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46回国会参議院1964/04/23

逓信委員会 第18号

発言数
187
登壇者
9
会派数
2
開催日
1964/04/23

会議録

光村甚助日本社会党

○委員長(光村甚助君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。  本日は、国際電気通信事業に関する件について、国際電信電話株式会社の取締役副社長大野勝三君、常務取締役山岸重孝君、常務取締役難波捷吾君、取締役竹内彦太郎君の四君に、参考人として御出席を願っております。  本件について質疑の通告がありますので、これを許します。久保君。

久保等日本社会党

○久保等君 国際電電の関係できょう若干お尋ねをいたしたいと思って、これから質問を始めるわけですが、いろいろ問題がございますけれども、今日、国際通信が非常にますますその重要性を加えてまいっておりますし、それこそ、宇宙から、あるいはまた、陸上はもちろんのこと、海底等に至るまで、多種多様の通信の開発等なされております現段階の中で、数点に特に重点をしぼってお尋ねをいたしたいと思うのですが、まず、それに先立ちまして、そういう情勢の中でございますから、国際電電の会社とされましても、いろいろ計画をお持ちになって、ますます国際間の通信の開発に御努力をせられておると思うのですが、国際電電の会社でお考えになっておる長期計画等について、計画をお持ちでございますれば、まず最初に、概括的なひとつ御説明をお願いいたしたいと思います。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) 最初に、私どもの会社の事業につきまして、平素何かと当委員会の先生の皆さま方に御指導をいただいておりますことを、厚く御礼申し上げます。  ただいまお尋ねのありました会社の長期計画について、概要をあらば説明せよということでございますが、御承知のとおり、当社は国際電気通信一本の仕事をいたしておりますので、長期計画もすべて、この国際電気通信のサービスをいかにそれぞれの時代の要求に応じまして充実していき、サービスを向上していくかという線にみなつながっておるのは、これは当然のことでございますが、さしむき、ここ数年来手がけてまいりました太平洋横断ケーブルを完成いたしますことが最も大きな計画でございます。  さらにこの太平洋横断ケーブルの完成に引き続きまして、東南アジアの諸地域にも海底ケーブルを敷設したいという計画を持っておりますし、また、対欧通信の強化策につきましても、従来のごとく、無線一本にたよっております場合には、特に太陽活動の激化いたしますここ数年の間は、短波通信によりましては、非常に不満足な状態が出てくるおそれがございますので、あるいは、この短波によるにいたしましても、適当な中継地点を設けて、通信の安定を期待する方策を講ずるとか、さらに、いままで明治の初年以来細々とつながっております電信線、これは長崎からウラジオを経由いたしましてヘルシンキまで延びておる電信線でございますが、この電信線をもう少し、いまの時代に即したような近代的な能率の高いものに改造できるものかできないものかも検討いたしておるわけでございます。  さらにもう一つ大きな課題といたしましては、これまた久保先生の申されました宇宙通信の問題がございます。ただいまは、これは実験段階ということでございますけれども、いつの日にか、むしろ、あまり遠からぬ将来におきまして、この宇宙通信が最も有力な国際通信ネットワークの重要部分を受け持つようになることが予想されますので、当社といたしましても、先年来、茨城県の十王にこの実験所を設けまして、着々準備を整えつつありますが、ただいままでのところ、この実験は予想以上に好成績をおさめつつありますので、将来、衛星通信の実用化されるときに備えまして、この地上局をさらに充実していく考えでございます。  おもな計画といたしましては、以上申しましたとおり、短波通信の拡充、新方式の広帯域同軸海底ケーブルの建設、それから宇宙通信の実用化に備えての準備を進めることといったことに集約されるかと存じます。

久保等日本社会党

○久保等君 ただいまお話のあったような大綱的計画を今後進めるにあたって、あるいは、もう現に進めておるわけなんですが、ある程度の期限を限って何カ年計画とかいったような計画をお持ちになって進めておられるのですか。別にそういう何カ年計画といったような計画ではない形で、ただいまお話があったようなことを逐次重点的にやっていっておられるのかどうなのか、その点、お尋ねしたいと思います。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) いろいろ条件が非常に急テンポで変わってまいりますので、長期の展期の展望を社内で持ってはおりますれども、それは毎年変化を来たしておるような状態でございますので、具体的な計画といたしましては、各年度ごとに、たとえば本年の三月には、本年四月以降来年の三月までの、つまり、三十九年度計画というものを持っております。そのほかに、ただいま申しました長期の展望というものは別に社内で持ってはおりますが、これはまあざっくばらんに申し上げますれば、五年先を毎年見通すスケッチのようなものでございます。

久保等日本社会党

○久保等君 それでは、具体的な問題について逐次お尋ねをしたいと思うのですが、ただいまもお話のあった太平洋模断海底ケーブルの問題についてですが、一昨日も、アメリカのロングラインズ号海底ケーブル敷設船の船内等を拝見させてもらったのですが、この太平洋海底ケーブルの敷設の工事の進捗状況、私の見るところ、一応当初の予定どおりに順調に進捗を見ておるように承るのですが、いよいよ最後の集成を目前に控えておる状況にあると思うのですが、そのことについて、海底ケーブルの敷設ももちろんのこと、陸揚げ局の建設だとか、あるいは関門局、さらには、国際電電の局内の電話自動交換の問題、そういったことについて、現在の進捗状況と、それから見通しといってももうすぐのことなんですが、開通等の見通しについて、御説明をいただきたいと思います。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) お尋ねのありました太平洋横断海底ケーブルの進捗状況でございますが、当初の予定は、本年の七月に開通をめどといたしておりましたが、その後、お話にもありましたとおり、非常に順調に進みまして、この六月の中旬ただいまのところでは、大体六月の十九日を開通の日と予定いたしておりますが、お話のありましたロング・ラインズ号、これが来月の上旬早々に、二宮からケーブルを一ぱい積みましてグァムに参りますが、ハワイからグァムまではケーブルが敷設されておりますので、そこでケーブルが接続されますと、全部敷設が終わることになります。その敷設は五月中に、もちろん終わりまして、それからいろいろのテストをいたす予定になっておりますが、大体六月十九日の開通はまずまず間違いのないところではないかと考えております。  それから海底線が引かれますと、いまお話のありました二宮の陸揚げ局、その中のいろいろの設備、それから二宮から東京の関門局に連絡をいたします連絡線の工事、あるいは関門局の内部におきますいろいろの端局施設、そういったような機械類の設備を大体全部順調に終わりまして、ただいま整備あるいはテストなどをやっておる状況でございます。  なお、二宮と東京関門局との間の連絡線につきましては、二つのルートを用いまして、一つは、電電公社の同軸ケーブル地下ケーブルでございますが、これを借用いたします。  他の一つは、マイクロウェーブによりまして、二中継で二宮から東京関門局に来るようになっておりますが、このマイクロ線の連絡は当社の直営でございます。

久保等日本社会党

○久保等君 もうすでに、ただいまお話があったような陸上関係の施設等は、ほとんど完了しているというお話ですが、このケーブルは、したがって六月の十九日あたり開通をめどにしておられるようですが、開通されて、いよいよ運用をしてまいるということになるわけですが、疎通関係は非常によくなってまいると思うのですが、これによって一体、どの程度の疎通能力といいますか、何といいますか、運用の面からくる収益といいますか、そういったようなことが、本年度あたりはどの程度予想してをられるのですか。経営上の問題になってくるのですけれども、七月を待たず開通をして、六月から運用を実際やられるとすると、本年度あたり、どの程度の実際利用を見越しておられるのか、また、それによる収益等が考えられますが、太平洋ケーブルの開通に基づく経営上の見通し、特に、当面の今年度あたりの状況についても、どんなふうな見通しを持っておられるか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) 本年六月に開通をいたすと仮定いたしまして、サービスのほうは、従来短波によっておりましたものを、大体このケーブルのほうに切りかえる計画になっておりますので、たとえば電話は、御承知のように、現在オークランドとの間に十二回線ございますが、これを全部海底ケーブルのほうに切りかえまして、若干一、二回線はこれに足す考えでございますけれども、電信も有線のほうに、つまり、ケーブルのほうに切りかえられます。  そのほか、いろいろなサービスは、いままで短波によったものが、おもなルートはケーブルのほうに切りかわりまして、短波の設備はそのまま残って、非常の場合、あるいは事務打ち合わせ用等にこれは残して使う計画になっております。  と申しますわけは、ただいまお尋ねのありました、本年度あたり、どのくらいケーブル開通によって収益がふえるであろうかという御質問に対する、いわば前提を申し上げたわけでありますが、ただいま申し上げましたように、サービスは、従来のものがただ短波から有線のほうに振りかわるという関係でございますから、ケーブルが開通したということによって、さしむき非常に多くの収益がそれによって生まれるということは予想いたしておりません。  しかし、実際問題といたしましては、お話にもありましたとおり、たいへんサービスの質はよくなりましょう。ことに電話のごときは、顕著にサービスがよくなりますから、たとえば接続の時間もうんと短縮される、それから通話の際のフェーディングの現象は全然なくなるとか、それから短波だと一方通行でございますから、両方で話をすると、ことばが聞こえなくなります。そういうことが、もう有線になりますと、市内電話と同じように双方通行で話ができるからたいへんよくなりますというようなことで、おそらく、相当需要といいますか、電話のサービスがふえるのじゃなかろうかということは考えられます。的確にどれだけふえるかということになると、これは見込みの問題でございますから何とも言えませんが、長期的な見通しでは、短波の場合よりも、少なくとも二割五分ぐらいはふえるのじゃないだろうかというふうに予想しております。

久保等日本社会党

○久保等君 これだけ画期的な長距離海底ケーブルを敷設せられたわけですし、したがって、このことが経営的に見た場合に、一体どういう価値を持っているのかという問題は、これは当然いろいろ検討された問題であると私は思うのです。したがって、はたして、それが結果的にどの程度の効用、効能を果たすのか、これは結果を見ないとわからないと思いますが、ただ、敷設をせられるにあたって、一応どの程度のケーブル敷設に基づいて収益をあげ、また、利用者の需要にこたえ得るかということについては、ある程度の数字的なものをもとにして計画をせられたと思うのですけれども、なるほど、国際電電の総体的な立場から見れば、従来無線でやったものを、いわば相当部分が海底ケーブルに切りかえられたという形でありますから、ケーブルを敷設したことによって、特別何かまとまった需要増が、直ちに、具体的な経営の面であらわれてくるというものではないと思います。その点は御説明わかるのですが、ただしかし、ケーブルをこれだけの膨大な施設をやられ、また、したがって、ケーブルもたいへんな経費を使っておやりになるのですから、また、今後もこれに対する運用上のたいへんな負担をしながら経営をしていくわけですから、当然ケーブル敷設に伴っての経営上の収支見込みといいますか、そういったようなものは、当然基礎的な数字としてお持ちになったと思います。だから私、結果的な御報告を承るのじゃなくて、一応そういったことに対して、どの程度の具体的な数字をつかんで計画をせられたのか、その点をもう少しお尋ねをしたいと思います。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) いまの御質問にお答えをいたします前に、ちょっと先ほど申し上げましたことを補足させていただきたいと思います。  さしむきは、ケーブルが開通いたしましても、それほど需要がふえることはないと申しましたが、それはそのとおりに相違ありませんけれども、御承知のとおり、短波はもはや行き詰まっている状態なんです。しかも、国際通信の需要はこれからどんどんふえていく傾向を示しております。そういった場合に、もしこの海底太平洋ケーブルがなかったとすれば、たいへんに一般の需要家に対して不便をかけると思いますが、これで大きなハイウエーができることになりますので、これからはどんどん需要がふえてもオーケーということで、それだけ収益面でも伸び率の可能性をつくったと言えると思います。  さて、そういうことで私どもが計画をいたしました場合に、この日米ケーブルでどのくらいの収入があるだろう。これには、先ほど申しました、たとえば電話におきまして二五%ぐらい短波時代よりもよけいなトラフィックがあるのじゃないかという予想を見込んでいる。電信テレックスにしても、賃貸サービスというものは、これはずいぶん伸びるという予想をいたしているものでございまますが、三十七年度におきます収益が、電報、電話テレックス、その他合わせまして三十六億、この日米間ですね、三十六億ぐらいある。これが実績でございますが、これが四十年度には四十七億、四十一年度には五十四億、漸次伸びまして、四十六年度には七十億台くらいまで伸びていくのではないかというふうな見通しを立てております。そういたしますと、これは税込みの収支差額でございますけれども、税を引いた収支差額では、日米間通信では、大体三十七年度に実績十四億ぐらいあげておりますが、これがいま申しました最終年度の四十六年には二十五億と、ほぼ倍ぐらいになるという予想でございます。

