文教委員会 第5号
- 発言数
- 61 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1964/02/11
会議録
○委員長(中野文門君) ただいまより文教委員会を開会いたします。 教育職員免許法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、発議者より提案理由の説明を聴取いたします。米田勲君。
○米田勲君 ただいま議題となりました教育職員免許法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 御承知のとおり、盲学校、聾学校及び養護学校の教員はその資格、要件として、これらの学校の教員としてのそれぞれのいわゆる特殊免許状のほかに、幼稚部から高等部までの各部に相当する学校の教員としてのいわゆる基礎免許状を有しなければならないという、二重免許状の制度になっております。したがって、昭和二十四年教育職員免許法の制定以来、盲、聾も養護の諸学校における教員の免許状収得の方法は、基礎免許状については同法の別表第三により、また、特殊免許状については別表第七によって実施されてきたのであります。このことは、学校教育法第七十一条に、特殊教育の目的として、「幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施し、あわせてその欠陥を補うために、必要な知識技能を授ける」とうたわれている点から見ましても当然のことであり、特殊教育に携わる教職員は、盲、聾、養護の諸学校において、幼稚園から高等学校までの普通教育に準ずる教育を施すことと、その欠陥を補うための知識技能を授けることとの二つの大きな使命をになっているのであります。さればこそ、これらの学校の教職員に対してその身分待遇等について格別の考慮が払われることもまた当然であると信ずるのであります。 しかるに、基礎免許状の取得に際し、特殊教育に従事した在職年数が普通教育におけるそれよりも軽んじられるような措置がとられましたことは、まことに遺憾であると申さねばなりません。すなわち、昭和三十六年の一部改正によって、この法律の別表第三の第三欄中、「第一欄に掲げる学校の教員」の次に、「(二級普通免許状の授与を受けようとする場合にあっては、これらに相当する盲学校、聾学校及び養護学校の各部の教員を含む。)」という部分が挿入され、二級普通免許状の取得に限って必要在職年数として盲、聾、養護の各学校における在職年数を通算することが特に明記され、従来、制限を受けていなかった一級普通免許状の取得のための在職年数には、盲、聾、養護の各学校における在職年数を通算しないことになりました。これらの学校に勤務する教員には、現に、二級普通免許状を所有し、さらに一級普通免許状を取得するために、所要修得単位を、幾多の困難を克服して修得した者も数多くあると聞くのでありますが、せっかく所要単位を修得いたしても、これらの者が一級普通免許状を取得するためには、一たび、幼稚園、小学校、中学校、高等学校等の普通教育の学校に転出し、それらの学校において在職三年ないし五年を経なければならないという現行規定は、全く実情にそぐわないものであり、むしろ無意味な束縛であると申しましても過言ではありません。そもそも、盲教育、聾教育、肢体不自由児の教育、精薄児の教育等に挺身する教職員には、さきにも述べましたとおり、普通教育に準ずる教育を施すことの上に、その欠陥を補うことの職責が課せられております。しかも、その準ずる教育の内容は、これを学習指導、要領等に照らしましても、普通教育における内容とほとんど径庭が認められず、ただその教育の方法において、それぞれの差異を余儀なくされているにすぎないのであります。したがって盲、聾、養護の諸学校における教育経験は、普通教育におけるそれよりも、さらに高く評価されてこそ至当でありまして、これをむしろ低いものとしてみなした差別的取り扱いは根本から払拭されなければならないと確信するものであります。 以上申し述べました理由によって、教育職員免許法別表第三による小学校、中学校、高等学校及び幼稚園の教員の普通免許状取得に関する必要在職年数に、盲学校、聾学校及び養護学校のそれぞれ相当する各部の在職年数を通算することができるようにするために本改正案を提案した次第でございます。何とぞ、十分御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願いいたします。
○委員長(中野文門君) 以上で本案に対する提案理由の説明聴取は終了いたしました。
○委員長(中野文門君) 次に、公立高等学校の授業料に関する件を議題といたします。 ただいま出席の政府委員は、蒲生官房長、福田初等中等教育局長であります。自治省側に御要求がありましたが、ただいま交渉中であります。 質疑の通告がございます。これを許します。加瀬君。
