逓信委員会 第16号
- 発言数
- 145 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1964/04/14
会議録
○委員長(光村甚助君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。 まず、参考人の出席要求に関する件について、おはかりいたします。 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査のうち、国際電気通信事業に関する件について、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(光村甚助君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(光村甚助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(光村甚助君) 次に、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。 質疑のある方は、順次、御発言願います。
○永岡光治君 私は、本日は、ただいまいうところの四月十七日ゼネストと申しますか、公労協あるいは国家公務員並びに民間の組合等が一緒になりまして、待遇の改善、賃金の引き上げを中心に紛争を起こしています。このまま入っていけばストに突入せざるを得ないといろ緊急事態になります。私ども考えますには、こういう事態はいまだかつてない緊急の事態と実は考えておるわけであります。したがいまして、いずれ、本会議におきましても、それぞれの政党を代表いたしまして、今日のこの事態に対する政府の態度と申しますか、そういう問題についての緊急質問もあろうかと思うのでありますが、それはそれにいたしましても、時間も少のうございますし、したがいまして、私どもは、この逓信委員会に関係のある郵政職員なり電電公社職員なり、あるいはまた日本逓送会社の職員なり、そういうものを頭に入れまして、一体、これをどうしたら解決できるのか。私どもは早急な解決をこいねがうという、こういう立場から、以下数点にわたって郵政大臣の所見をただし、また、その態度をただしてみたいと思うのであります。 よって来たる原因は、やはり賃金が低いんだと、この賃金を引き上げてくれと、こういう強い要望であります。そこで、郵政職員の実態について郵政大臣はどのように考えておるのか、これに満足をされるのか、それとも満足をされないのか、されないとするならば、どういう考えでいるのか、その点をまず冒頭、この点が基本になろうかと思いますので、ただしたいと思うのであります。
○国務大臣(古池信三君) 郵政関係の従業員諸君の給与につきましては、もちろん事情の許す限りこれを向上させるということは、私も決して反対ではございません。しかしながら、一つの事業として運営いたしておりまする立場から申しますれば、むやみに人件費を膨張するということもできません。今日、事業費の中でおよそ八〇%程度は人件費によって占められておるような実情でございます。また、収入の源泉はもっぱら料金の収入に依存しておるわけでございまして、これは国民の生活にきわめて重大なる影響を持つ公共料金でございまするので、私どもといたしましては、できる限り事業の合理化もはかって、可能なる範囲において余裕を生み出し、そうして、できるだけ従業員諸君の御要望に沿うようにいたしたいとは考えております。しかし、予算の関係その他のいろいろな事情から、御要望されるそのとおりの値上げは容易ではないと、ころ考えておる次第でありまするが、基本的には、できる限り待遇を改善したいと、こういう考えはもとより私は持っております。
○永岡光治君 そこでもう少しただしてみたいわけでありますが、郵政職員の実態についてどの程度認識されておるのか。たとえば、これを民間の会社の場合に比較いたしましても、一つの例として言えるわけでありますが、一体、大学を卒業してどのくらいが適当だと考えておるのか。それから新制高校を卒業されてどのくらいが適当と考えておるのか。特にまた、私ども、民間の会社、まあいろいろ関連産業、特に電電公社との関連を見ますと、電機労連関係等もこの一つの関係になろうかと思いますが、弱電部門の会社を見ますと、新制高校を卒業いたしまして一万八千円であります。新制中学を卒業いたしまして一万四千円が初任給であります。こういうことを考えますと、非常に大きな開きがあります。しかも、これはベースのアップをしない、給与の改善をしない前の賃金でありますけれども、そういう問題についてその均衡をとろうという考えはないのかどうか。どの程度に一体この基準を置こうと考えておるのか。そこがやはり基準になりませんと、もとより、大臣は予算やその他のことを言っておりますけれども、それを必要だとするならば、その解決のために予算措置も講じてもらわなければなりませんでありましょうし、ことしの予算には——何とか改善したいとおっしゃるけれども、予算に改善費は、おそらく私は組んでおらないと思うのです。 これはまああとでただしますけれども、要するに、一体に、その給与の基準というものはどのくらいを妥当と考えておるのか、認識ですね、大臣の——一番私はこれが基本だと思うのです。出たとこ勝負で、この程度でよろしい、予算が許す範囲内でよろしいということでなしに、基本がきまれば、積極的にその予算に取り組む態度が変わってくるわけでありますから、この一つの基準ですね、郵政職員なり、電電公社の職員なり、あるいは日本逓送会社の職員なり、こういうものの基準というものをどこらあたりに置いておるのか、それを私は大臣から直接ただしたいと思うのです。
○国務大臣(古池信三君) これは非常にむずかしい問題でございまするが、郵政職員の給与と民間の企業の従業員との間にどういうような開きがあるかというような問題につきましては、きわめて簡単にこれを一言のもとに申し上げるということは、おそらく困難であろうと思います。と申しますのは、やはり仕事の性質あるいは内容によりまして、労働条件も違ってまいりまするし、あるいはまた、労働時間等についても、それぞれ差異のあることでございます。また、名目的な賃金以外にも、いろいろな福利厚生施設というような点も考慮をいたさねばなりませんし、また、郵政職員としては、政府の事業であるからには、他の、いわゆる三公社五現業といわれておりまするが、かような同様の事業に従事しておる人たちとの均衡ということも考えていかなければなりません。したがって、端的に申し上げるということは非常にむずかしいと思いまするが、民間の事業にもいろいろ私は段階があると考えます。まあただいま例にお引きになりましたような事業ですと、それは最近非常に膨張し発展しつつある事業でございまするから、いわばいんしん産業とでも申すべきものであろうかと存じます。したがって、そういう事業に従事されておる方は、自然、給与の内容も他に比べてよいということは、これは当然であろうと思います。したがって、直ちに比較してどうこうということは申し上げにくいのでありまするが、私としては、できるだけ今後とも郵政職員の待遇の改善については努力をしていきたい、いま申し上げました諸般の事情を勘案しながらやってまいりたいと、こう考えております。 なお、数字にわたる御質問に対しましては、人事局長がおりますから、このほうからお答えを申し上げたいと存じます。
○永岡光治君 私はきょうここで具体的な数字の論争をしようという考えは持っていないんです。ただ、考え方としては一体どういう腹がまえでおるかということがやはりもとになりますので、所管大臣としての決意と申しますか、所見と申しますか、そういうところをただしたかったわけでありますが、まあお話によりますと、いろいろむずかしいんだと、こうおっしゃる。まあそれはいろいろ要素を考えておきめになるわけでありますから、そう簡単にいかないということは、私ども承知をいたしておりますが、何でこれはきまるんでしょうか。そういう条件は、いついかなる方法で大臣はきめようとしておるんでしょうか。
○国務大臣(古池信三君) 一般的に申しまして、郵政職員の給与については、ただいまもお答えいたしましたように、あるいは公務員の給与であるとか、その他類似の職種の給与をにらみ合わせながら決定をしていくわけでございまするが、特にKただいま問題になっておりまする組合側の要求につきましては、御承知のように、現在、公労委の調停にかかっております。不日、調停の結果が示されることと存じまするが、その暁におきまして、十分にこれを検討し、私としましては、できるだけその調停案に沿って善処をしてまいりたい、かように考えておる次第であります。
○永岡光治君 今朝の朝日新聞を見ますと、国鉄の総裁から公労委の調停委員会に対して説明をされた内容が記事として出ております。「国鉄職員の給与は、その厳しい仕事の性格からみても改善の必要がある。調停委員会もその点をくんで調停案を作ってほしい。国鉄としては調停案が出れば、財政状況とにらみ合わせて検討するが、できるだけ尊重したい」、こういうことが記事に実は出ておるわけでありますが、この調停委員会の問題については、後ほどまた私も触れてみたいと思うのでありますが、国鉄総裁は、要するに、うちの国鉄の職員は給与が低いんだ、何とか改善してやらにゃならぬのだという気持ちがあるんだと私は思うんですね。 そこでお尋ねしたいわけでありますが、郵政大臣は、現地のこの国鉄総裁のような心境にあるのかないのか。たとえば、この前、六百円初任給を引き上げてよろしいという回答をしたそうでありますが、それで事足りると考えておるのか。そうでなくて、これでは済まされないというふろに、現在の給与の実態というものは非常にお気の毒だ、何としてもこれは改善せにゃならぬという、そろいう心境にあるのか、その点はどうなんでしょうか。
○国務大臣(古池信三君) 国鉄総裁のお話は、私も新聞で承知をいたしたのでありますが、直接国鉄総裁とお会いをしてお話ししたわけではありませんけれども、委員会等においても、国鉄の従業員の仕事はなかなか労働負担が多いから、賃金にしても、他の公社等よりはやはり区別をつけて相当高いものであるべきである、こういうふうな御意見のように推察しておるのであります。まあ国鉄の立場としてはそういうふうな御意見が出るのも、そのお立場上もっともかとも思いますが、しかしながら、われわれといたしましては、そういう労働条件等については必ずしも国鉄に劣っておるものではない、国鉄職員といわれても、たいへん職種が多いと存じまするから、その職務職務によって労働負担の多い少ないということにはやはり開きがあるかとも考えまするが、郵政においても、決して国鉄職員に劣らない労働をしておる。これは全電通の組合関係について申しましても同様であろうと思いますが、心境としましては、諸般の事情の許す限りにおいては、できるだけ給与は改善し待遇をよくしたい、こういう念願には変わりございません。
○永岡光治君 私がこの国鉄の総裁の心境を御披露申し上げた気持ちは、国鉄の職員が他の三公社なり五現業に比べて特別な、いうところの給与の格差をつけたいという意味で言っておるのではない。そういう意味で私聞いておるのではなくて、現在の待遇ではいかぬ、給与は改善しなければいかぬという気持ちがやっぱりあろうと私は見ておるのですが、そういう意味で、郵政大臣は、これは抽象論になりますけれども、一体、郵政職員なり電電の職員なり日逓の職員の現在の給与というものは、これでいいのか、大臣はどう考えるのか。やっぱり改善せんならぬという決意を持っておるのではないかということを実は聞きたかったのであります。明確な御答弁がありませんでしたが、私は冒頭、郵政職員の待遇の実態を認識しておらなければ、どの程度改善していいかといろ結論が出ないのではないかと、こういうことを申し上げたわけでありますが、ここに、すでに調停委員会に提出をいたしました組合の資料が出ておりますが、これを見ても私ども非常に驚くのでありますが、子供二人、奥さんを持って、二十八才で、勤続は十年です、勤続十年。それで本俸は幾らかといいますと、一万九千円です。先ほど私申し上げましたが、東芝の弱電をつくっておる新制高校を卒業しておる子供の初任給が一万八千円。十年勤続をして奥さんと子供二人持って、そうしてわずかに一万九千円。たった千円の開きしかありません。そこで、この収入を見ますと、手取りが二万一千八百七十八円。支出は一体どのくらいになっておるかと申しますと、二万六千六百四十二円、これとても、私、非常に切り詰めた支出だと思うのであります。こういう実態を大臣がお考えになったならば、相当私は、給与の改善について、もっと積極的な熱意を示してしかるべきじゃないだろうか、このように実は考えるわけであります。 そこで、基本的な態度としてお尋ねいたしたいのは、このまま放置するわけにはまいらない。相当思い切った給与改善をしなければならぬじゃないか、そういう一つの基本線があって、そこで給与を改善するにあたって、予算その他の問題が出てまいりましょう。それは一つの制約の条件になるのでありますから、そういう問題について、一体、それがどの程度制約の条件になるか、それはまたあとの問題になってくるわけであります。そこで私は、具体的な給与改善の金額がきまってくる、このように実は思うわけです。基本もなくて、出たとこ勝負で何をどうやって結論が出るかといったような、そういうあいまいなことでは、やはり問題は許されないのじゃないかという意味で、私は大臣に、国鉄総裁も、国鉄職員の待遇はよろしくない、これは改善しなければならぬといろ決意を持っておるようだが、郵政大臣におかれても、今日の郵政職員なり、あるいは電電公社職員なり、あるいは日逓の職員なりについて見て、これでは困る、非常に低い、何とか改善してやらなければならぬという、そういう決意をやはり大臣、お持ちじゃないだろうか、そういう決意をひとつ持ってほしいということでありますが、この点は大臣はどうなんでしょうか。
○国務大臣(古池信三君) 私は現在の郵政職員の給与がこれで十分であるとは決して思っておりません。今後いろいろと調整をはかりながら職員の待遇改善のためには大いに努力はしていきたいと考えております。ただ、これは郵政だけに限るわけではございませんが、一般の公務員にしましても、あるいはまた民間の企業でも同様のことがいわれておると思いますけれども、最近採用される人たちの初任給がだんだんと上がってきております。したがって、五、六年前に採用された方あるいは十年前に採用された方、こういう古い従業員と最近入社した従業員との間の権衡ということが非常にとれなくなってきておる、非常にこれは困ったことであるということを、民間の経営者からよく話を聞くのであります。やはり郵政職員等においてもそういうふうなことは同様にいわれるのではないかと考えまするが、そういう点は何とかくふうをして、できるだけ是正をしていくという線で考えていかなければならぬと考えております。
○永岡光治君 この際、電電公社の総裁にお尋ねいたしますが、先ほど大臣からも、民間は私が例を申し上げましたけれども、弱電部門の会社は非常に給与が高いじゃないか、比較的いいじゃないか、郵政職員あるいは電電公社職員は初任給が非常に低いじゃないかという実例を申し上げまして、改善方を、大臣の所見をただしたわけでありますが、それは成長産業だからと、こういうお話でございました。さて、成長産業であるならば給与が高くてもよろしいというそのことが是認されるならば、私は、三公社五現業の中で例をとりますならば、今日、電電公社はこの成長産業の部類に入るものだと認定するわけであります。だとするならば、これも相当他の企業に比べて、国鉄総裁は格差をつけていいと、そういうことを言っているのでありますが、やはりこれは電電公社というのは成長産業であります。どんどん事業が伸びて、給与問題で苦労するというのは、むしろ私は、民間の会社では異常な状態だと思うのであります。で、これはもう思い切った改善をしてしかるべきだと思うのでありますが、その改善についての御所見はいかがでございますか。