久保等日本社会党

○久保等君 しかし、いま御説明のあった点は、正確に言えば、有線も無線も全部含めてということになるだろうと思うのですがね。だから、私のお尋ねしておるのはもう少し海底ケーブルだけについての収支というものが、一体どういった程度のものを見込んでおられるのか、その点なんですけれどもね。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) いま申しました収入のほうは——これから当分、日米間のサービスは、ほとんどもう無線は必要としない。ただし、無線の設備は残しておきますけれども、大体ケーブルによるというたてまえでございますから、収入の数字を申し上げたのは、ほとんどケーブルによる収入とお考えくださってけっこうでございます。ただ収入のほうをいまは差額で申し上げましたが、支出のほうでは、無線の施設あるいは要員等、そのまま温存いたしますための経費を含んでおりますから、この部分の経費を除きましてケーブル自体の経費ということになると多少数字が変わってまいりますけれども、しかし、考えてみますと、この短波の施設というものは、ケーブルのサービスを最も安定した状態でいたします上で必要欠くことのできないものでございますから、その経費もやはりこれは除外するわけにはまいりません。ですから、総体的に申し上げますれば、大体これはケーブルによる収支、こういうふうにお考えくださいましてよろしいのじゃないかと思っております。

久保等日本社会党

○久保等君 そうすると、日米海底ケーブル、今回敷設せられるケーブルの減価償却、これは一体どの程度で償却できるお見通しですか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) ケーブル自体の寿命は大体二十五年ということに期待をいたしておりますけれども、償却は二十年でするというたてまえでおります。

久保等日本社会党

○久保等君 いま御説明のあったのは、ほんとうの海底ケーブル部分だろうと思いますが、陸上施設ですね、いろいろそれこそ端局なり、中間の陸揚げ局なり、そういった施設、これは経費全体から言うときわめて少ないものだと思うのですが、おおよその見当はどういった比率になりますか、設備の費用。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) ケーブル以外陸の上の端局施設とか、その他のものにつきましては、大体十年で償却をするという計画でやっております。

久保等日本社会党

○久保等君 それからさらに、ケーブルが敷設せられた後の保守等を目的として、国際電電で独自のケーブル・シップをおつくりになるというお話も前に伺っておったのですが、このほうの計画はどんなふうになっておりますか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) このケーブル・シップ、特に修理補修用のケーブル・シップでございますが、これはこれだけの大きい海底線のシステムができますと、どうしても必要になりますが、これは御承知のとおりに、ケーブル自体が、ATT、ハワイアン・テレフォンと私どもの会社とで、三社いわゆる共同企業のような形で共同の投資でやっております。そういうわけですから、保守の責任もまた三社がこれを分担するということになるわけでありますので、三社の間でさらにもう少し検討をいたしまして——まだ、どこがそのケーブル・シップをつくるかということについて結論に達しておりませんのです。ケーブル・シップは、いま申し上げましたように、どこがつくるにしましても、三社でその費用を分担するということになりますので、当社がもし修理用ケーブル・シップを持つといたしますれば、その維持費とか運用に必要な経費は三社分け持つ、こういうことになるわけであります。ただいまのところ、どこでケーブル・シップをつくるか、結論が出ておりません。

久保等日本社会党

○久保等君 そうすると、ケーブル・シップは、当初からの計画は、三社で共同でおつくりになるという計画で進められてこられたのですか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) 当初は、建設用ケーブル・シップは、ATTのほうで相当最新な——先般ごらんをいただきましたけれども、あれをつくるということ、それから修理用のケーブル・シップは、私どもの会社でつくって、三社でその費用を分け持ってもらおうということで進めておりましたのですけれども、何さま、ケーブル・シップの建造費というのは非常に高額なものでございますので、そうしてまた、建設当初は、まだロング・ラインズ号が太平洋地域でいろいろ働いております。本年一ぱい、あるいは来年にかかりましてもまだおりますけれども、そういう際でございますから、まだあわてて修理用のシップを先につくる必要でない、いろいろな条件をよく考えて慎重に検討したほうがよくはないかというので、ただいま足踏みをいたしておるわけであります。

久保等日本社会党

○久保等君 非常に高額なものになるでしょうが、おおよそ、どのくらいの程度の費用を要するものですか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) 大ざっぱに申しまして、四千トンか五千トンくらいの船で十四、五億見当と考えております。

久保等日本社会党

○久保等君 そうすると、この船は、もしつくったとしても、いままでの話の進め方からいくと、太平洋ケーブルの保守、そういったことだけの専用船ということになるのですか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) 当初の目的から言いますと、太平洋ケーブル専属の保守用ケーブル・シップということになりますけれども、最近の情勢から見ますと、太平洋地域にもいろいろと同軸海底ケーブルのネットワークができるそうでございます。それはもちろんコモンウエルズ、英連邦ですでにバンクーバーからシドニーまでは開通いたしておりますけれども、それがまた今度、東南アジアのほうにできかかって、東南アジア、シンガポール、香港に出てくるということになりますので、英連邦自体は修理用ケーブル・シップを持っておりますけれども、それからまた、大北電信会社も現に、日本海を通っております。電信線のケーブルでありますけれども、これがありますから、やはり修理用のケーブル船をたしか香港に一隻持っておりますすけれども、しかし全部いっでも使えるかどうかわかりませんから、彼此融通性のある使い方を将来としては考えるべきではないかということから、なるほど、もしいまのケーブル修理船ができたといたしまして、優先的には太平洋ケーブルの修理用に当てますけれども、余裕があれば臨機応変にほかのほうに出動できるように考えたらよくはないかと存じております。

久保等日本社会党

○久保等君 ただいまのお話をお聞きすると、このケーブル・シップがいわゆる三社共有船になるようなお話ですが、そうすると、なるほど、経費負担という面ではもちろん軽減されるから、非常に負担がしやすくなると思うのです。ただ、実際、ケーブル修理等、臨機応変に出かけて行って修理をする、もちろん、太平洋の海底ケーブルだけを修理するほど仕事が要するに十分あるならば、これは一隻つくっておいてもそれでいいと思うのですが、ただ、それでなくて、将来のいろいろ展望を考えましたときに、日米太平洋海底ケーブルだけの専属船としては、どうも少し仕事が少な過ぎるということも考えた場合に、三社共有の船では何かこう運用面でロスが出てきたり、あるいはまた、実際問題として、専有船じゃないのですから、何かのときに相談をしなきゃならぬ、船一隻を三社が持っておるというようなことでの運用上支障があるのではないかというふうに、ちょっとばく然と、しろうと考えに考えられるのですが、私は、国際電電だけで何かお持ちになるケーブル・シップだとばかり思っておったのですが、いまのお話を聞くと、そうでないようなお話なんですが、そういうことでいいのでしょうかね。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) ただいままでの考え方は、所有は、たとえば修理船は私ども——私どもといいますか、日本側で持ちまして、そして費用、維持費とか償却とか金利とか、そういうものを関係者の間で分担しよう、そうい構想で来ております。船自体を共有にするということも可能ではありますけれども、そこまでは考えておりません。  それから一隻でむしろ手あきが多過ぎるという御懸念は、私どももそう思って、また、そうありたいと思っております。これが忙しいようではたいへんなことでございますから、そうすれば、ほかにいわば、何といいますか、一種のアルバイトもできるわけでございます。そういうことをする考えからいきますと、この船は、あるいは国際電信電話会社が直接に持つということより、第三機関が持って、そして、それを使うほうを、いまの関係者が費用を分担して優先的に使うというような方式も考えられるのではないか、しかし、これらは、いずれも全く机上プランのところでして、全然具体的には何も固まっておりません。

久保等日本社会党

○久保等君 まあ先ほど費用分担という話があったものだから、その費用というものは、建造に要する費用のことも含まれておると思ったからなにしたのですが、そうじゃなくて、たとえば具体的にどこかで修理をするという場合に、当然それに対して費用はかかるものですから、その場合の費用を関係者三社で分担する、そういう要するに運営上といいますか、運用上といいますか、そういう面での費用分担という意味なんですね。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) 大体そういうことでございまして、それにプラス、船がじっととまっていても金がかかりますから、とまっている間の費用も全部含めてです。

久保等日本社会党

○久保等君 わかりました。そうすると、いずれにしても、ケーブル・シップの問題については、いまのところ、何か停とん状態にあるようですが、当然その船を一隻つくって、ただいまお話があったように、十分にその一隻のケーブル・シップが活躍できるというだけの仕事量、そういったようなものも、これは計算なり考えながら船をつくられることが賢明だと思うのですが、したがって、将来の展望等を考えると、当然ケーブル・シップの建造ということも必要だと思うのですけれども、確かに、敷設をした当初はほとんど障害がないのが通常であり、また、そうあってもらいたいと思うのだが、当初、ケーブル・シップの問題はほとんど同時並行的に計画してお進めになっておったように聞いておるからお尋ねをしたら、ただいまの御答弁で、現状については一応理解できるわけなんですがただ、何といいますか、日本の国内ケーブル・シップの問題等も、これはまあ当然、国家的な立場から見れば考えていく必要があるのではないか。国内の海底線の敷設船がどういう状況にあるのか、私は現在のところ、つまびらかにしておりませんけれども、そういった問題もあり、先ほどのお話では、確かに費用の分担は、これはその部分についての専用船だとすれば、三社で負担するのは当然でしょうが、さらに、いま言う国内海底ケーブルなんかとの問題の関連性において船をつくることについても、何か考える余地があるのじゃないかという気がするのですが、一応国際電電の立場から言えば、国内の問題については所管外だから全然考慮の外だと言えばそれきりの問題ですが、そういうことについては、全然お考えになっておりませんか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) たいへんありがたいアドバイスをいただきましたが、やはりそういうことも考慮の中に入れるべきであろうと考えております。

久保等日本社会党

○久保等君 それでは、このケーブル開通に伴ってのいろいろ運用問題は、これからの問題としてお考えになっておる問題だろうと思うのです。特に機構面で——特に国際電電会社の機構として、たとえば運用部門だとか、あるいはこれに関連する管理部門であるとか、あるいは保守部門であるとか、国際電電会社の機構上は、どういう対策というか、構想を持っておられるのか、お聞きしたいと思うのですが。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) ただいま、まだ具体的に、この海底線開通に伴う機構の変更ということについては、固まったものがございませんけれども、構想といたしましては、すでに御推察のとおり、特殊の機械施設の部分が関門局にできてまいるわけでございますから、その機械施設の保守あるいは運用には、また特別の配慮が必要になってまいります。そこで、本社段階の管理部門にはたいした変化はございませんけれども、いわば直接その施設を保守運用するその部門では、何らか、えば現在、短波のほうの施設につきまたとして調整を担当いたします調整所、電信調整所とか、電話調整所というものがございますが、それに似たような一つのセクションが必要でないかと考えて、いまいろいろ検討しておるところでございます。

久保等日本社会党

○久保等君 七月予定のところ、若干繰り上げて開通せられるという予定になっておるようですが、そうすると、そういう現場段階と申しますか、現場部門でいま一応考えられる機構あるいは人員の配置がえといいますか、そういったようなこと、具体的に言いますと、要員の面等ではどの程度になりますか。たとえば開通時における要員の…………………。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) 大体三十名程度の要員があれば十分ではないかと考えております。

久保等日本社会党

○久保等君 それは、先ほどお話のあった調整所だけについての人員ですか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) さようでございます。陸揚げ局の、たとえば二宮でございますが、こういうのは別でございます。現に二宮には所要の必要な要員をすでに配置してございます。

久保等日本社会党

○久保等君 その二宮の陸揚げ局あたりは、これは実際、試験期間自体がもうすでにそういう段階に入っているから、そういう点でもうすでに要員配置していると思うのですが、ですから、そういったものを全部含めて、新規に六月十九日ですかの開通時に、この日米海底ケーブルの敷設されたことに伴って新しく配置される要員、まあたいした人数にはならぬと思うのですが、いまの三十人というお話ですから、総合計するとどのくらいになりますか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) まあ五十名以内でいいんじゃないかと考えております。なお、この要員の配置につきましては、先年来このことあるを予測いたしまして、それぞれ技術者の訓練等いたしまして、すでにその所要の人員は大体もう用意ができております。

