文教委員会 閉会後第5号
- 発言数
- 69 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1964/10/01
会議録
○委員長(野本品吉君) ただいまより文教委員会を開会いたします。 教育、文化及び学術に関する調査中、基地周辺の学校の防音に関する件をまず議題といたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。豊瀬君。 なお、政府側より、小野防衛施設庁長官、大浜防衛施設庁会計課長、斎藤文部省管理局長も文化財保護委員会は事務局長がそのうち、出席することになっております。
○豊瀬禎一君 まず、最初に文部省にお尋ねしますが、あなたがまだ管理局長でなかったころだと記憶するのですが、時の荒木大臣に対して、学校防音工事に関する問題は、事、教育に当たる障害の問題であるから、単に防衛庁あるいは施設庁の部局にまかせるのみでなくて、積極的に文部省としても努力すべきであるという意見を申し上げ、大臣もその後その方向でやりますと、こう言っておったのですが、昭和三十九年度の学校防音工事に対して文部省としての努力の経緯を簡単に説明してもらいたいと思います。
○説明員(斎藤正君) 基地周辺の学校における防音対策につきましては、文部省といたしましては、第一には、従来設けられておりました騒音対策協議会の調査研究の細部についてまとめていただくことを促進いたしておりまして、これにつきましては、最近ようやく、特に防音施設を講じておりますところの教室内におきますところの衛生その他の問題についての資料をまとめていただきましたのが第一点でございます。 第二点は、直接の防音工事そのものは施設庁の予算でやっていただくことではございますけれども、私どものほうで持っておりますところの予算につきまして、具体的に申しますれば、公立文教施設の補助の経費につきましては、特に駐留軍ないし自衛隊の基地のありますところの周辺の市町村の小中学校が、あるいは不足の教室を増築いたしますとか、あるいは危険校舎の改築をいたしますとか、あるいは統合の校舎を建てますとか、そういうようなものがかなりございまするので、施設庁と十分連絡いたしまして、三十九年度の補助金の交付の執行に当たりましては、よく防衛庁と連絡いたしまして、駐留軍の基地につきましても、自衛隊の関係のものにつきましても、小中学校の鉄筋化いたしますものにつきましては、市町村の計画にありますものはほとんど全部これをみたということをいたしております。で、今後の問題といたしましては、私ども学識経験者あるいは関係省の職員によって構成いたしましたこの協議会の専門的な技術的な調査の結果というものを関係方面に送りまして、よく内容を調べていただくということと、また、私どものほうの技術陣によりまして、それが今後の文教施設の改善というものにどういうふうに役立っていくかということを検討いたしますとともに、明年以降もこの公立文教施設の補助金の執行に当たりましては、十分に防衛庁のほうと御連絡いたしまして遺憾のないようにしてまいりたいと、かように考えているわけでございます。
○豊瀬禎一君 三十九年度の新しく防音工事をしてもらいたいという希望が出たもののうち、防衛庁関係、いわゆる自衛隊関係、駐留軍関係それぞれに、その学校総数と、それからそのうちで実際に予算として新規工事を施行するように決定した数を言ってください。
○説明員(斎藤正君) 直接防音工事を施しますのは、御承知のように、予算といたしましても防衛庁ないし施設庁の関係でございまするので、これは施設庁のほうからお答え願いたいと思うのでございます。私、先ほど申しましたのは、三十九年度で各基地にございます小中学校の増築、危険校舎の改築、統合等につきまして、文部省関係でほとんど申請の全部につきましてこれらの関係の補助金の執行を措置した、こういうことを申し上げたわけでございますので、防音工事そのものにつきましては、施設庁のほうからお答え願いたいと思います。
○豊瀬禎一君 施設庁から答えてもらわなくても私のほうは数字はわかっているのです。それを文部省が知っているかどうかを聞いているのですよ。あなたたちが防音工事にいかに努力していないかという証拠を明らかにするためにあなたに聞いているのです。
○説明員(斎藤正君) 自衛隊関係の三十九年度の実施の件数が、新規のが十五というふうに承知しております。それから駐留軍の関係の基地のものが、新規のものが十三と承知しております。
○豊瀬禎一君 さきの委員会で私が防音工事で質問した際に、文部省に対しても施設庁に対しましても、騒音が生徒児童に与える影響の結果について尋ね、その際はまだ明確にデータが出ていないようでしたが、先ほどのあなたのお答えの中では、学識経験者の力を借りてその資料が出たように言っているわけですが、主として騒音が児童生徒の心身にどういう影響を与えているように出ておりますか、あるいは学力に対するどういう支障を与えているようになっておりますか。
○説明員(斎藤正君) こまかなデータは、実は二、三日前に私どもの担当者のほうに出てまいったということでございますので、こまかい点は私まだ承知しておりませんが、大づかみの結論といたしまして、第一に、防音につきましては、防音効果は現在一応満足すべき効果が得られている、しかし、二重窓の間隔の検討によってさらに防音効果の向上の可能性が認められるのではないかという点でございます。ただ、衛生の問題につきましては、夏季あるいは冬季等におけるこの通風につきまして問題があるということが指摘されているのであります。それから心理的な調査につきましても実施いたしたのでございますが、やはり防音教室で授業を連続的に行なうことについては、この換気装置というものがうまくいかなければいけないということが指摘されておりますが、なお、知能検査及びクレペリン作業検査、性格調査等の問題につきましては、もう少し私どももこまかくデータを見てから検討してまいりたいと思っておりまして、まだ細部の点については報告を実は読んでいないのでございます。
○豊瀬禎一君 昨年度の予算として福岡市の数校を摘出して調査をやったはずですね。それは騒音のはなはだしい、たとえば東光中学と大体同一類似しておる環境の城南だったか、もう一つのほうは記憶しておりませんけれども、私自身もその調査に立ち会っておるんですが、あの資料は昨年の調査ですから、記憶力にどういう影響を与えるとか、あるいは持続力にどういう影響を与えるとか、いろいろな綿密な調査が行なわれておるわけです。この調査結果を見て、単に音が聞こえなくなっておるからよろしいという考え方のものでなかろうと思うんですね、防音工事というものは。防音工事そのものに改善を加えていくべき必要があるでしょう。あなたの御指摘のように通風の問題もあるでしょうし、冬寒いという問題もありましょうし、それから四十五分の授業の中で空気がどの程度あの換気装置の中で普通教室よりも汚染されるかということも出てきておるはずです。それは施設庁自体もそういう調査をやっておるようですが、私が冒頭に文部省に聞いておるのは、そういう教育上にどういう弊害を与えるかということは、当然、文部省自体として把握をし、それぞれ関係の省に要望している、こういう態度をとるべきだと思うんですね。それが二、三日前にあなたの手元に来たというのは解せませんが、その経緯をもっと詳しく御説明してください。
○説明員(斎藤正君) 三十六年の立川、横田基地の現地調査に引き続きまして、最終は三十九年に至りまして千歳基地周辺の学校も数校調査をいたしました。こういう全部を合わせまして一応関係者によって資料を全部総合してまとめられたのであります。そのデータが実は私二、三日前に完了したということを聞いておりますので、これを取りまとめまして、私どもももちろん検討いたしますし、関係の省庁にも検討をわずらわしたい、かように考えておるわけでございます。
○豊瀬禎一君 その二、三日前にできたというのは、文部省独自でやった調査ですか、それとも施設庁その他からもらった資料ですか。
○説明員(斎藤正君) 文部省が従来設けておりました騒音対策協議会としての資料でございます。
○豊瀬禎一君 三十七年度からの調査のようですが、御承知のように毎年施行の結果を見て、いろいろの創意工夫がこらされて、防音工事の態様が若干ずつ改善されておることは御承知のとおりですね。その改善の度合いと児童生徒に与えている弊害の三十七年、三十八年、三十九年との差というものが何らかの形で出ておりますか、全くその工事の態様とは関係なく調査が行なわれていますか。
