文教委員会 第4号
- 発言数
- 41 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1964/02/06
会議録
○委員長(中野文門君) ただいまより文教委員会を開会いたします。 昭和三十九年度文部省の施策及び予算に関する件を議題といたします。 まず、文部大臣の御説明を求めます。灘尾文部大臣。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 昭和三十九年慶文部省所管予算案概要の説明にあたり、まず、文教行政に関する所信の一端を申し述べたいと存じます。 わが国の教育は、学制頒布以来九十余年を経て、ますます普及発達の度を加え、その水準は世界に誇るべきものがありますが、これひとえに教育関係者をはじめ全国民の熱意と努力のたまものであり一御同慶にたえないところであります。しかしながら、近時、科学技術の発達、物質文明の一繁栄に比し、精神面でのおくれが痛感され、人間性の函養、国民精神の高揚が強く要請されております。 民族の繁栄、国家の発展は、安逸と放縦の中から生まれるものではなく、高い理想を求めてあらゆる艱難に耐え、国家、社会、人類に奉仕せんとする精神に満ちた国民一人一人の不断の努力によって築き上げられるものであります。まさに一国つくりの根幹は人つくりにありといわれるゆえんであります。国の未来を託す立派な日本人を育成するため、ひろく国民の期待するところを適確に把握し、家庭教育、学校教育、社会教育を通じて努力をいたしたいと存じます。 また、幼児教育の振興、義務教育の充実、後期中等教育の拡充、勤労青少年教育の整備、学術の振興等、年来の文教施策の推進に鋭意努力を続け、さらに指導的人材の養成を任務とする大学教育については、社会の期待にこたえうるよう改善充実をはかるとともに、大学進学志望者の急増に対しても適切な措置を講じてまいりたいと存じます。なお、わが国教育における私学の重要性にかんがみ、私学振興について格段の意を用いてまいる所存であります。 それにつけても、教育の発展の基本は教育者その人の資質いかんにかかっているのでありまして、このため教員養成について検討を加えるとともに、広く教育、研究を奨励助成して、現職教員の資質向上につとめ、同時に、教育者、研究者の処遇の改善に意を用いたいと思います。 さらにまた、特殊教育、僻地教育の充実、育英奨学の拡充、芸術文化の振興、教育文化の国際交流の推進などについても、一そう力を傾けたいと思います。 なお、本年はオリンピック東京大会開催の年であり、この大会の成功を期するとともに、この大会を契機として、国民、特に青少年のスポーツ活動を一そう奨励して、健康なからだと不焼不届の精神を持つ健全な青少年の育成を推進する所存であります。 私は、これらの課題達成のため、微力を尽くす決意でありますが、もとより、文教施策の推進は、ひとり文教行政当局の力でよくなし得るものではなく、国民全体の理解と協力にまつところきわめて大きいものであります。皆さまの一そうの御協力をお願いいたします。 次に、昭和三十九年度文部省所管の予算案につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、昭和三十九年度文部省所管の一般会計予算額は、三千九百一億九百一万二千円、新設予定の国立学校特別会計の予算額は、千三百九十四億五千九百三十七万六千円でありまして、両者を加えた文部省所管予算額の純計は、四千百五十億五千四百二万九千円となっております。この純計額を前年度当初の対応予算額に比較いたしますと、六百四十三億円余の増額でありまして、この増加率は、一八・三%となっております。 以下、昭和三十九年度予算案において、特に重点として取り上げた施策について御説明申し上げます。 まず第一は、初等中等教育の改善充実でありますが、この点につきましては、公立義務教育諸学校における学級規模の適正化、教職員定数に関する算定標準の改善及び学校施設の整備を推進することを重点といたしましたほか、小学校第一学年から第五学年までの児童に対する教科書を無償給与するために必要な経費を計上いたしております。すなわち、義務教育費国庫負担金につきましては、学級規模の適正化をはかるため、昭和三十九年度においては学級編制の基準を、小・中学校いずれも四十九人とし、また教職員の定数増をはかるほか、充て指導主事の増員、給与改訂の実施、諸手当、旅費及び教材費の増額等を行なうこととし総額二千四十六億円余を計上いたしております。 次に、公立文教施設につきましては、引き続きその整備を推進することとし、小・中学校校舎の整備、危険校舎の改築、屋内運動場の整備、学校統合に伴う校舎等の整備、工業高等学校の一般校舎の整備を行なうほか新たに小学校屋内運動場及び高等学校寄宿舎の整備等を行なうため公立文教施設整備費百八十億円を計上いたしました。 また、本年度においては、小・中学校校舎の施設基準の改定を行ない、これまでの児童、生徒一人当たりの基準坪数を一学級当たりの基準坪数に改めることとしたほか、実情を勘案して、国庫負担対象の割合を八〇%に引き上げ、建築費単価及び構造比率の改定等を行なうことといたしました。 次に、義務教育教科書の無償給与につきましては、これに関する法律の成立に伴いまして、国・公。私立学校を通じ、小学校及び特殊教育諸学校の小学部の第一学年から第五学年までの児童に全教科書を国の負担において無償給与することとしたのであります。 なお、教育内容の面につきましては、前年度に引き続き小学校及び中学校における道徳教育の充実強化をはかるために必要な経費、各種教育研究団体助成のための経費等を計上したほか、中学校における生徒指導の強化、幼稚園教育振興等に必要な経費を増額計上いたしております。 第二は、科学技術教育及び学術研究の振興であります。科学技術に関する教育研究の拡充強化をはかることは、現下の急務であり、かねて努力を続けているところでありますが、昭和三十九年度予算案におきましても、さらに力を注ぐこととし、初等中等教育、大学教育等、各面にわたって所要経費を増額計上いたしております。まず、初等中等教育の分野につきましては、中央産業教育審議会の答申の趣旨に従い、産業教育関係の施設設備の改善充実をはかるため補助金を大幅に増額し、また、高等学校における農業教育の近代化促進にも配意し、所要経費を増額するとともに、新たに自営者養成のための農業高等学校の寄宿舎、実習施設等を拡充整備するため必要な経費を計上いたしたのであります。 科学技術者の養成については、昭和三十八年度をもって二万人の養成計画を一応終了したわけでありますが、昭和三十九年度におきましても引き続き理工系学生の増募を行なうため、大学及び高等専門学校の充実整備をはかることとしております。すなわち国立関係におきましては、二学部の増設、十三学科の増設、二十学科の拡充改組、十二の工業高等専門学校の新設を行なうこととし、計二千二百五十五人の理工系学生の増募を行なうことといたしております。また、公立大学、私立大学に対しましても、理工系学部学科を整備する等のための経費を増額いたしたのであります。 学術研究につきましては重要基礎研究の促進をはかるため、科学研究費交付金の増額を行ない、また国際的な学術研究の協力体制を推進するため、日米科学協力研究事業に必要な経費を増額計上するとともに、南極地域観測事業を再開するために必要な準備費の計上を行なっております。 第三は、国立学校の運営及び拡充整備に必要な経費であります。 国立学校の拡充整備を促進し、その円滑な運営をはかり、かつ、国立学校に関する政府の経理を明確にするため、国立学校特別会計を設置し、従来一般会計に計上しておりました国立学校運営費、国立文教施設整備費等の経費を新たに特別会計として経理することといたしました。この国立学校特別会計の予算額は、千三百九十四億五千・九百三十七万六千円でありまして、その歳入予定額の内訳は、一般会計からの繰り入れ千百四十五億円余、借り入れ金十億円、附属病院等収入百七十四億円余、授業料及び入学検定料三十一億円余、学校財産処分収入十五億円、並びに雑収入十八億円余でありまして、歳出予定額の内訳は、国立学校運営費千百二十億円余、施設整備費二百七十三億円余その他であります。 すなわち、国立学校運営費は前年度に比較いたしますと百七十二億円余の大幅な増額となっておりますが、教官当たり積算校費、学生当たり積算校費等基準的諸経費の増額をはかりましたほか、公立三医科大学の国立移管を含む七学部の創設、理工系の学生増募を中心とする学科の新設拡充、国立図書館短期大学及び工業高等専門学校十二校の創設、新制大学における大学院修士課程の拡充等のほか、原子炉工学研究所、アジア・アフリカ言語文化研究所及び宇宙航空研究所の創設を行なうことといたしております。 次に、施設整備費につきましては、財政投融資資金及び不用財産の処分収入を財源の一部に含めまして、予算額の大幅な増額をはかり、施設整備の促進をはかることとしたのでありますが、なお後年度分について、三十億円の国庫債務負担行為を行なうことができることといたしております。 第四は、教育の機会均等の確保と人材の開発であります。 優秀な学徒で経済的に困窮している者に対して、国がこれを援助し、その向学の志を全うさせることは、きわめて重要なことであります。このため昭和三十九年度予算案におきましては、大学院奨学生の増員並びに教育特別奨学生制度の新設を行なう等育英奨学制度の拡充をはかることとし・さらに日本育英会の奨学金返還業務を推進することとして、合計八十五億円余を計上いたしております。 次に、要保護・準要保護児童生徒対策及び僻地教育、特殊教育等恵まれない事情にある児童・生徒に対する援助並びに教育につきましては、教育の機会均等の趣旨にのっとり、従来からも特に留意してまいったのでありますが、本年度におきましても、一段とその充実をはかることといたしております。 すなわち、要保護・準要保護児童生徒対策につきましては、補助単価の改定をはかり、僻地教育の振興につきましては、引き続きスクールバス・ボート等について補助を行なうとともに、教員住宅建設の補助戸数の増加を行なうほか、新たに公立中学校寄宿舎運営費並びに視聴覚教育設備についても補助を行なうことといたしました。