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46回国会参議院1964/02/25

文教委員会 第9号

発言数
243
登壇者
10
会派数
2
開催日
1964/02/25

会議録

中野文門自由民主党

○委員長(中野文門君) ただいまより文教委員会を開会いたします。  へき地教育振興法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本法律案については、すでに提案理由の説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  御質疑のおありの方は順次御発言を願います。

久保勘一自由民主党

○久保勘一君 ただいま御提案になっておりますへき地教育振興法の一部の改正につきましてお尋ねいたすわけでございますが、実は昨年同じ議案につきまして私お尋ねいたしておりますので、昨年の質問とほとんど重複すると思うのでございますけれども、御了承を願ってお尋ねをいたしたいと思います。  第一点は、御指摘のとおり、法の第三条に基づきまして市町村の行なう僻地振興の事務のうち、国が現在助成いたしておりますものについて、その内容について概略御説明をいただきたいと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 御承知のように、振興法には市町村の任務、都道府県の任務、さらに文部大臣の任務、大体大まかに分類してこの三つに分かれるのですが、国としては、一つは資料、あるいは調査研究という任務を帯びております。同時に、地方公共団体に対して指導助言、あるいは必要なあっせんをする、こういう法律上の任務を負わされておるわけです。同時に、市町村が行なう事務につきまして、第六条によりまして、国の補助の責任を課されまして、大体、市町村が行なう僻地教育振興に必要な諸事務に対して二分の一の範囲で補助をしていくという建前を法で規定いたしまして、僻地教育振興に対する、あるいは僻地の教職員児童生徒の福利その他の事業に対する援助の義務を負わされておると解しております。

久保勘一自由民主党

○久保勘一君 一般的には、御説明もございましたように、そういう内容の規定をいたしておりますが、実際に政府のほうで現在やっている助成というもの、その内容について、わかっておりましたら御説明願いたいと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 本国会におきまして、文部省からいろいろ説明をいたしましたように、僻地教育の振興という事項のもとに、僻地学校の施設、設備の補助、これはへき地教育振興法に基づく第三条の第五項による生徒児童の通学に便利するという内容のスクールボートとか、バスとか、あるいはその他の設備の面につきましては、発電施設とか、テレビ受像機を購入するとか、こういった施設整備の補助を含んでおります。同時に、同じ第三条に基づきまして、学校の保健管理の補助費も組んだと思います。それから、御承知のように僻地の子供は、大体におきまして家庭における食べ物が偏向いたしておりますので、この点を補って、健全な身体をつくっていくという立場から、学校給食の振興補助も予算に組んでおります。それから私どもが今回、法の中に入れまして義務化しようとしている寄宿舎の問題につきましても、従来、予算としては組みまして、二分の一の補助をしながら、現在までに約二万数千坪の寄宿舎の設営を終わっているようですが、本年度も大体前年度と同様の予算を組んでおります。さらに宿舎の補助、それからいわゆる僻地集会、これはほとんど日ごろは、へき地教育振興法にも書いておりますように、音楽、体育その他の用に供するとともに、社会教育に資するという趣旨のもとに補助金が出されております。僻地集会室ですが、これに対しましても、前年度よりも予算を増加いたしまして、まだ万全ではありませんけれども、一応前向きの姿勢で、文部省としては僻地教育の振興に努力しておるあとかたは予算上からも見られますし、それから研究資料調製につきましても、昨年から私が問題にしておりました、特に中学校においては、免許状を持たないで数科目を教えておる状態ができておるわけですが、これらについての各科目別にどのくらいの教員が僻地の諸学校で免許状を有しない科目を教えているか、こういう資料の提出を要求しているんですが、なかなかこれらはむずかしいようで出ないのですが、こういう資料等につきましても、指定統計等で整備をいたしまして、文部省としての僻地教育振興の一つの進め方の努力をしておると私は解しております。

久保勘一自由民主党

○久保勘一君 三十九年度の予算の大体についてのお話は伺えたわけですが、この際、文部省にお尋ねいたしますが、先般、三十九年度の予算の説明の際に、一応御説明はいただいたのでありますけれども、特に文部省として僻地教育振興上、特に重点的に今年やりたいというようなものがありましたら、その説明と、なお、今度の予算には計上されてないけれども、実はこういうことも考えているんだ、将来こういうこともやりたいんだということがありましたら、加えて御説明いただきたい。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) お尋ねの点でございますが、私どもとしては、僻地教育の非常におくれておりますことにつきまして、できる限りの援助もしていきたいというような考え方で、いままで施設、設備の助成、あるいはまた、スクールバス、スクールボートというようなものの購入等をやってまいったんでございますが、特に三十九年度として新しい予算を計上しておりますのは、僻地の子供たちのために、僻地ではなかなか教育がりっぱな環境において受けにくいという事情もございますので、中学校の生徒について、試験的にこれを一カ所の寄宿舎に収容いたしまして、その寄宿舎で年を通じて、僻地ではなかなか整っていない先生あるいは設備のもとで、りっぱな教育をしてみたい、そういうことによって、僻地の子供たちに対しましても、新しい一つの道を開いていきたいという考え方で予算を計上さしていただいておるわけでございます。そういった点を三十九年度では従来と変わったものとして重点的に取り上げているものでございます。もしこれがよろしければ、将来もこれをだんだん拡充していくということを考えていきたい。同時にまた、中学だけでなく高等学校の段階におきましても、同じようなことが言えようかと思います。したがいまして、高等学校教育につきましても、そういう方向も、できる限り、よろしければこれを拡充していくという考え方でございます。それからまたもう一つの点は、私ども努力はいたしておりますけれども、不十分な点でございますが、僻地の子供たちの通学の問題でございます。これについては、現在、僻地の町村などでスクールバスなどを直営するとか、あるいはまた会社に委託しましてやるとか、いろんな形がございますけれども、学校統合等の行なわれました学校においてももちろんでございますが、やはり通学上非常に子供たちの負担が大きいという問題がございます。したがって、できれば、これらの交通費、通学費については、現在の交付税で若干積算して援助をいたしておりますが、それのみでは、現状やはり不十分ではないかというように考えますので、こういった点については将来十分研究いたしまして、これを拡大していくというようなやり方、また、別の新しい対策を講ずべきではなかろうかというようなことを考えたわけでございますが、これはいま検討いたしております段階でございまして、ここでどうするということをまだ申し上げるわけにはまいりませんが、宿題として検討いたしております。

久保勘一自由民主党

○久保勘一君 ただいま僻地の子供たちの通学を容易にするために、寄宿舎の増設あるいはスクールバスの増設というようなことをいろいろと検討されておられまして、今度の提案もそのために特に配慮されての御提案のように承ります。そこで、現在、僻地の学校におきまして、小中学校においてですが、寄宿舎の設置状況どういう状況であるのか。具体的に申し上げますと、どれくらいの学校にどれくらいの坪数設置されておるか。次は、今後さらに寄宿舎を必要とする学校はどれくらいで、どれくらいの坪数あるものであるか、もし御調査がありましたらお示しいただきたいと思うのであります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 一応、寄宿舎の必要な僻地の学校ということにどこまでそれを広げるかということが問題になると思います。お手元の資料でもおわかりのように、僻地全体でいいますと、小学校が六千数百、中学校が二千五百あるわけです。そこで私どもは、寄宿舎の必要な僻地の諸学校というのを一応四級地並びに五級地と限定をいたして考えてまいりますと、四級地は、小学校におきまして三百四十校程度、中学校におきまして二百校程度、五級地は、小学校におきまして二百三十程度、中学校において百五十、大体、四、五級地が全国で計九百三十校程度あると推定いたしておるわけです。これは年々いろいろな僻地指定基準に対応する条件の変化によりまして変わってきておるのですが、大体概算してその程度である、この四、五級地に現在まで文部省の補助あるいは市町村独自の事業等によりまして、既設の寄宿舎が、小学校におきまして約三千坪、中学校におきまして二万九百坪、計二万三千九百坪程度の既設の寄宿舎があるわけです。さらに、文部省の実施計画を見てみますと、三十八年度完成見込みが、それに加えまして三千坪、三十九年度予算要求しておりますのが約五千坪、これだけは一応寄宿舎として市町村がその半額の負担に耐え得るならば、新たに八千坪ぐらいは増設されていくのじゃないか、このように見ておるわけであります。そこで、寄宿舎の坪数の問題ですが、私どもも当文教委員会から視察に行きますたびに、寄宿舎は必ず見せていただいておるのですが、僻地の諸条件によりまして、寄宿舎坪数は必ずしも平均していないわけですが、文部省の一応の数字を見ますと、一校当たりを六十四坪と見ておるようです。そこで、先ほど申し上げました既設の寄宿舎二万三千坪、さらに見込みのもの八千坪を加えた三万二千坪程度のものを、六十四坪平均として見ますると、大体三百七、八十校程度の寄宿舎が、現在並びに三十九年度末には予定どおり進められる完成するのではないか。そこで九百三十校程度の四、五級地に全部設けるといたしますと、約六万坪になるわけです。その差、私どもの法案で期待しておりますのが残りの二万七千数百坪、これが私どもの法案によって義務化して、今後三カ年計画で設置していきたいと考えておる寄宿舎の坪数ですが、先ほど申し上げましたように、学校数となりますと、寄宿舎の数となりますと、現在まで——昨年もこの法案作成に当たりまして僻地諸学校にも照会いたしてみましたり、文部省にも資料を問い合わせてみましたのですが、各級地別あるいは府県別に、さらに詳しく申しますと小中別に寄宿舎が何校設立されておるかという資料はないということでございます。それで、私どもとしては文部省の資料にあります坪数で推定いたしまして、それを六十四坪平均だと見た場合の数値が、先ほど申し上げました三百七十校程度ですか、これは平均坪数で割ったものでありまして、実態とはある程度離れておるのではないか、こういう見方をするのですが、残念ながら校数につきましては、文部省も、僻地振興期成会ですか、それからこの問題で多年団体として教育研究並びに諸条件の改善に努力しておりまする僻地教育振興連盟等も持ち合わせませんので。私どもとしては校数の資料につきましては把握いたしかねております。

久保勘一自由民主党

○久保勘一君 ただいま必要とする寄宿舎の大体の見込みと申しますか、見通しにつきまして御説明をいただいたわけですが、そこで文部省側にお尋ねいたしますが、昨年もお尋ねいたしたのでございましたけれども、確たる御回答を得られなかったわけですが、この残っておりまするものについての今後の文部省としての年次計画と申しますか、何かそういう予算上の見通しがありましたならば、御説明を伺いたいと思います。

杉江清文部省管理局長

○政府委員(杉江清君) 私どもといたしましては、三十七年度にこの寄宿舎の不足坪数を調べました結果は、先ほどのお話のように三万二千坪の不足があるという推計を得ております。そこで、三十七年、三十八年の実施分におきまして残り二万九千坪、これを四十三年度までに整備したい、このような計画をしております。

久保勘一自由民主党

○久保勘一君 次に提案者にお尋ねいたしますが、従来、第三条によりまする補助が大体二分の一になっておりますものを今回三分の二に引き上げたい、こういう御提案でございますのでお尋ねをいたすわけですが、かりに三分の二に引き上げました場合に、三十九年度のいまの予算で見まして大体どれくらいの負担増と申しますか、予算の増加になるものか、御説明いただきたいと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 御承知のように、私どもが二分の一の補助率を三分の二に変えましたのは、僻地学校があるところは、その当該市町村そのものが僻地性を持っておるところで、現在まで集会所、あるいは寄宿舎、あるいは教員宿舎、その他の文部省の補助金が組まれましても、実際は半額負担に耐えかねてその事業が行なわれていないというのがかなり多いと見ておるわけです。そこで三分の二に引き上げることによって、文部省が考えておる諸事業も円滑に進めていくようにしたい、こういう観点に立っておるわけですが、私ども本改正によります市町村の諸事務に関する補助額を三分の二に上げますと、本案による全体の所要経費が大体二十六億六千二十四万九千円になるわけですが、三分の二負担いたしまして、三十九年度の国の負担額は約二億一千五百万程度増と見ておるわけです。

久保勘一自由民主党

○久保勘一君 次に同じ内容についてお尋ねいたすわけですが、文部省がやっておりまする補助の単価と、実際に市町村並びに県が調達をいたしておりまするそれらのものの単価にかなりの違いがあるように承るわけですが、そういうことにつきまして、もし提案者のほうで御調査がありましたならば御説明いただきたいと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 たとえば寄宿舎の坪当たり単価を文部省では四万五千百七十円と推定しておるようです。この数字につきましても、ところによっていろいろ違うと思いますが、単に僻地における寄宿舎だけでなくて、全体におきまして学校建築諸経費、施設費の単価は、文部省の推計は全般にわたりまして安過ぎると見ておるのですが、私どもとして、これを一応四万五千百七十円では無理ではなかろうか、こういう観点に立ちまして調査をいたしてみましたが、先ほど申し上げますように、ところにによっていろいろ違うようですし、学校の寄宿舎という立場に立ちますと、この程度でもできないことはないという考え方に立ちまして、寄宿舎につきましては、文部省の算定しておる数字をそのまま採用したわけでございます。なおその他のものにつきましても、単価が実態とどの程度違うかにつきましては詳細な資料を持ち合わせておりません。

久保勘一自由民主党

○久保勘一君 そこで文部省にお尋ねいたしますが、お聞きのとおり二分の一の補助を三分の二に引き上げようという御提案でありますので、文部省として、このことについてどのようにお考えになるか、もし御意見があれば承りたいと思います。

杉江清文部省管理局長

○政府委員(杉江清君) 僻地市町村の財政負担を軽減するという意味におきまして、補助率を引き上げることは、そういう意味においてはけっこうなことだと思います。ただ、国の補助金という立場から、これは他との均衡もございますし、また国と地方公共団体との財政のバランス等の点からの判断もあろうと思います。私どもは二分の一にしてあとは起債をできるだけ見る、こういう措置によることが現在のところ妥当であると考えます。

久保勘一自由民主党

○久保勘一君 質問でございますので、あまり意見を申し上げるのはどうかと思いますが、いい機会でございますからお許しをいただきまして、多少意見を加えて、さらに文部省の見解をただしてみたいと思うのですが、私、昨年もこの問題につきましてお尋ねをいたしました際に、例として申し上げました、いわゆる離島振興法でございます。これは御承知のような法でありまして、離島にありまするいろいろな公共施設について、特に他の地域と違った高額の助成をいたしておることは御了承のとおりでありまして、道路、港湾のごときはほとんど全額に近い助成をして、いわゆる格差の解消をはかっておるのであります。私ども地方におりまして絶えず考えておったことでありますけれども、ひとり文教行政の部面だけが、そういう僻地とか、あるいは離島とかいう声は実際にありますけれども、格差解消というスローガンな掲げておりますけれども、実際の予算措置になりますと、何らそこに見るべきものがない。なるほど寄宿舎の設置、あるいはスクールバスその他、僻地なるがゆえの特殊な教育の助成の道は多少は講じられておりますけれども、一般的に申しまして補助率については何ら変わらぬのであります。ただいま局長のお話にもありましたように、特に僻地をかかえております市町村の財政というのは申し上げるまでもないような実情であります。私はこの際、文部省にぜひひとつ三分の二と申しますか、その額はここで明示できませんけれども、現在の二分の一の補助の状態では、私は何年たっても僻地教育の解消と申しますか、格差の解消ということはできぬのじゃないか、こういうように考えますの、でこの際ひとつこの原案の可否は別として、僻地のそういう文教施設について、へき地教育振興法に掲げておりまする事業の内容について市町村が行なう場合には、高額の補助を出すように努力をする、こういうお気持があるかないか、率直にひとつ御見解を承りたいと思います。

杉江清文部省管理局長

○政府委員(杉江清君) 先ほどお話いたしましたように、私は補加率の引き上げは趣旨としてけっこうだと思います。また、そういうふうに今後研究し努力すべき課題だと考えております。ただ、補助率一般のあり方、また国家財政等の事情を考えまして、現在のところやむを得ないものと考え、私ども補助率の引き上げも今後努力すべきでありますけれども、さしあたっては寄宿舎の整備をより広く、数多く行なうということに重点を置いておる次第でございます。

久保勘一自由民主党

○久保勘一君 たいへん積極的な御意見でございまして了承いたします。ぜひひとつ文部省として高額補助を考えるという線をくずさずに御努力願いたいと思います。  次に、提案者にお尋ねいたしますが、僻地手当についての御提案でございますので、第一に僻地手当の性格をどのように御理解になっていられるか、提案者にお尋ねいたすわけであります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 御承知のように、僻地手当につきましては、へき地教育振興法の目的の第一条を受けまして、第五条の二に、「へき地学校に勤務する教員及び職員に対して、へき地手当を支給しなければならない。」ことを定めておるわけです。その支給率につきましては、五条の三に都道府県の「条例で定める。」、その条例で定める際の基準を法律の中に国が一級地から五級地まで定めておるわけでございます。従来の僻地手当は、この振興法が昭和二十九年に制定され、さらに三十三年、三十五年と改正されたいきさつからいたしましても、手当の性格は、当初はいわゆる隔遠地手当といいますか、交通の不便な地域に対してこれを補うために支給する、こういう性格のもとに発足し、当初はかなりの低額であったわけですが、僻地教育の特殊性、特に教育という点に重点を置きまして、目的その他が、あるいは定義等が改正されまして、僻地における教育条件の水準を高めていくというところに重点を置いて制定されまして、現行のように最高二五%に持っていったわけです。で、現在の現行法に基づく僻地手当というのは、一応、法律的には現在一般公務員にも支給されております交通不便な地といいますか、隔遠地手当、これに類するものである、このように私どもは解釈をいたしまして、お手元に差し上げておるような改正をいたしたいと考えておるわけです。

久保勘一自由民主党

○久保勘一君 文部省側にただいまと同じ内容について御説明をいただきたいと思います。いわゆる僻地手当の性格をどのように御理解になっておられるか、お伺いしたい。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) ただいま御説明になりました趣旨と同じでございますが、この僻地手当につきましては、ただいま御指摘になりましたように、へき地教育振興法の第五条の二及び五条の三に規定がございまして、それぞれその規定に従って支給されるわけでございますが、これは僻地の小中学校における教育水準の向上をはかる、または教育の機会均等をはかるという、そういう趣旨からこの僻地の小中学校、いわゆる義務教育の範疇でございますが、そういう義務教育に従事する教職員について、そういう手当を支給するという趣旨でございますので、この第一条の目的をかぶりまして、先ほど御説明がありましたような趣旨で、一般公務員の場合でございますと隔遠地手当というようなものとの権衡もあろうかと思います。私どもとしては、そういう趣旨で理解をいたしております。