○説明員(斎藤正君) この調査によりましても、防音教室の防音の効果につきましては、全国各地区におけるRA3の防音校舎の調査結果を総合いたしますと、現在の状況から判断して、防止になるという点では役立っておるということでございますので、ここまで至りまするまでにいろいろ改善されたことが役立っておると思うのでございます。ただ、今後残されておりますのは、先ほど申し上げましたように、この協議会の調査によりますれば。なお通風等の問題について検討を加える必要があると、そういうことでございます。
○豊瀬禎一君 僕が聞きたいと思っておるところは、工事が完璧になるに従って防音の効果が高くなるわけですね。そのことと並行して、たとえば木造の場合は若干のすき間があってみたり、破損が早かったりして音が聞こえやすくなる、そのかわりに通風という面からすると——好ましくないことだけれども、通風というような割にうまくいっているものを完璧の鉄の中に閉じ込めてしまったような形のもとに、防音工事というものが騒音の防止には役立っておるけれども、先ほど申し上げた生徒の身心にどういう影響を与えてきておるかは非常に重要な問題ですよ。これは施設庁その他にまかすべき問題じゃなくて、文部省自身が、一年生にはどういう影響を与えておるか、中学生にはどういう影響があるのか、このことをきちんと科学的に押えられて——音を遮断するために防音工事は一生懸命やっております、こういう考え方では、施行そのものが生徒に悪影響を与えるということになっておるとすれば重大な問題でしょう。それと同時に、学校から帰った際には、騒音の中にさらされておるから。そういう中でどういう弊害を生じておるかということは、もう今日に至ってはきちんとした科学的な調査資料がまとまっておるべきですよ。いま私が質問したような趣旨のものを次の委員会で再度ただしますから、二、三日前に出た資料に基づいて、暦年ごとにきちんとした資料を当委員会に出してください。 続いて小野長官にお尋ねいたしますが、前回も質問いたしましたし、また四十六国会の予算委員会でも、三月末それぞれ大蔵大臣、総理大臣、その他の大臣等にもただしたことですが、主として板付の工事の問題ですが、今日までF105が移転をして、あとにいろいろと努力いただいたことはよくわかっておりますが、現在新規工事として福岡市があなたのほうに要望しておった三校並びに筑紫郡の一校、計四校だったと思うのですが、このことが現段階ではまだ施行にかかっていないようですが、どういう考え方でF105の去ったあとの板付周辺の学校の防音工事というものを考えておられますか。
○説明員(小野裕君) お尋ねの板付飛行場周辺の学校防音でございますが、御承知のように、昨年から実施いたしております分の未完成の部分について、本年は継続して完成させたいということで、これは実行に入っております。それから本年度に新しく手をつけようと考えましたもので、予算を一応組みました学校は福岡市内で三校、郡部は二校と五校でありまして、この学校につきましては、その後計画を樹立いたしました後におきまして、F105が横田へ移るというような事情がございましたために、この実行について実は大蔵省当局とひんぱんに協議を続けておる段階でございます。はっきり申し上げますならば、私どもといたしましては、この五校について本年度から着工をいたしたいということで実施計画を大蔵省に提示して協議しておるのでございますが、まだ協議がまとまっていないという段階にございます。私どもとしては、何とか実施いたしたいものと考えて、せっかく努力をしておる状況でございます。
○豊瀬禎一君 さらに福岡市関係だけでも十何校か防音工事を必要とする学校が残っておるという要望書を出しておるはずですが、四十年度の施行については、予算要求としてはどういう態度をとっておられますか。
○説明員(小野裕君) お話しのように、福岡市当局からは、まだ手数校残っておるが、これをぜひ続けてやってほしいという御要望がございます。これにつきまして私どもといたしましては、やはりできるだけこれはやりたいという考えをもちまして、来年度予算概算要求に当たりましても、若干校を計上いたしまして要求をしておる状況でございます。
○豊瀬禎一君 御承知のように、すでに三十九年度も半ばを越しつつあるのですが、本年度の予算が一応保留といいますか、留保されたまま着手されないというところには、あなたのほうと大蔵省との議が一致しないところにあるだろうと思うのですが、何が理由で、今日まで新規の施行が予算としてはきまりながらおくれておるのでしょうか。
○説明員(小野裕君) 学校の防音改築工事のための補助金を交付いたします場合には、所定の基準がございまして、ある程度の騒音度あるいはそうした騒音の頻度、こうしたものが出ている場合に、そうした補助金を交付するということに従来なっておるわけでございます。その点から見まして、今日の板付飛行場の使用状況から見ますならば、その基準に達しないという点に大きな問題があるわけでございます。
○豊瀬禎一君 長官も御存じのように、105が去って後も練習あるいは待避としてときおりかなり多くの飛行機が飛来しておりますね。こういうことは将来起こり得ないとは言い得ないと思うのです。特に予算委員会の席上でも、防衛庁長官は、今後練習基地になってみたり、あるいは沖繩等から待避して一時駐留するということもありますと、こういう趣旨のことを答弁しておるのですが、前回もそのためにかなり大きな、何日間にわたって騒音が起こったのですが、こういう不意の飛行機の飛来とか、あるいは練習基地としてのその後のいろいろな状態によって騒音ないしは——騒音の量は大体同じと思いますが、頻度というものがかわると思うのですね。そういうことも見越して、大蔵省としては補助金を出すにはまだ無理な資料であるという考え方を持っておるのですか、それとも価が去って後のある一定期間の資料だけでそういう断定をしているのですか。
○説明員(小野裕君) 大蔵当局の考え方は、やはり今日現在におきまして、その程度のある基準に達する騒音が出るということがこの補助の要件である。将来どうなるか、それははっきりしないことでありまして、そういうことがたび重なって出てくればそのとき考えよう、こういうような考え方であるようでございます。
○豊瀬禎一君 十数年にわたって被害を受けてきておりながら、結局国の一つの実施計画といいますか、予算の少額のために今日まで犠牲を見てきて、若干飛行機が去ってしまったからあとは知りませんという考え方では、何と申しますか、国の政治というもの、あるいは国の施策というものに対して地方住民の大きな不満が出てきておることは御存じのとおりですね。そういう点と、それから先ほど申し上げました、現在常時駐留しておる機数は少なくなっておるのでしょうが、待避のために、あるいは練習のために、連絡のために飛来するということもたびたび起こっておることですし、せっかく三十九年の予算の中に関係五校の予算を見てもらったのですから、大蔵省と話し合いをしてもらって、早期に施行に移るように努力してもらいたいと思いますが、そのことに対する長官のお考えと、大体いつごろになったら大蔵省と話し合いがついて実際の施行に移れるものかどうか、その辺のところもある程度の見通しといいますか、お聞かせ願いたいと思います。
○説明員(小野裕君) ただいま先生がお話しなさいましたような事情も含めまして、いろいろな事情を総合勘案いたしまして、私どもといたしましては、毎日においてはそれほどの騒音は出ていない。それは出ることがあるわけでありますけれども、この補助基準には達していないという面もあるにはありますけれども、諸般の状況から、私どもはこの際決心をして実施をすべきであるという考えのもとに、大蔵省とはひんぱんな折衝、協議を続けておるわけでございまして、私どもの考え方は変わっておりません。なお、いつごろまでに見通しがつくかというお尋ねでございますが、これもお話にございましたように、もう年度もちょうど半ばを過ぎたわけでありまして、きめるものは早くきめなければならぬのでございますが、大蔵省におかれましては、おそらく近々のうちに最終的な態度をおきめになると思うのでありますが、その際にどのようにおきめになるか、それによりましてまた私どもとしての考えをきめなければならないと、こういうふうに思っております。