久保等日本社会党

○久保等君 それから、先ほどもちょっとお尋ねをいたしました中でお答えがあったのですが、この従来の無線の通信をいわば海底ケーブルに切りかえられるということに、簡単に言えばなると思うのですが、したがって、そうなれば、技術的な要員の問題にしろ、あるいは運用の面もあるのかもしれませんが、相当この要員面については、訓練というものを計画的におやりになっているのだろうと思うのですが、あるいはまた、これからやられる面もあるのだろうと思うのですが、そういったようなことでお進めになるその計画というものは、どのくらいの間に、期間的には、太平洋ケーブルがフルに結局運用されるということになるまでには、どの程度の期間が要るのか。それから要員の訓練、まあ再訓練というか、訓練計画なり、そういったようなものはどういう状態になっておるのですか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) ただいまお答え申し上げましたような程度の要員でございますので、すでにその所要の要員につきましては、それぞれ訓練を大体もう終わりつつあるところでございます。将来またそれは増員ということもございましょうから、その将来の訓練も必要になってきましょうけれども、そういうわけで、その点はまず六月の開通時から支障のないように運用できるつもりでございます。  なお、無線を切りかえると申し上げましたが、無線の設備そのものは、いわば何といいますか、スタンバイの形で残しておきますから、そのほうの要員は大体現状どおり、ずっと残っていくわけでございます。

久保等日本社会党

○久保等君 そうすると、開通と同時に切りかえるというか、海底ケーブルそのものはフルにもう稼働することになりますか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) この海底線が、実は、電話線にいたしまして百二十八回線取れる回線でございますので、これは全部フルに、開通と同時に消化し切れません。相当のものが予備線として将来の需要に待機しておるということになろうかと思います。

久保等日本社会党

○久保等君 ですから、予備線として待機されるということは、これはまあそれはそれでいいのですが、ただ、だから現用すべきものは開通と同時にこれを使って、たとえば半年なら半年、三カ月なら三カ月という期間に逐次切りかえていくというのじゃなくて、開通時に全面的に海底ケーブルに切りかえられる形になるわけですか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) ただいまの計画では、開通時に、電話は十四チャンネルぐらい、電信は二十チャンネルぐらいをケーブルでやる計画になっておりますが、これだけといたしますと、現在の短波通信でやっているものは、全部ひとまずケーブルの中に収容がえになります。

久保等日本社会党

○久保等君 そうすると、当分はこのままずっといくということで、さらにそれが増設されるという計画は、いまのところはないということですね。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) ケーブル自体を増設する必要は当分ないと思いますが、ケーブルを利用する内容はどんどんふくれていくだろうと思います。

久保等日本社会党

○久保等君 これは三十九年度について、私のお聞きしているのは、回線増設の話をお尋ねしているのですから、ただいまお話のあった以上の増設というものは、たとえば、この本年度ですね、回線増設は予定がないと理解してよろしいのですか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) 本年度はただいま申し上げた回線で十分だと思います。

久保等日本社会党

○久保等君 この海底ケーブルが開通になるに伴っての措置は、大体いまのお話で理解されるのですが、加えて何か、グアムとフィリピンとの間の計画がやはりあるようですが、この計画については、その施設をつくる、すなわち、海底線の敷設等、これは日本のほうでは直接担当するのじゃないのだろうと思うのですけれども、まあ言いかえれば、東京からマニラの間、この海底ケーブルの現在の進捗状況というものはどんなふうになっているのですか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) グアムからマニラに延長されますケーブルは、本年一ぱいに完成する予定になっております。そういたしますと、来年度早々から対フィリピンの国際通信は、東京からグアムを経由して海底ケーブルによりましてマニラに届く、あるいはマニラから東京に届く、こういうことになるわけでございます。

久保等日本社会党

○久保等君 この工事そのものは、一切ATTだけでやられるのですか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) さようでございます。

久保等日本社会党

○久保等君 これは本年末ということで、これはまあおおよその見込みなんだろうと思いますが、現在、東京とマニラの間には、もちろん無線でやっておられるのだろうと思いますが、これもそうすると、ほとんど無線はこの海底ケーブルに切りかえられるということに相なりますか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) 仰せのとおりになろうかと思います。

久保等日本社会党

○久保等君 東京マニラ間の通信というものは、大体どの程度の量が現在あるのですか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) ただいま、これは一九六二年の統計でございますが、六二年四月から六三年の三月に至る一年間の統計でございますが、電報でございますと、日本に入ってきますものが十一万八百九十三通、日本から出ていきますものが十一万四百九十二通でございますから、合わせて二十二万通強ということで、これが一九六三年三月に終わる一年間の通数でございます。  それからテレックスにつきましては、これはコール数でございますけれども、日本に着しますのが一万三千八百八十五コール、日本から出ていきますものが二万五十コール、合わせて三万三千コールくらいの見当までございす。

久保等日本社会党

○久保等君 これは金額的に見ると、どの程度の金額になるのですか。おおよそでけっこうでございます。きわめて概数でけっこうです。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) ちょっと合計をした数字が出ておらぬのでございますけれども、フィリピンと日本との間の電報につきましては、大体一通当たり六百二十円余りの取り分になるという計算でございます。そのほか、テレックスはちょっと高いかと思いますが、テレックスにつきましては、おそらく三千円くらいの取り分になると思います。それが一通あるいは一コールのあれでございます。それでそれを計算いたしますと出るわけでございますが、持っておりません。

久保等日本社会党

○久保等君 ただいまの東京−マニラ間の海底ケーブル化の問題ですが、もちろん東京−グアム間は別に必要ないのですけれども、これは太平洋横断ケーブル、それの建設計画の一環として当初から考えられておった計画なんですか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) 太平洋ケーブル計画の一環ではございません。全く新規に出ました計画でございます。

久保等日本社会党

○久保等君 いつごろ計画せられたものですか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) はっきりした時日は覚えておりませんが、昨年の春ころではなかったかと思います。

久保等日本社会党

○久保等君 この問題は、そうすると、今後の保守その他の問題についても全然日本はノータッチという形になるわけですか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) ノータッチというわけには実はまいりません。つまり、グァム−マニラ線に日本が所要の回線を独占して使用いたしますから、その回線数に相当する比率でやはり保守、償却その他の費用は分担することになります。

久保等日本社会党

○久保等君 そうすると、建設費というものはどの程度負担することになりますか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) 大体ただいまグァム−マニラ間、あるいはむしろ、東京マニラ間と申し上げたほうがいいのかもしれませんが、マニラまでの回線に十一回線、それからマニラ以遠の通信に十一回線、二十二回線を確保しております。これに対する費用は多少入り繰りがございまして、というのは東京−グァム間につきましては、先方側にむしろこっちの持ち分を半分買い取ってもらうということになりますので、そういう入り繰りをいたしますと、純インベストメントは七億一千万円くらいということになります。

久保等日本社会党

○久保等君 そうすると、保守等についても、これは東京−グァム間と同じような扱い方になりますか。それとは違った形になりますか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) 少し様子が違います。と申しますのは、今度は単に回線をいわば独占使用という形で取るわけでございますから、経費−金の面でその保守、維持費を負担しますけれども、保守したり維持したりする直接の作業は、これはATTとフィリピンの会社とが受け持ってやることになっております。

久保等日本社会党

○久保等君 そうすると、これも建設保守協定みたいな協定を結んだのでしょうか。それは関係者——どことどこがいつ協定を結ばれたのですか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) ただいま申し上げましたように、建設、保守の実際の仕事自体は、こちらは関与いたしません。ただ、経費を分担するだけでございますので、太平洋ケーブルの場合のような保守建設協定というものは結びません。ただ、いま申し上げました二十二回線については、回線をほとんどこれはもう所有権に近いくらいの強い権利で使用権を取りますので、その使用権をこちらに譲り受けるということについての契約書は、ATTと、もう一方の相手方でありますフィリピン・ロングディスタンス・テレフォン・カンパニーというのがございますが、これとの間に契約書を取りかわしております。

久保等日本社会党

○久保等君 それはいつごろ取りかわされたのですか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) 一九六三年十二月十六日に契約を締結いたしております。

久保等日本社会党

○久保等君 それでは、次にお尋ねしたいと思うのですが、さらに東南アジアの海底ケーブル敷設について、いろいろ関係国間でお話し合いをされてまいっておるようですが、つい最近も三月の下旬に、何かそういう国際会議をお持ちになったようですが、郵政省からもらった資料によりますと、一応予備会談的なものはもうこれで打ち切る。これからはさらに具体的な実施問題について話をしていくとすれば話を進めていくというようなふうな資料をちょっと拝見したのですが、二回ばかり国際会議をお持ちになっているのですが、そのことについて、ちょっと概括的な御説明をお伺いしたいと思うのです。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) ただいまお話のございました二回の東南アジア・ケーブル会議、これは御承知のとおり、郵政大臣が招集されまして、郵政省主催で行なわれまして、私どもはいわば専門家というような資格でオブザーバーみたいな形で参加をいたしましたのでございますけれども、もともと、この東南アジア地域にこういった新型の広帯域の海底ケーブルを敷く必要があるという問題は、御承知の国際電気通信連合のプラン委員会というのがございますが、これで一九五九年の東京の会議、それから一九六〇年のニューデリーの会議で採択をされております。しかし、国際電気通信連合は、いわばこういう海底ケーブルの必要があるといいますか、それは大体望ましいものであるというか、そういう程度のものでありまして、そのプラン委員会できめたからといって、直ちにそのケーブルが実現するわけではございません。ケーブルをつくるには、関係国がほんとうに具体的に合意しまして、具体的にそれぞれ所要の資金を拠出することを約束しなければ、なかなかこれは問題になりません。  そこで、郵政大臣の招集されました一昨年の会議と、それからこの春の会議では、関係国が東京に集まりまして、こういうケーブルはITUのプラン委員会では一応リコメンドされてはおりますけれども、具体的にこれを取り上げるとして、ほんとうに実現性があるものであろうか、ないものであろうかということをいわば瀬踏みするような会合が第一回でございました。  第二回のこの春の会議では、もう少し突っ込みまして、大体このケーブルが望ましいということについては、各国異存はない、望ましいとして、最終的にルートはどういうふうにして、そうしてまた、各国の負担分をどういうふうにすべきであろうか、建設のために何かいい方法はないかとかいうようなことについて、いわば自由討議のような形で議論が行なわれましたが、先ほど久保先生のおっしゃいましたとおり、これはいわばほんとうのフリートーキングで、予備的な会談にすぎませんでしたから、今後はこういう種の国際会合はもうやめて、今度はできるところから関係国の間で具体的に話をしていこうじゃないかということで別れました。  ただ、今度の会議で注目すべき事柄は、いままでは、もう一挙に東京からジャカルタまでという線を考えて議論したわけでありますけれども、今度はそれを、むしろ、区分に分けたほうがいいのじゃないか、たとえばマニラ、高雄、香港というような区間は一つの第一区分、それからマニラ、サイゴン、バンコクといったようなのが第二区分、バンコク、シンガポール、ジャカルタというのが第三区分、それから東京、台北、高雄、これは第四区分というふうに、東南アジア・ケーブルも一連の一体のものとしてもちろん考えるべきでありますけれども、建設の順序その他からいって、そういうふうに区分して考えたほうが好都合ではないかということが、皆さん同意されたようでございまして、これは今度の会議での注目すべき事柄ではないかと思います。ということは、暗にこのことは、どこからか、一番これだけのケーブルをつくる必要性があるところから先に着手するとしまして、その着手してできるケーブル区間が、いま申し上げました四つの区分から、どっから手がければいいかということははっきりしたわけでありますが、そういったようなことで、ただいま、まだ会議が終わって日もたっておりませんので、それを具体的にどこからどういうふうにケーブルを敷くか、どの国とどの国で話を始めるかといったような動きは全然ございません。

久保等日本社会党

○久保等君 主管省はもちろん郵政省−日本がしかも主催してやられた国際会議ですから、郵政省として、このことについてどういう構想でスタートされたのか、そういった建設構想なり、それからまた、今後の見通し等については、ひとつ郵政省のほうからもお聞きしたいと思います。

野口謙也電気通信監理官

○政府委員(野口謙也君) いま大野副社長の御説明にありましたように、第二回を行なったわけですが、今度の会議では、今後、第三回は行なわないで、この次、集まりますときには、区間に分かれるわけですが、どの区間かをやるということが、どこかの国から要求がありました際には、関係国だけで集まりまして、それで、もう少し具体的にその回線の内容とか、あるいは資金の問題とか、建設の期間とか、そういうことをきめることにしようと、そういうことで別れたわけでございます。現在までのところ、会議を終わったばかりでございますので、この次、どこの区間からどういうふうに取り上げるかというところまでは、まだ進んでおりません。