○説明員(大橋八郎君) ただいま御質疑の点につきましては、私どもは、従業員の待遇改善ということにつきましては、平素常にできるだけ改善をいたしたいという念願を以前から持って今日に至っているのでありますが、合理的な理由があり、公社の財政状態が許すならば、普通のいわゆる定期昇給原資以外に、でき得る限り待遇改善をやっていきたいという存念においては、人後に落ちないつもりでございます。ただ、御承知のとおり、私どもは、普通の会社と違いまして、やはり公社の部門でありまして、公社法の制約、また財政法の制約等を受けるために、なかなか思うにまかせぬ点が多いのであります。したがって、公社間の、三公社五現業等の権衡論とかいろいろなことで、すべて政府の財政等が認められることになっておりますので、念願は念願といたしましても、その実行はなかなか困難で今日に至っておるわけでございます。したがいまして、私どもは、先ほど申し上げましたように、合理的な理由の存する限り、また、公社の財政の状態の許す限りにおいて、できるだけ今後もその線で進めたいと考えております。ただ、国鉄の比較等は、この際ここで申し上げることは遠慮したほうがいいのではないかと思いますが、私どもは、国鉄のほうが仕事の性質上、電電公社の仕事よりも高い、格差をつげべきものだとは決して存じておりません。私は、もし比較されるならば、むしろわれわれのほうが高くていいのではないかという観念さえも持っておるくらいでございます。
○永岡光治君 そこで、郵政大臣に私は再度くどいようでありますけれども、いまは給与の実態を申し上げまして、支出の状況も申し上げたわけでありますけれども、最近のやはり物価の値上がりというものは、特に庶民階級における生活を通じての生活の苦しさというものは非常なものであります。私ども職掌柄、故郷である農家の子弟を東京なり大阪なりにお世話するわけでありますけれども、四畳半の部屋代だけでもすでに六千円だという、こういうきびしいのが実際の都会の生活の姿であります。そういうことから考えますと、これは一つの例でありますから、そう申し上げたわけでありまして、一事が万事でありまして、非常に生活は苦しいのであります。したがって、生活の苦しさというものを十分ひとつ認識をしていただいて、この際、思い切った措置を講じてもらわなければならぬと思いますが、この点については、大臣も、あるいはまた電電公社総裁も、御異存のないところだと思うのであります。 そこで、その前提に立っていままでのお話を承りますと、給与の改善をしなければならぬ、まあ限度あるいはいろいろな制約はあるにしても、基本的な態度としては、満足していないという前提に立って、これから質問を進めたいわけでありますが、そういうことになりますと、いま四月十七日を期しましてストライキにでも入らなければ、ものごとは解決しないんだと、物情まさに騒然だと私は思うんです。これが現実に起こったならばどのような事態が起きるかは、政府みずからも十分承知しておりまして、これはやっていかぬぞ、ストライキをやれば処分をするぞ、首だということで、おどかしておりますが、相当なあわて方をしておるととは間違いないと思いますが、しかし、考えてみますと、この問題はきのうきょう起こった事態ではないと思うんです。よって来たる原因は非常に遠いと思うんです。特に賃金改定の要求を、たとえば郵政大臣に全逓の組合から出された時期はいつだったか、それを考えますと、かなり私は長い期間があったのではないかと思うんです。この長い期間があったとするならば、その期間の間に一体大臣は、この給与改善についてどのような努力をされたのであろうかというのが、おそらく国民のみな知りたいところだと思うんです。急に四月十七日にストライキをやると言うたから、四月四日にスト宣言をやったということで、それたいへんだということで、あわてて対策を講じておるようでありますけれども、私は、国民はおそらくこれは寝耳に水で、一体、いままで何をしてきたのであろうか、こういうふうに疑問を抱くのは、私一人だけではなかろうと思うものであります。 そこでお尋ねするのでありますが、その給与改善に熱意を示されるならば、今日まで郵政大臣が努力をしてまいりました具体的な事実、これをひとつお示しをしていただきたいと思うのであります。どういう努力をされてきたのかですね。
○国務大臣(古池信三君) 御指摘のごとくに、組合側から給与改善の要求のありましたのは昨年からでございます。私も非常にその問題は重要であると考えてまいっておりまするが、先ほど来申し上げましたように、事業全般のバランスを考えますると、組合の要求されるとおりに給与を改善するということは、なかなか容易ならぬことでございまして、先ほども少し触れましたが、郵政事業において特に人件費の重さと申しましょうか、全体の経常支出につきましては八〇%も占めておる、こういうような状態でありまするので、少しこれを上げましても、全体としての影響は相当大きなものになるわけでございます。また一方においては、やはり郵政事業も時勢の進運に即応して、施設その他の面においても相当に費用をかけなければならない問題も次々に出てまいりまするので、非常に私も苦慮をいたしておるわけでございまするが、予算の折衝等におきましても、今年度若干の昇給原資は組めておりますけれども、必ずしも組合が要求せられるとおりの額にはとうてい及ばないのでございます。その点ははなはだ遺憾に考えまするけれども、いま申しましたように、収入の源泉が縛られておるということ、人件費に金がかかるからといって、直ちに郵便料金の値上げというふうに端的に持っていくわけにもまいりませんので、その辺、両方の立場から、管理者としては、ちょうどはさまれているような形で、非常に苦慮をいたしておる次第でございます。心持ちとしましては、十分に従業員諸君に、その待遇をよくして、ほんとうに楽しんで仕事に従事してもらうことができるようにしたいということは、常に当然私は考えておる次第でございます。 なお、それらの、予算上どういうふうな数字になっておるかということにつきましては、また御質問に応じて所管局長のほうから御説明さしていただきたいと思います。
○横川正市君 これは郵政大臣だけでなしに、電電公社総裁にも共通する問題ですが、大体郵政事業の場合は、事業全体に占める人件費の割合というものはおそらく、六五%くらいから逐次上昇して、現在八〇%というふうになってきているのは、そう急激な変化があって八〇%ではないという時間的、歴史的経過というものがあったと思うのです。 それからもう一つは、体質的には、やはり人件費が事業の全体であると言っても過言でないほどに、人の手足を借りて経営をしなければならない事業ですから、あえて、給与原資が八〇%になったということは、全体の賃上げのできない理由にはならないのじゃないか。それよりか、そういう人件費を持ちながら、二十九年から三十年にかけての郵政賃金というのは、当時大幅に上昇させたという歴史的経過もありますし、その後三十四、五年ごろになってから、郵政と国鉄の間に七百円差というものが出てきて、私どもも、労働の質と量の問題で非常に疑義を持っておったこともありましたけれども、一般的には、事業経営というのは、そう人件費が占める割合で他との均衡がとれなかったという時期はなかった。それよりか、他との均衡をいささか上回った時期が過去にあったというふうに私ども考えるわけです。 それからもう一点は、一体、ことしの予算の審議もそうですが、去年の予算の審議のときにも、電電公社にも、郵政省にも、一体、賃金のアップの予算というのはどの程度組んでいるかと聞いたところが、郵政の場合も、電電公社の場合にも、賃金アップというのは全然組んでおらないわけです。これは二十万近い電電公社、三十万を突破した郵政省のものの考え方の中に、一体、賃金を上げる、上げないという問題について、常時、いわゆる労務政策その他の中に、真剣に論議をしていく場所というものがないのじゃないか。要求をされても、とどのつまりまで行って、経費の差し繰りや補正予算を組みながら賃金を上げるという、そういう操作の繰り返しを行なってきたのじゃないか。そういう点が、私は、非常に大きな要員をかかえている企業で、労務管理のきわめて大切な中に欠けた点ではないかというふうに思っているが、これが第二の問題。 そこで第三の問題は、これは郵政大臣、いま組合側が要求している賃金というのは、あなたのほうに責任があるのじゃないのですか。たとえば池田さんの倍増計画というものがなくて、さきに郵便料金が改定されて、物価の倍増という問題がなかったときには、私は、あなたのふところぐあいというのは相当裕福であったのではないかと思うんです。そうすれば、賃金のアップの率も低いし、それから、あなたのほうのふところぐあいも裕福ですから、出すということについてはある程度踏み切りがつくのではないか。ところが、いま問題になっているのは、あなたのほうの政策で物価の値上がりはしてくる、それで生活が苦しい、他との均衡はとれなくなってきている、そういうひずみが出てきた。そこに今度の賃金の要求という問題が出てきたので、いま郵政大臣の答弁だけを聞いておったのでは、何か要求をされても、出せない出せないということで終始しておって、事実上要求される原因をつくったのは、これは郵政省でもあり、電電公社はその監督官庁で他との均衡を非常に気にしているようでありますけれども、物価その他で要求されるような事情が出てくれば、あなたのほうは、これだけ上げなければ、職員の質も改善できない、生活も守られないという立場に立って、要求に対して独自な考え方を持っていいのじゃないか。これがいわゆる池田内閣のそういう政策の中から出てきているのじゃないか、こういうふうに私は思うのでありますけれども、この点、郵政大臣、公社の総裁ともに、ひとつお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(古池信三君) 郵政事業は元来人の力に依存することの多い事業であるから、人件費が八〇%になってもそれは当然のやむを得ないことであることは、やはりそうだと思います。郵便は非常に他の事業と異なりまして、いかに機械化をはかったとしていきましても、やはりこれには一定の限度がありまして、それ以上はどうしても人の力にたよらなくちゃならない事業でありますから、そういう本質的な観点から見まして、人件費がこの事業の支出の中に占める割合の大きいことは当然であろうと思います。当然でありまするが、やはり影響からいいますると、それだけに人件費を少しずつ上げても、全体の支出の中に占める割合が大きいだけに、事業全体に対する影響が非常に多いという、まあ結果的なことを申し上げたのでありまして、元来、人件費が多かるべきものであるという点については、私もさように考えております。 それから、大体こういう事態になったのは、池田内閣の経済政策の結果ではないかという御意見でありますが、これについては、いろいろ見解の相違もあるかと思いますけれども、私は、まあ大局から考えまして、日本人が九千数百万という世界屈指の大きい人口を占めておる、しかも、領土は狭く資源が少ない、この日本の個人個人の生活をよりよくしていくためには、どうしても経済を広げていく、そうして究極的には各国民一人一人の生活が少なくともヨーロッパ並みになるようにつとめねばならぬ、その手段としては、やはり現状維持あるいは縮小的な生産ではとうていやっていけないのでありまして、そこに高度の経済の成長政策をとらざるを得ない、これはもう日本として当然やらねばならない運命的な事柄であろうと存じます。 そこで、経済を拡大するためには、やはり産業の設備も拡張せねばならない、また、それによって輸出産業を伸ばしていこうと思えば、その原料たる資源等の輸入も増大していかなくちゃならぬ、こういうようなことになって、特に三十五年池田内閣成立以来は、その政策を重点的にとってまいりましたがために、今日、産業、経済の面においては非常な成長を見ていることは御承知のとおりでございます。 そこで、かようにこの経済が成長いたしまする段階におきましては、やはり若干ずつ物価が値上がりをするということは、これはやむを得ざる経済的な問題であろうと考えております。特に人のサービスというふうな面におきましては、御承知のように、相当に上がってきておるわけでございます。これも決して否定すべきことではなく、やはり各人のサービスに対する報酬が上がるということは当然考えていかなくちゃならないと思います。しかし、それを考えると、またこれが物価にはね返って消費物価が値上がりをするという循環的な問題も起こってくるわけでございまして、最近における物価の値上がりは、これが相当過度になれば、これは問題でありまするけれども、若干ずつの値上がりはどうしてもやむを得ない事柄であるように承知をしております。 そこで、その消費物価の値上がりと賃金の値上がりとの間の関係、ここにまあ調整の足場というものを持っていくべきではなかろうか。いろいろ数字をあげるとむずかしくなりまするけれども、いままで経済企画庁あたりが中心になりまして調べたところによりますると、物価の値上がり、また、これに対する賃金の上昇というものを比較してみますると、若干賃金の値上がりのほうが多い、こういうふうな結果になっておるようでございます。そこには最近、非常に力を入れられてきております産業における生産性の向上というような問題ももちろん含めて考えていかなくちゃならぬと存じておるのでございまするが、全般的には池田内閣の経済政策の失敗である、また、その余波を受けてこうなったのだというふうに、一概には私は言うことはできないのではないか。これが非常に大きく将来の日本の発展のために役立ち、また、当然この道を歩んでいかなくちゃならない日本の置かれた立場というものを考えまするならば、やむを得ないことである。そこで、いまの物価と賃金との間の関係をできるだけ合理的に調整していくという努力が必要になってくるのじゃなかろうか、かように私は考えております。
○永岡光治君 私は、もう経済論争がどうである、そういうのんびりした気持ちじゃないのです、ほうっておけば十七日はもうストに入ってしまうわけですから。その問題でいま緊急に大臣に、このことを中心に聞いておるわけでありますが、だれの責任である、かれの責任である、とやかく言ってもしようがない。食えない事実は事実であります。この問題を解決するためにストでもしなければ賃金を上げてくれないからストをやる、こう言っておるんですからね、端的に言って。 そこでずっと大臣にただして聞きたいわけでありますけれども、大臣は努力したとおっしゃるけれども、具体的な努力はちっとも聞けないわけですね。たとえば、それほど困っておる問題で昨年からの問題ですから、要求書を出しておるわけですから、当然これはほんとうに大臣は、この問題を解決してやろう、あるいは電電公社のほうで職員の待遇をこの際改善しなければいけないという決意であるならば、予算に当然これがあらわれてしかるべきであると思うのです。その努力を大臣なされたのか。その努力をきれたにもかかわらず、それが実現しなかったのはいかなる理由か。そのことを私はただしたいと思う。
○政府委員(増森孝君) 郵政事業の職員の給与が相当低いじゃないか。それから、それに対して大臣、上げられるならば上げたいというような御返事を申し上げておるのでありますが、かいつまんで、昨年全逓から要求が出ましてから、どういうふうな過程を経ているかということを申し上げてみたいと思いますが、まず全逓から要求が出ましたのは、昨年の十月一日でございます。それから累次にわたりまして、全逓と本省側で団体交渉を行なっております。で、その間いろいろとやりとりがあるのでございますが、大きく分けてみますと、全逓の要求のほうは、ただ六千円をベースアップしてくれ、その理由とするところは、大体一つには、組合員の大多数のものの希望であるということが一つでございます。それから第二の点は、欧州並みの賃金がほしいのだということが第二の点であります。 それらに対しまして省側のほうの団体交渉の考え方といいますか、われわれのほうの考え方としましては、それはそれとして、省としてはこういう原則でいきたい、一つは、昨年の仲裁裁定を、一応平和義務と申しまするか、昨年の仲裁裁定の段階で、一つには、あれが満足だったということを確認し合おうじゃないかということを第一点として申しております。それから第二点の問題は、その後の情勢が変化したということをひとつお互いに確認し合おうじゃないかということでございます。それから第三点としましては、給与特例法でもってきめられている考え方、と申しますのは、職員の給与は国家公務員及び民間事業の従業員の給与その他の事情を考慮して定めなければいけない。こういう給与等に関する特例法の第三条でございますが、その原則の上に立って話を進めようではないかということを、三点を持ち出しまして組合と累次にわたって交渉しておったのでございますけれども、その間どうしても両者歩み寄れませんので、とうとう二月の十八日に、全逓側から公労委の調停にかけられた。 それで、ただいまのところ、何と申しますか、第四回の事情聴取がございまして、またさらに、きょうの午前中に西村次官が公労委に呼び出されておる、こういう段階でございまして、決して省としまして安閑とほうっておいたというわけではないのでございます。
