとおりに、年々整備、充実されておる、こういうことのひとつ状況を承る。いま文部省の法改正があるという点と、この改正案との関連性について、これは文部省からひとつ説明をいただく。
○豊瀬禎一君 現行の養成機関等の現状並びに今後、文部省がどのようにこうした特殊教育諸学校に勤務する教員の養成並びに資質の向上に努力しておるか、方策を持っておるかについては詳細持ち合わせませんので、文部省に答えてもらいたいと思うのです。ただ、私どもが現在考えております特殊諸学校に対するひとつの養成あるいは資質向上の方途としては、私が論ずるまでもなく、このいろんな欠陥を持っておる子供たちの諸条件を医学的にも克服していくと同時に能力も高めていくというきわめて高度の、何と申しますか、能力が必要だと思うのです。したがって、学校自体、あるいは養成機関の中でいろんな技術を習得しておることが、今のような時代においては、こうした教育に対しましても、諸学校に非常に国が費用を投じて研究をいたしておりますが、その技術あるいは知識というものが、簡単に言いますと、三年も五年もそのままの形で役立つとは考えられないわけでございます。そこで、養成あるいは資質向上の一つのあり方としては、私どもは、何といいますか、学校に勤務しておる期間の中に、たとえば三カ年間を経過した人、あるいはそれが三カ年間とするか五カ年間とするかは、まだ明確に方針をきめかねておりますが、三カ年あるいは五カ年の経験をした人を、たとえば大学等で、医学的、あるいはその他の知識、あるいは特殊教育の技術を修得させるために、半年ないし一年間、俸給を支給しながら、その学校に勤務する身分の形のままで整備をしていくことも必要ではなかろうか、現行法では、本人が退職とか、あるいは休職とかという形の中でしか、学校に行って再教育を受けることは現在の制度では不可能なわけです。しかし、こうした特殊教育につきましては、私はもう現段階においては、諸外国でもやられているような給与を与え、その学校の身分のままで、半年ないし一年の再教育の期間を設けて、新しい科学の進展に伴うところの身体の不自由な子供に対する教育保護の任に必要な知識、あるいは能力を修得をさせていくということが、きわめて重要な課題ではなかろうか、このように考えているわけです。
○説明員(安養寺重夫君) 特殊教育に従事します教師の養成と申しますか、それは先ほど申し上げましたように、三十をこえる大学においてやっているわけでございますが、現職の先生方に対するいわば現職教育によって勉強していただこうというようなことも同時に考えておりまして、現在、国立関係の幾つかの大学に一年または半年のコースを設けまして、そこで特殊教育の勉強をやっていただくということも合わせてやっております。なお、盲学校、聾学校につきましては、一応そういった両面の制度を活用することによって充足していけるのではないかと思っておりますが、御承知のように、特殊教育の中でも養護学校あるいは養護学級関係の類似の教育をするという必要が増大してまいりまして、そういった計画がいよいよ今後拡大していきますにつれて、やはり専門の能力を備えた先生が必要でないかというようなことが考えられるわけでございます。文部省といたしましては、そういう観点から、国立大学に養護学校教員の養成の専門の課程を今後逐次計画的に増置いたしたいというような考え方をしておりまして、来年度の予算にも若干ではございますけれども、そういう増設計画を盛り込んで御審議を願うという用意もいたしているわけでございます。なお現在、教職員免許法の検討中でございますが、いま問題になっております事項につきましては、関係者の御要望等、そういう実際の必要に即するというような事情もございますので、いろいろ研究したいということで、現在研究中でございます。
○二木謙吾君 私は、いま提案者の方なり、文部省の方からいろいろ説明を承りまして、了解に達しましたが、教育は何と申しましても、教師その人の人格なり、また教職員の資質の向上ということが教育の効果を大ならしむる最大の原因であると思うのでありますけれども、そういう支障がないように、文部省においてもひとつ改正をしてもらいたい、そうして教育効果が上がるようにやってもらいたい、こういう希望を持っておるのであります。また、今の御提案の趣旨につきましてはよくわかりました。これで質問を打ち切ります。
○委員長(中野文門君) ちょっと速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(中野文門君) 速記をつけて。 本法律案に対する本日の質疑は、この程度にいたします。 本日は、これをもって散会いたします。 午前十一時四十一分散会 ————・————