久保等日本社会党

○久保等君 先ほどの大野副社長の御説明で、在来の抽象的な考え方から一歩進んで、四区分をして一若干順位的なものをと先ほど御説明があったのですが、そういった点で、話がより一歩前進したように見受けられるのですが、ただいまのところ、その関係国間での熱意の程度にも、もちろん差があるでしょうし、いろいろそれぞれのふところぐあいもあることでしょうから、もちろん一度に全部手をつけていくというようなことはとてもできない問題でしょうが、比較的実現性のあるというか、近い将来においてこの話が具体的に進むという見通しが、いまのところあるのですか、ないのですか。

野口謙也電気通信監理官

○政府委員(野口謙也君) 今度の会議に集まってきました各国とも、非常に熱心にこういう回線は希望しておるわけです。ただ、将来の問題として考えられますのは、ケーブルは非常に安定した通信の手段でございますが、費用が相当かかるということがございます。それで、その資金の問題になりますと、実際には、これらの国々では、それぞれ相当苦しい問題じゃないかと思いますので、ケーブルを敷設したいという熱意はわれわれも非常に感じられたんですが、そういった金の見通しなどを考えまして、いますぐそれをやろうというような話は、まだないんじゃないかと思います。

久保等日本社会党

○久保等君 アメリカもこれに加わって会議に出られたわけですが、結局、アメリカの資金的な援助を仰ごうという考え方ですか。

野口謙也電気通信監理官

○政府委員(野口謙也君) いえ、アメリカのほうは、ただオブザーバーとして横で聞いておりまして、特にケーブル計画についての問題につきましては、資金的のことについても発言ございませんでした。ただ、われわれのほうでは、アメリカの出席によりまして、やはり最近、宇宙通信が非常に伸びておりますので、アメリカのほうからの説明の中で、将来、宇宙通信と海底ケーブルというものが両立していかなけりゃならないものである、そういう技術的な説明はアメリカのほうから参考意見として聴取いたしました。

久保等日本社会党

○久保等君 何か今後の計画というものは、そうすると、全然いまのところないのですか。

野口謙也電気通信監理官

○政府委員(野口謙也君) ただいまのところ、すぐにはございません。

久保等日本社会党

○久保等君 すぐになくても、多少、ことしはだめだけれども来年、来年もだめでも再来年、何か、それらについて、いまのところはないのですか。それとも、少し、さしあたってはないかもしれないが、若干先のあたりにはあるのですか。

野口謙也電気通信監理官

○政府委員(野口謙也君) さしあたって、これらの国の中でどことどこをまず第一にやらなければならぬというような情勢までには至っておりません。

久保等日本社会党

○久保等君 そうすると、具体的には個々の国の間での話も、いまのところは全然ないというのですか。

野口謙也電気通信監理官

○政府委員(野口謙也君) ございません。

久保等日本社会党

○久保等君 そうすると、最初予備会議のようなものを持った考え方というのは、一応寄り集まって話だけしてみようという程度のことだったのですか。

野口謙也電気通信監理官

○政府委員(野口謙也君) 今度参りましたのは、それぞれ通信主管庁の代表者でございますので、今度の会議の結果を持って帰りまして、おのおの自分の国でまた相談をする、そういう段階ではないかと思います。

久保等日本社会党

○久保等君 予備会談の一回と二回で出席のメンバーも出入りが若干あるのですが、ここらはどういう経緯であったのですか。

野口謙也電気通信監理官

○政府委員(野口謙也君) 前回は香港が出席いたしました。今回は香港は出席いたしておりません。

久保等日本社会党

○久保等君 それだけではないでしょう。

野口謙也電気通信監理官

○政府委員(野口謙也君) 出席いたしました国は、日本、中国、フィリピン、南ベトナム、タイ国、 マレーシア、インドネシア——それからカンボジアが初め出席の通知がございまして、途中で都合により中止いたしましたが、提案をしてまいりました。以上のような状態であります。

久保等日本社会党

○久保等君 それはわかっているのですが、だから、第一回の会議に出た、いまのカンボジアだけではなくて、シンガポールも二回目は来てないでしょう。

野口謙也電気通信監理官

○政府委員(野口謙也君) マレーシアになっております。

久保等日本社会党

○久保等君 だから、そういったことの理由が特別にあったかどうかということなんです。何か事情があったのかないのか。

野口謙也電気通信監理官

○政府委員(野口謙也君) 香港が参りませんでしたのは、向こうからは、今回の会議については、香港政庁としてはコントリビューションができないからという簡単な理由だけを言ってまいりまして、それ以上の理由はわからないわけでございますが、ほかの国につきましては、出席いたしております。

久保等日本社会党

○久保等君 いまの説明をお聞きする限りにおいては、ただいまのところ、具体的に、個別的に話を進めていこうという予定は全然ない、ただ、打診的な意味で関係国が集まって話をしてみた場合、金がない、金がないのは初めからどうせわかっている話であろうと思いますけれども。だから問題は、資金調達の問題なんかにしても、やる気になって考えているかどうかの問題だと思うのです。何か、せっかく、一回、二回を持ったが、あとのところはどうも何か、全然終わりだというような話なんですが、それは野口監理官がたまたま知らないのか、それとも、一体郵政当局として、こういったことに何らかの形で今後ともこれを進めようという意思があるのか、答弁ができなければできないでやむを得ないと思いますが、そこら辺を少しはっきりしてもらいたいと思います。

野口謙也電気通信監理官

○政府委員(野口謙也君) 今後この計画を推進していくにあたりましては、先ほど申し上げましたように、これは、今度の参加国の新興国としては非常に資金の問題に悩みがあるというふうに考えられると思います。そういった資金の支払いに対しましては、今後わが国としましては、あまり無理のない、合理的な支払いのできるような方法につきまして、延べ払いのようなものとか、そういうようなものを、政府の関係機関と相談しまして今後もきめていきたい、そういうふうに考えております。

久保等日本社会党

○久保等君 郵政省のほうの説明では、どうもあまりはっきりしないのですが、ただ国際電電の立場から考えて、東南アジアの、先ほど言われた国々との間の通信を将来確保どころではなくて、できるだけ通信の需要を拡充していこうというお気持ちがあると思うのですが、そういう立場から見た場合に、海底線をぜひむしろ積極的に敷設するような方向で今後やっていくべきじゃないかというように判断をせられるのか、まあこれはよりよい機が熟して敷設できるようになれば敷設をしてもいいが、というふうにお考えになっておるのか、東南アジア・ケーブル敷設の問題について、これは郵政省と国際電電とお打ち合わせになった、そういう総合的な意見でお伺いするとしても、若干無理だと思うのですけれども、国際電電の独自の立場というと語弊がありますけれども、国際電電としては、一体、現在直接海外通信の担当をしておられる立場から見て、経営的に、あるいは国際通信の今後の発展をさせていくという立場から見た場合に、どういうふうにお考えになりますか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) 先ほど野口監理官からのお話がございましたとおり、もともとこの計画は、郵政省のほうでお取り上げになって推進されてきているものでございます。私どもは、郵政省御当局の方針を体して、これをすみやかに具体化していくという点で準備を進めて、いきたいと思っております。ですから、このごろ、はやりのことばで言いますと、前向きの姿勢でおるわけでございます。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 関連して。これは、ただいま久保委員の質問に対しまして野口監理官の答弁を聞きますと、何か少しゴムぐつの横をつまようじでかくような、隔靴掻痒の感を感ずるわけですが、私も当委員会において、三十七年と記憶しておるわけですが、当時、東南アジア等の状況を見てまいりまして、英国の東南アジアに対する通信政策から考えて、日本としては手おくれにならないような政策を打つべきじゃないか、特に、いまお話しのとおり、金も相当要るでありましょうけれども、国策として考える筋合いのものじゃないか、そこで郵政当局はどう考えるんだ、こういう質問をいたしましたら、それはやるんだと、はっきり答弁をしているわけですね。当時の浅野監理官もその点言明して、私もやるものだと、こう理解しておったわけです。いまお話を聞くと、気持ちは多少あるようだけれども、どうもまだはっきりしてないと、こういうことのように、少し消極的に聞こえるわけですが、そうでなくて、明確にしてもらいたいのは、やはりこれはどこまでも国際電電に仕事をおまかせするにいたしましても、やはり問題は金の問題になってくると私は思うのです。したがって、これは国が相当めんどうを見なければやれない仕事だと私は理解するわけで、少しその面で国策としての、特に海外通信における日本の郵政当局の計画はいかん、こういう立場から当然私、計画があってしかるべきものだと思うのですが、先ほど申し上げましたように、最近の、いまの答弁を聞くと、何か後退をしたように思われるのですけれども、三十七年の当時の答弁は、はっきりやりましょうという答弁だったんですが、その方針は変わっているんですか。そういうように受けるわけですが。

野口謙也電気通信監理官

○政府委員(野口謙也君) われわれとしましては、後退はしておらないつもりであります。海外協力につきましては、最近は海外経済協力基金というものも政府のほうでできておりますし、われわれは、そういったところとも現在話し合いをやって、まあこういう仕事が非常に有意義であるということ等を、目下、大蔵省とか、通産省とか、関係機関とも話し合いをしております。ただ、どういった母体で、どういうふうな形でこれが行なわれるかというところまでは、まだ話が固まっておりませんので、現状はそういうことでございます。

永岡光治日本社会党

○永岡光治君 そうすると、私は、具体的に進められる経過そのものをここでお聞きしようとは思っておりませんが、再確認と申しましょうか、はっきりしていただきたいのは、日本の海外通信の国策の観点から、東南アジアにおける海底ケーブル通信といいますか、そういう問題については、郵政当局としてはぜひ必要だと、こう考えて、その資金面についても必要であれば相当これは考慮しなければならぬという基本線に立って計画を進めていくのだと、こう理解してよろしゅうございますか。

金丸信自由民主党郵政政務次官

○政府委員(金丸信君) ただいま永岡先生からおっしゃったとおりでありまして、ただ、野口政府委員が申し上げましたのは、資金というような問題で大蔵省と関係機関との折衝というようなことで、ことばが消極的であったかと思うのですが、方針には何ら変わりありません。

野上元日本社会党

○野上元君 私もちょっと関連質問したいんだけれども、国際電電会社が、あなたのほうの会社の定款に基づいて事業をおやりになるという場合に、それはあなたの国際電電独自の計画によってどんなことでもやれるのか。あるいは、あなたのほうとしては、一応採算ベースなどを考えて、それによってやっていくのか、それとも、国策的な見地からおやりになっていくのかですね。その点は、郵政省との関係は、あなたのほうの基本的な方針を決定する場合のイニシアチブといいますか、それはどちらがとられるのですか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) 国策的な見地からは、もちろん政府でイニシアチブをおとりになりまして、それに従ってそれを具体化していく仕事を私どものほうで担当するという場合もございます。しかし、国策ということばも、非常にこれは広い意味にとられますが、まあ、御承知の、国際電信電話会社が特別の法律でできているということ自体が、すでに業務が非常に国策的の色彩があるということを反映しているかもしれません。そういう広い意味で言いますれば、個々の回線新設とか業務の拡張とか、そういうことはもう会社で独自に自主的に計画をして進めます。けれども、この場合におきましても、郵政大臣の監督を受けている立場でございますので、事によりまして、特に重要な事項はすべて大臣の認可あるいは御承認を得た上でこれを実行に移すというふうな段取りになっております。

野上元日本社会党

○野上元君 もう一つ、それじゃお聞きしておきたいのですが、太平洋の海底ケーブルは、これを計画されたのは国際電電のほうで、それを郵政省の認可を得ておやりになったということになるのですか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) たいへんむずかしいお問いなんでございますが、ありようを申しますと、太平洋ケーブルの計画は、期せずして郵政省のほうでもお考えになり、われわれのほうでも考えまして、いわば両方の手が合わさって音が鳴ったようなかっこうで計画されたものでございます。

野上元日本社会党

○野上元君 そうしますと、太平洋ケーブルの場合は、郵政省と国際電電の息が、いわゆるあうんの呼吸が合った、たまたまうまく合ったというわけですが、東南アジアの場合には先ほどのあなたの計画発表からされますと、まず当面の重点は太平洋ケーブル、そして次には東南アジアの問題もあったと思うのですが、さらにまた、対欧の通信拡充強化という問題もあるでしょう。さらにまた、宇宙通信の問題もある。こういう問題は一応将来の計画の日程にはのぼっておると思うのですが、いま郵政省の答弁からしますと、東南アジア関係については、いまのところ具体的な計画はないと言っておられますが、これも国際電電のほうとしても、東南アジアは当面やるような気持ちはないということになると、これはやらぬというほうで、あうんの呼吸が合うということになるのですか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) その点は全く逆だと思います。ただいま政務次官あるいは監理官からお答えがございましたように、むしろ、郵政当局は非常に熱心にこの計画を推進していらっしゃると私どもは伺っております。それで、それを受けまして私どももいわば手ぐすね引いておるというかっこうでございます。