○永岡光治君 ただいまの人事局長の答弁を聞きますと、組合と累次にわたって折衝してまいりました、しかし意見が一致しませんということはわかりました。そうすると、予算は、組合と意見が一致しなければ予算は来年組まないという方針なのか、一体それは、このくらい改善したいという気持ちがあるならば、それを予算に組むという積極的な努力をすべきじゃないかと私は思うのです。その努力はされたのかどうかということを私はただしている。つまり、三十九年度予算に給与改善としてこれくらいのことをやってやらなくちゃいけないのではないか、そろいう決意を持ったのか持たないのか、もし持ったとするならば、具体的にどういう努力をされたのか、この点であります。もう私は長々しい御答弁は要りません。端的に御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(増森孝君) これは、公労委の席上で私のほうから御説明申し上げたのでありますが、昨年の十月一日の段階におきましては、先ほど申しましたように、職員の給与は公務員それから民間の給与、そういったようなものを考慮して定めるという原則がございますので、省側としましては、民間の賃金と比較し、それから公務員等のことも勘案し、それから消費者物価の推移というものも考え合わせまして、昨年の十月一日現在では、そう上げる段階にはない、こういう結論に達しましたので、予算上には手当てをしていない段階でございます。
○永岡光治君 そうすると、予算編成期では賃金を上げる必要はない、こう見ておった、こういう結論だと私は理解するわけですが、いまは、それじゃあ変わっているのですか。大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(古池信三君) 先ほどもお答え申し上げましたように、基本的には、私はできるだけ従業員諸君の給与を上げて差し上げたい、ころ考えておりまするけれども、これにはいろいろな制約もあり、また条件もあり、他との均衡もありますので、この際、具体的に、それではどれだけどうして上げましょうというようなことは、ちょっと私は申し上げかねるわけでございます。特に現在、公労委の調停の段階にもなっておりますので、いずれ近く発表されるであろうと思われるこの調停の結果を見まして、また私として善処してまいりたい、こう思っております。
○永岡光治君 お話を承りますと、やはり民間の金額との開きが、人事局長の話では、ないと言うのですけれども、私ども、あると理解しているのですが、論争になりますからここでは言いませんけれども、しかし、少なくとも、現状のままでいいということは私はなかったと思うのです、おそらくその場合でも。それが、あなた方の考えで六百円という回答が途中であったそうですが、その数字がいいか悪いか別としまして、そうだとするならば、それを予算に組むべきじゃなかったか、ささやかな誠意のあらわれでは私はあったと思う。それすらも行なわれていない。やはりどう考えてみても、ただ団体交渉をやってやりとりしたというだけで、具体的な積極的な改善についての努力はやはりなされていなかったのだと、私はこう受け取らざるを得ないわけです。 そこで、いま大臣も答弁ありましたが、二月に組合のほうから公労委のほうに調停に持ち込みました、その結論が出るのを待たなければならぬ、こういうことであります。実はそこまで入ればまた問題をそこにしぼって質問しなければならぬのでありますけれども、私は、それはやはりおかしいと思うのです、どうしても。調停委員会の結論が出なければこの事態の解決ができないといろものではないと思うのです。あなた方、言うならば使用者なんです。経営者です、民間の会社でいえば。中労委にかかっておりますと、中労委に組合が提訴されました、あるいは調停に持ち込みました、これはあるでありましょう。しかし、誠意があって解決しようということなら、そのことは必ずしも私は妨げにはならないと思う。あるいはまた、公労委に直接あなた方が乗り出していって、国鉄総裁のごとく、おれのところはこうしてほしいという言い方もあるでしょう。だから少し皆さんの考え方がちょっと私はずれているのではないかという考えがしてしようがないのです。事態はもうたいへんな事態なんです。いい悪いじゃないのです。起こってしまったその事態は一体どうなるかということです。そういうことを考えますと、それはそれなりに処置しなければならぬ問題もあるでありましょうけれども、違法者は処分をするのだとか、首切るということ、検察庁や警察官みたいなことを言ったって、あなた方は行政担当者、事業を預かっておる方々です。国民の負託にこたえなければならぬ方々です。そのことをやはり念頭に置いて、ものごとをひとつ考えていただかなければ困ると思うのです。郵政事業なり電信事業というものは、あなた方に国民はおまかせしておるわけです。そのことを円満にやってくださいよ、これが国民の皆さん方に対する負託だと思うのですが、ところが、組合がどうも法律にきめられたことをやらないで違法なことをやっておるからけしからぬ、取り締まる、それは取り締まることもいいでしょう。取り締まることになるでしょう。それでは国民が皆さん方に期待しているのは、それは目的じゃないんですよ、結果的にそうなった場合に、それを処分することもけっこうでありましょうが、その事態に至らないように、たとえば、いまお話を聞くと、去年の十月一日から問題が出ているようです。いま四月です。半年もかかっている。その間に、行政を預かる、仕事を預かるあなた方が解決できなかったというのは、私は残念でしょうがない。いま伺いますと、予算の要求もしてない。それで国民は納得するでしょうか。 そういうことですから私は申し上げるのですが、国鉄総裁の態度は、私はこれはこっけいだと思う。自分でおさめられる能力を持っている。国鉄総裁は賃金を出し得る能力を持っている。能力は持っているけれども、調停委員会へ行って、どうぞ私の事業を考えてよくしてください。そんなばかげたことがありますか。そういう自分が意思を持っているならば、自分で賃金を出して解決すればいい。能力はあるわけです。 それで、いまお話がありましたが、予算の関係がある。そうでしょう。それもありましょうが、そういうことになれば、現在の公労法というものは全く意味をなさないことになってくる。いつの場合でも、予算にベースアップを幾らかでも組んだためしは、いままで私どもは寡聞にして聞きません。そうしますと、必ず争議が起こる。争議が起きて初めて賃金の改定というものが、調停委員会あるいは仲裁委員であるかは別として、さらに期間を経て初めて不承不承ながらこれをやっておる。しかも、完全に実施したためしはないようです。そういうことになっておる。 これは国民の立場から考えてみますと、いまの法律はトラブルを起こすように、起こすことを前提として考えているとしか、私は考えられないわけです。だから、したがって、これは本質論に入るわけでありますが、私は、とにかく、いまのお話によれば、努力はあまりしてない。そうして労働運動と申しますか、労働者に対する問題について、ただ弾圧をもって臨む、みずからなすべきことを怠って、出てきた事態に対する警察的な行為をもって足れりとする、そのことでは済まされないのであります。 早い話が、そういうことがあるからこそ、私ども地方に参りますと、労働行政が事業サービスに先行しております。しばしばこれは方々で見るのです。具体的に申し上げますと、労務連絡官等のごとき、郵便局に配置されておりますが、これが先頭に立ちまして、事業の運行の責任者であるべき郵便局長を始終あごで使っておるんです。逆行でございます。これはひとつ大臣にこの実情を考えてもらわなきゃなりませんけれども、そういうことで国民に対するサービスというものはできるでしょうか。私は、この点はまず事業サービスを先行して、そうして労働行政というものは、やっぱりある意味の、これは部内におけるサービス行政でありますから——郵政の中におけるサービス行政でありますから、私はあとにいってしかるべきだと思うのであります。 特に地方を見てまいりますと、郵便局長と、それからそこの組合の支部との間に円満に話が進んでいるにもかかわらず、円満に話が進むことが罪悪のごとき指導をしているわけですね。組合と円満に話をして仕事をしちゃいかぬというような印象にとれるわけです。き然たる態度で、組合から反動と呼ばれるような管理者でなければ、ほんとうの管理者でないんだと、こういう指導方針のように承るわけであります。ちょうど、若い嫁さんをもらって仲むつまじく新婚家庭ができてるのに、しゅうとさんがそれをやいてその仲をなま木をさくような、これが今日の郵政の労働行政の指導の方針ではないかと、こういうように、私ども地方にまいりましてつくづく感じておるわけです。局長と組合と仲よくやって仕事をうまくやろうといろにもかかわらず、そういうことはいかぬのだ、き然たる態度でいけと。そうして、見てごらんなさい。国鉄総裁は首を切られたという現在の国鉄の委員長にみずから進んで行って、話し合いをして解決してくれぬかと言っておる。 ところが郵政はそうでない。掲示板を見てごらんなさい。訓告書でしょうか、警告書というのを出しておりますが、そのあて名は尾島委員長代理というようなことでわざわざ書いてある。それは、そろ言わなきゃならぬ立場はわかりますけれども、そうしてまで、あえてトラブルを起こす必要ないじゃありませんか。みんな円満にいこうとしてるのにかかわらず、それを何か、組合を押えつけることがいい、円満な話し合いをすることはいかぬ、ということになると、ますます陰険になめます、組合の空気も、郵便局の空気も。行ってごらんなさい。そういう局に限ってきわめて陰惨で、両者の対立の結果はますますみぞを深めてまいります。 これでは私は、国民の事業運行についての負託にこたえる基本的な雰囲気でないと思うんです。これはひとつ考えてもらわなければならぬと思うのでありますが、どうですか大臣、みずから行なう責任の、これを解決するという努力をさておいて、単に違法だ、首を切る、処分をする、ということだけで、この問題、解決するとお考えになっておるのかどうかですね。時間がだんだん過ぎてまいりますから、私は終わりのほうの結論に移りたいと思いますので、大臣のひとつ態度を——所見ですね、お尋ねいたしたいと思います。
○国務大臣(古池信三君) ただいま御指摘になりました点でありますが、私としては、もとより、部内の大事な従業員諸君を弾圧しようとか、そういうふうな気持ちは毛頭持っておりません。管理者と、そうして従業員諸君とは、常に一体となって事業の円満な運行をなし遂げていただくということは、これは最もよいことでありまするから、ぜひそういうふうにしていただきたいと、こう念願しております。 ただいまの事態におきましては、すでに組合のほうの側から、公労委に対して調停を求めておられるのでありまするから、もう日ならずその調停の結果も出ようとしている時期でございます。この際に、四月の十七日に半日ストをやろう、こういうふうに考えておられることは、これはひとつ考え直してほしい。いまさら、あらためて申し上げるまでもなく、郵政事業は、公労法によりまして、ストライキはできないことになっているわけでございまするから、そういうふうに明らかに法律が禁止しているようなことは、ぜひひとつやめてもらいたい。 そこで、これに違反した場合には処罰するぞということを言ったではないかという話でありますが、私としては、やはり組合の諸君——従業員の諸君に対しましては、ぜひこの際、大事な場合であるから、その行動に誤りのないようにしてもらいたい、こういう念願から、警告書を発したり、あるいは従業員に対して訓辞の形をもってお話をし、呼びかけているわけでございまして、もしも翻意なく、この行動に出られるようなことがありますれば、これこれの法律に違反することになります、そうなればまた犠牲者が出ることになるのであるから、十分にそういう点も考えて自重してもらいたい、あくまで良識に立って行動してもらいたいというので、いわば管理者としての老婆心から、そういう点を申し上げているわけで、これによって弾圧するとか威嚇するとか、そういうような考えは毛頭私はないのでございます。 それから地方へ行ってみると、局長と従業員の間がうまくいっていないところがある、また、労務関係の指導者が行って、局長をむしろ指揮しているような形跡があるということでありますが、やはり郵便局の業務の運営につきましては、局長があくまで責任を持っているものでありますから、その局長の責任において業務をやってもらうべきであって、労務に関してその相談相手となって意見を述べ、局長のやり方を間違いのないように、正しい道を進んでいくように助言をするということは、これは必要である場合もあると思いまするけれども、あくまで局の責任は局長にある、したがって、局長の判断によって事に処していくということは当然であろうと思います。ちょうどいま、いい例をおあげになりまして、新婚早々の若い夫婦のようなものであるから、せっかく、この夫婦が円満に仲よくしているのを、局長がそこに水をさすような、あるいは管理機関が水をさすようなことをしているではないかというお話もございましたが、私はやはりお説のように、局長なり管理者と従業員との間は、ほんとうに夫婦のように異体同心になって一緒にやっていただくということは、ほんとうに私は理想的なことであろうと思うのであります。ただ、そこで考えねばならぬことは、やはり若い夫婦というものは、とかく経験も少ない場合が多いのでありまするが、その場合にも、あくまで妻たるものは夫を尊敬し、夫の立場というものを十分に理解し、また、夫は妻の立場、その役割りというものを尊重して、お互いが相尊重し合って、その立場立場を認め合っていってこそ、初めて円満な若い夫婦の生活というものはできるのであります。それがもし誤って嫁さんのほうが夫の立場を認めないで、夫をしりに敷くようなことがあっては、その家庭は決して円満とは言えないのであります。私は、そういう意味から、やはり管理者も組合も、両方お互いの立場を認め合っていくということが非常に大事ではないか、かように考えております。