○豊瀬禎一君 八月二十二、三日ごろ福岡の阿部市長があなた方とお会いして帰ってきたという形式の談話を発表して、新規工事については実施になりましたと、こういう発表をし、しかもそれは新聞談話だけでなくして、御承知の市長選挙が行なわれた際にも、阿部市長は胸を張って、そのことをやってきましたと、こう言っておるのですが、その八月二十日ごろ、あなた方に阿部市長がお会いしたときと現在とは、そのときはできておったのに、その後何らかの理由で事態が悪くなったと申しますか、大蔵省の考えが違ってきたものでしょうか。それとも大体大蔵省としては、その当時から現在の資料の範囲ではなかなかやりにくいと、こういう一貫した考え方を持っておったのですか。
○説明員(小野裕君) ただいまお尋ねの八月の下旬に阿部市長さんとお会いしたり、そういうお話をしたことはございません。ただ、私どもといたしましては、その当時すでにといいますか、それより以前から、この問題の懸案の五校についてはやりたいということで計画をいたしておりまして、大蔵省と話はしておったわけでありまして、私どものほうの考え方については、私から申し上げませんでも、何かの機会、何かの方法で施設庁の考え方というものは、市長は確信といいますか、しておられたかと思うのであります。なお、阿部市長が大蔵省のほうとどういうお話しをなさったか、それは私は存じません。いずれにいたしましても、私ども主務官庁といたしましては、ぜひやりたいという考えはもう年度の初めから持っておったわけでございますから、そのことをあるいはお取り上げになったのかもしれません。どういうふうにお話しになったか、あるいはどういう意味でお話しになったのか、そういうことについては一切存じません。
○豊瀬禎一君 長官はじめ、施設庁の皆さんが非常に全国的にも板付問題については御努力いただいておるのは私どもよく承知しておりますが、特に次年度の予算の査定に入りつつある段階ですから、三十九年度の実施につきましては、先ほどから御答弁のように、一日も早く実施に話がつきますように御努力をお願いいたしたいと思います。
○笹森順造君 駐留軍並びに自衛隊の航空機の発する騒音の防止のためのことが主題になっておるので、そのことで私もひとつお尋ねしたいことがございます。それはだんだんにお話のありましたこと、大体私もよく聞いて理解もしますし、特にこの問題についてお尋ねしたいのは、三沢というところに私も数回参りまして、そこで地域住民から、特に父兄のほうからこの防音に関する学校の校舎の完全なる建築物のことの陳情を受けて、実際にもこれを見ておるわけでありますが、先ほども話がありましたように、いろいろと防音装置のことをされても、究極するところ従来の老朽校舎、木造の校舎、こういうものではなかなか容易でない。せっかく費用を使ってやってみても効果が上がらない。ですから結局するところ、完全なる建築物を初めから計画して考えるということが、一番これはまあ効果的であるように考えられる。そこで、あそこにはモデル校舎と称するところのものがあるので、これも見て来たのでありますが、これも防音のことでは相当効果をあげているようでありますけれども、先ほどから話のありました通風の上、また保温の上では非常に大事なことがまだ残っている。ですから、せっかく文部省でいま考えている老朽校舎というものをなくして、新しい校舎の完全なるものを建てようというのであるならば、これは防音、防火、通風、採光、あるいはまた温度の調節等、完全なるモデルのものを考えてくだすって、そういうものをつくって、これならばよろしいということであることが私非常に望ましいことだと思う。むろん国家予算がそれに見合うものを提供するわけにいかぬかしれませんけれども、少なくともそういうものを文部省で、あるいは関係の当局が考えてひとつおつくりになってみたらいいと思うので、私この際文部省にお尋ねしたいのですけれども、老朽校舎というものはほとんどなくなったようなことを申しますけれども実はそうでない。各地方から言ってきておらないものがたくさんあるために、実際はあってもそれが文部省のほうに必要のあるものとしての予算化されるデータが整って出ていないものがまだたくさん残っている、この実情もよく御承知を願いたい。そうして十分に促してもらって、その点私もひとつはっきりしてもらいたいのですが、そこで私のいまお尋ねしたいのは、そういうことで完全なるものと考えられるものが全国で幾らあるか、あるいは完全に近いものが幾らあるか、つまりいま申し上げました防音、防火、採光、通風、温度調節、そうしてなおいま豊瀬君の言われたように、教育的に何かこうかん詰めになったような建物でなくて、そこに情緒の上でも生徒がよく教育を受けられるような環境をその室内で考えつつやっているような、これを見てくれというようなものがあるかないか、あるいは完全に近いものが全国で幾らあるか、さらにまたこれが教育者並びにそれらの当事者が行って見て、直すべきものはどうなのか、一体完全に近いものは全国で幾らあるか。私は三沢の建物を見ておりますが、それでもなお不十分なのですが、文部省がこれならばごらんに入れてもよろしいというものは幾ら、どこにあるのか、まずそのことをいままでせっかく骨を折ったこともあるようですから、この機会に御発表願いたいと思います。
○説明員(斎藤正君) 防音対策協議会の委員の方の現地調査の実施状況を見ますと、ただいま申しました通風あるいは暖房というような関係でやっておりますものが、千歳の基地の周辺で、中学校、小学校、若干あるようでございます。ただ、先生のおっしゃいましたようないろいろな意味で、これが完全であってモデルであるかどうかという判断は、私どもまだそこまで検討いたしておりませんので、いましばらく私どものほうで技術的な問題を検討さしてもらいたいと思いまするので、モデルのものがどこであるかということの御質問につきましては、私まだ現在お答えするだけの材料を持っておらないわけでございまして、通風の点でくふうをこらしておるというのが千歳の周辺には若干ございます。
○笹森順造君 いま千歳のお話がありましたが、そのほかに、非常な航空機の進歩発達によって騒音はますます激しくなるというようなことが予想されますので、そういう意味で、各基地周辺にみなそれらのものが何ぼかなきゃならぬと思うんだが、全部やっておりますかどうですか。いまのお話だけですか、いかがでございます。
○説明員(斎藤正君) ただいまのような施設をやっておりますのは千歳の周辺だけでございます。
○笹森順造君 そこで、これは千歳だけではないんで、ますます駐留軍に大きなジェット機その他のものがくることはわかるし、あるいはまた地上から発射するようなロケット式のものも考えられぬでもないというようなことを考えてみますと、時代的に、航空機の進歩とともに、学校の施設設備においては特にこれに対応する考え方を、並行してやはり文部省でも研究してくださる必要がありはせぬか。こういう意味で、特にいま駐留軍がある地方において、あとでこれに対応するというようなことでなくて、もっと積極的に、財源的にも考えてやるというようなことをやってもらいたいと思う。というのは、文部省としては、いま老朽校舎の新築、しかもまた、不燃のもの、永久校舎というようなものを逐次考えて、私どももこの審議にあずかって、木造よりも鉄骨、鉄骨よりも鉄筋コンクリートというぐあいに進んできている。その際に、特に基地周辺において、いま申し上げたものを加味して、これを十分に研究して、そしてまたこれを予算化するという点に特に御努力を願いたい。いまのお話では、千歳のことは申し上げられるけれども、これはモデルだといって示すほどのものになっておらぬというんじゃ、たいへん心細いような気がしますので、どうかひとつこの点についても、十分に各地からの要望、実情を把握されて御努力くださることを特に要望しておきまして、私の質問を終わります。
○委員長(野本品吉君) ほかに質疑もないようですから、本件に対する本日の質疑はこの程度にいたします。 —————————————
○委員長(野本品吉君) 次に、教育、文化及び学術に関する調査中、学徒援護会に関する件を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。小林君。