久保勘一自由民主党

○久保勘一君 提案者に一言お尋ねいたしますが、御提案によりますと、いわゆる僻地手当の増額と、それと同時に調整額、いわゆる一、二級地に千円、それから三、四、五級地に二千円をそれぞれ本俸に調整額を支給する、その上にさらに従来どおりの僻地手当を増額して支給する、こういう御趣旨のように了承するわけでございますので、そこで私、考えますのに、昨年もちょっと申し上げたと思うのでありますが、僻地手当は、なるほど御説明にございましたように、僻地という地域性と申しますか、隔遠地であるということによる勤務上のいろんな不便、困難、いわゆる悪条件というものに対して手当が出ている、こういうふうに私どもは理解するわけでございます。多分に調整的な意味がある、いわゆる給与の調整ではないかというように理解をするわけであります。そういうように理解をいたしますると、そこにさらに同じような調整額で千円、二千円というものを本俸にプラスして、さらにその上に僻地手当を調整として加えていくということは、何か二重調整と申しますか、そういう感じを持つのであります。これは何も私は法的な根拠に立ってこれが違法性があるとか何とかいう議論をするわけではありませんけれども、どうも私の感じからしますと、屋上屋と申しますか、そこに何か給与体系上不合理があるんじゃないか、こういうふうに思うわけであります。もしかりに御提案どおりのようなアップで、なおかつ少ない、足りないということであれば、むしろ額を上げて提案なさるべきだ、こういうふうに思うわけでございますが、その辺につきまして、特に調整額をここへお出しになりました根拠と申しますかについて、少しく御説明いただきたいと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 昨年の審議の際にもお答えいたしましたが、なるほど形の上からいたしますと現行の僻地手当の支給率をアップしておる、こういうことで、いわゆる経済的なといいますか、僻地における教員の給与の改善という趣旨に立てば、それも一つの筋であろうと思います。先ほど御指摘になりましたように、一級地から五級地まで、今回はそれぞれ何%かずつ上げまして、最高の五級地を現行の二五%から三〇%に上げたわけです。これだけ上げれば僻地における教員の待遇については、まあまあ一応地ならしできるかと申しますと、決してそうではありません。私の県におきましても、他県に比べますと、長崎、熊本、鹿児島、あるいは東北等の僻地から見ますと、福岡県の僻地というのはまだいいほうですが、それでも通学には、ほとんど平均し三二千円ないし四千円の費用がかかっております。こういう経済的な条件、あるいは物価高、あるいはその地域において教員住宅で生活している、こういう諸条件を考えていきますと、かなり大きく僻地手当を増額しなければならないと私どもはとらえているわけです。しかしながら、手当というものが、たとえば本俸の五〇%になってみたり、あるいは半分以上になるということは、給与の体系からも必ずしも好ましいことではないのではなかろうか。こういう観点が一つありまして、五級地の三〇%というのは現状からいたしますとまだ少ないと見るのですが、いま申し上げましたように、手当の額をあまりに高率にしていくということは、給与体系からも一考を要するところであろう、こういう判断に立ちましたのが一つでございます。同時に、御承知のように、手当というのは、給与の月額と扶養手当に、それぞれ八、一二、一六、二〇、二五というパーセントを掛けているわけです。ところが通勤費あるいは住宅、居住をするためのいろいろな必要な費用、その他の生活費というもの、あるいは僻地なるがゆえに必要な研修費というものは、新卒の教員あるいは高給者といえども、条件としては同じでございます。一応、教員の給与を三万六千円といたしまして、それぞれの平均を一〇%と見ましても、その額は推定されるのですが、高給者はかなりの額になっておりますけれども、まだ一万数千円の若い人々、特に学校を出て僻地教育に身を投じて、教育諸条件の不十分な中で何とかして僻地の子供を高めてやろうという、情熱に燃えておる若い人たちにとっては、いま申し上げました給与の月額に扶養手当をプラスして、それにパーセントを掛けるという金額は、高給者としましてあまり差が多過ぎると私どもは見ておるわけです。そこで、この給与の差を若干是正していくと同時に、いまも申し上げましたように、古い、経験年数の多い、優秀な教員を確保することも僻地にとっては非常に大切なことでありますが、当面している問題は、先ほどちょっと申し上げましたように、中学校のごときは免許状を持たない教員が数科目、英語と免許状しか持たない者が理科、数学を担当しておるとか、こういう現象が各所に生じているわけです。優秀な若い教員が情熱を持って僻地に行き、そこの教育に従事するというたてまえから考えますと、給与の額に関係なく、ある程度の僻地なるがゆえに、必要な研修あるいはその他の諸経費を補っていく調整手当等に類するものを加えてやることがよくないかということが、私どもが、若干、体系からしますと屋上屋を架するようでございますけれども、現状を打開していくためには、こういう措置が必要ではなかろうか、このように考えたわけです。すでに昨年の資料にもありますが、各県におきましては、この私どもの考えている調整額に類するものとしては、たとえば一号俸を積み重ねるとか、あるいは一千円を一律に支給するとか、多いところは二千四、五百円を出すとか、さらには僻地の一カ年間を一・五カ年と計算してやるとか、こういういろいろな苦労をしながら僻地に優秀な教員を確保しようと努力しておるのが現状でございます。これを単に各県の措置としてまかせる段階では、もはやないだろう。やはり国としては、こういう現に各県がやっておる措置を、調整手当という形のもとに法律化する段階にきているのではなかろうか、こういう考え方に立ちまして、一方におきましては、手当の支給率を高めると同時に、先ほど申し上げました教員確保あるいは給与の差によるところの格差調整を、ほとんど各県実施いたしております現況から考えましても、これをひとつ法制化していく、こういう大体観点から調整額というものを支給するように新たに是正を加えたいと考えているわけです。

久保勘一自由民主党

○久保勘一君 ただいま従来の僻地手当の上に新たに調整額を支給するということの意義について、根拠についていろいろ御説明をいただいたわけでございますが、これに対する議論は、ここでは差し控えまして、そこで文部省にいまの問題につきまして、私は給与の体系上どうもおもしろくない、こういうような感じを持つわけでございますが、文部省側に、このことについて御見解がありましたら承りたい。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) ただいま提案者のほうから御説明がありましたように、僻地の教育を振興するために、僻地の先生方にいろいろな優遇策を講じ、優秀な教員を確保するというようなおことばがありましたが、その点については私ども全く同感でございます。ただ、先ほどお述べになりましたように、現在の僻地手当は昭和三十五年以来一種の地域給的なものに変わってきております。したがいまして、その地域に勤務する職員には、すべてこれが支給されるというたてまえをとっているわけであります。その高が多いか少いかという議論は、これはまた別個の問題であろうかと思いますが、そういう性格のものに現在はなっているわけでございます。一方、調整額のほうは、現在、一般職の場合を見ましても、特殊の官職に対して支給するというたてまえになっております。たとえば国家公務員等で見ますと、刑務所とか、少年院とか、精神病の療養所とか、そういうような特殊な官職についている者に対して支給する。したがいまして、学校教員の場合におきましては、そういう特殊な職員と申しますと、特殊教育に従事する職員でございます。これが唯一の例でございますが、養護学校あるいは特殊学校等に従事しております教員に調整額が支給される。そういうことでございますので、おのずからこの調整額と僻地手当というものは、制定されました趣旨が違うのであります。違うと私どもは考えるのでございます。そういった趣旨から、併給ということは何か筋が通らないように思う。したがって、もし僻地の教員をそういう点で優遇するということになりますと、先ほど提案者のほうから、僻地手当を上げるにしましても限界があるというおことばがございました。それはまさにそのとおりであろうと思います。やはり僻地手当で考えるか、そういうほうが筋ではなかろうかというように、制度論としては私は考えるわけでございます。

久保勘一自由民主党

○久保勘一君 次に提案者にお尋ねいたしますが、従来も僻地の級地指定の基準について、制定後、日にちもたつし、いろいろ実情にそぐわない点もあるので、これを改訂する必要があるというようなことが言われておるのですが、そのことについての御見解がありましたら承りたいと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 このことにつきましても、法案とは別個に、私ども、三十四年に改正をされまして以来、すでに数カ年を経ておりますので幾多の矛盾点を生じておるから、これは法律ではございませんので、文部省に是正方を要求しておるのです。たとえば昨年の八月でしたか、高知にまいりましたが、高岡郡でしたか、ふもとのバスの停留所にある学校は一級地の指定を受けております。ところが、それからハイヤーで一時間程度山の中に登っていきました学校は、そのふもとの学校より以前に、鉱山の病院があった。郵便局があった。バスもあったと、こういう条件のもとに僻地指定を受けておりません。ところが現在では、それは条件はかなり変わってきておるわけです。で、あの当時の僻地指定のそれぞれ学校までとか、郵便局とか、あるいはその他地方事務所とか、あるいは傾斜の度合いとか、いろいろな科学的な基準に基づいて指定基準が設定されておりますけれども、まず第一番に私が現行指定基準の矛盾点と考えておりますのは、都会地の文化の進展度合いは急速に伸びておる。ところが一方僻地においてはその進展かおくれておる。ところが単に、たとえば極端にいいますと、バスが通ったと、こういうことだけで僻地指定を解除されておる。これは昭和三十七年の五月一日の指定統計と、三十八年五月一日の文部省の基本調査を見てみますと、数字としても明確に出ておるわけです。なるほど僻地におきまして、バスが通えば僻地そのものは便利になったと明確にいえると思う。ところがその僻地外の都市といいますか、僻地外の諸学校については、便利の度合い、テレビその他文化、経済その他のいわゆる社会の諸条件の進展というのは、僻地のバスがやっと通うようになったという度合いから比べますと、比較にならないテンポで条件がよくなっておるわけです。したがって、全体からながめてみますと、僻地性はますますその濃度が、たとえバスが通ったり郵便局ができたりしても、比較的に見ますと加わってきておると見なければならないと思うのです、ここに現在の僻地教育振興の、あるいは僻地指定基準の基本的な隘路があると見ておるわけです。それと同時に、先ほども言いましたように、道路の傾斜とか、あるいは高等学校までの距離とか、その他地方事務所までの距離とか、いろいろ想定し得る諸条件を判断して、一応、私は現行の指定基準というものは、可能な限りにおいての科学性を持って制定されたと見ているわけですが、現在いろいろの社会の情勢の変化に伴いまして、必ずしも現行の指定基準が、級地そのものの区分にいたしましても、一級地、五級地の判断の基準というものにも矛盾を生じておりますし、指定基準そのものにも、高等学校の場合でも、普通制の高等学校ははるかに遠いのに定時制はある、普通制の高等学校に通わせるためには、非常に無理なことが生じておる、こういう一つの例をとってみましても、もうすでに三十四年に制定されてから今日までの間に、かなりの条件が変わってきておる、したがって、このあたりで指定基準を、全国数千の学校について全部するわけにはまいらぬと思いますけれども、僻地、離島あるいはその他の地域という定義の中にありますように、あるいは豪雪地帯とか、あるいは離島地帯とか、こう幾つかの指定調査をして、指定基準を抜本的に検討改正する段階にきておる、こういうように判断いたしまして、これがもし法律を改正することができれば、当然改正をいたしたいと思うのですが、これは文部省所管になっておりますので、この法律案の趣旨を生かしていくためにも、指定基準の改正は非常に急を要する問題である。このように判断しております。

久保勘一自由民主党

○久保勘一君 ただいまの問題につきましては、昨年お尋ねいたしました際に、文部省としては目下検討をいたしておる。こういう御回答をいただいたのですが、その後、御検討はどの程度に進んでおるのか、できれば、いつごろ施行令の改正でもする御予定なのか、具体的にありましたら御説明いただきたい。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) へき地教育振興法に基づきますいわゆる級別基準の改訂の問題でございますが、昭和三十四年につくりました当時から比べますと、現在いろいろ条件が変わってきているというお話がございましたが、私どももこういう級別基準を作成するということは、なかなか容易ならざる作業でございます。また人間のつくるものでございますから、全く完ぺきなものをつくるということはなかなか困難でございます。一応三十四年につくりましたものに現在従ってやっているわけでございますが、もちろん私どもこの中でいろいろ検討すべき幾つかの問題があると思います。したがって、検討してまいりたいということで従来まいったわけでございますが、それにつきましても、やはり各府県の事情によって非常に、何と申しますか、実態はまちまちな点がたくさんございまして、たとえば北海道の場合と四国、九州の場合とは非常に実態が違うようなことも幾つもございます。そういった点で、教育長協議会等でもこれを再三検討してもらいたい、どういう方向で検討するかということで相談いたしまして、若干の調査をしたこともございますが、その際、各府県の言いますのは、一部改正してもらいたいという意見ももちろんございます。ございますが、いま大改訂をやられては非常に困る、自分のほうの一体僻地の指定はどういうぐあいになるのかという心配の向きもかなりございまして、多少利害が相反するという傾向もなきにしもあらずでございます。そうは申しておりましても、改善すべき点は改善しなければなりません。いままでそういうことでまいりましたけれども、三十九年度は私どもは手をつけたいと考えております。それにはある程度実態調査も必要でございます。そういう作業を進めまして、いまここでいつまでに改正するということは申し上げられませんけれども、できるだけすみやかにそういう作業を進めまして、結論を得ましたら改正をいたしたいと考えております。

久保勘一自由民主党

○久保勘一君 次に、文部省と提案者と両方、失礼でございますけれどもお尋ねをいたすわけでございますが、直接、改正の法案の問題とは多少離れておりますけれども、僻地教育という立場から二、三点関連してお尋ねをいたしたいと思います。  まず第一点は、高等学校をこのへき地教育振興法の中に入れられないかどうかという点であります。これは申し上げるまでもなく、この法案は義務教育を対象とした法案であることは私も理解いたしておりますけれども、かなりの数の高等学校が、やはり一級地、二級地にあるわけです。これを同じ教育の立場から、僻地教育振興の中に入れられないかどうか、これに対する両者の御見解をお尋ねいたしたい。まず、提案者に、失礼でございますが。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 私どもとしては、昭和三十七年に教育政策要綱を立てまして、さらに、その具体策として、教育計画を十幾つか持っておるわけですが、僻地教育振興計画というのは、その教育計画の第八項目目に入っておるわけです。その振興計画を大体三期に分けまして、第一期計画は、いま申し上げましたように、義務教育諸学校を中心として諸条件の整備を進めていきたい。第二段階におきましては、主として教職員等の待遇といいますか、さらに寄宿者、教員住宅等に対しても補助率並びにその他を高めていきたい。第三次計画の中に、私どもとしては、御指摘の高等学校の問題も、単に義務教育であるかないかという論議でなくて、現在の僻地の実態から、どこまで何を適用していくかについては論議の余地があるところと思いますけれども、第三次計画の中には当然高等学校も入れるべき課題である、こういうふうに設計をしておるわけです。ただ、本法案に入れられませんでしたのは、先ほども申し上げましたように、全体を一気に解決するということは、望ましいことではありますけれども、現状から困難ではないか、この程度の改正であれば、これは国会においても同意が得られる内容ではなかろうか、こういう判断から高等学校を除いたのでありまして、私どもとしては、将来、当然入れるべき課題である。このように考えております。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 御指摘のように、この法律は小中学校に対して適用されるものでございます。義務教育を振興しようという考え方から出たものだと思います。したがって、私どもとして、現在の段階におきまして、これを改正して高等学校を含めるということはいま直ちには考えておりませんが、御指摘のような点は将来の検討問題だろうと思います。ただ、現実の問題として、こういう法律がございますから、では高等学校のほうはどうでもいいということではなくして、これを適用なくても、高等学校の場合は、たとえば手当などにつきましては隔遠地手当の級別指定を受けるわけでございますから、その場合におきまして、このへき地振興法の級別指定とずれる場合がございます。したがって、ずれることによって不合理が起こるわけでございますが、その点は歩調を合わせて十分運営するようにというような通達をいたしたこともございます。それに準じて高等学校の場合も、できる限り扱いを同じくしていくという考え方でおるわけでございます。

久保勘一自由民主党

○久保勘一君 次に、これは文部省側にお尋ねいたしますが、昨年お尋ねをいたしました際にも多少議論になったわけでありまして、その際、文部省としては検討をしたい、こういう御見解でございました。というのは、いわゆる僻地手当を期末手当計算の基礎の中に入れるわけにいかないかという問題であります。これは御説明申し上げるまでもなく、同じような暫定手当が御承知のように期末手当の計算の中に入るわけでありまして、私どもは従来も、この僻地手当は地域的な性格のものであるから、暫定手当と同じ性格として期末手当の中に入れるべきだ、これはいろいろと私もその後、各方面に当たりまして検討してみたのでありますが、確たる結論はないようでありまして、いわゆる支給すれば支給される筋のものであるという見解もあるのであります。したがいまして、昨年は検討するということでございましたが、文部省はこの問題について、いまの段階でどういうふうにお考えなのか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 理論的に申し上げますと、おっしゃる点はよくわかるのでございますが、私どもといたしましても、暫定手当などが現在基礎になっておりますから、そういう点から申しますと、当然なってもいいという意見もあろうかと思います。したがいまして、人事院などとも相談したこともございます。しかし、遺憾ながら今日まで、それについては他の面との権衡論等もございまして実現をいたしておりません。なお検討してみたいと思います。

久保勘一自由民主党

○久保勘一君 ただいま御見解を承ったわけですが、これはなるほど、局長の御説明にありますように、いろいろ議論があるとは私も思いますけれども、支給すれば支給される根拠がかなりあるということを私は考えておるわけでありまして、ぜひ、これは前向きでさらに御検討願いたいと思います。  最後に、これも文部省にお尋ねいたしますが、昨年もお尋ねしたことでございますが、学力テストの結果であります。これは申し上げるまでもなく、たいへんな問題を起こしながら学力テストを今日まで進めてまいっておるのでありますが、御承知のように、僻地とその他の地域の学童の学力、特に体位の方面におきましても、たいへんな格差のあることは御承知のとおりであります。これを解消するために、こういう法律をつくっていろいろと施策をやっていただいておるわけでありますが、さしあたり、昨年なり今年の学力テストの結果にかんがみて、文部省として、特にこの僻地教育という立場からこういうことをやらなければいかぬ、こういう指導をしなければいかぬというようなことが、結論として具体的にありましたら、御説明いただきたい。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 一がいに僻地の学校と申しましても、学力調査の結果から見ますと、僻地の学校でも相当りっぱな上位の成績をおさめておる学校もかなりございます。しかし、それは別にいたしまして、一般的に申しますと、中学校の学力調査等の結果を見ますと、まあ大体全般の学力の低いほうの部類の約八〇%というのは、まあ小規模学校でございます。大体四学級ないし五学級以下の小規模学校でございます。したがって、僻地の学校は一般的に低いということを申して差しつかえないと思います。そういう結果が出ておりますので、私どもとして、僻地の学校の学力を向上させるためにはどうしたらよいかということを考えてまいったわけでございますが、これはまた県の教育委員会などの意見も聞きましても、いろいろな要望があるわけでございますが、たとえば二、三申し上げますと、まあ設備の点でございます。たとえば理科教育にいたしましても、理科の教材等が不十分である。したがって、理科の教育が十分できないというような点、あるいはまた、一般の教材につきましても、必ずしも十分でないということでございましたので、昨年も特に、三百人以下のいわゆる小規模の学校に対しましては、教材の配当率を引き上げまして、そのために特に僻地の学校向けの——学校向けと申しますと何んでございますが、特にその僻地学校を重点に取り上げての教材費の配当率を二〇%から三〇%ぐらい引き上げてまいりました。そういうことをやってまいりました。また、教員の定数の問題につきましては、これはすでに御承知のように、昨年暮れの定数法の改正におきましても、小規模学校について従来よりもできる限り充実するというような考え方をもちまして、小学校につきましては、一学級当たりの教員を、教員一人から一・二五まで引き上げておる、中学校につきましても、三学級以下につきまして、一学級当たりの教員を二人に引き上げるというような、若干増員をしてまいりまして、できる限り指導力の充実を期するということをやってまいったわけでございますが、さらにそのほかにやはり僻地の先生方に対しましては、いろいろ教科の研究とかいうような面につきましても研修が必要でございますので、旅費の増額あるいは指導主事の充実ということを、これはまだ十分ではございませんけれども、考えて計画的に進めておるようなわけでございます。それからまたもう一つの問題は、僻地には複式学級がかなり多いのでございます。複式学級で使われる教材、教科書等については、やはり特別な配慮が必要であろうという観点から、私どもとしては複式学級で使用すべき教科書の編さんの準備を進めております。これもなかなか手間のかかる仕事でございますけれども、三十九年度には少なくとも二教科ぐらいはできようかと思っております。そういうことをだんだん進めてまいりまして、まだそのほかにも要望はたくさんあると思いますが、できるだけ僻地の学力向上をはかってまいりたいというように考えております。

久保勘一自由民主党

○久保勘一君 最後に一点だけお尋ねいたします。ただい局長よりいろいろと僻地教育振興についての具体的な案について御説明をいただいたわけでございますが、私は特に現場の先生方の立場に立って考えました場合に、研修という問題、勉強の機会を得るということが一番切実な問題でないかと思うわけであります。ことし文部省が旅費を増額されましたことには敬意を表するわけでありますが、でき得れば、ひとつ離島の指定されておる学校の先生方については文部省としては別ワクの旅費を考えてもらいたい、こういう措置はできないものか。具体的にいえば、それぞれの県におきまして、中央からまいりました旅費を配分しまするについて、そういう僻地性というものを考慮して差額を設けて配当いたしておるようでありますけれども、そのことは直ちに一般の教師に響く問題でございます。いろいろと現地ではこの配分について対立的な意見も実はあるわけであります。でき得れば。文部省の段階において僻地の学校の旅費を別ワクにする、こういうことはできないものであるかどうか、御見解を承りたいo

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) これは都道府県の教育委員会が支給するわけでございますから、また都道府県の事情によっていろいろ異なる事情もあると思います。した、かいまして、画一的にワクを設けることが、はたしていいかどうかという問題もあろうかと思いますが、御趣旨のように、僻地の学校の教員にできる限りその旅費か十分行き渡るようにというような御趣旨でございますから、そういうような趣旨に従いまして、私どもは都道府県の教育委員会を指導してまいりまして実行してみたいとも思っております。

久保勘一自由民主党

○久保勘一君 これで打り切ります。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 きわめて具体的な問題について二、三提案者と文部省のほうにお伺いしたいと思うのです。その第一は、僻地学校における教育職員の在職年数の平均がどれくらいになっておるか。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 私ども僻地にある全国の学校について都道府県別の明細な資料を持っておりません。ただ、いろいろな資料に基づきまして申しますと、かなり多くの県が、僻地に三年いたならば平地に出してやるからぜひ赴任してもらいたい、こういう条件をつけて僻地教員の確保をはかっております。その点におきましては、百校近い僻地を、一応全部、各教員の勤務年数の平均をとってみたのですが、やはり三年ないし四年という平均が出ております。もちろん僻地に耐え得ないで一年でかわっておる人間もかなりあります。逆に今度はその地域に以前から居住を持っていた者等は、ある時期には平地に出たい、こういう希望を持っても、教員確保の困難性から平地に出られない、そのために十年も十四、五年も、私は万年僻地ですよという詠嘆を漏らしながら僻地教育に従事しておる、こういう者もありますが、私どもとして、大体先ほど申し上げましたような、何年間勤務してくれれば平地に出すという傾向が逐年増加してきておるという情勢から推定いたしまして、三年前後が最も僻地においては多いのではなかろうか、こういう判断をしております。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 大体の傾向といたしましては、ただいま提案者のほうから御説明がありましたとおりに私ども考えられますが、何しろ具体的なデータがございませんので、いま文部省では調査局におきまして調査をいたしております。この結果が出ますれば、もう少し具体的な資料が出てくると思います。それを待っているわけでございます。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 それを伺いますのは、一般的に言って、僻地の先生方のその学校の在職勤務年数というものは長くないのだという判断をしております。そこで、教育の実際の成果をあげるためには、優秀な先生が相当長期にわたって勤続するということが大事な条件になるわけであります。そこで、そういう条件を必要とするときに勤続年数が少ないということは一体どこにその原因があるか、私は僻地対策の重大な事柄の一つとして、何ゆえに在職年数が一般の学校に比べて少ないかというその原因を究明して、その原因に対応するような適当な施策を考えていくべきであるということ、これが一つの基本的なことだと考えております。その次にお伺いしたいことは、時間がありませんから簡単に伺いますが私どもは北海道の僻地を視察いたしまして、いまの時代に電気の恩恵に浴することのできない学校が相当数多くある事実に驚きまして、そうして自家発電の装置、機械を僻地にということで実施したわけです。その後、自家発電装置を持った学校の実情を重ねて私は見に行ったことがあるわけです。学校の子供、村民の喜びは実にわれわれの想像以上に大きいものがあって、よいことをしたなあということで喜んで帰ったのでありますが、現在、離島あるいは山間僻地で電気の恩恵に浴さない町村がどれくらいあるか。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 私のほうには、完全な無灯校が百六十数校、それから準無灯校が百十三校、計二百八十から三百近  い学校が無灯校である。その中で御指摘のように、北海道は百数十校という数を示しております。無灯校の各県別の数は調査いたしております。総数はいま申し上げましたとおりです。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) いまお述べになりました数と同じでございますが、総計大体二百八十くらい。その中で約八十六ぐらいが離島校でございます。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 いろいろの施策を必要としますが、電気を離れて生活はできないし、電気を離れては現在の文化に浴することができないといったようなこの時代に、私は電気の恩恵に浴することのできない学校に対して急速に電気の恩恵に浴することのできるようなことを考えるべきである、こう思っておるのですが、その状況は逐年どういうふうになっておりますか。これは提案者のほうによってお調べになっておりますか。なければ文部省の御答弁を求めます。