○永岡光治君 いや、そういうのんびりしたことを私言っているのではないので、仲よくしているのに、それをやくのですよ。仲よくしちゃいかぬと言うのですよ。どっちかに誤りがあって行き過ぎがあるというなら話はわかるのですが、そうじゃないのですよ。 それで、私がとにかく言いたいことは、サービス行政ということが先例しなければいけませんよ、労働行政はあとでいいのですよ。ところが、いま、さかさまになっていますよ。労働行政が先に行ってしまって、事業のサービス行政はあとになってしまっている。本末転倒の事態が今日実際の現状ですよと、そういう一つの例を申し上げたのです。 もう一つ例を申し上げます。何か黄色いリボンをつけまして、賃上げをやろう、団結しようじゃないかというのに、処分の警告を出しているんですよ。これは人事局長——本省からそういう方針だ、こう言うのです。これを私はお尋ねをしたわけです、なぜそうするのかと。これは名前はあげませんが、局長はこれをやってもちっとも差しつかえないんですよ。ところが、あなたは上から処分しろと言われた、しようがない、処分したのですよ、こう言うのです。仲よくやろうというのに、上から何か処分しようという、こういう下を締めつける、これじゃだめだと思うのですよ。私は、いま大臣が警告を出すということ、そのことは私は否定しているわけじゃないが、特にわざわざ尾島委員長代理なんか書かなくてもいいじゃないか。国鉄をごらんなさいというのですよ。国鉄はもう首を切られたあとに、委員長に総裁みずからが出向いて行って、話をしようじゃないかと働きかけておるという事態じゃないか。それを何も組合をそう刺激するようなことをせぬでもいいじゃないかと、こう言うのです。郵政省も正直はいいのですけれども、ちょっとその上に何かつくような正直というのはいかぬじゃないか。そのことが事業を円満にできるというならば、たとえば何も宝樹委員長に警告出したって違法じゃない。言うなれば団体交渉をする義務がないというだけでありまして、あなた方はそういう団体交渉をやったって、ちっとも違法じゃない。組合のほうから要求があって、それに応じないという、そういうあなた方が義務がないというだけの考えでありますから、何回もこれは繰り返すように、いわゆる、つまらぬ端々のことで刺激をして、あるいは黄色いリボンなんかについても、これを訓告処分をして、そうして、ますます組合の職員の気持ちを高ぶらせ陰惨なものにし、感情的なものに走らしてしまっておる。それでは、国民のサービスを円満に運行しようということを預かっておる当局としては、少し考えたらどうですか、私はこういうことを申し上げておるわけです。 これはしかし、一事が万事ですよ。今日のいまのスト態勢で処分しなければならぬ、それはけっこうなんですが——それはけっこうというのは、そういう違法行為の取り締まりというのはあなた方の立場でありますけれども、そのことが先行して、警察官なりあるいは警察庁のような気持ちが先行してしまって、事業サービスをまかされておる郵政大臣という、そのことを忘れてしまってはならないじゃないか、そのことをまず冒頭考えて、この事態にどうすればいいかという積極的な努力をしていただかなければならぬじゃないか。そういう意味で私は質問しておるわけでありまして、その御答弁の中には、努力も具体的に出ておりませんし、公労委関係は調停をされておるといえども、そこへ出向いて行って、皆さんが、皆さんの誠意をそこへ示して、そうして、ものごとの解決に当たる、こういうことでなくちゃならぬと私は思うのであります。 おそらく、調停委員会が開かれておるから結論を待っておればいいじゃないかというように大臣お考えのようでありますけれども、私は、このままいけばどうも物理的に間に合わぬじゃないかという気がしてしようがない。 そして、これはひとつ大臣に特に聞いておいていただきたいと思うのでありますが、確かに違法行為は、もしこれを強行すれば無法地帯になるでしょう。そして、あなた方はこれを処分するでしょう。大量の処分をするでありましょう。その処分に対する反抗として、またさらに大きな闘争を組むでありましょう。そうして、これも強行するということになったら、一体、法治国たる日本はどうなるか、まさにこれは無法国と言って差しつかえない事態になるのです。おそらく、そうなれば池田さんは安穏としてはおれないでありましょう。私は、この事態においては、もっともっとそういう責任がある省の方が積極的に出て事態の解決に当たるというその努力を、気持ちだけでなくて具体的にやっていただかなければならぬという、こういろことをきょうは十分ただしておきたかったのでありますが、その点について、再度ひとつ大臣、御所見を承りたいと思うのでありますが、石田総裁あたりは、調停委員会に臨んでみずから進んで説明されているわけでありますが、郵政省は次官しか行かないのですか。大臣が行って堂々と、善処をして早く解決してもらいたい、自分はこういうように考えておるのだ——そういうような考えはないでしょうか。
○国務大臣(古池信三君) ただいまの非常に御熱意のこもったお説に対しましては、私もあなたのお気持ちほ十分よくわかります。私といたしましては、できるだけ省の幹部と一つになって、この問題を何とか円満におさまるように、そうして、少なくとも、この十七日におけるストライキというような、はっきりした違法行為は従業員諸君はやらないように皆さんに説得をし、良識を取り戻していただくように努力していきたい、こう考えております。 どんな方法でそれじゃやるかというようなことについては、これから十分にそのときどきの情勢の変化に応じて、適切なる措置をとっていきたいと、かように考えているわけであります。
○政府委員(増森孝君) ただいまの永岡先生が、大臣みずから公労委に出かけられないかというお話でしたが、ちょっと私の御説明がまずかったのかもしれませんが、実は、公労委のほうから国鉄は総裁に来てほしい、それから電電公社も総裁に来てほしい、それから郵政省は次官が来てほしい、こういうことでございまして、大臣に出向いて来てくれという話ではございません。それだけちょっと……。
○永岡光治君 それはそういう向こうの、次官でいいということであったにしても、私は、ほんとうの熱意があるならばやはりやってもらいたいと思うのですね。要するに、私は、具体的にやはり努力を積み重ねて、短期間であります、短期間ですけれども、それは誠意の示しよういかんによっては、事態は避けられないものでもないと思うのでお願いするわけでありますけれども、お願いというか、決意を固めて乗り出すべきであるという考えを持っておりますが、先ほど私の話の中に、質問という形式ではなかったかもしれませんけれども、どうですか、人事局長でもいい、大臣でもいいのでありますが、大臣のほうでは、やはり特に現階階における円満な運行をやろうというのに、上のほうで水をぶっかけたり、なま木を裂くようなことはあまりよろしくないということでありますが、そういうことであれば私どもは了解できるのでありますが、人事局のほうでそういう指導をしているのじゃないですか。訓告処分等を出しているのですか。これはどういうふうに考えておるのでしょうか。
○政府委員(増森孝君) 先ほど、何か非常に本省では労働行政が先走っているのじゃないか、サービス行政にもかかわらず労働行政が先走っておるようであるというお話でございましたが、私どもとしましては、本省段階ではそういう考えは毛頭ないのでございます。なま木を裂くようなという例を出されましたけれども、私どもは、なま木を——あえて水をかけるというような労働行政の指導はしておりませんで、むしろ往々にして脱線をする、先ほど大臣が申されましたが、脱線をするような若夫婦がある場合には、折り目筋目を正して、そうして正すべきものは正していく、こういうふうな気持ちでやっておるのでございます。いまのところ、私どもとしましては、労働行政が先走る、それからまた高姿勢であるというようなことは万々ないことをここでお誓いしたいと思います。
○永岡光治君 そうだとするならば、私はその言を信用いたします。もし人事局長なり大臣のようなお気持ちが下部に正確に伝わらずに、そういうものでない事態が起きれば、それは当然取り消すということになるわけですね。その処分問題についても、どうなんですか、これは訓告処分を全部やっているというのですけれども、そういうことがあるのですか、ないのですか。これは表現の自由ですよ、言論結社の——言論の自由というのがあるのですが、言論というのは表示の自由、ことばによる場合もありましょうし、プラカードによる場合もありましょうし、賃金を上げてくれという意思表示をしたら、訓告処分になるというのですが、これはだれが考えてもおかしいと思うのですが、どう考えておりますか。
○政府委員(増森孝君) リボン戦術と申されておりますが、これはあったとかなかったとかいうことにつきまして、ちょっと概略御説明しますと、兵庫県下の普通局で、大幅賃上げをかちとろう、ということのリボン戦術をやりまして、そして何回も何回も管理者が取りはずせということを言って、そして、それにもかかわらず取りはずさなかったということで、二百名ほど訓告を行なった事実がございます。なぜそういうことをしたかということでございますが、私ども、リボンを、勤務時間中にそういったような、仕事とは関係のないようなものを胸にぶら下げているということは、業務に支障があるというふうに解しますし、また、正しい服装とは言えない。かたがた、何回もそれをとりはずせという業務命令に違反したということで、所属長が訓告をしたようでございます。そういう事実はございます。
○永岡光治君 具体的にどういう支障があったのでしょうか。その業務の運行に支障があったというのですが、リボンをつけることがなぜ支障になったのですか。
○政府委員(増森孝君) 非常にデリケートな問題でございまして、労働大臣もせんだって申されておったのでありますが、組合の正当な権利の行使であるということであればいいでございましょうけれども、しかし、職場でもってそういったような、何といいますか、ことに窓口等で、大幅賃上げをかちとろう、といったようなスローガンを掲げるとか、あるいは、これは何も組合運動だけではないと思いますけれども、たとえば何かの宗教に入ろうとか、そういった、業務に関係のないといったようなものは、公衆にいやな気持ちを与えるだろうということで、私どもはこういうリボンを下げるといったようなことは正しい服装ではない、こういうふうに解釈しておるわけであります。
○永岡光治君 そうすると、業務の運行に支障を来たしたという事実は、あったのですか、なかったのですか。ただ、あなたのおっしゃるように、服装が、どうも黄色いのをつけているからかっこう悪いからというので処分をしたのですか。その処分の内容を明確にしておいてもらいたい。 と申しますのは、これは、この件を契機にいたしまして、私ども関係の委員会その他で、根拠といいますか、ただしてみなければならない。いやしくも、人を処分をするというのは軽々にやるべきじゃない。具体的にそういう事実があって、たとえば郵便を何時間おくらかしたというようなことがあって処分をしたのか。何か目ざわりになるというだけで処分をしたのか。しかも、それを私どもは非常にきれいだと見ているわけですが、お客さんによってまちまちだと思うのですね。目ざわりになるというお客さんもあるかもしれないが、きれいだという方もあろうし、いろいろ私はあろうかと思うのです。その処分の根拠を明確にしておいていただきたいと思います。
○政府委員(増森孝君) 非常にこまかくなりますけれども、国家公務員法で、職務に専念しなければいけないという義務がございます。それからまた、就業規則でも、服装を正さなければいけないとか、それからもう一つは、勤務時間内に庁舎内で組合活動をしてはいけないといったようなこともございますので、取りはずせと、こう所属長が命令しまして、そして、それに違反しましたので、処分をしたと、こう聞いております。
○永岡光治君 これは他日に譲りますが、明確にしておきたいのは、業務命令違反ということでやったわけですが、その業務命令違反というのは、いまのお話によると、説明のあった程度の命令違反だ、違法な業務命令違反も、業務命令でそれに違反すれば処分を受けると、こういうふうにしか理解できないのですがね。非常にあなた方は広い解釈と申しますか、何かしら事を起こそう——ここを私は言っているのです。何かトラブルを起こそうという魂胆があるのですね。そういうことではいかぬのじゃないかと思うのですね。それが事態をだんだん混乱させ、感情的にものごとを対立させていく原因じゃないか。そんなこまかいことを、処分であれ、訓告であれ、一体どういう利益があるかということですね。それで感情的になって、逆にうまくいかない。迷惑をこうむるのは国民だ、こういうことになるわけなんです。ですから、小さい目先のことを考えずに、大局的な見地に立ってサービス本位ということを念頭に置いて考えなければいかぬということを私はしばしば申し上げているわけでありますが、サービスだから違法行為をやってもいいということをごうも言っているわけではございません。そういうわけのわからないような、いやしくも人を罰するには法的な根拠がなければいかぬと思うのでありますが、いま承ると、非常に不明確だし、どうもこじつけだし、無理があるのじゃないかと思うんですが、そうしますとあれですか、そういうものがあれば全部みな処分するのですか、本省は。
○政府委員(増森孝君) ただいま御説明しましたようなことで処分したのでありますが、一万六十からの現業をかかえておりますので、やはり正すものは正していかなければいけない。 それから事あれかしとやっているのではないかというお話でございますが、私どもとしましては、何もこれで事あれかしとやっているわけではないのでありまして、これは兵庫県下で起こりました何といいますか事件でございまして、これが拡大するのかどうかということにつきましては、いまの段階では何ともお答えできない状態でございます。
○永岡光治君 最後に、重ねて郵政大臣、電電公社総裁に一つ。先ほど私るる申し上げましたことでございますが、要するに、今日のこういう事態を招きまして、いい悪いは別でありましょう、不法行為やっていいとはもちろん言えないでありましょうけれども、事のいかんにかかわらず事態はそこまで進行しつつある。重ねて申し上げますが、強行すればこれは法を無視されたことになるわけでしょう。処分も出るでしょう。大量に出るでしょう。それで、またそれに対して反撃の、もう一度大きなストを計画されるでしょう。そうして、それを強行すれば、いよいよ日本は、公労法があろうと、労働組合法があろうと、それはもう無法地帯であります。無法国になるわけであります。そういう事態になりかねない今日の事態であります。その原因は、今日の公労法自体にも問題があるでしょう。公社制度そのものの体質にも問題があるでしょう。制約を受けている以上に問題があると思います。体質と言いましたが、要するに、財政法その他の予算のあり方、経営のあり方という問題について、やはり今日の法律では非常に矛盾がある、このように実は考えているわけでありますから、そういうことが長い間続いて、歴史的に何回か経てきた今日の事態でありますだけに、これはひとつそう簡単には解決できない事態が私はあると思うんですけれども、しかし、それはそれとして、今日この十七日の事態を実現させてはまことに遺憾な事態だと思いますので、その辺について、さらにあらん限りの誠意を尽くしていただいて、しかも、単なるストをやめてくれという懇請だけではなしに、懇請の誠意が相手に受け入れられるように、具体的な何らかの対策をひとつお持ちになって、そうして、この事態を円満に解決していただくことを私は特に要望して、一応私のきょうの質問はこの程度にしたいと思うのでありますが、郵政大臣あるいは電電公社総裁のほうから、最後にひとつ御所見を、私の気持ちに対しましての御答弁をいただきたいと思うのであります。
○国務大臣(古池信三君) まことに憂慮すべき事態となっていることは遺憾に存じております。私どもといたしましては、従業員の諸君に十分自重を促して、できる限りの努力をしてまいりたい、こういう考えであります。
○説明員(大橋八郎君) ただいま永岡先生のお話、お気持ちはよく了承いたします。ただ、もう日がだいぶ迫っておりますので、はたしていい解決案が得られるかどうかという点につきましては、私どもはたいへん憂慮いたしております。何かいい方法があれば、できるだけこれは解決することができればしあわせだと、かように考えておるわけでありまして、今後とも、できるだけ努力をいたすつもりでございます。
○野上元君 私も、ただいま永岡委員が質問をいたしました四・一七ストがなぜこういう経過をたどってきたか、さらにはまた、これをどうすれば回避することができるかという点に論点をしぼりまして質問をいたすつもりです。したがって、若干の重複はあると思いますが、その点はひとつがまんをいただきたいと思います。さらにまた、これは郵政大臣ばかりでなく、電電公社の総裁にも質問をいたすような形になりまするけれども、答弁は郵政大臣だけでけっこうでございますので、その点、あらかじめお含みいただきたいと思います。 郵政大臣は、先ほどの永岡委員の質問によりまして、自分は、今日の郵政従業員あるいは電電公社の職員の給与を上げたいんだ、こういうふうに言われておりましたが、そのことは御確認できますか。
○国務大臣(古池信三君) いろいろな条件がございまするから、なかなかむずかしいのでありまするけれども、それらの条件、事情が許す限りにおいては、できるだけ基本的に待遇をよくしていきたい、そういうことについては、もうもちろん異議はございません。
○野上元君 それでは答弁が抽象的になりますから、方向を変えて質問をいたしますが、郵政大臣は、現在の郵政従業員の給与は妥当であると考えておるかどうか。
○国務大臣(古池信三君) まあ月給は高いほどよろしいんで、高いにこしたことはありませんけれども、やはりそれには諸般の事情がありまするから、それらを勘案していきますると、いまの郵政職員の待遇が決してこれで十分な十全のものであるとは考えませんが、まあやむを得ないところである、こういうふうに思っております。