また特殊教育につきましては養護学校及び特殊学級の普及並びに就学奨励費の拡充等について、所要経費を増額いたしますとともに、盲学校・ろう学校弱視難聴教育設備及び盲学校リハビリテーション課程設備について補助を行なうに必要な経費を新たに計上いたしております。 第五は、勤労青少年教育、社会教育及び体育の振興普及であります。 国家社会の発展は、健全な青少年の育成に待つところ多大であり、働きながら学ぶ青少年の教育問題は、学校教育及び社会教育の両面にわたって深く意を払うべきところであります。昭和三十九年度予算案におきましては、引き続き定時制高等学校の設備の整備、定時制及び通信教育手当の支給、通信教育用学習書の給与等に必要な経費を計上いたしましたほか、夜間定時制高等学校につきましては夜食費補助金及び運動場照明施設整備費補助金を増額計上いたしております。また前年度に引き続き青年学級、社会通信教育等の振興に必要な経費を計上いたしております。 次に、社会教育は、国民の教養の向上に大きな役割を果たすものであり、その普及振興は、学校教育の充実とともに、きわめて重要なものであります。このため一成人教育、婦人教育及び社会教育関係団体の助成等につきまして、所要経費を計上いたしましたほか、特に家庭教育を重視し、新たに家庭教育学級開設に対する助成費を計上するとともに、国立青年の家の増設、公民館、博物館等の施設設備について所要経費を増額計上いたしております。 次に、体育は、心身ともに健全な国民の育成をはかる上に、きわめて重要な意義をもつものであります。また、明年度はオリンピック東京大会開催の年にあたり、その意義を高めるためにも、実施に遺憾なきを期することは、きわめて重要であります。 まず、オリンピック東京大会の実施につきましては、必要な施設の建設、整備並びにその実施に一段と力を注ぐことといたしました。すなわち、国立競技場の整備、屋内総合競技場の建設、日本武道館の建設、朝霞射撃場の整備並びにオリンピック組織委員会の運営、競技技術の向上等のため関係予算の大幅な増額を行なっております。 また、国民一般に対する体育の普及奨励をはかるため、水泳プールの整備に必要な経費を大幅に増額いたしますとともに、その他の体育施設の整備並びにスポーツ活動の指導者養成、スポーツテストの実施、スポーツ団体助成等に必要な経費を増額計上いたしたのであります。 また、学校給食につきましては、小麦粉についての従来の補助を継続いたすため、食糧管理特別会計へ十六億円余の繰り入れを行なうとともに、ミクル給食につきましては、生乳の大幅な使用増加を前提として所要の補助金を計上いたしましたほか、学校給食施設設備整備費補助金の増額をはかるとともに、共同調理場に栄養職員を設置するための補助金を新たに計上いたしております。 第六は私立学校教育の振興助成であります。 学校教育における私立学校の重要性については、あらためて申すまでもないところでありますが、昭和三十九年度予算案におきましても、私立学校教育の振興助成のため必要な経費を計上いたしております。そのおもなものといたしましては、私立学校振興会に対して、さらに十五億円を出資いたしますとともに、財政投融資として四十億円の融資を行なうことといたしましたほか、私立大学理科特別助成費に十六億円余、私立大学研究設備助成費については、補助率を引き上げることとして九億円余を計上し、科学技術教育振興の趣旨にも沿うことといたしたのであります。 次に、文化財保存事業につきましては、保存修理及び防災施設の整備等に努めるとともに、平城宮跡の一部の買い上げ及び発掘調査を引き続き実施し、国立劇場の建設を進め、新たに重要無形文化財保持者に対する助成を行なう等の措置を講じております。 以上のほか、国費外国人留学生の増員及びその給与の改善等国際文化の交流を進め、新たに、ユネスコ関係団体に対する助成を行ない、また、文化功労者年金の引き上げを行なう等所要経費の増額計上をはかったのであります。なの、沖繩の教育に対する協力援助費につきましては、前年度と同様、別途総理府所管として増額計上いたしております。 以上、文部省所管予算案につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。
○委員長(中野文門君) 次に、大臣の予算概要説明に対し、会計課長の補足説明を求めます。安嶋会計課長。
○政府委員(安嶋彌君) お手元にお配りしてあります事項別表の順に従いまして・大臣の説明を補足して御説明を申し上げます。 まず第一表でございますが、第一の初等中等教育の改善充実でございます。その第一は、義務教育費国庫負担金でございまして、総額約二千億円をこえる巨額の経費を計上いたしております。内容の第一は給与費でございまして、この給与費の積算の骨子は、まず第一に、先般の国会において通過成立いたしました標準法の内容を織り込んでおります。その内容の第一といたしましては、学級規模を五十人から四十九人に引き下げるということ、第二は、教職員定数の充足をはかるという点でございます。備考にもございますように、明年度の小中学校の児童数は合計で九十一万人減少いたします。これに伴いまして学級の自然減並びにそれに伴う教職員の自然減があるわけでございますが、ただいま申し上げました学級規模の適正化と教職員定数の充足という二つの施策によりまして、これをいわば埋め戻しといたしまして、前年度の予算定員に対しましては四千八百一人の増、前年度の五月一日の実員に対しましては三百六人の増の定員を計上いたしておるわけであります。なお、この増員の内容といたしましては、備考のカッコ書きにもございますように、充て指導主事の増員二百八十五人、それから特殊学級の増設に伴う増員千三百四十五人をこの中に含めて計上をいたしているわけであります。炭は、給与内容の改善でございますが、二ページにまいりまして、昇給源資といたしまして二・六%の通常の昇給に必要な原資を計上いたしております。その金額が約四十一億円でございます。それから、給与の改訂でございますが、先般行なわれました給与改訂の平年度化分といたしまして百三十七億円余を計上いたしております。給与の内容の改善関係といたしましてはこの金額が一番大きな金額になっておるわけであります。それから、旅費の単価の引き上げでございますが、従来の実績等にかんがみまして、備考に書いてございますように、政令県を四千八百円から五千円、一般県を六千円から八千円にそれぞれ引き上げております。それから、宿日直手当の増でございますが、まず日直につきましては三百円の単価を三百三十円に引き上げております。宿直につきましては三百円の単価を三百二十円に引き上げております。ほかに半日直といたしまして単価百二十円を計上いたしております。それから、暫定手当の底上げでございますが、御承知のような給与法の改正を前提といたしまして、無級地及び一級地のいわゆる底上げを行なうために必要な額を計上いたしておるわけであります。既定予算規模の是正と申しますのは、これは昨年度の予算と実績のズレの分をここで補正をいたしまして、それに三十九年度の前向きの部分を積み上げておるわけでございます。その分が既定予算規模の是正という部分でございます。それから共済組合の長期給付負担金関係の増といたしまして約八億円を計上しております。追加費用の比率といたしまして、千分の七を千分の八・八に引き上げて計上しております。 次に、教材費でございますが、備考に書いてございますように単価の引き上げを行なっております。これは大体、約一〇%の引き上げということになっております。三ページにまいりまして、公立養護学校教育費国庫負担金でございますが、この積算の仕方は、義務教育国庫負担金と、ほぼ同様でございます。新規なものの内容といたしましては、養護学校の新設十六校を見込んでおります教材費でございます。これも小中学校の場合とあわせて、その増額を行なっております。肢体不自由児の学校につきましては千六百九十円を千八百五十円に、精神薄弱児の学校につきましては千八十円を千二百円一に一病弱児の学校につきましては九百二十円を千円というふうに、それぞれ引き上げております。次は、義務教育一教科書費でございます。明年度三十五億円余を計上しております。これは昭和四十年度小学校の一年——五年に入学あるいは進学する児童の前期用教科書と、それから三十九年度小学校一年——三年転学児童分の教科書でございます。四十年度小学校一年——五年児童の後期用教科書に対する国庫負担金につきましては、これは四十年度の予算に計上する予定でございます。単価等は従来の単価に据え置いておりまして、全額国庫負担の従来の方式で計上しております。次は、市町村教育長給与費補助でざごいます。前年度に比しまして九千五百万円余の減となっておりますが、これは従来と多少補助の方式を変更しているのでございます。すなわち三万五千円以下並びに八万円以上は補助の対象から除外をいたしまして、三万五千円と八万円の間の給与に対しまして、三万五千円の三分の一の定額補助でこれを補助したいというふうに考えております。次は、各種教育研究団体等の研究調査活動の促進でございますが、備考に書いてございますようなことで、約一億円計上いたしております。次は、道徳教育の充実強化でございますが、これは前年度とほぼ同様の趣旨で予算の計上が行なわれておりまして特に変わっている点はございません。四ぺ−ジにまいりまして、七、生徒指導の充実強化でございます。これは前年度に比べまして、比率といたしましては、かなり大幅に伸びた内容でございます。先ほど大臣の説明にもございましたような趣旨でございまして、生徒指導推進校の設置、指導資料の作成配布等を事業の内容といたしております。これは従来やっておりました道徳教育の推進の方式とほぼ同様でございます。次の八の国立教育会館補助でございます。これは現在建設中でございます国立教育会館の運営費の補助でございまして、別途特殊法人とする法案が提出される予定になっているものでございます。次の九、公立高等学校普通科、商業科の家庭科教育設備費補助でございますが、前年度に比べまして一千万円の増額になっております。この増額分は、商業科における家庭科教育の分が新規計上されているわけでありです。次は、公立文教施設整備費補助でございまして、要点はまず第一に、基準改訂が前提とされているという点でございます。その内容につきましては、先ほど御説明があったとおりでございますが、別途法案としても御審議願うことになるわけでございます。それから次は、負担象率の引き上げでありまして、七〇%から八〇%にこれを引き上げております。