野上元日本社会党

○野上元君 そうしますと、国際電電としては、東南アジアの開発も、近い将来にやりたいという御希望があるのですか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) そのとおりでございます。ただし、一言添えますと、相手のある仕事でございますから、一人で、幾らいきり立っても、これは問題になりません。相手のほうでもやる気が熟してき、双方で話がだんだんと進んでくるということが、どうしても必要でございますので、そういう意味では、先般の第二回の会議は、非常に私は有益であったと思います。関係国の人はみんなこれで、この計画をいつの日にか実現することの必要性には、疑いを持つ人はなくなったと考えております。

久保等日本社会党

○久保等君 そうすると、この計画を将来進める場合、郵政省がやはり関係国間と打ち合わせるといったようなことで話が進んでいきますか。それとも、相手方の国の会社との間で、KDDが中心になって相談をされてやるのですか。従来のような国際会議はもうやらぬという、大体見通しのようですが、これから具体的に話を進めていく場合に、どういう形が予想されますか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) 御案内のとおりに、この計画の関係国は、ほとんど政府がまたその事業の責任者でもあり、通信は直営という国が多うございます。そういう関係もありまして、おそらく、郵政省のほうにアプローチのある場合も相当予想されます。しかし、いざ具体的に、どこの区間にどういう分担でケーブルを敷きましょうかということになりますと、当事者は、日本側は国際電電株式会社でございます。

久保等日本社会党

○久保等君 これから進める場合に、単独の相手方と具体的に話を進めていくようなことになるのか、それとも、やはり、一回、二回集まられた関係国には、ある程度の相談をしながら、第一段階をかりにやるにしても、話を進めていくようになるのですか。どういう方法が考えられますか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) やはり、何といいますか、最も必要性のある区間について、関係のある国の間で話が始まるのじゃないかと考えます。

久保等日本社会党

○久保等君 非常に積極的な御意思もあるようですが、当面やるとすれば、まず最初にやるところは、どういったところになりますか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) これは、非常にまたむずかしい問題でございますけれども、ただ、一般的に申しまして、この暮れには、東京からマニラまでケーブルが延びていきます。そうすると、いま、東南アジア地域で、一番、日本との間に通信の量の多く、また非常に忙しい区間と申しますか、それは香港でございます。あるいは香港を経由しての中国大陸ということになります。そうなりますと、まず常識的に考えますと、マニラまで延びた線を起点として延びていくのが、まあ最優先順位になるのじゃないかと思われますけれども、これは、私がそこまで断言いたすわけでもございませんし、相手のあることでございますから、何とも申し上げられませんが、一般的な情勢から言えばという、ほんの観測を申し上げますと、そうなります。

久保等日本社会党

○久保等君 通信量なり、それから普通の状態からいけば、それが一番優先順位になるというお話だと思うのですが、香港は、いままでの一、二回の会議の出席者の顔ぶれを見ても、最初には出ておりますが、二回目には出ていない、そういったようなことから、これは一種の取引というか、商売ということになるでありましょうし、また、いろいろ、それこそ、国の政策的な問題もあるでしょうから、簡単にはいかないと思います。そういう点で、いま副社長の言われた香港という問題は、そういう点から見ると、ちょっと、どうかなあという気がするのですが、その次あたりの場所といったら、どこになるのですか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) その次となりますと、もう五十歩百歩で、どうもとにかくできるところから先に手をつけるというようなことになるのじゃないかと思います。

久保等日本社会党

○久保等君 それから、これは郵政省がむしろ考える問題だと思うのですが、しかし、先ほど来の話を聞くと、何かきわめて、あうんの呼吸がよく合うようですから、これは国際電電の副社長にお聞きしてもお答えいただけるかと思うのですが、東南アジア海底ケーブル敷設という、まことに画期的な大事業を進めようとする場合には、やっぱり東南アジア全体の総合的な計画を考え合わせながら、いま言われたような、ある程度順序を追ってやっていくということに、現実的になると思うのですが、先ほど、たまたま具体的な例で申し上げた、たとえばケーブル敷設艦の問題についても、いろいろ関連があるのだろうと思う。これはきわめて小さな一つの具体的な例だろうと思うのですが、したがって、そういう全体の問題について、日本は日本なり、郵政省といわず、それから国際電電といわず、一つの構想というか、もう少し何か固められる必要があるのじゃないかという気がするのですが、もちろん国際電電は、特に営業上の立場からも、これは最も大事な問題ですから考えられるだろうと思うのですがそういったようなことについて、何か一つの、もちろん相手があることですから、相手と折衝しなければならぬことであるけれども、といって、いまの程度の話をお聞きしたのでは何か雲をつかむような話でもあるし、しかしまた、大野副社長の話を聞くと、きわめて、何か、腹の中に具体案をお持ちのような、積極的な口吻にも聞き取られるのですけれども、何か、そこらの総合計画といったようなものを、もう少し具体的におつくりになることは考えておられるのか、どうなんですか。これは郵政省と両方から、ひとつお聞きしたいと思うのですがね。いまの状態だと、何か、情勢を見ていて相手方が積極的になったところからしてくれば、こっちもひとつ積極的にいこう、相手方の動きも見て、こっちもひとつ考えていこうというふうにも受け取れるし、大野さんのお話を伺っていると、いや、こっちがひとつ積極的にむしろ相談を持ちかけていって話を進めるというようにも受け取れるのですがね。だいぶ、そこらニュアンスの違いが、少なくともお話を聞いておって感ずるのですがね。そこらの、要するに、どっちが主体的になって積極的になろうとするのか。郵政当局のほうの説明も、大野さんの言われたことと同じだというなら、こちらが中心になって積極的に働きかけていこうというようにもとれるのですけれども、どういう今後の見通しをお持ちになっていますかね。

金丸信自由民主党郵政政務次官

○政府委員(金丸信君) 先ほど来から、このケーブルの問題につきまして、非常に郵政省は消極的だというような、雲をつかむようなことだという御批判を受けておるわけでありますが、郵政省が主体になりまして東京へ招集した、これはあくまでやりたいということで、そういう挙に出たわけでありますから、ただいま大野さんのおっしゃるように、あくまでもこれはひとつやりたいという考えで、われわれは進みたいと思いますし、また、国際電電と緊密に連絡をとりまして、今後どうすべきかというような点につきましても、対外的な問題もありますし、国内的な問題もありますし、両方相合わせてひとつ遊んでまいりたい、こう考えております。

久保等日本社会党

○久保等君 この年度ぐらいに何か、ある程度の案をもう少しまとめるという作業をやっているわけじゃないのですね。

野口謙也電気通信監理官

○政府委員(野口謙也君) 年度内というような期限は切ってございませんが、この問題は、先ほどからのお話にありますように、相手方の出方の問題もございますし、それから、わが国としての資金援助というような、援助構想をある程度固めなければ、積極的に働きかけましても、なかなか、ものにならないのじゃないか、そういった点を国内で固めていく点もございます。そういったことがたまたま固ったら、どの区間か、まず最初にやる区間の国が集まりまして、建設委員会ともいうべきものをつくりまして、その中でもう少く具体的なものを、技術的なものを固め、同時に、それから資金的なものまで、分担まで固まってくると思います。そういったことでやりたい、そういうふうに考えております。

久保等日本社会党

○久保等君 この年度内ぐらいに建設委員会みたいなものを持つぐらいの一応腹を持っているのですか。

野口謙也電気通信監理官

○政府委員(野口謙也君) いま申し上げましたように、相手の問題もございまするが、われわれとすれば、順調に進んでいくものとすれば、当然年度内ぐらいに何かのスタートをしたい、そういうふうに思っております。

久保等日本社会党

○久保等君 それはどこを相手にですか。

野口謙也電気通信監理官

○政府委員(野口謙也君) 先ほど大野副社長からの話もございましたように、現在の通信量などから考えていきますと、マニラまで日本から延びていくわけですから、実際、マニラを起点にした回線をつくらないと、たとえばインドネシアとシンガポールというようなものを、回線をまずつくりましても、実効が薄いわけですから、日本からつながるところから考えていくというのが、日本とすれば順序じゃないかと考えます。それくらいのところでして、それ以上の構想はまだ進んでおりません。

鈴木恭一自由民主党

○鈴木恭一君 だんだん話を聞いておりますと、同じところをぐるぐる回って、抽象的な議論に終わっておるのですけれども、実際問題としてわれわれが心配するのは、これは大きな国策としてやるか、あるいはコマーシャルベースに合った形でいくか、いずれかでなければならぬと思うのです。そこで、今日まで太平洋については、国際電電としましては、そういう点を考慮された上にあうんの呼吸が合ったというふうな形でお話しになっておるのかもしれぬ。しかし、これはどこまでも、私は、国際電電が——KDDかおやりになる限りにおいては、株式会社でございますし、そのお金のことがまず先に立って投資なさったのだろうと思いますが、また、そうでなければ、私は、これは実現しなかったと思う。いま政府が主体になって、いろいろ東南アジアのことを抽象的にお考えになっておるが、いろいろ予算の面も大蔵省と折衝しなければならないというお話も政務次官から聞きますが、一体、この問題を、どういう態度で臨むかということが、私は政府として最も大きな問題だと思うのです。この態度さえきまれば、具体的な問題に取り組むことができるのでありますが、それがきまらないで、敷きたいの、敷きたくないのと言ってみたところで、結局、いつまでたっても、壁にかいたもちで、実現が非常に困難じゃないか。そこで、政務次官、政府としては、どういうふうな形で東南アジア・ケーブルというものに対処しようとなさるのか、その辺のお気持ちをお聞かせ願いたい。

金丸信自由民主党郵政政務次官

○政府委員(金丸信君) 政府といたしましても、郵政省といたしましても、各機関と緊急にひとつ折衝をいたしまして、これを進展するように持ってまいりたい、こう考えております。

鈴木恭一自由民主党

○鈴木恭一君 おそらく、私は、国際電電がやるなんということは東南アジアに対しては不可能だと思います。これはもう、非常に会社の景気はおよろしいようですが、これを負担する能力というものはあり得ないと思います。そうすると、何とかして国策でいかなければならぬ。ぼやぼやしておりますと、コモンウェルズのほうがどんどん北のほうにのぼってきやしませんか。そうしたときに、東南アジアの通信はイギリスの手に落ちるそういうふうな点を十分政府はお考えになって、ぜひこれに対して対処していただきたい。人を呼んで打診するということもけっこうですけれども、その前に、政府が態度をきめることが最も大切だと思います。そういうふうなポリシーの上にひとつこの問題をのっけてもらいたい、私はそれをお願いしておきます。