○野上元君 先ほどあなたは、永岡委員の質問に対しまして、自分としてはできるだけ給与を是正してやりたいんだという気持ちがあるんだということを答弁されましたが、いま角度を変えて質問しますと、現状やむを得ないというふろに考えられておるようですが、その点、ひとつはっきりしてもらいたい。
○国務大臣(古池信三君) 先ほど永岡委員にお答えしましたことと精神は変わらないのでありまして、現在は諸般の条件に制約されておりますからやむを得ないが、できるだけこれがよくなるように努力をしたい、そういう気持ちは持っておるということを申し上げたのでございます。
○野上元君 後ほどその点は究明したいと思いますが、郵政当局は全逓労働組合と交渉した結果、賃金、手当についてどのような回答をされたか、お聞きしたいと思います。額だけでけっこうです。
○政府委員(増森孝君) 団体交渉の間におきましては、先ほど申し上げましたように、額等の返事はしておりません。
○野上元君 額は、全然あなたのほうでは発表しておられないのですか。
○政府委員(増森孝君) そのとおりでございます。先ほど申しましたように、原則論で団体交渉は決裂ということになっております。
○野上元君 そうしますと、あなたのほうでは、具体的な数字を出す必要を認めなかったと、こういうふうに解釈してよろしいですか。
○政府委員(増森孝君) 出す前の段階で、原則論で対立をした、こういうことでございます。
○野上元君 それなら聞きますが、もしもその原則論が同意されて具体的な交渉に入った場合には、幾らを出す予定だったのですか。
○政府委員(増森孝君) それはまだきめておりませんでした。
○野上元君 まだきめておらないのですか。
○政府委員(増森孝君) ちょっと行き違いがあったかと思いますが、団体交渉のおりは、原則論で終始しまして決裂になったのでございますが、その後、公労委の調停の段階で、一般の給与は現状のままで、ただ初任給一年目の者について六百円を上げようと、そうして、一年目の者の初任給を六百円上げますと、それに伴いまして、二年目、三年目、四年目と、こういったような者の均衡がとれませんので、それぞれ調整をして、九年間という段階で調整をしようという案を調停委員会の席で回答しております。
○野上元君 その額をならして平均は幾らになりますか。ベースアップは幾らになりますか。
○政府委員(増森孝君) ちょっといま計算しておりません。
○野上元君 まあいずれにしても、たいした額にはならぬと思うのですね、おそらく。千円台を下回るということは、もう明らかです。 そこで私は聞きたいのですが、そのような状態で、そのようなベースアップで郵政当局としては、今日においては妥当だと、こういうふうにお考えになったかどうか、聞きたいのです。
○政府委員(増森孝君) 結論から申しますと、まあやむを得ないであろう、その理由といたしますところは、先ほど永岡委員に御説明しましたように、私どものほうの職員の給与は、特例法でもって、公務員及び一般民間の賃金その他の事情を勘案してきめねばならないということがございますので、その要素をとってまいりますと、民間賃金との関係はどういうことになるか、こういうことをちょっと数字で申し上げてみますと、昨年の四月の仲裁裁定後でございますが、民間のほうではどういうふうな賃金の推移をしておるかと申しますと、これは労働省発表でございますが、そうして、五百人以上の事業場でございまして、昨年の四月の指数を一〇〇といたしますと、五月が一〇一・三、それから六月が一〇四・四、それから七月が一〇四・三、それから八月が一〇四・三、九月が一〇五ちょうどでございます。それから十月が一〇五・六と、こういうふうな推移をしております。そこで民間賃金をもち少し分析してみますと、これらの六月、七月ごろに急に上がっておりますが、この推移というものは、民間の春の闘争といいますか、春闘の結果、六月あたりから急に上がってきたのであろう、つまり、昨年の四月のものが時期的にずれてきたのではないかというような感じがいたしますので、民間とのバランスも、そう上げなくてはいけないという事態ではない。 それから第二の問題でございますが、消費者物価との関係はどうかと申しますと、これは三十八年の四月を一〇〇といたしますと、十月が一〇二ちょうどでございます。したがいまして、消費者物価から申しましても、そう賃上げをしなければいけないという段階ではなかったという結論でございます。 それから第三の公務員との給与はどうかということでございますが、公務員のほうは、昨年の十月に六・七尾改定になったのでございますが、この十月の公務員との比較でございますけれども、公務員とわれわれのほうと、実はどういう開きになっておるかということは、両方の職種の構成とか給与体系とか、そういったようなものが非常に的確につかみ得ないのであります。したがいまして、非常にむずかしいのではございますけれども、公務員とわれわれのほうの職員との給与を比較いたしましても、そう遜色はないであろうという三つの理由で、総合的に勘案いたしまして、一般はベースアップを必要としないけれども、ただ、初任給が民間のほうでだいぶ上がりそうであるということでもって、六百円からずっとならしていくという結論に達しましたので、この回答を公労委の調停の段階で回答をしておるということでございます。
○野上元君 そうすると、郵政省の人事当局は、長期安定賃金制度というものを考えておられるんですか。
○政府委員(増森孝君) 長期安定と申しますかどうですか、私どものほうとしましては、郵政職員の給与というものは、言ってみれば、非常に卑俗なことばかもしれませんが、世間並みであることを望んでおります。したがいまして、民間賃金と公務員との給与のバランスということを考えていくべきだと、こういうふうに考えております。
○野上元君 角度を変えて質問いたしますが、郵政大臣にお答えいただきたいんですが、先ほど池田政策についての見解が表明されまして、それは見方の相違であると、まあこういう御答弁があったわけであります。そして高度経済成長政策はやらざるを得ない、こういう認識に立っておる、こういろわけであります。私も、何党が天下をとろうとも、高度経済成長政策というものは必要だと思います。で、その高度経済成長政策というのは、言いかえれば所得倍増計画である。さらに言いかえれば、これは賃金の、月給二倍論であるということをお認めになりますか。
○国務大臣(古池信三君) 経済の高度成長政策は、国民全般の所得を高めていこう。これをごく端的に、卑近なことばで言いますると、所得倍増と言われておりまするが、これは国民全般の所得を少なくとも倍くらいにはせねばならぬと、こういうところに目標があるのでございまして、国民の中には、中小企業の人もあり、農民もあり、また大企業に従事したり、あるいは公共事業に従事しておる人もあります。そういう人たちを総合して、全体の国民所得を少なくとも倍にしようと、こういう関係でございます。したがって、その間に適当な均衡調整をとっていくということが必要ではなかろうかと存じております。
○野上元君 郵政省はどういうふうにこのワクに入っておりますか。この所得倍増計画の中に、郵政従業員はどういうふうになっておりますか。
○国務大臣(古池信三君) したがって、国全体の総生産が増大し、国民全体の所得が増していけば、組織をつくっておられる勤労者も、また農民も、中小企業者も、そろって所得がふえていく、こういうことになりまするので、郵政職員も、もちろん、その中の一環として当然所得がふえていくことは間違いのないことと存じております。
○野上元君 そうしますと、所得倍増計画というのは、三十六年四月からスタートして、昭和四十五年三月三十一日に終わる、こういう計画であります。この十年間の間に所得が倍増になる、こういうわけであります。そして郵政従業員も当然その中に入っておる、こういち御答弁があったわけです。そうしますと、十年間に所得が倍増すると言っておるのでありますが、それは名目所得であるのか、実質所得であるのか、どちらですか。
○国務大臣(古池信三君) 先ほど申しましたように、これは倍増ということは、国民全体の立場からの倍増であるということをまず申し上げておきたいと思います。それから、もちろん、名目が倍増しましても、実質的に倍増しなければ、これはもう意義のないことでございますから、実質的な観点から倍増の線に持っていきたい、こういうふうな念願でございます。
○野上元君 国民全体の所得が倍増になる、こういうふうにあなたはいま言われております。そしてまた、池田さんも、たびたび答弁でそういうふうに言っておられますけれども、一般の大衆が受ける感じは、自分の所得が倍増になるのだ、したがって、池田高度経済成長政策は賛成だ、こういう人もおるわけです。ところが、郵政従業員は一体それじゃ所得倍増に入っているのか、平均以下にあるのか、平均以上にあるのか、その点はどちらですか、あなたの気持ちとしては。
○国務大臣(古池信三君) 国民所得と申しましても、その職業によりましていろいろな所得のあり方があるわけでございますが、俸給によって生活をするという立場の人たちの中では、大体郵政職員は平均的なところではなかろうかと、こう考えております。
○野上元君 そういたしますと、十年間に所得が倍増するためには、そして実質的な所得が倍増するためには、年率何%の上昇が必要と考えられますか。
○国務大臣(古池信三君) そろばんをはじけば、たしか、年に七%ぐらいずつ成長していけば十年間に倍増になる、こういう結果になってくるわけであります。
○野上元君 そこで私は聞きたいのですが、三十九年度の一般会計予算を編成するときに、大蔵大臣あるいは経済企画庁長官その他経済閣僚が集まって、一応三十九年度における経済の推移というものを見きわめながら、三十九年度予算案の編成を行なったわけであります。その内容は、もう質問するには時間がかかりますから、申し上げますと、経済成長においては、名目成長率は九・七%、実質成長率は七%と、こう見ておる。そうして物価のほうは、卸売り物価の上昇が〇・五%と見ておる。消費者物価の上昇は四・二%と見ている。ところが、厚生省は生活保護関係の予算を検討する場合には、三十九年度の消費者物価の上昇率は八%と見ておる。そういう見通しの上に立って三十九年度予算が立てられておるということをあなたはお認めになりますか。
○国務大臣(古池信三君) 三十九年度予算は、いま御引用になりました経済企画庁の見方、これを基礎にして組まれたものと考えます。 〔委員長退席、理事松平勇雄君着 席〕
○野上元君 したがって、経済企画庁の見方をもってすれば、三十九年度の消費者物価の上昇率は四・二%となっておるわけです。で、先ほどあなたが答弁されましたように、所得倍増計画を逐年実施するためには、毎年実質的には七彩、正確に言えば七・二%の上昇——ベースアップが必要である、所得の上昇が必要である、こういうことになるわけです。そうすると、経済企画庁長官のこの見通しから見ると、七・二%から四・二%引いてしまうと、実質的には三%にしかならない。したがって、本来ならば、実質七・二%の所得増加を見込むとするならば、数字的には一一・四%の所得の増加を必要とするわけであります。それが所得倍増計画で池田総理が天下に約束された公約であります。その公約について郵政当局はどういうふうにお考えになっておるのか、この池田政策をあなたのほうも実施されようとしておるのかどうか、積極的な意図があるのかどうか、その点をひとつお聞きしたいと思います。
○国務大臣(古池信三君) これは政府全体の責任でやっておるわけでございまするから、郵政省といたしましても、その全体の政策の中においてこれに協力する態勢をとって今日までやってきております。なお、この成長率なり、あるいは物価の上昇の問題等につきましては、これはやはり十年間を通して考えなければならないのであって、各年々の率だけをとりましても、必ずしも理論どおりには願いらない、これはやはり経済の実態からいいましてやむを得ないところではなかろうか。たとえば、昭和三十六年から発足しましたこの十年計画にしましても、最初の三年ぐらいは非常な勢いで伸びたということは、御説明するまでもなく御承知のとおりでございます。そこで、郵政省としまして、こういう重大な公共事業を受け持っておりまする立場から、この政府の政策の一環として、やはり物価は極力押えていかなくちゃならない、もしこの物価が不当に値上がりするようなことになれば、大きく全体の経済の政策にも響いてくるわけでありまするから、その問題も考えながら、やはり物価抑制という立場から、公共料金の値上げはしばらくやらないというようなことについても、この政府全体の施策の中において協力をいたしておる、こういう次第でございます。
○野上元君 どうも私は、郵政大臣の言われておることは積極性がないんじゃないかというような気がするんですね。いま私が申し上げましたように、池田総理は、大きな政治的立場から、国民全般に対して所得倍増という約束をきれたわけなんです。その中には、当然郵政省の従業員もあるし、電電公社の従業員もあるんです。しかも、これらの従業員は、大体平均あるいはそれ以上でなければならぬと思うんです。公共事業に携わっておるんですから、当然それだけの待遇がされなきゃならぬということを私は考えるわけであります。で、いまあなたは、ただ一年だけをとってみても結論は出ないんだと、こう言われるわけです。それは十年間における所得倍増である、したがって、言外には、もう少しその情勢の推移を見てくれと、こういうような言い方なんでありまするが、それならばお聞きしたいのですが、池田内閣が成立したのは昭和三十五年、そうして所得倍増計画を発表され、翌三十六年四月一日にスタートしたわけです。その三十六年、七年、八年と、郵政従業員が実質的にベースアップされた額は幾らですか。
○政府委員(増森孝君) 額はいま手元にございませんが、率から言いますと、三十六年一〇%、それから三十七年度が六%、三十八年度が五・九%でございます。
○野上元君 それは物価を全然考えておらない、名目所程の増加でしょう。私が言っているのは、実質所得のことなんですよ。実質所得は一体幾ら上がったのか、三十六年以降。問題はそこにある。
○政府委員(増森孝君) いま手元に資料がございませんので……。
○野上元君 私は、そういうことがわからぬようでは問題の解決はできないと思うのですよ。あなた方みずから郵政省の従業員の実質所得は一体幾ら上がったのか、それも答弁できないじゃないですか。あなた方、約束に違反しているのですよ。そういう状態で、ストライキはけしからぬ、違法だ、処罰するのだ、私は語るに落ちていると思うのです、そういうことでは。あなたみずから姿勢を正しなさい、政府みずからが。あなた方が公約されたことを実施しなさい。十年間に実質所得の倍増をやるのだ、こう約束をしたら、万難を排して積極的にやるのが、あなた方の態度じゃないですか。そうして、それをやれない場合はあると思う。しかし、あなた方の誠意が認められるならば、私は、働く階級の諸君だってその誠意を認めると思う。しかし、実際には、あなた方、いま郵政従業員の所得が何ぼ上がったかもわからぬと言うのですからね。それでは、どうやってあなた方は管理者の責任を全うしようというのだ。その点、私は特に郵政大臣の答弁を求めたいと思います。
○国務大臣(古池信三君) 先ほど来申し上げておりまするように、この所得倍増ということは、個々の職場の従業員が自分の月給が倍になると、こういうふうな考え方ではなく、国民全体が所得を倍になるようにしようと、こういうわけでありまするから、従来非常に所得の低かったようなところは、あるいは二倍にも三倍にもなるかもしれません。そこに国民全体としての所得の調整がおのずからはかられていくといろところに、私は妙味があると思うのでございます。