したがいまして従来に比べて単独事業分が一〇%減少したということになったのであります。それから屋内運動場は、小学校分が新規に計上されております。それから僻地集会室等でございます。中学校の寄宿舎は、従来季節寄宿舎を対象といたしておりましたが、本年度からは、通年制の寄宿舎も含めまして補助することといたしております。 それから次のページにまいりまして、上から三行目に、幼稚園関係の事項がございますが、千七百万円を五千万円というふうに、倍率といたしまして、かなり大幅な増を行なっております。それから高等学校建物(工業)は、前年度に比べまして三億四千五百万円余の減少になっております。これは工業高等学校におきまする八万五千人の増募計画が、ほぼ終了段階に近づいているということに伴う減でございます。それから二つ飛びまして、高等学校の寄宿舎の整備につきまして、三千百万円余を新規計上しております。これは僻地の高等学校の生徒を収容するための寄宿舎を整備いたします際に、その整備費の一部を補助するという内容でございます。それから次は、構造比率及び単価でございます。鉄筋、鉄骨のいわゆる耐火造比率を五%各事項につきまして引き上げております。小中学校の校舎について申し上げますと、前年度の六〇%の耐火造が六五%に引き上げているわけでございます。それから単価でございますが、鉄筋、鉄骨、木造の全体につきまして、平均約六%の単価の引き上げをはかっております。内容の概要は、おおむね以上でございますが、金額をごらんいただきますと、総体で百八十億円の金額が計上されておるわけでありますが、増額分のおもな部分につきましては、義務制の校舎におきまして約二十三億円余、同じく義務制の危険建物の改築におきまして約十三億円余が増額されているというところが大きな増額の点でございます。そのほかに統合校舎の約七億円、屋内運動場の約五億円等が目立つ事項でございます。七ページにまいりまして、幼稚園教育の振興でありますが、三十九年度におきましては七千三百万円余を計上いたしておりまして、事項的な新規といたしましては、幼稚園に対する設備費の補助を二千万円新規に計上いたしております。なお、建物の整備につきましては先ほど申し上げたとおりでございます。幼稚園教員の養成等につきましては、ほぼ従来の方式を継続することといたしております。 次に、科学技術教育及び学術研究の振興でありますが、第一の理科教育設備費の補助、第二の理科教育センターの設置費の補助、この二つはほぼ前年度と同様の考え方でございます。理科教育設備の補助で二千六百万円程度増加いたしておりますのは、これは新設工業高等学校に対する分の増でございます。次は、産業教育関係の負担金、補助金でございます。総額で約四十九億円を計上いたしておりますが、内容といたしましては、まず設備費の補助十億円が新規に計上されたという点が注目されるところであります。で、昨年秋の中央産業教育審議会の答申に基づきまして、基準の引き上げを行なうことにいたしておるわけでありますが、その答申の内容に含まれます新品目のうち、さしあたり緊急を要するものについて補助をすることといたしておりまして、とりあえず十億円を計上いたしておるわけであります。これに従いまして一つ飛びまして特別設備費の一億六千万、これは十億円の中に吸収することといたしております。なお、設備更新費は今年慶と同額を計上いたしております。八ぺ−ジにまいりまして、一般施設の整備に対する補助でございますが、これは若干増加になっております。これは主として単価の改定に伴う増でございます。新設学科の関係につきましては、約八百万円近い減が立っておりますが、先ほど公立文教施設整備費のところでも申し上げましたとおり、八万五千人の工業高等学校生徒の増募計画がほぼ終了の段階になっております。そういうことに伴う減でございます。内容といたしましては、三十七年、八年に新設をいたしました学科の学年進行分のほか、三十九年度新設といたしまして三十三の学科の新設を見込んでおります。内容は機械、電気工業化学、建築、土木、そういったものが中心でございます。それから、産業科、分校につきましては、多少の改善が行なわれておりますが、特に変わった点はございません。共同実習所といたしましては、商業一カ所が新規に認められております。それから高等学校の産業教育の実習船の建造でございますが、大型三隻、小型一隻が予定されております。それから農業教育の近代化促進費の補助金につきましては、この考え方は、従来と同様でございます。農業教育の内容を畜産園芸、農産加工、農業土木、そういった方向に転換、改善をはかっていくために必要な予算でございます。学年進行分のほかに、それぞれ三十九年度の新規分を備考にございますような数字で計上をいたしております。次は、自営者養成の農業高校の拡充整備費の補助金でございまして、これは新規でございます。この考え方は、農業高等学校における教育を、ただ単に農業技術の教育ということだけではなくて、自営者としての、そういった観点からする農業のあり方についても、教育を深めていきたいというような趣旨から計上されておるわけでございまして、補助金の内容といたしましては、寄宿舎、農場用の施設、設備がその内容でございます。寄宿舎につきましては、三学年の就業年限中、二個学年をいわば全寮的にこの寄宿舎に収容をいたしまして、自営者としてふさわしい教育を施していきたいという趣旨のものでございます。全国五カ所を予定いたしております。それから、中学校の産業教育の設備関係の補助といたしましては、約千百万円の増額になっておりますが、基準の一部引上げを前提といたしております。次は、国立学校の理工系の学科の新設等でございますが、九ページの一番下の行にございますように、二学部の創設を予定いたしております。一つは室蘭工業大学の夜間部であります。一つは宇都宮工業短期大学を転換いたしました宇都宮大学の工学部でございます。その二学部を予定いたしております。一〇ページにまいりまして、その他学科の新設拡充等による理工系の増募を行なうことといたしまして、大学におきまして八百九十五人の増募を予定いたしております。次に、高等専門学校十二校の新設でございますけれども、十二校のうち五校は、すでに設置法に規定されておりまして、予定されておる分でございます。そのほかに七校の新設が行なわれるわけでありますが、七校のうち、一校は久留米の工業短期大学並びにその付属高等学校の転換でございます。したがいまして、明年度、の新規のいわば純増と申しますのは、残りの六校ということになるわけでございます。次は、公立大学等の設備補助でございますが、前年度に比べまして約三千万円の増加となっております。増加の要因といたしましては、学校の新設分を取り入れたということ、それから、政令県が設置する学校に対しても補助をすることにしたという点、それから家政関係の学科を含めたという点等が増加の要困でございます。次に、私立大学の研究設備の助成でございますが、前年に比べて、金額といたしては約一〇%の増になっておりますが、補助率が二分の一から三分の二に引き上げられたという点が要点かと思います。次に、私立大学等理科特別助成でございますが、考え方といたしましては、従前とほとんど変わらないわけでありますが、一般の補助、つまり既設の補助でございますが、これにつきましては家政関係の分を新たに含めることといたしております。次に、科学研究の振興でありますが、三十億円余を計上いたしておりまして、前年度に比べまして約一〇%の増額になっておりす。なお、この科学研究費交付金二十五億円の中に、約五億円を特定研究費というふうにいたしましてそれを含めてございますが、これはまあいわば特に推進を要する科学研究の分野につきまして交付金を特定して出したいということでございまして、アジア、アフリカの地域研究、ガンの研究、災害、核融合、ウイルス、超高層物理、そういったような分野に対する分を特定研究として含めておるわけであります。次の在外研究員の派遣は、備考にございますように、人員の増加をはかっております。次は、民間学術研究団体の補助でございますが、前年度に比べて約一億円余の増加になっておりますが、このうち九千万円が日米科学協力研究事業費に対する補助でございます。で、その九千万円のうち、さらに四千万円が制癌剤スクリーニングセンターに対する分でございまして、日米科学協力研究事業のその他の部分に対しまする増額は、したがいまして五千万円ということになっておるわけでございます。次は、南極地域観測再開準備費でございまして、二十億円余が予定されております。観測船とヘリコプター二機の購入が予定されております。ほかに国庫債務負担行為として約二十億円程度を予定しております。これは明年の秋に出航する前提でございまして、太陽の平静な年におきましての地球物理関係の観測を、太陽の静かな期間にぜひ行ないたいということで計画されたものでございます。 次は一ぺ−ジでございまして、第三の国立学校の拡充整備であります。大臣の説明にもございましたように、この分につきましては、特別会計を新たに設置することといたしております。で、全体の建て方でございますが、従来の予算書におきまする組織、国立学校、この中には、項が、国立学校と付属病院、試験研究所、その三つがあったわけでございますが、その三つの組織に文部本省の中における項、国立文教施設整備費を付加いたしまして、それにさらに特別会計の他の例に従いまして、国債整理基金特別会計の繰り入れと予備費の二つの項を新しく設けておるわけでございます。 まず、歳入関係から申しますと、備考に書いてございますように、この特別会計の歳入総額は千三百九十四億円余でありまして、このうち一般会計からの繰り入れが千百四十五億円余であります。全体に占める比率は八二%強ということになっております。二は借入金十億円でございまして、これは財政投融資からの借り入れを予定いたしております。それから三は、学校付属病院等収入でございまして百七十四億円余、四は授業料及び入学検定料の関係でございます。これが約三十二億円、それから五は学校財産処分収入でございまして、不要あるいは利用効率の低いものを処分いたしまして、その収入を見込んでおるわけでございます。六は雑収入でございまして、十八億円余を計上いたしておりますが、農場、演習林、その他の内容になっております。 次は歳出の内訳でございますが、学生当積算校費二〇%増、教官当積算校費を一五%増ということで、基準的な経費の増加をはかっているわけでございます。