岩間英太郎文部省初等中等教育局財務課長

○説明員(岩間英太郎君) 文部省におきましては、学校という観点から、特に無電灯学校を解消するという意味で従来補助を出しております。大体来年で解消する予定でございますが、それは文部省のほかに、農山漁村電気導入促進法でございますか、そういうものがございまして、これは市町村自体で住民のために電気を全般的に導入するという、こういう計画でございます。私どものほうは、それから漏れておるもの、それからなお夜だけ電気が通じましても、昼間、学校で使えないわけでございますから夜しか電気が通じない、そういう市町村、そういうところの学校を対象にいたしまして、いままで計画的に進めてまいったわけでございます。いまのところ、大体まだ二百八十校ばかり残っておるわけでございますが、そのうちで、先ほど申しました農山漁村電気導入促進法でございますが、これに基づいてやるもの、それからあるいは自分の力でやるもの、そういうものが大体二百程度でございます。残りが八十足らずでございますけれども、ことし二十三台、それから来年度二十三台、それから、さらに四十年度あたりをもちまして全部そういうものはなくなるように計画的にやりたいということで、ただいま努力しておるわけでございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 数字については、いま岩間君のほうから説明したとおりですが、問題点は、農林省の農山漁村電気導入促進法でもってやるのが四十五年までに百五校を予定している。市町村独自でいきますのが十校程度、問題だというのは、文部省補助でこれから先どう進むかということですが、市町村自体が貧困のために、文部省の補助が、校数としては予算で組まれても、現在の二分の一の補助の中では、これは北畠委員も御存じですが、北海道に調査にいきました際も、電灯をつくりたいという運動をやっているけれども、半分を自己負担しなければならぬようでしたら、とてもこの村の財政ではできませんと、ここが問題だと思う。だから数字の計画としては、大体、予算に組まれて百八校程度が四十一年までには文部省の計画によって進んでいく、あとは文部省並びに市町村の補助の予算に組まれて解消していく見込みであるけれども、たびたび申し上げましたように、市町村財政の苦しいというのが僻地の特色ですから、このことを踏まえてやはり補助金の率を高めていかないと、文部省が策定しておる数字どおりには無灯校が解消していかないんじゃなかろうか、こういう判断をしておるわけです。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 大体、来年度に解消するということでたいへんけっこうだと思うのですが、いま提案者からもお話のございましたように、私はどう考えても電気の恩恵に浴さない人たちのことを考えますと、どういう方法を講じても、できるだけ早くこの問題の解決をしていただくことを文部省に強くお願いしたいと思う。  それから次にお伺いしますことは、先ほども出ましたが、スクールバスとか、スクールボートの問題がありますが、このスクールバス、スクール、ボートの運営の実際ですね。これはその地方のバス会社のバスを、何時に登校して何時に下校するということで、利用しているものと、その他の方法でやっているものとあろうと思うのですが、そのスクールバス、スクール、ボートの運営といいますか、その実情はどういうふうになっておりますか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 三十七年に調べましたところによりますと、市町村でバスを運行しているところが七十八町村、それからボートを運行しているところは三十でございます。運行台数にしましてバスが百五台、それからボートが三十二隻となっております。これによって利用しております小中学校の子供が、バスを利用しておりますのが一万三千九百三人、ボートを利用しておりますのが二千三百九十二人、こういうのがこれは町村が直接運営しておるものでございます。そのほかに町村が会社と契約をしてスクールバスとか、ボートを運行しておるものがございます。それを申し上げますと、契約しているものが町村数でバスが百十四町村、ボートが十三町村、それからこれの利用人員がバスのほうが一万九千八十人、ボートのほうが千四百三十三人、こういうような状況になっております。これが三十七年の実情でございます。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 これらのバスやボートによって通学をしている子供が、雪が降ったとか、あるいは海上が穏やかでないような場合に、それはどうなっておりますかね。つまり雪が降ってバスが通らない、幾日もしけてどうにもならぬと、そういうときにはどういうふうになっておりますかね。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 平日でも、ボートの場合はこれは泳いでいくわけにはまいりませんけれども、平日でも、平日というのは、天候がよいときでも、バスの便を借りなければ通学のできないというところは、無理をしてこういう、いま文部省の説明の事業をしているわけです。まして天候不便な場合には、これはバスの運行はストップします。したがって、子供は学校に行けないという状態がかなり多く出ておると思うのです。先ほど申しましたように、昭和三十五年に本文教委員会から山形の僻地を視察いたしました際も、そういう陳情がありましたし、それから昨年ボートが補助金をもらってできました鹿児島県の甑島におきましても、島民の皆さんがかなり問題を起こしていろいろやっておりましたのは、一つは運営費を市町村が持たなければならぬというのがたいへんであるということと、同時に、いま申し上げましたように、バス、ボートを利用しておるところは、天候不良の場合には学校に行けないというのが大多数の現状であると私どもはとえらています。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 私は前に大雪のとき東北の地方の雪の中へ行ってみたんですが、そのときに、県道のほうは一応ブルドーザーその他で除雪作業を行なって人は通る。ところが、県道から遠く離れた部落との往復がほとんどできていないのですね。そこでせんだって、これは建設大臣ですか、県道だけの除雪でなしに村道も除雪ができるような方法を考えなければいけないということをどこかで言われておる。で、このことは僻地の教育問題にとっては、私は耳寄りな発言と、こう聞いておったわけです。したがって、文部省は、建設大臣の、村道の除雪までもやらなければいけない、やりたい、こういう考えに対して、この機会に文部省として、僻地教育振興の角度から、降雪期における村道の除雪の問題に触れていかれたらどうか、こういうような工合に考えておったわけなんです。どうですか、文部省。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 全く同感でございます。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 最後に。先ほど僻地の指定の問題が出てまいりましたが、私は僻地は移動するという考え方を前から持っておったわけです。僻地の指定の条件として交通、あるいは自然的な条件、あるいは経済的な条件、文化的な条件、それらを配慮して僻地学校を指定する、こういうことになるというと、いつまでも僻地は固定しておらない。地方開発が著しく大規模に進められる。それから道路の開発等が非常に進められた場合に、かつて僻地であったものが僻地でなくなる。僻地は移動する。そこで僻地学校の指定を、そういう角度からしていけば指定が取り消されるところがあると同時、新しく指定されるところもできてくると思うのですが、それはいままで、そういうような条件が整ってきたために、僻地の指定を取り消したという例はありますか。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 それは数字として出ておるのですが、私の県におきましても一校あったと思うのですが、県として基準が合わなかったものは暫定地域といいますか、そういう名称のもとに、ある程度の保障措置を講じている学校もあるのですが、たとえば現行の指定基準が高等学校とか、あるいは病院とか、交通、バスの運行といったものを一つの点数計算の際の基準にしておりますので、そういう条件がある程度整ってまいりますと、全般の傾向としてはその条件が満たされていく、御指摘のように指定地としては、級地が、二級地が一級地になり、三級地が二級地になるという現象を生じております。これは昭和三十七年五月一日の文部省の基本調査と、本日配付されました三十八年五月一日付のそれぞれ級地別学校の数をごらんいただくと、各県別、全国的にその移動の状況が出ておる。一級地が解消される場合には、一級地が級地指定でなくなる場合ですが、これは私は全国的には若干あると見ておるのですが、この指定統計を見てみますと、三十七年よりも一級地が約十校程度ふえております。だから、これは私、文部省の数字ですからよくわかりませんけれども、級地の重いところが軽くなるという現象は全国的に生じておる。同時に、一級地が解消しておるのも全国幾つかある、今まで自分の県の実態から見てもですが、逆に文部省の指定統計では十校ふえておるということになっておるのですね。これはちょっと私も理解に苦しんでおりますが、文部省のほうはどうですか。

岩間英太郎文部省初等中等教育局財務課長

○説明員(岩間英太郎君) 原因については私どもはっきり調べておりませんのでわかりませんが、あるいは二級地が一級地になるということもあると思います。また全般的に数が減っておりますのは、僻地の指定が減ったというふうなことよりは、むしろ学校の統合等が行なわれたために減ってきたのじゃないか、そういうふうに考えておる次第でございます。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 私がそのことを申しますのは、僻地教育の指定を受けておるのを無意味に取り消せというのではないので、条件が著しく変わたところの指定を取り消すことによって、その分を、いろいろまだ手の届かなかった僻地のほうへ有効に切りかえるべきである、こういう考え方から申しておるので、誤解のないようにひとつつけ加えておきます。  最後にもう一つお伺いしたいのは、僻地の指定を受けておる学校の、町村の教員の住宅の問題、これはどの程度に充足されておるか、提案者と文部省に伺いたい。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 教員住宅の概数についてはつかんでおりません。

杉江清文部省管理局長

○政府委員(杉江清君) 僻地教員住宅につきましては、二十八年度から三十八年度まで三千五百三十二戸の住宅建設を補助金によって行なっております。本年度におきましては、補助金額は前年度よりも三三%ふやして、一億七千万円を組んでおります。これによりまして、補助対象戸数としては七百戸でございまして、三十八年度に比較いたしますと約百二十戸ふやしております。まあ今後の計画といたしまして、なお相当残っておるわけでありますが、昭和三十六年度の調査によりますと、約一万六千戸も不足しておるわけでございます。まだ相当整備を要すると考えておる。私どもとしても、来年度、予算としてはまあ相当がんばったつもりでありますけれども、なお今後とも伸ばしていかなければならぬと考えております。ただ教員住宅の整備につきましては、実はこのほかに起債措置で措置することがございます。特に公立学校共済組合の資金の運用に関連いたしまして、これは僻地に限定されませんけれども、昭和三十八年度、本年度におきまして全国的に約六十五億円の起債措置が認められております。その中には相当僻地の住宅も含まれておるのでありまして、こういうふうな両面の策によりまして教員住宅の整備を行ないたいと考えております。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 僻地教育振興という立場から見て、僻地に勤務される先生方の住宅を充足して、そして職務に安住専念していただくということは非常に大事なことだと思うのです。さいわいに非常に前向きに文部省が取り組んでいるようですが、住宅の問題につきましては、いろいろな方策を検討されて、そうして遠隔な地から通って御苦労かけている先生方が、僻地に住まって、そうして村の子供と親密な関係で教育生活を楽しんでいくことのできるような条件を整えていただくために、せっかく御努力願いたいということを申しておきます。

中野文門自由民主党

○委員長(中野文門君) 本法律案に対する質疑はこの程度にいたします。  午前中は以上をもって終了し、午後一時三十分再開いたします。暫時休憩いたします。    午後零時二分休憩    ————・————    午後一時五十四分開会