○小林武君 九月の三日、七日に学徒援護会の寮、寄宿舎に入っておる学生が援護会との交渉をやるというようなことで、両者の間に意見の食い違いができて、そのために警官隊がそこに動員されて数名の逮捕者を出した、こういうことがありまして、そこに在住している学生の要望もありまして、私は学徒援護会並びにそこの寄宿舎を見にまいったわけであります。その際、援護会の幹部の皆さんにもお会いして、状況等について十分お話をお聞きしたいと思ったのでありますけれども、当日は責任ある方々が皆外出中でございまして、職員の方から若干の問題を聞いてまいりました。その際感じましたことは、学徒援護会というものが戦前あるいは戦後、それから戦後から現在に至るまでの間に、援護会のあり方というような問題について、多少変化を起こしつつあるのではないか、たとえば戦後の直後の場合におきましては、アルバイトのあっせんというような問題についてもかなり大きな役割りを果たしたようでございますけれども、現在の場合には学徒援護会ばかりでなく、各大学がこれをやるというようなことも起こっておりますし、これが一本化されておらない。なお援護会の寄宿舎の中にいる学生自体も、援護会のあっせんによらないで、みずから、何というか、雇用する者との間に契約を結んでやるというようなことも起こっている。まあそういう問題もありますし、学徒援護会の内部の空気等を若干われわれがはだに感ずるところによりますと、かなり今後の運営についても問題点があるのではないかというふうなことを考えてきた。一種の曲がりかどに来ているのではないかというようなことを考えました。それから学生の諸君の代表者にも会っていろいろ聞くところがございました。まあこれらの人たちも、学徒援護会の当初の寄宿舎運営についての考え方と、現在の考え方に大きく開きができてきて、そうして両者の間に問題点が起こっているというようなこともこれも新たな事態だと思うわけであります。こういういろんな事情を見てまいりまして、私はお尋ねしたいのですが、一体、文部省と学徒援護会というものが、この仕事の上においてどういう関係を持っておるのか、あるいは連携を保って仕事を進めつつあるのかという点であります。この点をまずお尋ねしたいわけであります。
○説明員(笠木三郎君) 学徒援護会は一応民法上の公益法人でございますので、その意味では文部省との関係は一応監督官庁対一般の財団法人という関係になるわけでございます。ただ、御承知のとおり、この援護会の事業につきましては、そのほとんど全額を国庫補助によっておるという実情がございますので、その意味におきまして、私どもは援護会の補助金の問題につきましての予算化の問題、それからしたがって、その事業に対しましての指導監督につきましては、一般の財団法人よりもずっと密接な関係がございますし、重大な関心を払っているというわけでございます。そういう意味におきまして、いわゆるほぼ全額国庫補助団体と文部省との関係という関係になるわけでございます。
○小林武君 その関係はまあ明らかになりましたが、そういう関係にありますからね。まあたとえば今度の問題ばかりでなく、この問題の端緒になりました移転問題ですか、その他新しく移転した場合においてその寮の運営その他の問題、それから学生に対するアルバイト先のあっせん、そういう点について文部省といたしましてはどういうような一体援護会に対して連携を持っているわけでありますか。これは自由にやらしているのか、あなたのほうで何らかこれに対していろいろな注文を出しているのか。先ほどおっしゃるように、全額が国庫補助によってやっていると、こういうようなことになれば、一体どういう扱いをしているのか、その点を伺いたいと思います。
○説明員(笠木三郎君) 移転の問題につきましては、特に具体的な点でございますが、これは先ほど申しましたように、その事業費はほとんど全部を国庫補助によっているということ、したがいまして、移転につきまして、今度新しくできます建物の工事費等につきましても、ほとんど国庫補助金の中に計上されているわけでございます。したがいまして、その補助金の適正な執行を確保いたしますために、建築の内容等につきましては、援護会の立案いたしましたところを十分検討いたしまして、一番適切と思われるような方向にこれが実施されますように随時御相談しているわけであります。したがいまして、その移転につきましての一連の関係の問題は、これはまあ事業報告等もいただいておりますし、予算の執行につきまして、いま申し上げたとおりの点につきましては、これはまあ随時その案を拝見いたしまして、これに基づいて、もし修正等の必要があります場合には、こちらから意見を申し上げて指導している、かような現状でございます。
○小林武君 いまお話しになったような点については、これはまあ当然のことだと思いますが、やっぱり問題は、先ほどもちょっとあそこへ行ってみて、私の感想はどうだったかということを述べたわけでありますが、援護会に行ってみまして、たとえばどうなんですか、援護会が戦後——戦争終結直後の状況といまとではだいぶ援護会のいき方に変わりが出てきているということを感ずるわけですよね。たとえばアルバイトの問題にしろ何にしろ、やっぱりずいぶん変わって、大学が独自にやるというようなものが非常にふえてきたということを当事者が言っているのです。また学生自身も、先ほど言っているように、また自分自身で開拓するというようなやり方をしてやっている。まあ端的に言えば、援護会そのものの事業というものが私はだんだん活発になっているとは思わない。援護会の仕事が、だんだんそういう対象になる学生の諸君の利益になるように動きつつあるというようなことは考えられないような気がするんですけれども、これはまあ非常に僭越なものの言い方かもしれませんけれども、そういう点についてはお気づきになっておりませんか。
○説明員(笠木三郎君) 援護会の成り立ちが、御指摘のとおり、終戦直後のああいうきわめて居住の環境も悪く、しかも大部分の学生がアルバイトをしないと十分な就学ができないというふうな、そういう緊急の状況にいわば対応する意味を持ってできましてその事業を続けてきたということでございます。したがいまして、御指摘のとおり、現在のまあ客観情勢の推移ということを考えました場合には、当時非常に重要であった仕事であったが、その後の情勢の推移によって、まあその必要性が当時ほどではなくなったという点ももちろんあるわけでございます。したがいまして、先ほどもお話がございましたように、まあ援護会の立場といたしましては、そういう成り立ちであるだけに、いま一種の曲がりかどにきているという点は、確かにお話のとおりだと思うのです。これは今後どういうふうな方向で運営するかという問題につきましては、現在私どもも援護会と協力いたしましていろいろ検討しているわけでございますが、ただ一例を申し上げますならば、学生会館、いわゆるインター・カレッジの学生寮というような存在を考えてみますと、国立大学等におきましては、それぞれ別途に国でその整備充実をはかっております関係もございます。ただ、たとえば私立大学のことなどを考えてみますと、大都市に非常に集中されておりますし、いわゆる寮としての土地等の確保も非常に困難な状態でございますので、そういう状態に対してのいわゆるインター・カレッジの学生寮の存在理由というものが、やはり従来以上に場合によっては必要性が多いのではなかろうか、そういう意味の方向を考えているわけでございます。全体といたしまして、今後どういうふうな方向において援護会の運営が行なわれるかという点につきましては、いま申しましたように、援護会と協力いたしまして、十分慎重な検討をいたしたいと、かように考えているわけでございます。