設備費につきましては九十六億円余を計上しております。次は学部の創設、七学部でありますが、この七学部の内容は、先ほど申し上げました理工科系の学部といたしまして二学部、それから公立の三理科大学の国立移管に伴う分といたしまして三学部、計五学部、そのほかに横浜大学の経済学部の第二部、九州大学の薬学部、これを加えまして七学部の創設が予定されているわけであります。次のページにまいりまして、主として理工系の学科の新設拡充が行なわれております。短期大学の新設は図書館短期大学であります。高等専門学校は、先ほど申しましたように、十二校の創設を予定いたしております。大学院の関係といたしましては、新制大学院の修士課程を十六大学、十七研究所を新設することといたしております。それからロケット関係の経費といたしましては十二億円余を計上いたしておりますが、前年度に比べまして約五億円が増になっております。内容といたしましては、さらに大型のロケットの開発をはかるということのほかに、先ほど申しました静かな太陽の観測年における観測のためのロケットをも計上いたしております。それから研究所の創設が三つ次にございますが、第一の原子炉工学研究所、これは既設の東京工業大学の研究施設の転換を行なおうとするものでございまして、七部門ございます。次に、アジア・アフリカ言語文化研究所は、共同利用の研究所といたしまして東京外国語大学に付置する予定でございますが、明年度は三部門でございます。それから次の宇宙航空研究所は、共同利用の研究所といたしまして東京大学に付置するものでございまして、内容は、既設の航空研究所と、それから生産技術研究所のロケット関係の部門を統合いたすものでありまして、全体といたしまして、三十九年度におきましては二十八部門を計上いたしております。次は、国立学校の施設整備費の関係でございまして、総額二百七十三億円余を計上いたしております。前年度の金額に比べまして約四四%の増ということになっております。次のページにまいりまして、この国立学校の施設整備費は、大体従来の国立文教施設整備費をそのまま引き継いでおりますが、内容的に新規の分といたしましては、一四ページの上から三行目の備考にございますように、不動産購入費をここに含めております。この分は、従来は項、国立学校に含まれておった分でございます。なお、以上の国立文教施設整備費のほかに、国庫債務負担行為といたしまして、備考にございますように、病院関係で三十五億、それから鳥取大学の施設取得関係で七億二千三百万円、計四十二億二千三百万円を予定しておるわけでありますが、このうち十二億二千三百万円は、現年度分といたしまして、この予算額に含まれております。したがいまして後年度分三十億ということになるわけであります。したがいまして、明年度における国立学校の施設整備費の実質総額は、二百七十三億円の予算にプラス三十億で、三百三億円余ということになるわけでございます。それから一四ページのまん中に、国債整理基金特別会計へ繰り入れがございますが、これは財投から十億円を借り入れます。その利息分でございます。それから予備費は一億円計上いたしております。一億円の金額につきましては、従来この国立学校関係で予備費を使用いたしました、その実績から考えまして、この程度でまかなえるという前提をとっておるわけであります。それから国庫債務負担行為が三つあります。その一番上のものが電子計算機の借り入れ関係でありまして、これは東京大学の高性能の電子計算機を借り入れるための国庫債務負担行為でございます。それから次、第四は、教育の機会均等と人材の開発であります。まず、この育英会関係でありますが、備考にそれぞれこまかく記載がございますのでごらんいただきたいと思いますが、一五ページのまん中にございます、この大学院の奨学生の増加、これが一つの要点になっておりまして、修士課程で二千五百人、博士課程で五千八百人の人員を予定いたしております。次のページにまいりまして、一六ページでございますが、一六ページといたしましては、特別奨学生につきまして、それぞれ学年進行分を計上いたしておりますが、新規の事項といたしましては、教育特別奨学生二千五百人を新規に計上したという点でございます。一般の特別奨学生と異なりまして、ただ経済的な条件がよくない、あるいは成績がいいというようなことだけではなくて、教育に対して熱意を有する者を教育界に誘致したいという趣旨で一新規に二千五百人が計上されたのであります。金額は、他の特別奨学生と同様、自宅外を全体の七〇%といたしまして、これに月額八千円・自宅を三〇%といたしまして、これに月額五千円の貸与を行なうことといたしております。それから一七ページにまいりまして、学徒援護会関係の補助でありますが、前年に比べて約二億円の増ということになっておりますが、これは主として現在皇居北の丸の地区にございまする学徒援護会の建物を移転させるために必要な施設関係の経費が主でございます。次は、要保護及び準要保護児童生徒関係でございまして、考え方の基本は、昨年度とほぼ変わっておりません。準要保護七%、要保護三%ということで計上いたしておりますが、備考にもございますように、各事項にわたりまして、単価を実情に合わせて改定する等の措置を講じております。なお、教科書の補助金が約一億円の減になっておりますのは、無償給与のほうに切りかえられておるための減でございます。一八ページ、次のページにまいりまして、医療費の補助金でございますが、これも前年に比べまして、若干の減になっておりますが、これは児童生徒数の自然減という要素もございますが、罹患率の減に伴う減がかなり大きな要素になっておるのであります。次は、僻地教育の振興でありますが、従来に引き続きまして、スクールバス等の補助を継続することといたしておりますが一新たにシート式の録音機に対する補助を百三十三校分計上いたしております。これは複式授業の改善に資するという趣旨からでございます。それから下から二つ目のところに、僻地の公立中学校の寄宿舎の運営費の補助が新規に計上されておりますが、これは僻地の児童生徒を収容いたしまする中学校の寄宿舎の運営費を町村に対して補助するという趣旨でございまして、補助率は二分の一でございます。この運営費の内容は、生徒の食費、日用品費等を含めております。通年制の寄宿舎五十九舎分について予算を計上しておるわけであります。次は、僻地の教員宿舎の建築費の補助でありますが、備考にございますように、戸数の増加をはかりますほか、坪単価を引き上げております。それから一九ページにまいりまして、公立文教関係の事項が二つございますが、これは先ほど御説明したとおりであります。次は、特殊教育の振興関係でありますが、まず設備費の補助金といたしましては、養護学校十六校の新設、特殊学級千学級の新設を見込んで必要な設備費の補助を行なうことといたしておりますが、ほかに、盲学校、ろう学校における弱視難聴関係の教育設備の補助といたしまして八百九十五万円を新規に計上いたしております。それから一つ飛びまして、盲学校のリハビリテーション課程の設備費を新規に計上いたしております。これはいわゆる理学療法による機能回復関係の教育を行なうために必要な設備の補助を行なおうとするものであります。それから二〇ページにまいりまして、上から二行目に特殊教育学校の就学奨励費の補助金、交付金がございます。内容といたしまして注目すべき点は、高等学校の専攻科を新たに補助の対象にしたという点でございます。その他は準要保護関係等と合わせまして、食費、日用品等の単価の改定をはかっております。それから全国の学力調査でございますが、これも大体従来の方式どおりに予算を計上いたしております。 次は、勤労青少年教育の振興の関係でございますが、この予算の計上も、従来と考え方はほとんど変わっていないわけでありますが、まず定時制高等学校の設備費の補助金、これが若干の減額になっておりますのは、図書館関係の部分が、これにだけ含まれておりましたその分が落ちておる関係でございます。それから定時制及び通信教育手当の補助金は、これは人員、単価の増による増でございます。それから通信教育の関係といたしまして、教科書・学習書の給与費の補助が増額されておりますが、これは支給の、給与の条件を若干緩和いたしましたことによる増でございます。それから定時制高等学校の夜間課程の照明施設の補助でございますが、学校数の増加をはかっております。それから一つ飛びまして、夜間高等学校の夜食費の補助でございますが、これは単価の引き上げをはかっております。それから次の給食関係の施設設備の補助につきましては、従来の実施状況にかんがみまして、補助校数を若干減少させております。 次は社会教育関係の青年学級等の充実振興でございますが、青年学級につきましては、内容のさらに充実した青年学級を設置していきたいということで補助単価の引き上げをはかっております。それから勤労青年学校につきましては、従来の成果にかんがみまして学校数の増加をはかっております。 それから二二ページにまいりまして、社会教育の振興関係でありますが、まず指導者の養成につきましては社会教育主事の研修に重点を置くことといたしております。次に、成人教育の振興の関係といたしましては、成人学校関係、これは従来は支払い委任の経費でございましたが、これを補助金整理の趣旨にかんがみまして、三分の一の補助に切りかえております。予算額は前年度と変わっておりませんので、したがいまして授業料といたしましては、おおむね三倍になったということでございます。二三ページにまいりまして、社会教育関係団体の補助でございますが、前年度に比べまして二千五百万円の増となっております。内訳は、社会教育団体が五千八百万円余、芸術文化関係が四千六百万円余ということになっております。次は、社会教育施設の整備の関係でございますが、二億九千五百万円が計上されておりまして、前年度に対しまして約六千百万円の増でありますが、このうち二千八百万円が公民館関係の増でございます。内容といたしましては、施設に対する補助の単価の引き上げ、それから設備の補助品目の増加、そういったことが内容になっております。それから約三千万円増が博物館関係でございまして、前年度の三百十万円の補助金が三千三百四十万円というふうに飛躍的な増加がはかられておるのであります。