○加瀬完君 前回の委員会で、公立高校の授業料の問題で若干お伺いをしたのでございますが、そのときに局長が、関東近県では授業料の値上げの傾向がないというお答えでございましたが、その日に、栃木は知事査定で六百五十円を八百円に決定をいたしておるわけですね。その他は決定いたしたところはなさそうでございますけれども、傾向としては値上げの傾向が非常に各県とも強いようでございます。そこで、この協力方を要請いたしましたけれども、文部省の授業料をストップするという協力方が、どれくらい効果があるかということも非常に疑問を持たれて参りましたので、もう少し問題点を掘り下げて伺ってみたいと思うわけでございます。局長のお話によりますと、地財法が改正されたから授業料が値上げをされるという、そういう因果関係というものは認められない、言葉は違いますが、そういう御趣旨のようでございますが、この点はそのとおり解釈してよろしゅうございますか。
○政府委員(福田繁君) 私はいま御指摘のありましたようにはっきり申し上げたわけではございません。やはり地財法の改正そのものが地方の高等学校などの授業費に影響あるものと考えておりますけれども、しかしながら、それのみではないというように私は考えております。と申しますのは、一方において教職員のベースアップなどをいたしましたので、地方におきましては給与費の増、そういうものに対してかなり財源的にいろいろ苦慮されている県があるようでございます。そういうものと、全般的に三十九年度におきましては、地方財政はまあ伸び悩んでおるというような空気がありますので、そういう中におきまして、いま申しましたような給与費の問題、あるいは高校の急増対策としての建設費等について、いろいろ財源的に困っておる県があるということだろうと思っております。
○加瀬完君 各上げようとする府県の授業料を上げなければならない理由としてあげておりますものは、給与費が上がったから財源がかれてきたということではなくて、高等学校の急増対策のための建築費が非常に幅をとってきたので、その財源が、いままでは寄付で一部まかなわれておったものがその寄付がとめられた。そこで授業料を値上げする以外に財源の補てんの方法がない、こういう見解が大部分のようでございます。そこで、いままで当然公費でまかなわれなければならなかったものが、寄付によって負担をされておった割合はどの程度と御認識していらっしゃいますか。
○政府委員(福田繁君) これは県によって非常に違うわけでございまして、いろいろ各県によりまして、地元の寄付などに依存しておる度合いの高いものも相当あったようでございます。しかしながら、私どもとしては全般的に考えますと、常識的に大体二割近いくらいの経費が、寄付その他あるいは地元の負担というような関係で実際にまかなわれておったんじゃないかというように感じられます。
○加瀬完君 二割前後という府県があってもそれはごく僅少ではありませんか。ひどいところは二分の一、三分の一というのが大体一番数が多い状態のように私は聞いておりますが、そういうことはございませんか。たとえば埼玉幾らですか、千葉幾らですか、茨城幾らですか。
○政府委員(福田繁君) ただいま県のそういった資料を持っておりませんので、また調べましてお答えいたします。
○加瀬完君 埼玉二分の一ですね。関東としては東京、神奈川を除けば一番の富裕県の側に近いほうで二分の一、昨年は存じませんよ、二、三年前に二分の一、茨城も大体そうでしょう、千葉三分の一、三分の一という県は少ないほうです。三十八年度の予算なんか見ましても、大体三分の一というのは少ないほうですよ。そういう状態を、自治省が参りましたら伺いますけれども、交付税の査定を変えるといっても、三分の一もらわなければ急増対策の費用というものはバランスが合わなくなってまいるわけですね。そうすれば、どうしたって授業料にはね返らざるを得ない、こういうことになるわけですが、この文部省としては地財法でとめられた寄付行為というものによって、当然、公費でまかなわなければならない建築費が肩がわりをされておったという点は認めますね。
○政府委員(福田繁君) それはおっしゃるように、県によりましては、校舎の建築につきまして、一部地元に負担させるというようなやり方をされておる県もございましたので、そういった点は御指摘のとおりだと思います。しかし、これはいろいろ各県の事情によりましても違うわけでございますが、関東各県がどういう割合になっておりましたか、これは後ほどまた調べて御返事をいたしますけれども、それほど高いものではないというように私は思っております。
○加瀬完君 高いものでないというのは、寄付行為の率がですか——それははなはだ認識不足でございますね。非常に高いものだから、自治省としても地財法の改正で寄付行為を押えざるを得ないということじゃなかったのですか、高いものでなければ、こういう問題は起こらなかったわけじゃないですか。非常に地元負担というものは過重であったという点はお認めにならないのですか。