久保等日本社会党

○久保等君 私も、その重要な一つの政策というか、東南アジアとの問題については、単に日米海底ケーブルの延長だくらいのような、かような考え方じゃ、やはり済まされない問題だと思います。したがって、いま政務次官なり、あるいは監理官のほうから御説明があったけれども、私は、そのことで了解などという形にはまいりませんし、いずれまた、郵政大臣等にも出席を願ってお尋ねをしたいと思いますがね。しかし、単に委員会で尋ねることが目的じゃない。やはり一つの方針というものを明確にする必要があると思うのですよ。一昨年、少なくとも第一回の会合を持たれて、一年置いてことしも持って、それで、予備会談はこれでもうやらない。あとは具体的な話を建設委員会みたいなものを設けてやろうじゃないかというようなところまで話が進んでおるのですから、そのこと自体が、一体どういう気持ちでおやりになったのか、お聞きしても、どうもあまりぴんとこないのですがね。だから、従来からの方針ももちろんあるでしょうが、同時に私は、今後の進め方の問題にしても、よほど一つの構想なり展望を持って、しかも、やはりやるなら相当計画的にやらなければならぬと思うのです。しかもまた、相当力を入れてやらなければならぬと思うのです。しかし、また、相手方という話がさっきも出たけれども、相手方がなかなかむずかしい国々です。いわゆる世にいう後進地域ですからね。こういった方面との特にいろいろ折衝等の問題については、よほど腹を固めて取り組んでいかないと、また単に商売だけで設けるのだという立場からばかりではいけないという問題も出てくるだろうと思うのです。ですから、そういう重要問題についてはもう少し、十分腹を据えて検討願わなければならぬのじゃないかと思うのです。  したがって、またいずれ、機会を見て郵政大臣からお伺いしたいと思うのですが、まあ、きょうの委員会の空気その他も十分考えてもらって、足元に火がついたような、きのう、きょう起きた問題ではないので、一昨年あたりから郵政省もそんな第一回の予備会談を持たれたことも考えると、国で何とかしなければならぬという気持ちを持ってやり始めたと思うのですけれども、国際電電のほうでは、日米海底ケーブルの問題から、さらに東南アジアケーブルということで、非常に前向きの姿勢で積極的にお考えになっておるようですけれども、しかし、やはり国際電電だけでは手に負えないというか、私は非常に大きな問題だと思う。したがって、国際電電は国際電電の立場で御検討いただくこともけっこうだろうと思うのですが、しかし、国際電電だけにまかせておけば、大きな日米海底ケーブル式にいくだろうというふうには考えられないと思うのですよ。企業的な面から考えても、確かに、いま鈴木委員の言われたような、何といいますか、経費の負担、財政能力、その他の問題もこれはあると思います。それからまた、そういったことを特にやったがために、一体、今後の国際電電の経営全体がどうなっていくのか、ここらの問題も考えていただかなければならぬと私は思うのです。したがって、いまのところ、どうもはっきりした答弁がないから、それに対しては質問のしようもないけれども、ただいままでの答弁の程度では、これは私は話にならぬと思う、結論から申し上げれば。したがって、そういう郵政省が状態である中で、国際電電にさらに具体的にお尋ねをしても、あまりたいして、きょうの段階では意味がないのじゃないかと思うのですが、したがって、もう少し日本として、東南アジア方面の通信、特に海底ケーブルの問題についてどう取り組んでいくかという問題については、もうちょっと郵政省あたりのところで方針を明確にする必要があるのじゃないか、この点だけを特にひとつ注文をしておきたいと思うのです。またいずれ、機会を改めて御説明も願いたいし、考え方もひとつ御披露願いたいと思うのですがね、郵政省として。その点をお願いをしておきます。  それじゃ、次に話を進めてお尋ねをしたいと思うのですが、先ほどちょっと大野副社長からの無線通信についての御答弁の中で、特に無線の場合に電波伝搬の故障というか、そういったような問題が、太陽黒点と関連して、最近非常に多いし、そういったようなことについての技術改善といいますか、そういったようなこともお考えになっているというお話もあったのですが、これは具体的には、どういう方法が最近なされているのか。また、これに達する要員等の措置等も、何らか手当てをされて具体的におられるのですか。何かそういうことについての具体的な対策等をお立てになっておやりになっておる面があれば、実績に徴して御説明を願いたいと思うのですがね。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) 御承知の、対欧通信は北極光の地域を電波が飛んでいきますので、特に太陽活動の影響を受けます。それで、もう少し南に下がったところのルートを通っていけば、それが避けられますことが技術的にはっきりいたしておりますので、これはイギリス側と話をしまして、昨年これはアデンに中継所を、これはイギリスの手でつくりました。私どものほうでそれの必要な経費を払って借用するという形をとりまして、いま冬場は、対欧通信の大部分は東京からアデン、アデンからロンドンとか、あるいは、そのほかのヨーロッパの諸地域に行く、そういうことになりまして、非常にサービスはよくなっております。そうして、そのほかの方面では、結局、この出力を増強するということとか、あるいはアンテナを改善するということとか、そういう問題が一番有効でございますので、その方面の改善を着々とやっておるわけでございます。

久保等日本社会党

○久保等君 そういったことについても、何か計画的におやりになっておるのか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) さようでございます。

久保等日本社会党

○久保等君 何か、その運用についての要員その他の問題については、特別の措置は必要でありませんか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) これは既存の施設を強化していくという措置でございますので、特に要員には関係ございません。そのほかに、むしろ要員の面で関係があるとすれば、続々と、できるだけ何といいますか、機械の動きを正確にし、そして人手をセーブするという意味の機械化をいろいろくふうしておりますので、この面からいわば要員がそのために減るということもないと思いますけれども、要員の負担過重が非常に軽くなるということはあると思います。

久保等日本社会党

○久保等君 いろいろとくふうをこらされ、また設備等も払充をせられて、国際電電も発足以来から見ると、非常に飛躍的な発展を遂げてきておると思うのです。これは具体的にお尋ねをするまでもなく、回線の増だとか、それからまた、通信のもちろん利用状況、あるいは資産的に見ても、あるいは資金的に、資本金の面を見ても、まあ最近、何か倍額増資もせられたようですし、そういったようなことで、いわば生産性をきわめて高めておられると思うのです。そういう点から考えますと、まあこれは最後的な問題としてお尋ねしたい問題だと思うのですが、例の従業員に対する給与並びに待遇改善の問題、このことについてお尋ねをすると同時に御努力を願いたいと思います。まあ本年の場合にも、労使の間におけるお話し合いもまだ妥結をするという段階には至っていないように承っておるのですが、その待遇改善等の問題については、いまの生産性とのにらみ合いにおいて、どんなふうにお考えになっておるか伺いたい。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) 給与、待遇の着実な向上をはかるということは、これは国際電気通信の仕事を安定した基礎の上に伸ばしていくという上に必要欠くべからざる条件だと考えておりまして、年々その面の改善につとめてきておる次第でございます。御指摘のとおり、この通信の分野におきます技術の進歩が非常に顕著でございますために、着々と新しい方式が取り入れられ、また、いわゆる機械化と申しますか、自動化と申しますか、そういう面も着々と進んでおりますために、これは要員の面、あるいは生産性という面から見ますれば、確かに非常に上がってきておるわけでございます。ただし、この生産性の向上は、いま申しました機械設備の面の改善、進歩ということと、それからまあ要員の方々のいろいろな努力ということもむろんありますけれども、そういう関係でございまして、とにかく、この要員問題がいつも安定して、しかも、みんな喜んでこの国際通信の仕事に精励する、そういうことが最も大事なことでありますから、自然これに関連する給与、待遇の問題が非常に大切になるということは、もうおっしゃるとおりでございます。そういう線で、今日までだんだん改善向上の事実を積み上げてきておる次第でございますが、本年は不幸にしまして、まだこの新年度に適用する新賃金の問題で妥結までには至っておりません。しかし、ほとんど連日、ここに出席しております山岸常務を中心にいたしまして話し合いを続けておりまして、私どもとしましては、一日も早くこれが円満に解決することを期待し、願っておる次第でございます。

久保等日本社会党

○久保等君 いまできるだけ早期に円満に解決をしたいという御答弁で、私もまあ全くそういうことだろうと思っておるのですが、ただ今日、いわゆる春闘というものは山を越したとさえ言われておりますが、しかしまあ、ことしの春闘の場合には、例の四月十七日の公労協の関係、まあこれも池田総理等の直接出馬した事態収拾なんかの努力もあって、一応四月十七日のストといったものは回避されるような情勢になっておる。しかし、もちろん問題は解決したわけではありませんし、これからも実質的には非常に重要な段階にむしろ向かっておると思うのです。しかし、いずれにしても、そういうこととは別に、純然たる民営の経営形態になっておる国際電電の場合、しかも、ただいまお話にもあったように、会社のいわば経営状態、これは俗なことばで言えば非常によろしい状、そういう状態でいて、なおおかつ問題が解決しないということになってくると、第三者の立場、一般の立場から見た場合に、どこに一体ネックがあるだろうか、どこが一体、そういうふうに問題がが解決していないのだろうという疑問を持つのは、私は当然だと思いますが、私も全然事情を知らないわけじゃないから、あまりわかり切ったことはお尋ねしませんけれども、要求にしても、去年あたり出た要求に対して、ことしの四月になって回答されたようですが、何か回答そのものもありきたりの回答をしているように受け取れるのですが、どういうようにお考えになりますか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) どうも、何もかも御存じの久保先生から尋ねられるので、たいへんお答えがむずかしいのですが、おっしゃるとおり、独占という非常に手厚い保護のある事業体でございますから、経営はおかげさまで、たいへん安定をいたしております。今日までのところ、この安定した経営のおかげで、いろいろサービスの拡充、改善、あるいは施設の改善ということも行なわれてき、また、要員の待遇改善も非常にずば抜けてということではないかもしれませんが、まずまず妥当な線で向上してきていると申し上げてもいいのではないかと思います。それで、ただいま申しました、非常に恵まれた環境にある、しかも、独占企業体ということにつきましては、私は常々組合の人にも申すことでございますけれども、おのずから、そこに待遇改善ということにやっぱりひとつの何といいますか、限界といってはことばが強過ぎますけれども、そういう何かあるのじゃないだろうか。たとえば純粋の自由競争の貿易会社等におきますれば、うんともうかった年には大入り袋を出すということもよろしいでございましょうが、そのかわり、非常な不景気が招来すれば、むしろ減給でも甘んじなければならないというふうなことも覚悟しなければならぬようなことがあるように聞いておりますが、幸いに、私どもの事業には、そういうことはなく、創業以来、毎年着実に待遇、給与の条件は改善されてきておる。それだけに、みずから守るべき節度と申しますか、何か、そういう少し謙虚な気持ちでこの問題を扱いませんと、いまだ解決していないのはどういうわけだと世間が疑うだろうというおことばは、そのま今度は飛び離れたことをいたしますれば、それこそ、私は、世間も、もちろん国会の諸先生も黙っては見てくださらないだろうと思うのです。ちょっと非常に言いにくいことをずけずけ申し上げて恐縮なんですけれども、そういう線で、まず、まあまあ常識的に見てこの辺がいい線ではないかというのを、ここ数年ずっと給与の面では続けてきてまいっておりますし、御指摘になりました今年四月の組合回答も、実はそういう線でいたしましたもので、私どもといたしましては、決してそれが他の一般の民間企業に比べて劣るというものでもないし、まあ、そのほか、どういう結論が出るのか知りませんけれども、私は、このたびの大問題の結論が出たといたしましても、そういう結論から非常に見劣りがするというものでもないのじゃないかというように考えております。そういうことは、これは立場の相違もありますから、一方的に私がそういうことを申し上げましても、もろん組合の人にはそのまま受け入れられないかもしれませんし、あるいは久保先生の御満足を得ることはできないかもしれませんが、いろいろと考えまして、常識的にまあまあというところでいって、しかも、それをステディーに毎年上向線をたどっていくようにするのが、私どもの会社の職員の人たちに対する待遇のきめ方ではないか、さように考えておりますので、またいろいろと御指導はいただきたいと思いますが、現状はそういうことでやっておりますので、御了解をいただきたいと存じます。