○野上元君 その話はもう先ほど来、あなたが何回も言われているのです。私もわかっている。しかし、郵政従業員は、少なくとも国民所得倍増計画の中でも重要な一つの部門を占めている。それであなたは、国民全体の平均が倍増になるのだから、あるいは五倍も六倍も上がる人もいるかもしれぬし、あるいは〇・八倍しか上がらぬ人もいるかもしれぬと言われている。しかし、郵政従業員はそうではないのだ、少なくとも平均以上、所得倍増以上にはなるのだ、こういうふうに、さっき答弁されたのじゃないですか。それでは実際にそういうふうになっているのかと聞いたら、あなたのほうじゃ、それはわからぬ。そんなことで一体どういう計画を立てようというのですか、その点、私はわからぬ。だから、あなたは、抽象的な答弁は私どもわかっているのですから、具体的にどうやって郵政従業員あるいは電電公社の従業員の所得を倍増しようという計画を立てられているのか、その点をはっきりしてもらいたい。 さらに私は質問を続けますけれども、三十九年度予算を編成するにあたってあなた方は一体どれくらいのベースアップを見込んだのかという永岡委員の質問に対して、全然それは見込んでおらない、こう言っているのですね。ところが、経済企画庁の見通しにおいても、消費者の物価値上がりは四・二%となっているのです。これは、厚生省は八%と言っているのです。おそらく七、八%になるのじゃないかというのが一般の見方です。そうして皆さん方は、現在の時点においては何らベースアップする必要はないのだ、こう言うのです。かりにベースアップが行なわれないとするならば、そうして一方消費者物価が四・二%上がるとするならば、郵政従業員あるいは電電公社の従業員の実質賃金は四・三彩下がることになるのですよ。そのことをあなた方はどういうふうにお考えになっているのか、もう少し計画的な、科学的なひとつお答えをいただきたいと思う。
○政府委員(増森孝君) 予算編成とベースアップの関係でございますが、非常に事務的なお答えで、あるいはドライなお答えで、おしかりを受けるかもしれませんけれども、予算編成の場合にいわゆる来年度の賃上げの要素が出てこないという場合には、その予測をして予算編成をするということはいかがかと思います。したがいまして、私どもとしましては、予測の上に立って賃上げの財源を確保するために予算編成をするということは適当ではないのではないかというふうに考えるのであります。
○野上元君 その点私もわからぬことはないのです。わからぬことはないのですけれども、しからば問いますが、全逓信労働組合からベースアップの要求を受けたのはいつですか。
○政府委員(増森孝君) 三十八月十月一日でございます。
○野上元君 その後あなた方は折衝を重ねられてきたわけです。ところが、実際にはあなた方は上げる必要はないのだという認識の上に立ってやられたわけなんですね。そこに問題があると思います。したがって、先ほども申し上げましたように、国家の経済政策というものは一つの計画に基づいて行なわれているとするならば、当然そのことを考えながらあなた方は予算を編成されなければならぬではないか、かように実は私は考えるのです。しかし、あなたが事務官僚の立場からいまのようなお答えをされることは、これは私も了解できます。しからば、調停委員会で五千円なら五千円というベースアップを出した場合には、あなたのほうはどうしますか。
○政府委員(増森孝君) 調停の段階で額が出た場合にどうすればいいのか、こういうお尋ねだと思いますが、それをのむか——まあ尊重するのがたてまえだろうと思いますけれども、それをのめるかのめないかということは、財政の問題もございますし、それからかりにのんだといたしますれば、いまのところ財源はございませんので、補正予算ということになろうかと存じます。
○野上元君 その補正というのは、いろいろな会計がありますが、その会計から郵政の一般会計に繰り入れる、特別会計に繰り入れるということになるわけですか。郵政プロパーの会計から見てやり得るだけの能力はあるんですか。
○政府委員(増森孝君) かりにでございますが、仮定の上でお答えいたしますが、千円ベースアップといたしますと、これは年間三十六億でございます。したがいまして、そういう財源というものは今度の三十九年度予算には全然盛り込んでないということでございます。
○野上元君 そうしますと、先ほど言ったように、所得倍増計画というのは、あなたのほうは、気持ちからいっても、また財政的な措置から見ても、それは郵政省の場合にはできないんだ、こういうことになるわけですか。
○政府委員(増森孝君) 私どもとしましては、まず第一段階としては、筋として昨年の十月一日の段階では上げる要素はないということが第一の原則でございます。で、その段階で財源等につきましては、団体交渉の場では話が出ておりません。したがいまして、私どもとしましては、財源上、それを数字から言ってしまえば、財源はないとはっきり言えましょうけれども、まだいまの段階では公労委の調停にかかっている段階でございますので、その辺のお答えはちょっと留保さしていただきたいと思います。
○野上元君 結局私は政治的な問題になると思うんですが、高度経済成長政策ということは所得倍増計画であり、一般には月給二倍論だといわれておることは、郵政大臣も常識的にはこれを認められておるわけですね。そうして、これは池田内閣の一つの公約なんです。したがって、本来ならば、あらゆる国民は、機会均等の原則から、この所得倍増計画の一員として、その利益を享受する権利を持っておるわけですね。逆に政府としては義務を負っているわけなんです。ところが、実際にはそういうことをやっておらない。 〔理事松平勇雄君退席、委員長着席〕 気持ちの上においても、現在の給与でよろしいんだと、こう言っておるし、さらにまた財源的な措置もやる必要はないんだ、こう言っておるということになれば、明らかに所得倍増計画というのは、郵政事業にとっては少なくともこれはやるべきではないんだ、こういうふうに考えられるが、郵政大臣としてはどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(古池信三君) 十年間に郵政職員の俸給を上げなくてもいい、そういうふうな意味ではございません。もちろん経済の成長に伴い国民全体の所得がふえていくということになれば、当然郵政職員もその国民の一人として所得がふえていくことは申すまでもないと思います。ただ、それは年度年度によってきちんと十分の一ずつ成長していくかというと、それはやはり経済の動きというものはそこまできちょうめんにはいきませんから、やはり景気のよいときもあれば、不景気のときもある。同様に、これに順応して郵政事業も考えていかなくちゃなるまいと思います。さらに、先ほどの調停案が出た場合等の措置については、いま人事局長が申しましたように、補正予算ということも考えねばならぬかと思いまするが、これらについては政府全体として十分に相談をしてやっていきたいと考えております。もしそういうときにはどうするかということになれば、それだけの人件費を生み出すためには、あるいはすでに計画しておる他の支出を途中で打ち切るなり、あるいは何かまた新しい収入の道でも考えるなりして財源を捻出する、そういうことにならざるを得ないと考えます。
○野上元君 時間がありませんので申し上げますと、先ほど来私が質問したとおりであり、あなた方が答弁されたとおりであって、実際に郵政従業員の場合の所得倍増計画においては、実質的に三年間でどれだけ郵政従業員が所得をふやしたのかということがわからぬということです。これはもう計画の——算術的に計算すれば、二一・六%の実質所得がなければ十年後に実質的な所得の倍増は考えられないということであるので、その点に関しては、あなた方は約束を違反しておると言われてもしかたがないと思うのです。そしてあなたは、景気のいいときもあるし、景気の悪いときもあるだろうと、こう言っておられるのですが、景気がよかったのは三十六年ぐらいだと思いますが、そのときにでさえ実質的に考えて水準が幾ら上がったって物価の上昇を引けばきわめてわずかなものであります。こういう状態で賃金が倍になるのは、私の計算ではおそらく二十年ないし三十年かかると思うのです。いわゆるあなた方みずからが約束を不履行しておきながら、約束を迫る労働組合に対して、あなた方がそれは違法だ断固処罰するのだということは、明らかに私は行き過ぎだと思うのであります。まずあなた方みずからが約束を履行されることが私は正しいと思うのですが、その点の見解をお聞きしたいと思うのです。
○国務大臣(古池信三君) 先ほどから繰り返しお答えしておりますように、池田内閣の経済政策というものは、国全体の経済の規模を拡大いたしまして、そして総生産を増し、したがって国民全体の所得を倍加しよう、こういうのでありまして、個々の俸給生活者についてみなこれが倍になるということをお約束した次第ではないと私は了解しております。もちろん、先ほども言いました郵政職員の立場から言いますれば、私どもといたしましては、できる限り他に負けないように給料を引き上げて待遇を改善したいという意図はもちろん持っておりまするけれども、他の俸給生活者——いわゆる月給取りと並んでまず平均的なところであろうということが常識的ではなかろうか、こう考えております。
○野上元君 私はあなたの答弁はどうも言いのがれのような気がしてしようがないのです。積極的な意図があるなら、あなたのほうはみずから、三十九年度の賃金水準はこの程度にしたい、こう言ってあなた方は労働組合に対して団体交渉を申し入れたことありますか、過去において一ぺんでもありますか、そういうことが。そういうことはないことは私もよく知っておる。にもかかわらず、積極的な意図はあるのだ、こう言うのです。一体どこに積極的な意図があるのですか、ないじゃないですか。今回でも、全逓からベースアップの要求がなかったら、あなた方はこれ幸いと口をぬぐってそのまま過ごすつもりじゃなかったのですか。調停委員会に提訴したのは、一体どちらが提訴したのですか。
○国務大臣(古池信三君) 公労委に調停を申請したのは組合でございます。
○野上元君 あなたのほうはいやいやながら調停申請を横目でにらんでおるという状態じゃないですか。あなたのほうみずからが調停申請をし、これぐらいのことはやるべきだというような意見を当然吐かなければならぬと思うのですが、あなた方は積極的な意図があると言いながら、実際にはない。 さらに私は質問を続けますが、公労委における石田国鉄総裁の見解は、かいつまんで言うと三つに要約されております。第一は、初任給六百円の手直しということは、これは一つの瀬踏みであり、こんなもので解決しようとは思いませんと、こう言っておるのですね。第二は、相当額のベースアップが必要である、こう言っております。第三点は、国鉄職員は他の三公社とは職務の内容が違うのであるから高くランクすべきである、こういうふうに言っておるわけであります。しかし、第三の問題点については、問題があろうと思います。先ほどあなたも、電電公社総裁も、決して国鉄より下げてもらっては困るのだ、むしろ高くあるべきだという答弁があったわけであります。しかし、第二の点、第一の点は、明らかに石田総裁は、ベースアップをやるべきだと積極的な意見を持っているのですね。しかも、六百円なんというのは、こんなものは瀬踏みの段階だ、アドバルーンを上げただけで、相当額のベースアップを必要とするのだ、そうしなければこの問題の解決にはならぬのだということを強く公労委に意見を開陳しておる。公労委としては非常に好感を持って、直ちに作業を開始するというようなことを伝えられておりますけれども、郵政当局としてはどうなんですか、そういうことを公労委で言ったことはありますか。
○政府委員(増森孝君) 先ほどから郵政省は熱意がないじゃないかというお話でございましたけれども、これは去年からことしにかけました団体交渉は、少し趣をかえております。と申しますのは、先ほど永岡先生に御答弁申し上げたように、まず土俵をつくろうではないか、三つの原則をひとつきめて、そしてその間から数字を持ち寄って団体交渉を煮詰めようじゃないかという原則論を省側から提示したにもかかわらず、全逓のほうではそれに乗らない。ただ単に、六千円が組合員からの大多数の要望であるということと、欧州並みの賃金であるということで、つまりわれわれが筋を立てて、そして原則を示す、そうしてその間から数字を持ち寄って団体交渉を煮詰めるという態度をとっておったのでありまして、いままでの、昨年までの団体交渉とはやや趣をかえておるということを、この際申し上げておきたいと思います。
○横川正市君 関連して。人事局長の三つのこの問題というのは、一体何ですか。たとえば、あなたのほうで調停に入る前ですが、初任給六百円、賃上げをすると百円くらいなものを提示しましたね。あなたのほうがその三つの原則にのっとって組合側の要求にこたえて組合側が土俵に乗ってくれれば出そうと言っていたものは、一体幾らくらいですか。それが結果的には馬脚をあらわしておいて、土俵に乗らぬ乗らぬということだけを宣伝されるということは、これははた迷惑ですよ。そうでなくて、民間の賃金との間には、いわゆるとりようもありますけれども、三千円の違いがある。それから、いままでの経過からいってみれば、国鉄との間にもう千円近い賃金差があります。あなたのほうでは、国鉄と同じなんだ、労働の質も量も同じだと言っていれば、民間との賃金の三千円を埋めれば、国鉄との千円の賃金を埋めれば、四千円がやはり必要だということになります。それを百円という回答を出しておいて、そうして土俵に乗らぬというのは、それはちょっとおかしいじゃないですか。
○政府委員(増森孝君) 私どもは、団体交渉の中で数字をとにかく持ち寄って相談してみよう——出せるか出せないかということは第二の問題で、第一の問題では、ひとつ数字を持ち寄って交渉に乗せる、こういうことだったのでございます。
○久保等君 ちょっと関連ですが、私は答弁は大臣からひとつ直接簡潔に答えてもらいたいと思うのです。それを事務当局のいままでの交渉経過についてああだこうだというような話をしておっても、始まらぬと思うのです。いまの野上委員の質問も、調停委員会において国鉄総裁のいろいろ国鉄の現状についての率直な意見の開陳があったが、一体郵政の場合にはそういう意見の開陳をしたかどうかということを尋ねておるので、それをやったらやった、やらないならやらないという答弁をしてもらいたい。過去の団交の経過について質問をしているのじゃないですから。
○国務大臣(古池信三君) 私は石田総裁がどういう返事をされたかということは直接聞いておりませんが、いま野上委員からお話を承りますと、三つばかり要点があるということでございます。その第一は六百円の初任給引き上げは瀬踏みである、第二は大幅の引き上げが必要であると思う、第三には格差があってしかるべきである、こういう御意見のように承ったのです。私は別に、この第一の問題が瀬踏みであって、どうこうというようなことは考えておりません。また、できるならば、事情が許せば引き上げたいという気持ちは持っておるということは、先ほど来再々申し上げております。 第三の問題については、全逓にしましても、全電通にしましても、国鉄の従業員とそんなに労働条件が違ってこちらがたやすいものだというふうには決して考えておらない、かように思います。
○野上元君 その調停委員会における石田総裁の発言の内容なんですが、あなたのほうでは、いま調停委員会で意見を開陳されておる額は、決して瀬踏みではない、それは郵政省の考え方なんだ、これは確固不動なものだ、こういうふうに言われているわけです。そうしますと、国鉄のほうは、とにかく六百円なんていうことで解決しようとは思っておりません——これは石田総裁はっきり言っているわけです。そして相当のベースアップは必要である、こういうふうにはっきり言い切っている以上は、おそらく調停委員会はその線に沿って動くと思います。そうなると、郵政あるいは電電公社等は、あなた方ががんばっておられる数字が調停委員会の一つの参考の数字になろうかと思います。そうすると、相当大きな開きが出てくることも予想されまするけれども、それはいいんですか。その点は、郵政当局としては、国鉄は高くてもやむを得ない、郵政はあなたがいま申されておるような額でやるべきである、こういうふうにお考えなのか、その点をはっきり聞いておきたい。
○国務大臣(古池信三君) 石田総裁がどういう意図をもって言われたのか、それらについては、これはもう石田総裁の責任において言われたことでありまするから、私としては関知することができない問題であります。しかし、調停の結果が必ず国鉄が高いとか安いとかいうことは、予断を許さない。これは今後の問題でありまするから、そういう仮定のことを前提としてここでお答えすることは、私は差し控えたいと思います。
○永岡光治君 だんだん核心に触れてまいったわけですが、私は、国鉄総裁が主張することは間違いない。かりに調停に格差が出る段階になったら、あなた方どういう決意をもってこれに抵抗して格差のないようにするか、その決意をひとつ聞かしていただきたいと思います。