○政府委員(福田繁君) 私申し上げておりますのは、三十九年度の見込みをいろいろ教育長協議会などで調査して申しております数字などを見ますと、大体三十億程度でございます。したがいまして、教育長協議会などで、各府県が急増対策として財源的に困るのは大体三十億程度というようなことで、これを何とか自治省と相談をしながら補てんをする計画を立てていこうというのが、私どもの当面の考え方でございます。
○加瀬完君 ですから、それと三十九年度の補てん財源として三十億が必要だから、それは大したことがないという問題と、今まで地元負担によって、高校急増対策のみでなく、高等学校の建築費全般がまかなわれておったということは不合理であるということと別な問題ですよ。また、不合理性が非常に高かったということは、三十九年度の予算が少ないか多いかということとは別問題です。そこで、一体、高等学校の授業料の月額分を比較して、どんなような状態になっておるかということは、文部省どう御理解なさっておりますか。
○政府委員(福田繁君) 各県の授業料、多少まちまちでございますが、最低六百円ぐらいから高いころとが八百五十円というのが現状でございます。最高が三重県で八百六十円くらいになっておりますが、最低は大阪が五百円でございます。東京六百円、それから兵庫、長崎といったような各県が大体六百円程度でございます。九州あたりで六百五十円というのがあります。大体、普通は六百円が、大阪を除きまして、最低だろうと考えております。
○加瀬完君 確かに八百六十円、それから八百五十円というのが富山と岐阜とございますね。それから八百円というのが十二府県ありますね。それから多いので六百五十円というので十二、六百円が十四、まあ三十八年度でこういう計数になっておりますね。今度は入学検定料のほうはこれもまちまちですけれども、内容はわかりますか。
○政府委員(福田繁君) 大体、検定料は低いところが百円、高いところが三百五十円くらいでございます。三百六十円というのがありますが、三百五、六十円程度が最高のようでございます。
○加瀬完君 五百円というのがございますね、岐阜。それから四百五十円というのが新潟、それから四百円が三県、三百五十円が二県、三百円が十五県、一番低いのが百円でありますね。百円から五百円というこれだけの幅があるのですね。入学料もこれまたまちまちなんですね。同じ公立高校でありながら、必ずしも授業料というものがその府県の財政状態とは比例をいたしておりません。ほとんど政治的といいますか、行政的に行政の中で判断された数字が出ておるわけであります。高等学校は授業料も入学検定料も入学料も、まちまちばらばらな状態の中にいままで置かれておるわけでありますね。それに対して何か指導、助言はなさいましたか。
○政府委員(福田繁君) 以前のことは私存じませんが、最近の扱い方といたしましては、できる限り授業料等につきましては、公立の高等学校は引き上げることは望ましくないというような考え方で、私どもは教育長協議会の方々とは話し合いをいたしております。
○加瀬完君 上げることに対して私たちも反対なんです。文部省の協力要請というものは非常に薄弱なものになりませんか。たとえば、八百六十円で三年も四年も前に上げておいてそれはそのまま認めて、六百円で、たとえば五十円上げるとしてもそれはとめるということでは、六百円のしかも急造対策の対象を含んだ府県にとりましては、これは文部省の言い分だけ聞いておられないということになりませんか。一体このばらばらな問題を事前にどうしてもう少し指導、助言をして整理をなさらなかったのですか。
○政府委員(福田繁君) 整理するという考え方は私どうかと思いますが、交付税などの算定の基礎におきましても大体六百円になっておりますので、そこらが大体養準であるというような考え方をもちまして、国立学校の授業料なども参考にしながら、各府県ではそれぞれ自主的に授業料を決定するわけでございますが、したがって、あまりかけ離れて非常に高いというようなことがない限りは、私どもは地力でそれは決定していただいたほうがいいのじゃないか、それを無理やりに画一的に一様に上げるというようなことをするのはいかがかと考えるわけでございます。
○加瀬完君 自治省の財政課長がいらしておるようでございますけれども、自治省としては応等学校の授業料の値上げというものに対しましては、これを抑えるという御態度ですか、財政上値上げはやむを得ないというお立場をとりますか。
○説明員(岡田純夫君) 自治君におきましては、授業料の問題のみならず、一般的に料金等につきまして、年度当初に当面行なうべき物価安定のための具体策という通達を出しております。これによりまして各自治団体が自主的に慎重な態度をとってもらいたいという気持を持っております。そういうような指導でもって、その中に含まれていくものと、かように考えております。