中野文門自由民主党

○委員長(中野文門君) これより委員会を再開いたします。  義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律の施行に関する件を議題といたします。  前回に引き続き質疑を行ないます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 きょうは文部大臣も出席をいただいたので、前回質疑を進めました問題について、局長のほうから概略のお話をお聞きしていると思いますが、実は先般の特別国会で修正議決になった義務教育教科書の無償措置に関する法律の行政指導にあたって、重大な法律上疑義を生じておる問題を発見をいたしましたので、事の重大性を考えて実は質疑を始めたのであります。この前の質問の際の冒頭に、修正議決された法律の内容について、文部省内、特に初中局長の法律解釈の立場と、立法者のわれわれの立場との間に食い違いがあるのではないか、その食い違いのために行政措置上間違いが発生したのではないかという疑点から、実は初中局長に法律についていろいろお尋ねをしましたが、この答弁を通じてみて、修正議決になった法律の内容の解釈には間違いがない、正確に初中局長は法律を解釈しておられるということが実は明らかになったのであります。したがいまして、そういう法律の立場を正確に理解しておる初中局の中で、行政指導上重大な疑義のあることをしておるということは問題なので、以下、質問を続行するわけであります。  文部大臣も御承知のように、この法案は通常国会、臨時国会と相当長期間にわたります審議にもかかわらず廃案になり、さきの特別国会で紆余曲折はありましたが、修正議決になったのであります。そのときに、最後まで重大な問題になった内容とその個所については、文部大臣も御承知のとおりなのであります。その修正された、最も問題点だと言って両者の間で議論を戦わしたそのことに疑義が生じてきておるのであります。そこで、私は冒頭に一つ、この前にもお尋ねをしたのですが、お聞きをしたいことがあります。それは文部省の中で開かれる主管課長会議、この会議というのは秘密会議なのかどうか、そのことを福田局長にお尋ねをいたします。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 主管課長会議はいつでも事務担当者の間の打ち合わせ会でございます。したがって、原則として非公開でございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 非公開だということは、その主管課長会議で話されたこと、指示された内容というものは部外秘ということがたてまえですか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 事柄によって考慮すべきだと思いますが、部外秘のものもございますし、また一般的に直ちに実施すべき事柄もいろいろあろうと思います。事柄によって判断すべきものだろうと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 私は主管課長会議が、事柄によってまれに部外秘のことがあるかもしれないけれども、少なくも教育行政を進めていくために必要なこの主管課長会議、その中で話し合われることが秘密会議の性格を持たせなければならないということは私は納得ができない。ガラス張りの行政を文部省がたてまえとする限り、その主管課長会議にわれもわれもと入られたのでは会議の円満な進行ができないからそれで部外者ははずして当事者同士の話をされたと思うのである、か、しかし、あくまでもぼくは、たてまえとしてはこれは秘密会議であってはならない、原則的は秘密会議であってはならない。だから、この会議には出席をした人たちの中に、その会議で何が打ち合わされ、どんな質疑応答がなされ、どんな指示が行なわれたかという内容が、他のだれかに、たとえば私に、そのことの事情を私が聞いた場合に話をするということは、これは何ら差しつかえないことであるという判断なのであります。ところが文部省は、私がこの前の委員会で追及をしたあとに、ある行動をとったという情報を入手した。それは米田に主管課長会議の情報を提供したのはあすこではないか、ここではないか、この中にスパイがおるのではないかということも言われて、文部省のある者たちが探索をしておるという情報を入手した。私はこの前にもお話をしましたが、私のこの主管課長会議の情報は、社会党の私だって、四十六人の全国から集めた主管課長の中に、その真相を話をしてくれる者の三人や五人はおるのであります。あなた方が幾ら秘密会議をやろうとしても、それらの人たちから報告を受けたうち、私は特に慎重に、これらのもののうちのいずれの人も同様に話をしておる個所だけを、共通して申しておる個所は、大体、主管課長会議の内容に間違いがないという個所を取り上げて問題にしようとしたし、問題にし始めておるのであります。したがって、この数県から得た情報のうち、その一つのところにはそういう連絡があったが、他のほうにはなかったというような問題については、ここの話にはのせておらぬのであります。これからものせようと思っていない。したがって、私は主管課長会議の進行の内容を、少くとも私の持ち出す問題については、客観的に間違いがないという個所を取り出して問題にしておるのであります。ところが、見当違いにも、文部省は私の質問が終わるやいなや、血相を変えて、あちらこちら、あすこから出たんじゃないか、ここから出たんじゃないかと探索をし、究明をしておるという情報を聞いたが、文部大臣、私は法に基づく行政措置をしようとして、その行政措置に法律上疑義があるということがここで問題になったからといって、主管課長会議の内容を、米田に教えたのはだれだといって、むやみやたらにつつき回って顔色を変えておるというような、そういうやり方は私は重大な疑義がある。文部省の教育行政の態度に、自分たちのやったことが法律上一点の疑義がなければ、百万人といえどもわれゆかんであります。だれに情報を握られようが、だれがその主管課長会議の情報を提供しようが、ガラス張りの行政という立場から見れば何ら差しつかえないことである。しかも問題は個人的なスキャンダルではない。行政を正しく法律の線に沿うて誤りなく進めさせようとしておる、その一点から出ておるこれらの問題でありますから、文部省ががたがたと資料の入手場所はどこだということをさがしまくるというようなことは、みずから行政措置の中に暗い陰があるということを私は立証しているものだと思う。文部大臣はこういう官僚の動きに対してどういう考え方を持ちますか、所見を承りたいと思います。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 文部省の中にどういう動きがあったかということは私は承知いたしておりません。どういうつもりでどういう動きをしたのかという事実を知りませんので、この問題についていまかれこれ申し上げるということも私としては申し上げにくいのであります。ただ、こういうことはあろうかと思うのでありますが、会議の模様が、会議の内容によりましては、その会議限りにしておきたい場合もあろうかと思います。いま御指摘の問題は、そのような性質の問題ではなかろうかと思います。これは外へどなたに聞かれても差しつかえないことを申したんだろうと思います。場合によりますれば、先ほど局長申しましたように、内部限りの話としてとめておくという場合もあろうかと思います。そういうふうな場合に、それが外に漏れるとかいうことになりますれば、これは文部省として注目しなければならぬ問題ということになってくると思うのであります。いまの場合につきまして、そんなむずかしい秘密の事項を話し合ったものとも、私、実はよく知らないのでありますけれども、そういうことは考えられぬと思うのであります。それが会議の結果、外に出られて、きょうはこういう話かあったということを言われましたからといって、別にかれこれいうことはないと思います。文部省の心持ちからいえば、きわめて的確に米田さんから指摘されたので、どういうところから話が出たかということを知ってみたい気持ちはあるのです。その問題は、そういうふうな場合に、それを話したからといって、それをどうする、こうする、そこに、もしあれば問題があると私は思います。外にあらわして差しつかえないことをしゃべったことを、かれこれ文部省が追及する必要はない、そういう問題として私は考えるのです。いまお話しのありましたことは、文部省でどんなことをやりましたか存じませんけれども、もしやり方に不当があれば十分注意いたしますけれども、普通、あまり的確に米田さんが指摘されたので、だれがどういうところでお話ししたかということは知りたい気持ちになろうかと思いますが、その程度に御了解願いたいと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 私は、問題になった法律案が、いろいろの話し合い、紆余曲折をたどって修正議決になった、そういう問題の法律でありますから、行政措置が、修正議決をされた法のたてまえを正確に保持して進められなければならぬということは関心を持っておる、ですから、この主管課長会議の内容について、一言一句正確に私が知っておるという意味ですが、私はこの間は、この会議に触れたのは、福田初中局長の長いあいさつの一つ、二つの点に触れただけです。文部大臣にはどういうふうに官僚のほうから話があったかしりませんが、米田が一言一句主管課長会議の経過に使われた言葉まで出して正確に責め立てたというのは、ぼくはどうも解せないと思う。そのことは余談にしても、こういう問題が指摘されたからといって、がたがたと官僚が騒ぎ立てておるというのは、私はそれはどうも常態ではない、おかしい、そういうことはやるべきではないのではないか。もっと公明正大に、特に国民に関係のあることであり、地方の教育行政者に関係のあることであり、教職員にも関係のあることですから、だれがどこで話をしても、法律の立場を逸脱しないような理解が必要なのですから、そのことを問題にされたからといって、何もあわてふためく必要はないのでおります。そういうことは自分はないように、文部大臣は文部省内を取り締まるべきである、見にくいことをさせないようにしてもらいたい、これは冒頭そういうことを申し上げておきます。  局長のあいさつのうち二、三の点に、私、前回触れましたが、これは、この教科書の無償措置法のそれに直接結びつく問題というよりは、むしろ教育行政のあり方について、文部省の立場、文部省の行政上の、法律権限の範囲内で行政は行なわれていかなければ、日本の教育行政が混乱をするという立場から、学校長には学校長の立場、権限、都道府県の教育委員会には都道府県の教育委員会、市町村の教育委員会には市町村の教育委員会と、それぞれ行政の権限と立場があるのであって、その立場が尊重されて初めて全体として教育行政の進め方が誤りなくいくのであって、何でも文部省がものが言えるという立場では私はないと思います。教育に関係することなら何を言ってもいいのだ、何を指示してもいいのだということには私はならぬと思う。おのずからそこに法律上、権限上限界がある。その限界を逸脱しているときには、善意であろうと悪意であろうと、それは行政の機構のたてまえを犯すことになって、はなはだおもしろくない結果になるのだという立場から指摘をしたのであります。これは、文部大臣はそのとき出席されておられませんでしたから、できれば会議録等で、私が何を指摘し、何を言ったかということについて御理解を願いたいし、また、この話し合いは、福田局長との間に、初めは多少の見解のズレがありましたが、最終的にはそれぞれの問題は意見が一致したと私は見ております。  そこで、きょうの本論の質問に入らしていただきます。これからの問題は、局長がお帰りになって、教科書課長や課長補佐その他の人が指示をし、質疑のそれに対して答弁をした、その内容から問題点を抽出して明らかにしていきたいと思うわけです。  第一の質問は、福田初中局長にお尋ねします。県に設けられる選定審議会は、法律、政令のたてまえからいうと、四月一日から設けられ、八月十五日にはこれが解体せられる。したがって、選定審議委員も同時に解任になる、こういうたてまえになっておるが、そう理解をして間違いがないか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 御理解のとおりだと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 そのことが確認をされますと、この法律の第十一条の規定によって、「指導、助言又は援助を行なおうとするときは、あらかじめ選定審議会の意見をきかなければならない。」と、都道府県教育委員会のこのことに関する「指導、助言又は援助」の発動については法が拘束をしておる、こういうことをこの前も確認をしておるのですが、さて、八月十五日以降になっても、選定審議会が、別なことばで言えば解散になっても、県教委の独自の立場で教科書の研究資料などを計画的に検討をし、市町村教育委員会と直接連絡をとり、指導をして、その県教委の研究した資料の成果を活用させるという考えは、私は法律のたてまえを一部犯しているのではないか、こういうふうに理解をするわけです、か、この点についての初中局長の見解をお尋ねいたします。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 先ほど御指摘のありましたように、選定審議会の設置期間は、大体八月中旬までが地方におきまして採択が行なわれる時期でございます。したがいまして、それ以後恒久的に置く必要もなかろうという含みで一応の期限をつけたわけでございますが、したがって、毎年採択というものは行なわれる。その毎年行なわれる場合におきまして、やはり若干その年その年によって違う事情も起こり得ると思います。したがって、あらかじめ採択にあたっての、いろいろな基準だとか、方針というようなものは、開かれておりますところの選定審議会にかけて重要事項は決定しておく、あらかじめ意見を聞いておく、それによって都道府県教育委員会が、その後においても、その方針にのっとって指導、助言をしていく、そういう趣旨でございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 私はこの問題を問題にしているのは、この主管課長会議の中で、選定審議会の問題と専門調査員の問題でいろいろ質疑応答、指示があった中で、選定審議会は教科書の調査研究は十分でないと、選定審議会の仕事としては十分でないので云々ということばが別な個所で問題になっているわけです。ですから、私はどうも選定審議会が解体をされたあとに、わざわざ県教委独自の立場で引き続き教科書の研究をしたり、資料をつくったりして、市町村教委と直接、——直接であります。直接連絡をしたり、指導をしたりして、その資料の成果を大いに活用しなければならぬという指示のしかたは、「選定審議会の意見をきかなければならない。」という法律の立場を軽視しているというふうに判断をされるのであります。これはいろいろな話し合いを総合的に、一々取り上げて申し上げてもいいんですが、総合的に考えて、選定審議会がなくなったあとに、県教委の独自の立場でこういうことをやり、それを市町村教委に連絡、指導をして、そうして事を進めようとする、そういうことは福田局長が、いまあらかじめ重要なことについては了解を求めておいて云々とありますが、その後の直接行なわれる指導、助言の内容をなしているこの研究資料の直接的な連絡、指導は、すべて私は他の個所の話し合いからいって重要事項だと考えている。その重要事項を、選定審議会が終わっても、なおかつ継続的に県教委がその仕事を続けていくというやり方は、法のたてまえを軽視するか、もしくは逸脱していることになる、こういう見解である。その点はいかがですか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 米田委員は、先ほどのおことばの中に、総合的に判断してというおことばを使われたようでございますが、私どもの打ち合わせ会におきましては、もちろん当該課長からさような指導はしてないと私は確信しております。なぜかと申しますと、もちろん選定審議会を置いて、選定審議会で、いろいろなことを調査審議するにあたりましては、もちろん委員だけでは不十分な場合がございますから、したがって、専門的事項にわたっては調査員を置いて、当然に調査をして、その結論によって審議会できめていくということのやり方は、これは通例やるところでございます。そこで、その選定審議会の問題とは別個に、従来から都道府県の教育委員会は、専門的な人々によって教科書研究事業ということをやってまいりましたことは、御承知のとおりであります。したがって、都道府県側からの多くの質問は、今度、選定審議会ができた場合におきましては、調査員というのは選定審議会の下部に置くべきか、あるいはいままでのように教科書研究事業をやっているような事柄について、都道府県教育委員会の事務局の中に置くべきかというような質問が数多く出たことを聞いております。その際におきましても、課長の指導としては、これは法のたてまえ上、選定審議会の専門調査員であるから、選定審議会に置くべきであるという指導をいたしております。そういう点から考えますと、これは総合的に判断して、そういうことになったとおっしゃいましたが、そういうことはあり得ないと考えております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 あなたはこの会議に出席をしていなかったわけです。私はこの主管課長会議の内容を知っている。そういう立場の違いがあります。そのときに、明らかに選定審議会が解散された八月以降において、県教委かどのように動くかということの話し合いをしているのです。私はここだけを切り離して問題にすると、何んで米田はああいうところだけ問題にするかと、聞かれる方は思うかもしれませんが、あとのところと関連させるとその仕事が重大だという意味がわかるわけです。少なくともこれは市町村教委に対して指導、助言、援助をしようとするときには、選定審議会の意見を聞かなければならぬという法律の立場から、選定審議会がなくなっても、八月以降はこういうふうにやれ、そうして直接的に市町村教委に対して指導をやれ、積極的にその資料の活用をはかれるようにせい、そういう指導のしかたは問題がある。しかし、私はこのことだけを切り離して福田局長に追及していると、あなたも理解しないから、次のところとかみ合わせて、私はこのことが問題なのだということを明らかにしなければなりません。さて、法律案の審議の過程といいますか、これはいろいろな場所での話し合いの過程とここでは申しておきますが、指導、助言、援助の内容について相当話し合われているんです。局長もそれは聞いているはずであります。その内容には、前回、豊瀬委員の長谷川議員に対する質問の中にも明瞭に出ているように、具体的な教科書についてその採択を勧奨したり、あるいは数種の教科書を具体的に指定する、あるいは指定に類似するような行動をとってはならない、具体的な教科書に触れてはならない。触れて指導、助言、援助をしてはならないということが、この修正議決をした中の非常に大きな重点であったということは知っているはずであります。ですから、われわれの、立法者の立場からいいますと、このときの話し合いもそうでしたが、教科書の採択に対する基準、それはあくまでも抽象的な表現にならざるを得ない基準を研究して出すこと、たとえば印刷だとか、あるいは写真、色彩等によるさし絵、あるいは製本のしかただとか、そういうようなことについて抽象的に基準を研究して出して、それを採択の際の参考にするということには、これは法の立場からいって差しつかえがないであろう、こういう一方に話があった、もう一方に。したがって、資料は、たとえ研究の結果の資料であろうとも、資料は具体的な教科書のよし悪し、総括的なよし悪し、あるいは特定の教科書に対して採択が望ましい、あるいは採択すべきであるという勧奨をしてはならないことは当然なのであります。私は教科書課長と、政令が出て以後、何回か話し合ったときにも、具体的にその問題に触れているのであります。このときの話し合いをここで申し上げますと、教科書の、いろいろなでき上がった教科書については、分類ごとに評価をする、そしてそれを資料として採択地区の教育委員会に流すということは法のたてまえ上何でもないんだ、許される阻んだと、こういう解釈を教科書課長はしておったので、それはちょっと疑義があるのだ、評価となると非常に逸脱するおそれがあるから、教科書の特徴点、あるいは教科書の特色、そういう面にわたって研究の結果を資料として出すことはいいんでないか、その点まではまだ法律の限界を侵していることにはならぬでないかという話し合いの結果、評価ということばは疑義があるので、評語ということにしたらどうですかという話が出たのです、教科書課長と。ですが、私はそのときに、この評語ということばは、あくまでも教科書の特徴、特色をあらわすものであって、具体的にこの教科書がいいとか、これこれの教科書がいいとかいう、そういう具体的な教科書に触れてはならないのだよ、それに触れることは法律の限界を逸脱していることになるのだということをずいぶんくどく説明をしたのであります。大体私は、そのときの私の話と課長の話は見解が一致を見ておった、私の理解では。ところがです。ところが、この主管課長会議では、具体的な教科書について評語をつける。その評語は、たとえばABCのごとき評語をつける。教科書のこれは特色ではありません。教科書の特徴ではない、評語であります。私の言った評語とは違う。短いことばで、教科書の特徴や特色をあらわしたそのことばを評語と私は理解したのに、教科書課長はそう理解しなかったらしい。そして、主管課長会議には、具体的な教科書の研究によって、ABCとランクを設けて評語をつけて、そしてそれを市町村教育委員会に資料として与える、こういうことを指示しておる。しかも、その指示の中で見のがすことのできないのは、採択者がこの評語を見ることによって、直ちに採択決定ができるような内容のものでなければ指導援助の意味がないと強調しているのであります。評語は第三者が見ても全然わからぬ評語であります。Aという符合を見ても、その教科書の特徴などというものはだれもわからぬ、特色もわからぬのであります。そういう評語を具体的な教科書につけさして、そしてその評語を与えれば、採択者がその評語を見ることによって直ちに採択決定ができるような内容のそれでなければ意味がないのだということを一カ所だけでなく強調している、この会議全体の中で。大体三カ所強調している。これは明らかに法律で禁止をしている、都道府県教育委員会が、具体的な教科書に対してよし悪しの判決文を、しかも合格、不合格ということとほとんど同意義を持つような評語で県教委につけさせて、それを見た地方の教育委員会が、何ら迷うことなく直ちに採択決定ができる、そういうものでなければ資料としては意味がないのだということを強調したことは、一体これはいかなることなのか、それを局長にお尋ねします。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) その点は非常に重要な点でございまして、私も非常に関心を持っているところでございますが、法律に基づいて、選定審議会の事務の範囲として政令で規定いたしました採択基準の作成とか、あるいはまた、選定に必要な資料の作成ということばを使っておりますが、それについてまず御説明を申し上げたほうがいいと思いますので、申し上げたいと思いますが、採択基準の作成という場合におきましては、都市、農村等の地域の特殊性とか、児童生徒の学力水準等に関連する採択の一般的指針または共同採択の際の協議の方法等、採択の手続方法に関する一般的準則等であって、採択者が地域の教育水準その他の特殊性を考慮して採択教科書を決定するにあたっての参考となる資料をつくるという意味でございます。さらにまた、選定に必要な資料の作成という内容は、採択の対象となる全教科書について、取り扱い内容とか、あるいはその内容の選択、程度、組織とか、配列あるいはまた分量、用紙、印刷、造本等の諸種の角度からこれを総合的に比較研究して、その成果を整理し、これに観点ごとに評語を付したものである。そういうもので、採択者がそれぞれ地域の教育水準その他の特殊性を考慮して採択教科書を決定するにあたって十分参考となる資料を作成するという趣旨でございます。この点については、米田委員も先ほどのお話の中で、御同意をいただいたように思ったのでございますが、さて、これをこういう選定に必要な資料の作成ということにつきまして、いろいろ当時の主管課長会議のときに質疑応答があったわけでございます。したがって、ただいまお述べになりましたところでは、ABCに評語を付してやるというようなことをいったというようにおっしゃいますが、質疑応答の中でこういう質問があったのでありますが、県教委が参考資料を作成し、提示する場合に、たとえば教科書の研究成果をABC等の段階を付したり、望ましい教科書として数種にしぼったりした内容で提供してはどうか、そういうことは許されるのかという質問が数県から出ております。これに対して、課長としてはこういう指導をいたしたのでございます。政府原案では、数種のワクの中から採択するように原案はなっておった。これは国会の修正によって、一般的の指導、助言または援助ということによって採択する方式にかわった。したがって、あらかじめ数種に選定して、その中から採択せよというような指導はできないということを指導しております。したがって、ABC等に、段階に応じてこれをわけて、具体的にそれから採択しろというようなことを課長がいったことはないと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 局長は責任をもって今の答弁をしておるのかね。あなたはそういうことを話したことがないということを、あなた方は責任をもっていえるかどうか、この点をあとから答えてください。私が指摘しているのは、教科書課長が冒頭、概括説明をした初めにいっていることばでありまして、質疑応答が起こってきたときにいっていることばではない。確かに質疑応答の場合にも、これに関連して、この指示をしたときの内容を裏づけできることばを使っております。しかし、私のいま指摘しているところは決して質疑応答の個所でいったものではない。教科書課長は冒頭の概略説明の中ですでにこのことをいっているわけです。一体、法律の立場は、都道府県教育委員会の段階において、具体的な教科書にAとかBとかいう符牒をつけることは、これは特徴を示すことにはならないのじゃないですか、教科書の特色を示すことにはならないのじゃないですか。そういうAとかBとかいう符牒であれば、合格、不合格に近いような内容を持つ評語になっているのではないか。しかも、そのときに課長は、直ちに採択が決定できるような、そういうものでなければ意味がないのだ。そういう資料でなければ意味がないのだということを冒頭の概括説明の中でやっている。疑義が起こってきて、質疑があって行なわれたものではない。積極的に最初から説明をしているその点、局長のいまの答弁とははなはだしく違う。ここでは採択基準について話をし、資料の問題について話をしいてるが、採択基準のほうは局長のいっているとおりであります。しかし、資料のほうの話は局長のいっていることとは違う。ここを明らかに、いまも局長のいったように、教科書の内容、程度、組織、配列、用紙、製本等のことを調査研究して、ABC等の評語をつけろ、その評語をつけた資料を市町村教育委員会が受けた場合に、それを見ることによって直ちに採択が決定できるようなそういう評語をつけてやらなければ意味がないということを強調している。これでは法のたてまえを完全に侵していることにならぬか、採択者が自由に検討のできるような資料ということよりは、あまりにも逸脱していないか、この教科書には、Aの教科書にはこういう特色があります、Bの教科書にはこういう特徴があります、また、この教科書にはこういう製本上にまだ十分でない点がある、こういうことを短いことばで書くなら、まだ採択者が見れば、一つの参考資料になり得るのです。しかし、あなた方がつけさせようとしたのは、確かに分類ごとに研究をするというところまではいいが、そのあとの、結論的には具体的な教科書に全部評語がつくのです。いま評語をつけろといっている。その評語を見れば、一見して、直ちに採択のできるような、そういうものをつけなければ意味がないのだぞ、しかも、あとのほうの質疑応答では、そういう資料が必要なので、それをやらぬのは義務違反だといっている。そういう積極的なものでなければ意味がないし、義務違反だといっているのです。そうなりますと、これは明らかに法律か禁じている段階にまで堂々と足を踏み入れてやれといっていることになる。局長の見解をさらに求めます。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 会議の席上で課長が指導いたしましたのは、大体私が先ほど読みましたのと同じような内容を朗読しましてやったのでございまして、会議でございますから、もちろん口頭であります。文章でこういう文句だということを示したのじゃありませんから、聞き違えていることもそれはもちろんあり得ると思います。しかしながら、方法としては、いま申しましたような指導資料というものを作成して、各市町村教育委員会に資料を交付してもらうというのがたてまえでありますから、ABCなどという段階を分けるような評語は適当ではないと私は考えております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 適当ではないどころか、これは法律に違反しているのだ。あなたに聞くが、この主管課長会議の教科書課長の概括説明の中で、具体的な評語をつけろといわなかったかどうか、そこのところだけ、ABCという評語をつけろといわなかったかどうか、それを答えてください。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) そういわなかったと聞いております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 文部大臣にお尋ねします。今の初中局長の答弁が事実と相違していた場合は、文部大臣はどう思いますか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 局長が事実と相違したことをいうはずもないと実は私も思っているわけでございます。もし事実と相違した、つまりあなた方に対して虚偽のことをいっているということであれば、それはそれとして考えます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 私は架空なことをかってに独断で判断をしてこのことを指摘しているのではない。したがって、私は文部大臣がそういうことを事実いっているとすれば問題だというのであれば、これはこの委員会に参考人を喚問してもらって対決をさせることに最後はなります。自分たちのやったことに間違いがあれば、ここではかぶとを脱ぐべきであります。私は何も、ここは裁判所でも何でもないのですから、やったことに間違いが——人間のやることだから間違いがないとは言えない。しかし、少なくとも私が問題にしているのは、法律の立場を逸脱して行政が行なわれてはならないということで、確実にこのことを教科書課長が指示をしたという事実に基づいて指摘をしておるのです。ですから、言ったことがない、そういうことを話したことがないという局長のことばは、まさに事実を隠蔽していることばである。もう一度、局長にお尋ねしますが、この基準の話の次に、資料について教科書課長が話をした。この中で、ABC等の評語をつけて、採択者がそれを見れば直ちに採択決定ができるような、そういうものでなければ意味がないということを絶対に言わなかったと、課長はそういうことは言わなかったと、あらためてあなたは言うかどうか、それをお尋ねします。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 先ほど申し上げたとおりでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 委員長にお尋ねします。私は少なくもきょうここで問題にしていることは、確信を持って、主管課長会議で教科書課長から冒頭の概括説明で行なわれたことばの中の重大な問題を取り出して指摘をしているのであります。しかるに局長は、そういうことは言わない、課長はそういうことは言っていないと言い、文部大臣も、そういうことは言うはずがない、こう言っているのですが、これは私がこの委員会で立証をする以外にこの虚偽の局長の発言をひっくり返すことは不可能です。私は議員として責任を持ってこのことの黒白をこの委員会で明らかにしなければならぬ。その手続について委員長は早急にとってもらえるかどうか、委員長の見解をただします。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 先ほど来のお話を伺っておりますと、米田委員の問題とせられているのは、この法律の制定の経過、法律の趣旨に違った指示をしていやしないかというところを問題にしていらっしゃるのじゃないかと思います。私、先ほど来言っておりますのは、主管課長の申し上げたことが法律に違反しているかどうかということについては私はよくわからない、前後の関係もありましょうし、どういうふうなことを申したのか、私よく取り調べました上で判断したいと思いますが、法律に違反したことを言っておるかどうか、もし法律に違反したことを何か考え違いで申しておりましたならば是正するにやぶさかではございませんけれども、どういうふうに申したのか、そこらの関係がわからない。何か言ったことば、それだけでけしかるとかけしからんとかということよりも、そのことばの意味が法に違反したことを言ったのかどうかというところを一度考えてみる必要があるのではないかと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 私は法に違反をしておる指示だと断定をして聞いておるのであります。しかも、このことは課長が間違いなく指示をした中に言われておることばだから特に問題にしているのであります。  それでは文部大臣にお尋ねをいたします。この修正議決になった法律は、都道府県教育委員会が市町村教育委員会に対して、教科書の採択の事務に関する指導、助言、援助を行なう場合には、県の選定委員会に意見を聞かなければならぬと、こういうことがあります。そして、この指導、助言、援助は原案では別なことばであった。それは御承知のとおりであります。文部省の出した原案は別なことばであった。それを指導、助言という一般的な文部省の持っておる行政権限に相当することばに置きかえた。そのことを積極的に置きかえたということは、県の段階では具体的な教科書をしぼってはならない、また具体的な教科書に対して県の教育委員会が、この教科書は採択するほうがよいとか悪いとか、あるいはこういう種類の、こういう具体的な教科書の中から選ぶほうがよろしいとかというワクをかけたり、干渉したりしてはならないというのが法律の修正された建前なんであります。それは豊瀬委員が、明瞭に話し合いの結果、両者の修正案を出す、両者との間に話を煮詰めて、時間がかかっては悪いので、ただ一言で、一問一答で確認をして、そのことを会議録に残しておこうという話し合いがついて、そのときにも確認されたのであります。その経過は文部大臣よく御承知であります。さて、いろいろな研究をします県の教育委員会が選定審議会の意見を聞いて、その際に具体的な教科書に対してかりにAという評語がつきました。これが地方の教育委員会に資料として渡されます。何のことだかわかりますか、文部大臣。そのAというのは一体何のことだかわかりますか。採択に対してどれほどの資料として役立つか、その点をお聞きします。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) AとかBとかCとかいうことを、ただ漫然とABCをつけたところで意味がないと思います。ただAはいいものならいい、あるいはBは普通のものとか、Cはあまりよくないという意味を持たせたABCであるかどうかというところに問題があろうかと思います。はたしてABCということばを使ったのかどうか私は存じませんけれども、この法律の原案に対して皆さんが修正を加えられた趣旨ははっきりいたしております。その趣旨に沿うて行政としては運営をしていくのが当然だと思います。それをそうじゃない指示をいたしておるとするならば、その点は是正することにやぶさかではありません。はたしてそうであるかどうかということがその問題点であろうと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 私が先ほども言ったように、教科書課長の冒頭の説明の中にこのことばがあると言ったことに、局長はそういうことは言わせておらぬ、これは他の方法によって立証しなければならぬ。私の言っておることが真実だということは一〇〇%自信がある。しかし、まあがんばるんですから、事実はないというんでがんばるんですから、これは別の手段によって立証します。ぜひともやります。ですから、それまでに時間がかかりますから文部大臣に聞いておる。かりに教科書を研究して、その最終的に教科書にAといい符号をつけさせるように指導したとしたら、それは採択をするまでにどれだけの資料として有効なことになるでありましょう。そういうことをつけろと指導したとしたら、どれほど指導、助言、援助になるのか、法律の限界を守って、どれだけの有効な指導、助言、援助になると文部大臣は考えるのか、その見解をお聞きします。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) ABCが優、普通、劣というような意味を持たしたABCであるとすれば、そのABCということばが相当強い指導、助言になるであろうと私は考えます。そういうふうな評価をして基準を示すべきでないというのが私どもの考え方であります。