二四ページにまいりまして、青少年、婦人関係の予算は、ほぼ前年と同様のものが計上されておりますが、七の家庭教育振興につきましては、前年慶予算五百万円に対しまして、三十九年度は九千百万円の予算を計上いたしております。内容といたしまして、新規に計上いたしました分は、備考にございますような家庭教育学級の開設でございまして、全国に約八千学級を新設したいというふうに考えております。二五ページにまいりまして、視聴覚教育の関係でありますが、前年度に比べまして約一千一百万円の増加でありますが、そのうち七百万円余が備考にございまする視聴覚ライブラリーの整備費の補助金であります。これは視聴覚教育のいわば地域のセンターといたしまして、器材の供給整備等を行なう施設でございまして、設置のおくれている地域に対しまして補助をしたいという内容でございます。それから他の約四百万円が先ほど申し上げましたシート式録音機に対する補助でございまして、これが新規となっております。合わせて約一千万円の増ということでございます。芸術文化の振興関係といたしましては、芸術祭関係で約三百五十万円の増加がはかられていますが、この関係の重点は、主として先ほど申し上げました芸術文化団体に対する補助のところに含まれているわけでございます。二十六ページにまいりまじて、国立中央青年の家、阿蘇青年の家に続きまして、国立第三青年の家の設置に必要な予算が約二億円認められております。 次は体育の振興でございまして、まずオリンピックの東京大会の関係でありますが、備考にございますように、まず施設関係の経費がかなりな額にのぼっております。第一国立競技場の拡充整備、それから屋内総合競技場の建設、それから日本武道館の補助、それから朝霞射撃場の整備、これは防衛庁に移しかえになるものでございますが、朝霞射撃場の整備、日本青年館改修、そういった施設関係の経費がかなりの額にのぼっておりまして、これはいわばオリンピックのための、いよいよ最終段階の施設整備の経費でございます。それから、そのほか組織委員会に対する補助が前年度一億七千三百万円から十二億七千八百万円と飛躍的な増加がはかられておりますが、これは実施の段階でございますので、当然のことではないかと存じます。そのほか競技技術の向上でありますとか、あるいは大会参加選手の練習場の整備でありますとか、あるいは日本の選手団の参加費の補助、そういったものがやや直接的な経費として計上されておるわけであります。二七ページにまいりまして、体育施設の整備でございますが、前年度に比べまして二億一千六百万円の増になっております。このうち二億四百万円が水泳プールの増でございまして、水泳プールの予算は前年度の二億四百万円が四億八百万円、ちょうど倍増されておるわけであります。次は、地方スポーツの振興関係で六百万円余の増が行なわれておりますが、これは主としてスポーツテストの普及奨励関係の増でございます。二八ページにまいりまして、スポーツの指導者養成、国体の補助、スポーツ団体の助成等は大体従来の考え方でございまして、若干の増になっておるということでございます。それから次は、学校給食の関係でございますが、まず施設設備の整備につきましては、備考にございますように、小中学校の補助校数を約二〇%増加いたしまして、前年度の千百校を約千三百校に増加いたしております。なお、ほかに本年度初めて共同調理場に対する補助を四十カ所新規に計上いたしておるわけでございます。なお、この共同調理場につきましては、次のページのまん中に栄養職員の設置費の補助が二千万円余新規に計上されておりますが、この二百一カ所の共同調理場に対する栄養職員の設置の補助の問題も、共同調理場に対する施設設備の整備と一連の施策になるわけでございます。それから二九ページの上から三つ目の事項に、ミルク給食の助成の経費が二十六億円計上されております。前年度の三十九億円に対しまして約十三億円の減少でございますが、前年度の予算の中には、約六億円のいわば臨時的な設備の補助が含まれておりまして、したがいまして、その分はいわば当然減になるわけであります。そのほかにさらに金額が減少いたしておりますのは、これは粉乳の使用量が前年度に比べて減少しておるからでございます。その第一の要因は、なま乳の増加を大幅にはかったという点でございます。備考にございますように、なま牛乳を一万百四十トン使用することに予定をいたしておりますが、これは石数にいたしますと三十九万石でございまして、定時制の関係で使用いたします一万石と合わせまして、四十万石が学校給食用に使用されるということになるわけでございます。なま乳が使用されればそれだけ粉乳の使用量が減少するわけであります。それから、なお児童生徒教の減・それから脱脂ミルクの減、そういったような諸要素がございまして、前年度に比べまして、約十三億円の減ということになっているわけであります。なお、補助単価は、これは脱脂粉乳に対しましては、百グラム四円でございまして、文部省予算に計上いたしておりますのは、脱脂粉乳に対する百グラム四円の分が計上されているわけであります。それから食糧管理特別会計への繰り入れでありますが、この方式は、小麦粉は百グラム一円の補助でありまして、これは方式といたしましては、従前と同じでありまして、使用量の増加を見込みまして八千四百万円の増額ということになっております。 次は、私学振興の関係であります。振興会の出資金十五億円のほか、財投四十億円を予定いたしております。以上によりまして、振興会に対する政府の出資金は百二十一億円をこえたわけでございます。次のページにまいりまして、私大の研究設備助成、これは先ほど申し上げました理科の特別助成についても、先ほど申し上げたとおりであります。教職員の共済組合に対する補助は、これは積算といたしましては、従前とほとんど変わっておりませんが、人員の増加を若干見込んでおります。 次は、国際文化の交流でございますが、まず文化交流といたしまして、文化協定締結国からの学者の招致、これは新規にイギリスとイタリアを予定いたしております。フランス語の研修、そういった内容を含めております。留学生関係の経費が次にございますが、これは前年度の大体二倍になっております。内容といたしましては、新規招致者を、百人から二百人に増加したという点。給与月額を二万五千円から三万円に増額したということ。それから日本に参りました際に、一時金一人一万円支給することにしたということ。それから国内の見学旅費を新規に計上したという点。それから渡日、帰国旅費につきましては、東南アジア関係だけでなくて、欧米関係にも計上したということ。それから三一ページにまいりまして、従来国費留学生は、国立大学でお世話をしておったわけでありますが、新たに公私立大学への委託に必要な経費、一人年額五十万円で二十人分を新規に計上したという点が、新しい点でございます。ほかに留学生の工場実習等の経費の新規に計上いたしております。それから三一ページのまん中あたりの、海外教育協力調査費二百万円が計上されておりますが、これは英仏等の先進国における留学生の受け入れの状態を調査したいという趣旨で計上されたものであります。その次の日本国際教育協会に対する補助でありますが、増額分の約一億円は、備考にございますように、留学生寮の新築のための経費でございます。次のユネスコ関係団体の補助でありますが、これは新規に計上された分でございまして、ユネスコ関係の二十一団体に対する補助として計上されております。 それから文化財の保存事業関係でありますが、これは保存修理、防災施設の整備等につきましては、従来の思想で予算を計上しておりますが、三二ページにございますように、無形文化財の保持者に対する特別助成金千五百万円が、新規に計上されている点が注目される点かと思います。次に、国立劇場の関係でありますが、いよいよその建設に着手することになりまして七億四千六百万円余が計上されております。この金額は、全体の約四分の一程度でございます。次に、平城宮跡の買い上げ、発掘調査でありますが、まず買い上げにつきましては六万八千坪、ほぼ前年度程度の坪数を予定いたしておりますが、発掘の面積は前年度の八千坪を一万五千坪に増加してその計画を進めたいというふうに考えております。 その他といたしましては、文化功労者年金の引き上げでございますが、二十六年以来据え置かれていた五十万円の金額を百万円に引き上げております。その他、芸術院、学士院の年金、これは一般の会員分でございますが、四十万円を五十万円に引き上げております。院長、部長、幹事等の役付につきましても、それぞれこれに準じた改訂が行なわれております。それから文部省の機構の問題といたしましては、初等中等教育局に教科書給与課、調査局に留学生課が新設される予定になっております。 以上が予算内容の概要でございますが、純計にもございますように、四千百五十億円が文部省の予算の純計でございまして、純計と申しますのは、御承知のとおり、一般会計がら特別会計への繰り入れ分、一千百四十五億の重複分を除いた合計額でございます。以上、御説明申し上げました。
○委員長(中野文門君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(中野文門君) 速記を超こして。 それではこれより質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次御発言願います。豊瀬君。
○豊瀬禎一君 まず大臣の所信に対する質問に入る前に一点だけただしておきますが、昨年の教科書法案の成立については、大臣御承知のとおりで、しかも、院で修正されたことも御承知のとおりだと思うのです。一月二十日ごろ開かれました文部省主催の地方教育委員会の所管課長会議におきまして、たとえば、君の県は十数カ所程度選択地域を決定すればよろしいかどうだろうか、君の県は何カ所程度でよろしくないか、こういう文部省が教科書の選定に関して地方教育委員会に個所数を指定して指導するということは、あの教科書法からしてきわめて逸脱行為と思いますが、そういう指導は、もしやっているとすれば、大臣としてはどうお考えですか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 先般の教科書無償法の御審議を願う際に、修正がありました御趣旨はわれわれよく承知いたしております。その御趣旨に従ってこの法律の運営に当ってまいりたいと思っております。先般の会議において、いかなる話し合いが行なわれましたか、私つまびらかにいたしておりませんので、関係局長から御説明をさせたいと思います。