○加瀬完君 慎重にいたしましても、自主的な地方団体の判断からすれば、財政バランスがとれなくなれば、授業料にはね返らざるを得ないと思う。そこで地財法の改正というものには私どもは賛成であります。地元寄付などというものによって公立学校がまかなわれるべきものじゃございませんから、もちろん賛成でございます。しかし、実際は地元寄付や父兄の負担というものを待たなければ高等学校の建設が進まなかったということは事実ですね。これをとめるなら、高等学校の建設あるいは急造対策に見合う建設というものをとめていいということなら別ですが、そうでない限りは、これならかわりの財源をどこでどうまかなうかという方法が講じられなければ、地財法によって寄付行為をとめたことが高等学校の急造対策をとめたことにもなるわけです。そこで、本日の新聞によりますと、交付税の算定を変えるということでございますが、高等学校にいま問題を限って伺いますと、高等学校で、地財法を改正したために当然公費としてまかなわなければならないところの補てん財源と幾らと御認定ですか。
○説明員(岡田純夫君) 税外負担につきましては、大体、毎年三百億前後にのぼっております。その中で七割前後というものは教育関係の税外負担になっております。これらの対象には、自治省は交付税あるいは財政計画の全般を通じまして極力努力いたしております。財政局におきましても、現在三十八年度では二百七十億円ばかりの税外負担の対象を組んでおります。さらに三十九年度、近く国会に報告さしていただく財政計画では、さらに引き上げ対象の幅を広げております。また、高等学校の負担問題といいますか、それ直接ではなくても、用地等の取得につきましては起債で交付公債により購入することを認めております。そういったような一般的な財政のワクの確保ないし土地問題についての起債によるところの許可といったようなものを通じて極力解消をしていきたい、また、いけるものというふうに考えております。
○加瀬完君 その方向はよくわかりますよ。そこで、具体的に伺いますが、小学校、中学校、高等学校に分けて、いま私が折摘した不足財源は幾ら、三十九年度幾らと御認定ですか。具体的な数字をお聞かせいただきたい。
○説明員(岡田純夫君) まだ、調査はいたしておりますけれども、集計いたしておりません。最近の数字は手元にございませんので、また別の機会に御報告さしていただきます。
○加瀬完君 三十九年度の予算がきまろうとしておるときに、あるいは地方財政計画でも三十九年度のものが間もなくまとまるでしょう。そのときに三十九年度の地方財政の改正に伴う不足財源というもののはっきりした数字がわからなければ、確実に埋まるものやら埋まらないものやら、これはわれわれとしては不安をさらに助長させる以外の何ものでもないということになるじゃありませんか。幾ら幾らという詳しい寸分違わない数字ということではなくても、概算はすでに不足財源幾らということがわかっておらなければならないと思う。それがわかっておらなければ、交付税の基礎、単位費用をどう変えたって、その単位費用が目的を達するような単位費用になるかどうか疑問が残ってくる。文部省に伺いますが、文部省は、この地財法の改正に伴って寄付行為というものがなくなってきたわけですけれども、それに伴う小学校、中学校、高等学校の建築費に伴って不足財源は幾らとはじいているんですか。
○政府委員(福田繁君) これはまあいろいろ見方があると思いますが、地財法の改正そのものは、その前の改正につきましては、これは高等学校に対する問題でありますので、高等学校としては、私どもの考え方を先ほど申し上げましたように、教育長協議会などで校舎建築費などにつきまして不足するというのは約三十二億でございます。大体その辺が妥当な数字ではないかというように考えております。小中学校につきましては、いろいろこれは範囲がございますけれども、まあいままでの毎年の交付税等の算定の際に、私ども問題にいたしておりますが、三十六年度の小中学校費について調べてみますと、大体施設、設備についてPTAその他の父兄負担と思われるものが約四十六億くらいでございます。したがって、建築費、設備費等については大体それぐらいの財源的な需要があるものというように推定をいたしております。
○加瀬完君 今度、交付税の算定を変えるということでございますが、小中高それぞれいままでどういう数字だったものをどういう数字にお変えになるのですか、財政課長。
○説明員(岡田純夫君) 小学校につきましては、御承知のとおりに、小規模学校の財源の強化、それから校舎の坪数の基準を改訂いたしますことをおはかりいたしますので、それらを含めまして六十五億ばかり、それから地方財政法の一部改正等によりまして三十六億といったようなことで、今度の給与改訂分の平年度化、その他標準法に基づくところの小学校、中学校を通じての定員の是正、いま申し上げたような施設の規模ないし構造等の基準是正に基づくところのものをすべて含めて措置しております。