久保等日本社会党

○久保等君 だから、国際電電の場合に、給与等の問題について、一体、どこをおおよその基準というか、めどにするかという問題、これも私は経営者の立場では十分お考えを願わなければならぬ問題だと思うのです。いまの大野副社長のお話は、国内の一般をながめてのところにめどを置いたお話で、確かに、国内的に見るなら、どうも国際電電だけ何であんなに給与がいいのだろうという批判も、かりに非常に飛び抜けている場合には、その批判が全然ないとは言えない。しかし、やはり事業の性格なり、そういったことをまず私は中心に据え、なおかつ、高い配慮も必要だろうと思います。と思いますが、もっとも国際性の強い事業というものは、おそらく、国際電電以上に強いところは私はない、どこにもないのじゃないかと思うのです。  要するに、先ほど来いろいろお尋ねした日米海底ケーブルの運用一つをとってみても、もしもしと言えば、出てくるのはやはりアメリカの相手国、こっちで、はいはいと言って出るのも、また日本の国際電電の従業員の諸君だろうと思うのです。そういう同一労働という面でいくならば、これほど国際性の強い、しかも、非常に比較をするのに国際的な意味での比較をしなければならぬ要素の強い事業というのは、あまりそう例が多くないのではないかと思うのですよ。だからやはり従業員の立場からするならばそういう国際性の強い事業体の場合には、やはり国際的な立場もこれは考慮に十分に入れなければならぬと思うのですが、特に最近は、それでも日本もいろいろ経済成長の過程の中から、最近は欧州並みだとかなんとかいうことは、口の先にしろ出てくるというような情勢にもなっていると思うのですよ。だから、ここ四、五年前の情勢と、よほど違った客観情勢も私は出てきていると思うのですよ、それからさらに、経済政策的な面からいくならば、国内経済政策の面も、われわれから言えば、それこそ、池田内閣の経済政策の失敗だと思っているのですけれども、非常な物価高、こういったこともまた、去年あたりと違った情勢があると思うのですよ。そういったようなことの情勢、あるいは世界的な情勢も、国際電電の場合には十分にやはり目を開いて判断をしていくべきだと思うのですよ。先ほど大野さんの御説明を聞くと、国内のほうをいやにあちこちながめられて、まずまずというところにめどを置いたというお話なんだけれども、去年あるいは一昨年あたりと同じ程度の判断——同じ程度の判断というよりも、まあ金額的な面で言うならば全く同じものを出していくという考え方に、私はいまのような情勢からいくと、少しどうも非常に気をつかってつかって、気をつかい過ぎて、結果から見るときわめて、失礼な申し上げ方かもしれませんけれども、何といいますか、むとんちゃくというか、きわめてこう消極的な給与改善に対する取り組み方でしかないと私は思うのですよ。だから、私も突拍子もなくうんと上げなさい、とにかく、あるだけの金を全部はたいて給与改善に全部回しなさいというところまで、極端なことは申しませんが、しかし、一体、設備投資なら設備投資をやられて、あるいは設備の改善のために、設備の更改あるいは取りかえ等をやっておるのですが、もちろん、設備投資も私はけっこうだと思うのですよ。がしかし、それもはたして適正な設備更改をやっておられるのかどうか。あまりそこまで私は差し出がましくお尋ねしようとは思いませんけれども、何かやはり、私は設備投資も大事だけれども、従業員の待遇改善という問題については積極的であるべきだし、また、時と場合によれば、大胆にやっていいと思うのですよ。ただ、しかし、国際電電だけが、何か世の中とかけ離れてひとりよがりにやっているわいと言われる批判は、もちろん気にしてもらうことはけっこうだと思うのですけれども、しかし、いまやっておられる程度がまずまず妥当な線だとは、どうもちょっと受け取れないのですよ。だから、私はもう少し積極的にやられていくべきじゃないかと思うのですよ。  さっきのお話程度のことは、これはNHKもわれわれのところで予算を特にあそこは審議するところですから、ことしの委員会でも、予算の審議を通じて申し上げたことですけれども、やはりいろいろ企業努力をやられて、もう少し従業員をふやすべきところを、いわゆる技術革新という方法で、ずいぶんセーブせられているように見受けられるわけです。非常な事業の伸び方にすれば、増員したものはほんの一割程度、十年間に一割程度ぐらいしかふえておらないし、まあ、そういう点を考えると、やはり従業員の努力というものを相当高く評価すべきだと私は思うのです。そういう点からいくと、いまの給与程度がまずまず妥当のところだ、ことし出した回答も、あれがまずまず常識的なところだというのは、私はちょっとどう考えても受け取れないと思うのですよ。立場立場が違うからという御説明も、ちょっと、さっきあったのだけれども、そう立場違いを私は言っているのじゃなくて、もう少し立場が違うなら、ものの言い方があるのですが、むしろ、経営者の立場を−きょうは経営者を相手に話すのですから、経営者を中心に考え方をお尋ねしているくらいなんです。何か去年出した回答を、ことしも同じように出されたという点については、どうも積極性に欠けるのではないか。もちろんそれがふところぐあいでやれないということではないことは、大野副社長がはっきり肯定されております。そうだとすれば、何とかやはり紛争状態というものを−これはまあ紛争状態ですが、一日でもやはり早く解決しようという姿勢で取り組んでいくべきだと思うのです。  そのことについては、おそらく、郵政大臣も、この前ちょうど四月半ば、この委員会に御出席になって、国際電電の問題についても私はお尋ねしておいた。大臣からも、国際電電の場合については、公労協問題とか云々の問題とは全然別個の問題だし、したがって、国際電電として十分に大いに自主性を発揮してやってもらうことを期待しているのだという御答弁もあったくらいです。当然それはそうだと思うのですが、もう少し積極的に給与改善をお考えになるべきじゃないかと思うのですがね。きわめてあまり具体的ではないけれども、私のお尋ねしようとする気持ちは、よくおわかりになったと思うのですが、早期解決について、もう少し積極的に御努力をしてもらいたいと思うのですが、どうでしょうか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) たいへん御理解のあるおことばでございまして、ありがたく拝聴いたしました。さらに、円満妥結をすみやかにはかりますよう努力を続けたいと存じます。

久保等日本社会党

○久保等君 生産性の点からいっても、それから従来からの経営の経過を見ましても、数字的にそのことははっきり、私は裏づけと説明ができるような気がするのです。私、その点はお尋ねしなくても、事情は大体、経営的な内容についても、少し調べたものですからわかっておりますから、お尋ねしませんけれども、そういったことについては、したがって、繰り返しお尋ねするようなことはしませんが、いまお話があったように、やはり改善について、もう少し積極的に私は取り組んで、ひとつ社側の回答金額も、すでに一応は四月半ばに出した回答に出ているようですが、それと要求との間を見ると一相当な開きがあります。したがって、そのことについて、もう少しひとつ積極的に、それこそ、その間の格差を縮めて、早期妥結をするように、より一そうの御努力を繰り返してお願いしておきたい。  それからお尋ねしますが、話が全然違う話なんですけれども、オリンピック関係の通信について、いろいろ対策をお立てになっているようですが、この国際通信の問題と同時に、最近、非常に国民の注目を浴びている問題の一つに、例の衛星を使って国際オリンピックの実況放送をやろうという話も出ているのです。この問題については、なかなか、アメリカ等の相手があって、はたしてそれが実現できるかどうか、疑問が持たれている状態なんで、したがって、確定的なことを前提にして、お尋ねするわけにはならないのですけれども、そのオリンピックの実況を中継するとすれば、これは当然、国際電電の非常な協力と負担というものがもちろん必要だと思うのです。したがって、その場合に、国際電電の、そのことによる、何といいますか、対価というか収入、そういったことは予想されますか。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) このオリンピックの場合に、これを衛星によって海外に中継放送ができるかどうか、いま非常に微妙な段階にあるように私は承知いたしております。非常に幸いにしてこれが実現できたといたしましても、どのくらいの収入がありますか、ちょっと見当が立ちませんが、そう大きな数字になりませんし、全体から見ますと、特にこれを取り上げていくほどのものではないかと思っております。

久保等日本社会党

○久保等君 その可能性がいまのところは非常に困難だと思っておりますから、私、きょうのところは簡単にしておきたいと思うのですが、しかし、ものの考え方として、国際電電がそういう、国際というより、世界放送をやることについて協力をするという場合については、それに対応する相当なやはりペイをしてもらわなければならぬ筋合いのものだと私は思うのです。金額の多寡は別問題として、そのことについて、これはそれこそ郵政大臣のほうに聞かなければならぬ問題ですが、大臣がいないものですから聞けないですが、監理官、どんなふうに考えますか。

野口謙也電気通信監理官

○政府委員(野口謙也君) オリンピックの…………。

久保等日本社会党

○久保等君 オリンピックの実況中継を通信衛星を使ってやったら、もちろん、国際電電の事業の宇宙通信施設、そういったものを使ってやらざるを得ないのですが、そういった形でやった場合に、国際電電に対しても−その諸外国から取りますね、放送料というかそういったものを取った場合に、国際電電の施設を使っていることに対しても、それ相応の収入の分割を当然しなければならぬ、要するに、ただ使えばいいんだというような形にはならぬと思うのですが、その点どうですか。

野口謙也電気通信監理官

○政府委員(野口謙也君) 実は、衛星通信につきましては、リレー衛星、テルスター、これは実験の段階ということでやっておりますので、衛星通信による中継料というものはまだございません。いま、オリンピックにシンコム衛星が使えるかどうかということで、電波研究所からアメリカに行って交渉しております。それが使えますと、長時間にできるだろうと思いますが、それも実験の段階というふうにして使うものか、営業回線として使うか、その辺のことにつきましては、まだあまり可能性がはっきりしておりませんので、検討しておりません。

久保等日本社会党

○久保等君 検討しておりませんといえば、それっきりの話だけれども、検討しなければならぬ問題じゃないですか。

野口謙也電気通信監理官

○政府委員(野口謙也君) その見通しが、やれるという見通しがつきますれば、まだ日にちもございますので、施設のほうの準備とともに、その問題につきましても検討しなければならぬと思います。

久保等日本社会党

○久保等君 ですから、私の言っている考え方というものは、肯定されるのですか、されないのですか。

野口謙也電気通信監理官

○政府委員(野口謙也君) 今後検討してみたいと思います。

久保等日本社会党

○久保等君 要するに、実験段階である。確かにそれは、何というか、聴視料なり放送料というものは取れませんよ。だから、国際電電に幾ぶんかの収入を分割するということにはならぬです。しかし、少なくともこれが実用というか、オリンピックの世界中継というものが実現するということになってくれば、それに対して、もちろん、施設の一端は国際電電が負担をしているとすれば、収入の幾ぶんかは、その施設あるいはその他の負担に見合った形で、国際電電にも見返りとして収入として出すということは、これは常識だろうと思う。だから、まあ五分や十分実験放送やっていることについてどうこうじゃなくて、将来の制度上の問題として私は考えるべき問題だと思うのです。それこそ、国際電電のふところぐあいがいいとか悪いとかの問題じゃなくて、ただ使っていいということは、これはないですから、当然その問題については、はっきりした一つの考え方というものが必要だろうと思うのです。金額が多い少ないは別として、当然の考え方としてはっきりしなければならぬ。だから、そのプリンシプルを私はお尋ねしているのですから、あまり検討しなくたって、そのことについてはお答え願ると思うのです。

野口謙也電気通信監理官

○政府委員(野口謙也君) 実は、シンコム衛星を使う宇宙通信の実験については、まだ日本としてもやってないわけでございます。そのために、最初の段階は、おそらく、これはやはり実験だろうと思います。それが商品として価値があるということになりますれば、当然検討しなければならぬと思っております。

久保等日本社会党

○久保等君 それから、いまのは何も国際電電だけに限らず、これは電波監理局の問題になるかもしらぬが、NHKで放送する場合についても、これはNHK対ATTならATT、アメリカとの関係にもなり、あるいはアメリカ以外の国との関係にもなりますが、要するに、相手国との間に、その放送料に値するものを何らかのやっぱり、私は、営業上であるとかないとか別にして、こっちは犠牲を払って放送するのですから、それに対する何らかの対価というものは、これは受け取るべきだと思うのです。恒常的な営業としてやるやらないは別として、かりにオリンピックならオリンピックというものについての扱い方としても、ただ単に無料奉仕でやるなんということは、これは私はすべき問題じゃないと思います。これはNHKの問題が中心になるかもしらぬけれども、郵政省としては一そういう問題を総合的にやっぱり考えられて、単にそれは実験としてやられる場合は別ですけれども、そうでないことになれば、やはり一日に二時間三時間、かりに一時間だってやるということになれば、それに対するところのけじめははっきりしていかれる必要があると思う。単に国際電電だけの問題じゃなくて、オリンピックの国際放送の問題についての扱い方、取り組み方というものは、私はそうあるべきだと思う。だから、そのことについては、ひとつ十分考えてもらいたいと思う、考えておくべきだと思う。

野口謙也電気通信監理官

○政府委員(野口謙也君) 衛星の使用の方法にもよってきまってくると思いますが、現在までやっておりましたリレーなりテルスターにつきましては、アメリカの航空宇宙局との間の協定で、これは実験としてやるものであるということで、条件はお互に商業的な料金は取らないという約束のもとにやっております。今度シンコムをもし使えることになりますと、そのときの向こうとの協定の内容にもよってくると思っております。

野上元日本社会党

○野上元君 ちょっと関連質問さして下さい。いまの久保さんの質問に郵政当局からお答えになったのですが、かりにオリンピックの実況を中継放送する場合に、KDDの十王町の施設を使えるということになれば、そしてあれを利用するということになれば、NHKが自己の番組編成のためにやるということになれば、NHKは当然十王町の、KDDに対して、あれを使用する間、一定の負担をしなければならなぬと思うし、政府が法律に定められた国際放送を命令をもってやらせるということになければ、これは郵政省が当然KDDに払わなければならぬと思うのです。あるいはまた、KDDばかりじゃなくて、NASAに払うとか、あるいはその他の外国の施設を利用する場合も、これは払わなければならぬ、これは当然な話じゃないですか、そういうあれを使うということになれば。それとも、あれを使えるということになっても、郵政省としてはKDDの施設はただで使うのですかということを久保さんは聞いている。