○豊瀬禎一君 局長の説明は要りません。そういう指導がもし行なわれているとすれば、それは間違った行政指導であると私は思いますが、大臣はどういうお考えですか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 会議においてどんな質疑応答等が行なわれましたか、私存じませんので、具体的なことをお答え申し上げるわけにはまいらぬと思うのでありますが、文部省としまして、これだけあればよろしいとかいうようなことを指導するはずは私はないと思う。ただ、質問等がありました場合に、この程度でどうだろうかというときに、その程度ならばいいだろうという話は、あるいはあったかと思うのですが、詳細は知りませんので、その点についてのお答えはいたしかねるわけです。
○豊瀬禎一君 積極的なそういう指導は行き過ぎであるということは、大臣として認められますね。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 文部省としましては、この法案の趣旨、また御審議の経過において、この委員会において皆さんの御意見のありました点は、十分尊重いたしましてやってまいるつもりでございますから、行き過ぎた指導はもちろんするつもりはございません。
○豊瀬禎一君 このことについては、後日ただすことにいたします。 本論の質問をいたしたいと思いますが、私どもが今回、灘尾大臣に対して、単なる予算説明ではなくして、文部行政を進めていかれる基本的な所信——方針というものをただしたにはいろいろの理由があります。それを全部列挙することは時間の関係で省きますが、たとえば池田さんの言っている人つくりというのは、いろいろの文章を見ましても、大体ハイタレントの養成を主眼にいたしておるようです。厚生省の人づくりは、憲法の精神にのっとった健康で文化的な人間の育成ということに重点をおいておるように私は受け取る。ところが、文部省の人づくりは一体何を考えておるのか、まだあいまいもことしております。この教育全般についてどういう基本的な考え方で進めていかれるかということもきわめて重要な課題でありますが、本日の所信表明は、単に予算書で金額の大きいものについてまとめて羅列されたというのにすぎないように見受けます。それからもう一つのあれは、大臣は、大臣の前歴がありますので御承知のことと思いますが、率直に申し上げまして、私どもは、文部省の行政というものは、全国教職員の圧倒的多数を占めている日教組との関係を全く無視しては円滑に進まないと考えています。このことにつきましては、前々松田大臣が本委員会におきまして、このことに対する私の質問に対して、五十万日教組の存在を無視しては日本の文部教育行政はやれません、十分この点は配慮していきたい、こういう答弁をいたしたのでありますが、前の荒木萬壽夫君にかわりますと、委員会でもいろいろ質疑されたように、日教組はばかたれであるとか、チンピラであるとか、教育どろぼうであるとか、とにかく良識人の口にすべからざる用語を使って罵倒し、日本の教育界を不必要に混乱させてきたと私どもは考えておるわけです。灘尾さんが大臣になってこの姿勢を踏襲していくのか、それとも変わった形で職員団体に対処していくか、このことも本委員会が——私どもが少なくとも文教問題を本委員会において論議していく際には、重要な課題の一つであると思います。新聞で見ますと、大臣が言わたかどうか知りませんけれども一いま問題になっているILO条約批准をめぐって、対日教組との関係について灘尾大臣という名前がちらちら出ています。しかし私どもは本日の所信表明の中からは、私どもが聞きたいことの一つである日教組との関係なり、あるいはもっと別なことばを使えば教職員団体との関係を、荒木萬壽夫君のように、全く仇敵視し、ばり雑言を浴びせる姿勢の中で進めようとするかどうか、このことに対しても明確な見解を聞いて後に質疑に入りたいと思います。このことについても、本日そのことに対して所信の表明をつけ加えて求めようとは思いませんが、少なくとも次回の委員会にはこのことに対しても、できればILO批准に伴う国内法改正も、遠からず国会の論戦になることですので、文書にして出していただきたいと思います。なお、その他たとえば憲法で定められておる義務教育無償の原則を、これまた荒木大臣以来たびたびただしてきたところですが、どういう計画のもとに、たとえば年次計画として、教科書無償は一応構想はわかりましたが、給食にしても、学用品にしても、その他、池田総理が本会議で私が質疑をいたました際に答えたように、逐次、義務教育無償の憲法の精神を実現していきたいというための構想がこの中には残念ながら私はうかがい知ることができない。あるいはまた社会問題といってもいいくらいに、高校入試あるいは大学入試をめぐって、青少年の自殺とか、あるいは非教育的な、あるいは社会的に家庭悲劇等、枚挙にいとまないほど起こっておることも御承知のとおりでございます。こういう問題に対して、単にここに出された、この問題に対しては前年度よりも一〇%予算を上げました、このことに対しては努力するつもりでございます、こういう形の中からは、現在の教育重要諸問題、私があげましたような問題を解決していくためには、どう文部省が重大な決意を持って施策をしようとするか皆目わからないわけです。単なるこれは事務当局のメモ程度の資料にすぎない。こういう問題に対しましては、私は一応今三つの対日教組と義務教育無償の原則の実現の方策、あるいは入試問題をめぐる諸教育的な問題、特にこの入試問題は、これは文部行政の全責任とは言いませんが、小中、特に小学校にまでも現行の義務教育に支障を与えるほどの大きな問題を現在の入学試験の様相というものが与えておることも、本委員会でたびたび指摘したことです。こういう重要な当面しておる教育問題の解決に対してどういう姿勢で灘尾大臣が臨もうとしておるか、このことに対してももっと明確に、しかも率直に披瀝していただいて、そのことを一つの基調としながら、私どもは予算の問題に、一般の文化、教育諸案件の問題なり、法案の審議に進みたいと思います。こうい点を明らかにしていただきたいと思いますが、大臣はどうお考えですか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私の文教行政に対する心持ちは先ほど申し上げましたとおりであります。これがきわめて不十分であるというお考えだろうと思いますが、一応のことを申し上げましたわけでございます。いろいろまた御質疑に応じまして、それぞれの問題についての私の考えを申し上げたい、かように存じておる次第であります。
○豊瀬禎一君 たとえば次回の委員会等で、私が最も重要として当初に指摘したILO批准との関係もありますが、それを抜きにしても、単に団体交渉をどうするかといったような問題だけでなくして、教育行政を進めていく際に、荒木萬壽夫君のようなああいう姿勢で臨まれるのかどうか、こういうことも質問をすれば答えます、そちらから積極的に次同等で見解を表明する意思はありませんか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私はそれを表明しろという御希望があれば、ここで表明してももちろん差しつかえありませんが、大体の考え方といたしましては、本日、一応私の考え方を申し上げたわけでございますが、これについていろいろ御質疑あれば、さらにそれに対して答えたいと思います。こういう考え方できょうは申し上げたようなわけでございます。
○豊瀬禎一君 それでは、他にもたくさんありますが、ほかからもいろいろそういうことが質疑として出るか、あるいは先にあなたの所信を聞きたいという形で出るかは別問題として、私は先ほど述べました日教組に対してどういう考え方で文教行政を進めていくか、それから池田総理大臣が本会議で答弁した、義務教育無償の原則の実現については逐次やっていく、このことに対して具体的にどう具体的にというのは詳細にという意味であります。それぞれ必要な科目、命題というのはおわかりのことでありますから、このことに対する、早急に実現したいとか、できるだけ予算の許す範囲内でやっていくということでなくて、給食無償についてはどういう考え方で、あるいはその他諸教育についての諸問題、それから当面している入学試験をめぐる——入試制度という意味でなくて、入学試験をめぐっていま教育界に起こっている学校教育、家庭教育その他社会問題化している諸問題に対してどう解決していこうとされておるか、この見解を次回あたり、あるいはその次あたりまでに文書にして出していただきたいと思います。
○国務大臣(灘尾弘吉君) なかなかむずかしいお尋ねばかりでありまして、御期待に沿うような返事ができるかどうか私も非常に疑問に思います。おっしゃるような回答ができるかどうかわかりませんけれども、ただいまの御要求に対しましては、次の機会にでも、これは文書でなくてはお答えできませんから、お答え申し上げてよろしいと思います。