○加瀬完君 これは自治省の御説明かどうか存じませんが、新聞の報ずるところによれば、市町村分の小学校費、中学校費は基準財政需要率で総計百三十億円増に引き上げられたが、これは小中学校の設備をととのえるため住民の寄付金負担が大きく、不評を買っていたものを改めようとしたものであるという説明がございますね。いまの数字と合いませんけれども、これはどういうことですか、もう少し詳しく。
○説明員(岡田純夫君) 先ほどの小規模学校の財源強化等によりますものが六十五億と、それからあとから申し上げます地方財政の一部改正等の財源措置に基づくものが三十六億、合計いたしまして約百億、その他幼稚園、教育委員会事務局職員数の規模是正といったようなもので二十七億ばかりでございますので、それらの合計がそれに合致するかと存じます。
○加瀬完君 小中学校の設備をととのえるため住民の寄付金負担が大きいので、これを改正するために百三十億ということではないわけですね。
○説明員(岡田純夫君) 財政計画でも是正をはかっておりますけれども、交付税のほうではさらに実際地方団体に必要な分でございますので、より一そう大幅に措置いたしまして約百億程度是正分に見ております。
○加瀬完君 高等学校に限って伺いますが、高等学校の建築費の単位費用ほどう変わるのですか。
○説明員(岡田純夫君) 交付税の分の資料をただいま持っておりませんので、あとから調べまして申し上げます。
○加瀬完君 じゃ財政課長、急がれておるそうですから、あと一点、財政課長に伺いますけれども、どうも地財法の改正のようなことが行なわれましても、これを実質的に効果をあげるような財源的な裏づけというものが施されませんと、効果というものは半減をするわけですね。半減だけではなくて逆作用いたしまして、施設充当費というような名前で生徒から金をとるとか、施設永年計画積み立て金といったようなもので金をとるとか、結局、地元の寄付が今度は生徒の負担に肩がわりをされるという例もたくさんございます。そこで、これは交付税関係の方に伺わなければなりませんけれども、この単位費用の計算というものには財政局としてはよほど責任を持って計算をしていただかなければならないと思いますが、この点だけあとでまた、こういう計算なんだから誤まりない、間違いないという御答弁を財政局長にでも、またここにきていただきまして御説明をいただきたいと思います。あなた忙がしいそうでございますから質問を一応留保します。 で、いまの点、福田局長はどういう計算を自治省と打ち合わされておりますか。高等学校の建築費の問題で、この間から交付税の算定を変えますからというお話だったから、どういうふうに変えるかという内容は、大体、文部省としても把握されておると思いますので、どういままでの算定基準が変わってまいったのですか。
○政府委員(福田繁君) これは自治省の方にお尋ねいただきたいと思いますが、私どもとしては高等学校の授業費の中で、校舎建築費の問題につきましては、従来からこの構造費単価の問題が非常に重要な問題として取り上げられておりまして、したがって構造費単価の問題については、できる限り現実の実情に合うように措置をしてまいりたい。修繕費についても同様でございます。そういう施設設備について、大体、従来の基準は生徒数に基礎を置いておったようでございますが、これらについて、一応、地方交付税の中で全体的な財源のワクというものを先にきめております。そうして具体的になお自治省といろいろ細目については打ち合わせをやろうというような、そういう相談をしてまいりました。まだそこの詳しいところまで、ここで申し上げる段階に至っておりません。
○加瀬完君 ワクを先にきめて、ワクの中で操作しようということになったら、そのワクが狭ければ、新しくいま問題になっておるような授業料を上げないで急増対策の費用をまかなおう。それには一応、交付税の計算を変えてもらわなければならないといったようなことは解決できなくなるおそれがありますね。ワクを問題にするのでなくって、単位費用そのものを変えるようにしていかなければ、ワクそのものは広がらないじゃないですか。 それは、自治省がどんなことを言われても、自治省は学校の専門じゃないですから、文部省のほうが、高等学校の急増対策費が、この単位では、計算が違っていると、あるいはこれだけかかるというような具体的な数字は、あなたのほうでお持ちなんですから、それを出して、三十八年度の単位費用では、どうにも、地財法の適用を確保していくならば、学校は建たないじゃないかという、そのようなものを示して、それじゃ、単位費用を変えなくちゃならないという段取りに話が進んでこなければおかしいでしょう。