○国務大臣(古池信三君) いずれこの問題は、最終的に決定する場合には、これは政府あるいは三公社五現業は十分に打ち合わせをしなければならぬと思っております。したがって、そういう場合には、私どもの信念は十分に述べて、その信念を通すつもりでおります。
○永岡光治君 したがって、最悪の事態を予想いたしますと、調停にかかって三百円、五百円あるいは一千円になるかもしれぬ、国鉄の高いという調停が出た、その場合には、実施段階において、その調停案にもかかわらず、郵政、電電は開きは認めないのだということで国鉄並みの賃金を出しますね、そのことをひとつ念を押しておきたい。
○国務大臣(古池信三君) 調停がまだ出ておりませんから、それを前提にお話しすることは、私も非常に無理だと思います。調停委員会が第三者の公平な立場として調停をしてその案を示した場合に、われわれとしてはそれを無視する、あるいは尊重をしないということも、これはなかなか困難ではあるまいか、そういう点も十分こちらは心に持ちながら、財政上、予算上のことも考えて適当な線に落ちつけていく、それには政府部内においては十分に意思の統一もはかり、協議をしてやっていくべきだ、こう考えております。
○永岡光治君 これは非常に大切な問題になってくるわけですが、労働問題について経験の深い皆さんでありますから、最初核心に触れる問題になると思います。時期はいずれにいたしましても、調停の出ることは間違いない。あるいは仲裁になるかもしれませんが——その際に、郵政大臣、電電公社総裁は、それは国鉄と比較して低いことはあり得ない、むしろ高くてもいいんだ、こういう考えを持っている。ところが、いま野上委員の説明にもあるように、国鉄総裁としては、これは国鉄のほうが高くていいのだということでしきりに努力されていると思うのですね。私は結果がそうでないことを望むのでありますが、かりに格差が出てきたという仲裁なり調停案が出た際に、あなたは努力されると言うけれども、努力の段階はその調停の出る段階が一つあると思う。不幸にして格差がついた結論が出た際における、その後における努力は一体何か。調停が出てもそれ以上やって悪いということはないのですからね、大臣。あなた方はその権限を持っておいでになるのだから、電電公社総裁でもそのことを持っておいでになるのだから、調停以上のものを出したからといっても違法ではないと思います。そういう決意があるならば、不満な調停が出るならばそれ以上のものを出すという決意があるのじゃないか、また、それなくしてはおそらく調停段階でもふんばれないのじゃないかと、こう思うのです。そうでなければ、ただ努力をします、私はそういう決意ですと言っても、これは水泡に帰すと思うのでありますが、それをぴしっとここの委員会において答弁をしていただきたいと思います。
○国務大臣(古池信三君) いまの段階におきましては、私としては調停案を見た上で諸般の事情を勘案して善処をいたしたいと、こう申し上げるほかにはないと思います。
○野上元君 私は石田総裁が何と言われたか知らぬと、こう言っておるのですが、私はそういう点が非常に不満なんですね。これは重大な問題じゃないですか。格差をつけるということを運動しておるのですよ、国鉄総裁は。そうして六百円なんというあんなものは瀬踏みだと言っておるのですよ。あなた方は最初は国家の意思を統一しておそらくやられたと思うのだ。ところが、国鉄だけは先行しておるわけですよ。それでもあなたは何と言われたか、そんなことは私の知ったことじゃないと、こう言っておりますね。石田総裁がそういうことを言ったか、言っていないかということも知らないのではないか。確かめてみないですか。きのう言っておるのですからね、相当時間が経過しているのですよ。こういう重大な問題を、私のほうは基本方針どおりいくのだ、ヘビが棒のんだようなことを言っておっていいのですか。そういうことで郵政従業員、電電公社職員は満足するのですか。そういうところにあなた方はちっとも積極的な意欲がないと思うのだね。なぜあなた方はみずから言わないのですか、これくらいのことは。相当のベースアップは必要だ、それくらいのことを言わないでどうして争議を解決しようとするのですか。もしも石田総裁がそういうことを言ったということが事実であるならば、あなた方はいままでの方針を変えてあらためて方針を立て直すかどうか、その点を聞いておきます。
○国務大臣(古池信三君) 石田総裁の発言によって私の方針を変えるということはございません。
○久保等君 私は、時間がございませんから、簡潔に大臣並びに電電公社の総裁に二、三お尋ねをしたいと思います。 先ほど来のいろいろ質疑のやり取りで、郵政大臣のお考えについてはきわめて不満ですが、質疑応答の中から一応の考え方だけはほぼ明らかになった。しかし問題は、これまた過去のことをとやかく言ってみても始まらぬと思いますが、十七日のストの事態に対して、どう一体これを収拾し対処していくかという最大の責任は郵政大臣にあると思うのです。郵政大臣の場合には、これは単に監督官庁の郵政大臣、運輸大臣という立場とは全然私は比重の違った重要な責任があると思います。郵政省の二十数万の職員をかかえたいわば労使の使のほうに当たるあなたは最高責任者です。加えて電電公社なりあるいは国際電電といったような自分みずからの監督事業も持っているわけです。そういう点を考えますと、先ほど来人事局長の答弁せられておる事務当局としての答弁について、ある程度私は立場上わからないでもないのです。しかし問題は、先ほど来言われておるように、予算がないからやれませんという、これは事務当局としてはそれも一つの答弁でしょう。しかし私は、郵政大臣という大臣は、これは閣僚の一人としても重要な責任のある大臣である。これは池田内閣において最も重大な責任を負った大臣はだれかといえば、古池郵政大臣だと私は思うのです。その郵政大臣のベースアップの問題に対処する心がまえなり取り組み方の経過を先ほど来お聞きしておって、やりたい気持ちはあるのだ、諸般の事情が許せばやるのだ、一言にしていえばそれだけです。しかし、諸般の事情とは一体何か。今日の段階まで来ると、私は、先ほど来所得倍増論の話もいろいろお聞きしておって、所得倍増政策の問題についても、池田内閣の掲げた所得倍増政策に対して、郵政大臣としては一体具体的にどうするかという倍増政策があってしかるべきです。しかも、二十数万の従業員を持ち、配下にはやはり四十数万、五十万近い職員を直接間接かかえている郵政大臣としては、所得倍増政策を具体的に今後どうするかという、あなたは倍増する必要がないというなら、〇・八倍か、〇・五倍かしりませんけれども、いずれこれに対する倍増政策を持ってしかるべきです。あるいは国民一般の倍増政策であって、何も個々の個人には必ずしも所得が倍になる政策ではありませんよ、言いかえれば、私は別に倍増政策はやらなくてもいいと思うというような答弁です。私はそういう無責任な答弁では済まされないと思うのです。 そこで問題は、私は、十七日の問題ですけれども、これに対して何らかの政治的な手を打って解決をせられなければならぬとお考えになっておるのか、どうなのか。事務当局で答弁する段階では私はないと思うのです。予算の上ではじけば、これは予算はありません、それだけの話です。だけれども、私はこの際、あなたが実質的に動くとすれば、明日——まるまるあるのは明日だけです、はっきり言って。この緊急事態を迎えて政治的な何らかの手を打って事態の収拾をやろうと——ここで金額を幾ら出すという話まで私は突っ込んだ話を聞こうとは思いませんけれども、時間がないからそこまでは私は追及しませんが、政治的な何らかの、池田内閣全体がほんとうに正面にこの問題と取り組んで解決しなければならぬ、また、自分もその熱意を持っているのだ、したがって、ぜひひとつ何とか、自分が中心になってでも、関係閣僚なりあるいは関係公社なり、関係者を集めて、自分が中心になって、とにかくこの事態を解決をするために政治的な手を打たなければならぬという、一体決意と、ほんとうにお考えがあるのかないのか。きわめて抽象的でしょうが、先ほど来の質疑の経過の結論ですから、大体私の聞かんとする気持ちはおわかり願えると思うのですが、どうですか、大臣。
○国務大臣(古池信三君) お話のとおり、非常に私としては重大な責任を感じております。何とかして十七日のストライキはやらないように、あくまで従業員の諸君にそのことをお話をし、理解を願いたい、こう考えております。また閣内におきましても他の閣僚にも十分その意味におきまして協力を願い、あくまでもこのストライキを回避するような線で努力をいたしたいと考えております。
○久保等君 ただ、いま言うのも、何か話が半分横に向いたような話で、ストライキをやめさせるように、やめるように組合等にもひとつやはり何とか協力してもらうように話してみたいと——問題は、だから、賃金問題なんですから、今度のこのストぐらい純粋な経済問題、労働組合本来の目的のためにずっと長い経過をたどってきて今日に至っておること、御承知のとおりです。だから、問題の解決は、要するに経済問題、賃金問題に対しては、政府は何らかの具体策をもって対処しない限り、問題は解決しないというのは、これはもう明々白々の事実です。金額の多寡の問題、ここで金額は幾らとかなんとかという話はいたしません。また、ここでそういうことを言ったって、大臣の答弁できる問題ではないと思うのです。いずれにしてもそこに問題の焦点があることだけは、私は大臣も認められると思うのですが、どうですか。イエスかノーか、簡単に答えてもらえばけっこうです。
○国務大臣(古池信三君) いまあなたのおっしゃっておられまする意味は、私よく了解いたします。
○久保等君 意味はそのとおりと了解していいですか。ちょっと語尾のほうがはっきりしない。
○国務大臣(古池信三君) ただ、その点について、今後具体的にどうするかというようなことは、この段階では私は申し上げかねます。
○久保等君 だから、具体的にお答えを願おうと思っておりません。具体的というのは、金額まで入れた話でなければ具体的じゃありませんよ。少なくとも経済的な問題について、私自体がやはり政治的な立場からそういった問題と取り組んで解決するように全面的な努力をします、という御答弁が願えないですか。
○国務大臣(古池信三君) 政府部内で十分に協議いたします。
○久保等君 結局当面の問題については、私は、ただいま申し上げたことについて、最大の、それこそ郵政大臣として閣内で最重要な責任を持つ大臣なんですから、そういう立場で、私は、直接それこそ池田総理と十分に相談せられる必要があると思うのです。外に向かって言う話ではなくて、もう今日は、閣内において総理と直接よく話し合いをされて、このベースアップの問題についてひとつ対処してもらいたい、このことを強く申し上げますが、同時にこれは先ほど来のお話の中に一言も出なかったのですが、たとえば国際電電あたりの問題にしても、これも解決していない。これなんかは、私は経済的な問題からいえば、ほとんど財政上あるいは会計上、経理上といったような問題ないのじゃないかと思うんです。ところが、こういった問題も実は片づいていない。こういった問題なんかについても、これは郵政大臣の立場からいえば、当然これに対して円満解決するような方向で指導すべき問題だと思います。こういう問題については、一言にして、簡単にひとつお話を願いたいと思います。
○国務大臣(古池信三君) お説のように、私は自分で郵政事業の管理者の責任にあると同時に、電電公社並びに国際電電の監督の立場にあります。したがって、電電公社なりあるいは国際電電の労使の関係がうまくいくように念願をしておりますけれども、やはり労使関係の問題というものはそれぞれルールがあって、これに従ってやるわけでございますから、こちらがあまり出しゃばって干渉するというようなことができない場合があるだろうと思います。もちろん国際電電におきましても、どこにおきましても、労使関係が円満にいくということは、私として念願するところであり、また、ワクを出ないいわゆる法の定めるところに従ってとるべき措置があれば十分それはとっていきたいと考えます。
○久保等君 そういうかた苦しい法律のワク内でとかなんとかいうことでなくて、国際電電なんかの場合についても、これは経理上はまたきわめて私は問題になる企業でないと思いますだけに、そういった問題等についても、何も労使関係に容喙しろとか言っているのではさらさらない。円満な事態の解決のために、私はいい意味の、大臣が経営者に対して、やはり公式でなくても、指導なりあるいは助言なりすべき段階においてはやはり積極的にやっていく、決して容喙をするという立場で申し上げているのではないのですから、その点は誤解のないようにしてもらいたいと思いますが、こういった問題までがやはり何か今日未解決のままにあるということは、これは郵政大臣としての責任が一半にあると思います。こうした問題について、適時適切に、やはりかた苦しい意味でなくて私は申し上げているんですから、ぜひ早期にひとつ円満に解決したらどうか。もし経営者側の、会社側に何か事態を遷延しているという要素があるならば、この際思い切って解決したらどうか。こういう話はときどき私はやってけっこうだと思います。そういう意味で申し上げているんですから、特別何かかみしもを着て、監督大臣としての立場からひとつ指示を与えるとか、そういうかた苦しいことを申し上げているのじゃないのですから、私の申し上げることについては、全面的に御賛成願えると思いますが、いかがですか。
○国務大臣(古池信三君) 了承いたしました。
○久保等君 それから、私は電電公社の総裁にこの際、時間がございませんから、簡単に一、二だけお伺いしますが、先ほど来の質疑応答については、私も繰り返して申し上げません。しかし、国鉄総裁の発言がいろいろ世の脚光を浴びているんです。私は、もちろん格差の問題もあるでしょうが、しかし、本来今度の大幅ベースアップの問題は、そういう格差の問題とか云々の問題じゃなくて、あるいは池田内閣の経済政策の失敗からくる物価高による面が最大の原因であることは間違いないと思います。そういう問題に対しては、これは電電公社の総裁の立場でも解決できない問題があると思います。したがって、先ほど来郵政大臣に申し上げておったような問題は、これは郵政大臣、いわゆる全般的な問題としてぜひひとつ閣内で強硬に主張願い、事態の解決にそれこそ最善の努力をしてもらいたいと思いますが、ただ電電公社の事業だけについて考えてみますると、今日第三次五カ年計画を控えて第二年度目に入ったわけです。そういう重要段階を控えて、私はやはり従業員の立場からいえば、電信電話事業というものはこれだけ思い切った拡充計画をやる中で要求書を出した。それについては、ゼロ回答だ、これに対しては、やはり従業員の立場からいえば、私は納得できないと思う。全くもっともだと思うのです。昨年の九月に要求書を出して以来本年の二月まで回答が何かなかったようですが、長い間、四カ月ばかり時間をかけて慎重に検討せられたようですが、得た結論は、やはりゼロ回答だった。先ほど来お話があったように、初任給だけの引き上げについては、これもまた電電公社も右へならえして六百円ということで手直しをしようということになったようですが、これは本来の給与アップの要求に対する回答には全然なっていないのです。したがって、一体私は電電公社の総裁といえども、先ほどお話があったように、予算上、予算的にも、あるいはまた電電公社法のたてまえからいっても、なかなかまあ手を縛られ足を縛られたような制度になっておりますから、総裁一存ではできないにいたしましても、しかし、やはり総裁の気持ちとしてでも、現状ではやはりいけないのだ、ベースアップしなければいけないのだ、しかも、それは相当ベースアップをやらなければならないのだという気持ち程度はこれはお持ちであってしかるべきであるし、そういったことが一体団体交渉の席上あたりで、私は、その相手方に以心伝心というか、そういった形で伝わったかどうかの問題を考えてみても、どうもそういうあまり経過を私は確認して聞いていないのですが、今日の段階で、過去のことは別問題として、やはり相当な給与改善をやらなければならぬだろう、しかも、四月十七日のことを考えるならば、この際やはり相当な給与改善はやらざるを得ないだろう、じゃ具体的にどうするかという問題になると、総裁一存でここでどうこう右から左に答弁をいただくことは無理だと思いますが、そのことについてどういうようにお考えになっておりますか。公社としての特殊な、特に第三次五カ年計画を遂行途中で、きわめてその問題のある合理化計画も進めなければならぬ。例の自動化に伴う退職者に対して特別のまあ手当を出そうというような法律案も、いわば私は思い切った合理化計画を進めることによって出てくる過員——組合のほうでは首切りと言っておりますが、私は実質的には首切りにつながっておると思うのですけれども、そういったようなことまでやらなければならぬほど、いわば過大な計画を進めなければならぬという場合に、一体一般従業員の給与問題については、これまた従来どおりでいいのだというふうには考えられないと思うのですが、総裁の——時間もございませんから、私はあまり一問一答式のお答えをいただくわけにもまいらないと思うのですが、総裁のひとつ決意のほどをお伺いいたしたいと思います。