○秋山長造君 ちょっと関連して。私はあまりかた苦しく申し上げるつもりじゃないのですけれども、ただ感じとして、これはいまのいろいろな重要問題が山積している文部行政に、これから取り組んでいこうという灘尾さんが、これは文部大臣としての所信表明というのがどうも一枚紙では、幾ら何ぼ何でもあまり、にべもつれもないと思う。これは私の率直な感じです。これはいわば、俗なことばで言えば時候のあいさつみたいなものです。寒中御見舞いみたいなものです。文部行政について、まあ私らが、ぜひ灘尾さんから伺いたいと思うのは、いま豊瀬君からもいろいろ具体的な何項目かについてのお話がありましたが、そういうことも含めて、これは灘尾文部大臣が自分でこうだといって手を下して書かれたわけじゃないと思います。だれか書いたものをお読みになったのじゃないかと私は思うのですが、これは灘尾さんとしては、もっともっとこの際所信表明として、るる言っておきたいということはおありのはずだと思うのですが、何ぼ何でも一枚で済ますというのはあまりひどいと思うのです。それは僕の率直な感じですが、私は久し振りにこの文教委員会に出て来たのですが、幾つもの委員会を回ってきましたがどこの委員会でも私の回った限りの委員会で、大臣が就任された当初にあいさつをかねて、自分がこれから担当の行政についてどういう考えで、どういうことをやっていこうかという所信表明みたいなものですね、だんだんやられるのですが、一枚紙で済ましたのは私は初めてです。やはり文部省のほうのお考えでは、おそらく別に予算の概要説明というものを出している、これを先に出したものだから、あとからあらためてやることになったから、一枚紙で、これが前文ということで、この両方あわせて考えてくれればいいんだというおつもりだろうと思う、ぼくは善意に解釈すれば。けれども、そういうものを別にわざわざうちの理事のほうから要求したわけではないと思うので、私はあまり理事のほうのこまかい交渉のことは知りませんけれども、当初、大臣の所信表明をやってもらいたいという申し入れに対して出てきたのかこれだったのじゃないかと思うのです。この予算の説明だったのです。そこで、そんなものじゃない、そんなものはいつもやっていることで、そういうことでなしに、もっと国政全般について、いわば総理大臣の国会における施政演説に準ずる文部行政のそういうものをやってもらいたい。それを拝聴することによって、いわば灘尾文政、俗にいう灘尾文政というものの輪郭というか、灘尾文部大臣がどういう考えで、どういう姿勢で文教行政というものと取り組んでいこうとなさっておるか、それは具体的にいえば、いまいろいろ大学制度の問題についても、また入学試験の問題についても、その他いろいろな問題について、具体的に大きな社会的な問題になっている非常な関心を集めている問題がたくさんあるわけですから、そういう問題の一つ一つについてどういうように具体的に取り組んでいこうとするのか、そういうことをやはり聞きたかったし、いまも聞きたいのです。ですから、これはこれで尽きておるじゃないかといわれれば、それはまた何をかいわんやということになるけれどもしかし、これはそれにしてもちょっとひどいですよ、何ぼ何でも。これは理論闘争をするつもりはありません。感じとして言うのです。常識として言うのですよ。これはあまりひどいですよ。これでおれはこの一枚でいくんだ、文句があれば質問しろといわれても、これはちょっとひどいし、まさか灘尾さんはそんなお気持じゃないと思う。もっと灘尾さんというのは私は高く評価しているのですよ。どうぞそういうことですから、あまりいろいろ勘ぐってそして社会党が何かこういうことをことさらにいまあらためていい出したからには、何か魂胆があるんだろうということを、要らないことを勘ぐって、そうして当たりさわりのないこういうものを抽象的に出しておけば、それで取りつき場がないだろうというようなことが、もし万一文部省のどこかでそういう御心配があるとするならば、それはちょっとこの際そういう態度は水に流していただきたいと思うのです。年も改まったし、オリンピックの年でもあるし、もう少し前向きの建設的なあっさりした態度でやはり出てきていただきたいと思うのです。どうですか。だから、そういう意味で、できることならもう一度これは大臣みずからの手元で考え直しを願って、そうしてもう少し、われわれそれは何を書いて出しても君たちが満足だということはないんだから同じことだという考え方もあるかもしれないけれども、それはおのずから限度の問題ですから、何ぼ何でもこれはちょっとひど過ぎるから、もう少し大臣の、真意を具体的に盛り込んで、しかも今日の非常な関心を持っているこの世論にもこたえ得るというものをひとつ出していただけませんか、これは重ねてお願いします。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私のいわゆる所信表明がたいへん御期待に反しておることは申しわけないと思います。所信表明をやれという御注文ですが、どういうことをやってよろしいのか、実はよく私はわからなかったのであります。こういうふうな問題についてというふうなあれがあれば、またそれに応じたお話もしたと思いますが、いずれにしましても、また所信表明をどのくらいの時間をかけてやっていいものか、これも私は見当がつかなかったわけであります。そこで、本日差し上げましてお話し申し上げましたようなことを申し上げたわけであります。これについて、なおいろいろ御質疑があれば、その際また私の考えを申し上げよう、こういうようなつもりで出したのであります。これは非常に御期待に反したようなことで、まことに恐縮に存じておりますが、さらに各種の、いま仰せになりましたようないろいろな問題について私の意見を言えということでありますれば、これはもちろん申し上げて差しつかえございません。いつでも申し上げるつもりでおるわけでございます。願わくは、そう申しましても、はたして御期待どおりのことを全部尽くした返事ができるかどうか、われわれのほうもちょっと見当がつきかねますので、先ほど豊瀬委員からお話のありましたような事項について、別の機会に何か言えということでありますれば、もちろん申し上げるわけでありますと、こういうように申し上げておるわけであります。また、その要旨を書いて出せということなら、これも書いて出してもよろしいのでございますが、そういうことにいたしますれば、いわゆる問題点を少し示していただいて、その上で書かしていただければ、あまり不十分でなくて済むのじゃないかと考えるのでありますが、いかがでございましょうか。
○秋山長造君 問題点を示せというて、一々こっちが問題点を示していくのでは、大臣もおっしゃるように、やはり質問すれば答弁するのだから、それでいいじゃないかということで終わってしまうので、やはりそれは総理大臣なんかの施政演説についても同じことだと思うのです。池田さんが開き直って理詰めな考え方で、いや、聞きたいことがあれば一々質問してくれば答弁するのだ、だから、おれに施政演説をやれといっても、何を言ったらいいかわからないじゃないかというて施政演説は拒むということと同じことで、それは質問は質問として、また質問することも、大臣の所信表明をお聞きした中からまた質問する。さらにその中から具体的な問題点を取り上げて、私どものほうからもっとさらに突っ込んだ質問をしていきたい。そうして大臣の御見解をとにかく承知したいという順序になっていくのだろうと思うのです。私はできれば問題点を示せとおっしゃる前に、大臣自身がどういうことを問題として・そうしてその問題については具体的にどう、おれの大臣在任中にやろうとしておるのだということをやはり示して、いわば灘尾文政というもののアウトラインですね、そういうものを示していただきたい。そうしないと、どうしても質疑応答にしても断片的にこうなってしまうのでしてね。もっとやはり一国の文教行政ですから、一つのまとまりというか、総合的な質疑応答を続けていったほうがいいのじゃないかというように思うわけですがね。
○小林武君 いまの件ですがね。文部大臣は何か問題があるなら出せというのは、これは私はちょっと筋が通らないと思うのですよ。われわれとにかく灘尾文政というものの概括というようなものを知り得るようなものは新聞で承知しておるわけです。大体、記者会見をやられて四項目なり五項目なりというものをあげられて、われわれとしてはかなり——かなりどころじゃない、相当重大な関心を持たなければならないような問題提示も新聞紙上を通してですから、あるいはそうでないかどうかわかりませんけれども、しかし、新聞は信用していいと思うのですよ。そういうものが出されておる、われわれが所信表明をしてもらいたいということは、少なくともやはり国会の中で物が討論されるのだから、新聞に出されるものよりかもっと抽象的な、もっと重点のぼやけたようなもので討論せいというのは、これは私は無理だと思う。私はきょうそういう話が出なければ、大体こういうあいまいもことしたようなものをきょう見せられて、しかも、きょう質問せいというようなことは、これはもう容易でないと思うけれども、質問しようと思っておりましたけれども、大体話がここまできたら、やはりあなたが新聞記者会見をやって、こういうことをやられるというようなことを、あなた自身がやられたのだから、灘尾文政の行き方はこうだということを明らかにお出しになるのが至当だろうと思います。それを社会党からひとつ言ってくれ、あるいは議員の人たちから言ってくれというようなことを言うのは、これはやはり灘尾さん、間違いだと思うのです。できないというならまた別ですよ。出す出さぬはあなたの勝手だから。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 私の所信についての皆さんの御注文といいますか、今まで実は私は前にも文部大臣をやったことがありますが一きょうのような御注文を受けたのは初めてなんです。こういうことをまだ実はやったことがない。そこで、あるいは見当違いをしておったのかもしれませんが、また議会でいろいろ発言いたします場合に、どの程度にものを申し上げたらよろしいかということは、そのときそのときによってきまってくる問題だと思います。きわめて大ざっぱに申せば、きょうの私の所信表明で大体私の心持ちを出しておるつもりでございます。ただそれについて、なお掘り下げていけば、いろいろ問題がそれはあるだろうと思います。そういうことでありますから、どの程度にものを申し上げたらよろしいのかということについての食い違いがそこにあったと私は思うのです。したがって、今後は所信——私はきょう私の所信を申し上げたつもりでおりますが、表現をどこまで広げていくか、こういうようなことになってくるわけでありますから、不十分な点があれば、また疑問の点があれば、どんどんお聞きいただいてもちろんけっこうだというようなつもりで実はきょう申し上げたわけでございまして、その必持ちはひとつ御了承願いたいと思います。また、非常に大きな意味で言えば、総理大臣の施政方針演説がすなわち私の方針である。こう申し上げてもよろしいのであります。これは程度問題といいますか、幅の問題といいますか、ということでありますから、これは結果論としてすぐにやられたら、実は私も困るのでありますから、皆さんのお心持ちによって、またさらに申し上げる機会が十分あるわけですから、この辺でひとつ御了承いただきたいと思うのです。
○加瀬完君 ですから、きょうお出しになったのではわからない。もっと掘り下げたものを出せというならお出しになれるということでございますから、しかし、総理大臣のおっしゃったことをそのままでは、きょうよりももっと笑いごとにもなるわけでございますから、大体、委員の今まで御注文した点もおわかりと思いますので、この次の機会にでも文書にして、大臣のおっしゃる、もう少し掘り下げた点を明確にお出しいただくということにお願いをしたいのですが。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 了承いたしました。