○小林武君 援護会の内部のことについて、私よく調べたわけではないわけです。私があそこに行って、ほんのわずか少数の職員の方とお話をして、私の感じ方として、先ほどのような意見を述べたわけでありますから、これは当たっておらないかもわからない。しかしながら、どうもしかし戦争が終わった直後と、それから現在とを比べて言えば、やはりだいぶ変わってきておりますから、援護会の仕事そのものに何か目標がちょっと見失われたというようなことがないでもないというようなことをどうも考えるわけです。しかし、学徒援護会が将来やはり十分その仕事を発展させる意味から言えば、やはり私はこの段階で相当やはり援護会自体がはっきりしたこれらの対策を樹立しなければならない。同時に、ここの経営の経費というものはほとんど国庫から出ているわけですから、そういう点ではやはり文部省においても責任がないとは私は言われないと思うのでありますが、そういう点でひとついろいろと御努力をいただきたいと思うのです。 それからもう一つの点ですが、非常に先ほども問題だと思いますのは、学徒援護会の内部に警官隊を動員して学生を逮捕するという事態が、私の行った直前に起こったわけですけれども、その後また起こっているらしいですね。また、問題があって何人か逮捕されたということを、私は旅行から帰ってさましたら、そういうことを聞いた。これは文部省が関知しないことだといえばそうかもしれませんけれども、一体こういう点について、対立点になっているいろいろな問題点、たとえば館費の値上げの問題とか、あるいは彼らが自主的な運営を要求して、自治会室とか、集会室とか、会議室とか、生活協同組合の従業員の居室だとか、そういうものの要求を一体排除する、許さない、こういうような問題が起こっているが、文部省はこういう点については何か相談にあずかっているなり、あるいは意見を述べたというようなことがあるのではないか、館費の値上げとか、そういう新しく建つ会館のいろいろな内部の居室の問題などについて。
○説明員(笠木三郎君) 第一に、いわゆる会館の館費の問題でございますが、この問題は、援護会の学生会館の運営の基本的な考え方といたしまして、国立大学の寮と同じ程度にという考え方が従来とられてきたわけでございます。そこで、今度新しく本建築の寮が建ちます場合には、一応、国立大学の本建築の新営の寮と同じ程度のいわゆる館費、いわゆる宿料でございます。これを取ることはこれは線としてはこれは妥当の線と考えております。この点は援護会の御意見と私どもとは全く一致しておるわけでございます。なお、つけ加えますならば、現在まあ援護会が所管しております学生会館が全国に十一ございますけれども、そのいわゆる館費はまちまちでございまして、現に三百円を取っている寮もあるわけでございます。三百円と申しますのは、今度新しく東京の学生会館が移転いたしました先で徴収することを予定しております額でございますが、これと同じ額をすでに現在徴収しているところもあるわけでございます。そういう点もございますので、私どももその方向で妥当であろうというふうに考えておるわけでございます。それから移転先の新しい会館の内部の部屋割り等のこまかい点につきましては、これは全体の坪数の中で、これはまあ予算等の制約がございますので、その総額の中で部屋割り等の細部につきましては、これはもちろん援護会が自主的にきめるべき問題でございますが、ただ全体のワクの考え方といたしましては、たとえば会館部分、つまりこれは主として居室でございますが、この部分はたとえば総ワクでどのくらいのところを割らないようにというような指導はしているわけでございます。援護会の報告によりますと、学生の一部の反対の点は、まず移転そのものの原則的な反対ということが非常に強く出ておるようでございまして、個別にどういう部屋をどの程度に用意するかということにつきましては、あまり積極的な対策等は出てきておらないようでございまして、この移転の問題そのものにつきましてはそのようなわけで、むしろ原則的な問題でやりとりが行なわれておって、具体的にそのものの部屋割りの内容をどうするかというようなことはまだ話し合うという段階に至っていないというようなことを聞いております。以上のような状況でございます。
○小林武君 館費の値上げの問題は他の大学の学生寮と同じようにするというような話ですがね。この学徒援護会の会館に居住しておるものというのは、これはほかの国立大学その他に入っている学生とは全く同一に考えられるものなのですかね。私はそのようには学生の諸君からは聞いてこなかった。ほとんどのものがアルバイトをしなければ学校に通うことができない。私も学徒援護会のたてまえからいって、これは当然じゃないかと思うのですがね。寮に入るものに対して他の国立の大学がやっているからというような、そういう考え方はどんなものでしょうか。それについては私はそんな考えを持つということと、もう一つ、やはりどうもあなたのほうにどういう報告が入っているのか知りませんけれども、私が学生の諸君から聞いた対立点というのは五つほどあるわけです、対立点。それは館費の問題それから内部におけるところの自主的な活動というものがやれるような自治会室とか、集会室とか、会議室というようなものを設けてくれというような点で一つ、それから会館のこの統一規約をつくっていこうという考え方に反対するということ、そういう問題や光熱費や水道料金ですか、水の料金なんかの問題、こういう問題を対立点として彼らは話し合いをしたいのだけれども、話し合いの段階に至らないで、先ほど申し上げたようにもいたずらに紛争を起こして学生が逮捕されるというようなことが二度も起こっておる。この点については、これは直接文部省の責任ではございませんと私も思いますがね。文部省がそれほど援護会の中に干渉すべき筋合いのものでも私はないと思いますけれども、やはりこういう点については、金を出すほうは文部省なんですから、そういう意味ではその点からの学生の要求をどうくみ取ってやるのかということは、これは私はできることだと思う。そういう点について、ひとつ十分考慮を願って、学生が逮捕されるというような紛争を今後も続けることのないように、学生課においても十分援護会と連絡をとってやってもらいたいと思う。この問題についてはこれだけです。
○豊瀬禎一君 関連して。学生課の学生に対する補導というか、指導というか、その方針が単にこの学徒援護会に住んでいるものではなくて、全国の大学の寄宿舎管理の問題やすべてにわたって、従来の自治組織の慣行を否定して、大学でいえば学生課長ですか、そういったいわゆる学校側の監督というか、監督権というか、そういうものを強化して学生の自治を次第になくしていこう、奪っていこうという傾向の一連の指導が行なわれておるのではないかと見られる点があるのですが、そういう方針に立っていますか。
○説明員(笠木三郎君) 私ども直接の所管の場面に入ってまいりますのは、国立大学の寮の問題でございますが、いわゆる寮における学生の自治という問題の考え方に対しまして、大学及び私どもの考え方と一部の学生との間にかなり基本的な考え方の違いがあるんじゃなかろうかということを私は痛感しております。各種の答申等もいただいておりますけれども、その中味にありますような、いわゆる寮における学生の自治と申しますのは、大学が認めた範囲におきまして、自分たちのいわゆる自立的な生活の切瑳琢磨と申しますか、そういう集団生活における人間関係の向上という問題を中心に考えるべきであろうというふうに指摘されておるわけでございます。ところが学生の一部におきましては、その自治と申します問題を、いわゆる施設の管理運営に関する最終的な権限という形に置きかえて考えておる場合が非常に多いようでございます。端的に申しますれば、寮を自分たちの手で一切大学の手をわずらわさずに、これはいわゆる外部の干渉を排除してという表現を使っておる場合が多いわけでございますが、そういう意味で寮の生活をしていきたい。こういう主張があるわけでございまして、これはやはり大学の施設であり、大学が管理運営上の責任を持っております以上は、その主張に対しては大学は筋の問題として、これを肯定するわけにはいかないわけでございます。私どももその点につきましては全く大学と同じ観点に立っておるわけでございまして、現在、大学といたしましては、そういう点の筋目を正すという意味で努力を重ねているわけでございます。その経緯におきまして、たまたま若干の大学でトラブルが起こっている例もございますけれども、これがいま申し上げたような筋目の問題という限りにおきましては、これは私どもはある程度はやむを得ない。不必要なトラブルを起こすということはもちろん大学も非常に注意しておりますし、私どももそういうつもりは毛頭ございませんけれども、そういう意味合いにおきましても筋を正すという点につきましては、私どもも全くその考え方は正しいと考えているわけでございます。したがって、その線に即しまして、現在、各大学におきましてその寮の管理運営の問題の改善整備ということに努力中であるという段階でございます。