どうも、その数字の把握のしかたというものが……、地方の実情というものをしっかり、文部省に抑えていただきませんと、そんなことじゃ、学校は建たないのだから、授業料を上げますよと、悪い言葉で言えば、しりをまくられたって、どうにも手の打ちようがないということに、地方団体に対してなりかねないと思うのです。 そこで、今の問題を、しつこいようですが、何回も聞いておる。しかし、何回聞いても、数字が出てこなければ、どうにもなりません。もう少し、それを、あとで、資料でもけっこうですから、どういう、一体、文部省と自治省の間で交渉をしたのか、その項目でも、内容でもわかる資料をお出しいただけませんか。そういう問題だけ伺っていると、心もとなくてしょうがない。どうでしょう、資料は出していただけますか。
○政府委員(福田繁君) 高等学校の経費としては、学校数、学級数、生徒数というものは、われわれとしては、常識的に考えられる基礎になるわけですから、したがって、そういった点でいえば、先ほど申し上げましたように、三十九年度は、交付税で三十六億の、一応、ワクを確保しておくと、したがって、その中身をどう、今までの方式と変えるかという問題でございますが、十分、自治省と打ち合わせして、支障のないようにしたいと考えております。
○加瀬完君 その三十六億というのは、臨等学校の、主として、急増対策の増加分として、三十六億のワクをプラスしたと、こういうことですか。
○説明員(岩間英太郎君) お答えいたします。高校急増の分といたしましては、別に計画がございまして、三十九年度分は、百八十七億程度の額に落ちつくだろうということで、その内訳といたしまして、起債が六十七億、交付税が九十一億、それから国庫補助金が二十九億という内訳になっております。 ただいま、局長から申し上げましたのは、そのほかに、新しく、地方財政法の一部改正が行なわれまして、住民とか市町村に対して負担を転嫁してはならないと、そういうふうなものがあるわけでございます。その額を、私どものほうで調べましたところ、教育長協議会のほうで調査してもらいまして、大体、来年度は三十二億程度あろうというふうな話があったわけでございます。そこで、それに対しまして、ただいま、局長から申し上げましたように、三十六億円の財源を確保するということにいたしまして、自治省に相談いたしまして、その三十六億を、今までの急増対策の上積みにいたしまして、確保したということでございます。 単位費用につきましては、これは、御承知のように、高等学校の場合は、こういう関係の費用は、生徒数が基準になっております。そこで、生徒数の単位費用が、今、手元にございませんので、きょう、閣議にかかっておるわけでございますけれども、かりに、今まで、一人当たり千円なら千円というものといたしまして、さらに、それを、ふやしていくというような方法で、単位費用の改善を行なうということを予定しておるわけでございます。
○加瀬完君 それは、急増対策が問題ですから、急増対策を主に査問をいたしましたけれども、もちろん、急増対策の費用というのが、これは、一応、ワクがあるわけでございますから、その他の、やはり、建築費、全部、地財法の改正がかかってくる。地財法によって、当然、不足する財源を、どう、処理をしたのかということが、私の質問なんです。結局、それに当たるのが三十六億と、こういうことですね。それで三十六億だと、その三十六億というワクを先に確保しておいて、だから、これから単位費用というものを計算をするのだと、こういうことなんですね。 しかし、三十六億で足りれば問題はないと思いますけれども、一体、どうして、こういうように、かりに三十六意を正しいとすれば、三十六億の不足が出てきたのだという積算の単位費用の食い違いというものを、文部省は、もっと追及すべきじゃないでしょうか。単位費用が正当に計算をされておらないで、どっかに食い違いがありますから、三十六億という数字が出てくるし、あるいは地元の負担金というものが必要になってきたわけでしょう。負担金を除くというならば、負担金を除いてもいいような単位費用の改正というものを、これからおやりになるということですけれども、三十六億にかかわらず単位費用を出して、単位費用から計算すれば、三十六億が、四十億にも五十億にもなるかもわからないわけですから、単位費用そのものと、自治省ともっと、文部省の言い分というものを入れたものに固めるべきじゃないか。これはちょっと意見になって恐縮ですが、どうですか御見解は。