○説明員(大橋八郎君) 私の待遇改善に関する心持ちは、先ほど一応お答え申し上げたことで御了解得たと思いますが、重ねて申し上げますと、従業員の待遇改善については、常に私はその改善をやらなければならぬということは念願いたしておるのであります。先ほども申し上げましたとおり、合理的な根拠があり、しかも、公社の財政状態が許すならば、できる限り待遇改善をやっていきたいという心持ちは常に持っておる次第でございます。ただ今年のベースアップの問題に関しましては、御承知のとおり、私どもとしては、公務員の給与との関係あるいは消費者物価の関係、国民経済の関係、また公社の財政状態、その他の点、いろいろな角度から総合的に勘案いたしまして、御承知のような回答を最後にやっておる現状でございます。しかし、私どもとしてはすでにこの問題は組合からの発意によって公平な第三者機関である公労委に、調停にかかっておるわけでございます。もう相当時間もたっておりますので、一応両者の意見をお聞きくださったことでありますから、おそらく私どもとしては、できるならば十七日以前に何らかの調停案が示されるのじゃないかという期待も私どもは持っておるわけでございます。もし私どもの期待のごとく調停委員会の案が示されますれば、その案を拝見いたしまして、でき得る限り第三者機関である委員会の精神を尊重して慎重に検討してまいりたいと考えております。
○久保等君 ただ総裁のいま言われる調停委員会で何らかの調停案が示されることを期待すると言っておられるのだけれども、ほんとうにその意味なんですか。相当の期待を、期待可能性をお持ちになれますか。あす、あさっての話ですが。
○説明員(大橋八郎君) 私は自分としてはできるだけ示されることを期待いたしておるわけでございます。
○久保等君 これはまあ天から何かもらい水みたいな気持ちで待っておられても、事ここまでくると私はそうはなかなか、第三者機関といってもきわめて機能的に、また、きわめて能率的にはなかなかいけない面もあると思うのです。そこで、先ほどから郵政大臣に私強く要望したことは、政府みずからがやはり労使関係の問題について、特に郵政大臣の場合には、労使の使に当たるのですから、そういう立場のものはみずからの問題として積極的に解決しないで、第三者機関に事態をまかせ切りだ、しかも、緊急な事態を迎えてなおかつそういう態度をとっておるということでは、問題解決しないと思うのです。そうすると結局、結果がうまくいかなかったときには、第三者機関のところで結論が出なかったから、政府としても手の打ちようがなかったというような一手は、私はこういう緊急事態の場合は許されない。それこそ総理が組合の最高幹部とでも会おうかというような話も、ちらほら新聞紙上では伝えられておりますが、私はやはり、アメリカなんかでも長い間ストライキをやった結果は、ついに大統領がみずから乗り出していって、それで徹夜でもって一晩二晩と交渉をやってそれで妥結をしたというような前例も二、三過去において聞いておるわけだ。ところが、日本の場合においては、どうも労使慣行の問題については、形式的に事務当局のところでやりとりをした。労使で団体交渉をし最終的段階にいくと第三者機関。尊重したかというと一〇〇%尊重しないで、いや、その実施期間はずっとおくらせてこれを実施するといったようなことで、きわめて無責任。積極性がない。私は、いままでのような態度では今日のこの事態を円満に解決するというようなことはほとんど困難だ。総裁の立場も私はわからないではございません。ただしかし、いま言われたように、調停委員会の調停案の出ることに期待を一切かけておるともし判断するならば、私はこれはきわめて危険だと思う。したがって、私は、総裁に、では一体この際ベースアップ問題についてどうするということを、ここで明言をいただくことはもちろん不可能でありますし、また、非常にそういったこと自体については困難な問題があろうと思うのですが、ただ私のむしろここで総裁に強く要望申し上げたいと思うことは、調停委員会に何かきょうあたりも御出席になるような予定があるんじゃないかと思うのですが、私はやはり、何かいままでのこのベースアップ問題に対する取り組み方について迫力がない。できるできないは、満額要求にこたえ得るか得ないかは別としても、これに対するやはり取り組み方について、いままでのところどうも熱意が、外から見ておるとそれほど受け取れない。そこに私は問題があると思う。だから私は、ぜひひとつ調停委員会の場での問題としては、これは今日ただいまの問題です。このことについては、私はぜひひとつ電通事業の今日の第三次五カ年計画そのものは難航に難航を重ねながら、膨大な資金調達をやって、計画を少なくとも予定どおり実施をしておるわけです。先ほど予算が許せばというお話ですが、私は、電電公社の場合は、ベースアップをしようと思えばできないことは絶対にないのです。もちろん拡充計画の資金需要の面からいえば多々ますます弁ずですから、幾らでも資金はほしい。そういう面、要望はありますし、したがって、給与に回す金はないのだといえばそれ切りかもしれません。しかし、電通の立場から電信電話事業の経営と、普通の常識からいえば資金を出そうと思えば幾らでもあるのです。幾らでもと言うのは少し語弊がありますが、組合の要求しておる五千円であろうと六千円であろうと、やはりやろうと思って出せないことはない。絶対に不可能ではないのです。もちろん計画変更その他の問題は出てきますが、ともかく損益勘定面の特別予算とかなんとかいう問題はないと思う。したがって、そういった問題になると、これは単に一電電公社でやり得る問題ではない。したがって、これは郵政大臣の——電電公社内部に規定せられた郵政大臣のそれこそ権限と立場でなければできない大きな問題です。私は、したがってこれは、郵政大臣も電電公社も一緒にして要望申し上げておるんでありますが、まず今日までの取り組んできた取り組み方については、きわめて私は、気持ちの上でどれだけの熱意があっても、そこにあらわれなければこれは熱意があるとは言えません。したがって、ぜひひとつ、それが第三者が見ておってもほんとうに一生懸命やっておられるという外から認められる程度の熱意と努力だけはこれは絶対やってもらわなければいかぬし、それから、十七日の事態回避のために、これは先ほども申し上げたように、やはり経済要求に対しては経済回答をもってしなければ事態の解決にはならぬ。したがって、そのことについて政府みずからが、私は、具体的なひとつ金額を示し、そうしてみずから事態の収拾に当たる、もちろん第三者機関を無視せいという気持ちはさらさらございませんが、十分にひとつ関係方面と連絡をとられて、今日もはやここまで事態がくると、郵政大臣また電電公社総裁みずからがこの問題と取り組んでいってもらいたい。このことをひとつ強く申し上げまして、私、時間がございませんから、きょうのところこの質問は打ち切ります。 しかし、事態が今日どういうように発展していくか、全くわれわれとしても心配にたえないところであるし、ましてや国民から見ればなおさらのことでありますが、そういう立場で当委員会としても、私は、連日この問題について徹底的にひとつ、大臣あるいは総裁のこの事態収拾に対してとっておられる態度、経過等についてもお聞きしなければならぬと思います。そのくらい真剣にやはりこの問題には取り組んでわれわれもいかなければならぬと思っております。したがって、最後に私は、総裁並びに郵政大臣から、いままでの過去のことを別にして、ここ一両日の間にとるべき基本的な考え方について、ぜひひとつ承りたいと思うのです。事情が許せばやることにできるだけ努力しますとか、そんな程度では私は許されないと思う。ぜひひとつ今後の取り組み方の所信についてお伺いしたいと思う。
○国務大臣(古池信三君) 先ほどから重ね重ね御意見並びに御質問いただきましたが、この重大な段階におきまして、私もあくまでこのストを回避するように、事態をおさめるように最善の努力をいたしたいと思っております。
○説明員(大橋八郎君) 事態が非常に急迫していることは御指摘のとおりであります。私どもも、この事態が最悪の事態にならないようにできるだけ努力をいたしたいということは念願いたしておるわけであります。
○野上元君 もう一つだけ、質問というよりも要望しておきたいと思うんですが、郵政関係には郵便物の輸送を受け持っている日本逓送株式会社があるわけです。これは会社ですから直接関係があるとは蓄えないと思うんですが、一部郵便の業務を実施しておるわけですから、そういう意味で業務的に関連がありますので要望して申しておきたいと思うんですが、聞くところによると、この日逓も同様に賃金の要求をして、そうして四月十七日に、交渉が決裂すれば、あるいは調停あっせんが不調に終わるということになれば、ストライキに入る、こういうことをいっておるわけであります。これもまた郵便物の逓送がとまるわけですから、相当重大な影響を持つと思います。で、私も実は心配いたしまして、日逓の労働組合の諸君といろいろ話をしました。内容をいろいろ聞いてみますると、確かに無理からぬ事情が非常にたくさんあるように思います。一々ここで私は申し上げませんが、そういう点については、郵政当局も十分にひとつ好意のある、そして理解のある態度で対処してもらいたいと思うんです。申し上げるまでもなく、日逓の経営の内容は、郵政特別会計の一部をさいてその金で運営をしておるわけですから、郵政特別会計からもらう金がきまっておるという現状で、それ以上の収入ということはちょっと困難の情勢にあるわけですから、したがって、郵政当局が好意と理解を示してもらわないと、この問題の解決にはどうにもならないということが当然予想できるわけでありますから、この機会に郵政省が積極的にこの日逓の労働条件、あるいは経営の内容等について十分に検討を加えられて、理解ある処置をしていただきたいと思うのでありますが、これについて、何か郵政当局のほうで現在持っておられる施策があればお聞かせをいただきたい。
○国務大臣(古池信三君) 日本逓送株式会社の問題につきましては、労使間の関係は、これは会社でありますから、当然会社のほうで自主的にやっていただくわけでありますが、その会社の収入の源泉はただいまお話のように郵政省にあるわけでございます。この問題については、かねてからそういう点も耳にいたし、事務当局に検討を指示しております。これは多少運輸省にも関係する点がありますが、十分に郵政事業の財政状況も考慮しながら、この場合善処していきたいと、こう考えております。
○野上元君 ちょうど幸いに郵務局長も見えておるようですから、いま善処されておるという具体的内容についてお聞きかせできればお話をいただきたいと思います。
○政府委員(佐方信博君) 日逓の問題につきましては、大臣がお話のとおり、一応労使間でいろいろな話をいたしまして、ただいまのところ、千四百円、定期昇給を含めてベースアップをするという返事が会社から出ておるわけでございますけれども、組合側がそれを不満といたしまして仲労委にあっせんを持ち込みましたけれども、あっせんが不調になって、先生御指摘のように、十七日にはストをやるというような話になっておるわけでございます。で、会社の内容につきましては、御指摘のように、ほとんど郵政省の支払います運送料が大半でございますために、いまのところ、非常に経済が苦しくてぎりぎりの線を出しておるだろうと思うわけでございます。そこで、先ほどお話がございましたように、結局基本的には運賃率の問題にかかってくるわけでございますけれども、これは他のバス業者その他との関連から、いろいろな資料がたくさん要るだろうと思うわけでございます。それはそれといたしまして、郵政省限りの問題になる点につきましては、前年来、大臣のお話もございましたように、いろいろなことで筋の通ることはめんどうを見ようというようなことにいたしまして、移送料の問題でありますとか、それから傭車の関係等につきまして、筋の通る限り郵政省でできることは見ていこうということで、幾分かの経費の増加は見てきておる実情でございます。
○野上元君 ここではもうそれ以上詳しいことはお聞きしたいとは思いませんが、ただ一つ要望しておきたいのは、どうかひとつ事情を十分に検討されて、先ほど来申し上げておりますように、好意的に、かつ理解ある態度でこれの処理に当たっていただきたい、解決に当たっていただきたいということを特に希望申し上げますが、その点はよろしゅうございましょうか。
○国務大臣(古池信三君) その御趣旨を十分承って事務的に善処していきたいと思います。
○横川正市君 いまの日逓問題で野上委員から締めくくりみたいな質問がありましたから、私も、この点は要望をいたしておきたいと思うのですが、いま日逓の運転手の初任給は一万七千四百三十三円で、これでは運転手が雇えないので、一ヵ月四万円から五万円を出して臨時運転手で業務の運行をしているというような状態が訴えられているわけです。こんなのはおかしいと思うのですよね。実際には、郵便の分担業務の一端をになっているわけなんですから、もう少し郵政省は、やはりとの時代の推移というものや何かで困っているという事情が、話がわかれば、対処してやるべきだと私は思うのです。この点は、ひとつ野上委員の要望と加えて早急にこの善処方を強く要望いたしておきます。 それから私は、まああなたたち給料もらっているわけですが、あなたたちが一回も賃上げを要求しないのに、相手側が上げてくれるわけじゃないのですね、実際は。みんな組合側が要求して、要求すれば公務員法のいわゆるその給与法に基づいて上がっただけもらうわけですよ。私はもう少し、だから賃金というのはどういうふうなものなのか、それからどういう状況だからどれだけ出さなければいけないのかという積極的な意思というものがあって、初めて三十万のこの業務をあずかる郵政省の管理者の任務も私は遂行できるのだと思うのです。もうほかのほうからわいわい騒いで、処分も受けている、首も切られた、手当が出た、それは自分のふところに入れるというのは、これはおかしいですよ。もう少し具体的な内容を出して、そうしてこの問題の解決をしていただきたいと思う。私は、経験からいえば、一度郵政省は給与総額に赤字を出して、ある人が処分を受けるというような問題が出たことがありました。そのときが、ようやくほかのこの関係と比べてみてちょっぴり郵政職員の賃金がよかったという時期です。そのあとずっと悪いです。それから三十四年か五年には、国鉄と七百円の賃金差、それからいまはおそらく千円くらいの賃金差が出ているでしょう。そういう賃金差が出ても、大臣の答弁では、差はないのだと言いながら、実際はその差を受け入れてのんでいるわけです。ところが、三十年ごろの郵政省の賃金のときには、これでは困るといって、郵政省が積極的に調停あるいは仲裁に訴えて、そうして他の企業との間に賃金差をつけないような努力をしたことがある。そういう気概がどうもここ数年の間になくなってしまって、非常に賃金その他で不満を買っているということになっているわけで、経過から見ますといろいろな問題がありますから、この点については、ぜひひとつもっと積極的に解決のできるように努力をしていただきたいと思うのです。これは電通の場合も同じです。私もたくさんきょう質問を持っておりますけれども、きょうは二つの要望だけにとどめて、まだ十七日を前にして緊迫した情勢があるから、逓信委員会が開かれるということを当然私も期待して、そのときに質問は譲りたいと思っていますから、二つだけ要望しておきます。
○委員長(光村甚助君) 本件については、本日はこの程度にいたします。 これにて散会いたします。 午後二時一分散会 ————・————