○豊瀬禎一君 結果的に、管理権の所在をめぐる論争という見方ではなくて、それは論争するまでもなく、あなたの御指摘のとおりです。それは私も肯定します。実質的な自治権、形式的な管理権、こういったものに対して文部省が学生指導の一つの方針として、できるだけ、何と申しますか、監督というか、ことばを悪くすれば干渉というか、自治権を少なくし監督を強化していく、そうして、ある政党の運動の下請のようなことをやっている学生についてはなるたけ入れるなとか、あるいは全学連の運動が盛んな学校には寄宿舎、寮の補助費も出してやらぬぞと、こういった一つの思想的背景を持っておるということが一つと、それと同時にも一般的に寮における学生の自治権をいわゆる管理権に基づいて監督強化しようとする一貫した方針を持っておるのではなかろうか。また、そういう指導を受けたと考えておる国立大学があるのですが、私が実際に担当している人から聞くのですが、そういうのは文書でそうした一般的な方針というのは出しておりますか、それとも何か学生課長会議か何かもそういうものを通して一つの指導が行なわれておるのですか。
○説明員(笠木三郎君) 特に、国立大学の寮の管理運営の方向、あるいは方針につきましての問題については、これは三十七年、一昨年に学徒厚生審議会と申します大臣の諮問機関に諮問をいたしまして、これで答申をいただきましたその線に根本的には沿っているわけでございます。で、私どもの態度といたしましては、その答申の内容の線に即しまして、これをおおむね妥当と考えておりますので、その線に即して大学のほうでも個々にその寮の改善整備という問題について検討をしていただきたいということは申し上げております。そういうまあ基本的には指導の立場でございますが、特別にそれに関する指導通知というものを別途に出しているというようなことはございませんし、ただ、その答申に即して改善整備をはかってもらいたいという意味の意思表示は絶えず行なっているわけでございます。
○豊瀬禎一君 五カ年間、文教委員会から調査をして大学を見なかったことはないのですが、いずれの大学もとは言いませんが、私ども国会から調査にきておる人間に対して、うちの学生は学生運動をしないので、また学生運動があまり活発でないので、文部省の覚えがめでたくて寮の予算ももらえました、こういう言い方を学長がしたところもあります。それから学生の補導を担当しておる教授が言ったところもある。これを見てみますと、先ほど言ったように、文部省のお気に入らない方向の学生運動をしているところは予算をやらぬぞとか、そういうところに対しては自治権を次第に剥奪していって管理権を強化しろとか、そういう一つの思想的背景を持って学生補導の方向が、答申の可否の問題じゃなくて、実質的な面として行なわれているんじゃないですか。
○説明員(笠木三郎君) 私どもは、学生——この場合にはまあ寮の寮生でございますが、その者が特にどういう思想、信条を持ち、どういう政治的な立場をとるかということにつきましては、これは毛頭それをチェックする意思はございませんし、またすべきでもないと思います。ただ、これが具体的に特定のまあいわば政治活動と申しますか、そういう形で、しかも大学の方針に反するような形で具体的に問題が起こるというようなことがありますならば、これは大学全体の管理運営上の問題といたしまして、これはもちろん教育上の問題も含めてでございますが、そういう観点から、これはやはりそういうことをそのままに受け入れるわけにはいかない。これは大学としても当然そういう考え方で対処していると思います。そういう意味合いにおきまして、寮の整備をはかります場合に、そういう個々の管理運営上の問題でいろいろ紛争がありましたり、そのために将来その寮の基本的な運営についての大学の方針がまだ決定しかねているというふうな場合には、これはそのために予算を削るということはいたしませんけれども、しかし、その予算につきまして時期を見るということはあり得るケースだと思っております。
○豊瀬禎一君 この学徒援護会の学生に対する問題も何かそういう一つの、純然たる管理権の問題だけでなくして、一つの文部省の一貫した学生指導の方針の中から出てきておるくさみを感じるのです。なるほど、紛争が起こっておるから今年度は予算はやりますまいと、表向きにはそういう言い方でしょうけれども、やはり学生運動の活発なところに対しては文部省があるコントロールをやっておるということは、私どもの触覚では争えない事実だと思うのです。それがどういう方向にいっておるかは大学当局の問題であって、文部省が学生補導の内容まで、どちらに走っていようが、干渉すべきことではないと思うのです。文部省は、紛争の起こっているようなところには、そういうところへこそ早くきれいな寮をつくってやって、学生が楽しく過ごせるように、自治権をきちんと認めてやって、よりおとなしくなっていく方向を助長していくという財政的な裏打ちをすればよろしいので、何か騒いでおるから予算の執行を停止しましょうとか、どうも全学連の多いところは事務局長に対して、まあまあ少しおとなしくならぬと金は出せませんよと、こういうことはやるべきことではないと思うのです。そうしてそのことの一つの背景から、不必要にこの学徒援護会の問題もこじれておるのじゃないかと思うのですがね、心あたりはありませんか。
○説明員(笠木三郎君) 私のほうといたしましては、この援護会の改善の問題と、それから一般の国立大学の寮の問題と特に関連させてどうするというものを持っておるわけではございません。むしろ一部の学生のほうでそういうとらえ方をしておるということは、私どもも感触としてはわかる気がするわけでございます。もちろんこの寮の管理運営そのものは、これはもう御指摘のとおり、まさに大学の教育方針に基づくものでございますから、個々の大学におきましてどういう方向でこれを行なうかということの最終的な責任なり決定は当然その大学が行なうべきでございます。ただ私どもとして、貴重な国費を使いまして、できるだけ修学の環境のよい寮をつくるという形で改善整備をはかっております段階におきまして、個々の大学の方針についてその一部の寮生がこれに反対して、そのためにスムーズに管理運営なり、それから教育効果ということが及ばないようなケースがあるといたしますならば、それにつきましてはやはりその改善について、まああるべき姿に戻すような意見を申し上げ、それに即しての考え方を大学にとっていただくようにお願いするということは当然あるわけでございます。
○豊瀬禎一君 最後ですが、いまおしまいのほうに言われた、大学に要望し改善を求めるということは当然あると、これはきょうはこの問題が主たる議題じゃないから、これ以上進めませんけれども、そこまで立ち入ってはならないと私は思っています。
○委員長(野本品吉君) ほかに質疑もないようですから、本件に対する本日の質疑はこの程度にいたします。 —————————————
○委員長(野本品吉君) 次に、教育、文化及び学術に関する調査中、文化財保護に関する件を議題といたします。 質疑の申し出がありますのでこれを許します。小林君。
○小林武君 文化財保護委員会に対して何度か問題を提起いたしましたように、国土開発というようなものが非常に活発になれば、文化財が破壊されるからというようなことが起きると思う。したがって、それに関係のある団体と、あるいは政府部内における省庁との間においては十分この連絡をとってやるべきではないかというような、そういうことを申し上げてまいったわけでありますけれども、第三京浜道路に関係する問題については、道路公団と文化財保護委員会の間においてかなり連絡を密にしてやられたということを聞いているわけです。この点は過去のいろんな問題と比較すればたいへん前進であって、非常にけっこうなことだと思うわけでございます。それで第三京浜道路にかかりますところの小机城というのがあって、これについて文部省も調査をし、それからまたこの小机城の調査をさらに専門の方々がやられるというふうな話を聞いているのですが、この間についてはこれはうまくいっているとお考えになっておりますか。