○政府委員(福田繁君) 事務的に申しますと、そのとおりだと思います。しかしながら、いろいろな場合に、私どもとしては、もちろん単位費用の改定をすることは、前から心がけでおるところでございますけれども、地方財政も非常にいろいろな、諸般の要求がたくさんございまして非常に苦しいという事情も私どもよくわかっております。そういう点からできる限り、まあ現実の問題として、現実不足する額をまずカバーするというのを目安にいたしまして、それに伴って必要な単位費用を改定するということを考えなければならないと思うのであります。そういった意味で、私どもは単位費用の改定は、従来もいろいろいっておりましたし、また将来、それぞれの事態に応じて、そういう話し合いは自治省といたしたいと思っておりますが、現実の問題としては、今申し上げましたように、約三十六億円で、大体三十九年度はカバーできるという見通しを立てましたので、そういうような話し合いにいたしたわけでございます。
○加瀬完君 それが大体、維持補修費のワクを幾らも出ておらないじゃないですか。たとえば校地を拡張するとか、あるいは新しく、これは急増対策も入りますけれども、校地を獲得して、そこに新しく新校舎をつくるという場合の校地なんかの問題というものに、全然含まれておらないでしょう。それから古い校舎でも、たとえば木造校舎を鉄筋四階建なら四階建に改築するというものまで三十六億に全部含まれておりますか。
○説明員(岩間英太郎君) 今の三十六億と申しますのは、たびたび申し上げておりますように、今回の地方財政法の改正によりまして、来年度は三十六億円足らなくなるだろうというようなことを基礎にいたしまして考えたものでございます。それから用地その他の問題につきましては、先ほど財政課長申し上げましたように、縁故債等のことも考えられたようでございまして、それぞれ具体的な問題について、実情に即するようにやるということは、なかなかむずかしいことでございますが、全体的にこれらが足らない、あるいはこれくらいに増さなければならぬというようなものを目安にいたしまして、私ども一応総ワクとして自治省に要求するというようなことをいたしております。
○加瀬完君 三十六億が総ワクだということはわかりましたよ。しかし三十六億が今まで地方負担で補てんされた問題を、三十六億が全部解決しているかどうかという問題は、総ワクとしてきめただけではわからぬ。私が質問をしたいのは、三十六億という総ワクはわかったけれども、それは大体、現状維持の程度に維持補修をしていって、若干のまあ増改築というような程度のことではないか。たとえば木造建築を、まるっきり地域の全部が都市形態になったから、今度は耐火建築に改めるとか、あるいは生徒がふえたから校地を拡張するといったようなものにも、当然これは地元の寄付とか、父兄の負担というのはあるわけだけれども、そこまでは、寄付はもういただけませんということで、それらをも含めて三十六億というワクがきまっているのじゃない。もっと手っとり早くいうならば、そういうものを計算したらば、三十六億では足りないじゃないですかと、三十六億で押えて、これで割り振っていけば、やはり形式は、単位費用から計算して一二十六億になっても、これは勘定は足りますけれども、お金そのものは足りなくなってきて、まだ地元負担も、あらゆる便法を講じて求めざるを一得ないということになりかねないのじゃないですか。こういう問題が解決されておりますか、こういう点なんです。
○政府委員(福田繁君) もちろん地方の財源が交付税だけで一〇〇%まかなえるというものではございませんということは御指摘のとおりでございます。したがって、高校急増につきましては、補助金のほかに起債、交付税で見ておりますが、その起債につきましても、自治省は昨年から、かなり弾力的な運用をしてまいりまして、個々の県の具体的な事情を考えながら、先ほど財政課長が申しましたように、縁故債その他を加え、いろいろな方法を講じまして実施してまいったわけでございます。おそらく、三十九年度は、まだ詳しいことを聞いておりませんけれども、おそらく昨年と同じような考え方で起債その他について、やはりある程度考慮するのではなかろうかというように考えております。
○加瀬完君 ある県の知事は、新聞紙上でございますけれども、起債等の財源というものを文部省が責任をもって心配をしてくれるならば、授業料値上げはストップできるが、そうでなければ授業料値上げをストップするわけにいかぬということを言っている。 いま起債のことでお話の出ました縁故債というのは、いわゆる学校債まで含みますか。たとえばある学校を増改築するために父兄を対象に、いわゆる私立学校等で行なっている学校債を発行する、これまでも縁故債として認めていかせようというお考えですか。
○政府委員(福田繁君) ただいまのお話は、あるいは千葉県知事の話じゃないかと思いますが、これは、聞くところによりますと、普通高校を一校建てたいというようなお話のようで、これについては自治省のほうで具体的な、何かそれに対する起債措置を講じてもらえれば授業料を上げなくても済むかもしれぬというようなお話をしておったようであります。これは、高校急増については、当然に新設校については、一応起債その他で財源的なワクというものはあるわけでございますから、千葉県自体として、急増計画の中に入れておくかどうかということは問題であろうと思いますが、入れておれば、当然に自治省としては、ある程度の起債を考えるというのが筋道だと思います。その場合に、父兄などにしょわせるような、学債でございますか、そういうものは、おそらく考えていないと思います。