米田勲日本社会党

○米田勲君 そういたしますと、法律のたてまえは、具体的な教科書についてはこれは合格、不合格、これはよろしい、これは悪い、こういう判定をすることは、県の教育委員会が資料としてそういうものを地方の教育委員会に渡すことは、法律のたてまえを逸脱していますね。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 誤解のないように聞いていただきたいのでありますが、私、決して他意あって言うわけではございません。ただ純粋の法律論として考えました場合に、指導、助言というものはいろいろの内容を含み得ると思います。しかしながら、今回のこの立法につきましては、議会側の、つまり数種の教科書を選定するというところを削られて、指導、助言ということばに変えられた御趣旨というものがあろうと思いますから、その御趣旨に沿うてこの法律の解釈を適用すべきであるという考え方をしておるのであります。純粋の法律論からいいますならば、指導、助言ということは相当なことを含み得ると私は思うのであります。

米田勲日本社会党

○米田勲君 私は一般的架空な論をしても意味がないので、いまの場合はあくまでも修正議決されたあの教科書をたてまえとして、その教科書に対してこの行政指導が正しいか逸脱しているかということを論じなければなりませんので、一般的な指導、助言の問題はこの場合持ち出してもらいたくない。豊瀬委員から私に、この個所で関連質問をしたいというお話がありましたので、私の質問をちょっと中断をして関連質問をやらせていただいて——この個所でまだ私は質問をしたいのであります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 関連して。福田局長に聞きますが、米田委員が再確認しましたが、当日、諸沢教科書課長はあなたのあいさつが終わったあとに採択基準と資料についてという総括説明を行なっていますか、いませんか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 総括説明ということになるかどうかわかりませんが、法律の説明なりいろいろなやり方について冒頭に説明をいたしております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 十八日の本件審議のあとに、初中局長は当該課長から説明、答弁の内容を具体的に聴取しましたか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 私は参議院でお取り上げになるということでございましたので、そのときの事情を課長から一応聞いたわけでございます。それで先ほどのようなお答えを申し上げたわけであります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 その後に政府委員室あるいは文部省等で、大臣はこの件に関してどういう文部省が指導を行なったかについて報告を受けましたか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) あらましのことは局長から伺っております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 その報告の内容を概略説明いただきたい。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 私に報告した内容は局長から答弁させます。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 概要は、いまの採択基準の問題とか、選定資料の問題について御報告を申し上げたわけでありますが、その際に、先ほど私が米田委員に対して御説明申し上げましたように、選定資料などの作成にあたってはこういう方針で考えております。それについて課長会議で、諸沢課長もこういう指導をしておるにかかわらず、何かそうでないようなことも言われておる。したがって、その点は諸沢課長からいろいろ聞いたのでありますけれども、いま米田委員が御指摘になりましたようなABCというような標語でもって具体的にしろというようなことは私は聞いていない。諸沢課長もそう言っていないということを申し上げたわけであります。ただ、ABCではございませんが、ひとつ私がその際に感じましたことは、これは私がお答えするよりも皆さんのほうから御説明していただいたほうがいいと思いますけれども、与野党の話し合いの際に、従来から数種類にしぼって採択を行なっておりました府県が数県ございます。したがいまして、今回の国会で修正されましたことと、従来の実際に行なわれております実情とを勘案いたしますと、疑問もありますが、従来からやっておりました府県についても、府県が自主的にやる分について、それをさらに今回のこの修正によって直ちに取りやめるべきものであるかどうかというような点について与野党の間に話し合いがあったということを私は聞いております。私ども与党の先生方から伺った範囲では、その点については、必ずしも従来のやっておった府県について自主的にやる範囲においては、それをしもやめる趣旨ではないというように伺ったのであります。したがって、その部分に関して、やはり課長会議の席上において、一、二の県から質問があったようでございます。その点を聞きました。したがって、その質問のあった県に対しましては、課長から、それはこういう趣旨だ、一般的にはもちろん先ほど私が申し上げたとおりであるけれども、従来の実際にやっておった県については自主的に判断しておやりなさいという趣旨のことを指導したということを聞きまして、その点をあわせて大臣には御報告いたしました。以上でございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 そのときに諸沢君はあなたに、法に違反するような指導をしていないという趣旨のことを明確に言いましたか。簡単でいいです。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 私はさようなところまで別に追及はいたしませんけれども、先ほど私が説明いたしましたように、二、三の県からの質問に対しては、そうでないという趣旨のことを明確に答えております。したがって、もし御指摘のようなことがあるといたしますると、これは非常に矛盾するわけでございますが、私はその点を聞きまして、そういう指導はしてないという確信を持ったわけでございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 福田局長は、諸沢課長の総括的な説明並びに質疑に対する答弁は、教科書法修正の趣旨並びに法律に違反しない範囲で行なわれた、用語はいかようであれ、そういう報告を大臣にしていますか、結論的にいうと。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 適当でないところもあるけれども、特に法律に違反しているという点は私どもは聞いてないという点から大臣には御報告申し上げております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 その適当でないという・点は、後日どこどこということを明確にできますか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) これは豊瀬委員のほうから御説明願ったほうが私は理解が早いと思いますけれども、いまの従来からやっておりました数県についての指導の問題でございます。その点だけでございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 あなたは非公式な座で、与党議員に、当日の要点速記はあります、こう答えられたらしいですが、現段階で委員会に要点速記があると答えられますか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 要点速記と申しましても、ごく一部分でございますから。一部分のものは私は持っております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 その要点記録は、いま米田委員が追及しておる重要な点についても、質問の際に答えた点が載っておりますか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 米田委員が御指摘になりました点は、私の持っている資料にはございません。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 その資料は秘密資料ですか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 秘密資料ではございませんが、冒頭に申し上げましたように、会議は非公開の会議でございます。したがって、そういう記録類のものは部内限りのものと心得ております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 当該委員会として要求しても提出を拒否される考えですか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) よく検討いたしてみたいと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 両党話し合いのいきさつに対する与党議員から経緯について承ったということですが、その与党議員の氏名については、必要な段階には、あなた責任を持ってその与党議員のだれか、どういう取りきめであったと説明したということを明確にする責任を持てますね。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) もちろんお聞きした議員のお名前は、差しつかえがなければ申し上げてもいいと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 最後に一点だけ。法律の施行に関する地方教育委員会の責任者を招集した会議が非公開であるという性格は、大臣としてはどういう見解を持たれますか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 私は、事務上の打ち合わせで地方の諸君を呼びました会議を一々公開する必要はないと思います。また、同時に、官庁と申しますか、役所の内部の問題は決定をせられたときにそれが出る。決定せられるまでの一時期のいろいろな議論というようなものを一々外部に出す必要はないものと、かように考えておる次第であります。そういうふうなこともございますが、今回の場合は、法の解釈適用についての打ち合わせでありまして、何もしいて秘密にしなけりゃならぬということは、私はそれはないと思いますが、特にまた公開しなけりゃならぬというふうにも考えておりません。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 再度、大臣に尋ねますが、米田委員の質問によって、言ったのか言わないのか、虚偽なのか不当の追及なのかという重大な問題になっておりますね。それを解明するために、いま言われたように、会議の公開、非公開の問題は別に触れませんが、その際に言った内容、あるいはそれを裏づける要点記録というものを、これは当然、法の解釈に関する限りは、何といいますか、秘密にして本委員会にも提出しないという性格のものでなくして、当然、法の解釈については明確に出されるべきものと思いますが、大臣の見解を承ります。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) この法律の解釈、適用上何も秘密を必要とするものではないと私は思っております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 豊瀬委員と局長との間の質疑応答の個所で、一カ所重大なことが出てきました。それは、端的に言いますと、従来、県で数種しぼっていた、そういうところに対して、この法律施行後もそれはやってよろしい、法律はそれを妨げない、こういうことを質疑に対して答弁をしておることはあとで問題にしようと思っておったんです。それは答弁してます、そういうふうに。しかし、これは与党と野党の話し合いの中で——私はその当事者なんですが、そういう話はしておらない。かりにあったとしても、それは有効な話し合いではないと私は判断する。従来の法律がどうであろうとも、新法が出た以上、その新法に違反するような話し合いは、だれがどこでしょうが、それは認められない、不法です。この法律案は明らかにその点について修正議決をしているのです。従来どういうことをやっていようが、この法律か出た限りにおいては、県教委で数種にしぼって、それを市町村教委に示すというようなことは許されていいことでない。しかるに、従前やっておったそのような措置は、この法律が出ても、それを妨げないと答弁していることは明らかに法律違反であります。あとからこれはもう少し立ち入った話はいたしますが、われわれは話し合いの中で、そういうことを了解し合った覚えもないし、そんなことを了解できる法律の修正でないのであります。この点をだめ押しをして置きます。  さて、先ほどのところに戻していただいて、私は先ほど文部大臣に伺ったように、県の教委の段階でいろいろな調査研究をやる、その結果、具体的に教科書にABという符号をつける、そのことは教科書の特色だとか、教科書の特徴だとか、あるいはあなた方が使っている分類上、配列がよいとか、配列にこういう特徴があるとか、要旨はこういうことであるという批判や意見は、この符号では述べられていない、明らかでない。しかるに、そういう何ら内容も明らかでないような符号をつけることを積極的に指示をして、その資料が採択の段階にいって採択権者がその資料を見れば、何のちゅうちょもなく直ちに採択ができるような、そういうものでなければ意味がないということをつけ加えて指示している。しかもあとの質疑応答で、こういうことまで言っているのです。こういうような採択基準資料等の作成をして地方教委に渡す場合には、これは教科書発行者のほうにたいへんなことを引き起こすということにならぬかという意味のことを言っている。私はもっとそのときに使ったことばを正確に言っていいのですが、そういう意味のことを言っている。これは質問者が出た。この質問がなぜ出たかというと、具体的に教科書に符牒をつけて、それを直ちに、採択権者が見れば、何のちゅうちょもなく採択を即決できるようなものでなければ意味がない、そういう積極的なものでなければ、これは義務違反だとまでつけ加えて言っておったから、この質問が出てきたのである。こういうことをやれば、市町村の段階にいく前に、県教委の段階で具体的に教科書の合格、不合格が決定になるわけです。そういうことになれば、採択権を持っている個所で、採択以前にすでに教科書の合格、不合格がきまってしまうようでは、発行者に重大なこれは支障を県教委段階で与えることになるのではないかということを問題にして質問しているのです。大臣はこのことの経過はおよそおわかりと思います。ところが、それに対して研究、調査の結果を、今申したような評価を付して、そして提供するのでなければ意味がないのだ、だから発行者に対しては、私たちのほうから十分理解をしてもらう、そういう手だてを講ずるつもりであるから、その点の心配はない、こういう意味のことを答弁しているのであります。このことのいきさつからみても、評価のABという符牒をつけさせることを指示した、それは法律に間違いなく違反している、こういう断定が出てくるわけであります。このことを文部大臣はどうお考えになりますか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) どういうやりとりがあったのか正確には聞いておりませんけれども、先ほど来申しておりますように、私はこの法、御審議の過程において皆さんが修正された御趣旨に沿ってこの法は運用すべきであると考えております。したがって、課長会議の席におきまして、課長がどういうことを申したか、そのやりとりはわかりませんけれども、もしその趣旨が、数種類を選定するというようなふうにとられるような指示をしているということでありますれば、これは皆さんの御趣旨と違うことになります。したがって、私はすでに局長に対しましても、もしそういうふうなことがあるとするならば、それは是正したらよかろう、こういうふうに私は申しているわけであります。私の心持と局長も同様だと考えますけれども、この法の審議の過程において、国会において修正せられた趣旨はすなおに受けて、そうしてそれをもって運用すべきである、こういう考え方をいたしております。もし課長が申しましたことが、あるいは先ほど来、ちょっと話も出ておりましたが、この皆さん方のお話し合いの過程において、どこかでそういう話をちょっと耳に入れたというふうなことがあって、あるいはそういうことも可能かと誤解したのかもわかりません。それは本人から私聞いておりませんからわかりませんけれども、そういうつもりで現在までに、ある種の教科書を限定してやっておるという県があるとするならば、それは皆さんのお話し合いの過程においても煮詰められておるのだ、このくらいのつもりでやったのかもしれませんけれども、しかし、私はいずれにせよ、そういうことではいけない、この際はっきりと、もし、そういう誤解を招くようなことをやっておるならば是正したらよかろうということを局長に指示いたしておるわけであります。さように御了承いただきたいと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 いま大臣が答弁したうちの大部分は、私も了解をするわけです。しかし、行政指導をしたものは、依然として大臣も肯定をされない。私はここで問題にしているのは、立法者が十分苦心の末、日本の教育をよくするために法律をこしらえたのにへ私に言わせると意図的に原案の方向に行政指導を加えようとする態度があらわれてきたことを重大視しているのであります。  私は文部大臣にはっきり聞きたいのだが、具体的に教科書にAだとかBだとかいう符牒をつけることは、法律のたてまえからいって逸脱をしているという私らの見解をあなたも肯定せられなければならないと私は思うのですか、それは肯定されるでしょうね。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) A、B、Cというようなことを、一体何の目的でつけるかというところに問題があろうと思う。無目的でつけるというのはおかしな話だ。その目的がAがいいものでBが中くらいのものでというふうな意味のA、B、Cということでありますれば、私どもの考えざるところであります。そういう評価をなすべきでない、このように考えます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 私は、いままでA、Bという符牒をつけることを指示したということを問題にしておりますが、Aというのは、第三者は聞いても何も理解できないわけです。ローマ字の一番上の頭文字という以外にはわからぬ。ですから、これを指示したときには、この教科書は合格、この教科書は落第ということのかわりに、このA、Bの評語をつけさすということを指示しておることは間違いない。そうでなければ、この符牒をつけることを強調することが意味がないのです。明らかにAという符牒はつけさすようにしたが、それは合格、Bはやや合格、Cは不合格という、そういう内容の符牒なんだというふうに理解して、初めて、この評語をつけさすことの文部省側の意図がはっきりしてくるわけです。ですから、ここでは決して教科書を研究して、その具体的な教科書についての特徴点や特色をそれぞれ明らかにしていくという意図ではない、そういう意図であったら、もっと資料を受けた側が理解のできるような、たとえ文章は短くても理解のできるような、たとえばこういうものにしなさいと指示するはずです。数種にしぼれなくなった、原案が修正されてしぼれなくなった。修正された法律が、原案の方向にいかに近づくかというために企てられた評語なんです。そう理解しなければ、これを無理やりにつけさすように指示した意味がわからない。私はこれは単なる私の邪推でなくて、文部省の役人の指示したその腹の中も、事実も、ともに県の段階において、具体的に教科書に合格、不合格の符牒をつけろ、こういうことを指示したということには間違いがない。そうでなければ、このときの質疑応答も指示も何らつじつまの合わない、わけのわからぬことになる。あとで出てきた質疑も、私の言ったように理解して、初めて教科書会社が、そのことを問題にしないかと、こういうふうな質疑が飛び出るのも、私の指摘しているようなことであったから、主管課長からの質問が出てきても、その質問に対する答弁も、またそれにおっかぶせるように、直ちに個々の採択権者が採択できるような、そういうものをこしらえなければ意味がないのだと言って、この評語をつけることをさらにだめ押しをしておる。私は、ここが文部省の役人の指示しておるところで、重大な法律を犯しておる指示だと問題にせざるを得ない。  委員長、私は文部大臣は、そういうことがあってはうまくない、法律にそれは抵触する、こういうことは私らの主張と一致している。問題は、そういう指示をしたかどうかということにかかってきたわけです。それで私は、これは委員長理事打合会で当然話し合いにしてほしいのですが、このことを指示したことがあるかないか、それをここの委員会で立証する機会をつくってもらいたい。参考人として私の指定をする人を数人、ここへ呼んでもらいたい。それによって、このことの行なわれたか、行なわれないかということを立証しなければなりません。しかし、私は委員長に申しますが、私は文部省が、こういう指導をしたということを、そんなことをされるまで強引にがんばらないで、かぶとを脱ぐべきです、絶対に私は、それができるのですから。そこまでいって立証されたとなったら、われわれも断じてもう引かれない。局長も文部大臣もともに、こういう違法行為をやったということの責任を免れなくなる。だから私は、先ほども言いましたが、指示を間違ってしたならした、そういう評語をつけろと言った、しかも、即決できるようなものに、その評語をつけなければ、そういう評語でなければ意味がないと言ったと、こういうふうに正直に答えるべきであります。それを強引に突っぱり通せば、あらゆる手段を講じて、私はそれを立証する今度はこっちに義務が生じてくる。そう思いますが、委員長のこの委員会を運営されておる責任者の立場で、そのいずれの方法かをとるべきだと私は思いますが、委員長の判断はいかがでしょう。

中野文門自由民主党

○委員長(中野文門君) ただいま問題になっておるあなたの発言の内容の取り扱いにつきましては、委員長理事打合会におきまして、十分に検討いたしたいと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 もう一度、初中局長にお尋ねをいたします。法律のたてまえは、県の教育委員会の指導、助言、援助ということをうたっているが、その行政的な権限と任務の範囲内には、具体的な、教科書に単なる符牒をつけさす、合格、不合格の符牒をつけさすようなことは許されないと、こういうふうに解釈をされるかどうか、局長の見解をお尋ねいたします。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 私は、法律解釈の問題よりも、その法律が修正されてできました趣旨に従って運用するという立場から、たてまえから申し上げますと、そのとおりだと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 それでは局長にお聞きしますが、そういう指示をしておる事実が明らかにされるか、もしくは明らかにするような措置は、時間的にもいろいろな面で相当手続を要するから、そういう間違った指示をしたことを認めて、その指示の間違いであることを地方の教育委員会の主管課長をさらに招集をして、法律のたてまえから逸脱しないような指示をし直すという用意があるか、もしそれもない、そういうことは指示しない、しなかったし、そういう考えもないというふうに答弁が出てくれば、私はまた別のことを主張したいと思います。とりあえず局長の見解をお聞きします。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) いきさつにつきましては、私が先ほどお答え申し上げたとおりでございます。万一、そういう間違った指示が行なわれているといたしますれば、私どもとして、地方の主管課長などに対して、それを是正することにやぶさかではございません。