○説明員(宮地茂君) いまの第三京浜国道の建設に関連いたしまして、横浜市内でございますが、小机町にあります小机城の調査はうまくいっているかというお話でございますが、先ほど来、小林先生もおっしゃっておられますように、私のほうといたしましては、かねてから申し上げておりますように、こうした道路あるいは鉄道、こういったような建設につきましては、道路公団等々と、いわゆる中央にございますそういうところと基本的な話し合いをいたしております。そうして個々の具体的な問題につきましては、主として埋蔵文化財でございますが、埋蔵文化財所在の公共団体、県なり市町村——町村はあまり小そうございますので、市とか県ぐらいの間で一応話の具体的な進行をはかってもらいたいという基本的な話し合いなり文書の交換なりをしておるわけでございまして、したがいまして、この小机城につきまして道路公団と私のほう、文化財保護委員会とで直接具体的に話して、このように調査をしようという前提でやっておるものではございません。そういう意味におきましては十分調査を、話し合いがつき、りっぱに調査をいたしておりますと申し上げるのには遺憾ながら自信がございません。しかし、いま申し上げましたような前提で、横浜市教委、それから神奈川県教育委員会、こういったようなところとは話が進みまして、調査をいたしておるというのが実情でございまして、そのように私も承知いたしておるわけでございます。
○小林武君 私の聞いたこととはちょっとはずれたお答えであったわけでありますが、私が聞いているのは、道路公団とあるいは地元の県との話し合いもやられたやに聞いているわけですね。その上に立ってこの道路がつくられる。第三京浜道路というものがつくられていく。ところが、京浜第三国道というのは、この小机城のほとんどまん中を通っているというような状況なんですが、その点については文部省の調査官も出られておって、出かけて、そうして調査をされた結果出た結論だと、こういうふうに聞いておるわけでありますが、その点について文化財保護委員会が道路公団とそういう路線をたどったということは、この小机城の場合、この小机城址のあとを道路が通るということについて、これはたいしたことはないとお考えになってやったのかどうか、その点ちょっとはっきりしてもらいたいという意味なんです。
○説明員(宮地茂君) これにつきましては、経過は、三十八年の八月——昨年の夏ごろからこの路線について道路公団からお話が、問い合わせがございまして、その後二、三打ち合わせもあったようでございますが、ことしの二月に第三京浜道路の埋蔵文化財の発掘調査につきまして、小机城あと外三件、合わせて四カ所でございますが、これについて発掘調査をする、それについての大体の見積もり経費はこういうことだということで、百万円足らずの調査費でございますが、そのくらいで調査ができるであろうという話し合いを道路公団の京浜建設局ですか、そこと結んだようでございます。
○小林武君 いや、聞いているのは——聞き方が悪いのかな。聞いているのは、あなた知っているのか知っておらないのかよくわからぬけれども、この小机城の大体中心からちょっとはずれておるけれども、それを道路が横切っておるわけだね。その点についてあなたのほうと道路公団のほうとが合意の上やられたのかどうかということ、こういうことは小机城の城址の、これからいろいろ調査するとか何とかについて何ら支障のないというような確認の上に立ってやられたのかどうか。私は何かあなたのほうから調査に行かれたというから、専門の方が。だから、ないという確認の上に立ってやられたと思うのですけれども、その点はどうなのですかと、こう聞いているのです。
○説明員(宮地茂君) 先ほど申しました三十九年の、ことしの二月に、具体的にその四カ所——小机城址を含みました四カ所の調査をするという場合に、私のほうの非常勤の職員、東大の講師でございますが、元文化財の職員をしておりました斎藤という先生がこの話のときに立ち会っております。ただ正直に申し上げますと、この中央道あたりにつきましては、これも道路公団ですが、あの浅川から山梨に抜けていくあの辺につきましては、これは東京都とも十分連絡をとりまして、これは直接道路をつくる前から相当調査をしておるわけでございますが、それに比べますと、これはやや神奈川県と道路公団京浜建設局との話が相当早くからではなくて、ある程度建設のほうの計画が進んでから話に入ったようでございます。でございますので、まあ結果論でございますが、ある程度はそこまで具体的に建設の路線のほうが確定をしない前にこの話がもっと具体的に詰められたら、そこのところを多少よけるというようなくふうはなかったものかというふうに考えておるのが率直の感じでございます。
○小林武君 さっきだいぶほめましたけれども、あまりほめた話じゃないですね。斎藤さんがそれじゃ行かれて調査されたのは、小机城のこの地点を道路が通っても、さしたその小机城の保存に影響がないというような角度からではなくて、すでにもうきまったことだから、やむを得ないという観点で文化財保護委員会が承諾させられた、こういう御趣旨の答弁ですね、いまのは。
○説明員(宮地茂君) いきさつを申し上げますと、率直に申し上げまして七両方が対等で、いまごろそんなことを言われるのはおかしいじゃございませんかと、相手が言わない前の話でなくて、いまごろそう言われても困るではないですかといったような時期に斎藤調査官が行ったわけなんです。調査をしたわけじゃございませんが、その図面を見たわけなんです。
○小林武君 図面を見たって、現地に行って調査したのでしょう。
○説明員(宮地茂君) 現地へ行っていないそうです。大体図面でやったそうです。それで、大体そういういきさつなんですが、ただそれにしてもまだ道路をつくっていない時期なら、もっと文化財は強く主張して、避けるべきではなかったかというお話が次に出てくるのだろうと思いますので、先にお答えしては悪うございますが、率直に言いまして、経過はそうであったのでございますが、しかし、そういう経過でございましても、しかし絶対にこれは大事なものであるということであれば、多少後手であってもそこを絶対に避けるということをもう少し主張すべきであるということは当然なんですが、その点につきましては、この小机城址のいわゆる文化財としての価値という問題になろうかと思いますが、その点は、小机城と申しますのは私も直接存じませんが、斎藤調査官その他学者の話によりますと、築城された時期は不明だ、戦国時代につくられた山城のようだ、その後、北條氏が関東一円を支配するようになった。そのときに早雲の子供の北條氏綱ですか、氏綱が部下をしてこの城に行かした。ところが、後、豊臣氏に滅ぼされて、その後廃城になっておるというような歴史的経緯をたどっておるようでございますが、で、北條氏の関東一円におきます、出城、学問的には支城というのだそうですが、支城が相当ございまして、小机城はその北條氏の支城の一つのようでございます。で、この支城が、東京、神奈川、静岡、埼玉、千葉、群馬と、こういうように非常に当時の北條氏の支城があるようでございますが、そのうち指定をいたしておりますのは、滝山城、八王子城、鉢形城といったようなところを指定して、小机城は現在まで指定をしていなかったというようなことは、やはりまあできれば保存をいたしておきたいのだが、指定をするまでには至っていなかったという、まあ小机城址に対する文化財としての価値観は大体そういうところにランクされているということから、まあ交渉は若干後手になったということと、それからこの城あとに対する文化財の価値から、非常にりっぱな、特別史跡に当たるようなほどでもないので、まあ発掘の調査をすることにしようかという結論になったようでございます。
○小林武君 それほど重要であるかどうかということになると、あなたとぼくが論争してもしようがない。これはただこれの調査に当たられるという学者の方々の御意見だというと、いまのあなたの考え方とは違うようですが、小机城というのは戦国時代の城としてかなり重要な意義を持っている、そういう考え方に立っている。しかも、そういう重要な小机城の一番大事なところに道路が通ったということについて非常に残念に思っているらしいのでありますが、そういう点の違いが起きるのは、ぼくはきょうはあなたに道路をこれから少しずらしたらいいという質問をするつもりではなかった。いまのような点が一つあるのです。たとえば、それぞれ専門の方がいらっしゃると思うのですけれども、考古学をやっていらっしゃる方の中でもいろいろなさらに分化された専門の領域があると聞いておりますが、やっぱり小机城が重要であるかどうかというようなことを、これを残さなければならないとか、残さなくてもいいとかいうようなことの決定は、その道の専門家が十分検討してやはり結論を出すべきだと思うのです。そういう手続が今度の場合には欠けておったのではないか。