野口謙也電気通信監理官

○政府委員(野口謙也君) 先ほど申し上げましたように、今後の使用方法をどういうふうにアメリカと協定するかによりまして、これがあくまでも実験を相互の間でやるのだということになりますと、現在やっておりますのは、郵政省、それから、KDD、それから、NHK、電電公社も入りまして四者の連合体でやります実験として現在やっておるわけであります。それで、これをオリンピックに長期に使うということになりますると、最初のうちは、最初の試験の段階は実験かと思いますが、その後あとになりますと、これは実験と称するかどうかは、今後の検討問題だろうと思います。

野上元日本社会党

○野上元君 国際電電のほうにお聞きしたいのですがね。私の質問は、かりにあの十王町の施設を使うことができるということになった場合の話なんですが、いまその点については、上田さんがアメリカに行ってシンコムの打ち上げの問題についていろいろ検討されているから、その結果を見なければわかりませんが、かりにあれが使えて、テルスターならテレスターで十分に中継ができるということになった場合に、NHKがあなたのほうに施設を貸してもらいたいという場合に、あるいはまた、政府が命令によって国際放送をおたくのほうに命令した場合には、あれを利用してということになれば、あなたのほうは貸すほうなんですから、当然それは一定の使用料というものを取られるんでしょう。

大野勝三国際電信電話株式会社取締役副社長

○参考人(大野勝三君) それを実験として行なわれれば無料です。営業としてやれば、当然それはちょうだいします。

野上元日本社会党

○野上元君 それでその点ははっきりしたと思うのです。  それでこの際、ついでに国際電電にお聞きしておきたいのですが、難波さんも見えられているので、今日、この通信衛星の問題がだいぶ問題になっておりますが、いま上がっているのは、エコー一号、二号、テルスター一号、二号、リレー一号、二号、シンコム一号、二号、これだけ上がっておるというわけですね。その中ではすでに命脈が尽きたものもあるというようなことも聞いておりますし、私たちは、その技術的なことはよくわかりませんが、今日KDDが持っておる十王町の施設は、そのうちの、いま私が申し述べました打ち上げられておる通信衛星のどれを利用しておるのですか。

難波捷吾国際電信電話株式会社常務取締役

○参考人(難波捷吾君) ただいまKDDの茨城宇宙通信実験所で装置しております機械で送受信ができます対象の衛星は、リレーとテルスターだけでございます。リレー二号とテルスター二号でございます。

野上元日本社会党

○野上元君 そうしますと、このリレー二号またはテルスター二号は、オリンピックは大体十月ですがこの時期には中継できるような位置にあるのですか、それとも、これは全然利用できないという判断に立っておられるのですか。

難波捷吾国際電信電話株式会社常務取締役

○参考人(難波捷吾君) 科学的に申しますと、一日たとえば五分とかいうものは可能と思いますけれども、実用的見地から申しますと、私は、両方の衛星ともオリンピック時においては、中継に対しても実用は不可能と思います。

野上元日本社会党

○野上元君 このうち、シンコム一号、二号は上がっているのですが、このシンコム一号、二号の位置は、このオリンピック中継には全然適してはおらないのですか、それとも、十王町の施設をもってしては、あれを中継させることはできないのですか。

難波捷吾国際電信電話株式会社常務取締役

○参考人(難波捷吾君) 日本において行なわれますオリンピックの中継という目途におきましては、不可能でございます。つまり、シンコム一号、二号を使いまして世界の主要国にそのプログラムを送信するということ不可能でございます。これ、すべて位置の関係でございます。

野上元日本社会党

○野上元君 位置がよければ、あの十王町の施設をもってしてもできるのですか。

難波捷吾国際電信電話株式会社常務取締役

○参考人(難波捷吾君) ただいまシンコム一号、二号が上空に上がっておりますが、これはもともと電信電話、またテレビジョンの送受信のためにつくったものではございませんで、軍用でございます。したがって、私どものほうに所有いたしております装置は、シンコムの送受はできません。

野上元日本社会党

○野上元君 そうしますと、いま郵政省の上田さんがNASAに行って、その問題について何か協議をされておるようです。そうしてシンコム三号の打ち上げを要請しているようですが、おそらく、それはテレビ中継用のものだと思いますが、それが打ち上げられた場合には、十王町の施設で十分間に合うのですか。

難波捷吾国際電信電話株式会社常務取締役

○参考人(難波捷吾君) 私の了解いたしておりますところでは、シンコム三号というのも、テレビ用の中継衛星ではございません。太平洋の日付変更線の上空にそれを打ち上げまして、別の目的に使うものと承っております。ただ、シンコム三号がいままでのシンコム一号及び二号と異なります点は、やや周波数の帯域が広いのでございまして、テレビを送信いたしますには十分ではないが、前の一号及び二号から見れば良好である、こういうような性能を持ったものであると私どもは了解いたしております。  それから第二段の御質問でございますが、ただいまKDDの茨城実験所におきます装置をもっていたしましては、シンコム三号の周波数が七千三百メガサイクル、それから千八百メガサイクル送受信でございますので、現在までのテルスターやリレーの周波数とは全然異なりますものでありますから、もしかりに、上田研究所長がアメリカに行かれまして、この実験に立ち会われまして、シンコム三号から発する電波でもテレビジョンとして見られると、実用価値があると、そういう裁断が下りましたときは、日本のどこかでその送受信機を急速組み立てなければならないという事態がございます。

野上元日本社会党

○野上元君 私も実はそれを心配しているんですがね。結局、十王町の施設をもってしては、現在上がっている通信衛星をもってしてはだめだ、シンコム三号にしても、これはできないんだ、こういうことになれば、新しくどこかの地上に、このシンコム三号を利用する設備を持たなければならぬ、こういうことになると思うんですが、それは、いまあなたのおっしゃったとおりに理解してよろしいのでございますね。

難波捷吾国際電信電話株式会社常務取締役

○参考人(難波捷吾君) 新しい施設と申しますが、その内訳を申しますと、送受信機とアンテナでございます。それでまず第一に、十王町の実験所から申しますと、アンテナだけは使えると思います。それから、いま郵政省で使っておいでになります茨城県鹿島町にあります実験所も、アンテナは、私は詳細には存じませんが、おそらく使用可能ではないかと思います。要は、送信機の問題でございまして、受信機は比較的簡単でございます。そうきまった場合には、送信機をできるだけ早くどこかで組み立てるということが必要とされるわけでございます。

野上元日本社会党

○野上元君 その場合には、十王町からうんと距離が離れておっても、送信所だけ別につくればできるんですか。

難波捷吾国際電信電話株式会社常務取締役

○参考人(難波捷吾君) さようではございません。ああいう宇宙通信の設備は、アンテナと送信機とは一体になって働きますから、十王町の例をとりますと、あの大きなパラボラ・アンテナの根元に送信機が入っております。それがアンテナと一体となって回転いたしておるわけでございますから、別のところにはちょっと置くことは困難だと思います。

野上元日本社会党

○野上元君 そうしますと、結局、あれを利用するというよりも、どこかの地上に新しい総合的な、アンテナも含めた送受信設備をつくらなければならぬということになるんじゃないでしょうか。

難波捷吾国際電信電話株式会社常務取締役

○参考人(難波捷吾君) 私は、オリンピックというものを目標にいたしますならば、アンテナをつくるということは時期的に不可能と思います。いままでの経験から申しますと、アンテナを設計して、それを製造して、それから設置して、規定の性能を出しますのに非常に長期間、少なくとも一年以上かかると思います。

野上元日本社会党

○野上元君 そうしますと、オリンピックの中継を可能にする道は、パラボラ・アンテナは十王町のものを使い、受信機もあれを使い、送信機のみをかえて使うという以外には方法がないということになりますね。

難波捷吾国際電信電話株式会社常務取締役

○参考人(難波捷吾君) それは何も十王町に限ったわけではございませんで、郵政省の鹿島町を使いましても、私は同じことが可能と思います。  それから、ただいま御質問の中に、可能性−唯一の可能性というおことばがございましたけれども、われわれにとって一番簡単なことは、テルスターかリレーを都合のいいところに上げてくれることでございまして、これならもう実験済みでございますから、いつでも長時間にわたって受けることができるのでございますが、これはまあ、これこそ相手のあることで、何とも言いかねますが、いよいよ、そのシンコムがきまった場合に、いまの問題は、アンテナだけを利用して、送信機をつくるということが残された道でございます。ただ、われわれ技術者の立場から申しますと、シンコム三によって送信される絵が、はたして世界各国の満足を買うような良質の絵であるかどうかというところに、私どもは非常に疑問を持っておりますけれども、その鑑定が、ただいま米国でNBCがまあ中心になって、上田さんが立ち会いになって実験をしておられるわけであります。かりに、まあどうにかやれるということになりました場合には、ただいま申しました日本のアンテナを利用して、急速送信機を組み立てるという作業が残っておるわけです。

野上元日本社会党

○野上元君 政務次官、いまお聞きのとおりなんですよ。この間から私が心配しているのはそれなんだ、おそらく間に合わぬだろう、オリンピックまでには。難波さんから見れば、大体無理なんじゃないかというお話なので、ただ、残された道に、シンコム三号によって少しでも映像が見られる程度ならば、早急に送信機を組み立てて、郵政省があのKDDのアンテナを利用して送信機を早く組み立ててやる以外に方法はないのだ、こういうお話だと思うのです。私もそうだと思うのだ、しろうと考えでも。そう簡単にあれだけの設備ができると思わないのだが、郵政省当局は、先般来、これはできるのだという回答をしておったわけです。が、実際にいろいろむずかしいわけだ。ところが、KDDのほうからの御意見によると、テルスターを上げてくれればいいんだ、リレーとテルスターということになれば、こういう方法も考えられるのです。そういう点については、郵政省としては全然考慮に入れてないで、ただ、シンコム三号一本にいっておるわけですか。

野口謙也電気通信監理官

○政府委員(野口謙也君) シンコム三号は、いま難波さんの説明にありましたように、この画像の質については若干問題がある。まあそれでも、従来のテレスターなり、リレーと全然同じ画質のものは得られないでも、ある程度見られるものができるならば、シンコム三号でやるほうがいい。時間的には、これは回転しておりませんので、長時間の送信ができるわけです。それで、いまのところでは、第一候補としてはシンコム三号でやっていきたいと考えております。

野上元日本社会党

○野上元君 まあ上田さんが帰られて、その実験の模様を聞いた上で判断されるのでしょうし、われわれはまた、その実験結果を十分に聞いてわれわれなりの判断をしたいと思うので、きょうはこの程度でとどめます。

久保等日本社会党

○久保等君 上田所長はいつ帰ってくる予定なのですか、いつごろ。

野口謙也電気通信監理官

○政府委員(野口謙也君) ちょっと日にちははっきり記憶しておりませんで申しわけありませんが、間もなく帰ってまいります。

久保等日本社会党

○久保等君 きょうは、たいへんお忙しいところを国際電電の副社長を初めお出かけ願ったのですが、われわれも、国際電信電話の事業に対しては、当委員会としても重要な関心を持っておりまして、また、運営あるいは経営状況等についても、適当な機会を見ては状況のお話も伺いたいと思っています。まあ、先ほどの問題については、郵政大臣にもお尋ねをしなければならぬ問題が、先ほど申し上げたように、将来の、特に東南アジアの海底ケーブル敷設の展望等考えた場合にあるのですが、きょうは残念ながら、大臣が衆議院のほうで手が放せないそうですから、またいずれ、機会を改めてお尋ねしたいと思いますが、そういう意味合いで、宇宙通信の問題にしろ、あるいはまた、片一方、有線通信の問題にしろ、目ざましい伸展状況を示しておる情勢の中で、これからますます御努力を願わなければならぬと思うのですが、したがって、先ほどもちょっと申し上げました対従業員の問題等については、これは十分にひとつ適宜適切に、能率的に解決するものは解決していくということで御努力願いたいと思いますし、それからまた、設備投資その他の問題につては、これまた、いろいろ経済性も考えてまいらなければならぬでしょうし、技術革新、技術革新と言いますが、やたらに設備を更新すればいいというものではないと思います。そういった意味の経済的な施設利用という問題も、また一面からいうとあると思いますが、そういったようなことについていろいろ御配慮を願っていると思いますが、今後も一そうのひとつ御努力をいただきたい、また、必要に応じましては御出席をあるいは願って、状況等をお尋ねしたいと思います。  きょうは私は、郵政大臣がおらないので、これで質問は終わりたいと思います。どうもたいへんありがとうございました。

光村甚助日本社会党

○委員長(光村甚助君) 本件については、本日はこの程度にいたします。  国際電電の皆さま方には、お忙しいところ、長時間どうもありがとうございました。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十二分散会

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