米田勲日本社会党

○米田勲君 いまの段階では、主管課長会議を再度招集して、指示のうち、疑義の起こっておることがあるのでやり直すということの必要性を感じておるかいないか、局長にお尋ねします。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) ただいまのところ、この問題で直ちに招集するということは考えておりません。しかしながら、もし間違ったり、あるいは誤解のあった点がございますれば、それは適当な機会に是正をしたいと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 そういたしますと、私の指摘している個所は、言った覚えがないし、問題ではない、こういうふうにあなたは、現在の段階では断定をしておる、そうと解釈していいですか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 私は断定も何もしておりませんが、私の知っておる範囲では、そういうことはなかったということを聞いております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 関連して。とにかく、米田君がいままでいろいろ質問しておりますことは、米田君の誤解ではないわけです。あなた方が集めた主管課長会議に参集したものの中で、米田君が質問したような点に疑問を持ち、疑義を感じて、不安を感じて、集った人たちの受け取り方をそのまま米田委員に通じておりますので、米田委員も話がおかしいじゃないかといって質問している、だから、米田委員一人が誤解とか何とかという問題ではなくて、招集した中に、何人かが誤解を感じたということは、これはどう考えても認めなければならぬ問題です。だから、米田君は何も事を荒立てて大きく問題をどうこうということではなくて、そういう法の解釈そのもの、あるいは局長の言う法を修正する経過についての話し合いの内容と、はなはだはずれた点も起こっているような誤解があるならば、それを文部省としては、適当な時期にはっきりとした態度を示さなければならぬじゃないか。その気持があるか、こういう意味も含めて委員長に今後の運び方についを伺っておったわけです。  それを局長のようにやぶさかではない、しかしいまはその必要かないということでは、どうも木で鼻をくくったようで、はっきりしない。そこで具体的に文部省から聞き間違いをしていると思っている人もある。われわれからすれば、特に質問者からすれば、はなはたけしからん説明を文部省がした、こう受け取っている人がある。これは早急に、米田委員のいま提案しているような点を解明するような機会を文部省として積極的に設ける、べきじゃないか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 加瀬委員のお説まことにごもっともでございますが、私どもとしては、もしそういう間違った点がございますれば、是正をいたしたいと思います。しかし、いま直ちに招集するかというような御質問でございましたから、また、それは時期等は考えなければならぬという意味合いから申し上げたのであります。しかし、主管課長会議を招集して、そういうことをやるのか、あるいはまた、他の適当な方法によって誤解のある向きを解くのかというような方法を講じるかということも可能でございます。そういう点を私どもとしては検討してみたいと思います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 方法は、必ずしも主管課長会議をあす、あさって開けというようなことをわれわれが注文するならば、そうはできないということになろうかと思いますけれども、誤解を早急に解かなきゃならないということは、これはどうしても早く取り運ばなきゃならない問題だろうと思う。誤解を解く方法は、文部省は文部省としてのお考え方があろうと思いますけれども、その点だけ、はっきりとお答えをいただければ、米田君のあとの質問も、また、いろいろと質問の内容というものも整理されて、取り運びも早くいくと思うのです。その点をはっきりなすっていただきたい。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) そういう点は、私どもは善処いたしたいと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 私は、この問題の結着をつける一つの対策に過ぎないです、それは。あくまでも主管課長会議を開いて指示をした点の間違いを訂正するということは、一つの対策に過ぎない。私はそれをもって、この問題を落着したとはさせない。なぜかというと、この委員会に対する文部省側の答弁が、絶対に了承ができないからである。私は、先ほどから何度も言っておるように、人間のやることであるから、絶対に間違いがないとはいわれないとまで譲歩して言っておるのであります。  しかるに、そういうことを指示した覚えはないという立場をあくまでも突っ張っている限り、私は、先ほどの加瀬先生が言って、そういう善処したいなどということで、この問題を落着させる気は毛頭ありません。必ず責任を追及いたします。この問題を最後のところに残して、時間がここばかりで集中されておりますので、その他のところに私は話を移します。  先ほど、局長が豊瀬委員の質問に対する答弁をした中で問題になったことは、この教科書課長の指示、概括説明の中に、はっきりしているのであります。どういうふうに運んだか、あらましを申し上げますと、こうなります。政府の原案は修正議決をされた。だから、教科書をあらかじめ選定をして、その選定した中から採択をさせるという指導はできなくなった。そこで採択の対象となる教科書の全部にわたって、あらゆる点から内容を検討して、これに評価を付した資料をつけて、それは先ほどの言うAという符牒であります。Bという符牒であります。それをつけて、採択の指針となるようにしなければならない。しかしながら、——これからあとが私は法律違反だと思う。従来の実績では、県によってあらかじめ数種の教科書の選定をして、その中から採択するという指導がとられていたところがあります。これらの県教委の自発的な指導は、この法律が出ても、法律上の建前からいっても、何らこれを妨げるものでないと、こう指導している。一体、県の教育委員会が従来やっていた、いないにかかわらず、この法律が出たあとにおいて、数種の教科書を選定をして、それを市町村の段階におろしてやる、その中から選ばせるというやり方が、この法律の立場からいって、そういう行為は妨げられないと指導をしているのは、全く法律の立場を無視しておるのではないか、こういうふうにわれわれは判断をするのであります。  このことに対して、従来の行きがかりなどは説明することはなく、新法が出たあと、こういうことが法律上許されるかどうか、法律上の見解を局長に承ります。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 先ほど申し上げましたように、法律解釈の問題ではなくして、私は法律を修正した修正者の意思というものがはっきりいたしておりますから、したがって、いま御指摘になりましたようなことについて話し合いがなかったということであれば、これは当然その点に触れるわけでございますが、行き過ぎた指導ではなかろうというように考えております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 答弁がわかりません。私が聞いておることの要点は、ここであります。従来、どんなことをやっておったかは話は別にして、今度の教科書が、法律として施行されてから以後において、県の教育委員会の段階で数種の教科書を選定して、その中から採択をさせるという行為は、法が禁止をしておるものではないのか、そういうことをしてはならないという立場で修正議決されたものではないのか、こういうことをやることは、法律の立場からいって、何にも妨げにならない、やってよろしい、今後もやってよろしいという、そういう言い方は、法律に違反をしないかと言っている。そのことだけ、はっきりしてください。ほかの釈明は要らないのです。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 法律を修正された趣旨に沿わないものだと考えております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 修正された趣旨というよりは、現在の法律に抵触をしませんかと言い直して質問をします。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 法律解釈の問題としては、これはいろいろ内容があると思います。しかしながら、その法律を運用する態度として、数種選定なぞはやらないというのが修正の趣旨でありますから、したがって、その趣旨にしたがって法律は運用されるべきものだと、こういうように私は解釈しております。そういう点において、もし、いま御指摘の点が法律違反かどうかということではなくして、運用の問題として私は適当でない、こう思っております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 明敏な局長にしては苦しい答弁だ、なぜ率直に言われないのですか。このことが法律違反をしているか、いないかは、普通の頭を持った者が法律を読めば直ちにわかる、それを何で、そういう言い回し方をしなければならぬのか。今度の法律は県教委の段階で数種にしぼって、その中から選びなさいと言ってはならない、法律はそれを、原案のところにあったものを削ってしまった、だから運用の面で云々ではなくて、そういう行為をすることは法律違反になるのでないかと言っている。法律違反にならないですか、そういうことは。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) だから、法律の趣旨にもとっているということを私は申し上げたのです。

米田勲日本社会党

○米田勲君 法律に違反しますか、しませんか、はっきり言ってください。趣旨という言葉でぼかさないで、現在の法律に違反しませんか、違反しますか、二つに一つを答えてください。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 私は、法律違反だとは考えていません。

米田勲日本社会党

○米田勲君 文部大臣、いまのことを指導しても、それが実際に行なわれても、法律違反にならないと局長は答弁をいたしました。そこに修正議決をされた法律を文部大臣もお持ちだと思いますが、その条文に照らして、どこでこういう行為が許されるか、文部大臣の見解をただしたい。それは、県の教育委員会が具体的に数種の教科書を、あらかじめ選定をして、その選定した中から教科書を採択させるという指導は、この法律のどこに根拠がありますか、私は修正議決をした経緯からみても、積極的にそのことを禁止しておる、法は。そういう解釈は圧しいと思いますが、局長は、そういうことはないと否定した。文部大臣の正しい見解をお聞きいたします。

中野文門自由民主党

○委員(中野文門君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

中野文門自由民主党

○委員長(中野文門君) 速記を起こして。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 法律上の問題につきましては、私がお答え申し上げますよりも、局長のお答え申し上げげたほうが正確だと、かように存じますので、局長の答弁によって、ひとつご審議を願いたいと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 局長に答弁させたところが、法律に違反しないと言っておるのです。私は法律に違反をしておると言っておるのです。  したがって、最高責任者の、あなたの法律見解をまず聞いて、事後の措置をしたいのです。また局長のほうに言わせれば、局長は法律に違反していないと、また重ねて云うだけであります。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) いろいろのいきさつというものを度外視いたしまして、この法律の条文を解釈をするということになりますれば、私は指導、助言の範囲というものは、かなり広いと思うのであります。ただ、この法律を実施し、適用するに際しまして、この法律制定の経過にかんがみまして、政府としましては、国会の意思を尊重いたしまして、その線に沿って、この法律の適用をはかってまいりたいと、このような考え方を持っておるわけであります。

米田勲日本社会党

○米田勲君 大臣が、そういう見解と立場をとられる以上、この主管課長会議に申し述べた文部省側の指示は、法律違反をしておる。県の教育委員会はあらかじめ数種の教科書を選定して、その中から選ばせるようにする、そういう県の教育委員会の自発的な指導は法律上何ら違反でない、こういうふうに言っておるんですよ。こういう指導は、私は文部省の役人がばかだとは考えられない。法律を十分知っておりながら、あえてこういうことを言っている、そう解釈することが正しいと思う。こんなはっきりした修正議決の経過も知っておる書が、明らかに法律に抵触することをやってもよろしいと指導することは何事かと言いたい。少なくとも一般的な話ではなく、文部大臣の言うように、この教科書の法律のこの指導は、明らかに間違ってませんか。それは、そういうふうに認めるほうが文部大臣として正しいと私は思っているのですよ。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) この問題は、米田さんと幾らやりとりいたしましても尽きないかと思うのでありますが、私は先ほど来申しておりますように、文部省の課長の指示が、先ほど来お話があり、私がお答え申し上げました趣旨に反したことを指示しておるということであれば、これは是正するにやぶさかでないということを申し上げておるわけです。それでひとつ御了承いただきたいと思うのであります。

米田勲日本社会党

○米田勲君 そういう措置を文部大臣が積極的にとることについては了解をいたしますよ。しかし事態は、いま明瞭になっておらないのです。一方は法律に違反しないと初中局長は明言している。しかも、先ほども遡及したように、みずからはそういう指示をしておりながら、そういうことはしないと言っている。ですから私は、単に、もし間違いがあるなら是正するにやぶさかでない、そういう措置をとりましょうということは、文部大臣として当然なんだ、それは。しかし事態が明瞭になっていないままでは、間遣いがあれば正しましょうだけでは、この場合はおさまらない。初めから間遠いでしたと出てこないのだから。あくまでも間違でない、言った覚えがないと言っているのだから。この事態を明瞭にしないと、立法者の意思を無視して、行政をやる者がむやみなことをするということを見のがす結果になる。私は、このことを特に問題にするのはそこなんです。  立法者がいかに配慮して法律をつくろうとも、それを実際に、この法律に基づいて行政をやる者が、こういうことを指示したり、やらせたりするようなことでは、秩序も何もあったものではない。だから、間違いがあれば是正をする措置をとるという文部大臣のお考えは、それでよろしいのだが、私は事態を明瞭にしたい、努力をして。その方法としては、どうしても、そういうことを言わないし、法律に違反していない、こういうふうに事務当局が突っぱるなら、法律の再興家を、法制局長をここに呼んで法制局長に見解をただす方法も過りましょう。また、言っていないというその態度に対して、私はそのことを指示したという結論になるような証人を、ここへ喚問をして、そしてそれを明らかにするという方法もありましょう。しかし、そのことをやるまでもなく、私は県の教育委員会が教科書をあらかじめ数種選定して、その中から採択させるようなことは法律に違反していないという言い方は、だれが考えてみたって法律に違反しているのです。ですから、それをなぜ率直に認めないのかと私は言いたい。だれが聞いても明らかに違反をしていることをやっていながら、違反をしているとは思わないという事務当局の見解なんです。そんな態度で今後教育行政をやられたのではたまったものではない。だから私は事態を究明したいと言っている。何もしつこく言いたいからやっているのではない。間違いは間遠いとして認めるならよろしいが、間違いでないとがんばっているところに問題があるのです。どうですか、文部大臣。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 私は事務当局のやりましたことについて、これが法律の違反であるとか違反でないとかいう問題でなしに、事務当局としましても、この前の国会の制定の際の経過はよく承知いたしておる。したがって、教科書を数種に限定するというような趣旨のことはやってはならないという立場で掲示をいたしておるように聞いておるのであります。ただ、先ほど局長の話の中にもありましたが、従来数種に限定して指示をしておる府県に対する取り扱いの問題この問題については、私は事務当局があるいは皆さん方のお話し合いの際に、何か耳にして、そうして、そういう分は、自発的にやる分についてはかまわないのだというくらいな気持ちになったのではないかと思うのであります。あるいは大きな誤解かもしれません。そういうことがあって、従来取り扱っておりましたような数県については、自発的にやる分については、それはそれでよかろう、こういう趣旨の答弁をしたのじゃないかと思うのであります。  しかし、私の考えはどうかというふうにお聞きになれば、私は、そういうこともやるべきでない、文部省は、そういうことはやるべきでない、このような考え方をいたしておりますので、そういうふうな問題について、よく事実を確かめました上で、私としてとるべき措置をとったらよろしいのじゃないか、このように思っておるのであります。したがって、米田さんにお願いしたいと思いますことは、いろいろな御意見もあろうと思います、あろうと思いますか、この経過について、もう少し私検討してみたいと思います。米田さんも資料を持ってのお話なんで、それについて事務当局が、はたしてどんなことを言ったのかというふうなことについて、もう一度、ひとつ取り調べをいたしました上で、私の処置を考えてみたい、かように考えております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 文部大臣の、そういうお答えは私はそれはそれなりに納得できます。文部大臣の見解はこういうことを指示することは、法律上間違いだということを言っておるのだと私は思いますので、……。  局長にお尋ねをします。あなたは、初中局関係の行政事務については最高の責任者。その責任者であるあなたが、自分の所管の事項で、文部大臣すら、そのことをもしやっておるとすれば、それはまずい、間違いだと、こういうことを言わざるを得ないようなことを言っておるのに、まだあなたは、法律に違反をしていないと断言しますか、いかがですか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 私は大臣と全く同じ考え方で、いままでまいったわけでございます。したがって、冒頭に申し上げましたように、その点については、行き過ぎがあるかもしれない。これは大臣が申し上げましたように、経過についての誤解があったかもしれない。したがって、そういう行き過ぎがあれば、もちろんこれは是正するにやぶさかでございませんということを申し上げたわけであります。

米田勲日本社会党

○米田勲君 訂正するにやぶさかでないなんていう、事後の処置をいま論じておるのじゃないのですわ、何べんも言うように。事の事態を明らかにして、しかる後ですわ、対策は。事の事態も明らかにならないで、うやむやにしておいて、そうして事後処置だけここで考えたって、それは問題の解決にならぬ。やはり間違って指導しておった者があったのかないのかということを明らかにしなければならぬ、そういう立場なんです、私は。ですから初中局長に聞きたいのは——今度の法律は、原案を修正しておるのです。それだけでも、県の教育委員会が具体的にあらかじめ数種の教科書を選定して、その中から採択をさせるようにするというやり方は法律違反をしておるという私の見解に対して、なぜうやむやなことしか言えないのか、それがわからないのです、私には。自分の立場を守ろうとする立場もわかりますよ。しかし、こんなところで常識的な法律解釈を、うやむやにしか言えないというのは、まことに心外なんです。明らかにすべきものは明らかにしなさい。間違いは間違いだと言いなさい。のがれられるものではないのです。私は許さないですよ、こんなことでは。局長答弁しなさい。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 私は申し上げておるつもりですが、そういう指導については、法律の趣旨にもとるものだ、こういうことを申し上げておるつもりであります。

米田勲日本社会党

○米田勲君 いまの答弁でこういう行為を県の教育委員会がとることは法律に違反をしている——認めますね。——認めましたね。局長、認めましたね。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 先ほど申し上げたとおりでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 先ほど申したとおりです——もう一度言ってください。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 法律の趣旨にもとるものだということを申し上げたのであります。

米田勲日本社会党

○米田勲君 豊瀬委員から、関連質問したいと希望しておりますので……。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 関連して。いまの米田委員に対する福田局長の、法律の趣旨にもとるという言い方は、−違法でない一これとは、あなたの態度として両立しておりますか。聞き方が不親切であれば、違法でないという見解も、まだ堅持して、同時に違法ではなく法律の趣旨には合わぬのだ、これは制定の経過等を含めて——、この点を明らかにしてください。法律の趣旨にもとるという言い方は、違法であるということを認めたのか、認めないのか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 私は、まあ法律解釈の専門家に言わせればどうかわかりませんが、法律解釈としては、いろんな議論があるかもわかりませんが、しかしながら先ほど来申し上げますように、私の解釈は、この修正の経過にかんがみまして、法律の趣旨に逸脱しているということを申し上げたのであります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 それでは逆から、ちょっと一、二点あなたの見解を聞いてみたい。私の注釈は加えません。政府原案で指導、助言、援助の任務を付与しようとした、同時に教科用図書の選定等というところで、数種選定の権限を付与しようとした、この二つの政府の立場は、指導、助言、援助の中身と数種選定という権限とが同一のものであると考えるならば、それぞれの条項に列記をすることができる、これは法律の立法の際の常識ですね。一方において、指導、助言、援助の任務を与える、一方において選定権を与えようとしたということは、この法律に選定の権限を与えなければ、教育委員会には数種選定権はないと見た、こう思うんですが、その考え方は、どう見ますか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) その点は、数種選定ということは指導、助言の内容ではない、こういうように考えております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 修正議決された法律により、経過、いきさつを一切抜きにして、数種選定あるいは数種推選の行為が、教育委員会の権限として容認できるという解釈をとりますかどうか。とるとすれば、それは何条のどこで、そういう解釈をあなた方はとっているか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) この法律からは、私はそういう解釈はいたしておりません。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 経緯、修正の両党の話し合いを抜きにして、法律そのものからも、いま言ったように数種選定あるいは推薦の権限が教育委員会に与えられていないと法律を判断されていますね。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 無償措置法の条文は、そうだと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 それでいいです。

米田勲日本社会党

○米田勲君 いままでの質疑応答で、この主管課長会議の問題点の二つ目はここなんです、重大な問題点の二つ目は。しかも法律に違反をしたことをやってもさしつかえがないと指示した、これが第二の問題点であります。それから次に、今度選定審議会の問題であります。ここで、どういうことが言われておるかと申しますと、教科書の調査研究は選定審議会では十分でない、十分にやれそうもない、そう考えられて、その下部組織として、専門調査委員を置くことを政令で定めようと原案を推し進めたが、諸種の事情から、これを明文化することができなくなってしまった。しかし専門調査員の削除はしてしまったが、選定審議会の性格や規模から考えて、当然専門調査員を付置することが原則である、こういうことを指示しておる。私は、ここにも第三の問題点がある。各般の事情、諸般の事情から、この政令の中に、それを定めようとしたが、できない事情に立ち至ってしまった、だから、削除をしてしまったが、しかし、選定審議会の性格や規模からいってこれを置くことが原則である、こう指導しておるが、何かつじつまが合わぬのでないですか。これは一体、いかなる理由で、こういうことを示達しているのですか。局長にお尋ねいたします。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) その点につきましては、私どもはつじつまが合わないというようには考えていないわけでございまして、選定審議会自体は、政令に書いておりますような任務を持っております。したがって、その任務を果たすためには、ただ二十人以内の委員だけでは不十分でございます。したがって専門的事項については、当然にその選定審議会でやる場合には、専用の調査員等を設けまして、十分に検討してやるのが適当と考えております。ただ法令に、その調査員をあらわさなかったのは、これは自治省のほうの意見でございまして、一般の、こういう審議会の組織としては、法令にそれを書かないのが最近の例なんでございます。したがって私どもとしては、でき得る限りこれを書いたほうが、はっきりしてよろしいのじゃないかということを、いろいろ自治省と相談いたしたわけでございますが、そういう例になっているので、これは事実置くにいたしても、法令の上には調査員というものを設けないようにしょう、こういう要望がありましたので、落としたわけでございます。別に他意あってのことではございません。

米田勲日本社会党

○米田勲君 別に他意がないということは、私は理解できない。専門調査員を、この選定審議会の性格や規模から考えて、その下部組織として持つことが原則であるということを考えており、それを指示するなら、なぜ前段で、そういうことを政令で定めようと考えて進めたが、諸般の事情でできなくなった、したがって削除をした、こういうことをなぜ言わなければならないのですか。当然やらなければならない、当然できることであることを、なぜこういうふうに説明をするのですか。局長の見解をお尋ねします。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 説明がまずいという御指摘ならば、別でございますが、別に、そう言ったからといってふしぎはないと思います。いま言ったようないきさつでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 それではお聞きいたしますが、そういう法令、政令の中に、専門調査員を置くことを定めましたか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 規定をいたしておりません。