○加瀬完君 いや千葉県知事が考えているかいないかじゃないですよ。千葉だけの問題じゃない。ほかの知事も言っていますよ、起債か何かのワクでも広げていただかない限り、授業料で補てんするほか方法がないじゃないかと、こう言っているわけです。 そこで、いま伺いますと、縁故債も自治省おそらく認めるだろたという文部省当局の話ですけれども、じゃ文部省は、その縁故債のワクを広げて、私立学校でやっている学校債みたいなものの発行までも認めさせようというお考えかどうかと、その点なんですよ。
○政府委員(福田繁君) 私どもは、そこまで考えておりせまん。
○加瀬完君 で、縁故債というのは、どういうことです。あなたの言う縁故債というのは、どういう範囲です。
○政府委員(福田繁君) 一般的に申しますと、まあ計画外の、政府が財政計画できめた以外のものと考えておりますが、具体的な問題につきましては、これはまあ自治省と相談してやるわけでございますから、私がここで、あれこれ申し上げてもいたし方ないと思います。具体的なその当該の県と自治省のほうとで相談をしてやっていただきたいと考えております。
○加瀬完君 授業料は上げるな、起債のほうは具体的に自治省と各都道府県と相談をしてやれということでは、これではほんとうに授業料をストップさせることにならないですよ。文部省が授業料をストップさせるために、具体的に自治省と交渉をして、こういう形の緑故債というものを設ければ、授業料を上げなくたって即座に補てんされるのじゃないか、これは自治省と交渉済みだから、こういう方法で、個々の各方法等は講じなさいとおっしゃるなら話はわかります。縁故債が大体いいだろうと、よくわからないけれども、それはお互い同士相談してきめろということでは、授業料をストップさせるという効果が上がりますか、そんないいかげんなことで。だれも、起債というものが簡単に取れるならば、文部省が起債の交渉をしてくれればいいなどという知事の発言もありませんよ。学校だけで起債をするわけじゃないのですから。しかも大蔵省は、一四%ですか、償還額と全体の予算の率ですか、償還率が一四%以上のものは、もうストップ、起債許さないですよ。しかしながら一四%こえる府県もないわけではない。そうなってくると、簡単に起債なんというのは、各都道府県が交渉したくらいで出てこないです。だから、地財法の適用というもののために、これだけの不足額ができたのだから、これは、こういうふうに行政的に解決をしたいというふうに、文部当局が自治省と交渉をして、閣議決定か何かで了解させない限り、この起債なんというものは簡単に浮いてくるものじゃないですよ。まあそういったって、お答えはできないでしょうから……。
○政府委員(福田繁君) だから、先ほど来申し上げておりますように、交付税として、府県の自己財源を十分補てんするという考え方で三十六億の校舎建築費あるいは修繕費等を三十九年度において増加するという措置を講じたわけでございます。
○加瀬完君 校地の拡張などには交付税はつかないですよ。しかしながら、単に急増対策だけではなくて、急増対策による新しい学校を新設するだけでなくて、古い学校だって生徒ふえてくる、校地拡張しなくてはならない。こうなってくると、これは交付税の対象外で、当然費用というものを捻出しなければならないことになってくる。だから、起債ということが問題になってくる。しかし、起債は、なかなか各県で交渉したってできない。学校起債やれば水道起債ができない。あるいは道路起債のほうが幅を狭められてくるということになると、学校やるなということになる。しかたがないから、またいろいろ転嫁して、地財法違反を犯さざるを得ない。父兄の負担は相変わらず、そのまま残るということでは、せっかく地元寄付や父兄負担を軽減しようとした地財法が生きてこない。これは授業料をストップしようという政府の考え方も実現ができないのじゃないか。だから起債の方法というものをもっと具体的に、どうして一体文部省は高等学校の問題で起債のワクを自治省や大蔵省に交渉して取りつけるかということを考えていただかなければならないわけです。 これはお答えをいただかなくてもよろしゅうございますから、この次までに、具体的に研究して御答弁をいただきたい。質問を一応保留します。
○委員長(中野文門君) ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(中野文門君) 速記を起こして。 本日は、これをもって散会いたします。 午前十一時十九分散会 ————・————