○北畠教真君 理事会で加瀬さんからお話があったのですか、その際に、先ほど大臣のおっしゃったように、私たち三、四年この文教委員会におるのでございますが、その間で第一回目の通常国会に、第一回目の大臣の何と申しますか、意思表明と申しますか、そういうものには今までこういう形のものがなかったのでございますから、この点をどうするかという理事会の話になって、簡単でもいいからやったらどうかというような話になったように記憶いたしております。ついては、委員長といたしましても、大臣のおっしゃったことが不十分だということになれば、何か理事会でケリをつけるというような方向に持っていっていただいて、ただいまの議論になっておる問題をまとめるというのが委員長の役目じゃないかと思っておりますが、この点は、もう一回理事会を開きまして、社会党さんのおっしゃることも意味がわかりますし、理事会で一応話し合って、それからいろいろきめていったほうが議事の進行上いいんじゃないか。こういうふうに思いますので、ひとつ委員長が何かの方法をとっていただきたいと思います。
○委員長(中野文門君) ただいまの北畠君の御発言でございますが、一応、最終段階のその加瀬君と文部大臣との応答において形が整ったように私は聞いておったのですが、お話もございますので、なおこの点につきましては一委員会散会後の理事会で、さらにお話が出れば私はお話をまとめたいと思います。かようでよろしゅうございましょう。
○豊瀬禎一君 おさめ方はそれだけでけっこうです。ただ大臣にお願いしておきたいのは、一応、例として私が考えていることを、まだたくさんありますが、たとえば大学の問題、管理の問題、しかし、それをこちらが指摘すると、やはりあの豊瀬の考えている重点政策に対する大臣の回答という形になる。そうではなくて、灘尾の考えていることはこうなんですというようなものをやはり入れてもらいたい。その点を御考慮いただいて次回にやっていただきたいと思います。
○国務大臣(灘尾弘吉君) お心持ちはよくわかりました。今、委員長のお話のございましたように、御相談の結果、やれということなら、今のような心持を体してまた考えてみます。
○委員長(中野文門君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(中野文門君) 速記を起こして。
○加瀬完君 文部省から公立高校の授業料を上げるなという通達を都道府県教委に行なったようでございますが、その中で、政府の経済政策に浴って公立高校の授業料値上げを極力抑制されるように協力を願うという趣旨だと仄聞するのでございますが、協力を願うという程度で公立学校の授業料の引き上げがストップになりますか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 御承知のように、この問題につきましては、政府で地方公共団体のいたしますことを規制するわけにもまいらない、かように考えるわけでございますが、政府が物価抑制の見地から、公共料金等につきましてもそれぞれの措置を講じておりますので、地方においてもこの趣旨をくんで協力していただきたい。こういう趣旨のものでございます。したがって、これでもってストップできるか。ストップさせる力は私どもにはない、できれば御協力を願いたい、こういう趣旨のものと思います。
○加瀬完君 文部省が、公立高等学校に通わせている家庭におきましてさえ、この教育費の負担というのが非常に重くなっておりまして、それが生計の上に大きな影響を与えておる、こういう御実態を十分御調査、御認識してございましょうか。それから各府県で文部省の協力を願うという程度のことでは、もう授業料の引き上げというものをストップさせるような状況にはないということの御認識があるのでございましょうか。
○国務大臣(灘尾弘吉君) 先ほども申し上げましたように、文部省でもって命令するというわけにもまいらない事項でございますので、各府県におきましても、公共団体として政府の方針に即応して同じ歩調でやっていただきたいということで、これは希望しているわけです。もちろん文部省といたしましては強く希望いたしておるわけでございます。したがって、地方におかれましても、この趣旨をくんで協力していただけるものと、かように考えまするけれども、現実問題としてどういうことになりますか、そこまではっきり押える力がないわけでありますので、地方がこの趣旨をくんで協力することを期待をしておる、この程度にひとつ御了承願いたいと思います。
○加瀬完君 文部省から資料をいただきましたものによりますと、関東近県においては授業料の値上げの傾向はないと、こういう御回答でございますが、そうではないと思う。これはある関東の県でございますが、近く文部、自治両省関係者と値上げについて話し合うつもりだ、値上げの幅については二百円・四百円との意見があるけれども、大体二百円くらいでまとめたい、この点を了解を得るつもりだと、こう知事が発表しておるわけです。こういう新聞発表までしておって、関東近県には値上げの傾向はございませんと言っておすましになってはおられないんじゃないかと思う。その理由としてあげておりますのは、地財法が改正になりまして寄付行為というものが押えられたので、その補充財源としてどうしても授業料を値上げするほかないと、こう言っている。地財法が改正されなくっても、寄付行為というものによって、高等学校の建築費あるいは維持補修費というようなものを捻出するということ自体がおかしい。その寄付を得なければ高等学校の運営ができないということであれば、そういった地財法そのものが、あるいは交付税法そのものを変えなければならぬので、この地財法改正による補充財源というものについて、文部省はどのように自治省とお打合わせになっておりますか。
○政府委員(福田繁君) ただいまの御指摘になりました新聞記事を私は見ておりませんけれども、差し上げました資料で、関東地区においては今のところ引き上げの動きはないということを申しましたのは、ごく最近に関係の教育長からそういう事情を聞きましたので、そういうように資料として差し上げたわけでございます。もちろんこの地財法の改正によりまして、高等学校経費については、相当この改正のときから自治省と私どもの間では、地方の財政措置について支障のないようにやろうというような話し合いもいたしておりましたので、私どもとしては、この地財法の改正によって起こる地方の不足財源については、できる限りこれを財源措置をしていくという考え方で、自治省と目下折衝を続けているようなわけでございます。
○加瀬完君 この寄付行為というのが非常に重いという点は、これは文部省の統計によりましても、高等学校の生徒一人当たりの父兄負担額が、大都市では三万三千七百四十九円、これが地方に参りますと三万九千六百二円と地方のほうが重いですね。これは授業料が高いのではなくて、寄付行為が非常に幅をとっているわけですね。ここに、ある学校に納める一人の負担区分がございますので申し上げますと、授業料が六百円、それから奨学会費というのが百八十円、PTA費が百四十円、施設充実費が二百円、同窓会費が百円、施設充実積み立て金というのが二百円、で、授業料の六百円に対しまして、計千四百二十円を納めているわけです。このほか特別に今までは学校の増改築については寄付が行なわれておった。寄付が取られましたけれどもね。授業料を上げて、その上に相変らず施設充実費でありますとか、施設永年積み立て金などというものを取られておりましては、これは地財法違反を実質的には明らかにやっておるわけですよね。せめて授業料だけでも押えなければどうにもならないにもかかわらず、知事は相変わらず強引に授業料を上げると、こう言っている。御協力を願うぐらいでは授業料の値上げというものをストップすることは私は現段階においてはできないと思う。ですから、授業料の値上げというものをストップさせるためには、地財法によるところの補充財源というものを、はっきりとこの際は文部省として、政府当局としてやはり補充財源を責任を持って補てんをするという方法をとっていただかなければ、この問題は解決できないと思う。今ごろ自治省と交渉中では、この補充財源のどうも目当てというものは、地方にとりましては、はなはだたよりにならないことになりませんか。地財法が改正されてそれだけ収入が減ったんですから、当然、補充財源というものは、はっきり交付税法の算定を変えるなり、あるいは特別の補助金を作るなり、これは行なわれなければ、ただ寄付は得られませんから、今度は形を変えて何かの方法で金を取りますと、それもだめなら授業料を上げますということに転嫁せざるを得ないじゃないですか。この点はいかがでしょうか。
○政府委員(福田繁君) その点につきましては、おっしゃるような傾向は確かにあると思いますので、私どもといたしましては、三十九年度の交付税の決定が近くあると思いますので、そういうものの中に三十九年度の高等学校の必要な経費というものを盛り込んでもらうつもりで交渉をやっているわけでございます。
○加瀬完君 交付税の算定の中に入れると言ったって、ちゃんと単位費用か何かをきちんときめてやらなければ、ただ交付税がひとりでにふえてくることにはなりませんよ。この前の委員会のときの御説明で、私はやっぱり交付税の算定をいろいろお変えになるようなお話でしたから、資料としてお出しいただきたいということで、資料をいただいたんですけれども、これも交付税の算定がはっきりと変わるということには、今後問題がまだ解決されない限り残りますよ。これだけでは交付税がふえるということにはならないと思う。それらの点を、大臣がこれから所信の御表明を今後なさるそうでございますから、そのときにあらためて、またはっきりとした文部省としての授業料を上げないという確実な御答弁をいただきたいと思いますから、きょうのお答えでは授業料は上がりますということになってしまいますので、十分御研究の上お答えをなさって下さいませんか。それまで保留をいたします。
○委員長(中野文門君) 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十八分散会