米田勲日本社会党

○米田勲君 政令、省令の中で定められなかったことを、なぜ示達をするのですか。私はそのことが必要であり、他の法律や規定に照らしても違反にならないことであれば、当然省令や政令にうたって、疑義の起きないようにすることが至当ではないかと思う。それを諸般の事情から、それを整理して原案に盛り込んで、それを出そうとしたが、出せなくなってしまった。そして今もなお、政令や省令の中に、それはない。ないが、これを置け、こういう行政指導は、どこか狂っていませんか、ネジが。省令にも政令にも法律にもうたってないものを、うたえなくなったものを、必要だから置くのが原則だという言い方は、これは行政の指導としては混乱を招くだけではありませんか。局長の見解をお伺いします。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) この点に関しましては、私どもは、さような見解は持っておりません。これは選定審議会の仕事をやりとげますには、必要な専門的職員も当然置いたほうがよろしい、こういうような立場から指導いたしたのでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 それが置くことが正しいと考えるなら、なぜ政令や省令にうたわないのですか。うたえないのですか。行政の事務をやる場合には、もともとそのよりどころになっている法律のたてまえに立たなくちゃならぬが、その法律のたてまえに基づいて出される政令や省令が、実際の行政措置を進めることになるのじゃないですか、法律の立場で。そういうものでないですか。その政令にも省令にもうたっていない——うたってないというよりは、これは初めからミスでうたってないんでない、うたおうとして進めたが、諸般の事情からできなくなった、そういう、できなくなった事情のものを、置くのが原則だと行政指導するのは何ゆえか。非常に疑義が持たれるわけです。私の常識からいえば、そういうことをやらせなければならぬと考えるなら、法律で規定していない場合であって法律のそれにもとるものでない範囲内においては、政令や省令で定めて、疑義の起きないようにするのが至当だと思うんです。そのいずれにもうたわないでおいて、うたえなくなったので、これをやれ。口頭で示達をする、そういうやり方は、どこかまずいのではないですか、局長。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) これは他の立法例と歩調を合わしただけの話でありまして、必要なものは随時置いていくということは当然にあっていいと思います。したがって必要な調査員を置くということは、別に私は支障はなかろうと考えております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 私は、ここでも疑義が生じている。必要で置かなければならないという行改指導を加える限り、あなたの考えで何をやってもいいということではないんですよ。あなたの行政指導は、少なくも法律の立場を守らなくちゃならない、その法律に抵触しない、法律にのっとった範囲内における政令や省令を定めて、その定めによって、行政事務は行なわるべきものなんです。その省令にも政令にもうたい込めない事情になってしまったものを、なぜ言葉でもって主管課長に指示なさるのですか。僕は行政の手段としては、どこかに遺漏がある、どこかにまずいところがある、こういうことを考えるわけです。  さらに、私はこのことを問題にするの、この専門調査員の問題をめぐって、こういうことを言っておる。専門調査員の数を幾らにするかという話です。大体、一教科五種程度と考えているので、それに見合う人数を考えるべきである、こう指導している。この専門調査員を置くと自体が省令にも政令にもうたい込めないでおいて、なおかつ、これを置かせることが原則だと指示をした。その人数は、といえば、大体一教科五種程度と考えておるので、それに見合う人数を考えなさい、こういう指導をしておる。  ここにも明かに県の段階で、具体的な教科書をある数に限定をして採択をさせようという意図が明瞭なんだ。だから、私は逆に解して、この専門調査員の問題を問題にしている。いいですか、専門調査員の人数は、大体一教科五種程度を考えておる、それに見合う人数にしなさいという指導をしておるが、この事実を認めるか、認めないかという、また、これも立証しなければいけませんが、いかがですか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 専門調査員の数は、各府県によって実情に応じて必要な数を置けばいいと思います。ただ一教科につき五人という話が出たとすれば、それは交付税の積算の基礎に、私どもとしては必要な経費を見込む場合に、大体一教科五人程度というような数を限度として、これをお願いしたわけでございます。そういった点から一教科五人という話が出たかと思います。これは別に五人置かなければならぬというわけではございません。必要な数は各府県で自主的に判断しておけばよろしいと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 私は個々単独に切り離して、これだけしかないのであれば、いろいろな言いのがれはできると思う。先ほどの評価のA、B、Cといい、この問題といい、県の教育委員会の段階で数種に選定をして、その中から選ばさせるという指導をしておる。それは法律に違反しないという指導をしておる。それと、この専門調査員の数の問題が問題になった際に、それは積算の基礎にそういうことは、この法律は最初に、早くにできておりますから、積算の基礎は、事務的に自治省との関係で、そういうことをしておったのかもしれません。しかしこの指示は、法律ができてしまってから指示をされておるのだから、専門員の人数は問題になっときに、何がゆえに一教科五種程度を考えておるので、それに見合う人数にしなさいということを言うのか。もしあなたが、正しい指導をしているのなら、専門員は置いてほしいと、私に言わせると、それは、省令か政令で定めておいてやらなければならないのに、妙なことをやると先ほどから指摘しておるのだが、それはあとに残すとして、その際に、専門員は大体これくらいが正しい、これくらいがよろしかろうというならいいのですよ。そうでない、その先に大事なことをくつけておる。大体一教科で五種程度を考えておるのでと、こういうことがついておる。教育委員会の選定審議会が扱われるこの研究は、調査は、検定に合格した予定される採決の教科書の全部にわたらなければならぬはずである、そうではありませんか。そのうちのどの教科書かを初めから外して調査も研究もしないということは許されない。調査としてはおかしい、それは。だから、全部の教科書にわたって研究、調査はしなければならぬ、法律のたてまえで。それなのに専門調査員の人数が問題になったときに、一教科五種程度考えておるのでという、この五種程度というのは現在出てきておるのですか、それが、五種程度の選定を考えておるから、それに見合う人数にしなさいという指導をしておる。そういうふうに私が指摘をしても間違いはないではありませんか。あなたの言う公平な立場であるなら、専門員は初めから何名くらいが適当と思われるということを指導して、それで何ら差しつかえないようなものである。一連のあなた方の指導は、この法律に絶えず反逆をしようとしておる。原案の方向に絶えず戻そうとしておる、その意図が、ここにもあらわれてきておる。局長はどう考えますか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 何かの誤解だと思いますが、私どもとしては、専門調査員を置く場合には、全部の教科書について研究が行なわれるように、その対象となる教科書についての研究が行なわれるようにしてもらいたい、そういう意味合いから、必要な数を置いてもらいたいということは指導いたししておりますが、これは通達でも書いております。たまたま一教科五人というのは、先ほど申し上げました交付税の積算の基礎に、それを用いたということと結びつけてのお話だと思いますが、それは、財源の問題だけでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 私は、あなたの答弁は納得できない。積算の基礎に、当初法律が、まだ原案であった当時、原案ではしぼれるのですから、数種にしぼるという、あの教科書法案の審議の際にも五種程度と、荒木文部大臣は言っておったのですから、その問題と一致するのですが、それは積算の基礎にすでになっておる。しかしこの指示は、法律ができてから行なわれている指示だ。その専門調査員の員数が問題になった際に、どういう理由で、一教科五種程度と考えているということばを、ここでつけ加えなければならぬのですか、何かの誤解とは何事ですか。  これはこういうふうに明らかに言っておる。だから、私は問題にしておる。このことも数人の方々から、私が受けた報告のピントが合っている部分なんです。架空で私はこういうことをでっち上げて、あんたを追及しているのではない。この点も、すべての人が一致しておったことばだ。だから明らかに、これを言っておる。何のために、こういうことを言わなければならぬのか、あなたのほうの必要なことというのは、専門調査員は何名くらいが妥当であろうという程度にとどまるべきでないですか、一教科五種程度というようなことばは、すでに、この法律が発生してからは軽々に触れるべきことばではないんではないですか、そう思いませんか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 私もそう思いますが、一教科五人程度ということは言ったようでございます。一教科五種ということばは使ってないはずでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 また、これも立証しなくちゃならぬ、それはあなたが、幾らそういうことを言っても、私は全部にわたって立証する段階を予定しておりますから、これは各委員や委員長の承認を得なければできないことですから、立証の段階をぜひ希望しておきます。ここでもまた、実際に、あなたはあなたの課長が指示をしたことについて、事実と相違しておることを申しておる、これは許すことはできません。  それから、もう一つ局長にお尋ねしますが、選定審議会のメンバーは、法律のたてまえから申しますと、県の教育委員会が、実際のところは独自の判断でやってもいいことでもあるにかかわらず、慎重を期するために諮問委員会の性格を持たした選定審議会を設けておるのです。この法律の立場からいえば、会議をお世話する仕事は別にして、正式な諮問委員の中に県の教育委員会からのメンバーを加えることは適当でないと私は判断をするのであります、法律のたてまえからいって適当でないと考える。ところが、この日問題になったこのことについては、県の教育委員会のメンバーが、行政機関の立場を代表して、この選定審議会に積極的に入るように指示をしておる。私は、諮問委員会の性格を持つ選定審議会と県の教育委員会の職務権限と、ここでもまた、混乱をさせようとしておるのではないか、それは先ほど、選定審議会は性格や規模からいって、十分にその任務を果たし得ないと断言をして指示をしておることばにも思い合わせると、行政のメンバーがここに入り込んでいって、この選定審議会をどっちの方向にでも引きずり回せるという結果だって起こりかねない、私はそういう事情も想定したときに、あなたのほうの指示をしておる、選定審議会に当然行政のメンバーが参加をして、その結論を出すべきだという指導は、法律のたてまえからいって適当ではない、妥当ではないという見解に対して、局長の見解をただします。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 選定審議会の構成の問題でございますが、一般的に申しますと、お説のように諮問委員会でございますから、県の教育委員会の職員は入るべきじゃないというように考えますが、しかしながら、県の教育委員会の中には、指導主事、その他専門的な知識を持っておる者が相当おります。したがって、そういう専門的な知識を活用する意味におきまして、これは入っても差しつかえないと私は考えております。したがって、そういう者のみの意見によって左右されないように、この構成としては、義務教育の学校の校長、教員というものを大体全員の三分の一というようにワクをはめて、一定の数を確保するような方式をとっております。その意味は、できるかぎり公正な意見が、そこに出るようにという配慮からでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 私は、一般的な場合を除いて、きょうはこの教科書無償措置法のたてまえからいって、すべての問題を問題にしているので、一般的なことに問題を波及さしてもらっては困ります。この選定審議会が、法律上どういう期待を持たれて作られておるかということは初中局長よく知っておるところであります。しかも、この選定審議会には、指導、助言の際に必ず意見を聞かなければならぬように法に拘束しておる。したがって、一般的な場合よりも、もっとこの選定審議会というものには、法律は期待をしておる。その期待をしておる選定審議会の性格や規模を、あらかじめ十分でないということを他の場所で言い置いて、そうしてこのメンバーの中には、県の教育委員会からのメンバーが入っていくことが妥当なんだ、こういう指導をしておることは、私は納得ができないのですよ。そんなことを自由にやったほうがいいんだったら、何も選定審議会なんというものをこしらえないで、県の教育委員会には優秀なメンバーがおるのですから、そこでやって事が済む、常識的に判断すると。それをわざわざ法律が選定審議会というものを別に設けてやっておる意味は、教育委員会だけの判断では慎重を期することが期待できない場合もあり得るので、この選定審議会を考えた、立法者は。ですから私は、その会議をお世話したり、特別に呼ばれて意見を求められたときに述べることはよろしいけれども、正式な選定審議会のメンバーに、県の教育委員会のメンバーが積極的に入っていかなければならないのだという指導は、これは法律のたてまえからいって間違いではないか、望ましくない、少なくとも。こういうふうに判断をいたします、いかがですか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 御意見でございますが、一般の諮問委員会等におきましても、当該官庁の職員が学識経験者として入る場合も多々あることでございます。この場合は教科書の問題でございますので、特に教科の研究等について非常に専門的知識を持っております指導主事、その他の専門的な職員が入ることは、私は積極的に望ましいと考えております。そういう趣旨から、この構成を考えたのでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 あなたのほうの考えは、選定審議会の下部組織に専門委員を置こうと意図しておる。省令や政令では定めることが諸般の事情でできなくなったが、なおかつ、強引にやろうとしておる。専門委員を置こうとしておる。私はそれがかりに、置くことが違法であるとかないとかいうことは別にして、専門委員を置いた場合に、なおかつ、選定審議会のメンバーの中に県教委のメンバーが積極的に入らなければならぬ理由は納得できないのです。一般的な諮問委員には、こうこうだといっておるかもしらぬが、この場合には、問題になっておる法律で、わざわざ立法者が苦心して修正した法律なんです。選定審議会の権限や任務も大幅に修正された法律なんです。そういう経過からもかんがみて、また選定審議会の任務からも考えて、専門委員を置くべきことを考えておるあなた方が、あえて二十人以内に限られておるわずかのメンバーの中に、県の教育委員会のメンバーが入ることが正しいのだ、入らせよと積極的に、そういう指導をすることは、私は行政秩序上妥当でない。そういうメンバーが入らなければ、選定審議会の任務が果たせないと理由付けすることはこじつけ過ぎる。それは専門委員が設けられない、下部組織に専門委員が設けられないという事態の中では、あるいはそういうことも考えられるかもしれない、百歩譲って。しかし、明らかにあなた方は、専門委員を設けようとしておる。しかも大胆不敵にも、一教科五種程度と見合うメンバーをやろうとしておる。そういうことと思い合わして、何でこの二十人以内の審議会委員に、県の教育委員会のメンバーを加えなければならないのですか。私はあなた方の指示した一連のものから見ると、この選定審議会を県の教育委員会で牛耳ろうとしておる意図が、あちこちににじみ出ておる。だから私は、こういう指導をすることは、そのあやまちをまた大きくするのだということを考えて指摘をしておるのですが、もう一度、見解をただします。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 選定審議会は本年から置かれるものでございますので、私どもとしては、やはり実績を見ながら、将来にわたって、この審議会がどういう運営をされるかということも、やはり十分実績を考えていかなければならない。そういった意味で、将来のことは、また改善の必要があれば改善をすることはもちろんでございますが、現在の段階においては、私どもは、もちろん専門調査員を置きましても、それは、特定の専門的な事項に調査が限られるわけでございます。したがって、委員会の中で、そういう専門調査以外の適当な人がいたほうがよりよいという考え方で、こういう構成にしたわけでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 関連して。この前、局長の御説明の中に、ひもつきはだめだ、そのひもつきの中に一番あげられたのは、教科書会社との関係者というのが暗に御説明の中にございましたが、指導課長とか、有力指導主事というのは執筆者である場合が非常に多いのです。一番のひもつきですよ、これは。ですから、指導課長とか、あるいは教科書の特別選定委員には、指導主事というのを持ってきても、これはそういう意味で排除しなければならない場合が多いのではないかと思うのです。こういう問題の調節が新しく出てくる。この際、新しく入れる必要はないのではないということが一つ。  もう一つは、これは教育委員会の下僚ですから、指導課長なり、指導主事なりの意見を聞こうと思えばいつでもできるわけで、特別に専門調査員という形で委嘱をしなくてもいいと思うが、これらは、どういうふうにお考えになっておりますか。技術的なことだけを伺います。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) もちろん執筆等に関係のある方は適当でないと思います。しかし、私が申し上げましたのは、この前の話は、県の段階の選定審議会の構成の問題ではなくして、私の申し上げましたのは、市町村教育委員会が、今後つくることあるべき委員会の構成について申し上げたのでございます。その点は誤解のないように御了解願います。したがいまして、県の選定審議会としては、いろいろ御意見はあろうと思いますが、私どもとしては、やはり現在の段階においては、こういう専門職員の知識というものを活用したほうがいい、こういう判断になっております。将来、いまの問題で改善する道が必要になりますれば、もちろん改善してまいります。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 関連ですから、これで終わりますが、その委員は、教育委員会の下部機構のそれぞれの担当者でありますから、下僚にものを聞くのですから、いとやさしくものを聞かれるわけです。何も専門委員なり何なり委嘱しなければ意見が聞かれないということではないわけです。それから執筆者が非常に多いのです。選定委員でも、自分の執筆したものを自信があれば、自分で執筆したものを推薦するという形になって、あなたの言う、これは地方教委でなくても、やはり関係が深すぎますよ。そういう誤解を受けるものを何も入れる必要はないのではないか。そういう誤解を受けるような立場の多いポストの人を入れる必要はないでしょう。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) もちろん個々の人につきまして誤解のあるような人は入れるべきでないと思います。そのために、この政令では、教科書採択に直接の利害関係を有する者は委員になれないというように書いてございますのは、そういう趣旨でございます。ただ、あとの御質問でございますが、下僚だから意見は聞けるじゃないかとおっしゃいますが、これはもちろん聞いていけないことはございません。しかしながら、やはり選定審議会として委員会構成をとる場合には、何人か入ったほうが適当ではないか、こういうように考えております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 文部大臣にお尋ねします。いま問題点になっていることは、選定審議会のメンバーの問題なんです。私は、お聞きのとおりの主張をしているわけなんです。この選定審議会の二十人以内選ばれた選定審議会のメンバーに、一方では専門調査員を置こうとしている、そういう立場の人と、この法律に基づいて作られる選定審議会に、県教委のメンバーを積極的に入れて運営をすることが正しいのだという指導は、私はなんとしても、法律のたてまえからいって不適当だと考えるんですよ。しかし、これは法律に違反しているという主張は成り立たないわけです。私はそこまでは言わない。しかし、法律のたてまえからいって不適当だ。そういうことは意見を聞かなければならないというふうに、非常に法律で拘束をしているような、そういう選定審議会のメンバーに、教育委員会のメンバーが加わっておらなければならない、むしろ逆に、加わることは望ましくないという逆の指導をすることが、私は行政策として常識的な指導だ。それを逆に入っていかなければだめだという指導をすることは、私はこれは不適当だと考える。文部大臣の見解をお伺いします。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) この問題につきましては、すでに政令も出しているわけであります。その政令の中にも、都道府県の教育委員会あるいは市町村の教育委員会、そういう方面から人を選ぶことになっているわけであります。いろいろ御意見もあるようでございますが、私は、この選定審議会に、やはり都道府県の教育委員会の中から教科書問題等につきまして、専門的な知識を持っている者が何人か、いずれにしましても多数入れるだけの余地はないように思いますが、入っているほうが、この委員会の運営を行なう上において便利じゃなかろうか、あるいは適当ではなかろうか、かように考えておりまして、局長の意見と同じでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 この問題は、法律の立場からいって決定的に白黒をつけられない。もう少し法律のたてまえを尊重してもらえる見解を大臣から聞けると期待したら、これは全く失望いたしました。私は、少なくも選定審議会の限られたメンバーの中に、教育委員会のメンバーが加わって、それを結局牛耳ることになる。その証拠には、事務当局の指示の中に、選定審議会は、メンバーからいっても、性格からいっても、研究などは十分でないと、すでに初めからきめつけている。そうきめつけている審議会の中に、県教委のメンバーが入っていったら、どういうことになりますか。自分らの思うように引きずり回せる、その結論は。そういうことが予想される。そんな引きずり回されていいような選定審議会なら、法律が一生懸命になって、一項をおこして設ける意味がなくなっちまう。だから、選定審議会に法律が期待しているような、そういう仕事をやってもらおうと、ほんとうに純粋に考えるなら、むしろ逆に入らないことがよろしいのだ、できるなら入らないほうがよろしいのだという行政指導が正しい。これは見解の相違に発展するおそれがありますので、私はここではそういうことを指摘しておくにとどめます。  次は、採択地区の問題、局長にお尋ねしますが、これは主管課長会議より以前に、ある日の会議で採択地区の設定案を持ってこいということを指示されたかどうか、お伺いします。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 採択地区の設定案を持ってこいと言ったかどうかは、私もその辺はよくわかりませんが、各府県で、どういう採択地区の設定をしようと考えているのか、そういう点については、事情を聞かしてもらいたいということは申したと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 私は、そういうあいまいな言葉では、なかなか納得できない。それは、この会議の中で、こういうことも言っている。一方では、採択地区の設定に当たっては選定審議会の意見を聞く必要がないということを強調しています。選定審議会の意見を聞く必要はない、法のたてまえは、まさにそうであります。そんなことを強調しなくたって。それを一方で強調しておる。そうしてその強調したあとに、この採択地区は、県の教育委員会の独自の判断で設定すべきものなんだということをさらに強調しておる、一方で。そして、この主管課長会議では、あらかじめそれ以前に開かれたある会議で、各県の教科書採択地区の設定案を持ってこいと指示しておることは明瞭なんです。その用意してきた採択地区の設定案は、今度の参考資料にしていきたいということを言っていることは、まず問題はないが、採択地区の設定は、必ず市町村の教育委員会の意見を聞かなければならぬのだということを強調するなら法のたてまえを正しく指導していると言えるんだが、そこには全く触れないでおいて、しきりに県教委独自の判断で行なうべきだということを繰り返し強調しておる。そしてまた、当局はこの採択地区の設定には介入できないが、法律は介入できるようにはなっておらぬのですから介入できないが、全国的な視野に立って考慮すべき点もあるので、案の提出を求めたのである。そこでこの問題については、後刻個別に十分話し合いをしたいと言っておる。私は、この指導は間違っているということを指摘します。  大体まだ、どこの県でも実情を調査すると、市町村教育委員会から意見を聞いたというところは、まず私の調査範囲ではない、これからです。行なわれるとしても、準備されている程度。その意見を聞かなけばならないと法律が定めているのにもかかわらず、そういう意見を聞くいとまもない時期に、採択地区の設定案を持ってこいと言っておる。そして、しきりに県の独自の判断で設定すべきもので、選審などには意見を聞く必要はないということを、しきりに強調しておる。そうして介入することはできないが、当局は全国的な視野に立って考える必要があるので個別に協議したいと言っておる。これは何か。これは文部当局のお気に召さない採択地区の設定案を持ってきたところに対しては、個別に意見を述べて指導しようとしているのであります。このやり方も法律のたてまえを逸脱しています。  ここでもし、指示するとすれば、採択地区の設定は市町村教育委員会の意見を聞かなければならぬということに法律がなっております、この手続はきちっととってください、そうして、そこで話し合いがまとまったら、そのことで間違いのないように進めるという指導ならいい。まだ、上部の県教委で何らの意見を聞くという措置も発動されていない時期に、何でこんなものを持ってこさせるのですか。持ってこさそうとしていること自体がおかしい。それは法律の市町村教育委員会の意見を聞かなければならぬということをきわめて軽視しているやり方でしょう。そして介入ができないと、みずから認めながら、全国的な視野に立って考える必要があるから個別に協議したいと言っておる。何ですか、この個別に、どこかで話し合いをする話というのは。私は、やり方がきわめて不明朗である。こういう権限を逸脱して、法律のたてまえをわざわざくずすような条件に追い込んでいる文部省当局の行政指導はまかりならぬ。そういうことは許されてしかるべきものでない。一体、個別指導をした事実はあるのかないのか。ここの会議では、明らかに持ってきた案については、当局は介入できないけれども、全国的な視野に立って考える必要があるので、個別に話し合いをしたいといっています。この会議の席上では、個別協議はしておりません。別な場所でやる。何で、そういうことをやるのですか。教育委員会に何かこの採択地区の設定に関して、そういうことを指示したり、指導したり、ここからここにせい、ここは狭過ぎるから、もっと大きくせいというように指導をする権限があるのですか。ここも文部省の持つ行政権限を逸脱して行動をしておる。  しかもこの場合に、採択地区の人口の基準を示したのは、どういう理由ですか。文部省が採択地区の設定に対して、人口の基準を示すことは、法律の立場からいっておかしいんではないか。私は、県の教育委員会と市町村の教育委員会の協議にまって、地域の実情に合うように民主的な話し合いを通じて結論を出すべき性格のものだ、こういうふうに法律のたてまえを解釈しております。ところが、それに、市町村教育委員会の意見も聞かないこの段階で、この会議で、人口の基準を示してやっているということは、これまた、法律のたてまえからいっておかしいのではないか、この二点について見解をお聞きします。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 私どもは、各府県で採択地区を設定するにあたっての、いろいろな考え方というものは持っておられるだろうと思います。しかしながら、現実におっしゃるように、採択地区を設定する案なるものは、まだどこもきまってない。これは四月以降の問題だろうと思いますが、そういう際に、私どもとしては関心を持っておりますけれども、おっしゃるように、都道府県教育委員会が決定するものでございます。  したがって、その決定するにあたっては、市町村教育委員会の意見を聞いてきめるのは当然のことであります。そういう意味から、私どもとしては案を持ってこいといったわけではないので、その現在の都道府県教育委員会の考え方というものがある、それを聞かしてもらいたいということは申したと思います。ただのこれは事情聴取にとどまるものと存じます。別に、いまお話のように幾らにしろとか、そういうことをいったことはないのです。