これから文化財の問題について同じような問題をいつでも議論するわけでありますが、文部省が斎藤さんを派遣されたということでございますが、斎藤さんの御専門は非常に広い領域を持っておられて、何のことでもおわかりになるのかどうか知りませんけれども、まあ斎藤さんに加えるのに、さらにその道についての御専門の方をひとつ入れるとか、あるいは現地の意見を十分いれるとかいうようなことを用意されて、どうも行ってみたらもうすでに道路ができてしまっておったからやむを得なかった、手おくれであったというようなことのないようにこれからしてもらいたいと思うのです。いいですか、そういうことがぼくの言いたいことなんです。手おくれでありましたというようなことをあなたがおっしゃることは、これはおかしいと思う。あなたはこの前のときにこういうことを言ったでしょう。何か五十何通か、関係の方面に文化財保護委員会としても文書を出して協力方を願っておるということになれば、私はその方面から何らかのこれは話があるものだと思うのです。おくれたとすれば、ぼくは文化財保護委員会の怠慢から起こってくると思うのです、この場合は。それはあなたのほうで、すでに手おくれになるような状況になってから報告を受けたとすれば、これはあなたのほうの怠慢だとぼくは思うのです。手続をしているのだから、しているのに向こうが無視してかかったということはぼくはないと思う、前に道路公団との話し合いにおいてあなたのほうとは十分連絡してやったことだから。
○説明員(宮地茂君) あまり申し上げますと、言いわけがましくなりますので恐縮なんでございますが、私から申し上げるまでもなく、文化財保護法のたてまえからいきますと、指定をしているものの現状変更は、これは法律によって許可を得なければなりません。ところが、その他のものにつきましては届け出をすれば、こわしてもいいということではございませんが、法律的には束縛することはできないわけなんでございます。そこを法律だけでしゃくし定木にいったのでは、文化財が、全国的に埋蔵文化財が多いのだから、法律どおりにしゃくし定木にやらなくて、事前によく、届け出だが、許可くらいな気持ちでやっていただきたいというようなことから、道路公団等の話が進んでおるわけでございます。で、手続的には全部を、いつかも申し上げましたが、全国でこういう埋蔵文化財というものが十四万件くらいもあるそうでございます。そういうふうに非常にたくさんございますので、国といたしましては、そのうちの飛び切り重要な史跡に指定をする前段階のものくらいに国は重点をおきたい。その他については県なり市の教育委員会でやってもらいたいというたてまえで進んでおりまして、今回の場合は手おくれと申しますか、実はあとからわかりましたのですが、横浜市のほうで、市教育委員会のほうで相当話を詰めておられたという前提がございます。それも、そういうわけもわからないで市に話を詰めさせるのは、文化財保護委員会用なしじゃないかとおっしゃられればそれまででございますが、一応そういう経過をたどったわけでございます。それからこういう埋蔵文化財等に対します価値観、これは学者によってもいろいろ意見もございますし、まして事務屋が一、二の学者の受け売りをしたようなことをここで申し上げてもしょうがございませんが、私のほうといたしましては、斎藤調査官の例をあげられましたが、斎藤調査官だけでなくて、黒板勝美先生という、国史の非常な大家でいらっしゃいましたが、その方の御子息が、御子息といってももう六十近い御子息ですが、その人が、こういう歴史的なことは、事務当局にもおりますし、そういう人が判断いたしまして、どうしてもということであれば、史跡関係の専門審議会を招集いたしまして、そこで判断を仰ぐ。そういうことまでする必要もない、自分らで大体わかるということであれば、審議会にはからないで、県なり市に指導するというような形をとっているわけでございます。まあ何にしましても、いろいろ申し上げても言いわけがましく、へ理屈と仰せられると思いますが、先ほど来申し上げておりますような経緯で今日に及びました。ただ、これも学者の説でございますが、小机城あとは、いわゆる現在の残っております江戸城とか、姫路城とかといったような城ではなくて、戦国時代以前からの山城でございます。したがいまして、築かれた時期も不明だし、それから築城の方法もよくわからない。で、むしろ発掘調査をすることによって築城の時期なり、築城方法が解明されるという利点もあるんだというふうにも聞いているわけでございます。
○小林武君 あまり文句をつけたくないけれども、早々に切り上げようと思っておったけれども、あなたのものの言い方は何ですか、一体。実際少しなめているな、人を。そういう人をこばかにしたようなあれを言うものじゃない。この問題点は、たとえばあなたが調査するといっても、道路ができて、この写真のようにすでに掘られておれば、この小机城の一番大事な地点がこわれてしまって、調査をしてもちょっと調査の目的に合わないようなことになってしまうということを学者の間では言われている。そういう事態があるから、ぼくはまあ今度の場合はいたし方ないけれども、今後は十分連絡をとって、そうして専門家の手で十分調査して、文化財が破壊されないようにしたらよろしいのではないかというようなことをあなたに言おうとして言っているつもりです。ところが、あなたの答弁はどうも人をこばかにしたようなものの言い方をしている、山城でありますとか。だれが山城でないと言ったのです。江戸城と違いますというようなことは、何ぼこっちはしろうとかもしれませんけれども、そんなばかなことを言うものじゃない。あなたのようないまの論法で言ったら、これから国土開発に伴って埋蔵物文化財というものは限りなく破壊されていくんじゃないのですか。何かこの間、加曽利貝塚を発掘した瀧本さんですか、教授の書いたものをちょっと読んでみても、最近の国土開発によって文化財が破壊されることは目をおおうものがあるというようなことを表現されております。皆さんとは大いに連絡を密にとっておられる方もそういうふうにお考えになっている。もし指定されていないというようなものなら、どんどん破壊されてもかまわないのだ、届け出すればいいのだ、その程度のものであれば届け出して許してやるといったらたいへんなんですよ。あなたのほうでそういうことがないために遺跡台帳というようなものもつくって文化財保護に当たろう、こうあなたは前に答弁になっているし、そういう方向で仕事が進められていると思う。そういう方針が、今度の場合はぼくらは善意にとって、ある程度前進した、こう見たわけです。ところが文化財保護委員会の態度はそうでなくて、こわれるものはこわれてもしょうがないというような態度のようで、これは非常に遺憾ですが、なおあなたとここでこれ以上話をしてもむだですからやめますが、今後、文化財保護委員会の問題がありました場合には、ひとつ委員長は必ず出席してもらいたい、そのことを要望いたします。少なくとも文化財保護委員会のこの委員長は、飾りものなのか知らないけれども、全然顔を見せない、われわれが出てもらいたいと言うと、かんべん願いたいとあなたたちもおっしゃっておる。これは私は重大だと思う。いつかもこういう種類の問題について私のほうの秋山委員が文部大臣の責任の問題で話が出たことがありますけれども、私は文部大臣にそれは最終的な責任は確かにあると思いますよ。ありますけれども、委員会をつくって、委員会の権限によって大いにやらなければならぬということは委員会法に出ておる、法によってきめられておる。一体、その飾りもののような委員長がいて、そうして文化財を保護するということに何らの情熱を持たないというような、少なくともそう見られるようなやり方では私は問題だと思う。だから、あなたたちも自然そうなる。文部行政の中にあって何か非常にじみなような存在であるけれども、私はじみなような存在だと考えて行動なさることはたいへんだと思う。もっとやはり非常にいま破壊力を大きく持って国土が開発されているんですから、それに相応した情熱というものは持ってもらわなくちゃならぬ。そういう意味で、これからひとつ委員長の出席を要求いたしておきますから、あなたもひとつその点を委員長に十分伝えて、そういういままであなたがなさったような答弁をなさらないような委員会になってもらいたいと思う。私の質問は、これで終わります。
○委員長(野本品吉君) ほかに質疑もないようですから、本件に対する本日の質疑はこの程度にいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十二分散会