米田勲日本社会党

○米田勲君 頭がいいだけに、ごまかし通ろうとしている。この主管課長会議の前に指示をしておるではありませんか、この日に持ってこいと。そういうでたらめな言いのがれで、この場所を過ぎて通れると思っておるのですか、あなたは。明らかに前の会議で指示をして、この日に持ってこいといっておる。だから話の中にも、あなた方は持ってこいといった採択地区の設定案は用意してきたものと思うと冒頭言っておる。どうして、そういうふうにうそを言わなくちゃならぬのですか。私は、ことばは悪いけれども、それをうそという。事実と違うことをなぜ言わなければならぬのですか。確かに持ってごいと言いましたと、なぜ言えないのです。人口の基準を示したことも事実でしょう。なぜ基準など示さないといっておるのですか。なお、全国的な視野に立って考慮する必要があるというのは何事ですか、何ですか、これは。  全国的な視野に立ってわざわざ統一をしないで、県の教育委員会と市町村の教育委員会が、十分話し合って採択地区はきめるのですよと法律はきめているのに、そこへ文部省か割り込んで、人口の基準を示してみたり、持ってきた原案を個別に指導したりして訂正させておる。こういうやり方は、みずからの口では、介入はできないがと言っておりながら、介入していることではありませんか。法律の立場を全く無視しているやり方ですよ。ここで、もし、あなた方が正当に法律を理解して間違いなくやろうとするなら、こんなときに、もし、設定案を見たい、あなた方のことばどおり、単なる参考資料で見たいというなら、法律は必ず市町村教育委員会の意見を聞かなければならぬといっているから、その意見を聴取して、意見がまとまったものと、まとまらないものと、どういう点で意見が対立しているかも、実情のまま聞かせてくれぬかというなら話はわかりますよ。ところが、県の教育委員会は、市町村の教育委員会にまだ意見を求めていないところがだいぶある、また、協議中のところもある。そのときに、この設定案を持ってこいということ自体がおかしい。それに介入しているんじゃないですか。個別に協議しようということは、介入はできないが、陰では介入しようということをみずから語ってるんです。どうですか、その点は。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 会議の大ぜいの席上で、一つ一つの県の事情を聞くというのは時間をとるばかりでございます。したがって、別に各県の事情を聴取するということは、これはあり得ると思います。そういう方法を講じただけの話でございまして、別に秘密に、こそこそとやっておるというようなことではないと思います。いま御指摘になりましたように、人口の基準というものは、現在の郡市単位の採択地区の範囲では、大体十万程度でございます。したがって、今度の法律では、採択地区の設定は郡市単位あるいは地方教育事務所単位ぐらいにするというのが、これが当初からの考え方でございます。したがって。私どもとしては、各地方がどういう採択地区を設定するかということについては、関心を持っておるところでございます。もちろん市町村教育委員会と相談をしてきめるべき問題でございますから、当然法律上、協議をしない、意見を聞きなさいということになっておるわけでございます。  その点を言わなかったからといって、市町村の教育委員会の意見を軽視しておるということではございません。

米田勲日本社会党

○米田勲君 それでは、これはどうなりますか。採択地区については、関係の市町村の意見を聞かなければならぬというのは、法律のたてまえですね、その場合、できれば文書形式で報告させたい、させたほうがいい、文書形式で報告させたほうがよろしい、また、別な方法としては、教育委員会から委任を受けた教育長会議で意見を聞くという形式をとったほうがいい、こういう指導をしている。法律のたてまえからいって、県の教育委員会は市町村の教育委員会の意見を聞かなければならぬということをうたっておる法律なんです。それを、単に文書形式で提出させるという形式を行政指導することと、先ほどから問題にしておる、盛んに何回かにわたって、採択地区の決定は、県の教育委員会独自の判断できめるべきことだということを言っておることと、二つを考え合わせると、法律のたてまえを少なくもおろそかにしている、このことは。文書形式で提出したら話し合いにならぬのではないですか。単なる参考資料として提出するにとどまってしまいませんか。あなた方は、人口の基準を示して押しつけている、一方では。だから、頭から採択地区をぐんぐんきめて押え込んでいくというやり方を全体の姿勢としては持っておる、一部分だけでなくて。  私は、総合的に判断しておるが、さっきから指摘しておる個所を全部思い合わしてみると、そういう形式的な文書でもって採択地区の意見を聞くというようなやり方はおかしいのではないか。やはり意見を聞く場合には、適宜な機関を設けて、正式な機関を設けて、そうして、そこで協議をすべきだ。Aの市町村の教育委員会とBの市町村の教育委員会が、何を意見として出したか、こんな文書形式ではわからぬじゃないですか。それは自主的に隣の教育委員会が、あなたのほうでは、どういうことを考えましたかということを自発的に聞けば別ですが、形式的に自分の考えておることを文書で書いて出したら、隣あたりの市町村の教育委員会が、どんなことを文書で報告したか、さっぱりわからないでしょう。わからないうちに、先ほどからの姿勢で、すぽっと採択地区をきめようとしておる、天下り的に。ぼくに言わせると、文部省の天下りで、これをきめようとしておる。法律の立場を軽視しておる。こういうふうに批判をされるようなやり方にしております。  それから、さらに問題なことは、こういうことも言っております、採択地区の協議、つまり、市町村の教育委員会と県の教育委員会が協議をする、その場合に、協議がなかなかととのわない、そういう場合が想定されます。そのことについて指示をしておる。どういう指示をしておるかというと、協議がととのわなかった場合には、それはこの対象になるただで教科書をやらないんだ、協議のととのわなかったところは。そういう指導をしておるんです。それはこの法律にいう無償の教科書をやることに該当しない。これはまさに脅迫であります、私に言わせると。言うことを聞かぬければ、おまえらはただの教科書はもらえぬのだぞ、こういうことを指導しておるのは何事ですか。これは協議のととのわない——それはある段階ではととのわないことは予想されます。しかし、およそ、みな良識を持ったものですから、地方の実情やその地域の事情によって十分話し合いをすれば、まとまるべきものだ、まとまらなければならぬ。そうちぐはぐなものが生まれてくるとは私は予想しない。それなのに、わざわざ県の教育委員会の指導、助言は、この協議がととのわない場合には、最も強く有効に発揮しなさいと指導しておる。あきれるでしょう、あんた、ぼくのことを聞いたら心そうして一方では、協議かととのわないところに対しては、この法律の対象にしない、ただで教科書をやらぬと言っておる。一方では、ととのわない場合には、県の教育委員会の指導、助言の権限を効果的に発揮しなさいと指導しておる。こういうものの言い方は、全体として何になりますか。すなおに教育委員会の民主的な意見を法律の定めるところによって聞いて採択地区を設定していこうとする姿勢ではなくして、文部省が主管課長会議に、無理やりに採択地区の設定案を持ってこらしたり、陰で個別に全国的な視野に立つ必要があるといって指導を加えたり、変更を要求したり、人口の基準を示したりしておること等、一連の姿勢は、まさに採択地区の決定について、文部省の考え方を強引に押し通していこうとすることのあらわれです。  なぜ、このような行政指導をするんですか。文部官僚のこの姿勢は、法律のたてまえからいっても、行政指導の立場からいっても、私は決して妥当な姿勢とは思われない。文部大臣に、私のそういう見解に対するあなたの御見解をお聞きします。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 具体的にどういう指導をしたのか、私はつまびらかにいたしておりませんが、文部省としましては、この法律の趣旨に従って、すなおな行政指導をすべきであると思います。何も強がって文部省がかれこれ言う必要のないことであります。すなおな行政指導をやっておれば、それで十分だ、いまお話しになりました具体の経過については、よく承知いたしておりません。どんな指導をいたしましたか、よく調べてみたいと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 どうもはっきり、文部大臣の言うことを理解できないのですが、この場合、お互いにすなおな気持で、こだわらないで、法律の立場を守った行政指導に戻したい、そういう一心から私は話をしているのですから、認めるべきところは認めてもらいたい。何も事実を歪曲する必要はない。  先ほどから私が強調していることをいま繰り返さなくても、文部大臣おわかりでしょう。こういう全体の姿勢は、法律の定めているところに、少なくともぼくは遠ざかる方向に行政指導しておる。法律に違反しておるときめつけられないにしても、法律の趣旨とは、およそかけ離れた方向へ方向へと指導しているという結論に私はなるのですよ。  こういうことは、あなたの下僚がやっておる。  私は、こういう行き方は、文部大臣の責任において改められるべきだ、こういうふうに思うのですが、責任を持って、こういう姿勢を改める気はありませんか。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 文部省の事務当局の姿勢がどうであるかという問題でございますが、何か特別な意図を持って、特別な方向に持っていこうというふうなことであれば、これは私が了解しなければいかぬ問題だと思います。私が了解しなければ、特定の方向に法律の解釈、運用を持っていくというふうなことは、これは許されないことと思います。したがって、米田さんは非常に文部省の事務当局の言ったことについてお詳しいのですが、またそれについて、いろいろな御判断をお持ちのようでございます。私は、必ずしも文部省のいまの事務当局か、そういうふうなつもりで行政運営をやっているとは思わないのであります。  もし、そういうものがありとせば、これは気をつけなければならない。かように考えておる次第でございます。いろいろ具体的な事柄をあげてのお話でございますが、私はさような報告を受けておりません。どういうふうなやりとりがあったのか、どういうふうにやったのかということにつきましては、先ほどの問題と関連いたしますけれども、私は、よくひとつ調べてみたいと思うのであります。そういうふうにひとつ御了解願いたい。私の気持は、何か文部省が、この法の趣旨に反したやり方をするというふうなことがあってはならぬ、このように思っておるわけであります。あくまでも法の趣旨のもとに行動してくれるものと期待をしておるわけであります。万々一、そういう点についての誤解を生ずるようなことがありましたら、十分注意をいたしますということを私は申し上げたわけであります。

米田勲日本社会党

○米田勲君 私は、文部大臣がいま言われていることが公平な教育行政の立場だと思っております。あなたが仮定されておるそのことは、事実行なわれておるのです。もしも、そういうことがあったらということが事実行なわれておる。だから、私は問題にしているのです。私は初めからこの問題を、人のあらを探して、欠陥をあばいてやろうという気は毛頭なかった。その証拠に、数日にわたって局長や課長と、この法律の立場を間違わないで行政指導をしてくれということをたびたびにわたって話し合い、文書にまで書かせて、お互いに行政の立場で誤っていってはならぬぞ、ここが限界だということを好意的に話をしたということを積み上げておったにかかわらず、このことをやられたので、僕はもはや、役人というのは人の善意を聞いて自分の姿勢をただす腹はない、こういう結論に達して、この問題を僕は文教委員会に持ち出さざるを得なくなったのです。ですから、私は善意をもってやったのに、間違って、こういうことをしたとは思えない、そうは考えられない。なぜかというと、いまも説明したように、文部大臣にお話ししますが、何日間かかかって、問題になる個所について私は話をした、そういう経過があるにかかわらず、われわれの目に触れないということを想定したのか、こういうことをやっている。  ですから、私は文部大臣のいま申されたことは当然のことだから、これはぜひとも事実を究明して、こういう文部省の行政の姿勢を、根本的に改めてもらいたい。  私は、理事のほうから五時ごろまでに終わってくれぬかといろ話があるのですが、先ほどの採択の選定の問題、符牒をつける問題であります。符牒をつけろと言ったのです。これは言わぬと、先ほどから言っております。そこで私は、もうきょうの時間は、これ以上、夜中まで続けて決着をつけたいと思いましたが、文部大臣も事実を調査して、法律にもとるような行政指導をしておるようであれば改めるという責任のあることばもあったし、もう一つは、私が先ほどから希望しておるように、初中局長は、そういうことは言っていない、そういう指導もしなかったと、私の指摘にもかかわらず反論しておるので、委員長理事打合会で、ぜひ私の言っておることに、主管課長会議は間違いなかったということを立証させるための手段を具体的に講じてもらいたい。その方法としては、証人の喚問によって口述をさせて、どちらの言い分に間違いがあるか、それをぜひ立証させてもらいたい。そうでないと、このことをうやむやにしたままいけば、役人というものは、のど元過ぐれば熱さ忘れるで、私は実に慨嘆をしておる。慨嘆をしておるのは、私はこの問題を取り出した初めの日に、前の分限免職の秘密書類を米田に渡したやつはだれかといって、その男を文部省に呼んで焼きを入れた、そういう事実がある。だから、私はあらかじめ、そういうことをしてはならぬぞと、ガラス張りの行政だぞと、だめを押したにかかわらず、前の委員会のあとに、米田にああいうものを渡したのはだれだといって、血まなこになっておる。こういうことは、うしろめたいことがあるからやるのです。自分たちのやっておることが、法律の立場から見ても、行政の権限から見ても、逸脱していないという自信があれば、何もそうあわてふためく必要もないし、社会党の私に文書を渡したのはけしからぬと焼きを入れる必要はない。  文部省は権限がないのに、地方教育委員会が何か自発的にやろうとすると、それに対して立ち入って行政指導をする、言うことをきかないと、予算の折衝、陳情に来た場合に、たえず地方の教育委員会を痛めつけておる、その事実を私はたくさん知っておるのです。そういう全体の文部省の教育行政の姿勢では、明朗な日本の教育行政は期しがたい。ここで灘尾さんが新たに文部大臣になった時期でもあるし、根本的に、この行政の姿勢を直してもらいたい、改革をしてもらいたい。もっとガラス張りの行政、法律にもとるようなことは峻厳に許さないという姿勢を責任を持って確立してもらいたい。  そのことをひとつ、きょうの最後に文部大臣のお答えをいただいて納得ができれば、質問は中断して、自後の措置を強く委員長に要請をして質問は終わりたいと思っております。文部大臣のお答えが納得ができなければ、もう一度新たにお話をする考えです。

灘尾弘吉自由民主党文部大臣

○国務大臣(灘尾弘吉君) 文部省の行政が、常に正しい行政でなければならぬことは申し上げるまでもないことであります。したがって私としましては、文部省の行政が万が一にも、軌道を踏みはずすことがないようにいたしたいと思っております。その心持ちを持って部下に対しましても指導をいたしてまいるつもりであります。  その点について、いろいろまた御批判があれば、遠慮なくおっしゃっていただきたいと思います。そうして常に正しからぬことの正しくあるように私は念願してまいるつもりであります。また文部省の行政につきましては、よかれあしかれ、すべて私の責任であります。しただって、その責任感を持って行政を正しく進めていくことに努力いたしたいと思っております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 文部大臣のいまのお答えを期待いたしまして、私は自後の文部省の行政の姿勢は、近い将来に根本的に正しい姿勢に立ち直るということを強く期待いたします。ただ、ここで時間がきましたので、当然、私の質問は残っておりますし、究明しなければならぬことは残っておりますが、先ほど文部大臣も、事実をよく承知しておらぬから調査をしてみたい、事実、そういうことがあるのであれば善処しなければならぬという言葉もありましたから、きょうはこれ以上、このままの形式でこの委員会を続けても、なかなか端的な解決が出てこないということも予想されますので、質問はここで中断をさせていただいて、自後、できるだけ早い機会に、調査の結果と、それから対策について、文部大臣からお聞きをしたい。  それから、それにあわせて、文部大臣も調査されるでしょうが、なかなかもって役人の諸君は、文部大臣に何を言うか、あまり僕は期待できないので、それとは別に、私の言っていることは、主管課長会議において明らかに指示されたという立証の機会を、ぜがひでも与えてもらいたい。そのことを明らかにすることは、文部大臣がいま決意をしておる文部省の行政の態度を正しくあらしめるということにも役立つと思う。したがって、強く委員長に次回の措置について要請をしまして、本日の質問は、以上で中断をいたします。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 二、三点ちょっと、自後調査を進められるためにも、また、自後の問題に対するためにも、局長に聞いておきます。  法律ですね、市町村単位と市町村の統合の場合を書いておりますが、どちらを主とすると考えておりますか、採択地域について。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) ちょっと御質問の要旨がとれなかったのですが。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 市町村単位を主とするか、それの統合を主とすると法律は意図しておるか、採択地域について。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 御質問の内容にぴったり当てはまるかどうかわかりませんが、採択地区の設定につきましては、法律にも書いてございますように、郡市単位というのが基本でございます。したがって、人口何万かの市も一つの単位になる、それから郡も単位になる、あるいは市郡を合わせた地域も一つの単位になると考えております。したがって県のいろいろな地域的、あるいはいろいろな教育的、文化的な条件もございましょうし、そういうものを考えて区域を適当な区域に、たとえば教育事務所単位にするとかいうことも、これもやり方としては適当な場合もあり得ると思います。個々の町村でなくして、郡というものをやはり単位に考えております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 適当に言われた。市郡単位が基本である、こういうふうに解しておられますね。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) それが私の現在の時点におきまする基礎だと思います。しかしながら、審議会の答申では、教育事務所単位にするのも適当な設定単位だということが答申に出ておりますので、それはやはり各県の事情によってきめるべきものだと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 修正提案者の長谷川君が修正趣旨の第一に、市町村の自主性の尊重ということをうたっておるのは御承知ですね。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) もちろん採決地区の設定につきましては、市町村の意見を聞いてやるべきだというたてまえになっておりますから、その点においてはお説のとおりだと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 法第十二条の第三項に、県教委が決定をして告示をして文部大臣に報告する、こういうたてまえになっていることは御承知ですね。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 教育委員会で決定いたしました暁においては、そういう手続になろうと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 法律の説明が二月十四日に行なわれたように、米田委員も指摘しておるし、あなたも答えているのですが、十二月にああいう形で法律が通って、市町村、あるいは県教育委員会、法律の修正の内容も詳しく熟知しない、法律説明会も行なわれない前に、採択地区の提出を求めるか求めないかは、あなたは異論のあるような言い方をしておりますが、求めるというようなやり方は穏当を欠くと私は思いますが、あなたはどういう見解ですか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) きまっていないものについて聞くのは、もちろん適当ではございません。しかしながら、県としては、いろいろ採択地区の設定について前々から研究している県が多うございます。したがって、そういう考え方について聞かせてもらいたいということは、これは別に不当ではないと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 一月末に採択地区の大体の大かたの考え方をまとめて持ってきなさい、聞かせてくれという指導を行なっていないというように、あなたは答えられたような気がするのですが、それは確かに行なわれたと私は思っておりますが、どうですか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) もちろん採択地区の設定等の決定は、一月には行われませんが、行なわれない時期に案を持ってこいというのは適当ではないと思います。私申し上げましたのは、そういう考え方について、県でいろいろ研究していることがあれば、聞かせてもらいたい、こういう趣旨でございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 あれば聞かせてもらいたいではなくて、大体採択地の大まかな案、ことばはどうか知りませんが、それを持ってくるようにという都道府県教育委員会に対する要請は行なわれなかった、こう明言できますか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 考え方があれば示していただきたいということは要請したと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 文部省が都道府県教育委員会に対して、郡市統合案を強く指導した事実がありますか、ありませんか。たとえば熊本、佐賀等については、数カ所に県の単位を選定するという強い動きがあったと聞いておりますが、とにかく熊本、佐賀のことは除いて、都道府県教育委員会に対して、郡市統合して教科書採択地域を作りなさい、先ほどあなたが言った市郡単位を主とするという考え方と異なって、統合案を強く要請指導した事実がありますか、ありませんか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) そういう強く要請した、あるいは指導したということは、私は聞いておりません。現在の段階におきましては、私の承知している範囲では、各府県とも、大体従前の単位を基礎にして考えているようでございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 聞いていないということは、あったかどうかは知らないという意味に解釈しますが、もしかりに個別にしろ、全体にしろ、統合を強く指導するという要請をするということが行はわれたとすれば、そのことは、あなたはどう判断しますか。

福田繁文部省初等中等教育局長

○政府委員(福田繁君) 文部省として強く要請するということは、適切ではないと思います。

中野文門自由民主党

○委員長(中野文門君) 本日の委員会は、これをもって散会いたします。    午後五時九分散会    ————・————

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